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    二宮飛鳥「ミッドナイトは渋滞中」

    1: ◆uMEAzbBMSc 2018/02/02(金) 22:57:30.91 ID:vG4Upm/S0

    P「……進まないなぁ」

    飛鳥「…」

    P「…ありゃ」

    飛鳥「……」

    P「寝ちゃったか」

    飛鳥「…起きてる」

    P「おっとぉ」

    飛鳥「返事を考えていただけさ……よし。決めた」

    P「ほう、じゃあ改めて」



    P「進まないな」

    飛鳥「そうだね」

    P「塩対応…」



    2: ◆uMEAzbBMSc 2018/02/02(金) 22:58:30.58 ID:vG4Upm/S0

    飛鳥「仕方ないだろう。何度目だい、そのセリフ」

    P「ごめん覚えてない」

    飛鳥「5回目。正直、もう聞き飽きた」

    P「数えてんのかい…」

    飛鳥「他にすることがないから」

    P「それもそっか」

    飛鳥「やれやれ…」

    P「……悪かったよ、今日は本当に」

    飛鳥「…キミの所為じゃないさ」


    3: ◆uMEAzbBMSc 2018/02/02(金) 23:00:11.00 ID:vG4Upm/S0

    P「だって、車で送るって言っちゃったのは俺だし」

    飛鳥「いつも通りじゃないか」

    P「一度事務所に戻ってれば、歩いて帰れたかもしれないでしょ」

    飛鳥「同じだよ。君のことだ、どうせ寮まで送ると提案してくれただろう」

    飛鳥「『夜中に独りで歩かせるなんてダメだ』、なんて言ってね」

    P「…む」

    飛鳥「そしてボクはそれを受け入れる。所謂いつもの流れってヤツさ」

    飛鳥「だから、誰かが悪いなんてことじゃない」

    P「…まさか路線事故で渋滞することになるとは思わなかったなぁ」

    飛鳥「敢えて言うならば……これがセカイが示した、せんた、くぁ…」

    P「はは、欠伸出てるぞ」

    飛鳥「……セカイの選択、といったところ、かな」


    4: ◆uMEAzbBMSc 2018/02/02(金) 23:02:00.17 ID:vG4Upm/S0

    P「疲れてるだろうし、寝てても良いって言ってるのに」

    飛鳥「車の中で寝たところで、取れる疲労なんて大したものじゃない」

    P「目瞑るだけでも大分違うもんだぞ?」

    飛鳥「…それに、キミが退屈だろう」

    P「俺のことより自分のことをだな…」

    飛鳥「そっくりそのままお返しするよ。キミだって疲れてる」

    P「俺は大丈夫だけど」

    飛鳥「ならボクも大丈夫だ」

    P「…そーかい」

    飛鳥「ああ」

    P「……進まないなぁ」

    飛鳥「6回目」

    P「っとと」

    5: ◆uMEAzbBMSc 2018/02/02(金) 23:03:17.08 ID:vG4Upm/S0

    P「駄目だな、愚痴みたくなってしまう」

    飛鳥「仕方ないさ。こんな状況なんだから」

    P「よし決めた、これから『進まない』禁止」

    飛鳥「ふふ。なら、何とか気を紛らわせないと」

    P「…とは言っても。もう一通りやっちゃったんだよな」

    飛鳥「しりとりなら、先程済ませてしまったね」

    P「決着も付かないし、30分もったのは頑張った方だと思う」

    飛鳥「またやるのなら受けて立つけれど」

    P「遠慮しとく。お前の語彙力にゃ勝てん」

    飛鳥「…そう」フフ

    6: ◆uMEAzbBMSc 2018/02/02(金) 23:04:18.06 ID:vG4Upm/S0

    P「車のナンバープレートで算数対決やんのも飽きたし」

    飛鳥「此処から見える数字は、あらかた狩り尽くしてしまったよ」

    P「掛け算でやってみる?」

    飛鳥「……2ケタ? 4ケタ?」

    P「4」

    飛鳥「勘弁してくれ…」

    P「だろうな」

    飛鳥「ボクだけ電卓を使っていいなら考えるけど」

    P「ずるいから却下」

    飛鳥「冗談さ。最悪の場合に備えて、充電は温存しておかないと」

    P「おぉー、偉い」


    7: ◆uMEAzbBMSc 2018/02/02(金) 23:05:39.82 ID:vG4Upm/S0

    P「ラジオでもかける? さっきお前さんが消しちゃったけど」

    飛鳥「…結果は同じだと思うよ」

    P「また止める?」

    飛鳥「恐らく。ココロ揺さぶる電波には、今日は出会えそうにない」

    P(つまんなかったから消したってところかな)



    飛鳥「キミと交わす言葉の方が、今のボクには心地良いんだ。だから…」

    P「……そうですか」

    飛鳥「あぁ、そうだ」

    P「んじゃいっか」

    飛鳥「…ふふ」

    P「お、ちょっと動いたかな……」

    8: ◆uMEAzbBMSc 2018/02/02(金) 23:12:23.29 ID:vG4Upm/S0

    ――


    P「気のせいだった」

    飛鳥「残念」



    飛鳥「…そうだ、」

    P「んー?」

    飛鳥「今日の反省会。今此処でやってしまうというのはどうだろう」

    P「ほう」

    飛鳥「次に会うのはきっと来週だ。その時まで温めておくのも構わないけれど」

    P「あー……そっか、言われてみれば」

    飛鳥「こんな時間だからこそ、有効に活用しない手はない」

    P「確かに。ナイスアイデアかも」

    飛鳥「決まりだね。…どうだったかな、今日の撮影は」

    P「んー…」


    9: ◆uMEAzbBMSc 2018/02/02(金) 23:13:08.63 ID:vG4Upm/S0

    P「前に注意されてたカメラ意識しすぎってのは、大分克服できてたと思う」

    飛鳥「ふむ」

    P「話し方ちょっと上ずり気味だったのも、あんまり気にならなくなってきたし」

    飛鳥「…そう」

    P「回数こなしてきて、空気にもだんだん慣れてきてるんだろうな。良い傾向だと思うよ」

    P「もちろん最終的に評価してオッケー出すのは向こうだから、俺から満点はあげられないけど。あれだけやれればきっと大丈夫だな」

    飛鳥「進歩はしていると。そう捉えても良いんだね」

    P「おうよ」

    飛鳥「…よかった」

    10: ◆uMEAzbBMSc 2018/02/02(金) 23:14:04.60 ID:vG4Upm/S0

    P「慣れないことだらけだろ? ドラマの撮影自体初めてだし」

    飛鳥「…演じる難しさなら、身に染みているところさ」

    飛鳥「求められているのは画や表情だけではない……ましてや、自分でもない架空の登場人物の思考をトレースしながら、だなんて。手強い作業だな…」

    P「うんうん。それを皆でやってるんだから、俳優さん達ってすごいよな」

    飛鳥「簡単に済まないとは覚悟していたけれど。…いざ始まるとやはりね」

    P「チョイ役で良かった、なんて思ってたり」

    飛鳥「素人がいきなりメインキャストになんて、配役されるハズないだろう…」

    P「そりゃそうだけど。もしそうだったら、とか思ったりしない?」

    飛鳥「……実は、少しだけ」

    P「うむ。素直でよろしい」

    11: ◆uMEAzbBMSc 2018/02/02(金) 23:15:03.06 ID:vG4Upm/S0

    P「俺も初めてのことばっかで、本当はちょっと落ち着かないんだわ」

    飛鳥「…へぇ」

    P「ドラマに出演なんて、ウチの事務所じゃ初めてだろ? 現場の雰囲気とか対応とか、正直まだよく分かってなくって」

    P「何というか……うん、落ち着かない。うまく仕事進むのか不安でどぎまぎしてるっていうか……うーんと」

    飛鳥「…地に足付かない?」

    P「あぁそうそう、それそれ」


    P「だからさ、撮影中の飛鳥が堂々としてくれててすごく助かってるんだ」

    飛鳥「…」

    P「今回に限った話でもないけど……実際にカメラ向けられて立派に撮影こなしてるの見てると、なんか安心するっていうか」

    P「あっちは問題ないな、後は俺が頑張るだけだなって。そしたら…、」

    12: ◆uMEAzbBMSc 2018/02/02(金) 23:16:06.19 ID:vG4Upm/S0

    P「…って、すまん 話逸れた。俺のことじゃなくって、今は

    飛鳥「ボクも、」

    P「?」

    飛鳥「……その。キミが見ていてくれるから、ボクも助かってる」

    飛鳥「撮影中周りが良くしてくれているのも、勿論理由の1つだろうけど。…だけど、それ以上に」

    飛鳥「馴染みのない役者ばかりな、慣れない環境だとしても。想像していたよりも、自分が萎縮していないのは」

    飛鳥「きっと……きっとキミが居てくれるおかげなんじゃないかと。そう思ってる」

    飛鳥「1人だけど、独りじゃないんだ…って」

    P「…そっか」



    P「じゃあ、お互い様ってところだな」

    飛鳥「…うん」

    P「今は今後に向けての経験値稼ぎ、ステップアップの時期ってことにするか。お互いに」

    飛鳥「……ああ。お互いに」


    13: ◆uMEAzbBMSc 2018/02/02(金) 23:24:26.36 ID:vG4Upm/S0
    ――


    P「明日は、何時発?」

    飛鳥「朝イチ……のつもりだったんだけど。この様子だと、どうなることやら」

    P「だよなぁ」

    飛鳥「あまり深夜にならないことを願いたいね」

    P「……ごめんな」

    飛鳥「…だから、謝らなくても良い。大丈夫だよ」

    飛鳥「身支度なら明日起きてからでも十分だ。極端に離れた距離でもないし、なるようにしかならないんだから」


    14: ◆uMEAzbBMSc 2018/02/02(金) 23:25:24.00 ID:vG4Upm/S0

    P「折角ゆっくり帰省させられると思ったのに」

    飛鳥「ああ、我儘を聞いてくれて感謝してるよ。突然実家に顔を見せたいだなんて…」

    P「なーに。年末からずっと忙しくて、今年の正月家に帰せなかったろ?」

    飛鳥「そうだったかな」

    P「スケジュール管理もこっちの仕事。これくらいはしてやらないと」

    飛鳥「…自分で言うのもなんだが、よく2日もオフが取れたね」

    P「そこは、色々調整しました」

    飛鳥「フフッ。そうか、ありがとう」

    P「……けどなぁ」

    P「明日に合わせて、頑張って丸々2日スケジュール空けたってのに。なんか勿体無いっていうかさ」

    飛鳥「だからこそこれだけ余裕が持てるんだ。ものは考えようだよ」

    P「飛鳥がそう言うなら良いけど」


    15: ◆uMEAzbBMSc 2018/02/02(金) 23:26:15.53 ID:vG4Upm/S0

    飛鳥「それに。帰省なら、先日もLIVEのついでに帰ったろう? そんなに大袈裟に扱うものでもないと思うけど」

    P「…いやいや、それとこれとはまた違うだろ。仕事とか関係なく」

    飛鳥「どうして?」

    P「大事な日だから」

    飛鳥「それは……偶然明日なだけであって、ボクは別に、」

    P「丁度良いからこそ、明日に合わせて休みにしたんだっつーの。余計なお世話とは言わせんぞ」

    飛鳥「そこまで思ってはいないよ…」

    P「祝ってもらえるうちが華なんだぞ? そこら辺分かってるのか?」

    飛鳥「よく、理解らないけれど」

    P「こういうのはタイミングが命なんだから、ありがたく祝われてこい」

    飛鳥「…そんなものかな」

    P「そんなものなの」


    16: ◆uMEAzbBMSc 2018/02/02(金) 23:27:14.89 ID:vG4Upm/S0

    飛鳥「…理解ったよ」

    P「おう」

    飛鳥「キミが言うのなら、そういうことにしておこう」

    P「折角の機会なんだから、親御さんとちゃんとゆっくり羽伸ばしてくること。いいな」

    飛鳥「了解」



    飛鳥「ボクは……。いや、このペースならあるいは…、」

    P「? なにブツブツ言ってんの」

    飛鳥「何でもない」


    17: ◆uMEAzbBMSc 2018/02/02(金) 23:42:59.97 ID:vG4Upm/S0

    ――


    P「…ようやくまともに動くようになったかな」

    飛鳥「ああ」

    P「この分だと、日跨ぐまでには帰れるかも」

    飛鳥「…ああ」

    P「…」


    P(…き、気のせいかな。なんかさっきから機嫌悪いような……眠いだけだろうか)


    18: ◆uMEAzbBMSc 2018/02/02(金) 23:44:07.58 ID:vG4Upm/S0

    P「…眠いなら寝てっても」

    飛鳥「眠くない」

    P「そ、そっか」

    飛鳥「もうすぐ着くだろう。問題無い」

    P「そっかそっか……うん」

    飛鳥「…」

    P「…あ、腹減ってない? お菓子くらいならあるけど」

    飛鳥「いや、結構」

    P「夕飯から何も食べてないだろ?少しは」

    飛鳥「要らない」

    P(あかん)



    19: ◆uMEAzbBMSc 2018/02/02(金) 23:46:15.60 ID:vG4Upm/S0

    P(ど どうしよう、急に不機嫌になるなんて聞いてないぞ……座りっぱなしでストレス貯まってんのかも…)



    飛鳥「食べるのなら、ボクも持ってるんだ。…ほら」

    P「……あれ」

    飛鳥「撮影の合間に差し入れで貰った……どうかしたのかい」

    P「あ、いや。思った程じゃなかったなといいますか…」

    飛鳥「何が」

    P「機嫌……というか、何というか」

    飛鳥「? おかしなことを言うね」

    P「あ、いや。やっぱり何でもないデス…」

    飛鳥「そう」


    20: ◆uMEAzbBMSc 2018/02/02(金) 23:48:20.96 ID:vG4Upm/S0

    P「…なに貰ったの?」

    飛鳥「コレを」

    P「豆?」

    飛鳥「豆だね」

    P「…まめ」

    飛鳥「ああ」

    P(鳥に豆……はとぽっぽ……)


    飛鳥「…今、また変なことを考えていなかったか」ジト

    P「考えてません」

    飛鳥「本当か」

    P「ホントウデス」

    飛鳥「……まあいいよ」


    21: ◆uMEAzbBMSc 2018/02/02(金) 23:49:40.98 ID:vG4Upm/S0

    P「なんで落花生?」

    飛鳥「明日が節分だから、というチョイスらしい」

    P「あー……なるほど、そっちもあったか」

    飛鳥「本来なら、撒いた後に食べるものなんだろうけど」

    P「今ここでばら撒くなよ?」

    飛鳥「しないよそんなこと…」

    P「冗談」

    飛鳥「……妙なことを考えるキミの煩悩も、鬼とまとめて払っておいた方が良いかもしれないな」

    P「待って待って、なんか節分の趣旨変わってない?」

    飛鳥「108回ほどぶつけてあげよう」

    P「そんなに無いから」

    飛鳥「おや、少しはあると認めるのかな」

    P「勘弁してください…」

    飛鳥「冗談さ」フフ


    22: ◆uMEAzbBMSc 2018/02/02(金) 23:51:00.12 ID:vG4Upm/S0

    飛鳥「1人ずつ、ちゃんと年齢分包装したらしい。律儀なものだね」ポリポリ

    P「はは、丁度いいかもなぁ」



    P「…あれ? 詰めた人、明日のこと分かってるのかな」

    飛鳥「さあね」

    P「1個足りないとかだったりして」

    飛鳥「ふふ、それは困るな。年を取れないじゃあないか」

    P「足りなくなる前に食べきった方がいいかも」

    飛鳥「そうだね、そうしよう」

    23: ◆uMEAzbBMSc 2018/02/02(金) 23:52:49.98 ID:vG4Upm/S0

    P「うちの実家じゃ、豆は炒ってから食べてたっけ」

    飛鳥「ふぅん」ポリ

    P「フライパンでぱちぱちってさ」

    飛鳥「そう言えば、聞いたことがあるような……元々そういうものなのだろうか」

    P「かもね。明日調べてみようか」

    飛鳥「文化も風習も、時代と共に移ろい往くものだからね…」

    P「でも豆まきはしなかったんだよなぁ。親が掃除めんどくさいからって」

    飛鳥「はは、其処は同じだな」

    P「そっちも?」

    飛鳥「ああ」

    P「やらなかった分、昔は何となく豆まきに憧れてたっけ」

    飛鳥「それは理解らない…」

    P「そっすか…」

    24: ◆uMEAzbBMSc 2018/02/02(金) 23:54:05.99 ID:vG4Upm/S0

    飛鳥「…不思議なものだ」

    P「うん?」

    飛鳥「本来在るべき姿も目的も。知らないままに…或いは忘れてしまいながらも、習慣だけが根強く残っていく」

    飛鳥「そんな中身の無い行為なんて、行事の形骸化・世俗に踊らされているだけに過ぎない。そうは思わないかい」

    P「それは、確かにそうかもだけど」

    飛鳥「今食べているのだってそうだ。記号化され、定例化された趣旨も理解らないアクションに、一体何の意味があるのだろう。節分だって、何だって…」

    P「…」

    飛鳥「暦で決められているから。カレンダーがこの日を指していたから。そんな決め事ばかりの曖昧な世の中さ」

    飛鳥「そんな明日、ボクは別に特別だなんて思ってはいないのに。先も言いかけたけれどね」

    25: ◆uMEAzbBMSc 2018/02/02(金) 23:55:15.03 ID:vG4Upm/S0

    P「けど、祝ってくれる人がいるんなら受け取るべきだと思うぞ」

    飛鳥「ああ、それも理解ってる。ボクが言いたいのは、単なる形式的なモノにどれだけの意義があるのかということ」

    飛鳥「豆だろうが恵方だろうが、やりたければ好きにすればいいし、おめでたいのならば、祝えばいい。そこは否定しない」

    飛鳥「差し出されたものを拒否する程、無粋なことをするつもりもないからね」

    P「まぁ、実際そうやってもぐもぐしてるしな」

    飛鳥「フッ。素直なものだろう?」

    P「自分で言うのか…」

    26: ◆uMEAzbBMSc 2018/02/02(金) 23:55:59.94 ID:vG4Upm/S0

    飛鳥「…だが。それだけなら、特別という言葉はやはり相応しくないように思うよ」

    飛鳥「特別であると決められているものも、この世には多くあるのだろう。…けれど、」

    飛鳥「ボクが本当に想うスペシャルは……どこにでも転がっている出会いや偶然、何気ない幸せ。そんな日々の中でこそ見出せるものだと思っているから」

    P「…見つけるの、大変そうだな」

    飛鳥「そうでもない。例えば…今こうしてキミと話している時間、とか」

    P「……け、けっこう近くに落ちてるのな」

    飛鳥「案外そんなものさ」

    P「そう思ってくれるんなら、ありがたいことだけど」

    27: ◆uMEAzbBMSc 2018/02/02(金) 23:57:05.34 ID:vG4Upm/S0

    飛鳥「"節分だから"なんてあやふやな理由で頂いたコイツでも、おかげでこんな時間が過ごせている。それだけで、何か意味のあるもののように思えてくるんだ」

    P「それが不思議、か。なるほど」

    飛鳥「……なんて。ぽりぽり食べながら語る内容でも無かったかな」

    P「ははは。豆の存在意義考察しながら食ってるのなんてお前くらいだろうね」

    飛鳥「違いない」フフ

    P「飛鳥らしくて良いんじゃない? そうこなくっちゃな」

    飛鳥「…そうか」

    P「さ、そろそろ着くぞ。食べ終わったか」

    飛鳥「ああ。これで最後……おや?」

    P「降りる準備しとけよ」

    飛鳥「…そうだね」


    28: ◆uMEAzbBMSc 2018/02/02(金) 23:57:32.06 ID:vG4Upm/S0

    P「……っし、到着。あー、もう12時なるところだ…」

    飛鳥「…このタイミング。お膳立ても完璧か」

    P「ほんと悪いな、こんな夜中まで…」

    飛鳥「プロデューサー」

    P「? どうし…、」



    飛鳥「はい」

    P「んむっ」

    飛鳥「余った1粒。キミにあげよう」


    29: ◆uMEAzbBMSc 2018/02/02(金) 23:58:33.16 ID:vG4Upm/S0

    P「ひょ、いきなひくちにいれるな…」

    飛鳥「ふふ。ちゃんと年齢分食べたのに、1つ余ってしまったよ。気の利くスタッフさん達みたいだね」

    P「だからっておまえ、」

    飛鳥「特別サービス、食べながらでも聞いてくれ」



    飛鳥「何てことのない2月3日。扉が開くのはもう眼の前だ」

    飛鳥「節分だろうが誰かに祝われようが、ボクにとってはどうということでも無いけれど。それでも、向けられる言葉は誠意を持って受け入れよう」

    P「…」もぐ

    飛鳥「けれど、どうせだったら最初の一言は」

    飛鳥「…最初だけは、キミからが良い。聞かせてはくれないだろうか」

    P「…そっか」

    飛鳥「…我儘、かな」

    P「そんなことないよ。ちょうど日付も変わる」


    31: ◆uMEAzbBMSc 2018/02/02(金) 23:59:59.87 ID:vG4Upm/S0



    P「誕生日おめでとう、飛鳥」

    飛鳥「…あぁ、ありがとう」



    飛鳥「……ふふ、フフフッ! 嬉しいな、これ以上ない贈り物だ」

    P「そうかい」

    飛鳥「キミが一緒に居てくれて、1番に祝ってくれたのなら。ボクにとっても、特別な今日になりそうだよ」

    P「なら良かった」

    飛鳥「ジャストのタイミングで、日付も変わってくれた。今日はツイてるな」

    P「それは多分渋滞のおかげだ」

    飛鳥「フフ、そうかも。災い転じて何とやら…」

    P「…」


    33: ◆uMEAzbBMSc 2018/02/03(土) 00:01:40.38 ID:YqtczHuH0

    P「…ほ、ほら。もう満足したろ、降りた降りた」

    飛鳥「なんだ、余韻に浸る時間くらいくれたって良いじゃないか」

    P「なんか急に恥ずかしくなってきたんだよ」

    飛鳥「ボクは気にしないけど。もうちょっとだけ、このまま…」

    P「良いからさっさと降りる!」

    飛鳥「……仕方ないな」

    P「渡したいものもあるけど、今持ってきてないんだ。また次にな」

    飛鳥「ふふ、楽しみにしておくよ」

    P「明日に備えて、もう寝とけ。いいな」

    飛鳥「理解ったよ。それじゃあ」

    34: ◆uMEAzbBMSc 2018/02/03(土) 00:03:22.50 ID:YqtczHuH0

    P「今日はお疲れ様」

    飛鳥「お互いに、ね」

    P「明日……じゃない、今日か。気を付けて行くんだぞ。ご両親にも、よろしくね」

    飛鳥「ああ」

    飛鳥「……次は、直接伝えに来るといい」ポソ

    P「なんだって?」

    飛鳥「何でもないよっ」


    バタン



    P「えっ ちょ、飛鳥ー? 最後何て言ったんだー?」


    35: ◆uMEAzbBMSc 2018/02/03(土) 00:04:22.33 ID:YqtczHuH0

    飛鳥「…」

    飛鳥「…本当に、不思議だよ」


    飛鳥「キミが隣にいてくれるだけで、ボクの全てが特別になる」

    飛鳥「これまでも、きっとこれからも。…だから」

    飛鳥「……ありがとう。ふふっ」




    おしまい

    引用元: 二宮飛鳥「ミッドナイトは渋滞中」

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