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    ハルヒ「今年は絶対、花見に行くわよ!」

    1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 15:54:42.01 ID:/KV/MYeH0


    キョン「ちぃーっす」

    ハルヒ「遅いわよ!キョン!」

    キョン「しょうがないだろ、学校から病院まで結構距離あるんだぞ」

    ハルヒ「走ればもっと早く着くはずよ?」

    キョン「いま何月だと思ってやがる。」

    ハルヒ「9月ね。運動の秋!食欲の秋!」

    キョン「なぜかまだ暑いんだ、夏のようにな。汗だくになっちまう。」

    ハルヒ「いいじゃない、汗だくになりながら走る。青春よね!」

    キョン「無茶いうな」

    ハルヒ「もー、あんたは平団員なんだから重労働をする義務があるわ!」

    キョン「その義務を果たす事で、どんな権利が生まれるんだ」

    ハルヒ「もちろん真っ先にあたしに会える権利よ!」

    キョン「あほか」



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    8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 16:08:58.92 ID:/KV/MYeH0


    キョン「それより」

    ハルヒ「なに?」

    キョン「いつ退院できるんだ?」

    ハルヒ「そんなに焦らなくても、すぐ治るわよ!」

    キョン「そうかい」

    ハルヒ「でも!例え短期間でもSOS団の活動を休むわけには行かないから。
         SOS団は年中無休、24時間営業だからね!」

    おいおい、いつからSOS団はコンビニよろしく営利団体になったんだ。

    ハルヒ「不思議な事はいつ舞い込んでくるか、わかんないもんね。
         不思議な事は、来ることは会っても、待っててはくれないわよ!
         SOS団は来るもの拒まず、去るものは追う、よ!」

    キョン「それを言うなら去るもの追わずだ」


    9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 16:14:06.72 ID:/KV/MYeH0


    古泉「それで、涼宮さんが入院なされている間、活動方針はどのように?」

    ハルヒ「そう、今日は今後の活動内容についての会議をするから。
         古泉君、ホワイトボード持ってきた?」

    古泉「はい、しばしお待ちを」

    古泉はそう言うと、家に置くには少し大きすぎるホワイトボードを取り出した。
    でかい紙袋の中身はそれだったのか。っていうかお前ここを部室にでもするつもりか?

    ハルヒ「あら、キョンにしては察しがいいじゃない?
         今日からここを臨時的に、SOS団の部室ってことにするから。」

    キョン「マジか」

    ハルヒ「そっ。だからみくるちゃん、明日からナース服で来なさい」

    朝比奈「ぇえぇ・・・」

    朝比奈さんは一時期、部室でナース服を着させられていた。それは明らかに、場違いな光景だった。
    そりゃあ確かにここなら違和感は無いかもしれないが・・・場違いじゃないのが返って場違いだろ。

    まあ、個室だからいいようなものの。まてよ、ここが部室って事は・・・


    11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 16:27:12.73 ID:/KV/MYeH0


    ハルヒ「と言う事だから、キョン?学校が終わったら、毎日!ここに来るように!」

    キョン「え゙~」

    ハルヒ「何よその『え゙~』は。いいわね!!」

    古泉「もちろんです」 チラ

    キョン「わかったよ・・・・・はやく治してくれよな?」

    ハルヒ「あ、あんた、自分の事と、あたしの体、どっちが大事なわけ!?」

    キョン「もちろん自分さ」

    ハルヒ「きーっ!」

    キョン「冗談だよ。それに、お前にベッドでじっとしている姿は、似合わねーからな」

    ハルヒ「それ励ましてるうちに入んないわよ!」

    キョン「これだけ元気な奴に励ます必要があるか?古泉」

    ハルヒ「ふんっ!」


    14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 16:39:02.99 ID:/KV/MYeH0


    ――― とまあハルヒは入院してもこんな調子だ。
    え?ハルヒって誰かって?SOS団って何の事だって?

    説明しよう、SOS団とは団長である、成績優秀、スポーツ万能、何をやらしても
    一目置かれる、宇宙一の天才美少女、黄色いリボンのカチューシャがよく似合う、
    “涼宮ハルヒ”が作った、クラブ活動のようなものである。

    SOS団のメンバーは俺を含め5人だ。

    時空にできた穴を調査するために未来からやってきた、
    ドジっ子で、未来人にしては頼りない、SOS団のマスコットキャラクター朝比奈みくる。
    時空に出来たなんやらと、ハルヒとは何か関係がある。らしい。

    そして世界崩壊を阻止するために奮闘する、謎の転校生かつ超能力者である、古泉一樹。
    こいつのニヤケスマイルとニヤケ声はいつも鼻に付く。
    世界崩壊とハルヒとは、何か関係がある。らしい。

    とある少女の観察のため、宇宙からやってきた、寡黙な宇宙人、長門有希。
    部室でも普段でも、ほとんどしゃべることはなく、無表情。
    観察対象はこれまたハルヒだ。


    ちなみに俺は・・・・・・何の能力も特技も特徴も無い。アホで間抜けな普通の高校生だ。
    ハルヒとは・・・なんだろうな?


    15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 16:45:04.59 ID:/KV/MYeH0


    キョン「ハルヒの奴、今日にでも退院できそうだったな」

    古泉「ええ、元気そうでなによりです」

    キョン「元気じゃない無い方が、お前らにとってはいいんじゃないのか?」


    お前ら・・・つまり、こいつを含む超能力者は他にも、たーくさん居るのだ。らしい。
    先にも言ったように、こいつらは世界の崩壊を阻止している。らしい。
    そして、その世界崩壊の原因がハルヒってわけらしいのだが。

    しかも、ハルヒには願望を実現する能力があるとか・・・
    それなら、すぐにでも病気も治りそうなもんじゃないか。

    こいつの言ってることには、俺は懐疑的だ。


    古泉「僕だって心配しているんですよ。僕は超能力者である前に、涼宮さんとは同じ団員仲間、
        いえ、友人ですから。」


    どうだかな


    18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 16:52:50.68 ID:/KV/MYeH0


    キョン「っしかし、あいつ、なんの病気なんだ。教えてもくれんしな」

    古泉「ええ、心配させたくないのでしょう。」

    キョン「余計に心配するぜ」

    古泉「おや?あなた、涼宮さんの前では、少しも心配している様子はありませんでしたが?」

    キョン「ふん、どうだったかな。」



    キョン「まあ、心配させたくないだろうからな。」

    古泉「ははっ」

    キョン「なんだよ・・・気色の悪い」

    古泉「いえ、羨ましく思ったものですから」


    キョン「あぁ?この状況で言うことじゃねえだろ」

    古泉「そうではありません、二人の関係の事です。」

    俺とハルヒがか?よしてくれ。


    21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 16:56:18.75 ID:/KV/MYeH0


    古泉「しかし、思っている事は、はっきり言ったほうがいいと思います。」

    キョン「俺はいつも言いたいことを言ってるがな。あいつは聞いちゃいないが。」


    古泉「それも違います。素直になって欲しいということです。
        それは涼宮さんにも言える事ですけどね。
        お互いに気を使う事は大切な事ですが、それがかえって関係を乱すこともあります。
        言葉にして伝えないと、伝わらない事の方が多いですから。」


    なんのことやら。こいつは時々・・・いや、いつものことだが、
    もう少しわかりやすく説明して欲しいね。


    22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 17:03:47.67 ID:/KV/MYeH0


    しっかしまあ、そんなわけで、毎日足しげく病院へ向かう俺であった。

    病気の見舞いってこんなに頻繁に行くものなのか?


    ハルヒ「来たわね!暇で暇で、しょうがなかったわ!」

    キョン「そんなに元気なら少し散歩したらどうだ」

    ハルヒ「先生が、絶対安静にしとけってうるさいのよ!大げさよね」

    キョン「たしかに」


    ハルヒ「でもあんた、偉いじゃない!何だかんだ言っても、今のところ欠勤0よね」

    キョン「朝比奈さんが心配だからな。お前は何をしでかすかわからん。」

    ハルヒ「そんなこと言って、本当はナースを見に来たいだけなんじゃないの?」

    いえ、朝比奈さんが見れれば、俺はもう十分です。

    ハルヒ「やっぱりそうなんじゃない」


    24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 17:09:52.97 ID:/KV/MYeH0


    朝比奈「お茶です」

    キョン「どうも」

    ハルヒは律儀にも手書きで書かれた『団長』の腕章をつけていた。
    俺達が来る頃を見計らって着けてるらしい。


    ・・・というか、いつの間にか病室は、ハルヒがベッドの上に居るということ以外は、
    部室のような感じになっていた。病室にあまり私物を持ち込むな。・・・っていうかいいのか?


    正直もう病室って雰囲気じゃ無くなったな。


    こいつの手にかかれば、どんな場所でも空間でも、自分の色に染めてしまいそうだ。

    最近、そんなハルヒの色が落ち着くというか、居心地が良いと思うようになってきた。やばいな。


    25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 17:19:51.35 ID:/KV/MYeH0


    古泉「どうやら見た目だけではなく、もうここは涼宮さんの世界になっています。」パチ

    キョン「魑魅魍魎どもがひしめき合っているってのか」パチ

    古泉「ええ、目には見えませんが・・・それぞれが相互作用することで、
        全体として安定を保っています。」パチ


    パチ

    キョン「王手だ」

    古泉「おっと、参りました。僕の負けです。」

    キョン「いいかげん勝ってくれよ。張り合いがねーだろ。」

    古泉「と言われましても」


    26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 17:22:33.50 ID:/KV/MYeH0

    キョン「・・・ハルヒ?」

    ハルヒ「・・・・・・ッ・・・ゥ・・・・・・」

    キョン「おい、ハルヒ!」

    ハルヒ「えっ、あぁ、キョン!どうかした?」

    キョン「なんか元気ないみたいだな、ちょっと横になったらどうだ?」


    ハルヒ「大丈夫よ!・ ・ ・ ・ ええ、そうね。ちょっと ・ ・ ・ ・ ・寝るわ!
         やっぱり動いてないと、体力も落ちちゃうみたい。今日はこれで解散、ってことで!」

    キョン「無理すんなよな。・・・休みたいときは休んでいいんだから。」

    ハルヒ「ふんだ。平団員のあんたが、団長たる、あたしの心配をする必要なんか無いわよ。」

    ――― 俺は叫んでしまった。病室なのに。


    キョン「っ俺は心配だ!!!」


    ハルヒ「あっ ・ ・ ・」

    朝比奈「ひっぅ」
    古泉「 ・ ・ ・ 」
    長門「 ・ ・ ・ 」


    27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 17:24:12.50 ID:/KV/MYeH0


    キョン「・・・最近元気がねえから!お前の事を考えると夜も・・・あぁ、いや・・・」

    ハルヒ「!・・・・・・」


    古泉「おやおや」

    キョン「その、なんだ・・・と、とにかくだ・・・無理はするんじゃねえってことだ。」

    ハルヒ「・・・・・ふーん・・・・・あんたがあたしのことを・・・・ね・・・。」


    古泉「僕からも言っておきます。まずは、体の大事をとることを最優先に。
        ・・・僕も心配ですから。」

    朝比奈「私もです・・・」

    長門「私もあなたが早く元気になることを望んでいる。」


    28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 17:28:13.47 ID:/KV/MYeH0


    ハルヒ「あ、あんたたち・・・。でも、あたしは、みんなを・・・あたしが・・・。」


    キョン「もっと肩の力を抜いてくれないか?まあ、確かに俺達はお前に依存してるのかもしれん。
        ・・・色々とな。お前が居ないと何もできやしない。何も進みやしない。」

    ハルヒ「・・・・・」


    キョン「・・・だがな、俺達はお前の支えにもなれねえほど、弱かねえんだよ!
         もっと信用してくれても・・・頼ってくれても、いいじゃねえか。」


    ハルヒ「!・・・キョ・・・・ン・・・」







     あたし・・・・実は・・・


    31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 17:33:32.14 ID:/KV/MYeH0


    ハルヒ「・・・・うん、わかった!ありがと、キョン!明日も来てよね!絶対!」

    キョン「ああ、じゃあな」

    古泉「では、失礼します」

    朝比奈「お大事に」

    長門  フリフリ

    ハルヒ「ばーい!」


    ガチャ


    ハルヒ「はぁ・・・・はぁ・・・・キョン・・・あたし・・・」






    ・・・・


    32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 17:35:32.86 ID:/KV/MYeH0


    古泉「まさかあなたが、あんなセリフを言うとは思いませんでした。」

    キョン「笑うなら笑ってくれ」

    古泉「とんでもありません、感動しましたよ?涼宮さんが言葉に詰まるところなんて、
        初めて見ましたから。」

    キョン「にしてもハルヒ、日に日に元気がなくなってる気がしないか・・・
         もう3ヶ月以上経ってるんだぞ・・」

    長門「彼女の病は重い」

    キョン「!?」
    古泉「!」
    朝比奈「・・・・」

    古泉「・・・」

    長門「彼女は」

    キョン「・・・いや、それ以上は、言わないでくれ。」


    ・・・


    35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 17:41:18.97 ID:/KV/MYeH0


    結局、その後も、SOS団の団活は普段通りだった。しかしハルヒが無理しているのは明らかだ。
    一見明るくは振舞ってはいるが、俺にはわかる。

    というか、これだけ一緒に居ると、なんとなくわかってしまう。忌々しい。俺はどうすりゃいい?
    また無理をするなって言うのか?いや、逆効果だ。この張り切りぶりは、前にも増している。

    大体、俺に気を使うなんて水臭いじゃないか。なんだってんだ。

    俺はハルヒに対する不信感からか、それとも病気の治らない不安感からか、
    知らないうちにストレスが積もりに積もっていた。

    ハルヒ「おーはー!」

    キョン「もう昼も過ぎてるってのに。」

    ハルヒ「うるさいわねー、私が朝だと思ったら朝になるの!」

    キョン「しゃれにならんことを言うな」


    自分では、今日も普段通りのはずだった。
    だが、ハルヒも俺も、イライラしていた。

    後から思えば、俺もハルヒも、お互い、不安で不安でしょうがなかったんだろう。
    いつ終わるともわからない、やり場の無い不安と、
    掴みどころもなく、加減を知らない、お互いの気の使いあい。

    いつの間にか俺とハルヒの間には深い溝が出来ていたらしい。


    36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 17:47:22.91 ID:/KV/MYeH0


    ハルヒ「ダルだら男には、今が朝ぐらいでちょうどいいわよ」

    キョン「誰がダルだら男だ」

    ハルヒ「あんたしか居ないじゃない!」

    キョン「古泉も居るんだが」

    古泉「ええ」


    ハルヒ「古泉君はやる気あるわよ、あんたも見習いなさいよ、この覇気のあるイケメンを!」

    朝比奈「涼宮さんだめです・・・」



    キョン「ああ?じゃあ古泉だけ呼んでりゃいいだろ。俺はもう必要ねえな。帰っていいか」

    ハルヒ「へぇ?あたしに立てつくとはいい度胸ね!そんな勝手が許されるわけ無いじゃない!」

    キョン「俺はお前の玩具でも操り人形じゃねえよ!この面食いやろう」


    38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 17:49:28.42 ID:/KV/MYeH0


    ハルヒ「っ・・・あんたはあたしの言う事を聞いてればいいのよ!
         あんたはあたしの操り人形で、・・・あたしが何も言わなきゃ、何もしないじゃない!
         その割りには文句ばっかで・・・あんたなんか、SOS団のお荷物じゃない!」

    キョン「んだと?ああ、そうかい。どうせ俺は、その程度の人間だよ!
         なんの取り柄も能力も無い俺なんかが、ここに居ることがそもそもの間違いだったな!


    朝比奈「でもキョン君は、今まで涼宮さんのことを・・・」

    キョン「ああ、今までお前を心配してた俺が馬鹿だった!」

    ハルヒ「はあ!?別に心配しろと言った覚えは無いわ?一人で勝手にやったことで何言ってんのよ!
         心配してれば褒めるとでも思ったの?」

    キョン「ああ、そうかよ!なら一人でずーっと寝てやがれ!その方が気楽でいいだろ!」

    ハルヒ「何よ!!・・・あんたなんか!・・・・・・」

    ハルヒ「キョンなんか!!!大っ嫌い!!!」

    キョン「・・・・」

    ハルヒ「あっ・・・」


    バタン


    39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 17:51:40.35 ID:/KV/MYeH0


    古泉「涼宮さん」


    ハルヒ「だ・・大嫌い・・・誰を?・・・キョンを?・・・あたしが?・・・待・・・・」


    古泉「涼宮さん!」

    ハルヒ「やだ・・・キョン・・・まってよ・・・」

    古泉「涼宮さん、落ち着いてください!」

    ハルヒ「あれ・・・なんで・・・あたし・・・・どうしちゃったんだろ・・・あんなこと・・・」


    古泉「朝比奈さん、涼宮さんを頼みます。僕は彼を追いますから。」

    朝比奈「あ・・・はぃ・・・」

    長門「・・・」



    41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 17:57:54.92 ID:/KV/MYeH0


    朝比奈「涼宮さん・・・涼宮さん・・・・」

    ハルヒ「みくるちゃん、あなたが泣いてどうすんのよ」

    朝比奈「だって・・・だって・・・」

    ハルヒ「あなたがそんなに泣いちゃったら、あたしが泣けないじゃないの」


    朝比奈「涼宮さんは!・・・涼宮さんは!・・・キョン君を・・・」


    ハルヒ「そっか・・・キョンに嫌われちゃったのね、あたし。
         あんな事言っちゃって・・・・・そっかぁ・・・・・」



    長門「あなたは彼が好きなはず」

    ハルヒ「ええっ!?・・・・・そ・・・・・そうかも知れないけど、でも、もう、遅いのよ!
         気付くのが・・・・遅すぎたわ・・・・。いえ、伝える勇気が無いのよ。
         それに、あたしはもう・・・・・・そうよ、これで良かったのよね!!」





    ハルヒ「このまま私なんか忘れちゃった方がいいのよ。その方がキョンも・・・」


    43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 18:05:14.85 ID:/KV/MYeH0


    長門「私も彼が好き」

    ハルヒ「えっ」


    長門「だから、彼の気持ちがわかる」

    ハルヒ「そう・・・なら有希が・・・」

    長門「彼はあなたのことが好き。このままでは、彼は一生・・・・」


    ハルヒ「・・・それもどうかしら。今まで散々わがまま言って、振り回しちゃったもんね。
         何だかんだ言っても、あいつもそれで良いんだ、気に入ってるんだ、って考えてた。
         でも、私が一方的に思ってたみたいね。それに、今のでトドメ、さしちゃったでしょ。」


    ハルヒ「もう、あいつと・・・会えない・・・・・のね・・・・。」


    朝比奈「キョン君はきっと明日も来ます!!」

    朝比奈「・・・・・・?」

    朝比奈「・・・・・・涼宮さん?・・・・・・涼宮さん!!!!」


    ハルヒ「・・・みくるちゃ・・・・キョンに・・・・・代わりに・・・ごめんって・・・・・・」


    45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 18:11:08.08 ID:/KV/MYeH0


    古泉「待ってください」

    キョン「おう、有能部員の古泉。お前はハルヒのそばに居てやれよ。」

    タッ、タッ、タッ

    古泉「それは構いませんが、あなたはそれでよろしいのですか?」

    キョン「よろしいも何も、俺が居たってなんにもしてやれねえだろうが。」

    古泉「いえ」


    キョン「文句ばかり・・・だしな。」

    古泉「そんなことは」


    キョン「お荷物・・・だろうしよ。」

    古泉「そんなことはありませんよ」


    キョン「いいんだ。誰がどう見たって、明らかなことさ。」


    46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 18:16:19.20 ID:/KV/MYeH0


    キョン「俺は長門のように宇宙人でもなければ、朝比奈さんのように未来人でもない。
         お前のように超能力者でもない。」

    古泉「確かにあなたは普通の人間です。・・・しかし彼女も、精神的な面から見れば、
        僕達と同じ、ただの一人の人間です。彼女も内心は不安に押しつぶされそうなんです。
        ですから今の事で、涼宮さんのことを、お責めになってはいけません。」

    キョン「俺はあいつを責めてるわけじゃねぇ・・・・自分を責めてるんだ」

    キョン「情報を改変できたり、可愛かったり、積極的に活動に貢献したり、
        そんなもんが俺にはない。あいつの言う通り、文句しか言えない男さ。」

    キョン「ハルヒは苦しんでる。態度には出さねえが、痛いほどわかる。」

    キョン「前から思ってたよ。俺がSOS団に居るのは、物の成り行きでそうなったってだけでだ。
         俺は・・・・俺は別に選ばれたわけじゃねえ」


    古泉「涼宮さんは、あなたを選びました。」

    キョン「さあな、だが俺は何も出来ないんだ。」






    キョン「なんで・・・・・なんでハルヒは俺みたいな奴を・・・SOS団なんかに引き入れたんだ!・・・」


    48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 18:30:54.04 ID:/KV/MYeH0


    古泉「誰しも自分が人にどう思われているかどうかは不安です。
        ・・・・僕も涼宮さんに嫌われないようにいつも必死なんですよ。
        もしかしたら僕が一番、嫌われる事に臆病なのかもしれません。


    古泉「いつの日でしたか・・・・・涼宮さんの病室は色々なものがひしめき合っていて、 
        しかし互いに影響し、それが安定を生んでいる。そう、お話ししましたね。」

    キョン「ああ、だが、俺には安定どころか、おぞましいものとしか思えん。」


    古泉「この際ですからきっちり説明します」


    49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 18:32:48.99 ID:/KV/MYeH0

    古泉「人それぞれ、能力は持っているんですよ。もちろんあなたにも。
        長所や短所というのは、時代や文化の流れで変化、生まれてくるもので、
        人間の能力の本質ではありません。」

    キョン「長所は良いところで、短所は悪いところだろ」

    古泉「ですが、それは普遍のものではありません。時と場所で、大きく変わります」

    キョン「何が言いたい」


    古泉「・・・例えば、僕は涼宮さんに従順であり、必要なものを提供できます。これは能力です。
        そして僕がYESということで、涼宮さんは安心して行動に踏み切る事ができるんです。」

    キョン「別にお前が肩を押さなくても、あいつはやるだろ」

    古泉「いえ、涼宮さんはああ見えて常識的な方です。おそらく内心、とても不安なはずです。」

    キョン「そうは見えん」


    古泉「でも僕は同調するだけです。つまりそれ以上、新しいものが生まることは無いんです。」

    キョン「厄介な事は起きない方がいい」


    古泉「そこであなたです。まずあなたは涼宮さんにSOS団を作る事を思いつかせました。」

    キョン「本意とは別にな」


    50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 18:33:31.76 ID:/KV/MYeH0


    古泉「あのまま涼宮さんが一人で悩んでいただけでは、今でも中学時代と同様、一人で
        世界に対する不満を抱え込む結果になっていたでしょうね。」

    キョン「どうだろうな」


    古泉「あなたは涼宮さんの心のよりどころなんですよ。そして暴走した時は止めてくれるだろうと。
        言わばブレーキの役目です。例えば貴方はブレーキのない車で、アクセルを目いっぱい
        踏めますか?」

    キョン「あいつなら踏むんじゃないか?」


    古泉「そして、貴方は期待されている。何かやってくれるだろうと。最後は決めてくれるだろうと。
        野球大会で打ったのは?最終回を抑えたのは。映画を完成させたのは?
        少しぐらいの無茶は・・・貴方がカバーしてくれると、信頼されている。
        涼宮さんが突っ走れるのは、あなたが居るからです。」

    キョン「どうだかな。それに・・・あれは、俺がやったわけじゃないぞ」


    51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 18:34:30.29 ID:/KV/MYeH0


    古泉「そう。普通の人間であるあなただけでは、どうにもならないとき・・・長門さんの出番です。」

    キョン「長門に頼りすぎてるがな」


    古泉「あなたは、団内で最も優秀な部下といえる長門さんを使いこなす事のできる唯一の部下、
        と言えます。僕でさえ、あなたを通すことが多いです、」

    キョン「なぜだろうな」


    古泉「どういうわけか、あなたは長門さんに信頼されています。
        何がどうあれ、あなたが居なければ、これまでの成功もありませんでした。」

    キョン「なにか成功したことなんてあったか?」


    古泉「長門さんの力は絶大です。ですが、寡黙で余り話すことの無い長門さんと、
        上手くコミュニケートして能力を発揮させるにはあなたが必要です。」


    52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 18:35:40.64 ID:/KV/MYeH0

    古泉「そして、朝比奈みくる。確かにマスコットキャラクターとしての魅力は、それだけでも
        涼宮さんにとって価値のあるものです。こんな事を言うのも、失礼ですが、彼女が居なければ
        この集まりには花がありません。それに・・・あなたが部室に来る動機付けにもなっている」

    キョン「失礼だな」

    古泉「つまり、長所や短所というのはどうとでもなるんです。自分は短所ばかりでくだらない人間だと
        お考えになるのは結構ですが、人や組織というのは、短所をカバーできる誰かが居て、
        全体としてマイナスでなければ、上手く動きます。つまりこれが、全体として安定するということの真意です。」


    キョン「あいつがそんなこと考えてるとは思えん」

    古泉「ええ、あの部屋にしても、安定しているのはたまたま偶然なのかも知れません。」


    古泉「でも、本当に僕が言いたいのは、そんなに自分を卑下されることも無い、ということです。
        ・・・涼宮さんも今頃、言い過ぎたことを悔いていると思いますよ。
        いえ、涼宮さんの気持ちは、貴方が一番わかっているはずです。」

    キョン「わかってるさ俺も・・・・・俺もさすがに大人げ無かったよ。
         病気のハルヒの方がもっと辛い思いをしているはずなのに。なぜあんな事を言ってしまったんだろうな。」


    古泉「僕は忠告したんですけどね・・・はやく仲直りをして・・・
        この機会に、お互い本当に思っている事を言い合ったほうが」

    キョン「・・・」


    53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 18:36:54.69 ID:/KV/MYeH0


    ヴーッヴーッヴーッ

    キョン「すまん、電話だ・・・・って朝比奈さんか・・・・」

    古泉「出た方がよろしいかと」

    キョン「はぁ・・・・・・・」


    キョン「もしもし、俺です」









    キョン「 ・ ・ ・ え? ・ ・ ・ ・ハルヒが・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 」


    55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 18:45:01.56 ID:/KV/MYeH0

    ――――――――――――

    キョン「朝比奈さん!」

    朝比奈「あ、キョン君!涼宮さんがぁ・・・涼宮さんがぁ・・・」


    キョン「ハルヒはどこだ!」

    長門「集中治療室」

    キョン「ハルヒ・・・俺のせいだ・・・」

    長門「あなたのせいではない」

    朝比奈「キョン君・・・涼宮さんは・・・」

    キョン「わかってる。わかってるんだ。わかってるんだよ。」


    キョン「ハルヒ・・・・このまま別れるなんて・・・言わないよな」

    キョン「・・・ハルヒ・・・・」





    キョン「・・・せめて・・・一言でも・・・」


    57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 18:50:47.27 ID:/KV/MYeH0

    ―――――――
    ―――


    結果から言うと、ハルヒは意識を取り戻し、今は落ち着いている、らしい。
    らしい、というのは、ハルヒのご両親が古泉にそう説明しているのを遠巻きに聞いていただけだったからだ。

    すぐ面会しようと思えばできなくは無かったみたいだが、それを聞くとその場を離れてしまった。
    あいつに合わせる顔が、無かったから。

    さっきまではあれだけ会いたくてしょうがなかったのに。本当に情けない。

    俺は病院の待合室でぼーっとしていた。
    そういえば昨日からずっと寝ていない。何時間も集中治療室の近くでずっとうろうろして、
    近くの椅子を立ったり座ったり、頭を抱えたり。そんなことばかりしていた気がする。
    ・・・眠いな・・・医者って大変だな・・・医者か・・・


    59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 18:51:30.02 ID:/KV/MYeH0


    古泉「涼宮さん、意識を取り戻すなり、あなたの名前を呼んだそうですよ」

    キョン「・・・」

    古泉「嬉しいじゃないですか」

    キョン「・・・」

    古泉「状況が状況ですし、すぐお会いになった方が」

    キョン「・・・少し寝る。悪いが、何かったらすぐ起こしてくれ」

    古泉「ええ、もちろん」


    61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 18:55:14.84 ID:/KV/MYeH0


    俺は何分だか何時間だか横になった後、ハルヒの居る病室に向かった。

    ノックをすると、ハルヒの母親の声だと思しき声で

    「どうぞ」

    という声が聞こえた。


    中に入ると、ハルヒは俺だとわかるなり、驚いた顔をして

    「お母さん、ちょっと出てて」

    と言った。


    すれ違いざまに

    「あなたがキョンさんね?」

    と聞かれたので、俺が会釈すると、微かに笑みを浮かべた後、何も言わずに部屋を出て行った。


    62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 19:02:18.72 ID:/KV/MYeH0


    キョン「ポニテにしたのか」

    ハルヒ「なんか髪の毛ぐしゃぐしゃで鬱陶しかったから」


    キョン「この前は悪かったな」

    ハルヒ「あたしも悪かったわ」

    キョン「イライラしてたんだ」


    ハルヒ「もう来てくれないかと思った」

    キョン「嫌い、とは言われたが、来るな、とは言われなかったからな」


    ハルヒ「・・・あたしに会いたかったの?」

    キョン「喧嘩したままは嫌だからな」


    ハルヒ「昨日焦ったんじゃない?」

    キョン「まあな」

    ハルヒ「ばかね」


    63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 19:04:38.92 ID:/KV/MYeH0


    キョン「可愛いぞ、それ」

    ハルヒ「別に褒めなくてもいいわよ」

    キョン「思った事を言っただけさ」

    ハルヒ「あんたってさぁ・・・」

    キョン「ん?」

    ハルヒ「ううん、なんでもない」


    ハルヒ「でも来てくれて本当にありがと」

    キョン「心配だからな」

    ハルヒ「嬉しい事言ってくれるじゃない」

    キョン「別に褒めなくていいぞ」

    ハルヒ「思った事を言っただけよ」

    キョン「そうかい」

    ハルヒ「ん」

    キョン「・・・」


    64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 19:10:34.00 ID:/KV/MYeH0


    ハルヒ「ねぇ、キョン」

    キョン「んん?」

    ハルヒ「ずっとここに居て」

    キョン「何もできないけどな」

    ハルヒ「居るだけでいいの」

    キョン「わかった」

    ハルヒ「ん」


    65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 19:11:17.70 ID:/KV/MYeH0


    キョン「医者って大変だな」

    ハルヒ「そうね」

    キョン「人を助けるために何時間も神経すり減らして」

    ハルヒ「ええ」

    キョン「俺は、ただ祈るしかない」

    ハルヒ「それだけで嬉しいわよ」


    キョン「だから・・・」



    キョン「俺は・・・医者の先生になってだな・・・」

    ハルヒ「ばかね」

    キョン「うるせえ」


    ハルヒ「あんたには学校の先生ぐらいが関の山よ」

    キョン「だが俺は決めたんだ」


    68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 19:19:12.95 ID:/KV/MYeH0


    ハルヒ「それで・・・あたしを治してくれるの?」

    キョン「ああ、もちろん」

    ハルヒ「嬉しい・・・けどさ、気持ちだけ受け取っておくわ」

    キョン「そうかよ」

    ハルヒ「今年には退院できるわよ!きっと。」


    ハルヒはしきりにカレンダーを気にしていた。


    69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 19:23:31.69 ID:/KV/MYeH0


    ・・・だが・・・一向に良くなるどころか悪くなっていき、年も明けてしまった1月初旬。
    相変わらず、俺の前では元気な様子を見せるハルヒだった。

    ハルヒ「今日はいい天気ね!」

    キョン「ああ」

    ハルヒ「外に出たいわね!」

    キョン「病気を治すのが先だ」


    ハルヒ「今思えば、外で自由に出歩けただけでも幸せだったのよね。」

    キョン「やけに感傷的だな」


    ハルヒ「病気になるまで幸せってなんなのかわからなかった」


    ハルヒ「今なら・・・・わかる気がする」


    キョン「らしくないぜ」


    70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 19:24:13.52 ID:/KV/MYeH0


    ハルヒ「キョン」

    キョン「なんだ」


    ハルヒ「不思議な事って何だと思う?」

    キョン「宇宙人や未来人、超能力者と遊ぶ事か?」


    ハルヒ「それはそうだけど・・・でも、そこはあまり重要じゃないのよ!」



    ハルヒ「キョン」

    キョン「なんだよ」





    ハルヒ「今年は絶対、花見に行くわよ!」


    73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 19:29:24.96 ID:/KV/MYeH0


    ハルヒは窓の外を見てそういった。

    さっきの話から、なぜハルヒがそんなことを言い出したのか、
    そのときの俺には全くわからなかった。


    キョン「はぁ・・・?・・・花見って・・・桜を見に行くアレか?」

    ハルヒ「実は好きだったのよ、桜」

    キョン「意外だな」

    ハルヒ「なによ!」

    キョン「いや・・・もっと派手で鮮やかな色の花が好きなんじゃないかって・・・」

    ハルヒ「うん、まあそうなんだけど。でも今は桜が見たいわ!
         それに、春が好きなの。・・・・あんたにも・・・・・・出会えたし!」


    キョン「病気を治すのが先だ」

    ハルヒ「うっさいわね~、だから、“治して”行くんじゃない!
         あんたも、目先のことばかり考えてないで、大局観ってやつを持ちなさい!」

    キョン「へいへい」


    74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 19:34:44.95 ID:/KV/MYeH0


    ハルヒは元気だ。そう自分に言い聞かせて。というかそれ以外のことを考えないようにした。
    そして時間だけが残酷に過ぎていく。

    あっという間に3月になってしまった。

    そして今日も、SOS団の団員と一緒に病院へ向かっている。その道すがら、
    俺は、3ヶ月前にハルヒの言った言葉を思い出していた。

    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――
    ハルヒ「キョン!今年は絶対、花見に行くわよ!」

    キョン「病気を治すのが先だろ」

    ハルヒ「うっさいわねー、だから治して行くんじゃない。
         アンタも、目先のことばかり考えてないで、大局観ってやつを持ちなさい!」

    キョン「はいはい」
    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――

    その時は、余命を宣告されているとは思えないほど、とても元気で、
    今すぐにでも退院できそうだった。

    見た目とは裏腹に、ハルヒの病気は進行し、日に日に弱っていくハルヒ。
    あんなに大きく輝いて見えたハルヒも、痩せたせいか、今は小さく、消えそうだ。

    だが俺の前では弱音を吐かず、

    その姿は、見ていて辛かった


    75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 19:38:05.53 ID:/KV/MYeH0


    病室に入ると、珍しくハルヒは体を起こしていて、窓の外を気にしていた。

    ハルヒ「もう桜が咲いちゃいそう・・・・桜か・・・・・あと何回見れるかな・・・
         いえ・・・もう一度見れるかしら?・・・不思議ね・・・不思議かぁ・・・」


    キョン「どうしたんだよ今日は。あらたまってSOS団全員で来いーなんて言って」

    ハルヒ「あぁ・・・ごめんなさい。そうね、じゃあ古泉君、ちょっとそばにきてくれる?」

    古泉は俺のほうをチラリと見た後、ベッドに歩み寄る。なんなんだ。
    ハルヒは自分の腕のほうを見てこう言った。

    「この腕章、外してくれる?」


    ハルヒはこんなときにも『団長』と書かれた腕章をつけていた。


    元気だったあの頃、入院するずっと前から、部室でそうしていたように。


    76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 19:44:09.87 ID:/KV/MYeH0


    古泉「かしこまりました。では失礼、」

    キョン「なんだよ、ハルヒ、何がしたいんだ。説明してくれ」

    ハルヒ「そんなに焦らないでよ」

    そう言ってハルヒは、俺を見て困ったように微笑んだ。
    だが俺は少しも笑えなかった。古泉が腕章を外すのをただ見つめているしかなかった。

    ハルヒ「ありがと古泉君。じゃあみんな、良く聞いてね。一度しか、言わないから。
         ・・・・・・言いたく、ないの。」




    ハルヒ「本日をもって、私、涼宮ハルヒは・・・」




    ハルヒ「SOS団『団長』を、辞任します」


    77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 19:47:26.84 ID:/KV/MYeH0


    ハルヒの言葉に全員がうつむき、黙り込んだ。
    もう皆、ハルヒが今日何を言い出すのか、薄々感づいていたんだ。
    みんな、病院への足取りが重かったから。
    覚悟はしていたはずだ。だが、心底受け入れていたとは言えなかった。
    むしろそれを考える事すら避けていた。

    そうさ、ずっと前からこういう日が来ることはわかっていたじゃないか。
    でも俺は避けていた。受け入れられなかった。信じなかった。
    現実から目を・・・そむけていた。


    ハルヒ「何よ、みんなして黙っちゃって・・・・申し訳ないけど、私はこの通り、もう、駄目なのよ・・・。
         わかるのよ、もう先は長くは無いんだって・・・・・で、でも安心して!SOS団は永久不滅だから!
         団長はキョン、貴方が勤めなさい!」

    キョン「拒否する」

    ハルヒ「古泉君は引き続き副団長、よろしくね。
         ごめんなさい、階級的に言えば・・・後任は古泉君なんでしょうけど」

    古泉「いえ、僕では団長は勤まりません、彼が適任です」

    キョン「ハルヒ、諦めたら駄目だ」


    79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 19:51:51.34 ID:/KV/MYeH0


    ハルヒは落ち着いた調子のまま、にこやかに言った

    ハルヒ「心配しなくても大丈夫よ、古泉君が副団長なんだから・・・古泉君、キョンをよろしくね。
         あなたが副団長をするなら、私は安心よ!」

    古泉「承知しました」


    ハルヒ「キョン、こっち来て・・・自分の手で、渡したいから。」

    古泉がそっと、『団長』の腕章をハルヒの手に持たせた。
    だが、俺は下を向き、目を背けてしまった。



    これを認めてしまったら・・・


    認めてしまったら・・・


    ハルヒは、もう・・・


    81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 19:55:36.18 ID:/KV/MYeH0


    ハルヒ「キョン?・・・ほら・・・今まで散々わがまま言っちゃって・・・悪かったわよ!」

    悪いもんか


    ハルヒ「だから、これが私の最後のわがままだと思って!」

    だから?何がだからだ。ハルヒはどんなときでも突っ走ってきただろうが。
    病気がわかったときでさえだ。なんでだよ・・・

    最後のわがままは、今日じゃなくたっていいだろ。
    わがままなら、責任を持って、わがままで居続けろよ。


    古泉が困った顔をして、溜息をついた後、

    古泉「勘違いしてはいけませんよ。このまま涼宮さんがSOS団から永久に居なくなってしまう
        とは言っていません。ですが、この状況で、今後も団の活動を滞りなく行うには、
        今貴方が団長につくことが必要なんです。」

    ハルヒ「そういうことっ。ほら、はやく来て。」

    何がそういうこと、だ。さっきと言ってることが違うじゃないか。俺は絶対に引き受けないぞ。
    俺は、お前が団長を勤めるSOS団が好きだからな。


    82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 19:59:33.79 ID:/KV/MYeH0


    声を震わせ、でもはっきりとした口調で

    ハルヒ「お願いよ。コレだけは譲れないの。認めたくないのはわかるわよ。
         でも、キョンだって後悔はしたくないわよね。」  

    ああ、わかってるよ。わかってる。だから、それ以上は言わないでくれ。


    ハルヒ「本当は・・・すごく怖い・・・んだから・・・アタシが一番・・・
         気持ちの・・・整理・・・できてないの・・・。だからお願いよ、せめて・・・
         ・・・はやく、来なさいよ!!」

    キョン「わかったよ、わかったから・・・」


    俺は渋々、ハルヒから腕章を受け取った。


    ハルヒ「ありがと、じゃあ後を頼んだわよ!」


    83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 20:04:35.43 ID:/KV/MYeH0


    『団長』と書かれた腕章を自分がつけている様は、なかなか想像できないものだった。

    しかしそんな事はどうでもいいと思えるほど悲しくて、
    俺は涙をこらえることが出来なかった。

    ハルヒ「泣くほど嬉しいみたいね」

    キョン「お前が言うんじゃねえよ」


    ハルヒは死ぬ覚悟をしていた。
    いや、そんなことができる奴は居ない。
    できないから、ただ必死にもがいているだけだ。


    俺にできることは


    ハルヒの望みを聞いてやる事だけだった。


    84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 20:10:48.24 ID:/KV/MYeH0


    帰宅した後、夕飯も食べずに、自分の部屋に引き篭った。

    電気もつけず、『団長』の腕章を片手に、ベッドに倒れこんだ。



    こんなもの俺には似合わない

    俺が団長を勤めても意味は無い。つける資格が無い。

    やっぱりこれはハルヒに返すべきだ


    今から思えば

    楽しかったあの毎日

    あれはハルヒが居たから過ごせたんだから

    今から思えば

    ・・・今更気付いても、遅いんだよな


    こうなったからこそ、そう思えるんだろう。

    勝手なもんだな。


    85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 20:11:37.46 ID:/KV/MYeH0


    今までわがままばかりで悪かっただと?

    俺はハルヒに感謝しているんだ。

    それもまだ伝えてられてねえ

    やっぱり、明日返そう。

    ハルヒには、最後まで団長でいて欲しい。

    でもなんて言えばいいんだろう。

    やっぱ、まずは、今までありがとう、かな、

    楽しかったぞ、とか。

    だが

    俺にはそんな別れの挨拶みたいなもの、する覚悟もない

    特に、アイツを目の前にするとな。



    どうすりゃいい


    ハルヒ


    86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 20:12:38.28 ID:/KV/MYeH0

    ――――――――
    ―――


    しばらくそうしていただろうか、どれくらい時間が経っただろうか。


    ―――― 携帯の呼び出し音が鳴った。


    緊張が走る。

    ハルヒが日に日に弱っていった、ここ何週間は、電話がなるたびに冷や汗が出たし、
    心拍数が異常なほど上昇して、体が波打った。

    ハルヒの容態が急変したんじゃないか。そんな不安からだ。


    関係ないとわかるたびに、胸を撫で下ろし、溜息をついていた。







    ―――― だがそれはいつか現実になるんだ。


    87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 20:13:49.08 ID:/KV/MYeH0


    俺は家を飛び出していた。


    俺はなりふり構わず家を飛び出した。
    ついに恐れていた事が、現実になってしまった。

    こんなときに限って自転車の鍵は上手く開いてくれない。

    もたついていると、車が家の前に止まり、ドアが開いた

    「乗ってください!」

    古泉の仲間か
    俺はすぐに理解し、飛び乗った。


    88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 20:14:45.09 ID:/KV/MYeH0


    あともう少しのところで信号に引っかかる。

    「ここでいいです!」

    途中でこけそうになりながら、急いで病室に向かった。

    俺ってこんなに速く走れたのか。


    俺は

    汗だくになりながら走った

    真っ先にハルヒに会うために


    キョン「はぁ、はぁ・・・・ハルヒ・・・」

    朝比奈「キ、キョン君!」

    古泉「10分くらい前に突然苦しみだしたんだそうです・・・・・それで・・・
        痛み止めを打ったらしくて・・・それで今は意識が・・・」


    古泉の説明も半ば、俺は考えるより先に病室に入っていた。


    89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 20:22:45.49 ID:/KV/MYeH0


    病室を覗くと

    ハルヒは・・・



    ハルヒは

    人工呼吸器や心電図に囲まれていて、

    医師や看護士に囲まれていて、

    だが、もうなす術もないといった感じで、


    左手側にはハルヒの家族が、ベッドに寄り添っていて、


    ハルヒは

    寝ているみたいだった


    90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 20:25:18.66 ID:/KV/MYeH0

    傍らで泣き崩れている御両親に、恥ずかしながら声を掛ける術を持ち合わせていなかった。
    しかし、それで恥ずかしいとか、迷惑じゃないかとか、そんなことはどうでもいい事に思えた。


    「あ、あの、その、すみません、あ・・・キョンといいます、ハルヒとは・・・」


    「えっ、あっ、あぁ・・・・・この間の・・・ハルヒの・・・お友達・・・さんね・・・
     いつもハルヒはあなたの事を・・・・・・そばに居てあげて」


    俺はハルヒに寄り添って右手を両手で包み込んだ

    キョン「ハルヒ!目を開けてくれ!いや、聞いてくれるだけでいい!・・・」


    まだ俺はお前に・・・・まずは・・・
     くそ・・・言いたい事が・・・多すぎて・・・
      何から言えば・・・


    お前のわがままに振り回されて迷惑なんかじゃなかった

    お前に感謝している

    お前に会えて良かった

    お前と過ごせて楽しかった

    ・・・全て本当の事だ・・・・・・だが・・・・


    93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 20:28:22.30 ID:/KV/MYeH0


    ハルヒ「・・キ・・ョン?・・あ・・お母さん・・・お父さん・・・」

    ハルヒ「私を・・・生んでくれて・・ありがと・・・、今まで幸せ・・・だったわ・・・
         でも・・・ごめんなさい・・・」

    ハルヒの家族は、ハルヒの名前を呼び続けていた。ただひたすら。



    どうしてこの病気になったのがハルヒで、

    どうしてハルヒだけがこんな苦しみに会っているんだ。


    俺はそんなハルヒに何もしてやれない



    だが!





    キョン「俺はお前のことが好きだ」


    94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 20:30:27.50 ID:/KV/MYeH0


    ハルヒ「!・・・私も好きだよ・・・・・キョ・・・ン・・・」

    キョン「もっとはやく言えてれば・・・」

    ハルヒ「・・・キョン・・好き・・・だよ・・・・
        なんで・・・今まで・・・いえ・・・なかったんだろ・・・・ね・・・
        こんなに・・・簡単なのに・・・・・・大好き・・・」

    ハルヒ「・ねぇ・・・キョン・・ゆ・・り・・・て・・・」

    キョン「なんだよ・・・・・・聞こえ・・・ねえよ・・・」

    ハルヒ「・・・指・・きり・・」


    ハルヒ「・・・みんなで・・指切り・・・したいの・・・」


    そういうと、今までピクリともしなかった手でしっかりと握り返してきた。

    今まで昏睡していたのが嘘だったかのように。


    95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 20:31:55.04 ID:/KV/MYeH0


    5人で指きり
    最後の最後まで無茶を言う奴。

    俺は急いでSOS団全員を呼んで、
    ハルヒと俺で掛け合わせた指を中心に、みんなでなんとか小指を折り重ねた


    そしてハルヒはこう言った。

    言葉そのものは途切れ途切れで、よく聞き取れなかったはずなのだが、
    俺には記憶として、意気揚々としたハルヒの声が、鮮明に残っている



     「約束して!いい?SOS団は不滅よ!未来永劫、活動を続けていきなさい!
     
      もしそれを破るようなことがあったら・・・全員、死刑だから!」



    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    こんなときに死刑なんて言葉、口に出すかよ。
    ハルヒらしいといえばハルヒらしいが。
    そして俺たちは、全員で指切りをしたんだ。


    96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 20:32:43.60 ID:/KV/MYeH0


    ―――― だが、俺はだけは絶対に離そうとはしなかった。

    離したく、無かった。

    別れるのは嫌だ。


    キョン「ハルヒ・・・ハルヒ・・・」


    ハルヒ「・・ば・・かね・・・・・キョン・・・・」









    ハルヒ「・・・ま・・・た・・・・・会え・・・・る・・・わよ・・・・・」






    指が切れた


    97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 20:41:35.88 ID:/KV/MYeH0

    新学期早々、俺は学校をサボりがちになっていた。
    なにも取り柄は無くとも、学校をサボるようなことをする人間では無い。自分でそう思っていた。
    一度休むと癖になってしまうらしい。

    そして行き先はいつも、ハルヒが退院したら密かに連れて行こうと思っていた場所。

    そう、ハルヒと一緒に満開の桜を眺める予定だった夙川の、橋の欄干に体を預けていた。

    俺的には、少し電車に乗って芦屋川まで行った方が落ち着いた感じで好きなのだが。
    ・・・・そこまでは、できないだろうと思っていたから。

    それに、どこまでも続きそうな、桜並木。こちらの方がハルヒらしい。



    1時間はそうしていただろうか、ふと右の方に目をやると

    いつのまにか古泉が隣で一緒に見ていることに気付いた。
    俺が気付いた事に気が付いたのか、それとも今、到着した所なのだろうか、
    川沿いに咲いた桜を眺めながら、いつものニヤケ声で、独り言のように話し出した。

    古泉「ここに居たんですか、探しましたよ。・・・今日は見事な満開ですね。
        今年は開花がちょっと遅かったみたいで。あなた・・・涼宮さんが
        『花見に行くわよ』と言い出したときからずっと考えていたんでしょう?
        ・・・実は、僕もここにしようと思ってました。」

    いつもなら憤慨して無視しているところだ。でも今はそんな気にはなれなかった。
    それに、俺の方を見向きもせず、俯きかげんにこう続けたから。

    「この景色を・・・・・・・涼宮さんに、見せたかったです」


    98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 20:53:18.70 ID:/KV/MYeH0


    俺は古泉が泣いているのを初めて見た。
    俺は今までコイツはただ超能力者として世界の崩壊を防ぐため、
    SOS団に居るんじゃないか、ただそれだけで
    ハルヒに尽くしているんじゃないか、そう疑っていた。


    でもそれは、嘘泣きじゃないみたいだった。





    俺は自分から古泉の肩に手を回した。
    それでずっと二人で桜を眺めていた。


    男二人が肩を寄せて桜を見てるなんて、気持ち悪いよな。


    99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 20:55:42.34 ID:/KV/MYeH0


    悲しみに浸って、散々泣けば、人間、不思議なもので、気持ちが少し楽になるものだ。
    しかし、喪失感だけはどうにもならなかった。


    古泉「見せたかったですね、涼宮さんに」

    キョン「一緒に見てるさ」

    俺はそう言って、左手に持っていた団長の腕章と、
    ハルヒがつけていたカチューシャを見せた。

    古泉「そのカチューシャは・・・」

    キョン「ご両親に、『学校に行くときにいつもつけてたみたいだから、
        あなたに持っていて欲しい』って言われてな」

    古泉「結局、『団長』の腕章は一度も腕に通さず仕舞いですか?」

    キョン「これを腕に通したら、ハルヒと永遠に別れることになる、そんな気がしてな」

    古泉「そうですか」



    我ながら馬鹿な事を言っているなと思う。


    ハルヒは・・・もう居ないのだから。


    102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 21:00:32.74 ID:/KV/MYeH0


    もうこのまま時間が永遠に過ぎていけばいいと思った。何も考えないで。
    ただひたすらに散っていく桜の花びらを追う作業。それ以外、何もする気は起きなかった。

    それに、元々俺はハルヒのようには生きられないのさ。

    キョン「ハルヒにああは言われたけど、俺が団長になっても意味はない」

    古泉「おっと、涼宮さんを裏切るのですか?」

    キョン「俺を責めないでくれ。俺は誰かを引っ張って生きていくような人間じゃないんだ。
        それにあの団長席を見るたびにアイツを思い出しそうで。」

    古泉「・・・」

    キョン「のんびり座っていたら、けたたましい声とともに、またドアが勢いよく開くんじゃないか。
         そんなわけがないことを分かっていながら、そんなことを感じてしまったら・・・・
         余計に悲しくなるに決まってる。だから今の俺には、あの部室に入る勇気すら無いんだ。
         ハルヒとの約束を破るのは辛いが、SOS団はもう・・・」


    古泉「部員も居なくなりますしね」

    キョン「・・・?」

    古泉「あなたを探していたのは、僕自身心配したからですが・・・」


    103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 21:07:08.55 ID:/KV/MYeH0


    キョン「なんだって?まさか・・・」

    古泉「涼宮さんが居なくなった事で、問題になっていた時空の穴は解消したそうです。
        結局原因ははっきりしなかったそうですが、朝比奈みくるには帰還命令が出ています。
        そして同様、長門さんも観察対象を失った事で、居なくなるそうです。」

    キョン「それはいつだ」

    古泉「今日です」

    平然と答えるコイツの顔をみて、急に腹が立った

    キョン「それを先に言えよ!!!急ぐぞ、古泉!」


    思わず古泉の腕を掴んで走り出した。

    その瞬間、


    まるで自分が、ハルヒになったような感覚に陥った。


    104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 21:18:17.42 ID:/KV/MYeH0

    しかし焦る俺を古泉は静止し、手を振った。
    すると黒塗りのタクシーがすぐ目の前に止まった。

    古泉「貴方を探すために、僕が無理を言ってかりだしたんです。
        我々の最後の仕事、ということで、快く引き受けてくれました。」

    キョン「お手数をおかけして・・・」

    「いえ、これも何かの縁でしょう、お気になさらず」

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――

    キョン「最後の仕事?解散でもしたのか?」

    古泉「ええ、解散というか、もともと、彼女を起因とする世界の崩壊という危機感から連帯が生まれ、
       誰が指揮をとるでもなく自然に組織されていたようなものでして」

    キョン「そうか」

    古泉「そうです。・・・僕は彼女に願望を実現する能力があると信じ、彼女にお仕えしていました。
        今となっては・・・彼女には元々そんなもの無かったのかもしれません。
        貴方に期待させるような事をいってしまって・・・」

    キョン「お前は、これからどうするんだ?」

    古泉「そうですね」

    そういったきり会話は止まってしまった。やはり古泉もどこかへ行ってしまうのだろうか。
    今まで会話で紛れていたらしい悲しみが、また胸を押さえつけてくるのが分かり、
    俺は落ち着きがなかった。


    106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 21:27:15.28 ID:/KV/MYeH0


    俺はオートロックのインターホンで長門を呼び出す。

    キョン「俺だ、長門」

    無言だったがエントランスの自動ドアが開いた。


    玄関でインターホンを押すと、すぐにドアが開いた。

    長門・・・・・と朝比奈さんも居た。

    朝比奈「キョン君」

    キョン「すみません、今まで連絡もしなくて」

    朝比奈「謝るのは私です、こんなに急に帰ることになってしまって。
         私も内心、会えば別れが辛くなるだろうな、嫌だな、と思ってて。」

    キョン「朝比奈さん・・・」

    朝比奈「キ、キョン君!」

    そういって朝比奈さんは俺に抱きつ・・・こうとして踏みとどまった。


    107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 21:33:47.22 ID:/KV/MYeH0


    朝比奈「涼宮さんの事は・・・規定事項でした・・・
         それが何時のことだとか・・・詳しいことは教えてもらってなかったんですけど・・・
         ご、ごめんなさい・・・怒るよね・・・でも言えなかったの・・・でもこんなに早かったなんて・・・
         二人がケンカしたときに・・・何度も思わず言いそうになったけど・・言えなくて・・・
         でも、もっと早く分かっていたらって思ってるんじゃないかと思って、私未来人なのに、
         何も出来なくて、何もしてやれないなんて、キョン君、私・・・!」

    キョン「いえ、朝比奈さんのせいじゃないですから」

    長門「情報改変能力の凍結が阻止できなった。私の不手際。」

    キョン「よしてくださいよ。規定事項だったんですか、それなら天命って奴ですよ。
        ・・・・・・・何も出来なかったのは俺も同じですから。それよりも」


    キョン「帰るんですか、二人とも」



    朝比奈さんは何もいえないという顔をしていた。
    長門は普段と変わらない様子だったが、二人とも目を見れば帰りたくないのは明らかだった。

    俺の勝手な思い込みかもしれんが。


    109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 21:39:22.72 ID:/KV/MYeH0


    キョン「一ヶ月・・・いや、せめて一週間だけ延期できないんですか・・・いや、これはもう、お願いじゃないです」


    キョン「これはハルヒから、いや・・・」

    俺は、声を強めて言い放った


    キョン「SOS団『団長』から命を受けた2代目団長としての命令だ!
         少なくとも一週間は団員としてここに居てもらう!」


    そういって、俺は二人を指差した。
    二人とも暫く、ポカーンとしていたが、すぐになにやら、ゴソゴソし始めた。


    俺なりにハルヒの真似をしてみたんだが・・・あまりにも作りすぎたせいか
    後ろから古泉の押し殺したような笑い声が聞こえる。
    っていうかお前は泣いてるのか笑ってるのかはっきりしろ。


    しかしこれで俺はハルヒの居たSOS団を思い出し、悲しみを吹っ切ることができた。

    『いつまでも泣いててもしょうがないでしょう!今やるべきことをやるべきよ!』

    あいつならきっとそういうだろうから。


    110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 21:44:30.01 ID:/KV/MYeH0


    結局、長門も朝比奈さんも、なんとか帰りを一週間待ってもらえる事になった。

    その一週間をかけ、俺はSOS団の活動として、できる限り沢山の事をやろうと思った。
    学校?そんなのズル休みするに決まってるだろう。


    どこへ行くにも、ハルヒがいつもつけていたカチューシャと、腕章を手に持って。
    ハルヒが行きそうなところ、やりそうなことを。

    SOS団”5人”で活動するのは、これが最後だな。




    そして・・・・・・最終日。
    最終日に行く場所として俺が選んだのは、
    俺がどうしても入る事をためらっていた、文芸部の部室・・・SOS団の部室だ。


    111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 21:50:20.77 ID:/KV/MYeH0


    古泉「そういえば、こうしてみんなでそろって部室に向かうのは初めてですね」

    キョン「ああ、そういえばそうかもしれん」



    俺は部室のドアの鍵を開けながら、ふとアイツのことが頭をよぎってしまった。

    涙が出そうになり、手が震えた。


    そういや・・・・突然開けたらハルヒがポニーテルにしてた、なんてことがあったな。

    俺を見るなりすぐ解いたが。あれは映画作りでケンカしたときだった。それも短い髪で。いじらしい。

    俺が入るとアイツはいつも浮かない顔をして。

    でも時々、本当に嬉しそうな笑顔をふっかけてくる、そんな奴だった。


    そうさ、あいつはいつだって


    古泉「どうしました?」

    キョン「ああ、一瞬また不安がよぎったんだ、だがもう大丈夫だ」

    古泉「ええ、入りましょう」


    113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 21:55:59.79 ID:/KV/MYeH0


    ドアを開けて中に入ると、休み明けの教室の、なんともいえない臭いがした。
    今まではそれを不快に感じたものだが。
    これは懐かしい感じだ。落ち着くといってもいい。悲しいとも。

    朝比奈「久しぶりです、このコスプレ衣装を見るのも」

    微笑みながらそう言った朝比奈さんに、最後にもう一度・・・と言いたかったが、
    暫らく置きっ放しになっていたせいで、埃をかぶり、痛んでしまっていたそれを着ろ、
    というのはさすがにやめておいた。最後くらい、このままでもいいよな。十分、かわいいしさ。

    俺は腕章とカチューシャを団長机に置き、言った。

    キョン「じゃあ、今日の団活をはじめるぞ。残念なことに、今日で、SOS団の活動は終了だ。」

    みんな、悔いは残って居ない、という顔だった。
    この一週間は、別れるという覚悟を決めての、活動だったから。
    寂しくはあるが。



    今は、俺にもそんな覚悟ができるようになったのさ。ハルヒ。


    114: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 22:02:56.07 ID:/KV/MYeH0


    みんな同じ事を感じているはずだ。
    ハルヒとあれだけ沢山のことをしてきて、
    急に居なくなりましたから、はい終わりです、じゃ、誰も納得できない。そうだろ?

    あのまま二人を帰していたら。中途半端なまま解散していたら。俺ののちの人生は、
    抜け殻みたいになっていたんじゃないだろうか。


    少なくとも俺にとっては、このタイムカプセルは心のよりどころで、

    みんなとの繋がりは維持しているのだ、という唯一の証拠であり、

    ハルヒが居たこと、やってきたことの証明だ





    そして、タイムカプセルも埋め終わり、再び部室に戻る。

    どうやら予定時間いっぱいみたいだな。

    もう日が暮れようとしていた。

    俺は団長机の前に立ち、言った。

    キョン「ここに、SOS団休止イベント全過程が終了したことを宣言する。
         今後、SOS団は無期限の団活“休止”とする。またいつか再開できる事を誓おう。」


    116: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 22:07:40.90 ID:/KV/MYeH0

    みんなが拍手をした。そして抱き合った。
    寒々しいが、でも・・・

    ハルヒ、できるだけのことはやった。
    残念だが、俺にはこれで限界みたいだ。

    許してくれ、ハルヒ。


    朝比奈「・・・会うは別れの始まり・・・この時代のことわざでしたっけ」

    キョン「そういうことわざはありますけど、この時代の、といわれると・・・」

    朝比奈「ええ、どの時代にも通じるんです。本当に・・・人はいつまでも変わらないものですから」

    朝比奈「・・・そろそろタイムリミットみたい・・・これで本当にお別れです。
         名残惜しいけど・・・でも行くね。今までありがとう、さよなら」

    キョン「こちらこそ。さようなら、お元気で」

    古泉「ごきげんよう」

    朝比奈さんは、後ろを振り向かずに部室から出て行った。
    多分もう居なくなっているんだろうな。

    ・・・などと考えていると、長門が立ち上がり、読んでいた本をそっと机に置いた。

    長門「パーソナルネーム長門有希。自己情報連結解除要請を受諾。情報連結解除開始。」


    117: ミス、113と114の間が繋がってませんでした 2010/05/07(金) 22:12:41.97 ID:/KV/MYeH0


    キョン「今日は、タイムカプセルを埋める。場所は決めて、許可もとってある。
        先生方も俺たちの意向を汲んでくれた」

    キョン「それで・・・次にこれをあけるのは、またSOS団の活動が再開できたときにしよう。
        そのときに団活がすぐに再開できるように。そのためのタイムカプセルだ」

    皆うなずいていた。タイムカプセルはそんなに大きくはない。部室のもの、全部は入れることができない。


    部室にあるそれらは、ハルヒがどこからか持ち込んできた備品。
    そのどれにも思い出があった。


    タイムカプセルにできる限りの物を入れ、
    昨日までに作ったSOS団の活動を記録したノートを入れて、あとは・・・・なんだろう
    ・・・・でもまあ、こんなもんだよな。


    正直な話
    もう一度5人が集まってSOS団の活動を再開できるなんて、思っちゃいない。

    朝比奈さんはもう二度と、俺が今後生きていく時間軸とやらには戻ってこないだろうし、
    長門も一度居なくなったら戻ってきそうに無い。
    古泉もどうなるかわからない。


    119: すみませんでした、116の続き 2010/05/07(金) 22:23:17.39 ID:/KV/MYeH0


    長門が足元から消えていく。

    古泉「お世話になりました」

    キョン「そうだな、マジでいろいろと世話になっちまったのに。
         結局お礼もできなかった」


    長門は顔をこちらに向け言った。

    長門「問題ない。あなたと居て楽しかった。」


    キョン「そうかい。それは俺もだぜ長門。・・・なあ、もう会えないのか」

    長門「私はただのインターフェース。役目が終われば、私の情報は削除される。居なくなる。」

    キョン「そうか・・・今まで、ありがとな。
        ・・・これぐらいしか言えないのが・・・もどかしいやら・・・腹立たしいやら・・・」


    120: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 22:25:11.32 ID:/KV/MYeH0


    長門「あなたと過ごせてよかった。」

    キョン「そういってもらえると・・・」


    長門「あなたが・・・」

    キョン「・・・?」


    もう殆ど消えかけた長門は最後にこう言った

    長門「本・・・」

    キョン「ん?」

    長門「本、読んで・・・」




    俺はそのときに見た夕焼けの色が忘れられない。

    春らしい穏やかな色だった


    121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 22:27:16.25 ID:/KV/MYeH0


    古泉「長門さん・・・最後に何を?」

    古泉がそういうより先に、長門がさっきまで読んでいた本を手にとってた。
    本を開けると、そこにはあるものが挟まっていた。

    キョン「・・・栞だ」

    古泉「これは・・・何か文字が書いてありますね?」

    キョン「ああ、内容はわからないが」

    古泉「悪い感じはしませんね」

    キョン「そうだな」

    古泉「でもなんでしょうね」

    キョン「さあな・・・宇宙人なりの、別れ方ってやつなのかもしれん」

    古泉「でも、これを見ていると、嬉しい気持ちになります。」

    キョン「不思議だな。・・・こんな状況なのに」


    122: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 22:29:00.55 ID:/KV/MYeH0


    俺はずっと気になっていたことを口にする。

    キョン「で、お前は。お前もやっぱり元の居た所に帰るのか?」

    古泉「僕は元々貴方と同じ、ただの人間ですから。いえ、今現在、普通の人間です。
        このまま居ますよ。少なくも卒業の日までは。」

    キョン「そうか、安心したよ」

    古泉「いえいえ、僕にしても貴方と別れるのは寂しいですから。これは友達としてです。」

    キョン「嬉しい事を言ってくれるのはいいが。そう思うのなら、いい加減”貴方”はよしてくれ」

    古泉「はは」


    そうして俺たちは学校生活へ戻った。
    ありふれた学校生活。ありふれた日常。



    そして、俺はそこそこの大学に入り、そこそこ普通の大学生活を楽しんだ。

    ハルヒに振り回されていた頃を思えば、ずっと退屈ではあったが。


    123: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 22:32:46.15 ID:/KV/MYeH0

    時々、ハルヒの夢を見た。


    ハルヒに手を引っ張られる感覚で始まり、

    そして何かする度に厄介事に巻き込まれる。

    俺は頭を抱える。

    でもどこか楽しくて、嬉しくて、幸せな時間。

    幸せってなんだろう。


    だが夢の最後には、ハルヒが背中を向け、俺を置いて去っていく。

    追いかけようとしても足が思うように動かない。追いつけない。

    ハルヒが見えなくなる・・・


    そして、ハルヒの名前を呼ぶ俺の絶叫で夢が覚める。





    情けないが、俺はハルヒに依存しすぎていたんだ。


    124: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 22:33:41.35 ID:/KV/MYeH0


    だがそんなことも

    月日が経てば薄れていくもので、

    俺も歳をとり

    ・・・

    そして・・・俺はなんと、今は先生と呼ばれる職業についている!



    ――― といっても医者だったりはしない。中学校の教師だ・・・



    もう学校の教師と言う職業にも慣れ、・・・・・まあ、ガキの相手は大変だが。

    だが、高校の頃に出会ったあいつの扱いに比べれば、まだまだ楽なもんだ。



    ・・・そんなふうに考えられるほど、長い時間が経っていた。


    125: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 22:34:46.04 ID:/KV/MYeH0


    そして今日は始業式、俺は1年の担任を任され、少し緊張していた。

    そして初めてのホームルーム。
    まずは入学おめでとうと。そして今後の学校生活について。

    俺はいつも「考えるよりも行動する事が大切だ」と言っている。
    自分が信じる道を行けばいい、とも。


    ・・・さて、恒例の自己紹介の時間だ。あまりさせたくはないな。
    俺は苦手だったから。

    だが、自己紹介には思い出もある。
    懐かしく、楽しくもあり、悲しくもある、思い出が。

    あいつが居なくなって・・・あれから・・・もう13年か・・・
    そういや、この子達の中には、あの子が居た頃の時代を、生きていない奴も居るのかな・・・


    そう思うと、急に、長い時間が経過したということを実感し、悲しくなり、
    その女の子の話を、この場でしたい衝動にかられたが、
    あまりに個人的で、こんな日なのにあまりにも悲しい話になるので、止めておく。

    その子の分まで生きろ、とでも言うべきか。いや、場違いだな。


    126: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 22:35:55.79 ID:/KV/MYeH0


    大抵、自分の出身と名前を言って、よろしくとでも言って終わる。
    皆と同じことを言うのを嫌ってか、あえて違う事を言う子も居たりする。

    自分なりの言葉を言うのは、人とは違っていたい、という気持ちからなのか。


    滞りなく、自己紹介は進んでいく。


    だが次の瞬間、俺の耳に入ってきた言葉は、驚くべきものだった。












    『この中に、『宇宙人』、『未来人』、『超能力者』が居たら、私のところに来て!終わり!!』


    127: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 22:36:47.05 ID:/KV/MYeH0


    聞き覚えのある台詞。

    昔の自分が呼び戻される台詞。

    ああ・・・・久しぶりに聞いた。

    高校時代に戻ったような懐かしい気分。懐か・・・



    その瞬間、俺は体の血の気が引いていくのがわかった。今なんていった?・・・

    いや、大体、俺は妄想が激しすぎるんだ、いい加減、高校の頃の記憶なんか忘れろよ!


    俺はその女の子を凝視した。


    128: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 22:43:28.51 ID:/KV/MYeH0


    名前はアイツの名前ではない。

    そして、別にカチューシャをつけていたわけでもなければ、

    髪型に特徴があるわけでもない。



    なかったが、



    平凡な日常に対する不満から来る、あの怒ったような表情は、
    入学当初のアイツと良く似ていた。

    俺は暫く固まっていた。




    「先生?」

    ・・・誰かの声に我に返ると、前の席の生徒が歯を見せて笑いながら手を左右に振り
    『気にするな』的なジェスチャーをしていた。


    129: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 22:44:14.08 ID:/KV/MYeH0

    だが、俺は気になる。・・・今のは先生の聞き違いだよな?まさか宇宙人云々なんて言ってないよな?

    「先生、宇宙人なの?」

    いや違う。

    「未来人か超能力者?」

    正真正銘、先生は普通の一般人だが。

    そう言うと他の生徒がちょっと冷ややかな感じでウケていた。

    「じゃあ聞かないでよ。時間がもったいないから。」

    そう言うと視線をそらした。



    このやり取りに、俺の心拍数はひどく上昇していた。

    驚き。懐かしさ。嬉しさ。いろんな感情が湧きあがっていた。




    ・・・だが最も俺の心を覆っていた感情は、

     動揺 だった。

    お前・・・なのか?・・・・・だがそれっきり、俺のことは気にしていない様子だった。


    130: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 22:45:47.60 ID:/KV/MYeH0


    俺はその日の夜、久しぶりに古泉に電話した。

    『久しぶりです、お元気でしたか?』

    ああ、だが今は昔話に話を咲かせるような気分じゃないんだ。

    『はい』

    俺の異常を察知したのか、古泉のトーンが落ちた。
    いや、そんな深刻な話じゃあないんだ。さっきも言ったように、俺は元気だぞ。

    「話がある。会えないか?」

    『わかりました、では次の日曜日でいいでしょうか?』


    そして日曜日、俺はあの駅前に向かった。高校時代、よく待ち合わせに使っていた場所・・・
    とは言うものの、俺たちが卒業した後、改修工事がなされたため、
    当時の面影は今は無く、別の場所のようになっていた。なんだか寂しい。

    古泉「僕の遅刻ですね、団長殿」

    キョン「遅刻だ?まだ約束の10分前だろ。それにその呼び方はよしてくれ。」

    古泉「はは。ではあの喫茶店でどうですか?」

    キョン「それがいい」


    131: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 22:46:50.33 ID:/KV/MYeH0


    古泉「それで・・・生徒の一人が涼宮さんに酷似していると?」

    キョン「ああ、自己紹介のあの第一声、あの態度、言動。そっくりだ。」

    古泉「まあそれは、色々な人が世の中には居ますから。
        それに、内面が似ていれば、外見や行動も似てしまうものですよ。」

    キョン「ああ、だが、その子の生年月日を調べたんだ。
         それがどうだ・・・ハルヒの・・・命日だった・・・
         13年前のあの日・・・あの日に丁度、生まれてるんだ。偶然すぎやしないか。」

    古泉「それだから偶然というんでしょう」

    キョン「誰かのドッキリという可能性も・・・」

    古泉「わかりません。あの日以来、本当に僕には何の能力もありませんから。
        でも仮にドッキリだとして、誰にメリットがあるわけではないことを
        わざわざ手間をかけてやるとは思えませんし、やるにしても問題が多すぎます。」

    キョン「だよな・・・」


    133: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 22:48:17.33 ID:/KV/MYeH0


    古泉「涼宮さんに最後に言われた事・・・思い出してしまいましたか」

    キョン「・・・」


    古泉は笑って

    古泉「まあ、偶然ですよ。そうですね。そう、思ったほうが、いいでしょう。
        でも良かったじゃないですか。いずれにしても、楽しい事が起きそうです、ね?」

    キョン「おいおい、変な女に振り回されるのが生涯俺の役目になるのか?
         悲しくなるなあ、いろんな意味で。」

    まあ、俺だって、あの子が所謂 ”生まれ変わり”だなんて思いやしないよ。
    全然俺を気にしてないみたいだしな。だが、まあ、面白いことにはなるかもしれん。


    しかし、何度も繰り替えすが、こんな偶然があるのだろうか。
    それともお前の仕業なのか

    俺は思い出さない日は無いくらいに頭に残っている、

    ハルヒに最後に言われた言葉が、今までに無いほど気になって仕方が無かった。


    135: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 23:01:40.51 ID:/KV/MYeH0


    彼女との初めての個人面談の日。
    その日は、彼女の順番が回ってくるまで、他の生徒との面談が終わるたびに、
    順番表を見ながら、後何人、次か次かと気が気でなかった。
    まさに心ここにあらずといったところで、教師失格だな。

    そして、

    ついに、というか、その子の順番が回ってきた。


    無言で入ってくる。あからさまに不満そうだった。

    「おっ、じゃあ、まあどうぞ座って」

    彼女は何も言わずに椅子に座った。
    どうだ、中学での学校生活にも慣れたか

    「別に」

    至るところ仮入部していたらしいけど、結局どこにも入らなかったみたいだな?

    「・・・・」

    どこか良さそうなクラブはあったか?

    「・・・・。」


    136: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 23:09:56.62 ID:/KV/MYeH0


    それだけ入ればどこか良さそうなところもあったんじゃないかな

    「ないわ、全然」

    そうか・・・それより、いつも1人で居るみたいだな?

    「先生には関係ないでしょ」




    俺は高ぶる気持ちを、なんとか押さえて
    あの時と同じセリフを言うことにする。

    というか言ってみたかった。


    「しょっぱなのアレ、どこまで本気だったんだ?」


    137: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 23:11:44.01 ID:/KV/MYeH0


    俺がそう言うと、これまた冷めた声で返答してきた。

    「何よ、先生は、宇宙人でも未来人でも超能力者でもないんでしょ?
     それともなに?そんな馬鹿なことは考えるなとでも忠告したいの?」

    いや、まあ、いち中学教師としては、そう言ってあげるべきなのかもしれない。


    確かに先生は宇宙人でも未来人でも超能力者でも無い
    しかし、お前とよく似た・・・・・・そうだな、自己紹介で全く同じセリフを言った
    やつを先生は知っているんだ。

    「・・・!?ええっ?どういうこと?それ!もっと詳しく聞かせて!」

    今まで俺のことを蔑むような目で眺めていたのが一転、机を乗り出し、一気に俺に掴みかかってきた。

    不満をあらわにしていた顔が、
    好奇心に満ち溢れ、何をしでかすかわからない、あいつと同じ、あの表情に変わっていた。
    この態度の変わりよう、あいつにそっくりだな。

    今までいろんな生徒と出会い、いろんな奴が居た。
    しかし・・・教師である俺を相手に、掴み掛かってきた奴は初めてだ。

    しかしまあ、他の奴ならいざ知らず、ちっとも悪い気はしなかった。
    それどころか俺は懐かしいやら、嬉しいやらでわけがわからなくなっていた。


    138: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 23:13:57.11 ID:/KV/MYeH0

    まぁ、

    そんなことがあってから、俺と彼女は、昼休みや放課後に良く話すようになっていた。
    俺は自分の高校時代の思い出、つまり、ワガママで傍若無人で、不思議な少女と出会った事、
    そいつは世の中の不思議、楽しい事を探すため、日々奮闘した、ということ話してあげた。

    「よくわかるわ、その子の気持ち」

    だろうな

    「で、結局その子は不思議と出会えたの?」

    まあな、実はアイツの身近で、不思議なことは色々と起きていたんだ。
    本人はちっとも気付いていなかったがな。

    「へぇ・・・でも気が合いそうね!その子に会いたいんだけど!」

    ・・・これはあいつの話をする時点でわかっていたことだが、
    それを聞いて、急に悲しみがぶり返してしまった。

    今までアイツの話を誰か他の人に話したりなんてことは無かったから。
    この言葉を声に出して言うのは初めてだったから。

    ・・・そいつはもう・・・この世に居ないんだ。

    「えっ・・・あ・・・」

    いや、気にしなくていいんだ。これは先生からいいはじめたことだからな。

    もう昔の話だ。


    139: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 23:17:00.55 ID:/KV/MYeH0

    ―――――――――――

    ・・・この偶然は、こんな少女が俺の前に現われたのは、たちの悪いドッキリなのだろうか?

    そんな懐疑的な見方も、こうして、なんども話を積み重ねるうちに、
    演技なんかではないと、はっきりと言い切れるようになった。

    そう、こいつはいつも大マジだった。
    やりきれない、やり場のない憂鬱な気持ちを発散させる術を探していた。
    アイツと同じだ。


    この少女は、俺にとって

    唯一、あの忘れられない思い出、
    時々、思い出すたびに切なくなるアイツとの思い出、

    それを気兼ねなく話せる相手なのかもしれない。

    話せば話すほど、いままでのわだかまりや、悲しみも消えていくような気がした。
    悲しいだけだった思い出を、整理することができた。

    今まで恥ずかしながら、10年以上たった今でも、心に空いた穴を
    埋める事が出来ていなかったんだ。


    140: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 23:19:19.66 ID:/KV/MYeH0


    もう、大丈夫じゃないか?

    これがもし、あいつの粋な計らいなんだったとしたら、
    俺はまた、アイツに感謝しないといけないよな。

    それに、果たせるかもしれない。
    破ってしまった、全員で指切りまでした約束を。

    あの約束を果たせていないことが、

    今でも心にあいつのことが引っかかっている、

    最大の原因のような気がしたから。



    俺はある決意をした。


    141: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 23:22:40.34 ID:/KV/MYeH0


    前期最後の個人面談。彼女の順番が来た。

    「しつれいしまーす」

    礼儀は正しいんだな。

    「失礼ね!それくらいはちゃんとするわよ」

    ふん・・・まあはじめるか。

    「んーでも先生とはいつも話してるし、今さら特に話すこともないわよ」

    確かにそうだな。あいつと似ているのは言動だけじゃないからな、
    成績も優秀だし、スポーツも結構得意みたいだ。はっきり言って、何も言う事は無い。

    「またその女の子のこと?・・・やっぱり先生って、その女の子のこと好きだったのね」

    マセガキが・・・とベタな突込みをするのはさておき、俺ももう大人なんだよな。
    好きだった。もし生きていたら・・・そう思うことは今でもある。でもまあ、もう昔の話さ。

    「告白とかした?」

    一応な。お互い素直じゃないもんだから、苦労した。まあ、そんなこともあったってことだ。


    143: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 23:30:28.97 ID:/KV/MYeH0


    「その子に嫉妬しちゃうなー」

    おいおい、やめてくれよ。今から渡そうと思っているものがあるのに。

    「え?まさか今のを真に受けちゃって
     愛のプレゼントを渡す、とか言い出すんじゃないでしょうね。」


    ・・・そういうことじゃないが、これを受け取って欲しいんだ。

    俺は二つのものを机に並べた。

    「腕章?と・・・こっちはカチューシャ?
    あっ、もしかしてその女の子がつけてた・・・」

    気が進まなければ、受け取ってくれなくてもいい。

    しかしまあ、できれば、

    この腕章を受け取って、

    先生には出来なかった、活動の継続を、実現させて欲しいと思う。
    お前になら託すことができる。


    それが、アイツとの約束を守ることになる気がした。
    これで俺も蹴りをつけられる。おそらくな。


    145: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 23:45:47.08 ID:/KV/MYeH0


    ・・・ま、まあ、カチューシャのほうは・・・なんとなく先生、それをつけた姿を見てみたいと思ったんだ。
    別に深い意味は無いぞ。本当だ。いや、どうだかな。すごく個人的で、変なことを言っているのは自覚してる。

    「カチューシャフェチ、とか言うんじゃないでしょうね」

    かもしれないな・・・と俺は思った。いやいや、ただあいつがつけてたから、それが懐かしいってだけでだな。
    俺はカチューシャが好きとかそんなんじゃないんだ。ポニーテールは好きだが。
    って、俺は自分の生徒の前で何を考えてるんだ。

    「ふーん?でも可愛いと思うわソレ・・・・つけてみたいかも」


    俺はカチューシャを手渡した。


    懐かしさで涙が出ないだろうか。

    これで泣いたりなんかしたら、完全に変人だからな。いや、もう、この時点で変人か。


    149: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/07(金) 23:57:57.66 ID:/KV/MYeH0

    ところが彼女はカチューシャを手にとった後、なぜか俯いたまま、しばらく動こうとはしなかった。

    どうした?やっぱり気が進まないか。それは別にそこまで必要なものというわけではないし、
    無理にとは言わない。俺は、立ち上がったまま動かない彼女に近づき、手を差し出した。

    「いいえ、これは必要だわ」

    そう言って俺の手を払いのけ、彼女はカチューシャをつけ、顔をあげた。その瞬間

    俺は言葉を失った。その姿は




    「それに ・ ・ ・ 今日はちょうど月曜日だしね」



    ・ ・ ・ まるで ・ ・ ・いや ・ ・ ・




    「そんなに私が恋しかったの、キョン」



    あいつそのものだった


    152: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/08(土) 00:04:10.80 ID:qC4nPMrE0


    なんて言った・・・今・・・・月曜日・・・?ああ、黄色は月曜か・・・・

    いや、俺はそんなことまでこいつには言ってはいない。というか、いま思い出したぐらいだ。

    それに・・・俺の高校時代のあだ名も・・・



    「なにブツブツいってんの。もしかしてカチューシャなんかよりポニーテールの方がよかった?
     高校時代、あんたを連れ回した女の子の名前は涼宮・・・ねぇ、あんた、私の名前を
     忘れた・・・なんて・・・言わないでしょうね・・・」



    キョン「ハルヒ」

    ハルヒ「キョン、会いたかった・・・!」


    そういうとハルヒは俺に飛びつき、泣きだした・・・俺も

    そしてずっと、互いに名前を呼び合って、

    二人で

    うめき声のような泣き声を上げていた

    ずっと・・・


    156: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/08(土) 00:09:48.24 ID:XENZIF0l0

    ――――――――――――

    それから暫くして落ち着いたハルヒ――今はあえてそう呼ぶが――と俺は会話を始めた

    ハルヒ「それにしてもあんたが先生とはね・・・」

    キョン「未だに状況がよくつかめないんだが」

    ハルヒ「相変わらず頭の回転にっぶいわねー」


    キョン「お前、今までどうしてたんだ?なにがなんだかさっぱりだ、本当にハルヒか?」

    ハルヒ「あたしはあたしよ!あのとき・・・アンタと、指きりしたときから、
         ずっと暗闇の中を歩いてた・・・恐くて、不安で、なんで死んでまで
         こんな目に会わなきゃいけないのって・・・泣き叫んだ事もあった。
         でもだんだんわかってきたの。あの時キョンに『また会えるわよ』・・・なんて、
         無責任な事言っちゃったからだって、そう思ったの。」

    キョン「そんなこと・・・」

    ハルヒ「どうしてかは説明できないけど、キョンが私の事で苦しんでるのを感じたのよ・・・
         それで・・・これは当然の報いだと思った。何年も何年もそれが続いて、
         地獄だったわ・・・時々、キョンの声がして・・・無意識に声のする方に向かってた。
         それで、キョンに・・・会って謝りたい・・・って思ったら、目の前にアンタが居たのよ」


    157: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/08(土) 00:13:19.36 ID:XENZIF0l0


    キョン「俺が指を切ろうとしなかったせいで・・・切ろうとしなかったからお前は、
         あんなことを・・・俺のせいだ、お前が謝る事じゃねえ」

    ハルヒ「なーにいってるの!私も指を離したくなかったもの。最後まで繋いでてくれて、
         私は嬉しかったわ!」

    キョン「そう言ってくれて俺も嬉しいが」

    ハルヒ「・・・でも本当に変わったわね、あんた」

    キョン「そうか?この歳になっても、考えてる事はやっぱりガキのまんまで」

    ハルヒ「そういうことじゃないわよ。でもちょっと安心した。結構元気そうじゃない。」

    キョン「いろいろ苦労したぜ。ここまで来るのにさ。でもここまで頑張れたのも、
         お前の生き方に感化されたからでだな、お前がそんなに思い詰めることは無くて、
         俺はむしろお前に感謝し―――――――――


    158: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/08(土) 00:17:13.02 ID:XENZIF0l0

    ハルヒ「じゃあなんで結婚しないの」

    キョン「なんだって?」

    ハルヒ「愛してるパートナーが、今のアンタには、もう居るんでしょ」

    キョン「え?」

    ハルヒ「居るでしょ!」

    キョン「・・・あれは大学のいつ頃だったかな・・・付き合いはじめて・・・
         それで結婚も誓って・・・でも・・・ダラダラとここまでひっぱっちまってる・・・」

    ハルヒ「別れたいの?」

    キョン「・・・そうじゃねえけど」

    ハルヒ「やっぱり私を気にしてたのよね?」

    キョン「いや・・・」

    ハルヒ「私の事が引っかかってたのよね?」

    キョン「・・・」

    ハルヒ「はぁ、ほんとに・・・・・あのとき余計なこといっちゃったわよね、あたし」

    キョン「ハルヒ、今からでも」

    ハルヒ「早く結婚しなさいよ」


    159: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/08(土) 00:23:52.98 ID:XENZIF0l0

    キョン「いや、お前・ ・ ・俺は・ ・ ・俺は・ ・ ・」

    ハルヒ「なにか勘違いしてるわね・ ・ ・あたしはただ・ ・ ・伝えたい事があっただけで、
         あたしの事は・ ・ ・ ・ ・もう・ ・ ・ ・気にしないで、キョンには幸せになって欲しいし、
         ただ、それだけ・ ・ ・もう、それだけなのよ。だから―――

    キョン「俺は今でもお前の事が好きだ!!!お前のことを忘れた事なんて一日だって無かった!!
         忘れられなかった!・ ・ ・ハルヒ、だから、だから・ ・ ・」

    ハルヒ「・ ・ ・なに気持ち悪い事言ってんのよ・ ・ ・ ・
         あれから・ ・ ・ ・ ・ もう何年経った?そう、そんなことを思い続けていても、
         どんどん時間は流れていくのよ。あたしが居ないとホント駄目よね、キョン。
         ・ ・ ・ ・ ・いいえ、あたしが居ると、駄目なのね。」

    キョン「お前は・・・俺の事・・・」

    ハルヒ「あ゙ーんもう、さっきまでの凛々しいキョンはどこに行ったのかしら。
         もう、あたしはこの世を去ったの。もう居ないのよ。居ない人間のことでクヨクヨして、
         あたし、そういうの嫌いだってわかってるわよね?
         そんなキョンにしてしまったのが、あたしのせいだと想うと辛いのよ。
         ・ ・ ・あたしを今でも好きだって言ってくれるのは、嬉しいわ・ ・ ・すごく。
         あたしも大好きだよ・ ・ ・キョン。
         ・ ・ ・でも、あたしを好きなんだったら・ ・ ・なおさらお願い。
         私の事は気にしないで・ ・ ・幸せになって・ ・ ・ ・ ・」

    キョン「・・・また・・・いっちまうのか」

    ハルヒ「ええ、あくまでこの体はこの子のものだから。あたしの物ではないし。」


    160: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/08(土) 00:25:02.74 ID:XENZIF0l0


    キョン「・・・」

    ハルヒ「SOS団は、キョンがしたいようにすればいいから。
         この子に譲るなり、何をするにしてもね。」

    キョン「・・・ぁあ」


    ハルヒ「・・・んじゃー約束して!私のことなんか気にしないで、幸せになるって」

    キョン「・・・ぁあ」


    ハルヒ「・・・元気ないわねぇ・・・・そうだ!久しぶりに指きりしましょうか」

    キョン「・・・わかったよ」



    そして俺たちは指切りをした。ハルヒと最後に別れた、あの日のように。

    これで、本当に最後か・・・・


    ・・・


    163: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/08(土) 00:29:54.34 ID:XENZIF0l0


    ハルヒ「!?ちょっと!!指を離しなさいよ!また繰り返したいの!?」

    キョン「ま、まて、1つだけ、言わせてくれ!」

    ハルヒ「何?」

    キョン「『今までありがとう』・・・あの時、別れるのが恐くて、言えなかった」

    ハルヒ「ば、ばかね。じゃあね。幸せに・・・なってよね!・・・あたしが生きれなかった分まで」



    ―――― だが、まだまだ離せない俺だった。



    キョン「ったく、2度も別れさせやがって!辛すぎるだろ、ばか。」

    ハルヒ「ふーんだ。あ゙ーんもぅ、わかったわよ!あの時のセリフ、言い直すから。

        また、"あの世で"会いましょう!

        ただし!!もしさっきの約束を破ったりしたら――― 来るなり死刑にしてあげる!」





    俺は指を離した


    167: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/08(土) 00:36:11.94 ID:XENZIF0l0

    ―――――――――――――

    時が経つのは本当に早いもので、

    3年が経過した。

    俺はハルヒとの約束どおり、あの後すぐに結婚し、
    娘を授かり、あと何ヶ月かで息子も生まれてくる。
    そう、俺は ”今でも” 幸せに暮らしている。


    あれから二度と彼女がハルヒになる、なんてことは無かった。

    しかし、今でも彼女とは時々会って、近況についていろいろと話をする仲だ。


    ちなみに、彼女とは3学年とも同じ担当だった。なんでだ。・・・嬉しいが。
    進学のときには、北高に行くといって譲らず、そして入学した。

    頭がいいのだからと、他の学校も進めたのが、、、
    でもまあ、内心、とても嬉しかった。

    そして、彼女は、俺の願い通り、
    SOS団再始動に必要なだけのメンバーを集めてくれた。


    俺は古泉と一緒に北高の部室に赴き、俺たちの埋めた、タイムカプセルの在処を教えた。

    ついにSOS団が無期限休止から、再開するときが来たってわけだ。


    169: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/08(土) 00:42:38.77 ID:XENZIF0l0


    あいつが集めたSOS団のメンバーは、古泉が思わず噴き出すほど
    俺たちのそれとよく似ていた。

    俺はふと思いついて、椅子に座ってを本読んでいた少女に、長門に貰った栞を渡した。
    なにやら表面をなぞった後、なんと、かけていたメガネを外してこっちを見たのだ。


    ・ ・ ・ 一瞬、驚きの声を上げそうになったものの、こらえた。


    これは彼女のSOS団だからな。

    しかしまあ、俺も、時々は参加させてもらおうかな。


    171: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/08(土) 00:48:03.50 ID:XENZIF0l0


    新SOS団も、俺たちがそうしたように、
    また常識外れなことをやっているそうだ。
    まあ、楽しい日々を送ってくれればそれでいいと思う。

    そして、団長様には好きな奴が居るらしい。

    好きなんだと認めた、といった方がいいか。
    まあどんな状況かは、言わなくても分かるだろ?

    頑張れ、とだけ言っておこう、そいつにな。

    これで俺も、胸を張って生きていける。

    なあ、



    ハルヒ


    俺は今もお前の分まで幸せに生きています。

    そしてこれからもずっとだ。あの世でお前と、

    また、会える日まで。


    172: そして、いつもの風景 2010/05/08(土) 00:50:35.59 ID:XENZIF0l0

    ――――――――――――――――
    ―――――――
    ―――


    古泉「あっはは」

    朝比奈「ぴぃぃぃぃいいいいいい」

    長門「・・・」

    ハルヒ「もう少し練る必要はあるけど、どう?大傑作になりそうでしょ!これ!」



    ・ ・ ・ えっ?何をしてるかって?

    ああ、ここはいつものSOS団の部室だ。

    今、俺たちはまた、いつぞやの生徒会長の命令よろしく、
    今回はハルヒの思いつきで、”文芸部”としての活動をしている最中である。


    やれやれ。ハルヒの想像力は、時々俺たちを冷や冷やさせる。
    というか冷や汗が止まらない。たまには自重してくれよ。


    173: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/08(土) 00:51:31.46 ID:XENZIF0l0


    今回の製作に当たっての取り決めとしては、SOS団を絡めること、ジャンルは俺が心霊物、
    長門が学園物、朝比奈さんがSF物で、古泉はラブストーリーである。ざまあみやがれ。

    ハルヒはというと、『あたしは全部だから!』とか言い出した。
    いくらなんでも欲張りすぎるだろう。限度ってもんを知らん奴だ。

    何がしたいんだろうな、こいつは・・・
    まあ、こいつのやることに心から同意できたことなんて、一度もないんだが。

    ハルヒ「SOS団を題材にした、学園SF心霊ラブストーリーよ!
         恋仲なのがあたしとキョンってのが、どーにも納得いかないけどね!」

    キョン「なんだ・・・それだけは同意できるな」


    ハルヒ「なによ」

    キョン「?」


    ハルヒ「・・・・・なんでもない。」


    176: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/08(土) 00:52:35.90 ID:XENZIF0l0


    古泉「ははは・・・まあ、登場人物の解説はこのくらいで・・・・・もう少しSOS団の活動内容について、
        充実させた方がよろしいのでは?僕達は知っていますので読んでいてわかりますが、
        これは第三者に向けたものでしょう?宣伝にもなります。」

    こんなもん第三者に読ませたら黒歴史確定だろう。
    よくまあ恥ずかしげもなくこんなもんが書けたもんだ。
    それと、お前は早く汗を拭いたほうがいい。

    キョン「大体なんだ、この俺がアホで間抜けってのは。それにお前だけ――」

    ハルヒ「それもそうね!それに私の出番も少ないし!キョン、あんた多すぎるわ」

    古泉「非常に良いアイデアかと」

    キョン「俺の話も聞けよ」

    長門「私も少ない」

    朝比奈「ぴぃいいいぃいい」


    178: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/08(土) 00:53:57.04 ID:XENZIF0l0


    自業自得というやつか、元はと言えば、ハルヒにこいつらの素性を明かしたのは俺なわけで。
    俺の言う事なので、全く聞き入れてもらえなかったが。

    ・・・どうしてこう斜め上を行くんだろうね、コイツは・・・・

    いや、直球ど真ん中か?これ? あぁ、朝比奈さん、本当にすみません。


    キョン「常識外れって自覚はあるんだな・・・」

    古泉「ははは・・・」

    ハルヒ「もうこの世に居ない人間を、婚約者もできながら10年以上も愛し続けるなんて、
        なーに馬鹿なことやってんだか、ぷぷw」

    キョン「書いたの、お前だろっ。ねーよ、こんなの」

    古泉「それはそうです。これはあくまで涼宮さんの考えた、『フィクション』なのですから。」

    ・・・なーにがフィクションなのですからだ。
    自慢のニヤケスマイルも、今日はなんだか引きつってるな。


    181: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/08(土) 00:57:00.84 ID:XENZIF0l0


    ハルヒ「まっ、そういうことっ!みくるちゃん?プルプル震えてないで、お茶ちょうだい」

    キョン「やれやれ・・・」

    朝比奈「ど、どうぞ~」

    ハルヒ「ありがとっ!」


    キョン「大体、なんで俺がハルヒを・・・・10年もハルヒなんかを」

    ハルヒ「ふんっ」プイッ ゴクゴク




    キョン「まぁ・ ・ ・ありえなくもないが・ ・ ・」

    ハルヒ ブフー、ゲッホゲッホ・ ・ ・


    キョン「お、おい、大丈夫か?」



    ハルヒ「・ ・ ・ゲホッゲホッ・ ・ ・っかぁ・ ・ ・大丈夫かじゃないわよ!!このばかキョン!!!」


    おしまい


    186: ◆MrVMitHawk 2010/05/08(土) 01:01:43.23 ID:XENZIF0l0 BE:728925326-2BP(0)

    キョンの語りばかりとか需要ないのはわかってた。まあいいよね。
    最後までご付き合いいただき、ありがとうございました。


    188: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/08(土) 01:03:10.19 ID:bmtcFZIf0

    とても励みになった
    乙、ありがとう


    189: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/08(土) 01:04:35.71 ID:A+7x3x1C0

    このオチはよかった乙でした


    190: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/08(土) 01:04:44.64 ID:yqum9M5F0

    いやいや面白かったよ
    乙でした


    191: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/08(土) 01:06:56.17 ID:OKEAm9es0

    見てて何度も心配になったけどいい形で終わった
    乙でした


    192: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/08(土) 01:06:57.07 ID:IozND3610

    171で終わったと思って乙しかけた。
    ハッピーエンドGJ
    安心して寝れます。


    213: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/08(土) 14:14:04.25 ID:pqriSTfE0

    まさかこの俺がSSで泣くことになるとは







    いや、素で泣いた


    引用元: ハルヒ「今年は絶対、花見に行くわよ!」

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