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    夜神月「聖杯…必ず手に入れて見せる」

    1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/01(木) 21:20:00.49 ID:21/p7MEjP

    僕が意識が出来上がると、目の前に一人の少女の姿があった。

    凛「はじめまして」

    この少女が僕のマスターのようだ。
    どう見ても10代の小娘だ。
    まぁ少々頼りなくても問題ない。
    なぜなら僕が一人で勝利する自身があるからだ。
    マスターが誰であろうと、僕は勝つ。
    一応しばらく僕のパートナーとなる少女に挨拶をしておく。

    月「はじめまして。君がマスターだね」

    愛想よく喋る。
    仲良くする必要も無いが、
    パートナー同士が険悪なムードになるのも困る。
    社交辞令くらいの挨拶はしておく必要がある。

    凛「ふぅん」

    僕の姿を見回すが、身なりをみて少しがっかりそうにする。

    凛「その格好…どうみてもセイバーじゃないわね…はぁ…」

    まぁ聖杯戦争での勝率はセイバーが最も高いのは事実である。
    だが、露骨に溜息をつかれるとこちらもいい気がしない。



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    3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/01(木) 21:23:25.61 ID:21/p7MEjP

    月「見た目で判断するとは君も軽率だな」

    凛「え?じゃあ、あなたセイバーなの?」

    月「キャスターだ」

    凛「何よ…ハズレくじじゃない」

    先ほどのセイバーを願っているところや、今の言動。
    この子はあながち聖杯戦争のことを知らないわけでもなさそうだ。

    月「大丈夫、君は勝つよ」

    僕は本心でそう言った。

    凛「すごい自信ね?私は遠坂凛よ。あなた真名は?」

    月「夜神ライトだ、でも真名を言ったところで誰も僕の名前なんて知らないけどね」

    そう。この聖杯戦争で重要なのは真名。
    サーヴァントとして召喚され聖杯戦争で戦うのは全て過去の死んだ英雄。
    どこの英雄なのかが分かれば当然弱点も見えてくる。
    だから真名は隠すのがセオリー。

    だが、僕が隠さなくてはいけないのは、真名の方ではなく『キラ』の方だ。
    真名なんて知られたところで意味が無い。
    当然、僕が『キラ』だと言う事をマスターにも教えることはできない。


    5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/01(木) 21:26:38.41 ID:21/p7MEjP

    凛「ヤガミライト…本当に知らない名前ね」

    月「ま、それはそうだと思うよ」

    凛「英雄なのよね?」

    英雄、か…神になるはずだったのが、まさかただの英雄とは。
    あそこでニアさえ邪魔しなければ…
    でも僕は後悔はしていない。
    なぜならサーヴァントとして召喚されるのだから。
    そしてこれから聖杯を手にいれ新しい命を得ることができる。

    そして、その時こそ僕は新世界の神になる。

    月「自分では英雄なんて思ってないよ」

    凛「そう、自覚のない英雄ってのもいるかもね。
      で、キャスターってことは優秀な魔導師なのよね?」

    当然僕は魔法は使えない。

    凛「どんな魔法が使えるか教えて欲しいんだけど」

    月「作戦を立て易くするためだね」

    凛「もちろん」

    月「悪いが教えられない」

    凛「え、何よそれ。私はマスターとして知る権利があると思うの」


    6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/01(木) 21:28:31.81 ID:21/p7MEjP

    月「君に教えてもデメリットしかないからね。
      何か見返りがあれば教えてあげるよ」

    凛「じゃあ、戦闘は全てあなた任せってこと?」

    月「そうしてもらえると助かるね。君は僕の指示に従っていればいい」

    凛「むぅ…あなた協力する気ないのね」

    月「はは、僕は君の命が無事ならそれでいいさ」

    凛「それは、私の身を案じてるんじゃなくて、自分が消えないようにでしょ?」

    この女はなかなか感がするどく、頭も回るな。
    馬鹿なパートナーならうんざりだが、この女なら少しは使えそうだ。

    月「はは、それもあるけど、君みたいな可愛い子を死なせるわけにはいかないだろ。
      僕は何度でも蘇るから平気なのさ」

    凛「なっ……フンッ」

    ツンとした顔をしているが照れているの分かる。
    女はこんな歯の浮くようなセリフを並べれば喜ぶ。
    単純なもんさ。


    7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/01(木) 21:29:39.62 ID:21/p7MEjP

    凛「一応あなたの能力見せてもらうわよ」

    僕の能力を見た時の凛の驚く顔が目に浮かぶ。

    月「どうぞ」

    筋力E
    耐久E
    敏捷E
    魔力E
    幸運C
    宝具A

    技能:単独行動 非魔力
    真名:夜神月


    凛「はぁ?何よこれ?」

    やっぱりだ。目を丸くしている。


    8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/01(木) 21:30:55.06 ID:21/p7MEjP

    凛「あなた、宝具以外は最低じゃない」

    月「そうだね」

    凛「これって、普通の人間くらいよ?」

    月「あぁ」

    凛「大体、キャスターなのに魔力がEってどういうことよ?」

    月「いずれ分かるよ。ま、分からないまま戦争が終わるかもしれないけどね。はは」

    凛「ほんとに大丈夫かしら…?」

    月「心配することないよ」

    僕は心配する凛を安心させる為に笑ってみせた。


    10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/01(木) 21:32:41.68 ID:21/p7MEjP


    --------------------

    凛「ふぁぁぁ、眠いわね…」

    月「凛は朝が苦手かい?」

    凛「昨日、あんたを召喚したせいで疲れてるのよ」

    月「まぁ君は戦争で無理をする必要は無い」

    凛「僕がやる、から…?」

    月「あぁ。でもちょっとだけ用意して欲しい物があるんだ」

    凛「えぇ、できる限り用意するけど…何が欲しいの?
      お札?宝石?それとも薬かしら?」

    魔術道具だと勘違いしている凛。
    まぁ無理もないか。

    月「パソコンが欲しい。できる限り高性能の」

    凛「は?そんなもので何するのよ」


    11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/01(木) 21:34:00.07 ID:21/p7MEjP

    月「凛は僕に黙ってついてこればいいさ」

    凛「もぅ…パソコンって…そんな聖杯戦争聞いた事ないわ」

    月「お金はある?」

    凛「パソコンがいくらくらいするか知らないけど、多分買えるわ」

    その素振りからすると、凛はパソコンというものにはあまり興味がないように思える。
    魔法一筋だったのだろうか。

    月「よし、さっそく買いに行って来るよ」

    凛「はぁ?あんたが?」

    月「君じゃ何を買っていいのか分からないだろ?」

    凛「それはそうだけど…サーヴァントがいきなり一人で街を歩くなんて…」

    月「じゃ、一緒に行こうか」

    凛「はぁ…その方がまだいいわ」


    13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/01(木) 21:37:36.60 ID:21/p7MEjP

    ------------------

    凛「で、そんなもの買って何するの?」

    月「わざわざ君に教える必要は無いよ。誰かに話されても困るしね」カタカタ

    凛「そんなわけないじゃない、パートナーでしょ」

    月「でも誰かに操られるかもしれない」カタカタ

    凛「そんなヘマはしないわよ」

    月「頼もしいな…よしっできた」

    凛と喋りながら、日本の各省庁とここの自治体のサーバーをハッキングする。
    どこでどんな情報が必要となるか分からない。
    もしかしたら、これだけのことで他のマスターの住所や名前、もしかすると顔まで分かるかもしれない。
    そこまで期待するのもよくないが。

    凛「何をやってるのか全然わからないわ」

    君がパソコンに疎くて助かったよ。

    月「さてっ…」

    凛「ちょっ…どこ行くのよ」

    月「もう下準備も出来たし、ゆっくりしよう。慌てることはないさ」


    14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/01(木) 21:42:42.82 ID:21/p7MEjP

    ---------------------

    月「凛は今日は学校があるんだ」

    凛「まぁ一応行っておかないとね」

    月「それは僕も賛成だ。いつもと違う行動をとるのは怪しまれる。
      でも、僕は家で待ってるよ」

    凛「えっ?別にいいけど…なんで?」

    月「君と行動するとあまりよくないんでね」

    凛「でも、もし敵が攻めてきたらバラバラだと対応しずらいんじゃない?」

    月「大丈夫だよ、敵が責めてくる可能性は少ないから」

    凛「どういうこと?」

    月「君は敵がいるかどうかを何で判断している?」

    凛「えっと…殺気や気配…魔力よね…」

    月「そう、それなんだ。ご存知の通り僕には魔力が無い。
      だから僕から仕掛けたり変な動きをしなければただの人間と同じなんだよ。
      だから僕もあえて消えることはしないし、物体をすり抜けることもしない。
      できないんじゃなくてしないんだ。普通の人間と同じ行動をする」

    凛「なるほど、それがスキル『非魔力』の能力か…俗に言う隠密ね…」


    18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/01(木) 21:48:42.03 ID:21/p7MEjP

    月「君が普段一緒にいないはずの男と常に一緒にいるのも怪しいだろ?
      だから、別行動だ。僕は自分の足でサーヴァントを探す」

    凛「そういうことか、何だかアサシンみたいね。
       何でキャスターなのかしら?」

    月「さぁ。でもどっちでも関係ないさ。クラスが何であれ僕は僕だ」


    凛「あ、そう言えば、攻撃する時には必ず気配や殺気が生まれるはずよ。
      それすらも隠すことなんてできるの?」

    月「できる」

    凛「本当に大丈夫かしら…
      ま、私はあなたを信じるしかないから、本当なんだと思っておくわ」


    僕は単純にノートに作業のように名前を書くだけだ。
    昔やっていたように。ただ黙々と書けばいい。
    それだけのこと。殺気など出すはずもない。


    23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/01(木) 21:57:30.79 ID:21/p7MEjP

    -----------------------------

    凛が学校にいる間は僕は街へ出かける。
    他のサーヴァントを探すためだ。

    他のサーヴァントは僕の存在がサーヴァントだと気づけないが、
    サーヴァントほどの魔力なら近づけばすぐに分かる。

    僕は他のサーヴァントが戦っている間に顔を見て真名を割り出せばいい。

    ……



    街をぶらつくが何もない。
    当たり前か…昼間っから戦闘するほどサーヴァントも馬鹿じゃない。
    だが、目的はそれだけではなく、街の様子を覚えておきたかったのもあった。


    27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/01(木) 22:03:26.33 ID:21/p7MEjP

    ---------------------

    凛「召喚してから一週間…本当に殺気も何もないわね」

    月「はは、だから言ったろ。
      未だに君がマスターだと言うことに誰も気づいていないよ」

    凛「なんで分かるのよ」

    月「君が留守の間に色々家に細工をしておいた。
      まだ誰もこの家に入るどころか近づいた形跡も無い」

    凛「いつの間に…」

    月「この戦争は僕がサーヴァントとバレた時点で負けだと思うんだ」

    凛「う、うん…わかったわ…」


    そうだ、一度でもばれたら死ぬと思え。
    僕に命がまだあった頃、僕はそれで2回も追い詰められた。
    一度目はL…そしてニア…
    もう2度とあんな失敗は繰り返さない。


    29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/01(木) 22:11:04.38 ID:21/p7MEjP

    -------------------------

    凛「!?…ライト、起きて!」

    凛にはあえて僕のことをキャスターと呼ばせていないのは当然のことだ。

    月「どうした?」

    凛「少し遠いけど魔力反応よ、気づかないの?」

    月「君の方が魔力は上みたいだね。はは」

    凛「もう、サーヴァントでしょ?しっかりしてよね!
      ってごめんなさい…
      あなたがしっかりしてることはこの数日で嫌と言うほど思い知らされてるわ」

    月「君も優秀な魔導師だと思うよ」

    僕は本心から言った。


    30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/01(木) 22:14:58.01 ID:21/p7MEjP

    凛「行くわよ!」

    月「いや、僕だけで行かせてくれ」

    凛「は?」

    月「言わなくてもわかるな?」

    凛「うぅ…そうね…事は全て慎重に…あなたを信じるわ」

    この子は本当に物分りがよくて助かる。
    ふと、僕の頭にミサの事が頭をよぎった。
    あいつは扱い辛かったな…

    月「じゃあ、行って来るよ」

    凛「死なないで」

    死ぬ気など全く無いさ。
    聖杯…必ず手に入れて見せる。


    35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/01(木) 22:23:37.23 ID:21/p7MEjP

    凛が教えてくれた方角へ足を向ける。

    武器と武器が交わる音が聞こえる。
    おおよその位置を特定すると僕はそれ以上は近づかない。
    近づいて巻き添えにあっても困るからだ。

    そして近くのマンションへ上がり、双眼鏡で顔をみる。

    戦っているのは…
    斧を持った大男に、金髪の女…剣を持っているな。
    恐らくバーサーカーとセイバーか。
    バーサーカーの横には小さな少女、
    セイバーの後ろには高校生くらいの男かがいるな。

    何を喋っているのか声は聞こえないが唇の動きを読む。

    「シロウニゲテクダサイ」

    どうやらセイバーの方が不利のようだな。
    まぁどっちが勝とうが興味ない。
    僕はひたすら傍観させてもらうさ。


    48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/01(木) 22:34:04.75 ID:21/p7MEjP

    -------------------------
    月「ただいま」

    凛「おかえりなさい、どうだった?」

    月「恐らくバーサーカーとセイバーだ。まだ偵察しただけだけどね」

    凛「どう?倒せそう?」

    月「問題ないよ」

    凛「でも帰ってきたってことはもう一度行くのよね?」

    月「いや…」

    僕は凛の言葉を半分無視しながらパソコンをつける。
    英霊の真名はおおよその目星はついているし、
    もしそれがダメでもマスターの顔が分かっている。
    Lを追い詰めた僕が「英霊もマスターもどちらの名前もわからない」なんてことはありえない。


    58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/01(木) 22:46:41.36 ID:21/p7MEjP

    凛は僕が何をやっているのか分からない様子でパソコンを覗きこんでいる。

    僕は黙々とパソコンで彼等の名前を探す作業をする。
    まずは簡単な方から。
    「シロウ」という名前がまず分かっている高校生くらいの男。

    僕はこの地区の「シロウ」とつく名前を全てリスト化する。
    僕の読み間違いかもしれないので念のため、「ジロウ」等もリストに入れておく。
    そして学級写真を印刷している会社へハッキングしデータを盗む。

    僕は「シロウ」の名のリストとを使って学校の卒業写真や証明写真を順番にみていく。

    そして…

    月「見つけた…」

    先ほどと同じ顔の男。まちがいない。
    衛宮士郎…


    70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/01(木) 22:57:39.32 ID:21/p7MEjP

    凛「えっ…衛宮君…?」

    なにっ…
    ここで僕のミスがあった。

    凛が横で見ていたのは知っていたが、特に問題視していなかった。
    それはマスターとサーヴァントとの信頼関係が少なからず生まれていたからかもしれない。
    いや、僕の心情の変化はどうでもいい。
    凛がこいつを知っているということはつまり…

    凛「もしかしてマスターって…」

    くっ…ここまでデスクトップに表示させておいて、
    実は違うなんて嘘が通るはずもない。

    月「そうだ、こいつがマスターだ」

    凛の顔色が変わる。

    凛「衛宮君を殺すの?」

    彼女はは凛とした声で尋ねるが、明らかに動揺、落胆しているのが分かる。
    短い付き合いだが、僕も凛の性格はよくわかってるつもりだ。
    ここで「殺す」と言えばどうなるかくらいは想像がつく。


    73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/01(木) 23:05:46.49 ID:21/p7MEjP

    月「もし殺す…と言ったら?」

    一応確認してからでも遅くは無い。
    僕はあたかも「殺す気なんて全く無いよ」といった素振りで聞いて見た。

    凛「令呪を使ってでもやめさせる」

    凛の目は決意している目だ。
    これは絶対に揺るがないだろう。
    令呪の回数が減るのが問題ではなく、
    僕と凛との間に亀裂が入る事の方がやっかいだ。

    召喚された当初は「仲良くやる必要なんてない」等と思っていたが、
    凛の有能さを考慮すると信頼関係はあった方がいいに決まっている。


    月「そう言うと思ったよ。凛は優しいからね」

    僕は凛の感情を落ち着かせるように言った。
    少しずつ凛の表情から緊張が抜けていく。


    77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/01(木) 23:23:42.96 ID:21/p7MEjP

    凛に黙って、死因を自殺にでもするかと思ったが、
    今やつが死ねば凛は僕に直接言ってこないにしろ、彼女の中で疑念が生まれてしまう。

    凛「でも、衛宮君がマスターなら上手く行けば共闘できるかも」

    月「共闘だって?」

    共闘なんてものは僕にとって全く旨みがない。
    僕がサーヴァントだと知られることが一番の問題なんだ。

    凛「彼とはあんまり喋らないけど、そんな悪いやつじゃないと思うの」

    だからと言って、僕が人前にでるわけにはいかない。
    凛はそんなことも分からないのか?
    衛宮の事で気が動転しているのだろうか。
    それとも、共闘することで僕に殺されないようにしているのか。

    どちらにせよ、凛を説得しなければいけないな。


    80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/01(木) 23:28:25.59 ID:21/p7MEjP

    月「だが、昨日見た限りでは衛宮のサーヴァントが押されていた。
      もしかするとあのままやらているかもしれない」

    凛「えっ…」

    凛の顔が青ざめる。

    凛「確かめに行ってくる!」

    月「凛!落ち着けっ!」

    僕は制止しようとするが、凛の力に難なく回避されていまう。
    恐らく魔力で俊敏性をあげているのだろう。

    月「くそっ…」

    凛を止めることが出来ない僕は、
    走って追いかけるわけにもいかず、
    ただ成り行きに任せるだけだった。


    86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/01(木) 23:38:47.61 ID:21/p7MEjP

    -------------

    凛「ただいま」

    凛は大人しく家に入る。
    その顔を僕に申し訳ないことをしたとっいた顔だ。

    月「凛、大丈夫か?」

    凛「私は大丈夫よ…衛宮君もセイバーも無事見たい」

    月「ならよかった」

    本当はよくない。
    セイバーが消えていないこともそうだが、
    凛が今までどんな行動をしていたかが問題だ。


    92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/01(木) 23:49:55.30 ID:21/p7MEjP

    凛「…ごめんんさい、私あなたの意見を無視して勝手に…」

    月「話したのか?」

    凛「いいえ、言うのは止めたわ」

    よし、よく思いとどまってくれた。

    凛「でも共闘したいって言う気持ちは今でもあるの。
      あなたを力を信じて無いからじゃない。
      だけど…さっき衛宮君とセイバーが傷だらけになっているのを見て…」

    月「力になってやりたいって思ったのか?」

    凛「うん…あなたは快く思わないかもしれないけど…」

    できる限り共闘はしたくない。
    こちらは姿を隠してなきゃいけない身である以上は
    誰とも接触したくないのは当たり前だ。
    だが、凛は強く願っている。

    ここで拒んでいいものか…。


    93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/01(木) 23:58:40.61 ID:21/p7MEjP

    凛「やっぱり、無理…

    月「いや、凛がそこまで言うなら引き受けよう」

    凛「え?いいの?」

    当然、リスクが大きくなることは目に見えている。
    凛以外の人間に僕がサーヴァントだと言うことを教えるのだから。

    だが、デメリットばかりじゃない。
    セイバーがいれば簡単に敵をおびき寄せることができる。
    そしてセイバーが戦っている間に僕が敵の名前を知る事ができれば一瞬でカタがつく。

    そして、最後にセイバーを殺せばいい。

    正直、このまま隠れていたのでは時間がかかりすぎるのは目に見えていた。
    凛との信頼を得る為にも、
    ここは共闘するのも絶対に悪い策とはいいきれない。


    175: 2010/07/02(金) 18:41:29.94 ID:AuBBDUtRP

    ------------------------

    セイバー「共闘ですか…」

    士郎「俺はいいと思うぜ、」

    セイバー「確かにバーサーカーだけは一人で倒すのは困難だ…」

    凛「無理にとは言わないわ。私のサーヴァントもあなた達を警戒しているようだし」

    セイバー「それが普通かと思います。私も凛の言ってることを全て信じているわけではない」

    士郎「遠坂はそんな奴じゃないよ…話してればわかる。それに…」

    セイバー「それに?」

    士郎「…俺はセイバーが傷つく姿を見るのはもうコリゴリだ。
         ここは遠坂達に助けを求めよう」

    セイバー「マスターのあなたがそう言うなら…」

    凛「うん、じゃあ決まりね」


    あの戦いから数日後、僕は彼女達の様子を衛宮邸の外から見ていた。
    家の外からとは、衛宮の家には結界がはってあるという理由からだ。

    共闘の話は凛が勝手に協力したいと言っていただけにすぎず、
    断られる可能性だって十分あった為、結果がでるまで僕は隠れていなければならなかった。


    176: 2010/07/02(金) 18:44:44.48 ID:AuBBDUtRP

    話が終わったのを見計らって、屋敷の中に入り挨拶をする。

    月「よろしく頼むよ」

    セイバー「あなたがサーヴァントですか…おかしいですね」

    士郎「何がだ?セイバー」

    セイバー「ここまで接近してるのにまるで魔力を感じない。
         それどころか本当にサーヴァントなのかも疑わしい」

    凛「そういう能力なのよ」

    セイバー「隠密ですか…ではアサシンですか?」

    凛が答える前に僕が答える。
    これくらいならいいが、余計な事まで話されても困る。
    それが例え些細な情報だとしても。

    月「キャスターだ。君達に一時的に協力はする。
      でも最終的には戦わなくてはならない以上、
      クラスくらいは答えるが、こちらも全ての質問に答えることはできないよ」

    嫌味のないように気をつけて言う。

    セイバー「それは私も同じ意見です」


    180: 2010/07/02(金) 18:52:55.12 ID:AuBBDUtRP

    月「とは言ったものの協力するからには最低限の情報を教えてもらわないとね」

    セイバー「最低限ですか」

    月「そう、まさか能力まで教えて欲しいとは言わないよ。
      これから一緒に戦うんだ、ルールを作るためにも必要だ」

    セイバー「それは尤もです」

    月「まずは、君は接近線を得意とするサーヴァントでいいね?」

    無言で頷くセイバー。
    接近線が得意なのは戦闘を見ていたので知っているが、
    僕が前バーサーカーとの戦いを目撃したいたことは隠した方がいい。

    月「で、共闘することにおいてだが…」

    ここからが肝心だ。
    セイバーの性格によってはここで詰む場合もある。

    裏切られたら死ぬ。

    それはお互い様なのだが、僕とセイバーでは事情が違う。


    181: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/02(金) 18:56:14.19 ID:AuBBDUtRP

    セイバーが裏切る場合、僕の身体に剣を突きさせばそれで終わりだが、
    僕の場合はノートに書かなければいけない。
    もし、セイバーの名前をノートに書いてしまうと、セイバーは人を殺す事はできなくなるかもしれないからだ。
    これは、生前でも確かめたかったことではあるが、検証の仕様がなかった。
    そして当然セイバーを操って敵を殺すこともできない。

    だから、僕はノートにセイバーの名前を書くことができない。
    まぁこの場で僕が裏切ってしまえばそれはそれで済むのだが、
    それではそもそもここに来た理由もなくなる。

    月「共闘というからにはお互いが邪魔をしては意味が無い。
      ここは僕達以外のサーヴァントを全て倒すまで、
      お互いを攻撃しないと誓ってくれないか」

    共闘の意味を考えればあえてこんなこと言葉にする必要は無いのだが、
    こういうやり取りからも相手の性格を観察しなければならない。

    セイバー「シロウ、本当に共闘でよろしいですね?」

    士郎「あぁ」

    セイバー「誓おう。この剣に、そして騎士の魂に」

    士郎「俺からも約束する。もしセイバーが乱心したら令呪を使ってでも止める」
      
    月「ありがとう」

    演技…ではなさそうだな。
    まだ完全に信じていいわけではないが、当面は大丈夫そうだ。
    徐々に性格を掴んでいけばいい。


    182: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/02(金) 18:59:20.04 ID:AuBBDUtRP

    月「それから、僕は接近線を得意としない。
      だから共闘と言っても一緒に前線に立つわけじゃない。
      あくまで君のサポートに回ろうと思う」

    セイバー「構いません。ある程度の敵なら私一人で十分です」

    自信居家だな。
    昨日バーサーカーに追い詰められていたのではないか?

    セイバー「どのように援護を?」

    月「動きを止めたり、相手の意識をずらしたりってところだね」

    まさか、真名をノートに書いて殺すとは言えるはずが無い。
    こうやって適当に言っておけばいい。
    基本的に敵の行動は操れるのでどうにでもなるのだ。

    月「だが、僕の能力が必ず効果があるとは限らないからそんなに期待しないで欲しい」

    セイバー「大丈夫です。元々、私達に力を貸してくれるだけでも感謝したいくらいです」

    真摯な対応をするセイバー。
    この子は正真正銘の騎士であることが伺える。


    184: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/02(金) 19:03:33.41 ID:AuBBDUtRP

    月「あと、君が倒したサーヴァントはいるかな?いや君が倒してなくてもいい。
      今残っているサーヴァントは把握していんだ」

    セイバー「アーチャーとライダーは既に私が倒しました」

    やはり…聖杯戦争は7人のそれぞれが殺しあうんだ。
    もう僕が召喚されて2週間以上も経っているから、既に倒されるサーヴァントがいるのも当然。
    それにセイバーは比較的狙われやすい傾向にあるから、既に2人倒していても不思議ではない。
    狙われやすいクラスや身を隠す能力のないサーヴァントは大変だな。
    隠れていれば皆が殺し会ってくれるので比較的に楽に後半まで生き残れる。
    だからこそ、僕みたいなスキルは貴重なのだ。

    月「じゃあ残るは、バーサーカー、ランサー、アサシンの3体か…」

    …本当は2体だ。
    バーサーカーは昨日ノートに『ヘラクレス』の真名をノートに書いておいた。
    この間の戦いから、調べるのにやや時間がかかってしまったのだが。
    でもそれは言う必要はない。

    何かを感じ取ったのか突然セイバーの顔が歪む。

    セイバー「!?シロウ!?玄関から結界内に誰か侵入しました」

    士郎「桜か藤ねぇじゃなくてか?」

    セイバー「いえ、それならすぐにわかります」

    士郎「侵入者か?」

    セイバー「えぇ、恐らく…確認してきます」


    185: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/02(金) 19:06:41.22 ID:AuBBDUtRP

    まさかサーヴァントか…
    ちっ…いきなり戦闘とは、もう少し準備をしたかったんだが仕方ない。

    しかし、屋敷に入ってきたのが予想外の人物で皆が驚く。

    士郎「い、イリヤ!?」

    セイバー「あなたは!?」

    そこに現れたのは、バーサーカーのマスターだった。
    なぜこいつはこの間までセイバーと戦っていたのに、この家に現れる?
    この数日間の間に士郎とコンタクトを取ったということか。
    それはなぜだかは分からないが、今考えることじゃない。
    このマスターがセイバーの元にやってきたということは…

    イリア「シロウ…バーサーカーが…私のバーサーカーが…」

    士郎「バーサーカーがどうした?」

    イリア「突然消えちゃった…令呪も…ほら」

    凛「バーサーカーが殺された?」

    ほらやっぱり…この話だ。
    僕がやったと疑われる可能性は少ないと思うが、
    もし僕に疑念を持たれたら、今は都合が悪い。
    上手く誤魔化して他のサーヴァントの仕業にしなくては…


    187: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/02(金) 19:09:38.05 ID:AuBBDUtRP

    士郎「でも何で…」

    イリア「それが、分からないの…急に苦しみだして…」

    凛「暗殺…かしら」

    セイバー「あのバーサーカーを不意打ちとはいえ瞬殺できるとは…」

    イリア「でも、それじゃおかしいの」

    士郎「?」

    イリア「バーサーカーの宝具…十二の試練があるから…」

    セイバー「まさかっ?じゃあ一度に十二回も殺したと?」

    イリア「そういうことになるわ…」

    十二の試練?なるほど、ヘラクレスが生前乗り換えたという…
    だが、デスノートの前ではそれは無意味だったようだ。
    『名前を書かれたら死ぬ』という運命は宝具を持ってしても覆らないのだ。

    士郎「そんなすごい事…誰が…」

    月「考えられるのは暗殺を得意とするアサシンか…」


    188: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/02(金) 19:13:19.49 ID:AuBBDUtRP

    セイバー「その可能性が高いですね。あのランサーにできるとは思えません」

    月「ランサーに会った事あるのか?」

    セイバー「えぇ、取り逃がしてしまいましたが…」

    月「どうだった?」

    セイバー「剣技の腕は私とほぼ同じくらいですね
         あとは魔力と宝具の差で私の方が上と見ています」

    月「そうか…じゃあ、最も警戒すべきはアサシンだな…」

    セイバー「そのようですね…まさかバーサーカーが…」

    上手くアサシンの仕業だと思い込ますことができた。
    人間と言うものは一度納得のいく解答が得られるとそれを信じ込んでしまうものだ。


    ……


    そして話し合いの後、僕と凛はセイバーと共に衛宮の屋敷に留まることとなった。

    よし、あと2人…あと2人殺せば聖杯は僕の物に…
    3人じゃない、2人だ。もうセイバーの真名「アルトリア」の名は分かっているのだから…
    くっくっく…楽しみだよ…


    200: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/02(金) 19:38:37.29 ID:AuBBDUtRP

    --------------------------

    セイバー「キャスター、いますか!?」

    月「クラスで呼ばないでくれ」

    セイバー「すみませんついうっかりしてました。
          それより敵襲です。まさか気づいてなかったのですか?」

    月「いや…近づいていたり戦っていたら別だが…この距離じゃ無理だ」

    セイバー「あなた…本当にサーヴァントですか…」

    月「そういう能力なんだ」

    セイバー「まぁいいでしょう。私が前線に出ますので援護をお願いします」

    月「分かってると思うが…」

    セイバー「はい、あなたの存在は敵に悟られないようにします」

    僕は隠れながらセイバーの後をつけた。
    とりあえず敵の顔を見ることがまず第一だ。


    203: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/02(金) 19:42:23.23 ID:AuBBDUtRP

    セイバー「ランサー!」

    ランサー「久しぶりだなセイバーさんよ」

    セイバー「やっと来ましたか。逃げたまま戻ってこないと思いましたよ」

    ランサー「安い挑発だな。
         俺には色々やらなきゃいけないことがあるんでね」

    セイバー「今日こそ決着をつけましょう」

    ランサー「もちろん、そのつもりだ。だがその前に聞きたいことがある。
          バーサーカーを殺ったのはお前か?」

    セイバー「それを答えて何になる?」

    ランサー「ふんっ…まぁいい。変な事聞いて悪かったな。
         じゃあ行くぜ、お前は今ここで殺す!」

    セイバー「はぁぁぁぁ」

    キンッ…キンッ…と剣と槍とがぶつかる音と共にビリビリと衝撃が伝わってくる。
    僕が隠れていることに気づいてはいないだろう。

    ランサー、槍の使い手か…頭の中に何人か英雄の名前が浮かぶ…
    槍を使う英雄は少ない、奴の持っている槍の形を見ればさらに絞り込める…
    確証はないが恐らくゲイボルグ…つまり、クーフーリンだ。
    僕はすかさずノートに名前を書く。
    ノートに間違った名前を書いても故意じゃなければ僕に影響は無い。


    206: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/02(金) 19:45:40.96 ID:AuBBDUtRP

    士郎「セイバー?大丈夫か?」

    セイバー「私は大丈夫です!離れていてください」

    ランサー「無駄口叩けるなんて余裕だな。はぁっ!」

    セイバー「くっ…」

    ランサー「どうした?この間より腕が鈍ってるぜ」

    士郎「お前、まさか…あの時バーサーカーにやられた傷がまだ…」

    セイバー「大丈夫です…せぇぇぇぇ!」

    ランサー「くっ…手負いとはいえやるな…」

    セイバー「はぁぁぁ!」

    グサッ……
    セイバーの剣がランサーの喉に突き刺さる。
    鮮血が宙を舞い、ランサーの首が変な方向へ曲がる。
    そしてすぐにランサーの死体は消えていった。

    ----------------
    クーフーリン
    剣で斬られ死亡
    ----------------
    心臓麻痺では不自然すぎる。
    今この場で一番自然な殺し方だ。


    209: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/02(金) 19:48:03.05 ID:AuBBDUtRP

    士郎「やったか…」

    セイバー「……」

    士郎「どうした?勝ったんだぞ?」

    セイバー「いえ、気のせいです…何でもありません士郎…」


    凛のいう通り共闘して正解だったようだ。
    セイバーのおかげで楽に殺せる。
    くっくっく…あと一人…。


    219: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/02(金) 20:10:30.44 ID:AuBBDUtRP

    --------------------------

    セイバー「アサシンはなかなか攻めてきませんね」

    士郎「だが来る時は恐らく暗殺…」

    凛「この間みたいに堂々と突っ込んでくることはまずないわね」

    皆はアサシンは必ず暗殺してくると思い込んでいる。
    それは無理も無い。
    バーサーカーを暗殺したのはアサシンだということになっているからだ。
    まぁアサシンが本当に暗殺しにくる可能性もあるのだが。


    大河「ただいまー」

    士郎「今日もうちで飯かよ」

    大河「気にしない気にしない。あ、なんか郵便着てたわよ」

    士郎「俺に?」

    大河「うぅん、セイバーちゃん」

    セイバー「私にですか?」

    凛「便箋に縦書き…」


    222: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/02(金) 20:13:27.35 ID:AuBBDUtRP

    セイバー殿

    サーヴァントとして決闘を申し込む
    明日<みょうにち>の午前0時
    △△川○○橋にて待つ
     
             アサシンこと佐々木小次郎

    セイバー「…」
    士郎「…」
    凛「…」

    士郎「果たし状、だな…」

    何だこれは…
    真名を明かす馬鹿がどこにいるんだ。
    どう考えても罠。のこのこ行くはずがないだろう。

    凛「で、どうするの?」

    セイバー「当然、いきます」

    士郎「罠かもしれないぞ」

    セイバー「それでも行きます!」

    セイバーの目は本気だ。
    相手の罠にわざわざ乗るなど僕なら考えられない。
    まぁいい前線で戦うのはセイバーだ。
    僕はノートに書くだけのこと。


    225: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/02(金) 20:18:27.32 ID:AuBBDUtRP

    ------------------------

    待ち合わせの時間、待ち合わせの場所に着く。

    小次郎「待っていたぞ」

    セイバー「あなたが、佐々木小次郎ですか?」

    小次郎「いかにも小次郎なり」

    奴の表情からは真剣さが伝わってくる。
    まさか、本当に真名なのか?
    なら、もうすでに勝負は決まったも同然だ…
    試しに名前を書く。

    ----------------
    佐々木小次郎
    剣で斬られて死亡
    ----------------


    227: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/02(金) 20:20:41.53 ID:AuBBDUtRP

    小次郎「お相手願おう!」

    セイバー「望むところ」

    小次郎「では、参る!」

    セイバー「はぁっ!」

    小次郎「ふんっ…」

    小次郎の剣は切り下ろしたかと思ったら、既に剣は上に上がっていた。
    この剣技は…おそらく燕返し。
    本当に佐々木小次郎か…

    セイバー「くっ…速い!」

    セイバーも奴の動きの速さには苦戦しているようだ。
    だが、もうまもなくそれも終わる。
    5秒…4…3…

    もうすぐ小次郎が死ぬ…
    小次郎が死んだのを確認したら
    次は「アルトリア」の名前を書けばいい…

    くっ…顔がにやける。
    笑っちゃダメだ…こらえろ。


    233: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/02(金) 20:26:58.34 ID:AuBBDUtRP

    僕は時間と同時にセイバーの剣が突き刺さると思っていた。

    だが、実際は…

    小次郎「かはっ…」

    小次郎の腹に突き刺さったのは巨大な剣。
    それは小次郎の後方から飛んで来たのだ。

    セイバー「なにっ…」

    何だ?何が起こった?
    残るサーヴァントはセイバーとアサシンだけのはず。

    セイバー「こ、この宝具は…」

    セイバーが唾を飲み込み、緊張が走る。

    ギル「久しぶりだなセイバー」

    セイバー「やはり…アーチャー…」


    268: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/02(金) 21:19:58.71 ID:AuBBDUtRP

    アーチャーだと?確かにアーチャーは倒したと言っていた。
    嘘だったのか?いや、セイバーに騙すような素振りはなった…

    セイバー「なぜ…この聖杯戦争に参戦している…
         なぜ…8人目が!?」

    やはりセイバーは僕を騙すつもりはなかったようだ。
    しかしなぜ8人目が?

    ギル「我に質問する気か。いいだろう今は機嫌がいい。
       我はこの戦争で召喚されたのではない」

    …っ!?
    まさか…

    セイバー「?」

    ギル「まだ分からんのか、我は10年前からこの世にいるんだよ」

    聖杯戦争が終わればサーヴァントは消える。
    だが、肉体を与えられ魔力により生きながらえたとしたら…?
    不可能じゃない…。


    273: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/02(金) 21:24:34.27 ID:AuBBDUtRP

    ギル「セイバーよ。我の嫁になる準備はできたか?
       10年前の返答を聞かせてもらおう」

    つまり、前回の聖杯戦争でセイバーとこいつは戦ったということ。
    しかも、こいつの口ぶりといいさっきの宝具といい、
    恐らくセイバーよりも実力は上。

    奴の名前が分かれば、すぐに殺せるのだが…
    金色の甲冑…誰だ?

    ギル「ふんっ…まあいい。
        もうすぐ、奴が聖杯の器を完成させる。
        器が完成し、キャスターを葬れば聖杯は手に入る。
        その時また迎えに来るぞ。セイバー」

    セイバー「…」

    奴はそう言うと闇へと消えていった。
    どうやらセイバーではなく僕を殺しにくるらしい。


    274: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/02(金) 21:26:19.76 ID:AuBBDUtRP

    -----------------------

    凛「ちょっと…8人目のサーヴァントってどういうことよ」

    セイバー「前回の聖杯戦争からこの世に留まっていると聞いた」

    月「まぁ不可能じゃないな…」

    くっ…あとちょっとの事だって言うのにとんだ邪魔が入った。
    あいつを倒さない限りセイバーを殺すことはできない。

    月「奴の真名は知っているか?」

    セイバー「アーチャーの真名は英雄ギルガメッシュ。
         彼の宝具は「宝具の原典」
         あらゆる宝具を使うことができます」

    士郎「最強だな」

    凛「そんな相手に勝てるのかしら?」

    勝った…。
    もうそれだけで十分だ。
    これでとりあえずサーヴァントは全員殺せる。

    だが、奴は聖杯の器があると言っていた。
    僕が自分で用意しなければいけないと思っていたが都合がいい。
    その器を使わせてもらおう。


    277: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/02(金) 21:30:44.90 ID:AuBBDUtRP

    セイバー「恐らく私が勝つのは難しいでしょう」

    士郎「じゃあ、もうやめよう…」

    士郎はセイバーの身を案じて言っている。
    まさかサーヴァントに思いを寄せているのか?

    セイバー「それでも…私は戦わなくはなりません…」

    士郎「もういいだろ、セイバーは十分戦ったよ」

    セイバー「それはできません…これが私の務めですから」

    士郎「くそっ…」

    セイバー「どこに行くのです!マスター」

    士郎が部屋から出て行くと、セイバーも追いかける。
    それは僕にとっては都合がよかった。
    今から凛と話さなければならないからな。


    279: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/02(金) 21:33:28.53 ID:AuBBDUtRP

    月「凛。話がある」

    凛「何?」

    月「この戦争、僕が最後まで勝ち残る」

    凛「そう…」

    月「最強のサーヴァントの話を聞いた後なのに落ち着いてるな」

    凛「いえ、私…あなたのことは未だによく知らないわ。
      でも、あなたならきっとやってくれそうな気がするの」

    月「あぁ、期待していてくれ」

    サーヴァントを全員殺したら凛を器にしようと思っていた。
    だが、日にちが経つにつれ、それが億劫になっていた。
    僕の中に凛に対して少なからず、感情が芽生えていたのかもしれない。

    これで凛を殺さなくてもすむ。

    あとは、セイバーと共にギルガメッシュのところへ行くだけだ。
    器の場所さえ分かればそれでいい。

    それで僕の勝ち。今度こそもう終わりだ…


    282: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/02(金) 21:40:30.08 ID:AuBBDUtRP

    -----------------
    僕はセイバーと士郎と共に霊山へと上る。
    ここの言峰の作った聖杯があるらしい。

    上りつくと、ギルガメッシュの姿があった。
    そして奥には、僕にでも感じられるほどの魔力が漂っている。
    あそこに器が…

    もうこいつらに用は無い。
    まずはギルガメッシュの名前を書く。

    ギル「ほぅ、わざわざこんなところまで来たかセイバー」

    セイバー「あなたを倒しにきた!」

    ギル「ふん、よいぞ。刃向かう事を許す。
       だが、我が勝った場合我のモノになってもらうぞ」

    セイバー「好きにしろ」

    ギル「ふんっ」

    パチンと指を鳴らすと、ギルメッシュの背後にゲートが現れる。
    あそこから宝具がでるのか。
    だが、あと数秒でお前は死ぬ…。

    その次はセイバーだ。


    285: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/02(金) 21:47:46.45 ID:AuBBDUtRP

    ギル「さぁ、どこまでついてこれるっ……」

    セイバー「なにっ?」

    ドサリと倒れこむギルガメッシュ。
    もう死因などどうでもいい。

    次にセイバーの名前を書けばそれで終わり。

    セイバー「…これは…どういう…」


    セイバー「ランサーとの戦いの時に感じたあの違和感…。
          私はランサーの肩を狙ったはずなのに剣先は首へと向かった。
          まるでランサーが死ぬ事が決定していて、私自身がその運命に操られるかのように…。
          そして、今ギルガメッシュも消え…
          バーサーカーも…?」

    何をブツブツ言っている。
    もうすぐお前の名前を書き終えるぞ。

    セイバー「…っく、キャスター…」

    そうだ、全て僕が殺した。今頃気づいてももう遅い。
    もう名前は書き終えた。

    セイバー「シロウ!!!令呪ですぐに聖杯を破壊してください!」


    288: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/02(金) 21:52:52.57 ID:AuBBDUtRP

    士郎「セイバー!?」

    セイバー「もうすぐ私は消えます!早く!」

    士郎「くっ!」

    衛宮の令呪が光る。
    ここまで来て、破壊させたりするものか。

    あと3秒…2…

    早く…早く消えろ…

    セイバー「エクスカリバーーーーーーー!!!」

    ……


    セイバーから渾身の法具が放たれる。
    くっ…どうなった…聖杯は…


    290: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/02(金) 22:01:04.34 ID:AuBBDUtRP

    セイバーの法具は聖杯に当たったに見えた。
    だが、聖杯にの前に一人の人物が倒れている。
    言峰か?一人の神父が聖杯の前で防御魔法を使っていたようだ。

    当然、サーヴァントの攻撃を受け切れるわけもなく、死体と化していた。
    だが、聖杯は多少の損傷を受けつつもなんとか無事だった。

    セイバー「はぁはぁ…そ…んな…」

    どさっ…
    うつ伏せで倒れるセイバーに士郎が駆け寄る。

    士郎「セイバー、大丈夫か?しっかりしろ」

    セイバー「すみません…士郎。負けてしまいました」

    士郎「セイバー!セイバー!ちくしょおおおおお」

    これでサーヴァントは全員死んだ。
    消えたサーヴァントの魂は全て器へと集められる。

    ついに…僕が聖杯を手にいれる…
    そして神に…


    298: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/02(金) 22:06:51.14 ID:AuBBDUtRP

    聖杯に触れる。
    暖かい。
    サーヴァントの魂が中で動いているのがわかる。
    この魔力…すばらしい…
    身体が吸い込まれそうだ…

    月「聖杯よ!願いを叶えろ!」

    僕は嬉しさのあまり叫んでしまった。
    くっくっく…L…ニア…ついに僕はやったぞ。
    僕の勝ちだ!

    ぐさっ…

    月「は…?」

    背中が熱い。何だ?

    士郎「よくもセイバーを…」

    衛宮が僕の背中に短剣を刺していた。
    そして何度も抜いて刺すという同じ動きを繰り返す。

    士郎「ちくしょう!ちくしょう!ちくしょおおおお!!!!」


    319: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/02(金) 22:18:22.30 ID:AuBBDUtRP

    士郎「セイバーを返せ!セイバーを!」

    衛宮の腕は止まらない。
    もう…やめろ…

    意識が遠のく。
    なぜ?お前が僕を?

    散々手伝ってやっただろう?
    それを最後の最後で裏切るとは…
    馬鹿がっ…
    貴様など…死んでしまえっ…
    僕は神になるんだっ!

    「憎い…憎い…憎い憎い憎い憎い憎い…」

    …何だ?この声は?
    衛宮の?違う…
    これは聖杯から…

    「憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い…」

    憎しみが僕の身体を侵食する。

    月「憎い…」

    月「死ね!皆死んでしまえ!そして僕は新世界の神になる!」

    聖杯が輝き辺りを包み、身体の痛みが消えていく。
    そして、僕は意識を失った。


    322: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/02(金) 22:22:52.56 ID:AuBBDUtRP

    目が覚めると見覚えのない場所にいた。

    月「はぁはぁ…一体どうなった?」

    辺りを見渡す、がやっぱり分からない。
    暗闇の中に荒れたひたすら高原があるだけだ。

    「くっくっく、久しぶりだなライト」

    見覚えのある顔がそこにいた。
    口が耳まで裂け、おかしな笑いをする死神。
    僕はこいつのことを性格までよく知っている。

    「まさか、聖杯で神になっちまうとはな」
    「ま、神は神でも死神だけどな。くっくっくっく」

    あの聖杯…憎しみに侵された偽者だったか。
    まぁいい。例え「不完全な神」であろうと世界を変えられることには違いない。

    月「おい、死神」

    「ん?」

    月「今度こそ新世界を見せてやるよ」

    (やっぱり……ライトって面白っ!!)



    死 神 E N D


    323: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/02(金) 22:23:48.94 ID:2NJC4yc30

    乙でございます


    334: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/02(金) 22:26:45.54 ID:/K89AxPI0


    つめが甘いよライト…


    340: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/02(金) 22:30:53.30 ID:sGL548dwO

    共闘しなければ完全勝利できたんじゃね?


    341: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/02(金) 22:33:24.68 ID:HuUGEUJ20

    聖杯目の前ならセイバーだけじゃなくて凛も士郎も殺しちゃって良かったはずだしな


    344: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/02(金) 22:33:53.68 ID:lySC1aX5P

    月にはどんなルートで何度人生やりなおそうが完全勝利はできない呪いが掛かってると見た


    353: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/02(金) 23:58:29.77 ID:hTCXJRXM0

    最後の凛さんの空気っぷりがすごかったなww

    乙でした


    355: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/07/03(土) 00:17:27.75 ID:CU34TvOuO

    凜さんまじ空気www
    おつ


    引用元: 夜神月「聖杯…必ず手に入れて見せる」

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