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    紅莉栖「さぁ、IQテストしましょうか?」岡部「え?」

    1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 13:36:58.60 ID:CgVR2Fo/o

    紅莉栖「だから、IQテスト」

    岡部「……と、突然何を言う出すかと思えば……突然どうしたのだ!?」

    紅莉栖「別に、突然でもいいじゃない。IQテストしましょ?」

    ダル「……」

    まゆり「クリスちゃん顔が怖いよー……」

    岡部「……突然そんなことを言うから、
       突然まゆりが怖がってるではないくわぁー!」

    紅莉栖「大丈夫よ、まゆり?私は怖くないから!!」

    ダル「……自分で言ってるお」

    まゆり「クリスちゃんどうしたの?何かあった?」

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    2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 13:41:51.23 ID:CgVR2Fo/o

    紅莉栖「ううん、大丈夫、大丈夫だから。
         ほら、みんなもIQテストしてみない?」

    岡部「だから突然」まゆり 「IQテストって何かなー?」

    紅莉栖「え?……あぁIQって言うのは知能指数のことで――」

    まゆり「そ、それくらいは知ってるよー!
        まゆしぃそこまでバカじゃないよぅ。
        ……テストって何するのかなーって思っただけなのです」

    紅莉栖「あぁー!その、えっと、IQテストって言うのはね、
         私が作ったコレを使って知能検査してみないってことでね?
         決してまゆりをバカにしてるとか――」

    ダル「なんぞこれ、ヘッドホン?」

    岡部「すぉーんなことはどうでも」紅莉栖 「ただのヘッドホンじゃないわ」


    3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 13:44:53.94 ID:CgVR2Fo/o

    紅莉栖「うーんそうねー?
         ……ラボ風に言えば、新しい未来ガジェットって所かしら?」

    岡部「何!?」

    ダル「おぉー流石は牧瀬氏。
       オカリンの為ならなんでもやってのける!そこに痺れる憧れる!!」

    まゆり「うわぁ~すごいねー!
        クリスちゃんはがんばりやさんだねぇ。オカリンも喜ぶよ~」

    岡部(いかん、つい未来ガジェットという言葉に反応してしまった。
       しかし、これは……!)

    紅莉栖「な、そんな岡部の為とかそういうわけでは……。
         いえ、そうね、岡部の為に作ったような物かもね?」

    岡部「ふむふむ、なるほどなるほど……ククク、流石我が助手!
       仕事熱心で何よりだ。
       この調子で次なる未来ガジェットの制作に励むといいー」


    4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 13:50:53.19 ID:CgVR2Fo/o

    紅莉栖「――名付けて、知能指数脳力検査機って所かしら」

    まゆり「ちのうしすーのうりょくけんさきー?」

    紅莉栖「長いからIQTマシンとかでいいわ」

    岡部「さて次の議題だが」

    紅莉栖「ええっとね?

         簡単に説明すると、このヘッドホンを付けながら、
         繋いである機械のボタン操作で、ゲームと言ってもいいかしら?
         操作してる内にヘッドホンがその人の脳から思考パターンを読み取り、
         数値化しながら画面に表示してくれるっていうガジェットなの」

    岡部(なんだそれはなんでそんなもの作ったんだおいダルなんとかしてくれ頼む)

    ダル「ふーん、でもそれって正確に測れるもんなん?
       知能指数なんて、知能検査を何度もやり続けて暗記したら、
       ぶっちゃけいくらでも上がるっしょ?

       検査によっちゃ知能指数も変わっちゃうわけで、
       あんまりIQって当てにならない罠。
       それなら未来に生きるガジェットとは言えないんじゃないかお。
       オカリンも認めない的な?(オカリンがピンチなんてレベルじゃねーぞ!)」

    岡部「そ、そうだそうだ!つまり欠陥品ではないくぁ(良くやったぞダル)」


    5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 13:55:38.36 ID:CgVR2Fo/o

    紅莉栖「そうね、だからまだこのガジェットは完成品じゃないわ。

         誰かが使ってみて、
         何度挑戦しても『IQの表示が変わらない』か、
         テストしてみないといけないわ」

    ダル「つまり、どういうことだってばよ……?」

    紅莉栖「つまり、いくらこの機械を使っても、
         その人のIQが変わらずに表示されるとしたら……。

         その人自身が本来持つ、正確な脳のIQに迫れるんじゃない?
         そういうわけだから、ちょっと実験させてくれないかしら?」

    ダル「……だってさオカリン」

    岡部「……だがしかし!IQなどと言う不確定な要素が、
       そんなちっぽけな機械で易々と測れるわけなかろう!?

       たとえ何度同じ数字が表示されるとしても、
       根本が間違っているのでは、なんの意味もない!
       つまり、それは欠陥――」

    紅莉栖「だーかーらー!それを調べるためにも実験してみたいのよ!!

         ……せっかくだから色々なIQテストをしてみて、
         このガジェットで数値化されるIQと比較しながら調べてみましょ?
         ね、鳳凰院凶真さーん♪」

    岡部「ヒグッ……」


    6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 13:59:47.98 ID:CgVR2Fo/o

    まゆり「なんだかとっても面白そうなのです!まゆしぃにもやらせてー♪」

    紅莉栖「でしょでしょー♪これが完成したら、
         結構面白い未来ガジェットとして売り出せるんじゃないかしら?

         ま、遊び感覚で楽しみましょうよ」

    岡部「……バ、バカを言うな!
       そぁんな遊びみたいなこと俺にやれとでも?
       この俺は忙しいのだ……そんなことには付きあってられん。

       ――俺は自分の家に戻るぞ!!」

    ダル「死亡フラグ乙!」

    まゆり「えーオカリンもやろうよ~?
        せっかくクリスちゃんがオカリンの為に作ってくれたんだよー?」

    ダル「wwwwwブフォッwwwwwwwwwww」

    岡部「……いいか、まゆり?
       俺はな、遊びになんか付きあっている暇はないのだ。

       こうしている間にも“機関”の魔の手は広がり、
       世界中に散らばる俺の仲間達が苦しんでいる。
       俺は、俺たちには時間がないんだ。

       そう、だから俺にはなさねばならぬ使命が――」

    ダル「そういやさっき暇だなって言ってなかったっけ?」

    岡部「貴様ダル!お前は一体どっちの味方だ!!」


    7: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 14:03:29.11 ID:CgVR2Fo/o

    ダル「は?なんのことすか?
       どっちの味方と聞かれても……。

       あえて言うなら、カワイイおにゃのこの味方かなキリッ」

    岡部「オッノーレ!

       ――ん?ああ、俺だ。
       ……何!奴らにやられただと!?
       今どこに……バカを言うな!
       俺に仲間を見捨てろと言うのか?
       そんなことできるわけないだろう……!
       待っていろ、すぐにそちらへ……危険?危険だ、だと?
       フッ……俺は常に危険――Beginning of fight――に晒されている……。
       今更その程度の――Beginning of fight――危険は苦でもない!
       俺に任せろ、全ては運命石の――Beginning of fight――扉の選択だ。
       俺が行くまで持ちこたえ――Beginning of fight――るんだ!
       ――Beginning of fight――ってええい!誰だこんな時にうるさいぞ!!」

                   【着信】 助手

    紅莉栖「……」

    岡部「……」


    ダル「っべーわー。マジべーわー。この助手容赦べーわー」

    まゆり「オカリン……」

    岡部「……ククク……ハハハ……フゥーハハハ!
       フゥーーーハハハハハ!!」

    紅莉栖「さてっと、じゃあ始めましょうか♪」


    8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 14:05:32.49 ID:CgVR2Fo/o

    まゆり「はーい☆」

    岡部「がああああああああああ!いかん、俺の右手ぐぅああああああ!!」

    ダル「オカリン往生際悪すぎワロタ」

    岡部「このままではラボメンに危険がぁー!
       ――というわけで俺はこの辺で」ダッ


    紅莉栖「岡部、逃げるの?」

    岡部「」ピタッ


    紅莉栖「逃げたって苦しくなるだけよ。今の岡部は見てられない……」

    まゆり「そうだよ♪」

    岡部「お、俺が逃げる……だと?
       この俺が……狂気のマッドサイエンティストが……」

    紅莉栖「そう、あんたは狂気のマッドサイエンティスト。
         ……そのアインシュタインにも匹敵する、
         IQ170の怜悧なる頭脳を今こそ知らしめるべきなのよ!」

    ダル「そうだよ(便乗)」


    9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 14:07:29.45 ID:CgVR2Fo/o

    岡部「ありえん……この俺が、助手如きから逃げるなど断じてありえん!」

    紅莉栖「そうよ!あんたはそれでこそあんたなのよ!!
         さぁ、前を向いて?この手(ヘッドホン)を取って!!」

    岡部「……フ、フフ……フゥーハハハハハハ!
       良かろう、ならば示してやる!!
       我が灰色の脳細胞が誇る頭脳の真髄をなぁ!

       ハハハハッフゥーハハハ!!」

    紅莉栖(……ちょろいもんだわ、岡部……!
         そのキレイな頭をフッ飛ばしてあげる)


    ‐‐--―――――――――――――--‐‐
      ‐‐--―――――――――--‐‐
         ‐‐--―――――--‐‐


    10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 14:09:59.95 ID:CgVR2Fo/o


    数日前。


    紅莉栖「……うーん、この配線がここにくるから後はここを……」


    岡部「フゥーハハハ!これでどうだ!?こんな感じか!!」

    まゆり「うんうん、いいよいいよー♪じゃあ次はこれを着て撮ってみよー☆」

    岡部「っておいまゆり。それはコスプレ衣装ではないか!
       俺はコスプレをしてるんではなく、
       サイリウムセーバーのサンプル画像を撮ってるだけなのだぞ?

       ……ぁあ、おいダル。顔は映すなよ、顔は!」

    ダル「わかってるお――はい、そこでカッコいいポーズ!」

    岡部「こうか!」ジャキーン!!

    まゆり「カッコいいねーオカリーン♪」

    ダル「うはwwwおkwww次www撮るおwwww」


    11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 14:11:18.83 ID:CgVR2Fo/o

    岡部「フゥーハハハ!そうだろうそうだろう!
       この鳳凰院凶真がモデルになればこのくらい――」


    紅莉栖「――あああ゛あ゛あ゛もぅっうるさいっ!
         ちょっとは静かに出来ないの!?」バンバンッ

    ダル「うは、おk(戦慄)」

    まゆり「ご、ごめんねぇクリスちゃん……」

    岡部「お、おい助手よ……そんなに怒ると小じわが増えるぞ?」

    紅莉栖「お前が言うな!岡部の所為でこっちは頭を悩ませてんでしょーが!!」

    岡部「お、おう(震え声)」


    紅莉栖「……ッチ……もういいわよ。
         ……あーそれにしても疲れたわ……少し休憩する」

    岡部「そ、そうか。ご苦労であったクリスティーナ」


    12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 14:13:43.62 ID:CgVR2Fo/o

    紅莉栖「だからティーナじゃないって……ああもういい、それよりお腹空いた」

    岡部「!

       ……ククク、そう思ってすでにお湯を沸かしてあるぞ!
       感謝するがいいセレブセブンティーッヌ!!」

    紅莉栖「だからセレセブでも……って何?あんたにしては気が利くじゃない」

    岡部「なぁに、俺は世間では気が利く男No.1の異名を持つ男だからな!
       これくらいどうということはない」

    ダル「というのは建前で、
       自分がカップラーメン食べる為に沸かしただけというのが本音だお」

    紅莉栖「……気の利くマッドサイエンティストってなんぞ?
         ……まぁいいわ。そんなことよりもー♪
         昨日買っておいたカップラーメンが私を待ってるわ~」ルンルン


    まゆり「……なんかクリスちゃん様子がおかしいのです」ヒソヒソ

    ダル「……疲れでテンションがおかしくなってると思われ」ヒソヒソ


    13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 14:15:24.47 ID:CgVR2Fo/o

    岡部「ふむ、好きなふぁけはぁべるがふぃい」ズルズル

    紅莉栖「ふんふーん♪……あれ?」


    岡部「ズルズルズルッ!ゴクリッ……どうした?」

    紅莉栖「……え、あれ?確かここに……」

    岡部「ズルズルズズーッズル!」

    紅莉栖「……ない……ない!なんで……昨日確かにここへ置いたはず」

    岡部「ズルルルルッルッルル」

    紅莉栖「……う、うそぉ……なんでぇ……なんでないのよ!」

    岡部「ズルズルズルズルチュポン!」

    紅莉栖「ってズルズルうるさいっ!
         ねぇ岡部!?ここに置いてあったカップラーメン――」

    岡部「ンッグ……ゴクンッ!何、カップラーメンがどうした?」


    14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 14:17:32.69 ID:CgVR2Fo/o

    紅莉栖「知らな……い……?」

    岡部「?……知らんぞ俺は」ズズズズズッ


    紅莉栖「……あんたそれ……どこから……」

    岡部「ズズズッ……ふぅ、美味かった。
       ……ん?何を見ているクリスティーナ」


    紅莉栖「それ……」

    岡部「は?それって……コレか?

       いやぁ、ラボにもこんな美味いカップ麺があるとは驚いたな。
       今度からラボの食糧はこれをメインにしても良いくらいだ」

    紅莉栖「……」


    ダル「オ、オカリンオカリン……ちょ、まずいってどう見ても……」

    まゆり「あわわわわわ……」ガタガタ

    岡部「どうしたのだ?ダルもまゆりも何を怯えている?」


    15: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 14:18:50.22 ID:CgVR2Fo/o

    紅莉栖「……ソレ……ワタシノ……」

    岡部「なんだクリスティーナ、そんなに震えて……今なんて言ったのだ?」


    紅莉栖「それは……私の……」

    岡部「え?なんだって?」


    紅莉栖「それは私のカップラーメンだぁあああああああッッッ!!」

    岡部「ファッ!?」

    紅莉栖「あんたの食ってるそのカップラーメンは私のだぁああああああ!!」

    岡部「お、おいっ揺らすっなっ!食べた物がっ出っうぷっ!」

    ダル「まだだ、まだ吐くな!堪えるんだ!!」

    紅莉栖「カエセェェエェええええええ!!」

    まゆり「クリスちゃんクリスちゃん落ち着いてー!」


    16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 14:20:20.56 ID:CgVR2Fo/o

    岡部「あばばばばおぼぼぼぼっ」

    紅莉栖「うぉおおおおおおお!!」

    岡部「か、カップラーメンっなどっ!変わりはいくらでもっあるではないかっ!!」

    紅莉栖「違うッ、私のカップラーメンはそれ一つだけよッ!
         変わりなんてない!!」

    ダル「牧瀬氏暴走モード突入の予感!」

    岡部「ダル!見てないで助けろ!!うっ」

    まゆり「クリスちゃん、オカリンを離さないとホントに吐いちゃうよー!」

    ダル「マジゲロだけは勘弁なっ!ほら、オカリン離れるお!」

    岡部「俺を引っ張るなー!」

    紅莉栖「吐けよぉぉおおおおおお!!」


    17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 14:21:40.36 ID:CgVR2Fo/o



    岡部「――……ふぅ、偉い目にあった……」

    紅莉栖「フー、フー……」

    まゆり「クリスちゃん……落ち着いて、ね?
        まゆしぃケンカは嫌いなのです……。そうだ、バナナ食べる?」

    紅莉栖「まゆり……ごめんなさい……でも、許せない……」

    まゆり「クリスちゃん……」

    ダル「……オカリン」


    岡部「な、なんだ?なぜそんな目で俺を見る!?
       俺はラボに置いてあったカップラーメンを食っただけだぞ!?」

    まゆり「でも、泥棒は犯罪だよ?いけないことなんだよ?オカリン」

    岡部「ま、まゆりまで俺を責めるのか!?
       大体泥棒って、ここは俺のラボだぞ!
       俺のラボでラボの食糧を食べて何が悪いというのだ!!」


    18: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 14:24:12.54 ID:CgVR2Fo/o

    紅莉栖「それは、そのラーメンは……!

         昨日私がデパ地下のカップラーメン展で買って来た、
         限定100名様の特別なカップラーメン(定価500円)だったのに……!
         それをあんたは……」

    岡部「し、知るかぁそんなこと!
       そんな大事な物ならなぜ他のカップラーメンと一緒にしとくのだ!
       よってこれは助手が悪い」

    紅莉栖「どう見ても他のカップラーメンとパッケージが違うでしょ!
         それならあんたが買ってくる物と違う物だってくらい気づきなさいよっ!

         それに、確か私……自分の名前書いといたはずなんだけど!?」

    岡部「自分のなむぁえー?そんなものどこにも書いてなかったが!?」

    紅莉栖「嘘!……ちょっと待って――ほら!ここに書いてあるわ!!」


    19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 14:25:36.93 ID:CgVR2Fo/o

    岡部「何?どれどれ――“牧瀬”……!?

       って、これでは“牧瀬のラーメン”と読めるではないくぁー!!」

    紅莉栖「だから何よ!?あってるじゃない!」

    岡部「日清のラーメンやマルちゃんのラーメンもあるのだから、
       牧瀬のラーメンも――」

    紅莉栖「あるわけないだろいい加減にしろっ!
         そんなこと言っていつもいつもいつも私の食べ物に手を出して、
         あんた一体なんなのよ!?」

    岡部「鳳凰院凶真だ!」バッ

    紅莉栖「ふざけるな!」

    岡部「だ、大体“牧瀬”とは――」

    紅莉栖「私だよっ!助手でもクリスティーナでもなく私だよ!!」

    岡部「ぐぬぬ」

    紅莉栖「いいから返してよ……私のカップラーメン……返しなさいよ……」


    20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 14:28:03.75 ID:CgVR2Fo/o

    岡部「返せと言われても……そうだっ!
       なら交換条件といこうではないか?

       クリスティーナ、お前には今ラボにあるカップラーメンの全てを進呈しよう。
       それで手を打たないか?」

    紅莉栖「……」

    岡部「お前は今腹を空かせている。研究で疲れもあるな?
       そんな中で不毛な言い争いなど、無駄にエネルギーを使うだけ。
       ……それくらいは聡明な助手のことだ、わかっているんだろう?」

    紅莉栖(全てお前の所為なんだが)

    岡部「そこで、使ったエネルギー+今必要な栄養摂取をするならば、
       俺の提案に乗るべきだと思うのだが……どうかな?
       クリスティーナ君……ククク」

    紅莉栖「……も、もういいわよそれで。
         ……あんたと話しているだけで頭が痛くなる……。

         それでガ・マ・ンしてあげるから早く寄越しなさいよ」

    岡部「フッいい子だ……待っているがいい。
       今ラボの誇る最高のカップラーメンを振る舞ってやろう……」


    21: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 14:31:08.90 ID:CgVR2Fo/o

    紅莉栖「いいから早くして。
         それでなくてもまだあの開発だって残ってるのに、
         こんなバカに付きあってる時間が勿体ないわ……」

    岡部「……」

    紅莉栖「……」

    ダル「……」ズルルッ


    岡部「……ふむ」

    紅莉栖「……何してんの?早く出してお湯入れて作りなさいよ」

    岡部「……いや、クリスティーナよ……」

    紅莉栖「もうこの際ツッコまないから早く」


    岡部「ないのだ」

    紅莉栖「は?」


    22: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 14:32:22.86 ID:CgVR2Fo/o

    岡部「どうやらラボのカップラーメン……略してラボメンは尽きたようだ」

    紅莉栖「な……な……な……」


    岡部「まあ待て、そこでこれだ」スッ

    紅莉栖「え?……何ソレ」

    ダル「……どう見てもメロンです」

    まゆり「メロンだねぇ」


    岡部「これは実家から持ってきたメロンでな?
       ……ラボのみんなで食そうと冷やしておいたのだ」

    紅莉栖「……で?」


    23: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 14:33:45.72 ID:CgVR2Fo/o

    岡部「つまりだな、何が言いたいのかというと……諦メ――」

    紅莉栖「――言わせないわよ!
         諦めんなよ!どうしてそこで諦めるんだそこで!!
         今すぐ外に買いに行きなさいよ!!」

    岡部「いや、でも、外は暑いし」

    紅莉栖「もっと熱くなれよ!?交換条件はどうしたのよっ!
         私のエネルギーを返しなさいよ!!」


    岡部「……おっと、言い忘れました……私の所持金は80円です」

    紅莉栖「岡部ぇええええええ!!」

    岡部「うわぁああ!!」

    まゆり「わー!クリスちゃんおさえておさえてー!」


    24: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 14:36:51.37 ID:CgVR2Fo/o

    ダル「まったく毎回毎回懲りずに騒々しいお。
       痴話喧嘩もここまでくるとウザくなるっつか、
       少しは仲良くするべきと思われ」シーシー

    紅莉栖「誰が痴話喧嘩か!全て岡部が悪い!!」

    岡部「何故だ、俺は悪くない!俺は悪くない!!悪いのは不注意な助手だ」


    紅莉栖「よし、今からお前をジワジワとなぶり論破してやる。
         覚悟しろよこの虫野郎!」

    岡部「ひっ」


    ダル「あーあ、早く終わんねーかなー。
       どうせこの後仲直りしながらカップラーメンを食べさせっこするんしょ?
       それで牧瀬氏が『あんっ岡部のラーメン熱いナリィ』とかって――」ズズズッ

    岡部「誰がするか!何をわけのわからんことを言っているのだ!
       ――ってダル、お前なんだそれは何を食ってる、そこの容器はなんだ!?」

    ダル「は?何って空のカップラーメンですが、それが何か?」


    25: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 14:39:43.15 ID:CgVR2Fo/o

    岡部「何か?ではない!何故空の容器が二つ以上もあるのだ!!」

    ダル「急に選りすぐりのデザートを食べたくなったので、Q.E.D.証明終了」

    岡部「いや、その理屈はおかしい」

    ダル「いやぁー食後のデザートは格別だお」

    岡部「なんてことをしてくれたのだ!
       お前が食いまくったせいで、俺がヤバいことになっているんだぞ?
       どうしてくれるんだ、なんとかしろ!!」

    ダル「デュフフサーセンwwwwってこれは元々僕が買ってきた物だお。
       オカリン自分で所持金少ないの暴露してんじゃん。
       僕が僕の為に買った物をどうしようと僕の勝手ですしおすし」

    岡部「だ、だがラボの物は」


    26: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 14:42:15.41 ID:CgVR2Fo/o

    ダル「違うな、間違っているぞ岡部倫太郎!

       ラボはラボメンの物だお!だからラボの物はラボメンのでもあるんだお!
       それを教えてくれたのは、他でもないオカリン、君じゃあないか!
       忘れたとは言わせないぞ」

    岡部「え、そんなこと言った覚えは」

    ダル「そうすると、オカリンが食べた牧瀬氏のラーメンも、
       やっぱしラボメンである牧瀬氏の物なわけで、
       そこんとこ謝罪と賠償を請求されてもおかしくない件」

    岡部「なにそれこわい」

    紅莉栖「岡部ぇぇ……」

    岡部「うぬぅ……っ!?

       ――は、そうか……ならばこうしようではないか」

    ダル「その顔は、何か思いついたんだねオカリン」

    岡部「助手には食糧を渡さなくてはならない。

       だが、ラボに置いてあった食糧はなかった。
       しかし、ダルの買った食糧はダルへ戻った。
       そして、ダルはラボのラボメンである。
       
       ここから導き出される答えは……っ!!」

    ダル「ゴクリッ」

    紅莉栖「……」


    27: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 14:44:38.44 ID:CgVR2Fo/o

    まゆり「なんだかまゆしぃもお腹が空いてきたよー☆」


    岡部「ずばり――

            ――助手には、ダルをやろうッッッ!!」

    ダル「え?」

    紅莉栖「え?」


    岡部「だから、我が右腕……ダルをやるッッッ!!」

    紅莉栖「ッッッ!?……?」


    岡部「食糧=ダルの腹の中=ダルという図式における、明確な答えだ」

    ダル「オカリン、それって……」

    岡部「ラボはラボメンの物なのだろう?

       では、ラボメンはラボの物とも言えるのではないか?
       つまり、そういうことだよ」

    まゆり「え、どういうことなのー?」

    岡部「ダルは犠牲となったのだ」


    28: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 14:47:42.20 ID:CgVR2Fo/o

    紅莉栖「……るか……」

    岡部「これで解決だな。
       やれやれ、この程度のことに頭を悩ますとは、
       どうだ、クリスティーナ?

       後はダルを煮るなり焼くなり好きにするがいい……」

    紅莉栖「……いるか……」


    岡部「――俺だ。
       ククッ、これで今日も俺の完全勝利というわけだ。
       我ながら、自らの発想には驚きを隠せんよ……。
       敗北を知りたいくらいだ。ああ、だがこれも運命石の扉の選択。
       全ては初めから決まっていたことだったのだ。
                            ――エル・プサイ・コングルゥ」


    紅莉栖「そんなもん、いるかぁああああああ!なめんなぁああああ!!」

    岡部「なんだと!?」

    ダル「……」

    まゆり「まゆしぃおでん缶買ってこようかなー?
        みんな~何か欲しい物あるー?」


    29: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 14:48:37.77 ID:CgVR2Fo/o

    紅莉栖「私を、怒らせて、そんなに、楽しいか?えぇ!?」

    岡部「だ、だがダルだぞ?スーパーハカーだぞ!?
       マイ・フェイバリット・アームだぞ!!」

    紅莉栖「だから何!?
         ただのHENTAIキモオタ工口ゲーマーじゃない!
         誰がそんなの欲しがるってーのよ!
         ってゆーかそんなのあげるとかセクハラでしょ!?

         訴えてやる!!」

    ダル「……僕が……牧瀬氏の……」

    岡部「れれれ冷静になれクリスティーナ!怒っていては何も解決はしない!」

    紅莉栖「あんたが私を怒らせてるんでしょーがー!」


    30: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 14:49:04.26 ID:CgVR2Fo/o

    ダル「オカリン!!」バンッ!!

    岡部「!?」紅莉栖「!!」

    ダル「オカリン……あのさぁ……」

    紅莉栖「ほら、ついに橋田もあんたにはご立腹なようね」

    岡部「な、なんだ?」


    ダル「つまりさぁ……食糧=僕ってことなわけっしょ……?」

    岡部「そ、そうだが」

    ダル「つまり、僕は牧瀬氏に食べられちゃうわけでしょ?」

    紅莉栖「は?」


    31: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 14:52:18.03 ID:CgVR2Fo/o

    ダル「つまり、牧瀬氏は僕を召し上がれってわけで、

       ブヒュッ優しくおながいします!!フヒッまずは僕のウインナーから――」

    紅莉栖「ソテーにしてやろうかこのHENTAI!」ドゴォッ!!

    ダル「オゥフッ!」

    岡部「ダルーッ!」


    紅莉栖「もう最っ低!
         あんた達なんなの、そんなに訴えられたいの?
         ならいいわ、お望み通り――」

    岡部「いやいや待て待て待て!
       たかがカップラーメンの一つや二つで、
       何故ここまで騒ぐ必要があるのだ!?」

    紅莉栖「全て岡部が騒ぎ立てたんだが……あんたが素直に弁償すれば」

    岡部「いや、クリスティーナもクリスティーナだ!

       ここまで喚かずとも冷静に話し合えば、
       俺だって少しは反省というものを感じるかもしれないだろう?
       なのにお前が怒り散らすから、
       こっちもそれに釣られて言い合いになってしまうのだ。
       煽りあいでは何も解決はしない。
       ここはお前の知ってる@ちゃんねるではないだぞ?
       まずお互い冷静に話し合うべきだ」ベラベラ


    32: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 14:54:09.88 ID:CgVR2Fo/o

    紅莉栖「だって……それは岡部が……っ!」

    岡部「助手が疲れているのも知っている。
       疲れによって虫の居所が悪くなるというのもわかる。
       だが俺たちはもう大人だ。
       大人らしく振る舞うべきではないのか?

       なぁクリスティーナ」

    紅莉栖「そんなの……~~ッ!」

    岡部「そうだ、それでいい。

       ――そのまま気を静め、俺のいう事を聞くのだ。
       ……まゆり!まゆり、包丁を持て!!」

    紅莉栖「……」

    岡部「あれ?おーい、まゆり?
       ……いつの間にいなくなった?

       まぁいい、ここは俺自らが動くとしよう」

    ダル「……お、オカリン……何をする気だお……?」


    岡部「何も考えるな……俺のいう事を聞け……」スッ

    紅莉栖「な、何……?包丁なんか持って……ってなんでこっちに来るの?」

    岡部「……ニヤッ」


    33: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 14:55:21.59 ID:CgVR2Fo/o

    紅莉栖「や……ちょっと……何、岡部……っ!?」

    岡部「……何をするって?ククッ……こうするのさっ!!」ブンッ

    紅莉栖「え、嫌……きゃっ……!!」

    岡部「……」

    ダル「……」

    紅莉栖「……?」

    岡部「……フンッ!ん?切りにくいな……フン!ンー!ンーッ!!」

    紅莉栖「……」

    ダル「……はっ!?

       ――そこには、元気にメロンを切ってるオカリンの姿が!」

    岡部「こんなものか――さぁ種も取り除いたぞ、クリスティーナ。
       これを受け取れ」

    紅莉栖「……」


    34: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 14:58:00.80 ID:CgVR2Fo/o

    岡部「……受け取って、“怒りを静メロン”」キリッ

    紅莉栖「  #」ブチィッ!!

    ダル「で、出たー!同じネタで、惜し気もなく二度も強引に使うオカリンっ!」

    岡部「その、あれだ?
       俺も少しは反省してやらんでもないこともないという事だ。

       だからこれを食べて、お前の内に眠る怒りをその甘さで乗り越えろという、
       俺からのメッセージ、受け取るがいい」

    紅莉栖「」スッ

    岡部「それにだ、確かに俺はお前の物を取ったのかもしれないが、
       お前は俺の助手だろう?

       助手ならば俺に奉仕するのは当たり前。
       ……いや、俺の研究を捗らせるために、物資の一つや二つ、
       援助したと思えば気にする程のことでもあるまい?
       ラボの頭脳と言うべき俺が食事を取らず栄養失調になったらどうする?
       それだけで世界の未来は危うくなるのだ」

    紅莉栖「……へぇ……」


    35: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 15:00:31.26 ID:CgVR2Fo/o

    岡部「うむ、その調子だクリスティーナ。
       なんだ、冷静になれば話しがわかるではないか!
       お前は俺の頭脳を守るため食糧を援助した、これで解決でいいな?

       ――ああ、あの天才と呼ばれた助手でさえも、我が灰色の脳細胞が誇る、
       IQ170の怜悧なる頭脳の前ではチョロ……容易いもの。
       俺の発想がアインシュタインを越えるのもそう遠くはない、
       自分の才能というものが恐ろしくもあるさ。

       ……だがこれも運命石の扉の選択、抗うことは出来ないのだ。
                                 ――エル・プサイ・コングルゥ」

    紅莉栖「……モシャモシャ」

    岡部「……よしよし、それでいい。
       特別に助手は二切れ食べていいぞ!

       ……ふぅ、最初から俺の言う通りメロンで我慢していれば、
       ここまで騒がずともすんだものを……あ、おいダル!
       お前は一切れだ、他のラボメンの分もあるのを忘れるな」

    紅莉栖「……頭脳……IQ……」モシャモシャ


    まゆり「トゥットゥルーただいま~♪あ、みんな何食べてるのー?

        ――わーメロン切ったんだねぇ、まゆしぃの分もあるかなー?
        オカリーン」


    36: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 15:01:55.20 ID:CgVR2Fo/o

    岡部「もちろんまゆりの分もあるぞ。ほら、新鮮なメロンだ」

    まゆり「ありがとーオカリン♪
        ――……ん~甘くておいしいねぇ☆」

    岡部「フッハッハ!何せメロンだからな、高級食材だからな!
       もはやなんの文句もあるまい。
       これで助手もメロンちゃんだフゥーハハ」

    紅莉栖「岡部の為……フッ……フフ……そうね、それがいいわ……」

    岡部「そうだろうそうだろう!甘いのは良いだろう!
       もっと感謝しても良いぞフゥーハハハ!」

    紅莉栖「あれとこれがあれば……フフフッ……アハハハハ!」

    岡部「フゥーハハハ!」


         ‐‐--―――――--‐‐
      ‐‐--―――――――――--‐‐
    ‐‐--―――――――――――――--‐‐


    37: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 15:03:25.59 ID:CgVR2Fo/o



    まゆり「――……どうかなー?」

    紅莉栖「んーどれどれ……わ、すごいじゃないまゆり!」

    ダル「ほほう……ウホ、まゆ氏のスペックは異常」

    まゆり「ホントー?
        えっへへーそんなに褒められたら、まゆしぃ恥ずかしいよ~」

    紅莉栖「恥ずかしいなんてことないわ。
         どこかの誰かさんの方がよほど恥ずかしいもの!」

    ダル「次は僕の番だお!……僕のハイスペックを見て、惚れるなよ?」

    紅莉栖「はいはい、キモいキモい」

    ダル「カチャカチャカチャ、ターンッ!」

    紅莉栖「何その無駄な動き……――え、何この数値ふざけてるの?」


    38: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 15:05:46.74 ID:CgVR2Fo/o

    ダル「どれどれ?うは、何この数値高須クリニックwww

       ……ふぅ、ま、僕が本気出せばこれぐらい余裕っつーか?
       デュフッいつもは世を忍ぶ仮の姿っつーか?
       世界が俺についてこいっつーコポォwwww」

    まゆり「ダル君が天狗さんだよー」

    紅莉栖「キモさは置いといて……橋田至……一体何者なんだ……?」

    ダル「うへwww女子が僕を見てるwww見られてるwwwらめぇwww」

    紅莉栖「ちょ、ちょっともっかいやってみて!
         ……おかしいなぁ、壊れてるなんてことないわよね?」


    岡部「」ピクッ


    ダル「何度でもござーいwwwうはwww俺のこの手が光って唸るwww」

    紅莉栖「もうちょっと静かにやれないの?

        ――……でも認めたくないけど、これが橋田の実力のようね。
        さっきとまったく同じ数値」

    岡部「」


    39: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 15:07:42.67 ID:CgVR2Fo/o

    まゆり「まゆしぃにもまたやらせてー♪」

    紅莉栖「うん、何度でも試してみて。
         多分、出てくるIQは変わらないはずだから」

    岡部「」


    紅莉栖「――アハハ、やっぱりまゆりってすごいのねぇー!
         え、何、私?……しょうがないなー?一回だけよ」

    岡部「……」


    紅莉栖「――どうかしら?え、どうしたの二人とも?
         や、やだ、そんなに褒めないでよ……恥ずかしいわw」

    岡部「……」


    紅莉栖「え、もう一度やらないと実験にならない?
         わかったわ、じゃあもう一回」

    岡部「……」


    紅莉栖「――どう、変わった?うんうん、変わらないようね。
         とりあえずこの実験は成功ってことでいいのかしら」

    岡部「」


    40: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 15:09:46.94 ID:CgVR2Fo/o

    紅莉栖「いやぁ、マシンが壊れてなくて良かったわ!
         これで次の実験も出来そう♪」

    岡部「……ま」

    紅莉栖「本当、良かったわー。壊れてなくて良かったわー。
         じゃあこの実験結果を紙に書いて……あーしまった!手が滑ったわー」

    岡部「」バシッ ヒラヒラ

    ダル「……」

    紅莉栖「いや、滑ったわー。紙が落ちたわー。
         岡部の方に勢いよく滑り落ちたわー」

    まゆり「……お、オカリ」


    紅莉栖「あら、拾ってくれたのね……ありがとう、岡部(笑顔)」

    岡部「」

    紅莉栖「ねぇ、ところでこれ見てくれる?
         実験結果をよく見て?壊れてないでしょ?ねぇねぇ」

    ダル「……オカリンの霊圧が……消えた!?」


    41: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 15:11:04.11 ID:CgVR2Fo/o

    紅莉栖「ほら、ほら、壊れてないでしょ?岡部の数値も、合ってるでしょう?」

    岡部「」

    紅莉栖「へんじがない、ただのしかばねのようだ」

    まゆり「……クリスちゃん、もうそのくらいで」

    紅莉栖「そうだ、他のラボメンも呼びましょう!
         もっと色んな人で実験してみないと!」

    岡部「……ッ!?」

    紅莉栖「フフフフ実験結果を多くの人に見てもらわないとねウフフフゥーハハハ」

    ダル「牧瀬氏、それ以上いけない」

    まゆり「クリスちゃんが壊れちゃったよ……」


    岡部「   ぁ    ぅ   」


    42: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 15:12:11.97 ID:CgVR2Fo/o

    紅莉栖「ねぇ今どんな気持ち?ねぇねぇ今どんな気持ち?」


    岡部「……ぅ、う、うっ!うるさぁぁぁっい!!
       こんな物は無効だ!!」ビリビリッ

    紅莉栖「あっ!ちょ、おま、何すんのよ!?やめて!!」


    岡部「フ、フフ、フゥハハ……おい、助手!」バンッ!!

    紅莉栖「ひっ、な、何よ……?」

    岡部「……お前は……“機関”の人間だな!?」

    紅莉栖「……はぁ?」

    岡部「やっとわかったぞ……クリスティーナ……いや、牧瀬紅莉栖!」

    紅莉栖「ちょ、ちょっと岡部――」


    43: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 15:18:07.86 ID:CgVR2Fo/o

    岡部「どぉーして気が付かなかったのだ。
       まさか、こんなにも身近に“機関”の人間が紛れ込んでいるとは……!
       迂闊だった!」

    紅莉栖「……おーい」

    岡部「――俺だ!やはり牧瀬紅莉栖……奴は“機関”と通じていた……っ!
       俺が仲間だと思っていた奴の真の顔は、
       我が未来ガジェット研究所……いや、
       この鳳凰院凶真を貶めるため機関から送り込まれたスパイだったのだ!
       
       ……くそっ……奴は優秀な助手だと信じていたのに……っ!
       ……そうだな、こうなることは初めからわかっていたのかもしれない。
       俺はいつだって――Beginning of fight――
       孤独な生活を強いられてきたからな。
       ……なぁに、今度も一人に――Beginning of fight――なるだけさ。
       何故なら俺は狂気の――Beginning of fight――マッドサイエンティスト、
       鳳凰院――Beginning of fight――凶真なのだから!
       そう、それこそが運命石の扉の選択。
                        ――エル・プサイ・コングルゥ!!!11
                   ――Beginning of fight――Beginning of fight――」

    紅莉栖「……」

    岡部「……んんんっ見損なったぞクリスティーナ!
       この俺を貶めて、一体何が目的だ!?

       は、そうかまさか……!
       この俺の権威を失墜させ……このラボを乗っ取ろうと?
       やらせはせん、やらせはせんぞ!
       この鳳凰院凶真が居る限りラボには一歩も――」

    紅莉栖「いや、ここはもうラボの中だろ……。それに何よ、機関って……」


    44: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 15:20:08.93 ID:CgVR2Fo/o

    岡部「ええい、そのみょうちくりんなガジェットを使い何を企む!
       大方そのガジェットには細工がしてあって……っは!?
       そうか、それはもしや爆弾?

       いかん、まゆり!ダル!今すぐここからはなれるんだぁー!!」

    ダル「ここは俺に任せて先に行けですね、わかります。だが断る」

    まゆり「オカリンも壊れちゃったよ……帰ってきてーオカリーン」


    岡部「ぬぅわああああ!
       ……つ、ついにこの右腕に宿る力を使わなければならないのか!?
       だがこれしか道はない……持ってくれ、俺の心臓!」

    紅莉栖「爆弾って……。
         それよりもみょうちくりんって何よ、みょうちくりんって!
         それに乗っ取るとか企んでるとかないし!陰謀論乙」

    岡部「ならばどういうつもりだ!」


    45: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 15:23:23.74 ID:CgVR2Fo/o

    紅莉栖「……べぇつにぃ?

         ただIQ170(自称)の鳳凰院凶真さんの頭脳が、
         本当かどうか知りたかったとか?
         いつかのオ・レ・イを返さなくちゃとか?
         少しは痛い目みてもらわないととか、考えてたわけじゃないですけど?」

    岡部「企んでるではないかぁぁぁ!
       なんだ、いつかのオレイって!俺が何かしたか!?」

    紅莉栖「したでしょー!?
         私のカップラーメンを無断で食べて、
         くだらないダジャレで終わらせようとした恨み……!

         忘れてなんてないんだからね!?」

    岡部「な、たったそれだけの為に、
       わざわざこんなガジェットまで作っただと!?

       お前、頭おかしいんじゃないのか!」

    紅莉栖「な、なんですって!?
         たったそれだけって何よ……たったそれだけって……!
         私がどんなにあのラーメンが食べたかったか……。
         あんたにわかるってーの!?

         ……それに、どっかの誰かさんよりかは頭いいですけど?
         なんならもう一度実験してみる?」


    46: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 15:28:04.66 ID:CgVR2Fo/o

    岡部「ぬ、ぬ、ぬ!
       しかし、そのガジェットに信頼性があるかなどまだわかるまい!

       何故なら、そのIQTマスィーンとやらの根本、すなわち、
       IQを計算するプログラムが間違っている可能性があるのだからなぁ!
       よって、それで出た数値などなんの当てにもならんということだ!!」

    紅莉栖「……まぁ、そうね……」

    岡部「ほらぁーそうだろう!
       フハ、おかしいと思ったんだ。
       ……この鳳凰院凶真があのような数値、壊れているとしか思えん。

       ……それとも、もしかしたら?いやそうだ、そうに違いない!
       例え天才の助手が作り出した未来ガジェットであろうと、
       この全ての創造主たる鳳凰院凶真の頭脳を解析しつくすことなど、
       出来はしなかったのだ!人の手で作り出した物では、
       この神をも超える頭脳に触れることすら出来ないのだ。
       ……フゥーハハハ!」

    紅莉栖「……うーん、じゃあさ、こうしましょ。
         私最初に言ったわよね?
         『色々なIQテストをしてみて、
         このガジェットで数値化されるIQと比較しながら調べてみましょ』って。

         だから、別のIQテストやってみましょうよ、簡単なのでいいから」

    岡部「なん……だと……?」


    47: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 15:29:55.53 ID:CgVR2Fo/o

    紅莉栖「橋田、そういうのってネットですぐ見つかるわよね?」

    ダル「……お?おぉ、そりゃすぐに見つかるけど」

    紅莉栖「じゃ、よろしく。
         ……あぁーそうだ!ねぇ、岡部ってIQ170(自称)なのよね?」

    岡部「えーいその(自称)と付けるのをやめんか!
       ……いかにも、我が灰色の脳細胞が誇る――」

    ダル「……このごにおよんでまだ強がるオカリン、マジリスペクトっす」

    まゆり「も、もうやめようよ~!
        ……オカリンもクリスちゃんも大人気ないのです……」

    紅莉栖「うっ!……でもまゆり?
         このIQ170(自称)が、
         どうやってIQ170(自称)ってわかったのか気にならない?

         私はただ知りたいだけなのよ、
         どうやって岡部がIQ170(自称)って調べたのか」

    岡部「そ、それは……!」


    48: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 15:31:35.82 ID:CgVR2Fo/o

    ダル「わたし、気になります!」

    岡部「黙ってろ!」

    紅莉栖「ねぇ、どうやってIQ170(自称)を割り出したの?
         どんなIQテストをしたの?
         それがわかれば、このIQTマシーンも完成に近づくかもしれないわ。

         だからね、教えて岡部?」

    岡部「そ、それはだな……?
       失われたエンシェント・ホライゾンから虚数空間を導いて」

    紅莉栖「日本語でおk」

    ダル「オカリンもうやめとけって……牧瀬氏もまゆ氏の言う通り大人気ないお」

    紅莉栖「……ふん、これくらい、いいでしょ?
         そこのIQ170(自称)が本当に(自称)か証明するくらい、
         追及したってバチは当たらないわ。

         嘘なら嘘って言えばいいだけのことじゃない」

    ダル「それはそうなんですけども」


    49: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 15:32:32.21 ID:CgVR2Fo/o

    紅莉栖(でもま、
         それを言えないってのをわかってて追求してるんですけどね)ギロッ

    ダル(こいつ……直接脳内に……!?)


    岡部「う、う、うぅ……嘘ではないッ!この俺はアインシュタインも越える――」

    紅莉栖「だーかーらー?
         どうしてそれがわかるのか、教えてくださいよー鳳凰院さーん」


    岡部「う、うぅぅ……ううううう!」

    紅莉栖「唸ってるだけじゃわかりませんよー?」

    岡部「お、おま、おま……ぐぐぐぐぐ!」


    50: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 15:35:48.93 ID:CgVR2Fo/o

    紅莉栖「ほらーどうしたんですかー?
                     教えられないんですかー?
         IQ170もあるなら、
                     すぐ私の質問に答えられますよねー?
         論理的に。
                  それとも出来ないんですかー?
         貴方の頭は飾りですかー?
                           ほらほら言いなさいよ、
         言えるものなら言ってみなさいよ」

    岡部「」

    紅莉栖「それと、IQTマシンの性能が気になるなら、
         設計図をあんたに渡すわ。
         それで、間違ってると思う部分を指摘してくれてもいいわよ?

         出来るもんなら、ね」


    岡部「こ、この……!


       ――ば、バーカバーカクリスティーナのおたんこなーす!
       誰が教えてやるものか、この貧*残念HENTAIねらーのゾンビ!
       お前なんぞ機関に狙われて葬られればいいのだー!
       このぼっちめーーーー!!」

    ダル「オカリン……(可哀想な物を見る目)」


    51: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 15:37:22.17 ID:CgVR2Fo/o

    紅莉栖「だ、だだだ誰が貧*だ!貧*ちゃうわ!訂正しろ!!
         大体何そのふざけた罵倒、今時小学生でもやらないわよ!?

         ――ちょ、どこ行くんだ、おい岡部!待ちなさいよぉー!!」


    <オレハホウオウインキョウマダー!!キカンノインボウニハケッシテ
    <ウルセーゾオカベ!!コレイジョウサワイダラヤチンアップダ!!


    紅莉栖「――……行っちゃったわ」

    ダル「オカリンのライフはもうゼロだお……」

    紅莉栖「……ふ、ふんっいい気味よ!
         これで岡部も少しは思い知ったでしょ……私のカップラーメンの恨みを」

    ダル「……流石牧瀬氏……そのねちっこさ、
       ねらーの称号は伊達じゃないお……」

    紅莉栖「なんかいった!?」

    ダル「だが、そこがいい!次は僕におながいします!!」


    52: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 15:38:27.75 ID:CgVR2Fo/o

    まゆり「……」

    紅莉栖「まったく……。あれ、まゆり?どうしたの、俯いて……」


    まゆり「……クーリースーちゃーんー!」

    紅莉栖「ひっ!」

    ダル「ま、まゆ氏の戦闘力が……っ!
       一万、十万……まだ上がるお……!?」

    紅莉栖「ま、まゆ、まゆり?なんで」

    まゆり「やーりーすーぎー!なーのーでーすー!!」

    紅莉栖「あ、え、ごめ、ごめんなさ――にやぁぁぁ~~っ!!」


    ―――――――――――――――
    ――――――――――
    ――――――


    53: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 15:41:26.90 ID:CgVR2Fo/o


    数日後。


    岡部「『罰を司る女神』作戦発動だ!!」

    ダル「……」

    ルカ子「え?」

    岡部「オペレーション・ネメシスだ!!」

    ダル「……何ソレ牧瀬氏のこと?オカリーン……まだいってんのかお」

    ルカ子「なんだか……お、穏やかじゃありませんね……」


    岡部「最後の審判は下ったのだ!
       ジャッジメント・デイだ!
       クリスティーナには神の鉄槌をくれてやらにゃならんのどぁ!」


    54: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 15:43:58.79 ID:CgVR2Fo/o

    ダル「っつーか、あの件はまゆ氏が牧瀬氏を叱って終わったっしょ?
       また蒸し返すん?」

    岡部「うるさーい!このままでは俺の気が治まらんのだー!!」

    ルカ子「その……牧瀬さんもきっと、
         悪気があってやったわけじゃないと思うんです。
         だから岡部さんも牧瀬さんには」

    岡部「ルーカー子ーよぉー!お前までそんなことを言うのか?
       師匠の気持ちすらわからんのか、このバカ弟子がぁ!

       それと、俺は鳳凰院凶真だ」

    ルカ子「ば、バカ弟子!?ボクが……バカ弟子……」

    ダル「ちょ、るか氏に当たんのはよせってマジで!愚の骨頂だお!!」


    岡部「あ、いや、すまん……今のはノリというか、その……」

    ルカ子「いいんですいいんです……ボクはバカですから。
         ……岡部さんに口答えなんてボクは弟子失格ですから。
         ……ぅ……っすみません……」


    55: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 15:46:25.14 ID:CgVR2Fo/o

    岡部「ち、違うのだルカ子よ!
       今のはテンプレというかなんというかその、
       決してバカにしたわけではないのだ!

       だから泣くなっ、泣かないでくれ!後、俺は鳳凰院凶真だ」

    ダル「あの後柳林神社に行って、るか氏に慰めて貰ったんしょ?
       それを仇で返すとか……なんという鬼畜。
       工口ゲだったらバッドエンド直行だお。

       それとも鬼畜ルートですか?そういうプレイですか?
       うは、興奮してきたお」

    岡部「鬼畜ってゆーな!それに……違うぞ!

       俺は別に慰めてとか、
       そんなつもりでルカ子に会いに行ったわけではなくてだな!
       ただ、右腕の悪霊を静めてもらいに」

    ルカ子「いいんです、ボクはバカ弟子ですから。
        ……岡部さんの役に立てないバカ弟子ですから。
        ……バカ弟子ですみませんんん!」

    岡部「あー!違うのだルカ子よ!
       だからバカ弟子というのは言葉のあやでだなー!?

       ――……ええーい、これでは話しが進まんではないかー!!」


    56: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 15:49:19.29 ID:CgVR2Fo/o

    ダル「だからさー、もう諦めろって。
       オカリンが牧瀬氏に勝てるわけないっしょ?

       そもそも、元凶はオカリンなわけだし、
       これ以上揉めたらまゆ氏がどうなるかわかんないお?」

    岡部「まゆりは関係ないだろう、まゆりは!
       いいか?これは俺と助手の存在を賭けた戦いなんだよ!
       これに負けたら俺は……!

       助手に頭が上がらなくなってしまうではないかー!?」

    ダル「何言ってんだおオカリン。
       頭が上がってたことなんていつあったんだお!
       何もしなくともいつもと変わんねーでFA」

    岡部「言わせておけば~~っ……だがしかし、だからこそ今しかないのだ!
       今こそ助手の鼻を明かしてやる時だ」

    ダル「やめとけってマジで。
       ……それにオカリンはまゆ氏関係ねーとか言ってるけど、
       あの後のまゆ氏ときたら……おー怖っ!

       思い出しただけで寒気が……すると思ったけど逆にあったまってきた!
       うは、まゆ氏に怒られるとかご褒美すぐる!!オカリン、僕と変われ!!」


    57: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 15:52:39.67 ID:CgVR2Fo/o

    岡部「何バカなこと言ってるんだこのHENTAI!

       ……ならなおさらクリスティーナをギャフンと言わせる作戦を考えるのだ。
       そうしたら貴様の望みを叶えてやるぞ?ダァルよぉ」

    ダル「世界の半分を僕にくれるんですねわかります。
       でもフラグ立ってる悪役のポジションはNGなんで、
       お断りしますでござるの巻」

    岡部「何、何故そうなるのだ!?
       クソッ使えない奴め……この作戦が終わったら貴様も処罰してやるぞ!
       ……ククク、俺に逆らった者にはどうなるか……どうなるかなぁ!?」

    ダル「ってかさ、素直に謝って仲直りしたらいいんと違うん?
       どうせ引っ込みつかなくなったから、やけくそになってんじゃねーの?」

    岡部「そ、そんなわけあるかそんなわけあるかー!
       大事な事なので二回言いました!!

       俺は別に仲直りしたいとかそういうわけではない!
       奴には立場の違いというものをわかってもらわねば困る」


    58: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 15:56:20.76 ID:CgVR2Fo/o

    ダル「ま、あそこまでプライドごとズタボロにされたら、
       男としても立つ瀬ねーってのはわかるけどさ。
       牧瀬氏容赦ねーもんなー」

    岡部「そうだそうだそうなのだ……あいつときたら何もわかっていやしない!
       あんなだから友達の一人もいないボッチーナなのだ。
       それをわからせるためにも、俺は作戦を遂行せねばならない。
       それこそ運命石の扉の選択!エル・プサイ・コングルゥ……」

    ダル「……どっちもどっちだと思うお。
       それにさ、牧瀬氏だって少しは反省してるかもよ?
       まゆ氏にも言われてたし、自分でもわかってっしょ、多分」

    岡部「いーや、俺にはわかる。あいつはそんな玉じゃない。

       なんだかんだいって最後は『私は間違ってない!』という論を建て、
       その内俺を論破しにくるに決まっている……!
       そうなる前に、こっちも手を打っとかなければ俺は……!

       このラボに顔を出せなくなるぞ!」

    ダル「ないとは言い切れないのが牧瀬氏の怖い所っすなー。
       でもやっぱり無理だおー。
       どう考えても、最後はオカリンが這いつくばるビジョンしか浮かばないお。
       約束された敗北の土下座だお」


    59: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 15:59:07.41 ID:CgVR2Fo/o

    岡部「そんなこと……そんなことがあってたまるか……!
       俺は、俺たちは、変わる、変わるんだ!!変わらなければ未来は……」

    ダル「ダメダメ諦めろって。
       やっぱここは素直に謝るべきだと思うお。
       ……そんで牧瀬氏に変わりのプレゼントなんか用意してさ、

       『俺が悪かった、お前の怒る姿が可愛くて、ついからかってしまったんだ。
       どうか、これで許して欲しい。だから俺の元に戻ってきてくれ!
       お前がいなくなってようやく気づいたんだ、俺にはお前しかいない!
       もう俺から離れるな』みたいな言葉をかけたら、

       牧瀬氏が『ステキ、抱いて!』みたいな展開になって、
       その後二人はホテルに……ハァハァ!
       牧瀬氏ルートってどんな感じなんだろ……」

    岡部「アホかっ!
       なんで俺がそんなスイーツ()なことを助手とせねばならんのだ!

       それとこれだけは言っておく。
       俺の辞書に、諦めるという単語はない!!」

    ダル「自分で諦メロンって言ってたじゃん」

    岡部「そんなこと言った覚えはない!
       言おうとしたら助手に阻まれたではないかー!!」

    ダル「言おうとしてんだろ……」


    60: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 16:00:59.45 ID:CgVR2Fo/o

    岡部「とーもーかーくーだっ!
       俺はなんとしてもクリスティーナに一矢報いる必要があるのだ!
       わかったらなんでもいいので案を出せ。

       無理を通して道理を引っ込ませろ!」

    ダル「無茶振り乙!
       もう後はオカリンの好きにして自爆したらいいと思われ。
       痴話喧嘩はこりごりだお、爆発しろ」

    岡部「ダールー……くっ、一番頼みの綱としていたダルがこの有様とは……。

       かくなる上はっ!何かないかルーカー子ーよぉー!!」


    ルカ子「え!?ボクですか……ええと……その……あの……」

    岡部「なんでもいいのだ。
       今こそ秋葉原を守護する巫女として、神託を我に与えたまへ」

    ルカ子「し、神託!?そんな、ボクには無理ですよぉ」

    岡部「大丈夫だ、問題ない。
       お前なら出来る、俺にはお前しかいないんだ!
       だから頼む、この俺にその大いなる神々の知識を与えたまへぇぇぇ!!」


    61: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 16:02:09.17 ID:CgVR2Fo/o

    ルカ子「ええ!?
        ボクしか……岡部さんにはボクしかいない?
        ボクしか岡部さんのことを……?」

    岡部「……ん?ルカ子、どうした?
       何をモジモジしている。俺は鳳凰院凶真だ」

    ルカ子「ボクが、ボクが岡部さんの為に……?
        ボクだけが岡部さんの……ふふ……ふふふ」

    岡部「おーい、ルカ子ー?」


    ルカ子「ボクが岡部さんの……ボクの岡部さんの……――ッ!?」

    岡部「む、どうしたルカ子!何か思いついたのか!?」

    ルカ子「は、はい……ボク、思いつきました……!」

    岡部「おおお、それは本当かルカ子!?
       流石は俺の弟子、やはり俺の目に狂いはなかったということか!!」


    62: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 16:02:59.06 ID:CgVR2Fo/o

    ルカ子「え、あの、そんなことは……嬉しいですけど……っ」

    岡部「それで?一体何を思いついたというのだ!?」

    ルカ子「あ、えと……アレですよ、岡部さん」

    岡部「アレ、とは?」


    63: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 16:03:45.48 ID:CgVR2Fo/o



    ルカ子「宝くじ」

    岡部「何?」



    64: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 16:04:38.19 ID:CgVR2Fo/o

    ルカ子「あの時もボクを頼ってくれたじゃないですか。

        ……ロト6……岡部さん、言ってましたよね?

        過去にメールを送って、そのメールでボクが買ったって……」


    岡部「……ルカ子、お前それは」


    65: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 16:05:20.19 ID:CgVR2Fo/o



    ルカ子「……Dメールを、使えばいいんじゃないでしょうか?」

    岡部「D……メール……ッッッ!!」


    66: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 16:06:42.52 ID:CgVR2Fo/o

    ルカ子「は、はいぃ……その過去にメールを送れるなら」

    岡部「ルカ子ッッッ!!」


    ルカ子「……まま牧瀬さんとケンカしないようにぃって、
        あのそのすみませぇ……」

    岡部「お前は……お前と言う奴は……!」


    ルカ子「ボクはやっぱりバカ弟子でした。
        岡部さんの役に立とうなんて差し出がましい真似して本当に」


    岡部「……よくやった!それだ、それだよ!!
       流石は我が弟子、よく言った」

    ルカ子「はいすみませんボクが弟子だからよくやれて……え?」


    67: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 16:09:11.24 ID:CgVR2Fo/o

    岡部「助手のせいですっかり忘れていたが、
       そもそもDメール実験が停滞していなければ、
       俺が暇になることもなく今頃忙しい研究の日々を送っていたはずだったのだ。

       それをカップラーメンだIQだとごちゃごちゃ横入りしたせいで、
       このような事態になっているのではないか!?」

    ダル「いやオカリンが騒いだのが原因じゃね常識的に考えて」


    岡部「フゥーハハハ、これで全ては繋がった!
       この騒動は、俺にDメールを使えという運命石の扉の選択だったのだ!

       そう、Dメールを使いクリスティーナに罰を下せ、
       という目的を与えるためのなぁ!!」

    ルカ子「えぇ!?ボクはそんなつもりで言ったんじゃ」

    岡部「ルカ子よ、俺を誰だと思っている?
       この俺は狂気のマッドサイエンティスト、鳳凰院凶真だ!
       Dメールの実験で過去を改変し、
       世界を混沌へ導くのが俺の役目なのだ。

       ……がその結果、
       俺の目に映るのはクリスティーナの悔しがる姿だとしても一向に構わんのだよ。
       ……ククク、フゥーハハハ!!」


    68: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 16:11:31.22 ID:CgVR2Fo/o

    ダル「……牧瀬氏の悔しがる姿?……生贄……牧瀬氏の……悔しがる……」

    岡部「ククク、見てろよ助手めぇ!
       ……この実験で何もかもなかったことにしてやる……ククク」

    ルカ子「そ、そんな……岡部さん……考え直して下さい!」

    岡部「止めるなルカ子!
       ……例えこの実験で助手が犠牲になろうとも、
       俺この実験をしなければならない。

       でなければ“機関”の支配に打ち勝つことは出来ないのだ。
       理解してくれ、俺だって本当は辛いんだ……!
       だがそれでもやらなければ、        シュタインズゲート
       何故ならそれが鳳凰院凶真に与えられた運命石の扉の選択なのだから!」


    ルカ子「岡部さん……」

    岡部「鳳凰院凶真だ」


    69: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 16:13:24.29 ID:CgVR2Fo/o

    ダル「どう考えても牧瀬氏に復讐するって目的の私怨……だがそれがいい!
       牧瀬氏が悔しがりながらも屈服する展開を見るために全力で支援!!」

    岡部「よろしい、ならば実験だ!

       幸いこの時間で、クリスティーナがラボにきていない今こそ好機……!
       すぐにDメール実験の開始だ」

    ダル「オーキードーキー!イヤッホゥ、テンション上がってキタお」

    ルカ子「岡部さぁん……お、落ち着いて下さいぃ……」

    岡部「凶真だ!」


    ――――――――――――――――――
    ―――――――――――
    ―――――――


    70: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 16:14:54.02 ID:CgVR2Fo/o


    一時間後。


    岡部「」

    ダル「ブヒ、ブヒィィィ!今年のアニメはブヒ良い!カワブヒィ!」

    ルカ子「あ、そろそろお腹空きませんか?
        よろしければボク、お昼ご飯作りますよ」

    ダル「マジで!?やったーるか氏の手料理とかそれなんてご褒美?
       僕ブヒってもいいスか!?」

    ルカ子「ぶ、ぶひ?

        ……あの、岡部さん、岡部さんもお昼ご飯いかがですか?」


    岡部「……なんでだ」

    ルカ子「……」


    71: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 16:16:30.71 ID:CgVR2Fo/o

    ダル「……」

    岡部「なんで、なんで……」

    ダル「……オカリン、僕たちはよくやったよ。もうゴールしてもいいと思うお」

    ルカ子「さ、サラダとかも作りますよ!
        ほら、野菜を食べれば元気な子になるって言うじゃないですか」


    岡部「……なんでリーディング・シュタイナーが発動しないのだぁあああ!!」

    ダル「……だからさー、やっぱ無理ゲーなんだおー。
       牧瀬氏は攻略不可能、これ結論」

    岡部「認めん、俺は認めんぞ!

       こんなことあってたまるか……俺は狂気のマッドサイエンティストだぞ?
       鳳凰院凶真だぞ!?なのにこんな」

    ルカ子「……でも、これだけ送ってもダメなら……?
        やっぱり過去を変えるなんてこと出来ないんじゃないでしょうか……」

    岡部「ふざけるな……ふざけるなッ!馬鹿野郎ッ!」


    72: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 16:18:09.34 ID:CgVR2Fo/o

    ルカ子「バカ野郎!?
        ……すみません……ボクはやっぱりバカ野郎なんですね。
        ……バカ弟子なんですねぇ……!」

    岡部「もう一度だ、もう一度Dメールを送る!変わるまで、何度でもだ!!」

    ダル「大体、過去が変わってもオカリンしかわからんのでしょ?
       それって、僕が牧瀬氏のクリムゾンを見られないってことじゃん。
       意味ないじゃん。やる気失せたお」

    岡部「ダル!貴様、裏切るのか!?
       おのれ助手めぇ……ラボメンの絆まで崩壊させるとは……。

       断じて許せん!!ルカ子は、ルカ子は何かないのか!?」

    ルカ子「ごめんなさい、ボクはバカですみません……弟子失格ですぅ……」

    岡部「ええい、ルカ子までやられたか!クソッ一体どうすればいいんだ……」


    73: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 16:21:07.37 ID:CgVR2Fo/o

    ダル「素直に謝って仲直りでFA」

    岡部「いやだー!何故俺が謝らなければならんのだ!!

       それにそんなことすれば、
       クリスティーナはますますつけあがって俺を論破してくるかもしれん。
       ……そ、そんなこと考えただけで……やはり過去を変えるしか道はない!
       作戦の変更は認めんぞー」

    ダル「なら後は好きにしておk。僕はここで詰んだアニメ消化してるお」


    岡部「うぅー……――俺だ、ああそうだ。
       『罰を司る女神』作戦は難航を極めている。

       ……何、それでも科学者かだと?
       ククク……誰に物を言っている?
       俺はただの科学者ではなく……狂気のメァッドサイエンティスト、
       鳳凰院凶真だ!

       俺に不可能という言葉はない。
       必ずこの作戦を成功し、全てを手に入れてみせる……!
       それこそが運命石の扉の選択だ。
              まぁ、そこで見ていてくれ……エル・プサイ・コングルゥ」

    ダル「うひょーたまんねー!今日の嫁は君に決めた!!
       僕とちゅっちゅしてくれー」

    ルカ子「ボクって岡部さんのなんなんでしょうね?
        弟子じゃなくなったボクってなんなんでしょうね……?」ブツブツ


    岡部「……」


    74: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 16:23:14.92 ID:CgVR2Fo/o

    岡部(く、他人事だと思って……この作戦がいかに重要か理解出来ないのか……?)


    岡部(このままでは俺が助手に対して頭が上がらなくなり、
       助手の言いなりに……!
       そしていずれはラボを乗っ取られることになりかねんぞ?)


    紅莉栖『――……岡部ぇーちょっとカップラーメン買ってきてー』

    岡部『何!?そんなの自分で』

    紅莉栖『あぁーいいんだー?そんなこと言っていいんだー?
         ラボの皆に言いふらしてもいいんだー?』

    岡部『!?』

    紅莉栖『あーなんだかIQTマシンだけじゃ物足りないなー。
         こういうのもっと作ろうかなー?岡部の為に作っちゃおうかなー?』

    岡部『や、やめてくれ……それだけは……な、なんでもする……やめてくれ……』

    紅莉栖『じゃ、早くカップラーメン買ってきて?
         あ、それと私、百数円とかしけた値段のは食べられないからよろしく。
         ドクぺももちろんつけてね?それと食後のデザートも』

    岡部『バカを言うなセレセブ!そんな買う金がどこに』

    紅莉栖『ん?今なんでもするって言ったでしょ?
         ……あーなんだか急に未来ガジェット作りたくなってきたわー。
         岡部に作ってあげたくなってきたわー』

    岡部『う、うわぁぁぁあああぁあぁぁああ……――』


    岡部「」


    75: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 16:25:44.32 ID:CgVR2Fo/o

    岡部(こんな未来は回避しなければ……!
       今こそ俺は、救世主にならなければならない!)


    岡部「――……よし、これでどうだ?
       『IQTマシンは危険!爆発の可能性有り』送信!」


         ――バチバチバチバチバチバチバチッ!!――


    岡部「ふぬっ!……ん……あれ?……クソッ、これも駄目か!?」


    岡部(何度IQTマシンの開発を取り消そうとしても駄目。
       同時に、IQTマシンを作る元凶となったカップラーメンを、
       俺が食べないようにと送っても駄目。

       その他諸々、紅莉栖に対してDメールを送っても一向に過去が変わる気配なし。
       ……電話レンジ(仮)の放電は起きているから、
       過去にメールが届いているのは確実。
       ……しかし、その全てが無駄になってしまっている)


    岡部「やはり、問題はクリスティーナの性格にあるのか?
       だとすれば、これはかなりやっかいな事態になりつつあるぞ……。
       人間の性格を変えるなんぞ出来るわけ……」


    76: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 16:27:10.46 ID:CgVR2Fo/o

    岡部(……いや、待て?

       ひょっとすると、過去を変えることが出来るなら、

       人の性格を形成する時期までDメールを飛ばせば、

       人間の性格なんぞいくらでも変えられるんじゃないか?)


    77: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 16:28:35.52 ID:CgVR2Fo/o

    岡部「……あのねらー独自のねちっこさを止めさせるために、
       @ちゃんねるを見るなと過去に送るか?

       ……いや、そんなうまくいくはずないか……」


    岡部(……というか……もしもそれで紅莉栖の性格が変わったら……?
       俺は今の紅莉栖を消してしまうことになるんじゃ……?

       もしかしたら、科学者である紅莉栖という過去も変えかねないんでは……)


    78: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 16:32:23.41 ID:CgVR2Fo/o

    岡部「い、いかん……これは駄目だ。
       いくらなんでもそんなのはアウト過ぎる。

       ……鳳凰院凶真にもやっていいことと悪いことぐらい区別を付けねばな。
       そう、人の性格、
       ましてやその知識や記憶を揺るがすようなDメールを送るなど……。

       ――ッッ!?」


    岡部(知識や記憶を……変える?

       ……そんなことが出来るなら、
       例えば他人を変えるのではなく、
       自らの知識や記憶を変えるだけなら、害はないのではないか?)


    岡部「……そうだ、今回問題になったのは“俺のIQ”のせいだ。
       ……もしも、あの時点で俺のIQが本当に……。
       そうなれば、助手は俺に何も言えなくなる……のでは?」


    岡部(いや、それどころか、
       もしそうなったら俺は紅莉栖を……?
       紅莉栖の頭脳を頼らずに済むようになるのでは!?

       ……そうなれば、今よりもっと未来ガジェットの制作を捗るんじゃ)ゴクリッ


    岡部「……って、そんなこと出来るわけあるかー!
       そんな某青ダヌキのもしもしボックスみたいな展開が、
       実際に起きるわけないない……起きるわけ……」


    79: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 16:33:21.83 ID:CgVR2Fo/o



      ――でも、もしも俺が紅莉栖を越える頭脳があれば……?



    80: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 16:35:50.99 ID:CgVR2Fo/o

    岡部「……フ……フゥーハッハ……フゥーハハハハ!!」

    ダル「ちょっとオカリーン!うるせーんスけどー!!」

    ルカ子「あー岡部さんが楽しそうに笑ってますー。
        でもボクはもう笑えませーん」グルグル


    岡部「……い、一回だけなら……一回過去に送るだけなら……」


    岡部(俺が……携帯を持ち始めた時期に……ちゅ、中学くらいだったか?
       ……その時期へ向けて、学力をつけるように……。
       いや、もっとアバウトでもいいか?
       知能をつけろ、とか……IQテストで一番になれとか……?

       なんでもいいから、俺が知識を付けられるように過去が変わるなら……)


    岡部「ど、どうせ失敗するに決まっているし……テキトーな文でいいか。
       とりあえず、IQという単語を入れて……。
       俺のIQがもっと高くなるように修行しろ的なことを書けば……」


    岡部(……そう、これは確認だ。
       過去にメールを送るぐらいで、
       人の性格を変えることは出来ないということを証明するための実験だ。

       そうすれば、
       余計なことを考えずに別のDメールのことを考えられるようになる。
       二度と人の性格を変えようなどと思わなくなる、そのための実証実験だ)


    81: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 16:38:00.77 ID:CgVR2Fo/o

    岡部「……よし、これでいいか。

       『お前の未来はIQに掛かってる修行しろ』

       ……いや、修行ってなんだよ、修行って(笑)。
       ……まぁいいか、これで送信だ」


      ――バチバチバチバチバチバチバチッ!!――


    <クォラッ、オカベー!!テメェビルヲユラスナッテナンドイエバー!!


    ダル「オカリン、まだやってんのー?下から怒声が響いてきてるおー!!」

    岡部「ぐっ!?マズイ……これが最後のチャンスになるのか!?」


    岡部(……これで駄目なら、素直に紅莉栖に謝るしかないよな……。
       それも運命石の扉の選択か。
       なら……仕方ないことなのかもしれないな……)


    岡部「オペレーション・ネメシス……これが最終送信だ。

                   ――いけ、エル・プサイ・コングルゥ!」


    82: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/19(月) 16:40:39.88 ID:CgVR2Fo/o



    俺はもっとよく考えるべきだった。
    過去にメールを送るということが、どういうことなのか。

    もしも、あったかもしれない世界線が存在したら。
    過去にメールを送ることで、俺はそこに辿り着いてしまうかもしれないのに。

    俺は、迂闊だった。


                   → .231082

         ____        _                シュタインズ・ゲート
         ( ゙、_.`゙ _n_    .`_゙  , __  __  ::γ,r'"''t!: .
        `''- 、ヽ.゙f!''γ゙ニヽ1| 1!'".゙f! (、_`゙ o::{. {::::::t-r ''~〕! 十 γ゙ニヽ
        f 、__ノソ l:しヽヾ_ィ 」:!_._!L j.l_ ,、,_) i7::ヽヽ ノ_j:: ど,j!、 lレヾゞ
         ~ ̄~ .~   ̄         ̄
                  罪と罰のセレナーデ


    91: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/20(火) 22:20:17.09 ID:UVeC/Jzbo



    岡部「――ぬ――ぐぅ――ぅあああっ!?」


    ?「――……さん?……ちょ……丈夫ですか?ねぇ……さ……」

                            リーディング・シュタイナー
    岡部(……ぐっ!?これは――まさか……“運命探知”!?)


    ?「――……おーい、凶……ーん?……しっかりしてください!」


    岡部(……ぅ……誰だ?俺を呼ぶのは……俺は)


    ?「――……ほら、凶真さん!まだ眠っちゃダメですよ!!」


    岡部「……そう、俺は鳳凰院凶真!誰だ!?俺を呼ぶのは!!」


    ?「きゃあっ!なんですか突然もぅー!驚かすのは止めてくださいよー!」

    岡部「……お?……お、お、お?……あれ?」


    92: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/20(火) 22:23:27.79 ID:UVeC/Jzbo

    ?「まったくー。
      ……今日はスケジュールが詰々なんですから、ちゃんとしてください」

    岡部「……ど、どこだ……ここは?
       いやそれよりも、お前は……いや、貴方は誰……です?」

    ?「は?何寝ぼけてるんですか凶真さん!


              私は貴方のマネージャーでしょー!」


    岡部「は?ジャーマネがなんだって?
       ……いやいやいや、俺はラボに居たはずじゃ……」


    助手「まぁ、凶真さんはいつも私を 『助手』 としか呼びませんけど。
       ……とにかく、しっかりしてくださいってば」

    岡部「……助手?な、何を言ってるんです?……俺と貴方は初対面では」



    助手「凶真さんこそ何言ってるんですかー!?
       寝ぼけるのもいい加減にしてください!
       それとも、また私のことからかってるんですか?なんなんですかもー」


    93: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/20(火) 22:26:59.12 ID:UVeC/Jzbo

    岡部「なんなんですかーって、
       こっちこそなん……なん……だと……?


       なん……だ、ここは……どこだ……?」


    助手「楽屋ですー!
       もう知りません、手短に今日のスケジュールをおさらいしますから、
       よく聞いて下さいね」

    岡部「スケジュー……?

       いや、待て、待ってくれ!ここはどこだ!?
       俺は何故ここにいる?楽屋ってなんだ!?」

    助手「何言ってるんですかー!?
       もう時間あんまりないんですよ凶真さん!ここは楽屋で、

       貴方はこれからドクター中鉢氏との対談番組の収録を控えてる所です!!

       目を覚ましてくださいよー」



    岡部「……え?」

    助手「だから、ドクター中鉢氏!
       今日は一押し番組の撮影なんですから、ほら、シャキッとしてください」


    94: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/20(火) 22:29:01.22 ID:UVeC/Jzbo

    岡部「ドクター中鉢と……対談?
       番組って……確か奴の発表会は中止でそのまま」

    助手「どうしちゃったんですか凶真さん!
       ……まさかそれ、記憶喪失のネタフリかなんかですか?
       何バラエティーに染まっちゃってるんですか!

       貴方元は科学者でしょー!!」

    岡部「お、俺は真剣に聞いている!
       対談ってなんだ!?

       誰が……俺が?ドクター中鉢と……なんで!?」

    助手「なんでって、貴方と中鉢氏は永遠のライバルなんでしょ!
       凶真さんがいつも言ってるから、
       こんなに流行ったんじゃないですかー!」


    岡部「え、永遠のライバルゥー!?
       ま、まさか何をそんな……俺があんな変なおっさんと」

    助手「大丈夫、凶真さんもかーなーり変なので。
       ……まぁ、その辺が売れるポイントなのかもしれないんですが……」


    95: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/20(火) 22:33:08.72 ID:UVeC/Jzbo

    岡部「ええい、貴方じゃ話しにならん!責任者を呼べ責任者を!」


    助手「はぁー!?何言ってるんですそんな時間ありません!

       貴方は鳳凰院凶真で、
       IQ170の怜悧なる頭脳を持つ、狂気のマッドサイエンティスト。
       今日は永遠のライバル・ドクター中鉢との対談番組の収録を控えてる、
       売れっ子芸能人兼科学者の端くれ!

       フェニックスの鳳凰に、院、凶悪なる真実と書いて、
       ……芸名・鳳凰院凶真こと本名・岡部倫太郎さん!

       はい、これでいいですか!?いいでしょう?もうっ!」


    岡部「……」

    助手「……はぁー……本当はこれ言わせたかっただけなんですよね?
       これで何回目でしたっけ?……もうなんなのこの人……!
       私が新人だからっておちょくって、勝手に助手呼ばわりもするし……!
       何がそんなに楽しいんですかー!」


    96: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/20(火) 22:35:34.61 ID:UVeC/Jzbo

    岡部「……な、なんだって?ちょっともっかい言ってみてくれ」

    助手「私が新人なのを見下してからかうのがそんなに」

    岡部「違うっ!そこじゃない……もっと前だ!!俺が――」


    助手「……科学者崩れの売れっ子芸能人こと鳳凰院凶真さん。
       ……これでいいですか?」


    岡部「……な……なっ……は?」

    助手「もういいですー!クビにするならしてくださいー!
       もう私助手止めますからぁ!!」



    岡部「……俺が……科学者……?いや、芸能……人……?
       売れっ子だと……」

    助手「……そりゃ確かに凶真さんは面白い人ですけど。
       ……まぁちょっとは優しい所もあるし?
       ……顔も整えれば中々イケてますけど。
       でも変人で……でもそこらへんが売れる要素で……」


    97: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/20(火) 22:37:25.74 ID:UVeC/Jzbo

    岡部「……何を……何を言ってるんだ……?俺は……」

    助手「……科学者崩れは言いすぎました。
       ……今もまだヘンテコ機械を作ってますしね……」


    岡部「へ、ヘンテコ……。

       そうだ、俺は未来ガジェットを……」

    助手「あ、そういえば、この間の番組で見せてたあの機械!

       えぇーっと、名前なんでしたっけ?
       ……のすたるじあ……どらいぶ、でしたっけ……?

       あれ、子供達に大うけらしいですよ」

    岡部「……」


    助手「ほんっと、子供受けはいいんですよねー凶真さん。
       中鉢氏との対談も、議論というより殆どバラエティートークですしね。
       今日の番組も煽りが酷いこと酷いこと」

    岡部「ば、バラエティー……だと?」

    助手「そうですよー?はぁ……ってこんなこと喋ってる場合じゃないんですよ!
       早く今日のスケジュール確認して、本番前のリハーサルを――」


    98: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/20(火) 22:39:19.53 ID:UVeC/Jzbo



      ぐにゃあっと、世界が歪むほどの眩暈に襲われた。



    99: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/20(火) 22:40:52.22 ID:UVeC/Jzbo

    岡部「……嘘だ……」

    助手「え?」

    岡部「……こんなのは……――嘘だっ!!」ダッ


    助手「は?……はっ!?ちょちょちょ、どこいくんですか凶真さーん!!」

    岡部「こんなのは嘘だっ!でたらめだ!!俺は認めないぞー!?」ダダダッ



    岡部(バカな……こんな……こんなことが……)

    岡部「ここはどこなんだ……俺は秋葉原に、ラボにいたはずじゃないか!」

    岡部(そうだ!俺はラボで、Dメールの実験をして)

    岡部「……実験をして……それで……リーディング・シュタイナーが……」



    岡部(発動……した?……ということは……過去が――)


    100: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/20(火) 22:45:21.89 ID:UVeC/Jzbo

    岡部「な、なんだこれ……俺が居た所って?
       ……この景色、ここは……あそこに見えるのは――」

    岡部(オタクの聖地……アレはまさにビッグサイト)


    岡部「……ダメだ、考えるのは後だ!今は秋葉原に、ラボに戻らなくては――」

    岡部(ラボに戻って、もう一度Dメールを)

    岡部「そ、そうだ!ダルやルカ子はどうなったんだ!?れ、連絡を」

    岡部(携帯……携帯……ダル、ルカ子、みんな……!)

    岡部「……あ……なんだ……これっ!?」


    ダルやルカ子に連絡をしようと、電話帳検索を掛けても、
    そこには見慣れない連絡先と、知らない人間の名前が羅列しているだけ。
    それどころか……俺の携帯電話でさえ――

    ――どことなく、桐生萌郁が使っていた携帯電話に似ている気がする――

                            ――見知らぬモノに変わっている。


    102: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/20(火) 22:50:06.39 ID:UVeC/Jzbo

    岡部「誰だよ……こんな奴らは知らないぞ!?
       ……まさかこれは“機関”……」

    岡部(……ば、バカを言うな……機関なんて――)

    岡部「とにかく、ラボだ。……ラボに戻らなくては……Dメールを……」


    岡部(こ、混乱している場合じゃない。……冷静になれ岡部倫太郎)


       ――岡部、あんた……効果って知ってる?


    岡部(冷静になれ……こんな時あいつなら……俺の助手……クリスティー)

       ――『しっかりしてくださいー!凶真さん』

    岡部「違う!あいつは俺の助手なんかじゃない……俺の助手は……」



    そうだ、俺の助手はただ一人。
    天才科学者の牧瀬紅莉栖……あいつだけなんだから!



       ――意図的に過去を変えれば、
          未来に重大な影響を及ぼすかもしれない。
          岡部、あんた何かあったら、その責任はどうとるの?


    103: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/20(火) 22:52:27.88 ID:UVeC/Jzbo



    岡部(こんなことあってたまるか……!
       こんな、俺の知っている世界がまるっきり変わるなど……)


       ――蝶の羽ばたきが――


    岡部「帰らなければ……ラボに……早く」ガタガタ


    ――――――――――――――――――
    ―――――――――――
    ―――――――


    104: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/20(火) 22:54:45.74 ID:UVeC/Jzbo


    ――Beginning of fight――

       【着信】 助手

    岡部「!?この着信は……紅莉栖!!」



    助手『あぁー出たぁー!何してるんですか凶真さん!!
       一人で現場に向かったんだと思ったのに、
       いないとかどういうことなんですか!?
       今どこですか何考えてちょっと――』ピッ


    岡部「なんだこれ……なんだよこれ……」


    ――Beginning of fight――


    岡部「うるさいんだよっ!クソッ……何がどうなってるんだ……」カチカチッ



    岡部(リーディング・シュタイナーだ……俺はあの違和感を知っている)

    岡部「過去が……変わったのか?
       俺のメールで……俺自身の過去が……」


    105: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/20(火) 22:57:08.30 ID:UVeC/Jzbo

    岡部(俺の魔眼が発動したということは、過去改変が起こったという事)


       ――なんで、岡部は変わる前の過去を覚えているの?


    岡部「そんなの俺が聞きたいくらいだ!
       なんなんだこれは……まさかっ!
       これは新手のドッキリだったりするのか!?」

    岡部(だとしたら悪質にもほどがあるだろ。
       ……なんだ、芸能人って。まるで意味がわからんぞ。
       世界が丸ごとひっくり返りでもしない限り俺が――)


       ――世界線変動率1%の向こう側へ。
          アトラクタフィールドと呼ばれる壁の向こう側へ。


    岡部「世界が変わる?
       ……そういえば……あの、ジョン・タイター(偽)がメールで言っていた……」


    106: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/20(火) 22:58:48.77 ID:UVeC/Jzbo

    岡部(俺には世界の運命を変えられる可能性があるのだと、
       未来を変える事が出来るのは俺だけなのだと)


       ――救世主になって欲しい。


    岡部「なな、何をバカなことを思い出してるんだ俺は!
       あれはタイターの作り出した妄想で、現実にあるわけがな」


    岡部(タイターは「俺の記憶と周囲の人々の記憶が一致しない」のではなく、
       「俺だけが世界線変動前と後の記憶を持っている」と言っていた)


    岡部「……もしも、俺が送ったあのDメールで過去が変わったことで、

       世界線が変わり、

       俺だけは世界線が変わる前の記憶のせいで、

       今の状況を生み出したとしたら?」


    107: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/20(火) 23:01:26.66 ID:UVeC/Jzbo

    岡部(俺が未来を変えたとでも?
       俺はタイターの言う世界線変動率1%の向こうに辿り着いたんだとでも?
       救世主になったのだとでも?)


    岡部「あるわけがない……そんなことあるわけない。
       思い出せ、俺が送ったDメールは、
       俺自身の過去を変えるメールだったんだぞ!?そんなことが」


    岡部(……いや、合っている、今は合っているのか?
       俺自身の過去が変わったから、世界もそれに合わせて変わっていったと?
       俺が芸能人として、鳳凰院凶真が居る世界へ変わったと?)


    岡部「ってなんでだ!
       俺はIQを、過去の俺の知能をちょっと高めようとしただけじゃないか!
       それがなんで芸能人?ホワイ?
       ドクター中鉢との対談?番組ってなんだ!

       それよりマネージャーって誰だよ!!」ガタンゴトンッ


    <アキハバラ、アキハバラー。


    108: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/20(火) 23:03:02.68 ID:UVeC/Jzbo

    岡部「!!

       やっと着いた、俺の場所、俺の知っている秋葉原だ!」


    岡部(ともかくラボだ。ラボにさえ戻れば、今の状況も理解出来るはず。
       最悪わからなくとも、もう一度Dメールで過去を変えればいいんだ!
       それで元の状況に戻せば)


    岡部「ハ、ハハハ!そうだ、何も恐がることなんてない。
       俺にはまだラボがある、ラボメン達がいる。
       それに俺には本物の助手、天才牧瀬紅莉栖がいるんだ……きっと――」


    きっと、あいつならこんな状況でも冷静に分析してくれる。
    ラボがあれば、ラボメンがいれば、紅莉栖がそこにいてくれれば!

    俺の知っている世界ならば、答えはきっとそこにある。


    ――――――――――――――――――
    ―――――――――――
    ―――――――


    109: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/20(火) 23:06:08.93 ID:UVeC/Jzbo



    岡部「――ハァ――ハァ――ハァッ!――」

    岡部(ラボ……ラボ……未来ガジェット研究所……大檜山ビル……)


      『フゥーハハハハハハハハハ!!』


    岡部「!?」


      『良い子の諸君!元気にしているかな?
      ……ならば、お前たちを混沌へ、この俺が誘ってやろう!
      心して聞くがいい!!

      ――「それでは今日は、今人気の天才?科学者、
         狂気のマッドサイエンティストを自称する、
         鳳凰院凶真さんに来ていただいております!

         いやぁーのっけから凄い登場ですねー」』


    岡部「なんだこの声、俺!?」


      『フッフッフッ!俺は“機関”に追われている身だが、
      今日は世間に我が偉大なる発明を披露するため、
      幾多の危険をかいくぐってここまで来た。

      さぁ、心して聞け!
      これぞ、未来を究極的に加速させる装置、ノスタルジア・ドライブゥッ!!』


    岡部「こ、これは、違う……聞こえてくるのはあのテレビからか!?」


    110: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/20(火) 23:14:07.58 ID:UVeC/Jzbo

    「お、あれ見ろよ、鳳凰院凶真。また変な機械作ってんぞあいつwww」

    「うはwwwなんだ未来を加速ってwww夢が広がりんぐwww」

    「のすたるじあどらいぶー」


    岡部(あれは……俺だ、間違いなく俺!
       どこか怪しげな雰囲気を醸し出しつつ、
       大袈裟なリアクションでインパクトを叩き出す。

       特徴的な白衣を翻し、
       世界に混沌をもたらす凶悪にして狂気のマッドサイエンティスト!
       正しく俺だっ!!)


      『ワーワーワーッ!!
      えーそれではこの鳳凰院凶真さんについて簡単なご説明をしましょう!

      彼は当時若干十五歳にして、
      世間一般を騒がせ、大流行したあの携帯ソフト、
      “IQTマシン”の企画開発者でもあるんですが――』


    岡部「何!?

       おいっ!今なんて言った!!IQTマシンと言ったのか!?おいっ!!」


      『――その後様々なガラク……もとい!
      未来に生きる機械の数々を世に公表し、
      世界から「未来に生きてんな」と言わしめた経歴をお持ちで、

      現在はあの変人……ではなく、とんでも科学者ドクター中鉢氏との連携で、
      なんと、
      世界初のタイムマシーンの開発を進めてるとも言う噂なのですがー?
      今日は鳳凰院さんが、私達にも詳しく説明してくれるそうなので、
      期待が高まりますねー!』


    111: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/20(火) 23:15:47.64 ID:UVeC/Jzbo

    岡部「タイムマシン!?何を言ってるんだその前だ!!
       どういうことだ、おい、CMに入るんじゃない!くそっ!!」


    「ちょ、なんだあいつ……テレビに向かって吠えてるぞ……?」

    「ヤバくね?目が血走って……あれ、あの白衣?」

    「ほうおういんきょうまだー!のすたるじあどらいぶー」

    「は、鳳凰院凶真?今誰か鳳凰院凶真って」

    「よろしくお願いしますニャンニャンー!メイクイーンはあちらでーす」


    岡部(どどどどうなってるんだ?
       俺がテレビに、ハイビジョンで、あんなに大きく?)


    「ねぇ見て?あの白衣の人……あれって」

    「嘘ー?こんな所にいるわけ」

    「間違いない……あれは狂気の」


    112: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/20(火) 23:17:47.18 ID:UVeC/Jzbo

    「ニャンニャンー!メイド喫茶はいかがですニャンー!そちらの貴方……も……」


    岡部「こんな大衆の面前で……あんなに注目されている……?
       俺が、この鳳凰院凶真が!」


    「おい、今鳳凰院って」

    「やばっ写メ写メ」

    「今秋葉で鳳凰院なう」


       「「「「「ざわ……ざわざわ……ざわ……」」」」」


    岡部(なんだかこれって……とっても――)


    「あのーすみません……鳳凰院……凶真さん」


    岡部「――え?

       あ、いーかーにーもーッ!
       この俺は狂気のマッドサイエンティスト、鳳凰院凶真だ!」バッ

    岡部(ってしまった!つい反射的に――)


    113: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/20(火) 23:19:44.58 ID:UVeC/Jzbo

    「キャーやっぱり鳳凰院凶真」

    「え?何どうしたの何が」

    「お、なんだなんだイベントか」

    「ヤバい!鳳凰院氏がいるヤバい!!」

    「え、なになに番組撮影!?や、ちょ、押さな」

    「鳳凰院降臨!鳳凰院降臨!!イエーイ見てるー?」


    岡部「なんだなんだなんだ!?なんだこれは、なんだお前らは!」


    「押すなっ押すなって!」

    「あれやってくださーい!いつものあれー」

    「サイン下さサイン!乗るしかないこのビッグ」

    「物売るってレベルじゃねーぞ!」


    岡部(お、お、俺か?これは俺に言っているのか!?なんで――)


      『フゥーハハハ!良い子の諸君!
      タイマシンは実現する。何故ならば、そうっ!それこそが――』


    114: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/20(火) 23:21:53.25 ID:UVeC/Jzbo


       シュタインズ・ゲート
    岡部「運命石の扉の……選択……」

      『――エル・プサイ・コングルゥ!フゥーハハハハハハハ!!』


    「シンクロktkr!!」

    「ジュタインズゲートやってーシュタインズゲート!」

    「しゅたいんずげーとってなにー!?」

    「工口プサイコングルー!」


    岡部「こ、これが……シュタインズゲートの選択だと……?」


    岡部(なんだかこれって、とっても……とっても――)


    115: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/20(火) 23:22:36.59 ID:UVeC/Jzbo

    「握手してー!」


    岡部「気持ちいい!」


    ――――――――――――――――――
    ―――――――――――
    ―――――――


    116: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/20(火) 23:25:05.74 ID:UVeC/Jzbo



    岡部「――ゼハッ――ハ――ハァハァ……ふぅ」

    岡部(ここまでくれば……もう追って来ないよな?)


    岡部「――俺だ、ああ、緊急事態だ!状況は極めて困難を要求している。

       まさか、“機関”ではなく、一般ピーポーに追われる羽目になるなんて……。
       そうだ、これは緊急事態、まさに世界のカオスが俺を襲っているんだよ!
       これが運命石の扉の選択だというのか?
       ……引き続き状況を継続する。エル・プサイ・コングルゥ……」


    岡部(はぁ落ち着いた……っていかんいかん!
       一瞬とてつもない高揚と興奮が沸きあがってしまったが……!
       今はそんな状況じゃないんだ……俺はラボに戻らなくては……)

    岡部「裏路地をつたっていくか?また見つかったら厄介だ。
       ……とにかく目立たないように行動を……」


    117: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/20(火) 23:27:48.70 ID:UVeC/Jzbo

    岡部(それにしても、あのテレビに映っていた俺……。
       IQTマシン、十五歳で企画開発とか言っていたか?大流行がどうとか)


    岡部「そんなバカな……!

       IQTマシンは紅莉栖が作った、
       いわば俺専用の嫌がらせガジェットだったはずだぞ!?
       それがなんで俺が企画開発など――」


       ――でも、もしも俺が紅莉栖を越える頭脳があれば……?


    岡部「……ま、まさか……俺が作ったというのか?
       あの紅莉栖の作った未来ガジェットを……過去に?」


    岡部(とととということはっ!?
       あのDメール実験は成功したというのか!
       俺は牧瀬紅莉栖を越える頭脳を手に入れ――)


    岡部「……」

    岡部(どこも変わってる気がしない……)


    118: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/20(火) 23:30:04.22 ID:UVeC/Jzbo

    岡部「そもそも、俺にはIQTマシンを作った記憶なんてないぞ?
       他に知らない知識があるわけでもないし、

       一体どこが俺自身変わったと」


       ――岡部はどうして覚えてるの?


    岡部「……そうだ、俺は変わる前の記憶を覚えている……」


    岡部(それってつまり、

       変わった後の俺の記憶に上書きして、

       前の記憶を持ち越したってことなんじゃ)


    岡部「まったく別人の岡部倫太郎に、俺の記憶を上書き……した……?」


       ――リーディング・シュタイナーという特殊能力。


    岡部「じゃあ俺は……この世界の俺は誰なんだ……?
       これじゃあ俺だけが」


    119: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/20(火) 23:32:15.78 ID:UVeC/Jzbo



    ドンッ


    岡部「うっ……すみませ」

    ?「おう、どこ見て歩いてんだ?気を付けろや」


    岡部「ひっ……!ってこの声は……!?


          ――み、み、ミスターブラウン!!」


    天王寺「は、誰だそりゃあ?っつーかおめぇーはだ……んんっ?」

    岡部「お、俺ですよミスターブラウン!
       貴方のビルの二階に住んでる、
       未来ガジェット研究所の、鳳凰い……いえ、岡部倫太郎です!!

       お忘れですか!?」


    天王寺「いや……知ってる。知ってるぞ、俺は……」

    岡部「っ!!

       俺のことを知ってるんですね!?
       よ、良かった……ということはラボも――」


    120: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/20(火) 23:34:14.76 ID:UVeC/Jzbo



    天王寺「おめぇさん、

         最近テレビによく出てる鳳凰院……えーっとなんだったかな?

         まぁいい、鳳凰院さんだろ?

         はっはぁー偶然だなぁ!いや、家の綯……娘がね?
         あんたのことをテレビでよく見てて、所謂ファンってやつなんですよ。
         それで、良かったらサインを」


    岡部「」



    121: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/20(火) 23:38:21.16 ID:UVeC/Jzbo

    天王寺「――もしもし、聞いてます?
         サインのひとつやふたつ、
         家のカワイーイ綯のためと思って書いてやっちゃあくれませんか!

         どうか、この通り!!」


    岡部「」フラッ


    天王寺「――ちょっと?
         おい、聞いてんですか?サインですよサーイーン!

         ……まさかあんた、家の綯の頼みが聞けないって言うんですかい?

         あんな胡散臭くて怪しい男のどこがいんだかわからねぇが、
         楽しそうに目を輝かせて、あんたのことを語る綯のためと思って、
         こうして頼んでるんです。

         それを、

         聞けないと?

         おい、
         コラ、
         なんとか言えや!!」

    岡部「ぅわ……うわあ……」


    天王寺「サインを寄越さねぇってんなら、こっちにも考えが――」


    岡部「あああああああああああああああああ!!」

    天王寺「あ、コラ、てめぇ待ちやがれ!
         サイン置いてけやコラァ――」


    ――――――――――――――――――
    ―――――――――――
    ―――――――


    122: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/20(火) 23:41:16.38 ID:UVeC/Jzbo



    岡部(ミスターブラウンが壊れた!)


    岡部「あの大男が俺に頭を下げて頼みごと?
       サイン、サインって言ったか?
       俺のぉ!?
       というかシスターブラウンが俺のファンって?www

       なんの冗談だ!!」


    岡部(……というか、完全にラボの俺ではなく、
       芸能人の俺としか見てなかった……)


    岡部「未来ガジェット研究所に、
       反応すらしてくれなかった……俺のラボに……」


    岡部(この世界に、ラボはあるのか?そもそも、この世界の俺はラボを――)


    岡部「……まゆり……ダル……紅莉栖……」


    岡部(い、いかん……いかんいかんいかん!
       今は確認を、確認を最優先で行うんだ!)



    岡部「……つ、着いた……」


    123: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/20(火) 23:42:58.04 ID:UVeC/Jzbo

    岡部(大檜山ビル……その一階にあるブラウン管工房……!
       ある、あるぞ!)

    岡部「そして……その上にある、
       俺が闇の支配権力に立ち向かうべく作った、
       大いなる野望の研究所……」


    岡部(あってくれ……あってくれ頼む……――!!)


       「――!!   ――――!?    ――ッッ!」


    ――とその時、突然ビル全体が大きく震えだした。
    大地震でも来たのかと思える揺れが、俺にまで伝わってくる。
    この古いオンボロビルが倒れそうなほどの揺れだが、
    今はそれが心地いい。

       何故ならこれは――


    124: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/20(火) 23:44:47.62 ID:UVeC/Jzbo



    岡部「D……メール……!これはDメールだ!!」

       「「「   !   !!   」」」


    岡部(それになんだ?上から何か聞こえる、聞こえるぞ!声が聞こえる!!)

    岡部「いるんだ……誰かが……ラボメンが……!」


    階段を上がる前に、ポストを確認。

    ある。
    安っぽさ全開の表札「未来ガジェット研究所」がそこにある!
    無くなってなどなかった。どんな世界でも、ラボいつだってそこにあるんだ!
    安堵の溜息と共に、俺は一気に階段を駆け上がり――


    岡部(このドアの向こうに、ラボメンが、俺の知っている世界が――)

    岡部「……みんなっ!」バンッ!!


    125: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/20(火) 23:46:10.51 ID:UVeC/Jzbo



       ――俺の知っているラボが、あったら良かったのに。



    126: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/20(火) 23:47:16.87 ID:UVeC/Jzbo

       ――……岡部、あんたバタフライ効果って知ってる?


    127: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/20(火) 23:49:26.89 ID:UVeC/Jzbo



       「「「?」」」


    岡部「みんなっ!」

    紅莉栖「……?」

    ダル「お?」

    ルカ子「……え?」


    岡部「お、おお……おおおお!」

    岡部(いた、ラボメンがいる!
       俺の知っている顔ぶれが、いつものメンバーが、俺だけの世界が)


    128: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/20(火) 23:53:17.84 ID:UVeC/Jzbo

    岡部「よかっ……良かった……お前達がここにいてくれて……っ!」


    紅莉栖「……お……お」

    ダル「……」

    ルカ子「……」


    岡部「そうか、クリスティーナも来ていたんだな。

       それよりもダル、ルカ子!
       大変なんだ、俺が送ったDメールのせいで世界が――」


    岡部(――世界が……本当に変わったのか?
       俺は実は今まで夢でも見て……いや待て、まさか本当にドッキリだった?
       いやいや、俺一人のためにそんなドッキリなぞ……?

       違うな、だとすると……今までのは幻想、妄想?
       まさかとは思いますが、リーディング・シュタイナーとは、
       あなたの想像上の能力にすぎないのではないでしょうか?

       だとするとあなたはは厨二病の可能性がってやかましいわ!)


    129: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/20(火) 23:55:46.11 ID:UVeC/Jzbo

    岡部「はっ!そうか、クリスティーナまさかお前……?

       今度はこの俺に、
       幻覚を見せる未来ガジェットを作ったんじゃないだろうな!?
       お、おのれクリスティーナ!
              オペレーション・ネメシス
       この俺の『罰を司る女神』作戦に気づいていたんだな?
       な、なんとか言えクリスティーナ!」


    紅莉栖「……フッ」

    ダル「……す……す……」

    ルカ子「……」


    岡部「……紅……紅莉……栖?」


    130: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/20(火) 23:57:01.25 ID:UVeC/Jzbo



    紅莉栖「……フッ……フフフ……」


    岡部「な、なにがおか」

             紅莉栖「フゥワーハハハハハハハ!!」



    岡部「ゑ?」


    132: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/21(水) 00:00:07.08 ID:jnX0sbDUo

    紅莉栖「見ろ、実験は成功だ!Dメールで過去が変わったのよ!!」

    ダル「sugeeeeeeeeeeeeee!!
       マジで牧瀬氏がやりやがった!Dメールマジパネェッス!!」

    ルカ子「え、何……これはどういう?」


    紅莉栖「ククク、これぞ我がラボの力!
         これぞ我が発明!!

         見なさい、これこそが世界を混沌へ導く未来ガジェットの真の姿よ!
         フゥーハハハ!!」

    岡部「え、おい、クリスティー」


    紅莉栖「そうっ!この私は、IQ170の怜悧なる頭脳を持つ狂気の」

    ダル「ちょちょちょ、今はそんなのどうでもいいんで!

       あの、あの!僕のことはわかります?」

    岡部「は?な、なんだダルまで……一体」


    ダル「うぉおおお、なんぞ!?
       僕のことまで知ってるってマジすか!?
       うひょーこれはマジでビックリだお」



    岡部「お、おい」


    133: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/21(水) 00:01:15.13 ID:jnX0sbDUo

    紅莉栖「ええい、うるさいぞ橋田!今は私が喋ってるんだから」

    ダル「っつーか、マジで牧瀬氏ってばどんなDメール送ったん?

       ここにさ――」


    134: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/21(水) 00:02:11.91 ID:jnX0sbDUo




       ――鳳凰院凶真が来るなんて、ありえないっしょ?



    Steins;Gate――シュタインズ・ゲート――
              罪と罰のセレナーデ


    140: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/21(水) 19:31:46.06 ID:iQJcZglfo

    紅莉栖「フフン、聞きたいか?そんなにこの驚天動地の実験結果を知りたいと」

    ダル「だってさー、これってまずくね?
       どんなDメールで呼び寄せたかは知らんけど、
       鳳凰院氏は一応業界人だお?
       しかも、今一番注目されてる……とか、
       雑誌でもネットでも取り上げられてるさ。

       そんなお人をふざけたメールで呼び寄せた、とか知られたら、
       このラボなんて一瞬で消されるんじゃマイカ?」

    紅莉栖「え!?

         ……いいいえ、その……?
         ちょっといっぱいメールを送ってたから、
         どのメールが当たっちゃったとか、
         そういうのちょっとわからないっていうか……?

         でででも、ふざけたメールとかじゃないし!
         ちゃんとした実験の結果なので!!
         だから大丈夫だと思ってたんだけど……」

    ダル「ちょ、牧瀬氏それやべぇじゃん。
       ……一体どう言い訳するつもりだお?これ、しゃれじゃすまないっしょ……」



    紅莉栖「……うっ」

    ダル「……?」


    141: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/21(水) 19:34:12.15 ID:iQJcZglfo



    紅莉栖「……ぐ……ぅうっ……!うぐぅあああああああっ!!」

    岡部「!?ど、どうした紅莉」


    紅莉栖「手がぁあああああ!

         こ、こんな時に、私の右腕に宿りし悪霊が……!!
         いけない、皆離れてっ!

         ……く、私はまだ仲間を手にかけたくなど……!?
         静まれ我が右腕よっ!!」

    岡部「なん……だと……?」

    ダル「……あちゃー、こりゃ完全に日和ってますなぁ……。

       あ、その、立ちっぱなしもアレなんで、
       そこのソファーにでも座って下さい鳳凰院氏」

    岡部「え、あ、これはどうも……?」


    142: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/21(水) 19:37:50.02 ID:iQJcZglfo

    紅莉栖「ぬぅうううう……ふぅ、危ない所だったわ。

         それで、なんの話しだったかな?
         Dメールの、ことについて……聞きたいのかね?」

    ダル「いや、聞きたいのかね?じゃなくて、教えないとダメだろ常考。

       これ、全部説明して、納得して帰ってもらうしかないお」

    紅莉栖「何!?

         ……しかし、このDメールのことは、このラボの極秘研究なのだぞ?
         それをそんな……しかもっ!
         研究者としてライバルとも言えるこの男に教えると!?
         そう簡単に教える訳には」

    ダル「じゃあどう言い訳する気なん?
       言っとくけど、僕はこの件に関しちゃ一切無関係なんで。

       訴えられたら牧瀬氏完全監禁プレイルートだお。
       今から臭い飯の味でも想像しておく必要があるっすなー」

    紅莉栖「か、監禁!?
         訴えられるって……そんなの私だってどう説明したらいいか」


    ルカ子「……というか、この人誰なんですか?
        なんか有名な人みたいですけど、ボクそういうの疎いんで」

    紅莉栖「な、漆原さんご存知、ないのですか!?
         彼こそ、我がラボにとっての最大の敵……!
         いえ、最強のライバルである、

         狂気のマッドサイエンティスト、鳳凰院凶真よ!」

    ルカ子「ボク、そういうの疎いんで」


    143: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/21(水) 19:40:51.71 ID:iQJcZglfo

    紅莉栖「ダメ、全っ然ダメ!

         いい!?あなただってこのラボの一員なんだから、
         少しは情勢を理解しておかないと、この先危険が訪れるわよ?

         その時私が傍にいられるかもわからないのに、
         今の内にしっかりと危機管理能力を」

    ルカ子「……反省してまーす」


    ダル「それよりさー、どうせDメールも電話レンジ(仮)も、
       相対性理論超越委員会を通して世間に公表する予定だったじゃん?

       今この鳳凰院氏に教えちゃえば、
       それでミッションコンプリートじゃねーの?」

    紅莉栖「だ、ダメよ!最初に教えるのはパパに……っ!?

         ……んんっオホンッ!
         ではなくて、この私の口で世間に向けて公表したいわけで」

    ダル「えー牧瀬氏それじゃ意味なくね?
       自分の口から公表したら、このラボの研究成果になっちゃうお。

       ……ま、僕はそれでもいいけどさー?
       牧瀬氏いつも言ってんじゃん。自分は永遠の――」


    144: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/21(水) 19:42:31.35 ID:iQJcZglfo

    紅莉栖「クックックッ……そうっ!

         この私こそは、相対性理論超越委員会を裏から牛耳る、
         稀代の天才科学者にして真の狂気のマッドサイエンティスト……!

         またの名を、委員会永遠の助手!
         そして、いずれは裏から世界の混沌に名を刻むであろうその名も――」

    岡部「……ちょっと待て……」



    紅莉栖「――その名もっ!」バッ!!

    岡部「待ってくれ!」バンッ!!

    紅莉栖「!」

    ダル「!」

    ルカ子「?」


    145: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/21(水) 19:44:01.34 ID:iQJcZglfo

    岡部「……ふぅー……」

    紅莉栖「……えっと……その名も……」


    岡部「……お前達、なんの冗談だ?」

    紅莉栖「……あの……」


    岡部「これはなんの冗談かと聞いているっ!」バンッ!!

    紅莉栖「ひっ!」


    ダル「……やっべー……マジギレ半端ねぇッス……出るとこ出ちゃうお」

    ルカ子「なんです?この空気」

    岡部「あのなぁ、マジギレとかではなくてだなぁ!これはなんの冗談なのかと」


    146: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/21(水) 19:46:33.58 ID:iQJcZglfo

    紅莉栖「……じょ、冗談などではない……!このラボは」

    岡部「大体、紅莉栖!お前なんだ、その口調は!?まるでお前――」

    紅莉栖「っ!?

         ……ち、違うわ!私は紅莉栖では――」

    岡部「牧瀬紅莉栖!

       アメリカの大学を飛び級で卒業して、
       学術雑誌『サイエンス』に論文を載せた、天才少女牧瀬紅莉栖だろう!?」

    紅莉栖「え!?

         ……あの、どうして……?
         じゃなくて、貴様、何故私のことを!?一体何者だ!」

    岡部「はぁ!?

       俺はこのラボの所長……狂気のマッドサイエンティスト、鳳凰院凶真だ!」


    147: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/21(水) 19:48:55.01 ID:iQJcZglfo

    紅莉栖「何ィ!?

         ……馬鹿な……このラボの所長は私のはず……はっ!
         まさか貴様、このラボを乗っ取るというのか!?

         その業界を操る権力を使って――」

    岡部「だ、だからちょっと待て!

       なんだそれは!?紅莉栖、お前フェイリスにでも唆されたのか!?」


    ダル「ん?なんでフェイリスたん?フェイリスたんは――」

    紅莉栖「ええい、だから私は牧瀬でも紅莉栖でもない!

         我が名は――」


    148: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/21(水) 19:53:57.00 ID:iQJcZglfo



    ――女神の異名を持ち何度でも蘇りし不死鳥の名を分けた、
                         永遠の助手にして最高の称号!



    149: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/21(水) 19:55:27.19 ID:iQJcZglfo




    紅莉栖「――我が名はクリスティーナ……クリスティーナ・ザ・フェニックス!

         その身にしかと刻みなさい!この魂の名を」

    岡部「」



    紅莉栖「……フッ……驚きで声も出ないようね」

    ダル「ドン引きされてないことを祈るお」

    ルカ子「……まゆりちゃん、まだかなー」


    150: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/21(水) 19:57:17.75 ID:iQJcZglfo

    岡部「……ク、クリスティーナ……?フェニックス?」

    紅莉栖「いかにも、この私のことはそう呼ぶといい。

         ……もっとも、その名を口にすれば、
         あなたにも大いなる災いが降りかかることに、なるかもしれないけどね」




    岡部「……プッ」


    151: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/21(水) 20:00:50.86 ID:iQJcZglfo

    紅莉栖「?」


    岡部「……プハッ!……プププッフハッ!?フゥハハハハハハ!!」

    紅莉栖「!?

         何がおかしい!?」

    ダル「そりゃ全部――」


    岡部「く、く、クリスティーナ、お前それはフヒッ、
       一体なんのブフォッ、真似だ?」

    紅莉栖「……わ、わ……笑うな!なんでそんな――」


    岡部「笑うなだとぉ?むしろ俺を笑わせてるんじゃないのか」

    紅莉栖「わ、笑わせてなんかないわよ!私は至って真面目に」

    岡部「まーじーめーにーwwwwwクリスティーナ、お前頭は大丈夫か?」


    152: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/21(水) 20:03:08.56 ID:iQJcZglfo

    紅莉栖「笑うなぁーっ!!
         なんでそんなに笑うの!?私はあなたの――」

    岡部「だってお前、それ、自分でいつも言ってるではないくぁー!
       この俺に対して――」


       ――厨二病乙!!


    岡部「――と憎まれ口たっぷりでなぁ!
       それが、なんだ?お前自身が厨二病を発症させたとか、恥を知れ!」

    ダル「……それ鳳凰院氏が言えることではなくね」

    紅莉栖「お、オマエモナー!オマエモナー!
         大事なことなので二回言いました!!」

    岡部「やかましい!俺は厨二病ではない!!俺こそは、
       世界を混沌へと導く狂気のマッドサイエンティスト、鳳凰院凶真だ!
       そこのなんちゃってフェニックスと一緒にするな」


    153: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/21(水) 20:06:39.05 ID:iQJcZglfo

    紅莉栖「!!

         ……な、なんちゃってとは何よ!
         私なんかあんた達が血眼になって研究してる、
         タイムマシンを作ったんだからね!

         私こそが狂気のマッドサイエンティストよ!!」

    ダル「ちょww牧瀬氏牧瀬氏イッちゃってるイッちゃってるwww」


    岡部「バカを言うな!タイムマシンを作ったのはこの俺だ!!

       あくまでお前は俺の助手で、開発権限は俺にあるのだ!
       そこの所しっかりと――」

    紅莉栖「お、俺の助手!?

         ……ななな何を言っとるんだこのHENTAI!
         まだ私はあなたの助手になるなんて言ってないし……。
         私はパパのためと思って助手を選んだだけだし!

         そりゃいずれは本当に助手になりたいなーとかって、
         何を言わせるんだ恥ずかしい!」

    岡部「お前こそ何を言ってるんだ!?いつものアレはどうした!

       私は助手でもクリスティーナでも~と、いつも否定していたではないか!?」


    154: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/21(水) 20:09:15.90 ID:iQJcZglfo

    紅莉栖「は、否定?何を言ってるの……?

         いつもって、今私は初めて名乗ったわけだが」

    岡部「ん!?
       ……いや、確かに初めて名乗られたのには変わりないが……?

       ってちっがーう!そうではない!!俺が言っているのは――」

    紅莉栖「??

         ――……私だ、ああ、そうだ。
         現在このラボに、あの鳳凰院凶真が出現したのだ。
         何、そいつは“機関”のスパイだって?

         ……クク、そんなこともあろうかと、すでに二重三重の手は打ってある。
         ああ、そう簡単に逃がしはしないさ。
         こいつが本当に、あの鳳凰院凶真か確かめるまで、
         このラボから出られはしない。

         何故なら、それこそが運命石の扉の選択なのだから。
         そちらでも、この男が鳳凰院凶真なのか、調査を続けてくれ。
         健闘を祈る。            ――エル・プサイ・コングルゥ」


    155: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/21(水) 20:11:41.81 ID:iQJcZglfo

    岡部「――……?

       な、なんの真似だ……クリスティーナ」

    紅莉栖「……ん?
         いや、何、ちょっと確認をね?

         あなたが本当にあの鳳凰院凶真なのか、
         私は確かめないといけないから」

    岡部「本当にも何も俺は――」


    ダル「……すげぇ……あの牧瀬氏とまともに会話してるお……っ!」

    ルカ子「え?これのどこがまともなんですか。意味不明なんですけど」


    岡部「お前達もっ!
       これを見ておかしいと感じないのか!?

       あの助手が、
       牧瀬紅莉栖がこんな言動を取っていて違和感を感じないのか!?」

    ダル「へ?
       ……いやぁ違和感と言われても……」

    ルカ子「牧瀬さんはいっつもこうですからね」


    156: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/21(水) 20:13:14.44 ID:iQJcZglfo

    岡部「おかしいだろ、どう見ても!!
       いつもの助手は、ツンツンしてるしヒステリックスイーツ()だけど、

       だが腐ってもこんな厨二もどきの科学者ではなかったはずだろう?
       そうだろう!」

    紅莉栖「厨二言うな!」


    ダル「というか、牧瀬氏がモロに影響受けちゃってるのは、
       鳳凰院氏のせいではないかと……」

    ルカ子「というか、貴方も相当変ですよね?なんです、その白衣」

    岡部「!?

       ……る、ルーカー子ーよ!今俺のことを変だと言ったのか!?」


    157: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/21(水) 20:15:55.16 ID:iQJcZglfo

    ルカ子「は?

        ……るか子ってボクのことですか?
        なんでボクの名前知ってるんですか?
        それよりも子ってなんですか?馬鹿にしてるんですか?」

    岡部「お、お、お……?
       ど、どうしたのだルカ子、お前まで……何をそんなに怒る」


    ルカ子「ちょ……それ以上近寄らないでください。
        警察呼びますよ?

        ボク、貴方とは初対面ですよね?
        馴れ馴れしく話しかけないでもらえますか」


    ダル「キター!るか氏の芸能人相手でも容赦ねー言葉攻め!
       そこに痺れる憧れるぅ!!」

    ルカ子「っていうか、橋田さんもさっきからうるさいんですよ。

        ボクはここに馴れ合うためにいるんじゃなくて、
        まゆりちゃんを待っているだけなんです。静かにしていてもらえますか?」

    ダル「はい(白目)」


    158: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/21(水) 20:18:51.54 ID:iQJcZglfo

    岡部「なんなのだこれはぁ!

       お前達、一体どうしてしまったのだ?
       今日のお前達は異常だぞ!?何がどうしてこうなった」


    ダル「それよりも、鳳凰院氏はなんでこのラボに?
       それがわかれば、
       Dメールで鳳凰院氏がここに来るのを止めることも可能なんじゃね?」


    岡部「なんでって、お前、ここは俺のラボだ!

       俺が俺のラボに帰って来て何が悪い!」

    ダル「え?」

    紅莉栖「そっちこそさっきから何を言ってるの?こ、このラボは私のラボよ!

         いずれは相対性理論超越委員会の拠点となるかもしれないけど、
         まだその時ではないんだからね!?」

    ダル「ツンデレ!」

    紅莉栖「黙ってろ!」


    159: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/21(水) 20:19:50.86 ID:iQJcZglfo

    岡部「お前こそ何を言ってる!?
       このラボは俺の――」


                 ――俺の知っているラボか?


    岡部「!?」

    紅莉栖「……?」


    160: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/21(水) 20:21:09.79 ID:iQJcZglfo

    岡部(……違和感だ……全てに違和感を感じるんだ……)


    岡部「お、お前達……俺の名前を言ってみろ」

    紅莉栖「は?」

    ダル「お?」

    ルカ子「?」


    岡部「いいから、言ってくれ……!」

    紅莉栖「……フェニックスの鳳凰に、院!凶悪なる真実と書いて――」

    ダル「鳳凰院凶真だお」

    ルカ子「ヘン夕イの間違いじゃないですか?それとも不法侵入者?」


    161: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/21(水) 20:22:08.59 ID:iQJcZglfo

    岡部「……」


    岡部(ば、バカな……これは……)


    岡部「どうして……どうして、お前達……」


    紅莉栖「?」
                ダル「?」
      ルカ子「?」


    162: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/21(水) 20:24:22.93 ID:iQJcZglfo



    岡部「……俺の名前を、呼んでくれないんだ!?」


    ――岡部!
                ――オカリン。
      ――岡部さん。


    Steins;Gate――シュタインズ・ゲート――
              罪と罰のセレナーデ


    166: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/23(金) 15:04:52.95 ID:/nNDuaH0o

    岡部「――何故、俺のことを鳳凰院凶真と呼ぶんだ!」

    紅莉栖「??」

    ダル「ど、どゆこと?だって鳳凰院氏は」

    ルカ子「自分で名乗ってるじゃないですか。鳳凰院凶真だって」


    岡部「いや、確かに俺は鳳凰院凶真だ!でも違うんだよ!!」

    紅莉栖「違う?」

    ダル「本人だけど違うと本人が否定するこれいかに」

    ルカ子「この人頭おかしいんじゃないですか?」


    167: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/23(金) 15:06:44.36 ID:/nNDuaH0o

    岡部「だーかーらっ!

       俺は鳳凰院凶真だが、お前達は一度たりとも、
       まともに俺を鳳凰院凶真と呼んだことは無かった!

       なのに、それなのに……どうして俺を鳳凰院凶真だと認識してるんだ!?」

    紅莉栖「え、でも、あなたは」


    岡部「俺はっ!

       ……俺はこのラボの……!
       ラボメンナンバー001……鳳凰院凶真なのに……!

       どうして、俺を部外者のように扱うんだ!?ここは……ここは……」


    岡部(……ここは、俺の知っているラボじゃ……ないというのか?)


    紅莉栖「……」

    ダル「……」

    ルカ子「?」


    168: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/23(金) 15:07:55.47 ID:/nNDuaH0o

    岡部「ほ、本当に……俺は……?越えてしまったと言うのか……」


       ――世界線を越えて、世界の壁の、境界線の向こう側に。


    岡部「俺がタイターの言っていた、
       世界を変える救世主になったと……本当に……」


    紅莉栖「……」

    ダル「救世主?」

    ルカ子「頭おかしいんじゃないですか?(確認)」


    169: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/23(金) 15:10:54.35 ID:/nNDuaH0o

    岡部「おかしいのはお前達だ!

       紅莉栖は厨二病、ルカ子は毒舌、ダルは……えーっとダルは……?
       お前だけ変わってないな?とそんなことはどうでもいい!

       おかしくなったのは俺じゃない、世界の方だ!」

    紅莉栖「なん……だと?」

    ダル「つまり、どういうことだってばよ?」

    ルカ子「今ボクのこと毒舌って言いました?
        ボクは正論を言ってるだけなんですけど」


    岡部「お前達にもう一度確認しておく。

       ……俺は誰だ?詳しく説明してくれ!」


    紅莉栖「……あなたは狂気のマッドサイエンティスト、鳳凰院凶真」

    ダル「と言う名前で社会にネットに今大人気の、
       相対性理論超越委員会という活動を行ってる芸能人?
       いつもブログ、楽しく拝見してます!」

    ルカ子「本当に誰ですか?帰って下さい」


    170: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/23(金) 15:12:14.52 ID:/nNDuaH0o

    岡部「くっ……これはもう、認めるしかないのか……っ!」

    紅莉栖「認める?一体何を――ッ!?」


       ――世界線が変わった事実を、俺が変えてしまった世界を。


    岡部「……いいか良く聞け、お前達!

       ……俺は、お前達の知っている鳳凰院凶真ではない」

    紅莉栖「そんなまさか……じゃあお前はっ!?」

    岡部「そうだ、俺は……世界線を越えて――」




    紅莉栖「Dメール……」


    171: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/23(金) 15:14:20.53 ID:/nNDuaH0o

    岡部「!?

       ……紅莉栖、お前」

    紅莉栖「……おかしいと思っていた。

         突然の来訪、そして自分はラボの所長と言い張り、
         私達に見せる不審な態度。
         まるで、どこか別の世界から来た人間のような……」

    岡部「ああ、俺は」

    紅莉栖「過去が変わったけど、
         世界から切り離された観測者のように、この世界へ漂流してきたと!

         そう、あなたは正に平行世界の鳳凰院凶真!」


    172: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/23(金) 15:16:27.81 ID:/nNDuaH0o

    岡部「ん!?ああ、あながち間違いでは」

    紅莉栖「過去を変えることが出来るのは、
         人類唯一の我が発明、この電話レンジ(仮)のみ!

         ……そこから導き出される答えは、
         つまり、あなたは過去改変が行われた後の鳳凰院凶真なのね!?」

    岡部「んん!?違う、俺は過去改変を行う前の」

    紅莉栖「私の送ったDメールで、
         ……なんの因果かあなたはこの世界に残ってしまった。

         平行世界にいるべき鳳凰院凶真だと!そういうことなんでしょ!?」

    岡部「どういうことだ!?何かおかしいぞ!いいか、俺は」


    紅莉栖「もういい、もういいわ。
         全ては繋がった、これこそが運命石の扉の選択!」

    岡部「俺はまだ何も説明していない、勝手に自己解決をするな!
       なんだこのクリスティーナは!?」


    173: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/23(金) 15:19:08.74 ID:/nNDuaH0o

    ダル「いやー多分牧瀬氏は、
       Dメールで過去が変わるんだって実証をさせたいんすな。
       で、無理矢理証明させようと。

       まだDメールは過去の送れるーってだけで、
       他になんの取り得もないからなー。
       ま、それだけですごいっちゃすごいんだけども。

       あ、ちなみにDメールというのは」

    岡部「ええい、知っている!少しは俺に喋らせろ!!
       お前達はいつもこうなのか?」


    紅莉栖「――私だ、これより実験は第二段階に入る。
         そう、人類夢のタイムマシン完成は目前まで迫っている。
                          ――エル・プサイ・コングルゥ」

    ダル「牧瀬氏の唯我独尊率は異常。……あれ、でも何故かデジャヴが」


    岡部「もういい!頼む、頼むから聞いてくれ……。

       俺は世界線を越えて、
       別の……いや、元の世界線から来た鳳凰院凶真なんだ」


    174: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/23(金) 15:20:49.87 ID:/nNDuaH0o

    紅莉栖「……ん?別の、世界……線?」

    ダル「……ゴクリッ」


    岡部「そう、お前達から見たら別の世界線だ。
       俺はDメールを使ってここに来た。

       紅莉栖、お前がっ!じゃなくて俺がっ!だ」

    紅莉栖「……あなたが、Dメールを……使った?」

    ダル「……な、なんで鳳凰院氏はDメールのことを知ってるん?」


    岡部「……それはな、別の世界線では、

       俺がこのラボの創設者だからだよ!」


    紅莉栖「……な、なんだってー!?」

    ダル「なんだってー!?」

    ルカ子「なんだって?」


    175: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/23(金) 15:24:20.79 ID:/nNDuaH0o

    岡部「っ!

       ……ククク、心して聞くがいい!我がラボは数多の実験の末、
       Dメールという“メールを過去に送れる機能”を発見した。
       ここまでは、お前達も周知の事実だな?

       ……しかし、俺は……実験の末、
       過去にメールを送ることで過去改変を行ってしまったんだよ!」

    紅莉栖「過去改変を行った?あなたが……Dメールで!?」

    岡部「そうだ。

       ……だが、その事実を知るのは世界中でこの俺ただ一人。
       何故ならばっ!
       俺に備わった、魔眼リーディング・シュタイナーという特殊能力によって、
       Dメールのせいで世界が変わった後も、
       世界が変わる前の記憶を持ち続けていられるからだっ!!」


    176: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/23(金) 15:27:18.22 ID:/nNDuaH0o

    紅莉栖「ど、どういうことだ鳳凰院凶真!」

    岡部「フゥーハハハ……!

       つまりここは、俺がDメールを送ったことで世界線が変動してしまった世界。
       過去改変が行われ、全ての事象に変化を起こし、
       世界が混沌に包まれてしまった後の世界なんだ!」

    紅莉栖「そ、それは本当なのか、鳳凰院凶真!?」

    岡部「ああ、本当だ!
       これで全てに説明が付く……。

       俺の助手がマネージャーだったことも、

       俺自身が芸能人に堕落していたことも、

       クリスティーナが厨二病なのも、

       ダルがHENTAIなのも、ルカ子がグレたことも!

       全ては過去が変わったことにより、
       俺たちが元の世界線で過去に行ってきた行動が、
       変わってしまったからだったんだ!!」


    177: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/23(金) 15:30:21.34 ID:/nNDuaH0o

    紅莉栖「じゃ、じゃああなたがこのラボの場所を知っていたのも!?」

    岡部「俺は元の世界線において、
       このラボの創設者であり所長でもある、
       ラボメンナンバー001の鳳凰院凶真だからだ」


    紅莉栖「ならあなたがDメールを知っていたのも!?」

    岡部「電話レンジ(仮)は、元の世界線で俺が作った未来ガジェットだからだ。
       Dメールを発見したのも俺だ」


    紅莉栖「私が電話レンジ(仮)とDメールを作った事実は!?」

    岡部「俺が過去を変えたせいで、
       それこそなんの因果か知らないが、
       この世界線ではお前がラボを作り、俺と同じ行動をとったからだ」


    紅莉栖「では過去が改変されたという記憶が、私達にないのは?」

    岡部「過去が変わったことにより、
       それに合わせてお前の記憶も再構成されたからだ。

       ……俺の言う世界線というのは、
       ジョン・タイターが言っていたモノと、
       (偽)の言っていたアトラクタフィールドと呼ばれる云々」


    178: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/23(金) 15:31:54.25 ID:/nNDuaH0o

    紅莉栖「そ、そんな……!でもここにある未来ガジェットは」

    岡部「それも俺が作ったものだ。

       ……ここには1~8号機までの未来ガジェットがあるだろう?
       それを作ったのも全て俺だ」


    紅莉栖「いえ、私が作ったのはもっといっぱいあ」

    岡部「全部俺だ。俺のDメールがそうなるように収束したのだ」


    ダル「じゃあこのラボにエアコンがついてないのも!?」

    岡部「それも俺だ」


    紅莉栖「何故かラボに置いておいたはずの、
         私のカップラーメンがなくなってるのも!?」

    岡部「それも俺だな」


    ダル「実は昨日僕が夜中にこっそり食べてしまったことは!?」

    岡部「フフフ……愚問だな?
       それも全ては俺が世界線変動を起こしたせいだ」


    179: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/23(金) 15:33:57.94 ID:/nNDuaH0o

    紅莉栖「今から私が橋田の首を締め上げようと思ってるのも」

    岡部「俺だなぁ」


    ダル「そうくると思って、すでに僕は玄関へ向かってエスケープしてるのも」

    岡部「俺だぁー」


    ルカ子「貴方の言動が痛々しいのも?」

    岡部「俺……んんっ……ルカ子?

       頼むからその顔で、そういう言葉を使うのは止めてくれないか?
       心が痛い……」

    ルカ子「だからなんで“子”ってつけるんですか?
        いい加減にしないと、名誉棄損で訴えますよ」


    紅莉栖「おい、待て、橋田ぁー!私のラーメン返しなさいよっ!!」

    ダル「ウホフホウホホホッ!そんなこと言っても、もう僕のお腹の中だおー!」


    180: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/23(金) 15:36:00.70 ID:/nNDuaH0o

    紅莉栖「絶対に許さない、絶対にだ!
         このっ、私がお昼に食べようと思ってたのにー!」

    ダル「サーセンwwwでもこれも、
       鳳凰院氏がDメールで過去変えちゃったせいなんじゃね?

       だから僕は悪くないおー」


    岡部「何!?
       おい、ダル俺にふるんじゃない!」

    ダル「だってそれも俺だって」

    紅莉栖「いいから私のカップラーメン返しなさいよ!

         ……でないと、
         海馬に電極ぶっ刺して、買いに行くよう洗脳してやる!」

    岡部・ダル「「うわ、うわぁぁああああ!!」」


    ルカ子「まゆりちゃんまだかな……」


    ――――――――――――――――――
    ―――――――――――
    ―――――――


    181: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/23(金) 15:37:33.34 ID:/nNDuaH0o



    紅莉栖「――……で、つまりあなたはこの世界の人間じゃないと?」ズルズル

    岡部「そ、そういうことだと言っている。お前達も、これでわかってくれたか?」


    岡部(くっ……ついついこの助手、喰いつきがいいので乗ってしまうな……!
       今はこんなことをしている場合ではないのに)


    紅莉栖「……ふむ、それで?

         これからあなたはどうする気なの、鳳凰院凶真」

    岡部「っ!!

       そう、それなんだ!
       ……これから俺は、Dメールを使い元の世界線に帰らなければならない!
       だから、ここにある電話レンジ(仮)を使って、Dメールを送らせてくれ!」

    紅莉栖「……」

    ダル「……」


    182: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/23(金) 15:41:00.15 ID:/nNDuaH0o

    岡部「世界の歪みを作ったのは俺だ。
       だからこそ俺が、この世界の歪みを再生させなければならないんだ!

       わかってくれ、いや、お前ならわかるはずだクリスティーナ?
       これも運命石の扉の選択と思ってくれていい。エル・プサイ・コングルゥ」

    紅莉栖「!!
         ……いや、その、そんな……えっと、エル・プサイ」

    岡部「ニヤッ」



    ダル「あの、ちょっといいすか!」

    岡部「ん?なんだ、ダルよ」

    ダル「……言おう言おうと思ってたんだけど……もう我慢出来ないお!

       鳳凰院氏、まじすげーッス!
       生演技感動しました、僕と握手してください!!」

    岡部「お、お?演技……?何を言ってる、決してこれは演技では」

    ダル「うはー!
       流石エンターテイナー、
       最後までキャラがブレないその姿勢、感服しますお。

       それで、これってなんかの練習なんです?
       それともまさか、ドッキリでこのラボが生中継とか!?」


    183: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/23(金) 15:44:10.24 ID:/nNDuaH0o

    岡部「お、おいダル!俺が言っているのは嘘ではなく」

    ダル「それにしても、
       Dメールを使った世界線の移動とかアトラクタフィールドとか!
       特殊能力設定まで抜かりないとか、かなり面白い気がするんだけど!

       これって映画化決定じゃね?」


    紅莉栖「そこまでよ、橋田!

         ……この鳳凰院凶真が言っていることは、嘘ではないわ!」

    岡部「おおっ!お前は信じてくれるのかクリスティーナ!!」

    紅莉栖「フンッそれこそ愚問ね?

         ……何故ならあなたが別の世界線から来たことも、
         運命石の扉の選択として、すでに予言されていたことなのだから!」

    岡部「ん!?」

    紅莉栖「運命は繋がった!
         あなたのリーディング・シュタイナーは、
         全てこの時のためにあるといっても」

    岡部「ストップ、スタァーップ!
       フェイリスみたいに設定を乗っ取ろうとするんじゃない!

       俺が言っているのは、全部事実なんだ!頼むから信じてくれ」


    岡部(いかん、この助手相手だと真面目に会話が出来なくなる!
       今の状況では、フェイリスよりもよっぽどやっかいだぞ、これは)


    184: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/23(金) 15:46:28.19 ID:/nNDuaH0o

    ダル「でも言ってること牧瀬氏とおんなじですしおすし……?

       あ、そぉーか!
       鳳凰院氏ってば、牧瀬氏の話しに乗ってあげてるんすね?
       なるほどー、それで牧瀬氏みたいな美少女を攻略しようと?

       いやぁー鳳凰院氏ってば策士すなぁ。
       まあ、牧瀬氏は見てくれだけはかなりいいから」

    岡部「攻略!?

       何を勘違いしとるんだこのバカ者!
       もういい、なんでもいいからDメールを使わせてくれ」

    紅莉栖「こ、攻略って……っっっ……!
         そうじゃないわ、そう、Dメール!Dメールを使いたいのね?」


    岡部「そうだ!

       ……ふぅ、やっと本題に戻ることが出来た。
       俺は、もう一度Dメールを使って、
       過去が改変される事実をなかったことにしなければならない。

       そうすれば、世界は元の世界線へと変動し、
       俺も元の世界線へ戻ることが出来る。

       そのためには、このラボの力が必要なんだ」

    紅莉栖「……」

    岡部「頼む……俺にDメールを使わせてくれ!この通りだ……」


    185: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/23(金) 15:49:05.31 ID:/nNDuaH0o



    岡部(そして、早くこんな変な世界線など、なかったことにしなければ――)


    ダル「……んー……まぁ、いんじゃね?
       こんなに頼んでるんだしさ、一回くらい使わせてあげても」

    ルカ子「部外者にこの家の設備を触らせるんですか?
        しかもこんな変な人に、その前に警察を呼んだ方が」

    ダル「るか氏、るか氏!空気読んで!」

    ルカ子「は?
        橋田さん、あんまり調子に乗ってると、五月雨の錆にしますよ」

    ダル「あうあう!」


    岡部「見ろ!
       こんな変なダルとルカ子も、Dメールを使えばなかったことに出来る!
       そして紅莉栖!お前も厨二病ではなく、
       普通の天才HE……少女牧瀬紅莉栖に戻れるのだ!」

    ルカ子「おい」

    ダル「僕のどこが変」


    186: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/23(金) 15:50:35.58 ID:/nNDuaH0o

    岡部「Dメールを使わせてくれ!

       ……その、出来れば元の世界線に戻すために協力もしてほしいが、
       そこまでは言わん!

       使わせてくれれば、後は一人でもなんとかするから――」


    紅莉栖「――……わかったわ」


    岡部「……っ!
       わかってくれたか!!じゃあ早速――」


    紅莉栖「鳳凰院凶真、あなたに――」


    187: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/23(金) 15:51:31.78 ID:/nNDuaH0o



       ――Dメールは、使わせない。


    Steins;Gate――シュタインズ・ゲート――
              罪と罰のセレナーデ


    195: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/24(土) 18:22:36.39 ID:61rPGelro

    #################################
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    #################################


    時々、不安になることがある。
    私の居場所は、本当にここにあるんだろうか?

    課題も終わり、研究も実験も一段落終えたその日、静かな夜のことだった。

    こんなに静かで、やることもないから寝ようとしても、
    中々寝付けないでこの暗闇の中にいると、思い出したくないことや、
    不安を煽るような出来事が、瞼の裏に映るのだ。

    こんなのは、私の脳が見せる幻覚だってわかっていても、
    それを止めることは出来ない。
    まだまだ人間の脳は不思議なことがいっぱいで、
    私はいつか、それら全て解き明かすことが出来るのかな?

    きっと明日になれば、また目まぐるしく研究と実験を繰り返し、
    私は忙しさの中で余計な記憶は忘れていくだろう。

    ううん、正確には忘れるんじゃなくて、
    脳の引き出しに深く、深くしまいこんでしまうのだ。
    そうやって私は、必要なことだけを、必要な分だけ知識として使っていく。

    そうしていれば、次々に新しい発見が私を待ってくれているのだから。


    196: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/24(土) 18:24:13.34 ID:61rPGelro



    「私の居場所は、ここにあるのかな……」


    私の居場所はここにある。

    パパと決別したあの日から今日まで、
    私にとっての居場所は研究と実験の出来る場所、ただそこだけになったのだ。

    それは私にとってとても楽しく、新しい発見をするたびに、
    私の脳は活性化していって、また次の研究に没頭していくことが出来た。

    そんなことを繰り返していたら、遠く日本を離れて、
    私はアメリカの地まで来ていた。

    今はここが私の居場所だ。
    ここでは、常に私にとって新しい研究と実験の日々を送らせてくれる。
    私にとって、ここ以上の居場所なんてないだろう。


    197: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/24(土) 18:26:11.82 ID:61rPGelro



    「……パパ……か。元気にしてるかな……」


    日本には、きっともう私の居場所はないだろう。
    パパの研究を否定したあの日から、私の居場所はなくなったのだ。

    私は私の理論を否定するつもりもないし、撤回するつもりもない。

    ……けど、もしもあの日、私がパパの論文を肯定していたら……?
    未来は変わっていたんだろうか。


    「……アホらし……寝よ、もう寝よう!」


    私が、パパのタイムマシン理論を認めていたら……?

    そしたら、私の居場所は今もパパの隣りで、
    こうして余計な感情も沸かないで、ゆっくり眠ることが出来たんだろうか。

    そんな意味のない妄想が、私の頭を巡って行く。


    198: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/24(土) 18:27:31.07 ID:61rPGelro



    「……眠れない……」


    研究と実験だけの私じゃなくて、
    一人の少女としての私が、そこにいたんだろうか。

    なんて、まだ大人になり切れてない私の脳が、余計なことを考えてしまうのだ。
    こんなことでは、ここじゃやっていけない。

    私の周りは大人ばかりで、子供のままではいられないこともわかってる。
    むしろ、大人以上に大人にならなければ、
    私はたちまち周囲の環境に潰されてしまうだろう。

    だから早く眠って、
    余計なことを考える脳の機能をリフレッシュさせないといけないのに。


    199: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/24(土) 18:29:37.70 ID:61rPGelro



    「……こうして何もしてない私の、存在証明って出来るのかな……」


    これは余計な感情だ、妄想だ、非論理的だ。

    でも、研究と実験だけが居場所の私に、
    それがもしもなくなったら、なかったことになったら、
    私の居場所はここにあると言えるだろうか。

    不安になる。

    絶対にそんなことはないし、私は私の知識と記憶に絶対の自信を持っている。
    いつかきっと、この経験で私は私だけの研究成果を発表して、
    さらなる研究と実験へ足を踏み入れてくことだろう。

    そんな私から、研究と実験がなくなることなんてない。
    断言したっていい、絶対になくならないんだから。

    それでも、私から研究と実験をなくしたら、私の居場所はどこにあるの?
    出来なくなったら、誰が私を私と認めてくれるの?

    いつか事故が起こって、私が研究も実験も出来ない人間になったら?
    必要とされなくなったら、誰が私を証明してくれるの?

    ……ううん、そんなことない。私にはまだママだっている。
    大学の先輩だって、きっと私を心配してくれる。
    大丈夫、何が起こっても私の居場所はここにある。
    これは仮説なんかじゃない。私にはちゃんと明日がある。


    200: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/24(土) 18:30:50.66 ID:61rPGelro



    「……なんで眠れないの。睡眠剤、買っとけばよかったかな……」


    眠ってしまいたい。

    脳の機能を全面カットして、まどろみの中に消えてしまいたい。

    もう何時間もこんなことを考えながら、ベットに横たわっていた。


       ――そんな時である。


    <プルルルルルル、プルルルルルル!!


    201: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/24(土) 18:33:07.98 ID:61rPGelro



    「……え!?誰、こんな時間に……今何時だと思って」


    電話がかかってきたのだ。


       ――私の、そう、“運命を変える”電話が。


    「……はい、もしもし?牧瀬紅莉栖です」


    私は英語を使って受話器に出る。

    でも、私の耳に聞こえてきたのは、懐かしい言葉で、
    それでいて痛いほどの聞きなれた、アノ声だった。


    『……く、紅莉栖か……?』

    「……そ、その声……パパ……?」


    202: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/24(土) 18:35:43.14 ID:61rPGelro



       ――パパの声だ。


    何年も前に、記憶の奥底にしまっておいた、パパの記憶。
    それが頭の中に一気に蘇って――


    『……く、紅莉栖ぅぅぅ!!』

    「え、え、な、何!?ちょっと、パパどうし」

    『俺はぁ~!いや、私はなぁ~!お前を、お前のことぉぉおお!』


    『「おい章一!呂律が回って」
            離せー幸高!私に指図するなぁ~!後私のことは』

    「!?!?……誰かいるの?っていうか、まさかパパ酔って」


    『酔ってなどいない!いいか、私はな……お前を』

    「……パパ……?」


    『お前を……お前を……っ……!お前のことなどっ!!』

    「……あ、待って……パパ……私」


    203: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/24(土) 18:38:23.76 ID:61rPGelro



       ――それ以上は、聞きたくない。


    なんでパパが私に、
    この場所を知っていて電話をかけてきたのかは知らないけれど。
    もうパパの口からあの言葉なんて聞きたくない。

    だって、今聞いてしまったら、私は……!


    『よく聞けぇ~!俺は
                 「フーハハハハ!電話を代われぇー!!」』

    「……?……何、誰――」


    『「――おい、君」
     アー、アー、テステステス!
     ……俺の声が聞こえているか、聞こえているな?

     そのまま静かに耳を傾けているがいい』


    204: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/24(土) 18:39:56.04 ID:61rPGelro



    「……グスッ……なんなの、あんた誰?こんな時間に一体――」


    『ククク……俺が誰かだと?
    そうだな、あえて名前だけは名乗っておこうか。我が名は鳳凰院凶真!

    ……貴様の父親を預かっている者だ』

    「……ど、どういうこと?預かっているって」


    『フハハ、わからないのか?ならばどういうことかわからせてやろう……』

    「?」


    『「離せぇ、離せぇ!私は紅」

     クックック!聞こえたか、聞こえたな?
     預かっているというのは、つまりそういうことだよ』

    「……ま、まさかあんた!パパに一体何を」


    205: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/24(土) 18:41:39.16 ID:61rPGelro



    『あ、さてぇ~?わかってくれた所で本題に移ろうか!

    ……ここにいる人質を返してほしくば、今すぐ日本に来い』

    「人質!?ちょっと今人質って言った!?言ったわよね!あんた私のパパに」


    『おーっとっとぉ!静かにしてもらおうか?
    それと、最初に念を押して置く。このことは一切他言無用で頼む。

    出ないと、わかるな?ここにいる人質がどぉーなるか』

    「やめて!
    パパに指一本でも触れて見なさい、あんたの海馬に電極ぶっ刺して」


    『ええい黙れ黙れ!耳元で怒鳴るな!!

       ……とにかく、今すぐ日本に来るのだ』


    206: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/24(土) 18:44:18.79 ID:61rPGelro



    「な、なんで……そうだ警察……に、日本の警察に」

    『警察!?やめろっ!
    そんなことをすれば、この男の命は無いぞ!
    わかったらとっとと日本に』

    「何言ってるの!?……私が日本にって」


    『そうだ、そうしたらこの男に

             「あー聞こえてるかい?紅莉栖さん、でいいね。
             章一は、君のパパは無事だから安心していい。

             それと、出来れば会って話しがしたいそうだ」』

    「え、え、え?何、何がどうなってるの」


    『「紅莉栖ぅ~!」
     ちょっと、雰囲気が壊れるんで、え、本当に捕まる?
     いや、それは……!

     ……っは!んんっ!!
     とにかくだ、この男の無事を確かめたかったら、

     日本に来い』


    207: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/24(土) 18:46:53.32 ID:61rPGelro



    「に、日本……私が、日本に……?」

    『そうだ。
    そうしたら、お前に真実を教えてやろう?

    牧瀬紅莉……いや、クリスティーナよ!』ブツッ

    「はぁ!?

    誰がクリスティーナだっ!……って、おい!もしもし、もしもし!?」


    そうやって、国際電話が切れてしまった。

    こんな時間にいきなりかかって来た電話は、
    パパが私にかけてきた電話で、酔っているようで、他にも誰かがいて、
    謎の男が私に「日本に来い」と、一方的に伝えてくると言う、
    まったく意味のわからない電話。

    っていうか、なんなのあの男?
    まだ若いような声に聞こえたけど、パパを人質って!


    208: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/24(土) 18:48:27.24 ID:61rPGelro



    「そ、そうよ……!人質って言ってた……でも会って話しがしたいって?」


    もうわけがわからない。
    頭が混乱してきた。私はどうすればいいの?
    警察に連絡?
    日本の、どうやって?


    209: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/24(土) 18:49:21.60 ID:61rPGelro



    「日本……日本に……?」


       ――今すぐ……日本に?パパに、会いに?


    謎の電話がかかって来た。

    私に日本に来いという。

    私が選ぶのは……私の居場所は……?


    210: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/24(土) 18:52:41.48 ID:61rPGelro



    この電話が、私の運命の歯車を回していたなんて、今はまだ気づかない。


    #################################
    ######Steins;Gate――シュタインズ・ゲート――##########
    ############ 罪と罰のセレナーデ############


    214: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/27(火) 16:56:59.86 ID:do43WrJMo



    紅莉栖「――……鳳凰院凶真、あなたにDメールは、使わせない」


    岡部「おぉー!
       そうかそうか俺にDメールを使わせな……ぬァにィ!?」

    紅莉栖「使わせないわ」


    岡部「く、紅莉栖……クリスティーナ!何故だ!?
       世界線を変えたのは俺の罪だ……だから俺は、
       この世界線を変える義務がある!

       これは俺の罰と言ってもいい、俺は世界線を越える宣言をする!」

    紅莉栖「人が世界に罰を与えるなどと……!」

    岡部「私、鳳凰院凶真が世界を修正しようというのだ、クリスティーナ!」

    紅莉栖「エゴだよそれは!」

    岡部「世界が持たん時が来ているのだ!」

    ダル「ガンバム乙!」


    215: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/27(火) 16:58:20.07 ID:do43WrJMo

    岡部「うるさい!
       ……どうしても使わせないつもりか、クリスティーナ?」

    紅莉栖「……」


    岡部「……理由……は?」

    紅莉栖「……」


    岡部「何故答えない!答えてくれ、クリスティーナ!
       俺はなんとしてもDメールを使いたいんだ……」

    紅莉栖「……ッ……!でも、それは……」


    岡部「……どかないのなら、力づくでもどいてもらうぞ……!?」


    216: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/27(火) 17:00:30.93 ID:do43WrJMo

    岡部(Dメールを送って過去が変われば、
       この“今も”なかったことになるはずだ……!
       多少無理をしてでも押し通るくらい、覚悟を決めろ俺!)

    紅莉栖「なっ!」

    ダル「こ、これは!?」

    ルカ子「通報しましょうか?」


    紅莉栖「待って!
         ……鳳凰院凶真、聞きなさい。あなたにDメールは使わせない」

    岡部「それはもう聞いた!
       ……だが俺は、無理矢理にでも使わせてもらう!

       ――どいてもらうぞぉぉぉおおクリスティーナァァァアア!!」

    紅莉栖「え!?

         ちょちょ、今説明を!こっちくんな!!」

    岡部「卍( ^o^)卍うおおおお!!」


    217: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/27(火) 17:01:09.92 ID:do43WrJMo



    ??「待ていっ!」ガラッ

    岡部「!?」



    218: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/27(火) 17:03:10.21 ID:do43WrJMo

    紅莉栖「きゃああ……あ?」

    ??「無抵抗な婦女子に暴行……!
       おぞましいほど不審な行動!

       見過ごすわけにはいかないね、人それを悪と言う!」

    岡部「な、何者だ!?」


    ??「貴様に名乗る名は無い!とうっ!!」

    岡部「バカな!?どこに――」


    ??「後ろだ」

    岡部「!?

       ――あ、いで、痛ででででっ!!」


    219: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/27(火) 17:05:02.42 ID:do43WrJMo

    ??「大丈夫だった?

       クリスおば……あ、牧瀬紅莉栖」

    紅莉栖「え、ええ……ありがとう……」


    岡部「痛い痛い痛い!離せぇ、離してくれ!」

    ??「それは出来ないな。
       離したら、また牧瀬紅莉栖を襲うでしょ?

       あたしの使命は、牧瀬紅莉栖を守ることだからね!」

    岡部「お、襲……!?違う、俺はただDメールを」


    紅莉栖「……離してあげて……」

    ??「いいの?」


    220: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/27(火) 17:07:00.96 ID:do43WrJMo

    岡部「――……うおっ!

       ……いつつ、なんてことをしてくれるのだ……!
       腕が折れたらどうする!!」

    ??「何よー自業自得でしょー?それよりも、君は」


    岡部「……お、お前は……!?

       ――鈴羽!バイト戦士じゃないか!!」

    鈴羽「……?

       バイト戦士って?
       確かにあたしは阿万音鈴羽だけど」


    221: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/27(火) 17:08:33.16 ID:do43WrJMo

    岡部「お、お前は!お前は俺のことを覚えているか!?

       ……いや、知って……いるか?」

    鈴羽「え?
       ……うーん君のことぉ~?

       えーっと……どこかであったような……あっ!?」

    岡部「そ、その反応!何か覚えているのか!?」


    鈴羽「君って……もしかして!鳳凰院凶真!?」

    岡部「うっ……お前もなのだな……バイト戦士よ……」


    鈴羽「鳳凰院凶真、鳳凰院凶真でしょ!?

       ――いやぁー捜してたんだー君のこと」

    岡部「何、俺を捜していた……だと?なん――」


    222: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/27(火) 17:09:29.89 ID:do43WrJMo



    鈴羽「サイン頂戴、サイン!」

    岡部「帰れ!」



    223: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/27(火) 17:11:37.93 ID:do43WrJMo

    鈴羽「えぇー!?なんでよー!いいじゃん、ケチくさいなぁー!!
       サインのひとつやふたつくらい……!

       持って帰らないとワルキューレのみんなが……」

    岡部「そんなものはやらん!

       ……くそっ、今だかつて、
       俺が鳳凰院凶真とこんなに呼ばれたこともないのに……!
       まったくもって嬉しくない……」


    鈴羽「ケチ!

       ……じゃあ、一体なんでこんな所に鳳凰院凶真がいるのさ?」

    紅莉栖「こんな所とは失礼ね!

         ――ここはいずれ人類全ての拠点となる場所、
         その中心に鳳凰院凶真がいても不思議じゃないわ」


    鈴羽「いや?
       ここは今も昔も未来でもボロビルだよ」

    紅莉栖「うるさい、帰れ!」


    224: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/27(火) 17:13:47.60 ID:do43WrJMo

    鈴羽「なんでぇー!?ひっどいなー!

       ……それにさーあたしだってラボメンなんだから、
       いつでもここに来たっていいでしょ?
       ラボメンにしてくれたのは牧瀬紅莉栖なんだし」

    紅莉栖「そうだけど!
         ……今はちょっと話しがややこしくなるというか」


    岡部「とにかくだ!俺はDメールを使わせてもらうぞ!!」

    紅莉栖「ダメよ!」

    岡部「なんで!?」

                              シュタインズ・ゲート
    紅莉栖「……それは……その、それこそが運命石の扉の選択だからよ!」

    岡部「なんだと!?」


    225: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/27(火) 17:16:58.14 ID:do43WrJMo

    紅莉栖「鳳凰院凶真、あなたには“機関”の疑いがある」

    岡部「俺が、“機関”だと?」


    紅莉栖「そう、もしかしたらあなたは相対性理論超越委員会と対になる、
         世界の裏組織、300人委員会のスパイかもしれない!」

    岡部「300人委員会だと!?そんなのは陰謀論の」


    紅莉栖「果たしてそうかな?

         ……実はすでに、ここにもう一人スパイがいるとしたら?」

    岡部「な、なんだって……?」


    紅莉栖「驚くのも無理はないわね……?
         そう、そのスパイこそ!


         ――そこにいる、橋田至よ!」


    226: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/27(火) 17:18:14.49 ID:do43WrJMo

    岡部「お前なのか、ダル!?」

    ダル「違うお」

    岡部「クリスティーナ?」


    紅莉栖「――と見せかけた二重スパイよ!
         彼は300人委員会に潜入させてる、
         未来ガジェット研究所のエィジェントなの」

    岡部「なるほど、牧瀬紅莉栖……たいしたやつだ」

    紅莉栖「フッ……全ては私の計算通り」

    岡部「ニヤッ」

    紅莉栖「ニヤッ」


    227: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/27(火) 17:21:08.71 ID:do43WrJMo

    ダル「わけがわからないし、僕はエージェントでもなんでもない件について。

       それより、牧瀬氏はなんでそんなに拒むん?
       Dメールの実験したいーってあれだけ言ってたじゃん。
       今って絶好のチャンスじゃね?」

    紅莉栖「だからそれは」

       シュタインズ・ゲート
    岡部「運命石の扉の選択か?

       ……違うな、間違っているぞクリスティーナ!
       世界は修正されるのを望んでいるのだ!!

       それこそが真の運命石の扉の選択ぅ!」

    紅莉栖「……エル・プサイ・コングルゥ!」

      岡部「――エル・プサイ・コングルゥ」


    岡部・紅莉栖「「フゥーハハハ!」」


    ダル「楽しそうすなぁー……で、どうすんの?」


    228: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/27(火) 17:22:36.56 ID:do43WrJMo

    岡部「もちろん、Dメールを使う」

    紅莉栖「ダメよ」

    岡部「堂々巡りッ」


    ダル「埒があかないお。

       ……ならさ、鳳凰院氏?僕とちょっと話しあわね」

    岡部「だ、ダル……!

       この中で一番まともなのがダルとはな、
       今この壊れた世界線では、唯一お前だけが救いだよ……」

    ダル「任せとけ、僕はいつだって鳳凰院氏の味方だ、お?」

    岡部「ダル……!」




    紅莉栖「でもそいつガチホモよ」ボソッ


    229: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/27(火) 17:25:15.64 ID:do43WrJMo

    岡部「そうなのか、ガチホモ……ガチ!?」


    紅莉栖「ゲイとも言うわ」

    ダル「違うお!そういう括りでまとめるの、止めてもらえないかなー?

       ……ただ僕は、ちょっと男の子に興味あるだけだお」


    岡部「……つかぬことをお聞きしますが、女性に興味は?」

    ダル「ない」

    岡部「アーッ!」

    ダル「そこはアッー!でかしこまり!

       ……大丈夫、別に何もせんし、
       一緒に気持ちいい所に行こうぜい?」


    岡部「この世界線は変えなくちゃダメだぁあぁぁああ!!」


    230: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/27(火) 17:26:55.77 ID:do43WrJMo

    紅莉栖「だが断る!」


    岡部「あ!?
       あそこに名も知れぬ“機関”の手先がッ!!」

    紅莉栖「え?どこ!?」


    岡部「今だっ――!」

    紅莉栖「しまった!?」


    岡部(急げ、送信先の時間入力!
       すでにここに来る道中――何故かこうなるんじゃないかと予測して――
       アドレスも本文も携帯に打ち込み済みだ。

       後は送信するのみ)


    岡部「よしっ!
       これで後は――」

    紅莉栖「ダメェェエエ!!」バッ!!

    岡部「うおっ!?」


    231: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/27(火) 17:28:04.59 ID:do43WrJMo

    紅莉栖「ハァ、ハァ!……ハァ」

    岡部「く、何を……!
       クリスティーナ、お前……俺の携帯を!?」


    紅莉栖「……でぃ、Dメールは送らせないわ!」ギュッ

    岡部「返せ、返すんだ俺の携帯を!クリスティーナ!!」

    紅莉栖「嫌!」

    岡部「ならば力ずくで!」


    鈴羽「……」

    ルカ子「1……1……」


    岡部「ぐぬぬ!」


    232: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/27(火) 17:28:59.18 ID:do43WrJMo

    ダル「ほら、こうしてても埒があかんし、やっぱり僕と一緒に――」


    ???「トゥットゥルー♪みんなーただいまぁー☆」

    岡部「――!?


       この声は――!!」


    233: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/27(火) 17:30:15.49 ID:do43WrJMo



    その時、俺は自分が振り向いたことを後悔することになる。

    いつものあの聞きなれた声。

    俺とずっと一緒にいた、大事な人質の声。

    俺はどこかで期待していたのかもしれない。

    きっと、この世界線でも変わらないモノはあるはずだって、どこかできっと。

       そんなこと――あるはずないのに。


    岡部「まゆ――!」


    234: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/27(火) 17:31:39.23 ID:do43WrJMo


    ???「あれ、どうしたのーみんな?
         そんな驚いた顔してー」ズンッ

    ダル「……いやぁ、やっぱりまゆ氏は迫力あるな、と」

    紅莉栖「私は別に驚いてるわけじゃ」


    ルカ子「遅いよまゆりちゃんー!ボクずっと待ってたんだよ……?」

    まゆり?「ごめんねぇるかくん。
          今日はちょっと上野に用事があったんだけどね」ググッ


    岡部「……ま、まゆ……」


    235: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/27(火) 17:33:40.19 ID:do43WrJMo

    ルカ子「えぇ!?上野から走って来たの?

        言ってくれれば迎えに行ったのに……」

    まゆり?「そんなぁ悪いよー。

         それに、走った方が、早いのです☆」ムキッ

    ルカ子「あはは、やっぱりまゆりちゃんらしいなー。
        羨ましいよ、ボク、こんな貧弱だから」

    まゆり?「大丈夫、るかくんは貧弱なんかじゃないよー?
         まゆしぃが保障します!」

    ルカ子「ありがとう、まゆりちゃん」

    まゆり「うん♪」


    岡部「……“コレ”が、まゆりだと……?」


    237: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/27(火) 17:35:11.31 ID:do43WrJMo



    体は鋼で出来ている。

    血潮は鉄で、心は硝子。

    幾たびの世界線を越えて不敗。

    ただの一度も敗走はなく。ただの一度も理解されない。

    彼の者は常に独り、ラボの床で勝利に酔う。

    故に、生涯に意味は無く。

       ――その体はきっと“鋼のような筋肉で出来ていた”。


    238: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/27(火) 17:36:28.10 ID:do43WrJMo



    まゆり「んー?あれ、この人は、誰かなー?」メキメキッ

    岡部「なんだよこれ……?


         ――なんだよこれぇ!!」


    Steins;Gate――シュタインズ・ゲート――
              罪と罰のセレナーデ


    241: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2012/11/27(火) 17:50:10.34 ID:do43WrJMo

         ____        _                シュタインズ・ゲート
         ( ゙、_.`゙ _n_    .`_゙  , __  __  ::γ,r'"''t!: .
        `''- 、ヽ.゙f!''γ゙ニヽ1| 1!'".゙f! (、_`゙ o::{. {::::::t-r ''~〕! 十 γ゙ニヽ
        f 、__ノソ l:しヽヾ_ィ 」:!_._!L j.l_ ,、,_) i7::ヽヽ ノ_j:: ど,j!、 lレヾゞ
         ~ ̄~ .~   ̄         ̄

    ――こんな世界線は間違っている!

                       ――ニャー!

    ――取材、させて欲しい。

                       ――ウホッ!やらないか?

    ――まゆりちゃんに手を出すなら、ボクがお相手します。

                       ――ここで会ったが百年目!

    ――クリスちゃんもね、ちゃんと話せばわかってくれるよ。


                       ――あなたの主観だけで語らないで!!


           ――愛しているよ、紅莉栖。


    これは――あったかもしれない、ラボメンたちとの物語。


    Steins;Gate――シュタインズ・ゲート――
               断罪のネメシス


    253: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/05(水) 12:35:08.42 ID:O/ZaS6Bfo

    岡部「――お前は誰だ!」

    まゆり「こんにちはー♪まゆしぃです☆えっーと、この人は」

    岡部「嘘を付くな!ミスターブラウンの間違いではないのか!?
       いや、そうじゃない、そもそもそういう問題ではない!

       女ですら疑わしいわ!!」

    まゆり「え、えぇー!まゆしぃはちゃんと女の子だよぉ……」


    ルカ子「そうですよ、まゆりちゃんのどこを見て疑っているんですか?
        どこからどう見ても」

    岡部「おかしいわ!これはなんだ、幻術か?幻術なのか!?
       なんだこれは!

       もはやおかし過ぎて、俺の頭がどうにかなってしまいそうだ……」


    ルカ子「まゆりちゃん、この人は頭がおかしいから気にしないでいいよ?」

    まゆり「な、なんだかよくわからないけど、
        まゆしぃのせいならごめんなさい……?」

    岡部「ふぐぅ……!?」


    254: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/05(水) 12:36:49.27 ID:O/ZaS6Bfo

    岡部(声と性格だけは元のまゆりと同じなのか?

       ……ダメだ、このまゆりは直視出来ん!
       一体どうしろと言うんだ……)


    まゆり「……あ、それよりも、まゆしぃはみんなにバナナを買ってきたのです!
        商店街で安く売ってたのを見つけたんだ~♪ラッキーだったよー」

    紅莉栖「あら、気が利くじゃないまゆり。流石我がラボのガーディアンね」

    まゆり「えっへへー、そこのあなたも……バナナ食べる?」


    岡部「……いや、いい……」

    まゆり「……あ、プロテインもあるよ!こっちのがいいかなぁ?」


    256: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/05(水) 12:38:16.84 ID:O/ZaS6Bfo

    岡部「……まゆり、俺が誰だかわかるか?」

    まゆり「え?

        ……うーんと……白衣を着てるから、科学者さんかなぁ?」

    岡部「……そうか、もういい……」


    まゆり「……ダルくんダルくん、どうしてこの人は元気がないのかな?」

    ダル「いやぁ、なんか僕もよくわからなくなってきてる罠。
       まゆ氏は鳳凰院凶真って知らんの?」


    まゆり「う、うーん……?

        ――あっ、わかったぁ!ラボの道場破りさんだねー!?」

    ダル「そうだね、プロテインだね」


    257: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 12:40:26.67 ID:O/ZaS6Bfo

    鈴羽「……椎名まゆり……」

    まゆり「……誰かなー?


        さっきからまゆしぃに殺気をぶつけてるのは」


    鈴羽「……――はぁああっ!!」ズバッ!!

    まゆり「トゥッ!」ススス


    鈴羽「……今のをよくかわしたね?流石は椎名まゆりだ……」

    まゆり「トゥットゥルー……スズさんいきなりは危ないよぉー」

    鈴羽「フフ、この時代の椎名まゆりになら勝てると思ったんだけど、
       そう簡単にはいかないね?」


    まゆり「やめてよスズさんー!


        ……ここでヤッたら、死人が出るよ?」


    258: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 12:44:11.88 ID:O/ZaS6Bfo

    鈴羽「上等!

       ――ここで会ったが百年目!椎名まゆり覚悟ぉー!!」


    ルカ子「そこまでです!
        まゆりちゃんに手を出すなら、ボクがお相手します。

        この五月雨に掛けて、まゆりちゃんには指一本触れさせません」

    鈴羽「面白くなってきた!
       やっぱりこの時代に来て正解だったよ。

       ――こりゃあ、あたしも本気出すしかないね!!」


    まゆり「ダメだよ、るかくん。ここはまゆしぃに任せて!

        ――スズさんとは決着を付けなくちゃいけないから」

    鈴羽「どっちからでもいいよ!

       さぁ、あたしと決闘(デュエル)だぁー!!」



    紅莉栖「ってやめんか!ラボが壊れちゃうでしょ!!
         やるなら外でやりなさい」

    まゆり・ルカ子・鈴羽「「「はーい」」」


    259: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 12:46:41.04 ID:O/ZaS6Bfo

    岡部「……この世界線はいつからバトル物になったのだ?」

    ダル「……鳳凰院氏も僕とバトルするかお?
       主にパンツレスリング的な意味で」

    岡部「……」

    ダル「ウホッ!やらないか?」

    岡部(帰りたい……)



    紅莉栖「……では、今日のラボメン会議はここまでね?
         各自解散ということで」

    岡部「……っ!?

       ってちょっと待て、何勝手に〆ようとしている!
       クリスティーナ、俺にDメールを使わせろ!!」

    紅莉栖「フンッしつこい男だ鳳凰院凶真。

         私の決定に逆らうとは、
         どうやら力を使って裁きを下すしかないようだな」


    260: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 12:48:41.37 ID:O/ZaS6Bfo

    岡部「ち、力だと!?

       ……あるわけないだろそんなもの!
       大体俺の何を裁くというのだ……いいから早く携帯を返せ!!」


    紅莉栖「ククク、ところがあるのだよ、私には裁きを下す権利がなぁ!

         ……そしてそれは、このボタン一つで完了される」

    岡部「ボタンだと……?

       いいや、そんな脅しには乗らんぞ!そんなもんはったりに決まって」


    紅莉栖「このボタンを押せば、電話レンジ(仮)は自爆する」


    岡部「自爆なんぞでこの俺が止められると……自爆ッ!?」

    紅莉栖「フワーハハハ!

         あなたに使われるくらいなら、このボタンを押して、
         電話レンジ(仮)ごとDメールも消滅させてやるわ!!」


    261: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 12:51:21.29 ID:O/ZaS6Bfo

    岡部「き、気でも狂ったかクリスティーナ!そんなことを出来るわけ」

    紅莉栖「出来るわ!

         あなたにこの世界線を消させはしない!!
         消されるくらいなら、消される可能性を消してやるだけよ。

         ……クク、これこそマッドサイエンティストの最後というもの……」


    岡部「や、やめろ……目が血走っているぞ……?
       正気かクリスティーナ!?」

    紅莉栖「私はいつだって正気よ。
         この世界を混沌の未来へ導くのだ、
         他の世界のことなど知ったことじゃないわ……!

         さぁどうする鳳凰院凶真?

         このまま諦めずに、電話レンジ(仮)ごと爆破されるか、
         諦めてこの世界で生きるか、選ぶがいい!!」


    ダル「……爆破なんてしたら、このビルも崩壊するんじゃね?
       そしたら僕らも下敷きじゃね?」

    紅莉栖「そうなったらそうなったよ!

         このラボごと運命を共にするのならば、
         ラボメンとしても本望だろう!!」

    ダル「あるあ……ねーよ!」


    岡部「なんて卑劣な手を使うんだ……!
       見損なったぞクリスティーナ!!」


    262: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 12:53:35.02 ID:O/ZaS6Bfo

    紅莉栖「なんとでも言うがいい!

         ――さぁどうした?選べないのか!
         選べないのなら、このボタンを押してしまうぞフゥーハハハ!!」

    岡部「お、おい待て!わかった、わかったから押すんじゃない!!」


    紅莉栖「いいや!限界だ押すね!」

    岡部「なんで!?」


    ?「ニャー!」シュッ!!

    紅莉栖「わっ」ポチッ

    岡部「あああああ押したあああああっ!!」


    ?「……?

      ニャー」

    岡部「あああああ……あ……?爆発……せんぞ……」


    紅莉栖「……どうやら不発だったか。命拾いしたな、鳳凰院凶真」

    岡部「……お前、まさかこれがやりたかっただけなんじゃ」


    263: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 12:55:52.52 ID:O/ZaS6Bfo

    ダル「……お?

       フェイリスたん、フェイリスたんじゃマイカ!」


    岡部「……フェ、フェイリスだと?
       このややこしい中であいつまで来たら……!

       一体どこに」

    ダル「どこって、足元だお」

    岡部「は、足元……?

       なんで足元に」


    ?「ニャー」

    岡部「……いや、これは……?


       ――猫ではないか!!」


    紅莉栖「……猫よ」

    ダル「猫だお」


    岡部「これのどこがフェイリス――」


    264: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 12:56:40.08 ID:O/ZaS6Bfo



    ダル「だから、猫のフェイリスたん」

    猫(フェイリス)「ニャー!」

    岡部「」



    265: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 12:58:39.59 ID:O/ZaS6Bfo

    ダル「あーはいはい、三時のおやつすなぁー。

       やっぱり、フェイリスたんはこのラボでも最高の癒しだお。
       異論は認めない」

    岡部「フェ、フェイリス……お前……」


    猫(フェイリス)「……ゴロゴロ」

    岡部「どうしてこんな姿に……!フェイリス・ニャンニャン……」


    ダル「……なんで泣いてんの?」

    紅莉栖「癒され過ぎて、心が浄化したのね……きっと」


    岡部「……こ、この猫は……誰の猫だ?」

    ダル「誰のってわけじゃないお。
       時々ラボに入ってくる猫なんだお。

       首輪が付いてるから、飼い主はいるんだろうけど……?
       ほら、その首輪にフェイリスって書いてあるんだお」

    紅莉栖「そ、だからその猫のことを、皆はフェイリスって呼んでるのよ」


    266: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 13:00:26.67 ID:O/ZaS6Bfo

    岡部「……そうか……わかった、もうわかった。

       やはり、こんな世界線は間違っている!

       それがよくわかった!!」


    紅莉栖「ま、間違ってるって……!

         そんなことはない!!この世界のどこが間違いだと」


    岡部「全部だ!何もかも全部、ぜぇーんっぶぅ!

       どうして誰も気が付かないんだよ!!」


    紅莉栖「な、何よそれ……」

    ダル「ほ、鳳凰院氏……流石に言い過ぎのおかん」


    267: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 13:04:14.56 ID:O/ZaS6Bfo

    岡部「ダル!
       お前は元の世界線では、美少女好きのHENTAI工口ゲーマーだった!」

    ダル「お?」


    岡部「紅莉栖!
       お前はアメリカ帰りの天才科学者・牧瀬紅莉栖で、
       ねらー訛りは酷いが決して厨二病なんかではなかった!」

    紅莉栖「ね、ねらー!?
         ってだから私は紅莉栖でも厨二病でもないと言っとろーが!」


    岡部「ルカ子は清楚で可憐な美少女(だが男)だった!

       フェイリスはメイクイーン+ニャン2の一番人気メイドだった!

       鈴羽はあんな喧嘩っ早くない、戦士の目をしていた!

       まゆりはあんなごつくないし、
       あいつは俺の幼馴染で、大事な人質だった!

       ……人質……だったんだ……」

    紅莉栖「……」

    ダル「……」


    268: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 13:06:27.55 ID:O/ZaS6Bfo

    岡部「そして俺は……!

       狂気のマッドサイエンティスト、鳳凰院凶真で、
       このラボを作ったのは俺で、
       決して芸能人だなどという大衆面前に出るような存在では、

       なかった!!」

    紅莉栖「……」


    岡部「俺が……俺が作ったんだ……!

       なのに、この世界は全てが狂ってる!
       誰も俺を覚えていない、誰もが俺を知っている!

       こんなの……俺は……」


       ――責任はどうとるの?


    岡部「俺のせいで……こんなおかしな世界線に跳んでしまったんだ。
       俺は、元の世界線に帰りたい……Dメールを使わせてくれ……頼む」




    紅莉栖「……おかしな世界線に見えるのは、あなたから見てでしょ……」

    岡部「……え」


    269: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 13:09:14.42 ID:O/ZaS6Bfo

    ダル「……というか、その元の世界線おかしくね?
       僕がろくな人間じゃない件について……」


    岡部「……し、しかし!
       それでも俺はっ、例え誰も俺のことを鳳凰院凶真と呼んではくれなくとも、
       元の世界線がいいんだ!

       そしてDメールを使えばきっと俺は元の世界線に戻ることが出来る!
       だから」

    紅莉栖「……使わせないわ」


    岡部「何故だ!

       例えDメールを使ったからと言って、
       この世界線がなくなるわけじゃないんだぞ!?

       多世界解釈で言えば、ただ俺の意識だけが元の」

    紅莉栖「本当に?

         多世界解釈……アトラクタフィールド理論は、
         エヴェレット・ホイーラーモデルの発展系とあなたは言った。

         それは、本当に?」


    岡部「……何が、言いたい……?」

    紅莉栖「あなたが過去を変えれば、この世界は消えてしまうんじゃないの?
         ……そう、聞いているのよ」


    270: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 13:11:28.49 ID:O/ZaS6Bfo

    岡部「……この世界線が、消える……だと?」


    紅莉栖「あなたの意識は世界線を跳んでるんじゃなくて、
         世界線に残り続けてるんじゃないの?」

    岡部「……何を言っている?俺は確かに」


    紅莉栖「Dメールで過去を変え、世界を変えた」

    岡部「……」

    紅莉栖「その瞬間に世界が再構築され、
         あなたの意識だけは元の世界線からこの世界線まで残った。

         そうは考えられない?」

    岡部「な、何?」


    紅莉栖「恐らく、

         あなたは過去へ跳んでも、未来へ跳んでも、
         現在を書き換えたとしても、
         あなたの居場所はあなただけにしかない。

         いわば世界を見据える者……孤独の観測者」


    271: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 13:12:59.17 ID:O/ZaS6Bfo

    岡部「……お前は何を言ってるんだ?」

    紅莉栖「その力は神の視点、選ばれし者の定め、
         世界はあなたによって作られた」


    ダル「……まーた始まった」

    岡部「俺は真面目に言ってるのだ!もういい加減にっ」


    紅莉栖「――でも神は、人を見ないわ」

    岡部「はあ!?」


    紅莉栖「……人から見て神が見えないように、神もまた人を見ない。
         ……そう、今のあなたと同じように」

    岡部「俺と同じだと?

       ……馬鹿馬鹿しい、何が神だ!そんなことよりも俺に」



    紅莉栖「あなたは、この世界線の何がおかしいと思ってるの?」


    272: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 13:15:47.36 ID:O/ZaS6Bfo

    岡部「おかしいだろ!

       一瞬にして人の性格、姿形さえも変えてしまったんだぞ!?
       これがおかしくなくて何がおかしい!!」


    紅莉栖「あなたの主観だけで語らないで!!

         それは、あなたから見てでしょう?
         そして私は、あなたの言う世界線なんて見たこともないわ。
         おかしなこと言っているのは、この世界でただ独り、あなただけ」

    岡部「っ!」


    紅莉栖「それは世界を作り変えたあなたの罪よ。

         そしてこれが罰、運命を受け入れなさい、鳳凰院凶真!」

    岡部「……やめてくれ!
       俺は、こんなつもりではなかったんだ……!

       ただ少し、助手に一泡吹かせられたらと思って、
       それがなんでこんなことに……?

       Dメールを使えば変えられるかもしれないんだ!そしたら俺は」


    紅莉栖「……今この世界の全てを破壊して、
         再構成された世界を観測するんでしょうね」


    273: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 13:17:19.42 ID:O/ZaS6Bfo

    岡部「は、破壊などっ、そんなことはしない!
       俺だけが世界線を越えるだけだ、この世界が消えるわけでは」

    紅莉栖「ないの?それは誰がどう証明してくれるの」

    岡部「そ、それはっ」



    紅莉栖「……出てって」

    岡部「く、クリス」



    紅莉栖「出てって!!」


    274: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 13:18:46.35 ID:O/ZaS6Bfo

    岡部「ッ!?」

    ダル「……でっていう」


    岡部「そんなっ!?俺を見捨てると言うのかクリスティーナ!」

    紅莉栖「あなたはこの世界の鳳凰院凶真じゃないんでしょう!?

         だったら私の信じた鳳凰院凶真でもないわ!
         つまり部外者、部外者は出てって、出てけー!!」

    ダル「おっおっおっ、これは……鳳凰院氏まずくね?」


    岡部「くっ!落ち着け紅莉栖、クリスティーナ!!」

    紅莉栖「うるさーい!出てけー!!」ブンッ!!


    岡部「うおッ!?ちょ、おま、物を投げるのは」

    紅莉栖「出てけ出てけ!」


    275: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 13:20:25.62 ID:O/ZaS6Bfo

    まゆり「トゥットゥルー♪

        ただいまーいい汗かいてきたよー!
        ……あれぇ?」

    岡部「ま、まゆり!良い所に……クリスティーナを止めてくれ!」


    まゆり「ど、どうしたのクリスちゃーん?」ヒュッ!!パシッパシッ!!

    紅莉栖「ま、まゆり……――その男、このラボからつまみ出しなさい」

    まゆり「えぇー!?」


    紅莉栖「お願い……」

    まゆり「……うーん……」


    岡部「な、何をバカな!このラボは俺の」

    紅莉栖「私のラボよ!」


    276: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 13:22:30.09 ID:O/ZaS6Bfo

    岡部「うぐっ!」


    鈴羽「うぃーっす!

       ……あるぇ~?どうしたのこれ、修羅場?」

    ルカ子「何してるんですかどいてください入れません。

        ……え、ラボがめちゃくちゃに」


    まゆり「……ごめんね、ほーおーいん……なんとかさん?

        ちょっとだけ、ラボから消えて貰うね」

    岡部「消え――?」


    277: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 13:25:33.15 ID:O/ZaS6Bfo



    まゆり「――トゥッ!」ガシッ!!

    岡部「――---...」



    鈴羽「……おぉー?」

    ルカ子「……なんだったんですか、アレ?」


    ダル「……牧瀬氏、これでいいの?」

    紅莉栖「……いいのよ、これで……」


    ――――――――――――――――――
    ―――――――――――
    ―――――――


    278: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 13:27:21.53 ID:O/ZaS6Bfo



    岡部「……」

    まゆり「ここまでくればいいかなぁ……?」


    岡部「……どうして、どうしてだクリスティーナ……俺は……」

    まゆり「えーっと……ほーそーいいんさん?

        ごめんなさい、クリスちゃんと何があったかはわからないけど、
        手荒な真似をして……」


    岡部「鳳凰院だ……いい……気にするな……」

    まゆり「……」



    ??「……椎名さん?」


    279: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 13:29:24.81 ID:O/ZaS6Bfo

    まゆり「え?

        ――あぁ~萌郁さんだぁ!トゥットゥルー♪」

    萌郁「こんにちは、椎名さん」


    岡部「……萌郁?閃光の指圧師か」

    萌郁「あら、そこの貴方は……っ!?」

    岡部「お前は……いや、聞くだけ無駄か……」


    萌郁「鳳凰院、凶真。

       ……こんなところで、会えるなんて」

    まゆり「え?
        萌郁さん知り合いなの?」

    萌郁「いえ、ただ次の記事は、
       今人気の鳳凰院凶真のことを、書きたかったから。
       取材、したかった」


    280: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 13:31:38.34 ID:O/ZaS6Bfo

    まゆり「あ、そっかぁ!萌郁さんは記者だもんねぇ」

    萌郁「そう、だから――取材、させて欲しい……です。鳳凰院さん」


    岡部「……ん?

       指圧師お前、紙と……ペン……だと?」

    萌郁「?

       ……取材の、基本だけど」


    岡部「携帯は……携帯はどうした?というか何故普通に」

    萌郁「え?

       携帯……あぁ、番号を交換、ですね?……えっと、今――」


    岡部(ま、まさかこの世界線では萌郁はまともなのか……!?
       普通に喋って、普通に仕事してる……?

       いや、仕事は元の世界線でもしてたか)


    萌郁「――どうぞ……鳳凰院さん?」


    281: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 13:34:13.84 ID:O/ZaS6Bfo


    岡部「……すまない、取材はまた今度にしてくれっ!」ダッ!!


    萌郁「あっ、待って……取材!

       今度ガンヴァレルプロジェクトから、声優に抜擢されたそうですが、
       意気込みはいかがですかー!?」

    まゆり「ほーれんそーさぁーん!」


    岡部「鳳凰院だぁー!!」


    ――――――――――――――――――
    ―――――――――――
    ―――――――


    282: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 13:36:13.67 ID:O/ZaS6Bfo



    岡部「……はぁ」


    岡部(……このままでは、俺は元の世界線に戻ることは……出来ない)


    岡部「どうしたらいいんだ……どうしたら……」


    岡部(紅莉栖は、頑なに俺がDメールを送ることを拒んだ)


       ――この世界は消えてしまうんじゃないの?


    岡部「この世界が消える……世界線が消滅するということなのか?」


    岡部(いや、タイターのいう多世界解釈で考えるならば、
       この世界線は残るはずだ。

       並行世界の可能性として、
       俺が覚えて居続けるだけで……消えるなんて……)


    283: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 13:39:25.42 ID:O/ZaS6Bfo

    岡部「……だが、その証明は出来ない。
       タイターのメールでさえ、この世界線では存在しないのだからな……」


    岡部(そもそもこの世界線にジョン・タイターはいるのか?
       偽物でさえ……あいつらはあまり反応しなかった……)


    岡部「調べるか?
       ……今の俺にどこで調べろというのだ。

       ネットカフェに行くか?
       それよりも、下手に街を歩いてるだけで騒ぎになりかねない。
       となると家に?

       ……今駅周辺に行くのははマズイな……地下鉄を使うか?
       しかしあそこで囲まれたらアウトだ……」


    岡部(まったく、どうして有名人だなんて設定なんだ俺は!
       どこを間違えばそうなる……)


    岡部「……間違い、か。
       俺のDメールが、俺を間違った方向に進ませたと言うのか……?」


       ――それは、あなたから見てでしょう?


    284: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 13:42:13.21 ID:O/ZaS6Bfo

    岡部「――っ!」


    岡部(……紅莉栖が言いたかったのは、

       つまり俺が間違いだと思ったことでも、
       この世界線では正しいことだと他の人は認識するということだ)

    岡部「“この俺”の主観だけで語るな、か……。

       この世界線の俺も、あのDメールを受け取って、
       正しい方向だと信じて進んだのか……」


    岡部(その結果がこれだ。俺はラボを作ることもなく――)


    岡部「……待て、だがこの世界線の俺も鳳凰院凶真じゃないか!
       これが意味するのは、でもまゆりは俺のことを……」



    まゆり「――あ、いたぁ!捜したよー?

        ほ、ほ、ほもたろうさん?」

    岡部「……“ほ”しかあってないわ!」


    285: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 13:43:49.96 ID:O/ZaS6Bfo

    まゆり「ご、ごめんね……まゆしぃはいつもみんなに脳筋って言われてて……」


    岡部「……はぁぁ……何故俺を追ってきた?」

    まゆり「え、えっと……その、まゆしぃもよくわかりません……」


    岡部「わからないって、なんだそれは……」

    まゆり「えっへへー?

        ……でも、なんだか放っておけなかったから……」


    岡部「……」

    まゆり「……」


    286: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 13:46:07.16 ID:O/ZaS6Bfo

    岡部「……なあ、まゆり……」

    まゆり「……?

        何かなー」


    岡部「お前はどうして、そのまっちょ……いや、
       体を鍛え(抜い)てしまったのだ?」

    まゆり「まゆしぃの筋肉に興味があるのー?」


    岡部「きょ、興味と言うかだな……?

       まるで、
       見えない陰謀に巻き込めれてるとしか思えないと言うかなんというか」


    まゆり「ん~っとねぇ……まゆしぃが筋肉さんを苛め抜いているのはね、

        強くなるためなんだっ!」


    岡部(言われずともそれはわかる)


    287: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 13:48:12.74 ID:O/ZaS6Bfo

    まゆり「……昔ね、おばあちゃんが……亡くなったの」

    岡部「……」


    まゆり「それでね、その時まゆしぃは弱くって、
        心が折れてしまいそうなほど苦しくって、
        どうしようもない時があったのです……」

    岡部「そうか……」


    岡部(……その時、“この俺”はその場にいなかったのだな……)


    まゆり「……でもね、その時に、

        実はまゆしぃはその頃の記憶が曖昧なんだけど、
        幼馴染の男の子が必死で頑張ってるってことを聞いたんだ。

        夢を叶えたって」

    岡部「っ!!そ、それは」


    288: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 13:51:24.25 ID:O/ZaS6Bfo

    まゆり「……手を伸ばしても、届かなかった。

        どんなに日の光がまゆしぃを指しても、
        おばあちゃんは迎えにきてくれなかった。

        それでも、まゆしぃはお空にまで手を伸ばしたくって、
        今度は跳びながら手を伸ばしてたの」

    岡部「……」


    まゆり「やっぱりお空に手は届かなかったけど、

        もっと高く飛ぶことが出来たら、手が届くんじゃないかなって、
        まゆしぃも頑張れば、きっと夢が叶うんじゃないかなぁって、

        だから体を鍛えてもっと高くジャンプすることにしたの」

    岡部「な、なん……だと……?」


    まゆり「そしたらね、段々元気が出てきて、
        まゆしぃはどんどん強くなっていったんだ。

        それで、わかったの。

        まゆしぃは、弱かったから、
        おばあちゃんから離れることが出来なかったんだって」

    岡部「弱いだなんて、そんなことっ!」


    まゆり「ううん、弱かったんだ。
        それで、まゆしぃは心も体も強くなろうって思った。

        それがこの体なのですっ!」


    290: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 13:53:12.95 ID:O/ZaS6Bfo

    岡部「おおう……」


    まゆり「なんだかねぇ、鍛えていく内にどんどん筋肉がついていって、
        いつの間にかこんなになっちゃった☆」

    岡部「」


    岡部(……そうか、この世界線のまゆりは、
       俺がいなかったから独りで立ち直ったのか……)


    まゆり「どうかなどうかな?まゆしぃの筋肉気にいってくれたかなー?」

    岡部「お、おう……」

    まゆり「えっへへぇ良かったよ~」


    岡部「……」

    まゆり「……」


    291: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 13:55:20.64 ID:O/ZaS6Bfo

    岡部「……まゆり、コスプレは……しないのか?」

    まゆり「え?」


    岡部「衣装……作って……メイドは、メイド喫茶はどうした?」

    まゆり「え、え~っと……なんのことかな?」


    岡部「……後悔……してないか?」

    まゆり「……?」


    岡部「自分が……その、そんな体になったことを」

    まゆり「後悔?

        ……ううん、全然してないよ~?
        まゆしぃは望んで強くなったから」

    岡部「そうか……」


    岡部(だが俺は後悔している。

       ……俺がまゆりの傍にずっといてやれば……!
       この差が神と人の視点の違いか……)


    292: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 13:56:26.66 ID:O/ZaS6Bfo

    岡部「……何が神だ……!
       俺はそんなんじゃない、ただの人間だ……」

    まゆり「??」


    岡部「あ、いや、すまん……ちょっと考え事をだな……」

    まゆり「……」

    岡部「……」


    まゆり「……クリスちゃんの言ったこと、気にしてる?」

    岡部「え?」


    293: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 13:58:18.43 ID:O/ZaS6Bfo

    まゆり「クリスちゃんもね、ちゃんと話せばわかってくれるよ。
        仲直り、出来るよ」

    岡部「……お前……」


    まゆり「クリスちゃんはね、とっても優しい人だから、

        ――きっとオカリンの力になってくれるよ」

    岡部「……――!?

       お前今なんと言った!!」


    まゆり「ひゃっ!ビックリしたぁ!?
        ……えっと、クリスちゃんとちゃんと話せば」

    岡部「その後だその後!」ガクガク


    まゆり「あぁうぅ~クリスちゃんはとっても優しい」

    岡部「その次だ次!」


    まゆり「えぇぇ、きききっとオカリンの力に~」

    岡部「どうしてお前が、その名を知ってるんだ!?」


    294: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 14:00:18.29 ID:O/ZaS6Bfo

    まゆり「な、なんでぇ?
        だってオカリンは……あ、オカリンって誰だっけぇ」

    岡部「……まゆり……」

    まゆり「……ただ、あなたの顔を見てたら、
        フッと頭に浮かんだと言うか……?

        えっと、もうそういんさん?」


    岡部「……なんで俺を気遣うんだ?

       俺はその、いわばお前達の世界を破壊する悪役、
       なのかもしれないんだぞ?」

    まゆり「世界を??

        ……まゆしぃはバカだからよくわからないけど、
        その方がほうけいいんなんとかさんらしいかなぁって思って……」

    岡部「……」


    まゆり「……大丈夫、クリスちゃんはきっと力になってくれるよ。
        まゆしぃが保障します!」


    295: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 14:02:06.89 ID:O/ZaS6Bfo

    岡部「……フッ、まさか人質に気を遣われるほど落ちぶれるとはな、
       この俺もまだまだということだな」

    まゆり「ん?人質……?なんのことかなぁ~」


    岡部「いいんだ、お前は知らなくていい。

       だが俺の知っている俺は、お前の中で生き続けている、
       それがよくわかった」

    まゆり「……う、うん……?」


    岡部「そうだな、このままじゃ、このまま諦めるわけにはいかないよな」

    まゆり「……そうだよ!
        ほうていしきさんは途中で諦めるような人じゃないよ!!」


    岡部「フゥーハハハ!
       そう、俺は途中で諦めるほど愚かな男ではない。

       世界を混沌の未来へ導く、
       狂気のマッドサイエンティスト……鳳凰院凶真だっ!」

    まゆり「わぁー!」パチパチパチ


    296: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 14:03:51.72 ID:O/ZaS6Bfo

    岡部「……もう一度、紅莉栖と話し合ってみる。
       この世界をどうするか、それから決めても遅くはあるまい」

    まゆり「うんっ!頑張って、オカリン!」


    岡部「ええい、俺はオカリンなどではない!
       鳳凰院凶真だと何度言えば」

    まゆり「え~?
        でもオカリンの方が呼びやすいよ。

        それに、どうしてか懐かしい気もするんだ。
        でね、ほるすたいんさんはオカリンって感じがするよー!」


    岡部「誰だそれはもはや人でもないぞ!
       ……もうオカリンでいい、とにかく俺はラボに戻る!」

    まゆり「頑張って、オカリン♪

        ――オカリンならきっと大丈夫だよ」


    297: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 14:05:49.01 ID:O/ZaS6Bfo



    岡部「俺を誰だと思っている?

       ……任せておけ、この俺が世界を変えてみせる!」


    岡部(そしてお前のことも、繋ぎ止めてみせる)


    まゆり「ふぁいとー」

    岡部「それと……ありがとう、まゆり」

    まゆり「あ……」


    岡部「さらばだ我が偽りの人質よっ!

       次に会う時は、本当の人質として扱ってやるからなぁ!
       フゥーハハハ――!!」

    まゆり「頑張ってねぇーオカリーン……――」


    298: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 14:08:55.09 ID:O/ZaS6Bfo

    #################################
    #################################
    #################################


    「……紅莉栖。
    ……その、私と一緒に……タイムマシンを作らないか?」

    「え……」


    ……パパに、いや、あの変な男に呼び出された私は、
    遥々日本の地に降り立っていた。

    後日メールで――なんで私のアドレスを知っていたのか?――
    指定された場所に訪れた私を待っていたのは、

    牧瀬章一、すなわち私の父親だった。


    299: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 14:10:20.85 ID:O/ZaS6Bfo



    「こんなことを突然言われて混乱するのもわかる。
    ……だが、お前の力が、知識が必要なのだ」

    「……な、なんで……?だって私、パパの論文を否定して……」

    「それでもだっ!
    ……わかったのだよ、私は。

    ……もう独りでタイムマシンを作るのは無理だということに」


    タイムマシン。

    それはパパが長年追い続けてきた夢の結晶で、
    私が打ち砕いてしまった罪の欠片。

    パパのこともあって、もう二度と関わることはないと思っていた。
    それが、こんな形でまた私に――


    300: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 14:11:52.04 ID:O/ZaS6Bfo



    「……パパは、それを言うために……私を呼んだの?」


    「……いいや、違う」

    「ふぇ?」


    「訂正する。
    ……わかったのは、過去の私が愚かだったということだ。

    それを、私は気付かされたのだ……私の協力者に」

    「協力者?」


    パパに協力者なんていたの?

    なんてことは、口が裂けても言えないけれど、
    多分、あの電話に出ていた人たちがそうなのだろう。

    もうそれくらい理解するほど、私は落ち着いている。


    301: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 14:13:27.90 ID:O/ZaS6Bfo



    「ああ、そうだ。

    ……教えられてしまったよ、タイムマシンよりも、
    私には叶えなければならないことがあることに」

    「叶えて?……タイムマシンよりも……って……」


    「そうだ、それは……お前だよ、紅莉栖」

    「わ、私!?」


    くぁwsでrftgyふじこlp;!
    大丈夫大丈夫、これぐらいで動揺するほど、私の頭は混乱しない。
    そう、まだあわあわてるじじじ時間じゃない!


    302: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 14:15:49.56 ID:O/ZaS6Bfo



    「ど、どうして、急にそんな……」

    「今しかないんだ!
    ……あの男が、あっさりとこうして会う時間を作ってくれた。

    私は、紅莉栖?お前に言わなければいけないことがあるんだ……」

    「……」


    もう二度と、パパが私を呼ぶことはないと思っていた。
    思っていたのに、これは、なんで?
    あの電話の男、一体何者なの?パパに何を言ったの?

    ……パパは私に、何を言うの?


    「パパ……私――」

    「紅莉栖――!」


       ――貴様と言う存在は、もうすぐ消えてなくなるのだ!


    「いや……」


    聞きたくない。


    303: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 14:17:49.73 ID:O/ZaS6Bfo



    「――私は、いや俺は、お前を傷つけてしまった!
    許してくれとは言わない、だが、お前は俺の自慢の娘だ!!

    俺は……お前を……傷つけたくなんて、なかったんだ……」

    「……パ、パパ!?」


    「すまない、紅莉栖、すまなかった……!
    今更こんなことを言っても、お前は私を許すことはないだろう。

    しかし、それでも、家族の絆を元に戻すために、
    私と一緒にタイムマシンを作らないか!?」

    「そそそそそそれなんてフラグ?」


    「お前は優秀だ、私なんかよりも、ずっと。
    いつか世界に名を残す科学者となるだろう。
    このままアメリカで暮らせば、どんな科学者よりも成果を出すに違いない。

    だがしかし、日本に戻って、
    私とタイムマシン実現を目指してはくれないだろうか……」

    「わた、わひゃし」

    「もちろん、断ってくれてもいい。
    ……ただ、これが私の言いたかったことだ、紅莉栖」


    ええええええええええええええええええ?
    いやいやいや、またまた、御冗談を。

    パパが、私に?頭を下げて、一緒にやらないか?
    だって、パパは私を消すって言ってたじゃない、それがなんでホワイ?

    そんなこと今更、パパの口から……でも、私は……!


    304: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 14:18:57.25 ID:O/ZaS6Bfo



    「そ、それって……?日本で一緒に暮らさないかって……こと?」

    「……お前さえよければ、私はそれでも構わない」


    キターーーーーーーー!!

    っていかんいかん危ない危ない……何テンション上げてるんだ私。
    落ち着け、落ち着いて、こういう時は素数を数えるのよ……!
    1、2、3、ダァーって!それはただの数字でしょう!!

    いや待て、これは罠か、ドッキリでは?
    カメラ何処だ!撮るんじゃない見世物じゃないぞォー!!


    305: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 14:22:18.77 ID:O/ZaS6Bfo



    「で、でも私……まだ大学だってあるし……今日だって……」

    「今お前の通っている大学を卒業してからでもいいんだ。

    まあ、お前だったらすぐに卒業することも可能だろうが、
    そんなに急がなくてもいい。

    ……お前のやりたいことが終わったらでいい、
    その後に日本へ来てくれれば――」


    「ま、待って!ちょっと待って!!……少し、考えさせて……」

    「……ああ。

    すまない紅莉栖、突然こんなことを言って混乱させて。
    やはり私は、あの男の言うように父親失格なのかもしれんな。

    ……そんな私でも、これだけは言える。


       ――愛しているよ、紅莉栖……我が娘よ」


    「あ、愛ィ!?

    ……ねぇパパ?
    さっきからパパが口にしてる、あの男って誰なの?」

    「ん?

    ……それはな――私の協力者で有り、ライバルでも有る、
    しかし私よりも遥かに未来があるだろう科学者の卵。

    名前は――」


    306: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 14:25:20.63 ID:O/ZaS6Bfo



    私は、その名前を永遠に忘れることはない。

    パパと私を引き合わせてくれた人。

    家族の絆を取り戻してくれた協力者。

    タイムマシンという人類の夢を追いかける、永遠のライバル。

    そして、

    いつかは私がお礼しないといけない、困っている時に手を差し伸べたい。

    運命の歯車を回した、世界を混沌の未来へ導いた、

    狂気のマッドサイエンティスト。


    307: ◆4soo/UO.k6 2012/12/05(水) 14:29:23.21 ID:O/ZaS6Bfo



                  ――その名は――


    #################################
    ######Steins;Gate――シュタインズ・ゲート――##########
    ############♯ 断罪のネメシス#############


    310: ◆4soo/UO.k6 2012/12/07(金) 18:41:33.13 ID:RJaifgYTo



    岡部「――……着いたぞ……」


    岡部(……とにかく話し合ってみるしかない。
       何故ああも拒むのか、理由があるはずだ)


    岡部「……いざっ!」ガチャッ!!


    紅莉栖「……」

    岡部「……クリスティーナ」


    紅莉栖「……やはり、来たわね……鳳凰院凶真」キィィ


    岡部(……なんという余裕のある態度!
       これはまさにラスボスの風格かっ!

       というかまさか、
       俺が来るまで椅子に座ってあの体勢でスタンバってたのか?)


    311: ◆4soo/UO.k6 2012/12/07(金) 18:42:25.43 ID:RJaifgYTo

    岡部「……ぬるぽ」

    紅莉栖「ガッ」


    岡部「……」

    紅莉栖「……」


    312: ◆4soo/UO.k6 2012/12/07(金) 18:44:36.34 ID:RJaifgYTo

    岡部「……話しがある……」

    紅莉栖「……私にはない。
         何度も言うけど、あなたにはDメールを使わせない」


    岡部「それは何故だ?
       ……お前だって、Dメールの実験をしたいのではないのか」

    紅莉栖「確かに、私たちはDメールの実験途中だった。
         過去が変わるか、知りたかった。

         でもね、この世界を変えたいわけじゃないのよ」


    岡部「俺だってそうだ。
       だが実際変わってしまったのだ……!俺はそれを元に――」

    紅莉栖「――戻したら、この世界が消えてしまう。世界線が切り替わる」


    岡部「切り替わるかどうかなど、やってみなければわからないだろう?

       俺がDメールを送った所で、
       この世界線が消えるわけではないかもしれんではないか!」


    313: ◆4soo/UO.k6 2012/12/07(金) 18:46:53.19 ID:RJaifgYTo

    紅莉栖「そうね、でも可能性はあるわ。

         ……このまま消えて、
         私は何もかも忘れてなかったことになる世界へ戻る可能性が。

         大体、あなたはどうなるの?
         今あなたの意識はそこにあるのに、Dメールで世界を元に戻したら、
         その意識は元の場所に戻るんでしょう?

         じゃあ、今そこにいる鳳凰院凶真の意識はいったいどうなるの」

    岡部「そ、それは……!
       俺の意識が帰った後、この世界の俺の意識が戻るとか?」


    紅莉栖「なにそれ、
         じゃあこの世界の鳳凰院凶真としての意識は、今どこにある?
         あなたは、覚えてないんでしょう?」

    岡部「……ああ、俺はこの世界線の知識も記憶も……ない。
       だからこんなに混乱しているわけで」


    紅莉栖「……あなたは、すでにこの世界の鳳凰院凶真を消しているのよ。

         自分自身の手でとは言え、一人の人間を消したの」


    314: ◆4soo/UO.k6 2012/12/07(金) 18:49:18.72 ID:RJaifgYTo

    岡部「そんなこと……もしかしたら、
       この世界線の俺は元の世界線の俺に意識が移っているかも!」

    紅莉栖「バカ言わないで。
         あなたは能動的にこの世界へやってきた、
         その結果がこの有様なのよ?

         何も知らない鳳凰院凶真が、偶然ぽんっと意識が跳んで、
         ぽんっと知らない内に帰ってくる、
         そんなファンタジックな奇跡はありえないわ」


    岡部「俺にはリーディング・シュタ」

    紅莉栖「その能力は今のあなたにしかない。
         そうじゃないと、全ての世界線の鳳凰院凶真が持ってると仮定すれば、
         可能性の分だけあなた自身が消えていくことになるわ。

         あなたは自分が消えたことある?または、それを自覚したことは?」

    岡部「……ない、が……」


    紅莉栖「そう、あなたが消えることはない。

         でも、あなたが世界線を変えた分だけ、
         その世界にいた鳳凰院凶真が消えるのよ」

    岡部「……」


    315: ◆4soo/UO.k6 2012/12/07(金) 18:51:46.07 ID:RJaifgYTo

    紅莉栖「この世界も同じ。
         あなたの言っていることが真実なら、過去を変えた分だけ、
         世界から人の意識は消えていく。
         そして別の意識を持った自分が存在するはず」

    岡部「……それも、仮定に過ぎない……」


    紅莉栖「あなた自身の存在が証明になった。
         ……過去を変えて、その意識が残るなら、
         私達だって元の世界線の記憶があるはずなのに、それがない。

         あなたが過去を変えた瞬間に、その世界の人が認識していた世界を、
         あなたは消したのよ。あなた一人を除いてね」

    岡部「そんなの、そんなの!」


    紅莉栖「じゃあ、あなたは誰なの?

         もし、元の世界線が多世界解釈として残ってるなら、
         今元のあなたはどうなっているの?
         知識も記憶もなくなって、廃人にでもなってる?
         それとも、コピー人間みたいに普通に暮らしてるとか?」

    岡部「うっ」


    316: ◆4soo/UO.k6 2012/12/07(金) 18:53:50.66 ID:RJaifgYTo

    紅莉栖「……もしくは、あなたがコピーの方だったら?
         あなたの意識を戻せば、
         その世界の本当の鳳凰院凶真はまた消えるわ」

    岡部「……俺が、消える……」


    紅莉栖「少なくとも、今私が認識している世界で、
         私の知ってる鳳凰院凶真は消えた……」

    岡部「俺が……俺を消したと……」


    紅莉栖「これ以上……消させはしない。
         その可能性も残さない。

         危険があるとわかった以上、
         Dメール以下電話レンジ(仮)は凍結処分とする。

         これが、結論」

    岡部「……」


    紅莉栖「なにか他に言いたいことは?」

    岡部「……」


    紅莉栖「ないのね?」


    317: ◆4soo/UO.k6 2012/12/07(金) 18:55:08.03 ID:RJaifgYTo

    岡部「……お前は、どうしてそんなに拒むんだ?」

    紅莉栖「……」


    岡部「全てはやってみなければわからんではないか、どうなるかなんて」

    紅莉栖「……やってからじゃ遅いのよ。
         ……もしも、消えてしまったら……」


    岡部「何をそんなに恐れているんだ?」

    紅莉栖「……」


    岡部「……俺は、元の世界線に戻したい……」

    紅莉栖「……」


    318: ◆4soo/UO.k6 2012/12/07(金) 18:56:46.23 ID:RJaifgYTo

    岡部「俺のせいでめちゃくちゃになった世界線を、
       ラボメンの関係を、元に戻してやりたい……」

    紅莉栖「……それは……あなたから見て……でしょ」


    岡部「そうだ、俺は俺の責任を持って世界線を元に戻したいのだ」

    紅莉栖「……」


    岡部「いつか、言われたよ。
       ……過去を変えたら、その責任はどう取るのかと」

    紅莉栖「……」


    岡部「俺は……過去を変えてしまった。
       過去を変え、大事なモノさえ壊してしまった。

       その責任を取るためにも、元の世界線に戻さなければならない。
       何を犠牲にしようとも」

    紅莉栖「……」


    319: ◆4soo/UO.k6 2012/12/07(金) 18:58:20.47 ID:RJaifgYTo

    岡部「例えこの世界が消えようと、
       俺が消してしまったラボメンの絆を元に戻すために」

    紅莉栖「……そんな独善、許されると思っているの?」


    岡部「フッ、独善か……良い響きだ!

       何故ならば俺は、
       世界を混沌に導く狂気のマッドサイエンティスト、鳳凰院凶真!」

    紅莉栖「……」


    岡部「消えてしまった大事なモノを守るためならば、
       世界ですら敵に回してやる!フゥーハハハ!!」

    紅莉栖「……」


    320: ◆4soo/UO.k6 2012/12/07(金) 18:59:53.17 ID:RJaifgYTo

    岡部「……どぁが、お前がこの世界線を消されたくないというのならば、
       理由ぐらいは話してもらおうか?
       ……そうしたら、考えなくもない」

    紅莉栖「……え」


    岡部「……訳を言え……」

    紅莉栖「……逆に聞くけど、そんなに元の世界線に戻りたいの?」


    岡部「愚問だな。

       ……確かにこっちの方が何かと良いこともあるかもしれないが、
       これは俺の望んだ混沌じゃない」

    紅莉栖「……」


    岡部「ラボメンを失ってまで手に入れたかったモノじゃないんだ……」


    321: ◆4soo/UO.k6 2012/12/07(金) 19:01:56.40 ID:RJaifgYTo

    紅莉栖「……ここにだってラボメンはいるわ。
         ……あなたが望むなら、あなたも」

    岡部「それじゃ駄目なんだ!

       ……それに、ここには人質も助手もいない……」


    紅莉栖「……助手なら……」

    岡部「俺の助手はただ一人、

       天才で傲慢でヘン夕イでセレブな上にゾンビでもあるねらーっ子、
       自分に自信があって、自分の過去の失敗も悔やまない、
       憧れすら抱くほどの科学者……牧瀬紅莉栖だけだ」


    紅莉栖「……」

    岡部「俺は、まだ奴に謝ってもいない……!
       まだやり残したことが沢山あるんだ」


    紅莉栖「……そんなの……」

    岡部「ここではそれが出来ない、それが俺の帰りたい理由だ」


    322: ◆4soo/UO.k6 2012/12/07(金) 19:03:32.58 ID:RJaifgYTo

    紅莉栖「じゃあ、この世界は消えてもいいと言うの?」

    岡部「消えるかどうかなどわからん!世界線は――」


    紅莉栖「世界線がどうかなんてどうでもいい!
         今よ、今私が見ているこの世界を消されたくないの!!」

    岡部「……お前……」


    紅莉栖「だって……もしも、もしも消えてしまったら……!
         パパとの想い出も消されちゃう……」

    岡部「……パ、パパぁ?」


    紅莉栖「鳳凰院凶真が、今の鳳凰院凶真じゃない過去に変えられたら、
         あなたが芸能人でもなんでもなくなったら、
         パパとの接点が消えちゃうかもしれない……!

         そしたら、私は、きっと……」


    323: ◆4soo/UO.k6 2012/12/07(金) 19:05:35.31 ID:RJaifgYTo

    岡部「……俺は、お前の父親と知り合いなのか?」

    紅莉栖「あなたがっ!あなたが引き合わせてくれたの!!
         何年も離れていた家族の絆を、いとも簡単に……」


    岡部「なっ……俺が!?
       じゃあ、お前は過去に俺に会っているのか?」

    紅莉栖「……ううん、一度だけ電話越しに喋ったことがあるだけ。

         あなたのことを知ったのは、
         テレビやネットを見てからのことよ……」

    岡部「……あー……」


    紅莉栖「……見ず知らずの家族の関係に、
         勝手に首突っ込んで、勝手に行動した。

         でも、私はそれで救われたのよ……!!」

    岡部「……」


    紅莉栖「お礼をずっと言いたかった!
         それなのに、こんなの……あんまりよ……」


    324: ◆4soo/UO.k6 2012/12/07(金) 19:07:08.35 ID:RJaifgYTo

    岡部「……お前、父親と仲が悪かったのか?」

    紅莉栖「悪いなんてもんじゃなかった!
         口も聞いてくれないし、存在も否定されてた!!
         過去に戻って、お前をなかったことにしてやるって……」


    岡部「な、なん……と……」

    紅莉栖「辛かった、苦しかった……!
         でも私には研究があったから、
         なんとか誤魔化していたけれど……でも……」

    岡部「……」


    紅莉栖「……元の世界線のあなたは芸能人じゃないんでしょ?
         私のパパ、牧瀬章一のことも知らないはず」

    岡部「……」


    325: ◆4soo/UO.k6 2012/12/07(金) 19:09:07.17 ID:RJaifgYTo

    紅莉栖「パパとあなたが出会って無ければ、
         私達の家族にかかわることもなくなる。

         そして私は、
         今もアメリカで研究者として過ごしているんでしょうね、違う?」

    岡部「……お前は違うというのか?」


    紅莉栖「私は、アメリカの大学を卒業と同時に日本に来た。
         パパの計らいで留学生としてね。
         それで、色々あってラボをここに作ったの……」

    岡部「い、色々?」


    紅莉栖「い、色々は色々よ、そこにツッコむな!

         ……そのうちに、まゆりに会って、用心棒として雇って、
         橋田や阿万音さんに会い、
         漆原さんとも知り合っていった……」

    岡部「……なるほど……」


    紅莉栖「それで電話レンジが偶然出来て……Dメールに気づいて……」


    岡部(そこから先は、俺たちと同じか……)


    紅莉栖「そしたらあなたが来て……この世界は間違いだって……!」

    岡部「……」


    326: ◆4soo/UO.k6 2012/12/07(金) 19:11:07.31 ID:RJaifgYTo

    紅莉栖「……あなたは消すの?

         私達の想い出も、
         パパと私の関係も、
         この世界で起こったこと全部!

         “なかったこと”に……しちゃうの?

         そんなの……そんなの……っ」

    岡部「お……俺は……」


    紅莉栖「そんなの……嫌よ……嫌ぁ……」

    岡部「……」


    岡部(……これは……俺の罰なのか……)


    岡部「……俺が……過去を変えたから……?
       俺自身を変えたから……」

    紅莉栖「そう……全部あなたのせい……!
         でも……あなたの、おかげなの……」


    岡部「こんなの……俺は……っ!」


    ――――――――――――――――――
    ―――――――――――
    ―――――――


    327: ◆4soo/UO.k6 2012/12/07(金) 19:12:30.52 ID:RJaifgYTo



    紅莉栖「……」

    岡部「……」


    紅莉栖「……いつまで……そうしているつもり……?」

    岡部「……そんなこと、俺にもわからん」


    紅莉栖「……もう、タイムリミットよ……」

    岡部「あ……」


    紅莉栖「多分、今日はもう……Dメールは送れないわ」


    328: ◆4soo/UO.k6 2012/12/07(金) 19:13:36.10 ID:RJaifgYTo

    岡部(そう、Dメールを送れる時間は、
       電話レンジ(仮)が起動する時間は限られている)


    岡部「……そんなこと言われなくてもわかっている」

    紅莉栖「……あっそ……」


    岡部「……」

    紅莉栖「……」


    岡部「……うぅー……くそっ!」

    紅莉栖「……あっ!コラッ人ん家の冷蔵庫を勝手に開けてっ!?」


    岡部「やはりあったか、知的飲料水!一本貰うぞ」

    紅莉栖「……もう……」


    329: ◆4soo/UO.k6 2012/12/07(金) 19:14:49.73 ID:RJaifgYTo

    岡部「……んくっんくっんくっ……プハァッ!頭を使った時はドクぺに限る」

    紅莉栖「……あなたもドクぺ、好きなのね……」


    岡部「当たり前だ、科学者なら当然だろう?」

    紅莉栖「ええ、この怪しげな風味が醸し出す、
         何とも言えない独特な甘みが脳を蝕んでいく感じが、
         実に狂気を表しているわ」


    岡部「ほう、流石はクリスティーナ。
       世界線を越えても話しがわかるではないか」

    紅莉栖「フッ、世界の境界線など関係ない。
         これは世界が求める真理――」


    330: ◆4soo/UO.k6 2012/12/07(金) 19:16:32.05 ID:RJaifgYTo

    岡部「――運命石の扉の」

               紅莉栖「選択――」


    岡部「エル・」

       紅莉栖「プサイ・」

        岡部・紅莉栖「「コングルゥ!

                 ――フゥーハハハ!!」」


    岡部「……」

    紅莉栖「……」


    331: ◆4soo/UO.k6 2012/12/07(金) 19:19:06.04 ID:RJaifgYTo

    岡部「なあ、クリスティーナ……?

       ――お前、恥ずかしくないのか」

    紅莉栖「なっ!?

         だだだ誰がはじゅかしいことなんてあるか!
         言いがかりもいい加減にしろ!!」


    岡部「……いや、だって……なら何故、俺の真似をする?
       その言動はどう見ても」

    紅莉栖「真似とかそんなことしてないし!
         これはジャパニーズ文化の極みだし!
         鳳凰院凶真は一切関係ないから!関係ないから!!」


    岡部「……ああ、うん……お前がそう言うのならそうなのだろう……」

    紅莉栖「そそそそうよ!

         私はクリスティーナ……クリスティーナ・ザ・フェニックス。
         狂気のマッドサイエンティストは私一人でいいの!

         ……フフフ、お前こそ私の狂気に触れて飲まれているのだろう?
         もう一人の鳳凰院凶真」

    岡部「お前の中ではな」


    332: ◆4soo/UO.k6 2012/12/07(金) 19:21:24.40 ID:RJaifgYTo

    紅莉栖「わぁたしが、覚醒をしたのはこの日本に来てすぐのことだが!
         溢れ出るこの才能が、このラボを作り上げたのだ!!
         お前には真似できまい?」

    岡部「笑止、溢れ出る才能でラボを作り上げたのはこの俺だ!
       お前こそ、俺の真似をしたに過ぎん。
       いわば劣化、劣化ラボだ!!」


    紅莉栖「なんですって!?誰が劣化レプリカよ!訂正しなさい!!」

    岡部「このラボはワシが育てた」


    紅莉栖「ぐぎぎ!

         なら、このラボにある未来ガジェットを見なさい。
         見てからそういうことを言う事ね!
         あんたのラボとは違うという所を見せてやる」

    岡部「ほぉう、大きく出たではないくぁ~?
       ならば、見せてみるがいい。

       どうせ、我がラボのパクリだらけだろうがなぁ!!」


    333: ◆4soo/UO.k6 2012/12/07(金) 19:23:07.17 ID:RJaifgYTo

    紅莉栖「なら、これはどう?

         ――未来ガジェット二号・タケコプカメラー!」

    岡部「……なんだ、ネーミングも同じとは、ガッカリだな……」


    紅莉栖「な、なんだと?
         ……このガジェット、あなたも作ったの?」

    岡部「ああ、作ったぞ?

       ……どうせそれも、
       カメラが支柱ごと回転してろくな映像が取れないんだろ?
       所詮はガラクタだなぁ」




    紅莉栖「……は?何言ってるの、そんなわけないでしょ」

    岡部「ゑ?」


    334: ◆4soo/UO.k6 2012/12/07(金) 19:24:59.59 ID:RJaifgYTo

    紅莉栖「その問題は、カメラの一部を内部に固定することで回避してるわ。
         手軽に空中撮影出来るってコンセプトの未来ガジェットなんだけど――」

    岡部「……そそそうかやはり我がラボと同じということか!
       まったく同じだなぁ!!
       まぁ、同じ物として評価してやらんでもないぞぉ」


    紅莉栖「……?

         ――じゃあ、これは?
         未来ガジェット三号・もしかしてオラオラですかーッ!?」

    岡部「んんっ!それも同じだ。人体からの汗で」


    紅莉栖「汗?

         ……まあ、汗はかくでしょうけど、まずこれを頭につけて」

    岡部「次はないのくぁー!?次、次!!」


    335: ◆4soo/UO.k6 2012/12/07(金) 19:27:56.42 ID:RJaifgYTo

    紅莉栖「……じゃあ、とばして未来ガジェット六号・サイリウムセイバー」

    岡部「(それなら)フゥーハハ、血糊が中に仕込んであって、
       スパークウォーズごっこが出来るのだろう?
       血糊も飛んでリアルだろうと、それくらい御見通しだ!!」


    紅莉栖「何言ってるの?

         これは所謂防犯グッズで、ごっこ遊びなんかには使わないわよ。
         このボタンを押すと電流が流れるんだけど、
         電流が流れたと同時に血糊が相手に付着するようになってて、
         あたかも相手に怪我をしたとビビらせる――」

    岡部「でで電流!?それじゃ凶器ではないかっ!」


    紅莉栖「狂気のマッドサイエンティストならぬ凶器のマッドサイエンティスト、
         なんてね?

         ま、二本あるから、ボタン押して電流流しながら打ち合えば、
         スパークウォーズごっこも可能かもね」

    岡部「」アー


    336: ◆4soo/UO.k6 2012/12/07(金) 19:29:16.79 ID:RJaifgYTo

    紅莉栖「……なんか、大分食い違ってない?」

    岡部「そぉぉんなことないぞ!?
       いやぁ、あまりにも同じだからビックリしてただけというか」


    紅莉栖「……それじゃあ……十号機から先まで何番のガジェットが見たい?」

    岡部「じゅっ!?……一体いくつまであるのだ?」


    紅莉栖「さあ?
         テキトーに作ったのもあるから、
         まだ名前もついてないのまで、いっぱいあるのよねぇ……」

    岡部「……そ、そうかそうか、それは何より……」


    紅莉栖「……」

    岡部「……」


    337: ◆4soo/UO.k6 2012/12/07(金) 19:31:38.30 ID:RJaifgYTo

    紅莉栖「……もしかして、同じじゃないの?むしろ、そっちのが劣化品なんじゃ」

    岡部「ブゥアーッカモン!
       我がラボの未来ガジェットは至高にして究極!!
       こんなチンケなガジェットと一緒にされては困るぞ、実に困る」


    紅莉栖「ふーん……?
         なら、口頭で説明して貰える?
         その至高だか究極だかっていうガジェット」

    岡部「むん!?
       ……それは、言えんな……?」


    紅莉栖「は?

         チンケとかバカにしたんだから、
         よっぽど凄いガジェットがあるんでしょ?

         いいから教えなさいよ!」


    岡部「いやいや、それはラボメンだけの企業秘密で」

    紅莉栖「私はどっちの世界線でもラボメンでしょ?
         聞く権利があるわ」


    338: ◆4soo/UO.k6 2012/12/07(金) 19:33:13.31 ID:RJaifgYTo

    岡部「それは……!

       ――……あ、あ、あ、IQTマシン……」

    紅莉栖「……それって、ここであなたが作ったっていう携帯ゲームでしょ?
         よく知らないけど、今となってはあんなのただの玩具じゃない」


    岡部「ち、違うぞぉ?脳から思考パターンを読み取って数値にだなぁ」

    紅莉栖「なにそれ、ちょっと原理を説明してみて?わかりやすくね」

    岡部「ぐっ!?」


    岡部(そもそも全ての元凶な上、俺はどっちの性能も知らん……)


    岡部「えっと……その……?」

    紅莉栖「……言えない、のね?」


    岡部「……そんなことは……ないあるよ?」

    紅莉栖「……ククク……」


    339: ◆4soo/UO.k6 2012/12/07(金) 19:35:06.66 ID:RJaifgYTo

    岡部「な、何を笑う……?」

    紅莉栖「……墓穴を掘ったな、鳳凰院凶真」

    岡部「!?」


    紅莉栖「これで、どちらが優れた研究所かハッキリしただろう!?
         やっぱり私の作ったラボこそが、最強!
         よく覚えておきなさい、ラボレッカー!!」

    岡部「ふ、ふざけるなぁ!これは罠だ!俺を陥れるための罠だ!!」

    紅莉栖「もはや何を言っても遅い!真実はいつも一つなのだぁー!!」


    岡部「おのれぇ!クリスティーナ……クリスティーナ・ザ・フェニックス!
       その名は覚えたぞ、必ず復讐してやるからなぁ!!」

    紅莉栖「フゥーハハハ!無駄無駄無駄ァ!!
         貴様には何も出来んのだフワーハハハ!」


    340: ◆4soo/UO.k6 2012/12/07(金) 19:36:32.37 ID:RJaifgYTo

    岡部「フンッ笑い方がなってないな?

       背筋はこうッ!
       そして手はここッ!

       この体勢で――フゥーハハハ!」

    紅莉栖「な、なにぃ?

         ――フゥーハハハ!」


    岡部「フゥーハハハ!!」


    紅莉栖「ハハハハハハ……ハハハ……」

    岡部「ハーハハハ……ハハ……はぁ……」


    紅莉栖「……」

    岡部「……」


    341: ◆4soo/UO.k6 2012/12/07(金) 19:37:40.83 ID:RJaifgYTo

    紅莉栖「……ね、ねぇ?」

    岡部「……なんだ?」


    紅莉栖「そっちにも……ラボ、あるのよね?」

    岡部「……ああ」


    紅莉栖「……どんな感じなの?」

    岡部「ん?」


    紅莉栖「ラボの、雰囲気っていうか……?
         空気、みたいな……」

    岡部「……」


    342: ◆4soo/UO.k6 2012/12/07(金) 19:38:33.00 ID:RJaifgYTo

    紅莉栖「……私も、ラボメン……なのよね?」

    岡部「……お前は、ラボメンナンバー004だった……」


    紅莉栖「ふ、ふーん?……どんな、感じだったの……」

    岡部「……知りたいのか?」


    紅莉栖「……」

    岡部「そうだな……お前は――いや、元の世界線のお前達は」


    343: ◆4soo/UO.k6 2012/12/07(金) 19:40:38.57 ID:RJaifgYTo



    ――トゥットゥルー♪ねぇねぇ、オカリンのバナナも食べていいかなぁ?


                ――うおおお、工口展開ktkr!!
                   まゆ氏まゆ氏、今度は僕のバナナで!


    ――やめろHENTAI!岡部も、何を言わせてるんだ!!


                ――……バナナ……私も……。


    ――岡部さ……じゃない、凶真さん!
       ボクもその、バナナ食べたい……ですぅ。


                ――ニャニャッ!?
                   これは濃厚なオカルカの匂いがするニャア……。


    ――オカルカ?なにそれ匂いって、食べられるの?教えて!


                ――バカを言ってるな!
                   いいから実験の準備を始めろぉ!!


    344: ◆4soo/UO.k6 2012/12/07(金) 19:43:00.51 ID:RJaifgYTo



    変な奴ばかりだけど、俺にとっては大事な……――


       ――大切な仲間達だよ。


    Steins;Gate――シュタインズ・ゲート――
               断罪のネメシス


    352: ◆4soo/UO.k6 2012/12/09(日) 11:44:29.22 ID:l/ug96ZFo

    ‐‐--―――――――――――――--‐‐
      ‐‐--―――――――――--‐‐
         ‐‐--―――――--‐‐


    紅莉栖「さぁ、IQテストしましょうか?」岡部「え?」


         ‐‐--―――――--‐‐
      ‐‐--―――――――――--‐‐
    ‐‐--―――――――――――――--‐‐


    353: ◆4soo/UO.k6 2012/12/09(日) 11:47:05.20 ID:l/ug96ZFo

    岡部「――……というようなことがあって、俺はDメールを送ったのだ……」

    紅莉栖「……何それバッカじゃないの?呆れて言葉も出んわ……」


    岡部「出てるではないかっ!
       仕方がないだろう、こんなことになるなんて思わなかったんだ……」

    紅莉栖「だって、知能がどうとか、そんな理由で過去を変えるとか……」


    岡部「そんなとはなんだ!俺にとっては重要な事だったんだ!!」

    紅莉栖「……逆に言えば、そんな大した理由でもないのに、
         世界の全てを変えることが出来るなんて、
         Dメール……恐ろしい子」

                 エフェクト
    岡部「……バタフライ効果、元の紅莉栖はそれを気にしていた。
       正にこういうことかと実感したよ……」


    354: ◆4soo/UO.k6 2012/12/09(日) 11:50:45.32 ID:l/ug96ZFo

    紅莉栖「蝶の羽ばたきでなんとやら、ね?
         ……それで、元に戻すなら再びDメールを送って」

    岡部「過去の俺に、あの“Dメールの内容を信じるな”!

       ……と言うようなのを送れば、
       俺が変な行動を取ることもなくなるのではないか?っとな……」


    紅莉栖「自分を変える、か。
         ……もっと、慎重になるべきだったのよ。

         過去を変えるってことは、
         その時点の自分の未来も変わる可能性があるんだから。

         私達の現在が書き換わってもおかしくない、
         まったく別の自分が存在している可能性だってある。

         あなたは、迂闊な行動を取るべきじゃなかった」


    岡部「……ついカッとなってやった、今は反省している」

    紅莉栖「……はぁ、
         こんな人が私の恩人だなんて……いや、違う鳳凰院だけど……」


    355: ◆4soo/UO.k6 2012/12/09(日) 11:53:44.28 ID:l/ug96ZFo

    岡部「……お、お前が悪いんだぞ!

       たかがラーメン如きで俺を追い詰め、
       揚句俺を奴隷にしようなどと、頭がどうかしているとしか思えん!!」

    紅莉栖「妄想乙。
         ……頭がどうかしてるのはそっちでしょ?

         大体、あなたそのリーディング・シュタイナーの効果で、
         元の世界線の知識と記憶を持ち続けるんだから、
         別の鳳凰院凶真になろうとしても意味ないじゃない」

    岡部「ぬぅっ!?……Exactly(その通りでございます)」


    紅莉栖「もっと考えて行動しなさいよ。
         そんなんだから、私に論破されちゃうんでしょ?
         IQテストだって、もっとよく考えれば――」

    岡部「はいはい、どーもすみませんでしたっ!

       ……なんで世界線を越えてまで、
       クリスティーナに説教されねばならんのだ……!
       この粘着ねらーめ……」

    紅莉栖「誰が粘着だ!謝れ、全ての世界線の私に謝れ!!
         ……まったく、これだからアホと会話するのは……」


    356: ◆4soo/UO.k6 2012/12/09(日) 11:56:38.61 ID:l/ug96ZFo

    岡部「なんとでも言うがいい!
       ……とにかく、俺が反省しなければならないのは事実だからな……」

    紅莉栖「うっ……うん……。

         ――でも、羨ましいな……元の世界線の私……」


    岡部「は、羨ましいだと?
       ……そんなに俺を論破するのが羨ましいのか(震え声)」

    紅莉栖「ち、違う!
         ……だって、四六時中あなたと一緒だなんて……ワタシノユメダッタノニ」


    岡部「何?聞こえんぞ」

    紅莉栖「ッ!!

         うるさい、うるさいっ!あなたには関係ないでしょ!

         ただちょっと、そんな一緒にいるんだから、
         少しは優しくしてあげればいいのにとか、
         私だったらそんなことしないのにとか、

         そんなこと全然考えてないんだからなっ!?」

    岡部「……」


    357: ◆4soo/UO.k6 2012/12/09(日) 11:58:45.97 ID:l/ug96ZFo

    紅莉栖「な、何!?なな何見てるのよ、セクハラで訴えるぞ!
         ――もしくは、この右腕に宿る悪霊がお前を」

    岡部「い、いや……随分こっちのお前はしおらしいのだな、と。
       世界線が変われば、人間こうも変わるのだなと、
       驚いているというか……」


    紅莉栖「別に、私自身があなたに優しくしたいとか、慰めてあげるとか、
         そんな気持ちじゃないんだから、勘違いしないでよね!?

         ただ、今の私はあなたに、鳳凰院凶真に借りがあるから……」

    岡部「……借りって、俺がしたことはそんなに大きいことだったのか?
       お前と父親の関係がどうとか」


    358: ◆4soo/UO.k6 2012/12/09(日) 12:00:38.38 ID:l/ug96ZFo

    紅莉栖「……そうよ、私にとっては救いだった。
         あなたが救世主のようにも思えた、その頃はね。

         ……それまでの私とパ……父親の関係は最悪だったんだもの……」


    岡部(むしろ父親との関係をそんなに気にするとは、もしやこいつ重度のファザ)


    紅莉栖「おい、今なんか失礼なこと考えてなかったか?
         ……いい?私と父親の関係はね――」



    ――満足か?その歳で私の論文をことごとく論破して満足なのか!?


                           ――パ、パパ?聞いて、私……!


    ――黙れ!私は絶対にタイムマシンを完成させてやるぞ!
       そして、過去に戻ってお前の存在もなかったことにしてやる!!


    359: ◆4soo/UO.k6 2012/12/09(日) 12:02:30.36 ID:l/ug96ZFo



    紅莉栖「――……パパの論文を論破して否定したあの時から、
         私の家族の絆も壊れていった。
         私のせいで、私は責任を感じて……気が付いたら海外にいた」

    岡部「……」


    紅莉栖「私は自分が間違ったことをしたつもりはなかったけど、
         それでもやっぱりショックだった。
         パパもママも、このまま家族が無くなって、
         私の居場所も消えちゃうんじゃないかって」

    岡部「クリスティーナ……」


    紅莉栖「もちろん、ずっとそんなこと考えてたわけじゃないわよ?

         海外留学した初めの頃は忙しかったし、
         あの頃は目に映る物全てが珍しくて、
         私は研究にやっきになってた」

    岡部「……」


    360: ◆4soo/UO.k6 2012/12/09(日) 12:04:21.56 ID:l/ug96ZFo

    紅莉栖「でも、全部終わって一人になると、どうしても考えちゃってた。

         どうして、もっと私は慎重に言葉を選ばなかったのか、
         迂闊な行動だったんじゃないかって。

         ……これは、私の罰なのかな……なんて」

    岡部「……」


    紅莉栖「そしたら、突然変な電話が来たと思えば日本にいたでござるの巻」

    岡部「っておい、なんだそれは一気に端折ったな!」


    紅莉栖「も、もういいでしょ!

         とにかく、その電話くれたのがあなたで、
         日本に来たらパパがいて、
         仲直りできましたっていう、単純な話よ!」

    岡部「なんという省略、一番大事な所ではないか……」


    361: ◆4soo/UO.k6 2012/12/09(日) 12:06:13.84 ID:l/ug96ZFo

    紅莉栖「いいの!

         ……たったそれだけのことだけど、
         私にとっては永遠に忘れることのない出来事だった。
         鳳凰院凶真が、私のことを救ってくれた……かけがえのない想い出」

    岡部「……それで、神とも言える俺を崇拝して、
       そんな厨二染みた言動を取り出した、と?」


    紅莉栖「そうそう憧れの存在になりきることで――って、

         そんなわけあるか、そんなわけあるか!
         大事な事だから二回言いました!!
         勝手な想像しないでっ」

    岡部「……うむ、大体事情はわかったぞ。

       ……だからそんなに、世界線というより、
       この世界に拘っていたということか」


    362: ◆4soo/UO.k6 2012/12/09(日) 12:08:11.28 ID:l/ug96ZFo

    紅莉栖「最初からそう言ってる。

         ……あの電話がなかったら、私は今も父親と断絶したまま、
         一人じゃ行動も出来ないで、アメリカでもんもんとしてたでしょうね。

         それが、元の世界線だなんて……そんなの……」

    岡部「う……」

    紅莉栖「……」


    岡部「……そ、そうだな……確かにお前は日本に居座ることはないだろう」

    紅莉栖「……そうよ、
         私だってそういう理由がなかったら日本になんてこなかったわ」


    岡部(では元の世界線で、お前が秋葉原に来たのは……?)


    岡部「……元の世界線のお前も、すぐにアメリカへ帰ると言っていた。
       つまり、そういうことなんだろうなぁ……」

    紅莉栖「……っ……」

    岡部「……」


    363: ◆4soo/UO.k6 2012/12/09(日) 12:09:38.28 ID:l/ug96ZFo

    紅莉栖「……もしも、またパパに嫌われたら、私は耐えられない……」

    岡部「……」


    紅莉栖「せっかくここまで来たのに、全部なかったことになるなんて、

         それに」

    岡部「……」


    紅莉栖「私は、忘れたくない……忘れたくないよ……」

    岡部「……」

    紅莉栖「……っ……っっ……」




    岡部「――よし、決めたぞ!!」

    紅莉栖「……?」


    364: ◆4soo/UO.k6 2012/12/09(日) 12:10:19.44 ID:l/ug96ZFo

    岡部「俺は……Dメールを……」

    紅莉栖「Dメールを……?」


    365: ◆4soo/UO.k6 2012/12/09(日) 12:10:57.99 ID:l/ug96ZFo




    岡部「……送るッッッ!!」




    366: ◆4soo/UO.k6 2012/12/09(日) 12:12:30.62 ID:l/ug96ZFo

    紅莉栖「……そんな……」



    岡部「――送る、送るが、
       今回まだその時と場所の指定まではしていない。

       そのことを、どうか助手も思い出していただきたい。

       つまり、俺がその気になれば、
       Dメールを送るのは10年後、20年後ということも可能だろう、
       ということ!」

    紅莉栖「」


    367: ◆4soo/UO.k6 2012/12/09(日) 12:15:23.94 ID:l/ug96ZFo

           シュタインズ・ゲート
    岡部「これぞ運命石の扉の選択だ!」

    紅莉栖「な、それって……つまり、どういうことなの?」


    岡部「……世界線が変わっても、
       この世界が多世界として残るかわかるまでは、
       俺は――Dメールを送らない」

    紅莉栖「……で、でも……いいの?」

    岡部「決めたのだ!科学者に二言はない!!」


    紅莉栖「……リーディング・シュタイナーは時を越える能力はないんでしょ?

         時間がたてばたつほど、
         あなたは元の世界線からも置いていかれるのよ。
         それでも、いいの?」

    岡部「そんなことを言っても、どうしようもないだろう?
       ……お前は、世界が消えてしまう可能性のある限り、
       嫌なんだろ?」

    紅莉栖「そうだけど……」


    368: ◆4soo/UO.k6 2012/12/09(日) 12:17:48.01 ID:l/ug96ZFo

    岡部「なら、今はまだ送らない!俺は送らないと決めた!!

       ……Dメールがこの世界を消すかどうかわかるまで、
       現状維持させるしか方法はない……のだ」


    紅莉栖「どうして……帰りたいんでしょ?
         元の世界線の方がいいんでしょ?

         なら、あなたは」

    岡部「帰りたいさ!元の世界線の方がいい!!

       ……だが、だからと言って、
       この世界線のラボメンを傷つけてまで帰りたいとは、
       思わないだけだ……」


    紅莉栖「あなたにとっては私達なんてっ……!」

    岡部「ラボメンだ、ラボメンなんだろう?
       ……俺にとっては、どの世界線のラボメンかどうかなんて、
       そんなことはどうでもいいことだったのだ。
       それを、忘れていた。

       ラボメンか、そうじゃないか、二つに一つ、俺の大切な仲間達だ」

    紅莉栖「え、え、え?」


    369: ◆4soo/UO.k6 2012/12/09(日) 12:19:22.38 ID:l/ug96ZFo

    岡部「俺は、“まだ”送らない。
       ……時間は、いくらでもある。そうだろう?」

    紅莉栖「う、うん……。

         でも、でも!いいの?
         この世界であなたは独りきり、それでもいいの!?」


    岡部「独りではない。
       ……お前達はラボメンなのだろう?

       なら、ここにはお前達がいる、お前がいる」

    紅莉栖「!!」


    岡部「ラボメンは俺の仲間だ!
       それは、どんな世界線に置いても変わらない!!

       いくら変な奴らがさらに変になろうと、絶対唯一の真理なのだ」

    紅莉栖「……」


    370: ◆4soo/UO.k6 2012/12/09(日) 12:20:20.85 ID:l/ug96ZFo



    岡部「……安心しろ、もう泣くな。

       ――俺は、お前を見捨てたりはしない」

    紅莉栖「っ!?」


    371: ◆4soo/UO.k6 2012/12/09(日) 12:22:16.43 ID:l/ug96ZFo

    岡部「……そうと決まれば、とりあえず、
       俺はこの世界線の知識を得なくてはな……」

    紅莉栖「……鳳凰院……凶真……」


    岡部「ええと、俺は有名人……芸能人?
       バラエティーがどうとうとか、科学者でもあるんだっけか?
       芸名が鳳凰院凶真で……サインはええっと」

    紅莉栖「私は……私……」


    岡部「あ、そういえば……今日俺はどこに泊まれば?
       今度こそ実家に帰るか……というか、俺の実家はあるよな?
       そんな所まで変わってしまうわけは……」

    紅莉栖「……あの、終電……」


    岡部「何、終電?

       ――なんだと?もうこんな時間だと!?
       ……少し長く喋り過ぎたか……」

    紅莉栖「……」


    372: ◆4soo/UO.k6 2012/12/09(日) 12:23:53.27 ID:l/ug96ZFo

    岡部「――というか、お前こそ何故まだここにいる?
       家に、ホテルか?帰らないでいいのか」

    紅莉栖「……帰るって……ここが私の家よ……」


    岡部「あ、なぁるほど、ここが家なら帰る必要も……家ぇッ!?」

    紅莉栖「……何よ、悪い?」


    岡部「……よくこんな暑苦しい所に暮らせるな……」

    紅莉栖「しょ、しょうがないでしょー!お金、あんまりないんだから……!

         ママの反対も押し切っちゃったし、パパもそんなに……」


    岡部「……ならラボに泊まるのも無理か……」

    紅莉栖「え……」


    373: ◆4soo/UO.k6 2012/12/09(日) 12:25:18.94 ID:l/ug96ZFo

    岡部「くっ、こんな所でもう躓くとは……!
       どこかビジネスホテル、いや、ネットカフェにでも行くか……?
       もう流石に外を歩いて騒ぎにはならないだろう……」

    紅莉栖「……あ……その……っ!」


    岡部「どうやらこの世界線の俺、金はあるみたいだな。
       まさか俺がセレブになる日がこようとは……」

    紅莉栖「い、行くとこないなら……ラボ……トマッテッテモ」


    岡部「ん?

       何をブツブツ言っているクリスティーナ。
       わかっている、すぐに出て行くから安心し――」


    374: ◆4soo/UO.k6 2012/12/09(日) 12:26:19.33 ID:l/ug96ZFo



    紅莉栖「――ラボッ!泊まっていけばいいんじゃないの!?」

    岡部「……お?」


    Steins;Gate――シュタインズ・ゲート――
               断罪のネメシス


    380: ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 19:09:04.61 ID:+fAkwWZqo

    紅莉栖「――……ラボ……泊まっても……その……」


    岡部「……いやぁお前、ラボって」

    紅莉栖「うん……」


    岡部「だって、ここは家なんだろ?お前の」

    紅莉栖「……」


    岡部「となると、俺がここに泊まるとするだろ?」

    紅莉栖「……うん」


    381: ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 19:10:39.04 ID:+fAkwWZqo

    岡部「それってつまり、なんだぁその、あれだぁ」

    紅莉栖「……あれって」

    岡部「ふ、二人っきりに……つまり」


    紅莉栖「……ッ!?

         ――いいい今何を想像した!!」

    岡部「そそそ想像など」


    紅莉栖「へ、HENTAI!やめて、来ないで近づかないで!!
         乱暴する気でしょう工口同人みたいに!?」

    岡部「ばばばばばバカ者!お前こそ何を考えているこの妄想少女め!!」


    382: ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 19:13:29.29 ID:+fAkwWZqo

    紅莉栖「とと、泊まっていけばって言ったのは!

         ……えっと、話し……!

         そう、もっと世界線のことが知りたかったからよ!?
         勘違いしないでっ!」

    岡部「誰が何を勘違いするというのだ!?
       お前こそ勘違いをするんじゃあないっ!」

    紅莉栖「うるさいっ!大きな声出さないでよ!!
         今何時だと思ってる!?」

    岡部「そんなのお前、
       おおお前こそデカい声をだしているではないくぁー!」


    紅莉栖「うっ……もういい、わかったわ。

         とにかく、
         もう少し話しを聞いてみたいな、って思っただけよ。
         それ以上でもそれ以下でもないんで、追及はしないこと!
         いいわね?」

    岡部「……誰も追及するなど言ってない……。
       それで、話しを聞きたいとは?何を話せばいいんだ」


    383: ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 19:15:07.79 ID:+fAkwWZqo

    紅莉栖「え!?それは、その、だから……ラボのこととか……?」

    岡部「それはもう話したではないかぁ?これ以上何を話せと」


    紅莉栖「も、もっと!詳しく!詳細を!!」

    岡部「えぇ……?」


    紅莉栖「知りたいのよ……。
         元の世界線のこと、私のこと……あなたのことも……」

    岡部「……あまり、俺は口が上手くないぞ?」


    紅莉栖「いいから、聞かせて。
         それがこのラボに泊まる、等価交換の対価よ」

    岡部「そうだな……じゃあ――」


    384: ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 19:16:24.04 ID:+fAkwWZqo



    俺は、これまでのことを話す。

    ラボを作ったこと、人質が現れたこと、仲間が増えたこと。
    牧瀬紅莉栖を巡る、不思議な現象に遭遇したこと。
    電話レンジ(仮)、Dメール、ジョン・タイター。
    そして、陰謀渦巻く世界の闇へ迫ったことも……。

    時間も忘れて、暗いラボに二人っきり。
    俺は、これで良かったんだろうか?

    いくら考えた所で、選択するのはいつも突然なのだ。
    慎重に、迂闊なことを、そんな風に考えるのは結局過去の出来事だ。

    ただ、今はこのクリスティーナの傷つく姿は見たくないと思った。
    そこに、迷いはない。


    385: ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 19:18:03.07 ID:+fAkwWZqo



    俺の、絶対にこいつにだけは知られてはならないが!

    本物の科学者で、

    本物の天才で、

    世界を変える発明をするような、

    そんな存在……俺の憧れた牧瀬紅莉栖に、

    苦しんでなど欲しくはないのだから。


    今はまだ、守りたい、この笑顔を。


    386: ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 19:19:41.25 ID:+fAkwWZqo

    #################################
    #################################
    #################################


    「――……ん、あれ?」


    うおっ眩し……あれ、朝?
    私、確かあの人とずっと喋ってて……どうしたんだっけ?
    隣りには、とても疲れた顔をしているあの人がいる。


    387: ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 19:21:16.32 ID:+fAkwWZqo



    「……あぁ、そっか、寝ちゃったんだ……私……」


    今は……うわっ、もうお昼……?
    そりゃそうよね、夜中の夜中、
    多分朝方まで話し合ってたかもしれないんだから。

    まぁ、こんなことはアメリカでも日本でも日常茶飯事だから、
    全然驚きはしないけど。


    「……あなたは、まだ起きないのね?よっぽど疲れてたのかな……」


    たった一日、この人にとっては昨日だけで、
    もの凄く疲れる出来事が多かったのだろう。

    私だって、精神疲労で言えばどっこいだ。
    何せ、あの鳳凰院凶真に出会えたんだから。


    388: ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 19:22:38.07 ID:+fAkwWZqo



    「別の世界の、だけどね」


    それでも彼は、私の想った通りの人だった。

    変な言葉使いだけど、
    本当はとても優しくて、仲間想いの、誠実な人間。

    それを言ったら怒るだろうけど、
    私が想い描いていた通りの鳳凰院凶真だったのだ。
    最初は疑っていたけれど、彼は私の知っている彼だった。


    「……そしてまた、私のことを助けようとしてくれるんだね」


    どうして、と思った。
    彼にとってこの世界の私は、
    彼の認識している世界線の私の一人に過ぎないのに。

    彼が沢山認識する“私”の中の一人、それだけなはずなのに。


    389: ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 19:23:53.26 ID:+fAkwWZqo



    「ねぇ、Dメールを送らないって言った時の顔、覚えてる?」


    とても、苦虫を噛み潰したような、酷い顔してたんだよ?
    帰りたいって言った時も、苦しそうな顔してた。

    なのに、あなたは私のことを心配してた、してくれていた。


    「自分のことで精いっぱいな癖に、無理して強がって……」


    私のために、彼は思いとどまってくれた。
    そんな風に考えるのは自意識過剰なのかもしれないけど、
    私にとってはこれが二回目、あなたは私の恩人なの。

    私がどれだけ嬉しかったか……今も昔も。


    390: ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 19:24:56.75 ID:+fAkwWZqo



    「だからね、私も決めたよ。あなたに対して出来ること」


    ずっと、考えていた。

    私は彼に、一体どんな恩返しが出来るのだろうと。

    ずっと、考えていた。

    この人が私の苦しみを取り除いてくれるなら、
    私も同じことをしてあげたいと。

    ずっと、考えていた!

    彼が苦しんでいる時は、必ず私が力になると。

    ずっと、考えていたの……。

    今、苦しんでいるあなたに対して、私は今何が出来るのか。


    391: ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 19:26:51.15 ID:+fAkwWZqo



    「あなたはどの世界線も関係ない、
    ラボメンはラボメン、私は私だと言ってくれていた」


    それは、私にとっても変わらない。

    鳳凰院凶真は鳳凰院凶真で、
    どんな世界線にいようとそれは変わらない。

    あなたは鳳凰院凶真、
    私の知っている鳳凰院凶真、大切な人。

    そのあなたが今困っているなら、私はあなたの力になる。


    「答えは、私が持っている……あなたは何もしなくていい」


    これは、罰なんだね。
    あなたの想いを踏みにじる、私の罰。

    あなたの携帯を奪った時から、こうなることは決まっていた。
    シュタインズ・ゲート
    運命石の扉の選択。


    392: ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 19:29:35.80 ID:+fAkwWZqo



    「さあ、最終実験を始めようっ!」


    マントを翻して、私は電話レンジ(仮)と向き合う。

    ……大見得を切ってはいるが、まだあまり実感はない。
    これで過去が変わらなかったらどうしよう?
    むしろ、変わる保証なんてないに等しいから、
    私の覚悟も空回りに終わる可能性のが高い。

    その方が、私にとっては良いことなのかもしれないけれど、


    「でも、この一通だけは……」


    彼は送らないと言った。

    問題が解決するまで、
    苦しい思いを我慢してくれると、そう言ってくれたのだ。

    そんなもの、私の望んだ世界ではない。
    私が望んだ世界は……!私が彼と居たい世界は!!


    393: ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 19:31:30.71 ID:+fAkwWZqo



    「我が儘だね、仕方ないね」


    だからこれは罰、私の罰。

    あなたは何も気にしなくていい、何も知らないでいい。
    きっとこれは、あなたの見る一夜限りの夢だったのだ。
    あったかもしれない世界線の、あったかもしれない物語。


    「覚えておいて。
    Dメールにはこうなる可能性もあるということを、
    可能性がある限り、無数の危険が渦巻いていることを」


    言葉はもう届かないけど、想いきっと届くはず。
    大丈夫、信じている。

    何故なら、どんな危険や陰謀がが渦巻いていようと、
    あなたの傍には……!


    394: ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 19:32:30.30 ID:+fAkwWZqo



    「……私がいるから、
    もしもまたあなたが苦しむことがあっても、私はあなたの力になる」


    この想いは、どんな世界線でも変わらない。
    あなたがあなたであるように、私も私なのだから。
    世界線が変わろうと、想いは連続して重なって行く。


    「相対性理論も超越した、永遠のベクトルがあなたを包むから」


    それと、忘れないでね?私がここにもいたことを。
    どこにいたって、あなたのことを想ってるから。


    395: ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 19:34:01.06 ID:+fAkwWZqo


             オペレーション・ネメシス
    「……作戦名、『罰を司る女神』作戦――世界は再構成される!」


    言いたいことはいっぱいあるけど、
    それは、未来までとっておくことにするから!


    「……ごめんなさい、パパ……」


    最後にお別れを言いたかったけど、
    これが最後だなんて思いたくはないから、
    これも未来にとっておくわ。

    元の世界線で、絆が繋がっていなかったとしても、


    396: ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 19:35:36.14 ID:+fAkwWZqo



    「鳳凰院凶真がいる限り、元に戻すことは可能だから」


    ――信じている。


    ##############################
    ###############
    ######



    紅莉栖「――元の世界線でも、私のことをよろしくね」

    岡部「……」Zzz


    397: ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 19:37:43.44 ID:+fAkwWZqo



    紅莉栖「さようなら……岡部……」

    岡部「……」

    紅莉栖「って、岡部って誰よ私……何言ってるんだろ……」


      ――バチバチバチバチバチバチバチッ!!――


    <クォラッ、ジョウチャン!!ビルヲユラスナッテナンドイエバー!!


    紅莉栖「オペレーション・ネメシス……これにてミッションコンプリート」

    岡部「……ん……うぅ……?」


    紅莉栖「さよなら、鳳凰院凶真!

         私は、あなたのことが――」


    398: ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 19:39:01.92 ID:+fAkwWZqo



    岡部「……クリス……ティー……ナ……?」


    紅莉栖「   」


         .231082 →


    399: ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 19:40:50.96 ID:+fAkwWZqo

    /     /      /
       /    /        /

    岡部「うぅっ……おぉ……クリス……」

    /     /      /
       /    /        /


    400: ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 19:41:57.64 ID:+fAkwWZqo

    「……ん?」


    岡部「ぐぅぅ……く、紅莉栖ッ!?」ドスンッ!!

    「!?」


    岡部「お、いててて……?なんだ、何が起こった……??」

    ???「……ちょっと、いきなり大声出さないでもらえる?
         驚いたじゃない……」


    岡部「何、大声?……というか俺は、何をして……」

    ???「……何?何見てるわけ」


    岡部「紅莉栖……ティーナ」

    紅莉栖「……」


    401: ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 19:43:14.57 ID:+fAkwWZqo

    岡部「そ、そうか……俺は確かラボに泊まって……?」

    紅莉栖「なぁに寝ぼけてんのよ……顔、洗ってきたら?」


    岡部「ああ、思い出したぞ。
       夜中までお前に付きあわされたんだったな」

    紅莉栖「ハァ?
         何言ってんのか知らないけど、何かと勘違いしてない?」


    岡部「勘違いって、そんなわけなかろう。お前がもっと話を聞きたいと」

    紅莉栖「そんなこと言ってないし!
         なんで私があんたの厨二話に付きあわんと……」


    402: ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 19:45:00.63 ID:+fAkwWZqo

    岡部「厨二話だとぉ!?それはお前のことだろう、クリスティーナ!!」

    紅莉栖「なんで私のことになるのよ!?
         それと、私はクリスティーナなんて名前じゃ、な・い・の・で!」


    岡部「何をバカな、お前がクリスティーナと呼べと言ったのだろうが、
       このザ・フェニックスが!」

    紅莉栖「はぁぁ!?
         っていうか、何また新しい呼び名とか考えてんの!
         これ以上増やさないで!!」


    岡部「いやいや、だってお前はクリスティーナ・ザ・フェニックスだろう?」

    紅莉栖「それはツッコミ待ちか?ツッコミ待ちなのか??」


    岡部「何をツッコむと……お前がそう……言った……のでは……?」

    紅莉栖「わーたーしーはっ!

         牧瀬、牧瀬紅莉栖って名前がちゃんとあ・り・ま・す!!
         アンダスタンッ!?」


    403: ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 19:47:02.76 ID:+fAkwWZqo

    岡部「……え……?
       お前は、クリス……ティーナ……だろう?」

    紅莉栖「ティーナを付けるな!」


    岡部「……」

    紅莉栖「な、何よ!?」


    岡部「なぁ、俺は誰だ?鳳凰院凶真だよな」

    紅莉栖「いいえ、あんたは岡部倫太郎です」


    岡部「お前は……クリスティーナじゃないのか?」

    紅莉栖「だからそれはツッコミ待ちなのか?
         そんな餌で私を釣れると」


    404: ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 19:48:09.16 ID:+fAkwWZqo

    岡部「牧瀬紅莉栖ッ!クリスティーナではないんだな!?」ガシッ

    紅莉栖「ひゃっ!?あああ当たり前でしょ、ちょ、顔が近い近い」


    岡部「……俺は……帰って来たのか?」

    紅莉栖「……ね、寝ぼけてんのよね?」


    岡部「俺は芸能人……じゃないのか!?」

    紅莉栖「そんなわけないだろ鑑見ろ……」


    岡部「帰って来た……元の世界線に……戻ったんだな!?」

    紅莉栖「……岡部、あんた頭大丈夫?どこか打ち所が」


    岡部「お前は牧瀬紅莉栖!そうなんだな!?」

    紅莉栖「……ええ、そうですけど?それが何か」


    405: ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 19:49:18.46 ID:+fAkwWZqo

    岡部「……おお……おおおおおおっ!!」

    紅莉栖「!?」ビクッ


    岡部「やった、やったぞ!やったのか?やったんだ!!」

    紅莉栖「……岡部?」


    岡部「クリスティーナぁ!俺、帰って来たんだよ!!」

    紅莉栖「……意味不明なんだk」


    岡部「やったやったうおおおおお!」ガバッ!!

    紅莉栖「ふぇっ!?!?!?くぁwせdrftgyふじこlp」


    406: 永遠のベクトル ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 19:50:58.99 ID:+fAkwWZqo

    岡部「帰って……これた……元の世界線に……俺……」ギュゥ

    紅莉栖「なななななんぞこれなんぞこれ!?
         HENTAISEKUHARAHARAKIRI」


    岡部「……どうして?俺は確か寝てただけで……」

    紅莉栖「ははは離し、いややっぱ、いやいや離し……岡部ぇ」


    岡部「……寝てた?……俺は……寝てたのか!?」バッ

    紅莉栖「あうっ」


    岡部(ままままさか……これは!?

       ――俗にいう……夢オチ!?)


    407: 永遠のベクトル ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 19:52:43.38 ID:+fAkwWZqo

    紅莉栖「……何をするだぁー!
         ちょっと、なんてことしてくれんのよ岡部、ねぇ!!」

    岡部「そんなアホな……!あれが全部夢だったと?」


    紅莉栖「夢夢ってこれは夢じゃないんだが!?
         謝罪と賠償を請求する!!」

    岡部「ええい、うるさいぞクリスティーナ!
       ちょっと静かにしていてくれ」


    紅莉栖「何よそれ……いきなり大声出すわ、
         ティーナティーナうるさいわ、
         揚句の果てに抱き……HENTAI行為に及ぶわ!

         出るとこ出てもいいんだぞ!?」


    岡部「夢……夢だったのか?本当に、全部……」

    紅莉栖「……岡部、あんた一体どうしたの?
         いつも変だが、いつも以上に今は変よ?」


    408: 永遠のベクトル ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 19:54:14.84 ID:+fAkwWZqo

    岡部「いや……悪い……夢を見ていた……気がする」

    紅莉栖「悪い夢……?

         狂気のマッドサイエンティストなのに、
         夢如きでそんな取り乱すとか……」


    岡部「とても悪い夢だ……。

       助手はマネージャー、俺は芸能人、
       クリスティーナは厨二病、まゆりはガチムチ、
       ダルはガチホモ、ルカ子が毒舌で、フェイリスは猫……!
       鈴羽が暴力女になってて萌郁は普通の記者だ……」

    紅莉栖「おい、今私が厨二病と聞こえたのだが」


    岡部「あれが本当に夢?信じられない、俺は確かに……」

    紅莉栖「おい、ねぇってば」


    409: 永遠のベクトル ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 19:55:28.93 ID:+fAkwWZqo

    岡部「お前は厨二病じゃないよな?ただの助手でクリスティーナだよな?」

    紅莉栖「……どうやら夢の世界に行きたいようね?
         ならお望み通り、夢の世界に逝ってきなさい」ググッ

    岡部「うおぅ、やめろん!それで殴ったら夢ではなく極楽浄土に」

    紅莉栖「逝ってヨシ!」


    岡部「わわわかった、俺が悪かった!あれは夢だった!!」

    紅莉栖「……」


    岡部「夢……だった。俺は……悪い夢を……」

    紅莉栖「……もう、何よ……。

         ――あんたのせいで、言う気が失せたじゃない……」


    410: 永遠のベクトル ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 19:56:39.12 ID:+fAkwWZqo

    岡部「……言う?言うって、何をだ?」

    紅莉栖「……っ!

         それはその、別に?……この間のことで……」

    岡部「この間?」


    紅莉栖「……IQテスト……」

    岡部「うっ!?」


    紅莉栖「も、もうしないわよ!

         ……ただちょっと、
         あの時はやりすぎちゃったかなって、言おうと思っただけ……」

    岡部「……」


    411: 永遠のベクトル ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 19:57:55.80 ID:+fAkwWZqo

    紅莉栖「か、勘違いしないでよね!?
         まゆりに言われて、仕方なく謝ってるんだから!
         仕方なく……」

    岡部「お前……」


    紅莉栖「……まぁ、こんなことで嫌われるのも、寝覚めが悪いし。

         一応、謝っといた方がいいのかなって、
         思って……ああ、もう、論理的に説明出来ない!」

    岡部「……」


    紅莉栖「とにかくっ!あの時は言いすぎました!!
         ごめんなさい……OK?」

    岡部「……」


    紅莉栖「……まだ、怒ってる?」


    412: 永遠のベクトル ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 19:59:06.51 ID:+fAkwWZqo

    岡部「プッ……ククク……フゥーハハハ……!」

    紅莉栖「な、人がせっかく謝ったと言うのに!何がおかしい!!」


    岡部「フフフ……ハハハハ、
       何、いつものクリスティーナというかなんというか」

    紅莉栖「だ、だぁかぁらぁ!ティーナを付けるなと……」


    岡部「……安心しろ、嫌ったりなどしない」

    紅莉栖「え」


    岡部「お前は俺の大切な仲間だ。
       どこにいたって、俺はお前を嫌うことはない」

    紅莉栖「……ふぇ?」


    413: 永遠のベクトル ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 20:01:10.17 ID:+fAkwWZqo

    岡部「無理して謝らんでもいい、お前はお前のままでいてくれ……」

    紅莉栖「……そそそそそんなこと言われましても……」


    岡部「それと、俺も悪かったな……その、ラーメン勝手に食って……」

    紅莉栖「は、はい」


    岡部「……後、何か、悩み事はないか?
       俺で良ければいつでも力になる。

       何かあれば、遠慮なく頼るがいい」

    紅莉栖「あああ、うぅ……急に……なんなの……!」


    岡部「……なんとなく、言わなければいけない気がしたのだ」


    414: 永遠のベクトル ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 20:03:10.42 ID:+fAkwWZqo

    紅莉栖「突然そんなこと言われたって、
         聴覚による知覚が認知されるまでに、
         脳内で行われる情報処理過程が、神経伝達するまでにかかる時間は、
         エコロジカルアプローチしないといけないわけで?」


    岡部「もう一つ、賠償と言ったな?」

    紅莉栖「い、言いましたけど?」


    岡部「……なら、ラーメンを奢ってやろう」

    紅莉栖「と、言いますと?」


    岡部「カップではない、店で出される普通のラーメンだ」

    紅莉栖「つまり?」


    415: 永遠のベクトル ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 20:05:00.58 ID:+fAkwWZqo

    岡部「つまり、美味いラーメンを御馳走してやる、と言っているのだ!」

    紅莉栖「一週間以内に?」


    岡部「ああ、あのカップラーメンは出来そこないだよ。
       俺が本当に……ってそうじゃないわ!

       お前が行きたいと思う店があれば、
       そこのラーメンを奢ってやると言っているのだ」

    紅莉栖「のだ、って……それってつまり……私と……」


    岡部「?」

    紅莉栖「……う、ううん、なんでもない!


         ――いいわ、行きましょう、今すぐ!!」

    岡部「そうか、じゃあ今すぐ……今すぐぅ!?
       今すぐ行くのか?」


    416: 永遠のベクトル ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 20:06:30.14 ID:+fAkwWZqo

    紅莉栖「なんでよ、悪い?奢ってくれるんでしょ?私、お腹空いてるの」

    岡部「それはいいが、まさか今すぐとは……」


    紅莉栖「いいでしょ!?

         ――科学者に二言はないって……言ってなかったっけ?」

    岡部「むぅ……わかった!
       そうと決まれば支度しろ、クリスティーナ!我が助手よ」


    紅莉栖「誰が助手だ……ってあんた!
         まさかこんな時まで白衣着てくの?」

    岡部「当たり前だ、
        これは俺のシンボル……いや、科学者としての象徴だからな!」

    紅莉栖「ムードもへったくれもない……!ラーメンにもないけどね……」


    417: 永遠のベクトル ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 20:08:44.92 ID:+fAkwWZqo

             オペレーション・ネメシス
    岡部「これにて『罰を司る女神』作戦は終了だ。
       ご苦労だったなクリスティーナ」

    紅莉栖「なんぞその作戦、また変なこと考えてたの?
         まったく、こりないんだから」


    岡部「案ずるな、もう迂闊な真似はしない。
       約束しよう、俺は――」


       ――お前のことを、忘れたりなどしない。


    岡部「……あ……」

    紅莉栖「……何?」


    岡部「いや……なんでもない、行こう」

    紅莉栖「あっそ……」


    418: 永遠のベクトル ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 20:09:32.60 ID:+fAkwWZqo



    夢のような出来事だった。

    わずか一日だけの、パラレルワールド体験記。

    あれが本当は現実だったのか、

    世界線の壁の向こう側だったのか、

    今となってはもうわからない。

    だとしても、俺がやることは、どの世界線でも同じだ。

    この仲間達と共に、俺は――


    419: 永遠のベクトル ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 20:10:48.77 ID:+fAkwWZqo



       ――私のことをよろしくね。


    岡部「……っ!?

       ――……クリスティーナ……?」


    紅莉栖「?
         ……今、何か言った?」

    岡部「……」


    紅莉栖「岡部?」

    岡部「大丈夫、行こう――」


    420: 永遠のベクトル ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 20:11:41.90 ID:+fAkwWZqo



             ――大切なモノを、永遠に守っていく。


         ____        _                シュタインズ・ゲート
         ( ゙、_.`゙ _n_    .`_゙  , __  __  ::γ,r'"''t!: .
        `''- 、ヽ.゙f!''γ゙ニヽ1| 1!'".゙f! (、_`゙ o::{. {::::::t-r ''~〕! 十 γ゙ニヽ
        f 、__ノソ l:しヽヾ_ィ 」:!_._!L j.l_ ,、,_) i7::ヽヽ ノ_j:: ど,j!、 lレヾゞ
         ~ ̄~ .~   ̄         ̄
                    断罪のネメシス


    421: 永遠のベクトル ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 20:13:09.55 ID:+fAkwWZqo


    【登場人物設定集】


    ・岡部倫太郎(鳳凰院凶真)

    言わずと知れた狂気のマッドサイエンティスト。
    ……のはずだったが、世界線が狂ったせいで、芸能人へと変貌してしまう。

    その原因となったのは、まだ第二次成長期真っ最中の岡部に届いたDメール。
    彼は、何かに目覚めるかのように、
    自らの知能を高めるためIQテストに没頭していく。

    その成果が世間に公表されるも、有名になったのは彼自身の人柄のようで、
    気が付いたら色んな番組に引っ張りだこだったという。

    そこで知り合ったある人物との邂逅、知ってしまった事実に対し、
    若さ故の過ちを重ねていく。若いっていいよね。

    この世界線を、元の岡部は1%の壁の向こうと認識していたが、
    実際には-1%の壁であったことを、彼は知る由も無かった。


    422: 永遠のベクトル ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 20:14:52.11 ID:+fAkwWZqo


    ・牧瀬紅莉栖(クリスティーナ)

    天才脳科学者の少女。
    ……なのは変わらないが、世界線変動は彼女の運命を狂わせる。

    本当ならば、
    彼女は脳科学研究所の優秀な科学者として世界に名を残すはずが、
    何を思ったのか大学卒業と同時に日本へ帰国、そのまま帰ることはなかった。

    新たな住処で、怪しげな研究所を設立した彼女だが、
    あるきっかけで用心棒を雇うようになり、
    その関係から色んな人間と繋がって行くようになる。

    夢は、鳳凰院凶真の永遠の助手(彼を永遠に助けてあげたい)になること。
    あわよくばそのまま……って言わせんな恥ずかしい。

    その願いは、最後の最後に叶うこととなる。
    彼女の想いは永遠に。


    423: 永遠のベクトル ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 20:17:54.61 ID:+fAkwWZqo


    ・椎名まゆり(まっちょ……まゆしぃ☆)

    岡部倫太郎の幼馴染兼人質。
    ……と思いきや、人質なんてとんでもない!

    世界線変動の影響は、彼女は鋼の肉体と共に、
    ラボを守るガーディアンとして牧瀬紅莉栖に仕えるようになる。

    その理由は色々とあるらしいが、
    女同士の最高機密情報として封印されている。

    どうやら、過去の記憶が曖昧らしく、
    昔の想い出を忘れているのだとか?
         スターダスト・シェイクハンド
    必殺技は『星屑との握手』、相手は死ぬ。


    ・橋田至(ダル・ザ・スーパーハッカー)

    岡部の右腕兼HENTAI紳士。
    ……が世界線の何を間違ったのか、男に目覚めてしまっていた。

    過去に女性に対してよほどショックな出来事があったらしく、
    その時に励ましてくれた男の言葉があまりにも素晴らしかったせいで、
    彼は「男同士っていいんじゃね?」と深みにハマっていく(意味深)。

    現在は、大学の(野獣)先輩に恋をしているようだ。

    そんな彼の元に、一人の元気な少女が現れるのだが……?


    424: 永遠のベクトル ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 20:19:19.33 ID:+fAkwWZqo


    ・漆原るか(ルカ子)

    こんなに可愛い子が女の子のはずがない!
    ……というのは容姿のみの話しで、世界線を越えた性格は至って冷酷。

    毒舌なわけではなく、
    正論に次ぐ正論で相手を追い詰めるのが趣味らしい。

    まゆりの前では猫を被っているのではないか?と思うほど、
    表情が柔らかくなる。
    ちなみに、やはりラボに来たのはまゆり絡みの様子。

    ここで問題ですが、
    さてあの世界線では男の子だったのでしょうか女の子だったのでしょうか?
    真実は世界線と共にアトラクタフィールドの中に……。


    ・阿万音鈴羽(バイト戦士)

    ブラウン管工房あたしアルバイトォォォ!
    ……なのは、世界線が変わっても変わらない様子。

    どうやら彼女には使命があるらしく、
    いかなる外敵からも牧瀬紅莉栖を守ろうとしている。
    まゆりと被っているようで、決着を付けねばと考えている。

    実は、彼女は他にもやることがあるらしいが……?


    425: 永遠のベクトル ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 20:20:39.84 ID:+fAkwWZqo


    ・フェイリス・ニャンニャン(猫)

    猫である。


    ……どうやら付けている首輪は、高級な物のようで、
    飼い主は相当の金持ちだと予想される。


    ・桐生萌郁(閃光の指圧師)

    口数の少ない記者。
    ……だったのに、世界線は何故か彼女を普通の記者へと変えていた。

    微妙に言葉の歯切れが独特だが、
    他人とのコミュニケーションには差し支えない。

    どこか冷淡な気もするのは、気のせいなのか。


    ――――――――――――――――――
    ―――――――――――
    ―――――――


    426: 永遠のベクトル ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 20:22:32.09 ID:+fAkwWZqo



    紅莉栖「――……完成!」

    まゆり「あー……負けちゃった。

        ――でも、こっちも終わりなのです♪」


    ダル「うし、これでいつでも使えるお」

    岡部「おぉ、ついに完成したのか!」


    紅莉栖「ええ、ばっちりよ!

         ……途中、くだらないことで脱線してたけど、
         思わぬ実験結果が得られたのが良かったわ」

    岡部「う」


    427: 永遠のベクトル ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 20:24:06.57 ID:+fAkwWZqo

    紅莉栖「……何その顔、ふざけてるの?
         ……またIQテスト」

    岡部「あーあー何も聞こえなーい!
       それよりも、説明して貰おうか助手よぉー」

    ダル「オカリンだらしねぇ……」

    まゆり「あれからオカリンはテスト恐怖症なのです……」


    紅莉栖「冗談よ、冗談!……はぁ、じゃあ説明するわね?」

    岡部「うむ」


    紅莉栖「――……つまり、

         このヘッドホンで脳から記憶を抜き取って、
         過去の自分へと転送させる」


    428: 永遠のベクトル ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 20:27:55.13 ID:+fAkwWZqo




       ――名付けて……タイムリープマシンよ。



           -1.231082 → 0.572001


         to be continued to 【Steins;Gate】


    429: ◆4soo/UO.k6 2012/12/10(月) 20:36:56.44 ID:+fAkwWZqo

    長々とつきあってくれた方、お疲れ様でした。そして大感謝をここに。
    当初はこの半分の予定が、えらい長くなってしまいました。
    軽い気持ちで読もうとした方へ、どうもすみません……!

    最近はシュタゲのSSも少なくなり、また更新もほぼ止まってる作品もあり、
    非常に残念です。
    これから先、新しいゲームから小説、漫画まで揃ってるシュタゲなので、
    もう一度想い出して、一からゲームをやってみるのもいいと思います。
    それではまたどこかで!


    紅莉栖「さぁ、IQテストしましょうか?」岡部「え?」


              ┼ヽ  -|r‐、. レ |   企画・製作 
               d⌒) ./| _ノ  __ノ   SS速報VIP


    433: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/10(月) 22:06:38.81 ID:0BWDi1dQo

    乙 いつも楽しみにしてた


    434: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/10(月) 22:37:46.03 ID:QDYvphb3o


    久しぶりに完結したシュタゲSSを見れたよ


    435: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/11(火) 01:15:24.17 ID:5OWu8eR3o


    いい作品だった


    引用元: 紅莉栖「さぁ、IQテストしましょうか?」岡部「え?」

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