杏子「そうしてお姫さまは泡となって、」
2019-08-06
1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(dion軍) 2011/03/16(水) 05:37:04.02 ID:ljOC3djs0
杏子「綺麗で滑らかな尻尾の鱗は」
杏子「一枚、また一枚と剥がれ落ち」
杏子「ひらり、ひらりと辺りを舞いました」
杏子「水面から射し込む陽の光を照り返して」
杏子「輝く鱗は宝石のようでした」
杏子「一枚、また一枚と剥がれ落ち」
杏子「ひらり、ひらりと辺りを舞いました」
杏子「水面から射し込む陽の光を照り返して」
杏子「輝く鱗は宝石のようでした」
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2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(dion軍) 2011/03/16(水) 05:37:26.43 ID:ljOC3djs0
杏子「鱗はやがて全て剥がれて」
杏子「その下から露わになったのは」
杏子「なんと皮肉なことでしょう」
杏子「人魚があれほど欲していた、二本の足なのでした」
杏子「その下から露わになったのは」
杏子「なんと皮肉なことでしょう」
杏子「人魚があれほど欲していた、二本の足なのでした」
3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(dion軍) 2011/03/16(水) 05:37:51.50 ID:ljOC3djs0
杏子「…はは。なるほどね。人魚姫、アンタにゃぴったりだ」
杏子「……さやか」
杏子「さやか」
さやか「……ん……」
杏子「さやか」
さやか「……きょう……こ…?」
杏子「そうだよ」
杏子「……さやか」
杏子「さやか」
さやか「……ん……」
杏子「さやか」
さやか「……きょう……こ…?」
杏子「そうだよ」
4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(dion軍) 2011/03/16(水) 05:38:19.22 ID:ljOC3djs0
さやか「……あたし…なにが…?ここって……?」
さやか ハッ
さやか「杏子っ、あたしっ」ガバッ
杏子「まあ落ち着けよ。そう慌てることはないさ」
さやか「だってッ」
杏子「慌てたって何も変わらないって言ってんだよ。
それに、もういいじゃねえか」
さやか「いいって…」
さやか ハッ
さやか「杏子っ、あたしっ」ガバッ
杏子「まあ落ち着けよ。そう慌てることはないさ」
さやか「だってッ」
杏子「慌てたって何も変わらないって言ってんだよ。
それに、もういいじゃねえか」
さやか「いいって…」
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(dion軍) 2011/03/16(水) 05:38:47.28 ID:ljOC3djs0
杏子「アンタはもう魔女じゃないし、あたしはどこも痛くない」
杏子「そんだけで、もういいじゃねえか」
さやか「だって、だって」
さやか「だってッ……!」
杏子「あーもー、泣くなよそうやって」
さやか「うっ…ぐ、えぅっ……」
杏子「そんだけで、もういいじゃねえか」
さやか「だって、だって」
さやか「だってッ……!」
杏子「あーもー、泣くなよそうやって」
さやか「うっ…ぐ、えぅっ……」
6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(dion軍) 2011/03/16(水) 05:40:08.70 ID:ljOC3djs0
杏子「――くすん、くすん。お姫さまが涙を流すと」
さやか「ふっ……ぐすっ……、ぅ……?」
杏子「ぽろりと零れた涙は、驚くことに真珠となりました」チョイ
さやか「あ……」
杏子「真珠となった悲しみを、見ていた貝達がぱくりと食べて」
さやか「…」
さやか「ふっ……ぐすっ……、ぅ……?」
杏子「ぽろりと零れた涙は、驚くことに真珠となりました」チョイ
さやか「あ……」
杏子「真珠となった悲しみを、見ていた貝達がぱくりと食べて」
さやか「…」
7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(dion軍) 2011/03/16(水) 05:40:51.66 ID:ljOC3djs0
杏子「みんなは一斉に口をつぐみました」
さやか「……何よ、それ」
杏子「人魚姫の話だよ」
さやか「そんな……ぐす……話だった、っけ…」
杏子「さあね。あたしも幼い頃に聞いただけだし、それに」
さやか「…それに?」
杏子「アンタを見ながら思いついたから、『新生人魚姫』、ってトコ」
さやか「…」
さやか「……何よ、それ」
杏子「人魚姫の話だよ」
さやか「そんな……ぐす……話だった、っけ…」
杏子「さあね。あたしも幼い頃に聞いただけだし、それに」
さやか「…それに?」
杏子「アンタを見ながら思いついたから、『新生人魚姫』、ってトコ」
さやか「…」
9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(dion軍) 2011/03/16(水) 05:41:54.11 ID:ljOC3djs0
杏子「なかなかイカすだろ。ベストセラー間違いなし」ニッ
さやか「…はは」
さやか「なにその、適当な感じ」ヘラ
杏子「おっ、戻ってきたね」
さやか「え?」
杏子「姫サマになる前の強がりで、いけすかなくて、ウッザいアンタが、だよ。
ま、めそめそしてるアンタってのもウザすぎるけど」
さやか「…はは」
さやか「なにその、適当な感じ」ヘラ
杏子「おっ、戻ってきたね」
さやか「え?」
杏子「姫サマになる前の強がりで、いけすかなくて、ウッザいアンタが、だよ。
ま、めそめそしてるアンタってのもウザすぎるけど」
10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(dion軍) 2011/03/16(水) 05:42:36.38 ID:ljOC3djs0
さやか「…褒めてんの、それって」ムッ
杏子「いちいち言わなきゃ分からねえのかい?」
さやか「…むう…」
杏子「ははっ。やっぱアンタ、バッカだなー」
杏子「いちいち言わなきゃ分からねえのかい?」
さやか「…むう…」
杏子「ははっ。やっぱアンタ、バッカだなー」
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(dion軍) 2011/03/16(水) 05:43:37.18 ID:ljOC3djs0
さやか「……アンタだって、馬鹿じゃない…」
杏子「何がさ?」
さやか「…あたしなんかの為に、こんな、馬鹿なこと…」
杏子「何がさ?」
さやか「…あたしなんかの為に、こんな、馬鹿なこと…」
12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(dion軍) 2011/03/16(水) 05:44:45.04 ID:ljOC3djs0
杏子「……人魚姫ってさあ、海の世界のお姫さまだった訳じゃん」
さやか「え?…うん」
杏子「歌声も、容姿も、心も、びっくりするほど綺麗な姫サマだったんでしょ?」
杏子「あたし、絶対いたと思うんだわ」
杏子「そんな姫サマのことが好きだったヤツが。他にもさ」
さやか「え?…うん」
杏子「歌声も、容姿も、心も、びっくりするほど綺麗な姫サマだったんでしょ?」
杏子「あたし、絶対いたと思うんだわ」
杏子「そんな姫サマのことが好きだったヤツが。他にもさ」
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(dion軍) 2011/03/16(水) 05:45:35.87 ID:ljOC3djs0
さやか「?」
杏子「だからさ…」
さやか「……えっと、そんな話、人魚姫になんて…」
杏子「~~~~、あー、もーっ!」ガバッ
さやか「!!」
杏子「だからさ…」
さやか「……えっと、そんな話、人魚姫になんて…」
杏子「~~~~、あー、もーっ!」ガバッ
さやか「!!」
14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(dion軍) 2011/03/16(水) 05:46:36.89 ID:ljOC3djs0
杏子「だから!あたしは!そんな大事な姫サマが!」ギュウウ
杏子「目の前で泡になって消えていくんだってなら!!」
杏子「そいつもきっと、その場に飛び込むんだろうっつってんの!!」
杏子「分かれよ!!!」ギュウウウ
さやか「なっっっ!?」
杏子「~~~……」
杏子「目の前で泡になって消えていくんだってなら!!」
杏子「そいつもきっと、その場に飛び込むんだろうっつってんの!!」
杏子「分かれよ!!!」ギュウウウ
さやか「なっっっ!?」
杏子「~~~……」
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(dion軍) 2011/03/16(水) 05:47:49.29 ID:ljOC3djs0
さやか「…な……」
杏子「……」
さやか「……」
杏子「……」
さやか「……~~…」カアアアアッ
杏子「……」
さやか「……」
杏子「……」
さやか「……~~…」カアアアアッ
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(dion軍) 2011/03/16(水) 05:52:27.31 ID:ljOC3djs0
杏子「……よく言うじゃん」
さやか「……」
杏子「馬鹿は死んでも直らないって」
杏子「あれ、マジだったのなあ。いやー、感心したわ。先人の偉大さってヤツ?」
さやか「!!こっ、このっ!」ポカッポカッ
杏子「あっはっはっはっは!」
さやか「……」
杏子「馬鹿は死んでも直らないって」
杏子「あれ、マジだったのなあ。いやー、感心したわ。先人の偉大さってヤツ?」
さやか「!!こっ、このっ!」ポカッポカッ
杏子「あっはっはっはっは!」
19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(dion軍) 2011/03/16(水) 05:53:05.37 ID:ljOC3djs0
さやか「このっ!馬鹿!馬鹿!」
杏子「あんま暴れんなって。まあまあ、直ってねーのはお互い様ってことでさ」ポンポン
さやか「…うー…」
杏子「それよりさ、見てみろよ」
さやか「…うん?」
杏子「あたしらの周り。ほら、綺麗じゃね?」
杏子「あんま暴れんなって。まあまあ、直ってねーのはお互い様ってことでさ」ポンポン
さやか「…うー…」
杏子「それよりさ、見てみろよ」
さやか「…うん?」
杏子「あたしらの周り。ほら、綺麗じゃね?」
20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(dion軍) 2011/03/16(水) 05:54:12.29 ID:ljOC3djs0
さやか「あ――」
綺麗で滑らかな尻尾の鱗は
一枚、また一枚と剥がれ落ち
ひらり、ひらりと辺りを舞いました
水面から射し込む陽の光を照り返して
輝く鱗は宝石のようでした
綺麗で滑らかな尻尾の鱗は
一枚、また一枚と剥がれ落ち
ひらり、ひらりと辺りを舞いました
水面から射し込む陽の光を照り返して
輝く鱗は宝石のようでした
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(dion軍) 2011/03/16(水) 05:55:41.92 ID:ljOC3djs0
さやか「…」
杏子「あたしさ、これ見ながら思ったんだよな」
杏子「こんなに綺麗なものが見られるんなら」
杏子「魔法少女になったことも、こうして死ぬことも」
杏子「それはそれで、よかったんじゃねえかなって」
さやか「…」
22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(dion軍) 2011/03/16(水) 05:58:26.92 ID:ljOC3djs0
杏子「あんた、前に言ってたよな。後悔なんかしてないって」
さやか「うん」
杏子「あたしも、アンタは後悔なんてしなくていいと思う」
杏子「だってアンタの恋心ってのは、こんなにイイもんだったんだろ?」
杏子「こんなにぴかぴか光っちゃって、さ」
さやか「うん」
杏子「あたしも、アンタは後悔なんてしなくていいと思う」
杏子「だってアンタの恋心ってのは、こんなにイイもんだったんだろ?」
杏子「こんなにぴかぴか光っちゃって、さ」
24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(dion軍) 2011/03/16(水) 06:00:57.27 ID:ljOC3djs0
さやか「…うん」
さやか「あたし、後悔なんかしてない」
さやか「恭介の腕を治したことも、仁美を助けたことも」
さやか「……アンタと一緒に死ぬのもだよ」
杏子「いい顔すんじゃん」ニッ
さやか「あたし、後悔なんかしてない」
さやか「恭介の腕を治したことも、仁美を助けたことも」
さやか「……アンタと一緒に死ぬのもだよ」
杏子「いい顔すんじゃん」ニッ
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(dion軍) 2011/03/16(水) 06:03:05.85 ID:ljOC3djs0
さやか「ねえ、杏子」
杏子「なんだい、さやか」
さやか「あたし達、死んだの?」
杏子「さあな。ぶっちゃけあたしにもよく分かんねえよ」
杏子「ぼーん、大爆発!そんでもってアンタもろとも死ぬつもりだったのに」
杏子「気が付いたらこんな場所に、アンタと二人で漂ってんだから」
杏子「なんだい、さやか」
さやか「あたし達、死んだの?」
杏子「さあな。ぶっちゃけあたしにもよく分かんねえよ」
杏子「ぼーん、大爆発!そんでもってアンタもろとも死ぬつもりだったのに」
杏子「気が付いたらこんな場所に、アンタと二人で漂ってんだから」
28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(dion軍) 2011/03/16(水) 06:05:06.37 ID:ljOC3djs0
さやか「でも、この場所は」
杏子「ああ。魔力の匂いがする」
さやか「うん。あたしの……」
杏子「おっかしいよなあ。もうとっくにさやかの魔女化は解けてんのに」ポリ
杏子「天国かと思ったら、そういうワケでもねえしよぉ」
杏子「ああ。魔力の匂いがする」
さやか「うん。あたしの……」
杏子「おっかしいよなあ。もうとっくにさやかの魔女化は解けてんのに」ポリ
杏子「天国かと思ったら、そういうワケでもねえしよぉ」
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(dion軍) 2011/03/16(水) 06:08:22.74 ID:ljOC3djs0
さやか「…なのかな」
杏子「ん?」
さやか「ずっと聞こえてたんだ。あたしを呼ぶ声が」
さやか「強かったり、弱かったり、ぼんやりとだけど、ずーっと」
杏子「…うん」
杏子「ん?」
さやか「ずっと聞こえてたんだ。あたしを呼ぶ声が」
さやか「強かったり、弱かったり、ぼんやりとだけど、ずーっと」
杏子「…うん」
31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(dion軍) 2011/03/16(水) 06:12:09.26 ID:ljOC3djs0
さやか「でも、身体は動かなくって。重いとか、そういうのでもなくて」
さやか「もがこうとしたんだよ。だけどさ、身体がくっついてないんだよ。
どうやってもがけばいいのかさえ分かんなくって」
杏子「うん」
さやか「もがこうとしたんだよ。だけどさ、身体がくっついてないんだよ。
どうやってもがけばいいのかさえ分かんなくって」
杏子「うん」
32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(dion軍) 2011/03/16(水) 06:13:18.07 ID:ljOC3djs0
さやか「そのうち呼ぶ声が痛くなってきたんだ。刺されるっていうより、沁みる感じ」
杏子「沁みる?」
さやか「そう。傷があるのに海に入ったら沁みるでしょ?あんな感じ」
杏子「ああ」
杏子「沁みる?」
さやか「そう。傷があるのに海に入ったら沁みるでしょ?あんな感じ」
杏子「ああ」
34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(dion軍) 2011/03/16(水) 06:15:54.55 ID:ljOC3djs0
さやか「痛いよ、やめてよ、っていう気持ちと、呼ぶ声に応えたい気持ち」
さやか「苦しくてもがく気持ちと、あたしはここだ!って気持ち」
さやか「そんなのがあたしの中でごちゃごちゃになって、訳わかんなくなって」
さやか「ぎゅうって縮こまって、破裂して」
さやか「そしたら、気が付いたらここにいたんだ。あたしは」
杏子「……それって」
さやか「苦しくてもがく気持ちと、あたしはここだ!って気持ち」
さやか「そんなのがあたしの中でごちゃごちゃになって、訳わかんなくなって」
さやか「ぎゅうって縮こまって、破裂して」
さやか「そしたら、気が付いたらここにいたんだ。あたしは」
杏子「……それって」
35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(dion軍) 2011/03/16(水) 06:16:44.33 ID:ljOC3djs0
さやか「もしかしたら、もしかしたらだよ」
さやか「まどかと、アンタの声が、魔女に――あたしに聞こえて」
さやか「死の直前に、魔女から戻ったあたしが、魔女として力で作り出した空間ってことだったら」
さやか「…そんなのとかって、どうかなあ」
さやか「まどかと、アンタの声が、魔女に――あたしに聞こえて」
さやか「死の直前に、魔女から戻ったあたしが、魔女として力で作り出した空間ってことだったら」
さやか「…そんなのとかって、どうかなあ」
36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(dion軍) 2011/03/16(水) 06:18:11.98 ID:ljOC3djs0
杏子「…どうか、って言われても」
さやか「……」
杏子「……」
さやか「…はは」
さやか「都合…よすぎるかな…」シュン
杏子「……」
さやか「……」
杏子「……」
さやか「…はは」
さやか「都合…よすぎるかな…」シュン
杏子「……」
37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(dion軍) 2011/03/16(水) 06:20:22.35 ID:ljOC3djs0
さやか「そうだよね。あたし、アンタのことまで巻き込んでるのに」
さやか「魔女から元に戻れないから、一緒に死んでくれようとしたのに」
さやか「今更、本当に今更、元に戻りましたーだなんて」
さやか「そんなの……って…無いよね…」
杏子「…」
杏子「……くくっ」
さやか「魔女から元に戻れないから、一緒に死んでくれようとしたのに」
さやか「今更、本当に今更、元に戻りましたーだなんて」
さやか「そんなの……って…無いよね…」
杏子「…」
杏子「……くくっ」
38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(dion軍) 2011/03/16(水) 06:21:59.58 ID:ljOC3djs0
さやか「?」
杏子「ああいや、ごめん」クスクス
さやか「…何で笑うのさ」
杏子「だってよ。これ以上馬鹿言うなよ、さやか」
杏子「あたしらの声で、あんたが元に戻ったんだろ」
杏子「そんなの、そんなのってさ」
杏子「ああいや、ごめん」クスクス
さやか「…何で笑うのさ」
杏子「だってよ。これ以上馬鹿言うなよ、さやか」
杏子「あたしらの声で、あんたが元に戻ったんだろ」
杏子「そんなの、そんなのってさ」
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(dion軍) 2011/03/16(水) 06:24:08.88 ID:ljOC3djs0
杏子「――あたし人間らが自分の力だけで、奇跡を起こせた、ってことじゃんか」
40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(dion軍) 2011/03/16(水) 06:24:58.77 ID:ljOC3djs0
杏子『…』スゥ
杏子『…まどか』
杏子『安心しなよ。奇跡は起こったんだ』
杏子『アンタの親友はアンタのお陰で、やっと人間に戻れたんだよ』
杏子『だからまどか、アンタは――アンタはさ――』
杏子『…まどか』
杏子『安心しなよ。奇跡は起こったんだ』
杏子『アンタの親友はアンタのお陰で、やっと人間に戻れたんだよ』
杏子『だからまどか、アンタは――アンタはさ――』
41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(dion軍) 2011/03/16(水) 06:26:08.96 ID:ljOC3djs0
さやか「…杏、子…?」
杏子「…まさか、最期の最期でこんなどんでん返しが見れるとはなあ」
杏子「こりゃ、命を賭けた甲斐があったってもんさ」ニッ
さやか「…恨まないの?」
杏子「…まさか、最期の最期でこんなどんでん返しが見れるとはなあ」
杏子「こりゃ、命を賭けた甲斐があったってもんさ」ニッ
さやか「…恨まないの?」
42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(dion軍) 2011/03/16(水) 06:27:11.32 ID:ljOC3djs0
杏子「誰を? あのクソ詐欺ぬいぐるみ野郎をかい?」
さやか「そんなの、言わなくたって分かってるでしょ」
杏子「そんなの言わなくたって分かってるだろ」
さやか「…馬鹿」
杏子「ばあーか」
さやか「……ふ」クス
杏子「へへ」ニィ
さやか「そんなの、言わなくたって分かってるでしょ」
杏子「そんなの言わなくたって分かってるだろ」
さやか「…馬鹿」
杏子「ばあーか」
さやか「……ふ」クス
杏子「へへ」ニィ
43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(dion軍) 2011/03/16(水) 06:28:58.37 ID:ljOC3djs0
さやか「――でも…」キョロ…
杏子「ん」
さやか「そう、長くはもたないみたい」
さやか「気配が薄くなってるんだ。魔力も、この空間自体も」
杏子「ん」
さやか「そう、長くはもたないみたい」
さやか「気配が薄くなってるんだ。魔力も、この空間自体も」
44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(dion軍) 2011/03/16(水) 06:30:46.93 ID:ljOC3djs0
杏子「…そりゃ、そうだろうね。時を遡れる訳じゃない。
そのうち死ぬよ、あたしも、アンタも」
さやか「そっか。そうだよね」
杏子「この際、別れを言う時間を貰えたってだけで十分過ぎるよな。感謝しねえと。
おぉー、魔女様さやか様ーってな。ありがたやありがたや」ナムナム
さやか「バカ、やめてよ。でも、ホントそうだね」
そのうち死ぬよ、あたしも、アンタも」
さやか「そっか。そうだよね」
杏子「この際、別れを言う時間を貰えたってだけで十分過ぎるよな。感謝しねえと。
おぉー、魔女様さやか様ーってな。ありがたやありがたや」ナムナム
さやか「バカ、やめてよ。でも、ホントそうだね」
45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(dion軍) 2011/03/16(水) 06:33:56.35 ID:ljOC3djs0
さやか「…あーあ、なんだろ、なんか不思議な気分なんだ」
杏子「アンタの言いたいこと、なんとなく分かるよ」
さやか「うん。全然怖くないんだよね。
死ぬって怖いことだってずっと思ってたのに」
杏子「行く場所が決まってんなら、道も迷わずに済むだろ」
さやか「うん…」
杏子「…」
杏子「アンタの言いたいこと、なんとなく分かるよ」
さやか「うん。全然怖くないんだよね。
死ぬって怖いことだってずっと思ってたのに」
杏子「行く場所が決まってんなら、道も迷わずに済むだろ」
さやか「うん…」
杏子「…」
46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(dion軍) 2011/03/16(水) 06:34:36.26 ID:ljOC3djs0
ギュッ
さやか「あ…」
杏子「嫌かい? あたしと手、繋ぐなんて」
さやか「…別に」ムス
杏子「素直じゃねえなあ」ククッ
さやか「うるさい!」
杏子「へいへい」クス
杏子「……じゃ、そのときが来るまで暇つぶしでもしようや。
名作『新生人魚姫』の続きでも作りながら、さ」
さやか「あ…」
杏子「嫌かい? あたしと手、繋ぐなんて」
さやか「…別に」ムス
杏子「素直じゃねえなあ」ククッ
さやか「うるさい!」
杏子「へいへい」クス
杏子「……じゃ、そのときが来るまで暇つぶしでもしようや。
名作『新生人魚姫』の続きでも作りながら、さ」
47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(dion軍) 2011/03/16(水) 06:35:14.36 ID:ljOC3djs0
杏子「そうしてお姫さまは泡となって、」
さやか「ぐるぐると渦を巻きながら、大きく小さく広がって」
杏子「そこへぶくぶくと泡を出しながら、もう一人も飛び込んで」
さやか「ふたりの泡はぐるぐる、混ざって」
杏子「それから」
さやか「それから」
48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(dion軍) 2011/03/16(水) 06:35:48.42 ID:ljOC3djs0
杏子「境目もなく、恨みもなく」
さやか「きらきらと混ざりあいながら」
杏子・さやか「そうして間もなく、消えてしまいましたとさ」
49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(dion軍) 2011/03/16(水) 06:36:12.52 ID:ljOC3djs0
杏子・さやか「おしまい。」
50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(dion軍) 2011/03/16(水) 06:38:02.82 ID:ljOC3djs0
終わりです。
お付き合い頂きありがとうございました。
支援も本当にありがとうございます。
杏子とさやかが好きです。
まどか愛なほむほむはマジほむほむ。
そしてマミさんはフォーエバー。
また何か書いたら投下します。それでは。
お付き合い頂きありがとうございました。
支援も本当にありがとうございます。
杏子とさやかが好きです。
まどか愛なほむほむはマジほむほむ。
そしてマミさんはフォーエバー。
また何か書いたら投下します。それでは。
54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(関東・甲信越) 2011/03/16(水) 06:40:47.65 ID:FoBO5uvrO
読んでたよー
スゴい良かった。乙!
スゴい良かった。乙!
55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします(広西チワン族自治区) 2011/03/16(水) 06:45:15.03 ID:Douv4x/CO
乙
楽しかったよ
楽しかったよ
引用元: 杏子「そうしてお姫さまは泡となって、」
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- マミ「キュゥベえを預かってほしいの」 ほむら「………」
- さやか「何この掲示板?」
- まどか「ハメ技ばっかりしてくるから嫌い」 ほむら「え……?」
- やちいろ「イチャイチャ」 水波レナ「・・・・・・・・・」
- マミ「私の勝ちね」 杏子「ぐっ……」
- まどか「私、魔法少女になるからバナナほしいバナナ!」ほむら「アホかっ!」
- QB「契約しよ?」 俺「じゃあ願いは>>2で」
- ほむら「初日にまどかが死んだ」
- 杏子「さやかが円環の理に導かれたwwwwwwww」
- さやか「旅に出る」
- QB「言い訳になるけれど」
- ほむら「拳でワルプルギス倒す」
- まどか「あそこで一人で焼肉食べてるのって…」さやか「見ちゃ駄目」