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    ダイヤ「お、お嫁さん・・・?」

    1: ◆LXjZXGUZxjdx 2019/03/02(土) 00:39:34.83 ID:nSoKXtCUo


    ----------------------------------------

    黒澤邸

     

     

     

    黒澤母「はい」

     

    ダイヤ「あ、あの。すみません、意味がよく分からないのですが」

     

    黒澤母「ですから、わたくし達のご先祖様が氏神様に願ったのです。内浦の海を末永く守れるよう、年頃になった黒澤の娘には、一生共に海を守っていけるにふさしいお嫁さんが自然に現れますようにと」

     

    ダイヤ「は、はあ・・・?」

     

    黒澤母「そしてその願いは叶えられました。かくいうわたくしも、それで今のお嫁さんと出会ったのですよ。ぽっ///」

     

    ダイヤ「そ、そうですか・・・」

     

     

     

     

     

     



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    2: ◆LXjZXGUZxjdx 2019/03/02(土) 00:43:44.44 ID:nSoKXtCU0


    ---------------
    翌朝
    黒澤邸 洗面台


    ルビィ「・・・・・・」シャコシャコ

    ダイヤ「あらっ、ルビィ」

    ルビィ「んぁー。おねぇぃちゅぁおはおー」シャコシャコ

    ダイヤ「おはようございます。珍しく早起きですね」

    ダイヤ「さて、わたくしも歯磨きをしないと」

    ダイヤ「んっ、あれ? わたくしの歯ブラシがありませんわね」

    ルビィ「・・・・・・」シャコシャコ

    ダイヤ「あっ! ルビィ! またわたくしの歯ブラシを間違って使って!」

    ルビィ「んー・・・・・・」シャコシャコ

    ダイヤ「まったくしょうがない子ですわね・・・」

    ルビィ「・・・・・・」シャコシャコ



    ---------------
    玄関


    ルビィ「いってきまーす」

    ダイヤ「いってきます」


    ガララ


    花丸「おはようございますダイヤさん///」ブルブル

    ダイヤ「・・・・・・・・」

    花丸「・・・・・・・////」ブルブル

    ダイヤ「・・・・・お、おはようございます」

    花丸「はい////」ブルブル

    ダイヤ「・・・ルビィ。今日は花丸さんと一緒に登校するお約束でもしていたの?」

    ルビィ「してないよ」

    ダイヤ「そう・・・。あ、あの、花丸さん。いつからそこに?」

    花丸「えっとぉ/// よく覚えてないけど、多分4時くらいから?」ブルブル

    ダイヤ「4時?! 貴女はいったいなにをやっているんですか?! こんな寒い季節に! ちょっとこっちに来なさい」グイッ

    花丸「きゃ///」ブルブル

    ダイヤ「んまっ! こんなに体を冷やして! 震えているじゃありませんか! ほら、私のマフラーを巻いて、コートも貸しますから」

    花丸「はい//// スンスンッ、はふっ/// ダイヤさんのニオイ///」

    ダイヤ「早く学校に行って温まりますわよ!」

    花丸「はい///」


    ルビィ「・・・・・・・」




    3: ◆LXjZXGUZxjdx 2019/03/02(土) 00:45:48.67 ID:nSoKXtCU0


    ---------------



    プシュー

    バス「浦の星女学院経由ー」

    ダイヤ「さ、早く乗って」

    花丸「はい////」


    千歌「あっ! ダイヤさんおはよー!」

    梨子「おはようございますダイヤさん」

    ダイヤ「あら、千歌さん、梨子さん。おはようございます」

    千歌「ダイヤさんこっちこっち! 座って」

    ダイヤ「はい、では失礼して」ストン


    ギュ


    ダイヤ「はい?」

    梨子「こうやって偶然にも同じバスにダイヤさんと乗れるなんて、運命を感じちゃいますね・・・・///」ダイヤの右腕抱きしめ

    ダイヤ「はぁ・・・。バスの本数はそう多くないし、わたくし達、登校時は大体同じバスに乗り合わせる印象ですけど」

    花丸「こうやってダイヤさんの隣に座った途端、とてもあったかくなったずら///」ダイヤの左腕抱きしめ

    ダイヤ「ええ、まぁ・・・。車内は暖房がはいっていますから」

    千歌「ダイヤさん・・・/// はぁ、もう、ホント、私・・・ダイヤさん///」ダイヤの膝の上

    ダイヤ「意味が分かりません・・・」









    4: ◆LXjZXGUZxjdx 2019/03/02(土) 00:46:51.05 ID:nSoKXtCU0


    ----------------------------------------
    浦の星女学院
    校門


    果南「おっ、ダイヤー。おはよー」

    善子「・・・・はよっ」

    ダイヤ「果南さん、善子さん。おはようございます」

    果南「あははっ、なになに。朝からアツアツだねー」

    ダイヤ「はい・・・。なんだか妙に懐かれてしまって・・・。ち、千歌さんっ。歩きにくいですからっ」

    千歌「ダイヤさんの背中たくましくてすきっ///」ダイヤの背中抱きしめ

    ダイヤ「失礼な・・・」

    梨子「ダイヤさん/// 私、ダイヤさんのためにお弁当作ってきたんです。よかったら・・・・・・///」ダイヤの右腕抱きしめ

    ダイヤ「本当ですか。ありがとうございます。お昼に頂きますわ」

    花丸「ダイヤさん// マル、面白い小説見つけてね・・・・・・///」ダイヤの左腕抱きしめ

    ダイヤ「ああ、はい。後でお話聞かせてください」


    果南「んー。あったかそうではあるけど、そろそろ離れよっか。もうすぐチャイムなるからさ。1年生と2年生は教室違うから、ダイヤは私と一緒に行こう」

    ダイヤ「そうですよ。三人とも早く2年生と1年生の教室に行かないと」

    千歌「大丈夫! 3年生の教室までお供する!/// 自分の教室には走って行くから!///」

    ダイヤ「廊下は走ってはいけません」

    梨子「ダイヤさんと少しでも長くいたいんですっ///」

    ダイヤ「ですから・・・」

    花丸「・・・・・///」ギュウ

    ダイヤ「ああもう・・・。埒があきませんわ。このまま急いで教室に行きます」


    ルビィ「・・・・・・・・・」







    5: ◆LXjZXGUZxjdx 2019/03/02(土) 00:47:57.28 ID:nSoKXtCU0


    ----------------------------------------
    お昼休み 食堂


    梨子「ダイヤさん/// あ~ん///」

    ダイヤ「あ、あ~ん・・・」パクッ

    梨子「私の愛をたくさん詰めたサンドウィッチはどうですか///」

    ダイヤ「え、ええ。おいしいですわ」

    千歌「ダイヤさんみかん好きだよねはいあ~ん」

    ダイヤ「は、はい、いただきまっ、あっ、んむっ」パクッ

    千歌「どう? どう? おいしいよね? おいしいよね? 毎日食べたいよね? そのみかん、うちの裏庭で採れたものなの。十千万に嫁げば毎日食べられるよっ!」

    ダイヤ「んっ、むぐゅ・・・」モグモグ

    果南「こらこら。そんなにいっぺんに食べられないって。ダイヤ困ってるよ」



      < みてみてあれ

      < わー、黒澤さん、後輩の子達からあ~んってされてるよ

      < かわいいねー



    ダイヤ(は、恥ずかしい・・・)

    千歌「ダイヤさん、どうぞもう一個。あ~ん」

    花丸「あーん」パクッ

    千歌「ぬぁあ?! 花丸ちゃん!! それダイヤさんのみかん!」

    花丸「うまいずら」モグモグ

    ダイヤ「落ち着いてください。わたくしのみかんだったらいくらでも召し上がってかまいませんから」

    千歌「そうじゃなくって~・・・。う~・・・」

    梨子「ダイヤさん/// りこっぴーと一緒に水色の風になって、私を捕まえてみませんか?///」

    ダイヤ「は、はい・・・?」


    6: ◆LXjZXGUZxjdx 2019/03/02(土) 00:49:13.95 ID:nSoKXtCU0



    鞠莉「あっ、ダイヤ~。ここにいたのね~」


    ダイヤ「鞠莉さん?」

    鞠莉「食事中ごめんねー。この申請書に生徒会長のサインが必要なの。ちょっと急ぎの書類でね」

    ダイヤ「あら、これは昨日処理したと思いましたが」

    鞠莉「ここ、ダイヤのサインだけ抜けているの」

    ダイヤ「あっ、本当ですね。すみません。すぐに書きます」

    ダイヤ「 黒 澤 ダ イ ヤ  ・・・っと」カキカキ

    鞠莉「サンキュー。それとこっちの報告書にもサインもらえる?」

    ダイヤ「はい。 黒 澤 ダ イ ヤ  ・・・っと」カキカキ

    鞠莉「あと、ついでにこの書類もサインちょーだい」

    ダイヤ「はい。 黒 澤 タ ―――」カキカキ

    ダイヤ「―――んんっ?!」ピタッ

    鞠莉「? どうしたの? 早く。サイン書いて。書いて。ハリー。ねえ、お願い早く」

    ダイヤ「あ、あの・・・鞠莉さん・・・。この書類・・・」ピラ


       【婚姻届】
    妻になる人:黒澤 タ
    妻になる人:小原 鞠莉


    鞠莉「なにかおかしい? 早くサインして。ママに『早く出しておきなさい』って言われたの。だから早くサインして。早く」

    ダイヤ「ええとですね・・・。その・・・。わたくしがこの書類にサインするかどうかは、一度持ち帰って身内で協議の上、前向きに検討致しますので、その結果はまた後日に改めて回答を・・・」

    鞠莉「んもーっ! マリーが金髪だからってバカにしているでしょ! マリー知っているんだからねっ! それって、『なにもしません』って意味の日本語でしょ!」

    ダイヤ「い、いえ、決してそのような・・・」


    曜「ダイヤさーん!!!」タタタ

    ダイヤ「曜さん。そういえば朝から姿が見えませんでしたわね。どこに行ってらしたんですか?」

    曜「うん! ちょっと市役所にね!」

    ダイヤ「市役所? なんでそんなところに、あっ、いえなんでもないでs」

    曜「ダイヤさん! ここにサインして! やっぱり本人がサイン書かないとダメなんだって!」つ【婚姻届】

    ダイヤ「・・・・・・」


    果南「はいはい。漫才はその辺にしてさ。ダイヤ、今日の放課後は生徒会で忙しくて練習できないって言ってたよね? せっかくみんな揃っているんだし、食事が終わったならちょっとこのお昼休みだけでもダンスを合わせてみない?」

    ダイヤ「まあっ、それはいいですわね! そうしましょう! ライブも近いですしねっ! そうと決まれば早速外へ行きましょう!」スタスタ

    千歌「あっ! ちょっと待ってよ~! ダイヤさ~ん!」タタッ




    7: ◆LXjZXGUZxjdx 2019/03/02(土) 00:55:27.19 ID:nSoKXtCU0


    ---------------



    曜「だからー。ダイヤさんを世界一愛している私としてはさー」

    鞠莉「ダイヤを世界一愛しているのはマリーなんだけどっ。しかも子供のころからずっとだしっ」


    梨子「好きな子の心を掴むには、まず胃袋から、って言うじゃない? だからルビィちゃん。ダイヤさんの好きな食べ物を教えて」

    ルビィ「知らない」


    千歌「ねえ、花丸ちゃん。ちょっと私とユニット変わらない?」

    花丸「変わらんずら」



    果南「あははっ。ダイヤモテモテだねー」

    ダイヤ「え、ええ・・・。好意を寄せて頂けるのはうれしいのですが、あまりにも急な変化で戸惑ってしまって・・・」

    ダイヤ「その点、果南さんはいつも通りですのね」

    果南「んー? そーお?」

    ダイヤ「はい。だから今は果南さんの傍にいると安心しますわ」

    果南「あははっ。そりゃよかった。あっ、ダイヤ、靴紐がほどけかかってるよ」

    ダイヤ「えっ?」

    ダイヤのローファー「えっ?」

    果南「・・・・・・・」グイッ

    ダイヤ「きゃ?!」




    8: ◆LXjZXGUZxjdx 2019/03/02(土) 00:57:15.22 ID:nSoKXtCU0


    ---------------
    校舎の影


    ダイヤ「ちょ、ちょっと果南さん―――きゃ」クラッ

    果南「・・・・・」壁ドンッ


    ダイヤ「・・・・・・・・・」

    果南「・・・・・・・・」


    ダイヤ「・・・どういうおつもりですの?」

    果南「どうもこうもないよ。あんなこと軽々しく言うなんてさ。ダイヤは本当に無防備なんだから」

    ダイヤ「わたくし何か変なこと言いましたか?」

    果南「言った。今までは周りに誰か居たから我慢していたけど、もう無理」顎クイッ

    ダイヤ「っ・・・。や、やめてください」

    果南「こういうことされるの、嫌?」顔近づけ

    ダイヤ「無理矢理されたら、誰だって嫌がると思いますが」

    果南「そんなに嫌なら私を振り払って逃げればいいじゃん」

    ダイヤ「力では果南さんには敵いません」

    果南「いきなり突き飛ばすとか、噛みつくとかすれば、さすがの私もひるむと思うけど?」

    ダイヤ「・・・・そんなことはできません」

    果南「どうして?」

    ダイヤ「そ、それは・・・」

    果南「それは?」

    ダイヤ「・・・・・・・貴女は・・・わたくしの大切な人、ですから」

    果南「・・・・・・」

    ダイヤ「なにがあっても傷つけるようなことはできません」


    果南「・・・・・・」

    ダイヤ「・・・・・・」


    果南「・・・・・・ぁ~~~っ//////」ゾクゾク

    ダイヤ「・・・?」

    果南「あーもうっ!/// そういうダイヤだから大好きなのっっ!!!」ハグッ

    ダイヤ「ちょ、か、かなんさっ、くくるしっ・・・」



    千歌「あーっ!! ダイヤさんいた!!」

    鞠莉「ンノォォォ!!! かーなーんん゙っっ!!! 何抜け駆けしてるノッ!!!」

    果南「ありゃ、見つかった」





    9: ◆LXjZXGUZxjdx 2019/03/02(土) 00:58:26.98 ID:nSoKXtCU0


    ----------------------------------------
    放課後 生徒会室



    ダイヤ「ふー・・・」トントン

    ダイヤ(今日のところはこのくらいで終わりにしましょっと)

    ダイヤ(皆さん、今日はわたくし抜きで練習しているはずですけど。さすがにこの時間じゃ帰っていますわね)

    ダイヤ(ちょっと部室だけ覗いて帰りましょう)



    ---------------
    部室


    ダイヤ「あら」

    善子「あっ」

    ダイヤ「善子さんだけですか?」

    善子「そうだけど」

    ダイヤ「何をなさっているんですの?」

    善子「PVの編集」

    ダイヤ「ああ、あれですか。すいません、こういうことはいつも善子さんに全部やって頂いてしまって」

    善子「いいわよ別に。慣れているから」


    ダイヤ「・・・・・・んんっ」グッ…

    善子「・・・何身構えてんのよ」

    ダイヤ「へっ? あっ、い、いえこれは、その・・・」

    善子「別に、二人きりだからって、果南さんみたいなことはしないわよ」

    ダイヤ「そ、そうですか?」

    善子「あんなのと一緒にしないで」

    ダイヤ「ほっ・・・。今度こそ、いつもの善子さんですね」

    善子「ヨハネよ」

    ダイヤ「ふふっ、そうでしたわね」


    ダイヤ「あの、PVを作るのわたくしも以前から興味があって。少しだけでいいので編集作業を横で見ていてもよろしいですか? 」

    善子「いいけど」

    ダイヤ「それでは失礼して」ススッ

    善子(・・・・・近っ)


    ダイヤ「ほう」

    善子「・・・・・・」カチカチ

    ダイヤ「あっ、これいいですね。キラキラしてて。おおっ、こちらは以前わたくしが提案した通りのカットになっていますわ」

    善子「・・・・・・」カチカチ

    ダイヤ「さすがですわぁ」

    善子「・・・・ある程度できたからちょっと頭から再生してみるわね」

    ダイヤ「ええ、お願いします」



    10: ◆LXjZXGUZxjdx 2019/03/02(土) 01:00:02.67 ID:nSoKXtCU0



    ~~♪


    ダイヤ「ほー」スッ

    善子「・・・・・」

    ダイヤ「ああ、ここの切り替えいいですわねぇ」スー…

    善子「・・・・・」

    ダイヤ「おほほーっ、サビでわたくしをアップにしてくれたんですね!」

    善子「・・・・んっ。ダイヤさん、華やかで存在感あるから、いいかなって思って」

    ダイヤ「さすがです! わかっていますわね!」ススー

    善子(頭とか体・・・どんどん近づいてきてるっての・・・)


    善子「・・・・はい、今のところはこんな感じね」

    ダイヤ「素晴らしいですわ。わたくしはもう100点あげたいですわ」

    善子「まだ余分なフレームが残ってて若干音ズレしているのと、圧縮作業が残っているから、まだもうちょっとかかるけどね」

    ダイヤ「そうなんですか? 難しいことはよくわかりませんが・・・。でも、本当に善子さんはよくやってくださいますわ。いい子いい子しちゃいますわぁ」ナデナデ

    善子「ちょ、ちょっとやめてよ・・・子供じゃないんだから」

    ダイヤ「うふふっ。あっ、そうだ。何かわたくしにできることはありませんか?」

    善子「何かってって、言われても。この通りPV編集はもうほとんどできているし」

    ダイヤ「そうじゃなく。善子さんにはいつも陰ながらわたくし達を支えて頂いていますから、わたくしがお返しに何かしたいのですわ」

    善子「ふーん・・・」

    ダイヤ「なんでもいいですよ。お勉強のお手伝いとか、アイドルの講義とか」

    善子「それじゃ私と結婚して」

    ダイヤ「はいっ・・・・はっ?」

    善子「冗談よ」プイッ

    ダイヤ「善子さん・・・」

    善子「ダイヤさんにしてもらうこと、何がいいか考えておくから。また今度にお願いする」

    ダイヤ「・・・・・・・」

    善子「私はこの後編集の仕上げしてから帰るから、ダイヤさんは先帰っていいわよ。戸締りもちゃんと私がしておくから」

    ダイヤ「・・・・・・・」

    善子「なにしてんの? 早く帰れば?」

    ダイヤ「帰れません」

    善子「なに? 生徒会の仕事まだ残っているの? だったらさっさと生徒会室に戻ればいいじゃない」

    ダイヤ「善子さんを置いてここを離れるわけにはいきません」

    善子「はぁ? 意味わからないんだけど」

    ダイヤ「わたくしに帰ってほしいなら、ちゃんとこちらを向いておっしゃってください」

    善子「イヤ」


    11: ◆LXjZXGUZxjdx 2019/03/02(土) 01:00:59.17 ID:nSoKXtCU0


    ダイヤ「どうして?」

    善子「あそこに見たこともない変な虫がいて面白いから視線を外せないの」

    ダイヤ「そんな虫はいません」

    善子「いるわよ。あっ、あれゴキブリかも。かなりでかいわよ。ダイヤさんゴキブリ苦手でしょ? 早く逃げた方いいわよ」

    ダイヤ「ゴキブリなんていません」

    善子「しつこい。早く帰って。編集作業の邪魔だから」

    ダイヤ「わたくしの目を見ておっしゃってください」

    善子「なに? PVできなくてもいいの? 私は別にそれでもいいけど、他の子が黙ってないんじゃない? ダイヤさんのせいでみんなのPVができなかったって、ダイヤさんが悪いって、言われるわよ?」

    ダイヤ「かまいません」

    善子「あっそ・・・。あっ、そういえばルビィっていつも門限を気にして練習してるわよね。それってダイヤさんも同じじゃないの? ダイヤさんの家厳しいんでしょ。門限も守れないような子はアイドル活動するな、とか親に言われるんじゃないの?」

    ダイヤ「門限よりも、アイドル活動よりも、大切なことが、今のわたくしにはあります」

    善子「なによそれ・・・」

    ダイヤ「失礼」グイッ

    善子「ちょ?! やっ、やめっ、てっ」

    ダイヤ「上ずった声しか出せない。目にいっぱい涙を溜めている。そんな貴女一人放っておくことなどできません」

    善子「うっ、ぐすっ、見るなぁ! ばかぁ・・・! ダイヤさんのばかぁ!!」

    ダイヤ「バカでかまいません。貴女の涙が止まるまでわたくしはいつまでもここにいます」

    善子「やめて!! そんなことしないで!!!」

    ダイヤ「なぜですか?」

    善子「だって・・・! 諦められなくなっちゃうでしょ! だけど最初から分かっているんだから! 私じゃダメだって!」

    ダイヤ「ダメ・・・? とは?」

    善子「千歌さんや曜さんみたいに明るく元気じゃない・・・。リリーみたいに美人で気立てがいいわけでもない・・・。マリーみたいに人の上に立てる程しっかりでもない・・・。果南さんみたいに強くて頼れる人じゃない・・・」

    ダイヤ「・・・・・・」

    善子「私なんて何にもないでしょ・・・。それどころか、衝動的に変なことを言ったりやったり・・・運だって悪いし・・・常識から外れているって、頭ではわかっているの・・・」

    ダイヤ「・・・・・・」

    善子「ダイヤさんは、こんな何もなくて変な人間と一緒にいたいって思う? 思わないでしょ。私だって思ないわよ。だってダイヤさんのためにならないもの。そんなこと私だって最初から分かってた。だから私は遠くでみんなを見るだけなの・・・・」

    ダイヤ「・・・・・・」

    善子「だから・・・もう本当にやめて・・・。これ以上みじめな私を見るのはやめて・・・。一人にして・・・」

    ダイヤ「・・・・・・一つ言えるのは」

    善子「・・・?」


    12: ◆LXjZXGUZxjdx 2019/03/02(土) 01:02:45.76 ID:nSoKXtCU0


    ダイヤ「善子さんは何もないなんてことはありませんわ」

    善子「はっ! なによそれっ! 具体的に言ってみなさい! どうせ私以外の人だって持っているものに決まってる!」

    ダイヤ「いいえ。誰にでもあるものではありません。優しく奥ゆかしく、そして力強い・・・その心は」

    善子「やさしいぃ? ちからづよいぃ? どこがぁ?」

    ダイヤ「確かに善子さんはたびたび理解不能な言動と行動をしますわ。それが善子さんの一番目立つところです。善子さんのことをよく知らない人から見たら、それが善子さんという人間だと錯覚してしまうでしょう」

    善子「錯覚じゃないでしょーが・・・」

    ダイヤ「錯覚じゃないのであれば、なぜ千歌さんは善子さんをAqoursに引き入れたのですか? なぜ今日まで善子さんは数々のライブをわたくし達とこなせてこれたのですか? そしてなぜいつも善子さんは人知れず努力して皆さんを支えているのですか?」

    善子「・・・・」

    ダイヤ「・・・・理屈はよくわかりませんが、わたくしは朝から色々な人から大きな好意を受けておりますわ。きっと善子さんも同じなのでしょう。皆さんと同等か、それ以上の好意を私に抱いているのでしょう。だけど善子さんは、わたくしが聞き出すまでその好意を胸に秘めていました。それは、善子さん自身がわたくしのためを思ってそうしていたのでしょう? 愛する人のために、あえて身を引くことができるなんて、なんと優しく奥ゆかしく力強い心の持ち主なのでしょうか。大和撫子などともてはやされているわたくしが恥ずかしくなるほどに。善子さんは、その名の通り、本当にとても善い子ですわ」

    善子「・・・・・・そんなに言うんだったら聞くけど」

    ダイヤ「なんでしょう」

    善子「ダイヤさんは、私のこと好き?」

    ダイヤ「ええ、もちろん」

    善子「それじゃ、私と一生一緒にいたいって思う?」

    ダイヤ「そ、それは・・・・」

    善子「ほらやっぱり。私以外の誰かがいいんでしょ」

    ダイヤ「いえ、それも違います」

    善子「どういうことよ・・・」

    ダイヤ「好意を頂くことは本当に嬉しいです。だからといって、それだけで結婚とか、一生一緒にいるとか、そういうことはわたくしにはできません。なぜなら、そんなことをしても誰も幸せになりませんから」

    善子「幸せにならない・・・?」

    ダイヤ「わたくし・・・。そういう意味での、好きとか、愛とか、特別な好意がそもそもよく分からなくて・・・。多分、経験がないからです。あっ、いえ、わたくしくらいの年齢なら、一度や二度あるのが普通なんでしょうが・・・あいにくきっかけがなかったのかどうか・・・よく分かりませんが・・・」

    ダイヤ「とにかく、わたくしは特別な好意を知らないんです。だから、好意は常に一方通行になってしまう。でも、そういうのって、本来は双方向のものでしょう? それができなかったら、きっとお互い幸せにはなりません。わたくしはそう思います」



    13: ◆LXjZXGUZxjdx 2019/03/02(土) 01:06:46.84 ID:nSoKXtCU0



    果南「ふーん。そういうことねー」

    ダイヤ「なっ?! か、果南さん?! と、皆さん?! いつからそこに・・・」

    鞠莉・曜・千歌・梨子・花丸・ルビィ「・・・・・」

    果南「そんなことはどうでもいいんだけど。まっ、確かにダイヤが恋愛をよく分からないっていうのは納得だね。小さい時から一緒にいるけど、浮いた話全く聞かないからさ」

    ダイヤ「失礼ですわね・・・ですが、事実です・・・一生を添い遂げたいという愛が、わたくしには分かりませんわ・・・」

    ダイヤ「もちろん、アイドルの歌で愛や恋の存在自体はよく知っているつもりです。とても素晴らしいものだと。しかし、いざ自分がとなると、それが具体的にどういうものかがよくわからないのです」

    ダイヤ「ですから、皆さんから求婚されても、わたくしはただただ戸惑うことしかできなくて・・・」

    ダイヤ「だって仕方ないでしょう? わたくしは幼い頃よりお稽古事が忙しくて、色恋沙汰にうつつを抜かす時間など・・・」

    鞠莉「そんなありきたりな言い訳は見苦しいデ~ス」

    ダイヤ「んぐっ・・・」


    花丸「状況は理解しました」

    ダイヤ「花丸さん?」

    花丸「ならば、あまたの恋愛小説を読破し恋愛ますたぁとなった、不肖この国木田花丸が、その腕を以ってして、一生を添い遂げたいと思える愛をダイヤさんに感じさせましょう。そうすることでダイヤさんにはどっきどきのきゅっんきゅんになってもらうずら」

    ダイヤ「はぁ・・・。どのようにしてですか?」

    花丸「まずは目を閉じてください」

    ダイヤ「はい」

    花丸「これからマルがあるお話をします。そのお話をよく聞いて、よく想像してください」

    ダイヤ「今更お話を少し聞いただけで何かが変わるとは思いませんが・・・。とりあず、了解ですわ」

     ※ 少しじゃないので忙しい人は9スレくらい飛ばしておっけー



    14: ◆LXjZXGUZxjdx 2019/03/02(土) 01:08:23.76 ID:nSoKXtCU0


    花丸「始めます」

    ダイヤ「お願いしますわ」

    花丸「ダイヤさんと花丸は、お互いに未婚のまま、同棲3年目の仲です」

    ダイヤ「同棲などしていません」

    花丸「いいから最後まで黙って聞くずらっっっ!!!!」机バンッ

    ダイヤ「ぴぎゃ?!」ビクッ


    花丸「続けます」

    花丸「近くの駅やスーパーまでは歩いて30分。築30年の安アパートの一室。決して裕福とは言えないその家に、ダイヤさんと花丸は暮らしています」

    ダイヤ「・・・・・」

    花丸「ある日の朝。トントン。グツグツ。野菜を切って包丁がまな板をたたく音。みそ汁を煮込む音。この音を聞き、ダイヤさんは布団の中で目を覚まします。目覚まし時計はもうずいぶん使っていません。同棲を始めてから、この料理の音で目を覚ますのが、ダイヤさんの一日の始まりです」

    花丸「ダイヤさんは目を覚ましてもすぐには起き上がりません。まずは料理の匂いを嗅ぎます。おみそ汁が煮える湯気と、白米が炊ける柔らかい匂い。魚が焼ける香ばしい匂い。その匂いを、すーっと、ゆっくりと鼻から吸い込みます。その匂いは、あっという間に意識を覚醒させ、睡眠欲を食欲に変えます。何年食べても飽きない、質素ながらも栄養があって舌になじむ食事。嗅いだだけでその味を容易に想像させる朝食に、期待で胸を膨らませます」

    花丸「しかし、ダイヤさんはそれでもまだ起きません。狭いアパートの一室。寝室から台所はよく見えます。調理台の前に、花丸の背中が見えます。上げた髪から見えるうなじ。割烹着越しに見える尻と背中。そんな背中からでも想像に難くない大きく柔らかい胸。そんな花丸を見て瞬く間に心の奥底から沸き上がる情欲。なんとかそれを理性で抑えます。ダイヤさんは寝たふりをしながら布団の中で下腹部を抑え、それでも我慢できないダイヤさんは花丸を見続けます」

    ダイヤ(・・・・破廉恥な)


    花丸「ドキッとしたずら?」

    ダイヤ「いいえ。全く」



    15: ◆LXjZXGUZxjdx 2019/03/02(土) 01:09:13.25 ID:nSoKXtCU0


    花丸「そうですか。では続けます」

    花丸「行ってきますのちゅー。新婚夫婦でよくあるといわれる愛情表現。でもダイヤさんと私は一度もしたことがありません。まだ結婚もしていなくて、付き合っているのかさえ微妙な関係であるというのもありますが、そもそもそういう甘々とした雰囲気にならないからです」

    花丸「朝食を終えた後。ダイヤさんは仕事着に着替えます。昨晩のうちに私がアイロンをかけておいた仕事着を持ってきて、ダイヤさんに羽織らせます。ダイヤさんはボタンをとめ、私はダイヤさんの前に立ってネクタイを結びます。普段からダイヤさんはあまりしゃべりませんが、この着替えの時は、私達は全くの沈黙になります」

    花丸「なぜなら、仕事着に着替えるとダイヤさんは雰囲気が変わるからです。目つきが鋭くなり、体が大きくなったように見え、少し怖いとさえ思えるような雰囲気があります。真面目なダイヤさんのことです。このダイヤさんが職場でのダイヤさんであると、私は容易に想像できます。私は思います。ダイヤさんはこうなったらもう、仕事のしか考えていないのだと。私の入る余地などない。だって目の前にいるのに一瞬でも目を合わせてくれないのだから。『少しくらいは私の事を見てくれてもいいのに・・・』なんて、そんな淡い想いを胸に抱きますが、欲張らずに理性的に物事を考えます。今の私にできる最善は彼女の邪魔をしないこと。それをただ実践するだけ。せめてもの私の愛情表現として、勇気を出してこう言います。玄関で靴を履き終えた少し怖いダイヤさんの背中に向かって、『いってらっしゃい』。毎日これを言っていますが、今までダイヤさんから言葉が返ってきたことは一度もありません。返ってくるのは、いつも『ん』とか、『ああ』とかだけ。それは背中越しに発せられる、そよ風の音にでさえかき消されてしまいそうな程に小さく短い声。だけれど、私はその声をしっかりと心で受け止めます。そうすることでささやかな幸福を感じ、私は胸が温まります」

    ダイヤ「ふむ・・・」


    花丸「ドキッとしたずら?」

    ダイヤ「んん・・・。まあ・・・」



    16: ◆LXjZXGUZxjdx 2019/03/02(土) 01:10:21.79 ID:nSoKXtCU0


    花丸「そうですか。では続けます」

    花丸「ダイヤさんは、以前はこの家でずっと一人暮らしをしていました。朝はいつも疲れが抜けていない体を無理に起こします。料理をする暇などなく、かといって何も食べずに家を出ると仕事中に力が入らなくなります。だから、前日の夜に買ってきて調理台に置いておいた豆腐とかみかんとかだけを手早く食べ、そして慌てて着替えてぎりぎりの時間に家を出ます。日中一生懸命働いて、疲れて、夜遅くに帰ってきて、寝る時間を少しでも確保するために、お風呂には入らずシャワーだけを浴びて、夕食は食べずに寝る。たまの休日は疲れ果てて眠ってばかりいて、ろくに部屋の掃除をすることもできていませんでした。それが一人暮らしをしていた頃のダイヤさんです」

    花丸「そんなあるときに、花丸と暮らすことになりました。最初のうちは散らかった部屋とか、汚れたトイレやお風呂を見られるのがとても恥ずかしくて仕方のなかったダイヤさんでした。ですが、それを花丸は笑うことも蔑むこともなく、黙々と掃除をして、ダイヤさんの家に来たその日のうちに部屋を綺麗にしました。ダイヤさんがいつものように疲れて夜遅くに仕事から帰って来ると、綺麗で清潔になった部屋に、おかずがたくさんの暖かい手料理が目に入り、とても感動しました」

    花丸「花丸がこの家に来た翌朝のことです。ダイヤさんがいつものように仕事着へと着替え始めると、上着をハンガーから外して持った花丸が近くに来ました。親切に持ってきてくれたのだと思ったダイヤさんは、上着を受け取ろうと手を出しますが、花丸は上着を持ったままダイヤさんの背中へと回ります。意図していなかった花丸の動きに、ダイヤさんが不思議に思っていると、花丸は差し出されたダイヤさんの手を取り上着へと袖を通しました。ダイヤさんが何をされているのか直ぐに理解できずに放心していると、今度は花丸がダイヤさんの前に立ち、ボタンをとめ、ネクタイを結び始めました。ダイヤさんより背の低い花丸。ダイヤさんの視界は花丸の前髪が広がりました。少し見下ろすと、ネクタイを結ぶ手元を見ている花丸の顔が見え、その顔は少し微笑んでいます。その姿にダイヤさんは思わず息をのみます。そうすると、鼻を通じて花丸の香りが頭の中を駆け巡ります」

    花丸「ストレスと疲労をすっかり飼いならし、人と触れ合うことすらほとんどなくなった日常を送っているダイヤさんにとって、花丸の何気ない気遣いの行動や近い距離感は、その一つ一つが常軌を逸していました。ダイヤさんにとってのその非日常は、日常で押さえつけられている情欲を暴露させていくに十分でした。ですが、花丸のこの微笑みを絶対に曇らせてはならないというその一心で、なんとか必死に醜い自分を抑え込みました。頭の中の情欲を、仕事のことを考えてかき消そうとしました。だけどいくら他のことを考えようとしても、目の前の花丸が頭から離れません」

    花丸「もうこうなったら、視界から花丸を外し、早く外に出ることだけに集中しよう。ダイヤさんはそう思いました。花丸がネクタイを結び終わったら、足早に玄関に向かいました。背中から花丸の声が聞こえます。『いってらっしゃい』。振り返るどころか、それに言葉を返す余裕すら、ダイヤさんにはもうありません。そんなことをしたらもう本当に理性を保てない。仕事どころではなくなる。でも、せっかく声をかけてもらっているのに、無視するわけにもいかない。ダイヤさんはなんとかがんばって声を絞りだします。そうしてやっと出てきた一声が、『ん』。そんな朝のやり取りを、ダイヤさんはもう3年間も繰り返しています」

    ダイヤ「・・・・・・・っ」 …キュン


    花丸「ドキッとしたずら?」

    ダイヤ「あっ・・・うっ・・・ど、どうでしょう・・・」



    17: ◆LXjZXGUZxjdx 2019/03/02(土) 01:11:27.96 ID:nSoKXtCU0


    花丸「そうですか。では続けます」

    花丸「ダイヤさんは職場に出勤する前に必ず行うことがあります。それは職場の近くの神社に立ち寄ることです。ヒノキの大きな鳥居の前に立ち、一礼します。その一礼の間に心を穏やかにします。そして榊で隔てられた先の神域へと足を踏み入れます。参道の真ん中を通らないよう歩きます。玉砂利がじゃりじゃりと擦れる音を聞きます。お手水で手と体を清め、本殿へと向かいます。汚れた心を洗い流すように、朝の冷えた空気を吸い込み、そして背筋を伸ばして神域に満ちている気を全身と魂で感じます。松林越しの朝日に照らされ金色に輝くヒノキの本殿。その前に立ちます。おさい銭箱にお金を入れます。ヒノキの芳香を深く吸い込みながら深く拝みます。拝みながら心の中で氏神様に謹んで申し上げます。今日も無事にここへ足を運べたことに対する感謝、いつも飢えることなく食事ができていることに対する感謝、職場の同僚の安全、商売の安泰、等々。そして、なにより長く深く心を込めて願うことがあります」


    花丸「それはなんですか?」

    ダイヤ「・・・・・・・花丸さん・・・のことですか?」


    花丸「はい、その通りです。そもそもダイヤさんがこうして仕事を始める前に神社に欠かさず参拝するようになったのは、花丸と暮らすようになってからです。花丸はダイヤさんに本当によく尽くしています。そんな彼女に何かできないかと、不器用ながらも心底真面目なダイヤさんなりに必死に考えた結果が、こうして氏神様にお願いをすることだったのです。花丸と出会わせてくれたことに対する感謝。そして、花丸の健康と平穏と幸福を、心を込めてお願いします」

    ダイヤ「・・・・・・・はっ」 …トクン


    花丸「ドキッとしたずら?」

    ダイヤ「・・・・あっ・・・い、いえっ!」ホクロさわさわ



    18: ◆LXjZXGUZxjdx 2019/03/02(土) 01:12:19.50 ID:nSoKXtCU0


    花丸「そうですか。では続けます」

    花丸「ダイヤさんが家を出たら、私はまず洗濯をします。この家は日当たりが悪いので、お日様が差すわずかな時間を狙って洗濯物を干すようにします。乾いたら取り込み畳みます。その洗濯物の中には当然ダイヤさんの服や下着も含まれます。一緒に生活をするようになった当初は、それらに下心を持ってしまいそうになったこともありましたが、さすがにもう慣れたので、やましい気持ちなど全く湧きません。何も思いません。自分の下着を触るのとなんら変わりません。だからすることと言えば、畳む前にちょっとだけ大事に両手で持って、ちょっとだけ顔に近づけて、なんとなく深呼吸をする、程度のことしかしません。洗濯をした後なのであの人の匂いなどしません。お日様の匂いしかしません。でも、これは紛れもなく昨日一日真面目に働くあの人を包んでいた下着です。一生懸命働くあの人の汗を吸ったであろう下着です。また明日もこの下着はあの人を包むのでしょう。あの人を危険から守ってくれるよう、下着の神様にお願いをします。下着を通して、あの人の健勝を願います。今頃脇目も振らずに働いているであろうあの人のに想いを馳せます」

    花丸「私は家にいるときのあの人のことしか知りません。職場でのあの人はどのような感じなのでしょうか。朝家を出るときのあの人は少し怖い表情です。あの怖い表情で働いているダイヤさんを想像します。とてもかっこいいと思いました。胸が高鳴りました。傍で見たいと思いました。片腕となって私が支えてあげたいと思いました。でもそれはできないでしょう。だから、せめて頭の中だけでもそんなあの人と私をいっぱいいっぱい想像しました」

    花丸「突然、私のいる部屋に、バンッ、と音が響きました。やましいことなど何もないですが、私はびっくりして慌てて顔に押し付けていた下着を離してしまいました。家にいるときにこの音はしょっちゅう響きます。上階か隣の部屋の人がふすまを閉めた時の音です。アパートの壁が薄いので、隣の家の人の生活音がよく聞こえてしまうのです。テレビの音とか、水を流す音とか、呼び鈴とか。改めてこのよくない住居環境を認識させられます。日当たりも悪いし、駅やスーパーも遠いし、二人で住むには狭いし。こんな環境でダイヤさんはちゃんと心と体を休めていることはできているのでしょうか。心配になりました。ダイヤさんのために私が時間を割いてできることは何かないか考えます。普段の私が一日でしていることと言えば、家事全般。それ以外の時間は大体読書をしています。本を読むのが好きだから。私が楽して読書をしているその時間もダイヤさんは真面目に働いています。それに対して自分は食っちゃ寝て読んでばかり。急に自分が恥ずかしくなりました。申し訳なくなりました。ダイヤさんの生活環境を少しでも良くするために、私もお金を稼ごうと思いました。その日の夜、ダイヤさんが帰ってきて一緒に夕食をしているときに伝えました。『私も働こうと思います』」


    花丸「それを聞いたダイヤさんはなんと答えましたか?」

    ダイヤ「えっ? ええと・・・。別に、自由にしたらいいと思いますが」


    花丸「違います。ダイヤさんは少し考え、こう答えました。『働くな』と」

    ダイヤ「なぜ・・・・?」



    19: ◆LXjZXGUZxjdx 2019/03/02(土) 01:14:07.38 ID:nSoKXtCU0


    花丸「続けます」

    花丸「『私も働こうと思います』。花丸からそれを聞いたダイヤさんは、それによって自分の暮らしがどう変わるかを想像しました。ダイヤさんの職場での立ち位置は重要で、予定外の欠勤を一日でもしようものなら多くの人に影響が出ます。本当に大きな重責を背負って毎日働いています。少しでも気を抜けば、重責に押しつぶされそうになります。実際に働けなくなった同僚も何人かいます。そんな毎日に耐えられるのは、家にいる花丸の存在があるからです。自分が仕事をしている間、花丸は自宅にいます。家の薄い壁のおかげで人の気配を感じることができて、孤独に追い詰められることもないと思う。そんな家で花丸が楽しそうに本を読んでいる。自分が帰ったら、狭い部屋のおかげで、自分の近い距離に花丸がいてくれる。そして楽しそうに本の話をしてくれる。それを思うと無限に力が湧いてくるような気がするのです。逆に花丸が読書を楽しむ暇もなく働く様子を想像してみます。重責に押しつぶされそうになる花丸を想像します。そんな想像は怖くて一秒でもできませんでした。自分は花丸がいれば辛く苦しいことに耐えられるが、同じ辛く苦しい思いを花丸にはさせたくない。そんなことをしたら自分も駄目になる」

    花丸「『私も働こうと思います』。花丸からそれを聞いたダイヤさんは、辛く苦しい思いをするのは、それに耐えられる自分だけで十分だと思い、『働くな』と答えました」


    ダイヤ「・・・・・・・///」 …テレッ


    花丸「ドキッとしたずら?」

    ダイヤ「・・・・・・・・こほんっ。続けてくさい」



    20: ◆LXjZXGUZxjdx 2019/03/02(土) 01:20:26.44 ID:nSoKXtCU0


    花丸「そうですか。では続けます」

    花丸「ある日の休日のことです。ダイヤさんから『どこかに出かけよう』と提案がありました。家ではあまり自己主張しないダイヤさんなので少し意外に思いました。どこへ? と聞き返すと、映画館とか、水族館とか、など適当な場所を挙げ、その後すぐに、『行きたくなければ別にいい』と付け加えます。これはいわゆる、デートのお誘いというものなのでしょう。ダイヤさんらしい控えめなお誘いの仕方が微笑ましく思います。こういうことはめったにないことなので、当然断りません。ですが行く場所は私に決めさせてもらいました。以前からダイヤさんと行きたかった場所があるのです。それは、朝のあの怖いダイヤさんが日中を過ごしている職場です。職場でのダイヤさんはきっとかっこいいに違いありません。そんなダイヤさんを少しでも知りたいのです。見たいのです」

    花丸「『ダイヤさんの職場に行きたい』。それを聞かされたダイヤさんは、そんなところに行っても面白いものは何もない、というような表情でこちらを見返しますが、私はとにかく行きたいのですと意思表示をします。ダイヤさんは了承してくれました。いつもの朝ではダイヤさんを見送るだけの玄関。ですが、今日は一緒に靴を履いて、一緒に外に出ます。そしていつもダイヤさんが通っているであろう通勤路を一緒に歩きます。これがいつものダイヤさんが見ている光景なんだと思うと、周りを見渡すだけで胸が高鳴りました。家にいるダイヤさんしか知らない私にとって、外でのダイヤさんを知ることができるのは楽しくて仕方ありません」


    ダイヤ「・・・・・////」ドキドキ

    花丸「・・・・・・・・」


    21: ◆LXjZXGUZxjdx 2019/03/02(土) 01:21:23.21 ID:nSoKXtCU0


    花丸「ダイヤさんは職場に向かいます。その前に神社に立ち寄りました。ダイヤさんはいつもここで参拝をしてから職場に向かうのだと言いましたが、その割には少し落ち着かない様子でした。聞くと、いつもはもっと人が少ないそうです。あたりを見回すと、参拝者の方はまあまあ居ました。いつも平日の早朝にしか参拝に来ないダイヤさんにとっても、休日のこの遅い時間では、見慣れたはずの場所も新鮮に感じているようでした」

    花丸「神社に入って気になったのが、ある場所にできた人だかりです。参拝を済ませた後に、その人だかりに二人で紛れ込んで何があるのか見てみました。人だかりの視線の先には本殿の横に建てられている神楽殿がありました。神楽殿の中の舞台上では雅楽が奏でられ、その中で巫女が神楽を舞っていました。舞台の前には、ご老人から子供まで、色々の人が参列していて、その全員が正装に身を包んでいます。そして参列者の先頭には、この場にいる誰よりもひときわ美しい姿の白無垢の女性がいました。あまり見られる光景ではないので、つい足を止めて眺めてしまいます」

    花丸「親族と多くのやじ馬の中心にいる白無垢さん。顔は隠れているので、今どのような表情なのか、ましてやどのような気持ちなのか、私には分かりません。そこで、色々と想像をしてみます。結婚とは一般的には幸福なものだとは言われていますが、逆に、結婚とは人生の墓場だと表現する人もいます。あの白無垢さんは隣にいる方にどのような感情を抱いているのでしょうか。世界で一番愛する人とこれから一生苦楽を共にしていけることに幸せを感じているでしょうか。あるいは、実はこれは望まない結婚で本当は泣きたくなるほど嫌がっているかもしれません。もしかしたら、今すぐ白無垢を脱ぎ捨ててトイレに駆け込んでお小水をすることで頭がいっぱいかもしれません。ですが、そんなことをいくら想像しようと、人の本当の気持ちなどそう簡単に知ることなどできませんが」

    花丸「それは、今現在私のすぐ隣にいる人に対しても同じです。こうして私と隣同士で結婚式を見て、この人は何を思っているでしょうか。普段からあまりしゃべらないし表情もない人だから、余計に分かりません。だったらせめて、私の気持ちだけでも知ってほしいと思いました。ですが、いざ私の気持ちを言葉にしようとすると、それができませんでした。たくさんの本を読んで、数えきれない程多くの言葉を知っているはずなのに、どういうわけか今はそのどれ一つとして思い浮かびません。それでもやっと思い浮かんだ簡単な言葉でさえも、今の私の胸の中では、熱く大きい何かができていて、それが喉ふさいでいて、やっぱり言葉が口から出ていきません。だからと言って、この気持ちをこのままうやむやにしたくはありません。言葉が使えないならと、代わりに精いっぱいの勇気を振り絞り、近くにあるダイヤさんの手を握りました。握った手は、握り返すことも、振り払うこともせず、ただ握られたままでした。やっぱり、こんなことをしても人の気持ちなんてそう簡単には分かりませんでした。分からないから、これ以上踏み込んでいいのかも分かりません。分からないというのは、怖く不安なものです。私はこれからも、そんな怖さと不安を抱えて日々を過ごしていくのでしょう。だけれども、今は手を握っていることを許されていることに、ただただ幸せを感じさせてほしいと思いました」


    ダイヤ「・・・・・・・・」ハラハラ

    花丸「・・・・・・・・」


    花丸「神社を後にしたら、予定通りにダイヤさんの職場に行きました。家を出るときはあれだけ楽しみにしていたのに、さっきの出来事があまりにも深く印象に残ってしまい、いざ職場に着くと、私の得意の想像力が働かず、そこはただの仕事場にしか見えませんでした。ダイヤさんは、ほら、やっぱり面白いものなんてなにもない、というようなことを言います。今朝までの私だったら言い返せたのに、今の私にはできませんでした」

    花丸「その後は二人でお店に入って食事したり、どこかを歩いたりしましたが、よく覚えていません。日も暮れてきたころ、気が付いたら海辺にいました。なんとはなしに、石垣の合間にある階段を二人で降りて、砂浜に出ます。夏は海水浴をする人たちで賑わうこの場所も、冬の寒いこの時期では誰もいません。寒気を含んだ海風は厚手の上着越しでも体を冷やします。少し寒い」

    花丸「海を見ていると嫌なことを忘れる。そんなことをよく聞きます。その通りだと思います。さざ波の音に耳を澄ませながら大海原を見ていると、怖い気持ちも不安な気持ちも不思議と和らいでいきます。絶え間なく吹き付ける海風は、やっぱり、少し寒い」

    花丸「綺麗なオレンジ色のお日様の光を、正面から全身に浴びています。が、それだけでは暖が足りません。少し寒い」

    花丸「お日様からだけでは十分な暖を補いきれません。だから、仕方ないのです。彼女の手を取り、握ります。でもまだ、少し寒い。彼女の懐に身を近づけ、頭を預けます。少し、暖かくなりました。これは踏み込みすぎでしょうか。でも、仕方ありません。私は寒くて暖が必要なのだから」



    ダイヤ「はぁっ///」きゅん

    花丸「・・・・・・」




    22: ◆LXjZXGUZxjdx 2019/03/02(土) 01:22:21.07 ID:nSoKXtCU0


    花丸「人の本当の気持ちなどそう簡単に知ることなどできない。そのはずなのに、こうしていると、ダイヤさんの気持ちが私の中に流れてくるようでした。例えば、この人は何故、毎朝怖い表情で家を出るのか。この人は何故、私に働くなと言ったのか。この人は何故、先ほどの神社で私の手を握り返してくれなかったのか。この人は何故、この冷たい海風にさらされているのに、寒いから早く帰ろうと言わないのか。その何故の答えが、全部、全部、私の想像ではなく、事実として分かっていくような」

    花丸「分かっていくこの人の気持ちが、私の想像でないと、今なら言い切れます。だって、この人の心臓は今はとても元気よく鼓動しています。それに、顔はとても綺麗な赤色に染まっています。夕日のせいだと言い訳ができないほどに」



    ダイヤ「くっ//// ふうっ////  はぁっ、はぁっ////////」どきんどきん きゅんきゅん

    花丸「・・・・・・・・」



    花丸「今のダイヤさんは、朝の出勤前のダイヤさんに似ています。目つきが鋭くなり、体が大きくなったように見えます。でも、今は怖いとは思いません。普段はめったに目を合わせてくれないダイヤさんが私のことを見つめています。私を見つめるその目は、鋭く真剣ながらも、しっかりとした意思を持って、凛々しく、慈しみつつ、私の目を見つめています。今のダイヤさんは仕事のことではなく、私のことしか考えてない。私のことしか見えてない。私もダイヤさんの瞳から目を離せなくなります。とても近い距離で見つめあいます。今の私なら、ダイヤさんの気持ちが分かります。だから言葉がなくともダイヤさんが私に何を伝えたいのかも分かります。でも、私はその言葉が欲しい。だから、待ちました。ダイヤさんと暮らすようになった3年間より、この瞬間の方が長く感じられました。それでも待ちました。ダイヤさんの口が開くのを待ちました」




    23: ◆LXjZXGUZxjdx 2019/03/02(土) 01:23:04.11 ID:nSoKXtCU0




    花丸「そしてダイヤさんは、口をゆっくりと開き―――」


    花丸「―――なんと言いましたか?」

    ダイヤ「結婚してください/////」

    花丸「はい、喜んで////」


    千歌「ちょちょちょちょちょっとぉ?! 待って待って! おかしいよねそれ?! 絶対おかしいからね!!?」

    鞠莉「ウェイト・・・ウェイト・・・。千歌っちの言う通り。なんで婚約成立したみたいになってるのよ・・・。今のお話は花丸の妄想でしょ?」

    梨子「そうよ! しかもお話の中のダイヤさんは、全然ダイヤさんっぽくないし、花丸ちゃんも花丸ちゃんっぽくなかった! 別人よ別人!」

    曜「確かに。今のお話って、何かの恋愛小説の登場人物の名前だけをダイヤさんと花丸ちゃんに置き換えただけじゃないの?」 

    果南「だろうね。そんなんでときめいちゃうとか。ダイヤさぁ・・・チョロすぎない? もう、本当に危なっかしいんだから。やっぱり私が傍に付いて守ってあげないとね。だから、さっ、こっちにおいで」ダイヤの肩抱きよせ

    ダイヤ「あっ///」

    鞠莉「だー! かー! らー! なんで抜け駆けしてるのっ!! ほんっとっ腹立つよねこいつぅ!!」

    果南「気に入らないのなら力ずくで奪えばいいでしょ。もっとも、そんなことができるのならね」

    曜「分かった! そうさせてもらうよ!」グイ-ッ

    果南「なっ!? 曜! ダイヤは渡さない!!」ギュウゥゥ

    ダイヤ「あいたたたっっ?!」

    果南「おっと」パッ

    曜「あっ・・・」パッ


    24: ◆LXjZXGUZxjdx 2019/03/02(土) 01:25:14.11 ID:nSoKXtCU0


    花丸「まるで大岡裁きずら。二人とも同時に離しちゃったけど」

    鞠莉「オーケー・・・分かった・・・。喧嘩はダメよね」

    花丸「んだんだ」

    鞠莉「ここは公平に、ダイヤに決めてもらいましょ。ダイヤ。貴女のお嫁さんはだーれ?」

    ダイヤ「へっ?! /// ええと・・・/// それはー・・・・・」チラッ


    善子「ダイヤさん・・・」

    ダイヤ(もしわたくしが善子さんと結婚したらどうなるでしょう・・・)ポワンポワン

    ダイヤ(善子さんはあれほど一途な想い持った女性です。ただただ一生わたくしを実直に愛してくださるのが容易に想像できますわ。でも素直じゃない性格のせいで、時にわたくしに強く当たってしまい、善子さんはそのことを後悔したり、わたくしから嫌われるんじゃないかと不安になったり。でも、大丈夫です。わたくしが善子さんを嫌いになることなどありえませんわ!)

    ダイヤ「あっ/// くっ・・・・わたくしったら何を想像して・・・・///」


    梨子「ダイヤさん! 私ですよねっ!」

    ダイヤ(梨子さんの場合はどうなるでしょう・・・)ポワンポワン

    ダイヤ(梨子さんはピアノがお上手でしたわね。休日の昼下がり、梨子さんは白いドレスを着て、ピアノを弾いて、それを聴きながらわたくしは紅茶を優雅に嗜む。梨子さんのピアノの音色は、その一音一音に、惜しみなくわたくしだけへの恋慕が込めて奏でられ―――)

    ダイヤ「まっ、また・・・!//// 次から次へと勝手に想像がっ////」


    ダイヤ「鞠莉さんの場合は・・・/// 果南さんの場合は・・・/// 千歌さんは・・・/// 曜さんは・・・・///」ポワンポワン


    ダイヤ「くっ/////」どきんどきん


    鞠莉「ダイヤ。そろそろ決まったかしら。さあ、聞かせて頂戴! 貴女のお嫁さんは・・・!!」

    ダイヤ「・・・・はい。そうですね。わたくしのお嫁さんは―――」





    25: ◆LXjZXGUZxjdx 2019/03/02(土) 01:27:09.55 ID:nSoKXtCU0




    ルビィ「だめぇぇえ!!!!」


    ダイヤ「ル、ルビィ?」

    ルビィ「お姉ちゃんこっちきて!」グイグイ

    ダイヤ「ちょちょっとルビィ? どうしましたの?」

    鞠莉「ああ! ルビィなにしてるのっ! マリーのお嫁さん連れて行かないで!」

    ルビィ「だからだめなのぉ!!」

    鞠莉「ホワイ!?」

    ルビィ「ルビィは生まれた時からずっとお姉ちゃんと一緒なの! だからこれからもずっと一緒なの! お姉ちゃんがルビィと離れ離れになってお姉ちゃんがルビィ以外の誰かと一緒になるなんてやだあ!!」

    ダイヤ「ルビィ・・・・」

    ルビィ「ルビィは! お姉ちゃんともっと歌いたい! お姉ちゃんの背中を見て、お姉ちゃんの息を感じて、お姉ちゃんと一緒に汗をかいて、お姉ちゃんと一緒にご飯食べて、お姉ちゃんと一緒のお布団で寝て、お姉ちゃんと一緒にお風呂入って、お姉ちゃんと一緒にトイレに入って、ルビィのアイスを勝手に食べちゃうお姉ちゃんとずっと一緒で、ルビィの歯ブラシをいつも間違って使っちゃうお姉ちゃんとずっとずっと、ずーっっっと!! 一緒なんだからぁぁあ!!!!!」


    ルビィ「お゙ね゙え゙ぢゃ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ ルビィをおいてかないれぇ・・・!!」グスグス

    ダイヤ「ありがとうルビィ。そこまでわたくしのことを想ってくれて。大丈夫、安心して。わたくしとルビィが離れ離れになるなんてことはありませんわ」


    ダイヤ「それに、こう考えることはできませんか」

    ルビィ「うゅ?」

    ダイヤ「仮に梨子さんや善子さんがわたくしのお嫁さんになったとしましょう。そうしたらルビィは、梨子さんや善子さんのことを何と呼びますか?」

    ルビィ「お義姉ちゃん。・・・・・あっ!」

    ダイヤ「そうです。姉が増えるのですわ。だからわたくしがお嫁さんをもらえば、それだけルビィは今よりずっと、好きな時に好きな人に好きなだけ甘えられるようになりますわよ?」

    ルビィ「うん! そうだねお姉ちゃん! ルビィ、たくさんお義姉ちゃんができたら嬉しい!」

    ダイヤ「ふふ。今日から皆さん、わたくしのお嫁さんですわ」

    こうして沼津市の女性は全員黒澤ダイヤ氏のお嫁さんになった。

    おわり


    26: ◆LXjZXGUZxjdx 2019/03/02(土) 01:27:43.83 ID:nSoKXtCU0


    ありがとうございました。


    28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/03/02(土) 18:36:20.19 ID:sI2dCZvUo

    おつー


    27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/03/02(土) 15:46:12.09 ID:fcZDejwTo

    乙。最後もうちょっと欲しいな
    でも文量を書けるのはすげーと思う


    引用元: ダイヤ「お、お嫁さん・・・?」

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