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    菜々「さらに、トップにのぼりつめます」

    1: ◆FPRtZdJjow 2018/11/14(水)00:40:13 ID:9oq
    菜々「ワンツー、ワンツー……」キュッキュッ

    菜々「ここで……キメっ!」ジャーン

    菜々「……っはー、疲れました……!」バタン

    心「パイセンお疲れさまっす☆ これタオル☆」

    菜々「あ、はぁとちゃん、ありがとうございます」



    2: ◆FPRtZdJjow 2018/11/14(水)00:41:28 ID:9oq
    心「こんな時間までレッスンなんてさすがパイセン☆ だけど、そろそろ終電なくなっちゃうんじゃねーの? 千葉への」

    菜々「ウサミン星です」

    心「おっと☆ でも、最近マジでがんばりすぎじゃね? 気づいたら終電逃して、はぁとのところに泊まることも多くなってっし☆」

    菜々「うう……ご迷惑をおかけします……」

    心「全然無問題だけど☆ ……菜々パイセン、もしかして仕事ある日も毎日レッスンしてる?」

    菜々「習慣みたいなものですからねー、やらないと落ち着かないというか……」

    心「うーん、ストイック☆ 流石七代目シンデレラガール、はぁともがんばらねーとな☆」

    菜々「あ、じゃあよかったら二人の曲の合わせ練習しませんか? 今から」

    心「……マジ? 今から?」

    菜々「一回だけですから、ね?」

    心「……っしゃ! やっか! パイセン! 一回だけ☆」

    菜々「はい! 一回だけです!」

    菜々心「「せーの! せーで!」」

    3: ◆FPRtZdJjow 2018/11/14(水)00:41:53 ID:9oq
    菜々「ぜー、ぜー……」

    心「はー、はー……」

    菜々「日、変わっちゃいましたね……」

    心「薄々そうなる気はしてたけどな……☆」

    菜々「七回、ですかね」

    心「残念、八回だぞ☆」

    菜々「うう、今夜もお世話になりますね……」

    心「うぇるかむ☆ けど、パイセンもほどほどにしとかないとやばいと思うぞ☆ 腰とか☆」

    菜々「腰は余計なお世話ですっ。……なんでしょう、レッスンはナナを作り上げたものですから、続けないと不安になっちゃうんですよねー」

    心「……かなわねー」ボソッ

    4: ◆FPRtZdJjow 2018/11/14(水)00:42:19 ID:9oq
    菜々「え?」

    心「なんでもない☆ 菜々パイセンは流石だなって思っただけだぞ☆」

    菜々「はあ……」

    心「ちなみに、今日は何してたん?」

    菜々「えーと、朝から写真撮影、それから雑誌インタビュー、握手会と、Pさんと打ち合わせしてレッスンですね」

    心「ハードだなおい☆ 昨日は?」

    菜々「サイン会にミニライブにお渡し会にプロモーターのお仕事に、レッスンですね」

    心「……明日と明後日」

    菜々「明日は写真撮影にCM撮影、ドラマ撮影に握手会サイン会にレッスン、次の日はバラエティ収録にアフレコ収録にミニライブ、レッスン、その次の日は大型ライブのリハーサルにドキュメンタリー収録とグルメレポ、レッスン、その次の日は──」

    心「」

    5: ◆FPRtZdJjow 2018/11/14(水)00:42:47 ID:9oq
    菜々「……どうかしました?」

    心「パイセン次の休みいつ?」

    菜々「……いつでしょう」

    心「前に休んだのいつ?」

    菜々「……さぁ」ミミミン

    心「」

    6: ◆FPRtZdJjow 2018/11/14(水)00:43:16 ID:9oq
    心「というわけで、こうなった原因はPの管理不足によるものだと思うわけよ☆」

    P「……」セイザ

    菜々「……」セイザ

    ちひろ「うーん、特に菜々さんはきた仕事を断れる性格してないですから、こうなりそうだなとは思ってましたけど。休みはとってもらわないと」

    菜々「はい……お仕事が少なかった時のことを思い出すと、全部やろうって気になっちゃって……」

    心「限度☆」

    菜々「はい……」



    7: ◆FPRtZdJjow 2018/11/14(水)00:43:54 ID:9oq
    心「ていうかパイセンが休んでないってことはPも休んでないってことだよな?」

    P「そういうことになりますかね……」

    心「いつから?」

    P「……さぁ」

    心「Hey Mayu。Pが最後に休んだのいつ?」

    まゆ「122日と12時間16分46秒前ですねぇ」

    心「思ったより細かい☆」

    P「菜々さんが餌を待つ子犬のような目でお仕事をせがむもので……」

    心「限度☆」

    P「はい……」

    まゆ「まゆもいい加減Pさんにスタドリ禁止令を出そうかと思ってたんですよぉ」

    ちひろ「えっそれは困るんですが」

    まゆ「ちひろさん?」

    ちひろ「ハイ」

    8: ◆FPRtZdJjow 2018/11/14(水)00:44:20 ID:9oq
    心「やべーって、この業界全体的にその気はあるけど、この部署ブラックすぎ★」

    ちひろ「私も労基沙汰は怖いですね……」

    心「そんなわけだから、二人とも休んで☆ 休め☆」

    菜々「はぁ……でも、仕事が……」

    まゆ「一日二日ならまゆたちで埋め合わせしますから」

    P「しかし、急に休めと言われても何をしたらいいのやら……」

    茄子「おはようございますー。さっき福引で温泉ペアチケットをいただいたんですけど、どうしましょう」ガチャ

    菜々「」

    P「」

    9: ◆FPRtZdJjow 2018/11/14(水)00:44:54 ID:9oq
    P「菜々さんと温泉って久しぶりだなぁ」

    菜々「ですねえ。ずうっと前にお仕事で行ったとき以来でしょうか」

    「いらっしゃいませ、お待ちしておりました」

    菜々「あ、どうも……」

    「ご夫婦ですか?」

    菜々「ふっ……!?」

    P「いえ、親子です」

    菜々「それはどっちが親のつもりですか?」ギロ

    P「邪推しすぎですよ、母ちゃん」

    菜々「ナナはPさんの母ちゃんじゃないですっ」

    「仲がよろしいんですね、それではご案内しますね、お母様に息子様」

    菜々「だから違いますって!」

    10: ◆FPRtZdJjow 2018/11/14(水)00:45:20 ID:9oq
    菜々「わぁ、いい景色が見える部屋ですねぇ」ガラ

    P「本当に、リフレッシュには最適ですね」

    菜々「はい、今日くらいはお仕事のことを忘れて、ゆっくりしてもいいですよね?」

    P「まあ、パソコンも書類も取り上げられて、仕事できないようにされてますからね」

    菜々「ナナも運動靴とジャージを没収されました……」

    P「ま、今日ばかりは彼女らの厚意に甘えて休みましょうか」パキッ

    菜々「スタドリも禁止ですよ」バシッ



    11: ◆FPRtZdJjow 2018/11/14(水)00:45:45 ID:9oq
    P「……で」カポーン

    菜々「……はい」カポーン

    P「我々は今温泉に入っているわけですよ」

    菜々「……はい」

    P「正直、なんとなくそんな気はしていたんですよ、なんてったってあの茄子がとってきたものですから」

    菜々「……はい」

    P「……混浴でしたね」

    菜々「う、後ろ見ないでくださいよっ///」

    P「……はい」

    12: ◆FPRtZdJjow 2018/11/14(水)00:46:13 ID:9oq
    菜々「このことを知られたら、まゆちゃんたちに何をされるか……」

    P「少なくとも菜々さんに被害は及びませんよ、俺が三日ほど行方不明になるくらいです」

    菜々「それなりに一大事なんですが」

    P「慣れてますから。あと上がりたくなったら目を閉じてるのでのぼせる前に言ってくださいね」

    菜々「……あんまり動揺しないんですね、この状況に」ジトー

    P「職業柄、精神力は鍛えられてますゆえ」

    菜々「あ、川島さん、こんなところで奇遇ですね」

    P「なんやて工藤!!」ガバァ

    菜々「嘘ですし後ろを見ない!」ドゴォ

    P「」プカー

    13: ◆FPRtZdJjow 2018/11/14(水)00:46:39 ID:9oq
    菜々「はぁ、ご飯も美味しかったし、ナナ、満足です♪」

    P「それはよかったです。……少しだけ、お酒も楽しんでいましたし」

    菜々「う゛、今日くらいは目をつぶってください……ウサミン星基準ではセーフです」

    P「そういうことにしときましょう」

    菜々「……お月さま、綺麗ですね。あ゛、変な意味でなくですよっ」

    P「わかってますよ」

    菜々「そう落ち着いてわかられるのも癪ですけど……」ムー

    P「わがままなシンデレラガールだなぁ」

    菜々「……」

    P「どうかしました?」

    14: ◆FPRtZdJjow 2018/11/14(水)00:47:02 ID:9oq
    菜々「……そうなんですよね、ナナ、シンデレラガールに、なったんですよね……」

    P「……ええ」

    菜々「シンデレラガールになって、今までよりもたくさんお仕事できるようになって。その忙しさに甘えて、ナナはそのことを考えないようにしていたのかもしれません」

    P「……俺も、菜々さんが、担当がシンデレラガールになったということについて、考えようとしていなかったと、思います」

    菜々「ナナにとってアイドルは、もう思い出せないくらいずっと昔の、小さいころからの夢でした」

    P「はい」

    15: ◆FPRtZdJjow 2018/11/14(水)00:47:21 ID:9oq
    菜々「あのときテレビに映っていたアイドルの人たちは輝いていて、ナナは笑顔をもらって、いつか、ナナもあんな風になれたらいいなって、それが始まりでした」

    P「菜々さんは、もう立派なアイドルですよ」

    菜々「はい、おかげさまで、こんなところまできちゃいました。上京して、メイドカフェでバイトしたり、地下でアイドルやったり、耐えなきゃいけないこともたくさんありましたけど」

    P「知ってます、どんな苦境にもくじけない執念が菜々さんにはありました。その執念に俺はシンデレラガールの夢を賭けたんです」

    菜々「ふふ、なら、Pさんには買っていただいたその恩を少しは返せたのかもしれませんね」

    P「十分以上ですよ」



    16: ◆FPRtZdJjow 2018/11/14(水)00:47:51 ID:9oq
    菜々「……Pさんと出会ってからは、アイドルとしての日々がとても輝いていて。CDデビューして、ステージで歌って、いろんなお仕事をして……あの時テレビで見たアイドルみたいに、なれたのかなって」

    P「それは、きっと。菜々さんはもうずっと前から、誰かを笑顔にできるような、そんなアイドルになっていたんだと思います」

    菜々「いつか、トップにのぼりつめますって、そんな風に言っていましたけど、そんないつかがきちゃったんですよね……」

    P「……」

    菜々「ナナはこの先、どこを目指すんでしょうか? それがわからないから、自分がシンデレラガールになったということを、考えようとしなかったんですよね、きっと」

    P「俺も、そうだったんだと思います。ここから先、菜々さんをどこへ連れていけばいいのかわからない、それを自覚したくなかったから、忙しさにかまけてそれを忘れていた」

    17: ◆FPRtZdJjow 2018/11/14(水)00:48:23 ID:9oq


    菜々「……Pさん、ナナは、もう満足しちゃったんでしょうか。アイドルになって、シンデレラガールになって、ナナの夢は、ここで終わりなんですかね……」



    P「──違いますよ!」

    18: ◆FPRtZdJjow 2018/11/14(水)00:48:48 ID:9oq
    菜々「え……」

    P「菜々さん、これはほんの少しだけ昔の話です。俺が菜々さんをスカウトしてしばらくした頃、菜々さんが倒れたことがあったんです」

    菜々「ええと……ありましたっけ……」

    P「原因はライブの後にレッスンまで無理してこなしたことによる過労でした」

    菜々「あー、あったような……あはは、やってること今と変わりませんね……」

    P「俺は正直それについてたしなめるつもりでした。いかに練習熱心といえど、無理をしては意味がないと」

    菜々「昔の自分ながら面目ない……」シュン…

    P「菜々さんのアパートまで送り届けて、布団に寝かせてやって、小言の一つでも言ってやろうとしたときに、菜々さんは寝言でこう言ったんです」

    19: ◆FPRtZdJjow 2018/11/14(水)00:49:41 ID:9oq


    菜々『……アイドル楽しい…ヤバい…ヘヘ…』




    20: ◆FPRtZdJjow 2018/11/14(水)00:50:14 ID:9oq
    菜々「……!」

    P「あの時俺は思いました。この人はアイドルをやるべき人だ。絶対に、トップアイドルになれる人だって」

    菜々「……アイドル、楽しい……」

    P「菜々さんが全力で走り続ける限りは、その横で走り続けることが俺の仕事だと、あの時覚悟を決めることができたんです」

    菜々「走り続ける……」

    21: ◆FPRtZdJjow 2018/11/14(水)00:50:40 ID:9oq
    P「トップを取ったって何も変わらない。菜々さんは、誰よりも楽しんでアイドルができるアイドルです。もし、シンデレラガールになって行き先がわからないというのなら──さらに、トップにのぼりつめましょう」

    菜々「さらに、トップに……」

    P「ええ」

    菜々「あはは、トップのさらにトップって、よくわかりませんね」

    P「でも、悪くない行き先でしょう?」

    菜々「……はいっ、そうですね! ──やっぱり満足なんてしてません! できません! 菜々はずっとアイドルでいたいんです!」

    22: ◆FPRtZdJjow 2018/11/14(水)00:51:02 ID:9oq


    菜々「菜々は、ウサミンは──さらに、トップにのぼりつめます! キャハッ☆」


    23: ◆FPRtZdJjow 2018/11/14(水)00:51:25 ID:9oq
    菜々「お仕事行ってきますね、Pさん!」

    P「ええ、いってらっしゃい」

    ちひろ「……菜々さん、あれからさらに元気になった気がするんですけど」

    P「不安がなくなったってことじゃないですかね」

    ちひろ「……温泉で、とても大事なことがあったみたいですね」

    P「別に、普通のことですよ、アイドルとプロデューサーとして、普通の」

    ちひろ「そうですか、普通ですか。Pさんにとっては、アイドルとの混浴も」

    P「」

    ちひろ「まあ、調べればすぐわかることですから。……あちらの二人がお待ちですよ」

    まゆ「……」ゴゴゴ

    茄子「……」ゴゴゴ

    P「」

    ちひろ「あと三日ほど休めそうで、よかったですね?」




    心「かな子ちゃんなに食ってんの?」

    かな子「イモグラスティッククッキーです♪」モッシャモッシャ

    24: ◆FPRtZdJjow 2018/11/14(水)00:52:06 ID:9oq
    以上です。
    メラド公演お疲れさまでした。
    シンデレラガールになった彼女が目指すのは、さらにトップにのぼりつめることなんだと、答えを得ることができた気がします。



    引用元: 菜々「さらに、トップにのぼりつめます」

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