みほ「急用ができました」優花里「えっ」
2020-08-31
1: ◆.dsCc9AhxA 2017/10/18(水) 18:42:30.63 ID:gpsa2en60
関連
ハルヒ「SOS団で恋の暴露大会をするわよ!」
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【悲報】Twitterで3年前に「令和」を予言してたものがいたwwwwwwwww
2: ◆.dsCc9AhxA 2017/10/18(水) 18:44:20.95 ID:gpsa2en60
今日は憧れの西住殿と一緒におうちに遊びに来ています。おうちといっても、下宿ではなく実家。つまり西住流総本山です。帰省に付き合わせていただきました。
大学選抜のときにぽつりと「行きたい」って零したこと、西住殿は覚えていてくれたのです。感激です。
一緒にパジャマパーティしたり戦車の訓練なんかもしてみたり。最早デートを通り越して夫婦生活じゃないですか!と冷泉殿に言ったら馬鹿を見る目をされましたが気にしません!
ちなみに、その冷泉殿は戦車免許取得者講習だかがあるらしくパス、五十鈴殿は華道関係の予定で、武部殿は年齢を偽って婚活セミナーに参加するそうです。つまり西住殿と二人っきり!
まあ、シチュエーション的には天国なのです。天国なのですが……
しほ「…………」ズモモモモモモ
優花里「…………」
お母さん、お父さん。わたしは今、地獄に来ています。
大学選抜のときにぽつりと「行きたい」って零したこと、西住殿は覚えていてくれたのです。感激です。
一緒にパジャマパーティしたり戦車の訓練なんかもしてみたり。最早デートを通り越して夫婦生活じゃないですか!と冷泉殿に言ったら馬鹿を見る目をされましたが気にしません!
ちなみに、その冷泉殿は戦車免許取得者講習だかがあるらしくパス、五十鈴殿は華道関係の予定で、武部殿は年齢を偽って婚活セミナーに参加するそうです。つまり西住殿と二人っきり!
まあ、シチュエーション的には天国なのです。天国なのですが……
しほ「…………」ズモモモモモモ
優花里「…………」
お母さん、お父さん。わたしは今、地獄に来ています。
3: ◆.dsCc9AhxA 2017/10/18(水) 18:46:08.07 ID:gpsa2en60
~回想~
みほ「あっ」
優花里「どうしました西住殿?スマホ見て固まっちゃって」
みほ「急用ができました」
優花里「えっ」
みほ「限定新作ボ…エリカさんが危篤になって最期にわたしに会いたいって」
優花里「こんなに誤魔化しがヘッタクソなひと初めて見ましたよ」
みほ「大丈夫!一時間くらいだから!パパっと帰るから!」
優花里「逸見殿が危篤だって設定はどこに行ったんですか!いくら逸見殿でも『はい顔見せましたさようなら』ってパパっと帰られたら泣くと思いますが!?」
みほ「一人じゃないからいいでしょ?」
優花里「それが問題なんですよおおおおおおお!!!」
みほ「ああ、うん。と、とにかくじゃあね!」ダダダダダ
優花里「西住殿おおおおおおおお!!!!」
~回想終わり~
みほ「あっ」
優花里「どうしました西住殿?スマホ見て固まっちゃって」
みほ「急用ができました」
優花里「えっ」
みほ「限定新作ボ…エリカさんが危篤になって最期にわたしに会いたいって」
優花里「こんなに誤魔化しがヘッタクソなひと初めて見ましたよ」
みほ「大丈夫!一時間くらいだから!パパっと帰るから!」
優花里「逸見殿が危篤だって設定はどこに行ったんですか!いくら逸見殿でも『はい顔見せましたさようなら』ってパパっと帰られたら泣くと思いますが!?」
みほ「一人じゃないからいいでしょ?」
優花里「それが問題なんですよおおおおおおお!!!」
みほ「ああ、うん。と、とにかくじゃあね!」ダダダダダ
優花里「西住殿おおおおおおおお!!!!」
~回想終わり~
4: ◆.dsCc9AhxA 2017/10/18(水) 18:47:13.37 ID:gpsa2en60
しほ「…………」ゴゴゴゴゴゴ
優花里(なぜ一言もしゃべらないのですかぁ!)ガタガタ
優花里(確かに言いましたけど!西住流家元を見てみたいって!でもそれは動物園でパンダを見たい的なものであってパンダと同じ檻に入りたいって意味じゃねえんですよ!)ポワポワポワ…
しほパンダ『うがー』バリバリバリ
優花里『あんぎゃー!!!』
優花里(早く帰ってきてくださいいいいいい!!!)
優花里(なぜ一言もしゃべらないのですかぁ!)ガタガタ
優花里(確かに言いましたけど!西住流家元を見てみたいって!でもそれは動物園でパンダを見たい的なものであってパンダと同じ檻に入りたいって意味じゃねえんですよ!)ポワポワポワ…
しほパンダ『うがー』バリバリバリ
優花里『あんぎゃー!!!』
優花里(早く帰ってきてくださいいいいいい!!!)
5: ◆.dsCc9AhxA 2017/10/18(水) 18:48:09.51 ID:gpsa2en60
しほ「…………」
しほ「秋山さんといったかしら」
優花里「ひゃ、ひゃい!」ビクッ
しほ「……みほは、どうかしら?」
優花里「…へ?どう、とは」
しほ「ああ、なんといいますか、大洗での生活ぶりについてです」
優花里「は、はぁ…」
しほ「秋山さんといったかしら」
優花里「ひゃ、ひゃい!」ビクッ
しほ「……みほは、どうかしら?」
優花里「…へ?どう、とは」
しほ「ああ、なんといいますか、大洗での生活ぶりについてです」
優花里「は、はぁ…」
6: ◆.dsCc9AhxA 2017/10/18(水) 18:48:55.13 ID:gpsa2en60
優花里「ええと…真面目に学業と戦車道に励んでいますよ」
しほ「そんなことはわかっています。私の娘なのですから」
優花里「そ、そうですよね…」
しほ「…食事はちゃんと摂っていますか?」
優花里「え、あ、はい。食事を抜いているところはあまり見ないです。コンビニ弁当が多いですが…」
しほ「……コンビニ弁当?」
優花里(余計なこと言ったかもしれないです)
しほ「そうですか……」
しほ「そんなことはわかっています。私の娘なのですから」
優花里「そ、そうですよね…」
しほ「…食事はちゃんと摂っていますか?」
優花里「え、あ、はい。食事を抜いているところはあまり見ないです。コンビニ弁当が多いですが…」
しほ「……コンビニ弁当?」
優花里(余計なこと言ったかもしれないです)
しほ「そうですか……」
7: ◆.dsCc9AhxA 2017/10/18(水) 18:50:39.64 ID:gpsa2en60
しほ「…………」
優花里(また無言です…これってもしかして、わたしが話題振る感じなのでしょうか)
優花里「い、家元殿はお若いですよね~」
しほ「そう、ありがとう…」
優花里(なに言ってんですか私は!うっかり実家の理髪店の癖が!)
しほ「今でも夜の生活は欠かさないようにしているからかしらね。ホルモンが出てるのよ」
優花里「そ、そうですか…(娘の友人に何言ってんですか!)
しほ「みほはちゃんと夜寝ているのでしょうか。まさか、彼氏なんてできたり…」
優花里「いえ…そのような話は聞かないですね…」
しほ「そう」
優花里(…もしかしてただ西住殿が心配なだけなんでしょうか?)
優花里(また無言です…これってもしかして、わたしが話題振る感じなのでしょうか)
優花里「い、家元殿はお若いですよね~」
しほ「そう、ありがとう…」
優花里(なに言ってんですか私は!うっかり実家の理髪店の癖が!)
しほ「今でも夜の生活は欠かさないようにしているからかしらね。ホルモンが出てるのよ」
優花里「そ、そうですか…(娘の友人に何言ってんですか!)
しほ「みほはちゃんと夜寝ているのでしょうか。まさか、彼氏なんてできたり…」
優花里「いえ…そのような話は聞かないですね…」
しほ「そう」
優花里(…もしかしてただ西住殿が心配なだけなんでしょうか?)
8: ◆.dsCc9AhxA 2017/10/18(水) 18:51:45.30 ID:gpsa2en60
しほ「みほは…いじめられたりはしていないわよね?」
優花里「え、うーん…(いじめられたと言えば、いじめられたでしょうか。会長殿と最初に会ったときに)」
しほ「言い淀んでいるわね」ズイッ
優花里「おわっ!」
しほ「正直に言いなさい…」ゴゴゴゴゴゴ
優花里(怖い怖い怖い!)ガタガタガタ
優花里「そ、そのぉ~…戦車道をやるかやらないかって話になったとき、ちょーっと、ちょーっとだけ、ゴタゴタがあったかなぁ~、なんて」アハハ
しほ「わかったわ」ピッポッパ
優花里「え、なぜ電話を」
しほ「私よ。みほが戦車道を履修する際にトラブルがあったらしいわ。徹底的に洗いなさい。以上」ブツッ
優花里「……どちらに電話を」
しほ「気にしなくて結構よ。大洗に二十人ほど部下を送り込んでいるだけだから」
優花里「」
優花里(会長殿…ごめんなさい…せめて生きていてください…)
優花里「え、うーん…(いじめられたと言えば、いじめられたでしょうか。会長殿と最初に会ったときに)」
しほ「言い淀んでいるわね」ズイッ
優花里「おわっ!」
しほ「正直に言いなさい…」ゴゴゴゴゴゴ
優花里(怖い怖い怖い!)ガタガタガタ
優花里「そ、そのぉ~…戦車道をやるかやらないかって話になったとき、ちょーっと、ちょーっとだけ、ゴタゴタがあったかなぁ~、なんて」アハハ
しほ「わかったわ」ピッポッパ
優花里「え、なぜ電話を」
しほ「私よ。みほが戦車道を履修する際にトラブルがあったらしいわ。徹底的に洗いなさい。以上」ブツッ
優花里「……どちらに電話を」
しほ「気にしなくて結構よ。大洗に二十人ほど部下を送り込んでいるだけだから」
優花里「」
優花里(会長殿…ごめんなさい…せめて生きていてください…)
9: ◆.dsCc9AhxA 2017/10/18(水) 18:55:00.96 ID:gpsa2en60
しほ「ふう。そういえば、あなたの試合を見たことがあるわ」
優花里「え、そうなんですか?」
しほ「ええ。一応、全試合に目を通しています。あくまで西住流家元としての務めですが」
優花里「あ、ありがとうございます…(素直に西住殿が心配だって言えばいいですのに)」
しほ「…装填は貴方かしら?」
優花里「は、はい!ご存知だったのですか?」
しほ「いえ、勘よ。この道も長いですから。腕が太いですしね」
優花里「あ、確かに…着られる服が少なくなったことがちょっと不満ですかね」
しほ「ふふっ。懐かしいわね。私も若い頃は悩んでいました」
優花里「そうだったんですかぁ(家元殿にもそういう時代があったんだなぁ)」
しほ「あなた、かなり筋が良いわよ。これからも精進なさい」
優花里「! あ…ありがとうございます!!」ペコッ
優花里「え、そうなんですか?」
しほ「ええ。一応、全試合に目を通しています。あくまで西住流家元としての務めですが」
優花里「あ、ありがとうございます…(素直に西住殿が心配だって言えばいいですのに)」
しほ「…装填は貴方かしら?」
優花里「は、はい!ご存知だったのですか?」
しほ「いえ、勘よ。この道も長いですから。腕が太いですしね」
優花里「あ、確かに…着られる服が少なくなったことがちょっと不満ですかね」
しほ「ふふっ。懐かしいわね。私も若い頃は悩んでいました」
優花里「そうだったんですかぁ(家元殿にもそういう時代があったんだなぁ)」
しほ「あなた、かなり筋が良いわよ。これからも精進なさい」
優花里「! あ…ありがとうございます!!」ペコッ
10: ◆.dsCc9AhxA 2017/10/18(水) 18:55:56.99 ID:gpsa2en60
しほ「…案外、みほの指導が良かったのかしらね」
優花里「そりゃあもう…あ、他にも陸自の蝶野教官にも教わりましたね」
しほ「あら、懐かしい名前ね。蝶野は昔ここで戦車道を学んでいたのよ」
優花里「そうだったんですか」
しほ「小さい頃は『しほお姉ちゃんしほお姉ちゃん』って、トイレにまでついてきてかわいかったんですよ」
優花里「へえ、今の姿からは想像つかないです」
しほ「蝶野も立派になったわよねえ。あなたから見てどう感じた?ちゃんといい子してますか?」
優花里(あはは…いい子ですか…)
優花里「うーん…豪快なひとって感じでしたねえ。初めて会ったときも、戦車なんてバーッと動かしてドーンと撃てばいいって、いきなり戦車に乗っけちゃうくらいで」
しほ「…『戦車なんてバーッと動かしてドーンと撃てばいい』ですって?」
優花里「あっ」
しほ「成程。とてもよくわかりました。ありがとうございます」
優花里(ごめんなさい蝶野教官殿…骨は拾ってあげます…)
優花里「そりゃあもう…あ、他にも陸自の蝶野教官にも教わりましたね」
しほ「あら、懐かしい名前ね。蝶野は昔ここで戦車道を学んでいたのよ」
優花里「そうだったんですか」
しほ「小さい頃は『しほお姉ちゃんしほお姉ちゃん』って、トイレにまでついてきてかわいかったんですよ」
優花里「へえ、今の姿からは想像つかないです」
しほ「蝶野も立派になったわよねえ。あなたから見てどう感じた?ちゃんといい子してますか?」
優花里(あはは…いい子ですか…)
優花里「うーん…豪快なひとって感じでしたねえ。初めて会ったときも、戦車なんてバーッと動かしてドーンと撃てばいいって、いきなり戦車に乗っけちゃうくらいで」
しほ「…『戦車なんてバーッと動かしてドーンと撃てばいい』ですって?」
優花里「あっ」
しほ「成程。とてもよくわかりました。ありがとうございます」
優花里(ごめんなさい蝶野教官殿…骨は拾ってあげます…)
11: ◆.dsCc9AhxA 2017/10/18(水) 19:00:59.19 ID:gpsa2en60
チック タック チック タック
優花里(わ、話題が尽きたぁ~……どうすればいいんでしょう……)
しほ「……お茶は冷めていないかしら」ズズー
優花里「あ、お気遣いありがとうございます。大丈夫です。むしろわたしが淹れます!」
しほ「落ち着きなさい。あなた茶葉の場所とかわからないでしょ」
優花里「そ、そうでした…」
しほ「肩の力を抜きなさい。今の私は西住流家元ではなくみほの母親で、あなたはゲストなのですから」
優花里「肩の力を抜けですか……。……わかりました、お言葉に甘えさせていただきます」
しほ「どうぞ」
優花里「……あの」
しほ「なにかしら?お茶のおかわり?」
優花里「いえ…。家元殿は西住殿、ああ、みほさんのことが、その…心配なんですよね?」
しほ「……親ですからね」
優花里「…………部下に見張らせたりするよりもご自分で、その…心配してるということを伝えてもいいのでは?」
しほ「……」ダァン!
優花里「!?」ビクビクッ
優花里「い、いえ!あの、で、出過ぎた発言をしてしまいました!まことに申し訳ございません!!」ドゲザ
しほ「……いえ、あなたは正しいことを言っています」
優花里「へ?」
優花里(わ、話題が尽きたぁ~……どうすればいいんでしょう……)
しほ「……お茶は冷めていないかしら」ズズー
優花里「あ、お気遣いありがとうございます。大丈夫です。むしろわたしが淹れます!」
しほ「落ち着きなさい。あなた茶葉の場所とかわからないでしょ」
優花里「そ、そうでした…」
しほ「肩の力を抜きなさい。今の私は西住流家元ではなくみほの母親で、あなたはゲストなのですから」
優花里「肩の力を抜けですか……。……わかりました、お言葉に甘えさせていただきます」
しほ「どうぞ」
優花里「……あの」
しほ「なにかしら?お茶のおかわり?」
優花里「いえ…。家元殿は西住殿、ああ、みほさんのことが、その…心配なんですよね?」
しほ「……親ですからね」
優花里「…………部下に見張らせたりするよりもご自分で、その…心配してるということを伝えてもいいのでは?」
しほ「……」ダァン!
優花里「!?」ビクビクッ
優花里「い、いえ!あの、で、出過ぎた発言をしてしまいました!まことに申し訳ございません!!」ドゲザ
しほ「……いえ、あなたは正しいことを言っています」
優花里「へ?」
12: ◆.dsCc9AhxA 2017/10/18(水) 19:02:22.61 ID:gpsa2en60
しほ「ですが、西住流の頂点に立ち、西住流を体現し、西住流を背負って立たねばならない私は……母親ということを忘れねばならないときもあるのです」
優花里「……」
しほ「非常識。母親として失格。自覚はしているのですが、この地位に着くまでに多くの人間を倒しその屍を踏んできました。敵をつくり過ぎました」
しほ「……隙を見せれば、みほとまほもろとも、何もかも奪われてしまうかもしれないのです。……言い訳ですね」
優花里「……はい。言い訳です。みほさんとちゃんと話し合うことくらいは許されるのではないでしょうか…」
しほ「うん、そうよね…」
優花里「わたしはただの一般家庭の娘です。見える世界は違います。出過ぎた意見であることに変わりはありませんが…」
しほ「いいのよ、ありがとう。あなたが友達でみほは幸せね」
優花里「あ、ありがとうございます…///」
優花里「……」
しほ「非常識。母親として失格。自覚はしているのですが、この地位に着くまでに多くの人間を倒しその屍を踏んできました。敵をつくり過ぎました」
しほ「……隙を見せれば、みほとまほもろとも、何もかも奪われてしまうかもしれないのです。……言い訳ですね」
優花里「……はい。言い訳です。みほさんとちゃんと話し合うことくらいは許されるのではないでしょうか…」
しほ「うん、そうよね…」
優花里「わたしはただの一般家庭の娘です。見える世界は違います。出過ぎた意見であることに変わりはありませんが…」
しほ「いいのよ、ありがとう。あなたが友達でみほは幸せね」
優花里「あ、ありがとうございます…///」
13: ◆.dsCc9AhxA 2017/10/18(水) 19:03:23.30 ID:gpsa2en60
ガラッ
みほ「ただいま~」
優花里「あ、みほさんがお帰りですよ家元殿」
しほ「そうね。ほら、おばさんはほっといて迎えに行ってあげなさい」
優花里「え、でも…」
しほ「…後で、後でね。みほとはちゃんと話し合うから大丈夫よ」
優花里「は、はぁ…わかりました…」
みほ「ごめんね優花里さん、ほっといちゃって」
優花里「ほんとですよ。びっくりしちゃいました」
みほ「あはは……ねえ、優花里さん」
優花里「はい?」
みほ「お母さんさ…わたしについてその…何か言ってなかった?」
優花里「……似たもの親子ですねぇ」
みほ「え?」
優花里「なんでもないです」
みほ「ただいま~」
優花里「あ、みほさんがお帰りですよ家元殿」
しほ「そうね。ほら、おばさんはほっといて迎えに行ってあげなさい」
優花里「え、でも…」
しほ「…後で、後でね。みほとはちゃんと話し合うから大丈夫よ」
優花里「は、はぁ…わかりました…」
みほ「ごめんね優花里さん、ほっといちゃって」
優花里「ほんとですよ。びっくりしちゃいました」
みほ「あはは……ねえ、優花里さん」
優花里「はい?」
みほ「お母さんさ…わたしについてその…何か言ってなかった?」
優花里「……似たもの親子ですねぇ」
みほ「え?」
優花里「なんでもないです」
14: ◆.dsCc9AhxA 2017/10/18(水) 19:04:37.14 ID:gpsa2en60
菊代「奥様、ただいま戻りました」
しほ「ご苦労様。まったく…友達を呼んでおいて席を空けるような育て方をした覚えはありませんがね」
菊代「やはり気まずかったんじゃないですか?帰りの車の中でも、ぬいぐるみのクマを抱いたまま黄昏てましたし」
しほ「……そう」
菊代「ご友人は不幸でしたね」
しほ「どういう意味よ。でも、彼女はいい子ね。説教されちゃったわ」
菊代「あら、肝が据わってますね。私が初めて奥様とお会いしたときは震えが止まらなかったのに」
しほ「ちょっと」
菊代「お説教の内容もなんとなく察しがつきます。奥様と気が合うということは、みほお嬢様のこと大切に想っているでしょうしね」
しほ「……そうね。明日、みほと一緒に熊本を案内してあげるのもいいでしょう。あなたも来なさい」
菊代「ありがとうございます。何時ごろ、ご友人を連れまわして二人っきりにすればよいでしょうか」
しほ「菊代、よけいな気を遣わないの。みほとはちゃんと自分で話すから」
菊代「左様ですか。ではそのように」
しほ「ご苦労様。まったく…友達を呼んでおいて席を空けるような育て方をした覚えはありませんがね」
菊代「やはり気まずかったんじゃないですか?帰りの車の中でも、ぬいぐるみのクマを抱いたまま黄昏てましたし」
しほ「……そう」
菊代「ご友人は不幸でしたね」
しほ「どういう意味よ。でも、彼女はいい子ね。説教されちゃったわ」
菊代「あら、肝が据わってますね。私が初めて奥様とお会いしたときは震えが止まらなかったのに」
しほ「ちょっと」
菊代「お説教の内容もなんとなく察しがつきます。奥様と気が合うということは、みほお嬢様のこと大切に想っているでしょうしね」
しほ「……そうね。明日、みほと一緒に熊本を案内してあげるのもいいでしょう。あなたも来なさい」
菊代「ありがとうございます。何時ごろ、ご友人を連れまわして二人っきりにすればよいでしょうか」
しほ「菊代、よけいな気を遣わないの。みほとはちゃんと自分で話すから」
菊代「左様ですか。ではそのように」
15: ◆.dsCc9AhxA 2017/10/18(水) 19:08:54.12 ID:gpsa2en60
………………
『みほの部屋』
みほ「ついてきてくれてありがとね優花里さん、今日はすごく楽しかった」
優花里「いえ、わたしもお邪魔させていただいちゃって。さすがにタイマンでダウトは泥仕合にしかならないって早く気づくべきでしたが、それも思い出ですよね」
みほ「あはは、じゃあ、そろそろ寝よっか。明日はこの家をいろいろ見てみたいって言ってたけど、それでいいの?」
優花里「はい!戦車道本家ですから、戦車道に関わる者としては興味が尽きません!」
みほ「ならよかった。わたしが大洗に帰るまで、よろしくね。優花里さん」
優花里「もちろんです!」
しほ「…………」
菊代「なにドアの前に棒立ちしてんですか。ただ『明日一緒に熊本見て回りましょう』って言うだけでしょう」
しほ「菊代、お給料上げてあげるからあなたが代わりに言いなさい」
菊代「それじゃ意味ないでしょう奥様…それに今のままで十分お金には困っていませんので」
しほ「菊代」
菊代「それでは私は寝ます。おやすみなさいませ」
しほ「菊代、女中が主人より先に眠るんじゃありません」
菊代「ご息女のことに女中が深入りするのもよくないと思われますので。今度こそおやすみなさいませ奥様」トットットッ
しほ「…………」
『みほの部屋』
みほ「ついてきてくれてありがとね優花里さん、今日はすごく楽しかった」
優花里「いえ、わたしもお邪魔させていただいちゃって。さすがにタイマンでダウトは泥仕合にしかならないって早く気づくべきでしたが、それも思い出ですよね」
みほ「あはは、じゃあ、そろそろ寝よっか。明日はこの家をいろいろ見てみたいって言ってたけど、それでいいの?」
優花里「はい!戦車道本家ですから、戦車道に関わる者としては興味が尽きません!」
みほ「ならよかった。わたしが大洗に帰るまで、よろしくね。優花里さん」
優花里「もちろんです!」
しほ「…………」
菊代「なにドアの前に棒立ちしてんですか。ただ『明日一緒に熊本見て回りましょう』って言うだけでしょう」
しほ「菊代、お給料上げてあげるからあなたが代わりに言いなさい」
菊代「それじゃ意味ないでしょう奥様…それに今のままで十分お金には困っていませんので」
しほ「菊代」
菊代「それでは私は寝ます。おやすみなさいませ」
しほ「菊代、女中が主人より先に眠るんじゃありません」
菊代「ご息女のことに女中が深入りするのもよくないと思われますので。今度こそおやすみなさいませ奥様」トットットッ
しほ「…………」
16: ◆.dsCc9AhxA 2017/10/18(水) 19:09:31.17 ID:gpsa2en60
優花里「…あれ、ドアの隙間に何か挟まってます」ヒョイッ
『明日、熊本を案内してあげます。ついでに、ついでにですがみほも連れていきます しほ』
優花里「…素直じゃないですねえ」
みほ「優花里さんどうかしたの?」
優花里「家元殿って可愛らしい方ですね」
みほ「え」
優花里「ふふ」ニコニコ
みほ「ちょっと、なにがあったの!?教えてよ優花里さぁん!」
終わり
『明日、熊本を案内してあげます。ついでに、ついでにですがみほも連れていきます しほ』
優花里「…素直じゃないですねえ」
みほ「優花里さんどうかしたの?」
優花里「家元殿って可愛らしい方ですね」
みほ「え」
優花里「ふふ」ニコニコ
みほ「ちょっと、なにがあったの!?教えてよ優花里さぁん!」
終わり
17: ◆.dsCc9AhxA 2017/10/18(水) 19:10:43.12 ID:gpsa2en60
おまけ
柚子「会長、謎の荷物が生徒会宛に届いていますが、注文しました?」
杏「いんや、何かが届くって報告はなかったけどなあ」ビリビリ
桃「ああ、会長!そんなの開けて大丈夫ですか?」
杏「大丈夫だってー。爆弾が出てくるわけじゃなし」パカッ
コードがたくさんついたゴツイ時計「チッチッチッチッチッチッチッ」
杏「え」
パーーーーーーーーン!!!
………………
おりょう「うーん、謎ぜよ」
カエサル「どうしたんだおりょう」
おりょう「いや、な。さっき生徒会室の近くを通ったら、会長たちがだらだら涙と鼻水垂らしながらのたうちまわっててな」
エルヴィン「なんじゃそりゃ」
左衛門佐 「コショウの塊でもかぶったのか?」
おりょう「さあ」
柚子「会長、謎の荷物が生徒会宛に届いていますが、注文しました?」
杏「いんや、何かが届くって報告はなかったけどなあ」ビリビリ
桃「ああ、会長!そんなの開けて大丈夫ですか?」
杏「大丈夫だってー。爆弾が出てくるわけじゃなし」パカッ
コードがたくさんついたゴツイ時計「チッチッチッチッチッチッチッ」
杏「え」
パーーーーーーーーン!!!
………………
おりょう「うーん、謎ぜよ」
カエサル「どうしたんだおりょう」
おりょう「いや、な。さっき生徒会室の近くを通ったら、会長たちがだらだら涙と鼻水垂らしながらのたうちまわっててな」
エルヴィン「なんじゃそりゃ」
左衛門佐 「コショウの塊でもかぶったのか?」
おりょう「さあ」
18: ◆.dsCc9AhxA 2017/10/18(水) 19:11:46.87 ID:gpsa2en60
蝶野「ふんふ~ん♪今日は合コン~♪」
しほ「あら、随分とご機嫌ね」
蝶野「ええ、そりゃあもう……って、え?」
しほ「久しぶりね蝶野。それとも昔みたいに亜美ちゃんって呼ぶ?」
蝶野「いえ、それは勘弁してください…あの、なぜここにいらっしゃるのでしょうか…」
しほ「ちょっとあなたに用事があったのよ。ご機嫌なところ邪魔して悪かったわね」
蝶野「いえそんな…家元も、なんだか機嫌が良いように見えますが」
しほ「ん、『区切りがついた』ってとこかしら」
蝶野「?」
しほ「こっちの話よ。ところで」
蝶野「はい」
しほ「あなた、大洗で戦車道を指導したときこーんなことを言ったらしいわねぇ。『戦車なんてバーッと動かしてドーンと撃てばいい』なんて」
蝶野「」
しほ「西住流というところはずいぶんと適当な指導をするのねえ。詳しく話を聞かないと」ズルズル
蝶野「やだあああああああああ!!!合コンがああああああ!!!」ズルズル
しほ「あら、随分とご機嫌ね」
蝶野「ええ、そりゃあもう……って、え?」
しほ「久しぶりね蝶野。それとも昔みたいに亜美ちゃんって呼ぶ?」
蝶野「いえ、それは勘弁してください…あの、なぜここにいらっしゃるのでしょうか…」
しほ「ちょっとあなたに用事があったのよ。ご機嫌なところ邪魔して悪かったわね」
蝶野「いえそんな…家元も、なんだか機嫌が良いように見えますが」
しほ「ん、『区切りがついた』ってとこかしら」
蝶野「?」
しほ「こっちの話よ。ところで」
蝶野「はい」
しほ「あなた、大洗で戦車道を指導したときこーんなことを言ったらしいわねぇ。『戦車なんてバーッと動かしてドーンと撃てばいい』なんて」
蝶野「」
しほ「西住流というところはずいぶんと適当な指導をするのねえ。詳しく話を聞かないと」ズルズル
蝶野「やだあああああああああ!!!合コンがああああああ!!!」ズルズル
引用元: ・みほ「急用ができました」優花里「えっ」
鷺沢文香「階段のお話」
2020-08-31
1: ◆TDuorh6/aM 2017/10/18(水) 23:17:34.53 ID:nmXeqSyFO
関連
ハルヒ「SOS団で恋の暴露大会をするわよ!」
【朗報】わたてんさん、ケムリクサを超えてガチで覇権へ
【ラブライブサンシャイン】善子「運命の引力」
【悲報】Twitterで3年前に「令和」を予言してたものがいたwwwwwwwww
2: ◆TDuorh6/aM 2017/10/18(水) 23:18:30.84 ID:nmXeqSyFO
「さて、そろそろ帰るか」
雨の止まない秋の夜。
これから外に出なければいけない事に溜息を吐きながら、傘を片手に立ち上がった。
夜になれば弱まると思ったが、そう上手くはいかず、むしろ昼ごろよりも強まっている気もする。
窓ガラスに吹き付ける雨の音は、暖房の音すら掻き消して存在感を主張していた。
「あ、プロデューサーさん……よろしければ、一緒に……」
ドアを出ようとしたところで、担当アイドルである鷺沢文香にそう声を掛けられた。
特に断る理由も無いだろう。
駅までの短い道のりだが、一緒に話せる相手がいるとより短く感じられる。
「構わないぞ。それじゃお疲れ様でした、ちひろさん」
「お疲れ様でした……」
「お疲れ様です。プロデューサーさん、文香ちゃん」
3: ◆TDuorh6/aM 2017/10/18(水) 23:19:15.12 ID:nmXeqSyFO
部屋から出ても、廊下の奥にあるガラスからは外の風景が見える。
先ほど見たのと同じく、吹き付けられた雨がガラスを埋め尽くしていたが。
「……プロデューサーさん。せっかくですし、階段で降りませんか……?」
「ん、別にいいけど」
エレベーターはきっと今頃フル稼働しているだろう。
よしんば上からこのフロアへ辿り着いても、おそらく人で埋まっている。
ならまぁ、ここは六階だし階段で降りるのも悪くない。
それに最近運動不足気味だし。
「少しでも長く、二人で……」
文香が何かを言っていたが、雨音に掻き消されて聞き取れない。
そのまま廊下を歩き、階段へと繋がるドアを開けた。
暖房が効いていないからか、廊下と比べてかなり冷える。
同じ建物内なのにまるで別世界の様だ。
壁も床も灰色一色なのが余計寒々しい。
今すぐにでも回れ右してエレベーターを使いたくなったが、まぁ数フロア分だし我慢するとしよう。
ギィィ、と音を立ててドアが閉まる。
さっきまでの雨音は、もう聞こえなかった。
4: ◆TDuorh6/aM 2017/10/18(水) 23:19:50.33 ID:nmXeqSyFO
かつん、かつん。
足音だけが階段中に響く。
蛍光灯と非常用誘導灯がやけに明るく見える。
一人で歩こうとは思わないな、なんて考えながら下へと向かった。
「寒くないか、文香」
「はい、大丈夫です……ありがとうございます」
かつん、かつん。
大きなビルだから当たり前の事だが、一フロア分の階段もそこそこ長い。
金属製の手すりに掴まろうと思ったが、思った以上に冷たくて諦めた。
「階段、結構冷えるな」
「そうですね……そう言えばプロデューサーさん、階段に纏わる怪談はご存知ですか?」
思わず笑ってしまいそうになった。
いや、文香は場を温めようと話題を降ってくれたのかもしれないが。
逆に寒くなってしまったよ、なんてツッコミたくなる。
5: ◆TDuorh6/aM 2017/10/18(水) 23:20:22.75 ID:nmXeqSyFO
「学校の七不思議とかにあるよな。二人で段数を数えてたのに何故か食い違う、みたいな。そう言えば確かに階段に纏わる怪談って多い気がする」
「単純に風景が変わらず思考が麻痺しやすいから、と言う理由もありますが……階段はどの階にも属さない、謂わば狭間・あやふやな場所だからです……」
「なるほどなぁ。よく階段を二段飛ばしで降りてると違うどの段を踏めばいいのか分からなくなるけど、脳の問題なのか」
「一時的なストレスが大きいから、との話も……」
そう言われて改めて足元を見ると、次にどの段を踏めばいいのか一瞬分からなくなる。
危ない危ない、足を挫くところだった。
気付けば既に五階まで降りていた。
やっぱり、人と話しているとあっという間だ。
文香の話すペースがゆっくりという事もあるが。
「では……せっかくですし、怪談でもしながら降りて行きませんか?」
「構わないけど、俺そんなに知らないぞ?」
「大丈夫です……私に任せて下さい」
えっへん、と言うようにこちらを微笑む文香。
文学少女である文香なら、さぞかし怖い怪談をたくさん知っているのだろう。
「それじゃ、お願いしようかな」
「はい……では、一つ目を」
6: ◆TDuorh6/aM 2017/10/18(水) 23:21:00.87 ID:nmXeqSyFO
有名かどうかは存じませんが……とあるマンションの、非常階段に纏わるお話です。
……いえ、よくあるかも存じませんが……兎に角、そこに住む住人は、管理人さんから『非常階段は使うな』と伝えられていたそうです。
ですが勿論、禁じられればより気になってしまうのが人の性。
親御さんからそれを伝えられたとある男の子が、友達二人と一緒にその非常階段を使用してみよう、と……
その子の住んでいた部屋は十三階で、そこから一階まで降りてみる事にしたそうです。
私は、十三階から歩いて降りようなどとは思いませんが……子供とは、なかなか元気な……
……と、すみません。
話が逸れましたね。
兎にも角にも、学校が終わってからその男の子の部屋の前に集合し、降りる事にしたそうです。
決行は夕方の十七時。
男の子は友達が来るのを今か今かと待っていたそうで。
もしかしたら、お母さんも気付いていていざとなったら注意するつもりだったかもしれません。
時刻は十六時五十分。
そろそろ友達がエレベーターで上がってきてもいい頃です。
男の子はエレベーターの前で友達を待ち構えていました。
フロア表示は十二階、間違いなく友達が上がってきています。
7: ◆TDuorh6/aM 2017/10/18(水) 23:21:41.59 ID:nmXeqSyFO
……いえ、別にそのエレベーターからこの世のものではない何かが出てきた訳ではありません。
普通に、きちんと友達が乗っていたそうです。
「よう、待ち合わせ二分遅れだぞ」
「ごめんごめん、エレベーターなかなか来なくてさ」
仲良く話しながら、これからする事に胸を弾ませて……
そういえば、もう一人の友達がまだ来ていない事が気になりました。
「あれ?あいつは?もしかしてビビって逃げたのか?」
「あー……それがさ、エレベーター来るの待てなくて階段で登ってったんだよ。そろそろ着くんじゃないか?」
なかなか、勇敢なお友達ですね。
まぁ小学生くらいの男の子ですから、そう言う曰くなんて信じていなかったのかもしれませんが。
もちろん二人も、本気で信じていたわけではなく。
どうせ途中でバテているだけですぐ上がってくるだろ、と学校での出来事を話しながら待っていたそうです。
けれど。
いつまで経ってもお友達は現れませんでした。
「……おい、あいつ本当に来てるのか?」
「確かに遅すぎるな……帰ったのかもしれない」
五分、十分と待っても。
なかなか非常階段に繋がるドアは開きません。
8: ◆TDuorh6/aM 2017/10/18(水) 23:22:15.69 ID:nmXeqSyFO
「……しょうがないし、二人でやるか」
「おっけー」
夕焼けで真っ赤に染まったマンションの廊下を、二人で歩きます。
誰もいないのは不気味ですが、まだ明るいから、と。
そう安心していたのでしょう。
それにいざという時には、叫べば母親が来てくれるから、と。
ガチャ
非常階段に繋がるドアを開けると、一気に風が吹き込んで来ました。
非常階段は、夕焼けに照らされてる以上に真っ赤です。
バタンッ
ドアを閉めて二人で階段に出ると、広がるのは綺麗な街並み。
曰くつきなんて事を忘れて、二人でその景色に見入っていたそうです。
「なーんだ、大した事ないな」
「ね、せっかくだしこのまま一階まで行かない?」
そう、二人で話していた。
その、時でした。
9: ◆TDuorh6/aM 2017/10/18(水) 23:22:59.19 ID:nmXeqSyFO
「おーい、ごめんごめん。待たせちゃったな」
階段の上の方から、もう一人のお友達の声が聞こえました。
「なんだよ待たせやがって」
「今から一階まで降りるぞ」
「今すぐ降りるよ。間違えてもっと上まで登っちゃってさ」
かん、かん、かん
足音がやけに大きく聞こえます。
そんな時、男の子は気付きました。
ここが、彼の住んでいる部屋のある十三階が。
一番上のフロアだと言う事に。
「な、なぁ!この上って屋上しかないんだけどさ!」
そう小声で呟くと、一緒にいたお友達も気付いたようです。
間違えてもっと上まで登るなんて、あり得ないと言う事に。
かん、かん、かん
「ごめん、すぐ降りるから待っててくれ!」
友達の声が、真上から聞こえます。
降りて来た音がしたのに、今真上にいると言うことは。
そのお友達は、もともと何処に居たのでしょう?
10: ◆TDuorh6/aM 2017/10/18(水) 23:23:35.35 ID:nmXeqSyFO
「……はやく、戻ろう!」
二人は急いで戻ろうとしました。
けれど……
ガチャガチャ、ガチャガチャ
「おい!なんで開かないんだよ!!」
「鍵なんて閉めてないって!なんで……!」
扉は、開きませんでした。
「おいおい、待っててって言ってるじゃん」
かん、かん、かん
少しずつ、足音が近づいてきます。
「なんで!あいてよ!」
かん、かん、かん
二人は、パニックでした。
戻ろうにもドアは開きません。
下へと逃げようにも、まるで打ち付けられたように足が動きませんでした。
かん、かん、かん
「あけて……あけて!」
ガチャガチャガチャ
上から降りてくる友達の影が踊り場まで伸びてきて。
あとほんの一瞬で、その姿がーー
11: ◆TDuorh6/aM 2017/10/18(水) 23:24:08.29 ID:nmXeqSyFO
ギィ!
「あんた達!何してるの!!」
突然空いた扉の向こうから、誰かに無理やり引っ張られました。
見れば、心配になった母親が助けてくれた様です。
「ぁ……助かったの……?」
ドンッ!!
「ヒィッ!!?」
その後、二人は気を失ったそうです。
12: ◆TDuorh6/aM 2017/10/18(水) 23:25:12.16 ID:nmXeqSyFO
「怖いな、めっちゃ怖いわ」
「ふふっ、それは良かったです」
「にしても、その話の続きが気になるな」
果たして、そのもう一人の友達はどうなったんだろう。
「翌日、普通に登校していたそうです……六階くらいで疲れて結局エレベーターを使ったけれど、部屋の前に誰もいなくて帰ったとか」
怖い体験をした二人が不憫でならない。
いや、そもそも禁止されてる場所に入るなという話だが。
好奇心旺盛な子供なのだから仕方がないだろう。
「いやー、面白かった」
既に三階まで降りてきていた。
ゆっくりと歩きながらする階段も悪くない。
あと一、二本話してるうちに一階に着くだろう。
「それでは、二つ目のお話を……」
13: ◆TDuorh6/aM 2017/10/18(水) 23:25:47.01 ID:nmXeqSyFO
学校の怪談、と言えばやはり階段に纏わる話が一つはあると思いますが。
これはそのうちの、一つのお話。
とある学校では、『屋上へ続く階段を、夜数えながら登ると何かが起こる』と噂になっていたそうです。
そもそも夜学校に忍び込んでわざわざ誰が階段の段数を数えたのか、と疑問を覚えるところですが……
学校の怪談なんて、初出はそんなものです。
誰も、そんな事なんて気にしないんですから。
やはりそこでも、とある男の子達がそれを決行しようとしました。
危ないからこそそう言う話が出来たと言うのに……でも、そうですね。
好奇心に逆らえないのは、いくつになっても変わらないのかもしれません。
いえ、私は夜の学校に忍び込める程アグレッシブではありませんでしたが……
兎に角、男の子グループが四人で夜の学校に忍び込みました。
今やれば間違いなく警備会社の人員が派遣されますね。
それはさておき、無事校舎に入り込めた四人はすぐに四階へとたどり着きました。
あとは、屋上へと続く階段を登るだけです。
14: ◆TDuorh6/aM 2017/10/18(水) 23:26:23.66 ID:nmXeqSyFO
「懐中電灯持ってきてるよな?」
「もちろん、さっさと行くぞ」
四人揃って、屋上への階段の前に立ちます。
上へと向けられた懐中電灯は、途中の踊り場の壁を照らします。
もしかしたら怖くて帰りたかった子がいるかもしれませんが、友達の手前そんなことは言い出せません。
そして……
「いーち!」
ダンッ!と。
威勢良く四人で一段目の前階段を登りました。
「……まだなんもないか」
「そりゃそうだろ」
赤信号、みんなで渡ればなんとやら。
「にーい!」
ダンッ!
元気が一番ですね。
「さーん!」
警備員さんに聞こえてしまうかもしれません。
「よーん!」
ところで。
「ごーお!」
誰も。
「ろーく!」
後ろを確認しませんが。
「なーな!」
大丈夫でしょうか。
「はーち!」
15: ◆TDuorh6/aM 2017/10/18(水) 23:27:03.89 ID:nmXeqSyFO
だんだんと楽しくなってきたみたいですね。
テンポよく、どんどん登って行きます。
そして、一旦踊り場へと到着しました。
懐中電灯を屋上側へと向け直します。
ここまでで二十段。
あとは屋上までの十段も無い階段を登るだけです。
「それじゃ……」
「にじゅーいち!」
ダンッ!
踊り場から屋上に向かう階段を。
一歩、踏み出した時でした。
いーち
かつん、と。
足音と声が聞こえました。
「……おい、誰だよいちとか言ったの」
「いや……僕じゃないけど……」
「き、気のせいだろ」
「次行くぞ」
「にじゅーに!」
にーい
かつん
間違いなく、聞こえました。
「おいやめろよ!誰だよふざけてるよ!」
「俺じゃないって!」
「もうやめとかない?」
「今戻れるの……?」
怖いけれど。
降りて行く方が、よっぽど怖いですから。
16: ◆TDuorh6/aM 2017/10/18(水) 23:27:59.58 ID:nmXeqSyFO
「……にじゅーさん」
さーん
かつん
「にじゅーよん」
よーん
かつん
そして。
「に、にじゅーはち」
一番上へとたどり着いた瞬間。
パッと、懐中電灯が消えました。
「おい!消すなよ!」
「えっ?ちがっ!つ、つかない!!」
はーち
屋上と階段を挟むドアから漏れる月明かり以外、光はありません。
四人は泣きそうになりながら身を竦めました。
きゅーう
じゅーう
かつん、かつん、と。
何かが登ってくる音が響きます。
17: ◆TDuorh6/aM 2017/10/18(水) 23:28:33.89 ID:nmXeqSyFO
「おい!誰だよ!」
「やめろ!騒ぐな!!」
じゅーご
じゅーろく
彼らは知っています。
何かの声が二十と唱えたとき、踊り場にたどり着いてしまう事を。
じゅーしち
じゅーはち
どんどんどん!
屋上へのドアを叩いたりスライドしたりしますが、当然鍵がかかっていて開きません。
そして……
じゅーきゅう
かつん
何かが、もうすぐそこまできてしまいました。
電気なんて消えている筈なのに、何故か踊り場には何かの影が浮かんでいます。
もう。
18: ◆TDuorh6/aM 2017/10/18(水) 23:29:12.98 ID:nmXeqSyFO
次の瞬間……
「うわぁぁぁぁぁぁ!!」
「おい馬鹿!」
「止まれ!」
男の子達のうち一人が、耐えられなくなって階段を走って降りてしまいました。
ダダダダダッ!と言う足音が聞こえた後。
ドンッ!
大きな音が響きました。
けれど、誰もその場を動けません。
踊り場を曲がったその先には、何かがいる筈なのですから。
それから、二十を数える声も足音も聞こえず。
ぶるぶると震え、鳴き声を抑え。
結局そのまま、朝を迎えたそうです。
19: ◆TDuorh6/aM 2017/10/18(水) 23:30:45.21 ID:nmXeqSyFO
「こっえーよ……その走ってっちゃった男の子は?」
「階段から転落して、そのまま……」
好奇心とは本当に恐ろしいものだ。
逆らえないからこそ、尚更。
文香の語りはうますぎて、また完全に聞き入ってしまった。
こう、聞いているだけなのに風景が想像出来てしまう感じ。
このままずっと文香の話を聞いていたくなる。
文香のことだから、まだまだ沢山のお話を知っているだろう。
それを、こんな完成度で聞けるなんて。
怖くて面白くて仕方がない。
「さて……では、次のお話を……」
20: ◆TDuorh6/aM 2017/10/18(水) 23:31:37.36 ID:nmXeqSyFO
「……ん、ちょっとまって」
危ない危ない、話に聞き入りすぎて一階を通り越してしまっていた。
階段と言うのは階数表示以外にフロアを知る手段が無いからよろしくない。
ここは地下一階だし、一個登ればすぐ一階だ。
残念だが、今日はこのへんまでだろう。
「次は、永遠に続く階段のお話です。あやふやな、世界の狭間に迷い込んでしまったお話を……」
そうだ。
ここは地下一階だ。
この建物は地下一階までしかない。
なら……
「さあ、プロデューサーさん。早く降りましょう。早く、話の続きを聞きたくありませんか?」
この目の前に広がっている、下へと続く階段は。
何処へと繋がっているんだろう。
21: ◆TDuorh6/aM 2017/10/18(水) 23:32:20.47 ID:nmXeqSyFO
引き返すべきだ、引き返さなきゃいけない。
このまま降りていって、帰れなくなるかもしれない。
地下一階までしかないんだから、本来こんな階段なんて無いはずだ。
なのに……
気になる、どうしても気になってしまう。
この階段の先が。
文香の話の続きが。
このまま降りて行くと、どうなってしまうのか。
「……文香。その話の最期はどうなるんだ?」
「……さて、私にも。ですから……確かめて、みませんか?」
引き返すべきだ。
そんな事は分かっていた。
22: ◆TDuorh6/aM 2017/10/18(水) 23:32:58.32 ID:nmXeqSyFO
だから……
「話の続き、聞かせてくれ」
俺と文香は、階段を更に降りていった。
23: ◆TDuorh6/aM 2017/10/18(水) 23:34:19.53 ID:nmXeqSyFO
以上です
お付き合い、ありがとうございました
過去作です、よろしければ是非
文香「文学少女は純情だと思っていましたか?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1498125534/
檀黎斗「北条加蓮ゥ!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1505301632/
モバP「火事から始まる同棲生活」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1488358615/
引用元: ・鷺沢文香「階段のお話」
ココア「チノちゃん.....人参食べなきゃダメだよ?」
2020-08-31
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/18(水) 23:33:08.10 ID:kPaa0ROg0
チノ「...........そういうココアさんもトマト食べてませんよ?」
ココア「じゃ、じゃあ一緒にせーので食べようね?」
チノ「本当にココアさん食べるんですか?」
ココア「食べるよ!いくよ?」
チノ「.............はい.....」
ココア「せーの!」
チノ「...................」
ココア「....................」
チノ「やっぱり食べなかったですね...ココアさん」
ココア「チ...チノちゃんが食べなかったからだよ!お姉ちゃんは妹のこと見守らないといけないからね!」
チノ「意味不明なこと言わないでください」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1508337187
ココア「じゃ、じゃあ一緒にせーので食べようね?」
チノ「本当にココアさん食べるんですか?」
ココア「食べるよ!いくよ?」
チノ「.............はい.....」
ココア「せーの!」
チノ「...................」
ココア「....................」
チノ「やっぱり食べなかったですね...ココアさん」
ココア「チ...チノちゃんが食べなかったからだよ!お姉ちゃんは妹のこと見守らないといけないからね!」
チノ「意味不明なこと言わないでください」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1508337187
関連
ハルヒ「SOS団で恋の暴露大会をするわよ!」
【朗報】わたてんさん、ケムリクサを超えてガチで覇権へ
【ラブライブサンシャイン】善子「運命の引力」
【悲報】Twitterで3年前に「令和」を予言してたものがいたwwwwwwwww
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/18(水) 23:41:54.94 ID:kPaa0ROg0
ココア「チノちゃん私のこと試したんでしょ?」
チノ「もちろんです」
ココア「ひどい!」
チノ「ココアさんは今まで何がなんでもトマトを食べませんでしたからね.....どうせ食べないと思ってました」
ココア「私そんなふうに思われてたの!?じゃあ食べるから見ててよ!」
チノ「どうぞ...ココアさんが食べたら私も人参食べます........お姉さんは妹の規範になるべきです」
ココア「チノちゃんが理屈っぽい.....しょうがない..............」
ココア「....................」パク
ココア「.....................」モグモグ
ココア「......................」
チノ「.....................」
ココア「..............タベタヨ...................」
チノ「ココアさんの顔が凄いことに........」
チノ「ここまでされたら仕方ありません.....」パク
チノ「..................あれ?..................意外に美味しいですね.......」モグモグ
チノ「味覚が変わったのでしょうか」
チノ「これからはちゃんと野菜食べるようにします...」
ココア「.......................偉いね..............チノちゃん..................」
おしまい
チノ「もちろんです」
ココア「ひどい!」
チノ「ココアさんは今まで何がなんでもトマトを食べませんでしたからね.....どうせ食べないと思ってました」
ココア「私そんなふうに思われてたの!?じゃあ食べるから見ててよ!」
チノ「どうぞ...ココアさんが食べたら私も人参食べます........お姉さんは妹の規範になるべきです」
ココア「チノちゃんが理屈っぽい.....しょうがない..............」
ココア「....................」パク
ココア「.....................」モグモグ
ココア「......................」
チノ「.....................」
ココア「..............タベタヨ...................」
チノ「ココアさんの顔が凄いことに........」
チノ「ここまでされたら仕方ありません.....」パク
チノ「..................あれ?..................意外に美味しいですね.......」モグモグ
チノ「味覚が変わったのでしょうか」
チノ「これからはちゃんと野菜食べるようにします...」
ココア「.......................偉いね..............チノちゃん..................」
おしまい
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/19(木) 00:53:08.26 ID:AFhiG2Rg0
おつ
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/19(木) 06:19:09.22 ID:vWiLebApo
平和な世界
引用元: ・ココア「チノちゃん.....人参食べなきゃダメだよ?」
みく「りーなチャンが変な仮面つけてからおかしいにゃ」
2020-08-31
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/19(木) 00:04:36.38 ID:ftZv+Tal0
関連
ハルヒ「SOS団で恋の暴露大会をするわよ!」
【朗報】わたてんさん、ケムリクサを超えてガチで覇権へ
【ラブライブサンシャイン】善子「運命の引力」
【悲報】Twitterで3年前に「令和」を予言してたものがいたwwwwwwwww
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/19(木) 00:05:28.04 ID:ftZv+Tal0
P「変な仮面?」
みく「にゃ。なんか紫色で棘とかついててでっかい目があしらわれた不気味な仮面だったにゃ」
P「……多分それ俺の知ってるやつかも。それ着けただりーはどうなった?」
みく「キャハハハハ!だかキヒヒヒヒヒ!だか笑いながらお月様に飛んでいっちゃったにゃ。あとお月様がなんかすごい形相になったにゃ。なにあれ」
P「ムジュラの仮面じゃねえか」
みく「なにそれ」
P「あー、ゼルダの伝説ってご存知ない?」
みく「知ってるけどやったことはないにゃ。ゲームは基本ソーシャルゲームだから」
P「世知辛いことを言うな現代っ子」
みく「にゃ。なんか紫色で棘とかついててでっかい目があしらわれた不気味な仮面だったにゃ」
P「……多分それ俺の知ってるやつかも。それ着けただりーはどうなった?」
みく「キャハハハハ!だかキヒヒヒヒヒ!だか笑いながらお月様に飛んでいっちゃったにゃ。あとお月様がなんかすごい形相になったにゃ。なにあれ」
P「ムジュラの仮面じゃねえか」
みく「なにそれ」
P「あー、ゼルダの伝説ってご存知ない?」
みく「知ってるけどやったことはないにゃ。ゲームは基本ソーシャルゲームだから」
P「世知辛いことを言うな現代っ子」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/19(木) 00:06:27.29 ID:ftZv+Tal0
みく「んで、あの仮面外すのはどうすればいいんだにゃ」
P「簡単だ。沼、山、海、谷にいる四人の人に月を受け止めてもらってる間にムジュラの仮面を倒せばいい」
みく「日本語喋れ」
P「いや本当にそうなんだって…なんかでっかいリュックしょった仮面屋のオッサンとは会わなかったのか?」
みく「会ったけど笑顔がキモいし胡散臭いから逃げたにゃ」
P「そ、そうか…」
P「簡単だ。沼、山、海、谷にいる四人の人に月を受け止めてもらってる間にムジュラの仮面を倒せばいい」
みく「日本語喋れ」
P「いや本当にそうなんだって…なんかでっかいリュックしょった仮面屋のオッサンとは会わなかったのか?」
みく「会ったけど笑顔がキモいし胡散臭いから逃げたにゃ」
P「そ、そうか…」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/19(木) 00:08:22.23 ID:ftZv+Tal0
バァン!
ちひろ「プ、プロデューサーさん!大変です!」
P「どうしたチンクル」
ちひろ「バカにしてんのかてめぇ」
P「だって銭ゲバだし緑だし」
ちひろ「風船括り付けて弓矢で的にしてあげましょうか?」
P「ごめんなさい」
みく「?」
ちひろ「ゴホン! とにかくレッスンルームに来てください!川島さんが変な仮面被ってからおかしくなってるんです!」
P「え」
ちひろ「プ、プロデューサーさん!大変です!」
P「どうしたチンクル」
ちひろ「バカにしてんのかてめぇ」
P「だって銭ゲバだし緑だし」
ちひろ「風船括り付けて弓矢で的にしてあげましょうか?」
P「ごめんなさい」
みく「?」
ちひろ「ゴホン! とにかくレッスンルームに来てください!川島さんが変な仮面被ってからおかしくなってるんです!」
P「え」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/19(木) 00:09:17.74 ID:ftZv+Tal0
【レッスンルーム】
密林仮面戦士ワカルワ「ワッカールワァ!ワッカールワァ!」ドンチャンドンチャン
みく「うわ、何アレ」
P「密林仮面戦士ワカルワがやりたかっただけね。わかるわ」
ちひろ「呑気なこと言ってないでなんとかしてくださいよ!」
P「なんとかって…爆弾か弓矢かデクナッツの仮面がないとなぁ」
みく「Pチャンって意外と順応早いよね。普通はもっと取り乱さない?」
P「そりゃあこの事務所変人ばっかりだし慣れるよ。大富豪の娘とか元警察官とか運ステカンスト女とか現人神とかサンタクロースとか…まだまだあるぞ」
ちひろ「確かにそうですけど…」
密林仮面戦士ワカルワ「ワッカールワァ!ワッカールワァ!」ドンチャンドンチャン
みく「うわ、何アレ」
P「密林仮面戦士ワカルワがやりたかっただけね。わかるわ」
ちひろ「呑気なこと言ってないでなんとかしてくださいよ!」
P「なんとかって…爆弾か弓矢かデクナッツの仮面がないとなぁ」
みく「Pチャンって意外と順応早いよね。普通はもっと取り乱さない?」
P「そりゃあこの事務所変人ばっかりだし慣れるよ。大富豪の娘とか元警察官とか運ステカンスト女とか現人神とかサンタクロースとか…まだまだあるぞ」
ちひろ「確かにそうですけど…」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/19(木) 00:10:54.29 ID:ftZv+Tal0
仁奈「みずきおねーさんどうしやがったんですかー?」ポヒポヒポヒ
ちひろ「ダメ仁奈ちゃん危ない!」
仁奈「え」ドンッ
ワカルワ「コンキ!」ドサッ!
みく「よっしゃ!軸足取ったりにゃ!」グッ
P「よし今だみく!キッチンから包丁持ってきて斬れ!」
みく「バカかお前」
P「冗談だ。でもダメージを与える必要はある。倒れてる川島さんを蹴り飛ばせ」
みく「えー…勘弁してほしいんだけど」ゲシッ
仁奈「うわーん!みんな狂っちまったでごぜーますよー!」ビエエ
ちひろ「ダメ仁奈ちゃん危ない!」
仁奈「え」ドンッ
ワカルワ「コンキ!」ドサッ!
みく「よっしゃ!軸足取ったりにゃ!」グッ
P「よし今だみく!キッチンから包丁持ってきて斬れ!」
みく「バカかお前」
P「冗談だ。でもダメージを与える必要はある。倒れてる川島さんを蹴り飛ばせ」
みく「えー…勘弁してほしいんだけど」ゲシッ
仁奈「うわーん!みんな狂っちまったでごぜーますよー!」ビエエ
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/19(木) 00:13:08.79 ID:ftZv+Tal0
ワカルワ「!?」グアッ
みく「うわっ!?起き上がった!」
ワカルワ「モッテナーイ!モッテナーイ!」
ちひろ「なんか腕を広げて空を仰ぎ始めました。あとモテないとか言い出しました」
P「ゲームだと虫が降ってくるんだっけなあ。確か」
みく「ぎゃっ!虫は嫌にゃ!」
ヒューン
ポトン
みく「にゃああああ!……あれ?なにこれ」ヒョイ
P「ドモホルンリンクルに見えるな」
みく「…………とりあえず軸足蹴って転ばせて殴ればいい感じ?」
P「ほんとは顔に矢をぶちかましたり爆弾当てたりするんだが」
みく「法を犯させんのやめろや。いてもうたろか自分」
P「関西弁出てるぞ。ま、頑張ってくれ」
みく「うわっ!?起き上がった!」
ワカルワ「モッテナーイ!モッテナーイ!」
ちひろ「なんか腕を広げて空を仰ぎ始めました。あとモテないとか言い出しました」
P「ゲームだと虫が降ってくるんだっけなあ。確か」
みく「ぎゃっ!虫は嫌にゃ!」
ヒューン
ポトン
みく「にゃああああ!……あれ?なにこれ」ヒョイ
P「ドモホルンリンクルに見えるな」
みく「…………とりあえず軸足蹴って転ばせて殴ればいい感じ?」
P「ほんとは顔に矢をぶちかましたり爆弾当てたりするんだが」
みく「法を犯させんのやめろや。いてもうたろか自分」
P「関西弁出てるぞ。ま、頑張ってくれ」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/19(木) 00:15:14.15 ID:ftZv+Tal0
~~~~~~
みく「な、なんとか仮面が剥がれたにゃ…」ゼーハー
ワカルワだったもの「」チーン
P「ん、お疲れ様。ちなみにあと3つ仮面があるからな」
みく「マジ勘弁なんだけど…」
P「まだボスと直で戦えるだけマシだろ。ロックビルの神殿とか二度とやりたくないしなぁ」
みく「マジ何の話にゃ…」
P「マジが多いぞ」
みく「マジでマジとしか言えないそういう気分なの」
ちひろ「大変です!」
みく「今度はなんにゃああああ!!!」
ちひろ「変な仮面つけた茜ちゃんがすごいスピードで事務所内を駆け回っているそうです!巻き込まれて文香ちゃんが目を回してますし備品が三十個ほどお釈迦になりました!
それと常務がプールの中から出てこないばかりか口から小さい常務を吐き出してます!キモいって苦情が殺到です!
あと美嘉ちゃんと莉嘉ちゃんが巨大化して空を飛んでいるからパンツとか丸見えになってます!Youtubeに投稿されてすごい勢いで再生数が伸びてます!」
みく「」
P「茜は走り回るからで、ツインモルドのは姉妹だからか?ジョームとグヨーグ…似てなくはないが…」ブツブツ
みく「な、なんとか仮面が剥がれたにゃ…」ゼーハー
ワカルワだったもの「」チーン
P「ん、お疲れ様。ちなみにあと3つ仮面があるからな」
みく「マジ勘弁なんだけど…」
P「まだボスと直で戦えるだけマシだろ。ロックビルの神殿とか二度とやりたくないしなぁ」
みく「マジ何の話にゃ…」
P「マジが多いぞ」
みく「マジでマジとしか言えないそういう気分なの」
ちひろ「大変です!」
みく「今度はなんにゃああああ!!!」
ちひろ「変な仮面つけた茜ちゃんがすごいスピードで事務所内を駆け回っているそうです!巻き込まれて文香ちゃんが目を回してますし備品が三十個ほどお釈迦になりました!
それと常務がプールの中から出てこないばかりか口から小さい常務を吐き出してます!キモいって苦情が殺到です!
あと美嘉ちゃんと莉嘉ちゃんが巨大化して空を飛んでいるからパンツとか丸見えになってます!Youtubeに投稿されてすごい勢いで再生数が伸びてます!」
みく「」
P「茜は走り回るからで、ツインモルドのは姉妹だからか?ジョームとグヨーグ…似てなくはないが…」ブツブツ
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/19(木) 00:16:01.78 ID:ftZv+Tal0
ちひろ「どうすりゃいいんでしょう…」
P「大丈夫ですよ。俺倒し方知ってますから」
P「よしみく!まずはスタミナドリンクを飲みながらひたすら走り続ける特訓と、水の中で呼吸できるようになる特訓だ!それと巨大化も習得しないとなぁ。三日以内に」
みく「ただのアイドルに医学と物理学の壁超えさせるんじゃねえ」
茜「ボンバー!!!」ドドドドド
常務「……」ゴボゴボ
美嘉莉嘉「「ぎゃおー☆」」
みく「お前らいい加減にするにゃあああああああああああああ!!!」
にゃあああああああああああ!
にゃあああああああああぁぁぁ
にゃあああぁぁぁぁ………
…………………
P「大丈夫ですよ。俺倒し方知ってますから」
P「よしみく!まずはスタミナドリンクを飲みながらひたすら走り続ける特訓と、水の中で呼吸できるようになる特訓だ!それと巨大化も習得しないとなぁ。三日以内に」
みく「ただのアイドルに医学と物理学の壁超えさせるんじゃねえ」
茜「ボンバー!!!」ドドドドド
常務「……」ゴボゴボ
美嘉莉嘉「「ぎゃおー☆」」
みく「お前らいい加減にするにゃあああああああああああああ!!!」
にゃあああああああああああ!
にゃあああああああああぁぁぁ
にゃあああぁぁぁぁ………
…………………
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/19(木) 00:17:47.48 ID:ftZv+Tal0
チュンチュン
みく「……ん」
みく「ハッ!? …夢、かにゃ?」
李衣菜「あ、やっと起きた。なんかすごいうなされてたよ?大丈夫?」ポチポチ
みく「ごめんにゃ。なんかすごい変な夢を……って、なにしてるにゃ?りーなチャン」
李衣菜「あーごめんうるさい?ゲームやってるんだ。ゼルダの伝説」
みく「へえ。あ、もしかしてムジュラの仮面ってやつ?」
李衣菜「いや、時のオカリナ」
みく「あ、そう」
終わり
当SSはゼルダの伝説シリーズを勝手に応援しております。
みく「……ん」
みく「ハッ!? …夢、かにゃ?」
李衣菜「あ、やっと起きた。なんかすごいうなされてたよ?大丈夫?」ポチポチ
みく「ごめんにゃ。なんかすごい変な夢を……って、なにしてるにゃ?りーなチャン」
李衣菜「あーごめんうるさい?ゲームやってるんだ。ゼルダの伝説」
みく「へえ。あ、もしかしてムジュラの仮面ってやつ?」
李衣菜「いや、時のオカリナ」
みく「あ、そう」
終わり
当SSはゼルダの伝説シリーズを勝手に応援しております。
引用元: ・みく「りーなチャンが変な仮面つけてからおかしいにゃ」
いろは「わたしと先輩って全然釣り合ってないじゃないですかぁ」八幡「あ?」
2020-08-31
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 16:02:54.81 ID:7KQMx8D50
八幡「急になんだ、喧嘩売ってんのか?」
いろは「わたしってかなり可愛いじゃないですかー」
八幡「容姿、ビジュアル、見た目、顔の作りという点ではそうだな」
いろは「……個人的には学校でもトップ3に入るくらいだとは思うんですよー。……雪ノ下先輩には勝てないですけど」
八幡「まぁあいつは顔の作りだけはいいからな。顔の作りだけは」
いろは「でも先輩ってよくて平々凡々じゃないですかぁ」
八幡「俺は目が腐っている点を除けばそれなりにイケメンだと自負しているぞ」
いろは「そこが大幅なマイナスポイントですけどね」
八幡「まぁそれは否定できん」
いろは「……まぁわたしは先輩の目嫌いじゃないですけど」ボソッ
八幡「なんか言ったか?」
いろは「なんでもないですよーだ」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1507273374
いろは「わたしってかなり可愛いじゃないですかー」
八幡「容姿、ビジュアル、見た目、顔の作りという点ではそうだな」
いろは「……個人的には学校でもトップ3に入るくらいだとは思うんですよー。……雪ノ下先輩には勝てないですけど」
八幡「まぁあいつは顔の作りだけはいいからな。顔の作りだけは」
いろは「でも先輩ってよくて平々凡々じゃないですかぁ」
八幡「俺は目が腐っている点を除けばそれなりにイケメンだと自負しているぞ」
いろは「そこが大幅なマイナスポイントですけどね」
八幡「まぁそれは否定できん」
いろは「……まぁわたしは先輩の目嫌いじゃないですけど」ボソッ
八幡「なんか言ったか?」
いろは「なんでもないですよーだ」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1507273374
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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 16:08:28.57 ID:7KQMx8D50
いろは「それにスタイルもいいじゃないですかー」
八幡「そうだな」
いろは「あれ、ケチ付けないんですかぁ?」
八幡「事実は事実だし、何言っても負け惜しみでしかねぇだろ」
いろは「先輩にしては潔いですね……。まぁ、スタイルに関しても学校でもかなりいい方だと思うんですよ」
八幡「俺はまずスタイルの良い学校の女子とやらをほとんど知らないんだが」
いろは「まぁいろはチェックの限りでは、こっちでもわたしはトップ3には入ると思います!」
八幡「だから知らねぇっつの」
いろは「……アレは結衣先輩には勝てないですけど」グスッ
八幡「……まぁ、あれだ。まだ伸びしろはあるはずだ、たぶん」
いろは「ほ、細さなら勝ってますから! ……こっちは雪ノ下先輩に勝てないですけど」グスッ
八幡「いや、お前ら二人とも細すぎだから。もうちょっと太らないと心配になるぞ俺は」
いろは「女の子と男の子だと細いの基準が違いますからねー」
八幡「男の基準に合わせた方が絶対健康だと思うがな」
八幡「そうだな」
いろは「あれ、ケチ付けないんですかぁ?」
八幡「事実は事実だし、何言っても負け惜しみでしかねぇだろ」
いろは「先輩にしては潔いですね……。まぁ、スタイルに関しても学校でもかなりいい方だと思うんですよ」
八幡「俺はまずスタイルの良い学校の女子とやらをほとんど知らないんだが」
いろは「まぁいろはチェックの限りでは、こっちでもわたしはトップ3には入ると思います!」
八幡「だから知らねぇっつの」
いろは「……アレは結衣先輩には勝てないですけど」グスッ
八幡「……まぁ、あれだ。まだ伸びしろはあるはずだ、たぶん」
いろは「ほ、細さなら勝ってますから! ……こっちは雪ノ下先輩に勝てないですけど」グスッ
八幡「いや、お前ら二人とも細すぎだから。もうちょっと太らないと心配になるぞ俺は」
いろは「女の子と男の子だと細いの基準が違いますからねー」
八幡「男の基準に合わせた方が絶対健康だと思うがな」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 16:13:42.95 ID:7KQMx8D50
いろは「あれ? ということは先輩は総武高スタイルTOP3を侍らせてるってことじゃないですかぁ?」
八幡「知らねぇよ。というかさすがに他にもいるだろ」
いろは「先輩はもっと自分の置かれてる状況をありがたく思うべきじゃないですかねー?」
八幡「むしろ変わってくれるなら変わってほしいぐらいだわ。戸部あたりに譲るわ」
いろは「それだと多分わたしと結衣先輩は来なくなりますけどね」
八幡「もっと優しくしてやれよ……」
いろは「スタイル維持するためにいろいろ頑張ってるんですよー? おいしいもの我慢したり、ジョギングしたり……」
八幡「そうかそうか一色は頑張り屋さんだなー」
いろは「気持ちがこもってないです! もっと念入りに褒めてください!」
八幡「はいはいこれでいいか」ナデナデ
いろは「えへへー」フニャリ
いろは「じゃなくって!」
八幡「知らねぇよ。というかさすがに他にもいるだろ」
いろは「先輩はもっと自分の置かれてる状況をありがたく思うべきじゃないですかねー?」
八幡「むしろ変わってくれるなら変わってほしいぐらいだわ。戸部あたりに譲るわ」
いろは「それだと多分わたしと結衣先輩は来なくなりますけどね」
八幡「もっと優しくしてやれよ……」
いろは「スタイル維持するためにいろいろ頑張ってるんですよー? おいしいもの我慢したり、ジョギングしたり……」
八幡「そうかそうか一色は頑張り屋さんだなー」
いろは「気持ちがこもってないです! もっと念入りに褒めてください!」
八幡「はいはいこれでいいか」ナデナデ
いろは「えへへー」フニャリ
いろは「じゃなくって!」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 16:18:13.17 ID:7KQMx8D50
いろは「それに対して先輩ってせいぜい中肉中背じゃないですかー」
八幡「いや、つっても俺175cmあるんだが」
いろは「えー絶対嘘ですよ。頭のそれ込みでしょ」
八幡「どこぞの錬金術師かよ……」
いろは「まぁ仮にあったとしても先輩って細マッチョって体型でもないですしー、隣歩くひとは180cm以上の人がいいですしー……」
八幡「体鍛えるのとかめんどくさい。動きたくない」
いろは「清々しいほどの自堕落さですね……」
八幡「モテるために体を鍛えるなんて言うのはな、ただの自己満足なんだよ。大抵体鍛えてるうちにモテることより体鍛えることの方が目的になったりするんだ」
いろは「やったことないくせに……」
八幡「そもそも俺は別にモテたくもないから体は鍛えない。はい終わり」
いろは「ダメ人間だぁ……」
いろは「まぁ先輩がモテたら困りますけど」ボソッ
八幡「いや、つっても俺175cmあるんだが」
いろは「えー絶対嘘ですよ。頭のそれ込みでしょ」
八幡「どこぞの錬金術師かよ……」
いろは「まぁ仮にあったとしても先輩って細マッチョって体型でもないですしー、隣歩くひとは180cm以上の人がいいですしー……」
八幡「体鍛えるのとかめんどくさい。動きたくない」
いろは「清々しいほどの自堕落さですね……」
八幡「モテるために体を鍛えるなんて言うのはな、ただの自己満足なんだよ。大抵体鍛えてるうちにモテることより体鍛えることの方が目的になったりするんだ」
いろは「やったことないくせに……」
八幡「そもそも俺は別にモテたくもないから体は鍛えない。はい終わり」
いろは「ダメ人間だぁ……」
いろは「まぁ先輩がモテたら困りますけど」ボソッ
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 16:22:58.52 ID:7KQMx8D50
いろは「しかもわたしってなんだかんだ未経験じゃないですかー」
八幡「じゃないですかー、とか言われても知らねぇよ」
いろは「キスもしたことないんですよぉ?」
八幡「ですよぉ? とかあざとく言ってる時点で信頼度ゼロなんだが」
いろは「ほんとですってばー。わたしかなりガード固いですから」
八幡「でもお前ゆるふわビッチじゃん」
いろは「先輩はビッチビッチ言い過ぎですから! そもそも、女の子が簡単に身体を委ねたらそれこそビッチですよ。わたしそんなに安い女じゃないですからね?」
八幡「普段のお前の行動からは信じられんな……」
いろは「一線を越えないからこそみんな俺のものにしてやる! って具合で集ってくるんですよー」
八幡「お前にとっての取り巻きの男子はハエか何かか?」
いろは「やだなー、お友達ですよオ・ト・モ・ダ・チ」
八幡「哀れだ……」
八幡「じゃないですかー、とか言われても知らねぇよ」
いろは「キスもしたことないんですよぉ?」
八幡「ですよぉ? とかあざとく言ってる時点で信頼度ゼロなんだが」
いろは「ほんとですってばー。わたしかなりガード固いですから」
八幡「でもお前ゆるふわビッチじゃん」
いろは「先輩はビッチビッチ言い過ぎですから! そもそも、女の子が簡単に身体を委ねたらそれこそビッチですよ。わたしそんなに安い女じゃないですからね?」
八幡「普段のお前の行動からは信じられんな……」
いろは「一線を越えないからこそみんな俺のものにしてやる! って具合で集ってくるんですよー」
八幡「お前にとっての取り巻きの男子はハエか何かか?」
いろは「やだなー、お友達ですよオ・ト・モ・ダ・チ」
八幡「哀れだ……」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 16:30:27.67 ID:7KQMx8D50
いろは「しかもデートの知識とか豊富じゃないですかー」
八幡「まぁあれだけいろんなとこで貢がせてりゃ、そりゃあな」
いろは「おしゃれなお店とかもたくさん知ってますよ。今度教えてあげましょうかぁ?」
八幡「せいぜい小町としか一緒に行かんからいらん」
いろは「デートコースをたくさん知ってるのってやっぱりステータスだと思うんですよぉ」
八幡「男はお前みたいな軽そうな女は敬遠するもんじゃねぇの?」
いろは「それはコンプ拗らせすぎですって。ふつうは経験もステータスなんですよー? まぁデートコースは男の人に考えてほしいですけどね」
八幡「ほー。俺にはよくわからんがな」
いろは「それに対して先輩って全然デートの行き先とかわからないじゃないですかー」
八幡「ららぽ、サイゼ、ディスティニー。完璧じゃねぇか」
いろは「家族での買い物じゃないんですから……」
八幡「おしゃれな店って場所代で相当お金ボられるじゃん。やだよ」
いろは「そんなケチくささじゃ女の子は喜ばせられませんよー?」
八幡「小町はサイゼで大喜びだから大丈夫だ」
いろは「シスコンもマイナスポイントですよー……。まぁ、先輩と行ったデートもなんだかんだ楽しかったですけど」
八幡「まぁあれだけいろんなとこで貢がせてりゃ、そりゃあな」
いろは「おしゃれなお店とかもたくさん知ってますよ。今度教えてあげましょうかぁ?」
八幡「せいぜい小町としか一緒に行かんからいらん」
いろは「デートコースをたくさん知ってるのってやっぱりステータスだと思うんですよぉ」
八幡「男はお前みたいな軽そうな女は敬遠するもんじゃねぇの?」
いろは「それはコンプ拗らせすぎですって。ふつうは経験もステータスなんですよー? まぁデートコースは男の人に考えてほしいですけどね」
八幡「ほー。俺にはよくわからんがな」
いろは「それに対して先輩って全然デートの行き先とかわからないじゃないですかー」
八幡「ららぽ、サイゼ、ディスティニー。完璧じゃねぇか」
いろは「家族での買い物じゃないんですから……」
八幡「おしゃれな店って場所代で相当お金ボられるじゃん。やだよ」
いろは「そんなケチくささじゃ女の子は喜ばせられませんよー?」
八幡「小町はサイゼで大喜びだから大丈夫だ」
いろは「シスコンもマイナスポイントですよー……。まぁ、先輩と行ったデートもなんだかんだ楽しかったですけど」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 16:37:46.60 ID:7KQMx8D50
いろは「あと人脈もあるじゃないですかー」
八幡「お前のは人脈と言うのか?」
いろは「各部のエースとかエース候補とかの男の子たちはだいたい知り合いですよー?」
八幡「それはただの被害者軍団じゃないですかね……」
いろは「でもわたしの大抵のお願いは聞いてくれますしー、わたし校内では結構な影響力を持ってると思うんですよー」
八幡「お前は女王様にでもなるつもりか」
いろは「それに対して先輩はボッチじゃないですかー」
八幡「俺はボッチであることを誇りに思っているからセーフだな」
いろは「そんな可哀想なことで開き直らないでください……」
八幡「俺は戸塚と小町さえいればそれでいいんだよ」
いろは「わたしも必要でしょぉ?」
八幡「いらん。むしろ熨斗付けて送り返すまである」
いろは「なにおー!」プンスカ
八幡「お前はお前を必要とする奴のところに行ってやればいいんだよ」
いろは「……どうせわたしを本当の意味で必要としてる人なんていませんよ」ボソッ
八幡「あ?」
いろは「なんでもないですぅー」
八幡「お前のは人脈と言うのか?」
いろは「各部のエースとかエース候補とかの男の子たちはだいたい知り合いですよー?」
八幡「それはただの被害者軍団じゃないですかね……」
いろは「でもわたしの大抵のお願いは聞いてくれますしー、わたし校内では結構な影響力を持ってると思うんですよー」
八幡「お前は女王様にでもなるつもりか」
いろは「それに対して先輩はボッチじゃないですかー」
八幡「俺はボッチであることを誇りに思っているからセーフだな」
いろは「そんな可哀想なことで開き直らないでください……」
八幡「俺は戸塚と小町さえいればそれでいいんだよ」
いろは「わたしも必要でしょぉ?」
八幡「いらん。むしろ熨斗付けて送り返すまである」
いろは「なにおー!」プンスカ
八幡「お前はお前を必要とする奴のところに行ってやればいいんだよ」
いろは「……どうせわたしを本当の意味で必要としてる人なんていませんよ」ボソッ
八幡「あ?」
いろは「なんでもないですぅー」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 16:45:43.36 ID:7KQMx8D50
いろは「しかもわたしって結構一途じゃないですかー」
八幡「気に入った男子にはとりあえず手を出すとか聞いた思い出があるんですけど」
いろは「あれはお遊びですからー。本当の恋には一直線です!」
八幡「世間一般ではそれを浮気と言うと思うんですが……」
いろは「そもそも付き合ってないんだから浮気も何もないですよー。まぁ最近はしてませんけど」
八幡「まぁ確かに一時期は葉山に一直線だったな」
いろは「恋に恋する乙女だったんですよー」
八幡「お前のをそんな可愛らしい言葉で言い表したくないんだが……」
いろは「それに対して先輩って結構移り気じゃないですかー」
八幡「バカ野郎、俺は小町一筋だよ」
いろは「先輩が中学時代にいろんな人に目移りしてたのわたしちゃんと知ってますからね?」
八幡「うぐっ」
いろは「しかもさっきの理論で言っても戸塚先輩に目移りしてますしー」
八幡「うぐぐっ」
いろは「だから先輩は将来浮気とかしそうで怖いです」
八幡「俺は自分の身を弁えてるからそれだけはねぇよ」
いろは「向こうから寄ってくる可能性の方が高いんですけどね……」ボソッ
八幡「気に入った男子にはとりあえず手を出すとか聞いた思い出があるんですけど」
いろは「あれはお遊びですからー。本当の恋には一直線です!」
八幡「世間一般ではそれを浮気と言うと思うんですが……」
いろは「そもそも付き合ってないんだから浮気も何もないですよー。まぁ最近はしてませんけど」
八幡「まぁ確かに一時期は葉山に一直線だったな」
いろは「恋に恋する乙女だったんですよー」
八幡「お前のをそんな可愛らしい言葉で言い表したくないんだが……」
いろは「それに対して先輩って結構移り気じゃないですかー」
八幡「バカ野郎、俺は小町一筋だよ」
いろは「先輩が中学時代にいろんな人に目移りしてたのわたしちゃんと知ってますからね?」
八幡「うぐっ」
いろは「しかもさっきの理論で言っても戸塚先輩に目移りしてますしー」
八幡「うぐぐっ」
いろは「だから先輩は将来浮気とかしそうで怖いです」
八幡「俺は自分の身を弁えてるからそれだけはねぇよ」
いろは「向こうから寄ってくる可能性の方が高いんですけどね……」ボソッ
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 16:54:34.24 ID:7KQMx8D50
いろは「ついでになんだかんだ真面目じゃないですかー」
八幡「まぁ、そうだな」
いろは「先輩がまともに認めたっ!?」
八幡「事実はちゃんと認めるっての。思ったより生徒会長もちゃんとやってたしな」
いろは「やり始めた仕事はちゃんとやり通すんですよー」
八幡「お前のそういうとこはすごいと思うぞ、普通に」
いろは「っっ。そういうとこ、ずるいです……」ボソボソ
八幡「は? 何がだよ」
いろは「うるさいです! それに対して先輩って不真面目じゃないですかー」
八幡「要領が良いと言え」
いろは「奉仕部に入れられた人が先輩以外に居なかったことからもわかりますよねー」
八幡「おい雪ノ下はどうなるんだ、雪ノ下は」
いろは「あの人は初めからいたのでセーフです」
八幡「その理論がよくわからんのだが……」
いろは「つまり先輩は学校一不真面目なんですよぉ」
八幡「つまり学校一要領が良いんだな、よし」
いろは「都合よく言葉を曲解しないでください!」
いろは「……まぁ大事な時には誰よりも頑張ってましたけど」ボソッ
八幡「まぁ、そうだな」
いろは「先輩がまともに認めたっ!?」
八幡「事実はちゃんと認めるっての。思ったより生徒会長もちゃんとやってたしな」
いろは「やり始めた仕事はちゃんとやり通すんですよー」
八幡「お前のそういうとこはすごいと思うぞ、普通に」
いろは「っっ。そういうとこ、ずるいです……」ボソボソ
八幡「は? 何がだよ」
いろは「うるさいです! それに対して先輩って不真面目じゃないですかー」
八幡「要領が良いと言え」
いろは「奉仕部に入れられた人が先輩以外に居なかったことからもわかりますよねー」
八幡「おい雪ノ下はどうなるんだ、雪ノ下は」
いろは「あの人は初めからいたのでセーフです」
八幡「その理論がよくわからんのだが……」
いろは「つまり先輩は学校一不真面目なんですよぉ」
八幡「つまり学校一要領が良いんだな、よし」
いろは「都合よく言葉を曲解しないでください!」
いろは「……まぁ大事な時には誰よりも頑張ってましたけど」ボソッ
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 17:00:52.28 ID:7KQMx8D50
いろは「まぁさっきまでのことからわかるようにわたしと先輩って全然釣り合ってないと思うんですよー」
八幡「はいはいそうだね」
いろは「なんですかその態度はぁ!」
八幡「いやお前はそれを言ってどうしたいの? 俺をボロクソに打ちのめしたいの?」
いろは「いやー」
いろは「でもわたしって先輩のこと好きじゃないですかー」
いろは「なんででしょうね?」
八幡「……知らねぇよ」
いろは「先輩、顔真っ赤ですよー?」
八幡「お前も顔真っ赤じゃねーか」
いろは「えっ嘘っ」
八幡「ほれ見ろ、顔に出てないだけで動揺してる」
いろは「うぅー! ずるいです!///」
八幡「一色にやられっぱなしは悔しいからな」
いろは「むー!」プクー
八幡「いやあざといから」
いろは「じゃあ先輩は! それに対して先輩はどうなんですか?」
八幡「…………」
ギュッ
八幡「……わざわざ言わせんな」
いろは「……ほんとずるいです、先輩」
いろは「でもわたしって先輩のこと大好きじゃないですか―」
八幡「……二回も言わなくていいから」
いろは「だからこんなのじゃ満足できないです」
八幡「んなっ」
チュッ
いろは「はい、これで釣り合い取れましたねっ///」
八幡「…………バーカ」
終わり
八幡「はいはいそうだね」
いろは「なんですかその態度はぁ!」
八幡「いやお前はそれを言ってどうしたいの? 俺をボロクソに打ちのめしたいの?」
いろは「いやー」
いろは「でもわたしって先輩のこと好きじゃないですかー」
いろは「なんででしょうね?」
八幡「……知らねぇよ」
いろは「先輩、顔真っ赤ですよー?」
八幡「お前も顔真っ赤じゃねーか」
いろは「えっ嘘っ」
八幡「ほれ見ろ、顔に出てないだけで動揺してる」
いろは「うぅー! ずるいです!///」
八幡「一色にやられっぱなしは悔しいからな」
いろは「むー!」プクー
八幡「いやあざといから」
いろは「じゃあ先輩は! それに対して先輩はどうなんですか?」
八幡「…………」
ギュッ
八幡「……わざわざ言わせんな」
いろは「……ほんとずるいです、先輩」
いろは「でもわたしって先輩のこと大好きじゃないですか―」
八幡「……二回も言わなくていいから」
いろは「だからこんなのじゃ満足できないです」
八幡「んなっ」
チュッ
いろは「はい、これで釣り合い取れましたねっ///」
八幡「…………バーカ」
終わり
引用元: ・いろは「わたしと先輩って全然釣り合ってないじゃないですかぁ」八幡「あ?」
伊織「ベーコンポテトパイを食べるわよ」
2020-08-31
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 01:22:34.37 ID:WtLBO8mmo
やよい「はわっ!べ、ベーコンポテトパイ?」
伊織「そうよ」
やよい「ベーコンポテトパイということは、ベーコンとポテトのパイなんだよね?」
伊織「そうよ、タンパク質と脂質と炭水化物の塊を食べるのよ」
やよい「うっうーとっても美味しそう!……だけど調理するのが少し大変そうかな~って」
伊織「私はベーコンポテトパイを作ったりしないわ」
やよい「えぇ!?作らないと食べられないよ伊織ちゃん!」
伊織「やよい、覚えておきなさい……セレブは料理なんかしない!」
やよい「そうなの?セレブってスゴいね!」ウッウー
伊織「ふふ、セレブだからね。さあやよい行くわよ」
やよい「え?どこに?」
伊織「ベーコンポテトパイを買いに行くのよ」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1507220554
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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 01:23:35.86 ID:WtLBO8mmo
某バーガーチェーン店
<イラッシャイマセ-
伊織「ここがベーコンポテトパイを売っているお店よ」
やよい「うわ~、CMとかでよく見るお店だね!伊織ちゃんはよく来るの?」
伊織「ふふ、セレブだからね。週4で来てるわ」
やよい「うっうー!さすがセレブ伊織ちゃん!」
伊織「ふふふ、そんなに褒めないで。さあベーコンポテトパイを頼みましょう」
やよい「う、うん」
伊織「やよい、ここに並ぶのよ」
やよい「は、はい!」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 01:24:24.19 ID:WtLBO8mmo
伊織「やよい……もしかして緊張してる?」
やよい「え!?……う、う~…こんなお店に来たことないから……緊張……してましゅ!」
伊織「落ち着きなさいよ、別に取って食われるわけじゃないんだから」
やよい「うん……ところで伊織ちゃん」
伊織「なに?」
やよい「ベーコンポテトパイって、いくらくらいするのかな?」
伊織「………」
やよい「一応、貯金をいっぱい下ろしてきたんだけど……」ジャラジャラ
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 01:25:17.92 ID:WtLBO8mmo
伊織「やよい、そのパンパンに膨れ上がった財布をしまいなさい」
やよい「……え?で、でも」
伊織「いいから、私に恥をかかせないでちょうだい」
やよい「い、伊織ちゃん?」
伊織「やよいをこのお店に誘ったのは私よ?それなのにやよいにお金を出してもらう?ありえないわ!」
やよい「そ、そんな!悪いよ伊織ちゃん!」
伊織「ふふ、いいのよやよい」
やよい「伊織ちゃん……」
伊織「なんてったって、私は……セレブだから!」
やよい「うっうー!セレブって本当にスゴイね!」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 01:25:53.17 ID:WtLBO8mmo
店員「お待たせしましたーご注文をどうぞー」ニコニコ
やよい「はわっ!き、きたよ伊織ちゃん!」
伊織「だから落ち着きなさいって」フフ
やよい「ご、ごめん……」
伊織「ただ注文をするだけなんだから……店員さんベーコンポテトパイを2つ」
店員「…………」ニコニコ
伊織「ん?聞こえなかったのかしら?ベーコンポテトパイを2つ」
店員「お客様、申し訳ございません。当店にベーコンポテトパイというメニューはございません」
伊織「はあ?なにを言ってるのよ、このメニュー表にちゃんと載ってる……え?」
やよい「い、伊織ちゃん……これって……」
ヘーホンホヘホハイ
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 01:27:36.69 ID:WtLBO8mmo
伊織「な、なにコレ!?ベーコンポテトパイの名前が変わってる?」
やよい「へ、ヘーホ……?」
伊織「な、なによ名前が変わってるくらいで!ベーコンポテトパイには変わりないんでしょ!?」
伊織「いいからベーコンポテトパイを出しなさいよ!」
店員「メニュー名は正確にお願いします、そうでなければ承れません」ニコニコ
伊織「なん……ですって……」
やよい「うぅ~さすがセレブのお店です~」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 01:28:16.33 ID:WtLBO8mmo
伊織「わかったわよ言えばいいんでしょ!耳をかっぽじってよく聞きなさい!」
店員「はい」ニコニコ
伊織「へ、へへ……ヘーホンホヘホパイ2つ」
店員「お客様、申し訳ございません。当店にヘーホンホヘホパイというメニューはございません」
伊織「はあ!?」
やよい「伊織ちゃんヘーホンホヘホパイじゃなくてヘーホンホヘホハイだよ!」
伊織「くっ!へ、ヘーホンホヘヘハイ2つ!」
店員「お客様、申し訳ございません。当店にヘーホンホヘヘハイというメニューはございません」
やよい「へが多いよ伊織ちゃん!」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 01:28:50.67 ID:WtLBO8mmo
伊織「ヘーホンホホヘハイ!」
やよい「微妙にズレてるよ伊織ちゃん!」
伊織「ベーホンホヘホハイ!」
やよい「惜しい!あともう少し!」
伊織「ヘーホホホホホハイ!」
やよい「あ~離れちゃった!」
伊織「ヘーホンホヘボット!」
あずさ「イインダヨ~、間違えたってイインダヨ~」
やよい「うっう~!?」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 01:29:51.86 ID:WtLBO8mmo
伊織「はあはあ……」
やよい「い、伊織ちゃん……」
伊織「うぅ……」
店員「ご注文をどうぞー」ニコニコ
伊織「もう……もう嫌!!」
やよい「伊織ちゃん!?」
伊織「なんで……なんでベーコンポテトパイを食べるだけでこんな思いをしなきゃいけないの!?」
やよい「伊織ちゃんベーコンポテトパイじゃなくてヘーホンホヘホハイだよ」
伊織「嫌いよ!こんな店も!ヘーホンハヒフヘホーも!大っきらいよぉぉぉぉ!!」
バイキンマンのようにさけびながら伊織ちゃんはお店のまどガラスをオデコでたたきわりました
そのまま外に走りさっていった伊織ちゃんをわたしは泣きながら見つづけることしかできませんでした
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 01:30:34.68 ID:WtLBO8mmo
やよい「うぅ……伊織ちゃん」ポロポロ
店員「お客様……」
やよい「なんでこんなことに、なっちゃったんだろ……」
やよい「わたしは……わたしたちはただ……」
やよい「ベーコンポテトパイを……食べたかった……だけなのにぃ……」ポロポロ
泣きつづけるわたしの横で
貴音「へぇほんほへほはいを下さい」
店員「お一つでよろしいですか?」
貴音「この店にある全てのへぇほんほへほはいを所望致します」
店員「かしこまりました」ニコニコ
貴音さんがふつうにヘーホンホヘホハイを注文していました
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 01:31:16.20 ID:WtLBO8mmo
貴音「もぐもぐもぐ」
やよい「うぅ……」
貴音「もぐもぐもぐ」
やよい「ぅぅ~……」
貴音「もぐもぐもぐ」
やよい「ぅ………」
貴音「もぐもぐもぐもぐもぐもぐ」
やよい「………」
貴音「ごっくん………御馳走様でした」ペコリ
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 01:31:54.95 ID:WtLBO8mmo
貴音「ふぅ」
やよい「………」
貴音「真美味でした」
やよい「………」
やよい「う………」
やよい「ううっ」
やよい「うっうぅぅぅぅーーーーーーー!!!」
千早「という夢を……みてしまったわ……」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 01:32:50.99 ID:WtLBO8mmo
春香「………」
真「………」
千早「せっかく高槻さんが出てきたのに……最悪の夢だったわ……」
春香「千早ちゃん……きっと疲れているんだよ……」
真「最近仕事が忙しかったからね……大丈夫?無理してない?」
千早「ふふ、心配してくれているのね。二人共ありがとう……私は大丈夫」
春香「千早ちゃん……」
真「千早……」
千早「それに泣きじゃくる高槻さんは……そそられるものがあったから」フフフ
春香「ああ、平常運転だったんだね千早ちゃん」
真「もっと仕事を入れて余計なことを考えないようにしなよ」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 01:33:34.74 ID:WtLBO8mmo
<ガチャ
やよい「おはようございま~す!」
伊織「みんなおはよう」
春香「あ、やよい伊織おはよう」
真「おはよう二人とも」
千早「おはよう。高槻さんは今日も元気一杯ね」
やよい「はい!今日も一日元気に頑張ります!」
千早「ふふ、やっぱり高槻さんは笑顔が一番ね」ニッコリ
春香「さっき泣く姿がそそるとか言ってたのはどの口かな?」
真「ほんといい笑顔してるよ」
伊織「二人共なにか言った?」
春香「何でもないよ」
真「うん、気にしないで」
伊織「?」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 01:34:09.12 ID:WtLBO8mmo
伊織「まあいいわ、ところで3人共これ食べる?」サッ
春香「ん?」
真「それって……」
千早「……え?」
→ベーコンポテトパイ
伊織「さっきやよいと朝マックに行った時に、ちょっと買いすぎちゃって……」
春香「………」
伊織「お腹が空いてなかったら、後で食べられるし……」
真「………」
伊織「まあ……もし良かったらだけれど……」
千早「………」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 01:34:45.98 ID:WtLBO8mmo
やよい「えへへ、伊織ちゃん事務所のみんなの分もちゃんと買ったんだよね」
伊織「べ、別にわざわざ買ったりしないわよ!偶々偶然買いすぎただけだから!」
千早「……水瀬さんっ」ウルウル
伊織「えぇ?な、なんで泣いてるのよ!?」
千早「私は……今、最高に感動しているわ!!」
伊織「か、感動?」
千早「言えたのね?」
伊織「なにが?」
千早「ヘーホンホヘホハイって言えたのね!?」
伊織「いや……言ってないけど?」
千早「だってベーコンポテトパイを買ったんでしょ!?」
千早「じゃあヘーホンホヘホハイって言わないとダメじゃない!」
伊織「ダメって言われても……そもそも」
伊織「普通にベーコンポテトパイって言ったら注文を取ってくれるわよ?」
千早「………へっ?」
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 01:35:34.51 ID:WtLBO8mmo
千早「そ、そんな……」ガクガクガク
伊織「なんでそんなにショックを受けてるのよ?」
千早「だ、だって……メニューは正確に言わないと…ダメじゃない!!」
伊織「それはそうだけど、要は店員に伝わればいいだけの話だし」
千早「…そ、それは……」ガクガクガク
伊織「あっ……もしかして千早ってアレかしら?」
千早「………」ガクガクブルブル
伊織「外食で長ったらしかったり、言うのが恥ずかったりするメニュー名を」
千早「…っ………っ…」ガクガクブルブル
伊織「律儀に言っちゃうタイプ?」
千早「………」チーーン
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 01:36:13.12 ID:WtLBO8mmo
春香「千早ちゃん外食に行き慣れてないしね~」モグモグ
真(僕も律儀に言うタイプだけど黙っておこう)モグモグ
やよい「ベーコンポテトパイおいしいです~」モグモグ
伊織「いや、別に恥ずかしいことではないと思うわよ?」
千早「………」
伊織「千早?」
千早「………」
千早「う………」
千早「ううっ」
千早「うっうぅぅぅぅーーーーーーー!!!」
千早「という夢に出来ないかしら!?」
春香「もう夢オチはやめろ」
おわり
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 01:38:37.51 ID:WtLBO8mmo
終わりです、ありがとうございました
一応前作です
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1472825403/
合わせてみていただけると幸いです
一応前作です
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1472825403/
合わせてみていただけると幸いです
引用元: ・伊織「ベーコンポテトパイを食べるわよ」
【艦これ】提督「風邪をひいた日」
2020-08-31
1: ◆dbGyYYDw8A 2017/10/06(金) 00:38:31.78 ID:gLTdpLwFo
提督「頭が痛いし体に力が入らない……ごほっごほっ」
提督「しかし……これしきのことで軍務を滞らせるわけにはいかない……」むくり
――コンコン。
阿武隈「ていとくーっ! おはようございます!」
提督「……ああ、阿武隈。すまない……すぐ行くから」
阿武隈「……? 提督、声がかすんでますけど……入りますよ?」
ガチャ
提督「やあ、阿武隈……おはよう」
阿武隈「おはようございます……って提督! 顔真っ赤じゃないですか!」
提督「なに、気にすることはないさ。それより今すぐ行くから先に行ってくれ」
阿武隈「なに言ってるんですか! そんな高熱で仕事するつもりなんですか!」
提督「いやいや、そんな大げさなものではない、これくらいで休むわけには――」
阿武隈「ダメです」
提督「いやだから大したことは――」
阿武隈「ダメです、まずお医者さんに診てもらってください」
提督「……分かった」
阿武隈「じゃあ着替えたらさっそく医務室に行きましょう! 肩貸してあげますから!」
提督「いやそこまでしてもらわなくても良いんだが……」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1507217911
関連
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2: ◆dbGyYYDw8A 2017/10/06(金) 00:39:30.05 ID:gLTdpLwFo
――しばらくして。
阿武隈「38.7度……今日はお休みしてください」
電「幸いインフルエンザではないとお医者さんが言ってくれたので、数日安静にしていれば大丈夫なのです」
提督「それなら仕事しても――」
阿武隈「ていとく?」
提督「ごほっ……そうだな、あまり心配かけても悪いし、阿武隈達にうつしても申し訳ないか」
阿武隈「そういうことじゃなくて、もっと自分をいたわってください」
電「大規模作戦の後処理も完了しているので、電達だけでもなんとかなるのです!」
阿武隈「そうですよ! 今の提督の仕事は休むことです! ね、電ちゃん」
電「なのです! 今日は電達に任せて欲しいのです!」
提督「……ありがとう、阿武隈。電」
阿武隈「ふふっ、任せて任せて!」
電「なのです! 阿武隈さんがいれば電達も大丈夫なのです!」
提督「……そうだな、阿武隈がいれば大丈夫だな」
阿武隈「って、二人ともなんでそこまであたしの名前を出すんですか」
電「阿武隈さんだからなのです!」
提督「阿武隈だからだよ」
阿武隈「なんなんですかそれぇ!?」
3: ◆dbGyYYDw8A 2017/10/06(金) 00:40:02.88 ID:gLTdpLwFo
蒼龍「そうそう、私達に任せておけば安心だからさ」
熊野「そうですわね。私達がお互いにサポートしますから、数日くらい提督がいなくても問題ありませんわ」
阿武隈「二人ともいつの間にここに!?」
蒼龍「提督が風邪だと聞いたの。阿武隈の手伝いも兼ねてねっ」
熊野「私はカモミールティーを作ってきましたわ。体を温める効果もありますし、水分補給は大切でしてよ」
提督「……すまない、ありがたく頂くよ」
阿武隈「提督、食欲はありますか?」
提督「……なんとか食べられそうだな」
阿武隈「じゃあ、あたしは消化に良いものを作ってきますね」
提督「……なにからなにまでありがとうな」
阿武隈「気にしないでください。困ったときはお互い様です!」
蒼龍「阿武隈、私の分もよろしくね!」
電「なんで蒼龍さんの分を作る必要があるのです……?」
蒼龍「えー? だって阿武隈のごはんおいしいし」
阿武隈「はいはい、分かりましたよ」
蒼龍「やった! 阿武隈あいしてるぅ!」
熊野「はあ……蒼龍は調子良いですわね」
4: ◆dbGyYYDw8A 2017/10/06(金) 00:40:34.39 ID:gLTdpLwFo
蒼龍「気にしない、気にしない。それで提督。私からは、はいこれ」
提督「……なんだこれ?」
蒼龍「あ、今じゃなくて後で開けてね」
提督「今じゃダメなのか?」
蒼龍「だーめ、後で」
提督「……よく分からんが、分かった」
電「司令官、電はそろそろ執務室に行かないといけないのです」
提督「ああ、すまないな引き留めてしまって」
電「気にしなくても大丈夫なのです! なにかあったらすぐに電を呼んでください、なのです!」
提督「ああ、分かった。電もあまり根を詰めないようにね」
電「ありがとうなのです、それじゃ行ってきます」
蒼龍「電ちゃん、おみやげよろしくねー」
電「なんで執務室からおみやげを持ってこなくちゃいけないのです……?」
熊野「蒼龍、あなたは行かなくて良いんですの?」
蒼龍「んー? 私は提督の看病というお仕事があるし」
赤城「ダメです」
蒼龍「って赤城さん!? どうしてここに!?」
5: ◆dbGyYYDw8A 2017/10/06(金) 00:41:06.18 ID:gLTdpLwFo
赤城「阿武隈さんから提督が風邪をひいたと聞きまして、様子を見に来たんです」
提督「ごほっ……わざわざすまない」
赤城「いえ、お気になさらないでください」
赤城「蒼龍さん。提督が心配な気持ちは分かりますが、騒がしくては提督も休めませんよ」
蒼龍「んー、それもそっか。艦載機の整備とかもしなくちゃなんないし」
熊野「私も、瑞鶴と空母としての訓練があるんでしたわ」
提督「私は心配いらないさ。少し休めばなんとかなる」
蒼龍「そう? やっぱ心配だなあ」
赤城「心配し過ぎも良くありませんよ。周りが沈んだ気持ちでいると、病人にも悪い影響を与えますからね」
蒼龍「分かりました。それじゃあ、提督! お大事にね」
熊野「それでは、私もこれで失礼致しますわ。提督、ご自愛なさってくださいな」
提督「ああ、ありがとう。養生するよ」
6: ◆dbGyYYDw8A 2017/10/06(金) 00:42:02.75 ID:gLTdpLwFo
赤城「すみません、騒がしくしてしまって」
提督「……なに、ちょっとくらい賑やかな位がちょうど良い。むしろ元気を分けてもらったよ」
赤城「ふふっ、そうですか。それは良かったです」
提督「ああ、良かったよ……ごほっ」
赤城「大丈夫ですか?」
提督「なに、これくらい……赤城、君にもうつると良くない、私は大丈夫だから」
赤城「阿武隈さんが来るまでここにいますよ。心配いりません、そう柔な鍛え方はしてませんよ」
提督「……強情だなあ」
赤城「それはお互い様です。提督、私は静かにしてますから少し眠ってはどうですか?」
提督「……いや、起きたばかりですぐには寝られそうにないな。とりあえず阿武隈を待つよ」
赤城「分かりました。それまではここにいますから、なんなりと仰ってください」
提督「ありがとう……そういえば、さっき蒼龍が言ってたこれはなんなんだろう」
赤城「開けてみます?」
提督「そうだな……すまない、頼む」
赤城「では……あら?」
提督「どうした?」
7: ◆dbGyYYDw8A 2017/10/06(金) 00:42:55.32 ID:gLTdpLwFo
赤城「写真……ですね。去年のクリスマスパーティーで阿武隈さんがサンタ姿で、駆逐艦の子達にプレゼントを配ってます」
提督「へえ……電達、良い笑顔してるな」
赤城「ええ、本当に……それで、これは新年の晴れ着姿ですね。阿武隈さんと神通さんのツーショットです」
提督「相変わらず仲良いな、二人とも……いいことだ」
赤城「お次は……これは結構前の親善艦参加観艦式ですね。阿武隈さん、凜々しいですね」
提督「ああ、本当に惚れ惚れするな」
赤城「まあこの後、響ちゃん達にじゃれつかれて阿武隈さんは大慌て。それを見たザラさんは、呆気に取られてましたが」
提督「ははっ……そんなこともあったなあ。ついこの間のことだと思ってたのに、あれから随分経ったなあ」
提督「ザラもここに馴染めたようで良かった」
赤城「……ポーラさんの監督でそれどころではないのでは?」
提督「……いや、それは……」
赤城「ふふっ、冗談です。他の皆さんもフォローしてくださってます。大丈夫ですよ」
提督「……そうだな」
8: ◆dbGyYYDw8A 2017/10/06(金) 00:43:29.14 ID:gLTdpLwFo
赤城「……これはこの前の海水浴のときの写真ですね。阿武隈さんが長良さん、五十鈴さんと一緒に写ってます。相変わらず駆逐の子達に引っ付かれてますね」
提督「阿武隈お姉ちゃんも大変だな」
赤城「でも楽しそうですよ、この子達。阿武隈さんのおかげですね」
提督「……さっきから阿武隈ばかりじゃないか?」
赤城「……それもそうですね。えっと……」
赤城「阿武隈さんが若葉さんとお昼寝しているときの寝顔、これは白露さんと時雨さんに指導してて、次も春雨さんに勉強を教えてて――」
提督「これは熊野や翔鶴達とお茶会……まさか全部の写真に阿武隈がいるのか?」
赤城「ですね――あら?」
提督「ごほっごほっ、どうした?」
赤城「提督、これを」
提督「ん? なになに」
『提督がとっても元気出る差し入れ。 鎮守府の皆にはナイショだよ! そーりゅーより』
提督「……おい」
赤城「元気出ましたか?」
提督「熱が上がった気がする」
赤城「それは大変ですね」
9: ◆dbGyYYDw8A 2017/10/06(金) 00:44:01.68 ID:gLTdpLwFo
――コンコン
阿武隈「てーとく、お待たせしました。入りますね?」
赤城「阿武隈さん、どうぞ入ってください」
阿武隈「赤城さん? あ、入りますね」
ガチャ
阿武隈「お待たせしました! てーとく、雑炊作ってきましたけど……食べられそう?」
提督「すまないな……ああ、大丈夫だ」
赤城「それでは二人とも、私もそろそろ失礼しますね」
提督「赤城、ありがとう」
阿武隈「赤城さん、ありがとうございます」
赤城「いえ、私はなにもしてませんから。提督、お大事にしてください」
提督「ああ、ゆっくり休んで早く治すよ」
赤城「……ちゃんと治してから復帰してくださいね?」
阿武隈「そーですよ提督」
提督「信頼無いなあ」
赤城「いえ、信頼してますよ。阿武隈さんからの信頼には及びませんが」
阿武隈「ふえ!? あ、赤城さん!」
赤城「ふふっ、それではまた後で」
10: ◆dbGyYYDw8A 2017/10/06(金) 00:44:57.80 ID:gLTdpLwFo
阿武隈「それじゃあ提督。お口に合うか分かりませんけど」
提督「大丈夫だ。阿武隈の料理に関しては全面的に信頼してるよ」
阿武隈「それなら良かったです……起きられますか?」
提督「ああ、それぐらい平気だよ」
阿武隈「……やっぱりちょっと辛そうです」
提督「たいしたことないよ、心配いらない」
阿武隈「食べられるだけで後は残して良いですから、栄養つけてくださいね」
提督「ああ、ありがとう……卵とネギが入った雑炊か。おいしそうだな」
阿武隈「体に良くて温まるかなって。ふー……ふー……。はい、あーん」
提督「え?」
阿武隈「ほら、てーとく。お口開けてください。あーん」ニコニコ
提督「あ、あーん……もぐ」
提督(はっ!? 笑顔と癒やしボイスの魔力に負けてつい!)
阿武隈「てーとく、熱くないですか?」
提督「阿武隈が冷ましてくれてるから、ちょうど良いよ」
阿武隈「それなら良かったです。ふー……はい、あーん」
提督「……もぐ」
阿武隈「えへへ、ちゃんと食べられるみたいで良かったです。これならきっと早く治りますね」ニコニコ
提督「ああ、阿武隈がここまでしてくれるんだから、早く治さないとね」
阿武隈「気にしないでください。あたしが勝手にやってることなんですから」
阿武隈「ふーふー……あーん」
提督「……もぐ」
阿武隈「味も提督に合ってるみたいで良かった。あーん」
提督(恥ずかしさと幸せ過ぎて死にそう)
11: ◆dbGyYYDw8A 2017/10/06(金) 00:45:32.81 ID:gLTdpLwFo
提督「ごちそうさま……ありがとう、おいしかったよ」
提督(風邪で弱った体が、援軍の到着で喜んでいるみたいだ。相変わらず体は辛いが、さっきよりずっと良い)
阿武隈「はい、お粗末さまでした」
提督「ありがとう、ここまでしてもらってすまないな」
阿武隈「それは言わない約束でしょ、おとっつぁん」
提督「ワシが病弱なばかりにおまえには……って順番逆だなこれ」
阿武隈「ですねぇ、でも楽しければそれでOKです」
提督「阿武隈も忙しいだろう? 私は大丈夫だから――」
阿武隈「本当に大丈夫?」
提督「ああ、栄養もつけたことだし、少し眠るとするよ」
阿武隈「そうですね……ずっといても提督のお休みの邪魔になりますし。水分も適度に取ってくださいね?」
提督「熊野が水筒置いてってくれたから大丈夫だよ」
阿武隈「分かりました。なにかあったら呼んでくださいね」
提督「ああ、そうさせてもらうよ」
阿武隈「また様子見に来ますから、それじゃ提督。ゆっくり休んでください」
提督「色々とありがとうな」
阿武隈「はい! 提督、またね!」
――ガチャ。
12: ◆dbGyYYDw8A 2017/10/06(金) 00:46:13.17 ID:gLTdpLwFo
提督「ふう……少し寝るとするか」
提督「こんな時間に寝るなんていつ以来だろうな……」
提督「電はもう、秘書艦としてとっくに仕事を始めてるだろうか」
提督「阿武隈はこれから駆逐艦の子達をまとめて訓練か……あの子達をまとめるのは大変そうだ」
提督「蒼龍は……ああ見えて人一倍努力する子だからな。一生懸命訓練に励んでいるだろう」
提督「明石や秋津洲、鎮守府に勤める人達もいつも真剣に務めてくれている……」
提督「私がこうして風邪をひいても安心して休んでいられる……本当に私は恵まれているな……」
提督「親父やお袋……元気にしているだろうか……」
提督「今度……また、あ……といっしょに……」
13: ◆dbGyYYDw8A 2017/10/06(金) 00:47:13.91 ID:gLTdpLwFo
――し……い
――司令。
提督「……ん?」
磯風「司令! 起きろ!」
提督「……どうしたんだ磯風?」
磯風「やっと起きたか。どうしたじゃない。もうすぐ修行の時間だ」
提督「……修行?」
磯風「その通りだ……さあ、行くぞ道場へ!」
提督「道場? なんだそれは?」
磯風「決まっている! 一水戦道場だ!」
提督「一水戦道場!?」
磯風「ああ、そうだ!」
霞「その通りよクズ司令官! ボサッとしていると地獄行きよ!」
提督「地獄行きだと!?」
磯風「いやさすがに地獄行きはないが」
提督「そ、そうか……びっくりした」
磯風「だが、気を抜いていると四国行きだぞ」
提督「なぜ四国」
初霜「えー。こほん」
初霜「いよいよ始まった一水戦道場。別名、水雷戦隊の宴」
提督「なんでいきなりナレーションを始めるんだ!?」
14: ◆dbGyYYDw8A 2017/10/06(金) 00:48:19.70 ID:gLTdpLwFo
初霜「あまたの苦しい修行を乗り越え、漢を上げましょう提督!」
磯風「いよいよだな……心が高ぶってきたぞ」
霞「ようやくね……待ちくたびれたわよ」
初霜「そうね……このときをどれだけ待ち望んでいたことか」
提督「君達心待ちにしてたの!?」
初春「待たせたな」
磯風「あなたは……初春師範!」
初春「うむ。これより修行を始める」
霞「まさか真っ先に初春師範が姿を現すなんて……」
初霜「早くも修行の厳しさが想像できるわ」
提督「え、そうなのか?」
磯風「やはり休日は道場修行に限るな」
初霜「ええ、本当に」
霞「霞は今年に入ってから、休日は毎日ここよ」
提督「どれだけハマってるんだよ!? それにさっきはようやくか、みたいな事を言ってなかったか!?」
初春「第一の修行! 駆逐艦二十人組み手じゃ!」
電「なのです!」
雷「いっきまっすよー!」
子日「子日、張り切っていきまーす!」
響「響だよ。ypaaa(ウラー)!」
若葉「駆逐艦、若葉だ」
暁「暁の出番ね! 見てなさい!」
15: ◆dbGyYYDw8A 2017/10/06(金) 00:48:49.02 ID:gLTdpLwFo
白露「いっちばーん!」
時雨「にーばーん」
村雨「さんばーん!」
夕立「てーとくったら、結構頑張ったっぽい? 夕立さん、褒めて褒めてー!」
提督「逆になってるぅ!? それだと私が変な人みたいじゃないか!?」
春雨「ごーばーん! あ、お姉様に春雨スープ渡すの忘れてました……一度帰らないと」
提督「帰るのか!?」
五月雨「ろくばーん! 春雨、大丈夫です! こんなこともあろうかと既に阿武隈さんに渡しておきました!」
提督「しっかりしてるぅ!?」
海風「白露にいっちばーん! は譲れません!」ドンッ!
海風「……ななばーん!」
提督「律儀な子だ」
16: ◆dbGyYYDw8A 2017/10/06(金) 00:49:21.40 ID:gLTdpLwFo
山風「おとーさん。おかーさんはどこ……?」
提督「そして山風はマイペースな子だなぁ」ナデナデ
山風「んー」
江風「……ぐー」
提督「寝てるのか!? 流石にそれは予想外だ!」
涼風「じゅーばーん! 涼風の本気、見せたげるっ!」
提督「まともで逆に不意を突かれた気分だよ……」
若葉「よし、皆突撃だ!」
暁「突撃するんだから!」
「「「おー!」」」
ドドドドドド――!
提督「って……おいちょっと待て!」
初春「まずは小手調べじゃ。歴戦の熱き駆逐艦二十人に揉まれよ!」
若葉「これが一水戦道場名物の一。なのです駆逐祭りだ」
電「なのです!」
夕立「なのです!」
村雨「なのです!」
時雨「なのですは譲れない」
17: ◆dbGyYYDw8A 2017/10/06(金) 00:49:54.78 ID:gLTdpLwFo
提督「仮に軍人とは言え、駆逐艦二十人の相手が務まるわけないだろ! 一人だって無理だ!」
提督「ここは逃げるしか――」
初霜「ほんと、ツメが甘いのね」ガシッ
提督「なにぃ!? なぜ初霜が私を捕まえるんだ!?」
磯風「いつから磯風達が、修行を受ける側だと錯覚していた?」
霞「霞達も道場で教える側よ」
提督「なん……だと?」
初霜「初春が言っていたでしょう? 二十人だって。初春を抜いて私達を入れたらちょうど二十人よ」
提督「くっ、なんてことだ!」
不知火「ここで二十人しかいないと油断しましたね? 不知火もいます」ひょこ
提督「二十人も二十一人も大して変わらないぞ!? 私が手も足も出ないという意味でね!」
18: ◆dbGyYYDw8A 2017/10/06(金) 00:50:27.93 ID:gLTdpLwFo
――ドドドドド!
初霜「なのです!」
若葉「なのです」
村雨「なのですフェスティバル~」
春雨「なのですカーニバル~」
響「なのです」
時雨「なのです」
五月雨「なのですっ」
白露「いっちばーんなのです!」
暁「どう考えても、暁がなのですってことよね!」
子日「無駄無駄無駄っ! なのですっ!」
電「なのですなのですすーぱーなのです!」
霞「あーもうなのですばっかり! なのですあるのみよ! やるわ!」
提督「やめ、やめろ……うわああああああ!」
19: ◆dbGyYYDw8A 2017/10/06(金) 00:51:27.83 ID:gLTdpLwFo
提督「なのです禁止……はっ、ドリームか!? ごほっごほっ……なんていう夢を見ているんだ私は」
提督「ん……なんか重いぞ?」
若葉「ぐー」
響「すー」
山風「むにゃ……」
提督「……なんで駆逐艦の子達が三人も、私のベットに潜り込んでいるんだ」
提督「もしかしてあんな夢を見たのは、この子達に乗っかられたりしたからかもしれないな……」
提督「おーい……みんな起きろ……」ゆさゆさ
響「う……ん?」
若葉「提督……?」
山風「おとーさん……? おはよう……」
提督「なんで三人ともここで寝ているんだ……?」
響「風邪のときは、温めたほうが良いって聞いたからだよ」
若葉「若葉達が湯たんぽになっていたんだ」
提督「風邪がうつるからやめなさい……」
山風「おかーさんに頼もうと思ったけど、忙しそうだったから……」
提督「それはもっとやめなさい、いろいろとまずい」
20: ◆dbGyYYDw8A 2017/10/06(金) 00:52:16.31 ID:gLTdpLwFo
提督「それに三人もいたらベットが狭かっただろう? 大丈夫なのかい?」
響「大丈夫だよ、不死鳥の名は伊達じゃない」
提督「不死鳥関係あるのか……?」
響「温まると思うよ」
若葉「燃えると思うぞ」
山風「おとーさん、燃えちゃやだ」
響「ごめん、私は実は燃えたりしないから」
山風「そうなの……? 響、嘘ついちゃだめ」
響「……ごめんなさい」
提督(おお、山風に響がタジタジになってる。なんか新鮮だ)
21: ◆dbGyYYDw8A 2017/10/06(金) 00:53:12.59 ID:gLTdpLwFo
――コンコン。
鳥海「司令官さん、鳥海です。入っても良いですか?」
響「鳥海さんかい? 良いよ、入っても」
提督「なぜ響が答える……まあ良いけど」
――ガチャ。
鳥海「失礼します……あら? 響さんに若葉さん、山風さん。どうしました?」
若葉「提督の湯たんぽになってたんだ」
鳥海「まあ、それは楽しそうですね。司令官さん、慕われてますね」
提督「……そうかなあ?」
阿武隈「もー、提督のお休みの邪魔しちゃダメでしょ。それに風邪がうつっちゃうかもしれないじゃない」
響「大丈夫だよ。そんな柔な鍛え方してないさ」
若葉「光合成すれば大丈夫」
山風「若葉……葉緑体持ってるの?」
阿武隈「風邪と光合成がどう関係してるんですか」
響「阿武隈さんエネルギーを小まめに補給すれば、風邪なんて吹き飛ぶよ」よじよじ
阿武隈「こーら、あたしによじ登ろうとしないの。休んでいる提督が近くにいるんだから」
山風「じゃあ後で肩車して、おかーさん」
阿武隈「もう、しょうがないですねえ。分かったよ」ナデナデ
山風「んー」
響「じゃあ私も」
若葉「若葉もだ」
阿武隈「えへへ、分かったよ。でもまた後でね」
鳥海「阿武隈さん、すっかりお姉さんですね。ほほえましいです」
阿武隈「そんな大したものじゃないですよ」
22: ◆dbGyYYDw8A 2017/10/06(金) 00:53:58.84 ID:gLTdpLwFo
鳥海「あ、司令官さん。午前中の執務は滞りなく終わりました。電さんからの伝言です」
提督「了解した。わざわざ済まないな」
鳥海「いえ、通り道ですから」
響「はらしょー、このおにぎりは最高だ」もぐもぐ
山風「響、なに食べてるの?」
若葉「それ阿武隈さんが作ったおにぎりじゃないか?」
阿武隈「ってもう。お行儀の悪いことしないの」
響「お腹が空いたからつい……」
阿武隈「ほら、ちゃんと食堂に行って食べないとダメだよ、ねっ?」
響「了解。響、出撃する」
若葉「目標、鎮守府食堂の戦闘糧食」
山風「阿武隈さんの鮭おにぎりー、わーい」
響「それじゃあ司令官、お大事に」
若葉「なにかあったら響に言ってくれ」
山風「自分じゃないんだ……まあ良いけど」
響「なんで私に振るんだい? まあ良いけど」
若葉「別に若葉に言ってくれても良いぞ。 まあ良いけど」
鳥海「若葉さん、そこで『まあ良いけど』はおかしいです」
若葉「そうか……? まあ良いけど」
山風「きりがない……」
響「ほら、もう行こう。司令官をゆっくり休ませてあげないと」
山風「鳥海、おとーさん、おかーさん……またね」
トテトテトテ――
23: ◆dbGyYYDw8A 2017/10/06(金) 00:54:25.50 ID:gLTdpLwFo
鳥海「ふふっ、かわいいですねえ」
阿武隈「そうですよね。振り回されて大変でもありますけど」
鳥海「なにかあれば言ってくださいね。微力ですが、なにか手伝えると思います」
阿武隈「はい、ありがとうございます」
鳥海「それでは、タオルはここに置いておきますね」
阿武隈「あ、はい」
鳥海「それでは司令官さん。お大事にしてください」
提督「ああ、鳥海ありがとう」
鳥海「いえ、なにかあれば言ってくださいね、阿武隈さんに」
阿武隈「鳥海さんまでそのネタ引っ張るの!?」
鳥海「ふふっ、冗談ですよ。私にもなんでも仰ってくださいね。それでは」
24: ◆dbGyYYDw8A 2017/10/06(金) 00:54:54.23 ID:gLTdpLwFo
阿武隈「てーとく、調子はどう?」
提督「……ああ、少し食べて休んだら幾分良くなったよ。まだまだ本調子とはほど遠いけど」
阿武隈「それなら良かったです。提督、結構汗かいてますか?」
提督「……まあ、響達が引っ付いてたみたいだしね。おかげで体が冷えることはなかったよ」
阿武隈「子供は体温高いですからね。ちょっと着替えた方が良いと思ったので、提督の着替え持ってきましたけど」
提督「すまない、ありがとう」
阿武隈「もう、提督。ありがとうだけで十分ですよ。それで、着替えられそうですか?」
提督「ああ、それくらい一人で大丈夫だ」
阿武隈「でも、ずいぶん汗かいてますから、体拭いた方が良いかもしれないですね。あたし蒸しタオル持ってきました」
提督「タオルまで持ってきてくれたのか。何から何までありがとう」
阿武隈「えっと……でも自分じゃ拭きにくいですよね。あたし、拭きますね」
提督「え? いやいやいや、それはいくらなんでも――」
阿武隈「もう、あんまり無理しないでください……その、これは看病なんですから」
提督「いや、だが――」
阿武隈「ほら、遠慮しないでください。ボタン外しますね」
提督「む……なんだが恥ずかしいな」
阿武隈「そ、そういうこと言わないでくださいよぉ。あたしまで意識しちゃうじゃないですか」
25: ◆dbGyYYDw8A 2017/10/06(金) 00:55:40.88 ID:gLTdpLwFo
阿武隈「うわ、やっぱり汗かいてますねえ。これはやっぱり拭いた方が良さそうです」
提督「そ、そうか」
阿武隈「それじゃまず手足から拭いてきますね」
提督「あ、ああ」
阿武隈「よいしょ……提督、冷たくない?」
提督「いや、大丈夫だ。ほどよく温かくて気持ちいいよ……」
阿武隈「えへへ、それなら良かったです。ポンポンっと――はい、腕はこれでOKです」
阿武隈「ズボンめくりますね」
提督「いや足は自分で――」
阿武隈「こう見えて、電ちゃんとか風邪がひいたときに体拭いてあげたりして、慣れてますから。任せて任せてっ」
提督「そういう問題じゃ……」
阿武隈「っと……提督、寒くないですか?」
提督「大丈夫、むしろ暑いかもしれない」
阿武隈「うーん、やっぱりまだ体温高いですね」
26: ◆dbGyYYDw8A 2017/10/06(金) 00:56:07.78 ID:gLTdpLwFo
阿武隈「はい、足も拭き終わりました。次はシャツ脱がしますね。手早く済ませますから。てーとく、バンザーイして」
提督「こ、こうか?」
阿武隈「はい、バンザーイ。わ……てーとく、体ガッチリしてますね」
提督「そうか? そう言ってもらえると嬉しいが……」
阿武隈「って、すみません! 早く体拭かないと! えっと、失礼しますね」
提督「あ、ああ。よろしく頼むよ……」
提督(うう……一生懸命に体を拭いてくれている阿武隈を見ると……嬉しい反面、非常に気恥ずかしい)
阿武隈「てーとく、わきのところも拭きますね」
提督「……ああ。ありがとう」
阿武隈「こういうところは汗かきやすいですからね。はい、それじゃもう片方も」
阿武隈「うん、これでOKです。じゃあ背中拭きますね」
提督「頼む……っ!?」
阿武隈「手、後ろに回しますね」
27: ◆dbGyYYDw8A 2017/10/06(金) 00:56:38.73 ID:gLTdpLwFo
阿武隈「汗凄いですねえ。やっぱり拭かないと体冷やしちゃいそうでしたね」
提督(阿武隈の顔が近い……いいにおいがして、ただでさえぼーっとしている頭がくらくらする……)
阿武隈「よいしょっと……あともうちょっとですからね」
提督(阿武隈の体温と声、背中をふく手つき……心地よくて安心する)
阿武隈「はい終わりましたよ、てーとく」
提督「……」
提督「てーとく? 冷えちゃいました? 乾いたタオルでさっと拭いて、すぐに換えのシャツを――」
提督「阿武隈……」ぎゅっ
阿武隈「ふえ? ……てーとく?」
提督「……!? す、すまないっ、すぐに離すから――」
阿武隈「大丈夫ですよ、てーとく」ぎゅっ
提督「阿武隈……?」
阿武隈「風邪のときは、心細くなりますよね。あたしも経験あるから分かります」
提督「……そう、だな」
阿武隈「はい。てーとくが安心するまで、こうしてますから」
提督「でもなんだか……これじゃあ子供みたいだな」
阿武隈「そうですか? てーとくがこうして甘えてくれるのって、あたし的には嬉しいです」
提督「そうなのか? ……ああ、たしかに阿武隈が甘えてくれると私も嬉しいな」
阿武隈「えへへ、ですからお相子です」
提督「ああ……」
28: ◆dbGyYYDw8A 2017/10/06(金) 00:57:22.22 ID:gLTdpLwFo
阿武隈「でも、まずシャツ着て、ズボンと下着も替えないと体冷やしちゃいますね」
提督「……そう、だな」
阿武隈「それに体起こしたままだと、辛いですもんね。えと……横になったらまた抱きしめてあげますね」
提督「いやさすがにそれは……非常に魅力的な提案だけど」
阿武隈「うーん。たしかに、あたしもずっといるわけにもいかないですもんね……それじゃあ、また後で」
提督「……いや、だから」
提督(頭がぼーっとしてきた。体拭いてもらって、不快感が取れてまた眠気が出てきたかな……)
提督「……それじゃあ、楽しみにしてるよ」
阿武隈「はいっ、では早く着替えましょう! えっと、あたし後ろ向いてますから」
提督「あ、ああ。手早く着替えるよ」
提督(なんというか気恥ずかしいなこれ……しかし、体が重くて上手く動かない)
提督(なんとかズボン脱げたし、つぎは替えの下着を……)
29: ◆dbGyYYDw8A 2017/10/06(金) 00:58:11.61 ID:gLTdpLwFo
提督(……そう言えば、阿武隈も忙しいはずだ。いつまでも私についてもらうわけには行かないよな)
提督(体も拭いてもらったんだし、もう外に行ってもらった方が……)ぼー
提督「阿武隈、もう良いよ」
阿武隈「あ、着替え終わりました?」くるっ
提督「いつまでもついてもらうわけにもいかないし、阿武隈は自分の……?」
阿武隈「……え? ふえ? きゃあ!?」くるっ!
阿武隈「てててて、てーとくなんでズボン履いてないんですかぁ!?」
提督「す、すまん阿武隈、つい頭がぼーっとして!」
阿武隈「あ、す、すみません……提督が風邪なのに、つい」
提督「ごほっごほっ……いや、今のは私が全面的に悪い」
阿武隈「そ、それじゃお互い様ということにしましょう、ええ」
提督「そうだな……」
阿武隈「ところで、てーとく、その、えっと……あの……それ、辛いですか?」
提督「いやいやいや、あのですね。これは好きな女性に密着されて起きた致し方ない現象であり、決して邪な考えを抱いていたわけではなく……」
阿武隈「……べ、別に、あたし的にはOKです……よ?」
提督「理解を示されても、それはそれで恥ずかしいんですけどぉ!? ぐっ、ごほっごほっ!」
阿武隈「ふええ!? てーとく、しっかりしてくださいっ!?」
30: ◆dbGyYYDw8A 2017/10/06(金) 00:59:01.37 ID:gLTdpLwFo
――数時間後、夕方。
提督「ああ、まだ恥ずかしい……」
提督「そろそろ電達も仕事を終えるころかな……だいぶ体も楽になった」
――コンコン。
電「司令官、入っても良いですか?」
提督「電かい? ああ、入っておいで」
――ガチャ。
電「失礼するのです」
暁「司令官、調子はどう?」
提督「ああ、ずいぶん良くなったよ。ありがとう、雷、電」
電「それは何よりなのです」
暁「でもまだまだ休んでなきゃだめよ、司令官。えっと……まだ熱もあるのよね?」
提督「だけど、37度台まで下がってるよ」
暁「だからって油断しちゃダメじゃない! ちょっとしたことで、悪化しないとも限らないんだから」
提督「あはは、そうだな。暁の言うとおり、ゆっくり養生するとしよう」
電「司令官、今日のお仕事は滞りなく終わったのです。司令官さんの印鑑が必要なものだけ別にしてありますけど、それも急ぎのものはないのです」
提督「ありがとう。電がいてくれて本当に良かったよ」
電「電は別に大したことはしてないのです。皆さんが手伝ってくれたから、司令官がいなくてもなんとかできただけなのです」
電「電は司令官や暁ちゃん、阿武隈さんや皆さんがいないとまだまだなのです」
暁「もう、何言ってるの。電はここの秘書艦なんだから、もっと胸を張らないとダメじゃない」
提督「そうだぞ。電を、私も皆もとても頼りにしているんだからな」
電「ありがとう……なのです」
31: ◆dbGyYYDw8A 2017/10/06(金) 00:59:35.37 ID:gLTdpLwFo
磯風「司令、失礼するぞ」
電「あっ、磯風ちゃん。こんばんはなのです」
阿武隈「提督、具合はどうですか?」
提督「ああ、かなり良いよ。皆のおかげでゆっくり休めたからね」
磯風「それは良かった。やはり司令あってこその我が鎮守府だからな。なにかあったら大変だ」
提督「あはは、それは大げさだよ。でもそこまで言われたからには早く治さないとね」
暁「だけど無理しちゃだめなんだからね、司令官」
磯風「暁にも手伝ってもらって、消化に良さそうな食事を作ってきたぞ」
提督「本当、今日はなにからなにまでしてもらって申し訳ないな」
磯風「何を言う。普段から司令にはこの鎮守府を支えてもらっているんだ。風邪の時くらい周りに頼れ」
暁「司令官、食べられそう?」
提督「せっかく暁達が作ってくれたんだろう? 喜んで頂くよ」
暁「本当!? 良かったあ!」ぱあっ
磯風「そう言ってもらえると、作った甲斐があるな」
32: ◆dbGyYYDw8A 2017/10/06(金) 01:00:25.81 ID:gLTdpLwFo
提督「それじゃあ頂きます……うん、おいしいな」
暁「やったあ! ……はっ!? い、一人前のレディーの暁が作ったんだから、当然よね!」えっへん!
磯風「こうして誰かに食べてもらえるなら、師匠(阿武隈)に料理を教わって良かったと思えるな。それが病人の司令の役に立てたのなら、なおさらだ」
阿武隈「えへへ、暁ちゃんも磯風ちゃんも頑張って作ってくれたんですよ」
提督「ありがとう、暁、磯風」
暁「こ、これくらい大したことじゃないわよ」
磯風「なに、この程度改まって礼を言われるほどのことじゃない」
阿武隈「暁ちゃん、えらいえらい。ありがとうね」ナデナデ
暁「ふえ? ……えへへ、阿武隈さんってばくすぐったいわ、もう」
阿武隈「そう? でも暁ちゃん頑張ったもんね」
暁「うん! でも阿武隈さんがちゃんと教えてくれたからよ」
阿武隈「でも上手にできたのは、磯風ちゃんと暁ちゃんが頑張ったからです!」
暁「そうかしら? ……ありがとう。ねえ、阿武隈さん、暁にまたお料理教えて!」
阿武隈「もっちろん!」
磯風「暁、この磯風も微力ながら力になるぞ」
暁「いいの? 磯風、ありがとう!」
33: ◆dbGyYYDw8A 2017/10/06(金) 01:01:54.96 ID:gLTdpLwFo
暁「それで、どう司令官? 一人前のレディーの暁が作った料理だから、栄養や食べやすさもしっかり考えてるのよ!」えっへん!
提督「あはは、そうだな。元気出てきたよ。ごちそうさま」
電「やっぱりお姉ちゃんは凄いのです!」
暁「これくらい当然よ!」
提督「ありがとうな暁」ナデナデ
暁「ふわ……えへへ……はっ!? だから、頭をナデナデしないでってば! 暁はもう子供じゃないって言ってるじゃない!」
暁「阿武隈さんも司令官も、なんですぐに暁の頭をなでるの? もう!」ぷんすか!
電「暁ちゃんがいい子だからなのです!」
暁「むー……」
磯風「……師匠、磯風の頭も撫でてくれないだろうか」
阿武隈「はい、磯風ちゃんもいい子です!」ナデナデ
磯風「……なるほど、悪くないな」
阿武隈「電ちゃんもありがとね。電ちゃんがいてくれたから、提督がいなくても鎮守府の皆が安心できました」ナデナデ
電「はわー……ありがとうなのです!」
暁「……むー」
提督「あはは。暁、もっと阿武隈に素直に甘えても良いんだぞ」
暁「もー、司令官ってば!」
34: ◆dbGyYYDw8A 2017/10/06(金) 01:02:53.98 ID:gLTdpLwFo
瑞鶴「おーい、みんな! お風呂沸いてるわよーっ!」
電「あ、瑞鶴さん。ありがとうなのです」
阿武隈「提督、お風呂はどうしますか?」
提督「そうだな……だいぶ良くなったし、入ろうかな」
磯風「風邪のときに風呂か? あまり良くないと聞いたが」
阿武隈「そこまで熱が高く無ければ、入り方を間違えければ良いみたいです」
磯風「そうなんですか? 師匠は何でも知ってますね」
阿武隈「いえいえ、以前電ちゃんが風邪引いたときに調べただけですから」
電「あの時はありがとうなのです」
暁「磯風の口調が丁寧だと、すっごく違和感あるわね……」
暁「でも司令官。本当に大丈夫? お風呂場で倒れたりしないわよね?」
提督「平気だよ。心配しなくても大丈夫だ」
暁「そうだ! 暁が司令官の背中を流してあげるわ!」
提督「いやいや、そんなことしなくていい」
瑞鶴「提督さん……まさかいつも駆逐艦の子達に背中を流させてるんじゃ」
提督「そんなわけないだろう」
瑞鶴「ふふっ、分かってるわよ。ジョーダンだって、ジョーダン」
35: ◆dbGyYYDw8A 2017/10/06(金) 01:03:42.06 ID:gLTdpLwFo
暁「もう、司令官ってば暁じゃ頼りにならないっていうの? 良いじゃない、暁が一人前のレディーだってこと証明して見せるんだから!」
提督「あー、あのな暁」
阿武隈「提督は大丈夫だから、ねっ?」
提督「阿武隈の言うとおりだ。気持ちはありがたいが、暁が心配しなくても私は大丈夫だよ」
暁「……そう?」
瑞鶴「提督さんがこう言ってるんだから、大丈夫よ。だから、提督さんの代わりに阿武隈の背中を流してあげてね」
阿武隈「なんであたし?」
暁「分かったわ! 暁が阿武隈さんの背中を流してあげるんだから!」キラキラ
阿武隈「なんでそんなにノリノリなの!?」
電「電も阿武隈さんの背中を流すのです! 電の本気を見るのです!」
阿武隈「電ちゃんまで!?」
雷「二人ともずっるーい! 雷も入れてもらうわよ!」
響「響だよ」
若葉「若葉だ」
初霜「初霜です!」
子日「子日だよっ! ねのひー! ね・の・ひーっ!」
島風「島風です! おねーちゃん、ほら早く早くーっ!」
白露「いっちばーん!」
時雨「いっちばーん」
春雨「春雨もお供します!」
霞「霞出るわ! 見てらんないったら!」
山風「おかーさん、一緒にお風呂行こ……」
瑞鶴「例によってどっから出てきたのよアンタら!?」
36: ◆dbGyYYDw8A 2017/10/06(金) 01:04:17.14 ID:gLTdpLwFo
村雨「ほらほら、早く行きましょ! 入浴剤もおニューのシャンプーもあるんだよ!」
阿武隈「えっと、それじゃあ提督、失礼しますね」
提督「ああ、ゆっくりしておいで」
瑞鶴「阿武隈一人じゃあの子達全員見るの大変そうだから、私も行ってくるわね。翔鶴姉も呼ぼうかしら」
提督「ああ、すまないが頼んだ」
瑞鶴「はーい、提督さんも湯冷めとかしないようにね」
提督「ああ、ありがとう……さて、私も行くとしようか」
――神通行きます!
――なんで神通まで!?
提督「……なんか聞こえたようが気がするが、気にしないでおこう」
37: ◆dbGyYYDw8A 2017/10/06(金) 01:04:58.73 ID:gLTdpLwFo
妖精さん「ていとくさん、ていとくさん」
提督「妖精さん、どうしたんだい?」
妖精さん「わたしたちがつきそってあげるです」
提督「良いのかい? 私をそこまで気に掛けてもらわなくても大丈夫だよ?」
妖精さん「ていとくさんには、いつもおせわになってるので」
妖精さん「んだんだ」
妖精さん「てーとくさんいないと、このちんじゅふなりたたぬ」
妖精さん「それに、あぶくまさんもかなしむのです」
提督「そうか、それじゃあお願いしようかな」
妖精さん「おまかせあれ」
妖精さん「どろぶねにのったきぶんでおーけーです」
提督「あはは、それを言うなら大船だよ」
妖精さん「きゃはー」
妖精さん「まちがえたー」
38: ◆dbGyYYDw8A 2017/10/06(金) 01:05:44.22 ID:gLTdpLwFo
提督「にしても、妖精さんは阿武隈になにかあるのか?」
妖精さん「おかしくれるです」
妖精さん「このまえあたまなでてくれた」
妖精さん「んーと、んーと」
妖精さん「よじよじ」
妖精さん「やめてー! ひびきちゃんいきなりのぼってこないでー!」
妖精さん「なのです! なのです!」
妖精さん「いっちばーん!」
妖精さん「かすみね、ほんとはあぶくまさんだーいすき!」
妖精さん「ふええええ! みんなおもいー!」
提督「なにやってるんだ?」
妖精さん「あぶくまさんごっこ」
妖精さん「さいきんぶーむ?」
提督「妖精さんにまで、そんな認識されてるのか阿武隈……それと霞」
39: ◆dbGyYYDw8A 2017/10/06(金) 01:06:43.83 ID:gLTdpLwFo
――その後。
提督「ふう……やはり風呂は良い」
提督「しかしノドが乾いたな……熊野の水筒は飲みきってしまったし」
提督「たしか常備してあった飲料水があったはず……」
――コンコン。
阿武隈「提督、すみません……まだ起きてますか?」
提督「ああ、大丈夫だよ」
――ガチャ。
阿武隈「失礼しますね。夜中にノドが乾いたときに困るかなって思って、水筒持ってきたんですけど」
提督「それはありがたい。ちょうどノドが乾いていたんだ」
阿武隈「ふふっ、それは良かったです。もしかしたらもうお休みになってて、起こしちゃうかなってちょっと心配してたんです」
提督「いや、本当にありがたいよ。さっそく少し頂いてもいいかな?」
阿武隈「もちろんです! はい、どうぞ」
提督「……はあっ、染み渡る。ありがとう、阿武隈」
阿武隈「いえいえ、それじゃあ提督、ゆっくり休んでくださいね」
提督「あ……」
阿武隈「ふえ? 提督、どうかしました?」
提督「い、いやなんでもない。おやすみ、阿武隈」
阿武隈「……そう言えば、昼間に約束してましたね」
提督「約束……って」
阿武隈「はい、約束を破るわけにはいきませんから」
40: ◆dbGyYYDw8A 2017/10/06(金) 01:07:25.13 ID:gLTdpLwFo
――数分後。
阿武隈「そ、それじゃ失礼しますね……」
提督「あ、ああ。いらっしゃい」
阿武隈「こうやって一緒のお布団にいるって、恥ずかしいです」
提督「それは私もだよ」
阿武隈「でも、とても心がポカポカしてきますね」
提督「それも同じだ」
阿武隈「えへへ……」ぎゅー
阿武隈「てーとく……どうかな?」
提督「とても安心する……」
阿武隈「それなら嬉しいです。あたしも……とっても幸せな気分です」
提督「本当に今日は、阿武隈にお世話になりっぱなしだな」
阿武隈「普段はあたしが提督のお世話になってますから、お返しです」
提督「私は大したことしてないと思うが」
阿武隈「ううん、あたしがここに着任してから、ずっと信頼して、励ましてきてくれたじゃないですか」
提督「それは、提督として当たり前のことだろう」
阿武隈「それでも、あたしにとってはとても嬉しかったんです」
阿武隈「提督の期待に応えようって思って、だからずっと頑張って来られたんですよ」
提督「そうか……なら、ずっと私を信じて来てくれて、こちらこそありがとう、だな」
阿武隈「それなら、お互い様ですね。ありがとう、提督」
提督「そうだな……」ぎゅっ
阿武隈「ふふっ、てーとく温かいです」
提督「そりゃ熱があるからな」
阿武隈「もー、てーとくのバカ……」
41: ◆dbGyYYDw8A 2017/10/06(金) 01:08:07.81 ID:gLTdpLwFo
阿武隈「提督、病人なんですから早く寝てくださいね」
提督「ああ、とても心地良いからすぐ寝られそうだよ……」
阿武隈「はい。早く元気になってくれると、みんなもあたしも嬉しいです」
提督「そうだな……早く、治さないとね……」
阿武隈「はい……おやすみなさい、てーとく」
42: ◆dbGyYYDw8A 2017/10/06(金) 01:09:19.10 ID:gLTdpLwFo
――翌朝。
春雨「お姉様(阿武隈)、どこに行ったのでしょう? いつも司令官を起こすのは阿武隈さんですけど……」
――コンコン。
春雨「司令官、春雨です。お体の方は大丈夫ですか?」
春雨「……司令官?」
春雨「はっ!? まさか司令官、夜中に急に風邪をこじらせて!?」
春雨「お姉様と結婚(ガチ)する約束も果たせず、遙か空の国へ旅立ってしまったりしたのでは!?」
春雨「そして早朝、司令官の姿を見たお姉様は後を――そんな!?」
ガチャ!
春雨「ダメですお姉様早まって……あれ?」
阿武隈「すーすー」
提督「……すー」
春雨「……やだ春雨ってば、恥ずかしいです」
春雨「それにしても、どうしてお姉様が司令官のお布団に?」きょとん
阿武隈「えへへ、てーとく……」ぎゅー
春雨「それにしても、お二人とも幸せそう……」
春雨「……」モゾモゾ
春雨「えへへ、お姉様と司令官と川の字です」
春雨「あったかーい……」
春雨「……すー」
43: ◆dbGyYYDw8A 2017/10/06(金) 01:10:18.73 ID:gLTdpLwFo
――十数分後。
――コンコン。
電「司令官、電なのです。ちょっと早いですけど、心配で見に来たのです」
電「……司令官、失礼するのです」
――ガチャ。
春雨「くー」
時雨「すー」
白露「ぐー」
島風「にひひー……すー」
暁「すやすや……」
電「これはいったいどういうことなのです!?」
阿武隈「あ、電ちゃんおはよう」
提督「ああ、電。おはよう……まあ驚くのも無理はない」
電「なんで司令官が起きてて、阿武隈さんも一緒で、司令官の部屋のベットで暁ちゃん達が寝てるのです?」
阿武隈「春雨ちゃんが最初にベットに潜り込んできて、それから次から次へと……ついさっきなんとか抜け出したところです」
提督「本調子だったら少しくらい好きにさせても良かったけど……さすがに今は辛い」
阿武隈「提督、取りあえず水分補給してください。はい、これ」
提督「ああ、助かる」
電「……大変だったのです」
44: ◆dbGyYYDw8A 2017/10/06(金) 01:10:55.84 ID:gLTdpLwFo
電「司令官、体調はどうですか?」
提督「ああ、だいぶ良くなったよ。今日はなんとかなりそうだ」
電「良かったのです。でも、今日はまだ休んだ方が良いのです」
阿武隈「昨日はちょっとしか食べてないから、体力回復してないんじゃないですか?」
提督「それは大丈夫だが、皆にうつるのが心配だな……暁達大丈夫なのだろうか?」
電「……たぶん平気だと思うのです。電達は普通の人達より丈夫なのです」
――ガチャ。
響「……うらー」
阿武隈「あ、響ちゃんおはよう……あれ?」
響「……阿武隈さん、おはよう」
電「響ちゃん顔が真っ赤なのです!?」
阿武隈「ええっ!? やっぱり風邪がうつったんじゃない!」
響「これくらい……だいじょう……ぶ」くらくら
電「全然大丈夫そうじゃないのです!?」
45: ◆dbGyYYDw8A 2017/10/06(金) 01:12:27.56 ID:gLTdpLwFo
――数十分後。
阿武隈「響ちゃん、おかゆできたよ」
瑞鶴「提督さんの次は響か、鎮守府に風邪が蔓延(まんえん)しないといいんだけど」
響「……あーん」
阿武隈「もう、しょうがないですねえ。はい、あーん」
響「もぐもぐ……すぱしーば……」
瑞鶴「甲斐甲斐しいわねえ、阿武隈は」
暁「もう! なにが不死鳥の名は伊達じゃない、よ! 完全に司令官の風邪がうつってるじゃない!」
阿武隈「暁ちゃん、響ちゃんは風邪なんだから、あんまり騒いじゃダメだよ」
暁「あ、ごめんなさい……響、ごめんね。暁だって司令官のベットで寝てたりしたのに」
響「……私こそ、ごめん」
阿武隈「うん、暁ちゃん偉いです」
暁「もう、暁は一人前のレディーなんだから、素直に反省して当然じゃない」
提督「私も風邪をうつしてすまないな、響」
響「いいさ、これは自業自得だよ……私が全面的に悪いさ」
電「響ちゃん……」
雷「響……」
響「阿武隈さん、ぎゅーってして欲しい」
瑞鶴「甘えん坊か!?」
阿武隈「えへへ、ぎゅー」
響「はらしょー」
瑞鶴「まったく、辛そうなのに安心しきった顔しちゃって……」
瑞鶴「提督さんにとっても、響にとっても阿武隈が一番の特効薬のようね」
引用元: ・【艦これ】提督「風邪をひいた日」
志希「とある雨の日の話にゃ」
2020-08-31
1: ◆10Upq4MUWY 2017/10/07(土) 02:45:18.63 ID:/t+uM8Ta0
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2: ◆10Upq4MUWY 2017/10/07(土) 02:46:08.69 ID:/t+uM8Ta0
~ルーム~
ゴーゴー ザブーン
芳乃「すごい雨でしてー」
P「弱ったなあ」
芳乃「どうしたのでして?」
P「今日これから2人所属契約を結ぶ予定なんだよ」
P「しかしこの雨ではなあ」
芳乃「ほー?」
P「外に出るのは大変だし電車は全部止まってるし」
P「まゆ・智恵里・裕子の時は天気が良かったのに…」
芳乃「わーぷすればよろしいのでしてー?」
P「芳乃よ、それができるのはお前さんだけや」
まゆ「そうですよぉ」
志希「ごもっともだね~」
裕子「今度教えてください!」
芳乃「あやー」
P「水本家には今日は延期との連絡を連絡を入れられたのだが」
P「新田家はそもそも連絡が取れない」
ちひろ「そろそろ時間ですね…来るかもしれませんよ?」
P「うむ、玄関で様子を見るか…」
ゴーゴー ザブーン
芳乃「すごい雨でしてー」
P「弱ったなあ」
芳乃「どうしたのでして?」
P「今日これから2人所属契約を結ぶ予定なんだよ」
P「しかしこの雨ではなあ」
芳乃「ほー?」
P「外に出るのは大変だし電車は全部止まってるし」
P「まゆ・智恵里・裕子の時は天気が良かったのに…」
芳乃「わーぷすればよろしいのでしてー?」
P「芳乃よ、それができるのはお前さんだけや」
まゆ「そうですよぉ」
志希「ごもっともだね~」
裕子「今度教えてください!」
芳乃「あやー」
P「水本家には今日は延期との連絡を連絡を入れられたのだが」
P「新田家はそもそも連絡が取れない」
ちひろ「そろそろ時間ですね…来るかもしれませんよ?」
P「うむ、玄関で様子を見るか…」
3: ◆10Upq4MUWY 2017/10/07(土) 02:46:38.31 ID:/t+uM8Ta0
~正面玄関前~
ゴーゴー ブウォー
P「にしてもひどい天気のこと」
芳乃「そなたー」
P「どうした?」
芳乃「楓殿がロビーで寝てます」
P「今はそれどころじゃない」
P(新田さんは楓ストッパーになってくれるのだろうか…)
P(スカウトした時はしっかりしてたから期待はしたい…)
芳乃「そなたーあの自転車に乗ってる人でしてー?」
P「どうだろうね…透明とは言えレインコートのフード被ってるから顔がよくわからん」
P「そもそも自転車で来るか?」
裕子「絶対に来ないと思います!」
P「そりゃ、50年に一度の大雨の中自転車ではなあ…裕子の言う通りだよ」 チリーン
P「ん?自転車が入ってきたよ…え、まさか…」 キキーッ
「おはようございます」
P「お、おはようございます」
P(芳乃よくわかったなあ)
芳乃(私に不可能などないでしてー)
美波「本日は宜しくお願いします。自転車はどちらに?」
P「そこに置いておいてください」
美波「レインコートどうしましょう?」バサッ
志希「預かるにゃ♪」
P「おーえらいえらい」
P「ところで美波さん、その恰好は?」
美波「見てのとおり、リクルートスーツです」
P「何か高そうですが大丈夫でしょうか?」
美波「大丈夫です」
P「それなら何より」
P「まあ、別に正社員として働くわけじゃないから正装する必要はなかったんですけどね」
美波「えっ」ガーン
P「落ち込まないでください…まあ、とりあえずルームに行きましょうか。そこでゆっくりアイドル活動について話し合いましょう」
美波「はい…」
P(しっかりした子やな…よき楓ストッパーになりそう)
ゴーゴー ブウォー
P「にしてもひどい天気のこと」
芳乃「そなたー」
P「どうした?」
芳乃「楓殿がロビーで寝てます」
P「今はそれどころじゃない」
P(新田さんは楓ストッパーになってくれるのだろうか…)
P(スカウトした時はしっかりしてたから期待はしたい…)
芳乃「そなたーあの自転車に乗ってる人でしてー?」
P「どうだろうね…透明とは言えレインコートのフード被ってるから顔がよくわからん」
P「そもそも自転車で来るか?」
裕子「絶対に来ないと思います!」
P「そりゃ、50年に一度の大雨の中自転車ではなあ…裕子の言う通りだよ」 チリーン
P「ん?自転車が入ってきたよ…え、まさか…」 キキーッ
「おはようございます」
P「お、おはようございます」
P(芳乃よくわかったなあ)
芳乃(私に不可能などないでしてー)
美波「本日は宜しくお願いします。自転車はどちらに?」
P「そこに置いておいてください」
美波「レインコートどうしましょう?」バサッ
志希「預かるにゃ♪」
P「おーえらいえらい」
P「ところで美波さん、その恰好は?」
美波「見てのとおり、リクルートスーツです」
P「何か高そうですが大丈夫でしょうか?」
美波「大丈夫です」
P「それなら何より」
P「まあ、別に正社員として働くわけじゃないから正装する必要はなかったんですけどね」
美波「えっ」ガーン
P「落ち込まないでください…まあ、とりあえずルームに行きましょうか。そこでゆっくりアイドル活動について話し合いましょう」
美波「はい…」
P(しっかりした子やな…よき楓ストッパーになりそう)
4: ◆10Upq4MUWY 2017/10/07(土) 02:47:11.83 ID:/t+uM8Ta0
~ルーム~
P「では改めて、当プロジェクトへようこそ」
美波「ありがとうございます」
楓「まあ、かわいい子ですね」モキュモキュ
志希「いい匂いにゃ~エロいにゃ~♪」 ハスハス
P「二人ともやめなさい」
志希「わかったにゃ…」
楓「もう少しお願いします」モキュモキュ
P「芳乃、お願い」
芳乃「わかったのでしてー」
楓「うわわわわわ」ズゴゴゴゴ
美波「…なんですか?今の?」
P「ワームホールです。芳乃の力です」
美波「私にはできないのですが…アイドルになれる自信がないんです」
P「ああ、あれは特殊だから気にしなくていいぞ」
卯月「ただいま戻りました!」
P「おぅ、帰ってきたか。普通の筆頭格」
卯月「えへへ…」
美波(いまの誉め言葉なの…)
P「卯月よ、この人は今度加入する美波さんだ。挨拶を」
卯月「何かカッコいい人ですね!よろしお願いします!」
P(スーツでキメてるからだよ、多分)
美波「よろしくね、卯月ちゃん」
P「そうそう、この後のスケジュールは今日は全て取りやめだから今日は家に帰りなさい」
P「ちひろさん、車の手配を」
ちひろ「はーい」
卯月「失礼いたします」
P「また明日ね」
P「…では、本題に入るか」
美波「はい」
P「では改めて、当プロジェクトへようこそ」
美波「ありがとうございます」
楓「まあ、かわいい子ですね」モキュモキュ
志希「いい匂いにゃ~エロいにゃ~♪」 ハスハス
P「二人ともやめなさい」
志希「わかったにゃ…」
楓「もう少しお願いします」モキュモキュ
P「芳乃、お願い」
芳乃「わかったのでしてー」
楓「うわわわわわ」ズゴゴゴゴ
美波「…なんですか?今の?」
P「ワームホールです。芳乃の力です」
美波「私にはできないのですが…アイドルになれる自信がないんです」
P「ああ、あれは特殊だから気にしなくていいぞ」
卯月「ただいま戻りました!」
P「おぅ、帰ってきたか。普通の筆頭格」
卯月「えへへ…」
美波(いまの誉め言葉なの…)
P「卯月よ、この人は今度加入する美波さんだ。挨拶を」
卯月「何かカッコいい人ですね!よろしお願いします!」
P(スーツでキメてるからだよ、多分)
美波「よろしくね、卯月ちゃん」
P「そうそう、この後のスケジュールは今日は全て取りやめだから今日は家に帰りなさい」
P「ちひろさん、車の手配を」
ちひろ「はーい」
卯月「失礼いたします」
P「また明日ね」
P「…では、本題に入るか」
美波「はい」
5: ◆10Upq4MUWY 2017/10/07(土) 02:48:32.97 ID:/t+uM8Ta0
~20分後~
P「…なわけで、アイドルはいろんなことをしています」
美波「なるほど」
P「決して怪しくはないでしょう?」
美波「ええ」
P「ただ、アイドルになるには努力もしなければいけない」
美波「覚悟はしています」
P「そこまで構えなくてもなあ…」
P「そうそう、そろそろレッスン上がりの子が来るんじゃないか?」
智絵里「戻りましたっ」ガチャッ
美波「こんにちは」
智絵里「ひゃっ」タタタタタッ
美波「…逃げられちゃいました」
P「恐らく怖かったんでしょうね…気にしないでください」
美波「やっぱりアイドルになれるか不安です…」
P「美波さんの気高さはアピールポイントとして生かしたいのですが」
P「もう少し丸くなった方がいいかもしれませんね」
美波「はぁ…」
P「まあ、レッスンやっているうちにみんなから好かれるようなアイドルに変わると思いますよ」
P(タブンネ)
美波「美波、頑張ります!」
P「いい心意気ですねえ」
P「是非契約してもらいたいものです」
美波「契約していただけるのですか?」
P「そりゃもちろん」
美波「不束者ですが、宜しくお願いします」
P「では、この契約書にサインを…」
美波「わかりました」カキカキ
P「…なわけで、アイドルはいろんなことをしています」
美波「なるほど」
P「決して怪しくはないでしょう?」
美波「ええ」
P「ただ、アイドルになるには努力もしなければいけない」
美波「覚悟はしています」
P「そこまで構えなくてもなあ…」
P「そうそう、そろそろレッスン上がりの子が来るんじゃないか?」
智絵里「戻りましたっ」ガチャッ
美波「こんにちは」
智絵里「ひゃっ」タタタタタッ
美波「…逃げられちゃいました」
P「恐らく怖かったんでしょうね…気にしないでください」
美波「やっぱりアイドルになれるか不安です…」
P「美波さんの気高さはアピールポイントとして生かしたいのですが」
P「もう少し丸くなった方がいいかもしれませんね」
美波「はぁ…」
P「まあ、レッスンやっているうちにみんなから好かれるようなアイドルに変わると思いますよ」
P(タブンネ)
美波「美波、頑張ります!」
P「いい心意気ですねえ」
P「是非契約してもらいたいものです」
美波「契約していただけるのですか?」
P「そりゃもちろん」
美波「不束者ですが、宜しくお願いします」
P「では、この契約書にサインを…」
美波「わかりました」カキカキ
6: ◆10Upq4MUWY 2017/10/07(土) 02:49:17.16 ID:/t+uM8Ta0
~美波帰宅後~
P「…という訳で契約に至れました」
ちひろ「よかったですねえ」
ちひろ「これでこのプロジェクトもかなり締まるんじゃないですか」
P「そうですね。楓ストッパーになるでしょう」
ちひろ(この人アイドルを何だと思ってるんですか)
ちひろ「ところで置いて行った自転車はどうしましょう?」
P「一応後日新田家に郵送ということになりました」
P「費用は事務所負担で」
ちひろ(勝手に決めるな)
ちひろ「あとは手続的なものはOKですね」
P「もうやり残したことはないと思いますよ」
ちひろ「では後で常務に報告しておきます」
P「お願いします」
P(これで大丈夫だね、多分…)
飛鳥「志希は一体何やっているんだい」
志希「美波ちゃんのレインコートの匂い~いい匂い~」ハスハス
天の声(芳乃)「このあとー志希殿は美波殿にこっぴどく怒られたのでしたー」
天の声「よきかなーよきかなー」
終わり
引用元: ・志希「とある雨の日の話にゃ」
駅内放送『滝のおトイレです』 男「!?」ビクッ
2020-08-30
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/05(木) 20:44:56.51 ID:V4YYlXZCo
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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/05(木) 20:45:29.67 ID:V4YYlXZCo
男「な、なんだ今の!?」
友人「どうした?」
男「今、何気なく放送聞いてたら、“滝のおトイレ”って……! なんだよ“滝のおトイレ”って!?」
友人「滝のおトイレ?」
友人「ああ、お前この駅あんまり使わないもんな。だからはじめて聞いたのか」
友人「あれはな……“多機能トイレ”って言ってるんだよ」
男「多機能トイレ?」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/05(木) 20:47:30.59 ID:V4YYlXZCo
友人「多機能トイレってのは、広いスペースの中に便器があるから」
友人「車椅子の人も入りやすいし、あと赤ちゃんのオムツを替える台もあったりする」
男「へぇ~」
友人「ようするに、どんな人でも利用しやすいバリアフリーのトイレ……ってとこだな」
男「そういうことか。ビックリしちゃったよ」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/05(木) 20:49:17.03 ID:V4YYlXZCo
男「今、駅に多機能トイレ必要としてそうな人いないよな?」
友人「んー……特にいないな」キョロキョロ
男「じゃ、せっかくだから多機能トイレで用足してくるわ」
友人「お前もヒマだねぇ~」
男「行ってきまーす」
男「このドアを横に開いて、と」ガラガラ…
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/05(木) 20:49:54.41 ID:V4YYlXZCo
ドドドドドドドドドドドドド……!
男「え……」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/05(木) 20:52:55.23 ID:V4YYlXZCo
扉を開けると、そこにはまさに滝があった。
そびえ立つ険しい天然の崖からは、けたたましい音を上げながら、絶えず流水が落下している。
幅は5メートル、落差は30メートルほど、といったところだろうか。
時折、水飛沫が体じゅうにふりかかる。
しかし、それは決して不快なものではなかった。むしろ心地よかった。
俺は滝壺の前で立ち尽くした。
駅の中にある滝という幻想的なこの光景に、しばし心を奪われていた――
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/05(木) 20:54:28.83 ID:V4YYlXZCo
ドドドドドドドドドドドドド……!
男「え、と……」
男「ここですればいいのかな?」
チョロチョロ…
男「ふぅ~……スッキリした」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/05(木) 20:56:00.00 ID:V4YYlXZCo
ドドドドドドドドドドドドド……!
男「せっかくなので……滝で手を洗わせてもらおう」
バシャバシャ
男「おほっ、つめたっ!」
男「いつもよりキレイになった気分だ!」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/05(木) 20:57:40.07 ID:V4YYlXZCo
友人「ずいぶん長かったな! どうだった?」
男「うん……いい滝のおトイレだった」
おわり
引用元: ・駅内放送『滝のおトイレです』 男「!?」ビクッ
モバP「あすちゃん」二宮飛鳥「……」
2020-08-30
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 19:03:05.22 ID:Tgqd+YKBo
関連
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6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 19:43:19.53 ID:Tgqd+YKBo
ガチャ
飛鳥「おはよう」
モバP(以下P)「おはよう、あすちゃん」
飛鳥「……」
飛鳥「最近肌寒くなってきたね」
P「あすちゃんはスカート多いから尚更だな」
飛鳥「……」
P「ん?聞いてるか?あすちゃん」
飛鳥「おはよう」
モバP(以下P)「おはよう、あすちゃん」
飛鳥「……」
飛鳥「最近肌寒くなってきたね」
P「あすちゃんはスカート多いから尚更だな」
飛鳥「……」
P「ん?聞いてるか?あすちゃん」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 19:47:05.64 ID:Tgqd+YKBo
飛鳥「コーヒーいれるけどキミも飲むだろう?」
P「ああ、貰うよ」
――――――――――――
飛鳥「どうぞ」
P「ありがとう、あすちゃん」
飛鳥「……」
P「ああ、貰うよ」
――――――――――――
飛鳥「どうぞ」
P「ありがとう、あすちゃん」
飛鳥「……」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 19:56:16.77 ID:Tgqd+YKBo
飛鳥「さっきから…その…あすちゃんってのはボクのことなのか?」
P「この早朝の事務所にいるのは?」
飛鳥「質問を質問で返さないでくれ、…今事務所にいるのはキミとボクだけだよ」
P「つまりそういうことだ」
飛鳥「理解ったよ、でも違和感を感じるからいつも通り呼んでくれないかい」
P「あすちゃん」
飛鳥「うん、理解ってないね」
飛鳥「…もしかしてからかってる?」
P「いや?」
飛鳥「じゃあどういう風の吹き回しか説明してくれるかな?」
P「この早朝の事務所にいるのは?」
飛鳥「質問を質問で返さないでくれ、…今事務所にいるのはキミとボクだけだよ」
P「つまりそういうことだ」
飛鳥「理解ったよ、でも違和感を感じるからいつも通り呼んでくれないかい」
P「あすちゃん」
飛鳥「うん、理解ってないね」
飛鳥「…もしかしてからかってる?」
P「いや?」
飛鳥「じゃあどういう風の吹き回しか説明してくれるかな?」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 20:28:11.41 ID:Tgqd+YKBo
P「実はな、飛鳥のことを『あすちゃん』と呼ぶ人が増えてるらしい。知ってたか?」
飛鳥「いや、初めて聞いたよ」
P「やっぱりな。…街中でファンに声をかけられることも増えてきたんじゃないか?」
飛鳥「おかげさまでね、でもそれと何の関係が」
P「もし今の話を聞かずに『あすちゃん』とファンに声をかけられてたらどうしたと思う?」
飛鳥「…ボクのことだと気付かずに振り返ることなく立ち去っていただろうね」
P「そうだろうと思った。でも今、身をもって知ることができたからもう安心だろ?」
飛鳥「いや、初めて聞いたよ」
P「やっぱりな。…街中でファンに声をかけられることも増えてきたんじゃないか?」
飛鳥「おかげさまでね、でもそれと何の関係が」
P「もし今の話を聞かずに『あすちゃん』とファンに声をかけられてたらどうしたと思う?」
飛鳥「…ボクのことだと気付かずに振り返ることなく立ち去っていただろうね」
P「そうだろうと思った。でも今、身をもって知ることができたからもう安心だろ?」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 20:29:22.17 ID:Tgqd+YKBo
飛鳥「…キミはそこまで考えていたんだね。すまない、悪ふざけであすちゃんなんて呼んでいるのかと」
P「まぁ本当は飛鳥の反応が見たかっただけなんだが」
飛鳥「おい」
P「まぁ本当は飛鳥の反応が見たかっただけなんだが」
飛鳥「おい」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 21:26:23.25 ID:Tgqd+YKBo
P「半分は冗談だ、それにあすちゃんって呼ばれてるのも本当だぞ」
飛鳥「へぇ…で、もう半分はキミの悪ふざけかい?」
P「……」
P「もしファンの呼びかけに気が付かなかったら怖いんだぞ」
飛鳥「露骨に話を逸したね」
P「……SNSでアイドルに最悪な対応されたなんて悪評が広められたりするかもしれない。それが原因で炎上したり、最悪引退なんて事態もありうる」
P「とまあ大袈裟に話したがそうならないように普段から備えておくのが大事ってことだ」
飛鳥「火のない所に煙は立たないか、一理あるね」
P「だろ?一応聞くけどファンに塩対応なんてしてないだろうな?」
飛鳥「へぇ…で、もう半分はキミの悪ふざけかい?」
P「……」
P「もしファンの呼びかけに気が付かなかったら怖いんだぞ」
飛鳥「露骨に話を逸したね」
P「……SNSでアイドルに最悪な対応されたなんて悪評が広められたりするかもしれない。それが原因で炎上したり、最悪引退なんて事態もありうる」
P「とまあ大袈裟に話したがそうならないように普段から備えておくのが大事ってことだ」
飛鳥「火のない所に煙は立たないか、一理あるね」
P「だろ?一応聞くけどファンに塩対応なんてしてないだろうな?」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 21:28:23.97 ID:Tgqd+YKBo
飛鳥「…してないよ」
P「本当か?」
飛鳥「大分前だけど夕美さん達と一緒にしたCD発売記念の握手会ではボクの評判も悪くなかったようだし問題ない…はずだ」
P「心配だな…じゃあ一度やってみるか。俺がファンとして声かけるから」
飛鳥「ボクが然るべき対応をすればいいということだね」
飛鳥「フッ、造作もない。偶像として完璧に演じて見せるさ」
P「なんで急に自信満々なんだ」
P「本当か?」
飛鳥「大分前だけど夕美さん達と一緒にしたCD発売記念の握手会ではボクの評判も悪くなかったようだし問題ない…はずだ」
P「心配だな…じゃあ一度やってみるか。俺がファンとして声かけるから」
飛鳥「ボクが然るべき対応をすればいいということだね」
飛鳥「フッ、造作もない。偶像として完璧に演じて見せるさ」
P「なんで急に自信満々なんだ」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/09(月) 08:25:16.46 ID:Ncmbb5vio
P「じゃあ始めるぞ」
飛鳥「いつでもどうぞ」
P「あーすいません!もしかしてあすちゃんですか?」
飛鳥「あす…そうだよ。ボクはアスカ、二宮飛鳥」
P「やっぱり!いつも応援してます!」
飛鳥「フフッ。ボクの声が、ボクの歌が少しでもキミに届いていたら嬉しいよ」
P(堂々としてるし全然できてるな…次は褒めてみる方向性でいくか)
飛鳥「いつでもどうぞ」
P「あーすいません!もしかしてあすちゃんですか?」
飛鳥「あす…そうだよ。ボクはアスカ、二宮飛鳥」
P「やっぱり!いつも応援してます!」
飛鳥「フフッ。ボクの声が、ボクの歌が少しでもキミに届いていたら嬉しいよ」
P(堂々としてるし全然できてるな…次は褒めてみる方向性でいくか)
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/09(月) 08:28:16.38 ID:Ncmbb5vio
P「映像で見ても可愛かったけど実物のあすちゃんはさらに可愛いなぁ!」
飛鳥「……」
P「いやぁ惚れ直しちゃいましたよ、これからも頑張ってください!」
飛鳥「…ど、どうも」
P「……」
飛鳥「……」
P「もしかして照れてる?」
飛鳥「照れてない」
P「顔赤いぞあすちゃん」
飛鳥「えっ」
P「嘘だよ」
飛鳥「……」
P「いやぁ惚れ直しちゃいましたよ、これからも頑張ってください!」
飛鳥「…ど、どうも」
P「……」
飛鳥「……」
P「もしかして照れてる?」
飛鳥「照れてない」
P「顔赤いぞあすちゃん」
飛鳥「えっ」
P「嘘だよ」
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/09(月) 08:30:48.90 ID:Ncmbb5vio
飛鳥「っ!いつからそんな汚いオトナになったんだキミは」
P「最初から」
飛鳥「…もう一度言うがボクは照れてなんかない。そもそも照れる理由がない。照れるというのは嬉しいまたは恥ずかしいという感情の現れだ」
飛鳥「なぜボクがキミに少し褒められただけで照れないといけないんだい?大体キミはいつもいつも
P「あーわかったわかった、俺が悪かった。」
飛鳥「……本当に理解ったんだろうね?」
P「うんうん」
飛鳥「もういい…それでボクの対応はどうだった?」
P「ああ問題ないと思うぞ。想像してたより全然良かった」
飛鳥「なら良かった。客観的に見てもボクは愛想がある方じゃないからね」
P(自分が愛想ない方だってちゃんと自覚してるんだな)
飛鳥「今何か失礼なこと考えてるよね?」
P「い、いや?」
P「最初から」
飛鳥「…もう一度言うがボクは照れてなんかない。そもそも照れる理由がない。照れるというのは嬉しいまたは恥ずかしいという感情の現れだ」
飛鳥「なぜボクがキミに少し褒められただけで照れないといけないんだい?大体キミはいつもいつも
P「あーわかったわかった、俺が悪かった。」
飛鳥「……本当に理解ったんだろうね?」
P「うんうん」
飛鳥「もういい…それでボクの対応はどうだった?」
P「ああ問題ないと思うぞ。想像してたより全然良かった」
飛鳥「なら良かった。客観的に見てもボクは愛想がある方じゃないからね」
P(自分が愛想ない方だってちゃんと自覚してるんだな)
飛鳥「今何か失礼なこと考えてるよね?」
P「い、いや?」
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/09(月) 08:33:11.95 ID:Ncmbb5vio
飛鳥「あのさ、ボクの記憶が正しければ『二宮飛鳥』を呼ぶ時は『飛鳥くん』と呼ぶ人が多いと聞いていたんだけれど」
P「ああ、なぜ急にちゃん付けなんてってことか?」
飛鳥「イグザクトリィ、察しがいいね」
P「悪いがそれは俺にもわからない」
飛鳥「ちゃん付けでさらに名前を略す呼称…何か理由があるはずだ。キミの見解を聞きたい」
P「うーん…最近の仕事が関係してる…とか?そこで少女らしい飛鳥の一面がファンに露見したのかもしれない」
P「ああ、なぜ急にちゃん付けなんてってことか?」
飛鳥「イグザクトリィ、察しがいいね」
P「悪いがそれは俺にもわからない」
飛鳥「ちゃん付けでさらに名前を略す呼称…何か理由があるはずだ。キミの見解を聞きたい」
P「うーん…最近の仕事が関係してる…とか?そこで少女らしい飛鳥の一面がファンに露見したのかもしれない」
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/09(月) 08:36:19.50 ID:Ncmbb5vio
飛鳥「少女らしい、ね。最近の大きい仕事というと」
・碧落のリベレイター
飛鳥『封印されし左腕の雷帝よ…その力をボクに示せっ!!エンドレスライジングクラッシャー!!』
P「…」
・リトルリドル
飛鳥『理解りあえなくても、Hey Yo Came on!』
飛鳥「…」
・碧落のリベレイター
飛鳥『封印されし左腕の雷帝よ…その力をボクに示せっ!!エンドレスライジングクラッシャー!!』
P「…」
・リトルリドル
飛鳥『理解りあえなくても、Hey Yo Came on!』
飛鳥「…」
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/09(月) 08:38:33.10 ID:Ncmbb5vio
・双翼の独奏歌
飛鳥『これがボクたちダークイルミネイト、見せてあげよう!』
飛鳥『白銀の片翼よ!目覚めの時はきた…さぁ始めよう、ボクたちの音樂を!』
P「……」
飛鳥「……」
P「思い返してみたが全くわからない」
飛鳥「気が合うね、ボクにもさっぱりさ」
飛鳥『これがボクたちダークイルミネイト、見せてあげよう!』
飛鳥『白銀の片翼よ!目覚めの時はきた…さぁ始めよう、ボクたちの音樂を!』
P「……」
飛鳥「……」
P「思い返してみたが全くわからない」
飛鳥「気が合うね、ボクにもさっぱりさ」
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/09(月) 08:48:33.07 ID:Ncmbb5vio
飛鳥「ボクたちの知らないところでファンの心境に変化があったということにしておこうか」
P「そうだな、『あすちゃん』て愛称は可愛らしい響きだし気にすることじゃないだろ」
飛鳥「そういえば前から疑問だったんだけどなぜボクは『くん』付けされてるんだい?」
P「今更だな…もしかして気にしてたのか?」
飛鳥「いいや理由が知りたいだけさ、でキミはどうしてだと思う?」
P「そうだな、『あすちゃん』て愛称は可愛らしい響きだし気にすることじゃないだろ」
飛鳥「そういえば前から疑問だったんだけどなぜボクは『くん』付けされてるんだい?」
P「今更だな…もしかして気にしてたのか?」
飛鳥「いいや理由が知りたいだけさ、でキミはどうしてだと思う?」
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/12(木) 21:35:00.01 ID:Kb5YcSWTo
P「うーん……安直だと笑われるかもしれないが」
飛鳥「事象の理由なんてのは案外単純なものさ、キミの意見を聞かせてくれ」
P「俺が思い付くのは一人称が『ボク』で」
飛鳥「うん」
P「中性的な口調と」
飛鳥「…うん」
P「胸がt」
飛鳥「…」ジトー
P「だ、男装が似合うから…こんなとこかな」
飛鳥「大体理解ったよ…キミ、後で覚悟しておくんだね」
P「」
飛鳥「事象の理由なんてのは案外単純なものさ、キミの意見を聞かせてくれ」
P「俺が思い付くのは一人称が『ボク』で」
飛鳥「うん」
P「中性的な口調と」
飛鳥「…うん」
P「胸がt」
飛鳥「…」ジトー
P「だ、男装が似合うから…こんなとこかな」
飛鳥「大体理解ったよ…キミ、後で覚悟しておくんだね」
P「」
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/12(木) 21:52:11.60 ID:Kb5YcSWTo
飛鳥「ちなみにだけれど…キミの瞳にボクはどう映っている?」
P「どう映ってるってあすちゃんはあすちゃんだろ」
飛鳥「そういうことではなく……つまりキミもボクのことを中性的というか男の子のように思っているのかい?」
P「どう映ってるってあすちゃんはあすちゃんだろ」
飛鳥「そういうことではなく……つまりキミもボクのことを中性的というか男の子のように思っているのかい?」
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/12(木) 22:00:15.93 ID:Kb5YcSWTo
P「そんなわけないだろ、飛鳥は可愛い女の子だ」
飛鳥「…ほんとう?」
P「ああ、かわいいよ」
飛鳥「あ、ありがとう」
P「今少し照れてるだろ?」
飛鳥「…照れてない」
P「耳真っ赤だぞ」
飛鳥「う、うそっ!」
P「耳隠さなくていいぞ、嘘だから」
飛鳥「…二度も同じ手に引っかかるなんて。…ボクは真剣に聞いたんだけどキミはボクを欺いたんだね。もういいよ、ふんっ」
飛鳥「…ほんとう?」
P「ああ、かわいいよ」
飛鳥「あ、ありがとう」
P「今少し照れてるだろ?」
飛鳥「…照れてない」
P「耳真っ赤だぞ」
飛鳥「う、うそっ!」
P「耳隠さなくていいぞ、嘘だから」
飛鳥「…二度も同じ手に引っかかるなんて。…ボクは真剣に聞いたんだけどキミはボクを欺いたんだね。もういいよ、ふんっ」
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/12(木) 22:15:04.05 ID:Kb5YcSWTo
P「拗ねるな拗ねるな、からかったのは謝るがさっきのは嘘じゃないって」
飛鳥「…」
P「趣味がヘアアレンジで毎日エクステ付けて色も変えるおしゃれさんだし私服もスカートばかりだろ?」
P「でいくら中性的な話し方と言っても結局少女の部分は隠しきれてないからな」
飛鳥「…うん」
P「何よりアイドルにスカウトしたのは俺だぞ。そんな心配する必要ない、これで伝わったか?」
飛鳥「うん…キミはちゃんとボクを見てくれていたんだね、悪くないボク好みの答えだ。…さっきの失言は忘れてあげるよ、ボクは寛大だからねフフッ」
P(ちょろいなぁ)
飛鳥「…」
P「趣味がヘアアレンジで毎日エクステ付けて色も変えるおしゃれさんだし私服もスカートばかりだろ?」
P「でいくら中性的な話し方と言っても結局少女の部分は隠しきれてないからな」
飛鳥「…うん」
P「何よりアイドルにスカウトしたのは俺だぞ。そんな心配する必要ない、これで伝わったか?」
飛鳥「うん…キミはちゃんとボクを見てくれていたんだね、悪くないボク好みの答えだ。…さっきの失言は忘れてあげるよ、ボクは寛大だからねフフッ」
P(ちょろいなぁ)
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/12(木) 22:23:09.21 ID:Kb5YcSWTo
P「お気に召したようでよかったよ、ってやっぱりくん付けで呼ばれるの気にしてたんじゃないか?」
飛鳥「いや、大衆やファンがボクをどう呼ぼうと構わないよ。それは『二宮飛鳥』という偶像が見せる一つの形だからね」
飛鳥「でもキミや事務所の皆には偶像であるボク以外に一人の少女としての『二宮飛鳥』を見せているつもりだ」
飛鳥「だからその…ええと…」
P「…」
飛鳥「いつものようにキミの、その声で、『飛鳥』と呼んでくれないか?」
P「わかったよ飛鳥」
飛鳥「うん、心地いいね」
飛鳥「やはり普段通りの呼ばれ方が一番だ、…一応言っておくけどあすちゃんって呼び方事務所の皆には話さないでくれよ」
P「なんでだ?」
飛鳥「一部の人達は面白がってネタにしそうだから」
P「あー、なるほど。…先に謝っとくよ、すまんな」
飛鳥「いや、大衆やファンがボクをどう呼ぼうと構わないよ。それは『二宮飛鳥』という偶像が見せる一つの形だからね」
飛鳥「でもキミや事務所の皆には偶像であるボク以外に一人の少女としての『二宮飛鳥』を見せているつもりだ」
飛鳥「だからその…ええと…」
P「…」
飛鳥「いつものようにキミの、その声で、『飛鳥』と呼んでくれないか?」
P「わかったよ飛鳥」
飛鳥「うん、心地いいね」
飛鳥「やはり普段通りの呼ばれ方が一番だ、…一応言っておくけどあすちゃんって呼び方事務所の皆には話さないでくれよ」
P「なんでだ?」
飛鳥「一部の人達は面白がってネタにしそうだから」
P「あー、なるほど。…先に謝っとくよ、すまんな」
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/12(木) 22:29:28.38 ID:Kb5YcSWTo
ガチャ
蘭子「煩わしい太陽ね、我が友!そしてあすちゃん!」
飛鳥「ら、蘭子!どこでそれを」
P「すまん、可愛らしい愛称だから皆に教えてしまった」
飛鳥「キミって奴は全く…」
蘭子「我は甘美なる二つ名だと思うが?(私はかわいいと思うけどなぁ)」
飛鳥「…蘭子、その呼称は他言無用ってことでお願いするよ」
蘭子「えっ、でも」
蘭子「煩わしい太陽ね、我が友!そしてあすちゃん!」
飛鳥「ら、蘭子!どこでそれを」
P「すまん、可愛らしい愛称だから皆に教えてしまった」
飛鳥「キミって奴は全く…」
蘭子「我は甘美なる二つ名だと思うが?(私はかわいいと思うけどなぁ)」
飛鳥「…蘭子、その呼称は他言無用ってことでお願いするよ」
蘭子「えっ、でも」
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/12(木) 22:34:40.21 ID:Kb5YcSWTo
フレデリカ「あすちゃん、ボンジュール♪」
志希「にゃははー♪おはよ~。フンフン、んーあすちゃんの匂い~♪」
奏「ちょっと二人共あんまりからかっちゃ可哀想よ、ンフフッ」
飛鳥「…」
P「皆にと言っただろ?」
飛鳥「本当にもうキミって奴は!!」
志希「にゃははー♪おはよ~。フンフン、んーあすちゃんの匂い~♪」
奏「ちょっと二人共あんまりからかっちゃ可哀想よ、ンフフッ」
飛鳥「…」
P「皆にと言っただろ?」
飛鳥「本当にもうキミって奴は!!」
30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/12(木) 22:42:56.76 ID:Kb5YcSWTo
終わりです。
月末にべりーきゅーとな飛鳥が来てネタ潰しされたので供養。
そんなことどうでもいいですね。
黄昏あすちゃんかわいいよおおおおおおおおおお!!!!!
あれはあすちゃん呼びしちゃうよねうん
月末にべりーきゅーとな飛鳥が来てネタ潰しされたので供養。
そんなことどうでもいいですね。
黄昏あすちゃんかわいいよおおおおおおおおおお!!!!!
あれはあすちゃん呼びしちゃうよねうん
31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/12(木) 22:45:13.22 ID:Kb5YcSWTo
過去作です。よろしければどうぞ。
モバP「好いとーよがもう一度聞きたい」二宮飛鳥「嫌だ」
二宮飛鳥「総選挙の結果発表?」
モバP「花見と甘酒とほろ酔い飛鳥」
モバP「好いとーよがもう一度聞きたい」二宮飛鳥「嫌だ」
二宮飛鳥「総選挙の結果発表?」
モバP「花見と甘酒とほろ酔い飛鳥」
引用元: ・モバP「あすちゃん」二宮飛鳥「……」