古泉「涼宮さんの耳元でアイラブユーとでも囁くんです」 キョン「こうか?」
2019-04-30
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/23(土) 17:07:24.73 ID:4B7cC2oj0
――10000回目の夏休み 屋上
キョン「アイラブユー」ボソッ
古泉「もう少し滑らかに。I love you」
キョン「アイラビュー」ボソッ
古泉「その調子です。I love you」
キョン「I love you」ボソッ
古泉「完璧です。んっふ、困りましたね。あなたの吐息は少し癖になりそうです」
キョン「よせやい」
古泉「ふふ」
キョン「はは」
長門「……」
ハルヒ「zzz」
みくる「zzz」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1506154044
キョン「アイラブユー」ボソッ
古泉「もう少し滑らかに。I love you」
キョン「アイラビュー」ボソッ
古泉「その調子です。I love you」
キョン「I love you」ボソッ
古泉「完璧です。んっふ、困りましたね。あなたの吐息は少し癖になりそうです」
キョン「よせやい」
古泉「ふふ」
キョン「はは」
長門「……」
ハルヒ「zzz」
みくる「zzz」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1506154044
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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/23(土) 17:10:17.23 ID:4B7cC2oj0
キョン「古泉」
古泉「なんでしょう?」
キョン「I love you」ボソッ
古泉「んっふ。では僕も。I love you」ボソッ
キョン「お前のは少しいやらしい感じがするな」
古泉「あなたのは抱擁力がありますよ」
キョン「はは」
古泉「ふふ」
長門「……」
ハルヒ「zzz」
みくる「zzz」
古泉「なんでしょう?」
キョン「I love you」ボソッ
古泉「んっふ。では僕も。I love you」ボソッ
キョン「お前のは少しいやらしい感じがするな」
古泉「あなたのは抱擁力がありますよ」
キョン「はは」
古泉「ふふ」
長門「……」
ハルヒ「zzz」
みくる「zzz」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/23(土) 17:13:13.59 ID:4B7cC2oj0
キョン「しかし英語ってのは難しいもんだな」
古泉「我々日本人にとって、LとRの発音は不慣れですからね」
古泉「単純に『大好き』なんてどうです?」
キョン「大好き」ボソッ
古泉「僕もです」ボソッ
キョン「おい」
古泉「ふふ」
キョン「はは」
長門「……」
ハルヒ「zzz」
みくる「zzz」
古泉「我々日本人にとって、LとRの発音は不慣れですからね」
古泉「単純に『大好き』なんてどうです?」
キョン「大好き」ボソッ
古泉「僕もです」ボソッ
キョン「おい」
古泉「ふふ」
キョン「はは」
長門「……」
ハルヒ「zzz」
みくる「zzz」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/23(土) 17:16:08.25 ID:4B7cC2oj0
キョン「古泉、お前もやれ」
古泉「んっふ。困ったものです」
古泉「大好き」キリッ
キョン「……女子なら一撃で落ちていただろうぜ」
古泉「おや、あなたには通用しませんか」
キョン「あいにくだが俺はまだまだ落とせないぜ」
古泉「これは手厳しい」
キョン「はは」
古泉「ふふ」
長門「……」
ハルヒ「zzz」
みくる「zzz」
古泉「んっふ。困ったものです」
古泉「大好き」キリッ
キョン「……女子なら一撃で落ちていただろうぜ」
古泉「おや、あなたには通用しませんか」
キョン「あいにくだが俺はまだまだ落とせないぜ」
古泉「これは手厳しい」
キョン「はは」
古泉「ふふ」
長門「……」
ハルヒ「zzz」
みくる「zzz」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/23(土) 17:19:26.15 ID:4B7cC2oj0
キョン「他の言い方はないか?」
古泉「おや。I love youでは不満ですか?」
キョン「いや、色々な可能性を探ってみたい」
古泉「いいでしょう。ならば」
古泉「月が綺麗ですね」キリッ
古泉「なんていかがです?」
キョン「夏目漱石か。少しキザっぽいな」
古泉「ものは試しですよ」
キョン「月が綺麗ですね」キリッ
古泉「……イマイチですね」
長門「そんなことはない」
キョン古泉「!?」
古泉「おや。I love youでは不満ですか?」
キョン「いや、色々な可能性を探ってみたい」
古泉「いいでしょう。ならば」
古泉「月が綺麗ですね」キリッ
古泉「なんていかがです?」
キョン「夏目漱石か。少しキザっぽいな」
古泉「ものは試しですよ」
キョン「月が綺麗ですね」キリッ
古泉「……イマイチですね」
長門「そんなことはない」
キョン古泉「!?」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/23(土) 17:22:11.79 ID:4B7cC2oj0
キョン「聞いていたのか、長門」
長門「聞いていた」
古泉「長門さんも参加しますか?」
長門「参加する。初めてのパターン。興味深い」
キョン「長門。ハルヒに囁きたい言葉はあるか?」
長門「ある」
キョン「よし。言ってみろ」
長門「つーかこれからっしょ」ドヤッ
キョン「おい」
古泉「それはいけません」
長門「残念」
ハルヒ「zzz」
みくる「zzz」
長門「聞いていた」
古泉「長門さんも参加しますか?」
長門「参加する。初めてのパターン。興味深い」
キョン「長門。ハルヒに囁きたい言葉はあるか?」
長門「ある」
キョン「よし。言ってみろ」
長門「つーかこれからっしょ」ドヤッ
キョン「おい」
古泉「それはいけません」
長門「残念」
ハルヒ「zzz」
みくる「zzz」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/23(土) 17:26:19.37 ID:4B7cC2oj0
古泉「さて。十分に練習したことですし、本番いってみますか?」
古泉「うまくいけばこのループから逃れられるかもしれませんよ」
キョン「待て。まだ本番はきつい」
古泉「では眠っている涼宮さんを練習台にするのはいかがです?」
キョン「狸寝入りしてたらかなわん。本当に眠っているか確認してからな」
長門「確認する」
長門「ユキリンって呼んで」ボソッ
ハルヒ「zzz……エ?……ユキドウシタノ……?」ソワソワ
長門「大丈夫。眠っている」
古泉「さすがは長門さんです」
古泉「うまくいけばこのループから逃れられるかもしれませんよ」
キョン「待て。まだ本番はきつい」
古泉「では眠っている涼宮さんを練習台にするのはいかがです?」
キョン「狸寝入りしてたらかなわん。本当に眠っているか確認してからな」
長門「確認する」
長門「ユキリンって呼んで」ボソッ
ハルヒ「zzz……エ?……ユキドウシタノ……?」ソワソワ
長門「大丈夫。眠っている」
古泉「さすがは長門さんです」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/23(土) 17:29:17.87 ID:4B7cC2oj0
キョン「念のため、朝比奈さんも確かめてみてもらっていいか?」
長門「わかった」
長門「無駄乳」ボソッ
みくる「は?」
長門「フンッ」
みくる「ウッ」
ハルヒ「!?」
長門「大丈夫。眠っている」
古泉「さすがは長門さんです」
長門「わかった」
長門「無駄乳」ボソッ
みくる「は?」
長門「フンッ」
みくる「ウッ」
ハルヒ「!?」
長門「大丈夫。眠っている」
古泉「さすがは長門さんです」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/23(土) 17:32:06.90 ID:4B7cC2oj0
キョン「よし。じゃあ練習するぞ」
ハルヒ「……」ドキドキ
キョン「俺、実はポニーテール萌えなんだ」ボソッ
ハルヒ「!!!!」
長門「流れ星」
古泉「おや、珍しいですね」
キョン「どこだ? くそ、見逃しちまったぜ」
長門「もう遅い」
古泉「おや、いつの間にか涼宮さんの髪型がポニーテールになっていますね」
ハルヒ「……」ドキドキ
キョン「俺、実はポニーテール萌えなんだ」ボソッ
ハルヒ「!!!!」
長門「流れ星」
古泉「おや、珍しいですね」
キョン「どこだ? くそ、見逃しちまったぜ」
長門「もう遅い」
古泉「おや、いつの間にか涼宮さんの髪型がポニーテールになっていますね」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/23(土) 17:36:02.57 ID:4B7cC2oj0
キョン「実は起きているんじゃないか?」
長門「ただの寝相」
キョン「そうか。それならいいんだが」
古泉「さて。練習は終わりにしますか?」
キョン「いや。もう一度くらいやらせてくれ」
ハルヒ「……」ドキドキ
キョン「俺はジョン・スミスだ」ボソッ
ハルヒ「……?」
ハルヒ「!!!!????」
キョン「変だな。俺にはハルヒが動揺しているように見えるんだが」
長門「大丈夫。眠っている」
長門「ただの寝相」
キョン「そうか。それならいいんだが」
古泉「さて。練習は終わりにしますか?」
キョン「いや。もう一度くらいやらせてくれ」
ハルヒ「……」ドキドキ
キョン「俺はジョン・スミスだ」ボソッ
ハルヒ「……?」
ハルヒ「!!!!????」
キョン「変だな。俺にはハルヒが動揺しているように見えるんだが」
長門「大丈夫。眠っている」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/23(土) 17:40:19.32 ID:4B7cC2oj0
ピリリリ
古泉「おや。バイトのようです。どうやら悪夢をみているようですね」
キョン「……行っちまうのか?」
古泉「ええ。世界崩壊の危機は回避しなければならないのでね」
キョン「古泉。ひとつ提案がある」
キョン「夢というのは外部からある程度コントロールできるみたいなんだ」
古泉「なるほど。囁きで悪夢を上書きしようという事ですね」
古泉「いいでしょう。バイトはサボることにします」ピッ
キョン「いいのか?」
古泉「ええ。他の仲間がやってくれますよ。それに」
古泉「あなたとの時間を大事にしたいですし」
キョン「はは」
古泉「ふふ」
古泉「おや。バイトのようです。どうやら悪夢をみているようですね」
キョン「……行っちまうのか?」
古泉「ええ。世界崩壊の危機は回避しなければならないのでね」
キョン「古泉。ひとつ提案がある」
キョン「夢というのは外部からある程度コントロールできるみたいなんだ」
古泉「なるほど。囁きで悪夢を上書きしようという事ですね」
古泉「いいでしょう。バイトはサボることにします」ピッ
キョン「いいのか?」
古泉「ええ。他の仲間がやってくれますよ。それに」
古泉「あなたとの時間を大事にしたいですし」
キョン「はは」
古泉「ふふ」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/23(土) 17:43:12.44 ID:4B7cC2oj0
キョン「長門。どんなことを囁けばいいと思う?」
長門「簡単。告白すればいい」
ハルヒ「……!?」ドキドキ
古泉「これはこれは」
長門「悪夢の上書きは困難。それを可能にするのは告白しかない」
古泉「なるほど。つまりはこういうことですね。彼のキュートな唇から発せられる愛の言葉は自律進化の可能性であると」
長門「……? 分からないけど多分そう」
キョン「……告白か」
長門「そう」
長門「簡単。告白すればいい」
ハルヒ「……!?」ドキドキ
古泉「これはこれは」
長門「悪夢の上書きは困難。それを可能にするのは告白しかない」
古泉「なるほど。つまりはこういうことですね。彼のキュートな唇から発せられる愛の言葉は自律進化の可能性であると」
長門「……? 分からないけど多分そう」
キョン「……告白か」
長門「そう」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/23(土) 17:46:31.92 ID:4B7cC2oj0
キョン「しかたないな」
古泉「……」
長門「期待」
みくる「そそそんなことしちゃだめですぅ」
長門「フンッ」
みくる「ウッ」
キョン「いま朝比奈さん起きてなかったか?」
長門「気のせい」
古泉「長門さんが言うなら間違いはないでしょう」
キョン「じゃあ、言うぞ……」
ハルヒ「……」ドキドキ
古泉「……」
長門「期待」
みくる「そそそんなことしちゃだめですぅ」
長門「フンッ」
みくる「ウッ」
キョン「いま朝比奈さん起きてなかったか?」
長門「気のせい」
古泉「長門さんが言うなら間違いはないでしょう」
キョン「じゃあ、言うぞ……」
ハルヒ「……」ドキドキ
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/23(土) 17:53:19.68 ID:4B7cC2oj0
キョン「……」
キョン「……」
キョン「お○○い」
ハルヒ「……」
ハルヒ「……ッ!」
キョン「……」
キョン「お○○い」
ハルヒ「……」
ハルヒ「……ッ!」
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/23(土) 17:54:09.89 ID:4B7cC2oj0
ハルヒ「……このバカキョンがぁ~~~~!」
キョン「うおっ、ハルヒ!? 起きてたのか!?」
古泉「困ったものです」
ハルヒ「よくもあたしを散々おもちゃにしてくれたわね!」
キョン「誤解だ! お○○いなんて言ってない!」
ハルヒ「言ったわよ! つい!! さっき!!!」
みくる「はれんちですぅ~!」
長門「フンッ」
みくる「その技はもう見切りましたぁ」
長門「!?」
キョン「うおっ、ハルヒ!? 起きてたのか!?」
古泉「困ったものです」
ハルヒ「よくもあたしを散々おもちゃにしてくれたわね!」
キョン「誤解だ! お○○いなんて言ってない!」
ハルヒ「言ったわよ! つい!! さっき!!!」
みくる「はれんちですぅ~!」
長門「フンッ」
みくる「その技はもう見切りましたぁ」
長門「!?」
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/23(土) 18:16:46.98 ID:swRkm+/kO
ピリリリリリリリリリリリリリリリリ
古泉「おや、バイトの要請がすごいことになっていますね」
キョン「古泉! ハルヒをなんとかしてくれ!」
ハルヒ「だいたいアンタがジョンってどういうことよ! 説明しなさいよ!」
ピリリリリリリリリリリリリリリリリ
長門「パーソナルネーム朝比奈みくるを敵性と判定。当該対象の有機情報連結を解除する」
みくる「ひぇ~消されちゃいますぅ~TPDDで逃げますぅ~」
ピリリリリリリリリリリリリリリリリ
森さん「古泉!!!! でんわでろ!!!!!」ドアバンッ
古泉「んっふ。困ったものです」
古泉「おや、バイトの要請がすごいことになっていますね」
キョン「古泉! ハルヒをなんとかしてくれ!」
ハルヒ「だいたいアンタがジョンってどういうことよ! 説明しなさいよ!」
ピリリリリリリリリリリリリリリリリ
長門「パーソナルネーム朝比奈みくるを敵性と判定。当該対象の有機情報連結を解除する」
みくる「ひぇ~消されちゃいますぅ~TPDDで逃げますぅ~」
ピリリリリリリリリリリリリリリリリ
森さん「古泉!!!! でんわでろ!!!!!」ドアバンッ
古泉「んっふ。困ったものです」
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/23(土) 17:55:44.91 ID:4B7cC2oj0
キョン「いい加減にしてくれ!!!!!」
キョン「みんな聞いてくれ!!!!!!」
ハルヒ「……何よ」
長門「了解した」
みくる「チッ」
古泉「森さん、スクリュードライバーはやめてください。死んでしまいます」
キョン「みんなに俺の本当の気持ちを聞いて欲しい」
ハルヒ「……それは今言わなきゃダメなの?」ドキドキ
キョン「ああ。大事な話だ」
ハルヒ「いいわ。言ってみなさいよ」ドキドキ
キョン「みんな聞いてくれ!!!!!!」
ハルヒ「……何よ」
長門「了解した」
みくる「チッ」
古泉「森さん、スクリュードライバーはやめてください。死んでしまいます」
キョン「みんなに俺の本当の気持ちを聞いて欲しい」
ハルヒ「……それは今言わなきゃダメなの?」ドキドキ
キョン「ああ。大事な話だ」
ハルヒ「いいわ。言ってみなさいよ」ドキドキ
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/23(土) 17:57:14.59 ID:4B7cC2oj0
キョン「古泉」
古泉「なんでしょう」
キョン「I love you」キリッ
古泉「んっふ。僕もですよ」
キョン「はは」
古泉「ふふ」
国木田「キョンも古泉くんも僕のものだよ」ボロン
キョン「あああああああああああああああああああああああああああ」
古泉「んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん」
世界は滅亡した
完
古泉「なんでしょう」
キョン「I love you」キリッ
古泉「んっふ。僕もですよ」
キョン「はは」
古泉「ふふ」
国木田「キョンも古泉くんも僕のものだよ」ボロン
キョン「あああああああああああああああああああああああああああ」
古泉「んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん」
世界は滅亡した
完
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/23(土) 18:00:13.73 ID:u4M6+B3Jo
こんなん勢いで笑うに決まってんだろwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/23(土) 19:47:46.14 ID:42M3zNv3O
こういうのでいいんだよこういうので
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/24(日) 00:51:37.47 ID:thKG0KsKO
キレイなハルヒSSだったな
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/24(日) 02:04:09.51 ID:NFXrseXSo
ハルヒSSの鬼才率の高さ
引用元: 古泉「涼宮さんの耳元でアイラブユーとでも囁くんです」 キョン「こうか?」
【ミリマスSS】ジュリア「夢路」
2019-04-30
1: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 16:21:01.02 ID:eLVc51n90
元ネタ
『流星群』
『プラリネ』
少しミリオン本編とは時空が歪んでると思います。
あと、オリキャラ注意報ですよー(◯・▽・◯)
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1479626460
『流星群』
『プラリネ』
少しミリオン本編とは時空が歪んでると思います。
あと、オリキャラ注意報ですよー(◯・▽・◯)
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1479626460
関連
ハルヒ「SOS団で恋の暴露大会をするわよ!」
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【悲報】Twitterで3年前に「令和」を予言してたものがいたwwwwwwwww
2: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 16:22:41.48 ID:eLVc51n90
先生「おまえ、ふざけてんのか?」
放課後の生徒指導室。私は3人のセンセイに囲まれている。ふざけてんのはテメェの方だろ?そう言ってやりたかったが、延々とループするカセットテープのようなオセッキョーにもいい加減飽きたので黙っておくことにする。
あたし「...」
『もうメンドクセー』というオーラを視線に込めてセンセイガタに送っているのだが、全く見向きもしてくれない。あたしの視線に気づいて無視しているのかそれとも気づいていないのか、もし気づいていないなら『生徒に向き合った指導』なんて嘘っぱちだな、なんてうるさい声をかき消すために思考する。
先生「おまえなぁ?進路がパンクロッカーってなんだそれ?よく考えろ?大事な将来だぞ?」
もう何回目なんだよそのアリガタイお言葉。大事な将来だからそう書いたんだろ?自分のやりたいことも決めら>れずに無難な近所の高校名を埋めた奴らより、よっぽどあたしは自分のことを考えてる。
先生「我々は、おまえのためを言ってるんだ。なぁ?ほら、おまえの進路を書け!」
そう言って新しい進路希望調査をあたしに突き出すセンセイ。あたしはそれを受け取り、クシャクシャに丸めて投げ捨てた。もう付き合いきれなくなったので、カバンを持って部屋を出る。
先生「どこへ行く!?話はまだ終わってないぞ!!」
ガッと肩を掴まれる。センセイの手はやたらとデカくて、あたしは動けなくなる。センセイガタはいつもこうだ。力であたし達が自由に動けないように押さえつける。『若者は夢を持て』なんて声高に語りかけながら、あたし達が目の前に広がっている広い世界に目を向けると、そこから目を背けさせる。
あたし「離せよ!ふざけんな!」
思いっきり体を揺さぶって、どうにか肩にかかる手を振りほどき、あたしは外に向かって全力で走った。
あたし「...あー、眩し...」
薄暗く狭い進路指導室から急に晴れ模様の外に出たからか、眩しさにすこし目眩がした。
3: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 16:24:38.48 ID:eLVc51n90
####################
???「おまえさぁ、もうちっと上手くできないわけ?そりゃ先生も怒るよ」
とあるライブハウスの事務室。髭とサングラスのスキンヘッドのおっさんがあきれた口調であたしに言う。この人はこのライブハウスのオーナー。ん?そういやライブハウスの偉い人って『オーナー』でいいのか?まぁ、なんだっていいか。みんながオーナーって呼んでんだから、この人はオーナーだ。
オーナー「そんなんテキトーに近くの高校名書いときゃいいのによ。それで先生も満足だし、おまえも怒られずにすむ。めでたしめでたしじゃねぇか」
そんなの言われなくても分かってる。他の奴らみたいに、考えなしにテキトーな高校名書いておけば放課後の貴重な時間を無駄にしなくてもすんだし、この肩も痛まずにすんだ。でも、あたしにはやっぱりそれは胸くそ悪くてできなかったんだ。
あたし「なんか...自分の夢に嘘つくみたいでさ...。嫌だったんだよ...」
オーナー「へっ、青いねぇ。まだまだ尻が青いよ」
あたし「セクハラだぞ!それにもう青くねぇ!たぶん!」
このおっさんは時たまこういうこと言いやがる。こういう話が苦手なあたしをからかってるんだろう...チクショウ...。
オーナー「まぁ、その若さはもうおっさんにはねぇからよ。少し羨ましい気もするわ。まぁ、精々悩め若者よ。悩んだ分だけ、納得するさ」
そしてこのおっさんは時たまこういうオセッキョーをする。あたしのような若者を見るとついついオセッキョーしてしまうらしい。
オーナー「まぁ、テメェが納得するだけだけどな。それで上手く行くほど、世の中は甘くねぇ」
カーッカッカッと大笑いするオーナー。まぁ、正直あたしはこのおっさんのオセッキョーは嫌いじゃない。ひとつの答えが出るまでオセッキョーし続けるセンセイよりも、答えがない問いを適当に投げかけるオーナーの方がよっぽどたくさんのことをあたしに教えてくれている気がする。
4: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 16:26:19.64 ID:eLVc51n90
ひとしきり笑い終えるとオーナーはドヤ顔を作って言った。
オーナー「ジュリア!お前は今日からジュリアだ!」
あたし「は?あたしが?」
いきなりの話で何がなんだかわからずぽかーんとするあたしに、オーナーは続けて言う。
オーナー「パンクロッカーとしてのお前の名前だよ。中坊のおまえとパンクロッカーとしてのおまえ。切り離して考えりゃ、少しは上手くやれるんじゃねぇか?」
あたし「なんだよそりゃ?別人格を作れってことか?やだよそんなの、結局は嘘つくことになるじゃねぇか」
上手く嘘をつくために別人格を演じろってか?言ってることは理解できるが、それはそれでやっぱり自分を騙しているようで胸くそ悪い。
オーナー「嘘つけとは言ってねぇよ。現実を生きるおまえと、夢を追いかけるおまえ。どっちもおまえだ」
オーナー「その辺の切り離しができるのが大人だけどよ、おまえはまだ子供だ。だから名前をつけて、無理やり切り離してやるんだよ」
オーナー「いずれはわかるさ。とにかく俺はこれからおまえをジュリアって呼ぶからな」
またおっさんのオセッキョーだよと呆れるが、まぁこんなドヤ顔をキメた時は何を言っても聞いちゃくれない。仕方がないのでオーナーの提案を受けることにする。パンクロッカーのあたしはジュリアだ。胸くそは悪いが、なんだか妙に心がアツくなるのも感じる。芸名みたいでカッコいいしな。
ジュリア「んで、ひとつ聞いてもいいか?」
オーナー「あ?なんだ?」
ジュリア「なんでジュリアなんだ?」
オーナー「思いつきだ!細けぇことはいいんだよ」
カーッカッカッカッとまた大笑いが響く。あまりに呆れて言葉も出ず、ただジトーっとした目でそれを眺めるしかなかった。
5: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 16:27:57.37 ID:eLVc51n90
オーナー「うし、無駄話もここまでだ。じゃあ、レッスン始めっか!」
ジュリア「はい。お願いします!」
オーナーもあたしも、そう言ってギターを準備する。あたしはここのライブハウスでバイトをする代わりに、オーナーにギターを教えてもらっていた。
オーナー「毎回思うけどよ、レフティ同士で向き合ってギターを弾くなんてジュリア相手だけだから、変な感じするな」
ジュリア「そうかい?あたしはこれしか知らないから、わかんないや」
################
パンクミュージシャンに憧れたのは少し前のこと。なんてことない出会いさ。TVでカッコいいパンクロッカーをみたからだ。
そんなよくある話でも、あたしにはあまりにも強烈だった。激しく力強く音を叩きつけ、その空間をその時間を自分たちの音だけで埋め尽くす。激しく叩きつけるドラムの音が心臓の鼓動のようで、激しく掻き鳴らすギターの音が魂の叫びのようで、あたしは一発で心を奪われた。
次の日、あたしは前借りした小遣いを握りしめて、楽器屋に走っていった。そこからこのギターは、ずっとあたしの相棒だ。
初めて家から1番近いライブハウスに行ったとき、あたしはひどく驚いた。TVで憧れたパンクロッカーのギタリストが、こんな近くの小さいハコにいたからだ。あまりの偶然に喜ぶ反面、あたしには素朴な疑問が浮かんでいた。
(なんでTVの人がこんなところに?)
わからないことは聞くのが早い。ライブが終わった後、フロアにいるその人に話しかけてみた。そうすると返ってきたのは意外な言葉だった。
『あぁ、もう俺はプロじゃねぇ。今は自分のライブハウスでギターを弾くだけのおっさんだ』
『あんなにカッコいいギタリストが?あたし、あんたに憧れて今ここにいるんだぜ?』
そう言うとニカッと笑ってギタリストは言った。
『ありがとよ。もちろん俺はここで終わるつもりはねぇ。もう一度未来にちっと夢を見てみようと思ってるよ』
そう言い終わって、ギタリストはタバコを吸う。赤く燻っていたタバコの火が、呼吸に合わせて強く光るのを何故だか強烈に覚えている。
6: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 16:29:02.53 ID:eLVc51n90
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そんなこんな過去がありって言うほど前ではないのだが、あたしはそれからずっとオーナーにレッスンを受けている。オーナーはその間も定期的にライブを開き、インディーズでCDも出していた。
ヒットチャートには程遠い売り上げだが、あたしのとびきり好きな1枚だ。売れセンとは違う、ただ自分の存在証明のようなエゴの塊のような音が、なぜだかあたしには心地よかった。
きっとオーナーは近い将来に、またTVの向こうに帰って行ってしまうと思う。だからあたしはその日が来るまで、今のうちに教えてもらえるものを全部教えてもらうつもりだ。
7: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 16:30:22.45 ID:eLVc51n90
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オーナーの指導もあり、あたしはメキメキと実力をつけてきた。はじめはスゲースゲーとどのバンドにも無条件で手を叩いていた両手も、今は他のバンドの演奏を聴きながら『あたしならもっとうまく弾ける』とエアギターをつま弾いている。
あー、あたしも早くステージ立ちてぇなぁ。でも、一人でやるには何もかもが足りなさすぎる。バンドを組めばいいのだろうが、残念ながらあたしの知り合いにはそんな奴はいない。そもそもダチっていうか知り合いが少な...ウン、ゴホンゴホン。
どっかのバンドに入ろうかとメンバー募集のビラを見てみても、あたしの心をワクワクさせるバンドはそこにはなかった。あたしの胸の奥で燃える炎は、行くあてもないままグルグル回り続けるだけだった。このままではその炎が、あたし自身の身体を焼き尽くしかねない。
炎に焦がされて胸の中に溜まった灰を吐き出すようにプハーっとでかい溜息をつくと、目の前のオーナーがいつもの様子でカカッと笑う。
オーナー「あー、若者が溜め息だと?生意気だねぇ。幸せが逃げんぞ?やめとけやめとけ」
ジュリア「はっ、そのナリで幸せを語るとかシンコーシューキョーの勧誘みたいでゾッとするね」
オーナー「ばーか。俺はいつも愛と平和を歌ってんぞ?ラブアンドピースアンドロックンロールさ」
ジュリア「『クソッタレ』って言葉が20回も出る曲作っておいてよく言うよ...」
このおっさんはプロポーズのときも『クソッタレ』って言ったのかな?だとすると奥さんの顔が見てみたいぜ。オーナーの左手の薬指に光る指輪を見て、あたしはぼんやりとそんなことを思った。
8: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 16:31:26.53 ID:eLVc51n90
そんな呆けているあたしに向かって、オーナーは問いかける。
オーナー「退屈か?レッスンだけの毎日は?」
ジュリア「あぁ。吐き気がするってほどでもないけどよ、もうどこに行くでもない空気中に散っていくだけの音を出すのにも飽きてきた頃だ」
ジュリア「早くあたしもステージの上に立って、客にガンガン音を叩きつけたいって気持ちが止まらねぇんだ」
あたしはオーナーの目をまっすぐ見て答えた。あたしの答えを受け取ったオーナーはニヤリと笑い、何かのバラエティーショーの司会のようなテンションであたしに告げた。
オーナー「オーケーオーケー!そんな走り出したいけど走り出せない青い春真っ只中の、尻の青いジュリアちゃんにいい話があります!」
あたしはその変なテンションについていけず、黙ってオーナーの次の言葉を待った...ん?
ジュリア「だだだだだからもういい歳なんだからそんなこと言うのやめろ!!」
オーナー「おいおい、せっかくおまえにいい話があるからおじさん無理してテンション上げてんのに、邪魔すんなよ」
ブーっとクソ可愛くもないオコダヨーのサインを出すオーナー。
ジュリア「.....うるせー///」
もうやだこのおっさん...。
9: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 16:32:58.34 ID:eLVc51n90
オーナー「んで話を戻すとよ。お前に紹介したいバンドがあんだよ」
ジュリア「へ?バンド?」
紛れもなくそれはあたしにとって最高の話だった。飛び上がって喜びたい衝動に駆られたが、またオーナーにからかわれそうなのでクールを装う。
ジュリア「で、どんなバンドなんだ?」
オーナー「まぁまぁウキウキしちゃって。この前、ウチのフェスで優勝したバンドわかるか?」
ジュリア「あぁ、あの男3人のバンドだろ?ギターとベースとドラムの」
確か大学生くらいの奴らがやってたバンドだ。優勝するだけあって、メチャメチャレベルが高かったのを覚えている。まぁ、耳馴染みの良いメロディーと万人向けの歌詞は、あたしには合わないと思ったけれど。
オーナー「あぁ、そのバンドがギター1人増やしたいって言っててさ、本気でプロになるにはもうひとつピースが足りないんだとよ」
オーナー「んで、俺に誰か紹介してくれって来たわけよ。そこで、お前を紹介しようと思う。今俺の知ってるフリーの奴らの中では、お前が一番根性ありそうだからよ」
あぁ、サイコーだ!今でもメチャメチャ上手い奴らが、さらに上を目指そうとしている。そういうハングリーさが、あたしが求めて止まないものなんだ。
願ってもない話だが、ひとつ引っかかるとこがある。きっと撒き餌な気もするが、仕方がないのであえて聞いてみる。
ジュリア「そこは一番上手いから紹介してくれるんじゃねぇのかよ?」
オーナー「自惚れんな。まだまだ上には上がいるんだよ。技術面ならお前は中の中だ。プロっつうのはそのくらいスゲェんだよ」
あぁ、やっぱり撒き餌だった。釣られた先には案の定、オセッキョーが待っていた。だが、そうだなと納得する。あたしはきっと、このライブハウスしか知らない井の中の蛙なんだろう。んじゃやっぱり早く大海に出て、そのスゲェ奴らとやりあってみたい。
オーナー「それだよ。その突っ走ることしか考えてねぇ、ギラギラした目。それがお前の一番大事なもんだ」
急に開けたあたしの先の世界に高鳴った心臓が止まらなくて、その日は一睡もせず夜通しギターをかき鳴らしていた。
10: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 16:34:55.18 ID:eLVc51n90
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『お前を紹介すると決めたが、まだお前にはあいつらに大手を振って紹介するには技術が足りねー』
そう言ってオーナーは紹介先のバンドに1ヶ月の猶予を貰ってきた。そこまでにあたしをそのレベルまで引き上げるとのことだ。
1ヶ月といったら、相当な時間だ。キョーカショは随分進んじまうし、背が伸びる奴は2,3cmはデカくなっちまう。それだけの時間を用意したってことは、全然あたしの技術は足りていないんだと思う。あたしは少しでも時間を無駄にしないよう、昼休みの僅かな時間も屋上でレッスンに費やしていた。
とある日、屋上の隅っこに腰掛けてギターをかき鳴らしていると、進路指導のセンセイがふらっと現れた。このセンセイと会うといつも小言を言われてしまうので、条件反射でギロッとセンセイを睨んでしまう。そんなあたしの視線を受け取ったセンセイは、争う気はないと柔らかく両手を上げてあたしの2m横に座る。
先生「どうした?練習続けろ?」
隣のあたしに目を向けず、真っ直ぐ前を向いてセンセイはボソッと呟いた。オセッキョーが飛んでこないことに拍子抜けしながらも、オコトバどおりあたしは練習を続ける。ガンガンにギターを弾いてると、センセイがあたしに向けるでもなく、ふわっと言葉を発する。
先生「俺もな、昔はプロ野球選手になりたかったんだ。甲子園でも投げたし、スカウトも見に来てくれたんだよ」
コーシエン?あぁ、あの高校野球ってやつの聖地だっけか?スゲェじゃねぇか。そんなとこでプレイできるのは一握りの人間だけなんだろ?あたしに向けて話しかけているわけでもないので、心のうちだけでセンセイに相槌をうっておく。
先生「でもな、上には上がいた。ひとつ階段を登るたびに俺はどんどん普通になっていって、自分の限界を知ったんだ。そしてプロを諦めた」
そうかい?奇遇だな。あたしもついこの前同じようなことを言われたよ。だから今こうして、一分一秒でも無駄にしないようにギターを鳴らしてるんだ。
先生「ずっと勉強はきちんとやってたからな。こうして教員になって、今ここにいる」
そうかい、それは大した人だ。茶化してるわけじゃない。プロ寸前まで野球で頑張って、きちんと勉強もして立派に先生になってるんだ。並大抵の努力じゃないと思うよ。
先生「だからな、俺はお前のことが心配なんだ。今は夢だけ見てればいいのかもしれないが、いずれ壁にぶち当たる可能性の方がずっと高い」
そうだな。そうだろうな。あたしの尊敬するギタリストはいつしかプロの世界を去っていて、今じゃ小さなライブハウスで中坊にギターを教えてるよ。
先生「夢を追いながら現実を見ることもできる。まだそういう歳だ。無理に道を狭める必要ない」
一方的にそう言って、センセイは屋上を後にした。あたしはずっとギターを鳴らし続けていた。センセイを誤解してたかもな。キチンとセンセイは大人で、子供にかけるべき言葉をかけてあげられて、子供に与えるべき心配りができる人だった。
だけど、悪いなセンセイ。やっぱりアンタの言葉は今のあたしにとってはただの雑音だ。開けた未来を曇らせる、モヤモヤした霧みたいなもんだ。壁に当たったならぶち壊せばいい。ゲンジツに目を向けてる暇があれば、その分全力で夢を見ればいい。道なき道は自分で作るもんだ。今のあたしには、そうとしか思えねぇ。
11: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 16:36:45.83 ID:eLVc51n90
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猛レッンスの甲斐あってか、3週間経った時点であたしはオーナーからオッケーをもらえた。オーナーは『さっすが俺、1週間早く仕上げるなんて俺の指導の賜物だな』なんて言ってウザいドヤ顔を見せていたが、まぁ確かにオーナーはそれだけ気合い入れてレッスンしてくれた。
ジュリア「えーっと、オーナーから教えて貰ったレッスンスタジオは...ここか」
あたしは少し繁華街から外れた雑居ビルの前で、スマホのマップを何度も見返す。何回も迷ってしまって、早めに家を出たのに時間ギリギリになっちまった。決してあたしが方向音痴なわけじゃない。音痴なんて縁起でもねえしな。あのおっさんが、テキトーな手書きの地図とスタジオの名前しか教えてくれなかったからだ。
腹いせにオーナー自作の地図をクシャクシャに丸めて、近くのコンビニのゴミ箱に叩きつけてからお目当のスタジオへの階段を上がっていく。スタジオのあるフロアに近づくにつれて、バンドの演奏の音がどんどん大きくなっていく。相変わらず耳馴染みの良い、わかりやすいメロディーだ。その早いビートの演奏音に呼応するように、あたしの胸の鼓動も高鳴っていくのを感じる。
ジュリア「おはよーございます」
ノックをして重いドアを開くと、鳴り響いていた演奏の音が止んだ。3人の男の視線があたしに集まる。3人ともロッカーというよりは、アイドルみたいな爽やかさと清潔感のある奴らだった。
あのおっさんとはえらい違いだななんてぼんやり考えていると、ギタリストの男がニッコリと笑顔を作ってあたしを迎えてくれた。
ギタリスト「君がオーナーの紹介してくれたジュリアちゃん?よろしく!」
ギタリストはそういって右手をすっと差し出す。あたしは右手でその手をガシッと掴んで、改めて挨拶をする。
ジュリア「あぁ、あたしがジュリアだよ。よろしくな」
ギタリスト「オーナーから聞いてたけど、やっぱり若いんだな。俺らより、6つか7つくらい下になるのか」
ということは、こいつらは20歳くらいか。きっと、あのライブハウスのフェスに出た中でもかなり年齢は若い方だろう。それで優勝しちまうんだから、ものすごい奴らだって改めて思う。
ジュリア「中坊だよ。まだガキかも知れねぇけど、ギターはオーナーに仕込まれたからなかなかのもんだと思うぜ」
ギタリスト「あぁ、あのオーナーの推薦なら間違いはなさそうだ。期待してるよ」
余裕を含んではいるが、嫌味のない笑顔。きっと、自分たちの腕に自信があるからこんなに余裕なんだろう。まぁ、それに似合うだけの実力があるし、ポーズだけの奴らとは違うな。
ジュリア「まぁ、たくさん言葉を並べるよりも聞いて貰った方が早いと思う。とりあえず、1曲弾いてみようか?」
よいしょっと背負っていた相棒を下ろし、カバーから解放してやる。ストラップを肩にかけると、いつものあたし達の距離で安心する。
ギタリスト「そうだね。適当に何か弾いてみてよ。僕たちもそれに合わせるからさ」
そうやって、オーナー以外の奴らとの初めてのセッションが始まった。
12: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 16:38:11.65 ID:eLVc51n90
あたしが音を奏でる。ドラムとベースがそれに合わせてリズムを刻んで、もう1つのギターがそのリズムを頼りに音を重ねる。
4つの音がピタッと調和する。少しあたしのリズムが走ると、他の音がそれにスッと合わせてくれて、そして元のリズムに導いてくれる。
1つのギターだけじゃ出せない音の膨らみ。たくさんの音と音が重なるだけでこんなにテンション上がるなんて知らなかった。
相棒が普段よりもいい音を奏でている気がする。ひとりでただ喋ってばっかだった相棒が、他の仲間と会話を楽しんでいるようだ。
スゲェスゲェ!これがバンド!これが誰かと一緒にやる音楽!新しい世界に興奮してばかりの5分間は、あっという間に終わってしまった。
しかしどうやら興奮してたのはあたしだけのようで、3人は何か苦い顔でアイコンタクトをとっていた。
おいおいまさかあたしの腕が不十分てことはねぇよな。自分で言うのもなんだけど、さっきの演奏は良く出来た方だったぜ。なんてあたしらしくもないネガティブな言葉を頭の中で巡らせていると、ギタリストがさっきのニコニコ顔を作ってあたしに問いかける。
ギタリスト「ジュリアちゃん?誰かときちんとセッションしたことある?」
『あぁあるよ、オーナーと二人でやったさ』と答えようとして言葉を止める。こいつらと音を合わせてみてはっきりとわかった。あたしとオーナーはセッションをしてたんじゃない。あたしたちは、ただ二人で向かい合って好き勝手に音を鳴らしあっていただけだった。
ジュリア「まともなセッションはしたことない。今のが初めてさ」
どうりでと納得いったようなギタリストの顔。続いて、少し申し訳なさそうな顔を作って言う。
ギタリスト「ジュリアちゃんのギターの腕は確かにスゴイよ。でも、少しエゴが強すぎる。俺たちはバンドなんだから、きちんと俺らの音を聞いて合わせて欲しい」
振り返ると確かにさっきのセッションは奴らが全力であたしをおもてなししてくれた結果、音があっていただけのような気がする。
ジュリア「わかった。合わせてみるから、もう一回やってくれ」
13: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 16:39:24.76 ID:eLVc51n90
ジュリア「...もう一回!もう一回だ!」
そこから2時間はたっただろうか。ぶっ通しでセッションし続けたが、全く上手くいく気配すらみえない。うちの相棒は、こいつら3つの音の会話に入るタイミングを逃し続けて、無様に浮いた独り言を喋り続けてた。両膝に手をついて、肩で息をするあたしにギタリストは優しく告げる。
ギタリスト「ジュリアちゃん、ゴメンね。俺たち、メジャーデビュー手前まで来てるんだ。だから、」
『だから』の先の言葉は簡単に想像できた。悔しさと腹ただしさで、頭がカーッと熱くなる。デビュー手前のバンドが、音も合わせられない素人に付き合ってる暇はない。そんなことはわかるさ。あたしが同じ立場だったら絶対にそうする。けど、リクツじゃない感情が溢れ出て止まらない。
ギタリスト「ジュリアちゃんの腕なら他のバンドでも引く手数多だと思うよ。だから、」
また『だから』で言葉を濁す。あぁ遠慮されるよりも、『帰れ』って言ってくれた方がスッキリするぜ。『万が一でもお前の居場所はここにはない。お前には足りないことだらけだ』ってことを、言葉で投げつけてくれた方が楽だ。そしたらあたしの怒りのいくらかを、お前らにぶつけることができるからな。
ジュリア「...わかったよ。あんたらの練習時間を無駄にして悪かった...」
そう言って相棒をケースにしまいこんで、肩に担ぐ。何故だかいつもよりも、その重さがズシッと響いた。
ギタリスト「こちらこそ頑張ってくれたのに申し訳ない。オーナーによろしく伝えてくれ」
そう言って、最後まで奴らは好青年で爽やかだった。
14: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 16:40:14.32 ID:eLVc51n90
何が『申し訳ない』のか、あたしには分からない。下手くそに夢みさせたことか?下手くそに下手って遠回しに伝えたことか?
チクショウ...頭の中がぐちゃぐちゃで仕方がない。自分の実力が足りないのが悔しくて、それで同情されるように優しい言葉をかけられたのも悔しくて、何度リトライしても結局満足のいくセッションができなかったことにイラついて、あんなにガンガンに練習したのにそれがほんの数時間で無駄になってしまって悲しくて、とにかくこんな惨めな感情たちがあたしの中にあるなんて知らなかった。
今のあたしには濁流のように流れてくる強烈な感情を受け止めきれない。だから、それをエンジンに変えてやるしかなかった。唇を噛み締めて、心の中で叫び続けるしかなかった。
ふざけけるな!チクショウ!絶対に上手くなってやる!!今よりもっと上手くなってやる!!!
15: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 16:41:34.24 ID:eLVc51n90
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次の日のジュギョー中。念仏みたいに教科書を読み上げるセンセーの声を聞き流しながら、窓の外をポケーと眺める。昨日までは晴れの日が続いたのに、打って変わって今日はサイテーの天気だ。雨も降らず、ただただどんよりした曇り空。ジメジメ粘り着く湿気が、あたしの気持ちを尚更重くさせた。
あの進路指導のセンセーも、こんな気持ちがずっと続いてたのかもな。粘り着いた嫌な気持ちを振りほどけないまま、ドロドロの泥沼に沈んでいったのかもしれない。
気持ちのスイッチを入れ替えるように、小さくため息を1つつく。あたしが考えるべきはそういうことじゃない。もっと大事なことを考えないといけない。昨日のことオーナーに何て言おうか?ガンガンに力を入れて仕上げたのにもかかわらず、1日ももたずにクビになりましたなんてどんな言葉で伝えればいいのだろう?
頭のなかでたくさんの言葉をグルグルめぐらせる。『わりぃ!クビになった!』なんて軽々しくは言えないし、『ダメでした!本当に申し訳ございません!』なんて重々しく言うのもなんだか違う気がする。
うああああああああ思い浮かばねぇ!クソつまんねぇ外国の昔の物語よりも、こういう時の対処法を教えてくれよセンセーなんて心の中で毒づいていると、それに気がついたのかセンセーに頭のてっぺんをキョーカショでバシンと叩かれた。チクショウ...悪いことは重なるな...。
16: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 16:43:43.28 ID:eLVc51n90
いつものようにライブハウスに向かう足取りは重かった。こんなにライブハウスまでの道が遠いと思ったのは初めてだ。到着した後も、ドアを開けるのは少しためらわれる。『いっせーので開けるぞ!』っていうカクゴはもう10回目だ。そんな不甲斐ない自分をまた嫌悪し始めていると、後ろから声がした。
オーナー「あのさ、早くどいてくれねぇか?入れねーんだけど?」
ジュリア「おわああああああああああああ!!!!!」
不意のオーナーの登場に驚く。急にでてくんじゃねぇよ、心臓口から出るかと思っただろ。
オーナー「そんなにビックリすんなよ、こっちまでビビんだろ?ほら、とっとと入れ入れ」
あたしの事情を知ってか知らずか、オーナーはいつも通りのテンションだった。そんなオーナーを見て少しホッとしたあたしは、言葉通り重い扉を思いっきり押してライブハウスの中に入る。
オーナー「んで、ダメだったか?」
中に入るや否や、いきなりオーナーは話の本題ど真ん中を突いてきた。
なんだよこのおっさんホントデリカシーねぇな、なんていつもは毒づくのだろうが、生憎今のあたしはそんな軽口を叩けるほどゴキゲンじゃねぇ。弱ってるからこそわかるよ。これはおっさんなりの優しさなんだろうな。
ジュリア「あぁ、優しく丁寧に追い返されたよ。腕は確かだが、バンドでやるには足りないものが多すぎるみたいだ」
ど真ん中を突いてきたので、こちらもストレートな言葉を返す。オーナーは少し苦い顔をした後、ふーっと大きく息を吸い天井を見上げてぷはーっと息を吐く。
オーナー「まぁ、バンドメンバーなんてもんは巡り合わせさ。1人1人くるくるまわりまわって、グニャグニャ形を変えながら続いてくもんさ」
そう言ってどこか遠くを見つめるようなオーナー。その言葉はあたしに向けられているのか向けていないのか、表情からは読み取れなかった。だから、あたしはその言葉を強引に受け取る。
オーナー「俺もここまでたくさんのバンドを組んだよ。長く続いたものもあれば、1日で解散しちまったバンドもある」
オーナー「いろんな奴がいろんな思いで音楽やってんだ。それにキョロキョロ振り回されたら、何もできなくなっちまう。お前はお前の信じることをやればいい」
オーナーは変わらず天井を見上げたまま、視線は遠くを見つめたまま。えらく飛び飛びの言葉だなと思いながら、その言葉の裏にある気持ちに目を向けて意味を繋げる。一言で言えば、壁をぶち壊せってことなんだと、とりあえずあたしの中の答えを作る。
あぁ、そうだな。過ぎちまったことに足をとらわれちまっても、それを無理やり引きずりながら進むしかねぇな。ありがとよ、少しだけ気分が晴れた気がするぜ。
少しの静寂が流れる。オーナーは目の前のあたしに顔を向き直し、すっかりいつもの腹の立つ笑顔をキメて言った。
オーナー「とりあえずは1人でやってみな。2、3曲いいのができたらステージにあげてやるからよ」
17: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 16:44:31.10 ID:eLVc51n90
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その日から3週間。あたしはひたすらにノートとにらめっこしていた。自分で曲を作るのがこんなに大変だとは思わなかった。どのバンドもよくあんなたくさんのオリジナル曲作ってんな。
オーナーに作曲のコツを聞いたら『クソと一緒だ。溜まったら勝手に出てくらぁ』なんて最低なことを言っていた。あたしはあいつのクソを聞いて憧れちまったと思うと泣きたくなったので、この言葉は早く記憶から消えてほしい。
1つ1つコードを並べ、ギターを弾いてみて音の連なりを確かめる。納得いくまで壊して繋いでを何度も繰り返して、ようやく納得できる曲を作ることができた。
試しに通して弾いてみる。明らかに他の曲をやっている時とは違う。1つ1つのコードを繋げた思いを知っている分、相棒がいい声で叫んでくれる。相棒の叫び声は、あたしが求めるもの100%とは言えないが、間違いなく今のあたしの全力を声に乗っけたものだった。よし!これなら十分だ。
18: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 16:45:35.72 ID:eLVc51n90
翌日、あたしは足取り軽くライブハウスに向かう。曲を作り始めてからずっと顔を出してなかったから、なんだか久しぶりなような気がする。この角を曲がればライブハウスに着く。小走りで角を曲がったあたしの目に飛び込んで来たのは、でかいトラックに荷物を積み込むオーナーの後ろ姿だった。
ジュリア「よぉ、どうしたオーナー?機材の入れ替えでもしてんのか?」
ビクッと漫画みたいなオーバーリアクションをするおっさん。振り向いてあたしの顔を見ると、グニャッと嫌そうな表情になる。
オーナー「よっ...よぉ、どした?」
蚊がプーンと飛んでるようなへにゃへにゃの情けない声。おいおいどうしたんだ、明らかに様子がおかしすぎるぜ。夜逃げしてる現場を見つかったみたいな感じじゃねぇか。
こっちはいい曲が作れたんでウキウキなんだ。こんないい日に辛気臭くしてんなよ、テンション下がっちまうだろ、という気持ちを少し乗せてオーナーに答える。
ジュリア「どうしたじゃねぇよ。曲ができたんだ!機材の入れ替えが終わったら聞いてくれよ」
オーナー「お...おう...丁度いいから、今から聞いてやるよ。入りな」
やっぱりオーナーはどこかぎこちない様子で、あたしをライブハウスの中に入るように促す。なにがあったか知らないけどよ、せっかくの初めての曲なんだからもうちょっと喜んで聞いてくれよ、なんて心の中で毒づきながら、オーナーの後に続いてライブハウスに入った。
19: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 16:47:32.88 ID:eLVc51n90
ジュリア「へへっ、どうだ?」
一曲弾き終えてオーナーに尋ねる。自分で言うのもなんだけどよ、今のはスゲー良かったと思う。あたしも相棒も、叫びたいことがすんなり気持ちよく叫べた感じ。
しかし、オーナーは曲を聴き始めたときから顔の筋肉をひとつも動かさずに、あたしじゃないどこか遠くを見つめていた。
30秒かそこいらの沈黙。一向にオーナーは答える気配がないので、もう一度聞くついでにさっきからジメジメまとわりつくこの嫌な雰囲気についても聞いてみる。
ジュリア「なぁ、一体どうしたんだ?今日のあんた変だぜ。魂がすーっと抜けちまったようだ...で、あたしの曲どうだった?」
オーナーはひとつ大きため息をつき、何かを決心したように一度うなづき、あたしに言った。
オーナー「あぁ、いい曲だ。でも、そんな曲作るんじゃねぇ」
は?オーナーが言った言葉の意味が意味がわからない。いい曲なら良いんじゃねぇのか?なんで作っちゃダメなんだ?
ジュリア「おいおいオーナー、意味がわからないよ。もう少しわかりやすく説明してもらっていいか?」
オーナーは苦い顔をした。喉に引っかかった何かを無理やり出そうとするように力一杯に顔を歪ませて、その表情とは反対に消えてしまいそうな声で言った。
オーナー「おまえの歌はいい歌だ。おまえの叫びがズシンと俺の心に響いて来たよ。でもダメなんだ、それじゃダメなんだよ」
オーナー「おまえの叫びたいことをただ叫んでただけじゃ、この小さなライブハウスでしか通じねぇ。もっともっと上に行くには、それじゃダメなんだ」
オーナー「音楽ってのは商品なんだ。おまえの自分勝手な叫びは、100万人の心には響かねぇんだよ...」
最後の方はもう声になっていなかった。必死に酸素を求めて口をパクパクさせながら、それでもなんとか喉を絞りきって出したような声だった。
おいおい、話が違うぞオーナー。あたしの叫びたいことを歌にして、声高に叫べって教えてくれたのはだれでも無いあんたじゃねぇか?あんた自身が、そういうやり方を否定してどうするんだ?
ジュリア「オーナー?ホントにどうしちまったんだ?あんたはそんなこと言う奴じゃないだろ?叫びこそが音楽だロックだって、あんたずっと言ってたじゃないか?」
そう言ったあたしの疑念を断ち切るように、オーナーは一言あたしに告げる。
オーナー「もうやめてくれ、俺はもうここのオーナーじゃねぇ」
オーナーの言葉は、はっきりとあたしの耳に届いた。だけど頭がその言葉の意味を理解できない。オーナーがオーナーじゃないってどういうことだ?
オーナー「ここのオーナーは他の奴に譲ったよ。俺は綺麗さっぱり音楽から足を洗って、田舎に帰ることにしたんだ」
20: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 16:48:46.30 ID:eLVc51n90
オーナーの言葉にますますあたしの頭は混乱する。音楽をやめるってなんだよ?あんたはずっとTVの中にもう一度帰るために、ずっとずっと叫び続けたんじゃなかったのか?こんな小さいライブハウスから、もう一度広い大空に羽ばたくんじゃなかったのか?
オーナー「限界は前から感じてたんだよ。俺より下手な奴が、世の中のニーズって奴に合わせた曲を作ってドンドンドンドンこのライブハウスを出て行っちまう」
オーナー「自分勝手に叫びたいだけ叫ぶ歌はもう広い世界には響かない。世界は変わっちまったんだ。俺はそれに気がつきながらも、やっぱり自分勝手に叫ぶしかできなかった」
もうあたしの目の前には、あたしの憧れたパンクロッカーはいなかった。目の前にいるのは、変わって行った世界に取り残された一人のおっさんだった。
オーナー「悔しいよ!腹わたが煮えくり返って、頭がパンクしそうだ!でも、俺は生きて行かなきゃいけないんだ!自分勝手に届かない夢を追い続けるには、俺はたくさんのものを背負っちまった」
そう大声で叫んでおっさんは机をドンと叩く。抱えきれない悔しさと怒りを、机に八つ当たりして喚き散らす。
オーナー「だからよ...おまえは俺みたいになるな!上に行くために何をすればいいかキチンと考えて、自分を変えろ!俺の言ったことは全部忘れて、世界に耳を傾けろ!」
グシャグシャに涙を流しながら、まるで懺悔のように祈るようにあたしに叫ぶ。おっさんは何度も机を拳で叩いて、グシャグシャの涙を拭いもせず大声で泣いていた。あたしはただ、その姿を黙って見てることしかできなかった。
21: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 16:49:50.66 ID:eLVc51n90
家に帰り、暗い部屋の中相棒を適当にかき鳴らす。あたしの目の前には、一本の使い古したギターがある。おっさんが『もう俺にはこいつは必要ねぇからな』と言ってあたしに手渡した、長年おっさんと走り続けた相棒だ。
あたしの相棒をそっとベッドに寝かせ、そのおっさんの相棒を手に取る。あちらこちらに傷はあるし、塗装もハゲかかっていた。その傷をなぞりながらあたしはおっさんの叫びを思い出す。
大の男があんなにみっともなく泣き喚くのをみたのは初めてだった。大人はみんな、そういうたくさんのどうしようもないものを上手くやりくりして生きていけるもんだと思っていた。
はたから見ればきっとガキのように夢を見続けて、それに破れて泣き喚いてる惨めな奴に見えるんだろうが、あたしにはそう思えなかった。
おっさんは走り続けたんだ。自分が生きるために全力で走って走って、でもゴールは遠すぎて。この傷は、偉大なパンクロッカーが苦しみもがきながら、全力で生きていた証なんだ。
そっとギターをスタンドに立てかける。あたしがこいつを弾くのには、きっとまだいろんなものが足りていない。
バタンとベッドに仰向けに寝そべる。あたしは隣の相棒に問いかける。
ジュリア「なぁ、あたしはこれからどうすればいいと思う?」
相棒は答えない。あたしの横で黙って寝そべっているだけだった。そりゃそうだな。お前はただあたしの叫びを音として奏でてくれるだけの存在だ。あたしが進む道は、あたしが決めないといけない。
ジュリア「エゴで歌うな。100万人のために歌え...か...」
あたしが辿ってきた道しるべは消え失せて、あたしが進んできた道は閉ざされて、広く荒れ果てた砂漠にポツンと取り残されたようだった。
22: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 16:53:47.77 ID:eLVc51n90
####################
それからいくらかの時間が経った。あたしは中坊を卒業し、パンクロッカーへの道を本格的に歩き始めた。と言ってもデビューしたとかそんなのじゃなくて、朝昼バイトをして夜はストリートで歌を歌うだけの毎日だ。
あの日おっさんが言ったことは、あたしの中でまだ決着がついていない。ぐちゃぐちゃに混ぜ合わさった気持ちが、ぐちゃぐちゃのままだ。それでも、あたしは歩き続けるしかなかった。あの日からたくさんの曲を作ったが、始めの曲より満足する曲はつくれていないけれども。
ストリートで歌ってるとよくわかるよ。100万人に届けるどころか、ただ一人に歌を響かせるだけで難しい。中には足を止めて少し聞いてくれる人もいるが、よくて待ち合わせの暇つぶしのBGMにしかなっていない。
そんな空虚な気持ちを見て見ぬ振りして、いつもの駅前の場所に着いたあたしは相棒をケースから解放し、ストラップを肩にかける。いくらあたしがぐちゃぐちゃでも、やっぱりこの距離に相棒はいてくれる。それだけがあたしに安心をくれた。
あたしは相棒をアンプに繋いで、早速ライブを始める。いつも通りこの街は忙しい。サラリーマンやOLや学生や親子連れが次々とあたしの前を横切る。それぞれに向かうべき場所があり、あたしの歌はその気持ちに少しも入りきれないのだと感じていくらかの無力感を感じる。
それからいくらかの時間が経った。あたしは中坊を卒業し、パンクロッカーへの道を本格的に歩き始めた。と言ってもデビューしたとかそんなのじゃなくて、朝昼バイトをして夜はストリートで歌を歌うだけの毎日だ。
あの日おっさんが言ったことは、あたしの中でまだ決着がついていない。ぐちゃぐちゃに混ぜ合わさった気持ちが、ぐちゃぐちゃのままだ。それでも、あたしは歩き続けるしかなかった。あの日からたくさんの曲を作ったが、始めの曲より満足する曲はつくれていないけれども。
ストリートで歌ってるとよくわかるよ。100万人に届けるどころか、ただ一人に歌を響かせるだけで難しい。中には足を止めて少し聞いてくれる人もいるが、よくて待ち合わせの暇つぶしのBGMにしかなっていない。
そんな空虚な気持ちを見て見ぬ振りして、いつもの駅前の場所に着いたあたしは相棒をケースから解放し、ストラップを肩にかける。いくらあたしがぐちゃぐちゃでも、やっぱりこの距離に相棒はいてくれる。それだけがあたしに安心をくれた。
あたしは相棒をアンプに繋いで、早速ライブを始める。いつも通りこの街は忙しい。サラリーマンやOLや学生や親子連れが次々とあたしの前を横切る。それぞれに向かうべき場所があり、あたしの歌はその気持ちに少しも入りきれないのだと感じていくらかの無力感を感じる。
23: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 16:55:11.40 ID:eLVc51n90
そうやっていつものようにいつもの曲を叫んでると、目の前にひとりこちらを見つめる妙なスーツの男が目についた。その男は一曲目も二曲目も終わっても、変わらない位置で変わらずあたしの演奏を黙って聴いていた。
その男をあたしは不思議に思いながらも、今日歌うだけの歌は歌った。タイムリミットが来て撤収するあたしに、その男は声をかけて来た。
???「あーすみません、少しお時間よろしいですか?」
あたしはその男の声を無視する。時々あるんだこういうナンパ。テキトーに答えてやるといい気になって、プランAみたいな典型的な口説き文句をだらだらいってくるやつ。
でも、次にその男が発した言葉はそんな軟派な奴らとは違った。
???「君は歌手になりたいんだよね?じゃあ、うちの事務所はどう?」
そういって名刺を差し出すスーツの男。765プロ...シアタープロジェクト...なんだそりゃ?
そういえばストリートで音楽をやる前にケーサツから聞いた気がする。ストリートミュージシャンに音楽事務所のフリをして騙すサギに気をつけろって。
でもサギとかどうとかいう前に、あたしは戸惑っていた。もしこれがホンモノの音楽事務所からの誘いだとして、あたしにこれを受ける勇気はあるだろうか?ほんの重箱の隅くらいの小さな迷い。でもあたしにはそんな小さな迷いも一大事だった。
どうして、あたしは迷ってるんだ?
たしかにあたしはぐちゃぐちゃのままだ。おっさんの言葉に決着がついてないままだ。でも、目の前にチャンスかもしれないものが舞い降りて来たんだ。サギかもしんねぇけど、それを確かめることくらいはしてもいいはずだろ。
でも、結局あたしは『サギかもしれない』という迷いを言い訳にして、そういう疑いがあるからこの提案に耳を貸さないと言い訳にして、その男に告げる。
ジュリア「いや、いきなり言われてもワカンねぇから、またの機会にしてくれ」
男は少し考えるそぶりを見せていった、
???「オーケー分かったよ。近いうちにまた来るからじゃあね」
そう言ってあっさり去っていくスーツの男。やっぱりサギじゃなかったのかもな、なんて思うと同時に少しばかりの安堵感が出てきて、そんな安堵感にあたしは吐き気がした。
24: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 16:57:01.68 ID:eLVc51n90
それから次の日の夜、あたしは同じように相棒とともにいつもの場所に来た。周りを警戒するが、昨日の男はいない。また今日あいつは来るかもしれない。
昨日ネットで軽く調べたが、確かにあいつのいう765プロ事務所は実在するらしい。じっくり調べたわけではないけど、何人かがCDデビューしているみたいだから音楽系の事務所なんだろうな。
そこまで証拠は揃って、それで昨日の男がまた目の前に現れたらあたしはどんな反応をするのだろう?それは、あたし自身でさえよく分からなかった。
結論から言うと、昨日の男は来なかった。でも代わりに、左肘を右手でぎゅっと抑えるポーズでずっとあたしの歌をまっすぐにみつめつづける、長髪の華奢な女の子がそこに立っていた。
その女の子のイメージは、薄い透明な青色だ。余りにも実在感がなかったので幽霊かもしれないと思い、1曲が終わった時点でその子に話しかけた。
ジュリア「あーあのさ、熱心にあたしの歌を聞いてくれてたようだったけど、あたしの歌を気に入ってくれたのか?」
あたしの問いかけに、女の子の目は幾分見開かれる。この反応を見ると、どうやら生きてる人間らしい。よかったよかった。
女の子は長いストレートの髪を風になびかせながら、びっくりするほど表情を動かさずに言った。
???「えぇ、あなたの歌。私はいいと思いました」
その褒め言葉とは裏腹に、彼女の表情や声からは少しもポジティブな感情は読み取れなかった。ほんとにいい曲をきいた後で、こんな冷たい態度を取れるやつはいねぇ。女の子は嘘をついてると思い、あたしはもう一度尋ねる。
ジュリア「いや、あんたは本当はあたしの歌はいいとは思っていないだろ?言いたいことがあるなら言ってくれ、それはあたしのためになるかもしれないから」
これは正直な気持ちだった。このジメジメと体にまとわりつく気持ち悪いものを、早くふりほどきたくて仕方がなかった。あたしはなぜだか分からないが、彼女がそのヒントをくれる気がしていた。
結論から言えばそれは正解だった。彼女はクールな顔そのままに、冷たい目であたしをしっかりと見つめていった。
???「そうね。飛び方は知っていてきちんと翼もあるのに、空を恐れて枝にしがみついている鳥。あなたの歌はそんなイメージだった」
ゾクッと背筋が震えた。体温が少し下がった。この女、あたしの歌を一曲聞いただけで、あたしの全てを見透かしてしまったようだった。なんなんだこの女は?
ジュリア「...聞いていいか?あんた何者だ...?」
素直な疑問が口をついて出てきた。彼女は淡々とその問いに答える。
千早「私は如月千早。歌を歌っています」
なるほど、歌手だったか。納得がいった。なら話は早い。走り出す気持ちに従い、あたしは如月千早と名乗った少女の手を握ってお願いした。
ジュリア「聞いて欲しいことがあるんだ!そこのファミレスまで来てくれないか?」
如月千早は視線を別の方に向け、数秒間じーっとそちらを見た後に、一度首を縦に振って肯定のサインを示した。
ここまであたしの気持ちを見透かす凄い奴だ。あたしに何か、1つの助言をくれるかもしれない。藁をつかむ気持ちで、あたしは如月千早の華奢すぎる手を引っ張ってファミレスに向かった。
25: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 16:58:28.14 ID:eLVc51n90
ファミレスであたしは如月千早に今までのことを全部話した。自分勝手に叫び続けるパンクロッカーに憧れて、あたしもそういうやり方に夢をみて走り始めたらそのパンクロッカー自身からそれを否定されたこと。如月千早は頷きもせず、ただ静かにあたしの話を聞いていた。
ジュリア「そんな感じであたしはぐちゃぐちゃになっちまってさ、それをあんたに見透かされたってわけだ」
話し終えたあたしは如月千早の反応を見る。少し眉をひそめて、何か考えているようだった。
ジュリア「前に進むしかないって分かってるし、壁があるならぶち壊せばいいって分かってる。でもさ、前ってどっちだか分かんなくなっちった、って感じだ」
ズズっとアイスコーヒーを啜る。急に冷たいものを口にしたからか、頭がキーンとする。その痛みに顔をしかめていると、如月千早がようやく口を開いた。
千早「ごめんなさい。私には、あなたの気持ちも、そのパンクロッカーの気持ちもわからない」
まぁ、そうだろうさ。あんたはあんたで、あたしはあたしで、おっさんはおっさんだ。あたしはあんたに気持ちを分かって欲しいんじゃない。あんたは今のあたしをどう感じるかが聞きたいんだ。
あたしの心の声に答えるように、如月千早は言葉を続ける。静かな口調で淡々と続けたその言葉は、あたしの心に強烈に届いた。
26: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 16:58:56.93 ID:eLVc51n90
千早「私は100万人のために歌わない。自分1人のために歌う。それでもきっと最高の歌を歌いさえすれば、自ずと100万人は耳を傾けるはず」
27: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 17:00:23.84 ID:eLVc51n90
口角が自然と上がる。笑い声が口から溢れて止まらなくなる。ダメだ、腹まで痛くなってきた。
こいつはネジが飛んでいる。こんなことを真面目な顔で、真っ直ぐな目で、淡々と言ってのけるんだ。こいつは本当にそれを信じている証拠だ。おかしい。ヤベェ。狂ってる。
だが最高だ。これだ。こういう言葉だ。あたしが求めてたのはこういう狂気だ。ただ真っ直ぐにどこまでも伸びる、硬くて強い意志だ。
プスプスと燻っていた火種にガソリンをぶっかけられたみたいに熱くなるのを感じる。メラメラと炎が高く高く燃え上がるのを感じる。
ジュリア「あんたサイコーだ!そうだな!そうだよな!」
そう言って笑い続けるあたしを、如月千早は小首を傾げて不思議そうに眺めていた。
ジュリア「ところで聞いていいか?あんたはどこの事務所で歌ってるんだ?」
こんなクレイジーな奴がいるところだ。あたしはそんなところで音楽をやってみたい。あたしの問いに、如月千早は答える。
千早「私は765プロに所属しているわ」
その言葉を聞いて、また笑いが止まらなくなる。チクショウ!あのスーツ野郎あたしをはめやがったな!こんな偶然、あるわけがねぇだろうが!
だけどわかったよ。こんなにサイコーな気分にしてくれたんだ。あたしはそのオファーを受けてやるよ。あたしは如月千早に右手を差し出して告げた。
ジュリア「サンキュー。これからよろしくな、チハ」
チハはあたしの言葉に驚いたように目を丸くして、少しバツの悪そうに言った。
千早「気づかれたようね。プロデューサーにあなたの歌を聞いてくるよう言われたの。ごめんなさい、騙すつもりはなかったのだけれど...」
オイオイ、謝ることはねぇよ。燻った火にガソリンぶっかけてもう一度燃え上がらせてくれたんだ。むしろ感謝以外の感情はねぇよ。
ジュリア「いや。謝る必要ないよ。ありがとな、あたしはまた突っ走れそうだ」
あたしの言葉を聞くと、チハはあたしの右手をそっと掴んだ。ひんやりと冷たい華奢な小さい手。あまり強く握ると壊れてしまいそうだった。
千早「ところで、チハとは私のことかしら?」
ジュリア「あぁ、これから長い付き合いになりそうだからな。ニックネームだよニックネーム」
千早「なんだか犬のような名前ね。まぁ、なんでも、いいですけれど」
28: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 17:01:14.70 ID:eLVc51n90
チハと別れて、帰り道を歩く。燃えた上がった炎が、ずっと足元にまとわりついていたネバっこいものを焼き切ってくれたようだ。こんなに足取りが軽いのはいつ以来だろう?
スーッと深呼吸をする。まだ少し冷たさを残しつつも、新しい季節の匂いがした。
29: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 17:04:02.44 ID:eLVc51n90
################
次の日の昼、早速あたしはバイトを辞めた。いきなりのことだったから店長にはかなり怒られたけど、進むべき方向が決まったんだ。1秒たりとも無駄にするわけにはいかなかった。
そんなわけで、あたしは765プロ事務所の前にいる。窓ガラスにガムテープで書かれた765という文字。さすがにそのチープさに戸惑いながらも、事務所のドアをノックして開く。
ジュリア「おはようございまーす。すみませーん」
???「はーい。少々お待ちください」
奥の方から大人の女の人の声がした。数秒待つと、緑色の制服を着た女性があたしを迎えてくれる。きっと事務員さんか何かだろうと思った。
事務員さん「はじめまして、えーっと、あなたは牛乳配達屋さん?うち、牛乳はとってなかった気がするんですけど...」
どうやら思いっきり勘違いされてるみたいだ。あたしは勘違いを訂正する。それにしてもなんで牛乳配達屋なんだ?
ジュリア「いや、違うよ。あたしはこの事務所の人に誘われてここを訪ねたんだ」
あのスーツ男のことをチハがなんかいってた気がする...プロ...プロ...プロフェッサー...だっけ?
事務員さん「あぁ!プロデューサーさんが言ってた、新しいアイドル候補ってあなたのことね。待ってたわ、手続きをするから奥のソファーに座って」
あぁ!プロデューサーだプロデューサー!なんて納得する頭の片隅、気味の悪い違和感が浮かび上がる。あれ?この事務員さん、いまなんつった?アイドル?
30: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 17:05:39.74 ID:eLVc51n90
ジュリア「なぁ事務員さん、もう一回聞いていいかい?あたしは何の候補だって?」
事務員さんはあたしの質問が意外みたいな反応をした後、少し間を置いて言う。
事務員さん「あたしは765プロの事務員の音無小鳥です。あのー、もしかして、プロデューサーさんからあんまりこの事務所については聞いてなかったりしちゃう?」
質問に質問を返された。そういえば、プロデューサーもチハもこの事務所については何も言っていなかったな。あたしも気持ちが走りすぎて、質問するの忘れていたけど...。
ジュリア「あたしのことはジュリアって呼んでくれ。この事務所については...残念ながら何も聞いてない」
あたしがそう答えると、小鳥さんはため息を一つついてあたしの質問に答えた。
小鳥「コンプライアンスの問題もあるから、あれほどスカウトの時はきちんと説明をしてくださいって言ったのに...。プロデューサーさんには私から、もう一度しっかり言っておくわ。ここはアイドル事務所で、あなたはアイドル候補生になります」
やっぱりあたしの聞き間違いじゃなかったようだ。アイドル?アイドルってあれか?フリフリの衣装着て、キャピキャピ歌ってる可愛らしい奴らのことか?マジか?あたしとは正反対じゃねえか!!!
あたしがアイドル候補生?あたしが可愛らしいアイドルになるのか?急に恥ずかしくなって、頭がカーッと熱くなる。
ジュリア「アアアアアアアイドルって、あたしが?あたしがか?」
小鳥「そういうことになっちゃうわね。どうする?今から契約の手続きをする必要があるんだけど、もう少し考える時間が欲しい?」
頭がフットーしそうなあたしを心配そうに見る小鳥さん。きっとこの人はいい人なんだろうなと、熱にうなされそうな頭の片隅で思う。
恥ずかしい。あたしがアイドルなんて確かに恥ずかしい。でももう決めちまったんだ、あたしはここで夢に向かって走るんだって。一度決めたことをまっさらにして投げ出すほど、あたしは器用にはできていないんだ。
ジュリア「いや、なんだ、取り乱してすまなかった。いいよ、やってやるよ。この事務所でお世話になります」
そう答えると、小鳥さんはパアッと笑顔になる。心の底から嬉しそうだ。その顔を見ると、少し頭の熱が引いた気がした。
小鳥「ありがとう!あなたみたいなカッコよくてカワイイアイドルがうちに来てくれて嬉しいわ...ピヨピヨピヨグフフフフ」
そう言って小鳥さんはあたしをソファーに座るように促す。あれ?なんか語尾に変な笑いが聞こえたような...?
31: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 17:06:30.24 ID:eLVc51n90
そうして契約を一通り終えた時点で、事務所の入り口が開いて聞いたことのある声がした。
ミリP「ただいま帰りましたー。ふー、疲れた疲れた」
振り返ると、あの日会ったスーツ男の姿があった。小鳥さんが待ってましたと言わんばかりに、スーツ男に詰め寄る。
小鳥「お疲れ様ですプロデューサーさん。ジュリアちゃんが来てくれました。今、一通りの契約が終わりましたよ。うちのアイドル候補生になること、快諾してもらえました」
ミリP「おー、早かったですね。やる気満々みたいで嬉しいです」
ニッコニコのスーツ男に、小鳥さんは苦言をさす。
小鳥「嬉しいですじゃないですよ!プロデューサーさん!あれほどスカウトのときにはきちんと説明をしてくださいって言ったのにピヨピヨピヨピヨ」
すごい勢いでオセッキョーに突入する小鳥さん。全力でまくし立てられるスーツ男は、一通りそれを聞いた後やっぱり笑顔で言った。
ミリP「まぁまぁ、快諾してくれたなら結果オーライということで、ね?」
ウインクして、許してくださいのサインを出すスーツ男。あー、この人全然悪いと思ってねぇな。
小鳥「ね?じゃないですよ、まったくもう!この件、律子さんにも報告しておきますからね」
リツコという名前が出た途端、急に慌てた顔になるスーツ男。
ミリP「ごめんなさいごめんなさい本気で反省しますからそれだけは許してどうかご勘弁を」
どうやら、リツコという名前の人は相当に怖いらしい。あたしもいずれ会うことになるだろうから、名前覚えておこう。
32: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 17:07:25.10 ID:eLVc51n90
そんなこんなやりとりが終わって、あたしの目の前にスーツ男が座る。
ミリP「改めて、うちに来てくれてありがとう!俺は765プロシアタープロジェクト担当のプロデューサーだ」
中肉中背、目立って爽やかでもイケメンでもないフツーの若い男って感じのプロデューサーが改めて挨拶をしてくれた。
ジュリア「あたしはジュリア。まぁ、あたしとしては手違いでここに来るみたいなことになっちまったが、やると決めたらきちんとやるのがあたしのやり方だ。よろしくな」
少しの皮肉を混ぜて、プロデューサーに挨拶を返す。
ミリP「手違いか...言い得て妙だな。まぁ、来てもらったからには、絶対に後悔はさせないから任せて欲しい」
自信満々にあたしの皮肉をかわすプロデューサー。まぁ色々と言いたいことはあるが、信用できない人ではなさそうだ。
ミリP「そうだな。まずは歓迎のしるしと説明不足だったお詫びとして、来て欲しいところがある。時間はある?」
ジュリア「あぁ、構わないよ。どこに連れてってくれるんだ」
こっちはバイトを辞めてきたばっかだ。時間はある。でも、無駄にできる時間はないから、そこんとこはきちんと分かってくれよな。
ミリP「オッケー。早速出ようか。今から出れば、少し余裕を持って着くはずだ」
33: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 17:09:25.40 ID:eLVc51n90
車を少し走らせて着いた先は、小さなライブハウスだった。ちょうどおっさんがやってたくらいのやつだ。どうしてこんなとこにと疑問に思っていると、入口のチラシを見て察した。
チラシの片隅にはチハの名前があった。そうか、チハの歌を聴かせたいためにプロデューサーはここまであたしを連れてきたんだな。
ジュリア「今日、チハがライブすんのか?」
ミリP「いや、正確には千早のライブじゃない。千早は前座だ。歌うのも2曲くらいだよ」
なるほど、チハもまだまだ駆け出しってことか。まぁ、なんでもいいぜ。チハの歌が聞けりゃ。あんなことを言ってのけるやつなんだ。絶対にスゲェに決まってる。
あたしたちは控え室に行ったが、そこにチハはいなかった。まぁ、狭い部屋に今日の演者が全員詰め込まれてるみたいだったので、居づらかったんだろう。あいつ、コミュ力なさそうだしな。
少しばかりプロデューサーと手分けして探すと、暗くて狭い機材置き場の奥で声出しをしているチハを見つけた。
ジュリア「チハ、そこにいるのか?」
あたしが声をかけると、声出しが止んで返事が返ってきた。
千早「...その声と呼び方は、ジュリア?」
チハが奥からあたしの方に顔を出す。相変わらずの無表情。歌う前だというのに、えらい落ち着きようだ。
ジュリア「悪いな、準備の邪魔しちまって。あー、早速765プロでお世話になることにしたんだよ。今日はプロデューサーがチハの歌を聴かせいたいって連れて来てくれた」
がーっとここに来た経緯を説明する。準備の時間を取っちまっても悪いし、よくよく考えればチハと二人で何を話せばいいかよくわからない。
千早「そう。私のライブではないからこういう言い方はおかしいけれど、楽しんで行ってね」
そう言った千早の声は、言葉とは裏腹にポジティブな音には聞こえなかった。
34: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 17:11:17.91 ID:eLVc51n90
あたしとプロデューサーは、フロアの最後列に移動した。騒ぎに来たわけじゃないから、モッシュやらに巻き込まれるのは勘弁だからな。
スデージでは前座のバンドが演奏をしている。あまり大きな口は叩きたくないけども、まぁ前座にふさわしい演奏だった。あのおっさんなら間違いなくスデージに上げないな、なんて思いつつも客に目を向けるとそれなりに演奏を楽しんでいるようだった。
そして、そのバンドが下がってチハの順番がやってきた。やっぱりの無表情。これから謝罪会見でもするような暗い雰囲気。おいおい、ライブなんだからも少しテンション上げようぜ。
イントロが流れ、チハが大きく息を吸ったのち、歌を歌い始める。その瞬間、あたしは息を飲んだ。さっきまでフロアに漂っていたぬるいハイテンションが嘘のようにかき消えて、冷たい空気に変わっていた。
いや、空気が変わったはまだ表現がぬるいや。世界がまるごと変わってしまったような気さえ感じる。この空間、この時間が全部、チハの歌に根こそぎ奪われてしまったような感覚。
スゲェ!やっぱりスゲェよチハは!と感心すると同時に、フロアの異様な空気に驚く。さっきまでステージに目を向けてノッていた客がステージに見向きもしない。中には、アクビをしてスマホをいじり始める奴までいる。
信じられなかった。あのぬるいバンドにはそれなりにノッていた奴らが、この歌を聞き流して暇している。あぁ、あのパンクロッカーが言っていたのはこういうことだったんだ。
曲はサビに差し掛かり、チハの音圧が一層増す。チハの叫びが一層強くなる。チハの歌はスゲェ、確かにスゲェ。圧倒的だ。だけど、あのパンクロッカーの叫びにあった胸を強烈に打つインパクトはチハにはなかった。
高まったチハの叫びは血を流し続ける流血ショーに見えた。ダラダラと流し続ける血を拭おうとも隠そうともせずに、ありのままさらけ出している。あたしはだんだんチハのステージを直視できなくなっていた。
そして冷静な頭の部分で考える。きっとチハには何か決定的なものが足りていない。100万人が自ずと耳を傾ける歌声にたどりつくために、決定的な何かが欠けている。でも、それが何だかあたしには分からなかった。
35: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 17:12:23.12 ID:eLVc51n90
やがてチハのステージが終わって、メインのバンドに演奏が移る。待ってましたと熱狂するフロアの前方と、あたしたちのテンションにはひどく大きな差があった。これ以上ここにいても無駄だとプロデューサーに目線で合図して、あたしたちはフロアを後にする。
プロデューサーは挨拶がてらチハを迎えに行き、あたしは会社の車の助手席でプロデューサーを待つ。ギターのレッスンができるくらいの長い時間待たされたが、あたしは相棒を鳴らす気にはならなかった。
通行人を観察するのにもすっかり飽きてしまった頃、ようやくプロデューサーが一人で戻ってきた。
ミリP「悪い悪い、いやーライブハウスのオーナーがテンション高い人でさ。ずっと熱いロック談義を聞かされてたよ」
そう言ってシートベルトをして車にエンジンをかけるプロデューサー。あれ?なんか足りないぞ?あたしは不思議に思ってプロデューサーに聞く。
ジュリア「あれ?チハはどうした?」
プロデューサーはアクセルを踏んで、ハンドルを動かしながら答える。
ミリP「あぁ、千早は電車で直帰するってよ」
ライブ後に打ち上げも何もせずに帰るのは、確かにあいつらしいななんてぼんやり思った。
36: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 17:13:10.31 ID:eLVc51n90
ミリP「で、どうだった?千早の歌は」
唐突に問いかけるプロデューサー。あたしは正直な感想をそのまま返した。
ジュリア「スゲェと思ったよ。圧倒的に上手かったし、チハの時だけライブハウスが別世界みたいだった」
目線は車の前方にやり、あたしの言葉を黙って聞くプロデューサー。
ジュリア「だが、ワクワクしなかった。指が相棒のギターを探さなかった。別世界に連れてってもらったというより、連れて行かれてしまったみたいな感じかな」
プロデューサーはあたしの言葉を聞き、ニヤッと口角を上げる。なんだ?あたしは別に面白いこと言わなかったぞ。
プロデューサーはニヤニヤ笑ったまま、それ以上は何も言葉を続けなかった。でもプロデューサーは一人でニヤニヤ笑い続けていて、薄気味悪い企みをしてそうだなんてあたしは考えていた。
37: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 17:14:31.48 ID:eLVc51n90
################
そして翌日、昨日車の中で考えていたあたしの予感は的中した。事務所に顔出すや否や、ドヤ顔でプロデューサーはあたしに言った。
ミリP「ジュリア!今日からお前は千早とユニットを組んでもらう!」
それは予想もつかない言葉だった。あまりに驚いてぽかーんとしてるあたしに熱弁を続けるプロデューサー。
ミリP「孤高の歌姫に孤高のパンクロッカー。アイドルと言うには少しベクトルの違うユニットだけど、その反作用がどう働くか見てみたいんだ!」
おいおいマジか。ユニットなんてそんな軽く言ってできるもんじゃねぇぞ。誰かと音を作る難しさは、あたしは痛いほど味合わされたんだ。一緒に音楽を一から作っていける奴ならともかくよ、あんなユニットに向いてなさそうな化け物と一緒に音楽なんて作れるのか?
ぐるぐると回る思考。別に逃げてるわけじゃない。化け物に怖気づいちまってるわけじゃない。あたしは突っ走る道が拓けて、そこを走ってやろうと決めたんだ。プロデューサーが敷こうとしている道が、そこに繋がってるかどうかあたしは判断しかねていた。
ミリP「俺のゴーストが囁くんだ。おまえらは絶対に良いユニットになるって。だからどうだ?騙されたと思ってやってみないか?」
ゴースト...?プロデューサーの言ってる意味はよくわからなかったが、あたしはこいつに一杯食わされてここにいるんだ。オーケー、ならもう一度話にのってみるのもいいかもしれない。
ジュリア「わかったよ。そこまで言うならやってやる。もう一度、騙されてやろうじゃねぇか」
あたしの『騙される』って言葉に小鳥さんがピクッと反応する。ジトーっとした目でプロデューサーを見る小鳥さん。あぁ、違うよ今のは売り言葉に買い言葉ってヤツで、ってなぜかあたしがあたふたして、プロデューサーは子供みたいな無邪気な笑顔で喜んでいた。
38: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 17:16:09.57 ID:eLVc51n90
そして学校を終えたチハが事務所に訪れる。プロデューサーは同じドヤ顔でチハにユニットの説明をして、チハは驚いた風に2マイクロメートルくらい顔の筋肉を動かした後、すんなりユニット結成を承諾した。
すぐにあたしたちはスタジオに移り、ユニットとしての初めてのレッスンを始める。と言っても初日も初日なので、トレーナーもいない二人だけのレッスンだ。何をしようかとストレッチをしながら考えているあたしに、チハから提案があった。
千早「今更自己紹介は不要だと思う。そうね、ユニットはあなたの演奏をベースに、私とあなたの歌を重ねる形になると思う。だから、まずあなたの歌を私に染み込ませたい。一曲演奏してもらってもいいかしら?」
チハがプロデュースした方がいいんじゃないかってくらい、論理的でシンプルな提案。そうだなと、あたしは相棒を手に取る。あたしは今の持ち歌の中でもとっておきの一曲を、相棒と一緒にチハに聞かせた。
チハは一昨日と同じ、静かな表情で微動だにせずあたしの歌を聴いていた。そして曲が終わると、淡々と一言言った。
千早「ありがとう。私、あなたの歌すごく好きなんだと思う。あなたの心の叫びが伝わってくるようで」
『好きなんだと思う』ってえらい他人事だなと思ったが、それはスルーしてあたしはチハに尋ねる。あたしの思いは一昨日とはえらく変わっている。それはきちんと歌に乗っているかい?
ジュリア「どうだ?一昨日と比べて何か変わってるか?」
チハは言葉を探すように少し間を置いて、適切な言葉が見つかったというようにあたしの目を見て言った。
千早「そうね。随分変わったと思う。飛び立つ空が見つかって翼を広げたよう。目指すべき地が明確に決まれば、もっと高く美しく飛べると思う」
やっぱり流石だなと思った。きっといくら言葉を重ねるより、こうして歌を歌う方があたしらは分かり合えるんだと思った。
ジュリア「オーケー。それは嬉しい言葉だ。じゃあ、今の曲を二人でやってみよう」
39: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 17:17:12.30 ID:eLVc51n90
あたしが相棒を鳴らして、そこにチハが歌を重ねる。そしてあたしがさらに歌を重ねる。そうやって、セッションは始まった。
こうして音を重ねてみると改めて身にしみる。チハの歌は圧倒的だ。一切の妥協を許さない。一切こちらの音に耳を貸さない。遠い遠い辿り着くべき場所に行くために、自分の歌を洗練させようとすることしか考えてない狂気があった。
喉元にナイフを突き立てられてるような緊張感。少しでも気をぬくとチハの音に飲み込まれてしまう切迫感。あたしと相棒は負けじと全力で叫ぶ。自分たちが生き残るために。
そんな中、あたしの目の前には見たことのある光景が浮かんでいた。1人で猛特訓をしていた屋上。あの小さなライブハウスの事務室。一昨日まで通っていた駅前のストリート。
きっと、チハの叫びに歌に呼応してあたしの記憶が掘り起こされているのだろう。だからあたしは理解した。なんだ。そうか。そうだったんだ。チハ、お前も一緒だったんだな。
だとすれば、お前はやっぱりサイコーだ。サイコーの大バカ野郎だ。そしてこうやって喜んでるあたしも大バカ野郎だ。
40: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 17:17:54.79 ID:eLVc51n90
短いセッションだったが、終わった頃にはお互いに肩で息をしていた。よかった。余裕がなかったのは、あたしだけじゃないようだ。
ジュリア「チハ?どうだった?あたしとのセッションは?」
あたしはチハに問う。あたしの感じたものと答え合わせをするために。
千早「そうね。うまく言葉にできないけれど、きっと今の私たちの相性は最悪ね」
そのネガティブな言葉とは裏腹に、チハは嬉しそうな笑顔を見せる。オーケー正解だ。
ジュリア「ならよかった。チハ、ユニットは解散だ」
千早「えぇ、解散ね」
目線と目線を交わし、お互いに不敵な笑顔で笑う。あたしは相棒をケースにしまい、レッスンスタジオを後にした。
41: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 17:19:29.80 ID:eLVc51n90
ミリP「なに?解散したって?」
事務所に帰ってプロデューサーにユニットの解散を報告する。小鳥さんが『解散』って言葉に反応して、ピヨピヨとうろたえている。あぁ、心配しないでくれ、特にネガティブな理由じゃないさ。
ミリP「ここじゃアレだな...屋上に来てくれるか?」
そうだな。他の人たちを心配させるのも悪いし、そっちの方が話しやすい。デスクを一通り片付けるプロデューサーを横目に、あたしは先に屋上へと上がる。
ミリP「で?何があった?」
淡々と尋ねるプロデューサー。怒ってるのか、悲しんでいるのか、表情や声からはよく読み取れない。特に言い訳することもなかったので、あたしはそのままあったことを話す。
ジュリア「二人でセッションして、いろいろぶつけ合って、お互いに相性が最悪だと納得して笑顔で解散した」
自分でもあっさりとした説明だと思ったが、すまない、これ以上は何もなかったからな。
プロデューサーは一つ大きく呼吸をしてさらに尋ねる。
ミリP「セッションをしてみて、お互いを理解した...か。で、おまえは千早とやってみて、何を感じた?」
あたしは頭を回転させて言葉を探す。そうだな。息苦しくて、パーっと光るものがイライラするほど眩しくて、空気の流れにさえ痛みを感じて。たくさん言葉は出てくるが、どうにも上手い言葉が見つからなさそうだったので、以前のチハの言葉を借りることにしよう。
ジュリア「例えるなら、鳥籠に放り込まれて、そこから必死に飛び立とうとしてガンガン檻にぶち当たり続ける鳥」
あたしの答えを聞いたプロデューサーの口角が歪む。開いた口の隙間から溢れたのは、笑い声だった。
ミリP「鳥籠の中の鳥か。そりゃあいい」
なんとなく予想はしていた。『解散』て言葉を聞いた時、プロデューサーは小鳥さんみたいに驚かず、微かに笑顔を作って見せたからな。
42: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 17:21:09.47 ID:eLVc51n90
ミリP「で、おまえはユニットを解散してどうするつもりだ?」
そう問いかけて、嬉しそうにあたしの言葉を待つプロデューサー。
ジュリア「チハと喧嘩するために、一人で歌うよ」
ジュリア「あたしはさ、燻っちまってたとき、チハの言葉にガソリンぶっかけられて炎がメラメラと燃えたんだ」
ジュリア「そん時はすげぇやつだと思ったけど、分かったんだよ。さっき。あいつも同じだったんだって」
ジュリア「ただ決定的に違ったのは、あたしは光を探して立ち止まったけれど、あいつは血が流れても歩き続けている」
ジュリア「だからよ、今度はあたしの番だ。あたしがチハの心にガソリンぶっかけて、檻から引きずり出してやる。そう決めたんだ」
思いを言葉にして口から出すと、炎がメラメラ勢いを増すのがわかった。きっとあたしは今の状況を楽しんでいる。プロデューサーはさらに質問を重ねる。
ミリP「どうしてそこまで千早に肩入れする?」
そう問われて、改めて理由を探す。思い当たったのは2つ。1つ目はさっき言ったように、借りを返すためだ。でもきっと、それは大きな理由じゃないだろう。そんな義務に似た何かでここまで燃えるはずがない。きっともう1つの理由の方が大切だ。
ジュリア「会って2日目だけどよ。多分あたしはチハのファンになった。だからムカつくんだ。檻から飛び出して自由になった本当のチハの歌が聴きたいって」
あたしの言葉を聞いて、プロデューサーはドヤ顔で言う。
ミリP「やっぱりお前らは最高のユニットだな」
ジュリア「はぁ?意味わからねぇ。だからユニットは解散したって言ったろ?」
あたしの苦言をスルーして高笑いするプロデューサー。あぁ、こいつはホントに何か考えてんのか、何も考えてないのかよくわからない。
43: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 17:25:39.45 ID:eLVc51n90
一通り笑い終わった後、プロデューサーが話し始める。今までのひょうひょうとした態度ではなく、初めて見る真剣な顔。
ミリP「俺はさ、千早はずっと眠ってると思うんだ。遠すぎる夢を見続けて、現実から目をそらして、きちんと起きて生きているフリをする眠り姫」
あぁ、なんだ。あたしに変な例えをさせなくても、同じ気持ちじゃねぇか。相槌を入れるのも憚られたので、心の中で答える。
ミリP「俺らにとって、夢ってそうじゃないだろ?目を見開いて、きちんと足元を見て、そしてしっかりと歩くための道標だ」
そうだな。時々霧がかかって、いろいろと見えなくなっちまうこともあるけれど、きっと夢はそういうものだとあたしも思うよ。
ミリP「おまえはきちんと目を開いている。時々曇った日も諦めて眠ることなく、きちんと足元を探して道標を探すことのできる奴だ」
それは買いかぶりすぎじゃないのかい?あたしは必死にやってきただけだよ。
ミリP「だからこそ、千早の眠りを覚まさせることができるのはジュリアしかいないと思った。おまえのその叫びで、千早を叩き起こしてやってくれ」
簡単に言うねぇ。あのクソマジメのガンコモノは相当なもんだよ。こっちは大喧嘩のつもりで今から身構えてるんだ。でもまぁ、そこまで言われたからには仕方がない。オッケー。気合が入ったよ。
自分の檻を宿命を頑なに守り続ける飛べない眠り姫を、あたしと相棒の叫びで叩き起こして高い空に羽ばたかせてやる。
44: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 17:27:10.59 ID:eLVc51n90
################
チハとの喧嘩の仕方は簡単だ。あいつの心を燃え上がせるような叫びを、あたしと相棒が聞かせればいい。それには新しい曲が必要だ。それはあいつを導く曲じゃない。もちろん100万人のために歌う曲でもない。そんなもんはあたしのやり方じゃないしな。
必要なのは、あたしがあたし自身のために歌い、その叫びをあいつに叩きつけてやるような曲だ。だからあたしは考える。今あたしは何を叫びたいのか。自分の目と耳で世界を眺め、そしてあたし自身の中に深く潜り込む。じっくりと思考する。
しかしその思考は、キャーキャー叫ぶ子供の声にかき消された。
女の子1「ねーねーおねーちゃんもアイドルでしょー?かわいいポーズしてー」
女の子2「えーでもおねーちゃんかっこいいよー。カッコイイポーズのほうがいいよー」
デパートの屋上に建てられたちっさいステージ。あたしはそこにいた。
翼「わー、わたしもジュリアーノのかわいいポーズみたいみたい!」
瑞希「私はカッコイイポーズが見て見たいです...ワクワク」
ギャーギャーはしゃぐ子供と一緒になって騒ぐ二人のアイドル。おまえらなぁ、あたしたちは仕事で来てんだぞ...。
ジュリア「だーかーらー。カワイイポーズもカッコイイポーズもやらねぇって!あたしはそういうの苦手なんだよ!」
翼「キャー、ジュリーアーノが怒った逃げろー」
女の子1、2「「逃げろー」」
瑞希「逃げろー...シュタタタ」
あーだめだこいつら。あたしがなに言ってもおちょくって遊ぶ気だな。チクショウそれならノッてやろうじゃねぇか。子供らを喜ばせりゃいいんだろ?なら、こっちの方が話は早い。
ジュリア「逃げても無駄だぜ!捕まえてやる」
つばみずこども「「「「キャー!!!!」」」」
男の子1「あー、オニだ!オニがおっかけてるぞ!」
男の子2「かみもあかいしゼッタイおにだ!たいじしてやる!」
ガシッとあたしに飛びかかる男の子二人。ちびっことはいえ、容赦無く体当たりされるとなかなかにきついものがある。いてておいやめろお腹つまむな。
ジュリア「ははははははあたしはロックの鬼だ!おまえらも蝋人形にしてやろうか?」
彼らはヘビメタだから少し違うかな?なんて少し思うがまぁ細かいことはいい。乙女のお腹をつまんだ罪は重いぜ坊主たち。
男の子1、2「おわああああああ食べられるー逃げろー」
元気よくだーっと全力で逃げる坊主たち。アイドル2人と子供が4人か。オッケー全員捕まえてやるよ。んで、そろそろ歌を歌わせてもらうぜ。
あたしはガッと地面を蹴り、ダッシュで奴らが逃げた方向へ走り出す。
45: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 17:28:52.17 ID:eLVc51n90
こんなところにあたしがいる理由、それはもちろん仕事だ。ユニットを解散してから少しだったのち、プロデューサーから依頼された。
ミリP「ジュリア、ステージの仕事があるんだけど受けてくれないか?」
あたしはその話を聞いて、両手を叩いて喜ぶ。ユニットを解散しちまってステージの仕事は随分先になっちまったと思っていたので、こんなに早くそういう仕事が来るとは思わなかった。
ミリP「だが、ギターは禁止な。場所はデパートの屋上。3人組のユニットで、子供相手に楽しく盛り上げて、んで1曲歌を歌ってほしい」
はぁ?なんだそりゃ?想像した仕事とは少し違っていたので驚く。そんなあたしを見てプロデューサーは言葉を続ける。
ミリP「社長の懇意にしている方のオファーでな。ウチのペーペーの新人たちは多くがこの仕事をさせてもらっている。竜宮小町も昔やったことがあるんだ」
チハとのアレコレで忘れかけちまっていたが、そうだなあたしはアイドルとしてここにいるんだったな。オーケーその依頼受けるよ。何気に初ステージってことで、やっぱりありがたいしな。
ジュリア「オーケー、喜んでそのステージやるよ。で、あたしと組む2人は誰だ?」
あたしと組むなら、ボーカル寄りの紗代子とか琴葉かななんて考えていた。2人ともマジメだし、やりがいのあるユニットになりそうだ。なんて初めてのステージに想いを馳せていた。
46: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 17:30:35.54 ID:eLVc51n90
結論から言うと、あたしの予想とは違っていた。初めてのレッスンをレッスンルームで待つ。あたしの目の前にいたのは真壁瑞希だった。
瑞希「初めてのユニットのレッスン、頑張るぞ...おーっ」
瑞希が右手をグイッと上げる。どうやら気合い満々のようだ。ストレッチしながらそれを眺めていると、瑞希が右手をあげたままじーっとあたしを見てきた。ん?なんだ?あたしもやれってことか?
ジュリア「おぅ、がんばろうな!」
そう言ってあたしも右手を上げる。瑞希の目がキラキラっとなって、口角が微妙に上がる。どうやら喜んでるようだ。よかったよかった。
瑞希は一見すると無表情だが、意外に感情表現は豊かで素直なんだなと、あたしは思う。気合いも十分そうだし、なかなかに頼もしい仲間だ!
それから少し時間が経った。レッスン開始予定の時間から時計の長針は180度ほど回っている。長めの準備体操にそろそろ飽きて来た頃、ドアが勢いよく開いて楽しそうな声がした。
翼「おっはよーございまーす!」
瑞希「おはようございます翼さん」
ニコニコと元気よく挨拶をする伊吹翼。それに挨拶を返す瑞希。でも、あたしは素直に挨拶を返す気にはなれなかった。初日だぞ?ユニットの仕事だぞ?自覚あんのか?
ジュリア「おい翼。挨拶だけじゃなくて言うことがあるだろ?」
翼はゴキゲンな空気のまま、うーんと考えるポーズをとる。少し間を置いて両手をポンと叩いてひらめいたってサインをしてから、甘い声であたしたちに言う。
翼「遅れてごめんなさい。でもねでもね、偶然見かけた喫茶店のパフェが美味しそうでね、どうしても食べたくなって。今度みんなで行こう!ね!だから、ね?」
ペコペコと頭を小さく下げながら、甘えるように話す翼。あたしはなんだかおかしくなる。なんというか毒気を抜かれちまった。すげぇな、もう空気が翼のペースだ。
まぁ、謝罪の言葉は貰ったんだ。この件はこれで終わり。さぁ、レッスンをするとしよう。
瑞希「では改めて、頑張るぞ...おー」
つばじゅり「「おー!!」」
47: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 17:31:50.38 ID:eLVc51n90
それからしばらくダンスレッスンをして、あたしは愕然とする。あたしは2人のダンスに全然ついていけなかった。足が絡まって、腕はこんがらがって、全然上手く踊れなかった。ブカツもやってなかったからな、体を動かすのはあまり得意じゃない。でも、やっぱりあたしだけ遅れるのは許せない。肩で息をしながら、2人にお願いする。
ジュリア「もう一回、もう一回やらせてくれ」
瑞希がタオルを差し出しながら答える。
瑞希「ジュリアさん、頑張り過ぎは体に良くないです。まずは休みましょう...ふぅ」
瑞希のダンスは無駄がなくて綺麗だった。動きはコンパクトだが、リズムにのって体が流れていて、それでいて決めるところはビシッと決める。教科書のようなお手本のダンスだった。
翼「ジュリアーノは頑張り屋さんだね。わたしは疲れたよー、うへー」
翼のダンスは爆発力がすごかった。フリを少し忘れたり、アドリブ入れたりと自由奔放だが、思わず翼のダンスに見入ってしまいそうな圧倒的な魅力があった。
小さいステージでの仕事とはいえ、2人よりも全然踊れないままステージに上がるのは絶対に嫌だった。あたしは立ち上がり、2人にもう1回お願いをする。
ジュリア「2人は休んでてていいから、あたしのダンスをみて、気づいたことを言ってくれ。遠慮なく頼むよ」
こうして懸命にレッスンをして、あたしたちは本番を迎えた。
48: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 17:33:15.31 ID:eLVc51n90
鬼ごっこも終え、本番前にいったんステージ裏に引っ込んだあたしたち。司会のお姉さんと着ぐるみが子供たちを盛り上げている声が聞こえる。あぁやっぱプロはすげーな、あたしたちが全然ダメだったことをきちんとこなしている。
にしてもこれは...なぁ...。姿見をみて一つため息をつく。まさかあたしがフリフリの衣装を着てステージに上がるなんて、ストリートで歌ってたときには考えもしなかったよ。変じゃねぇよな?クルクル回りながらなんども確かめていると、後ろから声がした。
瑞希「ジュリアさん、大丈夫ですよ。可愛いです...」
かかかかかかかかか可愛いだと!不意打ちでそういうこというのやめろよ!恥ずかしいだろ!照れて慌てているあたしをみて、ニヤッと口角を数ミリ上げる瑞希。ちくしょう!
翼「ねぇねぇ、わたしは?わたしは?」
『可愛い』って言ってという催促が満々に詰め込まれた甘い声で聞いてくる翼。というか、衣装を着た翼フツーにめちゃくちゃ可愛いなおい。
瑞希「はい。めちゃめちゃ可愛いです...ブイ」
翼「だよねだよねーえへへ」
そういってはしゃぐ翼。おいおい本番前につかれてもしらねぇぞと思う中、瑞希がなにかソワソワしているのを感じる。あー、なるほどねとソワソワしている理由にたどり着く。あたしは瑞希に向かって、言って欲しそうな言葉をかける。
ジュリア「瑞希!おまえもチョー可愛いよ。衣装似合ってる」
それを聞いた瑞希は少しうつむいてしまった。あれ?外したか?と瑞希の顔を覗き込もうとすると、それを制しながら瑞希は言った。
瑞希「ジュリアさんに言われると、なぜだか恥ずかしいです...テレテレ」
あーなんだ、恥ずかしがってただけか。へへ、さっきの借りは返せたかな、なんて考えていると、翼の非難の声が聞こえる。
翼「あー瑞希ちゃんだけずるいー!ジュリア―ノわたしにも可愛いって言って!ねぇ言って!」
本番直前なのになんだろうこの緊張感のなさ。まぁ、でもこれがあたしたちらしいのかな。翼に「あーあ可愛い可愛いよ」と適当に返事をし、気合いを入れなおすことにする。
ジュリア「うし!そろそろ本番だ!円陣でも組もうか!」
49: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 17:34:16.76 ID:eLVc51n90
そうしてライブが始まる。パチパチパチと子供たちが拍手をくれる中、BGMが鳴ってダンスを始める。
とその瞬間、翼が飛び出した。フリにはないアドリブだ。あたしたちはそのアドリブに合わせて、翼が浮かないように後ろで支える。後方から見る翼のダンスは練習の時とまったく輝きが違っていた。体全体で「わたしを見て」って全力で輝きを放っている。全力で楽しいって感情をばらまいている。
すっと瑞希と視線を合わせる。瑞希もテンションが上がっているようで、目の奥の奥に炎を感じた。瑞希は翼のアドリブでバランスが崩れてしまった空間をフォローするようにささっと動いている。あたしは踊るだけで精いっぱいなのにすごいな瑞希は。
あたしはとにかく踊りきることで精いっぱいだった。体にしみこませたようにきちんとダンスができているか、自分を監視しながら懸命に踊る。曲の中盤の方になると若干の余裕が出てきて客席の方を見る。客席にはたくさんの笑顔があった。ニコニコ笑って、凄い凄いってはしゃいで、リズムに合わせて手を叩いている子もいた。
あたしも自然と笑顔になる。きっと瑞希も翼もそうだ。ステージの空間が時間が楽しいって感情で満ちている。こんな場所があったなんて、こんな場所をつくれるなんて、あたしは知らなかった。1曲のみの短いステージはあっという間に終わってしまい、あたしたちはたくさんの声に送られてステージを後にした。
翼「あー!やばい!楽しかった!すごい!」
瑞希「わたしもすごく楽しかったです...イェイ」
2人ともだいぶ興奮しているようだ。あぁ、あたしもだから3人全員だな。ステージは楽しかった。ただただ楽しかった。翼も瑞希もあたしも全力で楽しんで、客の子供たちも全力で楽しんでいた。
そうか、そういう歌だな。そういう叫びだな。あたしが歌いたいのはそういう歌だ。2人がはっきりと教えてくれた。あたしの奥の奥にある気持ちを引っ張り出してくれた気がした。
50: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 17:35:45.60 ID:eLVc51n90
####################
それからあたしは曲を作りはじめた。あたしの今の叫びをぎゅっと詰め込んだ曲。屋上で一人ギターをかき鳴らしていると、ガチャっと扉が開いて誰かがやってきた。
社長「やぁ、ジュリアくんか!いやーいい音が聞こえると思って来てみたら、君だったんだね」
ジュリア「おはようございます。社長」
すっとたって礼をする。社長と話をするのは事務所に入った直後だけだったか。2人で話すのは始めてだな。
社長「いやー構わないよ。ギター続けてくれたまえ。よければ聞かせてもらいたいのだが、いいかね?」
曲を作っているところを聞かれるのは多少恥ずかしいものの、まぁいいかとオーケーする。屋上で作ってたら、こういうこともあるよな。
それから30分程、弾いて止めてを繰り返すあたしの演奏を社長は景色を眺めながら黙って聞いていた。切りのいいところまですすんでフーッと一つ大きく呼吸をすると、社長があたしに話しかけてきた。
社長「いい曲だね。実にいい曲だ。若者らしい、まっすぐ夢をみるような」
だてに芸能事務所の社長をしているわけではないなと思った。あたしが叫ぼうとしていることを、飛ばし飛ばしの演奏でも聞き取ってくれたらしい。
ジュリア「ありがとうございます」
社長「私も負けていられないねハハハ」
子供のように無邪気に笑う社長。そういえば社長の第一印象もそうだったな。こんな年齢なのに、キラキラと無邪気な目をするんだなって思った。あたしの知っている大人とは違って、夢をみることを楽しんでいるような。あたしは社長に一つ聞いてみたいことがあった。
ジュリア「社長?聞いてもいいですか?」
社長「私に答えれるものであれば、喜んで」
ジュリア「ずっと見続けた夢が叶わないことがわかったら、人はどうするべきなんでしょうか?」
唐突なあたしの問いに社長は即答した。
社長「新しい夢をみればいい。新しくワクワクする方向に向かえばいい。夢見ることは生きることだと私は思っている。だから、生きている限り夢を見続けられるさ」
なるほど。この人はなんというか、ステナなオトナだ。あたしもいつか年を取ったとき、こういうことが言える大人になりたいものだ。
社長「おっと、そろそろ行かねばならん時間だ。ありがとう。話ができて、元気をもらえたよ」
そう言って笑いながら屋上を後にする社長。こちらこそ元気を貰えたよと一礼し、作曲の続きにとりかかった。
51: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 17:37:03.38 ID:eLVc51n90
###########################
そうして曲が完成したころ、待ってましたというタイミングでプロデューサーから仕事の話が来た。
ジュリア「フェスの予選?」
ミリP「あぁ、今度行われる大型フェスだ。あらゆるジャンルのアーティストを集めて、競争させようという試みだ。そこで新人賞が設けられているんだが、事前に決まっている出場アーティストだけで新人賞を決めてもおもしろくないということで、1組だけ予選通過者がフェスに参加できるようにしてるんだとよ」
ミリP「予選には各事務所から2組出せる。1組は千早に出てもらおうと思っている。とすれば、もう1組はジュリアに出てもらうしかないなと」
ジュリア「あぁ、サイコーの話じゃないか。喧嘩の場所をどうしようかと考えてたところだ。喧嘩の勝者がでかいフェスに出られるなんて、願ってもない場所だ」
ミリP「忘れてないか?他のアーティストもいるんだぞ。まぁ、自信があるのはいいことだが」
あぁ、そうだな。だけど、あたしとチハ以上の新人なんてちょっと考えられなかった。まぁ、いたらいたで大歓迎なんだが。
ミリP「まぁ、いいや。それじゃエントリーしとくな。予選は2週間後だ。それまで仕事は全部レッスンにしておくから、無理しすぎない程度に頑張ってくれ」
2週間。完成した新曲を体になじませるには、まぁそれだけあれば十分だ。早速あたしと相棒はレッスンルームに向かった。
何度も何度も曲を繰り返して、指の動きを歌の音程を体に覚えさせる。あたしの叫びと相棒の叫びをピタッと一致させるように、ひたすら音の世界に入り込む。そうしてレッスンを続けていると、レッスンルームの扉が開いた。
千早「おはようございます」
入ってきたのはユニットの元相方だった。あたしは「負けねぇぞ」って気持ちを視線に込めて、挨拶を返す。
ジュリア「おう!おはようございます!」
へへ、挨拶の声のでかさはあたしの勝ちだななんて、喧嘩モードのあたしは小さな競争事も敏感になってしまう。
千早「フェスの予選。あなたも参加すると聞いたわ」
チハはあたしとは対照的にいつものように静かだった。なんだよ喧嘩モードなのはあたしだけか?
ジュリア「おう、負けねぇからな」
その言葉にチハの目が少し揺れた気がした。目を凝らすとなんとなくわかる。それは炎の揺らぎだ。なんだ、チハも十分やる気じゃねぇか。
千早「えぇ、私も負けるつもりはまったくないわ。お互い、ベストを尽くしましょう」
ガシッと握手をして、千早は別のレッスンルームに移動した。
52: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 17:38:25.37 ID:eLVc51n90
2週間後、フェスの予選の日がやってきた。会場はとあるコンサートホール。そこを貸し切って大々的に予選を行うようだ。
会場に着いて受付をすませる。ロビーにはたくさんの人がいる。騒めくたくさんの声に、緊張感と高揚感を感じる。ピリピリ張りつめた空気が、ここには漂っている。きっとここにいる奴らは、ゼッタイに自分が一番になってやるって構えてるんだろう。あたしも負けるつもりはねぇよ。
少し息苦しかったのでロビーを出る。テキトーに相棒のウォームアップをできるところを探して歩いていると、見覚えのあるヤツを見つけた。
ギタリスト「あれ?キミは?」
あたしが初めてバンドを組んで、初めてクビになったあのバンドのギタリストだ。あの時の爽やかさはそのままに、完全に垢抜けて芸能人みたいな身なりになっていた。
ジュリア「あぁ、久しぶり」
どういう言葉を返せばいいかよくわからなかったから、当たり障りのない言葉を投げておく。ギタリストは嬉しそうにあたしに問いかける。
ギタリスト「君がここにいるってことは、フェスの予選に出るのか?」
ジュリア「あぁ、ソロでエントリーしてるよ」
あれ?ということは逆にこいつがここにいるってことは、こいつも予選に出るのか?風の噂で、あたしがクビになってすぐ大手事務所からメジャーデビューしたって聞いた気がする。そんなデカイ事務所のバンドが、予選から出てくるのか?
あたしの疑問を察したように、ギタリストは答える。
ギタリスト「僕らは本戦に出ることが決まってるんだ。今日は予選の様子を見にきた。ジュリアちゃんの演奏を聴くのも楽しみだ」
あー敵情視察ってやつか。オーケー、あの時からあたしがどれだけ変わったか見せてやるよ。クビにしなきゃ良かったって後悔しても知らねぇからな。
そうこうしてるとギタリストを呼ぶ声があり、「頑張ってね」と言ってヤツは去っていった。昔の知り合いが同じフィールドで頑張っている。それはなんだか嬉しいことなんだなって、あたしは初めて知った。
ジュリア「よし!頑張るか!」
両頬をパシッと叩いて、あたしは気合を注入した。
53: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 17:39:24.60 ID:eLVc51n90
そして予選が始まった。デビューしたてのヘロヘロなバンド、レッスンの延長線みたいなアタフタしてるアーティストもいれば、おっと驚くようなヤツらはもいるなかなかに実力がバラバラな感じだった。
今のところあたしとチハのライバルになるようなヤツらはいない。進行表に目を移すと、あたしとチハの出番は最後。チハがラスト前であたしがラストだった。連続してるなんてありがたい。こりゃ喧嘩がやりやすいぜ。
結局、あたしらの出番直前になっても、あたしたちのライバルになりそうなヤツらは出てこなかった。こりゃ正真正銘の一騎打ちだななんて考える。
ステージ裏、出番を待つチハとあたし。向き合って、開戦宣言をする。
ジュリア「どうやらこの予選はあたしたちの一騎打ちになりそうだな」
千早「えぇ、どうやらそのようね」
ジュリア「どっちが勝っても恨みっこなしだからな」
千早「もちろん。互いに全力を出しあいましょう」
スタッフがチハを呼ぶ声がする。どうやら出番がきたらしい。ステージに向かうチハの後姿は、戦に向かう騎士のような厳かさがあった。
54: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 17:40:38.48 ID:eLVc51n90
チハの選んだ曲は前のバラードとは違う、ロックテイストの曲。たくさんのアーティストの中で歌うことを意識した選曲だろう。一瞬でホールの空気が変わる。チハの世界に塗り替えられる。
やっぱりチハの歌は圧倒的だった。音圧でガンガンあたしたちの身体を揺さぶっていく。いくら激しいダンスをしても、いくら走っても、音圧も音程もブレることなく音を叩きつけている。鳥肌が止まらない。おいおい、あたしはやっぱとんでもないヤツと喧嘩しようとしてんだな。
ふと翼と瑞希のパフォーマンスを思い出す。2人のパフォーマンスとチハのパフォーマンスは対照的だな、なんて思う。2人と一緒にやったからか、よくわかるよ。チハのダンス一つ一つから、血が流れるのがみえる。チハの歌一音一音から、痛みや苦しみの叫びが聞こえる。
なぁ、チハ?そんな歌を歌って、楽しいか?あたしは心の中で問いかける。あたしはそんな辛さや苦しさを叫びたくはないよ、夢見ることや生きることって楽しいって気持ちを思いっきり叫んでやりたいんだ。
55: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 17:42:04.53 ID:eLVc51n90
チハのステージが終わり、あたしの番になる。チハがステージ裏に帰ってくる。肩で息をしながら、心なしか満足そうな顔にも見えなくはない程度の無表情。あたしたちは、言葉も目線も交わさずにすれ違った。
ステージに上がって、フロアを見る。ラストだからか疲れた顔の審査員たち。チハの歌に圧倒されて諦め気味の参加者たち。一様に顔は暗かった。おいおいお前らしっかりしろよと、あたしは心の中でツッコむ。まぁ、いいよ。あたしの歌を聞けばそんな顔してられなくなるからさ。
キッと前を向き、相棒をジャーンと鳴らしてステージを始める。
「エントリーナンバー50 765プロ ジュリア 曲は『流星群』」
イントロ。指を動かす。その指の動きに呼応して、相棒が叫ぶ。よし、いい調子だ。そこに歌を乗せる。声もしっかり出ている。オーケー。入りは十分だ。
コードが進行するにつれ、あたしの気持ちもドンドン高ぶる。この空間をあたしだけの音で満たして、独り占めする。最高に気持ちいい。
声高に叫ぶ。あたしの思いを、感情を、願いを。あたしのその叫びにあてられたのか、フロアもだんだん熱を帯びてくるのを感じる。
夢をみて突っ走るこの道を行くために、カバンに何を詰め込もう?あたしはきっとたくさんの願い事を詰め込むさ。なりたい自分になって、たどり着きたいとこに走る道なんだ、楽しい方がいいに決まってるからな。
チハ?おまえは何をカバンに詰め込んでるんだ?そんなに重そうにカバンを引きずってさ。そんなもん捨ててしまえよ、代わりに楽しめるものをたくさん詰め込もうぜ。
演奏が終わってフロアのヤツらの表情を見る。笑顔のやつや、驚いた顔のやつ。演奏前の暗い顔はそこにはなかった。それをみて、あたしは勝利を確信した。
56: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 17:42:50.27 ID:eLVc51n90
ステージ裏に戻ると、チハが拍手で迎えてくれた。
千早「凄かったわ、ジュリア。そして、楽しかった。私の負けよ」
そう言って、優しい笑顔のチハ。おまえそんな顔できるんだなと、なんだか失礼なことを思ってしまう。
ジュリア「ありがとう。今回はあたしが勝ったけど、もうチハとは戦いたくないよ。次はどうなるかわからない」
あたしの叫びはチハに届いた。檻から引っ張り出せたかどうかわからないけど、チハの表情を見るに何かが変わりそうな気がする。檻から自由になったチハとバトルするなんてゴメンだ。それよりも、一番いい席でその歌にただ浸りたい。
そして表彰式。トロフィーはあたしの手に渡った。本戦のチケットを手に入れて、次のステージにあたしはすすむ。まだまだ辿り着くべき場所は先にあるんだ、ここはまだ通過点。でも、今日くらいはこの喜びに浸ってもいいよな、なんて思う。
57: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 17:43:44.31 ID:eLVc51n90
################
ミリP「予選通過おめでとう。やったな。社長も小鳥さんも喜んでたよ」
連絡が既にいっていたようで、事務所に帰るとプロデューサーがそう言って迎えてくれた。
ジュリア「あぁ、チハとの喧嘩に勝ったよ。チハが目を覚まして歩き出せるかどうかは、これからわかるか」
プロデューサーは「そうだな、楽しみだ」と相槌をうって手元の資料を眺める。それをあたしに渡して言った。
ミリP「これが本戦の概要だ。ハコは3万人でTV中継もある。そうだな、軽く数百万の人がお前の歌を聞くぞ」
その数字を聞いてもあたしにはピンと来なかった。3万人の人が一斉に集まる空間をあたしは知らないし、数百万って数がどのくらい大きいかも想像できなかった。
ジュリア「うーん。数がデカすぎてわからないや。まぁ、あたしのやることはひとつ。叫びたいことを叫ぶだけさ」
目の前に何人いたとしても、あたしにはそれしかできないしな。
ミリP「確かにそりゃそうか。あ、曲はどうする?『流星群』でいくか?」
ジュリア「いや、フェスまでは時間がある。新曲作って行こうと思う」
せっかくの大舞台だ。カケにはなるけれど、そこで叫びたいことがあるんだ。だから、それをカタチにしたい。
58: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 17:44:39.57 ID:eLVc51n90
それからしばらく経ち、曲はほぼほぼ完成した。あたしは最後のピースをはめるために、とある場所を訪れた。
ジュリア「ん?こんなに小さかったっけ?このライブハウス」
訪れたのは、あのおっさんのライブハウス。小さく見えるのは、あたしが大きくなったからなんだろうなきっと。
受付には知らない顔があった。きっとこの人が今のオーナーなんだろう。お金と引き換えにチケットを受け取る。こうやって客として入ったのは、初めてここに来た時以来だな。
おっさんがいなくなったせいか、ステージに上がるバンドも様変わりしていた。パンクロックのバンドはおらず、オシャレなジャズバンドが大半だった。ジャズはあまり聞かないから勝手がわからねぇや。周りを見渡してみても、かつての見知った顔はいなかった。フロアも随分と様変わりしちまった。
なんだか居心地が悪くって、半分くらい演奏を聴いたのちあたしはライブハウスを後にした。外に出て、ライブハウスを一度振り返ってあたしは思う。
ここであたしは夢を歩き始めた。ここがあたしの原点だ。でも、ここは変わってしまった。あたしの居場所はもうここにはなかった。それは少し寂しかったけど、あたしが遠くまで歩いて来た証のようだった。
あたしはきっとここに戻ることはないだろう。だから、ライブハウスに一礼をした。ありがとな、そしてサヨナラ。
59: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 17:46:14.64 ID:eLVc51n90
############
そしてフェス本番の日を迎えた。プロデューサーの車で会場に向かう。今日はちょっと荷物が多めなんで、車移動で助かったよ。
ミリP「昨日はよく眠れたか?緊張で一睡もできなかったんじゃないか?」
ジュリア「いや、寝つきは確かに悪かったな。緊張じゃなくて、ワクワクして、だけどな」
窓の外の人の流れに目をやる。朝の通勤ラッシュで人が波のように流れていた。この人たちは今あたしを知らねぇけど、今日の夜にはあたしの歌を聞くのかな?そしてちょうどあたしが歌ってた駅前を通る。相変わらず、人の流れが忙しかった。
ミリP「おまえ、あそこで歌ってたんだよな。それが3万人の前で歌うんだ。信じられないな」
なんであんたが感傷に浸ってんだよ、なんてツッコむのは野暮だな。確かにあの日ここで歌ってたあたしに、『近い未来おまえはアイドルになってでかいハコで歌うぞ』なんで奴が現れたらあたしはゼッタイに無視すると思う。
そう考えると、ここまで来たのはあたしだけが頑張ったからじゃねぇなって思う。プロデューサーやチハにもらったこの場所で、あたしは輝くことができるんだ。だからまぁ、少しくらいは素直になってもいいかもしれない。
ジュリア「なんつーか、ありがとな。あんたとチハにこんな場所まで連れて来てもらった気がするよ」
プロデューサーはあたしの言葉に驚いた顔をする。いや、そんなあたしの顔ジロジロ見んなよ恥ずかしいだろ。
ミリP「いや、まだまだ通過点だ。おまえの目指す場所はもっと先だろ?」
あぁ、その通りだ。良かったよ。一緒にこの道を歩く人があんたで。ガッとアクセルを踏み込むプロデューサー、クルマが音を立てて加速する。そんな感じで、あたしもワクワクが高まっていった。
60: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 17:47:28.92 ID:eLVc51n90
会場はトンデモナイでかさだった。東京ドーム何個分だこれ?て、東京ドーム1個分の広さもよくわからねぇけどな。観客は3万だっけか?この前のデパートの屋上と比べると1000倍くらいか?じゃああのデパートの1000倍でかい声援がくるのか、そりゃすごそうだ。......まさか、鬼ごっこはしないよなぁ。
プロデューサー「んじゃ受付済ませとくから、関係者入口から一旦控え室に入っておいてくれ。そこからは地獄の挨拶回りだ」
うへー、そうだな今日はたくさんのアーティストがいるんだったな。あたしはその中でも一番下、ペーペーの新人だからお偉いさんたちに頭を下げに回らないといけないか。気分が重くなりながら、関係者入口に向かうあたしにプロデューサーは声をかける。
ミリP「ギター1本持とうか?重いだろ?」
ジュリア「いや、大丈夫さ。こいつらはあたしが持っておきたいんだ」
悪いな、こいつらはいくらあんたでも預けられねぇ奴らなんだ。そうしてプロデューサーと一旦別れ、あたしは中へと入って入った。
61: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 17:48:37.81 ID:eLVc51n90
控え室にはたくさんのアーティストがすし詰めのようになっていた。どうやら新人は全部ここにぶち込まれているらしい。
控え室に入ると、予選の時に再開したギタリストの顔があった。ヤツはあたしを見かけると、嬉しそうに挨拶して来た。
ギタリスト「おはよう!いや、予選すごかったね。如月さんもすごかったけど、ジュリアちゃんもホントすごかった」
あたしはラストだったのに結局こいつ全部予選みたんだな、暇だったのか?なんてことは言わずに、あたしは挨拶を返す。
ジュリア「おはよう。で、ありがとう。今日はよろしくな」
ギタリストはもう衣装に着替えているようだった。なんかアイドルみたいな煌びやかな衣装。奇遇だな、実はあたしもアイドルなんだぜ。
ギタリスト「ジュリアちゃんの演奏には驚いたよ。上手くなってたし、なにより曲が素敵だった。油断してたらやばいって、練習量を増やしたくらいだよ」
はははと爽やかに笑いながら言う。相変わらずの嫌味はないが余裕のオーラ。かなり自信があるようだ、なにあたしも負けねぇぞ。
ジュリア「そりゃ嬉しい言葉だ。あたしも仕上げて来たからよ、そのつもりでよろしくな」
よく考えればあの時のリベンジになるわけか?まぁ、そんなことは今やどうでもいいか。そんな古い話をグダグダ持ち出すより、今のこいつらと全力でやりあいたい。
62: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 17:49:38.47 ID:eLVc51n90
そして地獄の挨拶回り、メイク、着替えを済ませたあたしはリハーサルを行う。あたしは別にダンスをするわけじゃないから、軽い出はけと立ち位置の確認だ。
ステージが広い。袖から真ん中の立ち位置に出るまで、数十秒はかかってしまう。1人ポツンとそこに立つあたしは、客席からだと豆粒みたいに見えちまうんだろうな。
客席を見渡す。一番後ろの席までの距離はとてつもなく遠い。あたしが今ここで叫んでも、あそこまで声が届くかどうかわからない。ガラーンと空いている数万の席に、ナゼか言い知れないプレッシャーを感じた。無言の亡霊が『ちゃんとやれよおまえ』って圧力をかけてるみたいだった。
『まかせとけ』って小さく呟く。おまえらこそ目と耳をかっぽじって、あたしのステージを脳にやきつけろよ。
63: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 17:50:55.61 ID:eLVc51n90
そして本番が始まった。あらゆるアーティストを集めただけあって、いろんなジャンルの音がステージにあふれていた。それに誰もが華々しくて、輝いていて、客の熱狂もすごかった。満員の客席からの声援は、怒涛のようにステージ裏まで響いていた。
そして新人賞のブロックに入る。最初はあたしの番だ。ステージ裏で待機するあたしに、プロデューサーとスタッフが苦言を呈す。
ミリP「ジュリア、おまえステージで使うギターはそれだけなんだろ?じゃあなんでもう1本ギター持ってくんだ?」
スタッフ「あのー、お客さんとかお茶の間の集中が散るので、良ければ置いていってもらえれば」
あたしは相棒を肩に担いで、おっさんのギターをスタンドにおいて右手に持っていた。
ジュリア「お願いだ。こいつと一緒に上がらせてくれ。大丈夫、あたしが歌い出せば聞いてる奴らの目はあたししか映らなくなるから」
プロデューサーとスタッフはそれを聞いてナゼか笑った。おいおい、あたしは冗談で言ってないぜ。プロデューサーは笑ったままポンとあたしの肩を叩いて言う。
ミリP「おまえ以前千早がクレイジーだって言ってたな、安心しろ、おまえも同類だよ」
それはきっと褒め言葉なんだろう。そのあと『行ってこい』とプロデューサーはアツイ視線をあたしに送って、ステージへ送り出してくれた。
64: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 17:51:55.59 ID:eLVc51n90
ステージに上がる。リハーサルの時とは変わって、ガンガンの照明が熱い。何の指示の聞こえないほど、観客の声援で会場が満たされている。
あたしは立ち位置のそばにおっさんのギターを立てかける。ほら、あんたがもう一度見たいって夢みてた光景だぜ。一番いい席で見させてやるよ。
あたしは客席に向かって唇の前に人差し指を立てる。『シーッ』っというジェスチャーに気づいた観客が声援をやめる。
会場がシーンとした静寂に包まれる。盛り上げてくれたたくさんのアーティストには悪いが、これからここはあたしの空間だ。一旦リセットさせてもらうよ。
そして曲を始める。新曲の『プラリネ』。一本一本相棒の弦をなぞる。静かな空間に相棒の叫びだけが響く。BGMが入り、盛り上がった曲にあたしの声を重ねる。客がそれに反応して、ワーッと声援をあげる。
65: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 17:53:09.03 ID:eLVc51n90
なぁ、聞こえてるか?届いてるか?あたしの叫び。
夢を追うってさ、割りにあわねぇよな。苦しかったり悲しかったり。で、叶わないことの方が多くて。
諦めちまえば簡単なもんなんだろうな。茨の道を見捨てて、今いる場所でずっと暮らしてたら安心だろうな。
でも、どんなに悔しくたって悲しくたって、あたしは絶対に未来に夢を見続けるよ。あたしがあたしであるためにね。多分、あたしにはそういうやり方しかできそうにもないから。
不意にあの日のチハの言葉を思い出す。あたしの心にガソリンをぶっかけて思いっきり火をつけた言葉。
あたしは100万人のために歌わない。自分1人のために歌う。それでも、きっと最高の歌を歌えば、絶対に100万人は耳を傾ける!
あたしは声いっぱい叫ぶ。ありったけの感情を絞り出して、ありったけの思いをぶちまける。あたしの全力に相棒も呼応する。願いを想いを全部音に変えて叫ぶ。
響け!響け!響け!響け!響け!あたしの叫び!この空間をこの時間をあたしたちの音で満たして、パンクさせてやる!!
夢破れて動けないなら、あたしの叫びを聞きな!もう一度夢を見せてやるから、あたしについてこい!お前ら全員、あたしの歌を聞けえええええええええ!
66: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 17:53:48.63 ID:eLVc51n90
演奏が終わる。高まった熱が爆発したみたいに、会場が揺れる。どうやらあたしのステージはうまく行ったみたいだな。
おっさんのギターを右手で掴む。どうだい?久しぶりにいい夢が見られたかい?ギターの傷に照明が反射する。あたしにはそれが、おっさんからの返事に思えた。
67: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 17:56:11.26 ID:eLVc51n90
################
そこから先のことはあまり覚えていない。意識が戻った頃には、あたしは帰りの車内にいた。
ジュリア「は?あれ?ここは?」
隣には車を運転するプロデューサー。呆れた声であたしに言う。
ミリP「は?何言ってんだおまえ?フェスは終わって、今車の中だ」
あー、フェス終わっちまったのか。自分のステージで燃え尽きちまったせいで、後の奴らの演奏は全く覚えてねぇや。チクショー、もったいないことした。
あれ?なんか忘れてないか?なんか大事なことがあったような。呆けた頭を回転させて思い出す。何だっけな?何だっけ?
ジュリア「新人賞!!!」
いきなり叫んだあたしにプロデューサーは少しハンドルを取られる。おいおいおい、揺らすんじゃねぇよビビんだろうが!
ミリP「おまぇなぁ!いきなり叫ぶなよ!事故ったらどうすんだ!」
はーっとひとつ溜息をつくプロデューサー。悪い悪いと平謝りをする。
ミリP「おまえ、手元見てみろ手元」
その言葉を聞いて手元に注意を向けると、ズシンと重みのあるトロフィーがあった。
ミリP「新人賞おめでとう!すげぇな快挙だぞこれ!」
おおおおおおおおおお!やった、あたしはやったのか!
ミリP「帰ったらパーティーだ。みんなお前の帰りを待ってるぞ」
パーティーって言葉を聞いた途端、キューっと腹の音が鳴る。やべっ!聞かれたか?とプロデューサーを見ると、どうやら聞こえてないらしくてホッとする。
もうすぐ事務所に着くだろう。それまでは我慢してろ、腹の虫。
ミリP「きっとお前の叫びは、100万人に届いたよ。そのトロフィーが、何よりの照明だ」
プロデューサーが温かい声で優しく言う。そっか、そうだよな。あたしの勝手な叫びは、とうとう100万人に響いたんだな。
窓の外を見る。今日は綺麗な星空だ。この空の下のたくさんの人が、あたしの叫びを聞いたんだ。
ミリP「さぁ、これからどうする?一つの目標を果たしたから、燃え尽きてもらってもこちらは困るぜ」
バカ言え、あたしはさらに燃え上がってるよ。まだまだあたしのやりたいことはたくさんある。あたしは底なしの欲張りだからさ。
ジュリア「新しい夢ならたくさんある。そこに向かって、同じように突っ走るだけさ」
ジュリア「まぁまずは、事務所に帰ってご飯をお腹いっぱい食べたいかな」
あたしは何度も夢を見る。
無邪気な子供のように未来を信じて。
E N D
68: ◆uYNNmHkuwIgM 2016/11/20(日) 17:57:21.56 ID:eLVc51n90
終わりだよ~(〇・▽・〇)
書きたいことをただ書いていたらクソ長くなってしまいましたが、楽しんでいただけたなら幸いです。
69: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 18:04:12.35 ID:Cbuu218ao
乙
良かった
50と67誤字っぽいのが気になったけど
続きが気になってリロードしながら読んでた
良かった
50と67誤字っぽいのが気になったけど
続きが気になってリロードしながら読んでた
71: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 18:32:39.32 ID:OR62l1yD0
乙、どこかでオーナーが活躍知ってくれたらいいな
72: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 23:17:11.70 ID:ZkgLh/RTo
おつおつ!
ちはジュリの関係いいな
ちはジュリの関係いいな
73: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 23:51:01.66 ID:uiLW/fwm0
おつおつ 今読み切ったけど面白かったよぉ
74: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/22(火) 00:45:48.81 ID:sXe6FoPco
ジュリアの生き様かっこいい乙
75: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/23(水) 05:37:49.77 ID:kZ+yyLdZ0
おつおつ
これぞ良作
これぞ良作
76: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/25(金) 11:12:39.09 ID:5NDYxRzko
素晴らしかった。乙
引用元: 【ミリマスSS】ジュリア「夢路」
【艦これ】艦娘に慰めてもらうSS【安価】
2019-04-30
1: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/05(月) 20:47:05.79 ID:Np/DpKE5O
時雨「提督?どうしたのさ、元気がないね」
時雨「……そっか、うん。なら……」
時雨「僕の胸においでよ」
ぎゅうっ
時雨「恥ずかしがらなくても、いいんだよ」
時雨「ふふふ。いつも頑張ってる提督は素敵だね」
時雨「でも、たまにはこういうのも必要さ」
時雨「僕で良ければいつでもこうしてあげるよ」
時雨「うん、そうさ。 止まない雨はないんだ」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1520250425
時雨「……そっか、うん。なら……」
時雨「僕の胸においでよ」
ぎゅうっ
時雨「恥ずかしがらなくても、いいんだよ」
時雨「ふふふ。いつも頑張ってる提督は素敵だね」
時雨「でも、たまにはこういうのも必要さ」
時雨「僕で良ければいつでもこうしてあげるよ」
時雨「うん、そうさ。 止まない雨はないんだ」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1520250425
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2: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/05(月) 20:49:07.31 ID:Np/DpKE5O
こんな感じで珍しく元気のない提督を艦娘がぎゅっと抱き締めて慰めてあげるSS
次の艦娘↓2
イベント限定は難しいかも
次の艦娘↓2
イベント限定は難しいかも
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/05(月) 20:49:54.68 ID:34r9xddDO
羽黒
5: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/05(月) 20:59:34.99 ID:Np/DpKE5O
羽黒「あの、司令官さん、失礼します!」
羽黒「あっ……何か、あったんですか?」
羽黒「……な、何でもないってそんな!」
羽黒「羽黒じゃ、頼りない、ですか?」
羽黒「なら、せめて……」
ぎゅうっ
羽黒「司令官さん、これでちょっぴりでも元気になってくれれば、羽黒は、嬉しいです……」
羽黒「……え?私は頼りなくなんてない?」
羽黒「……!えへへ、そうですか、よかったぁ……」
羽黒「司令官さん、辛いときがあったら、また、羽黒に甘えてくださいね」
羽黒「あっ……何か、あったんですか?」
羽黒「……な、何でもないってそんな!」
羽黒「羽黒じゃ、頼りない、ですか?」
羽黒「なら、せめて……」
ぎゅうっ
羽黒「司令官さん、これでちょっぴりでも元気になってくれれば、羽黒は、嬉しいです……」
羽黒「……え?私は頼りなくなんてない?」
羽黒「……!えへへ、そうですか、よかったぁ……」
羽黒「司令官さん、辛いときがあったら、また、羽黒に甘えてくださいね」
6: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/05(月) 21:00:02.29 ID:Np/DpKE5O
次の艦娘
↓2
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8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/05(月) 21:00:36.61 ID:J5SAPgP50
飛龍
9: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/05(月) 21:07:17.64 ID:Np/DpKE5O
飛龍「提督ー、いるー?」
飛龍「……ってあれ?元気ない?」
飛龍「どーしたのさ、らしくないよ!」
飛龍「うーん、結構重症、かな?」
飛龍「もう、しっかたないなぁ」
ぎゅうっ
飛龍「そんなにウジウジしてると、多聞丸に怒られちゃうよ!」
飛龍「大丈夫、私が付いてるんだから、ね!」
飛龍「うんうん、その顔その顔!」
飛龍「ふふふ、じゃあ2人でご飯でも食べに行こっか」
飛龍「……ってあれ?元気ない?」
飛龍「どーしたのさ、らしくないよ!」
飛龍「うーん、結構重症、かな?」
飛龍「もう、しっかたないなぁ」
ぎゅうっ
飛龍「そんなにウジウジしてると、多聞丸に怒られちゃうよ!」
飛龍「大丈夫、私が付いてるんだから、ね!」
飛龍「うんうん、その顔その顔!」
飛龍「ふふふ、じゃあ2人でご飯でも食べに行こっか」
10: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/05(月) 21:08:07.52 ID:Np/DpKE5O
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↓2
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12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/05(月) 21:08:30.34 ID:XQey6nsEO
古鷹
13: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/05(月) 21:16:28.15 ID:Np/DpKE5O
古鷹「提督、次の出撃について相談が……」
古鷹「……提督、何かあったんですか?気分が優れないようです」
古鷹「……そう、そうですか」
古鷹「提督、少し失礼しますね」
ぎゅうっ
古鷹「提督、提督が重巡洋艦のいいところ、たくさん分かってくれたみたいに、古鷹は提督の素敵なところ、いっぱい知ってますよ」
古鷹「だから元気を出して」
古鷹「いつまでもくよくよしちゃ、めっですよ」
古鷹「あ、その笑顔、提督の素敵なところのひとつです♪」
古鷹「……提督、何かあったんですか?気分が優れないようです」
古鷹「……そう、そうですか」
古鷹「提督、少し失礼しますね」
ぎゅうっ
古鷹「提督、提督が重巡洋艦のいいところ、たくさん分かってくれたみたいに、古鷹は提督の素敵なところ、いっぱい知ってますよ」
古鷹「だから元気を出して」
古鷹「いつまでもくよくよしちゃ、めっですよ」
古鷹「あ、その笑顔、提督の素敵なところのひとつです♪」
14: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/05(月) 21:17:16.13 ID:Np/DpKE5O
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16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/05(月) 21:21:26.38 ID:g9BIzxy10
由良
17: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/05(月) 21:31:08.89 ID:Np/DpKE5O
由良「失礼します、提督さん、お茶にしませんか?」
由良「あっ、どうかしたんですか?」
由良「そうですか、それは災難でしたね……」
由良「!そうだ、提督さん、ちょっと失礼します、ね?」
ぎゅうっ
由良「提督さんは、頑張りすぎなんです」
由良「そんな提督さんも大好きだけれど、辛そうなところは見てられません」
由良「だから、頑張るのに疲れたら由良がこうしてあげますから、ね」
由良「大変なことは2人で半分こにしましょうね、ね?」
由良「あっ、どうかしたんですか?」
由良「そうですか、それは災難でしたね……」
由良「!そうだ、提督さん、ちょっと失礼します、ね?」
ぎゅうっ
由良「提督さんは、頑張りすぎなんです」
由良「そんな提督さんも大好きだけれど、辛そうなところは見てられません」
由良「だから、頑張るのに疲れたら由良がこうしてあげますから、ね」
由良「大変なことは2人で半分こにしましょうね、ね?」
18: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/05(月) 21:31:36.51 ID:Np/DpKE5O
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20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/05(月) 21:34:29.98 ID:ARqQ6+4Yo
初霜
22: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/05(月) 21:45:39.89 ID:j6nnCAj/O
初霜「提督、少しよろしいですか」
初霜「え、と、泣いてらしたんですか?」
初霜「提督、私、提督のために何か出来ませんか?」
初霜「え?は、はつしもふもふ?」
初霜「そ、それって……」
ぎゅうっ
初霜「こ、こんな感じですか?」
初霜「あ、提督、表情が柔らかくなってます」
初霜「そ、そんな私のおかげだなんて!」
初霜「……ふふ、もふもふ~♪」
初霜「え、と、泣いてらしたんですか?」
初霜「提督、私、提督のために何か出来ませんか?」
初霜「え?は、はつしもふもふ?」
初霜「そ、それって……」
ぎゅうっ
初霜「こ、こんな感じですか?」
初霜「あ、提督、表情が柔らかくなってます」
初霜「そ、そんな私のおかげだなんて!」
初霜「……ふふ、もふもふ~♪」
23: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/05(月) 21:48:08.55 ID:j6nnCAj/O
次の艦娘
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25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/05(月) 21:50:22.20 ID:J5SAPgP50
萩風
27: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/05(月) 22:11:21.29 ID:Np/DpKE5O
萩風「司令、新しい健康レシピ、考えたんです!召し上がっていただけませんか?」
萩風「え、食欲がない、ですか……」
萩風「何か辛いことでもあったんですか?」
萩風「……そうですか、まずは心の方から健康にしないと、ですね」
ぎゅうっ
萩風「……やっぱり、心の栄養失調みたいですね」
萩風「独りで何でも抱えちゃダメです」
萩風「私でよければいつでも補給して差し上げますから、ね」
萩風「さ、司令!次は体の健康ですっ!」
萩風「腕によりをかけますから、ね♪」
萩風「え、食欲がない、ですか……」
萩風「何か辛いことでもあったんですか?」
萩風「……そうですか、まずは心の方から健康にしないと、ですね」
ぎゅうっ
萩風「……やっぱり、心の栄養失調みたいですね」
萩風「独りで何でも抱えちゃダメです」
萩風「私でよければいつでも補給して差し上げますから、ね」
萩風「さ、司令!次は体の健康ですっ!」
萩風「腕によりをかけますから、ね♪」
28: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/05(月) 22:12:51.09 ID:Np/DpKE5O
とりあえず今日はこれでおしまいです
明日もまたお願いします
次の艦娘
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明日もまたお願いします
次の艦娘
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31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/05(月) 22:21:19.09 ID:6rVnj+X2O
ニム
32: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/06(火) 05:30:39.26 ID:pKHB9MzJO
伊26「ねえねえねえ、提督、今日も元気?」
伊26「ってあれあれ?提督、しょぼーんとして、どうしたの?」
伊26「ふぅーん、だからそんなに落ち込んでるんだね」
伊26「じゃあじゃあ特別サービス♪」
ぎゅうっ
伊26「えへへ、膝枕よりも元気でる?」
伊26「ふふーん、じゃあじゃあ、なでなでもつけちゃおう!」
伊26「そうそうそう、元気が一番だよ♪」
伊26「ってあれあれ?提督、しょぼーんとして、どうしたの?」
伊26「ふぅーん、だからそんなに落ち込んでるんだね」
伊26「じゃあじゃあ特別サービス♪」
ぎゅうっ
伊26「えへへ、膝枕よりも元気でる?」
伊26「ふふーん、じゃあじゃあ、なでなでもつけちゃおう!」
伊26「そうそうそう、元気が一番だよ♪」
33: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/06(火) 05:31:07.45 ID:pKHB9MzJO
次の艦娘
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35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/06(火) 05:36:05.34 ID:sUa8m1POO
伊168
36: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/06(火) 05:50:23.49 ID:pKHB9MzJO
伊168「司令官、資源回収終わりました!」
伊168「……あれ?どうかした?元気がないみたい」
伊168「別に、じゃなくてイムヤ、心配してるんだよ?」
伊168「うん、素直でよろしい!さ、いらっしゃい」
ぎゅうっ
伊168「ふふ、よしよし……」
伊168「司令官、いつも頑張ってるんだから、たまにはこうやって素直に甘えないと」
伊168「司令官が望むなら、イムヤはいつでも甘やかしてあげるんだから♪」
伊168「……あれ?どうかした?元気がないみたい」
伊168「別に、じゃなくてイムヤ、心配してるんだよ?」
伊168「うん、素直でよろしい!さ、いらっしゃい」
ぎゅうっ
伊168「ふふ、よしよし……」
伊168「司令官、いつも頑張ってるんだから、たまにはこうやって素直に甘えないと」
伊168「司令官が望むなら、イムヤはいつでも甘やかしてあげるんだから♪」
37: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/06(火) 05:52:55.96 ID:pKHB9MzJO
次の艦娘
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39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/06(火) 06:51:04.13 ID:Mrqb2gBHo
五十鈴
44: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/06(火) 19:43:41.18 ID:6tp3J5LcO
五十鈴「何?その腑抜けた顔」
五十鈴「あら、そう、そんなこと?」
五十鈴「それくらいで私の歴代艦長たちはへこたれなかったわ」
五十鈴「……仕方ないわね」
ぎゅうっ
五十鈴「バカね、あなたはいつも考えすぎなの」
五十鈴「言ったでしょ、私の艦長はこんなことじゃへこたれないの」
五十鈴「……元気出た?ふふ、この五十鈴が慰めてあげたんだもの、普通に当たり前じゃない」
五十鈴「さ、立ち直ったなら仕事に励みなさい」
五十鈴「期待してるわ、提督♪」
五十鈴「あら、そう、そんなこと?」
五十鈴「それくらいで私の歴代艦長たちはへこたれなかったわ」
五十鈴「……仕方ないわね」
ぎゅうっ
五十鈴「バカね、あなたはいつも考えすぎなの」
五十鈴「言ったでしょ、私の艦長はこんなことじゃへこたれないの」
五十鈴「……元気出た?ふふ、この五十鈴が慰めてあげたんだもの、普通に当たり前じゃない」
五十鈴「さ、立ち直ったなら仕事に励みなさい」
五十鈴「期待してるわ、提督♪」
45: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/06(火) 20:54:33.65 ID:6tp3J5LcO
忘れてた
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47: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/06(火) 20:56:20.25 ID:BnoSfztA0
阿賀野
50: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/06(火) 21:25:27.66 ID:6tp3J5LcO
阿賀野「提督さん、キラリーン☆」
阿賀野「あれ?もしかしてへこんでる?」
阿賀野「むぅ、どうみても何でもなくないけどなぁ」
阿賀野「あっ、そうだ♪」
ぎゅうっ
阿賀野「えへへ、阿賀野のキラリンビーム、こうやって当てることもできるんだから☆」
阿賀野「元気出てきた?……んー、でも今日はおやすみしましょ?」
阿賀野「頑張りすぎると体に毒よ?」
阿賀野「うんうん、じゃあこのままお昼寝しよっか♪」
阿賀野「あれ?もしかしてへこんでる?」
阿賀野「むぅ、どうみても何でもなくないけどなぁ」
阿賀野「あっ、そうだ♪」
ぎゅうっ
阿賀野「えへへ、阿賀野のキラリンビーム、こうやって当てることもできるんだから☆」
阿賀野「元気出てきた?……んー、でも今日はおやすみしましょ?」
阿賀野「頑張りすぎると体に毒よ?」
阿賀野「うんうん、じゃあこのままお昼寝しよっか♪」
51: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/06(火) 21:26:03.71 ID:6tp3J5LcO
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53: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/06(火) 21:27:21.47 ID:E1kq9pII0
大鳳
54: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/06(火) 21:49:24.41 ID:6tp3J5LcO
大鳳「提督!今日はこの大鳳が秘書艦を務めるわ」
大鳳「って、あら?提督、元気がないみたい」
大鳳「……もう、『大丈夫』ってそんな風には見えないわ」
ぎゅうっ
大鳳「提督、前に私、言いましたよね?」
大鳳「『ずっと、ずっと一緒に頑張りましょう』って」
大鳳「もう独りで悩むのは、やめてください」
大鳳「……うん、そうよ!この大鳳がいつでも力になるわ!」
大鳳「だから、無理はダメよ?」
大鳳「ふふ、じゃあ少しジョギングに行きましょう?」
大鳳「大丈夫、提督のペースに合わせます♪」
大鳳「って、あら?提督、元気がないみたい」
大鳳「……もう、『大丈夫』ってそんな風には見えないわ」
ぎゅうっ
大鳳「提督、前に私、言いましたよね?」
大鳳「『ずっと、ずっと一緒に頑張りましょう』って」
大鳳「もう独りで悩むのは、やめてください」
大鳳「……うん、そうよ!この大鳳がいつでも力になるわ!」
大鳳「だから、無理はダメよ?」
大鳳「ふふ、じゃあ少しジョギングに行きましょう?」
大鳳「大丈夫、提督のペースに合わせます♪」
55: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/06(火) 21:54:32.38 ID:6tp3J5LcO
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57: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/06(火) 21:56:00.52 ID:8akscMYdo
熊野
58: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/06(火) 22:16:31.11 ID:6tp3J5LcO
熊野「提督?ずいぶんと気落ちしてますわね?」
熊野「うふふふ、まさか軍令部よりお叱りの連絡が?」
熊野「え!?あ、ああ……そ、そうでしたの……」
熊野「ま、まあ、提督は普段はよくやってると思いますわよ?」
熊野「…………えと、ああ、もう!」
ぎゅうっ
熊野「まったく!そんなことでいつまでも、情けなくってよ?」
熊野「……ほら、この熊野にここまでさせたのだから、シャキッとなさい」
熊野「ふふ、そう、そうですわ」
熊野「さあ提督、お茶の時間にしましょう?」
熊野「うふふふ、まさか軍令部よりお叱りの連絡が?」
熊野「え!?あ、ああ……そ、そうでしたの……」
熊野「ま、まあ、提督は普段はよくやってると思いますわよ?」
熊野「…………えと、ああ、もう!」
ぎゅうっ
熊野「まったく!そんなことでいつまでも、情けなくってよ?」
熊野「……ほら、この熊野にここまでさせたのだから、シャキッとなさい」
熊野「ふふ、そう、そうですわ」
熊野「さあ提督、お茶の時間にしましょう?」
59: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/06(火) 22:17:14.22 ID:6tp3J5LcO
とりあえず今日はこれでおしまいです
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61: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/06(火) 22:24:39.44 ID:FkpStahGo
足柄
62: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/07(水) 19:52:53.65 ID:tbx1pCf3O
足柄「提督!今日も1日勝利に向かって張り切って行くわよ!」
足柄「……あれ?ノリ悪いわね?」
足柄「もぉ!そんな辛気くさい顔してたら勝利が逃げちゃうじゃない!」
足柄「むぅ……強情ねぇ、それなら!」
ぎゅうっ
足柄「うふふ、どう?提督はやっぱりこの方が元気出るでしょう?」
足柄「……勝利を掴むためには失敗をいつまでも引きずっちゃダメよ」
足柄「諦めないで何度でも立ち上がるの」
足柄「大丈夫、私が付いてるわ」
足柄「よし!それじゃあまずは腹ごしらえよ!豚カツでいいかしら!」
足柄「……あれ?ノリ悪いわね?」
足柄「もぉ!そんな辛気くさい顔してたら勝利が逃げちゃうじゃない!」
足柄「むぅ……強情ねぇ、それなら!」
ぎゅうっ
足柄「うふふ、どう?提督はやっぱりこの方が元気出るでしょう?」
足柄「……勝利を掴むためには失敗をいつまでも引きずっちゃダメよ」
足柄「諦めないで何度でも立ち上がるの」
足柄「大丈夫、私が付いてるわ」
足柄「よし!それじゃあまずは腹ごしらえよ!豚カツでいいかしら!」
63: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/07(水) 19:53:21.89 ID:tbx1pCf3O
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65: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/07(水) 19:54:59.27 ID:386mW0H10
蒼龍
66: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/07(水) 20:14:15.57 ID:l4PFvpiyO
蒼龍「提督、お疲れさま♪甘いものとか食べに行きません?」
蒼龍「……あちゃー、もしかして何かありました?」
蒼龍「そっかぁ、そんなことが……」
蒼龍「んー、提督、ちょっといーい?」
ぎゅうっ
蒼龍「ほーら、あんまり暴れないで?」
蒼龍「大丈夫、今は誰もみてませんよ」
蒼龍「提督、たまにはこういうのも、いいでしょ?」
蒼龍「えへへ、でしょ?嬉しいなぁ♪」
蒼龍「よしよし、いい子いい子♪」
蒼龍「さ、気分転換にアイスでも食べに行きましょ!」
蒼龍「……あちゃー、もしかして何かありました?」
蒼龍「そっかぁ、そんなことが……」
蒼龍「んー、提督、ちょっといーい?」
ぎゅうっ
蒼龍「ほーら、あんまり暴れないで?」
蒼龍「大丈夫、今は誰もみてませんよ」
蒼龍「提督、たまにはこういうのも、いいでしょ?」
蒼龍「えへへ、でしょ?嬉しいなぁ♪」
蒼龍「よしよし、いい子いい子♪」
蒼龍「さ、気分転換にアイスでも食べに行きましょ!」
67: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/07(水) 20:14:49.46 ID:l4PFvpiyO
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69: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/07(水) 20:17:36.63 ID:o0ZwyzEJ0
天霧
71: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/07(水) 20:46:05.86 ID:l4PFvpiyO
天霧「どうしたのさ、そんなシケた面して、ん?」
天霧「ははあ、そいつは災難だったなぁ」
天霧「ったく、そこまで気にすることじゃないだろ?」
天霧「……あーもう!しょーがねぇなぁ!」
ぎゅうっ
天霧「いっつも言ってるだろ?あたしは提督を信じてるし、応援してる」
天霧「だからさ、いつまでもウダウダしてんなよ」
天霧「だーいじょうぶさ!提督もあたしを信じろ!」
天霧「提督はきっと立派で大きな奴になるさ!な?」
天霧「ははあ、そいつは災難だったなぁ」
天霧「ったく、そこまで気にすることじゃないだろ?」
天霧「……あーもう!しょーがねぇなぁ!」
ぎゅうっ
天霧「いっつも言ってるだろ?あたしは提督を信じてるし、応援してる」
天霧「だからさ、いつまでもウダウダしてんなよ」
天霧「だーいじょうぶさ!提督もあたしを信じろ!」
天霧「提督はきっと立派で大きな奴になるさ!な?」
72: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/07(水) 20:46:40.44 ID:l4PFvpiyO
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74: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/07(水) 20:48:42.80 ID:MV0vPdzoO
大井っち
75: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/07(水) 21:03:11.71 ID:l4PFvpiyO
大井「提督?何ですか、そんな顔して」
大井「……ふぅん、そうですか、それで」
大井「あの、空気が良くないのでいい加減立ち直ってくれません?」
大井「あっ……ごめんなさい、少し言い過ぎました」
大井「はあ、仕方ないわね」
ぎゅうっ
大井「今日だけ!ですからね」
大井「提督のこんな情けない姿、北上さんに見せられませんから」
大井「あ、あくまで北上さんのためですから!」
大井「っ!何です、その目!もう元気なんじゃないですか!?」
大井「ほら!もう離れてください!こんなとこ北上さんに見られるわけにはいかないわ!」
大井「……ぁ、本当に離れなくても……」
大井「な、何でもないですから!」
大井「……ふぅん、そうですか、それで」
大井「あの、空気が良くないのでいい加減立ち直ってくれません?」
大井「あっ……ごめんなさい、少し言い過ぎました」
大井「はあ、仕方ないわね」
ぎゅうっ
大井「今日だけ!ですからね」
大井「提督のこんな情けない姿、北上さんに見せられませんから」
大井「あ、あくまで北上さんのためですから!」
大井「っ!何です、その目!もう元気なんじゃないですか!?」
大井「ほら!もう離れてください!こんなとこ北上さんに見られるわけにはいかないわ!」
大井「……ぁ、本当に離れなくても……」
大井「な、何でもないですから!」
76: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/07(水) 21:03:45.07 ID:l4PFvpiyO
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81: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/07(水) 21:11:09.23 ID:kHYXJgv+O
榛名
82: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/07(水) 21:22:14.19 ID:L7xWN8p/O
榛名「提督、顔色がよくないように見えます、少しお休みになった方が……」
榛名「そんな!全然大丈夫じゃないです!」
榛名「提督、榛名は少しでも提督の力になりたいです、だからせめて……」
ぎゅうっ
榛名「ごめんなさい、失礼でしたね……」
榛名「え?ぁ、本当ですか?なら、ならよかったです!」
榛名「提督、榛名は提督の優しさに十分なお返しが出来ていません……」
榛名「それでも、少しずつでもお返しがしたいと思ってます」
榛名「だから、もしよかったら、またお返しさせてください!」
榛名「ええ、榛名はいつでも大丈夫です♪」
榛名「そんな!全然大丈夫じゃないです!」
榛名「提督、榛名は少しでも提督の力になりたいです、だからせめて……」
ぎゅうっ
榛名「ごめんなさい、失礼でしたね……」
榛名「え?ぁ、本当ですか?なら、ならよかったです!」
榛名「提督、榛名は提督の優しさに十分なお返しが出来ていません……」
榛名「それでも、少しずつでもお返しがしたいと思ってます」
榛名「だから、もしよかったら、またお返しさせてください!」
榛名「ええ、榛名はいつでも大丈夫です♪」
83: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/07(水) 21:22:44.83 ID:L7xWN8p/O
次の艦娘
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85: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/07(水) 21:28:19.00 ID:BI4VktBBO
睦月
86: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/07(水) 21:40:06.26 ID:L7xWN8p/O
睦月「およ?提督、落ち込んでます?」
睦月「この睦月が話を聴いてあげましょー!」
睦月「ふむふむ、なるほどなるほど」
睦月「提督は悩むときも難しいにゃあ」
睦月「じゃあ、睦月が元気の出るおまじないしてあげるのね!」
ぎゅうっ
睦月「ふふーん、どうですかどうですか?睦月型の長女の包容力!これで提督も元気出たにゃしい!」
睦月「えへへへ、これでも睦月はみんなのお姉ちゃんにゃし、もっと頼りにしてもいいのね!」
睦月「うんうん、もっともっと褒めるがよいぞ!いひひ♪」
睦月「この睦月が話を聴いてあげましょー!」
睦月「ふむふむ、なるほどなるほど」
睦月「提督は悩むときも難しいにゃあ」
睦月「じゃあ、睦月が元気の出るおまじないしてあげるのね!」
ぎゅうっ
睦月「ふふーん、どうですかどうですか?睦月型の長女の包容力!これで提督も元気出たにゃしい!」
睦月「えへへへ、これでも睦月はみんなのお姉ちゃんにゃし、もっと頼りにしてもいいのね!」
睦月「うんうん、もっともっと褒めるがよいぞ!いひひ♪」
87: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/07(水) 21:41:12.18 ID:L7xWN8p/O
次の艦娘
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91: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/07(水) 21:51:03.91 ID:QvW4I81Bo
加賀
93: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/07(水) 22:03:50.25 ID:L7xWN8p/O
加賀「どうかしましたか?」
加賀「……そうですか、それで?」
加賀「ええ、しっかりと反省出来ているならこれ以上思い悩む必要もないと思いますが」
加賀「……そう、仕方ありませんね」
ぎゅうっ
加賀「…………少しは楽になりましたか?」
加賀「そうですか、ならよかったです」
加賀「私はこれでも貴方を認めているつもりです」
加賀「まあ、たまにはこうするのも悪くないでしょう」
加賀「その時はまた、私に言ってください」
加賀「……ここは譲れません」
加賀「……そうですか、それで?」
加賀「ええ、しっかりと反省出来ているならこれ以上思い悩む必要もないと思いますが」
加賀「……そう、仕方ありませんね」
ぎゅうっ
加賀「…………少しは楽になりましたか?」
加賀「そうですか、ならよかったです」
加賀「私はこれでも貴方を認めているつもりです」
加賀「まあ、たまにはこうするのも悪くないでしょう」
加賀「その時はまた、私に言ってください」
加賀「……ここは譲れません」
94: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/07(水) 22:08:11.41 ID:L7xWN8p/O
では以上で安価分はおしまいにします
あと数人分だけ書き溜めていたのを投下します
あと数人分だけ書き溜めていたのを投下します
95: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/07(水) 22:08:54.36 ID:L7xWN8p/O
曙「クソ提督! 遠征の報告に来たわよ!」
曙「ん……なんか元気ないみたいね」
曙「な! は、はあ? 別に心配とかじゃないから!」
曙「それに! 私にそんなの求めないでよね!」
曙「そういうのなら他に適任がたくさん居るでしょ?!」
曙「~~~!!」
ぎゅうっ
曙「き、今日だけ! 今日だけなんだから!」
曙「こんなこと他の娘にさせられないし?!」
曙「……元気出しなさいよ、クソ提督」
曙「ん……なんか元気ないみたいね」
曙「な! は、はあ? 別に心配とかじゃないから!」
曙「それに! 私にそんなの求めないでよね!」
曙「そういうのなら他に適任がたくさん居るでしょ?!」
曙「~~~!!」
ぎゅうっ
曙「き、今日だけ! 今日だけなんだから!」
曙「こんなこと他の娘にさせられないし?!」
曙「……元気出しなさいよ、クソ提督」
96: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/07(水) 22:09:21.78 ID:L7xWN8p/O
満潮「司令官? 何よそんな顔して」
満潮「……そう、それで落ち込んでたの? ふぅん」
満潮「何よ、慰められるとでも思った? 甘えないで」
満潮「……これは艦隊の士気に関わるから仕方なく、だから」
ぎゅうっ
満潮「司令官がこんなんじゃみんなに示しがつかないじゃない」
満潮「……馬鹿、甘えすぎ」
満潮「そう、元気でたのね、よかったんじゃない?」
満潮「……私も甘くなったわね」
満潮「……そう、それで落ち込んでたの? ふぅん」
満潮「何よ、慰められるとでも思った? 甘えないで」
満潮「……これは艦隊の士気に関わるから仕方なく、だから」
ぎゅうっ
満潮「司令官がこんなんじゃみんなに示しがつかないじゃない」
満潮「……馬鹿、甘えすぎ」
満潮「そう、元気でたのね、よかったんじゃない?」
満潮「……私も甘くなったわね」
97: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/07(水) 22:09:58.77 ID:L7xWN8p/O
霞「何よどうしたの? 落ち込んでるみたいだけど」
霞「はあ? そんなことでうじうじしてるの? まったく、情けないったら!」
霞「……っ、こっち来なさい」
ぎゅうっ
霞「もう、あんたがそんなだと他のみんなの士気に関わるわ」
霞「だからっ! 仕方なくよ、勘違いしないでってば!」
霞「……ふふ、少しはマシになったみたいね?」
霞「え? ……たまになら、いいわよ」
霞「はあ? そんなことでうじうじしてるの? まったく、情けないったら!」
霞「……っ、こっち来なさい」
ぎゅうっ
霞「もう、あんたがそんなだと他のみんなの士気に関わるわ」
霞「だからっ! 仕方なくよ、勘違いしないでってば!」
霞「……ふふ、少しはマシになったみたいね?」
霞「え? ……たまになら、いいわよ」
98: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/07(水) 22:10:26.73 ID:L7xWN8p/O
夕立「提督さん、元気ないっぽい?」
夕立「ふーん……夕立、難しいことわかんないっぽい」
夕立「あっ! なら夕立が提督さんを慰めてあげる~!」
ぎゅうっ
夕立「提督さん、気持ちいいっぽい?」
夕立「わっ、あまり顔埋めないで~、くすぐったいっぽい~!」
夕立「もうっ、提督さんは甘えん坊っぽい」
夕立「え?夕立のおかげでしっかり元気出たっぽい? えへへ、褒めて褒めて~♪」
夕立「ふーん……夕立、難しいことわかんないっぽい」
夕立「あっ! なら夕立が提督さんを慰めてあげる~!」
ぎゅうっ
夕立「提督さん、気持ちいいっぽい?」
夕立「わっ、あまり顔埋めないで~、くすぐったいっぽい~!」
夕立「もうっ、提督さんは甘えん坊っぽい」
夕立「え?夕立のおかげでしっかり元気出たっぽい? えへへ、褒めて褒めて~♪」
99: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/07(水) 22:11:01.37 ID:L7xWN8p/O
白露「提督提督っ! 今日は私がMVP! いっちばんだよー!」
白露「……って! なんでそんなに落ち込んでるのー!」
白露「ふんふん、ほぉーう……よくわかんないけど」
ぎゅうっ
白露「こうして欲しいんでしょ?」
白露「正直でよろしい! ……っていつもは私がされてるからね」
白露「そのお返しだよ!」
白露「うんうん!辛くなったら、いっちばんに私に頼っていいんだからね!」
白露「……って! なんでそんなに落ち込んでるのー!」
白露「ふんふん、ほぉーう……よくわかんないけど」
ぎゅうっ
白露「こうして欲しいんでしょ?」
白露「正直でよろしい! ……っていつもは私がされてるからね」
白露「そのお返しだよ!」
白露「うんうん!辛くなったら、いっちばんに私に頼っていいんだからね!」
100: ◆ptzcZqKl3ihz 2018/03/07(水) 22:11:43.36 ID:L7xWN8p/O
これで終わりです
お付き合いありがとうございました
お付き合いありがとうございました
101: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/07(水) 22:34:52.52 ID:QHT2fLPso
ゆーおつー
102: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/08(木) 14:49:25.07 ID:W5ayhIV30
おつ
ツンデレ組は見たかったんだよ
ありがとう
ツンデレ組は見たかったんだよ
ありがとう
104: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/09(金) 05:01:29.77 ID:fJHPn4iu0
おつー
ほのぼのでよかった
ほのぼのでよかった
105: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/10(土) 04:24:45.79 ID:XoioDCXbo
おつ。いいスレや
106: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/11(日) 01:39:24.82 ID:olAF5Isc0
もっと白露メインのss見たいのう…と癒されながら思った
103: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/08(木) 21:45:59.78 ID:xvc8i5yBO
俺得な安価スレを開いたら既に終わってたときの絶望感
引用元: 【艦これ】艦娘に慰めてもらうSS【安価】
モバP「安価でアイドルたちとまったり過ごす」
2019-04-30
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 16:13:40.86 ID:D/rDY2aA0
ヤマなしオチなし3~5レスずつくらいで短く書いていきます
安価は好きなキャラと、希望するシチュがあればそれもどうぞ
例:《黒川千秋と果物狩り》
《しゅーこ》
まずは《乙倉悠貴とご褒美バイキング》から書いていきます
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1479626020
安価は好きなキャラと、希望するシチュがあればそれもどうぞ
例:《黒川千秋と果物狩り》
《しゅーこ》
まずは《乙倉悠貴とご褒美バイキング》から書いていきます
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1479626020
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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 16:19:56.56 ID:D/rDY2aA0
《乙倉悠貴とご褒美バイキング》
悠貴「わ、わ、わーっ。すごいですっ」
P「おー。美味そうなのが並んでるな」
悠貴「とっても美味しそうで、綺麗で……。えへへっ、なんだか少し大人になったみたい、ですっ!」
P「はは。今日は悠貴のお祝いだからな。好きなだけ食べていいんだぞ」
悠貴「嬉しいですっ! えへへ、どれにしようかな~っ♪」
P(悠貴のCDデビューが決まり、売れ行きも無事上々であることを見届けたのち)
P(俺と悠貴はバイキングにやって来ていた)
P(空き時間を利用した、祝勝会……いや、祝賀会といったところである)
悠貴「わ、わ、わーっ。すごいですっ」
P「おー。美味そうなのが並んでるな」
悠貴「とっても美味しそうで、綺麗で……。えへへっ、なんだか少し大人になったみたい、ですっ!」
P「はは。今日は悠貴のお祝いだからな。好きなだけ食べていいんだぞ」
悠貴「嬉しいですっ! えへへ、どれにしようかな~っ♪」
P(悠貴のCDデビューが決まり、売れ行きも無事上々であることを見届けたのち)
P(俺と悠貴はバイキングにやって来ていた)
P(空き時間を利用した、祝勝会……いや、祝賀会といったところである)
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 16:22:54.79 ID:D/rDY2aA0
悠貴「お、お待たせしましたっ!」
P「おう、遅かったな……、って」
ごちゃっ
P「……ずいぶんいっぱい取ったんだなぁ。食べられるのか?」
悠貴「どれも美味しそうだから、つい目移りしてしまってっ! でも大丈夫ですよ、食べた分は走ればいいんですっ」
P「おお、さすが陸上部……。ま、それならいいか。それじゃあ悠貴、とりあえず」
悠貴「あ、はいっ」
P「CDデビューおめでとう。乾杯」
悠貴「乾杯、ですっ」
かんっ
P「おう、遅かったな……、って」
ごちゃっ
P「……ずいぶんいっぱい取ったんだなぁ。食べられるのか?」
悠貴「どれも美味しそうだから、つい目移りしてしまってっ! でも大丈夫ですよ、食べた分は走ればいいんですっ」
P「おお、さすが陸上部……。ま、それならいいか。それじゃあ悠貴、とりあえず」
悠貴「あ、はいっ」
P「CDデビューおめでとう。乾杯」
悠貴「乾杯、ですっ」
かんっ
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 16:28:55.01 ID:D/rDY2aA0
P「聞いてると思うけどさ。売上、随分順調だって」
悠貴「はいっ。おじいちゃんおばあちゃんや、両親の友達も、CD買ってくれているみたいで。すっごく嬉しいですっ」
P「悠貴、頑張ってたからな。本当によかったよ」
悠貴「私も、すごくほっとしました……。どうしても、悪い結果だったらどうしよう、なんて思っちゃって」
P「そうなのか? 全然そんな風には見えなかったけど」
悠貴「そうなんですっ。もう、ジュニアモデルのお仕事のときより、陸上の競技会の時より緊張しちゃいましたっ」
P「あはは。それでもあれだけのパフォーマンスができるんだから、悠貴はすごいなぁ」
悠貴「えへへっ。でも、プロデューサーさんのおかげでもあるんですよっ?」
P「え?」
悠貴「はいっ。おじいちゃんおばあちゃんや、両親の友達も、CD買ってくれているみたいで。すっごく嬉しいですっ」
P「悠貴、頑張ってたからな。本当によかったよ」
悠貴「私も、すごくほっとしました……。どうしても、悪い結果だったらどうしよう、なんて思っちゃって」
P「そうなのか? 全然そんな風には見えなかったけど」
悠貴「そうなんですっ。もう、ジュニアモデルのお仕事のときより、陸上の競技会の時より緊張しちゃいましたっ」
P「あはは。それでもあれだけのパフォーマンスができるんだから、悠貴はすごいなぁ」
悠貴「えへへっ。でも、プロデューサーさんのおかげでもあるんですよっ?」
P「え?」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 16:33:12.60 ID:D/rDY2aA0
悠貴「私、今でもちょっと信じられないんですっ。自分があんな風にかわいい衣装を着て」
悠貴「歌って、踊って、みんなにかわいいって言ってもらって」
悠貴「……だって、今までは、ちょっと背が高いから大人っぽいとか頼れそうとか、そんなことばかりで、かわいいなんてあまり言われたことありませんでしたから」
P「……そっか」
悠貴「でもプロデューサーさんが、可愛いアイドルにしてくれるって言って、衣装やお仕事を用意してくれて、頑張る道を教えてくれてっ」
悠貴「憧れのアイドルに、なれて……。えへへっ。どうですか、プロデューサーさんっ」
悠貴「かわいいユウキに、なれましたっ?」
P「……うん、充分なれてるよ。それでもっともっと、いろんな歌やお仕事をしていこうな」
悠貴「はいっ。プロデューサーさんのこと、信じてますからっ!」
P(まっすぐなその言葉に)
P(この子をプロデュースしてきてよかったなあ、としみじみ思う自分なのだった)
P「……そんで、生野菜は少しずつ食べられるようになっていこうな」
悠貴「う、ううっ! それはちょっと……。す、すこしずつ克服していきますっ」
悠貴「歌って、踊って、みんなにかわいいって言ってもらって」
悠貴「……だって、今までは、ちょっと背が高いから大人っぽいとか頼れそうとか、そんなことばかりで、かわいいなんてあまり言われたことありませんでしたから」
P「……そっか」
悠貴「でもプロデューサーさんが、可愛いアイドルにしてくれるって言って、衣装やお仕事を用意してくれて、頑張る道を教えてくれてっ」
悠貴「憧れのアイドルに、なれて……。えへへっ。どうですか、プロデューサーさんっ」
悠貴「かわいいユウキに、なれましたっ?」
P「……うん、充分なれてるよ。それでもっともっと、いろんな歌やお仕事をしていこうな」
悠貴「はいっ。プロデューサーさんのこと、信じてますからっ!」
P(まっすぐなその言葉に)
P(この子をプロデュースしてきてよかったなあ、としみじみ思う自分なのだった)
P「……そんで、生野菜は少しずつ食べられるようになっていこうな」
悠貴「う、ううっ! それはちょっと……。す、すこしずつ克服していきますっ」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 16:33:55.25 ID:D/rDY2aA0
こんな感じで短く書いていきます
よろしければ次の安価お願いいたします
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7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 16:34:12.13 ID:Pf1sUy1xO
市原仁奈とデート
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 16:36:28.18 ID:uPExbt1n0
涼宮さんとオーケストラのコンサートへ
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 16:43:52.16 ID:D/rDY2aA0
《市原仁奈とデート》
仁奈「おーっ、いい匂いがしやがりますっ」
P「本当だな。もう寒くなって来たとはいえ、活気があるもんだ」
P(今日は仁奈と地方ロケに来ている)
P(地元の大きなお祭りのゲストとして呼ばれた形だが、出番まで時間があるので好きに過ごしていいですよ、と言われたため)
P(仁奈と二人でふらついているというわけだ)
仁奈「ふっふーん。あー! プロデューサー! 金魚すくいでごぜーますよ、ほらほらー!」
P「はいはい、あんまり走るなよー」
仁奈「おーっ、いい匂いがしやがりますっ」
P「本当だな。もう寒くなって来たとはいえ、活気があるもんだ」
P(今日は仁奈と地方ロケに来ている)
P(地元の大きなお祭りのゲストとして呼ばれた形だが、出番まで時間があるので好きに過ごしていいですよ、と言われたため)
P(仁奈と二人でふらついているというわけだ)
仁奈「ふっふーん。あー! プロデューサー! 金魚すくいでごぜーますよ、ほらほらー!」
P「はいはい、あんまり走るなよー」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 16:49:27.40 ID:D/rDY2aA0
仁奈「金魚すくいに、ヨーヨー釣りに、しゃてき……。むふー、どれも楽しそーですよ……!」
P「あ、仁奈。お面あるぞお面。犬とかウサギとか。どうだ、どれか買っていくか?」
仁奈「…………?」
P「……あれ? 興味なしか?」
仁奈「ちっちっちっ。あめーですよ。プロデューサー」
仁奈「お面なんて、小さな子供が喜ぶもんです。仁奈はそれくらい喜ぶお子様じゃねーですよ」
P「お、おう……」
仁奈「って、あーっ!! これ、猫の着ぐるみ型パジャマですよ! これ、プロデューサー、ほしーです、これっ!」
P「や、これくじ引きの商品っぽいからなぁ……。ちょっと諦めた方がいいんじゃないか」
仁奈「えーっ! これ、仁奈のアンテナにびんびんきてやがります!」
P(基準が分からん……)
P「あ、仁奈。お面あるぞお面。犬とかウサギとか。どうだ、どれか買っていくか?」
仁奈「…………?」
P「……あれ? 興味なしか?」
仁奈「ちっちっちっ。あめーですよ。プロデューサー」
仁奈「お面なんて、小さな子供が喜ぶもんです。仁奈はそれくらい喜ぶお子様じゃねーですよ」
P「お、おう……」
仁奈「って、あーっ!! これ、猫の着ぐるみ型パジャマですよ! これ、プロデューサー、ほしーです、これっ!」
P「や、これくじ引きの商品っぽいからなぁ……。ちょっと諦めた方がいいんじゃないか」
仁奈「えーっ! これ、仁奈のアンテナにびんびんきてやがります!」
P(基準が分からん……)
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 16:57:40.98 ID:D/rDY2aA0
P「ほい、仁奈。手をつなぐぞ」
仁奈「手ー、ですか? むむむ……?」
P「? どうした? 迷子になったら危ないだろ?」
仁奈「プロデューサーは、仁奈とデートがしてーですか?」
P「……は?」
仁奈「莉嘉おねーさんが言ってやがったですよ。『男子と女子が手を繋いで歩いたらラブラブデートだよー☆』って。違うですか?」
P「違う……。とは言い切れないけどなぁ。まあそれでもいいや、人も増えてきたし、行くぞー」きゅっ
仁奈「あっ……。えへへ。Pの手、でっかいですよ。これなら迷子にならねーですね」
P「そうだな、仁奈とはぐれたら大変だからな」
仁奈「本当ですよ。Pは目を離すとすぐどっかに行きやがりますからねー」
P「…………そうだな」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 17:03:34.33 ID:D/rDY2aA0
仁奈「はい、わたがしです。あーんですよ、プロデューサー」
仁奈「……千枝おねーさんが、オトナの女性はこうやって食べさせてあげるといってやがりました」
仁奈「あーもう、ソースが垂れてやがります。拭くからじっとしてくだせー!」
仁奈「……桃華が、れでぃーはこうしてとのがた身だしなみに気を使ってあげるものだって」
仁奈「はい、ごみは仁奈が捨ててきやがります! いいから任せてくだせー!」
仁奈「お姉ちゃんだったらごみ捨てくらいはしないと、ってみりあちゃんも言ってやがりました!」
P(……なんだか、仁奈の発言ひとつひとつに)
P(事務所のアイドルがお姉ちゃん代わりになってくれているのだなあと感じる俺なのだった。……よくも悪くも)
仁奈「どうしました、プロデューサー? 体調が悪いなら、ここにちひろおねーさんんからもらったドリンクが」
P「捨てなさい」
仁奈「……千枝おねーさんが、オトナの女性はこうやって食べさせてあげるといってやがりました」
仁奈「あーもう、ソースが垂れてやがります。拭くからじっとしてくだせー!」
仁奈「……桃華が、れでぃーはこうしてとのがた身だしなみに気を使ってあげるものだって」
仁奈「はい、ごみは仁奈が捨ててきやがります! いいから任せてくだせー!」
仁奈「お姉ちゃんだったらごみ捨てくらいはしないと、ってみりあちゃんも言ってやがりました!」
P(……なんだか、仁奈の発言ひとつひとつに)
P(事務所のアイドルがお姉ちゃん代わりになってくれているのだなあと感じる俺なのだった。……よくも悪くも)
仁奈「どうしました、プロデューサー? 体調が悪いなら、ここにちひろおねーさんんからもらったドリンクが」
P「捨てなさい」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 17:11:04.31 ID:D/rDY2aA0
《涼宮星花とオーケストラのコンサート》
星花「……ューサー様。プロデューサー様」ゆさゆさ
P「……ん。あ、……れ?」
星花「ふふ。随分深く眠っていらしたんですのね」
P「……っ。俺、寝てたのか? もしかして、もう」
星花「ええ。コンサートは終わってしまいましたわ。退場にはもう少し時間がありますけれど……」
星花「……ふふ。あの拍手の中でも起きないなんて、本当に深く眠っていらしたんですのね」
P「マジか……。本当に、ごめん。俺の方から誘っておいて」
星花「いいんですのよ。プロデューサー様もお疲れなのですから。お気になさらないでください」
星花「……ューサー様。プロデューサー様」ゆさゆさ
P「……ん。あ、……れ?」
星花「ふふ。随分深く眠っていらしたんですのね」
P「……っ。俺、寝てたのか? もしかして、もう」
星花「ええ。コンサートは終わってしまいましたわ。退場にはもう少し時間がありますけれど……」
星花「……ふふ。あの拍手の中でも起きないなんて、本当に深く眠っていらしたんですのね」
P「マジか……。本当に、ごめん。俺の方から誘っておいて」
星花「いいんですのよ。プロデューサー様もお疲れなのですから。お気になさらないでください」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 17:19:17.42 ID:D/rDY2aA0
星花「しかし、どうしてまたオーケストラなどにお誘いに?」
P「や、ちょうど仕事先でチケットをいただいたからというのもあるんだけど……。星花、バイオリンが趣味って言ってたからさ」
P「せっかくだから俺も、少しくらい星花と話ができるようになりたいなって」
星花「そうでしたの……。ふふ、その心遣いが嬉しいですわ」
P「ぐっすり寝ておいて、何を言ってるんだって感じだけどな……。本当にごめん」
星花「良い音楽、というのはヒーリング効果があるそうですから」
星花「ある意味、一番今日の音楽を堪能していたのはプロデューサー様かもしれませんよ? ……うふふ」
P「……あはは、星花がそんな冗談言うなんてなぁ」
星花「まあ。本心ですのに」
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 17:22:14.66 ID:D/rDY2aA0
星花「……それに、眠っていていただいたから良かったなあということもありますから」
P「……へ? 眠っていたから良かった、なんてことがあるのか?」
星花「……まあ、一種の役得、と言いましょうか」
P「役得……?」
星花「それだけ深くお眠りになられていたということですわ。……ふふっ♪」
P「……?」
P(その後しばらく、やたらといろんなアイドルにコンサートやら映画やらに誘われるようになったのだが)
P(それはまた別の話である)
P「……へ? 眠っていたから良かった、なんてことがあるのか?」
星花「……まあ、一種の役得、と言いましょうか」
P「役得……?」
星花「それだけ深くお眠りになられていたということですわ。……ふふっ♪」
P「……?」
P(その後しばらく、やたらといろんなアイドルにコンサートやら映画やらに誘われるようになったのだが)
P(それはまた別の話である)
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 17:22:47.91 ID:D/rDY2aA0
星花さん終わりです!
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19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 17:26:29.31 ID:skbvjPFjo
ライラと回転寿司
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 17:26:38.65 ID:Sio5LqAZ0
肇先生の備前焼教室
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 17:35:07.95 ID:D/rDY2aA0
《ライラと回転寿司》
ライラ「おー。これが噂に聞いていた回転寿司というものなのですねー」
P「まあ、そうだけど……。ここでよかったのか? もうちょっといいものを食べに行ってもよかったんだけど」
ライラ「そうですかー? ナターリアさんによると、回転寿司は日本の最高級のごちそうという話ですが」
P「……ナターリアは、そうかもなあ。ま、いっか。ライラは生の魚は大丈夫なんだっけ」
ライラ「わたくしは大丈夫でございますよー。さしみさんも大好きですのでー」
P「そんじゃ適当に食べようか。このパッドで注文するみたいだな、はい」
ライラ「…………?」
P「どうした?」
ライラ「おー。これが噂に聞いていた回転寿司というものなのですねー」
P「まあ、そうだけど……。ここでよかったのか? もうちょっといいものを食べに行ってもよかったんだけど」
ライラ「そうですかー? ナターリアさんによると、回転寿司は日本の最高級のごちそうという話ですが」
P「……ナターリアは、そうかもなあ。ま、いっか。ライラは生の魚は大丈夫なんだっけ」
ライラ「わたくしは大丈夫でございますよー。さしみさんも大好きですのでー」
P「そんじゃ適当に食べようか。このパッドで注文するみたいだな、はい」
ライラ「…………?」
P「どうした?」
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 17:40:18.56 ID:D/rDY2aA0
ライラ「あのー、流れているものを食べるのではないのでございますかー?」
P「ああ、最近はこうして注文することが多いみたいだな」
P「できたてが来るし、流れているのは誰が触ったのか分からなくて嫌だ、なんて意見も多いみたいだし」
ライラ「そうなのでございますかー。残念でございますねー」
P「残念?」
ライラ「なんとも、そこに流れている物を食べるというのが、和の心を表してるような気がしていましたから。他の国ではなかなかありませんよー」
P「……そう言われたらそうなのかもなぁ。時代の流れというやつか」
ライラ「というやつですか。ともあれ、ライラさん、ごちゅーもんしてもよいですかー?」
P「おう、食べろ食べろ。今日は俺のおごりだから」
ライラ「この108円の中からしか食べてはいけないのでございますよねー?」
P「……ほんとライラは、下手な日本人より日本人らしい感性だなぁ。別に遠慮しなくていいから、好きなものを食べていいよ」
ライラ「なんと、そうでございましたか。それではもう少し時間をいただきますですよ」
P「ああ、最近はこうして注文することが多いみたいだな」
P「できたてが来るし、流れているのは誰が触ったのか分からなくて嫌だ、なんて意見も多いみたいだし」
ライラ「そうなのでございますかー。残念でございますねー」
P「残念?」
ライラ「なんとも、そこに流れている物を食べるというのが、和の心を表してるような気がしていましたから。他の国ではなかなかありませんよー」
P「……そう言われたらそうなのかもなぁ。時代の流れというやつか」
ライラ「というやつですか。ともあれ、ライラさん、ごちゅーもんしてもよいですかー?」
P「おう、食べろ食べろ。今日は俺のおごりだから」
ライラ「この108円の中からしか食べてはいけないのでございますよねー?」
P「……ほんとライラは、下手な日本人より日本人らしい感性だなぁ。別に遠慮しなくていいから、好きなものを食べていいよ」
ライラ「なんと、そうでございましたか。それではもう少し時間をいただきますですよ」
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 17:47:01.66 ID:D/rDY2aA0
ライラ「んー。美味しいですねー。ナターリアさんが勧めるのも、分かる気がしますですよ」
P「あはは、ライラを連れて行ったって知られたらナターリアに怒られそうだな」
ライラ「なんとー。それでは、秘密にしておかねばなりませんねー」
P「そうだな。ライラと俺の秘密ってことで」
ライラ「んー。でも、困りましたー」
P「困った?」
ライラ「いえ、これだけ美味しいなら、アキハさんやチヅルさんとも一緒に来てみたいと思ったのでございますけれどー」
ライラ「一緒に出掛けたら、思わず喋ってしまいそうです」
P「あはは、なるほどな。……じゃあ、そのときはナターリアも一緒に連れて行ってやったらどうだ?」
ライラ「! おー、そうしましょう。さすがプロデューサー殿、ナイスアイデアでございますー」
ライラ「事務所はおともだちがたくさんで、ライラさんはとっても嬉しいのですよー」にへら
P(そんなライラの笑顔を見て、思わずこっちまで笑顔になる一晩であった)
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 18:04:45.65 ID:D/rDY2aA0
《藤原肇の陶芸教室》
肇「……と、そうですね。そこで縁の形を整えれば……。ほぼ、完成です」
P「うおお……。こんな俺でも、形になるもんだなぁ。陶芸って、もっととっつき辛いものだと思ってたよ」
肇「ふふ、そんなことないんですよ。私がこうやって、陶芸教室の真似事をできるくらいなんですから」
P「いやいや、肇はすごいよ。教え方も分かりやすかったし、作った器もすごく綺麗だし……。本当に陶芸が好きなんだな」
肇「はい。私、そこだけは誰にも負けないな、って思います」
P「うん、そう自信を持って言える物事があるっていうのはいいことだ。仕事にもつながるしな」
肇「む、その言い方はちょっと好きじゃありません」
P「あはは、ごめんごめん。職業病ってやつだな」
肇「もう。……でも、本当に仕事につながるっていうのは驚きました。アイドルと陶芸なんて、自分でいうのも何ですが、あまり関係のない分野だと思っていたのに」
P「今は、趣味や仕事に年齢や性別の境が無くなってきている時代だからなぁ」
肇「アイドルとして活動できていることも嬉しいですが、私を通して陶芸に興味を持ってくれる人がいるということが」
肇「何よりも嬉しいな、って思います」
肇「……と、そうですね。そこで縁の形を整えれば……。ほぼ、完成です」
P「うおお……。こんな俺でも、形になるもんだなぁ。陶芸って、もっととっつき辛いものだと思ってたよ」
肇「ふふ、そんなことないんですよ。私がこうやって、陶芸教室の真似事をできるくらいなんですから」
P「いやいや、肇はすごいよ。教え方も分かりやすかったし、作った器もすごく綺麗だし……。本当に陶芸が好きなんだな」
肇「はい。私、そこだけは誰にも負けないな、って思います」
P「うん、そう自信を持って言える物事があるっていうのはいいことだ。仕事にもつながるしな」
肇「む、その言い方はちょっと好きじゃありません」
P「あはは、ごめんごめん。職業病ってやつだな」
肇「もう。……でも、本当に仕事につながるっていうのは驚きました。アイドルと陶芸なんて、自分でいうのも何ですが、あまり関係のない分野だと思っていたのに」
P「今は、趣味や仕事に年齢や性別の境が無くなってきている時代だからなぁ」
肇「アイドルとして活動できていることも嬉しいですが、私を通して陶芸に興味を持ってくれる人がいるということが」
肇「何よりも嬉しいな、って思います」
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 18:11:26.56 ID:D/rDY2aA0
P「しかし、あれだな。陶芸ってこう、もっとこう、機械を使ってくるくる回して作るイメージだったんだけど」
肇「? ああ、電動ろくろのことですか。確かにその手法もあるんですけど……。私はこのろくろを使った、手びねりの方が好きなんです」
P「おお、ベテランの技ってところか?」
肇「いえ、そうではなく……。陶芸って、陶器って、自らを映すものですから」
肇「大事にゆっくりこねる人、大胆にこねて、最後に慎重に合わせる人、上手くいって喜ぶ人、失敗して悲しむ人」
肇「上手くいったけどまだまだ上を目指す人、失敗してもそれを糧にしてもう一度チャレンジしてみようとする人」
肇「……自分の作品に、たくさんの愛情を注ぐ人。そんないろいろが、手びねりの方がよく見える気がするんですよね」
P「なるほどなぁ。それじゃ、俺のこの茶碗はどうなんだ?」
肇「……え? ……ふふっ、内緒、です」
肇「? ああ、電動ろくろのことですか。確かにその手法もあるんですけど……。私はこのろくろを使った、手びねりの方が好きなんです」
P「おお、ベテランの技ってところか?」
肇「いえ、そうではなく……。陶芸って、陶器って、自らを映すものですから」
肇「大事にゆっくりこねる人、大胆にこねて、最後に慎重に合わせる人、上手くいって喜ぶ人、失敗して悲しむ人」
肇「上手くいったけどまだまだ上を目指す人、失敗してもそれを糧にしてもう一度チャレンジしてみようとする人」
肇「……自分の作品に、たくさんの愛情を注ぐ人。そんないろいろが、手びねりの方がよく見える気がするんですよね」
P「なるほどなぁ。それじゃ、俺のこの茶碗はどうなんだ?」
肇「……え? ……ふふっ、内緒、です」
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 18:15:19.40 ID:D/rDY2aA0
P「えー、教えてくれよ」
肇「だーめ、です。さあ、それよりも、ちょっとした模様を入れることができるんですが、プロデューサーさん、どうします?」
P「あ、話逸らした」
肇「どうします?」にこにこ
P「……こうなると肇は聞かないからなあ」
肇「どういう意味ですかっ」
P「いやいや、なんでもない。……んー、じゃあ」
かきかき
肇(……? 何を書き始めたんだろう……?)
P「これを、こうして、……っと」
肇(……あ。これ、って……)
肇「だーめ、です。さあ、それよりも、ちょっとした模様を入れることができるんですが、プロデューサーさん、どうします?」
P「あ、話逸らした」
肇「どうします?」にこにこ
P「……こうなると肇は聞かないからなあ」
肇「どういう意味ですかっ」
P「いやいや、なんでもない。……んー、じゃあ」
かきかき
肇(……? 何を書き始めたんだろう……?)
P「これを、こうして、……っと」
肇(……あ。これ、って……)
30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 18:20:41.85 ID:D/rDY2aA0
P「できた。こんな感じかな?」
肇「これって、私の……」
P「おう。いつも肇がつけてる手ぬぐいの模様にしてみた」
肇「どうして……」
P「ん? やっぱり肇にこうやって教えてもらった大事な器だからさ。肇との思い出にしておきたいなぁって」
肇「…………」
P「へたくそで分からなかったらどうしようと思ってたけど、上手くできてたみたいで良かったよ」
P「……そういえば、肇の方はどんな柄にしたんだ?」
肇「へっ!? いや、私のは、柄なしです! ほらっ!」
P「そっかー。シンプルイズベストってやつだな。いやあ、できあがりが楽しみだ」
肇「そう、ですね……。あはは」
肇(あれだけ、人を映すものだなんて話をしておいて、プロデューサーさんにあんな模様を掘って貰った後で)
肇(底にプロデューサーさんのネクタイの模様を掘ってみたなんて、言えるわけないじゃないですか……!)
肇「これって、私の……」
P「おう。いつも肇がつけてる手ぬぐいの模様にしてみた」
肇「どうして……」
P「ん? やっぱり肇にこうやって教えてもらった大事な器だからさ。肇との思い出にしておきたいなぁって」
肇「…………」
P「へたくそで分からなかったらどうしようと思ってたけど、上手くできてたみたいで良かったよ」
P「……そういえば、肇の方はどんな柄にしたんだ?」
肇「へっ!? いや、私のは、柄なしです! ほらっ!」
P「そっかー。シンプルイズベストってやつだな。いやあ、できあがりが楽しみだ」
肇「そう、ですね……。あはは」
肇(あれだけ、人を映すものだなんて話をしておいて、プロデューサーさんにあんな模様を掘って貰った後で)
肇(底にプロデューサーさんのネクタイの模様を掘ってみたなんて、言えるわけないじゃないですか……!)
31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 18:21:17.38 ID:D/rDY2aA0
肇終わりです
よろしければ次の安価お願いしますー
>>+1
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>>+1
>>+2
32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 18:21:22.51 ID:9dHenl1Ao
早耶と忍者の里
33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 18:21:23.16 ID:mrH2L26/o
工藤忍とクラシックバイク
35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 18:32:43.64 ID:D/rDY2aA0
《松原早耶と忍者の里》
早耶「んー、遊んだ遊んだぁ♪」
P「いやぁ、すごいもんだな忍者村。意外と楽しめるもんだ」
早耶「ほんとですよねぇ。ちょっとしたテーマパークみたい。外国の人も、すっごく多いしぃ」
P「そんな場所の親善大使を任されたんだ。ちょっと責任重大かもな」
早耶「任せて下さぁい。早耶もう、この場所をもっともぉっといろんな人に知ってもらいたいって気持ちになってますからぁ♪」
P(ひょんなことから、早耶に忍者村PRの仕事が舞い込んだ)
P(早耶自身も驚くほど意外な人選だったが、意外にも早耶は乗り気であり、だったらその前に下見で行っておきましょうよぉ、ということで)
P(今回日帰りで体験に来ているというわけだ)
早耶「んー、遊んだ遊んだぁ♪」
P「いやぁ、すごいもんだな忍者村。意外と楽しめるもんだ」
早耶「ほんとですよねぇ。ちょっとしたテーマパークみたい。外国の人も、すっごく多いしぃ」
P「そんな場所の親善大使を任されたんだ。ちょっと責任重大かもな」
早耶「任せて下さぁい。早耶もう、この場所をもっともぉっといろんな人に知ってもらいたいって気持ちになってますからぁ♪」
P(ひょんなことから、早耶に忍者村PRの仕事が舞い込んだ)
P(早耶自身も驚くほど意外な人選だったが、意外にも早耶は乗り気であり、だったらその前に下見で行っておきましょうよぉ、ということで)
P(今回日帰りで体験に来ているというわけだ)
36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 18:38:05.42 ID:D/rDY2aA0
早耶「でも、こうやって体験してみて改めて思いましたけどぉ」
P「?」
早耶「なんで早耶が選ばれたんでしょうねぇ? あやめちゃんとか、仁美ちゃんの方がこういうのは似合いそうなのにぃ」
P「あはは。あやめなんて、泣いて悔しがってたからな。後生ですから、せめて脇役でもいいですから、あやめも連れて行ってください……! なんて」
早耶「あやめちゃん、他の忍者の里の大使なんでしたっけぇ。それでもこっちもやりたいなんて、ほんとに好きなんですねぇ」
早耶「でも、ちょっとその理由も今日分かった気がするかもしれませんねぇ。すっごく楽しかったですし」
P「今回の場合はあいつが行きたいだけだったと思うけどな。……ま、そういうところだと思うよ。早耶が選ばれた理由」
早耶「?」
P「?」
早耶「なんで早耶が選ばれたんでしょうねぇ? あやめちゃんとか、仁美ちゃんの方がこういうのは似合いそうなのにぃ」
P「あはは。あやめなんて、泣いて悔しがってたからな。後生ですから、せめて脇役でもいいですから、あやめも連れて行ってください……! なんて」
早耶「あやめちゃん、他の忍者の里の大使なんでしたっけぇ。それでもこっちもやりたいなんて、ほんとに好きなんですねぇ」
早耶「でも、ちょっとその理由も今日分かった気がするかもしれませんねぇ。すっごく楽しかったですし」
P「今回の場合はあいつが行きたいだけだったと思うけどな。……ま、そういうところだと思うよ。早耶が選ばれた理由」
早耶「?」
37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 18:48:34.33 ID:D/rDY2aA0
P「早耶は今時の子に見えて、人が好きなものを好きになろうとしたり、人が努力したことをちゃんと見てあげられたり」
P「自分が与えられた仕事に対して、全部でぶつかったいったりができる子だからさ」
P「この子にPRしてもらえば、世間のいろんな人にたくさん好きになってもらえるって思ってくださったんじゃないかな」
早耶「……早耶、そんな風に思われてるんですかぁ?」
P「……なんだ、違うのか?」
早耶「……ちが、わないですけどぉ。あんまり考えたこと、なかったかも」
早耶「プロデューサーさん、早耶のことよく見て下さってるんですねぇ♪」
P「なんだかんだで長い付き合いだからなぁ」
P「自分が与えられた仕事に対して、全部でぶつかったいったりができる子だからさ」
P「この子にPRしてもらえば、世間のいろんな人にたくさん好きになってもらえるって思ってくださったんじゃないかな」
早耶「……早耶、そんな風に思われてるんですかぁ?」
P「……なんだ、違うのか?」
早耶「……ちが、わないですけどぉ。あんまり考えたこと、なかったかも」
早耶「プロデューサーさん、早耶のことよく見て下さってるんですねぇ♪」
P「なんだかんだで長い付き合いだからなぁ」
38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 18:51:23.93 ID:D/rDY2aA0
早耶「よぉし、じゃあ早耶、このお仕事頑張っちゃいますねぇ」
早耶「くのいちの際どぉい衣装でも、頑張って着ちゃいますからぁ」
P「待て待て待て。そこまでするつもりはないぞ。あくまでPRなんだから」
早耶「えー? あ、ほら、あそこに貸衣装屋があるみたいですよぉ」
早耶「早耶のセクシーな姿、プロデューサーさんにだけ見せてあげますからぁ、ほらほらぁ♪」
P「帰るんじゃなかったのかよ、あ、ちょっと待て、早耶ー!」
早耶「くのいちの際どぉい衣装でも、頑張って着ちゃいますからぁ」
P「待て待て待て。そこまでするつもりはないぞ。あくまでPRなんだから」
早耶「えー? あ、ほら、あそこに貸衣装屋があるみたいですよぉ」
早耶「早耶のセクシーな姿、プロデューサーさんにだけ見せてあげますからぁ、ほらほらぁ♪」
P「帰るんじゃなかったのかよ、あ、ちょっと待て、早耶ー!」
40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 19:00:53.80 ID:D/rDY2aA0
《工藤忍とクラシックバイク》
忍「ねぇねぇちひろさん、ちょっといい?」
ちひろ「忍ちゃん、おはようございます。どうしたんですか?」
忍「事務所の前に止まってたあのすっごいバイク、あれちひろさんの?」
ちひろ「ええっ? ち、違いますよ?」
忍「違うの? じゃあ、一体、誰の……?」
ちひろ「私ってああいうのに乗ってるイメージなんですか……? あれはプロデューサーさんのですよ」
忍「え、プロデューサーさん!? ほんと?」
ちひろ「ええ、そのはずですけど……。なんだか前にもこんなことがあったような」
忍「いやぁ、意外だなぁって。そうなんだぁ」
忍「ねぇねぇちひろさん、ちょっといい?」
ちひろ「忍ちゃん、おはようございます。どうしたんですか?」
忍「事務所の前に止まってたあのすっごいバイク、あれちひろさんの?」
ちひろ「ええっ? ち、違いますよ?」
忍「違うの? じゃあ、一体、誰の……?」
ちひろ「私ってああいうのに乗ってるイメージなんですか……? あれはプロデューサーさんのですよ」
忍「え、プロデューサーさん!? ほんと?」
ちひろ「ええ、そのはずですけど……。なんだか前にもこんなことがあったような」
忍「いやぁ、意外だなぁって。そうなんだぁ」
41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 19:07:17.92 ID:D/rDY2aA0
P「お、珍しい組み合わせだな」
忍「プロデューサーさん! 聞いたよ聞いたよ、あのバイク、プロデューサーさんのだって?」
P「そうだけど……。なんだ忍、バイクに興味あるのか?」
忍「全然!」
P「なんだそりゃ……」
忍「いやぁ、あのプロデューサーさんにそんな趣味があったなんて、意外でさぁ」
P「まあ男には一時期こういうものにハマってしまう時っていうのが来るんだよ……」
P「最近は全然乗る時間がないから、定期的に手入れしておかないと、ダメになっちゃうしな」
P「ぶっちゃけそろそろ手放しちゃおうかとも思ってるんだけど」
忍「プロデューサーさん! 聞いたよ聞いたよ、あのバイク、プロデューサーさんのだって?」
P「そうだけど……。なんだ忍、バイクに興味あるのか?」
忍「全然!」
P「なんだそりゃ……」
忍「いやぁ、あのプロデューサーさんにそんな趣味があったなんて、意外でさぁ」
P「まあ男には一時期こういうものにハマってしまう時っていうのが来るんだよ……」
P「最近は全然乗る時間がないから、定期的に手入れしておかないと、ダメになっちゃうしな」
P「ぶっちゃけそろそろ手放しちゃおうかとも思ってるんだけど」
42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 19:13:20.24 ID:D/rDY2aA0
忍「えー! だめだよ、勿体ない!」
P「勿体ないって言ってもなぁ」
忍「じゃあせめて、アタシいっぺん乗ってみたいから、手放すならその後にしてよー」
P「何だ、バイク興味ないんじゃなかったのか?」
忍「それは、今まで周りにバイクに乗ってる人が居なかったからだもん。青森の高校のとき、原付に乗ってる子くらいはいたけど……」
忍「アイドルとしてやっていくのに、いろんな経験をした方がいいって言ったの、プロデューサーさんでしょ? 折角だから、乗ってみたいよー!」
P「んー、そっか……。じゃあ、一回だけな。どっかで予定合わせて乗りに行こうか」
忍「ほんと? やたっ♪」
忍(アタシの世界を広げてくれるのは、いつだってプロデューサーさんだもん)
忍(ちょっとでも同じ世界を見てみたいっていうのは、当然のことだよね。……へへ)
P「勿体ないって言ってもなぁ」
忍「じゃあせめて、アタシいっぺん乗ってみたいから、手放すならその後にしてよー」
P「何だ、バイク興味ないんじゃなかったのか?」
忍「それは、今まで周りにバイクに乗ってる人が居なかったからだもん。青森の高校のとき、原付に乗ってる子くらいはいたけど……」
忍「アイドルとしてやっていくのに、いろんな経験をした方がいいって言ったの、プロデューサーさんでしょ? 折角だから、乗ってみたいよー!」
P「んー、そっか……。じゃあ、一回だけな。どっかで予定合わせて乗りに行こうか」
忍「ほんと? やたっ♪」
忍(アタシの世界を広げてくれるのは、いつだってプロデューサーさんだもん)
忍(ちょっとでも同じ世界を見てみたいっていうのは、当然のことだよね。……へへ)
43: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 19:14:08.54 ID:D/rDY2aA0
忍終わりでっす
短いですがラスト一人くらいで!
>>+2
短いですがラスト一人くらいで!
>>+2
45: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 19:14:47.11 ID:WSGc8jTyo
荒木先生と聖戦(三日目)
47: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 19:31:53.22 ID:D/rDY2aA0
《荒木比奈と聖戦(三日目)》
P「噂には聞いていたけど、これはしかし想像以上の人の数だな……」
比奈「あれ? プロデューサー、この祭典は初めてっスか?」
P「ニュースとかでは見たことあるけど、実際にはな……。考えてみれば来場者数何十万のイベントだもんなぁ」
比奈「こっち側で入場してるからまだあれっスけど、始発組とかに混じるとそれはもうヤバいっスよ」
P「だろうなぁ」
比奈「いやあ、そんな初参加でアタシの助太刀をしてくださるなんて、流石プロデューサーっスね」
P「…………」ぎろ
比奈「あ、やだなぁ、スケジュールの件、まだ怒ってます? あ、あは、あはは……」
P「……はぁ。しょうがないよな。この日だけは空ける代わりにーって無茶して詰めたスケジュール、頑張ってこなしたんだもんなぁ」
P「噂には聞いていたけど、これはしかし想像以上の人の数だな……」
比奈「あれ? プロデューサー、この祭典は初めてっスか?」
P「ニュースとかでは見たことあるけど、実際にはな……。考えてみれば来場者数何十万のイベントだもんなぁ」
比奈「こっち側で入場してるからまだあれっスけど、始発組とかに混じるとそれはもうヤバいっスよ」
P「だろうなぁ」
比奈「いやあ、そんな初参加でアタシの助太刀をしてくださるなんて、流石プロデューサーっスね」
P「…………」ぎろ
比奈「あ、やだなぁ、スケジュールの件、まだ怒ってます? あ、あは、あはは……」
P「……はぁ。しょうがないよな。この日だけは空ける代わりにーって無茶して詰めたスケジュール、頑張ってこなしたんだもんなぁ」
48: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 19:43:12.69 ID:D/rDY2aA0
比奈「その点はほんとに申し訳ないっスよ。アタシもまさか通るとは思ってなかったんで……」
比奈「いやぁ、疲れすぎてラジオ番組で何喋ったか覚えてなかったときは流石に自分に引きましたねえ」
比奈「ま、おかげでプロデューサーも『いい加減休みなさーいー!』って一日休み貰えたんだからよかったじゃないっスか。今日は楽しみましょうよ」
P「や、結局売り子のバイトだし……。給料出るんだろうな比奈これ」
比奈「さー、そろそろ開場っスよ! ほら、準備はいいっスか?」
P「年収俺の何十倍も貰ってる人がいじめる……」
比奈「何十倍ももらってないっスよ人聞きの悪い! 」
P「まあ、儲けのためにやってるわけじゃないだろうしなぁ。……ところで比奈、中身見せてもらってないんだが、どんな漫画書いたんだ?」
比奈「うづ×りんのらぶらぶ夫婦生活本って言ったら喜びます?」
P「ぐーで殴る」
比奈「冗談っスよ。いたって普通のオリジナルっス。どうしても書きたい内容があったもんで」
P「そっか。俺にも一冊くれるんだよな?」
比奈「あー……。それは考えてなかったっスけど……。まあ、それが筋っスよね。分かりました。終わったら差し上げます」
比奈「……どうせ、いつかは読んでもらいたいものでしたからね」
比奈「いやぁ、疲れすぎてラジオ番組で何喋ったか覚えてなかったときは流石に自分に引きましたねえ」
比奈「ま、おかげでプロデューサーも『いい加減休みなさーいー!』って一日休み貰えたんだからよかったじゃないっスか。今日は楽しみましょうよ」
P「や、結局売り子のバイトだし……。給料出るんだろうな比奈これ」
比奈「さー、そろそろ開場っスよ! ほら、準備はいいっスか?」
P「年収俺の何十倍も貰ってる人がいじめる……」
比奈「何十倍ももらってないっスよ人聞きの悪い! 」
P「まあ、儲けのためにやってるわけじゃないだろうしなぁ。……ところで比奈、中身見せてもらってないんだが、どんな漫画書いたんだ?」
比奈「うづ×りんのらぶらぶ夫婦生活本って言ったら喜びます?」
P「ぐーで殴る」
比奈「冗談っスよ。いたって普通のオリジナルっス。どうしても書きたい内容があったもんで」
P「そっか。俺にも一冊くれるんだよな?」
比奈「あー……。それは考えてなかったっスけど……。まあ、それが筋っスよね。分かりました。終わったら差し上げます」
比奈「……どうせ、いつかは読んでもらいたいものでしたからね」
49: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 19:50:18.70 ID:D/rDY2aA0
比奈「ぷろりゅーさぁ……。えへへ、部数少ないとはいえ完売したっスよぉ。祝い酒らぁ……!」
P(…………)
P(完売祝いということで祭典から帰った、打ち上げの席)
P(比奈が飲みすぎてしまったので待つ間にちらりと読んだ比奈の作品)
P(それは、一人の日陰者がスポットライトに当たるまでを描いた、短いシンデレラストーリーだった)
比奈「えへへぇ、こんなに夢がかなってばかりでいいんっスかねぇ。えへへ~」
P「……『どうしても書きたかった内容』か」
比奈「そうっスよ~。ほんと、プロデューサーには……」
比奈「……感謝、して。るんです、がら……!」
P「はいはい。今は水飲んで寝ときなさい」
P(改めて。比奈のプロデュース頑張らないとな、と年の瀬に身の引き締まる思いなのだった)
P(…………)
P(完売祝いということで祭典から帰った、打ち上げの席)
P(比奈が飲みすぎてしまったので待つ間にちらりと読んだ比奈の作品)
P(それは、一人の日陰者がスポットライトに当たるまでを描いた、短いシンデレラストーリーだった)
比奈「えへへぇ、こんなに夢がかなってばかりでいいんっスかねぇ。えへへ~」
P「……『どうしても書きたかった内容』か」
比奈「そうっスよ~。ほんと、プロデューサーには……」
比奈「……感謝、して。るんです、がら……!」
P「はいはい。今は水飲んで寝ときなさい」
P(改めて。比奈のプロデュース頑張らないとな、と年の瀬に身の引き締まる思いなのだった)
50: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 19:51:22.21 ID:D/rDY2aA0
以上で終わります
急におとくらちゃんが来たので久しぶりに。ほんとに、ほんとにおめでとう……
お付き合いいただいた方、特に安価下さった方はありがとうございました
html依頼出してきます
急におとくらちゃんが来たので久しぶりに。ほんとに、ほんとにおめでとう……
お付き合いいただいた方、特に安価下さった方はありがとうございました
html依頼出してきます
51: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/20(日) 19:52:42.39 ID:WSGc8jTyo
乙
53: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/21(月) 17:06:10.51 ID:+YhLTE8WO
乙乙
よく短くまとめて捌けるねぇ
よく短くまとめて捌けるねぇ
遊作「復讐の先にあるのは…」
2019-04-30
1: ◆tBjmwb8gIY 2017/09/26(火) 00:45:34.80 ID:X+F12SFBO
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2: ◆tBjmwb8gIY 2017/09/26(火) 00:47:10.96 ID:X+F12SFBO
LINK VRAINS
鬼塚「いくぜ!剛鬼ザ・グレート・オーガで、ダイレクトアタック!」
ブルーエンジェル「さあ、現れて!夢と希望のサーキット!」
「ブルーエンジェルとGO鬼塚がLINK VRAINSに!大スクープですよ山本先輩!」
「うんうん、これなら俺達の首も繋がりそうだ」
「GO鬼塚とブルーエンジェルもいいですけど、LINK VRAINSが平和になってからというもの、少し刺激が足りませんね」
「…やっぱり、Playmakerが居ないとな」
ブルーエンジェル「………」
鬼塚「Playmaker…」
鬼塚「いくぜ!剛鬼ザ・グレート・オーガで、ダイレクトアタック!」
ブルーエンジェル「さあ、現れて!夢と希望のサーキット!」
「ブルーエンジェルとGO鬼塚がLINK VRAINSに!大スクープですよ山本先輩!」
「うんうん、これなら俺達の首も繋がりそうだ」
「GO鬼塚とブルーエンジェルもいいですけど、LINK VRAINSが平和になってからというもの、少し刺激が足りませんね」
「…やっぱり、Playmakerが居ないとな」
ブルーエンジェル「………」
鬼塚「Playmaker…」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/26(火) 00:48:54.47 ID:X+F12SFBO
数時間後
ガチャン
葵(喫茶店の…あそこね)
葵「GO鬼塚ね?」
鬼塚「…!おまえ、ブルーエンジェル…なのか?」
葵「すぐにわかったわよ、アバターから変わってないのね」
鬼塚「そういうお前は随分印象が違うな、まるで別人みたいだぜ」
葵「余計なお世話よ。で、わざわざこんな場所まで呼び出して何の用?」
鬼塚「まあ、座れよ。何か飲むか?奢るぜ」
葵「いいわよ、別に。それより何?LINK VRAINSじゃまずい話なの?」
鬼塚「いや、あいつは、どうしてるのかなってな…」
葵「あいつ…?」
ガチャン
葵(喫茶店の…あそこね)
葵「GO鬼塚ね?」
鬼塚「…!おまえ、ブルーエンジェル…なのか?」
葵「すぐにわかったわよ、アバターから変わってないのね」
鬼塚「そういうお前は随分印象が違うな、まるで別人みたいだぜ」
葵「余計なお世話よ。で、わざわざこんな場所まで呼び出して何の用?」
鬼塚「まあ、座れよ。何か飲むか?奢るぜ」
葵「いいわよ、別に。それより何?LINK VRAINSじゃまずい話なの?」
鬼塚「いや、あいつは、どうしてるのかなってな…」
葵「あいつ…?」
4: ◆tBjmwb8gIY 2017/09/26(火) 00:50:32.03 ID:X+F12SFBO
遊作「…………」コツコツ
うわー、このホットドッグ屋また休みかよ
美味いのになー、がっかり
遊作「…………」コツコツ
遊作「…………」コツコツ
遊作「…………」コツコツ
遊作「…?」
遊作「…着いたか」
うわー、このホットドッグ屋また休みかよ
美味いのになー、がっかり
遊作「…………」コツコツ
遊作「…………」コツコツ
遊作「…………」コツコツ
遊作「…?」
遊作「…着いたか」
5: ◆tBjmwb8gIY 2017/09/26(火) 00:52:31.34 ID:X+F12SFBO
精神病院
ガチャ
遊作「…………」
草薙「…遊作か」
遊作「…草薙さん」
草薙「わざわざ悪いな」
遊作「気にするな、どうせ暇だ」
草薙「そうだったな、暇だ。もう」
(YOU Lose)
「うわああああぁぁぁっっ!!」
「あ………ぁぁぁ……」
「ぁ……」
草薙「っ…」
ガチャ
遊作「…………」
草薙「…遊作か」
遊作「…草薙さん」
草薙「わざわざ悪いな」
遊作「気にするな、どうせ暇だ」
草薙「そうだったな、暇だ。もう」
(YOU Lose)
「うわああああぁぁぁっっ!!」
「あ………ぁぁぁ……」
「ぁ……」
草薙「っ…」
6: ◆tBjmwb8gIY 2017/09/26(火) 01:02:26.68 ID:X+F12SFBO
遊作「…相変わらずか」
草薙「…なぁ、遊作」
草薙「俺達は、間違っていたのか?」
遊作「…………」
草薙「あいつらを倒したところで、暗闇にいる弟は戻って来ない。わかっていたはずなのにな…」
草薙「復讐を誓い、お前を巻き込んでしまった。今でもすまないと思っている。結局俺達がやって来た事は、俺達自身を苦しめる事になってしまったな。遊作が心から楽しんでデュエルできる日が来ることを願っていたはずなのに…」
遊作「…すまない」
草薙「どうしてお前が謝るんだ?遊作は何も悪くないじゃないか」
遊作「俺は、あんたの――」
草薙「でもまさか、ロスト事件で起きた対戦相手が監禁されてる子供同士のデュエルだったとはな」
遊作「っ!?」
草薙「…案外こいつも、遊作と戦った事もあるのかもな」
草薙「…なぁ、遊作」
草薙「俺達は、間違っていたのか?」
遊作「…………」
草薙「あいつらを倒したところで、暗闇にいる弟は戻って来ない。わかっていたはずなのにな…」
草薙「復讐を誓い、お前を巻き込んでしまった。今でもすまないと思っている。結局俺達がやって来た事は、俺達自身を苦しめる事になってしまったな。遊作が心から楽しんでデュエルできる日が来ることを願っていたはずなのに…」
遊作「…すまない」
草薙「どうしてお前が謝るんだ?遊作は何も悪くないじゃないか」
遊作「俺は、あんたの――」
草薙「でもまさか、ロスト事件で起きた対戦相手が監禁されてる子供同士のデュエルだったとはな」
遊作「っ!?」
草薙「…案外こいつも、遊作と戦った事もあるのかもな」
7: ◆tBjmwb8gIY 2017/09/26(火) 01:10:33.89 ID:X+F12SFBO
遊作「…………」
草薙「…すまない、俺なんかより、お前は何倍も辛いはずなのにな。忘れてくれ」
遊作「あんたの弟を暗闇に誘ってしまったのは俺の責任でもある…」
草薙「…遊作」
草薙「もう、来ないでくれ」
遊作「……………」
草薙「俺の為にも、こいつの為にも、お前の為にも、その方がいい」
草薙「…俺は、お前を憎みたくない」
草薙「…すまない、俺なんかより、お前は何倍も辛いはずなのにな。忘れてくれ」
遊作「あんたの弟を暗闇に誘ってしまったのは俺の責任でもある…」
草薙「…遊作」
草薙「もう、来ないでくれ」
遊作「……………」
草薙「俺の為にも、こいつの為にも、お前の為にも、その方がいい」
草薙「…俺は、お前を憎みたくない」
8: ◆tBjmwb8gIY 2017/09/26(火) 01:18:31.56 ID:X+F12SFBO
遊作「…そうだな。お互いの為か…」
草薙「…ああ」
遊作「今まで世話になった。あんたがいなければ、今頃俺は…」
草薙「いいや、俺の方こそ、今までありがとう。出来るなら、幸せにな」
遊作(出来るなら、か…)
遊作「…ああ、草薙さんも」
ガチャ
草薙「…………」
ドン!
草薙「っ…」
9: ◆tBjmwb8gIY 2017/09/26(火) 01:31:57.64 ID:X+F12SFBO
鬼塚「そっか、学校にも来てないか…」
葵「もう一年になるけど、あの事件から一度も…」
鬼塚「大丈夫なのか?」
葵「あれが大丈夫に見える?」
鬼塚「すまん…」
葵「いいのよ。私達は彼を止められなかった。彼の本当の気持ちを理解出来なかったから」
鬼塚「なぁ、俺達はどうすれば良かった?」
葵「それを私に聞く?」
鬼塚「すまん…」
葵「二回も謝らないで、真のエンターテイナーなら精神面もそれらしくしてなきゃ」
鬼塚「厳しいな、お前…」
葵「もう一年になるけど、あの事件から一度も…」
鬼塚「大丈夫なのか?」
葵「あれが大丈夫に見える?」
鬼塚「すまん…」
葵「いいのよ。私達は彼を止められなかった。彼の本当の気持ちを理解出来なかったから」
鬼塚「なぁ、俺達はどうすれば良かった?」
葵「それを私に聞く?」
鬼塚「すまん…」
葵「二回も謝らないで、真のエンターテイナーなら精神面もそれらしくしてなきゃ」
鬼塚「厳しいな、お前…」
10: ◆tBjmwb8gIY 2017/09/26(火) 01:55:29.90 ID:X+F12SFBO
エマ「イグニスはもう?」
晃「ああ、もはや一体も存在しない。今存在するのは…」
エマ「意思を持ったAI…Playmakerだけって訳ね」
晃「…そうだ」
エマ「どうするつもり?」
晃「彼は葵の恩人だ。例え誰が命令しようと、私にPlaymakerを撃つ事は出来ん」
エマ「…ま、そう言うとは思ったけど」
エマ「世間からLINK VRAINSのヒーローと讃えられる英雄が背負うバックボーンもかなり凄惨なものだったけど、まさか彼自身が意思を持ったAIだったなんて。本当びっくり…」
11: ◆tBjmwb8gIY 2017/09/26(火) 02:14:13.43 ID:X+F12SFBO
晃「結局私は、何も理解してやれなかった…」
晃「学校に行き、友と未来を語らい、青春というかけがえのない時間を過ごして欲しかった。それが…」
エマ「自分に勇気を与えてくれた人、ロスト事件の地獄の中で、自分を励まし続けてくれた人が、事件の首謀者。どこまで不幸になれば気が済むのかしらね、彼は…」
エマ「でもそれが、Playmakerが望んだ結果よ」
晃「わかってる…わかってるさ…」
葵(お兄様…)
12: ◆tBjmwb8gIY 2017/09/26(火) 02:36:58.98 ID:FH7bYanx0
晃「悪い、少し頭を冷やして来る」
エマ「ええ」
エマ「…聞いてたんでしょう?ブルーエンジェルさん、ここはあなたの番よ」
葵(…!気づかれてた!)
遊作「…………」
風を掴め、Playmaker!
AIは祈ったりしない、やるのは勝つ為の計算だけだ
俺達が今まで大切に育んできた熱い友情が、あいつに引き裂かれてもいいのか!?
遊作「ふ…」
13: ◆tBjmwb8gIY 2017/09/26(火) 02:54:56.57 ID:FH7bYanx0
葵「久しぶりね」
遊作「?」
葵「Playmaker…いいえ、遊作」
遊作(ブルーエンジェル…財前葵…)
葵「一年ぶりくらいかしら?」
遊作「そうだな…」
葵「今まで、どこで何をしていたの?」
遊作「特に目的がある訳じゃない。むしろ目的を探す為だ」
葵「そうなの?」
遊作「悪いが先を急いでいる、詳しい話はまた今度だ」
葵「それは、新たな憎しみを探す為だから?」
遊作「…?」
14: ◆tBjmwb8gIY 2017/09/26(火) 15:54:45.78 ID:o6RAbFzOO
葵「一つだけ教えてくれる?」
葵「復讐を果たした今、あなたの本当の気持ちを」
遊作「……………」
葵「復讐は、相手以上に自分を傷つける。今のあなたならわかるでしょう?草薙さんの弟も、イグニスも、一体何が救われたというの?」
遊作「今更だな、それに後悔はない」
遊作「…俺は復讐によって自分の人生を繋げることができた。それで十分だ。過去は変わらないし、間違っていたとも思ってない」
葵「…嘘ね」
遊作「嘘じゃないさ。復讐果たして以来、あの地獄を夢に見ることはなくなった。やっと前に進めるんだ」
遊作「やっと、未来を求められる…」
葵「ねぇ、遊作」
葵「案外、あなたは間違ってなかったのかもね」
葵「復讐を果たした今、あなたの本当の気持ちを」
遊作「……………」
葵「復讐は、相手以上に自分を傷つける。今のあなたならわかるでしょう?草薙さんの弟も、イグニスも、一体何が救われたというの?」
遊作「今更だな、それに後悔はない」
遊作「…俺は復讐によって自分の人生を繋げることができた。それで十分だ。過去は変わらないし、間違っていたとも思ってない」
葵「…嘘ね」
遊作「嘘じゃないさ。復讐果たして以来、あの地獄を夢に見ることはなくなった。やっと前に進めるんだ」
遊作「やっと、未来を求められる…」
葵「ねぇ、遊作」
葵「案外、あなたは間違ってなかったのかもね」
15: ◆tBjmwb8gIY 2017/09/26(火) 15:59:55.30 ID:o6RAbFzOO
遊作「!?」
葵「何故自分たちがあんな目に遭わなければならなかったのか?平穏に生きようと必死に努力してきた自分が、どれだけカウンセリングを受けようと忌まわしい凄惨な出来事が彼の中から悪夢と苦痛にうなされる」
葵「監禁された自分達のみならず、草薙さんのような家族の心にすら大きな傷を刻みつけ、人生を狂わせた元凶」
葵「自分を支えてくれた”誰か”は、解放された被害者の中に確認できなかった」
葵「ロスト事件、あなたの身に起きた辛さは私にはわからない。だから、私なりに考えてみたの」
葵「…そうしたら、結局、復讐しか浮かばなかった」
葵「でも、その先に待っていたのは……ロスト事件すら生温い地獄…」
遊作「もういい、十分だ。どいてくれ」
葵「何故自分たちがあんな目に遭わなければならなかったのか?平穏に生きようと必死に努力してきた自分が、どれだけカウンセリングを受けようと忌まわしい凄惨な出来事が彼の中から悪夢と苦痛にうなされる」
葵「監禁された自分達のみならず、草薙さんのような家族の心にすら大きな傷を刻みつけ、人生を狂わせた元凶」
葵「自分を支えてくれた”誰か”は、解放された被害者の中に確認できなかった」
葵「ロスト事件、あなたの身に起きた辛さは私にはわからない。だから、私なりに考えてみたの」
葵「…そうしたら、結局、復讐しか浮かばなかった」
葵「でも、その先に待っていたのは……ロスト事件すら生温い地獄…」
遊作「もういい、十分だ。どいてくれ」
16: ◆tBjmwb8gIY 2017/09/26(火) 16:05:16.19 ID:o6RAbFzOO
ピタッ
遊作「離せ」
葵「でも、あなたが復讐を誓わなければ、私達はまともに口も効かないクラスメイトのままだった」
遊作「離せ、触るな」
葵「温かい。本当のAIなら、この温もりは…」
遊作「何故だ…何故…」
葵「何故って、あのね…」
葵「このままでは、あなたが壊れてしまうからに決まってるでしょっ!」
遊作「っ…」
葵「”俺は自分の信じる正義以外は何も信用しない”…そう言ってたわね…」
葵「だったらどうして…!」
遊作「離せ」
葵「でも、あなたが復讐を誓わなければ、私達はまともに口も効かないクラスメイトのままだった」
遊作「離せ、触るな」
葵「温かい。本当のAIなら、この温もりは…」
遊作「何故だ…何故…」
葵「何故って、あのね…」
葵「このままでは、あなたが壊れてしまうからに決まってるでしょっ!」
遊作「っ…」
葵「”俺は自分の信じる正義以外は何も信用しない”…そう言ってたわね…」
葵「だったらどうして…!」
17: ◆tBjmwb8gIY 2017/09/26(火) 16:12:25.16 ID:o6RAbFzOO
葵「どうしてLINK VRAINSを守ったの!?私を助けたの!?私がハノイに人質にされた時、あなたは責任を感じてくれた!
葵「AIならAIらしく、復讐者なら復讐者らしくしてれば良かったのに…」
葵「あなたの正義感と優しさで、どれだけの人間が救われたか、全然わかってないじゃない!」
遊作「っ!」
葵「どうして頼ってくれなかったの!?」
葵「ムカつくのよ!あなたはいつも勝手に決めて!それでどうにもならなくなっちゃっても、一人で解決しちゃって!巻き込みたくない?あなたはただ、辛かったって言えばよかったのに!一人じゃ無理なら無理って言えば良かったの!意地張って、心も身体もたぼろにして…どうして…」
葵「どう、して…」
遊作「………離せ」
葵「AIならAIらしく、復讐者なら復讐者らしくしてれば良かったのに…」
葵「あなたの正義感と優しさで、どれだけの人間が救われたか、全然わかってないじゃない!」
遊作「っ!」
葵「どうして頼ってくれなかったの!?」
葵「ムカつくのよ!あなたはいつも勝手に決めて!それでどうにもならなくなっちゃっても、一人で解決しちゃって!巻き込みたくない?あなたはただ、辛かったって言えばよかったのに!一人じゃ無理なら無理って言えば良かったの!意地張って、心も身体もたぼろにして…どうして…」
葵「どう、して…」
遊作「………離せ」
18: ◆tBjmwb8gIY 2017/09/26(火) 16:14:03.97 ID:o6RAbFzOO
葵「っ!」
遊作「…離してくれ」
葵「…それを伝えたかっただけ。今は…」離す
遊作「今は、か…」
葵「うん…」
遊作「…なら、次はまたの機会だ」歩き出す
葵「……………」
遊作「…離してくれ」
葵「…それを伝えたかっただけ。今は…」離す
遊作「今は、か…」
葵「うん…」
遊作「…なら、次はまたの機会だ」歩き出す
葵「……………」
19: ◆tBjmwb8gIY 2017/09/26(火) 16:16:41.30 ID:o6RAbFzOO
エマ「ダメだったみたいね」
晃「葵…」
エマ「でも、あの子の気持ちは十分に伝わったでしょう。イグニスもいない今、Playmakerを救えるのはあの子しかいないわ」
エマ「Playmakerはまだ戻れる。意思を持ってるとはいえ、AIは泣いたりしないもの」
晃「ああ、意思を持てば感情が出来る、気持ちが出来る。…だが、泣く事は出来ないからな」
エマ「私達は、見守るしかないわね…」
晃「ああ…」
晃「葵…」
エマ「でも、あの子の気持ちは十分に伝わったでしょう。イグニスもいない今、Playmakerを救えるのはあの子しかいないわ」
エマ「Playmakerはまだ戻れる。意思を持ってるとはいえ、AIは泣いたりしないもの」
晃「ああ、意思を持てば感情が出来る、気持ちが出来る。…だが、泣く事は出来ないからな」
エマ「私達は、見守るしかないわね…」
晃「ああ…」
20: ◆tBjmwb8gIY 2017/09/26(火) 16:18:15.16 ID:o6RAbFzOO
遊作(決して後悔がない訳じゃない。俺には事件の真相を知る権利があった。復讐によって、過去を繋げる事も出来た。だがあいつは…あいつのせいで…)
君、起きて
僕は、君の側に居るよ?
遊作(草薙さん…Ai…)
遊作(俺は、どうすれば良かった…?)
遊作「…………」
辛かったんなら辛かったって言えばよかったのに! 一人じゃ無理なら無理って言えば良かった!
遊作(一人では無理……それは、甘えだと思った)
遊作(だが、もし頼っていたら?GO鬼塚やブルーエンジェルと共に戦う未来があったとしたら…)
遊作(…何かが変わったのかもしれない)
遊作「…………」
遊作(くだらない後悔だ。何故なら…)
遊作(俺に人の温かさなど必要ないのだから)
君、起きて
僕は、君の側に居るよ?
遊作(草薙さん…Ai…)
遊作(俺は、どうすれば良かった…?)
遊作「…………」
辛かったんなら辛かったって言えばよかったのに! 一人じゃ無理なら無理って言えば良かった!
遊作(一人では無理……それは、甘えだと思った)
遊作(だが、もし頼っていたら?GO鬼塚やブルーエンジェルと共に戦う未来があったとしたら…)
遊作(…何かが変わったのかもしれない)
遊作「…………」
遊作(くだらない後悔だ。何故なら…)
遊作(俺に人の温かさなど必要ないのだから)
21: ◆tBjmwb8gIY 2017/09/26(火) 16:19:21.18 ID:o6RAbFzOO
終わり。見事なまでの妄想100パーセント
もし今のままで行ったらこんなゴールになるんじゃないかと予想してみた結果。遊作が意思を持ったAI、監禁された子同士で食事の取り合いなど、最悪な展開
最後に葵を持ってきたのは個人的な願望です
本編は頼むから救われてね…遊作に笑顔を…
もし今のままで行ったらこんなゴールになるんじゃないかと予想してみた結果。遊作が意思を持ったAI、監禁された子同士で食事の取り合いなど、最悪な展開
最後に葵を持ってきたのは個人的な願望です
本編は頼むから救われてね…遊作に笑顔を…
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/26(火) 17:36:54.47 ID:eGC9jYSS0
先が楽しみだねブレインズは
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/26(火) 20:22:54.81 ID:4EE+BIamo
予想の斜め横を行くのが遊戯王
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/27(水) 10:49:53.14 ID:eAcYapJQO
乙
今のところ復讐を成し遂げたとして、その先が全く見えないんだよな
遊作に…笑顔を…
今のところ復讐を成し遂げたとして、その先が全く見えないんだよな
遊作に…笑顔を…
引用元: 遊作「復讐の先にあるのは…」
【ニューダンガンロンパV3】真宮寺「エリート塩…?」
2019-04-30
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/08/16(水) 20:47:45.56 ID:N1QDj1Ei0
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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/08/16(水) 20:48:58.45 ID:N1QDj1Ei0
アンジー「そうだよー!」
真宮寺「なにかな?それは…」
アンジー「超高校級のエリートの汗から生成した塩はねー…」
アンジー「神ったエリート塩になるんだって神さまも言ってるよー!」
真宮寺「確かに人の汗には塩分が含まれているけど…」
真宮寺「そこから塩を生成するなんて…クックック…狂気の沙汰と言えるネ…」
アンジー「あれあれー?是清はノリ気じゃないのかなー?」
真宮寺「むしろ乗り気な人なんているのかな?」
アンジー「うーんとねー、誰から塩を取るかにもよるんじゃないかなー?」
真宮寺「そういう人たちもいるかもしれないけど…僕の場合は誰から取ったとしても嫌だヨ」
真宮寺(姉さんのなら…いや、そもそも姉さんにそんな下品なことは似合わないよネ)
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/08/16(水) 20:50:03.13 ID:N1QDj1Ei0
アンジー「まあまあ、別に是清に食べさせるわけじゃないんだし…」
真宮寺「ということは、僕以外の誰かに食べさせる気なのかい?」
アンジー「そうだよー!エリート塩には神った効能があるからねー!」
真宮寺「へェ…それはすごいなァ…」
アンジー「うーん…是清はあんまりエリート塩に興味はないのかなー?」
アンジー「そんなこと言ってると3親等内まで罰が当たるよ…?」
真宮寺「おやおや…今日の神様は随分理不尽だネ… おかしなことを言ってるのは夜長さんの方なのに…」
真宮寺(それに3親等だと姉さんも入ってしまうヨ)
アンジー「いいからいいからー!無駄話をしてる時間はないよー!」
真宮寺「まさか取りにいくのかい…?エリート塩とやらを…?」
アンジー「にゃははー!行くぞー!」
アンジー「おー!行くぞー!」
真宮寺「いつの間にか僕も巻き込まれてるネ…」
真宮寺(夜長さんは姉さんの友達になれる人だと思ってたけど…)
真宮寺(考え直した方がよさそうだヨ)
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/08/16(水) 20:53:31.31 ID:N1QDj1Ei0
真宮寺「で?その塩は誰から取るつもりなのかな?」
アンジー「斬美だよー!」
アンジー「美人でスタイルが良くてなんでもできて…」
アンジー「皆のために頑張ってる斬美なら神った塩を出してくれるからねー!」
真宮寺「確かに東条さんはこの超高校級が集う中であってもエリートといえるほどの能力を持っているネ…」
真宮寺「ちなみに、僕としては、百田君も中々のエリートだと思うヨ」
真宮寺「宇宙飛行士は知力体力精神力…相当のものがないとなれないと聞くからネ」
真宮寺「たとえ訓練生であっても百田君のそれはかなりのレベルだと思うな」
アンジー「なるなるー、神さまもびっくりの発想だなー」
アンジー「でもでもー、解斗の塩なんて誰も食べたくないと思うんだよねー」
真宮寺「まァ…もっともな意見だネ」
真宮寺「ところで、夢野さんのショーの準備の方はいいのかい?」
アンジー「秘密子のショーの準備ならもう終わったよー!」
アンジー「斬美が手伝ってくれたからねー」
真宮寺「なるほど、さすがは東条さんだ」
アンジー「斬美はまだ体育館にいるかなー?」
真宮寺「いや、もういないはずサ…」
アンジー「えー?どうしてー?」
真宮寺「時刻はとっくに10時を過ぎているからネ。夜時間は立ち入り禁止になる体育館には誰もいないヨ」
アンジー「そっかー。じゃあ探さないとねー」
真宮寺「まずは彼女の部屋に行くのが妥当じゃないかな?」
アンジー「神さまは、斬美は部屋にいないって言ってるよー!」
真宮寺「じゃあどこにいるんだい?」
アンジー「それを探しにいくのです」
真宮寺「やれやれ…」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/08/16(水) 20:54:54.16 ID:N1QDj1Ei0
真宮寺「一応聞いておくけど…君の神様は東条さんの居場所を教えてくれないのかい?」
アンジー「それはねー、神さまはもう寝ちゃったからダメなんだー」
真宮寺「僕ももう休みたいんだけどネ… 正直さっきのゴン太君のなごもう会は堪えたヨ…」
アンジー「是清は疲れてるんだねー じゃあ塩ができたら寝てもいいよー」
真宮寺「クックック…今夜は徹夜になりそうだ」
真宮寺「まァ、いいサ…ここまで来たらこの夜長さんの狂行を最後まで観察させて…」
バコッ!!!!!
真宮寺「ん…?今の音は…?」
アンジー「何かを叩いたような音だねー」
真宮寺「そこの部屋から聞こえた気がするヨ」
アンジー「ここは竜馬の研究教室だねー。テニスでもしてるのかな?」
真宮寺「まァ、そんなことろじゃないかな」
アンジー「竜馬ー、夜更かしは駄目だぞー」ガチャッ
真宮寺「僕達も人のこと言えないけどネ」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/08/17(木) 23:52:09.27 ID:O3h4jc4e0
真宮寺(部屋に乗り込んだ僕達の目に飛び込んできたのは予想外の光景だった…)
東条「…ッ!?」ビクッ
アンジー「あれれー、斬美だったんだー。ちょうどよかったねー」
東条「夜長…さん…」
真宮寺(手に角材のようなものを持って茫然と立ち尽くしている東条さん…)
真宮寺(しかも、彼女の足元には横たわって動かない星君…)
真宮寺「…夜長さん、どうやら情況は塩どころじゃないようだ」
アンジー「うわー!よく見たら竜馬が倒れてるよー!」
真宮寺「クックック…どうやらまた起きてしまったようだネ。まさか君がやるとは思わなかったけど…」
東条「…」
アンジー「んー、逃げた方がいいのかなー?」
真宮寺「無駄だろうネ。東条さんにかかれば僕らなんてあっという間に捕まってしまうだろうからサ」
真宮寺「なんとか説得する方を提案するヨ… 最も星君がまだ手遅れじゃなければの話だけど…」チラ
星「」
アンジー「あー、これはもう駄目だねーナムアミダブツ」
真宮寺「いや、それなら僕らもとっくに始末されてるはずだ。多分気を失ってるだけだと思うヨ」
アンジー「なるなるー。ならアンジーにおまかせだよー」
真宮寺「大丈夫なのかい?」
アンジー「大丈夫だよー!アンジーには神さまがいるからねー!」
アンジー「失敗して殺されても優しく迎えてくれるよー」
真宮寺「…やっぱり僕が行った方がよさそうだネ」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/08/17(木) 23:53:42.75 ID:O3h4jc4e0
アンジー「斬美ー、斬美ー」
東条「…」
真宮寺「東条さん、この状況についての話は後回しにするとして…星君は無事なのかい?」
東条「ええ…」
真宮寺「だったら彼を救護するのに手を貸してくれるかな?」
真宮寺「どんな事情があったのかは知らないけど…今ならまだ引き返せると思うんだ…」
真宮寺(それにこうなった以上、計画を続けるには僕と夜長さんを始末するしかない…)
真宮寺(夜時間とはいえ3人も殺してしまうのは大きすぎるリスクだ…)
真宮寺(東条さんならそれに気づいてくれるはずだけど…)
東条「…わかったわ」
真宮寺(やっぱり東条さんは聡明だったネ)
真宮寺(とはいえさっきまでの彼女は明らかに普段と違っていた…)
真宮寺(僕たちに見つかって焦ったのか… それとも自分の凶行を人に見られて初めて我に帰ったのか…)
真宮寺(顔は真っ青で…まるでこの世の終わりでも見たかのような…)
真宮寺(逆上して襲われる可能性もあったけど、一先ず助かったヨ…)
真宮寺(そんなことを考えてる内に星君の手当ても終わったようだ)
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/08/17(木) 23:56:05.11 ID:O3h4jc4e0
真宮寺「星君は僕が部屋まで連れていくヨ。2人も今日のところは部屋に戻った方がいい…」
真宮寺「じゃあ、僕はこれで…」ガシッ
真宮寺「…!?」
アンジー「だめだよー!是清ー!」
真宮寺「どうしたんだい…?」
アンジー「主は言いました…斬美の話を聞きなさいと…」
真宮寺「神様はもう眠ったんじゃなかったの…?」
アンジー「アンジーの神さまは夜中に何度もトイレに起きるタイプの神さまだからねー」
真宮寺「夢野さんみたいな神様なんだネ…」
真宮寺(まァ、確かに…事件のことが気にならないと言ったら嘘になる…)
真宮寺(正直、獄原君や夜長さんに振り回されて限界も近いし…)
真宮寺(僕と夜長さんだけでは荷が重いと考えてたけど…)
真宮寺(夜長さんがやる気ならしかたないか)
真宮寺(あの東条さんがここまでしたんだ…それだけのことがあったんだろうネ)
真宮寺(人間が持つ業の深さと美しさ…それこそが僕が観察したいもの…素晴らしいものが見られそうだヨ)
真宮寺(いつもは観察するだけのことが多いけれど…たまには騒動の渦中に飛び込むのもいいかもしれない…)
真宮寺「わかったヨ。夜長さんが言うならそうしようか」
アンジー「アンジーじゃなくて神さまが言ってるんだよ?」
真宮寺(それにあの追い詰められたような顔のまま俯いてる東条さんを放って部屋に戻るのは仲間として気が引けるしネ…)
真宮寺(彼女はアンジーさんと違って姉さんの友達になるかもしれない人…できることなら力になりたいと思う…)
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/08/17(木) 23:58:06.49 ID:O3h4jc4e0
真宮寺「というわけで、東条さん。この状況を説明して貰えるかな?」
真宮寺「こんなことになった以上僕達も放置するわけにはいかない」
真宮寺「でもいきなり大事にするよりは、まずこの場に居合わせた僕達だけで話をしておくのがいいと思うんだ」
東条「そうね…わかったわ。貴方達を巻き込んでしまったのだし、説明はするべきね」
真宮寺(大分冷静になったみたいだネ…よかったヨ)
東条「とはいっても、もう察しはついてるでしょうね…」
東条「私は…星君を、殺そうとしたのよ」
真宮寺(悲痛な面持ちながらも己の罪と向き合い、しっかりと言い切る東条さん…なんて美しいんだ!)
真宮寺(でも、本題はここからだ… 重要なのは東条さんが何故犯行に踏み切ってしまったのか…)
真宮寺(つまりは動機… 『動機』…?そうか、なんとなくわかってきたヨ)
アンジー「でもでもー、なんでそんなことしたのー?」
アンジー「斬美は竜馬やアンジーたちを犠牲にして1人だけ外に出ようとしたのー?」
東条「…えぇ、そうよ」
東条「星君を選んだのもそのためだったし、学級裁判を逃げ切るためのトリックも…」
アンジー「なるなるー、そうなんだねー」
アンジー「で?斬美はそれで平気だったの?」
東条「…ッ!」
アンジー「斬美はねー、優しいし皆のお世話をしてくれるし秘密子のショーの準備も手伝ってくれたし…神さまもすごいって褒めてたよー?」
アンジー「あれも全部嘘だったのー?」
東条「…」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/08/18(金) 00:00:49.17 ID:4oXafgKx0
アンジー「斬美ー?黙ってると6親等親族まで罰が当たるよ?」
真宮寺(いつもの特徴的な語尾や方言にも似た独特のイントネーションが消えつつある…)
真宮寺(これは彼女が怒った時に見られる特徴だ…)
真宮寺(こうなるのは、主に『神さま』が絡む時だったけど…)
真宮寺(もしかして、信頼してた東条さんに裏切られたと思って怒ってるんだろうか…)
真宮寺(クックック…何を考えてるかわからない不気味な人だと思ってたけど…こんな人間らしい一面もあったんだ…)
真宮寺(僕としたことが…観察がまだ足りなかったみたいだ…)
真宮寺(よく見ていればこうして色々な面を見せてくれる…やっぱり人間っていいよネ!)
真宮寺(とはいえ観察ばっかりしてるわけにもいかない…)
真宮寺(今回は僕も当事者なんだからネ)
真宮寺「もしかしてさァ、アレが関係してるんじゃない?」
アンジー「アレ?」
真宮寺「ほら、例の『動機ビデオ』だヨ」
東条「…ッ!そ、それは…」
真宮寺「どうやら間違いないみたいだネ」
アンジー「でもでもー、あれは自分以外の誰かのビデオが配られたんだよー?」
アンジー「それがなんで動機になるのー?」
真宮寺「でもサ、僕達は誰にどのビデオが配られたかを全て確認したわけじゃない…」
真宮寺「だったら東条さんには自分の『動機ビデオ』が配られていた可能性もあるよネ?」
アンジー「斬美ー、そうなのー?」
東条「ええ、真宮寺君の言う通りよ。私には自分の『動機ビデオ』が配られていたわ」
真宮寺「やっぱりネ。タイミングから言ってそうじゃないかと思ったんだ」
アンジー「にゃははー、じゃあ今から皆で見てみようよー!」
東条「え…」
真宮寺「本気なのかい?」
アンジー「もっちもちー!斬美もそれでいいよねー?」
東条「そ、そうね…」
真宮寺「まァ、東条さんがいいなら構わないけどネ。その方が早いだろうし…」
真宮寺(ひょっとしたら自分では言いにくいことかもしれないしネ)
真宮寺(いつもの特徴的な語尾や方言にも似た独特のイントネーションが消えつつある…)
真宮寺(これは彼女が怒った時に見られる特徴だ…)
真宮寺(こうなるのは、主に『神さま』が絡む時だったけど…)
真宮寺(もしかして、信頼してた東条さんに裏切られたと思って怒ってるんだろうか…)
真宮寺(クックック…何を考えてるかわからない不気味な人だと思ってたけど…こんな人間らしい一面もあったんだ…)
真宮寺(僕としたことが…観察がまだ足りなかったみたいだ…)
真宮寺(よく見ていればこうして色々な面を見せてくれる…やっぱり人間っていいよネ!)
真宮寺(とはいえ観察ばっかりしてるわけにもいかない…)
真宮寺(今回は僕も当事者なんだからネ)
真宮寺「もしかしてさァ、アレが関係してるんじゃない?」
アンジー「アレ?」
真宮寺「ほら、例の『動機ビデオ』だヨ」
東条「…ッ!そ、それは…」
真宮寺「どうやら間違いないみたいだネ」
アンジー「でもでもー、あれは自分以外の誰かのビデオが配られたんだよー?」
アンジー「それがなんで動機になるのー?」
真宮寺「でもサ、僕達は誰にどのビデオが配られたかを全て確認したわけじゃない…」
真宮寺「だったら東条さんには自分の『動機ビデオ』が配られていた可能性もあるよネ?」
アンジー「斬美ー、そうなのー?」
東条「ええ、真宮寺君の言う通りよ。私には自分の『動機ビデオ』が配られていたわ」
真宮寺「やっぱりネ。タイミングから言ってそうじゃないかと思ったんだ」
アンジー「にゃははー、じゃあ今から皆で見てみようよー!」
東条「え…」
真宮寺「本気なのかい?」
アンジー「もっちもちー!斬美もそれでいいよねー?」
東条「そ、そうね…」
真宮寺「まァ、東条さんがいいなら構わないけどネ。その方が早いだろうし…」
真宮寺(ひょっとしたら自分では言いにくいことかもしれないしネ)
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/08/18(金) 00:02:37.06 ID:4oXafgKx0
真宮寺「…」
東条「…」
アンジー「…」
真宮寺「なんというか…衝撃的な内容だったヨ…」
真宮寺(確かに優秀な人だとは思ってたけど…これはさすがに予想外だったヨ…)
真宮寺「まさか大切な人が全国民とはネ… 僕如きには想像もつかないスケールだ…」
東条「こんなものはモノクマが私達に殺し合いをさせるために用意したもの…真に受けてはいけないと思ったわ…」
東条「でも…私はこの国に全てを捧げると誓った…このビデオを見た時、それを思い出したのよ」
東条「私には全ての国民を守る義務と責任がある…」
東条「だから、どうしても…ここから出たかった…!」
東条「ここから出て…本当のことを確かめたかったのよ…ッ!」
アンジー「そっかー、なら仕方ないねー!」
東条「夜長さん…?」
真宮寺「随分とあっさりだネ」
アンジー「主は言いました…全国民はさすがにヤバイでゲスと…」
真宮寺「とんでもなく小物臭のする神様だネ…」
真宮寺「まァ、僕達13人の命とその1000万倍の人数の命なら天秤にかけるまでもないのは確かだけど…」
東条「でも、私は…貴女達を裏切って犠牲にしようとしたのよ…?」
アンジー「んー…斬美はまだそうするつもりがあるのー?」
東条「それは…」
東条「…」
真宮寺(僕が最も危惧してるのはそこだ…)
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/08/18(金) 00:05:24.22 ID:4oXafgKx0
真宮寺(東条さんを殺人に走らせるほどの動機、簡単には止まれないはず…)
真宮寺(もちろんそれほどの重責だからこそ判断を誤ってしまった可能性はあるし、それなら冷静になれば踏みとどまってくれるだろう…)
真宮寺(だけど再度犯行に及んだ場合、標的にされるのは僕と夜長さんと星君ということになる…)
真宮寺(仮に他の人が殺された場合でも、学級裁判で東条さんがオシオキされれば、彼女を姉さんの友達にする機会は永遠に失われてしまう…)
真宮寺(いっそのこと僕が先に彼女を…)
星「うぅ…」
真宮寺「おや…?」
東条「星君!」
アンジー「気が付いたんだねー!よかったよかったー!」
星「…なんだこれは。どういう状況だ…?」
真宮寺「君が殴られて倒れたところに僕と夜長さんが偶然通りかかったのサ」
星「そういうことか…」
真宮寺「ふーん…なんだか妙に飲み込みが早いネ。後頭部からいきなり殴られたっていうのに…」
星「そりゃそうさ…俺はわざと自分を殺させたんだからな」
東条「…!?」
アンジー「えぇー?どうしてー?」
星「あんたらが知ってるかは知らんが、こいつには生きなきゃならねえ理由がある…」
星「俺には、もう生きる理由もねえ。だからこいつに命を譲った…それだけのことだ」
真宮寺(動機のことがあったとはいえ…東条さんほどの人が僕達全員を犠牲にするなんて選択肢を選んだことにずっと違和感を覚えていた…)
真宮寺(でも、これでようやく合点がいったヨ…)
真宮寺(コロシアイという常識では測れない異常な空間… 超高校級のメイドとはいえ…いや、だからこそ、1人の高校生には重すぎる動機…)
真宮寺(そこに突如降りた蜘蛛の糸… 縋らずにはいられなかったのかもしれない)
真宮寺(例え途中で切れることがわかっていたとしても…)
真宮寺(クックック…人間というのは、なんて業の深い存在なんだろうネ…)
真宮寺(もちろんそれほどの重責だからこそ判断を誤ってしまった可能性はあるし、それなら冷静になれば踏みとどまってくれるだろう…)
真宮寺(だけど再度犯行に及んだ場合、標的にされるのは僕と夜長さんと星君ということになる…)
真宮寺(仮に他の人が殺された場合でも、学級裁判で東条さんがオシオキされれば、彼女を姉さんの友達にする機会は永遠に失われてしまう…)
真宮寺(いっそのこと僕が先に彼女を…)
星「うぅ…」
真宮寺「おや…?」
東条「星君!」
アンジー「気が付いたんだねー!よかったよかったー!」
星「…なんだこれは。どういう状況だ…?」
真宮寺「君が殴られて倒れたところに僕と夜長さんが偶然通りかかったのサ」
星「そういうことか…」
真宮寺「ふーん…なんだか妙に飲み込みが早いネ。後頭部からいきなり殴られたっていうのに…」
星「そりゃそうさ…俺はわざと自分を殺させたんだからな」
東条「…!?」
アンジー「えぇー?どうしてー?」
星「あんたらが知ってるかは知らんが、こいつには生きなきゃならねえ理由がある…」
星「俺には、もう生きる理由もねえ。だからこいつに命を譲った…それだけのことだ」
真宮寺(動機のことがあったとはいえ…東条さんほどの人が僕達全員を犠牲にするなんて選択肢を選んだことにずっと違和感を覚えていた…)
真宮寺(でも、これでようやく合点がいったヨ…)
真宮寺(コロシアイという常識では測れない異常な空間… 超高校級のメイドとはいえ…いや、だからこそ、1人の高校生には重すぎる動機…)
真宮寺(そこに突如降りた蜘蛛の糸… 縋らずにはいられなかったのかもしれない)
真宮寺(例え途中で切れることがわかっていたとしても…)
真宮寺(クックック…人間というのは、なんて業の深い存在なんだろうネ…)
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/08/19(土) 00:53:02.48 ID:2bAXlYgp0
アンジー「なるなるー、竜馬も斬美の動機のことを知ってたんだねー」
星「ああ…だが、そいつは間違いだったみてえだな」
東条「え…?」
星「今のあんたの面を見てわかった… あんたはそんなことホントは望んじゃいなかったってことがな…」
東条「星…君…」
星「東条、すまなかったな…俺が唆したせいで取り返しのつかないことをさせちまうところだった」
東条「違うわ星君ッ!私が全部悪いのよッ!だって私は貴方を…」
アンジー「斬美ー、ちょっと座ってくれるー?」
東条「よ、夜長さん…?急にどうしたの…?」
アンジー「にゃははー、いいからいいからー」
東条「…こうかしら?」
アンジー「そうそう…」
真宮寺(アンジーさんは膝をついた東条さんの正面に行き…)
星「ああ…だが、そいつは間違いだったみてえだな」
東条「え…?」
星「今のあんたの面を見てわかった… あんたはそんなことホントは望んじゃいなかったってことがな…」
東条「星…君…」
星「東条、すまなかったな…俺が唆したせいで取り返しのつかないことをさせちまうところだった」
東条「違うわ星君ッ!私が全部悪いのよッ!だって私は貴方を…」
アンジー「斬美ー、ちょっと座ってくれるー?」
東条「よ、夜長さん…?急にどうしたの…?」
アンジー「にゃははー、いいからいいからー」
東条「…こうかしら?」
アンジー「そうそう…」
真宮寺(アンジーさんは膝をついた東条さんの正面に行き…)
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/08/19(土) 00:53:34.20 ID:2bAXlYgp0
アンジー「ぎゅ~~~~」
東条「…!?夜長さん…?な、なにしてるの…?」
アンジー「あのねー、神さまは斬美のこと許してくれるって言ってるよー」
東条「え?」
アンジー「斬美が今までアンジーや皆のために頑張ってくれてたことも、神さまはちゃんと見てたからねー」
アンジー「ちょっと間違えちゃっただけだって、神さまはちゃんとわかってるから…」
東条「…」
アンジー「こんなことになって斬美も辛かったよねー。でも大丈夫、眼鏡をかけた高身長でお金持ちの神さまが見守ってるから」ドウイウコトダナエギ!セツメイシロ!
アンジー「だからもう安心していいんだよー?」ナデナデ
東条「………ぅ…うぅ…」ポロポロ
東条「…ごめんなさい……夜長さん、星君…皆…本当に……ごめんなさい…」ポロポロ
アンジー「よしよし、いいんだよー」ナデナデ
星「……フッ」
真宮寺(…僕の名前が入ってないのは『皆』の方に含まれてるからだよネ)
真宮寺(きっとそうサ…まァ、途中から空気だし仕方ない… 東条さんのことだから意図的に省いたなんてことはないはず…)
真宮寺(僕は人間の美しさを観察したいだけなんだ… 無理に話に入っていく必要はないんだヨ…)
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/08/19(土) 00:54:25.77 ID:2bAXlYgp0
真宮寺(翌日、東条さんは皆に全てを告白した…)
真宮寺(皆最初こそ戸惑っていたけど、僕達の話を聞いて納得してくれた…)
真宮寺(皆に許され、仲間としてまた受け入れられたことに、また泣き出してしまった東条さんとそれを優しく宥める仲間達…)
真宮寺(とても美しい光景だったヨ)
真宮寺(『ですが星クンを殺そうとしたのは事実ですし、念のためしばらくは監視を付けておいた方がいいのでは?』)
真宮寺(ある人がそう発言した時は若干空気が冷えてしまったけどネ。……いや、正確には人じゃなかったか…)
真宮寺(ともかくこの騒動は無事解決し、東条さんは今まで以上に皆のために働いてくれた…)
真宮寺(この和やかなムードと東条さんの働きもあってしばらくは平和な時間が続いたし、僕も姉さんの友達候補をゆっくりと見定めることができた…)
真宮寺(途中、アンジーさんが生徒会を結成したり、春川さんが実は超高校級の暗殺者だったことが判明したり、モノクマが死者の書とかいう動機を渡してきたり、思い出しライトで全てを思い出したり…)
真宮寺(まァ、色々あったけど今となっては大したことじゃないヨ)
真宮寺(なぜなら僕達は今、最後の学級裁判の場にいるんだからネ…)
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/08/27(日) 20:52:49.16 ID:HcICTB/q0
最原「赤松さんは無実の罪で処刑されたんだッ!」
最原「嘘で正解を捻じ曲げて…赤松さんに罪を押し付けて…こんなのゲームとして成立してないッ!」
真宮寺(そう…天海君を殺したのは首謀者である白銀さんだったんだ…)
真宮寺(おそらく、赤松さんが失敗したことで、コロシアイを無理にでも始めざるを得なかったんだろうネ)
真宮寺(全ては女子トイレにあった隠し通路を東条さんが偶然見つけたことから始まった…)
真宮寺(最原君の活躍もあり、赤松さんと天海君の事件の真相が明らかになった…)
真宮寺(そして、このコロシアイの首謀者が江ノ島循子であることも突き止めた…)
真宮寺(これでコロシアイは終わりだ…)
真宮寺(天海君と赤松さんが犠牲になってしまったけれど…皆帰れる…)
真宮寺(東条さん、夢野さん、茶柱さん…もう少しだけ待っててヨ…)
真宮寺(もうすぐ姉さんに会わせてあげるからネ…!)
真宮寺(でもネ…)
真宮寺(絶望は終わらなかったんだ)
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/08/27(日) 20:54:25.05 ID:HcICTB/q0
白銀「つまり、ぜーんぶッ!フィクションなんだよッ!」
白銀「そして、これが外の世界の声だよッ!」
え…ばらしちゃうの? どうも視聴者です。 赤松ちゃん返して 斬新な展開だな
ていうかホントにこれ最後の学級裁判? まだ1回しか裁判やってないんだけど…
生き残り多すぎじゃね…? ←たまにはいいだろ マジシャンのオシオキ見たかった
まともなコロシアイ起きてないじゃん 陰キャ原wwwww 推しが死にそうだったしこの展開はあり
茶柱「な、なんですかこれはッ!?」
星「こいつらがずっと俺達のコロシアイを見てやがってわけか…」
江ノ島「はい、ダンガンロンパは究極のリアルフィクションとしてリアルタイムで視聴者に提供されているのです」
百田「ふざけやがって…!」
夢野「い、今…ウチのオシオキを所望する声があった気がするんじゃが…」ガクガクガク
真宮寺「………………謝って」
夢野「んあ…?」
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/08/27(日) 20:55:04.66 ID:HcICTB/q0
入間「このうんこかじり虫がッ!何ブツブツ言ってやがんだッ!」
真宮寺「謝って謝って謝って謝って謝ってヨッ!」
入間「ひいいいいぃっ!」
真宮寺(嘘ダ嘘ダ嘘ダ嘘ダ嘘ダ嘘ダ嘘ダ嘘ダ嘘ダ嘘ダ嘘ダ嘘ダ嘘ダ嘘ダ嘘ダ)
真宮寺(姉さんが…姉さんがいないなんて僕は認めないッ!)
真宮寺(僕…は…)
真宮寺(………)
真宮寺『………』
真宮寺『………ここは…?』
姉清『是清』
真宮寺『姉さん…!』
姉清『どうしたの…?酷い顔をしているわ」
真宮寺『姉さん…皆が酷いんだヨ…』
真宮寺『フィクションだとか、全部嘘だとか…おまけに姉さんなんか本当はいないって言うんだ…』
姉清『まあ!それは酷いわね!』
真宮寺『姉さんは嘘なんかじゃないよネ!?僕を置いていなくなったりしないよネ!?』
姉清『勿論よ、是清。私はずっとあなたの側にいる…』
姉清『だから、あんな低俗で哀れな不人気女に惑わされてはいけないわ』
真宮寺『姉さん!』
姉清『さあ、戻りましょう。皆が待ってるわ』
真宮寺『クックック…そうだネ…姉さん』
真宮寺「謝って謝って謝って謝って謝ってヨッ!」
入間「ひいいいいぃっ!」
真宮寺(嘘ダ嘘ダ嘘ダ嘘ダ嘘ダ嘘ダ嘘ダ嘘ダ嘘ダ嘘ダ嘘ダ嘘ダ嘘ダ嘘ダ嘘ダ)
真宮寺(姉さんが…姉さんがいないなんて僕は認めないッ!)
真宮寺(僕…は…)
真宮寺(………)
真宮寺『………』
真宮寺『………ここは…?』
姉清『是清』
真宮寺『姉さん…!』
姉清『どうしたの…?酷い顔をしているわ」
真宮寺『姉さん…皆が酷いんだヨ…』
真宮寺『フィクションだとか、全部嘘だとか…おまけに姉さんなんか本当はいないって言うんだ…』
姉清『まあ!それは酷いわね!』
真宮寺『姉さんは嘘なんかじゃないよネ!?僕を置いていなくなったりしないよネ!?』
姉清『勿論よ、是清。私はずっとあなたの側にいる…』
姉清『だから、あんな低俗で哀れな不人気女に惑わされてはいけないわ』
真宮寺『姉さん!』
姉清『さあ、戻りましょう。皆が待ってるわ』
真宮寺『クックック…そうだネ…姉さん』
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/08/27(日) 20:57:40.47 ID:HcICTB/q0
真宮寺「………」
狛枝「ねえ、真宮寺君…聞いてる?」
セレス「愛する姉が存在しないとわかって発狂して気絶するなんて…」
戦刃「シスコンも程々にした方がいいよ…?」
真宮寺「…僕は認めない」
江ノ島「は?いきなり何?」
真宮寺「僕は真実しか認めない… 起きたことしか認めない… 超常現象なんて認めない…」
真宮寺「姉さんがいないなんて認めない…!」
白銀「何言ってるのかな…?全部フィクションだって言ったじゃん!」
真宮寺「君こそ何を言ってるんだい?」
白銀「え…?」
真宮寺「例え記憶がウソだったとしても…僕に死んだ姉なんていなかったとしても…」
真宮寺「僕の中にいる姉さんは本物なんだ…!」
真宮寺(そうだ…姉さんさえいれば僕は…)
白銀「なにこれ…手に負えないよ…」
白銀「ねえ皆ッ!皆はどうなのッ!?こんなの嫌だよねッ!?絶望だよねッ!?」
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/08/27(日) 20:59:29.29 ID:HcICTB/q0
アンジー「島の皆も本当はいないんだねー。ビックリだよー」
アンジー「でもでもー、アンジーはつむぎに感謝してるよー」
アンジー「つむぎのおかげで神さまを感じられるようになったんだからねー!」
白銀「いや、だから神さまの設定もフィクションで…」
アンジー「つむぎ…そんなこと言うと末代まで罰が当たるよ…?」
白銀「えぇ…」
入間「まあ、気にすることねえだろ」
入間「こんな眼鏡ブスなんてどうせコイツで末代だぜ!」
白銀「うるさいよッ!」
入間「ひいぃっ!な、なんだよぉ…」
星「確かに白銀の言う通り、この現実は絶望的だろうな…」
星「だが、今までの俺にだって希望なんかなかった…」
白銀「そ、それよりはマシだって言うの…?」
星「さあな…少なくとも今の俺にはもう生きることを諦めていい理由なんてねえのさ…」
星「同じ境遇にいる奴らが諦めてねえ限りはな…」
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/08/27(日) 21:10:04.50 ID:HcICTB/q0
茶柱「夢野さん!どうしたんですか!」
夢野「どうしたもないじゃろ…全て嘘だったと言われて…ウチはどうすればいいんじゃ…」
茶柱「うぐぐ…確かに転子だって辛いです…」
茶柱「お父さんもお母さんも師匠も…転子の記憶にある大切な人はこの世のどこにもいないんですから…」
茶柱「でも、転子はッ!夢野さんがいれば生きていけますッ!」
夢野「キショイわ…」
茶柱「夢野さん!?」
夢野「なあ、転子よ…ウチは…」
茶柱「夢野さん!?今、転子のことを『転子』って呼びましたよねッ!?」
夢野「んあ?だからなんじゃ?」
茶柱「キャー!下の名前で呼んでくれるなんて…転子はうれしいです!」
夢野「なんじゃそれくらいで……もういいわい」
茶柱「夢野さん…?」
夢野「もうどうでもいい… ウチは疲れた… 悩むのもめんどい…」
夢野「お主がいれば…まあ、なんとかなるじゃろ(アジ顔)」
茶柱「夢野さん!!!もちろんです!!!」
東条「こうなった以上、私の主は今ここにいる皆だけ…」
東条「だから皆の望みこそが私の望み…」
東条「一度夜長さん達に命を救って貰った身…最後まで皆のために全てを捧げるわ!」
ゴン太「待ってよ東条さん!ゴン太だって皆のために頑張るよ!」
東条「獄原君…」
ゴン太「確かに山の家族や人間の家族の皆に会えないのは悲しいけど…」
ゴン太「でも、皆がいるから寂しくないよ!ゴン太は馬鹿だけど、それくらいはわかるんだ!」
ゴン太「ゴン太は紳士だから!紳士は最後まで投げやりになったりしないんだ!」
東条「フフッ…そうね」
30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/08/27(日) 21:12:04.17 ID:HcICTB/q0
百田「おいハルマキッ!テメー、何しけた顔してやがんだッ!」
春川「百田…あんたは平気なの…?」
百田「馬鹿野郎ッ!そんなわけねえだろッ!」
春川「だったらなんで…」
百田「まあ…確かに俺にも大事に思ってた過去はあるけどよ…」
百田「ボスである俺が助手のテメーらを置いてしょぼくれるわけにもいかねーしな!」
春川「こんな時にまでそれ…?」
春川「そりゃあ…暗殺者やってた過去なんて別に大事なものじゃないけどさ…」
春川「でも、結局今の私達は…人格や心だってそういう風に設定されたってだけなんでしょ…?」
百田「あー…まあそうだな。俺なんて元々は殺しまくってやるとか言ってたみてーだしな」
春川「作り物だったんだよ…この気持ちすらも…」
百田「………ハルマキ!」
百田「だったらもう、自分の信じたいもんを信じるしかねーだろうがッ!」
春川「え…?」
31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/08/27(日) 21:13:01.00 ID:HcICTB/q0
百田「テメーが何のこと言ってんのかはイマイチよくわかんねーけどよ… そういうことなら話は簡単だ」
百田「どのみちもう昔の俺らには戻れねー」
百田「だったら俺は今の俺を信じるッ!」
百田「もちろん今のハルマキだって信じてるぜッ!俺が信じてーと思うからだッ!」
春川「何それ…メチャクチャだよ。結局何も解決してないし…そんなことで割り切れるわけない…」
春川「……でも、そうだよね…」
春川「この気持ちを疑ったら…今のアンタを疑うことになるんだもんね…」
春川「わかったよ…アンタのこと、信じてみるよ」
百田「あ?俺の話だったか?人格の話だった気がするが…」
春川「う、うるさいよッ!」
百田「うおっ!?何急に怒ってんだよ!?」
春川「ハァ…もういいよ…」
百田「まったく…訳わかんねーぜ…」
春川「……………百田」
百田「な、なんだよ…まだ何かあんのか…?」
春川「…ありがとう」
百田「……おう!気にすんな!助手のためなら大したことねーぜッ!」
百田「どのみちもう昔の俺らには戻れねー」
百田「だったら俺は今の俺を信じるッ!」
百田「もちろん今のハルマキだって信じてるぜッ!俺が信じてーと思うからだッ!」
春川「何それ…メチャクチャだよ。結局何も解決してないし…そんなことで割り切れるわけない…」
春川「……でも、そうだよね…」
春川「この気持ちを疑ったら…今のアンタを疑うことになるんだもんね…」
春川「わかったよ…アンタのこと、信じてみるよ」
百田「あ?俺の話だったか?人格の話だった気がするが…」
春川「う、うるさいよッ!」
百田「うおっ!?何急に怒ってんだよ!?」
春川「ハァ…もういいよ…」
百田「まったく…訳わかんねーぜ…」
春川「……………百田」
百田「な、なんだよ…まだ何かあんのか…?」
春川「…ありがとう」
百田「……おう!気にすんな!助手のためなら大したことねーぜッ!」
32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/08/27(日) 21:14:01.26 ID:HcICTB/q0
白銀「無理だよッ!!!」
白銀「皆全然絶望しないよッ!」
白銀「生き残りが多すぎたんだよ… これじゃ絶望するわけないよ…」
王馬「う、嘘だ…」
白銀「王馬君…?」
王馬「全部嘘だったなんて…そんなの嘘だよ…」
王馬「だって俺には組織の大事な仲間がいるんだ…」
王馬「皆、家族同然の仲間なんだ…」
王馬「嘘ばっかりついてる俺が唯一本当のことを言えるような…」
王馬「それが嘘だったなんて…」
王馬「うわああああああああああああああああああんッ!!!!!!」
白銀「いや、それも嘘でしょ… 君そんなキャラじゃないもん」
王馬「そんな…酷いよ…白銀ちゃんなら俺の気持ちわかってくれると思ったのに…」
王馬「だって…だって…」
王馬「だって白銀ちゃんも同じだもんね?」
白銀「え…?」
37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/10(日) 22:37:11.44 ID:LR5bOhuv0
真宮寺(王馬君…どういうつもりだい…?)
白銀「同じ…?」
王馬「だからさ!白銀ちゃんも俺たちと同じ用に思い出しライトで記憶を植え付けられたってことだよ!」
白銀「な、なに言ってるの!そんなわけないじゃん!」
キーボ「王馬クン、それはどういうこと…?」
王馬「思い出しライトを使えばどんな記憶も作れるんだよね?」
王馬「だったら白銀ちゃんの記憶や才能だって捏造できるでしょ?」
白銀「そんなことしてないよッ!」
王馬「ふーん、証拠はあるの?」
白銀「しょ、証拠って…」
王馬「あるわけないよねー!記憶をいじられたなら覚えてるわけないしさ!」
王馬「そもそも俺たちの才能が全部設定なのに白銀ちゃんのだけ本物っておかしくない?」
王馬「世界まるごとコスプレなんてある意味一番ぶっ飛んだ才能なのにさ!」
白銀「そ、それは…」
真宮寺「そう言われると…確かにそうだネ」
真宮寺「超高校級の概念が創作の中の設定だとすると、白銀さんの才能だけ本物というのは不自然だ」
夢野「んあー…だったらどうだというんじゃ?」
東条「つまり、白銀さんの記憶も私達と同じように作られたものだとすると…」
ゴン太「そっか!白銀さんが首謀者っていうのも作られた記憶かもしれないんだね!」
白銀「…!」
38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/10(日) 22:37:51.23 ID:LR5bOhuv0
王馬「びっくりしたー!ゴン太、バカのくせに突然賢くなるから…」
ゴン太「ご、ごめん!」
星「いや、謝ることじゃねえだろ」
百田「そんなことより結局どっちなんだよ!」
茶柱「そうですよ!王馬さんの言うことは本当なんですか!?」
真宮寺「それはわからないだろうネ。僕達だって自分の記憶が偽物だったなんて気が付かなかったでしょ?」
真宮寺「それと同じように、本当のところは白銀本人にさえわからないんだヨ」
白銀「そ、そんな…」
王馬「いやー、完璧にキャラになりきるなんてすごい才能だよねー!」
王馬「得意げにコロコロキャラチェンジしちゃって…そういう設定だとしたら真の総理大臣(笑)より痛いよ!」
東条「…」
茶柱「と、東条さん…?顔が怖いですよ…?」
夢野「しかし、どちらにせよ、結局真相がわからないなら意味ないのではないか…?」
春川「確かにそうだよね。私たちの置かれた状況に変わりはないよ」
真宮寺(二人の言う通りだ…真相がどちらにせよ、白銀さんは事実首謀者として僕らの前に立ちはだかっている…)
王馬「まあ、オレはただ可能性を思いついたから言ってみただけだしね」
王馬「本当のところは別にどっちでもいいかな」
アンジー「もう、つむぎのキャラも設定…そんな流れでどうかと…」
白銀「……………そう…なのかな…」
真宮寺「…!」
茶柱「白銀さん!?」
39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/10(日) 22:42:29.53 ID:LR5bOhuv0
東条「白銀さん、それは王馬君の主張を認めるということかしら?」
ゴン太「そうなのかなって言ってたよね?」
白銀「うん…というより、私がそう思いたいだけなんだけどね」
春川「…どういうこと?」
白銀「赤松さんが処刑された時ね…すごく悲しかったんだ…」
白銀「優しくて、皆を励まして引っ張ってくれた…そんな赤松さんが殺されるなんて絶望的…」
白銀「それがダンガンロンパの醍醐味だし、私自身も物語に入り込んでたからそれは普通のことなんだけど…」
白銀「でも、何かが違うというか…」
真宮寺「何かって…?」
白銀「それがずっとわからなかったんだけど…今になってわかった…」
白銀「私は赤松さんを本当に友達だと思ってたんだよ」
白銀「一緒にネイルやったり…共通の趣味を探したり…」
白銀「そんな普通の友達だったんだ…!」ポロポロ
ゴン太「し、白銀さん…!」ポロポロ
茶柱「うぅ…」ポロポロ
真宮寺「…」
白銀「この痛みや悲しみは本物なんだ… 好きなキャラじゃなくて、友達を失ったから悲しいんだって…」
白銀「神さまがそう教えてくれたんだよ!」
真宮寺「……………ン?」
40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/10(日) 22:47:51.41 ID:LR5bOhuv0
真宮寺(僕としたことが…どうやらボーっとしてたみたいだネ)
真宮寺(突然おかしな単語が聞こえたヨ)
真宮寺(そんなはずはない… さっきまであんなに美しい話だったんだ…)
真宮寺(聞き間違いに決まってるサ…)
春川「あんた…何言ってんの…?」
白銀「だから神さまに教えてもらったんだよ!」
白銀「最初は私も自分の役割があってどうすればいいのかわからなかったけど…」
白銀「王馬君の話を聞いて答えが出たよ!」
真宮寺(……聞き間違いじゃなかったネ)
ゴン太「そっか!神さまがそう言ったんだね!」
夢野「うむ、神さまが言ったなら間違いないわい」
アンジー「にゃははー!やっぱり神さまってすごーい!」
41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/10(日) 22:49:18.40 ID:LR5bOhuv0
入間「テメーら電波馬鹿かッ!」
アンジー「神さまが言ってるんだよ?」
キーボ「白銀さん!そんなことを言ってボク達を混乱させようとしても無駄だよ!」
白銀「ひ、酷いよ…キーボ君だって生徒会に入ってたのに…」
王馬「そうだぞキー坊!白銀ちゃんが信じられないのかよ!」
キーボ「王馬クン…今はふざけてる時じゃないんだ…」
キーボ「ボク達は希望を掴み取るため、前に進まなくちゃいけない…」
キーボ「そのためには全員が希望を持たなきゃ駄目なんだッ!だから…」
王馬「……ていうかさ、タメ口止めなよ」
キーボ「え」
王馬「今まで特に活躍もしてなかった出オチモブが急に覚醒した主人公感出しても寒いだけなんだよね」
キーボ「」
王馬「だってキミ、今まで何もしてないでしょ?裁判で貢献したわけでも、誰かを励ましたわけでも、何かの機能で役に立ったわけでもないし」
王馬「ま、それも仕方ないか!だって歩いて喋るだけの何もできない機械だもんね!」
キーボ「王馬クン!いくらなんでも言い過ぎです!それに最後のはロボット差別ですよ!」
王馬「お!ポンコツロボットに戻った!」
王馬「やっぱりキー坊は哀れな鉄屑キャラが似合ってるよ!」
キーボ「キミという人は…」
42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/25(月) 22:48:08.65 ID:bSCYDqpx0
百田「なんだか収集がつかなくなってきやがったな…」
キーボ「すみません…話を止めてしまって…」
キーボ「それにボクとしたことが、神さまを疑ってしまうなんて…」
春川「まだ信じてたんだ…」
キーボ「当然じゃないですか!」
キーボ「神さまのおかげで白銀さんは自分の間違いに気づくことができたんです!」
夢野「しかし、神さまの声が聞けるのはアンジーだけのはずじゃぞ?」
アンジー「うんうん、それはね、これのおかげだよー!」
キーボ「なんですか…?白い粉のような…」
アンジー「これを飲んだおかげでつむぎは神さまの声が聞こえたんだよ!」
入間「どう考えてもヤバイ薬じゃねーかッ!」
真宮寺「……それはもしかして…エリート塩かい?」
真宮寺(あの事件で有耶無耶になっていたけど、まさか完成させていたなんて…)
最原「エリート塩…?」
百田「なんだそれ?」
真宮寺「超高校級のエリートの汗から生成した塩のことだヨ…」
王馬「うわっ、気持ちわる!」
春川「今度ばかりは王馬と同意見だよ…」
星「全く…狂ってやがる…」
アンジー「えぇー?これを飲めば誰でも神さまの声が聴けるようになるのに…」
ゴン太「そっか、それで白銀さんは神さまの声が聞けたんだね」
真宮寺(どう考えても洗脳の賜物だと思うけど…)
43: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/25(月) 22:48:57.46 ID:bSCYDqpx0
星「ちなみによ…その塩は誰から採ったんだ?」
アンジー「斬美だよー!」
入間「メイドババアッ!テメー何してやがんだッ!」
東条「夜長さんの頼みとあれば断れないわ。彼女は私の命の恩人だもの」
東条「でも、こんな風に皆に見せびらかすとなると…流石に少し恥ずかしいわね」
アンジー「斬美は恥ずかしがりなんだなー」
茶柱「いやいや、そういう問題じゃないですよ!東条さんが可哀想じゃないですか!」
キーボ「確かに…これだけの塩を採取するのは大変だったんじゃないですか?」
東条「そうね…簡易サウナを作ってそこに閉じこもるのだけど…3日かかったわ」
ゴン太「3日!?駄目だよ!そんなに無茶したら!」
百田「3日間ずっと閉じこもってたわけじゃねーだろうが、ちっとあぶねーんじゃねーか?」
アンジー「うーん、そうだねー。アンジーも反省だよ…」
アンジー「でもそのおかげでつむぎも更生できたんだし、許して欲しいなー」
入間「ケッ!神さま神さまうるせーぞ電波共ッ!テメーらは脳みそに塩でも詰まってんのかッ!」
アンジー「美兎ー?そんなこと言ったら罰が当たるよ…?」
アンジー「そうだー!美兎にもエリート塩を分けてあげるよー!」
王馬「あー、それはいいね!入間ちゃんもきっと仲間に入りたいんだよ!」
入間「要るか!ババアの塩なんかかけて俺様の美貌が老けたらどうすんだッ!」
アンジー「えー、斬美の塩が嫌なら…こっちにするね!」パラパラ
入間「うわっ!止めろ馬鹿ッ!」
百田「別のが出てきたな」
春川「今度は誰の塩?」
真宮寺「さっきのに比べて量が少ないけど…」
44: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/25(月) 22:50:32.55 ID:bSCYDqpx0
アンジー「こっちは秘密子のだよー!」
茶柱「…ッ!!!???」
夢野「んあー…そういうえばウチもアンジーと一緒にサウナに入ったんじゃったな…」
入間「止めろよッ!!!アジの臭いが写るだろうがッ!!!」
茶柱「大丈夫ですよ入間さん!転子が綺麗にしますから!」ペロペロ
入間「ひゃあああ!な、何してんだよぉ…!」
茶柱「夢野さんの塩… 夢野さんの塩…」ペロペロ
夢野「止めんかッ!キショイわッ!」
茶柱「すみません… すみません…」ペロペロ
入間「あ、あぁぁ… わ、悪くないかも…///」
最原「これはひどい…」
春川「全くだよ…」
春川「こんなの見せられる側の気にもなって欲しい…」
春川「ほら、あれ見てみなよ」
ないわ さすがにやりすぎ… キマシタワー きもちわるい…
今までは我慢してたけどこれはもう無理 下ネタもここまでくるとキツイ
下品過ぎる 茶柱wwwwww グダグダの展開に下ネタとか…
ダンガンロンパ終わったな 最原君のエリート塩欲しい☆ キモすぎ
45: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/25(月) 22:51:27.98 ID:bSCYDqpx0
白銀「あー…視てる人も引いちゃってるね…」
星「まあ、無理もねえだろ」
茶柱「ハッ!転子は何を!」
入間「うぅ…///」
茶柱「す、すみません!大丈夫ですか!」
入間「み、皆の前でこんなにされちゃって…恥ずかしいよぉ…」
王馬「気にしなくていいと思うよ?生まれてから今までずっと恥ずかしい姿を晒し続けてたわけだし…」
入間「ひぐぅ!ひ、ひどい…」
夢野「…」
茶柱「ゆ、夢野さん…あの…」
夢野「茶柱よ…すまんがあまり近づかんでくれ」
茶柱「いやああああああああああああああああああああッ!!!!」
百田「さすがにこれは…自業自得だな」
真宮寺「まァ…仕方ないよネ」
真宮寺「おや?」
真宮寺(茶柱さんの絶叫が響く中、僕はあることに気が付いた…)
真宮寺「白銀さん、あれはどういうことかな?」
白銀「え…?何…?」
46: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/25(月) 22:53:37.85 ID:bSCYDqpx0
白銀「…!こ、これは…!」
真宮寺(僕達を見ていた無数の『視聴者』を映したモニターが徐々に消え始めていた)
白銀「視聴者が…減ってる…?」
最原「減ってるって…?」
白銀「このコロシアイを見てる人達がどんどん見るのを止めてるんだよ!」
王馬「なーんだ。そういうことなら当然でしょ」
王馬「今までのグダグダなコロシアイゲームもそうだけど…」
王馬「なによりさっきの入間ちゃんの下りとか下品すぎるしね!ほら、流れてたコメントも大体そこへの文句だったしさ」
入間「なんで俺様のせいなんだッ!どう考えても悪いのはそこのチャバネゴキブリじゃねーかッ!」
茶柱「」
真宮寺(そんな言い合いの間にも『視聴者』は減っていき…)
真宮寺(やがてゼロになった…)
47: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/25(月) 22:54:23.97 ID:bSCYDqpx0
百田「なあ…これはどうなるんだ?」
星「これはもう誰も見てねーってことでいいのか?」
白銀「う、うん…そうだね」
王馬「それじゃあこのコロシアイってどうなるの?元々見世物なんだよね?」
白銀「コロシアイは…うん、これで終わりだよ」
最原「終わり!?」
ゴン太「本当に!?」
白銀「このコロシアイを終わらせる方法は本来二つしかないんだ」
白銀「一つは校則に従って終わらせる方法…」
東条「校則…コロシアイを続け、最後の2人になった場合ね」
白銀「もう一つは黒幕…首謀者を倒すこと…」
星「首謀者がいなくなればコロシアイも破綻するってわけか…」
夢野「じゃが、今のウチらは首謀者を倒したといえるのか?」
ゴン太「白銀さんがゴン太たちの味方になってくれたし、同じことなんじゃないかな?」
白銀「うん、そうだね」
白銀「でも、今回破綻したのはコロシアイだけじゃなくてダンガンロンパそのものなんだよ」
キーボ「ダンガンロンパそのもの…?」
春川「どういうこと…?」
48: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/25(月) 22:55:02.66 ID:bSCYDqpx0
白銀「元々ダンガンロンパって下ネタ多すぎって意見が多かったんだよね…」
キーボ「そこにこの展開では今の反応も当然かもしれませんね…」
夢野「まあ、さっきの下ネタどうこう以前の気持ち悪さじゃったがな」
茶柱「」
真宮寺「要するにエンターテイメントとして見限られたってことだネ」
白銀「まあ…そういうことかな。53回続いたコロシアイももう続かないだろうね」
アンジー「んー、よくわからないけどー…これで全部終わりってこと?」
東条「ええ、そういうことよ」
アンジー「うわーい!やったねー!神さまとエリート塩と転子のおかげだよー!」
夢野「んあー!その通りじゃな!」
茶柱「夢野さん!転子はやりましたよ!」
星「いい雰囲気になった途端復活しやがったな…」
キーボ「あのまま勢いで許されようとしてますね」
夢野「うむ!お主はウチら救世主じゃ!」
茶柱「きゃー!夢野さんから誉めて貰えてうれしいです!」
夢野「ここから出ても元気でやるんじゃぞ」
茶柱「え…?」
茶柱「ゆ、夢野さん…?転子と夢野さんはここから出ても…ずっと一緒ですよね…?」
夢野「それは無理じゃ…」
茶柱「」
星「無理だったようだな」
入間「当たり前だろーがッ!」
49: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/25(月) 22:57:20.42 ID:bSCYDqpx0
真宮寺「最原君」
最原「真宮寺君、どうしたの?」
真宮寺「途中から妙に静かだったけど、どうしたんだい?」
最原「…ずっと考えてたんだ」
最原「白銀さんを追い詰めて、コロシアイも終わりに向かっていたけど…」
最原「このコロシアイがフィクションだって聞いた時思ったんだ…本当にこれでいいのかなって…」
真宮寺「…」
最原「僕らが首謀者を倒して希望が勝って終わる…それってこれまでのコロシアイと多分同じなんだよ」
最原「それこそ僕らのコロシアイを見世物にしてる奴らの望む展開のはずなんだ」
最原「確かに首謀者を倒せば僕らのコロシアイは終わるかもしれない…でも…」
真宮寺「結局は次のコロシアイが始まるだけ…いや、下手をすれば僕達だってまた記憶を作り直して参加させられるかもしれない…」
真宮寺「そういうことだネ?」
最原「…」
真宮寺「まァ、その通りだったのかもしれないけど…」
真宮寺「もう、その心配もないと思うヨ…?」
真宮寺「『ダンガンロンパ』とやらも終わってしまったようだしネ」
最原「うん…エリート塩のおかげでね…」
最原「いや…もう、なんでもいいや…」
真宮寺「大丈夫かい?塩をかけられたナメクジのようだヨ」
真宮寺(そんな先まで考えが及んでいたなんてさすがは超高校級の探偵だけど…)
真宮寺(その葛藤も唐突な展開に吹き飛んでしまったわけだネ)
50: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/25(月) 22:58:14.48 ID:bSCYDqpx0
真宮寺(その後、僕達は学園を脱出した)
真宮寺(しばらくは皆一緒にいたけど…)
真宮寺(徐々に社会に居場所を作っていくことができた僕達は、それぞれの道を進むことに決めた)
真宮寺(僕は自分の記憶にある過去と同じようにフィールドワークをしながら姉さんの友達を作る旅をしている)
真宮寺(…といっても人を殺してる訳じゃないヨ)
真宮寺(死んだ姉さんがいない以上、友達候補を殺しても姉さんの友達にはなれない…)
真宮寺(姉さんは僕の中だけにいるからネ)
真宮寺(まずは僕が友達になり、その人に姉さんのことを受け入れてもらう…)
真宮寺(姉さんの友達が増えるたびに僕の友達も増えていくけど…)
真宮寺(まァ、思ったより悪くない気分だヨ)
51: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/25(月) 22:59:41.30 ID:bSCYDqpx0
真宮寺「僕がこんな風に過ごせているのも…」
真宮寺「ある意味エリート塩のおかげかもしれないネ」
真宮寺(そう…全てはエリート塩から始まったんだ…)
真宮寺(エリート塩を作ろうとして、偶然東条さんの犯行を止めることができたあの瞬間に…)
真宮寺(ありがとう…夜長さん…)
真宮寺(ありがとう…エリート塩…)
真宮寺(フィクションから生まれた僕達だけど…)
真宮寺(ここから日常が始まるんだ)
真宮寺(道というよりは、どこまでも広がる塩湖のようで…)
真宮寺(どこにでも行けるし…)
真宮寺(どこにも行けないかもしれない)
真宮寺(それでも僕は生きていく)
真宮寺(真宮寺是清として生きていく)
真宮寺(…僕の未来はここにある)
-塩END-
52: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/25(月) 23:18:15.67 ID:mgexVQnUo
乙です
謎の感動…なのか?w
謎の感動…なのか?w
53: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/26(火) 10:04:35.71 ID:6TQKqSyXO
乙です
>どこまでも広がる塩湖
草、いや、大岩塩と言うべきか。俺もキルミーのエリート塩なめてぇなぁ
>どこまでも広がる塩湖
草、いや、大岩塩と言うべきか。俺もキルミーのエリート塩なめてぇなぁ
引用元: 【ニューダンガンロンパV3】真宮寺「エリート塩…?」
【ガルパン】カルパッチョ「ドゥーチェ、哺乳瓶の時間ですよー」
2019-04-30
1: レッドスター ◆kRM.QKBezY 2019/04/14(日) 16:48:34.84 ID:Kvoioy3C0
アンチョビ「ふぅーお風呂も入ったことだし寝る前に恋愛小説でも読むかぁ」
アンチョビ「誰もいないよな?」キョロキョロ
アンチョビ「よし! それじゃ金庫の扉を開けてーー」ジリリ
小梅「ででーん!」パッパラー!
アンチョビ「う、うわ! なんだなんだ!?」
アンチョビ「金庫の中から人が……」
まほ「金庫の暗証番号が自分の誕生日だとは安直だな安斉」
まほ「それでは人に入られてしまうぞ」
アンチョビ「普通金庫に人は入んないだろ!」
アンチョビ「というかなんでまほたちがここにいるんだ!?」
まほ「私たちがここにいる理由?」
まほ「そんなのは愚問だな」
小梅「愚問ですね!」
まほ「単刀直入に言おう。安斉、私はお前を」
小梅「私は貴方を……」
まほ&小梅「「ママにしにきた!」」デデドーン!
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1555228114
アンチョビ「誰もいないよな?」キョロキョロ
アンチョビ「よし! それじゃ金庫の扉を開けてーー」ジリリ
小梅「ででーん!」パッパラー!
アンチョビ「う、うわ! なんだなんだ!?」
アンチョビ「金庫の中から人が……」
まほ「金庫の暗証番号が自分の誕生日だとは安直だな安斉」
まほ「それでは人に入られてしまうぞ」
アンチョビ「普通金庫に人は入んないだろ!」
アンチョビ「というかなんでまほたちがここにいるんだ!?」
まほ「私たちがここにいる理由?」
まほ「そんなのは愚問だな」
小梅「愚問ですね!」
まほ「単刀直入に言おう。安斉、私はお前を」
小梅「私は貴方を……」
まほ&小梅「「ママにしにきた!」」デデドーン!
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1555228114
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3: レッドスター ◆kRM.QKBezY 2019/04/14(日) 20:03:16.61 ID:Kvoioy3C0
アンチョビ「……え?」
まほ「聞こえなかったのか仕方ない」
小梅「仕方ないですね! もう一度やりましょう!」
アンチョビ「いや、やらなくていいからな? 聞こえていたから! 意味を理解できなかっただけで」
まほ「昨今では母性の少ない母親が多い傾向にあるらしい」
まほ「それは母親が子供に厳しい教育を強制し続けたせいで子供もまた誰かに優しく出来なくなっているのだと聞く」
小梅「このままでは人類全体が優しさを失い人々は争うことになってしまう」デデン
まほ「そうなれば戦車道が競技ではなく戦争になるかも知れない」
まほ「そこで考えたんだ」
小梅「全人類がママになれば世界は平和になると!」デデドーン!
まほ「というわけでお前をママにしにきた」ドカーン
まほ「聞こえなかったのか仕方ない」
小梅「仕方ないですね! もう一度やりましょう!」
アンチョビ「いや、やらなくていいからな? 聞こえていたから! 意味を理解できなかっただけで」
まほ「昨今では母性の少ない母親が多い傾向にあるらしい」
まほ「それは母親が子供に厳しい教育を強制し続けたせいで子供もまた誰かに優しく出来なくなっているのだと聞く」
小梅「このままでは人類全体が優しさを失い人々は争うことになってしまう」デデン
まほ「そうなれば戦車道が競技ではなく戦争になるかも知れない」
まほ「そこで考えたんだ」
小梅「全人類がママになれば世界は平和になると!」デデドーン!
まほ「というわけでお前をママにしにきた」ドカーン
4: レッドスター ◆kRM.QKBezY 2019/04/14(日) 20:08:38.11 ID:Kvoioy3C0
アンチョビ「な、なあ……とりあえず爆竹を鳴らすのを止めてくれないか」
アンチョビ「部屋が煙臭くなっちゃうだろ?」
まほ「ああ。すまなかったなママ?」
アンチョビ「いや私はママじゃないからな?」
小梅「ごめんなさいママ」
アンチョビ「だから私はママじゃないって! というか誰だお前?」
小梅「ママの娘だよ」
アンチョビ「えぇ……」
アンチョビ「とにかく甘えたいなら自分の母親に甘えればいいじゃないか!」
まほ「自分の母親」ズーン
アンチョビ「部屋が煙臭くなっちゃうだろ?」
まほ「ああ。すまなかったなママ?」
アンチョビ「いや私はママじゃないからな?」
小梅「ごめんなさいママ」
アンチョビ「だから私はママじゃないって! というか誰だお前?」
小梅「ママの娘だよ」
アンチョビ「えぇ……」
アンチョビ「とにかく甘えたいなら自分の母親に甘えればいいじゃないか!」
まほ「自分の母親」ズーン
5: レッドスター ◆kRM.QKBezY 2019/04/14(日) 20:45:19.16 ID:Kvoioy3C0
小梅「た、隊長! 元気を出してください!」
まほ「うぅ……もう嫌だ。嫌だよ……」
まほ「母性が……哺乳瓶が欲しい……」
小梅「誰か! 誰か! ママはいませんか!」
小梅「早く手当てをしないと隊長が……母性欠乏症で……死んじゃう」ポロポロ
アンチョビ「母性欠乏症ってなんだよ!?」
小梅「おお! こんなところにバブみ力の高い人がいますよー」(棒読み)
まほ「うぅ……バブみ力の高い人に甘やかしてくれないと死んでしまう」チラチラッ
アンチョビ「そ、そんな目で見ても騙されないからな?」
まほ「チッ……さすがに騙されないか」
アンチョビ「今舌打ちしたよな? なぁ?!」
小梅「いやあのまま推せば行けた気がしますが」
まほ「む……だとしたら判断ミスだな」
まほ「うぅ……もう嫌だ。嫌だよ……」
まほ「母性が……哺乳瓶が欲しい……」
小梅「誰か! 誰か! ママはいませんか!」
小梅「早く手当てをしないと隊長が……母性欠乏症で……死んじゃう」ポロポロ
アンチョビ「母性欠乏症ってなんだよ!?」
小梅「おお! こんなところにバブみ力の高い人がいますよー」(棒読み)
まほ「うぅ……バブみ力の高い人に甘やかしてくれないと死んでしまう」チラチラッ
アンチョビ「そ、そんな目で見ても騙されないからな?」
まほ「チッ……さすがに騙されないか」
アンチョビ「今舌打ちしたよな? なぁ?!」
小梅「いやあのまま推せば行けた気がしますが」
まほ「む……だとしたら判断ミスだな」
6: レッドスター ◆kRM.QKBezY 2019/04/14(日) 21:36:11.45 ID:Kvoioy3C0
まほ「だがもはやそれはどうだっていいことだ」
まほ「安斉は今自分がママになることに戸惑いを覚えているようだからな」
アンチョビ「いや……誰だって戸惑うだろう!」
小梅「そうですね……素直にママにするにはこれしかありませんね」スッ
アンチョビ「えっ……ちょ……注射器!?」
まほ「アッサムが作ったママ薬だ。この中には母性ホルモンが入っていてな」
まほ「注入された者はママになるらしい」
アンチョビ「聖グロはなんて恐ろしいものを作ってるんだー」アワアワ
まほ「というわけで小梅……アンチョビを抑えてくれ」
小梅「了解です! 隊長!」
アンチョビ「ぎゃー離せ! やーめーろー!」ジタバタ
小梅「大丈夫です。次期にママになりますから!」グググ
アンチョビ「いやだぁ……まだママになりたくないぃー!」ジタバタ
まほ「ふふっ……安斉は素直じゃないなぁ」
まほ「お前はママだろ」プスッ
アンチョビ「うっ…………」バタリ
まほ「安斉は今自分がママになることに戸惑いを覚えているようだからな」
アンチョビ「いや……誰だって戸惑うだろう!」
小梅「そうですね……素直にママにするにはこれしかありませんね」スッ
アンチョビ「えっ……ちょ……注射器!?」
まほ「アッサムが作ったママ薬だ。この中には母性ホルモンが入っていてな」
まほ「注入された者はママになるらしい」
アンチョビ「聖グロはなんて恐ろしいものを作ってるんだー」アワアワ
まほ「というわけで小梅……アンチョビを抑えてくれ」
小梅「了解です! 隊長!」
アンチョビ「ぎゃー離せ! やーめーろー!」ジタバタ
小梅「大丈夫です。次期にママになりますから!」グググ
アンチョビ「いやだぁ……まだママになりたくないぃー!」ジタバタ
まほ「ふふっ……安斉は素直じゃないなぁ」
まほ「お前はママだろ」プスッ
アンチョビ「うっ…………」バタリ
7: レッドスター ◆kRM.QKBezY 2019/04/14(日) 22:08:07.15 ID:Kvoioy3C0
まほ「よしこれでママになったな」
小梅「沢山甘えることができますね!」
まほ「ああ……哺乳瓶とオムツの用意は出来ているな?」
小梅「まっかせてくださーい! それどころかガラガラや絵本、オルゴールまで用意しています!」
まほ「でかしたぞ小梅」
小梅「お、……アンチョビさんが目を覚ましたようですよ」
まほ「ママぁ……私だ。分かるよな?」
アンチョビ「…………」
まほ「ママ?」
アンチョビ「オギャー! オギャー!」
まほ&小梅「……え?」
まほ「ど、どういうことだ? 何故泣くんだ? これじゃまるで……」
小梅「赤ちゃん……」
まほ「ど、どうなっている! 赤ちゃんは私たちのはずだ」
まほ「何故アンチョビはママになってくれない!」
小梅「も、もしかして……」
小梅「母性が……裏返った!?」
小梅「沢山甘えることができますね!」
まほ「ああ……哺乳瓶とオムツの用意は出来ているな?」
小梅「まっかせてくださーい! それどころかガラガラや絵本、オルゴールまで用意しています!」
まほ「でかしたぞ小梅」
小梅「お、……アンチョビさんが目を覚ましたようですよ」
まほ「ママぁ……私だ。分かるよな?」
アンチョビ「…………」
まほ「ママ?」
アンチョビ「オギャー! オギャー!」
まほ&小梅「……え?」
まほ「ど、どういうことだ? 何故泣くんだ? これじゃまるで……」
小梅「赤ちゃん……」
まほ「ど、どうなっている! 赤ちゃんは私たちのはずだ」
まほ「何故アンチョビはママになってくれない!」
小梅「も、もしかして……」
小梅「母性が……裏返った!?」
11: レッドスター ◆kRM.QKBezY 2019/04/16(火) 20:04:33.72 ID:ik7FWjZd0
まほ「母性が裏返っただと!?」
小梅「母性とは速度の早い戦車のようなものです!」
小梅「アンチョビさんは元々バブみ力の高いママでした」
小梅「そんなママに母性ホルモンを投与したら」
小梅「戦車同士がぶつかればひっくり返るように」
小梅「母性同士が裏返り赤ちゃん状態になる!」デデーン!
まほ「そんな……」
ドゥーチェダイジョウブデスカー ナンカナキゴエガキコエルッスネ
まほ「まずい安斉の泣き声に反応して仲間が集まって来たぞ!」
小梅「ここは戦略的撤退を推進します! アンチョビさんはまた後でママにすれば良いんです!」
まほ「そうだな。アンチョビの世話は彼女たちに任せて私たちは逃げることにしよう!」タッタッタ
小梅「母性とは速度の早い戦車のようなものです!」
小梅「アンチョビさんは元々バブみ力の高いママでした」
小梅「そんなママに母性ホルモンを投与したら」
小梅「戦車同士がぶつかればひっくり返るように」
小梅「母性同士が裏返り赤ちゃん状態になる!」デデーン!
まほ「そんな……」
ドゥーチェダイジョウブデスカー ナンカナキゴエガキコエルッスネ
まほ「まずい安斉の泣き声に反応して仲間が集まって来たぞ!」
小梅「ここは戦略的撤退を推進します! アンチョビさんはまた後でママにすれば良いんです!」
まほ「そうだな。アンチョビの世話は彼女たちに任せて私たちは逃げることにしよう!」タッタッタ
12: レッドスター ◆kRM.QKBezY 2019/04/16(火) 20:40:44.86 ID:ik7FWjZd0
ペパロニ「あ! なんだお前!?」
ペパロニ「待て! 逃げずに話を聞かせるっす!」タッタッタ
カルパッチョ「とりあえず警報を鳴らして……」
カルパッチョ「皆さん! 学園艦に不届きものが現れました。見つけ次第速やかに捕獲してください」
カルパッチョ(ペパロニは追いかけて行っちゃったみたいだけど)
カルパッチョ(とりあえずドゥーチェが無事か確かめないと)
カルパッチョ(この泣き声どう聞いてもドゥーチェの声だし)
カルパッチョ「ドゥーチェ? あの……大丈夫でしょうか」
カルパッチョ「先ほど不審者がいたようですけど何がされていませんか?」
アンチョビ「…………」
カルパッチョ「あ、あのドゥーチェ?」
アンチョビ「ばぶ?」
カルパッチョ「……え?」
ペパロニ「待て! 逃げずに話を聞かせるっす!」タッタッタ
カルパッチョ「とりあえず警報を鳴らして……」
カルパッチョ「皆さん! 学園艦に不届きものが現れました。見つけ次第速やかに捕獲してください」
カルパッチョ(ペパロニは追いかけて行っちゃったみたいだけど)
カルパッチョ(とりあえずドゥーチェが無事か確かめないと)
カルパッチョ(この泣き声どう聞いてもドゥーチェの声だし)
カルパッチョ「ドゥーチェ? あの……大丈夫でしょうか」
カルパッチョ「先ほど不審者がいたようですけど何がされていませんか?」
アンチョビ「…………」
カルパッチョ「あ、あのドゥーチェ?」
アンチョビ「ばぶ?」
カルパッチョ「……え?」
13: レッドスター ◆kRM.QKBezY 2019/04/16(火) 21:54:15.04 ID:ik7FWjZd0
アンツィオ生1「待て待てー」
アンツィオ生2「てめぇら……姉さんになにしやがった!」
まほ「不味いな予想以上に大きな騒ぎになってしまった」
まほ「なんとかヘリまでたどり着ければいいが」
小梅「で、でもアンツィオの生徒たちがすぐそこまで追ってきてます」
小梅「このままでは捕まるのも時間の問題かと」
まほ「くっ……一体どうすれば」
小梅「隊長! ここは私が時間を稼ぎます!!」
まほ「時間を稼ぐって」
まほ「だがもしお前に何かあれば私は……」
小梅「大丈夫です。あの新撰組の近藤勇のように作戦を成功して見せますから」
まほ「それ最終的にバレるんじゃなかったか?」
まほ「だが小梅の言葉を信じよう。後は任せたぞ」タッタッタ
小梅「隊長……絶対に貴方のことはこの命に変えても守護って見せますから!」フンス
ペパロニ「ようやく見つけたっすよ。ええっとどっかで見たような気がするんすけどお前誰だ?」
小梅「ふふふ……どうせ私はエンドロールにすら乗せられずみんなの戦車道のみんなに含まれなかった存在」
小梅「皆さんの記憶にも残らないのは仕方のないことです」
小梅「故に私の姿から学園を探られることはない!」ビビーン
アンツィオ生2「てめぇら……姉さんになにしやがった!」
まほ「不味いな予想以上に大きな騒ぎになってしまった」
まほ「なんとかヘリまでたどり着ければいいが」
小梅「で、でもアンツィオの生徒たちがすぐそこまで追ってきてます」
小梅「このままでは捕まるのも時間の問題かと」
まほ「くっ……一体どうすれば」
小梅「隊長! ここは私が時間を稼ぎます!!」
まほ「時間を稼ぐって」
まほ「だがもしお前に何かあれば私は……」
小梅「大丈夫です。あの新撰組の近藤勇のように作戦を成功して見せますから」
まほ「それ最終的にバレるんじゃなかったか?」
まほ「だが小梅の言葉を信じよう。後は任せたぞ」タッタッタ
小梅「隊長……絶対に貴方のことはこの命に変えても守護って見せますから!」フンス
ペパロニ「ようやく見つけたっすよ。ええっとどっかで見たような気がするんすけどお前誰だ?」
小梅「ふふふ……どうせ私はエンドロールにすら乗せられずみんなの戦車道のみんなに含まれなかった存在」
小梅「皆さんの記憶にも残らないのは仕方のないことです」
小梅「故に私の姿から学園を探られることはない!」ビビーン
14: レッドスター ◆kRM.QKBezY 2019/04/16(火) 22:39:28.29 ID:ik7FWjZd0
ペパロニ「確かに名前とか全然覚えてねーけど」
ペパロニ「どのみち捕まえて学生証を見れば学園が分かるはずッス」
小梅「ふふふ……ですが私をそう簡単に捕まえられますか」
ペパロニ「今はいわゆるお前は包囲されてるよ状態なんすよ。もう絶対に逃げられないっす」
アンツィオ生1~156「」ゾロゾロ
ペパロニ「さあ大人しくして姐さんに何をしたか洗いざらい吐いてもらうっすよ!」ポキポキ
小梅「未だ! 小梅忍法! 煙幕の術!」チュドーン
ペパロニ「ぎゃあ! げほっげほっ……これは爆竹の煙っすか」
ペパロニ「こんなのに狼狽えるな! すぐに敵を捕まえ……あれ?」
アンツィオ生145「き、消えてる?」
アンツィオ生157「どこに行ったんでしょうか?」
ペパロニ「くぅー! 一体どこに逃げやかったんだ!?」
ペパロニ「みんな探して捕まえるっす」バタバタ
アンツィオ生1~157「了解!」バタバタ
ペパロニ「どのみち捕まえて学生証を見れば学園が分かるはずッス」
小梅「ふふふ……ですが私をそう簡単に捕まえられますか」
ペパロニ「今はいわゆるお前は包囲されてるよ状態なんすよ。もう絶対に逃げられないっす」
アンツィオ生1~156「」ゾロゾロ
ペパロニ「さあ大人しくして姐さんに何をしたか洗いざらい吐いてもらうっすよ!」ポキポキ
小梅「未だ! 小梅忍法! 煙幕の術!」チュドーン
ペパロニ「ぎゃあ! げほっげほっ……これは爆竹の煙っすか」
ペパロニ「こんなのに狼狽えるな! すぐに敵を捕まえ……あれ?」
アンツィオ生145「き、消えてる?」
アンツィオ生157「どこに行ったんでしょうか?」
ペパロニ「くぅー! 一体どこに逃げやかったんだ!?」
ペパロニ「みんな探して捕まえるっす」バタバタ
アンツィオ生1~157「了解!」バタバタ
15: レッドスター ◆kRM.QKBezY 2019/04/16(火) 23:48:28.23 ID:ik7FWjZd0
まほ「五分待っても小梅は来ないか……」
まほ「仕方ないこれ以上待てばこのヘリもアンツィオに見つかってしまうか」
まほ「小梅の犠牲を無駄にするわけにはいかないな」
まほ「ヘリを発進させ……」
アンツィオ生157「待ってください!」
まほ「なに! アンツィオがもう見つかったのか!」
アンツィオ生157「違います。私はアンツィオではなく」ベリベリベリ
小梅「母性マイスターの赤星小梅です!」デデーン
まほ「小梅! いつの間にそんな技術を! さすがは小梅だ」
小梅「さ、今のうちにずらがりましょう!」デデドン!
まほ「よし出発するぞー」バラララ
ペパロニ「あの音はヘリの音っすか……」
カルパッチョ「逃げられたみたいですね……」
まほ「仕方ないこれ以上待てばこのヘリもアンツィオに見つかってしまうか」
まほ「小梅の犠牲を無駄にするわけにはいかないな」
まほ「ヘリを発進させ……」
アンツィオ生157「待ってください!」
まほ「なに! アンツィオがもう見つかったのか!」
アンツィオ生157「違います。私はアンツィオではなく」ベリベリベリ
小梅「母性マイスターの赤星小梅です!」デデーン
まほ「小梅! いつの間にそんな技術を! さすがは小梅だ」
小梅「さ、今のうちにずらがりましょう!」デデドン!
まほ「よし出発するぞー」バラララ
ペパロニ「あの音はヘリの音っすか……」
カルパッチョ「逃げられたみたいですね……」
17: レッドスター ◆kRM.QKBezY 2019/04/17(水) 20:07:01.22 ID:c4K+2Zmg0
カルパッチョ「えっと……これからどうしましょうか」
ペパロニ「どうするって何がっすか? アイツラに逃げられたのは残念っすけどドゥーチェが無事で良かったっす」パンパン
アンチョビ「おぎゃー! おぎゃー!」
ペパロニ「わわっ!? どうしたんっすか? そんな赤ん坊みたいな声を出して!」
カルパッチョ「そういえばペパロニは捕縛作戦の指揮を採っていたから知らないのね」
カルパッチョ「どうやらドゥーチェはあの人たちによって赤ん坊にされたみたいなんです」
ペパロニ「え……嘘ですよね」
ペパロニ「姐さんも冗談はよしていつもの通り話してくださいよ」ガクガク
カルパッチョ「ペパロニ……そんなに揺らしたら」
アンチョビ「おぎゃー! おぎゃー!」ジタバタ
カルパッチョ「ほら泣いちゃうじゃない。よしよしドゥーチェ大丈夫ですよ? いい子いい子」
アンチョビ「おぎゃー! おぎゃー!」
ペパロニ「ドゥーチェ……本当に赤ん坊に」
ペパロニ「どうするって何がっすか? アイツラに逃げられたのは残念っすけどドゥーチェが無事で良かったっす」パンパン
アンチョビ「おぎゃー! おぎゃー!」
ペパロニ「わわっ!? どうしたんっすか? そんな赤ん坊みたいな声を出して!」
カルパッチョ「そういえばペパロニは捕縛作戦の指揮を採っていたから知らないのね」
カルパッチョ「どうやらドゥーチェはあの人たちによって赤ん坊にされたみたいなんです」
ペパロニ「え……嘘ですよね」
ペパロニ「姐さんも冗談はよしていつもの通り話してくださいよ」ガクガク
カルパッチョ「ペパロニ……そんなに揺らしたら」
アンチョビ「おぎゃー! おぎゃー!」ジタバタ
カルパッチョ「ほら泣いちゃうじゃない。よしよしドゥーチェ大丈夫ですよ? いい子いい子」
アンチョビ「おぎゃー! おぎゃー!」
ペパロニ「ドゥーチェ……本当に赤ん坊に」
25: レッドスター ◆kRM.QKBezY 2019/04/17(水) 23:46:13.64 ID:c4K+2Zmg0
カルパッチョ「ショックなのは分かりますが今は泣き止む方法を見つけないと」
ペパロニ「ウチが赤ん坊の世話した時は哺乳瓶あげれば何とかなりましたけど
カルパッチョ「今泣いているのもお腹が空いているということでしょうか?」
カルパッチョ「確か調理場には子持ちの方のために哺乳瓶がいくつか置いているはず」
ペパロニ「すぐに持ってくるっす」ドタバタ
カルパッチョ(何とかこの場はこれで収まるとしても)
カルパッチョ(他にもぐずりだした時のガラガラやおしゃぶり、それにオムツだって筆ようになるわ)
カルパッチョ(ミルクを飲んだらそういうのもしたくなるだろうし)
ペパロニ「哺乳瓶持ってきたっす」
カルパッチョ「ありがとう。さ、哺乳瓶の用意が出来ましたよ」
アンチョビ「きゃっきゃっ!」チュパチュパ
カルパッチョ(私のあげた哺乳瓶に吸い付いてる)
カルパッチョ(か、可愛い……)ドキドキ
カルパッチョ「あ、それとペパロニ……オムツとガラガラも買って来てくれませんか?」
ペパロニ「了解ってオムツ!?」
カルパッチョ「今のドゥーチェは完全に赤ちゃんですから」
カルパッチョ「排泄のお世話もする必要があるかも知れません」
カルパッチョ「とにかくドゥーチェの下着を汚すわけにはいきませんし」
ペパロニ「あー何か頭いたくなってきた」
カルパッチョ「あはは……私も同じような気持ちです」
ペパロニ「そのわりにカルパッチョは楽しんでいるように見えるんっすけど」
カルパッチョ「え、ええっ……そんなことはない……ですよ?」
ペパロニ「まあどうでもいいけど、とりあえずオムツとガラガラっすね? 了解っす」トタトタ
カルパッチョ「…………」
カルパッチョ「ドゥーチェ」ゾクゾク
ペパロニ「ウチが赤ん坊の世話した時は哺乳瓶あげれば何とかなりましたけど
カルパッチョ「今泣いているのもお腹が空いているということでしょうか?」
カルパッチョ「確か調理場には子持ちの方のために哺乳瓶がいくつか置いているはず」
ペパロニ「すぐに持ってくるっす」ドタバタ
カルパッチョ(何とかこの場はこれで収まるとしても)
カルパッチョ(他にもぐずりだした時のガラガラやおしゃぶり、それにオムツだって筆ようになるわ)
カルパッチョ(ミルクを飲んだらそういうのもしたくなるだろうし)
ペパロニ「哺乳瓶持ってきたっす」
カルパッチョ「ありがとう。さ、哺乳瓶の用意が出来ましたよ」
アンチョビ「きゃっきゃっ!」チュパチュパ
カルパッチョ(私のあげた哺乳瓶に吸い付いてる)
カルパッチョ(か、可愛い……)ドキドキ
カルパッチョ「あ、それとペパロニ……オムツとガラガラも買って来てくれませんか?」
ペパロニ「了解ってオムツ!?」
カルパッチョ「今のドゥーチェは完全に赤ちゃんですから」
カルパッチョ「排泄のお世話もする必要があるかも知れません」
カルパッチョ「とにかくドゥーチェの下着を汚すわけにはいきませんし」
ペパロニ「あー何か頭いたくなってきた」
カルパッチョ「あはは……私も同じような気持ちです」
ペパロニ「そのわりにカルパッチョは楽しんでいるように見えるんっすけど」
カルパッチョ「え、ええっ……そんなことはない……ですよ?」
ペパロニ「まあどうでもいいけど、とりあえずオムツとガラガラっすね? 了解っす」トタトタ
カルパッチョ「…………」
カルパッチョ「ドゥーチェ」ゾクゾク
19: レッドスター ◆kRM.QKBezY 2019/04/17(水) 22:03:14.94 ID:c4K+2Zmg0
次の日
カルパッチョ「ドゥーチェ、哺乳瓶の時間ですよー」
アンチョビ「きゃっきゃっ」
ペパロニ「ミルクもいいっすけどドゥーチェはウチらより年上なんですからちゃんとご飯も食べないとダメっすよ」
ペパロニ「というわけで鉄板ナポリタンっす!」
アンチョビ「だぁたぁ!」キャッキャ
カルパッチョ「ペパロニのナポリタン。食べたそうにはしているみたいですけど」
ペパロニ「フォークの使い方がわかんねーみたいっすね」
ペパロニ「仕方ない。私がドゥーチェに食べさせてやるっす」
ペパロニ「ほらドゥーチェ、お口開けて下さい」
アンチョビ「あーん」
ペパロニ「お、ちゃんと口を開けて偉いぞー」
アンチョビ「ばーぶ」
ペパロニ「おお美味いっすか……! 姐さんがそういってくれるなら作った甲斐があったっす!」
カルパッチョ「あ、お口にオリーブが着いてますよ」フキフキ
カルパッチョ「さてと今日もオムツを取り替えましょうね」シメシメ
カルパッチョ「ドゥーチェ、哺乳瓶の時間ですよー」
アンチョビ「きゃっきゃっ」
ペパロニ「ミルクもいいっすけどドゥーチェはウチらより年上なんですからちゃんとご飯も食べないとダメっすよ」
ペパロニ「というわけで鉄板ナポリタンっす!」
アンチョビ「だぁたぁ!」キャッキャ
カルパッチョ「ペパロニのナポリタン。食べたそうにはしているみたいですけど」
ペパロニ「フォークの使い方がわかんねーみたいっすね」
ペパロニ「仕方ない。私がドゥーチェに食べさせてやるっす」
ペパロニ「ほらドゥーチェ、お口開けて下さい」
アンチョビ「あーん」
ペパロニ「お、ちゃんと口を開けて偉いぞー」
アンチョビ「ばーぶ」
ペパロニ「おお美味いっすか……! 姐さんがそういってくれるなら作った甲斐があったっす!」
カルパッチョ「あ、お口にオリーブが着いてますよ」フキフキ
カルパッチョ「さてと今日もオムツを取り替えましょうね」シメシメ
20: レッドスター ◆kRM.QKBezY 2019/04/17(水) 22:08:06.12 ID:c4K+2Zmg0
ペパロニ「なんかドゥーチェのおむつを変えるのって変な気分になるっすね」
ペパロニ「親戚の赤ちゃんの面倒を見るのとはなんか違うっつーか」
カルパッチョ「やはり同じような年代のお世話をしているっていうのがあるのかも知れません」
カルパッチョ「でもこのドゥーチェもいつものドゥーチェとは違った魅力がありますね」ハァハァ
ペパロニ「それはそうなんすけど……カルパッチョ息が荒い」
カルパッチョ「だってこんなに可愛いんですし……き、キスとかしちゃっても……」
ペパロニ「ダメに決まってるっす! いくら可愛いからってドゥーチェにそんなこと」アワアワ
カルパッチョ「冗談ですよ。さすがに私もそこまで節操なしじゃありませんから」
ペパロニ「本当っすか? 目がマジだった気がするけど」
ペパロニ「親戚の赤ちゃんの面倒を見るのとはなんか違うっつーか」
カルパッチョ「やはり同じような年代のお世話をしているっていうのがあるのかも知れません」
カルパッチョ「でもこのドゥーチェもいつものドゥーチェとは違った魅力がありますね」ハァハァ
ペパロニ「それはそうなんすけど……カルパッチョ息が荒い」
カルパッチョ「だってこんなに可愛いんですし……き、キスとかしちゃっても……」
ペパロニ「ダメに決まってるっす! いくら可愛いからってドゥーチェにそんなこと」アワアワ
カルパッチョ「冗談ですよ。さすがに私もそこまで節操なしじゃありませんから」
ペパロニ「本当っすか? 目がマジだった気がするけど」
21: レッドスター ◆kRM.QKBezY 2019/04/17(水) 22:41:01.31 ID:c4K+2Zmg0
ペパロニ「とにかくこのままだとドゥーチェの貞操が色んな意味で心配っす」
カルパッチョ「そうですね。さすがにこのままにしておくことは出来ませんし」
カルパッチョ「問題はドゥーチェを赤ん坊にしたのが誰かという点ですが」
ペパロニ「あの癖っ毛どっかで見た気がするんすよねぇ」
ペパロニ「もしかしたら大学選抜の時や全国大会に出場していたかも知れないっす」
カルパッチョ「だとしたら映像で確認して見ましょう」
カルパッチョ「そうですね。さすがにこのままにしておくことは出来ませんし」
カルパッチョ「問題はドゥーチェを赤ん坊にしたのが誰かという点ですが」
ペパロニ「あの癖っ毛どっかで見た気がするんすよねぇ」
ペパロニ「もしかしたら大学選抜の時や全国大会に出場していたかも知れないっす」
カルパッチョ「だとしたら映像で確認して見ましょう」
22: レッドスター ◆kRM.QKBezY 2019/04/17(水) 23:01:04.91 ID:c4K+2Zmg0
映像室
カルパッチョ「ここでよくドゥーチェと一緒に試合の研究をしてましたから」
ペパロニ「あーそういえばこんな場所あったっすね」
ペパロニ「ここ良く眠れるんっすよねー」
カルパッチョ「もうペパロニったら次はペパロニが隊長なんですからちゃんと学園艦に何があるか確認しておいて下さい」
ペパロニ「えーそこら辺はカルパッチョに任せるっすよ」
カルパッチョ「も、もう……」
カルパッチョ「それじゃ早速映像を確認しますね」
アンツィオVS大洗
カルパッチョ「あ、あっ……たかちゃん……たかちゃんが写ってる!」
カルパッチョ「たかちゃんがんばれーたかちゃーん!」
カルパッチョ「ずっと見てるからね! これからも一生一緒だから」
ペパロニ「またいつもの発作っすか……あっ!」
カルパッチョ「ペパロニ悪いけどたかちゃんは私のものだから……」
ペパロニ「違うっすよ! ほら見てください」
秋山『』
ペパロニ「こいつが犯人っすよ!」
カルパッチョ「ここでよくドゥーチェと一緒に試合の研究をしてましたから」
ペパロニ「あーそういえばこんな場所あったっすね」
ペパロニ「ここ良く眠れるんっすよねー」
カルパッチョ「もうペパロニったら次はペパロニが隊長なんですからちゃんと学園艦に何があるか確認しておいて下さい」
ペパロニ「えーそこら辺はカルパッチョに任せるっすよ」
カルパッチョ「も、もう……」
カルパッチョ「それじゃ早速映像を確認しますね」
アンツィオVS大洗
カルパッチョ「あ、あっ……たかちゃん……たかちゃんが写ってる!」
カルパッチョ「たかちゃんがんばれーたかちゃーん!」
カルパッチョ「ずっと見てるからね! これからも一生一緒だから」
ペパロニ「またいつもの発作っすか……あっ!」
カルパッチョ「ペパロニ悪いけどたかちゃんは私のものだから……」
ペパロニ「違うっすよ! ほら見てください」
秋山『』
ペパロニ「こいつが犯人っすよ!」
23: レッドスター ◆kRM.QKBezY 2019/04/17(水) 23:20:31.09 ID:c4K+2Zmg0
カルパッチョ「そ、そうでしょうか?」
カルパッチョ「身長とか明らかに違う気がしますけど」
ペパロニ「でもこのくせっ毛は間違いないっす!」
ペパロニ「今すぐ大洗に行くっす!!」
カルパッチョ「確かに言われてみればこの人だった気がします!」
ペパロニ「ドゥーチェを赤ちゃんにしやがって!」
ペパロニ「取っ捕まえてやるー!」
カルパッチョ「身長とか明らかに違う気がしますけど」
ペパロニ「でもこのくせっ毛は間違いないっす!」
ペパロニ「今すぐ大洗に行くっす!!」
カルパッチョ「確かに言われてみればこの人だった気がします!」
ペパロニ「ドゥーチェを赤ちゃんにしやがって!」
ペパロニ「取っ捕まえてやるー!」
26: レッドスター ◆kRM.QKBezY 2019/04/17(水) 23:47:44.37 ID:c4K+2Zmg0
優花里「西住殿ー! 今日も一緒に帰りましょう」
みほ「あ、優花里さん……」
優花里「どうかしたんですか? 何故か元気がないように見えますけど」
みほ「うん……お姉ちゃんと小梅さんからね連絡があったんだけど」
優花里「西住殿の姉上殿と友人の方ですね。お二人から連絡があるのは良いことなのでは?」
みほ「それはそうなんだけど……内容がね」
優花里「内容?」
みほ「ママになってほしいってしつこくメールしてくるんだ」
優花里「?」
優花里「えっとすみません西住殿。少し頭が追い付かなくて」
優花里「姉上殿と友人からはどんなメールが?」
みほ「だからね……お姉ちゃんたちは私をママにしたいみたいなの」ケイタイミセル
優花里「確かにメールではそんな内容が書かれてますね」ドンビキー
みほ「お姉ちゃんは昔からこうだから仕方ないとして赤星さんまで」
優花里「姉上殿は何をやってるのでしょうか……」
みほ「あ、優花里さん……」
優花里「どうかしたんですか? 何故か元気がないように見えますけど」
みほ「うん……お姉ちゃんと小梅さんからね連絡があったんだけど」
優花里「西住殿の姉上殿と友人の方ですね。お二人から連絡があるのは良いことなのでは?」
みほ「それはそうなんだけど……内容がね」
優花里「内容?」
みほ「ママになってほしいってしつこくメールしてくるんだ」
優花里「?」
優花里「えっとすみません西住殿。少し頭が追い付かなくて」
優花里「姉上殿と友人からはどんなメールが?」
みほ「だからね……お姉ちゃんたちは私をママにしたいみたいなの」ケイタイミセル
優花里「確かにメールではそんな内容が書かれてますね」ドンビキー
みほ「お姉ちゃんは昔からこうだから仕方ないとして赤星さんまで」
優花里「姉上殿は何をやってるのでしょうか……」
27: レッドスター ◆kRM.QKBezY 2019/04/17(水) 23:51:26.08 ID:c4K+2Zmg0
バラララララ
優花里「ん? 今ヘリの音が聞こえたような」
バラララララ バララララララ!
優花里「ちょ! ヘリがこっちに近づいて来て」
ペパロニ「とぉー」シュタ
カルパッチョ「やー」シュタ
アンチョビ「たぁ」シュタ
みほ「ヘリから人が出てきた」
優花里「あの高さから飛び降りたのに骨折しないんですね」
ペパロニ「姐さんが大変な目に合ったのに骨折なんてしてられるかよ!」
カルパッチョ「そうです! 早くドゥーチェを元に戻して下さい」
アンチョビ「おぎゃー!おぎゃー!」
みほ「え……ええっと?」
優花里「とりあえずカオスな事態ということは分かりましたが」
優花里「あの……何か私たちにご用でしょうか」
優花里「ん? 今ヘリの音が聞こえたような」
バラララララ バララララララ!
優花里「ちょ! ヘリがこっちに近づいて来て」
ペパロニ「とぉー」シュタ
カルパッチョ「やー」シュタ
アンチョビ「たぁ」シュタ
みほ「ヘリから人が出てきた」
優花里「あの高さから飛び降りたのに骨折しないんですね」
ペパロニ「姐さんが大変な目に合ったのに骨折なんてしてられるかよ!」
カルパッチョ「そうです! 早くドゥーチェを元に戻して下さい」
アンチョビ「おぎゃー!おぎゃー!」
みほ「え……ええっと?」
優花里「とりあえずカオスな事態ということは分かりましたが」
優花里「あの……何か私たちにご用でしょうか」
28: レッドスター ◆kRM.QKBezY 2019/04/17(水) 23:56:24.05 ID:c4K+2Zmg0
ペパロニ「おい秋山優花里しらばくれても無駄だぞ」
ペパロニ「証拠はあがってるんだ!」デデーン
カルパッチョ「貴方がドゥーチェを赤ちゃんにした犯人ですね?」
みほ「え? 優花里さんそんなことしてたの?」ドンビキー
優花里「しませんしません! 何だか良く分からないですけど誤解です!!」
優花里「大体どうして私がアンチョビ殿を赤ん坊にする必要があるんですか!?」
優花里「するならアンチョビ殿ではなく西住殿を赤ん坊にします!」
みほ「え?」
優花里「西住殿を赤ん坊にして何も出来ない状態から私の従順なペットに調教するんです」
優花里「今日だってあわよくば西住殿の部屋にあがりこんで貞操を奪う準備を……あ」
みほ「」
ペパロニ「証拠はあがってるんだ!」デデーン
カルパッチョ「貴方がドゥーチェを赤ちゃんにした犯人ですね?」
みほ「え? 優花里さんそんなことしてたの?」ドンビキー
優花里「しませんしません! 何だか良く分からないですけど誤解です!!」
優花里「大体どうして私がアンチョビ殿を赤ん坊にする必要があるんですか!?」
優花里「するならアンチョビ殿ではなく西住殿を赤ん坊にします!」
みほ「え?」
優花里「西住殿を赤ん坊にして何も出来ない状態から私の従順なペットに調教するんです」
優花里「今日だってあわよくば西住殿の部屋にあがりこんで貞操を奪う準備を……あ」
みほ「」
29: レッドスター ◆kRM.QKBezY 2019/04/18(木) 21:20:04.56 ID:/JE7M3990
ペパロニ「うわぁ……コイツやばいっす!! すげぇ犯罪野郎っすよ!!!」
カルパッチョ「大好きな人を赤ん坊にして調教するだなんて」
カルパッチョ「正直発想として如何なものかと……」
カルパッチョ「でも確かに彼女がアンチョビさんを赤ん坊にする動機はありませんね」
カルパッチョ「それにあのくせっ毛の方はエンドロールに載らないと嘆いていました」
カルパッチョ「秋山さんはあんこうチームの装填主ですしエンドロールに載らないということはないと思います」
ペパロニ「あーそれもそうっすね」
ペパロニ「そんじゃ邪魔したっす」
バララララララー!
優花里「…………」
みほ「…………」
優花里「あ、あの……西住殿? 今言ったことはぜーんぶその場しのぎのデタラメですよ?」
みほ「そ、そうなんだ……良かった」
みほ「じゃあね秋山さん……私おうちに帰るから」
優花里「ちょ、なんか呼び方変わってません!? というか一緒に帰る約束では?」
みほ「え……ええっとちょっと用事思い出しちゃって」タタタッ
優花里「絶対避けてるじゃないですか! というか待って下さいぃ西住殿ぉ~」タッタッタ
カルパッチョ「大好きな人を赤ん坊にして調教するだなんて」
カルパッチョ「正直発想として如何なものかと……」
カルパッチョ「でも確かに彼女がアンチョビさんを赤ん坊にする動機はありませんね」
カルパッチョ「それにあのくせっ毛の方はエンドロールに載らないと嘆いていました」
カルパッチョ「秋山さんはあんこうチームの装填主ですしエンドロールに載らないということはないと思います」
ペパロニ「あーそれもそうっすね」
ペパロニ「そんじゃ邪魔したっす」
バララララララー!
優花里「…………」
みほ「…………」
優花里「あ、あの……西住殿? 今言ったことはぜーんぶその場しのぎのデタラメですよ?」
みほ「そ、そうなんだ……良かった」
みほ「じゃあね秋山さん……私おうちに帰るから」
優花里「ちょ、なんか呼び方変わってません!? というか一緒に帰る約束では?」
みほ「え……ええっとちょっと用事思い出しちゃって」タタタッ
優花里「絶対避けてるじゃないですか! というか待って下さいぃ西住殿ぉ~」タッタッタ
30: レッドスター ◆kRM.QKBezY 2019/04/19(金) 18:02:02.84 ID:FBlrsBbKO
映像室
カルパッチョ「秋山さんは犯人じゃなかったみたいですね」
ペパロニ「犯人じゃなくても危険人物だったっすけどね」
カルパッチョ「それじゃ気を取り治して映像を……」
アンチョビ「おぎゃー! おぎゃー!」ジョバー
カルパッチョ「ふふっ……ドゥーチェってばまたお漏らししたんですね」
カルパッチョ「大丈夫ですよ。すぐにオムツを取り替えますから」ペリベリペリ
カルパッチョ「どうですか? これでスッキリしましたか?」
アンチョビ「きゃっきゃっ!」
カルパッチョ「ああっ……ドゥーチェ可愛い!」
ペパロニ「なんつーか大分と母親が板についてきましたね」
カルパッチョ「元々誰かのお世話をするのは好きでしたから」
カルパッチョ「保育士とかそういうのも悪くないのかも知れませんね」
ペパロニ「それじゃ映像再開するっすよ」
カルパッチョ「秋山さんは犯人じゃなかったみたいですね」
ペパロニ「犯人じゃなくても危険人物だったっすけどね」
カルパッチョ「それじゃ気を取り治して映像を……」
アンチョビ「おぎゃー! おぎゃー!」ジョバー
カルパッチョ「ふふっ……ドゥーチェってばまたお漏らししたんですね」
カルパッチョ「大丈夫ですよ。すぐにオムツを取り替えますから」ペリベリペリ
カルパッチョ「どうですか? これでスッキリしましたか?」
アンチョビ「きゃっきゃっ!」
カルパッチョ「ああっ……ドゥーチェ可愛い!」
ペパロニ「なんつーか大分と母親が板についてきましたね」
カルパッチョ「元々誰かのお世話をするのは好きでしたから」
カルパッチョ「保育士とかそういうのも悪くないのかも知れませんね」
ペパロニ「それじゃ映像再開するっすよ」
31: レッドスター ◆kRM.QKBezY 2019/04/19(金) 18:38:00.67 ID:m4WpsM/20
大洗VS黒森峰
小梅「あのときはありがとう」
ペパロニ「ああっ! コイツっす! 今度こそ間違いないっす!」
カルパッチョ「テロップに名前は表示されてませんがどうやら黒森峰の生徒のようですね」
ペパロニ「チッチッチ。カルパッチョは甘いっすねー」
ペパロニ「確かに一見すると黒森峰の試合に出てるんで黒森峰の生徒に見えるかも知れないっすけど」
ペパロニ「私の目は誤魔化されないっすよ」
ペパロニ「このテロップの表示を見るっす」
カルパッチョ「これは……プラウダの生徒になっていますね」
カルパッチョ「ペパロニさすがです!!」
カルパッチョ「つまりこの生徒はプラウダのスパイだったということですね!」
ペパロニ「そういうことっす」
カルパッチョ「そうと決まれば善は急げね。プラウダへ行っちゃいましょう!」
小梅「あのときはありがとう」
ペパロニ「ああっ! コイツっす! 今度こそ間違いないっす!」
カルパッチョ「テロップに名前は表示されてませんがどうやら黒森峰の生徒のようですね」
ペパロニ「チッチッチ。カルパッチョは甘いっすねー」
ペパロニ「確かに一見すると黒森峰の試合に出てるんで黒森峰の生徒に見えるかも知れないっすけど」
ペパロニ「私の目は誤魔化されないっすよ」
ペパロニ「このテロップの表示を見るっす」
カルパッチョ「これは……プラウダの生徒になっていますね」
カルパッチョ「ペパロニさすがです!!」
カルパッチョ「つまりこの生徒はプラウダのスパイだったということですね!」
ペパロニ「そういうことっす」
カルパッチョ「そうと決まれば善は急げね。プラウダへ行っちゃいましょう!」
32: レッドスター ◆kRM.QKBezY 2019/04/19(金) 19:38:03.60 ID:m4WpsM/20
カチューシャ「ノンナ……なんだか最近ね私」
カチューシャ「身長が縮んでいるみたいなの」
カチューシャ「何か心当たりあるかしら」
ノンナ「さぁ……私にはさっぱり」
ノンナ「確かに最近アッサムと呼ばれる客人から成長逆行薬を買いましたが」
ノンナ「それとカチューシャの身長とはまったく関係がありません」
カチューシャ「いや関係があるでしょそれ!」
カチューシャ「っていうかなんてもの買ってるのよ!」プンスカ
ブロロロロロロ!
ペパロニ「てい」シュタ
カルパッチョ「えいっ」シュタ
アンチョビ「おぎゃー! おぎゃー!」シュタ
カルパッチョ「よしよしドゥーチェ。大丈夫ですからね」ナデナデ
アンチョビ「きゃっきゃっ!」
カチューシャ「え……何? なんなのこのカオスな光景は」
カチューシャ「身長が縮んでいるみたいなの」
カチューシャ「何か心当たりあるかしら」
ノンナ「さぁ……私にはさっぱり」
ノンナ「確かに最近アッサムと呼ばれる客人から成長逆行薬を買いましたが」
ノンナ「それとカチューシャの身長とはまったく関係がありません」
カチューシャ「いや関係があるでしょそれ!」
カチューシャ「っていうかなんてもの買ってるのよ!」プンスカ
ブロロロロロロ!
ペパロニ「てい」シュタ
カルパッチョ「えいっ」シュタ
アンチョビ「おぎゃー! おぎゃー!」シュタ
カルパッチョ「よしよしドゥーチェ。大丈夫ですからね」ナデナデ
アンチョビ「きゃっきゃっ!」
カチューシャ「え……何? なんなのこのカオスな光景は」
33: レッドスター ◆kRM.QKBezY 2019/04/19(金) 19:50:51.15 ID:m4WpsM/20
ノンナ「あれはアンツィオの隊長と副隊長二人のようですが」
ノンナ「隊長の方は幼児退行を起こしているようですね」
ペパロニ「しらばくれても無駄っす! ドゥーチェを赤ん坊にしたのはプラウダの生徒だって証拠はあがってるんっすよ!!」
ノンナ「はい?」
カチューシャ「ノンナ……何やってるの」ドンビキー
ノンナ「いえ……それは本当に見覚えがないのですが」
カチューシャ「それはって何!? やっぱり私の身長が縮んでるのはノンナのせいなんじゃない!」
ノンナ「う……」オロオロ
ペパロニ「どうせドゥーチェを赤ん坊にしたのもコイツですよ!!!!」
カルパッチョ「証拠もあります。ほらここのテロップにプラウダの生徒と」
カチューシャ「確かにプラウダの生徒って書かれてるけど」
カチューシャ「この娘プラウダの生徒じゃないわよ」
ペパロニ「仲間を庇おうとしても無駄っすよ!!」
ペパロニ「そんな嘘で騙されないっす!!!」
カルパッチョ「責任の追求は問いません。私はただ……ドゥーチェを治す方法を知りたいだけなんです」
カチューシャ「そんなこと言われても知らないんだから仕方ないじゃない」プンスカ
ペパロニ「やいやい! 映像は上がってるんだー」
小梅『あの時はありがとう』
ペパロニ「ほらここにしっかりと」
カチューシャ「それは……そうだけど」
???「…………」
???「ちょっとその映像見せて貰える?」
カルパッチョ「はい構いませんよ……って貴方は……」
ノンナ「隊長の方は幼児退行を起こしているようですね」
ペパロニ「しらばくれても無駄っす! ドゥーチェを赤ん坊にしたのはプラウダの生徒だって証拠はあがってるんっすよ!!」
ノンナ「はい?」
カチューシャ「ノンナ……何やってるの」ドンビキー
ノンナ「いえ……それは本当に見覚えがないのですが」
カチューシャ「それはって何!? やっぱり私の身長が縮んでるのはノンナのせいなんじゃない!」
ノンナ「う……」オロオロ
ペパロニ「どうせドゥーチェを赤ん坊にしたのもコイツですよ!!!!」
カルパッチョ「証拠もあります。ほらここのテロップにプラウダの生徒と」
カチューシャ「確かにプラウダの生徒って書かれてるけど」
カチューシャ「この娘プラウダの生徒じゃないわよ」
ペパロニ「仲間を庇おうとしても無駄っすよ!!」
ペパロニ「そんな嘘で騙されないっす!!!」
カルパッチョ「責任の追求は問いません。私はただ……ドゥーチェを治す方法を知りたいだけなんです」
カチューシャ「そんなこと言われても知らないんだから仕方ないじゃない」プンスカ
ペパロニ「やいやい! 映像は上がってるんだー」
小梅『あの時はありがとう』
ペパロニ「ほらここにしっかりと」
カチューシャ「それは……そうだけど」
???「…………」
???「ちょっとその映像見せて貰える?」
カルパッチョ「はい構いませんよ……って貴方は……」
34: レッドスター ◆kRM.QKBezY 2019/04/19(金) 20:00:00.56 ID:m4WpsM/20
黒森峰
まほ「みほからメールの返信が来ない何故だ」ポチポチ
小梅「私のメールにも返信が来ないです」
小梅「ちょっと赤ちゃんプレイさせてくれるよう頼んだだけなのに!」
まほ「みほも随分と冷たくなってしまった」
まほ「最初はあんなになついていたのに」
まほ「赤ちゃんプレイが趣味だと分かった途端にゴミを見るような目で見られるようになってしまった」
小梅「私もみほさんは大切なお友達だと思っていたのに」
小梅「哺乳瓶を持って襲って以来距離を置かれるようになってしまいました」
小梅「一体どうして私たちに対してよそよそしくなってしまったのでしょうか」
まほ「きっと反抗期なのだろうな。だから本当は私たちのママになりたいのに素直になれないでいるんだ」
小梅「なるほど!! それなら素直にする必要がありますね!!!」ジャキ
まほ「みほからメールの返信が来ない何故だ」ポチポチ
小梅「私のメールにも返信が来ないです」
小梅「ちょっと赤ちゃんプレイさせてくれるよう頼んだだけなのに!」
まほ「みほも随分と冷たくなってしまった」
まほ「最初はあんなになついていたのに」
まほ「赤ちゃんプレイが趣味だと分かった途端にゴミを見るような目で見られるようになってしまった」
小梅「私もみほさんは大切なお友達だと思っていたのに」
小梅「哺乳瓶を持って襲って以来距離を置かれるようになってしまいました」
小梅「一体どうして私たちに対してよそよそしくなってしまったのでしょうか」
まほ「きっと反抗期なのだろうな。だから本当は私たちのママになりたいのに素直になれないでいるんだ」
小梅「なるほど!! それなら素直にする必要がありますね!!!」ジャキ
35: レッドスター ◆kRM.QKBezY 2019/04/19(金) 20:12:38.55 ID:m4WpsM/20
まほ「私も同じことを考えていたところだ」
まほ「この母性薬を使ってみほをママにすればいい」
小梅「でもどうやってこの薬をみほさんに投入しましょうか」
まほ「私にいい考えがある」
小梅「いい考えとは?」
まほ「小梅がまずみほに襲い掛かり羽交い締めにする」
まほ「そして私がその間に腕に注射をするんだ」
小梅「なるほど! それならみほさんが抵抗しても注射を打つことが出来ますね!」
小梅「さすがです隊長!」
まほ「ふふっ……伊達に黒森峰の隊長をやっていないよ」
まほ「そうと決まればヘリの手配をしよう。善は急げというしな」
直下「隊長! エリカさんが帰ってきましたよ」
まほ&小梅「エリカママが!?」
まほ「この母性薬を使ってみほをママにすればいい」
小梅「でもどうやってこの薬をみほさんに投入しましょうか」
まほ「私にいい考えがある」
小梅「いい考えとは?」
まほ「小梅がまずみほに襲い掛かり羽交い締めにする」
まほ「そして私がその間に腕に注射をするんだ」
小梅「なるほど! それならみほさんが抵抗しても注射を打つことが出来ますね!」
小梅「さすがです隊長!」
まほ「ふふっ……伊達に黒森峰の隊長をやっていないよ」
まほ「そうと決まればヘリの手配をしよう。善は急げというしな」
直下「隊長! エリカさんが帰ってきましたよ」
まほ&小梅「エリカママが!?」
36: レッドスター ◆kRM.QKBezY 2019/04/19(金) 20:13:20.66 ID:m4WpsM/20
屋上
まほ「エリカ! ずっと視察に行っていて寂しかったんだ」
まほ「今すぐ赤ちゃんプレイの準備をしてくれ」
小梅「エリカさん! 今日は子宮型赤ちゃんプレイの準備を所望します!!!」
小梅「ずっと甘えることが出来なかったから胎児になりたいんです!!!」
まほ「小梅だけずるいぞ。私だって赤ん坊だけではなくその……胎児になりたい」カァー
小梅「だったら私たちは双子です」
まほ「はっ……! その手があったか!」
まほ「二人でエリカの胎児になるんだな」
小梅「はい! 一緒に胎児になって甘えてやりましょう!!!」
まほ「小梅……私は良い部下を持ったな」ジーン
まほ「というわけだ。今日も一日ママとしてよろしく頼……」
エリカ「…………はぁ」アキレル
カルパッチョ「…………」
ペパロニ「…………」
まほ「ごほん……まさかアンツィオの生徒が来ていたとはな」
まほ「それで私たち黒森峰に何か用だろうか」
エリカ「もういいです。無理に格好付けなくとも」ハァー
エリカ「それよりどうしてアンツィオの皆さんがここに来たのか分かっていますよね」
まほ「そ、それは」
ペパロニ「このくせっ毛間違いないっす! コイツが犯人っす!」
カルパッチョ「私もこの小梅さんという方が部屋から出ていくのを見ました」
まほ「何てやつだ小梅!! 安斉を赤ん坊にするなんて」
まほ「同じ黒森峰の仲間として見損なったぞ!!!!」
小梅「ええっ!?」
まほ「エリカ! ずっと視察に行っていて寂しかったんだ」
まほ「今すぐ赤ちゃんプレイの準備をしてくれ」
小梅「エリカさん! 今日は子宮型赤ちゃんプレイの準備を所望します!!!」
小梅「ずっと甘えることが出来なかったから胎児になりたいんです!!!」
まほ「小梅だけずるいぞ。私だって赤ん坊だけではなくその……胎児になりたい」カァー
小梅「だったら私たちは双子です」
まほ「はっ……! その手があったか!」
まほ「二人でエリカの胎児になるんだな」
小梅「はい! 一緒に胎児になって甘えてやりましょう!!!」
まほ「小梅……私は良い部下を持ったな」ジーン
まほ「というわけだ。今日も一日ママとしてよろしく頼……」
エリカ「…………はぁ」アキレル
カルパッチョ「…………」
ペパロニ「…………」
まほ「ごほん……まさかアンツィオの生徒が来ていたとはな」
まほ「それで私たち黒森峰に何か用だろうか」
エリカ「もういいです。無理に格好付けなくとも」ハァー
エリカ「それよりどうしてアンツィオの皆さんがここに来たのか分かっていますよね」
まほ「そ、それは」
ペパロニ「このくせっ毛間違いないっす! コイツが犯人っす!」
カルパッチョ「私もこの小梅さんという方が部屋から出ていくのを見ました」
まほ「何てやつだ小梅!! 安斉を赤ん坊にするなんて」
まほ「同じ黒森峰の仲間として見損なったぞ!!!!」
小梅「ええっ!?」
38: レッドスター ◆kRM.QKBezY 2019/04/19(金) 20:26:07.64 ID:m4WpsM/20
まほ「アンツィオの皆さん。これは全て小梅がやったことなんだ!!!!!」
まほ「私は悪くない!!」
まほ「小梅ならどうしたって構わない!」
まほ「だから私のことは見逃してもらえないだろうか!!!」
小梅「隊長酷いです! そもそも隊長がエリカママがいないから寂しいって言い始めて」
小梅「それでじゃあ母性の高そうなアンチョビさんをママにしようってことになったんじゃないですかっ!!!」
まほ「ま、待て……あまり大声で言うな。ブラックサンダーをあげるから」
小梅「そんなので説得されると思ってるんですか!」
小梅「私の怒りがサンダーしますよ!!!」
エリカ「はぁ……二人とも悪いってことでいいかしら」
エリカ「ほらアンツィオのみんなに迷惑かけてるんだから謝りなさい!」グググ
小梅「うわーん。ちゃんと謝るから耳をつねらないでー」
まほ「エリカママごめんなさーい!」
エリカ「謝るのは私じゃなくアンツィオの人たちでしょう」
まほ&小梅「アンツィオの皆さんごめんなさーい」キャービーン
まほ「私は悪くない!!」
まほ「小梅ならどうしたって構わない!」
まほ「だから私のことは見逃してもらえないだろうか!!!」
小梅「隊長酷いです! そもそも隊長がエリカママがいないから寂しいって言い始めて」
小梅「それでじゃあ母性の高そうなアンチョビさんをママにしようってことになったんじゃないですかっ!!!」
まほ「ま、待て……あまり大声で言うな。ブラックサンダーをあげるから」
小梅「そんなので説得されると思ってるんですか!」
小梅「私の怒りがサンダーしますよ!!!」
エリカ「はぁ……二人とも悪いってことでいいかしら」
エリカ「ほらアンツィオのみんなに迷惑かけてるんだから謝りなさい!」グググ
小梅「うわーん。ちゃんと謝るから耳をつねらないでー」
まほ「エリカママごめんなさーい!」
エリカ「謝るのは私じゃなくアンツィオの人たちでしょう」
まほ&小梅「アンツィオの皆さんごめんなさーい」キャービーン
39: レッドスター ◆kRM.QKBezY 2019/04/19(金) 20:27:06.60 ID:m4WpsM/20
カルパッチョ「い、いえ謝って下さるのは別に良いのですが」
カルパッチョ「ドゥーチェがこのままだと困ってしまいます」
カルパッチョ「それでどうすればドゥーチェを元の状態に戻せるのでしょうか」
まほ「ああ……それなら問題ない」
まほ「この母性薬の効果は長くても10日だ」
まほ「それを過ぎれば効果は自然と切れて元の状態に戻る」
カルパッチョ「このピンク色の液体が母性薬?」
小梅「そうです。本来この薬は対象をママに変える働きがあるのですが」
小梅「アンチョビさんは元々母性が高かったようで注射を打つことで母性が裏返ったみたいですよ?」
エリカ「はぁ……なんて恐ろしいものを作ってるのよ」
エリカ「とにかく隊長もこの薬を処分して下さい!」
エリカ「他人をママにするとか怖すぎるでしょ」
まほ「これはエリカがいない間代わりのママが必要だったので急遽作らせたものだ」
まほ「ママが帰ってきたなら必要ないさ」ギュー
小梅「アンチョビさんやみほさんをママにするのもいいけど」
小梅「やっぱり黒森峰のママはエリカさんですから」ギュー
エリカ「はぁ……どうしてこうなったんだか」
エリカ「まったく二人ともどうしようもない甘えん坊ね」ナデナデ
エリカ「これからは勝手に他人をママにしちゃダメよ?」
まほ&小梅「「はーい」」
エリカ「ふふっ、それじゃ今日は久しぶりに二人の大好物を作ってあげる」
まほ「私はカレーがいいな」
小梅「私の大好物は何なんでしょうか!!! とりあえずチキンライスでお願いします!!」
エリカ「はいはい」
ペパロニ「なんかよくわかんねーけどハッピーエンドみたいで良かったっす」
カルパッチョ「やっぱり実の母親に甘えるのが一番ってことですね!」
アンチョビ「ばぁぶ!」
カルパッチョ「ドゥーチェがこのままだと困ってしまいます」
カルパッチョ「それでどうすればドゥーチェを元の状態に戻せるのでしょうか」
まほ「ああ……それなら問題ない」
まほ「この母性薬の効果は長くても10日だ」
まほ「それを過ぎれば効果は自然と切れて元の状態に戻る」
カルパッチョ「このピンク色の液体が母性薬?」
小梅「そうです。本来この薬は対象をママに変える働きがあるのですが」
小梅「アンチョビさんは元々母性が高かったようで注射を打つことで母性が裏返ったみたいですよ?」
エリカ「はぁ……なんて恐ろしいものを作ってるのよ」
エリカ「とにかく隊長もこの薬を処分して下さい!」
エリカ「他人をママにするとか怖すぎるでしょ」
まほ「これはエリカがいない間代わりのママが必要だったので急遽作らせたものだ」
まほ「ママが帰ってきたなら必要ないさ」ギュー
小梅「アンチョビさんやみほさんをママにするのもいいけど」
小梅「やっぱり黒森峰のママはエリカさんですから」ギュー
エリカ「はぁ……どうしてこうなったんだか」
エリカ「まったく二人ともどうしようもない甘えん坊ね」ナデナデ
エリカ「これからは勝手に他人をママにしちゃダメよ?」
まほ&小梅「「はーい」」
エリカ「ふふっ、それじゃ今日は久しぶりに二人の大好物を作ってあげる」
まほ「私はカレーがいいな」
小梅「私の大好物は何なんでしょうか!!! とりあえずチキンライスでお願いします!!」
エリカ「はいはい」
ペパロニ「なんかよくわかんねーけどハッピーエンドみたいで良かったっす」
カルパッチョ「やっぱり実の母親に甘えるのが一番ってことですね!」
アンチョビ「ばぁぶ!」
40: レッドスター ◆kRM.QKBezY 2019/04/19(金) 20:35:03.51 ID:m4WpsM/20
倉庫
小梅「やっぱりエリカママの手料理は最高でしたね」
まほ「ああ……さすがはエリカだ。ご飯だけではなくガラガラやオムツの取り替えだってしてくれる」
まほ「エリカが私たちのママでいてくれる以上もうこの薬に用はないな」
まほ「ママに言われた通り処分することにし……あれ?」
小梅「どうかされましたか」
まほ「いや……数が足りない気がしてな」
小梅「それってバレたらまたエリカママに怒られるんじゃ」
まほ「こんな言葉を知っているか?」
まほ「バレなければ問題ない」
小梅「第21代大統領ニーチェの言葉ですね」ペコーン
小梅「やっぱりエリカママの手料理は最高でしたね」
まほ「ああ……さすがはエリカだ。ご飯だけではなくガラガラやオムツの取り替えだってしてくれる」
まほ「エリカが私たちのママでいてくれる以上もうこの薬に用はないな」
まほ「ママに言われた通り処分することにし……あれ?」
小梅「どうかされましたか」
まほ「いや……数が足りない気がしてな」
小梅「それってバレたらまたエリカママに怒られるんじゃ」
まほ「こんな言葉を知っているか?」
まほ「バレなければ問題ない」
小梅「第21代大統領ニーチェの言葉ですね」ペコーン
41: レッドスター ◆kRM.QKBezY 2019/04/19(金) 20:35:54.80 ID:m4WpsM/20
数日後
アンチョビ「うー……頭がくらくらする」
ペパロニ「ドゥーチェ戻ったんっすね!」ギュー
アンチョビ「わわっ……どうしたんだペパロニ。そんなに抱きついてきて」ナデナデ
アンチョビ「何かあったのか? どうしてか分からないがここ数日の記憶があんまりなくて」
ペパロニ「覚えてないんすか? ドゥーチェは赤ん坊にされてたんすよ」
アンチョビ「はぁ? いやいや薬で赤ん坊になんてならないだろ」
ペパロニ「そりゃ見た目は変わんなかったすけど心は完璧に赤ちゃんでした!」
アンチョビ「おい待てそっちの方がよほどまずくないか?」
アンチョビ「あ、あれパンツがぐっしょり……これって」
ペパロニ「勿論オムツっすよ」
アンチョビ「うあぁぁああぁぁ……なんて恥ずかしい状態で私はいるんだぁぁぁ」
アンチョビ「もういっそ殺してくれぇぇぇえぇ」
ペパロニ「落ち着いてくださいドゥーチェ。見られたのは精々、大洗とプラウダと黒森峰ぐらいっすから」
アンチョビ「滅茶苦茶いるじゃないか! というかなんでそんなに見られてるんだ!」
ペパロニ「それは犯人探しに手間取っちゃいまして……すんません」
アンチョビ「はぁ……もういいよ。見られちゃったもんは仕方ないしなぁ」
アンチョビ「とりあえずお風呂の用意をしてくれないか」
アンチョビ「さすがに身体を綺麗にしたいからな」
ペパロニ「了解っす」
アンチョビ「あ、それとカルパッチョはどこに行ったんだ?」
ペパロニ「カルパッチョなら何でも用事があるってことで大洗に行ったみたいっすよ」
アンチョビ「うー……頭がくらくらする」
ペパロニ「ドゥーチェ戻ったんっすね!」ギュー
アンチョビ「わわっ……どうしたんだペパロニ。そんなに抱きついてきて」ナデナデ
アンチョビ「何かあったのか? どうしてか分からないがここ数日の記憶があんまりなくて」
ペパロニ「覚えてないんすか? ドゥーチェは赤ん坊にされてたんすよ」
アンチョビ「はぁ? いやいや薬で赤ん坊になんてならないだろ」
ペパロニ「そりゃ見た目は変わんなかったすけど心は完璧に赤ちゃんでした!」
アンチョビ「おい待てそっちの方がよほどまずくないか?」
アンチョビ「あ、あれパンツがぐっしょり……これって」
ペパロニ「勿論オムツっすよ」
アンチョビ「うあぁぁああぁぁ……なんて恥ずかしい状態で私はいるんだぁぁぁ」
アンチョビ「もういっそ殺してくれぇぇぇえぇ」
ペパロニ「落ち着いてくださいドゥーチェ。見られたのは精々、大洗とプラウダと黒森峰ぐらいっすから」
アンチョビ「滅茶苦茶いるじゃないか! というかなんでそんなに見られてるんだ!」
ペパロニ「それは犯人探しに手間取っちゃいまして……すんません」
アンチョビ「はぁ……もういいよ。見られちゃったもんは仕方ないしなぁ」
アンチョビ「とりあえずお風呂の用意をしてくれないか」
アンチョビ「さすがに身体を綺麗にしたいからな」
ペパロニ「了解っす」
アンチョビ「あ、それとカルパッチョはどこに行ったんだ?」
ペパロニ「カルパッチョなら何でも用事があるってことで大洗に行ったみたいっすよ」
42: レッドスター ◆kRM.QKBezY 2019/04/19(金) 20:53:00.36 ID:m4WpsM/20
大洗
カエサル「さてと今日も半額セールのお総菜が買えたな」
カエサル「とはいえ日も大分と暗くなってしまったな」
カエサル「これだから買い出し当番は嫌なんだよなぁ」
カルパッチョ「たかちゃん見ぃーつけた」
カエサル「うわっびっくりした! ってひなちゃん!?」
カエサル「どうしてひなちゃんがこんなところに?」
カルパッチョ「ふふっ……実はねたかちゃんを赤ちゃんにしに来たの」
カエサル「……はい?」
カルパッチョ「大丈夫よ。何も分からなくてもいいの」
カルパッチョ「だって何も出来ない何も分からないのが赤ちゃんだから」グググ
カエサル「え……ちょ……ひなちゃん近いってば」
カルパッチョ「さ、私がたかちゃんを何も出来ないようにしてあげる」プスッ
カエサル「うっ……注射!?」
カエサル(あれ? なんだろう。急にひなちゃんを甘やかしたくなってきた)
カルパッチョ「たかちゃーん」ギュー
カエサル「ひなちゃん……私でよければ沢山甘えていいんだよ」ナデナデ
カルパッチョ「ありがとう。でも言ったよね?」
カルパッチョ「ーー私はたかちゃんを赤ちゃんにしに来たって」プスッ
カエサル「うっ……」バタリ
カエサル「おぎゃー! おぎゃー!」
カルパッチョ「ああ! 赤ちゃんになった。たかちゃんも可愛いわ!」
カルパッチョ「さ、お家に帰りましょう?」
カルパッチョ「たっぷり甘やかして」
カルパッチョ「何も出来ないようにしてあげるから」ズルズル
オギャー ズルズル オギャー ズルズル
オギャー ズルズル オギャー ズル……ズル
完
カエサル「さてと今日も半額セールのお総菜が買えたな」
カエサル「とはいえ日も大分と暗くなってしまったな」
カエサル「これだから買い出し当番は嫌なんだよなぁ」
カルパッチョ「たかちゃん見ぃーつけた」
カエサル「うわっびっくりした! ってひなちゃん!?」
カエサル「どうしてひなちゃんがこんなところに?」
カルパッチョ「ふふっ……実はねたかちゃんを赤ちゃんにしに来たの」
カエサル「……はい?」
カルパッチョ「大丈夫よ。何も分からなくてもいいの」
カルパッチョ「だって何も出来ない何も分からないのが赤ちゃんだから」グググ
カエサル「え……ちょ……ひなちゃん近いってば」
カルパッチョ「さ、私がたかちゃんを何も出来ないようにしてあげる」プスッ
カエサル「うっ……注射!?」
カエサル(あれ? なんだろう。急にひなちゃんを甘やかしたくなってきた)
カルパッチョ「たかちゃーん」ギュー
カエサル「ひなちゃん……私でよければ沢山甘えていいんだよ」ナデナデ
カルパッチョ「ありがとう。でも言ったよね?」
カルパッチョ「ーー私はたかちゃんを赤ちゃんにしに来たって」プスッ
カエサル「うっ……」バタリ
カエサル「おぎゃー! おぎゃー!」
カルパッチョ「ああ! 赤ちゃんになった。たかちゃんも可愛いわ!」
カルパッチョ「さ、お家に帰りましょう?」
カルパッチョ「たっぷり甘やかして」
カルパッチョ「何も出来ないようにしてあげるから」ズルズル
オギャー ズルズル オギャー ズルズル
オギャー ズルズル オギャー ズル……ズル
完
43: レッドスター ◆kRM.QKBezY 2019/04/19(金) 20:54:00.01 ID:m4WpsM/20
これにてこのssは終わりです! ここまで読んでくださりありがとうございます。
それではHTML依頼出しときます!!
それではHTML依頼出しときます!!
45: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/04/21(日) 02:11:54.92 ID:SOptuZFho
乙ー
44: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/04/19(金) 22:36:06.35 ID:BSqaMxid0
乙
続き待ってる。
続き待ってる。
引用元: 【ガルパン】カルパッチョ「ドゥーチェ、哺乳瓶の時間ですよー」
緒方智絵里「ほたるちゃんを」藤居朋「徹底的に甘やかすわよ!」
2019-04-30
1: ◆5AkoLefT7E 2019/04/19(金) 01:07:39.50 ID:w729B+07o
関連
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2: ◆5AkoLefT7E 2019/04/19(金) 01:08:11.99 ID:w729B+070
~女子寮:白菊ほたるの部屋~
ピピピピピピ
白菊ほたる「う……」ガサゴソ
ピピピピピピ
ほたる「ん……」ピッ
ほたる「……」ムクリ
ほたる「ふぁあ……」
ほたる(今日は……オフだったよね……)
ほたる(目覚まし……いつもの時間にかけちゃってた……)
ほたる(にどね……)
ほたる「……」
ほたる「……起きよう」スック
ほたる「リビング、誰かいるかな……」トコトコ
ほたる「……あ、いい匂い……響子さんかな……?」トコトコ
~リビング~
ほたる「……おはようございます……ふぁ」トコトコ
藤居朋「あ! ほたるちゃん、おはよ! なんと今日の朝ごはんはあたしの手作り! 目が覚めたら食堂へレッツゴー!」
ほたる「あ……ともさん……おふぁようございます……」
緒方智絵里「あ、ほたるちゃん、ねぐせが……! 整えてあげるから、そこに座って?」
ほたる「はい……」スッ
智絵里「~♪」スッ スッ
朋「智絵里ちゃん、上手ね~」
智絵里「えへへ」
ほたる「……」
ほたる「……」
ほたる「……」
ほたる「……なんで朋さっ!? えっ!? 智絵里さ……いや智絵里さんは寮でえっ朋さんはなん……えっ!?」アワアワアワ
朋「状況把握、けっこうかかったわね」
~~~~~~~~~~
前作
藤居朋「ほたるちゃんの先輩は」緒方智絵里「カフェにいる」
3: ◆5AkoLefT7E 2019/04/19(金) 01:09:02.76 ID:w729B+070
朋「それにしてもほたるちゃん、オフなのに早起きさんなのはえらいけど、そんな寝ぼけながら来なくても……」
ほたる「ちっ、ちがうんです……!」
智絵里「確かに珍しいような……」
ほたる「今日に限って……アラームの設定を間違えてしまって……! お仕事の日ならもう少し部屋で整えてから来ますし、お休みの日はもっと遅くまで寝ているんですが……! き、今日に……限って……うう」
朋「まあまあ、かわいいほたるちゃんが見れてあたしは満足よ?」
ほたる「恥ずかしいです……」
智絵里「わたしはほたるちゃんの部屋でお泊りすればいつでも見れますけれどね……!」ドヤッ
朋「マウント取る必要ある?」
4: ◆5AkoLefT7E 2019/04/19(金) 01:10:04.72 ID:w729B+070
ほたる「そっ、そんなことより、どうして朋さんがここに……!?」
朋「どうしてって……ほたるちゃん、今日は何月何日?」
ほたる「えっと……4月の19日ですが……」
智絵里「つまり?」
ほたる「4月の……第3金曜日……?」
朋「逆に聞くけどそれ理由にしてドッキリじみた登場すると思う?」
5: ◆5AkoLefT7E 2019/04/19(金) 01:10:33.83 ID:w729B+070
朋「もう! 話が進まないから言っちゃうけど、今日は誕生日でしょ!」
ほたる「ああ、中日ドラゴンズ、根尾昴選手の……」
朋「ほたるちゃんの!!!!!」
ほたる「そ、そうでしたね……」
智絵里「ちなみに”すばる”じゃなくて”あきら”って読むんですよっ」
朋「智絵里ちゃんは誰に言ってるの?」
ほたる「ええと……私の誕生日を祝うために……?」
朋「もちろん!」
ほたる「す、すみません……! 私なんかのために……朋さんと智絵里さんが……」
朋「こらっ! ”私なんか”じゃないでしょ?」
ほたる「す、すみません……! 私ごときのために……朋さんと智絵里さんが……」
朋「悪化した!」
智絵里「”私ごとき”じゃないでしょ?」
ほたる「す、すみません……! 私のために……朋さんと智絵里さんごときが……」
智絵里「そ、そこじゃなくって……!!!」
朋(まだちょっと寝ぼけてるのかしら……)
6: ◆5AkoLefT7E 2019/04/19(金) 01:11:04.08 ID:w729B+070
朋「はいはい、とりあえず、顔洗ってきなさい? 智絵里ちゃん、髪はもう整った?」
智絵里「盛りますかっ」
朋「大丈夫みたいね。ほらほら」
智絵里(無視……)シュン
ほたる「智絵里さん、すみません、髪、整えさせてしま」
智絵里「むっ!」ペチン!!
ほたる「!?」
智絵里「……」ジーッ
ほたる「えっと……すみま」
智絵里「むむっ!」ペチン!!
ほたる「あの……なぜビンタを……」
智絵里「……」ジーッ
ほたる「???」
朋「ほたるちゃん。智絵里ちゃんが言ってほしいのは、謝る言葉じゃなくって……」
ほたる「あ……」
智絵里「……」ジーッ
ほたる「智絵里さん……、ありがとう……ございます……」
智絵里「……」
ほたる「……」
智絵里「……うんっ!」ペチン!!!
朋「結局!?」
7: ◆5AkoLefT7E 2019/04/19(金) 01:11:36.22 ID:w729B+070
朋「それはおかしくない!?」
智絵里「ご、ごめんねほたるちゃん……! そういう流れかなって……」
朋「智絵里ちゃん、単にビンタしたいだけの人だったけど!?」
ほたる「と、とりあえず顔を洗ってきます……」トコトコ
朋「い、いってらっしゃい……」
智絵里「ほたるちゃんのタンスから開けますか? 机の引き出し? クローゼット?」ワクワク
朋「やめなさい」
智絵里「はい……」シュン
8: ◆5AkoLefT7E 2019/04/19(金) 01:12:19.40 ID:w729B+070
〜食堂〜
朋「おっはよー!」トコトコ
智絵里「おはようございますっ」トコトコ
五十嵐響子「あっ、おはようございます!」
朋「響子ちゃん、あたしたちがやっちゃうわね! ほたるちゃんは座ってて!」
ほたる「えっ、でも……」
響子「普段はセルフサービスですけど……今日くらいは待ってて大丈夫だよ。お誕生日、おめでとうございますっ♪」
ほたる「あっ、ありがとうございます……」
朋「ごはんと~お味噌汁と~こっちのお皿は~」テキパキ
智絵里「こっち、運んじゃいますねっ」ササッ
響子「……」
ほたる「あの……響子さんは、台所に行かないんですか?」
響子「はいっ。だって今日は、朋さんと智絵里さんが……」
朋「おっと響子ちゃん。そこからはあたしたちが説明するわ!」
ほたる「……?」
響子「ふふっ。じゃあ私は黙ってますね」
朋「はい、ほたるちゃんの朝ごはんよ!」
ほたる「は、はいっ……あの……もしかしてこの料理……」
朋「ふっふーん! よくぞ聞いてくれました! この料理、あたしと智絵里ちゃんの手作りよ!」
ほたる「そうなんですね……! 嬉しいです……!」
智絵里「まあほとんど響子ちゃんに教わったままだけど……」
朋「い、いいのよ! こういうのは気持ち! でしょ?」
響子(そうですよ!)
ほたる(どうして脳内に直接……!?)
9: ◆5AkoLefT7E 2019/04/19(金) 01:12:53.53 ID:w729B+070
智絵里「食材も、3人で買いに行ったんだよっ」
ほたる「そうだったんですか……」
朋「朝4時にね!」
ほたる「!?」
智絵里「響子ちゃんには朝早くから付き合ってもらっちゃったけど……」
響子「……………………ぜんぜん大丈夫ですよっ」
ほたる(間がありましたね……)
10: ◆5AkoLefT7E 2019/04/19(金) 01:13:26.19 ID:w729B+070
ほたる「で、でもどうして」
朋「なんか朝早い市場の野菜とかお魚って美味しそうじゃない?」
ほたる「えっと……答えになっていないような……」
智絵里「朋さんっ、趣旨をそろそろ説明してあげましょう?」
朋「あ、それもそうね!」
ほたる「?」
朋「えー、コホン」
智絵里「今日はっ」
朋「なんと!」
ほたる「なんと……?」
朋&智絵里「『超☆ほたるちゃん甘やかしデー』なのよ!(なんだよっ!)」
ほたる「ち、超☆ほたるちゃん甘やかしデー……!?」
11: ◆5AkoLefT7E 2019/04/19(金) 01:14:12.78 ID:w729B+070
朋「そ! だから朝早くからお世話をするためにリビングでスタンバイしてたし、その前に食材を買ったり朝食の準備を整えたりしてたの!」
ほたる「な、なるほど……?」
智絵里「もっと嬉しそうにしていいんだよ……?」
ほたる「い、いえ、少しびっくりしてしまって……」
朋「ほたるちゃんの誕生日を迎えるにあたってね? 智絵里ちゃんと話してたの」
智絵里「ほたるちゃん、大きなパーティーとかは気を遣っちゃいそうだし……」
朋「3人で遊びに行ってもいいけど、それじゃいつも通りでしょ?」
ほたる「私は……それでも十分……」
朋「ほら! それよ!」ビシィ
ほたる「!?」
朋「ほたるちゃんはすぐ遠慮するんだから! なんでもひとりでやろうとするし! そりゃえらいけど、ほたるちゃんはまだまだ中学生でしょ!? もっと甘えなさい!」
智絵里「……ってことになって、だったら誕生日は徹底的に甘やかそうってなったの」
ほたる「そ、そうだったんですね……ありがとうございます……」ホロリ
朋「わー! 流石に泣くには早いわよ!」
ほたる「す、すみません……」
朋「今日はなんでもしてあげるからね! 植木鉢の身代わり以外だったら!」
智絵里「お姉さんにたくさん甘えてっ! 植木鉢の身代わり以外で!」
ほたる「警戒してますね……」
12: ◆5AkoLefT7E 2019/04/19(金) 01:14:41.44 ID:w729B+070
朋「っと……! ご飯、冷めちゃうわね!」
ほたる「あっ、そうですね、では、いただきま……あれ、箸がないですね。取りに……」
朋「ほたるちゃん?」
ほたる「へ?」
智絵里「違うよね?」
ほたる「あ……では……智絵里さん、箸を取ってきてもらっても……」
朋「ほたるちゃん?」
ほたる「へ?」
智絵里「違うよね?」
ほたる「え? ええと……?」
朋「あたしは持ってるわよ、箸」
智絵里「わたしもですっ」
ほたる「え、あ、いつの間に……でも、おふたりの前には料理がありませんが……」
智絵里「わたしたちは先に食べちゃったから」
ほたる「ではどうして……」
朋「ほたるちゃん、どれから食べる?」
ほたる「……はい?」
智絵里「お味噌汁? 焼き魚? お新香? 卵焼き?」
ほたる「も、もしかして……」
朋「じゃ、卵焼きからいっちゃいましょうか?」
ほたる「えっえっ」
朋「はい、あーん」ヒョイッ
ほたる「えええええっ!?」
13: ◆5AkoLefT7E 2019/04/19(金) 01:15:17.91 ID:w729B+070
朋「ほらほら、早くしないと、腕が疲れちゃうわよ」
ほたる「えええ」
智絵里「ほらほら♪」
ほたる「い、いいいいいただきましゅっ!」パクッ
朋「味はどう? 濃すぎたりしない?」
ほたる「わからない……です……」プシュー
智絵里「はいっ、次は焼き魚だよっ。あーん♪」
ほたる「も、もしかしてこれ朝食の間ずっと」
智絵里「あーんっ」
ほたる「うう……あーん……」パクッ
智絵里「どうかな?」
ほたる「わ、わからないって言ってるじゃないですか……!!!」プシュー
響子(存在感ないけど、ずっといます。五十嵐響子です。なんだかすっごく見せつけられてる気がします。五十嵐響子です)
14: ◆5AkoLefT7E 2019/04/19(金) 01:16:01.28 ID:w729B+070
朋「あら、響子ちゃんもあーんしてあげよっか?」
響子「い、いえいえ! 大丈夫ですっ!」
智絵里「鳥取県民甘やかしデーにしてもいいけど……」
朋「ちょっとあたしたちの手には余るわね……」
響子(ちょっと……?)
智絵里「ちょっと都道府県は……」
響子(ちょっと……???)
15: ◆5AkoLefT7E 2019/04/19(金) 01:16:39.17 ID:w729B+070
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ほたる「ご、ごちそうさまでした……」
朋「どうだったかしら?」
ほたる「味が……全然わからなかったです……」
智絵里「今日1日で慣れていこうねっ」
ほたる「お、お昼も夜もですか……!?」
朋「じゃ、一旦ほたるちゃんの部屋に戻りましょうか?」
智絵里「響子ちゃん、ありがとうございましたっ」
響子「いえいえ♪ ほたるちゃん、えっと……楽しんで!」グッ
ほたる(半ば励ますニュアンスが入っているような……)
朋「ほたるちゃん、おんぶがいい? 抱っこがいい?」
ほたる「じ、自分で歩けますっ……!!!」
16: ◆5AkoLefT7E 2019/04/19(金) 01:17:24.04 ID:w729B+070
〜廊下〜
朋「残念ね……」トコトコ
ほたる「何がですか……?」トコトコ
朋「ほたるちゃんを運ぶために、智絵里ちゃんで練習したのに……」トコトコ
ほたる「……へ?」
朋「おんぶとか、お姫様抱っことか……」
ほたる「!?」
智絵里「ふふっ」ドヤッ
ほたる「!?」
朋「ま、でも確かにちょっと恥ずかしいわよね。流石に……」
ほたる「ああっ、なんだかあしがきゅうにいたくなってしまいましたー……」ヨロリ
智絵里「!?」
朋「ほたるちゃん!?」
智絵里(し、白々しいっ……! でも……)
ほたる「えっと……その……あるけないなー……なんて……」
朋「! ……ふふっ、今日はそういう時に、素直になっていい日なのに」
ほたる「……はい」
朋「じゃ、ちょっと横向いて、膝を曲げてー」
ほたる「え? あ、いえ、おんぶで大丈夫なので」
朋「大丈夫大丈夫! 鍛えてるんだから!」
智絵里「そうだよっ。朋さんは『どすこーい!』って鍛えてるんだからっ」
朋「そ、その掛け声は言わなくってもいいから!」
17: ◆5AkoLefT7E 2019/04/19(金) 01:18:04.51 ID:w729B+070
朋「いくわよー!」
ほたる「は、はいっ……!」
朋「……っしゃッ! どすこーい!!!」ヒョイッ
智絵里(結局言うんかーいっ)ビシッ
ほたる「はわわわわわ」
朋「どうかしら!」
ほたる「かっ、顔……近……」プシュー
智絵里「むー……」
朋「じゃ、部屋までごあんなーい!」トコトコ
ほたる「はわわわわ」
智絵里(今日だけだからねっ)
朋「?」
18: ◆5AkoLefT7E 2019/04/19(金) 01:19:04.67 ID:w729B+070
~ほたるの部屋~
朋「じゃあほたるちゃん! 何でも言って!」
智絵里「どうぞっ!」
ほたる「ええと……そんな……いきなり……うーん……」
朋「……」
ほたる「ううん……ええっと……むー……」
朋「……」
ほたる「何でも……んん……うう……」
朋「じゃ、思いつくまで撫でてあげる!」
ほたる「へっ」
朋「ほたるちゃーん! よーしよしよし! わしゃわしゃわしゃわしゃ!」ワシャワシャ
ほたる「ひゃっ!? と、朋さっ!?」
智絵里「髪、直してあげるねっ」サッ サッ サッ
ほたる「あ、ありがとうございま」
朋「わしゃわしゃわしゃわしゃ!!!」ワシャワシャ
ほたる「ひゃっ!?」
智絵里「直してあげるねっ」サッ サッ サッ
ほたる「あ、ありがとうござ」
朋「わしゃわしゃわしゃわしゃ!!!!」ワシャワシャ
ほたる「これなんなんですか!?」
19: ◆5AkoLefT7E 2019/04/19(金) 01:20:04.38 ID:w729B+070
ほたる「ど、どうして撫で方がムツ○ロウさんスタイルなんですか……!?」
朋「ごめん……」
ほたる「まさか智絵里さんの方がまともに見える日がくるとは思わなかったです……」
智絵里(でぃすられてるっ!?)
朋「えっと、正直、正直ね?」
ほたる「はい……?」
朋「甘やかし方がわかんない……」
ほたる「ええ……」
朋「だ、だってあたし、そういうタイプのキャラじゃないし! だからお願い! あたしのお姉ちゃん力を鍛えると思って!」
ほたる「立場がよくわからなくなってきましたね……」
20: ◆5AkoLefT7E 2019/04/19(金) 01:20:48.92 ID:w729B+070
智絵里「でも、甘やかすのも難しいですけど、甘えるのも難しいよね……?」
ほたる「はい……どうしても、なんだか申し訳なくて……」
朋「遠慮しなくていいのにー」
智絵里「うんっ。わたしたちをお姉ちゃんだと思っていいんだよ?」
ほたる「お姉ちゃん……? えっと……朋お姉ちゃん、智絵里お姉ちゃん……?」
朋「……!!!」キュン
智絵里「……!!!」キュン
ほたる「?」
朋「わしゃわしゃわしゃわしゃ!!!!」ワシャワシャ
ほたる「そ、それはもういいですからっ……!」
21: ◆5AkoLefT7E 2019/04/19(金) 01:21:39.86 ID:w729B+070
朋「いつぞやの開運ツアーでも思ったけど、ほたるちゃんからのお姉ちゃん呼びは危険ね……!」
智絵里「はい……! 敵ながらあっぱれです……」
朋「敵ではないわ」
ほたる「えっと……よくわからないですが、お姉ちゃん呼びはやめた方が……」
朋「続けて」
智絵里「続けて」
ほたる「ええ……」
22: ◆5AkoLefT7E 2019/04/19(金) 01:22:43.03 ID:w729B+070
朋「って、あ!!!」
ほたる「ど、どうしたんですか……?」
朋「思いついたわ! お姉ちゃんっぽいこと!」
智絵里「?」
朋「ほたるちゃん! 来て!」ポンポン
ほたる(朋さんが……ふとももの辺りをポンポンしてる……ということは)
朋「そう! ひざまくら!」
ほたる「ええと……でもまだお昼前ですし……」
朋「いいからいいから! やってみたかったのよ!」
ほたる「ですが……」
朋「……イヤ?」シュン
ほたる「うっ……そ、その聞き方はズルいです……」
智絵里「代わりにわたしが朋さんのひざまくらを借りても」
ほたる「では失礼します……」ズイッ
智絵里(食い気味に……)
23: ◆5AkoLefT7E 2019/04/19(金) 01:23:26.95 ID:w729B+070
ほたる「……」
朋「ど……どう?」
ほたる「とても……安心します……」
朋「……よかった」ナデナデ
ほたる「ふふっ……くすぐったいです……」
朋「寝ちゃってもいいのよ?」
智絵里「じゃあ、子守歌、歌ってあげるね?」
朋「お、いいじゃない!」
ほたる「そ、そんな……悪いです……」
朋「こらっ。遠慮しちゃダメよ。今日は、ね」
ほたる「……そう、ですね」
智絵里「では……、すぅ……」
智絵里「くれないだー!!!!!」ドコドコドコドコ
朋「寝かせる気ある!?!?!?」
24: ◆5AkoLefT7E 2019/04/19(金) 01:24:04.88 ID:w729B+070
朋「しかもよりによってカバー曲じゃないの!」
智絵里「て、テンションが上がってしまって……」
朋「ほら! もっとゆっくりな曲あるでしょ!」
智絵里「は、はいっ」
智絵里「すぅ……」
智絵里「シ・ン・ジ・ツ・コ・ダ・ワ・リ・ユ・イ・イ・ツ・ミ・ツ・ケ……」
朋「死んじゃいそうな選曲もやめなさい!」
智絵里「そ、そのツッコミもどうかと」
朋「ほら、智絵里ちゃんの曲とか子守歌にちょうど向いてそうじゃない!」
智絵里「た、確かにですっ……!」
智絵里「すぅ……」
智絵里「お前も蝋人形にしてやろうか!!!」
朋「智絵里ちゃんいつ聖飢魔Ⅱカバーしたの!?」
25: ◆5AkoLefT7E 2019/04/19(金) 01:24:45.75 ID:w729B+070
朋「ぜんぜんダメよ! 子守歌になってない!!!」
智絵里「うう……ごめんなさい……」
朋「ほら、ほたるちゃんもこんなんじゃ寝れないわよね?」
ほたる「ZZZ……」スピー
朋「うっそぉ!?」
智絵里「震えて眠れ 明日はもうないさ~♪」
朋「聖飢魔Ⅱを再開しないで!!!」
26: ◆5AkoLefT7E 2019/04/19(金) 01:25:25.75 ID:w729B+070
智絵里「ほたるちゃんにとっては、わたしたちの掛け合いが何よりも安心する子守歌なんだね……」ナデナデ
朋「なんでちょっといい感じにまとめてるの……」
ほたる「……むにゃむにゃ」
智絵里「あっ、何か言ってますっ」
朋「あら、寝言かしら?」
ほたる「……すみません……すみません」ムニャムニャ
朋「もー、夢の中でまで謝ってる……」
智絵里「ほたるちゃんらしいですね……」
ほたる「すみません……本日の営業は……これをもちまして……終了と……」ムニャムニャ
朋「……いや、何の夢……?」
智絵里「ふふっ。初めての収録がソロ曲でもユニット曲でもなくて”実用音楽その1 閉店の音楽”のナレーションになってしまったCDが17日の水曜日に発売され、全国の書店、CDショップで好評発売中になっている夢でも見てるのかな……?」
朋「推測が具体的すぎない?」
27: ◆5AkoLefT7E 2019/04/19(金) 01:25:51.55 ID:w729B+070
~~~~~~~~~~
ほたる「ふぁあ……はっ! わ、私……す、すみません!」
朋「あ、起きた?」
智絵里「気にしないで大丈夫だよっ」
ほたる「ど、どれくらい寝てましたか……?」
朋「そんなでもないわよ? 今、お昼過ぎくらいだから」
ほたる「そうですか……」
朋「ねね! そんなことより、どうだった?」
ほたる「どう……とは」
朋「あたしのひざまくらよ! 昔から言うでしょ? ”健全なお姉さんには健全なひざまくらが宿る”って!」
ほたる「初耳です……」
28: ◆5AkoLefT7E 2019/04/19(金) 01:26:20.49 ID:w729B+070
朋「どうだった? どうだった?」
ほたる「その……とっても、安心しました」
朋「……(照)」
ほたる「朋さんの優しさに……包まれているような……」
朋「……(照)」
ほたる「すごく気持ちよくて……暖かくて……」
朋「……(照)」
ほたる「”幸せだな”って……」
朋「……(照)」
智絵里(照れるなら聞かなければいいんじゃないでしょうか……)
29: ◆5AkoLefT7E 2019/04/19(金) 01:27:13.29 ID:w729B+070
朋「はい! そ、そこまで! またのご利用をお待ちしてるわ!!!」
ほたる「は、はい……ぜひ……!」
智絵里「そろそろ、お昼に行きませんか?」
朋「お、いいわね! おなか空いちゃった!」
ほたる「そうしましょう……」
朋「じゃ、どこにする? ほたるちゃん」
ほたる「え、わ、私ですか?」
智絵里「きまってるでしょ?」
朋「うんうん!」
ほたる「私は……みんなで食べるならどこでも……」
朋「……」ジーッ
智絵里「……」ジーッ
ほたる「……というのはダメなんですよね」
朋「わかってきたみたいね!」
ほたる「とは言いましても……あっ」
朋「お、何か思いついた? 高いところでもいいわよ! ちゃんとお金おろしてきたから!」
智絵里「ミシュランでもアシュラマンでもかかってきてっ!」
ほたる「アシュラマンさんはグルメガイドを刊行していないと思いますが……」
30: ◆5AkoLefT7E 2019/04/19(金) 01:27:46.33 ID:w729B+070
~ファミレス~
朋「ごちそうさまー!」
ほたる「ごちそうさまでした……」
智絵里「美味しかったですねっ。でもほたるちゃん、本当にここでよかったの?」
朋「ねー? こんなとこ……とか言っちゃいけないけど、いつでも来れるのに……」
ほたる「い、いえ……ええと……」モジモジ
朋「?」
ほたる「あの……うう……す、すみませーん……!」
店員「はい。ご注文ですか?」
ほたる「えっと……こ、この、超ジャンボチョコレートパフェを……!」
智絵里「!?」
朋「!?」
店員「本当に大丈夫ですか?」
朋(確認されてる!?)
ほたる「誕生日なので……!」グッ
店員「……! かしこまりました」
朋(説明になってた?)
31: ◆5AkoLefT7E 2019/04/19(金) 01:28:15.41 ID:w729B+070
朋「ほ、ほたるちゃん?」
ほたる「あの……ずっと、食べてみたくて……でも一人じゃ食べきれないし……他の人に押し付けるのも……って、思ってて……」
朋「ち、智絵里ちゃん!」
智絵里「と、朋さんっ!」
ほたる「?」
朋「ほたるちゃんがようやくわがままを言ってくれた……!」ウワーン
智絵里「よかったです……!」ウワーン
ほたる「な、泣くほど……!?」
32: ◆5AkoLefT7E 2019/04/19(金) 01:28:45.55 ID:w729B+070
朋「こういうのを待ってたのよ! こういう、”他の人には頼みにくいけど仲良しの人になら”系を!」
ほたる「は、はあ……」
智絵里「しかもパフェですっ」
朋「最高ね! パフェでもなんでもかかってきなさい! ほたるちゃんが食べきれなかった分は、あたしたちが責任を持って」
店員「お待たせいたしました。超ジャンボチョコレートパフェになります」
巨大なパフェのような何か「……」ドドドドドドドドーン!!!!!!!!
朋「」
33: ◆5AkoLefT7E 2019/04/19(金) 01:29:20.71 ID:w729B+070
朋「……なにこれ」
智絵里「パフェ……です」
朋「向こう側のほたるちゃんの顔が隠れてるのに?」
智絵里「えっと……、はい」
ほたる「が、がんばりましょう!」ヒョコッ
朋「パフェを横に避けながら話しかけられたの初めてよ」
34: ◆5AkoLefT7E 2019/04/19(金) 01:29:59.47 ID:w729B+070
朋「はい! あーん!」ヒョイ
ほたる「おいひいれす……」モグモグ
智絵里「あーん!」ヒョイ
ほたる「あまいです……」モグモグ
朋「あーん!」ヒョイ
ほたる「ここはビターですね……」モグモグ
智絵里「あーん!」ヒョイ
ほたる「ウエハースも美味しいですが……あの……」モグモグ
朋「あーん!」ヒョイ
ほたる「ティラミスのような層も……美味しいですが……」
智絵里「あーん!」ヒョイ
ほたる「クリームも滑らかで美味しふたりは食べないんですか……!?」
35: ◆5AkoLefT7E 2019/04/19(金) 01:30:28.57 ID:w729B+070
ほたる「みんなで食べましょう……?」
朋「そ、そうね……!」
智絵里「は、はいっ!」
朋「……」パクッ
朋「ん! 美味しい!」
智絵里「……」パクッ
智絵里「本当ですね……!」
朋「でも……」
智絵里「……はい」
朋&智絵里「「減らない……」」ズーン
36: ◆5AkoLefT7E 2019/04/19(金) 01:31:31.12 ID:w729B+070
智絵里「か、かな子ちゃんに連絡しておこうかな……」
朋「誰かよく食べる知り合い、いたかしら……?」
ほたる「い、いえ!」
朋「え?」
ほたる「わ、私が食べますっ……! 頼んだのは私なので……!」モグモグ
智絵里「ほたるちゃん……」
朋「……わかったわ。その代わり、智絵里ちゃん、アレ、やりましょ!」
智絵里「アレ、ですねっ」
ほたる「アレ……?」
朋「ほたるちゃん、すごい! カワイイ! 頼もしい!」
智絵里「ほたるちゃん! 強い! かっこいい! カワイイ!」
ほたる「!?」
37: ◆5AkoLefT7E 2019/04/19(金) 01:32:11.37 ID:w729B+070
朋「カワイイ! かしこい! 美しい!」
智絵里「硬い! 歌が上手い カワイイ!」
ほたる「あ、あのあの! な、なんですか……!?」
朋「さっき、ほたるちゃんが寝てる間に、智絵里ちゃんと話し合ったの!」
智絵里「どんな甘やかし方があるかな? って調べたら、一番先に出てきたのが……」
朋「ほめちぎる!」
ほたる「!?」
朋「だから、応援の気持ちを込めて褒めるわ! カワイイ! 天使!」
ほたる「た、食べにくい……です……!」カァァァァァァ
智絵里「頑丈! しぶとい! パーティの壁役に向いてるっ!」
ほたる「ほ、褒めてますか……!?」
38: ◆5AkoLefT7E 2019/04/19(金) 01:32:39.31 ID:w729B+070
~30分後~
ほたる「ごちそうさま……でした……」
朋「流石ほたるちゃん! カワイイ! 最高よ!」
ほたる「いえ、おふたりこそ、協力してくださってありがとうございます……」
朋「まあ、流石に褒めるだけじゃアレかなって……」
智絵里「でも、ほたるちゃんが一番食べてたよっ」
ほたる「美味しかったです……えへへ……」
朋「じゃ、この後はどうす……」
ピピピピピピ
朋「あら、ごめん、あたしみたい……もしもし?」
朋「あ、プロデューサー。どうしたの?」
朋「うん、オフだけど……え!? ユッコちゃんの代役で?」
朋「うーん……でも、お仕事だもんね? わかったわ。……え? 智絵里ちゃん? いるけど……」
智絵里「?」
智絵里「はい、お電話かわりました、智絵里です」
智絵里「い、今からお仕事ですか……? 代役……? 茜ちゃんの……!?」
朋「それはキャラが遠すぎない!?」
39: ◆5AkoLefT7E 2019/04/19(金) 01:33:08.16 ID:w729B+070
朋「と、いうわけで……」
智絵里「いうわけで……」
ほたる「えっと……」
朋「ごめんほたるちゃん!!!」
智絵里「ごめんねほたるちゃんっ……!」
ほたる「い、いえいえ! 十分楽しませていただきましたし、お仕事ならしかたないです……!」
朋「来年までにはもっと甘やかし上手になってるから!」
ほたる「来年もやるんですか……!?」
40: ◆5AkoLefT7E 2019/04/19(金) 01:33:49.03 ID:w729B+070
朋「じゃ、出ましょっか! すいませーん、お会計を」
店員「失礼します。本日お誕生日のお客様は……」
ほたる「へ? 私ですが……」
店員「おめでとうございます。只今キャンペーンを実施しておりまして、お誕生日のお客様に……」
朋「あら! 何かもらえるのかしら!」
店員「こちらの超ジャンボサーロインステーキをサービスしております!」
肉塊「……」ジュゥゥゥゥゥゥゥゥ
朋「」
智絵里「」
ほたる「」
店員「ごゆっくりどうぞ!」
朋「あっちょっ!!!」
智絵里「……」
ほたる「……」
朋「……」
智絵里「……」
ほたる「……いただきます!!!!!」
朋「(たとえ満腹でも好意でもらったものは決して無下にはしない優しい)ほたるちゃん!!!!!」
※通りすがりのニュージェネが助けてくれました。
おわり
41: ◆5AkoLefT7E 2019/04/19(金) 01:34:17.69 ID:w729B+070
ありがとうございました。
ほたるちゃん、お誕生日おめでとう!
直近の過去作
多田李衣菜「Let'sインスタ映え!」前川みく「狙えるものじゃないにゃ」
渋谷凛「なにかバイトを」本田未央「してみたい?」
藤居朋・橘ありす・本田未央らの苦労人慰安旅行(pixivのみ)
などもよろしくお願いします
42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/04/19(金) 02:22:26.16 ID:y7FBThRDO
乙
通り掛かりのニュージェネはどの空間のニュージェネだったのですかね?
通り掛かりのニュージェネはどの空間のニュージェネだったのですかね?
43: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/04/20(土) 03:46:16.39 ID:Kr/sHcDO0
ニュージェネ(主に島村と良心で参加した本田)
引用元: 緒方智絵里「ほたるちゃんを」藤居朋「徹底的に甘やかすわよ!」
ピトー「ここは……?」レオリオ「よう、大丈夫か?」
2019-04-29
40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/17(木) 00:13:02.78 ID:y6/mSGSL0
ピトー「! ……うっ」
レオリオ「おいおい無理すんなよ、傷口開くぜ」
ピトー「……ッ」
レオリオ「びっくりしたぜ、森ん中で全身ズタボロで倒れてるんだもんな。
おまけに耳や尻尾まで生えてるしよ、猫かと思っちまったぜ」
ピトー「……」
レオリオ「そんなに睨むなって、取って食おうだなんて思ってねぇよ。
見たところワケアリだろ? 深くは聞かねぇよ。 まぁ治るまでゆっくりしていけ」
レオリオ「あ、オレはレオリオ。 よろしくな」
レオリオ「おいおい無理すんなよ、傷口開くぜ」
ピトー「……ッ」
レオリオ「びっくりしたぜ、森ん中で全身ズタボロで倒れてるんだもんな。
おまけに耳や尻尾まで生えてるしよ、猫かと思っちまったぜ」
ピトー「……」
レオリオ「そんなに睨むなって、取って食おうだなんて思ってねぇよ。
見たところワケアリだろ? 深くは聞かねぇよ。 まぁ治るまでゆっくりしていけ」
レオリオ「あ、オレはレオリオ。 よろしくな」
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【ラブライブサンシャイン】善子「運命の引力」
【悲報】Twitterで3年前に「令和」を予言してたものがいたwwwwwwwww
46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/17(木) 00:29:55.99 ID:y6/mSGSL0
ピトー「この怪我はお前が……?」
レオリオ「おう、そうだ」
ピトー(……念の気配が残っている。 こいつ、念能力者……。
ボクの事を狙っている? けどこの人間は大したことはなさそう)
ピトー(とは言っても、"玩具修理者"どころか動くことさえできない……どうすれば)
レオリオ「とにかく、今は寝てろ。 怪我にゃそれが一番だ」
ピトー「……」
ピトー(……いつ不審な動きをするか分からない。 それまでに出来るだけ体力を回復させなければ)
レオリオ「おう、そうだ」
ピトー(……念の気配が残っている。 こいつ、念能力者……。
ボクの事を狙っている? けどこの人間は大したことはなさそう)
ピトー(とは言っても、"玩具修理者"どころか動くことさえできない……どうすれば)
レオリオ「とにかく、今は寝てろ。 怪我にゃそれが一番だ」
ピトー「……」
ピトー(……いつ不審な動きをするか分からない。 それまでに出来るだけ体力を回復させなければ)
51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/17(木) 00:39:50.44 ID:y6/mSGSL0
ピトー「――……!」
ピトー(寝てしまった、いつの間に……)
レオリオ「おう起きたか。 飯持ってきたぜ、食えるか?
っつっても起きれねぇか。 ほら口開けろ、粥ぐらいなら腹も受け付けるだろ?」
ピトー「……」
レオリオ「食わねぇと治るモンも治らねぇぜ? 毒なんか入ってねえ、ほら」
ピトー「……~~~!! あ、熱いニャ……」
レオリオ「おいおいコレでも冷ましてあるんだぞ、すげー猫舌だな」
57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/17(木) 01:09:15.11 ID:y6/mSGSL0
レオリオ「御馳走さんでしたと。 んじゃ包帯でも取り替えるか」
ピトー「……」
レオリオ「おお、大分良くなってきてるな。 人間離れした回復力だ」
ピトー(それでもまだ、何も出来ない……)
ピトー(こんなことをしている場合じゃない、早く治して王の所に……)
ピトー「…いニ゛ャ!!」
レオリオ「おっと 悪ぃ」
ピトー「……」
レオリオ「おお、大分良くなってきてるな。 人間離れした回復力だ」
ピトー(それでもまだ、何も出来ない……)
ピトー(こんなことをしている場合じゃない、早く治して王の所に……)
ピトー「…いニ゛ャ!!」
レオリオ「おっと 悪ぃ」
58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/17(木) 01:16:22.51 ID:y6/mSGSL0
ピトー「……ボクをどうする気だ、束縛して生きた研究材料として差し出すか?」
レオリオ「はぁ? そんなことしねーよ。 怪我人がいたから治す、それだけだ。 例え人間じゃなくてもな」
ピトー「……」
ピトー(……周囲から人間の喧騒、電波によるノイズは聴こえない。 他の念能力者の気配も無い)
ピトー(完全とまではいかなくとも、信用してもいい……か?)
ピトー「……ボクは、ネフェルピトー」
レオリオ「ん、ネフェ…?」
ピトー「……ピトーでいい。 ……ニャ」
レオリオ「そうか、ピトーだな」
レオリオ「はぁ? そんなことしねーよ。 怪我人がいたから治す、それだけだ。 例え人間じゃなくてもな」
ピトー「……」
ピトー(……周囲から人間の喧騒、電波によるノイズは聴こえない。 他の念能力者の気配も無い)
ピトー(完全とまではいかなくとも、信用してもいい……か?)
ピトー「……ボクは、ネフェルピトー」
レオリオ「ん、ネフェ…?」
ピトー「……ピトーでいい。 ……ニャ」
レオリオ「そうか、ピトーだな」
63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/17(木) 01:45:47.96 ID:y6/mSGSL0
レオリオ「さて、どうする。 音楽でも流すか?
ここは田舎でな、テレビどころかラジオも聴けねぇんだ」
ピトー「耳障りだニャ」
レオリオ「じゃあ本でも読むか? なんならオレ秘蔵の……」
ピトー「……カーテンを」
レオリオ「ん、ああ、今日はいい天気だな。 日向ぼっこでもするのか、流石猫」
レオリオ「じゃ、オレは横の部屋に居るから、何かあったら呼んでくれな」
ここは田舎でな、テレビどころかラジオも聴けねぇんだ」
ピトー「耳障りだニャ」
レオリオ「じゃあ本でも読むか? なんならオレ秘蔵の……」
ピトー「……カーテンを」
レオリオ「ん、ああ、今日はいい天気だな。 日向ぼっこでもするのか、流石猫」
レオリオ「じゃ、オレは横の部屋に居るから、何かあったら呼んでくれな」
68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/17(木) 02:04:19.40 ID:y6/mSGSL0
ピトー「――……」
ピトー(また、寝てしまった。 もう夕方……)
レオリオ「おう、夕飯だぜ。 まぁ病人にはまだ粥だけどな」
ピトー「……それ嫌いニャ」
レオリオ「大丈夫だよ、ちゃんとふーふーしてやっから」
レオリオ「ほれ、あーん」
ピトー「……」
レオリオ「どうだ、レオリオさん特性粥は美味えだろ」
ピトー「……」
71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/17(木) 02:28:19.36 ID:y6/mSGSL0
ピトー(いつまでこんな状態が続く?)
ピトー(まだ身体は碌に動かせない。 いやそれよりも"玩具修理者"が使えないことが問題)
ピトー(円や凝は使える。 なのに何故玩具修理者や黒子舞想は使えない?)
レオリオ「ん、どうした真剣な顔して? やっぱりまだ痛むか?」
ピトー「……僅かに、念の気配を感じる。 どんな能力を?」
レオリオ「! 念を知ってるのか。 いや俺はな、正直まだ使いこなせてないんだよ。
放出系らしいから、操作系と合わせて手術の手助けに使いたいとは思ってるんだけどな」
レオリオ「今はそれより、医者になるための勉強だ」
ピトー「……そうか」
ピトー(この男が何かをやったとは考えにくい……)
ピトー(まだ身体は碌に動かせない。 いやそれよりも"玩具修理者"が使えないことが問題)
ピトー(円や凝は使える。 なのに何故玩具修理者や黒子舞想は使えない?)
レオリオ「ん、どうした真剣な顔して? やっぱりまだ痛むか?」
ピトー「……僅かに、念の気配を感じる。 どんな能力を?」
レオリオ「! 念を知ってるのか。 いや俺はな、正直まだ使いこなせてないんだよ。
放出系らしいから、操作系と合わせて手術の手助けに使いたいとは思ってるんだけどな」
レオリオ「今はそれより、医者になるための勉強だ」
ピトー「……そうか」
ピトー(この男が何かをやったとは考えにくい……)
75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/17(木) 02:47:48.79 ID:y6/mSGSL0
レオリオ「念を感じることができるなら、ピトーもそうなんだろ? どんな能力なんだ?」
ピトー「ボクは……いや、ボクも、まだ使いこなせていないんだ」
レオリオ「そうか。 難しいよなーこれ」
ピトー「……ところで」
レオリオ「ん」
ピトー「向こうから良い匂いがするニャ」
レオリオ「ああ、俺の晩飯だな」
ピトー「……」
レオリオ「な、なんだその目は、病人の胃にゃ悪い、やらねーぞ!」
ピトー「……」
レオリオ「ちょ、ちょっとだけだからな!」
ピトー「ボクは……いや、ボクも、まだ使いこなせていないんだ」
レオリオ「そうか。 難しいよなーこれ」
ピトー「……ところで」
レオリオ「ん」
ピトー「向こうから良い匂いがするニャ」
レオリオ「ああ、俺の晩飯だな」
ピトー「……」
レオリオ「な、なんだその目は、病人の胃にゃ悪い、やらねーぞ!」
ピトー「……」
レオリオ「ちょ、ちょっとだけだからな!」
109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/17(木) 12:58:13.21 ID:y6/mSGSL0
―――――
―――
―
レオリオ「お、もう立って歩けるのか」
ピトー(目覚めてから5日、怪我のほうは大分いい。 けどまだ完全とは言えない……)
ピトー「……外に行ってもいいかニャ?」
レオリオ「大丈夫か?」
ピトー(念能力も殆ど使えない今、狙われたら危険……円を巡らせるか、絶をするか…)
レオリオ「おい! 屋根の上は危険だって! 降りろ! おい!!」
ピトー(…危険は早めに察知しておいたほうがいい、やはり円で)
ピトー「大丈夫だニャ~」
レオリオ「まったく……これだから猫は」
―――
―
レオリオ「お、もう立って歩けるのか」
ピトー(目覚めてから5日、怪我のほうは大分いい。 けどまだ完全とは言えない……)
ピトー「……外に行ってもいいかニャ?」
レオリオ「大丈夫か?」
ピトー(念能力も殆ど使えない今、狙われたら危険……円を巡らせるか、絶をするか…)
レオリオ「おい! 屋根の上は危険だって! 降りろ! おい!!」
ピトー(…危険は早めに察知しておいたほうがいい、やはり円で)
ピトー「大丈夫だニャ~」
レオリオ「まったく……これだから猫は」
111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/17(木) 13:14:08.11 ID:y6/mSGSL0
レオリオ「おーい、飯だ、降りて来い」
ピトー「ニャ」
ピトー「……!」
レオリオ「そろそろ粥や雑炊に飽きてきただろ! だから今日からは普通の食事だ」
ピトー「ぁ」
レオリオ「? なんだよ」
ピトー「あーん」
レオリオ「もう動けるだろうが甘えるな! 自分で食え!」
ピトー「ニャ……」
ピトー「ニャ」
ピトー「……!」
レオリオ「そろそろ粥や雑炊に飽きてきただろ! だから今日からは普通の食事だ」
ピトー「ぁ」
レオリオ「? なんだよ」
ピトー「あーん」
レオリオ「もう動けるだろうが甘えるな! 自分で食え!」
ピトー「ニャ……」
117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/17(木) 13:55:50.81 ID:y6/mSGSL0
ピトー(ボクの面倒をみるメリットは何も無い。 殺すにしても捕獲するにしても弱っている時にするはず)
ピトー(また、ここはテレビもラジオもない。 外部からの情報がほとんど入らない)
ピトー(……こいつは、本当にボクや王のことを知らない……)
ピトー「っ……熱いニャ」
レオリオ「だったら自分で冷ませ、もう俺は食事の手伝いはしないぞ」
レオレオ「おいおい、あまりがっつくなよ、よく噛まないと胃に……」
レオリオ「ってやっぱり! 水飲め水! 水!」
ピトー(また、ここはテレビもラジオもない。 外部からの情報がほとんど入らない)
ピトー(……こいつは、本当にボクや王のことを知らない……)
ピトー「っ……熱いニャ」
レオリオ「だったら自分で冷ませ、もう俺は食事の手伝いはしないぞ」
レオレオ「おいおい、あまりがっつくなよ、よく噛まないと胃に……」
レオリオ「ってやっぱり! 水飲め水! 水!」
120: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/17(木) 14:11:12.48 ID:y6/mSGSL0
レオリオ「今日は買出しに行こうと思う。 留守番よろしくな」
ピトー「……ボクのことは」
レオリオ「ん? なんだ寂しいのか? 照れるだろ~」
ピトー「違う、他の人にボクのことは……」
レオリオ「…ああ、大丈夫だよ。 他人を売るようなことはしねぇ」
レオリオ「そんじゃな。 飯までには戻ってくる」
ピトー「……ボクのことは」
レオリオ「ん? なんだ寂しいのか? 照れるだろ~」
ピトー「違う、他の人にボクのことは……」
レオリオ「…ああ、大丈夫だよ。 他人を売るようなことはしねぇ」
レオリオ「そんじゃな。 飯までには戻ってくる」
121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/17(木) 14:13:33.41 ID:y6/mSGSL0
ピトー「……」
ピトー「……」
ピトー「……」
ピトー「……遅いニャ~」
ピトー「……」
ピトー「……zzZ...」
ピトー「……」
ピトー「……」
ピトー「……遅いニャ~」
ピトー「……」
ピトー「……zzZ...」
124: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/17(木) 14:33:43.30 ID:y6/mSGSL0
レオリオ「帰ったぞー」
ピトー「!」
ピトー「なんか良い匂いがするニャ?」
レオリオ「お、気付いたか? 流石だな」
レオリオ「でも先に飯済ませないとな! 腹減ったぜぇ」
レオリオ「ごちそうさんでしたと。 さて……」
ピトー「……!」
レオリオ「お待ち兼ねのマタタビだ!」
ピトー「!」
ピトー「なんか良い匂いがするニャ?」
レオリオ「お、気付いたか? 流石だな」
レオリオ「でも先に飯済ませないとな! 腹減ったぜぇ」
レオリオ「ごちそうさんでしたと。 さて……」
ピトー「……!」
レオリオ「お待ち兼ねのマタタビだ!」
126: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/17(木) 14:43:04.77 ID:y6/mSGSL0
レオリオ「いやー、町を歩いてたらペットショップに目ついてな。
ふらふらと中見てたら、猫のコーナーに置いてあったわけだ」
ピトー「いいからっ さっさと寄こせニャっ」
レオリオ「ほれほれ、どうだ、欲しいだろ?」
ピトー「~~~っ!」
レオリオ「ヘッヘ! そう簡単にはあげな……あれ!?」
ピトー「ぅニャ~っ♪」
レオリオ「なんて速さだ……」
ふらふらと中見てたら、猫のコーナーに置いてあったわけだ」
ピトー「いいからっ さっさと寄こせニャっ」
レオリオ「ほれほれ、どうだ、欲しいだろ?」
ピトー「~~~っ!」
レオリオ「ヘッヘ! そう簡単にはあげな……あれ!?」
ピトー「ぅニャ~っ♪」
レオリオ「なんて速さだ……」
129: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/17(木) 15:03:59.62 ID:y6/mSGSL0
ピトー「もっとっ もっとあるニャ?」
レオリオ「あるにはあるが……与えすぎは駄目だって書いt うぼあ!!」
ピトー「~♪」
レオリオ「お、重……上に乗るな! 涎汚え! 顔に…!」
ピトー「♪」
レオリオ「おふっ……お、おい、そこは……!」
ピトー「うにゃ~」
レオリオ「あ、あ……!」
レオリオ「あるにはあるが……与えすぎは駄目だって書いt うぼあ!!」
ピトー「~♪」
レオリオ「お、重……上に乗るな! 涎汚え! 顔に…!」
ピトー「♪」
レオリオ「おふっ……お、おい、そこは……!」
ピトー「うにゃ~」
レオリオ「あ、あ……!」
132: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/17(木) 15:07:10.26 ID:y6/mSGSL0
ピトー「……ニャ」
レオリオ「…? ど、どうした?」
ピトー「飽きたニャ」
レオリオ「え」
ピトー「もう寝るニャ~」
レオリオ「あ、そうですか」
レオリオ「……」
レオリオ「……もう使わねぇ、マタタビ…」
レオリオ「…? ど、どうした?」
ピトー「飽きたニャ」
レオリオ「え」
ピトー「もう寝るニャ~」
レオリオ「あ、そうですか」
レオリオ「……」
レオリオ「……もう使わねぇ、マタタビ…」
133: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/17(木) 15:16:20.04 ID:y6/mSGSL0
ピトー「ニャッ」
ピトー「ニャッ!」
レオリオ「うーんやっぱり猫と遊ぶならこういうのがいいな。 名前通り、猫じゃらし」
レオリオ「しかし……」
ピトー「ニャ!」
レオリオ「動きが速過ぎてこっちが疲れる…!」
134: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/17(木) 15:21:55.67 ID:y6/mSGSL0
レオリオ「はぁ、はぁっ……ストップ、もう止めだ。 疲れた」
ピトー「ニャ」
レオリオ「……お前、それだけ動けるならもう元気なんじゃないのか?」
ピトー「! ……いや……」
ピトー「まだ、治っていない、まだ、身体は痛い……」
レオリオ「それなら無理して動くなよ」
レオリオ「ほら、俺は飯の準備するから。 休んでろ」
ピトー「……」
ピトー「ニャ」
レオリオ「……お前、それだけ動けるならもう元気なんじゃないのか?」
ピトー「! ……いや……」
ピトー「まだ、治っていない、まだ、身体は痛い……」
レオリオ「それなら無理して動くなよ」
レオリオ「ほら、俺は飯の準備するから。 休んでろ」
ピトー「……」
137: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/17(木) 15:45:22.60 ID:y6/mSGSL0
レオリオ「飯だ飯! いただきますっと」
ピトー(本当はのん気にしている場合じゃない)
ピトー(身体は大分治った、それなのに念は全く回復しない……)
ピトー(今は匿ってもらえているが、それだっていつまで続くか――)
ピトー「…!!!」
レオリオ「? スプーン落としたぞ」
ピトー「ぁ……」
レオリオ「おい、大丈夫か? 顔が真っ青だが――」
レオリオ「っと……すまねぇ、電話だ」
ピトー(本当はのん気にしている場合じゃない)
ピトー(身体は大分治った、それなのに念は全く回復しない……)
ピトー(今は匿ってもらえているが、それだっていつまで続くか――)
ピトー「…!!!」
レオリオ「? スプーン落としたぞ」
ピトー「ぁ……」
レオリオ「おい、大丈夫か? 顔が真っ青だが――」
レオリオ「っと……すまねぇ、電話だ」
138: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/17(木) 16:03:59.30 ID:y6/mSGSL0
レオリオ「キルアか? どうした急に」
キルア『今、ゴンを連れてレオリオん所に向かっている』
レオリオ「ゴン? ……どうかしたのか?」
キルア『……会ってから話す。 迎えに来てくれ、一大事なんだ』
レオリオ「ああ、分かった」
キルア『それと……あの円はレオリオのか?」
レオリオ「は? 円?」
キルア『……いや、なんでもない。 じゃ』
キルア『今、ゴンを連れてレオリオん所に向かっている』
レオリオ「ゴン? ……どうかしたのか?」
キルア『……会ってから話す。 迎えに来てくれ、一大事なんだ』
レオリオ「ああ、分かった」
キルア『それと……あの円はレオリオのか?」
レオリオ「は? 円?」
キルア『……いや、なんでもない。 じゃ』
141: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/17(木) 16:39:49.85 ID:y6/mSGSL0
レオリオ「おいピトー、大丈夫か? ベッドまで運んでやる」
ピトー「……っ」
レオリオ「すまないが友人が来ることになった。 一大事らしい、迎えに行く」
ピトー「待って…」
レオリオ「心配すんな、お前の事は話さないから」
ピトー「違う、行かないで、行かないでくれ…!!」
レオリオ「…大切な友人なんだ。 大丈夫、すぐ戻ってくる」
ピトー「待っ……!!」
ピトー「……ッ」
ピトー「……っ」
レオリオ「すまないが友人が来ることになった。 一大事らしい、迎えに行く」
ピトー「待って…」
レオリオ「心配すんな、お前の事は話さないから」
ピトー「違う、行かないで、行かないでくれ…!!」
レオリオ「…大切な友人なんだ。 大丈夫、すぐ戻ってくる」
ピトー「待っ……!!」
ピトー「……ッ」
144: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/17(木) 17:26:18.52 ID:y6/mSGSL0
ピトー(どうする どうする どうする!?)
ピトー(円に脚を踏み入れられた瞬間、驚いて解いてしまった――勘付かれた!)
ピトー(ゴンが来る。 ゴンが来る。 ゴン……!!)
ピトー(……ゴンやキルアの仲間だった? 内通していた!?
人間ならそれぐらい――……いや、そんなことをするような人間ではない!)
ピトー(二人に見つかる前に逃げるか? 今度こそボクは――……)
ピトー(……だけど)
ピトー「……逃げて、何になる?」
ピトー「……」
ピトー(円に脚を踏み入れられた瞬間、驚いて解いてしまった――勘付かれた!)
ピトー(ゴンが来る。 ゴンが来る。 ゴン……!!)
ピトー(……ゴンやキルアの仲間だった? 内通していた!?
人間ならそれぐらい――……いや、そんなことをするような人間ではない!)
ピトー(二人に見つかる前に逃げるか? 今度こそボクは――……)
ピトー(……だけど)
ピトー「……逃げて、何になる?」
ピトー「……」
149: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/17(木) 17:49:10.31 ID:y6/mSGSL0
レオリオ「……そうか、そんなことが……」
キルア「ビスケも、協会の経営する病院も、どこも駄目だった」
レオリオ「俺が何かしてやれればいいんだが……すまねぇ、俺はまだ医者にすら……」
キルア「いや……」
レオリオ「……お前も思い詰めすぎるな、ずっと寝てねぇだろ。 身体駄目にするぞ」
キルア「……」
レオリオ「……着いた。 キルアは車椅子を運んでくれ。 俺はゴンを」
156: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/17(木) 18:33:33.53 ID:y6/mSGSL0
キルア「この横の部屋は?」
レオリオ「あ? 入んなよ、今スケベ本散乱してんだ」
キルア「ふーん……」
キルア「……さっき電話でさ。 円の話、しただろ」
レオリオ「ああ、何か言ってたな」
キルア「円っていうのは、オーラを拡げてその範囲に入ったものを察知する念の技術だ。
レオリオにはまだ使えない。 なのにそれが、ここを中心として展開されていた。
オレは常に凝を使っているけど、それでも気付かないほどの、薄い膜状の円がな」
キルア「オレが気付けたのは、オレが…オレたちが近付いた瞬間、一瞬それがブレたからだ」
キルア「つまりその念能力者はオレたちを知る人物」
レオリオ「……」
レオリオ「あ? 入んなよ、今スケベ本散乱してんだ」
キルア「ふーん……」
キルア「……さっき電話でさ。 円の話、しただろ」
レオリオ「ああ、何か言ってたな」
キルア「円っていうのは、オーラを拡げてその範囲に入ったものを察知する念の技術だ。
レオリオにはまだ使えない。 なのにそれが、ここを中心として展開されていた。
オレは常に凝を使っているけど、それでも気付かないほどの、薄い膜状の円がな」
キルア「オレが気付けたのは、オレが…オレたちが近付いた瞬間、一瞬それがブレたからだ」
キルア「つまりその念能力者はオレたちを知る人物」
レオリオ「……」
163: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/17(木) 19:06:16.55 ID:y6/mSGSL0
キルア「レオリオ。 この中に誰を隠している?」
レオリオ「……だぁーかーら、綺麗な裸の姉ちゃん達だって。 それに鍵も…」
キルア「こんなものッ」
レオリオ「うお!? マジかよ……」
キルア「……」
レオリオ「な、言っただろ。 なんなら一冊ぐらい持っていっていいぜ少年」
キルア「……」
レオリオ「……だぁーかーら、綺麗な裸の姉ちゃん達だって。 それに鍵も…」
キルア「こんなものッ」
レオリオ「うお!? マジかよ……」
キルア「……」
レオリオ「な、言っただろ。 なんなら一冊ぐらい持っていっていいぜ少年」
キルア「……」
168: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/17(木) 19:41:02.12 ID:y6/mSGSL0
キルア「ふざけるな!!」
ピトー「……ここだよ」
レオリオ「あ、おい! ……でもキルアには関係ねぇ、こいつはただの――」
キルア「……ピトー」
レオリオ「え、知って……」
キルア「…ッ レオリオ! こいつが何か知ってここに置いているのか!?」
レオリオ「何って……確かに人間じゃねえが、こいつは何も」
キルア「こいつがさっき話した! キメラアントの王直属護衛軍のネフェルピトーだ!!」
ピトー「……ここだよ」
レオリオ「あ、おい! ……でもキルアには関係ねぇ、こいつはただの――」
キルア「……ピトー」
レオリオ「え、知って……」
キルア「…ッ レオリオ! こいつが何か知ってここに置いているのか!?」
レオリオ「何って……確かに人間じゃねえが、こいつは何も」
キルア「こいつがさっき話した! キメラアントの王直属護衛軍のネフェルピトーだ!!」
174: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/17(木) 20:05:31.79 ID:y6/mSGSL0
レオリオ「……は…? ……はは、おいおいキルア、何言ってるんだ」
レオリオ「こいつは猫だぜ? だってこんな……」
ピトー「……」
レオリオ「そうだろ? 違うって言えよ ピトー」
ピトー「……そう」
ピトー「ボクが、ゴンの恩人の命を弄んで殺した"蟻"だ」
レオリオ「っ……冗談きついぜ……」
レオリオ「こいつは猫だぜ? だってこんな……」
ピトー「……」
レオリオ「そうだろ? 違うって言えよ ピトー」
ピトー「……そう」
ピトー「ボクが、ゴンの恩人の命を弄んで殺した"蟻"だ」
レオリオ「っ……冗談きついぜ……」
183: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/17(木) 20:59:19.57 ID:y6/mSGSL0
キルア「なんで生きてる……お前はゴンに斃されたはずじゃないのか」
ピトー「……」
キルア「……レオリオ下がれ」
レオリオ「……殺す、のか」
キルア「協会から殲滅の命令が出ているんだ」
レオリオ「ま、待ってくれ! こいつはもう危険なことはしない! だから」
キルア「そんなことが言い切れるのか!?」
レオリオ「ッ……」
ピトー「……」
キルア「……レオリオ下がれ」
レオリオ「……殺す、のか」
キルア「協会から殲滅の命令が出ているんだ」
レオリオ「ま、待ってくれ! こいつはもう危険なことはしない! だから」
キルア「そんなことが言い切れるのか!?」
レオリオ「ッ……」
185: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/17(木) 21:21:09.48 ID:y6/mSGSL0
キルア(っつっても……オレがピトーに敵うわけがない)
キルア(……しかし妙だ)
キルア(ピトーからまったく殺気を感じない)
キルア(それだけじゃない、オーラだって前見たときとは全く違う。 禍々しさが消えた?)
キルア(何より目つきが違う。 今映っているのは)
キルア(……"戸惑い"?)
キルア(……しかし妙だ)
キルア(ピトーからまったく殺気を感じない)
キルア(それだけじゃない、オーラだって前見たときとは全く違う。 禍々しさが消えた?)
キルア(何より目つきが違う。 今映っているのは)
キルア(……"戸惑い"?)
204: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/17(木) 22:52:01.39 ID:y6/mSGSL0
キルア(考えてみれば最初からおかしかった。
どんなに怪我をしようとピトーは自身の能力で治癒できる。 なのに何故ずっとここに?)
キルア(さっきの円にしたってそうだ。 ゴンは今意識がない。
オレ程度のオーラで、あのピトーの心境を乱すことなんかあり得るのか?)
ピトー「……」
キルア(……蟻の目的は種を残すこと。 それが滅せられようとするならば抗うのが普通だ)
キルア(その力がない、とすれば)
キルア(今が、チャンス)
どんなに怪我をしようとピトーは自身の能力で治癒できる。 なのに何故ずっとここに?)
キルア(さっきの円にしたってそうだ。 ゴンは今意識がない。
オレ程度のオーラで、あのピトーの心境を乱すことなんかあり得るのか?)
ピトー「……」
キルア(……蟻の目的は種を残すこと。 それが滅せられようとするならば抗うのが普通だ)
キルア(その力がない、とすれば)
キルア(今が、チャンス)
209: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/17(木) 23:16:46.58 ID:y6/mSGSL0
キルア「レオリオ。 どいてくれ」
レオリオ「いや、どかねえ……」
キルア「……さっきの話聞いてたか? こいつがゴンをあんなにしたんだぞ!!」
レオリオ「けど俺は!!」
キルア「……もう一度言う。 どけ。 殺すぞ」
レオリオ「……ッ上等だコラァ!!!」
ピトー「……!」
レオリオ「いや、どかねえ……」
キルア「……さっきの話聞いてたか? こいつがゴンをあんなにしたんだぞ!!」
レオリオ「けど俺は!!」
キルア「……もう一度言う。 どけ。 殺すぞ」
レオリオ「……ッ上等だコラァ!!!」
ピトー「……!」
215: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/18(金) 00:00:06.50 ID:N/IEaxuM0
ラストは決めてるんだけど繋がらねえ
227: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/18(金) 01:21:30.78 ID:N/IEaxuM0
ピトー(駄目だ、キルアの目は本気、敵うわけがない。
裸の一般人が武装した軍人を相手にするようなもの、死ぬに決まっている!)
ピトー("死"……)
ピトー(死ぬ……? ボクを庇って?
毎日熱いご飯を食べさせられた。 熱い湯に入れようとした。 それが、死ぬ?)
ピトー「……」
ピトー(……駄目だ)
ピトー(……そんなこと、させない)
裸の一般人が武装した軍人を相手にするようなもの、死ぬに決まっている!)
ピトー("死"……)
ピトー(死ぬ……? ボクを庇って?
毎日熱いご飯を食べさせられた。 熱い湯に入れようとした。 それが、死ぬ?)
ピトー「……」
ピトー(……駄目だ)
ピトー(……そんなこと、させない)
228: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/18(金) 01:25:04.43 ID:N/IEaxuM0
ピト(この命に、替えてでも!!!)
キルア「――!! なっ…!!」
レオリオ「!? これが……ピトーの……!」
"黒子舞想"!!!
キルア(このオーラ……あの時の……!)
レオリオ(……練を積んでない俺でも分かる、これは、ヤバい!!)
231: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/18(金) 01:47:44.51 ID:N/IEaxuM0
ピトー「……」
キルア「ハッ…、ハッ…、ハッ……!」
キルア(やべぇ……足が震えて……!)
ピトー「……」
レオリオ(このままじゃ、キルアが…… クソッ 何で俺は、いつも何も出来ない!!)
キルア「はっ……万事休す、か…」
ピトー「……」
キルア(ごめんな、ゴン……)
レオリオ「…ピトォォォおおおおぉおぉおぉおおお!!!」
キルア「ハッ…、ハッ…、ハッ……!」
キルア(やべぇ……足が震えて……!)
ピトー「……」
レオリオ(このままじゃ、キルアが…… クソッ 何で俺は、いつも何も出来ない!!)
キルア「はっ……万事休す、か…」
ピトー「……」
キルア(ごめんな、ゴン……)
レオリオ「…ピトォォォおおおおぉおぉおぉおおお!!!」
232: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/18(金) 01:52:00.45 ID:N/IEaxuM0
ピトー「!!」
236: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/18(金) 02:00:46.24 ID:N/IEaxuM0
ピトー「っ……」
レオリオ「……助かっ…たのか?」
キルア「いや、今のは、わざと……」
ピトー「……時間がない」
レオリオ「は? おいどこに……」
キルア「! そっちは、……ゴンに近付くな!!」
ピトー「……」
レオリオ「……助かっ…たのか?」
キルア「いや、今のは、わざと……」
ピトー「……時間がない」
レオリオ「は? おいどこに……」
キルア「! そっちは、……ゴンに近付くな!!」
ピトー「……」
270: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/18(金) 14:50:21.98 ID:N/IEaxuM0
ピトー「……ボクに、ゴンを任せて欲しい」
キルア「なっ……」
ピトー「ボクならゴンを、元の姿に戻すことができる……お願いだ、ボクに治させてくれ!」
キルア「…ふ、ざけるな……! またカイトみたいに改造する気なんだろ!!」
ピトー「違う!! ボクはただ――」
キルア「信用できるか!! お前は」
レオリオ「キルア!!」
キルア「ッ……」
キルア「なっ……」
ピトー「ボクならゴンを、元の姿に戻すことができる……お願いだ、ボクに治させてくれ!」
キルア「…ふ、ざけるな……! またカイトみたいに改造する気なんだろ!!」
ピトー「違う!! ボクはただ――」
キルア「信用できるか!! お前は」
レオリオ「キルア!!」
キルア「ッ……」
276: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/18(金) 15:34:10.96 ID:N/IEaxuM0
レオリオ「……ピトー。 ゴンを、治せるんだな?」
ピトー「……」
レオリオ「……頼む」
キルア「……」
ピトー「……"玩具修理者"の発動中は完全に無防備、動くことすらできない。
殺そうと思えば簡単に殺せる。 もし怪しいと思ったら攻撃をしても構わない」
ピトー「けど、ゴンを治そうとしているのは本当だ……信じて欲しい」
キルア「……」
ピトー「……」
レオリオ「……頼む」
キルア「……」
ピトー「……"玩具修理者"の発動中は完全に無防備、動くことすらできない。
殺そうと思えば簡単に殺せる。 もし怪しいと思ったら攻撃をしても構わない」
ピトー「けど、ゴンを治そうとしているのは本当だ……信じて欲しい」
キルア「……」
296: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/18(金) 21:14:47.04 ID:N/IEaxuM0
キルア「……人間は敵…… 特にゴンは、そっちにとって脅威となる存在だ。
それなのに何故、助けようとする? これは王の意思に反することじゃないのか?」
ピトー「……ボクたち王直属護衛軍は、王を守る為だけに生まれてきた」
ピトー「でも、知っているんだ。 王はもう――お隠れになった」
ピトー「王だけじゃない、ユピーやプフも。 ……ボクたち"蟻"は、負けたんだ」
キルア「それでも」
ピトー「……護衛軍にとっての王のように、王にとってのコムギのように……」
ピトー「ゴンは、二人にとっては大切な存在だから」
ピトー「それだけだ」
キルア「……」
それなのに何故、助けようとする? これは王の意思に反することじゃないのか?」
ピトー「……ボクたち王直属護衛軍は、王を守る為だけに生まれてきた」
ピトー「でも、知っているんだ。 王はもう――お隠れになった」
ピトー「王だけじゃない、ユピーやプフも。 ……ボクたち"蟻"は、負けたんだ」
キルア「それでも」
ピトー「……護衛軍にとっての王のように、王にとってのコムギのように……」
ピトー「ゴンは、二人にとっては大切な存在だから」
ピトー「それだけだ」
キルア「……」
312: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/18(金) 22:59:35.84 ID:N/IEaxuM0
レオリオ「……驚いたな。 こんな能力があったなんてよ」
ピトー「っ…」
レオリオ「責めてる訳じゃねぇんだ、俺も深く聞かなかったしな。
でも、それならずっと俺のところに居なくたって自分で治せたんじゃないか、とは思う」
ピトー「それは……」
レオリオ「自分だけ治せないってことはないだろ。 まさか俺と居たかったからか? んな訳ねえか、はは」
ピトー「……」
ピトー「っ…」
レオリオ「責めてる訳じゃねぇんだ、俺も深く聞かなかったしな。
でも、それならずっと俺のところに居なくたって自分で治せたんじゃないか、とは思う」
ピトー「それは……」
レオリオ「自分だけ治せないってことはないだろ。 まさか俺と居たかったからか? んな訳ねえか、はは」
ピトー「……」
319: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/18(金) 23:38:40.53 ID:N/IEaxuM0
――――
――
レオリオ「……すげぇな、見る見るうちに戻っていく」
キルア「……」
キルア「確かに治してくれている、けど……これは免罪符にはならない。
ゴンもまだお前のことは許してはいないし、ハンターとしてもキメラアントは斃さないといけない」
ピトー「わかってる」
レオリオ「……なんとかならないのか」
キルア「レオリオ。 そんな甘いこと、許されない」
レオリオ「……ッ」
――
レオリオ「……すげぇな、見る見るうちに戻っていく」
キルア「……」
キルア「確かに治してくれている、けど……これは免罪符にはならない。
ゴンもまだお前のことは許してはいないし、ハンターとしてもキメラアントは斃さないといけない」
ピトー「わかってる」
レオリオ「……なんとかならないのか」
キルア「レオリオ。 そんな甘いこと、許されない」
レオリオ「……ッ」
336: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/19(土) 00:30:28.60 ID:wfXahed60
ピトー「心配しなくても逃げない。 ……それに何をしなくてもきっと、これが終わったらボクは命を落とす」
レオリオ「どういう意味だ……」
ピトー「拾われてから今まで、自分の能力を使うことができなかった。 その理由をずっと考えていた」
ピトー「……ボクは既に一度、ゴンに殺されている。
死んだ直後、"黒子舞想"に操られた。 詳しくは分からない、でも多分それがきっかけだと思う」
ピトー「ボクは、ボクの能力と引き換えにまた命を得た」
レオリオ「……!」
ピトー「能力が回復した今……もう、永くはない」
レオリオ「どういう意味だ……」
ピトー「拾われてから今まで、自分の能力を使うことができなかった。 その理由をずっと考えていた」
ピトー「……ボクは既に一度、ゴンに殺されている。
死んだ直後、"黒子舞想"に操られた。 詳しくは分からない、でも多分それがきっかけだと思う」
ピトー「ボクは、ボクの能力と引き換えにまた命を得た」
レオリオ「……!」
ピトー「能力が回復した今……もう、永くはない」
339: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/19(土) 00:58:01.07 ID:wfXahed60
レオリオ「……ッ なんとか!!」
ピトー「ならないよ」
レオリオ「……ふざけるな……っ」
レオリオ「お前のために、いくらつぎ込んだと思ってるんだ」
レオリオ「おもちゃの猫じゃらしは……大量に買ったマタタビはどうするんだよ!!」
ピトー「……ごめんね」
レオリオ「……くそッ!!」
ピトー「ならないよ」
レオリオ「……ふざけるな……っ」
レオリオ「お前のために、いくらつぎ込んだと思ってるんだ」
レオリオ「おもちゃの猫じゃらしは……大量に買ったマタタビはどうするんだよ!!」
ピトー「……ごめんね」
レオリオ「……くそッ!!」
343: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/19(土) 01:26:09.69 ID:wfXahed60
――――
――
レオリオ「……」
ピトー「そろそろ終わる。 ゴンはしばらくしたら目覚めると思う。
……けど、キルア。 その前にボクの死体を協会に送ってほしい」
キルア「……ああ」
ピトー「外傷もない。 おまけに護衛軍。 きっといい研究材料になる」
キルア「……」
ピトー「……」
――
レオリオ「……」
ピトー「そろそろ終わる。 ゴンはしばらくしたら目覚めると思う。
……けど、キルア。 その前にボクの死体を協会に送ってほしい」
キルア「……ああ」
ピトー「外傷もない。 おまけに護衛軍。 きっといい研究材料になる」
キルア「……」
ピトー「……」
347: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/19(土) 01:40:34.46 ID:wfXahed60
ピトー「……」
ピトー「……初めて」
ピトー「初めて、人を殺す以外で、楽しいと思えた」
レオリオ「……っ」
ピトー「……レオリオ」
レオリオ「!」
ピトー「……お粥、熱かったけど」
ピトー「美味しかったニャ」
ピトー「……初めて」
ピトー「初めて、人を殺す以外で、楽しいと思えた」
レオリオ「……っ」
ピトー「……レオリオ」
レオリオ「!」
ピトー「……お粥、熱かったけど」
ピトー「美味しかったニャ」
349: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/19(土) 01:44:46.67 ID:wfXahed60
レオリオ「……」
レオリオ「……ピトー」
レオリオ「ピトー……っ」
レオリオ「……ッ」
キルア「……レオリ……」
キルア「……っ」
レオリオ「……ピトー」
レオリオ「ピトー……っ」
レオリオ「……ッ」
キルア「……レオリ……」
キルア「……っ」
355: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/19(土) 01:56:17.33 ID:wfXahed60
レオリオ「……」
レオリオ「……っはー……」
レオリオ「……キルア。 ゴンをベッドに寝かせて、"蟻"、協会に運ぼうぜ」
キルア「……」
レオリオ「ほら、ぼーっとつっ立ってるな!」
キルア「……レオリオ」
レオリオ「あんだよ」
キルア「無理、するなよ」
レオリオ「あ? なんの話しだ。 ほら行くぞ」
レオリオ「……っはー……」
レオリオ「……キルア。 ゴンをベッドに寝かせて、"蟻"、協会に運ぼうぜ」
キルア「……」
レオリオ「ほら、ぼーっとつっ立ってるな!」
キルア「……レオリオ」
レオリオ「あんだよ」
キルア「無理、するなよ」
レオリオ「あ? なんの話しだ。 ほら行くぞ」
359: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/19(土) 02:16:42.31 ID:wfXahed60
キルア「……協会には行かない」
レオリオ「なんでだよ、キメラアントの王直属の部下だぜ? 持って行けばがっぽり金貰える!」
キルア「それでいいのか」
レオリオ「ぁ、たりまえだろ……」
キルア「本当にそれでいいのか!!」
レオリオ「……ッ 良い訳ねえだろうが!!!」
レオリオ「俺はただ……!」
レオリオ「ただ……っ」
レオリオ「なんでだよ、キメラアントの王直属の部下だぜ? 持って行けばがっぽり金貰える!」
キルア「それでいいのか」
レオリオ「ぁ、たりまえだろ……」
キルア「本当にそれでいいのか!!」
レオリオ「……ッ 良い訳ねえだろうが!!!」
レオリオ「俺はただ……!」
レオリオ「ただ……っ」
362: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/19(土) 02:30:00.59 ID:wfXahed60
キルア「……」
キルア「……レオリオ。 ピトーは、……蟻じゃなかった」
レオリオ「なっ…」
キルア「そうだよ。 レオリオは、怪我をした猫を拾っただけなんだよ」
レオリオ「……」
キルア「だけど弱ってて、結局死んでしまった。 だから」
キルア「だから……ちゃんと、弔ってやらなきゃいけない」
レオリオ「キルア……」
キルア「……レオリオ。 ピトーは、……蟻じゃなかった」
レオリオ「なっ…」
キルア「そうだよ。 レオリオは、怪我をした猫を拾っただけなんだよ」
レオリオ「……」
キルア「だけど弱ってて、結局死んでしまった。 だから」
キルア「だから……ちゃんと、弔ってやらなきゃいけない」
レオリオ「キルア……」
365: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/19(土) 03:01:01.59 ID:wfXahed60
――――
――
キルア「……ごめんな」
レオリオ「……研究者に弄られるよりは幸せだろ。 むしろ感謝したいぐらいだ」
キルア「違う、オレが来なければ……」
レオリオ「……それじゃゴンが助からなかったかもしれねえだろ。
それにゴンを治したのはピトーの意志だ。 お前を責める理由は無い」
キルア「……」
レオリオ「……お前、ゴンの側に居てやらなくていいのか?」
キルア「え、あ……」
レオリオ「……」
キルア「……そう、だな。 先に中に戻ってる」
――
キルア「……ごめんな」
レオリオ「……研究者に弄られるよりは幸せだろ。 むしろ感謝したいぐらいだ」
キルア「違う、オレが来なければ……」
レオリオ「……それじゃゴンが助からなかったかもしれねえだろ。
それにゴンを治したのはピトーの意志だ。 お前を責める理由は無い」
キルア「……」
レオリオ「……お前、ゴンの側に居てやらなくていいのか?」
キルア「え、あ……」
レオリオ「……」
キルア「……そう、だな。 先に中に戻ってる」
372: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/19(土) 03:47:56.83 ID:wfXahed60
レオリオ「……」
レオリオ「……正直、お前が"蟻"だなんでまだ信じられねぇ」
レオリオ「能力を見た今も……」
レオリオ「……」
レオリオ「……使えなくなっていた能力が発動したの、なんでだろうな」
レオリオ「まさか殺されそうになった俺を守るためだとか? ……そりゃ自意識過剰か、はは」
レオリオ「……」
レオリオ「……」
レオリオ「……」
レオリオ「……正直、お前が"蟻"だなんでまだ信じられねぇ」
レオリオ「能力を見た今も……」
レオリオ「……」
レオリオ「……使えなくなっていた能力が発動したの、なんでだろうな」
レオリオ「まさか殺されそうになった俺を守るためだとか? ……そりゃ自意識過剰か、はは」
レオリオ「……」
レオリオ「……」
レオリオ「……」
397: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/19(土) 13:02:03.72 ID:wfXahed60
レオリオ「……たった一週間なのにな」
レオリオ「……」
レオリオ「短い間だったけどよ。 楽しかったぜ」
レオリオ「……」
レオリオ「ピトー、……ありがとな」
レオリオ「……」
レオリオ「……あー、柄でもねぇ」
レオリオ「さて、と。 俺もそろそろ戻るか。
寒ィし腹減った。 そういや昨日の晩もほとんど食ってねえもんな」
レオリオ「……」
レオリオ「短い間だったけどよ。 楽しかったぜ」
レオリオ「……」
レオリオ「ピトー、……ありがとな」
レオリオ「……」
レオリオ「……あー、柄でもねぇ」
レオリオ「さて、と。 俺もそろそろ戻るか。
寒ィし腹減った。 そういや昨日の晩もほとんど食ってねえもんな」
407: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/19(土) 15:27:04.05 ID:wfXahed60
レオリオ「……ん?」
ねこ「なー」
レオリオ「なんだ、どっから来た?」
ねこ「なー」
レオリオ「ついて来るなよ…… 腹減ってんのか?」
ねこ「なー」
レオリオ「……」
レオリオ「……丁度よ。 ……マタタビ余ってんだ」
レオリオ「エサは残飯しかねえ。 それでも来るか」
ねこ「なー」
ねこ「なー」
レオリオ「なんだ、どっから来た?」
ねこ「なー」
レオリオ「ついて来るなよ…… 腹減ってんのか?」
ねこ「なー」
レオリオ「……」
レオリオ「……丁度よ。 ……マタタビ余ってんだ」
レオリオ「エサは残飯しかねえ。 それでも来るか」
ねこ「なー」
408: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/19(土) 15:29:49.54 ID:wfXahed60
キルア「レオリオ! レオリオ!!」
レオリオ「ん、どうし――…まさか」
キルア「ゴンがっ ゴンが目覚めた!!」
レオリオ「おお…すぐ行く!! お前も来いッ」
ねこ「うにゃっ」
キルア「? なんだそいつ」
レオリオ「拾いもんだ!」
おわり
レオリオ「ん、どうし――…まさか」
キルア「ゴンがっ ゴンが目覚めた!!」
レオリオ「おお…すぐ行く!! お前も来いッ」
ねこ「うにゃっ」
キルア「? なんだそいつ」
レオリオ「拾いもんだ!」
おわり
412: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/19(土) 15:38:23.08 ID:wfXahed60
遅筆のくせに乗っ取るべきじゃなかったもう一生やらねえ
読んでくれた人支援してくれた人保守してくれた人全てに感謝と謝罪を
ハンタ全巻買ってくるかな・・・
読んでくれた人支援してくれた人保守してくれた人全てに感謝と謝罪を
ハンタ全巻買ってくるかな・・・
409: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/19(土) 15:32:27.06 ID:YRDuKv2+0
乙
410: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/19(土) 15:34:39.77 ID:9AUbVtjw0
乙
久しぶりにいいもん見た
久しぶりにいいもん見た
413: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/19(土) 15:40:41.15 ID:LMTHOF4D0
面白かったよ お疲れ
414: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/19(土) 15:43:11.30 ID:DD4Htc8+O
乙
ピトーは可愛いけどポックルをあっあってやりやがったのは許さない
ピトーは可愛いけどポックルをあっあってやりやがったのは許さない
415: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/19(土) 15:43:26.48 ID:7apbWPqXO
おつ
ネフェルピトーかわいいわやっぱ
ネフェルピトーかわいいわやっぱ
416: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/19(土) 15:56:07.69 ID:/Eez0b600
ちょっと誰かピトーがもっと幸せになるSS書いてよ
418: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/19(土) 16:07:10.56 ID:9AdxnhUyO
乙
レオリオマジ兄貴
レオリオマジ兄貴
419: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/19(土) 16:24:20.40 ID:A2QdbYzy0
乙
本誌でレオリオが見たくなった
本誌でレオリオが見たくなった
421: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/19(土) 17:07:50.60 ID:IoHzWkMaO
乙です
面白かった
次は幸せなエンドもみたいかな‥
面白かった
次は幸せなエンドもみたいかな‥
引用元: ピトー「ここは……?」レオリオ「よう、大丈夫か?」
上条「俺って不幸に対して優しすぎじゃね?」
2019-04-29
1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/10(日) 17:18:31.93 ID:YZtfqYF10
とあるファミレス
上条(もっと敏感であれば・・・)
ウェイトレス「おまたせしましたハンバーグせっ・・・ってわぁぁ!」ガシャーン1
上条「うわぁぁああ!」
ウェイトレス「も・・申し訳ございません!」
上条(あ・・・しゅ・・・宿題のプリントが・・・)
上条「良いんですよ!こういうのにはなれt・・・」
上条「・・・良いわけねぇだろ・・・!」
ウェイトレス「え?」
上条(もっと敏感であれば・・・)
ウェイトレス「おまたせしましたハンバーグせっ・・・ってわぁぁ!」ガシャーン1
上条「うわぁぁああ!」
ウェイトレス「も・・申し訳ございません!」
上条(あ・・・しゅ・・・宿題のプリントが・・・)
上条「良いんですよ!こういうのにはなれt・・・」
上条「・・・良いわけねぇだろ・・・!」
ウェイトレス「え?」
関連
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3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/10(日) 17:23:19.83 ID:YZtfqYF10
上条「てめぇ人の宿題なんだと思ってんだ!」
上条「後7・6時間しかねぇのにどうやって夏休みの宿題終わらすってんだ!!
上条「おめぇ馬鹿か!?そんなドジ踏むなんてアニメの世界でもねぇよ!」
上条「どうすんだよ!てめぇみたいな馬鹿じゃ宿題終わりそうもねぇしよぉ!」
上条「なんでこんな役ただずが働いてんだよ!店長も馬鹿なんじゃねぇのかぁ!?」
ウェイトレス「うぅ・・・(泣)」
上条「後7・6時間しかねぇのにどうやって夏休みの宿題終わらすってんだ!!
上条「おめぇ馬鹿か!?そんなドジ踏むなんてアニメの世界でもねぇよ!」
上条「どうすんだよ!てめぇみたいな馬鹿じゃ宿題終わりそうもねぇしよぉ!」
上条「なんでこんな役ただずが働いてんだよ!店長も馬鹿なんじゃねぇのかぁ!?」
ウェイトレス「うぅ・・・(泣)」
4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/10(日) 17:27:00.64 ID:YZtfqYF10
上条「大体よぉ、この髪型にどれだけ時間かけてると思ってんだ!?」
上条「20分だぞ!20分!」
上条「それなのにご飯なんか掛けやがってよぉ!俺の時間を無駄にすんなよ!!」
上条「タイムイズマネーって知ってるか!?知ってんだったらこんな事しねぇよなぁ?」
上条「これだから馬鹿困るんだよなぁ!!」
ウェイトレス「うっ・・・うわぁーん!」
店長「ちょっとおちついてください!!」
上条「20分だぞ!20分!」
上条「それなのにご飯なんか掛けやがってよぉ!俺の時間を無駄にすんなよ!!」
上条「タイムイズマネーって知ってるか!?知ってんだったらこんな事しねぇよなぁ?」
上条「これだから馬鹿困るんだよなぁ!!」
ウェイトレス「うっ・・・うわぁーん!」
店長「ちょっとおちついてください!!」
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/10(日) 17:31:55.50 ID:YZtfqYF10
店長「こちらの方で新しい料理もおだしますし、夕食&夜食&ドリンクバーもお付けします、勿論無料で」
店長「当店は24時間営業なので、今日一日篭って宿題終わらすのはどうでしょう?」
上条「わかりゃいいんだよ、わかりゃ」
店長(前日に宿題終わらそうとするなんて小学生かよ・・・)
店長「当店は24時間営業なので、今日一日篭って宿題終わらすのはどうでしょう?」
上条「わかりゃいいんだよ、わかりゃ」
店長(前日に宿題終わらそうとするなんて小学生かよ・・・)
10: 訂正 2010/10/10(日) 17:40:19.92 ID:YZtfqYF10
闇咲「ここか・・・」バリーン!!
上条「な・・!?そげぶ!!」
闇咲「やるな・・・私に協力すれば君に危害は・・・」
上条「あぁぁああああ!俺の読書感想文がぁ!!」パラパラ
闇咲「?何をパニくってんだか知らないが、この子は預からせてもらう」
イン「あぁ!せっかく食べ放題になったのにぃ―――――」
上条「この野郎!インデックスは良いとして、宿題アイツに手伝わせてやる・・・ってアレ?
上条が周りを見渡すと店の中はグチャグチャである
店員達(イライラ)
上条「うっ・・・」
上条「な・・!?そげぶ!!」
闇咲「やるな・・・私に協力すれば君に危害は・・・」
上条「あぁぁああああ!俺の読書感想文がぁ!!」パラパラ
闇咲「?何をパニくってんだか知らないが、この子は預からせてもらう」
イン「あぁ!せっかく食べ放題になったのにぃ―――――」
上条「この野郎!インデックスは良いとして、宿題アイツに手伝わせてやる・・・ってアレ?
上条が周りを見渡すと店の中はグチャグチャである
店員達(イライラ)
上条「うっ・・・」
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/10(日) 17:45:17.87 ID:YZtfqYF10
上条(コレって俺のせいにされるってパターンか?)
店員「お客様・・・今のはお知り合いの方ですよね?」
上条(でもいくらなんでも理不尽過ぎるよなぁ・・・今までの上条さんはここで全てを受け止めてましたが)
店員「この店の状況、一体どう責任とって頂けますか?」
上条(その幻想をぶち殺す!!)
上条「フハハハハ!カキクククケヶケ!」
店員「!?」
店員「お客様・・・今のはお知り合いの方ですよね?」
上条(でもいくらなんでも理不尽過ぎるよなぁ・・・今までの上条さんはここで全てを受け止めてましたが)
店員「この店の状況、一体どう責任とって頂けますか?」
上条(その幻想をぶち殺す!!)
上条「フハハハハ!カキクククケヶケ!」
店員「!?」
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/10(日) 17:55:09.56 ID:YZtfqYF10
上条「てめぇら付けあがってんじゃねぇよ!さっき迷惑を掛けたことはもうお忘れですかぁ!?」
上条「あれどう見ても俺の責任じゃねぇよ!見知らぬ人だしさぁ!」
上条「大体知り合いがさらわれてんだから、高校生に店の修理代を押し付けるより風紀委員とか警備員に通報するのがスジってもんじゃねぇの?」
上条「大人げねぇよなぁ、今度この店のことネットや週刊誌でさらしてやるよ、この馬鹿な店員共をな!」
店員「も・・・申し訳ございません!!それだけは勘弁してください!!」
上条「んじゃぁどう俺の機嫌直してくれんの?」
店長「い・・・一週間全料理フリーパスを特別に・・・」
上条「はぁ!?なんなんですか?こんな馬鹿な店一週間も来たくねぇよカス!」
店長「じゃ・・・じゃぁ一年間で」
上条「ふ・・・一年間ねぇ・・・まぁ良いんじゃねぇの?」
上条(温厚な上条さんがキレるとここまで上手く行くとは・・・でもコレって幸運なのか?)
上条「あれどう見ても俺の責任じゃねぇよ!見知らぬ人だしさぁ!」
上条「大体知り合いがさらわれてんだから、高校生に店の修理代を押し付けるより風紀委員とか警備員に通報するのがスジってもんじゃねぇの?」
上条「大人げねぇよなぁ、今度この店のことネットや週刊誌でさらしてやるよ、この馬鹿な店員共をな!」
店員「も・・・申し訳ございません!!それだけは勘弁してください!!」
上条「んじゃぁどう俺の機嫌直してくれんの?」
店長「い・・・一週間全料理フリーパスを特別に・・・」
上条「はぁ!?なんなんですか?こんな馬鹿な店一週間も来たくねぇよカス!」
店長「じゃ・・・じゃぁ一年間で」
上条「ふ・・・一年間ねぇ・・・まぁ良いんじゃねぇの?」
上条(温厚な上条さんがキレるとここまで上手く行くとは・・・でもコレって幸運なのか?)
14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/10(日) 18:00:25.00 ID:YZtfqYF10
上条(・・・ったく色々面倒なことになったがここの店の待遇が良くなったぜフヒヒ)ガツガツ
上条(いつも殻潰し喰われてっからな・・・こんだけ満足に食えるのは久し振りだぜww)モグモグ
上条(ん・・・何か飯食うのに夢中で何か忘れてるような)パクパク
イン「早くとうま助けに来てほしんだよ・・・」
上条「そうだ!宿題忘れてたんだ!良しこれから登校まで追い込むぜ!」
上条(いつも殻潰し喰われてっからな・・・こんだけ満足に食えるのは久し振りだぜww)モグモグ
上条(ん・・・何か飯食うのに夢中で何か忘れてるような)パクパク
イン「早くとうま助けに来てほしんだよ・・・」
上条「そうだ!宿題忘れてたんだ!良しこれから登校まで追い込むぜ!」
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/10(日) 18:07:14.18 ID:YZtfqYF10
数時間後
闇咲「グホッ・・・」バタッ
イン「なんか・・・とうまが来る前に敵が倒れてしまったんだよ」
上条「ふぅーー!腹いっぱいになったし、宿題ははかどったし上条さんは満足ですよー」
店員「あのー・・・一つお聞きしたいのですが・・・」
上条「なんだ能無し」
店員「一応風紀委員には連絡しといたのですが・・・今一度御自身で確認を取ってみたらいかがでしょう?」
上条「風紀委員?一体何のk・・・あぁ!」ダッ
闇咲「グホッ・・・」バタッ
イン「なんか・・・とうまが来る前に敵が倒れてしまったんだよ」
上条「ふぅーー!腹いっぱいになったし、宿題ははかどったし上条さんは満足ですよー」
店員「あのー・・・一つお聞きしたいのですが・・・」
上条「なんだ能無し」
店員「一応風紀委員には連絡しといたのですが・・・今一度御自身で確認を取ってみたらいかがでしょう?」
上条「風紀委員?一体何のk・・・あぁ!」ダッ
16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/10(日) 18:10:00.22 ID:YZtfqYF10
上条「ぐっ・・・喰ったばっかだから走りにくい」スタスタ
ドンッ!
上条「うっ、悪い!って御坂?」
御坂「あ・・・アンタどうしてこんな所にいんのよ!」
ドンッ!
上条「うっ、悪い!って御坂?」
御坂「あ・・・アンタどうしてこんな所にいんのよ!」
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/10(日) 18:14:11.68 ID:YZtfqYF10
御坂「―――しなさいよね!―――私の携帯電話の番号は――――」
上条「悪い!急いでるから!」
御坂「ちょ!アンタって奴はァアア!」ビリビリ
ロボ「ゴバぁーン!」
上条「あ・・・あぶねぇ!!」
御坂「ったくふざけんじゃないわよ!」
上条「悪い!急いでるから!」
御坂「ちょ!アンタって奴はァアア!」ビリビリ
ロボ「ゴバぁーン!」
上条「あ・・・あぶねぇ!!」
御坂「ったくふざけんじゃないわよ!」
20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/10(日) 18:27:14.36 ID:YZtfqYF10
上条(ふ・・・ふざけんじゃねぇだと?)
御坂「アンタはいつもそうやって人の話を・・・」
上条「ふざけんてんのはてめぇの方だよ御坂」
御坂「え?」
御坂「アンタはいつもそうやって人の話を・・・」
上条「ふざけんてんのはてめぇの方だよ御坂」
御坂「え?」
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/10(日) 18:35:24.82 ID:YZtfqYF10
上条「どうせお前は勝負しろだの何だの意味わかんねぇ理由並べてきるんだろうがなぁ・・・」
上条「こっちは知り合いが訳の分からない奴にさらわれてんだよ!命が関わってんだよ!」
上条「そんな事も分からないで自分の都合ばっか押し付けやがってふざけんな!」
御坂「えっ・・・で、でも私そんな事知らなかったもん・・・しょ、しょうがないじゃない!」
上条「あ~あ、そうやってまた逆ギレですか、大体こんな汗水足らして急いでいてただ事じゃないって普通分かるよな?」
上条「こっちは殻潰s・・・知り合いの命が掛かってんだ!こんな所で油売っている暇はねんだよ!」
上条「お前はいつまでたっても空気の読めない奴だな?なんなの、学校でも嫌われてるでしょ?ねぇ?」
御坂「そ、そんなことないわよ!」
上条「レベル5の名誉ある称号がなけりゃお前みたいな奴寄ってこねぇよ!」
上条「こっちは知り合いが訳の分からない奴にさらわれてんだよ!命が関わってんだよ!」
上条「そんな事も分からないで自分の都合ばっか押し付けやがってふざけんな!」
御坂「えっ・・・で、でも私そんな事知らなかったもん・・・しょ、しょうがないじゃない!」
上条「あ~あ、そうやってまた逆ギレですか、大体こんな汗水足らして急いでいてただ事じゃないって普通分かるよな?」
上条「こっちは殻潰s・・・知り合いの命が掛かってんだ!こんな所で油売っている暇はねんだよ!」
上条「お前はいつまでたっても空気の読めない奴だな?なんなの、学校でも嫌われてるでしょ?ねぇ?」
御坂「そ、そんなことないわよ!」
上条「レベル5の名誉ある称号がなけりゃお前みたいな奴寄ってこねぇよ!」
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/10(日) 18:43:23.96 ID:YZtfqYF10
上条「大体電撃で公共物ぶっ壊すこと自体考えらんねぇよ!」
上条「俺に攻撃してきた時用に写真撮らなくては・・・」カシャ
上条「良いか、もう俺には二度とちがづくな!近付いたらコレ色んな晒してやる!学園都市の公害女ってなぁ!」
御坂「そ・・そんな、ちょっと相手にして貰いたかっただけで悪気は無かったの・・・」シクシク
上条「はぁ~そういう悪気の無い所が一番ムカつくんだよ!何で俺はこんな奴を・・・」
海原『彼女を守ってくれませんか・・・』
上条「・・・」
上条「俺に攻撃してきた時用に写真撮らなくては・・・」カシャ
上条「良いか、もう俺には二度とちがづくな!近付いたらコレ色んな晒してやる!学園都市の公害女ってなぁ!」
御坂「そ・・そんな、ちょっと相手にして貰いたかっただけで悪気は無かったの・・・」シクシク
上条「はぁ~そういう悪気の無い所が一番ムカつくんだよ!何で俺はこんな奴を・・・」
海原『彼女を守ってくれませんか・・・』
上条「・・・」
24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/10(日) 18:54:01.08 ID:YZtfqYF10
何やってんだ、上条当麻
俺は約束したじゃないか、彼女がどこにいても駆>けつけ守り通すと
それを一方的に突き放すなんて・・・馬鹿な男だよなぁ、俺は
御坂も悪気があってやったことじゃない・・・俺と話たいからやっただけだ
それをキレるだけで聞く耳持たないとか・・・一番人の気持ちを知ろうとしなかったのは
この俺だ
そもそもなんで俺はキレたのだ?俺って何でイライラしていたのだ?
アレだ多分、レストランでのストレスが持ち越されたのだろう
それを御坂に八つ当たりしたんだ、御坂は全然悪くないんだ
何て馬鹿野郎なんだ、この俺は
御坂「うっ・・・うぅ・・・ご・・ごめんなさ」
上条「ごめん御坂」ギュ
御坂「ふぇ!?」
俺は約束したじゃないか、彼女がどこにいても駆>けつけ守り通すと
それを一方的に突き放すなんて・・・馬鹿な男だよなぁ、俺は
御坂も悪気があってやったことじゃない・・・俺と話たいからやっただけだ
それをキレるだけで聞く耳持たないとか・・・一番人の気持ちを知ろうとしなかったのは
この俺だ
そもそもなんで俺はキレたのだ?俺って何でイライラしていたのだ?
アレだ多分、レストランでのストレスが持ち越されたのだろう
それを御坂に八つ当たりしたんだ、御坂は全然悪くないんだ
何て馬鹿野郎なんだ、この俺は
御坂「うっ・・・うぅ・・・ご・・ごめんなさ」
上条「ごめん御坂」ギュ
御坂「ふぇ!?」
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/10(日) 19:09:38.60 ID:YZtfqYF10
上条「悪かったな、御坂、俺も調子乗ってた」
御坂「えぇえ!?何でよ、わ、私が全部悪い・・・」
上条「人の気持ちを知ろうとしてなかったのは俺の方だ」
上条「それに俺はある男にお前を一生守るって誓った」
上条「それなのにちょっとした出来事でそれを破るなんて」
上条「生半可な気持ちで誓った俺を許してくれ」
御坂「・・・」
上条「大体守る相手の気持ちも知らずに、一方的に守り自己満足に浸っていたのかもしれない」
上条「最低な野郎だ、俺は」
御坂「そんなことないわよ・・」
上条「え?」
御坂「えぇえ!?何でよ、わ、私が全部悪い・・・」
上条「人の気持ちを知ろうとしてなかったのは俺の方だ」
上条「それに俺はある男にお前を一生守るって誓った」
上条「それなのにちょっとした出来事でそれを破るなんて」
上条「生半可な気持ちで誓った俺を許してくれ」
御坂「・・・」
上条「大体守る相手の気持ちも知らずに、一方的に守り自己満足に浸っていたのかもしれない」
上条「最低な野郎だ、俺は」
御坂「そんなことないわよ・・」
上条「え?」
28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/10(日) 19:18:26.91 ID:YZtfqYF10
美琴「アンタ、いつも自分の利益にならない所へ飛び込んでいくじゃない」
美琴「それもいつも危険な所へ・・・学園都市最強のLEVEL5を相手にするなんて生半可な気持ちじゃできないわ」
美琴「自己満足というより、本能で動いてるみたいだった・・・」
美琴「本当に感謝してる、それにアンタみたいな馬鹿みたいな正義漢他にいないわよ」
美琴「でも馬鹿は馬鹿でも最低じゃない・・・」
美琴「最高よ、アンタみたいな馬鹿・・・す・・だ・・大好きなんだから!」
上条「み・・・御坂?」
美琴「それもいつも危険な所へ・・・学園都市最強のLEVEL5を相手にするなんて生半可な気持ちじゃできないわ」
美琴「自己満足というより、本能で動いてるみたいだった・・・」
美琴「本当に感謝してる、それにアンタみたいな馬鹿みたいな正義漢他にいないわよ」
美琴「でも馬鹿は馬鹿でも最低じゃない・・・」
美琴「最高よ、アンタみたいな馬鹿・・・す・・だ・・大好きなんだから!」
上条「み・・・御坂?」
32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/10(日) 19:33:32.62 ID:YZtfqYF10
美琴「グスッ・・・うぐっ・・・ふぅえぇえん!」
上条(いつも素直じゃない、ツンツンしてる御坂が思い切って俺に告白しただど?)
上条(よっぽど辛かったんだろうな、勇気を振り絞ったんだろうなぁ・・・)
上条(何で俺はその気持ちを気付いてやれなかったんだろうなぁ・・・)
上条(いつも素直じゃない、ツンツンしてる御坂が思い切って俺に告白しただど?)
上条(よっぽど辛かったんだろうな、勇気を振り絞ったんだろうなぁ・・・)
上条(何で俺はその気持ちを気付いてやれなかったんだろうなぁ・・・)
33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/10(日) 19:35:19.04 ID:YZtfqYF10
上条「悪いな、御坂・・・お前の気持ちしっかりと受け止めたよ、ごめんな気付いてやれなくてな」
美琴「ほ・・・本当に・・・は・・・恥ずかしかったんだから!・・・うっ」
上条「女を守らなきゃいけない男が、女を泣かすなんて・・・本当に俺は最低だ」
美琴「そ・・・そんなことないよぉ・・・グスン」
上条「・・・・もう二度と寂しい思いはさせない、御坂のこともっと知りたい」
上条「だからお前に一生付いていく、だから・・・・」
上条「もう一度誓わせてくれ、お前を一生かけて守る、大好きなお前を」
美琴「ほ・・・本当に・・・は・・・恥ずかしかったんだから!・・・うっ」
上条「女を守らなきゃいけない男が、女を泣かすなんて・・・本当に俺は最低だ」
美琴「そ・・・そんなことないよぉ・・・グスン」
上条「・・・・もう二度と寂しい思いはさせない、御坂のこともっと知りたい」
上条「だからお前に一生付いていく、だから・・・・」
上条「もう一度誓わせてくれ、お前を一生かけて守る、大好きなお前を」
35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/10(日) 19:43:11.33 ID:YZtfqYF10
そして御坂美琴が落ち着いて数分がたち・・・近くの公園
上条(ん・・・?何か俺大事なこと忘れてね?まぁ良いか)
上条「で、お前は何で俺を呼び止めたんだ?」
美琴「で・・・携帯のアドレスを教えてもらおうかなぁと・・・」
上条「そんな事で公共のロボットぶっ壊したのか・・・」
美琴「そ・・・そんなことってどういうことよ!!」
上条「だってさ、上条さんは全然女の子にモテたことないので異性のメアドは担任の先生以外皆無」
上条「御坂みたいな可愛い子が聞いてくれたらすんなり教えてあげますよ」
美琴(か・・・かわいぃい?????)
美琴「へぇふぇぇろろr」プシュー
上条「おーい、御坂さーん!?」
上条(ん・・・?何か俺大事なこと忘れてね?まぁ良いか)
上条「で、お前は何で俺を呼び止めたんだ?」
美琴「で・・・携帯のアドレスを教えてもらおうかなぁと・・・」
上条「そんな事で公共のロボットぶっ壊したのか・・・」
美琴「そ・・・そんなことってどういうことよ!!」
上条「だってさ、上条さんは全然女の子にモテたことないので異性のメアドは担任の先生以外皆無」
上条「御坂みたいな可愛い子が聞いてくれたらすんなり教えてあげますよ」
美琴(か・・・かわいぃい?????)
美琴「へぇふぇぇろろr」プシュー
上条「おーい、御坂さーん!?」
38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/10(日) 19:48:53.50 ID:YZtfqYF10
上条「それじゃお互いのメアド交換しましょうか」
美琴「そ・・・それじゃ私から送るわね」
上条「まさか御坂のメアド貰えるとは思ってもみませんでしたよ」
美琴「だめよ・・・」
上条「え?」
美琴「カップルになったんだから下の名前で呼ばないと、教えないわよ///」
上条「へへへ・・・悪い、ごめんな御s・・じゃなくて美琴」
美琴「当麻・・・///」
美琴「そ・・・それじゃ私から送るわね」
上条「まさか御坂のメアド貰えるとは思ってもみませんでしたよ」
美琴「だめよ・・・」
上条「え?」
美琴「カップルになったんだから下の名前で呼ばないと、教えないわよ///」
上条「へへへ・・・悪い、ごめんな御s・・じゃなくて美琴」
美琴「当麻・・・///」
40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/10(日) 19:56:33.10 ID:YZtfqYF10
上条「そんな訳で、もう夜も遅いしそろそろ帰るとするか」
美琴「ごめんね・・・色々と迷惑かけちゃって・・・」
上条「良いんだよ、俺はお前を一生守るって決めたんだしさ、こんなの朝飯前だろ?」
美琴「うん・・・ありがとう・・・また今度遊びに行こうね?」
上条「良いとも、あ、何なら俺が送ってこうか?」
美琴「何言ってんのよ・・・こう見えて私は学園都市で第三位のLEVEL5なのよ?」
美琴「そこらへんの不良、一人で・・・」
上条「言っただろ?俺が一生掛けて守ると・・・女でもLEVEL5だから助けは要らない」
上条「そんな幻想、俺がぶち殺してやる」
美琴「当麻・・・///」
美琴「ごめんね・・・色々と迷惑かけちゃって・・・」
上条「良いんだよ、俺はお前を一生守るって決めたんだしさ、こんなの朝飯前だろ?」
美琴「うん・・・ありがとう・・・また今度遊びに行こうね?」
上条「良いとも、あ、何なら俺が送ってこうか?」
美琴「何言ってんのよ・・・こう見えて私は学園都市で第三位のLEVEL5なのよ?」
美琴「そこらへんの不良、一人で・・・」
上条「言っただろ?俺が一生掛けて守ると・・・女でもLEVEL5だから助けは要らない」
上条「そんな幻想、俺がぶち殺してやる」
美琴「当麻・・・///」
43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/10(日) 20:12:49.22 ID:YZtfqYF10
0:00
上条「げげっ!美琴を送ったらもうこんな時間に!」
上条「今から帰ってシャワー浴びて寝ても睡眠時間3時間ぐらいじゃねぇか!」
上条「ナポレオンかよ!不幸だぁぁあああああ!」
fin
上条「げげっ!美琴を送ったらもうこんな時間に!」
上条「今から帰ってシャワー浴びて寝ても睡眠時間3時間ぐらいじゃねぇか!」
上条「ナポレオンかよ!不幸だぁぁあああああ!」
fin
50: おまけ 2010/10/10(日) 20:25:56.54 ID:YZtfqYF10
始業式が終わり・・・少し早めの帰り道
上条「さぁて、宿題も無事終わったし美琴とも仲良くなったし」
上条「この不幸な上条さんにも、いーーーっぱい幸せが参り込んだ夏休みでしたよー」
上条「そういやレストランで一年間フリーパス貰ったんだっけ?・・・忘れてたわ・・・」
上条「こんなことなら昼飯買わなきゃ良かった・・・・焼きそばパン余ったし・・・」
上条「ふ・・・不幸だ」
上条「ん?何かまだ他に忘れていることがありそうな・・・」
イン「とォォォォマァァァア゛!?」
上条「」
上条「さぁて、宿題も無事終わったし美琴とも仲良くなったし」
上条「この不幸な上条さんにも、いーーーっぱい幸せが参り込んだ夏休みでしたよー」
上条「そういやレストランで一年間フリーパス貰ったんだっけ?・・・忘れてたわ・・・」
上条「こんなことなら昼飯買わなきゃ良かった・・・・焼きそばパン余ったし・・・」
上条「ふ・・・不幸だ」
上条「ん?何かまだ他に忘れていることがありそうな・・・」
イン「とォォォォマァァァア゛!?」
上条「」
53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/10(日) 20:31:46.62 ID:YZtfqYF10
イン「他人が魔術師に連れ去られたって言うのに!!とうまは短髪とイチャイチャしてたみたいだねぇ?」
上条「い・・・一体なんのことでせうか??」
イン「さっき一足早く家に戻ってみたけど、とうま携帯忘れてたみたいだねぇ?」
イン「そして気になって開いてみたら短髪の名前があったんだよ!!」
イン「これはいったいどういうことなのかな??」
上条「」
上条「い・・・一体なんのことでせうか??」
イン「さっき一足早く家に戻ってみたけど、とうま携帯忘れてたみたいだねぇ?」
イン「そして気になって開いてみたら短髪の名前があったんだよ!!」
イン「これはいったいどういうことなのかな??」
上条「」
54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/10(日) 20:37:19.04 ID:YZtfqYF10
イン「風紀委員っていう人に助けてもらったけど、ご飯がビスケットだけなんだよ!」
イン「昨晩の夕食&今朝の朝食を抜いた私はお腹がぺこぺこで死にそうなんだよ!」
イン「それなのに・・・とうまはおいしそうな食べ物持ち歩いてムキィィィ!!」
上条「おおおお落ち着けインデックス!こ・・・これは昼飯の残りで・・・ってそうだ!」
上条「実はこの前レストランでフリーパス貰ったんだ」
イン「え?」
イン「昨晩の夕食&今朝の朝食を抜いた私はお腹がぺこぺこで死にそうなんだよ!」
イン「それなのに・・・とうまはおいしそうな食べ物持ち歩いてムキィィィ!!」
上条「おおおお落ち着けインデックス!こ・・・これは昼飯の残りで・・・ってそうだ!」
上条「実はこの前レストランでフリーパス貰ったんだ」
イン「え?」
57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/10(日) 20:42:16.20 ID:YZtfqYF10
上条「これはどんなに高い物でもどんなにたくさん食べても全て無料になる券!」
イン「ほ・・・本当?」
上条「本当だとも!一年間しか使えねぇが・・・一年間なら毎日行っても有効だ!」
イン「す・・・すごい」キラキラ
上条「どうせなら今から行こうと思うんだが・・・どうする?」
イン「そんなの行くに決まってるんだよ!とうまってやっぱりすごいんだね!」
上条「当たり前だろ・・・インデックスの為なら何だってするさ・・・」ナデナデ
イン「えへへ・・・とうま大好き///」
~おまけfin~
イン「ほ・・・本当?」
上条「本当だとも!一年間しか使えねぇが・・・一年間なら毎日行っても有効だ!」
イン「す・・・すごい」キラキラ
上条「どうせなら今から行こうと思うんだが・・・どうする?」
イン「そんなの行くに決まってるんだよ!とうまってやっぱりすごいんだね!」
上条「当たり前だろ・・・インデックスの為なら何だってするさ・・・」ナデナデ
イン「えへへ・・・とうま大好き///」
~おまけfin~
58: おまけ2 2010/10/10(日) 20:49:11.04 ID:YZtfqYF10
闇咲「ここは・・・」
冥土返し「気が付いたみたいだね・・・」
闇咲「わ・・・私は一体?」
冥土返し「例のシスターちゃんから聞いたよ」
冥土返し「君は魔道書の原典を使い、ある女性の呪いを解こうとしたそうだが・・・」
闇咲「な・・・何故それを!」
冥土返し「シスターちゃんの静止も振り切ってまで手を出そうとしたじゃないか」
冥土返し「体中のあちこちの内臓が損傷・・・脳まで被害を受けたら死ぬ所だったんだよ?」
冥土返し「気が付いたみたいだね・・・」
闇咲「わ・・・私は一体?」
冥土返し「例のシスターちゃんから聞いたよ」
冥土返し「君は魔道書の原典を使い、ある女性の呪いを解こうとしたそうだが・・・」
闇咲「な・・・何故それを!」
冥土返し「シスターちゃんの静止も振り切ってまで手を出そうとしたじゃないか」
冥土返し「体中のあちこちの内臓が損傷・・・脳まで被害を受けたら死ぬ所だったんだよ?」
59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/10(日) 20:52:11.56 ID:YZtfqYF10
闇咲「良いんだ・・・私が死んでも・・・あの女を救えるのなら」
冥土返し「まったく、君は本当に愚かだね・・・」
闇咲「何だと!?大切な人を守る為に身を呈するのがそれ程悪いというのか?」
冥土返し「わるいに決まってるじゃないか」
冥土返し「まったく、君は本当に愚かだね・・・」
闇咲「何だと!?大切な人を守る為に身を呈するのがそれ程悪いというのか?」
冥土返し「わるいに決まってるじゃないか」
60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/10(日) 20:56:00.55 ID:YZtfqYF10
冥土返し「大切な人が目の前で亡くなって・・・・自分は行きてるのに何もできなくて」
冥土返し「仮にその人が助かったとしても素直に喜べるとおもえるかね?」
闇咲「くっ・・・だが・・・私はやらなくてはならない・・・・私以外誰が!」
冥土返し「ボクを誰だと思ってるんだね?」
冥土返し「仮にその人が助かったとしても素直に喜べるとおもえるかね?」
闇咲「くっ・・・だが・・・私はやらなくてはならない・・・・私以外誰が!」
冥土返し「ボクを誰だと思ってるんだね?」
61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/10(日) 21:04:03.97 ID:YZtfqYF10
冥土返し「コレでも学園都市では名の知れた医者でね、死んでいる者意外は必ず治す」
冥土返し「一度その子ボクに預けてみないかい?」
闇咲「しかし・・・仮にアナタが優秀な医者でも、ただの病とは違う・・・治せるかどうか」
冥土返し「あぁ・・・そうだ、ボクじゃなくてももっと即効性のある人間が居たよ」
冥土返し「その人は右手で異能の力なら何でも打ち消してしまう・・・もしかしたらその呪いも消せるかもね?」
闇咲「そんな人間がいるわけ・・・」
上条『そげぶっ!』
闇咲「ま、まさか・・・・ゴホゴホッ」
冥土返し「ま、人の事を心配する前に自分を心配しなさい。あとは任せるんだね」
冥土返し(まったく・・・・無茶をする人間はあの少年だけで充分だね・・・)
~おまけ2fin~
冥土返し「一度その子ボクに預けてみないかい?」
闇咲「しかし・・・仮にアナタが優秀な医者でも、ただの病とは違う・・・治せるかどうか」
冥土返し「あぁ・・・そうだ、ボクじゃなくてももっと即効性のある人間が居たよ」
冥土返し「その人は右手で異能の力なら何でも打ち消してしまう・・・もしかしたらその呪いも消せるかもね?」
闇咲「そんな人間がいるわけ・・・」
上条『そげぶっ!』
闇咲「ま、まさか・・・・ゴホゴホッ」
冥土返し「ま、人の事を心配する前に自分を心配しなさい。あとは任せるんだね」
冥土返し(まったく・・・・無茶をする人間はあの少年だけで充分だね・・・)
~おまけ2fin~
62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/10(日) 21:09:35.42 ID:YZtfqYF10
終わりました、見てくれた方ありがとうございます
初めは身の回りに起こる不幸なできごとを上条さんがとにかくキレるという・・・
つまりキレ条orゲス条的なカオス展開を目指していたんですが綺麗に終わりました
書き溜めが無く、臨機応変に書いてって御坂と上条がここまで仲良くなるとは・・・
もっと御坂を虐めてみたかったw
とにかく読んでくれた方ありがとうございました
初めは身の回りに起こる不幸なできごとを上条さんがとにかくキレるという・・・
つまりキレ条orゲス条的なカオス展開を目指していたんですが綺麗に終わりました
書き溜めが無く、臨機応変に書いてって御坂と上条がここまで仲良くなるとは・・・
もっと御坂を虐めてみたかったw
とにかく読んでくれた方ありがとうございました
63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/10(日) 21:10:51.48 ID:1d3q1K9pO
ちょうどゲス条に飽きていたところだ
>>1
乙
>>1
乙
64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/10(日) 21:17:52.54 ID:D4T4VfMU0
超展開もたまにはいい
乙
乙
65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/10(日) 21:19:36.74 ID:uYtH7des0
でも実際爆発してもおかしくないよね
66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/10(日) 21:42:35.26 ID:YZtfqYF10
>>65
上条さんは紳士ですから
上条さんは紳士ですから