ウチの妹はめんどくさい
2018-04-22
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/16(月) 22:59:19.89 ID:Yo4/p9EmO
「お兄ちゃん手伝ってっ!」
「いやなにを」
その時の俺は、自室のベッドに寝転びながら携帯をいじっていた。
風呂上がりのラフな格好でバーンと俺の部屋にやってきた我が妹、愛華(あいか)。
なんの脈絡もなく飛び出してきたその言葉は、かなり具体性にかける。
とはいえ、別に驚くことではない。ウチの妹が思いつきで行動を起こすのはよくあることだ。
その度に振り回されるのは愛華の周囲にいる人たち。つまりクラスメイトや友人、家族である。そしてその中にはもちろん俺も含まれていた。
「今度は何なんだよ」
俺はのっそり体を起こしながら、愛華の方に向かい合う。
彼女の顔を見てすぐにわかったが、何だか楽しそうである。
機嫌がいいのが一目で分かった。
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/16(月) 23:02:09.79 ID:Yo4/p9EmO
当たり前のように愛華は部屋に侵入してくる。
もし俺が彼女の部屋に入ったら二秒と経たず蹴り出された挙句「だからお兄ちゃんはモテないんじゃないの?」と、割とマジなトーンで吐き捨てられる。
愛華は使用されない勉強机の前にあるクルクル回るイスを引き寄せると、背もたれを抱きしめるように逆向きに座った。
「なんかいいことでもあったのか?」
「ふふ、実はねー、好きな人が出来たんだー」
「ほーん。それで?」
何気なく聞き返すが、正直嫌な予感がする。
もう高校生にもなる訳だし、妹の恋路だって……まぁ、気にならないと言えばウソになるが、俺が口出しすることじゃない。
いや、問題はそこではなく、今から愛華が俺にいう内容が果てしなくめんどくさいという気がしてならないのだ。
「それでねー」
愛華はクルクル回るイスで、自分もクルクル回りながら、恥ずかしそうに?に手を当てる。
たぶん、これは本気で恥ずかしがっている訳ではなく、そんな風に装ってるだけだろう。
ウチの妹にはこういうところがある。
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/16(月) 23:03:39.35 ID:Yo4/p9EmO
なんていうか一言で言えば、自分を可愛く見せようとする。
この年頃の女の子であれば普通のことなんだろうけど(まぁ実際はどうなのか知らんが)、愛華はそれを極自然にやるからすごいと思う。
俺ですらそれが素なのか演技してるのかよく分からん時があるくらいだ。
「その好きな人ってのが、お兄ちゃんと同じクラスの人なの」
「マジかよ」
別に妹の恋路を邪魔する気はないが、それは何か嫌である。
ハッキリと説明はできないが、なんか嫌だ。
「え、誰?」
それでも気になる。ていうか、どのみち聞かされてしまうだろう。
てか、既に愛華が俺に何を頼もうとしているのか分かった。
「知ってるでしょ? テニス部の藍坂(あいざか)先輩。
だからお兄ちゃんにちょっと手伝ってもらいなって」
あー、あいつね、あいつ。まぁ、悪い奴ではないし、別に止めはしないけど、なんかなぁ。
あいつ天性のイケメンだからな。顔もトップアイドル並みだし、性格もいい。
まるで少女漫画の正統派ヒーローみたいな奴で、逆になんかなぁって思う。
派手好きの愛華が好きになるのも分かる。
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/16(月) 23:05:23.62 ID:Yo4/p9EmO
「でもお前と藍坂に接点なんかあったか?」
俺ですらたまに喋るクラスメイトという感じで、メアドはお互い登録してるが、メールを交わしたことは一度か二度だけだ。
「いやないけど?」
「は?」
「やだなぁお兄ちゃんっ、世の中には一目惚れって言葉があるんだよ?」
「あー……、あー、はいはい」
りょーかいしました。
可愛い妹のためなら何とやらですね。
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/16(月) 23:06:56.32 ID:Yo4/p9EmO
◯
「よっす藍坂」
「おぉ、どうしたの立花くん。珍しいね」
翌日の昼休み、妹様の想い人たるイケメン間違えた藍坂光輝に話しかけてみる。ちょうどいいタイミングで一人で居てくれた。
普段は関わることなんてない俺に話しかけれて、藍坂は意外そうな反応を見せた。
「あぁちょっと用事があってだな。話したいことがあるんだけど」
「うん、別にいいよ。それで、話したいことって?」
「あー実はですね」
妙な言い方をする俺に、藍坂は不思議そうな顔をする。
くっそ、イケメンだなこいつ。仕草の一つ一つが様になってやがる。俳優でもやったらいいと真剣に思います。
って、そんな話じゃなかったな。
俺は何というべきか、少しばかり悩んだ挙句、こう口を開いた。
「なんかウチの妹が藍坂のこと気になってるみたいなんだけど」
もうぶっちゃけてしまおう。愛華にはもっと慎重にやれと殴られるかもしれないが、こういうのはズバッと言った方がスッキリするよね。
こいつイケメンだし、こういうのは慣れているはずだ。
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/16(月) 23:11:09.50 ID:Yo4/p9EmO
「妹さん? え、立花くんって妹いたの?」
この反応である。当たり前だが認知すらされていない。
「知らないか。俺の妹とは思えないほど顔だけはいいから、割と一年生の間では有名らしいが」
「んー、あ、そういえば部活の後輩が、同じクラスに立花ってすごく可愛い子がいるって言ってたような、いないような」
顎先にツンツン指を当てて、上目に虚空を見つめるイケメン。
何だそれは。狙ってやってんのか。しかしどうやら天然ものだなこれは。あざとい妹を毎日見てる俺には分かる。
「それでですね。一度会ってみてはもらえないでしょうか?」
「うーん、難しいかな。部活の練習も結構忙しいし」
ですよねー。
うーん、でもウチの妹も中々可愛いと思うんだけどなー。
「あ、やっぱ彼女とかいたりします?」
「いや、今はいないけど」
聞きましたかみなさん。『今は』ですって。やはり言うことが違う。しかも全然嫌味な感じじゃない。
「そこを何とかお願いします! ウチの妹もクソがつくほど自己中な点を除けば、割と可愛い美少女ですしっ! ……おすし」
しまったつい本音が。
て言うか何で俺こんな熱心になってんだろうな。
妹に嫌われないようにお兄ちゃんは必至です。
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/16(月) 23:12:37.13 ID:Yo4/p9EmO
「んー、じゃあ今度お昼を一緒に食べるくらいなら」
「おぉマジか。すげぇ!」
俺すげぇ! 天下のイケメンとのお食事デートを取り付けてやったぞ、妹よ!
「マジでありがとうな」
「いや、妹ちゃんもすごく可愛いらしいから、ちょっと期待してね?」
冗談めかして笑う藍坂。眩しすぎて失明しそう。
あー、これは出来たイケメンですわ。
ウチの妹にはもったいないかもなこれ。
◯
「えっホント? おぉ、お兄ちゃんすごい!」
「ハッハッハっ、もっと褒めろ」
「きゃーお兄ちゃんカッコイイっ。藍坂先輩の方がもっとかっこいいけど」
ですよねー。異論はありません。
そして当たり前のように俺の部屋に居座ってる愛華。
妹に部屋に居られると、やりたいことも出来やしない。
え、何がやりたいのかって?
色々だよ。
「というわけで妹よ。お兄ちゃんは頑張った」
「うん偉い偉い。褒めてあげるよお兄ちゃん」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/16(月) 23:13:31.62 ID:Yo4/p9EmO
何でお前は偉そうやねん。なんて愛華に突っ込むのは野暮ですかね。
「だから部屋から出てってくれ。お兄ちゃんは宿題をしなかければいけないのだ」
「やーだ」
俺のベッドを占領して、枕元に俺の漫画を山のように積み上げながら、漫画に視線を置いたまま即座に言い放つ愛華。
あの……ここ俺の部屋なんですけど……。
しかもラフな格好で寝転んでるから、胸元とかへそとか思いっきり俺に見えてるし。
まぁだからと言って何も感じないんだが。自分でもびっくりするくらい。
兄妹なんてこんなもんです。
でも、さすがに鬱陶しいのでお兄ちゃんも反抗してみます。
「胸見えてんぞ」
「……え、キモい」
…………割とダメージが大きいなこれは。胸が苦しい。
そそくさと部屋から逃げ出した俺であった。
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/17(火) 21:30:29.81 ID:LRSABkC/0
「どうしても好きなんです!」
現在、俺は告白されていた。
後輩の男の子に。
身長は少し高め。体型は痩せてるな。髪は短くて、顔は中の上といったところか。中々可愛い顔をしている。
「で、ウチの妹のどこが気に入ったんだ。顔か、やっぱり顔なのか」
いや、分かってますよ。彼がなんの目的で俺に近づいてきたかくらい。
ウチの妹は罪作りだ。
基本的に可愛い自分を作りたがるから、弊害としてこう言ったことがよく起こる。
「ま、まぁ、その。顔が可愛らしいのもそうなんですけど、この前、僕が日直当番で黒板を消してる時に手伝ってくれて、優しいなって……」
……胸が痛い。
そんなことでコロッとやられる後輩くんも後輩くんだと思うが、ウチの妹がすみませんね。
たぶんそれは、『私案外優しいところもあるよアピール』を君じゃなくてクラスメイト全員にしてたんだ。
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/17(火) 21:31:19.67 ID:LRSABkC/0
「いや、でも愛華好きな人がいるらしいけど?」
「僕は構いませんよ! お兄さん!」
いや君の感想は聞いてないよ。
望み薄であることを遠回しに示唆してるんだよ。察せよ。
ていうかお兄さんって呼ぶな。
このくらいの情熱があるなら、本人に直接ぶつけてほしいと思う。
まぁ俺も男だから彼の気持ちも分からなくはないんですがね。
「どうしたら許してもらえますか、お兄さん」
「待て待て待て待て、今スリーステップくらい話が飛び上がったぞ」
言ったよね? 俺、愛華には好きな人がいるって言ったよね?
中々面白い冗談を言ってくれる。
「まず愛華の許可を取ってこいや」
彼のためにも一刀両断した。
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/17(火) 21:31:59.59 ID:LRSABkC/0
◯
イケメン藍坂と妹のお食事デートの日がやってまいりました、俺同伴の。
さすがにいきなり二人きりっていうのはねー、ということでその辺りは愛華も納得していた。
と言うわけで、場所は食堂の外にあるテラス席。
いつも通りの母親手作り弁当を持ち込もうとしたら、妹に止められた。
「やめてお兄ちゃん」
「何がだ」
「今日は普通に食堂のご飯食べよう。そうしよう」
「母さんの弁当は?」
「あとで食べればいいでしょ」
「いや俺はいけるかもしらんが、お前は大丈夫なの?」
「何言ってるの? 私の分もお兄ちゃんが食べるんだよ」
「え……? え?」
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/17(火) 21:32:58.12 ID:LRSABkC/0
そして藍坂と合流し、テラス席に座る俺たち。
「はじめましてっ、一年生の立花愛華です。お兄ちゃんがいつもお世話になってますっ」
出ました。妹のよそ行きモード。兄じゃなくて、あえてお兄ちゃんって言うとこがやっぱあざとい気がする。……考えすぎか。
愛華の声が、普段俺と話す時よりもワントーン高い。あと笑顔が眩しい。化粧に気合が入ってる。
基本的にウチの妹はナチュラルメイクだが、今日のはいつもの五倍くらいナチュラルだった(何言ってんだ俺)。
え、君どこのアイドル?
白けた顔で眺めているのがバレたのか、グリグリと愛華に足を踏まれる。ちょ、痛いです愛華さん。
「立花だとお兄ちゃんとかぶると思うので、私のことは遠慮なく愛華って呼んでください。私、全然そう言うの気にしないので」
「愛華」
それならさっそく名前を呼んでみる、俺が。
さらに強く踏まれた。
そんな俺たちの様子を見てか、藍坂がクスリと笑った。
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/17(火) 21:34:00.48 ID:LRSABkC/0
「愛華ちゃんは立花くんと仲良いんだね」
「はい、とてもっ。ね? お兄ちゃん」
「ですね」
しかしすげーなこいつは、全然物怖じしてねぇ。緊張とかないの?
「実は私、藍坂先輩が出てたこのまえの試合見てたんですよ」
「あ、アレ見に来てくれてたんだ。嬉しいな」
「はいっ、藍坂先輩のことは前から知ってたんですけど、そこで本当にかっこいいなって。私なんかが釣り合わないなって思ったんですけど……」
「いやいや、愛華ちゃんもすごく可愛いと思うよ?」
「ホントですかっ」
その後もすげぇ自然に喋り続ける美男美女。え、お前ら今初めて会ったんでしょ?
なんでそんなに会話続くんですか。しかも中々な豪速球投げ合ってるし。
てか俺いらねぇなこれ。俺いらなかったな。胸がキリキリして気まずいだけです。
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/17(火) 21:34:51.74 ID:LRSABkC/0
「ではあとは若いもん同士で」
さりげなく席から立とうとすると、愛華に腕を鷲掴みされた。
「どこいくの?」
「いや彼女が待ってるから」
「は?」
待ってその顔こわい。
「え、立花くんって彼女いたんだ」
「すみません見栄はりました。今までいたことすらありません。……いや待て。そう言えば、一回あるな」
小学校三年生くらいの時に、告白されて付き合ったはいいけど、具体的に何をすればいいのか分からず自然消滅したよく分からない経験が。
てか、これ彼女いたことあるって言えるかどうか怪しいな。見栄張ってる感が半端ない。
「え、私その話聞いてないんだけど」
なぜお前に報告しなければならない。
で、そのあと愛華が不機嫌になった。
マジで勘弁してください。藍坂がなんか戸惑ってるじゃん、無駄にイケメンな苦笑してるじゃん。やめてよ。二人を紹介して引き合わせた俺の身にもなってください。
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/17(火) 21:36:14.63 ID:LRSABkC/0
そのあともランチタイムが終わるまで愛華は機嫌が悪くて、居心地の悪さが尋常じゃなかった。
終わった後で藍坂に謝ったが、「気にしなくていいよ。本当に妹さんと仲良いんだね」と気さくな笑顔で言っていた。あなたは天使ですか。ウチの妹がすみません。
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/17(火) 21:37:22.84 ID:LRSABkC/0
「やっぱりもういい。なんか違う」
「は?」
自宅に帰ると、まだ機嫌の悪いままの愛華が俺にそう言った。
「藍坂先輩、確かにすごいカッコいいけど、なんか違うと思った。だからもういい」
「えぇ……」
途中までめっちゃ楽しそうに喋ってましたやん……。ウラではそんなこと考えてたんですか。俺でも分からんかったよ。
……え、女の子ってみんなこうなの? 待って怖い。いやいや、うちの妹が少々あざとすぎるだけだよな。
「それより、ねぇ。兄ちゃんに彼女いたなんて知らなかったんだけど」
「いや、つっても小3の時の話だぞ」
愛華が意外そうに目を丸くする。しかし、すぐにさっきの不機嫌な顔に戻った。いや、ちょっとだけ柔らかくなったかも。
「…………だれ?」
「いや、お前は知らんと思うぞ」
「教えて」
「絶対知らないって」
「いいから」
愛華に急かされ、俺は渋々その名前を口にする。
くそ恥ずかしいぞこれ、何の公開処刑ですか。いや別に公開という訳ではないか。
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/17(火) 21:38:06.61 ID:LRSABkC/0
「そんな人知らないんだけど」
だから知らんと思うっていいましたやん……。
そう思うが、口には出さない。言葉にしたらまた機嫌が悪くなる。
なぜに俺だけがここまで丸裸にされなければならないのか。
愛華は以前にも何度か彼氏を作っているようだが、俺はそのことを知らなかった。
友達にそのことを知らされたり、外で妹が他の男子と手を繋いで歩いているのを見た時の衝撃ったらない。
俺が鈍感すぎるだけかも知らんが。
家族は普通に気付いてたみたいだし。
「まぁ、ないとは思うけど、お兄ちゃんに彼女が出来たら教えてね」
「いやです」
「は?」
「いや、いやいやさすがに嫌だ」
妹にそこまで縛られるのは流石に遠慮させてもらいたい。
「……」
愛華に睨まれる。
仕方ない、奥の手を使うか。そろそろ賞味期限も切れそうだしな。
「……実はこの前買った有名店のクッキーが隠してあるんだけどさ、食べる?」
「…………食べる」
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/17(火) 22:20:53.49 ID:LRSABkC/0
「ねぇ、流石にちょっとハッキリ言った方がいいんじゃない? 愛華ちゃんのためにもさ」
別に相談したかった訳ではないが、「最近愛華ちゃんどうなの?」と聞かれ、適当に話したらそう言われた。
少し厳しい目つきで俺を見るのは、中学の頃から何かと縁のある相川。
中学の頃から合わせて五年連続同じクラスとくれば、女子であってもそこそこ話すようになった。
女友達と言えるかも分からない、微妙なポジションの女の子である。
愛華とも面識がある。愛華は加奈のことめっちゃ嫌ってるけど。しかも理由が何となく気に入らないとかなり暴力的。
「ブラコンも大概にしないと」
「いや、でも俺もシスコンだし」
「そういう問題じゃないでしょ。愛華ちゃんの将来のためにも良くないと思うなぁ」
やけに『愛華のため』というのを主張する相川。んー、愛華のためねぇ……。確かにそうなんだろうけど。
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/17(火) 22:23:02.95 ID:LRSABkC/0
うん、まぁ、あのまま愛華が大人になったら、かなりの悪女になるな。周囲の男たちは、振り回されること間違いなし。
「でもあいつ俺のいうことなんか聞かないぞ」
「聞かせるんだよ」
「え、なにそれこわい」
「あのね。真面目に聞いてる? ハッキリ言わせてもらうとね、愛華ちゃん、女の目から見たら相当嫌な子だよ」
うーん、やっぱそうなのか。まぁ、あくまで相川の一意見だが。
「……ん、あれ?」
携帯がないぞ。おかしいな、ちゃんと鞄に入れたはずなのに。
「ちょっと? おーい聞いてる? ってなにしてるの?」
「いや、携帯が行方不明なんだけど」
そうと分かると落ち着かないな。現代人がいかに携帯に依存してるかと分かるいい例です。
「愛華ちゃんが持ってるんじゃないの」
「え? いや、何でそうなるんだ」
しかし相川は冗談で言ってる訳ではないようだ。
……え? マジで?
「でもあいつ俺のいうことなんか聞かないぞ」
「聞かせるんだよ」
「え、なにそれこわい」
「あのね。真面目に聞いてる? ハッキリ言わせてもらうとね、愛華ちゃん、女の目から見たら相当嫌な子だよ」
うーん、やっぱそうなのか。まぁ、あくまで相川の一意見だが。
「……ん、あれ?」
携帯がないぞ。おかしいな、ちゃんと鞄に入れたはずなのに。
「ちょっと? おーい聞いてる? ってなにしてるの?」
「いや、携帯が行方不明なんだけど」
そうと分かると落ち着かないな。現代人がいかに携帯に依存してるかと分かるいい例です。
「愛華ちゃんが持ってるんじゃないの」
「え? いや、何でそうなるんだ」
しかし相川は冗談で言ってる訳ではないようだ。
……え? マジで?
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/17(火) 22:23:43.99 ID:LRSABkC/0
と、思ってたら普通に見つかった。奥の方にあったよ携帯ちゃん。
「悪い、普通にあったわ」
「なーんだ、紛らわしいことしないでよ」
「紛らわしいって……。流石に愛華もそんなことはしないだろ。俺の携帯なんか見てもなにも面白くないし」
「どうなんだろうねー」
含みのある言い方をされる。意味深ですね。
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/17(火) 22:24:40.62 ID:LRSABkC/0
◯
「なんかお前の妹、彼氏できたらしいな」
「なんでお前が知ってるんだ」
友人の高坂祐飛が、当たり前のような口調で言ってきた。
衝撃である。
「え、知らない? さすがにウソだろ。結構な噂になってるけど」
「だってウチの妹、そういうことあんま言わないし」
「いやいやいや、別に俺だってお前の妹から聞かされた訳じゃねぇよ。普通、気付くだろ。俺が知ってるくらいだぜ?」
「うーん……」
だって気付かないものは、気付かないからな。
愛華の様子は、特段いつもと変わりないし。
てかあいつ彼氏できたのか。とんでもねぇな。藍坂と昼一緒に食べたのがせいぜい一週間くらい前だぞ。
どうやってるんだよ。マジで気になる。俺にも教えて欲しい。
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/17(火) 22:25:46.01 ID:LRSABkC/0
「あのな。前々から思ってたけどさ、お前はもうちょっと周りのことに目を向けた方がいいと思うぞ」
「いや普通だって」
「普通ではない。じゃあ聞くけどさ、お前、相川さんがこの前告白されたって話知ってるか?」
「えええぇっ、マジ?」
え、うそ、めっちゃびっくりなんだけど。相川は俺と同類だと思ってた。なんかショックだ……。
てか、全然そんな素振り見せてなかったよな?
「いつの話ですか」
「二週間くらい前」
「わりと前ですやん……」
「たぶんクラスの半分以上は知ってる。なのに、いつも相川さんと喋ってるお前が知らないのはおかしいだろ」
「いや、近すぎる故に気づけなかったという可能性も」
ほら、ドラマとかでよくあるやつ。
「てか、相手は誰なんだ?」
「俺」
「…………」
「ウソじゃないぞ」
「えええっ」
真顔で言わんでくれるか。マジで死ぬほどビビったんだけど。
「え、え、……マジか、マジか、なんかショックだわ」
ひとりで取り残された感が半端ではない。いつの間にみんなはそんなに進んでいたんだ。
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/17(火) 22:26:29.17 ID:LRSABkC/0
「え、で、せ、成功したの?」
心臓がドキドキ跳ねる。
「成功してたらお前に二週間も黙ったりしない」
「おおぅ……それはなんというか、ドンマイ。てか好きだったのか」
「お前に言われるとなんかムカつくな。マジで気付いてなかったのか」
「いや、なんかここの所。お前が相川と話してる姿見ないな、とは思ってたけど」
「それだよそれ。そこで察せ」
無茶を言うな無茶を。さすがに無理があるだろ。
33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/18(水) 22:23:57.71 ID:TJ54YBWd0
◯
本日、愛華が彼氏を家に連れてきた。
史上初の出来事である。と思って、俺がソワソワしていたら、母さんが俺にとある事実を告げた。
母さんの話では、以前にも連れてきたことがあるらしい。あ、それはまた別の彼氏ね。
ちなみにその時の俺は外出していたらしい。
なら気付かなくてもしょうがないか。
そして、愛華に「お兄ちゃんは部屋から出ないで」と申しつけられたので、部屋で大人しくゲームをしている俺である。
てか、そう言うくらいなら外出してた方がいいよな。
俺は外に行くことにした。
ガチャリとトビラを開けて廊下を歩いていると、愛華の彼氏くんと遭遇してしまった。
トイレに行く所だったらしい。
34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/18(水) 22:24:48.91 ID:TJ54YBWd0
ちなみに彼氏くんは、愛華と同学年の一年生。なかなかのイケメンで、好青年を具現化したような男の子であった。母さんの機嫌がよかった理由が分かりました。
軽く会釈してその場を無言で通り過ぎようとしたら、むんずと彼氏くんに腕を掴まれた。
なんぞですか。
「あの、少しいいですか?」
「どうぞ」
「あまり僕の口からこういうことは言いたくないんですけど。
少し愛華から離れてもらえませんか?」
質問の意味が分からぬ。離れるも何も、同じ家に住んでるんだから無理ですよ。
「えー、何が?」
「とぼけるんですか? 愛華も迷惑してるんです。愛華が可愛いのは分かりますけど」
うん、わかるわかる。
35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/18(水) 22:31:09.91 ID:TJ54YBWd0
「流石に気持ち悪いです。高校生にもなって妹離れできない兄ってどう思います?」
別になんとも。
と、返すのはマズイだろうなぁ。
返答内容に悩んでいると、彼氏くんはそれを沈黙と受け取ったらしい。
別に正解ではない。
「だんまりですか? ホントは自覚してるんですよね。それって余計にタチ悪いですよ」
彼氏くんに軽蔑するような目で見られる。
「今まではどうなのか知りませんけど、今は愛華は俺の彼氏です。少しは自重してください」
言いたいことだけを言うと、彼氏くんはさっさとその場から去っていった。
見た目と中身が随分と違う印象を受けた。
36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/18(水) 22:31:51.02 ID:TJ54YBWd0
あと一つ思ったことは、いくら愛華のためと言ってるとはいえ、初対面の年上にあそこまでストレートに言っちゃうような彼は、好きになれないと思った。
愛華がいいならそれでいいけど、できればやめてほしいと思ってしまう。
なるほど、こういうところを気持ち悪いと言われてるのか。納得。
……軽く傷ついたぜ。
ウッと胸を押さえながら、俺は自室に逃げ帰った。
37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/18(水) 22:36:51.49 ID:TJ54YBWd0
自販機にジュースを買いに来たところ、相川とばったり出会った。
自然と、一緒に教室に帰る流れになった。
「なぁ俺って気持ち悪いの?」
「なに、いきなりどうしたの。悟りでも開いた?」
「俺がキモいことがセカイの真理とでも言いたいのか」
そう返すと、相川はクスクス笑った。
笑ってもらえてよかったです。
「また愛華ちゃん関連のことでしょ?」
「ですね」
「なに、お兄ちゃんなんて嫌いって言われた?」
「義弟にね」
「そういえば愛華ちゃん彼氏できたんだっけ」
今ので分かってもらえたか。察しのいいやつである。
38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/18(水) 22:38:02.46 ID:TJ54YBWd0
「まぁ、あんまり気にしなくていいと思うよ。これからも多分同じようなことが続くと思うし」
「お前はエスパーか何かか」
「そうかもね。まぁしょうがないよ。立花くんが愛華ちゃんから距離置かない限り、そういうことは続くよ」
「うーん、悩みどころだな」
「流石自称シスコン」
本気で呆れたように相川が言った。
「そういや。あー、やっぱりなんでもない」
「おいこら、そこで止めるのは卑怯だぞ」
「じゃあ言うけど、相川って祐飛に告白されたの?」
「……やっと気付いたんだ」
「えーまぁ、うん」
気付かされたと言う方が正しいが黙っておく。
「どうせ気付かされたんだろうけど」
「やはりエスパーかお前」
「ふふ、すごいでしょ? 本当に気付かなかったんだね。私も、高坂くんも、愛華ちゃんもこんなに近くにいるのに」
口調こそいつもと変わらなかったが、何故か責められているような気になった。
39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/18(水) 22:39:00.47 ID:TJ54YBWd0
「……なんでそこで愛華が出てくるんだ」
「なんでだろうね」
いたずらっぽく笑う相川。その瞬間、頭に衝撃と痛みが走った。
「痛い」
振り返ると、そこにいたのはなんと愛華だった。
一目で彼女が不機嫌であることが察せられた。
「なんでこんなとこにいるの?」
「居たら悪いですかい」
と思ったが、俺に言った訳ではないようだ。
「ごめんね愛華ちゃん。でも別にお兄ちゃんを取っちゃった訳じゃないから」
「……なんでそう言う話になるの? 意味分かんない」
「あっ、だったらよかった。じゃあもうそろそろ授業も始まるし、早く教室に戻ろっか立花くん」
40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/18(水) 22:39:39.43 ID:TJ54YBWd0
そう言われてしまっては仕方ない。俺は相川の背中を追うように足を踏み出したが、グッと後ろから襟を引き寄せられる。
待って今一瞬死の世界が見えたんだけど。
ゴホゴホ咳き込みながら、俺は乱暴をやらかした愛華を睨む。
「お兄ちゃんはここに残って」
「……ゲホ、悪い相川。そう言うことらしいからさっきに行ってくれ」
「じゃあしょうがないね」
特に気にした様子もなく、相川はその場を離れた。
愛華はその背中をずっと睨むばかりで、俺に何かを話す様子もない。
「あの、愛華さん?」
「あの女のこと好きなの?」
「え? えー……、あー……、どうだろうなー」
曖昧な返事をすると、愛華にさらに強く睨まれる。
うっ、妹が怖い。
そのまま無言の視線に耐えていると、授業の開始を告げるチャイムが鳴った。
41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/18(水) 22:40:32.35 ID:TJ54YBWd0
「おい授業始まったぞ」
「……お兄ちゃん。あの女だけはやめておいた方がいいよ」
それだけ言うと、愛華は俺の足を踏みつけてからその場を去った。
「……はぁ」
頭を掻きながら嘆息して、俺は教室の方に向かう。普通に遅刻で怒られるな、これは。
すると廊下を曲がった所で、相川とぶつかりそうになった。
「チャイムに助けられたね」
「先に帰ったんじゃないんですか」
「立花くんだけが怒られるのは可哀想だからね。
っていうのは建前で、あの愛華ちゃんがなんて言うのか気になっただけ。
私、やっぱり嫉妬されてるみたいだね」
「みたいだな」
「ショックだな。なんか、まぁしょうがないのかもしれないけど」
「そうだな」
42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/18(水) 22:41:17.95 ID:TJ54YBWd0
相川は「んーっ」と、その場で大きく伸びをした。
決して彼女は大きい方ではないが、そんなことを間近でされると強調されて困る。ちょっと透けてるし。
「こら、そう言う時はさりげなく目を逸らすの」
バレバレである。
「愛華ちゃんに殺されちゃうよ?」
「それは困る」
俺がそう返した時には、相川はすでに俺に背を向けていた。
「じゃあ、一緒に怒られにいきますか」
◯
「あ、あの、好きです。付き合ってください!」
一人の女の子が、一人の男子生徒に告白していた。
そんな光景を偶然見てしまった俺。
「え、と、あの。ごめん。君のことは嫌いじゃないけど……。うん、ごめん。俺、実は彼女いるし……」
しかもフラれていた。
43: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/18(水) 22:42:09.28 ID:TJ54YBWd0
衝撃を受けたような顔で、何も言えなくなった女の子。完全に固まっていた。リボンの色からして、彼女は一年生だろう。
対する男子の方(こちらもたぶん一年生)は何度か「ごめん」と言いながら、逃げるようにその場を去って行った。
えー、あー、うん。
幸いなことに、まだ女の子は俺の方に気付いてないし、今のうちに離れよう。
そう思って、ゆっくりと足を後ろに運ぶ。
その内に、女の子がポロポロと涙をこぼして泣いているのを視界に入れてしまう。
非常に後ろ髪を引かれるが、面識のない俺があの女の子に接触して事態が好転する可能性はあり得ないので、迷わず立ち去る。
ごめんね、と、せめても心の中で思っておいた。ただの自己満足である。
49: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/19(木) 20:24:01.84 ID:+NPx4pxFO
○
『ねぇ、わたしのこと、きらいなの?』
「……なんだこれ、え、マジでなに」
携帯のメッセージツールに、なんだかよく分からない文章が送られて来た。
相手はクラスメイトの女の子。
以前に何度かメッセージを交換したことはあるが、大して交流のない子である。
実際この三、四週間くらいも、ほぼ会話なんてしてない。
現在でも、携帯でも。
挨拶だけはしている。というか、しなければならないような雰囲気になっているから、してるけど。
それがいきなり『ねぇ、わたしのこときらいなの?』に繋がるか?
送り間違いか。
『間違えてますよ』と返信しようとして、俺は踏みとどまる
……いや、待て。
もしかしたらまた俺が気付いてないだけなのかもしれない。
自意識過剰かもしれないが、もしかしたら彼女は俺ことを気になっているのかもしれない。
いわゆる『あれ、こいつ俺のこと好きなんじゃね?』的な気持ちになってみる。
50: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/19(木) 20:26:55.66 ID:+NPx4pxFO
……思い当たる節がない。
仮にそうだとしても、いきなりこんなメッセージを送ってくるのは違う気がする。
送るとしても、無難なところで恋人の有無を尋ねるくらいだろう。
では、その真意やいかに。
分からないので、誰かに聞いてみることにする。
さて誰に聞くか。
こういう相談が適任なのは、誰だろうか。
母親、相川、愛華、祐飛くらいか。
母親と愛華はやめておこう。面倒なことになる。
祐飛はどうだろうな。こういうの得意じゃない気がする。
ここは基本的に何でもソツなくこなす相川に聞くことにしよう。
電話しよう。
51: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/19(木) 20:38:49.13 ID:+NPx4pxFO
携帯で相川の連絡先を探していて気付くが、何気に彼女に電話をかけるのは初めてである。
数回のコールの後、彼女が電話に出る。
『あれ、珍しい。立花くんが電話なんて』
「ちょっと相談したいことがありまして」
『なにかな、聞いてあげよう』
俺は諸々の事情を話す。
『なるほど。私に相談したのは立花くんにしてはいい判断だったかもね』
「それはどうも」
『でも、なんだかなぁ』
悩むような相川の声が聞こえてくる。
「どうしました」
『ぶっちゃけて言うとね、立花くんが思ってることは当たってるよ』
さらりととんでもないことを言ってくれる相川。
一瞬思考が停止する。
52: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/19(木) 20:52:02.89 ID:+NPx4pxFO
「あー、えっとつまりそれは、俺は気になられていると」
ちょっと信じられない。でも別に相川はウソなんてつかないしなぁ。
『そう言うことだね』
「だとしたら、あのメッセージはどう言う意味なんですか」
『そこなんだけどね。別に私も確信があるわけじゃないんだけど、』
その時、バーンっと背後で扉が開く音がした。
振り返ると、そこには無断で俺の部屋に入り込んだ愛華がいた。
「誰と電話してるの?」
「えー、相川?」
そう言うと、愛華が眉をひそめる。
「ねぇ、ちょっとあの人と話しさせて」
『ねぇ、立花くん。愛華ちゃんにかわってくれない?』
時間差で、ほとんど同じ内容を口にする愛華と相川。
53: ◆ly5pzZ3c695a 2018/04/19(木) 21:41:20.18 ID:OSV+oEgr0
俺は「ど、どうぞ」と、素直に愛華に携帯を渡すしかなかった。
そのまま携帯を耳に当てる愛華。
その数秒後ぐらいに、愛華が俺に有無を言わさない視線を向けてきた。
「出て行って」
「はい」
すごすごと自分の部屋から退場する俺。
そのあと五分ほど、部屋の前で正座待機をしていると、中から愛華の叫ぶような声が聞こえてきた。
完全にキレている時の口調だった。幼い時からなにも変わってない。
バンッと爆発するような勢いで扉が開いた。鼻先をドアがかすめる。
危なかった。あと一センチでも前にいたら即死だった。
中から出てきた愛華は、携帯を手に持っていなかった。
おい、どこにやった。俺のマイフォン。
54: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/19(木) 21:42:28.00 ID:OSV+oEgr0
「ねぇ、お兄ちゃん」
思ったより落ち着いた口調で、愛華が俺にそう言った。
「私とあの女、どっちの方が好き?」
「……。あー、それはもちろん、恋人になりたいとか、キスしたいとか、愛してるとかの方の意味ではないよな?」
「当たり前でしょ」
なに言ってるの気持ち悪いとでも言いたげな目で見られる。
「だったら愛華の方が好きだぜ」
「本当に? ウソじゃないよね?」
「俺はお前にウソをついたことはない。冗談はいうけど」
「じゃあ、どのくらい私の方が好き?」
「残念ながら相川のために死ぬことはできないけど、愛華のためなら死ねる」
「……わかった。私は別にそこまでお兄ちゃんのこと好きじゃないけど」
「なんだと」
「ねぇ、私ってかわいい?」
「宇宙一かわいい」
「……、わかった」
愛華はまだ不満そうだったが、一応納得はしたようで、自分の部屋に戻っていく。
55: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/19(木) 21:43:14.33 ID:OSV+oEgr0
俺は自室に戻ると、部屋の隅に投げ捨てられていた携帯を見つけ出す。
よかった。まだ繋がっている。
「お前なに言ったんだよ」
『ちょっとね。あそこまで過剰に反応されるとは思わなかったよ。
それで? 自称シスコンの立花くんは、愛華ちゃんに愛してるとでも言ってあげたのかな』
なぜ相川は、そこまで状況を察することができるのか。
本当に凄いと思う。きっと俺は一生かかってもこんな風にはなれない。
「残念ながら少し違うけど」
『なに、まさか結婚しようとか言っちゃったの?』
「アホか。そんなこと言うわけないです」
『だよねー』
可笑しそうな笑い声が、携帯の向こうから聞こえてくる。
56: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/19(木) 21:51:54.88 ID:OSV+oEgr0
「なぁ、一つ聞いていいか?」
『何でもどうぞ』
「俺って、どうしたらいいと思う?」
『それは、立花くんのことを気になっているクラスメイトの女の子の話だよね?』
「……あぁ、そうだと思う」
『君の好きにすればいいよ。うまくやれば、人生で初めて彼女ができる。やったね』
「今まで彼氏がいたことのない奴に言われてもな」
『私は作らないだけだよ。その気になれば、恋人の一人や二人、簡単にできる』
「俺もそう思ってたよ」
そう言うと、相川はまた可笑しそうに笑っていた。
そのあと俺は、相川曰く俺のことを気になっているらしい女子に、ドキドキしながらこう返信した。
『別に嫌いじゃないよ』と。
色々と複雑な気持ちだった。
57: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/19(木) 21:52:33.99 ID:OSV+oEgr0
◯
最近どんどん暑くなってきている。先日、梅雨入りしたとニュースで言っていたが、もう夏としか思えない。
雨なんて全然全く降る気配がない。
雨でも降らないかなー、と思いながら頬杖をついて窓の外を眺めていると、誰かが俺の名前を呼んだ。
ふとそちらの方に視線を向けてみると、先生が俺のことを睨んでいた。
「そんなに外が気になるなら、走ってきたらどうですか?」
「すみません。ちゃんと聞きます」
当たり障りのない謝罪を口にすると、先生は納得できなような顔をしながらも授業を再開する。
その後の授業は、何度も先生に当てられることとなった。
自業自得である。
58: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/19(木) 21:53:03.94 ID:OSV+oEgr0
そういえば、業ごうというものは、その人が背負っている運命のことを言うらしい。
詳しいことは知らない。
が、しかし、いつだったか、その業というものは、前世での行いが関係してくると聞いた。
前世で悪いことをした分、今世で背負う業は苦しいモノとなる。
だからみんな来世で幸せな人生を送るために、清く正しい人生を送ろうとするらしい。
自業自得というのは、そのあたりから来た言葉とのことだ。
まぁ、だからどうという訳でもないのだが。
前世や来世がどうであれ、今ここにいる俺は、俺である。
今の俺がどんな行動をとってどんな人生を送ったって、それは俺の責任だ。
まぁ、もしそれで来世の俺が苦しい人生を送ることになったとしたら、勘弁してもらうしかない。
すみません、
59: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/19(木) 21:54:38.08 ID:OSV+oEgr0
○
「ねー、お兄ちゃんー」
「んー、なんだ」
自室のベッドで寝転びながら小説を読んでいると、俺の足元でベッドに背中を預けて携帯をいじっていた愛華が気だるそうな声をあげた。
「あつい」
「あぁ、暑いな」
「ホントにあつい」
「暑いな」
「お兄ちゃん、どうにかしてよ」
「無茶言うな。扇風機で我慢しろ」
愛華はクーラーが苦手なので、基本的にウチの夏は扇風機で乗り越えることになる。
毎年のことではあるが、それでもやはり暑い。
暑いものは暑い。
「そういやお前、休日なのにあの彼氏くんとは遊ばなくていいのか」
「んー、別に。暑いし、めんどくさい。なんかいろいろ言ってたけど、知らない」
「それでいいのか」
いや、彼氏彼女の関係なんて、俺には全く分からないんだが。
まぁ、そう言うものなのかもしれない。俺が口出しすることでもない。
「ねー、お兄ちゃんー」
「んー、なんだ」
自室のベッドで寝転びながら小説を読んでいると、俺の足元でベッドに背中を預けて携帯をいじっていた愛華が気だるそうな声をあげた。
「あつい」
「あぁ、暑いな」
「ホントにあつい」
「暑いな」
「お兄ちゃん、どうにかしてよ」
「無茶言うな。扇風機で我慢しろ」
愛華はクーラーが苦手なので、基本的にウチの夏は扇風機で乗り越えることになる。
毎年のことではあるが、それでもやはり暑い。
暑いものは暑い。
「そういやお前、休日なのにあの彼氏くんとは遊ばなくていいのか」
「んー、別に。暑いし、めんどくさい。なんかいろいろ言ってたけど、知らない」
「それでいいのか」
いや、彼氏彼女の関係なんて、俺には全く分からないんだが。
まぁ、そう言うものなのかもしれない。俺が口出しすることでもない。
60: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/19(木) 21:55:35.32 ID:OSV+oEgr0
「ねぇ、ホントにあつい」
「じゃあお兄ちゃんとプールでもいくか」
「絶対にいや」
即答される。
「はぁ……、じゃあコンビニ行ってアイスでも買って来てやるよ。お前も来るか?」
「えー……、外出るのいや」
「じゃあちょっと行って来るわ」
ベッドからよっと起き上がって、サイフを取り出す俺。
その時、後ろから愛華の声が聞こえて来る。
「……まって、私もいく」
61: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/19(木) 21:56:01.57 ID:OSV+oEgr0
◯
「あつい、あつい、……あつい」
燦々とした日光が照りつける中、コンビニを目指してひた歩く。
背後からは、呪詛のような愛華の呟きが聞こえて来る。
お前は『あつい』しか言えない機械かってくらい、ずっと暑い暑い口にしている。
その言葉には、俺を恨むような念がこもっているように思われる。
君が付いて来るって言ったんでしょう?
コンビニにたどり着くと、一気にひんやりとした冷気が体を包み込む。
砂漠の中でオアシスを見つけた旅人の気持ちが分かった気がする。
あぁ、天国はここにあったのか。
そんなことを考えていると、愛華がくしゅんとクシャミをした。
「早く出るか」
「うん」
「あつい、あつい、……あつい」
燦々とした日光が照りつける中、コンビニを目指してひた歩く。
背後からは、呪詛のような愛華の呟きが聞こえて来る。
お前は『あつい』しか言えない機械かってくらい、ずっと暑い暑い口にしている。
その言葉には、俺を恨むような念がこもっているように思われる。
君が付いて来るって言ったんでしょう?
コンビニにたどり着くと、一気にひんやりとした冷気が体を包み込む。
砂漠の中でオアシスを見つけた旅人の気持ちが分かった気がする。
あぁ、天国はここにあったのか。
そんなことを考えていると、愛華がくしゅんとクシャミをした。
「早く出るか」
「うん」
62: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/19(木) 21:56:54.97 ID:OSV+oEgr0
よりどりみどりのアイスを眺め、そのうちの一つを愛華が指差す。
「これがいい」
「あいよ」
二人分のアイスを持ってレジに向かうと、そこに見知った顔があった。
我が友人の高坂祐飛である。
「お、偶然だな」
祐飛と目が合うと、愛華が軽く頭を下げた。
愛華と祐飛も、以前に面識がある。
「妹と休日にコンビニなんて、仲良いよな」
「そうか?」
このくらい、普通ではないだろうか。
愛華の方を見てみるが、特に彼女も変には思っていない様子。
レジで会計を済ませて、コンビニを出ると同時に祐飛と別れた。
「お兄ちゃん、あの人とも仲いいよね」
「ん、まーそうだな」
高校にいて、一番よく話すのはおそらく彼だ。
「他には喋る人いないの?」
「いや、いるよ」
「誰?」
「いや、言ってもお前は分からんだろ」
「教えて」
コンビニから家までの帰り道。愛華と並んで、アイスを舐めながら歩く。
63: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/19(木) 21:57:35.37 ID:OSV+oEgr0
「お兄ちゃんと私って仲良いの?」
「いや、普通だろ」
相川いわく、お前はブラコンで俺は自称シスコンだけど、それ以外はきっと普通である。
◯
「お兄ちゃんって告白とかされたことないの? あ、その、小学校の時のやつ以外で」
「ない」
「一度も?」
「ナッシングだ」
「え、それって逆にすごいね。お兄ちゃんってそこまでモテないんだ」
妙に楽しそうな笑顔で、キツイことを言ってくれる我が妹。
「分かってないなお前は。男なら告白はされるんじゃなくて、するもんなんだよ」
「じゃあ告白したことはあるの?」
「ない」
「なんか、すごいね」
「楽しそうだなお前」
「お兄ちゃんがここまで恋愛経験ないのが面白くって」
「かなり切実なんだよなぁ。果たして俺は結婚とかできるのかな」
現段階では想像すらつかない。高校二年生男子って、こんなものなのだろうか。
少子化の一端を垣間見た気がする。あくまで気がするだけ。
「別にしなくていいよ」
「なんつーこと言うんだ」
「別に私は気にならないし」
「でも母さんは泣くと思うぞ」
「私はちゃんと結婚するから」
「余計に哀れになるな」
「私は笑ってあげるよ」
「ひどい妹だなおい」
「宇宙一可愛いんじゃないの?」
「じゃあ宇宙で一番可愛いくて酷い妹だ」
67: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/20(金) 22:38:55.20 ID:oAmRbez70
◯
妹が友達を連れてきた。
その友達ちゃんと目を合わせた時、俺は「あっ」と思った。
いつだったか、男子生徒に告白して、見事にフラれた挙句泣いていたあの女の子である。
かなり衝撃的な光景だったので、よく覚えている。
しかし彼女は、あの時の光景を俺に見られていたということを知らない。
俺がついつい友達ちゃんのことをジッと見ていると、彼女が戸惑った表情を浮かべた。
「あ、あの、わたしの顔に何か付いてますか?」
「え? いや、別にそう言うわけではないです」
友達ちゃんは、ますます不思議そうに首をかしげた。
「ちょっとお兄ちゃん見つめすぎ。トモちゃんが可愛いのはわかるけどヤメて。気持ち悪い」
どうやら友達はトモちゃんと言うらしい。隣にいた愛華に、蔑むような目で見られる。
はいはいお兄ちゃんは退場しましょう。
「ゆっくりしていってね」とトモちゃんに声をかけてから、俺は立ち去った。
なぜか背後からトモちゃんからの視線を強く感じたような気がした。
気のせい、もしくは自意識過剰という可能性がとても高いが。
妹が友達を連れてきた。
その友達ちゃんと目を合わせた時、俺は「あっ」と思った。
いつだったか、男子生徒に告白して、見事にフラれた挙句泣いていたあの女の子である。
かなり衝撃的な光景だったので、よく覚えている。
しかし彼女は、あの時の光景を俺に見られていたということを知らない。
俺がついつい友達ちゃんのことをジッと見ていると、彼女が戸惑った表情を浮かべた。
「あ、あの、わたしの顔に何か付いてますか?」
「え? いや、別にそう言うわけではないです」
友達ちゃんは、ますます不思議そうに首をかしげた。
「ちょっとお兄ちゃん見つめすぎ。トモちゃんが可愛いのはわかるけどヤメて。気持ち悪い」
どうやら友達はトモちゃんと言うらしい。隣にいた愛華に、蔑むような目で見られる。
はいはいお兄ちゃんは退場しましょう。
「ゆっくりしていってね」とトモちゃんに声をかけてから、俺は立ち去った。
なぜか背後からトモちゃんからの視線を強く感じたような気がした。
気のせい、もしくは自意識過剰という可能性がとても高いが。
68: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/20(金) 22:40:07.72 ID:oAmRbez70
◯
ある日のこと。
その日は空が薄暗く曇って、どんよりとした天気であった。
午前中の授業が終わってからの昼休み、廊下を歩いているとトモちゃんとバッタリ出会った。
一応顔見知りなので、軽く目礼してから通り過ぎようとすると、トモちゃんに引き止められた。
「あの、少しお話しさせてもらっていいですか?」
「え?」
振り返って立ち止まると、トモちゃんは言うか言うまいかと迷ったような顔をしていた。
「お兄さんに、ひ、ひとつ、聞きたいんですけど。その、えっと……あぁ、ぅぅ」
キョロキョロと視線を彷徨わせて、唇を震わせる。
相当な葛藤が見て取れた。
そこまでして、何を俺言おうとしているのだろうか。
どうすればいいか分からない俺は、ただジッと待つことしかできない。
69: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/20(金) 22:41:26.42 ID:oAmRbez70
そしてようやく、トモちゃんは決心がついたらしい。
「お、お兄さんって、好きなんですか?」
いや、何を。
「……あ、愛華ちゃんの、こと」
「え? いや、そりゃ好きだけど」
俺がそう言うと、トモちゃんは衝撃を受けたような顔になって、「や、やっぱりそうなんだ……」と呟く。
頬に両手を当てて、少し顔を赤くするトモちゃん。
絶対に何か勘違いされてるな。
「あの、愛華から普段どんな話聞かされてるのか知らないけど、たぶん君が想像しているのとは違うよ」
「へ?」
「いや、だから。んー、なんて言えばいいのかな」
頭を掻きながら、何を言うべきか迷う。
70: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/20(金) 22:43:05.58 ID:oAmRbez70
「とりあえず俺は愛華のことは好きだけど、愛華は俺の妹だから」
「えー、と、それはつまり。お兄さんは愛華ちゃんの恋人とかではないんですよね?」
どうしてそんな話になる……。
まぁ、なんとなく想像はつく。というか、それしかないだろうが、きっと愛華がトモちゃんに話している俺の内容が原因だろう。
「ていうかあいつ、彼氏いるだろ?」
「あー、いましたけど。もうとっくに別れたって言ってましたよ?」
「は?」
いつもに増して唐突ですな。
どうせまた愛華の方からフったのだろうけど。
それよりも今は気になることがある。
「あのさ、ひとつ聞きたいんだけど」
「はい」
「愛華って、普段俺のことどういう風に話してる?」
「えっ、と、それは、……」
71: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/20(金) 22:44:18.52 ID:oAmRbez70
少しばかり逡巡してから、トモちゃんは話してくれた。
トモちゃん曰く、俺はこの歳になっても妹離れできていなくて、愛華が彼氏を作ったことにも過剰に反応して、愛華のことが好きで好きで堪らないってような兄貴らしい。
「まぁ、別に間違ってはないな」
「え……」
「でも、別に俺は愛華に恋人ができても何も言わないし、愛華は好きだけど、だからどうという訳でもない。
愛華は俺の妹で、きっとそれが全てなんだと思う。だから俺は何があっても、周りがどう思っても愛華を嫌いになったりしないし、愛華の側を離れることはない。ただそれだけのことだよ」
そう、きっとそれだけで、それが全部である。
「何があっても……、ですか?」
「そうだね」
「なるほど……、なんか理解できた気がします」
「それは光栄です」
納得したようなトモちゃん。
「お時間とっていただいて、ありがとうございました」
トモちゃんはぺこりと頭を下げた。
礼儀正しい子だ。
72: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/20(金) 22:45:26.86 ID:oAmRbez70
「愛華はすげぇめんどくさくて、わがままで、どうしようもない女の子だと思うけどさ、これからも仲良くしてやってほしい」
「はい、もちろんですっ」
良い子だなと、素直にそう思った。
75: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/20(金) 22:52:31.25 ID:oAmRbez70
窓の外には、見ているのものの気持ちを暗くさせるような雲が広がっていた。
しかし教室の中は普段と変わりない。
「なぁ、相川」
「なにかな、立花くん」
俺が相川に話しかけると、相川は何気なく振り返る。
「相川ってさ、好きな奴とかいるの?」
「それはいわゆる結婚したいとか、恋人になりたいとかの好き?」
「普通こういう質問をする時は、そういうことだろ」
「いや、立花くんがそんなこと言うのは珍しいと思ってさ」
「まぁ、そうだろうな」
「また、愛華ちゃん関連?」
「相川にしては珍しいな。ハズレだ。愛華は全く関係ない」
「それはそれは。んー、でも、そうだね。私は好きな人は、いないことになるのかな」
「そうか。ならいいんだけど」
しかし教室の中は普段と変わりない。
「なぁ、相川」
「なにかな、立花くん」
俺が相川に話しかけると、相川は何気なく振り返る。
「相川ってさ、好きな奴とかいるの?」
「それはいわゆる結婚したいとか、恋人になりたいとかの好き?」
「普通こういう質問をする時は、そういうことだろ」
「いや、立花くんがそんなこと言うのは珍しいと思ってさ」
「まぁ、そうだろうな」
「また、愛華ちゃん関連?」
「相川にしては珍しいな。ハズレだ。愛華は全く関係ない」
「それはそれは。んー、でも、そうだね。私は好きな人は、いないことになるのかな」
「そうか。ならいいんだけど」
76: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/20(金) 22:57:47.98 ID:oAmRbez70
「なになに? なんかあったの?」
興味ありげな相川。その声はどこか楽しそうだ。
「いや、ちょっとな」
「もしかしてアレ? 田中さんのこと?」
「うーん、ある意味。そうかもしれない」
しかし正解ではない。流石の相川でも、これは分からないのだろうか。
田中さんとは、どうしてか俺のことを気になっているらしい女の子のことだ。
最近よく話しかけられるので、本当にそうなんだろう。それを認めるのは、なんだか妙な気分だ。
「いやなの?」
「いやではない」
いやなはずがない。むしろ、俺の手には余る。
「戸惑いが大きい」
「情けないなぁ」
ごもっともです。
77: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/20(金) 22:58:58.67 ID:oAmRbez70
「理由がわからないんだよ。一体俺のどこを気に入られたのか」
「理由なんてなくていいよ。好きだから好き。それでいいよ」
それでいいらしい。
「根拠は?」
「根拠はない。でも、それでいいのは間違いない」
「無責任だな」
「無責任ですよ。人間なんてそんなものです」
相川が妙に深そうなことを言ったところで、授業の始まりを告げるチャイムが鳴った。
「まぁ、頑張りなよ。私は応援するからさ」
何を頑張ればいいのか?
その正体は分からなかったが、俺は相川に聞き返すことはしなかった。
別に、今しがた先生が教室に入ってきたことが理由ではない。
78: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/20(金) 22:59:25.27 ID:oAmRbez70
◯
「ねぇお兄ちゃん、今日は一緒に帰らない」
ある日の放課後、俺が帰宅しようと昇降口に向かうと、俺の下駄箱の前に愛華がいた。
相当驚いた。愛華が俺と一緒に帰りたいなんて言うなんて、小学生以来である。
「なんかあったのか?」
何気なく尋ねると、愛華の表情がほんの少しだけ硬くなった。
「別にー? で、一緒に帰るの? 帰らないの?」
「じゃあ、一緒に帰るか」
「うん」
俺は下駄箱から靴を取り出して、履き替える。
その時、背後から視線を感じて俺は振り返る。
「ほら、お兄ちゃん早く」
愛華に服の裾を引っ張られる。そのせいで、結局視線の主を見つけることはできなかった。
まぁどうせ大したことじゃないだろう。俺は楽観的にそう思って、愛華と一緒に帰路に着いた。
それが実はとても大したことであったと言うことに俺が気付くのは、次の日のことである。
「ねぇお兄ちゃん、今日は一緒に帰らない」
ある日の放課後、俺が帰宅しようと昇降口に向かうと、俺の下駄箱の前に愛華がいた。
相当驚いた。愛華が俺と一緒に帰りたいなんて言うなんて、小学生以来である。
「なんかあったのか?」
何気なく尋ねると、愛華の表情がほんの少しだけ硬くなった。
「別にー? で、一緒に帰るの? 帰らないの?」
「じゃあ、一緒に帰るか」
「うん」
俺は下駄箱から靴を取り出して、履き替える。
その時、背後から視線を感じて俺は振り返る。
「ほら、お兄ちゃん早く」
愛華に服の裾を引っ張られる。そのせいで、結局視線の主を見つけることはできなかった。
まぁどうせ大したことじゃないだろう。俺は楽観的にそう思って、愛華と一緒に帰路に着いた。
それが実はとても大したことであったと言うことに俺が気付くのは、次の日のことである。
79: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/20(金) 23:00:11.66 ID:oAmRbez70
◯
珍しく愛華と一緒に仲良く帰宅した日の翌日、俺は教室にて多くの視線を集めていた。
現在の時刻は、授業開始の五分前。ほとんどのクラスメイトが教室内にいた。
教室のど真ん中にて、俺は一人の女子生徒と向かい合っていた。
本気で怒った口調で、人を殺す目つきで、俺は一人の少女に睨まれる。
ほとんど喋ったこともない女子だ。ただ、唯一、俺が彼女について知っている情報がある。
先日から俺によく話しかけてくる、何故か俺のことが好きであるらしい田中さんの親友だ。いつも一緒にいるのを見かける。
「あんたなんか死ねばいいのに」
80: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/20(金) 23:00:53.23 ID:oAmRbez70
ドライアイスのように冷え切った言葉と共に、俺の頬に熱が走った。
彼女に平手打ちをされたのだ。いわゆるビンタというやつ。
たとえ相手が女子でも、本気でやられると相当に痛いということを実感した。
しかし、俺には訳がわからなかった。こんなことをされる心当たりがない。
彼女にビンタをされた衝撃で、よろけた俺は隣の机に寄りかかる。
マジで痛い。ヒリヒリする。
と、その時、俺と彼女の間に人影が割り込んでくる。
「ちょっと待ってよ、流石に暴力はいけないんじゃないかな。話し合いもしてないのに」
相川だった。
田中さんの親友が、相川を睨む。
「相川さんには関係ないでしょ」
82: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/20(金) 23:03:02.26 ID:oAmRbez70
「十分関係あるよ。ここは私のクラスでもあるし、もうすぐ授業だって始まる」
冷静に相川が告げた。興奮したままの彼女は、それを聞き入れる気配がない。
また怒りが爆発して抑えきれなくなったのか、彼女は相川を押しのけてもう一発俺に平手打ちをかましてきた。
バシンと乾いた音が響く。
何故かクラスの男子たちから「おぉ……」と小さな歓声が上がった。
他人事だなおい。俺がこんな痛みを受けているというのに。ふざけんな。
「ちょっと!」
相川が咎める声を上げた。
そこで俺は、クラスメイトの数名の女子たちも、ゴミを見るような目つきで俺を見ていることに気付いた。
何かがあったのだ。昨日の放課後から、今日の朝に至るまでの間に。
83: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/20(金) 23:03:30.28 ID:oAmRbez70
まぁ、田中さんが本日登校していないことと、田中さんの親友がここまでキレていることを考えれば、何となく想像できる気がする。あくまで気がするだけ。
生憎俺は名探偵ではないので、事の詳細など推測できるはずもない。
ちょうどそのタイミングでいつも通りのチャイムが鳴って、先生が教室に入ってきた。
教室の真ん中で頬を腫らしている俺と、言い争いをしている田中さんの親友と相川。
それを囲むようにしているクラスメイトたち。
そんな光景を見て、大方の事情を把握したらしい先生は、バンと強く教卓を叩いて、俺たちの注意を寄せた。
「事情は後で聞きますが、今は授業を始めます。みなさん席について」
落ち着いた対応だった。
89: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 20:42:55.38 ID:LYLIZ9K70
何故、田中さんの親友の彼女があんなに怒っていたのか、ようやく理由が分かった。
昨日、俺の下駄箱の中には、田中さんが俺宛に書いたラブレターが入っていたらしい。
今更なんて古典的な、と思う。
彼女が何を思ってそんな手段に出たのか、俺には分からない。
ともかく、昨日の放課後、帰宅の際に俺が気付くようにラブレターが入れられていたらしいのだが、俺はそんなことは知らなかった。
そして、ラブレターの行方ではあるが、別に不明になった訳ではない。
そのラブレターは、ハサミか何かで細かく切り刻まれた状態で、田中さんの下駄箱の中にばらまかれていたらしい。
そりゃ、ビンタされても仕方ない。
相当に酷いことだと思う。
しかし、もちろん俺はそんなことはやっていない。
で、そんなことを出来る人物など、一人しか思い当たらないわけで、
「愛華ちゃんだね」
相川が断言する。
「やっぱりそうだよなぁ……」
「だから言ったのに。愛華ちゃんはそろそろ兄離れするべきだって、ハッキリ言うべきだって」
90: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 20:43:40.18 ID:LYLIZ9K70
「や、でも、こんなことになるなんて思ってなかったですし」
「本当に?」
「……」
「少なくとも私はいつかこんなことが起こるんじゃないかなー、って思ってた」
「まぁ、それは置いておいて、とりあえず俺が謝るべきだな」
露骨に話をそらすと、相川が睨むような目で俺を見た。
彼女にそんな目を向けられる機会はなかなかない。
「田中さんの家に行こう」
現在は昼休み。
先程まで俺たちは、田中さんの親友と話をしていた。
俺がラブレターを切り刻んだ訳ではないと訴えたところ、完全に信じてくれた訳ではなさそうだったが、彼女も落ち着いてくれた。
俺に平手打ちしたことは謝ってくれなかったが。
そして、一旦話を終えて、今に至る。
もうすぐ昼休みは終わり、午後の授業が始まる。
田中さんは未だ学校には来ていない。
行くなら今だろう。
「今から? 授業はサボるの?」
「まぁ、仕方ない。でも一つ問題がある」
「君がクラスメイトの女子の自宅なんて知ってるはずがないよね」
「正解。と言う訳で、お願いします」
俺は頭を下げた。
「今度なんかお礼するから」
91: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 20:44:18.05 ID:LYLIZ9K70
「別にそれはどうでもいいし、君が行くって言うなら案内してあげてもいいけどさ」
相川はそこで言葉を区切った。沈黙が落ちる。
俺は僅かに顔を上げて、彼女と視線を合わせた。
彼女は俺の瞳をジッと見つめる。
「愛華ちゃんには、何も言わないの? 君も分かってると思うけど、今回の件、一番悪いのは愛華ちゃんだよ? こんな酷いこと普通の常識のある女の子なら絶対にしない」
「つまりそれは、愛華が人としておかしいって?」
「それは少し違うかな」
「何がだ」
「おかしいのは君も同じだよ」
それを言われると辛いです。
「まぁ、それは今は置いておいて。普通に考えたら、愛華ちゃんも田中さんの家に連れて行って、謝らせるべきだと思うんだけど?」
少し厳しい目つきで、相川が俺を見た。
92: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 20:44:54.31 ID:LYLIZ9K70
「……えー、と。
どうせ愛華に今からそんなこと言っても、多分やったことを認めないし、余計に面倒くさいことになるし、何より一番優先すべきなのは、なるべく早く俺が田中さんに会って話すことだと思うからって理由で、とりあえず俺たちだけで行きません?」
「まぁ、しょうがないね」
分かっていたように、呆れたように相川は頷いた。
◯
学校を抜け出すなんて人生で初めてのことである。
実際にやってみると、案外あっさりとしていた。
田中さんの家に着いた俺と相川。俺がインターホンを押してしばらくすると、スピーカーから彼女の声が聞こえた。
「はい」
俺が返事をすると、驚いたような気配が伝わってきた。
俺は「話したいことがあるから」と言って、彼女に家から出てきてもらった。
93: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 20:49:22.82 ID:LYLIZ9K70
「……あ、あの、どうして……」
彼女は困惑していた。俺と相川を交互に見やって、地面に視線を下ろす。
「アレをやったのは俺じゃないって説明するために来ました。
あと、ごめん」
俺は頭を下げる。
数秒ほどがとても長く感じた。視線をあげると、彼女のキョトンとした顔が見えた。
「じゃあ、私の、その、手紙にあんなことしたのは、」
「うん、俺ではない」
そう言うと、彼女が目に見えて安堵した。
しかし、すぐに疑問の目を向けて来た。
「じゃあ、なんで、謝るの?」
「……」
俺は視線をそらした。ほとんど無意識だった。自分でも驚く。
相川と目があった。
以外にも彼女は普通の表情をしていた。俺を責めるでもなく、呆れるでもなく、ただ俺がどうするのかを観察するように。
俺は振り返って田中さんと目を合わせた。
「あのさ、ごめん。手紙を切ったのは俺じゃないけど、それとは関係なしに、君の気持ちには答えられないって言うためにここに来た」
ウソだ。
彼女は目を丸くする。何が起こったのかよく分かっていないような顔だ。
数十秒ほどの沈黙があった。
94: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 20:50:00.49 ID:LYLIZ9K70
田中さんが口を開く。
「そっか、分かった。……ありがとうね、わざわざ、学校までサボらせて」
思ったよりずっと彼女はアッサリしていた。
よかった。
俺の気持ちも軽くなる。
しかし、ただ漠然とした申し訳ない気持ちが消えることはない。
「じゃあ私は、これで」
胸の前で小さく手を振って、少しだけ無理のある笑顔を浮かべて、彼女は家の中に戻って行った。
◯
「田中さん、泣いてたね」
「え?」
帰り道、ふと相川が呟いた。
「え、泣く?」
「……気付いてなかったんだ」
その時の視線は、俺を責めるようであった。
「目、赤かった。私たちが来るまで、ずっと泣いてたんだよ」
気付かなかった。
「あと、たぶん今も泣いてる」
相川が言うならきっとそうなのだろう。
なら、案外アッサリしているように見えたのは、俺の感違いだったのかもしれない。
「……」
「どうしたの?」
相川が、不思議そうに俺の目を覗き込む。
95: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 20:50:47.54 ID:LYLIZ9K70
「あのさ、俺がお前のこと好きって言ったら、信じるか?」
「もちろん、信じるよ。でも、恋人になってくださいって言われて、それをオーケーするかどうかは知らないけどね」
「……そうか」
「君はさ、私と愛華ちゃんのどっちの方が好き?」
「愛華」
「君ってバカなの?」
相川は苦笑した。
「ただシスコンです」
「まぁいいや、じゃ、戻ろっか」
96: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 20:59:39.68 ID:LYLIZ9K70
「あのさ、愛華」
「なにー、お兄ちゃん」
俺の部屋で漫画を読んでいた愛華に、俺は話しかける。
「なんで俺の下駄箱の中、覗こうと思ったんだ?」
そう口にした途端、愛華の表情の雲行きが怪しくなった。
一口に言えば、機嫌が悪くなった。
「……私のこと、怒るの?」
「いや別に。ただ、どうしてあんなことをしたのかな、と」
「別に、……なんとなく」
愛華は俺と目を合わせない。
「なんとなくで、やることではないだろ。さすがに、」
「知らない! そんなの私の勝手じゃん!」
愛華は立ち上がって、俺をひと睨みすると部屋から出て行った。
俺は頭を掻きながら呟く。
「間違えたかな……」
なんとなく、すれ違う、食い違う、噛み合わない。
俺は別に愛華を責めたいわけでないと言うのに。
だが、今の彼女に何を言っても無意味だろう。
97: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 21:00:53.72 ID:LYLIZ9K70
◯
友人の高坂祐飛が、気になることを言ってきた。
「なぁ、お前の妹って、最近どうなんだ?」
「は?」
いきなり、どういうことだろうか。
「いや、ちょっとな」
祐飛の顔色は複雑だ。
「実はさ、俺って昨日、午後の授業にいなかっただろ?」
「そうだな」
「保健室でサボってたんだけどさ、ベッドで寝てた」
「何やってんだよ」
「寝過ごして、気付いたら放課後になっててさ。そしたらお前の妹が保健室に来たんだよ」
彼が言うには、カーテンの裏にいたので、愛華にはバレていなかったらしい。
「で、なんか画鋲(がびょう)を踏んだらしいんだよ。スゲー怒ってた」
「画鋲って……」
98: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 21:01:50.79 ID:LYLIZ9K70
「普通にしてて、学校でがびょうなんて踏むことないだろ。構内ではスリッパ履いてるし。
つまり俺が思うにはさ、」
帰宅しようと、外靴を履き替える際に、その中に画鋲がはいっていたのではないか、と。
「まぁ、お前の妹、何かと憎まれてそうだし。俺の想像だけどな」
その三日後には、かつての愛華の想い人、かのイケメン藍坂にこんなことを言われた。
「さっきさ、一年生の廊下で、愛華ちゃんと他の女の子たちが言い争いしてたよ」
彼が言うことには、愛華とその級友らしい5、6人が喧嘩をしていたと。
かなり激化していたらしい。その場は、藍坂が収めてくれたらしいが、今後のことまでは保証できないと言っていた。
「愛華ちゃんにも、注意してあげてね。ちょっと不安だからさ」
「ありがとう。恩にきる」
99: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 21:14:11.60 ID:LYLIZ9K70
◯
「ねぇ、お兄ちゃん。私のこと好き?」
唐突だった。
いきなり俺の部屋にやって来て、愛華は俺の目を見る。
「好きだよ」
「本当に?」
「マジだよ」
「どのくらい」
「宇宙で一番」
愛華は俺の目の前にやってくると、両手を広げた。
「抱きしめて」
俺は愛華の背中に両手を回すと、軽く力を入れた。
「……もっと」
力を入れる。
「もっと」
思い切り抱きしめた。
「もっと」
「もう無理です」
「お兄ちゃんって力ないんだね」
「それは悪い」
「お兄ちゃんはさ、私が嫌な女だって思う?」
「思わない」
「お兄ちゃんはさ、私のこと嫌い?」
「さっき好きって言ったろ」
「私のこと、嫌いにならない?」
「ならない」
「絶対?」
「絶対」
「ずっと私のそばにいる?」
「いる」
「じゃあさ、これから私以外の女と喋らないで」
「それは厳しい、ちょっと無理がある」
俺がそう言うと、愛華が俺の背中に爪を立てた。
100: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 21:14:56.21 ID:LYLIZ9K70
「痛いって」
「じゃあ、恋人は作らないで」
「お前は彼氏作ってるのにか?」
「私はいいの。でもお兄ちゃんはダメ」
「俺が結婚しなくてもいいのか、母さん泣くぞ」
「私が結婚するからいいの」
「いや、理由になってないって」
「ねぇ、お願い」
愛華が腕に力を込めた。
「私だけのお兄ちゃんでいてよ」
「……」
「ねぇ、お願い、お願い、お願いだから」
泣きそうな声だった。
「なに? お前って俺のこと好きなの?」
「……べつに、そこまで好きじゃない」
数秒の沈黙が落ちる。
「ウソ、好き。だから他の誰かに取られたくない」
「ワガママだなおい」
「うん」
「めんどくさい妹だな」
「うん、知ってる。でも、お兄ちゃんはそんな私を好きって言うんでしょ」
「そうだな」
本当に、自分でも呆れる。
101: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 21:15:45.08 ID:LYLIZ9K70
「……じゃあ、一つだけ約束して」
「……」
「ずっと、お兄ちゃんの一番は私にして。私のことを、最優先にして。それでなら、ギリギリ我慢してあげる」
「それはどうも。分かった。約束する」
「……もし破ったら、どうなっても知らないからね。なんなら、ころしてやる」
「了解です」
102: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 21:16:22.61 ID:LYLIZ9K70
◯
「愛華ちゃん、また彼氏作ったらしいね」
「へぇ」
相川がそんなことを話してきた。
ちなみに俺はその事実を今知った。
「なんか中学生らしいよ」
「……あいつ、年下に手出したのか」
相手の子には同情する。
同情するだけで、特にどうしようとも思わないが。言うなれば自業自得だ。
「そういえば、君、愛華ちゃんに何かしたの?」
「何かってなんだよ」
「うーん、実はね。この前、愛華ちゃんに話しかけたんだけどね」
「マジか、大丈夫だったのか」
「それがね、普通に返事を返してくれたの。ちょっとぶっきらぼうだったけど、普通に会話できた」
103: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 21:17:18.67 ID:LYLIZ9K70
「……」
俺は驚く。愛華が、どれだけ相川のことを嫌っていたかを知っていたからだ。
「だから君が何かしたのかなって」
「何か、したんだろうな」
「ふーん。まぁ、知ってたけどね」
「さすがです、相川さん」
「ふふ、さすがでしょ」
その時、カラリと音が鳴って、教室の扉のところに愛華が立っているのが見えた。
「ねー、お兄ちゃーん」
間延びした声と共に愛華がやってきて、俺にこう言った。
「ちょっと手伝って欲しいことがあるんだけど」
おわり。
104: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 21:21:41.83 ID:LYLIZ9K70
これにて完結です。
少しの間でしたが、付き合っていただいてありがとうございました。
またいつかここに来ると思います。その時は、またよろしくお願いします。
もし質問等があるのであれば、答えます。12時過ぎたら、html化します。
少しの間でしたが、付き合っていただいてありがとうございました。
またいつかここに来ると思います。その時は、またよろしくお願いします。
もし質問等があるのであれば、答えます。12時過ぎたら、html化します。
105: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 21:46:12.97 ID:WbX+8RdD0
これで終わりなのか
106: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 21:52:16.81 ID:LYLIZ9K70
>>105これで終わりになります。やっぱり、ちょっと唐突でしたかね……。
107: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 22:38:41.06 ID:WbX+8RdD0
>>106
これじゃあめんどくさいというかワガママで自分が寂しくならないように男を作るビッチ、そして兄がキープ要因みたいな感じにしか見えないな
妹が兄を独占しようとする理由とかがよくわからないから物足りなく感じる
これじゃあめんどくさいというかワガママで自分が寂しくならないように男を作るビッチ、そして兄がキープ要因みたいな感じにしか見えないな
妹が兄を独占しようとする理由とかがよくわからないから物足りなく感じる
108: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 22:50:03.70 ID:LYLIZ9K70
>>107なるほど、そういう風に受け取られるんですか……。
私としては、このお話の兄と妹の関係は、単純な兄妹愛が他人からは少し歪んで映ってるだけ、みたいな感じを想定してたんですよね。
妹はビッチですけど、別に兄はキープではないです。
ですけど、そういうのを正しく伝えるのって、やっぱり難しいですね。痛感しました。
貴重な意見ありがとうございました。参考にさせていただきます。
私としては、このお話の兄と妹の関係は、単純な兄妹愛が他人からは少し歪んで映ってるだけ、みたいな感じを想定してたんですよね。
妹はビッチですけど、別に兄はキープではないです。
ですけど、そういうのを正しく伝えるのって、やっぱり難しいですね。痛感しました。
貴重な意見ありがとうございました。参考にさせていただきます。
109: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 00:01:54.87 ID:OptOese60
それでは皆さんありがとうございました。html化します。
引用元: ウチの妹はめんどくさい
妹「魔法の勉強教えてー」
2018-04-06
1: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 00:40:34.776 ID:Jm4DcbEHH
兄「ああ、いいぞ」
妹「>>2の魔法なんだけどさ…」
妹「>>2の魔法なんだけどさ…」
2: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 00:40:41.608 ID:XedDj5b20
ルーラ
3: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 00:44:53.704 ID:ni2u08Y40
妹「反重力超伝導理論と魔力供給理論は解るんだけど…反脳ゆれ理論が分かんないんだよねー」
兄「ルーラって…お前郵便屋にでもなるつもりか…?」
妹「いいや、>>5したいから覚えているの」
兄「ルーラって…お前郵便屋にでもなるつもりか…?」
妹「いいや、>>5したいから覚えているの」
5: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 00:46:44.539 ID:FvWva1Db0
漏れそうな時に使いたい
6: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 00:49:16.249 ID:e7cQX+Qj0
>>5
なるほど、頭いいな
なるほど、頭いいな
7: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 00:51:00.167 ID:ni2u08Y40
妹「ほら、エーテル飲むとトイレ行きたくなるじゃん」
兄「まあカフェイン入ってるからな」
妹「私魔力少ないから飛んでる最中はずっとエーテル飲まなきゃならないのよね…」
兄「いや…トイレ行きたいのにエーテルなんて飲んだら飛んでる最中に漏れるぞ」
妹「確かに」
兄「まあカフェイン入ってるからな」
妹「私魔力少ないから飛んでる最中はずっとエーテル飲まなきゃならないのよね…」
兄「いや…トイレ行きたいのにエーテルなんて飲んだら飛んでる最中に漏れるぞ」
妹「確かに」
8: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 00:53:29.139 ID:ni2u08Y40
妹「んーでも私結構尿近いからな…」
兄「別に…トイレしたいならもっといい魔法があるだろ」
妹「…いい魔法?」
兄「>>9」
兄「別に…トイレしたいならもっといい魔法があるだろ」
妹「…いい魔法?」
兄「>>9」
9: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 00:53:41.745 ID:XedDj5b20
ケアルガ
10: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 01:01:39.686 ID:ni2u08Y40
兄「ケアルガは細胞分裂を最大化まで活性化させる魔法だけど、それは細胞だけでなく、本から自己再生能力を持っていない物でも分裂させれるんだ」
兄「そして、尿に含まれている…まあ、汚い成分と水分を分裂させることによって出てくる尿を水に変えることができるんだ」
妹「その汚い成分はどこにいくの?質量保存の法則はどうなったのさ」
兄「それは霧になる」
妹「うへぇ」
兄「そして、尿に含まれている…まあ、汚い成分と水分を分裂させることによって出てくる尿を水に変えることができるんだ」
妹「その汚い成分はどこにいくの?質量保存の法則はどうなったのさ」
兄「それは霧になる」
妹「うへぇ」
11: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 01:04:56.603 ID:ni2u08Y40
兄「冬の小便に出る霧とおんなじだと思えば大丈夫だろ」
妹「えっ…?出てるの?」
兄「だって小便は……」
妹「女は座って………つまり汚い成分は尻に………」
兄「………まあ、なら別の魔法えにしよう」
兄「>>13」
妹「えっ…?出てるの?」
兄「だって小便は……」
妹「女は座って………つまり汚い成分は尻に………」
兄「………まあ、なら別の魔法えにしよう」
兄「>>13」
13: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 01:06:23.849 ID:3W9Xi7aDa
ラリホー
14: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 01:13:05.939 ID:ni2u08Y40
兄「ラリホーは催眠効果があるが…それは脳に血液を送る運動を弱めて眠らせているんだ」
妹「それって脳の運動を弱めればいいじゃん」
兄「脳の運動を弱めると後頭部に血液の負担が掛かって記憶が消えるから駄目だ」
妹「なにそれ怖い」
兄「そもそもこの魔法は麻酔殺害魔法の応用だからこの魔法が使えれば実は皆、殺しの魔法は使えるんだ」
妹「…ラリホーって義務教育に入ってなかったっけ…?」
兄「魔法教育組合が隠しているからな」
妹「それって脳の運動を弱めればいいじゃん」
兄「脳の運動を弱めると後頭部に血液の負担が掛かって記憶が消えるから駄目だ」
妹「なにそれ怖い」
兄「そもそもこの魔法は麻酔殺害魔法の応用だからこの魔法が使えれば実は皆、殺しの魔法は使えるんだ」
妹「…ラリホーって義務教育に入ってなかったっけ…?」
兄「魔法教育組合が隠しているからな」
15: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 01:15:46.784 ID:ni2u08Y40
妹「…で?その魔法でどうやってトイレ問題を解決させるのよ」
兄「ラリホーで脳を麻痺させる」
妹「…………さっき自分が言ったこと忘れたの?」
兄「ちょっと座標を間違えたら死ぬぞ」
妹「お兄ちゃんは私を殺したいの…?」
兄「ラリホーで脳を麻痺させる」
妹「…………さっき自分が言ったこと忘れたの?」
兄「ちょっと座標を間違えたら死ぬぞ」
妹「お兄ちゃんは私を殺したいの…?」
16: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 01:16:56.416 ID:ni2u08Y40
妹「もっと他にあるでしょ!……その…簡単な奴!」
兄「>>18」
兄「>>18」
18: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 01:17:42.467 ID:1EcD1xfC0
スカラ
20: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 01:22:31.438 ID:ni2u08Y40
兄「スカラで尿意に抵抗を付ければ」
妹「それよ!そう、それ!そういうのでいいのよ!」
兄「……スカラか…かなり上級魔法だけど大丈夫か?それにルーラ程で無くても魔力をある程度使う」
妹「いいや、私はこれをやる。なんだか運命感じたのよスカラに」
兄「運命か…因果律理論だな」
妹「私の運命は私が決めるのよ」
妹「それよ!そう、それ!そういうのでいいのよ!」
兄「……スカラか…かなり上級魔法だけど大丈夫か?それにルーラ程で無くても魔力をある程度使う」
妹「いいや、私はこれをやる。なんだか運命感じたのよスカラに」
兄「運命か…因果律理論だな」
妹「私の運命は私が決めるのよ」
21: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 01:25:27.060 ID:ni2u08Y40
一週間後
兄「お帰り……って、水浸しのボロボロじゃないか」
妹「…河川敷で、転んだの」
兄「………そうか」
妹「……ねぇ、スカラって私の魔力だと何回使える?」
兄「三回位だな」
妹「…一回、足りない…か」
兄「お帰り……って、水浸しのボロボロじゃないか」
妹「…河川敷で、転んだの」
兄「………そうか」
妹「……ねぇ、スカラって私の魔力だと何回使える?」
兄「三回位だな」
妹「…一回、足りない…か」
22: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 01:28:58.588 ID:ni2u08Y40
兄(妹が学校で虐められている事は一目瞭然だった)
兄(実際、その事を目のあたりにしたこともある)
兄(魔法使いでありながら黒髪…身長は低く魔力も低くい…虐められるには十分だったが…)
兄(こういう事は、大人が口出ししてはいけないが…流石にこのままではいけないよな…)
兄「…>>24の魔法なら…」
兄(実際、その事を目のあたりにしたこともある)
兄(魔法使いでありながら黒髪…身長は低く魔力も低くい…虐められるには十分だったが…)
兄(こういう事は、大人が口出ししてはいけないが…流石にこのままではいけないよな…)
兄「…>>24の魔法なら…」
24: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 01:30:02.393 ID:FvWva1Db0
ティンクルダスト
25: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 01:39:10.887 ID:ni2u08Y40
兄「……無視とか、ばい菌扱いだとかならまだいいが…こういう攻撃的な虐めは心と体を同時に壊すからいかんな」
妹「イダぃっ……やめっ…いや…やだ…やだ…グェッ……ゲボッ…」
虐めっ子1
「ははははっ!こいつ吐きやがったぜ!」
虐めっ子2「うわあ…気持ちわる…」
虐めっ子1「くっさあwwww死ねよwwww」
虐めっ子3「生きててごめんなさいぃwwwwってか?ww」
妹「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいこめんなざいっ…ごめっ…な…さい…ごめっ……ごっ…」
虐めっ子「聞こえねぇよ!」バゴッ
妹「ェボッ!!」
妹「イダぃっ……やめっ…いや…やだ…やだ…グェッ……ゲボッ…」
虐めっ子1
「ははははっ!こいつ吐きやがったぜ!」
虐めっ子2「うわあ…気持ちわる…」
虐めっ子1「くっさあwwww死ねよwwww」
虐めっ子3「生きててごめんなさいぃwwwwってか?ww」
妹「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいこめんなざいっ…ごめっ…な…さい…ごめっ……ごっ…」
虐めっ子「聞こえねぇよ!」バゴッ
妹「ェボッ!!」
26: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 01:41:49.336 ID:ni2u08Y40
兄「…ティンクルダスト」
妹「…ェ……ッお兄ちゃん…お兄ちゃ…あ…ぁ…」
虐めっ子1「?なんだこいつ?いきなり人形の糸が切れたかのように…」
妹「……この魔力…お兄ちゃん…」
兄「…やれ」
妹「…ェ……ッお兄ちゃん…お兄ちゃ…あ…ぁ…」
虐めっ子1「?なんだこいつ?いきなり人形の糸が切れたかのように…」
妹「……この魔力…お兄ちゃん…」
兄「…やれ」
27: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 01:48:04.743 ID:ni2u08Y40
兄「ティンクルダストは星の光を強く見せる魔法だがそれは星が魔力を反射して光を見せているから」
兄「それを応用して反射を妹に集める事によって妹の魔力は一時的に無限となる…」
兄「………これ結構疲れるな…」
妹「………スカラ」
虐めっ子1「……なんだ……体が…」
虐めっ子2「うわああああっ…!!痛いっ!痛いっ!」
虐めっ子3「アストロン!」ビビビッ
妹「……鉄の塊になって逃れた…」
妹「……苦しんで…殺す」
妹「ケアルガっ!!」
虐めっ子「……っ!!体と鉄が分離して………ぐぁ…ぁっ……ゎ!!!」ブチブチ
妹「…体が飛散するとはね」
兄「それを応用して反射を妹に集める事によって妹の魔力は一時的に無限となる…」
兄「………これ結構疲れるな…」
妹「………スカラ」
虐めっ子1「……なんだ……体が…」
虐めっ子2「うわああああっ…!!痛いっ!痛いっ!」
虐めっ子3「アストロン!」ビビビッ
妹「……鉄の塊になって逃れた…」
妹「……苦しんで…殺す」
妹「ケアルガっ!!」
虐めっ子「……っ!!体と鉄が分離して………ぐぁ…ぁっ……ゎ!!!」ブチブチ
妹「…体が飛散するとはね」
28: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 01:48:49.274 ID:ni2u08Y40
妹「…後片付け…しないと」
妹「>>29」
妹「>>29」
29: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 01:49:49.096 ID:FvWva1Db0
ビッグバン
30: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 01:52:40.564 ID:ni2u08Y40
妹「ビッグバン」
兄「え」
妹「はああああああああ!」
兄「魔力シャットアウト!!」
妹「っ!!!痛い!!あああぁっっ!!!!!痛い痛い痛い!!!」
兄「…慣れない魔力の反動か…」
兄「>>32で和らげよう」
兄「え」
妹「はああああああああ!」
兄「魔力シャットアウト!!」
妹「っ!!!痛い!!あああぁっっ!!!!!痛い痛い痛い!!!」
兄「…慣れない魔力の反動か…」
兄「>>32で和らげよう」
32: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 01:56:32.172 ID:XedDj5b20
ベホマ
33: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 02:00:00.172 ID:ni2u08Y40
妹「……あれ?ここは…」
兄「…ああ、帰りが遅かったから迎えに行ったらお前が倒れてた」
妹「………ねぇ、私、黒魔術習いたい」
兄「………」
妹「お兄ちゃんは…黒魔術専攻でしょ?だから教えて?」
兄「……何故、黒魔術が教科書から消えたか、解るか?」
妹「…え?」
兄「>>35」
兄「…ああ、帰りが遅かったから迎えに行ったらお前が倒れてた」
妹「………ねぇ、私、黒魔術習いたい」
兄「………」
妹「お兄ちゃんは…黒魔術専攻でしょ?だから教えて?」
兄「……何故、黒魔術が教科書から消えたか、解るか?」
妹「…え?」
兄「>>35」
35: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 02:02:18.111 ID:URAg1JbT0
クロちゃんだからシン
38: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 02:06:59.682 ID:ni2u08Y40
兄「昔は自衛手段として義務教育の一貫となっていたし、資格さえとれば殺しの魔法だって習得できた」
兄「だが、ある団体がこう主張した」
兄「武器は抑止力にならない、平和こそが、抑止力だと」
兄「その団体のトップは醜い見た目だった」
兄「だが、平和こそが、抑止力というスローガンが功をなし、教科書から消え去った」
兄「だが、ある団体がこう主張した」
兄「武器は抑止力にならない、平和こそが、抑止力だと」
兄「その団体のトップは醜い見た目だった」
兄「だが、平和こそが、抑止力というスローガンが功をなし、教科書から消え去った」
39: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 02:13:20.638 ID:ni2u08Y40
兄「いいか、魔法は抑止力にならない以上は武器として扱うしかないんだ」
兄「お前は、武器を、持てるのか?」
妹「…持てるよ」
兄「嘘だ、お前に武器は握れない」
兄「俺もそうだった、武器は刃よりも持ち手が鋭利だ」
妹「…………お兄ちゃん…」
兄「お前は、武器を、持てるのか?」
妹「…持てるよ」
兄「嘘だ、お前に武器は握れない」
兄「俺もそうだった、武器は刃よりも持ち手が鋭利だ」
妹「…………お兄ちゃん…」
41: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 02:15:52.154 ID:ni2u08Y40
兄「武器が人を殺すのではない、人が人を殺す」
妹「覚悟の、上だよ」
兄「…普通魔術の対価は魔力だ。だが、黒魔術の対価は>>43だ」
妹「…え…」
妹「覚悟の、上だよ」
兄「…普通魔術の対価は魔力だ。だが、黒魔術の対価は>>43だ」
妹「…え…」
43: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 02:18:27.829 ID:W6QJSSjf0
魔法使いで黒髪とかむしろ有利だろ
安価st
安価st
44: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 02:20:22.640 ID:UNh7UUSM0
パンツ
46: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 02:24:46.589 ID:ni2u08Y40
兄「………お前には無理だ」
妹「ぱ…パンツ…!?」
兄「いいか、お前は常日頃パンツを掃いている…しかし、普段気にしていなかった物を気にしなくなると…極限まで気にしてしまう…」
妹「まさか…お兄ちゃんのノーパン主義って黒魔術の性なの…!?」
兄「俺は気が狂った、魔法教育組合から追放されたのもパンツが履けなくなったからだ…」
妹「そんな…私は…そんな恐ろしい事に手を染めようとしていたの…!?」
妹「ぱ…パンツ…!?」
兄「いいか、お前は常日頃パンツを掃いている…しかし、普段気にしていなかった物を気にしなくなると…極限まで気にしてしまう…」
妹「まさか…お兄ちゃんのノーパン主義って黒魔術の性なの…!?」
兄「俺は気が狂った、魔法教育組合から追放されたのもパンツが履けなくなったからだ…」
妹「そんな…私は…そんな恐ろしい事に手を染めようとしていたの…!?」
47: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 02:27:37.851 ID:ni2u08Y40
妹「…でも、私、このまま苛められるのらやだよ…」
兄「…だから、俺は合成魔法というのを作った」
妹「え…?合成魔法って…」
兄「例えば>>50と>>51の魔法を合成したとする」
兄「…だから、俺は合成魔法というのを作った」
妹「え…?合成魔法って…」
兄「例えば>>50と>>51の魔法を合成したとする」
50: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 02:29:42.489 ID:URAg1JbT0
チンカラホイ
51: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 02:30:35.433 ID:UNh7UUSM0
ザキ
52: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 02:35:30.742 ID:ni2u08Y40
兄「本来、スカートめくりと麻酔魔法は合わさらないが、反重力と衰弱の効果だけを抜き出して、同時に発動させると、空を浮きながら脳が頭蓋骨の中で飛び散り死ぬ魔法に早変わりとなる。反重力を反脳揺れを使わずに脳に与えて心臓を圧迫するするわけだからな」
妹「ひぇぇぇ…」
妹「ひぇぇぇ…」
53: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 02:38:54.107 ID:ni2u08Y40
兄「…もし、この魔法が使いたいなら、俺と一緒に魔法を解明しよう」
妹「解明?」
兄「まだ、この魔法は理論だけで発明には至っていない」
妹「…分かったわ」
妹「私、やるわ」
兄「…よく言った。早速実験だ」
妹「実験?」
兄「>>54の魔法から>>57の要素を抜きだす実験だ」
妹「解明?」
兄「まだ、この魔法は理論だけで発明には至っていない」
妹「…分かったわ」
妹「私、やるわ」
兄「…よく言った。早速実験だ」
妹「実験?」
兄「>>54の魔法から>>57の要素を抜きだす実験だ」
54: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 02:40:20.451 ID:UNh7UUSM0
ルーラ
57: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 02:48:16.957 ID:p+pCiYX/0
ザラキ
58: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 02:51:52.214 ID:ni2u08Y40
妹「ルーラに即死要素がどこに?」
兄「それは反脳揺れ理論にある」
妹「反脳揺れって衝撃吸収じゃないの?」
兄「吸収はしていない。反発させているんだ」
妹「へ?」
兄「脳にかかる負担と全くマイナスの刺激を与えている事で反発させているんだ」
妹「え…っえええっ…」
兄「それは反脳揺れ理論にある」
妹「反脳揺れって衝撃吸収じゃないの?」
兄「吸収はしていない。反発させているんだ」
妹「へ?」
兄「脳にかかる負担と全くマイナスの刺激を与えている事で反発させているんだ」
妹「え…っえええっ…」
59: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 02:52:50.367 ID:ni2u08Y40
妹「どうやって抜き出すの?」
兄「>>60だ」
妹「意外と簡単ね」
兄「>>60だ」
妹「意外と簡単ね」
60: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 02:53:52.794 ID:UNh7UUSM0
核分裂
61: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 02:56:34.544 ID:ni2u08Y40
兄「ここで使うのがケアルだ」
妹「ケアルガじゃないの?」
兄「本当に核分裂が起きるから駄目だ」
妹「…普段使っている物がこんなに危険だったなんて…無知は罪ね…」
妹「ケアルガじゃないの?」
兄「本当に核分裂が起きるから駄目だ」
妹「…普段使っている物がこんなに危険だったなんて…無知は罪ね…」
62: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 02:58:34.524 ID:ni2u08Y40
兄「ここで重要なのが記録を取る所だ」
兄「俺がケアルを書けるからお前ら出来るだけ詳しく状況をメモしてくれ」
妹「う…うん」
兄「俺がケアルを書けるからお前ら出来るだけ詳しく状況をメモしてくれ」
妹「う…うん」
63: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 02:59:02.730 ID:ni2u08Y40
妹のメモ「>>64」
64: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 03:03:32.899 ID:UNh7UUSM0
オーパンツ、略しておパンツ
65: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 03:07:27.810 ID:ni2u08Y40
兄「…妹…」
妹「信じて!私は変態じゃないの!そんなの書くつもりじゃ…」
兄「いや、これは正常なメモだ。合成魔法は使用者に大きく左右されるが、それを見た者まで精神的にシンクロしてしまうんだ」
妹「…え…?」
兄「問題はここだ。俺がもし、ケアルを使ってもお前が使ったらスクルトになるように合成魔法は発動が不安定なんだ」
妹「信じて!私は変態じゃないの!そんなの書くつもりじゃ…」
兄「いや、これは正常なメモだ。合成魔法は使用者に大きく左右されるが、それを見た者まで精神的にシンクロしてしまうんだ」
妹「…え…?」
兄「問題はここだ。俺がもし、ケアルを使ってもお前が使ったらスクルトになるように合成魔法は発動が不安定なんだ」
66: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 03:08:57.646 ID:ni2u08Y40
兄「…それを解決するためにある素材が必要なんだ」
妹「採ってくるよ」
兄「ああ、このリストの物を頼む」
妹「はーい」タタタタ
兄「…死ぬなよ…妹…」
妹「採ってくるよ」
兄「ああ、このリストの物を頼む」
妹「はーい」タタタタ
兄「…死ぬなよ…妹…」
67: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 03:10:30.743 ID:ni2u08Y40
妹「…え…ここは…」
妹「おかしい…私は道沿いに歩いていたのにいつの間にか獣道に…」
妹「………私、何か重要なことを忘れてる?」
妹「おかしい…私は道沿いに歩いていたのにいつの間にか獣道に…」
妹「………私、何か重要なことを忘れてる?」
68: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 03:14:19.061 ID:ni2u08Y40
「私、尿がちかいの」
「対価はパンツだ」
「黒魔術が教科書から消えた理由って何か解るか?」
「ルーラからデスを抜き出す実験だ」
「何故、ルーラに即死効果が?」
妹「私…一体何を…」
「対価はパンツだ」
「黒魔術が教科書から消えた理由って何か解るか?」
「ルーラからデスを抜き出す実験だ」
「何故、ルーラに即死効果が?」
妹「私…一体何を…」
69: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 03:18:03.811 ID:ni2u08Y40
「まさか体が千切れるとは」
「うわっ!体が!」
「魔法教育組合から追放されたのも…」
「黒魔術は教育組合が…」
妹「………黒魔術が教科書から消されたのは三年前…私は今、高校生…義務教育は受けた筈なのにラリホーを覚えていない…」
妹「じゃあ…どうして…」
「うわっ!体が!」
「魔法教育組合から追放されたのも…」
「黒魔術は教育組合が…」
妹「………黒魔術が教科書から消されたのは三年前…私は今、高校生…義務教育は受けた筈なのにラリホーを覚えていない…」
妹「じゃあ…どうして…」
70: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 03:21:03.929 ID:ni2u08Y40
妹「私がもし黒魔術を知らないとしたら………あれ?」
妹「魔法…?お兄ちゃん…?大人…?」
妹「私は…黒魔術を知らないとしたらお兄ちゃんは大人では無いはず…なのに私は高校生…?」
妹「…………まさか……!!!」
妹「魔法…?お兄ちゃん…?大人…?」
妹「私は…黒魔術を知らないとしたらお兄ちゃんは大人では無いはず…なのに私は高校生…?」
妹「…………まさか……!!!」
71: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 03:21:40.746 ID:ni2u08Y40
妹「お兄ちゃん……って…………誰?」
72: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 03:23:37.389 ID:ni2u08Y40
妹「イダぃっ……やめっ…いや…やだ…やだ…グェッ……ゲボッ…」
虐めっ子1
「ははははっ!こいつ吐きやがったぜ!」
虐めっ子2「うわあ…気持ちわる…」
虐めっ子1「くっさあwwww死ねよwwww」
虐めっ子3「生きててごめんなさいぃwwwwってか?w」
虐めっ子1
「ははははっ!こいつ吐きやがったぜ!」
虐めっ子2「うわあ…気持ちわる…」
虐めっ子1「くっさあwwww死ねよwwww」
虐めっ子3「生きててごめんなさいぃwwwwってか?w」
73: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 03:25:17.608 ID:ni2u08Y40
妹「………死ね」
虐めっ子1「……なんだ……体が…」
虐めっ子2「うわああああっ…!!痛いっ!痛いっ!」
虐めっ子3「うわあああっ」ビビビッ
妹「……苦しんで…殺す」
妹「殺すっ!!」
虐めっ子「……っ!!体と鉄が分離して………ぐぁ…ぁっ……ゎ!!!」ブチブチ
妹「…体が飛散するとはね」
虐めっ子1「……なんだ……体が…」
虐めっ子2「うわああああっ…!!痛いっ!痛いっ!」
虐めっ子3「うわあああっ」ビビビッ
妹「……苦しんで…殺す」
妹「殺すっ!!」
虐めっ子「……っ!!体と鉄が分離して………ぐぁ…ぁっ……ゎ!!!」ブチブチ
妹「…体が飛散するとはね」
74: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 03:28:41.612 ID:ni2u08Y40
「私は…一人っ子…親は…いない…」
「日本人で、今年受験で」
「毎日泣いて帰って」
「家には、誰も居なくて」
「ある日、人形の糸が切れたかのように」
「あああああああああ!!!!!!!」
「日本人で、今年受験で」
「毎日泣いて帰って」
「家には、誰も居なくて」
「ある日、人形の糸が切れたかのように」
「あああああああああ!!!!!!!」
75: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 03:29:40.869 ID:ni2u08Y40
兄「………妹」
妹「お兄ちゃん…!」
兄「さよなら」
妹「…………っ!!!!」
妹「お兄ちゃん…!」
兄「さよなら」
妹「…………っ!!!!」
76: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 03:32:21.016 ID:ni2u08Y40
妹「イダぃっ……やめっ…いや…やだ…やだ…グェッ……ゲボッ…」
虐めっ子1
「ははははっ!こいつ吐きやがったぜ!」
虐めっ子2「うわあ…気持ちわる…」
虐めっ子1「くっさあwwww死ねよwwww」
虐めっ子3「生きててごめんなさいぃwwwwってか?w」
妹「…お兄ちゃん……う…うう…お兄ちゃん…」
妹「私…今日も沢山勉強したよ…」
妹「私…沢山魔法覚えたよ…」
妹「痛いの我慢したよ…」
妹「お兄ちゃんの声は一番の…ベホマだよ……………」
おわり
虐めっ子1
「ははははっ!こいつ吐きやがったぜ!」
虐めっ子2「うわあ…気持ちわる…」
虐めっ子1「くっさあwwww死ねよwwww」
虐めっ子3「生きててごめんなさいぃwwwwってか?w」
妹「…お兄ちゃん……う…うう…お兄ちゃん…」
妹「私…今日も沢山勉強したよ…」
妹「私…沢山魔法覚えたよ…」
妹「痛いの我慢したよ…」
妹「お兄ちゃんの声は一番の…ベホマだよ……………」
おわり
77: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 03:35:55.749 ID:ni2u08Y40
夢落ちでした
78: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 03:50:37.810 ID:p+pCiYX/0
兄と家族に囲まれ毎日が幸せな妹はつい自分が可哀想な目に遭う妄想をしてみちゃうのでしたってオチか
乙!
乙!
79: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 03:54:01.507 ID:ni2u08Y40
>>78
ちょっと違う
妹ちゃんは家族が居なくていじめられていて暴行を受けている時、痛みに耐える為に妄想に耽っていてこのSSはその妄想だったということ
ちょっと違う
妹ちゃんは家族が居なくていじめられていて暴行を受けている時、痛みに耐える為に妄想に耽っていてこのSSはその妄想だったということ
80: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 03:55:45.900 ID:ni2u08Y40
妹ちゃんは妄想の設定上黒魔術は知らない筈なのに知っていたりとかが伏線
81: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 03:57:21.896 ID:p+pCiYX/0
>>79
救いは無いんですか (´;ω;`)
救いは無いんですか (´;ω;`)
82: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 03:57:55.676 ID:ni2u08Y40
>>81
無い
無い
83: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/04/03(火) 04:00:15.378 ID:p+pCiYX/0
>>82
泣いた
泣いた
引用元: 妹「魔法の勉強教えてー」
男「僕には妹もいる」
2018-03-21
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/19(火) 02:03:57.54 ID:4LwWbihN0
男「黒い長い髪に凛々しい表情の妹」
男「胸部は残念だけど…生まれつき体が悪くて家から動けない僕の面倒を見てくれたった一人の家族」
妹「兄さん…今日のご飯はオムライスよ」
男「ありがとう、美味しいそうだね」
妹「まあ後で食器を取りに来るわ」
男「わかった」
ガラガラ
家出娘「おーっす」
男「今日もきたんだね、いらっしゃい」
男「この子は家出娘、赤髪のポニーテールの活発な子、胸部は妹よりちょっとあるくらい」
男「しばらく家に帰ってなくて妹の作ったご飯の匂いに誘われて窓から入ってきたのが出会いだ」
家出娘「今日もうまそうじゃん食べていい?」
男「少しだけね」
家出娘「やりぃ!いただきます」
男「今では布団から動けない僕のいい話相手だ」
家出娘「ふぅ食った食った」
男「今日は家に帰るの?」
家出娘「いわ…あんなところ二度と帰りたくないから今日もホテルだな…バイト代でるし」
家出娘「なんだったら泊めてくれてもいいんだぜ」
男「それは多分妹が許可しないと思う…」
妹「兄さん!部屋から話し声がするけど誰かいるの?」ガチャ
男「……」
家出娘「ども」
妹「誰!?兄さんから離れなさい!」
男「胸部は残念だけど…生まれつき体が悪くて家から動けない僕の面倒を見てくれたった一人の家族」
妹「兄さん…今日のご飯はオムライスよ」
男「ありがとう、美味しいそうだね」
妹「まあ後で食器を取りに来るわ」
男「わかった」
ガラガラ
家出娘「おーっす」
男「今日もきたんだね、いらっしゃい」
男「この子は家出娘、赤髪のポニーテールの活発な子、胸部は妹よりちょっとあるくらい」
男「しばらく家に帰ってなくて妹の作ったご飯の匂いに誘われて窓から入ってきたのが出会いだ」
家出娘「今日もうまそうじゃん食べていい?」
男「少しだけね」
家出娘「やりぃ!いただきます」
男「今では布団から動けない僕のいい話相手だ」
家出娘「ふぅ食った食った」
男「今日は家に帰るの?」
家出娘「いわ…あんなところ二度と帰りたくないから今日もホテルだな…バイト代でるし」
家出娘「なんだったら泊めてくれてもいいんだぜ」
男「それは多分妹が許可しないと思う…」
妹「兄さん!部屋から話し声がするけど誰かいるの?」ガチャ
男「……」
家出娘「ども」
妹「誰!?兄さんから離れなさい!」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/19(火) 12:19:01.00 ID:4LwWbihN0
家出娘「誰でもいいだろ?別にこいつは離れてくれなんて言ってないから離れない」
妹「兄さん…この子はなんなの?」
兄「かくかくしかじかで」
妹「なるほど…」
妹「つまりホームレスね…兄さんに変なウィルスがつくわ、今すぐ離れなさい」
家出娘「ちゃんとホテルで生活してるんだよ!失礼な」
妹「本当かしら?」
家出娘「なら確かめて見ろよ!いいにおいするだろ?」ギュッ
男「いいにおいです…//」
妹「なっ…」
妹「兄さんから今すぐ離れなさい!」ナイフ持ち
家出娘「やばっ!じゃあまたくるから」ぴょーん
妹「窓から…」
男「…とりあえずナイフしまって」
妹「ごめんなさい、兄さん…」
妹「また兄さんに悲しい思いをさせる所だったわ…」
妹「もう寝るわね…おやすみなさい」ガチャ
男「………」
妹「兄さん…この子はなんなの?」
兄「かくかくしかじかで」
妹「なるほど…」
妹「つまりホームレスね…兄さんに変なウィルスがつくわ、今すぐ離れなさい」
家出娘「ちゃんとホテルで生活してるんだよ!失礼な」
妹「本当かしら?」
家出娘「なら確かめて見ろよ!いいにおいするだろ?」ギュッ
男「いいにおいです…//」
妹「なっ…」
妹「兄さんから今すぐ離れなさい!」ナイフ持ち
家出娘「やばっ!じゃあまたくるから」ぴょーん
妹「窓から…」
男「…とりあえずナイフしまって」
妹「ごめんなさい、兄さん…」
妹「また兄さんに悲しい思いをさせる所だったわ…」
妹「もう寝るわね…おやすみなさい」ガチャ
男「………」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/20(水) 23:39:01.64 ID:elUg+3Pb0
5年前
男「母さんが飼っていいって」
猫「にゃー」
妹「そう…」
妹「それからは兄さんは私よりも猫と過ごす時間が増えた」
妹「病気で動けない兄さんに寄り添う用に常に横にいる猫が羨ましかった…」
妹「だから猫を殺した」
妹「そうすれば兄さんは私だけを見てくれるそう思って猫にナイフを突き立てた」
妹「あなたがいなきゃ!兄さんは私だけを見てくれるの!」ザクッザクッ
男「やめてくれ!」
妹「そして兄さんは血まみれの私と猫の死体をみて」
男「ごめんね…いつも世話してくれてる妹を悲しませてごめんね」
妹「兄さんはそう言って私に謝った、母さんが兄さんを邪魔者扱いしてるいま兄さんは私を失ったら生活出来なくなる…そう思ってかも知れない」
妹「だから普通に接してくれる兄さんが心の中ではどう思ってるか怖くなる時がある」
妹「それでも私は兄さんに愛情を捧げた」
妹「兄さんは私だけの物…誰にも渡さない」
妹「あの女も消さなきゃ…」
男「母さんが飼っていいって」
猫「にゃー」
妹「そう…」
妹「それからは兄さんは私よりも猫と過ごす時間が増えた」
妹「病気で動けない兄さんに寄り添う用に常に横にいる猫が羨ましかった…」
妹「だから猫を殺した」
妹「そうすれば兄さんは私だけを見てくれるそう思って猫にナイフを突き立てた」
妹「あなたがいなきゃ!兄さんは私だけを見てくれるの!」ザクッザクッ
男「やめてくれ!」
妹「そして兄さんは血まみれの私と猫の死体をみて」
男「ごめんね…いつも世話してくれてる妹を悲しませてごめんね」
妹「兄さんはそう言って私に謝った、母さんが兄さんを邪魔者扱いしてるいま兄さんは私を失ったら生活出来なくなる…そう思ってかも知れない」
妹「だから普通に接してくれる兄さんが心の中ではどう思ってるか怖くなる時がある」
妹「それでも私は兄さんに愛情を捧げた」
妹「兄さんは私だけの物…誰にも渡さない」
妹「あの女も消さなきゃ…」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/21(木) 00:06:40.38 ID:ct8zO/NI0
翌朝
妹「今日はちょっと出かけて来るわね」
男「気を付けてね」
駅のホーム
家出娘「ふぅーやっと終わった、パン屋のバイト、時給はいいんだけど忙しいんだよなぁ」
家出娘「このもらってきたパン…あいつにも少しやろうかな」
ドン!
家出娘「えっ?」
サラリーマン「女の子がホームに落ちたぞ!」
痴漢「誰か駅員を呼んで来てくれ!」
5分後
駅員「電車が少し遅れて助かったね」
家出娘「あぁさんきゅー」
家出娘「(誰かに押されたような…いったい誰だ…)」
妹「ちっ!」
男の家
家出娘「おっすー」
男「いらっしゃい」
家出娘「妹は大丈夫か?」
男「出かけてるよ」
家出娘「そうか、ほらパン食えよ」
男「ありがとう」
家出娘「なあ…少し前に親の話してくれただろ?」
男「うん…母さんのことだね…」
家出娘「邪魔物扱いされてんだよな…」
男「そうだよ…3年前に車に引かれて死んじゃったけどね」
家出娘「私も親に邪魔物扱いされててさ…それで家を出ていまみたいな生活してるだよ…私たち同じだな」
男「そうかもね…」
家出娘「なぁ…一緒に暮らさないか?」
男「え?」
家出娘「私そろそろバイト先で正社員になれそうなんだよ…だからアパート借りて一緒に住もうぜ」
男「でも僕はこんな体だから絶対邪魔になると思う…働けないし…」
家出娘「バカ野郎…惚れた弱味だ…私が死ぬまでそばにいてやるよ」
家出娘「一人ぼっちは寂しいもんな」
男「プロポーズって奴なのかな…」
家出娘「そうだよ!で?返事は?」
男「お願いします…//」
男「僕がこの家から離れれば妹は僕の面倒を見なければいけない呪縛から解き放たれるはず…」
男「猫の時だって…多分僕を守らなきゃって感情が暴走したんだと思う」
男「だから僕は数日後妹が学校に行っている間に家出娘と家を出た」
妹「今日はちょっと出かけて来るわね」
男「気を付けてね」
駅のホーム
家出娘「ふぅーやっと終わった、パン屋のバイト、時給はいいんだけど忙しいんだよなぁ」
家出娘「このもらってきたパン…あいつにも少しやろうかな」
ドン!
家出娘「えっ?」
サラリーマン「女の子がホームに落ちたぞ!」
痴漢「誰か駅員を呼んで来てくれ!」
5分後
駅員「電車が少し遅れて助かったね」
家出娘「あぁさんきゅー」
家出娘「(誰かに押されたような…いったい誰だ…)」
妹「ちっ!」
男の家
家出娘「おっすー」
男「いらっしゃい」
家出娘「妹は大丈夫か?」
男「出かけてるよ」
家出娘「そうか、ほらパン食えよ」
男「ありがとう」
家出娘「なあ…少し前に親の話してくれただろ?」
男「うん…母さんのことだね…」
家出娘「邪魔物扱いされてんだよな…」
男「そうだよ…3年前に車に引かれて死んじゃったけどね」
家出娘「私も親に邪魔物扱いされててさ…それで家を出ていまみたいな生活してるだよ…私たち同じだな」
男「そうかもね…」
家出娘「なぁ…一緒に暮らさないか?」
男「え?」
家出娘「私そろそろバイト先で正社員になれそうなんだよ…だからアパート借りて一緒に住もうぜ」
男「でも僕はこんな体だから絶対邪魔になると思う…働けないし…」
家出娘「バカ野郎…惚れた弱味だ…私が死ぬまでそばにいてやるよ」
家出娘「一人ぼっちは寂しいもんな」
男「プロポーズって奴なのかな…」
家出娘「そうだよ!で?返事は?」
男「お願いします…//」
男「僕がこの家から離れれば妹は僕の面倒を見なければいけない呪縛から解き放たれるはず…」
男「猫の時だって…多分僕を守らなきゃって感情が暴走したんだと思う」
男「だから僕は数日後妹が学校に行っている間に家出娘と家を出た」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/21(木) 00:13:47.72 ID:ct8zO/NI0
アパート
家出娘「ここが私たちの家だ、結構いいだろ?」
男「うん…これから迷惑かけるけどよろしくね」
家出娘「ああ…」
自宅
妹「兄さんただいま帰ったわ」
妹「兄さんがいない…?」
妹「これ…手紙かしら」
男「僕の事は忘れて自分のために生きてください」
妹「……嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘」
妹「兄さんが私の前から居なくなるなんて嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘」
妹「絶対見つけて連れ帰るから…」
………
男「それから数ヶ月ひもじいながらも二人で幸せな時を過ごした」
家出娘「ここが私たちの家だ、結構いいだろ?」
男「うん…これから迷惑かけるけどよろしくね」
家出娘「ああ…」
自宅
妹「兄さんただいま帰ったわ」
妹「兄さんがいない…?」
妹「これ…手紙かしら」
男「僕の事は忘れて自分のために生きてください」
妹「……嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘」
妹「兄さんが私の前から居なくなるなんて嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘」
妹「絶対見つけて連れ帰るから…」
………
男「それから数ヶ月ひもじいながらも二人で幸せな時を過ごした」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/21(木) 01:01:06.49 ID:ct8zO/NI0
男「はやく家出娘帰ってこないかなぁ」
ガチャ
男「あれ?ちょっとはやいなぁ…」
妹「……見つけた…」
男「妹!?なんでここが…」
妹「探したのよ…さぁ帰りましょ」
男「帰らない…」
妹「どうして?」
男「もうお前の重荷にはなりたくないんだ…」
妹「重荷なんて…私には兄さんがいないと…」
男「そう言うのよくないよ…僕らは兄妹じゃないか…」
妹「私は兄さんと兄妹以上の関係になりたい…」
男「僕は無理だよ…」
妹「私と帰りましょ」
男「嫌だ…」
妹「嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘」
妹「絶対連れて帰るから」ノコギリ持ち
男「え…」
妹「私はノコギリで兄さんの首を切り落として持ち帰った」
家出娘「ただいまー今日病院に行ってきたんだけど…あれ?どうした?」
男「………」
家出娘「嘘だろ…」
妹「兄さん…これでずっと一緒よ…」
妹「私は兄さんが寝ていた布団で兄さんの首を抱きしめていた」
プルルルル
妹「電話!?…兄さんから」
家出娘「おい…男の首どこにやった?」
妹「貴方には関係ないわ…」
家出娘「今からそっちに行くから待ってろ」
男の家
家出娘「鍵は空いてる…」
家出娘「おい!出てこいよ!」
家出娘「痛っ…」
家出娘「あ、足が…ワイヤー!?」
妹「来るって言ったら罠を仕掛けるに決まっているじゃない」
妹「ほらみて兄さん…あなたをたぶらかした泥棒猫の姿よ」
男の首「……」
家出娘「なんでこんなことした!!」
妹「あなたが私から兄さんを引き離したからよ」
ガチャ
男「あれ?ちょっとはやいなぁ…」
妹「……見つけた…」
男「妹!?なんでここが…」
妹「探したのよ…さぁ帰りましょ」
男「帰らない…」
妹「どうして?」
男「もうお前の重荷にはなりたくないんだ…」
妹「重荷なんて…私には兄さんがいないと…」
男「そう言うのよくないよ…僕らは兄妹じゃないか…」
妹「私は兄さんと兄妹以上の関係になりたい…」
男「僕は無理だよ…」
妹「私と帰りましょ」
男「嫌だ…」
妹「嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘」
妹「絶対連れて帰るから」ノコギリ持ち
男「え…」
妹「私はノコギリで兄さんの首を切り落として持ち帰った」
家出娘「ただいまー今日病院に行ってきたんだけど…あれ?どうした?」
男「………」
家出娘「嘘だろ…」
妹「兄さん…これでずっと一緒よ…」
妹「私は兄さんが寝ていた布団で兄さんの首を抱きしめていた」
プルルルル
妹「電話!?…兄さんから」
家出娘「おい…男の首どこにやった?」
妹「貴方には関係ないわ…」
家出娘「今からそっちに行くから待ってろ」
男の家
家出娘「鍵は空いてる…」
家出娘「おい!出てこいよ!」
家出娘「痛っ…」
家出娘「あ、足が…ワイヤー!?」
妹「来るって言ったら罠を仕掛けるに決まっているじゃない」
妹「ほらみて兄さん…あなたをたぶらかした泥棒猫の姿よ」
男の首「……」
家出娘「なんでこんなことした!!」
妹「あなたが私から兄さんを引き離したからよ」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/09/21(木) 01:03:05.65 ID:ct8zO/NI0
妹「一緒に帰ろうって言ったら嫌だって言ったから無理矢理連れて帰ったわ」
家出娘「[ピーーー]ことないだろ!」
妹「何言ってるの?兄さんは生きているわ」
家出娘「狂ってやがる…」
妹「もういいわ…さぁ兄さんこの泥棒猫を処分するわね」ナイフ持ち
………
主婦「聞いた?あそこの家誰も住んでないのに夜中笑い声が聞こえるらしいわよ」
主婦2「不気味ねぇ」
妹「兄さん…これでずっと一緒よもうはなさないわ」
妹「そろそろ兄さんの体が欲しいわね」
妹「生贄が必要かしら」ニヤァ
この町で子供の行方不明事件が多発するのはまた別の話
終
家出娘「[ピーーー]ことないだろ!」
妹「何言ってるの?兄さんは生きているわ」
家出娘「狂ってやがる…」
妹「もういいわ…さぁ兄さんこの泥棒猫を処分するわね」ナイフ持ち
………
主婦「聞いた?あそこの家誰も住んでないのに夜中笑い声が聞こえるらしいわよ」
主婦2「不気味ねぇ」
妹「兄さん…これでずっと一緒よもうはなさないわ」
妹「そろそろ兄さんの体が欲しいわね」
妹「生贄が必要かしら」ニヤァ
この町で子供の行方不明事件が多発するのはまた別の話
終
引用元: 男「僕には妹もいる」
妹「ねえ、お兄ちゃん!」
2018-03-15
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/13(火) 19:00:43.97 ID:tUkyafi90
妹「あそぼー!」
妹「ねーねー」
妹「あーそーびーまーしょー!」
兄(兄の反応>>3)
妹「ねーねー」
妹「あーそーびーまーしょー!」
兄(兄の反応>>3)
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/13(火) 19:04:24.58 ID:O7WSBE9c0
黙れ小童!!
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/13(火) 19:12:43.68 ID:tUkyafi90
兄「黙れ小童!!」クワッ
妹「うわっ……。こわっぱ? そういうこと言うと兄妹仲悪くなるよ?」
兄「……」
妹「ねーねー。むぅ、暇なら何かしようよー」
兄(反応>>5)
妹「うわっ……。こわっぱ? そういうこと言うと兄妹仲悪くなるよ?」
兄「……」
妹「ねーねー。むぅ、暇なら何かしようよー」
兄(反応>>5)
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/13(火) 19:16:40.91 ID:X7DO5PR30
今、人生を賭けたギャンブル中なんだ。後にしてくれ
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/13(火) 19:23:48.52 ID:tUkyafi90
兄「今、人生を賭けたギャンブル中なんだ。後にしてくれ」
妹「何それ?! まさか最近話題のコインとかっ?」
兄「それは言えん」
妹「一攫千金だー! お兄ちゃん、何か手伝うことある?」
兄(反応↓1)
妹「何それ?! まさか最近話題のコインとかっ?」
兄「それは言えん」
妹「一攫千金だー! お兄ちゃん、何か手伝うことある?」
兄(反応↓1)
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/13(火) 19:24:28.76 ID:qd1qYUeR0
違う!クラス一のマドンナとの愛の告白なんだ
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/13(火) 19:40:48.54 ID:tUkyafi90
兄「違う!クラス一のマドンナとの愛の告白なんだ」
妹「なにそれ! そんな人に言い寄ってもフラれるのがオチじゃん!」
兄「いいんだよ……! 相手は大金持ちだぜ? OKされたら夢のようだな」
妹「下心丸出しじゃん。遠い夢より近くの妹にしときなよ!」
兄「うるせえ!」
妹「……怒鳴ることないじゃん! ばか兄!」
兄(反応↓1)
妹「なにそれ! そんな人に言い寄ってもフラれるのがオチじゃん!」
兄「いいんだよ……! 相手は大金持ちだぜ? OKされたら夢のようだな」
妹「下心丸出しじゃん。遠い夢より近くの妹にしときなよ!」
兄「うるせえ!」
妹「……怒鳴ることないじゃん! ばか兄!」
兄(反応↓1)
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/13(火) 19:41:30.61 ID:nUQHhc+w0
・・・風呂入ってくる
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/13(火) 19:51:10.14 ID:tUkyafi90
兄「……風呂入ってくる」
妹「勝手にどーぞ」
兄「……」
妹「……暇だなー」
兄「着替え忘れた」
妹「うわわっ……」
兄「まだいたのかよ」
妹「か、隠して……! 見えてるからっ!」ガバッ
兄「もう行くって」
妹「早く行け、ばか兄っ」
兄(なんかムカついてきた。↓1)
妹「勝手にどーぞ」
兄「……」
妹「……暇だなー」
兄「着替え忘れた」
妹「うわわっ……」
兄「まだいたのかよ」
妹「か、隠して……! 見えてるからっ!」ガバッ
兄「もう行くって」
妹「早く行け、ばか兄っ」
兄(なんかムカついてきた。↓1)
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/13(火) 19:54:10.13 ID:M+RWnlE7O
もっとみせてやる
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/13(火) 20:00:02.13 ID:tUkyafi90
兄「もっと見せてやる」
妹「やめ……えろ兄!」チラッ
兄「負けを認めて謝るんだな!はははは!」
妹「むぅ……」チラッチラッ
兄「ほれほれ、どんどん近づくぞ」
妹「むうぅぅっ……!」
兄「ほれほれーー!」
妹「すみませんでしたぁぁぁぁぁっ」
兄「よろしい」
妹「くっ……屈してしまった! お兄ちゃんめ……!」
兄「じゃ、冷えてきたし風呂入ってくるわ」
妹「……ばーか!」ボソッ
妹「やめ……えろ兄!」チラッ
兄「負けを認めて謝るんだな!はははは!」
妹「むぅ……」チラッチラッ
兄「ほれほれ、どんどん近づくぞ」
妹「むうぅぅっ……!」
兄「ほれほれーー!」
妹「すみませんでしたぁぁぁぁぁっ」
兄「よろしい」
妹「くっ……屈してしまった! お兄ちゃんめ……!」
兄「じゃ、冷えてきたし風呂入ってくるわ」
妹「……ばーか!」ボソッ
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/13(火) 20:01:32.24 ID:tUkyafi90
妹「これ、原稿用紙?」
妹「『告白』。ちょっと読んでみよう。仕返しだ!」
内容↓1と↓2
妹「『告白』。ちょっと読んでみよう。仕返しだ!」
内容↓1と↓2
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/13(火) 20:03:50.11 ID:ctQhteYMo
ここに自分の罪を記す
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/13(火) 20:03:51.02 ID:uOp7a6mnO
マジ妹かわいいな~!
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/13(火) 20:17:53.75 ID:tUkyafi90
妹「えー、『ここに自分の罪を記す』。ふーん、何か悪いことしてるのかな」
妹「『マジ妹かわいいな~!』って……! ほんとに素直じゃないんだから!」
妹「私はもっと仲良くなりたいのに」
兄「お、おい!」
妹「うわわ、お兄ちゃん?!」
兄「何かしてんじゃないかと思って急いで戻ってきたが……」
妹「何もしてないよ! えへへへへ」
兄「じゃあなんでニヤけてるんだよ」
妹「わかんないよー。んん……えへへ」
兄(反応↓1)
妹「『マジ妹かわいいな~!』って……! ほんとに素直じゃないんだから!」
妹「私はもっと仲良くなりたいのに」
兄「お、おい!」
妹「うわわ、お兄ちゃん?!」
兄「何かしてんじゃないかと思って急いで戻ってきたが……」
妹「何もしてないよ! えへへへへ」
兄「じゃあなんでニヤけてるんだよ」
妹「わかんないよー。んん……えへへ」
兄(反応↓1)
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/13(火) 20:19:53.18 ID:nUQHhc+w0
メシ食いに行くか?
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/13(火) 20:43:15.80 ID:tUkyafi90
兄「メシ食いに行くか?」
妹「うん!」
兄「よし、行くぞ」
妹(なんでお兄ちゃんはあんな作文書いてたんだろう。他にもあったけど読めなかったなぁ)
兄「何ぼーっとしてんだよ」
妹「ごめんごめん!」
妹「うん!」
兄「よし、行くぞ」
妹(なんでお兄ちゃんはあんな作文書いてたんだろう。他にもあったけど読めなかったなぁ)
兄「何ぼーっとしてんだよ」
妹「ごめんごめん!」
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/13(火) 20:57:04.97 ID:tUkyafi90
妹「ふー」
兄「食べ過ぎだ! 太るぞ」
妹「育ち盛りだからいいもーん」
兄「その割には育ってないだろ」
妹「このぉ……!」
兄「なんだよ。本当のことだろ」
妹「たしかに。えへへ」
兄「やけに素直だな……」
妹「ついでにどこか行こうよー」
兄(反応↓1)
兄「食べ過ぎだ! 太るぞ」
妹「育ち盛りだからいいもーん」
兄「その割には育ってないだろ」
妹「このぉ……!」
兄「なんだよ。本当のことだろ」
妹「たしかに。えへへ」
兄「やけに素直だな……」
妹「ついでにどこか行こうよー」
兄(反応↓1)
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/13(火) 20:59:41.46 ID:O7WSBE9c0
ゲーセンで一緒にプリクラでも撮るか
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/13(火) 21:10:21.78 ID:tUkyafi90
兄「ゲーセンで一緒にプリクラでも撮るか」
妹「え……?」
兄「嫌ならいいけど」
妹「ううん、ちょっと意外だっただけ! 早く行こ!」グイッ
兄「おい、引っ張るなよ!」
妹「え……?」
兄「嫌ならいいけど」
妹「ううん、ちょっと意外だっただけ! 早く行こ!」グイッ
兄「おい、引っ張るなよ!」
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/13(火) 21:24:27.43 ID:tUkyafi90
プリクラ「3……2……1……」カシャッ
妹「あははは。お兄ちゃん目大きい!」
兄「……」カキカキ
妹「私のとこに『ばか』って書かないでよ!」
兄「嘘はつけんからな」
妹「はあっ?! このっ!」ボコボコ
兄「いててて」
妹「ねー、次どうすんの?」
兄(反応↓1)
妹「あははは。お兄ちゃん目大きい!」
兄「……」カキカキ
妹「私のとこに『ばか』って書かないでよ!」
兄「嘘はつけんからな」
妹「はあっ?! このっ!」ボコボコ
兄「いててて」
妹「ねー、次どうすんの?」
兄(反応↓1)
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/13(火) 21:26:52.29 ID:X7DO5PR30
お前と一緒にクラス一のマドンナに会いに行かないといけないんだ
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/13(火) 21:31:27.54 ID:tUkyafi90
兄「お前と一緒にクラス一のマドンナに会いに行かないといけないんだ」
妹「えぇっ?! 私も?」
兄「ああ」
妹「なんで?!」
兄「色々あるんだよ。とにかく行くぞ」
妹「行くってどこに?」
兄「彼女が近くのカフェに来てるから、俺たちもそこに行こう」
妹「えぇっ?! 私も?」
兄「ああ」
妹「なんで?!」
兄「色々あるんだよ。とにかく行くぞ」
妹「行くってどこに?」
兄「彼女が近くのカフェに来てるから、俺たちもそこに行こう」
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/13(火) 21:32:40.53 ID:tUkyafi90
兄「もう少し向こうだな」
妹「ね、ねえお兄ちゃん」
兄「なんだ?」
妹「その、マドンナってどんな人なの?」
兄「金持ち」
妹「他には?」
兄「可愛い」
妹「それだけ?」
兄「んー、あとは↓1」
妹「ね、ねえお兄ちゃん」
兄「なんだ?」
妹「その、マドンナってどんな人なの?」
兄「金持ち」
妹「他には?」
兄「可愛い」
妹「それだけ?」
兄「んー、あとは↓1」
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/13(火) 21:33:06.54 ID:LFUBuZA20
お嬢様
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/13(火) 21:54:22.64 ID:tUkyafi90
兄「お嬢様」
妹「そりゃそうだよ。お金持ちで美人なら想像つくよ」
兄「まあ、そうだな」
妹「ところで、さっきの色々って何? 私も一緒に行く理由」
兄(反応↓1)
妹「そりゃそうだよ。お金持ちで美人なら想像つくよ」
兄「まあ、そうだな」
妹「ところで、さっきの色々って何? 私も一緒に行く理由」
兄(反応↓1)
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/13(火) 21:56:06.87 ID:X7DO5PR30
…マドンナがお前に会いたくてしょうがないらしくてな
30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/13(火) 21:59:02.51 ID:tUkyafi90
兄「……マドンナがお前に会いたくてしょうがないらしくてな」
妹「へえ。私気に入られたら、お兄ちゃん付き合えるかもね」
兄「そうだな。頼むぜ」
妹「態度次第だよー?」
兄「このっ……いや、やめておこう」
妹「ふふん」
妹「へえ。私気に入られたら、お兄ちゃん付き合えるかもね」
兄「そうだな。頼むぜ」
妹「態度次第だよー?」
兄「このっ……いや、やめておこう」
妹「ふふん」
31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/13(火) 22:09:04.42 ID:tUkyafi90
兄(かなり機嫌よくなったな)
妹「このお店?」
兄「ああ。ほら、そこにいるのが」
妹「うわっ、かわいい……!」
店員「いらっしゃいませ」
兄「さあ、行くぞ」
妹「うん!」
マドンナ「こんにちは。あなたが妹さんですね!」
妹「はじめまして」
兄「俺もいるぞ」
マドンナ「ええ、わかってます」
妹(お兄ちゃん、告白するのかな?)
兄(反応↓1)
妹「このお店?」
兄「ああ。ほら、そこにいるのが」
妹「うわっ、かわいい……!」
店員「いらっしゃいませ」
兄「さあ、行くぞ」
妹「うん!」
マドンナ「こんにちは。あなたが妹さんですね!」
妹「はじめまして」
兄「俺もいるぞ」
マドンナ「ええ、わかってます」
妹(お兄ちゃん、告白するのかな?)
兄(反応↓1)
32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/13(火) 22:11:08.82 ID:LFUBuZA20
可愛いでしょう!自慢の妹なんですよー!
34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/13(火) 22:21:31.33 ID:tUkyafi90
兄「可愛いでしょう!自慢の妹なんですよー!」
マドンナ「ええ、とっても! さあ、お茶しましょう」
妹「えへへ……」
妹(こんなに褒められて悪い気はしないっ!!!)
店員「何にいたしましょう」
兄「コーヒーで」
妹「オレンジジュース!」
マドンナ「紅茶のおかわりを」
兄「うーん」
妹(何か考え込んでる?)
マドンナ「妹さん、お付き合いしている方はいますか?」
妹(いきなりっ?!)
妹「い、いないです! マドンナさんは……?」
マドンナ「ちょうどいないんです!」
妹(ちょうど……?)
兄(反応↓1)
マドンナ「ええ、とっても! さあ、お茶しましょう」
妹「えへへ……」
妹(こんなに褒められて悪い気はしないっ!!!)
店員「何にいたしましょう」
兄「コーヒーで」
妹「オレンジジュース!」
マドンナ「紅茶のおかわりを」
兄「うーん」
妹(何か考え込んでる?)
マドンナ「妹さん、お付き合いしている方はいますか?」
妹(いきなりっ?!)
妹「い、いないです! マドンナさんは……?」
マドンナ「ちょうどいないんです!」
妹(ちょうど……?)
兄(反応↓1)
35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/13(火) 22:22:55.86 ID:HIXuiTJIO
やはりマドンナさんはそっちの気が…
36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/13(火) 22:45:38.91 ID:tUkyafi90
兄「やはりマドンナさんはそっちの気が……」
マドンナ「え……? 何のことですか?」
妹(なんだか紛らわしくなってきた! それに身の危険も感じるっ)
妹「ねえ、お兄ちゃん!」
兄「な、なんだ?」
妹「正直に言っちゃいなよ! 思ってることを!」
妹(汚い考えだけど、お兄ちゃんはフラれて私のことだけ見てればいいんだっ!)
マドンナ「……っ!!」
兄「……そうだな」
兄「マドンナさん、聞いてくれ!」
マドンナ「は、はい……」
マドンナ「え……? 何のことですか?」
妹(なんだか紛らわしくなってきた! それに身の危険も感じるっ)
妹「ねえ、お兄ちゃん!」
兄「な、なんだ?」
妹「正直に言っちゃいなよ! 思ってることを!」
妹(汚い考えだけど、お兄ちゃんはフラれて私のことだけ見てればいいんだっ!)
マドンナ「……っ!!」
兄「……そうだな」
兄「マドンナさん、聞いてくれ!」
マドンナ「は、はい……」
37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/13(火) 22:47:39.48 ID:tUkyafi90
兄「ここに自分の罪を記す。俺はあんたのことが好きだ! 学校で『マジ妹かわいいな~!』とか言ってあんたを誘い出した」
妹「それ……!」
兄「あんたが前に姉妹が欲しいと言っていたのを聞いたからだ……! 俺は汚い男だが、あんたに見合うように努力するッ!」
兄「……だから」
マドンナ「だからこそ、私も本当のことを話します……!」
兄「え?」
マドンナ「私は妹さん、あなたを好きになってしまいました! LikeではなくLoveです!」
妹「ええ~……」
兄「それ俺のセリフだろ……」
妹「私はお兄ちゃんのこと好きなんだけど」
マドンナ「なっ……!」
兄「なんじゃこりゃあぁぁっ!!」
───こうして、私たちの奇妙な三角関係が始まった。
妹「それ……!」
兄「あんたが前に姉妹が欲しいと言っていたのを聞いたからだ……! 俺は汚い男だが、あんたに見合うように努力するッ!」
兄「……だから」
マドンナ「だからこそ、私も本当のことを話します……!」
兄「え?」
マドンナ「私は妹さん、あなたを好きになってしまいました! LikeではなくLoveです!」
妹「ええ~……」
兄「それ俺のセリフだろ……」
妹「私はお兄ちゃんのこと好きなんだけど」
マドンナ「なっ……!」
兄「なんじゃこりゃあぁぁっ!!」
───こうして、私たちの奇妙な三角関係が始まった。
38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/13(火) 22:48:16.94 ID:tUkyafi90
おわり
39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/13(火) 22:49:22.79 ID:LFUBuZA20
これから本番だろ!?がんばれよ!
40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/13(火) 23:13:35.77 ID:tUkyafi90
姉物を書きたい
41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/14(水) 00:38:10.53 ID:4nR6Qm4fO
ちょっと待って!続きがないやん!
42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/14(水) 00:56:24.77 ID:IOdFRF33o
爆発がない…
引用元: 【安価】妹「ねえ、お兄ちゃん!」
兄「RPG!」 妹「ツクールフェス!!」
2018-03-15
1: ◆LFMFthXonM 2018/03/14(水) 05:55:21 ID:i7GaTJU6
兄「妹よ。ゲームを作りたいと思ったことはないかね?」
妹「いきなりだねお兄ちゃん。あるよ」
兄「だけど我々素人がゲームを作ろうにも、技術や素材の関係で難しい」
妹「最近はサンプルも充実してるけど、やっぱり自作素材とか使える人とは差がついちゃうよね」
兄「そんな時にオススメなのがコレ! 3DSソフト『RPGツクールフェス』です!!」
妹「なにこれ通販番組?」
・前書き
RPGツクールフェスのステマSSです
2: ◆LFMFthXonM 2018/03/14(水) 05:55:59 ID:i7GaTJU6
妹「家庭用ツクールって言ったらアレでしょ。ツクールDSがKOTYの候補になったっていう……」
※クソゲーオブザイヤー
兄「選外になったから! ノミネートはしてないから!」
妹「似たようなもんだと思うけど……」
兄「それにRPGツクールDS+では色々と欠点が解消されたんだぞ!」
妹「新しい欠点も増えてたけどね」
兄「……しかしそんな欠点があっても、3DSソフトならアップデートが可能!」
妹「RPGツクールフェスは2016年発売……。ってことはバグの心配はないね!」
兄「……それについてはノーコメントで」
妹「あるの?」
※あります
3: ◆LFMFthXonM 2018/03/14(水) 05:56:48 ID:i7GaTJU6
兄「未修正のバグがあったとしてもツクールフェスは優秀なんだぜ!」
妹「そうは思えないけど……」
兄「まずはなんといっても手軽さだろう。携帯機でツクールが出来るのは一番の利点だよ」
妹「外で作品を作ったり遊んだり出来るのは嬉しいかも」
兄「いやいや、寝っ転がりながら作れるのがいいんだよ」
妹「タッチペンだから文字入力がしやすいのもいいよね」
兄「マップ制作も楽々だぜ」
妹「そういえばツクールフェスのマップ制作って、DS時代のツクールとは違うよね」
兄「おお、いいところに気がついたな」
4: ◆LFMFthXonM 2018/03/14(水) 05:57:42 ID:i7GaTJU6
兄「ツクールフェスは『マップチップ』を使ってマップを作るんだ」
妹「そうそう。DSまでは細かくマップを作れなかったんだよね」
兄「ざっくり説明すると、素材を自由に使ったマップ作りが出来るんだ」
妹「本当にざっくりだ」
兄「このおかげで、本作ではマップを使ってドット絵を表現したりも出来る!」
妹「ドット絵をフル活用してる作品もあるよね」
兄「他の人の作品をやってるとマップだけで驚かされるよな。こんな発想が!って」
妹「で、マネしようとすると使用されてる素材がDLCでぐぬぬってなる」
※和風素材やSF素材、追加BGMなど特殊なものはDLC販売
5: ◆LFMFthXonM 2018/03/14(水) 05:58:47 ID:i7GaTJU6
妹「そういえばツクールフェスは、作品を気軽にアップロードしたりダウンロード出来るのも魅力だよね」
兄「うむ。コンテスト開催時以外でも『みんなの作品』にアップロード出来るからな!」
妹「プレイだけなら無料のソフトがあるんだっけ?」
兄「『RPGツクールフェスプレイヤー』だな。3DSのeショップで無料配信中だ」
妹「16作品まで保存しておけるんだっけ?」
兄「そうだ。RPGツクールフェスのソフトもあれば、合計で32作品保存出来る」
※自分の作品も含む
妹「そんなに保存しておく必要ある?」
兄「あるぞ。めちゃくちゃ名作が多いからな。他作者さんのゲームは」
妹「そ、そうなの?」
6: ◆LFMFthXonM 2018/03/14(水) 06:00:07 ID:i7GaTJU6
妹「じゃあRPGツクールフェスプレイヤーで遊べる名作ゲームを教えてよ」
兄「そうは言っても他の人の作品を挙げちゃうと迷惑がかかるかも知れないしなぁ」
妹「えー」
兄「ここは無難にコンテスト受賞作品をオススメしておくよ」
妹「第1回と第2回コンテストはもう終わったんだよね」
兄「賞金も出たらしい」
※大賞100万円・優秀賞30万円・特別賞5万円(複数)
妹「『らしい』ってことは……お兄ちゃんは受賞出来なかったんだ」
兄「まあ……。でも俺は負けたつもりじゃねぇから! 第3回で挽回するから!」
妹「あ、第3回コンテストはいまやってるんだっけ?」
兄「現在開催中だ! 俺の作品も出てるから応援してくれ!」
妹「がんばれー」
7: ◆LFMFthXonM 2018/03/14(水) 06:00:55 ID:i7GaTJU6
兄「そうだな。第3回コンテスト投稿作品の中から適当に選んで遊ぶのもオススメだな」
妹「お兄ちゃんの作品はどれなの?」
兄「いやそれは秘密で頼む。恥ずかしい」
妹「ないわー」
兄「とにかく! 3DSさえあればツクールフェス作品は無料で遊び放題だ! みんなもよろしく!」
妹「10分で終わる短編から、クリアまで10時間越えの大作もあるから暇潰しにはもってこいだね」
兄「ジャンルもRPGからパズル、ファンタジーやSF、恋愛物と多数だしな」
妹「作品タグで検索が出来るんだよね。お兄ちゃんの好きなタグは?」
兄「『男性向け』と『大人向け』です。たまにえっちな作品が投稿されるから」
妹「運営に即削除されるけどね」
兄「みんな! これは全年齢向けのソフトなんだ!」
8: ◆LFMFthXonM 2018/03/14(水) 06:01:59 ID:i7GaTJU6
妹「ところで今やってるのは第3回コンテストだけど……」
兄「第4回コンテストはあるかって?」
妹「うん。賞金って合計で150万円出るし、今回でもう終わりなんじゃないかなーって」
兄「第4回コンテスト開催は未定だが……俺はやるんじゃないかなと思ってる」
妹「どうして?」
兄「今度、RPGツクールMVのBGMがDLC販売されるからだ……!」
妹「へ?」
兄「コンテストもないのにDLC出したって意味ないだろ。だから……」
兄「第4回コンテストはある……! そう信じたい……!」
妹「ほぼないと見てよさそう」
兄「コンテストなくても俺はDLC買うけどな!」
9: ◆LFMFthXonM 2018/03/14(水) 06:03:16 ID:i7GaTJU6
妹「そんなことより、今までツクールフェスの紹介しかしてないじゃん!」
兄「なにか不満か?」
妹「ゲームの作り方について教えてよ!」
兄「でも俺……説明下手なんだよな」
妹「なんでこの話を始めた」
兄「ぶっちゃけ、プレイしてれば作り方なんてすぐ覚えると思うぞ」
妹「えー、無責任でしょそれは」
兄「いやいや。実際、子供が作ったっぽい作品は結構たくさん投稿されてるし」
兄「ツクールDSの頃は小学生の女の子が作ったゲームが受賞してるし」
妹「小学生!? 嘘でしょ!?」
兄「ほんとほんと。嘘だと思うなら調べてみなさい」
10: ◆LFMFthXonM 2018/03/14(水) 06:05:04 ID:i7GaTJU6
妹「じゃあもう、習うより慣れろって感じなんだね」
兄「うん。ツクールって難しそうなイメージあるけど想像以上に簡単だぞ」
兄「俺も最初に作ったのは小学生の頃だったしな」
妹「イベントスイッチを理解するまで何日もかかってたね」
※スイッチ フラグみたいなもん
兄「難しく考えたりはしないで、まずは簡単な作品を完成させて慣れてけばいいんだよ」
兄「まずは10分くらいで終わるゲームを作る。完成させたら次は30分くらいのゲームを作る」
兄「それを繰り返していけば、いずれ大作が作れるようになるんだからさ」
妹「そういうもんなの?」
兄「そういうもんだ。素人なんだから最初から大作は無理だ」
兄「最初の内は、自分好みの趣味に走った短編をいくつも作っていけ! これがツクールのコツだ!」
11: ◆LFMFthXonM 2018/03/14(水) 06:05:42 ID:i7GaTJU6
妹「じゃあ私も完成目指して頑張ってみようかな」
兄「頑張れ! ブラック企業の社員のように!」
妹「ところでお兄ちゃんはもう第3回コンテストに作品を投稿したんだよね?」
兄「ああ、投稿したぜ。受賞は出来そうにないがな……!」
妹「いまなんか作ってるの?」
兄「俺は……『星をみるひと』みたいなゲームを作ろうと思っている!」
妹「く、クソゲーじゃん!」
兄「『星をみるひと』はストーリー自体は評価されてるんだ!」
妹「それは聞いたことあるけど!」
妹「『星をみるひと』ってPCツクールで有志がリメイクしてるじゃん! いくつも!」
兄「そんなもんは知らねぇ! 俺は作りたいものを作るんだよ!!」
妹「だめだこいつ」
おわり
12: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/03/14(水) 08:37:17 ID:KvZGAZ7w
乙、ツクール懐かしい
確かにタッチペンとの相性は良さそうだ
挫折せずに一本作ってみたいなぁ
確かにタッチペンとの相性は良さそうだ
挫折せずに一本作ってみたいなぁ
引用元: 兄「RPG!」 妹「ツクールフェス!!」
妹「お兄ちゃんのバカっ!またステンレスのボルトなんて使ってからに!」
2018-03-03
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 19:08:43.10 ID:DrTajwM8O
兄「ステンボルトの何がいけないんだよ!」
妹「わかってない!お兄ちゃん、解体する人の気持ち全然わかってない!」
兄「なにをぅ!ステンレスは錆びないんだ!鉄ボルトなんて、いざ解体しようとする時には錆びて動かないもんだろ?
だからステンボルトなんだよ!俺ほど解体業者のことを考えてる人間も中々いないぜ!?」
妹「じゃあ何?お兄ちゃんは解体する時、わざわざモンキーやスパナでも使うつもり?」
兄「まさか。俺ならインパクトを使うに決まっている!」
妹「インパクト(笑)。もうね、お兄ちゃんね。全然わかってない。話の根底からして間違ってる」
兄「勿体振りやがって!俺が間違っていると言うなら、何が違うかハッキリ言えばいいだろ!」
妹「そうやってすぐに思考停止して答えを求める……。今だから言うけど私、お兄ちゃんのそういう所、大っ嫌いだった!」
兄「ははは!お前がいかに俺を嫌ったところで
ステンボルトの優位性は揺るがんよ!絶対に!」
妹「ほぉう、ぬかしよってからに!ならばこれを見てもまだその余裕を貫けるかな?」
兄「そ……それは!ガス切断器!!?!?」
妹「わかってない!お兄ちゃん、解体する人の気持ち全然わかってない!」
兄「なにをぅ!ステンレスは錆びないんだ!鉄ボルトなんて、いざ解体しようとする時には錆びて動かないもんだろ?
だからステンボルトなんだよ!俺ほど解体業者のことを考えてる人間も中々いないぜ!?」
妹「じゃあ何?お兄ちゃんは解体する時、わざわざモンキーやスパナでも使うつもり?」
兄「まさか。俺ならインパクトを使うに決まっている!」
妹「インパクト(笑)。もうね、お兄ちゃんね。全然わかってない。話の根底からして間違ってる」
兄「勿体振りやがって!俺が間違っていると言うなら、何が違うかハッキリ言えばいいだろ!」
妹「そうやってすぐに思考停止して答えを求める……。今だから言うけど私、お兄ちゃんのそういう所、大っ嫌いだった!」
兄「ははは!お前がいかに俺を嫌ったところで
ステンボルトの優位性は揺るがんよ!絶対に!」
妹「ほぉう、ぬかしよってからに!ならばこれを見てもまだその余裕を貫けるかな?」
兄「そ……それは!ガス切断器!!?!?」
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 19:10:12.27 ID:DrTajwM8O
兄「切断機……可燃性ガスと支燃性ガスを吹管内で混合ガスに調節することで鉄を溶断するというあの…!?」
妹「左様。これならば錆びてようが錆びてまいが関係ないわ。ガスでボルトの頭をトばして、後はバールか重機でチョイと小突けば簡単に解体できるの!」
兄「簡単にぃ?それを扱うにはガス溶接技能講習に合格しなければならないぞ!
お前はその条件を果たして満たしているのかい!?」
妹「もちろん先日合格したわ!あの、ガス『溶接』と銘打つ割には実技は『溶断』しかしない講習に合格したわ!」
兄「仕方ないさ。近年じゃあアーク溶接が主流で、ガス溶接なんて滅多に使わない!
それはさておき合格おめでとう」
妹「な、何よ!今更お兄ちゃんぶったっても、もう遅い……遅いんだよォォォー!!!!」
ボヒュゥゥウウウウウー!!!
兄「クッ!吹管に着火しやがった!なんという高火力!これでは迂闊に近づけない!?」
妹「クハハハハハァー!!お兄ちゃんはそこで指を咥えて待っときなよ。さっきお兄ちゃんが取り付けたステンボルトが溶断される所をよォォォー!!!」
兄「待てー!そのボルトはステンレス!鉄じゃない!鉄じゃないんだっ!わかっているのか!」
妹「うるさいうるさい!!それが鉄だろうとステンだろうとアルミだろうと鋳物だろうと、溶断するのが切断器という物よ!!」
妹「左様。これならば錆びてようが錆びてまいが関係ないわ。ガスでボルトの頭をトばして、後はバールか重機でチョイと小突けば簡単に解体できるの!」
兄「簡単にぃ?それを扱うにはガス溶接技能講習に合格しなければならないぞ!
お前はその条件を果たして満たしているのかい!?」
妹「もちろん先日合格したわ!あの、ガス『溶接』と銘打つ割には実技は『溶断』しかしない講習に合格したわ!」
兄「仕方ないさ。近年じゃあアーク溶接が主流で、ガス溶接なんて滅多に使わない!
それはさておき合格おめでとう」
妹「な、何よ!今更お兄ちゃんぶったっても、もう遅い……遅いんだよォォォー!!!!」
ボヒュゥゥウウウウウー!!!
兄「クッ!吹管に着火しやがった!なんという高火力!これでは迂闊に近づけない!?」
妹「クハハハハハァー!!お兄ちゃんはそこで指を咥えて待っときなよ。さっきお兄ちゃんが取り付けたステンボルトが溶断される所をよォォォー!!!」
兄「待てー!そのボルトはステンレス!鉄じゃない!鉄じゃないんだっ!わかっているのか!」
妹「うるさいうるさい!!それが鉄だろうとステンだろうとアルミだろうと鋳物だろうと、溶断するのが切断器という物よ!!」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 19:12:30.10 ID:DrTajwM8O
兄(確かに。だが、わかっているのか妹よ。
こと鋳物の場合は、もっと大型の切断器で時間をかけてゆっくりと切らないととても溶断できるもんじゃないんだ…)
妹「チッ!中々ボルトが暖まらない。だからステンレスはクソなのよッ!」
兄(そしてステンレス。鉄ならば暖まった所で高圧を吹かし続けていくのが定石だが、ステンレスでは……)
妹「や、やだぁ…!高圧を吹かし続けても、薄皮がペリペリ剥がれてくだけで、芯は残ったまんまだよぉぅ……!」
兄「心配した通りだな。いいか妹よ。高圧は吹かし続けるんじゃない。小まめに断続的に吹かすんだ」
妹「──!?本当だわ!みるみる内にステンが削れていくっ!」
兄「なんとか一本、ボルトを飛ばせたな。やれば出来るじゃないか」
妹「嫌味ね。笑いたければ笑えばいい。助言がないとステンレスひとつまともに溶断出来ない不出来な妹だってね!」
兄「笑わないさ。お前は頑張り屋で、俺の自慢の妹さ」
妹「お兄ちゃん……っ!」
こと鋳物の場合は、もっと大型の切断器で時間をかけてゆっくりと切らないととても溶断できるもんじゃないんだ…)
妹「チッ!中々ボルトが暖まらない。だからステンレスはクソなのよッ!」
兄(そしてステンレス。鉄ならば暖まった所で高圧を吹かし続けていくのが定石だが、ステンレスでは……)
妹「や、やだぁ…!高圧を吹かし続けても、薄皮がペリペリ剥がれてくだけで、芯は残ったまんまだよぉぅ……!」
兄「心配した通りだな。いいか妹よ。高圧は吹かし続けるんじゃない。小まめに断続的に吹かすんだ」
妹「──!?本当だわ!みるみる内にステンが削れていくっ!」
兄「なんとか一本、ボルトを飛ばせたな。やれば出来るじゃないか」
妹「嫌味ね。笑いたければ笑えばいい。助言がないとステンレスひとつまともに溶断出来ない不出来な妹だってね!」
兄「笑わないさ。お前は頑張り屋で、俺の自慢の妹さ」
妹「お兄ちゃん……っ!」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 19:14:03.28 ID:DrTajwM8O
妹「やっぱりステンレスをガスで切るのは、無謀なのかしら……」
兄「そんなことはない。コツさえつかめばボルトくらいならいくらでも早く切れるようになるさ。
でも、まあ。切断器は危険だからね。逆火したら周りを巻き込む大事故にだってなりかねない。
だから今日は、インパクトを使おうか」
妹「ふんっ!散々私が苦労したステンボルトを
、インパクト如きでどうにか出来るとは思えないんだけど?」
兄「論より証拠さ。まあ見てろって」
ギュルルルルゥーーン!
妹「なにィィ!!凄まじい回転力と圧倒的Powerで、みるみるボルトが外れてイクイクイッグゥゥゥウ~~~ッッッ!!?」
兄「ボルトがステンだろうが鉄だろうが関係ない。解体に必要なのはその時その状況で一番ベストな道具をチョイスする判断力さ!」
妹「そしてお兄ちゃんがチョイスしたインパクト。それはまさか……?」
兄「ああ!マキタのインパクトさ!!」
妹「やっぱり!インパクトと言えばマキタ!マキタと言えばインパクト!
マキタと言えば誰もが知ってる工具の王様に他ならぬ!
マキタもお兄ちゃんも、同じくらい私だぁ~っい好きぃ~!!!」
兄「HAHAHAHAHA!照れるぜぁー!」
こうして兄が開発中だった『可燃ゴミを圧縮して鉄と火薬に変換する画期的発想な圧縮炉装置』はボルトが外れて瓦解した。
これによって起こり得た第三次世界大戦は、装置機能の消滅によって回避された事、まだ兄妹もマキタも知らない。
完
兄「そんなことはない。コツさえつかめばボルトくらいならいくらでも早く切れるようになるさ。
でも、まあ。切断器は危険だからね。逆火したら周りを巻き込む大事故にだってなりかねない。
だから今日は、インパクトを使おうか」
妹「ふんっ!散々私が苦労したステンボルトを
、インパクト如きでどうにか出来るとは思えないんだけど?」
兄「論より証拠さ。まあ見てろって」
ギュルルルルゥーーン!
妹「なにィィ!!凄まじい回転力と圧倒的Powerで、みるみるボルトが外れてイクイクイッグゥゥゥウ~~~ッッッ!!?」
兄「ボルトがステンだろうが鉄だろうが関係ない。解体に必要なのはその時その状況で一番ベストな道具をチョイスする判断力さ!」
妹「そしてお兄ちゃんがチョイスしたインパクト。それはまさか……?」
兄「ああ!マキタのインパクトさ!!」
妹「やっぱり!インパクトと言えばマキタ!マキタと言えばインパクト!
マキタと言えば誰もが知ってる工具の王様に他ならぬ!
マキタもお兄ちゃんも、同じくらい私だぁ~っい好きぃ~!!!」
兄「HAHAHAHAHA!照れるぜぁー!」
こうして兄が開発中だった『可燃ゴミを圧縮して鉄と火薬に変換する画期的発想な圧縮炉装置』はボルトが外れて瓦解した。
これによって起こり得た第三次世界大戦は、装置機能の消滅によって回避された事、まだ兄妹もマキタも知らない。
完
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 19:14:31.17 ID:DrTajwM8O
ありがとうございました。
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 19:29:43.79 ID:8A9WJ4ODO
なんか知らんが勢いに笑った
また気が向いたら書いてくれ、おつ
また気が向いたら書いてくれ、おつ
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 19:34:06.68 ID:Kl7u6+h6o
なんだこれ大好き
おつ
おつ
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 19:38:33.62 ID:XJcNam+PO
知識なくても勢いで楽しめるss
乙
乙
引用元: 妹「お兄ちゃんのバカっ!またステンレスのボルトなんて使ってからに!」
男「妹の生態調査をするぞ」
2018-02-28
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 18:11:38.63 ID:OlU40Mn/0
男「今妹は部屋にいるようだ。ぐへへへ」
男「妹のスペックは>>2-4(の中から複数選択)」
男「妹のスペックは>>2-4(の中から複数選択)」
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 18:13:29.03 ID:NQTsflop0
アニメ好き
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 18:13:32.86 ID:/GolI/11o
無乳
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 18:15:04.69 ID:KOxF84X90
怪力
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 18:17:14.66 ID:OlU40Mn/0
男「アニメが好きで無乳で馬鹿力を持った妹だ。とにかく慎重に調査しよう」
男「妹の部屋の前にきた。まずは>>6するぞ」
男「妹の部屋の前にきた。まずは>>6するぞ」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 18:17:22.74 ID:cR+qbTJJ0
魔法少女
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 18:20:26.49 ID:OlU40Mn/0
男「魔法少女に変身させたら妹も喜ぶか?」
男「おーい」コンコン
妹の性格安価下
男「おーい」コンコン
妹の性格安価下
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 18:20:56.79 ID:RMiCSs5ZO
根暗
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 18:24:28.57 ID:OlU40Mn/0
妹「なーに? …お兄ちゃん」
男「お兄ちゃんな、妹のこと魔法少女にする」
妹「えぇ…。急になに言ってんの? 用ないなら扉閉めるよ」
男「まあ待て。いくぞ、ほいっ!」フワァァ
>>11のコンマ60以上で成功
男「お兄ちゃんな、妹のこと魔法少女にする」
妹「えぇ…。急になに言ってんの? 用ないなら扉閉めるよ」
男「まあ待て。いくぞ、ほいっ!」フワァァ
>>11のコンマ60以上で成功
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 18:26:00.75 ID:cR+qbTJJ0
ほい
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 18:31:12.61 ID:OlU40Mn/0
男「うわマジでできた!」
妹「これ、なにしたの…?! ほんとに魔法っ?!」
男「いやぁ…」
妹「勝手にこんなのして、なんでそんな顔になるの…!」
男「可愛いんだけどさ、あんまり似合ってないなーとか。思ったり、思わなかったり」
妹「お兄ちゃん、それどういうことっ」
男「ほら、なんというかもっとキャピキャピした子が来そうだし、子供っぽいし…」
妹「もう知らないっ!」バタンッ
男「うわぁ…。強く閉じたからドアノブ取れたぞ」
妹「これ、なにしたの…?! ほんとに魔法っ?!」
男「いやぁ…」
妹「勝手にこんなのして、なんでそんな顔になるの…!」
男「可愛いんだけどさ、あんまり似合ってないなーとか。思ったり、思わなかったり」
妹「お兄ちゃん、それどういうことっ」
男「ほら、なんというかもっとキャピキャピした子が来そうだし、子供っぽいし…」
妹「もう知らないっ!」バタンッ
男「うわぁ…。強く閉じたからドアノブ取れたぞ」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 18:32:39.07 ID:OlU40Mn/0
男「扉の向こう側には魔法少女コスの無乳が約1名。子供っぽいってのは禁句だったなぁ」
男「次は>>14して調査する」
男「次は>>14して調査する」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 18:34:59.95 ID:cR+qbTJJ0
妹がどんな魔法が使えるかを調査、
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 18:42:16.59 ID:OlU40Mn/0
男「おーい、妹。悪かったよ。お兄ちゃんとどんな魔法使えるか調べよう」
妹「うん」
男「っていうか何となくわからない?」
妹「うーん。多分>>17-18の魔法」
妹「うん」
男「っていうか何となくわからない?」
妹「うーん。多分>>17-18の魔法」
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 18:43:30.42 ID:NQTsflop0
巨〇化する魔法
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 18:44:09.99 ID:KOxF84X90
メギドラオン
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 18:49:08.47 ID:OlU40Mn/0
男「よかったじゃん! 後者はともかく、前者に関しては実用的だな!」
妹「…お兄ちゃんうるさい」
男「ごめんごめん。使ってみろよ」
妹「巨〇化……ッ」
どれくらいデカくなった?>>21
妹「…お兄ちゃんうるさい」
男「ごめんごめん。使ってみろよ」
妹「巨〇化……ッ」
どれくらいデカくなった?>>21
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 18:49:32.98 ID:sumXkUk50
F
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 18:57:05.15 ID:OlU40Mn/0
妹「おわっ」バインッ
男「すげぇ。あんなに子供っぽ…いや、おとなしい体だったのに」
妹「幸せの重みだぁ…!」
男「妹が意味のわからんことを言い出すくらいバインバインになっている!」
妹「……っ。お兄ちゃんまた余計なことをっ。メギドラオン!」
男「うわぁぁぉぁぁ!!!」9999
妹「あれっ?! お兄ちゃん‥。大丈夫ー?!」
男「俺じゃなかった死んでるぞ。まったくもう」プヨッ
妹「えっ」
男「あっ。いや、不可抗力だろ。普段ならない場所だし」
妹「このっ‥。バカ兄ぃぃぃぃ!」
男「すげぇ。あんなに子供っぽ…いや、おとなしい体だったのに」
妹「幸せの重みだぁ…!」
男「妹が意味のわからんことを言い出すくらいバインバインになっている!」
妹「……っ。お兄ちゃんまた余計なことをっ。メギドラオン!」
男「うわぁぁぉぁぁ!!!」9999
妹「あれっ?! お兄ちゃん‥。大丈夫ー?!」
男「俺じゃなかった死んでるぞ。まったくもう」プヨッ
妹「えっ」
男「あっ。いや、不可抗力だろ。普段ならない場所だし」
妹「このっ‥。バカ兄ぃぃぃぃ!」
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 18:59:31.09 ID:OlU40Mn/0
男「また追い出された。妹はしばらく放っておいて、>>24-25の生態調査をする」
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 19:00:14.29 ID:hFDbqiB30
美人保険医
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 19:01:01.43 ID:sumXkUk50
泣き虫幼馴染
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 19:12:42.05 ID:OlU40Mn/0
男「どっちも魅力的だが、とりあえず美人保険医だな」
男「というわけで保健室だ」
男「先生、こんちにはー」
保険医「あら、いらっしゃい」
男「何しよう。>>27」
男「というわけで保健室だ」
男「先生、こんちにはー」
保険医「あら、いらっしゃい」
男「何しよう。>>27」
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 19:14:50.01 ID:o9gVEXlmO
仮病を使いベットで寝たフリしつつ観察
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 19:17:50.39 ID:OlU40Mn/0
男「先生、俺ちょっと具合が悪くて…」
保険医「そう。えっと、ベッドで寝てる? 日曜日なのによく来たわね…」
男「ううぅぐっ! あぁぁッ!」
保険医「大丈夫?! 休んでなさい!」
男「はーい。カーテン閉めますね」
男(もちろん観察するための隙間は開けるけど)
男「よし、見える。先生は>>29している」
保険医「そう。えっと、ベッドで寝てる? 日曜日なのによく来たわね…」
男「ううぅぐっ! あぁぁッ!」
保険医「大丈夫?! 休んでなさい!」
男「はーい。カーテン閉めますね」
男(もちろん観察するための隙間は開けるけど)
男「よし、見える。先生は>>29している」
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 19:20:10.68 ID:5DeANfS50
ノーブラ
30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 19:24:09.33 ID:OlU40Mn/0
男「見えてるーーーぐぐぐぐぐっ!!」
男「危ない。とっさに口を塞いだが…。まさか美人保険医にあんな…」
保険医「……?」
男「チッ、服を着直しやがった」
男「次は俺が>>31してみる」
男「危ない。とっさに口を塞いだが…。まさか美人保険医にあんな…」
保険医「……?」
男「チッ、服を着直しやがった」
男「次は俺が>>31してみる」
31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 19:28:50.41 ID:sumXkUk50
ノーパン
32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 19:32:02.82 ID:OlU40Mn/0
男「……」ザバッ
男「うおお」ゾクゾク
男「この状況、何だよ。ノーパンの俺、前のカーテンの向こう側にはノーブラの美人」
男「えらく興奮するな、これ」
男「どうする。次は……>>33」ゾクゾク
男「うおお」ゾクゾク
男「この状況、何だよ。ノーパンの俺、前のカーテンの向こう側にはノーブラの美人」
男「えらく興奮するな、これ」
男「どうする。次は……>>33」ゾクゾク
33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 19:32:38.14 ID:5DeANfS50
透視能力に目覚める
34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 19:34:21.76 ID:OlU40Mn/0
男「うわぁぁ。なんだ、これ!」
男「透けて見えるぞ! 具体的には>>35くらい」
男「透けて見えるぞ! 具体的には>>35くらい」
35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 19:39:54.59 ID:kIpH/WECO
内臓まで見通せる
36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 19:43:57.46 ID:NQTsflop0
医者目指せるなwwwww
37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 20:03:38.28 ID:OlU40Mn/0
男「うわああっ!」
保険医「どうしたの? 男君、大丈夫?」ガラガラ
男「来るなあぁぁ!!」
保険医「きゃあぁぁぁっ! なんで脱いでるのよっ」
男「そっちこそぉっ! 内臓バケモノめ!脱ぎすぎだろ!」
妹「目を元に戻して家にワープ!」フワァ
男「痛いなぁ。あれ、ここ家か? どうして…」
妹「お兄ちゃん、やっぱりあの先生のところに行ってたね?」
男「妹…! あれ、透けてないな」
妹「私がやったの。もう懲りたでしょ?」
男「懲りた?」
妹「うん。変なことしちゃダメってこと」
保険医「どうしたの? 男君、大丈夫?」ガラガラ
男「来るなあぁぁ!!」
保険医「きゃあぁぁぁっ! なんで脱いでるのよっ」
男「そっちこそぉっ! 内臓バケモノめ!脱ぎすぎだろ!」
妹「目を元に戻して家にワープ!」フワァ
男「痛いなぁ。あれ、ここ家か? どうして…」
妹「お兄ちゃん、やっぱりあの先生のところに行ってたね?」
男「妹…! あれ、透けてないな」
妹「私がやったの。もう懲りたでしょ?」
男「懲りた?」
妹「うん。変なことしちゃダメってこと」
38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 20:10:01.48 ID:OlU40Mn/0
男「そうだな、変なことはやめてモンハンでもしようかな」
妹「うん。私も横で見てていい?」
男「ああ。いいぞ」
妹「やったー!」ニコッ
男「ん……」
男(一瞬、妹の服が透けて見えたような…)
妹「ほら、お兄ちゃんの部屋行こっ」
男「気のせいか。おう、行こう」
妹の生態調査はまだまだ続く……!!
けど終わり
妹「うん。私も横で見てていい?」
男「ああ。いいぞ」
妹「やったー!」ニコッ
男「ん……」
男(一瞬、妹の服が透けて見えたような…)
妹「ほら、お兄ちゃんの部屋行こっ」
男「気のせいか。おう、行こう」
妹の生態調査はまだまだ続く……!!
けど終わり
39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 22:37:49.25 ID:qBl/zSX1o
乙
引用元: 【安価】男「妹の生態調査をするぞ」
ぼく「こ、これからよろしくお願いします…」新しい妹「うわぁ…気持ちわる」
2018-02-28
1: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/27(火) 05:24:56.227 ID:6oGWxaWY0
ぼく「…え?」
新妹「新しい家の養子になるってちょっとワクワクしてたけど、最悪」
新妹「激キモ男じゃん、萎えたわ」
ぼく「はぁ!?な、な、ななんだ君は!!!」
新妹「うわぁ…唾飛んでるし、ガチじゃん」
ぼく「がちガガガ、ガチって何だよ!!!なななななな何がガチなんだ!!」
新妹「いいから私の部屋教えろよ、別にお前とこれからコミュニケーション取るつもりないから」
ぼく「あああああ!!コチ…こ、こっちだってお前の面倒見てやらないからな!!」
新妹「はぁ…もうマジ最悪」
新妹「新しい家の養子になるってちょっとワクワクしてたけど、最悪」
新妹「激キモ男じゃん、萎えたわ」
ぼく「はぁ!?な、な、ななんだ君は!!!」
新妹「うわぁ…唾飛んでるし、ガチじゃん」
ぼく「がちガガガ、ガチって何だよ!!!なななななな何がガチなんだ!!」
新妹「いいから私の部屋教えろよ、別にお前とこれからコミュニケーション取るつもりないから」
ぼく「あああああ!!コチ…こ、こっちだってお前の面倒見てやらないからな!!」
新妹「はぁ…もうマジ最悪」
4: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/27(火) 05:25:51.306 ID:6oGWxaWY0
ぼく「こ、こ、ここが君の部屋さ!!物置に使ってた場所だよ!!一生そ、そこに引きこもってなよ!!」
新妹「はいはい、あ、一応言っとくけど変な気とか起こしたら容赦しないから」
ぼく「へ、変な気?」
新妹「私柔道やってたし、防衛術もお父さんに教えて貰ったことあるからちょっとでも近付いたら」
シュパン
ぼく「う、うわあああ!!どどどこにナイフなんて隠してたんだあああ!?危ないだろ!!??」
新妹「これで内臓捻り出すから、よろしく」
新妹「はいはい、あ、一応言っとくけど変な気とか起こしたら容赦しないから」
ぼく「へ、変な気?」
新妹「私柔道やってたし、防衛術もお父さんに教えて貰ったことあるからちょっとでも近付いたら」
シュパン
ぼく「う、うわあああ!!どどどこにナイフなんて隠してたんだあああ!?危ないだろ!!??」
新妹「これで内臓捻り出すから、よろしく」
5: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/27(火) 05:26:34.736 ID:6oGWxaWY0
ぼく「だ、誰が君みたいなキチガイに手を出すか!!!し、し、シネ…」
新妹「うわっ、おいお前何ビビって失禁してんだよ!ちょっと部屋汚れるだろ早く出てけ!」
ぼく「うわああ!!??」ドテッ
新妹「死ねキモオタ」バタンッ
ぼく「ぼ、ぼくはキモオタなんかじゃない……見た目で判断すんな……ボケェ……!」ポロポロ
新妹「うわっ、おいお前何ビビって失禁してんだよ!ちょっと部屋汚れるだろ早く出てけ!」
ぼく「うわああ!!??」ドテッ
新妹「死ねキモオタ」バタンッ
ぼく「ぼ、ぼくはキモオタなんかじゃない……見た目で判断すんな……ボケェ……!」ポロポロ
7: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/27(火) 05:27:28.176 ID:6oGWxaWY0
ぼく「妹!妹いるか!」ドンドンドン
ガチャ
妹「…なに」
ぼく「今日新しく来た妹になる奴だがな、アイツとは関わらない方がいい!!」
ぼく「げ、ゲスだぞ!!人を第一印象で判断するような奴にロクな奴はいない!!」
妹「…で?」
ガチャ
妹「…なに」
ぼく「今日新しく来た妹になる奴だがな、アイツとは関わらない方がいい!!」
ぼく「げ、ゲスだぞ!!人を第一印象で判断するような奴にロクな奴はいない!!」
妹「…で?」
8: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/27(火) 05:27:53.730 ID:6oGWxaWY0
ぼく「で?じゃないよ!!だから、アイツとは関わるなって言ってるんだ!!お前の身を案じてるんだぞ!!」
妹「…あ、そう、じゃ」バタンッ
ぼく「ちゃんと話を聞けよ!!…まったく…」
ぼく「しかし、妹は奴から守らなければ……」
妹「…あ、そう、じゃ」バタンッ
ぼく「ちゃんと話を聞けよ!!…まったく…」
ぼく「しかし、妹は奴から守らなければ……」
9: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/27(火) 05:28:24.882 ID:6oGWxaWY0
~次の日~
ガチャ
新妹「は?飯は?」
ぼく「今日は両親とも帰るのが遅いから、外食だよ」
新妹「え、お前と外食?死んでも嫌なんだけど」
ぼく「は?」
新妹「それなら私が作るわ」
ぼく「え??ほんと??」
ガチャ
新妹「は?飯は?」
ぼく「今日は両親とも帰るのが遅いから、外食だよ」
新妹「え、お前と外食?死んでも嫌なんだけど」
ぼく「は?」
新妹「それなら私が作るわ」
ぼく「え??ほんと??」
10: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/27(火) 05:29:04.537 ID:6oGWxaWY0
30分後
ぼく(なんだ…あいつも中々いいとこあるじゃないか…)
新妹「よーしできた、いただきまーす」
ぼく「あれ?ぼくらの分は?」
新妹「は?何言ってんだよ」
ぼく「な、な、何じゃないよ!な、なんで君の分の料理しか用意してないんだ!?」
新妹「は?なんで私がお前の分作らなきゃいけないんだよ」
新妹「今日は外食なんだろ」
ぼく「……」
ぼく(なんだ…あいつも中々いいとこあるじゃないか…)
新妹「よーしできた、いただきまーす」
ぼく「あれ?ぼくらの分は?」
新妹「は?何言ってんだよ」
ぼく「な、な、何じゃないよ!な、なんで君の分の料理しか用意してないんだ!?」
新妹「は?なんで私がお前の分作らなきゃいけないんだよ」
新妹「今日は外食なんだろ」
ぼく「……」
11: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/27(火) 05:29:45.496 ID:6oGWxaWY0
ガチャ
妹「…兄ちゃんそろそろお腹すいた」スタスタ
ぼく「妹!き、今日はぼくらだけで外食行くぞ!」グイッ
妹「…どうしたの急に…」
ぼく「い、いいから早く準備しろって!!」
妹「うん…」
ぼく「いいか、やっぱりアイツとは関わるな!ひ、ひ、人の気持ちを考えない酷い奴だ!!」
新妹「おいし~」モグモグ
妹「…兄ちゃんそろそろお腹すいた」スタスタ
ぼく「妹!き、今日はぼくらだけで外食行くぞ!」グイッ
妹「…どうしたの急に…」
ぼく「い、いいから早く準備しろって!!」
妹「うん…」
ぼく「いいか、やっぱりアイツとは関わるな!ひ、ひ、人の気持ちを考えない酷い奴だ!!」
新妹「おいし~」モグモグ
12: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/27(火) 05:30:19.599 ID:6oGWxaWY0
~朝~
ぼく「お、おい!」
新妹「…」
ぼく「むむ、無視するなよ!!」
新妹「なに?」
ぼく「ご、ご…ゴミ出しに…イケ」
新妹「なんで?」
ぼく「な、なんで!?君のゴミも入ってんだぞ!!こ、これからは家族で仕事分担だ!!!」
ぼく「お、おい!」
新妹「…」
ぼく「むむ、無視するなよ!!」
新妹「なに?」
ぼく「ご、ご…ゴミ出しに…イケ」
新妹「なんで?」
ぼく「な、なんで!?君のゴミも入ってんだぞ!!こ、これからは家族で仕事分担だ!!!」
15: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/27(火) 05:31:03.528 ID:6oGWxaWY0
新妹「めんどい、パスで」
ぼく「はぁ!?ゆ、許されると思ってるのかそんなこと!!」
新妹「あーもうマジうざい…ニュース聞こえないんだけど」
ぼく「は、話を聞け!!うううウチではゴミ出し、食器洗い、風呂の掃除は子供達でやることになってるんだ!!居候するならルールくらい守れよぉ!!」
新妹「知らねーってそんなの、聞いてなかったし無理」
ぼく「ムキィーッ!!!なんて奴だクソ!!!」
ぼく「はぁ!?ゆ、許されると思ってるのかそんなこと!!」
新妹「あーもうマジうざい…ニュース聞こえないんだけど」
ぼく「は、話を聞け!!うううウチではゴミ出し、食器洗い、風呂の掃除は子供達でやることになってるんだ!!居候するならルールくらい守れよぉ!!」
新妹「知らねーってそんなの、聞いてなかったし無理」
ぼく「ムキィーッ!!!なんて奴だクソ!!!」
16: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/27(火) 05:31:48.580 ID:6oGWxaWY0
新妹「マジでうるさい、黙ってろよ」
ぼく「……」
妹「朝っぱらから何騒いでるの兄ちゃん」
ぼく「い、妹、飯食べたらさっさと学校に行くといい、こ…こっちの話だ」
妹「うん…」
ぼく(妹をこんな奴と関わらせるわけにはいかない…)
ぼく「……」
妹「朝っぱらから何騒いでるの兄ちゃん」
ぼく「い、妹、飯食べたらさっさと学校に行くといい、こ…こっちの話だ」
妹「うん…」
ぼく(妹をこんな奴と関わらせるわけにはいかない…)
17: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/27(火) 05:32:26.670 ID:6oGWxaWY0
~夜~
新妹「邪魔」
ぼく「え……はぁ!?」
ぼく「な、何チャンネル変えてるんだよ!見てたんだぞ!!」
新妹「知らねぇよ、ずっとテレビ見てただろ」
ぼく「じ、じ、自分勝手過ぎるだろ!!少しは気を使えないのか!!?」
新妹「あーもううるさい、お前がいるとテレビ聞こえないんだよ」
新妹「どっか行って?」
ぼく「なんだと!!」
ぼく(手出したら逆に何し返されるか分からない……!!くっそ~くやしいよ~~!!)
新妹「邪魔」
ぼく「え……はぁ!?」
ぼく「な、何チャンネル変えてるんだよ!見てたんだぞ!!」
新妹「知らねぇよ、ずっとテレビ見てただろ」
ぼく「じ、じ、自分勝手過ぎるだろ!!少しは気を使えないのか!!?」
新妹「あーもううるさい、お前がいるとテレビ聞こえないんだよ」
新妹「どっか行って?」
ぼく「なんだと!!」
ぼく(手出したら逆に何し返されるか分からない……!!くっそ~くやしいよ~~!!)
19: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/27(火) 05:33:32.039 ID:6oGWxaWY0
三ヶ月後
ぼく「はぁ、ま、前はこんなにゴミ多くなかったのになぁ~重たいなぁ~」
新妹「…」
ぼく「いっ、一個くらい持ってってくれてもいいんじゃないかな~」ドサッ
新妹「うるせぇな!まだ言ってんのか早く持ってけよ!!」
ぼく「……」スタスタ
ぼく(結局相変わらずあの態度……ずっとあんな生意気な奴がいるなんて……)
新妹「今日は一日中休みか~どうして過ごそうかな~、とりあえず録り溜めた番組見てー…」
ぼく(そうだ、せっかくの休みならちょっと不快な嫌がらせしてやる…)
ぼく「はぁ、ま、前はこんなにゴミ多くなかったのになぁ~重たいなぁ~」
新妹「…」
ぼく「いっ、一個くらい持ってってくれてもいいんじゃないかな~」ドサッ
新妹「うるせぇな!まだ言ってんのか早く持ってけよ!!」
ぼく「……」スタスタ
ぼく(結局相変わらずあの態度……ずっとあんな生意気な奴がいるなんて……)
新妹「今日は一日中休みか~どうして過ごそうかな~、とりあえず録り溜めた番組見てー…」
ぼく(そうだ、せっかくの休みならちょっと不快な嫌がらせしてやる…)
21: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/27(火) 05:34:23.412 ID:6oGWxaWY0
ぼく(今日は一日親もぼくも妹も家にいない…こっそりブレーカー落としといてやろう)
ぼく「それじゃいってきまーす」
ガチャンッ
ぼく(ウププ…wウチのブレーカーの場所分かりにくいとこにあるし見つけられるかな…w)
ぼく「それじゃいってきまーす」
ガチャンッ
ぼく(ウププ…wウチのブレーカーの場所分かりにくいとこにあるし見つけられるかな…w)
23: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/27(火) 05:35:20.073 ID:6oGWxaWY0
~その夜~
ぼく「ただいま~」ガチャ
ぼく「…ってあれ!?」
妹「なんでブレーカー落ちてるの…?」
ぼく「さ、さぁ…?」
ぼく(なんでまだブレーカー落ちたまんまなんだ…本当に場所が分からなかったのか?だとしたら新妹はどこに?)
ぼく「と、とりあえず電気つけてくる!」
妹「うん…」
ぼく「ただいま~」ガチャ
ぼく「…ってあれ!?」
妹「なんでブレーカー落ちてるの…?」
ぼく「さ、さぁ…?」
ぼく(なんでまだブレーカー落ちたまんまなんだ…本当に場所が分からなかったのか?だとしたら新妹はどこに?)
ぼく「と、とりあえず電気つけてくる!」
妹「うん…」
25: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/27(火) 05:36:19.735 ID:6oGWxaWY0
ガチャンッ
スタスタ
ぼく「ただいまー」ガチャ
新妹「…」
ぼく「うわっ!!なな、何座ってんだ!?」
新妹「…」
ぼく「え、まさかずっとそこに座ってたのかい!?でで電気消えてるのに!?」
スタスタ
ぼく「ただいまー」ガチャ
新妹「…」
ぼく「うわっ!!なな、何座ってんだ!?」
新妹「…」
ぼく「え、まさかずっとそこに座ってたのかい!?でで電気消えてるのに!?」
29: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/27(火) 05:37:10.216 ID:6oGWxaWY0
新妹「黙れよ」
ぼく「え、し、しかもちょっと涙目!!!??wファーwwwだっさwww電気つかなくてビビってたのかあああ!!??」
新妹「うるさい、トイレ行こっと」
ぼく「効いてないフリしてて、わ、ワロターッwww」
新妹「……」スタスタ
ぼく「ざまぁみろw今まで酷い態度取ってきたからだアホめ」
ぼく「え、し、しかもちょっと涙目!!!??wファーwwwだっさwww電気つかなくてビビってたのかあああ!!??」
新妹「うるさい、トイレ行こっと」
ぼく「効いてないフリしてて、わ、ワロターッwww」
新妹「……」スタスタ
ぼく「ざまぁみろw今まで酷い態度取ってきたからだアホめ」
32: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/27(火) 05:38:00.104 ID:6oGWxaWY0
妹「ねぇ兄ちゃん」
ぼく「どうした?」
妹「…その、みたい映画あってさ、明日暇なら一緒に観にいかない?」
ぼく「え、え?」
妹「……」
ぼく「も、も、もちろん!!行こう!暇さ!!」
妹「ほんと?じゃあ明日11時からのやつね」
ぼく「わ、わかった!じじゃあ10時には出なきゃな!!」
ぼく「どうした?」
妹「…その、みたい映画あってさ、明日暇なら一緒に観にいかない?」
ぼく「え、え?」
妹「……」
ぼく「も、も、もちろん!!行こう!暇さ!!」
妹「ほんと?じゃあ明日11時からのやつね」
ぼく「わ、わかった!じじゃあ10時には出なきゃな!!」
34: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/27(火) 05:39:04.008 ID:6oGWxaWY0
妹「うん、じゃおやすみ」
ぼく「うん!!」
ぼく(妹がぼくを誘ってくるなんて珍しいな…なんて珍しいんだ)
ぼく(なんかあったのかな…でも良かったってことに変わりない、素直に喜ぼう)
ぼく(これだから妹は可愛いんだよ…普段は無愛想だけど、たまにぼくに甘えてくるのさ、これが妹の可愛いさなんだ)
ぼく(こうして心底ではぼくを愛してくれてる妹を見ると、いつもの無愛想さも愛おしく思えるなぁ…w)
ぼく「うん!!」
ぼく(妹がぼくを誘ってくるなんて珍しいな…なんて珍しいんだ)
ぼく(なんかあったのかな…でも良かったってことに変わりない、素直に喜ぼう)
ぼく(これだから妹は可愛いんだよ…普段は無愛想だけど、たまにぼくに甘えてくるのさ、これが妹の可愛いさなんだ)
ぼく(こうして心底ではぼくを愛してくれてる妹を見ると、いつもの無愛想さも愛おしく思えるなぁ…w)
35: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/27(火) 05:39:55.180 ID:6oGWxaWY0
次の日
ぼく「妹ー!!準備はできてるか!?」
妹「まだ出掛けるには早いよ」
ぼく「か、確認だよ!!昨日その映画について調べてね、ぼくも楽しみなんだよ!!」
妹「そう」
ぼく(本当は妹がぼくを呼んでくれたから楽しみなんだけど……w)
ゲホッゲホッ
ぼく「ん?」スタスタ
ぼく「妹ー!!準備はできてるか!?」
妹「まだ出掛けるには早いよ」
ぼく「か、確認だよ!!昨日その映画について調べてね、ぼくも楽しみなんだよ!!」
妹「そう」
ぼく(本当は妹がぼくを呼んでくれたから楽しみなんだけど……w)
ゲホッゲホッ
ぼく「ん?」スタスタ
37: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/27(火) 05:41:05.754 ID:6oGWxaWY0
コンコンッ
ぼく「は…入る…ヨ?」
ガチャ
新妹「…ゲホッゲホッ、なんだよ、入ってくんなよ…」
ぼく「え?なななんでそんな顔赤いんだ!?!」
新妹「うるせぇな…頭に響くだろうが…」
ぼく「ねね、熱だ!!熱があるんだ!!風邪?!?」
新妹「知らねぇよ…なぜか昨日電気も暖房もつかなかったから、気付いたらこうなってたんだよゲホッゲホッ」
新妹「もういいから出てけよ、頭に響く…」
ぼく「…あっそ、ぼぼぼくは今から用事あるから」
ぼく「ま、まあ、それじゃ…」バタンッ
ぼく「は…入る…ヨ?」
ガチャ
新妹「…ゲホッゲホッ、なんだよ、入ってくんなよ…」
ぼく「え?なななんでそんな顔赤いんだ!?!」
新妹「うるせぇな…頭に響くだろうが…」
ぼく「ねね、熱だ!!熱があるんだ!!風邪?!?」
新妹「知らねぇよ…なぜか昨日電気も暖房もつかなかったから、気付いたらこうなってたんだよゲホッゲホッ」
新妹「もういいから出てけよ、頭に響く…」
ぼく「…あっそ、ぼぼぼくは今から用事あるから」
ぼく「ま、まあ、それじゃ…」バタンッ
39: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/27(火) 05:42:05.736 ID:6oGWxaWY0
妹「兄ちゃん、そろそろ出ないとバス行っちゃうよ」
ぼく「うん…」
ぼく「妹ごめん一人で見に行ってくれないか?」
妹「え?」
ぼく「ほ、本当は行きたいんだけど、あいつ風邪ひいたみたいで…」
ぼく「ごめん!せ、せっかく楽しみにしてたのに」
妹「…」
妹「いや」
ぼく「え?」
妹「早く行こうよ、映画」
ぼく「うん…」
ぼく「妹ごめん一人で見に行ってくれないか?」
妹「え?」
ぼく「ほ、本当は行きたいんだけど、あいつ風邪ひいたみたいで…」
ぼく「ごめん!せ、せっかく楽しみにしてたのに」
妹「…」
妹「いや」
ぼく「え?」
妹「早く行こうよ、映画」
44: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/27(火) 05:43:17.840 ID:6oGWxaWY0
ぼく「…?」
ぼく「だ、だからごめん、今日は…」
妹「イヤだよ!兄ちゃんと行きたいの!!」
ぼく「……」
ぼく「妹ごめん…」
妹「…」
妹「わかった」
ぼく(まさかこんなにぼくを思ってくれていたなんて)
ぼく(しかし今は我慢してくれ妹よ…)
ぼく「だ、だからごめん、今日は…」
妹「イヤだよ!兄ちゃんと行きたいの!!」
ぼく「……」
ぼく「妹ごめん…」
妹「…」
妹「わかった」
ぼく(まさかこんなにぼくを思ってくれていたなんて)
ぼく(しかし今は我慢してくれ妹よ…)
48: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/27(火) 05:44:15.556 ID:6oGWxaWY0
コンコンガチャ
新妹「は?なんだよ出掛けるんだろ」
ぼく「そ、その、朝からなんも食べてないでしょ」
ぼく「ほら、お、おかゆ」
新妹「は?だからなんでいるんだよ」
ぼく「し、知らないよ予定がなくなったんだよ!!」
ぼく「て、ていうか、ななんで掛け布団一枚しかないんだよ!!」
新妹「いや…ここに来た時からずっと一枚だし…」
ぼく「え…」
ぼく(そういえばこいつの態度の悪さへの当てつけに布団薄くしてやったんだ)
新妹「は?なんだよ出掛けるんだろ」
ぼく「そ、その、朝からなんも食べてないでしょ」
ぼく「ほら、お、おかゆ」
新妹「は?だからなんでいるんだよ」
ぼく「し、知らないよ予定がなくなったんだよ!!」
ぼく「て、ていうか、ななんで掛け布団一枚しかないんだよ!!」
新妹「いや…ここに来た時からずっと一枚だし…」
ぼく「え…」
ぼく(そういえばこいつの態度の悪さへの当てつけに布団薄くしてやったんだ)
49: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/27(火) 05:45:28.725 ID:6oGWxaWY0
スタスタ ガラララ
ぼく「ほら!!も、もう一枚持ってきたって!!」
新妹「いらねーよ、哀れみのつもりかよ」
ぼく「はぁ!!?なんだと!!」
新妹「…もういいから静かにしててよ」
ぼく「……」
ぼく「ほら!!も、もう一枚持ってきたって!!」
新妹「いらねーよ、哀れみのつもりかよ」
ぼく「はぁ!!?なんだと!!」
新妹「…もういいから静かにしててよ」
ぼく「……」
51: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/27(火) 05:46:20.613 ID:6oGWxaWY0
~昼~
コンコンガチャ
ぼく「う、うどん食べる?」
新妹「いいって」
ぼく「……」
ぼく「その、さ、寒くない?」
新妹「…」
ぼく「プリンとゼリー買ってきたけど、どっちがいい?」
新妹「…うどん」
ぼく「ナンダ~…やっぱお腹すいてんじゃ~ン…」
新妹「……」
コンコンガチャ
ぼく「う、うどん食べる?」
新妹「いいって」
ぼく「……」
ぼく「その、さ、寒くない?」
新妹「…」
ぼく「プリンとゼリー買ってきたけど、どっちがいい?」
新妹「…うどん」
ぼく「ナンダ~…やっぱお腹すいてんじゃ~ン…」
新妹「……」
53: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/27(火) 05:47:09.359 ID:6oGWxaWY0
~夕方~
コンコンガチャ
ぼく「あの…よ、夜食べる?」
新妹「いい、食欲ない」
ぼく「ああ、そう…」
新妹「今日本当は予定あったんでしょ」
ぼく「え?」
新妹「私のために予定キャンセルしたんでしょ、ありがとう」
ぼく「え!?」
コンコンガチャ
ぼく「あの…よ、夜食べる?」
新妹「いい、食欲ない」
ぼく「ああ、そう…」
新妹「今日本当は予定あったんでしょ」
ぼく「え?」
新妹「私のために予定キャンセルしたんでしょ、ありがとう」
ぼく「え!?」
56: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/27(火) 05:48:30.969 ID:6oGWxaWY0
新妹「……」
ぼく「ごめん、じじ、実は昨日ブレーカー落としたのぼくなんだ」
ぼく「な、何とか新妹を困らせてやろうと思ってやったけど、ここんな大きな風邪ひくとは思わなくて」
新妹「知ってるよ、挙動不審だったし」
ぼく「え?」
新妹「でも私の今までの態度も悪かったと思うし、今日のこと寧ろちょっとは感心したよ」
新妹「ありがと」
ぼく「……ふぇ…ふぇ…」
ぼく「お、お、おおおお腹すいたら言ってよね!!」
バタンッ
ぼく(なんだよぉ……)
妹「…」
ぼく「ごめん、じじ、実は昨日ブレーカー落としたのぼくなんだ」
ぼく「な、何とか新妹を困らせてやろうと思ってやったけど、ここんな大きな風邪ひくとは思わなくて」
新妹「知ってるよ、挙動不審だったし」
ぼく「え?」
新妹「でも私の今までの態度も悪かったと思うし、今日のこと寧ろちょっとは感心したよ」
新妹「ありがと」
ぼく「……ふぇ…ふぇ…」
ぼく「お、お、おおおお腹すいたら言ってよね!!」
バタンッ
ぼく(なんだよぉ……)
妹「…」
58: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/27(火) 05:49:33.743 ID:6oGWxaWY0
~次の日~
ぼく「今日はゴミの日か…」ガサゴソ
新妹「よいしょ」
ぼく「え?」
新妹「私がやるって」
ぼく「お、起きて大丈夫なの!?」
新妹「もう治った」
ぼく「というか、な、なんだよ急に!ゴミ出しなんてしたことないだろ!」
新妹「…だから、今日からはやるって私も」
ぼく「えぇ!?」
ぼく「今日はゴミの日か…」ガサゴソ
新妹「よいしょ」
ぼく「え?」
新妹「私がやるって」
ぼく「お、起きて大丈夫なの!?」
新妹「もう治った」
ぼく「というか、な、なんだよ急に!ゴミ出しなんてしたことないだろ!」
新妹「…だから、今日からはやるって私も」
ぼく「えぇ!?」
60: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/27(火) 05:50:33.366 ID:6oGWxaWY0
新妹「いちいちそんな驚くなよ…なんかむかつく」
ぼく「そ、そ、それじゃあ、次からでいいよ!今は寝てなって!!」ガシッ
新妹「あっ」
ぼく「まったく…」スタスタ
妹「…兄ちゃん、じゃあ私が半分持つよ」
ぼく「い、いやでも妹にだけ持たせるのも、あれだしな…」
ぼく「大丈夫!!一人で!!」スタタタ
妹「……」
ぼく「そ、そ、それじゃあ、次からでいいよ!今は寝てなって!!」ガシッ
新妹「あっ」
ぼく「まったく…」スタスタ
妹「…兄ちゃん、じゃあ私が半分持つよ」
ぼく「い、いやでも妹にだけ持たせるのも、あれだしな…」
ぼく「大丈夫!!一人で!!」スタタタ
妹「……」
61: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/27(火) 05:51:57.365 ID:6oGWxaWY0
~数ヶ月後~
ぼく「そしたらぼくが座ってた席の隣に丁度ホームラン球が飛んできて、眠ってたオッサンの股間に当たったんだよ
!w」
新妹「ブフォッwむっちゃウケるんだどその話w」
ぼく「んでんでwww」
新妹「あ、いっつも見てるやつ20時からだっけ?」
ぼく「え、あ、うん」
新妹「変わるし、見なよ」
ぼく「え、今見てるやつまだあるでしょ」
新妹「いいよ、今から風呂入るし」
ぼく「あぁ、そう…」
新妹「うん」スタスタ
ぼく(ぼくは新妹が危険だと思って妹と遠ざけてきた…しかしもう二人が関わっても大丈夫だって自信がある)
ぼく「そしたらぼくが座ってた席の隣に丁度ホームラン球が飛んできて、眠ってたオッサンの股間に当たったんだよ
!w」
新妹「ブフォッwむっちゃウケるんだどその話w」
ぼく「んでんでwww」
新妹「あ、いっつも見てるやつ20時からだっけ?」
ぼく「え、あ、うん」
新妹「変わるし、見なよ」
ぼく「え、今見てるやつまだあるでしょ」
新妹「いいよ、今から風呂入るし」
ぼく「あぁ、そう…」
新妹「うん」スタスタ
ぼく(ぼくは新妹が危険だと思って妹と遠ざけてきた…しかしもう二人が関わっても大丈夫だって自信がある)
63: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/27(火) 05:53:18.024 ID:6oGWxaWY0
~夜~
コンコンッ
ぼく「妹、いるか?入るぞ」
ガチャ
妹「なに?」
ぼく「その、妹、まともに喋ったことないよな…アイツと」
ぼく「じ、実はぼくが妹とアイツが関わることを避けさせていたんだ、ごめん」
妹「…」
ぼく「その…話してみないか、アイツと」
妹「いや」
コンコンッ
ぼく「妹、いるか?入るぞ」
ガチャ
妹「なに?」
ぼく「その、妹、まともに喋ったことないよな…アイツと」
ぼく「じ、実はぼくが妹とアイツが関わることを避けさせていたんだ、ごめん」
妹「…」
ぼく「その…話してみないか、アイツと」
妹「いや」
65: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/27(火) 05:54:38.061 ID:6oGWxaWY0
ぼく「ぼ、ぼくのせいで新妹を嫌ってるのは分かってる」
ぼく「でも、一度面と向かって話してほしい、もう前までの酷い奴じゃないんだ!!」
ぼく「頼む!!ふ、二人にも仲良くあってほしい!!」
妹「……」
妹「わかった」
ぼく「ほ、ほんとか!ありがとう!!」
ぼく「でも、一度面と向かって話してほしい、もう前までの酷い奴じゃないんだ!!」
ぼく「頼む!!ふ、二人にも仲良くあってほしい!!」
妹「……」
妹「わかった」
ぼく「ほ、ほんとか!ありがとう!!」
68: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/27(火) 05:56:36.746 ID:6oGWxaWY0
~リビング~
ガチャ
ぼく「…新妹…」
新妹「ん?」
ぼく「あ、改めてっていうと、堅苦しいんだけど紹介するよ…妹ほら」
妹「……」
新妹「…?」
ぼく「ほ、ほら妹ななんか、話しかけなよ」
妹「やっぱり無理」スタスタスタ
ぼく「お、おい妹!?」スタタタ
ガシ
ぼく「何してるんだ!?や、やっぱ恥ずかしい??」
妹「いい加減にしてよ、誰に話しかけろって言うのよ」
ぼく「え?」
妹「兄ちゃんずっと誰と話してるの…もう耐えられないよ」
ガチャ
ぼく「…新妹…」
新妹「ん?」
ぼく「あ、改めてっていうと、堅苦しいんだけど紹介するよ…妹ほら」
妹「……」
新妹「…?」
ぼく「ほ、ほら妹ななんか、話しかけなよ」
妹「やっぱり無理」スタスタスタ
ぼく「お、おい妹!?」スタタタ
ガシ
ぼく「何してるんだ!?や、やっぱ恥ずかしい??」
妹「いい加減にしてよ、誰に話しかけろって言うのよ」
ぼく「え?」
妹「兄ちゃんずっと誰と話してるの…もう耐えられないよ」
70: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/27(火) 05:58:14.946 ID:6oGWxaWY0
ぼく「な、何言ってんだ」
妹「最初は兄ちゃんふざけてるんだと思ってスルーしてたけど、本当に誰かに話しかけてるって気付いてから私怖くて…」
ぼく「ちょっとまってくれよ…ぼ、ぼくが、幻覚でも見てるっていうのか??」
妹「見てるの、新しい妹なんていないの」
ぼく「いや、ダメだ理解ができないよ」
ぼく「……」
ぼく「ほ、本当か?バカにしてるんじゃないよな?」
妹「…」コク
妹「最初は兄ちゃんふざけてるんだと思ってスルーしてたけど、本当に誰かに話しかけてるって気付いてから私怖くて…」
ぼく「ちょっとまってくれよ…ぼ、ぼくが、幻覚でも見てるっていうのか??」
妹「見てるの、新しい妹なんていないの」
ぼく「いや、ダメだ理解ができないよ」
ぼく「……」
ぼく「ほ、本当か?バカにしてるんじゃないよな?」
妹「…」コク
74: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/27(火) 05:59:40.144 ID:6oGWxaWY0
ぼく「そ、そんな……なんで??なんでそんな幻覚を??」
妹「分からないけど私が冷たくし始めたからおかしくなったんだと思って、外に誘ってみたりしたけどダメで、何度も信じようとしたけど見えないし…」
ぼく「じゃあ…だとしたら、ぼくがこれまで関わっていたアイツは…誰なんだ」
妹「知らないよ…ねぇ兄ちゃん、もうやめて?そんな子と話すのはもう?」
ぼく「……」
ぼく「わ、分かった」
新妹「何が分かったの?」
ぼく「…」ビクッ
妹「分からないけど私が冷たくし始めたからおかしくなったんだと思って、外に誘ってみたりしたけどダメで、何度も信じようとしたけど見えないし…」
ぼく「じゃあ…だとしたら、ぼくがこれまで関わっていたアイツは…誰なんだ」
妹「知らないよ…ねぇ兄ちゃん、もうやめて?そんな子と話すのはもう?」
ぼく「……」
ぼく「わ、分かった」
新妹「何が分かったの?」
ぼく「…」ビクッ
75: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/27(火) 06:01:01.152 ID:6oGWxaWY0
新妹「ねぇ、何が分かったの?誰に言ったの?」
ぼく「……」プルプル
新妹「もしかして、妹?」
ぼく「…」
新妹「あーそうか」
新妹「やっぱりそうだっだんだね」
新妹「私不思議だったの、この家にはお父さんとお母さん、そして兄さんの三人だって聞いてきた」
新妹「なのにあんたは度々妹の話題を出してくるんだもん、一体何の話をしてんだって思ってたけど触れちゃいけないと思って」
ぼく「え…」
ぼく「……」プルプル
新妹「もしかして、妹?」
ぼく「…」
新妹「あーそうか」
新妹「やっぱりそうだっだんだね」
新妹「私不思議だったの、この家にはお父さんとお母さん、そして兄さんの三人だって聞いてきた」
新妹「なのにあんたは度々妹の話題を出してくるんだもん、一体何の話をしてんだって思ってたけど触れちゃいけないと思って」
ぼく「え…」
78: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/27(火) 06:02:17.324 ID:6oGWxaWY0
新妹「覚えてないかもしれないけどね、この前お酒呑んでた兄さんが言ってたことがあるんだよ」
新妹「妹は10年前に事故で死んだって」
ぼく「……」
ぼく「あっ」
新妹「ぼくが妹を守れなかったからって泣いていたよ」
ぼく(そうだ、10年前妹はトラックに轢かれて死んだ)
ぼく(最初に気付いたぼくが助けに行ったけど間に合わず、妹は死んだんだ)
新妹「妹は10年前に事故で死んだって」
ぼく「……」
ぼく「あっ」
新妹「ぼくが妹を守れなかったからって泣いていたよ」
ぼく(そうだ、10年前妹はトラックに轢かれて死んだ)
ぼく(最初に気付いたぼくが助けに行ったけど間に合わず、妹は死んだんだ)
80: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/27(火) 06:03:42.521 ID:6oGWxaWY0
ぼく「そ、そうか…ぼくは妹が死んだショックから逃れる為に、信じなかったんだ」
ぼく「そうすれば妹は帰ってくると思ってた、確かに妹は帰ってきたが、どこか現実感のない毎日だった」
ぼく「そこにいるのに、な、何か満たされないような酷い毎日だったんだ」プルプル
妹「なにそれ、まだそんな戯言言ってるの?」
ぼく「え?」
妹「またその女の話を聞いたの?バカバカしいって思わない?」
妹「最近ウチに来た女が、その妹は幻覚だって言ってるの?よく思い出して」
妹「私は本当に事故で死んだ?そんな記憶あるの?」
ぼく「…ない」
ぼく「そうすれば妹は帰ってくると思ってた、確かに妹は帰ってきたが、どこか現実感のない毎日だった」
ぼく「そこにいるのに、な、何か満たされないような酷い毎日だったんだ」プルプル
妹「なにそれ、まだそんな戯言言ってるの?」
ぼく「え?」
妹「またその女の話を聞いたの?バカバカしいって思わない?」
妹「最近ウチに来た女が、その妹は幻覚だって言ってるの?よく思い出して」
妹「私は本当に事故で死んだ?そんな記憶あるの?」
ぼく「…ない」
83: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/27(火) 06:05:46.020 ID:6oGWxaWY0
ぼく「そう、ハッキリと妹が死んだって記憶がないんだ」
新妹「思い出したくないから、無理やり記憶から消したんじゃなくて?」
ぼく「……」
ぼく「確かに妹は轢かれた、いや轢かれそうになっていた…」
ぼく「でも本当に妹は轢かれたのか?」
妹「兄ちゃんが轢かれたんじゃない?」
ぼく「え」
新妹「思い出したくないから、無理やり記憶から消したんじゃなくて?」
ぼく「……」
ぼく「確かに妹は轢かれた、いや轢かれそうになっていた…」
ぼく「でも本当に妹は轢かれたのか?」
妹「兄ちゃんが轢かれたんじゃない?」
ぼく「え」
86: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/27(火) 06:07:32.412 ID:6oGWxaWY0
ピッ ピッピッ…
母「……」
父「……」
母「妹ちゃん…久しぶりにお兄ちゃんのお見舞い来たんだから、スマホは後にしない?」
妹「いいじゃん、どうせ目覚まさないんだし」
父「おい妹!10年前トラックに轢かれそうになったお前を庇ってくれたのはお兄ちゃんなんだぞ!」
妹「もう忘れたって、あ、彼氏から電話きたし出るね」スタタタ
父「おい!」
母「……」
母「この子、いまどんな夢見てるのかしらね」
おわり
母「……」
父「……」
母「妹ちゃん…久しぶりにお兄ちゃんのお見舞い来たんだから、スマホは後にしない?」
妹「いいじゃん、どうせ目覚まさないんだし」
父「おい妹!10年前トラックに轢かれそうになったお前を庇ってくれたのはお兄ちゃんなんだぞ!」
妹「もう忘れたって、あ、彼氏から電話きたし出るね」スタタタ
父「おい!」
母「……」
母「この子、いまどんな夢見てるのかしらね」
おわり
87: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/27(火) 06:09:23.312 ID:LWtmzBl/0
BAD ENDつらたん
乙
乙
88: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/27(火) 06:09:57.969 ID:qDiipyqs0
もうちょっと仲良くなったパートが見たかった
乙
乙
90: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/27(火) 06:10:48.965 ID:hCUrNajl0
良いお兄ちゃんじゃないか
乙
乙
96: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/02/27(火) 06:16:25.150 ID:gZLO5weh0
これは目覚めるフラグ
引用元: ぼく「こ、これからよろしくお願いします…」新しい妹「うわぁ…気持ちわる」
妹「おまんじゅ、おまんじゅ、おまんじゅぅ~♪」
2018-01-18
1: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/17(水) 21:29:42.240 ID:dbM8E+7O0
妹「もちもちですわ~こりゃぁー」ハムハム
兄「あんまり食べすぎるなよ」
妹「わかってふわかってふ……♪」
_____
兄「は? 全部消えた」
妹「ごめん、美味しすぎて全部一変に食べちゃた」
兄「いや、全部ってあの一箱全部か?」
妹「16個入りの……」
兄「はぁ……」
兄「あんまり食べすぎるなよ」
妹「わかってふわかってふ……♪」
_____
兄「は? 全部消えた」
妹「ごめん、美味しすぎて全部一変に食べちゃた」
兄「いや、全部ってあの一箱全部か?」
妹「16個入りの……」
兄「はぁ……」
2: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/17(水) 21:31:32.625 ID:dbM8E+7O0
妹「ごめんお兄ちゃんの分まで……」
兄「いや俺の分とかはともかく、お前の身体がヤバイだろ」
妹「え、私は大丈夫だよ、まだお腹空いてるし」
兄「えぇ……」
妹「ちょっと甘いので喉乾いたから、柿ピーたーべよ」
兄「……」
兄「いや俺の分とかはともかく、お前の身体がヤバイだろ」
妹「え、私は大丈夫だよ、まだお腹空いてるし」
兄「えぇ……」
妹「ちょっと甘いので喉乾いたから、柿ピーたーべよ」
兄「……」
4: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/17(水) 21:34:16.820 ID:dbM8E+7O0
次の 日
妹「お兄ちゃーん、この包なにー?」
兄「おばさんから貰ったんだよ、アメリカのお土産でいろんな種類のチョコいっぱい入ってるやつ」
妹「ふーん……」ガサッ
兄「あ、お前……!」
妹「大丈夫! いっぺんには食べないって!」
妹「お兄ちゃーん、この包なにー?」
兄「おばさんから貰ったんだよ、アメリカのお土産でいろんな種類のチョコいっぱい入ってるやつ」
妹「ふーん……」ガサッ
兄「あ、お前……!」
妹「大丈夫! いっぺんには食べないって!」
5: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/17(水) 21:35:32.308 ID:dbM8E+7O0
兄「ほんとか?」
妹「うんうん、うわ美味しそ~何から食べようかな」
妹「これは、うん、まず左から一種類ずつ食べていこう、うん」
兄「……」
妹「うんうん、うわ美味しそ~何から食べようかな」
妹「これは、うん、まず左から一種類ずつ食べていこう、うん」
兄「……」
6: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/17(水) 21:38:27.711 ID:dbM8E+7O0
妹「甘~い、あまあま~、次はこの緑の包の……おほーん、最高かよ」
兄「お前夕食後なのに、よく食えるな」
妹「何言ってんの、夜ご飯とスイーツは別腹だよ」
兄「そういうもんなのか」
妹「そうそう……うーん♪あまーい!」
兄「でもなんか……」
妹「ふふふーん」
兄「おまえ……太った?」
妹「……」
兄「お前夕食後なのに、よく食えるな」
妹「何言ってんの、夜ご飯とスイーツは別腹だよ」
兄「そういうもんなのか」
妹「そうそう……うーん♪あまーい!」
兄「でもなんか……」
妹「ふふふーん」
兄「おまえ……太った?」
妹「……」
7: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/17(水) 21:41:12.538 ID:dbM8E+7O0
妹「な、何言ってるの、そそんなわけないじゃん!」
兄「いや、おまえそんなに服がフィットしてたか? だいぶ大きめのサイズだったと思うが……」
妹「これは……! 成長だよ!成長! ほら、高校生ってやっぱ育ち盛りじゃん!?」
兄「いや、それだとしても、なんか顔が丸いし、余計な脂肪が増えた気が……」
妹「そんなわけないじゃん…!」パクパク
兄「いや、おまえそんなに服がフィットしてたか? だいぶ大きめのサイズだったと思うが……」
妹「これは……! 成長だよ!成長! ほら、高校生ってやっぱ育ち盛りじゃん!?」
兄「いや、それだとしても、なんか顔が丸いし、余計な脂肪が増えた気が……」
妹「そんなわけないじゃん…!」パクパク
9: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/17(水) 21:42:50.958 ID:dbM8E+7O0
兄(うーん、でもなぁ……やっぱり……)
妹「と、とにかく太ってないから! もう部屋で食べる!」ドダドダ
兄「あ、おい! 全部持っていくな!」
兄「たくっ……」
妹「と、とにかく太ってないから! もう部屋で食べる!」ドダドダ
兄「あ、おい! 全部持っていくな!」
兄「たくっ……」
10: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/17(水) 21:44:44.671 ID:dbM8E+7O0
妹「ごめんお兄ちゃん……」カラッカラ
兄「お前マジか……」
妹「お、お兄ちゃんがいけないんだから! 太ったなんて言うから! 紛らわすためにいつの間にか……」
兄「はぁ……お前ちょっと来い!」
妹「えっ!?」ブヨブヨ
兄「お前マジか……」
妹「お、お兄ちゃんがいけないんだから! 太ったなんて言うから! 紛らわすためにいつの間にか……」
兄「はぁ……お前ちょっと来い!」
妹「えっ!?」ブヨブヨ
11: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/17(水) 21:46:31.291 ID:dbM8E+7O0
兄「おまえ、これに乗れ」
妹「えっ……」
兄「最後に乗ったのいつだ?」
妹「え、えっーと、み、3日目とかかなぁ~」
兄「うそつけ、ほこりかぶってるだろこの体重計」
妹「うっ……」
妹「えっ……」
兄「最後に乗ったのいつだ?」
妹「え、えっーと、み、3日目とかかなぁ~」
兄「うそつけ、ほこりかぶってるだろこの体重計」
妹「うっ……」
12: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/17(水) 21:50:14.294 ID:dbM8E+7O0
兄「さあ早く乗れ」
妹「な、なんでお兄ちゃんの前で乗らないといけないの!」
兄「女子校生の平均体重は52.6kgだそうだ、お前の身長からしてそれよりも少し軽めの体重が妥当だろ」
妹「うっ……」
兄「さあ、はやく……」ムニッ
兄「うわっ、お前なんだよこの腕は!」
妹「えっ……」
妹「な、なんでお兄ちゃんの前で乗らないといけないの!」
兄「女子校生の平均体重は52.6kgだそうだ、お前の身長からしてそれよりも少し軽めの体重が妥当だろ」
妹「うっ……」
兄「さあ、はやく……」ムニッ
兄「うわっ、お前なんだよこの腕は!」
妹「えっ……」
13: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/17(水) 21:53:12.984 ID:dbM8E+7O0
兄「プニップニッじゃないか二の腕どころかなんだ!三の腕か?!ああっ!?」ブニブニ
妹「あんまり、触らないでよ……」
兄「いや、触るね、なんなんだこれは? あぁ?!脂肪か?脂肪しかないよなぁ!?おいっ!」ブニブニ
妹「やめっ……いたぅ……」
兄「ええ……! この……なんとも言えないなぁ、これは……」ブニブニブニブニ
妹「ちょっ! なんか変な風に触ってるし!」
妹「あんまり、触らないでよ……」
兄「いや、触るね、なんなんだこれは? あぁ?!脂肪か?脂肪しかないよなぁ!?おいっ!」ブニブニ
妹「やめっ……いたぅ……」
兄「ええ……! この……なんとも言えないなぁ、これは……」ブニブニブニブニ
妹「ちょっ! なんか変な風に触ってるし!」
14: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/17(水) 21:55:06.787 ID:dbM8E+7O0
妹「お兄ちゃんやめてよ!」
兄「はっ! ああ……悪い……ともかく、こんなぷにぷにの何とも言えない触り心地の腕を見せられて、黙っていられるか」
妹「それ褒めてるのか貶してるのかわからないよ……」
兄「うるさい、はやく乗るんだ乗れ!」
妹「わ、わかったよ、うるさいなぁ……なんかテンションおかしいよ?」
兄「はっ! ああ……悪い……ともかく、こんなぷにぷにの何とも言えない触り心地の腕を見せられて、黙っていられるか」
妹「それ褒めてるのか貶してるのかわからないよ……」
兄「うるさい、はやく乗るんだ乗れ!」
妹「わ、わかったよ、うるさいなぁ……なんかテンションおかしいよ?」
15: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/17(水) 21:56:18.965 ID:dbM8E+7O0
ガタンッシャー
妹「……」ドキドキ
兄「……」
シャー
妹「……!」
兄「おい」
妹「……」ドキドキ
兄「……」
シャー
妹「……!」
兄「おい」
19: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/17(水) 22:52:20.007 ID:dbM8E+7O0
兄「どうなってんだこれはぁ……?」
妹「あっ……うっ……」ワナワナ
兄「68ってどういうことだぁ? ラガーマンでも目指してんのか?」
妹「ち、違うってこれは……こんなの……」
兄「違くねぇぞ、これは……デブだな……」
妹「ひっ……!」
兄「デブ」
妹「うぐっ……そ、そんな連呼しないで……」
妹「あっ……うっ……」ワナワナ
兄「68ってどういうことだぁ? ラガーマンでも目指してんのか?」
妹「ち、違うってこれは……こんなの……」
兄「違くねぇぞ、これは……デブだな……」
妹「ひっ……!」
兄「デブ」
妹「うぐっ……そ、そんな連呼しないで……」
21: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/17(水) 22:54:25.667 ID:dbM8E+7O0
兄「いや、言わせてもらうぞデブ、今日からお前はデブだ」
妹「やめてよ……! 恥ずかしい!」
兄「なにが恥ずかしいだ! こんな身体を公衆に晒してるのが恥ずかしいだろ!」ブニッ
妹「いたた、お腹つままないでよ~!」
兄「いや、これは脂肪だお腹じゃない、痛みなんて感じないはずだろ」ブニー
妹「感じる……! 感じるって!」
妹「やめてよ……! 恥ずかしい!」
兄「なにが恥ずかしいだ! こんな身体を公衆に晒してるのが恥ずかしいだろ!」ブニッ
妹「いたた、お腹つままないでよ~!」
兄「いや、これは脂肪だお腹じゃない、痛みなんて感じないはずだろ」ブニー
妹「感じる……! 感じるって!」
22: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/17(水) 22:56:35.140 ID:dbM8E+7O0
兄「おらっ、腹出せ! 腹太鼓叩いてやる」ペチペチペチペチ
妹「ちょっと! なにがしたいのお兄ちゃん!」
兄「……はっ、また脂肪の魔力に」
妹「なに、脂肪の魔力って…」
兄「ごほんっ、とにかくだ、お前下着になれ」
妹「ええっ……///」
兄「何恥ずかしがってんだよデブ」
妹「ひどい! なんか正確まで悪くなってる!」
妹「ちょっと! なにがしたいのお兄ちゃん!」
兄「……はっ、また脂肪の魔力に」
妹「なに、脂肪の魔力って…」
兄「ごほんっ、とにかくだ、お前下着になれ」
妹「ええっ……///」
兄「何恥ずかしがってんだよデブ」
妹「ひどい! なんか正確まで悪くなってる!」
23: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/17(水) 22:58:35.714 ID:dbM8E+7O0
妹「ううっ……脱いだよ……」ドタプーン
兄「おおっ、これはひどい……」
妹「こっちのセリフだよ……」
兄「いいか、お兄ちゃんはな、お前のためを思ってやってるだぞ」
妹「私のためとか言っておいて、私のお腹で遊んでるじゃん……」
兄「それはそこに触れるモノがあるからな」
兄「おおっ、これはひどい……」
妹「こっちのセリフだよ……」
兄「いいか、お兄ちゃんはな、お前のためを思ってやってるだぞ」
妹「私のためとか言っておいて、私のお腹で遊んでるじゃん……」
兄「それはそこに触れるモノがあるからな」
24: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/17(水) 23:01:43.758 ID:dbM8E+7O0
兄「これを見ろ」スッ
妹「えっ?」
兄「これは、おまえが小学生の頃の写真だ、華奢な身体で今とは比べ物にならないなぁ」
妹「懐かしい! この頃は、外でお兄ちゃんと遊び回ってたよねー」
兄「うるせえデブ」
妹「うぅ……あの頃のお兄ちゃんに戻して……」
妹「えっ?」
兄「これは、おまえが小学生の頃の写真だ、華奢な身体で今とは比べ物にならないなぁ」
妹「懐かしい! この頃は、外でお兄ちゃんと遊び回ってたよねー」
兄「うるせえデブ」
妹「うぅ……あの頃のお兄ちゃんに戻して……」
25: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/17(水) 23:04:49.587 ID:dbM8E+7O0
兄「次にこれだ、これはいつだ?」
妹「中学生の夏の頃だよね! まだオシャレしたばかりだからファッションセンス無いよねぇ~あはは」
兄「何を笑ってるんだメタボリックガンタンク」
妹「ガ、ガンタンク……?」
兄「ファッションのセンスが無いにせよ、このスキニージーンズ 今はどこにある?」
妹「えっ……えっーと……」
妹「中学生の夏の頃だよね! まだオシャレしたばかりだからファッションセンス無いよねぇ~あはは」
兄「何を笑ってるんだメタボリックガンタンク」
妹「ガ、ガンタンク……?」
兄「ファッションのセンスが無いにせよ、このスキニージーンズ 今はどこにある?」
妹「えっ……えっーと……」
26: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/17(水) 23:06:23.102 ID:dbM8E+7O0
妹「押入れかなぁ……?」
兄「どこの?」
妹「私の部屋の……」
兄「何段目?」
妹「……」
兄「分かるわけないよなぁ? 出してても、今はこんなの履けるわけないんだから……」
妹「……」
兄「どこの?」
妹「私の部屋の……」
兄「何段目?」
妹「……」
兄「分かるわけないよなぁ? 出してても、今はこんなの履けるわけないんだから……」
妹「……」
27: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/17(水) 23:08:39.197 ID:dbM8E+7O0
兄「とにかくだっ、今日からこの醜い身体を叩き直すためにdietを行う」
妹「だ、だいえっと……!」
兄「ああ、目標はこのスキニージーンズが履けるようになるまでだ!」
妹「ええ……!? そんなのむ……」
兄「……」ムニッ
妹「イタタっ!」
兄「今日からみっちりスパルタでいく、弱音を吐いたり、諦めようとしたら制裁を下すからな! いいな!?」
妹「だ、だいえっと……!」
兄「ああ、目標はこのスキニージーンズが履けるようになるまでだ!」
妹「ええ……!? そんなのむ……」
兄「……」ムニッ
妹「イタタっ!」
兄「今日からみっちりスパルタでいく、弱音を吐いたり、諦めようとしたら制裁を下すからな! いいな!?」
28: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/17(水) 23:12:02.904 ID:dbM8E+7O0
妹「な、なんでお兄ちゃんが私の身体のこと気にするの! 私の身体なんだからどう使おうが私の勝手じゃん!」
兄「バカヤロー! そんな円光女子高生みたいな言い訳するな!」ギチチ
妹「ぎゃぁ!! ナンデ! 二の腕噛むの! 離れて!」バタバタ
兄「痛っ! 力強すぎだろ……本当に女子高生の力か?」
妹「私のほうが痛いよ……跡残ってるし……」
兄「バカヤロー! そんな円光女子高生みたいな言い訳するな!」ギチチ
妹「ぎゃぁ!! ナンデ! 二の腕噛むの! 離れて!」バタバタ
兄「痛っ! 力強すぎだろ……本当に女子高生の力か?」
妹「私のほうが痛いよ……跡残ってるし……」
29: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/17(水) 23:15:04.568 ID:dbM8E+7O0
兄「お前の同じクラスに後輩ってやついるだろ?」
妹「えっ……!い、いるけど……」ドキッ
兄「好きなんだろ?」
妹「そ、それは……///」
兄「お前の部屋で写真を見つけたからな、わかりやすい」
妹「ちょっと! なんで勝手に……」
妹「えっ……!い、いるけど……」ドキッ
兄「好きなんだろ?」
妹「そ、それは……///」
兄「お前の部屋で写真を見つけたからな、わかりやすい」
妹「ちょっと! なんで勝手に……」
30: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/17(水) 23:16:56.251 ID:dbM8E+7O0
兄「あいつはデブが嫌いだ……!」
妹「!」
兄「そう言っていた」
妹「な、なんでお兄ちゃんがそんなこと……」
兄「バスケ部の先輩だぞ知ってて当然だ」
妹「そ、そうだったんだ……」
兄「あいつはいわゆるスリム体型で、締まってるとこは締まってて出てるところは出てるタイプが好きなんだ」
妹「!」
兄「そう言っていた」
妹「な、なんでお兄ちゃんがそんなこと……」
兄「バスケ部の先輩だぞ知ってて当然だ」
妹「そ、そうだったんだ……」
兄「あいつはいわゆるスリム体型で、締まってるとこは締まってて出てるところは出てるタイプが好きなんだ」
31: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/17(水) 23:20:30.822 ID:dbM8E+7O0
妹「……」
兄「いまのお前を見たらあいつはどう言うだろう……」
妹「うっ……」
兄「後輩『うわっ、ジャバザハットが来た! ナメクジにされる!』」
妹「そ、そんな能力ないよぉ!」
兄「そんな醜い体ならそんな力の一つや二つぐらい出せるだろう」
妹「私をなんだと思ってるの……」
兄「いまのお前を見たらあいつはどう言うだろう……」
妹「うっ……」
兄「後輩『うわっ、ジャバザハットが来た! ナメクジにされる!』」
妹「そ、そんな能力ないよぉ!」
兄「そんな醜い体ならそんな力の一つや二つぐらい出せるだろう」
妹「私をなんだと思ってるの……」
32: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/17(水) 23:23:31.473 ID:dbM8E+7O0
兄「まあいい、一生そんな身体で過ごして、ブタのような生活をするのも悪くないだろぅ……」
妹「ぶ、ぶた……」
兄「あー、それはブタに失礼だったなー」
妹「……」ワナワナ
兄「どうした? 怒ってるのかブタ? デブ、メタボ、アメリカの警察、貧乳」
妹「わ、私……」
妹「ダイエットする……!」
兄「……」
妹「ぶ、ぶた……」
兄「あー、それはブタに失礼だったなー」
妹「……」ワナワナ
兄「どうした? 怒ってるのかブタ? デブ、メタボ、アメリカの警察、貧乳」
妹「わ、私……」
妹「ダイエットする……!」
兄「……」
33: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/17(水) 23:27:05.471 ID:dbM8E+7O0
兄「よし、そうと決まれば、このレザースーツを着ろ」
妹「え、こんな小さいの入らないよぉー」
兄「いいから着るんだよ! このブタぁ!」バチーン
妹「ブヒィ! な、なにこの痛いの!?」
兄「ムチだよ」
妹「なんでムチが!?」
兄「スパルタだって言ったろ、しつけのなってないブタはこれでしつけるんだよ!」バチーン
妹「ビッ! わ、わかった着るから叩かないでよぉ……!」
妹「え、こんな小さいの入らないよぉー」
兄「いいから着るんだよ! このブタぁ!」バチーン
妹「ブヒィ! な、なにこの痛いの!?」
兄「ムチだよ」
妹「なんでムチが!?」
兄「スパルタだって言ったろ、しつけのなってないブタはこれでしつけるんだよ!」バチーン
妹「ビッ! わ、わかった着るから叩かないでよぉ……!」
34: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/17(水) 23:31:04.568 ID:dbM8E+7O0
兄「おらぁ! どうしたブタァ!」
妹「ムギギ……やっぱり難しい……」
兄「ああん? 身体ならまだしも、脚が入らないなんて……豚足……いや……これは大鵬の足だな……」
妹「ひ、ひどい……」
兄「早く無理にでも、やり入れるんだよ!」
妹「ギュームムムム、キツいってきついキツイ!」ギギギギギ
妹「ムギギ……やっぱり難しい……」
兄「ああん? 身体ならまだしも、脚が入らないなんて……豚足……いや……これは大鵬の足だな……」
妹「ひ、ひどい……」
兄「早く無理にでも、やり入れるんだよ!」
妹「ギュームムムム、キツいってきついキツイ!」ギギギギギ
36: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/17(水) 23:32:54.763 ID:dbM8E+7O0
兄「安心しろ! これは牛革だ! そうそう破れない!」
妹「これじゃなくて! わたしぃぃぐぐぐ!!!」ギギギギギ
兄「んおおおお!!!!」
妹「ググググ」ギチギチギチ
兄「はぁはぁ……」
妹「はぁはぁ……」
妹「これじゃなくて! わたしぃぃぐぐぐ!!!」ギギギギギ
兄「んおおおお!!!!」
妹「ググググ」ギチギチギチ
兄「はぁはぁ……」
妹「はぁはぁ……」
37: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/17(水) 23:34:56.107 ID:dbM8E+7O0
兄「いやぁ……入るもんだなぁ……!」
妹「なんかきっ、きつい……締められてる感覚……」
兄「おらっ! まだ下半身だぞ! 次は上だ!」
妹「無理だよぉ……」
兄「……」バチーン
妹「ブヒィ!!」
兄「もう一発いっとくか?」
妹「わ、わかったよ……」
妹「なんかきっ、きつい……締められてる感覚……」
兄「おらっ! まだ下半身だぞ! 次は上だ!」
妹「無理だよぉ……」
兄「……」バチーン
妹「ブヒィ!!」
兄「もう一発いっとくか?」
妹「わ、わかったよ……」
38: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/17(水) 23:37:27.313 ID:dbM8E+7O0
妹「うぐぐ、くるじぃ……なんかもう脱げないよ……」
兄「おう、痩せるまで脱ぐんじゃないぞ」
妹「えっ! そ、そんな出かけるときは?お風呂は!? と、トイレも!」
兄「その上から服は着ればいいだろ、風呂だってそのまま入ればいいし、トイレは股間にジッパーが付いてるだろ? それ開ければできる」
妹「ひぇぇ……拷問だよ……」
兄「そうだよ?」
兄「おう、痩せるまで脱ぐんじゃないぞ」
妹「えっ! そ、そんな出かけるときは?お風呂は!? と、トイレも!」
兄「その上から服は着ればいいだろ、風呂だってそのまま入ればいいし、トイレは股間にジッパーが付いてるだろ? それ開ければできる」
妹「ひぇぇ……拷問だよ……」
兄「そうだよ?」
39: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/17(水) 23:40:47.033 ID:dbM8E+7O0
兄「はい、じゃあ着れたら終わりじゃないぞおバカなブタちゃん」
妹「は、はい……」
兄「まずは自分がブタって自覚させるために、語尾に『ブヒ』を付けて喋れ」
妹「な! そ、それいみある?!」
兄「ほらっ! 語尾!」バチーン
妹「ヒッ! わ、わかった……ブヒ……」
兄「よーっし、次にこう言え『私は愚かで醜いメスブタです、どうか調教してください』と……」
妹「は、はい……」
兄「まずは自分がブタって自覚させるために、語尾に『ブヒ』を付けて喋れ」
妹「な! そ、それいみある?!」
兄「ほらっ! 語尾!」バチーン
妹「ヒッ! わ、わかった……ブヒ……」
兄「よーっし、次にこう言え『私は愚かで醜いメスブタです、どうか調教してください』と……」
40: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/17(水) 23:43:41.313 ID:dbM8E+7O0
妹「えっ、なんか目的違う……」
兄「文句言うな! それと語尾にブヒ忘れてるぞおらぁ!」バチーン
妹「ッ! わ、わかったよ……え、えーっと私は愚かで醜いメスブタですブヒぃ……調教してください……ブ、ブヒィ……」
兄「素晴らしい……congratulation……congratulation」パチパチ
兄「文句言うな! それと語尾にブヒ忘れてるぞおらぁ!」バチーン
妹「ッ! わ、わかったよ……え、えーっと私は愚かで醜いメスブタですブヒぃ……調教してください……ブ、ブヒィ……」
兄「素晴らしい……congratulation……congratulation」パチパチ
41: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/17(水) 23:46:27.059 ID:dbM8E+7O0
兄「じゃあとりま、ブタ。 四つん這いになれ」
妹「え、えぇ……」
兄「早くしろ」
妹「ウグッ……動きづらい……」
兄「おらっ、早く動けー!」バチーン
妹「イブッ! だ、だってこれキツくて関節が動きづらいんだよぉ……!」
兄「それはそのボディスーツのせいじゃない……お前のせいだ……」
妹「え、えぇ……」
兄「早くしろ」
妹「ウグッ……動きづらい……」
兄「おらっ、早く動けー!」バチーン
妹「イブッ! だ、だってこれキツくて関節が動きづらいんだよぉ……!」
兄「それはそのボディスーツのせいじゃない……お前のせいだ……」
42: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/17(水) 23:48:15.231 ID:dbM8E+7O0
妹「はいっ……なったよ……お兄ちゃん」
兄「あ、そういえば、俺のことはお兄ちゃんじゃなくてご主人様と呼べ」
妹「な、なんで……」
兄「……」チラッ
妹「ご、ご主人様……」
兄「よーしっ、いいぞ」
兄「あ、そういえば、俺のことはお兄ちゃんじゃなくてご主人様と呼べ」
妹「な、なんで……」
兄「……」チラッ
妹「ご、ご主人様……」
兄「よーしっ、いいぞ」
43: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/17(水) 23:50:43.113 ID:dbM8E+7O0
兄「どっこいしょ……」ドスンッ
妹「ちょっ! なんで上に乗るの!」
兄「ここから腕立てだ、そうだなぁ……まあ最初だし20回だな」
妹「む、無理無理……20回はむりぃ……!」
兄「あっ? 」バチーン
妹「ブィ!」
兄「どうだ?やれるか?」
妹「……」コクコク
妹「ちょっ! なんで上に乗るの!」
兄「ここから腕立てだ、そうだなぁ……まあ最初だし20回だな」
妹「む、無理無理……20回はむりぃ……!」
兄「あっ? 」バチーン
妹「ブィ!」
兄「どうだ?やれるか?」
妹「……」コクコク
45: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/17(水) 23:53:01.534 ID:dbM8E+7O0
兄「はい、いーち」
妹「フンッ……!!!」
兄「おらおらどうしたぁ? そんなもんかぁ?」
妹「ぐぬぬぬぬ……!!!!」
兄「おいブタぁ? やっぱりお前脂肪だけだなぁ! お前はブタでもないな、ラードだけで構成されたメスモンスターだぁ!」
妹「ぐっっ!!!!」
妹「フンッ……!!!」
兄「おらおらどうしたぁ? そんなもんかぁ?」
妹「ぐぬぬぬぬ……!!!!」
兄「おいブタぁ? やっぱりお前脂肪だけだなぁ! お前はブタでもないな、ラードだけで構成されたメスモンスターだぁ!」
妹「ぐっっ!!!!」
46: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/17(水) 23:55:27.703 ID:dbM8E+7O0
兄「なんだぁ!この尻はぁ?」サワサワ
妹「ちょ、どこ触ってん……///」ガタンッ
兄「うわっ……おまっ……」
妹「はぁはぁ……」
兄「おい! なにへばってんだよ!」
妹「だっ、だって! それ違うじゃん!」
兄「何が違うっていうんだ?」
妹「だ、だがらぁ~」
妹「ちょ、どこ触ってん……///」ガタンッ
兄「うわっ……おまっ……」
妹「はぁはぁ……」
兄「おい! なにへばってんだよ!」
妹「だっ、だって! それ違うじゃん!」
兄「何が違うっていうんだ?」
妹「だ、だがらぁ~」
47: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/17(水) 23:57:21.112 ID:dbM8E+7O0
妹「この服のせいで、その……感度が……///」
兄「あ? 聞こえねぇなぁ?」
妹「……か、感じやすくなってるの!///」
兄「なっ、お前……ブタだけじゃなくてとんでもない淫乱だなぁ……」
妹「うぅっ……///」
兄「あ? 聞こえねぇなぁ?」
妹「……か、感じやすくなってるの!///」
兄「なっ、お前……ブタだけじゃなくてとんでもない淫乱だなぁ……」
妹「うぅっ……///」
48: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/17(水) 23:59:07.060 ID:dbM8E+7O0
兄「おらっ、お仕置きだ」
妹「えっ……」
兄「一回でへばった上、トレーニング中にメスの部分を見せたお仕置きだ」
妹「な、何するのぉ……?」
兄「おらっ、四つん這いになるんだよ」
妹「……」
妹「えっ……」
兄「一回でへばった上、トレーニング中にメスの部分を見せたお仕置きだ」
妹「な、何するのぉ……?」
兄「おらっ、四つん這いになるんだよ」
妹「……」
49: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 00:01:34.685 ID:omGV2Uy90
兄「この尻か?ええっ……?」サワサワ
妹「うぅっ……///」
兄「……」ムニムニ
妹「うひっ……///」
兄「……」ムニムニ
妹「んんっ……/// お、おにぃちゃん…」
兄「はっ……! お兄ちゃんじゃないだろ! ブタァ!」ペチーン
妹「ブヒァィ!! ご、ごめんなさいぃ!」
妹「うぅっ……///」
兄「……」ムニムニ
妹「うひっ……///」
兄「……」ムニムニ
妹「んんっ……/// お、おにぃちゃん…」
兄「はっ……! お兄ちゃんじゃないだろ! ブタァ!」ペチーン
妹「ブヒァィ!! ご、ごめんなさいぃ!」
51: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 00:03:37.680 ID:omGV2Uy90
兄「とりあえず、一回ミスするごとに尻10回の叩きの刑だ」
妹「は、はい……」
兄「いーち」バヂーン‼
妹「ブヒィ!!」
兄「にー」バヂーン‼
妹「ブビャァ!!」
妹「は、はい……」
兄「いーち」バヂーン‼
妹「ブヒィ!!」
兄「にー」バヂーン‼
妹「ブビャァ!!」
53: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 00:05:44.198 ID:omGV2Uy90
妹「はぁはぁ……///」
兄「なぁに、へばってんだぁこのブタァ! また一回から腕立てだぞ!」
妹「は、はい……」
兄「おらっおらっ……!」
妹「グググ……!」
兄「なぁに、へばってんだぁこのブタァ! また一回から腕立てだぞ!」
妹「は、はい……」
兄「おらっおらっ……!」
妹「グググ……!」
54: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 00:07:39.935 ID:omGV2Uy90
_____
妹「にぃぃぃぃじゅーぅぅぅ!!! 」
兄「はい、おつかれ」
妹「ぶひぃー……」ペターン
兄「よし、じゃあ次は腹筋20回だな」
妹「ええっ……」
兄「ほらほら仰向けになれぇ!」バチーン‼
妹「は、はいぃぃ!!!」
妹「にぃぃぃぃじゅーぅぅぅ!!! 」
兄「はい、おつかれ」
妹「ぶひぃー……」ペターン
兄「よし、じゃあ次は腹筋20回だな」
妹「ええっ……」
兄「ほらほら仰向けになれぇ!」バチーン‼
妹「は、はいぃぃ!!!」
55: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 00:10:01.588 ID:omGV2Uy90
妹「いいいいぢぃぃ!!!」
兄「ほらほらぁお腹に力こめろぉ」アシツンツン
妹「にいぃぃ!!!!」
兄「てめえの腹の中はラードが詰まってるなぁ?」ツンツン
妹「んっ……///」
兄「なっ……///感じてんじゃねーよ!ブタァ!!」バチーン
妹「ブヒィ!! ご、ごめんなさい!ご主人様!」
兄「ほらほらぁお腹に力こめろぉ」アシツンツン
妹「にいぃぃ!!!!」
兄「てめえの腹の中はラードが詰まってるなぁ?」ツンツン
妹「んっ……///」
兄「なっ……///感じてんじゃねーよ!ブタァ!!」バチーン
妹「ブヒィ!! ご、ごめんなさい!ご主人様!」
57: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 00:12:20.868 ID:omGV2Uy90
妹「じゅぅぅぅぅ!!!!」
兄「はい折り返しー!」
妹「じゅぅぅぅいぢぃぃぃぃ」
兄「……」
妹「じゅぅうあああ!!! じゅいぃあにぃぃい」
兄「……」
妹「じゅぅぅ!!!ざんんんん!!!!」
兄(顔必死すぎてちょっとキモいな……」
兄「はい折り返しー!」
妹「じゅぅぅぅいぢぃぃぃぃ」
兄「……」
妹「じゅぅうあああ!!! じゅいぃあにぃぃい」
兄「……」
妹「じゅぅぅ!!!ざんんんん!!!!」
兄(顔必死すぎてちょっとキモいな……」
59: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 00:15:23.729 ID:omGV2Uy90
妹「にじゅぅぅぅう!!!!」
妹「ぐばぁばぁ……」バタンキュー
兄「はい、お疲れー」
妹「お、おに……ご主人様……飲み物をなんか……」
兄「ああ!? ラードでも飲むのか?」
妹「ち、ちがっはぁはぁ……水ぅ……」
兄「自分で、汲みにいけぇ!」バチーン
妹「ブヒぃ!」
兄「俺の分も頼むぞ~」
妹「は、はい……」
妹「ぐばぁばぁ……」バタンキュー
兄「はい、お疲れー」
妹「お、おに……ご主人様……飲み物をなんか……」
兄「ああ!? ラードでも飲むのか?」
妹「ち、ちがっはぁはぁ……水ぅ……」
兄「自分で、汲みにいけぇ!」バチーン
妹「ブヒぃ!」
兄「俺の分も頼むぞ~」
妹「は、はい……」
60: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 00:17:19.160 ID:omGV2Uy90
妹「く、くぞぉ、ご主人様のやつ、なんでこんな……」
冷蔵庫ガチャー
妹「アー、涼しー……」
妹「あっ……」
冷蔵庫「コカ・コーラ」
妹「やったぁ! 疲れたときにはやっぱこれだよねぇ!」
冷蔵庫ガチャー
妹「アー、涼しー……」
妹「あっ……」
冷蔵庫「コカ・コーラ」
妹「やったぁ! 疲れたときにはやっぱこれだよねぇ!」
61: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 00:18:48.363 ID:omGV2Uy90
ブジュー
妹「あーカラッカラッだよ~もぅ~」
妹「……!」ゴクゴク
妹「ぶおええええ!!!!」
兄「やっぱりなぁ……」
妹「な、なにこへぇ……?」
妹「あーカラッカラッだよ~もぅ~」
妹「……!」ゴクゴク
妹「ぶおええええ!!!!」
兄「やっぱりなぁ……」
妹「な、なにこへぇ……?」
63: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 00:22:02.506 ID:omGV2Uy90
兄「黒酢だ。 どうせお前のことだからアメリカデブ御用達のコーラを飲むと思った」
兄「だから中身を入れ替えたのさ、お前は今日から飲み物は全部黒酢だ」
妹「ぅっうぅ……ひどいよ……」
兄「鹿児島直送の特に酸っぱいやつを用意してもらった、ありがたいと思え」
妹「ぅぅ……甘いのほじぃぃよぉ……」
兄「甘ったれんなぁ!」
兄「だから中身を入れ替えたのさ、お前は今日から飲み物は全部黒酢だ」
妹「ぅっうぅ……ひどいよ……」
兄「鹿児島直送の特に酸っぱいやつを用意してもらった、ありがたいと思え」
妹「ぅぅ……甘いのほじぃぃよぉ……」
兄「甘ったれんなぁ!」
64: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 00:25:24.547 ID:omGV2Uy90
妹「ブビッ……!」
兄「おい、おまえの胸に付いてるそれはおっぱいか? 脂肪か?」
妹「おっ、おっぱいに決まってるじゃん……///」
兄「おっぱいじゃねぇんだよ!」モミンッ
妹「ハビィ!!?///」
兄「これはおっぱいじゃない、脂肪だよ、お前はおっぱいのおすら無いラードの塊を胸につけてるんだ!」モミモミ
妹「おっぱいだょぉ……なんで揉むのぉ……///」
兄「これはおっぱいを揉んでるんじゃない! 脂肪を取るためにやってるんだょお!」
兄「おい、おまえの胸に付いてるそれはおっぱいか? 脂肪か?」
妹「おっ、おっぱいに決まってるじゃん……///」
兄「おっぱいじゃねぇんだよ!」モミンッ
妹「ハビィ!!?///」
兄「これはおっぱいじゃない、脂肪だよ、お前はおっぱいのおすら無いラードの塊を胸につけてるんだ!」モミモミ
妹「おっぱいだょぉ……なんで揉むのぉ……///」
兄「これはおっぱいを揉んでるんじゃない! 脂肪を取るためにやってるんだょお!」
65: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 00:27:32.342 ID:omGV2Uy90
兄「……」モミモミ
妹「ぅぅ……///」
兄「……」モミモミ
妹「ぅっ……はぅっ……///」
兄「……っ!」モミモミ
妹「ぅぐっ……はぁんっ……///」
兄「……いや、抵抗しろやぁ!!」バチーン‼
妹「ふべらぁ!!!」
妹「ぅぅ……///」
兄「……」モミモミ
妹「ぅっ……はぅっ……///」
兄「……っ!」モミモミ
妹「ぅぐっ……はぁんっ……///」
兄「……いや、抵抗しろやぁ!!」バチーン‼
妹「ふべらぁ!!!」
67: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 00:30:10.381 ID:omGV2Uy90
兄「なに実の兄に揉まれて感じてんだよぉ! この淫乱ブタ近親相姦!」
妹「い、いやだってぇ……//」
兄「いいか、モンスターが性欲を求めるな! それはオークのやることだ」
兄「……あっ、そうかオークだったのか」
妹「オークって何……」
兄「人間を性奴隷にする性欲モンスターだ」
妹「そ、そんなんじゃないって……///」
妹「い、いやだってぇ……//」
兄「いいか、モンスターが性欲を求めるな! それはオークのやることだ」
兄「……あっ、そうかオークだったのか」
妹「オークって何……」
兄「人間を性奴隷にする性欲モンスターだ」
妹「そ、そんなんじゃないって……///」
68: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 00:32:19.886 ID:omGV2Uy90
兄「あー、くそぉ危うくオークにレイプされるところだった……あぶないあぶない……」
妹「それはこっちの台詞だって……」
兄「あっ? 被害者面っすか? そぅすか?」
妹「ちがっちがっ……!」ブンブン
兄「とにかく、お前はコーラを飲もうとしたことは確かだ、おらっ、ケツ出せ」
妹「ぇっ……///」
妹「それはこっちの台詞だって……」
兄「あっ? 被害者面っすか? そぅすか?」
妹「ちがっちがっ……!」ブンブン
兄「とにかく、お前はコーラを飲もうとしたことは確かだ、おらっ、ケツ出せ」
妹「ぇっ……///」
70: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 00:34:36.286 ID:omGV2Uy90
兄「だーかーらー! なんでそんな淫キャみたいな発想するんだよっ!! お仕置きだって言ってんだろ!」
妹「あっ、あぁ……」
兄「え、なに、しょんぼりしてるの……?」
妹「い、いや違うよ……///」
兄「ああああ気持ち悪いなぁ!! ブタ!早くそこに手をかけろ!」
妹「は、はい……///」
妹「あっ、あぁ……」
兄「え、なに、しょんぼりしてるの……?」
妹「い、いや違うよ……///」
兄「ああああ気持ち悪いなぁ!! ブタ!早くそこに手をかけろ!」
妹「は、はい……///」
72: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 00:36:19.609 ID:omGV2Uy90
兄「おらっ」バチーン‼
妹「フヒィ……!!///」
兄「よし、おわり、早く風呂入って寝ろ」
妹「えっ」
兄「今日は、俺も疲れたからな、その汚いラード汗流して明日に備えろ」
妹「あ、はい……」
妹「フヒィ……!!///」
兄「よし、おわり、早く風呂入って寝ろ」
妹「えっ」
兄「今日は、俺も疲れたからな、その汚いラード汗流して明日に備えろ」
妹「あ、はい……」
74: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 00:38:03.658 ID:omGV2Uy90
_____
○翌日
兄「おはよう妹」
妹「おはよう、ご主人様」
兄「え、ご主人様……?」
妹「え」
兄「え」
妹「……」
兄「あっそうか……おはよう」
○翌日
兄「おはよう妹」
妹「おはよう、ご主人様」
兄「え、ご主人様……?」
妹「え」
兄「え」
妹「……」
兄「あっそうか……おはよう」
76: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 00:39:43.836 ID:omGV2Uy90
妹「えっーと、朝ごはんは……」
兄「そこにあるだろ……そのオレンジジュースが」
妹「やったぁ! 飲んでいいの!?」
兄「ああ、いいぞ……」フッ
妹「!?」
妹(笑った……?)
兄「そこにあるだろ……そのオレンジジュースが」
妹「やったぁ! 飲んでいいの!?」
兄「ああ、いいぞ……」フッ
妹「!?」
妹(笑った……?)
77: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 00:42:25.456 ID:omGV2Uy90
妹(昨日私がコーラと間違えて黒酢を飲んだ……)
妹(それはご主人様が先に私の行動を読んでいたため、先読みして入れ替えておいたから……)
妹(そのあと、ご主人様は言った「お前は今日から飲み物は全部黒酢」)
妹(なのに翌日には飲み物としてオレンジジュース……)
妹(おかしい……)
妹(それはご主人様が先に私の行動を読んでいたため、先読みして入れ替えておいたから……)
妹(そのあと、ご主人様は言った「お前は今日から飲み物は全部黒酢」)
妹(なのに翌日には飲み物としてオレンジジュース……)
妹(おかしい……)
78: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 00:45:43.129 ID:omGV2Uy90
妹(これはオレンジジュースと見せかけた黒酢? しかし、色は完全にオレンジジュース……)
妹(しかし、抜かりのないご主人様はオレンジジュースの色をした、黒酢を用意していると言っても過言ではない)
妹(鹿児島から直送で用意しているご主人様だ、どうせ名古屋あたりの濁った黒酢を……
兄「どうした、飲まないのか?」
妹「あっ、飲む飲む!」
妹(考えたって仕方がない……飲むしかないのだ……)
妹(しかし、抜かりのないご主人様はオレンジジュースの色をした、黒酢を用意していると言っても過言ではない)
妹(鹿児島から直送で用意しているご主人様だ、どうせ名古屋あたりの濁った黒酢を……
兄「どうした、飲まないのか?」
妹「あっ、飲む飲む!」
妹(考えたって仕方がない……飲むしかないのだ……)
80: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 00:48:13.168 ID:omGV2Uy90
妹「……」ゴクゴク
妹「……!」
妹(これは……!?)
妹「オレンジジュース……?」
兄「だから最初から言ってるだろうが」
妹(馬鹿な……!? オレンジジュースだった……そんな馬鹿な……)
妹(そんな……黒酢を飲んであまりの酸っぱさに吹くリアクションをしようと思ってたのに……そんなことって……)
妹「まあ、美味しいからいいや!」
妹「……!」
妹(これは……!?)
妹「オレンジジュース……?」
兄「だから最初から言ってるだろうが」
妹(馬鹿な……!? オレンジジュースだった……そんな馬鹿な……)
妹(そんな……黒酢を飲んであまりの酸っぱさに吹くリアクションをしようと思ってたのに……そんなことって……)
妹「まあ、美味しいからいいや!」
83: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 00:50:44.578 ID:omGV2Uy90
妹「ぷはー! オレンジジュースってこんなに美味しかったんだねー!」
兄「ああそうだ、オレンジジュースは朝に飲むと胃の機能を調整してくれるんだ」
兄「それに利尿作用もあるしな、いくら飲んでも出してくれれば別に良い、おかわりもあるぞ」
妹「えっ! ほんとに!」
兄「ああっ、いくらでも飲め」
兄「ああそうだ、オレンジジュースは朝に飲むと胃の機能を調整してくれるんだ」
兄「それに利尿作用もあるしな、いくら飲んでも出してくれれば別に良い、おかわりもあるぞ」
妹「えっ! ほんとに!」
兄「ああっ、いくらでも飲め」
85: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 00:52:28.123 ID:omGV2Uy90
妹「やったー、なんだなんだーご主人様、昨日は黒酢しか飲ませてくれないって言ってたのに~」
兄「ああそうだ"飲み物"はな……」
妹「えっ?」
兄「飲み物は黒酢だけだ、だけどオレンジジュースはごはんだ」
妹「え、あ、そうなの……?」
兄「ああそうだ"飲み物"はな……」
妹「えっ?」
兄「飲み物は黒酢だけだ、だけどオレンジジュースはごはんだ」
妹「え、あ、そうなの……?」
86: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 00:54:04.205 ID:omGV2Uy90
兄「ああ、だからごはんはオレンジジュースだって言ったろ?」
妹「うん……」
妹「ん?」
兄「だから今日からごはんはオレンジジュースだ」
兄「飲み物は黒酢、ごはんはオレンジジュースのみだ」
妹「なん……だと……」
妹「うん……」
妹「ん?」
兄「だから今日からごはんはオレンジジュースだ」
兄「飲み物は黒酢、ごはんはオレンジジュースのみだ」
妹「なん……だと……」
88: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 00:56:39.513 ID:omGV2Uy90
兄「オレンジジュースは夜以外ならいつでも食べていいぞ」
妹「ちょ、ちょっとまってよ! せ、せめて野菜とかは……!?」
兄「何を言ってるんだ? ブタ? ブタにそんな新鮮なモノ食べさせられるか」
妹「だからって死んじゃうよぉ……偏りすぎだよぉ……」
兄「大丈夫、ここにサプリメントがある、このサプリメントで足りない栄養を補え」
妹「無理に決まってるじゃん!」
妹「ちょ、ちょっとまってよ! せ、せめて野菜とかは……!?」
兄「何を言ってるんだ? ブタ? ブタにそんな新鮮なモノ食べさせられるか」
妹「だからって死んじゃうよぉ……偏りすぎだよぉ……」
兄「大丈夫、ここにサプリメントがある、このサプリメントで足りない栄養を補え」
妹「無理に決まってるじゃん!」
89: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 00:59:25.315 ID:omGV2Uy90
兄「あぁん? 無理ぃ?」
妹「ひっ……」
兄「やってみなけりゃわかんねぇだろぉうがぁ!!」
妹「フヒィ‼」
兄「学校行く前は、お仕置きは無しだ、さすがに朝は忙しいからな、行く前に腹筋だけはしとけよ」
妹「え、ええ……」
兄「だからなんで、がっくりなんだよ……」
妹「ひっ……」
兄「やってみなけりゃわかんねぇだろぉうがぁ!!」
妹「フヒィ‼」
兄「学校行く前は、お仕置きは無しだ、さすがに朝は忙しいからな、行く前に腹筋だけはしとけよ」
妹「え、ええ……」
兄「だからなんで、がっくりなんだよ……」
90: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 01:03:59.347 ID:omGV2Uy90
____
○学校
友「おはよー、あれ? なんかやつれてない?」
妹「……いや、大丈夫だよ」
友「ほんとに? あ、そうだ、今日ね駅前のケーキ屋、30人限定のレアチーズケーキ買えたんだよぉ!」
妹「えっ、うそマジ……?」
友「おおマジよ……、いやぁ朝から並んで買ったかいあったわ~」
友「今から食べよっ! お昼まで待ってられないよ!」
妹「……」ゴクリ
○学校
友「おはよー、あれ? なんかやつれてない?」
妹「……いや、大丈夫だよ」
友「ほんとに? あ、そうだ、今日ね駅前のケーキ屋、30人限定のレアチーズケーキ買えたんだよぉ!」
妹「えっ、うそマジ……?」
友「おおマジよ……、いやぁ朝から並んで買ったかいあったわ~」
友「今から食べよっ! お昼まで待ってられないよ!」
妹「……」ゴクリ
94: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 01:06:31.418 ID:omGV2Uy90
兄『ちなみに、学校とかでオレンジジュース以外食べたりしたらこっちはすぐわかるからな』
妹『どうやって……』
兄『そんなことは気にしなくていい、食べなかったらいいだけなんだから……』
____
妹「あぐぅ……」
友「どしたの?」
妹「えっ、えっーと……ね……」
妹『どうやって……』
兄『そんなことは気にしなくていい、食べなかったらいいだけなんだから……』
____
妹「あぐぅ……」
友「どしたの?」
妹「えっ、えっーと……ね……」
95: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 01:09:15.399 ID:omGV2Uy90
____
○家
妹「ただいま~」
兄「おう、おかえり」
妹「いや~もうご主人様のせいで、もうヘトヘトだよぉ~、このスーツもキツイし、オレンジジュースだけとかほんと無理ぃ!」
兄「……」
妹「いや~もうほんと無理っすよ~たいへんたいへん、あっ先にお風呂入ってくるね~汗がすごくてさぁ」
兄「……」
○家
妹「ただいま~」
兄「おう、おかえり」
妹「いや~もうご主人様のせいで、もうヘトヘトだよぉ~、このスーツもキツイし、オレンジジュースだけとかほんと無理ぃ!」
兄「……」
妹「いや~もうほんと無理っすよ~たいへんたいへん、あっ先にお風呂入ってくるね~汗がすごくてさぁ」
兄「……」
96: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 01:11:01.762 ID:omGV2Uy90
妹「じゃ、じゃあ着替えてく……」
兄「おい、ブタ」
妹「……」
兄「……」
妹「……」
兄「お風呂入る前に……本当に今日はオレンジジュースしか飲んでないんだろうなぁ?」
妹「……」
妹「あっ、あたりま、あたっ、あたっあっ、当たり前じゃん!!!」
兄「おい、ブタ」
妹「……」
兄「……」
妹「……」
兄「お風呂入る前に……本当に今日はオレンジジュースしか飲んでないんだろうなぁ?」
妹「……」
妹「あっ、あたりま、あたっ、あたっあっ、当たり前じゃん!!!」
97: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 01:13:15.814 ID:omGV2Uy90
兄「そうか……それならいいんだ」
妹「……」
妹「あふぅ…」
妹(くふふ……バレてないバレてない、助かったぁ……)
兄「あっ、そうだ、風呂入ったあとちょっとリビングに来てくれないか?」
妹「え、うんいいけど……」
妹「……」
妹「あふぅ…」
妹(くふふ……バレてないバレてない、助かったぁ……)
兄「あっ、そうだ、風呂入ったあとちょっとリビングに来てくれないか?」
妹「え、うんいいけど……」
98: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 01:17:20.854 ID:omGV2Uy90
○リビング
妹「あー、ねぇこれ、やっぱり細部まで汗流れないよぉ、脱ぎたい~」
妹「で、今日は何の筋トレするのぉ?」
兄「ちょっと、ここに仰向けになってくれ」
妹「えっ、うん……」
兄「よーしっ、じゃ見てみるか」
妹「えっなにを?」
兄「胃の中だよ」
妹「えっ」
妹「あー、ねぇこれ、やっぱり細部まで汗流れないよぉ、脱ぎたい~」
妹「で、今日は何の筋トレするのぉ?」
兄「ちょっと、ここに仰向けになってくれ」
妹「えっ、うん……」
兄「よーしっ、じゃ見てみるか」
妹「えっなにを?」
兄「胃の中だよ」
妹「えっ」
101: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 01:20:30.571 ID:omGV2Uy90
兄「胃カメラを買ったんだ、これで中に何も入ってないから確認できるだろ」
妹「な、なな、な、ななな何を言ってるの…」
兄「ほら、口を開けろ、今日は何も食べてないんだろ?」
妹「そ、そうだけど、苦しいじゃん……」
兄「大丈夫! なんも食べて無ければ、戻すものは無いから」
妹「いやー、でも……」
兄「あっ、もしかして何か食べたから……見せられないって……」
妹「そそそそんそんそんそんなわけないじゃん!!」
妹「な、なな、な、ななな何を言ってるの…」
兄「ほら、口を開けろ、今日は何も食べてないんだろ?」
妹「そ、そうだけど、苦しいじゃん……」
兄「大丈夫! なんも食べて無ければ、戻すものは無いから」
妹「いやー、でも……」
兄「あっ、もしかして何か食べたから……見せられないって……」
妹「そそそそんそんそんそんなわけないじゃん!!」
102: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 01:22:40.473 ID:omGV2Uy90
兄「じゃあ早く口を開けろよ」
妹「いやだって、怖いじゃん……私の口の中に異物が入ってくるなんて……」
兄「はぁ……大丈夫大丈夫先っぽだけ先っぽだけだから……」
妹「いやーでも……」
兄「大丈夫大丈夫、苦しいと思ったら抜いてあげるから……」
妹「まあ、それなら……」
兄「よし、じゃあ口開けて……」
妹「いやだって、怖いじゃん……私の口の中に異物が入ってくるなんて……」
兄「はぁ……大丈夫大丈夫先っぽだけ先っぽだけだから……」
妹「いやーでも……」
兄「大丈夫大丈夫、苦しいと思ったら抜いてあげるから……」
妹「まあ、それなら……」
兄「よし、じゃあ口開けて……」
103: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 01:24:38.201 ID:omGV2Uy90
妹「……や、やっぱ無理!」
兄「……」
妹「ごめんお兄ちゃん……私、オレンジジュース以外のモノ食べてた……」
兄「……」
妹「本当にごめんなさい……」
兄「いいよ、わかってたよ、どうせ食べてんだろうなぁって」
妹「お兄ちゃん……」
兄「……」
妹「ごめんお兄ちゃん……私、オレンジジュース以外のモノ食べてた……」
兄「……」
妹「本当にごめんなさい……」
兄「いいよ、わかってたよ、どうせ食べてんだろうなぁって」
妹「お兄ちゃん……」
104: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 01:26:40.563 ID:omGV2Uy90
兄「まあ妹がこうやって正直に話してくれただけでもいいよ、で、何食べたんだ?」
妹「えっ、えっーと……チーズケーキ……」
兄「と?」
妹「からあげくん……」
兄「何個?」
妹「3種類を1セットずつ……」
兄「……あとは?」
妹「こ、これだけだよ!」
兄「あとは?」
妹「……」
妹「えっ、えっーと……チーズケーキ……」
兄「と?」
妹「からあげくん……」
兄「何個?」
妹「3種類を1セットずつ……」
兄「……あとは?」
妹「こ、これだけだよ!」
兄「あとは?」
妹「……」
106: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 01:30:15.602 ID:omGV2Uy90
妹「菓子パン3個にプリン2つ、シュークリーム3つ、おにぎり2つ、玉子焼き3つ、ポテトチップス1袋、レモン牛乳2パック……」
兄「……」
妹「それから……」
兄「ちょっと待て……まだあるのか……」
妹「お、お野菜も食べたよ! キュウリと!シーチキン!」
兄「……」
妹「……ごめんなさい」
兄「……」
妹「それから……」
兄「ちょっと待て……まだあるのか……」
妹「お、お野菜も食べたよ! キュウリと!シーチキン!」
兄「……」
妹「……ごめんなさい」
107: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 01:32:10.167 ID:omGV2Uy90
兄「……」
妹「……」
兄「……」スッ
妹「ヒッ……!」
兄「はぁ……もうやめよう……ダイエット」
妹「えっ……」
兄「もうこのままでいいのかもな……本当は……」
妹「お兄ちゃん……」
妹「……」
兄「……」スッ
妹「ヒッ……!」
兄「はぁ……もうやめよう……ダイエット」
妹「えっ……」
兄「もうこのままでいいのかもな……本当は……」
妹「お兄ちゃん……」
108: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 01:34:51.313 ID:omGV2Uy90
兄「んなわけねぇだろぉ!!!」バチーン!
妹「ヒグゥ!!!」
兄「典型的リバウンドじゃねえか!!リバウンドにもなってねぇよ!」バチーン‼
妹「ヒギィ!」
兄「んでその記憶力はなんだよ! なんで炭水化物とジャンクフードの食った数は覚えててきゅうりとシーチキンの食った数は知らねぇんだよ!」ビチーン‼
妹「ギィィ!!」
妹「ヒグゥ!!!」
兄「典型的リバウンドじゃねえか!!リバウンドにもなってねぇよ!」バチーン‼
妹「ヒギィ!」
兄「んでその記憶力はなんだよ! なんで炭水化物とジャンクフードの食った数は覚えててきゅうりとシーチキンの食った数は知らねぇんだよ!」ビチーン‼
妹「ギィィ!!」
110: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 01:37:03.353 ID:omGV2Uy90
兄「はぁはぁ……」
妹「ひぐっひぐっ……」
兄「おらっ、口開けろ」
妹「ふぇっ……?」
兄「口開けろ、本当にそれが入ってるのか見るんだよ」
妹「あぐぅ……」
兄「これを付けろ……」
妹「これは?」
妹「ひぐっひぐっ……」
兄「おらっ、口開けろ」
妹「ふぇっ……?」
兄「口開けろ、本当にそれが入ってるのか見るんだよ」
妹「あぐぅ……」
兄「これを付けろ……」
妹「これは?」
111: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 01:39:22.108 ID:omGV2Uy90
兄「矯正具だ、口をずっと開けさせるんだよ」ガチャ
妹「んぼっ……!」
兄「……」ウィーン
妹「おひぃはぁんほぁい!」
『おにいちゃんこわい!』
兄「怖くねぇよ! それと俺はご主人様だろぉが!」ウィーン
妹「おごごごご!!!」
妹「んぼっ……!」
兄「……」ウィーン
妹「おひぃはぁんほぁい!」
『おにいちゃんこわい!』
兄「怖くねぇよ! それと俺はご主人様だろぉが!」ウィーン
妹「おごごごご!!!」
112: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 01:42:03.827 ID:omGV2Uy90
妹「……っ!」
妹(喉に……機械が……!)
妹「おええっ……!!」
兄「まだ入ってないぞ、オラァ!」
妹「うぐぅ……おえっ……うぉぇっ!!!」ジタバタ
兄「おらっ、シダバタすると逆に苦しいぞ!」
妹「うぉっっっごおおおえええ!!!」
兄「うるせぇ!」
妹(喉に……機械が……!)
妹「おええっ……!!」
兄「まだ入ってないぞ、オラァ!」
妹「うぐぅ……おえっ……うぉぇっ!!!」ジタバタ
兄「おらっ、シダバタすると逆に苦しいぞ!」
妹「うぉっっっごおおおえええ!!!」
兄「うるせぇ!」
114: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 01:49:24.672 ID:omGV2Uy90
____
妹「おえっ……おえっ……ふっ……はぁはぁ……」ボタボタ
妹「うぇーん、ひどいよぉぉぉ……」ダラダラ
兄「当然の報いだ」
兄「オレンジジュースだけならこんなにならなくてすんだのにな……」
妹「うっ……ううっ……
その夜、妹は手首を切った。
俺が全て間違えてしまったのだろう……
もし、妹が生きていたら、俺は妹のすきなようにたべさせて、好きなように妹の調教を手伝っただろう……
END
妹「おえっ……おえっ……ふっ……はぁはぁ……」ボタボタ
妹「うぇーん、ひどいよぉぉぉ……」ダラダラ
兄「当然の報いだ」
兄「オレンジジュースだけならこんなにならなくてすんだのにな……」
妹「うっ……ううっ……
その夜、妹は手首を切った。
俺が全て間違えてしまったのだろう……
もし、妹が生きていたら、俺は妹のすきなようにたべさせて、好きなように妹の調教を手伝っただろう……
END
116: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 01:52:26.569 ID:omGV2Uy90
兄「終わってねぇんだよ、ブタ! 逃げるな!」
妹「だ、だってぇ……こんな苦しいの嫌! もうダイエットやだ!」
兄「あ、いいよ」
妹「えっ」
兄「もう調教やめるし、明日から好きなように食べていいし、好きなようにデブ生活をやってくれ」
妹「……」
兄「だけど俺はもう手伝わないし、泣きついたりしても、俺は豚の鳴き声にしか思わないから」
妹「ううっ……」
兄「どうするんだよメスブタ」
妹「だ、だってぇ……こんな苦しいの嫌! もうダイエットやだ!」
兄「あ、いいよ」
妹「えっ」
兄「もう調教やめるし、明日から好きなように食べていいし、好きなようにデブ生活をやってくれ」
妹「……」
兄「だけど俺はもう手伝わないし、泣きついたりしても、俺は豚の鳴き声にしか思わないから」
妹「ううっ……」
兄「どうするんだよメスブタ」
117: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 01:54:11.790 ID:omGV2Uy90
妹「や、やるよぉ! やればいいんでしょう!」
兄「……よしっ、言ったなじゃあ早速抵抗した罰でケツ叩き100回だな」
妹「は、はい……!」
兄「いや罰だって言ってんだろ」
妹「はいっ!」フリフリ
兄「なんで喜んでんだよ! 淫乱ブタァ!!」
こうしてご主人様とのダイエットという名の調教は続いた。
ダイエットに成功したか否かはまた別のお話
おわり
兄「……よしっ、言ったなじゃあ早速抵抗した罰でケツ叩き100回だな」
妹「は、はい……!」
兄「いや罰だって言ってんだろ」
妹「はいっ!」フリフリ
兄「なんで喜んでんだよ! 淫乱ブタァ!!」
こうしてご主人様とのダイエットという名の調教は続いた。
ダイエットに成功したか否かはまた別のお話
おわり
118: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/01/18(木) 01:54:38.385 ID:aYFWYRlt0
よかった
妹友「いいよね・・・・・・かっこいいお兄ちゃんがいて」
2017-12-25
※記事引っ越しです。
関連記事
妹「私?サンタからのプレゼントだけど」
21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 03:21:07.03 ID:GUJppG5z0
妹「なな、な…急になに言ってるのさ!」
妹友「ううん、ちょっと思っただけ…羨ましいなーって」
妹「もう、妹友はいつもそうやってからかうんだから」
妹友「……。」
妹「…妹友?」
妹友「……。」
妹「…え、なに?どうしたの?」
妹友「…ふふ、不安になってる妹も可愛いなー」
妹「…へ?」
妹友「まったくもう、そんなにお兄ちゃんのことが好きなのー?」
妹「や、やっぱりからかってたなー!」
妹友「照れてる妹も可愛い…って、きゃー!」
妹「待てー!」
妹友「あはは、こわいー!」
22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 03:28:18.99 ID:GUJppG5z0
妹「…もう、妹友嫌いー」
妹友「あはは、ごめんね?」
妹「ふん、今度のパフェは妹友の奢りだからね」
妹友「しょうがないなー」
妹「えへへ、楽しみ」
妹友「私もー…あ、別れ道まで来ちゃったね」
妹「じゃあまた明日ね」
妹友「うん」
妹「もうにいさんの事でからかっちゃダメだからね?」
妹友「今度家に遊びにいくねー」
妹「聞いてよ、もう!」
妹友「ふふ、じゃあねー」
妹「…むー」
23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 03:40:44.99 ID:GUJppG5z0
妹「まったく、妹友はいつもいつもー…」
妹友「ばいばーい!」フリフリ
妹友「……。」
妹友「……。」
妹友「……。」
妹友「…あーあ、今日も言えなかったなー」
妹友「友達に隠し事はナシだよって、分かってるのに…」
妹友「…でも、言わなくてもなにも変わらないんだけどね。お兄ちゃん、返事くれないし」
妹友「……。」
妹友「……。」
妹友「…ごめんね、妹」
妹友「私、お兄ちゃんに、告白しちゃったんだぁ…」
妹友とお兄ちゃん
24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 03:54:03.74 ID:GUJppG5z0
妹「ふんふーん」
男「……。」
妹「わ、わわわ、ここで新しいキャラ出すんだ」
男「……。」
妹「…うわ、ここで終わりかぁ。続きが気になるー!」バタバタ
妹「じゃあ、次の巻――」
男「…妹、質問してもいい?」
妹「はいな?」
男「なんでいつも俺の部屋で漫画を読むんだ?」
妹「だってにいさんの部屋には漫画がいっぱいあるんだもん」
男「…それ、お前が自分で買った漫画だろ?」
妹「……。」
男「……。」
妹「…こ、細かいこと気にすると嫌われるんだぞ!」
男「え、なんで俺が怒られてるの?」
25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 04:01:41.50 ID:GUJppG5z0
男「俺、そろそろ寝たいんだけど」
妹「あ、ごめんなさい」
男「いや、別にいいけどさ」
妹「…んしょ」
男「……。」
妹「はいどうぞ、にいさん」
男「…妹」
妹「はいな」
男「なんで布団の中に入ってるの?」
妹「一緒に寝ようかなって」
男「……。」
妹「…だめ?」
男「…しょうがない」
妹「えへへ、やったぁ」
26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 04:10:47.37 ID:GUJppG5z0
男「……。」
妹「んー」スリスリ
男「…なにしてんの?」
妹「マーキング」
男「マーキング?」
妹「にいさんは、私のにいさんだよって」
男「いや、当たり前だろ…」
妹「…うん」
男「なんかあったのか?」
妹「な、なにもないですよ?」
男「…ならいいんだけど」
妹「…私だけのにいさんなんだから」ボソッ
男「ん、なんか言ったか?」
妹「い、いいえ!」
男「……?」
27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 04:16:07.27 ID:GUJppG5z0
男「ほら、寝るぞ」
妹「うん」
男「おやすみ、妹」
妹「あ、にいさん」
男「…ん?」
妹「…頭、撫でて?」
男「……。」
妹「……。」
男「…ほら」
妹「ん…えへへー」
男「おやすみ」
妹「うん、おやすみ、にいさん」
男「……。」
29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 04:30:41.72 ID:GUJppG5z0
男「おはよう」
母「おはよう、早いわね」
男「あまり眠れなかった」
母「妹がいたからかしら?」
男「あらら、お見通しで」
母「…最近、男にべったりだからね」
男「……。」
母「まあ、しょうがない気もするけど」
男「しょうがない…のかな」
母「少なくとも、私はなにも言わないわ」
男「…ん」
母「男に全部任せるから」
男「はいよ」
32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 04:39:40.06 ID:GUJppG5z0
母「で、どうするのかしら?」
男「口出ししないんじゃなかったのかよ」
母「母親として、動向は見守らないと」
男「調子いいこと言ってるな…」
母「で?」
男「…まあ、妹の好きなようにさせるよ」
母「妹のわがままに付き合うのが兄、ですものねー」
男「ニヤニヤしながら言うな」
母「ふふ…妹は?」
男「まだ寝てるよ、今優秀な目覚ましが起こしに行きました」
母「優秀な…ああ、なら安心」
男「ふあぁ…じゃあ顔洗ってくるかな」
母「朝ご飯はなにがいい?」
男「なんでも」
母「…じゃ、卵焼きでも焼いてあげますか」
34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 04:50:23.68 ID:GUJppG5z0
妹「…んー」ゴロン
妹「にいさぁん…ふふ」
ペロペロ
妹「やん、くすぐったい…」
妹「にいさん…やぁ」
ペロペロ
妹「なめないでよぉ…ん…んんっ」
妹「そこ、だめぇ…」
ミャー
妹「鳴いてもだめだってばぁ…ん…」
妹「……。」
妹「……?」
妹「……ッ!」ガバッ
ミャー
妹「……。」
36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 04:59:04.59 ID:GUJppG5z0
妹友「…あ、おはようございますー」
男「おはよう、妹友ちゃん」
妹「おはよー」
妹友「お兄ちゃんが一緒なのは久しぶりですねー」
男「まあ、たまたまな」
妹友「一緒だと妹恥ずかしがるのにねー」
妹「い、一緒に家を出ちゃう日はしょうがないの!」
妹友「はいはい」
男「行くぞー」
妹「あ、待ってよー」
妹友「……。」
男「…妹友ちゃん?行かないのか?」
妹友「あ、行きますよー」
タッタッタ
40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 05:21:33.99 ID:GUJppG5z0
妹「ふんふーん」
妹友「妹、機嫌いいですねー」
男「ん…そうだな、なんでだろ」
妹友「…お兄ちゃん、妹となにかしました?」
男「ど、どういう意味?」
妹友「解釈はお好きなようにー…で、なにかしたんですね?」
男「…うーん、まあ」
妹友「あ、世間様に言えないようなことでしたら無理に言わなくてもけっこうです」
男「とりあえずそれは猛烈に誤解をしている」
妹友「なんだー」
男「まあ…昨日な、妹と一緒に寝た」
妹友「……。」
男「…『寝た』ってのは文字通り寝ただけだからな」
妹友「あ、そうですかー、びっくりしました」
42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 05:32:31.02 ID:GUJppG5z0
妹友「そうですかー…一緒に寝たらまあ、機嫌良くなりますよねー」
男「…うーん」
妹友「あれ、どうかしましたか?」
男「いや、なんも」
妹友「妹、お兄ちゃんのこと大好きーですからね」
男「はは…」
妹友「……。」
男「……。」
妹友「…とりあえず、妹と一緒に寝てることはあんまり人に言わないほうがいいですかねー」
男「…やっぱりそうか」
妹友「私に言うのは構いませんけどね、妹のこともお兄ちゃんのこともちゃんと分かってますから」
妹友「でも、周りの人達が聞いたらそれこそ…」
男「……。」
妹友「あ、すいません…失礼なことを」
男「いや、いいよ」
45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 05:44:37.31 ID:GUJppG5z0
妹「ふたりとも、遅いよー」
男「先行ってていいぞ」
妹「むー、妹友となに内緒話してるのさ」
男「なんもしてないよ」
妹友「私のお兄ちゃんになってくださいってお願いしてたのー」
妹「なっ…だ、だめだからね!」
妹友「なんでー?」
妹「なんでって、それは…えっと…」
妹友「はい、決まりー。今日から私のお兄ちゃん」
妹「…うー」
妹友「これからよろしくね、お兄ちゃん」
男「はは…」
妹「ふん、勝手にすればいいよーだ!」
男「あー…たく、いつもこうなる」
妹友「……。」
47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 05:53:28.78 ID:GUJppG5z0
男「はあ…じゃあ追いかけようか、妹友ちゃん」
妹友「はい」
男「あいつ足速いからなー」
妹友「お兄ちゃん」
男「なに?」
妹友「気にし過ぎちゃ駄目ですからね」
男「…うん、ありがとうね、妹友ちゃん」
妹友「いえいえー、それではダッシュしましょう」
男「おう」
タッタッタ
男「朝からなんで走らなきゃいけないんだ…」
妹友「……。」
妹友「……。」
妹友「私のことは、眼中に無い…かぁ」
48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 05:57:00.97 ID:NJ4MzUtY0
健気すぐる・・・
49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 06:11:05.25 ID:GUJppG5z0
男「…はぁ」
男友「なんだ、悩み事か?」
男「ん、まあな」
女「悩み事じゃなくても溜め息くらいつきたくなるよー…」
男友「お、おはよう…って凄いクマだな」
女「過去問解いてたんだよー…うー…だめだ、落ちるよ私」
男友「はは、入試まで1ヶ月ないもんな」
女「…なんで男友はそんなに余裕そうなのさ」
男友「あんたらとは受ける大学のレベルが違うからだよ…言わせんな恥ずかしい」
女「…ごめん」
男友「…謝るなよ」
女「…ごめん」
男友「……。」
女「……。」
男「…なんで二人して落ち込んでんだよ」
90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 00:58:27.13 ID:GUJppG5z0
男友「…で、男はどうして悩んでんだ?」
男「まあ、いろいろとな」
男友「分からない問題でもあるのか?」
男「あ、いや…勉強のことじゃないし」
男友「へ?」
女「男友もまだまだだねー、男君の悩み事といったら妹ちゃんのことに決まってるじゃん」
男友「あ、なるほど」
男「なんで納得するんだ…」
女「あれ、違うの?」
男「そうだけどさ」
男友「…困ってるなら、なんでも協力するからな」
男「いや、そんな大げさなことじゃないよ」
男友「なんだ、心配しちまった」
男「はは、ありがとな」
91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 01:06:41.23 ID:GUJppG5z0
女「…ふふーん」
男友「なんだよ、変な声出して」
女「変って言うな」ゲシッ
男友「す、すいません…」
女「いやいや、男君のお悩み事に心当たりがありましてねー」
男友「え、なんでだ?」
女「秘密ー」
男友「…つまんねえな」
女「モテる男は辛いなーという話ですよ」
男友「……?」
女「モテない男友には分かりません」
男友「……。」
女「はいはい落ち込まない」
男友「いえっさー…」
92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 01:16:55.77 ID:GUJppG5z0
男友「俺、本当になにもしなくて大丈夫か?」
女「うん、今回の話に男友の出番はもうありません」
男友「今回の話?」
女「いや、こっちの話」
男友「そ、そっか…」
女「大丈夫だよ、解決したら私が教えてあげるから」
男友「分かった」
女「ふふ、じゃあ私もちょっと首を突っ込んでみようかなー」
男友「……。」
女「ん、どったの?」
男友「いや、なんか女のせいでややこしくなる未来が見えた」
女「…ふふふ」
男友「……。」
男友「よく分かんねえけど、頑張れ、男…」
94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 01:37:07.90 ID:GUJppG5z0
妹「うーん…」
妹友「なにしてるのー?」
妹「わ、妹友」
妹友「休み時間、暇だし遊びに来ちゃった」
妹「他のクラスに入ると緊張しない?」
妹友「妹がいるから大丈夫ー」
妹「えへへ、そっか」
妹友「…なにか作ってるの?」
妹「うん、お守り」
妹友「お守り?」
妹「にいさんが、受験合格しますようにって」
妹友「…あー」
妹「私の受験の時にね、にいさん、私の勉強にずっと付き合ってくれたんだー」
妹「でも、私はにいさんの勉強の手伝いなんて出来ないし…だから、その分精一杯応援しようと思って」
妹友「……。」
95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 02:11:25.40 ID:GUJppG5z0
妹「でも、なかなか縫うのが難しくて…妹友?」
妹友「あ、ごめん。すごいなーって感心しちゃった」
妹「なんにも凄くないよー…こんな事しかできないのが悔しいもん」
妹友「…んー」
妹「にいさんの為に出来ることなら、なんだってしてあげたいのに…」
妹友「……。」
妹「…むー」
妹友「…やっぱりすごいなー…私、なんにも考えてなかった」
妹「え、別に妹友が考えなくてもいいじゃんかー。私がしてるのは、にいさんに勉強教えてもらった恩返しなんだから」
妹友「んー、でもなにも考えてなかったのはダメだよねー…」
妹「そんなことないよー」
妹友「迂闊だったー」
妹「迂闊って…」
123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 14:42:33.70 ID:GUJppG5z0
妹「それにね、にいさんを支えるのは私の役目だよ」
妹友「え?」
妹「私、にいさんの妹だから」
妹友「……。」
妹「えへへ、全然支えれてないけどね」
妹友「…羨ましいな、妹は」ボソッ
妹「んー?」
妹友「なんでもない…ねえ、私もお守り作っていい?」
妹「あ、じゃあ一緒に作ろー」
妹友「うん、縫い方教えてあげる」
妹「助かるー」
妹友「ふふ、私がいないとダメだねー、妹は」
妹「むー、努力します…」
126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 14:50:21.73 ID:GUJppG5z0
ガラッ
女「たのもー!」
妹「…え?」
妹友「あ、先輩だー」
女「お、妹ちゃん発見ー。妹友もいるねー」
妹「先輩、クラスのみんながびっくりしてますよー…」
女「にゃはは、気にしない気にしない」
妹友「なにか用ですかー?」
女「いやいや、今日は3人で一緒に帰ろうと思ってね、お誘いに来たよ」
妹「一緒にですか?」
妹友「先輩、帰る方向違うじゃないですか」
女「細かいことは気にしないの、じゃあ校門前で待ち合わせだからねー」
妹「…行っちゃった」
妹友「…なんでずっとニヤニヤしてたのかな」
127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 15:01:42.56 ID:GUJppG5z0
妹友「先輩遅いねー」
妹「そうだねー…あ、来た…よ?」
妹友「え、なにその言い方…って、わあ」
妹「なんか全力で走ってきてるね」
妹友「なんで…?」
タッタッタ…
女「隠れてー!」
妹友「…へ?」
妹「…ふえ?…きゃあ!」」
ガサッ
女「…ふう、少しここで待機」
妹友「先輩、無理やり過ぎですよー」
妹「び、びっくりした…」
130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 15:10:49.79 ID:GUJppG5z0
女「あ、来た来た」
妹「あ、にいさんだー!おー…むぐっ」
女「男君から隠れてるので、呼んじゃ駄目ー」
妹「んー!んー!」ジタバタ
妹友「なんでですかー?」
女「いやいや、たまには女子だけで話したい時もあるでしょ?」
妹友「つまり先輩が女子だけで話したいんですね」
女「そゆことー」
妹「…ぷはぁ」
女「あ、ごめんね妹ちゃん」
妹「いえいえ…大丈夫ですよー…」
女「じゃあ男君も行ったし、私たちも帰りましょー」
妹友「おー」
女「ほら、妹ちゃんも掛け声」
妹「お、おー」
134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 15:37:59.93 ID:GUJppG5z0
妹「先輩の家って反対方向ですよね…?」
女「気にしなーい気にしなーい」
妹友「受験勉強は大丈夫なんですか?」
女「…き、気にしない」
妹「……。」
妹友「…じゃ、じゃあ気にしません」
女「…さ、さあ、貴重な時間を使ってガールズトークをしましょうか」
妹「な、なんか空気が重いです…」
妹友「絶対に有意義な時間にしなきゃいけないですね…」
女「無意味なガールズトークなんて存在しないのだよー。さあ、お二人の近況を聞かせてもらおうか」
妹「近況っていわれましても…」
妹友「特になにも無いですよ、私は毎日妹とイチャイチャしてるだけですからー」
妹「い、イチャイチャはしてないー!」
女「はいはい、そういう話はいいから…」
136:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 15:50:06.48 ID:GUJppG5z0
女「そういえば休み時間に二人でなにかしてなかった?」
妹「あ、お守りを作ってました」
妹友「受験合格祈願ですよー」
女「え、私に!?ありがとねー!」
妹「……。」
妹友「……。」
女「……」
妹「…いえいえ、それほどでも」
女「今の間は不自然すぎるでしょ…」
妹友「先輩を忘れるとは不覚でしたー」
女「…いいですけどね、別に」
妹「いえいえ、作りますから!」
妹友「丹精込めますよー!」
女「…ぐすん、ありがと」
137:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 16:35:35.96 ID:GUJppG5z0
女「…てことは、そのお守りって」
妹「…えへへ、にいさんにです」
女「ま、分かってけどさー。妹友も男君に?」
妹友「はい、応援したいですからー」
女「そっかそっかー、やっぱり男君はモテモテですなー」
妹「そ、そんな…そういうわけじゃないですってばー」
女「ふふふ、隠さなくてもいいよー。妹ちゃん、男君の事好きでしょ」
妹「え?い、いや、まあその…それは私のにいさんですし?」
女「誤魔化さないの、私は全部知ってるんだから」
妹「…な、なんでぇ?」
女「ふふ、なんででしょう」
妹「妹友、喋ったの?」
妹友「喋ってないよ」
女「私にはなんでもお見通しー」
139:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 17:25:18.81 ID:GUJppG5z0
妹友「…まあ、たぶん夏のお泊りの時に寝たフリしながら聞いてたんだと思いますけどねー」
女「ば、バレてるし」
妹「…お泊りって」
妹友「『私、にいさんのこと…好き』」
妹「…あ、あの話聞かれてたの?」
女「あのときの妹ちゃん可愛かったなー」
妹「うー、恥ずかしい…」
女「なんでも協力するからね!」
妹友「先輩、面白がってるようにしか見えないですよー…」
女「失礼な、大真面目だよ」
妹「……。」
女「なんだいその目は」
妹「なんでもないですけど…先輩、顔がニヤニヤしてます」
女「おっと失礼」
140:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 17:42:16.97 ID:GUJppG5z0
妹「あ、別れ道です」
妹友「私たち、いつもここで別れるんですよー」
女「ほうほう、妹ちゃんはこっちだよね」
妹「はい、それで妹友はあっちです」
妹友「で、先輩はUターンですねー」
女「ははは…」
妹友「先輩、なにしにきたんですかー…」
女「いいのいいの」
妹「私、からかわれただけな気がします…」
女「にゃはは、それだけで満足よ」
妹「むー」
142:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 18:11:41.00 ID:GUJppG5z0
妹友「じゃあまた明日ねー、妹」
妹「うん、またねー」
女「わ、私は?」
妹友「先輩は勉強頑張ってくださいー」
女「あー…」
妹「お守りできたら持って行きますね」
女「うん、楽しみにしてる」
妹「では、またー」
女「妹ちゃん、男君のこと頑張ってね」
妹「な、なにもしませんからね!」
女「あはは、じゃあね」
妹「はい、さようならー」
妹友「……。」
女「…ふふーん」
144:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 18:57:24.26 ID:GUJppG5z0
妹友「では、私も帰りますねー」
女「ちょい待ち、妹友」
妹友「…はい?」
女「本題に入ろうかなと思って」
妹友「本題…ですか?」
女「妹友も男君の事、好きだよね?」
妹友「……。」
女「…んー?」
妹友「…はい、もちろんお兄ちゃん大好きーですよ」
女「そんなノリじゃなくてさ、もっと真剣な話」
妹友「……。」
女「ふふ、なんでもお見通しってのは嘘じゃないでしょー」
妹友「…いえ、別に隠してたわけじゃないですし」
女「素直じゃないなー」
妹友「……。」
150:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 20:28:38.05 ID:GUJppG5z0
女「あ、ごめんね、からかいたいわけじゃないんだ」
妹友「…じゃあなんですか?」
女「いやー、ちょっと叱咤激励をね」
妹友「叱咤激励?」
女「だって妹友、妹ちゃんに遠慮してるでしょ」
妹友「……。」
女「それじゃ駄目だよって言いたかったわけよ」
妹友「…遠慮」
女「まあそれだけだから、じゃあ私も帰りますよっと」
妹友「……。」
女「妹友も頑張りなよ?またねー」
妹友「……。」
妹友「…遠慮?」
妹友「そんなこと、してない」
妹友「だって、私は――」
154:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 20:52:27.55 ID:GUJppG5z0
妹友『私、お兄ちゃんのことが好きです』
妹友『何度も言いませんよ…あ、でももう一度だけ言います』
妹友『私、お兄ちゃんのことが好きです』
男「……。」
妹『…ふふ、にいさん、鼓動速いよ?』
妹『なんで、速くなってるのかな?』
妹『私もね、今、ドキドキしてる』
妹『えへへ、なんででしょう』
男「……。」
妹友『こんなふつつか者でよければ、どうぞ一声おかけください』
妹『妹なのに、ドキドキするのっておかしいよね』
ピピピピピピピピ
男「……。」
男「…なんて夢見てんだよ」
155:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 21:02:30.51 ID:GUJppG5z0
妹「ふあぁ…」
男「……。」
妹「あ、にいさん、おはよー」
男「…なんで妹がいるんだ?」
妹「え、えっとー…」
妹「…寂しかったから、夜中に来ちゃいました」
男「はあ…」
妹「ご、ごめんなさい」
男「いや、怒ってるわけじゃないけどさ」
妹「ほんと?」
男「ほんとほんと」
妹「じゃ、じゃあね」
男「ん?」
ギュー
妹「充電ー…って、えへへ、なんちゃって」
157:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 21:19:02.07 ID:GUJppG5z0
男「……。」
妹「あ、あれ?」
男「…ん、もういいのか?」
妹「あ…うん」
男「じゃあ起きるかなーっと」
妹「私もー」
男「…妹」
妹「はいな?」
男「髪ぐしゃぐしゃ」
妹「え…や、やだぁ、見ないで」
男「はは、それ直してから降りてこいよ」
妹「う、うん」
トットット
妹「……。」
妹「ちょっと、やりすぎちゃったかなぁ…」
161:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 22:34:16.94 ID:GUJppG5z0
ガチャ
男「…はあ」
妹友「お兄ちゃん、考え事ですかー?」
男「わっ!…って妹友ちゃんか」
妹友「おはようございますー」
男「おはよう、わざわざ家の前までお迎えに来たの?」
妹友「あ、はい」
男「ごめんね、あいつ髪を整えるのに時間かかってるから」
妹友「わかりました―」
男「じゃ、先行くね」
妹友「…あ、お兄ちゃん」
男「ん?」
妹友「えっと…」
男「…どうした?」
妹友「…な、なんでもないです」
164:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 23:06:39.09 ID:GUJppG5z0
男「…ん?」
妹友「……。」
ガチャ
妹「いってきまー…って、妹友?」
妹友「おはよー、妹」
妹「おはよー、なんで家まで来てるのー?」
妹友「早く起きちゃったから、ちょっとねー」
妹「そっかー。にいさんもまだいるし」
男「おう、悪いな」
妹「べ、別にいいけどね?」
妹友「あ、ごめんね。お兄ちゃんは私が引き止めちゃったから」
妹「…む、またお兄ちゃんからかって遊んでたなー」
妹友「ふふ、からかってなんかいないって」
男「いつもからかわれてるのはお前だろ…」
妹「…う」
168:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 00:22:28.56 ID:GUJppG5z0
妹友「じゃあ、行きましょー」
妹「はいなー」
男「おう」
妹友「そういえばお兄ちゃん、さっき溜め息ついてましたよね」
男「ん…まあなー」
妹「え…悩み事?」
男「んー…」
妹『妹なのに、ドキドキするのっておかしいよね』
男「……。」
妹友「相談、乗りますよ?」
男「……。」
妹友『私、お兄ちゃんのことが好きです』
男「…いや、大丈夫だよ。ちょっと勉強が大変でね」
妹「む…それは手伝えない」
妹友「…だねー」
170:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 00:57:42.37 ID:GUJppG5z0
男「…て、なんだそれ…夢のこと気にしすぎだろ」
女「あれ、男君は相変わらず悩み事ですか」
男「おう、おはよう」
女「明日から3連休だぞー、そんなしけた面してたらいけませんぜ旦那」
男「どうせ連休も勉強しかすることないだろ」
女「それ言うのは禁止ー」
男「はは、悪い」
女「でも、家の中でずっと妹ちゃんといれるから内心嬉しかったりするでしょー」
男「……。」
女「…ありゃ、これはお悩み事がかなり深刻?」
男「…そうでもないよ」
女「はい、目を逸らさない」
男「……。」
171:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 01:06:59.55 ID:GUJppG5z0
女「一人で抱え込んでても解決しないぞ―」
男「……。」
女「…もう、しょうがないなー」
男「…ん?」
女「日曜日の夕方6時に駅前の噴水に集合」
男「え?」
女「私とデートしよう」
男「え…え?」
女「あ、先生来た。じゃあ男君、約束ねー」
男「……。」
173:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 01:20:28.31 ID:GUJppG5z0
日曜日
男「…て、人を呼び出しといて堂々と遅刻するとは」
女「にゃはは、ごめんごめん」
男「で、なんの用なんだ?」
女「そうだねー、時間もないし行こっか」
男「どこに?」
女「買い物」
男「…なにを?」
女「なにをって…そんなの決まってるじゃんか」
男「……?」
女「明日はバレンタインデーだよ?」
175:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 01:34:27.32 ID:GUJppG5z0
女「どうしようかにゃー、去年は正統派なチョコだったし今年はザッハトルテでも作ってみようかな…」
男「…おい、質問いいか?」
女「ほい、なんでしょう」
男「なんか当たり前のように流されたけどさ、なんで俺が女のチョコの材料買うのに付き合ってるんだ?」
女「男君にもあげるチョコなんだから買うのぐらい付き合ってくれてもいいじゃんかー」
男「なんだその理不尽すぎる答え…」
女「まあ細かいことは気にしないのー」
男「荷物持ちぐらい男友にでも頼めばいいだろ」
女「いやいや、男君にはもう一つお願いしたいことがありましてねー」
男「ん、なんだ?」
女「はいはい、今はそんなことよりも材料探しだよー」
男「はいはい」
女「返事は一回」
男「…帰ろうかな」
女「あー調子乗りましたごめんなさい!」
179:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 01:48:46.37 ID:GUJppG5z0
女「いやー、ありがとね。牛乳とかいろいろ持ってもらっちゃって」
男「そう言うなら少しはお前も持てよ…」
女「か弱い女の子に荷物持ちをさせるの?」
男「……。」
女「きゃー!持ちます!持つから投げないで!」
男「…はあ、もう家まで持ってってやるから案内しろって」
女「わー、紳士だねぇ」
男「…棒読みだな」
女「あ、家はこっちだよ、こっち!」
男「良い性格してるよ、ほんと」
女「…照れる//」
男「誉めてねえよ、皮肉だよ、気付けよ」
180:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 02:03:30.47 ID:GUJppG5z0
男「で?」
女「で、って?」
男「なんか頼みごとあるんだろ?」
女「あ、うん…えっと、これ」
男「ん、なにこれ…手紙?」
女「うん、手紙。これをね、明日男友に渡してほしいんだー」
男「男友に?」
女「お願いしていいかな」
男「別にいいけど、手紙くらい自分で渡せばいいじゃん」
女「……。」
男「ん?」
女「…男君、デリカシー無いとか言われない?」
男「え、なんで俺怒られてんの?」
181:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 02:10:59.43 ID:GUJppG5z0
男「はは、でもなんかこれラブレターみたいだな」
女「ラブレターだよ」
男「…へ?」
女「あ、でも体育館裏に来て下さいってことしか書いてないけどね」
男「あ、いや…ラブレター?」
女「にゃはは、体育館裏だなんてベタすぎるかね」
男「いやそうじゃなくて」
女「ん?」
男「女って、男友のこと好きなの?」
女「え、なにを今更…妹ちゃんとかから聞いてない?」
男「まったく」
女「おー、可愛い後輩たちは口が堅いねー、感心感心」
男「…まったく気づかなかった」
女「ふふん、男君は鈍感ですからね」
男「はは…」
182:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 02:22:35.72 ID:GUJppG5z0
女「高校卒業したら別々になっちゃうからねー」
女「ほんとは男友と同じ大学を受けようかなって思ってたんだけど…」
女「ご存知のとおりあの人、勉強あまり出来ない子だからさ。レベル下がり過ぎちゃって、ふふ」
男「だろうな」
女「それでも一応、私も男友と場所が近い大学にはしたんだー」
男「志望変えてたのか…」
女「まだ内緒にしといてね?」
男「おう」
女「でもやっぱり大学別々なのは心配だから、今のうちに告白しようかなって」
男「……。」
女「にゃはは、要は今のうちに男友にツバ付けとくのさ」
男「……。」
女「まだオーケーもらえるかなんて分からないけど」
女「あいつ、びっくりするかなぁ…してくれるといいな」
男「…びっくりするだろうな、間違いなく」
184:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 02:31:58.98 ID:GUJppG5z0
女「あー、あいつのことこんなに考えるの、なんかムカつくなぁ」
男「なんだそれ」
女「でもさ…好きなんだぁ」
男「……。」
女「好きになっちゃったら、しょうがないよね」
男「…はは、そうだな」
女「まったく、私に好きになってもらえるなんて幸せものだよねー!」
男「おう」
女「…ありゃ、今のは突っ込むタイミングだったんだけど」
男「いや、俺も幸せだろうなって思ったから」
女「…照れる」
男「自分で言っといて照れるなよ」
女「…まあ、そんなわけだからね、手紙頼みます」
男「ん、引き受けた」
186:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 03:02:54.67 ID:GUJppG5z0
女「さて、次は男君の番ですねー」
男「…へ?」
女「私が全部話したんだから、男君も話そうか」
男「…なるほど、はじめからこういう魂胆だったのか」
女「なんの話かなー」
男「……。」
女「さあ、話しちゃおうぜー。女の子はみんな大好き恋バナタイム!」
男「俺は女じゃねえ…それに恋バナだなんて誰も言ってないだろ」
女「違うの?」
男「……。」
女「ふふ、やっぱりそうなんじゃん」
男「……。」
女「ほらほら、相談したほうが楽になるよ?」
男「……。」
190:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 03:39:07.50 ID:GUJppG5z0
女「ほうほう…つまり要約すると、妹ちゃんと妹友の二人から迫られてどうしようかなってことですか」
男「…根掘り葉掘り聞きやがって」
女「いやいや、妹友がそんなに積極的だとは思わなかったよー。てっきり妹ちゃんに遠慮してなにもしてないと思ったのに」
男「…でも、そのときに急に好きって言われただけだよ。それに、それからも変わらずいつも通りだし」
女「…ん?」
男「それに妹も迫ってるわけじゃねえよ、あれは妹なりのスキンシップなんだろうし」
男「きっと妹と兄の距離感がよく分かってないんだろうな…まあ、兄妹になって1年とちょっとじゃしょうがないけど」
女「……。」
男「だって、俺だって分かってねえもん。妹とどう接すればいいのか…妹になんて言ってやればいいのか」
男「あいつが望むことはなんだって叶えてやりたいけど…でも、それでもやっちゃいけないことだってあるんだろうし」
妹『えへへ…しちゃった』
男「…どうすればいいのかよく分かってないから…だからきっと」
女「…うーん、まあね、妹ちゃんのことは良いんだ、大体分かってるし。私が考えてるのは妹友の方」
男「…え?」
女「もしかしてさ、男君…妹友の告白に、返事してない?」
192:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 03:59:07.36 ID:GUJppG5z0
男「…返事?してないけど」
女「……。」
男「え、でもあれは返事がどうこうみたいな告白じゃなくて、ただの報告みたいな感じだったし…」
女「男君…ごめん」
男「…え?」
パシッ!
男「……。」
女「最低」
男「…いてえ」
女「男君、なんにも分かってない…告白したあとの女の子の気持ち、全然考えてない…」
男「……。」
女「態度が変わらなかった?告白したあともいつも通り?そんなの、不安を隠すために決まってるじゃんか」
女「ただの報告?返事がどうこうじゃない?そんなわけあるかバカぁ…妹友がどんな気持ちで自分の想いを伝えたと思ってるのさ」
女「告白して、返事がもらえなくて、なにも言われないなんて…そんなの、私だったら不安で死んじゃいたくなっちゃうよ…」
男「……。」
196:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 04:26:05.85 ID:GUJppG5z0
女「…それとも、まだ迷ってるの?」
男「……。」
女「違うよね、返事はもう決まってるんだよね」
女「だったら、ちゃんと言ってあげなよ…どんな返事でも、ね」
男「…ん」
女「それと、妹ちゃんのことだけど」
男「……。」
女「私が言って良いのかな…分からないけど、このままだといつまで経っても進まないだろうから教えちゃうね」
男「…なんだよ、怖いな」
女「妹ちゃんね、男君のこと、好きだよ」
男「…は?」
女「兄妹としてじゃないよ、分かってるだろうけど」
男「……。」
女「ありゃ、思ったよりも冷静」
男「…まあな」
198:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 04:44:03.23 ID:GUJppG5z0
女「分かってたの?」
男「いや、全然」
女「…あ、そう」
男「でも、こっちの方が考えやすくなった」
女「…あはは、そうかもね」
女「でも、ひとつ問題があるみたい」
男「ん?」
女「『にいさんの妹でいられなくなったら、私、消えちゃうかもしれない』」
男「……。」
女「妹ちゃんの言葉だよ」
男「……。」
妹『思ったより…消えちゃうの早いみたいだね』
妹『キス…しちゃったからかな』
男「…なるほどな」
199:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 04:53:31.06 ID:GUJppG5z0
女「だからね、たぶん妹ちゃんは今のままでいいと思ってる」
男「……。」
女「ふふ、やっぱり私が言ったらいけないことだったかなー」
男「はは…俺、全部知っちゃったもんな」
女「ま、それでもどうするか決めるのは男君だよ」
男「…ん」
女「どんな答えでも、私は応援してるから」
男「…おう、ありがと」
女「いえいえー…では、そんな男君にもう一つ重大な情報を教えよう」
男「な、なんだよ…まだあるのか」
女「実は…」
男「……。」
女「…私の家、とっくに通りすぎてたり」
男「……。」
女「にゃはは、ごめんなさい」
200:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 05:02:13.43 ID:GUJppG5z0
女「ありがとねー、ここまで運んでもらって」
男「おうよ…俺も、ありがとう」
女「いえいえ、私はなにもしてないよ」
男「豪快にひっぱたいてくれたじゃん」
女「う…その節はごめんなさい」
男「だからありがとうって」
女「…う、うん」
男「手紙はちゃんと男友に渡すからな」
女「お願いします…あ、あともう一つお願いしていい?」
男「なんだ?」
女「前にみんなで遊んだ公園あるでしょ?明日ね、あそこで私が来るの待ってて欲しいんだ」
男「…なんで?」
女「返事すぐもらえるか分からないけど、告白の結果を伝えたいので」
男「そんなの次の日でいいよ」
女「駄目、たぶん私、すぐ言いたくなるから!」
201:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 05:09:46.82 ID:GUJppG5z0
男「なんだそれ、オーケーもらう気満々じゃねえか」
女「いや、駄目だった場合は慰めてもらおうかと…」
男「まさかのマイナス思考かよ」
女「とにかく、よろしくね?」
男「…分かったよ」
女「よかった…」
男「女、一応聞いておくけど自分が受験生ってこと忘れてねえよな」
女「…や、やだなー、当たり前じゃないですか」
男「まあ…自己責任だからいいけど」
女「じゃ、じゃあ、今日は本当にありがとー」
男「おう、また明日な」
女「ばいばーい」
203:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 05:18:59.73 ID:GUJppG5z0
男「ただいま」
母「おかえりなさい、男」
男「…妹は部屋?」
母「いえ、妹友ちゃんの家におじゃまになってるみたい」
男「…こんな遅くまでか?」
母「明日はバレンタインデーだからね、頑張って作ってるのよ」
男「…なるほど」
母「誰のためでしょうねー」
男「さあな」
母「分かってるくせに」
男「じゃあ聞くなよ…」
母「ふふ、幸せものねー」
男「……。」
204:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 05:32:26.30 ID:GUJppG5z0
ピピピピピピピピ
男「……。」カチッ
妹「…Zzz」
男「…今日もいるのか」
妹「…むにゃ」
男「……。」
妹「…Zzz」
男「はは、疲れてるんだな…もう少し寝かせといてやろう」
妹「…にいさん」
男「…ん?」
妹「すきぃ…」
男「……。」
妹「…Zzz」
男「…寝言、か」
205:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 05:43:48.57 ID:GUJppG5z0
男「……。」
男「……。」
男「…なあ、妹」
男「俺…どうすればいい?」
妹「……。」
男「…お前は、どうしてほしい?」
男「……。」
男「…はは、分かんないか、俺も分からないや」
妹「……。」
男「……。」
男「またあとで起こしに来るからなー」
ガチャ
妹「……。」
妹「……。」
妹「…ばか」
206:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 05:59:56.59 ID:GUJppG5z0
公園
男「…寒い」
男「こんなところで待てと」
男「…どれだけだよ」
男「……。」
男「…寒い」
男「……。」
男「……。」
男「いや、ほんとにいつまで待たせる気だよ…もうすぐ1時間だぞ」
男「……。」
男「……。」
男「…妹友ちゃんも」
男「ずっとこんな気持、なのかな」
妹友「呼びましたか、お兄ちゃん」
男「…え?」
208:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 06:10:55.83 ID:GUJppG5z0
男「なんで、いるの?」
妹友「女先輩にメールで呼ばれたんですー、今すぐ来て下さいって」
男「……。」
妹友「お兄ちゃんもですか?」
男「…なるほどね」
女『ちゃんと言ってあげなよ』
妹友「…どうかしましたかー?」
男「いや、なんでもない…妹友ちゃんもベンチに座りなよ」
妹友「あ、はい」
男「たぶんね、女は来ないよ」
妹友「え?」
男「俺と妹友ちゃんを二人で会わせるための作戦だと思う」
妹友「二人でって…あー」
男「納得?」
妹友「…はい」
267:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 21:49:42.78 ID:GUJppG5z0
女「お、ちょうどいいタイミングに着いたねー」
妹「…にいさんと…妹友?」
女「そうそう…あ、あんまり近くに行くと気付かれちゃうよ」
妹「…気付かれたら駄目なんですか?」
女「あの雰囲気は邪魔しちゃ悪いでしょー。ほら、ここに隠れて妹ちゃん」
妹「……。」
女「どうしたの?」
妹「…覗き見なんて、失礼ですよ」
女「でもお二人を邪魔しても失礼じゃないかな」
妹「……。」
女「セッティングしてあげた私、ナイスだにゃー、なんて」
妹「…なんで私を呼んだんですか」
女「いやー、妹ちゃんにこれを見せたくてね」
妹「……。」
268:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 21:50:25.67 ID:GUJppG5z0
妹「…私、帰ります」
女「あ、待ちなって妹ちゃん」
妹「嫌です、待ちませんよ」
女「ちょっと、待ちなさいってば」
妹「さようなら、先輩」
女「……。」
女「…ほんとに、帰っちゃうんだ」
妹「……。」
妹「…どういう、意味ですか?」
女「……。」
女「…ねえ、妹ちゃん」
女「いつまでも逃げてちゃ、駄目でしょ?」
269:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 21:51:06.81 ID:GUJppG5z0
妹「……。」
妹「…なにから…ですか」
女「妹友は、優しくて、妹ちゃんのことをいつも一番に考える良い子だけど…」
女「それにずっと甘えてちゃ、駄目じゃんか」
妹「……。」
女「妹ちゃんは今、目を背けようとしてるだけだよ」
女「見てあげなよ、妹友と、お兄ちゃんを」
妹「……。」
女「ほら、こっちに来て」
妹「……。」
妹「…ん」
女「うん、それでよし」
女「ふふ、確かに覗き見は悪いけど、こうしないと分からないこともあるんだよ、ね?」
妹「……。」
女「…じゃあ、見守りましょうかねー」
272:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 21:55:54.43 ID:GUJppG5z0
男「…たく、女のやつ、余計なお世話しやがって」
妹友「そうですね」
男「……。」
妹友「……。」
男「…寒いね」
妹友「…そうですね」
男「……。」
妹友「…ねえ、お兄ちゃん」
男「…ん、なに?」
妹友「暖めて、あげましょうか?」
男「…ど、どういう意味?」
妹友「ふふ、動かないでくださいね」
男「……。」
妹友「……。」
男「……。」ゴクッ
273:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 22:03:09.00 ID:GUJppG5z0
ファサ
男「……。」
妹友「えへへ、マフラーが長いやつで良かったです」
男「…はは」
妹友「ふふ、なにか期待させちゃいました?」
男「いや、別に…ただ、顔が近かったから」
妹友「お兄ちゃんからしてきてくれたら、キスだってなんだってしますけど」
男「…しないよ、そんなこと」
妹友「ですよねー」
男「…ありがとう、暖かくなったよ」
妹友「それは良かったです…マフラー取れちゃいますから、もう少し近づいてもいいですか?」
男「どうぞ」
妹友「じゃあ、失礼します」
ピト
男「……。」
274:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 22:09:38.19 ID:GUJppG5z0
妹友「……。」
男「……。」
妹友「……。」
男「……。」
妹友「ふふ、お互い黙っちゃいましたね」
男「…うん」
妹友「これじゃあ、同じマフラーにくるまって寄り添ってるカップルにしか見えませんよ?」
男「…そうだな」
妹友「……。」
男「……。」
妹友「…なんか、話してくださいよ」
妹友「私、ドキドキしちゃうじゃないですか」
男「……。」
妹友「…別に、いいですけどね」
277:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 22:23:54.59 ID:GUJppG5z0
妹友「私たち、こんな寒い中でなにしてるんでしょうね」
男「まあ、女を待ってるんだけど…あいつきっと来ないからな」
妹友「……。」
男「……。」
妹友「じゃあ、帰りましょうか?」
男「……。」
妹友「受験生に風邪を引かせたら、妹に怒られちゃいますからねー」
妹友「私としては、しばらくこのままでも幸せですけど」
男「……。」
妹友「…ふふ、でもこれ以上お兄ちゃんを困らせてもしょうがないですし」
男「別に、困ってないけど」
妹友「んしょ…」
男「あ…」
妹友「ごめんなさい、寒くなっちゃいましたか?でも返してくださいね…そうしないと、帰れないですから」
男「…ん」
279:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 22:33:09.87 ID:GUJppG5z0
妹友「あ、これを忘れちゃいけませんね」
妹友「はい、どうぞ。バレンタインのチョコレートです」
男「あ、ありがとう」
妹友「去年は渡せなかったですからね、今年は頑張ってみました」
男「大事に食べるよ」
妹友「いえいえ、気軽に食べてください、チョコレートなんですから…あと、これも」
男「…お守り?」
妹友「妹からはまだ貰ってませんか?」
男「…ああ」
妹友「一緒に作ったんですよー。私のが水色で、妹のがピンクです。合格祈願、ばっちりしておきましたから」
男「びっくりした…ありがとうね」
282:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 22:43:35.66 ID:GUJppG5z0
妹友「妹の提案ですからお礼は妹に言ってください」
男「妹にも言うさ。でも、本当にありがとう」
妹友「いえいえ…あー、でも先に渡したのはまずかったですね。ちゃんと妹から貰ったときも驚いてくださいねー」
男「はは、分かったよ」
妹友「ほんとは家にお邪魔して渡すつもりだったんですけど…ここで会えて丁度良かったです」
男「そうかもね」
妹友「…では、用事も済んだので…帰りますか」
男「…ん」
妹友「ふふ、先輩は私がチョコを渡せるようにこんなことをしたんでしょうかね」
男「……。」
妹友「まあ良いです、お兄ちゃんに会えたので」
妹友「…それではお兄ちゃん、大丈夫だとは思いますが、受験頑張ってください」
男「…うん」
妹友「また受験が終わったらお祝いをさせて下さいね」
妹友「ではでは、さようならです」
284:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 22:49:56.94 ID:GUJppG5z0
テクテク
男「……。」
妹友「……。」
男「……。」
妹友「……。」
男「……。」
妹友「……。」
男「…うん」
妹友「……。」
男「…妹友ちゃん」
妹友「……。」
男「妹友ちゃん!」
ピタッ
妹友「…呼びましたか、お兄ちゃん?」
男「…言いたいことが…あるんだ」
286:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 23:06:01.42 ID:GUJppG5z0
男「言わなきゃ、いけないことが…あるんだ」
妹友「…なんですか?」
男「ごめん、ずっと待たせて…俺、どうすればいいか分からなかったから」
妹友「……。」
男「でも、しなきゃいけないって気付かされたから…伝えるね、君に」
男「告白の返事を」
妹友「……。」
男「今更で、ごめん。ほんとに、なにを今頃って感じだけど」
妹友「……。」
男「でも…聞いてほしい」
妹友「…いや」
男「聞いてくれ、俺は…俺は――」妹友「それ以上は!」
男「…っ!」
妹友「…それ以上は…言わなくてもいいです」
男「…なんで」
287:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 23:09:02.32 ID:GUJppG5z0
妹友「……。」
男「…なんで?」
妹友「…私も」
妹友「私もずっと、伝えたい事があったんです」
男「……。」
妹友「お願いです」
妹友「私の、この前の告白は、なかった事にしてください」
288:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 23:11:33.83 ID:VXsN0FQO0
なん・・だと・・
289:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 23:12:01.80 ID:lfO2Ax3D0
なん・・だって・・・
290:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 23:12:39.13 ID:CpoDhBOZ0
なに…?
291:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 23:16:34.03 ID:5VfJVxrf0
えっ?
292:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 23:16:48.16 ID:Q5zrP2aK0
そんな…バカな…
295:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 23:26:58.43 ID:GUJppG5z0
男「……。」
妹友「…えへへ、駄目ですね、ほんとはさっき言うつもりだったんですけど」
妹友「恋人ごっこが楽しくて…ためらっちゃいました」
男「……。」
妹友「よかった、お兄ちゃんが覚えててくれて」
妹友「てっきり…告白のことなんて、忘れてるのかなって思ってましたから」
妹友「だから、このままでいいかな…なんて、思っちゃって…ほんとに駄目ですね、私」
男「…理由を、聞かせてよ」
妹友「……。」
男「……。」
妹友「…ずっと、ずっと、後悔してたんです」
男「……。」
妹友「いえ、後悔じゃないです…ずっと、自分を責めてました」
男「…どういうこと?」
妹友「だって私、一番大事なときに…妹が一番大変なときに…そんなときなのに、私、お兄ちゃんを奪おうとしちゃったから」
296:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 23:33:03.26 ID:quJ/x10p0
なんていい子なのorz
297:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 23:34:44.76 ID:23T4rxpT0
妹友イイコ過ぎ泣ける
298:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 23:45:33.65 ID:GUJppG5z0
妹「……。」プルプル
女「…妹ちゃん」
男「奪おうとって…」
妹友「だってそうですよね?もうすぐ妹が消えちゃうって…あのときの私、分かってたのに!」
妹友「でも、そのときのちょっとした感情で私、お兄ちゃんに告白なんてしちゃって」
妹友「妹にはお兄ちゃんが必要って…そんなこと、当たり前だったのに。私、それをなんにも考えないで!お兄ちゃんを少しでもこっちに振り向かせようとしちゃったんだ!」
妹友「私は、妹を、大事な友だちを裏切ろうとしたんだ!」
男「……。」
妹友「妹のことだけを考えるお兄ちゃんが寂しかったから?私のことを考えてくれなくて悔しかったから?」
妹友「自分のことだけを想ってもらえる妹が羨ましかったから?そんな妹が…妬ましかったから?」
妹友「そんなこと、なにも覚えてないけど…それでも、あのときの私は妹を裏切ったから」
妹友「私は…そんな私を、ずっと許せなかった」
妹友「たとえ一瞬でも、私は…絶対に許せないことをしたから」
男「……。」
妹友「…だから、あの告白は…なかった事に、してください」
301:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 23:59:06.79 ID:GUJppG5z0
男「……。」
妹友「そんなことで、私は自分を許せないけど…」
妹友「でも私は、妹の友達でいたいから」
妹友「…だから」
ポタ
妹友「ごめんね…妹…ごめん、なさい」
男「……。」
妹友「…お兄ちゃんも、私が告白したのに、わがままなこと言ってごめんなさい」
男「…いや」
妹友「ずっと妹の側に…いてあげてくださいね」
妹友「私の友達…大事にしてください」
男「……。」
男「…あのさ」
男「…正直言って、なんでそれで妹を裏切ったことになるのかも、なんでそんなに泣くのかも…そんでもってなんで告白を取り消すのかも…俺、全然分からないんだけど」
妹友「……。」
305:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 00:05:08.43 ID:GUJppG5z0
男「でも、妹友ちゃんがそう言うなら…俺は言われたとおりにするよ」
妹友「……。」
男「それで、いいの?」
妹友「…はい」
男「…そっか」
妹友「ありがとうございます」
男「…いや、お礼を言われても困るんだけど」
妹友「…そうですね」
男「…妹のこと、大切にしてるんだな」
妹友「友達ですから」
男「…でも」
妹友「…はい?」
男「……。」
男「…ま、いいさ」
妹友「……。」
307:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 00:14:19.39 ID:GUJppG5z0
男「…じゃあ、帰るかな…このままだと、本当に風邪引いちゃう」
妹友「そうですね、それは困ります」
男「…それじゃ」
妹友「はい、また」
男「チョコとお守り、ありがとう」
妹友「はい…あの、知ってると思いますけど、お守りって袋のところを開けちゃうとご利益がなくなっちゃうので、開けたらだめですからね」
男「ほう、それは知らなかった」
妹友「ふふ、少し賢くなりましたね」
男「そうだな」
妹友「じゃあ、さようならです」
男「うん、ばいばい…晩ご飯の時間過ぎてるな、走って帰るか」
妹友「気を付けてくださいねー」
男「おう」
タッタッタ
妹友「……。」
311:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 00:22:24.39 ID:GUJppG5z0
女「…ありゃりゃ、思ったのとだいぶ違う結果になっちゃった」
女「妹友…どこまでも妹ちゃん想いなんだから」
女「…あれ、妹ちゃん?」
妹友「……。」
妹友「……。」
妹友「…お兄ちゃん」
妹友「…お兄ちゃん、お兄ちゃん」
妹友「……。」
妹友「…うぐっ」ポロッ
妹友「…ひっく…うくっ」
妹友「…うっ…うっ…お兄ちゃん…お兄ちゃん…お兄ちゃん」
妹友「う、うっ…ひっぐ…お兄ちゃ…ん」
妹「そんなに泣くなら、なんであんなこと言ったの?」
314:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 00:37:49.99 ID:GUJppG5z0
妹友「…妹?」
妹「泣くほど、にいさんのことが好きなんでしょ?だったら、なんであんなこと言ったの?」
妹友「なんで…いるの?」
妹「質問に答えて、妹友」
妹友「……。」
妹「…答えてよ」
妹友「……。」
妹友「…妹と、友達でいたいから」
妹「……。」
妹友「私は…妹を、裏切ったから…ひくっ…だから私、けじめをつけないと…じゃないと、妹の友達でいられないから」
妹「……。」
妹友「だって、ずっと友達でいたいんだもん…妹と一緒にいたいんだ…なのに、そんなことをした私は、妹の隣にいる資格なんてないでしょ?」
妹「……。」
妹「…バカに…しないでよ」
妹「そんなこと、誰が言ったのさ」
316:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 01:01:17.69 ID:GUJppG5z0
妹「そんなことで友達じゃなくなるはずなんて、ないじゃんか」
妹友「……。」
妹「どうすればいいの?私の気持ちを全部伝えればいいの?そんなことしたら朝になっちゃうよ?ううん、きっと朝になっても全部伝わらないけど、それでもいいの?」
妹友「……。」
妹「ずっと友達だよ、いつまでだって友達。なにしたって、なに言ったって、絶対離れてなんてやらないんだから」
妹「だから、裏切ったなんて言う前に…少しは私を信じろ、ばか…」
妹友「…うくっ…妹」
妹「…うー…ほら、変なこと言わせるからぁ…私まで、泣けてきちゃったじゃんか」
妹友「…妹、ぎゅー」
ギュー
妹「…ばか」
妹友「…妹、ごめんね」
妹「…うん」
妹友「ごめん…なさい」
妹「…うん」
318:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 01:13:57.40 ID:GUJppG5z0
妹友「……。」
妹「…私、妹友に甘え過ぎてた」
妹友「…ううん、そんなことない」
妹「違うよ、妹友の優しさを、全部当たり前だと思ってた」
妹「私、それに頼って…色んなことから逃げてたんだね」
妹友「……。」
妹「…ねえ、妹友」
妹友「…なに、妹」
妹「妹友は、にいさんのこと、好き?」
妹友「…うん」
妹「そっか…えへへ、私も」
妹友「……。」
妹「だったら」
妹「私たち…ライバルだよね」
妹友「……。」
324:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 01:37:00.94 ID:GUJppG5z0
妹「もう私、逃げないから」
妹友「…でも、妹」
妹「妹友、勝負だね」
妹友「…妹、もし妹がお兄ちゃんの妹じゃなくなったら…消えちゃうんだよ?」
妹「……。」
妹友「そんなの、絶対に嫌だよ…」
妹「…だから、にいさんを諦めるの?」
妹友「それで妹が消えないなら」
妹「でも、妹友が諦めても、私はにいさんに気持ちを伝えるよ」
妹友「……。」
妹「たとえ…それで私が消えることになっても」
妹友「そんな…」
妹「もう、自分の気持から逃げないって決めたの」
妹「だから妹友も…私のことを考えないで…にいさんに、伝えて」
妹友「……。」
326:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 01:46:09.88 ID:GUJppG5z0
妹「……。」
妹友「……。」
女「はい、それくらいでいいかな」
妹「…先輩」
妹友「…先輩もいたんですか」
女「にゃはは、妹ちゃんとずっと見学してましたー」
妹友「……。」
妹「…あはは」
女「まあそれは置いといて…お互いの気持ちが分かってよかったよかったって感じ?」
妹「…はい」
妹友「……。」
女「でも」
女「妹ちゃん、自分がしようとしてること…よく考えてね」
妹「……。」
女「妹友だって男君だって…妹ちゃんが消えるなんて、許さないと思うよ」
328:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 01:56:35.19 ID:GUJppG5z0
女「…ま、そんなことくらい分かってると思うけどね」
妹「……。」
妹友「……。」
女「じゃあ、男君も妹がいなくて心配してるだろうし、帰りましょうかねー」
妹「…はいな」
妹友「…はいです」
女「あー、明日男君に怒られるんだろうなー…」
妹「……。」
妹友「妹、マフラー一緒に巻いていこう」
妹「あ、うん」
女「…私は?私は?」
妹友「……。」スッ
女「いや、そんな先っぽだけ持ち上げられても…」
330:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 02:01:43.64 ID:GUJppG5z0
女「じゃあね、気を付けて帰りんしゃいよ」
妹「はい、ありがとうございます」
妹友「先輩も、色々気を付けてください」
女「はは、かなりアバウトなご忠告ありがとう…じゃあばいばーい」
妹「さようならー」
妹友「さようならです」
妹「…じゃ、私たちも行こう」
妹友「…うん」
妹「……。」
妹友「……。」
妹「……。」
妹友「…妹」
妹「…なあに」
妹友「私、妹がいなくなったら、生きていけないからね」
妹「…うん」
331:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 02:06:41.02 ID:GUJppG5z0
妹「マフラーありがとう」
妹友「どういたしまして」
妹「じゃあ、また明日ね」
妹友「うん、ばいばい」
妹「ばいばーい」
妹友「……。」
妹「……。」
妹友「…だから、隠し事は全部分かるって…言ってるのに」
妹友「…告白…するんだね、妹」
妹「…ごめんね、先輩…妹友」
妹「…ごめんなさい、にいさん」
334:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 02:16:17.98 ID:GUJppG5z0
コンコン
妹「……。」
ガチャ
男「…なんだ、妹か」
妹「私じゃ悪い?」
男「悪くないけど…なんでノックなんてしてるんだよ、普通に入って来れば良いじゃんか」
妹「えへへ、ちょっとね」
男「…ん?」
妹「にいさん、はいこれ」
男「…チョコレート」
妹「うん、バレンタインデーだからね」
男「ありがとう、嬉しいよ」
妹「どういたしまして…あとこれもね」
男「おう、お守りな。妹友ちゃんと一緒に作ったって聞いたよ」
妹「そうそう、頑張りましたぁ」
336:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 02:28:53.91 ID:GUJppG5z0
男「はは、じゃあ俺も頑張って合格しないとな」
妹「願掛けはバッチリだから大丈夫だよ」
男「それは頼もしい」
妹「えへへ、でしょー」
男「…部屋、入らないのか?」
妹「……。」
男「…ん?」
妹「うん…入らない」
男「そっか、珍しいな」
妹「…にいさん」
男「なんだ?」
妹「…私ね、にいさんの受験が終わるまで、にいさんに甘えるの、やめます」
男「……。」
妹「にいさんの部屋に入るのも、しばらく我慢」
妹「その代わりに、一つお願いがあるんだ」
337:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 02:30:15.63 ID:GUJppG5z0
男「お願い?」
妹「うん、お願い」
男「…なに?」
妹「あのね――」
340:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 02:39:26.91 ID:GUJppG5z0
2月15日
男「……。」
女「ありゃ大将、元気がない様子ですね。こりゃあ、妹友に振られちゃいましたか?」
男「…てめえ」
女「にゃはは、おはようさん」
男「昨日はお陰さまで寒空の中待ちぼうけをくらいましたよ」
女「代わりに可愛いお供を行かせたでしょ?」
男「まあな…で、そっちは男友とどうだったんだよ」
女「…ふふふー」
男「ああ、もういいよ。その顔で分かったから」
女「…妹ちゃん、昨日なにか変わったところなかった?」
男「…ん、なんで?」
女「…いや、なかったならいいよー」
男「……。」
342:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 02:44:49.25 ID:GUJppG5z0
2月18日
妹「おはよー、妹友」
妹友「おはよー」
妹「今日も寒いね」
妹友「そうだねー、マフラー巻く?」
妹「うん!」
妹友「んしょ…暖かい?」
妹「えへへ、暖かい」
妹友「ふふ、良かったー…お兄ちゃん、勉強頑張ってる?」
妹「うん、たぶん」
妹友「たぶん?」
妹「邪魔をしないようにしてるんだー」
妹友「なるほど」
妹「頑張ってるよ、私たちのお守りもついてるし」
妹友「そうだねー、頑張れ、お兄ちゃん」
343:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 02:52:09.03 ID:GUJppG5z0
2月22日
母「で、入試は何日からなの?」
男「…今更そんなこと聞きますか」
母「正直男の入試なんて興味ないですもの」
男「妹の受験のときはハラハラしてたくせしやがって…」
母「そんなことより質問に答えなさいよ」
男「…26日と27日だよ」
母「ふーん…もし落ちたら家出て働きなさいよ?」
男「なんの脈略もなくさらっとなに言ってんだ」
母「あ、そういえば、今日は世界友情の日らしいわよ」
男「…で?」
母「入試に出――」男「出ねえよ」
男「……。」
母「…晩飯、抜き」
男「なにゆえ!」
345:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 02:58:40.96 ID:GUJppG5z0
2月25日
女「うひゃー、前日ですよーもう…死にたい」
妹「あれ、先輩だー」
女「お、妹ちゃんじゃないですかー、買い物?」
妹「はい、お使いを頼まれたんですよ」
女「ほほう、感心感心」
妹「…先輩は、なにをしてるんですか?」
女「ん、散歩?」
妹「……。」
女「き、気分転換ですよー」
妹「なにも言ってないですよ、私…」
女「ちょうど良かった、妹ちゃんに聞きたいことがあったのですよ」
妹「はい?」
女「買い物しながら話しましょ」
妹「…良いんですか、前日にそんなことしてて」
346:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 03:00:18.79 ID:GUJppG5z0
……………………
…………
……
347:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 03:03:13.25 ID:GUJppG5z0
ピピピピピピピピ
男「……。」カチッ
男「…当日」
男「風邪は…引いてない」
男「怪我も…してない」
男「緊張は…少ししてる」
男「……。」
男「…うん、概ね問題なし」
男「起きるか」
350:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 03:09:54.29 ID:GUJppG5z0
母「おはよう」
男「おはよう」
母「言い残すことはない?」
男「…なんかそれ違うよね?」
母「よしよし、緊張はあまりしてないみたいだね」
男「ま、やるだけやるさ」
母「よし、朝ご飯は受験にカツ!ということで」
男「消化に悪いものはやめてくれよ」
母「…いつも通りにしますか」
男「そのかたわらに見えるトンカツは晩に食べるよ」
母「そう、残念」
男「…妹は寝てる?」
母「起きてるよ」
男「…そっか」
351:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 03:16:03.26 ID:GUJppG5z0
男「…じゃあ、行ってくるよ」
母「頑張っておいで」
男「おうよ」
ガチャ
妹友「……。」
男「…妹友ちゃん」
妹友「…応援したかったので、来ちゃいました」
男「…ありがと」
妹友「信じてますからね、お兄ちゃん」
男「はは、それはプレッシャーだな」
妹友「え!…あ、じゃあ、えっと…」
男「大丈夫大丈夫、やる気出たよ」
妹友「あ、そうですか…良かったぁ」
353:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 03:20:42.84 ID:GUJppG5z0
男「じゃあ、行ってくるよ」
妹友「はい…ほら、妹、お兄ちゃん行っちゃうよー」
男「…ん?」
妹「……。」ヒョコッ
男「…行ってくるからな、妹」
妹「……。」
妹「…祈っとくから」
男「おう」
妹「えへへ、頑張れ、にいさん」
男「ん、ありがと」
妹「…待ってるから」
男「…うん」
男「じゃあ、いってきます」
妹友「いってらっしゃいです」
妹「いってらっしゃーい」
354:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 03:25:49.72 ID:GUJppG5z0
男「…なんで机ちょっと斜めになってるんだよ、やりづらいな」
男「…いやいや、これも巡りあわせ、受け入れよう」
男「……。」
男「最後は神頼みだな」
男「お守りは…あったあった」
男「ぜひ簡単な問題をば…っと」
男「…よし」
男「……。」
男「はは、やっぱり妹友ちゃんが作ったお守りのほうが綺麗に出来てるんだな」
男「……。」
男「……。」
男「よし、頑張ろう」
妹『…待ってるから』
男「…あいつが、待ってる」
355:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 03:30:02.40 ID:GUJppG5z0
……………………
…………
……
男「……。」
男「……。」
男「……。」
男「…よし、二日間が終わった」
男「……。」
男「……。」
男「……。」
男「…結果は、気にしてもしょうがない」
男「…実力は、出せたはず」
男「……。」
男「……。」
男「さて、行くか」
356:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 03:36:00.63 ID:GUJppG5z0
――――――――――――――――――――――――――――――――
妹『にいさん』
妹『私ね、にいさんの受験が終わるまで、にいさんに甘えるの、やめます』
妹『にいさんの部屋に入るのも、しばらく我慢』
妹『その代わりに、一つお願いがあるんだ』
妹『あのね――』
妹『試験が終わったら、公園に来て』
妹『私、そこでにいさんを…待ってるから』
――――――――――――――――――――――――――――――――
男「……。」
男「……。」
男「……。」
男「…来たよ、妹」
妹「……。」
410:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/20(木) 02:00:09.84 ID:GUJppG5z0
妹「…お疲れ様、にいさん」
男「おう…こんなところで待ってて、寒かっただろ」
妹「寒くないよ、にいさんのこと考えてたら、あっという間だった」
男「…そっか」
妹「受験が上手くいきますようにってずっと祈ってたから…くちゅんッ!」
男「おい、くしゃみしてるじゃねえか…」
妹「えへへ、ちょっと早く来すぎちゃったかな」
男「たく…ほら、上着貸してやるよ」
妹「ううん、大丈夫。それより見てて、にいさん」
男「ん?」
妹「私ね、ブランコ漕げるようになったよ」
男「…へ?」
妹「ね、凄いでしょ」
男「…すごいすごい」
妹「むー、絶対そう思ってないでしょ」
414:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/20(木) 02:10:39.33 ID:GUJppG5z0
男「思ってるって。ほら、すごいすごい」
妹「…バカにされてる気がするんだけど」
男「そんなことはない」
妹「ほんとかなぁ…」
男「でも、一人で練習してる姿を想像したらちょっとおかしかったかな」
妹「……。」
男「はは、冗談だよ」
妹「…ふん、見ててよー。こういうことだって出来るんだから」
男「…なにする気だ?」
妹「じゃーんぷ!」
男「…って、おい!馬鹿!」
ドンッ
妹「えへへ、ナイスキャッチ、にいさん」
男「…下敷きになってるだけだろ、これ」
415:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/20(木) 02:20:05.32 ID:GUJppG5z0
妹「…いてて」
男「おい、危ないことするなよな」
妹「にいさんなら、受け止めてくれると思って」
男「…無茶だろ、これは」
妹「でも、受け止めてくれたね」
男「……」
妹「ふふ、さすがにいさん」
男「分かったから、そろそろどいてくれよ…起き上がれないだろ」
妹「……。」
ギュッ
男「…聞いてた?妹」
妹「……。」
男「…妹?」
妹「…もう少し、このままがいい」
男「……。」
416:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/20(木) 02:38:48.97 ID:GUJppG5z0
妹「えへへ…にいさんに触れるの、ひさしぶり」
男「……。」
妹「私、頑張って我慢したんだぁ」
妹「勉強の邪魔しないようにって…私、頑張った」
男「…ありがと」
妹「ううん、ありがとうなんて言わなくていいよ…我慢したの、そのためだけじゃないから」
男「…どういうこと?」
妹「…私の気持ちを溜めるためだよ」
男「……。」
妹「にいさんへの想いを溢れるくらいにしようってね…私、にいさんのこと、ずっと見ないようにしてた」
妹「…でも、もう我慢…出来ないや」
男「…妹?」
妹「にいさん、こっち…見て?」
男「……。」
チュッ
420:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/20(木) 02:52:10.85 ID:GUJppG5z0
妹「…えへへ、またにいさんと、しちゃった」
男「……。」
妹「前も、したこと…覚えてる?」
男「…ああ」
妹「そっかぁ…よかった」
妹「あの日から、ずっとまた…したかったから」
男「……。」
妹「ふふ、あのときみたいに、ドキドキしてくれてる?」
妹「私は…してるよ」
妹「今だけじゃなくて、にいさんといるときはいつだって、ずっとドキドキしてる」
妹「おかしいね、兄妹なのにね」
男「……。」
妹「ふふ、今日はあのときの続きがちゃんと、言えるみたい…」
妹「…ねえ、にいさん、聞いて」
妹「私、にいさんのことが好き」
423:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/20(木) 03:08:55.04 ID:GUJppG5z0
女「…遅い!」
女「試験が終わったら待ち合わせって言ったのに、なにしてるんだあいつー」
女「…もう1時間も経ってるし…まさか、あまりにも解けなくてトイレで泣いてるとか…無いよね」
女「折角、妹ちゃんお手製お守りを特別に貸してあげたのに」
女「……。」
女「…男君も、とっくに試験終わってるよね」
女「…今頃、妹ちゃんと会ってるのかな」
女「……。」
女「そしたら、きっと…」
女「……。」
女「……。」
妹『私が消えちゃう、話…女さんがどこまで知ってるか分からないですけど』
女『全部、聞かせて』
妹『…うん』
452:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/20(木) 23:47:07.39 ID:GUJppG5z0
妹『私が、サンタの魔法で生まれたのは知ってますよね?』
女『うん』
妹『妹が欲しい…私はにいさんのその願いを叶えるために、生まれたんです』
妹『そのためだけに、私はいます』
女『……。』
妹『だから、にいさんの妹じゃなくなったら…私は、消えちゃうんです』
妹『魔法が、解けちゃうから』
女『…妹じゃなくなるって、具体的にはどういうこと?』
妹『にいさんが、私のことを、妹だと思わなくなったら』
女『……。』
妹『にいさんが私を一人の女の子として見たら…ふふ、私に恋しちゃったら、私、消えちゃうんです』
女『そんな…』
妹『えへへ、面白いですよね。私の中でにいさんはとっくに、にいさんじゃなくなってるのに』
妹『叶わない恋?ふふ、漫画みたいですよね…夢みたい』
女『……。』
459:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 00:36:59.12 ID:GUJppG5z0
女『…それだったら』
妹『にいさんに告白するのはやめて、ですか?』
女『……。』
妹『告白しても、叶わないから?』
女『だって…そうでしょう』
女『告白して、良いことなんてなにも無いじゃない…』
妹『逃げるなって言ったのは先輩ですよ?』
女『……。』
妹『ごめんなさい…言い方が悪かったです』
女『…ううん、私が言ったことは本当だから』
妹『違うんです、そうじゃなくて…先輩に教えてもらったから、私、気付けたんです』
妹『この気持ちからいつまでも逃げるなんて、無理だよって』
女『……。』
妹『にいさんへの気持ち、これからずっと抑えていくなんて出来るわけない…だって、こんなにも好きなのに』
妹『だから、向き合わないと…にいさんに伝えないと駄目なんだって、決めたんです』
473:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 02:28:46.99 ID:GUJppG5z0
妹『だから、逃げません』
女『…でも』
妹『それに、妹友からも、逃げたくなかったから』
妹『妹友に、これ以上気を遣わせないように。私に遠慮なんかしないように』
女『…だから、ライバルだなんて言ったんだね』
妹『そうですよ…そうしたら妹友と、ちゃんとにいさんの取り合いが出来るから』
妹『…ふふ、妹友と勝負なんて、初めてかも』
女『それでも、勝負なんていう話じゃないでしょ?だって妹ちゃんの勝ちなんて、ないじゃない』
妹『ありますよ』
女『…え?』
妹『にいさんが私を好きになったら、私の勝ちじゃないですか』
女『…だから、そうなっちゃうと』
妹『えへへ、そうですね…そうしたら私、消えちゃいますけど…でも』
妹『私が消えたら…私の勝ちです』
女『……。』
474:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 02:29:28.19 ID:GUJppG5z0
女「……。」
女「…妹ちゃん」
男「……。」
妹「聞いてた?にいさん」
男「……。」
妹「聞いてなくても、何回でも言うね」
妹「好き、にいさん。好きだよ」
妹「好き、好き…にいさんのことが大好き」
男「…妹」
妹「好き、好きぃ」
ギュー
妹「聞いて、にいさん。好きだよ、大好きなの」
妹「いくら言っても言い足りないくらい、好きなんだよぉ…」
男「……。」
476:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 02:56:02.45 ID:GUJppG5z0
妹「ごめんね、妹なのに…にいさんの妹なのに、ごめんなさい」
妹「でもね、しょうがないんだ…にいさんの近くにいると、ドキドキが止まらなくて」
妹「でも…にいさんがいないと、なにも考えられなくて」
妹「にいさんのことしか…考えられなくて」
妹「朝起きる時も、夜寝る時も…夢の中だって、私の中は全部、全部にいさんしかいないんだ」
妹「ずっとずっと、にいさんだけ…離れてくれないんだ」
男「……。」
妹「いつからかなんて忘れたけど…それでも、ずっと」
妹「私、ずっとそんなことになっちゃってたのに」
妹「にいさん、なんでも許すから…」
妹「甘えても、抱きついても…一緒に寝たって許しちゃうから…そんなの、余計止まらなくなるに決まってるのに」
妹「だからもう、我慢なんて出来ないよぉ…ごめんね、にいさん」
妹「ずっと前から…好きになっちゃってたんだぁ」
男「……。」
478:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 03:21:21.39 ID:GUJppG5z0
妹「好き、好きぃ」
男「……。」
妹「離れたくないよぉ」
男「……。」
妹「にいさん、好き」
男「……。」
妹「…好き」
男「……。」
妹「……。」
男「……。」
妹「…好き」
男「……。」
妹「……。」
男「…妹」
男「…泣いてる?」
480:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 03:36:52.21 ID:GUJppG5z0
妹「……。」
妹「…泣いてないよ」
男「そっか」
妹「…にいさん」
男「うん」
妹「……。」
男「なんだ?」
妹「…なんでもない」
ギュッ
男「……。」
妹「…伝わったかな、私の気持ち」
妹「それとも、気付いてたかな…キスとか、しちゃってるもんね」
男「…まあな」
妹「えへへ、やっぱりバレてたかぁ」
男「…聞いたのは、女からだけど」
481:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 03:45:57.62 ID:GUJppG5z0
妹「先輩から聞いたんだ…だよね、にいさん、鈍感だもんね」
男「うるせーよ」
妹「……。」
男「……。」
妹「んしょっと」
男「……。」
妹「ごめん、ずっと私が乗ってて重かったよね」
男「…重くないよ、妹は」
妹「優しいね、にいさん」
男「本当のことだよ」
妹「…ね、ひとつだけ聞かせて」
妹「にいさんにとって私って…なに?」
男「……。」
妹「……。」
男「…大切な、妹だよ」
483:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 03:53:10.94 ID:GUJppG5z0
妹「……。」
男「……。」
妹「……。」
男「……。」
妹「…えへへ、ありがと」
男「大切な、大切な、妹」
妹「うん分かってる。私を大事にしてくれるって約束したもんね」
男「そんな約束なんて関係ないよ」
妹「ふふ、にいさんならきっと、そうだろうね」
男「……。」
妹「…んー、じゃあ、私の用事は終わり」
男「…ああ」
妹「でもねにいさん、もう一人、にいさんを待ってる人がいるんだ」
妹「あのね、にいさん」
妹「今から妹友のところに、行ってあげて」
489:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 04:20:45.09 ID:GUJppG5z0
妹「妹友ね、にいさんの言葉を待ってるから」
男「…でも、前の告白は無かったことにって」
妹「それはもう、いいの」
妹「前告白した別れ道のところで、にいさんを待ってるって」
男「…なんで」
妹「決まってるでしょ、もう一度にいさんに気持ちを伝えるためだよ」
男「妹友ちゃんの…気持ち」
妹「…にいさん、妹友にもらったお守りの袋、開けてみて」
男「お守り…開けたらご利益が減るって妹友が言ってたぞ」
妹「もう入試が終わったからいいでしょ」
男「そうなのか…ごめん、妹友、開けるよ」
男「……。」ピラッ
『私が世界で一番好きな、お兄ちゃんへ』
男「……。」
妹「…ね、妹友、素直じゃないから…行ってあげて、今すぐ」
510:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 17:04:56.99 ID:GUJppG5z0
男「……。」
妹「早く…」
男「妹は――」
妹「私のことは良いから、早く行ってよ」
男「…でも」
妹「早く!」
男「……。」
妹「ありがと、にいさん」
妹「私、にいさんの妹で良かった」
男「…うん」
妹「いってらっしゃい、にいさん」
男「…行ってくる」
タッタッタ
妹「……。」
妹「……。」
515:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 18:26:43.14 ID:GUJppG5z0
女「…ほら、早く走りなさいってば!」
男友「ま、待てって…なんで受験終わりにランニングなんてしなきゃいけないんだよ」
女「良いから、喋る前に足動かす!ほらあと少しだから」
男友「あと少しって、どこ向かってんだ…」
女「…いた!」
男友「公園?…あれ、妹ちゃん」
妹「……。」
女「妹ちゃん」
妹「…先輩?」
女「良かった…」
ギュッ
女「良かったよ、妹ちゃん」
妹「……。」
妹「えへへ、私、消えませんでした…」
男友「……。」
517:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 19:43:03.26 ID:GUJppG5z0
女「うん…うん」
妹「まだ、みんなといられるみたいです」
女「うん…良かった」
妹「嬉しいかな、悲しいかな」
妹「えへへ…やっぱりちょっとだけ、悲しいかな」
女「…私は、嬉しいよ」
妹「にいさんに、全部伝えたんだけどなぁ」
女「……。」
妹「…でも私、自分が消えないって、分かってたんです」
女「え?」
妹「だって、にいさんは私を一番大事にしてくれてるから…きっと、誰よりも大切にしてくれてるって…」
妹「…妹として、ですけど」
女「…妹ちゃん」
妹「今日の告白はね、私の気持ちの確認と…にいさんの気持ちを確認したかったんです」
妹「やっぱりにいさん、私を大事にしてくれてました」
521:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 20:52:15.95 ID:GUJppG5z0
妹「……。」
女「……。」
妹「告白して、良かったなぁ…うっく…」
妹「…えへへ、安心したら泣けてきちゃいました」
女「やせ我慢、しなくても良いよ」
妹「……。」
女「悔しいなら、泣けばいいじゃんか」
妹「…う…うー」
妹「こんなにも、好きなのになぁ…」
女「うん」
妹「ひっく…うっ…好き…なのにぃ…」
女「頑張ったよ、妹ちゃんは」
妹「…好き…好き」
女「うん…うん」
524:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 21:08:19.74 ID:GUJppG5z0
男友「…いろいろあったみたいだな」
女「あはは、まだ終わってないよ」
男友「え?」
女「妹ちゃん、男君は今」
妹「…妹友のところに、行ってます」
女「そっかー…じゃあ、あとはどうなるか見守るだけだね」
妹「…はい」
女「頑張れ、妹友」
妹「……。」
女「ちゃんと自分の気持を伝えれてたら、良いね」
妹「…うん」
妹「…妹友、頑張って」
529:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 22:31:46.05 ID:GUJppG5z0
妹友「……。」
妹友「……。」
妹友「…いつから、好きになってたのかな」
妹友「はじめは、妹が羨ましかっただけだったのに」
妹友「優しくてかっこいいお兄ちゃんがいて良いなーって、思ってただけだったのに」
妹友「私にも、こんなお兄ちゃんがいたらいいなーって、思ってただけなのに」
妹友「……。」
妹友「…いつの間にか、私、好きになっちゃってた」
妹友「なんでかな、ただ憧れてただけだったんだけど…なぁ」
妹友「……。」
妹友「…ね、お兄ちゃん」
男「…はあ…はあ…妹友ちゃん」
妹友「…ここに来たってことは、妹は消えてないんですよね」
男「…うん」
妹友「…良かったぁ」
545:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 00:15:12.61 ID:GUJppG5z0
妹友「妹はきっと、消えないって分かってたんでしょうけど」
妹友「だってお兄ちゃんは、妹のお兄ちゃんですもんね」
男「……。」
妹友「…私はそれが、とても羨ましかったんです」
妹友「妹として大事にされて、いつだってお兄ちゃんの側にいられる…それがとても、羨ましかった」
妹友「お兄ちゃんに愛されてる妹が…とても」
男「…はは、それが兄の役目だからな」
妹友「妹は、それだけじゃ嫌だったみたいですけど」
男「……。」
妹友「ふふ、だから告白したんですもんね」
男「…うん」
妹友「…じゃあ」
妹友「妹が頑張ったなら…私も、頑張って言わないと」
男「……。」
妹友「聞いてくれますか、お兄ちゃん?」
551:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 01:37:43.46 ID:GUJppG5z0
妹友「前の告白は、無しになったので」
男「うん…聞く」
妹友「…と言っても、言うことは一緒ですけどね」
男「……。」
妹友「ふー…」
妹友「お兄ちゃんのことが好きです、私でよろしければ、付き合ってください」
男「……。」
妹友「ずっと隣にいたいです、お兄ちゃんと一緒に笑っていたいです」
妹友「お兄ちゃんに私を支えて欲しいです、お兄ちゃんを私が支えてあげたいです」
妹友「なんでもします、お兄ちゃんのためだったら」
妹友「だから、お願いします、私と付き合ってください」
男「……。」
妹友「…言っちゃったぁ、恥ずかしい」
553:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 01:50:03.14 ID:GUJppG5z0
男「…えっと」
妹友「今度は…返事がちゃんとほしいです」
妹友「妹もきっと、そのためにこんなことを言ったから」
男「……。」
妹友「…今じゃなくても、いいですけど」
男「…いや、今言うよ」
妹友「……。」
男「……。」
妹友「お願いします」
男「…うん」
男「……。」
妹友「……。」
男「…ずっと、いろいろ考えてたんだ」
男「妹のこと、妹友ちゃんのこと…女に言われたこと、自分のこれまでのこと」
男「…いろんなことを、考えてた」
555:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 02:24:15.83 ID:GUJppG5z0
妹『一緒に寝ようかなって…だめ?』
妹『にいさんは、私のにいさんだよって』
男「妹は、俺の大事な妹で…ずっと、俺が守っていく大切な家族」
妹友『でも、周りの人達が聞いたらそれこそ…』
妹友『気にし過ぎちゃ駄目ですからね』
男「妹友ちゃんは妹の友達で…誰よりも妹と俺を考えてくれてる…俺の中では、妹と同じくらい大切な人」
女『もしかしてさ、男君…妹友の告白に、返事してない?』
女『妹ちゃんね、男君のこと、好きだよ』
男「妹のことも、妹ちゃんのことも…俺、全然分かってなくて」
男『俺…どうすればいい?』
男『…妹友ちゃんも、ずっとこんな気持、なのかな』
男「でも、今回ずっと考えて…少しだけ、分かった気がする」
561:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 02:47:35.26 ID:GUJppG5z0
女『好きになっちゃったら、しょうがないよね』
妹『私、にいさんのことが好き』
妹友『お兄ちゃんのことが好きです』
男「……。」
妹友「…お兄ちゃん?」
男「…妹友ちゃんは」
妹友『これからよろしくね、お兄ちゃん』
妹友『お兄ちゃん、考え事ですかー?』
妹友『相談、乗りますよ?』
妹友『ふふ、なにか期待させちゃいました?』
妹友『…ふふ、でもこれ以上お兄ちゃんを困らせてもしょうがないですし』
妹友『私は、妹の友達でいたいから』
男「……。」
男「妹友ちゃんは…明るくて、優しくて、魅力的で、友達想いで、そしてなによりも…妹の大切な人で」
男「…俺に必要な人だ」
562:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 02:49:36.68 ID:GUJppG5z0
妹友「…お兄ちゃん」
男「……。」
妹友「…え、それって」
男「……。」
男「…妹友ちゃん」
妹友「…はい」
男「……。」
男「俺は…」
男「……。」
男「俺は――」
563:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 02:50:53.36 ID:GUJppG5z0
…………………………………………
………………………………
……………………
…………
……
565:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 02:57:04.80 ID:GUJppG5z0
母「――で、それで?どうなったの?」
妹「ふふーん、それはね…」
男「…おい」
妹「あ、にいさん、おはよー」
母「おはよう、男」
男「ふたりしてなにを話していたのでしょうか」
妹「にいさんの奪い合いについて、その行方を語ってました」
母「はい、語られてました」
男「……。」
母「この、色男め」
妹「めー」
男「…どう返事をしていいか分からねえ」
ピンポーン
妹「あ、妹友だー」
男「……。」
567:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 03:04:36.08 ID:GUJppG5z0
妹「わわ、どうしよう、まだ用意できてないよ」
男「…俺が待っとくように伝えてくるよ」
妹「いいよ、私が行くー。にいさんまだ起きたばっかでしょ、朝ご飯食べといてよ」
男「おうよ」
母「…のんびりしてるけど、遅刻大丈夫?」
男「今日はいつもより遅くていいんだよ」
母「卒業式の日に遅刻なんてやめなさいよね」
男「だから大丈夫だってば…」
妹「まだ大学に合格してるか分からないのに卒業なんて、すっきりしないね」
男「…まあな」
ピンポーン
男「ほら、早く行って来いよ」
妹「あ、そうだった、妹友ー」
568:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 03:12:52.48 ID:GUJppG5z0
男「じゃあ、いってきます」
母「あとで卒業式見に行くから」
男「うん」
母「卒業式のあとはお墓参りだからね」
男「分かってるよ」
妹友「おはようございます、お母さん」
母「おはよう、妹友ちゃん。家まで迎えに来てくれてありがとうね」
妹友「いえいえ、早起きなものでー」
妹「…寝ぐせが直らないよー」
妹友「あ、妹も来たー」
男「んなこと気にしてないで、行くぞ」
妹「うー…いってきます」
妹友「いってきまーす」
母「ふふ、いってらっしゃい」
569:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 03:20:37.33 ID:GUJppG5z0
母「…あ、そういえば肝心なこと忘れてたわ」
妹「…はいな?」
男「なんだ?」
母「結局、男の奪い合いの結果はどうなったの?」
男「……。」
妹「……。」
妹友「……。」
母「…ん?」
妹「えへへ、それはね」
妹「ふたりとも、振られちゃったー」
妹友「面目ないです」
男「……。」
570:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 03:28:28.39 ID:GUJppG5z0
妹友「おにーちゃんッ♪」
妹「にいさんー♪」
男「だあ、離れろってば」
妹友「いえ、離れません」
妹「離れないよーだ」
男「…たく」
妹友「結局あれですよねー、お兄ちゃん」
男「…ん?」
妹友「こういうハーレムルートに持ち込むために私たちを振ったんですよねー」
妹「え、なにそれー」
男「んなわけないだろ…」
妹友「漫画とか小説だったら袋叩きにあってますよ、この状況」
妹「両手に花ーってね」
男「……。」
妹友「…まあ、私は嫌いじゃないですけどね」
571:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 03:42:01.39 ID:GUJppG5z0
妹「私も3人でいられるから、これでいいー」
男「……。」
妹友「俺に必要な人だって言われたときは…ドキっとしたんだけどなー」
妹「そこまで言っといて振るなんて、女ったらしだよね、にいさん」
男「…先行くぞ」
妹友「あ、逃げる気ですね」
妹「逃がしませぬ」
男「……。」
妹友「振った責任は、ちゃんと取ってもらわないと、お兄ちゃん」
妹「これからずっと、私たち二人の相手しないとね、にいさん」
男「……。」
ダッ
妹「あ、逃げたー」
妹友「追いかけるよ、妹」
妹「はいなー!」
572:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 03:51:52.00 ID:GUJppG5z0
妹友「…あはは」
妹「どうしたの、妹友?」
妹友「ううん、なんでもない」
妹友「きっとお兄ちゃん…妹も私も悲しませないように、誰も選ばなかったんだろうなって」
妹「そうかもねー」
妹友「でも…誰も選ばないってことは、誰にもチャンスがあるってことだからね」
妹友「私、お兄ちゃんに好きって言われるまで、諦めない」
妹「…ふふーん、無理だよ妹友は」
妹友「な…なんで?」
妹「だってにいさん、胸が大きい人には興味ないからねー」
妹友「……。」
妹「なんせ生粋のロリコ――」
男「おい」
妹「わわ、いつの間に戻ってきたの!」
妹友「…ふふ」
574:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 04:02:58.90 ID:GUJppG5z0
妹友「いいよね…かっこいいお兄ちゃんがいて」
妹「…かっこいいかな?」
妹友「そうだ、恋人が駄目ならやっぱり私もお兄ちゃんの妹になる!」
妹「な…だから駄目だってばぁ!」
妹友「なんでー?」
妹「…なんでって…それは、そのー…にいさんは、私だけのにいさんだから…ね?」
妹友「いいよね、お兄ちゃん?」
妹「ちゃ、ちゃんと私の話聞いてよー!」
妹友「あはは、ごめんごめん」
男「…はあ」
妹友「お兄ちゃん、また悩み事?」
妹「悩み事好きだね―」
男「…あのなー」
女「悩み事ならあっしが相談に乗りますぜ、旦那」
男「…どこから出てきたんだよ、お前」
576:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 04:12:05.27 ID:GUJppG5z0
女「お前って酷いー」
妹「おはようございます、先輩」
妹友「おはようございまーす」
女「おはよー、可愛い後輩たち。妹友、私の妹になる気はないかい?」
妹友「お断りしますー」
女「へ、返事早いね…」
妹「しかも振られましたね、先輩」
女「…うー…もう、こうなったら走るぞ!妹ちゃん」
妹「は、はいです」
男「…朝から元気だな、ほんとに」
妹友「…お兄ちゃん」
男「ん?」
妹友「私、まだ本当に諦めてませんからね」
男「……。」
妹友「いつか、私に振り向かせてみせますから」
577:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 04:29:22.30 ID:GUJppG5z0
妹友「そのときまで、どうぞお楽しみに」
男「…はは、困ったな」
妹友「困ってください、こうなったのはお兄ちゃんのせいですからね…私を、好きになんてさせるからですよ」
男「……。」
妹友「ふふ、じゃあ、あの二人を追いかけましょうか」
男「…俺らはゆっくり行こうよ」
妹友「え?」
男「朝っぱらから走りたくない…」
妹友「…しょうがないですねー」
男「ありがたい」
妹友「しばらく、お兄ちゃんの隣が独占できますし、良いですよ」
男「…はは」
妹友「……。」
男「ん?どうかした?」
妹友「そういえば、一つしてないことがありまして」
578:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 04:38:02.66 ID:GUJppG5z0
男「なにが?」
妹友「ちょっと、こっちを向いてもらってもいいですか?」
男「…ん?」
チュッ
男「……。」
妹友「えへへ、私のファーストキスです」
男「い、妹友ちゃん…」
妹友「…あれ、結構…恥ずかしい」
男「……。」
妹友「……。」
ダッ
男「…あ」
妹友「や、やっぱり走りましょう、お兄ちゃん」
男「…はあ…結局走るのか」
579:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 04:48:09.26 ID:GUJppG5z0
女「なにしてんだー、遅いぞー」
妹「遅いぞー、にいさん」
男「…はいはい」
妹友「あはは、大変ですね、お兄ちゃんは」
男「…ああ、そうだな」
妹友「お兄ちゃん」
男「なんだ?」
妹友「これからも、よろしくお願いします」
男「…うん、よろしく」
女「こらー、スピード落とすなー」
妹「にいさんも妹友もファイトー」
妹友「……。」
妹友「…ふふ、振られちゃったのは残念だけど」
妹友「今はこれで、よしとしましょうか」
妹友とお兄ちゃん 終わり
580:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 04:48:59.69 ID:8EyIuASR0
お疲れ様‼
続きが読めてよかった、ありがとう。
581:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 04:58:30.59 ID:oY1lXcNc0
感動をありがとう。
582:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 05:06:57.03 ID:orT0MoGg0
一乙
そしてありがとう
591:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 06:35:22.86 ID:+9qX9Ji+0
乙
とても良かった
599:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 08:38:21.36 ID:q/NK53b/0
乙
ありがとう!
603:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 10:25:46.17 ID:qaWm5OHf0
乙
すばらしかった
604:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 11:38:10.25 ID:Bb37U+Ib0
乙
感動した
すごくよかった
ありがとう
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妹「私?サンタからのプレゼントだけど」
21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 03:21:07.03 ID:GUJppG5z0
妹「なな、な…急になに言ってるのさ!」
妹友「ううん、ちょっと思っただけ…羨ましいなーって」
妹「もう、妹友はいつもそうやってからかうんだから」
妹友「……。」
妹「…妹友?」
妹友「……。」
妹「…え、なに?どうしたの?」
妹友「…ふふ、不安になってる妹も可愛いなー」
妹「…へ?」
妹友「まったくもう、そんなにお兄ちゃんのことが好きなのー?」
妹「や、やっぱりからかってたなー!」
妹友「照れてる妹も可愛い…って、きゃー!」
妹「待てー!」
妹友「あはは、こわいー!」
元スレ
妹友「いいよね・・・・・・かっこいいお兄ちゃんがいて」
http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1295015470/
妹友「いいよね・・・・・・かっこいいお兄ちゃんがいて」
http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1295015470/
22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 03:28:18.99 ID:GUJppG5z0
妹「…もう、妹友嫌いー」
妹友「あはは、ごめんね?」
妹「ふん、今度のパフェは妹友の奢りだからね」
妹友「しょうがないなー」
妹「えへへ、楽しみ」
妹友「私もー…あ、別れ道まで来ちゃったね」
妹「じゃあまた明日ね」
妹友「うん」
妹「もうにいさんの事でからかっちゃダメだからね?」
妹友「今度家に遊びにいくねー」
妹「聞いてよ、もう!」
妹友「ふふ、じゃあねー」
妹「…むー」
23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 03:40:44.99 ID:GUJppG5z0
妹「まったく、妹友はいつもいつもー…」
妹友「ばいばーい!」フリフリ
妹友「……。」
妹友「……。」
妹友「……。」
妹友「…あーあ、今日も言えなかったなー」
妹友「友達に隠し事はナシだよって、分かってるのに…」
妹友「…でも、言わなくてもなにも変わらないんだけどね。お兄ちゃん、返事くれないし」
妹友「……。」
妹友「……。」
妹友「…ごめんね、妹」
妹友「私、お兄ちゃんに、告白しちゃったんだぁ…」
妹友とお兄ちゃん
24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 03:54:03.74 ID:GUJppG5z0
妹「ふんふーん」
男「……。」
妹「わ、わわわ、ここで新しいキャラ出すんだ」
男「……。」
妹「…うわ、ここで終わりかぁ。続きが気になるー!」バタバタ
妹「じゃあ、次の巻――」
男「…妹、質問してもいい?」
妹「はいな?」
男「なんでいつも俺の部屋で漫画を読むんだ?」
妹「だってにいさんの部屋には漫画がいっぱいあるんだもん」
男「…それ、お前が自分で買った漫画だろ?」
妹「……。」
男「……。」
妹「…こ、細かいこと気にすると嫌われるんだぞ!」
男「え、なんで俺が怒られてるの?」
25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 04:01:41.50 ID:GUJppG5z0
男「俺、そろそろ寝たいんだけど」
妹「あ、ごめんなさい」
男「いや、別にいいけどさ」
妹「…んしょ」
男「……。」
妹「はいどうぞ、にいさん」
男「…妹」
妹「はいな」
男「なんで布団の中に入ってるの?」
妹「一緒に寝ようかなって」
男「……。」
妹「…だめ?」
男「…しょうがない」
妹「えへへ、やったぁ」
26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 04:10:47.37 ID:GUJppG5z0
男「……。」
妹「んー」スリスリ
男「…なにしてんの?」
妹「マーキング」
男「マーキング?」
妹「にいさんは、私のにいさんだよって」
男「いや、当たり前だろ…」
妹「…うん」
男「なんかあったのか?」
妹「な、なにもないですよ?」
男「…ならいいんだけど」
妹「…私だけのにいさんなんだから」ボソッ
男「ん、なんか言ったか?」
妹「い、いいえ!」
男「……?」
27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 04:16:07.27 ID:GUJppG5z0
男「ほら、寝るぞ」
妹「うん」
男「おやすみ、妹」
妹「あ、にいさん」
男「…ん?」
妹「…頭、撫でて?」
男「……。」
妹「……。」
男「…ほら」
妹「ん…えへへー」
男「おやすみ」
妹「うん、おやすみ、にいさん」
男「……。」
29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 04:30:41.72 ID:GUJppG5z0
男「おはよう」
母「おはよう、早いわね」
男「あまり眠れなかった」
母「妹がいたからかしら?」
男「あらら、お見通しで」
母「…最近、男にべったりだからね」
男「……。」
母「まあ、しょうがない気もするけど」
男「しょうがない…のかな」
母「少なくとも、私はなにも言わないわ」
男「…ん」
母「男に全部任せるから」
男「はいよ」
32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 04:39:40.06 ID:GUJppG5z0
母「で、どうするのかしら?」
男「口出ししないんじゃなかったのかよ」
母「母親として、動向は見守らないと」
男「調子いいこと言ってるな…」
母「で?」
男「…まあ、妹の好きなようにさせるよ」
母「妹のわがままに付き合うのが兄、ですものねー」
男「ニヤニヤしながら言うな」
母「ふふ…妹は?」
男「まだ寝てるよ、今優秀な目覚ましが起こしに行きました」
母「優秀な…ああ、なら安心」
男「ふあぁ…じゃあ顔洗ってくるかな」
母「朝ご飯はなにがいい?」
男「なんでも」
母「…じゃ、卵焼きでも焼いてあげますか」
34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 04:50:23.68 ID:GUJppG5z0
妹「…んー」ゴロン
妹「にいさぁん…ふふ」
ペロペロ
妹「やん、くすぐったい…」
妹「にいさん…やぁ」
ペロペロ
妹「なめないでよぉ…ん…んんっ」
妹「そこ、だめぇ…」
ミャー
妹「鳴いてもだめだってばぁ…ん…」
妹「……。」
妹「……?」
妹「……ッ!」ガバッ
ミャー
妹「……。」
36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 04:59:04.59 ID:GUJppG5z0
妹友「…あ、おはようございますー」
男「おはよう、妹友ちゃん」
妹「おはよー」
妹友「お兄ちゃんが一緒なのは久しぶりですねー」
男「まあ、たまたまな」
妹友「一緒だと妹恥ずかしがるのにねー」
妹「い、一緒に家を出ちゃう日はしょうがないの!」
妹友「はいはい」
男「行くぞー」
妹「あ、待ってよー」
妹友「……。」
男「…妹友ちゃん?行かないのか?」
妹友「あ、行きますよー」
タッタッタ
40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 05:21:33.99 ID:GUJppG5z0
妹「ふんふーん」
妹友「妹、機嫌いいですねー」
男「ん…そうだな、なんでだろ」
妹友「…お兄ちゃん、妹となにかしました?」
男「ど、どういう意味?」
妹友「解釈はお好きなようにー…で、なにかしたんですね?」
男「…うーん、まあ」
妹友「あ、世間様に言えないようなことでしたら無理に言わなくてもけっこうです」
男「とりあえずそれは猛烈に誤解をしている」
妹友「なんだー」
男「まあ…昨日な、妹と一緒に寝た」
妹友「……。」
男「…『寝た』ってのは文字通り寝ただけだからな」
妹友「あ、そうですかー、びっくりしました」
42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 05:32:31.02 ID:GUJppG5z0
妹友「そうですかー…一緒に寝たらまあ、機嫌良くなりますよねー」
男「…うーん」
妹友「あれ、どうかしましたか?」
男「いや、なんも」
妹友「妹、お兄ちゃんのこと大好きーですからね」
男「はは…」
妹友「……。」
男「……。」
妹友「…とりあえず、妹と一緒に寝てることはあんまり人に言わないほうがいいですかねー」
男「…やっぱりそうか」
妹友「私に言うのは構いませんけどね、妹のこともお兄ちゃんのこともちゃんと分かってますから」
妹友「でも、周りの人達が聞いたらそれこそ…」
男「……。」
妹友「あ、すいません…失礼なことを」
男「いや、いいよ」
45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 05:44:37.31 ID:GUJppG5z0
妹「ふたりとも、遅いよー」
男「先行ってていいぞ」
妹「むー、妹友となに内緒話してるのさ」
男「なんもしてないよ」
妹友「私のお兄ちゃんになってくださいってお願いしてたのー」
妹「なっ…だ、だめだからね!」
妹友「なんでー?」
妹「なんでって、それは…えっと…」
妹友「はい、決まりー。今日から私のお兄ちゃん」
妹「…うー」
妹友「これからよろしくね、お兄ちゃん」
男「はは…」
妹「ふん、勝手にすればいいよーだ!」
男「あー…たく、いつもこうなる」
妹友「……。」
47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 05:53:28.78 ID:GUJppG5z0
男「はあ…じゃあ追いかけようか、妹友ちゃん」
妹友「はい」
男「あいつ足速いからなー」
妹友「お兄ちゃん」
男「なに?」
妹友「気にし過ぎちゃ駄目ですからね」
男「…うん、ありがとうね、妹友ちゃん」
妹友「いえいえー、それではダッシュしましょう」
男「おう」
タッタッタ
男「朝からなんで走らなきゃいけないんだ…」
妹友「……。」
妹友「……。」
妹友「私のことは、眼中に無い…かぁ」
48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 05:57:00.97 ID:NJ4MzUtY0
健気すぐる・・・
49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/15(土) 06:11:05.25 ID:GUJppG5z0
男「…はぁ」
男友「なんだ、悩み事か?」
男「ん、まあな」
女「悩み事じゃなくても溜め息くらいつきたくなるよー…」
男友「お、おはよう…って凄いクマだな」
女「過去問解いてたんだよー…うー…だめだ、落ちるよ私」
男友「はは、入試まで1ヶ月ないもんな」
女「…なんで男友はそんなに余裕そうなのさ」
男友「あんたらとは受ける大学のレベルが違うからだよ…言わせんな恥ずかしい」
女「…ごめん」
男友「…謝るなよ」
女「…ごめん」
男友「……。」
女「……。」
男「…なんで二人して落ち込んでんだよ」
90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 00:58:27.13 ID:GUJppG5z0
男友「…で、男はどうして悩んでんだ?」
男「まあ、いろいろとな」
男友「分からない問題でもあるのか?」
男「あ、いや…勉強のことじゃないし」
男友「へ?」
女「男友もまだまだだねー、男君の悩み事といったら妹ちゃんのことに決まってるじゃん」
男友「あ、なるほど」
男「なんで納得するんだ…」
女「あれ、違うの?」
男「そうだけどさ」
男友「…困ってるなら、なんでも協力するからな」
男「いや、そんな大げさなことじゃないよ」
男友「なんだ、心配しちまった」
男「はは、ありがとな」
91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 01:06:41.23 ID:GUJppG5z0
女「…ふふーん」
男友「なんだよ、変な声出して」
女「変って言うな」ゲシッ
男友「す、すいません…」
女「いやいや、男君のお悩み事に心当たりがありましてねー」
男友「え、なんでだ?」
女「秘密ー」
男友「…つまんねえな」
女「モテる男は辛いなーという話ですよ」
男友「……?」
女「モテない男友には分かりません」
男友「……。」
女「はいはい落ち込まない」
男友「いえっさー…」
92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 01:16:55.77 ID:GUJppG5z0
男友「俺、本当になにもしなくて大丈夫か?」
女「うん、今回の話に男友の出番はもうありません」
男友「今回の話?」
女「いや、こっちの話」
男友「そ、そっか…」
女「大丈夫だよ、解決したら私が教えてあげるから」
男友「分かった」
女「ふふ、じゃあ私もちょっと首を突っ込んでみようかなー」
男友「……。」
女「ん、どったの?」
男友「いや、なんか女のせいでややこしくなる未来が見えた」
女「…ふふふ」
男友「……。」
男友「よく分かんねえけど、頑張れ、男…」
94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 01:37:07.90 ID:GUJppG5z0
妹「うーん…」
妹友「なにしてるのー?」
妹「わ、妹友」
妹友「休み時間、暇だし遊びに来ちゃった」
妹「他のクラスに入ると緊張しない?」
妹友「妹がいるから大丈夫ー」
妹「えへへ、そっか」
妹友「…なにか作ってるの?」
妹「うん、お守り」
妹友「お守り?」
妹「にいさんが、受験合格しますようにって」
妹友「…あー」
妹「私の受験の時にね、にいさん、私の勉強にずっと付き合ってくれたんだー」
妹「でも、私はにいさんの勉強の手伝いなんて出来ないし…だから、その分精一杯応援しようと思って」
妹友「……。」
95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 02:11:25.40 ID:GUJppG5z0
妹「でも、なかなか縫うのが難しくて…妹友?」
妹友「あ、ごめん。すごいなーって感心しちゃった」
妹「なんにも凄くないよー…こんな事しかできないのが悔しいもん」
妹友「…んー」
妹「にいさんの為に出来ることなら、なんだってしてあげたいのに…」
妹友「……。」
妹「…むー」
妹友「…やっぱりすごいなー…私、なんにも考えてなかった」
妹「え、別に妹友が考えなくてもいいじゃんかー。私がしてるのは、にいさんに勉強教えてもらった恩返しなんだから」
妹友「んー、でもなにも考えてなかったのはダメだよねー…」
妹「そんなことないよー」
妹友「迂闊だったー」
妹「迂闊って…」
123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 14:42:33.70 ID:GUJppG5z0
妹「それにね、にいさんを支えるのは私の役目だよ」
妹友「え?」
妹「私、にいさんの妹だから」
妹友「……。」
妹「えへへ、全然支えれてないけどね」
妹友「…羨ましいな、妹は」ボソッ
妹「んー?」
妹友「なんでもない…ねえ、私もお守り作っていい?」
妹「あ、じゃあ一緒に作ろー」
妹友「うん、縫い方教えてあげる」
妹「助かるー」
妹友「ふふ、私がいないとダメだねー、妹は」
妹「むー、努力します…」
126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 14:50:21.73 ID:GUJppG5z0
ガラッ
女「たのもー!」
妹「…え?」
妹友「あ、先輩だー」
女「お、妹ちゃん発見ー。妹友もいるねー」
妹「先輩、クラスのみんながびっくりしてますよー…」
女「にゃはは、気にしない気にしない」
妹友「なにか用ですかー?」
女「いやいや、今日は3人で一緒に帰ろうと思ってね、お誘いに来たよ」
妹「一緒にですか?」
妹友「先輩、帰る方向違うじゃないですか」
女「細かいことは気にしないの、じゃあ校門前で待ち合わせだからねー」
妹「…行っちゃった」
妹友「…なんでずっとニヤニヤしてたのかな」
127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 15:01:42.56 ID:GUJppG5z0
妹友「先輩遅いねー」
妹「そうだねー…あ、来た…よ?」
妹友「え、なにその言い方…って、わあ」
妹「なんか全力で走ってきてるね」
妹友「なんで…?」
タッタッタ…
女「隠れてー!」
妹友「…へ?」
妹「…ふえ?…きゃあ!」」
ガサッ
女「…ふう、少しここで待機」
妹友「先輩、無理やり過ぎですよー」
妹「び、びっくりした…」
130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 15:10:49.79 ID:GUJppG5z0
女「あ、来た来た」
妹「あ、にいさんだー!おー…むぐっ」
女「男君から隠れてるので、呼んじゃ駄目ー」
妹「んー!んー!」ジタバタ
妹友「なんでですかー?」
女「いやいや、たまには女子だけで話したい時もあるでしょ?」
妹友「つまり先輩が女子だけで話したいんですね」
女「そゆことー」
妹「…ぷはぁ」
女「あ、ごめんね妹ちゃん」
妹「いえいえ…大丈夫ですよー…」
女「じゃあ男君も行ったし、私たちも帰りましょー」
妹友「おー」
女「ほら、妹ちゃんも掛け声」
妹「お、おー」
134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 15:37:59.93 ID:GUJppG5z0
妹「先輩の家って反対方向ですよね…?」
女「気にしなーい気にしなーい」
妹友「受験勉強は大丈夫なんですか?」
女「…き、気にしない」
妹「……。」
妹友「…じゃ、じゃあ気にしません」
女「…さ、さあ、貴重な時間を使ってガールズトークをしましょうか」
妹「な、なんか空気が重いです…」
妹友「絶対に有意義な時間にしなきゃいけないですね…」
女「無意味なガールズトークなんて存在しないのだよー。さあ、お二人の近況を聞かせてもらおうか」
妹「近況っていわれましても…」
妹友「特になにも無いですよ、私は毎日妹とイチャイチャしてるだけですからー」
妹「い、イチャイチャはしてないー!」
女「はいはい、そういう話はいいから…」
136:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 15:50:06.48 ID:GUJppG5z0
女「そういえば休み時間に二人でなにかしてなかった?」
妹「あ、お守りを作ってました」
妹友「受験合格祈願ですよー」
女「え、私に!?ありがとねー!」
妹「……。」
妹友「……。」
女「……」
妹「…いえいえ、それほどでも」
女「今の間は不自然すぎるでしょ…」
妹友「先輩を忘れるとは不覚でしたー」
女「…いいですけどね、別に」
妹「いえいえ、作りますから!」
妹友「丹精込めますよー!」
女「…ぐすん、ありがと」
137:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 16:35:35.96 ID:GUJppG5z0
女「…てことは、そのお守りって」
妹「…えへへ、にいさんにです」
女「ま、分かってけどさー。妹友も男君に?」
妹友「はい、応援したいですからー」
女「そっかそっかー、やっぱり男君はモテモテですなー」
妹「そ、そんな…そういうわけじゃないですってばー」
女「ふふふ、隠さなくてもいいよー。妹ちゃん、男君の事好きでしょ」
妹「え?い、いや、まあその…それは私のにいさんですし?」
女「誤魔化さないの、私は全部知ってるんだから」
妹「…な、なんでぇ?」
女「ふふ、なんででしょう」
妹「妹友、喋ったの?」
妹友「喋ってないよ」
女「私にはなんでもお見通しー」
139:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 17:25:18.81 ID:GUJppG5z0
妹友「…まあ、たぶん夏のお泊りの時に寝たフリしながら聞いてたんだと思いますけどねー」
女「ば、バレてるし」
妹「…お泊りって」
妹友「『私、にいさんのこと…好き』」
妹「…あ、あの話聞かれてたの?」
女「あのときの妹ちゃん可愛かったなー」
妹「うー、恥ずかしい…」
女「なんでも協力するからね!」
妹友「先輩、面白がってるようにしか見えないですよー…」
女「失礼な、大真面目だよ」
妹「……。」
女「なんだいその目は」
妹「なんでもないですけど…先輩、顔がニヤニヤしてます」
女「おっと失礼」
140:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 17:42:16.97 ID:GUJppG5z0
妹「あ、別れ道です」
妹友「私たち、いつもここで別れるんですよー」
女「ほうほう、妹ちゃんはこっちだよね」
妹「はい、それで妹友はあっちです」
妹友「で、先輩はUターンですねー」
女「ははは…」
妹友「先輩、なにしにきたんですかー…」
女「いいのいいの」
妹「私、からかわれただけな気がします…」
女「にゃはは、それだけで満足よ」
妹「むー」
142:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 18:11:41.00 ID:GUJppG5z0
妹友「じゃあまた明日ねー、妹」
妹「うん、またねー」
女「わ、私は?」
妹友「先輩は勉強頑張ってくださいー」
女「あー…」
妹「お守りできたら持って行きますね」
女「うん、楽しみにしてる」
妹「では、またー」
女「妹ちゃん、男君のこと頑張ってね」
妹「な、なにもしませんからね!」
女「あはは、じゃあね」
妹「はい、さようならー」
妹友「……。」
女「…ふふーん」
144:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 18:57:24.26 ID:GUJppG5z0
妹友「では、私も帰りますねー」
女「ちょい待ち、妹友」
妹友「…はい?」
女「本題に入ろうかなと思って」
妹友「本題…ですか?」
女「妹友も男君の事、好きだよね?」
妹友「……。」
女「…んー?」
妹友「…はい、もちろんお兄ちゃん大好きーですよ」
女「そんなノリじゃなくてさ、もっと真剣な話」
妹友「……。」
女「ふふ、なんでもお見通しってのは嘘じゃないでしょー」
妹友「…いえ、別に隠してたわけじゃないですし」
女「素直じゃないなー」
妹友「……。」
150:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 20:28:38.05 ID:GUJppG5z0
女「あ、ごめんね、からかいたいわけじゃないんだ」
妹友「…じゃあなんですか?」
女「いやー、ちょっと叱咤激励をね」
妹友「叱咤激励?」
女「だって妹友、妹ちゃんに遠慮してるでしょ」
妹友「……。」
女「それじゃ駄目だよって言いたかったわけよ」
妹友「…遠慮」
女「まあそれだけだから、じゃあ私も帰りますよっと」
妹友「……。」
女「妹友も頑張りなよ?またねー」
妹友「……。」
妹友「…遠慮?」
妹友「そんなこと、してない」
妹友「だって、私は――」
154:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 20:52:27.55 ID:GUJppG5z0
妹友『私、お兄ちゃんのことが好きです』
妹友『何度も言いませんよ…あ、でももう一度だけ言います』
妹友『私、お兄ちゃんのことが好きです』
男「……。」
妹『…ふふ、にいさん、鼓動速いよ?』
妹『なんで、速くなってるのかな?』
妹『私もね、今、ドキドキしてる』
妹『えへへ、なんででしょう』
男「……。」
妹友『こんなふつつか者でよければ、どうぞ一声おかけください』
妹『妹なのに、ドキドキするのっておかしいよね』
ピピピピピピピピ
男「……。」
男「…なんて夢見てんだよ」
155:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 21:02:30.51 ID:GUJppG5z0
妹「ふあぁ…」
男「……。」
妹「あ、にいさん、おはよー」
男「…なんで妹がいるんだ?」
妹「え、えっとー…」
妹「…寂しかったから、夜中に来ちゃいました」
男「はあ…」
妹「ご、ごめんなさい」
男「いや、怒ってるわけじゃないけどさ」
妹「ほんと?」
男「ほんとほんと」
妹「じゃ、じゃあね」
男「ん?」
ギュー
妹「充電ー…って、えへへ、なんちゃって」
157:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 21:19:02.07 ID:GUJppG5z0
男「……。」
妹「あ、あれ?」
男「…ん、もういいのか?」
妹「あ…うん」
男「じゃあ起きるかなーっと」
妹「私もー」
男「…妹」
妹「はいな?」
男「髪ぐしゃぐしゃ」
妹「え…や、やだぁ、見ないで」
男「はは、それ直してから降りてこいよ」
妹「う、うん」
トットット
妹「……。」
妹「ちょっと、やりすぎちゃったかなぁ…」
161:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 22:34:16.94 ID:GUJppG5z0
ガチャ
男「…はあ」
妹友「お兄ちゃん、考え事ですかー?」
男「わっ!…って妹友ちゃんか」
妹友「おはようございますー」
男「おはよう、わざわざ家の前までお迎えに来たの?」
妹友「あ、はい」
男「ごめんね、あいつ髪を整えるのに時間かかってるから」
妹友「わかりました―」
男「じゃ、先行くね」
妹友「…あ、お兄ちゃん」
男「ん?」
妹友「えっと…」
男「…どうした?」
妹友「…な、なんでもないです」
164:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/16(日) 23:06:39.09 ID:GUJppG5z0
男「…ん?」
妹友「……。」
ガチャ
妹「いってきまー…って、妹友?」
妹友「おはよー、妹」
妹「おはよー、なんで家まで来てるのー?」
妹友「早く起きちゃったから、ちょっとねー」
妹「そっかー。にいさんもまだいるし」
男「おう、悪いな」
妹「べ、別にいいけどね?」
妹友「あ、ごめんね。お兄ちゃんは私が引き止めちゃったから」
妹「…む、またお兄ちゃんからかって遊んでたなー」
妹友「ふふ、からかってなんかいないって」
男「いつもからかわれてるのはお前だろ…」
妹「…う」
168:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 00:22:28.56 ID:GUJppG5z0
妹友「じゃあ、行きましょー」
妹「はいなー」
男「おう」
妹友「そういえばお兄ちゃん、さっき溜め息ついてましたよね」
男「ん…まあなー」
妹「え…悩み事?」
男「んー…」
妹『妹なのに、ドキドキするのっておかしいよね』
男「……。」
妹友「相談、乗りますよ?」
男「……。」
妹友『私、お兄ちゃんのことが好きです』
男「…いや、大丈夫だよ。ちょっと勉強が大変でね」
妹「む…それは手伝えない」
妹友「…だねー」
170:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 00:57:42.37 ID:GUJppG5z0
男「…て、なんだそれ…夢のこと気にしすぎだろ」
女「あれ、男君は相変わらず悩み事ですか」
男「おう、おはよう」
女「明日から3連休だぞー、そんなしけた面してたらいけませんぜ旦那」
男「どうせ連休も勉強しかすることないだろ」
女「それ言うのは禁止ー」
男「はは、悪い」
女「でも、家の中でずっと妹ちゃんといれるから内心嬉しかったりするでしょー」
男「……。」
女「…ありゃ、これはお悩み事がかなり深刻?」
男「…そうでもないよ」
女「はい、目を逸らさない」
男「……。」
171:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 01:06:59.55 ID:GUJppG5z0
女「一人で抱え込んでても解決しないぞ―」
男「……。」
女「…もう、しょうがないなー」
男「…ん?」
女「日曜日の夕方6時に駅前の噴水に集合」
男「え?」
女「私とデートしよう」
男「え…え?」
女「あ、先生来た。じゃあ男君、約束ねー」
男「……。」
173:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 01:20:28.31 ID:GUJppG5z0
日曜日
男「…て、人を呼び出しといて堂々と遅刻するとは」
女「にゃはは、ごめんごめん」
男「で、なんの用なんだ?」
女「そうだねー、時間もないし行こっか」
男「どこに?」
女「買い物」
男「…なにを?」
女「なにをって…そんなの決まってるじゃんか」
男「……?」
女「明日はバレンタインデーだよ?」
175:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 01:34:27.32 ID:GUJppG5z0
女「どうしようかにゃー、去年は正統派なチョコだったし今年はザッハトルテでも作ってみようかな…」
男「…おい、質問いいか?」
女「ほい、なんでしょう」
男「なんか当たり前のように流されたけどさ、なんで俺が女のチョコの材料買うのに付き合ってるんだ?」
女「男君にもあげるチョコなんだから買うのぐらい付き合ってくれてもいいじゃんかー」
男「なんだその理不尽すぎる答え…」
女「まあ細かいことは気にしないのー」
男「荷物持ちぐらい男友にでも頼めばいいだろ」
女「いやいや、男君にはもう一つお願いしたいことがありましてねー」
男「ん、なんだ?」
女「はいはい、今はそんなことよりも材料探しだよー」
男「はいはい」
女「返事は一回」
男「…帰ろうかな」
女「あー調子乗りましたごめんなさい!」
179:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 01:48:46.37 ID:GUJppG5z0
女「いやー、ありがとね。牛乳とかいろいろ持ってもらっちゃって」
男「そう言うなら少しはお前も持てよ…」
女「か弱い女の子に荷物持ちをさせるの?」
男「……。」
女「きゃー!持ちます!持つから投げないで!」
男「…はあ、もう家まで持ってってやるから案内しろって」
女「わー、紳士だねぇ」
男「…棒読みだな」
女「あ、家はこっちだよ、こっち!」
男「良い性格してるよ、ほんと」
女「…照れる//」
男「誉めてねえよ、皮肉だよ、気付けよ」
180:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 02:03:30.47 ID:GUJppG5z0
男「で?」
女「で、って?」
男「なんか頼みごとあるんだろ?」
女「あ、うん…えっと、これ」
男「ん、なにこれ…手紙?」
女「うん、手紙。これをね、明日男友に渡してほしいんだー」
男「男友に?」
女「お願いしていいかな」
男「別にいいけど、手紙くらい自分で渡せばいいじゃん」
女「……。」
男「ん?」
女「…男君、デリカシー無いとか言われない?」
男「え、なんで俺怒られてんの?」
181:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 02:10:59.43 ID:GUJppG5z0
男「はは、でもなんかこれラブレターみたいだな」
女「ラブレターだよ」
男「…へ?」
女「あ、でも体育館裏に来て下さいってことしか書いてないけどね」
男「あ、いや…ラブレター?」
女「にゃはは、体育館裏だなんてベタすぎるかね」
男「いやそうじゃなくて」
女「ん?」
男「女って、男友のこと好きなの?」
女「え、なにを今更…妹ちゃんとかから聞いてない?」
男「まったく」
女「おー、可愛い後輩たちは口が堅いねー、感心感心」
男「…まったく気づかなかった」
女「ふふん、男君は鈍感ですからね」
男「はは…」
182:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 02:22:35.72 ID:GUJppG5z0
女「高校卒業したら別々になっちゃうからねー」
女「ほんとは男友と同じ大学を受けようかなって思ってたんだけど…」
女「ご存知のとおりあの人、勉強あまり出来ない子だからさ。レベル下がり過ぎちゃって、ふふ」
男「だろうな」
女「それでも一応、私も男友と場所が近い大学にはしたんだー」
男「志望変えてたのか…」
女「まだ内緒にしといてね?」
男「おう」
女「でもやっぱり大学別々なのは心配だから、今のうちに告白しようかなって」
男「……。」
女「にゃはは、要は今のうちに男友にツバ付けとくのさ」
男「……。」
女「まだオーケーもらえるかなんて分からないけど」
女「あいつ、びっくりするかなぁ…してくれるといいな」
男「…びっくりするだろうな、間違いなく」
184:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 02:31:58.98 ID:GUJppG5z0
女「あー、あいつのことこんなに考えるの、なんかムカつくなぁ」
男「なんだそれ」
女「でもさ…好きなんだぁ」
男「……。」
女「好きになっちゃったら、しょうがないよね」
男「…はは、そうだな」
女「まったく、私に好きになってもらえるなんて幸せものだよねー!」
男「おう」
女「…ありゃ、今のは突っ込むタイミングだったんだけど」
男「いや、俺も幸せだろうなって思ったから」
女「…照れる」
男「自分で言っといて照れるなよ」
女「…まあ、そんなわけだからね、手紙頼みます」
男「ん、引き受けた」
186:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 03:02:54.67 ID:GUJppG5z0
女「さて、次は男君の番ですねー」
男「…へ?」
女「私が全部話したんだから、男君も話そうか」
男「…なるほど、はじめからこういう魂胆だったのか」
女「なんの話かなー」
男「……。」
女「さあ、話しちゃおうぜー。女の子はみんな大好き恋バナタイム!」
男「俺は女じゃねえ…それに恋バナだなんて誰も言ってないだろ」
女「違うの?」
男「……。」
女「ふふ、やっぱりそうなんじゃん」
男「……。」
女「ほらほら、相談したほうが楽になるよ?」
男「……。」
190:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 03:39:07.50 ID:GUJppG5z0
女「ほうほう…つまり要約すると、妹ちゃんと妹友の二人から迫られてどうしようかなってことですか」
男「…根掘り葉掘り聞きやがって」
女「いやいや、妹友がそんなに積極的だとは思わなかったよー。てっきり妹ちゃんに遠慮してなにもしてないと思ったのに」
男「…でも、そのときに急に好きって言われただけだよ。それに、それからも変わらずいつも通りだし」
女「…ん?」
男「それに妹も迫ってるわけじゃねえよ、あれは妹なりのスキンシップなんだろうし」
男「きっと妹と兄の距離感がよく分かってないんだろうな…まあ、兄妹になって1年とちょっとじゃしょうがないけど」
女「……。」
男「だって、俺だって分かってねえもん。妹とどう接すればいいのか…妹になんて言ってやればいいのか」
男「あいつが望むことはなんだって叶えてやりたいけど…でも、それでもやっちゃいけないことだってあるんだろうし」
妹『えへへ…しちゃった』
男「…どうすればいいのかよく分かってないから…だからきっと」
女「…うーん、まあね、妹ちゃんのことは良いんだ、大体分かってるし。私が考えてるのは妹友の方」
男「…え?」
女「もしかしてさ、男君…妹友の告白に、返事してない?」
192:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 03:59:07.36 ID:GUJppG5z0
男「…返事?してないけど」
女「……。」
男「え、でもあれは返事がどうこうみたいな告白じゃなくて、ただの報告みたいな感じだったし…」
女「男君…ごめん」
男「…え?」
パシッ!
男「……。」
女「最低」
男「…いてえ」
女「男君、なんにも分かってない…告白したあとの女の子の気持ち、全然考えてない…」
男「……。」
女「態度が変わらなかった?告白したあともいつも通り?そんなの、不安を隠すために決まってるじゃんか」
女「ただの報告?返事がどうこうじゃない?そんなわけあるかバカぁ…妹友がどんな気持ちで自分の想いを伝えたと思ってるのさ」
女「告白して、返事がもらえなくて、なにも言われないなんて…そんなの、私だったら不安で死んじゃいたくなっちゃうよ…」
男「……。」
196:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 04:26:05.85 ID:GUJppG5z0
女「…それとも、まだ迷ってるの?」
男「……。」
女「違うよね、返事はもう決まってるんだよね」
女「だったら、ちゃんと言ってあげなよ…どんな返事でも、ね」
男「…ん」
女「それと、妹ちゃんのことだけど」
男「……。」
女「私が言って良いのかな…分からないけど、このままだといつまで経っても進まないだろうから教えちゃうね」
男「…なんだよ、怖いな」
女「妹ちゃんね、男君のこと、好きだよ」
男「…は?」
女「兄妹としてじゃないよ、分かってるだろうけど」
男「……。」
女「ありゃ、思ったよりも冷静」
男「…まあな」
198:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 04:44:03.23 ID:GUJppG5z0
女「分かってたの?」
男「いや、全然」
女「…あ、そう」
男「でも、こっちの方が考えやすくなった」
女「…あはは、そうかもね」
女「でも、ひとつ問題があるみたい」
男「ん?」
女「『にいさんの妹でいられなくなったら、私、消えちゃうかもしれない』」
男「……。」
女「妹ちゃんの言葉だよ」
男「……。」
妹『思ったより…消えちゃうの早いみたいだね』
妹『キス…しちゃったからかな』
男「…なるほどな」
199:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 04:53:31.06 ID:GUJppG5z0
女「だからね、たぶん妹ちゃんは今のままでいいと思ってる」
男「……。」
女「ふふ、やっぱり私が言ったらいけないことだったかなー」
男「はは…俺、全部知っちゃったもんな」
女「ま、それでもどうするか決めるのは男君だよ」
男「…ん」
女「どんな答えでも、私は応援してるから」
男「…おう、ありがと」
女「いえいえー…では、そんな男君にもう一つ重大な情報を教えよう」
男「な、なんだよ…まだあるのか」
女「実は…」
男「……。」
女「…私の家、とっくに通りすぎてたり」
男「……。」
女「にゃはは、ごめんなさい」
200:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 05:02:13.43 ID:GUJppG5z0
女「ありがとねー、ここまで運んでもらって」
男「おうよ…俺も、ありがとう」
女「いえいえ、私はなにもしてないよ」
男「豪快にひっぱたいてくれたじゃん」
女「う…その節はごめんなさい」
男「だからありがとうって」
女「…う、うん」
男「手紙はちゃんと男友に渡すからな」
女「お願いします…あ、あともう一つお願いしていい?」
男「なんだ?」
女「前にみんなで遊んだ公園あるでしょ?明日ね、あそこで私が来るの待ってて欲しいんだ」
男「…なんで?」
女「返事すぐもらえるか分からないけど、告白の結果を伝えたいので」
男「そんなの次の日でいいよ」
女「駄目、たぶん私、すぐ言いたくなるから!」
201:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 05:09:46.82 ID:GUJppG5z0
男「なんだそれ、オーケーもらう気満々じゃねえか」
女「いや、駄目だった場合は慰めてもらおうかと…」
男「まさかのマイナス思考かよ」
女「とにかく、よろしくね?」
男「…分かったよ」
女「よかった…」
男「女、一応聞いておくけど自分が受験生ってこと忘れてねえよな」
女「…や、やだなー、当たり前じゃないですか」
男「まあ…自己責任だからいいけど」
女「じゃ、じゃあ、今日は本当にありがとー」
男「おう、また明日な」
女「ばいばーい」
203:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 05:18:59.73 ID:GUJppG5z0
男「ただいま」
母「おかえりなさい、男」
男「…妹は部屋?」
母「いえ、妹友ちゃんの家におじゃまになってるみたい」
男「…こんな遅くまでか?」
母「明日はバレンタインデーだからね、頑張って作ってるのよ」
男「…なるほど」
母「誰のためでしょうねー」
男「さあな」
母「分かってるくせに」
男「じゃあ聞くなよ…」
母「ふふ、幸せものねー」
男「……。」
204:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 05:32:26.30 ID:GUJppG5z0
ピピピピピピピピ
男「……。」カチッ
妹「…Zzz」
男「…今日もいるのか」
妹「…むにゃ」
男「……。」
妹「…Zzz」
男「はは、疲れてるんだな…もう少し寝かせといてやろう」
妹「…にいさん」
男「…ん?」
妹「すきぃ…」
男「……。」
妹「…Zzz」
男「…寝言、か」
205:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 05:43:48.57 ID:GUJppG5z0
男「……。」
男「……。」
男「…なあ、妹」
男「俺…どうすればいい?」
妹「……。」
男「…お前は、どうしてほしい?」
男「……。」
男「…はは、分かんないか、俺も分からないや」
妹「……。」
男「……。」
男「またあとで起こしに来るからなー」
ガチャ
妹「……。」
妹「……。」
妹「…ばか」
206:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 05:59:56.59 ID:GUJppG5z0
公園
男「…寒い」
男「こんなところで待てと」
男「…どれだけだよ」
男「……。」
男「…寒い」
男「……。」
男「……。」
男「いや、ほんとにいつまで待たせる気だよ…もうすぐ1時間だぞ」
男「……。」
男「……。」
男「…妹友ちゃんも」
男「ずっとこんな気持、なのかな」
妹友「呼びましたか、お兄ちゃん」
男「…え?」
208:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/17(月) 06:10:55.83 ID:GUJppG5z0
男「なんで、いるの?」
妹友「女先輩にメールで呼ばれたんですー、今すぐ来て下さいって」
男「……。」
妹友「お兄ちゃんもですか?」
男「…なるほどね」
女『ちゃんと言ってあげなよ』
妹友「…どうかしましたかー?」
男「いや、なんでもない…妹友ちゃんもベンチに座りなよ」
妹友「あ、はい」
男「たぶんね、女は来ないよ」
妹友「え?」
男「俺と妹友ちゃんを二人で会わせるための作戦だと思う」
妹友「二人でって…あー」
男「納得?」
妹友「…はい」
267:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 21:49:42.78 ID:GUJppG5z0
女「お、ちょうどいいタイミングに着いたねー」
妹「…にいさんと…妹友?」
女「そうそう…あ、あんまり近くに行くと気付かれちゃうよ」
妹「…気付かれたら駄目なんですか?」
女「あの雰囲気は邪魔しちゃ悪いでしょー。ほら、ここに隠れて妹ちゃん」
妹「……。」
女「どうしたの?」
妹「…覗き見なんて、失礼ですよ」
女「でもお二人を邪魔しても失礼じゃないかな」
妹「……。」
女「セッティングしてあげた私、ナイスだにゃー、なんて」
妹「…なんで私を呼んだんですか」
女「いやー、妹ちゃんにこれを見せたくてね」
妹「……。」
268:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 21:50:25.67 ID:GUJppG5z0
妹「…私、帰ります」
女「あ、待ちなって妹ちゃん」
妹「嫌です、待ちませんよ」
女「ちょっと、待ちなさいってば」
妹「さようなら、先輩」
女「……。」
女「…ほんとに、帰っちゃうんだ」
妹「……。」
妹「…どういう、意味ですか?」
女「……。」
女「…ねえ、妹ちゃん」
女「いつまでも逃げてちゃ、駄目でしょ?」
269:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 21:51:06.81 ID:GUJppG5z0
妹「……。」
妹「…なにから…ですか」
女「妹友は、優しくて、妹ちゃんのことをいつも一番に考える良い子だけど…」
女「それにずっと甘えてちゃ、駄目じゃんか」
妹「……。」
女「妹ちゃんは今、目を背けようとしてるだけだよ」
女「見てあげなよ、妹友と、お兄ちゃんを」
妹「……。」
女「ほら、こっちに来て」
妹「……。」
妹「…ん」
女「うん、それでよし」
女「ふふ、確かに覗き見は悪いけど、こうしないと分からないこともあるんだよ、ね?」
妹「……。」
女「…じゃあ、見守りましょうかねー」
272:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 21:55:54.43 ID:GUJppG5z0
男「…たく、女のやつ、余計なお世話しやがって」
妹友「そうですね」
男「……。」
妹友「……。」
男「…寒いね」
妹友「…そうですね」
男「……。」
妹友「…ねえ、お兄ちゃん」
男「…ん、なに?」
妹友「暖めて、あげましょうか?」
男「…ど、どういう意味?」
妹友「ふふ、動かないでくださいね」
男「……。」
妹友「……。」
男「……。」ゴクッ
273:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 22:03:09.00 ID:GUJppG5z0
ファサ
男「……。」
妹友「えへへ、マフラーが長いやつで良かったです」
男「…はは」
妹友「ふふ、なにか期待させちゃいました?」
男「いや、別に…ただ、顔が近かったから」
妹友「お兄ちゃんからしてきてくれたら、キスだってなんだってしますけど」
男「…しないよ、そんなこと」
妹友「ですよねー」
男「…ありがとう、暖かくなったよ」
妹友「それは良かったです…マフラー取れちゃいますから、もう少し近づいてもいいですか?」
男「どうぞ」
妹友「じゃあ、失礼します」
ピト
男「……。」
274:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 22:09:38.19 ID:GUJppG5z0
妹友「……。」
男「……。」
妹友「……。」
男「……。」
妹友「ふふ、お互い黙っちゃいましたね」
男「…うん」
妹友「これじゃあ、同じマフラーにくるまって寄り添ってるカップルにしか見えませんよ?」
男「…そうだな」
妹友「……。」
男「……。」
妹友「…なんか、話してくださいよ」
妹友「私、ドキドキしちゃうじゃないですか」
男「……。」
妹友「…別に、いいですけどね」
277:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 22:23:54.59 ID:GUJppG5z0
妹友「私たち、こんな寒い中でなにしてるんでしょうね」
男「まあ、女を待ってるんだけど…あいつきっと来ないからな」
妹友「……。」
男「……。」
妹友「じゃあ、帰りましょうか?」
男「……。」
妹友「受験生に風邪を引かせたら、妹に怒られちゃいますからねー」
妹友「私としては、しばらくこのままでも幸せですけど」
男「……。」
妹友「…ふふ、でもこれ以上お兄ちゃんを困らせてもしょうがないですし」
男「別に、困ってないけど」
妹友「んしょ…」
男「あ…」
妹友「ごめんなさい、寒くなっちゃいましたか?でも返してくださいね…そうしないと、帰れないですから」
男「…ん」
279:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 22:33:09.87 ID:GUJppG5z0
妹友「あ、これを忘れちゃいけませんね」
妹友「はい、どうぞ。バレンタインのチョコレートです」
男「あ、ありがとう」
妹友「去年は渡せなかったですからね、今年は頑張ってみました」
男「大事に食べるよ」
妹友「いえいえ、気軽に食べてください、チョコレートなんですから…あと、これも」
男「…お守り?」
妹友「妹からはまだ貰ってませんか?」
男「…ああ」
妹友「一緒に作ったんですよー。私のが水色で、妹のがピンクです。合格祈願、ばっちりしておきましたから」
男「びっくりした…ありがとうね」
282:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 22:43:35.66 ID:GUJppG5z0
妹友「妹の提案ですからお礼は妹に言ってください」
男「妹にも言うさ。でも、本当にありがとう」
妹友「いえいえ…あー、でも先に渡したのはまずかったですね。ちゃんと妹から貰ったときも驚いてくださいねー」
男「はは、分かったよ」
妹友「ほんとは家にお邪魔して渡すつもりだったんですけど…ここで会えて丁度良かったです」
男「そうかもね」
妹友「…では、用事も済んだので…帰りますか」
男「…ん」
妹友「ふふ、先輩は私がチョコを渡せるようにこんなことをしたんでしょうかね」
男「……。」
妹友「まあ良いです、お兄ちゃんに会えたので」
妹友「…それではお兄ちゃん、大丈夫だとは思いますが、受験頑張ってください」
男「…うん」
妹友「また受験が終わったらお祝いをさせて下さいね」
妹友「ではでは、さようならです」
284:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 22:49:56.94 ID:GUJppG5z0
テクテク
男「……。」
妹友「……。」
男「……。」
妹友「……。」
男「……。」
妹友「……。」
男「…うん」
妹友「……。」
男「…妹友ちゃん」
妹友「……。」
男「妹友ちゃん!」
ピタッ
妹友「…呼びましたか、お兄ちゃん?」
男「…言いたいことが…あるんだ」
286:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 23:06:01.42 ID:GUJppG5z0
男「言わなきゃ、いけないことが…あるんだ」
妹友「…なんですか?」
男「ごめん、ずっと待たせて…俺、どうすればいいか分からなかったから」
妹友「……。」
男「でも、しなきゃいけないって気付かされたから…伝えるね、君に」
男「告白の返事を」
妹友「……。」
男「今更で、ごめん。ほんとに、なにを今頃って感じだけど」
妹友「……。」
男「でも…聞いてほしい」
妹友「…いや」
男「聞いてくれ、俺は…俺は――」妹友「それ以上は!」
男「…っ!」
妹友「…それ以上は…言わなくてもいいです」
男「…なんで」
287:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 23:09:02.32 ID:GUJppG5z0
妹友「……。」
男「…なんで?」
妹友「…私も」
妹友「私もずっと、伝えたい事があったんです」
男「……。」
妹友「お願いです」
妹友「私の、この前の告白は、なかった事にしてください」
288:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 23:11:33.83 ID:VXsN0FQO0
なん・・だと・・
289:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 23:12:01.80 ID:lfO2Ax3D0
なん・・だって・・・
290:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 23:12:39.13 ID:CpoDhBOZ0
なに…?
291:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 23:16:34.03 ID:5VfJVxrf0
えっ?
292:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 23:16:48.16 ID:Q5zrP2aK0
そんな…バカな…
295:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 23:26:58.43 ID:GUJppG5z0
男「……。」
妹友「…えへへ、駄目ですね、ほんとはさっき言うつもりだったんですけど」
妹友「恋人ごっこが楽しくて…ためらっちゃいました」
男「……。」
妹友「よかった、お兄ちゃんが覚えててくれて」
妹友「てっきり…告白のことなんて、忘れてるのかなって思ってましたから」
妹友「だから、このままでいいかな…なんて、思っちゃって…ほんとに駄目ですね、私」
男「…理由を、聞かせてよ」
妹友「……。」
男「……。」
妹友「…ずっと、ずっと、後悔してたんです」
男「……。」
妹友「いえ、後悔じゃないです…ずっと、自分を責めてました」
男「…どういうこと?」
妹友「だって私、一番大事なときに…妹が一番大変なときに…そんなときなのに、私、お兄ちゃんを奪おうとしちゃったから」
296:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 23:33:03.26 ID:quJ/x10p0
なんていい子なのorz
297:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 23:34:44.76 ID:23T4rxpT0
妹友イイコ過ぎ泣ける
298:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 23:45:33.65 ID:GUJppG5z0
妹「……。」プルプル
女「…妹ちゃん」
男「奪おうとって…」
妹友「だってそうですよね?もうすぐ妹が消えちゃうって…あのときの私、分かってたのに!」
妹友「でも、そのときのちょっとした感情で私、お兄ちゃんに告白なんてしちゃって」
妹友「妹にはお兄ちゃんが必要って…そんなこと、当たり前だったのに。私、それをなんにも考えないで!お兄ちゃんを少しでもこっちに振り向かせようとしちゃったんだ!」
妹友「私は、妹を、大事な友だちを裏切ろうとしたんだ!」
男「……。」
妹友「妹のことだけを考えるお兄ちゃんが寂しかったから?私のことを考えてくれなくて悔しかったから?」
妹友「自分のことだけを想ってもらえる妹が羨ましかったから?そんな妹が…妬ましかったから?」
妹友「そんなこと、なにも覚えてないけど…それでも、あのときの私は妹を裏切ったから」
妹友「私は…そんな私を、ずっと許せなかった」
妹友「たとえ一瞬でも、私は…絶対に許せないことをしたから」
男「……。」
妹友「…だから、あの告白は…なかった事に、してください」
301:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/18(火) 23:59:06.79 ID:GUJppG5z0
男「……。」
妹友「そんなことで、私は自分を許せないけど…」
妹友「でも私は、妹の友達でいたいから」
妹友「…だから」
ポタ
妹友「ごめんね…妹…ごめん、なさい」
男「……。」
妹友「…お兄ちゃんも、私が告白したのに、わがままなこと言ってごめんなさい」
男「…いや」
妹友「ずっと妹の側に…いてあげてくださいね」
妹友「私の友達…大事にしてください」
男「……。」
男「…あのさ」
男「…正直言って、なんでそれで妹を裏切ったことになるのかも、なんでそんなに泣くのかも…そんでもってなんで告白を取り消すのかも…俺、全然分からないんだけど」
妹友「……。」
305:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 00:05:08.43 ID:GUJppG5z0
男「でも、妹友ちゃんがそう言うなら…俺は言われたとおりにするよ」
妹友「……。」
男「それで、いいの?」
妹友「…はい」
男「…そっか」
妹友「ありがとうございます」
男「…いや、お礼を言われても困るんだけど」
妹友「…そうですね」
男「…妹のこと、大切にしてるんだな」
妹友「友達ですから」
男「…でも」
妹友「…はい?」
男「……。」
男「…ま、いいさ」
妹友「……。」
307:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 00:14:19.39 ID:GUJppG5z0
男「…じゃあ、帰るかな…このままだと、本当に風邪引いちゃう」
妹友「そうですね、それは困ります」
男「…それじゃ」
妹友「はい、また」
男「チョコとお守り、ありがとう」
妹友「はい…あの、知ってると思いますけど、お守りって袋のところを開けちゃうとご利益がなくなっちゃうので、開けたらだめですからね」
男「ほう、それは知らなかった」
妹友「ふふ、少し賢くなりましたね」
男「そうだな」
妹友「じゃあ、さようならです」
男「うん、ばいばい…晩ご飯の時間過ぎてるな、走って帰るか」
妹友「気を付けてくださいねー」
男「おう」
タッタッタ
妹友「……。」
311:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 00:22:24.39 ID:GUJppG5z0
女「…ありゃりゃ、思ったのとだいぶ違う結果になっちゃった」
女「妹友…どこまでも妹ちゃん想いなんだから」
女「…あれ、妹ちゃん?」
妹友「……。」
妹友「……。」
妹友「…お兄ちゃん」
妹友「…お兄ちゃん、お兄ちゃん」
妹友「……。」
妹友「…うぐっ」ポロッ
妹友「…ひっく…うくっ」
妹友「…うっ…うっ…お兄ちゃん…お兄ちゃん…お兄ちゃん」
妹友「う、うっ…ひっぐ…お兄ちゃ…ん」
妹「そんなに泣くなら、なんであんなこと言ったの?」
314:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 00:37:49.99 ID:GUJppG5z0
妹友「…妹?」
妹「泣くほど、にいさんのことが好きなんでしょ?だったら、なんであんなこと言ったの?」
妹友「なんで…いるの?」
妹「質問に答えて、妹友」
妹友「……。」
妹「…答えてよ」
妹友「……。」
妹友「…妹と、友達でいたいから」
妹「……。」
妹友「私は…妹を、裏切ったから…ひくっ…だから私、けじめをつけないと…じゃないと、妹の友達でいられないから」
妹「……。」
妹友「だって、ずっと友達でいたいんだもん…妹と一緒にいたいんだ…なのに、そんなことをした私は、妹の隣にいる資格なんてないでしょ?」
妹「……。」
妹「…バカに…しないでよ」
妹「そんなこと、誰が言ったのさ」
316:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 01:01:17.69 ID:GUJppG5z0
妹「そんなことで友達じゃなくなるはずなんて、ないじゃんか」
妹友「……。」
妹「どうすればいいの?私の気持ちを全部伝えればいいの?そんなことしたら朝になっちゃうよ?ううん、きっと朝になっても全部伝わらないけど、それでもいいの?」
妹友「……。」
妹「ずっと友達だよ、いつまでだって友達。なにしたって、なに言ったって、絶対離れてなんてやらないんだから」
妹「だから、裏切ったなんて言う前に…少しは私を信じろ、ばか…」
妹友「…うくっ…妹」
妹「…うー…ほら、変なこと言わせるからぁ…私まで、泣けてきちゃったじゃんか」
妹友「…妹、ぎゅー」
ギュー
妹「…ばか」
妹友「…妹、ごめんね」
妹「…うん」
妹友「ごめん…なさい」
妹「…うん」
318:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 01:13:57.40 ID:GUJppG5z0
妹友「……。」
妹「…私、妹友に甘え過ぎてた」
妹友「…ううん、そんなことない」
妹「違うよ、妹友の優しさを、全部当たり前だと思ってた」
妹「私、それに頼って…色んなことから逃げてたんだね」
妹友「……。」
妹「…ねえ、妹友」
妹友「…なに、妹」
妹「妹友は、にいさんのこと、好き?」
妹友「…うん」
妹「そっか…えへへ、私も」
妹友「……。」
妹「だったら」
妹「私たち…ライバルだよね」
妹友「……。」
324:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 01:37:00.94 ID:GUJppG5z0
妹「もう私、逃げないから」
妹友「…でも、妹」
妹「妹友、勝負だね」
妹友「…妹、もし妹がお兄ちゃんの妹じゃなくなったら…消えちゃうんだよ?」
妹「……。」
妹友「そんなの、絶対に嫌だよ…」
妹「…だから、にいさんを諦めるの?」
妹友「それで妹が消えないなら」
妹「でも、妹友が諦めても、私はにいさんに気持ちを伝えるよ」
妹友「……。」
妹「たとえ…それで私が消えることになっても」
妹友「そんな…」
妹「もう、自分の気持から逃げないって決めたの」
妹「だから妹友も…私のことを考えないで…にいさんに、伝えて」
妹友「……。」
326:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 01:46:09.88 ID:GUJppG5z0
妹「……。」
妹友「……。」
女「はい、それくらいでいいかな」
妹「…先輩」
妹友「…先輩もいたんですか」
女「にゃはは、妹ちゃんとずっと見学してましたー」
妹友「……。」
妹「…あはは」
女「まあそれは置いといて…お互いの気持ちが分かってよかったよかったって感じ?」
妹「…はい」
妹友「……。」
女「でも」
女「妹ちゃん、自分がしようとしてること…よく考えてね」
妹「……。」
女「妹友だって男君だって…妹ちゃんが消えるなんて、許さないと思うよ」
328:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 01:56:35.19 ID:GUJppG5z0
女「…ま、そんなことくらい分かってると思うけどね」
妹「……。」
妹友「……。」
女「じゃあ、男君も妹がいなくて心配してるだろうし、帰りましょうかねー」
妹「…はいな」
妹友「…はいです」
女「あー、明日男君に怒られるんだろうなー…」
妹「……。」
妹友「妹、マフラー一緒に巻いていこう」
妹「あ、うん」
女「…私は?私は?」
妹友「……。」スッ
女「いや、そんな先っぽだけ持ち上げられても…」
330:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 02:01:43.64 ID:GUJppG5z0
女「じゃあね、気を付けて帰りんしゃいよ」
妹「はい、ありがとうございます」
妹友「先輩も、色々気を付けてください」
女「はは、かなりアバウトなご忠告ありがとう…じゃあばいばーい」
妹「さようならー」
妹友「さようならです」
妹「…じゃ、私たちも行こう」
妹友「…うん」
妹「……。」
妹友「……。」
妹「……。」
妹友「…妹」
妹「…なあに」
妹友「私、妹がいなくなったら、生きていけないからね」
妹「…うん」
331:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 02:06:41.02 ID:GUJppG5z0
妹「マフラーありがとう」
妹友「どういたしまして」
妹「じゃあ、また明日ね」
妹友「うん、ばいばい」
妹「ばいばーい」
妹友「……。」
妹「……。」
妹友「…だから、隠し事は全部分かるって…言ってるのに」
妹友「…告白…するんだね、妹」
妹「…ごめんね、先輩…妹友」
妹「…ごめんなさい、にいさん」
334:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 02:16:17.98 ID:GUJppG5z0
コンコン
妹「……。」
ガチャ
男「…なんだ、妹か」
妹「私じゃ悪い?」
男「悪くないけど…なんでノックなんてしてるんだよ、普通に入って来れば良いじゃんか」
妹「えへへ、ちょっとね」
男「…ん?」
妹「にいさん、はいこれ」
男「…チョコレート」
妹「うん、バレンタインデーだからね」
男「ありがとう、嬉しいよ」
妹「どういたしまして…あとこれもね」
男「おう、お守りな。妹友ちゃんと一緒に作ったって聞いたよ」
妹「そうそう、頑張りましたぁ」
336:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 02:28:53.91 ID:GUJppG5z0
男「はは、じゃあ俺も頑張って合格しないとな」
妹「願掛けはバッチリだから大丈夫だよ」
男「それは頼もしい」
妹「えへへ、でしょー」
男「…部屋、入らないのか?」
妹「……。」
男「…ん?」
妹「うん…入らない」
男「そっか、珍しいな」
妹「…にいさん」
男「なんだ?」
妹「…私ね、にいさんの受験が終わるまで、にいさんに甘えるの、やめます」
男「……。」
妹「にいさんの部屋に入るのも、しばらく我慢」
妹「その代わりに、一つお願いがあるんだ」
337:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 02:30:15.63 ID:GUJppG5z0
男「お願い?」
妹「うん、お願い」
男「…なに?」
妹「あのね――」
340:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 02:39:26.91 ID:GUJppG5z0
2月15日
男「……。」
女「ありゃ大将、元気がない様子ですね。こりゃあ、妹友に振られちゃいましたか?」
男「…てめえ」
女「にゃはは、おはようさん」
男「昨日はお陰さまで寒空の中待ちぼうけをくらいましたよ」
女「代わりに可愛いお供を行かせたでしょ?」
男「まあな…で、そっちは男友とどうだったんだよ」
女「…ふふふー」
男「ああ、もういいよ。その顔で分かったから」
女「…妹ちゃん、昨日なにか変わったところなかった?」
男「…ん、なんで?」
女「…いや、なかったならいいよー」
男「……。」
342:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 02:44:49.25 ID:GUJppG5z0
2月18日
妹「おはよー、妹友」
妹友「おはよー」
妹「今日も寒いね」
妹友「そうだねー、マフラー巻く?」
妹「うん!」
妹友「んしょ…暖かい?」
妹「えへへ、暖かい」
妹友「ふふ、良かったー…お兄ちゃん、勉強頑張ってる?」
妹「うん、たぶん」
妹友「たぶん?」
妹「邪魔をしないようにしてるんだー」
妹友「なるほど」
妹「頑張ってるよ、私たちのお守りもついてるし」
妹友「そうだねー、頑張れ、お兄ちゃん」
343:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 02:52:09.03 ID:GUJppG5z0
2月22日
母「で、入試は何日からなの?」
男「…今更そんなこと聞きますか」
母「正直男の入試なんて興味ないですもの」
男「妹の受験のときはハラハラしてたくせしやがって…」
母「そんなことより質問に答えなさいよ」
男「…26日と27日だよ」
母「ふーん…もし落ちたら家出て働きなさいよ?」
男「なんの脈略もなくさらっとなに言ってんだ」
母「あ、そういえば、今日は世界友情の日らしいわよ」
男「…で?」
母「入試に出――」男「出ねえよ」
男「……。」
母「…晩飯、抜き」
男「なにゆえ!」
345:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 02:58:40.96 ID:GUJppG5z0
2月25日
女「うひゃー、前日ですよーもう…死にたい」
妹「あれ、先輩だー」
女「お、妹ちゃんじゃないですかー、買い物?」
妹「はい、お使いを頼まれたんですよ」
女「ほほう、感心感心」
妹「…先輩は、なにをしてるんですか?」
女「ん、散歩?」
妹「……。」
女「き、気分転換ですよー」
妹「なにも言ってないですよ、私…」
女「ちょうど良かった、妹ちゃんに聞きたいことがあったのですよ」
妹「はい?」
女「買い物しながら話しましょ」
妹「…良いんですか、前日にそんなことしてて」
346:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 03:00:18.79 ID:GUJppG5z0
……………………
…………
……
347:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 03:03:13.25 ID:GUJppG5z0
ピピピピピピピピ
男「……。」カチッ
男「…当日」
男「風邪は…引いてない」
男「怪我も…してない」
男「緊張は…少ししてる」
男「……。」
男「…うん、概ね問題なし」
男「起きるか」
350:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 03:09:54.29 ID:GUJppG5z0
母「おはよう」
男「おはよう」
母「言い残すことはない?」
男「…なんかそれ違うよね?」
母「よしよし、緊張はあまりしてないみたいだね」
男「ま、やるだけやるさ」
母「よし、朝ご飯は受験にカツ!ということで」
男「消化に悪いものはやめてくれよ」
母「…いつも通りにしますか」
男「そのかたわらに見えるトンカツは晩に食べるよ」
母「そう、残念」
男「…妹は寝てる?」
母「起きてるよ」
男「…そっか」
351:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 03:16:03.26 ID:GUJppG5z0
男「…じゃあ、行ってくるよ」
母「頑張っておいで」
男「おうよ」
ガチャ
妹友「……。」
男「…妹友ちゃん」
妹友「…応援したかったので、来ちゃいました」
男「…ありがと」
妹友「信じてますからね、お兄ちゃん」
男「はは、それはプレッシャーだな」
妹友「え!…あ、じゃあ、えっと…」
男「大丈夫大丈夫、やる気出たよ」
妹友「あ、そうですか…良かったぁ」
353:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 03:20:42.84 ID:GUJppG5z0
男「じゃあ、行ってくるよ」
妹友「はい…ほら、妹、お兄ちゃん行っちゃうよー」
男「…ん?」
妹「……。」ヒョコッ
男「…行ってくるからな、妹」
妹「……。」
妹「…祈っとくから」
男「おう」
妹「えへへ、頑張れ、にいさん」
男「ん、ありがと」
妹「…待ってるから」
男「…うん」
男「じゃあ、いってきます」
妹友「いってらっしゃいです」
妹「いってらっしゃーい」
354:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 03:25:49.72 ID:GUJppG5z0
男「…なんで机ちょっと斜めになってるんだよ、やりづらいな」
男「…いやいや、これも巡りあわせ、受け入れよう」
男「……。」
男「最後は神頼みだな」
男「お守りは…あったあった」
男「ぜひ簡単な問題をば…っと」
男「…よし」
男「……。」
男「はは、やっぱり妹友ちゃんが作ったお守りのほうが綺麗に出来てるんだな」
男「……。」
男「……。」
男「よし、頑張ろう」
妹『…待ってるから』
男「…あいつが、待ってる」
355:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 03:30:02.40 ID:GUJppG5z0
……………………
…………
……
男「……。」
男「……。」
男「……。」
男「…よし、二日間が終わった」
男「……。」
男「……。」
男「……。」
男「…結果は、気にしてもしょうがない」
男「…実力は、出せたはず」
男「……。」
男「……。」
男「さて、行くか」
356:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/19(水) 03:36:00.63 ID:GUJppG5z0
――――――――――――――――――――――――――――――――
妹『にいさん』
妹『私ね、にいさんの受験が終わるまで、にいさんに甘えるの、やめます』
妹『にいさんの部屋に入るのも、しばらく我慢』
妹『その代わりに、一つお願いがあるんだ』
妹『あのね――』
妹『試験が終わったら、公園に来て』
妹『私、そこでにいさんを…待ってるから』
――――――――――――――――――――――――――――――――
男「……。」
男「……。」
男「……。」
男「…来たよ、妹」
妹「……。」
410:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/20(木) 02:00:09.84 ID:GUJppG5z0
妹「…お疲れ様、にいさん」
男「おう…こんなところで待ってて、寒かっただろ」
妹「寒くないよ、にいさんのこと考えてたら、あっという間だった」
男「…そっか」
妹「受験が上手くいきますようにってずっと祈ってたから…くちゅんッ!」
男「おい、くしゃみしてるじゃねえか…」
妹「えへへ、ちょっと早く来すぎちゃったかな」
男「たく…ほら、上着貸してやるよ」
妹「ううん、大丈夫。それより見てて、にいさん」
男「ん?」
妹「私ね、ブランコ漕げるようになったよ」
男「…へ?」
妹「ね、凄いでしょ」
男「…すごいすごい」
妹「むー、絶対そう思ってないでしょ」
414:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/20(木) 02:10:39.33 ID:GUJppG5z0
男「思ってるって。ほら、すごいすごい」
妹「…バカにされてる気がするんだけど」
男「そんなことはない」
妹「ほんとかなぁ…」
男「でも、一人で練習してる姿を想像したらちょっとおかしかったかな」
妹「……。」
男「はは、冗談だよ」
妹「…ふん、見ててよー。こういうことだって出来るんだから」
男「…なにする気だ?」
妹「じゃーんぷ!」
男「…って、おい!馬鹿!」
ドンッ
妹「えへへ、ナイスキャッチ、にいさん」
男「…下敷きになってるだけだろ、これ」
415:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/20(木) 02:20:05.32 ID:GUJppG5z0
妹「…いてて」
男「おい、危ないことするなよな」
妹「にいさんなら、受け止めてくれると思って」
男「…無茶だろ、これは」
妹「でも、受け止めてくれたね」
男「……」
妹「ふふ、さすがにいさん」
男「分かったから、そろそろどいてくれよ…起き上がれないだろ」
妹「……。」
ギュッ
男「…聞いてた?妹」
妹「……。」
男「…妹?」
妹「…もう少し、このままがいい」
男「……。」
416:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/20(木) 02:38:48.97 ID:GUJppG5z0
妹「えへへ…にいさんに触れるの、ひさしぶり」
男「……。」
妹「私、頑張って我慢したんだぁ」
妹「勉強の邪魔しないようにって…私、頑張った」
男「…ありがと」
妹「ううん、ありがとうなんて言わなくていいよ…我慢したの、そのためだけじゃないから」
男「…どういうこと?」
妹「…私の気持ちを溜めるためだよ」
男「……。」
妹「にいさんへの想いを溢れるくらいにしようってね…私、にいさんのこと、ずっと見ないようにしてた」
妹「…でも、もう我慢…出来ないや」
男「…妹?」
妹「にいさん、こっち…見て?」
男「……。」
チュッ
420:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/20(木) 02:52:10.85 ID:GUJppG5z0
妹「…えへへ、またにいさんと、しちゃった」
男「……。」
妹「前も、したこと…覚えてる?」
男「…ああ」
妹「そっかぁ…よかった」
妹「あの日から、ずっとまた…したかったから」
男「……。」
妹「ふふ、あのときみたいに、ドキドキしてくれてる?」
妹「私は…してるよ」
妹「今だけじゃなくて、にいさんといるときはいつだって、ずっとドキドキしてる」
妹「おかしいね、兄妹なのにね」
男「……。」
妹「ふふ、今日はあのときの続きがちゃんと、言えるみたい…」
妹「…ねえ、にいさん、聞いて」
妹「私、にいさんのことが好き」
423:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/20(木) 03:08:55.04 ID:GUJppG5z0
女「…遅い!」
女「試験が終わったら待ち合わせって言ったのに、なにしてるんだあいつー」
女「…もう1時間も経ってるし…まさか、あまりにも解けなくてトイレで泣いてるとか…無いよね」
女「折角、妹ちゃんお手製お守りを特別に貸してあげたのに」
女「……。」
女「…男君も、とっくに試験終わってるよね」
女「…今頃、妹ちゃんと会ってるのかな」
女「……。」
女「そしたら、きっと…」
女「……。」
女「……。」
妹『私が消えちゃう、話…女さんがどこまで知ってるか分からないですけど』
女『全部、聞かせて』
妹『…うん』
452:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/20(木) 23:47:07.39 ID:GUJppG5z0
妹『私が、サンタの魔法で生まれたのは知ってますよね?』
女『うん』
妹『妹が欲しい…私はにいさんのその願いを叶えるために、生まれたんです』
妹『そのためだけに、私はいます』
女『……。』
妹『だから、にいさんの妹じゃなくなったら…私は、消えちゃうんです』
妹『魔法が、解けちゃうから』
女『…妹じゃなくなるって、具体的にはどういうこと?』
妹『にいさんが、私のことを、妹だと思わなくなったら』
女『……。』
妹『にいさんが私を一人の女の子として見たら…ふふ、私に恋しちゃったら、私、消えちゃうんです』
女『そんな…』
妹『えへへ、面白いですよね。私の中でにいさんはとっくに、にいさんじゃなくなってるのに』
妹『叶わない恋?ふふ、漫画みたいですよね…夢みたい』
女『……。』
459:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 00:36:59.12 ID:GUJppG5z0
女『…それだったら』
妹『にいさんに告白するのはやめて、ですか?』
女『……。』
妹『告白しても、叶わないから?』
女『だって…そうでしょう』
女『告白して、良いことなんてなにも無いじゃない…』
妹『逃げるなって言ったのは先輩ですよ?』
女『……。』
妹『ごめんなさい…言い方が悪かったです』
女『…ううん、私が言ったことは本当だから』
妹『違うんです、そうじゃなくて…先輩に教えてもらったから、私、気付けたんです』
妹『この気持ちからいつまでも逃げるなんて、無理だよって』
女『……。』
妹『にいさんへの気持ち、これからずっと抑えていくなんて出来るわけない…だって、こんなにも好きなのに』
妹『だから、向き合わないと…にいさんに伝えないと駄目なんだって、決めたんです』
473:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 02:28:46.99 ID:GUJppG5z0
妹『だから、逃げません』
女『…でも』
妹『それに、妹友からも、逃げたくなかったから』
妹『妹友に、これ以上気を遣わせないように。私に遠慮なんかしないように』
女『…だから、ライバルだなんて言ったんだね』
妹『そうですよ…そうしたら妹友と、ちゃんとにいさんの取り合いが出来るから』
妹『…ふふ、妹友と勝負なんて、初めてかも』
女『それでも、勝負なんていう話じゃないでしょ?だって妹ちゃんの勝ちなんて、ないじゃない』
妹『ありますよ』
女『…え?』
妹『にいさんが私を好きになったら、私の勝ちじゃないですか』
女『…だから、そうなっちゃうと』
妹『えへへ、そうですね…そうしたら私、消えちゃいますけど…でも』
妹『私が消えたら…私の勝ちです』
女『……。』
474:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 02:29:28.19 ID:GUJppG5z0
女「……。」
女「…妹ちゃん」
男「……。」
妹「聞いてた?にいさん」
男「……。」
妹「聞いてなくても、何回でも言うね」
妹「好き、にいさん。好きだよ」
妹「好き、好き…にいさんのことが大好き」
男「…妹」
妹「好き、好きぃ」
ギュー
妹「聞いて、にいさん。好きだよ、大好きなの」
妹「いくら言っても言い足りないくらい、好きなんだよぉ…」
男「……。」
476:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 02:56:02.45 ID:GUJppG5z0
妹「ごめんね、妹なのに…にいさんの妹なのに、ごめんなさい」
妹「でもね、しょうがないんだ…にいさんの近くにいると、ドキドキが止まらなくて」
妹「でも…にいさんがいないと、なにも考えられなくて」
妹「にいさんのことしか…考えられなくて」
妹「朝起きる時も、夜寝る時も…夢の中だって、私の中は全部、全部にいさんしかいないんだ」
妹「ずっとずっと、にいさんだけ…離れてくれないんだ」
男「……。」
妹「いつからかなんて忘れたけど…それでも、ずっと」
妹「私、ずっとそんなことになっちゃってたのに」
妹「にいさん、なんでも許すから…」
妹「甘えても、抱きついても…一緒に寝たって許しちゃうから…そんなの、余計止まらなくなるに決まってるのに」
妹「だからもう、我慢なんて出来ないよぉ…ごめんね、にいさん」
妹「ずっと前から…好きになっちゃってたんだぁ」
男「……。」
478:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 03:21:21.39 ID:GUJppG5z0
妹「好き、好きぃ」
男「……。」
妹「離れたくないよぉ」
男「……。」
妹「にいさん、好き」
男「……。」
妹「…好き」
男「……。」
妹「……。」
男「……。」
妹「…好き」
男「……。」
妹「……。」
男「…妹」
男「…泣いてる?」
480:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 03:36:52.21 ID:GUJppG5z0
妹「……。」
妹「…泣いてないよ」
男「そっか」
妹「…にいさん」
男「うん」
妹「……。」
男「なんだ?」
妹「…なんでもない」
ギュッ
男「……。」
妹「…伝わったかな、私の気持ち」
妹「それとも、気付いてたかな…キスとか、しちゃってるもんね」
男「…まあな」
妹「えへへ、やっぱりバレてたかぁ」
男「…聞いたのは、女からだけど」
481:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 03:45:57.62 ID:GUJppG5z0
妹「先輩から聞いたんだ…だよね、にいさん、鈍感だもんね」
男「うるせーよ」
妹「……。」
男「……。」
妹「んしょっと」
男「……。」
妹「ごめん、ずっと私が乗ってて重かったよね」
男「…重くないよ、妹は」
妹「優しいね、にいさん」
男「本当のことだよ」
妹「…ね、ひとつだけ聞かせて」
妹「にいさんにとって私って…なに?」
男「……。」
妹「……。」
男「…大切な、妹だよ」
483:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 03:53:10.94 ID:GUJppG5z0
妹「……。」
男「……。」
妹「……。」
男「……。」
妹「…えへへ、ありがと」
男「大切な、大切な、妹」
妹「うん分かってる。私を大事にしてくれるって約束したもんね」
男「そんな約束なんて関係ないよ」
妹「ふふ、にいさんならきっと、そうだろうね」
男「……。」
妹「…んー、じゃあ、私の用事は終わり」
男「…ああ」
妹「でもねにいさん、もう一人、にいさんを待ってる人がいるんだ」
妹「あのね、にいさん」
妹「今から妹友のところに、行ってあげて」
489:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 04:20:45.09 ID:GUJppG5z0
妹「妹友ね、にいさんの言葉を待ってるから」
男「…でも、前の告白は無かったことにって」
妹「それはもう、いいの」
妹「前告白した別れ道のところで、にいさんを待ってるって」
男「…なんで」
妹「決まってるでしょ、もう一度にいさんに気持ちを伝えるためだよ」
男「妹友ちゃんの…気持ち」
妹「…にいさん、妹友にもらったお守りの袋、開けてみて」
男「お守り…開けたらご利益が減るって妹友が言ってたぞ」
妹「もう入試が終わったからいいでしょ」
男「そうなのか…ごめん、妹友、開けるよ」
男「……。」ピラッ
『私が世界で一番好きな、お兄ちゃんへ』
男「……。」
妹「…ね、妹友、素直じゃないから…行ってあげて、今すぐ」
510:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 17:04:56.99 ID:GUJppG5z0
男「……。」
妹「早く…」
男「妹は――」
妹「私のことは良いから、早く行ってよ」
男「…でも」
妹「早く!」
男「……。」
妹「ありがと、にいさん」
妹「私、にいさんの妹で良かった」
男「…うん」
妹「いってらっしゃい、にいさん」
男「…行ってくる」
タッタッタ
妹「……。」
妹「……。」
515:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 18:26:43.14 ID:GUJppG5z0
女「…ほら、早く走りなさいってば!」
男友「ま、待てって…なんで受験終わりにランニングなんてしなきゃいけないんだよ」
女「良いから、喋る前に足動かす!ほらあと少しだから」
男友「あと少しって、どこ向かってんだ…」
女「…いた!」
男友「公園?…あれ、妹ちゃん」
妹「……。」
女「妹ちゃん」
妹「…先輩?」
女「良かった…」
ギュッ
女「良かったよ、妹ちゃん」
妹「……。」
妹「えへへ、私、消えませんでした…」
男友「……。」
517:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 19:43:03.26 ID:GUJppG5z0
女「うん…うん」
妹「まだ、みんなといられるみたいです」
女「うん…良かった」
妹「嬉しいかな、悲しいかな」
妹「えへへ…やっぱりちょっとだけ、悲しいかな」
女「…私は、嬉しいよ」
妹「にいさんに、全部伝えたんだけどなぁ」
女「……。」
妹「…でも私、自分が消えないって、分かってたんです」
女「え?」
妹「だって、にいさんは私を一番大事にしてくれてるから…きっと、誰よりも大切にしてくれてるって…」
妹「…妹として、ですけど」
女「…妹ちゃん」
妹「今日の告白はね、私の気持ちの確認と…にいさんの気持ちを確認したかったんです」
妹「やっぱりにいさん、私を大事にしてくれてました」
521:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 20:52:15.95 ID:GUJppG5z0
妹「……。」
女「……。」
妹「告白して、良かったなぁ…うっく…」
妹「…えへへ、安心したら泣けてきちゃいました」
女「やせ我慢、しなくても良いよ」
妹「……。」
女「悔しいなら、泣けばいいじゃんか」
妹「…う…うー」
妹「こんなにも、好きなのになぁ…」
女「うん」
妹「ひっく…うっ…好き…なのにぃ…」
女「頑張ったよ、妹ちゃんは」
妹「…好き…好き」
女「うん…うん」
524:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 21:08:19.74 ID:GUJppG5z0
男友「…いろいろあったみたいだな」
女「あはは、まだ終わってないよ」
男友「え?」
女「妹ちゃん、男君は今」
妹「…妹友のところに、行ってます」
女「そっかー…じゃあ、あとはどうなるか見守るだけだね」
妹「…はい」
女「頑張れ、妹友」
妹「……。」
女「ちゃんと自分の気持を伝えれてたら、良いね」
妹「…うん」
妹「…妹友、頑張って」
529:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/21(金) 22:31:46.05 ID:GUJppG5z0
妹友「……。」
妹友「……。」
妹友「…いつから、好きになってたのかな」
妹友「はじめは、妹が羨ましかっただけだったのに」
妹友「優しくてかっこいいお兄ちゃんがいて良いなーって、思ってただけだったのに」
妹友「私にも、こんなお兄ちゃんがいたらいいなーって、思ってただけなのに」
妹友「……。」
妹友「…いつの間にか、私、好きになっちゃってた」
妹友「なんでかな、ただ憧れてただけだったんだけど…なぁ」
妹友「……。」
妹友「…ね、お兄ちゃん」
男「…はあ…はあ…妹友ちゃん」
妹友「…ここに来たってことは、妹は消えてないんですよね」
男「…うん」
妹友「…良かったぁ」
545:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 00:15:12.61 ID:GUJppG5z0
妹友「妹はきっと、消えないって分かってたんでしょうけど」
妹友「だってお兄ちゃんは、妹のお兄ちゃんですもんね」
男「……。」
妹友「…私はそれが、とても羨ましかったんです」
妹友「妹として大事にされて、いつだってお兄ちゃんの側にいられる…それがとても、羨ましかった」
妹友「お兄ちゃんに愛されてる妹が…とても」
男「…はは、それが兄の役目だからな」
妹友「妹は、それだけじゃ嫌だったみたいですけど」
男「……。」
妹友「ふふ、だから告白したんですもんね」
男「…うん」
妹友「…じゃあ」
妹友「妹が頑張ったなら…私も、頑張って言わないと」
男「……。」
妹友「聞いてくれますか、お兄ちゃん?」
551:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 01:37:43.46 ID:GUJppG5z0
妹友「前の告白は、無しになったので」
男「うん…聞く」
妹友「…と言っても、言うことは一緒ですけどね」
男「……。」
妹友「ふー…」
妹友「お兄ちゃんのことが好きです、私でよろしければ、付き合ってください」
男「……。」
妹友「ずっと隣にいたいです、お兄ちゃんと一緒に笑っていたいです」
妹友「お兄ちゃんに私を支えて欲しいです、お兄ちゃんを私が支えてあげたいです」
妹友「なんでもします、お兄ちゃんのためだったら」
妹友「だから、お願いします、私と付き合ってください」
男「……。」
妹友「…言っちゃったぁ、恥ずかしい」
553:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 01:50:03.14 ID:GUJppG5z0
男「…えっと」
妹友「今度は…返事がちゃんとほしいです」
妹友「妹もきっと、そのためにこんなことを言ったから」
男「……。」
妹友「…今じゃなくても、いいですけど」
男「…いや、今言うよ」
妹友「……。」
男「……。」
妹友「お願いします」
男「…うん」
男「……。」
妹友「……。」
男「…ずっと、いろいろ考えてたんだ」
男「妹のこと、妹友ちゃんのこと…女に言われたこと、自分のこれまでのこと」
男「…いろんなことを、考えてた」
555:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 02:24:15.83 ID:GUJppG5z0
妹『一緒に寝ようかなって…だめ?』
妹『にいさんは、私のにいさんだよって』
男「妹は、俺の大事な妹で…ずっと、俺が守っていく大切な家族」
妹友『でも、周りの人達が聞いたらそれこそ…』
妹友『気にし過ぎちゃ駄目ですからね』
男「妹友ちゃんは妹の友達で…誰よりも妹と俺を考えてくれてる…俺の中では、妹と同じくらい大切な人」
女『もしかしてさ、男君…妹友の告白に、返事してない?』
女『妹ちゃんね、男君のこと、好きだよ』
男「妹のことも、妹ちゃんのことも…俺、全然分かってなくて」
男『俺…どうすればいい?』
男『…妹友ちゃんも、ずっとこんな気持、なのかな』
男「でも、今回ずっと考えて…少しだけ、分かった気がする」
561:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 02:47:35.26 ID:GUJppG5z0
女『好きになっちゃったら、しょうがないよね』
妹『私、にいさんのことが好き』
妹友『お兄ちゃんのことが好きです』
男「……。」
妹友「…お兄ちゃん?」
男「…妹友ちゃんは」
妹友『これからよろしくね、お兄ちゃん』
妹友『お兄ちゃん、考え事ですかー?』
妹友『相談、乗りますよ?』
妹友『ふふ、なにか期待させちゃいました?』
妹友『…ふふ、でもこれ以上お兄ちゃんを困らせてもしょうがないですし』
妹友『私は、妹の友達でいたいから』
男「……。」
男「妹友ちゃんは…明るくて、優しくて、魅力的で、友達想いで、そしてなによりも…妹の大切な人で」
男「…俺に必要な人だ」
562:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 02:49:36.68 ID:GUJppG5z0
妹友「…お兄ちゃん」
男「……。」
妹友「…え、それって」
男「……。」
男「…妹友ちゃん」
妹友「…はい」
男「……。」
男「俺は…」
男「……。」
男「俺は――」
563:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 02:50:53.36 ID:GUJppG5z0
…………………………………………
………………………………
……………………
…………
……
565:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 02:57:04.80 ID:GUJppG5z0
母「――で、それで?どうなったの?」
妹「ふふーん、それはね…」
男「…おい」
妹「あ、にいさん、おはよー」
母「おはよう、男」
男「ふたりしてなにを話していたのでしょうか」
妹「にいさんの奪い合いについて、その行方を語ってました」
母「はい、語られてました」
男「……。」
母「この、色男め」
妹「めー」
男「…どう返事をしていいか分からねえ」
ピンポーン
妹「あ、妹友だー」
男「……。」
567:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 03:04:36.08 ID:GUJppG5z0
妹「わわ、どうしよう、まだ用意できてないよ」
男「…俺が待っとくように伝えてくるよ」
妹「いいよ、私が行くー。にいさんまだ起きたばっかでしょ、朝ご飯食べといてよ」
男「おうよ」
母「…のんびりしてるけど、遅刻大丈夫?」
男「今日はいつもより遅くていいんだよ」
母「卒業式の日に遅刻なんてやめなさいよね」
男「だから大丈夫だってば…」
妹「まだ大学に合格してるか分からないのに卒業なんて、すっきりしないね」
男「…まあな」
ピンポーン
男「ほら、早く行って来いよ」
妹「あ、そうだった、妹友ー」
568:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 03:12:52.48 ID:GUJppG5z0
男「じゃあ、いってきます」
母「あとで卒業式見に行くから」
男「うん」
母「卒業式のあとはお墓参りだからね」
男「分かってるよ」
妹友「おはようございます、お母さん」
母「おはよう、妹友ちゃん。家まで迎えに来てくれてありがとうね」
妹友「いえいえ、早起きなものでー」
妹「…寝ぐせが直らないよー」
妹友「あ、妹も来たー」
男「んなこと気にしてないで、行くぞ」
妹「うー…いってきます」
妹友「いってきまーす」
母「ふふ、いってらっしゃい」
569:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 03:20:37.33 ID:GUJppG5z0
母「…あ、そういえば肝心なこと忘れてたわ」
妹「…はいな?」
男「なんだ?」
母「結局、男の奪い合いの結果はどうなったの?」
男「……。」
妹「……。」
妹友「……。」
母「…ん?」
妹「えへへ、それはね」
妹「ふたりとも、振られちゃったー」
妹友「面目ないです」
男「……。」
570:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 03:28:28.39 ID:GUJppG5z0
妹友「おにーちゃんッ♪」
妹「にいさんー♪」
男「だあ、離れろってば」
妹友「いえ、離れません」
妹「離れないよーだ」
男「…たく」
妹友「結局あれですよねー、お兄ちゃん」
男「…ん?」
妹友「こういうハーレムルートに持ち込むために私たちを振ったんですよねー」
妹「え、なにそれー」
男「んなわけないだろ…」
妹友「漫画とか小説だったら袋叩きにあってますよ、この状況」
妹「両手に花ーってね」
男「……。」
妹友「…まあ、私は嫌いじゃないですけどね」
571:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 03:42:01.39 ID:GUJppG5z0
妹「私も3人でいられるから、これでいいー」
男「……。」
妹友「俺に必要な人だって言われたときは…ドキっとしたんだけどなー」
妹「そこまで言っといて振るなんて、女ったらしだよね、にいさん」
男「…先行くぞ」
妹友「あ、逃げる気ですね」
妹「逃がしませぬ」
男「……。」
妹友「振った責任は、ちゃんと取ってもらわないと、お兄ちゃん」
妹「これからずっと、私たち二人の相手しないとね、にいさん」
男「……。」
ダッ
妹「あ、逃げたー」
妹友「追いかけるよ、妹」
妹「はいなー!」
572:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 03:51:52.00 ID:GUJppG5z0
妹友「…あはは」
妹「どうしたの、妹友?」
妹友「ううん、なんでもない」
妹友「きっとお兄ちゃん…妹も私も悲しませないように、誰も選ばなかったんだろうなって」
妹「そうかもねー」
妹友「でも…誰も選ばないってことは、誰にもチャンスがあるってことだからね」
妹友「私、お兄ちゃんに好きって言われるまで、諦めない」
妹「…ふふーん、無理だよ妹友は」
妹友「な…なんで?」
妹「だってにいさん、胸が大きい人には興味ないからねー」
妹友「……。」
妹「なんせ生粋のロリコ――」
男「おい」
妹「わわ、いつの間に戻ってきたの!」
妹友「…ふふ」
574:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 04:02:58.90 ID:GUJppG5z0
妹友「いいよね…かっこいいお兄ちゃんがいて」
妹「…かっこいいかな?」
妹友「そうだ、恋人が駄目ならやっぱり私もお兄ちゃんの妹になる!」
妹「な…だから駄目だってばぁ!」
妹友「なんでー?」
妹「…なんでって…それは、そのー…にいさんは、私だけのにいさんだから…ね?」
妹友「いいよね、お兄ちゃん?」
妹「ちゃ、ちゃんと私の話聞いてよー!」
妹友「あはは、ごめんごめん」
男「…はあ」
妹友「お兄ちゃん、また悩み事?」
妹「悩み事好きだね―」
男「…あのなー」
女「悩み事ならあっしが相談に乗りますぜ、旦那」
男「…どこから出てきたんだよ、お前」
576:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 04:12:05.27 ID:GUJppG5z0
女「お前って酷いー」
妹「おはようございます、先輩」
妹友「おはようございまーす」
女「おはよー、可愛い後輩たち。妹友、私の妹になる気はないかい?」
妹友「お断りしますー」
女「へ、返事早いね…」
妹「しかも振られましたね、先輩」
女「…うー…もう、こうなったら走るぞ!妹ちゃん」
妹「は、はいです」
男「…朝から元気だな、ほんとに」
妹友「…お兄ちゃん」
男「ん?」
妹友「私、まだ本当に諦めてませんからね」
男「……。」
妹友「いつか、私に振り向かせてみせますから」
577:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 04:29:22.30 ID:GUJppG5z0
妹友「そのときまで、どうぞお楽しみに」
男「…はは、困ったな」
妹友「困ってください、こうなったのはお兄ちゃんのせいですからね…私を、好きになんてさせるからですよ」
男「……。」
妹友「ふふ、じゃあ、あの二人を追いかけましょうか」
男「…俺らはゆっくり行こうよ」
妹友「え?」
男「朝っぱらから走りたくない…」
妹友「…しょうがないですねー」
男「ありがたい」
妹友「しばらく、お兄ちゃんの隣が独占できますし、良いですよ」
男「…はは」
妹友「……。」
男「ん?どうかした?」
妹友「そういえば、一つしてないことがありまして」
578:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 04:38:02.66 ID:GUJppG5z0
男「なにが?」
妹友「ちょっと、こっちを向いてもらってもいいですか?」
男「…ん?」
チュッ
男「……。」
妹友「えへへ、私のファーストキスです」
男「い、妹友ちゃん…」
妹友「…あれ、結構…恥ずかしい」
男「……。」
妹友「……。」
ダッ
男「…あ」
妹友「や、やっぱり走りましょう、お兄ちゃん」
男「…はあ…結局走るのか」
579:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 04:48:09.26 ID:GUJppG5z0
女「なにしてんだー、遅いぞー」
妹「遅いぞー、にいさん」
男「…はいはい」
妹友「あはは、大変ですね、お兄ちゃんは」
男「…ああ、そうだな」
妹友「お兄ちゃん」
男「なんだ?」
妹友「これからも、よろしくお願いします」
男「…うん、よろしく」
女「こらー、スピード落とすなー」
妹「にいさんも妹友もファイトー」
妹友「……。」
妹友「…ふふ、振られちゃったのは残念だけど」
妹友「今はこれで、よしとしましょうか」
妹友とお兄ちゃん 終わり
580:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 04:48:59.69 ID:8EyIuASR0
お疲れ様‼
続きが読めてよかった、ありがとう。
581:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 04:58:30.59 ID:oY1lXcNc0
感動をありがとう。
582:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 05:06:57.03 ID:orT0MoGg0
一乙
そしてありがとう
591:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 06:35:22.86 ID:+9qX9Ji+0
乙
とても良かった
599:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 08:38:21.36 ID:q/NK53b/0
乙
ありがとう!
603:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 10:25:46.17 ID:qaWm5OHf0
乙
すばらしかった
604:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/22(土) 11:38:10.25 ID:Bb37U+Ib0
乙
感動した
すごくよかった
ありがとう
妹「私?サンタからのプレゼントだけど」
2017-12-25
※記事引っ越しです。
5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:47:19.93 ID:6rrxG+eL0
男「…え、なにもう一回言って」
妹「だから、私はサンタからあなたへのプレゼントなの」
男「…夢?」
妹「頬っぺたつねってみなさいよ」
男「…痛い」
妹「そういうことです」
男「…とりあえずもう一回寝てみようか」
妹「寝るな」
ゲシッ
男「痛い」
13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 00:45:58.78 ID:vP0yf/xX0
妹「起きた?」
男「起きた」ヒリヒリ
妹「状況は理解出来た?」
男「出来た」
男「…いやちょっと待って出来てない!」
妹「そこはそのまま出来たで良いじゃない」
男「いやいや、危うく流すところだった」
妹「もう、物分かり悪いな」
男「整理していい?」
妹「良いよ」
14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 00:50:57.33 ID:vP0yf/xX0
男「俺さ、妹が欲しかったのよ」
妹「うん」
男「それでさ、昨日の夜に「あ、明日ってクリスマスじゃん」とか思ってさ、「あー、サンタが妹でもくれないかな」とかふと考えたりしたよ?」
妹「ふむふむ」
男「で、朝起きたら枕元に君がいたわけだけどさ」
妹「ようするに?」
男「サンタっているんだな」
妹「あ、そこなんだ」
15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 00:59:03.98 ID:vP0yf/xX0
男「細かいこと考えるのはやめとくわ」
妹「うん、その方が良いよ」
男「結論さ、俺に妹が出来たってことで良いの?」
妹「うん、制限時間付きだけど」
男「制限時間?」
妹「ゲームとか漫画だったら、まあサンタのポケットマネーでプレゼント出来るんだけどさ」
男「あ、サンタ自腹なんだ…頑張ってるんだな…」
妹「妹ってお金じゃ買えないじゃん?」
男「だろうね」
妹「だから、まあ簡単に言うと私ってサンタの魔法で生まれたみたいなもんなんだけどさ」
妹「まあサンタの力も無尽蔵じゃないからさ、制限時間があるみたい」
16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 01:05:01.10 ID:vP0yf/xX0
男「いつまで?」
妹「来年のクリスマスまで」
男「結構長いな」
妹「サンタの力なめんな」
男「いや、凄いのかよく分からないけどさ」
妹「だからまあ、一年間よろしくね」
男「ん、まあ妹が出来て嬉しいよ」
妹「そうだったら私も嬉しいけど」
男「よろしく、妹」
妹「いやいやこちらこそ」
20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 01:16:21.90 ID:vP0yf/xX0
妹「で、私はあなたのことをなんて呼べば良い?」
男「え、うーん…好きに呼んでいいよ」
妹「あなたの名前は?」
男「男だけど」
妹「じゃあ、男」
男「いやいや待て待て」
妹「どうかした?」
男「俺には妹なんていたことないし、妹のなんたるかって全然分からないけど」
男「でもなんかそれは違う気がする」
妹「そんなこと言われても」
男「もっとこうさ」
妹「好きに呼んでいいって言ったくせに」
男「…ごめんなさい」
24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 01:29:19.54 ID:nO/4GRHC0
なにこのちょこッとsister
27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 01:50:32.47 ID:vP0yf/xX0
妹「呼び方の候補をちょうだい」
男「候補ですか」
妹「無ければ男で決定」
男「ちょっと待ってすぐに考える」
妹「そんなに嫌なんだ」
男「妹の呼び方といえば、『お兄ちゃん』とか『兄さん』とかかな」
妹「お兄ちゃん…兄さん」
男「あとは『兄貴』とか、変化球で『にいに』とか」
妹「あにき…にいに…?」
男「まあいろいろあるけど、例はこれくらい」
妹「うーん」
30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 02:02:29.85 ID:vP0yf/xX0
男「俺の希望としては『お兄ちゃん』とか『にいに』とかそういうお兄ちゃん大好きーみたいな妄想がかきたてられる呼び方が良い――」
妹「『にいさん』で」
男「……。」
妹「これからよろしく、にいさん」
男「いや別に良いけどさ」
妹「私の心境に変化があったらまた変わるかも」
男「てことはいつかはお兄ちゃんと呼んでくれる日も」
妹「イライラしてきたら男って呼びます」
男「なんか始めの好感度低くない?」
妹「気のせいだよ」
男「なら良いんだけど」
33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 02:10:06.16 ID:vP0yf/xX0
男「あと何か決めておくことあるかな」
妹「私は思いつかないけど」
男「じゃあまあ、何か出て来たらおいおい決めていこう」
妹「はいな」
男「はいな?」
妹「なにか?」
男「いやなにも」
妹「にいさん、お腹すきました」
男「じゃあ下の階行こっか、きっと母さんが朝ご飯用意してるよ」
妹「二階建てなの?」
男「そうだよ、まあ二階は俺の部屋以外空いてるけど」
妹「お金持ち?」
男「知らないけど」
妹「そっか」
34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 02:20:45.94 ID:vP0yf/xX0
男「母さん、妹見てびっくりするだろうな…」
妹「あ、そこらへんは大丈夫」
男「え?」
妹「うまい具合にみんなの記憶をいじってあるはずです」
男「妹がいるってことに?」
妹「はい」
男「サンタが?」
妹「サンタが」
男「サンタすげえな、いやむしろ怖えよ」
妹「確認しに行ってみる?」
男「行ってみるか」
35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 02:29:01.47 ID:vP0yf/xX0
男「おはよー」
母「おはよう、男」
妹「おはよう」
母「おはよう、妹。二人とも起きるの早いわね」
男「…おー」
妹「サンタなめるな」
男「いや今その力に恐怖すら持ちはじめたところだよ…」
母「サンタ?」
男「いやこっちの話」
妹「たぶん二階に私の部屋も出来てるよ」
男「用意が細かいな…」
36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 02:39:27.70 ID:vP0yf/xX0
母「今日は二人でデートでもするのかしら?」
妹「はい?」
男「え…え?」
母「折角のクリスマスだし、外で遊んで来なさいな」
男「クリスマスってカップルだけの限定イベントかと…兄妹ってそういうものなの?」
妹「私に聞かれても」
男「…遊びに行くか?」
妹「別に構わないけど」
男「この町、案内してやるよ」
妹「…ありがと」
母「仲がよろしいことで」
38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 02:53:02.96 ID:vP0yf/xX0
町
妹「賑やかだね」
男「まあクリスマスだからな」
妹「クリスマスってそんなに特別なの?」
男「カップルがこれみよがしにイチャラブ出来るという意味では」
妹「本来はキリストの生誕を祝う日なのに、その意味で盛り上がってるわけ
じゃないんだね」
男「まあキリスト教の国じゃないし…というかその知識はどこから来てるんだ?」
妹「サンタの力です」
男「サンタすげえ」
妹「あと、一般知識ならたぶん大丈夫」
男「まあカップル以外にとっては平日と変わらないよ」
妹「てことはにいさんにとっては平日なんですね」
男「なかなか内側をえぐるストレートを投げるじゃないか…」
39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 03:07:07.26 ID:vP0yf/xX0
男「でもまあ今日から俺にとっても特別な日かな」
妹「なんで?」
男「妹が出来たから」
妹「……。」
男「願いが叶った日だな」
妹「…そう言われたら、にいさんの妹になった意味もあるというものですね」
男「いやいや、ありがとうな」
妹「まあそれはいい話ということで良いんだけど」
男「ん?」
妹「なんで妹が欲しかったの?」
男「あ、あー…」
42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 03:22:18.31 ID:vP0yf/xX0
妹「なんで?」
男「いや、それには深いわけが」
妹「まさかとは思うけど棚の奥に隠してあったいかがわしい本たちが関係したりしないよね」
男「なぜその存在を知っている」
妹「にいさんが起きるのを待ってる間に」
男「…なんてこったい」
妹「で、どうなのかな」
男「……。」
妹「妹っていう存在にそういう幻想を抱いてたからなんていう理由じゃないよね」
男「……。」
妹「そんな理由で私が生まれたとしたら、まあ思うことがなくもないけど」
男「…なるほど、妹の俺への評価がいきなり低かったのはこういうわけか」
44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 03:32:45.90 ID:vP0yf/xX0
妹「私の兄になる人はどういう人なんだろうなぁって、ドキドキしながら部屋を見渡して」
妹「それとなく本棚を見てみたらこれですよ」
妹「せめてもう少し隠せよと」
男「返す言葉がない」
妹「親があれ見たら泣くよ?」
男「やめて、そういう責め方一番効くから…」
妹「まあ人の趣味をあれこれ言っちゃいけないと思うけど」
妹「私のことそういう目で見たら二度とにいさんだなんて呼ばないからね」
男「……。」
妹「返事は?」
男「はい…」
47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 03:54:18.21 ID:vP0yf/xX0
妹「はぁ…分かれば良いけど」
男「…信じてもらえないだろうけどさ」
妹「なに?」
男「朝起きて君を見てさ、あーこの子が俺の妹なんだって思ったら」
男「そしたらそんな…やましいというか…とりあえず!そんな気持ちすぐなくなったよ」
男「兄としてというか、なんというか…妹を大事にしたいって思ったんだ。ちゃんと君のことをさ、だから」
妹「…ふーん」
男「…いや、信じてもらえないと思うけど。第一印象が悪すぎるし」
妹「態度で示してよ」
男「え?」
妹「これからずっと一緒にいるんだから、ちゃんと私を大事にして」
男「もちろん」
妹「ん、約束」
男「約束」
59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 13:55:59.11 ID:g70ceLRA0
妹「先が思いやられるけど」
男「返す言葉がない」
妹「…ん」
男「な、なにその手」
妹「なにって、この町のことを案内してくれるんでしょう?」
男「あ、うん」
妹「エスコートしなさいよ」
男「手、繋ぐの?」
妹「つ、繋ぐわけないでしょ!はやく行こうってこと」
男「…おうよ」
妹「案内して、あなたの町を」
男「そして今日からお前の町、な」
妹「なにかっこつけてるんだか」
60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:02:08.20 ID:g70ceLRA0
そんなこんなで、妹との生活が始まるのだが
それはまた別のお話
おしまい
ごめん、保守して貰ったのに今日用事があって書けないです
誰かよろしくお願いします
62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:13:22.56 ID:IZvcKf4K0
俺は、お前の話が見たい
よって保守
65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:57:36.98 ID:5ruFKC960
お前の話しが見たいんだよ!言わせんな恥ずかしい
全力で
85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 01:03:56.67 ID:611GaTsa0
男「……。」
妹「……。」
男「…んー」
妹「…はぁ」
男「……。」ゴロン
妹「……。」
男「……。」
妹「……。」
男「……。」ポリポリ
妹「……。」
86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 01:27:04.49 ID:611GaTsa0
ピピピピピピピピピピピピピ
妹「ひっ」ビクッ
男「…ん、あー」カチ
妹「……。」
男「…あ?」
妹「おはよう」
男「一つ質問良い?」
妹「どうぞ」
男「なんで毎日起きたら枕元に座ってるの?」
妹「…にいさんを起こしに?」
男「いや聞かれても」
男「というかいつも目覚ましで起きてるんだけど、俺起こされてないよね?」
87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 01:32:05.44 ID:611GaTsa0
妹「お母さんと二人で話すのは緊張するの」
男「親子なのに」
妹「設定はね」
男「設定とか言うな」
男「しかもお前、母さんとは仲良いだろ」
妹「じゃあ、にいさんの監視のためです」
男「じゃあって…まあ良いや」
妹「目覚ましってビクッとする」
男「さいですか」
妹「捨てていい?」
男「ダメ」
妹「残念」
男「目覚まし嫌なら俺の部屋来るなよ…」
88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 01:39:56.64 ID:611GaTsa0
一階
男「はよー」
母「おはよう、ご飯出来てるよ」
妹「おはよー」
母「あら、今日も一緒に起きてきたわね」
男「なんか起きたら毎朝こいつ俺の部屋にいてえっ!」
母「なに突然大声出してるのよ」
男「イタいイタい妹さん足踏んでる」
妹「ごめん気が付かなかった」
男「気を付けてください」
妹「善処します」
母「…仲が良いわね」
89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 01:46:40.13 ID:611GaTsa0
母「ほら、早くご飯食べないと新学期早々に学校遅刻するわよ」
男「それは困る」
妹「にいさんがトロいから」
男「いやいやお前が足踏んでるから…」
母「まったく誰に似たのかしらね」
妹「私じゃないことは確か」
母「私でもないわよ」
妹「突然変異?」
母「ならしょうがないか」
母、妹「ねー」
男「やっぱりあんたら仲良いじゃん」
妹「早くご飯食べる」
男「はい…」
90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 01:52:29.18 ID:611GaTsa0
妹「にいさん」
男「ん?」
妹「ん」
男「ん?」
妹「ん」
男「ん?」
バシッ
男「いてえ!」
妹「分かってる癖に」
男「好き嫌いはよくないぞ」
妹「梅干しはどうしても無理」
男「じゃあ残せよ」
妹「残すのは梅干し職人さんに失礼」
男「じゃあ食べろよ…あと梅干し職人って誰だ」
91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 01:58:54.69 ID:611GaTsa0
男「着替えは?」
妹「出来た」
男「忘れ物は?」
妹「ない、はず」
男「よし、じゃあ行くぞ」
妹「あ、ちょっと待って」
男「なんだ?」
妹「歯磨きをしてない」
男「良いだろそんなん」
妹「でも」
男「はい、いってきます」
母「いってらっしゃい」
妹「うー…いってきます」
92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 02:14:47.71 ID:611GaTsa0
通学路
男「妹が来てからもう二週間か」
妹「そうだね」
男「ちょっとは生活に慣れたか?」
妹「うん、私の生活見てておかしいところある?」
男「まあ無いと言えば嘘になるけど、概ね及第点」
妹「お、おかしいところあるんだ…」
男「世間一般の妹はそんな四六時中兄の後ろをついて回ったりはしないと思う」
妹「しょ、しょうがないじゃない!にいさんを見ていろいろ勉強しないといけないんだから!」
男「まあそうだけど」
妹「勘違いしないでよね、誰が好き好んでにいさんと一緒になんか――」
男「分かった分かった」
101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 11:35:41.82 ID:Qt3QMnY90
男「まあ、思いのほか馴染めてて安心したよ」
妹「私って器用だから」
男「否定はしない」
妹「えへへ」
男「となると、問題はこれからだよな」
妹「そうだね」
男「学校、どうしようか」
妹「たぶんサンタの力で大丈夫だと思うけど」
男「もともと妹が居たことになってるはず?」
妹「はず」
男「全員の記憶を操作して?」
妹「して」
男「つくづく恐ろしいことだな…」
102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 11:43:00.91 ID:Qt3QMnY90
男「で、妹の学年は中学三年生で良いんだな?」
妹「なんで?」
男「いや確認」
妹「中学三年生で大丈夫だよ」
男「それは誰が決めたんだ?」
妹「気分」
男「誰の?」
妹「私の」
男「大丈夫なのかおい…」
妹「なにか問題でもあるかな」
男「まあ一つ言っとくと、お前の見た目は中三には見えない」
妹「え、どれくらいに見えるの?」
男「…小学生?」
104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 11:48:54.31 ID:Qt3QMnY90
妹「それは私の責任じゃない」
男「うん、まあそうだけど」
妹「たぶん、私の容姿はにいさんの意向が反映されてるはずだけど」
男「へ、へえ…」
妹「……。」
男「……。」
妹「…ロリコ」男「分かった中三で良いよ」
妹「分かれば良い」
男「…これって好感度下がってます?」
妹「下がるほど好感度があるとでも?」
男「……。」
105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 11:56:02.38 ID:Qt3QMnY90
妹「…冗談だよ」
男「え?」
妹「まあ部屋にあったいかがわしい本も捨ててくれたみたいだし」
男「あ、うん」
妹「にいさん、思ったよりも普通の人だったし」
男「それって褒めてるのか、けなしてるのか」
妹「褒めてはいない」
男「あ、うん」
妹「それに…」
男「ん?」
妹「約束したとおりに私のこと、だ、大事にしてくれてるし…」
男「…あはは」
妹「だから、この容姿については許してあげる」
107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 12:04:30.30 ID:Qt3QMnY90
男「ありがと」
妹「体は子供、頭脳は大人」
男「中三はまだ大人じゃない」
妹「うるさい」
男「いたっ」
妹「もお、やっぱり許さない」
男「理不尽な…お、着いたぞ」
妹「中学校?」
男「そう、俺が通ってた中学校」
妹「よ、よおし…」
男「…ほんとに大丈夫なんだよな?」
妹「たぶん」
男「なら良いんだけど」
108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 12:11:05.59 ID:Qt3QMnY90
男「じゃあ俺は高校行くから」
妹「うん…」
男「また迎えに来るからさ」
妹「い、いらないからそんなの!」
男「はは、そっか」
妹「早く行けば?」
男「はいはい」
妹「…じゃあね、にいさん」
男「おう、頑張れよ」
妹「言われなくてもー」
男「じゃあな」
109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 12:30:58.61 ID:Qt3QMnY90
男「…とまあ送り出したのは良いんだけど」
男「…不安だ」
男友「何が不安だって?」
男「いや、なんでもない」
男友「いやいや言ってたべ」
男「空耳じゃない?」
男友「…かなぁ」
女「おはよー!」
男友「おっす」
男「はよー」
女「ねえねえ男君」
男「ん、なに?」
女「今日の朝、妹さんと歩いてたよね?」
男「ぶっ」
111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 13:30:19.10 ID:mtaRcda20
男友「おー、噂の小さい妹さん!」
男「なんだよ噂のって」
男友「中学生には見えない見た目だという、マニア必見の」
男「殴られたいのかお前」
女「最低」
男友「やめてそんな目で見ないで」
男(…ちゃんと妹いることになってるんだな)
男友「良いなー、俺も妹さん見たいなー」
女「いつも一緒に学校行ってるの?」
男「いやそういうわけじゃ」
男友「中学校って方向違うじゃん」
男「まあそうだけど」
112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 13:39:32.93 ID:mtaRcda20
男友「あ、もしかして不安って妹さんのことか?」
女「なんのこと?」
男「いや、まあ…」
男友「なんか朝からずっと悩んでるのよ、こいつ」
女「へえ、相談なら乗るよ男君」
男「いやいやなんもないから」
女「ふーん…まあ妹さん可愛いから不安になる気持ちも分かるけど」
男「え、なになんか誤解してない?」
男友「このシスコン」
男「断じて違う」
113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 13:49:24.17 ID:mtaRcda20
放課後
男「…って、こんな校門で妹を待ってる兄なんて普通じゃ考えられないわな」
妹「なに言ってんの?」
男「うわびっくりした」
妹友「…お兄ちゃん?」
妹「あ、うん。出来損ないの」
男「酷い紹介だなおい」
妹友「こんにちはー」
男「こんにちは」
妹友「じゃあまた明日ね」
男「一緒に帰るんじゃなかったの?」
妹友「大丈夫ですよー、じゃあね妹」
妹「うん、ばいばいー」
117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 17:44:19.76 ID:mppOKPi20
妹「来なくていいって言ったのに」
男「いやいや心配だったし。でもまあ大丈夫そうだな」
妹「当たり前じゃない、心配することなんてないし」
男「不安そうな顔してたくせに」
妹「うっさい」
男「友達も出来たみたいだしな」
妹「……。」
男「ん、どした?」
妹「…なんでもない」
男「……?」
妹「帰ろう、にいさん」
男「ああ」
118:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 17:51:54.74 ID:mppOKPi20
男「どうしたんだよ妹」
妹「…今日突然友達が出来るわけないじゃん」
男「ん…ああ、そっか。記憶操作で前から友達だったってことか」
妹「そう、友達っていう設定」
男「設定言うな」
妹「にいさんも言ってることは同じでしょ」
男「まあそうだけど」
妹「……。」
男「なんかあったのか?」
妹「なんにもないよ」
男「嘘つけよ」
妹「にいさんには」
男「……?」
妹「にいさんには…分からないこと」
119:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 18:24:17.41 ID:mppOKPi20
男部屋
男「……。」
妹「……。」
男「……。」
妹「……。」
男「あのー」
妹「なに」
男「自分の部屋行けば?」
妹「……。」
男「無視ですか」
妹「……。」
男「どうした、さっきから」
妹「なんでもない」
男「そっか」
120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 18:30:11.59 ID:mppOKPi20
男「まあ、言いたくないなら言わなくて良いけど」
妹「……。」
男「でも俺、一応お前の兄だからさ」
男「困ってることあったら、何でも聞くから」
妹「……。」
男「頼りないかも、知れないけどさ」
妹「…自覚はしてるんだ」
男「はは、妹が出来てはじめて分かったこと」
妹「…あのさ」
男「ん?」
妹「私の好きな食べ物って知ってる?」
123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 18:35:21.86 ID:mppOKPi20
男「嫌いな食べ物なら知ってるが」
妹「あはは、そうだね」
男「結構お前なんでも美味しそうに食べるよな」
妹「そんなところ観察しないでよ」
男「ごめんなさい、で?」
妹「私ね、甘い卵焼きとメロンが大好きなんだってさ」
男「…なんで他人事?」
妹「今日、学校の子が言ってた」
男「……。」
妹「私、メロンなんか食べたことないのに」
男「記憶操作、な」
妹「…ん」
124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 18:42:26.43 ID:mppOKPi20
妹「今日にいさんが校門で話した子」
男「おっとりしてる子な」
妹「朝私が教室に入ったら真っ先に話しかけてきたの」
妹「私の友達」
妹「怖いよね、私にとっては初対面なのに」
男「……。」
妹「あの子だけじゃなくて」
妹「教室にいる子みんなが私を知ってるんだ」
妹「私が知らない私を」
男「……。」
妹「怖かった」
妹「みんなの話してる私って誰なんだろうって」
妹「まわりの子がみんな怖かったんだ」
126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 19:44:30.56 ID:AhjYhJn60
男「……。」
妹「私の部屋もさ」
男「うん」
妹「すごい女の子らしい部屋で、確かに私の好きそうな物がたくさん置いてあるんだけどね」
妹「それを置いたのは私じゃない」
妹「私の知らない、誰かだから」
妹「そう考えたら凄く気持ち悪くなっちゃって」
男「…だから、いつも俺の部屋にいるのか」
妹「しょうがないんだけどね」
妹「だって私、生まれてまだ二週間だし」
妹「全部『作り物』の妹だもんね」
妹「分かってるんだけど、なんか悲しくなっちゃって」
男「……。」
127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 19:51:12.27 ID:AhjYhJn60
妹「ごめん、しょうがないことなんだけど」
男「……。」
妹「にいさん、相談してくれなんて言うから」
男「……。」
妹「あはは、こんなこと言われても困るよね」
男「……。」
妹「ごめんなさい、大丈夫だから」
男「……。」
妹「すぐ慣れるよ、きっと」
妹「それに」
妹「たった一年我慢すれば良いことだから」
男「……。」
妹「…ね、にいさん」
男「妹」
128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 19:56:09.09 ID:AhjYhJn60
妹「え?」
グイッ
妹「え、なに?…きゃッ!」
男「行くぞ」
妹「行くって、え、私の部屋…」
バンッ
男「おーおー、綺麗な部屋だこと」
男「でも」
男「この部屋は暖かくない」
ガンッ
妹「え、なにして…」
129:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 20:10:31.35 ID:AhjYhJn60
男「これも、これも」
ポイッポイッ
男「こんな物使ってる妹なんか、知らないなぁ」
妹「……。」
男「これもこれもこれもこれも」
ポイッポイッ
男「全部、全部いらないよな」
妹「…にいさん」
母「ちょっと、何してるのよ!」
男「ああ、母さん。ちょうど頼みたいことがあったんだ」
男「お小遣い前借りして良いかな、一年分」
母「い、一年ってあんたなに言って…」
男「ちょっとね、買いたいものがあるんだ」
妹「……。」
男「だから、お願い」
131:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 20:26:19.28 ID:AhjYhJn60
母「……。」
男「妹」
妹「……。」
男「自分は作り物だとかさ、一年我慢すれば良いとかさ…そんなこと、言うなよ」
妹「……。」
男「お前は、俺のわがままから生まれちゃったかもしれないけど」
男「お前が苦しんでるのは、全部俺のせいだけど…」
男「俺に出来ることなんて、お前を大事にするくらいしかないけど」
男「でも、お前を悲しませることだけは、したくないから」
妹「…にいさん」
132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 20:28:35.85 ID:AhjYhJn60
男「お前に出来ることはなんだってやるよ」
男「好きなことも、嫌いなことも、全部教えてくれ」
男「思い出をたくさん作ろう」
男「お前のことは、全部俺が覚えてやる」
男「今はなにも知らないけど」
男「でも、俺はお前の兄だから」
男「お前は、俺の妹だから」
男「わがままの責任は、全部俺の物だから」
男「だから、妹は、悲しまないで」
妹「……。」
133:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 20:36:03.40 ID:AhjYhJn60
男「作り物の記憶は、しょうがないけどさ…」
男「でも、妹はちゃんとここにいる」
男「これからのことは、ちゃんとみんなの記憶に残るから」
男「すぐにみんな、本当のお前のことも知っていくよ」
妹「…いよ」
男「それに俺は、ありのままの妹を見てる」
男「はは、俺にはなんも記憶がないからさ」
男「俺は、本当のお前しか知らないから」
男「だから」
妹「もういいよ、にいさん」
男「…ん」
141:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 23:36:44.43 ID:9ohrA3YE0
妹「もう分かったから、十分伝わったよ」
男「…はは」
妹「分かったから」
男「ん」
妹「…にいさん」
男「じゃあ、買い物に行こっか」
妹「……。」
男「この部屋、お前の物でいっぱいにしようぜ」
妹「…でも」
男「返事は?」
妹「…うー」
男「返事」
妹「…はいな」
142:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 23:41:35.52 ID:9ohrA3YE0
母「待ちなさいよ、男」
男「…母さん」
母「ほら、一年分」
男「…ありがとう」
母「暗くなる前に帰ってきなさいよ」
男「はい」
妹「お母さん、ありがとう」
母「妹」
妹「はい」
母「あんたがどう思ってても、私はあなたの『母さん』だからね」
妹「…うん!」
母「兄ちゃんじゃ頼りないときは私に相談しなさい」
妹「うん!」
143:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 23:44:49.16 ID:cY+PZ6kW0
母ちゃんも気づいてる?
気のせいか
144:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 23:53:23.16 ID:BKcCYOkH0
こういう時の母ちゃんの鋭さは異常
145:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 23:57:38.87 ID:9ohrA3YE0
男「…母さん、なにも言わなかったな」
妹「そうだね」
男「きっと言ってること分からなかったよな」
妹「私ね」
男「うん」
妹「はじめて、私のお母さんだなって実感した」
男「いつだって俺達の母さんだったよ」
妹「うん、もう大丈夫」
男「学校も大丈夫か」
妹「うん」
男「ほんとに?」
妹「みんなに私のことを、認めさせてやる」
男「…頼もしいな」
146:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 00:02:54.46 ID:8Xk9Gvvo0
男「ところで」
妹「うん?」
男「俺は、お前の兄になれてるか?」
妹「…うーん」
男「…な、悩んでる」
妹「少しは、頼りがいが出て来たかな」
男「…兄への道は険しいな」
妹「にいさん」
男「な、なんでしょう」
妹「ありがとう」
男「…ん」
147:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 00:08:56.25 ID:8Xk9Gvvo0
妹「商店街まで競争しよ」
男「なんだよ突然」
妹「いいからー」
男「俺としては荷物持ちの体力を残して…って聞けよ」
妹「はやくー」
男「…しょうがない」
タッタッタッ
妹「…にいさんは、はじめから私のにいさんだったよ」
男「は、速い…なんか言ったか?」
妹「なんにも」
男「そっか」
妹「にいさん、遅い」
男「すいません…」
妹「そんなんじゃ、お兄ちゃんになるにはまだまだなんだから」
149:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 00:12:07.58 ID:8Xk9Gvvo0
男「お兄ちゃん?」
妹「…ふん」
男「…まあ、いっか」
妹「にいさん、遅い」
男「勘弁してください」
妹「あはは」
妹が『妹』になるまで おわり
152:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 00:26:05.15 ID:BG/eC5970
乙!きれいに終わったかな。
159:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 01:07:57.70 ID:8Xk9Gvvo0
第三話
男友「妹さん見せてくれよー」
男「見たいなら勝手に見に行けよ」
男友「そんなストーカーみたいなことは出来ない」
男「天性のストーカーがなに言ってんだ」
男友「なにその大勢に誤解を与える冗談」
女「最低」
男友「ほら見ろさっそく一人釣られてやがる…」
男「冗談なことくらい分かってるって、なあ女」
女「え、うん」スッ
男友「一歩引きましたけどこの人、俺から少し離れましたけど」
162:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 01:12:45.91 ID:8Xk9Gvvo0
女「でも、近いうちに妹さん見れるかもよ?」
男友「え?」
女「妹さん中学三年生でしょ?この高校受験したりとか」
男友「おー…おー!」
男「そうか、あいつ今受験生なのか…」
女「お兄さんなに言ってるんですか」
男友「妹さんどこ受けるんだ?」
男「え、聞いてない」
男(というかあいつ自分が受験生だって気付いてるかな…)
女「聞いてみてよ、ね?」
男「うん、分かった」
妹の受験
165:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 01:36:52.37 ID:8Xk9Gvvo0
妹「にいさん、次の巻取って」
男「……。」
妹「にいさーん?」
男「一つ質問良い?」
妹「なにさ」
男「なんで引き続き毎日俺の部屋にいるのでしょうか」
妹「この部屋マンガがたくさんあるんだもん」
男「部屋に持ってって良いよ」
妹「わざわざ次の巻取りに来るのめんどくさいじゃん」
男「全部持ってって良いよ」
妹「重いー」
男「俺が持ってってやるよ」
妹「…んーと」
168:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 01:46:33.91 ID:8Xk9Gvvo0
男「……。」
妹「ほら、二人で同じ部屋にいる方が暖かいでしょ」
男「……。」
妹「まだ冬まっただなかなんだし」
男「妹、まだ自分の部屋が苦手?」
妹「そんなことはないよ!」
男「なら良いんだけど」
妹「ずっと部屋にこもってたいくらいだよ、それくらい気に入ってます」
男「こもっても構わないんだぞ?」
妹「う…」
男「う?」
妹「…バカ!」
バタン
男「…え?」
169:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 01:56:07.12 ID:8Xk9Gvvo0
コンコン
男「妹ー?」
妹「……。」
男「俺の部屋で読んでいいぞー?」
妹「……。」
男「別に嫌なわけじゃないからなー」
妹「…いいもん、私自分の部屋気に入ってるし」
男「あー…困ったな」
男「あ、そういえば聞きたいことあったんだ」
妹「……。」
男「俺の部屋で話そうぜ」
妹「……。」
ガチャ
妹「…しょうがないからにいさんの部屋に行ってあげる、しょうがなくだからね」
男「はは、ありがと」
173:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 02:05:05.18 ID:8Xk9Gvvo0
妹「…受験?」
男「やっぱり気付いてなかったか…」
妹「そっか、私って受験生…」
男「いや、早目に気付いて良かった」
妹「受験まであとどれくらい?」
男「…二ヶ月ないくらいかな」
妹「早目?」
男「いや、早くないなごめん」
妹「…うー」
男「あー、泣くな泣くな」
妹「な、泣かないし、バカ」
174:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 02:09:38.02 ID:8Xk9Gvvo0
男「妹って頭良いのか?」
妹「…ん?」
男「授業とかどれくらい理解してる?」
妹「…ん?」
男「三角形の合同の条件は?」
妹「…ん?」
男「……。」
妹「…合同って?」
男「そこからっ!?」
妹「…ん?」
男「マジかよおい…」
175:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 02:46:10.72 ID:8Xk9Gvvo0
妹「だってしょうがないじゃん…」
男「あー、大丈夫誰も責めてない」
妹「数学はちょっと苦手なだけだもん」
男「さいですか」
妹「あ、でも英語はペラペラだよ」
男「え?」
妹「You still have lots more to work on」
男「ほんとだ、発音が英語を話せる人っぽい」
妹「えへへ」
男「でも何故テニプリ」
妹「今読んでたから」
男「…なんで英語は大丈夫なんだ?」
妹「…サンタは全世界を飛び回ってるから?」
男「理由になってない」
176:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 02:52:17.57 ID:8Xk9Gvvo0
男「まあ良いや、出来るなら問題ない」
妹「あと、国語と社会も得意みたい」
男「ほう、なんでだ?」
妹「一般常識としてかな」
男「歴史とか?」
妹「そう、漢文とかも大丈夫」
男「全然一般常識ではない気がするけど、つっこむのはやめとこう」
男「てことは、苦手なのは数学と理科?」
妹「……。」
男「ん?」
妹「…ちょっとだけだもん」
男「その変に高いプライドはなんなんだ…」
177:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 03:00:08.80 ID:8Xk9Gvvo0
男「まあでもそれなら普通に高校行けるレベルか」
妹「…そうなの?」
男「数学と理科が苦手な人なんてたくさんいるだろうし」
妹「にいさんの高校には?」
男「…え?」
妹「私、にいさんの高校には行ける?」
男「…きついかなー」
妹「…なんで?」
男「一応、俺の高校ここら辺でトップだし」
妹「にいさん、頭良かったんだ…」
男「それなりには」
妹「……。」
男「なんだその目は」
178:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 03:07:26.70 ID:8Xk9Gvvo0
男「まあ高校なんて行ければどこでも良いよ」
妹「…うん」
男「なんか俺の友達が妹さんを是非うちの高校にとか言ってたけど」
妹「な、なんで?」
男「いや、気にしなくて良い」
妹「……?」
男「ほんとになんでもない…」
妹「にいさんは?」
男「ん?」
妹「にいさんは、私に同じ高校に来てほしい?」
187:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 05:30:52.68 ID:Po7VkSCb0
妹が段々と兄に心を許していってる感じが良いね
193:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 12:02:40.60 ID:D6Nw6WXf0
男「俺は…」
妹「うん」
男「…来て欲しくないことも、なくはない」
妹「……。」
男「あれ、これだと来てほしくないことになっちゃうな」
妹「どっちなのさ」
男「そりゃあ、妹が同じ高校ならうれしいけど」
妹「…そっか」
男「でも、さっき言ったみたいに高校なんてどこでも…妹?」
妹「ん、にいさんのその言葉が聞けただけで良い」
男「マンガ読んでかないのか?」
妹「しばらく、にいさんの部屋からはお別れ」
妹「わたし、しばらく受験生になります」
194:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 12:08:36.05 ID:D6Nw6WXf0
男「…ん」
妹「目標は、にいさんと同じ高校」
男「……。」
妹「待ってて、にいさん」
男「…無理、すんなよ?」
妹「大丈夫!」
ガチャ
妹「わたしをなめるな」
男「…おう」
妹「えへへ、じゃあ」
男「頑張れよ」
妹「はいな」
バタン
男「……。」
男「まあ、俺の高校そんな甘くないけどな…」
197:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 12:19:37.87 ID:D6Nw6WXf0
女「じゃあ、妹さんこの高校受験するんだ!」
男「まだ受験するかは分からないけど、目指すとは言ってた」
男友「目指すって…もう二ヶ月切ってるだろ」
男「そこはまあ、いろいろ事情がありまして」
女「来れるといいなー」
男「どうだろ、この高校ってここらで一番難しいからなー」
女「大丈夫だよ、男友でも合格したんだし」
男「…なるほど」
男友「なんだこれ…なんだ俺の扱いは」
199:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 13:22:34.80 ID:eP6eDpXr0
男「なんか急に妹は合格するんじゃないかと思ってきた」
女「でしょう?」
男友「……。」
男「そうだよ、実は簡単なんじゃないか?」
女「そうそう!」
男「そうだよな、俺の妹だもんな」
女「そうだ、男君の妹だー!」
男「むしろ余裕で合格する」
女「そうだ、男友を見るんだー!」
男友「……。」
男「ははは、余裕余裕」
女「わはははははー!」
200:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 13:27:40.69 ID:eP6eDpXr0
男「…そんなわけなかった」
妹「…うー」
男「……。」
妹「台形の面積を求める公式…」
男「……。」
妹「…台形って何?」
男「そこからっ!?」
妹「わ、わたしゆとり世代なもので…」
男「もう悲しいくらいに関係ない」
妹「うー…」
201:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 13:39:16.04 ID:eP6eDpXr0
男「妹、三角形の角度の合計は?」
妹「さんかく…?さん、さん…」
妹「さんじゅう…」
男「はいその時点で違う」
妹「……。」
男「…数学はこのレベルか」
妹「め、面目ないです」
男「理科は?」
妹「……。」
男「…はぁ」
妹「がんばります、がんばりますので」
男「テンパりすぎてキャラ変わってるぞ、妹」
202:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 13:48:58.16 ID:eP6eDpXr0
男「ま、気長にな」
妹「……。」
男「焦らず行けば良いから」
妹「そんな時間、ないの分かってる癖に」
男「…妹」
妹「もっと、もっと私に時間があれば良いのに」
男「…ごめんな」
妹「にいさんのせいじゃないよ」
男「……。」
妹「見てて、にいさん」
妹「私、絶対にいさんと同じ高校に行くから」
男「頑張れ」
妹「うん」
203:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 13:50:18.22 ID:V91bhuxZ0
サンタ…そのくらい教えてやれよ
207:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 14:17:36.78 ID:eP6eDpXr0
女「で、毎日頑張ってると」
男「おう、最近は部屋にこもりっきりだな」
男友「私立はどこ受けるんだ?」
男「私立?」
男友「滑り止め」
男「たぶん受けないのかな?」
女「え、すごいね」
男「まあ、そんなことする前にやることがあるというか…」
男友「落ちたら浪人?」
男「そうなるな」
男友「すごいな…」
男「落ちないよ、妹は」
女「おー」
男「…と、信じたい」
女「あらら」
208:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 14:24:53.34 ID:eP6eDpXr0
母「今日も頑張ってるわね、妹」
男「だな」
母「もう晩御飯の時間なんだけど」
男「きっと集中してるんだよ」
母「まったく…ちょっと呼んできてよ男」
男「邪魔しないほうが良いんじゃないか?」
母「だーめ、ご飯はちゃんと食べないと」
母「美味しいご飯を食べさせること、それが母さんに出来る唯一の応援なんだから」
男「ははは、なるほど」
母「だからお願い」
男「はいはい」
213:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 14:46:14.41 ID:bUOUxePo0
コンコン
男「妹ー、ご飯だぞ」
男「休憩しようぜー」
男「……。」
男「…ん、トイレかな」
男「妹、入るぞー」
ガチャ
妹「……。」カリカリ
男「なんだ、ちゃんといるんじゃん」
妹「……。」カリカリ
男「妹、晩御飯食べよう」
妹「…むー」カリカリ
男「…すごい集中だな」
216:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 14:54:14.22 ID:bUOUxePo0
妹「……。」カリカリ
男「……。」
妹「…うー」カリカリ
男「…はは、やっぱり邪魔しないほうが良いな」
男「頑張れよ、妹」ポンッ
妹「ひゃあッ!」
男「おわっ」
妹「あ、集中切れたぁ…」
男「わ、悪い悪い」
妹「あ、にいさん…どうかしたの?」
男「晩御飯の時間だぞ」
妹「んー、あとで食べるって言っといて」
男「了解」
220:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 15:13:27.58 ID:QAb+8ncn0
母「妹は?」
男「あとで食べるって」
母「もう、しょうがないわね」
男「勉強頑張ってたよ」
母「そう、一体誰に似たのかしら」
男「俺ではないと思う」
母「あら、男に似てると思うけど」
男「そうなの?」
母「うん」
男「まあ、兄妹だから」
母「そうね」
母「…ちゃんと妹のこと見ててね、男」
男「ん?」
母「あの子、頑張りすぎちゃうところがあるから」
男「はは、かもな」
225:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 15:31:24.36 ID:TrntR+0a0
女「受験まであと一ヶ月くらい?」
男「そうだな、一ヶ月切ったくらいかな」
女「妹さん、頑張ってる?」
男「おう、凄いぞあれは」
女「私も応援してるからね!妹さんにそう言っといてね!」
男「おう、分かった」
男友「妹さんの受験も気になりますがー!」
男友「今日は一大イベントの日でもあるのだよ、女さん!」
女「…あー」
男友「そう!2月14日はバレンタインデー!」
男友「そう!う゛ぁれんたいんでい!」
女「はい男君、チョコレート♪」
男「あ、ありがとう」
男友「女さん一人忘れてますよー!ねえ!ねえ!」
226:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 16:03:45.08 ID:PYKkh/ly0
女「妹さんからはチョコレートもらわないの?」
男「いや、それどころじゃないだろ」
女「ふふふ、女の子をなめちゃだめだよ、男君」
男「はは、まあお返しは期待しといてください」
女「お、分かってますねー」
男友「……。」
男「あー、かなりリアルに落ち込んでるから、あいつにもどうか恵んでやってください」
女「しょうがないなぁ、はい男友にも」
男友「…ありがどー」
女「泣くな泣くな」
227:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 16:23:21.42 ID:/kEfDWi/0
男「ただいまーっと」
男「…妹は自分の部屋か」
男「がんばれー」ボソ
ガチャ
男「あと一ヶ月か」
男「…ん?」
男「机の上に…チョコレート?」
カサッ
『感謝しなさいよね』
男「……。」パク
男「…甘」
男「こんなん作ってる暇あったら勉強しろっての」
男「……。」パク
男「…うまい」
229:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 16:25:48.68 ID:zIMUtYks0
こんな妹ほしかった
230:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 16:37:56.42 ID:/kEfDWi/0
男「お、妹の…」
妹友「こんにちはー」
男「今から帰るところ?」
妹友「いえ、塾に行くところです」
男「あー、勉強頑張ってるんだ」
妹友「はい、妹ほどじゃないですけど」
男「あいつ家でもずっと部屋で勉強してるからな」
妹友「知ってます、学校でも机から離れませんよー」
男「だろうな…」
妹友「分からないところはすぐ私に聞いてきますし」
男「迷惑かけて悪いな」
妹友「いえいえ!」
妹友「頼ってもらえて嬉しいんです」
妹友「私、妹の友達ですからー」
男「ありがとうな」
232:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 17:29:21.82 ID:rG6iBg0AO
なんで俺にはこういう妹がいないの?
233:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 17:32:26.33 ID:/kEfDWi/0
男「妹友さんはどこの高校狙ってるの?」
妹友「妹と同じ高校ですー」
男「てことは…」
妹友「はい、お兄ちゃんと同じ高校ですよ」
男「そうだね…って、お兄ちゃん?」
妹友「お兄ちゃんって呼んじゃダメですか…?」
男「いや、ばっちこい」
妹友「よかったー」
男「…妹になんか言われそうだけど」
妹友「どうかしましたかー?」
男「いや、なにも」
235:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 18:03:43.68 ID:cPZfLbaL0
男「妹は、高校に受かりそうかな」
妹友「…えっとー」
男「あ、思ってること言えば良いよ」
妹友「…数学がですねー」
男「ですよね」
妹友「でも妹、英語とか国語とかは誰よりも良いくらいなんですよ」
男「あ、そうなんだ」
妹友「それに、数学と理科もどんどん力をつけていますから」
男「妹友さんは優しいね」
妹友「いえいえ本当のことですよー」
妹友「ただ…」
男「ん?」
236:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 18:09:27.19 ID:cPZfLbaL0
妹友「妹、頑張りすぎちゃってるから、心配です」
男「あー、うん」
妹友「お兄ちゃん、妹のことをちゃんと見てあげてください」
男「気をつけるよ」
妹友「妹、どうしてもお兄ちゃんと同じ高校に行きたいみたいですから」
男「……。」
妹友「じゃあ、塾に遅れちゃうのでー」
男「あ、ごめんね」
妹友「いえいえー、妹のことよろしくお願いします」
男「任せといて」
妹友「はい」
男「妹友さんも頑張ってね」
妹友「がんばりますー!」
男「妹と二人で来るのを、高校で待ってるよ」
妹友「ぜひぜひ、待っててくださいー」
255:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 00:17:40.19 ID:uL2cq/aa0
男「妹友さんも妹と同じ高校を狙ってるのか」
男「優しい子だったな…」
男「女も、男友も、妹友さんも、みんな妹のことを気にかけてくれてる」
男「……。」
男「…よし」
男「俺も、出来ることをやらなくちゃ」
257:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 00:25:21.84 ID:uL2cq/aa0
母「良いの?男と同じ高校で希望出すわよ?」
妹「…うん、大丈夫」
母「これでもう変えられないからね?」
妹「うん」
母「…よし、じゃあこれを明日学校に出しなさい」
妹「はい」
男「あと、20日くらいか」
妹「き、緊張させるようなこと言わないでよ」
男「悪い悪い」
妹「じゃあ私、勉強してくるから」
母「無理しすぎちゃダメよ?」
妹「無理するくらいじゃないと合格しないのー」
タッタッタッ
母「…困ったものね」
258:保守申し訳ない、限界まで書く:2010/12/29(水) 00:32:32.76 ID:uL2cq/aa0
コンコン
男「妹、入るぞ」
妹「良いよー」
ガチャ
男「…うわ、部屋がプリントだらけ」
妹「ごめん、散らかっちゃってるね」
男「片付けようか?」
妹「いいよ、そのままで。なんか恥ずかしいな…」
男「いや、俺の受験のときも似たようなもんだったよ」
妹「そうなんだ」
男「って、そんな話をしにきたんじゃなくて」
259:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 00:44:22.89 ID:uL2cq/aa0
妹「どうかしたの?」
男「妹、最近無理し過ぎだぞ。みんな心配してる」
妹「えへへ、頑張ってるでしょ私」
男「褒めてない」
妹「…はぁい」
男「母さんも俺の友達も、妹友さんだって心配してたぞ」
妹「…分かってるけどぉ」
男「無理して体壊したら元も子もないんだからな」
妹「でも、それくらいしないと…」
男「受からないってか?」
妹「うん」
男「もう十分頑張ってると思うけどな」
妹「絶対に、にいさんと同じ高校に行きたいから」
男「……。」
260:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 00:57:37.77 ID:uL2cq/aa0
妹「その為ならこれくらいの勉強なんて、へでもないよ」
男「…はぁ」
妹「だからもう少し頑張らせて?」
男「…無理すんなって言っても聞かないんだな?」
妹「にいさんに言われても、これだけは」
男「そっか」
妹「ごめんね?」
男「まったくだ、そのおかげで…」
ドサッ
妹「…え、なに?」
男「過去問三年分、とりあえず解いてみた」
男「それと数学と理科をざっと復習」
妹「…どういうこと?」
男「お前が無理をするなら」
男「俺もそれに、付き合おうかと」
261:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 01:08:47.34 ID:uL2cq/aa0
女「…で、その目の下のクマが出来てるわけですかー」
男「妹が分からないところは、全部俺が教えてやろうかと思って」
男友「すげー…」
男「いや、凄いのは妹。毎日あんだけ勉強してたなんて想像出来なかった」
男友「いやいや、それに付き合うお前も相当凄いって」
女「うんうん」
男「兄として出来ることと言ったら、こうしかないでしょ」
男友「兄貴ってこんなことしないといけないのか…妹いなくて良かった」
女「こんなお兄ちゃんが欲しかったなー」
男「好き勝手言いやがって…」
女「妹さん、絶対受からなきゃだね」
男「ああ、じゃないと困るぞ」
男友「頑張れ、男」
女「頑張ってね」
男「頑張るのは妹だよ、俺は勝手に付き合ってるだけ」
263:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 01:14:03.02 ID:uL2cq/aa0
女「妹さんが合格したら盛大に祝うからね」
男友「そういうことは任せろ」
男「はは、妹に言っとくよ」
女「期待しといて!」
男「ん…じゃあ俺は」
男友「うおっと」
男「体力回復に…努めます」
女「ありゃりゃ」
男友「しょうがねえな」
女「おやすみ、男君」
男友「授業ノートは任せとけ」
男「…Zzz」
264:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 01:21:32.96 ID:uL2cq/aa0
男「違うだろ、ここは補助線を一本引くだけで途端にわかりやすくなるんだよ」
妹「…あー」
男「違う、公式くらい覚えとけって」
妹「…いー」
男「違う、お前は新傾向問題の考え方が根本的に分かってない!」
妹「…うー」
男「ほら、次」
妹「にいさん、思ったよりもスパルタ…」
男「心を鬼にして、やるからには徹底的じゃないと」
妹「なるほど…」
男「はいそこも違う」
妹「うがー…」
266:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 01:28:31.98 ID:uL2cq/aa0
男「まったく」
妹「…えへへ」
男「なに怒られてるのにニヤついてるんだよ」
妹「に、にやけてなんかないし、バカ!」
男「いてえ!シャーペン刺すなよ」
妹「…なんか、にいさんとこんなに長い時間一緒にいるの久し振りだなぁって思っただけ」
男「また、受験が終わったらいつでも俺の部屋に来いよ」
妹「…うん」
男「そのためにも、今は勉強」
妹「はぁい」
男「まだまだいけるか?」
妹「誰に聞いてるのさ」
男「じゃあ次はこの問題」
妹「はいな!」
268:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 01:32:46.51 ID:uL2cq/aa0
数分後
男「だから違うって言ってんだろーが!」
妹「ひいぃ!」
男「やる気あんのかお前!」
妹「がんばります、がんばりますので!」
母「…あとで、コーヒーでも持って行ってあげよう」
270:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 01:49:32.57 ID:uL2cq/aa0
受験前日
男「…なんとか、ぎりぎり間に合ったか」
妹「……。」
男「あとは、過去問を解いてみて今日は寝るぞ」
妹「…詰め込み過ぎで、頭痛い」
男「よく頑張ったよ」
妹「うん…コホッ」
男「おい、大丈夫か?」
妹「大丈夫大丈夫、じゃあ過去問やってみるよ」
男「いや、大事を取って今日は寝よう」
妹「え、無理ー」
男「体調崩したら元も子もないって言ったろ?」
妹「でも、こんなんじゃあ不安で寝れないー」
男「だーめ」
271:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 01:54:06.69 ID:uL2cq/aa0
男「お前が寝るまで部屋出てかないからな」
妹「うー…」
男「ほら、布団の中入れ」
妹「……。」モゾモゾ
男「はい、目をつぶって羊数えてさっさと寝る」
妹「無理言うなー」
男「横になってるだけでもだいぶ違うから」
妹「…はぁい」
男「そうそう」
妹「……。」
男「……。」
妹「…にいさん」
男「なんだ?」
妹「…手、握っていい?」
272:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 01:57:53.23 ID:uL2cq/aa0
男「手?」
妹「明日のこと考えたら、不安になっちゃって」
男「いいよ、ほら」
妹「ありがと」
ギュ
妹「……。」
男「……。」
妹「…冷たいね」
男「悪かったな」
妹「ううん、気持ちいい」
男「そっか」
妹「にいさんの手、はじめて触った」
男「そうだな」
妹「……。」
男「……。」
273:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 01:58:51.73 ID:mvPJuXa8O
いい
妹かぁいいよ妹
274:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 02:01:25.19 ID:uL2cq/aa0
妹「…にいさん」
男「なんだー」
妹「私、勉強頑張ったよね」
男「そうだな」
妹「私、合格するかな」
男「余計なこと考えてないで寝ろって」
妹「……。」
ギュ
男「…妹?」
妹「私、合格するかな…」
男「……。」
男「するよ、お前は」
275:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 02:09:17.85 ID:+0PvU+Ww0
妹「……。」
男「お前、頑張ったから」
男「それは俺がよく知ってるから」
男「誰よりもお前は頑張ったよ」
男「だから、妹は合格する」
妹「にいさん…」
男「というか俺がここまで協力したんだから合格しないとぶっ飛ばすからな」
妹「…う、プレッシャー」
男「あれ、こう言って欲しいんじゃなかったのか」
妹「…ん、あってるよ」
男「…ん」
妹「にいさんがそう言ってくれたら、私は安心」
妹「えへへ、ありがと、にいさん」
276:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 02:15:02.25 ID:O2Ylojny0
男「お礼は受かってから言え」
妹「受かったらもう一回言うもん」
男「楽しみにしてるよ」
妹「うん、待ってて」
男「合格したら、お祝いしような」
妹「うん」
男「妹友さんも一緒に」
妹「うん」
男「それで、お前が高校生になったらいろんなところに遊びに行こう」
妹「…うん」
男「まだまだお前が知らないものは沢山あるからなー」
妹「…ん」
男「お前がやりたいことは何でもやろう、なんでも俺付き合うから」
妹「……。」
277:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 02:18:51.69 ID:O2Ylojny0
男「まあお金のかかることは出来ないけどな」
妹「……。」
男「…妹?」
妹「……。」スー
男「…寝ちゃったか」
ギュ
妹「…ん…にいさぁん」
ギュ
男「はは、可愛いなあ、こいつ」
男「…よく頑張ったよ、あと少しだからな」
男「…おやすみ、妹」
278:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 02:30:11.92 ID:gqAwGdxJ0
ピピピピピピピピピピ
男「…んあ」カチッ
男「ふあぁ…」
男「…さて、いよいよだな」
男「はは、受けるの俺じゃないのに緊張してきた」
男「自分が受けたときは驚くほど緊張しなかったのにな」
男「…下の階に行くか」
280:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 02:34:59.51 ID:gqAwGdxJ0
男「おはよー」
母「おはよう」
男「あれ、妹はまだか」
母「起こしてあげなさいな」
男「ん、行ってくる」
トットットッ
男「まったく、余裕を持った行動を心掛けないと」
男「妹ー、朝だぞー」
ガチャ
男「起きろー」
妹「…ん、にいさん」
男「ほら、早く顔洗って目を覚ましてこい」
妹「……。」
男「…妹?」
281:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 02:38:59.16 ID:gqAwGdxJ0
妹「……。」
男「お前、顔真っ赤だぞ?」
妹「…気の…せいだよ」
男「おいおいまさか」
ピタッ
妹「…冷たい」
男「……。」
男「母さん!母さんすぐ来て!」
妹「……。」
男「ほら、起きなくて良いから横になれ」
妹「でも」
男「良いから」
妹「……。」
282:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 02:42:57.33 ID:VPsGpVmA0
ま、まさか…?
283:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 02:45:29.90 ID:gqAwGdxJ0
ピピッピピッ
母「…完全に熱があるね」
男「俺のせいだ」
妹「……。」
男「俺が無理させたから…俺が止めなかったから」
母「そんなこと言ってもしょうがないわよ」
妹「…にいさんのせいじゃ…ないよ」
男「おい、起きるなって、寝とけ」
妹「私、試験受けれるよ」
男「無理するなって…」
妹「無理じゃない…コホッ」
妹「私…受けに行かなきゃ」
284:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 02:51:47.52 ID:gqAwGdxJ0
男「そんなこと言っても…」
妹「私、今日の為に勉強してきたから」
妹「これくらいの熱は…覚悟の上…だもん」
男「…嘘つけよ」
妹「ケホッ…ん…」
妹「嘘じゃない」
男「……。」
妹「お願い、行かせて」
母「……。」
妹「私…こんなことじゃ諦められない」
母「……。」
妹「お願いだから…コホッ」
男「…妹」
285:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 02:57:29.68 ID:gqAwGdxJ0
母「……。」
男「…母さん」
母「…確か、別室受験とかあったわよね」
男「母さん?」
妹「…うん」
母「妹、約束して」
母「ダメだと思ったら無理しないでちゃんと先生に言いなさい」
妹「はい」
男「……。」
母「私も学校で、妹が受験終わるの待ってるから」
妹「はい」
母「あと」
母「合格したらみんなにちゃんとお礼を言うこと」
妹「…うん」
286:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 03:01:06.18 ID:gqAwGdxJ0
男「……。」
妹「…にいさん、私」
男「分かった分かった」
妹「……。」
男「母さんと妹は出かける準備しろよ」
男「俺は別室受験のこと電話で確認するから」
妹「にいさん、ありがと」
男「だから、受かってから言えって…」
母「妹、風邪薬」
妹「ん…」
母「さあ、準備するよ」
妹「うん」
287:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 03:04:12.09 ID:gqAwGdxJ0
母「じゃあ、何かあったら電話するから」
男「はいよ」
妹「…コホッ」
男「まったく、お騒がせな奴だ」
妹「…にいさん」
男「ん?」
妹「…手」
男「…ほらよ」
ギュ
妹「…冷たい」
男「熱のせいだよ」
妹「えへへ、そうだね」
288:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 03:13:45.89 ID:gqAwGdxJ0
男「大丈夫だから、落ち着いていけよ」
妹「うん」
男「俺がついてるからな」
妹「…頼もしいな」
男「だから、大丈夫」
妹「うん…にいさん」
男「ん、なんだ?」
妹「…あれ、いや、何でもない」
男「なんだそれ」
妹「変なこと言おうとしちゃった…熱があるからかな」
男「おいおい、大丈夫か?」
妹「大丈夫だよ」
男「なら良いんだけど」
妹「私、頑張って来るから」
男「おう」
335:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 14:55:16.29 ID:9qdlTovx0
>>288
妹はなにを言おうとしたんだ…
290:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 03:16:37.40 ID:gqAwGdxJ0
ブロロロロ…
男「…さあ、あとは祈るだけか」
男「駄目だったときでも、精一杯励ましてやらなきゃ」
男「俺はあいつの、兄なんだからな」
男「……。」
男「がんばれ、妹」
291:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 03:17:54.13 ID:gqAwGdxJ0
……………………
…………
……
293:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 03:28:53.88 ID:gqAwGdxJ0
男「……。」
男「……。」
男「…はぁ」
コンコン
男「妹ー、いい加減用意しないと妹友さん来ちゃうぞ」
妹「いーやーだー、私まだ熱あるもんー!」
男「嘘つけ、とっくに治ってるだろうが」
妹「うー、いやぁ…」
男「代わりに俺が見に行ってやろうか?」
妹「それもやだぁ!」
男「めんどくさいなおい…」
294:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 03:47:12.60 ID:gqAwGdxJ0
ピンポーン
妹「ひっ!」ビクッ
男「お、来た」
妹「いやだぁ、落ちてるもんー」
男「分かった分かった、そんときは慰めてやるから」
妹「慰められたって落ちてたら意味ないもん…」
男「だーもう!なんでも良いから妹友さん待たせるなって、とりあえず部屋から出てこい」
妹「だって…」
男「だってじゃない」
妹「うー…」
ガチャ
男「おわっ!なんだその目」
妹「落ちてるかどうか考えてたら涙が止まらなくなっちゃって…」
男「あー」
妹「だから部屋から出たくなかったのにぃ…」
295:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 03:54:11.77 ID:gqAwGdxJ0
妹友「おはようございまーす」
男「おはよう、妹友さん。待たせてごめんね」
妹友「いえー、大丈夫ですけど」
妹「……。」
妹友「妹、大丈夫ー?」
妹「大丈夫に見える?」
妹友「あはは、あんまりかなー」
男「こいつ多分途中で何度か逃げ出そうとすると思うけど、ちゃんと連れていってあげてね」
妹友「はい、お任せくださいー」
妹「…うー」
男「自信持てよ、妹」
妹「他人事だからそんなことが言えるんだ…」
男「やばいこいつ今凄いめんどくさい」
298:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 04:00:02.97 ID:gqAwGdxJ0
男「ちゃんとお祝いの用意もしとくからな」
妹「なにも食べたくない…」
男「そりゃあ、今はな」
妹友「お祝いですかー」
男「妹友さんも是非来てね」
妹友「え、良いんですか?」
男「もちろん」
妹友「わーい、嬉しいです。ありがとうございますお兄ちゃん」
男「いえいえ」
妹「…前から聞こうと思ってたんだけど」
男「ん?」
妹「なんで妹友はにいさんのことをお兄ちゃんと…」
男「ああもう、良いから早く行けよ」
299:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 04:07:54.09 ID:gqAwGdxJ0
妹友「じゃあ行こうか、妹」
妹「…うん」
男「妹、大丈夫だから自信持て」
妹「その根拠はどこから来るのさ」
男「お前は俺の妹だから」
妹「…ますます不安になってきた」
男「おいこら」
妹友「合格発表見終わったら寄り道しないで帰ってきますからー」
男「頼むよ、妹友さん」
妹友「がってんしょうちのすけー」
男「じゃあ、いってらっしゃい」
妹友「いってきまーす」
妹「…いってきます」
301:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 04:14:43.97 ID:gqAwGdxJ0
男「…ふぅ」
母「世話のかかる妹はちゃんと行ったかい?」
男「ああ、なんとか」
母「男はずいぶんと余裕があるわね、てっきり妹以上に心配してると思ったのに」
男「ああ、いや実は」
母「実は?」
男「妹に内緒で妹の回答を採点してみたんだけど」
男「英語と国語が満点で、社会が一問だけの間違いでさ」
母「……。」
男「で、まあ問題の数学と理科も数問しか間違えてなかったから」
男「熱のせいでマークミスとかしてない限り余裕の点数なんだよな」
母「…へえ」
303:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 04:20:19.59 ID:nh0kkSFO0
男「ま、妹の勉強の成果と言うことで」
母「私もかなり安心したわ」
男「はは、妹もすぐに笑顔で帰ってくるよ」
母「そう、凄いわね、妹」
男「俺の妹ですから」
母「そういうことにしとくわ」
男「頑張ったから、あいつ」
母「そうね、ひやひやしたけど」
男「うん、まあね…」
母「ところで男、聞きたいことがあるんだけど」
男「ん、なに?」
母「妹って、サンタからあなたへの贈り物なの?」
男「ぶっ!」
305:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 04:22:27.11 ID:h5SZ13ai0
やはり気づいていたかカーチャンは流石だな
307:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 04:29:36.53 ID:nh0kkSFO0
母「あら、ほんとなのね」
男「な、なんで…」
母「いやいや。私の旦那、あなたを産んだすぐに亡くなってるのに」
母「妹は誰の子ってなるじゃないの」
男「あー、なるほど」
男「…いつから気付いてたの?」
母「はじめからよ」
男「クリスマスから?」
母「そう。なんか変な記憶のせいで曖昧だったけど」
男「……。」
母「母をみくびって貰ったら困るわ」
308:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 04:36:06.30 ID:LY2I+T1A0
男「……。」
母「ま、分かったからといってなにも変わらないけど」
母「あの子は私の娘よ」
母「大事な、大事なあなたの妹だから」
男「…ありがとう、母さん」
母「お礼を言われる筋合いはないのだけど」
男「はは、そうだね」
母「じゃあ、お祝いの準備をしましょうか」
男「そうだな、すぐに帰ってくるぞ、あいつ」
…イサーン!
母「ふふ、言ってるそばから」
男「いや、早すぎだろ…」
309:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 04:41:24.18 ID:LY2I+T1A0
妹「にいさーん!にいさーん!」
母「ほら、呼んでるわよお兄ちゃん」
男「はいはい」
妹「にいさんッ!」
バッ
男「うわっと」
妹「にいさん、私受かってた!受かってたよー!」
男「とと…そっか、おめでとう」
妹「これで私もにいさんと同じ高校だね」
男「そうだな」
妹「ねえねえ、嬉しい?」
男「おう、嬉しいよ」
妹「えへへ、私も嬉しい」
311:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 04:47:56.40 ID:LY2I+T1A0
妹「妹友もね、ちゃんと受かってた」
男「そっか、良かったな…で、妹友さんは?」
妹「…あ」
男「…おい」
妹「にいさんにすぐ話したかったから…」
男「分かったから、早く迎えに行ってあげなさい」
妹「はぁい!」
タッタッタッ
男「…たく」
母「妹、はじめよりずいぶん明るくなったわよね」
男「かもな」
母「…ふふ」
男「なんだよ」
母「なんでもないわよ」
312:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 04:55:04.80 ID:LY2I+T1A0
母「このまま、この生活がいつまでも続けば良いわね」
男「……。」
母「…男?」
男「…ああ」
男「いつまでも続けば…良いのに」
母「……。」
男「…ま、今は良いや」
男「今日は、祝おう」
母「そうね」
…イサーン!
男「…主役も来たみたいだし」
母「ふふ、じゃあ用意してくるわ」
男「今は、これで、良いんだ」
妹の受験 おわり
314:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 05:05:02.44 ID:5n1KMu2k0
読んだ。続きを期待して支援。
315:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 05:08:47.93 ID:HIMGt6170
第四話
妹「うー…雲行きがあやしい」
妹友「しょうがないね、この時期だし」
妹「あ、妹友」
妹友「一緒に帰ろー?」
妹「うん、雨が降る前に帰ろうよ」
妹友「あー、それは無理みたい」
妹「え…あ!」
ポツ…ポツ…
妹「あー…」
妹友「…仕方ないねー」
妹「…いいもん、私にはにいさんが買ってくれた傘があるから」
妹「帰ろ、妹友」
妹友「がってんしょうちのすけー」
梅雨のある日
316:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 05:09:40.95 ID:HIMGt6170
すいません、寝ます…
318:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 05:27:32.07 ID:30S+MRmI0
乙
もし完結したらこれは名作になる
340:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 17:56:29.41 ID:tt6TTied0
ザー…
妹「本降りになっちゃった…」
妹友「梅雨っていやだねー」
妹「ほんとだよもう」
妹友「妹、その傘可愛いね」
妹「でしょ、にいさんと二人で選んだんだよ」
妹友「そうなんだー」
妹「他にもね、私の部屋にあるものはみんなにいさんが買ってくれたの」
妹友「優しいお兄ちゃんだよね」
妹「えへへ、そうでしょ」
妹友「ふふ」
妹「どうしたの、妹友」
妹友「ううん、妹と話すといつもお兄ちゃんの話だなって思って」
妹「な…べ、別にそんなことないよ」
妹友「うふふ」
343:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 18:35:22.83 ID:yN611lVE0
このスレ読んでると欝になる
345:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 19:24:50.32 ID:mvPJuXa8O
>>343
わかるぜその気持ち
353:保守ばかりでごめんなさい:2010/12/30(木) 00:27:27.68 ID:XctxeILU0
ザー…
妹友「妹のクラスは楽しい?」
妹「楽しい…うーん」
妹友「楽しくないの?」
妹「普通、かな」
妹友「普通かー」
妹「妹友が違うクラスになっちゃったからね」
妹友「あ、嬉しいこと言ってくれたー」
妹「高校生って中学生とあまり変わらないや」
妹友「入る前はあんなに大人に見えたのにねー」
妹「折角にいさんと同じ高校に入れたのに、学校であまり会えるわけじゃないし…」
妹友「……。」
妹「なに?」
妹友「またお兄ちゃんの話ー」
妹「……//」カァ
356:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 00:50:31.13 ID:QMRo9Xaz0
ザー…
妹「今のはナシ!ナシだから!」
妹友「良いじゃん別にー」
妹友「お兄ちゃん、すごく優しい人だし、好きになるの分かるもん」
妹「すす、すすす好きぃッ!?」
妹友「お兄ちゃんのこと好きでしょ、妹」
妹「ど、ど、どこからそんな話になるのさ!」
妹友「好きじゃないのー?」
妹「そ、そりゃあ兄妹としてなら…い、言っておくけど兄妹としてならだよ?それならまあ、頼りにならないこともないし?」
妹「好きか嫌いかって言われたら、そ、それなら好きっていっても、別に嘘じゃないけど」
妹友「妹、目が泳いでるよー」
妹「…あう」
妹友「妹にごまかされるのは、友達として傷付くなー」
妹「べ、別にごまかしてなんか…」
妹友「んー?」
359:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 01:05:20.12 ID:QMRo9Xaz0
妹「…うー」
妹友「ふふ、私の目はごまかせられないのだよワトソン君」
妹「で、でもにいさんは、私のにいさんだし」
妹友「でも本当のお兄ちゃんじゃないでしょー?」
妹「……。」
妹友「あ、良い意味でだよ?本当のお兄ちゃんじゃないから、お兄ちゃんだからっていう理由で好きになっちゃ駄目なんてことは無いってことだからね」
妹「……。」
妹友「だから、お兄ちゃんが好きなら好きって言って良いんだよー?私にはねー」
妹「……。」
妹友「ふふふ、私は妹の秘密を知ってる親友なんだから」
妹「…妹友」
妹友「なにー?」
妹「私の言ったこと、信じてくれてるんだ」
360:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 01:26:44.24 ID:89CXuzBRP
おお、話したのか…
361:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 01:29:20.88 ID:QMRo9Xaz0
妹友「うん、もちろん」
妹「信じられないような話なのに…」
妹友「んー、色々調べてみたんだけどねー」
妹友「私と妹がずっと友達だっていう記憶はあるのに、二人の思い出は私、一つも持ってなかったんだ」
妹「……。」
妹友「プリクラの一枚も無いの、おかしいよねー」
妹友「だから、嘘じゃないのはすぐに分かったよ」
妹「それだけで…」
妹友「それに妹の言うことだったら私、どんなことでも全部信じるよ」
妹友「たとえ記憶が嘘だとしても、私は妹の友達だもん」
妹「妹友…ありがとう」
妹友「だから」
妹友「だから…妹に言われるまで、このことに気付けなかった自分が、悔しい」
妹友「少し考えれば分かることなのに、そんな嘘の記憶に騙されてた自分が、とても悔しいよ」
妹友「本当に妹の友達なら、すぐに気付くべきなのに!」
362:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 01:32:10.25 ID:CXHYaK7NO
妹友なんていいこなんだ
365:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 01:40:02.98 ID:HWcX8Wsq0
妹「妹友…違うよ、妹友は悪くないよ」
妹友「悪い悪くないじゃなくて、気付かなきゃいけないことだったの」
妹友「だから…ごめんね、本当にごめん、妹」
妹「…うー、そう言われたら困るよ」
妹友「それと、話してくれてありがと」
妹「…うん」
妹「だって、友達に隠し事はダメだもんね」
妹友「…友達」
妹「うん、友達」
妹「えへへ、信じてくれて嬉しい」
妹友「…妹、ティッシュー」
妹「はいはい」
366:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 01:52:15.19 ID:pQ97fxtq0
妹友「…ぐす」
妹「妹友が友達でよかった、ほんとに」
妹友「あー、やめてよ、今泣き止みそうだったのにー」
妹「そ、そういうつもりじゃないよ」
妹友「分かってるけど…妹、ティッシュー」
妹「はい」
妹友「ん、ありがと…」
妹「妹友と友達になれたことは、サンタに感謝しないと」
妹友「…サンタも、酷いことするよね」
妹「え?」
妹友「人の記憶をいじって、妹を苦しめて、子供に夢を与える人のすることとは思えないよ」
妹「しょうがないよ、そうしないともっと大変なことになるんだから」
妹友「でもー…」
妹「それに、サンタには十分感謝してるよ」
妹「にいさんの、妹になれたんだもの」
367:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 02:00:55.75 ID:pQ97fxtq0
妹友「……。」
妹「それに、もちろん妹友の友達にもね」
妹友「…でも」
妹友「でも、期限付きじゃんか…」
妹「……。」
妹友「妹、あと半年でいなくなっちゃうなんて…そんなの、酷すぎるよ」
妹「…それでも、サンタには感謝してるよ」
妹「私、今凄く幸せだから」
妹友「妹…」
妹「ね?」
妹友「…そんな顔見て、私が嘘に気付けないわけないじゃんか」
妹「……。」
妹友「ずっと、ずっと一緒にいたいって思ってる癖に…」
妹「……。」
368:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 02:05:53.80 ID:pQ97fxtq0
妹「……。」
妹友「……。」
妹「……。」
妹友「…ごめん」
妹「…ううん」
妹友「……。」
妹「……。」
妹友「…で、でもさ!」
妹「……。」
妹友「今年のクリスマスでまたお兄ちゃんがサンタに頼んだら、妹は消えないんじゃないかな!」
妹「……。」
妹友「そうだよ、来年も、またその来年も!お兄ちゃんなら絶対に頼んでくれるもん!」
妹友「そしたら…ね!妹とずっといれるよね!そうでしょ?」
妹「……。」
371:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 02:08:31.15 ID:ax18JSPh0
あれー俺もサンタに妹頼んだはずなんだけどなー
374:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 02:15:04.67 ID:pQ97fxtq0
妹友「…妹?」
妹「…え?」
妹友「……。」
妹「…あ、うん…そうだね」
妹友「……。」
妹「にいさんが、サンタに頼んだら、ずっといれるかもしれないね」
妹友「妹」
妹「……。」
妹友「私に、隠し事、してないよね?」
妹「……。」
妹友「なにも…してないよね?友達に隠し事はなしって言ったもんね?」
妹「……。」
妹友「ねえ妹!」
妹「…うん」
妹友「こっち見て言いなさいよ、ねえ!」
376:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 02:26:07.97 ID:pQ97fxtq0
妹「……。」ビクッ
妹友「あ、ごめんね…ごめん、なさい」
妹「なにも隠してないよ」
妹友「え?」
妹「ほんとに、不安にさせてごめん」
妹友「……。」
妹「えへへ、ちょっと考え事してたらボーッとしちゃって」
妹友「……。」
妹「そっか、にいさんがサンタに頼んでくれたら私は来年も一緒にいられるかもしれないんだ」
妹友「え…?」
妹「うん、そっか、そうだね!」
妹友「……。」
妹「あれ、どうしたの?妹友」
妹友「……。」
377:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 02:39:02.74 ID:pQ97fxtq0
妹「妹友ー?」
妹友「…あはは、なんだそっかー」
妹「なにが?」
妹友「ううん、なにも。妹、気付いてなかっただけなんだねー」
妹「えへへ、盲点でした」
妹友「なにかあるかと思って大きな声出しちゃったじゃんか!」
妹「ご、ごめんなさい」
妹友「良いよー、というか安心したよ」
妹友「お兄ちゃんがサンタにまたお願いするだけで良いなんて、落ち込んでたのがバカみたいだねー」
妹「そうだねー」
妹「あ、でもサンタは良い子の願いしか叶えてくれないから、にいさんに気をつけるように言わないと」
妹友「お兄ちゃんなら大丈夫でしょー」
妹「そ、そうかな…」
妹友「自慢のお兄ちゃんの癖にー」
379:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 02:49:17.61 ID:pQ97fxtq0
妹「…そういうからかい方、嫌い」
妹友「照れないのー」
妹「て、照れてないし!」
妹友「はいはい…あー」
妹「え、なに…あ」
妹「晴れたー」
妹友「晴れたねー」
妹「どれくらいここで話してたんだろ…」
妹友「大雨が止んじゃうくらい長い時間?」
妹「あはは…じゃあそろそろ帰ろうかな」
妹友「うん、じゃあまた明日ねー」
妹「うん、ばいばい」
妹友「ばいばーい!」
380:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 02:55:43.80 ID:pQ97fxtq0
妹「……。」
妹友「……。」
妹「…上手にごまかせたのかなぁ」
妹「妹友のことだから、分からないフリをしてくれたんだよね…」
妹友「…嘘ついてるときは分かっちゃうって、言ったのに」
妹友「隠し事はしないって言ってくれたのに…」
妹「ごめんね、妹友」
妹友「妹の、バカ」
梅雨のある日 おわり
385:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 03:15:49.69 ID:pQ97fxtq0
第五話
妹「海?」
男「そう、夏休みに俺の友達と。妹友さんも誘ってさ」
妹「妹友も誘って、海…」
男「まあ海だけじゃなくて、花火とかいろいろやってさ」
男「みんなで夏の思い出を作ろうぜい!ってことらしいんだけど」
妹「作ろうぜい?」
男「あ、企画は俺の友達だから」
妹「……。」
男「…そ、そこはちょっと不安だけど」
男「どうかな?」
妹「行く」
男「俺としては一緒に来てくれるとありがたいんだけど」
男「…って、返事早いな」
妹と夏の思い出
412:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 15:32:58.96 ID:EilEuq0p0
妹「…ふわぁ」
妹友「海、これが海ですかー!」
妹「妹友も海初めて?」
妹友「うん、テレビでは見たことあったけどー」
妹「私と一緒だね!」
妹友「一緒だねー!」
妹「着替えは?どこでするのかな?」
妹友「ちっちっち、妹は分かってないなー」
妹「え?…な、それは!」
ヌギッ
妹友「海に来るときは服の下に水着を着て来るのが上級者なのだよワトソン君」
妹「すごい、さすが妹友!」
妹友「ははは、妹はまだまだだなー」
421:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 18:50:09.85 ID:Vh9eTbAi0
男「…疲れた」
女「電車で片道3時間半って…」
男友「無事に着いたんだから、細かいことは気にしない!」
女「いや、少しは行く場所とか考えようよ」
男「やっぱり男友企画というのに問題があったか」
男友「まさかの不評っ!?」
男「…まあ、あの二人が元気なら良いんだけど」
妹「……!」キャッキャッ
妹友「……っ!」ワイワイ
女「…若いって凄いね」
男「俺らももう歳なんだな」
女「…おかしいね、私たちもティーンエイジャー真っ盛りのはずなのに」
男「だな」
男友「綺麗な海を頑張って探したのに…」
423:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 19:00:25.58 ID:Vh9eTbAi0
女「妹さんたち、喜んでるみたいで良かったね」
男「ああ、ほんとに」
男「…っておい!」
妹「ん?」ヌギッ
男「ストップストップ!」
妹「どうしたの、にいさん」
男「…何故ここで脱ぐ」
妹「え、水着に着替えないと海に入れないじゃない」
男「まあそれは良いんだけど、何故こんな衆人の前でどうどうと着替えようとする」
妹「ふふん、海の上級者は人の目を気にせずに着替えるもんなんだよ!」
男「……。」
妹友「……。」
男「妹友さん」
妹友「すいません悪ノリしすぎましたー…」
妹「え、嘘なのッ!?」
424:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 19:14:46.85 ID:Vh9eTbAi0
男「いや、気付けよ」
女「というか海の上級者ってなに…」
妹友「妹が可愛くてついです…」
妹「…帰りたい」
男友「みんながよかれと思って、頑張って探したのに…」
男「あーあー、海に遊びに来たテンションとは思えない」
女「すっごく先が思いやられるね」
妹友「ご、ごめんなさいですー」
男「妹友さんのせいじゃないよ」
男友「申し訳ない…」
男「いや、ごめん。企画してくれて感謝してるよ」
妹「騙されたー」
男「それはお前の常識が無いせいだ」
妹「あう…」
425:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 19:27:44.30 ID:Vh9eTbAi0
男「とりあえず、みんな着替えてこようか」
女「そうだねー」
妹「……。」
男「はい、妹も立ち直って」
妹「…はいな」
女「妹さん、着替える場所こっちだよー」
妹「…あー」
男「はいすぐ立ち直る」
妹「は、はいな」
男「妹友さんは荷物番を任せて良い?」
妹友「がってんしょうちのすけー」
426:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 19:45:06.69 ID:Vh9eTbAi0
女「おまたせー」
男「おう」
妹「お、おまたせ」
男友「おー…」
女「男君、この水着どうかな?今日の為に買ったんだけど」
男友「可愛い!可愛いよ女!」
女「男友には聞いてない」
男友「あー…」
男「似合ってるよ」
女「ありがとー!」
妹「…むー」
428:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 20:15:47.84 ID:Vh9eTbAi0
妹「……。」
男「…どした?」
妹「じろじろ見んなバカ」
男友「ご、ごめんなさい」
妹「あ、先輩に言ったわけじゃ…」
女「自覚あるくらいガン見してたわけね」
男友「……。」
妹友「お兄ちゃん」コソッ
男「ん?」
妹友「あの水着、お兄ちゃんに見せる為に私と買いに行ったんですよ」
男「…ふーん」
妹友「妹、買うときすっごく悩んでましたー」
男「そっか、教えてくれてありがと」
妹友「いえいえー」
430:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 21:04:37.76 ID:Vh9eTbAi0
女「よーし、じゃあ泳ぎに行くぞー」
妹友「おー」
女「ついて来るんだ、妹友さん」
妹友「呼び捨てで良いですよー」
女「そう?じゃあ、私に続け妹友ー」
妹友「はいです、先輩!」
女「突撃ー」
妹友「覚悟でござるー」
男「…はは、女も十分元気じゃん」
妹「……。」
クイッ
431:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 21:11:42.09 ID:Vh9eTbAi0
男「ん?」
妹「……。」
妹「…あ、あのさ」
男「うん」
妹「ど、どうかな、これ」
男「可愛いよ」
妹「…ほんとに?」
男「ほんとほんと」
妹「えへへ、ありがと」
男「泳ぎに行くか?」
妹「うん!」
438:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 23:25:55.33 ID:4zkS3JXx0
妹友「そーれもっともっとー!」
妹「もっともっとー」
男友「ちょ…待っ…」
妹友「まだまだー!」
妹「まだまだー」
男友「え、動け…」
妹友「深い深ーい!」
妹「深い深ーい」
男友「……。」
男「楽しそうだなー」
女「なに座ってのんびりしてるの、男君」
男「荷物番は必要だろ?」
女「いなくても大丈夫だよー」
男「いやいや」
439:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 23:33:49.63 ID:4zkS3JXx0
女「それともそんなに妹さんを見てたいのー?」
男「はは、危なっかしくて見てられないってのはあるな」
女「…むー、男君はいじりがいがないな」
男「え?」
女「いやいやこっちの話」
妹「にいさーん」
妹友「お兄ちゃーん」
男「ん?なんだー」
妹「見て見てー、妹友との合作」
妹友「タイトルは『人柱』ですー」
男友「……。」チーン
男「……。」
女「……。」
440:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 23:38:58.42 ID:4zkS3JXx0
男「砂遊びばっかりしてないで海にも入れよー」
妹友「私もそう言ってるんですけど、妹がですねー」
妹「…う」
男「…ん?」
妹「……。」
男「妹、もしかして泳げない?」
妹「…あはは」
男「しょうがない、女」
女「あれですね、あにき」
妹「…?」
441:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 23:43:07.63 ID:4zkS3JXx0
妹「……。」
男「装備完了」
女「ウキワ付けてる妹さんも可愛いー!」
妹友「写真撮りたいですねー」
妹「みんな、馬鹿にしてない?」
男「全然」
女「よし、泳ぎに行こう」
妹友「おー」
男友「…あの、俺今指一本も動かせ――」
男「行くぞー、妹」
妹「あ、待ってよ」テッテッテ
男友「……。」
442:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 23:50:23.66 ID:4zkS3JXx0
……………………
…………
……
妹「……!」キャッキャッ
妹友「……!」ワイワイ
女「……っ!」キャーキャー
男友「……。」
男友「…うっ…うっ」
男「…お前も大変だな」
男友「お、男ぉ…」
男「ほら、今掘り返してやるから」
男友「ありがどー」
男「泣くなって」
男友「あやうく惚れそうになっちまった」
男「頭から埋め直すぞ、おい」
444:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 00:01:06.87 ID:MqbYTc3L0
……………………
…………
……
妹「あー、楽しかった」
妹友「楽しかったねー」
女「もう夕方だよー」
男「来るのに時間かかったもんな」
男友「申し訳ない…」
男「いやもうそれは良いって」
女「妹さんたちも満足したみたいだし」
妹「はい、こんな綺麗な海に連れてきてくださってありがとうございました、先輩」
男友「どういたしまして」
妹友「砂に埋もれてる先輩が今日一番輝いてましたー」
男友「…そりゃどうも」
445:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 00:11:06.48 ID:MqbYTc3L0
女「旅館はここから時間かかるの?」
男友「歩いて少しだけかな」
女「なら良かったー」
男「それにしてもよくみんな泊まりの旅行なんて許されたな」
妹友「私の親はそこまで厳しい人じゃないですからー」
男友「うちも放任主義だし」
女「私は交渉頑張ったよー、受験生だからって結構反対されたもん」
男「それはご苦労様だな…」
男友「男のところは?」
男「俺たちは別になにも言われなかったな」
妹「にいさんがいるなら大丈夫でしょって言われました」
女「頼りになるお兄ちゃんだねー」
妹「そ、それなりですけどね」
妹友「ふふ」
妹「そこ、笑わない!」
446:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 00:19:36.21 ID:MqbYTc3L0
男友「お、着いたぞー」
妹「これですか」
妹友「…おー」
女「なんというか」
男「…年期が入った建物だな」
男友「予算削減の為です」
女「なるほど」
妹友「あ、でも温泉があるって書いてある」
妹「温泉!」
女「…男友、覗こうとしてないでしょうね」
男友「なんで真っ先に言う言葉がそれなんだ…」
男「妹、気をつけろよ」
妹友「ガードはお任せください」
男友「お前ら…」
447:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 00:26:20.67 ID:MqbYTc3L0
男友「部屋は二部屋取ってあるから」
男「男子組と女子組に分かれよう」
妹「え」
男「ん?」
妹「…ううん、なんでもない」
女「ははーん」
妹友「ふふーん」
妹「な、なんでもないから!」
男「……?」
女「よし、妹友たちにガールズトークのなんたるかを教えてしんぜよう」
妹友「受けてたちましょう、先輩」
男友「よし、俺らも濃厚なボーイズトークを」
男「一人でやっとけ…」
449:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 00:36:30.02 ID:MqbYTc3L0
女「部屋きれーい」
妹友「ベッドじゃないところで寝るの、久し振りですー」
妹「私も」
女「男友、良い旅館見つけたじゃない、あとで褒めておこう」
妹「にいさんたちの部屋はどこ?」
妹友「廊下を挟んで反対側のお部屋みたいだよー」
女「ねね、早速温泉入ってみようよ」
妹「賛成でーす」
妹友「妹と一緒に温泉入れるなんて幸せー」
男「…男友」
男友「……。」ギク
男「双眼鏡持ってどこ行くんだ」
男友「……。」
男「……。」
男友「…や、やだなー。ジョークだよジョーク」
451:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 00:47:56.10 ID:MqbYTc3L0
パチパチ…
男「で、温泉はどうだったんだ?」
妹「気持ち良かったよ」
女「ねー」
妹友「先輩のおっぱいが大きくてびっくりしましたー」
女「ぶっ!」
男友「ほうほう、その話をもう少しくわしぐっほッ!」バキッ
女「はぁはぁ…妹友、大声でそんなこと言うのやめようね」
妹「…にいさん、なに鼻の下のばしてるんですか」
男「いやいや伸ばしてないし」
妹友「妹のおっぱいは見た目通りつるぺ…もがー!」
妹「妹友ー!」
妹友「妹、花火危ない花火危ないからー!」
452:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 00:52:38.14 ID:Yfjs6IjXO
女が可愛く見えてきた
だが妹が1番!
453:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 00:53:27.78 ID:MqbYTc3L0
パチパチ…
女「ちなみに男君は」
男「ん?」
女「おっぱいは大きい人と小さい人どっちが好み?」
男「ぶっ!」
妹「……。」
妹友「どっちですかーお兄ちゃん」
男「いやいや、あんたら酔ってるのか…」
女「ごまかさないのー」
妹友「のー」
男「そんなこと言われても」
妹「私は知ってるけどね」
女「え、そうなの?」
妹「だってにいさんはロリコ」男「わー!わー!」
454:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 01:00:00.66 ID:MqbYTc3L0
パチパチ…
妹「にいさん花火危ない花火危ない」
女「んー?」
妹友「妹、よく聞こえなかったのでもう一回ー」
妹「だから、にいさんはロ」男「おいしょー!」
女「男君、さっきからうるさいよー」
妹友「お兄ちゃん、どうかしたんですか?」
男「ちょっと妹借ります」
女「……?」
妹「なにさ、にいさん…って、わーわー!」
男「こっちこい」
妹「じ、自分で歩くって!」
458:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 01:13:53.45 ID:MqbYTc3L0
妹「で、なによー」
男「お前はなにさらりと爆弾発言しようとしてるんだ」
妹「ロリコンのなにが悪い!」
男「それは俺の台詞だ」
男「いやいやそんなこと言わないけど」
妹「だって、にいさんの好みは私の容姿に全部出てるはずだし」
男「…う」
妹「私、にいさんの持ってたいかがわしい本の種類も知ってますし」
男「……。」
妹「まさかこれで今更自分がロリコンじゃないとでも言うつもりじゃあないよね?」
男「……。」
妹「被告人、なにか言いたいことは?」
男「…ありません」
妹「じゃあ、みんなのところに戻ろうか」
男「はい…」
459:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 01:27:07.04 ID:MqbYTc3L0
女「あ、なに二人で内緒話してたのさー」
妹友「のけ者なのは寂しいですよー」
妹「ごめんごめん」
妹「で、にいさんに質問があるんですけど」
男「…はい」
妹「にいさんは、胸が大きい人と小さい人どっちが好きなんですか?」
男「……。」
妹「はい、どうぞ」
男「…小さい人です」
妹「よろしい」
女「おー、あの男君にこんな質問を答えさせた」
妹友「妹、凄いですねー」
女「…って、小さい人なんだ…うー」
460:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 01:37:11.59 ID:MqbYTc3L0
妹友「妹対先輩は妹の勝利ですねー」
妹「そ、そういうことじゃないでしょ!」
女「負けたー」
男友「俺はおっぱい大きい人の方が好きだよ!」
妹友「あ、女先輩に殴られて気絶してた男友先輩が起きた」
女「うっさい」ゲシッ
男友「」
妹「あ、また気絶した」
男「ま、まあ人間大事なのは外見じゃなくて中身だけどな」
妹友「おー、お兄ちゃんがおっぱいのなんたるかについて語りはじめた」
女「おっぱいは見た目じゃなくて、触ったときの中身の弾力具合が大事とか、そういう話でしょうかね」
男「そういうことじゃねえ」
妹「ロリコンがなにかっこつけて」男「わー!わー!」
461:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 01:49:31.51 ID:MqbYTc3L0
女「あ、あと線香花火だけになっちゃったよ」
男「そっか…まあ十分楽しんだろ?」
妹「みんなで誰が一番長くまで続くか勝負しようよ」
妹友「さんせー!」
男「ほら、男友起きろ」
男友「んあ?」
女「じゃあみんなで同時に火を付けるんだよ」
妹「負けないもん」
妹友「私だってー」
男「いくぞー」
男友「え、なんの話?」
「せーの!」
パチパチ
463:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 02:07:31.41 ID:MqbYTc3L0
女「はあ、今日は一日楽しかったね」
妹「そうですねー」
妹友「私、今日のこと忘れませんよー」
女「私もー」
妹「……。」
妹友「あれ、妹どうしたのー?」
妹「遊びすぎて疲れちゃった」
女「ちっちっち、今からが本番ですよー」
妹友「ガールズトークですか先輩ー!」
女「ふふふ、みんな隠し事なしでさらけ出すんだからねー」
妹友「どんとこいですー」
妹「……。」
女「ほら、妹さんも掛け声掛け声!」
妹「お、おー」
465:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 02:15:48.66 ID:MqbYTc3L0
妹友「…って、一番張り切ってた先輩がはじめにダウンしちゃダメですよー!」
女「…Zzz」
妹「…完全に寝ちゃったね」
妹友「だねー」
妹「まあ、今日の先輩みんなを盛り上げるために頑張ってたから」
妹友「優しくて話しやすくて良い先輩だよねー」
妹「うん、まさか男友先輩のことが好きだったのは意外だったけど」
妹友「えー、バレバレだったよー」
妹「妹友は勘が鋭いから」
妹友「ふふ、それほどでも」
妹「先輩、ほんとになんでも喋ってくれたよね」
妹友「うん、隠し事なしって言っただけのことはあったよー」
妹「……。」
妹友「……。」
468:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 02:24:00.24 ID:MqbYTc3L0
妹「…妹友」
妹友「なにー」
妹「…この前の、話なんだけど」
妹友「この前のー?」
妹「分かってるでしょ」
妹友「…ん」
妹「あれね、私…その…」
妹友「良いよ、無理しなくて」
妹「え?」
妹友「話したくなったときで、良いよ」
妹「でも…」
妹友「大丈夫、妹がね、私を気遣ってることはよく分かるから」
妹友「だから、いつでも良いよ」
妹「…妹友」
469:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 02:24:30.18 ID:l4YYUhxUO
こんな青春………いやなんでもない
470:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 02:31:24.40 ID:MqbYTc3L0
妹友「でも、いつか話してくれないと私、むくれちゃうんだからねー」
妹「…ん」
妹友「よろしい」
妹「あのね、妹友が聞きたいって言うなら、今話しても…」
妹友「今は嫌ー」
妹「え?」
妹友「折角こんなに楽しい日なんだもん、今日はもっと別の話をしよー」
妹「……。」
妹友「ね?」
妹「…うん!」
妹友「じゃあ、先輩も寝ちゃったしガールズトーク2回戦!」
妹「え、2回戦?」
妹友「前回はうやむやになっちゃったからねー」
妹「え、えー、もしかして…」
妹友「ふふ、妹がお兄ちゃんのことを好きなのかどうか」
473:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 02:56:43.95 ID:MqbYTc3L0
妹「だ、だからそれは…」
妹友「大丈夫だよ、先輩も寝てるし」
妹「そういう問題じゃないのー!」
妹友「はい、どうなの妹ー?」
妹「…うー」
妹友「まだ妹からなんの答えも聞いてないからねー」
妹「だからね、にいさんは私のにいさんだもん…」
妹友「その理由は既に論破されておりますのでー」
妹「……。」
妹友「ほらー、3、2、1、はい!」
妹「……。」
妹友「…妹ー?」
妹「うっ…ぐす…」
妹友「妹ッ!?」
474:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 03:06:53.47 ID:MqbYTc3L0
妹「うー…」
妹友「ご、ごめんね妹、意地悪なことしちゃったね」
妹友「もう終わりだから、はいおしまい。なにも聞かないからー…だから泣き止んで、ね?」
妹「…ぐすっ」
妹友「ごめんね、今日はもう寝よっか?」
妹「ううん、話す…」
妹友「うん、じゃあ今日の楽しかったことでも話そっか」
妹「ううん、さっきの話」
妹友「お兄ちゃんの話は終わりで良いよ」
妹「大丈夫、話すから」
妹友「…んー」
妹「私ね」
妹「にいさんのこと、好きにはならないよ」
477:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 03:23:53.12 ID:MqbYTc3L0
妹友「え、どういうこと?」
妹「妹友は、にいさんは本当のにいさんじゃないからって言うけど」
妹「でもね、にいさんは妹が欲しいってお願いして私が生まれたから」
妹「だったら、やっぱり私はにいさんの妹で、にいさんは私のにいさんだよ」
妹「にいさんのその願いを、私が壊しちゃダメだから」
妹「だから、私は…にいさんのことを好きにならない」
妹友「……。」
妹「このままでも、にいさんは私の大切なにいさんだから」
妹「…私は…それで十分だもん」
妹友「…ふーん」
妹「…うっ…うー」ポロッ
妹友「……。」
妹「十分…だもん…」ポロポロ
妹友「じゃあ、なんで泣いてるのさ」
妹「うくっ…ぐす…」ポロポロ
481:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 03:38:44.94 ID:MqbYTc3L0
妹友「ねえ、妹。なんで泣いてるの?」
妹「う、うー…ひっぐ…」
妹友「それで本当に十分だと思ってるなら、泣くわけないじゃん」
妹「…う、うっ…ぐすっ」
妹友「もし思ってないなら…そんなこと、言わないでよ」
妹「うー…」
妹友「ねえ、妹」
妹友「私、妹の嘘なら分かっちゃうって言ったよね?」
妹友「なんでそんなに、私に嘘をつくの?なんでそんなに…」
妹友「自分の心に、嘘をつくの?」
妹友「私に嘘をつくくらいなら良いけど、自分の気持ちに嘘をついてるなら」
妹友「いくら私でも、怒るんだからね」
妹「……。」
482:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 03:49:05.88 ID:MqbYTc3L0
妹友「妹の言葉だと、お兄ちゃんのことを好きになっちゃ駄目だから好きにならないって言ってるようにしか聞こえないよ」
妹友「私が聞いてるのはそんなことじゃない」
妹友「私が聞いてるのは、妹がお兄ちゃんを好きかどうか」
妹友「好きになっちゃ駄目かどうかなんて聞いてない」
妹友「妹の気持ちを聞いてるだけなのに」
妹友「何回嘘をついたら分かるんだよ、バカー…」
妹「…だって」
妹友「…だって?」
妹「だって…しょうがないじゃんかぁ!」
妹友「……。」
483:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 04:04:12.87 ID:MqbYTc3L0
妹「私はにいさんの妹として生まれたんだもん…」
妹「にいさんの願いを叶えるために生まれたんだもん」
妹「だから、にいさんの妹でいないと、私…」
妹友「だから、そうじゃなくて――」妹「じゃないと!」
妹友「……。」
妹「もしにいさんのことを好きになって、にいさんの妹でいられなくなっちゃったら」
妹「にいさんの願いを、叶えられなくなったら」
妹「そしたら私…消えちゃうかもしれないから」
妹友「……。」
妹「私はにいさんの願いを叶えるために生きてるから」
妹「にいさんの願いを叶えられなくなった瞬間、私はもう存在する理由がなくなる」
妹「そうしたら、私の魔法が…解けちゃうかもしれない」
妹友「……。」
妹「私、それだけは嫌なんだ」
485:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 04:17:02.09 ID:MqbYTc3L0
妹「ずっとにいさんと一緒にいたい」
妹「ずっとにいさんの側にいたい」
妹「一日でも長く、一秒でも多く、にいさんの隣にいたい」
妹「にいさんのことが知りたい」
妹「にいさんにずっと笑っていてほしい」
妹「にいさんと思い出を作りたい」
妹「にいさんに私のことを考えてほしい」
妹「優しく妹って呼んでほしい」
妹「褒めてほしい」
妹「可愛いよって言ってほしい」
妹「しょうがないなーって、ちょっと照れながら私を撫でてほしい」
妹「にいさんとだったら何だってしたい」
妹「にいさんにだったら何だってしてほしい」
妹「だから私…消えたくないんだ」
487:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 04:23:04.63 ID:MqbYTc3L0
妹友「……。」
妹「だから私、にいさんのことは好きにならない」
妹「一緒にいられるなら私、妹で良いから」
妹「このままで私、十分幸せだから」
妹「だから私は…だから…」
妹友「……。」
妹「……。」
妹友「…えっと…妹ってさ、バカ?」
妹「…え?」
妹友「ずっと一緒にいたい?何だってしてほしい?なにそれ、バカじゃないの?」
妹友「それが、好きってことじゃんか」
妹「…うー」
489:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 04:32:40.97 ID:MqbYTc3L0
妹友「なにそれ、そこまで言っといて好きにならない?好きじゃない?」
妹友「呆れるよ、ほんとに」
妹友「誰よりも大好きって言ってる癖に」
妹「…うー」
妹友「あんたが今言うことはそんなことじゃないのー」
妹友「ほら、言ってみなよ、分かってるでしょ?」
妹友「簡単だよ、あっという間。それだけで、全部の気持ちが溢れてくるから」
妹「……。」
妹友「ん?」
妹「…き」
妹友「なに?」
妹「…好き」
妹「私、にいさんのこと…好き」
妹友「…うん、それが聞きたかった」
490:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 04:44:40.49 ID:MqbYTc3L0
妹「…うー」
妹友「どう、気分は?」
妹「良くない」
妹友「そっか」
妹「でも…ちょっとだけ、良い気持ち」
妹友「…そっか」
妹「言っちゃった…」
妹友「大丈夫、私しか聞いてない」
妹「…うー」
妹友「よく頑張ったよ、妹」
492:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 04:50:10.24 ID:MqbYTc3L0
妹「…でも、私はにいさんの妹だから」
妹友「うん」
妹「にいさんのこと…す、好きだから」
妹友「うん」
妹「だから、にいさんのこと好きにはならない」
妹友「うん」
妹「言ってること、おかしい?」
妹友「とっても」
妹「そっか…」
妹友「でも、それで良いと思うよ」
妹「…うん」
妹友「でも、そっかー…ずっとお兄ちゃんの妹なんだよね?」
妹「うん」
妹友「だったら、私がお兄ちゃんのこと好きになっても、構わない?」
494:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 04:59:19.23 ID:MqbYTc3L0
妹「え、どういうこと?」
妹友「そのまんまだよ」
妹友「私、お兄ちゃんの恋人に立候補しようかなーって」
妹「え?…え?」
妹友「私もお兄ちゃんのこと好きだからねー」
妹友「妹がお兄ちゃんの妹のままで良いんだったら、私が恋人になろうかなーってね」
妹友「良いよねー、別に」
妹「だ、だめぇ…」
妹友「なんでー?」
妹「…なんでも」
妹友「妹のままで良いんでしょー?」
妹「でもだめなのぉ」
妹友「わがままー」
妹「うー…ぐすっ」
495:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 05:04:19.79 ID:MqbYTc3L0
妹友「あはは、じゃあやめとくよー」
妹「え…ほんとにぃ?」
妹友「妹がお兄ちゃんに告白するならねー」
妹「む、無理だってばぁ!」
妹友「頑張れ妹ー」
妹「楽しむなバカぁ…」
妹友「さっきの妹の好きって言葉、先輩にも聞かせたかったなー」
妹「あー、うー…もう妹友嫌いー…」
妹友「あ、冗談だってばー!」
女「……。」
女「……。」
女「…どえらいことを聞いてしまった」
496:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 05:10:13.27 ID:MqbYTc3L0
同時刻
男友「――でさ、そしたら俺はこう言ったわけよ」
男友「『お嬢さん、悪いが俺には心に決めたマドンナがいるのでね』ってな」
男友「そしたらまあ…男、聞いてる?」
男「…Zzz」
カセット『うん、うん、聞いてるよ』
男友「良かった、それでさ、そう言ってかっこよく立ち去ろうとした俺に向かって――」
男「…Zzz」
カセット『あはは、なにそれおもしろーい』
……………………
…………
……
536:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 18:41:25.85 ID:foNlZsIr0
男友「お、女子組」
男「おはよう」
女「おはよー!」
妹「お、おはよう」
妹友「温泉に行ってきたんですかー?」
男「そうそう、そっちは今から?」
女「そうだよ、チェックアウトはちょっと待っててね」
男友「まだ時間あるからゆっくり入ってきなよ」
男「妹、眠そうだな。大丈夫か?」
妹「…へ?あ、う、うん。大丈夫大丈夫」
男「…なんでそんな挙動不審なんだ」
妹「い、いやいや、なにもな…」
男「…ん?」
妹「……//」カアッ
男「……?」
537:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 18:49:03.04 ID:foNlZsIr0
妹友「妹とは夜ずっとお話ししてましたからねー」
男「あー、なるほど」
妹友「ねー、妹?」
妹「あ、うん、そうそう…」
妹友「先輩はすぐに寝ちゃいましたけど」
女「え?あ、あははー、ごめんごめん」
男「一番張り切ってたんじゃないのかよ…」
女「いやー、つい寝ちゃってねー、ぐっすりだったよ、うん、ぐっすり」
男友「情けないなー、俺らなんて一晩中語り合ってたというのに。なあ男」
男「え?」
男友「え?」
男「…あ、うん、そうだったな」
男友「だよなー!」
538:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 19:01:08.75 ID:foNlZsIr0
男友「じゃあ、温泉入って出掛ける準備出来たら俺らの部屋に来てくれ」
女「了解ー」
妹友「朝ごはんはどこで食べますかー?」
男友「近くに食堂付きの市場があるらしいから、そこで新鮮な魚でも食べよう」
女「お魚!」
妹友「楽しみだねー、妹」
妹「うん」
男「男友にしてはちゃんと考えてるな」
女「偉い偉い」
男友「…俺の期待値どんだけ低いんだよ」
男「じゃあ、また後で」
女「はいよー」
妹友「ほら妹、お兄ちゃんがまた後でだって」
妹「な、なんでそれを私に言うのさー」
妹友「ふふ、別にー」
540:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 19:25:13.52 ID:foNlZsIr0
女「いやー、満腹満腹」
男「…で、なんで朝飯食べたあとにまた海に来てるんだ」
妹友「このまま帰るのはもったいないじゃないですかー」バンッ
妹「そうそう」バンッ
男「二人とも着替えるの早いな」
女「私も、ババンッ!」
男「いや、あんたは早過ぎだろ」
男友「ま、折角だしもうひと遊びしてこうぜ」
男「帰りの時間は大丈夫か?」
男友「問題ない」
男「なら良いけど」
女「男君も着替えなよー」
男「いや、俺は良いよ」
男友「まあまあそう言わずに」バンッ
男「…いや、お前はいつ着替えたんだ」
543:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 19:30:41.36 ID:foNlZsIr0
妹友「突撃準備完了ですー、隊長」
女「よし、妹さん、うきわの装備は?」
妹「バッチリです隊長」
女「よし、発進ー」
妹友「おー」
妹「おー」
タッタッタッ
男友「男は?」
男「俺は荷物番」
男友「いらないってそんなん」
男「いや、誰か一人でも体力を残しとかないと」
男友「ん?」
男「…いや、すぐ分かるよ」
570:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 02:19:09.97 ID:U35MKv280
女「……。」
妹「……。」
妹友「……。」
男友「……。」
男「はい、抜け殻が四つ出来上がりと」
女「……。」
妹「……。」
妹友「……。」
男友「……。」
男「あ、うん、よくそんなになるまで遊んだよ…」
573:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 02:34:32.54 ID:U35MKv280
男「よし、帰るぞー」
女「…うん」
妹「あ、待ってー…」
男「ん?」
妹友「お土産…買いましょー」
男「別に良いけど」
男「いや、そんなグダグダになりながら言われても」
574:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 02:58:20.98 ID:U35MKv280
妹友「妹ー、おそろいのストラップ買おー」
妹「あ、うん」
女「パパとママにはこれでー、友達にはこれー」
男「元気になるの早いな」
女「男君、おそろいのストラップ買うー?」
男友「はいはい!俺が買う!」
女「最低」
男友「なにゆえっ!?」
男「…はは」
男友「男」
男「ん?」
男友「おそろいのストラップ買うか?」
男「死ねよ、二、三回」
575:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 03:06:32.31 ID:U35MKv280
女「妹友、あれ買おうよー」
妹友「ほうほう、先輩なかなかのセンスですねー」
男友「俺も俺もー!」
女「妹友、この先輩が何でも買ってくれるって」
妹友「え、本当ですかー?」
男友「え?」
女「はい、このかごにどんどん入れちゃえー」
妹友「がってんしょうちのすけー」
男友「え?え?」
男「男友もめげないな…」
妹「に、にいさん」
男「ん、どした?」
妹「……。」
妹「…一緒に、お土産見よう?」
577:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 03:35:45.68 ID:U35MKv280
男「なんだ、何か買いたい物でもあった?」
妹「そ、そういうわけじゃないけど」
男「…ん?」
妹「…おそろいで何か買いたいなー…なんて」
男「みんなしておそろいで買うのが流行ってるのか?」
妹「だ、だめかな?」
男「いや、良いけどさ」
妹「ほんとに?」
男「何故ここで嘘をつく」
妹「…やったぁ」
男「でも俺、どれが良いかとか分からないぞ?」
妹「大丈夫、私が選ぶから」
男「そっか。良いよ、自由に選んでくれ」
579:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 03:56:41.63 ID:U35MKv280
妹「にいさん」
男「ん、決まったか?」
妹「これなんて、どうかな?」
男「パズル型のキーホルダー?」
妹「これね、二つをくっつけると…」
男「あー、ひとつの絵になるのか」
妹「ね、ひとつひとつだと何の絵か分からないの」
妹「持ってる二人が一緒にいないと、この絵が完成しなくなっちゃうんだ」
男「なるほどな」
妹「ね、これで良い?」
男「良いけど、こんなんどこでも売ってるキーホルダーだと思うぞ?」
妹「いいの」
男「旅行のお土産だって分からないぞ?」
妹「私が旅行記念って書いとくから」
男「…まあ妹が言うなら、これにしようか」
580:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 04:14:06.50 ID:U35MKv280
男「ほら、買ってきたぞ」
妹「ありがと、にいさん」
男「俺はこっちを持ってれば良いんだな?」
妹「うん…ずっと持っててね」
男「分かった」
妹「私とにいさんの、思い出だから」
男「…おう」
妹「…えへへ、嬉しい」
男「ちなみにこの絵、なにかの花みたいだけどなんの花だ?」
妹「……。」
男「勿体ない、忘れる草?って書いてあるけど」
妹「勿忘草」
男「ワスレナ…グサ?」
妹「別名、「forget me not」。花言葉は…」
妹「私を、忘れないで」
582:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 04:23:43.14 ID:DUcWvH1s0
>>580で泣きそうになった。
620:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 12:54:24.95 ID:MaiY3C8G0
>>580
ぞくっとした
581:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 04:20:15.33 ID:U35MKv280
男友「急げー、電車が出るぞ!」
女「なんで、こんなに、ギリギリなのさー!」
男「お前のせいだよお前の」
妹友「先輩お土産買うのにどれだけ悩んでるんですかー!」
女「しょうがないじゃない、みんなにお土産買うって言っちゃったんだもんー!」
妹「で、電車出ちゃいますよ」
男友「待った、その電車乗ります!乗りますって!」
男「…情けない」
妹「…恥ずかしい」
妹友「先輩ー!」
女「申し訳なーい!」
584:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 04:32:46.41 ID:U35MKv280
ガタン…ゴトン…
男友「…間に合ったー」
男「一度閉まりきったドアを開けてもらったけどな…」
女「もう…体力ない…」
妹友「左に同じくですー…」
妹「……。」
女「妹さんが疲れすぎて言葉が出てない…」
男友「…ま、まあ無事に間に合ったということで」
男「俺らにしては、ハプニングなく上手くいった旅行だったな」
女「男友の企画にしてはねー」
男友「……。」
女「あ、いや冗談だよ?みんな男友に感謝してるからね?」
男「ほんとにありがとな、男友」
男友「ははは、それほどでもあるかなー!」
男「…こいつに謙虚ささえあれば」
586:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 04:43:46.19 ID:U35MKv280
ガタン…ゴトン…
男友「でも、まだ油断は出来ないからな」
女「へ?」
男友「家に帰るまでが遠足ですってな」
妹友「駅を寝過ごしちゃうとか、気をつけなきゃですよー」
女「…私、電車の中で寝ちゃう予定なんだけど」
男友「俺も、海で体力使い切ったからな」
妹友「ねむねむですー」
男「…だから言っただろうが」
男友「なるほど…男が言ってたのはこういうことか…」
男「まあ、俺が起きてるからみんなは寝てていいよ」
妹友「え、申し訳ないですよー」
女「…Zzz」
男友「…女」
男「…ま、そういうわけだから」
588:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 04:54:07.36 ID:U35MKv280
ガタン…ゴトン…
女「…Zzz」
妹友「…Zzz」
男友「…Zzz」
男「はは、みんな満足そうな顔で寝やがって」
男「…さて、どうやって時間潰すかなー」
妹「…にいさん」
男「あれ、妹?お前も寝てて良いんだぞ?」
妹「いい、眠くない」
男「嘘つけ、すっごく眠そうな顔してるぞ」
妹「眠くないもん」
男「いやいや、無理すんなって」
妹「…にいさん、隣に座っても良い?」
男「…しょうがねえな、ほら」
妹「えへへ、ありがと」
589:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 05:06:47.33 ID:U35MKv280
妹「……。」
男「……。」
妹「……。」
男「…あー、妹?」
妹「…なに?にいさん」
男「この旅行楽しかったか?」
妹「うん、とっても」
男「そっか、良かった」
妹「海も花火も温泉も、夜の内緒話も全部全部楽しかったよ」
男「夜の内緒話が気になるな」
妹「な、内緒話だから内緒に決まってるでしょ!」
男「はは、それもそっか」
妹「……//」カアッ
男「…ん?」
590:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 05:13:21.11 ID:U35MKv280
妹「…私ね、この旅行のこと、絶対に忘れないよ」
男「俺もだよ」
妹「……。」
男「妹と買ったキーホルダーのこともな」
妹「……。」
男「忘れないよ、全部」
妹「……。」
男「全部、覚えてるから…当たり前だろ?」
妹「……。」
男「…妹?」
妹「…にいさん」
男「なんだ?」
妹「あと…五ヶ月、切っちゃったね」
男「……。」
妹「クリスマスの魔法が…解けるまで」
592:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 05:38:34.26 ID:U35MKv280
男「…そう、だな」
妹「このまま夏が終わって、秋になって…そして、秋が終わって冬になれば」
妹「また、クリスマスがやってくる」
男「…うん」
妹「そしたら、私は…私は…」
男「……。」
妹「……。」
妹「…あーあ、一年なんてあっという間だね」
妹「にいさんと初めて会ったのが、ほんのちょっと前みたいなのに」
妹「気付いたらもう半分以上過ぎてるなんて、ほんとに嘘みたい」
男「……。」
妹「だからきっと…残りの半分もあっという間なんだろうね」
男「……。」
595:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 05:55:29.27 ID:U35MKv280
妹「ねえ、にいさん」
男「なんだ?」
妹「手、繋いで良い?」
男「…ほら」
妹「…ありがと」
ギュ
男「……。」
妹「やっぱり冷たいね」
男「ごめんな」
妹「ううん、いつものにいさんの手で安心したの」
男「そっか」
妹「えへへ、にいさんの手だぁって」ギュ
男「…そっか」
597:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 06:09:14.54 ID:U35MKv280
妹「知ってる?手が冷たい人は、心が暖かいんだって」
男「ふーん」
妹「その話、本当だったよ」
妹「にいさんの心、とっても暖かいから」
男「はは、どうやって分かるんだよ」
妹「分かるよ、だって私、にいさんの妹だもん」
男「…そうだったな」
妹「私、にいさんの妹で良かった」
男「…俺も、お前のにいさんになれて良かったよ」
妹「にいさん、あと少しの間だけど、にいさんの妹でいさせてください」
男「……。」
妹「……。」
男「…もちろん、お前はずっと俺の妹だよ」
妹「えへへ、良かった」
599:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 06:18:40.28 ID:U35MKv280
妹「…ふわぁ」
男「やっぱお前、眠たいんじゃないか」
妹「あはは、ちょっと疲れちゃったみたい」
男「無理しないで寝ろよ…手、ずっと繋いどいてやるから」
妹「…うん」
男「俺さ、まだお前とやりたいことが沢山あるから」
妹「……。」
男「夏だって、秋だって、冬だって…俺、お前の側にいてやるから」
妹「……。」
男「だから、安心して寝てくれよ」
妹「…分かった」
男「…じゃあ、おやすみ、妹」
妹「おやすみ、にいさん」
男「……。」
妹「……。」
601:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 06:27:07.97 ID:U35MKv280
男「……。」
妹「…Zzz」
男「…妹」
妹友「なんで、次の春も一緒にいてやるって言わなかったんですか?」
男「…妹友さん、起きてたのか」
妹友「なんで、またサンタに妹を願ってやるって言わなかったんですか?」
男「…妹のこと、知ってるのか」
妹友「今はその話は良いです」
妹友「私の質問に、答えてくださいよ」
男「…そうだな」
男「言っても、妹は喜ばないと思ったから、かな」
妹友「……。」
602:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 06:43:36.40 ID:U35MKv280
妹友「どういう意味ですか?」
男「…俺が次の春も、その次の春も妹と一緒にいたいって思ってることなんて、言わなくたってこいつに伝わってるさ」
男「サンタに願ってやりたいって思ってることだってとっくに分かってるよ」
男「俺だって、妹のずっと一緒にいたいって言葉も、サンタに願ってほしいっていう言葉も全部聞こえてる」
男「だって俺たちは、兄妹だからな」
妹友「……。」
男「でも、妹はそれを分かった上で、あと少しで自分が消えちゃうって思ってるんだ」
男「だから、ずっとあんな顔をしてる」
男「なにかを言わないまま、諦めたように残りの時間を過ごそうとしてる」
男「そんなあいつになにを言っても、今の妹には何も届かないと思ってさ」
妹友「…妹が、何かを隠してるのは知ってます」
男「隠してるというか…」
妹友「はい?」
男「いや、なんでもない」
603:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 06:52:52.41 ID:U35MKv280
妹友「なんですか?気になります」
男「隠してるというか…言ってもしょうがないって思ってるんだろうな」
男「あとは、言わないことによってその現実から目を背けようとしてるのかも」
妹友「…お兄ちゃんは妹が何を言わないようにしてるのか分かってるんですか?」
男「……。」
私を、忘れないで
男「…たぶんね」
妹友「…そうですか」
男「…なにかは聞かないんだ」
妹友「それに気付くのは私の役目ですから」
妹友「私は、妹の友達だから」
男「そっか」
604:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 07:00:48.36 ID:U35MKv280
妹友「でも、一つ聞かせてください」
男「ん、なに?」
妹友「お兄ちゃんは、そんな妹を幸せに出来ますか?」
男「……。」
妹友「出来ますか?」
男「…するよ」
妹友「…そうですか」
男「自信はまだ、ないけれど」
妹友「良いです、お兄ちゃんがするって言ったんだから」
妹友「私は、それを信じます」
男「…ありがと」
妹友「…なにか私に出来ることは、ありますか?」
男「そうだね…」
男「妹と、たくさん思い出を作ってあげて」
605:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 07:08:35.32 ID:U35MKv280
妹友「そんなこと、言われなくても作りますよ」
妹友「いっぱい、いっぱい」
男「そっか」
妹友「…じゃあ、後は任せますから」
男「…おう」
妹友「…では、私はもう少し寝ますね」
妹友「あ、妹のもう片方の手は借ります」
男「どうぞ」
妹友「おやすみ、お兄ちゃん」
男「おやすみ、妹友さん」
妹友「あ、あと、私は呼び捨てで良いですよ」
男「呼び捨てはちょっと…じゃあ妹友ちゃんで」
妹友「やった、一歩前進です」
男「おやすみ、妹友ちゃん」
妹友「はい、おやすみなさい」
606:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 07:15:03.79 ID:U35MKv280
妹友「…Zzz」
男「……。」
男「…さて、どうやって時間を潰そうか」
男「……。」
妹「…ん」
男「……。」
妹「…にいさぁん…えへへ」ギュ
男「……。」
男「…そうだな、妹のことを考えよう」
男「寝顔でも見ながら、ゆっくりと」
男「今までのことと、これからのこと」
男「時間は、たっぷり、あるんだから」
私を、忘れないで
男「……。」
妹と夏の思い出 おわり
610:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 07:44:09.50 ID:U35MKv280
閑話
ザー…
妹「うー、雨ー…嫌だー…」
妹友「しょうがないよー、季節の変わり目は天気が不安定になりやすいから」
妹「でも雨は嫌いー」
妹友「なんでー?」
妹「気分までジメジメしちゃうもん」
妹友「あはは、妹らしいねー」
妹友「でも、そのお気に入りの傘が使えるから良いじゃんかー」
妹「……。」
妹友「…ん?」
妹「…えへへ、そうだね。にいさんと選んだ傘だもんねー」
妹友「…妹、最近お兄ちゃんに対する気持ちがオープンになってきてるね」
妹「だ、だってもう妹友に隠してもしょうがないもん…」
秋のある日
621:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 13:15:38.87 ID:TwwPJR880
何とかハッピーエンドにならんものか
670:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 01:41:02.13 ID:7TJSJCXT0
ザー…
妹友「羨ましいなー、お兄ちゃんと毎日一緒にいれるなんて」
妹「当たり前でしょー、兄妹なんだから」
妹友「私もお兄ちゃんの妹になろうかなー」
妹「え、な、なんで?」
妹友「好きだからに決まってるじゃんかー、妹になったらずっと一緒にいれるもんね」
妹「…す、好きっていうの、冗談じゃなかったの?」
妹友「本当に決まってるじゃん、私は妹に嘘つかないもん」
妹「え、えーッ!?」
妹友「よーし、そうと決まれば早速お兄ちゃんの妹になろー」
妹「だ、だだだ駄目だよ!にいさんは私だけのにいさんなんだからね!」
妹友「わー、大胆発言いただきましたー」
妹「え、え?」
妹友「にいさんは私だけのもの、だって。きゃー」
妹「そ、そんなこと言ってないでしょー!」
671:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 01:54:01.80 ID:7TJSJCXT0
ザー…
妹友「わ、水飛ばすなー!」
妹「妹友が変なこと言うからだよ!」
妹友「言ったのは妹だけどね」
妹「わ、私は言ってないってばー!」
妹友「あとでお兄ちゃんに教えてあげよーっと」
妹「だ、ダメぇ!」
妹友「わー、来るなー」
妹「逃げるなー!」
妹友「雨、雨だから!走ると濡れるからー!」
妹「だったら止まれバカぁ!」
妹友「何もしないなら止まるー」
妹「そんなわけないでしょ!」
妹友「ですよねー」
674:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 02:10:30.55 ID:7TJSJCXT0
ザー…
妹友「はあ…はあ…」
妹「はあ…はあ…もお、びしょびしょになったじゃんか」
妹友「妹が…はあ…追い掛けるからだよー」
妹「…追い掛けさせるようなこと…はあ…言うからー」
妹友「だから、言ったのは妹だよー」
妹「」妹友「わあ、ちょっと待った私が悪かったですー!」
妹「…もお」
妹友「はあ、助かったー」
妹「……。」
妹友「……。」
妹「…ぷっ」
妹友「…ぷっ」
妹「あははははー」
妹友「あははははー」
677:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 02:24:18.55 ID:7TJSJCXT0
ザー…
妹友「もう、こんなにびしょびしょになって、お母さんに怒られちゃうよー」
妹「妹友のせいだからね」
妹友「はいはい、ごめんなさいー」
妹「じゃあ、また明日」
妹友「うん、ばいばーい…って、あれ?」
妹「ん、なになに?」
妹友「あれ、あの段ボール、なんだろー」
妹「…き、気にしないで帰ろうよー」
妹友「でもあれ、妹が今から通る道じゃん。気にならないー?」
妹「……。」
妹友「見てみようよ、ね?」
妹「…し、しょうがないなあ」
妹友「やったー」
680:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 02:44:56.77 ID:7TJSJCXT0
男「…傘をなくした?」
妹「うん、ごめんなさい…」
男「盗まれたのか?」
妹「違う、なくしたの」
男「…ん?」
妹「ごめんなさい」
男「あ、いや別に良いけどさ…だから今日あんなびしょびしょで帰ってきたのか」
妹「え、あ、それは別の理由なんだけど…」
男「…んー?」
妹「…そっちの方は気にしないでください」
男「まあ、風邪にだけ気をつけてくれれば俺は構わないけど」
妹「あ、にいさんに移すと大変だもんね…受験生だし」
男「いやいや普通に妹の心配だよ」
妹「…あ、ありがと//」
男「そこはありがとうじゃなくて気をつけますだろ」
681:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 03:01:36.37 ID:7TJSJCXT0
男「家にはどうやって帰ってきたんだ?」
妹「妹友の傘に入れてもらっちゃった」
男「…妹友ちゃん、ほんとに優しい子だな」
妹「…む」
男「今度改めてお礼を言わないと」
妹「…に、にいさん」
男「なんだ?」
妹「にいさんも、い、妹友のことが…き、気になりますのでございまするか?」
男「…どこの国の言葉だそれは」
妹「け、敬語は苦手」
男「まずなんで敬語にしようとしたのか分からないけど」
男「…えっと、妹友ちゃんのことが気になるかどうか?」
妹「そ、そうそう」
男「…具体的にどういう質問なんだそれは」
697:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 12:34:03.64 ID:vdOpexlL0
妹「え、だ、だからそのー…」
男「だからその?」
妹「…す、好きになったりとか?」
男「……。」
妹「……。」
男「…はあ」
妹「え、なんでため息ッ!?」
男「ま、まあ妹の友達としてなら気になるけど」
妹「…あれ?」
男「あの子なら妹と仲良くしてくれるだろうなって思ってるから、心配もしてないし」
妹「好きになったりとかは?」
男「ないない」
妹「妹友すっごく可愛いのに?」
男「確かに可愛いとは思うよ」
妹「あれー?」
723:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 20:27:56.24 ID:B2S+Xi7U0
男「なんでそんな話になるんだよ」
妹「い、いやなんでもないけどさ」
男「……?」
妹「…ほ、ほんとに妹友のことなんとも思わないの?」
男「うん」
妹「……。」
男「…ん?」
妹「…あー、妹友は胸が大きいから」
男「断じて違う」
734:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 21:34:13.06 ID:hWGgfYgu0
男「で、傘がなくなったって?」
妹「あ、うん…」
男「新しい傘、買いに行くか?」
妹「え?い、良いよー」
男「でも、明日も雨だぞ?」
妹「だって今も雨降ってるし…」
男「俺の傘に入っていけよ」
妹「え?」
男「ん?」
妹「…あ、相合い傘ー」ボソッ
男「なんだって?」
妹「な、なんでもない!」
738:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 22:05:32.61 ID:hWGgfYgu0
男「で、どうする?」
妹「…い、行くー」
コンコン
母「入るわよ」
男「ん、どうぞー」
ガチャ
母「あら、妹もいるの?」
妹「うん」
母「お兄ちゃんの勉強の邪魔しちゃ駄目よ」
妹「…はーい」
男「いや、ちょうど今から休憩するところだよ」
母「あら、そうなの?」
男「妹とちょっと散歩してくるよ」
妹「…えへへ」
740:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 22:24:33.67 ID:hWGgfYgu0
母「散歩?」
男「妹と傘を買いに行ってくるよ」
母「傘?私が代わりに買ってこようか?」
男「良いよ、勉強の気分転換になるし」
妹「にいさん…今日私と話してばっかりだったのに」ボソッ
母「そう、じゃあ暖かい格好をして行きなさいよ」
男「ん?」
母「今日は冷え込むってニュースでやってたから」
妹「今日、寒くなるの?」
母「そう、それに雨だから風邪を引かないようにしなさいよ」
男「分かったよ」
妹「……。」
743:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 22:39:59.75 ID:hWGgfYgu0
妹「お母さん、なにかモコモコしてるものある?」
母「モコモコ?」
男「モコモコ?」
妹「うん、暖かくなるものー」
母「着て行くってこと?私のお古のセーターで良いならあるわよ」
妹「あ、えっと…そうじゃなくて」
母「…なに?」
妹「汚れても良いものが欲しいなぁ…」
男「……?」
母「ん?別に私が着れなくなったセーターだから、汚しても良いわよ?」
男「母さん、太ったの?」
母「男、今日、晩飯抜き」
男「なにゆえっ!?」
746:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 23:00:36.91 ID:hWGgfYgu0
妹「セーター、汚しても良いの?」
母「構わないわよ」
妹「じゃあ、着て行くー」
男「妹、なにか汚れる用事でもあるのか?」
妹「あ、えーっと…あははー」
男「……?」
母「ほら、行くなら早く行きなさい。どんどん寒くなるわよ」
妹「は、はーい」
母「妹、傘が無いの?」
妹「あ…うん、なくしちゃって」
母「じゃあ私の傘を使って行きなさいね」
妹「え?」
母「え?」
妹「…はいな」
母「……?」
21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 23:45:46.49 ID:QtVvKPJ50
ザー…
男「降ってるなー」
妹「……。」
男「どうかしたか?」
妹「…え?あ、ごめん、考えごとしちゃってた」
男「大丈夫か?」
妹「うん、行こ?にいさん」
男「大丈夫なら良いけど…じゃあ行くか」
バサッ
男「…ん」
妹「え?」
男「入れよ」
妹「でも、お母さんが…」
男「良いから」
妹「…はいな」
40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 02:27:38.46 ID:UFajOtJR0
妹「えへへー」
男「気にいった傘があって良かったな」
妹「あ、うん。それも良かったけどー」
男「それも?」
妹「な、なんでもないよー」
男「妹、なんか隠しごと多くないかー?」
妹「そ、そんなことないよ?」
男「…ふーん」
妹「あー、機嫌悪くしないでよ」
男「いや、悪くはしてないけど。妹の機嫌が良い理由くらい教えてくれても良いんじゃないかなー」
妹「……。」
男「ん?」
妹「…に、にいさんと散歩出来たから」
男「…あー」
妹「な、なに言わせてるのさ、バカぁ!」
44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 02:49:21.13 ID:UFajOtJR0
男「よし、じゃあ帰るぞー」
妹「はいな!…じゃなくて」
男「ん?」
妹「私、ちょっと行くところが…」
男「え、どこ?」
妹「…妹友のところ?」
男「いや聞かれても」
妹「そう、妹友のところ!」
男「こんな時間に何をしに行くんだ?」
妹「……。」
男「……。」
妹「…か、買った傘を自慢しに行くの!」
男「答えるまでえらく間が空いたな…」
45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 02:56:24.47 ID:UFajOtJR0
男「こんな時間に買った傘を自慢しに行くのか?」
妹「う、うん」
男「家まで行って?」
妹「…うん」
男「明日学校でも会えるのに?」
妹「……。」
妹「り、理屈っぽい男子は嫌われるんだぞ!」
男「…え?なんで俺が責められてるの?」
46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 03:09:12.85 ID:UFajOtJR0
妹「…あ!わ、私は別ににいさんのこと嫌いじゃないからね!」
男「…まあ良いや」
男「晩御飯までには帰って来いよ?」
妹「はーい」
男「夜道だからな、人に気をつけろよ?」
妹「分かってるよー」
男「じゃあ俺は先に帰ってるからな」
妹「にいさん、傘ありがと」
男「おう」
妹「それと、勉強の邪魔してごめんなさい」
男「いい気分転換になってるから大丈夫だよ」
妹「…えへへ、にいさんは優しいね」
47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 03:17:39.27 ID:UFajOtJR0
男「お兄ちゃんってのは妹には優しくするもんだ」
妹「嘘だー」
男「ほら、良いから早く行けよ」
妹「あ、うん。じゃあまた後でね、にいさん」
男「ほんとに変な人とか気をつけろよ?」
妹「大丈夫だって」
男「俺も付いていこうか?」
妹「い、良いって!」
男「そっか」
妹「じゃ、じゃあねッ!」
タッタッタッ
男「おい、雨の中走るとまたビショビショになるぞー」
男「…たく」
男「…いったい何をしてるんだ?」
48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 03:25:03.14 ID:UFajOtJR0
タッタッタッ…
妹「…あ、いたー」
妹「よしよし、濡れてないかい?寒いよね?よく頑張ったね」
妹「…よし!」
ヌギッ
男友「わっ!」
女「わあっ!」
妹「ひゃあっ!」
男友「あ、すいませんびっくりしちゃって…」
女「ご、ごめんなさい…って、妹ちゃん?」
妹「…男友先輩に女先輩?」
49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 03:32:58.45 ID:UFajOtJR0
男友「な、なんだー妹さんか…」
女「道端で急に女の子が服を脱ぎだしたからびっくりしたよ!」
妹「あ、あははー…」
女「こんな雨の中で何やってたのー?」
妹「え、というか先輩たちは二人でどうしたんですか?」
男友「そんなの勿論デートに決まって――」ゴスッ
女「……。」
男友「…僕、今嘘をつきました」
女「分かればよろしい」
妹「…えっと、本当は?」
女「このバカが、このままじゃ大学に落ちるーって泣きついてきたから勉強教えてたのよ」
妹「…へ、へぇ」
男友「どうかそんな目で見るのはやめて下さい」
50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 03:39:34.95 ID:YOXL/Eyo0
男友と女きたぜ!!
これを待っていたんだ。
たまには兄と妹以外の事も見る人がいないとね。
64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 09:35:41.53 ID:lmu3SdtK0
妹「勉強のことならにいさんに聞けば良いじゃないですか」
男友「男にも聞いたんだけど…」
妹「はい」
女「『理解が出来ないやつに教える気はない』だっけ」
男友「……。」
妹「…先輩、よくこの高校に受かりましたね」
男友「昔は出来る子だった」
妹「…ま、まあ女先輩に任せれば大丈夫ですよ」
女「知ってる?妹」
妹「はい、なんでしょう?」
女「この人1月から12月まで英語で言えないのよ」
妹「……。」
女「ついたキャッチフレーズが、『こいつは誰にも止められない』」
妹「……。」
男友「あ、その視線は甘んじて受け止めます」
66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 09:45:27.39 ID:lmu3SdtK0
女「で、妹ちゃんは何をしてたの?」
妹「あ、いえ…この子が寒そうだったので」
男友「ん?…あー」
女「わ、可愛いー!」
妹「妹友と見付けたんです」
男友「捨てられちゃってるんだな」
女「かわいそう…」
妹「そうなんです…」
男友「で、脱いで服をあげようとしてたのか?」
妹「このセーター、この子にあげるために着てきたので」
女「健気な妹ちゃんも可愛いー!」ギュ
妹「わ、わ、離してくださいー!」
男友「雨の中でなにやってんだ…」
67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 09:55:48.54 ID:lmu3SdtK0
男友「もしかしてこの傘も?」
妹「…あ、はい」
女「妹ちゃん優しいねー」
妹「いえ、私のせいでにいさんに新しい傘を買わせちゃったから…」
女「男君ならそれくらい許してくれるでしょ」
男友「むしろあいつも傘を置いてくくらいだな」
女「あ、男君小動物大好きだもんね!いっそのことうちで飼うとか言い出すんじゃない?」
男友「はは、ありえるな」
妹「……。」
女「あれ、どうかしたの?」
妹「お願いがあるんですが」
女「お願い?」
妹「私がここでしてること、にいさんには内緒にしておいてもらえませんか?」
69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 10:02:32.91 ID:lmu3SdtK0
男友「ん、内緒?」
女「男君に話してないの?」
妹「はい」
男友「どうしてだ?」
妹「…そ、それは」
女「分かったよ」
妹「…え?」
女「内緒にしとけば良いのね?」
妹「はい、お願いします」
男友「あ、あれ、理由聞いてないぞ」
女「バカ、女ってのはね、誰だって秘密を持ってるものなのよ」
男友「え、今そういう話なの?」
女「そういう話なの!」
妹「…ありがとうございます」
70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 10:13:45.47 ID:lmu3SdtK0
女「良いよー、ほら、男友も絶対に言っちゃ駄目だからね?」
男友「まあ、女の子の頼みは無条件で聞きますけどね」
女「カッコイイー」
妹「あはは…くちゅんっ!」
女「あ、ほらほら風邪引いちゃう!」
男友「帰ろうぜー」
妹「あ、はい、分かりました」
男友「家まで送ってこうか?」
妹「大丈夫ですよー」
女「気をつけて帰りなさいよ?」
妹「…えへへ」
女「どうしたの?」
妹「にいさんみたいに心配してくれたから…なんかお姉ちゃんが出来たみたいで」
女「きゃー、お持ち帰りしたいー」ギュ
妹「わ、わー!」
71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 10:19:54.10 ID:lmu3SdtK0
女「じゃあまたねー」
男友「また遊ぼうね、妹さん」
妹「はい、お願いします。さようならー」
タッタッタッ
女「あ、走ると濡れちゃうよー?」
男友「元気だな…さて、俺も帰るかなー」
女「待てい」ガシッ
男友「…あ、やっぱまだやるんですか」
女「私の部屋でみっちりとね」
男友「……。」
女「はい、出発ー」
男友「…おー」
73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 10:29:04.56 ID:lmu3SdtK0
男「おはよー」
妹「行ってきまーす!」
バタン
男「…ん?あれ?今何時?」
母「7時」
男「…妹、家出るの早くない?」
母「なんか妹友ちゃんと約束してたみたいよ」
男「なんの?」
母「聞いてないけど」
男「……?」
75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 10:41:20.88 ID:lmu3SdtK0
妹「おはよ」
妹友「おはよー、妹」
妹「寒いねー」
妹友「あの子大丈夫かなー…」
妹「昨日ね、一応セーターを置いてきたんだけど」
妹友「セーター?昨日って、一度家に帰った後?」
妹「うん」
妹友「ぶー、妹ばっかり頑張ってるー」
妹「わ、私じゃないよ!傘はにいさんに買ってもらったし、セーターはお母さんのだし…」
妹友「…私もなにかしてあげたい」
妹「き、聞いてよー」
妹友「よし、今日ミルクを買ってあげよう」
妹「え…でも、それ良いかも」
妹友「でしょ!じゃあ放課後にねー」
妹「うん!じゃあ、あの子に会いに行こー」
76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 10:49:36.10 ID:lmu3SdtK0
妹「ただいまー」
男「おかえりなさい」
妹「あれ、にいさん早いね」
男「まあなー」
母「帰ってきたらすぐに着替えなさいよー」
妹「分かってるよー」
トットットッ
…………。
トットットッ
妹「いってきまーす」
男「ちょ、ちょい待ち」
妹「…あれー?」
78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 10:59:01.36 ID:lmu3SdtK0
男「出掛けるの早いな」
妹「あ、うん。財布を取りに来ただけだから」
男「買い物か?」
妹「妹友とね」
男「何を?」
妹「……。」
男「……。」
妹「…ぎゅ、牛乳」
男「牛乳?」
妹「うん、牛乳」
男「妹、牛乳好きだっけ?」
妹「きょ、今日はそんな気分なの!」
母「牛乳ならあるわよ?」
妹「あ、えーっと…」
80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 11:01:53.18 ID:lmu3SdtK0
妹「今日は買いたい気分なんです」
母「……?」
男「……。」
妹「じゃ、じゃあいってきまーす」
母「…いってらっしゃい」
バタン
母「妹、どうしたのかしら」
男「……。」
81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 11:23:28.87 ID:lmu3SdtK0
妹「お待たせー」
妹友「全然待ってないよー」
妹「じゃあ行こっか」
妹友「うん、どこで買うー?」
妹「牛乳ってコンビニに売ってるよね?」
妹友「コンビニって高くないかな…?」
妹「大丈夫、私も払うから」
妹友「え、やだよー、私があげるからー!」
妹「私もあげたいもん」
妹友「…むー」
妹「えへへ…行こ?」
妹友「しょうがないなー」
85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 12:50:48.14 ID:voe+fswu0
妹「来たよー」
妹友「来たよー」
妹「ミルクあげるからねー」
妹友「寒くなかったー?」
妹「…あ、ミルクどうやってあげよう」
妹友「はい妹、お皿持ってきたから」
妹「あ、ありがとー」
妹友「飲んでくれるかなー」
妹「どうかな…はい、どうぞ」
男「…冷たい牛乳あげるとお腹壊すぞー」
妹友「わあっ!」
妹「わっ!」
86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 12:54:16.90 ID:YOXL/Eyo0
男參上ktkr
89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 13:10:50.58 ID:voe+fswu0
妹「に、にいさん?」
妹友「あ、お兄ちゃん、こんにちはー」
男「こんにちは、妹友ちゃん」
ミャー
男「…やっぱりネコだったか」
妹「ど、どうしているのかな…」
男「……。」
妹「……。」
男「…はぁ」
妹「ご、ごめんなさい」
男「いや、なんも怒ってないけどね」
妹友「…ネコさん、牛乳だとお腹壊しちゃうんですかー?」
男「あー、普通の牛乳はあげ過ぎないほうが良いんだよ。ほら、ネコ用のミルク買ってきたからこれを飲ませてあげて」
妹友「あ、はーい」
93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 13:27:07.22 ID:voe+fswu0
ミャー
妹友「飲んでますねー」
妹「…美味しそう」
男「妹、よだれ」
妹「へ?…わーわー!」
妹友「妹も飲む?」
妹「い、いらないもん」
男「だからそれネコ用だって…」
ミャー
妹友「え?もっとー?」
妹「あげていい?にいさん」
男「あとちょっとだけな」
妹「はーい、どうぞー」
ミャー
妹友「あはは、喜んでるー」
96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 14:10:44.44 ID:vuFzzPRS0
妹友「じゃあ妹、また明日ねー」
妹「うん、またね」
妹友「お兄ちゃん、今度家に遊びに行きますね」
男「いつでもどうぞ」
妹「駄目だよ、にいさんは受験生なんだからね!」
妹友「あ、そっかー…」
男「はは、気にしなくて良いよ」
妹友「ほんとですかー?」
男「ほんとほんと」
妹「…むー」
男「じゃあね、妹友ちゃん」
妹友「はい、さようならー」
106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 17:20:51.18 ID:U0QBlTuy0
男部屋
男「…なるほどな、傘とセーターはこういうことか」
妹「…ごめんなさい」
男「いや、だから別に怒ってないって。むしろ妹の優しさに感心してるくらいだし」
妹「うん…」
男「でもまあ、ひとつ言うとしたら、なんで俺に内緒にしてたかってことだな」
妹「……。」
男「言ってくれたら俺も色々やってあげたのに」
妹「……。」
男「なんだったら母さんに頼んであのネコを飼っても良いしな」
妹「……。」
男「運の良いことに、俺も母さんもネコは大好きだ」
妹「…だからだよ」
男「え?」
111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 17:37:10.99 ID:U0QBlTuy0
妹「にいさんもお母さんも、ネコが好きなの知ってるし…優しいから」
妹「ばれちゃったら…ネコを飼っても良いよって言うかなーって」
男「あれ、飼いたくないのか?でもそれなら別に、無理に飼えって言うわけじゃないしさ」
妹「…うー」
男「…ん、飼いたいのか?」
妹「……。」
男「いや、だからもし母さんが反対しても俺が頼んでやるって」
妹「…だって、飼うことになったら私のせいでにいさん達に迷惑かけちゃうことになるし」
男「迷惑?」
妹「うん…」
男「……。」
ペシッ
妹「あうっ」
男「お前、なに今更家族に向かって遠慮なんかしてるんだよ」
妹「……。」
112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 17:55:27.63 ID:U0QBlTuy0
男「あほか、どこの世界に飼っても良いよって言われて遠慮する妹がいるんだよ」
妹「……。」
男「妹は家族ってものを分かってないな、兄妹というものが理解出来てない」
男「良いか、よく聞けよ?」
男「昔から、妹はわがままを言うもの、兄はそれに付き合うものだって決まってるんだから」
妹「…そんなの聞いたことない」
男「じゃあ今覚えれば良い」
妹「……。」
男「だから、お前は遠慮なんかしちゃ駄目なんだからな。うちの家族なら、俺の妹なら、いらない気遣いなんかするな」
妹「……。」
男「今度そんなことしたら、また説教だからな、分かってるな?」
妹「……。」
男「返事は?」
妹「…はい」
114:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 18:03:07.93 ID:U0QBlTuy0
男「よし…ほら」
ナデナデ
妹「ふあ…な、なに?」
男「叩いてごめんな、痛かっただろ」
妹「力なんて全然いれてないくせに…」
男「でも、叩かれたら心が痛くなるだろ?」
妹「…にいさん、たまに臭いこと言うよね」
男「うるせー」
妹「それに、叩いて傷ついてるのはにいさんの方だし」
男「妹を叩いて心を傷めないやつなんて兄じゃないよ」
妹「ほらまたー」
男「なんだよ、本心だぞ?」
妹「…知ってる」
115:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 18:16:48.57 ID:U0QBlTuy0
男「よし、じゃあ兄としての役目を果たしに行くかなー」
妹「え?」
男「母さんにネコを飼うことを交渉しに」
妹「……。」
男「ま、すぐ許してくれるだろうけど」
妹「…行かなくて良いよ、にいさん」
男「ん、なんでだ?」
妹「やっぱり、ネコは飼わない方がいいもん」
男「…余計なことは考えなくても良いんだぞ?」
妹「ううん、考える…というか、にいさんは誤解してるけど」
男「誤解?」
妹「私が考えてるのは…私がいなくなった後のこと」
男「……。」
158:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 04:16:59.40 ID:hkaOf6wk0
妹「私の為にネコを飼っても、私はすぐにいなくなっちゃうから」
妹「私がいなくなった後は、やっぱりにいさん達に迷惑がかかっちゃうもん」
男「……。」
妹「なのに、飼いたいなんて…言えないよ」
男「……。」
妹「……。」
男「…え、なに?もう一回同じこと説教しないといけないのか?」
妹「え?」
男「妹はネコが飼いたいんだろ?」
妹「…うん」
男「だったら変な遠慮はするなって言ってるだろ」
妹「だって…」
男「だってもなにもないよ」
男「あとどれくらいかなんて関係ない、いつ終わるかなんて関係ない」
男「妹はずっと俺の妹なんだから…遠慮するなって、何度言わせる気だよ」
159:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 04:30:44.65 ID:hkaOf6wk0
妹「うー…」
男「…で、俺は今から何をすれば良いんだ?」
妹「……。」
男「お母さんの説得?」
妹「…ううん、しなくて良い」
男「…そっか」
妹「説得はね、私がする」
妹「私ね、ネコ…飼いたいから、私がお母さんに頼む」
男「…妹」
妹「にいさん、もしお母さんが許してくれたら…お世話を一緒にお願いしていい?」
男「もちろん」
妹「えへへ、ありがと」
男「母さんが許してくれたら、すぐにネコを迎えに行ってやろうな」
妹「うん!」
160:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 04:43:44.19 ID:hkaOf6wk0
男「妹、行くぞ」
妹「待って、クツがはけないー」
男「急がなくて良いから」
妹「お、おまたせ」
男「ん、まだ雨降ってるなー」
妹「そうだね」
バサッ
男「…と、俺の傘に入ってくか?」
妹「え、はいるー…じゃなくて」
妹「は、はいらないー…」
男「良いのか?」
妹「急いで迎えに行きたいの!」
男「急ぐって、まさか」
妹「行くよ、にいさん」タッタッタッ
男「…しょうがないな」
161:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 05:00:41.18 ID:hkaOf6wk0
男「つ、着いたぁ…」
男「…はあ…はあ…そういえば、妹は足が速いんだった」」
妹「……。」
男「ん、妹どした?」
妹「…これ」
男「…ネコ、いなくなってるな」
妹「この手紙の人がネコを拾ってくれたみたい」
男「この手紙はどこに?」
妹「ネコがいた場所だよ」
男「…俺らが家に帰ってる間にってことか」ピラッ
『この子は私が大切に育てます』
男「…大丈夫そうだな」
166:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 08:05:08.31 ID:jX5ENLLB0
妹「……。」
男「…妹」
妹「うん、この方が良かったよね」
男「…まあ、飼い主が見つかって良かったよ」
妹「……。」
男「そんなに飼いたかったか?」
妹「え、な、なんで?」
男「じっと段ボール見てるし」
妹「え、違う…これは、そのー」
男「そのー?」
妹「…飼いたかったよー」
男「よしよし」
妹「な、なでるなー!」
169:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 09:02:36.60 ID:y7g1F5OI0
男「…ん?妹、もう一枚紙があるぞ」
妹「え…あ、ほんとだ」ペラッ
『追伸、傘とセーターをありがとうね、可愛いお嬢ちゃん』
男「…見られてたみたいだな」
妹「だねー」
男「きっと妹が世話してるのを見て飼ってあげることにしたんじゃないかな」
妹「だと嬉しいな」
男「…さてと、帰るか」
妹「うん」
男「飼えなくて残念だったな」
妹「ううん、これで良かったんだよ」
男「そっか」
妹「えへへ、やっぱり飼いたかったけどね」
男「……。」
171:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 09:13:46.29 ID:TOJODEyV0
妹友「そっか、残念だったねー」
妹「でもこれで良かったと思うよ」
妹友「どうして?」
妹「ネコなんて飼っちゃったら、きっと私かわいがり過ぎちゃうもん」
妹友「あはは、そうかもね」
妹「やっぱりネコは道端でちょっとだけ遊ぶのが一番良いよ」
妹友「…妹、また嘘ついたー」
妹「…あ、あれ、妹友にはなんでばれちゃうのかな」
妹友「ちっちっち、私をなめてもらっちゃ困りますぜー」
妹「うー、参りました」
妹友「で、本音は?」
妹「…ネコが飼えたら、楽しいだろうなー」
妹友「あはは、素直になるのが一番だよ」
妹「…あはは、そうだねー」
172:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 09:25:35.20 ID:TOJODEyV0
妹友「あ、分かれ道に着いちゃったね」
妹「そうだねー…じゃあ妹友、また明日ね」
妹友「うん」
妹「ばいばーい」
妹友「…妹ー」
妹「ん、なぁにー?」
妹友「素直になった妹にプレゼントがあるよー」
妹「…え?」
妹友「自分の部屋に行ってみなー」
妹「……!」
タッタッタッ
妹友「…ふふ、ばいばーい」ヒラヒラ
175:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 09:39:26.32 ID:WAxD3+pL0
ガチャ
妹「ただいまー!」
母「おかえりなさい」
男「おかえり」
母「今外は寒い?妹」
妹「走ってきたから分からなーい」
トットットッ
男「…妹友ちゃんから聞いたのかな」
母「ふふ、みたいね」
176:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 09:45:12.93 ID:WAxD3+pL0
妹「もしかして…もしかしてー」
ミャー
妹「今なんか聞こえたー!」
男「…階段くらい静かに上がれないのか」
妹「……。」
男「ん、なに部屋の前で固まってるんだ?」
妹「にいさん、このドア開けていいの?」
男「開けていいもなにも、お前の部屋だろ。好きにしろよ」
妹「う、うん、好きにするー」
妹「……。」
ミャー
妹「また聞こえたー!」
男「良いから早く開けろよ…」
177:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 09:58:12.11 ID:WtG8GE4k0
早くあけろ妹
179:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 10:10:31.72 ID:WAxD3+pL0
妹「じ、じゃあいくよー…」ガチャ
妹「……。」
…ミャー
妹「…わ、わー…ネコだ、ほんとにネコだー!」ギュー
男「お、おい…ほどほどになー」
妹「わー!暖かいー!柔らかいー!」
ミ、ミャー…
男「…はは」
母「妹の反応はどう?」
男「見ての通りだよ」
妹「妹友、そうだ妹友に早く見せないと!で、電話ー」
男「…たく、そんなに嬉しいならなんで余計な遠慮なんてしようとするんだよ」
母「女心は複雑なのよ」
男「え、そういう話なの?」
母「そういう話なの」
180:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 10:15:55.32 ID:WAxD3+pL0
母「お金はどれくらいかかった?」
男「…ん」
母「…あらら」
男「カンパよろしく」
母「しょうがないわね」
男「まったく、兄ってのも疲れるな」
母「兄は妹のわがままに付き合うもの、だっけ」
男「…聞いてたのかよ」
母「え、なんの話?」
男「…まあ良いけどな」
妹「にいさんにいさん」
男「ん、なんだ?」
妹「ありがとうね!」
男「…こうやって妹の笑顔も見れたし」
181:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 10:23:08.63 ID:WAxD3+pL0
妹「ね、ね、にいさんも触らない?」
男「俺はいいから、好きなだけ可愛がってやれよ」
妹「私はにいさんと遊びたいのー」
男「…はいはい」
母「…ほんとに良かったわ」
男「え?」
母「妹、最近暗い顔をするときが多かったから」
男「……。」
妹「きゃ、なめられたー!」
男「…ま、いいじゃん、そんなこと考えなくたって」
妹「にいさん、はやくー」
男「今、妹が笑ってるんだから」
母「そうねー」
182:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 10:30:54.82 ID:WAxD3+pL0
ピンポーン
妹「妹友!」
タッタッタッ
妹友「えへへ、ネコだよ、ネコー」
男「いつもこうやって笑ってろよな、まったく」
母「それを手伝うのがお兄ちゃんの役目なんでしょ?」
男「…はは」
母「ほら、今日は勉強なんてしないで妹たちに付き合ってあげなさい」
男「受験生に言う台詞か、それ」
母「何か異論でも?」
男「ないけどさ」
妹「名前、名前どうしよー!」
男「…そうだな、妹が笑っていられるなら」
男「そんな一日も、悪くない」
秋のある日 おわり
183:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 10:36:04.23 ID:WtG8GE4k0
いよいよ最終章か・・・
185:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 11:22:46.27 ID:eDZW4IG60
妹『私はサンタからあなたへのプレゼントなの』
妹『これからずっと一緒にいるんだから、ちゃんと私を大事にして』
妹『勘違いしないでよね、誰が好き好んでにいさんと一緒になんか――』
妹『約束したとおりに私のこと、だ、大事にしてくれてるし…』
妹『私の好きな食べ物って知ってる?』
妹『全部「作り物」の妹だもんね』
妹『あはは、こんなこと言われても困るよね』
妹『にいさーん?』
妹『わたし、しばらく受験生になります』
妹『私、絶対にいさんと同じ高校に行くから』
妹『…手、握っていい?』
妹『変なこと言おうとしちゃった…熱があるからかな』
妹『いやだぁ、落ちてるもんー』
妹『にいさん、私受かってた!受かってたよー!』
男「……。」
186:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 11:25:07.76 ID:eDZW4IG60
妹『…一緒に、お土産見よう?』
妹『持ってる二人が一緒にいないと、この絵が完成しなくなっちゃうんだ』
妹『私とにいさんの、思い出だから』
妹『…私ね、この旅行のこと、絶対に忘れないよ』
妹『…あーあ、一年なんてあっという間だね』
妹『分かるよ、だって私、にいさんの妹だもん』
妹『私、にいさんの妹で良かった』
妹『…えへへ、にいさんは優しいね』
妹『私が考えてるのは…私がいなくなった後のこと』
妹『私はすぐにいなくなっちゃうから』
妹『私がいなくなった後は、やっぱりにいさん達に迷惑がかかっちゃうもん』
妹『ううん、これで良かったんだよ』
妹『…にいさん、ねえ、にいさん』
妹『ひとつだけ、言いたいことがあるんだ…それはね…』
私を、忘れないで
187:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 11:33:21.99 ID:eDZW4IG60
ピピピピピピピピ
男「……。」
ピピピピピピピピ
男「……。」
ピピピピピピピピ
男「……。」
ピピピピピピ カチッ
男「……。」
男「……。」
男「…12月22日」
男「…そっか」
男「今日から冬休みか」
188:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 11:34:31.11 ID:eDZW4IG60
最終話 妹
190:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 11:35:47.21 ID:FLxDFm5d0
読むのが怖い楽しみだけど怖い
192:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 11:52:29.05 ID:eDZW4IG60
男「おはよう」
母「おはよう、朝ご飯はパンで良い?」
男「いいよ」
ミャー
男「ミャーも、おはよう」
スリスリ
男「はは、くすぐったいな、やめろって」
母「すっかり男に懐いたわね」
男「まあ俺は餌係だからな…妹は?」
母「まだ寝てるみたい」
男「なんだ、夜更かしでもしたのか?」
母「起こしてきて、男」
男「はいはい」
193:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 11:55:32.91 ID:LbwzOVBt0
す…既に涙腺が・・・
288:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 02:15:47.16 ID:bqBYvb490
コンコン
男「妹、入るぞ」
ガチャ
妹「…んー」
男「まだ寝てるのかよ…目覚まし嫌いだからって、つけないのはどうかと思うぞ」
男「ほら、朝だぞ妹」
妹「…ん」
男「遅刻するぞー」
妹「…ふあ」
男「起きたか?」
妹「…にいさん?」
男「おはよう、妹」
妹「……。」
男「…あれ?」
290:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 02:22:24.06 ID:bqBYvb490
男「妹、おはよう」
妹「…おはよー」
男「お、起きてた」
妹「…起こしてー」
男「へ?」
妹「手、引っ張ってー」
男「しょうがないな…ほら、手」
妹「……。」
グイッ
男「…え?」
ポフッ
男「…妹?」
妹「…えへへ、一緒にもう少し寝てようよー」
男「……。」
292:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 02:28:31.22 ID:lGvUfhmO0
どうなる・・・
296:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 02:35:53.96 ID:bqBYvb490
妹「私、まだ眠いよー」
男「……。」
妹「あ、にいさんもお布団の中に入る?暖かいよー」
男「…たく、なに寝ぼけてんだよ」
バサッ
妹「あ、寒い…」
男「終業式に遅刻するぞ」
妹「…むー、寝ぼけてなんかないもん」
男「ほら、ちゃんと着替えてから下に来いよ」
妹「……。」
男「返事は?」
妹「…はぁい」
297:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 02:59:27.97 ID:bqBYvb490
男「ごちそうさま」
母「妹遅いわね」
男「髪が長いからな、女の子ってのはめんどくさいもんだ」
トットットッ
母「ふふ、来たわね」
妹「おはよー」
母「おはよう、妹」
男「妹、ボタン付け間違えてるぞ」
妹「え…わ、わー!」
男「はは、じゃあ先行っとくぞ」
妹「え、にいさん、一緒に行こうよー」
男「…ん?友達にからかわれるから嫌だって言ってたのに」
妹「いいの、一緒に行こ?」
男「じゃあ早くご飯食べろ」
妹「あ、食べる、食べますから!」
299:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 03:13:58.06 ID:bqBYvb490
男「はよー」
男友「お、おはよう」
女「おはよー、今日から冬休みだよ、男君!」
男「え、分かってるけど」
女「楽しみだねー」
男友「楽しみだなー」
男「…受験生の自覚がないのかお前らは」
女「でねでね、遊びの予定なんだけどさ」
男「…ねえ、聞いてる?」
女「えっとね、男君は24日とか空いてる?」
男「24日?」
男友「はいはい、俺は空いてますよ!」
女「うん24日、空いてる?」
男友「…無視って一番辛いんだぞ?」
300:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 03:28:15.30 ID:b66avIif0
24日か・・・
301:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 03:32:07.74 ID:bqBYvb490
男「…24日はちょっと」
女「え、そうなの?」
男「まあ、空けておきたいんだ」
女「妹ちゃんとデートかなー?」
男友「なんだと、デートだって?」
男「デートって…いや、でもまあ似たようなものかな」
女「うふふ、じゃあしょうがないね」
男友「じゃあ俺らもデートするか、女」
女「最低」
男友「なにゆえ…」
女「クリスマスイヴだしみんなで遊びたかったんだけどなー」
男「でも明日は空いてるぞ」
女「あ、じゃあ明日みんなで遊ぼー!」
302:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 03:45:07.42 ID:bqBYvb490
男「うん、良いよ」
女「…あ、あれ、また受験生だぞーとか言われるかと思ったのに」
男「ま、妹も喜ぶだろうし」
女「うん、妹友も誘わないとねー」
男「分かった、誘っとくよ」
男友「お、楽しみだな」
女「明日は四人で遊び尽くそーね」
男友「おー…あれ、四人?」
女「私と妹友と男君と妹ちゃん」
男友「あれ?俺は?」
女「あ、男友も来るんだ?」
男友「数に入ってなかっただと…」
303:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 03:58:30.46 ID:bqBYvb490
妹友「明日ですか?もちろん良いですよー」
妹「にいさん達、勉強は大丈夫なの?」
男「俺はまあ、大丈夫」
妹「男友先輩は?」
男「……。」
妹「……。」
妹友「…あ、明日くらい勉強を忘れたって良いじゃないですかー」
男「そ、そうだな」
妹「まあ先輩達が乗り気なら良いんだけど」
妹友「では、明日のこと楽しみにしておきますね」
男「うん、じゃあまた明日」
妹友「さようならですー」
妹「ばいばーい」
304:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 04:22:03.01 ID:bqBYvb490
男「よし、帰るぞ妹」
妹「うん」
男「寒いなー…明日も寒くなるって言ってたし、暖かくして遊ばないとな」
妹「……。」
男「あれ、聞いてる?」
妹「…にいさん、寒いー」
男「はは、そうだな。早く帰ろう」
妹「手が冷たいよ」
男「うん」
妹「にいさん、手が冷たいなー」
男「…うん?」
妹「だからね、にいさんの手で暖めて?」
男「…なに言ってんだ。ほら、先行くぞ」
妹「あ、待ってよー」
305:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 04:34:25.25 ID:bqBYvb490
妹「ふんふーん」
男「妹、そろそろ寝ないと明日の待ち合わせに間に合わないぞ」
妹「あ、あと少しで読み終わるから待ってー」
男「はいはい」
妹「…うわー」
男「……。」
妹「…へー」
男「……。」
妹「ふむふむー」
男「……。」
パチ
妹「わーわー、暗い暗い!」
男「読むフリじゃなくて、早く読めよ」
妹「な、なんでばれたのかな…」
306:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 04:39:11.56 ID:wM4eJFdc0
切ないな・・・
307:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 04:52:19.93 ID:bqBYvb490
男「ほら、電気つけてやるからちゃんと読むんだぞ」
妹「あ、つけなくて良いよ」
男「ん?」
妹「つけなくて良いから、このまま一緒に寝よう?」
男「……。」
妹「ダメ…かな」
男「…いや、別に良いけど」
妹「ほんと?やったぁ」
男「妹、なんか今日――」
妹「ちょっとでも、にいさんと一緒にいたいの」
男「……。」
妹「ねえ、寝よう、にいさん」
男「…ああ」
妹「ほら、布団に入って」
309:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 05:04:20.43 ID:bqBYvb490
男「……。」
妹「…えへへ、ちょっと狭いね」
男「一人用のベッドだからな」
妹「もうちょっとそっちに行っても良い?」
男「ん、落ちそうなのか?」
妹「ううん、全然」
男「…良いよ」
妹「…ん」
ピトッ
男「……。」
妹「…暖かいね」
男「そりゃあ良かった」
妹「じゃあ、おやすみにいさん」
男「…おやすみ、妹」
339:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 15:37:43.27 ID:uPySTmJa0
男「…Zzz」
妹「……。」
男「…ん」
妹「ふふ、にいさん…暖かい」
妹「あ、そろそろ目覚ましがなる時間かな」
男「…うーん」
妹「…先に止めちゃえ」カチッ
男「……。」
妹「もうちょっと寝てても、大丈夫だよね…」
妹「えへへ、にいさん…にいさーん」ギュー
ミャー
妹「わぁっ!」パッ
妹「…って、ミャー。びっくりさせないでよぉ」
男「…ん…朝か?」
妹「あー、にいさん起きちゃった…」
343:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 15:52:09.58 ID:uPySTmJa0
男「…ん、どうした?」
妹「な、なんでもない…おはよう、にいさん」
男「おはよう…妹、やけに眠そうだな」
妹「え、そ、そう?」
男「寝れなかったのか?」
妹「寝れなかったというか…その」
男「その?」
妹「寝ちゃうのが勿体ない気がして…」
男「…馬鹿、ちゃんと寝ないと昼間に眠くなっちゃうぞ」
妹「あう…ごめんなさい」
男「しょうがないな…ん、あと1時間くらいは大丈夫かな」
妹「え?」
男「ほら、二度寝しよう。時間ぎりぎりになるけど、まあ良いだろ」
妹「えへへ、やったぁ」
344:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 16:07:31.21 ID:uPySTmJa0
男友「お、来た来た」
女「遅いぞー」
妹友「天誅ですよー」
妹「ご、ごめんなさい」
男「悪い悪い、俺が寝坊しちゃって」
女「男君が寝坊なんて意外だなー」
男友「罰として昼飯は男の奢りだな」
男「か、勘弁してくれよ」
妹友「妹ー」
妹「な、なに?」
妹友「本当は妹が寝坊したとか?」
妹「ち、違うよ」
妹友「え、じゃあ本当にお兄ちゃんが寝坊したの?」
妹「…そ、それも違うかな」
妹友「……?」
347:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 16:52:00.54 ID:uPySTmJa0
女「じゃあ今日は一日楽しんじゃおー」
妹友「おー!」
男「具体的には何やるんだ?」
女「え、決めてないよ?」
男「…え?」
女「みんながやりたいことに、他の人が付き合うの」
男友「だ、だからこんな朝早くから集まったのか…」
妹友「楽しそうですねー」
妹「やりたいことって言われても困るよー」
男「…疲れそうだな」
女「まあまあ、そんなこと言わずに」
妹友「じゃあ一番目は誰ですかー?」
女「はいはい、私!」
男「分かった分かった、なにやるんだ?」
女「ボウリング!」
350:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 17:05:56.38 ID:uPySTmJa0
ドガーン!
男友「うし!見たか!」
男「ジュース買ってきたぞー」
妹「あ、ありがとー」
妹友「気が利きますねー、お兄ちゃん」
女「はい、私ミルクティー!」
男友「…おーい」
女「あ、男友終わった?じゃあ次は私だねー」
妹友「頑張ってください先輩ー」
男「ファイトー」
男友「……。」
妹「先輩、ナイスストライクです」
男友「…うー、妹さんは優しいなー」
351:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 17:24:07.17 ID:uPySTmJa0
女「はっはっは、一位!」
男「なるほど、ボウリングをやりたがるわけだ…」
妹「ボウリング難しかった…」
妹友「初めてならしょうがないよー」
男「はじめに上投げでいこうとしたときは焦ったけどな」
妹「そ、それは忘れて!」
男友「はは、可愛いもんじゃん」
女「間違えて隣のレーンに投げた奴がなに言ってるんだか」
男友「う…」
妹友「隣のお客さんびっくりしてましたからねー」
男友「あー、それはもう良いから…ほら次は誰だ?」
妹友「あ、じゃあ私で良いですか?」
女「お、妹友は何がやりたいのー?」
妹友「そうですねー…あ、ちょうど行きたいところがあったんですー!」
352:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 17:47:54.14 ID:uPySTmJa0
妹友「ふふ、幸せー」
女「び、美術展…」
男友「これは予想出来なかった…」
男「まあ、妹友ちゃんらしいかな」
妹「妹友、絵が凄い上手なんだよー」
妹友「あ、こんなところに付き合わせてごめんなさい…」
男友「いやいや、こんな機会じゃないと来ない場所だしな」
男「俺はわりとこういうところ好き」
女「…綺麗」
妹「先輩も魅入ってるみたいだしね」
妹友「そう言ってもらえると嬉しいですー」
男「ほら、ゆっくりと見て回ろう」
妹「おー!」
男「妹、こういう場所は静かに」
妹「は、はいな…」
355:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 18:05:39.14 ID:uPySTmJa0
妹「女先輩、妹友よりも真剣に見てましたね」
女「凄かったー、絶対また行くよ!」
男友「女に絵の良さが分かる感性があるとは」
女「失礼な、こう見えても私は美術選択だぞ」
妹友「あ、私と一緒ですねー」
女「帰ったら久し振りに絵でも書こうかなー」
男「……。」
妹「どうしたの、にいさん」
男「女の絵はな…まあ独特というか」
男友「先生に平成のピカソって言われてたな」
女「いやー、そんなに褒められてもー」
男「…まあ良いや、次は誰だ?」
男友「じゃあ俺!カラオケで俺の美声を聞かせてやろう」
男「……。」
女「…出た、平成のジャイアン」
357:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 18:28:40.77 ID:hxhZblW30
ちょこちょこ出てくる小ネタが案外好き
358:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 18:44:35.13 ID:YJ9SKZQU0
男友「ア゛ーア゛ーア゛ーア゛ー♪」
男「…もはや何を歌ってるのかすら分からない」
妹「……。」
妹友「……。」
女「ごめん…私がこんな企画をしたばっかりに…」
男「耐えろ、3時間パックだから…フリータイムじゃないから…」
妹友「…い、妹、なに歌うー?」
妹「わ、私?知ってる歌ならなんでも」
妹友「じゃあこれー」
妹「ね、ねこ?にゃん?…し、知らないよー」
妹友「なんだ、残念ー」
男友「ウ゛ーウ゛ーウ゛ーウ゛ー♪」
男「な、なんでも良いから歌ってくれ…」
女「耳の保養…耳の保養をお願い」
360:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 19:14:48.28 ID:YJ9SKZQU0
男友「さあ、次々ー!」
男「…もう疲れた」
女「同じく…」
妹「楽しかったねー、妹友」
妹友「そうだねー」
女「…若いなー」
男「楽しんでるなら良いんだけど」
妹友「さあ、次は誰ですかー?」
男友「あとは男と妹さんだけだな」
男「と言われても、俺は別に行きたいところないんだけど」
妹「わ、私もまだ決まってない…」
男友「そんなこと言ってないで、ほら次は男の番な」
女「どこでも良いからさー」
男「うーん、だったら…」
363:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 19:37:54.68 ID:YJ9SKZQU0
キャンキャン
ニャー
女「ペットショップかー」
男友「男、動物好きだもんなー」
男「まあそれもあるけど…」
妹「わー、わー!」
妹友「いっぱいいる!ネコさんもイヌさんもいっぱいー!」
男「この二人が喜ぶかと思って」
女「…それ、自分の行きたいところじゃないじゃん」
男「良いんだよ」
妹「ミャー連れて来れば良かったかなー、お友達たくさんなのにー」
男「…楽しんでる姿が見れるからさ」
男友「…シスコン」ボソッ
男「聞こえてるぞおい」
369:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 20:33:03.23 ID:YJ9SKZQU0
妹友「うさぎ、うさぎも良いなー」
妹「えー、やっぱりネコだよー」
男友「まだ言ってるよ」
女「よっぽど楽しかったんだねー」
男「…女だってずっと騒いでただろ」
男友「なに先輩面してるんだか」
女「お、女の子は可愛いものが好きなのー!」
男「分かった分かった…じゃあ、残るは妹だな」
妹友「どこ行きたいか決まったー?」
妹「え、えっと…行きたいところはあるんだけど」
女「あ、あるんだ!じゃあそこ行こうよ」
妹「でも、きっとみんなは楽しくないから…」
男友「どこでも良いぞー」
男「ほら言ってみろよ」
妹「じゃ、じゃあ…」
374:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 20:50:49.12 ID:YJ9SKZQU0
妹「…遊んで良い?」
男「おう、行ってこい」
妹友「行こ?妹」
妹「…うん!」
タッタッタッ
女「公園ねー」
男「まあ、高校生が一人で遊べる場所じゃないか」
男友「…寒い」
男「お前も体動かして来いよ」
男友「…そうする」
女「よーし、私も童心に帰るかなー」
男「…年中童心に帰ってるように見えるってことは言わないでおこう」
女「…口に出てますよ」
377:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 21:13:25.20 ID:YJ9SKZQU0
妹「ブランコ…難しい」
男友「こうだよ、こう!膝をぐっとやって、ぐんって!そしたらぎゅーんっといくからばーんって!」
女「それじゃあ全然分からないでしょ…あと、そんなに漕ぐと危ない」
男友「ははは、大丈夫大丈…って、わわわー!」
妹「うー…私も漕いでみたいー」
男「俺が教えてやるよ、妹」
妹「え、やったぁ!」
妹友「お兄ちゃん」
男「ん?」
妹友「妹、公園楽しそうですね」
男「…まあ公園で遊ぶの、初めてだろうしな」
妹友「……。」
男「ほら、そんな顔してないで、妹友ちゃんも行くぞー」
妹友「…がってんしょうちのすけー」
妹「にいさん、早く教えてよー!」
381:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 21:37:30.25 ID:YJ9SKZQU0
女「暗くなってきたねー」
男「そろそろ行くぞー、妹」
妹「え、もう少しー」
妹友「もう少しー」
男友「もう少しー」
女「男友まで…」
男「じゃあ後少しだけ」
妹友「やったー」
妹「妹友、シーソーやってみようー」
妹友「え…シーソーはちょっと」
妹「あれ、なんでー?」
妹友「私、妹より…お、重いもん」
男友「じゃあ女とするかー?」
妹友「あ、なら良いですよー!」
女「おい」
383:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 21:52:25.07 ID:YJ9SKZQU0
女「あー、今日は楽しかったね」
男友「おう」
男「妹、楽しめたか?」
妹「うん、楽しかったー」
男友「じゃあ暗くなったし、そろそろ帰りますか」
男「そうだな」
妹友「あ、私ちょっとトイレに行ってきますね」
妹「あ、じゃあ私もー」
男友「はいよー」
男「…ふう、疲れたな」
男友「だなー、久し振りにここまで体を動かしたよ」
女「…ねえ、男君」
男「ん?」
女「他に私達が出来ること、ある?」
388:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 22:28:18.13 ID:LNEVB6kU0
男「…ん?なんの話だ?」
女「妹ちゃんの為にね」
男友「思い出作りだけで良いのか?」
男「……。」
女「ごめん、妹友に聞いちゃったから」
男「…そっか」
男友「話してくれても良かっただろ」
男「悪い、余計な心配をかけたくなかったんだ。それに、普通は信じられない話だし」
女「なに言ってんだか」
男友「お前の話なら信じるに決まってんだろ」
男「…ごめん」
女「ふふ、妹ちゃんの為だからねー」
男友「なんだってやるぞ」
男「……。」
389:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 22:40:54.67 ID:M5x192Ho0
この展開は熱い
391:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 22:46:49.46 ID:HCruwqLa0
妹ちゃん・・・・
393:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 22:54:45.63 ID:LNEVB6kU0
男友「…それだけで良いのか?」
男「おう」
女「あとは、男君に任せれば良いんだね?」
男「…おう」
男友「なら分かった」
男「頼んだ、男友」
男友「頼ってくれなかった奴が何言ってんだ」
男「ごめん…」
男友「…なんてな」
女「大丈夫だよ、男友はこう見えて頼りになるんだから」
男友「こう見えては余計だけどな」
男「はは、分かってるよ」
男友「ま、任せとけ」
男「…ああ」
403:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 23:35:25.36 ID:/CH3xjtg0
妹「お待たせー」
妹友「寒くなかったですかー?」
男友「大丈夫大丈夫」
女「じゃあ、これ以上寒くなる前に帰ろっか」
妹「えー」
男「もう十分楽しんだろ?」
妹「…はぁい」
女「妹友も、楽しかったよねー?」
妹友「はい、もちろんですよー!」
女「ふふ、じゃあ今日は解散でー」
男友「家まで送るぞ、女」
女「お、気が利くねー」
妹「妹友、途中まで一緒に帰ろう」
妹友「よろこんでー」
407:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 23:41:27.46 ID:/CH3xjtg0
女「じゃあねー」
男友「またな」
男「女、気を付けて帰れよ」
男友「…俺は?」
女「あんたは私のボディーガードでしょうが」
妹友「女先輩ー」
女「ん、なんだい?」
妹友「……。」ニヤニヤ
女「…ば、馬鹿!」
男友「……?」
女「か、帰るわよ男友!」
男友「はいよ」
妹「今日はありがとうございました」
女「いやいや…またね、妹ちゃん」
男友「また遊ぼうなー」
410:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 23:50:32.53 ID:/CH3xjtg0
妹友「…ふふ、なんだかんだいって上手くいってますねー」
妹「だねー」
男「なんの話だ?」
妹友「いえいえ、こっちの話です。ねー?」
妹「ねー」
男「……?」
妹友「じゃあ私達も帰ろー」
男「そうだな…家まで送ってくよ妹友ちゃん」
妹友「あ、途中までで大丈夫ですよー」
男「可愛い子は夜道を一人で歩いちゃ駄目だよ」
妹友「可愛いだなんてそんな、お兄ちゃんに言われたら照れちゃいますよー」
妹「…むー」
妹友「あ、妹がいじけてるー」
妹「そ、そんなことないもん!」
419:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 00:08:19.29 ID:/yPiqLRM0
妹友「分かれ道まで来ましたねー」
妹「あ、あそこがネコを見付けた場所だね」
妹友「ミャーは元気?」
妹「元気だよ!」
男「妹が可愛がりすぎてはじめはぐったりしてたけどな」
妹「さ、最近は気を付けてるもん!」
妹友「ふふ、じゃあ私はこっちなのでー」
男「送らなくて良いのか?」
妹友「妹に風邪を引かせちゃったら困るのでー」
妹「大丈夫、そんな簡単に引かないから」
男「って、言ってるけど?」
妹友「でもー…あ、だったら!」
男「ん?」
妹友「お兄ちゃん一人に送って欲しいなー」
妹「…え?」
421:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 00:14:50.32 ID:/yPiqLRM0
男「ん、俺だけ?」
妹「な、なんで?」
妹友「妹に寒い中歩かせるのは嫌だし、あと…」
妹「あと?」
妹友「一回お兄ちゃんとお散歩デートがしたかったんだー」
妹「で、ででで…デート?」
妹友「ダメかな、お兄ちゃん」
男「デートはともかく、家まで送るのは構わないよ」
妹「だ、ダメぇ!」
妹友「え、なんで妹がダメって言ってるのかなー?」
妹「…うー」
妹友「嫉妬ー?」
妹「し、嫉妬なんかしてないもん!」
妹友「だったらお兄ちゃんと帰っても良いよねー」
妹「……。」
425:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 00:24:09.46 ID:/yPiqLRM0
男「……?」
妹友「ん?どうしたの妹?」
妹「…も、もう知らない!」
男「あ、おい妹!」
妹「私先に家帰ってるからねッ!」
男「いやだから一人で帰るのは危ないって」
妹「危なくないもん!」
男「…え」
妹「にいさんはデートでもなんでもしてくれば?」
男「え、え?」
妹「…ふん!」
タッタッタッ
男「おい、待てって妹!」
妹友「……。」
429:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 00:36:18.98 ID:/yPiqLRM0
男「…ごめん妹友ちゃん、ちょっと妹追いかけてくる」
妹友「待ってください、お兄ちゃん」
男「え?」
妹友「ちょっと二人で話がしたかったんです」
妹友「二人になるには、こういう方法しか思いつかなくて」
男「…え?」
妹友「妹の話です」
男「…わざと、怒らせたの?」
妹友「…妹にはあとで、謝ります」
男「いや、そうじゃなくて…」
妹友「それは良いですから、ちょっと話をしましょう」
男「…分かった」
433:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 01:10:57.83 ID:/yPiqLRM0
妹友「お兄ちゃんに言われた通り、妹とはたくさん思い出を作りましたよ」
男「うん、ありがとう」
妹友「……。」
男「妹も、妹友ちゃんの話をたくさんするよ。きっと妹友ちゃんのこと、一番の友達だと思ってる」
妹友「…だと嬉しいな」
男「大丈夫、俺が保証する」
妹友「…私、妹の友達になれて良かったです」
男「うん」
妹友「きっと私が友達になれたのはたまたまですけど…それこそ、サンタの気まぐれで選ばれたようなものなのでしょうけど」
妹友「でも、妹の友達になれて、本当に嬉しかった」
男「…うん」
妹友「だから、妹に会えるのが今日で終わりなんて絶対に嫌です」
男「……。」
妹友「まだまだ、妹とやりたいことがあるのに、話したいことがあるのに」
妹友「…明日で消えちゃうなんて、私絶対に認めません」
438:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 01:56:48.01 ID:/yPiqLRM0
妹友「だって…だってまだ、してないことがいっぱいあるんです」
妹友「一緒に映画も見に行ってないし、一緒に食べようって言ったパフェもまだ行ってないし」
妹友「飛行機に乗ってどこかに行きたいねって話もしたし、今度連れて行くねって言ったアクセサリー屋さんにもまだ行けてないし」
妹友「あ、お化粧の仕方も教えるって言ったんですよ?えへへ、あの子高校生になってもまだまだ子供だから」
男「……。」
妹友「妹とはたくさん約束をしてるんです。一年間だけじゃあ守れないようにって、私、妹とたくさん約束したんですから」
妹友「だから、それを守る前にいなくなっちゃうなんて許さない」
妹友「もし約束破ったら、妹となんて絶交なんだから、もう二度と…遊んでなんてやるもんか」
男「……。」
妹友「そうだよ、まだ言ってないこともいっぱいあるんですから」
妹友「妹って嘘つきなんです、知ってましたか?すぐ嘘をつくんですよ」
妹友「悲しいのに強がるし、泣きたいのに笑うし。なんなんでしょうね、あれ。何度言っても治らないから、本当にイライラするんですよ」
妹友「友達なんだから我慢しなくて良いんだよって言わないと、素直に泣いてすらくれないし」
妹友「これで文句を言わせる前に消えたら…私は誰に言えば良いんですかぁ…」
男「……。」
439:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 01:59:20.65 ID:QuUNsf6w0
あれ…目から汗が…
440:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 02:00:47.61 ID:fFKLNZtp0
っく…くそっ…
泣いてなんか…ないぞっ…!
441:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 02:10:37.41 ID:FRjRtZFZ0
あれ?画面がぼやけて…
442:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 02:10:58.87 ID:/yPiqLRM0
妹友「…お兄ちゃん、明日は妹と二人で一緒にいるんですよね」
男「…うん」
妹友「私は行っちゃダメなんですよね」
男「いや、それは…」
妹友「いいです、行きませんから。私はまた今度妹と遊びます」
男「……。」
妹友「明日一日は、お兄ちゃんにあげますから」
妹友「だから、約束してください」
妹友「絶対私を、もう一度妹に会わせてくださいね?」
男「……。」
妹友「今日妹を怒らせちゃったことは、その時に謝ります」
妹友「妹とのこんな別れ方は、絶対に嫌だから…」
男「……。」
妹友「返事はもらえますか?」
男「…分かった、約束するよ」
444:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 02:27:32.34 ID:/yPiqLRM0
妹友「…ふふ、そうですか。これで安心です」
男「…そっか」
妹友「約束破ったら天誅ですからね?」
男「それは遠慮したいところだな」
妹友「じゃあ破らないでください」
男「そうだな、それしかない」
妹友「…ふふ、じゃあお兄ちゃんはそろそろ妹のところに行ってあげないと」
男「だな、今頃カンカンに怒ってるかも」
妹友「…ごめんなさい」
男「謝るなって」
妹友「…お兄ちゃん、これから私に出来ることは何かありますか?」
男「…そうだな」
妹友「なんでもします、妹の為なら」
男「…じゃあ、一つだけ」
447:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 02:36:42.18 ID:/yPiqLRM0
妹友「…それだけですか?」
男「うん、頼むよ」
妹友「それを頼むってことは、妹の隠してることはやっぱり…」
男「どんな風になるかは分からないけどね」
妹友「…分かりました、絶対にします」
男「心強いよ」
妹友「じゃあ…私はここで」
男「あ、送ってくよ」
妹友「良いですよ、お兄ちゃんは早く妹のところに行かないと」
男「……。」
妹友「あとは、任せましたから」
男「…分かった」
妹友「では、さようなら」
男「……。」
451:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 02:48:09.62 ID:/yPiqLRM0
男「妹友ちゃん」
妹友「…なんですか?」
男「きっと妹が妹友ちゃんと友達になったのは偶然じゃないよ」
妹友「……。」
男「妹と一番の友達になれるのは妹友ちゃんだけだと思うから」
男「だからきっと、妹が妹友ちゃんと友達になれたのはサンタの気まぐれなんかじゃない」
妹友「…ありがとう、お兄ちゃん」
男「うん…じゃあ」
妹友「じゃあ、私も一つ」
男「…ん?」
妹友「そろそろ妹の気持ちに気付いてあげてください」
男「…気持ち?」
妹友「いえ、もう気付いてるのかもしれないけど…ちゃんと向き合ってあげてくださいね」
妹友「妹、あの通りにちょっと…素直じゃないから」
男「……。」
452:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 02:58:02.05 ID:/yPiqLRM0
妹友「…ふふ、じゃあまたねお兄ちゃん」
男「ああ」
妹友「……。」ピタッ
妹友「あ、これは別にどうでも良いことなんですけど、ついでだから言っちゃいますね」
男「…ん?」
妹友「私、お兄ちゃんのことが好きです」
男「…え」
妹友「何度も言いませんよ…あ、でももう一度だけ言います」
妹友「私、お兄ちゃんのことが好きです」
男「……。」
妹友「こんなふつつか者でよければ、どうぞ一声おかけください」
妹友「それでは」
男「……。」
男「…ごめん、妹友ちゃん」
男「…さて、帰るかな」
455:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 03:05:21.19 ID:/yPiqLRM0
ガチャ
男「ただいま」
母「おかえりなさい」
ミャー
男「ミャーもただいま、よしよし…母さん、妹は?」
母「二階よ」
男「了解」
母「かなりご立腹だったけど」
男「はは…今からなだめに行きます」
母「お兄ちゃんも大変ね」
男「代わる?」
母「代わって良いの?」
男「嫌だけど」
母「でしょうね」
男「あいつの兄は、俺の仕事」
460:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 03:18:31.08 ID:/yPiqLRM0
ガチャ
男「…妹の部屋にいないと思ったら俺の部屋にいたのか」
妹「……。」
男「ほら、布団に潜ってないで出てこいよ」
妹「…デート、楽しかった?」
男「まあな」
妹「…そっか」
男「いやいや今のは冗談だけど!」
妹「……。」
男「妹?」
妹「…妹友と私の話をしてたんでしょ?」
男「……。」
妹「妹友、あんなからかい方しないもん。二人で話がしたかったからだって、分かってるよ」
男「…流石だな」
461:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 03:18:44.32 ID:QPN+gRrC0
どうしよう…初めてこういうので泣きそうだ
465:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 03:33:17.94 ID:/yPiqLRM0
妹「分かるよ、それくらい…友達だもん」
男「…はは、なるほど」
妹「友達だからこそ、あんなことしてほしくなかった」
男「……。」
妹「隠し事はなしって言ったのに…にいさんと話がしたいなら、ちゃんとそう言ってくれればよかったのに」
男「違うよ、妹友ちゃんは妹のことを思って」
妹「…ちゃんと、妹友とさよならがしたかったのに」
男「……。」
妹「…こんな別れ方…嫌だよぉ」
男「…妹、妹友ちゃんはまた今度会う時に謝るって言ってたから」
妹「今度って、いつ?」
男「……。」
妹「私、あと一日で消えちゃうんだよ?分かってるでしょ?」
男「…妹」
470:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 03:46:21.96 ID:/yPiqLRM0
妹「…ごめん、慰めようとしてくれてるのに」
男「いや、俺も…ごめん」
妹「……。」
男「…妹、あのさ」
妹「にいさん、明日一日私とデートしてくれるんだって?」
男「え…ああ、どうして知ってるんだ?」
妹「先輩から聞いたの、本当はみんなで遊ぶのが明日の予定だったんだよね」
男「そうだよ」
妹「…えへへ、デート楽しみ」
男「……。」
妹「早く寝ないとだね、にいさん?」
男「…そうだな」
妹「今日も一緒に寝ていい?」
男「ああ、もちろん」
妹「わー、やったぁ」
477:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 03:59:36.11 ID:/yPiqLRM0
妹「ね、ね、もう寝る?にいさん」
男「風呂もご飯もまだだぞ?」
妹「ぶー…」
男「…でもまあ、どっちも明日の朝でいっか」
妹「え、ほんと?」
男「汗くさくても我慢しろよな」
妹「どれどれー」
ギュー
男「おいこら」
妹「んー、大丈夫、良いにおい」
男「…たく」
妹「ほらほら、ベッドに行こー」
男「くっついてたら動けないだろ」
妹「むー、じゃあ離れる」ギュー
男「言ってることとやってることが矛盾してるぞ…」
478:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 04:07:55.10 ID:/yPiqLRM0
男「じゃあ電気消すぞ」
妹「うん」
パチッ
妹「はい、にいさん。布団に入って」
男「…ん」
妹「そんでもって、ぎゅー」ギュー
男「なんでだよ」
妹「暖めてあげてるんだよー」
男「もう十分暖かいよ」
妹「えへへ、私ずっとベッドでにいさんが帰ってくるの待ってたから」
男「なら暖かいはずだ」
妹「…にいさん、鼓動早いよ?」
男「…気のせいだよ」
妹「ふーん」ギュー
男「おいこら、やめろって」
481:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 04:13:57.48 ID:/yPiqLRM0
妹「あーあ、こんなことならもっと早くにいさんと寝てたら良かったなー」
男「どういう意味だよ」
妹「えへへ、どういう意味でしょう」
男「…はあ、もう良いから寝るぞ」
妹「まだ早いよ」
男「じゃあ風呂入ってくる」
妹「あ、寝ます、寝ますから!」
男「…たく」
カリカリ
男「…ん、ミャーか?」
妹「この部屋に入りたがってるね」
男「よし」バサッ
妹「…あ、寒いー」
ガチャ
483:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 04:21:57.96 ID:/yPiqLRM0
ミャー
男「なんだ、一緒に寝るのか?」
妹「ふふ、良いよー。ミャーもこっちにおいで」
ミャー
妹「きゃ、くすぐったいー…はい、にいさんも」
男「ん…ミャーも入ると狭いな」
妹「落ちないようにしないとね」
男「そうだな…じゃあ寝るか」
妹「はーい」
男「今日はちゃんと寝るんだぞ?」
妹「わ、分かってるよー」
男「じゃあ、おやすみ妹」
妹「おやすみ、にいさん」
554:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 21:11:00.79 ID:qhGOkbXH0
妹「…Zzz」
男「……。」
妹「…にいさぁん」ゴロッ
男「…これでよし、と」カチャ
妹「…ん、にいさん?」
男「お、起きたか」
妹「なにしてるの?」
男「いや、早く起きちゃったからちょっとね」
妹「…5時」
男「ほら、まだ寝てていいぞ」
妹「にいさんも、はい入って」
男「そうだな、俺も寝るか…ってこら」
ギュー
妹「えへへ」
男「…なんなんだよ」
563:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 21:50:18.03 ID:/dWybXz40
男「おはよう」
妹「おはよー」
ミャー
母「あら、みんな揃って早起きだこと」
妹「えへへ、今日はにいさんとデートなんだよ」
男「…はは」
母「クリスマスイブにデートなんて羨ましいわねー」
妹「でしょー」
母「そういえば去年のクリスマスも二人でデートしてたわね」
男「そんなことよく覚えてるな」
妹「あ、あれはデートじゃなくてお散歩だよ!」
母「ふーん、じゃあ今日は本当のデート?」
妹「そう、今日は本当!」
男「おいおい…」
568:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 22:20:17.94 ID:/dWybXz40
男「じゃあそろそろ行くか?」
妹「あ、うん!」
母「何時頃に帰ってくる?」
男「うーん、分かんないな」
母「一応晩御飯の用意はしとくわよ」
男「分かった」
妹「にいさん、早くー」
男「…もう玄関にいるし」
母「…男」
男「ん?」
母「…ま、楽しんできなさいな」
男「…はい」
母「ほら、お花のお金」
男「ありがとう」
579:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 23:36:53.19 ID:/dWybXz40
妹「あ、にいさん遅いよ」
男「悪い悪い」
妹「もう、ゆっくりしてると時間なくなっちゃうんだからね」
男「まだ朝だぞ?」
妹「それでも急ぐー」
男「はいはい」
妹「ね、ね、今日はどこに連れていってくれるの?」
男「まずは花屋だ」
妹「花屋?…あ、お墓参り?」
男「正解」
妹「久し振りだね」
男「そうだな…あ、そこの山茶花摘んでくれ」
妹「はぁい」
男「じゃあ、父さんに挨拶しに行くかな」
581:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 00:01:44.44 ID:J/Q+clZl0
男「父さん、来たぞ」
妹「久し振りです、お父さん」
男「ごめんな、あまり来れなくて。遠いんだよここ」
妹「……。」
男「どした、妹?」
妹「あ…なに話していいか分からなくて」
男「気にすんなって。話したいこと話せよ」
妹「え、えっと…じゃあ」
男「……。」
妹「私、今日にいさんとデートするんだよー」
男「結局それか…」
妹「お父さん、なんて言ってるかな」
男「お前は誰の子だー、だってよ」
妹「ひ、ひどい!」
587:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 00:35:47.83 ID:W+peuHB50
男「よし、じゃあ行くか」
妹「…うん」
男「ん?どうかしたか、妹」
妹「…お父さん、このお墓の中にいるの?」
男「どうかな、お墓の中にはいません、なんていう歌もあるし」
妹「じゃあどこにいるのかな?」
男「さあな…きっと、天国かどっかで俺らのこと見てたりするんじゃないか?」
妹「……。」
男「どうした?」
妹「…私は?」
男「……。」
妹「私は、消えたらどこに行くのかな」
男「…変なこと考えてんじゃねえよ」
590:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 00:50:48.21 ID:W+peuHB50
妹「……。」
男「ほら、今日はデートなんだろ?」
妹「…うん」
男「なら、笑ってろ」
妹「…えへへ」
男「そうそう」
妹「ごめんね」
男「良いよ、じゃあ行くか」
妹「次はどこに行くの?」
男「ん、妹の行きたいところ」
妹「行きたいところ?」
男「今日一日、お前のわがままは何でも聞いてやるよ」
妹「…なんでも、かー」
592:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 00:57:42.12 ID:W+peuHB50
男「ほら、好きなこと言ってみろ」
妹「えっとね、じゃあ最初のわがまま」
男「なんだ?」
妹「腕…組んでいい?」
男「行きたい場所じゃないのかよ」
妹「それは次ー」
男「…ほら」
妹「えへへー」ギュー
男「で、行きたいところは?」
妹「あ、あれ、腕組んだ感想とかは?」
男「…胸が無――」ゲシッ
男「…足が痛い」
妹「でしょうね」
599:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 01:47:57.04 ID:7sOv9PKG0
妹「むー、胸が小さいのは私のせいじゃないもん」
男「それについては何も言うまい」
妹「…にいさんが」
男「はい妹、行きたいところは?」
妹「…じゃあ、町をブラブラ」
男「ブラブラ?そんなので良いのか?」
妹「うん、それが良いの」
男「妹がそう言うなら…じゃあ行くぞ」
妹「はいな!」
男「あ、妹」
妹「うん?」
男「……。」
男「…お前、いつ消えるんだ?」
605:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 02:00:23.06 ID:7sOv9PKG0
妹「…私もよく分からないけど、たぶん明日の午前零時かな」
男「クリスマスになった瞬間…か」
妹「だからあと、12時間くらい」
男「……。」
妹「えへへ、ちびっとしかないね」
男「…そうだな」
妹「もう、笑えって言ったのはにいさんでしょ。なんでそんな顔してるのさ」
男「ん、ごめん」
妹「せっかくのデートなんだから、ほら行こ?」
男「…おう」
妹「じゃあね、お父さん」
男「また来るからな」
妹「…じゃあ、駅まで競争!」ダッ
男「おいこら…先に走られたら勝てねえよ」
607:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 02:08:55.54 ID:7sOv9PKG0
妹「すっかりクリスマスのムードだねー」
男「そりゃあ、クリスマスだからな」
妹「カップルばっかだねー」
男「…そりゃあ、クリスマスだからな」
妹「えへへ、大丈夫だよにいさん、私達もカップルに見えてるって」
男「それもどうかと思うけどな…」
妹「兄妹だもんねー」
男「そうだな」
妹「でも、寂しくはないでしょ?」
男「まあなー…妹、ほんとにブラブラしてるだけで良いのか?」
妹「もちろん、良いよー。すごく楽しいもん」
男「もっと遊園地とか、水族館とかさ、どこでも連れてくぞ?」
妹「良いのー、にいさんといられれば」
男「…そっか」
妹「えへへ、ずっと外だと寒いけどね」
609:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 02:20:30.71 ID:lwmNjCBA0
奇跡を起こしてくださいにいさん!
610:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 02:23:47.85 ID:7sOv9PKG0
男「そうだな…ずっとブラブラしててもしょうがないしな」
妹「どうしよっかなー」
男「どこでも良いぞ」
妹「そう言われてもー…あ、じゃあね、私のお気に入りスポットを案内するよ」
男「え、俺に?」
妹「そう、私のお気に入りツアー」
男「ツアーって…そんなたくさんあるのか」
妹「たくさんあるよー、一日じゃあ回りきれないかも」
男「そんなにか」
妹「なんせ私の思い出を辿るツアーですから」
男「なるほど」
妹「付き合ってくれる?」
男「お安いご用で」
614:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 02:33:04.84 ID:7sOv9PKG0
妹「まずはここ」
男「本屋さん?なんで?」
妹「にいさんが一番はじめに私を連れて来てくれた場所」
男「そうだっけ」
妹「うん、去年のクリスマスにね」
男「まあ…俺がよく来る場所だからな」
妹「今もお世話になってるもんねー」
男「…まあ受験生ですから」
妹「ふふ、それで次はお向かいのゲームセンター」
男「ああ、次はここに連れていったっけ」
妹「夏に来たときはにいさんがネコのヌイグルミを取ってくれたの」
男「懐かしいな」
妹「…こんな感じでにいさんが教えてくれた場所を巡っていくね」
男「どこに連れてったかなんて覚えてないぞ?」
妹「大丈夫、私が全部覚えてるもん」
618:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 02:44:23.83 ID:7sOv9PKG0
妹「このお店はね、妹友とよく来るんだぁ」
男「ふーん」
妹「あ、あそこのコンビニ、前に男友先輩を見かけたよ」
男「ここ、あいつの家近いからな」
妹「えっちぃ本を立ち読みしてた」
男「コンビニで何してんだあいつ…」
妹「あ、ここ…妹友とパフェ食べ来ようねって言ってたカフェだよ」
男「妹友ちゃんもそう言ってたな」
妹「…約束破っちゃったなぁ」
男「…次は?」
妹「はい、この雑貨屋さん」
男「傘を買ったところか」
妹「あ、覚えてたんだ」
男「傘無くしたとか言ってもう一本買いに来たもんな」
妹「…あはは」
621:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 03:02:41.04 ID:7sOv9PKG0
妹「ここはね、にいさんと一回入った服屋さん」
妹「それでこのお店はね、バレンタインのチョコレートの材料を買ったところだよ」
男「受験生だったのにな」
妹「そ、それは妹友があげたほうが良いって言ったから…」
男「チョコレート、美味しかったよ」
妹「あ、ありがと…あ、あの電柱」
男「電柱?」
妹「…よそ見してて一回ぶつかったぁ」
男「はは、そんなことまでよく覚えてるな」
妹「覚えてるよ、どんなことだって。全部私の思い出だから」
男「そっか」
妹「にいさんとどこでどんな話をしたかだって、全部覚えてる」
妹「…私がここにいたんだってこと、私が覚えてないと、しょうがないから」
男「……。」
妹「…だいぶ時間もなくなってきたね。じゃあ、次行こっか」
623:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 03:14:02.22 ID:7sOv9PKG0
男「中学校か」
妹「はじめ、来るのが凄く怖かったな」
男「はは、不安そうにしてたもんな」
妹「あの時、にいさんが一緒に来てくれて安心したんだぞ?」
男「そんなこと一言も言ってなかったけどな」
妹「だって言ってないもーん」
男「…まったく」
妹「妹友と友達になれたのも、ここだね」
男「そうだな」
妹「…じゃあ次」
男「もう良いのか?」
妹「うん、だいぶ暗くなって来ちゃったし…にいさん、手」
男「ほらよ」
妹「えへへ、じゃあしゅっぱーつ」
631:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 03:31:42.94 ID:7sOv9PKG0
男「ここが最後か?」
妹「うん、本当は高校とか、他にも行きたかったんだけど」
男「今から行けば間に合うぞ?」
妹「良いよ、晩御飯に遅れちゃう。お母さんが待ってるから」
男「そっか」
妹「それに嬉しいんだ。一日じゃ回りきれないくらいに、私にも思い出があるんだって」
男「……。」
妹「この分かれ道、妹友と色んなことを話した場所なんだよ」
男「そのせいで毎日帰りが遅かったもんな、妹」
妹「…昨日はここで、嫌な別れ方をしちゃったけど」
男「…妹友ちゃんに会いに行くか?」
妹「大丈夫」
男「いいのか?」
妹「うん、今から会いに行ってさよならなんて言ったら怒られるもん」
男「…はは、そうだな」
634:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 03:44:02.01 ID:7sOv9PKG0
妹「…にいさん、帰ろうか?」
男「そうだな、母さんが待ってる」
妹「デート…終わっちゃったね」
男「デートというか、どたばた色んなところ巡っただけだけどな」
妹「その言い方ひどーい!」
男「妹のことが知れて良かったよ」
妹「…うん、私もにいさんに教えられて良かった」
男「…帰るか」
妹「うん」
男「ほら、妹」
妹「……?」
男「家に帰るまでがデートだぞ」
妹「…はいな!」ギュー
635:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 03:55:10.33 ID:7sOv9PKG0
男「ただいま」
妹「ただいまー」
母「おかえりなさい、二人とも」
ミャー
妹「お腹空いちゃったぁ」
母「今日はご馳走よー」
妹「ご馳走?やったー」
男「妹、手洗ってからな」
妹「わ、分かってるよ」
母「ほら、ケーキもあるから早く洗ってらっしゃい」
妹「ケーキ!わ、私、すぐ洗ってくる!」
男「…一日中歩いたのに元気だな」
636:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 04:03:45.54 ID:7sOv9PKG0
妹「ごちそうさまー」
男「ほんとにご馳走だったな…」
母「あら、ちょっと作りすぎたかしら」
男「いや、妹が頑張って食べたから」
母「ありがとね、妹」
妹「美味しかったからー」
母「ふふ、じゃあちゃんと歯を磨いてから寝なさいよ」
妹「…ねえ、お母さん」
母「ん、なにかしら?」
妹「…ぎゅってして良い?」
母「…おいで」
妹「…ん」
637:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 04:14:42.36 ID:sOVew+eII
切ねえ
638:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 04:19:23.83 ID:7sOv9PKG0
母「…私、ちゃんとあなたの母親になれてるかしら」
妹「うん」
母「そう、なら良かった」
妹「ありがとう、お母さん」
母「バカ、ここでありがとうなんて言われても嬉しくないわよ」
妹「……。」
母「明日の朝、もう一回顔を見せなさい」
妹「……。」
母「大丈夫、お兄ちゃんがあなたを守るから、ね?」
妹「……。」
母「あら…嫌だ、涙脆くなっちゃって」ポロッ
母「ふふ、強い母親ってところを見せたかったんだけど…うまくいかないものね」
男「母さん…」
母「ほら、早く上に行ってお兄ちゃんとお話しでもしてきなさい」
妹「……。」
640:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 04:27:08.10 ID:7sOv9PKG0
母「ほら、お兄ちゃんも待ってるから」
妹「…うん」
母「明日の朝は妹の好きな卵焼きを焼いとくからね」
妹「…うん」
母「じゃあ、おやすみ」
妹「……。」
母「返事は?妹」
妹「…おやすみ、お母さん」
母「よろしい」
男「……。」
母「男も、おやすみ」
男「ああ、おやすみ…二階行くぞ、妹」
妹「うん」
トットットッ
母「わたしに出来るのはこれくらいよね?ねえ、あなた…」
642:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 04:39:22.60 ID:7sOv9PKG0
男「……。」
妹「……。」
男「…あと、2時間くらいか」
妹「…うん」
男「……。」
妹「……。」
男「…どうすれば良い?」
妹「…ベッド」
男「入るのか?」
妹「うん…たぶん、それが一番落ち着くから」
男「分かった」
妹「にいさんも、入ってね?」
男「おう」
妹「ずっと隣にいてね?」
男「…おう」
643:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 04:44:37.89 ID:7sOv9PKG0
妹「……。」
男「……。」
妹「まだ、冷たいね」
男「入ったばかりだからな」
妹「くっついて良い?」
男「良いよ」
妹「…ん」
ピタ
妹「…えへへ」
男「……。」
妹「…ねえ、にいさん」
男「なんだ?」
妹「私のわがまま、今日一日は聞いてくれるんだよね?」
645:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 04:49:51.49 ID:7sOv9PKG0
男「…妹のわがままなら、いつだって聞いてやるよ」
妹「にいさんだから?」
男「まあな」
妹「じゃあ、聞いて」
男「なんだ?」
妹「私のこと、ぎゅってして」
男「…こうか?」
妹「ん…それで頭、撫でて」
男「…ほら」
妹「んー」
男「なんだ?」
妹「嬉しいの」
男「そっか」
妹「このまま最後まで、離さないで」
男「……。」
650:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 05:07:46.92 ID:7sOv9PKG0
妹「幸せ…にいさん、私、今とっても幸せ」
男「……。」
妹「今なら、このまま消えちゃっても怖くないかな」
男「……。」
妹「…えへへ、嘘。ほんとはちょっと怖い」
妹「でもね、このまま消えても良いかなーって…幸せだから」
男「……。」
妹「……。」
妹「…ね、にいさん、私」
男「分かってるよ」
妹「……。」
男「分かってるから」
妹「……。」
妹「…にいさん…私ね、私」
妹「…消えたくなんか…ないよぉ」
655:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 05:41:10.68 ID:7sOv9PKG0
男「……。」
妹「にいさんの妹になれたのに…にいさんに、ぎゅってしてもらってるのに」
妹「今私、幸せなのに…これで消えちゃうなんて嫌だよぉ…」
男「…妹」
妹「もっと一緒にいたい…にいさんと、ずっと…一緒にいたいのに!」
妹「せっかく撫でて貰えたのに…まだまだしてもらいたいことがたくさんあるのに」
妹「なんで…このまま消えないといけないのかなぁ…」
男「……。」
妹「…ひっ…うくっ」
妹「にいさん…にいさぁん」
ギュッ
男「……。」
657:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 05:54:52.77 ID:7sOv9PKG0
男「…妹」
妹「…うー…にいさん、にいさん」
男「ほら、よしよし」
妹「…うくっ…うー」
男「……。」
妹「…にいさん…今、何時?」
男「…10時40分…だな」
妹「…あと、少しだね」
男「……。」
妹「でも、あと1時間もにいさんにぎゅってしてもらえるんだったら…やっぱり幸せかも」
男「…妹」
妹「…なに、にいさん」
男「聞きたいことがあるんだけど」
妹「うん…」
658:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 06:11:11.83 ID:7sOv9PKG0
男「もし俺が今年のクリスマスで妹を願ったら、お前はまた来てくれるのか?」
妹「…うん、たぶん…もし私を願ってくれたら」
男「…そっか」
妹「にいさんが今年一年いい子だったらだけど」
男「…じゃあ俺はまた今夜妹をお願いすれば、お前は消えないで済むんだな?」
妹「……。」
男「…妹、まだ何か俺に言ってないことがあるよな?」
妹「……。」
男「それを教えてくれないか」
妹「……。」
男「お願いだから」
妹「……。」
妹「…もしこのまま、サンタの魔法が解けて私が消えちゃったら」
男「……。」
妹「私の存在が、みんなの記憶から消えちゃうの」
660:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 06:27:25.52 ID:7sOv9PKG0
男「……。」
妹「はじめから私なんていなかったことになって、みんなの記憶も修正される」
妹「だからね、にいさんがもう一度私を願うのは…無理だよ」
男「…そっか」
妹「もしにいさんがまた妹が欲しいって願っても、私のことは忘れてるから…きっとそれは別の妹が来る」
妹「だから…」
男「…おかしな話だな、まったく」
妹「……。」
男「サンタはいい子の願いを叶えるんじゃないのかよ…一年で消えて、その記憶までなくなるなんて誰も幸せにならないじゃないか」
妹「おかしくないよ」
男「え?」
妹「サンタは、一年間いい子だった子に一年分のご褒美をくれるの」
妹「だからサンタは毎年来るんだよ…次の一年をいい子にしてたら、ご褒美はまた一年後に貰えるでしょ?」
男「それでも…記憶が無くなったら意味ないだろ」
665:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 07:03:33.37 ID:pmryM+Dj0
妹「…意味はあるよ。覚えてなかったとしても、その一年は確かにあったんだもん」
男「……。」
妹「それに、記憶がなくなるのは仕方がないよ。サンタの魔法なんだから」
妹「魔法が解けたら、みんな元に戻るだけ。そしたら、元々いないはずの私なんか…みんなの中から消えちゃうのは当たり前だから」
男「……。」
妹「ね、そうでしょ?」
男「……。」
妹「そもそも…プレゼントに妹を貰うことが既に特別なことなんだから」
妹「だからね…だから…」
男「……。」
妹「私がいなくなっちゃうのは…しょうがないことなんだよ?」
男「……。」
妹「えへへ、大丈夫だよ。にいさんいい子だから、きっとまた新しいプレゼントが貰えるし」
妹「そしたら、私のことなんか…だからね…」
男「…ほんとにそう思ってるなら、なんでそんな顔するんだよ」
695:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 14:55:23.48 ID:be+aN+NR0
妹「……。」
男「ほんとに仕方がないって思ってるなら…そんな顔するなよ」
男「そんな泣きそうな顔されて…ああ、そうなんだなんて、言えるわけないだろ」
妹「……。」
男「どうなんだよ、妹。しょうがないことなのか?」
男「俺…お前のこと忘れちゃうんだぞ?母さんも、妹友ちゃんも、男友も、女も、みんなみんな」
男「お前のこと…もう、思い出さなくなるんだぞ?」
男「楽しかったことも、嬉しかったことも、全部無かったことになるんだからな」
男「一緒に町をブラブラしたことだって、夜遅くまで勉強したことだって」
男「海で遊んでた妹だって、ネコに舐められて喜んでた妹だって」
男「…今ここで、お前を抱きしめて頭を撫でてることだって…俺、忘れちゃうんだからな」
男「お前は、本当にそれで良いのかよ…」
妹「…そんなの」
妹「良いわけ、ないじゃんか」
699:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 15:11:13.80 ID:be+aN+NR0
男「……。」
妹「良いわけ…ないでしょ」
妹「私、何度も…消えたくないって言ったじゃん」
妹「嫌だよ、みんなの中に私がいなくなるなんて…」
妹「そんなの…嫌に決まってるじゃんかぁ」
男「…じゃあちゃんと、そう言えよ」
妹「でも、しょうがないものはしょうがないでしょ!」
妹「どうしたって、私はみんなから消えちゃうんだから…私がどう思ったって、それは決まってるんだから…」
妹「だから、何を言ったって…しょうがないんだもん」
男「そんなことねえよ」
妹「……。」
男「忘れて欲しくないなら、そう言え。忘れるなって、俺に言えよ」
男「俺、妹のわがままだったらなんでも聞くって言ったろ?お前が忘れるなって言うなら」
男「俺は、お前のことを、忘れない」
妹「……。」
701:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 15:17:13.63 ID:be+aN+NR0
妹「無理だよ…」
男「無理じゃない」
妹「だって、忘れちゃうもん」
男「覚えてるよ」
妹「みんな、消えちゃうんだよ?」
男「じゃあ、思い出す」
妹「……。」
男「何度だって、思い出してやるさ」
妹「……。」
男「だから…忘れて欲しくないなら…ちゃんとそう言え」
妹「……。」
男「俺はお前の兄なんだから、なんだって聞いてやる」
妹「…そんなの」
703:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 15:33:13.40 ID:be+aN+NR0
妹「そんなの…ひどいよぉ」
男「……。」
妹「せっかく全部諦めて…このまま最後までって思ってたのに」
妹「にいさんにそんなこと言われたら…私、期待しちゃうじゃんか」
男「……。」
妹「余計、消えたくないって思っちゃうじゃんかぁ…」
男「…思えば良いじゃねえか」
妹「……。」
男「ほら、何か言うことがあるんじゃないのか?」
妹「……。」
男「……。」
妹「…にいさん」
男「…ん」
妹「…私のわがまま、聞いてくれる?」
妹「私のこと…ずっと、覚えていて」
705:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 15:41:24.60 ID:be+aN+NR0
男「…分かった」
妹「……。」
男「忘れないよ」
妹「……。」
男「……。」
妹「もう、時間がないね」
男「…そうだな」
妹「あと、どれくらい?」
男「30分くらいかな」
妹「……。」
ギュッ
男「……。」
妹「最後まで、このままでいたいな」
男「…うん」
708:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 15:48:16.55 ID:be+aN+NR0
妹「……。」
男「……。」
妹「…ふふ、にいさん、鼓動速いよ?」
男「…なに聞いてんだよ」
妹「昨日も、速かったよね」
男「どうだったかな」
妹「なんで、速くなってるのかな?」
男「…さあな」
妹「…にいさん」
男「なんだ?」
妹「私もね、今、ドキドキしてるよ?」
男「……。」
妹「えへへ、なんででしょう」
男「……。」
709:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 15:58:45.86 ID:be+aN+NR0
妹「……。」
男「……。」
妹「ねえ、にいさん。私、にいさんの妹だよね」
男「…ああ」
妹「妹なのに、ドキドキするのっておかしいよね」
男「……。」
妹「…ね、にいさん」
妹「こっち向いて」
男「…なんだ?」
妹「……。」
チュ
男「……。」
妹「えへへ…しちゃった」
シュー
妹「あ、あれ…なんだぁ、時間が来ちゃったみたい」
712:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 16:05:49.32 ID:be+aN+NR0
男「妹!」
妹「思ったより…消えちゃうの早いみたいだね」
シュー
男「おい、待てよ…おい」
妹「あーあ、まだ言ってないこと、あるのになぁ」
男「……。」
妹「あ、それともキス…しちゃったからかな」
妹「ふふ、それならまあ…しょうがないよね」
男「…なに言ってんだよ」
妹「ほんとは、もうちょっとだけ…ぎゅってしていたかったけど」
シュー
妹「…にいさん、ごめんね?」
男「…おい、なんだそれ」
716:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 16:17:40.49 ID:WP9cOr6O0
もう・・・読みたくない
717:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 16:18:30.22 ID:be+aN+NR0
男「妹…ほら、ぎゅってしてやるから」
ギュー
妹「あ…えへへ、私もー」
男「…妹、大丈夫だからな、また俺、お前のことサンタに頼んでやるから」
妹「……。」
男「…だから、な?」
妹「…ありがとね、にいさん。私のこと、忘れないって言ってくれて」
シュー
男「…それ、どういう…意味だよ」
妹「にいさんがそう言ってくれただけで、私、とても幸せ」
男「…おい」
妹「でもね、ごめんね、にいさん。さっきのわがまま、取り消すね」
男「おい…おい!」
妹「私の最後のわがまま…聞いて?」
妹「どうか…にいさんも、幸せに生きてください」
722:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 16:27:55.08 ID:be+aN+NR0
男「バカなこと言ってんじゃねえ!…なんだよそれ」
妹「私、にいさんの妹になれてよかった」
男「……。」
妹「えへへ…あ」
シュー…
妹「…消えちゃうね」
男「あ…」
妹「じゃあね、にいさん」
妹「楽しかったよ…とっても」
妹「キスまで…しちゃったし」
妹「もう、私は十分」
妹「ふふ、サンタのプレゼント、私なんかでよかったのかな…それだけがちょっと、心配だけど」
男「……。」
妹「…じゃあ、ばいばい」
男「妹…妹!」
727:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 16:31:55.56 ID:REpjIOo/0
頼むから消えないでくれ…
728:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 16:32:26.56 ID:be+aN+NR0
シュー…
男「……。」
男「…妹」
男「…馬鹿野郎、最後で強がるなんて…どれだけ馬鹿なんだよ」
男「…絶対、許さないからな」
男「絶対忘れてなんてやらねえ…」
男「……。」
男「……。」
男「……。」
男「……。」
男「……。」
男「……。」
男「…あれ?」
男「なんで俺、泣いてるんだ?」
734:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 16:41:22.71 ID:be+aN+NR0
男「…ん?なんでだ?」
男「…なんだこれ、気持ち悪いな」
男「クリスマスに彼女がいないからって知らないうちに涙が…なんて」
男「…馬鹿らしい」
男「…もう12時過ぎか」
男「寝るかな…たく」
男「クリスマスクリスマスって…俺には平日と変わらないっての」
男「せめてサンタとかが来てくれたらな」
男「……。」
男「…何が欲しいかな」
男「受験に合格する鉛筆とか…うん、欲しい」
男「まあなんだって良いや…寝よう」
男「明日も勉強しか、することがないんだし」
男「…おやすみ」
735:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 16:44:42.66 ID:gosOz+OV0
うあああああああああああああああああああああああ
737:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 16:47:26.96 ID:Zkle602X0
兄貴しっかりしろぉぉおおおおおおおおおおおおお!!!!!
739:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 16:48:55.98 ID:ZxYnquWm0
アニキィィィィィィ!!なにやってんだよ!!
745:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 17:06:50.24 ID:be+aN+NR0
男「……。」
男「……。」
男「…Zzz」
プルルルルル…
男「…んあ?」
プルルルルル…
男「…なんだ…電話?」
男「寝てたのに…たく」
ピッ
男「…あれ、俺いつもマナーモードにしてるんだけどな」
男友『なんの話だ?』
男「いや、こっちの話…ってお前かよ」
746:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 17:08:40.27 ID:be+aN+NR0
男友『俺で悪かったな…』
男「俺、今から寝ようとしてたんだけど」
男友『それはちょうど良かった』
男「ん?」
男友『伝言があるんだ』
男「…なに、伝言?」
男友『そう、伝言』
男「誰から?」
男友『…昔の俺から?』
男「…は?」
男友『いや、俺もよく分からないんだけど』
男「…まあ良いや、それで伝言の内容は?」
男友『……。』
男「…ん?」
男友『寝るな』
750:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 17:12:31.70 ID:be+aN+NR0
男「寝るな?」
男友『そう』
男「それだけ?」
男友『いや、もうひとつ』
男「……。」
男友『サンタに願い事をしたら寝ろ』
男「サンタ?」
男友『そう』
男「……。」
男友『……。』
男「寝ぼけてる?」
男友『寝ぼけてねえよ!』
753:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 17:18:57.73 ID:be+aN+NR0
男「…よく分からない」
男友『俺もだよ』
男「なんだそれ」
男友『でも、メモ帳に絶対伝えろって書いてあったからな』
男「…他には何も無いのか?」
男友『あとは何も…いや、俺の走り書きが』
男「ん?」
男友『みんなで遊んで楽しかったなー』
男「昨日のことか?」
男友『だろうな』
男「……。」
男友『じゃ、伝えたからな』
男「…ああ」
男友『メリークリスマス』
プツッ
756:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 17:27:21.49 ID:be+aN+NR0
男「……。」
男「…寝るなってなんだ?」
男「寝ちゃダメなのか?」
男「……。」
男「サンタ?」
男「…なんのことだよ」
男「…はあ」
男「とりあえず、起きてるか」
男「…昨日のことって、男友たちと遊びに行ったことだよな」
男「女の提案でみんなの行きたいところに行くって言って」
男「はじめはボウリング行って…次は美術展だっけ」
男「……。」
男「…美術展?」
759:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 17:29:22.95 ID:fRyCfdzE0
よみがえれキオク
762:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 17:33:12.70 ID:DN9Sytdv0
来い・・・・・・・・・・来い!
764:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 17:35:37.42 ID:ZxYnquWm0
おもいだせ兄貴
765:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 17:35:53.86 ID:be+aN+NR0
ピッ
男友『なんだ?』
男「昨日俺達って美術展に行ったよな?」
男友『ああ、女がやたらはまってたなー』
男「それって、誰の提案だった?」
男友『……。』
男「……。」
男友『誰だっけ?』
男「……。」
男友『…あれ、なんだこれ』
男「なんかおかしいよな」
男友『気持ち悪いな…』
男「寝るなってこういうことか?」
男友『…分かんねえ』
766:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 17:41:17.71 ID:be+aN+NR0
男「…頭痛い」
男友『おい、大丈夫か?』
男「大丈夫、ありがとな男友」
男友『いや、俺もちょっと考えとく』
男「頼んだ」
プツッ
男「……。」
男「…次は」
プルルルルル…
男「……。」
ピッ
女『はいはーい、メリークリスマスー!』
男「あ、女、夜遅くに悪いな」
女『いいよー、どうしたの?』
767:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 17:45:28.30 ID:be+aN+NR0
女『美術展?行った行った!』
男「あれって誰の提案だったか覚えてる?」
女『そんなの当たり前じゃん!』
女『……。』
男「……。」
女『…あれ?』
男「だよな」
女『おかしいね、誰かの提案だったはずだよね?』
男「ああ…昨日って何人で遊んだっけ?」
女『確か四人だよー』
男「俺と男友と女と…」
女『…あれ?あと一人は誰?』
男「……。」
768:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 17:47:33.70 ID:4r368gb0O
何忘れてやがる!
はよ思い出せ
769:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 17:52:17.99 ID:be+aN+NR0
男「知り合いだよね?」
女『そのはずだよ…あ、ボウリングのスコアシートに載ってるはず』
男「あ、なるほど…どこにしまったかな」
女『見付けた!』
男「あ、俺も…妹友?」
女『…そうだ、妹友だよ!思い出した』
男「…妹友ちゃん」
女『…なんで思い出せなかったのかな?』
男「……。」
女『男君?』
男「ありがと、女。また何かあったら電話するよ」
女『あ、うん分かったよー』
男「またな」
女『ばいばーい』
プツッ
772:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 18:03:41.50 ID:be+aN+NR0
男「……。」
男「おかしいぞ、なんだこれ…」
男「妹友ちゃん…確かに覚えてるけど…いつ出会ったんだ?」
男「…あー、くそ、とりあえずスコアシートを片付けないと」
男「…ん?なんだこれ…俺の字だけど、こんなの書いた覚えがないな」
『今日、何してた?』
男「…今日?」
男「今日って…」
男「…墓参りだよな」
男「そのあと、一人でブラブラして…夜になったら帰ってきたけど」
男「…あれ、俺なんで一人で色んなところ行ったんだっけ?」
男「……。」
男「…あれ、俺なにか…忘れてないか?」
778:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 18:18:49.42 ID:be+aN+NR0
男「なにか…なにか…忘れてる?」
男「…この紙、裏にもなにか書いてある」
『思い出せ』
男「…なんだこれ」
男「俺、こんなもの…書いた覚えがない」
男「……。」
男「なんだ…何を忘れてるんだ?」
男「思い出さないと…」
男「思い出さないと、いけない気がする」
男「…なにか、なにか…大切なことを忘れてる気がするんだけど」
カリカリ
男「…ん?」
男「…なんだ?」
786:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 18:25:05.41 ID:be+aN+NR0
ミャー
男「…ネコ?」
男「…あ、ミャー…だ」
男「…今俺、ミャーのことも忘れてた?」
ミャー
男「…なあ、ミャー。俺、なんかおかしいんだ」
男「頭の中がぽっかり抜けたみたいで」
男「…なんでか、分からないか?」
…ミャー
男「…はは、分かるわけないか」
ミャー
男「…どこ行くんだ?」
カリカリ
男「…そこは空き部屋だぞ?」
789:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 18:34:40.67 ID:be+aN+NR0
ガチャ
男「…空き部屋、だよな?」
男「…あれ、なんで俺の物がこんなにいっぱいあるんだ?」
男「マンガ…参考書…鉛筆?」
男「…ミャーがこの部屋に持ってきたのかな」
男「…あれ、ミャーどこ行った?」
男「……。」
男「…俺、この部屋によく来てた気がする」
男「なんでだ…この部屋にはなにもないのに」
男「…駄目だ、やっぱりなにか忘れてる」
男「なにかを…なにか…」
男「……。」
男「……。」
男「…誰か?」
791:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 18:43:10.83 ID:be+aN+NR0
男「……。」
男「…誰か?」
男「なんだそれ…妹友ちゃんのことか?」
男「…違う、でも…それに近い、誰か」
男「記憶がおかしくなってるのは…それが思い出せないから…」
男「…大切な、誰か」
男「……。」
男「…誰なんだよ」
ミャー
男「ん?ミャー、どこ行ってたんだ」
男「…ミャー、それは?」
男「首についてる、それ」
チャラ
男「…キーホルダー?」
795:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 18:50:52.67 ID:be+aN+NR0
男「……。」
男「…半分だけの、キーホルダー?」
男「…ああ、海で買ったやつか」
男「……。」
男「……。」
男「…誰と?」
男「……。」
男「……。」
男『俺はこっちを持ってれば良いんだな?』
男「…もうひとつは、誰が持ってるんだよ」
男「…思い出せよ」
男「……。」
男『忘れないよ…全部』
男「……。」
男「…忘れてんじゃねえか…馬鹿」
796:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 19:00:37.25 ID:be+aN+NR0
男『この旅行楽しかったか?』
男「…おい」
男『全部、覚えてるから…当たり前だろ?』
男「…おい」
男『…ほら』
男「誰だよ、俺と話してたのは…」
男『ごめんな』
男「誰なんだよ…」
男「……。」
プルルルルル…
男「……。」
プルルルルル…
男「……。」ピッ
男「はい」
妹友『あのー…私、妹友と申しますが…』
800:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 19:07:46.73 ID:be+aN+NR0
男「…妹友…ちゃん?」
妹友『あ、はい…そうですが』
男「久し振り…ってわけでもないか、昨日遊んだばっかだもんな」
妹友『……。』
男「…ん?」
妹友『えっと…男さんですよね』
男「そうだけど」
妹友『すいません…私、あなたのことを、あまり覚えていなくて』
男「え?」
妹友『でも…私のメモ帳に絶対電話するようにって書いてあったんです』
男「…妹友ちゃんもか」
妹友『え?』
男「いや…だから、電話をくれたんだ」
妹友『…はい』
803:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 19:19:32.58 ID:be+aN+NR0
男「昨日一緒に遊んだことは覚えてる?」
妹友『…はい』
男「夏に海に行ったことは?」
妹友『え?…あ、はい、確かに行きました』
男「…なんで妹友ちゃんは、俺らと遊んだんだろう」
妹友『それが…分からないんです』
男「いつ知り合ったのか、どうやって知り合ったのか…」
妹友『……。』
男「…分かんないか」
妹友『…私、毎日日記を付けてるんですけど』
男「…うん」
妹友『その日記…いつも「お兄ちゃん」のことが書いてあるんです』
男「……。」
妹友『…お兄ちゃんって、男さんのことですか?』
807:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 19:28:51.62 ID:be+aN+NR0
男「…お兄ちゃん」
―イサン
男「つっ…」
妹友『どうかしましたか?』
男「いや、大丈夫…」
妹友『やっぱりお兄ちゃんって、男さんのことですよね?』
男「…そうだと思うよ。確か、そう呼ばれてたし」
妹友『…そうですか』
男「…その日記、俺以外のことはなにか書いてない?」
妹友『……。』
男「妹友ちゃん?」
妹友『…男さん』
男「…なに?」
妹友『私…誰か大切な人のことを忘れてる気がするんです』
810:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 19:41:08.56 ID:be+aN+NR0
男「……。」
妹友『私の日記…ほとんど何も書いてないんです』
妹友『毎日書いてたはずなのに…ぽっかりと抜けちゃってるんです』
男「……。」
妹友『おかしいですよね、書かれてるのはお兄ちゃんのことと家のことばかりで』
妹友『お兄ちゃんと一緒にいた誰かのことは、全部消えてるんです…』
男「俺と一緒に…いた?」
妹友『私、大切な誰かのことを忘れちゃってる…絶対に誰かがいたはずなのに…』
妹友『だから、思い出さないと…って思ってたときに、男さんの電話番号を見付けたんです』
男「…俺と一緒にいた…大切な人?」
妹友『男さん…私が忘れている誰かのこと…覚えていませんか?』
男「……。」
妹友『たぶん、私の大切な…お兄ちゃん?』
男「…お兄ちゃん」
―イサン
816:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 19:56:40.54 ID:be+aN+NR0
妹友『あ、あれ…私、今なんでお兄ちゃんって…』
男「忘れてる…大切な人…妹友ちゃん…一緒にいた…キーホルダー…お兄ちゃん…」
妹友『あ、でもお兄ちゃんって男さんのことだから良いんですよね…ちょっと呼ぶの恥ずかしいけど』
男「寝るな…サンタに願い事…クリスマス…ミャー…一人で散歩…サンタ?」
妹友『…で、でも、なんで私、男さんのことをお兄ちゃんなんて呼んでるんでしょうね?』
男「サンタ?…願い事?…去年のクリスマス…俺は何を願った?」
妹友『…お兄ちゃん?どうしました?大丈夫ですか?』
チャラ
男「…半分のキーホルダー…花の絵」
妹友『…お兄ちゃん?』
男「妹友ちゃん、花の名前に詳しい?」
妹友『え?…まあ、花を描くのが好きなので、多少はいけると思いますけど』
男「えっと…漢字で、勿体ないの一文字目に…半分しか書いてないけど、これはたぶん、無しって漢字なんだけど」
妹友『…それは、勿忘草ですね』
男「…わすれなぐさ」
823:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 20:22:49.64 ID:be+aN+NR0
妹友『綺麗な花ですよね、名前の意味はそのまま花言葉にもなってますよ。勿忘草の花言葉はですね…』
男「…私を、忘れないで」
妹友『あ、知ってたんですか?』
男「……。」
妹友『…それで、勿忘草がどうかしましたか?』
男「……。」
妹友『…お兄ちゃん?』
男「……。」
妹友『具合でも悪いんですか?』
男「……。」
妹友『…えっと、大丈夫ですか?』
男「……。」
妹友『…救急車、呼びましょうか?』
男「……。」
834:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 20:45:10.18 ID:be+aN+NR0
『無理だよ…』
『だって、忘れちゃうもん』
『私の存在が、みんなの記憶から消えちゃうの』
『私がいなくなっちゃうのは…しょうがないことなんだよ?』
『ね、そうでしょ?』
『どうしたって、私はみんなから消えちゃうんだから…』
『だから、何を言ったって…しょうがないんだもん』
『みんな、消えちゃうんだよ?』
『だからね…だから…』
男「……。」
男「……。」
男「……。」
男「…馬鹿野郎」
男「…やっぱり、忘れねえじゃねえか、妹」
835:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 20:46:12.45 ID:gUEn+t1V0
キタァァァァァァ
836:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 20:46:42.91 ID:aiyzX98x0
キタ━━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━!!!!!
842:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 20:50:31.93 ID:nyoZFgvc0
うん、これはいいSSスレだ
目頭が暑い‥ッ!
847:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 20:54:53.00 ID:be+aN+NR0
妹友『…お兄ちゃん、今…なんて言いました?』
男「……。」
妹友『妹?…あれ、なんでしょう…』
妹友『涙が…なんででしょうか』
男「……。」
妹友『妹…妹…妹…』
男「俺の…大切な人の…名前だよ」
妹友『う…うー…』
男「…妹友ちゃんにとってもね」
妹友『…妹…うー』
男「…思い出した?」
妹友『…はい…妹、忘れてなかったよ、私』
男「……。」
妹友『忘れるわけ…ないじゃんか…』
男「…うん」
849:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 20:55:39.46 ID:eN5BgZuG0
誰かBGMかけてくれ!
855:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 20:59:48.02 ID:VB81sYDM0
>>849
尾崎豊の「FORGET ME NOT」でどうだ
曲目の意味は………わかるな?
868:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 21:08:36.96 ID:eNtAnXBT0
気持ち悪いぐらい鳥肌立ってるwwwww
>>855ナイス!
850:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 20:55:58.95 ID:aI7U4XOh0
エンダアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
864:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 21:03:48.92 ID:B4XuEnON0
>>850
イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
861:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 21:03:25.17 ID:be+aN+NR0
男「…妹友ちゃん、頼みがあるんだけど」
妹友『大丈夫です、分かってます』
男「…そっか」
妹友『私、いい子でしたから、きっと大丈夫ですよ』
男「はは、だったら良いな」
妹友『…早く寝ないと、悪い子になっちゃいますね』
男「そうだな」
妹友『お兄ちゃん、また明日、遊びに行きますから』
男「…待ってるよ」
妹友『はい、じゃあまた明日』
男「じゃあね」
プツッ
男「……。」
ミャー
男「…はは、お前ははじめから覚えてたのか?」
874:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 21:14:37.96 ID:be+aN+NR0
……………………
…………
……
ピピピピピピピピ
男「……。」
ピピピピピピピピ
男「……。」
ピピピピピピピピ
男「……。」
ピピピピピピ カチッ
男「……。」
男「…なんだ、目覚まし、俺が止めようと思ったのに」
妹「……。」
男「…おかえり、妹」
875:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 21:15:08.08 ID:0JIvDMCQ0
キーーーーーーーーーーーーーーーーーーーターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!111
877:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 21:15:18.64 ID:Vxrb+BVk0
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!
878:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 21:15:21.31 ID:aqVu8tEF0
きたぁぁぁぁぁぁぁぁ
879:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 21:15:43.23 ID:fRyCfdzE0
おかえり
おかえり・・・
880:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 21:15:47.84 ID:m5+e0OA70
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
882:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 21:16:08.16 ID:gUEn+t1V0
おかえりいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
885:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 21:17:14.16 ID:yoTxgi/u0
ついにキターーー!
886:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/27:2011/01/07(金) 21:17:21.79 ID:fgVRM31F0
おかえりいいいい!
925:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 21:37:18.93 ID:be+aN+NR0
妹「……。」
男「どうした?」
妹「…なんで私、ここにいるの?」
男「…なに言ってんだ」
男「忘れるなって言ったのは、お前だぞ」
妹「……。」
男「わがままにはなんだって付き合うって言っただろ?」
妹「…うん」
男「たく、世話の焼ける妹だ」
妹「…にいさん」
男「ん?」
妹「…えへへ、ただいま!」
男「…おう」
933:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 21:53:14.55 ID:be+aN+NR0
妹「…なんで、私のこと覚えてたの?」
男「そうだな…たぶん、サンタが結構いい加減な性格だったせいじゃないか?」
妹「…え?」
男「いや、父さんすでにいないのに妹だとか、妹友ちゃんも違和感に気づいてたし…結構記憶操作が適当だったからさ」
男「妹が消えるときも、結構矛盾が出るんじゃないかと思ってね」
妹「え…でもそれだけで…」
男「…ま、細かいことは良いんだよ」
男「俺は妹を忘れなかったし、妹は今ここにいる…それだけで十分だ」
妹「…うん!」
ピンポーン
妹「…お客さん?」
男「あー…妹、行ってこい」
妹「…あ、もしかして!」
935:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 22:00:09.77 ID:be+aN+NR0
ガチャ
女「やっほー」
男友「メリークリスマス!」
妹「あ、先輩!」
女「私たちだけじゃないよー」
男友「ほら、隠れてないでさ」
妹友「……。」ヒョコッ
妹「妹友ー!」
妹友「め、メリークリスマ…ひゃあッ!」
妹「えへへ、メリークリスマスだよー」
妹友「…もう」
男「朝早くからご苦労さん、みんな」
女「…良かったね、男君」
男友「ばっちり妹さんのことお願いしといたからな!」
男「…ありがとな」
939:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 22:06:37.49 ID:be+aN+NR0
妹「にいさんにいさん」
男「ん?」
妹「これからみんなで遊びに行こ?」
男「…はは、遊ぶのは良いけど」
母「ちゃんとご飯食べてからにしなさいよ」
妹「あ、お母さん、おはよう」
母「きゃっ…ふふ、ちゃんと卵焼き作ったからね」
妹「…うん!」
妹友「卵焼きッ!?」
女「……。」グー
男友「…こいつ」
母「みなさんもどうぞ」
女「ありがとうございます!」
妹友「やったー」
男友「…じゃあ、お邪魔します」
940:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 22:10:51.79 ID:be+aN+NR0
女「机まで競争、妹友!」
妹友「がってんしょうちのすけー!」
男友「…他人の家で何やってんだ」
男「はは…」
妹「…にいさん」
男「ん、なんだ?」
妹「…私、なんだかずっと一緒にいられるみたい」
男「…ん?」
妹「魔法がね、とっても強いの」
男「…ま、四人と一匹の願いが詰まってるからな」
妹「一匹?」
男「な、ミャー」
ミャー
942:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 22:15:33.42 ID:be+aN+NR0
妹「…みんなが?」
男「そうだよ、それもありったけ」
妹「……。」
男「俺なんか全部のプレゼント分を前借りしたからな」
妹「そんなこと出来るの?」
男「さあな」
妹「……。」
男「…でも、もう消えないんだろ?」
妹「たぶん…」
男「じゃあきっと、サンタに届いたんだな」
妹「…そうかもね…えへへ」
男「…ん?」
妹「ありがと、にいさん」
男「…お礼はみんなに言えよ」
944:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 22:23:31.46 ID:be+aN+NR0
妹「にいさん、これからもよろしくね」
男「…おう」
妹「…あ」
男「…ん?」
妹「な、なんでもない!」
男「なんだよ」
妹「…最後だと思って、にいさんとキスとか…いろいろしちゃったよぉ」
男「なんだって?」
妹「ななな、なんでもないってばぁ!あ、朝ご飯食べに行くよ、にいさん」
男「…はいはい」
妹「……。」
妹「…にいさん、あの時は言えなかったけど」
妹「ずっとずっと…大好きだからね」
最終話 妹 おわり
945:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 22:23:49.44 ID:ZKMlQf6/0
乙
感動をありがとう
948:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 22:24:31.75 ID:rco4sEdp0
乙!!
>>1ありがとう!!!
949:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 22:24:43.56 ID:eN5BgZuG0
>>1
乙!!!!!!
良かったよ!
954:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 22:25:03.98 ID:yoTxgi/u0
期待通りのハッピーエンドだ。最高だよほんと
958:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 22:25:40.08 ID:aI7U4XOh0
>>1乙
最高のハッピーエンドだな
963:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 22:26:53.72 ID:VB81sYDM0
ここでおもむろに忘れな草(英名FORGET ME NOT)をうp

そして素晴らしいSSに心から乙‼
妹友「いいよね・・・・・・かっこいいお兄ちゃんがいて」へつづく
※後ほど記事公開
5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/25(土) 23:47:19.93 ID:6rrxG+eL0
男「…え、なにもう一回言って」
妹「だから、私はサンタからあなたへのプレゼントなの」
男「…夢?」
妹「頬っぺたつねってみなさいよ」
男「…痛い」
妹「そういうことです」
男「…とりあえずもう一回寝てみようか」
妹「寝るな」
ゲシッ
男「痛い」
元スレ
妹「私?サンタからのプレゼントだけど」
http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1293287013/
http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1293975176/
妹「私?サンタからのプレゼントだけど」
http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1293287013/
http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1293975176/
13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 00:45:58.78 ID:vP0yf/xX0
妹「起きた?」
男「起きた」ヒリヒリ
妹「状況は理解出来た?」
男「出来た」
男「…いやちょっと待って出来てない!」
妹「そこはそのまま出来たで良いじゃない」
男「いやいや、危うく流すところだった」
妹「もう、物分かり悪いな」
男「整理していい?」
妹「良いよ」
14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 00:50:57.33 ID:vP0yf/xX0
男「俺さ、妹が欲しかったのよ」
妹「うん」
男「それでさ、昨日の夜に「あ、明日ってクリスマスじゃん」とか思ってさ、「あー、サンタが妹でもくれないかな」とかふと考えたりしたよ?」
妹「ふむふむ」
男「で、朝起きたら枕元に君がいたわけだけどさ」
妹「ようするに?」
男「サンタっているんだな」
妹「あ、そこなんだ」
15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 00:59:03.98 ID:vP0yf/xX0
男「細かいこと考えるのはやめとくわ」
妹「うん、その方が良いよ」
男「結論さ、俺に妹が出来たってことで良いの?」
妹「うん、制限時間付きだけど」
男「制限時間?」
妹「ゲームとか漫画だったら、まあサンタのポケットマネーでプレゼント出来るんだけどさ」
男「あ、サンタ自腹なんだ…頑張ってるんだな…」
妹「妹ってお金じゃ買えないじゃん?」
男「だろうね」
妹「だから、まあ簡単に言うと私ってサンタの魔法で生まれたみたいなもんなんだけどさ」
妹「まあサンタの力も無尽蔵じゃないからさ、制限時間があるみたい」
16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 01:05:01.10 ID:vP0yf/xX0
男「いつまで?」
妹「来年のクリスマスまで」
男「結構長いな」
妹「サンタの力なめんな」
男「いや、凄いのかよく分からないけどさ」
妹「だからまあ、一年間よろしくね」
男「ん、まあ妹が出来て嬉しいよ」
妹「そうだったら私も嬉しいけど」
男「よろしく、妹」
妹「いやいやこちらこそ」
20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 01:16:21.90 ID:vP0yf/xX0
妹「で、私はあなたのことをなんて呼べば良い?」
男「え、うーん…好きに呼んでいいよ」
妹「あなたの名前は?」
男「男だけど」
妹「じゃあ、男」
男「いやいや待て待て」
妹「どうかした?」
男「俺には妹なんていたことないし、妹のなんたるかって全然分からないけど」
男「でもなんかそれは違う気がする」
妹「そんなこと言われても」
男「もっとこうさ」
妹「好きに呼んでいいって言ったくせに」
男「…ごめんなさい」
24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 01:29:19.54 ID:nO/4GRHC0
なにこのちょこッとsister
27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 01:50:32.47 ID:vP0yf/xX0
妹「呼び方の候補をちょうだい」
男「候補ですか」
妹「無ければ男で決定」
男「ちょっと待ってすぐに考える」
妹「そんなに嫌なんだ」
男「妹の呼び方といえば、『お兄ちゃん』とか『兄さん』とかかな」
妹「お兄ちゃん…兄さん」
男「あとは『兄貴』とか、変化球で『にいに』とか」
妹「あにき…にいに…?」
男「まあいろいろあるけど、例はこれくらい」
妹「うーん」
30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 02:02:29.85 ID:vP0yf/xX0
男「俺の希望としては『お兄ちゃん』とか『にいに』とかそういうお兄ちゃん大好きーみたいな妄想がかきたてられる呼び方が良い――」
妹「『にいさん』で」
男「……。」
妹「これからよろしく、にいさん」
男「いや別に良いけどさ」
妹「私の心境に変化があったらまた変わるかも」
男「てことはいつかはお兄ちゃんと呼んでくれる日も」
妹「イライラしてきたら男って呼びます」
男「なんか始めの好感度低くない?」
妹「気のせいだよ」
男「なら良いんだけど」
33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 02:10:06.16 ID:vP0yf/xX0
男「あと何か決めておくことあるかな」
妹「私は思いつかないけど」
男「じゃあまあ、何か出て来たらおいおい決めていこう」
妹「はいな」
男「はいな?」
妹「なにか?」
男「いやなにも」
妹「にいさん、お腹すきました」
男「じゃあ下の階行こっか、きっと母さんが朝ご飯用意してるよ」
妹「二階建てなの?」
男「そうだよ、まあ二階は俺の部屋以外空いてるけど」
妹「お金持ち?」
男「知らないけど」
妹「そっか」
34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 02:20:45.94 ID:vP0yf/xX0
男「母さん、妹見てびっくりするだろうな…」
妹「あ、そこらへんは大丈夫」
男「え?」
妹「うまい具合にみんなの記憶をいじってあるはずです」
男「妹がいるってことに?」
妹「はい」
男「サンタが?」
妹「サンタが」
男「サンタすげえな、いやむしろ怖えよ」
妹「確認しに行ってみる?」
男「行ってみるか」
35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 02:29:01.47 ID:vP0yf/xX0
男「おはよー」
母「おはよう、男」
妹「おはよう」
母「おはよう、妹。二人とも起きるの早いわね」
男「…おー」
妹「サンタなめるな」
男「いや今その力に恐怖すら持ちはじめたところだよ…」
母「サンタ?」
男「いやこっちの話」
妹「たぶん二階に私の部屋も出来てるよ」
男「用意が細かいな…」
36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 02:39:27.70 ID:vP0yf/xX0
母「今日は二人でデートでもするのかしら?」
妹「はい?」
男「え…え?」
母「折角のクリスマスだし、外で遊んで来なさいな」
男「クリスマスってカップルだけの限定イベントかと…兄妹ってそういうものなの?」
妹「私に聞かれても」
男「…遊びに行くか?」
妹「別に構わないけど」
男「この町、案内してやるよ」
妹「…ありがと」
母「仲がよろしいことで」
38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 02:53:02.96 ID:vP0yf/xX0
町
妹「賑やかだね」
男「まあクリスマスだからな」
妹「クリスマスってそんなに特別なの?」
男「カップルがこれみよがしにイチャラブ出来るという意味では」
妹「本来はキリストの生誕を祝う日なのに、その意味で盛り上がってるわけ
じゃないんだね」
男「まあキリスト教の国じゃないし…というかその知識はどこから来てるんだ?」
妹「サンタの力です」
男「サンタすげえ」
妹「あと、一般知識ならたぶん大丈夫」
男「まあカップル以外にとっては平日と変わらないよ」
妹「てことはにいさんにとっては平日なんですね」
男「なかなか内側をえぐるストレートを投げるじゃないか…」
39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 03:07:07.26 ID:vP0yf/xX0
男「でもまあ今日から俺にとっても特別な日かな」
妹「なんで?」
男「妹が出来たから」
妹「……。」
男「願いが叶った日だな」
妹「…そう言われたら、にいさんの妹になった意味もあるというものですね」
男「いやいや、ありがとうな」
妹「まあそれはいい話ということで良いんだけど」
男「ん?」
妹「なんで妹が欲しかったの?」
男「あ、あー…」
42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 03:22:18.31 ID:vP0yf/xX0
妹「なんで?」
男「いや、それには深いわけが」
妹「まさかとは思うけど棚の奥に隠してあったいかがわしい本たちが関係したりしないよね」
男「なぜその存在を知っている」
妹「にいさんが起きるのを待ってる間に」
男「…なんてこったい」
妹「で、どうなのかな」
男「……。」
妹「妹っていう存在にそういう幻想を抱いてたからなんていう理由じゃないよね」
男「……。」
妹「そんな理由で私が生まれたとしたら、まあ思うことがなくもないけど」
男「…なるほど、妹の俺への評価がいきなり低かったのはこういうわけか」
44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 03:32:45.90 ID:vP0yf/xX0
妹「私の兄になる人はどういう人なんだろうなぁって、ドキドキしながら部屋を見渡して」
妹「それとなく本棚を見てみたらこれですよ」
妹「せめてもう少し隠せよと」
男「返す言葉がない」
妹「親があれ見たら泣くよ?」
男「やめて、そういう責め方一番効くから…」
妹「まあ人の趣味をあれこれ言っちゃいけないと思うけど」
妹「私のことそういう目で見たら二度とにいさんだなんて呼ばないからね」
男「……。」
妹「返事は?」
男「はい…」
47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 03:54:18.21 ID:vP0yf/xX0
妹「はぁ…分かれば良いけど」
男「…信じてもらえないだろうけどさ」
妹「なに?」
男「朝起きて君を見てさ、あーこの子が俺の妹なんだって思ったら」
男「そしたらそんな…やましいというか…とりあえず!そんな気持ちすぐなくなったよ」
男「兄としてというか、なんというか…妹を大事にしたいって思ったんだ。ちゃんと君のことをさ、だから」
妹「…ふーん」
男「…いや、信じてもらえないと思うけど。第一印象が悪すぎるし」
妹「態度で示してよ」
男「え?」
妹「これからずっと一緒にいるんだから、ちゃんと私を大事にして」
男「もちろん」
妹「ん、約束」
男「約束」
59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 13:55:59.11 ID:g70ceLRA0
妹「先が思いやられるけど」
男「返す言葉がない」
妹「…ん」
男「な、なにその手」
妹「なにって、この町のことを案内してくれるんでしょう?」
男「あ、うん」
妹「エスコートしなさいよ」
男「手、繋ぐの?」
妹「つ、繋ぐわけないでしょ!はやく行こうってこと」
男「…おうよ」
妹「案内して、あなたの町を」
男「そして今日からお前の町、な」
妹「なにかっこつけてるんだか」
60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:02:08.20 ID:g70ceLRA0
そんなこんなで、妹との生活が始まるのだが
それはまた別のお話
おしまい
ごめん、保守して貰ったのに今日用事があって書けないです
誰かよろしくお願いします
62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 14:13:22.56 ID:IZvcKf4K0
俺は、お前の話が見たい
よって保守
65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/26(日) 15:57:36.98 ID:5ruFKC960
お前の話しが見たいんだよ!言わせんな恥ずかしい
全力で
85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 01:03:56.67 ID:611GaTsa0
男「……。」
妹「……。」
男「…んー」
妹「…はぁ」
男「……。」ゴロン
妹「……。」
男「……。」
妹「……。」
男「……。」ポリポリ
妹「……。」
86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 01:27:04.49 ID:611GaTsa0
ピピピピピピピピピピピピピ
妹「ひっ」ビクッ
男「…ん、あー」カチ
妹「……。」
男「…あ?」
妹「おはよう」
男「一つ質問良い?」
妹「どうぞ」
男「なんで毎日起きたら枕元に座ってるの?」
妹「…にいさんを起こしに?」
男「いや聞かれても」
男「というかいつも目覚ましで起きてるんだけど、俺起こされてないよね?」
87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 01:32:05.44 ID:611GaTsa0
妹「お母さんと二人で話すのは緊張するの」
男「親子なのに」
妹「設定はね」
男「設定とか言うな」
男「しかもお前、母さんとは仲良いだろ」
妹「じゃあ、にいさんの監視のためです」
男「じゃあって…まあ良いや」
妹「目覚ましってビクッとする」
男「さいですか」
妹「捨てていい?」
男「ダメ」
妹「残念」
男「目覚まし嫌なら俺の部屋来るなよ…」
88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 01:39:56.64 ID:611GaTsa0
一階
男「はよー」
母「おはよう、ご飯出来てるよ」
妹「おはよー」
母「あら、今日も一緒に起きてきたわね」
男「なんか起きたら毎朝こいつ俺の部屋にいてえっ!」
母「なに突然大声出してるのよ」
男「イタいイタい妹さん足踏んでる」
妹「ごめん気が付かなかった」
男「気を付けてください」
妹「善処します」
母「…仲が良いわね」
89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 01:46:40.13 ID:611GaTsa0
母「ほら、早くご飯食べないと新学期早々に学校遅刻するわよ」
男「それは困る」
妹「にいさんがトロいから」
男「いやいやお前が足踏んでるから…」
母「まったく誰に似たのかしらね」
妹「私じゃないことは確か」
母「私でもないわよ」
妹「突然変異?」
母「ならしょうがないか」
母、妹「ねー」
男「やっぱりあんたら仲良いじゃん」
妹「早くご飯食べる」
男「はい…」
90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 01:52:29.18 ID:611GaTsa0
妹「にいさん」
男「ん?」
妹「ん」
男「ん?」
妹「ん」
男「ん?」
バシッ
男「いてえ!」
妹「分かってる癖に」
男「好き嫌いはよくないぞ」
妹「梅干しはどうしても無理」
男「じゃあ残せよ」
妹「残すのは梅干し職人さんに失礼」
男「じゃあ食べろよ…あと梅干し職人って誰だ」
91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 01:58:54.69 ID:611GaTsa0
男「着替えは?」
妹「出来た」
男「忘れ物は?」
妹「ない、はず」
男「よし、じゃあ行くぞ」
妹「あ、ちょっと待って」
男「なんだ?」
妹「歯磨きをしてない」
男「良いだろそんなん」
妹「でも」
男「はい、いってきます」
母「いってらっしゃい」
妹「うー…いってきます」
92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 02:14:47.71 ID:611GaTsa0
通学路
男「妹が来てからもう二週間か」
妹「そうだね」
男「ちょっとは生活に慣れたか?」
妹「うん、私の生活見てておかしいところある?」
男「まあ無いと言えば嘘になるけど、概ね及第点」
妹「お、おかしいところあるんだ…」
男「世間一般の妹はそんな四六時中兄の後ろをついて回ったりはしないと思う」
妹「しょ、しょうがないじゃない!にいさんを見ていろいろ勉強しないといけないんだから!」
男「まあそうだけど」
妹「勘違いしないでよね、誰が好き好んでにいさんと一緒になんか――」
男「分かった分かった」
101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 11:35:41.82 ID:Qt3QMnY90
男「まあ、思いのほか馴染めてて安心したよ」
妹「私って器用だから」
男「否定はしない」
妹「えへへ」
男「となると、問題はこれからだよな」
妹「そうだね」
男「学校、どうしようか」
妹「たぶんサンタの力で大丈夫だと思うけど」
男「もともと妹が居たことになってるはず?」
妹「はず」
男「全員の記憶を操作して?」
妹「して」
男「つくづく恐ろしいことだな…」
102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 11:43:00.91 ID:Qt3QMnY90
男「で、妹の学年は中学三年生で良いんだな?」
妹「なんで?」
男「いや確認」
妹「中学三年生で大丈夫だよ」
男「それは誰が決めたんだ?」
妹「気分」
男「誰の?」
妹「私の」
男「大丈夫なのかおい…」
妹「なにか問題でもあるかな」
男「まあ一つ言っとくと、お前の見た目は中三には見えない」
妹「え、どれくらいに見えるの?」
男「…小学生?」
104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 11:48:54.31 ID:Qt3QMnY90
妹「それは私の責任じゃない」
男「うん、まあそうだけど」
妹「たぶん、私の容姿はにいさんの意向が反映されてるはずだけど」
男「へ、へえ…」
妹「……。」
男「……。」
妹「…ロリコ」男「分かった中三で良いよ」
妹「分かれば良い」
男「…これって好感度下がってます?」
妹「下がるほど好感度があるとでも?」
男「……。」
105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 11:56:02.38 ID:Qt3QMnY90
妹「…冗談だよ」
男「え?」
妹「まあ部屋にあったいかがわしい本も捨ててくれたみたいだし」
男「あ、うん」
妹「にいさん、思ったよりも普通の人だったし」
男「それって褒めてるのか、けなしてるのか」
妹「褒めてはいない」
男「あ、うん」
妹「それに…」
男「ん?」
妹「約束したとおりに私のこと、だ、大事にしてくれてるし…」
男「…あはは」
妹「だから、この容姿については許してあげる」
107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 12:04:30.30 ID:Qt3QMnY90
男「ありがと」
妹「体は子供、頭脳は大人」
男「中三はまだ大人じゃない」
妹「うるさい」
男「いたっ」
妹「もお、やっぱり許さない」
男「理不尽な…お、着いたぞ」
妹「中学校?」
男「そう、俺が通ってた中学校」
妹「よ、よおし…」
男「…ほんとに大丈夫なんだよな?」
妹「たぶん」
男「なら良いんだけど」
108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 12:11:05.59 ID:Qt3QMnY90
男「じゃあ俺は高校行くから」
妹「うん…」
男「また迎えに来るからさ」
妹「い、いらないからそんなの!」
男「はは、そっか」
妹「早く行けば?」
男「はいはい」
妹「…じゃあね、にいさん」
男「おう、頑張れよ」
妹「言われなくてもー」
男「じゃあな」
109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 12:30:58.61 ID:Qt3QMnY90
男「…とまあ送り出したのは良いんだけど」
男「…不安だ」
男友「何が不安だって?」
男「いや、なんでもない」
男友「いやいや言ってたべ」
男「空耳じゃない?」
男友「…かなぁ」
女「おはよー!」
男友「おっす」
男「はよー」
女「ねえねえ男君」
男「ん、なに?」
女「今日の朝、妹さんと歩いてたよね?」
男「ぶっ」
111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 13:30:19.10 ID:mtaRcda20
男友「おー、噂の小さい妹さん!」
男「なんだよ噂のって」
男友「中学生には見えない見た目だという、マニア必見の」
男「殴られたいのかお前」
女「最低」
男友「やめてそんな目で見ないで」
男(…ちゃんと妹いることになってるんだな)
男友「良いなー、俺も妹さん見たいなー」
女「いつも一緒に学校行ってるの?」
男「いやそういうわけじゃ」
男友「中学校って方向違うじゃん」
男「まあそうだけど」
112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 13:39:32.93 ID:mtaRcda20
男友「あ、もしかして不安って妹さんのことか?」
女「なんのこと?」
男「いや、まあ…」
男友「なんか朝からずっと悩んでるのよ、こいつ」
女「へえ、相談なら乗るよ男君」
男「いやいやなんもないから」
女「ふーん…まあ妹さん可愛いから不安になる気持ちも分かるけど」
男「え、なになんか誤解してない?」
男友「このシスコン」
男「断じて違う」
113:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 13:49:24.17 ID:mtaRcda20
放課後
男「…って、こんな校門で妹を待ってる兄なんて普通じゃ考えられないわな」
妹「なに言ってんの?」
男「うわびっくりした」
妹友「…お兄ちゃん?」
妹「あ、うん。出来損ないの」
男「酷い紹介だなおい」
妹友「こんにちはー」
男「こんにちは」
妹友「じゃあまた明日ね」
男「一緒に帰るんじゃなかったの?」
妹友「大丈夫ですよー、じゃあね妹」
妹「うん、ばいばいー」
117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 17:44:19.76 ID:mppOKPi20
妹「来なくていいって言ったのに」
男「いやいや心配だったし。でもまあ大丈夫そうだな」
妹「当たり前じゃない、心配することなんてないし」
男「不安そうな顔してたくせに」
妹「うっさい」
男「友達も出来たみたいだしな」
妹「……。」
男「ん、どした?」
妹「…なんでもない」
男「……?」
妹「帰ろう、にいさん」
男「ああ」
118:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 17:51:54.74 ID:mppOKPi20
男「どうしたんだよ妹」
妹「…今日突然友達が出来るわけないじゃん」
男「ん…ああ、そっか。記憶操作で前から友達だったってことか」
妹「そう、友達っていう設定」
男「設定言うな」
妹「にいさんも言ってることは同じでしょ」
男「まあそうだけど」
妹「……。」
男「なんかあったのか?」
妹「なんにもないよ」
男「嘘つけよ」
妹「にいさんには」
男「……?」
妹「にいさんには…分からないこと」
119:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 18:24:17.41 ID:mppOKPi20
男部屋
男「……。」
妹「……。」
男「……。」
妹「……。」
男「あのー」
妹「なに」
男「自分の部屋行けば?」
妹「……。」
男「無視ですか」
妹「……。」
男「どうした、さっきから」
妹「なんでもない」
男「そっか」
120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 18:30:11.59 ID:mppOKPi20
男「まあ、言いたくないなら言わなくて良いけど」
妹「……。」
男「でも俺、一応お前の兄だからさ」
男「困ってることあったら、何でも聞くから」
妹「……。」
男「頼りないかも、知れないけどさ」
妹「…自覚はしてるんだ」
男「はは、妹が出来てはじめて分かったこと」
妹「…あのさ」
男「ん?」
妹「私の好きな食べ物って知ってる?」
123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 18:35:21.86 ID:mppOKPi20
男「嫌いな食べ物なら知ってるが」
妹「あはは、そうだね」
男「結構お前なんでも美味しそうに食べるよな」
妹「そんなところ観察しないでよ」
男「ごめんなさい、で?」
妹「私ね、甘い卵焼きとメロンが大好きなんだってさ」
男「…なんで他人事?」
妹「今日、学校の子が言ってた」
男「……。」
妹「私、メロンなんか食べたことないのに」
男「記憶操作、な」
妹「…ん」
124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 18:42:26.43 ID:mppOKPi20
妹「今日にいさんが校門で話した子」
男「おっとりしてる子な」
妹「朝私が教室に入ったら真っ先に話しかけてきたの」
妹「私の友達」
妹「怖いよね、私にとっては初対面なのに」
男「……。」
妹「あの子だけじゃなくて」
妹「教室にいる子みんなが私を知ってるんだ」
妹「私が知らない私を」
男「……。」
妹「怖かった」
妹「みんなの話してる私って誰なんだろうって」
妹「まわりの子がみんな怖かったんだ」
126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 19:44:30.56 ID:AhjYhJn60
男「……。」
妹「私の部屋もさ」
男「うん」
妹「すごい女の子らしい部屋で、確かに私の好きそうな物がたくさん置いてあるんだけどね」
妹「それを置いたのは私じゃない」
妹「私の知らない、誰かだから」
妹「そう考えたら凄く気持ち悪くなっちゃって」
男「…だから、いつも俺の部屋にいるのか」
妹「しょうがないんだけどね」
妹「だって私、生まれてまだ二週間だし」
妹「全部『作り物』の妹だもんね」
妹「分かってるんだけど、なんか悲しくなっちゃって」
男「……。」
127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 19:51:12.27 ID:AhjYhJn60
妹「ごめん、しょうがないことなんだけど」
男「……。」
妹「にいさん、相談してくれなんて言うから」
男「……。」
妹「あはは、こんなこと言われても困るよね」
男「……。」
妹「ごめんなさい、大丈夫だから」
男「……。」
妹「すぐ慣れるよ、きっと」
妹「それに」
妹「たった一年我慢すれば良いことだから」
男「……。」
妹「…ね、にいさん」
男「妹」
128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 19:56:09.09 ID:AhjYhJn60
妹「え?」
グイッ
妹「え、なに?…きゃッ!」
男「行くぞ」
妹「行くって、え、私の部屋…」
バンッ
男「おーおー、綺麗な部屋だこと」
男「でも」
男「この部屋は暖かくない」
ガンッ
妹「え、なにして…」
129:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 20:10:31.35 ID:AhjYhJn60
男「これも、これも」
ポイッポイッ
男「こんな物使ってる妹なんか、知らないなぁ」
妹「……。」
男「これもこれもこれもこれも」
ポイッポイッ
男「全部、全部いらないよな」
妹「…にいさん」
母「ちょっと、何してるのよ!」
男「ああ、母さん。ちょうど頼みたいことがあったんだ」
男「お小遣い前借りして良いかな、一年分」
母「い、一年ってあんたなに言って…」
男「ちょっとね、買いたいものがあるんだ」
妹「……。」
男「だから、お願い」
131:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 20:26:19.28 ID:AhjYhJn60
母「……。」
男「妹」
妹「……。」
男「自分は作り物だとかさ、一年我慢すれば良いとかさ…そんなこと、言うなよ」
妹「……。」
男「お前は、俺のわがままから生まれちゃったかもしれないけど」
男「お前が苦しんでるのは、全部俺のせいだけど…」
男「俺に出来ることなんて、お前を大事にするくらいしかないけど」
男「でも、お前を悲しませることだけは、したくないから」
妹「…にいさん」
132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 20:28:35.85 ID:AhjYhJn60
男「お前に出来ることはなんだってやるよ」
男「好きなことも、嫌いなことも、全部教えてくれ」
男「思い出をたくさん作ろう」
男「お前のことは、全部俺が覚えてやる」
男「今はなにも知らないけど」
男「でも、俺はお前の兄だから」
男「お前は、俺の妹だから」
男「わがままの責任は、全部俺の物だから」
男「だから、妹は、悲しまないで」
妹「……。」
133:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 20:36:03.40 ID:AhjYhJn60
男「作り物の記憶は、しょうがないけどさ…」
男「でも、妹はちゃんとここにいる」
男「これからのことは、ちゃんとみんなの記憶に残るから」
男「すぐにみんな、本当のお前のことも知っていくよ」
妹「…いよ」
男「それに俺は、ありのままの妹を見てる」
男「はは、俺にはなんも記憶がないからさ」
男「俺は、本当のお前しか知らないから」
男「だから」
妹「もういいよ、にいさん」
男「…ん」
141:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 23:36:44.43 ID:9ohrA3YE0
妹「もう分かったから、十分伝わったよ」
男「…はは」
妹「分かったから」
男「ん」
妹「…にいさん」
男「じゃあ、買い物に行こっか」
妹「……。」
男「この部屋、お前の物でいっぱいにしようぜ」
妹「…でも」
男「返事は?」
妹「…うー」
男「返事」
妹「…はいな」
142:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 23:41:35.52 ID:9ohrA3YE0
母「待ちなさいよ、男」
男「…母さん」
母「ほら、一年分」
男「…ありがとう」
母「暗くなる前に帰ってきなさいよ」
男「はい」
妹「お母さん、ありがとう」
母「妹」
妹「はい」
母「あんたがどう思ってても、私はあなたの『母さん』だからね」
妹「…うん!」
母「兄ちゃんじゃ頼りないときは私に相談しなさい」
妹「うん!」
143:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 23:44:49.16 ID:cY+PZ6kW0
母ちゃんも気づいてる?
気のせいか
144:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 23:53:23.16 ID:BKcCYOkH0
こういう時の母ちゃんの鋭さは異常
145:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/27(月) 23:57:38.87 ID:9ohrA3YE0
男「…母さん、なにも言わなかったな」
妹「そうだね」
男「きっと言ってること分からなかったよな」
妹「私ね」
男「うん」
妹「はじめて、私のお母さんだなって実感した」
男「いつだって俺達の母さんだったよ」
妹「うん、もう大丈夫」
男「学校も大丈夫か」
妹「うん」
男「ほんとに?」
妹「みんなに私のことを、認めさせてやる」
男「…頼もしいな」
146:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 00:02:54.46 ID:8Xk9Gvvo0
男「ところで」
妹「うん?」
男「俺は、お前の兄になれてるか?」
妹「…うーん」
男「…な、悩んでる」
妹「少しは、頼りがいが出て来たかな」
男「…兄への道は険しいな」
妹「にいさん」
男「な、なんでしょう」
妹「ありがとう」
男「…ん」
147:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 00:08:56.25 ID:8Xk9Gvvo0
妹「商店街まで競争しよ」
男「なんだよ突然」
妹「いいからー」
男「俺としては荷物持ちの体力を残して…って聞けよ」
妹「はやくー」
男「…しょうがない」
タッタッタッ
妹「…にいさんは、はじめから私のにいさんだったよ」
男「は、速い…なんか言ったか?」
妹「なんにも」
男「そっか」
妹「にいさん、遅い」
男「すいません…」
妹「そんなんじゃ、お兄ちゃんになるにはまだまだなんだから」
149:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 00:12:07.58 ID:8Xk9Gvvo0
男「お兄ちゃん?」
妹「…ふん」
男「…まあ、いっか」
妹「にいさん、遅い」
男「勘弁してください」
妹「あはは」
妹が『妹』になるまで おわり
152:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 00:26:05.15 ID:BG/eC5970
乙!きれいに終わったかな。
159:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 01:07:57.70 ID:8Xk9Gvvo0
第三話
男友「妹さん見せてくれよー」
男「見たいなら勝手に見に行けよ」
男友「そんなストーカーみたいなことは出来ない」
男「天性のストーカーがなに言ってんだ」
男友「なにその大勢に誤解を与える冗談」
女「最低」
男友「ほら見ろさっそく一人釣られてやがる…」
男「冗談なことくらい分かってるって、なあ女」
女「え、うん」スッ
男友「一歩引きましたけどこの人、俺から少し離れましたけど」
162:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 01:12:45.91 ID:8Xk9Gvvo0
女「でも、近いうちに妹さん見れるかもよ?」
男友「え?」
女「妹さん中学三年生でしょ?この高校受験したりとか」
男友「おー…おー!」
男「そうか、あいつ今受験生なのか…」
女「お兄さんなに言ってるんですか」
男友「妹さんどこ受けるんだ?」
男「え、聞いてない」
男(というかあいつ自分が受験生だって気付いてるかな…)
女「聞いてみてよ、ね?」
男「うん、分かった」
妹の受験
165:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 01:36:52.37 ID:8Xk9Gvvo0
妹「にいさん、次の巻取って」
男「……。」
妹「にいさーん?」
男「一つ質問良い?」
妹「なにさ」
男「なんで引き続き毎日俺の部屋にいるのでしょうか」
妹「この部屋マンガがたくさんあるんだもん」
男「部屋に持ってって良いよ」
妹「わざわざ次の巻取りに来るのめんどくさいじゃん」
男「全部持ってって良いよ」
妹「重いー」
男「俺が持ってってやるよ」
妹「…んーと」
168:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 01:46:33.91 ID:8Xk9Gvvo0
男「……。」
妹「ほら、二人で同じ部屋にいる方が暖かいでしょ」
男「……。」
妹「まだ冬まっただなかなんだし」
男「妹、まだ自分の部屋が苦手?」
妹「そんなことはないよ!」
男「なら良いんだけど」
妹「ずっと部屋にこもってたいくらいだよ、それくらい気に入ってます」
男「こもっても構わないんだぞ?」
妹「う…」
男「う?」
妹「…バカ!」
バタン
男「…え?」
169:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 01:56:07.12 ID:8Xk9Gvvo0
コンコン
男「妹ー?」
妹「……。」
男「俺の部屋で読んでいいぞー?」
妹「……。」
男「別に嫌なわけじゃないからなー」
妹「…いいもん、私自分の部屋気に入ってるし」
男「あー…困ったな」
男「あ、そういえば聞きたいことあったんだ」
妹「……。」
男「俺の部屋で話そうぜ」
妹「……。」
ガチャ
妹「…しょうがないからにいさんの部屋に行ってあげる、しょうがなくだからね」
男「はは、ありがと」
173:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 02:05:05.18 ID:8Xk9Gvvo0
妹「…受験?」
男「やっぱり気付いてなかったか…」
妹「そっか、私って受験生…」
男「いや、早目に気付いて良かった」
妹「受験まであとどれくらい?」
男「…二ヶ月ないくらいかな」
妹「早目?」
男「いや、早くないなごめん」
妹「…うー」
男「あー、泣くな泣くな」
妹「な、泣かないし、バカ」
174:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 02:09:38.02 ID:8Xk9Gvvo0
男「妹って頭良いのか?」
妹「…ん?」
男「授業とかどれくらい理解してる?」
妹「…ん?」
男「三角形の合同の条件は?」
妹「…ん?」
男「……。」
妹「…合同って?」
男「そこからっ!?」
妹「…ん?」
男「マジかよおい…」
175:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 02:46:10.72 ID:8Xk9Gvvo0
妹「だってしょうがないじゃん…」
男「あー、大丈夫誰も責めてない」
妹「数学はちょっと苦手なだけだもん」
男「さいですか」
妹「あ、でも英語はペラペラだよ」
男「え?」
妹「You still have lots more to work on」
男「ほんとだ、発音が英語を話せる人っぽい」
妹「えへへ」
男「でも何故テニプリ」
妹「今読んでたから」
男「…なんで英語は大丈夫なんだ?」
妹「…サンタは全世界を飛び回ってるから?」
男「理由になってない」
176:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 02:52:17.57 ID:8Xk9Gvvo0
男「まあ良いや、出来るなら問題ない」
妹「あと、国語と社会も得意みたい」
男「ほう、なんでだ?」
妹「一般常識としてかな」
男「歴史とか?」
妹「そう、漢文とかも大丈夫」
男「全然一般常識ではない気がするけど、つっこむのはやめとこう」
男「てことは、苦手なのは数学と理科?」
妹「……。」
男「ん?」
妹「…ちょっとだけだもん」
男「その変に高いプライドはなんなんだ…」
177:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 03:00:08.80 ID:8Xk9Gvvo0
男「まあでもそれなら普通に高校行けるレベルか」
妹「…そうなの?」
男「数学と理科が苦手な人なんてたくさんいるだろうし」
妹「にいさんの高校には?」
男「…え?」
妹「私、にいさんの高校には行ける?」
男「…きついかなー」
妹「…なんで?」
男「一応、俺の高校ここら辺でトップだし」
妹「にいさん、頭良かったんだ…」
男「それなりには」
妹「……。」
男「なんだその目は」
178:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 03:07:26.70 ID:8Xk9Gvvo0
男「まあ高校なんて行ければどこでも良いよ」
妹「…うん」
男「なんか俺の友達が妹さんを是非うちの高校にとか言ってたけど」
妹「な、なんで?」
男「いや、気にしなくて良い」
妹「……?」
男「ほんとになんでもない…」
妹「にいさんは?」
男「ん?」
妹「にいさんは、私に同じ高校に来てほしい?」
187:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 05:30:52.68 ID:Po7VkSCb0
妹が段々と兄に心を許していってる感じが良いね
193:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 12:02:40.60 ID:D6Nw6WXf0
男「俺は…」
妹「うん」
男「…来て欲しくないことも、なくはない」
妹「……。」
男「あれ、これだと来てほしくないことになっちゃうな」
妹「どっちなのさ」
男「そりゃあ、妹が同じ高校ならうれしいけど」
妹「…そっか」
男「でも、さっき言ったみたいに高校なんてどこでも…妹?」
妹「ん、にいさんのその言葉が聞けただけで良い」
男「マンガ読んでかないのか?」
妹「しばらく、にいさんの部屋からはお別れ」
妹「わたし、しばらく受験生になります」
194:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 12:08:36.05 ID:D6Nw6WXf0
男「…ん」
妹「目標は、にいさんと同じ高校」
男「……。」
妹「待ってて、にいさん」
男「…無理、すんなよ?」
妹「大丈夫!」
ガチャ
妹「わたしをなめるな」
男「…おう」
妹「えへへ、じゃあ」
男「頑張れよ」
妹「はいな」
バタン
男「……。」
男「まあ、俺の高校そんな甘くないけどな…」
197:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 12:19:37.87 ID:D6Nw6WXf0
女「じゃあ、妹さんこの高校受験するんだ!」
男「まだ受験するかは分からないけど、目指すとは言ってた」
男友「目指すって…もう二ヶ月切ってるだろ」
男「そこはまあ、いろいろ事情がありまして」
女「来れるといいなー」
男「どうだろ、この高校ってここらで一番難しいからなー」
女「大丈夫だよ、男友でも合格したんだし」
男「…なるほど」
男友「なんだこれ…なんだ俺の扱いは」
199:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 13:22:34.80 ID:eP6eDpXr0
男「なんか急に妹は合格するんじゃないかと思ってきた」
女「でしょう?」
男友「……。」
男「そうだよ、実は簡単なんじゃないか?」
女「そうそう!」
男「そうだよな、俺の妹だもんな」
女「そうだ、男君の妹だー!」
男「むしろ余裕で合格する」
女「そうだ、男友を見るんだー!」
男友「……。」
男「ははは、余裕余裕」
女「わはははははー!」
200:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 13:27:40.69 ID:eP6eDpXr0
男「…そんなわけなかった」
妹「…うー」
男「……。」
妹「台形の面積を求める公式…」
男「……。」
妹「…台形って何?」
男「そこからっ!?」
妹「わ、わたしゆとり世代なもので…」
男「もう悲しいくらいに関係ない」
妹「うー…」
201:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 13:39:16.04 ID:eP6eDpXr0
男「妹、三角形の角度の合計は?」
妹「さんかく…?さん、さん…」
妹「さんじゅう…」
男「はいその時点で違う」
妹「……。」
男「…数学はこのレベルか」
妹「め、面目ないです」
男「理科は?」
妹「……。」
男「…はぁ」
妹「がんばります、がんばりますので」
男「テンパりすぎてキャラ変わってるぞ、妹」
202:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 13:48:58.16 ID:eP6eDpXr0
男「ま、気長にな」
妹「……。」
男「焦らず行けば良いから」
妹「そんな時間、ないの分かってる癖に」
男「…妹」
妹「もっと、もっと私に時間があれば良いのに」
男「…ごめんな」
妹「にいさんのせいじゃないよ」
男「……。」
妹「見てて、にいさん」
妹「私、絶対にいさんと同じ高校に行くから」
男「頑張れ」
妹「うん」
203:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 13:50:18.22 ID:V91bhuxZ0
サンタ…そのくらい教えてやれよ
207:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 14:17:36.78 ID:eP6eDpXr0
女「で、毎日頑張ってると」
男「おう、最近は部屋にこもりっきりだな」
男友「私立はどこ受けるんだ?」
男「私立?」
男友「滑り止め」
男「たぶん受けないのかな?」
女「え、すごいね」
男「まあ、そんなことする前にやることがあるというか…」
男友「落ちたら浪人?」
男「そうなるな」
男友「すごいな…」
男「落ちないよ、妹は」
女「おー」
男「…と、信じたい」
女「あらら」
208:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 14:24:53.34 ID:eP6eDpXr0
母「今日も頑張ってるわね、妹」
男「だな」
母「もう晩御飯の時間なんだけど」
男「きっと集中してるんだよ」
母「まったく…ちょっと呼んできてよ男」
男「邪魔しないほうが良いんじゃないか?」
母「だーめ、ご飯はちゃんと食べないと」
母「美味しいご飯を食べさせること、それが母さんに出来る唯一の応援なんだから」
男「ははは、なるほど」
母「だからお願い」
男「はいはい」
213:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 14:46:14.41 ID:bUOUxePo0
コンコン
男「妹ー、ご飯だぞ」
男「休憩しようぜー」
男「……。」
男「…ん、トイレかな」
男「妹、入るぞー」
ガチャ
妹「……。」カリカリ
男「なんだ、ちゃんといるんじゃん」
妹「……。」カリカリ
男「妹、晩御飯食べよう」
妹「…むー」カリカリ
男「…すごい集中だな」
216:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 14:54:14.22 ID:bUOUxePo0
妹「……。」カリカリ
男「……。」
妹「…うー」カリカリ
男「…はは、やっぱり邪魔しないほうが良いな」
男「頑張れよ、妹」ポンッ
妹「ひゃあッ!」
男「おわっ」
妹「あ、集中切れたぁ…」
男「わ、悪い悪い」
妹「あ、にいさん…どうかしたの?」
男「晩御飯の時間だぞ」
妹「んー、あとで食べるって言っといて」
男「了解」
220:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 15:13:27.58 ID:QAb+8ncn0
母「妹は?」
男「あとで食べるって」
母「もう、しょうがないわね」
男「勉強頑張ってたよ」
母「そう、一体誰に似たのかしら」
男「俺ではないと思う」
母「あら、男に似てると思うけど」
男「そうなの?」
母「うん」
男「まあ、兄妹だから」
母「そうね」
母「…ちゃんと妹のこと見ててね、男」
男「ん?」
母「あの子、頑張りすぎちゃうところがあるから」
男「はは、かもな」
225:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 15:31:24.36 ID:TrntR+0a0
女「受験まであと一ヶ月くらい?」
男「そうだな、一ヶ月切ったくらいかな」
女「妹さん、頑張ってる?」
男「おう、凄いぞあれは」
女「私も応援してるからね!妹さんにそう言っといてね!」
男「おう、分かった」
男友「妹さんの受験も気になりますがー!」
男友「今日は一大イベントの日でもあるのだよ、女さん!」
女「…あー」
男友「そう!2月14日はバレンタインデー!」
男友「そう!う゛ぁれんたいんでい!」
女「はい男君、チョコレート♪」
男「あ、ありがとう」
男友「女さん一人忘れてますよー!ねえ!ねえ!」
226:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 16:03:45.08 ID:PYKkh/ly0
女「妹さんからはチョコレートもらわないの?」
男「いや、それどころじゃないだろ」
女「ふふふ、女の子をなめちゃだめだよ、男君」
男「はは、まあお返しは期待しといてください」
女「お、分かってますねー」
男友「……。」
男「あー、かなりリアルに落ち込んでるから、あいつにもどうか恵んでやってください」
女「しょうがないなぁ、はい男友にも」
男友「…ありがどー」
女「泣くな泣くな」
227:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 16:23:21.42 ID:/kEfDWi/0
男「ただいまーっと」
男「…妹は自分の部屋か」
男「がんばれー」ボソ
ガチャ
男「あと一ヶ月か」
男「…ん?」
男「机の上に…チョコレート?」
カサッ
『感謝しなさいよね』
男「……。」パク
男「…甘」
男「こんなん作ってる暇あったら勉強しろっての」
男「……。」パク
男「…うまい」
229:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 16:25:48.68 ID:zIMUtYks0
こんな妹ほしかった
230:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 16:37:56.42 ID:/kEfDWi/0
男「お、妹の…」
妹友「こんにちはー」
男「今から帰るところ?」
妹友「いえ、塾に行くところです」
男「あー、勉強頑張ってるんだ」
妹友「はい、妹ほどじゃないですけど」
男「あいつ家でもずっと部屋で勉強してるからな」
妹友「知ってます、学校でも机から離れませんよー」
男「だろうな…」
妹友「分からないところはすぐ私に聞いてきますし」
男「迷惑かけて悪いな」
妹友「いえいえ!」
妹友「頼ってもらえて嬉しいんです」
妹友「私、妹の友達ですからー」
男「ありがとうな」
232:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 17:29:21.82 ID:rG6iBg0AO
なんで俺にはこういう妹がいないの?
233:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 17:32:26.33 ID:/kEfDWi/0
男「妹友さんはどこの高校狙ってるの?」
妹友「妹と同じ高校ですー」
男「てことは…」
妹友「はい、お兄ちゃんと同じ高校ですよ」
男「そうだね…って、お兄ちゃん?」
妹友「お兄ちゃんって呼んじゃダメですか…?」
男「いや、ばっちこい」
妹友「よかったー」
男「…妹になんか言われそうだけど」
妹友「どうかしましたかー?」
男「いや、なにも」
235:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 18:03:43.68 ID:cPZfLbaL0
男「妹は、高校に受かりそうかな」
妹友「…えっとー」
男「あ、思ってること言えば良いよ」
妹友「…数学がですねー」
男「ですよね」
妹友「でも妹、英語とか国語とかは誰よりも良いくらいなんですよ」
男「あ、そうなんだ」
妹友「それに、数学と理科もどんどん力をつけていますから」
男「妹友さんは優しいね」
妹友「いえいえ本当のことですよー」
妹友「ただ…」
男「ん?」
236:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 18:09:27.19 ID:cPZfLbaL0
妹友「妹、頑張りすぎちゃってるから、心配です」
男「あー、うん」
妹友「お兄ちゃん、妹のことをちゃんと見てあげてください」
男「気をつけるよ」
妹友「妹、どうしてもお兄ちゃんと同じ高校に行きたいみたいですから」
男「……。」
妹友「じゃあ、塾に遅れちゃうのでー」
男「あ、ごめんね」
妹友「いえいえー、妹のことよろしくお願いします」
男「任せといて」
妹友「はい」
男「妹友さんも頑張ってね」
妹友「がんばりますー!」
男「妹と二人で来るのを、高校で待ってるよ」
妹友「ぜひぜひ、待っててくださいー」
255:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 00:17:40.19 ID:uL2cq/aa0
男「妹友さんも妹と同じ高校を狙ってるのか」
男「優しい子だったな…」
男「女も、男友も、妹友さんも、みんな妹のことを気にかけてくれてる」
男「……。」
男「…よし」
男「俺も、出来ることをやらなくちゃ」
257:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 00:25:21.84 ID:uL2cq/aa0
母「良いの?男と同じ高校で希望出すわよ?」
妹「…うん、大丈夫」
母「これでもう変えられないからね?」
妹「うん」
母「…よし、じゃあこれを明日学校に出しなさい」
妹「はい」
男「あと、20日くらいか」
妹「き、緊張させるようなこと言わないでよ」
男「悪い悪い」
妹「じゃあ私、勉強してくるから」
母「無理しすぎちゃダメよ?」
妹「無理するくらいじゃないと合格しないのー」
タッタッタッ
母「…困ったものね」
258:保守申し訳ない、限界まで書く:2010/12/29(水) 00:32:32.76 ID:uL2cq/aa0
コンコン
男「妹、入るぞ」
妹「良いよー」
ガチャ
男「…うわ、部屋がプリントだらけ」
妹「ごめん、散らかっちゃってるね」
男「片付けようか?」
妹「いいよ、そのままで。なんか恥ずかしいな…」
男「いや、俺の受験のときも似たようなもんだったよ」
妹「そうなんだ」
男「って、そんな話をしにきたんじゃなくて」
259:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 00:44:22.89 ID:uL2cq/aa0
妹「どうかしたの?」
男「妹、最近無理し過ぎだぞ。みんな心配してる」
妹「えへへ、頑張ってるでしょ私」
男「褒めてない」
妹「…はぁい」
男「母さんも俺の友達も、妹友さんだって心配してたぞ」
妹「…分かってるけどぉ」
男「無理して体壊したら元も子もないんだからな」
妹「でも、それくらいしないと…」
男「受からないってか?」
妹「うん」
男「もう十分頑張ってると思うけどな」
妹「絶対に、にいさんと同じ高校に行きたいから」
男「……。」
260:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 00:57:37.77 ID:uL2cq/aa0
妹「その為ならこれくらいの勉強なんて、へでもないよ」
男「…はぁ」
妹「だからもう少し頑張らせて?」
男「…無理すんなって言っても聞かないんだな?」
妹「にいさんに言われても、これだけは」
男「そっか」
妹「ごめんね?」
男「まったくだ、そのおかげで…」
ドサッ
妹「…え、なに?」
男「過去問三年分、とりあえず解いてみた」
男「それと数学と理科をざっと復習」
妹「…どういうこと?」
男「お前が無理をするなら」
男「俺もそれに、付き合おうかと」
261:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 01:08:47.34 ID:uL2cq/aa0
女「…で、その目の下のクマが出来てるわけですかー」
男「妹が分からないところは、全部俺が教えてやろうかと思って」
男友「すげー…」
男「いや、凄いのは妹。毎日あんだけ勉強してたなんて想像出来なかった」
男友「いやいや、それに付き合うお前も相当凄いって」
女「うんうん」
男「兄として出来ることと言ったら、こうしかないでしょ」
男友「兄貴ってこんなことしないといけないのか…妹いなくて良かった」
女「こんなお兄ちゃんが欲しかったなー」
男「好き勝手言いやがって…」
女「妹さん、絶対受からなきゃだね」
男「ああ、じゃないと困るぞ」
男友「頑張れ、男」
女「頑張ってね」
男「頑張るのは妹だよ、俺は勝手に付き合ってるだけ」
263:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 01:14:03.02 ID:uL2cq/aa0
女「妹さんが合格したら盛大に祝うからね」
男友「そういうことは任せろ」
男「はは、妹に言っとくよ」
女「期待しといて!」
男「ん…じゃあ俺は」
男友「うおっと」
男「体力回復に…努めます」
女「ありゃりゃ」
男友「しょうがねえな」
女「おやすみ、男君」
男友「授業ノートは任せとけ」
男「…Zzz」
264:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 01:21:32.96 ID:uL2cq/aa0
男「違うだろ、ここは補助線を一本引くだけで途端にわかりやすくなるんだよ」
妹「…あー」
男「違う、公式くらい覚えとけって」
妹「…いー」
男「違う、お前は新傾向問題の考え方が根本的に分かってない!」
妹「…うー」
男「ほら、次」
妹「にいさん、思ったよりもスパルタ…」
男「心を鬼にして、やるからには徹底的じゃないと」
妹「なるほど…」
男「はいそこも違う」
妹「うがー…」
266:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 01:28:31.98 ID:uL2cq/aa0
男「まったく」
妹「…えへへ」
男「なに怒られてるのにニヤついてるんだよ」
妹「に、にやけてなんかないし、バカ!」
男「いてえ!シャーペン刺すなよ」
妹「…なんか、にいさんとこんなに長い時間一緒にいるの久し振りだなぁって思っただけ」
男「また、受験が終わったらいつでも俺の部屋に来いよ」
妹「…うん」
男「そのためにも、今は勉強」
妹「はぁい」
男「まだまだいけるか?」
妹「誰に聞いてるのさ」
男「じゃあ次はこの問題」
妹「はいな!」
268:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 01:32:46.51 ID:uL2cq/aa0
数分後
男「だから違うって言ってんだろーが!」
妹「ひいぃ!」
男「やる気あんのかお前!」
妹「がんばります、がんばりますので!」
母「…あとで、コーヒーでも持って行ってあげよう」
270:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 01:49:32.57 ID:uL2cq/aa0
受験前日
男「…なんとか、ぎりぎり間に合ったか」
妹「……。」
男「あとは、過去問を解いてみて今日は寝るぞ」
妹「…詰め込み過ぎで、頭痛い」
男「よく頑張ったよ」
妹「うん…コホッ」
男「おい、大丈夫か?」
妹「大丈夫大丈夫、じゃあ過去問やってみるよ」
男「いや、大事を取って今日は寝よう」
妹「え、無理ー」
男「体調崩したら元も子もないって言ったろ?」
妹「でも、こんなんじゃあ不安で寝れないー」
男「だーめ」
271:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 01:54:06.69 ID:uL2cq/aa0
男「お前が寝るまで部屋出てかないからな」
妹「うー…」
男「ほら、布団の中入れ」
妹「……。」モゾモゾ
男「はい、目をつぶって羊数えてさっさと寝る」
妹「無理言うなー」
男「横になってるだけでもだいぶ違うから」
妹「…はぁい」
男「そうそう」
妹「……。」
男「……。」
妹「…にいさん」
男「なんだ?」
妹「…手、握っていい?」
272:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 01:57:53.23 ID:uL2cq/aa0
男「手?」
妹「明日のこと考えたら、不安になっちゃって」
男「いいよ、ほら」
妹「ありがと」
ギュ
妹「……。」
男「……。」
妹「…冷たいね」
男「悪かったな」
妹「ううん、気持ちいい」
男「そっか」
妹「にいさんの手、はじめて触った」
男「そうだな」
妹「……。」
男「……。」
273:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 01:58:51.73 ID:mvPJuXa8O
いい
妹かぁいいよ妹
274:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 02:01:25.19 ID:uL2cq/aa0
妹「…にいさん」
男「なんだー」
妹「私、勉強頑張ったよね」
男「そうだな」
妹「私、合格するかな」
男「余計なこと考えてないで寝ろって」
妹「……。」
ギュ
男「…妹?」
妹「私、合格するかな…」
男「……。」
男「するよ、お前は」
275:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 02:09:17.85 ID:+0PvU+Ww0
妹「……。」
男「お前、頑張ったから」
男「それは俺がよく知ってるから」
男「誰よりもお前は頑張ったよ」
男「だから、妹は合格する」
妹「にいさん…」
男「というか俺がここまで協力したんだから合格しないとぶっ飛ばすからな」
妹「…う、プレッシャー」
男「あれ、こう言って欲しいんじゃなかったのか」
妹「…ん、あってるよ」
男「…ん」
妹「にいさんがそう言ってくれたら、私は安心」
妹「えへへ、ありがと、にいさん」
276:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 02:15:02.25 ID:O2Ylojny0
男「お礼は受かってから言え」
妹「受かったらもう一回言うもん」
男「楽しみにしてるよ」
妹「うん、待ってて」
男「合格したら、お祝いしような」
妹「うん」
男「妹友さんも一緒に」
妹「うん」
男「それで、お前が高校生になったらいろんなところに遊びに行こう」
妹「…うん」
男「まだまだお前が知らないものは沢山あるからなー」
妹「…ん」
男「お前がやりたいことは何でもやろう、なんでも俺付き合うから」
妹「……。」
277:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 02:18:51.69 ID:O2Ylojny0
男「まあお金のかかることは出来ないけどな」
妹「……。」
男「…妹?」
妹「……。」スー
男「…寝ちゃったか」
ギュ
妹「…ん…にいさぁん」
ギュ
男「はは、可愛いなあ、こいつ」
男「…よく頑張ったよ、あと少しだからな」
男「…おやすみ、妹」
278:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 02:30:11.92 ID:gqAwGdxJ0
ピピピピピピピピピピ
男「…んあ」カチッ
男「ふあぁ…」
男「…さて、いよいよだな」
男「はは、受けるの俺じゃないのに緊張してきた」
男「自分が受けたときは驚くほど緊張しなかったのにな」
男「…下の階に行くか」
280:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 02:34:59.51 ID:gqAwGdxJ0
男「おはよー」
母「おはよう」
男「あれ、妹はまだか」
母「起こしてあげなさいな」
男「ん、行ってくる」
トットットッ
男「まったく、余裕を持った行動を心掛けないと」
男「妹ー、朝だぞー」
ガチャ
男「起きろー」
妹「…ん、にいさん」
男「ほら、早く顔洗って目を覚ましてこい」
妹「……。」
男「…妹?」
281:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 02:38:59.16 ID:gqAwGdxJ0
妹「……。」
男「お前、顔真っ赤だぞ?」
妹「…気の…せいだよ」
男「おいおいまさか」
ピタッ
妹「…冷たい」
男「……。」
男「母さん!母さんすぐ来て!」
妹「……。」
男「ほら、起きなくて良いから横になれ」
妹「でも」
男「良いから」
妹「……。」
282:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 02:42:57.33 ID:VPsGpVmA0
ま、まさか…?
283:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 02:45:29.90 ID:gqAwGdxJ0
ピピッピピッ
母「…完全に熱があるね」
男「俺のせいだ」
妹「……。」
男「俺が無理させたから…俺が止めなかったから」
母「そんなこと言ってもしょうがないわよ」
妹「…にいさんのせいじゃ…ないよ」
男「おい、起きるなって、寝とけ」
妹「私、試験受けれるよ」
男「無理するなって…」
妹「無理じゃない…コホッ」
妹「私…受けに行かなきゃ」
284:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 02:51:47.52 ID:gqAwGdxJ0
男「そんなこと言っても…」
妹「私、今日の為に勉強してきたから」
妹「これくらいの熱は…覚悟の上…だもん」
男「…嘘つけよ」
妹「ケホッ…ん…」
妹「嘘じゃない」
男「……。」
妹「お願い、行かせて」
母「……。」
妹「私…こんなことじゃ諦められない」
母「……。」
妹「お願いだから…コホッ」
男「…妹」
285:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 02:57:29.68 ID:gqAwGdxJ0
母「……。」
男「…母さん」
母「…確か、別室受験とかあったわよね」
男「母さん?」
妹「…うん」
母「妹、約束して」
母「ダメだと思ったら無理しないでちゃんと先生に言いなさい」
妹「はい」
男「……。」
母「私も学校で、妹が受験終わるの待ってるから」
妹「はい」
母「あと」
母「合格したらみんなにちゃんとお礼を言うこと」
妹「…うん」
286:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 03:01:06.18 ID:gqAwGdxJ0
男「……。」
妹「…にいさん、私」
男「分かった分かった」
妹「……。」
男「母さんと妹は出かける準備しろよ」
男「俺は別室受験のこと電話で確認するから」
妹「にいさん、ありがと」
男「だから、受かってから言えって…」
母「妹、風邪薬」
妹「ん…」
母「さあ、準備するよ」
妹「うん」
287:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 03:04:12.09 ID:gqAwGdxJ0
母「じゃあ、何かあったら電話するから」
男「はいよ」
妹「…コホッ」
男「まったく、お騒がせな奴だ」
妹「…にいさん」
男「ん?」
妹「…手」
男「…ほらよ」
ギュ
妹「…冷たい」
男「熱のせいだよ」
妹「えへへ、そうだね」
288:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 03:13:45.89 ID:gqAwGdxJ0
男「大丈夫だから、落ち着いていけよ」
妹「うん」
男「俺がついてるからな」
妹「…頼もしいな」
男「だから、大丈夫」
妹「うん…にいさん」
男「ん、なんだ?」
妹「…あれ、いや、何でもない」
男「なんだそれ」
妹「変なこと言おうとしちゃった…熱があるからかな」
男「おいおい、大丈夫か?」
妹「大丈夫だよ」
男「なら良いんだけど」
妹「私、頑張って来るから」
男「おう」
335:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 14:55:16.29 ID:9qdlTovx0
>>288
妹はなにを言おうとしたんだ…
290:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 03:16:37.40 ID:gqAwGdxJ0
ブロロロロ…
男「…さあ、あとは祈るだけか」
男「駄目だったときでも、精一杯励ましてやらなきゃ」
男「俺はあいつの、兄なんだからな」
男「……。」
男「がんばれ、妹」
291:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 03:17:54.13 ID:gqAwGdxJ0
……………………
…………
……
293:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 03:28:53.88 ID:gqAwGdxJ0
男「……。」
男「……。」
男「…はぁ」
コンコン
男「妹ー、いい加減用意しないと妹友さん来ちゃうぞ」
妹「いーやーだー、私まだ熱あるもんー!」
男「嘘つけ、とっくに治ってるだろうが」
妹「うー、いやぁ…」
男「代わりに俺が見に行ってやろうか?」
妹「それもやだぁ!」
男「めんどくさいなおい…」
294:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 03:47:12.60 ID:gqAwGdxJ0
ピンポーン
妹「ひっ!」ビクッ
男「お、来た」
妹「いやだぁ、落ちてるもんー」
男「分かった分かった、そんときは慰めてやるから」
妹「慰められたって落ちてたら意味ないもん…」
男「だーもう!なんでも良いから妹友さん待たせるなって、とりあえず部屋から出てこい」
妹「だって…」
男「だってじゃない」
妹「うー…」
ガチャ
男「おわっ!なんだその目」
妹「落ちてるかどうか考えてたら涙が止まらなくなっちゃって…」
男「あー」
妹「だから部屋から出たくなかったのにぃ…」
295:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 03:54:11.77 ID:gqAwGdxJ0
妹友「おはようございまーす」
男「おはよう、妹友さん。待たせてごめんね」
妹友「いえー、大丈夫ですけど」
妹「……。」
妹友「妹、大丈夫ー?」
妹「大丈夫に見える?」
妹友「あはは、あんまりかなー」
男「こいつ多分途中で何度か逃げ出そうとすると思うけど、ちゃんと連れていってあげてね」
妹友「はい、お任せくださいー」
妹「…うー」
男「自信持てよ、妹」
妹「他人事だからそんなことが言えるんだ…」
男「やばいこいつ今凄いめんどくさい」
298:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 04:00:02.97 ID:gqAwGdxJ0
男「ちゃんとお祝いの用意もしとくからな」
妹「なにも食べたくない…」
男「そりゃあ、今はな」
妹友「お祝いですかー」
男「妹友さんも是非来てね」
妹友「え、良いんですか?」
男「もちろん」
妹友「わーい、嬉しいです。ありがとうございますお兄ちゃん」
男「いえいえ」
妹「…前から聞こうと思ってたんだけど」
男「ん?」
妹「なんで妹友はにいさんのことをお兄ちゃんと…」
男「ああもう、良いから早く行けよ」
299:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 04:07:54.09 ID:gqAwGdxJ0
妹友「じゃあ行こうか、妹」
妹「…うん」
男「妹、大丈夫だから自信持て」
妹「その根拠はどこから来るのさ」
男「お前は俺の妹だから」
妹「…ますます不安になってきた」
男「おいこら」
妹友「合格発表見終わったら寄り道しないで帰ってきますからー」
男「頼むよ、妹友さん」
妹友「がってんしょうちのすけー」
男「じゃあ、いってらっしゃい」
妹友「いってきまーす」
妹「…いってきます」
301:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 04:14:43.97 ID:gqAwGdxJ0
男「…ふぅ」
母「世話のかかる妹はちゃんと行ったかい?」
男「ああ、なんとか」
母「男はずいぶんと余裕があるわね、てっきり妹以上に心配してると思ったのに」
男「ああ、いや実は」
母「実は?」
男「妹に内緒で妹の回答を採点してみたんだけど」
男「英語と国語が満点で、社会が一問だけの間違いでさ」
母「……。」
男「で、まあ問題の数学と理科も数問しか間違えてなかったから」
男「熱のせいでマークミスとかしてない限り余裕の点数なんだよな」
母「…へえ」
303:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 04:20:19.59 ID:nh0kkSFO0
男「ま、妹の勉強の成果と言うことで」
母「私もかなり安心したわ」
男「はは、妹もすぐに笑顔で帰ってくるよ」
母「そう、凄いわね、妹」
男「俺の妹ですから」
母「そういうことにしとくわ」
男「頑張ったから、あいつ」
母「そうね、ひやひやしたけど」
男「うん、まあね…」
母「ところで男、聞きたいことがあるんだけど」
男「ん、なに?」
母「妹って、サンタからあなたへの贈り物なの?」
男「ぶっ!」
305:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 04:22:27.11 ID:h5SZ13ai0
やはり気づいていたかカーチャンは流石だな
307:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 04:29:36.53 ID:nh0kkSFO0
母「あら、ほんとなのね」
男「な、なんで…」
母「いやいや。私の旦那、あなたを産んだすぐに亡くなってるのに」
母「妹は誰の子ってなるじゃないの」
男「あー、なるほど」
男「…いつから気付いてたの?」
母「はじめからよ」
男「クリスマスから?」
母「そう。なんか変な記憶のせいで曖昧だったけど」
男「……。」
母「母をみくびって貰ったら困るわ」
308:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 04:36:06.30 ID:LY2I+T1A0
男「……。」
母「ま、分かったからといってなにも変わらないけど」
母「あの子は私の娘よ」
母「大事な、大事なあなたの妹だから」
男「…ありがとう、母さん」
母「お礼を言われる筋合いはないのだけど」
男「はは、そうだね」
母「じゃあ、お祝いの準備をしましょうか」
男「そうだな、すぐに帰ってくるぞ、あいつ」
…イサーン!
母「ふふ、言ってるそばから」
男「いや、早すぎだろ…」
309:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 04:41:24.18 ID:LY2I+T1A0
妹「にいさーん!にいさーん!」
母「ほら、呼んでるわよお兄ちゃん」
男「はいはい」
妹「にいさんッ!」
バッ
男「うわっと」
妹「にいさん、私受かってた!受かってたよー!」
男「とと…そっか、おめでとう」
妹「これで私もにいさんと同じ高校だね」
男「そうだな」
妹「ねえねえ、嬉しい?」
男「おう、嬉しいよ」
妹「えへへ、私も嬉しい」
311:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 04:47:56.40 ID:LY2I+T1A0
妹「妹友もね、ちゃんと受かってた」
男「そっか、良かったな…で、妹友さんは?」
妹「…あ」
男「…おい」
妹「にいさんにすぐ話したかったから…」
男「分かったから、早く迎えに行ってあげなさい」
妹「はぁい!」
タッタッタッ
男「…たく」
母「妹、はじめよりずいぶん明るくなったわよね」
男「かもな」
母「…ふふ」
男「なんだよ」
母「なんでもないわよ」
312:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 04:55:04.80 ID:LY2I+T1A0
母「このまま、この生活がいつまでも続けば良いわね」
男「……。」
母「…男?」
男「…ああ」
男「いつまでも続けば…良いのに」
母「……。」
男「…ま、今は良いや」
男「今日は、祝おう」
母「そうね」
…イサーン!
男「…主役も来たみたいだし」
母「ふふ、じゃあ用意してくるわ」
男「今は、これで、良いんだ」
妹の受験 おわり
314:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 05:05:02.44 ID:5n1KMu2k0
読んだ。続きを期待して支援。
315:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 05:08:47.93 ID:HIMGt6170
第四話
妹「うー…雲行きがあやしい」
妹友「しょうがないね、この時期だし」
妹「あ、妹友」
妹友「一緒に帰ろー?」
妹「うん、雨が降る前に帰ろうよ」
妹友「あー、それは無理みたい」
妹「え…あ!」
ポツ…ポツ…
妹「あー…」
妹友「…仕方ないねー」
妹「…いいもん、私にはにいさんが買ってくれた傘があるから」
妹「帰ろ、妹友」
妹友「がってんしょうちのすけー」
梅雨のある日
316:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 05:09:40.95 ID:HIMGt6170
すいません、寝ます…
318:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 05:27:32.07 ID:30S+MRmI0
乙
もし完結したらこれは名作になる
340:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 17:56:29.41 ID:tt6TTied0
ザー…
妹「本降りになっちゃった…」
妹友「梅雨っていやだねー」
妹「ほんとだよもう」
妹友「妹、その傘可愛いね」
妹「でしょ、にいさんと二人で選んだんだよ」
妹友「そうなんだー」
妹「他にもね、私の部屋にあるものはみんなにいさんが買ってくれたの」
妹友「優しいお兄ちゃんだよね」
妹「えへへ、そうでしょ」
妹友「ふふ」
妹「どうしたの、妹友」
妹友「ううん、妹と話すといつもお兄ちゃんの話だなって思って」
妹「な…べ、別にそんなことないよ」
妹友「うふふ」
343:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 18:35:22.83 ID:yN611lVE0
このスレ読んでると欝になる
345:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/29(水) 19:24:50.32 ID:mvPJuXa8O
>>343
わかるぜその気持ち
353:保守ばかりでごめんなさい:2010/12/30(木) 00:27:27.68 ID:XctxeILU0
ザー…
妹友「妹のクラスは楽しい?」
妹「楽しい…うーん」
妹友「楽しくないの?」
妹「普通、かな」
妹友「普通かー」
妹「妹友が違うクラスになっちゃったからね」
妹友「あ、嬉しいこと言ってくれたー」
妹「高校生って中学生とあまり変わらないや」
妹友「入る前はあんなに大人に見えたのにねー」
妹「折角にいさんと同じ高校に入れたのに、学校であまり会えるわけじゃないし…」
妹友「……。」
妹「なに?」
妹友「またお兄ちゃんの話ー」
妹「……//」カァ
356:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 00:50:31.13 ID:QMRo9Xaz0
ザー…
妹「今のはナシ!ナシだから!」
妹友「良いじゃん別にー」
妹友「お兄ちゃん、すごく優しい人だし、好きになるの分かるもん」
妹「すす、すすす好きぃッ!?」
妹友「お兄ちゃんのこと好きでしょ、妹」
妹「ど、ど、どこからそんな話になるのさ!」
妹友「好きじゃないのー?」
妹「そ、そりゃあ兄妹としてなら…い、言っておくけど兄妹としてならだよ?それならまあ、頼りにならないこともないし?」
妹「好きか嫌いかって言われたら、そ、それなら好きっていっても、別に嘘じゃないけど」
妹友「妹、目が泳いでるよー」
妹「…あう」
妹友「妹にごまかされるのは、友達として傷付くなー」
妹「べ、別にごまかしてなんか…」
妹友「んー?」
359:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 01:05:20.12 ID:QMRo9Xaz0
妹「…うー」
妹友「ふふ、私の目はごまかせられないのだよワトソン君」
妹「で、でもにいさんは、私のにいさんだし」
妹友「でも本当のお兄ちゃんじゃないでしょー?」
妹「……。」
妹友「あ、良い意味でだよ?本当のお兄ちゃんじゃないから、お兄ちゃんだからっていう理由で好きになっちゃ駄目なんてことは無いってことだからね」
妹「……。」
妹友「だから、お兄ちゃんが好きなら好きって言って良いんだよー?私にはねー」
妹「……。」
妹友「ふふふ、私は妹の秘密を知ってる親友なんだから」
妹「…妹友」
妹友「なにー?」
妹「私の言ったこと、信じてくれてるんだ」
360:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 01:26:44.24 ID:89CXuzBRP
おお、話したのか…
361:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 01:29:20.88 ID:QMRo9Xaz0
妹友「うん、もちろん」
妹「信じられないような話なのに…」
妹友「んー、色々調べてみたんだけどねー」
妹友「私と妹がずっと友達だっていう記憶はあるのに、二人の思い出は私、一つも持ってなかったんだ」
妹「……。」
妹友「プリクラの一枚も無いの、おかしいよねー」
妹友「だから、嘘じゃないのはすぐに分かったよ」
妹「それだけで…」
妹友「それに妹の言うことだったら私、どんなことでも全部信じるよ」
妹友「たとえ記憶が嘘だとしても、私は妹の友達だもん」
妹「妹友…ありがとう」
妹友「だから」
妹友「だから…妹に言われるまで、このことに気付けなかった自分が、悔しい」
妹友「少し考えれば分かることなのに、そんな嘘の記憶に騙されてた自分が、とても悔しいよ」
妹友「本当に妹の友達なら、すぐに気付くべきなのに!」
362:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 01:32:10.25 ID:CXHYaK7NO
妹友なんていいこなんだ
365:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 01:40:02.98 ID:HWcX8Wsq0
妹「妹友…違うよ、妹友は悪くないよ」
妹友「悪い悪くないじゃなくて、気付かなきゃいけないことだったの」
妹友「だから…ごめんね、本当にごめん、妹」
妹「…うー、そう言われたら困るよ」
妹友「それと、話してくれてありがと」
妹「…うん」
妹「だって、友達に隠し事はダメだもんね」
妹友「…友達」
妹「うん、友達」
妹「えへへ、信じてくれて嬉しい」
妹友「…妹、ティッシュー」
妹「はいはい」
366:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 01:52:15.19 ID:pQ97fxtq0
妹友「…ぐす」
妹「妹友が友達でよかった、ほんとに」
妹友「あー、やめてよ、今泣き止みそうだったのにー」
妹「そ、そういうつもりじゃないよ」
妹友「分かってるけど…妹、ティッシュー」
妹「はい」
妹友「ん、ありがと…」
妹「妹友と友達になれたことは、サンタに感謝しないと」
妹友「…サンタも、酷いことするよね」
妹「え?」
妹友「人の記憶をいじって、妹を苦しめて、子供に夢を与える人のすることとは思えないよ」
妹「しょうがないよ、そうしないともっと大変なことになるんだから」
妹友「でもー…」
妹「それに、サンタには十分感謝してるよ」
妹「にいさんの、妹になれたんだもの」
367:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 02:00:55.75 ID:pQ97fxtq0
妹友「……。」
妹「それに、もちろん妹友の友達にもね」
妹友「…でも」
妹友「でも、期限付きじゃんか…」
妹「……。」
妹友「妹、あと半年でいなくなっちゃうなんて…そんなの、酷すぎるよ」
妹「…それでも、サンタには感謝してるよ」
妹「私、今凄く幸せだから」
妹友「妹…」
妹「ね?」
妹友「…そんな顔見て、私が嘘に気付けないわけないじゃんか」
妹「……。」
妹友「ずっと、ずっと一緒にいたいって思ってる癖に…」
妹「……。」
368:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 02:05:53.80 ID:pQ97fxtq0
妹「……。」
妹友「……。」
妹「……。」
妹友「…ごめん」
妹「…ううん」
妹友「……。」
妹「……。」
妹友「…で、でもさ!」
妹「……。」
妹友「今年のクリスマスでまたお兄ちゃんがサンタに頼んだら、妹は消えないんじゃないかな!」
妹「……。」
妹友「そうだよ、来年も、またその来年も!お兄ちゃんなら絶対に頼んでくれるもん!」
妹友「そしたら…ね!妹とずっといれるよね!そうでしょ?」
妹「……。」
371:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 02:08:31.15 ID:ax18JSPh0
あれー俺もサンタに妹頼んだはずなんだけどなー
374:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 02:15:04.67 ID:pQ97fxtq0
妹友「…妹?」
妹「…え?」
妹友「……。」
妹「…あ、うん…そうだね」
妹友「……。」
妹「にいさんが、サンタに頼んだら、ずっといれるかもしれないね」
妹友「妹」
妹「……。」
妹友「私に、隠し事、してないよね?」
妹「……。」
妹友「なにも…してないよね?友達に隠し事はなしって言ったもんね?」
妹「……。」
妹友「ねえ妹!」
妹「…うん」
妹友「こっち見て言いなさいよ、ねえ!」
376:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 02:26:07.97 ID:pQ97fxtq0
妹「……。」ビクッ
妹友「あ、ごめんね…ごめん、なさい」
妹「なにも隠してないよ」
妹友「え?」
妹「ほんとに、不安にさせてごめん」
妹友「……。」
妹「えへへ、ちょっと考え事してたらボーッとしちゃって」
妹友「……。」
妹「そっか、にいさんがサンタに頼んでくれたら私は来年も一緒にいられるかもしれないんだ」
妹友「え…?」
妹「うん、そっか、そうだね!」
妹友「……。」
妹「あれ、どうしたの?妹友」
妹友「……。」
377:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 02:39:02.74 ID:pQ97fxtq0
妹「妹友ー?」
妹友「…あはは、なんだそっかー」
妹「なにが?」
妹友「ううん、なにも。妹、気付いてなかっただけなんだねー」
妹「えへへ、盲点でした」
妹友「なにかあるかと思って大きな声出しちゃったじゃんか!」
妹「ご、ごめんなさい」
妹友「良いよー、というか安心したよ」
妹友「お兄ちゃんがサンタにまたお願いするだけで良いなんて、落ち込んでたのがバカみたいだねー」
妹「そうだねー」
妹「あ、でもサンタは良い子の願いしか叶えてくれないから、にいさんに気をつけるように言わないと」
妹友「お兄ちゃんなら大丈夫でしょー」
妹「そ、そうかな…」
妹友「自慢のお兄ちゃんの癖にー」
379:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 02:49:17.61 ID:pQ97fxtq0
妹「…そういうからかい方、嫌い」
妹友「照れないのー」
妹「て、照れてないし!」
妹友「はいはい…あー」
妹「え、なに…あ」
妹「晴れたー」
妹友「晴れたねー」
妹「どれくらいここで話してたんだろ…」
妹友「大雨が止んじゃうくらい長い時間?」
妹「あはは…じゃあそろそろ帰ろうかな」
妹友「うん、じゃあまた明日ねー」
妹「うん、ばいばい」
妹友「ばいばーい!」
380:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 02:55:43.80 ID:pQ97fxtq0
妹「……。」
妹友「……。」
妹「…上手にごまかせたのかなぁ」
妹「妹友のことだから、分からないフリをしてくれたんだよね…」
妹友「…嘘ついてるときは分かっちゃうって、言ったのに」
妹友「隠し事はしないって言ってくれたのに…」
妹「ごめんね、妹友」
妹友「妹の、バカ」
梅雨のある日 おわり
385:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 03:15:49.69 ID:pQ97fxtq0
第五話
妹「海?」
男「そう、夏休みに俺の友達と。妹友さんも誘ってさ」
妹「妹友も誘って、海…」
男「まあ海だけじゃなくて、花火とかいろいろやってさ」
男「みんなで夏の思い出を作ろうぜい!ってことらしいんだけど」
妹「作ろうぜい?」
男「あ、企画は俺の友達だから」
妹「……。」
男「…そ、そこはちょっと不安だけど」
男「どうかな?」
妹「行く」
男「俺としては一緒に来てくれるとありがたいんだけど」
男「…って、返事早いな」
妹と夏の思い出
412:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 15:32:58.96 ID:EilEuq0p0
妹「…ふわぁ」
妹友「海、これが海ですかー!」
妹「妹友も海初めて?」
妹友「うん、テレビでは見たことあったけどー」
妹「私と一緒だね!」
妹友「一緒だねー!」
妹「着替えは?どこでするのかな?」
妹友「ちっちっち、妹は分かってないなー」
妹「え?…な、それは!」
ヌギッ
妹友「海に来るときは服の下に水着を着て来るのが上級者なのだよワトソン君」
妹「すごい、さすが妹友!」
妹友「ははは、妹はまだまだだなー」
421:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 18:50:09.85 ID:Vh9eTbAi0
男「…疲れた」
女「電車で片道3時間半って…」
男友「無事に着いたんだから、細かいことは気にしない!」
女「いや、少しは行く場所とか考えようよ」
男「やっぱり男友企画というのに問題があったか」
男友「まさかの不評っ!?」
男「…まあ、あの二人が元気なら良いんだけど」
妹「……!」キャッキャッ
妹友「……っ!」ワイワイ
女「…若いって凄いね」
男「俺らももう歳なんだな」
女「…おかしいね、私たちもティーンエイジャー真っ盛りのはずなのに」
男「だな」
男友「綺麗な海を頑張って探したのに…」
423:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 19:00:25.58 ID:Vh9eTbAi0
女「妹さんたち、喜んでるみたいで良かったね」
男「ああ、ほんとに」
男「…っておい!」
妹「ん?」ヌギッ
男「ストップストップ!」
妹「どうしたの、にいさん」
男「…何故ここで脱ぐ」
妹「え、水着に着替えないと海に入れないじゃない」
男「まあそれは良いんだけど、何故こんな衆人の前でどうどうと着替えようとする」
妹「ふふん、海の上級者は人の目を気にせずに着替えるもんなんだよ!」
男「……。」
妹友「……。」
男「妹友さん」
妹友「すいません悪ノリしすぎましたー…」
妹「え、嘘なのッ!?」
424:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 19:14:46.85 ID:Vh9eTbAi0
男「いや、気付けよ」
女「というか海の上級者ってなに…」
妹友「妹が可愛くてついです…」
妹「…帰りたい」
男友「みんながよかれと思って、頑張って探したのに…」
男「あーあー、海に遊びに来たテンションとは思えない」
女「すっごく先が思いやられるね」
妹友「ご、ごめんなさいですー」
男「妹友さんのせいじゃないよ」
男友「申し訳ない…」
男「いや、ごめん。企画してくれて感謝してるよ」
妹「騙されたー」
男「それはお前の常識が無いせいだ」
妹「あう…」
425:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 19:27:44.30 ID:Vh9eTbAi0
男「とりあえず、みんな着替えてこようか」
女「そうだねー」
妹「……。」
男「はい、妹も立ち直って」
妹「…はいな」
女「妹さん、着替える場所こっちだよー」
妹「…あー」
男「はいすぐ立ち直る」
妹「は、はいな」
男「妹友さんは荷物番を任せて良い?」
妹友「がってんしょうちのすけー」
426:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 19:45:06.69 ID:Vh9eTbAi0
女「おまたせー」
男「おう」
妹「お、おまたせ」
男友「おー…」
女「男君、この水着どうかな?今日の為に買ったんだけど」
男友「可愛い!可愛いよ女!」
女「男友には聞いてない」
男友「あー…」
男「似合ってるよ」
女「ありがとー!」
妹「…むー」
428:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 20:15:47.84 ID:Vh9eTbAi0
妹「……。」
男「…どした?」
妹「じろじろ見んなバカ」
男友「ご、ごめんなさい」
妹「あ、先輩に言ったわけじゃ…」
女「自覚あるくらいガン見してたわけね」
男友「……。」
妹友「お兄ちゃん」コソッ
男「ん?」
妹友「あの水着、お兄ちゃんに見せる為に私と買いに行ったんですよ」
男「…ふーん」
妹友「妹、買うときすっごく悩んでましたー」
男「そっか、教えてくれてありがと」
妹友「いえいえー」
430:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 21:04:37.76 ID:Vh9eTbAi0
女「よーし、じゃあ泳ぎに行くぞー」
妹友「おー」
女「ついて来るんだ、妹友さん」
妹友「呼び捨てで良いですよー」
女「そう?じゃあ、私に続け妹友ー」
妹友「はいです、先輩!」
女「突撃ー」
妹友「覚悟でござるー」
男「…はは、女も十分元気じゃん」
妹「……。」
クイッ
431:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 21:11:42.09 ID:Vh9eTbAi0
男「ん?」
妹「……。」
妹「…あ、あのさ」
男「うん」
妹「ど、どうかな、これ」
男「可愛いよ」
妹「…ほんとに?」
男「ほんとほんと」
妹「えへへ、ありがと」
男「泳ぎに行くか?」
妹「うん!」
438:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 23:25:55.33 ID:4zkS3JXx0
妹友「そーれもっともっとー!」
妹「もっともっとー」
男友「ちょ…待っ…」
妹友「まだまだー!」
妹「まだまだー」
男友「え、動け…」
妹友「深い深ーい!」
妹「深い深ーい」
男友「……。」
男「楽しそうだなー」
女「なに座ってのんびりしてるの、男君」
男「荷物番は必要だろ?」
女「いなくても大丈夫だよー」
男「いやいや」
439:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 23:33:49.63 ID:4zkS3JXx0
女「それともそんなに妹さんを見てたいのー?」
男「はは、危なっかしくて見てられないってのはあるな」
女「…むー、男君はいじりがいがないな」
男「え?」
女「いやいやこっちの話」
妹「にいさーん」
妹友「お兄ちゃーん」
男「ん?なんだー」
妹「見て見てー、妹友との合作」
妹友「タイトルは『人柱』ですー」
男友「……。」チーン
男「……。」
女「……。」
440:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 23:38:58.42 ID:4zkS3JXx0
男「砂遊びばっかりしてないで海にも入れよー」
妹友「私もそう言ってるんですけど、妹がですねー」
妹「…う」
男「…ん?」
妹「……。」
男「妹、もしかして泳げない?」
妹「…あはは」
男「しょうがない、女」
女「あれですね、あにき」
妹「…?」
441:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 23:43:07.63 ID:4zkS3JXx0
妹「……。」
男「装備完了」
女「ウキワ付けてる妹さんも可愛いー!」
妹友「写真撮りたいですねー」
妹「みんな、馬鹿にしてない?」
男「全然」
女「よし、泳ぎに行こう」
妹友「おー」
男友「…あの、俺今指一本も動かせ――」
男「行くぞー、妹」
妹「あ、待ってよ」テッテッテ
男友「……。」
442:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/30(木) 23:50:23.66 ID:4zkS3JXx0
……………………
…………
……
妹「……!」キャッキャッ
妹友「……!」ワイワイ
女「……っ!」キャーキャー
男友「……。」
男友「…うっ…うっ」
男「…お前も大変だな」
男友「お、男ぉ…」
男「ほら、今掘り返してやるから」
男友「ありがどー」
男「泣くなって」
男友「あやうく惚れそうになっちまった」
男「頭から埋め直すぞ、おい」
444:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 00:01:06.87 ID:MqbYTc3L0
……………………
…………
……
妹「あー、楽しかった」
妹友「楽しかったねー」
女「もう夕方だよー」
男「来るのに時間かかったもんな」
男友「申し訳ない…」
男「いやもうそれは良いって」
女「妹さんたちも満足したみたいだし」
妹「はい、こんな綺麗な海に連れてきてくださってありがとうございました、先輩」
男友「どういたしまして」
妹友「砂に埋もれてる先輩が今日一番輝いてましたー」
男友「…そりゃどうも」
445:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 00:11:06.48 ID:MqbYTc3L0
女「旅館はここから時間かかるの?」
男友「歩いて少しだけかな」
女「なら良かったー」
男「それにしてもよくみんな泊まりの旅行なんて許されたな」
妹友「私の親はそこまで厳しい人じゃないですからー」
男友「うちも放任主義だし」
女「私は交渉頑張ったよー、受験生だからって結構反対されたもん」
男「それはご苦労様だな…」
男友「男のところは?」
男「俺たちは別になにも言われなかったな」
妹「にいさんがいるなら大丈夫でしょって言われました」
女「頼りになるお兄ちゃんだねー」
妹「そ、それなりですけどね」
妹友「ふふ」
妹「そこ、笑わない!」
446:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 00:19:36.21 ID:MqbYTc3L0
男友「お、着いたぞー」
妹「これですか」
妹友「…おー」
女「なんというか」
男「…年期が入った建物だな」
男友「予算削減の為です」
女「なるほど」
妹友「あ、でも温泉があるって書いてある」
妹「温泉!」
女「…男友、覗こうとしてないでしょうね」
男友「なんで真っ先に言う言葉がそれなんだ…」
男「妹、気をつけろよ」
妹友「ガードはお任せください」
男友「お前ら…」
447:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 00:26:20.67 ID:MqbYTc3L0
男友「部屋は二部屋取ってあるから」
男「男子組と女子組に分かれよう」
妹「え」
男「ん?」
妹「…ううん、なんでもない」
女「ははーん」
妹友「ふふーん」
妹「な、なんでもないから!」
男「……?」
女「よし、妹友たちにガールズトークのなんたるかを教えてしんぜよう」
妹友「受けてたちましょう、先輩」
男友「よし、俺らも濃厚なボーイズトークを」
男「一人でやっとけ…」
449:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 00:36:30.02 ID:MqbYTc3L0
女「部屋きれーい」
妹友「ベッドじゃないところで寝るの、久し振りですー」
妹「私も」
女「男友、良い旅館見つけたじゃない、あとで褒めておこう」
妹「にいさんたちの部屋はどこ?」
妹友「廊下を挟んで反対側のお部屋みたいだよー」
女「ねね、早速温泉入ってみようよ」
妹「賛成でーす」
妹友「妹と一緒に温泉入れるなんて幸せー」
男「…男友」
男友「……。」ギク
男「双眼鏡持ってどこ行くんだ」
男友「……。」
男「……。」
男友「…や、やだなー。ジョークだよジョーク」
451:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 00:47:56.10 ID:MqbYTc3L0
パチパチ…
男「で、温泉はどうだったんだ?」
妹「気持ち良かったよ」
女「ねー」
妹友「先輩のおっぱいが大きくてびっくりしましたー」
女「ぶっ!」
男友「ほうほう、その話をもう少しくわしぐっほッ!」バキッ
女「はぁはぁ…妹友、大声でそんなこと言うのやめようね」
妹「…にいさん、なに鼻の下のばしてるんですか」
男「いやいや伸ばしてないし」
妹友「妹のおっぱいは見た目通りつるぺ…もがー!」
妹「妹友ー!」
妹友「妹、花火危ない花火危ないからー!」
452:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 00:52:38.14 ID:Yfjs6IjXO
女が可愛く見えてきた
だが妹が1番!
453:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 00:53:27.78 ID:MqbYTc3L0
パチパチ…
女「ちなみに男君は」
男「ん?」
女「おっぱいは大きい人と小さい人どっちが好み?」
男「ぶっ!」
妹「……。」
妹友「どっちですかーお兄ちゃん」
男「いやいや、あんたら酔ってるのか…」
女「ごまかさないのー」
妹友「のー」
男「そんなこと言われても」
妹「私は知ってるけどね」
女「え、そうなの?」
妹「だってにいさんはロリコ」男「わー!わー!」
454:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 01:00:00.66 ID:MqbYTc3L0
パチパチ…
妹「にいさん花火危ない花火危ない」
女「んー?」
妹友「妹、よく聞こえなかったのでもう一回ー」
妹「だから、にいさんはロ」男「おいしょー!」
女「男君、さっきからうるさいよー」
妹友「お兄ちゃん、どうかしたんですか?」
男「ちょっと妹借ります」
女「……?」
妹「なにさ、にいさん…って、わーわー!」
男「こっちこい」
妹「じ、自分で歩くって!」
458:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 01:13:53.45 ID:MqbYTc3L0
妹「で、なによー」
男「お前はなにさらりと爆弾発言しようとしてるんだ」
妹「ロリコンのなにが悪い!」
男「それは俺の台詞だ」
男「いやいやそんなこと言わないけど」
妹「だって、にいさんの好みは私の容姿に全部出てるはずだし」
男「…う」
妹「私、にいさんの持ってたいかがわしい本の種類も知ってますし」
男「……。」
妹「まさかこれで今更自分がロリコンじゃないとでも言うつもりじゃあないよね?」
男「……。」
妹「被告人、なにか言いたいことは?」
男「…ありません」
妹「じゃあ、みんなのところに戻ろうか」
男「はい…」
459:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 01:27:07.04 ID:MqbYTc3L0
女「あ、なに二人で内緒話してたのさー」
妹友「のけ者なのは寂しいですよー」
妹「ごめんごめん」
妹「で、にいさんに質問があるんですけど」
男「…はい」
妹「にいさんは、胸が大きい人と小さい人どっちが好きなんですか?」
男「……。」
妹「はい、どうぞ」
男「…小さい人です」
妹「よろしい」
女「おー、あの男君にこんな質問を答えさせた」
妹友「妹、凄いですねー」
女「…って、小さい人なんだ…うー」
460:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 01:37:11.59 ID:MqbYTc3L0
妹友「妹対先輩は妹の勝利ですねー」
妹「そ、そういうことじゃないでしょ!」
女「負けたー」
男友「俺はおっぱい大きい人の方が好きだよ!」
妹友「あ、女先輩に殴られて気絶してた男友先輩が起きた」
女「うっさい」ゲシッ
男友「」
妹「あ、また気絶した」
男「ま、まあ人間大事なのは外見じゃなくて中身だけどな」
妹友「おー、お兄ちゃんがおっぱいのなんたるかについて語りはじめた」
女「おっぱいは見た目じゃなくて、触ったときの中身の弾力具合が大事とか、そういう話でしょうかね」
男「そういうことじゃねえ」
妹「ロリコンがなにかっこつけて」男「わー!わー!」
461:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 01:49:31.51 ID:MqbYTc3L0
女「あ、あと線香花火だけになっちゃったよ」
男「そっか…まあ十分楽しんだろ?」
妹「みんなで誰が一番長くまで続くか勝負しようよ」
妹友「さんせー!」
男「ほら、男友起きろ」
男友「んあ?」
女「じゃあみんなで同時に火を付けるんだよ」
妹「負けないもん」
妹友「私だってー」
男「いくぞー」
男友「え、なんの話?」
「せーの!」
パチパチ
463:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 02:07:31.41 ID:MqbYTc3L0
女「はあ、今日は一日楽しかったね」
妹「そうですねー」
妹友「私、今日のこと忘れませんよー」
女「私もー」
妹「……。」
妹友「あれ、妹どうしたのー?」
妹「遊びすぎて疲れちゃった」
女「ちっちっち、今からが本番ですよー」
妹友「ガールズトークですか先輩ー!」
女「ふふふ、みんな隠し事なしでさらけ出すんだからねー」
妹友「どんとこいですー」
妹「……。」
女「ほら、妹さんも掛け声掛け声!」
妹「お、おー」
465:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 02:15:48.66 ID:MqbYTc3L0
妹友「…って、一番張り切ってた先輩がはじめにダウンしちゃダメですよー!」
女「…Zzz」
妹「…完全に寝ちゃったね」
妹友「だねー」
妹「まあ、今日の先輩みんなを盛り上げるために頑張ってたから」
妹友「優しくて話しやすくて良い先輩だよねー」
妹「うん、まさか男友先輩のことが好きだったのは意外だったけど」
妹友「えー、バレバレだったよー」
妹「妹友は勘が鋭いから」
妹友「ふふ、それほどでも」
妹「先輩、ほんとになんでも喋ってくれたよね」
妹友「うん、隠し事なしって言っただけのことはあったよー」
妹「……。」
妹友「……。」
468:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 02:24:00.24 ID:MqbYTc3L0
妹「…妹友」
妹友「なにー」
妹「…この前の、話なんだけど」
妹友「この前のー?」
妹「分かってるでしょ」
妹友「…ん」
妹「あれね、私…その…」
妹友「良いよ、無理しなくて」
妹「え?」
妹友「話したくなったときで、良いよ」
妹「でも…」
妹友「大丈夫、妹がね、私を気遣ってることはよく分かるから」
妹友「だから、いつでも良いよ」
妹「…妹友」
469:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 02:24:30.18 ID:l4YYUhxUO
こんな青春………いやなんでもない
470:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 02:31:24.40 ID:MqbYTc3L0
妹友「でも、いつか話してくれないと私、むくれちゃうんだからねー」
妹「…ん」
妹友「よろしい」
妹「あのね、妹友が聞きたいって言うなら、今話しても…」
妹友「今は嫌ー」
妹「え?」
妹友「折角こんなに楽しい日なんだもん、今日はもっと別の話をしよー」
妹「……。」
妹友「ね?」
妹「…うん!」
妹友「じゃあ、先輩も寝ちゃったしガールズトーク2回戦!」
妹「え、2回戦?」
妹友「前回はうやむやになっちゃったからねー」
妹「え、えー、もしかして…」
妹友「ふふ、妹がお兄ちゃんのことを好きなのかどうか」
473:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 02:56:43.95 ID:MqbYTc3L0
妹「だ、だからそれは…」
妹友「大丈夫だよ、先輩も寝てるし」
妹「そういう問題じゃないのー!」
妹友「はい、どうなの妹ー?」
妹「…うー」
妹友「まだ妹からなんの答えも聞いてないからねー」
妹「だからね、にいさんは私のにいさんだもん…」
妹友「その理由は既に論破されておりますのでー」
妹「……。」
妹友「ほらー、3、2、1、はい!」
妹「……。」
妹友「…妹ー?」
妹「うっ…ぐす…」
妹友「妹ッ!?」
474:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 03:06:53.47 ID:MqbYTc3L0
妹「うー…」
妹友「ご、ごめんね妹、意地悪なことしちゃったね」
妹友「もう終わりだから、はいおしまい。なにも聞かないからー…だから泣き止んで、ね?」
妹「…ぐすっ」
妹友「ごめんね、今日はもう寝よっか?」
妹「ううん、話す…」
妹友「うん、じゃあ今日の楽しかったことでも話そっか」
妹「ううん、さっきの話」
妹友「お兄ちゃんの話は終わりで良いよ」
妹「大丈夫、話すから」
妹友「…んー」
妹「私ね」
妹「にいさんのこと、好きにはならないよ」
477:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 03:23:53.12 ID:MqbYTc3L0
妹友「え、どういうこと?」
妹「妹友は、にいさんは本当のにいさんじゃないからって言うけど」
妹「でもね、にいさんは妹が欲しいってお願いして私が生まれたから」
妹「だったら、やっぱり私はにいさんの妹で、にいさんは私のにいさんだよ」
妹「にいさんのその願いを、私が壊しちゃダメだから」
妹「だから、私は…にいさんのことを好きにならない」
妹友「……。」
妹「このままでも、にいさんは私の大切なにいさんだから」
妹「…私は…それで十分だもん」
妹友「…ふーん」
妹「…うっ…うー」ポロッ
妹友「……。」
妹「十分…だもん…」ポロポロ
妹友「じゃあ、なんで泣いてるのさ」
妹「うくっ…ぐす…」ポロポロ
481:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 03:38:44.94 ID:MqbYTc3L0
妹友「ねえ、妹。なんで泣いてるの?」
妹「う、うー…ひっぐ…」
妹友「それで本当に十分だと思ってるなら、泣くわけないじゃん」
妹「…う、うっ…ぐすっ」
妹友「もし思ってないなら…そんなこと、言わないでよ」
妹「うー…」
妹友「ねえ、妹」
妹友「私、妹の嘘なら分かっちゃうって言ったよね?」
妹友「なんでそんなに、私に嘘をつくの?なんでそんなに…」
妹友「自分の心に、嘘をつくの?」
妹友「私に嘘をつくくらいなら良いけど、自分の気持ちに嘘をついてるなら」
妹友「いくら私でも、怒るんだからね」
妹「……。」
482:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 03:49:05.88 ID:MqbYTc3L0
妹友「妹の言葉だと、お兄ちゃんのことを好きになっちゃ駄目だから好きにならないって言ってるようにしか聞こえないよ」
妹友「私が聞いてるのはそんなことじゃない」
妹友「私が聞いてるのは、妹がお兄ちゃんを好きかどうか」
妹友「好きになっちゃ駄目かどうかなんて聞いてない」
妹友「妹の気持ちを聞いてるだけなのに」
妹友「何回嘘をついたら分かるんだよ、バカー…」
妹「…だって」
妹友「…だって?」
妹「だって…しょうがないじゃんかぁ!」
妹友「……。」
483:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 04:04:12.87 ID:MqbYTc3L0
妹「私はにいさんの妹として生まれたんだもん…」
妹「にいさんの願いを叶えるために生まれたんだもん」
妹「だから、にいさんの妹でいないと、私…」
妹友「だから、そうじゃなくて――」妹「じゃないと!」
妹友「……。」
妹「もしにいさんのことを好きになって、にいさんの妹でいられなくなっちゃったら」
妹「にいさんの願いを、叶えられなくなったら」
妹「そしたら私…消えちゃうかもしれないから」
妹友「……。」
妹「私はにいさんの願いを叶えるために生きてるから」
妹「にいさんの願いを叶えられなくなった瞬間、私はもう存在する理由がなくなる」
妹「そうしたら、私の魔法が…解けちゃうかもしれない」
妹友「……。」
妹「私、それだけは嫌なんだ」
485:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 04:17:02.09 ID:MqbYTc3L0
妹「ずっとにいさんと一緒にいたい」
妹「ずっとにいさんの側にいたい」
妹「一日でも長く、一秒でも多く、にいさんの隣にいたい」
妹「にいさんのことが知りたい」
妹「にいさんにずっと笑っていてほしい」
妹「にいさんと思い出を作りたい」
妹「にいさんに私のことを考えてほしい」
妹「優しく妹って呼んでほしい」
妹「褒めてほしい」
妹「可愛いよって言ってほしい」
妹「しょうがないなーって、ちょっと照れながら私を撫でてほしい」
妹「にいさんとだったら何だってしたい」
妹「にいさんにだったら何だってしてほしい」
妹「だから私…消えたくないんだ」
487:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 04:23:04.63 ID:MqbYTc3L0
妹友「……。」
妹「だから私、にいさんのことは好きにならない」
妹「一緒にいられるなら私、妹で良いから」
妹「このままで私、十分幸せだから」
妹「だから私は…だから…」
妹友「……。」
妹「……。」
妹友「…えっと…妹ってさ、バカ?」
妹「…え?」
妹友「ずっと一緒にいたい?何だってしてほしい?なにそれ、バカじゃないの?」
妹友「それが、好きってことじゃんか」
妹「…うー」
489:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 04:32:40.97 ID:MqbYTc3L0
妹友「なにそれ、そこまで言っといて好きにならない?好きじゃない?」
妹友「呆れるよ、ほんとに」
妹友「誰よりも大好きって言ってる癖に」
妹「…うー」
妹友「あんたが今言うことはそんなことじゃないのー」
妹友「ほら、言ってみなよ、分かってるでしょ?」
妹友「簡単だよ、あっという間。それだけで、全部の気持ちが溢れてくるから」
妹「……。」
妹友「ん?」
妹「…き」
妹友「なに?」
妹「…好き」
妹「私、にいさんのこと…好き」
妹友「…うん、それが聞きたかった」
490:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 04:44:40.49 ID:MqbYTc3L0
妹「…うー」
妹友「どう、気分は?」
妹「良くない」
妹友「そっか」
妹「でも…ちょっとだけ、良い気持ち」
妹友「…そっか」
妹「言っちゃった…」
妹友「大丈夫、私しか聞いてない」
妹「…うー」
妹友「よく頑張ったよ、妹」
492:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 04:50:10.24 ID:MqbYTc3L0
妹「…でも、私はにいさんの妹だから」
妹友「うん」
妹「にいさんのこと…す、好きだから」
妹友「うん」
妹「だから、にいさんのこと好きにはならない」
妹友「うん」
妹「言ってること、おかしい?」
妹友「とっても」
妹「そっか…」
妹友「でも、それで良いと思うよ」
妹「…うん」
妹友「でも、そっかー…ずっとお兄ちゃんの妹なんだよね?」
妹「うん」
妹友「だったら、私がお兄ちゃんのこと好きになっても、構わない?」
494:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 04:59:19.23 ID:MqbYTc3L0
妹「え、どういうこと?」
妹友「そのまんまだよ」
妹友「私、お兄ちゃんの恋人に立候補しようかなーって」
妹「え?…え?」
妹友「私もお兄ちゃんのこと好きだからねー」
妹友「妹がお兄ちゃんの妹のままで良いんだったら、私が恋人になろうかなーってね」
妹友「良いよねー、別に」
妹「だ、だめぇ…」
妹友「なんでー?」
妹「…なんでも」
妹友「妹のままで良いんでしょー?」
妹「でもだめなのぉ」
妹友「わがままー」
妹「うー…ぐすっ」
495:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 05:04:19.79 ID:MqbYTc3L0
妹友「あはは、じゃあやめとくよー」
妹「え…ほんとにぃ?」
妹友「妹がお兄ちゃんに告白するならねー」
妹「む、無理だってばぁ!」
妹友「頑張れ妹ー」
妹「楽しむなバカぁ…」
妹友「さっきの妹の好きって言葉、先輩にも聞かせたかったなー」
妹「あー、うー…もう妹友嫌いー…」
妹友「あ、冗談だってばー!」
女「……。」
女「……。」
女「…どえらいことを聞いてしまった」
496:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 05:10:13.27 ID:MqbYTc3L0
同時刻
男友「――でさ、そしたら俺はこう言ったわけよ」
男友「『お嬢さん、悪いが俺には心に決めたマドンナがいるのでね』ってな」
男友「そしたらまあ…男、聞いてる?」
男「…Zzz」
カセット『うん、うん、聞いてるよ』
男友「良かった、それでさ、そう言ってかっこよく立ち去ろうとした俺に向かって――」
男「…Zzz」
カセット『あはは、なにそれおもしろーい』
……………………
…………
……
536:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 18:41:25.85 ID:foNlZsIr0
男友「お、女子組」
男「おはよう」
女「おはよー!」
妹「お、おはよう」
妹友「温泉に行ってきたんですかー?」
男「そうそう、そっちは今から?」
女「そうだよ、チェックアウトはちょっと待っててね」
男友「まだ時間あるからゆっくり入ってきなよ」
男「妹、眠そうだな。大丈夫か?」
妹「…へ?あ、う、うん。大丈夫大丈夫」
男「…なんでそんな挙動不審なんだ」
妹「い、いやいや、なにもな…」
男「…ん?」
妹「……//」カアッ
男「……?」
537:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 18:49:03.04 ID:foNlZsIr0
妹友「妹とは夜ずっとお話ししてましたからねー」
男「あー、なるほど」
妹友「ねー、妹?」
妹「あ、うん、そうそう…」
妹友「先輩はすぐに寝ちゃいましたけど」
女「え?あ、あははー、ごめんごめん」
男「一番張り切ってたんじゃないのかよ…」
女「いやー、つい寝ちゃってねー、ぐっすりだったよ、うん、ぐっすり」
男友「情けないなー、俺らなんて一晩中語り合ってたというのに。なあ男」
男「え?」
男友「え?」
男「…あ、うん、そうだったな」
男友「だよなー!」
538:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 19:01:08.75 ID:foNlZsIr0
男友「じゃあ、温泉入って出掛ける準備出来たら俺らの部屋に来てくれ」
女「了解ー」
妹友「朝ごはんはどこで食べますかー?」
男友「近くに食堂付きの市場があるらしいから、そこで新鮮な魚でも食べよう」
女「お魚!」
妹友「楽しみだねー、妹」
妹「うん」
男「男友にしてはちゃんと考えてるな」
女「偉い偉い」
男友「…俺の期待値どんだけ低いんだよ」
男「じゃあ、また後で」
女「はいよー」
妹友「ほら妹、お兄ちゃんがまた後でだって」
妹「な、なんでそれを私に言うのさー」
妹友「ふふ、別にー」
540:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 19:25:13.52 ID:foNlZsIr0
女「いやー、満腹満腹」
男「…で、なんで朝飯食べたあとにまた海に来てるんだ」
妹友「このまま帰るのはもったいないじゃないですかー」バンッ
妹「そうそう」バンッ
男「二人とも着替えるの早いな」
女「私も、ババンッ!」
男「いや、あんたは早過ぎだろ」
男友「ま、折角だしもうひと遊びしてこうぜ」
男「帰りの時間は大丈夫か?」
男友「問題ない」
男「なら良いけど」
女「男君も着替えなよー」
男「いや、俺は良いよ」
男友「まあまあそう言わずに」バンッ
男「…いや、お前はいつ着替えたんだ」
543:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/31(金) 19:30:41.36 ID:foNlZsIr0
妹友「突撃準備完了ですー、隊長」
女「よし、妹さん、うきわの装備は?」
妹「バッチリです隊長」
女「よし、発進ー」
妹友「おー」
妹「おー」
タッタッタッ
男友「男は?」
男「俺は荷物番」
男友「いらないってそんなん」
男「いや、誰か一人でも体力を残しとかないと」
男友「ん?」
男「…いや、すぐ分かるよ」
570:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 02:19:09.97 ID:U35MKv280
女「……。」
妹「……。」
妹友「……。」
男友「……。」
男「はい、抜け殻が四つ出来上がりと」
女「……。」
妹「……。」
妹友「……。」
男友「……。」
男「あ、うん、よくそんなになるまで遊んだよ…」
573:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 02:34:32.54 ID:U35MKv280
男「よし、帰るぞー」
女「…うん」
妹「あ、待ってー…」
男「ん?」
妹友「お土産…買いましょー」
男「別に良いけど」
男「いや、そんなグダグダになりながら言われても」
574:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 02:58:20.98 ID:U35MKv280
妹友「妹ー、おそろいのストラップ買おー」
妹「あ、うん」
女「パパとママにはこれでー、友達にはこれー」
男「元気になるの早いな」
女「男君、おそろいのストラップ買うー?」
男友「はいはい!俺が買う!」
女「最低」
男友「なにゆえっ!?」
男「…はは」
男友「男」
男「ん?」
男友「おそろいのストラップ買うか?」
男「死ねよ、二、三回」
575:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 03:06:32.31 ID:U35MKv280
女「妹友、あれ買おうよー」
妹友「ほうほう、先輩なかなかのセンスですねー」
男友「俺も俺もー!」
女「妹友、この先輩が何でも買ってくれるって」
妹友「え、本当ですかー?」
男友「え?」
女「はい、このかごにどんどん入れちゃえー」
妹友「がってんしょうちのすけー」
男友「え?え?」
男「男友もめげないな…」
妹「に、にいさん」
男「ん、どした?」
妹「……。」
妹「…一緒に、お土産見よう?」
577:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 03:35:45.68 ID:U35MKv280
男「なんだ、何か買いたい物でもあった?」
妹「そ、そういうわけじゃないけど」
男「…ん?」
妹「…おそろいで何か買いたいなー…なんて」
男「みんなしておそろいで買うのが流行ってるのか?」
妹「だ、だめかな?」
男「いや、良いけどさ」
妹「ほんとに?」
男「何故ここで嘘をつく」
妹「…やったぁ」
男「でも俺、どれが良いかとか分からないぞ?」
妹「大丈夫、私が選ぶから」
男「そっか。良いよ、自由に選んでくれ」
579:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 03:56:41.63 ID:U35MKv280
妹「にいさん」
男「ん、決まったか?」
妹「これなんて、どうかな?」
男「パズル型のキーホルダー?」
妹「これね、二つをくっつけると…」
男「あー、ひとつの絵になるのか」
妹「ね、ひとつひとつだと何の絵か分からないの」
妹「持ってる二人が一緒にいないと、この絵が完成しなくなっちゃうんだ」
男「なるほどな」
妹「ね、これで良い?」
男「良いけど、こんなんどこでも売ってるキーホルダーだと思うぞ?」
妹「いいの」
男「旅行のお土産だって分からないぞ?」
妹「私が旅行記念って書いとくから」
男「…まあ妹が言うなら、これにしようか」
580:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 04:14:06.50 ID:U35MKv280
男「ほら、買ってきたぞ」
妹「ありがと、にいさん」
男「俺はこっちを持ってれば良いんだな?」
妹「うん…ずっと持っててね」
男「分かった」
妹「私とにいさんの、思い出だから」
男「…おう」
妹「…えへへ、嬉しい」
男「ちなみにこの絵、なにかの花みたいだけどなんの花だ?」
妹「……。」
男「勿体ない、忘れる草?って書いてあるけど」
妹「勿忘草」
男「ワスレナ…グサ?」
妹「別名、「forget me not」。花言葉は…」
妹「私を、忘れないで」
582:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 04:23:43.14 ID:DUcWvH1s0
>>580で泣きそうになった。
620:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 12:54:24.95 ID:MaiY3C8G0
>>580
ぞくっとした
581:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 04:20:15.33 ID:U35MKv280
男友「急げー、電車が出るぞ!」
女「なんで、こんなに、ギリギリなのさー!」
男「お前のせいだよお前の」
妹友「先輩お土産買うのにどれだけ悩んでるんですかー!」
女「しょうがないじゃない、みんなにお土産買うって言っちゃったんだもんー!」
妹「で、電車出ちゃいますよ」
男友「待った、その電車乗ります!乗りますって!」
男「…情けない」
妹「…恥ずかしい」
妹友「先輩ー!」
女「申し訳なーい!」
584:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 04:32:46.41 ID:U35MKv280
ガタン…ゴトン…
男友「…間に合ったー」
男「一度閉まりきったドアを開けてもらったけどな…」
女「もう…体力ない…」
妹友「左に同じくですー…」
妹「……。」
女「妹さんが疲れすぎて言葉が出てない…」
男友「…ま、まあ無事に間に合ったということで」
男「俺らにしては、ハプニングなく上手くいった旅行だったな」
女「男友の企画にしてはねー」
男友「……。」
女「あ、いや冗談だよ?みんな男友に感謝してるからね?」
男「ほんとにありがとな、男友」
男友「ははは、それほどでもあるかなー!」
男「…こいつに謙虚ささえあれば」
586:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 04:43:46.19 ID:U35MKv280
ガタン…ゴトン…
男友「でも、まだ油断は出来ないからな」
女「へ?」
男友「家に帰るまでが遠足ですってな」
妹友「駅を寝過ごしちゃうとか、気をつけなきゃですよー」
女「…私、電車の中で寝ちゃう予定なんだけど」
男友「俺も、海で体力使い切ったからな」
妹友「ねむねむですー」
男「…だから言っただろうが」
男友「なるほど…男が言ってたのはこういうことか…」
男「まあ、俺が起きてるからみんなは寝てていいよ」
妹友「え、申し訳ないですよー」
女「…Zzz」
男友「…女」
男「…ま、そういうわけだから」
588:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 04:54:07.36 ID:U35MKv280
ガタン…ゴトン…
女「…Zzz」
妹友「…Zzz」
男友「…Zzz」
男「はは、みんな満足そうな顔で寝やがって」
男「…さて、どうやって時間潰すかなー」
妹「…にいさん」
男「あれ、妹?お前も寝てて良いんだぞ?」
妹「いい、眠くない」
男「嘘つけ、すっごく眠そうな顔してるぞ」
妹「眠くないもん」
男「いやいや、無理すんなって」
妹「…にいさん、隣に座っても良い?」
男「…しょうがねえな、ほら」
妹「えへへ、ありがと」
589:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 05:06:47.33 ID:U35MKv280
妹「……。」
男「……。」
妹「……。」
男「…あー、妹?」
妹「…なに?にいさん」
男「この旅行楽しかったか?」
妹「うん、とっても」
男「そっか、良かった」
妹「海も花火も温泉も、夜の内緒話も全部全部楽しかったよ」
男「夜の内緒話が気になるな」
妹「な、内緒話だから内緒に決まってるでしょ!」
男「はは、それもそっか」
妹「……//」カアッ
男「…ん?」
590:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 05:13:21.11 ID:U35MKv280
妹「…私ね、この旅行のこと、絶対に忘れないよ」
男「俺もだよ」
妹「……。」
男「妹と買ったキーホルダーのこともな」
妹「……。」
男「忘れないよ、全部」
妹「……。」
男「全部、覚えてるから…当たり前だろ?」
妹「……。」
男「…妹?」
妹「…にいさん」
男「なんだ?」
妹「あと…五ヶ月、切っちゃったね」
男「……。」
妹「クリスマスの魔法が…解けるまで」
592:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 05:38:34.26 ID:U35MKv280
男「…そう、だな」
妹「このまま夏が終わって、秋になって…そして、秋が終わって冬になれば」
妹「また、クリスマスがやってくる」
男「…うん」
妹「そしたら、私は…私は…」
男「……。」
妹「……。」
妹「…あーあ、一年なんてあっという間だね」
妹「にいさんと初めて会ったのが、ほんのちょっと前みたいなのに」
妹「気付いたらもう半分以上過ぎてるなんて、ほんとに嘘みたい」
男「……。」
妹「だからきっと…残りの半分もあっという間なんだろうね」
男「……。」
595:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 05:55:29.27 ID:U35MKv280
妹「ねえ、にいさん」
男「なんだ?」
妹「手、繋いで良い?」
男「…ほら」
妹「…ありがと」
ギュ
男「……。」
妹「やっぱり冷たいね」
男「ごめんな」
妹「ううん、いつものにいさんの手で安心したの」
男「そっか」
妹「えへへ、にいさんの手だぁって」ギュ
男「…そっか」
597:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 06:09:14.54 ID:U35MKv280
妹「知ってる?手が冷たい人は、心が暖かいんだって」
男「ふーん」
妹「その話、本当だったよ」
妹「にいさんの心、とっても暖かいから」
男「はは、どうやって分かるんだよ」
妹「分かるよ、だって私、にいさんの妹だもん」
男「…そうだったな」
妹「私、にいさんの妹で良かった」
男「…俺も、お前のにいさんになれて良かったよ」
妹「にいさん、あと少しの間だけど、にいさんの妹でいさせてください」
男「……。」
妹「……。」
男「…もちろん、お前はずっと俺の妹だよ」
妹「えへへ、良かった」
599:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 06:18:40.28 ID:U35MKv280
妹「…ふわぁ」
男「やっぱお前、眠たいんじゃないか」
妹「あはは、ちょっと疲れちゃったみたい」
男「無理しないで寝ろよ…手、ずっと繋いどいてやるから」
妹「…うん」
男「俺さ、まだお前とやりたいことが沢山あるから」
妹「……。」
男「夏だって、秋だって、冬だって…俺、お前の側にいてやるから」
妹「……。」
男「だから、安心して寝てくれよ」
妹「…分かった」
男「…じゃあ、おやすみ、妹」
妹「おやすみ、にいさん」
男「……。」
妹「……。」
601:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 06:27:07.97 ID:U35MKv280
男「……。」
妹「…Zzz」
男「…妹」
妹友「なんで、次の春も一緒にいてやるって言わなかったんですか?」
男「…妹友さん、起きてたのか」
妹友「なんで、またサンタに妹を願ってやるって言わなかったんですか?」
男「…妹のこと、知ってるのか」
妹友「今はその話は良いです」
妹友「私の質問に、答えてくださいよ」
男「…そうだな」
男「言っても、妹は喜ばないと思ったから、かな」
妹友「……。」
602:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 06:43:36.40 ID:U35MKv280
妹友「どういう意味ですか?」
男「…俺が次の春も、その次の春も妹と一緒にいたいって思ってることなんて、言わなくたってこいつに伝わってるさ」
男「サンタに願ってやりたいって思ってることだってとっくに分かってるよ」
男「俺だって、妹のずっと一緒にいたいって言葉も、サンタに願ってほしいっていう言葉も全部聞こえてる」
男「だって俺たちは、兄妹だからな」
妹友「……。」
男「でも、妹はそれを分かった上で、あと少しで自分が消えちゃうって思ってるんだ」
男「だから、ずっとあんな顔をしてる」
男「なにかを言わないまま、諦めたように残りの時間を過ごそうとしてる」
男「そんなあいつになにを言っても、今の妹には何も届かないと思ってさ」
妹友「…妹が、何かを隠してるのは知ってます」
男「隠してるというか…」
妹友「はい?」
男「いや、なんでもない」
603:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 06:52:52.41 ID:U35MKv280
妹友「なんですか?気になります」
男「隠してるというか…言ってもしょうがないって思ってるんだろうな」
男「あとは、言わないことによってその現実から目を背けようとしてるのかも」
妹友「…お兄ちゃんは妹が何を言わないようにしてるのか分かってるんですか?」
男「……。」
私を、忘れないで
男「…たぶんね」
妹友「…そうですか」
男「…なにかは聞かないんだ」
妹友「それに気付くのは私の役目ですから」
妹友「私は、妹の友達だから」
男「そっか」
604:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 07:00:48.36 ID:U35MKv280
妹友「でも、一つ聞かせてください」
男「ん、なに?」
妹友「お兄ちゃんは、そんな妹を幸せに出来ますか?」
男「……。」
妹友「出来ますか?」
男「…するよ」
妹友「…そうですか」
男「自信はまだ、ないけれど」
妹友「良いです、お兄ちゃんがするって言ったんだから」
妹友「私は、それを信じます」
男「…ありがと」
妹友「…なにか私に出来ることは、ありますか?」
男「そうだね…」
男「妹と、たくさん思い出を作ってあげて」
605:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 07:08:35.32 ID:U35MKv280
妹友「そんなこと、言われなくても作りますよ」
妹友「いっぱい、いっぱい」
男「そっか」
妹友「…じゃあ、後は任せますから」
男「…おう」
妹友「…では、私はもう少し寝ますね」
妹友「あ、妹のもう片方の手は借ります」
男「どうぞ」
妹友「おやすみ、お兄ちゃん」
男「おやすみ、妹友さん」
妹友「あ、あと、私は呼び捨てで良いですよ」
男「呼び捨てはちょっと…じゃあ妹友ちゃんで」
妹友「やった、一歩前進です」
男「おやすみ、妹友ちゃん」
妹友「はい、おやすみなさい」
606:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 07:15:03.79 ID:U35MKv280
妹友「…Zzz」
男「……。」
男「…さて、どうやって時間を潰そうか」
男「……。」
妹「…ん」
男「……。」
妹「…にいさぁん…えへへ」ギュ
男「……。」
男「…そうだな、妹のことを考えよう」
男「寝顔でも見ながら、ゆっくりと」
男「今までのことと、これからのこと」
男「時間は、たっぷり、あるんだから」
私を、忘れないで
男「……。」
妹と夏の思い出 おわり
610:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 07:44:09.50 ID:U35MKv280
閑話
ザー…
妹「うー、雨ー…嫌だー…」
妹友「しょうがないよー、季節の変わり目は天気が不安定になりやすいから」
妹「でも雨は嫌いー」
妹友「なんでー?」
妹「気分までジメジメしちゃうもん」
妹友「あはは、妹らしいねー」
妹友「でも、そのお気に入りの傘が使えるから良いじゃんかー」
妹「……。」
妹友「…ん?」
妹「…えへへ、そうだね。にいさんと選んだ傘だもんねー」
妹友「…妹、最近お兄ちゃんに対する気持ちがオープンになってきてるね」
妹「だ、だってもう妹友に隠してもしょうがないもん…」
秋のある日
621:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/01(土) 13:15:38.87 ID:TwwPJR880
何とかハッピーエンドにならんものか
670:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 01:41:02.13 ID:7TJSJCXT0
ザー…
妹友「羨ましいなー、お兄ちゃんと毎日一緒にいれるなんて」
妹「当たり前でしょー、兄妹なんだから」
妹友「私もお兄ちゃんの妹になろうかなー」
妹「え、な、なんで?」
妹友「好きだからに決まってるじゃんかー、妹になったらずっと一緒にいれるもんね」
妹「…す、好きっていうの、冗談じゃなかったの?」
妹友「本当に決まってるじゃん、私は妹に嘘つかないもん」
妹「え、えーッ!?」
妹友「よーし、そうと決まれば早速お兄ちゃんの妹になろー」
妹「だ、だだだ駄目だよ!にいさんは私だけのにいさんなんだからね!」
妹友「わー、大胆発言いただきましたー」
妹「え、え?」
妹友「にいさんは私だけのもの、だって。きゃー」
妹「そ、そんなこと言ってないでしょー!」
671:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 01:54:01.80 ID:7TJSJCXT0
ザー…
妹友「わ、水飛ばすなー!」
妹「妹友が変なこと言うからだよ!」
妹友「言ったのは妹だけどね」
妹「わ、私は言ってないってばー!」
妹友「あとでお兄ちゃんに教えてあげよーっと」
妹「だ、ダメぇ!」
妹友「わー、来るなー」
妹「逃げるなー!」
妹友「雨、雨だから!走ると濡れるからー!」
妹「だったら止まれバカぁ!」
妹友「何もしないなら止まるー」
妹「そんなわけないでしょ!」
妹友「ですよねー」
674:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 02:10:30.55 ID:7TJSJCXT0
ザー…
妹友「はあ…はあ…」
妹「はあ…はあ…もお、びしょびしょになったじゃんか」
妹友「妹が…はあ…追い掛けるからだよー」
妹「…追い掛けさせるようなこと…はあ…言うからー」
妹友「だから、言ったのは妹だよー」
妹「」妹友「わあ、ちょっと待った私が悪かったですー!」
妹「…もお」
妹友「はあ、助かったー」
妹「……。」
妹友「……。」
妹「…ぷっ」
妹友「…ぷっ」
妹「あははははー」
妹友「あははははー」
677:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 02:24:18.55 ID:7TJSJCXT0
ザー…
妹友「もう、こんなにびしょびしょになって、お母さんに怒られちゃうよー」
妹「妹友のせいだからね」
妹友「はいはい、ごめんなさいー」
妹「じゃあ、また明日」
妹友「うん、ばいばーい…って、あれ?」
妹「ん、なになに?」
妹友「あれ、あの段ボール、なんだろー」
妹「…き、気にしないで帰ろうよー」
妹友「でもあれ、妹が今から通る道じゃん。気にならないー?」
妹「……。」
妹友「見てみようよ、ね?」
妹「…し、しょうがないなあ」
妹友「やったー」
680:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 02:44:56.77 ID:7TJSJCXT0
男「…傘をなくした?」
妹「うん、ごめんなさい…」
男「盗まれたのか?」
妹「違う、なくしたの」
男「…ん?」
妹「ごめんなさい」
男「あ、いや別に良いけどさ…だから今日あんなびしょびしょで帰ってきたのか」
妹「え、あ、それは別の理由なんだけど…」
男「…んー?」
妹「…そっちの方は気にしないでください」
男「まあ、風邪にだけ気をつけてくれれば俺は構わないけど」
妹「あ、にいさんに移すと大変だもんね…受験生だし」
男「いやいや普通に妹の心配だよ」
妹「…あ、ありがと//」
男「そこはありがとうじゃなくて気をつけますだろ」
681:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 03:01:36.37 ID:7TJSJCXT0
男「家にはどうやって帰ってきたんだ?」
妹「妹友の傘に入れてもらっちゃった」
男「…妹友ちゃん、ほんとに優しい子だな」
妹「…む」
男「今度改めてお礼を言わないと」
妹「…に、にいさん」
男「なんだ?」
妹「にいさんも、い、妹友のことが…き、気になりますのでございまするか?」
男「…どこの国の言葉だそれは」
妹「け、敬語は苦手」
男「まずなんで敬語にしようとしたのか分からないけど」
男「…えっと、妹友ちゃんのことが気になるかどうか?」
妹「そ、そうそう」
男「…具体的にどういう質問なんだそれは」
697:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 12:34:03.64 ID:vdOpexlL0
妹「え、だ、だからそのー…」
男「だからその?」
妹「…す、好きになったりとか?」
男「……。」
妹「……。」
男「…はあ」
妹「え、なんでため息ッ!?」
男「ま、まあ妹の友達としてなら気になるけど」
妹「…あれ?」
男「あの子なら妹と仲良くしてくれるだろうなって思ってるから、心配もしてないし」
妹「好きになったりとかは?」
男「ないない」
妹「妹友すっごく可愛いのに?」
男「確かに可愛いとは思うよ」
妹「あれー?」
723:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 20:27:56.24 ID:B2S+Xi7U0
男「なんでそんな話になるんだよ」
妹「い、いやなんでもないけどさ」
男「……?」
妹「…ほ、ほんとに妹友のことなんとも思わないの?」
男「うん」
妹「……。」
男「…ん?」
妹「…あー、妹友は胸が大きいから」
男「断じて違う」
734:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 21:34:13.06 ID:hWGgfYgu0
男「で、傘がなくなったって?」
妹「あ、うん…」
男「新しい傘、買いに行くか?」
妹「え?い、良いよー」
男「でも、明日も雨だぞ?」
妹「だって今も雨降ってるし…」
男「俺の傘に入っていけよ」
妹「え?」
男「ん?」
妹「…あ、相合い傘ー」ボソッ
男「なんだって?」
妹「な、なんでもない!」
738:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 22:05:32.61 ID:hWGgfYgu0
男「で、どうする?」
妹「…い、行くー」
コンコン
母「入るわよ」
男「ん、どうぞー」
ガチャ
母「あら、妹もいるの?」
妹「うん」
母「お兄ちゃんの勉強の邪魔しちゃ駄目よ」
妹「…はーい」
男「いや、ちょうど今から休憩するところだよ」
母「あら、そうなの?」
男「妹とちょっと散歩してくるよ」
妹「…えへへ」
740:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 22:24:33.67 ID:hWGgfYgu0
母「散歩?」
男「妹と傘を買いに行ってくるよ」
母「傘?私が代わりに買ってこようか?」
男「良いよ、勉強の気分転換になるし」
妹「にいさん…今日私と話してばっかりだったのに」ボソッ
母「そう、じゃあ暖かい格好をして行きなさいよ」
男「ん?」
母「今日は冷え込むってニュースでやってたから」
妹「今日、寒くなるの?」
母「そう、それに雨だから風邪を引かないようにしなさいよ」
男「分かったよ」
妹「……。」
743:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 22:39:59.75 ID:hWGgfYgu0
妹「お母さん、なにかモコモコしてるものある?」
母「モコモコ?」
男「モコモコ?」
妹「うん、暖かくなるものー」
母「着て行くってこと?私のお古のセーターで良いならあるわよ」
妹「あ、えっと…そうじゃなくて」
母「…なに?」
妹「汚れても良いものが欲しいなぁ…」
男「……?」
母「ん?別に私が着れなくなったセーターだから、汚しても良いわよ?」
男「母さん、太ったの?」
母「男、今日、晩飯抜き」
男「なにゆえっ!?」
746:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 23:00:36.91 ID:hWGgfYgu0
妹「セーター、汚しても良いの?」
母「構わないわよ」
妹「じゃあ、着て行くー」
男「妹、なにか汚れる用事でもあるのか?」
妹「あ、えーっと…あははー」
男「……?」
母「ほら、行くなら早く行きなさい。どんどん寒くなるわよ」
妹「は、はーい」
母「妹、傘が無いの?」
妹「あ…うん、なくしちゃって」
母「じゃあ私の傘を使って行きなさいね」
妹「え?」
母「え?」
妹「…はいな」
母「……?」
21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 23:45:46.49 ID:QtVvKPJ50
ザー…
男「降ってるなー」
妹「……。」
男「どうかしたか?」
妹「…え?あ、ごめん、考えごとしちゃってた」
男「大丈夫か?」
妹「うん、行こ?にいさん」
男「大丈夫なら良いけど…じゃあ行くか」
バサッ
男「…ん」
妹「え?」
男「入れよ」
妹「でも、お母さんが…」
男「良いから」
妹「…はいな」
40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 02:27:38.46 ID:UFajOtJR0
妹「えへへー」
男「気にいった傘があって良かったな」
妹「あ、うん。それも良かったけどー」
男「それも?」
妹「な、なんでもないよー」
男「妹、なんか隠しごと多くないかー?」
妹「そ、そんなことないよ?」
男「…ふーん」
妹「あー、機嫌悪くしないでよ」
男「いや、悪くはしてないけど。妹の機嫌が良い理由くらい教えてくれても良いんじゃないかなー」
妹「……。」
男「ん?」
妹「…に、にいさんと散歩出来たから」
男「…あー」
妹「な、なに言わせてるのさ、バカぁ!」
44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 02:49:21.13 ID:UFajOtJR0
男「よし、じゃあ帰るぞー」
妹「はいな!…じゃなくて」
男「ん?」
妹「私、ちょっと行くところが…」
男「え、どこ?」
妹「…妹友のところ?」
男「いや聞かれても」
妹「そう、妹友のところ!」
男「こんな時間に何をしに行くんだ?」
妹「……。」
男「……。」
妹「…か、買った傘を自慢しに行くの!」
男「答えるまでえらく間が空いたな…」
45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 02:56:24.47 ID:UFajOtJR0
男「こんな時間に買った傘を自慢しに行くのか?」
妹「う、うん」
男「家まで行って?」
妹「…うん」
男「明日学校でも会えるのに?」
妹「……。」
妹「り、理屈っぽい男子は嫌われるんだぞ!」
男「…え?なんで俺が責められてるの?」
46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 03:09:12.85 ID:UFajOtJR0
妹「…あ!わ、私は別ににいさんのこと嫌いじゃないからね!」
男「…まあ良いや」
男「晩御飯までには帰って来いよ?」
妹「はーい」
男「夜道だからな、人に気をつけろよ?」
妹「分かってるよー」
男「じゃあ俺は先に帰ってるからな」
妹「にいさん、傘ありがと」
男「おう」
妹「それと、勉強の邪魔してごめんなさい」
男「いい気分転換になってるから大丈夫だよ」
妹「…えへへ、にいさんは優しいね」
47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 03:17:39.27 ID:UFajOtJR0
男「お兄ちゃんってのは妹には優しくするもんだ」
妹「嘘だー」
男「ほら、良いから早く行けよ」
妹「あ、うん。じゃあまた後でね、にいさん」
男「ほんとに変な人とか気をつけろよ?」
妹「大丈夫だって」
男「俺も付いていこうか?」
妹「い、良いって!」
男「そっか」
妹「じゃ、じゃあねッ!」
タッタッタッ
男「おい、雨の中走るとまたビショビショになるぞー」
男「…たく」
男「…いったい何をしてるんだ?」
48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 03:25:03.14 ID:UFajOtJR0
タッタッタッ…
妹「…あ、いたー」
妹「よしよし、濡れてないかい?寒いよね?よく頑張ったね」
妹「…よし!」
ヌギッ
男友「わっ!」
女「わあっ!」
妹「ひゃあっ!」
男友「あ、すいませんびっくりしちゃって…」
女「ご、ごめんなさい…って、妹ちゃん?」
妹「…男友先輩に女先輩?」
49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 03:32:58.45 ID:UFajOtJR0
男友「な、なんだー妹さんか…」
女「道端で急に女の子が服を脱ぎだしたからびっくりしたよ!」
妹「あ、あははー…」
女「こんな雨の中で何やってたのー?」
妹「え、というか先輩たちは二人でどうしたんですか?」
男友「そんなの勿論デートに決まって――」ゴスッ
女「……。」
男友「…僕、今嘘をつきました」
女「分かればよろしい」
妹「…えっと、本当は?」
女「このバカが、このままじゃ大学に落ちるーって泣きついてきたから勉強教えてたのよ」
妹「…へ、へぇ」
男友「どうかそんな目で見るのはやめて下さい」
50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 03:39:34.95 ID:YOXL/Eyo0
男友と女きたぜ!!
これを待っていたんだ。
たまには兄と妹以外の事も見る人がいないとね。
64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 09:35:41.53 ID:lmu3SdtK0
妹「勉強のことならにいさんに聞けば良いじゃないですか」
男友「男にも聞いたんだけど…」
妹「はい」
女「『理解が出来ないやつに教える気はない』だっけ」
男友「……。」
妹「…先輩、よくこの高校に受かりましたね」
男友「昔は出来る子だった」
妹「…ま、まあ女先輩に任せれば大丈夫ですよ」
女「知ってる?妹」
妹「はい、なんでしょう?」
女「この人1月から12月まで英語で言えないのよ」
妹「……。」
女「ついたキャッチフレーズが、『こいつは誰にも止められない』」
妹「……。」
男友「あ、その視線は甘んじて受け止めます」
66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 09:45:27.39 ID:lmu3SdtK0
女「で、妹ちゃんは何をしてたの?」
妹「あ、いえ…この子が寒そうだったので」
男友「ん?…あー」
女「わ、可愛いー!」
妹「妹友と見付けたんです」
男友「捨てられちゃってるんだな」
女「かわいそう…」
妹「そうなんです…」
男友「で、脱いで服をあげようとしてたのか?」
妹「このセーター、この子にあげるために着てきたので」
女「健気な妹ちゃんも可愛いー!」ギュ
妹「わ、わ、離してくださいー!」
男友「雨の中でなにやってんだ…」
67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 09:55:48.54 ID:lmu3SdtK0
男友「もしかしてこの傘も?」
妹「…あ、はい」
女「妹ちゃん優しいねー」
妹「いえ、私のせいでにいさんに新しい傘を買わせちゃったから…」
女「男君ならそれくらい許してくれるでしょ」
男友「むしろあいつも傘を置いてくくらいだな」
女「あ、男君小動物大好きだもんね!いっそのことうちで飼うとか言い出すんじゃない?」
男友「はは、ありえるな」
妹「……。」
女「あれ、どうかしたの?」
妹「お願いがあるんですが」
女「お願い?」
妹「私がここでしてること、にいさんには内緒にしておいてもらえませんか?」
69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 10:02:32.91 ID:lmu3SdtK0
男友「ん、内緒?」
女「男君に話してないの?」
妹「はい」
男友「どうしてだ?」
妹「…そ、それは」
女「分かったよ」
妹「…え?」
女「内緒にしとけば良いのね?」
妹「はい、お願いします」
男友「あ、あれ、理由聞いてないぞ」
女「バカ、女ってのはね、誰だって秘密を持ってるものなのよ」
男友「え、今そういう話なの?」
女「そういう話なの!」
妹「…ありがとうございます」
70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 10:13:45.47 ID:lmu3SdtK0
女「良いよー、ほら、男友も絶対に言っちゃ駄目だからね?」
男友「まあ、女の子の頼みは無条件で聞きますけどね」
女「カッコイイー」
妹「あはは…くちゅんっ!」
女「あ、ほらほら風邪引いちゃう!」
男友「帰ろうぜー」
妹「あ、はい、分かりました」
男友「家まで送ってこうか?」
妹「大丈夫ですよー」
女「気をつけて帰りなさいよ?」
妹「…えへへ」
女「どうしたの?」
妹「にいさんみたいに心配してくれたから…なんかお姉ちゃんが出来たみたいで」
女「きゃー、お持ち帰りしたいー」ギュ
妹「わ、わー!」
71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 10:19:54.10 ID:lmu3SdtK0
女「じゃあまたねー」
男友「また遊ぼうね、妹さん」
妹「はい、お願いします。さようならー」
タッタッタッ
女「あ、走ると濡れちゃうよー?」
男友「元気だな…さて、俺も帰るかなー」
女「待てい」ガシッ
男友「…あ、やっぱまだやるんですか」
女「私の部屋でみっちりとね」
男友「……。」
女「はい、出発ー」
男友「…おー」
73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 10:29:04.56 ID:lmu3SdtK0
男「おはよー」
妹「行ってきまーす!」
バタン
男「…ん?あれ?今何時?」
母「7時」
男「…妹、家出るの早くない?」
母「なんか妹友ちゃんと約束してたみたいよ」
男「なんの?」
母「聞いてないけど」
男「……?」
75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 10:41:20.88 ID:lmu3SdtK0
妹「おはよ」
妹友「おはよー、妹」
妹「寒いねー」
妹友「あの子大丈夫かなー…」
妹「昨日ね、一応セーターを置いてきたんだけど」
妹友「セーター?昨日って、一度家に帰った後?」
妹「うん」
妹友「ぶー、妹ばっかり頑張ってるー」
妹「わ、私じゃないよ!傘はにいさんに買ってもらったし、セーターはお母さんのだし…」
妹友「…私もなにかしてあげたい」
妹「き、聞いてよー」
妹友「よし、今日ミルクを買ってあげよう」
妹「え…でも、それ良いかも」
妹友「でしょ!じゃあ放課後にねー」
妹「うん!じゃあ、あの子に会いに行こー」
76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 10:49:36.10 ID:lmu3SdtK0
妹「ただいまー」
男「おかえりなさい」
妹「あれ、にいさん早いね」
男「まあなー」
母「帰ってきたらすぐに着替えなさいよー」
妹「分かってるよー」
トットットッ
…………。
トットットッ
妹「いってきまーす」
男「ちょ、ちょい待ち」
妹「…あれー?」
78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 10:59:01.36 ID:lmu3SdtK0
男「出掛けるの早いな」
妹「あ、うん。財布を取りに来ただけだから」
男「買い物か?」
妹「妹友とね」
男「何を?」
妹「……。」
男「……。」
妹「…ぎゅ、牛乳」
男「牛乳?」
妹「うん、牛乳」
男「妹、牛乳好きだっけ?」
妹「きょ、今日はそんな気分なの!」
母「牛乳ならあるわよ?」
妹「あ、えーっと…」
80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 11:01:53.18 ID:lmu3SdtK0
妹「今日は買いたい気分なんです」
母「……?」
男「……。」
妹「じゃ、じゃあいってきまーす」
母「…いってらっしゃい」
バタン
母「妹、どうしたのかしら」
男「……。」
81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 11:23:28.87 ID:lmu3SdtK0
妹「お待たせー」
妹友「全然待ってないよー」
妹「じゃあ行こっか」
妹友「うん、どこで買うー?」
妹「牛乳ってコンビニに売ってるよね?」
妹友「コンビニって高くないかな…?」
妹「大丈夫、私も払うから」
妹友「え、やだよー、私があげるからー!」
妹「私もあげたいもん」
妹友「…むー」
妹「えへへ…行こ?」
妹友「しょうがないなー」
85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 12:50:48.14 ID:voe+fswu0
妹「来たよー」
妹友「来たよー」
妹「ミルクあげるからねー」
妹友「寒くなかったー?」
妹「…あ、ミルクどうやってあげよう」
妹友「はい妹、お皿持ってきたから」
妹「あ、ありがとー」
妹友「飲んでくれるかなー」
妹「どうかな…はい、どうぞ」
男「…冷たい牛乳あげるとお腹壊すぞー」
妹友「わあっ!」
妹「わっ!」
86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 12:54:16.90 ID:YOXL/Eyo0
男參上ktkr
89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 13:10:50.58 ID:voe+fswu0
妹「に、にいさん?」
妹友「あ、お兄ちゃん、こんにちはー」
男「こんにちは、妹友ちゃん」
ミャー
男「…やっぱりネコだったか」
妹「ど、どうしているのかな…」
男「……。」
妹「……。」
男「…はぁ」
妹「ご、ごめんなさい」
男「いや、なんも怒ってないけどね」
妹友「…ネコさん、牛乳だとお腹壊しちゃうんですかー?」
男「あー、普通の牛乳はあげ過ぎないほうが良いんだよ。ほら、ネコ用のミルク買ってきたからこれを飲ませてあげて」
妹友「あ、はーい」
93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 13:27:07.22 ID:voe+fswu0
ミャー
妹友「飲んでますねー」
妹「…美味しそう」
男「妹、よだれ」
妹「へ?…わーわー!」
妹友「妹も飲む?」
妹「い、いらないもん」
男「だからそれネコ用だって…」
ミャー
妹友「え?もっとー?」
妹「あげていい?にいさん」
男「あとちょっとだけな」
妹「はーい、どうぞー」
ミャー
妹友「あはは、喜んでるー」
96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 14:10:44.44 ID:vuFzzPRS0
妹友「じゃあ妹、また明日ねー」
妹「うん、またね」
妹友「お兄ちゃん、今度家に遊びに行きますね」
男「いつでもどうぞ」
妹「駄目だよ、にいさんは受験生なんだからね!」
妹友「あ、そっかー…」
男「はは、気にしなくて良いよ」
妹友「ほんとですかー?」
男「ほんとほんと」
妹「…むー」
男「じゃあね、妹友ちゃん」
妹友「はい、さようならー」
106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 17:20:51.18 ID:U0QBlTuy0
男部屋
男「…なるほどな、傘とセーターはこういうことか」
妹「…ごめんなさい」
男「いや、だから別に怒ってないって。むしろ妹の優しさに感心してるくらいだし」
妹「うん…」
男「でもまあ、ひとつ言うとしたら、なんで俺に内緒にしてたかってことだな」
妹「……。」
男「言ってくれたら俺も色々やってあげたのに」
妹「……。」
男「なんだったら母さんに頼んであのネコを飼っても良いしな」
妹「……。」
男「運の良いことに、俺も母さんもネコは大好きだ」
妹「…だからだよ」
男「え?」
111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 17:37:10.99 ID:U0QBlTuy0
妹「にいさんもお母さんも、ネコが好きなの知ってるし…優しいから」
妹「ばれちゃったら…ネコを飼っても良いよって言うかなーって」
男「あれ、飼いたくないのか?でもそれなら別に、無理に飼えって言うわけじゃないしさ」
妹「…うー」
男「…ん、飼いたいのか?」
妹「……。」
男「いや、だからもし母さんが反対しても俺が頼んでやるって」
妹「…だって、飼うことになったら私のせいでにいさん達に迷惑かけちゃうことになるし」
男「迷惑?」
妹「うん…」
男「……。」
ペシッ
妹「あうっ」
男「お前、なに今更家族に向かって遠慮なんかしてるんだよ」
妹「……。」
112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 17:55:27.63 ID:U0QBlTuy0
男「あほか、どこの世界に飼っても良いよって言われて遠慮する妹がいるんだよ」
妹「……。」
男「妹は家族ってものを分かってないな、兄妹というものが理解出来てない」
男「良いか、よく聞けよ?」
男「昔から、妹はわがままを言うもの、兄はそれに付き合うものだって決まってるんだから」
妹「…そんなの聞いたことない」
男「じゃあ今覚えれば良い」
妹「……。」
男「だから、お前は遠慮なんかしちゃ駄目なんだからな。うちの家族なら、俺の妹なら、いらない気遣いなんかするな」
妹「……。」
男「今度そんなことしたら、また説教だからな、分かってるな?」
妹「……。」
男「返事は?」
妹「…はい」
114:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 18:03:07.93 ID:U0QBlTuy0
男「よし…ほら」
ナデナデ
妹「ふあ…な、なに?」
男「叩いてごめんな、痛かっただろ」
妹「力なんて全然いれてないくせに…」
男「でも、叩かれたら心が痛くなるだろ?」
妹「…にいさん、たまに臭いこと言うよね」
男「うるせー」
妹「それに、叩いて傷ついてるのはにいさんの方だし」
男「妹を叩いて心を傷めないやつなんて兄じゃないよ」
妹「ほらまたー」
男「なんだよ、本心だぞ?」
妹「…知ってる」
115:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 18:16:48.57 ID:U0QBlTuy0
男「よし、じゃあ兄としての役目を果たしに行くかなー」
妹「え?」
男「母さんにネコを飼うことを交渉しに」
妹「……。」
男「ま、すぐ許してくれるだろうけど」
妹「…行かなくて良いよ、にいさん」
男「ん、なんでだ?」
妹「やっぱり、ネコは飼わない方がいいもん」
男「…余計なことは考えなくても良いんだぞ?」
妹「ううん、考える…というか、にいさんは誤解してるけど」
男「誤解?」
妹「私が考えてるのは…私がいなくなった後のこと」
男「……。」
158:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 04:16:59.40 ID:hkaOf6wk0
妹「私の為にネコを飼っても、私はすぐにいなくなっちゃうから」
妹「私がいなくなった後は、やっぱりにいさん達に迷惑がかかっちゃうもん」
男「……。」
妹「なのに、飼いたいなんて…言えないよ」
男「……。」
妹「……。」
男「…え、なに?もう一回同じこと説教しないといけないのか?」
妹「え?」
男「妹はネコが飼いたいんだろ?」
妹「…うん」
男「だったら変な遠慮はするなって言ってるだろ」
妹「だって…」
男「だってもなにもないよ」
男「あとどれくらいかなんて関係ない、いつ終わるかなんて関係ない」
男「妹はずっと俺の妹なんだから…遠慮するなって、何度言わせる気だよ」
159:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 04:30:44.65 ID:hkaOf6wk0
妹「うー…」
男「…で、俺は今から何をすれば良いんだ?」
妹「……。」
男「お母さんの説得?」
妹「…ううん、しなくて良い」
男「…そっか」
妹「説得はね、私がする」
妹「私ね、ネコ…飼いたいから、私がお母さんに頼む」
男「…妹」
妹「にいさん、もしお母さんが許してくれたら…お世話を一緒にお願いしていい?」
男「もちろん」
妹「えへへ、ありがと」
男「母さんが許してくれたら、すぐにネコを迎えに行ってやろうな」
妹「うん!」
160:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 04:43:44.19 ID:hkaOf6wk0
男「妹、行くぞ」
妹「待って、クツがはけないー」
男「急がなくて良いから」
妹「お、おまたせ」
男「ん、まだ雨降ってるなー」
妹「そうだね」
バサッ
男「…と、俺の傘に入ってくか?」
妹「え、はいるー…じゃなくて」
妹「は、はいらないー…」
男「良いのか?」
妹「急いで迎えに行きたいの!」
男「急ぐって、まさか」
妹「行くよ、にいさん」タッタッタッ
男「…しょうがないな」
161:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 05:00:41.18 ID:hkaOf6wk0
男「つ、着いたぁ…」
男「…はあ…はあ…そういえば、妹は足が速いんだった」」
妹「……。」
男「ん、妹どした?」
妹「…これ」
男「…ネコ、いなくなってるな」
妹「この手紙の人がネコを拾ってくれたみたい」
男「この手紙はどこに?」
妹「ネコがいた場所だよ」
男「…俺らが家に帰ってる間にってことか」ピラッ
『この子は私が大切に育てます』
男「…大丈夫そうだな」
166:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 08:05:08.31 ID:jX5ENLLB0
妹「……。」
男「…妹」
妹「うん、この方が良かったよね」
男「…まあ、飼い主が見つかって良かったよ」
妹「……。」
男「そんなに飼いたかったか?」
妹「え、な、なんで?」
男「じっと段ボール見てるし」
妹「え、違う…これは、そのー」
男「そのー?」
妹「…飼いたかったよー」
男「よしよし」
妹「な、なでるなー!」
169:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 09:02:36.60 ID:y7g1F5OI0
男「…ん?妹、もう一枚紙があるぞ」
妹「え…あ、ほんとだ」ペラッ
『追伸、傘とセーターをありがとうね、可愛いお嬢ちゃん』
男「…見られてたみたいだな」
妹「だねー」
男「きっと妹が世話してるのを見て飼ってあげることにしたんじゃないかな」
妹「だと嬉しいな」
男「…さてと、帰るか」
妹「うん」
男「飼えなくて残念だったな」
妹「ううん、これで良かったんだよ」
男「そっか」
妹「えへへ、やっぱり飼いたかったけどね」
男「……。」
171:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 09:13:46.29 ID:TOJODEyV0
妹友「そっか、残念だったねー」
妹「でもこれで良かったと思うよ」
妹友「どうして?」
妹「ネコなんて飼っちゃったら、きっと私かわいがり過ぎちゃうもん」
妹友「あはは、そうかもね」
妹「やっぱりネコは道端でちょっとだけ遊ぶのが一番良いよ」
妹友「…妹、また嘘ついたー」
妹「…あ、あれ、妹友にはなんでばれちゃうのかな」
妹友「ちっちっち、私をなめてもらっちゃ困りますぜー」
妹「うー、参りました」
妹友「で、本音は?」
妹「…ネコが飼えたら、楽しいだろうなー」
妹友「あはは、素直になるのが一番だよ」
妹「…あはは、そうだねー」
172:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 09:25:35.20 ID:TOJODEyV0
妹友「あ、分かれ道に着いちゃったね」
妹「そうだねー…じゃあ妹友、また明日ね」
妹友「うん」
妹「ばいばーい」
妹友「…妹ー」
妹「ん、なぁにー?」
妹友「素直になった妹にプレゼントがあるよー」
妹「…え?」
妹友「自分の部屋に行ってみなー」
妹「……!」
タッタッタッ
妹友「…ふふ、ばいばーい」ヒラヒラ
175:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 09:39:26.32 ID:WAxD3+pL0
ガチャ
妹「ただいまー!」
母「おかえりなさい」
男「おかえり」
母「今外は寒い?妹」
妹「走ってきたから分からなーい」
トットットッ
男「…妹友ちゃんから聞いたのかな」
母「ふふ、みたいね」
176:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 09:45:12.93 ID:WAxD3+pL0
妹「もしかして…もしかしてー」
ミャー
妹「今なんか聞こえたー!」
男「…階段くらい静かに上がれないのか」
妹「……。」
男「ん、なに部屋の前で固まってるんだ?」
妹「にいさん、このドア開けていいの?」
男「開けていいもなにも、お前の部屋だろ。好きにしろよ」
妹「う、うん、好きにするー」
妹「……。」
ミャー
妹「また聞こえたー!」
男「良いから早く開けろよ…」
177:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 09:58:12.11 ID:WtG8GE4k0
早くあけろ妹
179:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 10:10:31.72 ID:WAxD3+pL0
妹「じ、じゃあいくよー…」ガチャ
妹「……。」
…ミャー
妹「…わ、わー…ネコだ、ほんとにネコだー!」ギュー
男「お、おい…ほどほどになー」
妹「わー!暖かいー!柔らかいー!」
ミ、ミャー…
男「…はは」
母「妹の反応はどう?」
男「見ての通りだよ」
妹「妹友、そうだ妹友に早く見せないと!で、電話ー」
男「…たく、そんなに嬉しいならなんで余計な遠慮なんてしようとするんだよ」
母「女心は複雑なのよ」
男「え、そういう話なの?」
母「そういう話なの」
180:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 10:15:55.32 ID:WAxD3+pL0
母「お金はどれくらいかかった?」
男「…ん」
母「…あらら」
男「カンパよろしく」
母「しょうがないわね」
男「まったく、兄ってのも疲れるな」
母「兄は妹のわがままに付き合うもの、だっけ」
男「…聞いてたのかよ」
母「え、なんの話?」
男「…まあ良いけどな」
妹「にいさんにいさん」
男「ん、なんだ?」
妹「ありがとうね!」
男「…こうやって妹の笑顔も見れたし」
181:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 10:23:08.63 ID:WAxD3+pL0
妹「ね、ね、にいさんも触らない?」
男「俺はいいから、好きなだけ可愛がってやれよ」
妹「私はにいさんと遊びたいのー」
男「…はいはい」
母「…ほんとに良かったわ」
男「え?」
母「妹、最近暗い顔をするときが多かったから」
男「……。」
妹「きゃ、なめられたー!」
男「…ま、いいじゃん、そんなこと考えなくたって」
妹「にいさん、はやくー」
男「今、妹が笑ってるんだから」
母「そうねー」
182:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 10:30:54.82 ID:WAxD3+pL0
ピンポーン
妹「妹友!」
タッタッタッ
妹友「えへへ、ネコだよ、ネコー」
男「いつもこうやって笑ってろよな、まったく」
母「それを手伝うのがお兄ちゃんの役目なんでしょ?」
男「…はは」
母「ほら、今日は勉強なんてしないで妹たちに付き合ってあげなさい」
男「受験生に言う台詞か、それ」
母「何か異論でも?」
男「ないけどさ」
妹「名前、名前どうしよー!」
男「…そうだな、妹が笑っていられるなら」
男「そんな一日も、悪くない」
秋のある日 おわり
183:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 10:36:04.23 ID:WtG8GE4k0
いよいよ最終章か・・・
185:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 11:22:46.27 ID:eDZW4IG60
妹『私はサンタからあなたへのプレゼントなの』
妹『これからずっと一緒にいるんだから、ちゃんと私を大事にして』
妹『勘違いしないでよね、誰が好き好んでにいさんと一緒になんか――』
妹『約束したとおりに私のこと、だ、大事にしてくれてるし…』
妹『私の好きな食べ物って知ってる?』
妹『全部「作り物」の妹だもんね』
妹『あはは、こんなこと言われても困るよね』
妹『にいさーん?』
妹『わたし、しばらく受験生になります』
妹『私、絶対にいさんと同じ高校に行くから』
妹『…手、握っていい?』
妹『変なこと言おうとしちゃった…熱があるからかな』
妹『いやだぁ、落ちてるもんー』
妹『にいさん、私受かってた!受かってたよー!』
男「……。」
186:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 11:25:07.76 ID:eDZW4IG60
妹『…一緒に、お土産見よう?』
妹『持ってる二人が一緒にいないと、この絵が完成しなくなっちゃうんだ』
妹『私とにいさんの、思い出だから』
妹『…私ね、この旅行のこと、絶対に忘れないよ』
妹『…あーあ、一年なんてあっという間だね』
妹『分かるよ、だって私、にいさんの妹だもん』
妹『私、にいさんの妹で良かった』
妹『…えへへ、にいさんは優しいね』
妹『私が考えてるのは…私がいなくなった後のこと』
妹『私はすぐにいなくなっちゃうから』
妹『私がいなくなった後は、やっぱりにいさん達に迷惑がかかっちゃうもん』
妹『ううん、これで良かったんだよ』
妹『…にいさん、ねえ、にいさん』
妹『ひとつだけ、言いたいことがあるんだ…それはね…』
私を、忘れないで
187:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 11:33:21.99 ID:eDZW4IG60
ピピピピピピピピ
男「……。」
ピピピピピピピピ
男「……。」
ピピピピピピピピ
男「……。」
ピピピピピピ カチッ
男「……。」
男「……。」
男「…12月22日」
男「…そっか」
男「今日から冬休みか」
188:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 11:34:31.11 ID:eDZW4IG60
最終話 妹
190:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 11:35:47.21 ID:FLxDFm5d0
読むのが怖い楽しみだけど怖い
192:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 11:52:29.05 ID:eDZW4IG60
男「おはよう」
母「おはよう、朝ご飯はパンで良い?」
男「いいよ」
ミャー
男「ミャーも、おはよう」
スリスリ
男「はは、くすぐったいな、やめろって」
母「すっかり男に懐いたわね」
男「まあ俺は餌係だからな…妹は?」
母「まだ寝てるみたい」
男「なんだ、夜更かしでもしたのか?」
母「起こしてきて、男」
男「はいはい」
193:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 11:55:32.91 ID:LbwzOVBt0
す…既に涙腺が・・・
288:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 02:15:47.16 ID:bqBYvb490
コンコン
男「妹、入るぞ」
ガチャ
妹「…んー」
男「まだ寝てるのかよ…目覚まし嫌いだからって、つけないのはどうかと思うぞ」
男「ほら、朝だぞ妹」
妹「…ん」
男「遅刻するぞー」
妹「…ふあ」
男「起きたか?」
妹「…にいさん?」
男「おはよう、妹」
妹「……。」
男「…あれ?」
290:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 02:22:24.06 ID:bqBYvb490
男「妹、おはよう」
妹「…おはよー」
男「お、起きてた」
妹「…起こしてー」
男「へ?」
妹「手、引っ張ってー」
男「しょうがないな…ほら、手」
妹「……。」
グイッ
男「…え?」
ポフッ
男「…妹?」
妹「…えへへ、一緒にもう少し寝てようよー」
男「……。」
292:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 02:28:31.22 ID:lGvUfhmO0
どうなる・・・
296:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 02:35:53.96 ID:bqBYvb490
妹「私、まだ眠いよー」
男「……。」
妹「あ、にいさんもお布団の中に入る?暖かいよー」
男「…たく、なに寝ぼけてんだよ」
バサッ
妹「あ、寒い…」
男「終業式に遅刻するぞ」
妹「…むー、寝ぼけてなんかないもん」
男「ほら、ちゃんと着替えてから下に来いよ」
妹「……。」
男「返事は?」
妹「…はぁい」
297:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 02:59:27.97 ID:bqBYvb490
男「ごちそうさま」
母「妹遅いわね」
男「髪が長いからな、女の子ってのはめんどくさいもんだ」
トットットッ
母「ふふ、来たわね」
妹「おはよー」
母「おはよう、妹」
男「妹、ボタン付け間違えてるぞ」
妹「え…わ、わー!」
男「はは、じゃあ先行っとくぞ」
妹「え、にいさん、一緒に行こうよー」
男「…ん?友達にからかわれるから嫌だって言ってたのに」
妹「いいの、一緒に行こ?」
男「じゃあ早くご飯食べろ」
妹「あ、食べる、食べますから!」
299:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 03:13:58.06 ID:bqBYvb490
男「はよー」
男友「お、おはよう」
女「おはよー、今日から冬休みだよ、男君!」
男「え、分かってるけど」
女「楽しみだねー」
男友「楽しみだなー」
男「…受験生の自覚がないのかお前らは」
女「でねでね、遊びの予定なんだけどさ」
男「…ねえ、聞いてる?」
女「えっとね、男君は24日とか空いてる?」
男「24日?」
男友「はいはい、俺は空いてますよ!」
女「うん24日、空いてる?」
男友「…無視って一番辛いんだぞ?」
300:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 03:28:15.30 ID:b66avIif0
24日か・・・
301:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 03:32:07.74 ID:bqBYvb490
男「…24日はちょっと」
女「え、そうなの?」
男「まあ、空けておきたいんだ」
女「妹ちゃんとデートかなー?」
男友「なんだと、デートだって?」
男「デートって…いや、でもまあ似たようなものかな」
女「うふふ、じゃあしょうがないね」
男友「じゃあ俺らもデートするか、女」
女「最低」
男友「なにゆえ…」
女「クリスマスイヴだしみんなで遊びたかったんだけどなー」
男「でも明日は空いてるぞ」
女「あ、じゃあ明日みんなで遊ぼー!」
302:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 03:45:07.42 ID:bqBYvb490
男「うん、良いよ」
女「…あ、あれ、また受験生だぞーとか言われるかと思ったのに」
男「ま、妹も喜ぶだろうし」
女「うん、妹友も誘わないとねー」
男「分かった、誘っとくよ」
男友「お、楽しみだな」
女「明日は四人で遊び尽くそーね」
男友「おー…あれ、四人?」
女「私と妹友と男君と妹ちゃん」
男友「あれ?俺は?」
女「あ、男友も来るんだ?」
男友「数に入ってなかっただと…」
303:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 03:58:30.46 ID:bqBYvb490
妹友「明日ですか?もちろん良いですよー」
妹「にいさん達、勉強は大丈夫なの?」
男「俺はまあ、大丈夫」
妹「男友先輩は?」
男「……。」
妹「……。」
妹友「…あ、明日くらい勉強を忘れたって良いじゃないですかー」
男「そ、そうだな」
妹「まあ先輩達が乗り気なら良いんだけど」
妹友「では、明日のこと楽しみにしておきますね」
男「うん、じゃあまた明日」
妹友「さようならですー」
妹「ばいばーい」
304:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 04:22:03.01 ID:bqBYvb490
男「よし、帰るぞ妹」
妹「うん」
男「寒いなー…明日も寒くなるって言ってたし、暖かくして遊ばないとな」
妹「……。」
男「あれ、聞いてる?」
妹「…にいさん、寒いー」
男「はは、そうだな。早く帰ろう」
妹「手が冷たいよ」
男「うん」
妹「にいさん、手が冷たいなー」
男「…うん?」
妹「だからね、にいさんの手で暖めて?」
男「…なに言ってんだ。ほら、先行くぞ」
妹「あ、待ってよー」
305:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 04:34:25.25 ID:bqBYvb490
妹「ふんふーん」
男「妹、そろそろ寝ないと明日の待ち合わせに間に合わないぞ」
妹「あ、あと少しで読み終わるから待ってー」
男「はいはい」
妹「…うわー」
男「……。」
妹「…へー」
男「……。」
妹「ふむふむー」
男「……。」
パチ
妹「わーわー、暗い暗い!」
男「読むフリじゃなくて、早く読めよ」
妹「な、なんでばれたのかな…」
306:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 04:39:11.56 ID:wM4eJFdc0
切ないな・・・
307:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 04:52:19.93 ID:bqBYvb490
男「ほら、電気つけてやるからちゃんと読むんだぞ」
妹「あ、つけなくて良いよ」
男「ん?」
妹「つけなくて良いから、このまま一緒に寝よう?」
男「……。」
妹「ダメ…かな」
男「…いや、別に良いけど」
妹「ほんと?やったぁ」
男「妹、なんか今日――」
妹「ちょっとでも、にいさんと一緒にいたいの」
男「……。」
妹「ねえ、寝よう、にいさん」
男「…ああ」
妹「ほら、布団に入って」
309:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 05:04:20.43 ID:bqBYvb490
男「……。」
妹「…えへへ、ちょっと狭いね」
男「一人用のベッドだからな」
妹「もうちょっとそっちに行っても良い?」
男「ん、落ちそうなのか?」
妹「ううん、全然」
男「…良いよ」
妹「…ん」
ピトッ
男「……。」
妹「…暖かいね」
男「そりゃあ良かった」
妹「じゃあ、おやすみにいさん」
男「…おやすみ、妹」
339:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 15:37:43.27 ID:uPySTmJa0
男「…Zzz」
妹「……。」
男「…ん」
妹「ふふ、にいさん…暖かい」
妹「あ、そろそろ目覚ましがなる時間かな」
男「…うーん」
妹「…先に止めちゃえ」カチッ
男「……。」
妹「もうちょっと寝てても、大丈夫だよね…」
妹「えへへ、にいさん…にいさーん」ギュー
ミャー
妹「わぁっ!」パッ
妹「…って、ミャー。びっくりさせないでよぉ」
男「…ん…朝か?」
妹「あー、にいさん起きちゃった…」
343:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 15:52:09.58 ID:uPySTmJa0
男「…ん、どうした?」
妹「な、なんでもない…おはよう、にいさん」
男「おはよう…妹、やけに眠そうだな」
妹「え、そ、そう?」
男「寝れなかったのか?」
妹「寝れなかったというか…その」
男「その?」
妹「寝ちゃうのが勿体ない気がして…」
男「…馬鹿、ちゃんと寝ないと昼間に眠くなっちゃうぞ」
妹「あう…ごめんなさい」
男「しょうがないな…ん、あと1時間くらいは大丈夫かな」
妹「え?」
男「ほら、二度寝しよう。時間ぎりぎりになるけど、まあ良いだろ」
妹「えへへ、やったぁ」
344:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 16:07:31.21 ID:uPySTmJa0
男友「お、来た来た」
女「遅いぞー」
妹友「天誅ですよー」
妹「ご、ごめんなさい」
男「悪い悪い、俺が寝坊しちゃって」
女「男君が寝坊なんて意外だなー」
男友「罰として昼飯は男の奢りだな」
男「か、勘弁してくれよ」
妹友「妹ー」
妹「な、なに?」
妹友「本当は妹が寝坊したとか?」
妹「ち、違うよ」
妹友「え、じゃあ本当にお兄ちゃんが寝坊したの?」
妹「…そ、それも違うかな」
妹友「……?」
347:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 16:52:00.54 ID:uPySTmJa0
女「じゃあ今日は一日楽しんじゃおー」
妹友「おー!」
男「具体的には何やるんだ?」
女「え、決めてないよ?」
男「…え?」
女「みんながやりたいことに、他の人が付き合うの」
男友「だ、だからこんな朝早くから集まったのか…」
妹友「楽しそうですねー」
妹「やりたいことって言われても困るよー」
男「…疲れそうだな」
女「まあまあ、そんなこと言わずに」
妹友「じゃあ一番目は誰ですかー?」
女「はいはい、私!」
男「分かった分かった、なにやるんだ?」
女「ボウリング!」
350:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 17:05:56.38 ID:uPySTmJa0
ドガーン!
男友「うし!見たか!」
男「ジュース買ってきたぞー」
妹「あ、ありがとー」
妹友「気が利きますねー、お兄ちゃん」
女「はい、私ミルクティー!」
男友「…おーい」
女「あ、男友終わった?じゃあ次は私だねー」
妹友「頑張ってください先輩ー」
男「ファイトー」
男友「……。」
妹「先輩、ナイスストライクです」
男友「…うー、妹さんは優しいなー」
351:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 17:24:07.17 ID:uPySTmJa0
女「はっはっは、一位!」
男「なるほど、ボウリングをやりたがるわけだ…」
妹「ボウリング難しかった…」
妹友「初めてならしょうがないよー」
男「はじめに上投げでいこうとしたときは焦ったけどな」
妹「そ、それは忘れて!」
男友「はは、可愛いもんじゃん」
女「間違えて隣のレーンに投げた奴がなに言ってるんだか」
男友「う…」
妹友「隣のお客さんびっくりしてましたからねー」
男友「あー、それはもう良いから…ほら次は誰だ?」
妹友「あ、じゃあ私で良いですか?」
女「お、妹友は何がやりたいのー?」
妹友「そうですねー…あ、ちょうど行きたいところがあったんですー!」
352:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 17:47:54.14 ID:uPySTmJa0
妹友「ふふ、幸せー」
女「び、美術展…」
男友「これは予想出来なかった…」
男「まあ、妹友ちゃんらしいかな」
妹「妹友、絵が凄い上手なんだよー」
妹友「あ、こんなところに付き合わせてごめんなさい…」
男友「いやいや、こんな機会じゃないと来ない場所だしな」
男「俺はわりとこういうところ好き」
女「…綺麗」
妹「先輩も魅入ってるみたいだしね」
妹友「そう言ってもらえると嬉しいですー」
男「ほら、ゆっくりと見て回ろう」
妹「おー!」
男「妹、こういう場所は静かに」
妹「は、はいな…」
355:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 18:05:39.14 ID:uPySTmJa0
妹「女先輩、妹友よりも真剣に見てましたね」
女「凄かったー、絶対また行くよ!」
男友「女に絵の良さが分かる感性があるとは」
女「失礼な、こう見えても私は美術選択だぞ」
妹友「あ、私と一緒ですねー」
女「帰ったら久し振りに絵でも書こうかなー」
男「……。」
妹「どうしたの、にいさん」
男「女の絵はな…まあ独特というか」
男友「先生に平成のピカソって言われてたな」
女「いやー、そんなに褒められてもー」
男「…まあ良いや、次は誰だ?」
男友「じゃあ俺!カラオケで俺の美声を聞かせてやろう」
男「……。」
女「…出た、平成のジャイアン」
357:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 18:28:40.77 ID:hxhZblW30
ちょこちょこ出てくる小ネタが案外好き
358:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 18:44:35.13 ID:YJ9SKZQU0
男友「ア゛ーア゛ーア゛ーア゛ー♪」
男「…もはや何を歌ってるのかすら分からない」
妹「……。」
妹友「……。」
女「ごめん…私がこんな企画をしたばっかりに…」
男「耐えろ、3時間パックだから…フリータイムじゃないから…」
妹友「…い、妹、なに歌うー?」
妹「わ、私?知ってる歌ならなんでも」
妹友「じゃあこれー」
妹「ね、ねこ?にゃん?…し、知らないよー」
妹友「なんだ、残念ー」
男友「ウ゛ーウ゛ーウ゛ーウ゛ー♪」
男「な、なんでも良いから歌ってくれ…」
女「耳の保養…耳の保養をお願い」
360:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 19:14:48.28 ID:YJ9SKZQU0
男友「さあ、次々ー!」
男「…もう疲れた」
女「同じく…」
妹「楽しかったねー、妹友」
妹友「そうだねー」
女「…若いなー」
男「楽しんでるなら良いんだけど」
妹友「さあ、次は誰ですかー?」
男友「あとは男と妹さんだけだな」
男「と言われても、俺は別に行きたいところないんだけど」
妹「わ、私もまだ決まってない…」
男友「そんなこと言ってないで、ほら次は男の番な」
女「どこでも良いからさー」
男「うーん、だったら…」
363:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 19:37:54.68 ID:YJ9SKZQU0
キャンキャン
ニャー
女「ペットショップかー」
男友「男、動物好きだもんなー」
男「まあそれもあるけど…」
妹「わー、わー!」
妹友「いっぱいいる!ネコさんもイヌさんもいっぱいー!」
男「この二人が喜ぶかと思って」
女「…それ、自分の行きたいところじゃないじゃん」
男「良いんだよ」
妹「ミャー連れて来れば良かったかなー、お友達たくさんなのにー」
男「…楽しんでる姿が見れるからさ」
男友「…シスコン」ボソッ
男「聞こえてるぞおい」
369:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 20:33:03.23 ID:YJ9SKZQU0
妹友「うさぎ、うさぎも良いなー」
妹「えー、やっぱりネコだよー」
男友「まだ言ってるよ」
女「よっぽど楽しかったんだねー」
男「…女だってずっと騒いでただろ」
男友「なに先輩面してるんだか」
女「お、女の子は可愛いものが好きなのー!」
男「分かった分かった…じゃあ、残るは妹だな」
妹友「どこ行きたいか決まったー?」
妹「え、えっと…行きたいところはあるんだけど」
女「あ、あるんだ!じゃあそこ行こうよ」
妹「でも、きっとみんなは楽しくないから…」
男友「どこでも良いぞー」
男「ほら言ってみろよ」
妹「じゃ、じゃあ…」
374:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 20:50:49.12 ID:YJ9SKZQU0
妹「…遊んで良い?」
男「おう、行ってこい」
妹友「行こ?妹」
妹「…うん!」
タッタッタッ
女「公園ねー」
男「まあ、高校生が一人で遊べる場所じゃないか」
男友「…寒い」
男「お前も体動かして来いよ」
男友「…そうする」
女「よーし、私も童心に帰るかなー」
男「…年中童心に帰ってるように見えるってことは言わないでおこう」
女「…口に出てますよ」
377:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 21:13:25.20 ID:YJ9SKZQU0
妹「ブランコ…難しい」
男友「こうだよ、こう!膝をぐっとやって、ぐんって!そしたらぎゅーんっといくからばーんって!」
女「それじゃあ全然分からないでしょ…あと、そんなに漕ぐと危ない」
男友「ははは、大丈夫大丈…って、わわわー!」
妹「うー…私も漕いでみたいー」
男「俺が教えてやるよ、妹」
妹「え、やったぁ!」
妹友「お兄ちゃん」
男「ん?」
妹友「妹、公園楽しそうですね」
男「…まあ公園で遊ぶの、初めてだろうしな」
妹友「……。」
男「ほら、そんな顔してないで、妹友ちゃんも行くぞー」
妹友「…がってんしょうちのすけー」
妹「にいさん、早く教えてよー!」
381:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 21:37:30.25 ID:YJ9SKZQU0
女「暗くなってきたねー」
男「そろそろ行くぞー、妹」
妹「え、もう少しー」
妹友「もう少しー」
男友「もう少しー」
女「男友まで…」
男「じゃあ後少しだけ」
妹友「やったー」
妹「妹友、シーソーやってみようー」
妹友「え…シーソーはちょっと」
妹「あれ、なんでー?」
妹友「私、妹より…お、重いもん」
男友「じゃあ女とするかー?」
妹友「あ、なら良いですよー!」
女「おい」
383:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 21:52:25.07 ID:YJ9SKZQU0
女「あー、今日は楽しかったね」
男友「おう」
男「妹、楽しめたか?」
妹「うん、楽しかったー」
男友「じゃあ暗くなったし、そろそろ帰りますか」
男「そうだな」
妹友「あ、私ちょっとトイレに行ってきますね」
妹「あ、じゃあ私もー」
男友「はいよー」
男「…ふう、疲れたな」
男友「だなー、久し振りにここまで体を動かしたよ」
女「…ねえ、男君」
男「ん?」
女「他に私達が出来ること、ある?」
388:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 22:28:18.13 ID:LNEVB6kU0
男「…ん?なんの話だ?」
女「妹ちゃんの為にね」
男友「思い出作りだけで良いのか?」
男「……。」
女「ごめん、妹友に聞いちゃったから」
男「…そっか」
男友「話してくれても良かっただろ」
男「悪い、余計な心配をかけたくなかったんだ。それに、普通は信じられない話だし」
女「なに言ってんだか」
男友「お前の話なら信じるに決まってんだろ」
男「…ごめん」
女「ふふ、妹ちゃんの為だからねー」
男友「なんだってやるぞ」
男「……。」
389:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 22:40:54.67 ID:M5x192Ho0
この展開は熱い
391:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 22:46:49.46 ID:HCruwqLa0
妹ちゃん・・・・
393:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 22:54:45.63 ID:LNEVB6kU0
男友「…それだけで良いのか?」
男「おう」
女「あとは、男君に任せれば良いんだね?」
男「…おう」
男友「なら分かった」
男「頼んだ、男友」
男友「頼ってくれなかった奴が何言ってんだ」
男「ごめん…」
男友「…なんてな」
女「大丈夫だよ、男友はこう見えて頼りになるんだから」
男友「こう見えては余計だけどな」
男「はは、分かってるよ」
男友「ま、任せとけ」
男「…ああ」
403:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 23:35:25.36 ID:/CH3xjtg0
妹「お待たせー」
妹友「寒くなかったですかー?」
男友「大丈夫大丈夫」
女「じゃあ、これ以上寒くなる前に帰ろっか」
妹「えー」
男「もう十分楽しんだろ?」
妹「…はぁい」
女「妹友も、楽しかったよねー?」
妹友「はい、もちろんですよー!」
女「ふふ、じゃあ今日は解散でー」
男友「家まで送るぞ、女」
女「お、気が利くねー」
妹「妹友、途中まで一緒に帰ろう」
妹友「よろこんでー」
407:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 23:41:27.46 ID:/CH3xjtg0
女「じゃあねー」
男友「またな」
男「女、気を付けて帰れよ」
男友「…俺は?」
女「あんたは私のボディーガードでしょうが」
妹友「女先輩ー」
女「ん、なんだい?」
妹友「……。」ニヤニヤ
女「…ば、馬鹿!」
男友「……?」
女「か、帰るわよ男友!」
男友「はいよ」
妹「今日はありがとうございました」
女「いやいや…またね、妹ちゃん」
男友「また遊ぼうなー」
410:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 23:50:32.53 ID:/CH3xjtg0
妹友「…ふふ、なんだかんだいって上手くいってますねー」
妹「だねー」
男「なんの話だ?」
妹友「いえいえ、こっちの話です。ねー?」
妹「ねー」
男「……?」
妹友「じゃあ私達も帰ろー」
男「そうだな…家まで送ってくよ妹友ちゃん」
妹友「あ、途中までで大丈夫ですよー」
男「可愛い子は夜道を一人で歩いちゃ駄目だよ」
妹友「可愛いだなんてそんな、お兄ちゃんに言われたら照れちゃいますよー」
妹「…むー」
妹友「あ、妹がいじけてるー」
妹「そ、そんなことないもん!」
419:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 00:08:19.29 ID:/yPiqLRM0
妹友「分かれ道まで来ましたねー」
妹「あ、あそこがネコを見付けた場所だね」
妹友「ミャーは元気?」
妹「元気だよ!」
男「妹が可愛がりすぎてはじめはぐったりしてたけどな」
妹「さ、最近は気を付けてるもん!」
妹友「ふふ、じゃあ私はこっちなのでー」
男「送らなくて良いのか?」
妹友「妹に風邪を引かせちゃったら困るのでー」
妹「大丈夫、そんな簡単に引かないから」
男「って、言ってるけど?」
妹友「でもー…あ、だったら!」
男「ん?」
妹友「お兄ちゃん一人に送って欲しいなー」
妹「…え?」
421:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 00:14:50.32 ID:/yPiqLRM0
男「ん、俺だけ?」
妹「な、なんで?」
妹友「妹に寒い中歩かせるのは嫌だし、あと…」
妹「あと?」
妹友「一回お兄ちゃんとお散歩デートがしたかったんだー」
妹「で、ででで…デート?」
妹友「ダメかな、お兄ちゃん」
男「デートはともかく、家まで送るのは構わないよ」
妹「だ、ダメぇ!」
妹友「え、なんで妹がダメって言ってるのかなー?」
妹「…うー」
妹友「嫉妬ー?」
妹「し、嫉妬なんかしてないもん!」
妹友「だったらお兄ちゃんと帰っても良いよねー」
妹「……。」
425:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 00:24:09.46 ID:/yPiqLRM0
男「……?」
妹友「ん?どうしたの妹?」
妹「…も、もう知らない!」
男「あ、おい妹!」
妹「私先に家帰ってるからねッ!」
男「いやだから一人で帰るのは危ないって」
妹「危なくないもん!」
男「…え」
妹「にいさんはデートでもなんでもしてくれば?」
男「え、え?」
妹「…ふん!」
タッタッタッ
男「おい、待てって妹!」
妹友「……。」
429:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 00:36:18.98 ID:/yPiqLRM0
男「…ごめん妹友ちゃん、ちょっと妹追いかけてくる」
妹友「待ってください、お兄ちゃん」
男「え?」
妹友「ちょっと二人で話がしたかったんです」
妹友「二人になるには、こういう方法しか思いつかなくて」
男「…え?」
妹友「妹の話です」
男「…わざと、怒らせたの?」
妹友「…妹にはあとで、謝ります」
男「いや、そうじゃなくて…」
妹友「それは良いですから、ちょっと話をしましょう」
男「…分かった」
433:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 01:10:57.83 ID:/yPiqLRM0
妹友「お兄ちゃんに言われた通り、妹とはたくさん思い出を作りましたよ」
男「うん、ありがとう」
妹友「……。」
男「妹も、妹友ちゃんの話をたくさんするよ。きっと妹友ちゃんのこと、一番の友達だと思ってる」
妹友「…だと嬉しいな」
男「大丈夫、俺が保証する」
妹友「…私、妹の友達になれて良かったです」
男「うん」
妹友「きっと私が友達になれたのはたまたまですけど…それこそ、サンタの気まぐれで選ばれたようなものなのでしょうけど」
妹友「でも、妹の友達になれて、本当に嬉しかった」
男「…うん」
妹友「だから、妹に会えるのが今日で終わりなんて絶対に嫌です」
男「……。」
妹友「まだまだ、妹とやりたいことがあるのに、話したいことがあるのに」
妹友「…明日で消えちゃうなんて、私絶対に認めません」
438:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 01:56:48.01 ID:/yPiqLRM0
妹友「だって…だってまだ、してないことがいっぱいあるんです」
妹友「一緒に映画も見に行ってないし、一緒に食べようって言ったパフェもまだ行ってないし」
妹友「飛行機に乗ってどこかに行きたいねって話もしたし、今度連れて行くねって言ったアクセサリー屋さんにもまだ行けてないし」
妹友「あ、お化粧の仕方も教えるって言ったんですよ?えへへ、あの子高校生になってもまだまだ子供だから」
男「……。」
妹友「妹とはたくさん約束をしてるんです。一年間だけじゃあ守れないようにって、私、妹とたくさん約束したんですから」
妹友「だから、それを守る前にいなくなっちゃうなんて許さない」
妹友「もし約束破ったら、妹となんて絶交なんだから、もう二度と…遊んでなんてやるもんか」
男「……。」
妹友「そうだよ、まだ言ってないこともいっぱいあるんですから」
妹友「妹って嘘つきなんです、知ってましたか?すぐ嘘をつくんですよ」
妹友「悲しいのに強がるし、泣きたいのに笑うし。なんなんでしょうね、あれ。何度言っても治らないから、本当にイライラするんですよ」
妹友「友達なんだから我慢しなくて良いんだよって言わないと、素直に泣いてすらくれないし」
妹友「これで文句を言わせる前に消えたら…私は誰に言えば良いんですかぁ…」
男「……。」
439:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 01:59:20.65 ID:QuUNsf6w0
あれ…目から汗が…
440:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 02:00:47.61 ID:fFKLNZtp0
っく…くそっ…
泣いてなんか…ないぞっ…!
441:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 02:10:37.41 ID:FRjRtZFZ0
あれ?画面がぼやけて…
442:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 02:10:58.87 ID:/yPiqLRM0
妹友「…お兄ちゃん、明日は妹と二人で一緒にいるんですよね」
男「…うん」
妹友「私は行っちゃダメなんですよね」
男「いや、それは…」
妹友「いいです、行きませんから。私はまた今度妹と遊びます」
男「……。」
妹友「明日一日は、お兄ちゃんにあげますから」
妹友「だから、約束してください」
妹友「絶対私を、もう一度妹に会わせてくださいね?」
男「……。」
妹友「今日妹を怒らせちゃったことは、その時に謝ります」
妹友「妹とのこんな別れ方は、絶対に嫌だから…」
男「……。」
妹友「返事はもらえますか?」
男「…分かった、約束するよ」
444:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 02:27:32.34 ID:/yPiqLRM0
妹友「…ふふ、そうですか。これで安心です」
男「…そっか」
妹友「約束破ったら天誅ですからね?」
男「それは遠慮したいところだな」
妹友「じゃあ破らないでください」
男「そうだな、それしかない」
妹友「…ふふ、じゃあお兄ちゃんはそろそろ妹のところに行ってあげないと」
男「だな、今頃カンカンに怒ってるかも」
妹友「…ごめんなさい」
男「謝るなって」
妹友「…お兄ちゃん、これから私に出来ることは何かありますか?」
男「…そうだな」
妹友「なんでもします、妹の為なら」
男「…じゃあ、一つだけ」
447:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 02:36:42.18 ID:/yPiqLRM0
妹友「…それだけですか?」
男「うん、頼むよ」
妹友「それを頼むってことは、妹の隠してることはやっぱり…」
男「どんな風になるかは分からないけどね」
妹友「…分かりました、絶対にします」
男「心強いよ」
妹友「じゃあ…私はここで」
男「あ、送ってくよ」
妹友「良いですよ、お兄ちゃんは早く妹のところに行かないと」
男「……。」
妹友「あとは、任せましたから」
男「…分かった」
妹友「では、さようなら」
男「……。」
451:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 02:48:09.62 ID:/yPiqLRM0
男「妹友ちゃん」
妹友「…なんですか?」
男「きっと妹が妹友ちゃんと友達になったのは偶然じゃないよ」
妹友「……。」
男「妹と一番の友達になれるのは妹友ちゃんだけだと思うから」
男「だからきっと、妹が妹友ちゃんと友達になれたのはサンタの気まぐれなんかじゃない」
妹友「…ありがとう、お兄ちゃん」
男「うん…じゃあ」
妹友「じゃあ、私も一つ」
男「…ん?」
妹友「そろそろ妹の気持ちに気付いてあげてください」
男「…気持ち?」
妹友「いえ、もう気付いてるのかもしれないけど…ちゃんと向き合ってあげてくださいね」
妹友「妹、あの通りにちょっと…素直じゃないから」
男「……。」
452:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 02:58:02.05 ID:/yPiqLRM0
妹友「…ふふ、じゃあまたねお兄ちゃん」
男「ああ」
妹友「……。」ピタッ
妹友「あ、これは別にどうでも良いことなんですけど、ついでだから言っちゃいますね」
男「…ん?」
妹友「私、お兄ちゃんのことが好きです」
男「…え」
妹友「何度も言いませんよ…あ、でももう一度だけ言います」
妹友「私、お兄ちゃんのことが好きです」
男「……。」
妹友「こんなふつつか者でよければ、どうぞ一声おかけください」
妹友「それでは」
男「……。」
男「…ごめん、妹友ちゃん」
男「…さて、帰るかな」
455:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 03:05:21.19 ID:/yPiqLRM0
ガチャ
男「ただいま」
母「おかえりなさい」
ミャー
男「ミャーもただいま、よしよし…母さん、妹は?」
母「二階よ」
男「了解」
母「かなりご立腹だったけど」
男「はは…今からなだめに行きます」
母「お兄ちゃんも大変ね」
男「代わる?」
母「代わって良いの?」
男「嫌だけど」
母「でしょうね」
男「あいつの兄は、俺の仕事」
460:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 03:18:31.08 ID:/yPiqLRM0
ガチャ
男「…妹の部屋にいないと思ったら俺の部屋にいたのか」
妹「……。」
男「ほら、布団に潜ってないで出てこいよ」
妹「…デート、楽しかった?」
男「まあな」
妹「…そっか」
男「いやいや今のは冗談だけど!」
妹「……。」
男「妹?」
妹「…妹友と私の話をしてたんでしょ?」
男「……。」
妹「妹友、あんなからかい方しないもん。二人で話がしたかったからだって、分かってるよ」
男「…流石だな」
461:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 03:18:44.32 ID:QPN+gRrC0
どうしよう…初めてこういうので泣きそうだ
465:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 03:33:17.94 ID:/yPiqLRM0
妹「分かるよ、それくらい…友達だもん」
男「…はは、なるほど」
妹「友達だからこそ、あんなことしてほしくなかった」
男「……。」
妹「隠し事はなしって言ったのに…にいさんと話がしたいなら、ちゃんとそう言ってくれればよかったのに」
男「違うよ、妹友ちゃんは妹のことを思って」
妹「…ちゃんと、妹友とさよならがしたかったのに」
男「……。」
妹「…こんな別れ方…嫌だよぉ」
男「…妹、妹友ちゃんはまた今度会う時に謝るって言ってたから」
妹「今度って、いつ?」
男「……。」
妹「私、あと一日で消えちゃうんだよ?分かってるでしょ?」
男「…妹」
470:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 03:46:21.96 ID:/yPiqLRM0
妹「…ごめん、慰めようとしてくれてるのに」
男「いや、俺も…ごめん」
妹「……。」
男「…妹、あのさ」
妹「にいさん、明日一日私とデートしてくれるんだって?」
男「え…ああ、どうして知ってるんだ?」
妹「先輩から聞いたの、本当はみんなで遊ぶのが明日の予定だったんだよね」
男「そうだよ」
妹「…えへへ、デート楽しみ」
男「……。」
妹「早く寝ないとだね、にいさん?」
男「…そうだな」
妹「今日も一緒に寝ていい?」
男「ああ、もちろん」
妹「わー、やったぁ」
477:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 03:59:36.11 ID:/yPiqLRM0
妹「ね、ね、もう寝る?にいさん」
男「風呂もご飯もまだだぞ?」
妹「ぶー…」
男「…でもまあ、どっちも明日の朝でいっか」
妹「え、ほんと?」
男「汗くさくても我慢しろよな」
妹「どれどれー」
ギュー
男「おいこら」
妹「んー、大丈夫、良いにおい」
男「…たく」
妹「ほらほら、ベッドに行こー」
男「くっついてたら動けないだろ」
妹「むー、じゃあ離れる」ギュー
男「言ってることとやってることが矛盾してるぞ…」
478:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 04:07:55.10 ID:/yPiqLRM0
男「じゃあ電気消すぞ」
妹「うん」
パチッ
妹「はい、にいさん。布団に入って」
男「…ん」
妹「そんでもって、ぎゅー」ギュー
男「なんでだよ」
妹「暖めてあげてるんだよー」
男「もう十分暖かいよ」
妹「えへへ、私ずっとベッドでにいさんが帰ってくるの待ってたから」
男「なら暖かいはずだ」
妹「…にいさん、鼓動早いよ?」
男「…気のせいだよ」
妹「ふーん」ギュー
男「おいこら、やめろって」
481:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 04:13:57.48 ID:/yPiqLRM0
妹「あーあ、こんなことならもっと早くにいさんと寝てたら良かったなー」
男「どういう意味だよ」
妹「えへへ、どういう意味でしょう」
男「…はあ、もう良いから寝るぞ」
妹「まだ早いよ」
男「じゃあ風呂入ってくる」
妹「あ、寝ます、寝ますから!」
男「…たく」
カリカリ
男「…ん、ミャーか?」
妹「この部屋に入りたがってるね」
男「よし」バサッ
妹「…あ、寒いー」
ガチャ
483:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 04:21:57.96 ID:/yPiqLRM0
ミャー
男「なんだ、一緒に寝るのか?」
妹「ふふ、良いよー。ミャーもこっちにおいで」
ミャー
妹「きゃ、くすぐったいー…はい、にいさんも」
男「ん…ミャーも入ると狭いな」
妹「落ちないようにしないとね」
男「そうだな…じゃあ寝るか」
妹「はーい」
男「今日はちゃんと寝るんだぞ?」
妹「わ、分かってるよー」
男「じゃあ、おやすみ妹」
妹「おやすみ、にいさん」
554:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 21:11:00.79 ID:qhGOkbXH0
妹「…Zzz」
男「……。」
妹「…にいさぁん」ゴロッ
男「…これでよし、と」カチャ
妹「…ん、にいさん?」
男「お、起きたか」
妹「なにしてるの?」
男「いや、早く起きちゃったからちょっとね」
妹「…5時」
男「ほら、まだ寝てていいぞ」
妹「にいさんも、はい入って」
男「そうだな、俺も寝るか…ってこら」
ギュー
妹「えへへ」
男「…なんなんだよ」
563:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 21:50:18.03 ID:/dWybXz40
男「おはよう」
妹「おはよー」
ミャー
母「あら、みんな揃って早起きだこと」
妹「えへへ、今日はにいさんとデートなんだよ」
男「…はは」
母「クリスマスイブにデートなんて羨ましいわねー」
妹「でしょー」
母「そういえば去年のクリスマスも二人でデートしてたわね」
男「そんなことよく覚えてるな」
妹「あ、あれはデートじゃなくてお散歩だよ!」
母「ふーん、じゃあ今日は本当のデート?」
妹「そう、今日は本当!」
男「おいおい…」
568:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 22:20:17.94 ID:/dWybXz40
男「じゃあそろそろ行くか?」
妹「あ、うん!」
母「何時頃に帰ってくる?」
男「うーん、分かんないな」
母「一応晩御飯の用意はしとくわよ」
男「分かった」
妹「にいさん、早くー」
男「…もう玄関にいるし」
母「…男」
男「ん?」
母「…ま、楽しんできなさいな」
男「…はい」
母「ほら、お花のお金」
男「ありがとう」
579:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 23:36:53.19 ID:/dWybXz40
妹「あ、にいさん遅いよ」
男「悪い悪い」
妹「もう、ゆっくりしてると時間なくなっちゃうんだからね」
男「まだ朝だぞ?」
妹「それでも急ぐー」
男「はいはい」
妹「ね、ね、今日はどこに連れていってくれるの?」
男「まずは花屋だ」
妹「花屋?…あ、お墓参り?」
男「正解」
妹「久し振りだね」
男「そうだな…あ、そこの山茶花摘んでくれ」
妹「はぁい」
男「じゃあ、父さんに挨拶しに行くかな」
581:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 00:01:44.44 ID:J/Q+clZl0
男「父さん、来たぞ」
妹「久し振りです、お父さん」
男「ごめんな、あまり来れなくて。遠いんだよここ」
妹「……。」
男「どした、妹?」
妹「あ…なに話していいか分からなくて」
男「気にすんなって。話したいこと話せよ」
妹「え、えっと…じゃあ」
男「……。」
妹「私、今日にいさんとデートするんだよー」
男「結局それか…」
妹「お父さん、なんて言ってるかな」
男「お前は誰の子だー、だってよ」
妹「ひ、ひどい!」
587:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 00:35:47.83 ID:W+peuHB50
男「よし、じゃあ行くか」
妹「…うん」
男「ん?どうかしたか、妹」
妹「…お父さん、このお墓の中にいるの?」
男「どうかな、お墓の中にはいません、なんていう歌もあるし」
妹「じゃあどこにいるのかな?」
男「さあな…きっと、天国かどっかで俺らのこと見てたりするんじゃないか?」
妹「……。」
男「どうした?」
妹「…私は?」
男「……。」
妹「私は、消えたらどこに行くのかな」
男「…変なこと考えてんじゃねえよ」
590:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 00:50:48.21 ID:W+peuHB50
妹「……。」
男「ほら、今日はデートなんだろ?」
妹「…うん」
男「なら、笑ってろ」
妹「…えへへ」
男「そうそう」
妹「ごめんね」
男「良いよ、じゃあ行くか」
妹「次はどこに行くの?」
男「ん、妹の行きたいところ」
妹「行きたいところ?」
男「今日一日、お前のわがままは何でも聞いてやるよ」
妹「…なんでも、かー」
592:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 00:57:42.12 ID:W+peuHB50
男「ほら、好きなこと言ってみろ」
妹「えっとね、じゃあ最初のわがまま」
男「なんだ?」
妹「腕…組んでいい?」
男「行きたい場所じゃないのかよ」
妹「それは次ー」
男「…ほら」
妹「えへへー」ギュー
男「で、行きたいところは?」
妹「あ、あれ、腕組んだ感想とかは?」
男「…胸が無――」ゲシッ
男「…足が痛い」
妹「でしょうね」
599:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 01:47:57.04 ID:7sOv9PKG0
妹「むー、胸が小さいのは私のせいじゃないもん」
男「それについては何も言うまい」
妹「…にいさんが」
男「はい妹、行きたいところは?」
妹「…じゃあ、町をブラブラ」
男「ブラブラ?そんなので良いのか?」
妹「うん、それが良いの」
男「妹がそう言うなら…じゃあ行くぞ」
妹「はいな!」
男「あ、妹」
妹「うん?」
男「……。」
男「…お前、いつ消えるんだ?」
605:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 02:00:23.06 ID:7sOv9PKG0
妹「…私もよく分からないけど、たぶん明日の午前零時かな」
男「クリスマスになった瞬間…か」
妹「だからあと、12時間くらい」
男「……。」
妹「えへへ、ちびっとしかないね」
男「…そうだな」
妹「もう、笑えって言ったのはにいさんでしょ。なんでそんな顔してるのさ」
男「ん、ごめん」
妹「せっかくのデートなんだから、ほら行こ?」
男「…おう」
妹「じゃあね、お父さん」
男「また来るからな」
妹「…じゃあ、駅まで競争!」ダッ
男「おいこら…先に走られたら勝てねえよ」
607:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 02:08:55.54 ID:7sOv9PKG0
妹「すっかりクリスマスのムードだねー」
男「そりゃあ、クリスマスだからな」
妹「カップルばっかだねー」
男「…そりゃあ、クリスマスだからな」
妹「えへへ、大丈夫だよにいさん、私達もカップルに見えてるって」
男「それもどうかと思うけどな…」
妹「兄妹だもんねー」
男「そうだな」
妹「でも、寂しくはないでしょ?」
男「まあなー…妹、ほんとにブラブラしてるだけで良いのか?」
妹「もちろん、良いよー。すごく楽しいもん」
男「もっと遊園地とか、水族館とかさ、どこでも連れてくぞ?」
妹「良いのー、にいさんといられれば」
男「…そっか」
妹「えへへ、ずっと外だと寒いけどね」
609:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 02:20:30.71 ID:lwmNjCBA0
奇跡を起こしてくださいにいさん!
610:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 02:23:47.85 ID:7sOv9PKG0
男「そうだな…ずっとブラブラしててもしょうがないしな」
妹「どうしよっかなー」
男「どこでも良いぞ」
妹「そう言われてもー…あ、じゃあね、私のお気に入りスポットを案内するよ」
男「え、俺に?」
妹「そう、私のお気に入りツアー」
男「ツアーって…そんなたくさんあるのか」
妹「たくさんあるよー、一日じゃあ回りきれないかも」
男「そんなにか」
妹「なんせ私の思い出を辿るツアーですから」
男「なるほど」
妹「付き合ってくれる?」
男「お安いご用で」
614:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 02:33:04.84 ID:7sOv9PKG0
妹「まずはここ」
男「本屋さん?なんで?」
妹「にいさんが一番はじめに私を連れて来てくれた場所」
男「そうだっけ」
妹「うん、去年のクリスマスにね」
男「まあ…俺がよく来る場所だからな」
妹「今もお世話になってるもんねー」
男「…まあ受験生ですから」
妹「ふふ、それで次はお向かいのゲームセンター」
男「ああ、次はここに連れていったっけ」
妹「夏に来たときはにいさんがネコのヌイグルミを取ってくれたの」
男「懐かしいな」
妹「…こんな感じでにいさんが教えてくれた場所を巡っていくね」
男「どこに連れてったかなんて覚えてないぞ?」
妹「大丈夫、私が全部覚えてるもん」
618:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 02:44:23.83 ID:7sOv9PKG0
妹「このお店はね、妹友とよく来るんだぁ」
男「ふーん」
妹「あ、あそこのコンビニ、前に男友先輩を見かけたよ」
男「ここ、あいつの家近いからな」
妹「えっちぃ本を立ち読みしてた」
男「コンビニで何してんだあいつ…」
妹「あ、ここ…妹友とパフェ食べ来ようねって言ってたカフェだよ」
男「妹友ちゃんもそう言ってたな」
妹「…約束破っちゃったなぁ」
男「…次は?」
妹「はい、この雑貨屋さん」
男「傘を買ったところか」
妹「あ、覚えてたんだ」
男「傘無くしたとか言ってもう一本買いに来たもんな」
妹「…あはは」
621:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 03:02:41.04 ID:7sOv9PKG0
妹「ここはね、にいさんと一回入った服屋さん」
妹「それでこのお店はね、バレンタインのチョコレートの材料を買ったところだよ」
男「受験生だったのにな」
妹「そ、それは妹友があげたほうが良いって言ったから…」
男「チョコレート、美味しかったよ」
妹「あ、ありがと…あ、あの電柱」
男「電柱?」
妹「…よそ見してて一回ぶつかったぁ」
男「はは、そんなことまでよく覚えてるな」
妹「覚えてるよ、どんなことだって。全部私の思い出だから」
男「そっか」
妹「にいさんとどこでどんな話をしたかだって、全部覚えてる」
妹「…私がここにいたんだってこと、私が覚えてないと、しょうがないから」
男「……。」
妹「…だいぶ時間もなくなってきたね。じゃあ、次行こっか」
623:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 03:14:02.22 ID:7sOv9PKG0
男「中学校か」
妹「はじめ、来るのが凄く怖かったな」
男「はは、不安そうにしてたもんな」
妹「あの時、にいさんが一緒に来てくれて安心したんだぞ?」
男「そんなこと一言も言ってなかったけどな」
妹「だって言ってないもーん」
男「…まったく」
妹「妹友と友達になれたのも、ここだね」
男「そうだな」
妹「…じゃあ次」
男「もう良いのか?」
妹「うん、だいぶ暗くなって来ちゃったし…にいさん、手」
男「ほらよ」
妹「えへへ、じゃあしゅっぱーつ」
631:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 03:31:42.94 ID:7sOv9PKG0
男「ここが最後か?」
妹「うん、本当は高校とか、他にも行きたかったんだけど」
男「今から行けば間に合うぞ?」
妹「良いよ、晩御飯に遅れちゃう。お母さんが待ってるから」
男「そっか」
妹「それに嬉しいんだ。一日じゃ回りきれないくらいに、私にも思い出があるんだって」
男「……。」
妹「この分かれ道、妹友と色んなことを話した場所なんだよ」
男「そのせいで毎日帰りが遅かったもんな、妹」
妹「…昨日はここで、嫌な別れ方をしちゃったけど」
男「…妹友ちゃんに会いに行くか?」
妹「大丈夫」
男「いいのか?」
妹「うん、今から会いに行ってさよならなんて言ったら怒られるもん」
男「…はは、そうだな」
634:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 03:44:02.01 ID:7sOv9PKG0
妹「…にいさん、帰ろうか?」
男「そうだな、母さんが待ってる」
妹「デート…終わっちゃったね」
男「デートというか、どたばた色んなところ巡っただけだけどな」
妹「その言い方ひどーい!」
男「妹のことが知れて良かったよ」
妹「…うん、私もにいさんに教えられて良かった」
男「…帰るか」
妹「うん」
男「ほら、妹」
妹「……?」
男「家に帰るまでがデートだぞ」
妹「…はいな!」ギュー
635:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 03:55:10.33 ID:7sOv9PKG0
男「ただいま」
妹「ただいまー」
母「おかえりなさい、二人とも」
ミャー
妹「お腹空いちゃったぁ」
母「今日はご馳走よー」
妹「ご馳走?やったー」
男「妹、手洗ってからな」
妹「わ、分かってるよ」
母「ほら、ケーキもあるから早く洗ってらっしゃい」
妹「ケーキ!わ、私、すぐ洗ってくる!」
男「…一日中歩いたのに元気だな」
636:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 04:03:45.54 ID:7sOv9PKG0
妹「ごちそうさまー」
男「ほんとにご馳走だったな…」
母「あら、ちょっと作りすぎたかしら」
男「いや、妹が頑張って食べたから」
母「ありがとね、妹」
妹「美味しかったからー」
母「ふふ、じゃあちゃんと歯を磨いてから寝なさいよ」
妹「…ねえ、お母さん」
母「ん、なにかしら?」
妹「…ぎゅってして良い?」
母「…おいで」
妹「…ん」
637:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 04:14:42.36 ID:sOVew+eII
切ねえ
638:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 04:19:23.83 ID:7sOv9PKG0
母「…私、ちゃんとあなたの母親になれてるかしら」
妹「うん」
母「そう、なら良かった」
妹「ありがとう、お母さん」
母「バカ、ここでありがとうなんて言われても嬉しくないわよ」
妹「……。」
母「明日の朝、もう一回顔を見せなさい」
妹「……。」
母「大丈夫、お兄ちゃんがあなたを守るから、ね?」
妹「……。」
母「あら…嫌だ、涙脆くなっちゃって」ポロッ
母「ふふ、強い母親ってところを見せたかったんだけど…うまくいかないものね」
男「母さん…」
母「ほら、早く上に行ってお兄ちゃんとお話しでもしてきなさい」
妹「……。」
640:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 04:27:08.10 ID:7sOv9PKG0
母「ほら、お兄ちゃんも待ってるから」
妹「…うん」
母「明日の朝は妹の好きな卵焼きを焼いとくからね」
妹「…うん」
母「じゃあ、おやすみ」
妹「……。」
母「返事は?妹」
妹「…おやすみ、お母さん」
母「よろしい」
男「……。」
母「男も、おやすみ」
男「ああ、おやすみ…二階行くぞ、妹」
妹「うん」
トットットッ
母「わたしに出来るのはこれくらいよね?ねえ、あなた…」
642:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 04:39:22.60 ID:7sOv9PKG0
男「……。」
妹「……。」
男「…あと、2時間くらいか」
妹「…うん」
男「……。」
妹「……。」
男「…どうすれば良い?」
妹「…ベッド」
男「入るのか?」
妹「うん…たぶん、それが一番落ち着くから」
男「分かった」
妹「にいさんも、入ってね?」
男「おう」
妹「ずっと隣にいてね?」
男「…おう」
643:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 04:44:37.89 ID:7sOv9PKG0
妹「……。」
男「……。」
妹「まだ、冷たいね」
男「入ったばかりだからな」
妹「くっついて良い?」
男「良いよ」
妹「…ん」
ピタ
妹「…えへへ」
男「……。」
妹「…ねえ、にいさん」
男「なんだ?」
妹「私のわがまま、今日一日は聞いてくれるんだよね?」
645:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 04:49:51.49 ID:7sOv9PKG0
男「…妹のわがままなら、いつだって聞いてやるよ」
妹「にいさんだから?」
男「まあな」
妹「じゃあ、聞いて」
男「なんだ?」
妹「私のこと、ぎゅってして」
男「…こうか?」
妹「ん…それで頭、撫でて」
男「…ほら」
妹「んー」
男「なんだ?」
妹「嬉しいの」
男「そっか」
妹「このまま最後まで、離さないで」
男「……。」
650:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 05:07:46.92 ID:7sOv9PKG0
妹「幸せ…にいさん、私、今とっても幸せ」
男「……。」
妹「今なら、このまま消えちゃっても怖くないかな」
男「……。」
妹「…えへへ、嘘。ほんとはちょっと怖い」
妹「でもね、このまま消えても良いかなーって…幸せだから」
男「……。」
妹「……。」
妹「…ね、にいさん、私」
男「分かってるよ」
妹「……。」
男「分かってるから」
妹「……。」
妹「…にいさん…私ね、私」
妹「…消えたくなんか…ないよぉ」
655:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 05:41:10.68 ID:7sOv9PKG0
男「……。」
妹「にいさんの妹になれたのに…にいさんに、ぎゅってしてもらってるのに」
妹「今私、幸せなのに…これで消えちゃうなんて嫌だよぉ…」
男「…妹」
妹「もっと一緒にいたい…にいさんと、ずっと…一緒にいたいのに!」
妹「せっかく撫でて貰えたのに…まだまだしてもらいたいことがたくさんあるのに」
妹「なんで…このまま消えないといけないのかなぁ…」
男「……。」
妹「…ひっ…うくっ」
妹「にいさん…にいさぁん」
ギュッ
男「……。」
657:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 05:54:52.77 ID:7sOv9PKG0
男「…妹」
妹「…うー…にいさん、にいさん」
男「ほら、よしよし」
妹「…うくっ…うー」
男「……。」
妹「…にいさん…今、何時?」
男「…10時40分…だな」
妹「…あと、少しだね」
男「……。」
妹「でも、あと1時間もにいさんにぎゅってしてもらえるんだったら…やっぱり幸せかも」
男「…妹」
妹「…なに、にいさん」
男「聞きたいことがあるんだけど」
妹「うん…」
658:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 06:11:11.83 ID:7sOv9PKG0
男「もし俺が今年のクリスマスで妹を願ったら、お前はまた来てくれるのか?」
妹「…うん、たぶん…もし私を願ってくれたら」
男「…そっか」
妹「にいさんが今年一年いい子だったらだけど」
男「…じゃあ俺はまた今夜妹をお願いすれば、お前は消えないで済むんだな?」
妹「……。」
男「…妹、まだ何か俺に言ってないことがあるよな?」
妹「……。」
男「それを教えてくれないか」
妹「……。」
男「お願いだから」
妹「……。」
妹「…もしこのまま、サンタの魔法が解けて私が消えちゃったら」
男「……。」
妹「私の存在が、みんなの記憶から消えちゃうの」
660:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 06:27:25.52 ID:7sOv9PKG0
男「……。」
妹「はじめから私なんていなかったことになって、みんなの記憶も修正される」
妹「だからね、にいさんがもう一度私を願うのは…無理だよ」
男「…そっか」
妹「もしにいさんがまた妹が欲しいって願っても、私のことは忘れてるから…きっとそれは別の妹が来る」
妹「だから…」
男「…おかしな話だな、まったく」
妹「……。」
男「サンタはいい子の願いを叶えるんじゃないのかよ…一年で消えて、その記憶までなくなるなんて誰も幸せにならないじゃないか」
妹「おかしくないよ」
男「え?」
妹「サンタは、一年間いい子だった子に一年分のご褒美をくれるの」
妹「だからサンタは毎年来るんだよ…次の一年をいい子にしてたら、ご褒美はまた一年後に貰えるでしょ?」
男「それでも…記憶が無くなったら意味ないだろ」
665:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 07:03:33.37 ID:pmryM+Dj0
妹「…意味はあるよ。覚えてなかったとしても、その一年は確かにあったんだもん」
男「……。」
妹「それに、記憶がなくなるのは仕方がないよ。サンタの魔法なんだから」
妹「魔法が解けたら、みんな元に戻るだけ。そしたら、元々いないはずの私なんか…みんなの中から消えちゃうのは当たり前だから」
男「……。」
妹「ね、そうでしょ?」
男「……。」
妹「そもそも…プレゼントに妹を貰うことが既に特別なことなんだから」
妹「だからね…だから…」
男「……。」
妹「私がいなくなっちゃうのは…しょうがないことなんだよ?」
男「……。」
妹「えへへ、大丈夫だよ。にいさんいい子だから、きっとまた新しいプレゼントが貰えるし」
妹「そしたら、私のことなんか…だからね…」
男「…ほんとにそう思ってるなら、なんでそんな顔するんだよ」
695:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 14:55:23.48 ID:be+aN+NR0
妹「……。」
男「ほんとに仕方がないって思ってるなら…そんな顔するなよ」
男「そんな泣きそうな顔されて…ああ、そうなんだなんて、言えるわけないだろ」
妹「……。」
男「どうなんだよ、妹。しょうがないことなのか?」
男「俺…お前のこと忘れちゃうんだぞ?母さんも、妹友ちゃんも、男友も、女も、みんなみんな」
男「お前のこと…もう、思い出さなくなるんだぞ?」
男「楽しかったことも、嬉しかったことも、全部無かったことになるんだからな」
男「一緒に町をブラブラしたことだって、夜遅くまで勉強したことだって」
男「海で遊んでた妹だって、ネコに舐められて喜んでた妹だって」
男「…今ここで、お前を抱きしめて頭を撫でてることだって…俺、忘れちゃうんだからな」
男「お前は、本当にそれで良いのかよ…」
妹「…そんなの」
妹「良いわけ、ないじゃんか」
699:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 15:11:13.80 ID:be+aN+NR0
男「……。」
妹「良いわけ…ないでしょ」
妹「私、何度も…消えたくないって言ったじゃん」
妹「嫌だよ、みんなの中に私がいなくなるなんて…」
妹「そんなの…嫌に決まってるじゃんかぁ」
男「…じゃあちゃんと、そう言えよ」
妹「でも、しょうがないものはしょうがないでしょ!」
妹「どうしたって、私はみんなから消えちゃうんだから…私がどう思ったって、それは決まってるんだから…」
妹「だから、何を言ったって…しょうがないんだもん」
男「そんなことねえよ」
妹「……。」
男「忘れて欲しくないなら、そう言え。忘れるなって、俺に言えよ」
男「俺、妹のわがままだったらなんでも聞くって言ったろ?お前が忘れるなって言うなら」
男「俺は、お前のことを、忘れない」
妹「……。」
701:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 15:17:13.63 ID:be+aN+NR0
妹「無理だよ…」
男「無理じゃない」
妹「だって、忘れちゃうもん」
男「覚えてるよ」
妹「みんな、消えちゃうんだよ?」
男「じゃあ、思い出す」
妹「……。」
男「何度だって、思い出してやるさ」
妹「……。」
男「だから…忘れて欲しくないなら…ちゃんとそう言え」
妹「……。」
男「俺はお前の兄なんだから、なんだって聞いてやる」
妹「…そんなの」
703:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 15:33:13.40 ID:be+aN+NR0
妹「そんなの…ひどいよぉ」
男「……。」
妹「せっかく全部諦めて…このまま最後までって思ってたのに」
妹「にいさんにそんなこと言われたら…私、期待しちゃうじゃんか」
男「……。」
妹「余計、消えたくないって思っちゃうじゃんかぁ…」
男「…思えば良いじゃねえか」
妹「……。」
男「ほら、何か言うことがあるんじゃないのか?」
妹「……。」
男「……。」
妹「…にいさん」
男「…ん」
妹「…私のわがまま、聞いてくれる?」
妹「私のこと…ずっと、覚えていて」
705:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 15:41:24.60 ID:be+aN+NR0
男「…分かった」
妹「……。」
男「忘れないよ」
妹「……。」
男「……。」
妹「もう、時間がないね」
男「…そうだな」
妹「あと、どれくらい?」
男「30分くらいかな」
妹「……。」
ギュッ
男「……。」
妹「最後まで、このままでいたいな」
男「…うん」
708:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 15:48:16.55 ID:be+aN+NR0
妹「……。」
男「……。」
妹「…ふふ、にいさん、鼓動速いよ?」
男「…なに聞いてんだよ」
妹「昨日も、速かったよね」
男「どうだったかな」
妹「なんで、速くなってるのかな?」
男「…さあな」
妹「…にいさん」
男「なんだ?」
妹「私もね、今、ドキドキしてるよ?」
男「……。」
妹「えへへ、なんででしょう」
男「……。」
709:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 15:58:45.86 ID:be+aN+NR0
妹「……。」
男「……。」
妹「ねえ、にいさん。私、にいさんの妹だよね」
男「…ああ」
妹「妹なのに、ドキドキするのっておかしいよね」
男「……。」
妹「…ね、にいさん」
妹「こっち向いて」
男「…なんだ?」
妹「……。」
チュ
男「……。」
妹「えへへ…しちゃった」
シュー
妹「あ、あれ…なんだぁ、時間が来ちゃったみたい」
712:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 16:05:49.32 ID:be+aN+NR0
男「妹!」
妹「思ったより…消えちゃうの早いみたいだね」
シュー
男「おい、待てよ…おい」
妹「あーあ、まだ言ってないこと、あるのになぁ」
男「……。」
妹「あ、それともキス…しちゃったからかな」
妹「ふふ、それならまあ…しょうがないよね」
男「…なに言ってんだよ」
妹「ほんとは、もうちょっとだけ…ぎゅってしていたかったけど」
シュー
妹「…にいさん、ごめんね?」
男「…おい、なんだそれ」
716:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 16:17:40.49 ID:WP9cOr6O0
もう・・・読みたくない
717:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 16:18:30.22 ID:be+aN+NR0
男「妹…ほら、ぎゅってしてやるから」
ギュー
妹「あ…えへへ、私もー」
男「…妹、大丈夫だからな、また俺、お前のことサンタに頼んでやるから」
妹「……。」
男「…だから、な?」
妹「…ありがとね、にいさん。私のこと、忘れないって言ってくれて」
シュー
男「…それ、どういう…意味だよ」
妹「にいさんがそう言ってくれただけで、私、とても幸せ」
男「…おい」
妹「でもね、ごめんね、にいさん。さっきのわがまま、取り消すね」
男「おい…おい!」
妹「私の最後のわがまま…聞いて?」
妹「どうか…にいさんも、幸せに生きてください」
722:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 16:27:55.08 ID:be+aN+NR0
男「バカなこと言ってんじゃねえ!…なんだよそれ」
妹「私、にいさんの妹になれてよかった」
男「……。」
妹「えへへ…あ」
シュー…
妹「…消えちゃうね」
男「あ…」
妹「じゃあね、にいさん」
妹「楽しかったよ…とっても」
妹「キスまで…しちゃったし」
妹「もう、私は十分」
妹「ふふ、サンタのプレゼント、私なんかでよかったのかな…それだけがちょっと、心配だけど」
男「……。」
妹「…じゃあ、ばいばい」
男「妹…妹!」
727:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 16:31:55.56 ID:REpjIOo/0
頼むから消えないでくれ…
728:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 16:32:26.56 ID:be+aN+NR0
シュー…
男「……。」
男「…妹」
男「…馬鹿野郎、最後で強がるなんて…どれだけ馬鹿なんだよ」
男「…絶対、許さないからな」
男「絶対忘れてなんてやらねえ…」
男「……。」
男「……。」
男「……。」
男「……。」
男「……。」
男「……。」
男「…あれ?」
男「なんで俺、泣いてるんだ?」
734:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 16:41:22.71 ID:be+aN+NR0
男「…ん?なんでだ?」
男「…なんだこれ、気持ち悪いな」
男「クリスマスに彼女がいないからって知らないうちに涙が…なんて」
男「…馬鹿らしい」
男「…もう12時過ぎか」
男「寝るかな…たく」
男「クリスマスクリスマスって…俺には平日と変わらないっての」
男「せめてサンタとかが来てくれたらな」
男「……。」
男「…何が欲しいかな」
男「受験に合格する鉛筆とか…うん、欲しい」
男「まあなんだって良いや…寝よう」
男「明日も勉強しか、することがないんだし」
男「…おやすみ」
735:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 16:44:42.66 ID:gosOz+OV0
うあああああああああああああああああああああああ
737:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 16:47:26.96 ID:Zkle602X0
兄貴しっかりしろぉぉおおおおおおおおおおおおお!!!!!
739:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 16:48:55.98 ID:ZxYnquWm0
アニキィィィィィィ!!なにやってんだよ!!
745:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 17:06:50.24 ID:be+aN+NR0
男「……。」
男「……。」
男「…Zzz」
プルルルルル…
男「…んあ?」
プルルルルル…
男「…なんだ…電話?」
男「寝てたのに…たく」
ピッ
男「…あれ、俺いつもマナーモードにしてるんだけどな」
男友『なんの話だ?』
男「いや、こっちの話…ってお前かよ」
746:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 17:08:40.27 ID:be+aN+NR0
男友『俺で悪かったな…』
男「俺、今から寝ようとしてたんだけど」
男友『それはちょうど良かった』
男「ん?」
男友『伝言があるんだ』
男「…なに、伝言?」
男友『そう、伝言』
男「誰から?」
男友『…昔の俺から?』
男「…は?」
男友『いや、俺もよく分からないんだけど』
男「…まあ良いや、それで伝言の内容は?」
男友『……。』
男「…ん?」
男友『寝るな』
750:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 17:12:31.70 ID:be+aN+NR0
男「寝るな?」
男友『そう』
男「それだけ?」
男友『いや、もうひとつ』
男「……。」
男友『サンタに願い事をしたら寝ろ』
男「サンタ?」
男友『そう』
男「……。」
男友『……。』
男「寝ぼけてる?」
男友『寝ぼけてねえよ!』
753:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 17:18:57.73 ID:be+aN+NR0
男「…よく分からない」
男友『俺もだよ』
男「なんだそれ」
男友『でも、メモ帳に絶対伝えろって書いてあったからな』
男「…他には何も無いのか?」
男友『あとは何も…いや、俺の走り書きが』
男「ん?」
男友『みんなで遊んで楽しかったなー』
男「昨日のことか?」
男友『だろうな』
男「……。」
男友『じゃ、伝えたからな』
男「…ああ」
男友『メリークリスマス』
プツッ
756:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 17:27:21.49 ID:be+aN+NR0
男「……。」
男「…寝るなってなんだ?」
男「寝ちゃダメなのか?」
男「……。」
男「サンタ?」
男「…なんのことだよ」
男「…はあ」
男「とりあえず、起きてるか」
男「…昨日のことって、男友たちと遊びに行ったことだよな」
男「女の提案でみんなの行きたいところに行くって言って」
男「はじめはボウリング行って…次は美術展だっけ」
男「……。」
男「…美術展?」
759:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 17:29:22.95 ID:fRyCfdzE0
よみがえれキオク
762:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 17:33:12.70 ID:DN9Sytdv0
来い・・・・・・・・・・来い!
764:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 17:35:37.42 ID:ZxYnquWm0
おもいだせ兄貴
765:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 17:35:53.86 ID:be+aN+NR0
ピッ
男友『なんだ?』
男「昨日俺達って美術展に行ったよな?」
男友『ああ、女がやたらはまってたなー』
男「それって、誰の提案だった?」
男友『……。』
男「……。」
男友『誰だっけ?』
男「……。」
男友『…あれ、なんだこれ』
男「なんかおかしいよな」
男友『気持ち悪いな…』
男「寝るなってこういうことか?」
男友『…分かんねえ』
766:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 17:41:17.71 ID:be+aN+NR0
男「…頭痛い」
男友『おい、大丈夫か?』
男「大丈夫、ありがとな男友」
男友『いや、俺もちょっと考えとく』
男「頼んだ」
プツッ
男「……。」
男「…次は」
プルルルルル…
男「……。」
ピッ
女『はいはーい、メリークリスマスー!』
男「あ、女、夜遅くに悪いな」
女『いいよー、どうしたの?』
767:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 17:45:28.30 ID:be+aN+NR0
女『美術展?行った行った!』
男「あれって誰の提案だったか覚えてる?」
女『そんなの当たり前じゃん!』
女『……。』
男「……。」
女『…あれ?』
男「だよな」
女『おかしいね、誰かの提案だったはずだよね?』
男「ああ…昨日って何人で遊んだっけ?」
女『確か四人だよー』
男「俺と男友と女と…」
女『…あれ?あと一人は誰?』
男「……。」
768:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 17:47:33.70 ID:4r368gb0O
何忘れてやがる!
はよ思い出せ
769:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 17:52:17.99 ID:be+aN+NR0
男「知り合いだよね?」
女『そのはずだよ…あ、ボウリングのスコアシートに載ってるはず』
男「あ、なるほど…どこにしまったかな」
女『見付けた!』
男「あ、俺も…妹友?」
女『…そうだ、妹友だよ!思い出した』
男「…妹友ちゃん」
女『…なんで思い出せなかったのかな?』
男「……。」
女『男君?』
男「ありがと、女。また何かあったら電話するよ」
女『あ、うん分かったよー』
男「またな」
女『ばいばーい』
プツッ
772:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 18:03:41.50 ID:be+aN+NR0
男「……。」
男「おかしいぞ、なんだこれ…」
男「妹友ちゃん…確かに覚えてるけど…いつ出会ったんだ?」
男「…あー、くそ、とりあえずスコアシートを片付けないと」
男「…ん?なんだこれ…俺の字だけど、こんなの書いた覚えがないな」
『今日、何してた?』
男「…今日?」
男「今日って…」
男「…墓参りだよな」
男「そのあと、一人でブラブラして…夜になったら帰ってきたけど」
男「…あれ、俺なんで一人で色んなところ行ったんだっけ?」
男「……。」
男「…あれ、俺なにか…忘れてないか?」
778:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 18:18:49.42 ID:be+aN+NR0
男「なにか…なにか…忘れてる?」
男「…この紙、裏にもなにか書いてある」
『思い出せ』
男「…なんだこれ」
男「俺、こんなもの…書いた覚えがない」
男「……。」
男「なんだ…何を忘れてるんだ?」
男「思い出さないと…」
男「思い出さないと、いけない気がする」
男「…なにか、なにか…大切なことを忘れてる気がするんだけど」
カリカリ
男「…ん?」
男「…なんだ?」
786:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 18:25:05.41 ID:be+aN+NR0
ミャー
男「…ネコ?」
男「…あ、ミャー…だ」
男「…今俺、ミャーのことも忘れてた?」
ミャー
男「…なあ、ミャー。俺、なんかおかしいんだ」
男「頭の中がぽっかり抜けたみたいで」
男「…なんでか、分からないか?」
…ミャー
男「…はは、分かるわけないか」
ミャー
男「…どこ行くんだ?」
カリカリ
男「…そこは空き部屋だぞ?」
789:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 18:34:40.67 ID:be+aN+NR0
ガチャ
男「…空き部屋、だよな?」
男「…あれ、なんで俺の物がこんなにいっぱいあるんだ?」
男「マンガ…参考書…鉛筆?」
男「…ミャーがこの部屋に持ってきたのかな」
男「…あれ、ミャーどこ行った?」
男「……。」
男「…俺、この部屋によく来てた気がする」
男「なんでだ…この部屋にはなにもないのに」
男「…駄目だ、やっぱりなにか忘れてる」
男「なにかを…なにか…」
男「……。」
男「……。」
男「…誰か?」
791:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 18:43:10.83 ID:be+aN+NR0
男「……。」
男「…誰か?」
男「なんだそれ…妹友ちゃんのことか?」
男「…違う、でも…それに近い、誰か」
男「記憶がおかしくなってるのは…それが思い出せないから…」
男「…大切な、誰か」
男「……。」
男「…誰なんだよ」
ミャー
男「ん?ミャー、どこ行ってたんだ」
男「…ミャー、それは?」
男「首についてる、それ」
チャラ
男「…キーホルダー?」
795:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 18:50:52.67 ID:be+aN+NR0
男「……。」
男「…半分だけの、キーホルダー?」
男「…ああ、海で買ったやつか」
男「……。」
男「……。」
男「…誰と?」
男「……。」
男「……。」
男『俺はこっちを持ってれば良いんだな?』
男「…もうひとつは、誰が持ってるんだよ」
男「…思い出せよ」
男「……。」
男『忘れないよ…全部』
男「……。」
男「…忘れてんじゃねえか…馬鹿」
796:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 19:00:37.25 ID:be+aN+NR0
男『この旅行楽しかったか?』
男「…おい」
男『全部、覚えてるから…当たり前だろ?』
男「…おい」
男『…ほら』
男「誰だよ、俺と話してたのは…」
男『ごめんな』
男「誰なんだよ…」
男「……。」
プルルルルル…
男「……。」
プルルルルル…
男「……。」ピッ
男「はい」
妹友『あのー…私、妹友と申しますが…』
800:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 19:07:46.73 ID:be+aN+NR0
男「…妹友…ちゃん?」
妹友『あ、はい…そうですが』
男「久し振り…ってわけでもないか、昨日遊んだばっかだもんな」
妹友『……。』
男「…ん?」
妹友『えっと…男さんですよね』
男「そうだけど」
妹友『すいません…私、あなたのことを、あまり覚えていなくて』
男「え?」
妹友『でも…私のメモ帳に絶対電話するようにって書いてあったんです』
男「…妹友ちゃんもか」
妹友『え?』
男「いや…だから、電話をくれたんだ」
妹友『…はい』
803:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 19:19:32.58 ID:be+aN+NR0
男「昨日一緒に遊んだことは覚えてる?」
妹友『…はい』
男「夏に海に行ったことは?」
妹友『え?…あ、はい、確かに行きました』
男「…なんで妹友ちゃんは、俺らと遊んだんだろう」
妹友『それが…分からないんです』
男「いつ知り合ったのか、どうやって知り合ったのか…」
妹友『……。』
男「…分かんないか」
妹友『…私、毎日日記を付けてるんですけど』
男「…うん」
妹友『その日記…いつも「お兄ちゃん」のことが書いてあるんです』
男「……。」
妹友『…お兄ちゃんって、男さんのことですか?』
807:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 19:28:51.62 ID:be+aN+NR0
男「…お兄ちゃん」
―イサン
男「つっ…」
妹友『どうかしましたか?』
男「いや、大丈夫…」
妹友『やっぱりお兄ちゃんって、男さんのことですよね?』
男「…そうだと思うよ。確か、そう呼ばれてたし」
妹友『…そうですか』
男「…その日記、俺以外のことはなにか書いてない?」
妹友『……。』
男「妹友ちゃん?」
妹友『…男さん』
男「…なに?」
妹友『私…誰か大切な人のことを忘れてる気がするんです』
810:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 19:41:08.56 ID:be+aN+NR0
男「……。」
妹友『私の日記…ほとんど何も書いてないんです』
妹友『毎日書いてたはずなのに…ぽっかりと抜けちゃってるんです』
男「……。」
妹友『おかしいですよね、書かれてるのはお兄ちゃんのことと家のことばかりで』
妹友『お兄ちゃんと一緒にいた誰かのことは、全部消えてるんです…』
男「俺と一緒に…いた?」
妹友『私、大切な誰かのことを忘れちゃってる…絶対に誰かがいたはずなのに…』
妹友『だから、思い出さないと…って思ってたときに、男さんの電話番号を見付けたんです』
男「…俺と一緒にいた…大切な人?」
妹友『男さん…私が忘れている誰かのこと…覚えていませんか?』
男「……。」
妹友『たぶん、私の大切な…お兄ちゃん?』
男「…お兄ちゃん」
―イサン
816:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 19:56:40.54 ID:be+aN+NR0
妹友『あ、あれ…私、今なんでお兄ちゃんって…』
男「忘れてる…大切な人…妹友ちゃん…一緒にいた…キーホルダー…お兄ちゃん…」
妹友『あ、でもお兄ちゃんって男さんのことだから良いんですよね…ちょっと呼ぶの恥ずかしいけど』
男「寝るな…サンタに願い事…クリスマス…ミャー…一人で散歩…サンタ?」
妹友『…で、でも、なんで私、男さんのことをお兄ちゃんなんて呼んでるんでしょうね?』
男「サンタ?…願い事?…去年のクリスマス…俺は何を願った?」
妹友『…お兄ちゃん?どうしました?大丈夫ですか?』
チャラ
男「…半分のキーホルダー…花の絵」
妹友『…お兄ちゃん?』
男「妹友ちゃん、花の名前に詳しい?」
妹友『え?…まあ、花を描くのが好きなので、多少はいけると思いますけど』
男「えっと…漢字で、勿体ないの一文字目に…半分しか書いてないけど、これはたぶん、無しって漢字なんだけど」
妹友『…それは、勿忘草ですね』
男「…わすれなぐさ」
823:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 20:22:49.64 ID:be+aN+NR0
妹友『綺麗な花ですよね、名前の意味はそのまま花言葉にもなってますよ。勿忘草の花言葉はですね…』
男「…私を、忘れないで」
妹友『あ、知ってたんですか?』
男「……。」
妹友『…それで、勿忘草がどうかしましたか?』
男「……。」
妹友『…お兄ちゃん?』
男「……。」
妹友『具合でも悪いんですか?』
男「……。」
妹友『…えっと、大丈夫ですか?』
男「……。」
妹友『…救急車、呼びましょうか?』
男「……。」
834:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 20:45:10.18 ID:be+aN+NR0
『無理だよ…』
『だって、忘れちゃうもん』
『私の存在が、みんなの記憶から消えちゃうの』
『私がいなくなっちゃうのは…しょうがないことなんだよ?』
『ね、そうでしょ?』
『どうしたって、私はみんなから消えちゃうんだから…』
『だから、何を言ったって…しょうがないんだもん』
『みんな、消えちゃうんだよ?』
『だからね…だから…』
男「……。」
男「……。」
男「……。」
男「…馬鹿野郎」
男「…やっぱり、忘れねえじゃねえか、妹」
835:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 20:46:12.45 ID:gUEn+t1V0
キタァァァァァァ
836:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 20:46:42.91 ID:aiyzX98x0
キタ━━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━!!!!!
842:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 20:50:31.93 ID:nyoZFgvc0
うん、これはいいSSスレだ
目頭が暑い‥ッ!
847:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 20:54:53.00 ID:be+aN+NR0
妹友『…お兄ちゃん、今…なんて言いました?』
男「……。」
妹友『妹?…あれ、なんでしょう…』
妹友『涙が…なんででしょうか』
男「……。」
妹友『妹…妹…妹…』
男「俺の…大切な人の…名前だよ」
妹友『う…うー…』
男「…妹友ちゃんにとってもね」
妹友『…妹…うー』
男「…思い出した?」
妹友『…はい…妹、忘れてなかったよ、私』
男「……。」
妹友『忘れるわけ…ないじゃんか…』
男「…うん」
849:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 20:55:39.46 ID:eN5BgZuG0
誰かBGMかけてくれ!
855:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 20:59:48.02 ID:VB81sYDM0
>>849
尾崎豊の「FORGET ME NOT」でどうだ
曲目の意味は………わかるな?
868:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 21:08:36.96 ID:eNtAnXBT0
気持ち悪いぐらい鳥肌立ってるwwwww
>>855ナイス!
850:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 20:55:58.95 ID:aI7U4XOh0
エンダアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
864:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 21:03:48.92 ID:B4XuEnON0
>>850
イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
861:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 21:03:25.17 ID:be+aN+NR0
男「…妹友ちゃん、頼みがあるんだけど」
妹友『大丈夫です、分かってます』
男「…そっか」
妹友『私、いい子でしたから、きっと大丈夫ですよ』
男「はは、だったら良いな」
妹友『…早く寝ないと、悪い子になっちゃいますね』
男「そうだな」
妹友『お兄ちゃん、また明日、遊びに行きますから』
男「…待ってるよ」
妹友『はい、じゃあまた明日』
男「じゃあね」
プツッ
男「……。」
ミャー
男「…はは、お前ははじめから覚えてたのか?」
874:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 21:14:37.96 ID:be+aN+NR0
……………………
…………
……
ピピピピピピピピ
男「……。」
ピピピピピピピピ
男「……。」
ピピピピピピピピ
男「……。」
ピピピピピピ カチッ
男「……。」
男「…なんだ、目覚まし、俺が止めようと思ったのに」
妹「……。」
男「…おかえり、妹」
875:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 21:15:08.08 ID:0JIvDMCQ0
キーーーーーーーーーーーーーーーーーーーターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!111
877:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 21:15:18.64 ID:Vxrb+BVk0
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!
878:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 21:15:21.31 ID:aqVu8tEF0
きたぁぁぁぁぁぁぁぁ
879:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 21:15:43.23 ID:fRyCfdzE0
おかえり
おかえり・・・
880:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 21:15:47.84 ID:m5+e0OA70
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
882:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 21:16:08.16 ID:gUEn+t1V0
おかえりいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
885:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 21:17:14.16 ID:yoTxgi/u0
ついにキターーー!
886:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/27:2011/01/07(金) 21:17:21.79 ID:fgVRM31F0
おかえりいいいい!
925:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 21:37:18.93 ID:be+aN+NR0
妹「……。」
男「どうした?」
妹「…なんで私、ここにいるの?」
男「…なに言ってんだ」
男「忘れるなって言ったのは、お前だぞ」
妹「……。」
男「わがままにはなんだって付き合うって言っただろ?」
妹「…うん」
男「たく、世話の焼ける妹だ」
妹「…にいさん」
男「ん?」
妹「…えへへ、ただいま!」
男「…おう」
933:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 21:53:14.55 ID:be+aN+NR0
妹「…なんで、私のこと覚えてたの?」
男「そうだな…たぶん、サンタが結構いい加減な性格だったせいじゃないか?」
妹「…え?」
男「いや、父さんすでにいないのに妹だとか、妹友ちゃんも違和感に気づいてたし…結構記憶操作が適当だったからさ」
男「妹が消えるときも、結構矛盾が出るんじゃないかと思ってね」
妹「え…でもそれだけで…」
男「…ま、細かいことは良いんだよ」
男「俺は妹を忘れなかったし、妹は今ここにいる…それだけで十分だ」
妹「…うん!」
ピンポーン
妹「…お客さん?」
男「あー…妹、行ってこい」
妹「…あ、もしかして!」
935:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 22:00:09.77 ID:be+aN+NR0
ガチャ
女「やっほー」
男友「メリークリスマス!」
妹「あ、先輩!」
女「私たちだけじゃないよー」
男友「ほら、隠れてないでさ」
妹友「……。」ヒョコッ
妹「妹友ー!」
妹友「め、メリークリスマ…ひゃあッ!」
妹「えへへ、メリークリスマスだよー」
妹友「…もう」
男「朝早くからご苦労さん、みんな」
女「…良かったね、男君」
男友「ばっちり妹さんのことお願いしといたからな!」
男「…ありがとな」
939:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 22:06:37.49 ID:be+aN+NR0
妹「にいさんにいさん」
男「ん?」
妹「これからみんなで遊びに行こ?」
男「…はは、遊ぶのは良いけど」
母「ちゃんとご飯食べてからにしなさいよ」
妹「あ、お母さん、おはよう」
母「きゃっ…ふふ、ちゃんと卵焼き作ったからね」
妹「…うん!」
妹友「卵焼きッ!?」
女「……。」グー
男友「…こいつ」
母「みなさんもどうぞ」
女「ありがとうございます!」
妹友「やったー」
男友「…じゃあ、お邪魔します」
940:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 22:10:51.79 ID:be+aN+NR0
女「机まで競争、妹友!」
妹友「がってんしょうちのすけー!」
男友「…他人の家で何やってんだ」
男「はは…」
妹「…にいさん」
男「ん、なんだ?」
妹「…私、なんだかずっと一緒にいられるみたい」
男「…ん?」
妹「魔法がね、とっても強いの」
男「…ま、四人と一匹の願いが詰まってるからな」
妹「一匹?」
男「な、ミャー」
ミャー
942:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 22:15:33.42 ID:be+aN+NR0
妹「…みんなが?」
男「そうだよ、それもありったけ」
妹「……。」
男「俺なんか全部のプレゼント分を前借りしたからな」
妹「そんなこと出来るの?」
男「さあな」
妹「……。」
男「…でも、もう消えないんだろ?」
妹「たぶん…」
男「じゃあきっと、サンタに届いたんだな」
妹「…そうかもね…えへへ」
男「…ん?」
妹「ありがと、にいさん」
男「…お礼はみんなに言えよ」
944:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 22:23:31.46 ID:be+aN+NR0
妹「にいさん、これからもよろしくね」
男「…おう」
妹「…あ」
男「…ん?」
妹「な、なんでもない!」
男「なんだよ」
妹「…最後だと思って、にいさんとキスとか…いろいろしちゃったよぉ」
男「なんだって?」
妹「ななな、なんでもないってばぁ!あ、朝ご飯食べに行くよ、にいさん」
男「…はいはい」
妹「……。」
妹「…にいさん、あの時は言えなかったけど」
妹「ずっとずっと…大好きだからね」
最終話 妹 おわり
945:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 22:23:49.44 ID:ZKMlQf6/0
乙
感動をありがとう
948:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 22:24:31.75 ID:rco4sEdp0
乙!!
>>1ありがとう!!!
949:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 22:24:43.56 ID:eN5BgZuG0
>>1
乙!!!!!!
良かったよ!
954:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 22:25:03.98 ID:yoTxgi/u0
期待通りのハッピーエンドだ。最高だよほんと
958:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 22:25:40.08 ID:aI7U4XOh0
>>1乙
最高のハッピーエンドだな
963:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 22:26:53.72 ID:VB81sYDM0
ここでおもむろに忘れな草(英名FORGET ME NOT)をうp

そして素晴らしいSSに心から乙‼
妹友「いいよね・・・・・・かっこいいお兄ちゃんがいて」へつづく
※後ほど記事公開
妹「はぁ、はぁ、好きだよぉ、お兄ちゃん、>>2」
2017-12-09
1 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/08(金) 23:30:56.97 ID:XLPOQ37pO
妹「>>2」
2 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/08(金) 23:31:33.71 ID:bD7a7PJb0
お兄ちゃんのハンカチくんかくんか
3 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/08(金) 23:35:02.00 ID:XLPOQ37pO
妹「お兄ちゃんのハンカチくんかくんか、あぁ、いい匂いしゅるぅ、はぁ、はぁ。お兄ちゃんしゅきだよぉぉぉ……っ!!」
>>4「>>6」
>>4「>>6」
4 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/08(金) 23:35:42.50 ID:fZSoAR+DO
姉
6 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/08(金) 23:43:57.11 ID:e5WVfwPWO
兄なんていないじゃない
7 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/08(金) 23:49:36.86 ID:XLPOQ37pO
姉「兄なんていないじゃない」
妹「あははっ、なに言ってるのお姉ちゃん。お兄ちゃんはちゃんといるよ。ほら、だってこのハンカチからお兄ちゃんのにおいするよ? こーんなにいい匂いなのに、お姉ちゃんはおかしなこと言うんだからー、えへへ……/// お兄ちゃん」
姉「>>8
妹「あははっ、なに言ってるのお姉ちゃん。お兄ちゃんはちゃんといるよ。ほら、だってこのハンカチからお兄ちゃんのにおいするよ? こーんなにいい匂いなのに、お姉ちゃんはおかしなこと言うんだからー、えへへ……/// お兄ちゃん」
姉「>>8
8 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/08(金) 23:51:06.16 ID:GeOl40L70
……私にどうしろというのよぉ(教えて…お母さん、お父さん……)
9 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/08(金) 23:56:14.48 ID:XLPOQ37pO
自分の部屋に帰ってきた姉。
姉「私にどうしろっていうのよぉ……(教えて、お母さん、お父さん)」
姉「ううん、こんな時だからこそ、私がしっかりしないといけないのよね」
ガチャッ
姉「だれ?」
>>10「」
10 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/08(金) 23:57:21.59 ID:tkvCryvtO
猫
11 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/08(金) 23:59:24.50 ID:XLPOQ37pO
猫「にゃー」
姉「なんだあんたか……。あれでも、どうやってドア開けたの?。もしかして……。>>12」
姉「なんだあんたか……。あれでも、どうやってドア開けたの?。もしかして……。>>12」
12 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/09(土) 00:00:05.93 ID:1riNuoer0
ただの猫じゃない?(まさか)
13 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/09(土) 00:04:03.74 ID:cuhz3QX5O
姉「やっぱりただの猫じゃない。まさか……ってこともないわよね」
ガチャ
妹「あー、おねーちゃんこんなとこにいた」
姉「妹……」
妹「ねー、お姉ちゃん、お兄ちゃんどこにいるか知らない。昨日私と一緒に遊んでくれるって言ってたのに、いないの。あっ! わかった、お兄ちゃんは>>14
ガチャ
妹「あー、おねーちゃんこんなとこにいた」
姉「妹……」
妹「ねー、お姉ちゃん、お兄ちゃんどこにいるか知らない。昨日私と一緒に遊んでくれるって言ってたのに、いないの。あっ! わかった、お兄ちゃんは>>14
14 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/09(土) 00:05:13.39 ID:peWLQB+1O
お父さんとお母さんの御墓参りに行ったんだ
15 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/09(土) 00:09:01.04 ID:cuhz3QX5O
妹「わかった、お兄ちゃんはお父さんとお母さんのお墓参りに行ったんだね。じゃあわたしも行かないと、お兄ちゃんと一緒にお祈りするのー、そした、そのあと遊んでもらえるよねっ!お姉ちゃんっ。
えへへ、お兄ちゃん、早く会いたいなぁ」
姉「>>16」
えへへ、お兄ちゃん、早く会いたいなぁ」
姉「>>16」
16 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/09(土) 00:09:26.63 ID:QlHXJIeE0
正気に戻りなさい!(往復ビンタ
18 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/09(土) 00:15:23.84 ID:cuhz3QX5O
姉「妹っ、正気に戻りなさいっ」パチンパチンパチン
妹「痛いっ!お姉ちゃんなにするの!」
姉「なにするもなにも、あなたが変なこと言うからでしょ!」
妹「変なことってなにっ?私なにも変なことなんて言ってないもんっ、ただお兄ちゃんに遊んでもらいたいだけだもんっ」
妹「あっ、わかった。お姉ちゃん、実はお兄ちゃんのこと好きなんでしょ。ふふっ、でもお兄ちゃんは私のものだよ? だってこの前、私のこと好きって言ってくれたもん」
姉「あのね妹、よく聞きなさい。>>19
妹「痛いっ!お姉ちゃんなにするの!」
姉「なにするもなにも、あなたが変なこと言うからでしょ!」
妹「変なことってなにっ?私なにも変なことなんて言ってないもんっ、ただお兄ちゃんに遊んでもらいたいだけだもんっ」
妹「あっ、わかった。お姉ちゃん、実はお兄ちゃんのこと好きなんでしょ。ふふっ、でもお兄ちゃんは私のものだよ? だってこの前、私のこと好きって言ってくれたもん」
姉「あのね妹、よく聞きなさい。>>19
19 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/09(土) 00:15:59.28 ID:Y07fSx9n0
お兄ちゃんは魔王に攫われたのよ
21 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/09(土) 00:21:48.36 ID:cuhz3QX5O
姉「あのね妹、お兄ちゃんはいないの。ここにはもういないの。覚えてないの?お兄ちゃんはね、魔王に連れ去られてしまったのよ」
妹「え……、う、うそ? え、あれ?」
姉「お父さんたちだって、お兄ちゃんを守ろうとして死んじゃったのよ?本当に覚えてないの?」
妹「そ、そんな、でも、あれ……お、お兄ちゃん、お兄ちゃんは……、だって、私のこと……」
姉「いい加減現実を認めなさい」
妹「>>22
妹「え……、う、うそ? え、あれ?」
姉「お父さんたちだって、お兄ちゃんを守ろうとして死んじゃったのよ?本当に覚えてないの?」
妹「そ、そんな、でも、あれ……お、お兄ちゃん、お兄ちゃんは……、だって、私のこと……」
姉「いい加減現実を認めなさい」
妹「>>22
22 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/09(土) 00:23:32.71 ID:1riNuoer0
それならお兄ちゃんは魔王の所にいるんだね。なら、さっさと行こうよ!
23 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/09(土) 00:28:02.45 ID:cuhz3QX5O
妹「それならお兄ちゃんは魔王のところにいるんだね、ならさっさと行こうよ」
妹「じゃあお姉ちゃん、私お兄ちゃんのどこに言ってくるねっ」
姉「待って」
妹「どうしたの、お姉ちゃん」
姉「私も行くわ」
妹「っ! お兄ちゃんは、渡さないからね……」
姉「ち、違うわよ、単純に私も兄さんを助けたいだけ」
妹「そっかっ!だったらいいよ!あっ、そうだっ、せっかくだから>>24もつれて行こっか
妹「じゃあお姉ちゃん、私お兄ちゃんのどこに言ってくるねっ」
姉「待って」
妹「どうしたの、お姉ちゃん」
姉「私も行くわ」
妹「っ! お兄ちゃんは、渡さないからね……」
姉「ち、違うわよ、単純に私も兄さんを助けたいだけ」
妹「そっかっ!だったらいいよ!あっ、そうだっ、せっかくだから>>24もつれて行こっか
24 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/09(土) 00:28:52.14 ID:/yg4BAWsO
アルティメットカオスドラゴン
26 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/09(土) 00:36:27.20 ID:cuhz3QX5O
妹「アルティメットカオスドラゴンも連れて行こうっ」
姉「だれよそれ!」
妹「あれ、お姉ちゃん知らないの?この子の正体だよ」
ピカーッ (まばゆい光)
猫あらためアルティメットカオスドラゴンぬこ「くっくっく、やはりお主には感づかれておったか。兄上の救出、是非とも助太刀させてもらう」
姉「え、えぇええ」
アルティメット()ぬこ「ではゆくぞ」バサァっ、
姉「え、えええ、ちょ、ちょっとまってぇ!」
――
魔王城
アルぬこ(猫の姿)「ここが魔王城か、では早速入るとするか」
妹「ふふふ、お兄ちゃん、早く会いたいなぁ、」
姉「え、ほ、本当にいくの?」
ちゃちゃちゃららーんっ、敵が現れたっ!
>>27
姉「だれよそれ!」
妹「あれ、お姉ちゃん知らないの?この子の正体だよ」
ピカーッ (まばゆい光)
猫あらためアルティメットカオスドラゴンぬこ「くっくっく、やはりお主には感づかれておったか。兄上の救出、是非とも助太刀させてもらう」
姉「え、えぇええ」
アルティメット()ぬこ「ではゆくぞ」バサァっ、
姉「え、えええ、ちょ、ちょっとまってぇ!」
――
魔王城
アルぬこ(猫の姿)「ここが魔王城か、では早速入るとするか」
妹「ふふふ、お兄ちゃん、早く会いたいなぁ、」
姉「え、ほ、本当にいくの?」
ちゃちゃちゃららーんっ、敵が現れたっ!
>>27
27 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/09(土) 00:37:10.67 ID:dWPpeU06O
破滅神-アルテマ-
28 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/09(土) 00:43:03.29 ID:cuhz3QX5O
姉「なんか魔王より強そうなの出てきた!?」
破壊神アルテマ「くっくっく、よもやここにやってくる人間がいるとは」
>>アルテマのチカラを10として、
みんなの戦闘力
妹>>29
姉>>30
ぬこ>>31
あと魔王も>>32
破壊神アルテマ「くっくっく、よもやここにやってくる人間がいるとは」
>>アルテマのチカラを10として、
みんなの戦闘力
妹>>29
姉>>30
ぬこ>>31
あと魔王も>>32
29 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/09(土) 00:44:01.17 ID:Or8WkRjoO
これはコンマ判定でいいのか?
30 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/09(土) 00:44:42.47 ID:dWPpeU06O
安価なら5
31 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/09(土) 00:45:25.39 ID:1riNuoer0
ぬこ時は2で真の姿は20
32 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/09(土) 00:46:35.92 ID:DVq+SJJJO
9
33 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/09(土) 00:50:09.93 ID:cuhz3QX5O
妹17
姉5
ぬこ2(20)
魔王9
でいく
妹「ここは私に任せて」
アルテマ「ふっふ、かの魔王と同等以上の戦闘力を誇るワタシに勝てると思うなよ人間風情が!」
妹「うるさいなぁ。私は早くお兄ちゃんに遊んでもらわないといけないのに。くらえ」
技名>>34
姉5
ぬこ2(20)
魔王9
でいく
妹「ここは私に任せて」
アルテマ「ふっふ、かの魔王と同等以上の戦闘力を誇るワタシに勝てると思うなよ人間風情が!」
妹「うるさいなぁ。私は早くお兄ちゃんに遊んでもらわないといけないのに。くらえ」
技名>>34
34 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/09(土) 00:50:48.79 ID:p/bAnoYAO
自爆
36 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/09(土) 00:55:05.31 ID:cuhz3QX5O
妹「くらえ、自爆」
ドゴオォォーン!!
アルテマ「なっ、そ、それは、――っ!」
アルテマ死亡。
ぬこ(真の姿)「危ないことをする。私がバリアーをはらなければ、姉殿も死んでおったぞ」
妹「えへへ、ごめんなさーい」
姉「えぇぇっ、な、なんであんた自爆して無事なのよっ」
妹「ふっふっふっー、それはねお姉ちゃん、愛の力だよっ」
姉「えぇ……」
そこに颯爽と魔王登場
魔王「わがライバルアルテマを一撃で葬ったのは貴様らか、いったい何者だ」
妹「>>37
ドゴオォォーン!!
アルテマ「なっ、そ、それは、――っ!」
アルテマ死亡。
ぬこ(真の姿)「危ないことをする。私がバリアーをはらなければ、姉殿も死んでおったぞ」
妹「えへへ、ごめんなさーい」
姉「えぇぇっ、な、なんであんた自爆して無事なのよっ」
妹「ふっふっふっー、それはねお姉ちゃん、愛の力だよっ」
姉「えぇ……」
そこに颯爽と魔王登場
魔王「わがライバルアルテマを一撃で葬ったのは貴様らか、いったい何者だ」
妹「>>37
37 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/09(土) 00:55:48.33 ID:ce5VHdBSO
警察だ
38 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/09(土) 01:00:02.87 ID:cuhz3QX5O
魔王「ふははははっ!警察ごときを恐れるワシではない」
姉「あんた警察じゃないでしょ」
魔王「しかし、あのアルテマがやられたのは事実。少しは認めてやろうではないか」
妹「ねー、そんなことはどうでもいいからさ、お兄ちゃんはどこなの?ねぇ、早く教えてよ、ねぇ、お兄ちゃんは?」
魔王「>>39
姉「あんた警察じゃないでしょ」
魔王「しかし、あのアルテマがやられたのは事実。少しは認めてやろうではないか」
妹「ねー、そんなことはどうでもいいからさ、お兄ちゃんはどこなの?ねぇ、早く教えてよ、ねぇ、お兄ちゃんは?」
魔王「>>39
39 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/09(土) 01:00:45.76 ID:1riNuoer0
私のベットにいるぞ(意味深)
40 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/09(土) 01:05:43.67 ID:cuhz3QX5O
魔王「ワシのベッドにいるぞ」ニヤリ
妹「――」シュンッ
魔王「グハッ!」
ぬこ「あれは……強い、さすが妹殿だ」
姉「え、え、何が起こったの?」
妹「ねー、お兄ちゃんに何したの?私のお兄ちゃんだよ?ねぇ?ふふ、早く本当のこと教えて欲しいなぁ?」
魔王「く、く……っ、>>41
妹「――」シュンッ
魔王「グハッ!」
ぬこ「あれは……強い、さすが妹殿だ」
姉「え、え、何が起こったの?」
妹「ねー、お兄ちゃんに何したの?私のお兄ちゃんだよ?ねぇ?ふふ、早く本当のこと教えて欲しいなぁ?」
魔王「く、く……っ、>>41
41 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/09(土) 01:06:50.78 ID:p/bAnoYAO
お前に対して憎悪しか向かないようにした
42 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/09(土) 01:10:01.03 ID:cuhz3QX5O
妹「あ、もういいよ」スパッ
手刀で首を落とされた魔王
姉「い、妹っ!?」
妹「おねーちゃーん、私お兄ちゃんにあってくるねー」
――
第六感を駆使して兄の元にたどり着いた妹、
なんとそこに広がっていた光景は――>>43
手刀で首を落とされた魔王
姉「い、妹っ!?」
妹「おねーちゃーん、私お兄ちゃんにあってくるねー」
――
第六感を駆使して兄の元にたどり着いた妹、
なんとそこに広がっていた光景は――>>43
43 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/09(土) 01:10:46.52 ID:gUSdrdDro
お姉ちゃんになったお兄さん
44 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/09(土) 01:14:44.84 ID:cuhz3QX5O
兄あらためお姉ちゃん2「妹っ」
妹「お兄ちゃんっ、会いたかった! ……あれ、でもお兄ちゃんなんか、雰囲気変わった?」
兄姉「あぁ、実はわたし、女になったんだ」
妹「えっ! >>45
妹「お兄ちゃんっ、会いたかった! ……あれ、でもお兄ちゃんなんか、雰囲気変わった?」
兄姉「あぁ、実はわたし、女になったんだ」
妹「えっ! >>45
45 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/09(土) 01:15:28.18 ID:1riNuoer0
なら、戻しにいこう!魔法使いでも賢者でも探しに!
46 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/09(土) 01:21:13.21 ID:cuhz3QX5O
兄姉「いや、違うんだ妹。実はわたしはずっと女になりたかったんだ。だから魔王には感謝してるんだ」
妹「そ、そんな……。で、でも、お兄ちゃんは、お兄ちゃんだよね? それならわたし大丈夫っ、だってお兄ちゃんだもんっ!」
兄姉「こんなわたしを受けいれてくれるのか……」
妹「もー、当たり前だよお兄ちゃんってば、私がお兄ちゃんを嫌いになるわけないじゃんっ」
こうして、魔王は倒され世界は平和になった。
妹はお姉ちゃんとなったお兄ちゃんといつまでも幸せに暮らしましたとさ。
Happy end
47 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/09(土) 01:22:10.07 ID:cuhz3QX5O
すまん、眠いから寝る。
可愛い変態妹を書こうとしたらなぜかファンタジーになったな。
次やるときは安価なしでやるわ。じゃあまた
可愛い変態妹を書こうとしたらなぜかファンタジーになったな。
次やるときは安価なしでやるわ。じゃあまた