加蓮「凛ってさ、甘えるの下手そうだよね」
2019-12-09
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:23:47.50 ID:4cKCevu8o
凛「…………急にどうしたの、加蓮」
奈緒「そうだよ、加蓮。なに言ってんだ、まったく」
凛「ホントだよ。奈緒、もっと言ってあげて」
奈緒「下手そう、じゃなくて下手の間違いだろ」
凛「!?」
加蓮「ごめんごめん。ホント今更だね」
凛「!!??」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1419128617
奈緒「そうだよ、加蓮。なに言ってんだ、まったく」
凛「ホントだよ。奈緒、もっと言ってあげて」
奈緒「下手そう、じゃなくて下手の間違いだろ」
凛「!?」
加蓮「ごめんごめん。ホント今更だね」
凛「!!??」
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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:24:43.58 ID:4cKCevu8o
奈緒「ん? 凛、どうかしたか?」
凛「どうかしたじゃないよ!? 加蓮はともかく奈緒までそう思ってたの!?」
奈緒「うん」
凛「即答!?」
奈緒「なぁ、加蓮。凛はどうしたんだ? なんかショック受けてるみたいだけど」
加蓮「さぁ? そういう年頃なんじゃない?」
凛「……私って…………私って」ブツブツ
凛「どうかしたじゃないよ!? 加蓮はともかく奈緒までそう思ってたの!?」
奈緒「うん」
凛「即答!?」
奈緒「なぁ、加蓮。凛はどうしたんだ? なんかショック受けてるみたいだけど」
加蓮「さぁ? そういう年頃なんじゃない?」
凛「……私って…………私って」ブツブツ
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:26:00.05 ID:4cKCevu8o
加蓮「あっ、そうだ。この前奈緒が貸してくれた漫画、面白かったよ」
奈緒「だろっ!? 加蓮ならわかってくれると――」
凛「そんなことないよっ!!」バンッ
加蓮「………………」
奈緒「………………」
凛「………………」
奈緒「……最近、その漫画の最新刊が出たんだけど」
加蓮「ホント? 続きが気になるから貸して――」
凛「二人ともちゃんと聞いてっ!!」バンッ
奈緒「だろっ!? 加蓮ならわかってくれると――」
凛「そんなことないよっ!!」バンッ
加蓮「………………」
奈緒「………………」
凛「………………」
奈緒「……最近、その漫画の最新刊が出たんだけど」
加蓮「ホント? 続きが気になるから貸して――」
凛「二人ともちゃんと聞いてっ!!」バンッ
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:26:52.99 ID:4cKCevu8o
奈緒「な、なんだよ……なに怒ってんだ、凛」
加蓮「そんなに強く叩いて手、痛くない?」
凛「痛い…………じゃなくて!」
奈緒「別に甘えるのが下手でも良いだろ? 悪いことじゃないんだし」
加蓮「そうそう。例え甘えるのが下手でも凛は凛なんだよ?」
凛「そんな良い話風にしても騙されないよ、加蓮!」
加蓮「ひどいっ……わ、私は凛を慰めようとしただけなのに……およよ」
奈緒「加蓮……おい、凛。加蓮に謝れ、加蓮が可哀想だろ」
凛「ご、ごめん加蓮…………って! 騙されるか!」
加蓮・奈緒「わぁー! 凛がご乱心だー!
加蓮「そんなに強く叩いて手、痛くない?」
凛「痛い…………じゃなくて!」
奈緒「別に甘えるのが下手でも良いだろ? 悪いことじゃないんだし」
加蓮「そうそう。例え甘えるのが下手でも凛は凛なんだよ?」
凛「そんな良い話風にしても騙されないよ、加蓮!」
加蓮「ひどいっ……わ、私は凛を慰めようとしただけなのに……およよ」
奈緒「加蓮……おい、凛。加蓮に謝れ、加蓮が可哀想だろ」
凛「ご、ごめん加蓮…………って! 騙されるか!」
加蓮・奈緒「わぁー! 凛がご乱心だー!
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:27:44.73 ID:4cKCevu8o
凛「………………二人ともいい加減にして?」ゴゴゴゴゴ
加蓮・奈緒「あっ、はい」
加蓮・奈緒「あっ、はい」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:29:08.69 ID:4cKCevu8o
凛「で? 二人はなんで私が……その……」
加蓮「ん? もしかして何でそう思ったのか、凛は聞きたいの?」
凛「……うん…………私、そんなことないもん」
奈緒「もんって……おい、どうすんだよ加蓮。凛がいじけちゃったぞ」
加蓮「どうするって言われてもねぇ、だって事実だし」
奈緒「そうだけどさぁ……あっ」
凛「…………」ムスー
奈緒「あちゃあ……こりゃ機嫌直すの時間がかかりそうだ」
加蓮「凛ってば頑固だからねぇ。凛自身が納得しないと直んないよ?」
奈緒「そんな他人事みたいに言うなよ……」
加蓮「ん? もしかして何でそう思ったのか、凛は聞きたいの?」
凛「……うん…………私、そんなことないもん」
奈緒「もんって……おい、どうすんだよ加蓮。凛がいじけちゃったぞ」
加蓮「どうするって言われてもねぇ、だって事実だし」
奈緒「そうだけどさぁ……あっ」
凛「…………」ムスー
奈緒「あちゃあ……こりゃ機嫌直すの時間がかかりそうだ」
加蓮「凛ってば頑固だからねぇ。凛自身が納得しないと直んないよ?」
奈緒「そんな他人事みたいに言うなよ……」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:30:14.40 ID:4cKCevu8o
加蓮「はぁ……じゃあ、凛は甘えるのが上手だと思ってるんだ?」
凛「えっ……いや、別に上手とかそういうことじゃなくて……」
奈緒「じゃあ、なんだよ?」
凛「えっと……下手とか言われるのが負けたように感じるというか、なんと言うか」
加蓮「この負けず嫌いさんめ……」
凛「と、とにかく! 私、甘えるのが下手だと思われるのが納得いかないの!」
奈緒「でもアタシ、凛に甘えられたこと無いんだけど」
凛「えっ」
加蓮「私も。私たちは年上なのにね」
凛「えっ」
凛「えっ……いや、別に上手とかそういうことじゃなくて……」
奈緒「じゃあ、なんだよ?」
凛「えっと……下手とか言われるのが負けたように感じるというか、なんと言うか」
加蓮「この負けず嫌いさんめ……」
凛「と、とにかく! 私、甘えるのが下手だと思われるのが納得いかないの!」
奈緒「でもアタシ、凛に甘えられたこと無いんだけど」
凛「えっ」
加蓮「私も。私たちは年上なのにね」
凛「えっ」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:31:18.71 ID:4cKCevu8o
凛「そ、そんなこと無いよ……何かあるはずだよ、きっと」オロオロ
加蓮「本人がそんな不安げじゃあ駄目でしょ」
凛「はうっ!?」
凛「ふ、二人にはいろいろ助けてもらってるし! ねっ?」
奈緒「頼るのと甘えるのとじゃ違うと思うんだけど」
凛「な、奈緒のくせにっ!?」
奈緒「おい、奈緒のくせにってどういう意味だ」
加蓮「本人がそんな不安げじゃあ駄目でしょ」
凛「はうっ!?」
凛「ふ、二人にはいろいろ助けてもらってるし! ねっ?」
奈緒「頼るのと甘えるのとじゃ違うと思うんだけど」
凛「な、奈緒のくせにっ!?」
奈緒「おい、奈緒のくせにってどういう意味だ」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:32:04.96 ID:4cKCevu8o
凛「で、でも付き合いも長いし少しくらいは……」
加蓮「奈緒、なにかそんな話ある?」
奈緒「うーん、逆ならいくつかあるんだがなぁ」
凛「逆? どんな?」
奈緒「えーと、例えばこの前アタシの買い物に凛は付き合ってくれただろ?」
凛「う、うん、暇だったしね」
奈緒「で、お礼に飲み物でも奢ろうとしたらなんて言ったか覚えてるか?」
凛「…………」ダラダラ
奈緒「『別に良いよ、自分の分は自分で払うから』って言ったんだよな?」
加蓮「奈緒、なにかそんな話ある?」
奈緒「うーん、逆ならいくつかあるんだがなぁ」
凛「逆? どんな?」
奈緒「えーと、例えばこの前アタシの買い物に凛は付き合ってくれただろ?」
凛「う、うん、暇だったしね」
奈緒「で、お礼に飲み物でも奢ろうとしたらなんて言ったか覚えてるか?」
凛「…………」ダラダラ
奈緒「『別に良いよ、自分の分は自分で払うから』って言ったんだよな?」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:32:43.08 ID:4cKCevu8o
凛「…………はい」
加蓮「うわぁ……せっかく奈緒が奢ってくれるって言っているのに……」
奈緒「だろ? 加蓮なんて特に理由も無く奢れって言ってくるのに。なぁ、加蓮?」
加蓮「…………」ダラダラ
凛「……加蓮、普段そんなこと言っているんだ?」
加蓮「えへっ」
奈緒「可愛く笑っても誤魔化されないからなー?」
凛「…………さすが加蓮」
加蓮「うわぁ……せっかく奈緒が奢ってくれるって言っているのに……」
奈緒「だろ? 加蓮なんて特に理由も無く奢れって言ってくるのに。なぁ、加蓮?」
加蓮「…………」ダラダラ
凛「……加蓮、普段そんなこと言っているんだ?」
加蓮「えへっ」
奈緒「可愛く笑っても誤魔化されないからなー?」
凛「…………さすが加蓮」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:33:20.50 ID:4cKCevu8o
凛「そ、それはともかく、百歩譲って私が下手だとしても、二人も……奈緒も下手だよね?」
奈緒「ん? アタシか?」
凛「うん、奈緒の場合、照れて甘えられないよね?」
奈緒「んー、別に照れるのは否定はしないけど、だからって甘えないわけじゃないぞ?」
凛「!?」
加蓮「あれ? 私は? ねぇ、凛、私は?」
奈緒「ん? アタシか?」
凛「うん、奈緒の場合、照れて甘えられないよね?」
奈緒「んー、別に照れるのは否定はしないけど、だからって甘えないわけじゃないぞ?」
凛「!?」
加蓮「あれ? 私は? ねぇ、凛、私は?」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:34:06.33 ID:4cKCevu8o
凛「そんなっ!? どういうことなの、奈緒!?」
奈緒「どういうって……そうだな……あ、プロデューサーにご飯奢ってもらったりとか」
凛・加蓮「ん?」
奈緒「奢ってくれるって言うなら、多少はね」
凛「…………ねぇ、奈緒?」
奈緒「ん?」
凛「私、そんなの知らないんだけど」
奈緒「そりゃあ、プロデューサーと二人っきりだったしな」
凛・加蓮「は?」
奈緒「どういうって……そうだな……あ、プロデューサーにご飯奢ってもらったりとか」
凛・加蓮「ん?」
奈緒「奢ってくれるって言うなら、多少はね」
凛「…………ねぇ、奈緒?」
奈緒「ん?」
凛「私、そんなの知らないんだけど」
奈緒「そりゃあ、プロデューサーと二人っきりだったしな」
凛・加蓮「は?」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:34:44.51 ID:4cKCevu8o
奈緒「いやぁ、今思えばあの時プロデューサーと二人っきりだったんだなぁ」
凛・加蓮「…………二人っきり」
奈緒「アタシもあの時見た映画でテンション上がってたんだろうなぁ、うん」
凛・加蓮「…………二人っきりで映画……食事」
奈緒「あ、別に奢ってもらいたくて誘ったわけじゃないからな、勘違いすんなよ?」
凛「…………ねぇ、奈緒?」
奈緒「ん?」
凛・加蓮「その話、詳しく」ギロッ
奈緒「ヒッ!? は、は、はいっ!!」
凛・加蓮「…………二人っきり」
奈緒「アタシもあの時見た映画でテンション上がってたんだろうなぁ、うん」
凛・加蓮「…………二人っきりで映画……食事」
奈緒「あ、別に奢ってもらいたくて誘ったわけじゃないからな、勘違いすんなよ?」
凛「…………ねぇ、奈緒?」
奈緒「ん?」
凛・加蓮「その話、詳しく」ギロッ
奈緒「ヒッ!? は、は、はいっ!!」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:35:23.19 ID:4cKCevu8o
加蓮「で?」
奈緒「え、えっと…………映画の前売り券を使い切れなかったのでプロデューサーと……」
凛「ふぅん……そんなに余ってたんだ?」
奈緒「いやぁ、前売り券に特典が付いていてな? 買ったは良いけど全部使うとなると――」
加蓮「そんな話はどうでも良いから。なんでプロデューサーを誘ったの?」
奈緒「えっ……だって凛が聞いてきたから――いえ、なんでも無いです」
凛「…………続けて?」
奈緒「その……プロデューサーと前にその映画の話で盛り上がったから……」
加蓮「それでプロデューサーを誘ったと? 私たちは誘わないで」
奈緒「は、はい。あ、あのっ、二人とも興味ないかなーって」
凛・加蓮「……………………」
奈緒「え、えっと…………映画の前売り券を使い切れなかったのでプロデューサーと……」
凛「ふぅん……そんなに余ってたんだ?」
奈緒「いやぁ、前売り券に特典が付いていてな? 買ったは良いけど全部使うとなると――」
加蓮「そんな話はどうでも良いから。なんでプロデューサーを誘ったの?」
奈緒「えっ……だって凛が聞いてきたから――いえ、なんでも無いです」
凛「…………続けて?」
奈緒「その……プロデューサーと前にその映画の話で盛り上がったから……」
加蓮「それでプロデューサーを誘ったと? 私たちは誘わないで」
奈緒「は、はい。あ、あのっ、二人とも興味ないかなーって」
凛・加蓮「……………………」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:35:56.21 ID:4cKCevu8o
奈緒「で、で、見終わったあとプロデューサーが前売り券の分、お礼にご飯奢ってくれるって……」
加蓮「それで二人っきりで食事、か。楽しかった?」
奈緒「は、はいっ! とても楽しかったですっ」
凛「…………二人っきり……羨ましい」
加蓮「…………まさか奈緒が動いていたとは」
奈緒「な、なんだよ!? 良いだろ別に! 無理やりとかじゃないんだし!」
凛「まぁ……そうだけど」
加蓮「でもそれってもうデートだよね?」
奈緒「!? で、で、デート!? い、いやっ、別にそんなつもりは…………あぅ」
加蓮「それで二人っきりで食事、か。楽しかった?」
奈緒「は、はいっ! とても楽しかったですっ」
凛「…………二人っきり……羨ましい」
加蓮「…………まさか奈緒が動いていたとは」
奈緒「な、なんだよ!? 良いだろ別に! 無理やりとかじゃないんだし!」
凛「まぁ……そうだけど」
加蓮「でもそれってもうデートだよね?」
奈緒「!? で、で、デート!? い、いやっ、別にそんなつもりは…………あぅ」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:36:37.10 ID:4cKCevu8o
凛「加蓮、奈緒に止めを刺して気は済んだ?」
加蓮「まぁまぁかな? 凛も気は済んだ?」
凛「私? ……………………そうだよ!? 私は別に甘えるの下手じゃないよ!」
加蓮「あ、そこまで戻るんだ。奈緒のことは無かったことにするつもり?」
凛「輝子……もとい証拠を見せれば良いんだよね」
奈緒「うわっ……今の駄洒落のつもりか?」
凛「……良いよ、見せてあげるよ…………私の本気を」
加蓮「りーん? 顔、赤いよ?」
凛「う、うるさいっ。それじゃあ、今から二人に甘えてみせるから――」
加蓮「あっ、ちょっと待って凛」
凛「?」
加蓮「まぁまぁかな? 凛も気は済んだ?」
凛「私? ……………………そうだよ!? 私は別に甘えるの下手じゃないよ!」
加蓮「あ、そこまで戻るんだ。奈緒のことは無かったことにするつもり?」
凛「輝子……もとい証拠を見せれば良いんだよね」
奈緒「うわっ……今の駄洒落のつもりか?」
凛「……良いよ、見せてあげるよ…………私の本気を」
加蓮「りーん? 顔、赤いよ?」
凛「う、うるさいっ。それじゃあ、今から二人に甘えてみせるから――」
加蓮「あっ、ちょっと待って凛」
凛「?」
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:37:15.30 ID:4cKCevu8o
加蓮「状況を知ってる私たちに甘えてもつまらな…………証拠にならないと思うんだけど」
凛「えっ……今、つまらないって言おうとしなかった?」
奈緒「じゃあ、状況を知らない相手だな……今だと…………プロデューサーか?」
凛「えっ!? ぷ、プロデューサーにっ!?」
加蓮「だね。じゃあ、見せてもらいましょうか、凛の本気とやらを」
凛「えっ…………あの…………プロデューサーに?」
奈緒「ほら、言って来いって。ほらほら」
凛「二人とも……楽しんでるでしょ……良いよ、行くよ!」
凛「どんなときだって全力を尽くすよ。それがアイドル、そうでしょ?」
凛「えっ……今、つまらないって言おうとしなかった?」
奈緒「じゃあ、状況を知らない相手だな……今だと…………プロデューサーか?」
凛「えっ!? ぷ、プロデューサーにっ!?」
加蓮「だね。じゃあ、見せてもらいましょうか、凛の本気とやらを」
凛「えっ…………あの…………プロデューサーに?」
奈緒「ほら、言って来いって。ほらほら」
凛「二人とも……楽しんでるでしょ……良いよ、行くよ!」
凛「どんなときだって全力を尽くすよ。それがアイドル、そうでしょ?」
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:38:04.11 ID:4cKCevu8o
P「…………」カタカタカタ
凛「…………」
P「…………」カタカタカタ
凛「…………」オロオロ
P「…………ん? どうかしたか、凛?」
凛「………………べ、別に」
P「そうか?」
凛「…………」
P「…………」カタカタカタ
凛「…………」オロオロ
P「…………ん? どうかしたか、凛?」
凛「………………べ、別に」
P「そうか?」
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:38:42.64 ID:4cKCevu8o
凛「…………」
P「…………」カタカタカタ
凛「…………」オロオロ
P「…………凛。なにか用事なら聞くが?」
凛「えっ…………な、なんでもないよ。邪魔かな?」
P「いや……邪魔ではないけど気にはなるな」
凛「…………コーヒーでも飲む? 入れてこようか?」
P「ん? そうだな、頼めるか?」
凛「うん、ちょっと待ってて」
P「…………」カタカタカタ
凛「…………」オロオロ
P「…………凛。なにか用事なら聞くが?」
凛「えっ…………な、なんでもないよ。邪魔かな?」
P「いや……邪魔ではないけど気にはなるな」
凛「…………コーヒーでも飲む? 入れてこようか?」
P「ん? そうだな、頼めるか?」
凛「うん、ちょっと待ってて」
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:39:20.21 ID:4cKCevu8o
凛「…………ふぅ」
奈緒「ふぅ、じゃないだろ」
凛「だ、だって……いきなり甘えるってどうすれば良いのかわからないし」
奈緒「あんだけ否定しておいてアレかよ……」
凛「うぅ……」
加蓮「まぁまぁ。しょうがないっていきなりだったしね。元気だしなよ」
凛「加蓮……」
加蓮「ね、三代目シンデレラガール(笑)」
凛「」
奈緒「ふぅ、じゃないだろ」
凛「だ、だって……いきなり甘えるってどうすれば良いのかわからないし」
奈緒「あんだけ否定しておいてアレかよ……」
凛「うぅ……」
加蓮「まぁまぁ。しょうがないっていきなりだったしね。元気だしなよ」
凛「加蓮……」
加蓮「ね、三代目シンデレラガール(笑)」
凛「」
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:40:00.80 ID:4cKCevu8o
奈緒「まぁ、こうなるのは始めからわかってたしな」
凛「…………じゃあ二人もやってみせてよ。そうしたら納得する」
加蓮「え? 私たちも? どうする、奈緒?」
奈緒「アタシはパス。別に甘えるの下手って言われても気にしないし」
凛「そんなっ!?」
奈緒「それに……意識したら恥ずかしくて誘えないって」
加蓮「ん? 奈緒、なにか言った?」
奈緒「な、なんでもないよ!? うん、なんでもないっ」
凛「…………じゃあ二人もやってみせてよ。そうしたら納得する」
加蓮「え? 私たちも? どうする、奈緒?」
奈緒「アタシはパス。別に甘えるの下手って言われても気にしないし」
凛「そんなっ!?」
奈緒「それに……意識したら恥ずかしくて誘えないって」
加蓮「ん? 奈緒、なにか言った?」
奈緒「な、なんでもないよ!? うん、なんでもないっ」
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:40:36.81 ID:4cKCevu8o
加蓮「よし、じゃあ私が――」
凛「あ、やっぱり加蓮は良いや」
加蓮「なんでっ!?」
凛「だって、加蓮が甘えるの上手なの知ってるし」
加蓮「ひ、否定はしないけど……せっかくの見せ場が」
奈緒「まぁ、加蓮はなぁ……この前体調崩したときとかプロデューサーになぁ」
凛「この前? ああ、ちょっと長引いたアレ?」
加蓮「プロデューサーのお見舞いの話? あれ? でもその話したっけ?」
凛「ふーん、プロデューサー、加蓮のお見舞いに行ったんだ……」
凛「あ、やっぱり加蓮は良いや」
加蓮「なんでっ!?」
凛「だって、加蓮が甘えるの上手なの知ってるし」
加蓮「ひ、否定はしないけど……せっかくの見せ場が」
奈緒「まぁ、加蓮はなぁ……この前体調崩したときとかプロデューサーになぁ」
凛「この前? ああ、ちょっと長引いたアレ?」
加蓮「プロデューサーのお見舞いの話? あれ? でもその話したっけ?」
凛「ふーん、プロデューサー、加蓮のお見舞いに行ったんだ……」
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:41:14.55 ID:4cKCevu8o
加蓮「うん。部屋で大人しく休んでたんだけど、プロデューサーから電話があって」
凛「プロデューサーのことだから心配になって掛けてきたんでしょ」
加蓮「そうみたい。まぁ、久しぶりにやっちゃったからね」
奈緒「あはは、プロデューサーって心配性だからな」
加蓮「私も最初は断ったんだけど、心配だからお見舞いに行くって言うじゃない?」
凛「プロデューサーって頑固なところもあるしね」
加蓮「じゃあってことで、なにか甘いものでも買って来るって言うからさ」
奈緒「そこで高くておいしいプリンが食べたいーって甘えたんだろ?」
加蓮「そうだけど…………っ、まさか奈緒!?」
凛「なんか詳しく知ってるね、奈緒」
奈緒「いやぁ、まさかプロデューサーも入手困難なプリンを5つも買ってくるとはなぁ」
凛「プロデューサーのことだから心配になって掛けてきたんでしょ」
加蓮「そうみたい。まぁ、久しぶりにやっちゃったからね」
奈緒「あはは、プロデューサーって心配性だからな」
加蓮「私も最初は断ったんだけど、心配だからお見舞いに行くって言うじゃない?」
凛「プロデューサーって頑固なところもあるしね」
加蓮「じゃあってことで、なにか甘いものでも買って来るって言うからさ」
奈緒「そこで高くておいしいプリンが食べたいーって甘えたんだろ?」
加蓮「そうだけど…………っ、まさか奈緒!?」
凛「なんか詳しく知ってるね、奈緒」
奈緒「いやぁ、まさかプロデューサーも入手困難なプリンを5つも買ってくるとはなぁ」
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:41:53.18 ID:4cKCevu8o
加蓮「あ、いや、もうこの話止めない? はい、やめやめ」
凛「その話、プロデューサーに聞いたの?」
奈緒「いや、加蓮のお母さん」
加蓮「お母さーんっ!!」
凛「? 加蓮、どうかしたの? お見舞いぐらいで恥ずかしがることないのに」
奈緒「それでアタシたちもお見舞いに行ったじゃん?」
凛「えっ、あ、うん。行ったときはほぼ治りかけだったけどね」
奈緒「アタシたちが行く前に熱が上がった日があるらしいんだけど」
加蓮「あーあーあーっ! わーわーわーっ!!」
凛「加蓮うるさい。それで?」
凛「その話、プロデューサーに聞いたの?」
奈緒「いや、加蓮のお母さん」
加蓮「お母さーんっ!!」
凛「? 加蓮、どうかしたの? お見舞いぐらいで恥ずかしがることないのに」
奈緒「それでアタシたちもお見舞いに行ったじゃん?」
凛「えっ、あ、うん。行ったときはほぼ治りかけだったけどね」
奈緒「アタシたちが行く前に熱が上がった日があるらしいんだけど」
加蓮「あーあーあーっ! わーわーわーっ!!」
凛「加蓮うるさい。それで?」
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:42:29.53 ID:4cKCevu8o
奈緒「プロデューサーが来るまで落ち着きがなかったらしくてさ」
凛「ふんふん」
奈緒「なんか熱があるのに急いでシャワーを浴びに行って、ちゃんと乾かさなくて熱が上がったんだと」
凛「なるほど、汗の匂いとか気にしたんだね」
奈緒「だろうな。な、加蓮?」
加蓮「…………あ、あは、あはは……もう……笑えばいいじゃない」
凛「加蓮、かわいい」
奈緒「加蓮も案外チョロいところあるよなぁ」
P(……コーヒーまだかな?)カタカタカタ
凛「ふんふん」
奈緒「なんか熱があるのに急いでシャワーを浴びに行って、ちゃんと乾かさなくて熱が上がったんだと」
凛「なるほど、汗の匂いとか気にしたんだね」
奈緒「だろうな。な、加蓮?」
加蓮「…………あ、あは、あはは……もう……笑えばいいじゃない」
凛「加蓮、かわいい」
奈緒「加蓮も案外チョロいところあるよなぁ」
P(……コーヒーまだかな?)カタカタカタ
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:43:03.90 ID:4cKCevu8o
加蓮「んんっ。……で、どう甘えるかだっけ?」
凛「加蓮……耳が赤いよ?」
加蓮「…………私たちが考えてあげるから、ね?」
奈緒「なかったことにしたな」
凛「あんまり難易度が高いのは止めてよ?」
加蓮「任せてよっ、甘え初心者の凛でもできるやつだよね」
奈緒「甘え初心者って……」
凛「加蓮……耳が赤いよ?」
加蓮「…………私たちが考えてあげるから、ね?」
奈緒「なかったことにしたな」
凛「あんまり難易度が高いのは止めてよ?」
加蓮「任せてよっ、甘え初心者の凛でもできるやつだよね」
奈緒「甘え初心者って……」
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:43:40.91 ID:4cKCevu8o
加蓮「そうだなぁ……プロデューサーにだから……」
凛「なんだろう……悪い予感しかしないよ」
奈緒「大丈夫だって、アタシたち三人でトライアドプリムスだろ?」
凛「奈緒……」
加蓮「あっ、プロデューサーの持ち物をなにか貰うってどうかな?」
凛・奈緒「!?」
加蓮「なにが良いかな? んー、プロデューサーのシャツとか?」
凛・奈緒「!!??」
凛「なんだろう……悪い予感しかしないよ」
奈緒「大丈夫だって、アタシたち三人でトライアドプリムスだろ?」
凛「奈緒……」
加蓮「あっ、プロデューサーの持ち物をなにか貰うってどうかな?」
凛・奈緒「!?」
加蓮「なにが良いかな? んー、プロデューサーのシャツとか?」
凛・奈緒「!!??」
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:44:18.33 ID:4cKCevu8o
凛「なんでプロデューサーのシャツ!?」
加蓮「えっ、凛欲しくないの?」
凛「貰ってどうするのっ!?」
加蓮「えっ、匂いを嗅いだり、とか?」
凛「志希じゃあるまいし、嗅いだりしないよっ!?」
加蓮・奈緒「えっ!?」
凛「えっ、ってなに!?」
加蓮「り、凛って嗅いでたりしていないのっ!?」
凛「なんで驚いてるの!? まるで私が嗅いでるのが普通みたいじゃん!?」
加蓮「えっ、凛欲しくないの?」
凛「貰ってどうするのっ!?」
加蓮「えっ、匂いを嗅いだり、とか?」
凛「志希じゃあるまいし、嗅いだりしないよっ!?」
加蓮・奈緒「えっ!?」
凛「えっ、ってなに!?」
加蓮「り、凛って嗅いでたりしていないのっ!?」
凛「なんで驚いてるの!? まるで私が嗅いでるのが普通みたいじゃん!?」
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:44:51.53 ID:4cKCevu8o
奈緒「な、なぁ、凛って本当に嗅いでないみたいだぞ」
加蓮「そんな……はっ!? さては凛の偽者!?」
奈緒「なんだって!? くっ、アタシたちを騙すとは……なにが目的だっ!」
凛「…………」イラァ
加蓮・奈緒「あっ、うん、ごめんなさい」
凛「次は無いよ」
加蓮・奈緒「りょ、了解です!」
加蓮「そんな……はっ!? さては凛の偽者!?」
奈緒「なんだって!? くっ、アタシたちを騙すとは……なにが目的だっ!」
凛「…………」イラァ
加蓮・奈緒「あっ、うん、ごめんなさい」
凛「次は無いよ」
加蓮・奈緒「りょ、了解です!」
30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:45:21.86 ID:4cKCevu8o
加蓮「じゃあもう、ご飯でも奢ってもらえばいいんじゃない?」
凛「いきなり適当にっ!?」
奈緒「諦めろ、凛。これが加蓮だ」
凛「はぁ……もうそれでいいよ。……ご飯か」
加蓮「うん、奈緒も行ったみたいだし。ね?」
奈緒「も、もうそれはいいだろっ! 恥ずかしいから思い出させるなぁ!」
凛「……ねぇ、奈緒もって加蓮もプロデューサーと二人っきりでご飯に行ったことあるの?」
加蓮「えっ? ……………………ナイヨ? ウン、ナイナイ」
凛・奈緒(これは行ってるね……それも何回も)
凛「いきなり適当にっ!?」
奈緒「諦めろ、凛。これが加蓮だ」
凛「はぁ……もうそれでいいよ。……ご飯か」
加蓮「うん、奈緒も行ったみたいだし。ね?」
奈緒「も、もうそれはいいだろっ! 恥ずかしいから思い出させるなぁ!」
凛「……ねぇ、奈緒もって加蓮もプロデューサーと二人っきりでご飯に行ったことあるの?」
加蓮「えっ? ……………………ナイヨ? ウン、ナイナイ」
凛・奈緒(これは行ってるね……それも何回も)
31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:45:55.89 ID:4cKCevu8o
凛「二人とも……ずるい」ムスー
奈緒「ずるいって……ご飯ぐらいで」
加蓮「凛ってホント、プロデューサーのこと好きだよね」
凛「…………そんなんじゃないよ。……別に嫌いってわけでもないけど」
奈緒「ふーん」
凛「私は二人みたいにチョロくないし」
加蓮「あんなこと言ってますよ、奈緒さん」
奈緒「ここは笑うところなんでしょうか、加蓮さん」
凛「ふんっ、笑いたければ笑えばいいよ」
加蓮・奈緒「プークスクス! プークスクスっ!」
凛「も、もうっ! これからが……始まりなんだ。見ててよ、二人ともっ」
加蓮・奈緒(なんだろうこのデジャヴ……)
奈緒「ずるいって……ご飯ぐらいで」
加蓮「凛ってホント、プロデューサーのこと好きだよね」
凛「…………そんなんじゃないよ。……別に嫌いってわけでもないけど」
奈緒「ふーん」
凛「私は二人みたいにチョロくないし」
加蓮「あんなこと言ってますよ、奈緒さん」
奈緒「ここは笑うところなんでしょうか、加蓮さん」
凛「ふんっ、笑いたければ笑えばいいよ」
加蓮・奈緒「プークスクス! プークスクスっ!」
凛「も、もうっ! これからが……始まりなんだ。見ててよ、二人ともっ」
加蓮・奈緒(なんだろうこのデジャヴ……)
32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:46:42.47 ID:4cKCevu8o
凛「おまたせ、プロデューサー。コーヒーだよ」
P「おっ、ありがとう」
凛「…………」
P「…………?」
凛「…………」
P「…………凛、やっぱりなにか用があるんじゃないのか?」
凛「…………ご飯」
P「ん? ご飯がどうした?」
P「おっ、ありがとう」
凛「…………」
P「…………?」
凛「…………」
P「…………凛、やっぱりなにか用があるんじゃないのか?」
凛「…………ご飯」
P「ん? ご飯がどうした?」
33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:47:20.25 ID:4cKCevu8o
凛「……………………ご飯食べに行こう」
P「…………なんだ、お腹でも空いたのか?」
凛「……駄目、かな? 無理にとは言わないけど」
P「ご飯ぐらいなら別に良いぞ? 好きなもの奢ってやる」
凛「ホント!?」
P「凛はいつも頑張ってるからな」ナデナデ
凛「……プロデューサー」
P「よし、じゃあ昼までに仕事を片付けるから待っててくれ」
凛「うん、待ってる。……ふふっ」
P「…………なんだ、お腹でも空いたのか?」
凛「……駄目、かな? 無理にとは言わないけど」
P「ご飯ぐらいなら別に良いぞ? 好きなもの奢ってやる」
凛「ホント!?」
P「凛はいつも頑張ってるからな」ナデナデ
凛「……プロデューサー」
P「よし、じゃあ昼までに仕事を片付けるから待っててくれ」
凛「うん、待ってる。……ふふっ」
34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:47:53.45 ID:4cKCevu8o
P「おう。なんだったら暇そうな何人かに声かけて一緒に行くか?」
凛「…………えっ」チラッ
加蓮・奈緒(…………)フリフリ
凛「…………居なかったよ、暇そうな人。みんな忙しいんじゃないかな」
加蓮・奈緒(!?)
P「そうか? じゃあ今回は二人っきりだな」
凛「ふふっ、そうだね。たまには悪くないんじゃないかな」
凛「…………えっ」チラッ
加蓮・奈緒(…………)フリフリ
凛「…………居なかったよ、暇そうな人。みんな忙しいんじゃないかな」
加蓮・奈緒(!?)
P「そうか? じゃあ今回は二人っきりだな」
凛「ふふっ、そうだね。たまには悪くないんじゃないかな」
35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:48:27.69 ID:4cKCevu8o
凛「どう? 私だって甘えることくらい出来るんだから」
奈緒「ああ……うん、そうだな」
加蓮「まぁ、甘え初心者だし……こんなもんだよね」
凛「……なんで生暖かい目で見てるの」
奈緒「でもプロデューサーとご飯に行けるんだし、良かったじゃん」
凛「うん、甘えるって……やっぱり恥ずかしいね」
奈緒「うんうん、わかるわかる」
加蓮「で、凛? 私たちもこの後暇なんだけど?」
凛「…………」プイッ
加蓮「凛?」
凛「…………あー、うん。ちょっとトイレに行ってくるね」スタスタ
奈緒「逃げた」
加蓮「逃げたね。……ふふっ、まぁ今回は見逃してあげよう」
奈緒「ああ……うん、そうだな」
加蓮「まぁ、甘え初心者だし……こんなもんだよね」
凛「……なんで生暖かい目で見てるの」
奈緒「でもプロデューサーとご飯に行けるんだし、良かったじゃん」
凛「うん、甘えるって……やっぱり恥ずかしいね」
奈緒「うんうん、わかるわかる」
加蓮「で、凛? 私たちもこの後暇なんだけど?」
凛「…………」プイッ
加蓮「凛?」
凛「…………あー、うん。ちょっとトイレに行ってくるね」スタスタ
奈緒「逃げた」
加蓮「逃げたね。……ふふっ、まぁ今回は見逃してあげよう」
36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:49:11.07 ID:4cKCevu8o
―後日―
奈緒「で、どうだった? プロデューサーとご飯は」
凛「うん、楽しかったよ。プロデューサーといっぱい話をしたんだ」
加蓮「ホント楽しかったみたいだね、凛」
凛「今日もこの後プロデューサーと一緒にご飯行くしね」
加蓮・奈緒「…………ふーん」
凛「昨日の仕事を頑張ったご褒美だって、ふふっ」
奈緒「なぁ、凛? 昨日の仕事はアタシたちと一緒だったよな?」
凛「…………」
加蓮「プロデューサーは私たちに声かけてないんだけど?」
凛「…………あ、今日の降水確率10%だって」スマホポチー
加蓮・奈緒(……プロデューサーに私たちは用事があるって嘘ついたな)
奈緒「で、どうだった? プロデューサーとご飯は」
凛「うん、楽しかったよ。プロデューサーといっぱい話をしたんだ」
加蓮「ホント楽しかったみたいだね、凛」
凛「今日もこの後プロデューサーと一緒にご飯行くしね」
加蓮・奈緒「…………ふーん」
凛「昨日の仕事を頑張ったご褒美だって、ふふっ」
奈緒「なぁ、凛? 昨日の仕事はアタシたちと一緒だったよな?」
凛「…………」
加蓮「プロデューサーは私たちに声かけてないんだけど?」
凛「…………あ、今日の降水確率10%だって」スマホポチー
加蓮・奈緒(……プロデューサーに私たちは用事があるって嘘ついたな)
37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:50:00.11 ID:4cKCevu8o
加蓮「ま、この後についてはあとでプロデューサーに確認するとして」
凛「ちゃうねん、これには深いわけが――」
奈緒「凛、キャラが間違ってるぞ。落ち着けって」
加蓮「凛もすっかり甘えるの上手になったね。お姉さんはうれしいよ」
凛「なんでお姉さん目線なの……まぁ良いけど」
奈緒「とりあえずあとはアタシたちに甘えられれば本物だな」
凛「大丈夫だよ、それくらい。甘えすぎるのも駄目だけどね」
加蓮「そっかそっか。そういうところは凛らしいよね」
凛「ちゃうねん、これには深いわけが――」
奈緒「凛、キャラが間違ってるぞ。落ち着けって」
加蓮「凛もすっかり甘えるの上手になったね。お姉さんはうれしいよ」
凛「なんでお姉さん目線なの……まぁ良いけど」
奈緒「とりあえずあとはアタシたちに甘えられれば本物だな」
凛「大丈夫だよ、それくらい。甘えすぎるのも駄目だけどね」
加蓮「そっかそっか。そういうところは凛らしいよね」
38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:50:40.10 ID:4cKCevu8o
奈緒「よっし、じゃあ凛が甘えられるようになったお祝いに、このお姉さんが飲み物を奢ってやるよ!」
加蓮「ホント!? えっと私は――」
奈緒「誰も加蓮に奢るとは言っていないんだけど……まぁ、加蓮が買ってくるってことなら良いか」
加蓮「うんうん、それくらいはするよ。で、凛はなにが良い? 奈緒が奢ってくれるって」
凛「えっ、別に良いよ、自分の分は自分で払うから……………………あっ」
加蓮・奈緒「…………凛」
凛「ちゃうねん」
おわり
加蓮「ホント!? えっと私は――」
奈緒「誰も加蓮に奢るとは言っていないんだけど……まぁ、加蓮が買ってくるってことなら良いか」
加蓮「うんうん、それくらいはするよ。で、凛はなにが良い? 奈緒が奢ってくれるって」
凛「えっ、別に良いよ、自分の分は自分で払うから……………………あっ」
加蓮・奈緒「…………凛」
凛「ちゃうねん」
おわり
40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:53:06.63 ID:4cKCevu8o
凛「どうだった、加蓮?」
41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:53:37.04 ID:4cKCevu8o
加蓮「…………駄目だったよ、凛」
奈緒「…………そうか」
加蓮「ごめんね……みんな…………私の力不足で」
卯月「そんな……気にすること無いよ、加蓮ちゃん」
未央「そうそう、私たちみんな駄目だったんだしね」
凛「これで……全敗、か」
奈緒「…………そうか」
加蓮「ごめんね……みんな…………私の力不足で」
卯月「そんな……気にすること無いよ、加蓮ちゃん」
未央「そうそう、私たちみんな駄目だったんだしね」
凛「これで……全敗、か」
42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:54:07.40 ID:4cKCevu8o
奈緒「ホント、手強いな……」
加蓮「あーっ、もう! なんなのっ! ここまで梃子摺るなんて!」
凛「加蓮、落ち着きなって。卯月、加蓮にアレを渡してあげて」
卯月「うん。はい、加蓮ちゃんこれで深呼吸して」
加蓮「…………ありがと」
未央「うーむ、こうなったら次なる手を考えないとだね」
凛「次か……うまく行くと良いけどね……ふふっ」
奈緒「凛……」
卯月「凛ちゃん……」
加蓮「あーっ、もう! なんなのっ! ここまで梃子摺るなんて!」
凛「加蓮、落ち着きなって。卯月、加蓮にアレを渡してあげて」
卯月「うん。はい、加蓮ちゃんこれで深呼吸して」
加蓮「…………ありがと」
未央「うーむ、こうなったら次なる手を考えないとだね」
凛「次か……うまく行くと良いけどね……ふふっ」
奈緒「凛……」
卯月「凛ちゃん……」
43: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:54:38.45 ID:4cKCevu8o
未央「どうしたのさ、しぶりん。らしくないよ?」
凛「らしくない、か…………」
加蓮「ま、ここまで失敗が続くとさすがの凛も自信なくすよね」
卯月「大丈夫だよ! まだ終わったわけじゃないよ! 頑張ろう? 凛ちゃん!」
凛「卯月……そうだね、ここで諦めたら私たちらしくないよね」
未央「しぶりん……へへっ、そうだよしぶりん。まだ終わったわけじゃないよ!」
奈緒「諦めたらそこで試合終了ってな。アタシたちならやれるって!」
凛「うん。じゃあ、次はどうするか決めようか」
凛「らしくない、か…………」
加蓮「ま、ここまで失敗が続くとさすがの凛も自信なくすよね」
卯月「大丈夫だよ! まだ終わったわけじゃないよ! 頑張ろう? 凛ちゃん!」
凛「卯月……そうだね、ここで諦めたら私たちらしくないよね」
未央「しぶりん……へへっ、そうだよしぶりん。まだ終わったわけじゃないよ!」
奈緒「諦めたらそこで試合終了ってな。アタシたちならやれるって!」
凛「うん。じゃあ、次はどうするか決めようか」
44: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:55:18.22 ID:4cKCevu8o
凛「プロデューサーに手を出してもらうにはどうしたらいいかをっ」キリッ
46: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:55:46.48 ID:4cKCevu8o
加蓮「はぁ……でもやっぱりプロデューサーのシャツは堪らないね」クンカクンカ
卯月「さっきまで怒っていた加蓮ちゃんも落ち着いたみたいだね」
奈緒「プロデューサーの匂いには鎮静効果があるからな」
未央「でも吸い過ぎたら興奮してきちゃう諸刃の剣……ごくり」
凛「みんな? 聞いてる?」
加蓮「あ、凛も匂い嗅ぐ?」
凛「うん」クンカクンカ
未央「返事と同時に嗅ぎに行くしぶりん……恐るべし」
卯月「さっきまで怒っていた加蓮ちゃんも落ち着いたみたいだね」
奈緒「プロデューサーの匂いには鎮静効果があるからな」
未央「でも吸い過ぎたら興奮してきちゃう諸刃の剣……ごくり」
凛「みんな? 聞いてる?」
加蓮「あ、凛も匂い嗅ぐ?」
凛「うん」クンカクンカ
未央「返事と同時に嗅ぎに行くしぶりん……恐るべし」
47: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:56:27.96 ID:4cKCevu8o
奈緒「でもさぁ、今までいろいろ試してきただろ?」
卯月「うん、プロデューサーさんにまったく相手にされてないよね」
未央「なんで手を出さないかなぁ……襲いたくなるようにアピールしてるんだけどねぇ」
卯月「やっぱり私たち、魅力が無いのかなぁ」
凛「そ、そんなこと無いはずだよ。……きっと」
加蓮「まさかプロデューサー……女に興味がない?」
みんな「……………………はは……そ、そんなことないでしょ……」
加蓮「だ、だよね! ごめんごめんっ、いくらなんでもないよね!」
奈緒「……ま、まったく加蓮は…………うん、ないよ……たぶん」
卯月「うん、プロデューサーさんにまったく相手にされてないよね」
未央「なんで手を出さないかなぁ……襲いたくなるようにアピールしてるんだけどねぇ」
卯月「やっぱり私たち、魅力が無いのかなぁ」
凛「そ、そんなこと無いはずだよ。……きっと」
加蓮「まさかプロデューサー……女に興味がない?」
みんな「……………………はは……そ、そんなことないでしょ……」
加蓮「だ、だよね! ごめんごめんっ、いくらなんでもないよね!」
奈緒「……ま、まったく加蓮は…………うん、ないよ……たぶん」
48: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:57:14.19 ID:4cKCevu8o
凛「よし、気持ちを切り替えて考えよう」
卯月「だね! 次は…………どうしようか?」
未央「まぁまぁ、しまむー。次を考える前に一度反省をしようじゃないか」
卯月「反省? えーと…………なんの反省?」
加蓮「つまり、今までの失敗を反省して、次に活かすということ?」
未央「ずばりそのとおりなのだよ!」
奈緒「なんで未央は偉そうにしてんだ……」
凛「未央がおかしいのはいつものことだし」
未央「聞こえているぞ! しぶりん! いつもおかしいってなんだっ!」
凛・加蓮・奈緒「えっ」
未央「えっ、って…………みんなしてひどくない?」ショボーン
卯月「だ、大丈夫だよ、未央ちゃん! うん、大丈夫!」
卯月「だね! 次は…………どうしようか?」
未央「まぁまぁ、しまむー。次を考える前に一度反省をしようじゃないか」
卯月「反省? えーと…………なんの反省?」
加蓮「つまり、今までの失敗を反省して、次に活かすということ?」
未央「ずばりそのとおりなのだよ!」
奈緒「なんで未央は偉そうにしてんだ……」
凛「未央がおかしいのはいつものことだし」
未央「聞こえているぞ! しぶりん! いつもおかしいってなんだっ!」
凛・加蓮・奈緒「えっ」
未央「えっ、って…………みんなしてひどくない?」ショボーン
卯月「だ、大丈夫だよ、未央ちゃん! うん、大丈夫!」
49: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:57:49.74 ID:4cKCevu8o
未央「しまむー、なにが大丈夫なのかよくわからないんだけど……」
凛「でも未央の言うとおりかもね。同じことを失敗していてもしょうがないし」
奈緒「だなぁ。そういえばみんながどんな手で行ったのか知らないしな」
加蓮「そうだね。これで誰かと被ってたら目も当てられないよね」
卯月「ほ、ほら、未央ちゃん! 元気出して! みんなで反省しよっ?」
未央「じゃあ、しまむー。しまむーはどんな手で行ったの?」
卯月「えっ、私からですか?」
凛「そうだね。卯月なら基準になるし、卯月からで良いかな」
奈緒「妥当なところだな」
加蓮「うんうん、基準になるよね。卯月なら」
卯月「えへへ、なにか悪い気はしませんね。卯月、頑張りますっ」
卯月以外(卯月ってこの中で一番普通だから基準になるよね)
凛「でも未央の言うとおりかもね。同じことを失敗していてもしょうがないし」
奈緒「だなぁ。そういえばみんながどんな手で行ったのか知らないしな」
加蓮「そうだね。これで誰かと被ってたら目も当てられないよね」
卯月「ほ、ほら、未央ちゃん! 元気出して! みんなで反省しよっ?」
未央「じゃあ、しまむー。しまむーはどんな手で行ったの?」
卯月「えっ、私からですか?」
凛「そうだね。卯月なら基準になるし、卯月からで良いかな」
奈緒「妥当なところだな」
加蓮「うんうん、基準になるよね。卯月なら」
卯月「えへへ、なにか悪い気はしませんね。卯月、頑張りますっ」
卯月以外(卯月ってこの中で一番普通だから基準になるよね)
50: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 11:58:21.83 ID:4cKCevu8o
―卯月の場合―
P「休憩スペースの掃除を手伝ってもらって悪いな、卯月」
卯月「気にしないでください、私はプロデューサーさんのお手伝いが出来て嬉しいです!」
P「そうか? 卯月は優しいなぁ。ったく、いつもなら誰かしら居るんだが……掃除から逃げやがったな」
卯月「あはは、プロデューサーさんの机の下にも誰も居なかったですね」
P「頼りになりそうな人たちも今日は仕事だしなぁ」
卯月「ちひろさんも買出しに出ているんですよね」
P「ああ、しばらく戻ってこない……。よし、卯月。あとでちゃんとお礼するから掃除、頑張ろう」
卯月「はいっ!」
P「で……卯月、ひとつ聞きたいんだが」
卯月「? なんですか、プロデューサーさん?」
P「なんでブルマ?」
P「休憩スペースの掃除を手伝ってもらって悪いな、卯月」
卯月「気にしないでください、私はプロデューサーさんのお手伝いが出来て嬉しいです!」
P「そうか? 卯月は優しいなぁ。ったく、いつもなら誰かしら居るんだが……掃除から逃げやがったな」
卯月「あはは、プロデューサーさんの机の下にも誰も居なかったですね」
P「頼りになりそうな人たちも今日は仕事だしなぁ」
卯月「ちひろさんも買出しに出ているんですよね」
P「ああ、しばらく戻ってこない……。よし、卯月。あとでちゃんとお礼するから掃除、頑張ろう」
卯月「はいっ!」
P「で……卯月、ひとつ聞きたいんだが」
卯月「? なんですか、プロデューサーさん?」
P「なんでブルマ?」
53: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 12:00:49.63 ID:4cKCevu8o
卯月「汚れても良い様にです! いろんな意味で!」
P「そ、そうか。えっと……じゃあ始めにこの机を部屋の端に動かそう」
卯月(えっと、私はお尻をアピールすれば良いって未央ちゃんは言っていたよね)
P「卯月? そっちを持ってもらっても良いか?」
卯月(でもアピールってどうすれば良いんだろう?)
卯月(お尻を使えば良いのかな? は、恥ずかしいけど頑張んなきゃ!)
P「卯月? 聞いているか? おい、卯月?」
卯月「プロデューサーさんっ!」
P「ひゃ、ひゃい!?」
卯月「えいっ!!」ヒップアタック!
P「……………………」
卯月「ど、どうですかっ?」
P「お、おう。……なにがどうなのかわからんが……机のそっち、持ってもらっても良いか?」
卯月「…………ぷ、プロデューサーさんの……プロデューサーさんのバカーっ!!」
P「えっ、おい、どこに行くんだ卯月!? 卯月!? う、卯月ーーっ!?」
――
P「そ、そうか。えっと……じゃあ始めにこの机を部屋の端に動かそう」
卯月(えっと、私はお尻をアピールすれば良いって未央ちゃんは言っていたよね)
P「卯月? そっちを持ってもらっても良いか?」
卯月(でもアピールってどうすれば良いんだろう?)
卯月(お尻を使えば良いのかな? は、恥ずかしいけど頑張んなきゃ!)
P「卯月? 聞いているか? おい、卯月?」
卯月「プロデューサーさんっ!」
P「ひゃ、ひゃい!?」
卯月「えいっ!!」ヒップアタック!
P「……………………」
卯月「ど、どうですかっ?」
P「お、おう。……なにがどうなのかわからんが……机のそっち、持ってもらっても良いか?」
卯月「…………ぷ、プロデューサーさんの……プロデューサーさんのバカーっ!!」
P「えっ、おい、どこに行くんだ卯月!? 卯月!? う、卯月ーーっ!?」
――
54: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 12:01:38.69 ID:4cKCevu8o
卯月「という結果でした」
未央「お、おう」
奈緒「うん……そ、そうか」
加蓮「あはは……それでそのまま逃げちゃったんだ……」
卯月「あ、あれ? なんでみんなしてそんな反応?」
未央「あのね、しまむー」
卯月「うん? なに、未央ちゃん」
未央「なんでヒップアタックなんてしてんのっ!?」
卯月「ええっ!? お尻をアピールって違うの!?」
未央「違うよっ!?」
卯月「違うんだっ!?」
奈緒「誰だよ、卯月が基準になるって言ったやつ」
加蓮「凛」
未央「お、おう」
奈緒「うん……そ、そうか」
加蓮「あはは……それでそのまま逃げちゃったんだ……」
卯月「あ、あれ? なんでみんなしてそんな反応?」
未央「あのね、しまむー」
卯月「うん? なに、未央ちゃん」
未央「なんでヒップアタックなんてしてんのっ!?」
卯月「ええっ!? お尻をアピールって違うの!?」
未央「違うよっ!?」
卯月「違うんだっ!?」
奈緒「誰だよ、卯月が基準になるって言ったやつ」
加蓮「凛」
56: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 12:02:24.57 ID:4cKCevu8o
卯月「ううっ……戻った後しばらくプロデューサーさんと気まずくなったのに……」
奈緒「ああ、それで……プロデューサー落ち込んでたぞ?」
卯月「収穫は掃除後のプロデューサーさんの汗が染み込んだタオルくらいだよ……」クンカクンカ
凛「方法はともかく、卯月のお尻でも駄目だったか……」
加蓮「こんな立派なお尻なのにねぇ」サワサワ
卯月「ひゃっん!? か、加蓮ちゃん!?」
凛「それじゃあ、次は……未央はどうだった?」
未央「おっ、私? 聞いちゃう? 聞いちゃう?」
奈緒「良いから早く言えって」
加蓮「結果は分かってるしねぇ」
未央「……あっ、はい」
奈緒「ああ、それで……プロデューサー落ち込んでたぞ?」
卯月「収穫は掃除後のプロデューサーさんの汗が染み込んだタオルくらいだよ……」クンカクンカ
凛「方法はともかく、卯月のお尻でも駄目だったか……」
加蓮「こんな立派なお尻なのにねぇ」サワサワ
卯月「ひゃっん!? か、加蓮ちゃん!?」
凛「それじゃあ、次は……未央はどうだった?」
未央「おっ、私? 聞いちゃう? 聞いちゃう?」
奈緒「良いから早く言えって」
加蓮「結果は分かってるしねぇ」
未央「……あっ、はい」
57: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 12:03:12.98 ID:4cKCevu8o
―未央の場合―
未央「ねーねー、プロデューサー」
P「ん? どうした……って、それは2ndアニバのときのネコミミか?」
未央「うんっ、どう? どう? にゃんみおだよっ、にゃんみおー!」
P「ああ、うん。似合ってるが…………水着だと寒くないか?」
未央「うん……さ、寒いっ」ガクガクブルブル
P「事務所は暖房がついているからって……さすがになぁ」
未央「だ・か・ら、暖めてっプロデューサー☆」
P「お、おいっ!? 抱きつくなっ!」
未央「にゃんみおを構って欲しいのにゃー、ごろごろー…………へっぷしっ」
P「!?」
未央「えへへ、やっぱりまだ寒い――」
P「未央!」
未央「な、なにかな、プロデューサー? あっ、もしかしてにゃんみおの魅力に――」
P「ええいっ! このままでは風邪をひいてしまうなっ、待ってろ!」
未央「えっ、どこに行くのプロデューサー!? ぷ、プロデューサーーっ!?」
――
未央「ねーねー、プロデューサー」
P「ん? どうした……って、それは2ndアニバのときのネコミミか?」
未央「うんっ、どう? どう? にゃんみおだよっ、にゃんみおー!」
P「ああ、うん。似合ってるが…………水着だと寒くないか?」
未央「うん……さ、寒いっ」ガクガクブルブル
P「事務所は暖房がついているからって……さすがになぁ」
未央「だ・か・ら、暖めてっプロデューサー☆」
P「お、おいっ!? 抱きつくなっ!」
未央「にゃんみおを構って欲しいのにゃー、ごろごろー…………へっぷしっ」
P「!?」
未央「えへへ、やっぱりまだ寒い――」
P「未央!」
未央「な、なにかな、プロデューサー? あっ、もしかしてにゃんみおの魅力に――」
P「ええいっ! このままでは風邪をひいてしまうなっ、待ってろ!」
未央「えっ、どこに行くのプロデューサー!? ぷ、プロデューサーーっ!?」
――
58: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 12:03:55.00 ID:4cKCevu8o
未央「って感じで毛布とかカイロとかてんこ盛りにされましたとさ」
加蓮「あはは……プロデューサーって心配し過ぎだよね。私もよくやられるんだけど」
奈緒「まったく、服着れば良いだけなのになぁ……」
未央「うんうん、くしゃみだけであの反応だからねぇ……加蓮ねーの気持ちが良くわかったよ……」
卯月「プロデューサーさんに大事されて良いと思うけどなぁ」
未央「だよねっ☆ いやぁ、プロデューサーの愛を感じたよ!」
加蓮「……………………あそこまでされるの、私だけだと思ってたんだけどなぁ」
凛「私もプロデューサーの前で風邪ひこうかな……」
加蓮「あはは……プロデューサーって心配し過ぎだよね。私もよくやられるんだけど」
奈緒「まったく、服着れば良いだけなのになぁ……」
未央「うんうん、くしゃみだけであの反応だからねぇ……加蓮ねーの気持ちが良くわかったよ……」
卯月「プロデューサーさんに大事されて良いと思うけどなぁ」
未央「だよねっ☆ いやぁ、プロデューサーの愛を感じたよ!」
加蓮「……………………あそこまでされるの、私だけだと思ってたんだけどなぁ」
凛「私もプロデューサーの前で風邪ひこうかな……」
59: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 12:04:28.26 ID:4cKCevu8o
未央「私はプロデューサーの匂いが染み込んだ毛布を貰ってきちゃった! 暖かいよ!」
卯月「良いなぁ……未央ちゃん」
未央「よしっ、じゃあ次は……奈緒ねー、行ってみようか!」
奈緒「うえっ!? あ、アタシかっ!? ああ、いや……アタシはほら……なにもやってないし!?」
加蓮「大丈夫だよ、奈緒。私がちゃんと見てたからっ」
奈緒「なあっ!? な、なんで見てたんだ!?」
卯月「えっと、あの日の奈緒ちゃんは……」
奈緒「卯月も!?」
卯月「良いなぁ……未央ちゃん」
未央「よしっ、じゃあ次は……奈緒ねー、行ってみようか!」
奈緒「うえっ!? あ、アタシかっ!? ああ、いや……アタシはほら……なにもやってないし!?」
加蓮「大丈夫だよ、奈緒。私がちゃんと見てたからっ」
奈緒「なあっ!? な、なんで見てたんだ!?」
卯月「えっと、あの日の奈緒ちゃんは……」
奈緒「卯月も!?」
60: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 12:05:01.88 ID:4cKCevu8o
―奈緒の場合―
奈緒「な、なぁ……ぷ、プロデューサー」
P「うん? …………メイド服。卯月といい、未央といい……コスプレでも流行ってるのか?」
奈緒「ぷ、プロデューサー……えっと……そ、その……」
P「な、なんだ? というか、顔真っ赤だぞ……大丈夫か?」
奈緒「な、なにかして欲しいこと……あ……ありませんか…………ご、ご」
P「ご?」
奈緒「ご、ご、ご……ご主人さ…………って言えるかーーっ!!」
P「!?」
奈緒「ああもうっ、なんだよ! な、なんかして欲しいこと言えば良いだろっ!」
P「…………え、えっと?」
奈緒「ううっ……も、もうこっちで決めるからなっ!」
P「は、はい」
奈緒「じゃあ……洗濯してやるっ! なにか洗うものないの、ごしゅ……プロデューサー!?」
P「む? と言われても……あー、じゃあロッカーに予備のシャツがあるからそれで……」
奈緒「ロッカーだな!? よしっ、アタシに任せろーっ!」
P「えっ、ちょっと待って。そもそもなんで奈緒はメイド服なの? ってもう居ない……」
――
奈緒「な、なぁ……ぷ、プロデューサー」
P「うん? …………メイド服。卯月といい、未央といい……コスプレでも流行ってるのか?」
奈緒「ぷ、プロデューサー……えっと……そ、その……」
P「な、なんだ? というか、顔真っ赤だぞ……大丈夫か?」
奈緒「な、なにかして欲しいこと……あ……ありませんか…………ご、ご」
P「ご?」
奈緒「ご、ご、ご……ご主人さ…………って言えるかーーっ!!」
P「!?」
奈緒「ああもうっ、なんだよ! な、なんかして欲しいこと言えば良いだろっ!」
P「…………え、えっと?」
奈緒「ううっ……も、もうこっちで決めるからなっ!」
P「は、はい」
奈緒「じゃあ……洗濯してやるっ! なにか洗うものないの、ごしゅ……プロデューサー!?」
P「む? と言われても……あー、じゃあロッカーに予備のシャツがあるからそれで……」
奈緒「ロッカーだな!? よしっ、アタシに任せろーっ!」
P「えっ、ちょっと待って。そもそもなんで奈緒はメイド服なの? ってもう居ない……」
――
61: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 12:05:41.13 ID:4cKCevu8o
卯月「って感じでしたね」
加蓮「うん、そんな感じそんな感じ」
未央「うーむ、結局洗濯物の回収しかしてないよね」
凛「奈緒…………それじゃあ、なんのアピールにもなっていないよ」
奈緒「うぅ……否定できない……」
未央「で、プロデューサーのシャツは?」
奈緒「ここにある」クンカクンカ
凛「それは洗濯したの?」
奈緒「そんなことしたら匂いが落ちちゃうじゃん……はぁ……良い」
加蓮「うわぁ……もう皺くちゃじゃん、それ」
卯月「……メイド服も駄目かぁ。えっと……次は凛ちゃんと加蓮ちゃん、どっち?」
加蓮「あっ、じゃあ私から良いかな? と言ってもついさっきの話だけど」
加蓮「うん、そんな感じそんな感じ」
未央「うーむ、結局洗濯物の回収しかしてないよね」
凛「奈緒…………それじゃあ、なんのアピールにもなっていないよ」
奈緒「うぅ……否定できない……」
未央「で、プロデューサーのシャツは?」
奈緒「ここにある」クンカクンカ
凛「それは洗濯したの?」
奈緒「そんなことしたら匂いが落ちちゃうじゃん……はぁ……良い」
加蓮「うわぁ……もう皺くちゃじゃん、それ」
卯月「……メイド服も駄目かぁ。えっと……次は凛ちゃんと加蓮ちゃん、どっち?」
加蓮「あっ、じゃあ私から良いかな? と言ってもついさっきの話だけど」
62: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 12:06:33.11 ID:4cKCevu8o
―加蓮の場合―
P「フンフンフーン、フレデリカー♪ ん? 休憩スペースに誰か居るかと思ったら加蓮か」
加蓮(ふふっ、さぁプロデューサー。寝てる私に襲い掛かっても良いよっ)
P「まったく……こんなところで寝てたら風邪ひくぞ……えっと」
加蓮(なにを探してるんだろ……こんなに隙だらけなのに、なんで襲ってこないの?)
P「あっ、そうか。俺の毛布は未央に使ってから行方不明だったな……」
加蓮(…………こうなったら奥の手を使うか)
P「どうしたもんか……暖房がついていてもこのままじゃあ風邪ひいてしまうな」
P「フンフンフーン、フレデリカー♪ ん? 休憩スペースに誰か居るかと思ったら加蓮か」
加蓮(ふふっ、さぁプロデューサー。寝てる私に襲い掛かっても良いよっ)
P「まったく……こんなところで寝てたら風邪ひくぞ……えっと」
加蓮(なにを探してるんだろ……こんなに隙だらけなのに、なんで襲ってこないの?)
P「あっ、そうか。俺の毛布は未央に使ってから行方不明だったな……」
加蓮(…………こうなったら奥の手を使うか)
P「どうしたもんか……暖房がついていてもこのままじゃあ風邪ひいてしまうな」
63: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 12:07:07.67 ID:4cKCevu8o
加蓮「んんぅ……」
P「ん? 起きたのか、加蓮?」
加蓮(寝返りを打って下着を見せちゃった。 ふふっ、襲いたくなったよね? さぁ、プロデューサー、カモン!)
P「なんだ、まだ寝てるのか。しょうがない、とりあえず上着でもないよりましだろ」
加蓮(…………)プルプル
P「おっ、こんなに震えて……まだ寒いのかな?」
加蓮「ぷ、プロデューサーのっ」
P「あっ、今度こそ起きたか? まったく、こんなところで寝てたら風邪ひくぞ? 美嘉といい、お前たちは――」
加蓮「プロデューサーのバカーーっ!」
P「えっ!? ど、どうしたんだ加蓮!? かれーーんっ!? って俺の上着ーーっ!!」
――
P「ん? 起きたのか、加蓮?」
加蓮(寝返りを打って下着を見せちゃった。 ふふっ、襲いたくなったよね? さぁ、プロデューサー、カモン!)
P「なんだ、まだ寝てるのか。しょうがない、とりあえず上着でもないよりましだろ」
加蓮(…………)プルプル
P「おっ、こんなに震えて……まだ寒いのかな?」
加蓮「ぷ、プロデューサーのっ」
P「あっ、今度こそ起きたか? まったく、こんなところで寝てたら風邪ひくぞ? 美嘉といい、お前たちは――」
加蓮「プロデューサーのバカーーっ!」
P「えっ!? ど、どうしたんだ加蓮!? かれーーんっ!? って俺の上着ーーっ!!」
――
64: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 12:07:46.16 ID:4cKCevu8o
加蓮「って感じで今に至る、と」
奈緒「ああ、だからプロデューサーの上着をさっきから着てるんだな」
未央「しかもプロデューサーのシャツの匂いを嗅ぎつつだもんね」
卯月「プロデューサーさんに包まれてるみたいで良いなぁ」
加蓮「ふふーん、良いでしょー」
凛「でも結局手は出してもらえなかったんだよね」
加蓮「はうっ!?」
奈緒「行くときすごい自信満々だったよな」
加蓮「ごふっ!?」
卯月「えっと、なんて言っていたっけ未央ちゃん?」
未央「『ごめんね、みんな……私、プロデューサーに責任は取ってもらうつもりだから』」
凛「独り占めできると思ってたんだろうけど……失敗した今となっては恥ずかしいよね」
加蓮「えっ、なにそれー、かれんわかんなーい」
奈緒「まぁまぁ。加蓮を追い込むのはそこら辺で止めときなって」
加蓮「な、奈緒っ!」パァァァ
奈緒「ああ、だからプロデューサーの上着をさっきから着てるんだな」
未央「しかもプロデューサーのシャツの匂いを嗅ぎつつだもんね」
卯月「プロデューサーさんに包まれてるみたいで良いなぁ」
加蓮「ふふーん、良いでしょー」
凛「でも結局手は出してもらえなかったんだよね」
加蓮「はうっ!?」
奈緒「行くときすごい自信満々だったよな」
加蓮「ごふっ!?」
卯月「えっと、なんて言っていたっけ未央ちゃん?」
未央「『ごめんね、みんな……私、プロデューサーに責任は取ってもらうつもりだから』」
凛「独り占めできると思ってたんだろうけど……失敗した今となっては恥ずかしいよね」
加蓮「えっ、なにそれー、かれんわかんなーい」
奈緒「まぁまぁ。加蓮を追い込むのはそこら辺で止めときなって」
加蓮「な、奈緒っ!」パァァァ
65: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 12:08:23.08 ID:4cKCevu8o
凛「ずいぶん加蓮に優しいんだね、奈緒」
奈緒「そんなことねぇよ。ただ追い込みすぎて加蓮が落ち込んだらさ」チラッ
卯月「あっ」
奈緒「加蓮の前に行って暴走した、そこのカリスマギャルみたいになられても困るだろ?」
未央「忘れてた……美嘉ねー……美嘉ねーも行く前は自信満々だったっけ」
美嘉「………………ブツブツ」
莉嘉「お、お姉ちゃん!? なんで部屋の隅で膝を抱えてるの!? なんか怖いよっ!?」
奈緒「そんなことねぇよ。ただ追い込みすぎて加蓮が落ち込んだらさ」チラッ
卯月「あっ」
奈緒「加蓮の前に行って暴走した、そこのカリスマギャルみたいになられても困るだろ?」
未央「忘れてた……美嘉ねー……美嘉ねーも行く前は自信満々だったっけ」
美嘉「………………ブツブツ」
莉嘉「お、お姉ちゃん!? なんで部屋の隅で膝を抱えてるの!? なんか怖いよっ!?」
66: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 12:09:08.00 ID:4cKCevu8o
凛「プロデューサーの後ろから抱き付いても相手にされなくて、自棄になって着てるもの脱ごうとしたんだっけ」
奈緒「それでプロデューサーに説教されて戻ってきたんだよなぁ」
未央「カリスマギャルェ……」
加蓮「美嘉の件が無ければ私も暴走してたかも……」
卯月「美嘉ちゃん……なんて言っていいのかわからないよ……」
凛「じゃあ、最後に私の番かな」
奈緒「だな。アタシ、凛がやったことが一番興味あるんだよなぁ」
加蓮「凛のことだからプロデューサーに直接言ってそうだよね」
凛「そんなこと無いってば。前に言って駄目だったし今回は言っていないよ」
みんな「えっ」
凛「えっ……なに?」
卯月「……え、えっと、じゃあ聞いていいかな?」
凛「うん、良いよ。昨日の朝の話なんだけど――」
奈緒「それでプロデューサーに説教されて戻ってきたんだよなぁ」
未央「カリスマギャルェ……」
加蓮「美嘉の件が無ければ私も暴走してたかも……」
卯月「美嘉ちゃん……なんて言っていいのかわからないよ……」
凛「じゃあ、最後に私の番かな」
奈緒「だな。アタシ、凛がやったことが一番興味あるんだよなぁ」
加蓮「凛のことだからプロデューサーに直接言ってそうだよね」
凛「そんなこと無いってば。前に言って駄目だったし今回は言っていないよ」
みんな「えっ」
凛「えっ……なに?」
卯月「……え、えっと、じゃあ聞いていいかな?」
凛「うん、良いよ。昨日の朝の話なんだけど――」
67: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 12:09:40.93 ID:4cKCevu8o
―凛の場合―
ピンポーン
P「はーい、って凛!?」
凛「プロデューサー、おはよ――」
―
ピンポーン
P「はーい、って凛!?」
凛「プロデューサー、おはよ――」
―
68: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 12:10:13.56 ID:4cKCevu8o
奈緒「うん、ちょっと待とうか凛」
凛「なに、奈緒?」
加蓮「もしかして、プロデューサーの家に行ったの?」
凛「行ったよ?」
未央「しぶりん……ホント、しぶりんってしぶりんなんだね」
卯月「あ、あははは……」
凛「でも結局入れてもらえなかったけどね……」
奈緒「そりゃあ、いきなり来られても困るだろ……普通」
加蓮「それで? そのあと何時間粘ったの?」
未央「いやいや、いくらなんでも何時間も粘んないでしょ」
凛「だいたい3時間ぐらいかな」
未央「しぶりんっ!?」
奈緒「いや、3時間で済んだだけでも凄いことだよ」
卯月「さすがだね……凛ちゃん」
凛「プロデューサーの家の鍵さえあれば……」
凛「なに、奈緒?」
加蓮「もしかして、プロデューサーの家に行ったの?」
凛「行ったよ?」
未央「しぶりん……ホント、しぶりんってしぶりんなんだね」
卯月「あ、あははは……」
凛「でも結局入れてもらえなかったけどね……」
奈緒「そりゃあ、いきなり来られても困るだろ……普通」
加蓮「それで? そのあと何時間粘ったの?」
未央「いやいや、いくらなんでも何時間も粘んないでしょ」
凛「だいたい3時間ぐらいかな」
未央「しぶりんっ!?」
奈緒「いや、3時間で済んだだけでも凄いことだよ」
卯月「さすがだね……凛ちゃん」
凛「プロデューサーの家の鍵さえあれば……」
69: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 12:10:56.30 ID:4cKCevu8o
未央「そんだけ粘ってなにもなかったんだよね……」
凛「プロデューサーとたくさん話はしたよ? 何度も帰るように言われたけど」
加蓮「説得に3時間もかかったんだ……プロデューサーも大変だね」
奈緒「それで帰る気になった決め手はなんだったんだ?」
凛「プロデューサーにたくさん頭を撫でてもらったんだ」
卯月「………………それだけ?」
凛「そうだよ?」
未央「忠犬しぶりん……」
加蓮「それで満足できちゃうのは凛らしいね」
卯月「とりあえずこれでみんなの話は聞いたかな?」
未央「えっと、ブルマにネコミミ水着、メイド服に下着姿……」
奈緒「…………まったくもって参考にならない」
加蓮「凛は論外として。プロデューサーに問題があるのか、私たちに問題があるのか……」
凛「えっ。なんで私だけ論外?」
凛「プロデューサーとたくさん話はしたよ? 何度も帰るように言われたけど」
加蓮「説得に3時間もかかったんだ……プロデューサーも大変だね」
奈緒「それで帰る気になった決め手はなんだったんだ?」
凛「プロデューサーにたくさん頭を撫でてもらったんだ」
卯月「………………それだけ?」
凛「そうだよ?」
未央「忠犬しぶりん……」
加蓮「それで満足できちゃうのは凛らしいね」
卯月「とりあえずこれでみんなの話は聞いたかな?」
未央「えっと、ブルマにネコミミ水着、メイド服に下着姿……」
奈緒「…………まったくもって参考にならない」
加蓮「凛は論外として。プロデューサーに問題があるのか、私たちに問題があるのか……」
凛「えっ。なんで私だけ論外?」
70: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 12:12:00.98 ID:4cKCevu8o
卯月「それで…………次はどうするの?」
未央「…………どうしようか」
奈緒「うん……次ね、次……」
加蓮「もうわかんないね」
凛「…………ねぇ、加蓮」
加蓮「うん? なに凛」
凛「そのプロデューサーの上着、私にも着させてよ」
卯月「あっ、私も私も! さっきから気になってたんだ」
加蓮「えー、私もまだ着ていたいんだけど…………あれ?」
未央「ん? どったの、加蓮ねー?」
加蓮「いや、なんかポケットに硬いものが…………って鍵?」
奈緒「鍵だな……それも家の鍵っぽいの」
卯月「鍵ですね……プロデューサーさんの上着に入っていた」
未央「…………どうしようか」
奈緒「うん……次ね、次……」
加蓮「もうわかんないね」
凛「…………ねぇ、加蓮」
加蓮「うん? なに凛」
凛「そのプロデューサーの上着、私にも着させてよ」
卯月「あっ、私も私も! さっきから気になってたんだ」
加蓮「えー、私もまだ着ていたいんだけど…………あれ?」
未央「ん? どったの、加蓮ねー?」
加蓮「いや、なんかポケットに硬いものが…………って鍵?」
奈緒「鍵だな……それも家の鍵っぽいの」
卯月「鍵ですね……プロデューサーさんの上着に入っていた」
71: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 12:12:41.35 ID:4cKCevu8o
みんな「つまり……プロデューサーの家の鍵」
72: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/21(日) 12:13:36.89 ID:4cKCevu8o
P「はぁ……加蓮はどこまで行ったんだ……戻ってくるよな」
ちひろ「加蓮ちゃんがどうかしたんですか?」
P「いや、加蓮が自分の上着を持って行ってしまって……」
ちひろ「…………一体なにがあったんです?」
P「それがよくわからなくて……寝ているのを起こしたのがいけなかったのかなぁ」
ちひろ「…………よくわかりませんね」
P「よくわからないといえば最近の卯月たちもなんですよねぇ」
ちひろ「あらあら……」
P「なんか急にコスプレしたり、裸になろうとしたり、家に来たり……」
ちひろ「んん?」
P「ああ、大丈夫ですよ。手は出してませんので」
ちひろ「…………本当ですか?」
P「本当ですって。ちひろさんから貰っているドリンクを飲むとそういう気がなくなるので」
ちひろ「えっ、なにそれこわい」
P「えっ」
おわり
ちひろ「加蓮ちゃんがどうかしたんですか?」
P「いや、加蓮が自分の上着を持って行ってしまって……」
ちひろ「…………一体なにがあったんです?」
P「それがよくわからなくて……寝ているのを起こしたのがいけなかったのかなぁ」
ちひろ「…………よくわかりませんね」
P「よくわからないといえば最近の卯月たちもなんですよねぇ」
ちひろ「あらあら……」
P「なんか急にコスプレしたり、裸になろうとしたり、家に来たり……」
ちひろ「んん?」
P「ああ、大丈夫ですよ。手は出してませんので」
ちひろ「…………本当ですか?」
P「本当ですって。ちひろさんから貰っているドリンクを飲むとそういう気がなくなるので」
ちひろ「えっ、なにそれこわい」
P「えっ」
おわり
引用元: 加蓮「凛ってさ、甘えるの下手そうだよね」
モバP「え?なに、お前ら彼氏いんの?」
2019-12-08
1: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/10(日) 20:57:18.85 ID:ZjPW0OND0
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4: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/10(日) 21:01:23.87 ID:ZjPW0OND0
P「え? ……その、お前らマジで言ってるの?」
凛「変なプロデューサー。今更何を言ってるの?」
P(凛が嘘を言っている様子は無い……え、なにこれドッキリ?)
未央「プロデューサー?」
P(勿論、俺と彼女らはプロデューサーとアイドル。一線を超えるわけには行かない。だけど、彼氏が居るって聞くと結構きつい……胃が痛くなってきた)
凛「変なプロデューサー。今更何を言ってるの?」
P(凛が嘘を言っている様子は無い……え、なにこれドッキリ?)
未央「プロデューサー?」
P(勿論、俺と彼女らはプロデューサーとアイドル。一線を超えるわけには行かない。だけど、彼氏が居るって聞くと結構きつい……胃が痛くなってきた)
6: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/10(日) 21:05:50.75 ID:ZjPW0OND0
P「ちなみに、お前らは……アイドルは恋愛禁止だって知ってるよな?」
卯月「はい、知ってます。だけど……私達だって女の子なんです。恋くらいしたいんですよ?」
P(卯月の言う事ももっともだ。表向きはファンを裏切らない為に恋愛禁止を公言している。だけど、彼女達は高校生なのだ。それ以外の子も居るけど、結構願望強い人とか。だから、恋をすること自体は否定しない)
P「……そ、そのさ……もし、嫌だったら言わなくてもいいんだが……お前らの彼氏ってどんな奴なんだ? ほら、プロデューサーとして一応把握くらいはしないとって」
凛「ふふ、プロデューサーったらおかしなこと言うんだね」クスッ
P「?」
凛「でも、聞きたいって言うなら教えてあげるよ」
卯月「はい、知ってます。だけど……私達だって女の子なんです。恋くらいしたいんですよ?」
P(卯月の言う事ももっともだ。表向きはファンを裏切らない為に恋愛禁止を公言している。だけど、彼女達は高校生なのだ。それ以外の子も居るけど、結構願望強い人とか。だから、恋をすること自体は否定しない)
P「……そ、そのさ……もし、嫌だったら言わなくてもいいんだが……お前らの彼氏ってどんな奴なんだ? ほら、プロデューサーとして一応把握くらいはしないとって」
凛「ふふ、プロデューサーったらおかしなこと言うんだね」クスッ
P「?」
凛「でも、聞きたいって言うなら教えてあげるよ」
7: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/10(日) 21:09:25.10 ID:ZjPW0OND0
未央「そうだねー、プロデューサーがどーしても聞きたいってんなら教えてあげちゃおっかなー」チラッ
P「お、おう……是非、教えてくれ」
P(なんだ?何かが変だぞ?……だけど、何が変なのかがいまいちわからない)
瑞樹「わかるわ」
P(瑞樹さんは一言だけそう言うと、事務所から出ていった。何だったんだろうか、分からないわ)
P「お、おう……是非、教えてくれ」
P(なんだ?何かが変だぞ?……だけど、何が変なのかがいまいちわからない)
瑞樹「わかるわ」
P(瑞樹さんは一言だけそう言うと、事務所から出ていった。何だったんだろうか、分からないわ)
8: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/10(日) 21:13:01.00 ID:ZjPW0OND0
P「じゃ、じゃあまず最初に聞かせて欲しいんだが……お前らの彼氏は一般人か?それとも業界の人か?」
P(一般人なら相手のプライバシーもあるから、全力で相手を保護しなければならない。もし、この業界の人ならば相手と相談し、あえて発表する事で逆に注目を集めることも可能だ)
凛「うーん、一応業界の人だよ。表舞台には出ないけど」
卯月「そうですね、俳優さんとかでは無いですね」
P(なるほど、つまりは俺みたいなプロデューサー関係か?でも、そうなると少し心配だ。俳優とかならまだしも、プロデューサー系になると、番組に出させるから……つまりはそういう事をしろって強要してくるタイプもある。もしかしたら、彼女達が騙されている可能性もあるな)
P(一般人なら相手のプライバシーもあるから、全力で相手を保護しなければならない。もし、この業界の人ならば相手と相談し、あえて発表する事で逆に注目を集めることも可能だ)
凛「うーん、一応業界の人だよ。表舞台には出ないけど」
卯月「そうですね、俳優さんとかでは無いですね」
P(なるほど、つまりは俺みたいなプロデューサー関係か?でも、そうなると少し心配だ。俳優とかならまだしも、プロデューサー系になると、番組に出させるから……つまりはそういう事をしろって強要してくるタイプもある。もしかしたら、彼女達が騙されている可能性もあるな)
11: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/10(日) 21:15:55.08 ID:ZjPW0OND0
P「えーと……その、すまん。すっごい立ち入った事を聞く。セクハラだと訴えられても仕方ない事だ」
未央「ええ///もう!プロデューサーったら、一体どんなこと聞くつもりなの?///」
凛「……大丈夫だよ、プロデューサー。私は、プロデューサーの事信じてるから、訴えたりなんてしないよ」
卯月「私も信じてますので大丈夫です!」
未央「そ、そんな事言ったら私だって信じてるし!///」
P「皆……ありがとう。聞きたい事ってのは……その……」
P「に、肉体的な関係を持ったかどうかだ……っ」
NG「」
未央「ええ///もう!プロデューサーったら、一体どんなこと聞くつもりなの?///」
凛「……大丈夫だよ、プロデューサー。私は、プロデューサーの事信じてるから、訴えたりなんてしないよ」
卯月「私も信じてますので大丈夫です!」
未央「そ、そんな事言ったら私だって信じてるし!///」
P「皆……ありがとう。聞きたい事ってのは……その……」
P「に、肉体的な関係を持ったかどうかだ……っ」
NG「」
15: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/10(日) 21:20:03.06 ID:ZjPW0OND0
凛「ぷ、プロデューサー……流石にそれは///」
P「大事な……大事な事なんだ」
P(それいかんによっては、相手の方に真意を確かめる必要がある。もし、何かを餌に彼女らを利用してるなら……俺は、たとえ業界から干されようとも彼女らを守らなければならない)
未央「どうやら……マジっぽいね。うん、プロデューサーがえᘄちな事を考えて聞いてるんじゃないって分かったよ」
P「ありがとう、未央」
未央「あ、当たり前の事言っただけだよ///」プイス
P「で、結局の所どうなんだ?」
P「大事な……大事な事なんだ」
P(それいかんによっては、相手の方に真意を確かめる必要がある。もし、何かを餌に彼女らを利用してるなら……俺は、たとえ業界から干されようとも彼女らを守らなければならない)
未央「どうやら……マジっぽいね。うん、プロデューサーがえᘄちな事を考えて聞いてるんじゃないって分かったよ」
P「ありがとう、未央」
未央「あ、当たり前の事言っただけだよ///」プイス
P「で、結局の所どうなんだ?」
16: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/10(日) 21:23:56.31 ID:ZjPW0OND0
凛「私は、無いよ。トップアイドルになるまではプラトニックでいようって約束したじゃん」
卯月「私もです。今はアイドルとプロデューサー。結ばれるのは夢が叶ってからでも遅くないって言ってくれましたよ」
未央「私だって勿論ないよ! それはプロデューサーが一番知ってるじゃん!」
P(彼女達は皆真剣な表情で、嘘をついてるようには見えない。これでも、俺は職業柄、人の顔色を窺うのは得意だ。顔を見れば嘘を吐いているかどうかくらいは分かる。……彼女達の言葉を聞いて、俺は一先ず安心することにした。少なくとも、相手は何かを餌にしてるようではないようだな)
P(だけど……まだ違和感が、ある)
卯月「私もです。今はアイドルとプロデューサー。結ばれるのは夢が叶ってからでも遅くないって言ってくれましたよ」
未央「私だって勿論ないよ! それはプロデューサーが一番知ってるじゃん!」
P(彼女達は皆真剣な表情で、嘘をついてるようには見えない。これでも、俺は職業柄、人の顔色を窺うのは得意だ。顔を見れば嘘を吐いているかどうかくらいは分かる。……彼女達の言葉を聞いて、俺は一先ず安心することにした。少なくとも、相手は何かを餌にしてるようではないようだな)
P(だけど……まだ違和感が、ある)
18: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/10(日) 21:28:00.77 ID:ZjPW0OND0
P「……分かった。お前達の事を信じよう。次に、お前達の相手の事を聞かせてくれないか?」」
凛「プロデューサーったら、それを私達に言わせるの?」
卯月「もう、プロデューサーさんったら///」
未央「プロデューサーはしょうがないにゃぁ」
P(未央にゃんか……ありだな。って、そうじゃなくて! なんで、相手の事を聞いただけでこんなに赤くなるんだ? ……ああ、そうか。それだけ相手の事が好きって事か。……うう、やっぱ胃が痛い)
凛「プロデューサーったら、それを私達に言わせるの?」
卯月「もう、プロデューサーさんったら///」
未央「プロデューサーはしょうがないにゃぁ」
P(未央にゃんか……ありだな。って、そうじゃなくて! なんで、相手の事を聞いただけでこんなに赤くなるんだ? ……ああ、そうか。それだけ相手の事が好きって事か。……うう、やっぱ胃が痛い)
20: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/10(日) 21:31:11.16 ID:ZjPW0OND0
凛「えっとね……まず、どこか頼りなさげでしょ」
P「うん」
卯月「だけど、芯はしっかりしてて私達を影からサポートしてくれます」
P「うん」
未央「それでいて、大人の癖に子供みたいなところがあって、たまに見せる無邪気な笑顔がたまらなく好きなんだよね///」
NG「「「そうそう! 笑顔がね!」」」
P「あ、分かったわ違和感の正体。お前ら、もしかして同一人物の事話してるのか?」
凛「そうだけど?」
未央「何をいまさら」
P「おいおい……」
P(それって、つまりは三股って事じゃないのか?しかも、彼女達はそれを分かっていて付き合っている。やはり、騙されているのか?)
P「うん」
卯月「だけど、芯はしっかりしてて私達を影からサポートしてくれます」
P「うん」
未央「それでいて、大人の癖に子供みたいなところがあって、たまに見せる無邪気な笑顔がたまらなく好きなんだよね///」
NG「「「そうそう! 笑顔がね!」」」
P「あ、分かったわ違和感の正体。お前ら、もしかして同一人物の事話してるのか?」
凛「そうだけど?」
未央「何をいまさら」
P「おいおい……」
P(それって、つまりは三股って事じゃないのか?しかも、彼女達はそれを分かっていて付き合っている。やはり、騙されているのか?)
26: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/10(日) 21:35:48.11 ID:ZjPW0OND0
P「お前ら、それで良いのか?」
凛「良いも何も……私達が話し合った結果だしね」
未央「私達は3人で一つ。だから、好きな人も3人一緒って感じだね」
卯月「3人が同じ人を好きになったので、これが一番良いかなって思ったんです……」
P(それほどまでにそいつの事を……。この3人をこうまで魅了する奴……か。一体、どんな奴なんだろうか)
P「単刀直入に聞く……お前達の彼氏って誰なんだ?」
P(ここまで来たら、もう直接聞くしかない。そして、当の本人に真意を確かめるんだ)
NG(Pを指差す)スッ
凛「良いも何も……私達が話し合った結果だしね」
未央「私達は3人で一つ。だから、好きな人も3人一緒って感じだね」
卯月「3人が同じ人を好きになったので、これが一番良いかなって思ったんです……」
P(それほどまでにそいつの事を……。この3人をこうまで魅了する奴……か。一体、どんな奴なんだろうか)
P「単刀直入に聞く……お前達の彼氏って誰なんだ?」
P(ここまで来たら、もう直接聞くしかない。そして、当の本人に真意を確かめるんだ)
NG(Pを指差す)スッ
30: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/10(日) 21:39:28.00 ID:ZjPW0OND0
P「?」
P(後ろを振り向くが誰も居ない。試しに横に移動してみると、3人の指がそのまま俺の方へと動く)
P「なぁ……ふざけてないで、教えてくれよ。大丈夫だ、別に殴り込みにいこうって訳じゃないんだから」
凛「プロデューサーこそ何言ってんの?」
P「え?」
卯月「私達の彼氏は……プロデューサーさんですよ?」
P「は?」
未央「いやー、いきなり他人事のように聞いてくるからびっくりしたよ!」
凛「うんうん。本当に何にも知らないみたいに振舞うから驚いたけど、プロデューサーは寂しかっただけなんだってすぐに分かったよ。だから、遠回りして私達からプロデューサーへの気持ちを聞きたかったんだよね?」
P(後ろを振り向くが誰も居ない。試しに横に移動してみると、3人の指がそのまま俺の方へと動く)
P「なぁ……ふざけてないで、教えてくれよ。大丈夫だ、別に殴り込みにいこうって訳じゃないんだから」
凛「プロデューサーこそ何言ってんの?」
P「え?」
卯月「私達の彼氏は……プロデューサーさんですよ?」
P「は?」
未央「いやー、いきなり他人事のように聞いてくるからびっくりしたよ!」
凛「うんうん。本当に何にも知らないみたいに振舞うから驚いたけど、プロデューサーは寂しかっただけなんだってすぐに分かったよ。だから、遠回りして私達からプロデューサーへの気持ちを聞きたかったんだよね?」
34: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/10(日) 21:46:24.93 ID:ZjPW0OND0
P「ちょ、ちょちょっと待ってくれ! 俺がお前らの彼氏?」
卯月「そうですよ。もうそんな何も知らないみたいな演技しなくて良いんですよ?」ニコォ
P「」ゾクリ
凛「最初はさ……私達3人がプロデューサーを好きになったって知った時、喧嘩になったんだ。でも、途中で気づいたの。私達3人はいつも一緒だから好きな人が一緒なのも当然。だから、3人で幸せを分け合おうって」
P「だ、だけど……俺は初耳だぞ?お前らと付き合うとも言ってないし……」
未央「アハハ!プロデューサーったらおかしいね?そんなの言わなくても分かるじゃん。私達……もう魂レベルで繋がってるんだから」
凛「未央ったら、そのセリフ凄くロックだね」
卯月「ふふ、李衣菜ちゃんが聞いたら怒っちゃうよ。私のロックを取らないでって」
NG「「「アハハハハ!!」」」
P(そうか。今、ようやく本当の違和感に気づいた。彼女達……彼女達の目にはハイライトが無い)
卯月「そうですよ。もうそんな何も知らないみたいな演技しなくて良いんですよ?」ニコォ
P「」ゾクリ
凛「最初はさ……私達3人がプロデューサーを好きになったって知った時、喧嘩になったんだ。でも、途中で気づいたの。私達3人はいつも一緒だから好きな人が一緒なのも当然。だから、3人で幸せを分け合おうって」
P「だ、だけど……俺は初耳だぞ?お前らと付き合うとも言ってないし……」
未央「アハハ!プロデューサーったらおかしいね?そんなの言わなくても分かるじゃん。私達……もう魂レベルで繋がってるんだから」
凛「未央ったら、そのセリフ凄くロックだね」
卯月「ふふ、李衣菜ちゃんが聞いたら怒っちゃうよ。私のロックを取らないでって」
NG「「「アハハハハ!!」」」
P(そうか。今、ようやく本当の違和感に気づいた。彼女達……彼女達の目にはハイライトが無い)
38: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/10(日) 21:50:27.65 ID:ZjPW0OND0
NG「「「アハハハハハハハハハハハハ!」」」
43: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/10(日) 21:54:05.32 ID:ZjPW0OND0
P「ヒッ……!(に、逃げなきゃ……なんだか分からないが逃げなければマズい!)」
凛「プロデューサー?」
卯月「どこ行くんですかぁ?」
P(回り込まれた!)
未央「知らなかったの? ニュージェネレーションからは逃げられないんだよ?」
P (くそ……何か、何か手は無いのか!誰でも良いから助けてくれ……神様仏様ちひろ様!)
幸子「フフーン!おはようございます!今日も可愛いボクがやってきましたよ!」
P(幸子オオオオオオオオオオ!)
凛「プロデューサー?」
卯月「どこ行くんですかぁ?」
P(回り込まれた!)
未央「知らなかったの? ニュージェネレーションからは逃げられないんだよ?」
P (くそ……何か、何か手は無いのか!誰でも良いから助けてくれ……神様仏様ちひろ様!)
幸子「フフーン!おはようございます!今日も可愛いボクがやってきましたよ!」
P(幸子オオオオオオオオオオ!)
45: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/10(日) 22:01:46.67 ID:ZjPW0OND0
P「逃げろ幸子!今はかなりマズい!」
幸子「え?え?どうしたんですか、プロデューサーさん?」
未央「さっちゃん、プロデューサー……ううん、私達の彼氏を通さないようにしてくれる?その人、なんでか知らないけど私達から逃げようとするんだよね」
幸子「誰がさっちゃんですか。でも、事情は分かりました。プロデューサーさん……どうやらピンチみたいですね」
P「そうなんだよ!だから、誰かに助けを求めなきゃ……幸子、お前も一緒に逃げるぞ!」
幸子「…………」
P「……幸子?」
幸子「え?え?どうしたんですか、プロデューサーさん?」
未央「さっちゃん、プロデューサー……ううん、私達の彼氏を通さないようにしてくれる?その人、なんでか知らないけど私達から逃げようとするんだよね」
幸子「誰がさっちゃんですか。でも、事情は分かりました。プロデューサーさん……どうやらピンチみたいですね」
P「そうなんだよ!だから、誰かに助けを求めなきゃ……幸子、お前も一緒に逃げるぞ!」
幸子「…………」
P「……幸子?」
50: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/10(日) 22:07:43.53 ID:ZjPW0OND0
幸子「一緒に……?つまり、それは……そういう事でしょうか?ふふ、やっぱりプロデューサーさんもボクの魅力に……」ブツブツ
P「幸子?おーい、さっちゃーん。戻ってこないとスカイダイビングだぞう?」
幸子「分かりました!プロデューサーさん、どこまでも逃げましょう!愛の逃避行です!」
P「」
幸子「逃げるなら南と北、どっちが良いですか?ボクはプロデューサーさんのおかげで色んな状況にも対応できるようになったのでどっちでも大丈夫です!あでもボクは今すごくカニが食べたい気分なので北も良いかもですね。途中で東北地方によってきりたんぽとかせんべい汁とか海鮮丼とか色々食べながら逃避行しましょう。お金なら大丈夫です。これまで稼いできたお金があるのでプロデューサーさんの稼ぎと合わせればしばらくは逃げられますよ。それでほとぼりが冷めたら一緒にお店なんかやってもいいですね。そして子供達に囲まれて幸せな家庭を築くんです。大丈夫ですよ、こんなに可愛いボクが一緒なんです。きっとプロデューサーさんを退屈させたりはしません。むしろ、ボクが一緒ってだけでプロデューサーさんには既にこれ以上無いくらいの幸せが」
P(アカン)
P「幸子?おーい、さっちゃーん。戻ってこないとスカイダイビングだぞう?」
幸子「分かりました!プロデューサーさん、どこまでも逃げましょう!愛の逃避行です!」
P「」
幸子「逃げるなら南と北、どっちが良いですか?ボクはプロデューサーさんのおかげで色んな状況にも対応できるようになったのでどっちでも大丈夫です!あでもボクは今すごくカニが食べたい気分なので北も良いかもですね。途中で東北地方によってきりたんぽとかせんべい汁とか海鮮丼とか色々食べながら逃避行しましょう。お金なら大丈夫です。これまで稼いできたお金があるのでプロデューサーさんの稼ぎと合わせればしばらくは逃げられますよ。それでほとぼりが冷めたら一緒にお店なんかやってもいいですね。そして子供達に囲まれて幸せな家庭を築くんです。大丈夫ですよ、こんなに可愛いボクが一緒なんです。きっとプロデューサーさんを退屈させたりはしません。むしろ、ボクが一緒ってだけでプロデューサーさんには既にこれ以上無いくらいの幸せが」
P(アカン)
52: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/10(日) 22:11:01.43 ID:ZjPW0OND0
P「すまん、幸子ォ!」腹パン
幸子「へぶぅ!?」
P「よし、入口が空いた!」ダッ
凛「あ、プロデューサー!」
卯月「逃げちゃダメですよぉ!」
未央「キシャアアアア!」
P「最後なんだよ!」
幸子「へぶぅ!?」
P「よし、入口が空いた!」ダッ
凛「あ、プロデューサー!」
卯月「逃げちゃダメですよぉ!」
未央「キシャアアアア!」
P「最後なんだよ!」
54: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/10(日) 22:15:54.44 ID:ZjPW0OND0
P(くそ、まだ追ってくる……それにしても、何で周りに人が居ないんだ?たまたま全員出払ってるのか?)
きらり「にょわっ!?」ボイーン
P「うぉ!?」
P(な、なんか大きなマシュマロに吹き飛ばされた!?……ってそうか、きらりにぶつかったのか)
きらり「P、Pちゃんそんなに慌ててどうしたにぃ?」
杏「そんなにやる気に溢れてるなら、杏の代わりにプロデューサーが杏の仕事すれば良いんじゃない?」
きらり「もぉ、杏ちゃんたらぁ……」
P「き、きらりと杏か……すまん、俺は今急いでるんだ」ハァハァ
きらり「にょわぁ?」
キシャアアアアア!
P「あ、くそ追ってきやがった!」
きらり「にょわっ!?」ボイーン
P「うぉ!?」
P(な、なんか大きなマシュマロに吹き飛ばされた!?……ってそうか、きらりにぶつかったのか)
きらり「P、Pちゃんそんなに慌ててどうしたにぃ?」
杏「そんなにやる気に溢れてるなら、杏の代わりにプロデューサーが杏の仕事すれば良いんじゃない?」
きらり「もぉ、杏ちゃんたらぁ……」
P「き、きらりと杏か……すまん、俺は今急いでるんだ」ハァハァ
きらり「にょわぁ?」
キシャアアアアア!
P「あ、くそ追ってきやがった!」
55: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/10(日) 22:19:45.39 ID:ZjPW0OND0
杏「凛達じゃん……プロデューサー、一体何したの?面倒事はやめてよね……」
P「お、俺は悪くぬぇ!実はかくかくしかじかなんだ!」
杏「へー、凜達がプロデューサーを彼氏だと、ねぇ……へー」
きらり「にょわぁ……」
P「そういうわけだから俺は逃げる!お前達も危険だからどっか隠れてろ」
杏「ふぅーん、へぇー……ほぉー……」
きらり「ハピハピィ……ハピハピィ……」
P「お、俺は悪くぬぇ!実はかくかくしかじかなんだ!」
杏「へー、凜達がプロデューサーを彼氏だと、ねぇ……へー」
きらり「にょわぁ……」
P「そういうわけだから俺は逃げる!お前達も危険だからどっか隠れてろ」
杏「ふぅーん、へぇー……ほぉー……」
きらり「ハピハピィ……ハピハピィ……」
94: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/10(日) 22:42:08.52 ID:ZjPW0OND0
杏「きらり」
きらり「わかったにぃ……!」
P(あ、よく見たらこいつらも目にハイライト無い)
杏「私達のプロデューサーに手を出す奴は……」
きらり「きらりんルーム行きだにぃ!」ダダダダ
P「……なんかよく分からんが助かった。すまん、杏、きらり……お前達の事は忘れない!」
きらり「わかったにぃ……!」
P(あ、よく見たらこいつらも目にハイライト無い)
杏「私達のプロデューサーに手を出す奴は……」
きらり「きらりんルーム行きだにぃ!」ダダダダ
P「……なんかよく分からんが助かった。すまん、杏、きらり……お前達の事は忘れない!」
97: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/10(日) 22:45:09.91 ID:ZjPW0OND0
P「くそ……なんで、どいつもこいつも目にハイライトが無いんだ!」
瑞樹「わかるわ」
P「瑞樹さん!(良かった、瑞樹さんは普通に目にハイライトがある……)」
P「瑞樹さん、ここは今凄く危険です……一緒に逃げましょう」
瑞樹「わかるわ」スス
P「瑞樹……さん?」
瑞樹「わかるわ」
P「瑞樹さん!(良かった、瑞樹さんは普通に目にハイライトがある……)」
P「瑞樹さん、ここは今凄く危険です……一緒に逃げましょう」
瑞樹「わかるわ」スス
P「瑞樹……さん?」
100: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/10(日) 22:50:22.55 ID:ZjPW0OND0
P(鞄から何か……婚姻届!?しかも、既に瑞樹さんと俺の名前が記入されていて、後は俺がハンコを押すだけになっている)
瑞樹「わかるわ。本当は私と結婚したいのに他の子に付きまとわれて困ってるのよね?」
P「全然分かって無いです。瑞樹さん」
瑞樹「わかるわ……それも照れ隠しでしょ?大丈夫、私に全部任せて……ほら、早くハンコを押して?ハンコが無いなら、血判でも良いわよ?ここに偶然ナイフがあるから、ちょっと指を切ってググっと押してくれれば大丈夫。私の方が年上だけでちょっとくらいの年の差なんて大丈夫よね。わかるわ。だって、私とP君は結婚する運命だったんだもの、わかるわ」
P(だんだんハイライトが無くなっていく……)
P「瑞樹さん、すみません!」ダッ
瑞樹「待ちなさい、何で逃げるの?わからないわ!待ちなさいってば!」
瑞樹「わかるわ。本当は私と結婚したいのに他の子に付きまとわれて困ってるのよね?」
P「全然分かって無いです。瑞樹さん」
瑞樹「わかるわ……それも照れ隠しでしょ?大丈夫、私に全部任せて……ほら、早くハンコを押して?ハンコが無いなら、血判でも良いわよ?ここに偶然ナイフがあるから、ちょっと指を切ってググっと押してくれれば大丈夫。私の方が年上だけでちょっとくらいの年の差なんて大丈夫よね。わかるわ。だって、私とP君は結婚する運命だったんだもの、わかるわ」
P(だんだんハイライトが無くなっていく……)
P「瑞樹さん、すみません!」ダッ
瑞樹「待ちなさい、何で逃げるの?わからないわ!待ちなさいってば!」
105: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/10(日) 22:56:18.94 ID:ZjPW0OND0
P「くそ、なんで皆変になってるんだ!?」ドス
P「……え?」
まゆ「うふふ、Pさぁん……」
P「ま、まゆ……?どうして?」ヨロヨロ
まゆ「うふふ、Pさんって凄いモテてるじゃないですかぁ?妻としては、いつ浮気されるかもって凄い心配なんです。あ、もちろんPさんの事は信じてますけど、もしもって事があります……なので、考えたんです。Pさんを殺してしまえば浮気の心配も無い……永遠に私の物だって……だから、安らかに眠ってくださいね?」
まゆ「P さ ん」
P「……え?」
まゆ「うふふ、Pさぁん……」
P「ま、まゆ……?どうして?」ヨロヨロ
まゆ「うふふ、Pさんって凄いモテてるじゃないですかぁ?妻としては、いつ浮気されるかもって凄い心配なんです。あ、もちろんPさんの事は信じてますけど、もしもって事があります……なので、考えたんです。Pさんを殺してしまえば浮気の心配も無い……永遠に私の物だって……だから、安らかに眠ってくださいね?」
まゆ「P さ ん」
122: 以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/10(日) 22:59:34.69 ID:ZjPW0OND0
P「う、うわあああああああ!?」ガバッ
P「はぁ……はぁ……なんだ、夢か。そうか、そうだよな。皆がヤンデレなんてそんな事、夢に決まってるよな」
P「ははは、俺としたことが皆をヤンデレにしちゃうなんて……きっと疲れてるんだな……」
P「さて!気分を切り替えて、今日も元気にプロデュースするぞ!」トントン
P「え?」クルッ
凛「プロデューサー、“皆”が待ってるから……早く い こ う?」
End
P「はぁ……はぁ……なんだ、夢か。そうか、そうだよな。皆がヤンデレなんてそんな事、夢に決まってるよな」
P「ははは、俺としたことが皆をヤンデレにしちゃうなんて……きっと疲れてるんだな……」
P「さて!気分を切り替えて、今日も元気にプロデュースするぞ!」トントン
P「え?」クルッ
凛「プロデューサー、“皆”が待ってるから……早く い こ う?」
End
引用元: モバP「え?なに、お前ら彼氏いんの?」
幸子「プロデューサーさんが喫茶店を始めたんですけど」
2019-12-08
1: ミガサ 2013/05/30(木) 20:40:45.02 ID:TL5vfmV90
この作品は
P「俺、プロデューサー辞めるから」
の続編となっております。
読んでいなくても楽しめるとは思いますが、よければご一読頂けると嬉しいです。
安価スレになっております。
途中で安価についての注釈を加えたいと思っていますのであしからず。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1369914044
P「俺、プロデューサー辞めるから」
の続編となっております。
読んでいなくても楽しめるとは思いますが、よければご一読頂けると嬉しいです。
安価スレになっております。
途中で安価についての注釈を加えたいと思っていますのであしからず。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1369914044
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2: ミガサ 2013/05/30(木) 20:43:22.68 ID:TL5vfmV90
友紀「Pさーん!」カランカラン
P「はいはい、いらっしゃいませー」
茄子「すみません、いつもいつも……」
P「いえいえ。アイツが悪いんです。アイツが」
友紀「Pさん、ほら!ビールビール!」
P「……へいへい」
茄子「あ、私は……」
P「わかりました。度数低めのにしときますね」
幸子「……」
P「はいはい、いらっしゃいませー」
茄子「すみません、いつもいつも……」
P「いえいえ。アイツが悪いんです。アイツが」
友紀「Pさん、ほら!ビールビール!」
P「……へいへい」
茄子「あ、私は……」
P「わかりました。度数低めのにしときますね」
幸子「……」
4: ミガサ 2013/05/30(木) 20:46:18.42 ID:TL5vfmV90
P「愛海ぃー!!」
愛海「うひひひひ!ほらほら、捕まえてごらーん!」
ナターリア「うぅ、汚されタ……というわけデ、プロデューサー!責任とって結婚しテ!」
P「なんでそうなるんだよ?!」
桃華「Pさんと結婚するのは私ですわ!」
美優「……婚姻届……あ、忘れました……」
泰葉「……いつも騒がしいですね。ここは」
幸子「……」
愛海「うひひひひ!ほらほら、捕まえてごらーん!」
ナターリア「うぅ、汚されタ……というわけデ、プロデューサー!責任とって結婚しテ!」
P「なんでそうなるんだよ?!」
桃華「Pさんと結婚するのは私ですわ!」
美優「……婚姻届……あ、忘れました……」
泰葉「……いつも騒がしいですね。ここは」
幸子「……」
5: ミガサ 2013/05/30(木) 20:48:59.52 ID:TL5vfmV90
あずき「じゃじゃーん!喫茶店大改造だいさくせーん!!」
P「おま、ドリルとかどっから持ってきた?!」
菜々「Pさーん!こことかこうしたらどうですー?」
P「えっと、菜々さんのセンスは若干古い……」
聖來「ここをこうすればいいんじゃない?」
P「聖來のは採用しようかな。ああ、菜々さん泣かないで!ごめんなさい!!」
幸子「……」
6: ミガサ 2013/05/30(木) 20:51:28.39 ID:TL5vfmV90
薫「せんせぇ!オレンジジュースちょうだい!」
P「はいはい。ちょっと待っててな」
雪美「P……持ってきた」
P「おお、ありがとな雪美」ナデナデ
雪美「ふふ……」
美世「うひゃー。凄い雨だねー。濡れちゃったよー」
P「ほら美世、タオル」ファサッ
美世「ありがとっ♪」
幸子「……」
P「はいはい。ちょっと待っててな」
雪美「P……持ってきた」
P「おお、ありがとな雪美」ナデナデ
雪美「ふふ……」
美世「うひゃー。凄い雨だねー。濡れちゃったよー」
P「ほら美世、タオル」ファサッ
美世「ありがとっ♪」
幸子「……」
9: ミガサ 2013/05/30(木) 20:53:27.69 ID:TL5vfmV90
P「ふぅ、今日の営業御終いっと」
幸子「ちょっと待ってください」
P「なんだ?幸子」
幸子「うちの人達しかお客さん来てないじゃないですか!?」
P「……あっ」
幸子「今更気づいたんですか!?」
P「いや、あまりに自然な流れすぎてな」
幸子「確かに自然ですけど!不自然なくらい自然ですけど!!」
幸子「ちょっと待ってください」
P「なんだ?幸子」
幸子「うちの人達しかお客さん来てないじゃないですか!?」
P「……あっ」
幸子「今更気づいたんですか!?」
P「いや、あまりに自然な流れすぎてな」
幸子「確かに自然ですけど!不自然なくらい自然ですけど!!」
14: ミガサ 2013/05/30(木) 20:55:41.82 ID:TL5vfmV90
P「仕方ないじゃないか。なんだかんだ言っても、まだ開店してから一ヶ月も経ってないんだぞ?」
幸子「それはそうですけど……」
P「それにな。一応、ちゃんと客も来てるぞ」
幸子「本当ですか?」
P「まぁ、あまり仲がいいとは言えないけどな……よく来てくれる」
幸子「へぇ……」
幸子「それはそうですけど……」
P「それにな。一応、ちゃんと客も来てるぞ」
幸子「本当ですか?」
P「まぁ、あまり仲がいいとは言えないけどな……よく来てくれる」
幸子「へぇ……」
15: ミガサ 2013/05/30(木) 20:57:32.96 ID:TL5vfmV90
P「ああ、言い忘れてた」
幸子「なんですか?」
P「いつもありがとう、幸子。助かってる」
幸子「……っ///」
幸子「あ、当たり前ですよ。こんな可愛いボクが働いてるだけで、この店は繁盛間違いなしなんですから」
P「ああ、その通りだな。幸子みたいな可愛いウェイトレスがいて、俺も幸せ者だよ」
幸子「~っ///し、失礼します!」ガチャッ
P「おう、お疲れ様」
幸子「なんですか?」
P「いつもありがとう、幸子。助かってる」
幸子「……っ///」
幸子「あ、当たり前ですよ。こんな可愛いボクが働いてるだけで、この店は繁盛間違いなしなんですから」
P「ああ、その通りだな。幸子みたいな可愛いウェイトレスがいて、俺も幸せ者だよ」
幸子「~っ///し、失礼します!」ガチャッ
P「おう、お疲れ様」
16: ミガサ 2013/05/30(木) 21:00:14.08 ID:TL5vfmV90
幸子「……ふふっ」
幸子「Pさんに、可愛いって言われちゃった……」
幸子「……ふふふっ」
幸子「うん、よーし!明日も頑張りますよ!!」
幸子「Pさんに、可愛いって言われちゃった……」
幸子「……ふふふっ」
幸子「うん、よーし!明日も頑張りますよ!!」
17: ミガサ 2013/05/30(木) 21:06:53.68 ID:TL5vfmV90
ここで安価についての説明
普通の安価と変わりませんが、一つ新しいルールをば。
安価のアイドル名のあとに、「前」か「後」をつけてください。
どういうことかと言いますと、前作を見ていない人に説明すると、いずれ何ヶ月後にプロダクションとこの喫茶店は成り行きで、合併することになります。
なので、このルールの前と後は合併「前」か合併「後」かの選択という意味になります。
個人的に書きたいだけなのですが、合併後の子の物語も書きたいなと思いまして。
前と後との違いはと言えば、
基本的に「前」はアイドル達がプロデューサーと再会する流れに。
「後」はプロデューサーが喫茶店をやっていることを知っていて、常連客のような雰囲気の話になります。
拙い説明で申し訳ありませんが、よければお付き合いいただけると幸いです。
質問などあれば、ご自由にどうぞ。
普通の安価と変わりませんが、一つ新しいルールをば。
安価のアイドル名のあとに、「前」か「後」をつけてください。
どういうことかと言いますと、前作を見ていない人に説明すると、いずれ何ヶ月後にプロダクションとこの喫茶店は成り行きで、合併することになります。
なので、このルールの前と後は合併「前」か合併「後」かの選択という意味になります。
個人的に書きたいだけなのですが、合併後の子の物語も書きたいなと思いまして。
前と後との違いはと言えば、
基本的に「前」はアイドル達がプロデューサーと再会する流れに。
「後」はプロデューサーが喫茶店をやっていることを知っていて、常連客のような雰囲気の話になります。
拙い説明で申し訳ありませんが、よければお付き合いいただけると幸いです。
質問などあれば、ご自由にどうぞ。
18: ミガサ 2013/05/30(木) 21:10:40.56 ID:TL5vfmV90
今まで安価を取ったアイドル(全員 「前」)
輿水幸子
姫川友紀
鷹富士茄子
棟方愛海
原田美世
佐城雪美
櫻井桃華
三船美優
龍崎薫
岡崎泰葉
水木聖來
安部菜々
桃井あずき
ナターリア
輿水幸子
姫川友紀
鷹富士茄子
棟方愛海
原田美世
佐城雪美
櫻井桃華
三船美優
龍崎薫
岡崎泰葉
水木聖來
安部菜々
桃井あずき
ナターリア
21: ミガサ 2013/05/30(木) 21:20:11.31 ID:TL5vfmV90
最初に喫茶店を訪れるアイドル >>25
22: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 21:20:33.98 ID:EOpbZNDH0
楓さん「後」
23: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 21:20:42.46 ID:+yeUkArW0
聖 前
24: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 21:20:52.91 ID:UiCK1qgRo
かれん 前
25: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 21:20:57.17 ID:qG/DG/JAO
加蓮 前
28: ミガサ 2013/05/30(木) 21:22:08.97 ID:TL5vfmV90
加蓮「……」
加蓮母「……加蓮」
加蓮「何?」
加蓮母「今日は学校……どうする?」
加蓮「……体調悪い」
加蓮母「そう……」
加蓮「……」
加蓮母「……加蓮」
加蓮「何?」
加蓮母「今日は学校……どうする?」
加蓮「……体調悪い」
加蓮母「そう……」
加蓮「……」
29: ミガサ 2013/05/30(木) 21:24:11.11 ID:TL5vfmV90
加蓮「……新着メール、4件……」
加蓮「凛、奈緒、ちひろさん……雪美ちゃん」
加蓮「……やっぱり、来てないか」
加蓮「何日も休んでれば、メール来るかなって思ってたんだけどな……」
加蓮「もう……本当に……あの人は……私のプロデューサーじゃ……」
加蓮「……ぐすっ」
加蓮「凛、奈緒、ちひろさん……雪美ちゃん」
加蓮「……やっぱり、来てないか」
加蓮「何日も休んでれば、メール来るかなって思ってたんだけどな……」
加蓮「もう……本当に……あの人は……私のプロデューサーじゃ……」
加蓮「……ぐすっ」
31: ミガサ 2013/05/30(木) 21:27:02.49 ID:TL5vfmV90
加蓮「……ああ、ホントに、体調悪くなってきたかも……」
加蓮「家に引きこもるなんて……慣れないこと、するもんじゃないなぁ……」
加蓮「げほっ、ごほっ……」
加蓮「痛いなぁ、体中……胸も……」
加蓮「……メール、見たほうがいいかな……」
加蓮「……あれ、雪美ちゃんのメール、本文ない……」
加蓮「画像……地図?」
加蓮「たまには外に出ろって、事かな……」
加蓮「家に引きこもるなんて……慣れないこと、するもんじゃないなぁ……」
加蓮「げほっ、ごほっ……」
加蓮「痛いなぁ、体中……胸も……」
加蓮「……メール、見たほうがいいかな……」
加蓮「……あれ、雪美ちゃんのメール、本文ない……」
加蓮「画像……地図?」
加蓮「たまには外に出ろって、事かな……」
32: ミガサ 2013/05/30(木) 21:29:54.07 ID:TL5vfmV90
―――P喫茶店前―――
加蓮「……お洒落な、喫茶店……」
加蓮「でも、何か頼めるような気分じゃないなぁ……」
加蓮「……帰ろ」
雪美「加蓮……待つ」
加蓮「雪美ちゃん……」
雪美「入る」
加蓮「でも雪美ちゃん、私は」
雪美「入る。早く」
加蓮「……」
加蓮「……お洒落な、喫茶店……」
加蓮「でも、何か頼めるような気分じゃないなぁ……」
加蓮「……帰ろ」
雪美「加蓮……待つ」
加蓮「雪美ちゃん……」
雪美「入る」
加蓮「でも雪美ちゃん、私は」
雪美「入る。早く」
加蓮「……」
33: ミガサ 2013/05/30(木) 21:32:45.27 ID:TL5vfmV90
加蓮「……」カランカラン
加蓮「お邪魔しま」
P「かれぇぇぇぇぇええええええん!!!」ダキッ
加蓮「ふぇ?!」
P「加蓮、大丈夫か!?熱ないか!?動けるか?!体拭くか?!あっためるか?!」ペタペタペタ
加蓮「ちょ、ちょっとプロデューサー……プロデューサー……?!」
P「い、今ホットミルク作ってくるからな?!ちょっと待ってろ?!」
加蓮「ま、待って」
幸子「止まってくださいPさん」ゲシッ
P「あふん」
加蓮「お邪魔しま」
P「かれぇぇぇぇぇええええええん!!!」ダキッ
加蓮「ふぇ?!」
P「加蓮、大丈夫か!?熱ないか!?動けるか?!体拭くか?!あっためるか?!」ペタペタペタ
加蓮「ちょ、ちょっとプロデューサー……プロデューサー……?!」
P「い、今ホットミルク作ってくるからな?!ちょっと待ってろ?!」
加蓮「ま、待って」
幸子「止まってくださいPさん」ゲシッ
P「あふん」
34: ミガサ 2013/05/30(木) 21:34:47.76 ID:TL5vfmV90
幸子「加蓮さんが困ってるじゃないですか」
加蓮「幸子……ちゃん?」
P「す、すまんな。加蓮の事になるとどうも自分を見失う……」
加蓮「本当に……プロデューサー、なんだよ、ね?」
P「ん……そうだけど」
加蓮「……」ポロポロ
P「えっ」
加蓮「馬鹿、馬鹿、バカバカバカバカ、ばかばかばかばかぁ!!」ポカポカポカポカ
P「ちょ、痛い痛い!地味にいたい!!」
加蓮「幸子……ちゃん?」
P「す、すまんな。加蓮の事になるとどうも自分を見失う……」
加蓮「本当に……プロデューサー、なんだよ、ね?」
P「ん……そうだけど」
加蓮「……」ポロポロ
P「えっ」
加蓮「馬鹿、馬鹿、バカバカバカバカ、ばかばかばかばかぁ!!」ポカポカポカポカ
P「ちょ、痛い痛い!地味にいたい!!」
35: ミガサ 2013/05/30(木) 21:38:52.24 ID:TL5vfmV90
加蓮「どれだけ私が会いたかったと思ってるの?!」
加蓮「いつもお節介で過保護なくらい、看病してさ?!」
加蓮「船に乗ったぐらいで、酔わないか?とか大騒ぎしてさ?!」
加蓮「私がライブをするたびに、泣いてくれてさ?!」
加蓮「いてほしい時に、いつもいてくれて!!」
加蓮「それなのになんで……なんで……今は、いてくれなかったの……?」
加蓮「馬鹿……嘘つき、大嫌い……っ」
加蓮「……ぐす、うああああぁぁぁぁぁぁ……」
P「……ごめん、少しでも加蓮の傍にいてやれなくて……ごめん」
加蓮「いつもお節介で過保護なくらい、看病してさ?!」
加蓮「船に乗ったぐらいで、酔わないか?とか大騒ぎしてさ?!」
加蓮「私がライブをするたびに、泣いてくれてさ?!」
加蓮「いてほしい時に、いつもいてくれて!!」
加蓮「それなのになんで……なんで……今は、いてくれなかったの……?」
加蓮「馬鹿……嘘つき、大嫌い……っ」
加蓮「……ぐす、うああああぁぁぁぁぁぁ……」
P「……ごめん、少しでも加蓮の傍にいてやれなくて……ごめん」
37: ミガサ 2013/05/30(木) 21:42:46.84 ID:TL5vfmV90
加蓮「……ふん」
P「ごめんって」
加蓮「許さないもん」
P「……なぁ」
加蓮「まだ体調悪いんだから、じっとしててよ」
P「……この年になって、膝枕することになるなんてなぁ」
加蓮「……えへへっ」
P「ごめんって」
加蓮「許さないもん」
P「……なぁ」
加蓮「まだ体調悪いんだから、じっとしててよ」
P「……この年になって、膝枕することになるなんてなぁ」
加蓮「……えへへっ」
39: ミガサ 2013/05/30(木) 21:44:55.31 ID:TL5vfmV90
加蓮「あ、なんでもないよ。笑ってないから」
P「そうですか」
加蓮「……ふふふ」
P「加蓮」
加蓮「な、何?笑ってないもん。許さないもん」
P「ここ、そういう店じゃないんだけど」
加蓮「知らないもん。私を放置したPさんが悪いんだもん」
P「……はいはい」ナデナデ
加蓮「にゃっ、なんで頭撫でるのさ?!」
P「嫌か?」
加蓮「嫌じゃ……ないけど……」
40: ミガサ 2013/05/30(木) 21:46:38.23 ID:TL5vfmV90
加蓮「……そうだ」
P「?」
加蓮「雪美ちゃん……あれ?」
P「雪美がどうした?」
加蓮「雪美ちゃん……いないの?」
P「今日はアイツ休みだぞ?」
加蓮「え?」
P「今日は休みだって。アイツ、急に休みたいって言い出してさ。なんかちひろさんと電話してたみたいだけど」
加蓮「雪美、ちゃん……」
P「?」
加蓮「雪美ちゃん……あれ?」
P「雪美がどうした?」
加蓮「雪美ちゃん……いないの?」
P「今日はアイツ休みだぞ?」
加蓮「え?」
P「今日は休みだって。アイツ、急に休みたいって言い出してさ。なんかちひろさんと電話してたみたいだけど」
加蓮「雪美、ちゃん……」
41: ミガサ 2013/05/30(木) 21:49:30.90 ID:TL5vfmV90
P「で、雪美がどうした?」
加蓮「……ううん、なんでもない」
P「で、お嬢様」
加蓮「名前で呼んで」
P「……加蓮。そろそろさ」
加蓮「まだまだダーメ……もうちょっと……」
幸子「……(いいなぁいいなぁ羨ましいなぁ……)」
P「(幸子から変なオーラが……)」
加蓮「……ううん、なんでもない」
P「で、お嬢様」
加蓮「名前で呼んで」
P「……加蓮。そろそろさ」
加蓮「まだまだダーメ……もうちょっと……」
幸子「……(いいなぁいいなぁ羨ましいなぁ……)」
P「(幸子から変なオーラが……)」
42: ミガサ 2013/05/30(木) 21:54:32.67 ID:TL5vfmV90
加蓮「うにゅ……あれ、Pさん?」
P「……加蓮」
加蓮「あ、Pさん。おはよぉ……」
P「お前な……もう喫茶店営業できねぇよ」
加蓮「もうそんな時間ー……?」
P「はぁ、送ってやるからそろそろさ」
加蓮「んー……仕方ないなぁ」
P「ふぅ、やっと動ける」
加蓮「え?もしかしてずっと膝枕しててくれたの?」
P「当たり前だろ」
加蓮「そっか……ありがと」
P「いつものことだ」
P「……加蓮」
加蓮「あ、Pさん。おはよぉ……」
P「お前な……もう喫茶店営業できねぇよ」
加蓮「もうそんな時間ー……?」
P「はぁ、送ってやるからそろそろさ」
加蓮「んー……仕方ないなぁ」
P「ふぅ、やっと動ける」
加蓮「え?もしかしてずっと膝枕しててくれたの?」
P「当たり前だろ」
加蓮「そっか……ありがと」
P「いつものことだ」
44: ミガサ 2013/05/30(木) 21:56:34.89 ID:TL5vfmV90
加蓮「ねぇ、Pさん」
P「なんだ?」
加蓮「私ね、もうすぐ手術があるんだ」
P「何!?お前、外出歩いて大丈夫なのか?!今すぐ車に乗れ!病院行く―――」
加蓮「ふふ、冗談」
P「冗談かよ……お前のそれは冗談に聞こえないから、やめろとあれ程」
加蓮「ごめんね。久しぶりに……このやり取りがやりたくてさ」
P「……そうか」
P「なんだ?」
加蓮「私ね、もうすぐ手術があるんだ」
P「何!?お前、外出歩いて大丈夫なのか?!今すぐ車に乗れ!病院行く―――」
加蓮「ふふ、冗談」
P「冗談かよ……お前のそれは冗談に聞こえないから、やめろとあれ程」
加蓮「ごめんね。久しぶりに……このやり取りがやりたくてさ」
P「……そうか」
45: ミガサ 2013/05/30(木) 21:59:15.61 ID:TL5vfmV90
加蓮「聞いてもいい?」
P「何を?」
加蓮「もし、私がまた倒れたら……その時はさ」
加蓮「私のとこに、いつもみたいに、真っ先に駆けつけてくれる?」
P「当たり前だろ。加蓮は大切だからな」
加蓮「……うん、今はその言葉で満足だよ」
加蓮「私も、ね?」
加蓮「Pさんのこと、大切に思ってるから―――それだけは知っておいて!」
次に喫茶店を訪れるアイドル >>+4
P「何を?」
加蓮「もし、私がまた倒れたら……その時はさ」
加蓮「私のとこに、いつもみたいに、真っ先に駆けつけてくれる?」
P「当たり前だろ。加蓮は大切だからな」
加蓮「……うん、今はその言葉で満足だよ」
加蓮「私も、ね?」
加蓮「Pさんのこと、大切に思ってるから―――それだけは知っておいて!」
次に喫茶店を訪れるアイドル >>+4
46: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 21:59:44.11 ID:J7huPZgAo
みく 前
47: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 21:59:48.05 ID:+yeUkArW0
聖 前
48: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 21:59:51.89 ID:8/MpV0sAO
きらり 前
49: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 21:59:55.02 ID:qG/DG/JAO
ゆかり 前
54: ミガサ 2013/05/30(木) 22:04:25.93 ID:TL5vfmV90
―――事務所 レッスン場―――
ゆかり「……」~♪
ゆかり「……あ」~♫
ゆかり「また、音外れちゃいました……」
ゆかり「おかしい、ですね……」
ゆかり「今まで、フルートで連続で音を外したことなんて一度もなかったのに……」
ゆかり「……もう、一回」
ゆかり「……」~♪
ゆかり「……あ」~♫
ゆかり「また、音外れちゃいました……」
ゆかり「おかしい、ですね……」
ゆかり「今まで、フルートで連続で音を外したことなんて一度もなかったのに……」
ゆかり「……もう、一回」
55: ミガサ 2013/05/30(木) 22:07:01.61 ID:TL5vfmV90
ゆかり「……」~♪
ゆかり「……」~♫
ゆかり「……おかしい、な……」
ゆかり「どうしても……【愛してる】のとこで、音が外れちゃう……」
ゆかり「……Pさん」
ゆかり「私、どうしたらいいんですか……?」
ゆかり「何度も、夢に見てしまうんです」
ゆかり「あなたがいなくなった、あの日を……」
ゆかり「……」~♫
ゆかり「……おかしい、な……」
ゆかり「どうしても……【愛してる】のとこで、音が外れちゃう……」
ゆかり「……Pさん」
ゆかり「私、どうしたらいいんですか……?」
ゆかり「何度も、夢に見てしまうんです」
ゆかり「あなたがいなくなった、あの日を……」
56: ミガサ 2013/05/30(木) 22:10:10.90 ID:TL5vfmV90
ゆかり「おかげで、昼寝もできません……」
ゆかり「演劇にも……力が、入らない……」
ゆかり「アイドルも、辞めてしまいそうで」
ゆかり「どうしたら、いいんですか?」
ゆかり「……答えて、くださいよ」
ゆかり「Pさん……っ……」
ゆかり「私、何もできなくなっちゃう……!」カランカラン
桃華「ゆかりさん!!」
ゆかり「……桃華、ちゃん?」
ゆかり「演劇にも……力が、入らない……」
ゆかり「アイドルも、辞めてしまいそうで」
ゆかり「どうしたら、いいんですか?」
ゆかり「……答えて、くださいよ」
ゆかり「Pさん……っ……」
ゆかり「私、何もできなくなっちゃう……!」カランカラン
桃華「ゆかりさん!!」
ゆかり「……桃華、ちゃん?」
57: ミガサ 2013/05/30(木) 22:12:34.07 ID:TL5vfmV90
桃華「探しましたの」
ゆかり「……鍵、かかっていたはずなんですけど」
桃華「ちひろさんに開けてもらいましたの」
ゆかり「……」
桃華「いつから寝てませんの?」
ゆかり「……一週間くらい、前から……ですかね」
桃華「……ゆかりさん、行きますわよ」
ゆかり「どこに、ですか」
桃華「貴方が望んだ人がいる場所、ですわ」
ゆかり「私が望んだ……人……?」
ゆかり「……鍵、かかっていたはずなんですけど」
桃華「ちひろさんに開けてもらいましたの」
ゆかり「……」
桃華「いつから寝てませんの?」
ゆかり「……一週間くらい、前から……ですかね」
桃華「……ゆかりさん、行きますわよ」
ゆかり「どこに、ですか」
桃華「貴方が望んだ人がいる場所、ですわ」
ゆかり「私が望んだ……人……?」
58: ミガサ 2013/05/30(木) 22:15:14.47 ID:TL5vfmV90
―――P喫茶店―――
P「いらっしゃいませ」
桃華「Pちゃま!そこに座るですの!」
P「え、いきなりなんだ?桃華」
桃華「いいからそこに座るですの!早く!」
P「え、あ、はい」ストッ
桃華「ゆかりさん!そこに横になるですの!!」
ゆかり「は、はい……?」
桃華「いいから早く!!」
ゆかり「は、はい!」
P「いらっしゃいませ」
桃華「Pちゃま!そこに座るですの!」
P「え、いきなりなんだ?桃華」
桃華「いいからそこに座るですの!早く!」
P「え、あ、はい」ストッ
桃華「ゆかりさん!そこに横になるですの!!」
ゆかり「は、はい……?」
桃華「いいから早く!!」
ゆかり「は、はい!」
59: ミガサ 2013/05/30(木) 22:19:20.63 ID:TL5vfmV90
P「ゆ、ゆかり。これはどういうことだ?」
ゆかり「わ、わからない……です、けど」
ゆかり「……P、さん?」
P「おう、そうだ」
ゆかり「……Pさん。Pさん。Pさん……」
P「お、おう?」
ゆかり「……ふふふ」
ゆかり「あの……ごめんなさい……眠たいので……少し……眠ります……」
P「あ、ああ」
P「(なんで二日連続で女の子に膝枕してんの俺?)」
ゆかり「わ、わからない……です、けど」
ゆかり「……P、さん?」
P「おう、そうだ」
ゆかり「……Pさん。Pさん。Pさん……」
P「お、おう?」
ゆかり「……ふふふ」
ゆかり「あの……ごめんなさい……眠たいので……少し……眠ります……」
P「あ、ああ」
P「(なんで二日連続で女の子に膝枕してんの俺?)」
61: ミガサ 2013/05/30(木) 22:21:42.98 ID:TL5vfmV90
桃華「Pちゃま」
P「……なんだ?」
桃華「ゆかりさんは……一週間、寝てませんの」
P「……えっ」
桃華「……あとは、お願いしますわね。私じゃ、できないことですので」
P「……おう」
桃華「大丈夫、Pちゃまなら出来ますわよ」
P「任せとけ」
桃華「そのいきですの。では」
P「……なんだ?」
桃華「ゆかりさんは……一週間、寝てませんの」
P「……えっ」
桃華「……あとは、お願いしますわね。私じゃ、できないことですので」
P「……おう」
桃華「大丈夫、Pちゃまなら出来ますわよ」
P「任せとけ」
桃華「そのいきですの。では」
64: ミガサ 2013/05/30(木) 22:23:28.47 ID:TL5vfmV90
ゆかり「……おはようございます。Pさん」
P「おはよう。ゆかり」
ゆかり「私、夢を見たんです」
P「どんな?」
ゆかり「Pさんが、いなくなってしまう夢……」
P「……そうか」
ゆかり「怖くて、悲しくて、淋しいんです」
ゆかり「でも、今日は違ったんです」
P「おはよう。ゆかり」
ゆかり「私、夢を見たんです」
P「どんな?」
ゆかり「Pさんが、いなくなってしまう夢……」
P「……そうか」
ゆかり「怖くて、悲しくて、淋しいんです」
ゆかり「でも、今日は違ったんです」
65: ミガサ 2013/05/30(木) 22:27:10.66 ID:TL5vfmV90
ゆかり「今日は、Pさんがいなくならなかったんです」
ゆかり「私の傍にいるって、言ってくれたんです」
P「……」
ゆかり「Pさん。その約束、本当にしてくれますか?」
P「……ああ。約束するよ」
ゆかり「……ふふふ、ありがとう、ございます」
P「ただ、誰かを特定の一番にはできないけどな」
ゆかり「そう言うと思ってました。でも、いずれ、私が一番になってみせますから……」
66: ミガサ 2013/05/30(木) 22:29:13.51 ID:TL5vfmV90
P「なぁゆかり。フルート、聞かせてくれないか?」
ゆかり「……なんでですか?」
P「俺が久しぶりに聞きたいから、じゃダメかな?」
ゆかり「……わかりました。でも、音、外しちゃうかもしれませんよ?」
P「大丈夫さ。ゆかりなら」
ゆかり「その期待に応えられるように、頑張りますね」
P「おう」
ゆかり「……なんでですか?」
P「俺が久しぶりに聞きたいから、じゃダメかな?」
ゆかり「……わかりました。でも、音、外しちゃうかもしれませんよ?」
P「大丈夫さ。ゆかりなら」
ゆかり「その期待に応えられるように、頑張りますね」
P「おう」
67: ミガサ 2013/05/30(木) 22:33:49.79 ID:TL5vfmV90
ゆかり「……」~♪
ゆかり「……」~♪
ゆかり「……よかった。音、外さなかった」
P「な?大丈夫って言ったろ?」
ゆかり「……はい。もう、大丈夫です」
ゆかり「Pさん、約束ですよ?」
ゆかり「ずっと……傍に、いてくださいね?」
ゆかり「(もう……【愛してる】の音は、外しませんから)」
次に訪れるアイドル >>+4
ゆかり「……」~♪
ゆかり「……よかった。音、外さなかった」
P「な?大丈夫って言ったろ?」
ゆかり「……はい。もう、大丈夫です」
ゆかり「Pさん、約束ですよ?」
ゆかり「ずっと……傍に、いてくださいね?」
ゆかり「(もう……【愛してる】の音は、外しませんから)」
次に訪れるアイドル >>+4
68: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 22:34:00.87 ID:EOpbZNDH0
小梅 後
69: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 22:34:14.75 ID:+yeUkArW0
奏 前
70: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 22:34:17.02 ID:qG/DG/JAO
奏 前
71: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 22:34:17.37 ID:aXbAJPqUo
ニナチャーン 前
76: ミガサ 2013/05/30(木) 22:37:37.73 ID:TL5vfmV90
―――女子寮 仁奈の部屋―――
仁奈「……できたでごぜーます!」
仁奈「パパと、ママと、Pの着包み……」
仁奈「これで、みーんな仲良く暮らせるでごぜーます!」
仁奈「……」
仁奈「……ううう」
仁奈「……ぐすっ、ひぐっ、うぐっ」
仁奈「みんな、仲良く、笑顔、で……うぐっ、えぐっ」
仁奈「……できたでごぜーます!」
仁奈「パパと、ママと、Pの着包み……」
仁奈「これで、みーんな仲良く暮らせるでごぜーます!」
仁奈「……」
仁奈「……ううう」
仁奈「……ぐすっ、ひぐっ、うぐっ」
仁奈「みんな、仲良く、笑顔、で……うぐっ、えぐっ」
77: ミガサ 2013/05/30(木) 22:40:09.31 ID:TL5vfmV90
仁奈「……これを着れば、Pの気持ちになれるですかね」
仁奈「……無理、ですね」
仁奈「仁奈はもう……何の気持ちにもなれねーですから」
仁奈「なんの着包み着ても、悲しい気持ちになってしまうでごぜーます」
仁奈「……プロデューサーの……嘘つき」
仁奈「仁奈は今……寂しい、でごぜーますよ……」
仁奈「……無理、ですね」
仁奈「仁奈はもう……何の気持ちにもなれねーですから」
仁奈「なんの着包み着ても、悲しい気持ちになってしまうでごぜーます」
仁奈「……プロデューサーの……嘘つき」
仁奈「仁奈は今……寂しい、でごぜーますよ……」
78: ミガサ 2013/05/30(木) 22:43:45.72 ID:TL5vfmV90
薫「仁奈ちゃん!お邪魔しまーす!」
仁奈「薫でごぜーますか。いらっしゃいでごぜーます」
薫「あれ?仁奈ちゃん……着包み、着てないの?」
仁奈「……今は、そんな気分じゃねーでごぜーます」
薫「そっか……あ、仁奈ちゃん!せんせぇの着包み、できたの?」
仁奈「できやがったでごぜーますよ。ここにあるでごぜーます」ストッ
薫「わぁ!よくできてるね!」
仁奈「……ありがとう、ごぜーます」
仁奈「薫でごぜーますか。いらっしゃいでごぜーます」
薫「あれ?仁奈ちゃん……着包み、着てないの?」
仁奈「……今は、そんな気分じゃねーでごぜーます」
薫「そっか……あ、仁奈ちゃん!せんせぇの着包み、できたの?」
仁奈「できやがったでごぜーますよ。ここにあるでごぜーます」ストッ
薫「わぁ!よくできてるね!」
仁奈「……ありがとう、ごぜーます」
79: ミガサ 2013/05/30(木) 22:46:34.14 ID:TL5vfmV90
薫「でもねでもね!仁奈ちゃん、もう、大丈夫なんだよ!」
仁奈「何がでごぜーますか?」
薫「せんせぇね!見つけたの!」
仁奈「……本当でやがりますか?!」
薫「本当だよ!ほら、行こ!」
仁奈「あ、待つでごぜーます……着替えてくるでごぜーます」
薫「うん!やっぱり、仁奈ちゃんは着包みの方が、可愛いと思う!」
仁奈「……ふふふっ!そうでやがりますよ。仁奈のトレードマークでやがりますからね!」
仁奈「何がでごぜーますか?」
薫「せんせぇね!見つけたの!」
仁奈「……本当でやがりますか?!」
薫「本当だよ!ほら、行こ!」
仁奈「あ、待つでごぜーます……着替えてくるでごぜーます」
薫「うん!やっぱり、仁奈ちゃんは着包みの方が、可愛いと思う!」
仁奈「……ふふふっ!そうでやがりますよ。仁奈のトレードマークでやがりますからね!」
80: ミガサ 2013/05/30(木) 22:48:51.28 ID:TL5vfmV90
―――P喫茶点―――
薫「せんせぇ!仁奈ちゃん連れてきたよ!」
P「おう、薫いらっしゃい。仁奈も」
仁奈「……本当に、Pでごぜーますよ」
P「ああそっか。仁奈にはまだ伝えてなかったもんな」
仁奈「……P。一ついいでごぜーますか?」
P「なんだ?」
仁奈「仁奈は、寂しかったごぜーます!」モフッ
P「ごふっ」
薫「せんせぇ!仁奈ちゃん連れてきたよ!」
P「おう、薫いらっしゃい。仁奈も」
仁奈「……本当に、Pでごぜーますよ」
P「ああそっか。仁奈にはまだ伝えてなかったもんな」
仁奈「……P。一ついいでごぜーますか?」
P「なんだ?」
仁奈「仁奈は、寂しかったごぜーます!」モフッ
P「ごふっ」
81: ミガサ 2013/05/30(木) 22:52:14.36 ID:TL5vfmV90
仁奈「仁奈は、Pがいなくなってから、ずっと寂しかったでごぜーます!」モフモフッ
P「ごふっ、ぐふっ」
仁奈「だけど、一生懸命がんばったでごぜーます!!」モフッ
仁奈「だから、だから、だから……」
仁奈「Pに……褒めてほしいでやがります……」ポロポロ
P「……よくやったよ。仁奈。お前は頑張った。……心配かけて、寂しくさせて、ごめんな」
仁奈「……に、仁奈は、泣かないで、ごぜーます」ボロボロ
P「いいから泣け。お前は強い子なんだから。こういう時に泣いとけ」
仁奈「う、うわあああん!P、寂しかったでごぜーますよ!!わあああああああん!!」
P「ごふっ、ぐふっ」
仁奈「だけど、一生懸命がんばったでごぜーます!!」モフッ
仁奈「だから、だから、だから……」
仁奈「Pに……褒めてほしいでやがります……」ポロポロ
P「……よくやったよ。仁奈。お前は頑張った。……心配かけて、寂しくさせて、ごめんな」
仁奈「……に、仁奈は、泣かないで、ごぜーます」ボロボロ
P「いいから泣け。お前は強い子なんだから。こういう時に泣いとけ」
仁奈「う、うわあああん!P、寂しかったでごぜーますよ!!わあああああああん!!」
82: ミガサ 2013/05/30(木) 22:55:04.45 ID:TL5vfmV90
仁奈「P!リンゴジュースでごぜーます!」
薫「かおるはオレンジジュースがいいな!」
P「はいはい」
幸子「あのー。Pさん」
P「なんだ?」
幸子「あのPさんの着包み……どうするんですか?」
P「え?店に飾るに決まってんだろ?」
幸子「……本気で言ってます?」
薫「かおるはオレンジジュースがいいな!」
P「はいはい」
幸子「あのー。Pさん」
P「なんだ?」
幸子「あのPさんの着包み……どうするんですか?」
P「え?店に飾るに決まってんだろ?」
幸子「……本気で言ってます?」
83: ミガサ 2013/05/30(木) 22:58:33.29 ID:TL5vfmV90
P「だって仁奈が作ってくれたもんだからな。当たり前だろ」
幸子「……Pさんがいいならいいんですけど」
雪美「(欲しい……)」
仁奈「早くするでごぜーますよ!Pは今日、仁奈のパパでごぜーますからね!」
P「はいはい。そうだな。ほら仁奈に薫」コトッ
薫「わーい!ありがと、おとーさん!」
仁奈「ありがとうでごぜーます、おとーさん!」
雪美「……あーゆーのも、あり?」
幸子「なしです」
幸子「……Pさんがいいならいいんですけど」
雪美「(欲しい……)」
仁奈「早くするでごぜーますよ!Pは今日、仁奈のパパでごぜーますからね!」
P「はいはい。そうだな。ほら仁奈に薫」コトッ
薫「わーい!ありがと、おとーさん!」
仁奈「ありがとうでごぜーます、おとーさん!」
雪美「……あーゆーのも、あり?」
幸子「なしです」
84: ミガサ 2013/05/30(木) 23:01:00.58 ID:TL5vfmV90
仁奈「P!」
P「ん?お父さんじゃないのか?」
仁奈「今は違うでやがりますよ」
仁奈「でも」
仁奈「いつかは、Pも、仁奈と本物の家族になってくれると嬉しいでごぜーます!」
今日はここで御終い。個人的に上手く書けなかったゆかりちゃんリベンジしたい……
安価だけ投げときます。 >>+3
P「ん?お父さんじゃないのか?」
仁奈「今は違うでやがりますよ」
仁奈「でも」
仁奈「いつかは、Pも、仁奈と本物の家族になってくれると嬉しいでごぜーます!」
今日はここで御終い。個人的に上手く書けなかったゆかりちゃんリベンジしたい……
安価だけ投げときます。 >>+3
85: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 23:01:15.27 ID:60DmGoLEo
杏 前
86: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 23:01:21.30 ID:N9edzFaSO
ちゃんみお 前
87: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 23:01:21.65 ID:+aKJxxauo
島村さん 前
103: ミガサ 2013/05/31(金) 20:45:41.05 ID:W05t7CI40
―――事務所―――
ちひろ「卯月ちゃん」
卯月「なんですか?」
ちひろ「今日のレッスンなんですけど……凛ちゃんはまたお休みみたいで」
卯月「はい……わかりました」
ちひろ「ごめんなさいね。落ち着くまで待ってあげて」
卯月「わかってます。未央ちゃんと一緒に、レッスン頑張ります!」
ちひろ「卯月ちゃん」
卯月「なんですか?」
ちひろ「今日のレッスンなんですけど……凛ちゃんはまたお休みみたいで」
卯月「はい……わかりました」
ちひろ「ごめんなさいね。落ち着くまで待ってあげて」
卯月「わかってます。未央ちゃんと一緒に、レッスン頑張ります!」
104: ミガサ 2013/05/31(金) 20:49:29.15 ID:W05t7CI40
卯月「今日も頑張ろう!未央ちゃん!」
未央「うん……」
卯月「どうしたの?元気ないみたい……」
未央「そういう卯月は元気だね……」
卯月「えへへ~。今日ね、欲しかったCDが手に入ったの!」
未央「……そっか」
未央「うん……」
卯月「どうしたの?元気ないみたい……」
未央「そういう卯月は元気だね……」
卯月「えへへ~。今日ね、欲しかったCDが手に入ったの!」
未央「……そっか」
105: ミガサ 2013/05/31(金) 20:52:13.46 ID:W05t7CI40
卯月「ほらほら!ワン、ツー!ワン、ツー!」
未央「ワン、ツー……」
卯月「ここでターン!」
未央「ターン……」
卯月「あ、今日のレッスンはこれで御終いだね!」
未央「……そうだね」
卯月「それじゃあね未央ちゃん!また明日~!」
未央「……なんで」
卯月「え?」
未央「ワン、ツー……」
卯月「ここでターン!」
未央「ターン……」
卯月「あ、今日のレッスンはこれで御終いだね!」
未央「……そうだね」
卯月「それじゃあね未央ちゃん!また明日~!」
未央「……なんで」
卯月「え?」
106: ミガサ 2013/05/31(金) 20:56:22.33 ID:W05t7CI40
未央「なんで卯月は……そんなに元気でいられるの?」
卯月「だって、元気で頑張るのが、私、島村卯月だし……」
未央「そうじゃないよ!!なんでPさんがいなくなっても、そうやって元気でいられるの?!」
卯月「それは……」
卯月「……ごめん。帰るね」バタンッ
未央「卯月っ!」
卯月「……私だって」
卯月「私だって、本当の、本当に、元気でいられるわけ……ないよ」
卯月「だって、元気で頑張るのが、私、島村卯月だし……」
未央「そうじゃないよ!!なんでPさんがいなくなっても、そうやって元気でいられるの?!」
卯月「それは……」
卯月「……ごめん。帰るね」バタンッ
未央「卯月っ!」
卯月「……私だって」
卯月「私だって、本当の、本当に、元気でいられるわけ……ないよ」
107: ミガサ 2013/05/31(金) 21:02:37.04 ID:W05t7CI40
―――女子寮 卯月の部屋―――
卯月「……はぁ」
卯月「元気でいるのって……こんなに、疲れたっけ……」
卯月「……いつも笑顔で頑張ります!島村卯月です!」
卯月「よし、大丈夫。まだまだ行けるよ、頑張れ島村卯月!」
卯月「……寝よう……」
プルルルルル
卯月「……電話?」
卯月「……はぁ」
卯月「元気でいるのって……こんなに、疲れたっけ……」
卯月「……いつも笑顔で頑張ります!島村卯月です!」
卯月「よし、大丈夫。まだまだ行けるよ、頑張れ島村卯月!」
卯月「……寝よう……」
プルルルルル
卯月「……電話?」
108: ミガサ 2013/05/31(金) 21:04:54.50 ID:W05t7CI40
卯月「……もしもし」
菜々『もしもし……ナナですけど』
卯月「菜々、さん?」
菜々『はい。……卯月ちゃん、ですよね?』
卯月「そう、ですけど」
菜々『……本当に、卯月ちゃんですか?』
卯月「……はい」
菜々『もしもし……ナナですけど』
卯月「菜々、さん?」
菜々『はい。……卯月ちゃん、ですよね?』
卯月「そう、ですけど」
菜々『……本当に、卯月ちゃんですか?』
卯月「……はい」
109: ミガサ 2013/05/31(金) 21:08:53.53 ID:W05t7CI40
菜々『大丈夫、ですか?』
卯月「何が、ですか?」
菜々『……最近、泣いていますか?』
卯月「……泣けるわけ、ないじゃないですか」
卯月「私は……ニュージェネレーションの中で……一番、お姉さん……なんですから」
菜々『……今から指定するところに来てください』
卯月「……なんでですか?」
菜々『なんでもです。今の卯月ちゃんの声は聞いてられません』
卯月「……」
卯月「何が、ですか?」
菜々『……最近、泣いていますか?』
卯月「……泣けるわけ、ないじゃないですか」
卯月「私は……ニュージェネレーションの中で……一番、お姉さん……なんですから」
菜々『……今から指定するところに来てください』
卯月「……なんでですか?」
菜々『なんでもです。今の卯月ちゃんの声は聞いてられません』
卯月「……」
110: ミガサ 2013/05/31(金) 21:12:19.77 ID:W05t7CI40
―――P喫茶店前―――
卯月「……こんなところに呼び出して、なんのご用ですか?」
菜々「いえ。存分に泣かせてあげようと思いまして」
卯月「その言葉だけ聞くと、随分と悪趣味ですね……」
菜々「ナナは意地悪ですので」
卯月「……」
菜々「それじゃ、入りましょう」
卯月「……こんなところに呼び出して、なんのご用ですか?」
菜々「いえ。存分に泣かせてあげようと思いまして」
卯月「その言葉だけ聞くと、随分と悪趣味ですね……」
菜々「ナナは意地悪ですので」
卯月「……」
菜々「それじゃ、入りましょう」
111: ミガサ 2013/05/31(金) 21:14:55.52 ID:W05t7CI40
―――P喫茶店―――
菜々「こんにちは~」
P「はい、菜々さんいらっしゃいませ」
菜々「なんでさん付けなんですか」
P「なんとなくです。で……いらっしゃい。卯月」
卯月「……え?」
菜々「ナナと卯月ちゃんにミルクティーお願いします!」
P「はいはい。まぁ、卯月の前ではウサミン茶は飲めませんからね」
卯月「え、え、え?な、なんで?」
菜々「こんにちは~」
P「はい、菜々さんいらっしゃいませ」
菜々「なんでさん付けなんですか」
P「なんとなくです。で……いらっしゃい。卯月」
卯月「……え?」
菜々「ナナと卯月ちゃんにミルクティーお願いします!」
P「はいはい。まぁ、卯月の前ではウサミン茶は飲めませんからね」
卯月「え、え、え?な、なんで?」
112: ミガサ 2013/05/31(金) 21:17:09.16 ID:W05t7CI40
P「なんでって……菜々さん説明してないんですか?」
菜々「だってここはナナの秘密の場所でしたし」
P「あのですね……」
卯月「本当に、プロデューサーですか?」
P「そうだけど」
卯月「なんで、こんなところに?」
P「ここのオーナーだからだな」
卯月「……えええええ?!」
菜々「だってここはナナの秘密の場所でしたし」
P「あのですね……」
卯月「本当に、プロデューサーですか?」
P「そうだけど」
卯月「なんで、こんなところに?」
P「ここのオーナーだからだな」
卯月「……えええええ?!」
113: ミガサ 2013/05/31(金) 21:19:34.15 ID:W05t7CI40
卯月「き、喫茶店なんてやってたんですか?!」
P「お、おう。そんなに驚くことか?」
卯月「驚きますよ!だって、だって、だって……」ポロポロポロポロ
P「え、ちょ、菜々さん?!」
菜々「……泣かせてあげてください」
P「……」
菜々「あと……頑張ってた卯月ちゃんを、ちゃんと褒めてあげてください」
卯月「う、うええええ……プロデューサー、プロデューサー……」
P「お、おう。そんなに驚くことか?」
卯月「驚きますよ!だって、だって、だって……」ポロポロポロポロ
P「え、ちょ、菜々さん?!」
菜々「……泣かせてあげてください」
P「……」
菜々「あと……頑張ってた卯月ちゃんを、ちゃんと褒めてあげてください」
卯月「う、うええええ……プロデューサー、プロデューサー……」
114: ミガサ 2013/05/31(金) 21:22:39.55 ID:W05t7CI40
P「……卯月」ナデナデ
卯月「ふええええ……」
P「……心配かけた。ごめんな」
卯月「ううう、うっぐひっぐえっぐ」
P「あと……頑張ったな。ここまで、よく頑張った」
卯月「はい…えぐっ…私、頑張りました……っ!ひぐっ」
P「よしよし」
卯月「ふええええ……」
P「……心配かけた。ごめんな」
卯月「ううう、うっぐひっぐえっぐ」
P「あと……頑張ったな。ここまで、よく頑張った」
卯月「はい…えぐっ…私、頑張りました……っ!ひぐっ」
P「よしよし」
115: ミガサ 2013/05/31(金) 21:24:19.33 ID:W05t7CI40
卯月「……さって!」
P「もういいのか?」
卯月「はい!不肖、島村卯月心配をかけました!」
菜々「本当はちひろさんからのリークだったんですけどね」
P「リークって……」
卯月「えへへ……ごめんなさい」ペコッ
P「もういいのか?」
卯月「はい!不肖、島村卯月心配をかけました!」
菜々「本当はちひろさんからのリークだったんですけどね」
P「リークって……」
卯月「えへへ……ごめんなさい」ペコッ
116: ミガサ 2013/05/31(金) 21:27:28.39 ID:W05t7CI40
P「送っていこうか?」
卯月「大丈夫です!」
菜々「まぁ、菜々もついていきますし……」
P「菜々さんも女の子なんですから、心配ですし送りますよ」
菜々「え?あ、ありがとう……ございます……///」
卯月「むぅ、私も女の子なんですからねー!」
P「それじゃ、車出すから―――」
卯月「Pさん!」
P「ん?」
卯月「恋も勉強もアイドルも!全部まとめて、島村卯月頑張りますっ!」
卯月「だから……これからも、応援しててくださいねっ♪」
次に訪れるアイドル >>+5
卯月「大丈夫です!」
菜々「まぁ、菜々もついていきますし……」
P「菜々さんも女の子なんですから、心配ですし送りますよ」
菜々「え?あ、ありがとう……ございます……///」
卯月「むぅ、私も女の子なんですからねー!」
P「それじゃ、車出すから―――」
卯月「Pさん!」
P「ん?」
卯月「恋も勉強もアイドルも!全部まとめて、島村卯月頑張りますっ!」
卯月「だから……これからも、応援しててくださいねっ♪」
次に訪れるアイドル >>+5
117: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/31(金) 21:27:50.31 ID:rx4Sk7Yk0
しおみー
118: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/31(金) 21:27:52.87 ID:DoE4F+kO0
奏 前
119: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/31(金) 21:27:56.39 ID:bqwUz7iAO
きらり 前
120: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/31(金) 21:28:02.16 ID:7LDzkLaWo
あいさん 後
121: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/31(金) 21:28:04.91 ID:SxX+xHzHo
美波 前
127: ミガサ 2013/05/31(金) 21:34:50.49 ID:W05t7CI40
―――女子寮 美波の部屋―――
美波「……これは……初Liveの時の衣装……」
美波「これは、いらないかな……」
美波「……ふふっ、制服なんて、いつぶりに着ただろ」
美波「サマーライブの衣装……懐かしいな」
美波「……はぁ……」
美波「掃除でもして心を落ち着けようと思ったけど……ダメ、だな……」
美波「Pさんとの思い出の品が出てくるたびに……」
美波「……これは……初Liveの時の衣装……」
美波「これは、いらないかな……」
美波「……ふふっ、制服なんて、いつぶりに着ただろ」
美波「サマーライブの衣装……懐かしいな」
美波「……はぁ……」
美波「掃除でもして心を落ち着けようと思ったけど……ダメ、だな……」
美波「Pさんとの思い出の品が出てくるたびに……」
130: ミガサ 2013/05/31(金) 21:38:04.24 ID:W05t7CI40
美波「……んっ……っと。ダメダメ、掃除に集中しなきゃ」
美波「……」
美波「……このくらい、かな……」
美波「元々、物が少ない部屋だし……」
美波「……何しよう。今日はオフだし、暇だな……」
美波「気分転換に……外、出てみよう……」
131: ミガサ 2013/05/31(金) 21:42:02.62 ID:W05t7CI40
茄子「~♪」
美波「あ……茄子さん」
茄子「あ、美波ちゃんじゃないですか~」
美波「どこかにお出かけですか?」
茄子「はい。美味しい紅茶を出してくれるところに」
美波「……あの、一緒に行ってもいいですか?」
茄子「大丈夫だと思います~」
美波「思います……?」
茄子「あ、いえいえ。こちらの話です」
茄子「(Pさん大変ですね……)」
美波「あ……茄子さん」
茄子「あ、美波ちゃんじゃないですか~」
美波「どこかにお出かけですか?」
茄子「はい。美味しい紅茶を出してくれるところに」
美波「……あの、一緒に行ってもいいですか?」
茄子「大丈夫だと思います~」
美波「思います……?」
茄子「あ、いえいえ。こちらの話です」
茄子「(Pさん大変ですね……)」
132: ミガサ 2013/05/31(金) 21:43:57.63 ID:W05t7CI40
―――P喫茶店―――
P「いらっしゃいませー」
茄子「こんにちは~」
美波「……P、さん?」
P「おお、美波いらっしゃい」
茄子「今日のオススメはなんですか?」
P「えーっと。カモミールティーなんかいかがでしょ?」
茄子「じゃあそれを二つお願いします~」
美波「あ、あの。Pさん」
P「なんだ?」
P「いらっしゃいませー」
茄子「こんにちは~」
美波「……P、さん?」
P「おお、美波いらっしゃい」
茄子「今日のオススメはなんですか?」
P「えーっと。カモミールティーなんかいかがでしょ?」
茄子「じゃあそれを二つお願いします~」
美波「あ、あの。Pさん」
P「なんだ?」
133: ミガサ 2013/05/31(金) 21:46:56.34 ID:W05t7CI40
美波「もしかして、プロデューサーを辞めた理由って、これですか?」
P「おう、昔からの夢でな」
美波「……そうならそうと言ってくださればよかったのに」
P「いや、まだまだ土地の問題とかがさ……」
美波「……でもいいです。また会えたので」ニコッ
P「お、おう」
P「(あれ、また美波色っぽくなった……?)」
茄子「……むぅ」ムスッ
P「おう、昔からの夢でな」
美波「……そうならそうと言ってくださればよかったのに」
P「いや、まだまだ土地の問題とかがさ……」
美波「……でもいいです。また会えたので」ニコッ
P「お、おう」
P「(あれ、また美波色っぽくなった……?)」
茄子「……むぅ」ムスッ
135: ミガサ 2013/05/31(金) 21:50:13.63 ID:W05t7CI40
茄子「Pさん、あんまり美波ちゃんとばっかりお喋りしてると、寂しいです」ギュムッ
P「か、茄子さん!?急にどうしたんですか?!」
茄子「寂しかったんです。ダメですか?」
P「ダ、ダメというか」
美波「Pさんっ」ギューッ
P「美波?!」
美波「私もずっと寂しかったんです!だから、私の相手もしてください!」
P「わ、わかった。わかったから二人共離れて……」
P「か、茄子さん!?急にどうしたんですか?!」
茄子「寂しかったんです。ダメですか?」
P「ダ、ダメというか」
美波「Pさんっ」ギューッ
P「美波?!」
美波「私もずっと寂しかったんです!だから、私の相手もしてください!」
P「わ、わかった。わかったから二人共離れて……」
136: ミガサ 2013/05/31(金) 21:52:47.87 ID:W05t7CI40
美波「いやです。……ほら、私、ドキドキしてるんです。Pさんも、してますよね?」ギューッ
茄子「私だって……ドキドキ、してます」ギュー
P「あわわわ……」
美波「……私、寂しかったんです。慰めて……くれませんか?」
茄子「私だって寂しかったんですから、その、慰めてくれませんか?」
P「い、いやあの」
幸子「だ、ダメですー!!」
P「幸子!?」
茄子「私だって……ドキドキ、してます」ギュー
P「あわわわ……」
美波「……私、寂しかったんです。慰めて……くれませんか?」
茄子「私だって寂しかったんですから、その、慰めてくれませんか?」
P「い、いやあの」
幸子「だ、ダメですー!!」
P「幸子!?」
137: ミガサ 2013/05/31(金) 21:55:01.36 ID:W05t7CI40
幸子「慰めるって、その、あの」
茄子「頭撫でてもらおうかなって思っただけですよ?」
幸子「え」
美波「……私も、ですよ?」
幸子「え、あ、う、あの、その」
P「……頭撫でればいいんですか?」
茄子「はいっ♪」
P「じゃあ順番ですよ」ナデナデ
茄子「~♪」
美波「~♪」
幸子「~っ!も、もう知りません!!///」
茄子「頭撫でてもらおうかなって思っただけですよ?」
幸子「え」
美波「……私も、ですよ?」
幸子「え、あ、う、あの、その」
P「……頭撫でればいいんですか?」
茄子「はいっ♪」
P「じゃあ順番ですよ」ナデナデ
茄子「~♪」
美波「~♪」
幸子「~っ!も、もう知りません!!///」
140: ミガサ 2013/05/31(金) 21:57:21.14 ID:W05t7CI40
美波「……ありがとう、ございます」
P「え?何が?」
美波「その……頭撫でていただいて」
P「別に。いつものことだしな……」
美波「いつもの事……他の子にもやってるんですか?」ムスー
P「いや、まぁ……」
美波「……もう。……じゃあ、あの。またここに来た時も……頭、撫でてください」
P「……お、おう」
P「え?何が?」
美波「その……頭撫でていただいて」
P「別に。いつものことだしな……」
美波「いつもの事……他の子にもやってるんですか?」ムスー
P「いや、まぁ……」
美波「……もう。……じゃあ、あの。またここに来た時も……頭、撫でてください」
P「……お、おう」
141: ミガサ 2013/05/31(金) 22:00:26.50 ID:W05t7CI40
美波「あとですね、Pさん」
P「他にもあるのか?」
美波「一つ、重要なことを」
P「重要なこと?」
美波「……ずっと、私を、大事にしてくださいね?」
美波「私、待ってますから♪」
次に訪れるアイドル >>+3
P「他にもあるのか?」
美波「一つ、重要なことを」
P「重要なこと?」
美波「……ずっと、私を、大事にしてくださいね?」
美波「私、待ってますから♪」
次に訪れるアイドル >>+3
142: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/31(金) 22:00:59.91 ID:mTicue1AO
奏 前
143: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/31(金) 22:01:00.61 ID:DoE4F+kO0
奏 前
144: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/31(金) 22:01:04.24 ID:3ViTCSUHo
藍子で前
149: ミガサ 2013/05/31(金) 22:06:40.11 ID:W05t7CI40
―――事務所―――
藍子「……ふぅ」
ちひろ「お疲れ様、藍子ちゃん」
藍子「いえいえ」
ちひろ「幼少年組の子達の世話なんて……いつもはPさんがやってくれていたのにね」
藍子「Pさんにも、事情があったんですよ」
ちひろ「(まさか喫茶店やってるなんて言えないわよね……)」
藍子「それじゃすみません。失礼しますね」
ちひろ「ありがとね、藍子ちゃん」
藍子「……ふぅ」
ちひろ「お疲れ様、藍子ちゃん」
藍子「いえいえ」
ちひろ「幼少年組の子達の世話なんて……いつもはPさんがやってくれていたのにね」
藍子「Pさんにも、事情があったんですよ」
ちひろ「(まさか喫茶店やってるなんて言えないわよね……)」
藍子「それじゃすみません。失礼しますね」
ちひろ「ありがとね、藍子ちゃん」
150: ミガサ 2013/05/31(金) 22:09:46.36 ID:W05t7CI40
藍子「……」
藍子「あ、この風景……」カシャッ
藍子「……」ピッピッ
藍子「Pさんがいれば、もっと映えたのかな……」
藍子「……Pさんに見せてあげたい風景……まだまだ沢山、あるのにな」
藍子「あ、この風景……」カシャッ
藍子「……」ピッピッ
藍子「Pさんがいれば、もっと映えたのかな……」
藍子「……Pさんに見せてあげたい風景……まだまだ沢山、あるのにな」
152: ミガサ 2013/05/31(金) 22:13:07.47 ID:W05t7CI40
藍子「……ここの裏道、通ったことないな」
藍子「行ってみようかな?」
―――P喫茶店前―――
藍子「こんなところに出るんだ……」
藍子「静かで、いい場所……」
藍子「ちょうどいい場所に喫茶店もあるし、休んでいこう」
藍子「っと、その前に」カシャッ
藍子「……あれ?」ピッピッ
藍子「……P、喫茶店?」
藍子「行ってみようかな?」
―――P喫茶店前―――
藍子「こんなところに出るんだ……」
藍子「静かで、いい場所……」
藍子「ちょうどいい場所に喫茶店もあるし、休んでいこう」
藍子「っと、その前に」カシャッ
藍子「……あれ?」ピッピッ
藍子「……P、喫茶店?」
153: ミガサ 2013/05/31(金) 22:15:03.18 ID:W05t7CI40
カランコローン
P「あ、すみません。まだ準備中でして―――」
藍子「あっ……やっぱり」
P「あれ?藍子」
藍子「P喫茶店って見えたから……まさかとは思いましたけど」
P「よくここわかったな?」
藍子「……なんとなく通った道の先に、ここがあったんです」
P「そっか。変な偶然もあるもんだな」
154: ミガサ 2013/05/31(金) 22:16:39.21 ID:W05t7CI40
藍子「その……久しぶりです」
P「おう、久しぶり」
藍子「……」
P「……」
藍子「えーっと……」
P「とりあえず……何か飲むか?」
藍子「あ……はいっ」
P「おう、久しぶり」
藍子「……」
P「……」
藍子「えーっと……」
P「とりあえず……何か飲むか?」
藍子「あ……はいっ」
155: ミガサ 2013/05/31(金) 22:20:16.88 ID:W05t7CI40
藍子「……グリーンティー、ですか」
P「今できるのがそれしかなくてな」
藍子「これ、Pさんが淹れたんですか?」
P「まぁな。あんまり美味しくないかもしれないけど」
藍子「きっと美味しいですよ……」コクッ
藍子「うん、美味しいです」
P「そりゃあよかった」
P「今できるのがそれしかなくてな」
藍子「これ、Pさんが淹れたんですか?」
P「まぁな。あんまり美味しくないかもしれないけど」
藍子「きっと美味しいですよ……」コクッ
藍子「うん、美味しいです」
P「そりゃあよかった」
156: ミガサ 2013/05/31(金) 22:22:27.01 ID:W05t7CI40
藍子「それで、なんでまた喫茶店なんか?」
P「昔からの夢でさ」
藍子「料理、できないんじゃありませんでしたっけ」
P「まぁ、そのへんは優秀なバイトがだな」
藍子「バイトにばっかり頼ってたらダメですよ?」
P「そうなんだけどさ。中々上手くいかなくて……」
藍子「よかったら、教えてあげましょうか?」
P「いいのか?」
藍子「私でよろしければ」
P「昔からの夢でさ」
藍子「料理、できないんじゃありませんでしたっけ」
P「まぁ、そのへんは優秀なバイトがだな」
藍子「バイトにばっかり頼ってたらダメですよ?」
P「そうなんだけどさ。中々上手くいかなくて……」
藍子「よかったら、教えてあげましょうか?」
P「いいのか?」
藍子「私でよろしければ」
157: ミガサ 2013/05/31(金) 22:25:56.18 ID:W05t7CI40
藍子「……じゃあ、暇があれば手伝いや、お料理教えに来ますから」
P「おう、よろしくな……ってかそれじゃほとんどバイトと一緒じゃないか」
藍子「そうかもしれませんね。あ、でも、お給料とかはいらないですよ?」
P「それは悪いよ」
藍子「それじゃあ……お給料なしでいいので、その代わり、自由に写真を撮らせてください」
P「え?写真?」
藍子「はい。Pさんの写真って、結構少ないんですよ」
P「……まぁ、藍子がそれでいいなら」
藍子「はいっ。よろしくお願いします」
P「おう、よろしくな……ってかそれじゃほとんどバイトと一緒じゃないか」
藍子「そうかもしれませんね。あ、でも、お給料とかはいらないですよ?」
P「それは悪いよ」
藍子「それじゃあ……お給料なしでいいので、その代わり、自由に写真を撮らせてください」
P「え?写真?」
藍子「はい。Pさんの写真って、結構少ないんですよ」
P「……まぁ、藍子がそれでいいなら」
藍子「はいっ。よろしくお願いします」
158: ミガサ 2013/05/31(金) 22:27:52.17 ID:W05t7CI40
藍子「じゃあ早速、一枚撮らせてください」
P「え?今?」
藍子「はい!あの、ツーショットで……お願いします」
P「俺なんかでいいのか?……まぁいいけど」
藍子「じゃあ、そこに立ってください……はい、そこで」
P「なんか新鮮だな。藍子と二人で映るのなんて」
藍子「ふふ、私も何か新鮮な気持ちです」
P「え?今?」
藍子「はい!あの、ツーショットで……お願いします」
P「俺なんかでいいのか?……まぁいいけど」
藍子「じゃあ、そこに立ってください……はい、そこで」
P「なんか新鮮だな。藍子と二人で映るのなんて」
藍子「ふふ、私も何か新鮮な気持ちです」
159: ミガサ 2013/05/31(金) 22:30:19.45 ID:W05t7CI40
藍子「タイマーセットして……10……9……8……」
P「ポーズはいらないよな?」
藍子「はい。そのままでお願いします」
藍子「3……2……1……」
藍子「0っ♪」チュッ
P「は?」
藍子「さて、写真の出来を見てきますね?」
P「お、おう」
P「(今……頬に、いやいや。気のせいだよな)」
P「ポーズはいらないよな?」
藍子「はい。そのままでお願いします」
藍子「3……2……1……」
藍子「0っ♪」チュッ
P「は?」
藍子「さて、写真の出来を見てきますね?」
P「お、おう」
P「(今……頬に、いやいや。気のせいだよな)」
160: ミガサ 2013/05/31(金) 22:32:41.67 ID:W05t7CI40
藍子「よく撮れてました。よかった……」
P「そっか。俺には見せてくれないのか?」
藍子「これは私の秘密のフォルダに入れておくんです……Pさん」
P「ん?」
藍子「これからも、私と一緒に思い出を作っていってくださいね?」
藍子「このカメラで……一つ一つ、残していきますから」
途中で落ちる可能性ありますが、今日はこれで最後。
次に訪れるアイドル >>+5
P「そっか。俺には見せてくれないのか?」
藍子「これは私の秘密のフォルダに入れておくんです……Pさん」
P「ん?」
藍子「これからも、私と一緒に思い出を作っていってくださいね?」
藍子「このカメラで……一つ一つ、残していきますから」
途中で落ちる可能性ありますが、今日はこれで最後。
次に訪れるアイドル >>+5
161: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/31(金) 22:33:24.32 ID:DoE4F+kO0
久美子 前
162: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/31(金) 22:33:32.94 ID:rx4Sk7Yk0
ありす 前
163: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/31(金) 22:33:42.97 ID:mTicue1AO
奏 前
164: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/31(金) 22:33:46.80 ID:O1p/BKQb0
とときん 後
165: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/31(金) 22:33:46.90 ID:wiOGB7Yao
凛 前
171: ミガサ 2013/05/31(金) 22:36:29.92 ID:W05t7CI40
―――女子寮 凛の部屋―――
凛「……」
凛「好き、嫌い、好き、嫌い、好き……」ブチッ ブチッ
凛「ふふふ。また好きだった」
凛「大丈夫、プロデューサーは私の事が好き」
凛「でも心配だから、もう一回やっておこうかな」
凛「好き、嫌い、好き、嫌い……好き」ブチッ ブチッ
凛「えへへ……プロデューサー、そんなに好きなんだ。私のこと」
凛「……」
凛「好き、嫌い、好き、嫌い、好き……」ブチッ ブチッ
凛「ふふふ。また好きだった」
凛「大丈夫、プロデューサーは私の事が好き」
凛「でも心配だから、もう一回やっておこうかな」
凛「好き、嫌い、好き、嫌い……好き」ブチッ ブチッ
凛「えへへ……プロデューサー、そんなに好きなんだ。私のこと」
173: ミガサ 2013/05/31(金) 22:40:18.38 ID:W05t7CI40
卯月「……こ、これは……」コソコソ
ちひろ「……まさか、お見舞いにと送った花を花占いに使ってるなんて……」コソコソ
卯月「しかも……あれ、一回や二回じゃないですよ?部屋中に花びらが……」コソコソ
ちひろ「無意識に奇数枚数の花ばかり選んでるみたいね……恐ろしいわ……」コソコソ
卯月「ど、どうするんですかこれ」コソコソ
ちひろ「そんな事言われても」コソコソ
凛「……好き、嫌い、好き」ブチッ
凛「えへへ……」
ちひろ「……まさか、お見舞いにと送った花を花占いに使ってるなんて……」コソコソ
卯月「しかも……あれ、一回や二回じゃないですよ?部屋中に花びらが……」コソコソ
ちひろ「無意識に奇数枚数の花ばかり選んでるみたいね……恐ろしいわ……」コソコソ
卯月「ど、どうするんですかこれ」コソコソ
ちひろ「そんな事言われても」コソコソ
凛「……好き、嫌い、好き」ブチッ
凛「えへへ……」
176: ミガサ 2013/05/31(金) 22:43:30.00 ID:W05t7CI40
凛「好き、好き、好き、好き……」ブチッ ブチッ
卯月「偶数枚数の時は全部「好き」になってますよ……」
ちひろ「だ、誰か呼んできましょう……っていうか、もうPさん本人呼んだ方が……」
???「その心配はありませんよ!」
ちひろ「あ、あなたは!」
幸子「この可愛いボクが、凛さんをどうにかしましょう!」
卯月&ちひろ「(無理だろうなぁ……)」
凛「好き、大好き、好き、大好き……プロデューサー、大好き……」
卯月「偶数枚数の時は全部「好き」になってますよ……」
ちひろ「だ、誰か呼んできましょう……っていうか、もうPさん本人呼んだ方が……」
???「その心配はありませんよ!」
ちひろ「あ、あなたは!」
幸子「この可愛いボクが、凛さんをどうにかしましょう!」
卯月&ちひろ「(無理だろうなぁ……)」
凛「好き、大好き、好き、大好き……プロデューサー、大好き……」
179: ミガサ 2013/05/31(金) 22:46:55.93 ID:W05t7CI40
幸子「お邪魔します、凛さん」
凛「……嫌い、好き、嫌い、好き……」
幸子「凛さん。もったいないですよ。せっかくの花にそんな事したら」
凛「……幸子ちゃん、いたんだ」
幸子「はぁ。せっかく、Pさんからお届けものを預かってきたのに」
凛「……嘘」
幸子「嘘じゃないですよ」
凛「プロデューサーはいるから。そこにいるから……」
幸子「(仁奈ちゃん特製のPさん着包みじゃないですか……店にないからどこいったのかと思ったら……)」
凛「だから、プロデューサーからのお届けものなんてない」
凛「……嫌い、好き、嫌い、好き……」
幸子「凛さん。もったいないですよ。せっかくの花にそんな事したら」
凛「……幸子ちゃん、いたんだ」
幸子「はぁ。せっかく、Pさんからお届けものを預かってきたのに」
凛「……嘘」
幸子「嘘じゃないですよ」
凛「プロデューサーはいるから。そこにいるから……」
幸子「(仁奈ちゃん特製のPさん着包みじゃないですか……店にないからどこいったのかと思ったら……)」
凛「だから、プロデューサーからのお届けものなんてない」
181: ミガサ 2013/05/31(金) 22:49:55.42 ID:W05t7CI40
幸子「全くもう……凛さん。お届けもの、ここに置いておきますね」
凛「知らない」
幸子「別にいいですよ。それでは」ガチャ
卯月「えっ?!帰っちゃうの!?」
幸子「生憎と、ボクは忙しいので」
ちひろ「……何を、置いたの?」
幸子「……Pさん曰く、思い出のモノ、だそうですよ」
ちひろ「思い出の……モノ……?」
182: ミガサ 2013/05/31(金) 22:53:01.21 ID:W05t7CI40
凛「……」
凛「……プロデューサーから、贈り物」
凛「違う。机の上のあれは違う」
凛「捨てなくちゃ……早く……」
凛「……っ」ガシッ
凛「……?」
凛「……花?」
凛「……プロデューサーから、贈り物」
凛「違う。机の上のあれは違う」
凛「捨てなくちゃ……早く……」
凛「……っ」ガシッ
凛「……?」
凛「……花?」
183: ミガサ 2013/05/31(金) 22:57:41.18 ID:W05t7CI40
凛「これ……マーガレット?」
凛「……あ、あれ」ポロポロ
凛「な、なんで」ポロポロ
凛「ち、違うのに。これは、プロデューサーの……贈り物、じゃ」
P『凛。マーガレットの花言葉って知ってるか?』
凛『知らない』
凛「プロ、デューサー」
P『花屋なんだからそれくらい知っておけよ』
凛『じゃあプロデューサーは知ってるの?』
凛「……うぐ、えぐ」
P『もちろん』
P『マーガレットの花言葉はな―――【優しい思い出】と【私を覚えていて】だ』
凛「……あ、あれ」ポロポロ
凛「な、なんで」ポロポロ
凛「ち、違うのに。これは、プロデューサーの……贈り物、じゃ」
P『凛。マーガレットの花言葉って知ってるか?』
凛『知らない』
凛「プロ、デューサー」
P『花屋なんだからそれくらい知っておけよ』
凛『じゃあプロデューサーは知ってるの?』
凛「……うぐ、えぐ」
P『もちろん』
P『マーガレットの花言葉はな―――【優しい思い出】と【私を覚えていて】だ』
184: ミガサ 2013/05/31(金) 23:00:44.00 ID:W05t7CI40
凛「……プロデューサー、ごめん、なさい」
凛「私、約束、破ってた……」
凛「本当のプロデューサーのこと、忘れてた……」
凛「……ずっと、プロデューサーは覚えててくれたんだね……」
幸子「ようやく目が覚めました?」
凛「……まだ、ちょっと辛い、かな」
幸子「全く。久しぶりに外の空気でも吸ってきたらどうです?」
凛「……うん、そうする」
凛「私、約束、破ってた……」
凛「本当のプロデューサーのこと、忘れてた……」
凛「……ずっと、プロデューサーは覚えててくれたんだね……」
幸子「ようやく目が覚めました?」
凛「……まだ、ちょっと辛い、かな」
幸子「全く。久しぶりに外の空気でも吸ってきたらどうです?」
凛「……うん、そうする」
185: ミガサ 2013/05/31(金) 23:04:01.60 ID:W05t7CI40
―――P喫茶店―――
幸子「連れてきましたよ。Pさん」
P「……いらっしゃい。凛」
凛「プロ、デューサー」
P「……」ギュッ
凛「……」
P「ゴメンな。心配かけた……」
凛「心配かけたのは、こっち……だよ」
幸子「連れてきましたよ。Pさん」
P「……いらっしゃい。凛」
凛「プロ、デューサー」
P「……」ギュッ
凛「……」
P「ゴメンな。心配かけた……」
凛「心配かけたのは、こっち……だよ」
198: ミガサ 2013/06/02(日) 20:52:20.73 ID:892SHbnl0
凛「私ね、忘れようと思ってた。プロデューサーの事」
凛「忘れて、私だけのプロデューサーを私の中だけで作ろうとしてた」
凛「でも、プロデューサーが教えてくれた。プロデューサーはここにちゃんといるって」
凛「……心配かけてごめん。あと……覚えていてくれてありがと。プロデューサー」
P「こちらこそ……俺はここにいるから。もう、離れないから」ギュッ
凛「うん、うん……」ポロポロ
P「もう、離さないから……」
凛「うぅ、プロ、デューサー……」ボロボロ
幸子「(ボク空気なんですけど……)」
雪美「(仕事……するために来たら……浮気現場……)」
凛「忘れて、私だけのプロデューサーを私の中だけで作ろうとしてた」
凛「でも、プロデューサーが教えてくれた。プロデューサーはここにちゃんといるって」
凛「……心配かけてごめん。あと……覚えていてくれてありがと。プロデューサー」
P「こちらこそ……俺はここにいるから。もう、離れないから」ギュッ
凛「うん、うん……」ポロポロ
P「もう、離さないから……」
凛「うぅ、プロ、デューサー……」ボロボロ
幸子「(ボク空気なんですけど……)」
雪美「(仕事……するために来たら……浮気現場……)」
199: ミガサ 2013/06/02(日) 20:55:31.51 ID:892SHbnl0
凛「……美味しい」
P「ココアで大丈夫だったか?」
凛「うん。平気。もう落ち着いた」
P「そうか」
幸子「全く……凛さんを連れてきたボクに感謝してくださいよね!」
凛「きっかけはプロデューサーのくれたマーガレットだけどね」
幸子「ぐむむ……」
凛「でも、幸子ちゃんも……ありがと」ニコッ
幸子「え、あ……ボ、ボクは優しいので当たり前ですけどね!!」
凛「ふふっ……」
雪美「(凛……物腰、柔らかくなった……?)」
P「ココアで大丈夫だったか?」
凛「うん。平気。もう落ち着いた」
P「そうか」
幸子「全く……凛さんを連れてきたボクに感謝してくださいよね!」
凛「きっかけはプロデューサーのくれたマーガレットだけどね」
幸子「ぐむむ……」
凛「でも、幸子ちゃんも……ありがと」ニコッ
幸子「え、あ……ボ、ボクは優しいので当たり前ですけどね!!」
凛「ふふっ……」
雪美「(凛……物腰、柔らかくなった……?)」
200: ミガサ 2013/06/02(日) 20:58:10.81 ID:892SHbnl0
凛「それで、プロデューサー」
P「なんだ?」
凛「いつ結婚してくれるの?」
幸子&雪美&P『?!』
P「り、凛、落ち着け。ハイライトは……よし、あるな」
凛「落ち着いてるよ、プロデューサー」
幸子「落ち着いてる人がいきなり、「いつ結婚してくれるの?」なんて言うわけないでしょう!」
雪美「(私……濁してるけど……結構……言ってる……)」
P「なんだ?」
凛「いつ結婚してくれるの?」
幸子&雪美&P『?!』
P「り、凛、落ち着け。ハイライトは……よし、あるな」
凛「落ち着いてるよ、プロデューサー」
幸子「落ち着いてる人がいきなり、「いつ結婚してくれるの?」なんて言うわけないでしょう!」
雪美「(私……濁してるけど……結構……言ってる……)」
201: ミガサ 2013/06/02(日) 21:03:43.14 ID:892SHbnl0
凛「そうかな……?」
幸子「そうですよ!」
凛「だってさ。もうバレちゃったじゃん。私がプロデューサー大好きな事」
P「っ?!」
凛「プロデューサーいない私がダメダメだって、ちひろさんから言われたんでしょ?」
凛「いくら鈍感なプロデューサーでも、流石にこれは気づかれたなーって思ってさ」
凛「だから、もういっそ吹っ切れて、結婚はいつかなーって。ああ、でもまずは恋人かな?」
幸子「ちょっと待ってくださいよ!話が飛躍しすぎでしょう!?」
凛「そうでもないと思うよ?」
幸子「飛躍しすぎです!大体、大好きって伝えただけで結婚できるくらい世の中甘くないですから!」
凛「熱烈な片思いからの結婚って、よくあるよね」
幸子「そういう話ではなく!」
幸子「そうですよ!」
凛「だってさ。もうバレちゃったじゃん。私がプロデューサー大好きな事」
P「っ?!」
凛「プロデューサーいない私がダメダメだって、ちひろさんから言われたんでしょ?」
凛「いくら鈍感なプロデューサーでも、流石にこれは気づかれたなーって思ってさ」
凛「だから、もういっそ吹っ切れて、結婚はいつかなーって。ああ、でもまずは恋人かな?」
幸子「ちょっと待ってくださいよ!話が飛躍しすぎでしょう!?」
凛「そうでもないと思うよ?」
幸子「飛躍しすぎです!大体、大好きって伝えただけで結婚できるくらい世の中甘くないですから!」
凛「熱烈な片思いからの結婚って、よくあるよね」
幸子「そういう話ではなく!」
203: ミガサ 2013/06/02(日) 21:06:58.10 ID:892SHbnl0
凛「それに言質はもうとったし」ボイスレコーダー
幸子「げ、言質ならボクも持ってますよ!」ボイスレコーダーツー
雪美「私……これだけある……」ボボボボボイスレコーダー
P「あの、ちょっと三人とも」
凛&幸子&雪美『P(さん プロデューサー)は黙ってて!』
P「あっ、はい。すみません」
凛「まぁ、今更こんな言質なんて役に立たないけどね」ポーイ
幸子「それもそうですね、皆さんに言ってるみたいですし」ポーイ
雪美「(後で……回収……しておこう……)」
幸子「げ、言質ならボクも持ってますよ!」ボイスレコーダーツー
雪美「私……これだけある……」ボボボボボイスレコーダー
P「あの、ちょっと三人とも」
凛&幸子&雪美『P(さん プロデューサー)は黙ってて!』
P「あっ、はい。すみません」
凛「まぁ、今更こんな言質なんて役に立たないけどね」ポーイ
幸子「それもそうですね、皆さんに言ってるみたいですし」ポーイ
雪美「(後で……回収……しておこう……)」
204: ミガサ 2013/06/02(日) 21:09:59.32 ID:892SHbnl0
凛「そういうことで、プロデューサー」
P「お、おう」
凛「カチッ 【離れないから……離さないから……】」
P「やめてくれええ!!」
凛「私、嬉しかったよ。こう言われて」
P「いや、これはその」
凛「うん。大丈夫。言質なんか使わない。けどね、お返しさせて?」
凛「……私も、もう離れないし、もう離さないから。これから、覚悟しててね?」
凛「プロデューサー……大好き!」
P「お、おう」
凛「カチッ 【離れないから……離さないから……】」
P「やめてくれええ!!」
凛「私、嬉しかったよ。こう言われて」
P「いや、これはその」
凛「うん。大丈夫。言質なんか使わない。けどね、お返しさせて?」
凛「……私も、もう離れないし、もう離さないから。これから、覚悟しててね?」
凛「プロデューサー……大好き!」
205: ミガサ 2013/06/02(日) 21:10:29.11 ID:892SHbnl0
安価投げ忘れた 次に訪れるアイドル >>+4
206: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 21:11:19.79 ID:bdWqZY2to
蘭子 前
207: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 21:11:24.74 ID:H6JmIuhDo
きの子 前
208: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 21:11:28.50 ID:d0dQFC8po
美嘉 前
209: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 21:11:30.17 ID:tA8ap6xAO
きらり 前
211: ミガサ 2013/06/02(日) 21:15:00.94 ID:892SHbnl0
―――事務所―――
きらり「杏ちゃーん!今日もはぴはぴするにぃ☆」
杏「あーはいはい……せっかくあの人が辞めて、ゆっくりできると思ったら余計忙しくなったね」
きらり「そうだねぇ……でも、杏ちゃん頑張ってるにぃ」
杏「まぁね……なんとなく、仕事、したほうがいいのかなって思ってさ」
きらり「杏ちゃんエライにぃ!はぐはぐしてあげゆー☆」ギュッ
杏「うぐぅ……これには、慣れないなぁ……」
きらり「はぐはぐー☆はぐはぐー……はぐ、はぐ……」
杏「……きらり」
きらり「杏ちゃーん!今日もはぴはぴするにぃ☆」
杏「あーはいはい……せっかくあの人が辞めて、ゆっくりできると思ったら余計忙しくなったね」
きらり「そうだねぇ……でも、杏ちゃん頑張ってるにぃ」
杏「まぁね……なんとなく、仕事、したほうがいいのかなって思ってさ」
きらり「杏ちゃんエライにぃ!はぐはぐしてあげゆー☆」ギュッ
杏「うぐぅ……これには、慣れないなぁ……」
きらり「はぐはぐー☆はぐはぐー……はぐ、はぐ……」
杏「……きらり」
212: ミガサ 2013/06/02(日) 21:17:17.79 ID:892SHbnl0
きらり「なぁに?杏ちゃん」
杏「……今、幸せ?」
きらり「……今、きらりは……はぴはぴ……できてない、にぃ」
杏「無理、しないでね」
きらり「杏ちゃんこそ、無理はしちゃダメだにぃ」
杏「無理なんかしてないよ……仕事してたほうが、忘れられるかなって思っただけ」
きらり「……杏ちゃんも、きらりも、はぴはぴ、できてないにぃ」
杏「……そうだね」
杏「……今、幸せ?」
きらり「……今、きらりは……はぴはぴ……できてない、にぃ」
杏「無理、しないでね」
きらり「杏ちゃんこそ、無理はしちゃダメだにぃ」
杏「無理なんかしてないよ……仕事してたほうが、忘れられるかなって思っただけ」
きらり「……杏ちゃんも、きらりも、はぴはぴ、できてないにぃ」
杏「……そうだね」
213: ミガサ 2013/06/02(日) 21:21:11.42 ID:892SHbnl0
杏「じゃあ杏、仕事、行くから」
きらり「行ってらっしゃいだよー☆」
きらり「……ちひろ、さん」
ちひろ「へ?なんですか?」
きらり「……スタミナドリンク、あるかにぃ?」
ちひろ「え……」
きらり「……ごめんだにぃ。言ってみただけーっ」
きらり「行ってらっしゃいだよー☆」
きらり「……ちひろ、さん」
ちひろ「へ?なんですか?」
きらり「……スタミナドリンク、あるかにぃ?」
ちひろ「え……」
きらり「……ごめんだにぃ。言ってみただけーっ」
214: ミガサ 2013/06/02(日) 21:24:59.72 ID:892SHbnl0
ちひろ「急にどうしたんですか?」
きらり「……Pちゃんが、いつも飲んでたの、知ってるにぃ」
きらり「きらりも、Pちゃんと一緒のモノ飲んだら……この、変な気持ち、なくなるかなって思っただけだにぃ」
ちひろ「……きらり、ちゃん」
きらり「なーんて!暗いキャラはきらりのキャラじゃないにぃ!今日も元気に行くよーっ☆」
ちひろ「ここに行けば、スタミナドリンクがあると思うわ」サッ
きらり「え……?」
ちひろ「行くかどうか、頼るかどうかはあなた次第よ」
きらり「……うん」
きらり「……Pちゃんが、いつも飲んでたの、知ってるにぃ」
きらり「きらりも、Pちゃんと一緒のモノ飲んだら……この、変な気持ち、なくなるかなって思っただけだにぃ」
ちひろ「……きらり、ちゃん」
きらり「なーんて!暗いキャラはきらりのキャラじゃないにぃ!今日も元気に行くよーっ☆」
ちひろ「ここに行けば、スタミナドリンクがあると思うわ」サッ
きらり「え……?」
ちひろ「行くかどうか、頼るかどうかはあなた次第よ」
きらり「……うん」
215: ミガサ 2013/06/02(日) 21:28:52.37 ID:892SHbnl0
きらり「……ちひろさん、今日のお仕事、サボるかもしれないにぃ」
ちひろ「不真面目、ね」
きらり「でも……でも……」
ちひろ「わかってる。行ってらっしゃい」
きらり「……行ってきます!」ガチャ
ちひろ「スタミナドリンクになんか、頼っちゃダメよ」
ちひろ「貴方には貴方の……スタミナドリンクが、あるんだから」
ちひろ「不真面目、ね」
きらり「でも……でも……」
ちひろ「わかってる。行ってらっしゃい」
きらり「……行ってきます!」ガチャ
ちひろ「スタミナドリンクになんか、頼っちゃダメよ」
ちひろ「貴方には貴方の……スタミナドリンクが、あるんだから」
216: ミガサ 2013/06/02(日) 21:31:25.37 ID:892SHbnl0
―――P喫茶店―――
きらり「こ、こんにちは~……」
P「おう、いらっしゃい」
きらり「あの……ここに、スタミナドリンクって……」
P「ないよ。ここは改造人間を作る場所じゃなくて、喫茶店だからな」
きらり「そ、そうです、よね」
P「で、喋り方がさっきから変だなきらり。お前らしくないぞ?」
きらり「えっ……」
P「まぁ、そんな帽子を深くかぶってたら俺の顔を見えなくて、よそ行きの口調になっちまうか」
きらり「……P、ちゃん?」
P「おう、改めていらっしゃい」
きらり「こ、こんにちは~……」
P「おう、いらっしゃい」
きらり「あの……ここに、スタミナドリンクって……」
P「ないよ。ここは改造人間を作る場所じゃなくて、喫茶店だからな」
きらり「そ、そうです、よね」
P「で、喋り方がさっきから変だなきらり。お前らしくないぞ?」
きらり「えっ……」
P「まぁ、そんな帽子を深くかぶってたら俺の顔を見えなくて、よそ行きの口調になっちまうか」
きらり「……P、ちゃん?」
P「おう、改めていらっしゃい」
217: ミガサ 2013/06/02(日) 21:33:24.47 ID:892SHbnl0
きらり「Pちゃん?」
P「何度も聞くなって」
きらり「……Pちゃーん!!」ガバーッ
P「うおおおおおお!!受け、止め」
きらり「Pー!ちゃーん!!」ギュゥゥゥゥゥゥ
P「ぐあああああああああ!!!!」バキバキバキバキ
凛「何やってるのプロデューサーにきらり……」
藍子「Pさん!だ、大丈夫ですか?!」
P「……いい、はぐはぐ、だった」ガクッ
藍子「Pさーん!?」
P「何度も聞くなって」
きらり「……Pちゃーん!!」ガバーッ
P「うおおおおおお!!受け、止め」
きらり「Pー!ちゃーん!!」ギュゥゥゥゥゥゥ
P「ぐあああああああああ!!!!」バキバキバキバキ
凛「何やってるのプロデューサーにきらり……」
藍子「Pさん!だ、大丈夫ですか?!」
P「……いい、はぐはぐ、だった」ガクッ
藍子「Pさーん!?」
218: ミガサ 2013/06/02(日) 21:35:55.46 ID:892SHbnl0
P「おー。いてて、久しぶりだったから腰に来たなぁ」
きらり「Pちゃん、ごめんね?だいじょーぶ?」
P「まぁ、慣れっこだ」
藍子「はいはい、カッコつけてないで休んでてください」ツンツン
P「おぐぅっ」ビクンビクン
凛「……面白い」ツンツン
P「へぐっ、おぐぅっ」ビクビク
きらり「Pちゃん、本当にだいじょーぶ?」
P「おう、へっちゃらだ」ガクガクガクガク
凛「膝震えてるけど……」
きらり「Pちゃん、ごめんね?だいじょーぶ?」
P「まぁ、慣れっこだ」
藍子「はいはい、カッコつけてないで休んでてください」ツンツン
P「おぐぅっ」ビクンビクン
凛「……面白い」ツンツン
P「へぐっ、おぐぅっ」ビクビク
きらり「Pちゃん、本当にだいじょーぶ?」
P「おう、へっちゃらだ」ガクガクガクガク
凛「膝震えてるけど……」
219: ミガサ 2013/06/02(日) 21:38:09.63 ID:892SHbnl0
P「まぁとにかく。久しぶり、きらり」
きらり「おっすおっす!久しぶりだにぃ!」
P「もうよそ行きの口調はやめたのな」
きらり「そ、その話はもうやめるのー!」
P「ははは。あっちのきらりもなかなか可愛かったぞ?」
きらり「むーっ!」
P「ごめんごめん」
きらり「おっすおっす!久しぶりだにぃ!」
P「もうよそ行きの口調はやめたのな」
きらり「そ、その話はもうやめるのー!」
P「ははは。あっちのきらりもなかなか可愛かったぞ?」
きらり「むーっ!」
P「ごめんごめん」
220: ミガサ 2013/06/02(日) 21:40:19.07 ID:892SHbnl0
P「で、何か飲むか?」
きらり「んーとね、Pちゃんのお勧めがいいー!」
P「はいよ。ミルクティーでいいか?」
きらり「うん!」
凛「あ、私も」
P「そしてお前は当然のように毎日ここに来てるな」
凛「当たり前じゃん。プロデューサーの事大好きだし」
P「お、おう……あ、ありがとな」
藍子「……」ギュゥゥゥ
P「い、痛い痛い藍子!なんで足を踏むんだ?!」
藍子「自分の心に聞いてみてくださいっ!」
きらり「んーとね、Pちゃんのお勧めがいいー!」
P「はいよ。ミルクティーでいいか?」
きらり「うん!」
凛「あ、私も」
P「そしてお前は当然のように毎日ここに来てるな」
凛「当たり前じゃん。プロデューサーの事大好きだし」
P「お、おう……あ、ありがとな」
藍子「……」ギュゥゥゥ
P「い、痛い痛い藍子!なんで足を踏むんだ?!」
藍子「自分の心に聞いてみてくださいっ!」
221: ミガサ 2013/06/02(日) 21:43:02.41 ID:892SHbnl0
P「ほい、ミルクティー」
きらり「ありがとー!」
凛「ありがと」
P「藍子にも」
藍子「あ……ええと、ありがとうございます」
きらり「うきゃー!美味しー☆」
凛「当たり前。プロデューサーが淹れたんだから」
藍子「その理屈はおかしいと思いますけど……あ、美味しい」
P「口にあってよかったよ」
きらり「ありがとー!」
凛「ありがと」
P「藍子にも」
藍子「あ……ええと、ありがとうございます」
きらり「うきゃー!美味しー☆」
凛「当たり前。プロデューサーが淹れたんだから」
藍子「その理屈はおかしいと思いますけど……あ、美味しい」
P「口にあってよかったよ」
222: ミガサ 2013/06/02(日) 21:47:33.16 ID:892SHbnl0
きらり「あのね、Pちゃん。きらりね、今まで、変な気持ちになってたの」
P「どんな?」
きらり「こう、ぐわーってして、がーってなって、それで……泣きなく、なっちゃうの」
P「……そっか」
きらり「でもね!Pちゃんの顔を見たら、きらり、そんな気持ちもなくなったにぃ!」
きらり「これからはいつの、はぴはぴきらりで頑張るーっ☆」
P「おう!そのいきだ!」
きらり「PちゃんPちゃん!」
P「なんだ!?なんでも言ってみろ!」
きらり「Pちゃんに、久しぶりの、きらりんパワー、ちゅーにゅー!」チュッ
P「……へっ?」
凛「……む」
藍子「き、きらりちゃん?!」
きらり「えへへー☆」
P「どんな?」
きらり「こう、ぐわーってして、がーってなって、それで……泣きなく、なっちゃうの」
P「……そっか」
きらり「でもね!Pちゃんの顔を見たら、きらり、そんな気持ちもなくなったにぃ!」
きらり「これからはいつの、はぴはぴきらりで頑張るーっ☆」
P「おう!そのいきだ!」
きらり「PちゃんPちゃん!」
P「なんだ!?なんでも言ってみろ!」
きらり「Pちゃんに、久しぶりの、きらりんパワー、ちゅーにゅー!」チュッ
P「……へっ?」
凛「……む」
藍子「き、きらりちゃん?!」
きらり「えへへー☆」
223: ミガサ 2013/06/02(日) 21:50:42.12 ID:892SHbnl0
凛「プロデューサー。私もキスしたほうがいい?」
P「お前は何を言ってるんだっ!?」
藍子「……」グリグリギリギリ
P「痛い痛い痛い!!」
きらり「きらりもこれで、元気元気☆」
きらり「ねぇねぇ、Pちゃん。これからも、ずーっと、ずーっと、一緒だにぃ☆」
次に訪れるアイドル >>+3
P「お前は何を言ってるんだっ!?」
藍子「……」グリグリギリギリ
P「痛い痛い痛い!!」
きらり「きらりもこれで、元気元気☆」
きらり「ねぇねぇ、Pちゃん。これからも、ずーっと、ずーっと、一緒だにぃ☆」
次に訪れるアイドル >>+3
224: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 21:51:04.42 ID:K++ecTwAO
奏 前
225: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 21:51:05.07 ID:D+qyaEW30
小梅 前
226: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 21:51:07.26 ID:VvH7g/5ho
前 十時愛梨
232: ミガサ 2013/06/02(日) 21:55:47.32 ID:892SHbnl0
―――事務所―――
愛梨「おはよう、ございます」
ちひろ「おはよう愛梨ちゃ……な、何ですかそのコート?!」
愛梨「え、今日、寒くないですか?」
ちひろ「寒くないわよ?!普通に20度くらいあるし!」
愛梨「そう、ですかね?私、寒くて寒くて……」
ちひり「愛梨、ちゃん?」
愛梨「あの、暖房つけていいですか?」
ちひろ「だ、ダメに決まってるじゃない!ど、どうしたの一体?!」
愛梨「おはよう、ございます」
ちひろ「おはよう愛梨ちゃ……な、何ですかそのコート?!」
愛梨「え、今日、寒くないですか?」
ちひろ「寒くないわよ?!普通に20度くらいあるし!」
愛梨「そう、ですかね?私、寒くて寒くて……」
ちひり「愛梨、ちゃん?」
愛梨「あの、暖房つけていいですか?」
ちひろ「だ、ダメに決まってるじゃない!ど、どうしたの一体?!」
233: ミガサ 2013/06/02(日) 21:59:57.13 ID:892SHbnl0
愛梨「……」
ちひろ「愛梨ちゃん、本当に大丈夫?」
愛梨「おかしい、んです」
愛梨「Liveやお仕事の前や、Pさんと話してる時は、ずっと体が火照ってたりしたんです」
愛梨「でも……最近は、そんな感覚もなくて」
愛梨「ずっと、体が冷え切っちゃって」
愛梨「……寒い、んです。体も、心も」
ちひろ「……風邪、とかじゃないのね?」
愛梨「そうではない、です。熱はないので……」
ちひろ「愛梨ちゃん、本当に大丈夫?」
愛梨「おかしい、んです」
愛梨「Liveやお仕事の前や、Pさんと話してる時は、ずっと体が火照ってたりしたんです」
愛梨「でも……最近は、そんな感覚もなくて」
愛梨「ずっと、体が冷え切っちゃって」
愛梨「……寒い、んです。体も、心も」
ちひろ「……風邪、とかじゃないのね?」
愛梨「そうではない、です。熱はないので……」
235: ミガサ 2013/06/02(日) 22:03:30.67 ID:892SHbnl0
ちひろ「……これ以上広めないでくれって、Pさんから釘を刺されてるけど、これは仕方ないわね……」
ちひろ「まぁ、あの人との約束なんて、守りませんけど。こちらも約束、破られたので」
ちひろ「愛梨ちゃん」
愛梨「なんですか?」
ちひろ「ここに行ってみなさい。きっと、その感覚が戻ってくるわ」
愛梨「……もしかして、Pさん、いるんですか?」
ちひろ「……まぁね。でも、驚いてあげてね?」
愛梨「は、はい……」
ちひろ「あと……そのコート、必要?」
愛梨「……いいえ、もう、必要ないです。少しだけ、あったかくなってきましたから……」
ちひろ「そう、じゃあそのコート預かるから、行ってらっしゃい」
愛梨「……はいっ!」
ちひろ「まぁ、あの人との約束なんて、守りませんけど。こちらも約束、破られたので」
ちひろ「愛梨ちゃん」
愛梨「なんですか?」
ちひろ「ここに行ってみなさい。きっと、その感覚が戻ってくるわ」
愛梨「……もしかして、Pさん、いるんですか?」
ちひろ「……まぁね。でも、驚いてあげてね?」
愛梨「は、はい……」
ちひろ「あと……そのコート、必要?」
愛梨「……いいえ、もう、必要ないです。少しだけ、あったかくなってきましたから……」
ちひろ「そう、じゃあそのコート預かるから、行ってらっしゃい」
愛梨「……はいっ!」
236: ミガサ 2013/06/02(日) 22:07:17.19 ID:892SHbnl0
―――P喫茶店―――
愛梨「……こんにちは」
P「はい、いらっしゃ……」
幸子「いらっしゃいませー……って、また事務所のアイドルの人じゃないですか!しかも愛梨さん!」
P「おかしいなぁ。なんでだろうなぁ。普通のお客さん、来てくれないなぁ」
雪美「P……ガンバ……」
愛梨「あの、Pさん」
P「なんだ?」
愛梨「その……この喫茶店、暑くないですか?」
P&幸子&雪美『!!』
幸子「Pさんをあっちに押し込みます!」
雪美「了解……」
P「なんのこれしきぃぃぃぃ……」
愛梨「……ふふっ」
P「……愛梨?」
愛梨「……こんにちは」
P「はい、いらっしゃ……」
幸子「いらっしゃいませー……って、また事務所のアイドルの人じゃないですか!しかも愛梨さん!」
P「おかしいなぁ。なんでだろうなぁ。普通のお客さん、来てくれないなぁ」
雪美「P……ガンバ……」
愛梨「あの、Pさん」
P「なんだ?」
愛梨「その……この喫茶店、暑くないですか?」
P&幸子&雪美『!!』
幸子「Pさんをあっちに押し込みます!」
雪美「了解……」
P「なんのこれしきぃぃぃぃ……」
愛梨「……ふふっ」
P「……愛梨?」
237: ミガサ 2013/06/02(日) 22:11:40.21 ID:892SHbnl0
愛梨「冗談、です」
P「なんだ冗談か……チッ」
幸子「……」ゴキッ
雪美「……」メシャッ
P「足から鳴っちゃいけない類の音がぁぁぁ……」
愛梨「今は暑いっていうよりも……あったかい、です」
愛梨「ぽかぽかして、ふわふわして……」
愛梨「(あ、そっか……私……Pさんのこと……)」
P「おい、愛梨?大丈夫か?」
愛梨「……へっ?だ、だだ、大丈夫ですよ?」
P「おい、明らかにおかしいぞ?」
P「なんだ冗談か……チッ」
幸子「……」ゴキッ
雪美「……」メシャッ
P「足から鳴っちゃいけない類の音がぁぁぁ……」
愛梨「今は暑いっていうよりも……あったかい、です」
愛梨「ぽかぽかして、ふわふわして……」
愛梨「(あ、そっか……私……Pさんのこと……)」
P「おい、愛梨?大丈夫か?」
愛梨「……へっ?だ、だだ、大丈夫ですよ?」
P「おい、明らかにおかしいぞ?」
238: ミガサ 2013/06/02(日) 22:14:32.83 ID:892SHbnl0
P「熱でもあるんじゃないか?」ピトッ
愛梨「あっ……あの、あのあの……」
P「ん?本当に熱が」
愛梨「あ、暑いですから!今、すっごく!!」
P「え?」
愛梨「暑いので、その、脱いでもいいですか?!」
P「ちょっと待て愛梨?!」メシャッ
幸子「愛梨さん、着替えるならこっちで」
P「目が、目がああああああ……」
愛梨「(お、おかしいな。Pさんに触られた瞬間、暑くて熱くてたまらなくなっちゃってる……っ!)」
愛梨「あっ……あの、あのあの……」
P「ん?本当に熱が」
愛梨「あ、暑いですから!今、すっごく!!」
P「え?」
愛梨「暑いので、その、脱いでもいいですか?!」
P「ちょっと待て愛梨?!」メシャッ
幸子「愛梨さん、着替えるならこっちで」
P「目が、目がああああああ……」
愛梨「(お、おかしいな。Pさんに触られた瞬間、暑くて熱くてたまらなくなっちゃってる……っ!)」
239: ミガサ 2013/06/02(日) 22:19:35.81 ID:892SHbnl0
愛梨「その、ごめんなさい。Pさん」
P「いいっていいって。いつもの事じゃないか」
雪美「いつもの……事……?」
P「まぁそれはおいといてだな。もう帰るのか?」
愛梨「は、はい。その……すっごく、熱くって」
P「そっか。風邪かもしれないし、しっかり休んでおけよ?」
愛梨「はい!……その、Pさん」
P「ん?」
愛梨「いつか、シンデレラガールにしてくれたように」
愛梨「私をまた、シンデレラみたいにしてくださいね!」
愛梨「(私の、王子様……)」
今日はこれで最後 次に訪れるアイドル >>+6
P「いいっていいって。いつもの事じゃないか」
雪美「いつもの……事……?」
P「まぁそれはおいといてだな。もう帰るのか?」
愛梨「は、はい。その……すっごく、熱くって」
P「そっか。風邪かもしれないし、しっかり休んでおけよ?」
愛梨「はい!……その、Pさん」
P「ん?」
愛梨「いつか、シンデレラガールにしてくれたように」
愛梨「私をまた、シンデレラみたいにしてくださいね!」
愛梨「(私の、王子様……)」
今日はこれで最後 次に訪れるアイドル >>+6
240: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 22:19:50.88 ID:cNc4wH8m0
奏 前
241: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 22:20:04.64 ID:K++ecTwAO
奏 前
242: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 22:20:26.04 ID:bX95gg+Lo
早苗さん 後
243: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 22:20:37.87 ID:cNc4wH8m0
下
244: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 22:20:41.03 ID:D+qyaEW30
あい 前
245: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 22:20:41.50 ID:H6JmIuhDo
文香 後
251: ミガサ 2013/06/02(日) 22:27:13.40 ID:892SHbnl0
―――P喫茶店―――
カランカラーン
P「はーい。いらっしゃいま……」
文香「……」
P「えーっと……その……どちら様、ですか?」
P「(所属アイドルにこんな子いたっけ……)」
文香「……あの、ここの喫茶店は……名前を名乗らないと注文できないシステムだったりするんですか?」
P「あ、いえ、その……実は、非常に説明しづらいんですが……」
文香「……?」
252: ミガサ 2013/06/02(日) 22:30:51.10 ID:892SHbnl0
文香「……アイドル……専用の、喫茶店……ですか」
P「それで、その……そこの事務所で見かけない人だと思いまして」
文香「……私、アイドルではないので」
P「あ、そうなんですか……」
文香「……すみません。他の店に―――」
P「いやいや!こちらこそすみません!看板とかかけてなくて……その、お詫びに紅茶でも奢ります」
文香「いいん、ですか?」
P「はい。こちら側のミスですし……」
P「(それにしても……)」
P「(前髪で隠れて顔はよく見えないけど……光るものを感じる)」
P「(っといかんいかん。今はもう俺はプロデューサーじゃないんだから)」
P「それで、その……そこの事務所で見かけない人だと思いまして」
文香「……私、アイドルではないので」
P「あ、そうなんですか……」
文香「……すみません。他の店に―――」
P「いやいや!こちらこそすみません!看板とかかけてなくて……その、お詫びに紅茶でも奢ります」
文香「いいん、ですか?」
P「はい。こちら側のミスですし……」
P「(それにしても……)」
P「(前髪で隠れて顔はよく見えないけど……光るものを感じる)」
P「(っといかんいかん。今はもう俺はプロデューサーじゃないんだから)」
253: ミガサ 2013/06/02(日) 22:34:11.23 ID:892SHbnl0
P「口に合うかわかりませんが……」コトッ
文香「……ハーブティー、ですか」
P「とりあえず、当店で一番個人的に自信があるものを」
文香「ありがとうございます……」
文香「……美味しい」
P「よかった」
文香「ここなら……落ち着いて、本が読めそうです」
P「……本、好きなんですか?」
文香「はい……叔父が、書店をやっていまして」
P「なるほど」
文香「……ハーブティー、ですか」
P「とりあえず、当店で一番個人的に自信があるものを」
文香「ありがとうございます……」
文香「……美味しい」
P「よかった」
文香「ここなら……落ち着いて、本が読めそうです」
P「……本、好きなんですか?」
文香「はい……叔父が、書店をやっていまして」
P「なるほど」
254: ミガサ 2013/06/02(日) 22:36:47.42 ID:892SHbnl0
文香「この辺の喫茶店はどこも混んでいて……」
P「それでガラガラなここに来たと」
文香「あ……すみません」
P「いえいえ。でもここ、もう少ししたら賑やかになりますよ。夜とかもはや居酒屋状態ですし」
文香「……アイドルの皆さん、ですか」
P「はい……過去、色々やってまして」
文香「……だから、ここも専用に?」
P「あ、いや。それは成り行きで。自分の意思じゃないんですけどね……」
文香「大変ですね」
P「いえいえ」
P「それでガラガラなここに来たと」
文香「あ……すみません」
P「いえいえ。でもここ、もう少ししたら賑やかになりますよ。夜とかもはや居酒屋状態ですし」
文香「……アイドルの皆さん、ですか」
P「はい……過去、色々やってまして」
文香「……だから、ここも専用に?」
P「あ、いや。それは成り行きで。自分の意思じゃないんですけどね……」
文香「大変ですね」
P「いえいえ」
256: ミガサ 2013/06/02(日) 22:41:28.40 ID:892SHbnl0
文香「……店長さんは、本は、読みますか?」
P「ええ、多少は」
文香「……では、そこの棚にあるのは?」
P「え?ああ、それは本じゃないですよ。俺の日記です」
文香「日記、ですか」
P「ええ。俺の昔の日記です。色々って言いましたけど、アイドル達のプロデューサーやってたんですよ。俺」
文香「プロデューサー、ですか……どんな仕事を?」
P「ああ、よかったら日記見ます?見られるのはちょっと恥ずかしいですけど、それを見れば俺がどんな事してたかがすぐわかると思うので」
文香「……では、お借りします」
P「そのあいだにおかわりでも注いできますね」
文香「え……悪いですよ」
P「気にしないでください。アイドル達に、少しでも興味を持ってくださったお礼みたいなものです」
文香「……?」
P「自分が育てたアイドル達に興味を持たれるって、凄く嬉しいんですよ」
文香「……変わった人ですね」
P「よく言われます」
P「ええ、多少は」
文香「……では、そこの棚にあるのは?」
P「え?ああ、それは本じゃないですよ。俺の日記です」
文香「日記、ですか」
P「ええ。俺の昔の日記です。色々って言いましたけど、アイドル達のプロデューサーやってたんですよ。俺」
文香「プロデューサー、ですか……どんな仕事を?」
P「ああ、よかったら日記見ます?見られるのはちょっと恥ずかしいですけど、それを見れば俺がどんな事してたかがすぐわかると思うので」
文香「……では、お借りします」
P「そのあいだにおかわりでも注いできますね」
文香「え……悪いですよ」
P「気にしないでください。アイドル達に、少しでも興味を持ってくださったお礼みたいなものです」
文香「……?」
P「自分が育てたアイドル達に興味を持たれるって、凄く嬉しいんですよ」
文香「……変わった人ですね」
P「よく言われます」
257: ミガサ 2013/06/02(日) 22:46:52.84 ID:892SHbnl0
―――二時間後―――
文香「……」
P「……」
文香「……あ、もうこんな時間ですか」
P「凄く集中して読んでましたね」
文香「気になってた本とかだと……つい」
P「俺も気恥ずかしかったですけど、そこまで熱心に読んでくださって嬉しかったです」
文香「……あの」
P「なんですか?」
文香「また……この日記、読みに来てもいいですか?」
P「え?」
文香「……興味を、持ちました。アイドルという……存在に」
P「それは……はい。是非また、ご来店ください」
文香「ありがとう、ございます」
文香「……本よりも、もっと面白い事……」
文香「こんな私を変えられる場所……見つけられた、かも……」
その数週間後、彼女がアイドルとして活動を始めるのは、また別の話。
文香「……」
P「……」
文香「……あ、もうこんな時間ですか」
P「凄く集中して読んでましたね」
文香「気になってた本とかだと……つい」
P「俺も気恥ずかしかったですけど、そこまで熱心に読んでくださって嬉しかったです」
文香「……あの」
P「なんですか?」
文香「また……この日記、読みに来てもいいですか?」
P「え?」
文香「……興味を、持ちました。アイドルという……存在に」
P「それは……はい。是非また、ご来店ください」
文香「ありがとう、ございます」
文香「……本よりも、もっと面白い事……」
文香「こんな私を変えられる場所……見つけられた、かも……」
その数週間後、彼女がアイドルとして活動を始めるのは、また別の話。
261: ミガサ 2013/06/02(日) 22:55:14.22 ID:892SHbnl0
次回指定忘れてた。少し長めに 次に訪れるアイドル >>+7
262: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 22:56:42.85 ID:cNc4wH8m0
みく 前
263: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 22:57:33.58 ID:bX95gg+Lo
早苗さん 後
264: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 22:57:42.00 ID:d3cbnXNn0
奏 前
265: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 22:57:56.11 ID:d0dQFC8po
美嘉 前
266: ミガサ 2013/06/02(日) 22:58:02.03 ID:892SHbnl0
ksk
267: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 22:58:05.32 ID:WBt8BS0Ro
本田未央 前
268: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 22:58:06.16 ID:Fw9PVYzEO
ままゆ 前
281: ミガサ 2013/06/03(月) 20:43:29.33 ID:uxOCK7pV0
―――事務所―――
まゆ「……」
ちひろ「……」カタカタ
まゆ「ちひろさん」
ちひろ「なんですか?」
まゆ「あの……もう少ししたらレッスン、大丈夫ですかぁ?」
ちひろ「ちょっと待っててね、今トレーナーさんに聞いてみるから」
まゆ「よろしくお願いします」
まゆ「……」
ちひろ「……」カタカタ
まゆ「ちひろさん」
ちひろ「なんですか?」
まゆ「あの……もう少ししたらレッスン、大丈夫ですかぁ?」
ちひろ「ちょっと待っててね、今トレーナーさんに聞いてみるから」
まゆ「よろしくお願いします」
282: ミガサ 2013/06/03(月) 20:46:21.34 ID:uxOCK7pV0
ちひろ「大丈夫らしいわよ。まゆちゃん」
まゆ「ありがとうございます。じゃあ、ちょっと準備、行ってきますねぇ……」スッ ガチャ
ちひろ「行ってらっしゃい」
ちひろ「……ふぅ」
ちひろ「一時はどうなるかと思ったけど、まゆちゃんは意外と大丈夫そうね」
ちひろ「芯は強い子だし、今はレッスンにも仕事にも意欲的だし」
ちひろ「……もしかして、知ってるのかもしれないわね。もう」
泰葉「……あの」
ちひろ「ひゃっ、泰葉ちゃん?」
泰葉「ちょっと、いいですか?」
ちひろ「え、と。何かしら?」
泰葉「……まゆさんの、件で」
まゆ「ありがとうございます。じゃあ、ちょっと準備、行ってきますねぇ……」スッ ガチャ
ちひろ「行ってらっしゃい」
ちひろ「……ふぅ」
ちひろ「一時はどうなるかと思ったけど、まゆちゃんは意外と大丈夫そうね」
ちひろ「芯は強い子だし、今はレッスンにも仕事にも意欲的だし」
ちひろ「……もしかして、知ってるのかもしれないわね。もう」
泰葉「……あの」
ちひろ「ひゃっ、泰葉ちゃん?」
泰葉「ちょっと、いいですか?」
ちひろ「え、と。何かしら?」
泰葉「……まゆさんの、件で」
283: ミガサ 2013/06/03(月) 20:48:26.21 ID:uxOCK7pV0
ちひろ「まゆちゃんの?」
泰葉「……はい」
ちひろ「まゆちゃんに何かされたとか?危害を加えられたの?!」
泰葉「あ、いえ。そうじゃないんです……」
ちひろ「じゃあ……何かしら?」
泰葉「……彼女」
泰葉「彼女、もしかしたら……【人形】になっているかもしれません……」
ちひろ「……え?」
泰葉「……はい」
ちひろ「まゆちゃんに何かされたとか?危害を加えられたの?!」
泰葉「あ、いえ。そうじゃないんです……」
ちひろ「じゃあ……何かしら?」
泰葉「……彼女」
泰葉「彼女、もしかしたら……【人形】になっているかもしれません……」
ちひろ「……え?」
284: ミガサ 2013/06/03(月) 20:53:50.59 ID:uxOCK7pV0
―――女子寮 まゆの部屋―――
まゆ「……」
まゆ「今日も、疲れましたねぇ……」
まゆ「さて、今日も処分しないといけませんねぇ……」
まゆ「まずは……」
まゆ「あの人のYシャツなんて持ってても仕方ないですしぃ……ハサミでズタズタにしてから捨てましょうかぁ」チャキッ
まゆ「布類は全部ズタズタにしてぇ……燃やしましょうかぁ?」
まゆ「ああでも、小火でも騒ぎになると面倒ですしぃ。普通にゴミ袋に詰めましょうかぁ」
まゆ「……」
まゆ「今日も、疲れましたねぇ……」
まゆ「さて、今日も処分しないといけませんねぇ……」
まゆ「まずは……」
まゆ「あの人のYシャツなんて持ってても仕方ないですしぃ……ハサミでズタズタにしてから捨てましょうかぁ」チャキッ
まゆ「布類は全部ズタズタにしてぇ……燃やしましょうかぁ?」
まゆ「ああでも、小火でも騒ぎになると面倒ですしぃ。普通にゴミ袋に詰めましょうかぁ」
285: ミガサ 2013/06/03(月) 20:59:31.18 ID:uxOCK7pV0
まゆ「他にもぉ……ビデオテープとか、邪魔ですねぇ」
まゆ「これはどう捨てればいいのかしらぁ……」
まゆ「この部屋には邪魔なものが多すぎますねぇ……捨てるのが大変」
まゆ「前住人の持ち物らしいですねぇ……全部捨てちゃいましょうかぁ」
まゆ「全く、迷惑な住人さんですねぇ……」
まゆ「もし会ったら、恨み言の一つでも言ってあげましょうかねぇ……」
まゆ「これはどう捨てればいいのかしらぁ……」
まゆ「この部屋には邪魔なものが多すぎますねぇ……捨てるのが大変」
まゆ「前住人の持ち物らしいですねぇ……全部捨てちゃいましょうかぁ」
まゆ「全く、迷惑な住人さんですねぇ……」
まゆ「もし会ったら、恨み言の一つでも言ってあげましょうかねぇ……」
287: ミガサ 2013/06/03(月) 21:04:08.05 ID:uxOCK7pV0
―――事務所―――
ちひろ「どういうことですか?」
泰葉「……彼女の心が、見えないんです」
ちひろ「心?」
泰葉「正確には……その、あの時の私と同じ……ううん、それ以上……」
泰葉「下手をすれば彼女は……」
泰葉「自分の中に、【もう一人の自分】を……作り出しているかもしれません」
ちひろ「……二重人格、ってことかしら?」
泰葉「いいえ……別人格の乗っ取り、の方が近いです」
ちひろ「……そんな馬鹿な話……」
泰葉「同じような事に、私はなったことがあります……だから、わかるんです」
ちひろ「……泰葉ちゃん……」
ちひろ「どういうことですか?」
泰葉「……彼女の心が、見えないんです」
ちひろ「心?」
泰葉「正確には……その、あの時の私と同じ……ううん、それ以上……」
泰葉「下手をすれば彼女は……」
泰葉「自分の中に、【もう一人の自分】を……作り出しているかもしれません」
ちひろ「……二重人格、ってことかしら?」
泰葉「いいえ……別人格の乗っ取り、の方が近いです」
ちひろ「……そんな馬鹿な話……」
泰葉「同じような事に、私はなったことがあります……だから、わかるんです」
ちひろ「……泰葉ちゃん……」
288: ミガサ 2013/06/03(月) 21:06:42.18 ID:uxOCK7pV0
泰葉「【人形】のように、別人格の自分によって操られる感覚」
泰葉「そこに過去の自分の意思は存在しません」
泰葉「あるのは……そう、義務感だけ」
泰葉「何かをしていないと落ち着かない……義務感」
ちひろ「……」
泰葉「彼女は……芯が強いんじゃないです」
泰葉「芯が強すぎて……折れることを、知らないんです」
泰葉「その芯を誰かが折ってあげないと……きっと彼女は」
泰葉「別の誰かに……なってしまいます」
泰葉「そこに過去の自分の意思は存在しません」
泰葉「あるのは……そう、義務感だけ」
泰葉「何かをしていないと落ち着かない……義務感」
ちひろ「……」
泰葉「彼女は……芯が強いんじゃないです」
泰葉「芯が強すぎて……折れることを、知らないんです」
泰葉「その芯を誰かが折ってあげないと……きっと彼女は」
泰葉「別の誰かに……なってしまいます」
289: ミガサ 2013/06/03(月) 21:15:09.72 ID:uxOCK7pV0
泰葉「そうなる前に……彼女の心を、折ってあげてください」
ちひろ「……わかった。調査してみるわ。私の方でも」
泰葉「お願いします……」
泰葉「あの人なら……簡単に、折ってくれそうですけど、ね」
ちひろ「……Pさんに会わせるのは、最終手段」
ちひろ「もしかしたら、怪我を負うかもしれないから……」
泰葉「そう、ですね」
ちひろ「……わかった。調査してみるわ。私の方でも」
泰葉「お願いします……」
泰葉「あの人なら……簡単に、折ってくれそうですけど、ね」
ちひろ「……Pさんに会わせるのは、最終手段」
ちひろ「もしかしたら、怪我を負うかもしれないから……」
泰葉「そう、ですね」
290: ミガサ 2013/06/03(月) 21:18:46.90 ID:uxOCK7pV0
―――数日後―――
ちひろ「……何、これ」
ちひろ「……ここまで、なんて」
泰葉「ちひろさん」
ちひろ「……泰葉ちゃんの、言う通りだったわ」
泰葉「それで……その写真は?」
ちひろ「……女子寮長に頼み込んで、まゆちゃんの部屋の写真を撮ってもらったんだけど」
泰葉「……」
ちひろ「彼女の部屋……何も、ないの」
ちひろ「生活に必要なはずの、タンスや衣装棚、そてに食器やテレビも。ついこの前買ったばかりの、机と椅子も」
ちひろ「カーテンも、ベッドすらも……何もかも」
ちひろ「本当に彼女、ここで生活しているの……?」
ちひろ「……何、これ」
ちひろ「……ここまで、なんて」
泰葉「ちひろさん」
ちひろ「……泰葉ちゃんの、言う通りだったわ」
泰葉「それで……その写真は?」
ちひろ「……女子寮長に頼み込んで、まゆちゃんの部屋の写真を撮ってもらったんだけど」
泰葉「……」
ちひろ「彼女の部屋……何も、ないの」
ちひろ「生活に必要なはずの、タンスや衣装棚、そてに食器やテレビも。ついこの前買ったばかりの、机と椅子も」
ちひろ「カーテンも、ベッドすらも……何もかも」
ちひろ「本当に彼女、ここで生活しているの……?」
291: ミガサ 2013/06/03(月) 21:23:17.70 ID:uxOCK7pV0
ちひろ「……早急に対処しないといけないかもしれないわ」
泰葉「そうですね……」
ちひろ「もし本当にここで生活してたなら……」
まゆ「こんにちはぁ」ガチャ
ちひろ&泰葉「!!」
まゆ「ちひろさん、今日は確か、お仕事入ってましたよねぇ……?」
ちひろ「そ、そうね」
まゆ「早めに打ち合わせしたいんですけどぉ……いいですか?」
ちひろ「ま、ちょっと待っててね。資料探すから」
まゆ「わかりましたぁ」
ちひろ「(こうしているといつものまゆちゃんなのに……)」
ちひろ「(泰葉ちゃんに言われたことや、あの写真を見てると……別人に、見えてくる……)」
泰葉「そうですね……」
ちひろ「もし本当にここで生活してたなら……」
まゆ「こんにちはぁ」ガチャ
ちひろ&泰葉「!!」
まゆ「ちひろさん、今日は確か、お仕事入ってましたよねぇ……?」
ちひろ「そ、そうね」
まゆ「早めに打ち合わせしたいんですけどぉ……いいですか?」
ちひろ「ま、ちょっと待っててね。資料探すから」
まゆ「わかりましたぁ」
ちひろ「(こうしているといつものまゆちゃんなのに……)」
ちひろ「(泰葉ちゃんに言われたことや、あの写真を見てると……別人に、見えてくる……)」
292: ミガサ 2013/06/03(月) 21:26:30.36 ID:uxOCK7pV0
―――まゆの部屋―――
まゆ「監視カメラ……こんなもの、何に使うんでしょうかねぇ」
まゆ「部屋の四隅に設置なんてして……」
まゆ「前住人さんは、ヘン夕イさんか何かだったんでしょうかね……?」
まゆ「見られて興奮するタイプ……?」
まゆ「そんな事、まゆには関係ないですけどぉ……」
まゆ「……この部屋も、だいぶ片付きましたねぇ」
まゆ「早く、これも捨てないといけませんねぇ」
まゆ「……なぜか、このリボンだけは捨てられないんですよねぇ……」
まゆ「大した思い入れもないのに……」
まゆ「監視カメラ……こんなもの、何に使うんでしょうかねぇ」
まゆ「部屋の四隅に設置なんてして……」
まゆ「前住人さんは、ヘン夕イさんか何かだったんでしょうかね……?」
まゆ「見られて興奮するタイプ……?」
まゆ「そんな事、まゆには関係ないですけどぉ……」
まゆ「……この部屋も、だいぶ片付きましたねぇ」
まゆ「早く、これも捨てないといけませんねぇ」
まゆ「……なぜか、このリボンだけは捨てられないんですよねぇ……」
まゆ「大した思い入れもないのに……」
293: ミガサ 2013/06/03(月) 21:30:26.79 ID:uxOCK7pV0
まゆ「なんででしょうねぇ、不思議ですね」
まゆ「……」
まゆ「……さて、次は何を片付けましょうかねぇ」
ちひろ「まゆちゃん!!」
泰葉「まゆさん!!」
まゆ「……ちひろさんに、泰葉さん?」
ちひろ「……まゆちゃん、この部屋は何?」
まゆ「何とは?」
ちひろ「どうして、何もないの?」
まゆ「……全部、買い換えようかなぁと思いまして」
泰葉「どうして、最近買った机や椅子まで買い換える必要があるんですか?」
まゆ「……最近、買った?」
まゆ「……」
まゆ「……さて、次は何を片付けましょうかねぇ」
ちひろ「まゆちゃん!!」
泰葉「まゆさん!!」
まゆ「……ちひろさんに、泰葉さん?」
ちひろ「……まゆちゃん、この部屋は何?」
まゆ「何とは?」
ちひろ「どうして、何もないの?」
まゆ「……全部、買い換えようかなぁと思いまして」
泰葉「どうして、最近買った机や椅子まで買い換える必要があるんですか?」
まゆ「……最近、買った?」
294: ミガサ 2013/06/03(月) 21:34:44.25 ID:uxOCK7pV0
まゆ「あれは、前住人の持ち物じゃないですかぁ」
ちひろ「何を、言っているの?」
まゆ「何を言っている、はこっちのセリフなんですけどぉ……」
ちひろ「だって言ってたじゃない。あの机と椅子は、Pさんが選んでくれたって」
ちひろ「それを前住人の持ち物?そんな事、まゆちゃんは言わないわよ」
まゆ「……以上」
ちひろ「え?」
まゆ「それ以上……その、Pさんとかいう名前を聞かせないでくれますかぁ?」
まゆ「凄く……イライラ、しますからぁ」ニコッ
ちひろ「っ……」
ちひろ「何を、言っているの?」
まゆ「何を言っている、はこっちのセリフなんですけどぉ……」
ちひろ「だって言ってたじゃない。あの机と椅子は、Pさんが選んでくれたって」
ちひろ「それを前住人の持ち物?そんな事、まゆちゃんは言わないわよ」
まゆ「……以上」
ちひろ「え?」
まゆ「それ以上……その、Pさんとかいう名前を聞かせないでくれますかぁ?」
まゆ「凄く……イライラ、しますからぁ」ニコッ
ちひろ「っ……」
295: ミガサ 2013/06/03(月) 21:39:13.64 ID:uxOCK7pV0
まゆ「大体、Pさんなんて人、【まゆ】は知りませんよぉ?」
まゆ「前住人の人も、まゆさんっていうなら別ですけどぉ」
まゆ「【まゆ】はPさんなんてぇ……知りません」
泰葉「でも、まゆさん―――」
まゆ「知らないったら知らないんです!!」
泰葉「っ」
まゆ「【まゆ】はPさんなんて知りません、知ろうとも思いません」
まゆ「喫茶店を経営して、まゆに秘密で他の女の子ばかりを招待していた」
まゆ「まゆに真っ先に教えてくれないPさんなんて……【まゆ】は知りません」
泰葉「……」
ちひろ「……知って、たのね?」
まゆ「なんのこと、ですかぁ?【まゆ】はなーんも知りませんよ?まゆは知ってるかもですけどぉ」
まゆ「前住人の人も、まゆさんっていうなら別ですけどぉ」
まゆ「【まゆ】はPさんなんてぇ……知りません」
泰葉「でも、まゆさん―――」
まゆ「知らないったら知らないんです!!」
泰葉「っ」
まゆ「【まゆ】はPさんなんて知りません、知ろうとも思いません」
まゆ「喫茶店を経営して、まゆに秘密で他の女の子ばかりを招待していた」
まゆ「まゆに真っ先に教えてくれないPさんなんて……【まゆ】は知りません」
泰葉「……」
ちひろ「……知って、たのね?」
まゆ「なんのこと、ですかぁ?【まゆ】はなーんも知りませんよ?まゆは知ってるかもですけどぉ」
297: ミガサ 2013/06/03(月) 21:42:22.11 ID:uxOCK7pV0
ちひろ「……あなたは、一体、誰なの?」
まゆ「【まゆ】は、【まゆ】ですよぉ?」
まゆ「そして、まゆでもありますねぇ」
まゆ「でもそのうち、まゆは消えて【まゆ】になります」
まゆ「そうしたら、ニコニコしながら、あの人の店に行ってあげますよ」
まゆ「ニコニコしながら、全部、全部、壊してあげますよぉ」
まゆ「あの人の夢も、夢を追いかけているみんなも、全部」
凛「冗談はよしてよ」
まゆ「……凛さん?」
凛「今は貴方の声なんか聞きたくない。私が聞きたいのは、まゆの声」
まゆ「……何を、言っているんですかねぇ」
まゆ「【まゆ】は、【まゆ】ですよぉ?」
まゆ「そして、まゆでもありますねぇ」
まゆ「でもそのうち、まゆは消えて【まゆ】になります」
まゆ「そうしたら、ニコニコしながら、あの人の店に行ってあげますよ」
まゆ「ニコニコしながら、全部、全部、壊してあげますよぉ」
まゆ「あの人の夢も、夢を追いかけているみんなも、全部」
凛「冗談はよしてよ」
まゆ「……凛さん?」
凛「今は貴方の声なんか聞きたくない。私が聞きたいのは、まゆの声」
まゆ「……何を、言っているんですかねぇ」
298: ミガサ 2013/06/03(月) 21:46:12.95 ID:uxOCK7pV0
ちひろ「凛ちゃん!近づいちゃダメ!」
泰葉「あ、危ないです!!」
凛「だから、【まゆ】の声なんて聞きたくない。私が聞きたいのは、まゆの声」
凛「嫉妬してしまうくらい憎らしい」
凛「それでも時たま、共感してしまうほどに」
凛「そうやって狂って別の人格を作ってしまうような」
凛「それほどまでに、Pさんを大好きだったまゆの声を、私は聞きたいの」
まゆ「な、何、を。ま、【まゆ】は、まゆ、で」
凛「五月蝿い。あんたはまゆじゃない」
まゆ「……まゆ、は……嫌、です」
凛「何が?」
泰葉「あ、危ないです!!」
凛「だから、【まゆ】の声なんて聞きたくない。私が聞きたいのは、まゆの声」
凛「嫉妬してしまうくらい憎らしい」
凛「それでも時たま、共感してしまうほどに」
凛「そうやって狂って別の人格を作ってしまうような」
凛「それほどまでに、Pさんを大好きだったまゆの声を、私は聞きたいの」
まゆ「な、何、を。ま、【まゆ】は、まゆ、で」
凛「五月蝿い。あんたはまゆじゃない」
まゆ「……まゆ、は……嫌、です」
凛「何が?」
299: ミガサ 2013/06/03(月) 21:50:01.81 ID:uxOCK7pV0
まゆ「Pさんが、他の女の子と話すのが」
まゆ「Pさんが、他の女の子の頭を撫でるのが」
まゆ「Pさんが、まゆ以外の女の子にデレデレするのが」
まゆ「まゆに、喫茶店を、教えてくれないことが」
まゆ「まゆは、嫌、です」ポロポロ
凛「……そっか」
凛「私も嫌だよ。それ」
ちひろ「ちょっ」
凛「でもね、まゆ。意外とPさんなんて簡単だよ?」
凛「大好きって言うだけで、ある程度は意識してくれるようになるし」
まゆ「……何、を」
まゆ「Pさんが、他の女の子の頭を撫でるのが」
まゆ「Pさんが、まゆ以外の女の子にデレデレするのが」
まゆ「まゆに、喫茶店を、教えてくれないことが」
まゆ「まゆは、嫌、です」ポロポロ
凛「……そっか」
凛「私も嫌だよ。それ」
ちひろ「ちょっ」
凛「でもね、まゆ。意外とPさんなんて簡単だよ?」
凛「大好きって言うだけで、ある程度は意識してくれるようになるし」
まゆ「……何、を」
300: ミガサ 2013/06/03(月) 21:53:48.58 ID:uxOCK7pV0
凛「それでもね」
凛「努力もしないで、そんなとこで立ち止まってるなんて、まゆらしくないんじゃない?」
まゆ「私らしさって、なんなんですかぁ……」
凛「まゆらしさ?そんなのさっき言ったじゃん」
凛「ここにいる誰よりも、世界中の誰よりも、Pさんが好きってことでしょ?」
凛「そんなまゆが、動きもしないなんて」
凛「それなら私、Pさん奪っちゃうよ?」
まゆ「それはっ、嫌、です!!」
凛「でしょ?だったらほら、行くよ」
まゆ「ど、どこに」
凛「決まってるじゃん」
凛「女の子をここまで追い詰めるくらい惚れさせた、天然ジゴロで女たらしの、罪作りなプロデューサーにだよ」
凛「努力もしないで、そんなとこで立ち止まってるなんて、まゆらしくないんじゃない?」
まゆ「私らしさって、なんなんですかぁ……」
凛「まゆらしさ?そんなのさっき言ったじゃん」
凛「ここにいる誰よりも、世界中の誰よりも、Pさんが好きってことでしょ?」
凛「そんなまゆが、動きもしないなんて」
凛「それなら私、Pさん奪っちゃうよ?」
まゆ「それはっ、嫌、です!!」
凛「でしょ?だったらほら、行くよ」
まゆ「ど、どこに」
凛「決まってるじゃん」
凛「女の子をここまで追い詰めるくらい惚れさせた、天然ジゴロで女たらしの、罪作りなプロデューサーにだよ」
301: ミガサ 2013/06/03(月) 21:57:40.89 ID:uxOCK7pV0
―――P喫茶店―――
まゆ「……こん、にちは」
凛「ただいま」
P「お帰り。でもここお前の家じゃないからな?」
凛「同じようなものでしょ?ああ、それとちょっと」クイクイ
P「え?何?」
凛「せーのっ!」バチン!
P「へぶぅ?!」
まゆ「あ、あの、凛さん?」
凛「一発ぶたないと私のこの気持ちが落ち着かないの」
P「い、いってぇ……本気でやりやがったな」
凛「うん。だからPさんもまゆに本気でぶつかってあげて」
P「……そういうことかよ……ホント、お前って俺の事わかってんな」
凛「大好きだもん。当たり前だよ」
P「……ありがとな」
まゆ「……こん、にちは」
凛「ただいま」
P「お帰り。でもここお前の家じゃないからな?」
凛「同じようなものでしょ?ああ、それとちょっと」クイクイ
P「え?何?」
凛「せーのっ!」バチン!
P「へぶぅ?!」
まゆ「あ、あの、凛さん?」
凛「一発ぶたないと私のこの気持ちが落ち着かないの」
P「い、いってぇ……本気でやりやがったな」
凛「うん。だからPさんもまゆに本気でぶつかってあげて」
P「……そういうことかよ……ホント、お前って俺の事わかってんな」
凛「大好きだもん。当たり前だよ」
P「……ありがとな」
302: ミガサ 2013/06/03(月) 21:59:28.93 ID:uxOCK7pV0
P「まゆ」
まゆ「なん、ですか」ビクッ
P「……俺は、何をしたらいい?」
まゆ「え?」
P「俺は、お前に取り返しのつかないことをしかけた」
P「だから、まゆ。俺にできることなら、俺は何でもするつもりだ」
まゆ「……なん、でも?」
P「ああ」
幸子「ん?」
雪美「ん?」
凛「はいはい。下がってて」
まゆ「なん、ですか」ビクッ
P「……俺は、何をしたらいい?」
まゆ「え?」
P「俺は、お前に取り返しのつかないことをしかけた」
P「だから、まゆ。俺にできることなら、俺は何でもするつもりだ」
まゆ「……なん、でも?」
P「ああ」
幸子「ん?」
雪美「ん?」
凛「はいはい。下がってて」
303: ミガサ 2013/06/03(月) 22:03:24.80 ID:uxOCK7pV0
まゆ「……それじゃあ、まゆ、は」
まゆ「Pさん、Pさんが欲し―――」
まゆ「……違い、ますね」
まゆ「Pさん」
P「なんだ?」
まゆ「まゆ、部屋の家具全部捨てちゃったんです」
P「そう、か」
まゆ「だから……机と椅子や、この赤いリボンを選んでくれた時のように……」
まゆ「全部、選んでくれると、嬉しいです」
P「……わかった。金も払うよ」
まゆ「いいえ、それはいいんです。捨てたのはまゆですから」
まゆ「選んでくれるだけでいいです。でも、あと一つだけ、いいですか?」
P「なんだ?」
まゆ「この赤いリボンで……私の髪を、結んでください」
まゆ「Pさん、Pさんが欲し―――」
まゆ「……違い、ますね」
まゆ「Pさん」
P「なんだ?」
まゆ「まゆ、部屋の家具全部捨てちゃったんです」
P「そう、か」
まゆ「だから……机と椅子や、この赤いリボンを選んでくれた時のように……」
まゆ「全部、選んでくれると、嬉しいです」
P「……わかった。金も払うよ」
まゆ「いいえ、それはいいんです。捨てたのはまゆですから」
まゆ「選んでくれるだけでいいです。でも、あと一つだけ、いいですか?」
P「なんだ?」
まゆ「この赤いリボンで……私の髪を、結んでください」
304: ミガサ 2013/06/03(月) 22:07:10.38 ID:uxOCK7pV0
P「お安い御用だ」シュルッ
まゆ「……んっ」
P「ご、ごめんな。痛いか?」
まゆ「いいえ……大丈夫、です」
まゆ「……Pさん。最後の我が儘、です」
P「ちょっと待っててくれな。もう少しでリボンを―――」
まゆ「Pさん、大好きです」チュッ
P「んむっ?!」
まゆ「ん……ぷはっ」
P「ま、まゆ……おま」
まゆ「……ふふっ」
凛「ちょっとまゆ。それはいくらなんでも許せないよ?」
幸子「き、きききき、キスなんて、そんな、はははは、ハレンチです!!」
雪美「……私も……ちゅー」
まゆ「ごめんなさぁい。まゆ、まだ少しだけ寂しくてぇ」
P「な、な、な」
凛「……全く。今回だけだよ?」
まゆ「はい」
まゆ「……んっ」
P「ご、ごめんな。痛いか?」
まゆ「いいえ……大丈夫、です」
まゆ「……Pさん。最後の我が儘、です」
P「ちょっと待っててくれな。もう少しでリボンを―――」
まゆ「Pさん、大好きです」チュッ
P「んむっ?!」
まゆ「ん……ぷはっ」
P「ま、まゆ……おま」
まゆ「……ふふっ」
凛「ちょっとまゆ。それはいくらなんでも許せないよ?」
幸子「き、きききき、キスなんて、そんな、はははは、ハレンチです!!」
雪美「……私も……ちゅー」
まゆ「ごめんなさぁい。まゆ、まだ少しだけ寂しくてぇ」
P「な、な、な」
凛「……全く。今回だけだよ?」
まゆ「はい」
305: ミガサ 2013/06/03(月) 22:10:38.93 ID:uxOCK7pV0
―――帰り道―――
凛「よかったの?」
まゆ「何が、ですかぁ?」
凛「Pさんが欲しい、って言わなかったこと」
まゆ「……あれは、まゆが望んだことじゃないです」
まゆ「あれを望んだのは……【まゆ】、ですから」
凛「……そっか」
まゆ「【まゆ】もきっと、Pさんが大好きだったんです。誰よりも、私と同じくらいに」
まゆ「でも……道を、間違えてしまった」
まゆ「まゆはもう、道を踏み外したくないですから」
凛「……ふふっ、後で言わなかったこと、後悔するよ?」
まゆ「後悔なんてしませんよぉ。Pさんはまゆの虜ですからぁ」
凛「そんなことないと思うな。そのうち私もキスするし」
まゆ「ふふふ……」
凛「ふふふ……」
凛「よかったの?」
まゆ「何が、ですかぁ?」
凛「Pさんが欲しい、って言わなかったこと」
まゆ「……あれは、まゆが望んだことじゃないです」
まゆ「あれを望んだのは……【まゆ】、ですから」
凛「……そっか」
まゆ「【まゆ】もきっと、Pさんが大好きだったんです。誰よりも、私と同じくらいに」
まゆ「でも……道を、間違えてしまった」
まゆ「まゆはもう、道を踏み外したくないですから」
凛「……ふふっ、後で言わなかったこと、後悔するよ?」
まゆ「後悔なんてしませんよぉ。Pさんはまゆの虜ですからぁ」
凛「そんなことないと思うな。そのうち私もキスするし」
まゆ「ふふふ……」
凛「ふふふ……」
306: ミガサ 2013/06/03(月) 22:14:02.71 ID:uxOCK7pV0
まゆ「凛さん。負けませんからね?」
凛「負けるつもりないから」
まゆ「まゆも、ですよ」
まゆ「(もし、これでPさんが他の人とくっついても)」
まゆ「(まゆは、Pさんのことを大好きでい続けますから)」
まゆ「(もう、踏み外しません)」
まゆ「(だから―――今は、まだPさんを感じていたいんです)」
まゆ「(まゆの我が儘に……もう少しだけ、付き合ってくださいね?Pさん)」
まゆ長くなってしまった……すまぬ。
恐らく次で今日は最後 >>+5
凛「負けるつもりないから」
まゆ「まゆも、ですよ」
まゆ「(もし、これでPさんが他の人とくっついても)」
まゆ「(まゆは、Pさんのことを大好きでい続けますから)」
まゆ「(もう、踏み外しません)」
まゆ「(だから―――今は、まだPさんを感じていたいんです)」
まゆ「(まゆの我が儘に……もう少しだけ、付き合ってくださいね?Pさん)」
まゆ長くなってしまった……すまぬ。
恐らく次で今日は最後 >>+5
307: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 22:14:23.25 ID:DsFmrT+S0
奏 前
308: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 22:14:26.35 ID:OVXSord+0
奏 前
309: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 22:14:36.09 ID:3O8s13ODO
李衣菜 前
310: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 22:14:38.80 ID:jYafUd5Do
ちゃんみお 前
311: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 22:14:38.99 ID:ljjKdX+So
藍子 前
319: ミガサ 2013/06/03(月) 22:15:55.59 ID:uxOCK7pV0
藍子ちゃんは……あれ、やりましたよね?確か……
とりあえず再安価 >>+4
とりあえず再安価 >>+4
320: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 22:16:05.79 ID:F0tSMNsAO
奏 前
321: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 22:16:12.42 ID:Y5kyDRyAO
星輝子 前
322: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 22:16:12.60 ID:OVXSord+0
奏
前
前
323: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 22:16:13.00 ID:hVQLKmVqo
日菜子 前
330: ミガサ 2013/06/03(月) 22:19:14.76 ID:uxOCK7pV0
―――日菜子の部屋―――
日菜子「むふふ……ここで、白馬の王子様がですねぇ……」
日菜子「……」
日菜子「……ダメ、ですねぇ」
日菜子「この先を……日菜子、妄想できなくなっちゃったみたいですねぇ……」
日菜子「……理由なんて、はっきりしてるんですけどねぇ」
日菜子「私の白馬の王子様、あなたはどこへ行ったんでしょう……?」
日菜子「むふふ……ここで、白馬の王子様がですねぇ……」
日菜子「……」
日菜子「……ダメ、ですねぇ」
日菜子「この先を……日菜子、妄想できなくなっちゃったみたいですねぇ……」
日菜子「……理由なんて、はっきりしてるんですけどねぇ」
日菜子「私の白馬の王子様、あなたはどこへ行ったんでしょう……?」
333: ミガサ 2013/06/03(月) 22:22:28.83 ID:uxOCK7pV0
―――数日前 事務所―――
日菜子「創作紙芝居、ですかぁ?」
ちひろ「そうなの。なんでも、次の仕事で子供番組で……」
日菜子「そうなんですか……それで、日菜子を?」
ちひろ「はい。妄想といえば日菜子ちゃんの得意分野と思いまして」
日菜子「むふふ……任せてください」
ちひろ「よろしくね?」
日菜子「わかってますよぉ。むふふ」
334: ミガサ 2013/06/03(月) 22:25:11.24 ID:uxOCK7pV0
日菜子「……最近、妄想が捗らないと思ってましたけど」
日菜子「まさかここまでとは、思いませんでしたねぇ……」
日菜子「……仕事、明日なんですよねぇ」
日菜子「どうしましょうかねぇ……これ……」
日菜子「……ちょっと、外を散歩しましょうか」
日菜子「根を詰めてばかりじゃ、妄想は色彩を失っちゃいますからねぇ……むふふ」
日菜子「まさかここまでとは、思いませんでしたねぇ……」
日菜子「……仕事、明日なんですよねぇ」
日菜子「どうしましょうかねぇ……これ……」
日菜子「……ちょっと、外を散歩しましょうか」
日菜子「根を詰めてばかりじゃ、妄想は色彩を失っちゃいますからねぇ……むふふ」
335: ミガサ 2013/06/03(月) 22:28:46.15 ID:uxOCK7pV0
―――P喫茶店前―――
日菜子「ここで……王子様が……むふふ」
日菜子「ああでも、こういう登場の方が―――」
―――キキーッ
日菜子「……えっ」
ガシャァン
日菜子「……っ」
日菜子「……あ、あれ……日菜子……」
P「ったく。大丈夫か日菜子?ちょうど店から出てきた時だったから、なんとか抱きかかえて道路から外れられたけど……」
日菜子「……王子、様」
P「は?」
日菜子「王子様……やっと、見つけましたぁ……むふふ」
P「おーい日菜子?頭でも打ったか?」
日菜子「ここで……王子様が……むふふ」
日菜子「ああでも、こういう登場の方が―――」
―――キキーッ
日菜子「……えっ」
ガシャァン
日菜子「……っ」
日菜子「……あ、あれ……日菜子……」
P「ったく。大丈夫か日菜子?ちょうど店から出てきた時だったから、なんとか抱きかかえて道路から外れられたけど……」
日菜子「……王子、様」
P「は?」
日菜子「王子様……やっと、見つけましたぁ……むふふ」
P「おーい日菜子?頭でも打ったか?」
336: ミガサ 2013/06/03(月) 22:31:28.89 ID:uxOCK7pV0
―――P喫茶店―――
P「妄想癖、いい加減直せよ?今回はあっちの信号無視って形で話がついたからいいけどさ」
日菜子「すみません……むふふ」
P「さっきから笑ってるけど、一体どうした?」
日菜子「なんでもないですよぉ……むふふふふ」
P「……ちょっと怖いぞ」
日菜子「むふ、むふふふ……やっと見つけました、王子様」
P「本当に頭でも打ったのか?」
日菜子「打ってませんよぉ」
P「妄想癖、いい加減直せよ?今回はあっちの信号無視って形で話がついたからいいけどさ」
日菜子「すみません……むふふ」
P「さっきから笑ってるけど、一体どうした?」
日菜子「なんでもないですよぉ……むふふふふ」
P「……ちょっと怖いぞ」
日菜子「むふ、むふふふ……やっと見つけました、王子様」
P「本当に頭でも打ったのか?」
日菜子「打ってませんよぉ」
337: ミガサ 2013/06/03(月) 22:34:49.31 ID:uxOCK7pV0
P「ほら、ミルクティー。これ飲んで落ち着け」
日菜子「ありがとうございます……あの、Pさん」
P「ん?」
日菜子「日菜子今、紙芝居を描いてるんですよぉ」
P「へぇ、面白そうじゃないか」
日菜子「それでですねぇ……Pさんをモデルに、紙芝居を描きたいんです」
P「俺をモデル?」
日菜子「はい……Pさんは、日菜子の白馬の王子様ですから」
P「まぁ、お前がいいならいいけど」
日菜子「そうですかぁ。ありがとうございます、むふふ」
P「……18禁とかは勘弁な」
日菜子「ありがとうございます……あの、Pさん」
P「ん?」
日菜子「日菜子今、紙芝居を描いてるんですよぉ」
P「へぇ、面白そうじゃないか」
日菜子「それでですねぇ……Pさんをモデルに、紙芝居を描きたいんです」
P「俺をモデル?」
日菜子「はい……Pさんは、日菜子の白馬の王子様ですから」
P「まぁ、お前がいいならいいけど」
日菜子「そうですかぁ。ありがとうございます、むふふ」
P「……18禁とかは勘弁な」
338: ミガサ 2013/06/03(月) 22:37:45.72 ID:uxOCK7pV0
―――数時間後―――
日菜子「……むふふ」
P「なんだよ」
日菜子「共同作業ですねぇ」
P「そうだな、俺がたまにアイデアを出して、それや妄想を元に日菜子が紙芝居を描く」
日菜子「夫婦みたいですねぇ」
P「なんでそうなる」
日菜子「共同作業ですから」
P「……お前の妄想力には、たまに敬意を表するよ」
日菜子「むふふ……」
日菜子「……むふふ」
P「なんだよ」
日菜子「共同作業ですねぇ」
P「そうだな、俺がたまにアイデアを出して、それや妄想を元に日菜子が紙芝居を描く」
日菜子「夫婦みたいですねぇ」
P「なんでそうなる」
日菜子「共同作業ですから」
P「……お前の妄想力には、たまに敬意を表するよ」
日菜子「むふふ……」
339: ミガサ 2013/06/03(月) 22:41:39.98 ID:uxOCK7pV0
日菜子「できましたぁ!」
P「ふぅ、疲れたぜ」
日菜子「……お疲れ様でしたぁ」
P「本当にな」
日菜子「あの……ありがとうございましたぁ。二回も助けてもらって」
P「……俺が育てたアイドルだしな。大事にするさ」
日菜子「むふふ、大事にしてもらって嬉しいです」
日菜子「Pさん、また一緒に、紙芝居を作ってもらえませんかぁ?」
P「暇なときにな」
日菜子「むふふ、ありがとうございます」
日菜子「(今度は、シンデレラを作りましょう?)」
日菜子「(私がシンデレラで……Pさんが王子様な、そんな素敵な、紙芝居を)」
P「ふぅ、疲れたぜ」
日菜子「……お疲れ様でしたぁ」
P「本当にな」
日菜子「あの……ありがとうございましたぁ。二回も助けてもらって」
P「……俺が育てたアイドルだしな。大事にするさ」
日菜子「むふふ、大事にしてもらって嬉しいです」
日菜子「Pさん、また一緒に、紙芝居を作ってもらえませんかぁ?」
P「暇なときにな」
日菜子「むふふ、ありがとうございます」
日菜子「(今度は、シンデレラを作りましょう?)」
日菜子「(私がシンデレラで……Pさんが王子様な、そんな素敵な、紙芝居を)」
340: ミガサ 2013/06/03(月) 22:42:45.34 ID:uxOCK7pV0
途中で落ちるかもしれないけど、まだ行けそうなので安価。
>>+6
>>+6
341: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 22:43:08.88 ID:OVXSord+0
奏 前
342: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 22:44:37.71 ID:nkKfYc4Go
肇
343: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 22:44:37.90 ID:4tmesyqZo
奏 前
344: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 22:44:47.18 ID:F0tSMNsAO
奏 前
345: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 22:44:49.30 ID:MkmB5C3I0
奏 前
346: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 22:44:50.19 ID:jYafUd5Do
本田未央 前
355: ミガサ 2013/06/03(月) 22:48:38.73 ID:uxOCK7pV0
―――女子寮 未央の部屋―――
未央「……」
未央「うづきちも、しぶりんも、元気になったなぁ……」
未央「まだ仕事で失敗したりするのは……私、だけ」
未央「……早く、吹っ切れないとな……」
未央「ニュージェネレーションは……三人で一人、なんだから」
未央「……」
未央「うづきちも、しぶりんも、元気になったなぁ……」
未央「まだ仕事で失敗したりするのは……私、だけ」
未央「……早く、吹っ切れないとな……」
未央「ニュージェネレーションは……三人で一人、なんだから」
358: ミガサ 2013/06/03(月) 22:51:03.34 ID:uxOCK7pV0
―――レッスン場―――
未央「……」
凛「こう、かな?」
卯月「うん!それで大丈夫!」
未央「……はぁ」
凛「……未央、大丈夫?」
未央「えっ?あ、うん。大丈夫だよ!」
卯月「そうは見えないよ。未央ちゃん」
未央「……そっか……ごめんね。色々、気持ちの整理がつかなくて」
凛「気持ちの、整理?」
未央「……」
凛「こう、かな?」
卯月「うん!それで大丈夫!」
未央「……はぁ」
凛「……未央、大丈夫?」
未央「えっ?あ、うん。大丈夫だよ!」
卯月「そうは見えないよ。未央ちゃん」
未央「……そっか……ごめんね。色々、気持ちの整理がつかなくて」
凛「気持ちの、整理?」
359: ミガサ 2013/06/03(月) 22:53:53.81 ID:uxOCK7pV0
未央「うん……Pさんが、いなくなってさ」
未央「卯月も凛も吹っ切れたみたいなのに……私だけ、こうやってウジウジしててさ」
未央「情けないなって思って」
凛&卯月「……」
凛「(卯月、もしかして)」ゴニョゴニョ
卯月「(うん、たぶんそうだよね……)」ゴニョゴニョ
未央「何話してるの?」
凛「未央……もしかして、知らないの?」
未央「何を?」
卯月「えっとね、Pさんが喫茶店やってるの」
未央「……は?」
361: ミガサ 2013/06/03(月) 22:56:50.05 ID:uxOCK7pV0
―――P喫茶店―――
カランカラーン
P「おう、凛に卯月いらっしゃ―――」
凛「いくよ卯月」
卯月「うん、せーの!」
凛&卯月「てーい!」バチコーン!
P「ひでぶっ!?」
ガシャーン ゴロゴロゴロゴロ ドサッ
幸子「……あの、Pさんが転がってきたんですけど」
雪美「スタイリッシュ……ダンゴムシ……?」
凛「相応の報いを受けてもらっただけだよ」
卯月「うんうん。そのとおり!」
未央「……えーっと?状況が把握できないんだけど……」
カランカラーン
P「おう、凛に卯月いらっしゃ―――」
凛「いくよ卯月」
卯月「うん、せーの!」
凛&卯月「てーい!」バチコーン!
P「ひでぶっ!?」
ガシャーン ゴロゴロゴロゴロ ドサッ
幸子「……あの、Pさんが転がってきたんですけど」
雪美「スタイリッシュ……ダンゴムシ……?」
凛「相応の報いを受けてもらっただけだよ」
卯月「うんうん。そのとおり!」
未央「……えーっと?状況が把握できないんだけど……」
363: ミガサ 2013/06/03(月) 23:01:14.44 ID:uxOCK7pV0
P「……すまんっ!未央!!」
未央「う、うん。あの、わかったからさ……その……土下座は辞めてくれると」
凛「これくらいしないと」グリグリ
幸子「そうですよね」グリグリ
未央「あの、それを踏むのもちょっと」
卯月「……え?お尻?」
雪美「卯月……お尻……大きい……」
未央「そこでお茶してる二人もさ。あのさ」
P「本当にすまんかったぁ!!!!」ミシミシ
未央「あのね、しぶりん。Pさんの頭、床にめり込んでる。もうやめてあげて?」
未央「う、うん。あの、わかったからさ……その……土下座は辞めてくれると」
凛「これくらいしないと」グリグリ
幸子「そうですよね」グリグリ
未央「あの、それを踏むのもちょっと」
卯月「……え?お尻?」
雪美「卯月……お尻……大きい……」
未央「そこでお茶してる二人もさ。あのさ」
P「本当にすまんかったぁ!!!!」ミシミシ
未央「あのね、しぶりん。Pさんの頭、床にめり込んでる。もうやめてあげて?」
364: ミガサ 2013/06/03(月) 23:04:06.34 ID:uxOCK7pV0
P「……いや、本当にすまん。マジですまん」
未央「もういいよ……忘れてたっていうのはショックだけど……」
P「凛と卯月から連絡が行ってるものだとてっきり」
凛「私はPさんがもう言ってるのかなって」
卯月「凛ちゃんと同じく」
幸子「そもそもボク、未央さんと面識ないですし」
雪美「……私、未央のメールアドレス……持ってない」
P「Oh……」
未央「色々な偶然が重なってたってことなんだね……」
未央「もういいよ……忘れてたっていうのはショックだけど……」
P「凛と卯月から連絡が行ってるものだとてっきり」
凛「私はPさんがもう言ってるのかなって」
卯月「凛ちゃんと同じく」
幸子「そもそもボク、未央さんと面識ないですし」
雪美「……私、未央のメールアドレス……持ってない」
P「Oh……」
未央「色々な偶然が重なってたってことなんだね……」
366: ミガサ 2013/06/03(月) 23:07:53.94 ID:uxOCK7pV0
未央「はぁ。ホントPさんはダメダメだね」
P「うぐ、今はそう言われても仕方ない」
未央「だから、そんなダメダメのPさんに私のお願い聞いて欲しいな」
P「わ、わかった。聞いてやる。出来る範囲でな」
未央「そっかー。うーんとね……」
凛「デートでいいんじゃない?」
未央「ちょっ、しぶりん!?」
卯月「いいなぁ未央ちゃん」
幸子「ボ、ボクはPさんとデートしたことあるので!」
雪美「……私、も」
P「……えーっと」
未央「……あーもう!じゃあデートでいいよ、デート!」
P「お、おう……」
未央「……えへへっ」
P「うぐ、今はそう言われても仕方ない」
未央「だから、そんなダメダメのPさんに私のお願い聞いて欲しいな」
P「わ、わかった。聞いてやる。出来る範囲でな」
未央「そっかー。うーんとね……」
凛「デートでいいんじゃない?」
未央「ちょっ、しぶりん!?」
卯月「いいなぁ未央ちゃん」
幸子「ボ、ボクはPさんとデートしたことあるので!」
雪美「……私、も」
P「……えーっと」
未央「……あーもう!じゃあデートでいいよ、デート!」
P「お、おう……」
未央「……えへへっ」
367: ミガサ 2013/06/03(月) 23:09:16.86 ID:uxOCK7pV0
未央「じゃー私は明日デートするし、今日は帰ろうかなっ!」
P「あ、明日!?」
未央「約束、守ってくれるよね?」
P「……わかったよ、はぁ」
未央「……あのね。Pさん」
P「なんだ?」
未央「言いたいことがあったんだ」
P「言いたいこと?」
P「あ、明日!?」
未央「約束、守ってくれるよね?」
P「……わかったよ、はぁ」
未央「……あのね。Pさん」
P「なんだ?」
未央「言いたいことがあったんだ」
P「言いたいこと?」
368: ミガサ 2013/06/03(月) 23:13:03.02 ID:uxOCK7pV0
未央「私、ずーっとずーっと、不憫とかさ、言われててさ」
未央「でもでも、Pさんはずっと私を支えてくれたよね」
未央「だから、こんな時しか言えないんだけどさ……その」
未央「あ、ありがとっ!」
未央「これからも、ずっとずーっと。支えて欲しいなっ!」
P「……ああ!」
未央「Pさん、大好き!」
未央「……なーんてね、えへへっ!じゃあ明日のデート、楽しみにしてるから!」
未央「明日も、私を支えてね!」
未央「でもでも、Pさんはずっと私を支えてくれたよね」
未央「だから、こんな時しか言えないんだけどさ……その」
未央「あ、ありがとっ!」
未央「これからも、ずっとずーっと。支えて欲しいなっ!」
P「……ああ!」
未央「Pさん、大好き!」
未央「……なーんてね、えへへっ!じゃあ明日のデート、楽しみにしてるから!」
未央「明日も、私を支えてね!」
373: ミガサ 2013/06/03(月) 23:14:59.19 ID:uxOCK7pV0
次のアイドル >>+5
374: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 23:15:07.68 ID:3O8s13ODO
李衣菜 前
375: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 23:15:11.20 ID:Y5kyDRyAO
星輝子 前
376: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 23:15:15.45 ID:r73FFhrpo
神崎蘭子 前
377: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 23:15:18.11 ID:LzjOIXiEo
美嘉 前
378: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/03(月) 23:15:20.19 ID:vL8GIhpGo
ほたる 前
390: ミガサ 2013/06/04(火) 20:43:01.82 ID:EowD+kwu0
―――事務所―――
ほたる「……」ボーッ
ちひろ「ほたるちゃん?」
ほたる「……」ボーッ
ちひろ「ほたるちゃん!大丈夫?」
ほたる「あ……平気、です」
ちひろ「……その服を見ると平気とは言い難いのだけど」
ほたる「そうでもないですよ」
ほたる「だって車に4回程度泥水を跳ねられて、カラスに二時間くらい追い掛け回されて、挙句川に落ちただけですから」
ほたる「これくらいの不幸……なんともありません」ニコッ
ちひろ「……」
ほたる「……」ボーッ
ちひろ「ほたるちゃん?」
ほたる「……」ボーッ
ちひろ「ほたるちゃん!大丈夫?」
ほたる「あ……平気、です」
ちひろ「……その服を見ると平気とは言い難いのだけど」
ほたる「そうでもないですよ」
ほたる「だって車に4回程度泥水を跳ねられて、カラスに二時間くらい追い掛け回されて、挙句川に落ちただけですから」
ほたる「これくらいの不幸……なんともありません」ニコッ
ちひろ「……」
392: ミガサ 2013/06/04(火) 20:45:56.08 ID:EowD+kwu0
ほたる「私、本当の不幸ってどんなものかわかりましたから」
ほたる「今まで私が不幸だって言ってたものは、全然不幸でもなんでもなくて、むしろ幸運だったんです」
ほたる「この程度で済んでたって、感謝するべきだったんです」
ほたる「もっとも、最近はちょっとだけ数が多くなってきましたけど……」
ほたる「全然平気、ですよ」ニコッ
ちひろ「……もう、見てられないわ……」
ほたる「え?」
ちひろ「茄子さん!来てください!!」
茄子「はいはい~♪」
ほたる「あ……茄子、さん」
ほたる「今まで私が不幸だって言ってたものは、全然不幸でもなんでもなくて、むしろ幸運だったんです」
ほたる「この程度で済んでたって、感謝するべきだったんです」
ほたる「もっとも、最近はちょっとだけ数が多くなってきましたけど……」
ほたる「全然平気、ですよ」ニコッ
ちひろ「……もう、見てられないわ……」
ほたる「え?」
ちひろ「茄子さん!来てください!!」
茄子「はいはい~♪」
ほたる「あ……茄子、さん」
393: ミガサ 2013/06/04(火) 20:48:37.13 ID:EowD+kwu0
ほたる「その……近づかない方が、いいですよ?」
茄子「大丈夫ですよ~。私、幸運なんd」ツルッ
茄子「えっ」
モフッ!
ちひろ「か、茄子さん!?大丈夫ですか?!」
茄子「あはは……なんとか、たまたま転んだ先に仁奈ちゃんの着包みがあったので~」
ほたる「……その、ごめんなさい……」
茄子「ほたるちゃんのせいじゃないわよ~……多分……」
ちひろ「(茄子さんでも気圧されるほどの不幸オーラ……)」
茄子「大丈夫ですよ~。私、幸運なんd」ツルッ
茄子「えっ」
モフッ!
ちひろ「か、茄子さん!?大丈夫ですか?!」
茄子「あはは……なんとか、たまたま転んだ先に仁奈ちゃんの着包みがあったので~」
ほたる「……その、ごめんなさい……」
茄子「ほたるちゃんのせいじゃないわよ~……多分……」
ちひろ「(茄子さんでも気圧されるほどの不幸オーラ……)」
394: ミガサ 2013/06/04(火) 20:52:22.72 ID:EowD+kwu0
ほたる「あ……そこの電灯、落ちそうですから気をつけてください」
ちひろ「え、ちょっ!?」ヒョイッ
ガシャーン!
ちひろ「で、電灯が落ちるなんて……近くに茄子さんがいたのに……」
茄子「……うーん……これはちょっと」
ほたる「その……茄子さんも、私には関わらない方が」
茄子「で、でも。ほたるちゃん心配ですし……」
ちひろ「……茄子さんでもダメ……なら、あの子を呼ぶしかないわね」
茄子「私よりも運がいい人なんているんですか?」
ちひろ「そうじゃないんですけど……まぁある意味、茄子さんよりは強いかなと」
茄子「?」
ちひろ「え、ちょっ!?」ヒョイッ
ガシャーン!
ちひろ「で、電灯が落ちるなんて……近くに茄子さんがいたのに……」
茄子「……うーん……これはちょっと」
ほたる「その……茄子さんも、私には関わらない方が」
茄子「で、でも。ほたるちゃん心配ですし……」
ちひろ「……茄子さんでもダメ……なら、あの子を呼ぶしかないわね」
茄子「私よりも運がいい人なんているんですか?」
ちひろ「そうじゃないんですけど……まぁある意味、茄子さんよりは強いかなと」
茄子「?」
395: ミガサ 2013/06/04(火) 20:55:28.21 ID:EowD+kwu0
卯月「島村卯月、来ました!」
ちひろ「いらっしゃい、卯月ちゃん」
卯月「あの、私なんで呼ばれたんですか?」
ちひろ「まぁ、それは……」チラッ
ほたる「……?」
卯月「ほたるちゃんがどうしたんですか?」
茄子「その……私の幸運でも、どうしようもなくなってきちゃったんです」
卯月「そうなんですか……あの、で。なんで私を?」
ちひろ「卯月ちゃんにはアレがあるじゃない」
卯月「アレ?」
ちひろ「普通力」
ちひろ「いらっしゃい、卯月ちゃん」
卯月「あの、私なんで呼ばれたんですか?」
ちひろ「まぁ、それは……」チラッ
ほたる「……?」
卯月「ほたるちゃんがどうしたんですか?」
茄子「その……私の幸運でも、どうしようもなくなってきちゃったんです」
卯月「そうなんですか……あの、で。なんで私を?」
ちひろ「卯月ちゃんにはアレがあるじゃない」
卯月「アレ?」
ちひろ「普通力」
396: ミガサ 2013/06/04(火) 21:01:47.88 ID:EowD+kwu0
茄子「……普通、力?」
卯月「なんですかそれ!酷くないですか?!」
ちひろ「だって……卯月ちゃん、あなたね?」
ちひろ「総選挙の順位も二回連続で29位だし、生まれてから吉以外引いたことないみたいだし……ポーカーで茄子さんやレナさん相手にして、一度も負けるどころか、一度も勝つことなく、全て引き分けにしたのよ?」
卯月「あー!そんなことありましたねー」
茄子「そういえば……確かに……」
ちひろ「私はこれを、普通力と名付けました」
ちひろ「この普通力をもってすれば、ほたるちゃんに近づくことだって可能なはz」
卯月「ほたるちゃん!ちょっと一緒にお出かけしよ?」ギュッ
ほたる「ひゃっ、手、手を……」
ちひろ「……」
茄子「……」
ちひろ「……彼女の普通力は……本物、みたいですね……」
茄子「ええ……」
卯月「なんですかそれ!酷くないですか?!」
ちひろ「だって……卯月ちゃん、あなたね?」
ちひろ「総選挙の順位も二回連続で29位だし、生まれてから吉以外引いたことないみたいだし……ポーカーで茄子さんやレナさん相手にして、一度も負けるどころか、一度も勝つことなく、全て引き分けにしたのよ?」
卯月「あー!そんなことありましたねー」
茄子「そういえば……確かに……」
ちひろ「私はこれを、普通力と名付けました」
ちひろ「この普通力をもってすれば、ほたるちゃんに近づくことだって可能なはz」
卯月「ほたるちゃん!ちょっと一緒にお出かけしよ?」ギュッ
ほたる「ひゃっ、手、手を……」
ちひろ「……」
茄子「……」
ちひろ「……彼女の普通力は……本物、みたいですね……」
茄子「ええ……」
397: ミガサ 2013/06/04(火) 21:04:04.61 ID:EowD+kwu0
―――P喫茶店―――
卯月「とうちゃーく!」
ほたる「な、何も起きないなんて……」
茄子「私の幸運すら働きませんでしたよ?」
卯月「?何かおかしなことありました?」
茄子「な、なんでもないですよ」
ほたる「その……で、ここは……」
P「おう卯月に茄子さんにほたる、いらっしゃい」
ほたる「あっ……」
卯月「とうちゃーく!」
ほたる「な、何も起きないなんて……」
茄子「私の幸運すら働きませんでしたよ?」
卯月「?何かおかしなことありました?」
茄子「な、なんでもないですよ」
ほたる「その……で、ここは……」
P「おう卯月に茄子さんにほたる、いらっしゃい」
ほたる「あっ……」
398: ミガサ 2013/06/04(火) 21:09:15.88 ID:EowD+kwu0
ほたる「P、さん……」
P「ほたる、俺がいなくてもちゃんとアイドルできてたか?」
ほたる「そ、そんなの、で、できるわけ、ないじゃないですか」ポロポロ
P「そりゃ、どうしてだ?」
ほたる「私、不幸ですから……周りの人も巻き込んで、みんな不幸にしちゃうんです」
ほたる「だ、だから……それでも、近くにいてくれたPさんが、いなく、なって、から」
ほたる「わ、私、一人じゃ、何も、できなくって。上手に、笑えなく、なって」ボロボロ
P「……ほたる」ギュゥ
ほたる「ふぁ……」
P「頑張ったな。どんなに不幸でも、笑えなくなっても、それでも決してお前はアイドルを諦めなかった」
P「これからはまた、俺も支えてやるからな。どんな不幸でも、俺がまとめて受け止めてやる」
P「だから……今くらいは、頑張らなくていいぞ」ナデナデ
ほたる「Pさん、Pさん……うぐ、うえええええええ……」
P「ほたる、俺がいなくてもちゃんとアイドルできてたか?」
ほたる「そ、そんなの、で、できるわけ、ないじゃないですか」ポロポロ
P「そりゃ、どうしてだ?」
ほたる「私、不幸ですから……周りの人も巻き込んで、みんな不幸にしちゃうんです」
ほたる「だ、だから……それでも、近くにいてくれたPさんが、いなく、なって、から」
ほたる「わ、私、一人じゃ、何も、できなくって。上手に、笑えなく、なって」ボロボロ
P「……ほたる」ギュゥ
ほたる「ふぁ……」
P「頑張ったな。どんなに不幸でも、笑えなくなっても、それでも決してお前はアイドルを諦めなかった」
P「これからはまた、俺も支えてやるからな。どんな不幸でも、俺がまとめて受け止めてやる」
P「だから……今くらいは、頑張らなくていいぞ」ナデナデ
ほたる「Pさん、Pさん……うぐ、うえええええええ……」
399: ミガサ 2013/06/04(火) 21:12:38.13 ID:EowD+kwu0
ほたる「……Pさん」
P「なんだ?」
ほたる「私……幸せだって、思えました」
P「そっか」
ほたる「アイドルを辞めなくて幸せ、いっぱいいっぱい不幸に遭っても、支えてくれる仲間がいるから幸せ」
P「そうだ。お前は決して不幸なんかじゃないよ」
ほたる「何より、も」
ほたる「Pさんがいてくれて……私、幸せです」ニコッ
ほたる「私、上手に笑えてますか?」
P「おう」
ほたる「私、幸せ、です……ありがとう、Pさん……」
次に訪れるアイドル >>+5
P「なんだ?」
ほたる「私……幸せだって、思えました」
P「そっか」
ほたる「アイドルを辞めなくて幸せ、いっぱいいっぱい不幸に遭っても、支えてくれる仲間がいるから幸せ」
P「そうだ。お前は決して不幸なんかじゃないよ」
ほたる「何より、も」
ほたる「Pさんがいてくれて……私、幸せです」ニコッ
ほたる「私、上手に笑えてますか?」
P「おう」
ほたる「私、幸せ、です……ありがとう、Pさん……」
次に訪れるアイドル >>+5
400: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/04(火) 21:13:35.86 ID:jWOINCrS0
奏 前
401: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/04(火) 21:14:00.22 ID:BO3P2zjAO
星輝子 前
402: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/04(火) 21:14:25.32 ID:PwwSXUoMo
神崎蘭子 前
403: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/04(火) 21:14:31.86 ID:YvqcKhXAO
奏 前
404: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/04(火) 21:14:34.33 ID:SpR38p9zo
ありす 前
405: ミガサ 2013/06/04(火) 21:18:32.01 ID:EowD+kwu0
―――ありすの部屋―――
ありす「……」ピッ
【ありす、今日も笑顔で行こうな!】
ありす「……」ピッ
【ありす、そのドレス似合ってるぞ?】
ありす「……」ピッ
【ありす、ウェディングドレス似合ってる……あはは。こんな事言うなんてまだ早いか】
ありす「……」ピッ
【ありす、好きだ……告白って、こんな感じでいいのか?】
ありす「えへへへ……」
ありす「……」ピッ
【ありす、今日も笑顔で行こうな!】
ありす「……」ピッ
【ありす、そのドレス似合ってるぞ?】
ありす「……」ピッ
【ありす、ウェディングドレス似合ってる……あはは。こんな事言うなんてまだ早いか】
ありす「……」ピッ
【ありす、好きだ……告白って、こんな感じでいいのか?】
ありす「えへへへ……」
407: ミガサ 2013/06/04(火) 21:20:58.39 ID:EowD+kwu0
ありす「Pさん、私も好きですよ」
ありす「名前を読んでくれるたびに、ドキドキします」
ありす「頭を撫でてくれるのは、むしろ好きです」
ありす「ドレス似合ってるって言われたときは、思わず抱きついちゃいそうになりました」
ありす「好き、なんて言われた日にはもう……」
ありす「えへへ、Pさん、Pさん」
ありす「……だから、もう一度」
ありす「名前……呼んで……ください……」
ありす「……うぐ、えぐ……」
ありす「名前を読んでくれるたびに、ドキドキします」
ありす「頭を撫でてくれるのは、むしろ好きです」
ありす「ドレス似合ってるって言われたときは、思わず抱きついちゃいそうになりました」
ありす「好き、なんて言われた日にはもう……」
ありす「えへへ、Pさん、Pさん」
ありす「……だから、もう一度」
ありす「名前……呼んで……ください……」
ありす「……うぐ、えぐ……」
410: ミガサ 2013/06/04(火) 21:24:13.76 ID:EowD+kwu0
―――事務所―――
ありす「……はい。わかりました。ちひろさん」
ちひろ「あの、ありすちゃん」
ありす「橘と呼んでください。私、自分の名前大嫌いなので」
ちひろ「……橘ちゃん。目、赤いけど大丈夫?」
ありす「大丈夫です。最近、タブレットを使うことが多くなったので」
ちひろ「そう……」
ありす「それじゃあ私、失礼しますね」ガチャ バタン
ちひろ「うん、お疲れ様」
ちひろ「どうしましょうかね……」
あずき「どうかしましたかっ?」
ちひろ「あら、あずきちゃん」
ありす「……はい。わかりました。ちひろさん」
ちひろ「あの、ありすちゃん」
ありす「橘と呼んでください。私、自分の名前大嫌いなので」
ちひろ「……橘ちゃん。目、赤いけど大丈夫?」
ありす「大丈夫です。最近、タブレットを使うことが多くなったので」
ちひろ「そう……」
ありす「それじゃあ私、失礼しますね」ガチャ バタン
ちひろ「うん、お疲れ様」
ちひろ「どうしましょうかね……」
あずき「どうかしましたかっ?」
ちひろ「あら、あずきちゃん」
412: ミガサ 2013/06/04(火) 21:28:02.80 ID:EowD+kwu0
あずき「ふむふむ、ありすちゃんの態度が元通りになってしまったと」
ちひろ「そうなのよ。それにあの子……部屋で泣いてばかりいるらしいし」
あずき「む!それは由々しき事態ですね……」
ちひろ「どうにかできないかしら……」
あずき「……閃いた!」
ちひろ「え?」
あずき「この桃井あずきに任せてくださいちひろさん!どうにかしてみせましょう!」
あずき「作戦名は、プロジェクトAlice!さ、準備を始めますよー!」
ちひろ「そうなのよ。それにあの子……部屋で泣いてばかりいるらしいし」
あずき「む!それは由々しき事態ですね……」
ちひろ「どうにかできないかしら……」
あずき「……閃いた!」
ちひろ「え?」
あずき「この桃井あずきに任せてくださいちひろさん!どうにかしてみせましょう!」
あずき「作戦名は、プロジェクトAlice!さ、準備を始めますよー!」
414: ミガサ 2013/06/04(火) 21:31:26.06 ID:EowD+kwu0
―――ありすの部屋―――
あずき「ありすちゃん!」ガチャ
ありす「……橘と」
あずき「今日はね、チョコレート持ってきたんだ♪」
ありす「……」
あずき「私、お菓子作りできなくて……ありすちゃんが詳しいって聞いたから」
ありす「……人並みですよ。あと私のことは橘と」
あずき「お願い!私にお菓子作り、教えてくれないかなっ?」
ありす「……嫌、です」
あずき「じゃあキッチン借りるねっ♪」
ありす「人の話を……はぁ……」
あずき「ありすちゃん!」ガチャ
ありす「……橘と」
あずき「今日はね、チョコレート持ってきたんだ♪」
ありす「……」
あずき「私、お菓子作りできなくて……ありすちゃんが詳しいって聞いたから」
ありす「……人並みですよ。あと私のことは橘と」
あずき「お願い!私にお菓子作り、教えてくれないかなっ?」
ありす「……嫌、です」
あずき「じゃあキッチン借りるねっ♪」
ありす「人の話を……はぁ……」
416: ミガサ 2013/06/04(火) 21:37:12.65 ID:EowD+kwu0
あずき「ふむふむ、ここでチョコレートを湯煎にかけるんだねっ?」
ありす「はい……チョコの温度が体温くらいになるまで……あ、勢いよくかき混ぜないでください。切るように、です」
あずき「了解っ」
ありす「……それ作り終わったら、帰ってくださいね?」
あずき「わかってるよー。急にごめんね?でもありがとっ」
ありす「それでですね。私のことはありす、と呼んでください」
あずき「わかっ、おっとっと!手が滑ったぁ!」
ありす「へっ?え、うにゃっ?!」バシャッ
あずき「あはは……ごめんごめん……」
ありす「うぅ……な、何するんですか!ああもう、服も体もホワイトチョコまみれ……」
あずき「ほんとごめん!後片付けとか掃除は私がするからさ、ありすちゃんはほら、お風呂に入ってきて!着替えも用意しとくからさ」
ありす「……本当、あなたって人は……もう、怒るのも疲れました」スタスタ
あずき「ごめんねー!……さ・て・と」ニヤッ
ありす「はい……チョコの温度が体温くらいになるまで……あ、勢いよくかき混ぜないでください。切るように、です」
あずき「了解っ」
ありす「……それ作り終わったら、帰ってくださいね?」
あずき「わかってるよー。急にごめんね?でもありがとっ」
ありす「それでですね。私のことはありす、と呼んでください」
あずき「わかっ、おっとっと!手が滑ったぁ!」
ありす「へっ?え、うにゃっ?!」バシャッ
あずき「あはは……ごめんごめん……」
ありす「うぅ……な、何するんですか!ああもう、服も体もホワイトチョコまみれ……」
あずき「ほんとごめん!後片付けとか掃除は私がするからさ、ありすちゃんはほら、お風呂に入ってきて!着替えも用意しとくからさ」
ありす「……本当、あなたって人は……もう、怒るのも疲れました」スタスタ
あずき「ごめんねー!……さ・て・と」ニヤッ
417: ミガサ 2013/06/04(火) 21:39:52.67 ID:EowD+kwu0
―――風呂場―――
ありす「全く、何を考えてるんですかあの人は……」シャアア
ありす「……何も考えてないんでしょうね、どうせ」キュッ
ありす「……着替えの場所、教えましたっけ」
ありす「流石にあの人でも、変なモノは用意しないはz」
ありす「……なんですか、これっ……?!」
ありす「全く、何を考えてるんですかあの人は……」シャアア
ありす「……何も考えてないんでしょうね、どうせ」キュッ
ありす「……着替えの場所、教えましたっけ」
ありす「流石にあの人でも、変なモノは用意しないはz」
ありす「……なんですか、これっ……?!」
418: ミガサ 2013/06/04(火) 21:42:36.19 ID:EowD+kwu0
―――リビング―――
ありす「あずきさんっ!!」ガチャッ
あずき「なーにー?」
ありす「どうして!着替えが!この服!なんですか!!」
あずき「でも律儀に着ちゃうありすちゃん。似合ってるよ♪」
ありす「そういう問題じゃないんです!」
あずき「じゃあどういう問題?」
ありす「なんで、なんで」
ありす「なんで着替えが、ジューンブライトの時のウェディングドレスなんですか?!馬鹿なんですか!?」
ありす「あずきさんっ!!」ガチャッ
あずき「なーにー?」
ありす「どうして!着替えが!この服!なんですか!!」
あずき「でも律儀に着ちゃうありすちゃん。似合ってるよ♪」
ありす「そういう問題じゃないんです!」
あずき「じゃあどういう問題?」
ありす「なんで、なんで」
ありす「なんで着替えが、ジューンブライトの時のウェディングドレスなんですか?!馬鹿なんですか!?」
419: ミガサ 2013/06/04(火) 21:45:15.80 ID:EowD+kwu0
あずき「馬鹿じゃないよ~。どっちかって言うと、アホかな?」
ありす「早く普通の着替えを準備しt」
あずき「それじゃ、行こっか!」ギュッ
ありす「へ?え?」
あずき「しゅっぱーつ!!」
ありす「ちょ、この格好のまま外に出るんですか?!何がしたいんですか?!あの、ちょっと?!」
あずき「大丈夫大丈夫!ちひろさんが後でなんとかしてくれるからっ♪」
ありす「そういう問題じゃないって何度言っ……きゃあああああ?!」
あずき「今の私、王子様みたいっ♪」
ありす「早く普通の着替えを準備しt」
あずき「それじゃ、行こっか!」ギュッ
ありす「へ?え?」
あずき「しゅっぱーつ!!」
ありす「ちょ、この格好のまま外に出るんですか?!何がしたいんですか?!あの、ちょっと?!」
あずき「大丈夫大丈夫!ちひろさんが後でなんとかしてくれるからっ♪」
ありす「そういう問題じゃないって何度言っ……きゃあああああ?!」
あずき「今の私、王子様みたいっ♪」
420: ミガサ 2013/06/04(火) 21:50:26.22 ID:EowD+kwu0
―――P喫茶店―――
あずき「とうちゃーく♪」
ありす「……」ゼェハァ
あずき「あり?ありすちゃん大丈夫?」
ありす「……大丈夫な、ワケ、ゲホッ」
あずき「えへへ~。凄く目立ってたね?」
ありす「そりゃ街中をウェディングドレスで闊歩したら……目立つでしょうよ……」
あずき「でも茜さんはやったよね?」
ありす「あの人は……私と違うでしょう……」
ザワザワ
ありす「……ん?」
???「絶対、黒です!ボクが保証します!」
???「白の方が……似合う……」
???「私は黒に一票。Pさんには黒が似合うって思ってたし」
???「まゆも黒、ですねぇ」
???「あの……俺の意見……」
???「あ、ネクタイ曲がってますね……私は、白い方がカッコイイと思うんですけど……」
あずき「とうちゃーく♪」
ありす「……」ゼェハァ
あずき「あり?ありすちゃん大丈夫?」
ありす「……大丈夫な、ワケ、ゲホッ」
あずき「えへへ~。凄く目立ってたね?」
ありす「そりゃ街中をウェディングドレスで闊歩したら……目立つでしょうよ……」
あずき「でも茜さんはやったよね?」
ありす「あの人は……私と違うでしょう……」
ザワザワ
ありす「……ん?」
???「絶対、黒です!ボクが保証します!」
???「白の方が……似合う……」
???「私は黒に一票。Pさんには黒が似合うって思ってたし」
???「まゆも黒、ですねぇ」
???「あの……俺の意見……」
???「あ、ネクタイ曲がってますね……私は、白い方がカッコイイと思うんですけど……」
421: ミガサ 2013/06/04(火) 21:53:38.67 ID:EowD+kwu0
ありす「……聞き覚えの、ある声がするんですけど」
あずき「そろそろかなー?私は真っ赤なタキシードがいいかなーって思ったんだけど」
ありす「タキシード?何の話―――」
あずき「ほらほら、早く入ろっか!」グイグイ
ありす「え、あの」
ガチャッ
P「あ……ありす」
ありす「P……さん?」
P「お前、その衣装」
ありす「Pさんこそ、そのタキシード……」
あずき「そろそろかなー?私は真っ赤なタキシードがいいかなーって思ったんだけど」
ありす「タキシード?何の話―――」
あずき「ほらほら、早く入ろっか!」グイグイ
ありす「え、あの」
ガチャッ
P「あ……ありす」
ありす「P……さん?」
P「お前、その衣装」
ありす「Pさんこそ、そのタキシード……」
422: ミガサ 2013/06/04(火) 21:56:10.80 ID:EowD+kwu0
凛「ホント、結婚式だよね」
まゆ「まゆもいつか、Pさんと……」
藍子「……羨ましいな……」
雪美「どっちも……似合ってる……」
幸子「Pさんは当然ですね!なにせボクがタキシードを選んであげたんですから!」
あずき「えへへっ♪楽しいね~」
ありす「皆、さん?」
P「……ありす」
ありす「なんですか?」
P「あの……名前で呼んで、いいのか?」
ありす「……はい」
まゆ「まゆもいつか、Pさんと……」
藍子「……羨ましいな……」
雪美「どっちも……似合ってる……」
幸子「Pさんは当然ですね!なにせボクがタキシードを選んであげたんですから!」
あずき「えへへっ♪楽しいね~」
ありす「皆、さん?」
P「……ありす」
ありす「なんですか?」
P「あの……名前で呼んで、いいのか?」
ありす「……はい」
423: ミガサ 2013/06/04(火) 21:58:28.85 ID:EowD+kwu0
P「その……ありすが元気ないってあずきから聞いてさ」
ありす「……はい」
P「何かしてげようってことになって……こんな事になったんだけど」
ありす「……そうなんですか」
P「その……元気、出たか?」
ありす「……」
P「ダメだよな。やっぱりこんなんじゃ―――」
ありす「ダメじゃありません!!」
P「ありす?」
ありす「……はい」
P「何かしてげようってことになって……こんな事になったんだけど」
ありす「……そうなんですか」
P「その……元気、出たか?」
ありす「……」
P「ダメだよな。やっぱりこんなんじゃ―――」
ありす「ダメじゃありません!!」
P「ありす?」
424: ミガサ 2013/06/04(火) 22:05:06.25 ID:EowD+kwu0
ありす「嬉しかったです。凄く、凄く」
ありす「……P、さん」
P「なんだ?」
ありす「ありがとうございます……みなさんも」
ありす「……心配かけて、すみません」
あずき「でもありすちゃんには悪い事しちゃったかな?」
ありす「いいえ……無理やりにでも、連れ出してくれて、ありがとうございます」
ありす「Pさん、雰囲気だけでも、その、いいですか?」
P「何を?」
ありす「私、橘ありすは―――あなたが病める時も、健やかな時も、貧しい時も、豊かな時も、喜びにあっても、悲しみにあっても」
ありす「命のある限りあなたを愛し―――あなたとともにあることを約束します」
ありす「……大好き、です。Pさん」
全員「」
ありす「……P、さん」
P「なんだ?」
ありす「ありがとうございます……みなさんも」
ありす「……心配かけて、すみません」
あずき「でもありすちゃんには悪い事しちゃったかな?」
ありす「いいえ……無理やりにでも、連れ出してくれて、ありがとうございます」
ありす「Pさん、雰囲気だけでも、その、いいですか?」
P「何を?」
ありす「私、橘ありすは―――あなたが病める時も、健やかな時も、貧しい時も、豊かな時も、喜びにあっても、悲しみにあっても」
ありす「命のある限りあなたを愛し―――あなたとともにあることを約束します」
ありす「……大好き、です。Pさん」
全員「」
429: ミガサ 2013/06/04(火) 22:08:18.51 ID:EowD+kwu0
凛「……ありす、やるね」
まゆ「そうですねぇ……まゆも負けないようにしないとぉ……」
雪美「……不意打ち……流行ってる……?」
幸子「」
藍子「」
あずき「さ、幸子ちゃんと藍子ちゃんが止まっちゃった?!」
P「え、いや、あの、ありす?」
ありす「なんですか?」
P「その……えっと」
ありす「冗談じゃ、ないです」
ありす「今ここに、何度でも誓います」
ありす「私、橘ありすは―――Pさんの事が、大好き、です」
ありす「……大事にして、くださいね?」
次が最後となります。
次に訪れるアイドル >>+4
まゆ「そうですねぇ……まゆも負けないようにしないとぉ……」
雪美「……不意打ち……流行ってる……?」
幸子「」
藍子「」
あずき「さ、幸子ちゃんと藍子ちゃんが止まっちゃった?!」
P「え、いや、あの、ありす?」
ありす「なんですか?」
P「その……えっと」
ありす「冗談じゃ、ないです」
ありす「今ここに、何度でも誓います」
ありす「私、橘ありすは―――Pさんの事が、大好き、です」
ありす「……大事にして、くださいね?」
次が最後となります。
次に訪れるアイドル >>+4
430: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/04(火) 22:08:38.05 ID:jWOINCrS0
奏 前
431: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/04(火) 22:08:56.49 ID:ZpvprzX70
相葉ちゃん 前
432: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/04(火) 22:08:59.37 ID:2mKOJOp4o
里美 前
433: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/04(火) 22:09:01.11 ID:ox1o1/lKo
森久保 前
441: ミガサ 2013/06/04(火) 22:11:42.33 ID:EowD+kwu0
―――事務所―――
乃々「……仕事なんて、むーりぃ……」
ちひろ「でも乃々ちゃん、逃げなくなったわよね?」
乃々「……」
ちひろ「やっぱり、Pさんがいたから逃げてたの?」
乃々「……そうじゃない、ですけど」
ちひろ「嘘、目が凄く泳いでる」
乃々「あうう……」
442: ミガサ 2013/06/04(火) 22:13:42.67 ID:EowD+kwu0
ちひろ「……乃々ちゃん、もしかして」
乃々「……」
ちひろ「Pさんのこと……好きだった?」
乃々「っ」ボンッ
ちひろ「(凄くわかりやすい……)」
乃々「べ、別に、そんなんじゃないですけど……」オロオロ
ちひろ「……いい加減認めたほうがいいと思うわよ?」
乃々「うぅぅ……」
乃々「……」
ちひろ「Pさんのこと……好きだった?」
乃々「っ」ボンッ
ちひろ「(凄くわかりやすい……)」
乃々「べ、別に、そんなんじゃないですけど……」オロオロ
ちひろ「……いい加減認めたほうがいいと思うわよ?」
乃々「うぅぅ……」
444: ミガサ 2013/06/04(火) 22:17:54.22 ID:EowD+kwu0
ちひろ「全く。どうしてうちのアイドルはみんなそうなのかしら」
乃々「最初は……本当に、仕事が嫌だったんです……」
乃々「だけどある日……逃げてて、不良さんにぶつかった私を……体を張って……助けて、くれて」
乃々「それ以来……追いかけてもらうのが、楽しく、なって」
ちひろ「(あの人、アイドルが関係すると戦闘力3倍くらいになりますからね……エナ茶で)」
ちひろ「そういえば、乃々ちゃんは少女漫画集めが好きだったわね。その影響?」
乃々「そうかも……しれません」
乃々「あの時のPさん……王子様に、見えて」
乃々「最初は……本当に、仕事が嫌だったんです……」
乃々「だけどある日……逃げてて、不良さんにぶつかった私を……体を張って……助けて、くれて」
乃々「それ以来……追いかけてもらうのが、楽しく、なって」
ちひろ「(あの人、アイドルが関係すると戦闘力3倍くらいになりますからね……エナ茶で)」
ちひろ「そういえば、乃々ちゃんは少女漫画集めが好きだったわね。その影響?」
乃々「そうかも……しれません」
乃々「あの時のPさん……王子様に、見えて」
445: ミガサ 2013/06/04(火) 22:21:54.95 ID:EowD+kwu0
ちひろ「そっか……うーん……そうだ」
乃々「い、嫌な予感が……」
ちひろ「別に何もしないわよ。とりあえず、打ち合わせに行ってきてくださいな」
乃々「うぅ……むーりぃ……」
ちひろ「どうせ逃げる理由もないんでしょうし。真っ直ぐ向かってくださいね?」
乃々「あう……わかりました……」ガチャ
ちひろ「さーてと」プルルルル
ちひろ「もしもし桃華ちゃん?頑丈な黒服の人を三人くらい……うん。そ。よろしくね?」
ちひろ「……三人で足りるかしら」
乃々「い、嫌な予感が……」
ちひろ「別に何もしないわよ。とりあえず、打ち合わせに行ってきてくださいな」
乃々「うぅ……むーりぃ……」
ちひろ「どうせ逃げる理由もないんでしょうし。真っ直ぐ向かってくださいね?」
乃々「あう……わかりました……」ガチャ
ちひろ「さーてと」プルルルル
ちひろ「もしもし桃華ちゃん?頑丈な黒服の人を三人くらい……うん。そ。よろしくね?」
ちひろ「……三人で足りるかしら」
446: ミガサ 2013/06/04(火) 22:25:09.29 ID:EowD+kwu0
―――P喫茶店近く―――
乃々「うう……帰りたいんですけど……」
乃々「でも……Pさんと、続けるって約束しましたし……」ドンッ
乃々「あ、すみませ―――」
黒服1「ん?」
乃々「ひぃっ……」
黒服2「どうしました?」
黒服3「……おい、もしかしてこの子じゃないか?」
黒服1「そうみたいだな。全く。桃華様も人使いがあらいお方だ」
黒服2「まぁ給料もらえますし。でも、怪我しないように気をつけろって……どういうことでしょうね?」
黒服3「さぁな」
乃々「あう、えう、その、あの」
乃々「うう……帰りたいんですけど……」
乃々「でも……Pさんと、続けるって約束しましたし……」ドンッ
乃々「あ、すみませ―――」
黒服1「ん?」
乃々「ひぃっ……」
黒服2「どうしました?」
黒服3「……おい、もしかしてこの子じゃないか?」
黒服1「そうみたいだな。全く。桃華様も人使いがあらいお方だ」
黒服2「まぁ給料もらえますし。でも、怪我しないように気をつけろって……どういうことでしょうね?」
黒服3「さぁな」
乃々「あう、えう、その、あの」
447: ミガサ 2013/06/04(火) 22:28:06.47 ID:EowD+kwu0
黒服1「痛いなぁお嬢ちゃん。右肩折れちまったよ」
乃々「ありえませんけど……」
黒服3「こりゃ、賠償金払ってもらわないとなぁ」
乃々「ふ、古すぎる絡み方なんですけど……」
黒服2「そういうわけで、ごめんね」ガッ
乃々「ひっ……だ、誰か、助け」
P「……おい、そこの」
黒服1「ん?なんだ君は―――あばばばば」ベゴグギッ
黒服2「……はい?」
乃々「あ……」
乃々「ありえませんけど……」
黒服3「こりゃ、賠償金払ってもらわないとなぁ」
乃々「ふ、古すぎる絡み方なんですけど……」
黒服2「そういうわけで、ごめんね」ガッ
乃々「ひっ……だ、誰か、助け」
P「……おい、そこの」
黒服1「ん?なんだ君は―――あばばばば」ベゴグギッ
黒服2「……はい?」
乃々「あ……」
448: ミガサ 2013/06/04(火) 22:35:15.12 ID:EowD+kwu0
P「ハイクを詠め、カイシャクしてやる」
黒服2「アイエエエ?!ニンジャ、ニンジャナンdおごごごご」ゴキゴキゴキッ
黒服3「黒服2?!返事をしろ黒服2!!」
乃々「あ、そういう名前なんですね……」
P「……ジャスト一分だ、いい夢見れたかよ?」
黒服3「いやまだ三十秒くらいしkあがががが」ミシミシミシミシ
P「……ふぅ」
乃々「……あの……Pさん、ですよね?」
P「そうだが」
乃々「その……なんでそんなに筋肉ムキムキなんですか……?」
P「気にしないでくれ。あと数分したら元に戻る」
乃々「は、はぁ……」
黒服2「アイエエエ?!ニンジャ、ニンジャナンdおごごごご」ゴキゴキゴキッ
黒服3「黒服2?!返事をしろ黒服2!!」
乃々「あ、そういう名前なんですね……」
P「……ジャスト一分だ、いい夢見れたかよ?」
黒服3「いやまだ三十秒くらいしkあがががが」ミシミシミシミシ
P「……ふぅ」
乃々「……あの……Pさん、ですよね?」
P「そうだが」
乃々「その……なんでそんなに筋肉ムキムキなんですか……?」
P「気にしないでくれ。あと数分したら元に戻る」
乃々「は、はぁ……」
449: ミガサ 2013/06/04(火) 22:38:07.12 ID:EowD+kwu0
―――P喫茶店―――
P「ほら、乃々。ミルクティー」
乃々「ありがとう……ございます……」
P「で、どうして絡まれてたんだ?」
乃々「考え事してたら……ぶつかって……」
P「まぁ、近くに俺がいたからいいものの」
乃々「……Pさん、喫茶店……やってたんですか?」
P「まぁな」
P「ほら、乃々。ミルクティー」
乃々「ありがとう……ございます……」
P「で、どうして絡まれてたんだ?」
乃々「考え事してたら……ぶつかって……」
P「まぁ、近くに俺がいたからいいものの」
乃々「……Pさん、喫茶店……やってたんですか?」
P「まぁな」
451: ミガサ 2013/06/04(火) 22:39:48.29 ID:EowD+kwu0
乃々「……その、Pさん」
P「なんだ?」
乃々「私……アイドル……辞めようと思ったんです」
P「いつものことだな」
乃々「そうじゃないんですけど……本気で、です」
P「いつも本気じゃなかったのか?」
乃々「……半分、冗談、です」
P「半分本気だったのかよ」
P「なんだ?」
乃々「私……アイドル……辞めようと思ったんです」
P「いつものことだな」
乃々「そうじゃないんですけど……本気で、です」
P「いつも本気じゃなかったのか?」
乃々「……半分、冗談、です」
P「半分本気だったのかよ」
453: ミガサ 2013/06/04(火) 22:43:11.61 ID:EowD+kwu0
乃々「……でも……少し、やる気……出てきました」
P「そりゃあよかった。でもなんでだ?」
乃々「……Pさんが、いたから」ボソッ
P「は?」
乃々「なんでも……ないですけど///」プイッ
P「……なんでもないんならいいんだ」
乃々「……上手く、言えないんですけど……」
乃々「また……来ても、いい、ですか?」
P「仕事から逃げてくるのはNGな」
乃々「逃げるのは……Pさんがいるときだけですけど」
P「ん?そうなのか?」
乃々「……鈍感なんですけど」
P「んん?」
P「そりゃあよかった。でもなんでだ?」
乃々「……Pさんが、いたから」ボソッ
P「は?」
乃々「なんでも……ないですけど///」プイッ
P「……なんでもないんならいいんだ」
乃々「……上手く、言えないんですけど……」
乃々「また……来ても、いい、ですか?」
P「仕事から逃げてくるのはNGな」
乃々「逃げるのは……Pさんがいるときだけですけど」
P「ん?そうなのか?」
乃々「……鈍感なんですけど」
P「んん?」
454: ミガサ 2013/06/04(火) 22:45:28.47 ID:EowD+kwu0
乃々「もう、いいです……」
P「なんだ?なんなんだ?」
乃々「……ミルクティー、美味しかったです」
P「おう、ありがとな」
乃々「それと」
乃々「……もう、私から、逃げないでください」
乃々「その……寂しい、ので。私ももう……逃げません、から」
P「なんだ?なんなんだ?」
乃々「……ミルクティー、美味しかったです」
P「おう、ありがとな」
乃々「それと」
乃々「……もう、私から、逃げないでください」
乃々「その……寂しい、ので。私ももう……逃げません、から」
455: ミガサ 2013/06/04(火) 22:48:30.71 ID:EowD+kwu0
―――数日後 P喫茶店―――
ちひろ「Pさん」
P「……なんでしょう」
ちひろ「最近、話題になっているみたいですね。アイドルが出入りしている喫茶店があるって」
P「いやぁ、そのぉ……」
ちひろ「……まぁ?ウェディングドレスの女の子が入っていったり?」
ちひろ「店の前で黒服の男の人三人を瞬殺したり?」
ちひろ「それだけすりゃ、目立ちますよねぇ?」
P「すみません、ホントすみません……」
ちひろ「……はぁ、もう。いつも通り、揉み消しましたから」
P「お世話になります……」
ちひろ「Pさん」
P「……なんでしょう」
ちひろ「最近、話題になっているみたいですね。アイドルが出入りしている喫茶店があるって」
P「いやぁ、そのぉ……」
ちひろ「……まぁ?ウェディングドレスの女の子が入っていったり?」
ちひろ「店の前で黒服の男の人三人を瞬殺したり?」
ちひろ「それだけすりゃ、目立ちますよねぇ?」
P「すみません、ホントすみません……」
ちひろ「……はぁ、もう。いつも通り、揉み消しましたから」
P「お世話になります……」
457: ミガサ 2013/06/04(火) 22:50:56.22 ID:EowD+kwu0
ちひろ「そう思うならドリンク買ってくださいよ」
P「いや、それはもう……俺はプロデューサーじゃないんで」
ちひろ「そうですか」
P「代わりと言ってはなんですが……どうぞ」
ちひろ「……ミルクティーですか」
P「はい。ちひろさんに飲んでもらったことはなかったなって」
ちひろ「いただきます。でもこれだけで私の機嫌が直るとは思わないでくださいね?」
P「わかってますよ。気持ちです、気持ち」
P「いや、それはもう……俺はプロデューサーじゃないんで」
ちひろ「そうですか」
P「代わりと言ってはなんですが……どうぞ」
ちひろ「……ミルクティーですか」
P「はい。ちひろさんに飲んでもらったことはなかったなって」
ちひろ「いただきます。でもこれだけで私の機嫌が直るとは思わないでくださいね?」
P「わかってますよ。気持ちです、気持ち」
458: ミガサ 2013/06/04(火) 22:52:31.63 ID:EowD+kwu0
ちひろ「……美味しい」
P「ありがとうございます」
ちひろ「……ねぇ、Pさん」
P「なんですか?」
ちひろ「お金で買えないものって、あると思います?」
P「……そりゃあ」
ちひろ「私はね、あると思うんです」
P「へぇ、意外ですね」
ちひろ「どういうことですか、もう」
P「す、すみません」
P「ありがとうございます」
ちひろ「……ねぇ、Pさん」
P「なんですか?」
ちひろ「お金で買えないものって、あると思います?」
P「……そりゃあ」
ちひろ「私はね、あると思うんです」
P「へぇ、意外ですね」
ちひろ「どういうことですか、もう」
P「す、すみません」
459: ミガサ 2013/06/04(火) 22:55:35.43 ID:EowD+kwu0
ちひろ「例えば、こんな喫茶店で過ごす時間とか」
ちひろ「例えば、このミルクティーとか」
ちひろ「例えば、こんな他愛のない会話とか」
ちひろ「例えば―――Pさん、とか」
P「え?俺ですか?」
ちひろ「……はぁぁ……鈍感ですねぇ」
P「え?え?」
ちひろ「もういいですよ。ほら、あっちに行ってあげてください」
ボクノケーキガタベラレナインデスカ?! イヤダッテコゲテルシ マユハPサンノツクッタケーキガタベタイデス
P「あ、はい。すみません、なんか」
ちひろ「もういいですよ。今に始まったことじゃないですし」
ちひろ「例えば、このミルクティーとか」
ちひろ「例えば、こんな他愛のない会話とか」
ちひろ「例えば―――Pさん、とか」
P「え?俺ですか?」
ちひろ「……はぁぁ……鈍感ですねぇ」
P「え?え?」
ちひろ「もういいですよ。ほら、あっちに行ってあげてください」
ボクノケーキガタベラレナインデスカ?! イヤダッテコゲテルシ マユハPサンノツクッタケーキガタベタイデス
P「あ、はい。すみません、なんか」
ちひろ「もういいですよ。今に始まったことじゃないですし」
460: ミガサ 2013/06/04(火) 22:58:56.34 ID:EowD+kwu0
ちひろ「(お金で買えないものは、ある)」
ちひろ「(お金で買いたいものも、ある)」
ちひろ「(でも……お金をかけても、労力をかけても、それ以上に損しても)」
ちひろ「(欲しいものも、ある)」
ちひろ「……さーて。今日も頑張りますか!」
ちひろ「(こんな事考えるようになるなんて、私自身驚きだけど)」
ちひろ「(最近はこんな気持ちも、悪くないかなって思っている)」
ちひろ「(だって―――)」
ちひろ「みんなの笑顔を……見るために♪」
ちひろ「(こんなに素敵で、幸せなんだから)」
おわり
ちひろ「(お金で買いたいものも、ある)」
ちひろ「(でも……お金をかけても、労力をかけても、それ以上に損しても)」
ちひろ「(欲しいものも、ある)」
ちひろ「……さーて。今日も頑張りますか!」
ちひろ「(こんな事考えるようになるなんて、私自身驚きだけど)」
ちひろ「(最近はこんな気持ちも、悪くないかなって思っている)」
ちひろ「(だって―――)」
ちひろ「みんなの笑顔を……見るために♪」
ちひろ「(こんなに素敵で、幸せなんだから)」
おわり
引用元: 幸子「プロデューサーさんが喫茶店を始めたんですけど」
武内P「過度なスキンシップは禁止します」
2019-12-07
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/07(日) 23:53:43.70 ID:Y9Dx3gU/0
凛「どうしたの急に」
武内P「実は美城常務の方からお叱りを受けまして・・・」
~回想~
美城「最近君の所のアイドル達が君に必要以上に接触しているようだが、あまり褒められた事ではないな」
武内P「はぁ・・・」
美城「いくらアイドルとプロデューサーといえど男と女、取り返しのつかない事になるかもしれん、以後気をつけるように」
武内P「わかりました」
~回想終了~
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1454856823
武内P「実は美城常務の方からお叱りを受けまして・・・」
~回想~
美城「最近君の所のアイドル達が君に必要以上に接触しているようだが、あまり褒められた事ではないな」
武内P「はぁ・・・」
美城「いくらアイドルとプロデューサーといえど男と女、取り返しのつかない事になるかもしれん、以後気をつけるように」
武内P「わかりました」
~回想終了~
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1454856823
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3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/07(日) 23:57:38.12 ID:Y9Dx3gU/0
武内P「という訳です」
凛「ふーん・・・それでアンタはどうするの?」
武内P「私もここ最近皆さんのスキンシップが過剰になってきていると感じていたので・・・」
凛「そんな大した事してないじゃん」
凛「私は精々プロデューサーのスーツの臭い嗅いだりプロデューサーの使った物の臭い嗅いだりプロデューサーの臭い嗅いだりしてるだけだしさ」
武内P「・・・・・」
凛「ふーん・・・それでアンタはどうするの?」
武内P「私もここ最近皆さんのスキンシップが過剰になってきていると感じていたので・・・」
凛「そんな大した事してないじゃん」
凛「私は精々プロデューサーのスーツの臭い嗅いだりプロデューサーの使った物の臭い嗅いだりプロデューサーの臭い嗅いだりしてるだけだしさ」
武内P「・・・・・」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 00:01:18.17 ID:2mLZkql60
武内P「皆さんもよろしいですね」
みりあ「えー」
莉嘉「いくら常務だからってアタシ達とP君の関係にまで口出すなんて横暴だよ!」
美波「まぁまぁ2人共、確かに少しは弁えないと仕事にも差し支えるかもしれないし・・・ねぇプロデューサーさん?」
武内P「その通りです新田さん、だから私の手をあなたの胸に押し付けないでください」
みりあ「えー」
莉嘉「いくら常務だからってアタシ達とP君の関係にまで口出すなんて横暴だよ!」
美波「まぁまぁ2人共、確かに少しは弁えないと仕事にも差し支えるかもしれないし・・・ねぇプロデューサーさん?」
武内P「その通りです新田さん、だから私の手をあなたの胸に押し付けないでください」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 00:05:13.23 ID:2mLZkql60
杏「まぁ杏はいつも通りにしてるだけだし問題ナシだよね」
武内P「そう思うなら私の膝の上に座らないでください」
みく「そうだにゃ!みんなPチャンに甘えすぎにゃ!」
武内P「なら私の足に擦り付かないでください」
かな子「まぁまぁプロデューサーさん、クッキーでも食べて落ち着いてください、はい、あ~ん♪」
武内P「・・・・自分で食べられます」
武内P「そう思うなら私の膝の上に座らないでください」
みく「そうだにゃ!みんなPチャンに甘えすぎにゃ!」
武内P「なら私の足に擦り付かないでください」
かな子「まぁまぁプロデューサーさん、クッキーでも食べて落ち着いてください、はい、あ~ん♪」
武内P「・・・・自分で食べられます」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 00:10:25.65 ID:2mLZkql60
李衣菜「皆大袈裟なんだから・・・流石にこれはロックじゃないね」
きらり「にょわ~☆」
未央「そうそう、普通に接してればいいだけじゃん」
武内P「皆さんは大丈夫みたいですね」
未央(大丈夫かな・・・また辞めたくならなきゃいいけど・・・)ガクガク
きらり(Pちゃんとハピハピできないなんて・・・)ガクガク
李衣菜(大丈夫・・・耐えられるはず・・・)ガクガク
きらり「にょわ~☆」
未央「そうそう、普通に接してればいいだけじゃん」
武内P「皆さんは大丈夫みたいですね」
未央(大丈夫かな・・・また辞めたくならなきゃいいけど・・・)ガクガク
きらり(Pちゃんとハピハピできないなんて・・・)ガクガク
李衣菜(大丈夫・・・耐えられるはず・・・)ガクガク
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 00:13:59.39 ID:2mLZkql60
武内P「でもこちらは・・・」チラ
智絵里「そんなそんなそんな・・・・」カタカタ
アーニャ「ウソデスウソデスウソデス・・・・」ブルブル
卯月「ガンバリマスガンバリマスガンバリマス・・・ガンバリマスから・・・」ガタガタ
武内P「重症ですね・・・」
智絵里「そんなそんなそんな・・・・」カタカタ
アーニャ「ウソデスウソデスウソデス・・・・」ブルブル
卯月「ガンバリマスガンバリマスガンバリマス・・・ガンバリマスから・・・」ガタガタ
武内P「重症ですね・・・」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 00:17:09.67 ID:2mLZkql60
蘭子「わ、我が友よ・・・」
武内P「はい?」
蘭子「我はそなたの半身ゆえ例外であろうな?」(私はプロデューサーのお嫁さんだからノーカンですよね?)
武内P「そんな訳ありませんし認めません」
蘭子「そ、そんな・・・」
蘭子「うええ・・・」ポロポロ
武内P(すみません神崎さん・・・これもあなた達のためなんです)
武内P「はい?」
蘭子「我はそなたの半身ゆえ例外であろうな?」(私はプロデューサーのお嫁さんだからノーカンですよね?)
武内P「そんな訳ありませんし認めません」
蘭子「そ、そんな・・・」
蘭子「うええ・・・」ポロポロ
武内P(すみません神崎さん・・・これもあなた達のためなんです)
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 00:26:49.28 ID:2mLZkql60
凛「本当にそれでいいの?」
武内P「え?」
凛「アイドルとのコミュニケーションを疎かにして痛い目見たアンタらしくない決断だよ」
武内P「何事にも限度があると思いますが」
凛「ふーん・・・まぁそういう考えもあるかな」スンスン
武内P「言ってるそばから私のネクタイ嗅がないでください」
武内P「え?」
凛「アイドルとのコミュニケーションを疎かにして痛い目見たアンタらしくない決断だよ」
武内P「何事にも限度があると思いますが」
凛「ふーん・・・まぁそういう考えもあるかな」スンスン
武内P「言ってるそばから私のネクタイ嗅がないでください」
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 00:31:49.14 ID:2mLZkql60
武内P「とにかくこれから私へのスキンシップが過剰だと判断した場合は相応の対処をさせていただきます」
莉嘉「た、対処って?」
武内P「3日間の謹慎です」
みく「そんにゃ~」
杏(ラッキー!それならどんどんベタベタしよう!)
武内P「双葉さんの場合は仕事量2倍で更に減給もあるかもしれません」
杏「」
莉嘉「た、対処って?」
武内P「3日間の謹慎です」
みく「そんにゃ~」
杏(ラッキー!それならどんどんベタベタしよう!)
武内P「双葉さんの場合は仕事量2倍で更に減給もあるかもしれません」
杏「」
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 00:44:37.56 ID:2mLZkql60
武内P「それでは皆さん今後気をつけるように・・・」
凛「大丈夫かな・・・」
未央「まぁ何とかなる・・・かな?」
卯月「ガ、ガンバリマス・・・」
こうして、彼女達の試練が始まった・・・
凛「大丈夫かな・・・」
未央「まぁ何とかなる・・・かな?」
卯月「ガ、ガンバリマス・・・」
こうして、彼女達の試練が始まった・・・
31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 07:51:47.08 ID:2mLZkql60
~翌日~
武内P「おはようございます」
莉嘉「おはようPくーん!」ギュッ
武内P「・・・城ヶ崎さん」
莉嘉「あ、そうだった、ゴメンいつもの癖で・・・」
武内P「今後気をつけてください」
莉嘉「はーい・・・」シュン
武内P「おはようございます」
莉嘉「おはようPくーん!」ギュッ
武内P「・・・城ヶ崎さん」
莉嘉「あ、そうだった、ゴメンいつもの癖で・・・」
武内P「今後気をつけてください」
莉嘉「はーい・・・」シュン
32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 08:19:51.12 ID:2mLZkql60
凛(そうか・・・事故ならOKか・・・)
凛「ねぇプロデューサー、今度のライブの事なんだけど・・・」
武内P「はい」
凛「おっと転んじゃったああああ!!!」コケッ
武内P「おっと」ガシ
凛(今だ!)
凛「プロデューサーの臭い臭い臭い・・・・)クンカクンカ・・・
武内P「渋谷さ・・・」
凛「事故!事故だから!ノーカンだよね!」
武内P「はぁ・・・それなら仕方ないですね・・・」ポリポリ
凛「ねぇプロデューサー、今度のライブの事なんだけど・・・」
武内P「はい」
凛「おっと転んじゃったああああ!!!」コケッ
武内P「おっと」ガシ
凛(今だ!)
凛「プロデューサーの臭い臭い臭い・・・・)クンカクンカ・・・
武内P「渋谷さ・・・」
凛「事故!事故だから!ノーカンだよね!」
武内P「はぁ・・・それなら仕方ないですね・・・」ポリポリ
37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 09:17:10.23 ID:2mLZkql60
武内P「あれから事故が多発するようになりました・・・」
アーニャ「Извините・・・ごめんなさいプロデューサー、転んじゃいました」ギュッ
美波「おっと手が・・・」ムニュ
杏「ごめーん、ベッドかと思ったらプロデューサーだった~」
みく「抱き枕かと思ったらPチャンだったにゃ~」
きらり「ゴメンねPちゃん、お人形さんかと思ったにぃ☆」
武内P「・・・・・」
アーニャ「Извините・・・ごめんなさいプロデューサー、転んじゃいました」ギュッ
美波「おっと手が・・・」ムニュ
杏「ごめーん、ベッドかと思ったらプロデューサーだった~」
みく「抱き枕かと思ったらPチャンだったにゃ~」
きらり「ゴメンねPちゃん、お人形さんかと思ったにぃ☆」
武内P「・・・・・」
42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 10:04:43.70 ID:2mLZkql60
武内P「はぁ・・・どうしたものか・・・」
かな子「お疲れですねプロデューサーさん」
武内P「三村さん・・・」(彼女はちゃんと節度を守ってくれてるようですね・・・)
かな子「クッキーでも食べます?」
武内P「いただきます」パク
武内P「美味しい・・・疲れがとれるようだ・・・」
武内P「あれ・・・なんだか眠く・・・」
武内P「ZZZ・・・」
かな子「うふふ・・・」
かな子「お疲れですねプロデューサーさん」
武内P「三村さん・・・」(彼女はちゃんと節度を守ってくれてるようですね・・・)
かな子「クッキーでも食べます?」
武内P「いただきます」パク
武内P「美味しい・・・疲れがとれるようだ・・・」
武内P「あれ・・・なんだか眠く・・・」
武内P「ZZZ・・・」
かな子「うふふ・・・」
58: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 12:21:28.28 ID:2mLZkql60
かな子「美味しそうな寝顔だなぁ・・・さて、まずは右手から・・・」ムニュ
智絵里「ず、ずるい・・・」
かな子「あ、智絵里ちゃん、左手いいよ?」
智絵里「あ、ありがとう・・・えへへ♪」ムニュ
未央「それじゃ私は右足を・・・」ムニュ
李衣菜「左足かぁ・・・ロックだね!」ムニュ
卯月「私なんかが胴体を・・・ありがとうございます!」ムニュ
智絵里「ず、ずるい・・・」
かな子「あ、智絵里ちゃん、左手いいよ?」
智絵里「あ、ありがとう・・・えへへ♪」ムニュ
未央「それじゃ私は右足を・・・」ムニュ
李衣菜「左足かぁ・・・ロックだね!」ムニュ
卯月「私なんかが胴体を・・・ありがとうございます!」ムニュ
60: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 12:24:44.56 ID:2mLZkql60
蘭子「そ、そなたら・・・何と破廉恥な・・・」ワナワナ
かな子「蘭子ちゃん、顔余ってるよ?」
蘭子「いざ行かん!」ムニュ
蘭子「えへへ・・・もう我慢できないよぉ・・・」チュッ
蘭子「好き好き好きっ!♡」
チュッ♡チュッ♡チュッ♡
智絵里「あ、ちょっと・・・」
卯月「抜け駆けは許しませんよ!」
かな子「蘭子ちゃん、顔余ってるよ?」
蘭子「いざ行かん!」ムニュ
蘭子「えへへ・・・もう我慢できないよぉ・・・」チュッ
蘭子「好き好き好きっ!♡」
チュッ♡チュッ♡チュッ♡
智絵里「あ、ちょっと・・・」
卯月「抜け駆けは許しませんよ!」
62: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 12:27:37.13 ID:2mLZkql60
武内P「う~ん・・・ハッ!」パチ
武内P「眠ってしまいましたか・・・」
武内P「何か体がだるい・・・」
武内P「あ、鏡が・・・え?」
武内P「顔中に・・・これは・・・」
みりあ「ねープロデューサー、一緒におままごとしよー!プロデューサーが赤ちゃん役ね!」
武内P「」
武内P「眠ってしまいましたか・・・」
武内P「何か体がだるい・・・」
武内P「あ、鏡が・・・え?」
武内P「顔中に・・・これは・・・」
みりあ「ねープロデューサー、一緒におままごとしよー!プロデューサーが赤ちゃん役ね!」
武内P「」
63: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 12:30:54.54 ID:2mLZkql60
武内P「これは早急に手を打たねば・・・」
美嘉「ちょっといい?」
武内P「城ヶ崎さん・・・どうしました?」
美嘉「最近莉嘉が家で「P君P君P君・・・・」ってブツブツ言って部屋に閉じこもってるんだけど・・・何があったの?」
武内P(そこまで悪化しているとは・・・)
武内P「実はですね・・・」
美嘉「ちょっといい?」
武内P「城ヶ崎さん・・・どうしました?」
美嘉「最近莉嘉が家で「P君P君P君・・・・」ってブツブツ言って部屋に閉じこもってるんだけど・・・何があったの?」
武内P(そこまで悪化しているとは・・・)
武内P「実はですね・・・」
66: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 13:08:12.93 ID:2mLZkql60
美嘉「そっか、スキンシップ禁止・・・」
武内P「私が浅はかでした・・・彼女達があんなに・・・」
美嘉「まぁそれだけアンタに懐いてるって事じゃん」
武内P「そうですね・・・でもこのままでは・・・」
美嘉「どうするの?」
武内P「また常務にかけあってきます」
美嘉「頑張ってね」
武内P「はい!」
武内P「私が浅はかでした・・・彼女達があんなに・・・」
美嘉「まぁそれだけアンタに懐いてるって事じゃん」
武内P「そうですね・・・でもこのままでは・・・」
美嘉「どうするの?」
武内P「また常務にかけあってきます」
美嘉「頑張ってね」
武内P「はい!」
69: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 14:46:04.81 ID:2mLZkql60
~常務の部屋~
美城「そうか・・・そんな事態に・・・」
武内P「何とか検討していただけませんか・・・」
美城「注意されると余計反発する・・・確かにそうかもしれんな」
武内P「このままでは仕事にも影響が出る恐れが・・・」
美城「わかった、少し緩和するか・・・」
武内P「ありがとうございます」ペコ
美城「そうか・・・そんな事態に・・・」
武内P「何とか検討していただけませんか・・・」
美城「注意されると余計反発する・・・確かにそうかもしれんな」
武内P「このままでは仕事にも影響が出る恐れが・・・」
美城「わかった、少し緩和するか・・・」
武内P「ありがとうございます」ペコ
70: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 15:06:01.91 ID:2mLZkql60
武内P「という訳で、スキンシップOKになりました」
アイドル達「やったー!」
凛「一時はどうなるかと思ったよ」
未央「これでいつも通りだね!」
武内P「ただし、条件があります」
卯月「条件?」
武内P「1日1人だけ 5分間限定とします」
アイドル達「え・・・」
アイドル達「やったー!」
凛「一時はどうなるかと思ったよ」
未央「これでいつも通りだね!」
武内P「ただし、条件があります」
卯月「条件?」
武内P「1日1人だけ 5分間限定とします」
アイドル達「え・・・」
80: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 15:58:47.13 ID:2mLZkql60
莉嘉「えー!5分だけ!?」
みく「短すぎるにゃー!!」
武内P「これがせいいっぱいの苦肉の策です」
凛「ちょっとふざけないでよ!」
卯月「凛ちゃん・・・」
李衣菜「いいぞ言ってやれー!!」
凛「2週間も待てないよ、せめて1日2人にしてよ!」
杏「そっちかい!」
みく「短すぎるにゃー!!」
武内P「これがせいいっぱいの苦肉の策です」
凛「ちょっとふざけないでよ!」
卯月「凛ちゃん・・・」
李衣菜「いいぞ言ってやれー!!」
凛「2週間も待てないよ、せめて1日2人にしてよ!」
杏「そっちかい!」
85: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 17:36:56.61 ID:2mLZkql60
武内P「確かにそうですね・・・わかりました」
美波「認めるんだ・・・」
武内P「それでは1週間のスキンシップシフトを作成します」
みりあ「本格的だねー」
きらり「よろしく頼むにぃ☆」
蘭子「ク・・・我が魔力が暴走する前に早く・・・」
智絵里「えへへ・・・楽しみ・・・」
かな子「5分か・・・何しようかな~」
未央「これでやっと平和に・・・なるかな?」
美波「認めるんだ・・・」
武内P「それでは1週間のスキンシップシフトを作成します」
みりあ「本格的だねー」
きらり「よろしく頼むにぃ☆」
蘭子「ク・・・我が魔力が暴走する前に早く・・・」
智絵里「えへへ・・・楽しみ・・・」
かな子「5分か・・・何しようかな~」
未央「これでやっと平和に・・・なるかな?」
88: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 17:53:27.61 ID:2mLZkql60
という訳で激動の一週間が始まりました・・・
~月曜日 みく 李衣菜~
みく「ごろにゃ~ん🎵」スリスリ
武内P「よしよし」ナデナデ
李衣菜「ちょっとみく!もう5分過ぎたよ!」
みく「え?まだ30秒残ってるよ?」
李衣菜「ちゃんとストップウォッチで計ってたから正確だよ!」
みく「細かいにゃ~ますますろっくじゃないにゃ」
李衣菜「何だとー!」
武内P「ああ・・・また2人の中が険悪に・・・」
~月曜日 みく 李衣菜~
みく「ごろにゃ~ん🎵」スリスリ
武内P「よしよし」ナデナデ
李衣菜「ちょっとみく!もう5分過ぎたよ!」
みく「え?まだ30秒残ってるよ?」
李衣菜「ちゃんとストップウォッチで計ってたから正確だよ!」
みく「細かいにゃ~ますますろっくじゃないにゃ」
李衣菜「何だとー!」
武内P「ああ・・・また2人の中が険悪に・・・」
91: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 18:18:31.90 ID:2mLZkql60
ガチャ
菜々「みくちゃーん!」
夏樹「遊びいこーぜー!」
みく「フニャー!」
李衣菜「ぐぬぬ・・・」
武内P「ああ・・・」オロオロ
菜々「え・・・」
夏樹「何だこの状況・・・」
菜々「みくちゃーん!」
夏樹「遊びいこーぜー!」
みく「フニャー!」
李衣菜「ぐぬぬ・・・」
武内P「ああ・・・」オロオロ
菜々「え・・・」
夏樹「何だこの状況・・・」
93: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 18:29:48.81 ID:2mLZkql60
みく「あ、菜々チャン、今取り込み中だにゃ!」
菜々「何やってるんですか?」
李衣菜「今プロデューサーを巡って女と女の戦いの真っ最中なんだから!」
夏樹「だりー・・・よくわかんねーけど今のお前ロック・・・かもな」
武内P「感心する所なんですか・・・」
菜々「何やってるんですか?」
李衣菜「今プロデューサーを巡って女と女の戦いの真っ最中なんだから!」
夏樹「だりー・・・よくわかんねーけど今のお前ロック・・・かもな」
武内P「感心する所なんですか・・・」
95: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 18:36:49.80 ID:2mLZkql60
菜々「青春ですねー2人共頑張ってください!」
夏樹「行けだりー!」
李衣菜「うん!」
みく「負けないにゃ!」
武内P「あの・・・」
みくりーな「何!?」
武内P「もう2人分の時間が過ぎてしまったのですが・・・」
みくりーな「」
夏樹「行けだりー!」
李衣菜「うん!」
みく「負けないにゃ!」
武内P「あの・・・」
みくりーな「何!?」
武内P「もう2人分の時間が過ぎてしまったのですが・・・」
みくりーな「」
97: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 19:05:51.87 ID:2mLZkql60
~火曜日 杏 きらり~
杏「ふぁ~」ネムネム
武内P「私の膝の上がそんなに気持ちいいですか?」
杏「うん、ねぇお金払うから延長できない?」
武内P「それはちょっと・・・」
杏「残念」
きらり「杏ちゃん、もう時間だにぃ」ヒョイ
杏「ふぁ~」ネムネム
武内P「私の膝の上がそんなに気持ちいいですか?」
杏「うん、ねぇお金払うから延長できない?」
武内P「それはちょっと・・・」
杏「残念」
きらり「杏ちゃん、もう時間だにぃ」ヒョイ
102: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 21:06:43.73 ID:2mLZkql60
杏「おおっと、ゴメンね」
きらり「さぁPちゃんきらりとハピハピするにぃ☆」ポイ
杏「うわっ!」
武内P「危ない!」ガシ
杏「ふぅ・・・セーフ!」
きらり「さぁPちゃんきらりとハピハピするにぃ☆」ポイ
杏「うわっ!」
武内P「危ない!」ガシ
杏「ふぅ・・・セーフ!」
104: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 21:12:07.39 ID:2mLZkql60
武内P「諸星さん!何で双葉さんを放り投げたりするんですか!?」
きらり「ん?Pちゃんおかしな事言ってるにぃ」
武内P「へ?」
きらり「もう杏ちゃんの時間は終わったんだから、今はきらりだけを見ていて欲しいな~☆」
武内「そ、それはそうですが・・・」
杏「・・・・・」
きらり「ん?Pちゃんおかしな事言ってるにぃ」
武内P「へ?」
きらり「もう杏ちゃんの時間は終わったんだから、今はきらりだけを見ていて欲しいな~☆」
武内「そ、それはそうですが・・・」
杏「・・・・・」
107: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 21:15:16.46 ID:2mLZkql60
武内P「あなた方は親友ではなかったのですか?」
きらり「うん、そーだよ」
きらり「でも今はPちゃんを巡るライバル・・・戦わなければ生き残れないにぃ・・・」ゴゴゴ・・・
武内P(あの人一倍世話焼きな諸星さんが・・・)
杏「へぇ・・・きらりも言うようになったじゃん」
きらり「うん、そーだよ」
きらり「でも今はPちゃんを巡るライバル・・・戦わなければ生き残れないにぃ・・・」ゴゴゴ・・・
武内P(あの人一倍世話焼きな諸星さんが・・・)
杏「へぇ・・・きらりも言うようになったじゃん」
108: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 21:20:53.33 ID:2mLZkql60
きらり「杏ちゃん、きらりに真っ向から挑んで勝てると思ってるのかにぃ?」
杏「確かに力では勝てないけど、所詮人間はココ(頭脳)が最後にモノを言うからね」コンコン
きらり「杏ちゃんもアグレッシブになったにぃ☆」
杏「杏は最初からアグレッシブだよ・・・働かない事に関してね」
きらり「あはははははは!!!」
杏「ハッハッハ!!!」
武内P「どうすれば・・・」
ガチャ
愛梨「きらりちゃーん!とときら学園の収録始まるよー!」
きらり「」
杏「確かに力では勝てないけど、所詮人間はココ(頭脳)が最後にモノを言うからね」コンコン
きらり「杏ちゃんもアグレッシブになったにぃ☆」
杏「杏は最初からアグレッシブだよ・・・働かない事に関してね」
きらり「あはははははは!!!」
杏「ハッハッハ!!!」
武内P「どうすれば・・・」
ガチャ
愛梨「きらりちゃーん!とときら学園の収録始まるよー!」
きらり「」
109: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 21:28:10.58 ID:2mLZkql60
~水曜日 莉嘉 みりあ~
莉嘉「Pくーん☆」ムギュ
みりあ「えへへ~」ムギュ
武内P(可愛らしいですね・・・皆さんもこれくらいなら・・・)
武内P「さて、私は資料の整理をしなければならないので、そろそろ離れ・・・」
ガチャ
美嘉「やっほー★あれから調子は・・・って何やってんの!?」
莉嘉「Pくーん☆」ムギュ
みりあ「えへへ~」ムギュ
武内P(可愛らしいですね・・・皆さんもこれくらいなら・・・)
武内P「さて、私は資料の整理をしなければならないので、そろそろ離れ・・・」
ガチャ
美嘉「やっほー★あれから調子は・・・って何やってんの!?」
111: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 21:33:16.05 ID:2mLZkql60
莉嘉「あ、お姉ちゃん」
みりあ「美嘉ちゃんおはよう!」
美嘉「おはよー★というかアンタこれどういう事!?」
武内P「1日5分だけのスキンシップタイムですが・・・」
莉嘉「でも今2人同時だから10分だよねー☆」
みりあ「ねー♪」
武内P「そんなルール設けてません」
莉嘉「ちぇー」
みりあ「美嘉ちゃんおはよう!」
美嘉「おはよー★というかアンタこれどういう事!?」
武内P「1日5分だけのスキンシップタイムですが・・・」
莉嘉「でも今2人同時だから10分だよねー☆」
みりあ「ねー♪」
武内P「そんなルール設けてません」
莉嘉「ちぇー」
112: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 21:36:12.22 ID:2mLZkql60
美嘉「な、何てうらやま・・・いやそうじゃなくて!」
武内P「はい?」
美嘉「このままじゃアンタ、口リコンのレッテルはられるかもしれないわよ!」
莉嘉(お姉ちゃんがそれ言うかな・・・)
みりあ「じゃあ美嘉ちゃんも混ざる?」
美嘉「え?」
武内P「はい?」
美嘉「このままじゃアンタ、口リコンのレッテルはられるかもしれないわよ!」
莉嘉(お姉ちゃんがそれ言うかな・・・)
みりあ「じゃあ美嘉ちゃんも混ざる?」
美嘉「え?」
114: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 21:40:14.02 ID:2mLZkql60
みりあ「だから、美嘉ちゃんも一緒にプロデューサーと遊ぶんだよ」
美嘉「え、いいの?」
みりあ「うん!ねぇ莉嘉ちゃん!」
莉嘉「う、うん・・・」
みりあ「決まり!さぁ美嘉ちゃんこっちに・・・」
美嘉「うん、ねぇアンタ・・・」
武内P「?」
美嘉「や、優しくしなさいよね・・・」
武内P「はぁ・・・」
この後時間いっぱいまで3人で遊びました
美嘉「え、いいの?」
みりあ「うん!ねぇ莉嘉ちゃん!」
莉嘉「う、うん・・・」
みりあ「決まり!さぁ美嘉ちゃんこっちに・・・」
美嘉「うん、ねぇアンタ・・・」
武内P「?」
美嘉「や、優しくしなさいよね・・・」
武内P「はぁ・・・」
この後時間いっぱいまで3人で遊びました
116: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 21:43:39.77 ID:2mLZkql60
~木曜日 かな子 智絵里~
かな子「はいプロデューサーさん、あ~ん♪」
武内P「は、はい・・・」パク
かな子「どうですか?」
武内P「美味しいです」
かな子「そうですか・・・良かった」
武内P(今回は妙な物は入れてないようですね・・・)
かな子「はいプロデューサーさん、あ~ん♪」
武内P「は、はい・・・」パク
かな子「どうですか?」
武内P「美味しいです」
かな子「そうですか・・・良かった」
武内P(今回は妙な物は入れてないようですね・・・)
117: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 21:46:40.23 ID:2mLZkql60
かな子「でもこうしてると何か恋人同士みたいですね」
武内P「そ、そうですね・・・」ドキドキ
ピピピ・・・
かな子「あ、もう時間だ、智絵里ちゃん、後は楽しんでね」
智絵里「う、うん・・・」
武内P「そ、そうですね・・・」ドキドキ
ピピピ・・・
かな子「あ、もう時間だ、智絵里ちゃん、後は楽しんでね」
智絵里「う、うん・・・」
118: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 21:49:15.16 ID:2mLZkql60
智絵里「そ、それじゃプロデューサーさん・・・」
武内P「はい」
智絵里「手、握っててもらえますか?」
武内P「それだけでいいんですか?」
智絵里「は、はい・・・」
武内P「それでは・・・」ギュッ
智絵里「ああ・・・」キュン
武内P「はい」
智絵里「手、握っててもらえますか?」
武内P「それだけでいいんですか?」
智絵里「は、はい・・・」
武内P「それでは・・・」ギュッ
智絵里「ああ・・・」キュン
119: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 21:53:59.24 ID:2mLZkql60
智絵里「幸せ・・・」
ピピピ・・・
武内P「おっと、時間ですね」
智絵里「ありがとうございました、私ちょっとお花を摘みに行ってきますね」
バタン
武内P「あの位でよかったのでしょうか・・・」
~女子トイレ個室~
智絵里「ああ・・・プロデューサーさんの温もりが残った手・・・」ペロペロ
幸子「ひいい!隣の個室から何か恐ろしい気配がぁ!」ガクガク
ピピピ・・・
武内P「おっと、時間ですね」
智絵里「ありがとうございました、私ちょっとお花を摘みに行ってきますね」
バタン
武内P「あの位でよかったのでしょうか・・・」
~女子トイレ個室~
智絵里「ああ・・・プロデューサーさんの温もりが残った手・・・」ペロペロ
幸子「ひいい!隣の個室から何か恐ろしい気配がぁ!」ガクガク
120: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 22:00:18.95 ID:2mLZkql60
~金曜日 美波 アナスタシア~
武内P「ふぅ・・・たまには体を動かすのも悪くないですね」
美波「付き合ってくれてありがとうございました」
アーニャ「Спасибо・・・ありがとうございます」
武内P「いえ、これくらいの事には付き合いますよ」
武内P「しかし、何でツイスターゲームを?」
武内P「ふぅ・・・たまには体を動かすのも悪くないですね」
美波「付き合ってくれてありがとうございました」
アーニャ「Спасибо・・・ありがとうございます」
武内P「いえ、これくらいの事には付き合いますよ」
武内P「しかし、何でツイスターゲームを?」
125: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 22:29:52.75 ID:2mLZkql60
アーニャ「ダー、バランス感覚を鍛えようと思いまして」
武内P「そうでしたか・・・・」
武内P「それで、私が褌一丁である意味は?」
美波「だってプロデューサーさん、練習着持ってないですよね?」
武内P「いや、ジャージ位買って・・・」
アーニャ「褌は和の心・・・一度着てる姿を見てみたかった、です」
武内P「そうですか・・・」
武内P「そうでしたか・・・・」
武内P「それで、私が褌一丁である意味は?」
美波「だってプロデューサーさん、練習着持ってないですよね?」
武内P「いや、ジャージ位買って・・・」
アーニャ「褌は和の心・・・一度着てる姿を見てみたかった、です」
武内P「そうですか・・・」
131: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 22:46:56.92 ID:2mLZkql60
武内P「それでは、もう時間ですので、私は着替えて仕事に戻りますね」
美波「お疲れさまでした」
アーニャ「ダー、来週もも楽しみにしてます」
武内P「はぁ・・・」
バタン
アーニャ「забыва́ть・・・プロデューサー、ハンカチ忘れてます」
美波「届けに行ってあげましょうか」
美波「お疲れさまでした」
アーニャ「ダー、来週もも楽しみにしてます」
武内P「はぁ・・・」
バタン
アーニャ「забыва́ть・・・プロデューサー、ハンカチ忘れてます」
美波「届けに行ってあげましょうか」
132: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 22:50:15.61 ID:2mLZkql60
武内P「ふぅ・・・」
武内P「何とか理性を保てました・・・」
武内P「アナスタシアさんは必要以上に密着してくるし・・・」
武内P「新田さんはシャツの隙間から谷間が・・・」
武内P「いけない、こんな事で動揺していては・・・」
武内P「これから先、持つでしょうか・・・」
??「あれ、あなたは・・・」
武内P「何とか理性を保てました・・・」
武内P「アナスタシアさんは必要以上に密着してくるし・・・」
武内P「新田さんはシャツの隙間から谷間が・・・」
武内P「いけない、こんな事で動揺していては・・・」
武内P「これから先、持つでしょうか・・・」
??「あれ、あなたは・・・」
133: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 22:54:34.68 ID:2mLZkql60
武内P「橘さん・・・こんにちは」
ありす「CPのプロデューサーさん・・・こんにちは」
武内P「はぁ・・・」
ありす「どうしたんですか?随分お疲れのようですが・・・」
武内P「いえちょっと・・・」
ありす「まさかアナスタシアさん達と何かあったとか、ですか?」
武内P「実はですね・・・」
ありす「CPのプロデューサーさん・・・こんにちは」
武内P「はぁ・・・」
ありす「どうしたんですか?随分お疲れのようですが・・・」
武内P「いえちょっと・・・」
ありす「まさかアナスタシアさん達と何かあったとか、ですか?」
武内P「実はですね・・・」
134: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 22:59:19.45 ID:2mLZkql60
~説明後~
ありす「そうですか、スキンシップの規制を・・・」
武内P「はい・・・」
ありす「部外者の私が言うのも何ですけど、1度ビシッと言った方がいいのでは?」
武内P「何分精神面が危うい子が多いのでそういう訳には・・・」
ありす「大変ですね・・・」
美波「あ、プロデューサーさんいたよ」
アーニャ「どうやらアリスと話しているようですね・・・」
ありす「そうですか、スキンシップの規制を・・・」
武内P「はい・・・」
ありす「部外者の私が言うのも何ですけど、1度ビシッと言った方がいいのでは?」
武内P「何分精神面が危うい子が多いのでそういう訳には・・・」
ありす「大変ですね・・・」
美波「あ、プロデューサーさんいたよ」
アーニャ「どうやらアリスと話しているようですね・・・」
136: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 23:07:54.90 ID:2mLZkql60
武内P「それに私自身失言であの子達を泣かせているのであまり強気には・・・」
ありす(やっぱりニュージェネレーションズのデビューライブでのトラブルの噂は本当だったんだ・・・)
武内P「でもいつかはこの状況も変えていかないと・・・」
ありす「頑張ってくださいね、フフ・・・」
武内P「はは・・・」
アーニャ「もう5分以上話してます・・・・・これはいけません!」ダッ
美波「アーニャちゃん!?」
ありす(やっぱりニュージェネレーションズのデビューライブでのトラブルの噂は本当だったんだ・・・)
武内P「でもいつかはこの状況も変えていかないと・・・」
ありす「頑張ってくださいね、フフ・・・」
武内P「はは・・・」
アーニャ「もう5分以上話してます・・・・・これはいけません!」ダッ
美波「アーニャちゃん!?」
137: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 23:13:29.00 ID:2mLZkql60
アーニャ「プロデューサー!」ズカズカ
ありす「あ・・・」
武内P「アナスタシアさん!?」
アーニャ「これは一体どういうつもりですか!」
武内P「え、一体何を・・・」
アーニャ「Почему ! 何でアリスと5分以上はなしているか、聞いているんです!」
ありす「あ・・・」
武内P「アナスタシアさん!?」
アーニャ「これは一体どういうつもりですか!」
武内P「え、一体何を・・・」
アーニャ「Почему ! 何でアリスと5分以上はなしているか、聞いているんです!」
138: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 23:20:44.76 ID:2mLZkql60
アーニャ「確かスキンシップは5分まで、ですよね?」
武内P「こ、これはちょっと話していただけで・・・」
ありす「そうですよ!ちょっと言い過ぎじゃないですか?」
アーニャ「Заткнись! 部外者は黙ってて下さい!」
ありす「あなたにとっては部外者じゃないでしょう・・・そもそもあなた達のルールを部外者に適用しないでください!」
アーニャ「ク・・・」
武内P「こ、これはちょっと話していただけで・・・」
ありす「そうですよ!ちょっと言い過ぎじゃないですか?」
アーニャ「Заткнись! 部外者は黙ってて下さい!」
ありす「あなたにとっては部外者じゃないでしょう・・・そもそもあなた達のルールを部外者に適用しないでください!」
アーニャ「ク・・・」
139: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 23:26:37.16 ID:2mLZkql60
ありす「そもそもあなた達が節度を弁えないからプロデューサーさんが・・・」ガミガミ
武内P「な、何もそこまで言わなくても・・・」
アーニャ「あ、あなたに私達の何がわかるんですか!」
ギャーギャー
武内P「に、新田さんも何か・・・」
美波「す、すみません私には何も・・・」
武内P「そんな・・・」
美波(ちょっと私も5分以上話してるの羨ましいって思っちゃったから・・・ごめんなさい)
この後クローネのメンバーが来てどうにか収まりました
武内P「な、何もそこまで言わなくても・・・」
アーニャ「あ、あなたに私達の何がわかるんですか!」
ギャーギャー
武内P「に、新田さんも何か・・・」
美波「す、すみません私には何も・・・」
武内P「そんな・・・」
美波(ちょっと私も5分以上話してるの羨ましいって思っちゃったから・・・ごめんなさい)
この後クローネのメンバーが来てどうにか収まりました
140: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 23:30:01.99 ID:2mLZkql60
~土曜日 凛 未央~
凛「・・・・」
武内P「・・・・」
凛「えっと・・・」
武内P「はい・・・」
凛(まずい・・・いざスキンシップしていいと言われると何も思いつかない・・・)
凛「・・・・」
武内P「・・・・」
凛「えっと・・・」
武内P「はい・・・」
凛(まずい・・・いざスキンシップしていいと言われると何も思いつかない・・・)
142: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 23:43:16.39 ID:2mLZkql60
未央「お困りのようだねしぶりん」
凛「未央・・・」
未央「そこで提案なんだけど・・・」
凛「?」
未央「私の5分間、しぶりんにあげてもいいよ」
凛「え!?」
凛「未央・・・」
未央「そこで提案なんだけど・・・」
凛「?」
未央「私の5分間、しぶりんにあげてもいいよ」
凛「え!?」
143: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 23:52:14.39 ID:2mLZkql60
未央「いいよねプロデューサー」
武内P「構いませんが・・・本田さんはそれでよろしいのですか?」
未央「私は来週まで待ってもいいかな~なんて」
凛「未央・・・」
未央「それじゃ2人共、ごゆっくり~」タタタ・・・
武内P「行っちゃいました・・・」
凛(ありがとう・・・)
武内P「構いませんが・・・本田さんはそれでよろしいのですか?」
未央「私は来週まで待ってもいいかな~なんて」
凛「未央・・・」
未央「それじゃ2人共、ごゆっくり~」タタタ・・・
武内P「行っちゃいました・・・」
凛(ありがとう・・・)
144: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/08(月) 23:57:26.93 ID:2mLZkql60
凛「え、えっと・・・」
武内P「はい?」
凛「と、とりあえず、そこのベンチ座らない?」
武内P「いいですよ」スッ
凛「じゃあ隣に・・・」スッ
武内P「・・・・・」
凛「・・・・・」
武内P「これでいいんですか?」
凛「うん、今日はこれでいいかな・・・」
武内P「わかりました・・・」
武内P「はい?」
凛「と、とりあえず、そこのベンチ座らない?」
武内P「いいですよ」スッ
凛「じゃあ隣に・・・」スッ
武内P「・・・・・」
凛「・・・・・」
武内P「これでいいんですか?」
凛「うん、今日はこれでいいかな・・・」
武内P「わかりました・・・」
145: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/09(火) 00:01:40.22 ID:vFTGIl5M0
~物陰~
未央「よしよし、うまくいってるな」
未央「やっぱりプロデューサーと一緒にいるだけで安心するよね・・・」
未央「私達が何もしなくても、プロデューサーは優しく見守っていてくれる・・・」
未央「ホントは皆もそれをわかってるはず、でも不安だから行動しちゃった・・・」
未央「・・・・さて、後で皆を集めて、相談しますか」
未央「いつもありがとう、プロデューサー」
結局10分間、ベンチに座りっぱなしでした
未央「よしよし、うまくいってるな」
未央「やっぱりプロデューサーと一緒にいるだけで安心するよね・・・」
未央「私達が何もしなくても、プロデューサーは優しく見守っていてくれる・・・」
未央「ホントは皆もそれをわかってるはず、でも不安だから行動しちゃった・・・」
未央「・・・・さて、後で皆を集めて、相談しますか」
未央「いつもありがとう、プロデューサー」
結局10分間、ベンチに座りっぱなしでした
149: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/09(火) 00:07:39.49 ID:vFTGIl5M0
~日曜日 卯月 蘭子~
武内P「って、今日は休みでした・・・」
武内P「残りの2人には申し訳ない事をしてしまった・・・」
武内P「とりあえず電話して謝罪を・・・」
ピンポーン
武内P「おや、誰ですかね?」
武内P「って、今日は休みでした・・・」
武内P「残りの2人には申し訳ない事をしてしまった・・・」
武内P「とりあえず電話して謝罪を・・・」
ピンポーン
武内P「おや、誰ですかね?」
151: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/09(火) 00:09:08.14 ID:vFTGIl5M0
武内P「はい今開けますよ」
ガチャ
卯月「おはようございます!」
蘭子「煩わしい太陽ね!」
武内P「」
ガチャ
卯月「おはようございます!」
蘭子「煩わしい太陽ね!」
武内P「」
153: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/09(火) 00:12:11.34 ID:vFTGIl5M0
武内P「な、何故私の家が・・・」
蘭子「同胞から聞いたのだ・・・」(小梅ちゃんが教えてくれました!)
卯月「私は楓さんから聞きました!」
武内P(はて・・・白坂さんには教えてないはずですが・・・)
小梅「ありがとね、プロデューサーさんの家突き止めてくれて・・・・」
あの子「・・・・・」コクリ
蘭子「同胞から聞いたのだ・・・」(小梅ちゃんが教えてくれました!)
卯月「私は楓さんから聞きました!」
武内P(はて・・・白坂さんには教えてないはずですが・・・)
小梅「ありがとね、プロデューサーさんの家突き止めてくれて・・・・」
あの子「・・・・・」コクリ
154: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/09(火) 00:16:05.86 ID:vFTGIl5M0
武内P「それで何しにここへ・・・」
卯月「折角のお休みなのでプロデューサーさんにはゆっくりしてもらおうと思って・・・」
蘭子「今宵はそなたの儀式を肩代わりしようと思ってな・・・」(私達が家事をやってあげようかと・・・)
武内P「それは嬉しいのですが5分で終わるんですか?」
蘭子「何を言っておる」
卯月「ここは会社じゃないんですからルール適用外ですよ♪」
武内P「」
卯月「折角のお休みなのでプロデューサーさんにはゆっくりしてもらおうと思って・・・」
蘭子「今宵はそなたの儀式を肩代わりしようと思ってな・・・」(私達が家事をやってあげようかと・・・)
武内P「それは嬉しいのですが5分で終わるんですか?」
蘭子「何を言っておる」
卯月「ここは会社じゃないんですからルール適用外ですよ♪」
武内P「」
159: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/09(火) 00:21:52.62 ID:vFTGIl5M0
卯月「さぁさぁ、まずは掃除と洗濯から・・・」
武内P「あの・・・」
卯月「私は洗濯物を干しますので蘭子ちゃんはお掃除お願いします」
蘭子「心得た!」
武内P「ちょっと・・・」
武内P「あの・・・」
卯月「私は洗濯物を干しますので蘭子ちゃんはお掃除お願いします」
蘭子「心得た!」
武内P「ちょっと・・・」
160: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/09(火) 00:25:22.47 ID:vFTGIl5M0
卯月「これが洗濯物ですね・・・わぁ・・・」
武内P「勝手に見ないでください・・・」
卯月「プロデューサーさんってブリーフもトランクスも持ってるんですね」
武内P(もう死にたい・・・)
卯月「大丈夫ですよ!私はどっち派でも気にしません!」
武内P「そういう問題じゃないです・・・」
武内P「勝手に見ないでください・・・」
卯月「プロデューサーさんってブリーフもトランクスも持ってるんですね」
武内P(もう死にたい・・・)
卯月「大丈夫ですよ!私はどっち派でも気にしません!」
武内P「そういう問題じゃないです・・・」
162: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/09(火) 00:29:10.02 ID:vFTGIl5M0
蘭子「ふむ・・・」ゴソゴソ
武内P「神崎さん・・・ベッドで何をしてるんですか?」
蘭子「我が友が禁断の書を隠してないか確認しているのだ・・・」(プロデューサーがえ・・工ッチな本を持ってないか調べてるんです!)
武内P「」
蘭子「どうやら寝床にはないようだな・・・」
武内P「安心しましたか?」
蘭子「うん!」(まぁ持ってても気にしませんけど)
武内P「神崎さん・・・ベッドで何をしてるんですか?」
蘭子「我が友が禁断の書を隠してないか確認しているのだ・・・」(プロデューサーがえ・・工ッチな本を持ってないか調べてるんです!)
武内P「」
蘭子「どうやら寝床にはないようだな・・・」
武内P「安心しましたか?」
蘭子「うん!」(まぁ持ってても気にしませんけど)
163: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/09(火) 00:31:04.45 ID:vFTGIl5M0
卯月「ふぅ・・・これで一段落しましたね」
蘭子「そうだな」
武内P「ありがとうございました、それでは・・・」
卯月「もうお昼ですね、お昼ご飯作りますか」
蘭子「当然だ!」
武内P「まだいるんですか・・・」
蘭子「そうだな」
武内P「ありがとうございました、それでは・・・」
卯月「もうお昼ですね、お昼ご飯作りますか」
蘭子「当然だ!」
武内P「まだいるんですか・・・」
166: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/09(火) 00:36:14.02 ID:vFTGIl5M0
~昼食後~
武内P「御馳走さまでした」
卯月「お粗末さまです、それで・・・どうでした?」
武内P「美味しかったですよ」
卯月「あ、ありがとうございます!」
蘭子「わ、我の供物はどうであったか・・・」
武内P「勿論美味しかったですよ」
蘭子「良かったぁ・・・」
武内P「御馳走さまでした」
卯月「お粗末さまです、それで・・・どうでした?」
武内P「美味しかったですよ」
卯月「あ、ありがとうございます!」
蘭子「わ、我の供物はどうであったか・・・」
武内P「勿論美味しかったですよ」
蘭子「良かったぁ・・・」
167: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/09(火) 00:41:11.09 ID:vFTGIl5M0
武内P「ではそろそろ・・・」
卯月「まだいちゃ駄目ですか?」
蘭子「わ、我にそんなに消えて欲しいか・・・」ウルウル
武内P「流石にこれ以上世話になるわけには・・・」
武内P「それによからぬ噂も立ちかねませんし・・・」
卯月「そ、そうですよね・・・わかりました」
蘭子「我等の為を思ってか・・・すまぬ」
武内P「わかっていただけましたか」
卯月(膝枕してあげようと思ってたのにな・・・)
蘭子(お風呂で背中流したかったなぁ・・・)
卯月「まだいちゃ駄目ですか?」
蘭子「わ、我にそんなに消えて欲しいか・・・」ウルウル
武内P「流石にこれ以上世話になるわけには・・・」
武内P「それによからぬ噂も立ちかねませんし・・・」
卯月「そ、そうですよね・・・わかりました」
蘭子「我等の為を思ってか・・・すまぬ」
武内P「わかっていただけましたか」
卯月(膝枕してあげようと思ってたのにな・・・)
蘭子(お風呂で背中流したかったなぁ・・・)
168: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/09(火) 00:47:11.05 ID:vFTGIl5M0
卯月「じゃあ私達はこれで」
蘭子「また会おうぞ!」
武内P「はい、また事務所で」
卯月「そうだ蘭子ちゃん、最後に・・・」
蘭子「うむ」
武内P「?」
うづらん「せ~の・・・」
うづらん「いつもありがとうございます!」
チュッ♡
武内P「」///
卯月「それではさよならです!」
蘭子「さらばだ!」
タタタ・・・
武内P「はぁ・・・」ポリポリ
蘭子「また会おうぞ!」
武内P「はい、また事務所で」
卯月「そうだ蘭子ちゃん、最後に・・・」
蘭子「うむ」
武内P「?」
うづらん「せ~の・・・」
うづらん「いつもありがとうございます!」
チュッ♡
武内P「」///
卯月「それではさよならです!」
蘭子「さらばだ!」
タタタ・・・
武内P「はぁ・・・」ポリポリ
169: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/09(火) 00:49:11.66 ID:vFTGIl5M0
~休み明け~
武内P「はぁ・・・・」
武内P「スキンシップタイム2週目ですか・・・」
武内P「私の心と体・・・もつでしょうか・・・」
ガチャ
武内P「おはようございます・・・」
武内P「はぁ・・・・」
武内P「スキンシップタイム2週目ですか・・・」
武内P「私の心と体・・・もつでしょうか・・・」
ガチャ
武内P「おはようございます・・・」
170: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/09(火) 00:50:26.22 ID:vFTGIl5M0
未央「あ!来たよ皆!」
未央「それじゃせーの・・・」
アイドル達「ごめんなさい!」
武内P「・・・・・」
武内P「え?」
未央「それじゃせーの・・・」
アイドル達「ごめんなさい!」
武内P「・・・・・」
武内P「え?」
171: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/09(火) 00:52:27.65 ID:vFTGIl5M0
美波「私達・・・未央ちゃんに言われてやっと気づいた・・・」
アーニャ「ダー・・・プロデューサーは優しい・・・だからつい甘えてしまって・・・」
李衣菜「こんなの・・・ロックじゃないってわかってたのに・・・」
みく「ごめんにゃ~」
蘭子「・・・・・」
アーニャ「ダー・・・プロデューサーは優しい・・・だからつい甘えてしまって・・・」
李衣菜「こんなの・・・ロックじゃないってわかってたのに・・・」
みく「ごめんにゃ~」
蘭子「・・・・・」
172: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/09(火) 00:54:40.04 ID:vFTGIl5M0
莉嘉「ゴメンねP君・・・アタシ達のわがままに付き合わせて・・・」
みりあ「これからはちゃんとガマンするから・・・」
きらり「ゆるして欲しいにぃ・・・」
かな子「本当にごめんなさい!」
智絵里「ご、ごめんなさい・・・」
杏「まぁ皆こう言ってるし、許してよ」
みりあ「これからはちゃんとガマンするから・・・」
きらり「ゆるして欲しいにぃ・・・」
かな子「本当にごめんなさい!」
智絵里「ご、ごめんなさい・・・」
杏「まぁ皆こう言ってるし、許してよ」
173: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/09(火) 00:56:45.66 ID:vFTGIl5M0
凛「あのさ・・・これからまた普通に接して・・・いいのかな」
未央「大丈夫だよ、ねぇプロデューサー?」
武内P「皆さん・・・やっとわかってくれましたか・・・」
武内P「勿論ですよ」
卯月「・・・・・」
未央「大丈夫だよ、ねぇプロデューサー?」
武内P「皆さん・・・やっとわかってくれましたか・・・」
武内P「勿論ですよ」
卯月「・・・・・」
174: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/09(火) 00:58:25.24 ID:vFTGIl5M0
武内P「それではまた皆さんで頑張って行きましょう!」
アイドル達「はい!」
ガチャ
ちひろ「皆さん、おはようございます」
武内P「千川さん・・・おはようございます」
アイドル達「はい!」
ガチャ
ちひろ「皆さん、おはようございます」
武内P「千川さん・・・おはようございます」
176: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/09(火) 01:00:32.21 ID:vFTGIl5M0
ちひろ「この様子だと、事態は収束したようですね」
武内P「はい、だからこれから常務に報告を・・・」
ちひろ「所で・・・」
ちひろ「島村さんと神崎さんは、休みの日プロデューサーさんのお宅で何をしてたんですか?」
うづらん「!」
武内P「はい、だからこれから常務に報告を・・・」
ちひろ「所で・・・」
ちひろ「島村さんと神崎さんは、休みの日プロデューサーさんのお宅で何をしてたんですか?」
うづらん「!」
178: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/09(火) 01:04:14.17 ID:vFTGIl5M0
武内P「な、何故それを・・・」
ちひろ「たまたま見かけたので・・・」
凛「ちょっと!どういう事!?」
未央「折角まとまりかけてたのに・・・」
みく「2人共!黙ってないで何とか言うにゃ!」
アーニャ「事と次第によっては・・・わかってますね?」
卯月「え、えっと・・・」
蘭子「ふええ・・・どうしよう・・・」
武内P(はぁ・・・まだまだ受難は続きそうです・・・)
~おわり~
ちひろ「たまたま見かけたので・・・」
凛「ちょっと!どういう事!?」
未央「折角まとまりかけてたのに・・・」
みく「2人共!黙ってないで何とか言うにゃ!」
アーニャ「事と次第によっては・・・わかってますね?」
卯月「え、えっと・・・」
蘭子「ふええ・・・どうしよう・・・」
武内P(はぁ・・・まだまだ受難は続きそうです・・・)
~おわり~
179: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/09(火) 01:05:35.09 ID:vFTGIl5M0
これで終わりです
楓さんがP宅を知ってるっぽいのは飲んだ帰りに仕方なく解放したとかそんな感じです
楓さんがP宅を知ってるっぽいのは飲んだ帰りに仕方なく解放したとかそんな感じです
181: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/09(火) 01:16:37.68 ID:gIiY7XVbo
おつ
仕方なく解放とは何を解放したんですかねゲヘヘ
仕方なく解放とは何を解放したんですかねゲヘヘ
引用元: 武内P「過度なスキンシップは禁止します」
千川ちひろ「プロデューサーさん、ちょっとこちらに来てくれますか」
2019-12-06
1: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/15(土) 20:05:28.18 ID:wbgZc8BJ0
ちひろ「ほら、今月の恋人料金、早く払ってくださいよ」
モバP「毎月毎月、あんな額で……俺はもう嫌なんです」
ちひろ「そうですか。なら、もう恋人ではないですねっ」
P「それは、困ります。プロデューサーとして、アイドルに不信感を与えるわけには」
ちひろ「女性なら、そこら辺にたくさんいますよ」
P「それで彼女ができたら、ちひろさんに頼んでないですよ!」
ちひろ「そんなことは知りません。お金を払うのが、約束のはずでしたから」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1392462328
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2: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/15(土) 20:05:57.32 ID:wbgZc8BJ0
P「……わかりました」
ちひろ「そんな顔をしないでくださいよ! 私はプロデューサーさんに、協力してあげてるんですから」
P「はい、感謝してます。これをどうぞ」
ちひろ「ふふ、やっぱりあるんじゃないですか。まったく、プロデューサーさんはケチンボですねっ」
P「もう、行っていいですか……」
ちひろ「いえ、私たちは恋人なんですから、渡すものがあります」
P「え?」
ちひろ「――遅れながら、ハッピーバレンタイン、プロデューサーさんっ!」
3: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/15(土) 20:06:23.92 ID:wbgZc8BJ0
ちひろ「アイドルみんなから貰ってるときに渡すのは、少し間が悪かったので」
P「い、いいんですか」
ちひろ「恋人なんだから、貰ってくれなきゃ、困りますよ!」
P「ありがとうございます」
ちひろ「いえいえ。それじゃあ、お仕事頑張ってくださいねっ」
4: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/15(土) 20:06:56.07 ID:wbgZc8BJ0
P「ふぅ……」
渋谷凛「……プロデューサー」
P「り、凛! いつから」
凛「ちひろさんと、お金の話をしてたときから、かな」
P「そうか、聞いてしまったのか」
凛「どういうことか、聞いてもいい?」
P「そうだな、こうなると、話さなくちゃな」
6: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/15(土) 20:07:20.60 ID:wbgZc8BJ0
凛「――ちひろさんに彼女のふりを」
P「プロデューサーに彼女がいないと、お前らも不安かと思ったんだ」
凛「それは……昔だったらそうかもしれないけど、今は違うでしょ」
P「ああ、みんな信頼してくれてるのはわかってる」
凛「なら、もう」
P「その中に、好意をもってくれている奴がいるのも、わかってる」
凛「……そっか」
7: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/15(土) 20:07:49.62 ID:wbgZc8BJ0
凛「ちひろさんに、幾ら払ってるの」
P「これだけだ」
凛「五!? そ、そんなに……」
P「協力してくれる人は、ちひろさんしか見つからなかった。悪いと思いながらも、協力してもらったんだ」
凛「悪いって、プロデューサーはそんなこと思う必要ないよ」
P「いや、彼女ができないのは、俺の努力不足だ。それを補ってくれるちひろさんには、感謝してる」
凛「私たちのプロデュースで忙しいから、そんな暇がないだけでしょ!」
P「お前たちを、モテない言い訳にはしたくない」
凛「プロデューサーは……良い人だよ。私だって、プロデューサーのことが」
P「凛」
凛「……ごめん」
8: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/15(土) 20:08:18.63 ID:wbgZc8BJ0
凛「プロデューサー、ちひろさんと別れて」
P「ダメだ。俺はプロデューサーとして」
凛「みんなには、私から言うから」
P「そんなことをしたら!」
凛「みんなだって、プロデューサーが傷つくより、我慢を選んでくれるはずだよ」
凛「だから、お願い。こんなこと、もうやめて……!」
P「……なあ、凛。俺はダメな奴なんだ」
凛「それ、どういう意味?」
P「お前の決意で、取り繕っていた自分が、恥ずかしくなった」
凛「なに、どういうこと……?」
P「俺は――ちひろさんが、好きなんだ」
9: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/15(土) 20:08:46.58 ID:wbgZc8BJ0
凛「どうして、ちひろさんは、お金で」
P「そうだ。俺が、お金を払って、付き合ってくれるよう頼んだ」
P「きっと本気で探せば、ちひろさん以外にも、協力者はいたはずなんだ」
P「それでも、俺はちひろさんを選んだんだ」
凛「……わかんない。わかんないよ」
P「もっともらしいことを言ってて、ちひろさんと付き合う口実を、作っただけなんだ」
11: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/15(土) 20:09:12.19 ID:wbgZc8BJ0
凛「ちひろさんの、どこが良いの」
P「……付き合う前から、ちひろさんに惹かれていた」
P「明るい笑顔に、細かな気遣いに、愛らしい仕草に」
P「どれも好きだった。偽の恋人になってからも、彼女のそれは変わらなかった」
P「休日は一緒にいてくれた、料理も作ってくれた。俺はその姿に、さらに惹かれていったんだ」
凛「それは、お金を払ってるから」
P「それでもだ」
12: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/15(土) 20:09:44.30 ID:wbgZc8BJ0
凛「……まだ、続けるつもりなんだ」
P「ちひろさんに、本当の恋人ができるまで、な」
凛「なら、せめてお金を払うのはやめて」
凛「みんなには、納得してもらうから。だから、努力して、ちひろさんと本当の恋人になって」
P「そう、だな……俺も、あれっぽっちで付き合ってもらうのは、心苦しかったしな」
凛「あれっぽっちって……本当に、ちひろさんが好きなんだね」
P「はっはっは、まあな」
凛「……妬けるな、もう」
13: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/15(土) 20:10:15.37 ID:wbgZc8BJ0
P「今から言ってくるよ。もう五百円を払うのは、やめますって」
凛「うん……」
凛「うん?」
15: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/15(土) 20:10:35.22 ID:wbgZc8BJ0
凛「ちょっと待って」
P「どうした?」
凛「五百円? 五千とか、五万円じゃなくて?」
P「ああ、だから、指を五本立てたんだろ?」
凛「まぎらわしいよ!」
16: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/15(土) 20:11:09.11 ID:wbgZc8BJ0
凛「少し整理させて。……その額は、プロデューサーが決めたの?」
P「いや、ちひろさんだ。話を持ち掛けたら、五百円で付き合ってあげますよ、と」
凛「すごい良心的じゃん!」
P「お、おう。俺もそういうところに、惚れた部分あるし」
凛「え、つまりなに、ちひろさんって、月に五百円でデートし放題、料理食べ放題!?」
P「パック料金みたいだな」
凛「超得過ぎるよ!」
17: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/15(土) 20:11:42.91 ID:wbgZc8BJ0
凛「……なら、あの冒頭の会話は? なんでプロデューサーは、お金に渋ってたの?」
P「色々してもらって、五百円は安いだろうと」
凛「遠慮してたのかよ!」
P「まさかチョコまで貰えるとは……」
凛「本当だよね。サービス精神旺盛どころじゃないよ」
P「ちひろさん、料理上手だからさ、楽しみなんだ!」
凛「惚気ないでくれる? さっきまで、すごいシリアスだったんだから」
18: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/15(土) 20:12:10.24 ID:wbgZc8BJ0
P「まあ、凛に言われて、目が覚めたよ」
凛「私はプロデューサーの発言で、目が白黒してるけど」
P「今からちひろさんに、本当の恋人なってもらうよう、告白してくる」
凛「いいよ、もう言ってきなよ。なんか疲れちゃった」
19: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/15(土) 20:13:01.22 ID:wbgZc8BJ0
P「ちひろさん、俺と本当の恋人になってください!」
ちひろ「……プロデューサーさん、チョコの包み、開けてないんですか」
P「え、ちょっと待ってください――これは、五百円と手紙?」
『この五百円はお返しします。私はあなたと恋人になりたいです』
ちひろ「目の前で読まれるなんて、思いもしませんでしたよ!」
P「ち、ちひろさん!」
ちひろ「わ、抱き着いちゃだめですよ、もうっ!」
島村卯月「もしもし! どうしたの、凛ちゃん」
卯月「え、失恋!? それもギャグっぽく?」
卯月「意味がよくわからいんだけど……」
おしまい
21: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/15(土) 20:15:30.74 ID:5AfOe4zZ0
乙
やっぱちひろって女神だわ
やっぱちひろって女神だわ
23: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/15(土) 20:19:30.06 ID:0x5Gt7fSO
乙
ちひろさんは可愛いなあ
ちひろさんは可愛いなあ
22: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/15(土) 20:18:29.83 ID:Wj808sswo
最近ちひろさんが天使って言うけど、最初から天使だったよ(ガチャガチャ
引用元: 千川ちひろ「プロデューサーさん、ちょっとこちらに来てくれますか」
モバP「芳乃をデレッデレにさせてみたい」
2019-12-06
1: ◆KSxAlUhV7DPw 2014/12/09(火) 23:24:53.76 ID:KSIw9/No0
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5: ◆KSxAlUhV7DPw 2014/12/09(火) 23:40:26.31 ID:KSIw9/No0
P「ふぅ……」
ちひろ「ため息なんてついてどうしました、プロデューサーさん?」
P「あ、ちひろさん。聞こえましたか?」
ちひろ「えぇ、珍しく物憂げな表情してるなーと思ったらこれですよ。何か悩み事でも?」
P「そんなところですね。芳乃のことを考えてました」
ちひろ「芳乃ちゃん?」
P「はい。どうしたら芳乃と仲良くなれるかなーと」
ちひろ「ほほう、あのプロデューサーさんもついに……でもだめですよ。わかってますよね」
P「わかってますとも。芳乃は16歳、合法です」
ちひろ「そういうことを言っているのではなくて、あなた方はアイドルとプロデューサーなんですよ?」
P「……そうなんですよねえ。だから困ってるんです」
ちひろ「ため息なんてついてどうしました、プロデューサーさん?」
P「あ、ちひろさん。聞こえましたか?」
ちひろ「えぇ、珍しく物憂げな表情してるなーと思ったらこれですよ。何か悩み事でも?」
P「そんなところですね。芳乃のことを考えてました」
ちひろ「芳乃ちゃん?」
P「はい。どうしたら芳乃と仲良くなれるかなーと」
ちひろ「ほほう、あのプロデューサーさんもついに……でもだめですよ。わかってますよね」
P「わかってますとも。芳乃は16歳、合法です」
ちひろ「そういうことを言っているのではなくて、あなた方はアイドルとプロデューサーなんですよ?」
P「……そうなんですよねえ。だから困ってるんです」
6: ◆KSxAlUhV7DPw 2014/12/09(火) 23:54:47.66 ID:KSIw9/No0
P「はあぁぁぁぁ……」
ちひろ「そんな見るからに構ってほしそうに深く息を吐かなくても……。わかりました、ならこうしましょう」
P「?」
ちひろ「ある程度仲良くなって信頼関係を築くのも大切ですからね。ほどほどになら芳乃ちゃんへアプローチしても目を瞑りますよ」
P「本当ですか!?」
ちひろ「た・だ・し! あくまでほどほどに、ですけど。わかってます? というか聞こえてます?」
P「よおぉぉし、ちひろさんからもお墨付きを貰ったし作戦練るぞー! 待ってろよ芳乃ーー!!」
ちひろ「ちょ、プロデューサーさん!? ……別に意図しないでもアイドルたちと上手くやっていけてるのに、今さら気負うことあるんですかねぇ」
ちひろ「あれ? それなら本気を出したプロデューサーさんはどうなってしまうのかしら。…………、見なかったことにしよっと」
ちひろ「そんな見るからに構ってほしそうに深く息を吐かなくても……。わかりました、ならこうしましょう」
P「?」
ちひろ「ある程度仲良くなって信頼関係を築くのも大切ですからね。ほどほどになら芳乃ちゃんへアプローチしても目を瞑りますよ」
P「本当ですか!?」
ちひろ「た・だ・し! あくまでほどほどに、ですけど。わかってます? というか聞こえてます?」
P「よおぉぉし、ちひろさんからもお墨付きを貰ったし作戦練るぞー! 待ってろよ芳乃ーー!!」
ちひろ「ちょ、プロデューサーさん!? ……別に意図しないでもアイドルたちと上手くやっていけてるのに、今さら気負うことあるんですかねぇ」
ちひろ「あれ? それなら本気を出したプロデューサーさんはどうなってしまうのかしら。…………、見なかったことにしよっと」
7: ルール ◆KSxAlUhV7DPw 2014/12/10(水) 00:12:49.16 ID:7p7vOvjc0
安価で行動を、コンマで展開を考えます
00~09…疑念1
10~29…友好1
30~79…友好1、親愛1
80~99…親愛1
(ゾロ目で2倍)
友好、親愛のいずれかが5に達すると対応したルートへ分岐する形になります
・分岐したら全数値0から再スタート、このステップを3回こなしてED
・友好、親愛がもし同時に5になった場合、どちらかになるような形で安価
先に疑念が3溜まるとルート変動なしで再スタート、つまり1ステップ分の進展がなくなります
・よっぽどな内容の安価は>>1判断で疑念1にするかも?
ぶっちゃけ某有名ギャルゲー風な感じになってると思います
00~09…疑念1
10~29…友好1
30~79…友好1、親愛1
80~99…親愛1
(ゾロ目で2倍)
友好、親愛のいずれかが5に達すると対応したルートへ分岐する形になります
・分岐したら全数値0から再スタート、このステップを3回こなしてED
・友好、親愛がもし同時に5になった場合、どちらかになるような形で安価
先に疑念が3溜まるとルート変動なしで再スタート、つまり1ステップ分の進展がなくなります
・よっぽどな内容の安価は>>1判断で疑念1にするかも?
ぶっちゃけ某有名ギャルゲー風な感じになってると思います
8: ◆KSxAlUhV7DPw 2014/12/10(水) 00:20:08.50 ID:7p7vOvjc0
P「とにもかくにも、まずは普通に仲良くなるぞ。不思議なオーラを放ちまくってるが基本良い子だしな」
P「あいつの趣味は悩み事解決、石ころ集め、失せ物探し、だったか。この辺からつついてみるかはたまた正面からぶつかってみるか」
P「あまり下手に出ると見透かされて警戒されるかもしれないし、やり過ぎないようにしないとな」
P「とりあえず……>>9から始めてみよう」
P「あいつの趣味は悩み事解決、石ころ集め、失せ物探し、だったか。この辺からつついてみるかはたまた正面からぶつかってみるか」
P「あまり下手に出ると見透かされて警戒されるかもしれないし、やり過ぎないようにしないとな」
P「とりあえず……>>9から始めてみよう」
9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/10(水) 00:21:40.64 ID:PsA8nIzy0
P(作者)の地元の名産を御裾分け
21: 友好1 親愛1 ◆KSxAlUhV7DPw 2014/12/11(木) 00:30:26.30 ID:bemySqRe0
1.知り合いルート
P「地元の名産をお裾分け、か。俺のルーツともいえるものを教えて心の距離を近づけてみるぞ」
P「でもうちの地元って何かあったかな……田舎だし野菜とかそういう特産品をポンと渡すのもなんか違うだろうから」
P「んー。となると郷土料理でも? お裾分けにちょうど良さそうなものといえば――」
P「芳乃、今日もお疲れさま」
芳乃「いえー、なんてことはありませぬゆえー。お気遣いなくー」
P「気遣うのも仕事のうちさ。それより芳乃って好き嫌いとかあったっけ?」
芳乃「好みはありますが不得手にしているものは特にはないのでしてー。感謝をこめて残さずいただくよう努めておりますー」
P「そっか。じゃあさ、今度俺の地元の郷土料理でも食べてみるか? 季節的にもぴったりなんだ」
芳乃「ほほー、そなたが振るまってくれるのですかー。期待せずにはいられないのでしてー」
P「あんまり期待されても困るが、まあ鍋料理だし俺でも大丈夫かな」
芳乃「そなたの故郷の味はお鍋なのでしてー?」
P「そうだよ。アンコウ鍋だ、今ごろから旬でなー。だいぶ寒くなってきたしちょうどいいだろう?」
芳乃「でしたらみなで楽しみませー。せっかくのそなたの鍋料理、わたくしだけで堪能するにはもったいないかとー」
P「えっ? ……あ、ああそうかもな。せっかくの鍋だし、パーッとやってみるかははは」
P「地元の名産をお裾分け、か。俺のルーツともいえるものを教えて心の距離を近づけてみるぞ」
P「でもうちの地元って何かあったかな……田舎だし野菜とかそういう特産品をポンと渡すのもなんか違うだろうから」
P「んー。となると郷土料理でも? お裾分けにちょうど良さそうなものといえば――」
P「芳乃、今日もお疲れさま」
芳乃「いえー、なんてことはありませぬゆえー。お気遣いなくー」
P「気遣うのも仕事のうちさ。それより芳乃って好き嫌いとかあったっけ?」
芳乃「好みはありますが不得手にしているものは特にはないのでしてー。感謝をこめて残さずいただくよう努めておりますー」
P「そっか。じゃあさ、今度俺の地元の郷土料理でも食べてみるか? 季節的にもぴったりなんだ」
芳乃「ほほー、そなたが振るまってくれるのですかー。期待せずにはいられないのでしてー」
P「あんまり期待されても困るが、まあ鍋料理だし俺でも大丈夫かな」
芳乃「そなたの故郷の味はお鍋なのでしてー?」
P「そうだよ。アンコウ鍋だ、今ごろから旬でなー。だいぶ寒くなってきたしちょうどいいだろう?」
芳乃「でしたらみなで楽しみませー。せっかくのそなたの鍋料理、わたくしだけで堪能するにはもったいないかとー」
P「えっ? ……あ、ああそうかもな。せっかくの鍋だし、パーッとやってみるかははは」
23: 友好1 親愛1 ◆KSxAlUhV7DPw 2014/12/11(木) 01:02:19.76 ID:bemySqRe0
P(とまあ、思いがけなく居合わせたメンツで小規模な鍋パーティーを開くことになってしまったわけだが)
ちひろ「ふふっ、アニバーサリーの時とは違った趣がありますね。プロデューサーさん、ごちそうさまです」
P「気にしないでください。それよりこのことは他言無用で頼みますよ、みんなもだぞ。鍋なんてしてたのバレたら次は事務所が会場になっちまう」
楓「海上の会場でないと……ふふっ」
P「あなたは何を言ってるんだ」
七海「プロデューサー、どこで釣ってきたのれすか~? 七海の対抗心が燃えてきたれす~!」
P「実家からわざわざ送ってもらったんだよ、もちろん買ってな」
みく「Pチャン、お魚が苦手なみくをどうして帰らせてくれないにゃ?」
P「様式美ってやつさ。いや冗談だって、せっかくなんだしうまいこと取り分ければなんとかなるって」
芳乃「ふふー」
P「ん? どうした芳乃、にこにこしちゃって」
芳乃「かいがいしくみなの世話を焼くそなたが楽しそうでついー」
P「そ、そうか? 俺も芳乃が楽しそうで何より――っとと。さあ、そろそろ食べようか」
P(でもまあ、これはこれでありってことにしとこうか。うん)
ちひろ「ふふっ、アニバーサリーの時とは違った趣がありますね。プロデューサーさん、ごちそうさまです」
P「気にしないでください。それよりこのことは他言無用で頼みますよ、みんなもだぞ。鍋なんてしてたのバレたら次は事務所が会場になっちまう」
楓「海上の会場でないと……ふふっ」
P「あなたは何を言ってるんだ」
七海「プロデューサー、どこで釣ってきたのれすか~? 七海の対抗心が燃えてきたれす~!」
P「実家からわざわざ送ってもらったんだよ、もちろん買ってな」
みく「Pチャン、お魚が苦手なみくをどうして帰らせてくれないにゃ?」
P「様式美ってやつさ。いや冗談だって、せっかくなんだしうまいこと取り分ければなんとかなるって」
芳乃「ふふー」
P「ん? どうした芳乃、にこにこしちゃって」
芳乃「かいがいしくみなの世話を焼くそなたが楽しそうでついー」
P「そ、そうか? 俺も芳乃が楽しそうで何より――っとと。さあ、そろそろ食べようか」
P(でもまあ、これはこれでありってことにしとこうか。うん)
24: 友好1 親愛1 ◆KSxAlUhV7DPw 2014/12/11(木) 01:06:45.71 ID:bemySqRe0
P(期待してる展開になるにはもっと仲良くならないといけないのかもなあ)
P「って俺は何を期待してたというんだ、うーむ」
P「ま、焦っても仕方ないか。じっくりと芳乃にアプローチしていこう」
P「さてと、次は>>25で気を引いてみようか」
P「って俺は何を期待してたというんだ、うーむ」
P「ま、焦っても仕方ないか。じっくりと芳乃にアプローチしていこう」
P「さてと、次は>>25で気を引いてみようか」
25: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/11(木) 01:08:34.19 ID:vp602cVI0
クマのぬいぐるみ
31: 友好2 親愛1 ◆KSxAlUhV7DPw 2014/12/12(金) 19:52:02.62 ID:oLOYZHoR0
P「芳乃ならクマのぬいぐるみにどんな反応するかな。話の種ぐらいにはなるだろか」
P「結構似合いそうだけどあまりそういうイメージはないし、試しにやってみるぞ」
P(とはいえ俺が持っててもこの上なく不自然なんだよなあ。早くこっちに気付くんだ芳乃)
芳乃「? そなたー」
P「うん? 呼んだか」
芳乃「そなたに求められたような気がしましてー、わたくしに何かご用があるなら言いませー。ほらー」
P「さ、さすがというかなんというか。別に用ってほどでもないんだが、これどう思う?」
芳乃「これとはクマのぬいぐるみのことでしてー?」
P「うん。芳乃もこういう可愛い感じの小物は好きなのかなーと。ほら」
芳乃「ほほー、見れば見るほど愛くるしいのでしてー」
P(ぬいぐるみを両手で抱き上げてる芳乃も可愛いよふへへ)
芳乃「そなたはこの子をどうしてわたくしにー?」
P「えー……っとだ、俺よりもこういうのに相応しい持ち主がいると思うから、芳乃の力で探してそのままあげてほしいなー、みたいな?」
P(前もって聞かれるだろうことの返答を用意しておいて正解だったようだ)
芳乃「よいでしょうー、そなたのために尽力してみせませー。それまではわたくしがこの子を預かりますゆえー」
P「おう、頼んだぞ。別に誰の手に渡らなくともいいっちゃいいんだけどな」
P「結構似合いそうだけどあまりそういうイメージはないし、試しにやってみるぞ」
P(とはいえ俺が持っててもこの上なく不自然なんだよなあ。早くこっちに気付くんだ芳乃)
芳乃「? そなたー」
P「うん? 呼んだか」
芳乃「そなたに求められたような気がしましてー、わたくしに何かご用があるなら言いませー。ほらー」
P「さ、さすがというかなんというか。別に用ってほどでもないんだが、これどう思う?」
芳乃「これとはクマのぬいぐるみのことでしてー?」
P「うん。芳乃もこういう可愛い感じの小物は好きなのかなーと。ほら」
芳乃「ほほー、見れば見るほど愛くるしいのでしてー」
P(ぬいぐるみを両手で抱き上げてる芳乃も可愛いよふへへ)
芳乃「そなたはこの子をどうしてわたくしにー?」
P「えー……っとだ、俺よりもこういうのに相応しい持ち主がいると思うから、芳乃の力で探してそのままあげてほしいなー、みたいな?」
P(前もって聞かれるだろうことの返答を用意しておいて正解だったようだ)
芳乃「よいでしょうー、そなたのために尽力してみせませー。それまではわたくしがこの子を預かりますゆえー」
P「おう、頼んだぞ。別に誰の手に渡らなくともいいっちゃいいんだけどな」
32: 友好2 親愛1 ◆KSxAlUhV7DPw 2014/12/12(金) 19:59:29.60 ID:oLOYZHoR0
P(その後、クマのぬいぐるみを抱きかかえながら事務所内をチョロチョロ歩き回る芳乃を見て、こっそり癒されるのだった)
P「案の定クマは美穂の手に渡ったみたいだし、その辺はさすがというべきか」
P「……俺としては芳乃にそのまま持ってて貰ってもよかったけど」
P「さてと、次は>>33してみようかな?」
P「案の定クマは美穂の手に渡ったみたいだし、その辺はさすがというべきか」
P「……俺としては芳乃にそのまま持ってて貰ってもよかったけど」
P「さてと、次は>>33してみようかな?」
33: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/12(金) 20:01:22.21 ID:SKHDGGPM0
セクハラ(ゲス顔)
36: 友好3 親愛1 ◆KSxAlUhV7DPw 2014/12/13(土) 05:02:13.73 ID:ohLV0nd60
P「セクハラ? 何を言ってるんだ俺は」
P「いくら芳乃でもそんなことされたら……でも確かに俺の中の何かが芳乃を求めている……」
P「芳乃はどこまでされたらセクハラと感じるのだろう。興味はあるけど、うーん……」
P(自制心を保てない俺はいつか訴えられるかもしれない)
P「芳乃ーーーッ!!」ガバッ
芳乃「むぐー、苦しいのでしてー……そなたー?」
P(正面から抱きついてみたがどうだ? これなら十分セクハラになるはずだが)
P「こうでもしないと俺は俺でいられなくなるんだ、許してくれーー!」
芳乃「悪い気にでもふれましてー? よしよし、わたくしがそなたを悪いものから覆い隠してみせましょー」ポンポン
P「……芳乃、細っこいよな。折れちゃいそうだ」
芳乃「そんなにやわではないのでしてー」
P「そうなのか? じゃあ遠慮なく」ギュー
P(よし、これで胸の感触を楽しませていただk……ん…………あれ……? どこだ……?) ムギュギュ
芳乃「あうー……少々痛いのでして」
P「あ、ごめん……で、でもこれでしばらくは何とかやっていけそうだよ。ありがとう!」
芳乃「けほっ、ご相談なら早めに言の葉で伝えていただきたくー、さもなければあのように新たな気の歪みがー」
P「えっ? ああっ、アイドル達の俺と芳乃を見る目が冷え切ってる!? なぜだ!」
芳乃「正確にはそなたを見る目だけかとー」
P「いくら芳乃でもそんなことされたら……でも確かに俺の中の何かが芳乃を求めている……」
P「芳乃はどこまでされたらセクハラと感じるのだろう。興味はあるけど、うーん……」
P(自制心を保てない俺はいつか訴えられるかもしれない)
P「芳乃ーーーッ!!」ガバッ
芳乃「むぐー、苦しいのでしてー……そなたー?」
P(正面から抱きついてみたがどうだ? これなら十分セクハラになるはずだが)
P「こうでもしないと俺は俺でいられなくなるんだ、許してくれーー!」
芳乃「悪い気にでもふれましてー? よしよし、わたくしがそなたを悪いものから覆い隠してみせましょー」ポンポン
P「……芳乃、細っこいよな。折れちゃいそうだ」
芳乃「そんなにやわではないのでしてー」
P「そうなのか? じゃあ遠慮なく」ギュー
P(よし、これで胸の感触を楽しませていただk……ん…………あれ……? どこだ……?) ムギュギュ
芳乃「あうー……少々痛いのでして」
P「あ、ごめん……で、でもこれでしばらくは何とかやっていけそうだよ。ありがとう!」
芳乃「けほっ、ご相談なら早めに言の葉で伝えていただきたくー、さもなければあのように新たな気の歪みがー」
P「えっ? ああっ、アイドル達の俺と芳乃を見る目が冷え切ってる!? なぜだ!」
芳乃「正確にはそなたを見る目だけかとー」
37: 友好3 親愛1 ◆KSxAlUhV7DPw 2014/12/13(土) 05:09:10.59 ID:ohLV0nd60
P「みんなに怒られてしまった。さすがにいきなり抱きついたりしたらなあ」
P「それはともかく芳乃本人は嫌そうな素ぶりを見せなかったけど、内心どう思ってたのかな。そこがよくわからなかった」
P「……着痩せするタイプと期待してたけど、そうでもなかったな」
P「いやいや、それならそれで良さはある! さあ次は>>38でいくぞ!」
P「それはともかく芳乃本人は嫌そうな素ぶりを見せなかったけど、内心どう思ってたのかな。そこがよくわからなかった」
P「……着痩せするタイプと期待してたけど、そうでもなかったな」
P「いやいや、それならそれで良さはある! さあ次は>>38でいくぞ!」
38: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/13(土) 05:18:29.35 ID:+Zg2WTGpo
放置
46: 友好4 親愛2 ◆KSxAlUhV7DPw 2014/12/14(日) 20:24:03.25 ID:XJ7SnzRZ0
P「放置プレイとな? 今の芳乃にこういった駆け引きがどこまで通用するやら」
P「でも事務所に溶け込んでる様子をじっくり見てみたくもあるし、放置しつつ素知らぬ顔で遠巻きに観察してみようか」
P(こういう時のデスクワークなんだよなあ。ちょうどアイドルのみんなは休憩中だし、芳乃はどうしてるかな?) カタカタ
芳乃「ふぅー」
P(体操着姿が新鮮だ、芳乃も16歳だし本来なら高校生か。さすがに着物でダンスレッスンは出来ないよな)
まゆ「――芳乃ちゃん、いいかしら? さっきお願いしてたことなのだけれど」
芳乃「お任せあれー。して、いったい何を探しておられるのでしょー」
P(何か始まったぞ。あれはまゆだ)
まゆ「私、赤い糸をずぅっと探してるの。近くにあるといいのになぁって思ってて、そういうのも探してもらえるの?」
芳乃「ふむー、探しモノは探しモノでも縁結びをご所望のようでー。いとまが作れ次第やるだけやってみませー」
まゆ「ありがとう♪ お礼は必ずするから……うふふ」
P(何を話してたんだろう、まゆは随分とご機嫌だったけど)
P(お、また誰か芳乃のとこにきたな。あれは>>47か?)
P「でも事務所に溶け込んでる様子をじっくり見てみたくもあるし、放置しつつ素知らぬ顔で遠巻きに観察してみようか」
P(こういう時のデスクワークなんだよなあ。ちょうどアイドルのみんなは休憩中だし、芳乃はどうしてるかな?) カタカタ
芳乃「ふぅー」
P(体操着姿が新鮮だ、芳乃も16歳だし本来なら高校生か。さすがに着物でダンスレッスンは出来ないよな)
まゆ「――芳乃ちゃん、いいかしら? さっきお願いしてたことなのだけれど」
芳乃「お任せあれー。して、いったい何を探しておられるのでしょー」
P(何か始まったぞ。あれはまゆだ)
まゆ「私、赤い糸をずぅっと探してるの。近くにあるといいのになぁって思ってて、そういうのも探してもらえるの?」
芳乃「ふむー、探しモノは探しモノでも縁結びをご所望のようでー。いとまが作れ次第やるだけやってみませー」
まゆ「ありがとう♪ お礼は必ずするから……うふふ」
P(何を話してたんだろう、まゆは随分とご機嫌だったけど)
P(お、また誰か芳乃のとこにきたな。あれは>>47か?)
48: 友好4 親愛2 ◆KSxAlUhV7DPw 2014/12/14(日) 20:42:31.42 ID:XJ7SnzRZ0
悠貴「あ、あのっ。芳乃さん!」
芳乃「そうかしこまらずー。どうかされましてー?」
P(悠貴か。心なしか表情に陰りがみえるぞ)
悠貴「私、大事なものをなくしちゃったみたいで……芳乃さんならと思って、そのっ」
芳乃「任せなさいー。だから幸せを逃がさないようそんなに暗い顔をしてはなりませんー。さー笑った笑ったー」
P(お、ちょっとだけ明るくなったな。よくわからんが芳乃はみんなにも頼られてるみたいだ)
芳乃「ときに、いったい何を失くしたのでしょー?」
悠貴「……>>49、なんですがっ」
芳乃「そうかしこまらずー。どうかされましてー?」
P(悠貴か。心なしか表情に陰りがみえるぞ)
悠貴「私、大事なものをなくしちゃったみたいで……芳乃さんならと思って、そのっ」
芳乃「任せなさいー。だから幸せを逃がさないようそんなに暗い顔をしてはなりませんー。さー笑った笑ったー」
P(お、ちょっとだけ明るくなったな。よくわからんが芳乃はみんなにも頼られてるみたいだ)
芳乃「ときに、いったい何を失くしたのでしょー?」
悠貴「……>>49、なんですがっ」
49: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/12/14(日) 20:43:48.69 ID:QlL0Llc30
ドレッシング
50: 友好4 親愛2 ◆KSxAlUhV7DPw 2014/12/14(日) 21:16:00.12 ID:XJ7SnzRZ0
悠貴「少しでも生野菜を克服できるように作られてる特製のドレッシングなんです……私、あれがないとっ」
芳乃「承知しましてー。きっとそう遠くないところに潜んでるでしょー、気軽に待っているとよいかとー」
悠貴「お、お願いしますっ!」
P(うーん、俺がいなくても結構やっていけてそうだな。嬉しくもあり寂しくもあり……)
P(で、でもそのうち俺のところに恋しがって来てくれるはず! このまま俺からは放置して様子をうかがおう)
そして...
芳乃「そなたー」
P「芳乃ーーッ!!」
芳乃「ちょっとお聞きしたいことが……何ゆえわたくしは頭をぽんぽんされてるのでしょー?」
P「いや、よく来てくれたなーって思ってさ。どうした、何を聞きたいって!?」
芳乃「この辺にあるような気がしましてー、特別なドレッシングを探しているのですがー」
P「ドレッシング? あー、そういやこの前市販じゃ見かけないやつをちょこっと拝借したような。どうしたっけなあ」
芳乃「持ち主が困ってましてー。さー早く思い出しなさいー、早くー」
P「わ、わかったわかった。えっと、用件はそれだけ?」
芳乃「そうですがー、なにかー?」
P「……あ、そう」
芳乃「承知しましてー。きっとそう遠くないところに潜んでるでしょー、気軽に待っているとよいかとー」
悠貴「お、お願いしますっ!」
P(うーん、俺がいなくても結構やっていけてそうだな。嬉しくもあり寂しくもあり……)
P(で、でもそのうち俺のところに恋しがって来てくれるはず! このまま俺からは放置して様子をうかがおう)
そして...
芳乃「そなたー」
P「芳乃ーーッ!!」
芳乃「ちょっとお聞きしたいことが……何ゆえわたくしは頭をぽんぽんされてるのでしょー?」
P「いや、よく来てくれたなーって思ってさ。どうした、何を聞きたいって!?」
芳乃「この辺にあるような気がしましてー、特別なドレッシングを探しているのですがー」
P「ドレッシング? あー、そういやこの前市販じゃ見かけないやつをちょこっと拝借したような。どうしたっけなあ」
芳乃「持ち主が困ってましてー。さー早く思い出しなさいー、早くー」
P「わ、わかったわかった。えっと、用件はそれだけ?」
芳乃「そうですがー、なにかー?」
P「……あ、そう」
51: 友好4 親愛2 ◆KSxAlUhV7DPw 2014/12/14(日) 21:23:23.81 ID:XJ7SnzRZ0
P「なかなか手強い……距離が縮まってる感じがしないぞ」
P「まあでもそんな簡単に思うようにいかなくて当然だよな。頭撫でたり笑顔を見せるだけで惚れてくれるなんて幻想なんだ」
P「と、弱音はこれぐらいにして」
P「次は>>52をしてみようか。いくぞー!」
P「まあでもそんな簡単に思うようにいかなくて当然だよな。頭撫でたり笑顔を見せるだけで惚れてくれるなんて幻想なんだ」
P「と、弱音はこれぐらいにして」
P「次は>>52をしてみようか。いくぞー!」
52: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/14(日) 21:24:47.54 ID:H9qQxc6AO
芳乃をPの絵のモデルに
54: ◆KSxAlUhV7DPw 2014/12/14(日) 21:44:32.21 ID:XJ7SnzRZ0
友好5に到達したので、安価をこなしたらルート分岐シーンを挟んでまた0からやっていきます
なお今回は友好への分岐で仲良しルート、親愛への分岐で憧れルートを考えてました
気心を知りPとの距離が縮まるか、異性としてほのかに淡い気持ちを抱いていくか。どんな芳乃になるかはコンマだけが知っています
なお今回は友好への分岐で仲良しルート、親愛への分岐で憧れルートを考えてました
気心を知りPとの距離が縮まるか、異性としてほのかに淡い気持ちを抱いていくか。どんな芳乃になるかはコンマだけが知っています
57: 友好5 親愛3 ◆KSxAlUhV7DPw 2014/12/22(月) 23:38:43.74 ID:csxv8TBP0
P「芳乃を絵のモデルに、か」
P「自然な流れで堂々と芳乃を視k……ねっとりと眺められる? やるしかないな!」
P(しかし宣材用でもなく俺個人のわがままでモデルなんて付き合ってもらえるのかなあ。こればかりは頼んでみるしかないか)
P「芳乃、ちょっといいかな」
芳乃「わたくしに何かー?」
P「芳乃に頼みごとがあるんだけど、さ。俺の絵のモデルになってもらえないかなあって」
芳乃「そなたの頼みとあらばお受けしましょー。新しいお仕事でしてー?」
P「いや、個人的な話。だから断ってくれてもいいんだぞ」
芳乃「ふむー。そなたこそ、わたくしでよろしいのでー?」
P「ん? 何がだ?」
芳乃「そのー、ここにはモデルに相応しい方々ばかりゆえー。そなたが持ち掛ければ断る方はそういないかと思いましてー」
P「俺は芳乃を描きたいから芳乃に頼んでるんだぞ? あ、もしかして本当は嫌なんじゃ……?」
芳乃「そういうわけではなくー、えー、ではそなたの都合があいまする時に参りましょー」
P「ありがとう! 嬉しいなあ、よっしどんどん仕事片して時間作るぞー!」
芳乃「……ふふっ、わたくしも求められるのは嬉しいのでして」
P「自然な流れで堂々と芳乃を視k……ねっとりと眺められる? やるしかないな!」
P(しかし宣材用でもなく俺個人のわがままでモデルなんて付き合ってもらえるのかなあ。こればかりは頼んでみるしかないか)
P「芳乃、ちょっといいかな」
芳乃「わたくしに何かー?」
P「芳乃に頼みごとがあるんだけど、さ。俺の絵のモデルになってもらえないかなあって」
芳乃「そなたの頼みとあらばお受けしましょー。新しいお仕事でしてー?」
P「いや、個人的な話。だから断ってくれてもいいんだぞ」
芳乃「ふむー。そなたこそ、わたくしでよろしいのでー?」
P「ん? 何がだ?」
芳乃「そのー、ここにはモデルに相応しい方々ばかりゆえー。そなたが持ち掛ければ断る方はそういないかと思いましてー」
P「俺は芳乃を描きたいから芳乃に頼んでるんだぞ? あ、もしかして本当は嫌なんじゃ……?」
芳乃「そういうわけではなくー、えー、ではそなたの都合があいまする時に参りましょー」
P「ありがとう! 嬉しいなあ、よっしどんどん仕事片して時間作るぞー!」
芳乃「……ふふっ、わたくしも求められるのは嬉しいのでして」
58: 友好5 親愛3 ◆KSxAlUhV7DPw 2014/12/22(月) 23:41:37.78 ID:csxv8TBPo
P(いよいよこの時がきた……! 絵を描くという本題、忘れないように気をつけないと)
芳乃「こちらに立っていればよろしいのでしてー?」
P「ああ、……いや、仕事でもないのに疲れさせるのはしのびない。椅子持ってこよう」
芳乃「わたくしはどちらでも構いませぬゆえー。どのような姿勢でもこなしてみせませー」
P「たしかにじっと同じポーズ取り続けるの、芳乃は平気そうだな」
芳乃「内なる我へ埋没するのも修行の一環なのでしてー」
P「な、なるほど。そうだなあ……とりあえず椅子に座ってこちらを向いてもらおうか」
芳乃「お任せあれー」
P「…………」
芳乃「…………」
P(本当に微動だにしないな芳乃。目を開けながら寝てるみたいだ)
P(あの穏やかな瞳を見てると吸い込まれそうな気分になる。芳乃はいま何を考えてたりするのだろう)
P(おっと、腕が止まってるな。見ていたいけど付き合わせてるんだから、やることはやらないと)
――――
――
―
芳乃「こちらに立っていればよろしいのでしてー?」
P「ああ、……いや、仕事でもないのに疲れさせるのはしのびない。椅子持ってこよう」
芳乃「わたくしはどちらでも構いませぬゆえー。どのような姿勢でもこなしてみせませー」
P「たしかにじっと同じポーズ取り続けるの、芳乃は平気そうだな」
芳乃「内なる我へ埋没するのも修行の一環なのでしてー」
P「な、なるほど。そうだなあ……とりあえず椅子に座ってこちらを向いてもらおうか」
芳乃「お任せあれー」
P「…………」
芳乃「…………」
P(本当に微動だにしないな芳乃。目を開けながら寝てるみたいだ)
P(あの穏やかな瞳を見てると吸い込まれそうな気分になる。芳乃はいま何を考えてたりするのだろう)
P(おっと、腕が止まってるな。見ていたいけど付き合わせてるんだから、やることはやらないと)
――――
――
―
59: 友好5 親愛3 ◆KSxAlUhV7DPw 2014/12/22(月) 23:45:52.29 ID:csxv8TBPo
P「……………………」
芳乃「……………………」
P「……芳乃、そろそろ休憩しようか」
芳乃「……」
P「芳乃? おーい」
芳乃「…………」
P(まさか本当に無我の境地へ!? 芳乃ならありそうだけど……どうしよう?)
P「芳乃」
芳乃「……」
P「実は寝てる?」
芳乃「……」
P「その可愛い顔にいたずら書きしてやるわ! あーっはっはっ……げほっ、げほっ」
芳乃「……」
P「ふーん、アンタが私のモデル? ……まあ、悪くないかな。あ、これ出会った当初の凛の真似な。丸くなったよあいつも」
芳乃「……」
P(だめか。肩とか揺すったりした方がいいのかな? それとも絵を続けた方が? うーん……)
P「なあ芳乃、アイドルは楽しいか? 楽しめているか?」
芳乃「……?」
P「俺は芳乃と仕事ができて楽しい。うちにきてくれてありがとう。お前のおかげで毎日充実してるよ」
芳乃「……っ」
P「なんて、伝えるにはまだ早いか。感謝の言葉を贈る前にせめてトップアイドルにしてみせないと」
芳乃「……、ぐ、ぐー」
P「ちょっ、本当に寝てたのか!?」
P(その後、芳乃の好きなお茶とお煎餅で休憩を挟んだ。続きに入った後の芳乃は、なんとなく表情が緩んで見えた気がした)
芳乃「……………………」
P「……芳乃、そろそろ休憩しようか」
芳乃「……」
P「芳乃? おーい」
芳乃「…………」
P(まさか本当に無我の境地へ!? 芳乃ならありそうだけど……どうしよう?)
P「芳乃」
芳乃「……」
P「実は寝てる?」
芳乃「……」
P「その可愛い顔にいたずら書きしてやるわ! あーっはっはっ……げほっ、げほっ」
芳乃「……」
P「ふーん、アンタが私のモデル? ……まあ、悪くないかな。あ、これ出会った当初の凛の真似な。丸くなったよあいつも」
芳乃「……」
P(だめか。肩とか揺すったりした方がいいのかな? それとも絵を続けた方が? うーん……)
P「なあ芳乃、アイドルは楽しいか? 楽しめているか?」
芳乃「……?」
P「俺は芳乃と仕事ができて楽しい。うちにきてくれてありがとう。お前のおかげで毎日充実してるよ」
芳乃「……っ」
P「なんて、伝えるにはまだ早いか。感謝の言葉を贈る前にせめてトップアイドルにしてみせないと」
芳乃「……、ぐ、ぐー」
P「ちょっ、本当に寝てたのか!?」
P(その後、芳乃の好きなお茶とお煎餅で休憩を挟んだ。続きに入った後の芳乃は、なんとなく表情が緩んで見えた気がした)
60: 幕間 知り合い→仲良し ◆KSxAlUhV7DPw 2014/12/22(月) 23:55:20.13 ID:csxv8TBPo
困っている人には力を貸しなさい――ばばさまのお言葉であり、それがわたくしの在り方。
そうすることがきっと世のため人のため、ひいては己のためだと信じている。
おかげであの方と巡り会い、アイドルという天職を得ることになった。
アイドルであるわたくしがファンのために振る舞い、ファンの皆の声援がわたくしの喜び
となる。
そこには多くの笑顔があふれ、とても幸せに満ちることでしょう。
『なあ芳乃、アイドルは楽しいか? 楽しめているか?』
ふと、あの方の言葉が過ぎる。
アイドルであることが、喜びや幸せをもたらせるのだと幾度も言葉にしたはずなのに。
言葉を反芻し、真意を探し求める。喜と楽は違うということなのでしょうか。
わたくしの在り方は、楽しいものなのでしょうか。
「おはよう芳乃、今日もよろしくな」
考えながら、妙に事務所への足取りが軽いことに気がついて。
あの方の細やかな気配りに居心地の良さを覚えます。
今日はどんな仕事だったでしょう。あの方の背についていけば不思議と不安はなく、期待
すら感じ――
ああ、そういうことだったのか、と得心がいきました。
わたくしは、そなたと共に在ることが楽しいのだと。
61: ◆KSxAlUhV7DPw 2014/12/23(火) 00:01:29.81 ID:N2hOr79ao
P「うーむ……描いた絵を持ってかれてしまった。それ自体はいいんだけどお気に召すのかな俺なんかの絵で」
P「仕方ない、それよりも次の手を考えよう。もっと芳乃と仲良くなれたらいいんだが」
P「ある意味ポーカーフェイスだからなあ、少しは近づけてるのか?」
P「……>>62、今度は>>62でいこう!」
P「仕方ない、それよりも次の手を考えよう。もっと芳乃と仲良くなれたらいいんだが」
P「ある意味ポーカーフェイスだからなあ、少しは近づけてるのか?」
P「……>>62、今度は>>62でいこう!」
62: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2014/12/23(火) 00:02:19.48 ID:u3zrkMDq0
肩車
72: 友好1 親愛1 ◆KSxAlUhV7DPw 2015/01/08(木) 23:30:45.08 ID:vj94hRfT0
P「肩車……16歳の女の子にするにはなかなか勇気がいるな」
P「でもさせてくれたら少しは距離が縮まった気もするし、当たって砕けろ精神だ!」
P「芳乃ー、芳乃ー?」
芳乃「そなたー?」
P「俺だ。じゃなくて、今何してるかなと思ってさ。忙しかった?」
芳乃「探し物をしていただけでしてー。急ぎの用でもないので気になさらずー」
P「そうか? となると、もしかしたら芳乃の力になれるかもしれない」
芳乃「そなたが、わたくしの……?」
P「うん、ってなんか微妙な反応だな。いやある意味正解なのかもしれないが」
芳乃「いえ、疑ってるわけではないのでしてー。それより何を以ってわたくしに力を貸してくれるおつもりなのでー?」
P「肩車」
芳乃「?」
P「……肩車。視点が高くなったら見えるものも変わるかなーと思った。ごめん、何でもない。それじゃ」
芳乃「ふむー、そなたの背ならわたくしの半身分ほど高くから見下ろせることでしょー。たしかに違うものが見えてくるかもしれませぬー」
P「マジで? えーと、じゃあやってみる?」
芳乃「安全運転を抜かりなきようー」
P「でもさせてくれたら少しは距離が縮まった気もするし、当たって砕けろ精神だ!」
P「芳乃ー、芳乃ー?」
芳乃「そなたー?」
P「俺だ。じゃなくて、今何してるかなと思ってさ。忙しかった?」
芳乃「探し物をしていただけでしてー。急ぎの用でもないので気になさらずー」
P「そうか? となると、もしかしたら芳乃の力になれるかもしれない」
芳乃「そなたが、わたくしの……?」
P「うん、ってなんか微妙な反応だな。いやある意味正解なのかもしれないが」
芳乃「いえ、疑ってるわけではないのでしてー。それより何を以ってわたくしに力を貸してくれるおつもりなのでー?」
P「肩車」
芳乃「?」
P「……肩車。視点が高くなったら見えるものも変わるかなーと思った。ごめん、何でもない。それじゃ」
芳乃「ふむー、そなたの背ならわたくしの半身分ほど高くから見下ろせることでしょー。たしかに違うものが見えてくるかもしれませぬー」
P「マジで? えーと、じゃあやってみる?」
芳乃「安全運転を抜かりなきようー」
74: 友好1 親愛1 ◆KSxAlUhV7DPw 2015/01/09(金) 00:23:03.42 ID:AIOhZnl20
芳乃「ほほー。これはなかなか見晴らしの良きかなー」
P(着物に肩車ってどうなのかやってから気づいたけど、案外どうとでもなるな)
芳乃「ところでそなたー、そもそもどうしてわたくしに肩車をしようと考えたのでしてー?」
P「うっ……それはだな」
?「あー! よしのちゃんいいなぁ」
??「……私には………してくれたことないのに………ずるい………」
P「ん? この声は」
芳乃「う、後ろは見れないのでして……」
P「じゃあ先に薫からで、次は雪美の順な」
雪美「うん…待ってる………」
薫「せんせぇ早くー! おむかえきちゃうー!」
P「はいはい、ほら――どっこいしょ。どうだー薫、高いだろう?」
薫「うん! おんぶしてもらった時よりもたかーい!」
雪美「おんぶ……P………」ゴゴゴゴ
P「わ、わかったわかった。雪美にもしてやるから、な?」
雪美「………なら、いい……待ってる………」
芳乃「ずいぶんと懐かれておられるようでー」
P「嬉しい限りだよ、さすがに前よりは全員の面倒を見切れなくなってきてるけどな。それよりごめん、ないがしろにしちゃって」
芳乃「これで良いのでしてー。おかげで探し物が少し見えてきましたゆえー」
P「そうなのか? そんなに肩車出来なかったと思うがなあ」
P(その後も芳乃は戯れる俺たちをにこにこ笑顔で楽しそうに見守ってくれていた。芳乃の探し物が何だったのか、俺には見当もつかなかった)
(結果:友好+1、親愛+1)
P(着物に肩車ってどうなのかやってから気づいたけど、案外どうとでもなるな)
芳乃「ところでそなたー、そもそもどうしてわたくしに肩車をしようと考えたのでしてー?」
P「うっ……それはだな」
?「あー! よしのちゃんいいなぁ」
??「……私には………してくれたことないのに………ずるい………」
P「ん? この声は」
芳乃「う、後ろは見れないのでして……」
P「じゃあ先に薫からで、次は雪美の順な」
雪美「うん…待ってる………」
薫「せんせぇ早くー! おむかえきちゃうー!」
P「はいはい、ほら――どっこいしょ。どうだー薫、高いだろう?」
薫「うん! おんぶしてもらった時よりもたかーい!」
雪美「おんぶ……P………」ゴゴゴゴ
P「わ、わかったわかった。雪美にもしてやるから、な?」
雪美「………なら、いい……待ってる………」
芳乃「ずいぶんと懐かれておられるようでー」
P「嬉しい限りだよ、さすがに前よりは全員の面倒を見切れなくなってきてるけどな。それよりごめん、ないがしろにしちゃって」
芳乃「これで良いのでしてー。おかげで探し物が少し見えてきましたゆえー」
P「そうなのか? そんなに肩車出来なかったと思うがなあ」
P(その後も芳乃は戯れる俺たちをにこにこ笑顔で楽しそうに見守ってくれていた。芳乃の探し物が何だったのか、俺には見当もつかなかった)
(結果:友好+1、親愛+1)
76: 友好1 親愛1 ◆KSxAlUhV7DPw 2015/01/09(金) 00:27:09.26 ID:AIOhZnl20
P「うーん、芳乃が楽しそうならそれに越したことはないんだがあれでよかったんだろうか」
P「というか探し物って目に見えるものじゃなかったっぽいな。芳乃も大変だ」
P「そんな芳乃に肩車しようと企てる俺は変t……やめておこう」
P「次は>>77で探りをいれてみるぞ」
P「というか探し物って目に見えるものじゃなかったっぽいな。芳乃も大変だ」
P「そんな芳乃に肩車しようと企てる俺は変t……やめておこう」
P「次は>>77で探りをいれてみるぞ」
77: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/09(金) 00:28:34.41 ID:WYiK7li1O
性感マッサージ
89: 友好2 親愛2 ◆KSxAlUhV7DPw 2015/01/09(金) 23:53:59.58 ID:AIOhZnl20
P「性感マッサージ!? いや待てよ俺、さすがにそれは一線も二線も越えてないか?」
P「そうだ、性感(を探りあてる)マッサージってことにして普通に全身を揉んでやろう。芳乃の意外な弱点もわかるかもしれないぞ」
芳乃「そなたー」チョイチョイ
P「わっ、芳乃か。どうしたんだ?」
芳乃「わたくしを探しておられたのではなくてー? そんな気が感じられたのですがー」
P「それはそうなんだけど……俺そんなに気を送ってたりしてた?」
芳乃「んー、そなたにしては珍しく雑念だらけだったようなー。何かわたくしによからぬくわだてでもー?」
P「うっ、やっぱりわかるのか……」
芳乃「……冗談のつもりでしたのに、そなたー? わたくしに何をするつもりだったのか、さあさ白状しなさいー」
P「あ、いやその……芳乃にマッサージしてあげたいなあと今日一日ずっと思ってたんだよ」
芳乃「マッサージ?」
P「ほら、近くにいる俺がそういうの上手く出来たら空いた時間に良いケアになるかなーと思って練習も兼ねてしてみたかったんだけど、やっぱりそういうのはトレーナーさん達に任せるべきかとも思ってな……あんまり男にべたべた触られても嫌だろうし」
P(我ながら言い訳ばかり上手くなってる気がしてならない)
芳乃「それならそうと言ってくださればよかったですのにー。わたくしでよければそなたの礎にも喜んでなりましょうー」
P「えっ、いいのか?」
芳乃「そなたの練習にもなりわたくしの身体もほぐれるのでしたら、断る理由などないのでしてー」
P(すごく嬉しいのに芳乃の笑顔を直視できない……!)
P「そうだ、性感(を探りあてる)マッサージってことにして普通に全身を揉んでやろう。芳乃の意外な弱点もわかるかもしれないぞ」
芳乃「そなたー」チョイチョイ
P「わっ、芳乃か。どうしたんだ?」
芳乃「わたくしを探しておられたのではなくてー? そんな気が感じられたのですがー」
P「それはそうなんだけど……俺そんなに気を送ってたりしてた?」
芳乃「んー、そなたにしては珍しく雑念だらけだったようなー。何かわたくしによからぬくわだてでもー?」
P「うっ、やっぱりわかるのか……」
芳乃「……冗談のつもりでしたのに、そなたー? わたくしに何をするつもりだったのか、さあさ白状しなさいー」
P「あ、いやその……芳乃にマッサージしてあげたいなあと今日一日ずっと思ってたんだよ」
芳乃「マッサージ?」
P「ほら、近くにいる俺がそういうの上手く出来たら空いた時間に良いケアになるかなーと思って練習も兼ねてしてみたかったんだけど、やっぱりそういうのはトレーナーさん達に任せるべきかとも思ってな……あんまり男にべたべた触られても嫌だろうし」
P(我ながら言い訳ばかり上手くなってる気がしてならない)
芳乃「それならそうと言ってくださればよかったですのにー。わたくしでよければそなたの礎にも喜んでなりましょうー」
P「えっ、いいのか?」
芳乃「そなたの練習にもなりわたくしの身体もほぐれるのでしたら、断る理由などないのでしてー」
P(すごく嬉しいのに芳乃の笑顔を直視できない……!)
90: 友好2 親愛2 ◆KSxAlUhV7DPw 2015/01/10(土) 00:51:25.77 ID:18dHkz1i0
P「……と、とりあえず全身を軽くほぐしてみようか。うつ伏せになって楽にしててくれ」
P(やばい緊張してきた! どこから始めよう)
P「痛かったらすぐ言ってくれていいからな。……よし」
P(無難にこの辺から触ってみるか。ああ、布越しとはいえ柔らかい)
芳乃「はー、極楽かなー」
P「力加減は大丈夫そうだな。じゃあ次はこの辺」
芳乃「ふー……」
P(リラックスされ過ぎても困るんだが、気持ち良さそうでなにより。次はこっちか)
芳乃「……」
P(寝てないよな? そろそろ性感帯の一つでも探しあてたいところ)
芳乃「……あぅ」ピクッ
P「どうした、加減間違えたかな?」
芳乃「少しくすぐったかっただけでしてー」
P(もしかしてこの辺なのか?)
P「上手く出来てたらいいんだが。してる方はわからないからなあ」
芳乃「そなたのマッサージは充分気持ちが良ひっ、……のでしてー」
P「……本当か? 途中言葉が詰まったような気がしたぞ」
芳乃「そんなことはぁっ、ない、でして」
P(なんか喋りがおかしくなってきてるな)
P「痛かったら言うんだぞー。そろそろこっちもほぐすか」
芳乃「……ふぅー」
P(今のは安堵の吐息に違いない!)
P「……でもちょっとやり残した感があるから念を入れて」ムニッ
芳乃「くふっ!?」ビクッ
P「わっ、ごめん! 痛かったか!?」
芳乃「うぅー、油断大敵なのでして……」
P(ほんのり頬が上気してきてるな。収穫もあったことだし、今日はこの辺にしてあとはバレないうちに普通にマッサージして終わろう)
P(それにしても、芳乃は>>91の部分が弱いとはなあ)
P(やばい緊張してきた! どこから始めよう)
P「痛かったらすぐ言ってくれていいからな。……よし」
P(無難にこの辺から触ってみるか。ああ、布越しとはいえ柔らかい)
芳乃「はー、極楽かなー」
P「力加減は大丈夫そうだな。じゃあ次はこの辺」
芳乃「ふー……」
P(リラックスされ過ぎても困るんだが、気持ち良さそうでなにより。次はこっちか)
芳乃「……」
P(寝てないよな? そろそろ性感帯の一つでも探しあてたいところ)
芳乃「……あぅ」ピクッ
P「どうした、加減間違えたかな?」
芳乃「少しくすぐったかっただけでしてー」
P(もしかしてこの辺なのか?)
P「上手く出来てたらいいんだが。してる方はわからないからなあ」
芳乃「そなたのマッサージは充分気持ちが良ひっ、……のでしてー」
P「……本当か? 途中言葉が詰まったような気がしたぞ」
芳乃「そんなことはぁっ、ない、でして」
P(なんか喋りがおかしくなってきてるな)
P「痛かったら言うんだぞー。そろそろこっちもほぐすか」
芳乃「……ふぅー」
P(今のは安堵の吐息に違いない!)
P「……でもちょっとやり残した感があるから念を入れて」ムニッ
芳乃「くふっ!?」ビクッ
P「わっ、ごめん! 痛かったか!?」
芳乃「うぅー、油断大敵なのでして……」
P(ほんのり頬が上気してきてるな。収穫もあったことだし、今日はこの辺にしてあとはバレないうちに普通にマッサージして終わろう)
P(それにしても、芳乃は>>91の部分が弱いとはなあ)
91: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/10(土) 00:52:46.88 ID:spCeA6Vgo
肩甲骨
92: 友好2 親愛2 ◆KSxAlUhV7DPw 2015/01/10(土) 01:35:17.15 ID:18dHkz1i0
P(肩甲骨の部分って案外弱い人いるみたいだし、芳乃もそうだったのかな。背中なら他のところよりはあまりセクハラっぽくないよな……ふひひ)
P(ってそうだ芳乃は普段着が着物というか和服というか、帯のせいでそんなに機会はなさそうだ。無念っ!)
P「さて仕上げといくぞ――」
P「っと、こんなもんか。どうだった?」
芳乃「身体が軽くなったようでしてー。これならいつでもして頂きたいくらいかとー」
P「本当? そっかー、なら真面目に経験値積んでいくのもありかもな」
芳乃「……ところで、そなたこそ身体に癒しが必要ではなくてー? どれ、代わってわたくしがそなたにマッサージをして差し上げましょうー」
P「えっ、あー、それは嬉しいお誘いだけど、今日はもう良い時間だしさ」
芳乃「ほらほらー、それならなおの事急いだ急いだー」
P「いや、だからその、芳乃? わ、わかったわかった横になるから……あの、芳乃さん?」
芳乃「んー?」
P「あ、何でもないです……お願いします」
芳乃「このままではいろいろ不公平だと、わたくし芳乃は思うのでしてー。……いざー」
P(芳乃からよくわからない凄みを感じてされるがまま俺がしたように全身マッサージを受けたものの、力が弱くて肩周りはむしろ物足りなかったが黙っておいた)
P(終わってから、なんとなく芳乃が悔しそうにしていたのがちょっと面白かった)
(結果 友好+1、親愛+1)
P(ってそうだ芳乃は普段着が着物というか和服というか、帯のせいでそんなに機会はなさそうだ。無念っ!)
P「さて仕上げといくぞ――」
P「っと、こんなもんか。どうだった?」
芳乃「身体が軽くなったようでしてー。これならいつでもして頂きたいくらいかとー」
P「本当? そっかー、なら真面目に経験値積んでいくのもありかもな」
芳乃「……ところで、そなたこそ身体に癒しが必要ではなくてー? どれ、代わってわたくしがそなたにマッサージをして差し上げましょうー」
P「えっ、あー、それは嬉しいお誘いだけど、今日はもう良い時間だしさ」
芳乃「ほらほらー、それならなおの事急いだ急いだー」
P「いや、だからその、芳乃? わ、わかったわかった横になるから……あの、芳乃さん?」
芳乃「んー?」
P「あ、何でもないです……お願いします」
芳乃「このままではいろいろ不公平だと、わたくし芳乃は思うのでしてー。……いざー」
P(芳乃からよくわからない凄みを感じてされるがまま俺がしたように全身マッサージを受けたものの、力が弱くて肩周りはむしろ物足りなかったが黙っておいた)
P(終わってから、なんとなく芳乃が悔しそうにしていたのがちょっと面白かった)
(結果 友好+1、親愛+1)
93: 友好2 親愛2 ◆KSxAlUhV7DPw 2015/01/10(土) 01:40:56.44 ID:18dHkz1i0
P「ふぅ、とはいえ俺も少し身体が軽くなったようなそうでもないような。毎日スーツなんて着てるから肩肘張っちゃってるんだろうか」
P「でもしばらくはあまり疲れた顔は浮かばせないようにしておこう。力の強そうな人からお礼というかお礼参りされそうでこわい」
P「さて、芳乃は肩甲骨辺りが弱いと判明したところで」
P「次は>>94をやってみよう。どうなるかなっと」
P「でもしばらくはあまり疲れた顔は浮かばせないようにしておこう。力の強そうな人からお礼というかお礼参りされそうでこわい」
P「さて、芳乃は肩甲骨辺りが弱いと判明したところで」
P「次は>>94をやってみよう。どうなるかなっと」
94: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/10(土) 01:42:11.92 ID:4+jRBcS+O
遊園地に行こう
95: 友好2 親愛3 ◆KSxAlUhV7DPw 2015/01/10(土) 23:45:00.20 ID:9Ehtvrr90
P「そうだ、遊園地に行こう」
P「……遊園地かー。どう見てもデートの誘いをしようとしてるわけで、いいのかな」
P「ええい何も考えるな当たって砕けろ。ストレートに言うぞ、直球勝負だ」
P(でもさすがに他のアイドルに聞かれたら困るよなあ……)
ちひろ「プロデューサーさん? さっきから芳乃ちゃんの方を気にしているようですが」
P「え、ああ、いたんですか」
ちひろ「芳乃ちゃんしか見えてなかったみたいですね! まぁいいですけど……それで、どうかしたんですか?」
P「何でもありませんよははっ」
ちひろ「ふーん……明日、たしかプロデューサーさんオフでしたよね」
P「ええ、まあ。嬉しいなー」
ちひろ「芳乃ちゃんもオフのようですねぇ」
P「そ、そうなんですか。偶然だなー」
ちひろ「……」
P「……」
ちひろ「まぁ、想像はつきました。いいんじゃないですか、たまの休みなんですし」
P「……いいんですか?」
ちひろ「よくはないです」
P「ですよねー」
ちひろ「お出掛け自体はこれまで他のアイドルともしているのでもう何も言いませんけれども、あなたから誘うということにはまた別な意味が生まれますから。だから芳乃ちゃんが一人になるのを伺っていたのでしょう?」
P「おっしゃる通りでございます」
ちひろ「そこを弁えていただけているなら、私もとやかく言いませんよ。くれぐれもうまくやってくださいね」
P「ちひろさん……」
ちひろ「ちなみに私への口止め料はこちらとなっております♪」
P「ちひろさん……!」
P「……遊園地かー。どう見てもデートの誘いをしようとしてるわけで、いいのかな」
P「ええい何も考えるな当たって砕けろ。ストレートに言うぞ、直球勝負だ」
P(でもさすがに他のアイドルに聞かれたら困るよなあ……)
ちひろ「プロデューサーさん? さっきから芳乃ちゃんの方を気にしているようですが」
P「え、ああ、いたんですか」
ちひろ「芳乃ちゃんしか見えてなかったみたいですね! まぁいいですけど……それで、どうかしたんですか?」
P「何でもありませんよははっ」
ちひろ「ふーん……明日、たしかプロデューサーさんオフでしたよね」
P「ええ、まあ。嬉しいなー」
ちひろ「芳乃ちゃんもオフのようですねぇ」
P「そ、そうなんですか。偶然だなー」
ちひろ「……」
P「……」
ちひろ「まぁ、想像はつきました。いいんじゃないですか、たまの休みなんですし」
P「……いいんですか?」
ちひろ「よくはないです」
P「ですよねー」
ちひろ「お出掛け自体はこれまで他のアイドルともしているのでもう何も言いませんけれども、あなたから誘うということにはまた別な意味が生まれますから。だから芳乃ちゃんが一人になるのを伺っていたのでしょう?」
P「おっしゃる通りでございます」
ちひろ「そこを弁えていただけているなら、私もとやかく言いませんよ。くれぐれもうまくやってくださいね」
P「ちひろさん……」
ちひろ「ちなみに私への口止め料はこちらとなっております♪」
P「ちひろさん……!」
96: 友好2 親愛3 ◆KSxAlUhV7DPw 2015/01/11(日) 00:33:30.99 ID:uoex3PbD0
P「高い買い物だったな……何が入っているやらこの特典セット」
芳乃「大層なものが入っているようには見えないのでしてー」
P「芳乃もそう思うか? って芳乃!?」
芳乃「わたくしは芳乃ですがー、なにかー?」
P「う、うん。芳乃で良かったよ。まあそれはいいんだ、いつからそこに?」
芳乃「頃合かと思いましてー。事情はわかりませんが、求められるがままわたくしはそなたに力をお貸し致しましょうー」
P「力、か。別に今は芳乃の力には――」
P(力? ……そうだ、これなら自然に誘えるかもしれない!)
P「その力だけどさ、えっと、気を感じとるみたいな。どのくらい万能なものなのか実は気になってたんだよ」
芳乃「万能と言えるほどのものでもないのですがー、そうあるべきでもありましてー。……そなたにはあまり信じては頂けてないのでしてー?」
P「そういうわけじゃないんだ。でもまあ、何というか、テストしてみたいなーと」
芳乃「そなたがそう望むのなら、わたくしは応えてみせましょうー。いかなる試練でも申しつけなさいー」
P「じゃあ、はいこれ」
芳乃「? これは……何かの券でして?」
P「明日俺はここに正午から一人でいるからさ、芳乃が来てくれるかなーってずっと思いながら。結構広いし明日は人も多いだろう、それでも俺を見つけられたら合格ってことで」
芳乃「遊園、地。ふむー」
P「そういうわけだ。芳乃にテストをさせてこんな言い方はおかしいけど、楽しみにしてるよ。それじゃあ」
P(我ながら酷い茶番だった! 無駄に恥ずかしいぞこれ!)
芳乃「……」
芳乃「……こういった時は敢えてたまさかの逢瀬となった方が、趣があるのでしょうかー。ふふっ」
芳乃「大層なものが入っているようには見えないのでしてー」
P「芳乃もそう思うか? って芳乃!?」
芳乃「わたくしは芳乃ですがー、なにかー?」
P「う、うん。芳乃で良かったよ。まあそれはいいんだ、いつからそこに?」
芳乃「頃合かと思いましてー。事情はわかりませんが、求められるがままわたくしはそなたに力をお貸し致しましょうー」
P「力、か。別に今は芳乃の力には――」
P(力? ……そうだ、これなら自然に誘えるかもしれない!)
P「その力だけどさ、えっと、気を感じとるみたいな。どのくらい万能なものなのか実は気になってたんだよ」
芳乃「万能と言えるほどのものでもないのですがー、そうあるべきでもありましてー。……そなたにはあまり信じては頂けてないのでしてー?」
P「そういうわけじゃないんだ。でもまあ、何というか、テストしてみたいなーと」
芳乃「そなたがそう望むのなら、わたくしは応えてみせましょうー。いかなる試練でも申しつけなさいー」
P「じゃあ、はいこれ」
芳乃「? これは……何かの券でして?」
P「明日俺はここに正午から一人でいるからさ、芳乃が来てくれるかなーってずっと思いながら。結構広いし明日は人も多いだろう、それでも俺を見つけられたら合格ってことで」
芳乃「遊園、地。ふむー」
P「そういうわけだ。芳乃にテストをさせてこんな言い方はおかしいけど、楽しみにしてるよ。それじゃあ」
P(我ながら酷い茶番だった! 無駄に恥ずかしいぞこれ!)
芳乃「……」
芳乃「……こういった時は敢えてたまさかの逢瀬となった方が、趣があるのでしょうかー。ふふっ」
97: 友好2 親愛3 ◆KSxAlUhV7DPw 2015/01/11(日) 01:22:46.29 ID:uoex3PbD0
翌日
P(よくよく考えたら、半ば強制的に呼びつけてしまっている感がじわじわとしてきていたたまれない……) チョンチョン
P(今からでも無理してこなくてもいいって伝えようか? でもそしたら芳乃の立つ瀬もないか……) チョンチョン
P(うーむ、何気にこんなところで一人で突っ立ってても寂しいしなあ。もっと素直に誘っておけば……) チョンチョン
P「もう、誰だよさっきから人が考え事してる時に突っつくのは――」
芳乃「呼び掛けても声が届かないようでしたのでー。気が付きましてー?」
P「芳乃!? って早いな、もう俺のこと見つけたのか……。いや見つけたってよりは知っていたといってもいいレベルだな、おみそれしました」
芳乃「そなたの気がわたくしをここへ強く引き寄せたのでしてー。わたくしの力、わかって頂けましてー?」
P「もちろんだ。……あー、あのさ。テストはこれで終わりだけど、せっかくここまで来たわけだしちょっと遊んでかないか? なんて」
芳乃「そのつもりでこの券を用意してくれていたのでしょー?」
P「あはは、なんだそこまでバレてたか。そりゃそうだよなあ、回りくどくてごめん」
芳乃「いえー、そなたの在り方がわかってきただけでもわたくしにとっては喜ばしいゆえー。……あのー、そのー、ところで遊園地とはどういった風に楽しめばよいところでしてー?」
P「その辺は任せてくれ、一回だけだが来たことあるし何がどこにあるかはわかるから。その前にこれ、悪いけどつけてもらっていいか?」
芳乃「帽子に眼鏡とはー、まるで変装しているみたいでしてー」
P「うん、変装なんだよ。昨日親切でお節介な人に買わされたやつなんだ、アイドルが遊園地でデートしてたなんて知られたら大変だからな」
芳乃「……デート?」
P「……うん、デート。違うかな」
芳乃「……ふふー、ではわたくしが今日この日を楽しめた暁にはそういうことにー」
P「なるほど、今度は俺に試練が与えられたってことか。そうと決まったらぼさぼさしてられないな! まずは濡れてもいいよう明るいうちにあそこにいこう、一応レインコートも売ってるんだけど念には念を――」
(結果 親愛+1)
P(よくよく考えたら、半ば強制的に呼びつけてしまっている感がじわじわとしてきていたたまれない……) チョンチョン
P(今からでも無理してこなくてもいいって伝えようか? でもそしたら芳乃の立つ瀬もないか……) チョンチョン
P(うーむ、何気にこんなところで一人で突っ立ってても寂しいしなあ。もっと素直に誘っておけば……) チョンチョン
P「もう、誰だよさっきから人が考え事してる時に突っつくのは――」
芳乃「呼び掛けても声が届かないようでしたのでー。気が付きましてー?」
P「芳乃!? って早いな、もう俺のこと見つけたのか……。いや見つけたってよりは知っていたといってもいいレベルだな、おみそれしました」
芳乃「そなたの気がわたくしをここへ強く引き寄せたのでしてー。わたくしの力、わかって頂けましてー?」
P「もちろんだ。……あー、あのさ。テストはこれで終わりだけど、せっかくここまで来たわけだしちょっと遊んでかないか? なんて」
芳乃「そのつもりでこの券を用意してくれていたのでしょー?」
P「あはは、なんだそこまでバレてたか。そりゃそうだよなあ、回りくどくてごめん」
芳乃「いえー、そなたの在り方がわかってきただけでもわたくしにとっては喜ばしいゆえー。……あのー、そのー、ところで遊園地とはどういった風に楽しめばよいところでしてー?」
P「その辺は任せてくれ、一回だけだが来たことあるし何がどこにあるかはわかるから。その前にこれ、悪いけどつけてもらっていいか?」
芳乃「帽子に眼鏡とはー、まるで変装しているみたいでしてー」
P「うん、変装なんだよ。昨日親切でお節介な人に買わされたやつなんだ、アイドルが遊園地でデートしてたなんて知られたら大変だからな」
芳乃「……デート?」
P「……うん、デート。違うかな」
芳乃「……ふふー、ではわたくしが今日この日を楽しめた暁にはそういうことにー」
P「なるほど、今度は俺に試練が与えられたってことか。そうと決まったらぼさぼさしてられないな! まずは濡れてもいいよう明るいうちにあそこにいこう、一応レインコートも売ってるんだけど念には念を――」
(結果 親愛+1)
98: 友好2 親愛3 ◆KSxAlUhV7DPw 2015/01/11(日) 01:31:22.41 ID:uoex3PbD0
P「……あー、昨日は楽しかった」
P「散々遊んだ日のあとの仕事ほど憂鬱なものはないな……」
P「芳乃も楽しめてたならいいんだが。そうだ、芳乃のことだけ考えて今日を乗り切ろう」
P「次の作戦は>>99ってとこか。遊びにも行けたし、いつかもっとイチャコラできたらいいんだが」
P「散々遊んだ日のあとの仕事ほど憂鬱なものはないな……」
P「芳乃も楽しめてたならいいんだが。そうだ、芳乃のことだけ考えて今日を乗り切ろう」
P「次の作戦は>>99ってとこか。遊びにも行けたし、いつかもっとイチャコラできたらいいんだが」
99: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/11(日) 01:33:56.41 ID:ti4H+qVG0
山伏修行
103: 友好3 親愛4 ◆KSxAlUhV7DPw 2015/01/12(月) 01:26:57.70 ID:1rJuF2s30
P「芳乃も山伏修行とかするのかな。いかにも修験者っぽいし」
P「待てよ、俺も修行したら芳乃の世界に近付けないか? それともこんな欲にまみれてるようじゃやっても無駄か……ともかく聞いてみよう」
芳乃「修行? 近頃はあまり時間を割けてはおりませぬがー、日々これ修行なのでしてー」
P「お、おう。あのさ、もし俺が芳乃のしているような修行を積んだら、芳乃の持ってる力のことも何か掴めたりするのか?」
芳乃「むー、一朝一夕に備わるものでもありませんがー、そなたの持つ運気が霊脈に触れることで活性するやもしれませんねー。どうなってしまうやらー」
P「えっ、なにそれこわい」
芳乃「まーまー、一度の行いだけでは掴めるものも霞がごとくでしょうー。それ以上の修練によればゆくゆくはそなたのー」
P「うっ、そこまではいいよ。でも一回だけならやってみてもいいなあ、こんな心持ちで修行に励むなんて笑われそうなもんだが」
芳乃「そなたにその気があるならわたくしがお供しますゆえー。いかがされましてー?」
P「あー、そうだな。芳乃に教えてもらえたら心強いし、迷惑じゃなければついていってもいいかな?」
芳乃「お任せあれー。日頃の感謝を込めましてー、こたびはそなたの面倒を見てさしあげませー」
P「待てよ、俺も修行したら芳乃の世界に近付けないか? それともこんな欲にまみれてるようじゃやっても無駄か……ともかく聞いてみよう」
芳乃「修行? 近頃はあまり時間を割けてはおりませぬがー、日々これ修行なのでしてー」
P「お、おう。あのさ、もし俺が芳乃のしているような修行を積んだら、芳乃の持ってる力のことも何か掴めたりするのか?」
芳乃「むー、一朝一夕に備わるものでもありませんがー、そなたの持つ運気が霊脈に触れることで活性するやもしれませんねー。どうなってしまうやらー」
P「えっ、なにそれこわい」
芳乃「まーまー、一度の行いだけでは掴めるものも霞がごとくでしょうー。それ以上の修練によればゆくゆくはそなたのー」
P「うっ、そこまではいいよ。でも一回だけならやってみてもいいなあ、こんな心持ちで修行に励むなんて笑われそうなもんだが」
芳乃「そなたにその気があるならわたくしがお供しますゆえー。いかがされましてー?」
P「あー、そうだな。芳乃に教えてもらえたら心強いし、迷惑じゃなければついていってもいいかな?」
芳乃「お任せあれー。日頃の感謝を込めましてー、こたびはそなたの面倒を見てさしあげませー」
104: 友好3 親愛4 ◆KSxAlUhV7DPw 2015/01/12(月) 02:18:44.67 ID:1rJuF2s30
P「ふぅ……明日は筋肉痛で休むパターンかもしれない。そろそろ着いた?」
芳乃「ふむー、この辺りでよろしいかとー。そなたは何かこの地に感じるものはありましてー?」
P「そうだなあ、空気が美味いような」
芳乃「そういうことではなくてですねー。この一帯では特に色濃く霊力が湧き出ていますのでー、まずは心を空にして霊力をその身に引き寄せやすくするのですー」
P「えーと、つまりここで精神統一しろってことでいいんだな? 座禅みたいな感じでいいのか?」
芳乃「えぇー。そなたがそうしている間にわたくしはわたくしで滝行に励んで参りますゆえー、何かありますればこれをー」
P「これ……ってほら貝? なんでまた」
芳乃「御山の中ではこういったものの方が連絡や合図を送りやすいのでしてー」
P「なるほど、たしかに圏外だ。何かあったら吹けばいいんだな?」
芳乃「滅多なことにはならないと思いますがー、わたくしではどうにもならなくなったとしても、これがそなたを守ってくれることでしょうー」
P「ふーん。そういや魔を祓う力もあるんだったっけ? じゃあ芳乃、早速精神統一してみるよ」
芳乃「わたくしも滝に打たれてきませー。そなたはなるべくここを離れなきようー」
P「ああ、芳乃が迎えにきてくれるまでずっとここにいるよ。しかしこんな時期に滝かあ、俺にはできそうもないな……」
P(精神統一ねえ。心を空にするといっても、ぽこぽこ思考が働くわけだが)
P(芳乃が白い装束着てたのも滝に打たれる準備だったんだな。着替えとかちゃんともってきてるのかな)
P(……着替え? 着替えに使えそうな施設なんて山の中にあるのか? 濡れっぱなしってわけにはいかないだろうし)
P(透け透け芳乃――おお、見事に俺の頭が煩悩に染まっていく。いかんいかん)
芳乃「ふむー、この辺りでよろしいかとー。そなたは何かこの地に感じるものはありましてー?」
P「そうだなあ、空気が美味いような」
芳乃「そういうことではなくてですねー。この一帯では特に色濃く霊力が湧き出ていますのでー、まずは心を空にして霊力をその身に引き寄せやすくするのですー」
P「えーと、つまりここで精神統一しろってことでいいんだな? 座禅みたいな感じでいいのか?」
芳乃「えぇー。そなたがそうしている間にわたくしはわたくしで滝行に励んで参りますゆえー、何かありますればこれをー」
P「これ……ってほら貝? なんでまた」
芳乃「御山の中ではこういったものの方が連絡や合図を送りやすいのでしてー」
P「なるほど、たしかに圏外だ。何かあったら吹けばいいんだな?」
芳乃「滅多なことにはならないと思いますがー、わたくしではどうにもならなくなったとしても、これがそなたを守ってくれることでしょうー」
P「ふーん。そういや魔を祓う力もあるんだったっけ? じゃあ芳乃、早速精神統一してみるよ」
芳乃「わたくしも滝に打たれてきませー。そなたはなるべくここを離れなきようー」
P「ああ、芳乃が迎えにきてくれるまでずっとここにいるよ。しかしこんな時期に滝かあ、俺にはできそうもないな……」
P(精神統一ねえ。心を空にするといっても、ぽこぽこ思考が働くわけだが)
P(芳乃が白い装束着てたのも滝に打たれる準備だったんだな。着替えとかちゃんともってきてるのかな)
P(……着替え? 着替えに使えそうな施設なんて山の中にあるのか? 濡れっぱなしってわけにはいかないだろうし)
P(透け透け芳乃――おお、見事に俺の頭が煩悩に染まっていく。いかんいかん)
105: 友好3 親愛4 ◆KSxAlUhV7DPw 2015/01/12(月) 03:01:40.49 ID:1rJuF2s30
P(………………………)
P(…………腹減った。芳乃まだかな)
P(芳乃なら大丈夫だと思うけど、こんな寒い中滝に打たれてたりして体調悪くしてないだろうか……)
P(こう何もしないでいると、いかに俺は芳乃のことばっかり考えてるのかがわかる)
P(芳乃は俺のことなんて考えたりするのかな。……さすがに修行中に余計なことが思い浮かんでくる芳乃ではないか)
P(せっかく芳乃に世話してもらってるんだ、俺もちゃんと集中するぞ)
P(…………精神統一を集中するってどうしたらいいんだ…………)
芳乃「――たー、そなたー」
P「……ん、おお。芳乃の声がする……ここは天国か」
芳乃「寝ぼけてましてー? それよりいかがでしたでしょうかー、この地に脈々と流れる霊力は感じられましてー?」
P「うーん……何も感じたりしないよう精神統一してたのにそんなこと言われてもなあ。胸がすいたような気分だけど、やっぱ俺って霊感とかないんだろうな」
芳乃「言い切ってしまうのは尚早でしてー。見たところ馴染めておられるようですのでー」
P「馴染む? 霊力ってやつに?」
芳乃「そなたは御山の気に入れられたのでしょうー。もしかするとー、修行に励めばそなたのそのほおっておけなくなる運気、良い方向へ導かれることになるかもしれませぬー」
P「な、なんかすごい事になってないか? 俺は別にじっとしてると芳乃のことを考えちゃうから、そうならないようなんとか頭を空っぽにしようとしてただけだぞ」
芳乃「わたくしのことを?」
P「うん。あ、いや……すまん。煩悩ってやつかな、逆にいろいろ浮かんできちゃったというか」
芳乃「……そ、そなたもまだまだ修行不足ですのねー。ついでに滝行もしてみまして?」
P「それはついででしていいレベルじゃない、絶対だ!」
(結果 友好+1、親愛+1)
P(…………腹減った。芳乃まだかな)
P(芳乃なら大丈夫だと思うけど、こんな寒い中滝に打たれてたりして体調悪くしてないだろうか……)
P(こう何もしないでいると、いかに俺は芳乃のことばっかり考えてるのかがわかる)
P(芳乃は俺のことなんて考えたりするのかな。……さすがに修行中に余計なことが思い浮かんでくる芳乃ではないか)
P(せっかく芳乃に世話してもらってるんだ、俺もちゃんと集中するぞ)
P(…………精神統一を集中するってどうしたらいいんだ…………)
芳乃「――たー、そなたー」
P「……ん、おお。芳乃の声がする……ここは天国か」
芳乃「寝ぼけてましてー? それよりいかがでしたでしょうかー、この地に脈々と流れる霊力は感じられましてー?」
P「うーん……何も感じたりしないよう精神統一してたのにそんなこと言われてもなあ。胸がすいたような気分だけど、やっぱ俺って霊感とかないんだろうな」
芳乃「言い切ってしまうのは尚早でしてー。見たところ馴染めておられるようですのでー」
P「馴染む? 霊力ってやつに?」
芳乃「そなたは御山の気に入れられたのでしょうー。もしかするとー、修行に励めばそなたのそのほおっておけなくなる運気、良い方向へ導かれることになるかもしれませぬー」
P「な、なんかすごい事になってないか? 俺は別にじっとしてると芳乃のことを考えちゃうから、そうならないようなんとか頭を空っぽにしようとしてただけだぞ」
芳乃「わたくしのことを?」
P「うん。あ、いや……すまん。煩悩ってやつかな、逆にいろいろ浮かんできちゃったというか」
芳乃「……そ、そなたもまだまだ修行不足ですのねー。ついでに滝行もしてみまして?」
P「それはついででしていいレベルじゃない、絶対だ!」
(結果 友好+1、親愛+1)
106: 友好3 親愛4 ◆KSxAlUhV7DPw 2015/01/12(月) 03:07:01.06 ID:1rJuF2s30
P(あのあとめちゃくちゃ筋肉痛きた。しばらく山どころか階段すら登り下りしたくない)
P「そういう意味では芳乃って結構タフなんだろうな、あんな細っこいのにやりおる」
P「細いのはともかくもう少しメリハリがついても一向に構わないんだけど、って早くも煩悩ががが」
P「>>107で煩悩を上書きするとしよう……」
P「そういう意味では芳乃って結構タフなんだろうな、あんな細っこいのにやりおる」
P「細いのはともかくもう少しメリハリがついても一向に構わないんだけど、って早くも煩悩ががが」
P「>>107で煩悩を上書きするとしよう……」
107: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/12(月) 03:07:12.78 ID:wwRWHlMBO
見つめ合ってみる
113: 友好4 親愛5 ◆KSxAlUhV7DPw 2015/01/16(金) 00:03:25.06 ID:9wsUqWuv0
P「見つめ合ってみるか。素直におしゃべり出来なくなるだろうな」
P「あるいは芳乃も照れて視線を逸らしたりとか、おおなんか新たな境地に辿り着けるかもしれないぞ!」
P(というわけで芳乃に念を送り気づいて振り向いたところから視線を合わせ続けてみよう。勝負だ、芳乃!)
芳乃「んー? そなたー?」
P「……」ジーッ
芳乃「……?」
P「……」ジーッ
芳乃「そなた?」
P「……」ジトーッ
芳乃「…………むー」
先に目を逸らしたのは?(コンマ低い方の負け)
>>114 P
>>115 芳乃
P「あるいは芳乃も照れて視線を逸らしたりとか、おおなんか新たな境地に辿り着けるかもしれないぞ!」
P(というわけで芳乃に念を送り気づいて振り向いたところから視線を合わせ続けてみよう。勝負だ、芳乃!)
芳乃「んー? そなたー?」
P「……」ジーッ
芳乃「……?」
P「……」ジーッ
芳乃「そなた?」
P「……」ジトーッ
芳乃「…………むー」
先に目を逸らしたのは?(コンマ低い方の負け)
>>114 P
>>115 芳乃
114: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/16(金) 00:06:20.85 ID:cwf+OeNk0
はい
115: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/16(金) 00:06:38.93 ID:E+Iiu5MVo
へあ
118: 友好4 親愛5 ◆KSxAlUhV7DPw 2015/01/16(金) 00:43:09.20 ID:9wsUqWuv0
P(つ、強い……あのあどけないつぶらな瞳は今、何を見ているというんだ……!)
芳乃「……」ジーッ
P「俺の負けだ……芳乃」
芳乃「わたくしはそなたと勝負ごとをしているつもりはありませんでしたがー」ジーッ
P「いや、俺が悪かった。ちょっとした――」
芳乃「……」ジトーッ
P(芳乃のジト目いただきましたー!)
P「試合に負けて勝負に勝った……」
芳乃「勝つとか負けるとかではなくてー、何のつもりかと聞いているのでしてー?」ジローッ
P「だんだんお見せできない目つきになってきてる! もういいんだよ芳乃、ほーらお前の好きなお煎餅だぞ~」
芳乃「……そなたとは一度ゆっくり話をしないといけないようでしてー。お茶を淹れるのでそこで待ってなさいー」
P「あ、食べはするんだ。ちょうどいい、休憩にしよう」
芳乃「はぅー。まったく突然なんですからー」
芳乃「あれしきで揺らぐようではいけませんねー。平常心平常心……」
(結果 友好+1、親愛+1 親愛ルートへ分岐)
芳乃「……」ジーッ
P「俺の負けだ……芳乃」
芳乃「わたくしはそなたと勝負ごとをしているつもりはありませんでしたがー」ジーッ
P「いや、俺が悪かった。ちょっとした――」
芳乃「……」ジトーッ
P(芳乃のジト目いただきましたー!)
P「試合に負けて勝負に勝った……」
芳乃「勝つとか負けるとかではなくてー、何のつもりかと聞いているのでしてー?」ジローッ
P「だんだんお見せできない目つきになってきてる! もういいんだよ芳乃、ほーらお前の好きなお煎餅だぞ~」
芳乃「……そなたとは一度ゆっくり話をしないといけないようでしてー。お茶を淹れるのでそこで待ってなさいー」
P「あ、食べはするんだ。ちょうどいい、休憩にしよう」
芳乃「はぅー。まったく突然なんですからー」
芳乃「あれしきで揺らぐようではいけませんねー。平常心平常心……」
(結果 友好+1、親愛+1 親愛ルートへ分岐)
119: 幕間 仲良し→煩い 2015/01/16(金) 00:53:58.95 ID:9wsUqWuvo
夜もすがら もの思ふ頃は 明けやらで
ねやのひまさへ つれなかりけり
そんな、歌を思い起こす。
あの方はわたくしの、わたくしはあの方の、望みを形にすべく共に歩んで
参りました。
今もなお道のさなか。しかしながら――
しかしながら、
求めるものは互いにひとつばかりではなくなったかのような。
それが何なのか。こうして夜更けに思い悩むことが多くなり、翌朝の冴え
ない頭はあの方の声で覚まされる日々。
充実しているけれど、このままではいけないのでしょう。
わたくしはきっとあの方に何かを求めはじめている。
あの方はきっとわたくしに何かを求めてくれている。
失くしたものなどひとつもなく、ゆえにわたくしは未だ見つけられず。
わたくしが、依田芳乃がいったい何を望んでいるのかを。
120: ◆KSxAlUhV7DPw 2015/01/16(金) 01:01:21.05 ID:9wsUqWuv0
P「うーん。芳乃にうまくアプローチできているんだろうか」
P「いろいろやってきたつもりではあるけど、なかなか顔に出ないというかさすがは芳乃である」
P「たまには出方を伺ってみるのもいいのかなあ」
P「ひとまずここは>>121でいってみるか」
P「いろいろやってきたつもりではあるけど、なかなか顔に出ないというかさすがは芳乃である」
P「たまには出方を伺ってみるのもいいのかなあ」
P「ひとまずここは>>121でいってみるか」
121: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/16(金) 01:01:57.49 ID:stzFfbZ2o
お出かけ
126: 友好1 親愛1 ◆KSxAlUhV7DPw 2015/01/17(土) 01:42:42.43 ID:B9XawrUj0
P「普通にお出かけの誘いをして様子をみるのもいいな」
P「遊園地とか山で修行とか結構外には出てるし、快諾してくれるとは思うけど。ははっ」
P「芳乃、今いいかな」
芳乃「いいですともー。どうかされましてー?」
P「また今度一緒に出掛けない? たまには行き先決めてもらってもいいしさ」
芳乃「えーとぉ、わたくしが、そなたと?」
P「他に誰がいるんだよ。俺は芳乃を誘ってるんだ」
芳乃「どうして……でして?」
P「えっ」
芳乃「あ、そのー。どうしてそなたはわたくしを、他の方たちを差し置いて側に置いてくださるのかなー、と」
P「……そんなつもりは」
P(珍しく質問されてしまった。そんな風に感じていたんだ)
芳乃「……」
P(芳乃はじっと俺の返事を待っている。質問の意図はわからないけど、黙っていてもしかたない。ここは――)
P「>>127」
コンマで返事の方向性を決めます
00~33…芳乃は本当は自分と出掛けたくないのだと捉え、引き下がる
34~66…素直に自分が芳乃を誘いたいからという旨を伝える
67~99…どういう意図の質問なのか、
探りを入れる
P「遊園地とか山で修行とか結構外には出てるし、快諾してくれるとは思うけど。ははっ」
P「芳乃、今いいかな」
芳乃「いいですともー。どうかされましてー?」
P「また今度一緒に出掛けない? たまには行き先決めてもらってもいいしさ」
芳乃「えーとぉ、わたくしが、そなたと?」
P「他に誰がいるんだよ。俺は芳乃を誘ってるんだ」
芳乃「どうして……でして?」
P「えっ」
芳乃「あ、そのー。どうしてそなたはわたくしを、他の方たちを差し置いて側に置いてくださるのかなー、と」
P「……そんなつもりは」
P(珍しく質問されてしまった。そんな風に感じていたんだ)
芳乃「……」
P(芳乃はじっと俺の返事を待っている。質問の意図はわからないけど、黙っていてもしかたない。ここは――)
P「>>127」
コンマで返事の方向性を決めます
00~33…芳乃は本当は自分と出掛けたくないのだと捉え、引き下がる
34~66…素直に自分が芳乃を誘いたいからという旨を伝える
67~99…どういう意図の質問なのか、
探りを入れる
127: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/17(土) 01:43:49.46 ID:FiBDuTmGo
ほう
131: 友好1 親愛1 ◆KSxAlUhV7DPw 2015/01/17(土) 02:34:26.65 ID:B9XawrUj0
P「俺がそうしたいからだよ。今回だって芳乃と出掛けたくて声をかけた。他の誰でもない、芳乃と」
芳乃「……ですがー。そなたについて行くばかりでわたくしはー、そなたを楽しませることが出来ていないのではと思いましてー」
P「一緒にいるだけで楽しいぞ。俺は」
芳乃「……え?」
P「まあ、芳乃にとっては単なる仕事相手と休日も顔を合わせるのは嫌なのかもしれないけど……ははは」
芳乃「もう一度、もう一度仰ってください」
P「ん? 芳乃は仕事相手と休日に顔を合わせるのは」
芳乃「その前の言葉です。聞き間違えなどではないと、確かめさせては頂けませんか?」
P「その前? えっと、俺は芳乃と一緒にいるだけで楽しい。これでいいか?」
芳乃「……偽りなきそなたの言葉、しかと胸に刻みまするゆえー。しばしお待ちをー」
P(? よくわからないが、芳乃は満足そうに何かをかみしめているようだ)
P「あー、ところで芳乃。本題に戻すけど俺と出掛けてくれたりする? もちろん無理強いするつもりはないよ」
芳乃「そなたのおわすところ、依田芳乃ありなのでしてー。どこに向かいましょー?」
P「それはこれから考えよう。芳乃はどこか行ってみたいところとかあるか?」
芳乃「わたくしはですねー、そなたのー……いえ、これは時期がくるまでとっておきませー。ではではー、そのー――」
P(この日を境に、なんとなく芳乃と過ごす時間が増えた。ような気がした)
P(芳乃はのんびりと話のできるところがいいらしい。今度俺の部屋にでも誘ってみるか、なんてな)
(結果 友好+1、親愛+1)
芳乃「……ですがー。そなたについて行くばかりでわたくしはー、そなたを楽しませることが出来ていないのではと思いましてー」
P「一緒にいるだけで楽しいぞ。俺は」
芳乃「……え?」
P「まあ、芳乃にとっては単なる仕事相手と休日も顔を合わせるのは嫌なのかもしれないけど……ははは」
芳乃「もう一度、もう一度仰ってください」
P「ん? 芳乃は仕事相手と休日に顔を合わせるのは」
芳乃「その前の言葉です。聞き間違えなどではないと、確かめさせては頂けませんか?」
P「その前? えっと、俺は芳乃と一緒にいるだけで楽しい。これでいいか?」
芳乃「……偽りなきそなたの言葉、しかと胸に刻みまするゆえー。しばしお待ちをー」
P(? よくわからないが、芳乃は満足そうに何かをかみしめているようだ)
P「あー、ところで芳乃。本題に戻すけど俺と出掛けてくれたりする? もちろん無理強いするつもりはないよ」
芳乃「そなたのおわすところ、依田芳乃ありなのでしてー。どこに向かいましょー?」
P「それはこれから考えよう。芳乃はどこか行ってみたいところとかあるか?」
芳乃「わたくしはですねー、そなたのー……いえ、これは時期がくるまでとっておきませー。ではではー、そのー――」
P(この日を境に、なんとなく芳乃と過ごす時間が増えた。ような気がした)
P(芳乃はのんびりと話のできるところがいいらしい。今度俺の部屋にでも誘ってみるか、なんてな)
(結果 友好+1、親愛+1)
132: 友好1 親愛1 ◆KSxAlUhV7DPw 2015/01/17(土) 02:44:32.94 ID:B9XawrUj0
P「ふー。別に嫌われてるとかじゃないみたいでよかった」
P「そりゃあ芳乃に嫌われるとかよっぽどのことだろうけど、だからこそ怖いというか」
P「世の中には意中の相手にヤンデレてほしいなんて考える人もいるようだが、過程で嫌われないものなのかねえ。まったく理解し難いな」
P「そんなことはどうでもいいか。次は>>133でいってみよう」
P「そりゃあ芳乃に嫌われるとかよっぽどのことだろうけど、だからこそ怖いというか」
P「世の中には意中の相手にヤンデレてほしいなんて考える人もいるようだが、過程で嫌われないものなのかねえ。まったく理解し難いな」
P「そんなことはどうでもいいか。次は>>133でいってみよう」
133: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/17(土) 02:45:12.42 ID:85mvGioUO
ゆっくりお茶
140: 友好2 親愛2 ◆KSxAlUhV7DPw 2015/01/20(火) 01:41:16.41 ID:JcWxDCTc0
P「ゆっくりお茶でもしようか。空いた時間に事務所でできるし」
P「芳乃はレッスン中だっけ。早く終わらないかなあ」
ちひろ「プロデューサーさーん、手が止まってますよー」
P(俺も仕事片付けておこう……)
P「そろそろか。こんなところでいいだろう、準備しておこっと」
芳乃「何をなさろうとしてるのでしてー?」
P「うん、あいつと飲むお茶を淹れて待ってようかなと」
芳乃「ほほー、それはそれは幸せな方もいたものですねー」
P「そうかな? って芳乃じゃないか! も、戻ってくるの早いな」
芳乃「そうでしょうかー? 気のせいではー?」
P(まだ他のみんなは戻ってきてないみたいだけど、つつくのはやめとこう)
P「まあいいや。休憩中なら一緒にお茶でも飲まないか? お茶菓子も用意するぞ」
芳乃「断る理由などないのでしてー。わたくしも何かお手伝いしましょうー」
P「いや、その辺で座って待ってていいよ。疲れてるだろ?」
芳乃「そんなにでもないのですがー、ではお言葉に甘えませー」
P「おう。待ってろ、すぐ持っていくから」
P「芳乃はレッスン中だっけ。早く終わらないかなあ」
ちひろ「プロデューサーさーん、手が止まってますよー」
P(俺も仕事片付けておこう……)
P「そろそろか。こんなところでいいだろう、準備しておこっと」
芳乃「何をなさろうとしてるのでしてー?」
P「うん、あいつと飲むお茶を淹れて待ってようかなと」
芳乃「ほほー、それはそれは幸せな方もいたものですねー」
P「そうかな? って芳乃じゃないか! も、戻ってくるの早いな」
芳乃「そうでしょうかー? 気のせいではー?」
P(まだ他のみんなは戻ってきてないみたいだけど、つつくのはやめとこう)
P「まあいいや。休憩中なら一緒にお茶でも飲まないか? お茶菓子も用意するぞ」
芳乃「断る理由などないのでしてー。わたくしも何かお手伝いしましょうー」
P「いや、その辺で座って待ってていいよ。疲れてるだろ?」
芳乃「そんなにでもないのですがー、ではお言葉に甘えませー」
P「おう。待ってろ、すぐ持っていくから」
143: 友好2 親愛2 ◆KSxAlUhV7DPw 2015/01/20(火) 02:15:27.23 ID:JcWxDCTc0
麗奈「あら? いつの間にかいなくなったと思ったらアイツとお茶なんて飲んで、ふーん……?」ニヤニヤ
P「ん、どした? そっちに何かあるのか?」
芳乃「良からぬ気が感じられましてー。ほおっておいても問題はなさそうですがー」
P「そうなのか? どれ、悪い芽は早めに摘んでゆっくりしようじゃないか。何があるのかわからないけど俺がちょっと行ってくるよ」
芳乃「あっ、そなたー? そちらではなくてー……はぁー。これ、出てきなさいなー」
麗奈「フンッ、さすがね芳乃。でもこっちの方が面白くなりそうだったからちょうどいいわ!」
芳乃「わたくしもー、あの方の前での狼藉は見逃せませぬゆえー。退治してさしあげましょうー」
麗奈「そこは更生とかじゃないのっ!? いいわ、のんびりしてる自分を恨みなさい! それっ!」
芳乃「……わたくしたちの湯飲み? 熱いから気をつけなさいなー」
麗奈「アヂッ、アヂヂッ! くっ、なかなかやるわね!」
芳乃「何もしてないのですがー。返しなさいー」
麗奈「ええ、返してあげるとも。その前に……はい、いいわよ」
芳乃「素直なことはよろしいのですがー、何が目的でこのようなことをー?」
麗奈「べっつにー? ただーし! どっちがどっちのだかわかる? アタシはわからないわ!」
芳乃「?」
麗奈「つまり、そのままその湯飲みを使えば50%の確率でアンタとアイツは互いに関節キスすることになるわけよ! アーッハッハッハ、ゲホッゴホッ……」
芳乃「……」
麗奈「アイツが戻ってくる前に退散退散、温泉では失敗したけど今度こそ困り顔を遠くから拝ませてもらうわねっ! じゃーねえ~」
芳乃「……、むぅー……」
P「ん、どした? そっちに何かあるのか?」
芳乃「良からぬ気が感じられましてー。ほおっておいても問題はなさそうですがー」
P「そうなのか? どれ、悪い芽は早めに摘んでゆっくりしようじゃないか。何があるのかわからないけど俺がちょっと行ってくるよ」
芳乃「あっ、そなたー? そちらではなくてー……はぁー。これ、出てきなさいなー」
麗奈「フンッ、さすがね芳乃。でもこっちの方が面白くなりそうだったからちょうどいいわ!」
芳乃「わたくしもー、あの方の前での狼藉は見逃せませぬゆえー。退治してさしあげましょうー」
麗奈「そこは更生とかじゃないのっ!? いいわ、のんびりしてる自分を恨みなさい! それっ!」
芳乃「……わたくしたちの湯飲み? 熱いから気をつけなさいなー」
麗奈「アヂッ、アヂヂッ! くっ、なかなかやるわね!」
芳乃「何もしてないのですがー。返しなさいー」
麗奈「ええ、返してあげるとも。その前に……はい、いいわよ」
芳乃「素直なことはよろしいのですがー、何が目的でこのようなことをー?」
麗奈「べっつにー? ただーし! どっちがどっちのだかわかる? アタシはわからないわ!」
芳乃「?」
麗奈「つまり、そのままその湯飲みを使えば50%の確率でアンタとアイツは互いに関節キスすることになるわけよ! アーッハッハッハ、ゲホッゴホッ……」
芳乃「……」
麗奈「アイツが戻ってくる前に退散退散、温泉では失敗したけど今度こそ困り顔を遠くから拝ませてもらうわねっ! じゃーねえ~」
芳乃「……、むぅー……」
144: 友好2 親愛2 ◆KSxAlUhV7DPw 2015/01/20(火) 02:40:45.70 ID:JcWxDCTc0
P「――何もなかったぞ、ってあれ? なんかチョロチョロと駆け抜けていったような。何かあったのか?」
芳乃「あったといえばありましてー、なかったといえばなきにしもー……」
P「何かはあったんだな。何があったんだ?」
芳乃「知らない方が良いこともありますのでー。……ですが、わたくしだけ知っているというのが公平ではないこともまた事実でしてー」
P「うん? 歯切れが悪い言い方するなあ。まあいいや、せっかくお茶してたんだし一息つくとしよう」
芳乃「あっ……」
P「ふぅ、少しぬるくなってたな。淹れ直すか、芳乃はいる?」
芳乃「えーと、そのー……あのー……」
P「欲しくなったら言ってくれ。お茶菓子もまだあるしさ」
芳乃「……心の準備が出来しだい飲みますのでー、お、お構いなくー」
P「え?」
P(その後、ゆっくりしていたはずなのにどこか芳乃は落ち着かないままだった。何があったのかも結局教えてくれなかった)
(結果 友好+1、親愛+1)
芳乃「あったといえばありましてー、なかったといえばなきにしもー……」
P「何かはあったんだな。何があったんだ?」
芳乃「知らない方が良いこともありますのでー。……ですが、わたくしだけ知っているというのが公平ではないこともまた事実でしてー」
P「うん? 歯切れが悪い言い方するなあ。まあいいや、せっかくお茶してたんだし一息つくとしよう」
芳乃「あっ……」
P「ふぅ、少しぬるくなってたな。淹れ直すか、芳乃はいる?」
芳乃「えーと、そのー……あのー……」
P「欲しくなったら言ってくれ。お茶菓子もまだあるしさ」
芳乃「……心の準備が出来しだい飲みますのでー、お、お構いなくー」
P「え?」
P(その後、ゆっくりしていたはずなのにどこか芳乃は落ち着かないままだった。何があったのかも結局教えてくれなかった)
(結果 友好+1、親愛+1)
145: 友好2 親愛2 ◆KSxAlUhV7DPw 2015/01/20(火) 02:44:22.73 ID:JcWxDCTc0
P「最近たまに芳乃が変な気がする」
P「なんかこう、芳乃らしくない時があるような。気のせいかな?」
P「そして芳乃を様付けするようになった麗奈は絶対変だ。何かあったに違いない」
P「どうせしょうもないイタズラでもしたんだろうな。そんなことより、今度は>>146でいってみよう」
P「なんかこう、芳乃らしくない時があるような。気のせいかな?」
P「そして芳乃を様付けするようになった麗奈は絶対変だ。何かあったに違いない」
P「どうせしょうもないイタズラでもしたんだろうな。そんなことより、今度は>>146でいってみよう」
146: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/20(火) 02:45:06.58 ID:jZVE42fcO
仕事
169: 友好3 親愛3 ◆KSxAlUhV7DPw 2015/01/22(木) 01:31:51.88 ID:qSrUxyox0
P「仕事に専念して距離を置いてみようか」
P「そんな事言うと今まで仕事してなかったかのように聞こえるな。よし、しばらく仕事に没頭するぞ! ん?」
ちひろ「プロデューサーさん、いつになく気合入ってますね。何か良いことでもありました?」
P「いえ、特には。ただまあ仕事にやる気を見せておかないとと思いまして」
ちひろ「ははぁ。さては何か企んでますね? 仕事をする振りをしてまでいったい何をお望みですか?」
P「人聞き悪過ぎませんかねそれ。してるしー、ちゃんと仕事してますしー」
ちひろ「何ですかその反応は。とにかく手を動かしてください、手を」
P「動かしてますってば。ほら、みてくださいこのブラインドタッチ。ちひろさんの悪どい顔を拝みながらこなしてますよ」
ちひろ「悪どくなんてありません! それに悪そうな顔なら私よりも――」
P「……私よりも?」
ちひろ「……何でもありません、さあお仕事お仕事」
P「今誰のことを思い浮かべたんでしょうねえ、ちひろさん?」
ちひろ「知りませんよ。しいて言えばまさにその顔です」
P「えー? 俺の顔よりも先に何か思い浮かべたでしょう? 誰かなー誰かなー」
ちひろ「……わかりました。どうも元気があり余っていらっしゃるプロデューサーさんには、差し入れに用意してたスタドリなんて必要なさそうですね」
P「あっ、ちょ、待っ、それがないとスタミナが、スタミナがー!」
ちひろ「知りません! 私はみんなの様子を見てきますので、私の分まで一人で静かに寂しく仕事しててください。ではでは~♪」
P「なんてこった……。ま、まあみんなの面倒を任せられるのは都合がいいか」
P「えーと、俺の今月のスケジュールは、あと芳乃のスケジュールも見ておこう……」
P「そんな事言うと今まで仕事してなかったかのように聞こえるな。よし、しばらく仕事に没頭するぞ! ん?」
ちひろ「プロデューサーさん、いつになく気合入ってますね。何か良いことでもありました?」
P「いえ、特には。ただまあ仕事にやる気を見せておかないとと思いまして」
ちひろ「ははぁ。さては何か企んでますね? 仕事をする振りをしてまでいったい何をお望みですか?」
P「人聞き悪過ぎませんかねそれ。してるしー、ちゃんと仕事してますしー」
ちひろ「何ですかその反応は。とにかく手を動かしてください、手を」
P「動かしてますってば。ほら、みてくださいこのブラインドタッチ。ちひろさんの悪どい顔を拝みながらこなしてますよ」
ちひろ「悪どくなんてありません! それに悪そうな顔なら私よりも――」
P「……私よりも?」
ちひろ「……何でもありません、さあお仕事お仕事」
P「今誰のことを思い浮かべたんでしょうねえ、ちひろさん?」
ちひろ「知りませんよ。しいて言えばまさにその顔です」
P「えー? 俺の顔よりも先に何か思い浮かべたでしょう? 誰かなー誰かなー」
ちひろ「……わかりました。どうも元気があり余っていらっしゃるプロデューサーさんには、差し入れに用意してたスタドリなんて必要なさそうですね」
P「あっ、ちょ、待っ、それがないとスタミナが、スタミナがー!」
ちひろ「知りません! 私はみんなの様子を見てきますので、私の分まで一人で静かに寂しく仕事しててください。ではでは~♪」
P「なんてこった……。ま、まあみんなの面倒を任せられるのは都合がいいか」
P「えーと、俺の今月のスケジュールは、あと芳乃のスケジュールも見ておこう……」
170: 友好3 親愛3 ◆KSxAlUhV7DPw 2015/01/22(木) 02:32:46.11 ID:qSrUxyox0
―――――
―――
―
芳乃「……」
ちひろ「今日も残ってたの? 芳乃ちゃん」
芳乃「わかっておりますともー。あの方はお忙しくなられたようでー、いつものようなお迎えはもうないのですねー」
ちひろ(ほほぅ、何かにつけ私に仕事を押しつけられたがってたのはこういうことでしたか。変だと思いました)
芳乃「……。それでもわたくしは、あの方と共に歩むべくして歩んで参りましたゆえー、突如として歩調が合わなくなってしまったことには……不安を、覚えざるを得ないのでしてー」
ちひろ(しかもいつの間にかかなり仲良くなってますよね! 芳乃ちゃんに女の子の顔させてますよねこれ!)
ちひろ「ま、まあ芳乃ちゃんも含めてみんなにはこれからどんどん忙しくなってもらうつもりだし、今から慣れておいてもいいんじゃないかしら?」
芳乃「ふむー……アイドルとしてみなに愛されるためには、これも試練の内なのですねー」
ちひろ「そうそう。あくまで私達はあなた達が輝くためのお手伝い、裏方だもの。時には支え方も変えるわ」
芳乃「それでもー、一日に一目二目合わせるだけというのは……もっと側にいてほしく思うのは、いけないことなのでしょうかー」
ちひろ(うっ、なにこの罪悪感……。もう、プロデューサーさんはなんてことを!)
ちひろ「え、えーと……そうだ! なにかプロデューサーさんには言いづらいというか、私になら言えることってない? ああして欲しいとかこうして欲しくないとか、そういうの今がチャンスよ!」
芳乃「? あの方には言いづらいこと、でしてー?」
ちひろ「何でもいいわよ? 最近プロデューサーさんにセクハラされてる気がするだとか、もうなんでも! 何か、ない?」
芳乃「んー……」
ちひろ(なんだかプロデューサーさんの素行チェックみたいな言い方しちゃったわね。まぁ、気になるところでもあったけれど)
芳乃「……あの方と共に歩むのに相応しくなるには、どうしたらよいのでしょうかー。どういった人をあの方は、より側に置こうと望むのでしょうー」
ちひろ「あー、うーん? ちょっと待ってね、つまりプロデューサーさんの好みを聞いてるような感じなのかしら?」
芳乃「……」コクッ
ちひろ(えー……なんて答えるべきなのかしら。プロデューサーさんの好みねぇ、いろんなアイドルと接するところを見てきて何となくなら察してはいるけど……)
ちひろ「そ、そうねぇ。私の勘でしかないことをいくつか挙げてみるけれど、>>171-173みたいな人じゃないかなぁ?」
―――
―
芳乃「……」
ちひろ「今日も残ってたの? 芳乃ちゃん」
芳乃「わかっておりますともー。あの方はお忙しくなられたようでー、いつものようなお迎えはもうないのですねー」
ちひろ(ほほぅ、何かにつけ私に仕事を押しつけられたがってたのはこういうことでしたか。変だと思いました)
芳乃「……。それでもわたくしは、あの方と共に歩むべくして歩んで参りましたゆえー、突如として歩調が合わなくなってしまったことには……不安を、覚えざるを得ないのでしてー」
ちひろ(しかもいつの間にかかなり仲良くなってますよね! 芳乃ちゃんに女の子の顔させてますよねこれ!)
ちひろ「ま、まあ芳乃ちゃんも含めてみんなにはこれからどんどん忙しくなってもらうつもりだし、今から慣れておいてもいいんじゃないかしら?」
芳乃「ふむー……アイドルとしてみなに愛されるためには、これも試練の内なのですねー」
ちひろ「そうそう。あくまで私達はあなた達が輝くためのお手伝い、裏方だもの。時には支え方も変えるわ」
芳乃「それでもー、一日に一目二目合わせるだけというのは……もっと側にいてほしく思うのは、いけないことなのでしょうかー」
ちひろ(うっ、なにこの罪悪感……。もう、プロデューサーさんはなんてことを!)
ちひろ「え、えーと……そうだ! なにかプロデューサーさんには言いづらいというか、私になら言えることってない? ああして欲しいとかこうして欲しくないとか、そういうの今がチャンスよ!」
芳乃「? あの方には言いづらいこと、でしてー?」
ちひろ「何でもいいわよ? 最近プロデューサーさんにセクハラされてる気がするだとか、もうなんでも! 何か、ない?」
芳乃「んー……」
ちひろ(なんだかプロデューサーさんの素行チェックみたいな言い方しちゃったわね。まぁ、気になるところでもあったけれど)
芳乃「……あの方と共に歩むのに相応しくなるには、どうしたらよいのでしょうかー。どういった人をあの方は、より側に置こうと望むのでしょうー」
ちひろ「あー、うーん? ちょっと待ってね、つまりプロデューサーさんの好みを聞いてるような感じなのかしら?」
芳乃「……」コクッ
ちひろ(えー……なんて答えるべきなのかしら。プロデューサーさんの好みねぇ、いろんなアイドルと接するところを見てきて何となくなら察してはいるけど……)
ちひろ「そ、そうねぇ。私の勘でしかないことをいくつか挙げてみるけれど、>>171-173みたいな人じゃないかなぁ?」
171: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/22(木) 02:34:14.78 ID:qKJwHZtOO
響子
172: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/22(木) 02:34:26.89 ID:OtErnRAjo
みすてりあす
173: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/22(木) 02:40:52.85 ID:0MhzkKLpo
やっぱり事務所で一番可愛い子に聞いた方がいいんじゃないですかね!
例えばほらぼ、、、幸子ちゃんとか!
例えばほらぼ、、、幸子ちゃんとか!
186: 友好3 親愛3 ◆KSxAlUhV7DPw 2015/01/24(土) 01:03:11.37 ID:Fd7rAi4F0
ちひろ「響子ちゃんはポイント高いみたいよ、家庭的な人は男性にとって魅力だってよく聞くし間違いないわ。世話好きなところもね」
芳乃「……」
ちひろ「あとはー、ミステリアスな雰囲気かしら。みんな元気一杯だから反動なのかもしれないわね」
芳乃「……」
ちひろ「そして何と言っても、美人よりカワイイ系が好みねあれは。そういうエピソードが多いみたいだから幸子ちゃん辺りに聞いてみるといいかも」
芳乃「……」
ちひろ「こんなところかな? どうでしょう?」
芳乃「……つまりー、わたくしはあまりあの方の好みにはあたらないのかもしれませんねー」
ちひろ「そ、そうでもないんじゃない? 芳乃ちゃんの家事スキルはわからないけどミステリアスさでいえば文句無しだし、あどけなさの抜けてないルックスは美人よりも可愛いに振り切れてるわよ!」
芳乃「ふぅー……」
ちひろ(落ち込んじゃったかしら……謙遜してるのね。にしても響子ちゃん的でミステリアスでカワイイ子が好みって微妙にちぐはぐしてるような)
芳乃「ともあれ、わたくしはファンのみなに望まれる依田芳乃であるべきなのでしてー。わたくしはわたくしのままわたくしにできることをしていきましょうー」
ちひろ「そうね、ありのままの芳乃ちゃんでいた方がきっとプロデューサーさんも喜ぶわ」
芳乃「此度はいろいろと教えてくださり深く感謝致しますー。このお礼はいずれ、ではわたくしはこれにてー」
ちひろ「気をつけて帰ってね! ……、これでよかったのかしら?」
ちひろ「……えっ、響子ちゃんとオフを?」
P「あらかた仕事を片付けたので空いた時間にすっぽりと予定を入れられてしまいましてね。冬場でも遊べるリゾート? だとか、響子も頑張ってくれてるしたまには――なにか?」
ちひろ「あのですね、くれぐれもそのことは他のアイドルの耳に入らないようお願いします。絶対ですよ、後悔しますよ!」
P「は、はあ。わかりました」
ちひろ(タイミング悪過ぎますってプロデューサー!!)
(結果 友好+1、親愛+1)
芳乃「……」
ちひろ「あとはー、ミステリアスな雰囲気かしら。みんな元気一杯だから反動なのかもしれないわね」
芳乃「……」
ちひろ「そして何と言っても、美人よりカワイイ系が好みねあれは。そういうエピソードが多いみたいだから幸子ちゃん辺りに聞いてみるといいかも」
芳乃「……」
ちひろ「こんなところかな? どうでしょう?」
芳乃「……つまりー、わたくしはあまりあの方の好みにはあたらないのかもしれませんねー」
ちひろ「そ、そうでもないんじゃない? 芳乃ちゃんの家事スキルはわからないけどミステリアスさでいえば文句無しだし、あどけなさの抜けてないルックスは美人よりも可愛いに振り切れてるわよ!」
芳乃「ふぅー……」
ちひろ(落ち込んじゃったかしら……謙遜してるのね。にしても響子ちゃん的でミステリアスでカワイイ子が好みって微妙にちぐはぐしてるような)
芳乃「ともあれ、わたくしはファンのみなに望まれる依田芳乃であるべきなのでしてー。わたくしはわたくしのままわたくしにできることをしていきましょうー」
ちひろ「そうね、ありのままの芳乃ちゃんでいた方がきっとプロデューサーさんも喜ぶわ」
芳乃「此度はいろいろと教えてくださり深く感謝致しますー。このお礼はいずれ、ではわたくしはこれにてー」
ちひろ「気をつけて帰ってね! ……、これでよかったのかしら?」
ちひろ「……えっ、響子ちゃんとオフを?」
P「あらかた仕事を片付けたので空いた時間にすっぽりと予定を入れられてしまいましてね。冬場でも遊べるリゾート? だとか、響子も頑張ってくれてるしたまには――なにか?」
ちひろ「あのですね、くれぐれもそのことは他のアイドルの耳に入らないようお願いします。絶対ですよ、後悔しますよ!」
P「は、はあ。わかりました」
ちひろ(タイミング悪過ぎますってプロデューサー!!)
(結果 友好+1、親愛+1)
187: 友好3 親愛3 ◆KSxAlUhV7DPw 2015/01/24(土) 01:12:19.75 ID:Fd7rAi4F0
P(そろそろ芳乃に構ってなかった分を補給しようと思ったのだが)
芳乃「? どうかされましてー?」
P「あ、いや。なんだか久しぶりだなーと思っただけだよ」
P(ふと気がつくとスーツの裾をちょこんと摘まんで離さない芳乃がいるのだった。黙って遠ざかったから怒ってるのかな?)
P(ふむ、これはこれで……じゃなくて。仕事の方は落ち着けそうだし、次は>>188でいってみよう)
芳乃「? どうかされましてー?」
P「あ、いや。なんだか久しぶりだなーと思っただけだよ」
P(ふと気がつくとスーツの裾をちょこんと摘まんで離さない芳乃がいるのだった。黙って遠ざかったから怒ってるのかな?)
P(ふむ、これはこれで……じゃなくて。仕事の方は落ち着けそうだし、次は>>188でいってみよう)
188: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/24(土) 01:12:40.69 ID:41+IZ7z/o
自宅に招待
190: 友好4 親愛4 ◆KSxAlUhV7DPw 2015/01/25(日) 14:29:06.79 ID:FcYtycwc0
P「なあ芳乃、今日の仕事はもう終わったぞ」
芳乃「そのようですねー」
P「スーツの裾持たれたままだと帰れないんだが」
芳乃「それはそれはー」
P「……わかったわかった、もう勝手に離れたりしないから。忙しくなりそうなら前もって伝えるよ」
芳乃「……」
P「おーい。離してくれないとこのまま俺の家までお持ち帰りしちゃうぞー」
芳乃「……」キュッ
P「心なしか掴む力が強くなった気がするのだが……本当に連れていっちゃうぞ」
芳乃「できるものなら、やってみるとよいのではないでしょうかー?」
P「お? 言ったな言ったな? じゃあ俺の勝手にするからな?」
芳乃「そなたはそのような真似はたまにしかしない方だと信じておりますゆえー」
P「たまに、ねえ。信用されてるんだかされてないんだか、でも俺のことはよくわかってるじゃないか」
芳乃「見直しましてー?」
P「まあな。なら、この後俺がどうするかもわかってるんだろうな?」
芳乃「……」ギュッ
芳乃「そのようですねー」
P「スーツの裾持たれたままだと帰れないんだが」
芳乃「それはそれはー」
P「……わかったわかった、もう勝手に離れたりしないから。忙しくなりそうなら前もって伝えるよ」
芳乃「……」
P「おーい。離してくれないとこのまま俺の家までお持ち帰りしちゃうぞー」
芳乃「……」キュッ
P「心なしか掴む力が強くなった気がするのだが……本当に連れていっちゃうぞ」
芳乃「できるものなら、やってみるとよいのではないでしょうかー?」
P「お? 言ったな言ったな? じゃあ俺の勝手にするからな?」
芳乃「そなたはそのような真似はたまにしかしない方だと信じておりますゆえー」
P「たまに、ねえ。信用されてるんだかされてないんだか、でも俺のことはよくわかってるじゃないか」
芳乃「見直しましてー?」
P「まあな。なら、この後俺がどうするかもわかってるんだろうな?」
芳乃「……」ギュッ
193: 友好4 親愛4 ◆KSxAlUhV7DPw 2015/01/25(日) 15:26:29.53 ID:FcYtycwc0
P「粗茶ですが」
芳乃「お構いなくー」
P「お茶請けになりそうなものなかったや。何か買ってくる」
芳乃「本当にお構いなくー、時間も押しておりますのでー」
P「そうだな……もう良い時間だ」
P(少なくとも16歳の女の子を、ましてや担当アイドルを自宅に連れ込むには時間が時間なんだよなあ。お互い承知の上こうしてお茶なんて出してるけど)
P「明日も早いしゆっくりしていけとは言えないが、帰りはもちろん送ってくからゆっくりしててくれ」
芳乃「難しい注文をなさいますねー。くつろげというのならこの通りくつろいでおりますがー」
P(なんというか、こんなアパートの一室にこんな和服美少女が存在しているのは何ともミスマッチな気がしてならない)
P「そうだな、テレビでも点けるか……おっ」
P(うちのアイドルが出演しているバラエティ番組だ。芳乃ならどんな番組が似合うかなあ)
芳乃「舞台は違えど、キラキラパシャパシャなのは変わりませんねー」
P「そうだなー。芳乃もいずれこういうのに引っ張りだこにさせてみせるさ」
芳乃「それはわたくしがアイドルゆえに、でしてー?」
P「うん。芳乃も都合がいいんだろ? アイドルは神様みたいに崇拝されて、それは芳乃にとって天職みたいなもんだって言ってたしさ」
芳乃「たしかに言いましたがー、わたくしも所詮一人の人でしかないとつくづく思い至らせられたと言いましょうかー」
P「ほう?」
芳乃「同様に、あるいは根源的にー。誰か一人のために愛し愛されるのもまた、良いものなのかなともわたくしは思うのですー。いったい愛とは何なのでしょうー?」
P「ためらわないことさ、って芳乃には通じないか。うーん、難しいな」
芳乃「愛を知るために愛し愛されることを、アイドルは許されないと聞き及んでおりますがー」
P「んー? まあ、アイドルはファンのための絶対的な存在として居続けなきゃあならないな。それが神様でいうところの崇拝されるための条件だろうから」
芳乃「……ふぅー」
P「お茶、もう一杯飲むか?」
芳乃「……お構いなくー」
P(あれからもちろん何事もなく芳乃を送り届けた。芳乃とこうして何気なく過ごすのは居心地が良かった、のだが)
P(芳乃は何かを悩んでいるのかもしれない。なんとなく、そう思った)
(結果 友好+1、親愛+1)
芳乃「お構いなくー」
P「お茶請けになりそうなものなかったや。何か買ってくる」
芳乃「本当にお構いなくー、時間も押しておりますのでー」
P「そうだな……もう良い時間だ」
P(少なくとも16歳の女の子を、ましてや担当アイドルを自宅に連れ込むには時間が時間なんだよなあ。お互い承知の上こうしてお茶なんて出してるけど)
P「明日も早いしゆっくりしていけとは言えないが、帰りはもちろん送ってくからゆっくりしててくれ」
芳乃「難しい注文をなさいますねー。くつろげというのならこの通りくつろいでおりますがー」
P(なんというか、こんなアパートの一室にこんな和服美少女が存在しているのは何ともミスマッチな気がしてならない)
P「そうだな、テレビでも点けるか……おっ」
P(うちのアイドルが出演しているバラエティ番組だ。芳乃ならどんな番組が似合うかなあ)
芳乃「舞台は違えど、キラキラパシャパシャなのは変わりませんねー」
P「そうだなー。芳乃もいずれこういうのに引っ張りだこにさせてみせるさ」
芳乃「それはわたくしがアイドルゆえに、でしてー?」
P「うん。芳乃も都合がいいんだろ? アイドルは神様みたいに崇拝されて、それは芳乃にとって天職みたいなもんだって言ってたしさ」
芳乃「たしかに言いましたがー、わたくしも所詮一人の人でしかないとつくづく思い至らせられたと言いましょうかー」
P「ほう?」
芳乃「同様に、あるいは根源的にー。誰か一人のために愛し愛されるのもまた、良いものなのかなともわたくしは思うのですー。いったい愛とは何なのでしょうー?」
P「ためらわないことさ、って芳乃には通じないか。うーん、難しいな」
芳乃「愛を知るために愛し愛されることを、アイドルは許されないと聞き及んでおりますがー」
P「んー? まあ、アイドルはファンのための絶対的な存在として居続けなきゃあならないな。それが神様でいうところの崇拝されるための条件だろうから」
芳乃「……ふぅー」
P「お茶、もう一杯飲むか?」
芳乃「……お構いなくー」
P(あれからもちろん何事もなく芳乃を送り届けた。芳乃とこうして何気なく過ごすのは居心地が良かった、のだが)
P(芳乃は何かを悩んでいるのかもしれない。なんとなく、そう思った)
(結果 友好+1、親愛+1)
195: 友好4 親愛4 ◆KSxAlUhV7DPw 2015/01/25(日) 15:34:31.21 ID:FcYtycwc0
P「芳乃の残り香が気になって落ち着かない……」
P(芳香剤の芳は芳乃の芳と一緒だなははっ、って何を考えてんだ俺は)
P(ともかく、俺の中の何かが慎重になれとささやいている。ここは本能に従ってみるとするか)
P(……熟考の末、次は>>195でいこうと思う。きっとなるようになるだろう)
P(芳香剤の芳は芳乃の芳と一緒だなははっ、って何を考えてんだ俺は)
P(ともかく、俺の中の何かが慎重になれとささやいている。ここは本能に従ってみるとするか)
P(……熟考の末、次は>>195でいこうと思う。きっとなるようになるだろう)
196: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/25(日) 15:34:49.77 ID:b4LaG9biO
寝ている芳乃にキス+おさわり
197: 友好4 親愛4 ◆KSxAlUhV7DPw 2015/01/25(日) 15:34:58.46 ID:FcYtycwc0
おうふ、安価下で
198: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/25(日) 15:35:53.79 ID:cUW/t/qtO
>>196
211: 友好5 親愛5 ◆KSxAlUhV7DPw 2015/01/28(水) 01:06:37.38 ID:eY4IhwWE0
P(寝ている芳乃にキスしたりおさわりしよっか)
P(……。考えた結果が寝込みを襲うとか我ながら酷い)
P(せめてこれまで築き上げたものが全部崩れ去らないように気をつけねば)
P(――というわけで)
芳乃「…………すぅ」
P(わざと早めにくるよう指示しておきつつ、手違いだったと平謝りして時間までまだあるから仮眠というか二度寝してきたら? 作戦はここに成った)
P(なんか近頃あまりよく眠れてないようだったしな、早い時間なら仮眠室の人払いする必要もないし思う存分……)
芳乃「んー……」
P(よくみたら動きやすい格好に着替えてあるのか。まあいつもの着物では横になれないよな)
P(体が横向けになってるしおさわりするにはちょうどいい。どれ、まずはその柔らかそうなほっぺたに口付けを――)
芳乃「……くぅ……」
P(……。考えた結果が寝込みを襲うとか我ながら酷い)
P(せめてこれまで築き上げたものが全部崩れ去らないように気をつけねば)
P(――というわけで)
芳乃「…………すぅ」
P(わざと早めにくるよう指示しておきつつ、手違いだったと平謝りして時間までまだあるから仮眠というか二度寝してきたら? 作戦はここに成った)
P(なんか近頃あまりよく眠れてないようだったしな、早い時間なら仮眠室の人払いする必要もないし思う存分……)
芳乃「んー……」
P(よくみたら動きやすい格好に着替えてあるのか。まあいつもの着物では横になれないよな)
P(体が横向けになってるしおさわりするにはちょうどいい。どれ、まずはその柔らかそうなほっぺたに口付けを――)
芳乃「……くぅ……」
212: 友好5 親愛5 ◆KSxAlUhV7DPw 2015/01/28(水) 01:15:38.10 ID:eY4IhwWE0
P(あー柔らかかった、というかめっちゃドキドキしとる。背徳感が半端ないのなんのって)
P(もう後戻りはできない……!)
芳乃「…………んぅ」
P(芳乃はまだ起きそうにないな。次はおさわりといこう、やっぱりここは――)
どこをさわる?
>>213
(コンマ00~38で芳乃が起きます)
P(もう後戻りはできない……!)
芳乃「…………んぅ」
P(芳乃はまだ起きそうにないな。次はおさわりといこう、やっぱりここは――)
どこをさわる?
>>213
(コンマ00~38で芳乃が起きます)
213: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/28(水) 01:16:20.19 ID:0nN+KYfOo
お腹回り
215: 友好5 親愛5 ◆KSxAlUhV7DPw 2015/01/28(水) 02:00:21.80 ID:eY4IhwWE0
P(お腹回りを触らせていただきますか。余計な肉なんて一切見当たらないこのお腹の触り心地やいかに……!) ムニッ
芳乃「……っ……?」
P(あー、掴める肉がない。でも柔らかい。たしかに感じる女性的なくびれたラインが工口い。それを触れてる俺はきっと特別な存在なのだと感じましt) ムニムニ
芳乃「あぅっ……」
P(……あれ? おかしいな。寝ているはずの芳乃の声が、ほんの少しだけ官能的な響きがこもってなくもない芳乃の声が聞こえた気がするぞ?) ムニッ
芳乃「……そなた? 起こしてくださるのなら、その……もう少し違うところを揺するなりしてほしいのですがー……」
P(あ、終わった。俺終わった……いや、こんなところで終われるか! なんとしても誤魔化さないと!)
P「お、おう。いやーなんつーかだな、せっかくって言ったら聞こえが悪いんだけど、芳乃の現在の体型をチェックしてみたくなってだな?」
芳乃「……そうなのでしてー?」
P「いや、別に見てからに太ったって印象はないんだけど、こういうのを管理するのも大事なんだよ? だからそのー、やっぱり体型のことは面と向かって調べられるより、こういう秘密裏な感じの方がいいんじゃないかと俺はー」
芳乃「…………」
P「……すみません。魔が差しました!!」
芳乃「……素直でよろしい、と言うべきなのかはわかりませぬがー。わたくしに差す魔もいるものなのですねー。まずはそちらをなんとかしませー」
P「えっ、あの……許してくれるの?」
芳乃「わたくしはただそなたに巣食う魔を祓うだけなのでしてー。お手を拝借……それー」ペチンッ
P「あたっ、って全然痛くないぞ」
芳乃「ふぅー。そなた、魔は祓われまして?」
P「いや、えっと何がなにやら……」
P(も、もしかして深く追及することなく俺の狼藉を見逃そうとしてくれてるのか?)
P「あ、あなたが神か!」
芳乃「わたくし依田はそなたのよく知るただの芳乃でございましてー。……聞いてましてー?」
芳乃「……っ……?」
P(あー、掴める肉がない。でも柔らかい。たしかに感じる女性的なくびれたラインが工口い。それを触れてる俺はきっと特別な存在なのだと感じましt) ムニムニ
芳乃「あぅっ……」
P(……あれ? おかしいな。寝ているはずの芳乃の声が、ほんの少しだけ官能的な響きがこもってなくもない芳乃の声が聞こえた気がするぞ?) ムニッ
芳乃「……そなた? 起こしてくださるのなら、その……もう少し違うところを揺するなりしてほしいのですがー……」
P(あ、終わった。俺終わった……いや、こんなところで終われるか! なんとしても誤魔化さないと!)
P「お、おう。いやーなんつーかだな、せっかくって言ったら聞こえが悪いんだけど、芳乃の現在の体型をチェックしてみたくなってだな?」
芳乃「……そうなのでしてー?」
P「いや、別に見てからに太ったって印象はないんだけど、こういうのを管理するのも大事なんだよ? だからそのー、やっぱり体型のことは面と向かって調べられるより、こういう秘密裏な感じの方がいいんじゃないかと俺はー」
芳乃「…………」
P「……すみません。魔が差しました!!」
芳乃「……素直でよろしい、と言うべきなのかはわかりませぬがー。わたくしに差す魔もいるものなのですねー。まずはそちらをなんとかしませー」
P「えっ、あの……許してくれるの?」
芳乃「わたくしはただそなたに巣食う魔を祓うだけなのでしてー。お手を拝借……それー」ペチンッ
P「あたっ、って全然痛くないぞ」
芳乃「ふぅー。そなた、魔は祓われまして?」
P「いや、えっと何がなにやら……」
P(も、もしかして深く追及することなく俺の狼藉を見逃そうとしてくれてるのか?)
P「あ、あなたが神か!」
芳乃「わたくし依田はそなたのよく知るただの芳乃でございましてー。……聞いてましてー?」
218: 友好5 親愛5 ◆KSxAlUhV7DPw 2015/01/28(水) 02:52:05.88 ID:eY4IhwWE0
P(このまま蒸し返さずいつも通りにしてれば、芳乃は許してくれるつもりなんだろう。でも俺のやったことは……芳乃の厚意に甘えていいものじゃない、よな)
P「芳乃。お前が俺を見逃そうとしてくれていると感じた上で、やっぱり俺は謝らないといけないと思う。お前じゃなかったら、俺はもっと然るべき制裁を受けてもおかしくなかったはずだ」
芳乃「……やはり真っ直ぐなお方ですねー。でもそれは勘違いというものです、そなたー」
P「勘違い? どういう意味だ?」
芳乃「わたくしだったからそなたはゆるされた、のではないのですー。そなただったから……わたくしはゆるしたのでしてー。この違い、お分かりになりましてー?」
P「わかるようなわからないような……」
芳乃「では問い直しましょうー。そなたはわたくしに、魔が差したなんてごまかさず……先程のように触れたいとお思いでして?」
P「え? そりゃあ、出来ることなら触れ合いたいですね、って何言ってんだ俺は」
芳乃「こんなことを言うのも何ですがー、女性らしさで言うならわたくしよりもよっぽど、適した方々がいるのではないでしょうかー?」
P「いや、それは違うぞ。俺だって芳乃だから魔が差し――じゃなくて、触りたいなあと手を出したのであって、たとえ他のアイドルの誰かがいたとしても何かしようと思わない」
芳乃「……」
P「……」
P(何だろう、妙な空気になりつつあるぞ。よく考えると凄いこと言ったり言われたりしてないか?)
芳乃「……嘘偽りなき言葉だと、わたくしは信じてもよろしくてー?」
P「もちろん。だって俺はずっと――」
>>219
00~49「――芳乃と仲良くなりたかったから」(友好ルートへ)
50~99「――芳乃に好かれたかったから」(親愛ルートへ)
P「芳乃。お前が俺を見逃そうとしてくれていると感じた上で、やっぱり俺は謝らないといけないと思う。お前じゃなかったら、俺はもっと然るべき制裁を受けてもおかしくなかったはずだ」
芳乃「……やはり真っ直ぐなお方ですねー。でもそれは勘違いというものです、そなたー」
P「勘違い? どういう意味だ?」
芳乃「わたくしだったからそなたはゆるされた、のではないのですー。そなただったから……わたくしはゆるしたのでしてー。この違い、お分かりになりましてー?」
P「わかるようなわからないような……」
芳乃「では問い直しましょうー。そなたはわたくしに、魔が差したなんてごまかさず……先程のように触れたいとお思いでして?」
P「え? そりゃあ、出来ることなら触れ合いたいですね、って何言ってんだ俺は」
芳乃「こんなことを言うのも何ですがー、女性らしさで言うならわたくしよりもよっぽど、適した方々がいるのではないでしょうかー?」
P「いや、それは違うぞ。俺だって芳乃だから魔が差し――じゃなくて、触りたいなあと手を出したのであって、たとえ他のアイドルの誰かがいたとしても何かしようと思わない」
芳乃「……」
P「……」
P(何だろう、妙な空気になりつつあるぞ。よく考えると凄いこと言ったり言われたりしてないか?)
芳乃「……嘘偽りなき言葉だと、わたくしは信じてもよろしくてー?」
P「もちろん。だって俺はずっと――」
>>219
00~49「――芳乃と仲良くなりたかったから」(友好ルートへ)
50~99「――芳乃に好かれたかったから」(親愛ルートへ)
219: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/01/28(水) 02:52:43.77 ID:vgVOi6Jro
おう
235: 友好5 親愛5 ◆KSxAlUhV7DPw 2015/02/07(土) 02:34:02.33 ID:k7uU8mYD0
P「芳乃に好かれたかったから」
芳乃「……っ」
P「いや、一歩間違えれば嫌われそうなことしておいて何だけど、それぐらいには俺は芳乃を求めてるんだ。できれば俺は……芳乃?」
芳乃「……あぁ、合点がいきました。そういうことだったのですねー」
P「そういうこと?」
芳乃「この胸に宿り少しずつ大きくなっていくものの正体。初めてのことでしたので、持て余していましたがー」
P「……」
芳乃「おそらくわたくしは、そなたをお慕い申し上げておりますようでー」
P「!? それはつまり、なんだ、月が綺麗ですね的なあれ、なの、か?」
芳乃「どうなのでしょうー? 求めに応じて出逢ったわたくしたちですが、いつしかそなたを求めていたみたいでしてー」
P「芳乃……」
芳乃「そなたなら、この胸に宿ったものの正体が何なのか探り当ててくださることでしょうー。探しものはわたくしの、得手とするところではありましたが……共に、探していただけますか?」
P「……俺の方こそ。いくらでも、いつまでも、見つかっても探し続けよう。ずっと一緒にさ」
(結果 友好+1、親愛+1、親愛ルートへ分岐)
芳乃「……っ」
P「いや、一歩間違えれば嫌われそうなことしておいて何だけど、それぐらいには俺は芳乃を求めてるんだ。できれば俺は……芳乃?」
芳乃「……あぁ、合点がいきました。そういうことだったのですねー」
P「そういうこと?」
芳乃「この胸に宿り少しずつ大きくなっていくものの正体。初めてのことでしたので、持て余していましたがー」
P「……」
芳乃「おそらくわたくしは、そなたをお慕い申し上げておりますようでー」
P「!? それはつまり、なんだ、月が綺麗ですね的なあれ、なの、か?」
芳乃「どうなのでしょうー? 求めに応じて出逢ったわたくしたちですが、いつしかそなたを求めていたみたいでしてー」
P「芳乃……」
芳乃「そなたなら、この胸に宿ったものの正体が何なのか探り当ててくださることでしょうー。探しものはわたくしの、得手とするところではありましたが……共に、探していただけますか?」
P「……俺の方こそ。いくらでも、いつまでも、見つかっても探し続けよう。ずっと一緒にさ」
(結果 友好+1、親愛+1、親愛ルートへ分岐)
236: ◆KSxAlUhV7DPw 2015/02/07(土) 02:37:19.22 ID:k7uU8mYDo
アイドルという互いの望みの形。
求めるものが同じだからこそ、共に歩んで参りました。
「次の休みはどうしよう、なあ芳乃」
求めるものは今なお同じ。
ただし互いに一つずつ、増えたようではありますが。
「ライブも近いしゆっくりするか。今度のライブ、期待してるぞ」
みなで幸せをわかちあえるまで、歩みを止めるつもりはありません。
ですが……わたくしはみなに先んじて、小さな幸せをかみしめています。
いつかバチが当たってしまうかもしれませんね。
「ん? 何言ってるんだ、神様だって結婚したりするんだから大丈夫さ」
そういうものなのでしょうか。
「さあ、どうだろう。ただ俺はみんなの幸せを願う芳乃の代わりに、芳乃自
身の幸せを願うよ。芳乃が少しでも幸せを感じられるならそうしてほしい」
わたくしの幸せ。
それは、そなたと共に歩むこと。
そして――そなたと共にあること。
求めるものが同じだからこそ、共に歩んで参りました。
「次の休みはどうしよう、なあ芳乃」
求めるものは今なお同じ。
ただし互いに一つずつ、増えたようではありますが。
「ライブも近いしゆっくりするか。今度のライブ、期待してるぞ」
みなで幸せをわかちあえるまで、歩みを止めるつもりはありません。
ですが……わたくしはみなに先んじて、小さな幸せをかみしめています。
いつかバチが当たってしまうかもしれませんね。
「ん? 何言ってるんだ、神様だって結婚したりするんだから大丈夫さ」
そういうものなのでしょうか。
「さあ、どうだろう。ただ俺はみんなの幸せを願う芳乃の代わりに、芳乃自
身の幸せを願うよ。芳乃が少しでも幸せを感じられるならそうしてほしい」
わたくしの幸せ。
それは、そなたと共に歩むこと。
そして――そなたと共にあること。
237: エピローグ ◆KSxAlUhV7DPw 2015/02/07(土) 02:41:25.83 ID:k7uU8mYDo
P「……あれっ、あの書類見当たらないな。どこやったっけ」
芳乃「そなたー。こちらでよろしくてー?」
P「お、それそれ。さすがだな、ありがとう芳乃」
P「そろそろ休憩いれよう」
芳乃「そなたー。お茶が入りましたのでこちらへー」
P「いいねえ。わかった今いくよ」
P「肩凝ってきたな……」
芳乃「そなたー。肩を叩いてあげますので早く終わらせて帰りましょー」
P「あー……癒される。よし、残業なんかさっさと片づけるぞ!」
P「ふぅ。……なんですか?」
ちひろ「いえいえー。毎日楽しそうだなぁと思いまして」
P「充実してますからねえ」
ちひろ「スキャンダルだけはやめてくださいね。ただでさえ芳乃ちゃん、異様にファンに神格化されてますし」
P「わかってますとも。お気づかいありがとうございます」
ちひろ「……ところで」
P「はい?」
ちひろ「この際聞いちゃいますけど、そのぅ、どこまでいったんですか?」
P「はっはっは、どこまでもいくつもりですよ!」
ちひろ「いやあのそうじゃなくて――」
<ソナター ソナター?
P「おっといけない。それじゃちひろさん、また明日もよろしくお願いします!」
ちひろ「あっ、行っちゃった。いきいきしちゃってまぁ」
ちひろ「……ふふっ、お幸せに!」
(友好→親愛→親愛ルート ED)
240: ◆KSxAlUhV7DPw 2015/02/07(土) 02:58:46.42 ID:k7uU8mYD0
最後に更新間延びした割にあっさり目ですが終わりです。安価、レス等ありがとうございました
今回もコンマが偏っていたように思います。00~09出てないですよね
次回があるとしたらまた同じルールでやりたいと思ってます。見かけたらまたよろしくお願いします
今回もコンマが偏っていたように思います。00~09出てないですよね
次回があるとしたらまた同じルールでやりたいと思ってます。見かけたらまたよろしくお願いします
243: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/07(土) 03:14:44.60 ID:tWgeEp9Wo
よしのんと結婚したいだけの人生だった
おつさま
おつさま
246: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/07(土) 10:02:47.65 ID:E0eIE0IQO
よしのかわいかった
250: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 12:43:14.19 ID:IsQF0592O
最高だった。
引用元: モバP「芳乃をデレッデレにさせてみたい」
杏「結婚しようよ」
2019-12-05
1: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/08(土) 21:16:44.85 ID:uSAvxA0x0
P「吉田拓郎か?」
杏「はい?」
P「いや、急に変なことを言うもんだからさ」
杏「んー、いやさ、この雑誌の特集見てよほら」
P「なになに……『結婚のメリット』?」
P「え、なにこの特集、お前なんの雑誌読んでるの?」
杏「よくわかんない、こないだ留美さんが事務所に置き忘れてたから借りた奴」
P「お前それ借りたっていうかなんというか……」
杏「あ、ちなみにゼクシィも一緒に置き忘れてたよ」
P「……」
杏「ゼクシィの方見てみる?」
P「……いや、いい」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1394281004
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3: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/08(土) 21:22:59.18 ID:uSAvxA0x0
P「んで、その特集がなんなんだ?」
杏「これ見てよ、結婚するメリットランキングの一位」
P「えーと、なになに……」
P「結婚のメリット一位は……『経済事情の安定化』」
P「……」
P「結婚のメリット一位ってこれなのか」
杏「うん」
P「嫌な世の中だな……」
P「……んで、これがなんなんだ?」
杏「わかんない?」
P「……いや、何が?」
杏「しょうがないなー……じゃあほら、二位と三位も見てよ」
P「……えっと」
P「『愛する人との生活』と『孤独からの解放』……?」
P「……」
杏「……」
P「え、だから?」
杏「なんでわかんないのさっ!」
P「い、いや、何が!?」
4: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/08(土) 21:35:20.13 ID:uSAvxA0x0
杏「なんなのもう……説明しないといけないとか面倒くさいよ」
P「そうは言われても何がなんだかサッパリだぞ」
杏「しょうがない……」
杏「ね、さっき杏……その、プロデューサーに言ったよね」
P「何を?」
杏「えと……あれだよ、あの……結婚のこと」
P「ん、ああ、言ったな」
P「お前の部屋の片付け手伝いに来たはずなのに」
P「お前はゴロゴロしたまま動かないで雑誌読んで俺ばっか働いてる時に俺に向かって言ったな」
杏「う……か、片付けはまぁ、その……ね?」
P「……」
杏「……」
杏「わ、悪かったよぅ……」
P「……そんで俺が驚いてお前の方に向くとさ」
杏「……?」
P「俺と目が合った瞬間すぐ雑誌に目を戻したよな」
杏「!」
P「そんでよく見たらお前は耳とか真っ赤で、平然を装おうと頑張ってて」
杏「……」
P「……」
P「なんでお前、そういうこと言うのも恥ずかしいくせに結婚しようなんて言ってきたの?」
杏「う、うるさいっ、余計なことは言わなくていいんだっ!」
5: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/08(土) 21:42:48.23 ID:uSAvxA0x0
P「んで、実際なんで結婚?」
杏「……それは、その」
杏「さっき杏が言ったことをふまえてこの特集みてよ」
P「うん」
杏「この一位のやつ、経済の安定化っての」
杏「杏って印税生活目指してたけどさ、最終目的は将来ダラダラしたいだけだから、こういう手段をとったとしても杏的にはありだと思うんだよ」
P「……はぁ、そうか」
杏「で、次、愛する人との生活」
杏「プロデューサーってさ、杏のこと……す、好きだよね?」
P「……いやまぁ、好き嫌いで言えば好きな部類だとは思うが」
杏「……ん」
杏「……後は最後、孤独からの解放っての」
P「え、待って今のってそれで終わりなのか?」
杏「プロデューサーってさ、前に家に帰っても一人きりでたまに寂しくなる……みたいなこと言ってたよね」
P「無視かよ……そんなこと言ったっけ?」
杏「言ったよ、結構前だけど、まゆの目の前で」
P「……あぁ」
P「そうだな、確かに言ったわ……あの後は色々大変だったな……」
杏「……」
P「……」
杏「……どんまい」
P「おう……」
6: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/08(土) 21:47:35.61 ID:uSAvxA0x0
杏「でさ、もしプロデューサーが帰って来た時におかえりって言ってくれる人がいるとしたら?」
P「嬉しいな」
杏「でしょ?」
杏「つまり、結婚すればさ……杏にとっては経済事情の安定化、プロデューサーにとっては愛する人の生活と孤独からの解放ってことだよね?」
P「……」
杏「……」
杏「……どやぁ」
P「ちょっと待てお前、マジか」
7: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/08(土) 21:55:42.69 ID:uSAvxA0x0
P「なんなのお前、それで俺に結婚しようなんて言ってきたの?」
杏「そうだけど」
P「お前俺を馬鹿にしてるの!?」
杏「い、いや別にそんなことはないけどさ」
杏「でもこんだけお互い得する条件揃ってんだし……」
P「それ、俺はどこに得するとこがあるんだ」
杏「だからあれだって、二位と三位のやつ」
P「お前なぁ……それ色々と間違ってるの分かる?」
杏「へ?」
P「まずえーと、『愛する人との生活』のことだが」
P「俺はお前のこと確かに嫌いじゃない、付き合いも長いし好きだとは思う」
P「でもな、俺はお前のこと友達として好きであって……別に愛してるわけじゃないことはお前もわかるだろ?」
杏「えっ」
P「えっ」
杏「……え、何、プロデューサー……そう……なの……?」
P「……ちょ、お前……なんでそんなに衝撃受けてんの」
10: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/08(土) 22:02:58.79 ID:uSAvxA0x0
杏「いや……だ、だってさ」
杏「プロデューサーって杏のワガママ結構聴いてくれるよね?」
P「おう、なんだかんだ聞いちゃってる気がする」
杏「杏にいっぱい飴くれるよね?」
P「うん」
杏「杏のこと……す、好き…なんだよね?」
P「……まぁ、どっちかといえば」
杏「じゃあ……杏は、あ、愛されて……」
杏「……」
P「……」
杏「杏は愛されてるってことじゃんかバカプロデューサー!」
P「どうでもいいけどお前って案外チョロかったんだな……」
13: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/08(土) 22:11:00.72 ID:uSAvxA0x0
杏「なんなのさっ! 杏に思わせぶりな態度とって……!」
P「とった覚えねえよ」
杏「だってあんなに甘やかされたり……かわいいって何回も言われたり……」
P「甘やかすも何もお前がワガママなだけだし、可愛いのはアイドルだから当たり前だし」
杏「……」
P「……」
杏「もてあそばれた……」
P「ええー……」
杏「……ふん、いいよもう、二位の奴は妥協する、好きだろうが愛だろうが似たようなもんだよ」
P(そんな適当でいいのか)
杏「ほらじゃあ三位のやつ行こ、三位のやつ、孤独からの解放」
杏「これはまぁ間違いなくプロデューサーにとってのメリットじゃんか、前にもそんなこと言ってたんだから」
P「そうかなぁ……」
杏「ほら、想像してみてよ」
杏「プロデューサーが仕事から疲れて帰った時に杏が家でお帰りなさいって言ってあげるんだよ?」
P「……」
14: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/08(土) 22:20:18.43 ID:uSAvxA0x0
ーーーーーーーー
P『ふー、疲れた……』
P『明日はライブの準備あるし、出来るだけ早めに寝るかぁ』
P『……おーい、帰ったぞー』ガチャ
杏『あ、お帰りー、お疲れ様』
ゴチャア……
P『……』
P『……おい』
杏『ん、なに?』
P『俺、お前に今日部屋の掃除頼んだよな』
杏『そうだっけ?』
P『……はぁ、まぁいい、風呂は入れるか?』
杏『あー、まだ……プロデューサー洗ってよ』
P『……』
P『……もう今日はシャワーでいい、飯は?』
杏『ん、そこにある』
P『……また、カップラーメンなのか?』
杏『あ、でも今日は豚骨だよ』
P『……』
15: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/08(土) 22:26:48.32 ID:uSAvxA0x0
ーーーーーーーー
P「お前いい加減にしろよ……!」
杏「え、ま、待って! なんで杏今胸ぐら掴まれてるの……!?」
P「アイドル辞めてからずっと食っちゃ寝、食っちゃ寝しやがって……! お前とはもう離婚だクソが!」
杏「なに、今プロデューサーの脳内で何があったのさ!」
P「……ハッ、す、すまん」
杏「べ、別にいいけど……どうしたの?」
P「……」
P「お前と結婚したことを想像したら、お前が余りに自堕落すぎて……」
杏「……」
杏「……うん、杏も杏が家のことやってる想像は出来ない……かも……」
P「……」
杏「……なんかゴメン」
17: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/08(土) 22:30:50.97 ID:uSAvxA0x0
P「まぁなんだ、これでお前も間違いに気付いたろう」
杏「一応でも、三つめのやつは間違ってはないんじゃ……」
P「確かにお前となら寂しさとかは無くなるだろうけど、それ以上に色々とダメそうだったし……」
杏「うぐっ……」
P「ということでお前はあれだ、やっぱ大人しくアイドルしとけってことになる」
杏「えー……でも待ってよ、プロデューサーが結婚するメリットまだあるんだよ?」
P「お前と結婚することで得られるメリットなんて微塵もないよ」
杏「な、なんだそれ流石に酷くないか……出るところ出るレベルだぞ……」
18: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/08(土) 22:36:15.62 ID:uSAvxA0x0
P「……んで、他にどんなメリットがあるっていうんだ?」
杏「プロデューサーの性欲を満たせる」
P「……は?」
杏「……」
P「は?」
杏「に、二回も言わないよ杏……さっきも話の流れの勢いで言ったんだし……」
P「いやでも、俺の聞き間違いじゃなければ性欲を満たせるとかなんとか聞こえたんだが……」
杏「だってプロデューサー口リコンでしょ?」
P「……なんで?」
杏「なんでもなにも、結構有名だよ?」
P「いやいやいやいや」
杏「コンピュータにあるやつ、新しいフォルダ(4)……だっけ?」
P「」
19: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/08(土) 22:42:54.64 ID:uSAvxA0x0
P「……なんで、そんな……え、パソコンのパスワードとか隠しファイル、とか……」
杏「……うん、あんまりうちのアイドル達舐めない方がいいよ」
杏「プロデューサーの好みが何かって、一部の子供組以外は全員知ってるし」
P「……マジ?」
杏「心当たりない?」
P「……そういえば、楓さん達とかが大人の魅力どうこう言って異常に混浴誘ってきたことが」
杏「あー、まぁ大人組は色々と大変そうだしね」
P「……嘘だろおい」
杏「……まぁ、そういう反応したってことはやっぱりプロデューサーは口リコンなんでしょ?」
P「……」
杏「このご時世、口リコンなんて淘汰される側だし、口リと結婚出来る訳もない」
杏「だけど見てよ、自分で言うのはどうかと思うけど、ここに奇跡的な合法口リがいるんだよ?」
杏「それならほら、口リコンとしては逃すわけにはいかないっしょ?」
P「……」
杏「……」
20: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/08(土) 22:51:14.30 ID:uSAvxA0x0
P「口リコン、ばれてたんだな」
杏「え、まぁ……そうだけど」
P「……はは」
P「はははははははは」
杏「ど、どうしたの?」
P「はは……はっ……うぇ、うっ……」
杏「……?」
P「ビエエエエエン!!」ボロボロ
杏「」
P「ひっく……うう、うえ……うう……」
杏「……え」
杏「ま、待ってこれはちょっと想像してなかった……ど、どうすれば……」
P「……んっ、ひっく……」
杏「ね、ねぇ、プロデューサー、その、な、泣かないで……」
P「……ぐ、ふぐぅ…」
杏「え、えーと……」
杏「……」
杏「よ、よしよし……?」ナデナデ
P「……!」
杏「……」ナデナデ
P「……ひっく」
22: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/08(土) 23:01:03.01 ID:uSAvxA0x0
…………
P「……」
杏「……」
P「……すまん杏、取り乱した」
杏「うん、杏も悪かったけど……取り乱しすぎててびっくりした」
P「いやでも、俺、口リコンってばれて……」
杏「まぁその、気にしなくていいよ」
P「でも……お前も引いただろ? 悪かった……」
杏「……杏的には結構ラッキーなことなんだけど」
P「へ?」
杏「だってプロデューサーが口リコンなら結婚してくれる可能性増えるし」
P「……お前、そんなに結婚したいの?」
杏「そりゃあ、楽できそうだしね」
P「……まぁ、そうか、働かなくてもダラダラ過ごせるようになるからな」
杏「……」
杏「……別に、それだけってわけじゃないよ?」
P「あれ……そうなのか?」
23: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/08(土) 23:08:37.24 ID:uSAvxA0x0
杏「別に一人ぼっちは嫌だとか……プロデューサーのことを……あ、愛してる……とか……なんて、言うつもりはないけどさ」
杏「……」
杏「もし、もしだよ? 杏が印税生活出来るようになってアイドルやめたとするじゃんか」
P「おう」
杏「そしたらね、プロデューサー杏を毎朝起こしに来てくれる?」
P「……は?」
杏「家まで来て……洗濯物とか部屋の掃除とか……ゲームの相手になってくれたりとか、食材が冷蔵庫にないってことに気付いて、一緒に買い物行ってくれるとか……」
P「お、おい、俺は便利屋じゃあないぞ? そんなつもりで結婚したいなんて言ってたのか?」
杏「んと、まぁそれもあるけど……そういうんだけじゃなくて……」
杏「……んー、なんだか杏も分かんなくなってきたけど」
杏「プロデューサー、今はさ、杏を起こしに来てくれて、洗濯物や掃除も、ゲームの相手だってしてくれるでしょ?」
P「……だって、なぁ」
杏「うん、それって、杏がプロデューサーの担当アイドルだからだよね?」
P「……まぁ、そうなるかな」
杏「じゃあ、杏がアイドルじゃなくなったらプロデューサーは多分さっき言ったようなことは杏にしてはくれなくなるよね」
P「それは……」
P「……」
杏「……」
杏「なんかね、だからその……プロデューサーと結婚とかどうかなって思ったわけ」
24: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/08(土) 23:12:16.68 ID:uSAvxA0x0
杏「まぁでもプロデューサーが口リコンってだけしか杏にとっての強みが無いのは厳しいかもなー」
P「口、口リコン……」
杏「……」
杏「……ね、プロデューサー」
杏「もし、杏が洗濯物も掃除もできて、ご飯とかも作れるようになったら……結婚してくれる?」
P「……分からんが、考えるかも」
杏「……ふーん」
杏「ま、言ってみただけだけどねー」
P「……なぁ」
杏「ん?」
P「俺はお前がアイドルじゃかったら、朝起こしに行くことや洗濯や掃除はしないだろうけどさ」
P「ゲームくらいは……付き合ってやるぞ?」
杏「……」
P「……」
杏「……そっか、ゲームくらいなら付き合ってくれるのか」
杏「……くひひ」
P「杏?」
25: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/08(土) 23:14:53.89 ID:uSAvxA0x0
杏「んー、よし、決めた、杏、ガラじゃないけど少し頑張ってみよっかな」
P「頑張るって……何を?」
杏「……花嫁修業?」
P「……え?」
杏「プロデューサーが杏がアイドルやめてもゲームくらいなら付き合ってくれるって言ってくれたらなんだかね」
杏「……こう、杏、やっぱプロデューサーと結婚したいって思った」
P「い、いや、なんだそれどういうことだ」
杏「まぁプロデューサーが杏と結婚してもいいって思ってくれるまで面倒くさそうだけど」
杏「……ニートが本気を出すと凄いからね、プロデューサー……覚悟しとけよー」
P「お、おう……?」
杏「……くふふ」
杏「んじゃま、明日から本気だすかなー」
おわり
29: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/08(土) 23:33:22.15 ID:uSAvxA0x0
おまけ
「帰ったぞー」
「あ、おかえりー」
「……おいおい、まだ部屋散らかってんのか、掃除しろって言っただろ?」
「えー、明日やるよ明日、代わりにお風呂はもう洗ってあるから勘弁してよ」
「ったく……湯は入れてるのか?」
「ん」
「そか、じゃあ先に風呂……」
「あ、待って」
「なんだ?」
「今日さ、きらりが家に来て一緒に夕飯作ったんだ……まだ温かいしさ、せっかくだから冷めないうちに食べてよ」
「……」
「……な、なんだよ、なに見てるのさ」
30: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/08(土) 23:33:58.79 ID:uSAvxA0x0
「……いや、まさかお前がこんなちゃんと料理するようになるとはと……感慨深くなってな」
「失礼だなー……というか結婚の時ちゃんと家のことやるようにっていう条件つけられたし、しょうがないじゃん」
「あの条件がなければ今頃何もせずダラダラするだけの暮らしをこっちは送れたのに……!」
「……ふーん、家のことをちゃんとやる、ねえ」
「なにさ、ちゃんとやってるぞー」
「いや、ここにあるのは何かなーって……洗濯物の干し忘れに見えるんだが」
「あ」
「ちゃんとやってる……ねぇ?」
「そっ、それは……ちょっと、その、忘れちゃって……」
「ふふふふふ……家のことちゃんと出来てなかったなぁ……これは少し、お仕置きしてやらないと……」
「お、お仕置きって……え、まさか……」
「最近ご無沙汰だったし……そろそろ俺子供欲しいし……?」
「え、ちょ、待って、待ってよ! そ、そうだ……今さっきお風呂入ったばっかりだから……!」
「つまり準備万端ってことか」
「ち、違……また風呂に入らないといけなくなるのってほら、面倒だし、面倒なの嫌だし……ね?」
「ふふふふふ……」
「……ち、近づかないで……待って、待ってってば!」
「この、この……ば、馬鹿……そ、そこは……や、やめろ口リコンー!!」
おわり
32: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/08(土) 23:39:59.70 ID:XLbN3usGo
乙。
杏は出産に母体が耐えられるのか不安になる
杏は出産に母体が耐えられるのか不安になる
37: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/09(日) 08:36:06.16 ID:G7lPMnUbo
杏は合法
口リは素晴らしい
次回作待ってますよ先生
口リは素晴らしい
次回作待ってますよ先生
38: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/10(月) 04:25:52.23 ID:RUDh4uAd0
なんてこった…杏ってこんなに可愛かったのか…
40: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/14(金) 17:56:29.34 ID:jK1wClKEo
あれ、明日から頑張るて頑張らないフラグだったんじゃねーの?
引用元: 杏「結婚しようよ」
モバP「蘭子の買い物に付き合うことになった」
2019-12-04
2: ◆JBqI9RdT/Q 2014/02/16(日) 03:09:44.74 ID:RLmPpmWS0
モバP(以下P)「どうやら俺のほうが早く待ち合わせ場所に着いたようだな」
P(俺は以前にちょっとした失敗を犯してしまい蘭子を泣かせてしまった...)
P(そのお詫びとして買い物に付き合う約束をしたのだが...)
P「しかし本当に大丈夫かな...まさか下着を買うのに付き合ってくれって蘭子が言い出すとは...」
P「まあ、ちひろさんも問題がないと言ってたし...大丈夫だよな、きっと...たぶん...」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1392487537
P(俺は以前にちょっとした失敗を犯してしまい蘭子を泣かせてしまった...)
P(そのお詫びとして買い物に付き合う約束をしたのだが...)
P「しかし本当に大丈夫かな...まさか下着を買うのに付き合ってくれって蘭子が言い出すとは...」
P「まあ、ちひろさんも問題がないと言ってたし...大丈夫だよな、きっと...たぶん...」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1392487537
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3: ◆JBqI9RdT/Q 2014/02/16(日) 03:11:06.11 ID:RLmPpmWS0
蘭子「あの...プロデューサー、待たせちゃいました?」
P「いや、俺も今来たところだよ。蘭子」
蘭子「よかった...本当ならお願いをした私のほうが早く着いてなきゃいけないのに...」
P「そんなに畏まらなくてもいいよ。これは俺からのお詫びでもあるんだから」
P「それよりも...今日はいつものしゃべり方じゃないんだな?」
P「いや、俺も今来たところだよ。蘭子」
蘭子「よかった...本当ならお願いをした私のほうが早く着いてなきゃいけないのに...」
P「そんなに畏まらなくてもいいよ。これは俺からのお詫びでもあるんだから」
P「それよりも...今日はいつものしゃべり方じゃないんだな?」
4: ◆JBqI9RdT/Q 2014/02/16(日) 03:11:47.85 ID:RLmPpmWS0
蘭子「だって...いつもの様にしてたら変装してても私だってバレちゃうかもしれないし」
蘭子「それに...こうしてた方がデートって気分になりますから♪」ギュッ
P「お、おい!?」
P(腕に抱きつかれた!?柔らかくて...じゃなくて!)
P「変装しているからって流石にまずいって!」
蘭子「それに...こうしてた方がデートって気分になりますから♪」ギュッ
P「お、おい!?」
P(腕に抱きつかれた!?柔らかくて...じゃなくて!)
P「変装しているからって流石にまずいって!」
5: ◆JBqI9RdT/Q 2014/02/16(日) 03:12:22.08 ID:RLmPpmWS0
蘭子「大丈夫ですよ、誰も私だって気づいていませんし。変に騒いじゃうと逆に目立っちゃいますよ?」
P「うぐっ!まあ確かにそうだな...」
蘭子「じゃあ行きましょう♪...あ、あと」
P「ん?なに?」
蘭子「その...今日の私の服装...どうですか?」
P「うぐっ!まあ確かにそうだな...」
蘭子「じゃあ行きましょう♪...あ、あと」
P「ん?なに?」
蘭子「その...今日の私の服装...どうですか?」
7: ◆JBqI9RdT/Q 2014/02/16(日) 03:14:22.61 ID:RLmPpmWS0
P「良く似合っているよ。あまり見ない服装だし新鮮さもあっていいぞ」
蘭子「よかった~...嬉しい♪このお洋服は今日のことを相談して卯月ちゃんに借りたんです」
蘭子「このことを教えてたら卯月ちゃんもきっと喜んでくれます♪」
P「ああ、そういうことか。謎が解けたよ」
蘭子「?」
蘭子「よかった~...嬉しい♪このお洋服は今日のことを相談して卯月ちゃんに借りたんです」
蘭子「このことを教えてたら卯月ちゃんもきっと喜んでくれます♪」
P「ああ、そういうことか。謎が解けたよ」
蘭子「?」
13: ◆JBqI9RdT/Q 2014/02/16(日) 03:22:51.91 ID:RLmPpmWS0
P「いや、こっちの話だから蘭子は気にしなくてもいいよ。それよりも行こうか?」
蘭子「はい。じゃあ...この道です」
P(どおりで卯月から”今度は私のお買い物にも付き合ってくださいねっ♪”ってメールが来たわけだ...)
P「ところで今日これから行くお店は大丈夫なのか?土曜日だしさすがに人が多いと思うんだが?」
蘭子「大丈夫ですよ?今日行くお店は会員制ですから」
14: ◆JBqI9RdT/Q 2014/02/16(日) 03:25:05.49 ID:RLmPpmWS0
P「会員制?おいおいそれじゃあ俺は入れないんじゃないか?」
蘭子「ふふふっ、その点も心配ありませんよ?」
P「?」
蘭子「着けばわかりますよっ♪あっ、その角を右です」
P「まあ、蘭子がそういうんなら...」
蘭子「ふふふっ、その点も心配ありませんよ?」
P「?」
蘭子「着けばわかりますよっ♪あっ、その角を右です」
P「まあ、蘭子がそういうんなら...」
15: ◆JBqI9RdT/Q 2014/02/16(日) 03:25:35.16 ID:RLmPpmWS0
(歩いて15分後)
蘭子「ここです」
P「うお...これはまた...」
P(到着した店はビルのテナントの一角を借りているものではなく、都心では珍しい一軒家構成だった)
P(しかも敷地面積もかなり広そうだ)
蘭子「ここです」
P「うお...これはまた...」
P(到着した店はビルのテナントの一角を借りているものではなく、都心では珍しい一軒家構成だった)
P(しかも敷地面積もかなり広そうだ)
16: ◆JBqI9RdT/Q 2014/02/16(日) 03:27:05.60 ID:RLmPpmWS0
P「本当にここか?...いや会員制っていうからにはこの店だと言われた方が現実味があるかも...」
蘭子「驚きました?じゃあ...入りましょう」
カランカラーン
店員A「いらっしゃいませ。失礼ですが会員証を提示いただけませんか?」
蘭子「はい...これです」
蘭子「驚きました?じゃあ...入りましょう」
カランカラーン
店員A「いらっしゃいませ。失礼ですが会員証を提示いただけませんか?」
蘭子「はい...これです」
17: ◆JBqI9RdT/Q 2014/02/16(日) 03:27:50.69 ID:RLmPpmWS0
店員A「はい、ありがとうございます...神崎 蘭子様ですね。普段と装いが違うので念のため確認を取らせて頂きました。大変失礼をいたしました」
P(普段は顔パスなのか)
店員A「...そちらの男性がお嬢様よりお話を伺っている方ですか...」
蘭子「はい、そうです」
P「?」
P(普段は顔パスなのか)
店員A「...そちらの男性がお嬢様よりお話を伺っている方ですか...」
蘭子「はい、そうです」
P「?」
18: ◆JBqI9RdT/Q 2014/02/16(日) 03:28:47.64 ID:RLmPpmWS0
店員A「ではお手数ですが何か顔写真付きの身分証を拝見させてください」
P「運転免許証でいいですか?」
店員A「結構でございます。少々拝借いたしますが宜しいでしょうか?」
P「はい。かまいません」
店員A「ありがとうございます。では確認いたしますので少々お待ちください」
P「運転免許証でいいですか?」
店員A「結構でございます。少々拝借いたしますが宜しいでしょうか?」
P「はい。かまいません」
店員A「ありがとうございます。では確認いたしますので少々お待ちください」
19: ◆JBqI9RdT/Q 2014/02/16(日) 03:29:31.83 ID:RLmPpmWS0
(2分後)
店員A「お待たせいたしました。確認が完了いたしましたのでどうぞ、P様もお入りください」
P「えっ、会員じゃないんですけどいいんですか?」
店員A「はい、問題ございません。それと...」
P「なんでしょうか?」
店員A「お待たせいたしました。確認が完了いたしましたのでどうぞ、P様もお入りください」
P「えっ、会員じゃないんですけどいいんですか?」
店員A「はい、問題ございません。それと...」
P「なんでしょうか?」
20: ◆JBqI9RdT/Q 2014/02/16(日) 03:30:07.52 ID:RLmPpmWS0
店員A「いつもお嬢様のためにありがとうございます。今後ともお嬢様を宜しくお願いいたします」
P「?」
蘭子「まだわかりませんか?プロデューサー?」
蘭子「このお店は桃華ちゃんの会社のお店なんですよ♪」
P「そうなのか?なるほど...だから俺も入れたのか」
P「?」
蘭子「まだわかりませんか?プロデューサー?」
蘭子「このお店は桃華ちゃんの会社のお店なんですよ♪」
P「そうなのか?なるほど...だから俺も入れたのか」
21: ◆JBqI9RdT/Q 2014/02/16(日) 03:31:06.02 ID:RLmPpmWS0
蘭子「はい、前もって桃華ちゃんにお願いをしていたんです。ここは事務所のみんなも通っているお店なんですよ」
店員A「CGプロの皆様方にはいつも御贔屓になっていただいております。CGプロ様用の試着室も奥にございます」
蘭子「だから...ここだったら安心してお買いものができるんです」
P「なるほど...確かに安心できるな。それともう一つ謎が解けた」
蘭子「?」
店員A「CGプロの皆様方にはいつも御贔屓になっていただいております。CGプロ様用の試着室も奥にございます」
蘭子「だから...ここだったら安心してお買いものができるんです」
P「なるほど...確かに安心できるな。それともう一つ謎が解けた」
蘭子「?」
22: ◆JBqI9RdT/Q 2014/02/16(日) 03:33:16.93 ID:RLmPpmWS0
P「ごめん、ごめん蘭子は気にしなくていいよ」
P(だからこの前桃華が”Pちゃまは桃華のワガママも聞くべきですわ”って言ってきたのか)
店員A「では試着室へご案内いたします」
蘭子「プロデューサー行きましょう」
P「そうだな」
P(だからこの前桃華が”Pちゃまは桃華のワガママも聞くべきですわ”って言ってきたのか)
店員A「では試着室へご案内いたします」
蘭子「プロデューサー行きましょう」
P「そうだな」
30: ◆JBqI9RdT/Q 2014/02/17(月) 23:54:19.52 ID:4SSWluCy0
店員A「こちらがCGプロ様用に用意させていただいております二階のVIP用試着室になります」
P「結構な広さですね」
P(この店は一階が売り場となっていて二階に上客用の個室の試着室があるようだ)
P(個室の中には試着室が6個ある...しかも試着室一個もデカくて二人が入っても余裕がありそうだ)
店員A「この試着室は入口がカードキー式となっておりましてアイドルのみなさんは会員証がカギとなっております」
店員A「今回P様はこちらで用意したこのキーをお使いください。正規の来客と分かるよう首に下げていただけませんか?またお帰りの際は返却をお願いいたします」
P「分かりました」
P「結構な広さですね」
P(この店は一階が売り場となっていて二階に上客用の個室の試着室があるようだ)
P(個室の中には試着室が6個ある...しかも試着室一個もデカくて二人が入っても余裕がありそうだ)
店員A「この試着室は入口がカードキー式となっておりましてアイドルのみなさんは会員証がカギとなっております」
店員A「今回P様はこちらで用意したこのキーをお使いください。正規の来客と分かるよう首に下げていただけませんか?またお帰りの際は返却をお願いいたします」
P「分かりました」
31: ◆JBqI9RdT/Q 2014/02/17(月) 23:55:09.48 ID:4SSWluCy0
店員A「では私はこれで失礼いたします。どうぞごゆっくりお楽しみください」
P「じゃあ蘭子は選びに行きなよ。俺はここで待っているから」
蘭子「?何を言ってるんですかプロデューサー」
P「なにがだ?」
蘭子「今日は”一緒に選んでもらう”ことがお願いなんですから、一緒に売り場で選んでくださいね♪」
P「いやいやいや、それは勘弁して本当に」
P「じゃあ蘭子は選びに行きなよ。俺はここで待っているから」
蘭子「?何を言ってるんですかプロデューサー」
P「なにがだ?」
蘭子「今日は”一緒に選んでもらう”ことがお願いなんですから、一緒に売り場で選んでくださいね♪」
P「いやいやいや、それは勘弁して本当に」
32: ◆JBqI9RdT/Q 2014/02/17(月) 23:56:08.43 ID:4SSWluCy0
P(実際ここに来るまでの道すがら会員制のためか、人は少ないが一般の女性客からはかなり怪訝な視線を浴びた)
P(そもそもここに来てから俺以外の男性を見ていない...まあ会員制女性下着専門店なら当たり前か...)
P(そんな女の園で中高生のどちらかと思われる蘭子と下着を吟味していたら...)
P(下手したら通報されるんじゃ...)
蘭子「むぅ~...」
P「蘭子悪いんだけどいろいろ危険かもしれn...」
P(そもそもここに来てから俺以外の男性を見ていない...まあ会員制女性下着専門店なら当たり前か...)
P(そんな女の園で中高生のどちらかと思われる蘭子と下着を吟味していたら...)
P(下手したら通報されるんじゃ...)
蘭子「むぅ~...」
P「蘭子悪いんだけどいろいろ危険かもしれn...」
33: ◆JBqI9RdT/Q 2014/02/17(月) 23:57:02.01 ID:4SSWluCy0
蘭子「ええぃ!魂の誓約に抗う事無かれ!(約束なんですから!さあ行きましょう!)」
P「ああ!?ちょっと押さないで、わかった、わかったから!」
(店の事務室)
店員A「お疲れ~、お嬢様から依頼された事はひとまず終わったわ」
店員B「お疲れ様、で、どんな人だった?」
店員A「うん、まあ誠実そうだとは思ったわ。お嬢様が信頼しているのも何となく分かるというか」
P「ああ!?ちょっと押さないで、わかった、わかったから!」
(店の事務室)
店員A「お疲れ~、お嬢様から依頼された事はひとまず終わったわ」
店員B「お疲れ様、で、どんな人だった?」
店員A「うん、まあ誠実そうだとは思ったわ。お嬢様が信頼しているのも何となく分かるというか」
34: ◆JBqI9RdT/Q 2014/02/17(月) 23:57:55.95 ID:4SSWluCy0
店員B「そう。ところであのことは話した?」
店員A「あのこと?」
店員B「ほら、プロデューサーさん達が来る少し前に他のCGプロのアイドルの子達が来たこと」
店員A「あっ、伝えてないわ。でも問題あるかしら?」
店員B「まあそれもそうね。じゃあ今度は私がお嬢様の指令をこなす番か...」
店員A「気づかれないようにね」
店員B「分かってるわよ」
店員A「あのこと?」
店員B「ほら、プロデューサーさん達が来る少し前に他のCGプロのアイドルの子達が来たこと」
店員A「あっ、伝えてないわ。でも問題あるかしら?」
店員B「まあそれもそうね。じゃあ今度は私がお嬢様の指令をこなす番か...」
店員A「気づかれないようにね」
店員B「分かってるわよ」
35: ◆JBqI9RdT/Q 2014/02/17(月) 23:58:24.78 ID:4SSWluCy0
(一階売り場)
P「来てしまった...」
P(まあさっきもらった試着室のキー兼証明書のおかげで怪しまれることは無いみたいだが...非常に居づらい)
P(でもまあ...)
蘭子「あ...これも可愛いな...」
P(楽しそうにしている蘭子を見られると思えばいいか...)
P「来てしまった...」
P(まあさっきもらった試着室のキー兼証明書のおかげで怪しまれることは無いみたいだが...非常に居づらい)
P(でもまあ...)
蘭子「あ...これも可愛いな...」
P(楽しそうにしている蘭子を見られると思えばいいか...)
38: ◆JBqI9RdT/Q 2014/02/18(火) 00:02:09.68 ID:mIMLtGcL0
蘭子「プロデューサーこれなんかどうですか?」
P「ああ、蘭子に似合うと思うよ」
蘭子「そうですか♪じゃあこれは?」
P「うん、いいと思うよ」
蘭子「むぅ~、なんだか適当に答えていませんか?」
P「そんなこと無いよ。本当に蘭子に似合うと思って答えているよ」
P「ああ、蘭子に似合うと思うよ」
蘭子「そうですか♪じゃあこれは?」
P「うん、いいと思うよ」
蘭子「むぅ~、なんだか適当に答えていませんか?」
P「そんなこと無いよ。本当に蘭子に似合うと思って答えているよ」
39: ◆JBqI9RdT/Q 2014/02/18(火) 00:03:07.85 ID:mIMLtGcL0
蘭子「そうかもしれないけど...じゃあ今度はプロデューサーが選んでくれませんか?」
P「...えっ?」
蘭子「プロデューサーが...私にどんな下着が似合うと思っているか...知りたいんです」
蘭子「私ここで...待ってますから、どんなのを選んでくれるか...楽しみにしてますね」カァー
P(さて、どうしたものか。あんなに頑張ってされたお願いは無下にはできない...)
P(かといって選択を誤れば...うん、あまり考えたくないな)
P「...えっ?」
蘭子「プロデューサーが...私にどんな下着が似合うと思っているか...知りたいんです」
蘭子「私ここで...待ってますから、どんなのを選んでくれるか...楽しみにしてますね」カァー
P(さて、どうしたものか。あんなに頑張ってされたお願いは無下にはできない...)
P(かといって選択を誤れば...うん、あまり考えたくないな)
40: ◆JBqI9RdT/Q 2014/02/18(火) 00:04:25.56 ID:mIMLtGcL0
P「さっき蘭子が似合うか尋ねてきた奴を参考にセーフティーゾーンを見極めなければ」
店員B「P様」
P「うわっ!?え...と、なんですか」
店員B「先ほどの神崎様とのやり取りを失礼ながら拝見いたしました。お困りの様ですね?」
P「ええ...正直どれを選んだらいいことやら...」
店員B「僭越ながらご自身の心に正直になっては?神崎様はあなたの趣向をお知りになられたいようですし」
店員B「多少神崎様の好みを外してしまっても宜しいと思いますよ?」
店員B「P様」
P「うわっ!?え...と、なんですか」
店員B「先ほどの神崎様とのやり取りを失礼ながら拝見いたしました。お困りの様ですね?」
P「ええ...正直どれを選んだらいいことやら...」
店員B「僭越ながらご自身の心に正直になっては?神崎様はあなたの趣向をお知りになられたいようですし」
店員B「多少神崎様の好みを外してしまっても宜しいと思いますよ?」
41: ◆JBqI9RdT/Q 2014/02/18(火) 00:05:31.14 ID:mIMLtGcL0
P「そうですかね?」
店員B「はい。さらに踏み込んで言わせていただくと同じ女性として、生業として何となくわかるんですよ」
P「確かにそういわれると説得力があるような...」
店員B「ありがとうございます」
P「そうですね...じゃあこれと、これにしようかな」
店員B「黒のレースのセットと...もう一つは少し赤みがかった黒の...ガーターベルト付き!?」
店員B「はい。さらに踏み込んで言わせていただくと同じ女性として、生業として何となくわかるんですよ」
P「確かにそういわれると説得力があるような...」
店員B「ありがとうございます」
P「そうですね...じゃあこれと、これにしようかな」
店員B「黒のレースのセットと...もう一つは少し赤みがかった黒の...ガーターベルト付き!?」
42: ◆JBqI9RdT/Q 2014/02/18(火) 00:34:07.88 ID:mIMLtGcL0
P「ん?やっぱり不味いですかね?」
店員B「ええと、神崎様は14歳ですよね?何故...そのガーターベルト付きのものを?」
P「ああ、彼女は以前ガーターベルトが付いた衣装を着たことがあったんですよ。その時気に入ってたと思ったんで」
P「もちろん俺も似合ってると思ったんですよ。これは蘭子に興味があればのお試し用ということで」
P「本命はこっちのシンプルなセットです」
店員B「な、なるほど...」
店員B「ええと、神崎様は14歳ですよね?何故...そのガーターベルト付きのものを?」
P「ああ、彼女は以前ガーターベルトが付いた衣装を着たことがあったんですよ。その時気に入ってたと思ったんで」
P「もちろん俺も似合ってると思ったんですよ。これは蘭子に興味があればのお試し用ということで」
P「本命はこっちのシンプルなセットです」
店員B「な、なるほど...」
43: ◆JBqI9RdT/Q 2014/02/18(火) 00:34:58.75 ID:mIMLtGcL0
店員B(けどこれも14歳の子が着るには...)チラッ
蘭子「♪~~」
店員B(でもあの子なら大丈夫か...ちぃっ!!おっと指令、指令)
店員B「ところでP様」
P「なんですか?」
店員B「色は黒のものをお選びになられましたが、これはP様の好みで?」
蘭子「♪~~」
店員B(でもあの子なら大丈夫か...ちぃっ!!おっと指令、指令)
店員B「ところでP様」
P「なんですか?」
店員B「色は黒のものをお選びになられましたが、これはP様の好みで?」
44: ◆JBqI9RdT/Q 2014/02/18(火) 00:35:51.63 ID:mIMLtGcL0
P「それもあるんですが蘭子には黒が一番似合うと思っているので」
店員B「左様でございますか。ちなみに十代前半の女の子が着けるとしたら何色がいいとお思いで?」
P「そうですね~、白かピンクが無難なんじゃないですか?」
店員B「なるほど、ではレース素材のものを選ばれたのは?」
P「偏見かもしれませんが蘭子ぐらいの年齢の女の子だと少し大人っぽいものに興味が湧く年頃だと思うのでレースにしました」
店員B「個人的には?」
P「好きです」
店員B「左様でございますか。ちなみに十代前半の女の子が着けるとしたら何色がいいとお思いで?」
P「そうですね~、白かピンクが無難なんじゃないですか?」
店員B「なるほど、ではレース素材のものを選ばれたのは?」
P「偏見かもしれませんが蘭子ぐらいの年齢の女の子だと少し大人っぽいものに興味が湧く年頃だと思うのでレースにしました」
店員B「個人的には?」
P「好きです」
45: ◆JBqI9RdT/Q 2014/02/18(火) 00:36:30.96 ID:mIMLtGcL0
店員B「デザインはどのようなものがタイプで?」
P「そうですね、あまりゴテゴテせずシンプルに刺繍が入った程度のが、例えば選んだ物みたいに...ってなんですかこれは!?」
店員B「いや、...すみません。人気アイドル達のプロデューサーがどのような趣向なのか下着販売店員として興味がありまして」
店員B「今後の流行の把握の参考にもなるかと思いまして、申し訳ございません。大変失礼いたしました」
店員B(まずっ、やり過ぎた...バレたかな?)
P「そうですか。仕事熱心なんですね」
店員B(あれっ、ごまかせてる?)
P「そうですね、あまりゴテゴテせずシンプルに刺繍が入った程度のが、例えば選んだ物みたいに...ってなんですかこれは!?」
店員B「いや、...すみません。人気アイドル達のプロデューサーがどのような趣向なのか下着販売店員として興味がありまして」
店員B「今後の流行の把握の参考にもなるかと思いまして、申し訳ございません。大変失礼いたしました」
店員B(まずっ、やり過ぎた...バレたかな?)
P「そうですか。仕事熱心なんですね」
店員B(あれっ、ごまかせてる?)
46: ◆JBqI9RdT/Q 2014/02/18(火) 00:37:32.64 ID:mIMLtGcL0
P「それじゃあ俺は戻りますね。アドバイスありがとうございました」
店員B「いえ、参考にして頂けたのならば幸いです」
店員B(...人がいいんだな...まあそういうところもお嬢様は好いてるのかな?)
P「いやいや蘭子お待たせ」
蘭子「大丈夫です♪楽しみにしていましたから♪」
P「この二つを選んだけどどうかな?個人的には蘭子に似合うと思うんだけど」
蘭子「うわ~♪これは私も好きですよ。もう一つは...えっ...?」
店員B「いえ、参考にして頂けたのならば幸いです」
店員B(...人がいいんだな...まあそういうところもお嬢様は好いてるのかな?)
P「いやいや蘭子お待たせ」
蘭子「大丈夫です♪楽しみにしていましたから♪」
P「この二つを選んだけどどうかな?個人的には蘭子に似合うと思うんだけど」
蘭子「うわ~♪これは私も好きですよ。もう一つは...えっ...?」
47: ◆JBqI9RdT/Q 2014/02/18(火) 00:38:28.75 ID:mIMLtGcL0
蘭子(ガーターベルト...?えっ確かに衣装でつけたことはあって、恰好いいと思ってたけど...)
蘭子(普段着ける下着でこれはちょっと...かなり恥ずかしい...)
蘭子(でもでも、せっかくプロデューサーが選んでくれたんだし...)
蘭子「あの...プロデューサーこれは...?」
P「あっ、やっぱり駄目か?以前の衣装でつけたとき気に入ってたから持ってきたんだが」
蘭子「...プロデューサーは私に似合うと思います...?」
蘭子(普段着ける下着でこれはちょっと...かなり恥ずかしい...)
蘭子(でもでも、せっかくプロデューサーが選んでくれたんだし...)
蘭子「あの...プロデューサーこれは...?」
P「あっ、やっぱり駄目か?以前の衣装でつけたとき気に入ってたから持ってきたんだが」
蘭子「...プロデューサーは私に似合うと思います...?」
48: ◆JBqI9RdT/Q 2014/02/18(火) 00:39:19.30 ID:mIMLtGcL0
P「もちろん、じゃなきゃ持ってこないよ。ちょっと大人っぽいものだけど蘭子なら十分似合うと思った」
P「現にあの時の衣装でも似合ってたしな」
蘭子「プロデューサーは...これを着た私を見たいですか?」
P「まあ...正直」
蘭子(あれ?これって、すごいチャンスなんじゃ?誰にも邪魔はされないし...)
蘭子「...」
P(やばい、また馬鹿正直になり過ぎたか...?)
P「現にあの時の衣装でも似合ってたしな」
蘭子「プロデューサーは...これを着た私を見たいですか?」
P「まあ...正直」
蘭子(あれ?これって、すごいチャンスなんじゃ?誰にも邪魔はされないし...)
蘭子「...」
P(やばい、また馬鹿正直になり過ぎたか...?)
49: ◆JBqI9RdT/Q 2014/02/18(火) 00:40:05.33 ID:mIMLtGcL0
P「蘭子?気に入らなかったんなら別に...」
蘭子「フッ、我新たなる力を得ん!しかと括目せよ我が新たなる姿を!(着ます、気に入りました!見て感想をくださいね!)」
P「へっ?蘭子?」
P(前みたいに変なギアが入った...!!?)
P「いや、無理しなくていいぞ?」
蘭子「汝の欲望、我が願いを果たすための糧となる(プロデューサーが着てほしいものを、たまたま私が着たいんです♪)」
蘭子「フッ、我新たなる力を得ん!しかと括目せよ我が新たなる姿を!(着ます、気に入りました!見て感想をくださいね!)」
P「へっ?蘭子?」
P(前みたいに変なギアが入った...!!?)
P「いや、無理しなくていいぞ?」
蘭子「汝の欲望、我が願いを果たすための糧となる(プロデューサーが着てほしいものを、たまたま私が着たいんです♪)」
50: ◆JBqI9RdT/Q 2014/02/18(火) 00:41:07.41 ID:mIMLtGcL0
蘭子「さあ、いざ舞い戻らん原初の地へ!(さっそく試着室へ戻りましょう!)」
P「ちょっ!?声が大きいって!寄り添って引っ張らないで!」
蘭子「刻が惜しいぞ、下僕よ(プロデューサー、早く行きましょう♪)」
店員B・一般客「.......」
店員B・一般客(後半何言ってるか分かんなかったけど...こんなところでいちゃつくなよ!!!畜生めー!!!)
P「ちょっ!?声が大きいって!寄り添って引っ張らないで!」
蘭子「刻が惜しいぞ、下僕よ(プロデューサー、早く行きましょう♪)」
店員B・一般客「.......」
店員B・一般客(後半何言ってるか分かんなかったけど...こんなところでいちゃつくなよ!!!畜生めー!!!)
51: ◆JBqI9RdT/Q 2014/02/18(火) 00:42:54.58 ID:mIMLtGcL0
-CGプロ専用試着室-
蘭子「変化の時、しばしの別れだ(じゃあ着替えますから、待っててくださいね)」
P(変なギアが入るといつもの口調になるんだな...うん?っていうか蘭子は”見て感想をくださいね”って...)
P(てことは...マズイそれはアカン...て、あれ?)
P(部屋の入口から離れた試着室二つの前に靴がある?)
?「んっ?今の声は蘭子か?」
?「なんだよ~、だったら誘えばよかった...」シャー
P「あ」
美玲「...は?」←下着姿
蘭子「変化の時、しばしの別れだ(じゃあ着替えますから、待っててくださいね)」
P(変なギアが入るといつもの口調になるんだな...うん?っていうか蘭子は”見て感想をくださいね”って...)
P(てことは...マズイそれはアカン...て、あれ?)
P(部屋の入口から離れた試着室二つの前に靴がある?)
?「んっ?今の声は蘭子か?」
?「なんだよ~、だったら誘えばよかった...」シャー
P「あ」
美玲「...は?」←下着姿
52: ◆JBqI9RdT/Q 2014/02/18(火) 00:43:43.34 ID:mIMLtGcL0
P「...」
美玲「...」
P「......」
美玲「......」
P「その、似合ってるぞピンクのフリル...」
美玲「......うわあああ!?なんでプロデューサーがここにいるんだよ!?」
美玲「ていうか見るな!?あっち行けよ!?」
美玲「...」
P「......」
美玲「......」
P「その、似合ってるぞピンクのフリル...」
美玲「......うわあああ!?なんでプロデューサーがここにいるんだよ!?」
美玲「ていうか見るな!?あっち行けよ!?」
53: ◆JBqI9RdT/Q 2014/02/18(火) 00:44:28.04 ID:mIMLtGcL0
蘭子「何事だ?...鋭き魔爪の乙女?(どうしたんですか?...美玲ちゃん?)」
P「おいおい!?ものを投げるなカーテンを閉めろよ!」
美玲「あっ、そうか」シャー
P「ふぅ...そういえば何を投げつけてきたんだ?」
美玲「うう...見られた...あっ!?プロデューサー見るなーー!!」
P「えっ?あ...」
P(薄いピンクの綿のパンツ...しかも微妙に温かい...これってまさか...)
P「おいおい!?ものを投げるなカーテンを閉めろよ!」
美玲「あっ、そうか」シャー
P「ふぅ...そういえば何を投げつけてきたんだ?」
美玲「うう...見られた...あっ!?プロデューサー見るなーー!!」
P「えっ?あ...」
P(薄いピンクの綿のパンツ...しかも微妙に温かい...これってまさか...)
54: ◆JBqI9RdT/Q 2014/02/18(火) 00:45:56.66 ID:mIMLtGcL0
美玲「か、かか返せ!!ウチの...下着...ぐすっ」
P「ご、ごめん!すぐ返すよ!」
美玲「こっち来るな!!ヘン夕イ!!」
P「どうしろと...」
?「私が美玲ちゃんに渡してあげるよ」
P「ああ、すまんありがとう...って、え?」
凛「ふーん。偶然だね?プロデューサー」
P「ご、ごめん!すぐ返すよ!」
美玲「こっち来るな!!ヘン夕イ!!」
P「どうしろと...」
?「私が美玲ちゃんに渡してあげるよ」
P「ああ、すまんありがとう...って、え?」
凛「ふーん。偶然だね?プロデューサー」
63: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/03(月) 00:48:12.97 ID:bVgEUD3y0
蘭子「蒼き乙女!?何故この地に!?(凛ちゃん!?どうしてここに!?)」
凛「蘭子も偶然だね?ふふ...美玲達が下着を新調するって聞いたから私もそうしようかなって思ってね。誘ったんだ」
凛「ねっ、美玲?」
美玲「そうだよ...ウチらが凛に誘われたんだ...」
蘭子(そんな~...せっかく皆と会わないように午前中の時間を選んだのに...)
凛(本当は卯月が電話で今日のことを話しちゃったからなんだけどね...)
凛(さすがに一人で来たら露骨すぎるから、丁度ここに来る予定を考えていた美玲達を今日に誘ったんだよね)
凛「蘭子も偶然だね?ふふ...美玲達が下着を新調するって聞いたから私もそうしようかなって思ってね。誘ったんだ」
凛「ねっ、美玲?」
美玲「そうだよ...ウチらが凛に誘われたんだ...」
蘭子(そんな~...せっかく皆と会わないように午前中の時間を選んだのに...)
凛(本当は卯月が電話で今日のことを話しちゃったからなんだけどね...)
凛(さすがに一人で来たら露骨すぎるから、丁度ここに来る予定を考えていた美玲達を今日に誘ったんだよね)
64: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/03(月) 00:49:32.53 ID:bVgEUD3y0
美玲「本当に...なんでプロデューサーがここにいるんだよ...」
P「実は蘭子に下着選びの手伝いを頼まれてな?それでここに一緒に来たんだ」
凛「私たちと蘭子で入れ違ったんだね」
美玲「それは断れよ...そしたらウチはこんな目に遭わなかったのに...」
凛(美玲には悪いことをしちゃったな...)
P「本当にごめんな...お詫びに俺ができる事は”何でもする”からさ?」
蘭子・凛「!?」
美玲「何でもいいのか...?本当に?」
P「実は蘭子に下着選びの手伝いを頼まれてな?それでここに一緒に来たんだ」
凛「私たちと蘭子で入れ違ったんだね」
美玲「それは断れよ...そしたらウチはこんな目に遭わなかったのに...」
凛(美玲には悪いことをしちゃったな...)
P「本当にごめんな...お詫びに俺ができる事は”何でもする”からさ?」
蘭子・凛「!?」
美玲「何でもいいのか...?本当に?」
65: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/03(月) 00:50:16.85 ID:bVgEUD3y0
凛「ちょっと!?プロデュー...」
P「ああ、俺ができる範囲でなら」
美玲「分かった...考えとく...」
凛(しまった...!!こういうことが起きる可能性があることを考えてなかった...迂闊だった!!)
凛(でもまあ仕方ないか...それより...)
凛「本当に大丈夫?美鈴?」
蘭子「傷は癒えたか?(大丈夫ですか?)」
美玲「うん...もう大丈夫。下着姿でカーテンを開けたウチも悪かったんだし...」
P「ああ、俺ができる範囲でなら」
美玲「分かった...考えとく...」
凛(しまった...!!こういうことが起きる可能性があることを考えてなかった...迂闊だった!!)
凛(でもまあ仕方ないか...それより...)
凛「本当に大丈夫?美鈴?」
蘭子「傷は癒えたか?(大丈夫ですか?)」
美玲「うん...もう大丈夫。下着姿でカーテンを開けたウチも悪かったんだし...」
66: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/03(月) 00:51:09.30 ID:bVgEUD3y0
凛「そう?それならよかった」
P「ゴメンな」
凛「それで蘭子は下着をプロデューサーに選んでもらったの?よかったらどんなのか見せてくれない?」
蘭子「フッ、貢物は捧げられた(いいよー、これだよ♪)」
凛「へぇ~...どれどれ...」
凛(これでプロデューサーの好みが解れば......は...?)
凛「あの...その凄い大人向けに見える下着は...?」←ガーターベルト付きの下着を指さしてる
P「ゴメンな」
凛「それで蘭子は下着をプロデューサーに選んでもらったの?よかったらどんなのか見せてくれない?」
蘭子「フッ、貢物は捧げられた(いいよー、これだよ♪)」
凛「へぇ~...どれどれ...」
凛(これでプロデューサーの好みが解れば......は...?)
凛「あの...その凄い大人向けに見える下着は...?」←ガーターベルト付きの下着を指さしてる
67: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/03(月) 00:51:57.03 ID:bVgEUD3y0
美玲「ひゃ~...なんか工口いな...」
蘭子「此の衣...我が下僕の妄執の極みなり(プロデューサーがこの下着を私に着てもらいたいって♪)」
凛「...プロデューサー...?」
美玲「ヘン夕イ...」
P「待て二人とも。確かに蘭子は嘘は言ってないが、それを選んだのは蘭子の好みを考慮しているんだぞ?それに着るかは蘭子の心次第だ」
美玲「でも着てもらいたいって...まさかウチらにもさせる気か!?」
凛「早苗さん呼ぼうか、美鈴?」
P「本当に待って!?」
蘭子「此の衣...我が下僕の妄執の極みなり(プロデューサーがこの下着を私に着てもらいたいって♪)」
凛「...プロデューサー...?」
美玲「ヘン夕イ...」
P「待て二人とも。確かに蘭子は嘘は言ってないが、それを選んだのは蘭子の好みを考慮しているんだぞ?それに着るかは蘭子の心次第だ」
美玲「でも着てもらいたいって...まさかウチらにもさせる気か!?」
凛「早苗さん呼ぼうか、美鈴?」
P「本当に待って!?」
68: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/03(月) 00:52:35.68 ID:bVgEUD3y0
美玲「へへっ...冗談だよ、プロデューサー♪ちょっとからかっただけだぞ」
美玲「前の衣装でもそんなの着けてたことあったし、蘭子も結構気に入ってたの知ってたからな♪」
凛「蘭子を見れば本人も気に入っているのが分かるしね。ごめんね、からかって」
凛「プロデューサーがこんなことを無理強いするわけがないって分かっているからさ」
凛(でも正直まだ驚いているけどね)
美玲(衣装と下着じゃだいぶ感覚は違うと思うけどな)
P「いや、そう思ってくれてありがとう。気にしてないよ」
美玲「前の衣装でもそんなの着けてたことあったし、蘭子も結構気に入ってたの知ってたからな♪」
凛「蘭子を見れば本人も気に入っているのが分かるしね。ごめんね、からかって」
凛「プロデューサーがこんなことを無理強いするわけがないって分かっているからさ」
凛(でも正直まだ驚いているけどね)
美玲(衣装と下着じゃだいぶ感覚は違うと思うけどな)
P「いや、そう思ってくれてありがとう。気にしてないよ」
69: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/03(月) 00:53:51.29 ID:bVgEUD3y0
蘭子「汝は真に恵まれたる者(よかったね、プロデューサー♪)」
蘭子「では我は纏おう此の聖衣を、汝の雌伏の時だ(じゃあ私これを着るから、楽しみにして待っててねプロデューサー♪)」
美玲「かなり気に入ったんだな」
P「そうみたいだな。良かったよ」
凛「...ねぇ、プロデューサー?」
P「なんだ?」
凛「”楽しみにして待っててね”って...どういうこと?」
美玲「うん?そういえば。なにを楽しみにするんだ?」
蘭子「では我は纏おう此の聖衣を、汝の雌伏の時だ(じゃあ私これを着るから、楽しみにして待っててねプロデューサー♪)」
美玲「かなり気に入ったんだな」
P「そうみたいだな。良かったよ」
凛「...ねぇ、プロデューサー?」
P「なんだ?」
凛「”楽しみにして待っててね”って...どういうこと?」
美玲「うん?そういえば。なにを楽しみにするんだ?」
70: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/03(月) 00:54:46.74 ID:bVgEUD3y0
P(......はっ!!)
蘭子「さあ、いざ門を開けん(お待たせ~、プロデューサー♪)」
P「蘭子っ、待って...」
蘭子「答えよ、汝の魂に刻まれし真言(どう?似合う?)」シャー
美玲・凛「」
P「うん...とってもよく似合ってるよ...」
P(美玲と凛...二人とも固まってる...)
蘭子「さあ、いざ門を開けん(お待たせ~、プロデューサー♪)」
P「蘭子っ、待って...」
蘭子「答えよ、汝の魂に刻まれし真言(どう?似合う?)」シャー
美玲・凛「」
P「うん...とってもよく似合ってるよ...」
P(美玲と凛...二人とも固まってる...)
71: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/03(月) 00:55:30.90 ID:bVgEUD3y0
蘭子「まさか...因果を踏み外したのか?(あれ...ひょっとしてイマイチ?)」
P「いやっ、そうじゃないぞ!?むしろ想像以上だったからうまく言葉が出なかっただけさ!」
P(...本当に想像以上の似合いっぷりで直視できないし)
P(直視したら、俺の顔が赤くなってることがばれる危険が高い)
蘭子「偽りはないのだな!?ふむ、心地よい調べだ♪(本当に!?やったー、嬉しいなー♪)」
蘭子(ふふふっ♪プロデューサーの顔が少し赤くなってるし、きっと成功♪)
72: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/03(月) 00:56:51.09 ID:bVgEUD3y0
凛「はっ!?蘭子何してるの!?」
美玲「だー!!何考えてんだ!?このヘン夕イプロデューサー!!」
蘭子「何を喚く蒼き者よ?ただの余興だ(何を言ってるの凛ちゃん?似合っているか見てもらってるだけだよ)」
蘭子「隻眼の乙女よ、此度の儀式は我が求めより生まれん(美玲ちゃん、これは私の方からお願いしたんだー)」
凛「なっ!?」
美玲「えぇ!?本当かプロデューサー?」
P「まあ...」
美玲「だー!!何考えてんだ!?このヘン夕イプロデューサー!!」
蘭子「何を喚く蒼き者よ?ただの余興だ(何を言ってるの凛ちゃん?似合っているか見てもらってるだけだよ)」
蘭子「隻眼の乙女よ、此度の儀式は我が求めより生まれん(美玲ちゃん、これは私の方からお願いしたんだー)」
凛「なっ!?」
美玲「えぇ!?本当かプロデューサー?」
P「まあ...」
73: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/03(月) 00:57:41.40 ID:bVgEUD3y0
凛(なんで!?いつから蘭子はこんなに攻める子になったの?こうなったら...)
P「さあ、風邪を引いたらいけないからそろそろ服を着なさい」
蘭子「フフフッ、心得ているぞ(はーい♪)」
凛「ちょっと待って!プロデューサーに蘭子!」
P・蘭子「?」
凛「すぐに戻ってくるから。蘭子、もうちょっとだけそのままで待ってて」
美玲「おい?どこへ行くんだよ、凛!?」
凛「売り場だよ」
美玲「どうしたんだ...凛のやつ?」
蘭子「...さあ?」
P(嫌な予感しかしない)
P「さあ、風邪を引いたらいけないからそろそろ服を着なさい」
蘭子「フフフッ、心得ているぞ(はーい♪)」
凛「ちょっと待って!プロデューサーに蘭子!」
P・蘭子「?」
凛「すぐに戻ってくるから。蘭子、もうちょっとだけそのままで待ってて」
美玲「おい?どこへ行くんだよ、凛!?」
凛「売り場だよ」
美玲「どうしたんだ...凛のやつ?」
蘭子「...さあ?」
P(嫌な予感しかしない)
74: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/03(月) 00:58:07.93 ID:bVgEUD3y0
(3分後)
凛「お待たせ、三人とも」
P「おかえり。一体何を...凛、その手に持ってるのはなんだ?」
凛「蘭子が今着ているのと同種類の下着だよ?まあ色は私の好きな青色だけどさ、ちょっと紫っぽいけど」
美玲「どうするんだよ、それ?」
凛「決まってるよ。私も蘭子と同じように似合うかプロデューサーに見てもらうんだよ」
P「待て待て待て」
凛「蘭子が見てもらったのに私は駄目って言わないよね、プロデューサー?」
凛「お待たせ、三人とも」
P「おかえり。一体何を...凛、その手に持ってるのはなんだ?」
凛「蘭子が今着ているのと同種類の下着だよ?まあ色は私の好きな青色だけどさ、ちょっと紫っぽいけど」
美玲「どうするんだよ、それ?」
凛「決まってるよ。私も蘭子と同じように似合うかプロデューサーに見てもらうんだよ」
P「待て待て待て」
凛「蘭子が見てもらったのに私は駄目って言わないよね、プロデューサー?」
75: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/03(月) 00:59:33.36 ID:bVgEUD3y0
P「う...それは、だけども...」
蘭子「クッ、理は曲げられん(う~、確かに)」
凛「じゃあ着替えるから、楽しみにしててね、プロデューサー?」
美玲「あれ?何これ?」
P(嫌な予感が的中しちまったー!!しかも予想通りに)
凛「お待たせ、プロデューサー。どうかな?」シャー
美玲「うわっ...凛、お前それって...」
蘭子「此れほど柔肌をさらすのか!?(ろ、露出度が...)」
P「お...あああ...」
蘭子「クッ、理は曲げられん(う~、確かに)」
凛「じゃあ着替えるから、楽しみにしててね、プロデューサー?」
美玲「あれ?何これ?」
P(嫌な予感が的中しちまったー!!しかも予想通りに)
凛「お待たせ、プロデューサー。どうかな?」シャー
美玲「うわっ...凛、お前それって...」
蘭子「此れほど柔肌をさらすのか!?(ろ、露出度が...)」
P「お...あああ...」
76: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/03(月) 01:00:14.76 ID:bVgEUD3y0
P(確かにデザインは蘭子とほぼ一緒だが...今蘭子が着ているものに比べて透け具合が大きい)
P(というか覆われてはいるけど大事な部分以外はほぼ透けているんじゃないかこれ?)
P(やばい...扇情的過ぎて直視できない)
凛「プロデューサー?似合ってる?」
P「あ、うん...とっても似合ってるよ」
凛「ふふっ、ありがとうプロデューサー。でさぁ...」
P「...なんだ?」
凛「私と蘭子のどっちの方が似合う...いやっ、好みかな?」
蘭子「!?」
P(というか覆われてはいるけど大事な部分以外はほぼ透けているんじゃないかこれ?)
P(やばい...扇情的過ぎて直視できない)
凛「プロデューサー?似合ってる?」
P「あ、うん...とっても似合ってるよ」
凛「ふふっ、ありがとうプロデューサー。でさぁ...」
P「...なんだ?」
凛「私と蘭子のどっちの方が似合う...いやっ、好みかな?」
蘭子「!?」
77: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/03(月) 01:01:48.53 ID:bVgEUD3y0
P「えっと...二人ともとても魅力的で甲乙つけ難いかな...」
凛「そうか...」
P(納得してくれたか?)
凛「じゃあもっと近くで見て考えてよ?」
P「いや、それはさすがに...俺が恥ずかしいかな」
凛「そう?じゃあ...」
P「凛?どうして俺に近づいてくるんだ?」
凛「そうか...」
P(納得してくれたか?)
凛「じゃあもっと近くで見て考えてよ?」
P「いや、それはさすがに...俺が恥ずかしいかな」
凛「そう?じゃあ...」
P「凛?どうして俺に近づいてくるんだ?」
78: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/03(月) 01:02:35.93 ID:bVgEUD3y0
凛「プロデューサーが来てくれないんだったら私から行くしかないよね?」
P「落ち着こう凛!?」
蘭子(...私だって!!)
蘭子「フフフッ、フハハハ我とて遅れはせぬぞ蒼き乙女!(え~い!私だって負けないから凛ちゃん!)」
P「蘭子まで!?」
P(マズイ、壁際まで追い詰められた...)
凛「プロデューサー?」
蘭子「わが友よ?(プロデューサー?)」
P「落ち着こう凛!?」
蘭子(...私だって!!)
蘭子「フフフッ、フハハハ我とて遅れはせぬぞ蒼き乙女!(え~い!私だって負けないから凛ちゃん!)」
P「蘭子まで!?」
P(マズイ、壁際まで追い詰められた...)
凛「プロデューサー?」
蘭子「わが友よ?(プロデューサー?)」
79: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/03(月) 01:03:14.02 ID:bVgEUD3y0
蘭子・凛「「どっち!?」」
P「頼むから落ち着いて二人とも!」
美玲「なんだよ?これ本当になんなんだ?」
美玲「あっ、そういえばそろそろあの二人が来るんじゃ...」
美嘉「ごめんね二人とも、待たせちゃった...え?」
莉嘉「二人ともごめ~ん!寝坊して遅れちゃった!あれ?P君と蘭子ちゃんがいるよ、お姉ちゃん」
P「美嘉に莉嘉!?頼む二人を止めてくれ!」
美嘉「止めるって...と、というか何してるの凛と蘭子ちゃん!?」
P「頼むから落ち着いて二人とも!」
美玲「なんだよ?これ本当になんなんだ?」
美玲「あっ、そういえばそろそろあの二人が来るんじゃ...」
美嘉「ごめんね二人とも、待たせちゃった...え?」
莉嘉「二人ともごめ~ん!寝坊して遅れちゃった!あれ?P君と蘭子ちゃんがいるよ、お姉ちゃん」
P「美嘉に莉嘉!?頼む二人を止めてくれ!」
美嘉「止めるって...と、というか何してるの凛と蘭子ちゃん!?」
80: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/03(月) 01:03:55.41 ID:bVgEUD3y0
凛「ああ、やっと来たんだ美嘉。何ってプロデューサーに選んだ下着が似合ってるか見てもらってるだけだよ」
美嘉「だ、だけだよって...プロデューサーにそんな恰好を見せるなんて...その...」ゴニョゴニョ
莉嘉(お姉ちゃんまた恥ずかしがっちゃって...このままだと二人にP君とられちゃうよ?よーし★)
莉嘉「お姉ちゃんGO★」
美嘉「きゃっ!?莉嘉っ!いきなり何するの!...え?」ダキッ
凛「きゃっ!?...え?」ダキッ
蘭子「あ...あれ?」ダキッ
P「」
美嘉「だ、だけだよって...プロデューサーにそんな恰好を見せるなんて...その...」ゴニョゴニョ
莉嘉(お姉ちゃんまた恥ずかしがっちゃって...このままだと二人にP君とられちゃうよ?よーし★)
莉嘉「お姉ちゃんGO★」
美嘉「きゃっ!?莉嘉っ!いきなり何するの!...え?」ダキッ
凛「きゃっ!?...え?」ダキッ
蘭子「あ...あれ?」ダキッ
P「」
81: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/03(月) 01:04:22.67 ID:bVgEUD3y0
P(状況を説明すると、俺を壁際まで追い込んだ蘭子と凛の左後方に入口がある)
P(美嘉と莉嘉の二人が入ってきたとき、美嘉の方が俺たち側に立っていた。そしてその美嘉を莉嘉がこっちに押し込んできた)
P(後ろから急に押し込まれた美嘉はバランスを崩しながらこちらにやってきた。そして俺の前で押し出され俺にもたれかかってきた)
P(さらに蘭子と凛が美嘉に巻き込まれて二人も俺にもたれかかってきた)
P(結果として、今俺は三人に抱きつかれているような状態になっている)
P(美嘉と莉嘉の二人が入ってきたとき、美嘉の方が俺たち側に立っていた。そしてその美嘉を莉嘉がこっちに押し込んできた)
P(後ろから急に押し込まれた美嘉はバランスを崩しながらこちらにやってきた。そして俺の前で押し出され俺にもたれかかってきた)
P(さらに蘭子と凛が美嘉に巻き込まれて二人も俺にもたれかかってきた)
P(結果として、今俺は三人に抱きつかれているような状態になっている)
82: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/03(月) 01:06:07.40 ID:bVgEUD3y0
美嘉「...」
美嘉(プ、プロデューサーに、プロデューサーに抱きついちゃってる...)
凛「...」
凛(私...下着姿でプロデューサーに抱きついてる...あれ?何やってるの私...?)
蘭子「...」
蘭子(え、ええ?私...とんでもないことをしているんじゃ?)
P「えーと...大丈夫か、三人とも?」
美嘉・蘭子・凛「」プシュー
P「わぁー!?三人ともしっかりしろ!?」
美嘉(プ、プロデューサーに、プロデューサーに抱きついちゃってる...)
凛「...」
凛(私...下着姿でプロデューサーに抱きついてる...あれ?何やってるの私...?)
蘭子「...」
蘭子(え、ええ?私...とんでもないことをしているんじゃ?)
P「えーと...大丈夫か、三人とも?」
美嘉・蘭子・凛「」プシュー
P「わぁー!?三人ともしっかりしろ!?」
89: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/05(水) 01:15:44.43 ID:bVb56Bg80
(10分後)
蘭子・凛「「ごめんなさい...プロデューサー...」」
P「いや、二人に冷静になってもらえてよかったよ」
莉嘉「へへっ、大成功!」
美嘉「莉嘉~何言ってるの?ほらっ!ちゃんとみんなに謝りなさい!」
莉嘉「う、うん...ごめんね、みんな?」
凛「いいよ...私もちょっと変になってたし...ごめんね蘭子、挑発みたいなことをして」
蘭子「いえ...私も...お相子です」
凛「ありがとう...」
蘭子・凛「「ごめんなさい...プロデューサー...」」
P「いや、二人に冷静になってもらえてよかったよ」
莉嘉「へへっ、大成功!」
美嘉「莉嘉~何言ってるの?ほらっ!ちゃんとみんなに謝りなさい!」
莉嘉「う、うん...ごめんね、みんな?」
凛「いいよ...私もちょっと変になってたし...ごめんね蘭子、挑発みたいなことをして」
蘭子「いえ...私も...お相子です」
凛「ありがとう...」
90: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/05(水) 01:16:40.15 ID:bVb56Bg80
美玲「丸くおさまったんだよな?なあ、プロデューサー?」
P「多分な...二人も凛に誘われたのか?」
美嘉「うん。莉嘉が大きくなったからそろそろ新調しないといけなかったし...どちらかと言えば、なんでプロデューサーがここに居るの!?」
P「細かい経緯は省くけど蘭子の下着を選ぶのに付き合うことになったんだ」
美嘉「へぇー...で、なんであんなことになったの?」
P「ぐっ、...まあ蘭子が似合ってるか見てほしいって言い出して、それに凛が張り合ったらああいう状況になったんだよ」
莉嘉「そうなの?」
凛「うん...そうだよ...」
P「多分な...二人も凛に誘われたのか?」
美嘉「うん。莉嘉が大きくなったからそろそろ新調しないといけなかったし...どちらかと言えば、なんでプロデューサーがここに居るの!?」
P「細かい経緯は省くけど蘭子の下着を選ぶのに付き合うことになったんだ」
美嘉「へぇー...で、なんであんなことになったの?」
P「ぐっ、...まあ蘭子が似合ってるか見てほしいって言い出して、それに凛が張り合ったらああいう状況になったんだよ」
莉嘉「そうなの?」
凛「うん...そうだよ...」
91: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/05(水) 01:17:35.40 ID:bVb56Bg80
蘭子「はい...プロデューサーに下着を選んでもらって、それが私に似合うって言ってもらえたから舞い上がっちゃって...」
莉嘉「えー!?P君に選んでもらったのー?いいなー」
P「まあ...な」
美嘉「...え?なに、じゃああの下着はプロデューサーが選んだの...?」
P「....まあ」
美嘉「あ、あんなのを二人にき、きき...着せたの?」
P「待て!?選んだのは蘭子だけだ!それに着たのは二人の自由意志だ!」
美嘉「まず選んじゃ駄目でしょ!あ、ああいう...その、え、え...」ゴニョゴニョ
P「そうだよな...うん、本当そうだ...」
美嘉「そ、そうだよ。うんうん」
莉嘉「えー!?P君に選んでもらったのー?いいなー」
P「まあ...な」
美嘉「...え?なに、じゃああの下着はプロデューサーが選んだの...?」
P「....まあ」
美嘉「あ、あんなのを二人にき、きき...着せたの?」
P「待て!?選んだのは蘭子だけだ!それに着たのは二人の自由意志だ!」
美嘉「まず選んじゃ駄目でしょ!あ、ああいう...その、え、え...」ゴニョゴニョ
P「そうだよな...うん、本当そうだ...」
美嘉「そ、そうだよ。うんうん」
92: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/05(水) 01:20:41.32 ID:bVb56Bg80
莉嘉「じゃあP君、莉嘉達の下着も選んでよ★」
P・美嘉「え?」
莉嘉「ねぇー、いいでしょう?」
美嘉「り、莉嘉何言ってるの!?」
莉嘉「えー、だって好きな男の子に選んでもらいたいじゃん★ねぇー、美玲ちゃん?」
美玲「な、なんでここでウチに振るんだよ!?」
莉嘉「美玲ちゃんもP君のこと好きでしょ?」
P・美嘉「え?」
莉嘉「ねぇー、いいでしょう?」
美嘉「り、莉嘉何言ってるの!?」
莉嘉「えー、だって好きな男の子に選んでもらいたいじゃん★ねぇー、美玲ちゃん?」
美玲「な、なんでここでウチに振るんだよ!?」
莉嘉「美玲ちゃんもP君のこと好きでしょ?」
93: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/05(水) 01:25:56.00 ID:bVb56Bg80
美玲「それは...、プロデューサーは優しいし、その...ウチのことを理解してくれるし...」
莉嘉「も~う!!そう思うことが好きって事じゃん★美玲ちゃん?」
美玲「そうかもしれないけど...でも下着を...うー...」
莉嘉「ほら、JCならグングン行かなきゃ★蘭子ちゃんと凛ちゃんはどうする?」
凛「もちろん行くよ。私は選んでもらってないし、蘭子は?」
蘭子「私もまた選んでもらいたいし...行きます」
莉嘉「も~う!!そう思うことが好きって事じゃん★美玲ちゃん?」
美玲「そうかもしれないけど...でも下着を...うー...」
莉嘉「ほら、JCならグングン行かなきゃ★蘭子ちゃんと凛ちゃんはどうする?」
凛「もちろん行くよ。私は選んでもらってないし、蘭子は?」
蘭子「私もまた選んでもらいたいし...行きます」
94: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/05(水) 01:26:35.32 ID:bVb56Bg80
莉嘉「よ~し★決定!早速売り場に行こう♪」
美嘉「ちょっと待ってよ!?」
P「勘弁してくれよ...莉嘉...」
美玲「二人とも...諦めよう?ウチも観念したし...」
美嘉「ちょっと待ってよ!?」
P「勘弁してくれよ...莉嘉...」
美玲「二人とも...諦めよう?ウチも観念したし...」
95: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/05(水) 01:27:18.65 ID:bVb56Bg80
-1階売り場-
莉嘉「ねぇねぇP君,これはどうかな似合いそう?」
P「さすがに莉嘉が着けるのはまだ早いんじゃないかな、それは。もうちょっと可愛い感じのはどうだ?例えばこれとか?」
莉嘉「あっ!!本当だ可愛い★でもちょっと子供っぽくない?」
P「莉嘉の年齢を考えたらそうでもないと思うぞ。それに莉嘉は成長期だからな」
P「すぐに最初に莉嘉が持ってきたのが似合うようになるからな。今着れるのを選んでみたらどうだ?」
莉嘉「えへっ★ありがと、P君♪じゃあこれにするね★ねぇ他にはどんなのがアタシに似合うかな?」
P「そうだな...」
莉嘉「ねぇねぇP君,これはどうかな似合いそう?」
P「さすがに莉嘉が着けるのはまだ早いんじゃないかな、それは。もうちょっと可愛い感じのはどうだ?例えばこれとか?」
莉嘉「あっ!!本当だ可愛い★でもちょっと子供っぽくない?」
P「莉嘉の年齢を考えたらそうでもないと思うぞ。それに莉嘉は成長期だからな」
P「すぐに最初に莉嘉が持ってきたのが似合うようになるからな。今着れるのを選んでみたらどうだ?」
莉嘉「えへっ★ありがと、P君♪じゃあこれにするね★ねぇ他にはどんなのがアタシに似合うかな?」
P「そうだな...」
96: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/05(水) 01:28:03.54 ID:bVb56Bg80
凛「プロデューサー。莉嘉ばかり構ってないで私のも選んでよ」
P「悪い悪い、莉嘉ちょっとゴメンな?」
莉嘉「うん★また後で選んでね」
P「ああ。で、凛はどんなのが好きなんだ?」
凛「ふふっ、それはプロデューサーに考えてもらわないと。私はプロデューサーがどういう下着が私に似合うと思っているのか知りたいんだし」
P「それもそうか。ふ~む、こういうのはどうだ?」
凛「へぇ、こういうのがいいんだ...」
P「悪い悪い、莉嘉ちょっとゴメンな?」
莉嘉「うん★また後で選んでね」
P「ああ。で、凛はどんなのが好きなんだ?」
凛「ふふっ、それはプロデューサーに考えてもらわないと。私はプロデューサーがどういう下着が私に似合うと思っているのか知りたいんだし」
P「それもそうか。ふ~む、こういうのはどうだ?」
凛「へぇ、こういうのがいいんだ...」
97: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/05(水) 01:29:24.89 ID:bVb56Bg80
P「凛の眼鏡には適わなかったか?」
凛「そういうわけじゃないよ、デザインは私好きだよ。ただ色が白なのはなんでかなっと思って。プロデューサーは黒が好きじゃないの?」
P「確かに俺は黒が好きだよ。ただ凛は蒼色のイメージが強いからあえて白にしてみたんだ」
P「どんな色でも凛には似合うと思うよ。だけど白は凛には少し新鮮な気がするから着てみて欲しいと思ったのがある」
凛「...」
P「あ、引いちゃったか?悪い...」
凛「ううん、驚いただけ。あと...真正面からそう言われるのは流石に恥ずかしいかな」カァァァ
P「そうだよな、ごめんな?」
凛「でも同じくらい嬉しさみたいなのもあるから。うん...ありがとうね、プロデューサー」
P「そうか?ならよかったよ」
凛「そういうわけじゃないよ、デザインは私好きだよ。ただ色が白なのはなんでかなっと思って。プロデューサーは黒が好きじゃないの?」
P「確かに俺は黒が好きだよ。ただ凛は蒼色のイメージが強いからあえて白にしてみたんだ」
P「どんな色でも凛には似合うと思うよ。だけど白は凛には少し新鮮な気がするから着てみて欲しいと思ったのがある」
凛「...」
P「あ、引いちゃったか?悪い...」
凛「ううん、驚いただけ。あと...真正面からそう言われるのは流石に恥ずかしいかな」カァァァ
P「そうだよな、ごめんな?」
凛「でも同じくらい嬉しさみたいなのもあるから。うん...ありがとうね、プロデューサー」
P「そうか?ならよかったよ」
98: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/05(水) 01:30:11.94 ID:bVb56Bg80
蘭子「む~プロデューサー、私のも選んで下さいね?もともとは私とのお出かけだったんだし」
P「ちょっと待っててな?じゃあ俺は行くな、凛」
凛「また後でね」
蘭子「さっきのも良かったんですけど、今度はもっと可愛い感じのを選んでくれますか?」
P「じゃあこの小さいリボンが付いているのはどうだ?蘭子の要望に沿っていると思うけど?」
蘭子「いいなー、これっ♪可愛いです♪」
P「あと、こういうのはどうだ?この...ロングラインブラってやつ。これとさっき俺が選んだ下着の組み合わせはいいと俺は思うんだが?」
蘭子「さっきプロデューサーに選んでもらった下着...とですか...?」
P「これと合わせれば露出が減ってわりと恥ずかしくないと思ったんだが...」
P「ちょっと待っててな?じゃあ俺は行くな、凛」
凛「また後でね」
蘭子「さっきのも良かったんですけど、今度はもっと可愛い感じのを選んでくれますか?」
P「じゃあこの小さいリボンが付いているのはどうだ?蘭子の要望に沿っていると思うけど?」
蘭子「いいなー、これっ♪可愛いです♪」
P「あと、こういうのはどうだ?この...ロングラインブラってやつ。これとさっき俺が選んだ下着の組み合わせはいいと俺は思うんだが?」
蘭子「さっきプロデューサーに選んでもらった下着...とですか...?」
P「これと合わせれば露出が減ってわりと恥ずかしくないと思ったんだが...」
99: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/05(水) 01:30:55.49 ID:bVb56Bg80
蘭子「そうですね...いいかもしれない!着てみますから合うか見て下さいね♪」
P「こらこら、また少し変な調子になってるぞ?」
蘭子「あっ、いけない。ふふっ、気を付けます。でも...ちゃんと似合うか見て下さいね?」
P「善処します」
蘭子「もうっ、そんな難しい言い方の返事はズルいですよー!」
P「ごめんごめん。ちゃんと似合うか見るから」
蘭子「約束ですよ?」
P「大丈夫、守るからさ。でもさっきみたいになるのは本当にダメだぞ?」
蘭子「はいっ、わかってます♪私も約束します」
P「よしよし、いい子だ」ナデナデ
蘭子「えへへっ♪」
P「こらこら、また少し変な調子になってるぞ?」
蘭子「あっ、いけない。ふふっ、気を付けます。でも...ちゃんと似合うか見て下さいね?」
P「善処します」
蘭子「もうっ、そんな難しい言い方の返事はズルいですよー!」
P「ごめんごめん。ちゃんと似合うか見るから」
蘭子「約束ですよ?」
P「大丈夫、守るからさ。でもさっきみたいになるのは本当にダメだぞ?」
蘭子「はいっ、わかってます♪私も約束します」
P「よしよし、いい子だ」ナデナデ
蘭子「えへへっ♪」
100: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/05(水) 01:31:42.92 ID:bVb56Bg80
莉嘉「ほらっ、美玲ちゃん」
美玲「うぅ...でもさ...」
莉嘉「も~。ねえP君、美玲ちゃんにはどんなのがいいかな?」
美玲「お、おい!莉嘉...」
P「美玲か?これなんかどうだ?可愛いけどそんなに子供っぽくもないから美玲に似合うと思うんだが」
美玲「あ...いいかも、それ」
P「気に入ってくれたか?」
美玲「うぅ...でもさ...」
莉嘉「も~。ねえP君、美玲ちゃんにはどんなのがいいかな?」
美玲「お、おい!莉嘉...」
P「美玲か?これなんかどうだ?可愛いけどそんなに子供っぽくもないから美玲に似合うと思うんだが」
美玲「あ...いいかも、それ」
P「気に入ってくれたか?」
101: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/05(水) 01:32:26.61 ID:bVb56Bg80
美玲「うん!その...ありがとうな、プロデューサー。いいのを選んでくれて...でもウチは蘭子と凛のように下着姿は見せないからなっ!」
P「あれ?見せてくれないのか?」
美玲「ガルルルッ、プロデューサー調子に乗るとひっかくぞ!!」
P「冗談だよ。さっきからかわれたお返しだよ」
美玲「怒るぞ!!...でも、いいやつを選んでくれてありがとうな」
莉嘉「ふふふ♪あっ、お姉ちゃんもP君に選んでもらおうよ」
美嘉「えっ!?いや、アタシは...遠慮しとくよ。それよりプロデューサーは大丈夫なの?」
P「何がだ?」
P「あれ?見せてくれないのか?」
美玲「ガルルルッ、プロデューサー調子に乗るとひっかくぞ!!」
P「冗談だよ。さっきからかわれたお返しだよ」
美玲「怒るぞ!!...でも、いいやつを選んでくれてありがとうな」
莉嘉「ふふふ♪あっ、お姉ちゃんもP君に選んでもらおうよ」
美嘉「えっ!?いや、アタシは...遠慮しとくよ。それよりプロデューサーは大丈夫なの?」
P「何がだ?」
102: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/05(水) 01:33:00.00 ID:bVb56Bg80
美嘉「だってここに来るのは渋ってたし...それにそんなに積極的に選んでたら周りの人の視線だって気になるんじゃないの?」
一般客「...」
店員B「...」
P「まあ確かに周りからの視線はきついんだが、皆に楽しんでもらうことを一番に考えることにしたんだ。そう考えればわりと大丈夫...かな?」
美嘉「そういうものなの?でも無理はしているんだから、きつくなったらちゃんと教えてよね?その時はアタシがみんなを説得するから」
P「ありがとうな、気を遣ってくれて。でも大丈夫だからさ?心配しないで」
美嘉「そう?ならいいんだけどさ...でも本当に無理は駄目だよ?」
P「ああ...わかっているよ」
一般客「...」
店員B「...」
P「まあ確かに周りからの視線はきついんだが、皆に楽しんでもらうことを一番に考えることにしたんだ。そう考えればわりと大丈夫...かな?」
美嘉「そういうものなの?でも無理はしているんだから、きつくなったらちゃんと教えてよね?その時はアタシがみんなを説得するから」
P「ありがとうな、気を遣ってくれて。でも大丈夫だからさ?心配しないで」
美嘉「そう?ならいいんだけどさ...でも本当に無理は駄目だよ?」
P「ああ...わかっているよ」
103: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/05(水) 01:33:48.78 ID:bVb56Bg80
凛「プロデューサー、ちょっといい?」
P「ちょっと待ってくれないか?美嘉本当にありがとうな、そんなに気遣ってくれて」
美嘉「そ、そりゃプロデューサーのことだし...ほら、凛のところへ行ってあげなよ。アタシは自分で選ぶからさ」
P「そうか、じゃあまた後でな」
莉嘉「もー、お姉ちゃんたら、せっかくP君にアピールするチャンスなのに」
美嘉「だ、だって...下着だよ?衣装や水着とは違うんだよ莉嘉?」
莉嘉「そうかな?アタシはそんなに変わらないと思うんだけど。特に水着と下着ってそんなに違わないじゃん」
美嘉「莉嘉ももう少し大きくなったら違いが分かるよ」
P「ちょっと待ってくれないか?美嘉本当にありがとうな、そんなに気遣ってくれて」
美嘉「そ、そりゃプロデューサーのことだし...ほら、凛のところへ行ってあげなよ。アタシは自分で選ぶからさ」
P「そうか、じゃあまた後でな」
莉嘉「もー、お姉ちゃんたら、せっかくP君にアピールするチャンスなのに」
美嘉「だ、だって...下着だよ?衣装や水着とは違うんだよ莉嘉?」
莉嘉「そうかな?アタシはそんなに変わらないと思うんだけど。特に水着と下着ってそんなに違わないじゃん」
美嘉「莉嘉ももう少し大きくなったら違いが分かるよ」
104: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/05(水) 01:35:05.10 ID:bVb56Bg80
莉嘉「あー!!お姉ちゃんまたアタシのこと子供あつかいするー!いいもん、アタシはP君に選んでもらうから。ねぇーPくーん、またアタシに似合いそうなの選んでー」
美嘉「ふぅ」
美嘉(どうしてみんなプロデューサーに選んでもらおうと思うんだろ...だって人には見せないものだよ?特に異性の人には...)
美嘉(服だったら選んでもらって、似合ってるって言われたら嬉しいかもしれないけどさ...下着は)
美嘉(もし...選んでもらったのを嬉しくてよく使うようになって...そのことをプロデューサーが知っちゃったら...)
美嘉(ああ~!!ダメダメ、恥ずかしすぎる!)ブンブン
店員B(城ヶ崎 美嘉様何をやっているのかしら?赤くなって、首を横に振って...)
美嘉(それにプロデューサーの好きなのがああいうのだったら尚更...よしっ!アタシは自分らしくいこう!)
美嘉「ふぅ」
美嘉(どうしてみんなプロデューサーに選んでもらおうと思うんだろ...だって人には見せないものだよ?特に異性の人には...)
美嘉(服だったら選んでもらって、似合ってるって言われたら嬉しいかもしれないけどさ...下着は)
美嘉(もし...選んでもらったのを嬉しくてよく使うようになって...そのことをプロデューサーが知っちゃったら...)
美嘉(ああ~!!ダメダメ、恥ずかしすぎる!)ブンブン
店員B(城ヶ崎 美嘉様何をやっているのかしら?赤くなって、首を横に振って...)
美嘉(それにプロデューサーの好きなのがああいうのだったら尚更...よしっ!アタシは自分らしくいこう!)
105: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/05(水) 01:35:44.45 ID:bVb56Bg80
30分後)
美嘉「あ、これいいな。それと...あれ?これって...」
莉嘉「お姉ーちゃーん、そろそろ戻ろう?」
美嘉「...!?あっ、うん。今いくから!」ガッ
美玲「おっ来たな。美嘉も選び終わったのか?」
美嘉「う、うん」
美嘉「あ、これいいな。それと...あれ?これって...」
莉嘉「お姉ーちゃーん、そろそろ戻ろう?」
美嘉「...!?あっ、うん。今いくから!」ガッ
美玲「おっ来たな。美嘉も選び終わったのか?」
美嘉「う、うん」
106: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/05(水) 01:36:24.72 ID:bVb56Bg80
蘭子「...?あの...なんだか顔が少し赤いですけど、大丈夫ですか?」
美嘉「な、なんともないよ?」アセアセ
美嘉(どうしよう...なんか焦ってこれも持ってきちゃった...)
凛「...?」
P「とりあえず試着室に戻るか。みんな大丈夫だよな?」
莉嘉「うん★大丈夫だよ!戻ろう」
美嘉「な、なんともないよ?」アセアセ
美嘉(どうしよう...なんか焦ってこれも持ってきちゃった...)
凛「...?」
P「とりあえず試着室に戻るか。みんな大丈夫だよな?」
莉嘉「うん★大丈夫だよ!戻ろう」
107: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/05(水) 01:37:06.81 ID:bVb56Bg80
-CGプロ専用試着室-
莉嘉「お姉ちゃん、一緒に着替えよう?」
美嘉「えっ?」
莉嘉「まずお姉ちゃんに似合ってるか見てもらいたいんだ★お姉ちゃん”似合ってる”って言ってもらえれば間違いないし♪」
美嘉「そ、そうかな?」
莉嘉「そうだよ★だってお姉ちゃんだもん♪」
美嘉「そう言ってもらうと嬉しいか、かな?じ、じゃあ一緒に着替えようか?」アセアセ
莉嘉「?お姉ちゃん、やっぱりさっきから変だよ?」
莉嘉「お姉ちゃん、一緒に着替えよう?」
美嘉「えっ?」
莉嘉「まずお姉ちゃんに似合ってるか見てもらいたいんだ★お姉ちゃん”似合ってる”って言ってもらえれば間違いないし♪」
美嘉「そ、そうかな?」
莉嘉「そうだよ★だってお姉ちゃんだもん♪」
美嘉「そう言ってもらうと嬉しいか、かな?じ、じゃあ一緒に着替えようか?」アセアセ
莉嘉「?お姉ちゃん、やっぱりさっきから変だよ?」
108: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/05(水) 01:37:51.63 ID:bVb56Bg80
美嘉「そんなことないよ?ほらっ、試着室に入るよ」
莉嘉「うーん...?」
凛「私たちはそれぞれ別の試着室で着替えようか」
蘭子「そうですね」
美玲「プロデューサー覗くなよ!!」
P「そんなことしないって」
莉嘉「うーん...?」
凛「私たちはそれぞれ別の試着室で着替えようか」
蘭子「そうですね」
美玲「プロデューサー覗くなよ!!」
P「そんなことしないって」
109: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/05(水) 01:38:28.04 ID:bVb56Bg80
-試着室 in 美嘉&莉嘉-
莉嘉「どう、お姉ちゃん似合う?これP君に選んでもらったのなんだけど」
美嘉「うんうん、可愛いよ莉嘉♪プロデューサーのセンスもなかなかだねっ♪」
莉嘉「へへっ、やったー♪お姉ちゃんは着替えないの?」
美嘉「へっ!?あの...ほらっ!莉嘉はプロデューサーに見てもらってきたら?その間にアタシが着替えるから」アセアセ
美嘉(その間にこれをどうにかしないと...)
莉嘉「どう、お姉ちゃん似合う?これP君に選んでもらったのなんだけど」
美嘉「うんうん、可愛いよ莉嘉♪プロデューサーのセンスもなかなかだねっ♪」
莉嘉「へへっ、やったー♪お姉ちゃんは着替えないの?」
美嘉「へっ!?あの...ほらっ!莉嘉はプロデューサーに見てもらってきたら?その間にアタシが着替えるから」アセアセ
美嘉(その間にこれをどうにかしないと...)
110: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/05(水) 01:39:19.53 ID:bVb56Bg80
莉嘉「.......やっぱり変、お姉ちゃん何か隠してる!!最初と言ってることが違うし!」
美嘉「ギクッ!!な、なんのことかなっ?」
莉嘉「今ギクッ、ってしたー!!それにさっきからずっと持ってきた下着を手で隠してるし!」
美嘉「いやっ、あの...これはね?...あっ!?」パサッ
美嘉(あれを落としちゃった!!)
美嘉「ギクッ!!な、なんのことかなっ?」
莉嘉「今ギクッ、ってしたー!!それにさっきからずっと持ってきた下着を手で隠してるし!」
美嘉「いやっ、あの...これはね?...あっ!?」パサッ
美嘉(あれを落としちゃった!!)
111: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/05(水) 01:39:59.72 ID:bVb56Bg80
莉嘉「あれっ?これって...ふふーん♪なーんだ、そういう事かー♪」
美嘉「ち、違うんだからね、莉嘉っ!?それは間違って持ってきて...」
莉嘉「アタシには隠さなくてもいいのに★さすがお姉ちゃん!ぐいぐい攻めるね♪さあ、さあ着替えて着替えて」
美嘉「だ、だから~...」
莉嘉「JKなら大胆にいかないと★蘭子ちゃんと凛ちゃんに負けちゃうよ?」
美嘉「う~...」
美嘉「ち、違うんだからね、莉嘉っ!?それは間違って持ってきて...」
莉嘉「アタシには隠さなくてもいいのに★さすがお姉ちゃん!ぐいぐい攻めるね♪さあ、さあ着替えて着替えて」
美嘉「だ、だから~...」
莉嘉「JKなら大胆にいかないと★蘭子ちゃんと凛ちゃんに負けちゃうよ?」
美嘉「う~...」
112: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/05(水) 01:40:31.61 ID:bVb56Bg80
(五分後)
莉嘉「お姉ちゃんすっごい決まってるよ♪これならP君もイチコロだよー♪」
美嘉「そ、そうかな?サイズをよく見てなかったから胸が少しゆるいんだけど」
莉嘉「全然問題ないよ★さっ、P君に見てもらおうよ♪」
美嘉「待って莉嘉!アタシはそんなつもりじゃ...」
莉嘉「ほらほら、早く早く★」
美嘉「ちょっ、押さないで!...あっ!」
莉嘉「お姉ちゃんすっごい決まってるよ♪これならP君もイチコロだよー♪」
美嘉「そ、そうかな?サイズをよく見てなかったから胸が少しゆるいんだけど」
莉嘉「全然問題ないよ★さっ、P君に見てもらおうよ♪」
美嘉「待って莉嘉!アタシはそんなつもりじゃ...」
莉嘉「ほらほら、早く早く★」
美嘉「ちょっ、押さないで!...あっ!」
113: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/05(水) 01:41:06.20 ID:bVb56Bg80
-CGプロ専用試着室-
P(蘭子と凛に似合ってるか感想を聞かれているが...俺その度に二人の下着姿を見ているんだよな...ファンに殺されないか俺?)
P(二人は着替えるために試着室に戻っている。そういえば美嘉と莉嘉の試着室はさっきから賑やかだな?)
莉嘉「ほらほら、早く早く★」
美嘉「ちょっ、押さないで!...あっ!」
P「」
P(蘭子と凛に似合ってるか感想を聞かれているが...俺その度に二人の下着姿を見ているんだよな...ファンに殺されないか俺?)
P(二人は着替えるために試着室に戻っている。そういえば美嘉と莉嘉の試着室はさっきから賑やかだな?)
莉嘉「ほらほら、早く早く★」
美嘉「ちょっ、押さないで!...あっ!」
P「」
114: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/05(水) 01:42:04.93 ID:bVb56Bg80
美嘉「...ほ、ほらっ、プロデューサー、今のアタシ最高にイケてる感じ?なーんちゃって、あ、はは...」テレテレ
P(多分美嘉は莉嘉に押されて試着室から出されたんだろうが、なんで蘭子や凛が着ていたガーターベルト付きの下着の赤いやつを着ているんだ...?)
莉嘉「ねえねえ、P君どう?」
P「あ?...ああとても似合っている。素敵だよ」
美嘉「そ、そう?嬉しいなー...」テレテレ
P「美嘉にその下着が似合っているのはもちろんだが、今の恥らっている美嘉の表情がまたいい。いつもの勝気なところを知っているぶん、そのギャップが相まってさらに魅力的だ」
莉嘉「へぇー★そうだって。良かったね、お姉ちゃん♪」
美嘉「...」
P(多分美嘉は莉嘉に押されて試着室から出されたんだろうが、なんで蘭子や凛が着ていたガーターベルト付きの下着の赤いやつを着ているんだ...?)
莉嘉「ねえねえ、P君どう?」
P「あ?...ああとても似合っている。素敵だよ」
美嘉「そ、そう?嬉しいなー...」テレテレ
P「美嘉にその下着が似合っているのはもちろんだが、今の恥らっている美嘉の表情がまたいい。いつもの勝気なところを知っているぶん、そのギャップが相まってさらに魅力的だ」
莉嘉「へぇー★そうだって。良かったね、お姉ちゃん♪」
美嘉「...」
115: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/05(水) 01:43:05.85 ID:bVb56Bg80
P(しまった!?美嘉の姿に圧倒されてまた馬鹿正直な感想を...)
P「美嘉?気に障ったのなら...」
美嘉「本当に?」
P「へっ?」
美嘉「本当にそう思った?」
P「...本心だよ。正直に言い過ぎて美嘉に謝ろうかと思ったよ」
美嘉「そっか...へへっ、ありがとうねっプロデューサー★嬉しいよ♪それに怒ってなんかないよ?...でもあんまり褒められ過ぎると恥ずかしいかな?褒め殺しだよ」
P「美嘉?気に障ったのなら...」
美嘉「本当に?」
P「へっ?」
美嘉「本当にそう思った?」
P「...本心だよ。正直に言い過ぎて美嘉に謝ろうかと思ったよ」
美嘉「そっか...へへっ、ありがとうねっプロデューサー★嬉しいよ♪それに怒ってなんかないよ?...でもあんまり褒められ過ぎると恥ずかしいかな?褒め殺しだよ」
116: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/05(水) 01:43:56.19 ID:bVb56Bg80
P「美嘉が傷ついてないんなら良かったよ。...恥ずかしがらせてゴメンな?今日は美嘉に謝ってばかりだな」
美嘉「ふふっ、へーきだからプロデューサーも気にしないで。素敵って言ってくれてホントありがとう...じゃあさすがに恥ずかしさが限界だから着替えるね」アトズサリ
P「あぁ...美嘉っ、段差!」
美嘉「えっ?...あっ!?」
P「...っ」ダッ
美嘉「...あれ?」ギュッ
P「ふぅ~、間に合った...」
P(後ずさりしていた美嘉が試着室の段差に躓いて後ろ向き倒れそうになったが、駆け寄って倒れる前に抱きかかえることができた)
美嘉「ふふっ、へーきだからプロデューサーも気にしないで。素敵って言ってくれてホントありがとう...じゃあさすがに恥ずかしさが限界だから着替えるね」アトズサリ
P「あぁ...美嘉っ、段差!」
美嘉「えっ?...あっ!?」
P「...っ」ダッ
美嘉「...あれ?」ギュッ
P「ふぅ~、間に合った...」
P(後ずさりしていた美嘉が試着室の段差に躓いて後ろ向き倒れそうになったが、駆け寄って倒れる前に抱きかかえることができた)
117: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/05(水) 01:44:49.93 ID:bVb56Bg80
P「大丈夫か美嘉?怪我はないか?」
美嘉「うん...大丈夫だよ。ありがとうプロデューサー」
莉嘉「大丈夫お姉ちゃん!?...お姉ちゃん胸、胸っ!?」
美嘉「胸?....あっ!!?」
P「...んっ?...あ...」
P(ブラがずれて美嘉の胸が....ポロリと...)
P「その...本当にごめん」
美嘉「......っ!?~~~~~!!?」
美嘉「うん...大丈夫だよ。ありがとうプロデューサー」
莉嘉「大丈夫お姉ちゃん!?...お姉ちゃん胸、胸っ!?」
美嘉「胸?....あっ!!?」
P「...んっ?...あ...」
P(ブラがずれて美嘉の胸が....ポロリと...)
P「その...本当にごめん」
美嘉「......っ!?~~~~~!!?」
118: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/05(水) 01:45:26.19 ID:bVb56Bg80
-1階会計-
店員A(ふふ、しかしお嬢様も恋する乙女よね。プロデューサーさんの好みを知りたいなんて)
店員A(まあ協力をしたら系列のリゾート施設の特別優遇チケットをいただけるって話だし)
店員A(何よりお嬢さまの味方をしたいしね~)
P「あのー、お会計をお願いします」
店員A「はい。いかがでしたか...」
店員A(ふふ、しかしお嬢様も恋する乙女よね。プロデューサーさんの好みを知りたいなんて)
店員A(まあ協力をしたら系列のリゾート施設の特別優遇チケットをいただけるって話だし)
店員A(何よりお嬢さまの味方をしたいしね~)
P「あのー、お会計をお願いします」
店員A「はい。いかがでしたか...」
119: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/05(水) 01:46:14.67 ID:bVb56Bg80
蘭子「...(ギュー)」←Pの右腕に抱きついている
凛「...(ギュー)」←Pの左腕に抱きついている
美嘉「...(シクシク)」←顔を両手で覆っている
店員A「え、え~...?」
P「すみませんカードでお願いします。一括で」
店員A「あっ?はい、かしこまりました。え~と...お会計が完了いたしました。カードをお返しいたします」
P「はい、どうも...」
凛「...(ギュー)」←Pの左腕に抱きついている
美嘉「...(シクシク)」←顔を両手で覆っている
店員A「え、え~...?」
P「すみませんカードでお願いします。一括で」
店員A「あっ?はい、かしこまりました。え~と...お会計が完了いたしました。カードをお返しいたします」
P「はい、どうも...」
120: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/05(水) 01:47:15.71 ID:bVb56Bg80
蘭子(まさかあんなことが起きちゃうなんて...プロデューサーの記憶を何とか上書きしなきゃ...)
凛(美嘉は気の毒だけど...プロデューサーに印象づけたのも確かなんだよね...)
莉嘉「お姉ちゃん、いつまでも落ち込んでないで。ほらっ、今からみんなでお昼ごはん食べに行くんだから元気出して」
美玲「ウチは美嘉の気持ちがわかるよ...美嘉程じゃないけどウチも似たような目にあったし」
美嘉「...ううっ、見られた...プロデューサーに...む、胸を...、絶対...絶対に責任とってもらう...」シクシク
カランカラーン
店員A「ありがとうございました。またお越し下さいませ...」
店員A「...いったい何が...?」
凛(美嘉は気の毒だけど...プロデューサーに印象づけたのも確かなんだよね...)
莉嘉「お姉ちゃん、いつまでも落ち込んでないで。ほらっ、今からみんなでお昼ごはん食べに行くんだから元気出して」
美玲「ウチは美嘉の気持ちがわかるよ...美嘉程じゃないけどウチも似たような目にあったし」
美嘉「...ううっ、見られた...プロデューサーに...む、胸を...、絶対...絶対に責任とってもらう...」シクシク
カランカラーン
店員A「ありがとうございました。またお越し下さいませ...」
店員A「...いったい何が...?」
128: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/06(木) 23:00:15.25 ID:XWkqj1LY0
-某ロイヤ○ホ○ト-
美玲「へぇ~、そんなことがあったのか蘭子」
莉嘉「そっか...偶々だけどP君とのデートの邪魔しちゃってごめんね、蘭子ちゃん?」
蘭子「そんなことないよ?みんなとお買いものができて楽しかったですよ」
美玲「だったらいいんだけどさ」
凛(年下二人が遠慮していると心が痛む...それに...)
美嘉「うぅ...」
凛(美玲にもだけど、美嘉には本当に悪いことしちゃったな...)
美玲「へぇ~、そんなことがあったのか蘭子」
莉嘉「そっか...偶々だけどP君とのデートの邪魔しちゃってごめんね、蘭子ちゃん?」
蘭子「そんなことないよ?みんなとお買いものができて楽しかったですよ」
美玲「だったらいいんだけどさ」
凛(年下二人が遠慮していると心が痛む...それに...)
美嘉「うぅ...」
凛(美玲にもだけど、美嘉には本当に悪いことしちゃったな...)
129: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/06(木) 23:00:53.81 ID:XWkqj1LY0
P「なぁ、凛?」コソコソ
凛「何?」コソコソ
P「何とか美嘉を立ち直らせたいんだけど、どうすればいいのかな?”事故だから気にしないで”とは美嘉は言ってくれるが」
P「それだけで割り切れる問題でもないだろ、今回のは?」
凛「そうだよね...こればっかりは時間を掛けないといけないかな?」
P「でも何とかしてやりたいんだよな...」
凛「何?」コソコソ
P「何とか美嘉を立ち直らせたいんだけど、どうすればいいのかな?”事故だから気にしないで”とは美嘉は言ってくれるが」
P「それだけで割り切れる問題でもないだろ、今回のは?」
凛「そうだよね...こればっかりは時間を掛けないといけないかな?」
P「でも何とかしてやりたいんだよな...」
130: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/06(木) 23:01:46.09 ID:XWkqj1LY0
凛(...私が原因でもあるし...)
凛「プロデューサー、私に任せてもらってもいい?」
P「凛に何か考えが有るんなら、俺からお願いしたいんだが...」
凛「うん、大丈夫任せてよ。美嘉ちょっといい?」
美嘉「うぅ...何?」
凛「私もね、美嘉と同じような経験をしたことがあるんだ。あれは去年の五月のことだったんだけどね、夕立が降ってビショビショになったんだ」
凛「急いで事務所に戻って着替えようとしてシャワー室で服を脱いでいたんだよ。そしたら...」
P「ちょっと待って、凛!?」
凛「プロデューサー、私に任せてもらってもいい?」
P「凛に何か考えが有るんなら、俺からお願いしたいんだが...」
凛「うん、大丈夫任せてよ。美嘉ちょっといい?」
美嘉「うぅ...何?」
凛「私もね、美嘉と同じような経験をしたことがあるんだ。あれは去年の五月のことだったんだけどね、夕立が降ってビショビショになったんだ」
凛「急いで事務所に戻って着替えようとしてシャワー室で服を脱いでいたんだよ。そしたら...」
P「ちょっと待って、凛!?」
131: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/06(木) 23:03:47.32 ID:XWkqj1LY0
凛「同じように夕立で濡れたプロデューサーがシャワー室に入ってきたんだ」
美玲・蘭子「「プロデューサー...」」
P「お願い、弁明させて!!その日は予定じゃ事務所に誰もいないはずだったんだ!それにあの時の事務所はシャワー室が男女共同だったんだし!」
莉嘉「そういえばそうだったね。今の事務所に移転する前の頃だし...」
美玲「新しい女子寮を建てる話と同じ時に事務所の移転の話もあったんだよな」
凛「そうそう、偶々事務所に忘れものを取りに行った帰りだったからね...でっ、プロデューサー入ってきた時私はスカートを脱ごうとしていたところだったんだ」
美玲・蘭子・莉嘉「「「...」」」ジトー
美玲・蘭子「「プロデューサー...」」
P「お願い、弁明させて!!その日は予定じゃ事務所に誰もいないはずだったんだ!それにあの時の事務所はシャワー室が男女共同だったんだし!」
莉嘉「そういえばそうだったね。今の事務所に移転する前の頃だし...」
美玲「新しい女子寮を建てる話と同じ時に事務所の移転の話もあったんだよな」
凛「そうそう、偶々事務所に忘れものを取りに行った帰りだったからね...でっ、プロデューサー入ってきた時私はスカートを脱ごうとしていたところだったんだ」
美玲・蘭子・莉嘉「「「...」」」ジトー
132: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/06(木) 23:05:02.49 ID:XWkqj1LY0
P「その...間違いございません。はっきりと覚えております...」
凛「その時は凄い恥ずかしかったけど、でも今では笑い話だよ?」
凛(仲間がいることを知ってもらって、美嘉が少しでも気が楽になってくれれば...)
美嘉「...でもそれはかなり古い話じゃん...」
凛「えっ...」
美嘉「それに...凛だって立ち直るのに時間が掛かったんじゃないの?」
凛「いやっ、それは確かに2,3日掛かったけど...」
凛「その時は凄い恥ずかしかったけど、でも今では笑い話だよ?」
凛(仲間がいることを知ってもらって、美嘉が少しでも気が楽になってくれれば...)
美嘉「...でもそれはかなり古い話じゃん...」
凛「えっ...」
美嘉「それに...凛だって立ち直るのに時間が掛かったんじゃないの?」
凛「いやっ、それは確かに2,3日掛かったけど...」
133: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/06(木) 23:05:51.84 ID:XWkqj1LY0
凛(失敗した!?これじゃ私の恥ずかしい過去とプロデューサーの失敗を暴露しただけだよ!)
凛「み、美嘉っ、だからね...」
美嘉「...ふふっ」
凛「み、美嘉っ?」
美嘉「ふふふっ、あはははは!はー、ごめんね凛?ちょっとからかっちゃった、ふふふっ」
凛「もぅ、美嘉!」
凛「み、美嘉っ、だからね...」
美嘉「...ふふっ」
凛「み、美嘉っ?」
美嘉「ふふふっ、あはははは!はー、ごめんね凛?ちょっとからかっちゃった、ふふふっ」
凛「もぅ、美嘉!」
134: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/06(木) 23:07:22.26 ID:XWkqj1LY0
美嘉「ふー、ありがとうね、だいぶ気持ちが楽になったよ。アタシ以外にも似たような人がいるって分かって」
凛「だったら良かったよ...」
美嘉「いつまでも引きずってちゃアタシらしくもないしね★みんなもごめんね?折角のお休みなのにアタシが暗くなって雰囲気悪くしちゃって」
美玲「そんなことないぞ。ウチも美嘉のことが心配だったから立ち直ってくれて嬉しいし」
莉嘉「やっぱりお姉ちゃんは元気でなくちゃあね★そうだ!お昼ごはんの後みんなでカラオケに行く予定だったんだけどP君と蘭子ちゃんも一緒に行かない?」
蘭子「あっ...えっと...」
凛「だったら良かったよ...」
美嘉「いつまでも引きずってちゃアタシらしくもないしね★みんなもごめんね?折角のお休みなのにアタシが暗くなって雰囲気悪くしちゃって」
美玲「そんなことないぞ。ウチも美嘉のことが心配だったから立ち直ってくれて嬉しいし」
莉嘉「やっぱりお姉ちゃんは元気でなくちゃあね★そうだ!お昼ごはんの後みんなでカラオケに行く予定だったんだけどP君と蘭子ちゃんも一緒に行かない?」
蘭子「あっ...えっと...」
136: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/06(木) 23:10:46.86 ID:XWkqj1LY0
P「...すまん莉嘉、この後まだ蘭子との約束があるんだ」
蘭子(えっ?)
莉嘉「そっか...残念だな」
美嘉「まあ機会はあるだろうし、また今度ねっ★」
P「そうだな、その時は付き合わせてもらうよ」
美玲「みんな食べ終わったしそろそろ出るか?」
凛「そうだね」
137: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/06(木) 23:11:21.14 ID:XWkqj1LY0
-某ロイヤ○ホ○ト前-
美玲「じゃあな!プロデューサー、蘭子」
凛「また事務所でね」
美嘉「プロデューサー、蘭子ちゃんへのお詫びなんだからちゃんと楽しませてあげるんだよ?」
P「分かってるよ」
莉嘉「P君蘭子ちゃんに変なことしちゃダメだよ?」
P「しないよ!じゃあみんなもあまり遅くならないうちに帰るんだぞ」
美嘉・美玲・莉嘉・凛「「「「はーい」」」」
美玲「じゃあな!プロデューサー、蘭子」
凛「また事務所でね」
美嘉「プロデューサー、蘭子ちゃんへのお詫びなんだからちゃんと楽しませてあげるんだよ?」
P「分かってるよ」
莉嘉「P君蘭子ちゃんに変なことしちゃダメだよ?」
P「しないよ!じゃあみんなもあまり遅くならないうちに帰るんだぞ」
美嘉・美玲・莉嘉・凛「「「「はーい」」」」
138: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/06(木) 23:24:39.28 ID:XWkqj1LY0
蘭子「あの、プロデューサー?」
P「なんだい蘭子?」
蘭子「この後の予定ってなにも...」
P「映画を見に行くんじゃなかったのか?」
蘭子「...!?どうしてそれを?」
P「なんだい蘭子?」
蘭子「この後の予定ってなにも...」
P「映画を見に行くんじゃなかったのか?」
蘭子「...!?どうしてそれを?」
139: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/06(木) 23:25:23.87 ID:XWkqj1LY0
P「実は俺が最初に蘭子の下着を選んでた時、蘭子が映画のチケットを眺めていたのが見えたんだ」
P「だからみんなには予定があるって言ったんだが...余計なおせっかいだったかな?」
蘭子「...いえ、そんなことないです。嬉しいですよ...でもいいんですか?今日は買い物に付き合ってもらうだけの約束だったのに...」
P「今日は蘭子のために一日を使うって決めていたからさ、今日一日はできることなら何でも付き合うぞ?」
蘭子「ありがとうございます!この映画前から見たかったんです。早速行きましょう♪」
P「だからみんなには予定があるって言ったんだが...余計なおせっかいだったかな?」
蘭子「...いえ、そんなことないです。嬉しいですよ...でもいいんですか?今日は買い物に付き合ってもらうだけの約束だったのに...」
P「今日は蘭子のために一日を使うって決めていたからさ、今日一日はできることなら何でも付き合うぞ?」
蘭子「ありがとうございます!この映画前から見たかったんです。早速行きましょう♪」
140: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/06(木) 23:25:53.41 ID:XWkqj1LY0
-映画館受付-
P「土曜日の割には人が少ないな?」
蘭子「そうですね。でもそのほうが良くないですか?」
P「まあな。映画館には悪いがそのほうがゆったりできるしな」
蘭子「はい♪じゃあ受付に行きましょう。すみません、二人なんですけど...」
映画館受付スタッフ「はい...あっ、おめでとうございます!!」
蘭子「えっ?」
P「土曜日の割には人が少ないな?」
蘭子「そうですね。でもそのほうが良くないですか?」
P「まあな。映画館には悪いがそのほうがゆったりできるしな」
蘭子「はい♪じゃあ受付に行きましょう。すみません、二人なんですけど...」
映画館受付スタッフ「はい...あっ、おめでとうございます!!」
蘭子「えっ?」
141: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/06(木) 23:26:22.10 ID:XWkqj1LY0
映画館受付スタッフ「お客様達は当映画館のカップル入場者1万組目のお客様となります!!」
P「いやっ、ちょっと...」
映画館受付スタッフ「あれっ?お二人様はカップルでございますよね?」
蘭子「はい、そうです♪」
P「!?」
P「いやっ、ちょっと...」
映画館受付スタッフ「あれっ?お二人様はカップルでございますよね?」
蘭子「はい、そうです♪」
P「!?」
142: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/06(木) 23:30:54.73 ID:XWkqj1LY0
映画館受付スタッフ「ですよねー♪ではカップル入場者1万組目の記念として特別な部屋にご案内いたします。どうぞ、係の者について行って下さい」
映画館案内スタッフ「どうぞ、こちらです」
蘭子「はい♪行きましょう、Pさん」
P「お、おいっ」
映画館案内スタッフ「どうぞ、こちらです」
蘭子「はい♪行きましょう、Pさん」
P「お、おいっ」
143: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/06(木) 23:36:43.68 ID:XWkqj1LY0
-映画館特別室-
映画館案内スタッフ「こちらになります。改修が終わったばかりのカップル専用のシアタールームとなります」
蘭子「うわぁー、素敵です♪」
P(カッ、カップルシート...)
P「あの、この部屋は?」
映画館案内スタッフ「こちらになります。改修が終わったばかりのカップル専用のシアタールームとなります」
蘭子「うわぁー、素敵です♪」
P(カッ、カップルシート...)
P「あの、この部屋は?」
144: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/06(木) 23:37:16.55 ID:XWkqj1LY0
映画館案内スタッフ「さきほども申しましたが改修が終わったばかりのカップル専用のシアタールームとなります。もともとは普通のシアタールームだったのですが」
映画館案内スタッフ「小さい箱ですのでもっといい運用方法はないのかと検討した結果、カップルのお客様専用のシアタールームにすることになりました」
映画館案内スタッフ「改修が完了した時期にもうすぐカップル入場者1万組目となるので、本運用の前にカップル入場者1万組目のお客様に記念として最初に使っていただくことになっておりまして」
映画館案内スタッフ「ですので本日限定でここはお客様二人だけのシアタールームとなります。どうぞお好きな席でごゆっくり御鑑賞下さい。では私はこれで失礼いたします」
映画館案内スタッフ「小さい箱ですのでもっといい運用方法はないのかと検討した結果、カップルのお客様専用のシアタールームにすることになりました」
映画館案内スタッフ「改修が完了した時期にもうすぐカップル入場者1万組目となるので、本運用の前にカップル入場者1万組目のお客様に記念として最初に使っていただくことになっておりまして」
映画館案内スタッフ「ですので本日限定でここはお客様二人だけのシアタールームとなります。どうぞお好きな席でごゆっくり御鑑賞下さい。では私はこれで失礼いたします」
145: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/06(木) 23:38:08.04 ID:XWkqj1LY0
蘭子「ですって、Pさん♪ラッキーですね♪」
P「確かに他に人がいないしくつろいで見れるな...ところで蘭子、さっきから俺の呼び方が...」
蘭子「だって、私たちカップルなんですから♪下の名前で呼び合うのは普通ですよ?それともメアリーちゃんみたいに”ダーリン”って呼んだ方がいいですか?」
P「いやっ...蘭子の好きな呼び方でいいよ。まあ折角の記念なんだし、楽しむか」
蘭子「そうですよ♪えへへっ、これも茄子さんのお守りのおかげかな?」
P「確かに他に人がいないしくつろいで見れるな...ところで蘭子、さっきから俺の呼び方が...」
蘭子「だって、私たちカップルなんですから♪下の名前で呼び合うのは普通ですよ?それともメアリーちゃんみたいに”ダーリン”って呼んだ方がいいですか?」
P「いやっ...蘭子の好きな呼び方でいいよ。まあ折角の記念なんだし、楽しむか」
蘭子「そうですよ♪えへへっ、これも茄子さんのお守りのおかげかな?」
146: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/06(木) 23:38:45.06 ID:XWkqj1LY0
P「茄子のお守り?」
蘭子「はい、今日のことを話したらくれたんです♪そうだ!いいことがあったらPさんに中身を見てもらうように言われてました!」
P「お守りの中身を?」
蘭子「これです。私が見ちゃうと御利益が下がるそうなんですけど...」
P「どれどれ?ん?紙が入っている...願掛けでも書いてあるのかな?」
蘭子「はい、今日のことを話したらくれたんです♪そうだ!いいことがあったらPさんに中身を見てもらうように言われてました!」
P「お守りの中身を?」
蘭子「これです。私が見ちゃうと御利益が下がるそうなんですけど...」
P「どれどれ?ん?紙が入っている...願掛けでも書いてあるのかな?」
147: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/06(木) 23:39:31.58 ID:XWkqj1LY0
~紙に書かれていること~
茄子「蘭子ちゃんが幸せな一日をおくれますように♪」
茄子「それとプロデューサー、これを見ているということは良いことがあったということですよね?」
茄子「でしたらプロデューサーから私に幸運のお裾分けがあっても良いと思いますよ♪」
茄子「最後に一つ。今日はプロデューサーが積極的になって蘭子ちゃんを幸せにするんですよ?いいですか?」
~終~
茄子「蘭子ちゃんが幸せな一日をおくれますように♪」
茄子「それとプロデューサー、これを見ているということは良いことがあったということですよね?」
茄子「でしたらプロデューサーから私に幸運のお裾分けがあっても良いと思いますよ♪」
茄子「最後に一つ。今日はプロデューサーが積極的になって蘭子ちゃんを幸せにするんですよ?いいですか?」
~終~
148: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/06(木) 23:40:15.11 ID:XWkqj1LY0
P「はははっ、確かにその通りだな」
蘭子「...プロデューサー?」
P「いや、願掛けの言葉が書いてあったよ。それよりそろそろ上映が始まるな、座ろうか?どこがいい?」
蘭子「じゃあ真ん中の席で♪それと...」
P「なんだ?」
蘭子「上映中に腕に抱きついていいですか?」
P「あぁ、いいぞ」
蘭子「ありがとうございます♪」
蘭子「...プロデューサー?」
P「いや、願掛けの言葉が書いてあったよ。それよりそろそろ上映が始まるな、座ろうか?どこがいい?」
蘭子「じゃあ真ん中の席で♪それと...」
P「なんだ?」
蘭子「上映中に腕に抱きついていいですか?」
P「あぁ、いいぞ」
蘭子「ありがとうございます♪」
149: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/06(木) 23:40:46.05 ID:XWkqj1LY0
P「それと蘭子」
蘭子「なんですか?」
P「映画を見た後なんだけど、蘭子が良ければ町を少し散策して夕飯はレストランで二人で食事をしないか?」
蘭子「い、いいんですか?」
P「さっきも言ったろ?今日は蘭子のために一日を使うって」
蘭子「は、はい、ありがとうございます!ぜひそうしましょう♪」
P「そうか、おっと?映画が始まるな。ほらっ、おいで蘭子」
蘭子「...はいっ♪」
蘭子「なんですか?」
P「映画を見た後なんだけど、蘭子が良ければ町を少し散策して夕飯はレストランで二人で食事をしないか?」
蘭子「い、いいんですか?」
P「さっきも言ったろ?今日は蘭子のために一日を使うって」
蘭子「は、はい、ありがとうございます!ぜひそうしましょう♪」
P「そうか、おっと?映画が始まるな。ほらっ、おいで蘭子」
蘭子「...はいっ♪」
171: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/07(金) 19:37:39.13 ID:td8/E5y70
(上映終了)
P(映画は終わったが、余韻に浸っているのか蘭子はまだ俺に腕に抱きついたままだ)
P「いい映画だったな。あまり恋愛ものの映画は見ないんだが、今日これを見れて良かったよ」
蘭子「ねぇ...プロデューサー?今日は私とっても幸せですよ。本当に...ありがとう」
P「そうか、なら俺も嬉しいよ。でも今日はまだ終わってないぞ?」
蘭子「はい、そうですよね。でも...二人っきりの今だから伝えたいことがあるんです」
蘭子「私...必ずトップアイドルになります。そしてプロデューサー...Pさんの夢と、私の夢を叶えてみせます。だから...」
蘭子「これからも...宜しくお願いします♪ずっと傍に居て...見守って下さいね」
終わり
151: ◆JBqI9RdT/Q 2014/03/06(木) 23:49:34.95 ID:XWkqj1LY0
>>1です
これで終わりです。スレタイに反して蘭子の場面が少なかった気がします。
蘭子の言葉遣いが大体普通でしたが、蘭子Pの方から見たらどうでしたか?
ご意見をいただければ幸いです。
その他の指摘やアドバイスがございましたら宜しくお願い申し上げます。
これで終わりです。スレタイに反して蘭子の場面が少なかった気がします。
蘭子の言葉遣いが大体普通でしたが、蘭子Pの方から見たらどうでしたか?
ご意見をいただければ幸いです。
その他の指摘やアドバイスがございましたら宜しくお願い申し上げます。
153: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/06(木) 23:54:21.83 ID:SCUDaj3I0
乙
これはこれでありだと思う
これはこれでありだと思う
154: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/06(木) 23:56:58.63 ID:J8kvn8dy0
乙ー
面白かった
面白かった
モバP「新しくアイドルプロダクションを作った」
2019-12-04
1: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/05/16(木) 00:22:38.51 ID:R6BEvH9r0
前の仕事をやめる時に貰った退職金と、今までの貯蓄で、何とか新しいアイドルプロダクションを作る事ができた。
購入した事務所は比較的新しく、古い物件ではないがやや小さい。一般的な収入で一個人が建てるならこの程度が限界か。いや、俺が貧乏なだけかもしれない。
とりあえず正式に設立を終えた。だが、残念な事にアイドルが一人もいない。
最初はアイドルのスカウトから始めないといけない。
だけど俺は男だ。いきなり近寄ってきた男にアイドルにならないかと誘われたら、よほど危機感のない女性では無い限り、俺を怪しむだろう。
女性の従業員がいてくれれば、男の俺よりも幾ばくか容易にスカウトできるだろうが、アイドルが一人もいない今、給料なんか出せない状態だ。
やはり、どんなに成功確率が低くても自ら足を運び、声をかけていく必要がある。
……それなりに困難だ。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1368631358
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2: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/05/16(木) 00:25:26.25 ID:R6BEvH9r0
世の中そう甘くない。自分の手でここまで来れたけど、こんなんでこれから上手くやっていけるだろうか……
――って、自分で起業するぐらい、俺はこの仕事が大好きじゃないか。今から弱気でどうする。ここまで来たら絶対アイドルになってくれる人を見つけてみせる。
俺は腹を決め、アイドルになれそうな人をスカウトするべく、事務所を出て、人の多い駅前辺りに向った。
下手したら通報されかねないが、アイドルに向いてそうな女性へと片っ端から声をかける。
逃げられたり、無視されたり、悩まれたけど断られたり、何故か雑談になったり、色々な反応を貰ったが、俺は挫けない。
4: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/05/16(木) 00:32:00.59 ID:R6BEvH9r0
「見つからないなぁ……」
いつの間にか夜になっていた。気がつかないうちに相当な時間歩き回っていたらしい。だが、未だに一人もアイドルになってくれる人が見つかっていない。なってくれそうな人はそれなりにいたが、流石に所属アイドルが一名もいないのは問題のようだ。当たり前だが。
スカウトではなく、オーディションでもいいのだが、作ってすぐの事務所に果たして人が来るだろうか。案外来るかも知れないが、その子達がアイドルに向いているかどうかは未知数だ。やはり自分の足で探す方がいい。
駅前の大きな広場にあるベンチに腰掛け、ぼんやりと人混みを見渡す。駅は相変わらず人が多い。
一日中歩き回って疲れた俺は、ベンチで思う存分体を休めた。くつろぎながら、何となく、空を見上げた。
星が綺麗だった。大都市だと明るくて見づらいものだが、それにも関わらず、たくさんの星が夜空で瞬いていた。
5: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/05/16(木) 00:48:00.08 ID:R6BEvH9r0
星の観察に飽きて、そろそろ事務所に戻ろうかと視線を戻した時、視界に映る一人の少女に、思わず目が留まった。その少女は、夜空を見上げて佇んでいた。
女性にしては身長がやや高く、少し華奢だが体つきはとてもいい。不健康に思えるほど白い肌に、整った顔立ち、透き通るような青い瞳、そして、道行く人々の興味を惹く、肩まで伸びる銀髪。
真っ白なジャケットと黒いTシャツに、濃い青のジーンズを着こなしている。少女は日本人の顔立ちではなく、ロシア人やアメリカ人のような……分からないが、とにかく、西洋系の顔立ちだった。
とても、綺麗な少女だった。端麗な容姿に加え、知的で理性的な雰囲気、冷たい眼差し、感情の読めない無表情も合わさって、かなり独特のオーラを放っていた。
精巧に作られた等身大の人形が立っているのではないかと思わず錯覚してしまうほど、少女は美しかった。
6: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/05/16(木) 00:55:14.84 ID:R6BEvH9r0
気がつけば、少女の近くまで歩み寄っていた。本当に、傍から見たら変質者である。
「なぁ、君――」
空を見上げていた青い瞳が、ゆっくりと俺に向けられた。お互いの視線がしっかりと合わさり、何故か緊張が体を走る。
彼女の瞳から目が離せない……いつの間にか彼女が持つ、深く澄んでいる、宝石のような青い瞳に見蕩れていた。
「アイドル、やらないか?」
気がつけば、震える手で名詞を差し出していた。
動悸が激しい……俺はかつて無い輝きを持つ少女を前に興奮していた。
目の前の少女をプロデュースしたいと、心の底から思った。
7: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/05/16(木) 00:57:54.40 ID:R6BEvH9r0
「ヤー……私に何か、ご用ですか?」
差し出した名刺には目も暮れず、その青い瞳は俺の目を捉えて離さない。
「アイドルやってみないか? 君なら絶対に、トップアイドルを目指せると思う……」
「アイ、ドル?」
失礼を承知で、名詞を少女の目の前に突き出す。とにかく、受け取って欲しかった。
少女は胸元に突き出された名詞に目を落とした後、受け取ってくれた。
「アイドル……ですか?」
少女が、名詞と俺を交互に見ながら戸惑ったように言う。今まで無表情だった彼女の表情が変わった事に、何故だか小さな喜びを感じた。
9: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/05/16(木) 01:17:38.43 ID:R6BEvH9r0
「……そう、アイドルだ。君なら、どんなアイドルよりも輝けるって思ってる」
何を言ってるんだ俺は……ナンパじゃないんだぞ。一人焦るものの、彼女は無表情のまま特に反応は示さなかった。目を見開いたまま微動だにしてない。
少女はそうしたまま数秒間固まっていたが、おもむろに口を開いた。
「流石に、今すぐには決められません……ごめんなさい」
少女は申し訳なさそうな声色そう言った。あまり表情に変化が無いけれど。
ただ単に断るためにそう言ったのかも知れないが、それも仕方ない。年頃の女性から見ると俺は大分怪しいだろうし、警戒もするだろう。
あまり感情を表に出さない少女からは、何も読み取れない。果たして、アイドルをやってくれるかどうかは分からないが……とにかく、名詞を渡せただけ良しとしよう。
「それじゃ、俺はこれで……いきなり申し訳なかった」
「いえ、大丈夫です。お話、ありがとうございました」
10: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/05/16(木) 01:19:36.68 ID:R6BEvH9r0
俺は、後ろ髪を引かれる思いでその場を立ち去った。
少し離れた所で、未練がましく一度だけ振り返る。
――少女は、俺の名詞を握り締めながら、また夜空を見上げていた。その深い青の瞳には、きっとたくさんの星々が映っているのだろう。
あの子をトップアイドルへと導きたい。あの子と一緒に、トップを目指したい。
初対面で、自分でも気持ち悪いと思うが、純粋にそう思った。
19: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/05/17(金) 00:10:07.09 ID:ge1OIQK00
あの少女と出会ってから二日経ったが、未だに連絡は無い。やはり無理だったか。
本来なら二日間ずっとスカウトに明け暮れている筈だったが、あの少女がずっと頭の中に残っていてスカウトする気が起きなかった。
昨日も今日も、少女を待ち続けて恐ろしく少ない事務仕事を淡々とこなしていた。
……いつまでもこうしてはいられない。
いくらあの少女に心奪われたとは言え、このまま何もしないでいるとこの事務所は潰れる。
俺は重い腰を上げ、外出の準備を始めた。また、スカウトしに行く為である。
ものの数分で準備を終え、扉を開けて外に出る。
――事務所の前には、一人の少女が佇んでいた。
20: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/05/17(金) 00:18:37.90 ID:ge1OIQK00
ほっそりとした、か細くて、雪のように白い足。紺色のショートパンツに、白いTシャツ、薄い生地の青いパーカー。とても綺麗な、痛んだ箇所が見当たらない、肩まで伸びるさらさらの銀髪に、目立つ西洋系の整った顔立ち……目の前に立っているのは、見覚えのある少女……
――青い瞳と、目が合った。
「あぁ……えっと……」
突然の事に目を白黒させてしまう。そんな俺を、彼女は無表情で見つめている。
「アイドルになろうと思ったので、ここに来ました」
「え? あ、そうか……別に、名刺に書いてあった携帯の番号に連絡してくれてもよかったんだぞ?」
何もわざわざ住所を調べて足を運ぶ必要は無い。
21: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/05/17(金) 00:23:19.43 ID:ge1OIQK00
「アイドルになるのに、書類などは書く必要はないんですか?」
彼女が上目で問いかけてくる。
「まぁ、必要だけど……アイドルになりたいかどうかを言うのであれば、別に電話でも……」
「そうでしたか、でも、もう来てしまったので」
もっともだ。
「来てくれてありがとうな、喜んで歓迎するよ。どうぞ、入ってくれ」
「お邪魔します」
俺に続いて事務所へと入る少女。興味深そうに室内を眺めている。
22: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/05/17(金) 00:31:41.62 ID:ge1OIQK00
「誰もいないんですね」
「あぁ、俺が社長兼プロデューサー兼事務員だ」
少女がきょとんと首を傾げる。その仕草がとてもあざとくて可愛い。そんな、男を悩殺するような仕草を無意識にやっているのが怖い所だ。
「ヤー……私以外の他のアイドルは今日はいないんですか?」
随分と痛い所を突く……もしかしたらアイドルになるのを断られてしまうかもしれないが、正直に話そう。
「他のアイドルはいないんだ」
「そうなんですか」
あまり表情に変化は無く、彼女は興味がなさそうにそう言った。反応が非常に素っ気ない。
23: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/05/17(金) 00:40:38.46 ID:ge1OIQK00
「えーっとな……絶対に警戒させちゃうし、不安にさせてしまうからあまり言いたくないけど……当分の間、二人っきりでいる事がある……」
「ヤー……私は大丈夫です。気にしないでください」
本当に気にしていないように見えるが、やはり、嫌がってる可能性も十分にある。彼女との距離には気をつけなければ。
「ありがとう……気休めにもならないと思うけど、アイドルに手を出す気とか毛頭ないから、一応安心して欲しい」
二人っきりだから意識とかはしてしまうかもしれないが、それは仕方ないだろう。彼女は男性の意識を掻っ攫うほどの美貌を持っているのだ。
「それで、どうして話を受ける気になったんだ?」
何となくそう聞くと、暫しの間、彼女は沈黙した。やがて、口を開く。
「アイドルは、夜空で輝く星のようです。私も、あの星々のように輝きたいと、そう思いました」
その青い瞳に強い意思を携えて、少女はそう言った。
アイドルになりたい気持ちは強そうだった。もしかしたら、昔から興味はあったのかもしれない。
24: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/05/17(金) 00:55:46.89 ID:ge1OIQK00
「そっか……よし、任せてくれ。アイドルは大変だろうけど、一緒にがんばろうな」
「ダー。アイドル、がんばります」
ほんの少しだけ、少女は表情を和らげる。
「カーク ヴァス ザヴート?」
彼女は突然、流暢な外国語で俺へと問いかけてきた。
戸惑っている俺を見て、少女は小さく微笑んだ。初めて見る彼女の笑顔はとても可愛らしくて、思わずマジマジと見つめてしまう。
「フッ、貴方のお名前は? と聞きました」
そんな俺の状態を知ってか知らずか、外国語で言った質問を日本語に翻訳して、少女は再度俺に問いかけた。
「……え? あ、えっとな、俺はPって言うんだ、君は?」
慌てて自分の名前を告げる。正直、彼女の微笑みに衝撃を受けていて若干上の空だった。
25: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/05/17(金) 01:03:32.74 ID:ge1OIQK00
「……P、ね。……ミーニャ ザヴート アーニャ」
「ミーニャ・ザヴート・アーニャって言うの?」
彼女は静かに首を横に振った。
「ミーニャ ザヴートは、私の名前は――です、という意味で、自分の名前を教える時に使うんですよ。アーニャは、ええと……ニックネームよ。私はアーニャ……正式にはアナスタシアです。よろしく、プロデューサー」
彼女が屈託のない笑みを浮かべながら、手を差し出した。
「あぁ、よろしく」
俺も手を伸ばして、彼女の手をとり、握手を交わす。
アーニャは、さっきまでとは打って変わって随分と表情が豊かになっていた。
アーニャが浮かべた笑顔は、どんなアイドルにも、彼女が言う夜空の星々にも負けず劣らず輝いているように思う。
この少女となら、どこまでもいけそうな気がした。
34: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/05/18(土) 01:13:12.14 ID:6UTIRfNY0
「よし、まずはアイドルの基礎を学びながらモデルのお仕事だな」
「私が、モデルですか?」
「あぁ、女性向けファッション誌のモデルだ。載るのは一ページだけだと思うけど、それでもちゃんとした仕事だ。やってくれるか?」
「ダー。任せてください」
ファッション業界にもコネクションはある。それを使ってもよかったが、試しに応募したら一発で採用された。
表情の変化がやや乏しいが、それでも彼女はとても魅力的な容姿をしている。それに、モデル向きの体型だ。
アーニャにはアイドルになる為に必要なレッスンを受けてもらいながら、当分はこういうモデル系の仕事をやってもらおう。
35: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/05/18(土) 01:16:34.64 ID:6UTIRfNY0
――数日後、新しいプロダクションでの初めての仕事へと、俺とアーニャは向った。
「初めての仕事は緊張しますね」
「気軽にやってくれて大丈夫だ。それに、余計不安になったら申し訳ないけど、俺も付き添うから」
「一人よりも、ずっといいです」
本当に緊張しているのかと疑問を抱くほど、アーニャはいつも通りだ。
彼女は表情の変化に乏しい。今日もいつも通りのように見えるが、多分、言葉通り緊張はしているのだろう。
安心させたり、緊張をほぐす事は出来ないかもしれないが、それでも出来る限りの事をしてあげよう。プロデューサーにできる事なんてたかが知れているが。
36: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/05/18(土) 01:31:32.36 ID:6UTIRfNY0
質素で、小さな控え室に通されたアーニャは、相手の会社が指定した服に着替えて、後はずっと椅子に座って呼ばれるのを待っていた。
着替えたアーニャは、ファッション性の高いカジュアル系の黒いパーカーに、赤いカットソー、青を基調としたチェックのスカートを着用。すらりと伸びる白い足を膝下まで黒いソックスで覆っている。
アーニャはよくショートパンツを好んで着ているが、スカートも中々に似合う。
暫くしてスタッフがやって来た。いよいよ撮影が始まるようだ。
「ヤー。がんばります……」
「がんばれ。応援してる」
いつもよりも少しだけ表情を硬くして、アーニャはカメラの前に向う。
スタッフと一言二言言葉を交わした後、アーニャがぎこちなく、ポーズを取った。
カメラのシャッターが切られる。
十数分後、撮影は終わった。
アーニャは撮影中は終始無表情だったが、不思議な事に何も言われていない。要求された事を淡々とこなし、撮影は無事終了した。
37: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/05/18(土) 01:38:19.54 ID:6UTIRfNY0
安堵したような表情を浮かべながら、アーニャが戻ってくる。やっぱり、初めての仕事で緊張していたらしい。
「お疲れ様」
「プロデューサー、私、上手くできていたでしょうか?」
「あぁ、とっても上手くできていたと思う。本当に、お疲れ様」
ポーズを取る時に少しだけぎこちなさはあったけど、この仕事で撮るのはムービーじゃなくて写真だ。何も問題は無い。
とりあえず、最初はこの現場の空気にがんばって慣れてもらおう。
「拍子抜けかもしれないけど、もう仕事は終わりだ。帰ろう」
「えーっと、この後は確か、ダンスのレッスンですね」
アーニャにはレッスンを受けさせている。環境が変わってまだ緊張が抜け切っていない時に辛いだろうけど、アイドルになるには必要な事だ。
「レッスンは大変か?」
「ダー。ですが、レッスンは楽しいです。私に才能があるかどうかは分かりません。でも、精一杯がんばります」
彼女は楽しそうにそう言った。その言葉を聞いて、少しだけ安心する。
こうして、アーニャの初めての仕事は無事成功に終わった。
38: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/05/18(土) 01:44:15.94 ID:6UTIRfNY0
後日、アーニャがモデルとして掲載されるファッション誌を購入したら、一ページ一杯に大きく載っていた。
無表情だったけど、アーニャの美しさが存分に伝わってくる写真だった。会社的にはアーニャの着ている服を見てもらいたいのだろうが、多分、大体の人はアーニャに視線が行くのではなかろうか。
たった一つの雑誌に一ページ分掲載されただけなのに、どこからともなくモデルの仕事がたくさん来た。
この事を教えると、アーニャも目を丸くしていた。
「ヤー。驚きました……けど、嬉しいです」
本当に嬉しそうな表情を浮かべるアーニャを見て、俺も思わず頬が緩む。
「まだまだ始まったばかりだ、一緒にがんばっていこうな」
「ダー。今は実力が足りませんけど、いつかは歌ったり、踊ったりもしてみたいです」
「アーニャならきっとできるよ。トップアイドルだって目指せるさ」
アーニャは、輝いている。その整った容姿も魅力の一つだが、彼女はもっと本質的に、そういう素質があるように思う。
アーニャは、もっと輝ける。俺はこれからもずっと彼女を支えていきたい。彼女を近くで見ていたい。
「プロデューサー。私、もっとがんばりますね」
微笑むアーニャ。
彼女の笑顔だって、もっと見たい。
42: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/06/02(日) 23:59:08.23 ID:NywZs6s50
「プロデューサーはどうして一人で事務所を立ち上げたんですか?」
アーニャは気になっていた。まだ若いプロデューサーが、何を思って一人でアイドルプロダクションを立ち上げたのか。
プロデューサーは読んでいた本に四葉のクローバーを押し花にした栞を挟み、こちらに体を向ける。
「昔から、アイドルが好きだった。ただ、アイドルのファンってだけじゃ満足できなくて……もっとアイドルに近い所で応援したくてな」
少しだけ笑みを滲ませながら、プロデューサーはそう言った。
「ちなみに、アイドルと近い存在になりたいっていうのはやましい意味ではないからな? 身近で、助けになりたい、手伝いたい……みたいな、そんな感じ」
43: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/06/03(月) 00:00:25.00 ID:0Xna/RKR0
「知ってます。プロデューサーはこの仕事に対してとても真剣で、それに、私の助けになってくれています」
「そういって貰えると嬉しいよ」
私がそう言うと、照れくさそうにプロデューサーは笑った。
プロデューサーが栞の挟んだ本をしまい、立ち上がる。
「それじゃ、次の仕事の書類、確認しようか」
「はい」
44: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/06/03(月) 00:07:12.23 ID:0Xna/RKR0
――アーニャが所属して半年が経った。アーニャは、今ではもうライブが出来るくらいに成長した。
ダンスなんかは飲み込みがとても早く、驚異的な速度で成長。歌だってとても上手だ。昔は全然行かなかったらしいが、アイドルになってからはカラオケでよく歌の練習している。どうでもいいがよくアーニャに連れ出されて一緒に行く事も多い。
「そういえば、アーニャが載った雑誌を集めてたらとうとう本棚埋まっちゃったよ」
「別に捨てていいですよ?」
「収納する事はあるかもしれないけど、捨てる事はないよ。全部残しておきたいんだ。俺に付いて来てくれた、たった一人のアイドルだからな」
もう何ヶ月も経つが、事務所は未だに俺とアーニャで二人きりのままだ。最初こそ意識してしまっていたが、今ではもう慣れた。
アーニャは事務所内ではあまり喋らず雑誌を読んだり、寝転がったりしてくつろいでる。やましい気持ちなど無いが、一応俺も男だし、それを考慮するとアーニャは無防備すぎる。
男に対して抵抗があまり無いのだろうか? 若干不安だ。
45: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/06/03(月) 00:12:05.92 ID:0Xna/RKR0
普段アーニャとの会話は少なく、事務所は無言の空間に支配される事が多い。だけど、何故かその空気が苦では無い。むしろ心地いいくらいだ。不思議である。
もっとも、相手がどう思っているかは分からない。少なくとも嫌われてはいない……筈。嫌われてたら男と二人っきりの空間とか御免だろうし。多少の信頼はあるのだろう。
相変わらずアーニャにはモデルの仕事がたくさん来る。最近は有名な雑誌にも取り上げられるようになって、知名度も高くなってきた。
アイドルになってそんなに時間は経っていないが、そろそろ本格的なアイドル活動をしてみてもいいだろう。
「それじゃ、営業行ってくる。外出する時は鍵よろしくな」
「ダー。お留守番は任せてください」
アーニャには申し訳ないが、今の所、俺のプロダクションの知名度はいかんせん低すぎる。アーニャに実力があっても。新人アイドルと無名のプロダクションだ。いい仕事が取れ無い事がある。
最初の方はコネで何とかしよう。アーニャは何者も寄せ付けない高い実力を持つが、それを世に知らしめるきっかけが必要だ。幸い、芸能関係者との繋がりは結構ある。
俺は携帯を取り出し、芸能界関係の知り合いへと電話をかけた。
46: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/06/03(月) 00:15:06.61 ID:0Xna/RKR0
「アーニャ、この仕事、できそうか?」
俺がアーニャの為にとった仕事は、色々なプロダクションのアイドル達がたくさん集まるライブだ。合同ライブとかではなく、一人一人、または一グループが順番にやっていく形式のものだ。テレビにも映るし、規模は非常にでかい。
参加するアイドルは、実力があっても大衆には知られていないアイドルが七割と、人を呼び込む為に大人気で知名度も高いアイドルが三割。
このライブで新しい曲を発表するアイドルもいる。きっとたくさんの人が来るだろう。
「一人で参加するアイドルは、実は少ない。大体三人とか五人とか、グループだ」
この仕事を受けた場合、アーニャは一人で、初めてのライブなのに一人で舞台で立つことになる。それはとっても勇気が必要だと思う。大きな仕事ではあるが、俺は利益を求めてはいない。無理強いなんてしない。
俺なんかについてきてくれたアイドルだ。アーニャの意見を尊重したい。
「当たり前だけど、無理強いはしない。初めてなのに、大勢の観客の前に一人で立つっていうのは、凄い勇気が要る事だって、アイドルをやっていなくても分かる」
47: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/06/03(月) 00:20:46.35 ID:0Xna/RKR0
「一人ではありません」
彼女がきっぱりとそう言う。
アーニャが俺の手を取り、両手で包み込んだ。
「ヤー……私には、プロデューサーがいます。私は大丈夫です、任せてください」
「アーニャ……無理してないか? 気なんて遣うなよ、俺はアーニャの意見を尊重する」
アーニャは優しい子だ。本当に無理しているかもしれない。
心配になって思わず声をかけたが、彼女は静かに首を横に振った。
「大丈夫です。ただ、私の事、見守っていてください。ずっと――」
上目遣いで俺を見やる。その青く澄んだ瞳に、視線が吸い込まれそうだった。
どこかで、似たような事――
「心配しないでください。アイドル、楽しいです。ありがとう、プロデューサー」
ほんのりと頬を桜色に染め、アーニャが笑った。
まさか――
いや、アーニャは違う、大丈夫だ……。俺を家族のように思って、心を開いてくれているだけだ。きっと、そうだ。
きっと……
58: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/06/10(月) 00:19:49.32 ID:qRVxqJ9e0
「ヤー。髪が伸びて来ました、そろそろ切らないと」
机で事務仕事を淡々とこなしていると、アーニャが前髪を弄りながら唐突にそう告げた。書類からアーニャに視線を移す。出会った時と比べると確かに伸びている。
毎日のように顔を合わせている事もあり、言われるまで気付かなかった。
「俺が切るか? なんてな」
笑いかけながら、九割冗談、一割本気で言ってみる。過去に女の子の髪を切った事が何回もあるのだ。自信は若干ある。
「切ってくれるんですか?」
冗談のつもりだったが、アーニャは真顔で食い付いてくる。その予想外の反応に、動揺してしまう。ただ冗談に乗ってきただけだよな?
「アーニャがいいって言うんなら、切るけど……」
冗談とは告げずに、俺は続けた。心の底ではアーニャの髪に触りたいとでも思っているのだろうか。了承されるわけないというのに。
年頃の女の子が男に髪を触れさせるわけが無い。
59: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/06/10(月) 00:30:18.28 ID:qRVxqJ9e0
「そうですか。では、お願いします、プロデューサー」
予想をあっさり裏切り、アーニャは俺を放心させる一言を放つ。
「は?」
「髪切ってください、私の……」
真っ白で柔らかそうなアーニャの頬に、赤みがさす。
どこかで……どこかで似たような事があった気がした。
『髪……切っていただけませんか?』
――いや、嘘だ。俺ははっきり覚えているじゃないか。思い出したくないだけだ、過去を。
「プロデューサー?」
呼ばれて、はっとする。アーニャが心配そうに俺の目を覗きこんでいた。
「大丈夫ですか? 汗を掻いてますけど」
頬を小さな雫が伝う。確かに、汗だ。
やはり、思い出したくない。昔の事なんて、忘れたい。
60: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/06/10(月) 00:41:46.65 ID:qRVxqJ9e0
「大丈夫だ。それより、やっぱり切るのは無しだ。女の子の髪を男が軽々しく触るべきじゃないしな」
そうだ。女の子の髪を、軽々しく触るべきじゃない。
「……むむ。男に二言はあってはいけませんよ」
「悪かったって、冗談のつもりだったんだ、許してくれ」
可愛らしくむくれるアーニャは、天使の如く愛らしい。さらさらの銀髪も、正直言うと触りたかった。
……プロデューサーがこんなのでどうする。
気を引き締めて、俺は再び仕事に取り掛かった。
「もうすぐレッスンだろ、準備しろよ」
「ダー。分かってますよ……もう、プロデューサーのバカ」
後半は小さい呟きだったけど、しっかり聞こえてるって。バカとは何だ。
女の子って男に髪触られて平気なんだろうか。
61: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/06/10(月) 00:56:30.77 ID:qRVxqJ9e0
代わり映えの無い日常が、暫く続いた。アーニャはいつもと変わらずレッスンを受け、仕事をこなし、学校で勉学に勤しむ。
俺もアーニャの為に外を回り、仕事を取り、そして事務所で書類やらメールやらスケジュールやらを整理する。
だが、今日は少しだけ違う。今日が、例のライブの日だ。
もしかしたら今日を区切りに日常が変わるかもしれない。それくらい大規模なライブだ。
故にライブ自体が初めてのアーニャにとってはプレッシャーと負担がかなりのものだろう。
何か出来る事は無いものか……
「アーニャ、大丈夫か?」
楽屋にて、用意された衣装に着替え、メイクも終わったアーニャに声をかける。いつも通りに見えるが、やはり少なからず緊張はしているのだろう、表情が硬い。
「やはり、少し緊張します」
「ごめんな……俺にはただひたすら応援する事しかできない……」
「ニェート。プロデューサーがいてくれるだけで、心強いです……」
アーニャが、ぎゅっと、左手を胸の前で強く結ぶ。
ほんの少し瞳を濡らして、上目で彼女は俺を見上げる。その表情は、何か言いたげだ。
「プロデューサー……!」
不意に、アーニャが俺に抱きつく。正面から両腕を背後に回され、しっかりと抱きしめられた。
彼女の柔らかい胸が押し付けられているが、突然の出来事に動揺してそれどころではない。
62: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/06/10(月) 01:07:53.46 ID:qRVxqJ9e0
「どうした? やっぱり、怖いか?」
「怖いです。一杯、一杯人がいて」
ワイシャツに顔を埋めながら、ぼそぼそと、独り言のようにアーニャは呟く。
やっぱり、いきなりこんなに大きなライブは酷だったんだ。俺は、間違ってしまった。アーニャなら行けると勝手に思い込んで、アーニャにこんなに負担を掛けて……
自分の過ちに苦悩していると、アーニャが俺を抱きしめる手に力を込めた。
アーニャの体温に触れて、少しだけ心が安らぐ。
自然と、アーニャを抱きしめる手に力が入ってしまう。
暫くの間、普通ならダメな行為だが、俺とアーニャは抱き合っていた。
恋人同士のような抱擁ではなく、彼女を落ち着かせるためのものだから問題ないと、自分に弁明する。
「プロデューサー、ごめんなさい……もう、大丈夫です」
目を落とすと、アーニャが上目遣いでこちらを見上げていた。
思わず見蕩れてしまうくらい、綺麗で、優しい笑みを、アーニャは浮かべていた。
完全に緊張が解けてはないようだが、色々と吹っ切れたらしい。
元気になってくれて、よかった。
63: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/06/10(月) 01:20:18.20 ID:qRVxqJ9e0
「プロデューサー、貴方がいるから、きっと……ナジェージダ……希望を持てます」
アーニャが、俺の胸に頭を預ける。
「ヤー……今の私は、空の向こうまで届くような歌、歌えると思います」
「あぁ……アーニャならきっと歌える」
アーニャを半年以上見てきた。下手すると、そこら辺の恋人なんかよりも、ずっと長い時間、一緒にいた。
だから、確信が持てる。アーニャなら、出来ると。
一番最初の舞台がこんなにも大きな舞台だと、アーニャからしてみれば全てが初めての事で、負担が大きい事も分かっている。
それでも、アーニャなら出来る気がした。
――アーニャは、輝いているから。
夜空に浮かぶ星なんかよりも、ずっと強く、ずっと明るく。
「ありがとう、プロデューサー。私、できそうです」
64: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/06/10(月) 01:47:18.95 ID:qRVxqJ9e0
アーニャを呼び出しに、スタッフが楽屋に訪れる。抱き合ったままだったので、ノックされた時にお互い慌てて離れた。
「出番だ、行くぞ」
「ダー。がんばります」
舞台へと、アーニャが向う。
「がんばれ、アーニャ」
その堂々とした後ろ姿に、言葉を送る。
アーニャの晴れ姿、見せてくれ。
65: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/06/10(月) 01:56:39.55 ID:qRVxqJ9e0
そして、舞台にアーニャが立った。
たくさんのスポットライトの光が、彼女を照らしだす。後ろの大きなスクリーンには、アーニャの姿が映し出された。
彼女はあまり有名ではないが、観客も新人アイドルを品定めに来ている人が多い。
美しい容姿と神秘的なオーラを持つ彼女の魅力はすぐにライブ会場の人達に伝わり、既に観客席からはたくさんの応援の声と歓声が上がっている。
やがて、観客の喧騒に負けないぐらいの大音量で流れ始める曲。
アーニャは不敵に、楽しそうな表情を浮かべながら、何回も練習したダンスを観客に披露した。
彼女のダンスは、全体的に動きが小さくて軽やかなものであり、決して激しいものではないが、そこそこに難しい振り付けだと聞いていた。だが、彼女は一つもミスをせず、汗を浮かべながらも、動きを鈍らせる事無く、踊る。
そして、前奏が終わり、アーニャは歌いだした。
アーニャのよく通る綺麗な声は、喧騒に包まれるライブ会場によく響き渡った。
本当に楽しそうに微笑みながら、美しい声色の歌声を届けて癒し、踊りで楽しませる。
アーニャは、やはり夜空に浮かぶ星のようだった。贔屓でもなんでもない、絶対にアーニャは他のアイドルなんかよりも、誰よりもずっと輝いている。
66: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/06/10(月) 02:00:02.57 ID:qRVxqJ9e0
広いステージで、たった一人で踊り、歌う。そこに加えてたくさんの観客。精神的負担がどれほどのものか知らないが、彼女は全てを完璧に成し遂げた。
誰もが釘付けになっていた。余所見をする者なんていない。例え他に好きなアイドルがいたとしても、誰もが一度は目を吸い寄せられる、そんな雰囲気と美貌を持つ少女がアーニャだ。
アーニャの初めてのライブは、大成功に終わった。
突如現れた新人は多くの人々の関心を集め、故に色々な所で取り上げられ、一躍人気者となった。
アーニャがたくさんの人に評価されて、凄く嬉しかった。アーニャもとても喜んでいた。
あの再開が無ければ、最高の日だったのだろう。
忘れていた、ライブにはあのプロダクションも参加していた事に。
気付かなかった、あのアイドル達が、参加していた事に。
67: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/06/10(月) 02:07:05.27 ID:qRVxqJ9e0
「プロデューサー?」
一仕事終えたアーニャに飲み物を持って行こうと、自販機にお金を入れていたら、プロデューサーと呼ばれた。
声は女性のもので、明らかに俺に向けられている。今この場には俺しかいないのだ。
だが……人違いな筈だ。アーニャの声ではないのだから。
「返事くらいしたらどうなのかしら? プロデューサー」
この声を、知っている。アーニャにも劣らない、透き通った綺麗な声の主を、知っている。
小銭を自販機に入れようとしたまま、固まった。
恐る恐る、声をかけてきた女性へと視線を移す。
そこに立っていたのは――
「……久しぶりだな、千秋」
「久しぶりね、プロデューサー」
――黒川千秋。
ライブ衣装だと思われる黒いドレスに身を包んだ、長い艶やかな黒髪と端整な顔立ちの、やや長身の女性。
過去に俺がプロデュースしていたアイドルだ。
68: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/06/10(月) 02:12:40.29 ID:qRVxqJ9e0
「私の出番はずっと先よ……だから、今貴方とお話がしたいわ。ついてきて」
放心している俺の手を掴んだかと思うと、強引に引っ張る。俺は抵抗せずに、彼女に大人しくついて行った。
千秋の楽屋へと、二人で入る。アーニャの楽屋と似たような部屋だ。
千秋は背もたれの無い椅子を指差し、座って、と促す。その椅子に座ると、千秋は唐突に俺の膝の上に乗っかった。
「おい、千秋……!」
「別にいいでしょう? 昔はよくこうしていたんだから」
言葉に詰まる。確かに、過去にはよく、恋人のように寄り添っていた事があった。
「貴方も私の髪に顔を埋めていいのよ? 遠慮なんてしなくていいわ」
「遠慮する。そして離れてくれ、流石にまずい」
昔のような過ちは犯さない。アイドルからの好意は、絶たなければいけない。
「嫌よ」
きっぱりと、千秋がそう告げた。千秋は、根は悪くないが、昔からよく我が侭を言っていた子だ。そして、俺はその我が侭をよっぽど無茶なものでは無い限り、聞いてあげてた。
だが、今回ばかりは、その我が侭を聞けない。俺は千秋を押し退けて強引に立ち上がる。
69: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/06/10(月) 02:17:37.12 ID:qRVxqJ9e0
「話しは何だ?」
なるべく早くアーニャの元へ帰りたかった。
「一年振りの再会なのに、どうしてそんなに冷たいの?」
彼女が肩を震わせ、俯き、悲しそうにそう言った。
「もう二度と、あんな事が起きないように……な」
千秋を見て、一年前の出来事を思い出す。思い出したくも無い、過去を。アーニャのステージに立つ姿を思い出して、必死に過去を振り払う。
――でも、無駄だ。一度思い出してしまうと、もう止められない。
「千秋……傷は?」
そう聞くと、千秋はいきなり衣装を脱ぎ始め、下着姿を俺に晒した。
呆気に取られている俺に、彼女が近づく。
鎖骨の横と肩、左の二の腕に大きな傷跡が残っていた。これでは、水着になる仕事や、露出の多い服は着れない。
70: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/06/10(月) 02:21:07.60 ID:qRVxqJ9e0
「プロデューサー。私、この傷が大嫌いよ」
「あぁ……」
忌々しそうに、彼女が告げる。
俺は彼女の傷跡を見て、思わず涙を零してしまう。理由は分からない。色々な事が浮かんでは消えて、何が理由で涙が出たのか自分でも分からない。
「俺が……いなければ……」
千秋がこんなに苦しい思いをしているのは、俺のせいだ。
みっともなくて、情けないのも分かっているが、涙は止め処なく流れ続けた。
「ねぇ、プロデューサー? 貴方がこの傷にキスをしてくれたら、私、この傷を好きになれると思うの」
だから、と彼女は続ける。
「この傷に、キスをしてくれないかしら?」
そんな事……
「お願い、プロデューサー。触れる程度で、いいの」
普段の強気な態度からは想像できない弱々しい千秋を見て、心が揺らぐ。
おぼつかない足取りで千秋に近づき、華奢な体躯に手を伸ばす。
そして、彼女の両肩を掴んだ。
「あぅ……プロデューサー」
彼女が頬を桜色に染め、恥ずかしそうに視線を逸らした。
鎖骨の横と肩に刻まれた大きな傷跡に、顔を近づける。
少し触れるだけだったが、俺は確かに彼女の傷跡にキスをした。
鎖骨の横にある傷跡に口付けをし、次いで肩の傷跡に口付けをする。その後、左の二の腕の傷跡にも口付けを終えて、何故か荒い息をつく千秋から離れた。
「ごめんな……」
「ふふっ。何で謝るの? 私はとっても嬉しかったわ。ありがとう、プロデューサー」
彼女が再度衣装を着ながら、そう言う。
71: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/06/10(月) 02:23:41.36 ID:qRVxqJ9e0
何で、笑えるんだ……アイドルじゃなくても、傷が残るなんて嫌だろうに。
ましてや、その原因である俺に対して、どうしてそんな幸せそうな表情を見せる。
千秋は、やはり何も変わっていない。
「二人は、どうしてる?」
気になって、聞いた。
「二人は貴方の事なんて忘れて新しいプロデューサーと仲良くやってるみたいよ。ふふっ……がっかりした?」
意地の悪そうな表情を浮かべ、問いかけてくる。少しだけ、寂しい気持ちはあった。
「別に」
「私は、変わってないわよ……私には貴方以外、考えられない。一年間、ずっと貴方の事だけを考えて生きてきた」
変わって欲しくないという気持ちも、心のどこかにはある。
でも――
千秋は変わるべきだって、思う。
本来の姿に、戻って欲しい……その方が、きっと幸せになれる。
72: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/06/10(月) 02:28:00.49 ID:qRVxqJ9e0
「それじゃ、連絡先を交換しましょう? プロデューサー」
「ダメだ」
きっぱりと断る。このままじゃ、いつまで経っても彼女は変われない。
「傷跡、もっと愛してくれないと嫌よ」
間髪入れずに、彼女がそう告げた。その言葉は、的確に胸の傷を抉る。
傷跡が何だ、そんなもの……
――ダメだ……傷跡を出されてしまっては、千秋の願いを、断れない。
彼女の傷跡には、負い目がある。
千秋を傷つけた償いは、しなくてはならないのだ。一度逃げているのだから、なおさら。
結局、千秋と連絡先を交換した。
……彼女を傷つけてしまった責任を、今度こそ果たさなくてはならないのだ、逃げるわけには行かない。
今度は、逃げない。
75: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/06/10(月) 09:19:58.56 ID:qRVxqJ9e0
後日、千秋に呼び出された俺は、二人で人気のない公園のベンチに座り、話していた。
千秋は変装し、じっくり見ても千秋だと分かる人間はいないだろうが、だからと言って絶対安全というわけでもない。正直二人きりで会うのは避けたかった。
「本当に、あの二人は薄情よ。貴方がいなくなって数週間経てば元通り、今では新しいプロデューサーに好意を寄せているわ」
「……あいつらも、何も変わっていないのか」
女は恋愛しないと死ぬ病気にでもかかっているのか。
「でも、前も言ったけど、私は無理よ。私には貴方しかいないもの」
「千秋の気持ちは嬉しいよ……でもな……」
千秋は、アイドルだ。アイドルじゃなければ、どんなによかった事か。
「分かってるわよ。最初からいい答えなんて期待してないわ」
拗ねたような口調で彼女はそう言う。
「でも、傷跡は愛して欲しいの」
76: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/06/10(月) 09:25:13.16 ID:qRVxqJ9e0
千秋がおもむろに上着を脱ぎ捨て、下着姿を空の下に晒した。
人気が無いからと言って、こんな事して言い訳がない。
「ちょっと、やめろ千秋」
「じゃあ、早く終わらせましょう? 終わらない限りずっとこのままよ」
慌てて止めさせようとするも、半ば以上分かっていた事だが。あっさりと拒否される。
俺の口から異様な呻きが漏れた。仕方ない、彼女の言うように終わらせよう……素早く。
千秋の長身の割りにほっそりとした肩を抱き、痛々しく残る傷跡に軽く唇を押し当てる。
千秋と言えば、うっとりとした表情をしながら、俺の頭の後ろに腕を回して抱え込む始末。昔はクールだったのに、何故こうなってしまったのだろうか……今も、テレビとかでは変わらずクールではあるのだが。
「ねぇ、舐めて?」
「は?」
不意に、彼女が変な事を言う。
「ただのキスでは満足できなくなってしまったわ……だから、舐めて欲しいの」
「…………」
俺は本当に千秋を変えられるのだろうか。
やはり、俺達は出会うべきではなかったのだ。
頬を紅潮させ、傷跡を舐めるように催促してくる彼女を見て、そう思った。
……だが、何を言ったって過ちはなくならないし、現状も変わらない。
77: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/06/10(月) 09:36:55.68 ID:qRVxqJ9e0
抵抗を諦め、彼女の願いを聞き入れる事にする。
傷跡に再度顔を近づけ、舐めた。短い時間で、丁寧に、傷跡を舌でなぞる。
「あっ……んん……」
千秋が小さな声で喘ぎ、俺を抱える手に力を込めた。顔が固定されて動かせない。早く終わらせたいのに。
「千秋、離して」
「ご、ごめんなさい……気持ちよくて……」
全身性感体か何かなのか、千秋は。
解放された俺は、さっさと残りの傷跡を舐めて、彼女の要求を満たす。
「ふふふっ。やっぱり、私には貴方しかいないわね」
クスクスと小さく笑みを零しながら、手を伸ばして俺の手を握る。
暫くの間、俺の手の感触を楽しむように細い指先を動かし、強く握ったり、軽く握ったりするのを繰り返す。
「――もう一度、私の……私だけのプロデューサーになってくれないかしら」
頬を真っ赤に染め、瞳を潤ませて、彼女は言った……もう一度、プロデューサーになってくれと。
78: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/06/10(月) 09:39:02.39 ID:qRVxqJ9e0
「悪いけど……それは無理だ」
今の俺には、アーニャがいるから。
それに、今千秋のプロデューサーになると、また彼女を傷つけてしまう。
彼女が俺を好いている限り、千秋のプロデューサーにはなれない。
「……そう……やっぱりあの女が、私達の邪魔をしているのね……」
聞き取れない声量で何かを呟いたかと思うと、千秋は俯き、口を噤んだ。
俯いているが、彼女の表情は見えた。
背筋がぞっとするような、冷たく、無機質な、能面のような表情に千秋はなっていた。
彼女は瞳に暗い光を宿して、じっと地面を見つめている。
何も変わっていない。
再会した時から、分かっていた事じゃないか……
黒川千秋は、一年以上経っていても、何も変わっていなかった。
93: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/06/13(木) 00:19:33.21 ID:nZwE3DqZ0
「? ……この栞、確かプロデューサーの」
ふと、アーニャは事務所のソファの近くに落ちている栞に気付き、それを拾い上げた。
四葉のクローバーを押し花にし、それを使った手作りの栞だ。手作りのようではあるが、かなり丁寧に作られている。
アーニャはそれに心当たりがあった。この栞はプロデューサーの物だ。前に見たことがある。
この事務所には基本的にアーニャとプロデューサーしかいない。アーニャの物では無いのなら、必然的にプロデューサーの物だろう。
持ち主が分かったのはいいが、今、プロデューサーは仕事関係で外出しているため、渡せない。
でも、きっと机に置いておけば気付くだろう。そう思ってアーニャは、プロデューサーの机に、拾った栞を置いた。
その時に、ふと気付く。
94: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/06/13(木) 00:22:48.43 ID:nZwE3DqZ0
机には、プロデューサー最近いつも読んでいる本が机に置いてあった。そして、机に置かれたその本にはもう一枚の栞が本に挟まっていたのだ。
――また栞?
アーニャは好奇心からプロデューサーの本を開き、挟まっている栞を見る。
「……?」
本に挟まっていたもう一枚の栞も、四葉のクローバーの押し花栞だった。
拾ったのと比べると、作りやデザインは違う。だが、四葉のクローバーを押し花にし、それを使った手作りの栞だ。
似たような栞が二枚……
95: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/06/13(木) 00:25:21.53 ID:nZwE3DqZ0
プロデューサーは栞を作るのが趣味なのだろうか。
もしそうだとしたら、こっちの本に挟まっているのもプロデューサーの手作り?
もう一枚の栞を見て、プロデューサーが四葉のクローバーを探し回り、それを栞にしている光景を思い浮かべてしまい、アーニャは思わず苦笑してしまう。
プロデューサーには失礼だけど、その姿は少し違和感がある。
アーニャは小さく笑みを零しながら、本を閉じて元の位置に戻した。
何故二枚も似たような栞を持っているのだろう。四葉のクローバーが好きなのだろうか。
そういえば、四葉のクローバーの花言葉って、確か――
――Be Mine
108: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/06/15(土) 23:34:52.44 ID:TvI+0mXv0
スタジオ付近の楽屋にて、俺とアーニャは抱き合っていた。傍から見たら恋人に見えるかもしれないが、誤解だ。
彼女の緊張を解くためにやっている。
前にあった大規模なライブにアーニャが参加した時、初めてのライブで緊張し、彼女は思わず俺に抱きついてしまったのだが、何故か緊張が解けて、落ち着いたらしい。
それ以降、酷く緊張する仕事の時はこうして抱きしめて落ち着かせるようになった。
「アーニャ、何だか甘えん坊になってないか?」
俺の胸に顔を埋めるアーニャは、笑みを浮かべながら頬を胸板に擦りつけている。甘えてくる小動物みたいだ。
「……ごめんなさい」
「別に怒ってはいないが……」
落ち込む彼女を見て、慌ててフォローする。ただ、年頃の女の子、しかもアイドルにそういう事を許してしまうと、万が一がある。アーニャが落ち着くと言っているなら是非思う存分胸を貸したいが、状況によりけりだ。
「最近、悩んでいませんか? プロデューサー」
「そんな事はないよ」
悩んでいる事を察知された事に動揺し、間髪入れずに言葉を返してしまった。いくらなんでも不自然すぎる。
109: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/06/15(土) 23:41:08.49 ID:TvI+0mXv0
「私でよければ、いつでも相談に乗りますよ?」
「別に大丈夫だ。ありがとうな、アーニャ」
ふわふわの銀髪を撫でる。アーニャの髪は手触りが凄くいい。やはり女の子の髪は触り心地が最高だ。男が無闇に触っていいものではないが。
アーニャが頬を桜色に染めて、恥ずかしそうに身じろぎした。
本当は誰かに相談したい気分だ。ただ、他人に相談できるような内容でもない。誰が信じるんだ、人気があって有名なアイドルに想いを寄せられているなんて事。信じられるとそれはそれで厄介だし。やはり他人には言いづらい。
110: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/06/15(土) 23:52:37.51 ID:TvI+0mXv0
アーニャは撫でられて、くすぐったそうにしながら、口を開く。
「やっぱりプロデューサーといると、心が安らぎます。家にいるよりも、他の誰かといるよりも」
アーニャの言葉を聞いて、はっとする。似たような事が、前にも会った。
一年半ぐらい前の出来事だが、よく覚えている。
もしかして、アーニャは――
「プロデューサー? どうかしましたか?」
「何でもないよ……」
浮かび上がった想像を、慌てて振り払う。
思い込みが激しくなってる。よく考えたら、あるわけない。アーニャが俺に好意を寄せているなんて、ある筈もないだろう。
過去にそういう事があったから、変に意識しているだけだ。
彼女は俺を男とし見ているのではなく、父親のように慕っているだけだ。
長い間一緒にいたから、信頼してくれているだけなんだ。
きっと、そうだ。
111: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/06/15(土) 23:58:37.97 ID:TvI+0mXv0
「プロデューサー? 大丈夫ですか?」
「へっ? あぁ……大丈夫」
放心していたらしい、注意しなければ。
「アーニャ、もうすぐ撮影始まるぞ。俺は関係者の人達に挨拶してから行くから」
「分かりました……いってきますね、プロデューサー」
名残惜しそうな表情を浮かべ、アーニャは離れた。軽く身支度を整えて、彼女は撮影場所へと向って行く。
「ごめんな、アーニャ」
仕事をするアーニャをいつものように傍で見守ってやりたかった。
携帯で、ある女性にメールを送る。
彼女が楽屋を出て行って数分後、一人の女性がこの部屋へと足を踏み入れた。
――黒川千秋
112: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/06/16(日) 00:00:03.12 ID:NK2CTEj/0
「会いたかったわ、プロデューサー」
「俺はもう、プロデューサーじゃないだろ」
今更ながら、指摘する。正直どうでもいい事だ。
「私のプロデューサーは貴方だけよ。こんな事、言わなくても分かるでしょう?」
「……そうか」
千秋が俺との距離を縮め、手を伸ばした。するりと、俺の左腕に両手を腕を絡ませ、腕を抱くようにして密着した。そして、街中を歩く恋人のように、彼女は寄り添う。千秋の豊満な胸の感触が腕を通して伝わってきた。
「……少しは恥らったりしないのかしら、貴方は」
「顔に出ないだけだ、恥ずかしいに決まってる」
俺の言葉を聞いて、彼女は頬を染めながら魅惑的な笑みを浮かべた。
「ふふっ。嬉しい」
113: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/06/16(日) 00:07:58.28 ID:NK2CTEj/0
ぎゅっと、千秋が俺の腕を強く抱いた。
腕を抱きながら、千秋が頭を俺の肩に乗せる。千秋は、心の底から幸せそうな表情を浮かべていた。
その表情は、ずるい。
千秋は綺麗でお淑やかで、清楚だ。そんな人に求愛されて、喜ばないわけが無い。
正直、千秋の事はかなり好いている、今も昔も。
だから傷を負わせた事に負い目を感じるし、彼女が求める逢い引きも拒否しない。
だけど、このままでは――
「プロデューサー。いつものように、傷跡にキス、して?」
上目遣いに、彼女が告げる。猫のようにじゃれ付きながら。
俺が頷くと、彼女は上着を脱ぎだし、真っ白な肌を晒す。高級そうな黒いレースの下着は、とてもよく彼女に似合っていた。
じっと胸に視線を注がれている事に千秋は気付き、恥ずかしそうにしている。それに気付いた俺は慌てて目を逸らす。
「……別に、気が済むまで見るといいわ」
千秋が顔を真っ赤にしながらそんな事を言う。何でそんなに俺の理性を飛ばそうとしてくるんだこいつは。
114: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/06/16(日) 00:11:43.91 ID:NK2CTEj/0
「……早く、キスして……恥ずかしいの」
そう懇願されて、俺は慌てて彼女の体に触れる。
痛々しく、それでいて深く残っている傷跡に顔を近づけ、触れるだけの軽いキスをした。残りの二箇所にも同じようにキスをする。
「うぅ……」
その間、千秋はずっと顔を真っ赤にして身動ぎ一つせずに固まっていた。
「そんなに恥ずかしいなら頼まなければいいのに」
「嫌よ……こうでもしないと貴方は私に触れてくれないもの」
確かにそうだが。
「私の出番、もうすぐだから、今日はこれで失礼するわ」
そう言って彼女は、身支度を整え始めた。脱ぎ去った上着を拾い、身につけ、鏡を見ながら軽く髪を梳いて整えている。
一通り身支度を終えた彼女は、くるりとこちらを振り向く。
振り返った千秋は、誰もが魅了される、魅惑的な笑みを浮かべていた。
「では、また会いましょう、プロデューサー」
「またな」
千秋が小さく手を振った。俺も小さく返す。
くすくすと笑みを滲ませ、千秋は楽屋を出て行った。
115: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/06/16(日) 00:14:55.59 ID:NK2CTEj/0
暫くの間、千秋が出て行った扉を、ぼーっと眺めて佇んでいた。
不意にアーニャを思い出す。
「アーニャの様子を見に行くか……」
呆けている場合じゃない、アーニャの所に行って仕事を応援しよう。
俺は楽屋を後にして、アーニャのいる撮影場所へと向った。
質素で綺麗な長い廊下を、一人歩く。迷路のように入り組んでいて、迷いそうだが、アーニャの撮影場所は分かる。
十字路を真っ直ぐに突き進んだ時、ふと、視界の端に黒髪の女の子が映った。前髪が目を隠すぐらい長い、どこか仄暗い雰囲気の女の子。
何故か、思わず足を止めそうになる。
気のせい、だよな?
117: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/06/16(日) 00:31:54.43 ID:NK2CTEj/0
「プロデューサーさん」
廊下に響く、少女の声。
透き通った綺麗な声は、間違いなく俺に向けられたものだ。周囲には俺一人しかいないのだから。
声には聞き覚えがある。
気のせいではなかった。
振り返り、廊下に佇む少女を見つめる。俺をプロデューサーと呼んだ少女は、黒を基調とした衣装を着こなしている。仕事場に向う途中だったのだろうか。
長い前髪に隠れてしまっているが、隙間から彼女の澄んだ青い瞳が見えた。
目の前の少女は間違いなく、俺が過去にプロデュースしていたアイドルだ。
千秋の話が本当なら、彼女は新しいプロデューサーを好きになっているらしいが――
――俺をじっと見つめる少女は、何故だか千秋同様、何も変わっていない様な気がした。
567: >>124修正 ◆gijfEeWFo6 2014/01/15(水) 02:11:05.82 ID:xNrYVDgF0
――鷺沢文香。
それが、少女の名前だ。
アイドルの中でもトップクラスの顔立ちだが、アイドルには向かない大人しめの性格で、喋るのがあまり得意ではない。儚げな雰囲気を纏い、護ってあげたくなるような気持ちにさせる少女だ。
テレビで見かけることは少ないが、ライブにはよく出ているのを俺は知っている。
「久しぶり、です……プロデューサーさん」
「久しぶりだな、文香……」
小さく足音を鳴らして、俺の方へと近づいてくる文香。
手を伸ばせば触れる距離まで近づいた瞬間、倒れこむようにして、抱きついてきた。
568: >>125修正 ◆gijfEeWFo6 2014/01/15(水) 02:15:14.73 ID:xNrYVDgF0
「……どうして、私を置いていったんですか」
俺の背中に両手をしっかりと回し、上着に顔を埋めて、くぐもった声で悲しそうに文香は言う。
「…………ごめん」
色々言いたいことが浮かんでは、言葉にできずに消えていく。結局、謝ることしかできなかった。
絶対に離さないといわんばかりに、彼女が抱きしめる手に力を込める。
「文香……大丈夫か……?」
呼び掛けると、彼女が僅か数センチだけ、離れた。
「……プロデューサーさんのいない世界が、どれほど寂しくて、切なくて、悲しいものだか分かりますか? …………私はもう――」
文香が顔を上げる。その澄んだ青い瞳は、暗い光が灯っていた。
「――貴方がいないと、ダメです……」
569: >>126修正 ◆gijfEeWFo6 2014/01/15(水) 02:16:37.62 ID:xNrYVDgF0
そして、また頬を胸板に擦りつけたかと思うと、俺の上着をぎゅっと強く握り、震え始めた。
「貴方のいない世界が、こんなにも価値の無いものだとは思いませんでした……プロデューサーさんの事を考えてしまって……本を読むことさえ、満足に集中できませんでした……」
胸元が、水を吸収して湿り気を帯びる。文香は、肩を震わせて泣いていた。
「……プロデューサーさんに出会う前は……いえ、プロデューサーさんと出会ってからも、私は本が好きで……ずっと本を読んでいました……」
確かに、文香は本を読むのが好きだった。事務所でも控室でも、どこでだって彼女は本を読んでいた。
本を読んでいる文香の姿は美しく、たまに仕事を忘れて魅入っていたことを思い出す。
570: >>127修正 ◆gijfEeWFo6 2014/01/15(水) 02:20:32.31 ID:xNrYVDgF0
「……それぐらい本が好きな、私ですが……プロデューサーさん……最近の私を、知っていますか?」
文香がポケットから三枚の写真を取り出す。文香と俺のツーショットの写真と、俺が写っている写真が二枚だった。
俺が写っている写真二枚には、背後に他のアイドルも写っているのだが、背後に写っているアイドルの顔は、黒く塗りつぶされていた。それを見て、背筋に冷たいものが走る。
「……私……本よりも、プロデューサーさんの写真を見ている方が、長いです」
涙をたくさん零しながら、文香が笑みを浮かべた。
「……大変です、プロデューサーさん……どうすればいいでしょうか……?」
「文香……」
俺は、どうすればいいのだろうか。
傷つけたのは、千秋だけでは無い。そんな事、分かりきっていた筈なのに……。
何を考えるべきで、どんな言葉をかけるべきなのか何も思い浮かばない。
571: >>128修正 ◆gijfEeWFo6 2014/01/15(水) 02:22:26.88 ID:xNrYVDgF0
「プロデューサーさん……キス、してくれませんか?」
「それはダメだ」
大体、今俺達が話しているここは、普通の通路だ。いつ人が来てもおかしくないのだ。
しかも、文香は俺に抱きついている。それすらも十分に危うい。
文香には申し訳ないが、彼女の肩を掴んで強引に引き離す。顔を顰めて離すまいと文香も力を込めるが、非力な彼女が成人男性の力に敵う筈も無く、あっさりと文香を引き剥がす事に成功する。
「……………」
「文香の気持ちは嬉しい……だけど、ごめん……」
文香が俯く。ぽたりぽたりと、彼女の頬を涙が伝い、滴り落ちた。
「――ごめんなさい……プロデューサーさん……私、アイドル、やめます」
「お、おい……文香……」
文香が顔を上げる。その表情は涙に濡れていたが、満面の笑みを浮かべていた。とっても綺麗な笑顔だった。
「そうすれば……プロデューサーさんは恋人になってくれるんですよね?」
572: >>129修正 ◆gijfEeWFo6 2014/01/15(水) 02:26:35.95 ID:xNrYVDgF0
文香の言葉を聞いて、千秋の姿が脳裏に浮かんだ。仮に俺がどちらかを選んでも、まず間違いなくどちらか一方が傷つくだろう。
自惚れでは無い。恐らく、選ばれなかった方は傷つく。流石にないとは思うが、もう一度惨劇が起きるかもしれない。
そんな事なら俺はどちらも選ばずに二人とも傷つける。どんなに恨まれようとも、責められようとも、片方を選ぶわけには行かない。
「無理だ。文香がアイドルでなくても、俺は文香の恋人にはなれない」
「……そうですか」
文香が、また俯いた。彼女がどんな顔をしているのかは、前髪に隠れていて、見えない。
「……プロデューサーさんは、優しい人ですから、答えは知っていました……だから――」
彼女が唐突にポケットに手を突っ込み、さっきの三枚とは別の、もう一枚の写真を取り出した。
その写真を、俺に突き出す。
「――その優しさにつけこんでも、いいですか?」
文香が俺に突き出した写真には、俺と千秋が写っていた。
正確には、下着姿の千秋の体にキスをしている俺と、頬を赤らめて恥ずかしそうに瞳を閉じている千秋の姿が写っていた。
いつの間にか、盗られていたらしい。千秋と二人で会っていた所を。
573: >>130修正 ◆gijfEeWFo6 2014/01/15(水) 02:28:00.65 ID:xNrYVDgF0
「プロデューサーさん……今度は、キスしてくれますよね?」
文香が頬を紅潮させて、一歩踏み出す。その表情は期待に満ちていた。
「断ったら、ばら撒くのか?」
そう問うと、彼女は動きを止める。そして、くすくすと笑みを零した。
「……ごめんなさい、プロデューサーさん。脅迫は……本気じゃないと機能しないんです……」
表情から見て取れる。
鈍く、それでいて、怪しく、力強く煌めく青い瞳は、彼女が本気だと言う事を示していた。
「……この写真、一枚じゃないです……ですから、強引に奪っても、無駄、です……」
俺の目から、涙が零れた。何に対する涙なのかは、分からない。
「プロデューサーさん……キス、してください」
――千秋をこれ以上傷つけるわけには行かない。ここは、文香のいう事を聞くしかないのか……。
574: >>131修正 ◆gijfEeWFo6 2014/01/15(水) 02:30:28.89 ID:xNrYVDgF0
祈るように目を閉じて、静かに俺を待つ文香。彼女の肩に手を掛け、少しだけこちらに寄せながら、辺りを見回して人がいない事を確認する。
覚悟は決めた。
彼女の小さな吐息を肌で感じられる所まで、一気に顔を近づける。文香のふんわりとした甘い匂いが、鼻腔をくすぐった。
軽く唇同士が触れ合う。文香が流した涙の味がした。
唇を離しても、文香が追いかけてきてまた触れ合う。それを抵抗せずに受け入れる。
それが何回か繰り返された後、ようやく解放された。
文香は頬を紅潮させて荒い息をつきながら、満足そうな表情を浮かべる。
そして、おもむろに彼女は携帯を取り出した。
「……連絡先……教えてください……プロデューサーさん」
ぼんやりとした頭で、文香と連絡先を交換する。
彼女は、終始幸せそうな笑みを浮かべていた。
「……それでは……失礼します。メールは……ちゃんと返してくださいね……」
ちゅっ、と俺の首筋に小さくキスの跡をつけて、文香は去って行った。
何も変わらない。
何も変わっていない。
時間が経てば解決すると思っていた俺が、浅はかだった。
145: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/06/18(火) 23:23:53.95 ID:jEUSMPQr0
文香と別れた後、アーニャの所へ行って、仕事が終わるまで彼女の仕事風景を見守りながら待った。
何もする事がないと、思い出す。
文香や、千秋と過ごした日々を。
ファンよりも近い所からアイドルを応援したいという夢を叶えるため、俺はプロデューサーという職に就いた。一般的にプロデューサーと言うのは製作総指揮者を指すらしいが、俺の入ったプロダクションでは何故かマネージャーのような扱いだった事を思い出し、苦笑する。
あの頃は、楽しかった。アイドルと一緒にひたすら上を目指して、努力していた時代。
彼女達の努力は無事に実った。ファンから愛され、老若男女問わず、たくさんの人達に応援されるアイドル達の姿が、目の前にあった。
アイドル達の努力が報われて、安堵した。
彼女達の幸せそうな笑顔を見て、この職に就いて良かったと、心の底から思った。
アイドル達を応援する観客達に、満面の笑顔を浮かべて歌と踊りを楽しそうに披露する彼女達が、好きだった。
俺はただ、アイドルの傍で、アイドルを応援できれば、それでよかった。
――なのに、どうして、あんな事になってしまったのか。
「プロデューサー? 大丈夫ですか?」
気がつくと、アーニャが目の前に立って心配そうに俺を見上げていた。
「大丈夫だよ。仕事、お疲れ様……それじゃ、帰ろうか」
「ダー。では、着替えてきますね」
何もないように振舞ったが、誤魔化せていないかもしれない。
楽屋に向うアーニャの後ろ姿を見送る。堂々と背を伸ばして歩く彼女は、大人びて見え、それに、とても美しかった。
――今の俺にはアーニャがいる。もう、誰も傷つけたくない。千秋も、文香も……アーニャも。
だから……千秋と文香から、過去から、逃げるわけにはいかない。
146: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/06/18(火) 23:25:44.90 ID:jEUSMPQr0
『千秋さんとはもう会わないでください』
これが、文香から来た最初のメールだった。
メールには書かれていないが、きっと会ったら写真がばら撒かられるのだろう。
さっそく俺は、千秋にメールを送った。
『千秋、ごめん。俺はもう千秋と会えない』
内容は簡素なものにした。
着信拒否をするべきかどうか迷っていると、メールを送ってから十秒も経たずに、千秋から電話が掛かってきた。
『どういう事なのかしら、説明しなさい』
携帯から聞こえる彼女の声は、明らかに怒りに満ちていた。
147: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/06/18(火) 23:29:58.94 ID:jEUSMPQr0
「千秋、このままだとお前をまた傷つけてしまう。だから、もう、会えない……すまない」
『貴方に会うのを拒絶された事の方が、何よりも傷つくに決まっているじゃないッ!!』
耳を劈くような悲痛な叫び声が、心を締め付ける。
『好きよ……貴方の事……好きなの……貴方が……愛してるわ。だから……貴方が、アイドルと付き合えないと言うのなら――』
千秋は泣いているようだった。
彼女は涙声で、とんでもない事を言い出す。
『――私は、アイドルをやめるわ……』
「それだけは、ダメだ!」
思わず声を荒げてしまう。ただ、それぐらい聞き捨てなら無い事だった。
148: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/06/18(火) 23:38:46.27 ID:jEUSMPQr0
「自分を変えるために、お前はアイドルになったんだろ……アイドルをやめたら、また、戻ってしまう」
濁った瞳の千秋を思い出す。最初に千秋と出会った時、彼女からは生気を感じられず、まるで人形のように見えた。
そんな彼女を見ていられなくて、俺はアイドルにならないかと、千秋を誘った。
千秋は知り合って間もない俺に、家庭環境を話してくれた。
良家の一人娘で、それ故に束縛されている事を話してくれた。
押し付けがましく、それがエゴだという事も自覚しているが、何とか千秋を救ってあげたかった。
両親を説得できたら、アイドルをやってくれるかと彼女に聞いた。千秋は頷いた。
俺は、千秋の両親を必死で説得した。土下座だってした。とにかく、千秋の目の前で、みっともなく懇願した。
説得している内に、千秋が自分の胸の内を吐露した。泣き叫び、想いを必死に両親に伝えていた。
それも効いたのか、何とか彼女の両親から許しを得る事ができた。それによって、千秋はある程度の自由を得た。
アイドル活動に励む内に、徐々に笑顔を取り戻していく千秋を見て、嬉しかった。
千秋の浮かべる笑顔が、大好きだった。
だが、いつの間にか、彼女は――
『今の私は、過去の私と同じ様なものよ……貴方がいないから』
149: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/06/18(火) 23:41:43.50 ID:jEUSMPQr0
「……千秋は、とても楽しそうにアイドルやってるじゃないか……あれは嘘なのか?」
テレビに映る千秋、雑誌に載っている千秋、ポスターに載っている千秋、どれも作り物の笑顔には見えなかった。
長い間、千秋を近くで見てきたのだ、例え写真でも作り物の笑顔かどうかは分かる。
『貴方が、テレビや雑誌できっと私の事を見てくれていると思いながら仕事をしていたの……貴方には、笑顔を見てもらいたいから』
彼女の声は、震えている。普段の強気な彼女からは想像もできない、弱々しい声色だった。
『……プロデューサーが、私の笑顔が好きだと言ってくれたから……貴方に笑顔を見せたくて、ライブも、CMも、バラエティも、絶対に笑顔を絶やさなかったの……貴方がいなくなって一年間、私は貴方を四六時中想いながら、アイドルをやっていたのよ……』
だって、と千秋は続ける。
『私の笑顔を近くで見たくなって、貴方が戻ってくるかもしれないから……だから、私……ずっと……ずっと……』
千秋がとうとう声を上げて泣き出した。彼女がこんなにも子供のように泣き喚くのは、両親を説得した時以来だった。
「千秋……ごめん……でも、会えない……せめて、時間をくれ……」
今すぐ傍に行って抱きしめてあげたかった。でも、それは叶わない。
150: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/06/18(火) 23:46:31.37 ID:jEUSMPQr0
『……何もいらない……私はプロデューサーさえ傍にいてくれれば、何もいらないのに』
「千秋……」
電話の向こうから聞こえてくる、彼女の嗚咽。
千秋が、消え入りそうな声で、プロデューサー、プロデューサーと、俺を呼び続ける。
それがあまりにも悲痛で、思わず目頭が熱くなった。抑えきれず、目尻から涙が零れる。
自分があまりにも無力で、何も出来なくて、情けなくて……その事実に苛まれて、泣いた。
暫く、会話は無かった。
『……電話はいいのよね?』
千秋が、唐突に問いかけてくる。
『会うのはやめるわ……でも、電話はいいわよね?』
文香からのメールには、千秋と会うなとだけ書かれていた。屁理屈かもしれないが、電話やメールは今の所問題ない。
――時間の問題かもしれないが。
151: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/06/18(火) 23:51:25.21 ID:jEUSMPQr0
「電話やメールは大丈夫だ。ただ、仕事中にはしないような」
『仕事中にはしないわよ』
千秋は根っこが真面目だから、そこら辺の心配は無いだろう。
「それじゃ、またな……仕事、がんばれよ、千秋」
『プロデューサー、ちゃんと、メールは返しなさいよ』
「あぁ……」
通話を切ろうとするが、中々ボタンを押せなかった。通話はまだ続いている。千秋も切ろうとしていないのだろうか。
『プロデューサー、早く通話……切りなさいよ』
「千秋が切ってくれよ」
そんな名残惜しそうに言われると、余計切りづらい。
「……」
『……』
微妙な間が広がった。耐え切れず、叫ぶ。
「おやすみ、千秋! 今度こそ、切るから」
『おやすみなさい、プロデューサー』
やっと、通話を切る。
携帯を投げ、身を投げるようにして布団に倒れ込む。暫くそのままじっとしていたが、うつ伏せから仰向けになって天井を仰ぐ。
何もかもが前途多難だった。千秋の事も、文香の事も。
俺は、どうすればいいのだろうか。
160: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/07/01(月) 01:51:54.70 ID:tKoIBJwk0
今回の仕事は野外ライブだ。たくさんのアイドルや歌手が集まるそれなりにに大きなライブ。
だが、プロデューサーが都合があるからと言って、アーニャとプロデューサーはライブ会場に二時間ほど早く来た。
暫く、楽屋で雑誌を読んだりして暇を潰していたアーニャだが、プロデューサーが少しスタッフと話してくると言ったきり戻って来ない事に気づく。
携帯にかけてみても繋がらない。
アーニャはプロデューサーを探すために楽屋を出る。
アイドル活動は楽しいし、同じアイドルの友人だってできた。でも、プロデューサーとの時間も減っていって、最近は一緒にいれない事も多い。それが、どうしようもなく寂しかった。
せめて休憩時間や空いた時間はプロデューサーと過ごしたい。アーニャは戻って来ないプロデューサーを探しに会場の方に向かった。
一通り歩き回って探すも、プロデューサーの姿はなかった。
芸能関係者やスタッフと話している姿は見かけない。トイレにしては長すぎる。一体どこに行ったのだろうか。
161: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/07/01(月) 01:57:44.97 ID:tKoIBJwk0
一人で探すのに限界を感じたアーニャは、そこら辺で準備をしていたスタッフにプロデューサーの行方を聞いた。
「君の所のプロデューサーだったらさっきそっちの方に行ったけど」
スタッフが指差す方向は、森だった。入口から砂利道がずっと奥に続いている広く、深い森。
森の中でも散歩してるのかな。言ってくれれば喜んでついていったのに。
不意に、木々に囲まれた道をプロデューサーと二人で歩く姿を想像してしまう。少しだけ恥ずかしかった。
今からでも合流して一緒に散歩しよう。アーニャは森の中へと足を踏み入れた。
だが、五分ほど歩いてもプロデューサーは見当たらない。そもそも人がいない。
スタッフの人が見間違えたのかな……
時間はまだある。もう少しだけ進んでみよう。
アーニャは構わず歩を進めた。
162: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/07/01(月) 01:59:35.66 ID:tKoIBJwk0
森の中は日光があまり届かず、微妙に薄暗い。それに、静かだ。
砂利道がずっと続いているため、迷うことはないが、もう十分は歩き続けている。そろそろ戻るべきか。
やはりスタッフの見間違えだったのだろう。
踵を返し、ライブ会場に戻ろうとした時、遠くから微かに声が聞こえた。
「プロデューサー?」
やっぱり、プロデューサーはこっちに来ていた?
プロデューサーに会えるのが嬉しくて、小走り気味に声の聞こえた方へと向かう。砂利道から外れたが、迷うほどのものではない。
遠くに、人影が見えた。それを見て、アーニャは思わず足を止める。
163: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/07/01(月) 02:02:57.73 ID:tKoIBJwk0
周りの木々よりも二回りほど大きな大樹。その樹木にプロデューサーは背をつけている。
プロデューサーの目の前には一人の女性がおり、プロデューサーの両肩を掴んで、後ろの樹木に押し付けていた
その女性には見覚えがある。
――鷺沢 文香。先輩アイドルで、トップアイドルの一人。あまり話したことはないが、一緒の仕事をする事が多く、その度に挨拶しに行った覚えがある。
プロデューサーは、何故か文香に体を押さえつけられていた。だが、抵抗はせず、ただ顔を逸らしてじっとしている。
文香が一言二言、プロデューサーに何かを告げた。内容までは聞こえない。
プロデューサーは少しだけ悲しい表情を浮かべ、文香を見つめた。
そして、二人は顔を近づけ、口づけを交わす。一度だけではない。息継ぎをしては、何度も繰り返した。
やがて文香が舌を差し込んだ。プロデューサーの舌を吸っては、奥に舌を突き入れ、そして激しく絡ませる。
鷺沢 文香というアイドルは大人しく、人と話すのを苦手としているように思えた。男の人となると、なおさら。
なのに、なぜ、プロデューサーと……
目を見開いて、アーニャは固まった。
164: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/07/01(月) 02:14:42.63 ID:tKoIBJwk0
どうして……どうして二人が、キスをしているのだろう。
相手はアイドルで、プロデューサーはプロデューサーなのに……本当は、ダメなのに……なんで……
体中をどす黒い何かに焼かれるような感覚がした。胸がズキズキと強く痛む。
思わずその場にへたり込んでしまう。痛む胸を押さえながら、目から涙が零れた。
胸が苦しくて、心が痛かった。ただ、プロデューサーが文香とキスをしているのが、嫌だった。
暫くの間、遠くで口付けを交わす二人を見つめたまま呆然としていたが、不意に我に返り、慌てて立ち上がった。
きっと酷い顔をしている……今の姿をプロデューサーに見られたくない。
アーニャは素早く涙を拭い、二人に気付かれる前に立ち去った。
ふらふらとした足取りで何とか楽屋まで戻り、机に突っ伏してアーニャはまた泣いた。
165: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/07/01(月) 02:26:30.52 ID:tKoIBJwk0
プロデューサーが困らせたくないから、ずっと我慢してきた。
プロデューサーに拒絶されるのが怖くて、プロデューサーとの関係が壊れるのが怖くて、この数ヶ月間ずっと抑えてきた。
「好き、です……プロデューサー」
いつからか、アーニャはプロデューサーに惹かれていた。
ずっとプロデューサーと一緒にいたせいかもしれない。でも、それは理由の一つだ。
本当は、プロデューサーと恋人になりたい。
アイドルだから、それは無理だと、プロデューサーを困らせるだけだとずっと自分に言い聞かせて、アーニャは我慢してきた。
だけど、プロデューサーはアイドルである鷺沢 文香と恋人のような事をしていた。
それを見て、もう抑える必要はないのだと、想いを伝えるのを我慢する必要はないのだと、吹っ切れた。
それに、まだプロデューサーがあの女のものになったと決まったわけじゃない。
だって――
――文香と口付けを交わすプロデューサーは、笑顔や幸せとは程遠い悲しみに暮れた表情をしていたから。
「プロデューサーが笑顔を見せるのは、私だけ……」
取り戻そう、プロデューサーを。
あの女から。
176: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/07/09(火) 20:21:45.72 ID:NbDNoAnw0
最近、アーニャの様子がおかしい。
とにかく全体的に距離が近いのだ。アーニャが雑誌を読む時も、俺と会話する時も、とにかく近い。
今日だって、休憩するためにソファに座ると、アーニャも隣に座った挙句、肩に頭を預けてくる。
「アーニャ、最近、どうかしたか? 一人暮らしが寂しいのか?」
流石におかしいと思い、アーニャに問う。
アーニャは一人暮らしだ。もしかしたら寂しいのだろうか。最近一緒にいれる事が少なくなっているのも拍車をかけているのかもしれない。
だが、アーニャの答えは違った。
「ニェート……私はただ、プロデューサーの近くにいたいだけです」
「それは……」
……アーニャ?
177: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/07/09(火) 20:25:13.24 ID:NbDNoAnw0
アーニャが、肩が触れ合うぐらい身を寄せながら、至近距離で俺と視線を合わせる。
「プロデューサー……もう分かっているとは思いますが、私はプロデューサーの事が好きです」
アーニャは真剣な表情で、自らの想いを俺に伝えた。
「……どうして」
どうして俺なんかを。
アーニャはきっと、錯覚している。そこら辺の恋人なんかよりもずっと長い間、男と二人っきりで生活していたから、錯覚してしまったのだろう。寂しいが、どうせ一時の感情だ。
その事を伝えようとするも、先に彼女が口を開く。
「プロデューサーを悲しませる人は、許しません」
「悲しませる人……?」
暗い光をその目に灯し、アーニャは上目遣いに俺を見上げる。彼女の瞳は、深海の如く薄暗く、吸い込まれそうなほど深い青に満ちていた。
「鷺沢文香……私は彼女を許しません」
――私の、大切な人を悲しませたから。
俺は、気が遠くなった。気絶までは行かないが、しっかりと地に足をつけていないと倒れそうだ。
178: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/07/09(火) 20:29:30.75 ID:NbDNoAnw0
「プロデューサーといると、とっても安心します」
「プロデューサーだけが、真剣になって私の容姿を褒めてくれました。大多数の人は面白半分に見物していくだけでした」
「今までずっと一人ぼっちでしたが、今の私には、プロデューサーがいます」
「プロデューサーは、私の大切な人です」
「プロデューサーの悲しむ姿を、見たくありません」
「私がプロデューサーを笑顔にしてみせます」
「この事務所にずっといれば、プロデューサーはもうあの人会う必要はありません。ですから、ずっとここにいてください」
「プロデューサー、外の事は全て私に任せてください」
「プロデューサー、愛しています」
「プロデューサーは、私の事、好きですか?」
「これからも、ずっと一緒ですよ……プロデューサー」
「プロデューサーとずっと一緒でいられるこの事務所だけが、私の居場所です」
179: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/07/09(火) 20:33:39.18 ID:NbDNoAnw0
豪雨に体中を打たれながら、力なくひと気のない道路を歩いていた。
外は既に真っ暗で、寒い。
頭を冷やしながら、今までの事を振り返る。
俺は別に、心の底からアイドルの想いを否定したいわけじゃない。あんなにも可愛くて、優しい子達に愛されて、幸せ者だと思う。
でも、アイドルとプロデューサーだ。
昔、応援していたアイドルが、プロデューサーと結婚した時の衝撃を、今でも覚えている。
当時俺は小学生だったが、そのアイドルの事が本当に気に入ってて、とても悲しい思いをした。
アイドルの気持ちに応えてしまったら、あの悲しさをファンに味あわせる事になる。
それだけは避けたかった。アイドル達にファンを裏切らせるわけにはいかない。
180: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/07/09(火) 20:41:01.77 ID:NbDNoAnw0
アイドルの気持ちには、応えない。
俺は、迷いなくその結論に達する。
だが、文香がそれを許しはしない。
千秋の事がある以上、文香には従わなければならない。何とか、説得できないものか。
コンクリートの塀に手を付き、降り注ぐ雨を一身に受けながら、考える。
どうすればいい……このままじゃ、いずれ……
考えても、何も思いつかない。急に目頭が熱くなり、そのまま雨と共に涙が流れた。
嗚咽が込み上げ、雨に紛れて一人むせび泣く。
不意に、雨が遮られた。
壁に手をついて項垂れる俺に、誰かが傘をかざしてくれたらしい。傘の雨を受ける音が響く。
一体誰が――
「……こんばんわ……プロデューサーさん……」
181: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/07/09(火) 20:49:48.29 ID:NbDNoAnw0
振り返ると、赤みがかった茶髪を上の方で二つに結んだ、小動物のような雰囲気を持つ、可愛らしい顔立ちの少女がいた。荒れのない綺麗で滑らかな肌に、全体的に華奢でか細い体。彼女は、ふわふわした感じの、全体的に桃色で統一された可愛らしい洋服に身を包んでいた。
その左手には、白い傘が握られている。
見間違えようがない。俺が一番最初にプロデュースしたアイドルだ。
「智絵里……」
「あの……お久しぶりです……プロデューサー……」
智絵里の、傘を持つ左手の手首には、痛々しいリストカットの跡が残っていた。
196: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/07/16(火) 21:22:51.73 ID:CxRQw2Xu0
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――
「緒方……緒方智絵里……です」
目の前の、赤みがかった長い髪を二つに束ねた少女は、俯きながらも時折こちらに視線をよこしながら名乗った。
「あの……その……えぇと……が、がんばります……ので……見捨てないでくれると……その……うれしい……です」
アイドルとしてやっていけるぐらい十分な魅力を持った女の子だが、性格がアイドル向きじゃないように感じる。
ただ、彼女の意志は強そうだった。その意志が折れない限りは、可能性はいくらでもあるだろう。
「よろしく。緒方さん」
そう言うと、彼女はオドオドしながらも、
「……よろしくお願いします。プロデューサーさん」
と返した。
小動物みたいな子だな。智絵里を見てそんな感想を抱く。
――こうして、俺はプロデューサーとして、智絵里はアイドルとして動き出す事となった。
197: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/07/16(火) 21:24:19.07 ID:CxRQw2Xu0
智絵里は運動が苦手なようで、ダンスなんかはトレーナーからよく注意を受けている。基礎の段階から、中々進まなかった。
歌も聞けるレベルではあるが、大衆に聞かせるにはまだまだ実力不足だ。
内気な性格も変わらず。
前途多難ではあったが、智絵理は挫折する事なく努力を続けた。
198: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/07/16(火) 21:28:47.45 ID:CxRQw2Xu0
運動不足と指摘され、落ち込んでいる智絵里に、俺は一つ提案をする。
「智絵里、体力をつけるために一緒に走らないか?」
一人では少し難しいだろう。だが、他の人と一緒ならやりやすいかもしれない。そう思って、提案した。
彼女はお願いしますと言って、提案を受けてくれた。
俺達は一緒に、暇な時間に外を走るようになった。
最初、智絵理は一キロ走るのも辛そうだったが、根気強く続けていく内に、努力が実り、智絵里は長く走れるようになっていった。
毎日ランニングを続けた結果、少しずつではあるものの体力がついてきて、智絵里は少しだけ自分に自信が持てたようだ。
少しだけ自信を持つようになった彼女を見て、俺も嬉しい気持ちになる。
199: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/07/16(火) 21:32:50.06 ID:CxRQw2Xu0
だが、残念な事に問題はまだたくさん残っている。
体力面は改善してきたものの、智絵理の運動神経が壊滅的で、結局ダンスが上手くできずに注意されてばっかりだった。
「智絵里、今度は一緒にスポーツしてみないか?」
今度はスポーツに誘った。智絵里は見るからにスポーツが苦手そうだが、やってみると少しぐらい変わるかもしれない。
智絵里は、全然できなくても見捨てないでくださいとだけ言って、また提案を受けてくれた。
見捨てるか。智絵里が諦めてないのに、俺が見限ってどうする。
「とりあえず、野球でもするか」
思い立ったが吉日、ソフトボール用のバットとソフトボールを購入し、広い公園へと向かった。
ソフトボール用のバットなら軽いから智絵里でも大丈夫だと思っていたが、ちょっと重たそうだった。
バットを構える智絵里に、下投げで、子供でも打てそうな球を放ってやる。
彼女は過去に一度も経験した事が無いらしいので当たり前と言えば当たり前なのかもしれないが、中々バットには当たらなかった。
200: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/07/16(火) 21:35:27.90 ID:CxRQw2Xu0
空振りする度に涙目になっていく智絵里が、可愛かった。
かすりもしていないが、一球一球必死に当てようとしているのが見て取れる。
今にも泣きだしそうだが、彼女は諦めていなかった。
やっぱり、アイドルになる素質はある。
それに、どんなにダメ出しされても、彼女は未だにアイドルになる事を諦めていないし、挫折してしまいそうな気配も見せない。
この子なら、トップアイドルを目指せる気がする。
プロデューサーとしての経験が浅いので断言はできないが、直感的にそう思った。
そして、もうかれこれ五十球ぐらい投げたような気がする。
今までと同じように、下投げで軽くボールを投げた。
智絵里は初期の頃よりもだいぶ様になっているフォームで、バットを構えている。
次の瞬間、智絵里は飛んできたボールをバットの芯で捉え、そのまま青空に向かって大きく打ち上げた。
「え?」
打った本人も度肝を抜かれたように驚いているのが滑稽で、可愛かったのを覚えている。
ホームランとまでは行かないが、それなりの距離をボールは飛んで行った。
「……やった! 当たった!」
「あぁ、おめでとう」
嬉しそうにぴょんぴょん跳ねる智絵里。
彼女の笑顔が、とても眩しかった。
201: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/07/16(火) 21:37:24.73 ID:CxRQw2Xu0
それから、智絵里を少しでも動けるようにするため、色々なスポーツを彼女に教えた。
スポーツと言っても、二人で少し練習する程度だが。
「えいっ!」
彼女が爪先でサッカーボールを蹴る。
威力は弱いが、ボールは真っ直ぐに飛び、俺の足元へと転がってきた。
「上手いな」
転がってきたボールを、蹴って転がし、智絵里へと返す。
「えへへ……偶然です」
智絵里はくすぐったそうにしながら、楽しそうに微笑む。太陽のように温かくて、優しい笑みだった。
彼女はコツを掴んだのか、その後は大体正確なパスが出せるようになった。
202: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/07/16(火) 21:39:29.61 ID:CxRQw2Xu0
それからというものの、テニスやバトミントン、キャッチボール、バスケットボールでフリースローの練習など、アイドル活動からは程遠い事をやっていた。
だが、驚くべき事に効果はあった。
短期間で、智絵里は以前とは比べものにならないぐらい動けるようになっていた。
ダンスレッスンも注意される事が少なくなり、まだ完璧とは言えないが、人並み以上にこなせるようになっていた。
明らかにダンスの動きがよくなっているのが、素人目にも分かる。
智絵里は、プロデューサーさんのお陰ですと言いながらも、とても嬉しそうにしていた。
智絵里は前よりも格段に自信がついてきて、少しずつアイドルとしての片鱗を見せるようになってきた。
203: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/07/16(火) 21:41:08.52 ID:CxRQw2Xu0
「プロデューサーさん……えっと……今度は歌を頑張りたいので、一緒にカラオケに来てくれませんか?」
相変わらず内気な性格は変わらないが、それでも智絵里は少しずつ変わってきていた。
はっきりと喋れているし、視線だって外さない。
今日だってほんの少し緊張しているようだが、俺にカラオケに着いて来てほしいと頼みに来た。
前の智絵里なら年上の男に何かを頼むなんてとてもじゃないが無理だろう。
「一人は心細いもんな、分かった。仕事が終わったら行こう」
彼女からの頼みでは断れない。というより、智絵里からの頼み事は断れない。断った瞬間どんな表情をするのかと想像してしまうと、断れなくなる。
智絵里は、トレーナーに言われた事を思い出しながらカラオケで、場違いにもほどがあるほど真剣に練習した。
俺はソファーに座って、智絵里の歌をずっと聴いていた。常日頃思っているが、やはり智絵里の声は綺麗だ。
時折音を外したり、音程が分からなくなったりして焦る智絵里はとても可愛かった。
カラオケでの練習は一時間と控えめだが、智絵里と俺は毎日のようにカラオケに行った。
元々音痴というわけではなかったので、毎日のレッスンと自主トレーニングで、すぐに智絵里は上達していった。歌の方の才能は凄いらしい。
204: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/07/16(火) 21:43:27.88 ID:CxRQw2Xu0
智絵里は、月日が経つにつれて明るい女の子になっていった。
いつもの不安そうな弱気な表情は消え失せ、最近は、常に優しい微笑みを携えている。
元からとても可愛かったが、最近の智絵里は更に可愛さに磨きがかかっていた。
小さなライブを行っては大量のファンを獲得し、モデル雑誌に乗れば、会社から次もお願いしたいと依頼が来る。
こうして、智絵里は人目に触れる機会が多くなっていき、確実に知名度と人気を伸ばしていった。
205: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/07/16(火) 21:47:11.20 ID:CxRQw2Xu0
数カ月が経ち、智絵里にもとうとう大規模なライブの話が来た。
智絵里に伝えると、とても喜んでいたが、どこか不安そうでもあった。
無理もない。今まで彼女が行ってきたのは、小さなライブばかりであり、大規模なライブはこの仕事が初めてだ。
当日、智絵里は緊張していた。
楽屋で衣装に着替えた智絵里は、遠目からでも分かるくらい震えていた。
「プロデューサーさん……私、怖いです……」
まるで出会った頃のような様子の智絵里に、思わず苦笑する。
やっぱり、根本的には変われないのかな、などと思いつつも、震える彼女を見てどこか微笑ましい気持ちになった。
「なぁ、智絵里……よく聞いてくれ」
智絵里の肩を掴み、智絵里と目を合わせる。
「昔から、お前はできるっていう言葉がどうにも苦手だった。何を根拠にそんな事言えるんだ……根拠もないのに無責任な発言だなって、そう思った」
智絵里の震えが少しだけ収まっていくのが分かった。直に触れているから。
「でもな、今ならお前ならできるって言う人の気持ちも分かる。何故だか知らないけど、智絵里なら出来るって思う。気休めにもならないかもしれないけど」
「大丈夫です……プロデューサーさんが傍にいてくれるから」
智絵里が、ぎゅっと、俺の腰に手を回した。抱き合っているような状態なので、見られたらまずいが、少しの間なら大丈夫だろう。
「智絵里……お前なら出来るよ。だから、頑張って」
右手を彼女の背に回し、ぽんぽんと軽く背中を叩いて励ます。
206: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/07/16(火) 21:52:03.03 ID:CxRQw2Xu0
数分間、軽く抱き合うような形で、智絵里が落ち着くまでずっと身を寄せ合っていた。
智絵里からいい匂いがするし、体は柔らかいし、色々大変だったが、何とか持ちこたえる。
「……プロデューサーさん、もう、大丈夫です……ありがとうございました」
「そうか」
抱きしめる腕に少しだけ力を込めた後、智絵里は離れた。
不安はどこかへ吹き飛んだのか、智絵里はいつもの優しい微笑みを浮かべていた。
「行ってきますね、プロデューサーさん……私の事、ずっと見守っていてください」
「あぁ……見守ってるよ。いつまでも」
智絵里はひまわりのように温かく明るい笑みを浮かべながら、楽屋を出て行った。
その後ろ姿は、数分前の智絵里の状態からは想像もできないくらい堂々としていた。
207: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/07/16(火) 21:55:44.62 ID:CxRQw2Xu0
そして、彼女はステージに立つ。
大衆の歓声を浴びながら、今まで培ってきた全てを、観客に魅せる。
妖精のような儚さと、太陽のような明るさを持つ智絵里に、会場の人間の大半が心を奪われた。
音楽が止まり、観客へ向けて智絵里が深々と礼をした時、会場を震わせるほどの歓声が、会場全体に響き渡った。
「好きです……プロデューサーさん」
マイクの電源は既に切られ、小さく放たれたその言葉は誰の耳にも届かない。
「プロデューサーさん……一緒にいたいです……これからも……ずっと……」
214: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/07/22(月) 02:18:28.50 ID:G4bqFBQ+0
智絵里はあのライブ以降、知名度と人気が劇的に上昇し、一躍有名人となった。
智絵里は見事にチャンスをモノにしたのだ。
喜んでいる智絵里を見て、心の底からこの仕事に就けてよかったと思う。
これからも見守っていこう、アイドル達を。
☆
「今までよくがんばったな、智絵里」
車の運転中、助手席に座る智絵里に労いの言葉をかける。
「あ、ありがとうございます……」
恥ずかしそうに眼を伏せる智絵里。相変わらず仕草が可愛らしかった。
その姿を見て、男性は保護欲を掻き立てられるのだろう。
「あ、あの、プロデューサーさん……その……これ…四葉のクローバーを押し花にして綴じ込んだ栞です、どうぞ。いつも……ありがとう…」
赤信号で車を停車させている時に、感謝の言葉と共に、智絵里が唐突に四葉のクローバーの栞を差し出してきた。
「嬉しいよ……ありがとな、智絵里」
本当に嬉しかった。態々プレゼントを用意してくれたくらいだから、それなりの信頼関係を築けてこれたのだろう。
よかった。
「これからも……これからもずっと……私の事、見守っていてくださいね?」
「言われなくても」
ずっと見守ってるよ。
215: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/07/22(月) 02:20:02.30 ID:G4bqFBQ+0
☆
「智絵里を別のプロデューサーに任せる? それじゃ、俺は首ですか?!」
携帯に、社長からのメールが届いていた。内容は、話があるから社長室に来いとの事。
社長から告げられたのは、智絵里を別のプロデューサーに任せるというものだった。
いくらなんでも、急すぎる。
「待て待て、そう急ぐな。話は最後まで聞け」
「あ……す、すみません、取り乱して」
驚いたからとはいえ、立場も年齢も上の相手に声を荒げてしまった。冷静にならなくては。
「智絵里君はもうアイドルとして完成してきている。後はスケジュール管理だけ出来る人間を当てればいい」
それよりも、と社長は続ける。
「私は君の能力を買っている」
「智絵里を別のプロデューサーに任せる? それじゃ、俺は首ですか?!」
携帯に、社長からのメールが届いていた。内容は、話があるから社長室に来いとの事。
社長から告げられたのは、智絵里を別のプロデューサーに任せるというものだった。
いくらなんでも、急すぎる。
「待て待て、そう急ぐな。話は最後まで聞け」
「あ……す、すみません、取り乱して」
驚いたからとはいえ、立場も年齢も上の相手に声を荒げてしまった。冷静にならなくては。
「智絵里君はもうアイドルとして完成してきている。後はスケジュール管理だけ出来る人間を当てればいい」
それよりも、と社長は続ける。
「私は君の能力を買っている」
216: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/07/22(月) 02:21:07.23 ID:G4bqFBQ+0
「能力、ですか? 私は、何も持っていませんよ」
社長は突然なにを言い出すのだろうか。能力だなんて心当たりがない。
「正直、これから話す事は、智絵里君に対して非常に失礼な内容ではあるが、どうか許してほしい」
そう前置きしてから、社長は語り出した。
「智絵里君は我がプロダクションの面接を受けに来て、無事受かった。だが我々は、彼女の見てくれが非常にいいから採用しただけであって、それ以外は最低評価だった」
「見てくれがいいから、それ以外を一切吟味せずに合格させたという事ですか?」
「あぁ、何度も言うが、彼女は容姿だけなら抜群だ。面接の時からアイドル向きの性格ではない事は把握していたが、採用した」
有名なプロダクションの割には随分と適当な面接ですね。心の中でそう思ったが、口には出さない。
217: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/07/22(月) 02:24:36.07 ID:G4bqFBQ+0
「私はそれなりに忙しいが、仕事の報告は全て目を通している。智絵里君が最初の頃はモデルすらも満足に出来ていないことも知っている」
昔の智絵里は、笑顔を作るのが下手だった。その上、カメラマンに写真を取られるのを恥ずかしがって、すぐ終わる筈の仕事が結構長引いたりもした。
「トレーナーの方に話を聞くと、智絵里君は歌の方は優秀だが、ダンスの方は致命的と聞いた。二回ほど、レッスン現場を覗かせて貰ったが、確かに致命的だった」
確かに、智絵里の運動能力は平均よりも下かもしれない。でも、努力で克服できた。過程はそれなりに辛いものだったが、智絵里は努力でそれを克服した。
「私はね、彼女のプロデューサーが君じゃなかったら、今の智絵里君はないと思っている」
その言葉を聞いて、思わずいきり立つ。
「そんな事ありません! 智絵里は確かに気弱な性格ですが、意志だけは強かった! 現場でどんなに怒られても、トレーナーにどんなにダメ出しされても、智絵里は諦めなかった!」
智絵里の強い意志を感じて、俺も真剣に彼女と向き合って、彼女をプロデュースしていくと決めた。
「智絵里は、自分には才能がないと落ち込んでいたこともありました。才能がないかもしれないと自覚していながら、それでも智絵里は必死にアイドルを目指して努力を続けたんです!」
好きなのに、才能がない。それがどれほどの恐怖なのか、俺には分からない。
ただ、想像以上に辛い筈だ。
それでも、彼女は努力をやめなかったし、挫折もしなかった。泣き言は多かったが、アイドルを諦めるような発言はしなかった。
218: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/07/22(月) 02:26:33.41 ID:G4bqFBQ+0
「首になる事を覚悟して言いますが、俺の能力云々よりも、まずは智絵里の努力を褒めてやってくださいよ! 俺がいなくたって、いずれ智絵里はトップアイドルになれましたよ!」
言いたい事を好き勝手に、状況も相手も考えずに吐き出す。俺はもう、終わりかもしれない。
荒い息を整えながら、恐る恐る社長を見る。
「はっはっはっ。なるほど、そうか……すまなかったな」
社長は苦笑いを浮かべながらも、頬を指先で掻きながら、言葉通り、すまなそうにしていた。
顔に出ていないだけで、本当は物凄く怒っているかもしれない。急いで謝罪しよう。
「あ、あの、社長――」
「どっちにせよ、智絵里君は別のプロデューサーに任せるよ」
俺の言葉は社長に遮られてしまう。そして、どっちにしろ智絵里の担当は外されるらしい。
219: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/07/22(月) 02:38:49.67 ID:G4bqFBQ+0
「智絵里君の意志の強さと、努力は認めるよ。だけど、やはり、君も関係しているとは思うんだがな」
「いえ、その……」
何て返したらいいか分からず、口籠ってしまう。
小さく笑みを浮かべながら、社長が本題に入ろうと、話を切り出した。
「――君に少しの間、休暇を与えよう。その間に新しくアイドルをスカウトし、その子をプロデュースしたまえ」
「は?」
なんて無茶な話なのだろうか。
でも、社長は本気のようだった。
「出来るかね? 少々難題を吹っかけているという自覚はあるが、君にやってもらいたいんだ。君ならきっと素質のあるアイドルを見つけられると思うし、トップアイドルにも出来ると思う」
なんて無責任な発言なのだろうか。漫画やドラマじゃないんだぞ。
にやにやと笑みを浮かべながら、俺の返答を待つ社長。
平凡な社員が、社長の持ちかける話を断れるわけがなかった。
「分かりました。新しくアイドルをスカウトして、プロデュースします」
上手くいくかどうかは知りませんけどね、と心の中で付け加える。
「おぉ、そうか。君ならきっと、我がプロダクションに多大な利益をもたらすアイドルを見つけてくれるだろう。期待してるぞ」
結局は金か。馬鹿野郎が。
受けてしまったものは仕方がない。
なるべく、社長が満足できるような結果を残せるように、頑張ろう。
229: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/07/28(日) 02:12:15.32 ID:ImNOXPS30
☆
まずは女の子をスカウトする所から始めなくてはならないのか……
猛暑の中、汗水垂らしながら人の多い場所、特に若者が集まるような所に足を運ぶ。
人見知りというわけではないが、複数人で行動している女性達にスカウトしに行くのは、ナンパをする勇気も経験もない俺には少しハードルが高い。かと言って、一人の女性に近寄れば警戒される。
何なのだ、これは。どうすればいいのだ。
悩んでいても仕方がない、とりあえず動こう。突っ立ってるだけでは可能性すら得ることができない。
とはいえ、ただ闇雲に練り歩いても中々機会に巡り会えない。
普通に面接を受けに来た子から選ぶのはダメなのだろうか。スカウトなんて難しい事をいきなり吹っかけてくるなんて。
230: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/07/28(日) 02:14:45.57 ID:ImNOXPS30
長い間、恐ろしく暑い中を歩き回っていたせいか疲れてしまい、近くにあったひと気のない公園のベンチで休むことにした。
曇り一つない青空を、恨めしく見つめる。いくらなんでも暑すぎる。
飲み物でも買おうかとベンチを立った時、ふと、遠くのベンチに座っている女性が目に入った。
眼鏡のお陰で、女性の姿はよく見える。
どこか思いつめたような暗い表情をしているが、とても美しい顔立ちなのが見て取れる。綺麗で艶のある黒髪、陶器のように白い肌、華奢な体躯、儚げな雰囲気。本当に綺麗な女性だった。
あの人なら、アイドルになれそうだな。そんな事を反射的に思い浮かべる。
231: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/07/28(日) 02:17:30.15 ID:ImNOXPS30
アイドルになれそう、じゃない。アイドルになれるぞ、あの人なら。そんな空気が漂ってる。雰囲気が若干暗い気もするが……
俺はスカウトしに来てるんだ。相手はちょうど一人だし、強気で行こう。
遠い所から一直線に女性の下へと向かうのはかなり精神的に来るものがあるが、構わず歩き続ける。
彼女が俺を捉え、歩み寄る俺を見据えた。思わず足を止めそうになってしまう。恐ろしい緊張感だ。警察呼ばれたらどうすればいいのだろうか。
色々な事が頭を駆け巡っている間に、いつの間にか彼女の目の前に辿り着いてしまった。緊張で背筋が強張る。
目の前の女性が、何も言わずにただ視線を送ってくるだけなのも緊張に拍車をかけていた。
232: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/07/28(日) 02:20:31.42 ID:ImNOXPS30
やはり、彼女はとても美しかった。近くで見ると、よく分かる。キメ細かい滑らかそうな肌に、まさに高嶺の花と言った感じの、高貴な顔の作り。
ただ、瞳は虚ろで光を灯しておらず、ぼんやりと濁っていた。表情もどこか無機質で、全てに無関心と言わんばかりの空気を纏っている。
彼女のくぐもった瞳には、何が映っているのだろうか。俺を見つめてはいるが、俺の姿が映っていないように見える。
人形のように、生気の感じられない。
彼女をアイドルに誘ったら、何か変わるだろうか。
もし、彼女がアイドルになったら、何が変わるのだろうか。
無気力にベンチにもたれかかる彼女に向けて、内ポケットから取り出した名刺を差し出す。
「アイドル、やってみないか?」
真っ直ぐに彼女の瞳を見つめ、告げる。
いつの間にか、緊張は解けていた。
233: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/07/28(日) 02:22:50.81 ID:ImNOXPS30
「アイ、ドル?」
彼女は初めて反応を示した。
「そう、歌ったり踊ったりしてるアイドルだ。君はとても綺麗だから、アイドルになるための素養は十分だと思う」
「綺麗でも、何でも……アイドルなんて、親が許しはしないわ」
親が許さない。という事は、彼女自身はまだ心の底からアイドルになるのを嫌がっているわけではないのだろうか。それとも、断るための嘘か。
「アイドルになるのが嫌だったら、はっきり断って欲しい。でも、もし少しでもアイドルになりたいっていう気持ちがあるんだったら俺が君の親を説得する」
俺がそう言うと、無理だ、と言いたげに彼女は首を横に振る。
「あの両親を説得だなんて、無理よ」
「もし、仮にもし、両親を説得出来たら、君はアイドルになるかい?」
「えぇ、なってもいいわよ。出来たらの話だけれど」
234: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/07/28(日) 02:26:37.71 ID:ImNOXPS30
表情や、雰囲気で読み取れる。
彼女は……俺にも、両親にも、何も期待していない。
何にも期待されていないのは少々切ないが、とりあえず彼女の両親を説得してみよう。
アイドルになって欲しいというのもあるが、何よりも、彼女の笑顔が見たかった。
「君の名前は?」
受け取った名刺をポケットにしまうのを見届けながら、彼女に名前を聞く。
彼女が顔を上げ、俺を見据えながら、名前を告げた。
「黒川千秋」
242: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/08/06(火) 14:03:16.48 ID:fO/OURY80
昔から、私に自由なんてなかった。
親が……家系が優秀だから、娘である私も優秀である事を求められた。
勉強は勿論、運動も、習い事もたくさんした。
親に甘やかされた事など一回もない。常に何かを教えられながら今まで育てられてきた。
自由に外を楽しそうにはしゃぎ回る子供たちが、別の世界の人間に見えた。
243: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/08/06(火) 14:05:21.12 ID:fO/OURY80
唯一人とまともに触れ合う事ができる小学校も、上手く馴染むことができなかった。
当たり前だ、満足に遊ぶ時間さえ取る事も出来ない上、流行りの話題についていく事すらできない私に、友人なんてできるはずもないのだ。
小学校卒業後、私は中高一貫校へと入学した。
中学生になったというのに、何故か環境は変わらない。いつも通りの、勉強と習い事の毎日。
クラスメイトは、勉強にしか興味がないのではないのかと思うぐらい、勉強熱心な人達ばかりだった。
授業中静かなのは当たり前で、先生が授業と関係ない話をすれば容赦なく続きを催促するような、真面目な人達。放課後、彼らがどこかへ遊びに行くなんて話をするのは稀だ。
私は友人が欲しかったが、何故か友人関係を築こうとする人間は少なく、また、機会も得られず、結局、私は中学高校共にずっと独りだった。
244: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/08/06(火) 14:13:04.76 ID:fO/OURY80
親の望みに応え、私は優秀であるように努めた。
小学校の時から既に勉強三昧だったのだから、流石に成績はよかった。
運動能力には恵まれ、常に上位をキープした。
たくさんある習い事だって全て器用にこなした。
大体の事は、何でも出来た。
でも……私は、自分がどれだけ優秀であっても、何も嬉しくない。
テストの点が良くても、運動ができても、ピアノやヴァイオリンが弾けても、ダンスが踊れても、何も嬉しくない。
何ができようとも、私が自分からやろうと思ってやったことではないのだ。
中学を卒業した私は、高校へと進級した。
高校では、三年分の内容を一年で終わらせ、残りの二年は受験勉強だった。
苦痛だった。何も考えず……何も考えることができずに、ただ勉強と課せられた習い事をこなす日々が。
245: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/08/06(火) 14:14:53.51 ID:fO/OURY80
成長しても、反抗期なんてもの迎えることはない。もう、体に染みついてしまっているのだ。親に何かを課せられ、それに従う事が。
仮に反抗なんてしたって、どうせ無駄だ。そういう親なのだから。
親に思いっきり逆らう妄想をしたことがある。一種のストレス発散なのだろう。勿論、実行なんてできない。妄想は妄想だ。
私はこのまま、何一つ自分の意志で生きる事が出来ないまま、老いて死んでいくのだろうか。
高校二年辺りから、毎日のように自身の暗い未来を思うようになった。
変わらない世界と変われない自分。つまりは永遠に変わらない。
想いを伝える事すらできない。だから、一つも変わらない。
鳥籠……いや、牢獄だ。
――仄暗い、牢獄。
246: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/08/06(火) 14:16:16.84 ID:fO/OURY80
私は、ここでこのまま朽ちて屍になるのだろう。
恨みながら――自分にとって無意味な人生を、逆らう事の出来ない情けない自分を、牢獄に閉じ込めた親を、何もかもを恨みながら。
247: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/08/06(火) 14:19:26.45 ID:fO/OURY80
「あなたの結婚相手が決まったわ……会うのは――」
「…………」
私が二十歳になった時、結婚を決められた。相手は私との結婚を望んでいるらしい。
一度、会わされて話をさせられたが、印象は良かった。
顔がよくて、学歴だって凄い。それに、とても優しそうな人だった。非の打ちどころのない、まさに完璧な男の人だ。
結婚すれば、何か変わるだろうか。
答えは、すぐに出た。
――きっと、何も変わらない。
だって、私は結婚の話を拒否することができないのだから。
私に、結婚の話を断るという選択肢が無い時点で、何かが変わるわけがないのだ。
結局、私は――
――永遠に、牢獄の中だ。
248: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/08/06(火) 14:23:59.10 ID:fO/OURY80
変えられないのなら、変わることが出来ないのなら、どうすればいいのだろう。
私は、どうして何もできないのだろう。
ぼんやりとした視界を、空へと向ける。
暗い気分とは裏腹に、空は晴れ晴れとして、強い日差しを大地に送り込んでいた。
ふと、視界の端に男の人が映ったのが見える。何となく、視線を男に寄越した。
男の人は神妙な顔つきをしながら真っ直ぐにこちらへと向かって来ている。何か用だろうか。
身なりは普通のサラリーマンのようで、あまり特徴のない顔の男だった。強いて言うなら、眼鏡をしていて真面目そうな印象を受けるぐらい。
その男は、私の目の前まで来ると、足を止めた。
男はポケットに手を突っ込むと、一枚の名刺を取り出し、私へと差し出す。
私が名刺を受け取ると、彼は口を開いた。
「アイドル、やってみないか?」
今まで変わらなかった世界が、少しだけ、変わったような気がした。
255: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/08/14(水) 20:00:46.72 ID:sI7aX5Qj0
☆
黒川千秋という女の子は、両親を説得なんてできるはずがないと言った。
彼女は、出会って十分すら経ってもいない男の俺に、自らが置かれている環境を打ち明けた。
ずっと自由にできず束縛されて生きてきたこと。今までの人生に、自分の意志なんてなかったこと。結婚すら勝手に決められたこと。全てを千秋は話した。
今までも、これからもこの生活はずっと続く。千秋は暗い表情でそう言った。
「私には、勇気がないの」
千秋を見て驚く。彼女の頬には涙が流れていた。
見ず知らずの人間な上、大人で、しかも男である俺に、ここまですべてを打ち明け、涙を見せるのは、明らかに異常だ。
一人の理解者すら得られないまま、今まで過ごしてきたのか?
256: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/08/14(水) 20:05:34.84 ID:sI7aX5Qj0
「何とかする」
「え?」
無意識の内に漏れていた言葉。千秋は顔を上げ、涙を流しながらも、驚いた表情をしていた。
「もう一度聞くけど……アイドルに興味はある?」
涙を拭いながら、千秋は頷く。
「変わりたい……自分を、変えたい」
相変わらず悲しみに暮れた表情だったが、瞳には強い意志が灯っていた。
もしかしたら、彼女はきっかけが欲しかったのかもしれない。
だから、彼女に契機を与えよう。
「分かった。何とか、してみる」
ここまで来たら、引き返す事なんて不可能だ。
今彼女に告げたように、何とかしてみよう。
千秋の笑顔が見たい。
そして、今度は彼女と共にトップを目指そう。
258: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/08/14(水) 20:06:55.97 ID:sI7aX5Qj0
☆
後日、俺は千秋と待ち合わせをし、二人で黒川の家に訪れた。
今日は、両親が二人とも休みで家にいると、千秋に教えてもらった。
そして、千秋がその日に大事な話があるということを両親に伝えたらしい。俺の存在は伝えていないようだが。
俺は、これからお邪魔するであろう黒川家を眺める。千秋の家は話に聞いていた通り、大きな家だった。流石、資産家と言ったところか。
インターホンを鳴らし、召使いが応じた。黒川千秋さんのことで話があると両親に伝えて欲しいと言い、千秋の姿をインターホンで確認させる。
十数秒後、門が開き、一人のメイド服に身を包んだ召使いが、こちらへと向かってくるのが見えた。
「こちらへどうぞ」
俺と千秋は、大きな部屋へと通された。この部屋は、千秋もあまり来たことがないという。
259: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/08/14(水) 20:09:48.54 ID:sI7aX5Qj0
広い部屋に、高そうな素材でできた赤い絨毯。その上に、黒いテーブルと、大きなソファがあった。
千秋の両親がソファに座り、俺と千秋も向かいのソファへと腰を下ろす。
千秋の両親は、どちらも恐らく四十歳を超えているはずだが、どこか若々しく見える。千秋から聞いていたほど厳しそうな人たちには見えないが、まだまだ緊張は解けない。
父親の方は、娘と共にいきなり訪問してきた俺の存在に少し動揺しているようだった。
「それで、話とは何だね?」
千秋の父親が問い掛ける。その表情は少々厳しく、眼光が鋭い。
緊張しながらも、名刺を渡して自己紹介をした。そして、娘である千秋をアイドルプロダクションに迎え入れたいという旨を、俺は告げた。
母親の方は反応が薄く、涼しい顔をしているが、父親の方は眉間に皺を寄せ、難しそうな表情をしている。
千秋は両親の顔を直視できないようで、俯いて唇を噛みしめていた。
260: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/08/14(水) 20:11:24.63 ID:sI7aX5Qj0
「アイドルの件、どうでしょうか?」
「ダメだ」
父親は、きっぱりと無慈悲に告げる。
「千秋、お前はもうすぐ結婚するのだと伝えただろう。アイドルなんかやっている場合ではない」
冷たい目で、無感情に、彼は続けた。その話の内容は、部外者である俺が今すぐ反論したいほど、残酷なものだった。
「お願いします! 千秋さんを、我がアイドルプロダクションに所属することを認めてください」
こんな胸糞悪い身内話を聞かされながらも、結局、俺は頭を低くしてお願いするしかないのか……!
「君も、こちらの都合を考えずに無理矢理意見を通そうとするのはやめたまえ、見苦しい」
この、分からず屋が!
261: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/08/14(水) 20:13:01.39 ID:sI7aX5Qj0
土下座すればいいって問題ではないが、こうなったら、土下座してやる。
俺は立ち上がると、ソファの横、赤い絨毯の上に膝をつけ、土下座した。
「お願いします。どうか、千秋さんのアイドル活動を認めてください」
「君もしつこいな、もう出て行きたまえ」
殆ど相手にされていない。ただ、引き下がるわけにはいかない。
「嫌です、認めてくれるまで――」
「――お願いします」
唐突に言葉を遮られる。驚き、思わず後の続く言葉を飲み込んだ。
その声は、か細くて、弱々しくて、震えていたけれど、確かに、千秋のものだった。
「……アイドル、やらせてください……お願いします」
彼女の視線は、真っ直ぐに父親へと向けられていた。
262: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/08/14(水) 20:14:44.47 ID:sI7aX5Qj0
強い意志の籠った視線を受け、少なからず彼女の父親は狼狽えた。そして、怒りの表情を浮かべた。
「千秋……? 君の仕業だな?」
ぎろりと、元凶である俺を睨み付ける父親。
「私は、アイドルになります。だから、結婚はお断りします」
相変わらず怯えが混じってはいるが、彼女は確かに自分の意志を、両親に告げたのだ。
気高く、凛とした雰囲気の片鱗が、彼女からは滲み出ていた。
263: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/08/14(水) 20:19:54.23 ID:sI7aX5Qj0
「そんな勝手が許されるか!」
父親が憤慨し、怒鳴った。あの弱々しい態度はどこへ行ったのか、父親の剣幕に物怖じせず、彼女は言い返す。
「勝手なのはどっちですか! いつだって、私の意志を蔑ろにして!」
「お前には私達の跡を継ぐ義務があるのだと言っただろう! 故に私達はお前を、後継者として相応しい優秀な者へと育てなくてはならない、黒川家はいつもそうしてきた!」
「だからと言って、それを私に押し付けないでください」
いつの間にか、千秋は涙を零していた。それを拭おうともせず、必死に、勇気を出して、彼女は抗った。
「お前だな、余計な事をしてくれたのは! 今すぐ出て行け!」
今までずっと耐えて、溜めこんできたものを吐き出すかのように、千秋は強い口調で親を責めた。
父親は千秋を相手にするのをやめ、今度は標的をこちらへと変えてきた。
今にも掴みかかってきそうなほどの剣幕で捲し立てているが、怖気づくわけにはいかない。千秋がここまで頑張ったんだ。俺も頑張らないと。
「では、認めてください。千秋がアイドルになることを」
「認められるか! お前――」
突如、テーブルに強い衝撃が走り、大きな音が鳴った。辺りが一瞬にして、静まり返る。
264: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/08/14(水) 20:26:35.17 ID:sI7aX5Qj0
「少し、落ち着きましょう」
どうやら、千秋の母親がテーブルを殴ったらしかった。正直、こっちの方が怖い気がする。
「あなた、千秋の我が侭、認めてあげましょう」
「え?」
千秋も、俺も驚く。父親だって驚いていた。
「お、お前、何を……」
明らかに狼狽える父親。彼の態度は気にも留めず、母親は続けた。
「今までずっと我が侭を言わずに、耐えて頑張って来たんだもの。初めての我が侭ぐらい許すべきだと思うの」
「…………だが」
初めての、我が侭?
本当に、今までずっと……
そこから十数分後、母親に説得された父親は千秋をアイドルプロダクションに預ける事を認めた。
泣きじゃくる千秋を傍目に、何とかなってよかったと俺は一人安堵する。
精神的には疲れたが、終わってよかった。
時間がかかるだろうなと、長期戦だって覚悟していた。
265: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/08/14(水) 20:28:20.92 ID:sI7aX5Qj0
とりあえず、一件落着か……
事態は収束し、黒川家の玄関にて、今日は別れることとなった。
「これからよろしくな、千秋」
「えぇ……よろしく、プロデューサー」
千秋は、ようやく笑顔を見せてくれた。
あまりにも綺麗で、美して、魅力的な笑みだった。
――頑張ろうな、千秋。
273: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/08/22(木) 22:05:50.51 ID:uYchJNEx0
☆
一連の出来事を経て、千秋は見事アイドルになった。
昔から色々と習い事をしていた千秋にとって、ボーカルやダンスと言った基本的なレッスンは簡単らしい。自信満々に余裕だと言ってのけ、実際に余裕そうだった。
また、親から学業の方もしっかりとやることを条件として言われていたが、心配する必要はないと彼女は言い切る。
黒川千秋は、次第に変わっていった。本来の姿に戻ったと言うべきか。
両親を説得する時から見えていた凛としたオーラが、普段からも滲み出るようになった。高嶺で力強く咲き誇る花のような存在感を彼女は持っている。
初めて会った時は今にも崩れてしまいそうなぐらい儚く、弱気な彼女だったが、今では真逆の我の強い性格へと変貌した。お陰で、お嬢様らしく、我が侭をよく言う困った子になってしまった。
本来の姿へと戻った彼女は、常に強気で自信満々だ。その上、大きな仕事に対するプレッシャーなんか殆ど感じない、鋼のようなメンタルを備えている。
こんな強い子が何故今まで大人しく縛られて生きてきたのか、生き生きとした彼女を見る度にいつも疑問に思う。
もはや苦笑を禁じ得ないほどの変わりようだったが、前よりも魅力的になっているのは確かだった。
274: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/08/22(木) 22:14:49.79 ID:uYchJNEx0
「プロデューサー、飲み物が欲しいわ」
「何買ってくる? コーヒー?」
「それでいいわ。お願いね」
収録から戻ってきて早々、プロデューサーをパシリに使う困ったちゃんである。
俺は近くの自動販売機まで向かい、コーヒーを買った。ついでに自分の分も購入し、二つの缶コーヒーを両手に持って、千秋の元へと向かう。
戻って来てみれば、千秋は椅子に座りながら、共演した俳優と仲睦まじく話をしているようだった。
柔らかい笑みを浮かべて楽しそうに話す彼女はやはり魅力的だ。
二人の会話が終わるまで待っていようと、少し遠巻きに佇む。
275: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/08/22(木) 22:21:04.28 ID:uYchJNEx0
千秋が俳優と話しながらも、挙動不審にきょろきょろと辺りを見渡し始めるのが見えた。
もしかして、俺を探しているのか?
暫くして、柱の陰で缶コーヒーを飲んでいた俺に気づいたらしい。千秋が俳優と一言二言交わした後に別れ、こちらへと歩み寄ってくるのが見えた。
「何をやっているのかしら……私を放って」
お嬢様は大変不機嫌な様子だった。
「話しているのを邪魔するのも悪いかと思って……」
「愛想笑い浮かべるのも楽ではないの。今度からはさっさと戻ってきてくれるかしら」
何とも俳優さんに対して酷い言い草である。
276: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/08/22(木) 22:35:02.65 ID:uYchJNEx0
「聞いてるの?」
「聞いてる聞いてる。今度から気を付けるよ」
まったく、困ったお嬢様だなぁ……
とりあえず、今日の仕事は終わりだ。千秋も疲れているだろうし、さっさと撤収しよう。
千秋に帰り支度をさせ、その間に俺は関係者の方々に挨拶して回り、時間を潰す。
支度を終えた千秋と合流し、駐車場に止めてある車に乗り込んで帰路についた。
277: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/08/22(木) 22:41:04.23 ID:uYchJNEx0
車を運転中にふと思い出す。
「そういえば、千秋が内のプロダクションに来て一カ月ぐらいか」
「時が経つのは早いわね……でも、とっても充実しているわ」
不敵にほほ笑む彼女が、車内のミラーに映っている。本当、彼女はよく笑うようになった。
彼女は着実に実績を上げ、知名度と人気を上げて行っている。勿論、活動を始めてまだ一カ月程度だからたかが知れているが、何というか……伸びが凄まじい。
俺の目に狂いはなかった。彼女をスカウトできて、本当に良かったと思う。
278: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/08/22(木) 22:47:52.85 ID:uYchJNEx0
――ただ、一つだけどうしても心苦しいことがあった。
「なぁ、千秋」
「何かしら」
きょとんと首を傾げる千秋。
「……俺は、本当にこれでよかったのかが分からないんだ」
このまま行けば間違いなく千秋は人気になるだろう。何もなければ、いずれはトップアイドルに君臨できるほどの才能と実力を彼女は持っている。
だが、そうなってしまった場合……
「千秋は、家柄に縛られて自由が無いと言っていたよな」
千秋は、自由を取り戻した。アイドルになることで。
彼女がアイドルになりたいと言ったから、両親は千秋がアイドルになることを認めた。
だけど、このまま行ってしまえば……彼女はまた自由を失う。
280: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/08/22(木) 22:50:25.87 ID:uYchJNEx0
「アイドル活動を続けているうちは恋愛できない。それに、このまま行けば多忙になる。つまり、今度はアイドルに縛られる事になる」
「あぁ、そんなこと」
千秋は涼しい顔で俺の言葉を一蹴した。そんなことって。
「自由はあまりないでしょうね、大学にも行かなければならないし、アイドル活動もしなければいけない。恋愛も無理ね」
でも、と彼女は続ける。
「知識はなかったけれど、アイドルはとても楽しいわ」
「そう……か」
それが彼女の本意なのかどうかは分からない。別に強がりのようには見えないが。
281: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/08/22(木) 22:53:13.10 ID:uYchJNEx0
「私ね、アイドルになれて本当に良かったって思っているの。今の私には意志があって、目標がある……それに、友達だって、できた」
最後の方は少しだけ気恥ずかしそうだったが、嬉しそうな笑みを浮かべる千秋を見て、少しだけ心が救われた。
意志も、目標も、仲間さえもいなかった人生は、どれだけ辛いものだったのだろうか。平凡な人生を送ってきた俺には想像すらできない。
「それに、プロデューサーには話したわよね? 私は昔から習い事をたくさんしてきたの。だから、忙しいのは平気よ」
「はは……それは、頼もしいな」
黒川千秋はとってもいい子だ。
「でも、プロデューサー? ちゃんと私に見合った仕事を頼むわよ」
少々我が侭だけど。
324: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/10/01(火) 02:10:30.98 ID:NK9G7r+V0
★
千秋が事務所に所属して二カ月ほどが経った。
その間に、千秋とは色々な所に出かけた。
向かう場所は、遊園地だったり、カラオケだったり、ゲームセンターだったり、お洒落なカフェだったり。
勿論、仕事も習い事も学校もあるわけだから、自由な時間なんて本当に限られている。
それでも、少ない自由を彼女は喜び、楽しんだ。
喜ぶ千秋の姿が嬉しくて、俺もよく彼女の我が侭に付き合った。
千秋はかなり多忙な生活を送っているが、大学の成績は落ちず、ダンスや歌唱力を着実に伸ばし、淡々と習い事をこなしている。
送られてくるファンレターの数や、売上だって増えている。
なんて優秀なのだろうか。
大勢の観客に見守られる舞台の上で、物怖じせずに堂々と、煌びやかに歌って踊っては満面の笑みを浮かべ、大衆歓声を一身に受ける彼女の姿は脳裏に焼き付いて離れない。
千秋と過ごす日々はとても充実していた。
本当に、この仕事を選んでよかったと思う。
325: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/10/01(火) 02:16:49.26 ID:NK9G7r+V0
「プロデューサー。私の水着、どうかしら?」
砂浜で黒いビキニを惜しげもなく晒す千秋。辺りに人は少なく、撮影のためのスタッフしかいない。
これから撮影の仕事だが、初めての海ということで少し浮かれているようだった。
「ねぇ、プロデューサー。聞いているのかしら?」
「似合ってるよ。とっても綺麗だと思う」
「ふふ。褒めてもらえて嬉しいわ。プロデューサー」
長い黒髪を弄りながら、可愛らしく彼女は微笑んだ。
「ほら、撮影始まるみたいだ。がんばれ」
「えぇ、任せて。ちゃんと見守っていてね……プロデューサー」
はにかみながら仕事場へ駆けていく千秋を、手を小さく振りながら見送った。
327: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/10/01(火) 02:33:16.33 ID:NK9G7r+V0
その後、順調に進んでいく撮影を見守っている中、不意に携帯がなった。
智絵里からのメールだった。
今現在、智絵里は違う地方にある事務所へと一時的に移籍している。
会うには少し遠い上、今や大人気アイドルである智絵里は多忙で、この二ヶ月間一度も会えていない。
そのことに寂しさを感じるが、智絵里が察してくれたのかマメにメールを送ってきてくれている。
ただ、今日送られてきたメールの内容は少しだけ嬉しいものだった。
『もうすぐ、そっちの事務所に戻れます! またPさんと一緒にお仕事したいです』
今や智絵里には新しいプロデューサーがついているだろうから、残念ながら一緒に仕事はちょっと難しいだろうけど、智絵里と話せる機会が増えるのは、素直に嬉しかった。
少し、問題もあるが――
329: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/10/01(火) 02:39:52.05 ID:NK9G7r+V0
智絵里の担当を外されたことを伝えたとき、智絵里が大泣きしながら離れたくないとしがみついてきたことを思い出す。
挙句の果てに一時的移籍の話も入ったものだから、更に泣き出して宥めるのがとても大変だった。
幸いなことに、移籍期間が短く、そのことを伝えて何とかなだめる事が出来たが、普段大人しい智絵里があそこまで頑なに離れたくないと泣き喚いて駄々をこねるとは誰もが想像できないだろうし、とても驚いた。
それなりの信頼関係を築けていたということなのだろうか……少し違う気もするが。
あれから二カ月と半月ほどが経った。流石にもうあんなことは起きないだろう。
『久々に智絵理と会えるのが楽しみだよ。
ただ、一緒に仕事をするのは難しいかな』
絵文字の一つもない質素な文章を返す。
返信はすぐに帰ってきた。
『社長がたまにならいいって言ってました。だから、お願いします』
大手プロダクションだと言うのに存外適当だ。
『分かった。また一緒に仕事がんばろうな』
332: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/10/01(火) 02:46:17.35 ID:NK9G7r+V0
脳裏に浮かぶ、智絵里の仕事風景。
何事にも一生懸命で、いつも精一杯頑張っていて、常に努力を惜しまない彼女の姿。
幼くて、可愛らしい、どこか放っておけないような雰囲気の少女。
テレビに映る智絵里は、堂々としていて、最初の頃とは比べものにならないぐらい成長している。
今は千秋で手一杯だが、余裕ができたら、きっと、また、智絵里と一緒に仕事がしたいな。
333: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/10/01(火) 02:48:54.95 ID:NK9G7r+V0
「携帯を見つめながらにやにやしているの、気持ち悪いわよ」
いつの間に戻ってきていた千秋の言葉に、はっと我に返る。
「あぁ、呆けていた……すまん。撮影は終わったのか?」
「まったく、スケジュールを覚えていないのかしら? 今は休憩よ」
確かにそうだった。智絵里のことでいつの間にか頭が一杯になっていたようだ。反省しなければ。
「ねぇ、プロデューサー。仕事が終わったら、近くの有名なスイーツ店で甘いものを食べたいのだけれど」
「分かった。いいよ」
こんな風に、千秋は少しずつ自分のしたいことを伝えられるようになっていた。
今まで抑制されていた分、少々我が侭になりがちな所もある。だが、それでも俺は彼女の変化を喜ぶ。
時々かかってくる仕事の電話に対応しながら、俺は千秋の撮影を見守っていた。
そうしている内に、時間はあっという間に過ぎる。
撮影が終わったらしく、水着に厚手の白いパーカーを羽織った千秋がこちらへと近づいて来た。
「それじゃ、行きましょう」
一通りスタッフや監督に挨拶をして回った後、俺と千秋は現場を後にした。
334: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/10/01(火) 02:50:16.04 ID:NK9G7r+V0
車を運転して十分、千秋のナビゲートの元、店に辿り着く。
「ここのケーキね、とっても美味しいって評判なの」
千秋に案内されて着いたスイーツ店は、明らかに男性客が一人で来れそうにないような雰囲気だったが、千秋がいるので何とか耐えられるだろう。
本来なら男と二人でこういう店に来ること自体好ましくないが、一応千秋は変装しているし、まだそこまで知名度も高くはないから恐らくは大丈夫だと信じたい。
こういう油断が悲劇を生まないことを祈るばかりだ。
「ふふっ。私はこれとこれにするわ。プロ……Pさんはどれにする?」
メニューを見ても口の中が甘ったるくなりそうなものばかり。
無難に、比較的大人しめのパフェを頼んだ。
オーダーした品は案外早く来た。
見るからに甘そうなパフェを少しずつ口に運ぶ。
ふと、視線を千秋に移すと、ケーキをおいしそうに咀嚼しているところだった。
彼女の、綻んだ笑みでお腹一杯だ。
もう幾度となく思ったことだが、やっぱり、彼女は美しくて、可愛い。
336: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/10/01(火) 02:57:54.04 ID:NK9G7r+V0
会話を挟みながら、少しずつスイーツを片づけていく。千秋は終始楽しそうにしていた。
そして俺が頼んだパフェは甘ったるすぎて吐きそうだった。
店を出て、車に乗り込もうとしたその時、凄い勢いで駐車場へと入ってきた車があった。
車はあまり詳しくないが、見るからに高価そうだ。一体どうしたというのだろうか。
車から降り立ったのは高そうなスーツに身を包んだ若い男だった。端正な顔立ちに、凛々しい瞳で、明らかに優秀そうなオーラが漂っている。
彼は、こちらに視線を送っていた。正確には、千秋を見ていた。
337: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/10/01(火) 02:58:51.55 ID:NK9G7r+V0
「――千秋さん!」
「っ! あなたは……」
驚いた表情をする千秋。どうやら知り合いらしい。
男と千秋は一言二言会話を交わすものの、その後は会話が続かず、暫くの間、彼女達の間には沈黙が広がった。
何やらお互い、気まずそうだった。俺は席を外すべく車に乗り込む。ただ、二人の会話は聞こえてしまった。
「千秋さん……やはり、僕ではダメですか?」
男が意を決したように口を開き、沈黙破る。
「ごめんなさい……何度も申し上げたように……私は……」
辛そうに、彼女は顔を俯かせた。
「あっ、えーとっ……困らせるつもりはなかったんです。こちらこそ、ごめんなさい」
あたふたと、暗い表情をする千秋を見て焦る男。
「本当に、申し訳ありません」
千秋は、深々と頭を下げた。
それを見て、男は困ったように頭を書いた。
「本当……諦めが悪くて、申し訳ない。まぁ、気が向いたらいつでも連絡ください」
照れ笑いのようなものを浮かべて、男は去っていく。
その間も、千秋は頭を下げていた。
338: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/10/01(火) 03:01:37.28 ID:NK9G7r+V0
「もう、行ったぞ」
「そう……」
車の中で、彼女は彼について話してくれた。
本来なら結婚するはずだった男であり、自分の自由の効かない境遇を理解してくれるただ一人の人だったことを、彼女は話した。
「そうか……」
「本当に裏表のない、良い人よ。あの汚い世界でどうやったらずっとそんな性格でいられるのかってくらい」
確かに、いい人そうだった。勿論、猫かぶりかもしれないし、絶対に良い人だとは言い切れないが、それでも俺は彼が良い人であるように感じる。
「千秋の望まないことだし、外野の勝手な想像で悪いんだけどさ――」
彼を見て思った。
「――彼はきっと、千秋を幸せにしたと思うぞ」
――俺がそう言った時の、千秋の筆舌し難い暗い表情はきっと忘れることが出来ない。
346: ◆gijfEeWFo6 2013/10/02(水) 23:44:34.41 ID:I8tE2cV30
★
「――彼は、きっと千秋を幸せにしたと思うぞ」
プロデューサーにそう言われた瞬間、胸の内がぞわりと震えた。
どうして? 私が他の人と一緒になってもいいの? ……そんなことを思った。
だけど、思い出す。私はプロデューサーにとって、ただのアイドルでしかないことを。
プロデューサーにとって私は、他の男と添い遂げても何も思われない程度の女……担当アイドルでしかない。
そこまで考えて、胸を抉られるような痛みに襲われる。本当の痛みではないし、顔にも出さないけれど、確かに胸が……心が痛んだ。
347: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/10/02(水) 23:52:09.30 ID:I8tE2cV30
最近、よく、心が痛くなる。
プロデューサーが女の人……アイドルや、事務員や、スタッフなんかと話しているのを見ていると、胸が痛む。
胸がきゅーって痛んで、ぞわりと寒気のようなもの感じて、気付けばプロデューサーの手を取って強引に話を切り上げさせる。
そのことをちょっと怒られたりもしたけど、あのままでいられるよりはずっと……ずっとマシだった。
自覚はしている。
これはきっと、恋なのだろう。
四六時中、プロデューサーのことを想っていて、ずっとプロデューサーを独り占めしたいと思っているのだから。
348: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/10/03(木) 00:03:46.54 ID:xVaSIjXO0
プロデューサーが笑いかけてくれるのが、好きだった。プロデューサーの笑顔を見ると、温かい気持ちになれる。
プロデューサーに応援されると、いつだって張り切って仕事が出来る。
箱入りだった私に、少しずつ世界を教えてくれるプロデューサー。
プロデューサーとのお出かけが楽しくて、嬉しくて、いつも楽しみにしていた。
他愛のない会話ですら楽しくて、私はいつも笑みを零す。
349: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/10/03(木) 00:05:10.87 ID:xVaSIjXO0
プロデューサーと一緒に出掛けたいから仕事を頑張って早く終わらせる。
プロデューサーと一緒にいたいから、環境を出来る限り変化させないように、学業も習い事も頑張る。
プロデューサーに褒めてもらいたいから、喜んでもらいたいから、笑顔が見たいから、私を見てもらいたいから、お仕事を頑張る。
プロデューサーに触れたいから、積極的に手を取る。
プロデューサーとたくさんお話しがしたいからいつも積極的に話しかける。
プロデューサーと一緒にいたいから、出来る限りオフの日でも会いに行く。
プロデューサーとデートがしたいから、時間ができたらプロデューサーを誘って色々な所に出かける。
プロデューサーが好きだから、プロデューサーが他の女の人と話すのが嫌で、無理矢理割り込んで、話を終わらせる。
プロデューサーが好きだから、プロデューサーが居眠りしている時にずっと寝顔を眺めて、挙句の果てにキスをしようとしてしまう。
プロデューサーが好きだから、いつだってプロデューサーを見てしまう。
プロデューサーが好きだから、プロデューサーにはもっと私を見て欲しい。
プロデューサーが好きだから、プロデューサーも私のことを好きになって欲しい。
プロデューサーが好きだから、私はアイドルをやっている……?
プロデューサーが好きだから。
350: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/10/03(木) 00:15:40.19 ID:xVaSIjXO0
…………?
私は、いつからこんなにプロデューサーのことを想うようになったのだろう。
自分の意志で動けるようになって、友達も出来て、目標も出来た。
プロデューサーと一緒に仕事した時間だって長くない。まだ、三か月程度だ。
なのに、私の隣にプロデューサーがいるのは当たり前だと感じるようになっていて、プロデューサーがいない時があると違和感を感じて、落ち着かなくなってしまう。
プロデューサーが仕事で出かけると、プロデューサーが告げた、帰ってくる時間までずっと時計と睨めっこ。
家に帰ると途端に寂しくなって、プロデューサーにメールを送ったり、電話をする。
友達と出かける時もあるけれど、プロデューサーのことは頭から離れない。
私はもうダメみたいだ。
いつか、プロデューサーが私を好きになって、私を愛してくれるところを想像したり、プロデューサーとの結婚生活を思い描いたり……妄想ばかりするようになってしまった。
まだ、プロデューサーがどんな人なのか、全て把握していないというのに、想いは止められない。
351: むぶろふすか ◆gijfEeWFo6 2013/10/03(木) 00:18:20.36 ID:xVaSIjXO0
顔を上げると、前を歩くプロデューサーが視界に入った。
「好きよ……プロデューサー」
プロデューサーの背中に、想いを投げかける。
声は小さく、周囲の喧騒に掻き消されてしまう。
「私を愛して……プロデューサー」
想いは、伝わらない。
いつか、伝えられる時が来ることを信じて、私はその時を待つ。
だから、早く私のことを好きになって……プロデューサー。
364: ◆gijfEeWFo6 2013/10/15(火) 00:05:07.95 ID:aIItxZuf0
★
今日は智絵里がこっちの事務所へと戻ってくる日だ。
今更、何時ごろ戻ってくるかまでは聞いていなかったことに気づく。
でも、事務所で待っていればきっと会えるだろう。
駐車場に車を止め、事務所へと向かう。最近の朝は寒い。
事務所の扉を開け、辺りを見渡す。今のところは事務員の姿しかなく、智絵里はおろか、どのアイドルもまだ来ていない。
自分の机で今日の分の仕事を確認する。
一通り確認を終えた後、コーヒーを淹れるために、俺は席を立った。
365: ◆gijfEeWFo6 2013/10/15(火) 00:06:17.74 ID:aIItxZuf0
不意に腰に腕が回され、柔らかいものが背中に押し当てられた。
「だーれだっ」
耳をくすぐる可愛らしい声。勿論、聞き覚えのある声だ。
「普通は目を隠すんじゃないのか?」
腰に回された手を優しく解き、後ろの少女へと向き直る。
「ただいま、です。Pさん!」
「おかえり、智絵里」
366: ◆gijfEeWFo6 2013/10/15(火) 00:12:33.55 ID:aIItxZuf0
久々に会話をしたかと思うと、智絵里は間髪入れずに俺の胸元目掛けて飛び込んできた。
事務所でこれはマズいだろとは思いつつも、避けるわけにはいかないので受け止める。
えへへ、と声を漏らしながら胸板に頬を擦りつける智絵里は、やっぱり小動物のようだ。
智絵里には悪いが、ここは事務所の中で、周囲には事務員もいる。流石にこのままでいるわけにはいかない。
「あの、智絵里……そろそろ離れて」
「お願いします、Pさん……もう少し、このままで」
急にしがみつく手に力が籠る。
「じゃあ……後三分、で頼む」
ほんの少し項垂れながら、妥協案を出す。
智絵里は顔をワイシャツに埋めながら、小さくうなずいた。智絵里の息がワイシャツを通り抜けて体に当たるのがくすぐったい。
367: ◆gijfEeWFo6 2013/10/15(火) 00:15:27.99 ID:aIItxZuf0
幸せいっぱいの表情を浮かべる智絵里を見ていると、三分とは言わずにもう少しこのままでもいいかなとは思ってしまう。
智絵里は男と話すのが苦手な方だったというのに、一体いつからこんなに警戒心なくすり寄ってくるようになったんだか。
俺は智絵里にとって父親みたいな感じなのだろうか。よく分からない。父親って年齢でもない。
離すまいと言わんばかりにぎゅーっと抱き付く智絵里の頭を、なんとなく撫でる。さらさらで触り心地のいい髪質だった。
傍から見たらセクハラ以外の何物でもないのですぐに手を放す。
事務員の視線は未だにこちらを捉えている……やっぱり早く離れないとダメな気がする。
369: ◆gijfEeWFo6 2013/10/15(火) 00:19:11.42 ID:aIItxZuf0
「プロデューサー、何をしているの?」
冷たい声が、背中に突き刺さる。
俺は何故か、後ろの少女に恐怖を感じた。
「千秋、おはよう」
後ろを振り向かずに、挨拶を交わす。
素早く智絵里の両肩に手を置き、彼女には悪いが少々強引に引きはがす。
370: ◆gijfEeWFo6 2013/10/15(火) 00:23:01.72 ID:aIItxZuf0
「智絵里。俺が今担当しているアイドルの黒川千秋だ」
「……初めまして、黒川さん」
智絵里は、さっきまでの笑顔が嘘のように引っ込み……いや、口元は笑っているように見えるが、何故か笑顔に見えない――という謎の表情をしていた。
「千秋。俺が過去に担当していたアイドルの緒方智絵里だ」
「初めまして、緒方さん」
変わらず、千秋は無表情だ。声色もどこか冷たいままだ。
その後、何とも言えない無言の空間が続く。
理由は分からないがとても居心地が悪く、嫌な感じの空気が漂っているような気がした。
371: ◆gijfEeWFo6 2013/10/15(火) 00:27:38.91 ID:aIItxZuf0
「プロデューサー、仕事よ。行きましょう」
嫌な空間は、千秋によって強引に破られた。
「え? ちょっと待て」
仕事は午後からだった筈だ。
「ぐずぐずしない!」
千秋は俺の右手を取ったかと思うと、急に早足で事務所を出ようとする。
「智絵里、悪い。また後で」
右手を千秋に引っ張られながらも、後方の智絵里に視線を移す。
俺の言葉に反応を見せず、智絵里はじっと俯いて佇んでいた。
事務所の扉が閉まる瞬間、不意に智絵里が顔を上げる。
その時、智絵里は――
――能面のような表情を浮かべていた。
382: ◆g/ZMVdytmo 2013/11/04(月) 01:27:36.43 ID:3MEKEC0p0
智絵里が帰って来てから数日が経った。
智絵里が帰ってきたその日から、千秋は情緒がやや不安定になり心配だ。
携帯でメールを確認する度に誰からのメールか聞くようになり、一度一緒に事務所を出ると、仕事が終わっても中々事務所に戻りたがらない。
挙句の果てにやたらと体をくっつけて来て困っている。それも、恋人のようにくっつくのではなく、鬼気迫る表情だったり、悲しそうな表情だったり、決して離さないと言わんばかりに強く掴んで来たりと、少し様子がおかしい。
そして、智絵里と会話していたり、会話しようとすると強引に中断させ、仕事もないのに仕事だと言って事務所を出ようとする。今や誰もが知る大人気アイドルだからライバル視しているのだろうか、そう思ったりもするが違和感は拭えない。
近い内に何とかしなければと思いつつも、中々行動に移せずにいた。
今日は、まだ千秋を見ていない。
智絵里が帰ってきたその日から、千秋は情緒がやや不安定になり心配だ。
携帯でメールを確認する度に誰からのメールか聞くようになり、一度一緒に事務所を出ると、仕事が終わっても中々事務所に戻りたがらない。
挙句の果てにやたらと体をくっつけて来て困っている。それも、恋人のようにくっつくのではなく、鬼気迫る表情だったり、悲しそうな表情だったり、決して離さないと言わんばかりに強く掴んで来たりと、少し様子がおかしい。
そして、智絵里と会話していたり、会話しようとすると強引に中断させ、仕事もないのに仕事だと言って事務所を出ようとする。今や誰もが知る大人気アイドルだからライバル視しているのだろうか、そう思ったりもするが違和感は拭えない。
近い内に何とかしなければと思いつつも、中々行動に移せずにいた。
今日は、まだ千秋を見ていない。
383: ◆g/ZMVdytmo 2013/11/04(月) 01:29:52.99 ID:3MEKEC0p0
今は、事務机の隣に椅子を持ってきて、にこにこ笑みを浮かべている智絵里と会話をしていた。
新曲の感想を聞かせて欲しいと言われ、イヤホンを片耳に入れて、智絵里の曲を聴く。
大人しめの曲だった。彼女のイメージとぴったりな。
「Pさん、私の新しい曲、どうですか?」
「相変わらず魅力的で綺麗な声をしているな、智絵里は」
片耳に入れていたイヤホンを抜き、智絵里に返す。相変わらず守ってあげたくなるような可愛らしい声だった。
感想を聞いて、智絵里は恥ずかしそうに顔を赤らめて俯いてしまう。
「あ、あぅ……えと、きょ、曲の感想をお願いします」
「いい曲だと思うよ、お世辞抜きにさ。智絵里は昔から歌唱力高かったから、更に上達した今ではもう敵無しだな」
昔は歌唱力があったが圧倒的に肺活量は足りていなかった。それが今では改善され、更に歌唱力も磨かれたために、歌姫と謳われる如月千早にも匹敵するんじゃないかと思える。
385: ◆gijfEeWFo6 2013/11/04(月) 01:33:37.76 ID:3MEKEC0p0
「あの、Pさん。お仕事頑張ったので……頭を撫でてくれませんか?」
「ははは、いいよ」
承諾したのはいいものの、少し気恥ずかしい。視線を少しだけ逸らせながら、髪がぼさぼさにならないようになるべく優しく智絵里の頭を撫でる。
相変わらずさらさらしてておっそろしいほど触り心地のいい髪だった。相変わらずと言っても前に触ったのはつい最近だ。
「えへへ」
気持ちよさそうに言葉を漏らす智絵里。大人の男に対して無防備すぎるような気がしなくもない。不安だ。
386: ◆gijfEeWFo6 2013/11/04(月) 01:36:11.12 ID:3MEKEC0p0
「おはよう、プロデューサー」
不意に後ろかかる声。振り向けば、千秋が佇んでいた。彼女は無表情で、どこか暗い表情をしていた。
「おはよう、千秋。早いな」
「えぇ、早起きしたの。プロデューサーに早く会いたくて」
いつも智絵里と会話をしていると強引に中断させようとする千秋だが、今日は存外大人しい。
千秋は何故か、全体的に雰囲気が暗く、幸薄そうな感じになっていた。彼女に一体何が起きたのだろう。
「とりあえず、今日の仕事の確認でもするか」
智絵里に目配せすると、察してくれたのか「また後で」と言い残して席を外してくれた。
387: ぱりぱりうめ ◆gijfEeWFo6 2013/11/04(月) 01:43:18.06 ID:3MEKEC0p0
「…………」
「千秋、最近様子がおかしいけど大丈夫か」
智絵里が座っていた椅子を引き寄せ、千秋は俺の隣に座った。何故か凄く近い。
「プロデューサー、私の頭も撫でて」
「え?」
私の、という事は智絵里を撫でているところを見ていたらしい。
「嫌じゃないなら、いいけど」
「嫌じゃないから、お願い」
暗い声で懇願する千秋。本当に大丈夫なのだろうか。
388: ぱりぱりうめ ◆gijfEeWFo6 2013/11/04(月) 01:45:24.49 ID:3MEKEC0p0
恐る恐る彼女の髪に触れ、撫でる。
智絵里は小動物みたいな感じだから撫でるのにあまり抵抗はないが、高翌嶺の花と言った感じの鋭利な雰囲気を持つ千秋に触れるにはかなりの勇気が必要だった。
智絵里に負けずとも劣らず、心地よい手触り髪だ。どうして女の子の髪はこんなにも触り心地がいいのだろう。
「……幸せ」
ぽつりと、彼女が小さく呟いた。
「幸せ、なのか」
それに対し、よく分からない返事を返す。
「えぇ……とっても、幸せ」
撫でられて、くすぐったそうに微笑む千秋。ようやく笑顔を見せてくれて、思わずほっとした。
「だから私は、この幸せを絶対に逃さないの」
千秋は、頭に乗せている手とは別の方の手を取り、自分の頬にくっつけた。彼女の手はひんやりとしていて、心地よかった。
幸せそうな表情を浮かべる千秋は、女神と言われても納得するぐらい綺麗で、どこか儚い。
402: ◆gijfEeWFo6 2013/11/19(火) 00:22:19.45 ID:sZ+CRk8W0
昨日から千秋は少し変わった。情緒不安定だったのが一転して大人しくなり、精神的に幼くなったような気がする。
「プロデューサー、眠いから肩を借りてもいいかしら?」
「仮眠室で寝てこい」
いきなり椅子を隣に持ってきたかと思うと、突然こんなことを言い出す。
最近の千秋は妙に接触を求めてくる。くっつかれると嫌でも千秋に気を取られて仕事に支障が出るし、何より勘違いしてしまいそうだから必要以上に近づかないでほしいと言うのが本音だ。
「いや! プロデューサーで寝るの」
千秋は駄々っ子のように首を振ると、俺の腕にしがみついて静かになった。
何のために許可を求めてきたんだと内心突っ込みつつ、片手でパソコンを操作し、頑張る。他の事務員からの視線が痛かった。
社長に告げ口されたら一発アウトな状況だと言うのに、振り払えないでいる俺は相当甘いんだろうなと一人自己嫌悪する。
403: ◆gijfEeWFo6 2013/11/19(火) 00:25:25.40 ID:sZ+CRk8W0
それにしても、千秋は一体どうしたのだろうか。
もしかしたら俺を親のように思っているのかもしれない。千秋から話を聞く限り、ずっと独りで、その上、親とのコミュニケーションすらまともに取れていないらしかった。
年齢的にはあまり離れてはいないが、そんな環境で育ったのなら年上でそれなりに親しい俺を父親のように慕ってしまうのも無理はない。
ただ、ずっとこのままでいるわけにはいかない。千秋だって既にそれなりの知名度がある。いつまでもこのままでいいわけがなかった。
ちらりと、視線をパソコンの画面から左腕に寄り添う千秋へと移す。力強くしがみつき、顔を俺の肩に埋めていた。たまに生暖かい吐息が肩に感じられる。
「はぁ……」
アイドルとしての素質は十分だけど、千秋は精神に難がある。何とかなるといいけれど。
「んぅ……」
かなり無理のある姿勢だと言うのに、彼女は眠ってしまったらしい。
美人な上に可愛さも併せ持つのは反則だ。
404: ◆gijfEeWFo6 2013/11/19(火) 00:38:35.14 ID:sZ+CRk8W0
★
それからというものの、千秋の行動はエスカレートしていった。
「千秋、そろそろ」
「まだ、仕事まで時間があるわ」
後部座席に座っている俺の膝の上に、千秋が乗っていた。傍から見たらアイドルに手を出しているプロデューサーの図……洒落にならない。
しかも豊満な胸を押し付けてくる上に、唇を首筋に押し当ててくるため、非常に不味い。
「あの、千秋……」
「嫌」
「嫌、じゃなくてだな」
「嫌」
さっきからずっと、千秋は頑なに離れようとしない。
それからというものの、千秋の行動はエスカレートしていった。
「千秋、そろそろ」
「まだ、仕事まで時間があるわ」
後部座席に座っている俺の膝の上に、千秋が乗っていた。傍から見たらアイドルに手を出しているプロデューサーの図……洒落にならない。
しかも豊満な胸を押し付けてくる上に、唇を首筋に押し当ててくるため、非常に不味い。
「あの、千秋……」
「嫌」
「嫌、じゃなくてだな」
「嫌」
さっきからずっと、千秋は頑なに離れようとしない。
405: ◆gijfEeWFo6 2013/11/19(火) 00:45:16.11 ID:sZ+CRk8W0
「もっと髪を撫でてくれるかしら」
「はいはい……」
いきなり構ってちゃんの甘えたがりになった千秋。仕事とかはすこぶる好調で実力は依然伸び続けている。だが、仕事が終わったり、オフになった瞬間こうなってしまう。
やはり、複雑な家庭環境が原因なのだろうか。今まで、誰にも甘える事ができなかったのは、成長していく上で精神に与える影響が大きすぎるのかもしれない。
「プロデューサーっていい匂いするわね」
「別になんもつけてないけど」
「そういうのじゃなくて、プロデューサーの匂いのこと…………この匂い、とっても好き」
俺のシャツに頬を擦りつけながら、幸せそうな、柔らかい笑みを彼女は浮かべる。
――このままではいずれ取り返しのつかないことになるかもしれない。
そう思っていても、俺は未だに上手く拒むことができないでいた。もし拒んだとして、あっさりとやめてくれればいいが、万が一傷ついたりしたら、と思うと途端に何もできなくなる。
千秋のためを思うなら、強く突き放すべきなのだろうが、動けない。
「はいはい……」
いきなり構ってちゃんの甘えたがりになった千秋。仕事とかはすこぶる好調で実力は依然伸び続けている。だが、仕事が終わったり、オフになった瞬間こうなってしまう。
やはり、複雑な家庭環境が原因なのだろうか。今まで、誰にも甘える事ができなかったのは、成長していく上で精神に与える影響が大きすぎるのかもしれない。
「プロデューサーっていい匂いするわね」
「別になんもつけてないけど」
「そういうのじゃなくて、プロデューサーの匂いのこと…………この匂い、とっても好き」
俺のシャツに頬を擦りつけながら、幸せそうな、柔らかい笑みを彼女は浮かべる。
――このままではいずれ取り返しのつかないことになるかもしれない。
そう思っていても、俺は未だに上手く拒むことができないでいた。もし拒んだとして、あっさりとやめてくれればいいが、万が一傷ついたりしたら、と思うと途端に何もできなくなる。
千秋のためを思うなら、強く突き放すべきなのだろうが、動けない。
406: ◆gijfEeWFo6 2013/11/19(火) 00:47:37.65 ID:sZ+CRk8W0
結局、何もできずに二週間ほどが経った。
気が付けば、恋人のように寄り添いあうのが当たり前のようになっていた。毎回毎回拒否せずに、されるがまま、それでいて千秋はこの行為に飽きなかったのだから必然的にこうなるだろう。
勿論千秋は場所を弁えるが……主に楽屋の中とか、車の中など邪魔が入らない場所では、こうしているのが当然と言わんとばかりに、くっついて来る。
軽く注意するが、それでやめてくれたことは一度もない。
事務所では、事務員がいようと、アイドルがいようと構わず彼女は寄り添ってくる。呼び出されたりはしていないが、恐らく確実に社長の耳には俺達のことが入っているだろう。
いくら社長に腕を買われたとはいえ、アイドルとこんな関係続けていたら首になっても仕方がない。
千秋に気を取られて仕事も遅れることが多くなり、そろそろ本気で距離を取る必要がある。
「Pさん、最近元気ないですけど……大丈夫ですか?」
「別に、ちょっと寝不足なだけだよ、心配させてごめんな」
智絵里にも心配させてしまったようだ。やっぱり、色々ずれてきている。
こうなったら仕方ない。千秋を少しだけ突き放そう。フォローなんて頑張ればいくらでも出来る。
彼女が傷つかないことを祈るだけだ。
407: ◆gijfEeWFo6 2013/11/19(火) 00:49:30.47 ID:sZ+CRk8W0
その日の夜、俺は千秋と二人で公園にいた。
遊具がたくさんある割には人気が無い、ひっそりとした寂しい公園だ。千秋はここがお気に入りで、よく俺を連れてここに来る。
「最近寒くなって来たわね」
「あぁ……もうすぐ冬だからな」
「プロデューサー、手繋ぐわね」
ぎゅっと、左手を握られる。千秋はすぐさま指を絡ませ、あっという間に恋人繋ぎの出来上がりである。
「温かい……」
愛おしそうに、小さく息を吐き出すように、彼女は呟く。
「ずっと……ずっと、こうやってプロデューサーを感じていたい」
握る手に力が籠るのが分かる。
――俺は思い切って、千秋に告げた。
「千秋……あのな……そろそろ、こういうのはやめにしよう」
408: ◆gijfEeWFo6 2013/11/19(火) 00:52:46.96 ID:sZ+CRk8W0
「え?」
どういう意味? と何を言われたのか理解できないと言ったような表情を、千秋はこちらへと向ける。
「今だって、ファンや記者が俺達を負って来ていたら完全にアウトだ……恋人でもないのに、こんなこと、もうやめよう」
「……だったら……プロデューサーの、恋人に、して」
涙を零しながら、縋るような目で千秋は、俺の方へと手を伸ばす。
「いつだったか、アイドルだから恋愛は無理だと言う話に、千秋は納得していただろう」
「……いや……いやよ」
「千秋、ごめん」
千秋は、俺を親と見て甘えていたのではなく、単純に慕ってくれていたらしい。そのことについては素直に嬉しい、彼女がアイドルじゃなければきっと付き合っていただろう。
でも、彼女はアイドルで、俺はプロデューサーだ。恋人になるのは避けなくてはならない。
409: ◆gijfEeWFo6 2013/11/19(火) 00:55:25.08 ID:sZ+CRk8W0
「絶対に、いやっ!!」
限りなく悲鳴に近い声色で千秋は叫び、一気に俺の胸元へと飛び込んだ。避けるわけにもいかず、受け止める。
「プロデューサー……!!」
千秋は涙に濡れた目で俺の瞳を覗き込んだかと思うと、一気にこちらへと顔を近づけた。
彼女が何をしようとしているのか気づいたときには既に遅く、そのまま何も反応できずに、俺は千秋のキスを受け入れてしまう。
「プロデューサー、好き……好きよ……プロデューサー……愛してる」
「千秋!」
か細い腕で精一杯俺の体を抱き、がりがりと両手で背中を掻き毟る。
「私を愛して……プロデューサー!! 私を、拒まないで、ずっと、ずっと一緒にいて。私の傍に、いて……ずっと、愛して……お願い……プロデューサー……」
ちゅっ、ともう一度、千秋がキスをした。
「ごめん……千秋」
気の利いた言葉の一つすら思い浮かばず、俺は項垂れる。
千秋は嗚咽を漏らし、今にも崩れそうになりながらも、必死に俺を抱きしめていた。
410: ◆gijfEeWFo6 2013/11/19(火) 00:56:35.12 ID:sZ+CRk8W0
★
「…………」
闇に紛れて一人佇む少女がいた。
少女は暫くの間、公園で寄り添いあうプロデューサーと千秋を見つめていたが、数分後、踵を返して公園から出ていく。
その表情は暗闇で隠れ、見えることはなかった。
「…………」
闇に紛れて一人佇む少女がいた。
少女は暫くの間、公園で寄り添いあうプロデューサーと千秋を見つめていたが、数分後、踵を返して公園から出ていく。
その表情は暗闇で隠れ、見えることはなかった。
432: ぱりぱりうめ ◆gijfEeWFo6 2013/12/08(日) 18:29:57.59 ID:F/IIFFEC0
☆
千秋の告白を断って数日経った。結論から言って、何も変わらなかった。態度も何も変わらず、今まで通りひたすら俺との接触を求めてくる。
何回やめさせようとしても、黙りこくってより一層密着するだけだった。
仕事を黙々とこなしつつ、今後どうするべきかを真剣に考える。考えようにも何も思いつかないのが現状だった。
「Pさん……大丈夫ですか?」
いつの間にか智絵里が傍に来ていた。集中しすぎて気配に気付けなかったらしい。
千秋の告白を断って数日経った。結論から言って、何も変わらなかった。態度も何も変わらず、今まで通りひたすら俺との接触を求めてくる。
何回やめさせようとしても、黙りこくってより一層密着するだけだった。
仕事を黙々とこなしつつ、今後どうするべきかを真剣に考える。考えようにも何も思いつかないのが現状だった。
「Pさん……大丈夫ですか?」
いつの間にか智絵里が傍に来ていた。集中しすぎて気配に気付けなかったらしい。
433: ぱりぱりうめ ◆gijfEeWFo6 2013/12/08(日) 18:31:20.21 ID:F/IIFFEC0
「別に大丈夫だ。智絵里こそ、どうしたんだ?」
「…………」
智絵里はじっと、目を覗き込んでくる。その表情は暗かった。
何とも言えない空間が数秒たった後、彼女は口を開く。
「今日、私の仕事について来てくれませんか?」
「え? あぁ、別にいいけど」
遅れてしまった分の仕事は家で終わらせた。最近慣れてきたせいか、千秋に接触されても仕事に集中できるようになってきている。つまり、仕事面での悩みは解決したと言える。根本的な解決には至っていないが。
だから、たまにはいいだろう。智絵里ががんばっている姿を近くで見るのも。
434: ぱりぱりうめ ◆gijfEeWFo6 2013/12/08(日) 18:37:37.67 ID:F/IIFFEC0
「本当ですか?」
「あぁ」
ずい、と身を乗り出して確認してくる智絵里に、再度返事を返す。
その時の智絵里の表情はなんだか嬉しそうで、こっちまで微笑ましい気持ちになる。
少し待っていてくださいと、智絵里は準備を始める。
俺に付き添ってもらうことを伝えているのか、事務仕事をこなしている担当プロデューサーと一言二言交わした後、慌てて自分の荷物の所まで行き、いそいそと身支度を整え始めた。
相変わらず、一つ一つの仕草が可愛らしかった。狙ったものではないから、なおさら。
「待たせて……すみません」
「全然時間あるし、大丈夫だよ」
準備を終えた智絵里を乗せ、仕事先へと車を走らせる。
435: ぱりぱりうめ ◆gijfEeWFo6 2013/12/08(日) 18:43:38.34 ID:F/IIFFEC0
何ヶ月ぶりだろうか、智絵里の仕事を間近で見るのは。
「こうして一緒になるの、久しぶりだな」
「はい…………Pさんと離れ離れになって……とっても寂しかった」
「嬉しいこと言ってくれるなぁ。俺だって寂しかったよ」
「えへへ……私も……嬉しい、です」
「そうか」
智絵里の頑張っている姿をテレビでしか見れないのは、寂しかった。
智絵里のいない事務所も、寂しかった。
智絵里の成長していく姿、笑顔、仕草、もっと見ていたかった。
436: ぱりぱりうめ ◆gijfEeWFo6 2013/12/08(日) 18:46:22.57 ID:F/IIFFEC0
「Pさん、仕事までまだ時間があるので、ちょっとそこの駐車場に車を止めてお話しませんか?」
「ん? あぁ、いいぞ」
唐突な提案だったが、今智絵里が言ったように、仕事までまだ時間がある。車の外に出るのは危険だが、中で話すぐらいなら別に大丈夫だろう。
広い割にはあまり車の止まっていない駐車場に車を止める。目の前にはたくさんの遊具があり、子供たちが元気に走り回っていた。
「こうしてまともに智絵里と話すのも、久しぶりだな」
「最近忙しくて、中々Pさんと話せませんでした……ごめんなさい」
「はは……それは謝ることじゃないだろ。それに、忙しいって言うのはいいことだ」
忙しくなくなるというのは徐々にアイドルから離れて行ってしまうという事だ。それは本人が望まなくても勝手に訪れる。
爆発的に売れている智絵里にとってはまだ遠い未来の話だが、やはり、いずれ彼女にも訪れるのだろうか。
437: ぱりぱりうめ ◆gijfEeWFo6 2013/12/08(日) 18:51:06.56 ID:F/IIFFEC0
「あの……Pさん……」
「何だ? 智絵里」
「Pさんは最近、悩んでいますよね? ……いえ……困っていると言った方が、正しいですか?」
「…………」
智絵里はよく俺を気にかけてくれた。智絵里は気づいていたらしい、俺が悩んでいることに。結構普通にしていたつもりだった筈だが。
「あの……私は部外者ですけど……よかったら、話してもらえませんか? 私、Pさんの力になりたくて」
黙りこくった俺に、智絵里はそう告げた。
438: ぱりぱりうめ ◆gijfEeWFo6 2013/12/08(日) 18:55:27.53 ID:F/IIFFEC0
「別に、大丈夫だ。確かに悩み事はあるが……相談するものでもない、自力で解決してみせるよ」
「そう、ですか……」
悲しそうに彼女は俯く。なんだか悪いことをした気分だった。
「智絵里、ありがとうな。心配してくれて」
くしゃくしゃと、隣で項垂れている智絵里の頭を軽く撫でる。
「私は、Pさんの力になりたいんです……Pさんが困っているなら、助けたい……」
「別に、大丈夫だよ」
「…………Pさん」
俺は明るくそう答えるも、智絵里は笑顔を見せてはくれない。
というよりも、逆だった。智絵里は、普段の彼女からはかけ離れた、どこか冷たい雰囲気を纏っていた。
439: ぱりぱりうめ ◆gijfEeWFo6 2013/12/08(日) 18:57:42.92 ID:F/IIFFEC0
話していて薄々感じていたが、千秋のみならず智絵里もどことなく様子がおかしいように思える。
智絵里も、何か悩み事でもあるのだろうか?
その後、様子のおかしい智絵里を尻目に会話を切り上げ、彼女の仕事先へと向かった。
近くで智絵里の仕事姿を見ていたが、智絵里は前よりもずっと成長していた。今では普通にこなしていることでも、昔だったらきっと三倍の時間はかかっていただろう。
過去よりも幾ばくか自信を持てるようになったためか、温かくて微笑ましい空気を纏い、スタッフや共演者を笑顔にしていた。
彼女の仕事は順調に進み、予定よりもやや早めに終わった。
440: ぱりぱりうめ ◆gijfEeWFo6 2013/12/08(日) 19:00:48.58 ID:F/IIFFEC0
楽屋にて、智絵里は、
「あの……今日の私、どうでしたか?」
少し上目遣いになりながら、そんなことを聞いてきた。
「なんだか……成長したなーって思ったよ。これからもその調子でがんばれ」
「そ、そうですか……えへへ……これも、Pさんのお陰です」
ぎゅっ、と感極まったように智絵里は俺へと抱き付いた。
千秋とは違い、智絵里は妹のような存在であるため、精神衛生上とてもいい。アイドルに抱きしめられているだけでスキャンダルだから問題ではある。
441: ぱりぱりうめ ◆gijfEeWFo6 2013/12/08(日) 19:02:54.63 ID:F/IIFFEC0
「Pさん……これからも、ずっと私のこと、見ていてくださいね」
「あぁ、見守ってるさ、ずっと」
「約束ですよ? ……私のこと、見捨てないでくださいね……?」
「あぁ、約束だ。見捨てるわけないだろ」
智絵里が胸に埋めていた顔を上げ、俺の瞳を下から覗き込んだ。ふわふわした髪を優しく撫でながら、言葉を返す。
「それじゃ、次の仕事に行こうか」
「はい!」
向日葵のように温かい笑みを浮かべながら、智絵里は体を離した。
442: ぱりぱりうめ ◆gijfEeWFo6 2013/12/08(日) 19:05:40.25 ID:F/IIFFEC0
身支度を整え楽屋を出て、智絵里の次の仕事へと向かおうとした矢先に、本来ならまだ仕事から戻ってきていない筈の千秋と出くわした。
千秋もまさか俺がここにいるとは思っていなかったようで、驚愕の表情を浮かべていた。
「あれ? 千秋?」
「プロデューサー? あなたこそ何をしているのかしら、こんなところ……で……」
千秋の視線は後ろの智絵里へと向けられる。見る見るうちに智絵里を見つめる表情が険しくなっていく。
智絵里が一体何をしたって言うんだ。
「プロデューサー、行くわよ」
有無を言わさない口調でそう言うと、千秋は素早く俺の右手を掴んで引っ張り、この場から連れ去ろうとした。
体ごと引っ張られ、二歩三歩と足が進むが、不意に、浮いた左手を掴まれる。
当たり前だが、俺の左手を掴んで千秋を止めたのは後ろにいた智絵里以外ではありえない。
443: ぱりぱりうめ ◆gijfEeWFo6 2013/12/08(日) 19:10:56.48 ID:F/IIFFEC0
「まだ、終わっていません……約束」
振り返った千秋の目には、敵意があった。
「ねぇ……離してくれるかしら。プロデューサーも私も困っているのだけれど」
「……離しません」
智絵里も強い意志のある瞳を細め、千秋を睨み付ける。智絵里がこんなにも怒りを露わにするのを見るには初めてで、思わず戸惑った。
故に動けない。
「ふざけないで……緒方さんには緒方さんのプロデューサーがいるわよね? 人のプロデューサーを勝手に取るのは酷いと思うの」
「私のプロデューサーを――」
智絵里が言葉を途中で切る。何て言おうとしたのか、少しばかり気になった。
444: ぱりぱりうめ ◆gijfEeWFo6 2013/12/08(日) 19:17:06.47 ID:F/IIFFEC0
「千秋、悪いがまだ終わってないんだ。後でちゃんと説明するから、今はやるべきことをやってくれ」
俺が仲裁に入ると、途端に千秋は慌てだす。
「プロデューサー?! どうして――」
「また後でお願いします……黒川さん」
千秋の言葉を強い口調で強引に切り、智絵里は俺の手を引いてその場を離れた。
なんだか酷い罪悪感に襲われた。後ろ髪を引かれるような思いをしながらも智絵里に付き添う。
後ろで、千秋は俯き項垂れていた。
「千秋……?」
千秋の頬を、涙が伝ったような気がした。
451: 再開します ◆gijfEeWFo6 2013/12/08(日) 19:58:22.39 ID:F/IIFFEC0
☆
結局、その日はずっと千秋の最後の姿が頭から離れず、仕事がやや手付かずだった。
半日、仕事に付き添って見守っていた智絵里は、どの仕事も滞りなく終わらせ、多少のミスはあれども些細なものばかり。
もう、全て、一人で出来ているのだ。
そこに少し寂しさを感じたが、その成長には素直に感動した。
千秋だって、すぐに彼女と同等になれる。
きっと、なれる……。
結局、その日はずっと千秋の最後の姿が頭から離れず、仕事がやや手付かずだった。
半日、仕事に付き添って見守っていた智絵里は、どの仕事も滞りなく終わらせ、多少のミスはあれども些細なものばかり。
もう、全て、一人で出来ているのだ。
そこに少し寂しさを感じたが、その成長には素直に感動した。
千秋だって、すぐに彼女と同等になれる。
きっと、なれる……。
452: 再開します ◆gijfEeWFo6 2013/12/08(日) 19:59:34.32 ID:F/IIFFEC0
…………くそっ。
自分がプロデュースしているアイドルの成長を、未来を、俺が止めてどうするんだよ。
だが……俺が今の千秋から離れて、果たして彼女は大丈夫なのだろうか。
いや、自惚れるな。だからと言って俺がずっと傍にいても、彼女のためにはならない。
いつか、時期が来たら千秋の元を去ろう。それが最善の選択で、俺がすべき最後の仕事なのだろう。
そして、その時期はきっと近いんだろうな。
453: ちひろ ◆gijfEeWFo6 2013/12/08(日) 20:05:11.74 ID:F/IIFFEC0
★
夜遅くの公園。ひと気は一切なく、たった一つの街灯だげか寂しげに灯っている。
月明かりさえも分厚い雲に遮られ、辺りは真っ暗だ。雪こそ降ってはいないが、とても出歩こうとは思いたくない寒さだった。
「やっと来たわね」
近づいて来る足音を聞いて、千秋がベンチから立ち上がる。
歩を進めるにつれ、足元からゆっくりと街灯に照らされる少女。
そこにいたのは緒方智絵里だった。二つに結んだ髪を左右に揺らしながら、毅然とした態度で千秋の元へと近づく。
「……こんな夜中に、何の用ですか?」
足を止めず、近づきながら、自分を呼び出した千秋に問う。
夜遅くの公園。ひと気は一切なく、たった一つの街灯だげか寂しげに灯っている。
月明かりさえも分厚い雲に遮られ、辺りは真っ暗だ。雪こそ降ってはいないが、とても出歩こうとは思いたくない寒さだった。
「やっと来たわね」
近づいて来る足音を聞いて、千秋がベンチから立ち上がる。
歩を進めるにつれ、足元からゆっくりと街灯に照らされる少女。
そこにいたのは緒方智絵里だった。二つに結んだ髪を左右に揺らしながら、毅然とした態度で千秋の元へと近づく。
「……こんな夜中に、何の用ですか?」
足を止めず、近づきながら、自分を呼び出した千秋に問う。
454: ちひろ ◆gijfEeWFo6 2013/12/08(日) 20:14:46.48 ID:F/IIFFEC0
「これ以上、私のプロデューサーに関わらないでくれるかしら」
智絵里の質問に対し、有無を言わせない強い口調で千秋は返す。それでも智絵里は怯むことはなかった。
「嫌です……そもそも……Pさんはあなたのものではありません」
そう言って、千秋を睨み付ける。
「どうして……どうして奪おうとするの? 私のたった一人の……理解者を」
「先に奪ったのは……黒川さんです……私から、Pさんを」
「違うわ。プロデューサーは、私の所へ来てくれたの。自分の意志で、私の元へ来てくれたの」
千秋の言葉を聞いて、笑っているようにも、怒っているようにも見える表情を、智絵里はした。
455: ちひろカスタム ◆gijfEeWFo6 2013/12/08(日) 20:15:56.92 ID:F/IIFFEC0
「何が可笑しいのかしら」
その表情を笑っていると受け取った千秋が、苛立ちを込めた声で指摘する。
「Pさんから聞きました。黒川さんを……スカウトした時のこと……他にも、色々。あなたについて……聞きました」
くすり、と智絵里が小さく笑みを零した。
「――別にPさんでいなくても……黒川さんはきっと好きになっていましたよ……自分を助けてくれた、人を」
「……何よ、それ」
456: ちひろ ◆gijfEeWFo6 2013/12/08(日) 20:24:06.34 ID:F/IIFFEC0
何を言われているのか理解できず、千秋は思わず聞き返す。
智絵里は、優しく微笑んだ。
「分かりませんか? 公園で黄昏ているところを、偶然スカウトされて、親を説得してもらって、プロデュースされて……例えそれがPさんではない他の誰かでも……あなたは好きになっていました」
言い聞かせるように、智絵里は断言した。きっとあなたは好きになっていました、と。
頭を押さえ、千秋は首を振った。
「そんなこと、ある筈がないわ。私はプロデューサーが、プロデューサーだけが好きなの」
457: ちひろ ◆gijfEeWFo6 2013/12/08(日) 20:31:08.23 ID:F/IIFFEC0
「そうですか? かっこいい人が黒川さんの悩みを聞いて、親を説得しに行くだけでも……黒川さんはその人が好きになりそうな気がしますけど」
「やめて」
「別に、普通の人でも、プロデューサーをやっていなくても、助けてくれれば……誰でも好きになっちゃいますよね、黒川さんの境遇なら」
「やめてっていっているでしょッ!!」
叫びにも悲鳴にも聞こえる声で、智絵里の言葉を強引に止める。
「例え、平行世界があって、他の世界の私がプロデューサーではない誰かに助けられて、その誰かを好きになっていようと、関係ないわ。私は、プロデューサーを愛しているの。何も……他には何も関係ないッ!!」
びしっ、と智絵里を指差し、千秋は言葉を続ける。
「……あなたはどうなのかしら? 果たして本当に自分がプロデューサーだけを好きになるって言う自信でもあるのかしら?」
458: ちひろ ◆gijfEeWFo6 2013/12/08(日) 20:32:45.06 ID:F/IIFFEC0
「ありますよ……私がPさんだけを好きになる、自信……」
いつも、何をやってもダメだった私を見て、私のプロデューサーになる人は次々と担当アイドルを私から変えていった。
「見てくれはいいが、他はダメだな」
「モデルすらもまともにこなせないのか、お前は」
「お前のせいで仕事が進まないし、俺が怒られるし、最悪だ」
「どうして、何をやっても出来ないんだ?」
「お前は正直に言って、アイドル向いていない」
自分に原因があるとはいえ、今まで担当プロデューサーになった人達は心無い言葉を私へぶつけた。
たまに根気よく私に付き合ってくれた人もいたけれど、伸びない私を見て諦めた。
459: ちひろ ◆gijfEeWFo6 2013/12/08(日) 20:34:29.46 ID:F/IIFFEC0
私を変えてくれたのは、Pさんだけ。
どんなにダメでも、見捨てなかったのも、Pさんだけ
私のことを本当に理解してくれるのも、Pさんだけ。
Pさんは私を安心させてくれて、私の心にずっと寄り添ってくれる、最愛の人。
だから私も、Pさんに寄り添う。生涯、ずっと、永遠に。
460: ちひろ ◆gijfEeWFo6 2013/12/08(日) 20:38:55.72 ID:F/IIFFEC0
「黒川さんとは、違う……私は、Pさんのことを本気で愛している」
「私だって、プロデューサーのことを、愛している」
対抗するかのように、千秋は強く言葉を返した。
「あなたのそれは……愛とは呼べません。黒川さんは……Pさんを本当に想ってはいません」
「いい加減にしてッ!!」
どこからともなく、千秋はナイフを取り出した。それは街灯の光を反射し、白く光る。
智絵里はそれを見ても、顔色一つ変えなかった。
462: ちひろ ◆gijfEeWFo6 2013/12/08(日) 20:41:02.67 ID:F/IIFFEC0
「それを……どうするんですか? 私を……刺すの? ……本当に、あなたは……Pさんを困らせてばかり……まるで、昔の私のよう……」
「私は、プロデューサーを愛している。その想いは、誰にも否定させたりはしないわ」
「Pさんを困らせてばかりで……それが本当に愛だと思っているんですか?」
首を傾げながら、智絵里は問う。
千秋は、智絵里に向けていたナイフを下ろした。瞳には光も力もない。
「――もう……いいわ……これ以上、話しても、無駄だと分かったもの」
「あの……今度から、Pさんを困らせるのは……やめてください」
智絵里の言葉は、千秋には届いていなかった。
「話し合いで解決しようとしたのが間違いだったのよ……最初から、こうすればよかった」
464: ちひろ ◆gijfEeWFo6 2013/12/08(日) 20:44:53.71 ID:F/IIFFEC0
暗い瞳を智絵里に向ける。嫌な気配を察したのか、智絵里が僅かに身構えた。
「あなたは、私達の邪魔なの……だから……消えてッ!!」
千秋はナイフを振りかぶり、一気に智絵里との距離を詰める。そして、彼女の喉元目掛けて勢いよくナイフを振り下ろした。
迷いはない。このまま行けば、ナイフの刃は間違いなく智絵里の喉を切り裂くだろう。
「消えるのは……あなたです」
智絵里は、千秋のナイフを持つ手を掴んだかと思うと、素早く右手に持ったスタンガンを押し当てた。
出力を弱めていたためか、気絶まで至らなかった。突然のショックに、千秋は右手からナイフを取りこぼし、体勢を崩してそのまま膝をつく。
465: ちひろ ◆gijfEeWFo6 2013/12/08(日) 20:48:25.60 ID:F/IIFFEC0
ナイフを拾い、蹲る千秋を蹴り倒す。
千秋は悲鳴すらも出すことができず、うめき声を上げるだけだった。
智絵里は彼女に馬乗りになり、容赦なく腕にナイフを突き立てた。赤黒い液体が、湧き出て小さな泉を作る。
目を見開き、涙を零しながら、千秋は声にならない悲鳴を上げた。
それを見ても、智絵里は容赦なく二回、ナイフを突き立てた。
致命傷を外しながら、深い傷を負わせる。
「……もう二度と……Pさんに必要以上に近づくことはやめてください」
智絵里の目には狂気が宿っていた。それを間近で見た千秋は、心の底から恐怖を感じ、身体を震わせる。
ナイフを千秋の体から抜き取り、踵を返す。
街灯の光から離れ、溶け込むように、暗闇の中へと智絵里は消えて行った。
466: ちひろ ◆gijfEeWFo6 2013/12/08(日) 20:50:33.34 ID:F/IIFFEC0
そして、血塗れの千秋だけが、街灯の下に残された。
コートや服はどこもかしこも血だらけで、どこから出血しているのか分からないような状態だった。
千秋は涙を零しながら、体を丸める。
震えながら、必死に自分を強く抱きしめた。
「プロデューサー……私を、愛して……」
零れた涙が、音もなく血と混ざる。
いつの間にか、空からは雪が降ってきていた。
「プロデューサー……」
やがて、千秋の涙は凍てつく。
485: ちひろ ◆gijfEeWFo6 2013/12/11(水) 02:02:36.95 ID:4sWNAsQd0
★
ある日の朝、千秋が通り魔に襲われたと事務所から連絡を受け、俺は急いで駆け付けた。
薄暗い個室、そこで千秋はベットに横たわっていた。目を閉じて静かに眠る彼女は、造形の花のように、美しかった。
千秋は目を開き、天井から俺へ、ゆっくりと視線を移す。
「千秋……」
「プロデューサー……よかった……もう……会えないかと思った」
そう言って、彼女は涙を零す。
ある日の朝、千秋が通り魔に襲われたと事務所から連絡を受け、俺は急いで駆け付けた。
薄暗い個室、そこで千秋はベットに横たわっていた。目を閉じて静かに眠る彼女は、造形の花のように、美しかった。
千秋は目を開き、天井から俺へ、ゆっくりと視線を移す。
「千秋……」
「プロデューサー……よかった……もう……会えないかと思った」
そう言って、彼女は涙を零す。
486: ちひろ ◆gijfEeWFo6 2013/12/11(水) 02:06:02.40 ID:4sWNAsQd0
「大丈夫……なわけ、ないよな……すまない」
目頭が急に熱くなり、思わず俺まで泣きそうになる。
そんな俺を横目に見ながら、千秋は上体を起こした。痛みに表情を歪ませながら。
「誰が、こんなことを……」
俺は、答えなど期待せずに、ただ、頭の中に浮かんだことをそのまま口に出しただけだ。
答えなんて返って来くるはずない。精々、通り魔の特徴ぐらいだろう。その程度の考えで出た、下手したら嫌なことまで思い出させてしまう浅ましい呟きだった。
だが、結果は違った。
目頭が急に熱くなり、思わず俺まで泣きそうになる。
そんな俺を横目に見ながら、千秋は上体を起こした。痛みに表情を歪ませながら。
「誰が、こんなことを……」
俺は、答えなど期待せずに、ただ、頭の中に浮かんだことをそのまま口に出しただけだ。
答えなんて返って来くるはずない。精々、通り魔の特徴ぐらいだろう。その程度の考えで出た、下手したら嫌なことまで思い出させてしまう浅ましい呟きだった。
だが、結果は違った。
487: ちひろ ◆gijfEeWFo6 2013/12/11(水) 02:07:10.96 ID:4sWNAsQd0
「緒方智絵里」
「え?」
「緒方智絵里よ……私を刺したのは」
俺は耳を疑った。今……千秋は何て言った?
「冗談、だよな……?」
千秋は口をきつく結び、真剣な表情で俺を見つめる。とても嘘をついているようには見えなかった。
だけど、信じることもできない。
488: ちひろ ◆gijfEeWFo6 2013/12/11(水) 02:09:17.00 ID:4sWNAsQd0
「真実は変わらない。私を刺したのは、緒方智絵里よ」
「そんな……どうして? どうして、智絵里が、そんなこと」
智絵里に、そんなこと、できるのだろうか。智絵里は、そんなことするのだろうか。別に、智絵里の全てを知った気になっているわけではない……だが、にわかには信じがたい話だった。
――智絵里は、そんなこと、しない。
危うく口にしてしまいそうだった。
「緒方智絵里は、プロデューサーのことが好きだから、こんなことをしたのよ」
「……?」
千秋が、何を言っているのかよく理解できなかった。さっきから頭が回らない。
489: ちひろ ◆gijfEeWFo6 2013/12/11(水) 02:11:58.88 ID:4sWNAsQd0
「緒方智絵里と私はお互いにプロデューサーが好きで、争った。私はそれで傷を負った……それだけなのよ……今回のこの出来事を説明するならば」
言葉は出なかった。
数分間、病室を沈黙が支配する。
「……どうして、警察に言わないんだ?」
ようやく出てきた言葉が、それだった。
「言わないんじゃないの……言えないのよ」
「脅されているのか……?」
智絵里に? 智絵里が本当に、そんなこと、するのか……?
もはや何を考えるべきで、何を信じればいいのか分からなくなってきていた。
490: ちひろ ◆gijfEeWFo6 2013/12/11(水) 02:15:06.76 ID:4sWNAsQd0
「脅されてはいるけれど……緒方智絵里からではないわね。誰から脅されているのかも言ってはいけないことになっているの……ごめんなさい」
「なんだよ……それ……」
千秋は辛そうに、唇を噛み締める。ぎゅっと握り絞めた拳も、震えていた。
俺は、彼女の力になることはできないのか……?
信じ切れていない以上、智絵里を問い詰めるようなことはできない。彼女を脅している人間が誰かも分からない以上、何もできない。
出来ることと言えば、千秋に寄り添うことぐらいだろうか。
「プロデューサー……ごめんなさい……」
千秋はぽつりと、謝罪の言葉を述べた。
「……何に謝っているんだ?」
「体に傷が残ってごめんなさい……でも、私、がんばるから……体に傷があってもいいって思えるぐらい魅力的になるから……プロデューサーに好かれるよう、どりょく、するから……だから……」
――見捨てないで。
491: ちひろ ◆gijfEeWFo6 2013/12/11(水) 02:17:12.17 ID:4sWNAsQd0
そう言って千秋は、顔を両手で覆い、泣き出した。
俺は、静かに椅子から立ち上がる。自分が今どんな表情をしているのか、見てみたい。
「千秋、また来る……とりあえず、今は安静にな……」
「プロデューサー……傍にいて……!」
「ごめん」
千秋の懇願を跳ね除け、俺は病室を出た。
492: ちひろ ◆gijfEeWFo6 2013/12/11(水) 02:18:21.66 ID:4sWNAsQd0
病院を出て車に乗ったところで、堪えきれずに涙が溢れ出てしまう。
体を震わせながら、鼻水を啜りながら、何度も何度も涙を拭いながら、暫くの間、嗚咽を漏らしながら静かに泣き続ける。
「おかしいだろ……」
おかしかった。何もかも。
千秋は、体に傷が残って悲しんでいた。
でも、千秋は傷が残ったこと自体に悲しんでいたのではなかった。
傷が残ったことで俺に見捨てられるのではないかというところに不安を感じて、悲しんでいた。
しかもそれは、アイドルとしてではなく、異性として、だ。
……どうして、こうなったんだろうか。
俺は、何を間違えた?
誰か、教えてくれよ……。
涙が一粒、また落ちた。
503: ちひろ ◆gijfEeWFo6 2013/12/11(水) 21:40:11.70 ID:4sWNAsQd0
★
暗い病室で、千秋は一人の男と話をしていた。
話し相手は初老の男性で、高そうなスーツを着こなしている。爽やかな笑みを浮かべながら、千秋を見つめていた。
「いやぁ、話を聞いてくれて助かった。本当、間に合ってよかったよ」
千秋は、憎悪を表情に滲ませながら、目の前の男を睨めつける。きゅっと結んだ拳が小さく震えていた。
「とりあえず、説明しに来たんだ。ある程度……その前に、ありがとうと言っておこう、あの状況で、話を聞いてくれて」
男は血に塗れた千秋の姿を思い浮かべながら言う。千秋にとっては不快な思い出でしかなかった。
504: ちひろ ◆gijfEeWFo6 2013/12/11(水) 21:42:33.16 ID:4sWNAsQd0
「約束通り……プロデューサーを首にするのはやめて」
「ただ首にするだけじゃない。君に手を出した愚かなプロデューサーにもなる」
男はそう言うと、プロデューサーと千秋が、恋人同士のように寄り添い合っている写真を彼女の前に置いた。
「ファンの数が増えれば増えるほど、過激な者も少なからず増えていく。君のプロデューサーは社会的立場も悪くなるし、下手したらファンからも狙われるかもしれない……君の選択は懸命だよ」
千秋は写真に目を落とす。恐らくかなり遠くから撮ったものだろうが、無駄に画質は良かった。プロデューサーの顔も、千秋の顔も、はっきりと写っている。
「これはね、智絵里君が撮ったものなんだ。驚いたよ……いきなり千秋君を脅してくれなんて頼まれてね。いやはや、私が事務所にいなかったらどうする気だったんだか……」
けらけらと、笑えるような内容ではないのに、愉快そうに男は笑った。
505: ちひろ ◆gijfEeWFo6 2013/12/11(水) 21:43:24.37 ID:4sWNAsQd0
「智絵里君が逮捕されたら我々の利益に大きなダメージが入るからね……千秋君にはすまないと思っているが、涙を呑んで堪えてくれ」
「…………」
悔しくて、何も言えなくて、もう枯れたと思えるぐらいに泣いたのに、また涙が溢れだす。
「それじゃ、そろそろ失礼させてもらうよ」
男はそう言って立ち上がり、扉の方へと向かう。
「私が……もし、プロデューサーのことなんかどうでもいいと思っていて、貴方の脅しに屈しないで、警察に言っていたらどうなるのかしら?」
振り返った男の顔には、殴りたくなるぐらい意地の悪い笑みが浮かんでいた。
506: ちひろ ◆gijfEeWFo6 2013/12/11(水) 21:46:08.79 ID:4sWNAsQd0
「智絵里君には返り血が付いてなかった。それに、証拠となるようなものは何も残されていない。目撃者ですらいない……君は知らなかっただろうが、あの日の夜はね、私と智絵里君と智絵里君のプロデューサー三人で大きな仕事の相談をしていたんだ……だから、君を刺したのも智絵里君に似た誰かで、見間違いだろう」
今度こそ、男は部屋を出ていく。
「絶対に捕まるわよ……日本の警察は、優秀なんだから……」
千秋の言葉に、力はなかった。
涙が止め処なく、零れ落ちる。
「プロデューサー……隠し事をして、ごめんなさい……」
早く、プロデューサーに会いたい。
傷を負ってしまった分だけ、がんばらないと。
530: ちひろ ◆gijfEeWFo6 2014/01/11(土) 22:42:11.18 ID:sn/wYVIR0
★
少しだけ薄暗い社長室に俺はいた。出社早々社長に呼び出されたのだ。
やはり、千秋のことを言及されるのだろうか。
身構えて入室したものの、予想は裏切られた。
部屋の中には社長と、見慣れない少女が向かい合ってソファに座っていた。
社長から、呼び出された理由を教えられる。
「――新しい、アイドル……ですか?」
「あぁ、千秋君も智絵里君ほどではないが、もう十分だ。君にはまた他のアイドルを担当してもらう」
やはり俺と千秋のことは耳に入っていたのだろう。智絵里から外された時はともかく、千秋から外された理由は間違いなく、今までの日常が原因だろう。
社長室にいた女の子は、物静かな女の子だった。黒髪に澄んだ青い瞳が特徴の整った顔立ちの女の子だった。無地で質素な服を身に纏い、地味な印象を受けるが、清楚感がとてもある大衆受けしそうな女の子だった。
ただ、どことなく雰囲気が暗い。前髪で綺麗な瞳を隠してしまっているせいだろうか。
「……よろしくお願いします」
ぺこりと、彼女は小さく頭を下げる。よく通る綺麗な声だ。
532: ちひろ ◆gijfEeWFo6 2014/01/11(土) 22:44:43.42 ID:sn/wYVIR0
「名前は鷺澤文香と言う。他の事務所から移籍してきた女の子だ。ちょうどいいから君に任せたいと思ってね」
「……そうですか……分かりました」
移籍か、どうりで見慣れないわけだ。
「それじゃ、任せたよ」
未だに千秋のことで悩んでいた俺はこの転機を喜ぶべきなんだろうが、素直に喜べないでいた。色々なことが引っかかっていて、何も解決していないような気がしてならないからだ。
「それじゃ、行こうか」
文香を連れて社長室から出る。
ふと、脳裏に千秋の姿が浮かび上がった。想像の中の千秋は、泣いていた。
千秋は、俺が担当から外れると聞いてどういう反応をしたのだろうか……。
533: ちひろ ◆gijfEeWFo6 2014/01/11(土) 22:47:57.86 ID:sn/wYVIR0
――文香の担当になって一週間が経った。
一週間で、俺はある程度鷺沢文香という女の子を知る。
文香は無口で無表情で、あまり感情を露わにしない。ファンを笑顔にするアイドルが笑顔を浮かべないと言うのは中々に痛いが、整った顔立ちと清楚で大和撫子な雰囲気で何とか補えるだろう、多分。
そして、初期の智絵里よりも酷い運動能力。ダンスはとてもじゃないが無理というレベルだ。50メートル走のタイムも二桁だったという話も聞いた気がする。
前の事務所で努力したらしく、歌唱力は非常に高い。彼女の声は透き通っていて綺麗で、聴く者を魅了させる美しさがあった。加えて高い歌唱力も持っている。
欠点が目立つから前の事務所は手放したのかもしれないが、歌だけでも十分やって行けるだろうに。
まずは知名度と人気を上げるべく、小さな仕事から取っていく。
智絵里の時と同じく、最初は写真撮影などを主にやらせることにした。
534: ちひろ ◆gijfEeWFo6 2014/01/11(土) 22:51:11.42 ID:sn/wYVIR0
人と会話するのが難しいと言う文香は、人前に出るのも苦手らしいが、そこは何とか頑張ってもらおう。
カメラマンと相談して、ポーズなどはあまり取らせずにごく自然な状態を収めさせるよう頼んだ。
結果、無表情で服装も地味目だが、溢れ出る清楚感と現代の大和撫子と言った雰囲気が早くも色々な人間に評価されて知れ渡り、ある程度の知名度を獲得するに至った。
文香の出だしは良好と言える。とは言え、無口無表情運動音痴と問題がそれなりに残っているが。
ともかく、高く評価されているという事実を俺は文香に伝えた。
彼女は戸惑ったような表情を浮かべるのみで、あまり喜んではいなかった。その反応に俺が戸惑う。
「なんだか……あまり、実感はありません」
「まぁ、そういうものなのかな」
535: ちひろ ◆gijfEeWFo6 2014/01/11(土) 22:56:47.45 ID:sn/wYVIR0
短時間で爆発的に人気と知名度を上げて行った智絵里や千秋と違い、文香は時間をかけて徐々に知名度を上げて行った。
どんなマイナーな番組にも出ることはない、ただ写真にだけその身を写す文香。ネットでの高評価が人の興味を引きつけ、写真集と知名度は次々と上がっていく。
表舞台に立ったことは一度もないのに、文香についてだけ語るための掲示板も現れ、たくさんの人が集まっていた。
表舞台に立てるのも、時間の問題だろう。
536: ちひろ ◆gijfEeWFo6 2014/01/11(土) 23:02:49.72 ID:sn/wYVIR0
文香と仕事をするようになって、それなりの期間が過ぎた。
なるべく思い出さないようにしているが、それでも時折過去を思い出す。
智絵里や千秋の姿が目に入る度に、俺はあの出来事を思い出してしまう。
千秋も、智絵里も、文香と仕事をするようになってから俺に関わってくることはなくなった。
智絵里はたまに視線が合うと微笑みを返してくれるが、千秋は視線が合ってもすぐに顔を逸らしてしまう。
仕事には集中できる。というよりも、半ば二人を忘れるために打ち込んでいるようなものだ。
時折、いっそのことアイドルに手を出したということでクビになった方がマシだったかもしれないと思う時もある。
537: ちひろ ◆gijfEeWFo6 2014/01/11(土) 23:08:30.15 ID:sn/wYVIR0
「……あの……プロデューサーさんは、どうして笑わないんですか?」
「そうかな……俺は結構笑っていると思うけど……」
「……そう、でしょうか」
文香にも俺の態度は不自然に思われたらしい。確かに、事務所で笑うことはあまりなかった。精々愛想笑いぐらいか。
笑うことができなくなった、なんて恰好付けたような言い方は正しくない。正確には過去を引き摺りすぎていつも思いつめているだけだ。笑えるようなことも笑えない状態だ。
文香は大人しいが中々積極的な少女で、よく俺を気にかけては歩み寄ってきてくれる。だけど俺は、文香が俺に恋愛感情を抱いてしまわないように、敢えて壁を作って、心の距離を離して接している。
自惚れすぎだとか、ナルシストだとか、そんなことはもう気にしない。万が一でも文香が俺を好きになるなんてことはあってはならない。
538: ちひろ ◆gijfEeWFo6 2014/01/11(土) 23:10:01.83 ID:sn/wYVIR0
時間が経つにつれ、文香もきっと慣れてくれるはずだ。それまではどうか耐えて欲しい。良い印象は持たれないだろうし、苦手意識が生まれるかもしれない、それでも恋愛感情を持たれないだけマシだ。
俺は心の中で文香に謝罪した。
彼女は何の事情も知らないのに勝手に俺に冷たい態度を取られている。
もしかしたら怖がらせているかもしれない。
でも、俺はこの態度を貫き通すしかない。
不意に携帯電話が鳴り響く。前に文香を売り込みに行った、大きな仕事に関係する連絡だった。
向こうはどうやら文香を採用してくれるらしい。何度もお礼を繰り返した後、電話を切る。
スケジュール表に仕事の日付を記入し、閉じる。
文香にとって初めてのライブだが……大丈夫だろうか。精神的なものは、どうあがいても本人次第だ。
悩むのは後だ。とりあえず、文香に連絡しよう。
俺はもう一度携帯を取り出した。
546: ちひろ ◆gijfEeWFo6 2014/01/12(日) 21:24:24.64 ID:3Lf3IqJ00
叔父の本屋でお手伝いをしていた私は、とあるプロデューサーに目を付けられて、スカウトされました。
アイドルなんてよく分からなくて、それに人前に出る仕事は苦手だと、私は断りました。
それでもその人は諦めず、熱心に私を誘いに来ました。私もその度に断りました。
結局私は、その熱意に負けてアイドルをする事になりました。
そこから二カ月ほど、プロダクションで働かせていただきましたが、散々な評価をされてしまいました。
運動能力もなく、特技もなく、喋るのも苦手で、雰囲気も暗い私は、アイドルになんか向いているわけがありません。
私をスカウトしたプロデューサーは最初の頃は熱心に付き合ってくれましたが、徐々に私をほったらかしにすることが多くなりました。
547: ちひろ ◆gijfEeWFo6 2014/01/12(日) 21:25:30.42 ID:3Lf3IqJ00
私は、プロダクションの人達に唯一褒められた声だけを磨くことに集中し、頑張りました。
ですが、努力は実らず、私には移籍の話が来ました。このままプロダクションにいられるよりも、他のプロダクションに売りつけた方がまだ儲かると言っていました。
別に心は傷つきませんでした。私が傷をつく時と言えば、感情移入した主人公が酷い目にあった時くらいです。
そして、私は違うプロダクションに移籍することになりました。前よりも本屋と自宅が近いので、正直助かりました。
548: ちひろ ◆gijfEeWFo6 2014/01/12(日) 21:27:08.60 ID:3Lf3IqJ00
新しいプロダクションで、私には新しくプロデューサーが付きました。
プロデューサーは、私が多くの欠点を抱えているのを理解しても、対して変化を見せませんでした。
いつも私を見ているようで、どこか遠くを見ている。そんな人でした。
私がプロデューサーと一緒に仕事をするようになって、一カ月ほどが経ちました。
プロデューサーはダメな私を見てもため息一つつかず、付き合ってくれています。
プロデューサーは何故かあまり笑いません。
プロデューサーは私といる時に、笑うことがありません。いつも無表情を貫いて、私に付き添います。
プロデューサーは私との間に、敢えて壁を作っているように感じました。
私が話しかけても一言二言返すだけで、すぐに話を終わらせてしまいます。
549: ちひろ ◆gijfEeWFo6 2014/01/12(日) 21:29:33.11 ID:3Lf3IqJ00
プロデューサーは時折、辛そうな表情や、悲しい表情を見せます。
私は心の中で、困らせてごめんなさいと、何度も謝罪しました。
時が経つにつれ、プロデューサーは私のせいで悲しんでいるのではなく、何か別の理由で悲しんでいることに気づきました。でも、私にはその理由が分かりません。
同時に、プロデューサーによく視線を送っている女性も見つけました。黒川千秋さんと、緒方智絵里さん。どちらも、私では足元に及ばないぐらいの国民的アイドルです。
私が事務所で本を読んでいると、黒川さんや緒方さんは度々、事務仕事をこなしているプロデューサーを盗み見ていました。
黒川さんは複雑な表情をしながら、緒方さんは微笑みながら、いつもプロデューサーを見ています。
私は、どうして二人がプロデューサーを気にしているのかが気になりました。
結局、理由は分からずじまいです。
550: ちひろ ◆gijfEeWFo6 2014/01/12(日) 21:31:06.39 ID:3Lf3IqJ00
私はプロデューサーに連れられて、とある会社に大きな仕事の相談をするために向かいました。
大きな仕事と言うのはライブで、もしやることになったら私はたくさんの人前で歌わなければいけません。
後日、私はオーディションも受けていないのに採用されてしまいました。プロデューサー曰く私のCDをあげただけだそうです。それだけで採用されるのでしょうか。
そしてライブ当日、私はとても緊張していました。プロデューサーは珍しく優しげな表情を浮かべ、私を励ましてくれました。
私が歌う番になって、ステージに立ちます。プロデューサーがライブ会場は小さいから大丈夫だと言っていましたが、私にとっては広く見え、たくさんの人がいて、思わず圧倒されました。
負けじと、私は必死に歌いました。
今までアイドルが歌う時は歓声が響き渡っていたのに、私の時は何故か皆静かでした。青白いたくさんのペンライトだけが、ゆらゆらと揺れていたのが印象に残っています。
歌が終わった時、大歓声が響き渡りました。
大きな仕事と言うのはライブで、もしやることになったら私はたくさんの人前で歌わなければいけません。
後日、私はオーディションも受けていないのに採用されてしまいました。プロデューサー曰く私のCDをあげただけだそうです。それだけで採用されるのでしょうか。
そしてライブ当日、私はとても緊張していました。プロデューサーは珍しく優しげな表情を浮かべ、私を励ましてくれました。
私が歌う番になって、ステージに立ちます。プロデューサーがライブ会場は小さいから大丈夫だと言っていましたが、私にとっては広く見え、たくさんの人がいて、思わず圧倒されました。
負けじと、私は必死に歌いました。
今までアイドルが歌う時は歓声が響き渡っていたのに、私の時は何故か皆静かでした。青白いたくさんのペンライトだけが、ゆらゆらと揺れていたのが印象に残っています。
歌が終わった時、大歓声が響き渡りました。
551: ちひろ ◆gijfEeWFo6 2014/01/12(日) 21:32:29.46 ID:3Lf3IqJ00
無事成功したことに胸を撫で下ろし、私は控室に戻りました。
控室の前にはプロデューサーがいて、私の方へと駆け寄ってきます。
「よく頑張ったな、文香。最高のライブだったぞ」
満面の笑みを浮かべたプロデューサーが、私を迎えてくれました。
プロデューサーが笑顔を浮かべたことに驚き、その笑顔が私の脳に焼き付きました。
552: ちひろ ◆gijfEeWFo6 2014/01/12(日) 21:35:52.29 ID:3Lf3IqJ00
――プロデューサーが、初めて笑顔を見せてくれた。
その事実が、ライブを成功させたことよりも、何よりも嬉しくて、思わず私も笑顔になったことを覚えています。
結局、笑顔を見せてくれたのはその一回きりで、その後は元通りになってしまいました。
前まではそんなことなかったのに、プロデューサーが私との間に壁を作っているのが、寂しく感じるようになりました。
私は何度もプロデューサーに話しかけますが、プロデューサーは応えはするものの相手をしてくれません。
本を読んでいる時に、ふとプロデューサーの笑顔が浮かび上がります。そして、視線が本からプロデューサーに移ってしまうことがよくありました。
プロデューサーのことばかり考えてしまって、読んでいる本が一ページも進まない時すらありました。
優しい表情を、もっと私に向けて欲しい。もっと、親しくなりたい。いつの間にか、日常的にそう思うようになりました。
既に自覚はしています。その手の本を私はたくさん見てきました。
これはきっと、恋なのでしょう。
私はプロデューサーを、好きになっていました。
576: ちひ ろ ◆gijfEeWFo6 2014/01/15(水) 02:34:08.15 ID:xNrYVDgF0
プロデューサーはどうやったら私の恋人になってくれるのでしょうか。
自分がアイドルだということも忘れ、今まで読んできた恋愛小説の内容を思い出しては自分とプロデューサーを登場人物に当てはめて考えます。
本を開いているのに、いつの間にかプロデューサーと恋人になった時の妄想ばかり浮かんできてしまい、やはり本を読み進められません。
やはり、告白が鉄則でしょうか……それとも、既成事実……。
プロデューサーと行為に及んでいる自分を想像して思わず顔が熱くなります。恥ずかしい。
当のプロデューサーは、机の前で何やら難しそうな表情をして切手?のようなものを眺めていました。悲しそうな表情を浮かべたり、辛そうな表情を浮かべたり、傍から見ると酷い有様です。
ただの切手ではないのでしょうか……?
577: ちひ ろ ◆gijfEeWFo6 2014/01/15(水) 02:36:37.33 ID:xNrYVDgF0
プロデューサーは切手を机にしまうと立ち上がり、事務所を出て行きました。
私は好奇心に負け、プロデューサーが机に入れた切手を手に取ってしまいました。
プロデューサーが見ていたのは切手ではなく、プリクラと呼ばれる小さな写真でした。
プリクラには、プロデューサーと黒髪の女性が親しげに腕を組みながら笑顔で写っています。
私はそれを見た瞬間、胸が締め付けられるような感覚に陥ったかと思うと、黒髪の女性に強い嫌悪感と嫉妬心を抱きました。
こんな気分は初めてで、私はプリクラを手に取ったまま暫く固まっていました。
そして、プリクラに写っている黒髪の女性が同じ事務所に所属する黒川千秋さんだということに、私は気付きます。
だから黒川さんは時折プロデューサーに視線を送っていたのですね。
驚いたことに二人は付き合っていたようです。いえ……付き合っているのでしょうか? 千秋さんは笑顔でプロデューサーを見ていたことはありません。プロデューサーも、千秋さんとのツーショットの写真を複雑な表情で眺めていました。
もしかして二人は、別れたのでしょうか?
仮に付き合っていたとしても、これを使って脅せば二人を別れさせることは容易です。
578: ちひ ろ ◆gijfEeWFo6 2014/01/15(水) 02:39:04.89 ID:xNrYVDgF0
ここまで来て、ようやく自分の中のどす黒い感情に気づきました。
気が付けば、プリクラを持つ手が震えています。
――この人は、プロデューサーの笑顔を独り占めにしていた。
この事実がどうしようもなく私の嫉妬心を煽り、大きくしていきました。
他のプロダクションに売られるぐらいの欠陥品である私に、プロデューサーは熱心に付き合ってくれた。
ため息の一つもつかずについてくれて、たくさんの時間を割いてくれた。
愛想笑いの一つですら浮かべることの出来ない私を連れて、必死に売り込んでくれた。
私の声を、歌を、褒めてくれた。
わざと壁を作っているのに、私が緊張している時は自分で壁を壊して、優しく励ましてくれた。
ライブが成功した時は、私を笑顔で褒めてくれた。
プロデューサーは本と同じぐらい、いえ……それ以上に、大切な人……。
私は暫くの間回想に浸り、プリクラを持ったまま佇んでいました。
気が付けば私の腕は誰かによって掴まれていました。
振り向けば、そこには黒川さんが立っていました。怒りに染まった表情と、殺気の籠った視線がとても印象的でした。
女性とは思えないほどの握力で私の腕を握り絞め、その痛みに思わずプリクラを手から放してしまいます。
黒川さんはそれを慌てて拾ったかと思うと愛おしげに胸に抱き、そして私を睨み付けました。
「これはあなたが勝手に触ってはいいものではないの」
黒川さんはそう言って立ち去りました。私は彼女の威圧感に圧倒され、何も言い返すことはできませんでした。
――負けたくない。
彼女なんかに、プロデューサーを盗られたくない。
プロデューサーを想う気持ちはより一層、強くなっていきました。
まずは私も、写真を撮らなければなりません。
579: ちひ ろ ◆gijfEeWFo6 2014/01/15(水) 02:39:56.09 ID:xNrYVDgF0
★
ライブが終わってからというものの、文香は変わった。大きな仕事を成功させ、ある程度の自信がついたのだろう。
よく笑うようになったし、ほんの少しだけお洒落になった。相変わらず本ばかり読んでいるが。
そして、長い前髪を少しだけ切ってくれるよう何度もお願いして来る。
俺は当然断った。女性の髪に触るのは抵抗があるからだ。例によって二人を思い出すからである。
だが、文香にしては珍しく、中々譲らない。最善を尽くすが変になっても知らないぞと脅しのような忠告を何回もした後、文香の前髪を切った。勿論、ヘアカットハサミを用いて。
慎重に時間をかけて切ったこともあり、違和感のない仕上がりになった。
切っている間ずっと真正面から視線を受けており、かなり精神が削れた。青く澄んだ綺麗な瞳と視線が絡まる度に息が詰まるのだ。気を抜けば魅入ってしまう。
文香も切られている間、頬を薄らと桜色に染め、恥ずかしそうな表情を浮かべたりしていて心が休まらなかった。
智絵里とも、千秋とも全く違う魅力を持っているのだ、彼女は。全然慣れない。
文香もライブを終えて知名度と人気がある程度上がった。他のアイドルが歌っていた賑やかなものとは違い、文香の歌ったものは場違いなほど大人しめの曲だ。それ故に目立ち、話題になり、印象に残る。効果は抜群だった。
文香のCDはまだ発売していないが、発売すればそれなりに売れるだろう。少なくともあのライブに来ていた人達は文香の姿と歌を記憶に焼き付けてくれた筈だ。
580: ちひ ろ ◆gijfEeWFo6 2014/01/15(水) 02:42:37.96 ID:xNrYVDgF0
それにしても――。
隣を歩いている文香に視線を移す。
前髪が少しだけ短くなった文香は、前と違って目が隠れていない。当然、写真に写る時も前とイメージがかなり変わる。
更に、微笑みを浮かべられるようになった。無理矢理作ったようなものではなく、ごく自然な感じの微笑みだ。
当然、人気が出た。文香はまさに、男性から見た理想の女性像を体現したかのような存在だからだ。
俺は、その唐突な変化に疑問を抱いた。
彼女が明るくなるのはいいことだが、ライブが成功しただけでそこまで変わるようなものなのだろうか。
「文香ちゃん、最近は凄く明るいね。もしかして好きな人でもできたんじゃないか? 恋をすると女は変わるって言うしな」
最近の文香を見た関係者はそうコメントした。好きな人の部分に内心過剰反応してしまったが、まさかな。あの文香に限ってそんなこと……。
いや、でも最近かっこいい俳優とかに話しかけられていたような。黙りこくって俳優に一方的に話しかけられているだけだったし、あの時はいつもの無表情だったから多分違う、はず。
思い返せば文香が男と接触する機会は結構あった。確認のしようがない。
隣を歩いている文香に視線を移す。
前髪が少しだけ短くなった文香は、前と違って目が隠れていない。当然、写真に写る時も前とイメージがかなり変わる。
更に、微笑みを浮かべられるようになった。無理矢理作ったようなものではなく、ごく自然な感じの微笑みだ。
当然、人気が出た。文香はまさに、男性から見た理想の女性像を体現したかのような存在だからだ。
俺は、その唐突な変化に疑問を抱いた。
彼女が明るくなるのはいいことだが、ライブが成功しただけでそこまで変わるようなものなのだろうか。
「文香ちゃん、最近は凄く明るいね。もしかして好きな人でもできたんじゃないか? 恋をすると女は変わるって言うしな」
最近の文香を見た関係者はそうコメントした。好きな人の部分に内心過剰反応してしまったが、まさかな。あの文香に限ってそんなこと……。
いや、でも最近かっこいい俳優とかに話しかけられていたような。黙りこくって俳優に一方的に話しかけられているだけだったし、あの時はいつもの無表情だったから多分違う、はず。
思い返せば文香が男と接触する機会は結構あった。確認のしようがない。
581: ちひ ろ ◆gijfEeWFo6 2014/01/15(水) 02:43:59.21 ID:xNrYVDgF0
考え事をしていると、不意に袖を引っ張られる。
「プロデューサー……あの……栞作ったので、よければ使ってください」
文香がバックから厳重に保管された栞を取り出した。丁寧な作りの栞だった。四葉のクローバーを押し花にして閉じたものだ。
――受け取った瞬間、文香の姿が過去の智絵里と被った。
背筋に冷たいものが走る。
その日から、文香を見る度に智絵里の姿が浮かび上がり、付き纏う。
582: ちひ ろ ◆gijfEeWFo6 2014/01/15(水) 02:46:26.65 ID:xNrYVDgF0
☆
智絵里から、明確に好きだと好意を伝えられたことはない。ずっと妹のような存在だと思っていたから、恋愛感情云々については全く考えていなかった。
千秋に智絵里の好意を伝えられてから、俺は智絵里との思い出を見直した。
今思えば、不自然だった。いくら妹のような存在だと思っていたとしても、やたらくっついていた。
あんなにずっとくっつかれて妹のような存在は無理がある。というか全く意識しなかった俺はホモなんだろうか。
智絵里がよく抱き付いてきたことも、頭を撫でることを要求されたことも、手を繋いできたことも、全て好意からなるものではないかと思い始める。
千秋と時折不穏な空気を出していたのも、俺に好意を持っていたから……?
もしかして、千秋に嫉妬していたのだろうか。
583: ちひ ろ ◆gijfEeWFo6 2014/01/15(水) 02:47:13.92 ID:xNrYVDgF0
俺は頭を抱える。
だとしたら、智絵里は本当に千秋を刺したのだろうか。千秋が死ぬかもしれないのに。
智絵里は臆病で、気が弱い。そんな子が、人を刺すなんてこと果たして出来るのだろうか。
過去に何度か見た、智絵里の不気味な暗い笑みを思い出すと、もしかしたらという考えが生まれたりもした。
智絵里は、俺のことを大切な人だと言っていた。
やはり智絵里は、俺のことが好きだったのだろうか。
それが本当なら嬉しいことなのだろう。あんなに可愛くて優しい子に好意を寄せられているのだから。
……だけど、どうしてこんなに胸が苦しいのか。
「…………疲れた」
智絵里と千秋、そして文香のことばかり考えてしまい、仕事が手につかなくなった。
精神的に疲弊したせいか強い眠気に襲われ、そのまま睡魔に身を任せる。
俺の意識は途絶えた。
584: ちひ ろ ◆gijfEeWFo6 2014/01/15(水) 02:48:44.10 ID:xNrYVDgF0
★
目が覚めた時、視界いっぱいに文香の顔が映り込んだ。
青い瞳が俺の瞳を捉えて離さない。
何も考えられず、驚くことも出来ず、俺は固まった。
そして、気が付けば俺は文香とキスを交わしていた。
真っ赤な表情の文香がそれを隠すべく顔を伏せ、離れた。
「…………迷惑、でしたか……?」
小さい声を震わせながら文香はそう言った。
もはや何の言葉も出ない。
「……ご、ごめんなさい!」
文香は珍しく大きな声を出したと思うと、駆け足で逃げるように事務所を出て行った。
窓から入る夕暮れの日差しが事務所を真っ赤に照らす。事務所には事務員すら居らず、静かだった。
力が抜けたように、背もたれに寄りかかる。
「そうか……」
こうなったか。
585: ちひ ろ ◆gijfEeWFo6 2014/01/15(水) 02:50:21.68 ID:xNrYVDgF0
★
後日、俺は社長室へと足を運んでいた。
社長に前日の夜に書き上げた辞表を差し出す。
「仕事の引継ぎ等はやります。それが終わったら、ここを出て行きます」
社長は何も言わなかった。辞表を受け取って頷いただけだ。
後日、俺は社長室へと足を運んでいた。
社長に前日の夜に書き上げた辞表を差し出す。
「仕事の引継ぎ等はやります。それが終わったら、ここを出て行きます」
社長は何も言わなかった。辞表を受け取って頷いただけだ。
586: ちひ ろ ◆gijfEeWFo6 2014/01/15(水) 02:51:29.41 ID:xNrYVDgF0
☆
プロダクションを出る数日前に、智絵里と話す機会を設けられた。
俺は単刀直入に聞いた。智絵里が千秋を襲った犯人なのかどうかを。
「私……Pさんの力になりたくて……ごめんなさい……」
智絵里は俯き、小さな声でそう弁解した。その発言も、刺したことを申し訳ないと思っているのではなく、【勝手に解決してごめんなさい】というような言い方だった。
何もかもが狂っていた。
思わず泣きそうになり、慌てて智絵里の下を離れた。
結局、何もかも俺のせいだった。智絵里も、千秋も、全て。
その後、文香にも、智絵里にも、千秋にも、一言の挨拶もせずに、俺はプロダクションを退いた。
退職金は桁を間違えてるんじゃないかと思うほど貰い、驚いた記憶がある。
結局、俺はプロデュースをしたくて、新しくアイドルプロダクションを作ったわけだが。
また同じことが繰り返されるのは、流石に酷いと言わざるをえない。
588: ちひ ろ ◆gijfEeWFo6 2014/01/15(水) 02:58:53.56 ID:xNrYVDgF0
★
長い回想を終え、片手で傘を差しながら先導する智絵里の背中を見る。
智絵里は俺の手を引きながら、どこかへと向かっている。
強い雨のおかげで今の俺達を写真に収めるのは至難の技だが、気は抜けない。いつどこに記者が潜んでいるか分からないのだ。
雨に加え、大きな傘で智絵里も俺も顔が隠れているから恐らく大丈夫だとは思うが。
遂に、過去に担当したアイドル達全員と再開してしまった。
逃げるなってことなんだろう……きっと。
どんな結果になろうとも構わない。今は、皆の想いに向き合おう。
逃げずに、受け止める。
600: ちろひ ◆gijfEeWFo6 2014/01/20(月) 22:46:18.46 ID:xWyr2ayd0
智絵里に連れてこられたのは、大きなマンションだった。今はここで一人暮らしをしているらしい。
七階までエレベーターで上がり、そのまま智絵里の部屋へと通される。
居間は綺麗だった。というよりも、殺風景と言った方が正しいだろうか。テーブルや椅子、タンス、ソファ、大体の家庭にあるであろう家具は揃っているが、それ以外の、いわゆる趣味に関するものが一切ない。
智絵里の趣味には詳しくないが、最低限の家具しかここにはないのだ。もしかしたら他の部屋にあるのかもしれないが。
「……Pさんはソファに座っていてください……今、タオルを持ってきます……」
ソファに座れって……上も下も濡れているのだから座れるわけがない。
結局佇んだ状態で智絵里を待つ。タオルを持って戻ってきた智絵里から大きめの白いタオルを受け取り、取りあえず体を拭く。
「あ……えと……コーヒー淹れてきますね」
貰ったタオルで体を拭いている俺を眺めていた彼女は、はっと思い出したようにキッチンへと向かって行った。
601: ちろひ ◆gijfEeWFo6 2014/01/20(月) 22:50:41.30 ID:xWyr2ayd0
タオルで拭いても乾くわけでもなく、立ったまま智絵里が戻ってくるのを待った。
数分後、智絵里が二人分のコーヒーを持って戻ってくる。
「智絵里もコーヒー飲めるようになったんだな」
「砂糖が入っていないと全然飲めませんけどね」
そう言って小さく笑みを零す。昔となんら変わらない可愛らしくて慎ましい微笑みだった。
昔はよく智絵里にコーヒーを淹れて貰ったっけな。懐かしい。
過去を思い出しながら俺はコーヒーに口を付けた。インスタントにしては結構美味しいコーヒーだった。それに、体も温まる。
602: ちろひ ◆gijfEeWFo6 2014/01/20(月) 22:53:10.19 ID:xWyr2ayd0
コーヒーを飲み干してから数分、智絵里は何故か俯いたまま黙りこくっていた。
「智絵里、どうかしたのか?」
「……Pさんは、嘘つき……です」
そう聞くと、唐突に彼女は口を開いた。その声は小さく、感情の籠っていない無機質なものだった。
「私を、ずっと見守ってくれるって……そう言ってくれたのに……」
「……智絵里」
顔を上げた智絵里は暗く冷たい笑みを顔に貼り付け、嗤った。
その表情に恐怖を感じた俺は、思わず後退った。
不意に強い眠気に襲われる。明らかに異常だ。もしかしなくてもコーヒーに何か仕組まれていたのだろうか。
床に手を付き、倒れそうになるのを必死に堪える。
603: ちろひ ◆gijfEeWFo6 2014/01/20(月) 22:55:34.11 ID:xWyr2ayd0
「今度こそ……ずっと私を見守って……Pさん……」
ぼやける視界を何とか定めながら、いつの間にか目の前に立っていた智絵里へと視線を移す。
彼女は身を屈めて目線の高さを同じにしたかと思うと、どこからともなく取り出した四葉のクローバーを口に含み、その状態で顔を近づけてきた。
抵抗することも叶わず、智絵里のキスを受け入れてしまう。智絵里は舌で、唾液に包まれた四葉のクローバーを俺の口内へと押し込んだ。
ぼんやりとした頭と気怠い体のせいでもはや何もすることができずに、智絵里が送り込んだ四葉のクローバーを体内に収めてしまう。
「……ち……えり……」
意識を失う直前、幸せそうな、優しい笑顔を浮かべている智絵里が見えた。
もはや眠気に抵抗する力もない。
俺の意識はそこで途絶えてしまう。
635: A√ ◆gijfEeWFo6 2014/02/11(火) 12:20:12.82 ID:iIKLRhZc0
エンディングA
★
気が付けば布団に寝かせられていた。すぐに上体を起こして辺りを見渡す。
テレビ、本棚、机、ソファと、色々目につくが、明らかに違和感があった。窓の外に広がる光景を見て、違和感の正体に気づく。
窓の外には森が広がっていたからだ。どう考えても眠らされる前にいた智絵里のマンションではない。
布団から起き上がり部屋内を探索しようとした時、足首に違和感を感じた。
足首には冷たい金属の輪が嵌められており、そこから鎖が壁にまで伸びている。鎖は壁から生えているわけではなく、壁の向こうへと続いているようだった。壁の向こうに重しがあるのか、一定以上の距離を歩こうとすると鎖が伸びきってしまい、それ以上進めなくなる。
金属の輪はぴったりと足首についている上に中々に頑丈で壊れそうにない。鎖も同じだ。
どうやら監禁されたらしい。実行したのは恐らく智絵里だろう。どうやってここまで連れてきたのかは分からないが。
★
気が付けば布団に寝かせられていた。すぐに上体を起こして辺りを見渡す。
テレビ、本棚、机、ソファと、色々目につくが、明らかに違和感があった。窓の外に広がる光景を見て、違和感の正体に気づく。
窓の外には森が広がっていたからだ。どう考えても眠らされる前にいた智絵里のマンションではない。
布団から起き上がり部屋内を探索しようとした時、足首に違和感を感じた。
足首には冷たい金属の輪が嵌められており、そこから鎖が壁にまで伸びている。鎖は壁から生えているわけではなく、壁の向こうへと続いているようだった。壁の向こうに重しがあるのか、一定以上の距離を歩こうとすると鎖が伸びきってしまい、それ以上進めなくなる。
金属の輪はぴったりと足首についている上に中々に頑丈で壊れそうにない。鎖も同じだ。
どうやら監禁されたらしい。実行したのは恐らく智絵里だろう。どうやってここまで連れてきたのかは分からないが。
636: A√ ◆gijfEeWFo6 2014/02/11(火) 12:23:57.68 ID:iIKLRhZc0
部屋には扉が二つあった。一つはトイレだった。
鎖の長さには余裕があり、用を足すことは普通にできる。もう一つの扉には鍵がかかっており、外に出る事は叶わなかった。
鎖は長く、部屋の中は自由に動くことができる。窓には鉄格子が付いており、万が一を想定しているようだった。
本棚にあるたくさんの本の中から二冊ほど適当に手に取り、時間を潰す。
これからどうなるのだろう。智絵里は俺を解放してくれるだろうか。そもそも、なぜこんなことに。
金属の輪は硬く、外れそうにない。多分ないと信じたいが、智絵里が来なかったら俺はここで衰弱して死ぬだろう。
焦りを胸の奥にしまい、俺は本を読むことに集中した。だが、それも長くは続かない。こんな状況なのだから、当たり前と言えば当たり前だが。
用意されていた布団の上に寝転がり、瞳を閉じる。白い天井を見つめながら、今までのことを振り返った。
まったく可笑しい話だ。学生時代に女性から好意を寄せられるようなことなんてなかったというのに。皆は俺なんかのどこに惹かれたのだろうか。
もっと、相応しい人間がいるだろうに。
637: A√ ◆gijfEeWFo6 2014/02/11(火) 12:28:45.23 ID:iIKLRhZc0
扉の開く音が小さく部屋に響き渡った。視線を素早くそちらへと向ける。
見た目はいつも通りの智絵里が部屋へと入ってきた。
「おはようございます……Pさん」
昔となんら変わりない可愛らしい笑顔を浮かべながら、智絵里はいつも通りの様子で挨拶をした。
俺はすぐさま智絵里に詰め寄った。
「智絵里、これはどういうことだ? 犯罪だぞ、分かっているのか? 智絵里」
繋がれた鎖を手に持ち、智絵里に向かって突き出しながら声をきつくして問う。強い口調に怯えるかと思ったが、智絵里はただ微笑むだけだった。
「ふふふ……Pさんをずっと繋ぎ止めたくて……ずっと……考えていたんです」
――考えた結果、こうなっちゃいました……えへへ。
悪びれる様子もなく、彼女は小さく笑った。
638: A√ ◆gijfEeWFo6 2014/02/11(火) 12:31:13.11 ID:iIKLRhZc0
「智絵里!!」
そんな様子の智絵里を見て頭に血が上り、彼女の両肩を強く掴む。鏡を見なくても俺が憤怒の表情を浮かべているのは分かる。なのに、智絵里は顔を赤らめるだけで、怖がったり悲鳴を上げたりするようなことはなかった。
「Pさんを困らせるようなこと……したくなかった、です……あの人のように……Pさんを困らせたくはありませんでした……」
「智絵里、いい加減に――」
「だから……痛くして……ください……」
唐突に告げられた言葉の意味が理解できず、毒気を抜かれる。
「何を言っている」
「……Pさんを困らせた罰として、いっぱい痛くしてください……アイドルを続けられなくなるぐらい……ぐちゃぐちゃにしても、いいです……」
いつの間にか、思わず後退ってしまいそうになるぐらいの異様な空気が、智絵里の周囲を漂っていた。
639: A√ ◆gijfEeWFo6 2014/02/11(火) 12:32:58.19 ID:iIKLRhZc0
いつの間にか頬には智絵里の冷たい手が添えられ、彼女の顔が視界いっぱいに広がる。目と目が逢い、視線が至近距離で絡み合う。
唇に当たる柔らかい感触は、間違いなく智絵里のものだろう。
「困らせて……ごめんなさい……」
顔を離しながら申し訳なさそうに、智絵里はそう言った。儚い笑みを浮かべながら。
「そう思うなら、解放してくれ」
「それはだめ……です」
「智絵里の気持ちは分かった……だけど、こんな事で幸せになれると思うか? このままだと、近い内に警察沙汰になる。智絵里が捕まってしまったら、そこでもう幸せは終わるぞ」
「Pさんが私から離れていくことが一番不幸なことなんです!」
初めて聞いた、智絵里の大きくて、悲痛な叫び声。思わず狼狽える。
640: A√ ◆gijfEeWFo6 2014/02/11(火) 12:33:29.71 ID:iIKLRhZc0
「どうして……どうして離れて行こうとするんですか? ずっと、見守ってくれるって……約束したのに……」
「……智絵里」
「もう離さないって、決めたんです……こうしないと、Pさんはどこかへ行ってしまうから……」
智絵里はそう言って、俺の背中へと手を回す。
「絶対に……離しません」
告げる声は冷たくて、愛おしそうで、楽しそうだった。
――そして、終わりの見えない監禁生活が始まる。
641: A√ ◆gijfEeWFo6 2014/02/11(火) 12:36:33.44 ID:iIKLRhZc0
☆
監禁されて二ヶ月ほどが経った。暫くの間はずっと諦めずに説得を続けてきたが、この三週間ほどでそれも無駄だということが分かった。
既に反抗の意志は消え失せ、今では智絵里にされるがままだ。
「智絵里……喉が渇いた。水をくれ」
俺の左腕を両腕で抱きしめながら、肩に頭を預けてじっとしている智絵里に水を持ってくるように頼む。
水も食料も全て智絵里を通さないと得ることができない。仕事に行くときだけは料理を作り置きし、水も置いてくれるが。
「分かりました……ではPさん、口を開けてください……」
智絵里がおもむろに立ち上がったかと思うと、ポケットに入っているケースからナイフを取り出した。
また、これか。
643: A√ ◆gijfEeWFo6 2014/02/11(火) 12:42:16.27 ID:iIKLRhZc0
止める暇もなく、智絵里は自身の腕にナイフで傷をつける。あっという間に血が溢れだし、次々と零れ落ちた。
「たくさん飲んでくださいね……」
「…………分かった」
智絵里がこちらへと腕を近づけた。もはや抵抗する気も起きない。傷口に口をつけ、溢れ出る血液を舌で舐めとり、啜る。口内一杯にツンとした鉄錆の匂いが広がった。
最初の方こそ驚き、止めるよう言い聞かせたが、結果として無駄だった。
俺が血を飲まなければ智絵里はいつまでたっても止血せず、挙句の果てに水をくれない。
「えへへ……おいしい、ですか?」
「おいしいよ……おいしいから……早く止血してくれ」
智絵里も馬鹿ではないから、毎日こんなことをしているわけではない。一週間に一回と言ったところだろうか。
傷は案外深くないようだが、多量の血が出るため、内心気が気でない。それに、消毒していると彼女は言っているが、それでも何かよくない病気になる可能性はあるだろう。何とかやめさせられないものか。
智絵里も智絵里でどうして何の躊躇いもなく自傷できるのだろう。想う気持ちはこんなにも人を歪ませるものなのか。
644: A√ ◆gijfEeWFo6 2014/02/11(火) 12:43:57.73 ID:iIKLRhZc0
「Pさん……これ見てください」
智絵里が唐突に二つの通帳をこちらへと差し出した。二つの通帳に記されている金額の合計は、いくらアイドルとはいえ未成年の少女には手に余るほどの大金だった。
「もうちょっとだけ稼いだら、引退して……Pさんだけのアイドルになりますね……なんて……えへへ」
俺の膝の上に智絵里が乗っかり、甘えるように胸板に頬を擦りつける。上目遣いでこちらを見上げた。昔と変わらない可愛い顔立ちだ。本当に、見た目は何も変わっていない。
「だから、Pさんも……今度こそ、私だけのプロデューサーになってくださいね!」
くすくすと、智絵里は楽しそうに笑みを零す。
645: A√ ◆gijfEeWFo6 2014/02/11(火) 12:47:18.27 ID:iIKLRhZc0
「…………」
アーニャはどうしているだろうか。多分怒っているだろうな。いきなり何もかも投げ出していなくなってるのだから。きっとアーニャにも迷惑をかけているだろう。
千秋と文香は大丈夫だろうか。自惚れが過ぎるが、少し不安だ。
全てに向き合おうと思っていた矢先に、これは……苦しいな。あの時、逃げずに向き合えばよかった。そうすれば、智絵里もここまで壊れるようなことはなかったはずだ。
後悔しても後の祭り。状況は既に手遅れだ。
智絵里はいつ正気に戻るのだろうか。所詮は行き過ぎただけの恋だ。ふとしたきっかけで解放されるかもしれない。
それとも、ずっとこのままだろうか。
646: A√ ◆gijfEeWFo6 2014/02/11(火) 12:49:28.37 ID:iIKLRhZc0
「あ……忘れてた……今日は、結婚指輪持って来たんです」
そう言って、智絵里はポケットから小さな袋を取り出した。袋を逆さまにし、彼女の掌に零れたそれは、二つの指輪。緑色の宝石が四葉のクローバーを模したように並んでいる、綺麗な指輪だった。
それはおもちゃなどではなく、明らかに本物の指輪だ。あれだけの大金を所有していたのだ。高価な指輪の二つぐらい簡単に手に入れられるのだろう。
智絵里は僅かに大きい方の指輪を手に取り、俺の左手の薬指にそれを嵌めた。
にこにこ笑いながら、智絵里は残った方の指輪をこちらに差し出した。
「……指輪……つけてくれませんか……?」
ほんの少しだけ視線を逸らしながら、照れたように智絵里はそう言った。
指輪を受け取りながら黙って頷き、智絵里の薬指に指輪を嵌める。
「嬉しい……です」
感極まったように智絵里は涙を零した。指輪を用意したのも嵌めるように言ったのも智絵里だと言うのに。
647: エンディングA ◆gijfEeWFo6 2014/02/11(火) 12:55:02.60 ID:iIKLRhZc0
「えへへ……いきなり泣いて、ごめんなさい……でも、これで、ずっと一緒です……」
「そうだな……」
智絵里は愛おしそうに、俺を抱きしめる。智絵里の身体は柔らかいが、思わず心配してしまうぐらい軽く、華奢だ。
「Pさん……大好き、です……」
「…………」
智絵里の温かい涙が、首筋に触れた。
ふと、頬に手をやると、いつの間にか涙が伝っていた。何で俺まで泣いているのだろうか。疑問に思う前に体が震え、涙が次々と溢れだした。
悲しみをこらえるように智絵里の体を力いっぱい抱きしめるが、嗚咽は堪えきれずに漏れてしまう。
――こんなはずじゃ、なかった。
四葉のクローバーを模した指輪を外す機会が一生与えられないことを、この時の俺は知らない。
死体となり、肉体が朽ちても、しっかりと嵌めているのだ。彼女と共に、この指輪を。
エンディングA終わり
663: エンディングB ◆gijfEeWFo6 2014/03/07(金) 01:23:33.96 ID:gbIpD1Ob0
エンディングB
監禁されて二週間ほどが経った。いまだに脱出できていない。智絵里の手料理を口移しやらで無理やり食べさせられたり、一緒にお風呂に入れさせられたり、一線を超えようとしてきたりと、精神的に気が気でない日々を送ってきた。
警察は動いていないのだろうか。アーニャは流石に警察に連絡を入れたとは思うが……どうだろう。
手がかりがなくて見つけることができないのかもしれない。そういえば、監禁されている自分ですらどこにいるのか分かなかった。
このまま、ずっと智絵里と一緒なのだろうか。それがいいこととは思えない。智絵里にとっても、自分にとっても。
二週間近く放ったらかしのアーニャの元に一刻でも早く駆けつけたかった。仕事先にも謝罪を入れなければ行けない。もっとも、ここから出られない限りは叶わないのだが。
何とか脱出できないだろうか。すべてに向き合おうって思った矢先にどうしてこんなことに。
嘆いても仕方がない。この足首から家に繋がれた忌々しい鎖を早く切らないと。
道具もなしに壊せるか分からないが、やってみよう。
暫くの間、鎖を破壊するために試行錯誤し、鎖を踏んで引っ張ったり壁にぶつけたり、色々やってみたがびくともしなかった。当たり前といえば当たり前だが。
監禁されて二週間ほどが経った。いまだに脱出できていない。智絵里の手料理を口移しやらで無理やり食べさせられたり、一緒にお風呂に入れさせられたり、一線を超えようとしてきたりと、精神的に気が気でない日々を送ってきた。
警察は動いていないのだろうか。アーニャは流石に警察に連絡を入れたとは思うが……どうだろう。
手がかりがなくて見つけることができないのかもしれない。そういえば、監禁されている自分ですらどこにいるのか分かなかった。
このまま、ずっと智絵里と一緒なのだろうか。それがいいこととは思えない。智絵里にとっても、自分にとっても。
二週間近く放ったらかしのアーニャの元に一刻でも早く駆けつけたかった。仕事先にも謝罪を入れなければ行けない。もっとも、ここから出られない限りは叶わないのだが。
何とか脱出できないだろうか。すべてに向き合おうって思った矢先にどうしてこんなことに。
嘆いても仕方がない。この足首から家に繋がれた忌々しい鎖を早く切らないと。
道具もなしに壊せるか分からないが、やってみよう。
暫くの間、鎖を破壊するために試行錯誤し、鎖を踏んで引っ張ったり壁にぶつけたり、色々やってみたがびくともしなかった。当たり前といえば当たり前だが。
664: エンディングB ◆gijfEeWFo6 2014/03/07(金) 01:24:53.68 ID:gbIpD1Ob0
疲れて倒れ伏していると、突如部屋の扉が開いた。智絵里は仕事に行ったばかりだ。忘れ物だろうか。
「プロデューサーさん……」
「文香……?」
部屋に入ってきた人物は智絵里でも警察でもなく、文香だった。
「どうして、ここに?」
「……プロデューサーさんを……助けようと思って」
山道がよほど辛かったのか、息が荒く、頬は上気していた。
「鍵がどこかにあるはずだ……疲れているところ悪いが、それを持ってきてほしい」
「必要、ないです」
「は?」
665: エンディングB ◆gijfEeWFo6 2014/03/07(金) 01:27:16.16 ID:gbIpD1Ob0
文香はポケットから見慣れない金属製の小さな何かを取り出した。俺へと近づき足元に屈んだかと思うと、その小さな何かを鍵穴へと差込み、もう一つ、似たような道具を取り出して同じく鍵穴に差し込んだ。
カチャカチャと両手を動かし、次の瞬間、鍵の外れる音がした。俺を苦しめてきた鉄の輪は文香によってあっさりと外される。
「まさか、ピッキングツールか?」
「……そうです……プロデューサーさんが捕まっていると思って……買いました」
まさか足枷もあるとは思わなかったと、文香は続けた。ピッキング技術はどこから学んだのだろう。果たして本で学べるものなのだろうか。
「とりあえずここを出よう」
「はい」
流石にないとは思うが、今ここに智絵里が戻ってきたらどうなるか分からない。
666: エンディングB ◆gijfEeWFo6 2014/03/07(金) 01:28:41.79 ID:gbIpD1Ob0
山道を二人で下りながら、気になっていたことを尋ねた。
「どうして、場所が分かったんだ?」
「……一人一人尾行して……確認しました。緒方さんが犯人だったのは……予想外でしたが」
ということはアーニャと千秋を最初に調べたということなのだろうか。
山の麓に車が一台、置いてあった。この車が文香のらしい。
「車で上ればよかったと、少し後悔しました」
山道を下っていて思ったが、麓から智絵里の家までは少し遠い。あまり運動をしない文香にとっては少しばかり辛いものがあるだろう。
車に乗り込みながら、これからのことを考える。といっても、真っ先に思いつくのはアイドル達のことではなく仕事のことである。いくつものスケジュールを放ってきてしまったのだから、まずは謝罪をしなければいけない。
667: エンディングB ◆gijfEeWFo6 2014/03/07(金) 01:32:23.50 ID:gbIpD1Ob0
車を発進させて暫くの間、俺達は無言だった。
「……プロデューサーさん……あの……私は、アイドルをやめました」
「は?」
文香は唐突に飛んでもないことを告げた。
「……アイドル、楽しかったです……こんなに楽しくできたのは、プロデューサーさんのおかげです……」
小さく笑いながら、文香は楽しそうに話した。
「……アイドルを、やめた?」
「引退したんです…………だから、プロデューサーさん――」
――私と、恋人になってくれませんか?
文香は運転中ということもあり、まっすぐ前を向いている。視線も前に向けられたままだ。
そんな状態なのにも関わらず、真剣な声色で彼女は俺に再度想いを伝えた。
668: エンディングB ◆gijfEeWFo6 2014/03/07(金) 01:36:38.49 ID:gbIpD1Ob0
俺は、どうするべきなんだろうか。確かめたわけではないが、すぐバレる嘘を彼女がつくとは思えない。つまり、文香は本当に引退したのだろう。
「脅して、ごめんなさい……困らせて、ごめんなさい……でも……どうか……」
文香の声に震えが混じる。拒絶されるのを怖がっているのだろうか。確かに、文香に脅されて困ったのは事実だ。
俺の返事は、対して時間がかからずに決まった。
「分かった。恋人になろう」
文香がブレーキを踏んだ。人けがないとはいえ、路上である。文香は少し驚いたような表情をして、こっちを見ていた。
「本当、ですか?」
確かめるように、文香は聞く。俺は黙って頷いた。
文香は動揺を隠すように車を走らせる。ハンドルを握る手が震えていて非常に危ない。というか止めてくれ。
「……本当だ…………その、智絵里のこと、千秋のこと、アーニャのこと……全て解決したら、恋人になって欲しい」
669: エンディングB ◆gijfEeWFo6 2014/03/07(金) 01:37:45.90 ID:gbIpD1Ob0
ここまで来たら後戻りはできない。俺は文香と添い遂げよう。
千秋、智絵里……そして、アーニャは納得しないかもしれない。それでも、いつか壊れそうな関係を続けるよりはマシだ。
とても文香に言えるような話ではないが、全て解決するなら俺は誰でも良かったのかもしれない。ただ、アイドルを引退してまで俺を求めてくるその直向きな姿に惹かれたのは事実だった。
俺に恋人ができればきっと皆諦めるだろう。智絵里とアーニャに至ってはまだ未成年だし、千秋だって二十代前半。彼女達にはこれからいくらでも出会いがある。それに、彼女達は魅力的だ。スキャンダルは御法度だが、俺よりいい男なんていくらでも見繕えるだろう。
そこまで考えて、ふと俺を監禁していた時の智絵里の姿が脳裏に浮かんだ。優しげな表情を浮かべ、幸せそうに寄り添い、可愛らしく微笑んでいた彼女が。
智絵里は、俺を監禁した。あの時、俺は余裕がなくて気付かなかったが今思い出せば……智恵理は今まで見たこともないくらい幸せそうで、いつも笑顔を浮かべていた。
俺がいなくなっているのを知って、彼女はどんな表情を浮かべるのだろうか。
そう思うと心が痛んだ。だけど、俺はもう決めた。文香と添い遂げ、他のアイドル達との決着をつけると。
俺がいくら傷つこうと、心を痛めようとも構わない。
千秋、智絵里……そして、アーニャは納得しないかもしれない。それでも、いつか壊れそうな関係を続けるよりはマシだ。
とても文香に言えるような話ではないが、全て解決するなら俺は誰でも良かったのかもしれない。ただ、アイドルを引退してまで俺を求めてくるその直向きな姿に惹かれたのは事実だった。
俺に恋人ができればきっと皆諦めるだろう。智絵里とアーニャに至ってはまだ未成年だし、千秋だって二十代前半。彼女達にはこれからいくらでも出会いがある。それに、彼女達は魅力的だ。スキャンダルは御法度だが、俺よりいい男なんていくらでも見繕えるだろう。
そこまで考えて、ふと俺を監禁していた時の智絵里の姿が脳裏に浮かんだ。優しげな表情を浮かべ、幸せそうに寄り添い、可愛らしく微笑んでいた彼女が。
智絵里は、俺を監禁した。あの時、俺は余裕がなくて気付かなかったが今思い出せば……智恵理は今まで見たこともないくらい幸せそうで、いつも笑顔を浮かべていた。
俺がいなくなっているのを知って、彼女はどんな表情を浮かべるのだろうか。
そう思うと心が痛んだ。だけど、俺はもう決めた。文香と添い遂げ、他のアイドル達との決着をつけると。
俺がいくら傷つこうと、心を痛めようとも構わない。
670: エンディングB ◆gijfEeWFo6 2014/03/07(金) 01:40:07.87 ID:gbIpD1Ob0
「文香……俺なんかを好きになってくれて、ありがとう」
「……プロデューサーさんも……私を選んでくれて、ありがとうございます……」
前を見ながら運転する文香の頬がわずかに紅潮した。恥ずかしそうにしながら少しだけ身を屈ませている。
車で運転しながら二時間ほどが経過。智絵里はわざわざこんな長い道のりを毎日往復していたのかと驚きながらも、文香に送られてようやく自分のプロダクションへと辿り着く。
車から降り、事務所へと向かう俺の手を、文香が小さな手で優しく包んでくれた。
温かくて心強かった。
文香は頬を真っ赤に染めて俯いたかと思うと、いきなりこちらへと顔を寄せてきた。
完全に不意を突かれ事務所の入口の前で、唇が重ねられる。
文香は目を閉じず、その綺麗な青い瞳はまっすぐに俺を見つめていた。
「プロデューサー……?」
その声は、智絵里のものでも、千秋のものでも、ましてや目の前にいる文香のものでもなかった。
肩を掴んで文香を引き離し、声の主へと視線を向ける。
最後に会った日よりもほんの少しだけ髪が伸びたアーニャが、そこにいた。
678: エンディングB ◆gijfEeWFo6 2014/03/08(土) 23:59:48.37 ID:ldHZCg8B0
★
プロデューサーがいなくなってから二週間ほどが経った。
どうしていなくなったのだろう。アーニャは毎日そればかりを考えていた。
決まっていた仕事だけは終わらせた。毎日掛かってくる電話には全てプロデューサーが不在だと伝えた。いつ戻ってくるのかを聞かれたが、答えようがなかった。
捨てられたのだろうか、それとも鷺沢文香が何かしたのだろうか。どちらにせよ、手がかりが全くなくて、どうしようもなかった。
事務所のソファで膝を抱え、静かにプロデューサーが帰ってくるのを待つ。たまに来る来客は仕事の依頼人で、プロデューサーは不在だと伝えた。その内、来客が来ても出ることはなくなった。プロデューサーは鍵を持っているから。
ここはプロデューサーと私の家なんだと、アーニャはそう考え、じっとプロデューサーを待ち続けた。
ずっと……寂しさに体を震わせ、虚空を見上げながら。
679: エンディングB ◆gijfEeWFo6 2014/03/09(日) 00:02:30.40 ID:3JKf33SU0
その内、空腹を感じ始め、外に出た。近くのコンビニに向かい、適当にお弁当を買って事務所へと帰る。
いつの間にか事務所の駐車場には見慣れない車が止まっていた。
そして、事務所の入口の前に二つの人影を見つける。
二人はお互いの目を見つめ合いながら、触れるだけのキスを交わしていた。
女の方は、鷺沢文香。男の方は――。
「プロデューサー……?」
――プロデューサー……どうして? ……どうして……そんなに幸せそうな表情を浮かべているのですか?
680: エンディングB ◆gijfEeWFo6 2014/03/09(日) 00:04:03.27 ID:3JKf33SU0
★
感情が抜け落ちたような無表情のアーニャを連れて、俺達は事務所の中へと入った。
事務所は変わらず綺麗なままだ。
アーニャをソファへと座らせ、俺は向かい側のソファへと座る。文香は俺の隣に座った。
「アーニャ……ごめん。ちょっと事故に巻き込まれて、戻ってこれなかったんだ。迷惑をかけて本当にすまない……!」
テーブルに手をついて頭を下げる。
反応がないので上目で彼女の様子を探ると、アーニャは人形のように身動ぎ一つせず、背もたれに寄りかかったままだった。
681: エンディングB ◆gijfEeWFo6 2014/03/09(日) 00:05:30.55 ID:3JKf33SU0
「アーニャ?」
アーニャの瞳が潤み、涙が溢れ出す。真っ白な頬に涙の跡を残しながら、零れ落ちていく。
「プロデューサー……私の想いは、受け取ってくれないのですか?」
消え入りそうな声で、アーニャは言った。
まさか、今ここでその話題を出されるとは思ってもいなかった俺は、少しばかり放心した。
「ごめん……アーニャ。想いは、受け取れない」
俺はアーニャとそういう関係になりたかったから、何日も二人きりで過ごしたわけじゃない。アーニャはとても魅力的な女の子で、そんな子から好意を寄せられるのは嬉しい限りだ。きっと自制心がなければあっという間に手を出しているだろう。
「ダー……分かりました……困らせて、ごめんなさい……プロデューサー……」
アーニャは俯き、両手で顔を覆いながら、小さく嗚咽を漏らした。
こういう時、どうすればいいのか分からない俺は大変慌てた。色々フォローしようかと思ったが、文香に右手を強く握られ、制止される。
結局俺は、泣きじゃくるアーニャを見守るだけで、他には何もできなかった。
682: エンディングB ◆gijfEeWFo6 2014/03/09(日) 00:09:29.73 ID:3JKf33SU0
★
「アーニャさんに認めてもらえて……よかった……です」
「……そうだな」
よかったと言う割に顔が無表情な文香だ。そもそも認めてもらったと言うのだろうか、あれは。
アーニャはこれからはアイドルに専念すると言ってくれた。正直やめられても仕方がない状況だったから、そう言ってもらえて嬉しかった。
「後は、智絵里と千秋か……」
智絵里に至っては監禁という犯罪行為ですら平然と行ってくるのだから、慎重に対応しないと何が起こるか分からない。
「あの二人には関わらないでください」
二人にはどう対応したものかと考えていると、文香にしては珍しい、強い口調によって遮られる。
683: エンディングB ◆gijfEeWFo6 2014/03/09(日) 00:12:40.85 ID:3JKf33SU0
「それは……どういう……」
「あの二人にはもう関わらないでください…………時間が経てば解決します……」
少し俯きがちに文香はそう言った。
「だけど、千秋は俺の電話番号知ってるし……智絵里だって事務所の場所を分かっているようだったから時間に任せるのは難しいんじゃないか?」
むしろさっさと話し合って解決したほうが早い気がするが。
「……私がずっと一緒にいます……そうすれば、あの人達は手出しできませんから……」
「だけど……今終わらせておかないと何が起こるか……」
文香の存在によって二人が諦めるというのならそれで構わないが、智絵里の執念を垣間見た後だと、少しばかり不安が残る。
「……安心してください……私が、プロデューサーさんを守りますから……だから、もう……あの人達に関わらないでください」
有無を言わせない強い口調だった。こんなに頑なに関わるのを拒否するということは一体どういうことなのだろうか。
684: エンディングB ◆gijfEeWFo6 2014/03/09(日) 00:15:12.23 ID:3JKf33SU0
いまいち納得できないが……彼女なりに考えがあるのかもしれない。文香がそこまで言うのなら、そうするが……全て終わらせると決意したのに、これでいいのだろうか……。
「……分かった。だけど、智絵里達がなんかしてきたら流石に黙っていられないぞ?」
「構いません……プロデューサーさんから関わりに行って欲しくないだけですから……」
文香はそう言って、俺の手を取った。
「プロデューサーさん……不束者ですが……よろしくお願いします」
文香は頬をりんごのように赤くして、今まで見たこともない向日葵のような笑みを浮かべていた。
文香がこんなに楽しそうに笑うのを、俺は初めて見るかも知れない。
685: エンディングB ◆gijfEeWFo6 2014/03/09(日) 00:19:31.66 ID:3JKf33SU0
★
プロデューサーさんと恋人になってから、五年が経ちました。
私は叔父の古本屋を手伝ったり、プロデューサーさんの事務仕事を手伝ったり、大変だけど割と充実した日々を送っています。
プロデューサーさんのプロデュースは怖いくらいに成功を続け、最近の事務所には新しいアイドル、事務員、プロデューサーが来て、中々に賑わっています。
そろそろ狭さが目立ってきたようなので新しい事務所を検討中のようです。
「文香、万が一があったら困るからなるべく運転は控えてくれよ……」
プロデューサーさんが私のお腹を撫でながら、優しい言葉をかけてくれました。まだ膨らみかけですが、私のお腹にはプロデューサーさんの子供が宿っています。
正直、プロデューサーさんの愛情が分割されて子供に行くのは嫌ですが、それでもプロデューサーさんとの子供なので愛おしいです。
686: エンディングB ◆gijfEeWFo6 2014/03/09(日) 00:24:33.48 ID:3JKf33SU0
「今……時間あるか?」
「……大丈夫です」
私を呼びかけるプロデューサーさんは、少し辛そうな表情をしていました。今日が何の日かを知っている私は、大人しくプロデューサーさんに連れられて二人で事務所を出ました。
車に乗って向かった場所は花屋でした。プロデューサーさんが担当しているアイドルの実家らしいです。
プロデューサーさんは店員さんと一言二言交わした後、花束を買いました。
「…………」
車の中は、どこか重苦しい空気でした。私はそこまで気に留めていませんが、プロデューサーさんはまだ完璧に立ち直れてはいないようです。
数十分かけて着いた場所は、墓場でした。
プロデューサーさんはたくさんある墓を一瞥しながら、迷うことなく目的の場所へと辿り付きます。
「…………智絵里」
プロデューサーさんは、今は亡きアイドルの名前を口にした後、花束を墓石の前に供え、ポケットから取り出した四葉のクローバーをそっと添えました。
「それじゃ……」
そう言って、プロデューサーさんは思いの外あっさりと立ち去ります。
毎年こんな感じですが、毎年私が隣にいるからかもしれません。
そろそろ、死人に嫉妬させるのはやめさせて欲しいのですが……。それをプロデューサーさんに言うわけにもいかないので、せいぜい墓石を睨むだけです。私は何て嫌な女なのでしょう。
688: エンディングB ◆gijfEeWFo6 2014/03/09(日) 00:26:08.44 ID:3JKf33SU0
私がプロデューサーさんと恋人になった年、緒方智絵里は自殺しました。
同年に、黒川千秋さんは行方不明……アイドル業界から引退宣言もなしに消息を断ちました。警察沙汰にもなりましたがいつの間にか静かになっていたのを覚えています。
プロデューサーさんは緒方さんの自殺のせいで暫くの間、立ち直れず、毎日毎日緒方さんのことばかり考えていて私は毎日毎日嫉妬する羽目になりました。
その後、黒川さんの行方を探ったようですが、見つからなかったようです。本当はすぐ近くにいるのですが……案外気づかないようですね。プロデューサーさんは鈍感です。
そして、プロデューサーさんともっとも親しくて、私の次に近い人物……アーニャさん。青い瞳の中には未だに炎が燻っているのを、私は見逃しません。プロデューサーさんは鈍感なので気づいていませんが。
私とプロデューサーさんの夫婦生活は前途多難のようです。
689: エンディングB ◆gijfEeWFo6 2014/03/09(日) 00:26:49.51 ID:3JKf33SU0
プロデューサーさん……私は今、とっても幸せです。
――プロデューサーさんは、幸せですか?
エンディングB終わり
713: ◆gijfEeWFo6 2014/03/15(土) 01:09:11.57 ID:xlMYfvbE0
エンディングC
★
監禁されて二週間ほどが経った。智絵里は説得に応じる気配はない。
こうなったらもう自力で脱出するしかないと、俺はひたすらに足首から繋がっている鎖に攻撃を加えた。
結論から言うと、厳しい。素手はおろか道具を使っても厳しそうな頑丈さだった。
アーニャはきっと心配しているだろうし、仕事先にもさっさと謝罪しなければいけない。早く脱出したいのにこれじゃあどうしようもない。
もどかしかった。何かしたくても何もできない。智絵里は、俺がいくら怒鳴ろうとも罵倒しようともどこ吹く風で相手にしない。
不本意ながら暴力で脅そうとしても全て受け入れようとする始末。打つ手が本格的にないのだ。
壁に寄りかかり、読みかけだった小説を手に取る。智絵里が戻ってくるまで時間があるが、結局何をしても鎖にはダメージを与えることができない。
唯一破壊に使えそうなテレビは頑丈に張り付いていて動かせない。万が一テレビを壊すようなことがあったら智絵里は脱出を警戒してもっと拘束してくる可能性もある。
★
監禁されて二週間ほどが経った。智絵里は説得に応じる気配はない。
こうなったらもう自力で脱出するしかないと、俺はひたすらに足首から繋がっている鎖に攻撃を加えた。
結論から言うと、厳しい。素手はおろか道具を使っても厳しそうな頑丈さだった。
アーニャはきっと心配しているだろうし、仕事先にもさっさと謝罪しなければいけない。早く脱出したいのにこれじゃあどうしようもない。
もどかしかった。何かしたくても何もできない。智絵里は、俺がいくら怒鳴ろうとも罵倒しようともどこ吹く風で相手にしない。
不本意ながら暴力で脅そうとしても全て受け入れようとする始末。打つ手が本格的にないのだ。
壁に寄りかかり、読みかけだった小説を手に取る。智絵里が戻ってくるまで時間があるが、結局何をしても鎖にはダメージを与えることができない。
唯一破壊に使えそうなテレビは頑丈に張り付いていて動かせない。万が一テレビを壊すようなことがあったら智絵里は脱出を警戒してもっと拘束してくる可能性もある。
714: C√ ◆gijfEeWFo6 2014/03/15(土) 01:11:13.59 ID:xlMYfvbE0
「…………?」
小説を読んでいると、外から車の音が聞こえてきた。智絵里が忘れ物でもしたのだろうか。
呑気に構えていると、突然ガラスの割れる音が盛大に鳴り響いた。
「何だ?!」
まさか、強盗が目をつけたのか? 智絵里はこの家が人通りの少ない山奥にあると言っていた。逆を言い返せば場所を特定しやすい上に、事件が起きてもすぐには気づかれない。
これはチャンスかもしれない。良心が残った強盗だったら、もしかしたら俺を助けてくれるかもしれないからだ。
不安、期待、恐怖……さまざまな感情が複雑に絡み合いながらも、俺は大人しく来訪者がこの部屋に来るのを待った。
廊下の歩く音が聞こえる。その音は徐々に近づき、遂にはこの部屋の前までやって来た。ガチャリとドアノブが動き、扉が開く。
「ここにいたのね……プロデューサー……」
715: C√ ◆gijfEeWFo6 2014/03/15(土) 01:13:21.21 ID:xlMYfvbE0
「千秋!?」
千秋は驚く俺を意に介さず、足首についている鉄の輪と鎖に視線を移した。
「……鍵は、智絵里が持っているのかしら?」
「いや……智絵里は持っていない……多分、他の部屋のどこかにあるはず」
智絵里は、私から鍵を奪おうとしても無駄だと言っていた。持っていないから。
「分かったわ……すぐに探してくるから、待ってて、プロデューサー」
「頼んだ。千秋」
数分後、千秋が鍵を見つけ、それをこちらへと持ってきた。流石に人が助けに来るとは思わず用心していなかったのか、机の引き出しに普通に入っていたらしい。
「ありがとう、千秋。助かった……」
「お礼は後でいいわ。早く逃げましょう」
千秋に手を引かれながら、俺達は智絵里の家を後にする。
家の前には黒塗りの高そうな車が待機していた。二人で後部座席に乗り込み、千秋が運転手に帰るよう告げている。
716: C√ ◆gijfEeWFo6 2014/03/15(土) 01:18:49.01 ID:xlMYfvbE0
車が発進し、でこぼこした砂利道を駆け下りる。
「どうしてここが分かったんだ?」
「女の勘よ……家の者に張らせたら案の定、智絵里が犯人だったわ。尾行されている前提で動いていたようだったから、だいぶ苦労したらしいわ」
「なんにせよ助かった……本当にありがとう」
助かって安堵したためか、ほんの少しだけ眠くなった。口数が徐々に少なくなり、車内に無言の空間が広がっていく。
眠気を吹き飛ばすような発言が千秋は唐突に告げた。
「プロデューサー。私、アイドルをやめたの」
「え?」
「プロデューサーのせいよ……もう、仕事中も家にいても、ずっとプロデューサーのことしか浮かばないもの」
千秋は、どうしてそこまで執念深く俺を想い続けるのだろう。
「アイドルをやめたら……千秋は……」
「別にいいの……もう十分、外の世界を楽しんだわ。それに、どんな不自由な生活でも、プロデューサーがいてくれるだけで違うものよ」
千秋が、俺の手に手を重ねる。
717: C√ ◆gijfEeWFo6 2014/03/15(土) 01:20:01.38 ID:xlMYfvbE0
「プロデューサー……私のこと、今は好きでなくてもいい……好きになってもらえるように、努力するから……!」
最後の方は声が震え、重ねられた手は小さく震えていた。
「だから、お願い、プロデューサー……私と、恋人になって……」
今にも消え入りそうな声で、千秋はそう言った。千秋は俺の方へと寄りかかり、肩に頭を預ける。
小さく鼻をすする音が聞こえた。泣いているのか。
俺の答えは、僅か数秒で決まった。
「こちらからお願いするよ……千秋、俺と恋人になって欲しい」
隣で小さく咽び泣いている千秋が、愛おしかった。恋人を作れば、皆が想いを諦めてくれるだろうという打算的な理由も少しはあるが。
千秋の両親は許してはくれなさそうだが、そこら辺は後々考えるようにしよう。
「ほ、本当……プロデューサー? 本当に結婚してくれるの?」
「結婚、できるといいな」
認められるように努力しよう。