【わたモテ】モテないし酔っぱらう
2020-12-16
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/18(土) 22:41:37.83 ID:2RZDLTGd0
「へー! おいしそうなチョコだな!」
「でしょ? 叔父さんが海外旅行のお土産で買ってきてくれたんだ。だからみんなにもおすそ分けしようと思って」
マm……加藤さんが満面の笑みで机に広げたのは、いかにも高級そうなチョコレートだった。
だいたい十二粒ほどの精鋭チョコたちが箱の中には入っているのだが、その小さな一粒だけでガ〇ナの板チョコ一枚よりも高額そうに思える。
私がこんな高級チョコ貰ったら家族にすら分けずに自分一人で全部食うわ。さすがにNo.1は人間が出来すぎるほどに出来ている。
先陣を切るように、凸……岡田さんが一粒を摘まみ上げて口に運んだ。
「じゃ、もらうね。……んー、美味しっ! これ、タダでもらっちゃうの申し訳ないな……」
「んーん、気にしなくていいよ。皆も遠慮せず食べてね。さすがに全員分はないけど……」
「明日香、オレにも一粒ちょーだい!」
「よっちゃんの分は無しだよー! 女子限定!」
「陽菜、ひっでぇ!!」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1534599697
「でしょ? 叔父さんが海外旅行のお土産で買ってきてくれたんだ。だからみんなにもおすそ分けしようと思って」
マm……加藤さんが満面の笑みで机に広げたのは、いかにも高級そうなチョコレートだった。
だいたい十二粒ほどの精鋭チョコたちが箱の中には入っているのだが、その小さな一粒だけでガ〇ナの板チョコ一枚よりも高額そうに思える。
私がこんな高級チョコ貰ったら家族にすら分けずに自分一人で全部食うわ。さすがにNo.1は人間が出来すぎるほどに出来ている。
先陣を切るように、凸……岡田さんが一粒を摘まみ上げて口に運んだ。
「じゃ、もらうね。……んー、美味しっ! これ、タダでもらっちゃうの申し訳ないな……」
「んーん、気にしなくていいよ。皆も遠慮せず食べてね。さすがに全員分はないけど……」
「明日香、オレにも一粒ちょーだい!」
「よっちゃんの分は無しだよー! 女子限定!」
「陽菜、ひっでぇ!!」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1534599697
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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/18(土) 22:48:28.74 ID:2RZDLTGd0
リア充どもが加藤さんの席の周りで騒ぐので、後ろの席にいる私にとっては居心地が悪いことこの上ない。
(私の分は……絶対くれない、と悲観するほど最近の私の生活は悲惨ではないが……しかしここでもらえるのを待つのも気まずいしな……)
どうしたものか、と喧騒に白けた目を向けながら待っていると、肩にずしり、と重いものがのしかかってきた。
ふわり、と漂う香りから、その重みの正体はすぐに見当がついた。
「……重いぞ、ネモ」
「あ、ひっどーい。そういうデリカシーのない発言してたらまたぼっちになっちゃうよ?」
「うっぜぇ……」
相変わらずのダル絡みを展開してくるネモは、悪戯っぽい笑みを浮かべながら頬をツンツンと指でつっついてくる。うざい。
しかし加藤さんの前であからさまにネモを邪険に扱うわけにもいかないので、内心青筋を立てながらも私は何もやり返さないでおいた。
けして頭上から漂ってくるネモの香りに欲情したからではない。こりゃホンマ勃〇モンやで……ごほんごほん。
(私の分は……絶対くれない、と悲観するほど最近の私の生活は悲惨ではないが……しかしここでもらえるのを待つのも気まずいしな……)
どうしたものか、と喧騒に白けた目を向けながら待っていると、肩にずしり、と重いものがのしかかってきた。
ふわり、と漂う香りから、その重みの正体はすぐに見当がついた。
「……重いぞ、ネモ」
「あ、ひっどーい。そういうデリカシーのない発言してたらまたぼっちになっちゃうよ?」
「うっぜぇ……」
相変わらずのダル絡みを展開してくるネモは、悪戯っぽい笑みを浮かべながら頬をツンツンと指でつっついてくる。うざい。
しかし加藤さんの前であからさまにネモを邪険に扱うわけにもいかないので、内心青筋を立てながらも私は何もやり返さないでおいた。
けして頭上から漂ってくるネモの香りに欲情したからではない。こりゃホンマ勃〇モンやで……ごほんごほん。
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/18(土) 22:58:45.54 ID:2RZDLTGd0
「しかし、本当美味しいなぁ、このチョコ。有名ブランドのやつなだけあるね」
「お前、人の頭上でチョコ頬張るなよ……」
「クロも貰ったら? 早い者勝ちみたいになってるけど」
ネモは私の言葉を無視して私の頭の上でもしょもしょとチョコを頬張っている。
(そりゃあ私もチョコは欲しいが……)
しかし、ここでやたらがっついてチョコを貰いに行っては、まるで食い意地の張った女のように思われないだろうか。
そんな私の心境を見通したようにネモが耳元で囁いてくる。
「出た、元ぼっちの自意識過剰。女の子同士のお菓子の渡し合いなんていつものことなんだから、誰も意地汚いなんて思ったりしないよ?」
「……うるせぇな」
ネモの言葉は経験則に基づいたものでとても参考にはなるのだが、いちいち言い方がトゲトゲしいのが珠に瑕である。
リア充生活で貯まったストレスを私で発散してるんじゃないだろうな。
「お前、人の頭上でチョコ頬張るなよ……」
「クロも貰ったら? 早い者勝ちみたいになってるけど」
ネモは私の言葉を無視して私の頭の上でもしょもしょとチョコを頬張っている。
(そりゃあ私もチョコは欲しいが……)
しかし、ここでやたらがっついてチョコを貰いに行っては、まるで食い意地の張った女のように思われないだろうか。
そんな私の心境を見通したようにネモが耳元で囁いてくる。
「出た、元ぼっちの自意識過剰。女の子同士のお菓子の渡し合いなんていつものことなんだから、誰も意地汚いなんて思ったりしないよ?」
「……うるせぇな」
ネモの言葉は経験則に基づいたものでとても参考にはなるのだが、いちいち言い方がトゲトゲしいのが珠に瑕である。
リア充生活で貯まったストレスを私で発散してるんじゃないだろうな。
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/18(土) 23:06:40.49 ID:2RZDLTGd0
貰いに行くべきか、我慢すべきか。
割とどうでもいいことで悩んでいる私の眼前に、綺麗にネイルのなされた手が伸びて来た。
「はい! これ、黒木さんの分だよー」
「はへ!? あ、あ」
顔を前に向けると満面の笑みで私の方を見ている加藤さんの顔があった。
箱の方を見ると既に中身は空になってしまっている。どうやら最後の一つをわざわざ私に残しておいてくれたらしい。
(なんなの!? この人ママなの!? それとも私の事好きなの!?)
聖人加藤さんの対応に思わず最近は鳴りを潜めていた勘違いが復活しそうになった。
「あ、あ、ありがとうございましゅ……」
「そんなに畏まらなくてもいいのに、ふふ」
どもりながらお礼を言うと加藤さんは楽しそうに笑い声を漏らした。女神かよ。
割とどうでもいいことで悩んでいる私の眼前に、綺麗にネイルのなされた手が伸びて来た。
「はい! これ、黒木さんの分だよー」
「はへ!? あ、あ」
顔を前に向けると満面の笑みで私の方を見ている加藤さんの顔があった。
箱の方を見ると既に中身は空になってしまっている。どうやら最後の一つをわざわざ私に残しておいてくれたらしい。
(なんなの!? この人ママなの!? それとも私の事好きなの!?)
聖人加藤さんの対応に思わず最近は鳴りを潜めていた勘違いが復活しそうになった。
「あ、あ、ありがとうございましゅ……」
「そんなに畏まらなくてもいいのに、ふふ」
どもりながらお礼を言うと加藤さんは楽しそうに笑い声を漏らした。女神かよ。
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/18(土) 23:22:38.89 ID:2RZDLTGd0
おずおずと差しだした手に、小さなチョコが手渡される。
チョコの種類とかはよくわからんが、とりあえずすごくおいしそうなのはわかる。
せっかくの高級チョコなのでまじまじと観察していると、隣から声が聞こえて来た。
「黒木さん、あんまり手で持ってるとチョコ溶けちゃうよ」
「あ、うん……」
そうチョコを頬張りながら忠告してくる田村さん。
……まだ呼び名が安定しないな、こいつに関しては。向こうも「黒木さん」って変わらず呼んでくるし、あの一件は無かったことになってるんだろうか……?
まあ陰キャだからそう簡単に呼び名は変えられないよな。すごいわかる。
なにはともあれ、少しずつ手元のチョコが溶けてきている気がするので、少し名残惜しくはあるがいい加減食べることにした。
〇ースとかア〇フォートばっかり食べてる私が遂に高級チョコデビューか……。これを機にスイーツに詳しい黒木さんになっちまったらどうしようかな。
くだらない想像をしながら口元にチョコを運ぶと、ネモが耳元でぼそりと呟いた。
「あ、そーいやそれウイスキーボンボンだから、ちょっとだけお酒入ってるよ。まぁ大丈夫だとは思うけど……」
その声が耳に入ったのは、すでにチョコを咀嚼した後のことだった。
いや、もう少し早く言えよ。まぁさすがにお酒入りチョコで酔っぱらうなんてしょんなまんがみたいにゃことは…………
あれ? なんかふらふらする?
チョコの種類とかはよくわからんが、とりあえずすごくおいしそうなのはわかる。
せっかくの高級チョコなのでまじまじと観察していると、隣から声が聞こえて来た。
「黒木さん、あんまり手で持ってるとチョコ溶けちゃうよ」
「あ、うん……」
そうチョコを頬張りながら忠告してくる田村さん。
……まだ呼び名が安定しないな、こいつに関しては。向こうも「黒木さん」って変わらず呼んでくるし、あの一件は無かったことになってるんだろうか……?
まあ陰キャだからそう簡単に呼び名は変えられないよな。すごいわかる。
なにはともあれ、少しずつ手元のチョコが溶けてきている気がするので、少し名残惜しくはあるがいい加減食べることにした。
〇ースとかア〇フォートばっかり食べてる私が遂に高級チョコデビューか……。これを機にスイーツに詳しい黒木さんになっちまったらどうしようかな。
くだらない想像をしながら口元にチョコを運ぶと、ネモが耳元でぼそりと呟いた。
「あ、そーいやそれウイスキーボンボンだから、ちょっとだけお酒入ってるよ。まぁ大丈夫だとは思うけど……」
その声が耳に入ったのは、すでにチョコを咀嚼した後のことだった。
いや、もう少し早く言えよ。まぁさすがにお酒入りチョコで酔っぱらうなんてしょんなまんがみたいにゃことは…………
あれ? なんかふらふらする?
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/18(土) 23:58:40.30 ID:2RZDLTGd0
チョコを黙々と食べてたクロが急に何もしゃべらなくなった。
確かにこのチョコ美味しいけど、そんな黙って感動に打ち震えるほどのものだったっけ?
先ほどから黒木さんの方を見ていた加藤さんや田村さんも不思議そうに首を傾げている。
私はとりあえずクロの肩を掴んで揺らしてみた。
「おーい、クロ? どしたの?」
私の声で気が付いたのか、先ほどから固まっていたクロがようやく反応を返して、こちらに振り返ってきた。
「……おお」
「……んんん!?」
振り返ったクロの顔はなんだか普段と違った。目がとろんとしていて、頬が紅潮していて、なんというか……色っぽい、じゃなくて!
いやいやまさか、もしかして……。
「……え、クロ、酔っぱらってる?」
「そんにゃわけ……」
思いっきり酔っぱらってた。
確かにこのチョコ美味しいけど、そんな黙って感動に打ち震えるほどのものだったっけ?
先ほどから黒木さんの方を見ていた加藤さんや田村さんも不思議そうに首を傾げている。
私はとりあえずクロの肩を掴んで揺らしてみた。
「おーい、クロ? どしたの?」
私の声で気が付いたのか、先ほどから固まっていたクロがようやく反応を返して、こちらに振り返ってきた。
「……おお」
「……んんん!?」
振り返ったクロの顔はなんだか普段と違った。目がとろんとしていて、頬が紅潮していて、なんというか……色っぽい、じゃなくて!
いやいやまさか、もしかして……。
「……え、クロ、酔っぱらってる?」
「そんにゃわけ……」
思いっきり酔っぱらってた。
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/19(日) 00:06:35.22 ID:lrCZX+po0
「ええー……」
うちのお父さんも、お酒に強い方ではないけど。
ウイスキーボンボンを食べて酔っぱらう人は、さすがに初めて見た。
新歓コンパとか、気を付けるように言っとかないと。……クロはそういうの行かないか。
「えーっと……どうしたらいいんだろう……」
学校の中で酔っぱらってるわけだから、本当は良くないんだろうけど。
お菓子を食べてのことだし、先生に言っても許してもらえるのかな?
「黒木さん、どうかしたの?」
加藤さんと田村さんがそう質問してきたので、私は正直に答えることにした。
加藤さんは驚いた、田村さんは呆れた表情でクロを見ている。
「うぅん……ごめんね黒木さん。まさか酔っぱらうと思ってなかったから……」
「……ひっく」
「まぁでも黒木さんらしいよ。二年生の頃から思ってたけどなんか黒木さんってお酒に弱いイメージだし」
(すっごい喋る……)
なにはともあれ、クロをこのまま置いておくわけにもいかない。ひとまずクロを保健室に連れて行くことにした。
うちのお父さんも、お酒に強い方ではないけど。
ウイスキーボンボンを食べて酔っぱらう人は、さすがに初めて見た。
新歓コンパとか、気を付けるように言っとかないと。……クロはそういうの行かないか。
「えーっと……どうしたらいいんだろう……」
学校の中で酔っぱらってるわけだから、本当は良くないんだろうけど。
お菓子を食べてのことだし、先生に言っても許してもらえるのかな?
「黒木さん、どうかしたの?」
加藤さんと田村さんがそう質問してきたので、私は正直に答えることにした。
加藤さんは驚いた、田村さんは呆れた表情でクロを見ている。
「うぅん……ごめんね黒木さん。まさか酔っぱらうと思ってなかったから……」
「……ひっく」
「まぁでも黒木さんらしいよ。二年生の頃から思ってたけどなんか黒木さんってお酒に弱いイメージだし」
(すっごい喋る……)
なにはともあれ、クロをこのまま置いておくわけにもいかない。ひとまずクロを保健室に連れて行くことにした。
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/19(日) 00:27:24.96 ID:lrCZX+po0
「ほらクロ、立って。保健室で寝させてもらお?」
クロの手を引いて立たせようとするけど、クロはぼーっとしていてなかなか立ち上がってくれない。
「クーロー? ……歩けないの? 仕方ないからだっこしたげよっか?」
わざとイライラさせるために、あえて私は挑発するような声色と台詞を選んだ。
普段のクロなら、こういう言い方をすれば大抵挑発に乗ってくれるんだけど。
酔っ払いクロは、相変わらずとろんとした瞳でこちらを見上げると、ぼそりと呟いて手を広げた。
「ん」
「へ?」
「ん」
両手を広げたクロは、催促するように手を揺らしている。
えーっと……そのジェスチャーはどういう意味……って、もしかして。
「え……抱っこしてほしいの?」
「ん」
クロはこくりと頷いた。
クロの手を引いて立たせようとするけど、クロはぼーっとしていてなかなか立ち上がってくれない。
「クーロー? ……歩けないの? 仕方ないからだっこしたげよっか?」
わざとイライラさせるために、あえて私は挑発するような声色と台詞を選んだ。
普段のクロなら、こういう言い方をすれば大抵挑発に乗ってくれるんだけど。
酔っ払いクロは、相変わらずとろんとした瞳でこちらを見上げると、ぼそりと呟いて手を広げた。
「ん」
「へ?」
「ん」
両手を広げたクロは、催促するように手を揺らしている。
えーっと……そのジェスチャーはどういう意味……って、もしかして。
「え……抱っこしてほしいの?」
「ん」
クロはこくりと頷いた。
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/19(日) 00:53:26.28 ID:lrCZX+po0
「抱っこって……」
まさかクロが素直に頷いてくるとは思わなかったので、流石に私も対応に困ってしまった。
普段のクロなら絶対反発して、「なめんな!」って言って一人で歩いていっちゃうところだ。
……なんだか、よっぱらったクロは普段と全然様子が違っている。普段はどちらかというと毅然としてるというか、男の子っぽい所があるんだけど。
酔っぱらったクロは、なんだか小動物っぽいっていうか……かわいらしいっていうか……。
いやいや、普段が可愛くないわけじゃないんだけどね。でもなんだか、こんなクロは見たことがないから、とても新鮮だ。
それにしても、さすがに抱っこはちょっと恥ずかしいかなぁ……。
「えっと……手貸してあげるから、歩いていこ? 抱っこは……私も恥ずかしいっていうか……」
「やだ。抱っこがいい」
クロ……。なんだか駄々っ子みたいだよ。
「やだって……。別に、ケガしてるわけじゃないんだから、歩けるでしょ?」
「じゃ、いい。加藤しゃんに抱っこしてもらう」
私がどうにか説得しようとすると、クロはふいと加藤さんのほうに振り向いてしまった。
……あのさぁ……。
まさかクロが素直に頷いてくるとは思わなかったので、流石に私も対応に困ってしまった。
普段のクロなら絶対反発して、「なめんな!」って言って一人で歩いていっちゃうところだ。
……なんだか、よっぱらったクロは普段と全然様子が違っている。普段はどちらかというと毅然としてるというか、男の子っぽい所があるんだけど。
酔っぱらったクロは、なんだか小動物っぽいっていうか……かわいらしいっていうか……。
いやいや、普段が可愛くないわけじゃないんだけどね。でもなんだか、こんなクロは見たことがないから、とても新鮮だ。
それにしても、さすがに抱っこはちょっと恥ずかしいかなぁ……。
「えっと……手貸してあげるから、歩いていこ? 抱っこは……私も恥ずかしいっていうか……」
「やだ。抱っこがいい」
クロ……。なんだか駄々っ子みたいだよ。
「やだって……。別に、ケガしてるわけじゃないんだから、歩けるでしょ?」
「じゃ、いい。加藤しゃんに抱っこしてもらう」
私がどうにか説得しようとすると、クロはふいと加藤さんのほうに振り向いてしまった。
……あのさぁ……。
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/19(日) 01:00:16.32 ID:lrCZX+po0
移り気なクロにイラっとしながら、加藤さんの方を見る。こういう時目が怖い感じになってしまうのが悪いクセだ。
なんだか我儘な娘の代わりに謝ってる気分になりながら、加藤さんに頭を下げた。
「ごめんね? クロが変なこと言いだして。私が連れてくから……」
「ん? 別に私は抱っこして連れて行ってもいいよ?」
「へ?」
加藤さんはぽーっと自分を見ているクロを微笑ましそうに眺めながら言った。
「元はと言えば私が悪いし……それに黒木さん、可愛いんだもん。抱っこくらいしてあげるよ」
……なんというか。
加藤さんはクロのことを、娘でも見るような目で見ているんじゃないだろうか。
ここで加藤さんに任せておけば、万事問題なく進むんだろうけど、なんだかそれは癪に障る。
私はえへへと笑っているクロを引っ張って、無理やりに抱っこした。
「か、加藤さんの手を煩わせなくても大丈夫だよ! 私が連れてくから!」
……なんで私、こんなに意地張ってるんだろ。自分でもよくわからないまま、私はクロをお姫様抱っこして教室を出た。
なんだか我儘な娘の代わりに謝ってる気分になりながら、加藤さんに頭を下げた。
「ごめんね? クロが変なこと言いだして。私が連れてくから……」
「ん? 別に私は抱っこして連れて行ってもいいよ?」
「へ?」
加藤さんはぽーっと自分を見ているクロを微笑ましそうに眺めながら言った。
「元はと言えば私が悪いし……それに黒木さん、可愛いんだもん。抱っこくらいしてあげるよ」
……なんというか。
加藤さんはクロのことを、娘でも見るような目で見ているんじゃないだろうか。
ここで加藤さんに任せておけば、万事問題なく進むんだろうけど、なんだかそれは癪に障る。
私はえへへと笑っているクロを引っ張って、無理やりに抱っこした。
「か、加藤さんの手を煩わせなくても大丈夫だよ! 私が連れてくから!」
……なんで私、こんなに意地張ってるんだろ。自分でもよくわからないまま、私はクロをお姫様抱っこして教室を出た。
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/19(日) 01:46:12.61 ID:lrCZX+po0
クロを抱っこしたまま廊下を歩いていると、好奇の目が無遠慮に向けられる。
南さんみたいに明け透けに悪口を言ってくる人はそうそういないけど、だいだい陰口の内容は予想が付く。
クロと仲良くなる前の私だったら人の目を気にしてこんなことできなかっただろうな。
恥ずかしさを堪えながらも、私は腕の中でぼーっとしてるクロを見て微笑んだ。
……いや、恥ずかしいものは恥ずかしいんだけどさ。
「もぅ……クロ、今度落とし前は付けてもらうからね」
「……んぁ?」
ひとまず保健室まで急ごう。
学校中で噂が立てられないことを祈りながら私は少し足を早めた。
南さんみたいに明け透けに悪口を言ってくる人はそうそういないけど、だいだい陰口の内容は予想が付く。
クロと仲良くなる前の私だったら人の目を気にしてこんなことできなかっただろうな。
恥ずかしさを堪えながらも、私は腕の中でぼーっとしてるクロを見て微笑んだ。
……いや、恥ずかしいものは恥ずかしいんだけどさ。
「もぅ……クロ、今度落とし前は付けてもらうからね」
「……んぁ?」
ひとまず保健室まで急ごう。
学校中で噂が立てられないことを祈りながら私は少し足を早めた。
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/19(日) 10:53:02.72 ID:lrCZX+po0
クロの身体はとても軽くて、筋トレしているとはいえ女の私でも軽々と運ぶことが出来てしまう。
なんだかちょっと心配になってしまうくらいの軽さだ。
落ち着いて目を瞑っているクロの顔を見つめる。クマがすごくて、髪もぼさぼさ。ちゃんと身だしなみ整えれば、すごく可愛くなると思うんだけどな。
……まぁでも、あんまり可愛くなって、いろんな人が近づいてきたら……ね。
またちょっと目が怖くなってる気がしたので、かぶりを振って打ち消した。
少し息が上がってきたぐらいで、私はようやく保健室に到着した。
「すみませーん」
声をあげて、ちょっとはしたないけど足で保健室のドアを開ける。
だけど、薄暗い保健室の中には、折悪く先生はいなかった。
「あちゃ、タイミングが悪い……」
まあでも、酔っぱらいなんて寝かせる以外に対応なんてないだろうし。
私は、抱っこしているクロを、近くのベッドに寝かせることにした。
なんだかちょっと心配になってしまうくらいの軽さだ。
落ち着いて目を瞑っているクロの顔を見つめる。クマがすごくて、髪もぼさぼさ。ちゃんと身だしなみ整えれば、すごく可愛くなると思うんだけどな。
……まぁでも、あんまり可愛くなって、いろんな人が近づいてきたら……ね。
またちょっと目が怖くなってる気がしたので、かぶりを振って打ち消した。
少し息が上がってきたぐらいで、私はようやく保健室に到着した。
「すみませーん」
声をあげて、ちょっとはしたないけど足で保健室のドアを開ける。
だけど、薄暗い保健室の中には、折悪く先生はいなかった。
「あちゃ、タイミングが悪い……」
まあでも、酔っぱらいなんて寝かせる以外に対応なんてないだろうし。
私は、抱っこしているクロを、近くのベッドに寝かせることにした。
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/19(日) 11:01:25.93 ID:lrCZX+po0
「んぁ……」
「あ、起きた?」
先生を呼びに行こうとしたタイミングで、クロが目を覚ましてしまった。
あまり状況が呑み込めていないようで、ぼんやりとあたりを見回している。
「すぐ先生呼んでくるから、待っててね」
私が傍を離れようとすると、クロはパーカーの袖をちょこんと掴んできた。
「やだ。ここにいて」
「やだって……なんで?」
「さみしい」
……クロは酔っぱらうと絡み上戸になるというか、人肌恋しくなるタイプなのかな。
まあでも、先生もそのうち戻ってくるだろうし、このクロとしばらく話してるのも悪くないか。
ちょっと赤くなった頬に気付かれないようにしながら、椅子に座り直した。
「あ、起きた?」
先生を呼びに行こうとしたタイミングで、クロが目を覚ましてしまった。
あまり状況が呑み込めていないようで、ぼんやりとあたりを見回している。
「すぐ先生呼んでくるから、待っててね」
私が傍を離れようとすると、クロはパーカーの袖をちょこんと掴んできた。
「やだ。ここにいて」
「やだって……なんで?」
「さみしい」
……クロは酔っぱらうと絡み上戸になるというか、人肌恋しくなるタイプなのかな。
まあでも、先生もそのうち戻ってくるだろうし、このクロとしばらく話してるのも悪くないか。
ちょっと赤くなった頬に気付かれないようにしながら、椅子に座り直した。
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/19(日) 11:56:13.23 ID:lrCZX+po0
「ふらふらする……」
「無理に起き上がらなくてもいいよ。ちゃんと横になってないと」
半身を起こしてふらふらしているクロをきちんと寝かして、私は赤くなっているクロの顔を眺めた。
……このクロは、やたらと素直だ。
普段はどちらかというとひねくれてる分、お酒に酔うと素直になるのかもしれない。
私は冗談交じりに声を発した。
「もう。いっつも私、クロのこと助けてあげてるんだから。感謝してよ?」
「うん。感謝してる」
そう、ノータイムで返事が返って来て、私はうっと言葉に詰まった。
……むしろ、ずっと助けられてるのは私の方なのに。なんだか、無理やり言質を取っているようでちくりと胸が痛む。
それにしても、まっすぐなクロの言葉は、すっと胸に沁み込んできて……なんだか、むず痒いような、くすぐったいような気分になる。
「無理に起き上がらなくてもいいよ。ちゃんと横になってないと」
半身を起こしてふらふらしているクロをきちんと寝かして、私は赤くなっているクロの顔を眺めた。
……このクロは、やたらと素直だ。
普段はどちらかというとひねくれてる分、お酒に酔うと素直になるのかもしれない。
私は冗談交じりに声を発した。
「もう。いっつも私、クロのこと助けてあげてるんだから。感謝してよ?」
「うん。感謝してる」
そう、ノータイムで返事が返って来て、私はうっと言葉に詰まった。
……むしろ、ずっと助けられてるのは私の方なのに。なんだか、無理やり言質を取っているようでちくりと胸が痛む。
それにしても、まっすぐなクロの言葉は、すっと胸に沁み込んできて……なんだか、むず痒いような、くすぐったいような気分になる。
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/19(日) 12:59:28.55 ID:lrCZX+po0
少し潤んだ瞳でこちらを見てくるクロを眺めていると、一つの考えが頭をもたげてきた。
(クロは、私のことをどう思ってるんだろう?)
私は、クロの事を大事な友達だと思っている。
本当の私のことを見つけて、認めてくれた、大事な友達。
だけど、クロが私のことをどう思ってるのかは、よくわからない。
もしかしたら、クロは私のことを……嫌い、だってこともあるかもしれない。
一度ネガティブな考えが頭に浮かぶと、否定することもできなくて、私は、痛む胸を抑えながら下を向いた。
「ネモ、どうしたの?」
クロの細い手がそっと私の頬に伸びた。
そのほのかな温もりを感じてしまったら、もう我慢は出来なくて。
(クロは、私のことをどう思ってるんだろう?)
私は、クロの事を大事な友達だと思っている。
本当の私のことを見つけて、認めてくれた、大事な友達。
だけど、クロが私のことをどう思ってるのかは、よくわからない。
もしかしたら、クロは私のことを……嫌い、だってこともあるかもしれない。
一度ネガティブな考えが頭に浮かぶと、否定することもできなくて、私は、痛む胸を抑えながら下を向いた。
「ネモ、どうしたの?」
クロの細い手がそっと私の頬に伸びた。
そのほのかな温もりを感じてしまったら、もう我慢は出来なくて。
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/19(日) 13:11:02.57 ID:lrCZX+po0
「クロ……クロはさ、私の事……どう思ってる?」
「え?」
「だから……好きとか、嫌いとか……」
こんなの、素面のクロには絶対にできない質問だ。
思わず口をついて出てしまった言葉に、私はクロが酔っているときの記憶を持ってないことを願った。
クロは私の言葉を聞いて、ぽけーっと呆けたように口を開けている。
……酔ってるクロでも、答えにくい質問なのかな。
やっぱりクロは、私の事……。
気のせいか、じわりと目に何かが滲んできたような気がしたところで、クロの声が聞こえた。
「好きだよ?」
その、至極当然のような返答の声に、私はゆっくりと顔を上げてクロを見た。
「え?」
「だから……好きとか、嫌いとか……」
こんなの、素面のクロには絶対にできない質問だ。
思わず口をついて出てしまった言葉に、私はクロが酔っているときの記憶を持ってないことを願った。
クロは私の言葉を聞いて、ぽけーっと呆けたように口を開けている。
……酔ってるクロでも、答えにくい質問なのかな。
やっぱりクロは、私の事……。
気のせいか、じわりと目に何かが滲んできたような気がしたところで、クロの声が聞こえた。
「好きだよ?」
その、至極当然のような返答の声に、私はゆっくりと顔を上げてクロを見た。
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/19(日) 13:26:08.89 ID:lrCZX+po0
「ぼっちの頃に、ネモが毎日話しかけてくれたこと、すごい嬉しかったよ」
「ずっと、遠い存在だと思ってたけど……三年生になってから仲良くなれて、遠慮しなくてもいい仲になって……それも嬉しい」
「でも……私、いろいろ酷いことも言っちゃったりしてるし……」
「まぁ、それはうざい」
「うぐっ」
外連味のないストレートな言葉に、返す言葉もない。
「すぐぼっちが云々って言って、マウント取ろうとしてくるのはよくイラってくる。性格悪い」
「ご……ごめん……」
性格云々はクロには言われたくないけどね。
クロは言いたいことを言ってスッキリしたのか、一つ息を吐くと、普段は見せないような自然な笑顔を浮かべて言った。
「そういうとこも含めて……ネモと関わるのは楽しいし、ネモのことは好きだよ」
「ずっと、遠い存在だと思ってたけど……三年生になってから仲良くなれて、遠慮しなくてもいい仲になって……それも嬉しい」
「でも……私、いろいろ酷いことも言っちゃったりしてるし……」
「まぁ、それはうざい」
「うぐっ」
外連味のないストレートな言葉に、返す言葉もない。
「すぐぼっちが云々って言って、マウント取ろうとしてくるのはよくイラってくる。性格悪い」
「ご……ごめん……」
性格云々はクロには言われたくないけどね。
クロは言いたいことを言ってスッキリしたのか、一つ息を吐くと、普段は見せないような自然な笑顔を浮かべて言った。
「そういうとこも含めて……ネモと関わるのは楽しいし、ネモのことは好きだよ」
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/19(日) 13:46:31.87 ID:lrCZX+po0
クロの言葉に、なんだか胸の中が温かな気持ちに満たされて、私は顔を背けた。
真っ赤になった顔と、頬を流れる雫を、クロに見られたくなかったからだ。
そんな私を眺めながら、クロは優しい笑顔で佇んでいて……
「まぁあといい匂いするしね。ゆうちゃんといい加藤さんといい美人からはいい匂いが発生するんだよな」
……ん?
出そうになった涙が引っ込んだ。
「ネモとは割とラッキースケベ的イベントが多かったからなぁ。リップクリームとか温泉とか透けブラとか……あ、また背中痒くなったら言ってね。いつでも掻いてあげるから。へへ」
「……クロのえっち、すけべ」
クロの言葉で感動した私がバカだった。
さっきまで浮かべていた綺麗な笑顔はどこへやら、いつの間にかクロの顔はスケベ親父みたいないやらしい笑顔に変わっていた。
……なんだか、クロにそういう目で見られてるのに、むしろちょっと嬉しい自分がヤダ。
真っ赤になった顔と、頬を流れる雫を、クロに見られたくなかったからだ。
そんな私を眺めながら、クロは優しい笑顔で佇んでいて……
「まぁあといい匂いするしね。ゆうちゃんといい加藤さんといい美人からはいい匂いが発生するんだよな」
……ん?
出そうになった涙が引っ込んだ。
「ネモとは割とラッキースケベ的イベントが多かったからなぁ。リップクリームとか温泉とか透けブラとか……あ、また背中痒くなったら言ってね。いつでも掻いてあげるから。へへ」
「……クロのえっち、すけべ」
クロの言葉で感動した私がバカだった。
さっきまで浮かべていた綺麗な笑顔はどこへやら、いつの間にかクロの顔はスケベ親父みたいないやらしい笑顔に変わっていた。
……なんだか、クロにそういう目で見られてるのに、むしろちょっと嬉しい自分がヤダ。
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/19(日) 13:54:45.48 ID:lrCZX+po0
というか。
「……その論法で言ったら、田村さんとか加藤さんのことも好きなんじゃないの?」
「もちろんそうだよ。ゆりちゃんにセクハラするのも楽しいし、加藤さんはなんというか美人すぎて結婚したぐえっ」
自分が怖い目になってるのを自覚しながらクロに枕を投げつけた。
……なんというか、これで男だったら夜道に気を付けなきゃいけないレベルだよ、クロ。
ふてくされて頬を膨らませていると、枕を食らってベッドに倒れ込んだクロが、ぼそりと呟いた。
「……まぁでも、一緒に居て一番安心するのは、ネモかな」
その言葉は、言い訳じみてない、本心からの言葉に聞こえた。
……そーいうとこ、ズルいんだよ。私は、ぽす、と軽くベッドを拳で叩いた。
「……その論法で言ったら、田村さんとか加藤さんのことも好きなんじゃないの?」
「もちろんそうだよ。ゆりちゃんにセクハラするのも楽しいし、加藤さんはなんというか美人すぎて結婚したぐえっ」
自分が怖い目になってるのを自覚しながらクロに枕を投げつけた。
……なんというか、これで男だったら夜道に気を付けなきゃいけないレベルだよ、クロ。
ふてくされて頬を膨らませていると、枕を食らってベッドに倒れ込んだクロが、ぼそりと呟いた。
「……まぁでも、一緒に居て一番安心するのは、ネモかな」
その言葉は、言い訳じみてない、本心からの言葉に聞こえた。
……そーいうとこ、ズルいんだよ。私は、ぽす、と軽くベッドを拳で叩いた。
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/19(日) 14:17:00.51 ID:lrCZX+po0
それからしばらくして、保健の先生が戻って来て。
事情を説明したら、慌ててクロの家の人に電話をかけていた。
クロが何か処分とかを受けないか心配だったけど、今回みたいな事例の場合は、特にお咎めなく許してもらえるらしい。
私はほっ、と胸を撫でおろして、すやすやと呑気に眠っているクロをちらりと見てから、保健室を後にした。
教室に戻ると、ちょうど昼休みが終わったところのようで、あーちゃんや田村さん、真子ちゃんや加藤さんがこちらに歩いてきた。
「黒木は大丈夫だったのか、陽菜?」
「あ、うん。家の人が迎えに来てくれるみたい。お咎めもないみたいだよ」
「そっか、よかった……」
加藤さんと真子ちゃんがほっと胸を撫でおろしている。……やっぱりいい人たちだな。
私はこんなふうにはなれない。
だけど、私は私なりのやり方で、クロと関わってくからね。
「結構長く保健室に居たみたいだけど、何か話してたの?」
田村さんが問いかけてくる。
私は少し逡巡して、少し口元を緩めて答えた。
「んーん、ひみつ」
今日のクロの言葉は、私の胸の中だけにしまっておこう。
なんとなく、そう思った。
事情を説明したら、慌ててクロの家の人に電話をかけていた。
クロが何か処分とかを受けないか心配だったけど、今回みたいな事例の場合は、特にお咎めなく許してもらえるらしい。
私はほっ、と胸を撫でおろして、すやすやと呑気に眠っているクロをちらりと見てから、保健室を後にした。
教室に戻ると、ちょうど昼休みが終わったところのようで、あーちゃんや田村さん、真子ちゃんや加藤さんがこちらに歩いてきた。
「黒木は大丈夫だったのか、陽菜?」
「あ、うん。家の人が迎えに来てくれるみたい。お咎めもないみたいだよ」
「そっか、よかった……」
加藤さんと真子ちゃんがほっと胸を撫でおろしている。……やっぱりいい人たちだな。
私はこんなふうにはなれない。
だけど、私は私なりのやり方で、クロと関わってくからね。
「結構長く保健室に居たみたいだけど、何か話してたの?」
田村さんが問いかけてくる。
私は少し逡巡して、少し口元を緩めて答えた。
「んーん、ひみつ」
今日のクロの言葉は、私の胸の中だけにしまっておこう。
なんとなく、そう思った。
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/19(日) 14:33:24.58 ID:lrCZX+po0
……昨日の記憶が、途中からかなり抜け落ちている。
目が覚めた時には家にいたし、なぜかお母さんにちょっと叱られるし、弟には呆れた目で見られるし、散々だった。
どうやら私は、加藤さんにもらったチョコを食べて酔っぱらってしまったらしい。
どんだけ酒に弱いんだ、私。
「えー黒木さんってそんな細いのにお酒強いんだ! すごーい」みたいな喝采を受けることを密かに想像していたのだが、どうやら私はそういうタイプではなかったらしい。
しかし、自分が何をやったか覚えてないって言うのはかなりの恐怖感がある。
もしなにかやらかしてたら……。例えば教室で吐いて、「ゲロ木」とか「クソ木」とかそういう類のあだ名が密かに囁かれたりしていたらどうしよう。
冷や汗をかきながら普段よりも少し遅めに登校した私だったが、どうやらそれは杞憂だったようだ。
教室に入っても、周りは特に気に留めることなく談笑に耽っている。
うん、いつも通りの空気具合。どうやら、致命的なやらかしは無かったみたいだ。
ひとまず、九死に一生を得たような気分で、自分の席に向かった。
目が覚めた時には家にいたし、なぜかお母さんにちょっと叱られるし、弟には呆れた目で見られるし、散々だった。
どうやら私は、加藤さんにもらったチョコを食べて酔っぱらってしまったらしい。
どんだけ酒に弱いんだ、私。
「えー黒木さんってそんな細いのにお酒強いんだ! すごーい」みたいな喝采を受けることを密かに想像していたのだが、どうやら私はそういうタイプではなかったらしい。
しかし、自分が何をやったか覚えてないって言うのはかなりの恐怖感がある。
もしなにかやらかしてたら……。例えば教室で吐いて、「ゲロ木」とか「クソ木」とかそういう類のあだ名が密かに囁かれたりしていたらどうしよう。
冷や汗をかきながら普段よりも少し遅めに登校した私だったが、どうやらそれは杞憂だったようだ。
教室に入っても、周りは特に気に留めることなく談笑に耽っている。
うん、いつも通りの空気具合。どうやら、致命的なやらかしは無かったみたいだ。
ひとまず、九死に一生を得たような気分で、自分の席に向かった。
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/19(日) 14:48:47.20 ID:lrCZX+po0
「黒木さん、昨日は大丈夫だった?」
「ぁ、は、はい! おかげさまで!」
「私のチョコのせいで迷惑かけちゃって、ごめんね……」
「いえ! 本当全然! 全然大丈夫なので! へ、へへへ」
加藤さんの申し訳なさそうな表情を見ると、なぜかこちらの方が謝りたくなってしまう。
私はぺこぺこと頭を下げながら、自分の席に座った。
「昨日は、陽菜が黒木を保健室まで運んだんだぞ」
岡田さんがこちらに振り向きながらそう言ってくる。
そうか……昨日の記憶はほとんどないが、なんか保健室のベッドで寝てたような覚えはある。
ここは素直にお礼を言っておこう。相変わらず笑っているネモの方を向いた。
「ネモ、ありがとな」
「んーん、いいよ。……酔っぱらってるクロ、面白かったし」
ネモが思い出し笑いをする。……おい、まさか。
背筋に寒いものが走って、私は恐る恐るネモに問うた。
「……私……なんか変なこと言ってたか?」
「……んーっとねー」
ネモは悪戯っぽい表情を浮かべると、けほけほ、とひとつ咳払いをして。
「ぁ、は、はい! おかげさまで!」
「私のチョコのせいで迷惑かけちゃって、ごめんね……」
「いえ! 本当全然! 全然大丈夫なので! へ、へへへ」
加藤さんの申し訳なさそうな表情を見ると、なぜかこちらの方が謝りたくなってしまう。
私はぺこぺこと頭を下げながら、自分の席に座った。
「昨日は、陽菜が黒木を保健室まで運んだんだぞ」
岡田さんがこちらに振り向きながらそう言ってくる。
そうか……昨日の記憶はほとんどないが、なんか保健室のベッドで寝てたような覚えはある。
ここは素直にお礼を言っておこう。相変わらず笑っているネモの方を向いた。
「ネモ、ありがとな」
「んーん、いいよ。……酔っぱらってるクロ、面白かったし」
ネモが思い出し笑いをする。……おい、まさか。
背筋に寒いものが走って、私は恐る恐るネモに問うた。
「……私……なんか変なこと言ってたか?」
「……んーっとねー」
ネモは悪戯っぽい表情を浮かべると、けほけほ、とひとつ咳払いをして。
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/19(日) 15:04:07.64 ID:lrCZX+po0
「好き好き好き好きだーい好き。ネモとずーっと一緒に居たいな♪」
萌え豚に媚びたみたいな仕草と声色でそう言ってきた。
「な、な、な……ぜ、絶対嘘だーっ!!」
「あはははははは! ほんとほんと、ほんとだよー!」
ネモを掴んで黙らせようとしたら、ネモはするりと交わして教室を出て行ってしまった。
「……黒木さん……?」
「ひな……」
田村さんと岡田さんが光の消えた瞳でこっちを見てくる。こえーよ!
私は場の空気にたまらず、ネモを追いかけて教室を飛び出た。
「おいネモ! ちゃんと誤解を解いてから出てけ! 聞いてんのかー!」
「だからほんとだって言ってるでしょ? あっははは!」
ネモは心底楽しそうな笑い声を上げて、走って逃げて行く。
私はいつぞやのマラソンの時のように、ネモの背中を追いかけるために、一つ大きく息を吸った。
「私はなー、絶対そんなこと……」
言わない、と言おうとして、言葉に詰まった。
記憶の片隅で、自分の声が反響したような気がしたから。
……気のせいだ、気のせい。私はネモの事なんぞ……
……嫌いじゃないけどな。
そんなツンデレっぽいセリフを思い浮かべて、なんだかむず痒くて。
そんな気持ちを打ち消すように、私はさらに追う足を早めた。
私とネモの笑い声と足音が廊下に木霊する。初夏のある日のことだった。
終
萌え豚に媚びたみたいな仕草と声色でそう言ってきた。
「な、な、な……ぜ、絶対嘘だーっ!!」
「あはははははは! ほんとほんと、ほんとだよー!」
ネモを掴んで黙らせようとしたら、ネモはするりと交わして教室を出て行ってしまった。
「……黒木さん……?」
「ひな……」
田村さんと岡田さんが光の消えた瞳でこっちを見てくる。こえーよ!
私は場の空気にたまらず、ネモを追いかけて教室を飛び出た。
「おいネモ! ちゃんと誤解を解いてから出てけ! 聞いてんのかー!」
「だからほんとだって言ってるでしょ? あっははは!」
ネモは心底楽しそうな笑い声を上げて、走って逃げて行く。
私はいつぞやのマラソンの時のように、ネモの背中を追いかけるために、一つ大きく息を吸った。
「私はなー、絶対そんなこと……」
言わない、と言おうとして、言葉に詰まった。
記憶の片隅で、自分の声が反響したような気がしたから。
……気のせいだ、気のせい。私はネモの事なんぞ……
……嫌いじゃないけどな。
そんなツンデレっぽいセリフを思い浮かべて、なんだかむず痒くて。
そんな気持ちを打ち消すように、私はさらに追う足を早めた。
私とネモの笑い声と足音が廊下に木霊する。初夏のある日のことだった。
終
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/19(日) 15:08:24.00 ID:GcNYH6rpO
おつおつ
ネモクロいいよね…
ネモクロいいよね…
30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/19(日) 15:53:48.83 ID:BHsnZPOlO
乙
だが最近の凸さんはネモクロに嫉妬しないどころかもこっちに近づこうとする節があるよね
だが最近の凸さんはネモクロに嫉妬しないどころかもこっちに近づこうとする節があるよね
引用元: ・【わたモテ】モテないし酔っぱらう
もこっち「モテないし新しい友達とお昼を食べる」
2020-11-18
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/30(月) 02:39:37.61 ID:l56mnOH80
もこっち(さてと。飯にするか)スッ
真子「今日は黒木さん別な人とお昼食べるんだっけ」
もこっち「うん。1年生の友達とね」
ゆり「どうする?まこが黒木さんと一緒にご飯食べたいなら私もそれに合わせるけど」
真子「ううん。私達まで一緒しちゃその1年生の子が気使っちゃうかもしれないし」
ゆり「くっ……」
もこっち「?じゃあ行くね」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1525023577
真子「今日は黒木さん別な人とお昼食べるんだっけ」
もこっち「うん。1年生の友達とね」
ゆり「どうする?まこが黒木さんと一緒にご飯食べたいなら私もそれに合わせるけど」
真子「ううん。私達まで一緒しちゃその1年生の子が気使っちゃうかもしれないし」
ゆり「くっ……」
もこっち「?じゃあ行くね」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1525023577
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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/30(月) 02:40:34.71 ID:l56mnOH80
ネモ「……」
岡田「ひな。今日は昼の後また用事あんの?」
ネモ「ん?」
ネモ「……んー。今日はないかなー」
岡田「じゃあ、またアニメの話しようよ。ひなが勧めてくれた奴昨日ちゃんと見てきたからさ」
ネモ「いいよー」
ネモ「じゃあねクロ。私達学食行くから」
岡田「ひな。今日は昼の後また用事あんの?」
ネモ「ん?」
ネモ「……んー。今日はないかなー」
岡田「じゃあ、またアニメの話しようよ。ひなが勧めてくれた奴昨日ちゃんと見てきたからさ」
ネモ「いいよー」
ネモ「じゃあねクロ。私達学食行くから」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/30(月) 02:41:20.51 ID:l56mnOH80
ゆり「黒木さんもう行ったけど」
ネモ「!?」
ゆり「私は別れ際に『じゃあ行くね』って声かけられたけど」
ネモ「!!?」
真子「ゆり……トイレ行こっか」
ゆり「まってまこ。根元さんには壁を作らない様にしようと。え、これじゃ駄目?」
岡田「ひなって田村とも仲良かったんだ?」
ひな「ハハハ……」
ネモ「!?」
ゆり「私は別れ際に『じゃあ行くね』って声かけられたけど」
ネモ「!!?」
真子「ゆり……トイレ行こっか」
ゆり「まってまこ。根元さんには壁を作らない様にしようと。え、これじゃ駄目?」
岡田「ひなって田村とも仲良かったんだ?」
ひな「ハハハ……」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/30(月) 02:41:48.32 ID:l56mnOH80
雫「……あ!黒木先輩!」
もこっち「待たせちゃった?」
雫「い、いえっ。私も今来たばかりですっ!」
もこっち「それじゃあ弁当食べながら女子トークしよう」モチャモチャ
雫「はい!」パクパク
うっちー(黒木!この女嘘付きだよ!早弁して先回りしてた私は知ってるんだから!気を許しちゃ駄目!)
雫「ん?」
うっちー「ん?」
もこっち「ん?」
もこっち「待たせちゃった?」
雫「い、いえっ。私も今来たばかりですっ!」
もこっち「それじゃあ弁当食べながら女子トークしよう」モチャモチャ
雫「はい!」パクパク
うっちー(黒木!この女嘘付きだよ!早弁して先回りしてた私は知ってるんだから!気を許しちゃ駄目!)
雫「ん?」
うっちー「ん?」
もこっち「ん?」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/30(月) 02:42:48.82 ID:l56mnOH80
もこっち「あ、内さん」
うっちー「あ、うん、その。何もしてないよ。私のことは気にしないでお弁当食べて」
もこっち(それ言う奴絶対何かしてるだろ……。クワガタでも探してたのか?)
もこっち(つーか見られてたら食いづらいわ)
もこっち「あの……、内さんもお昼まだだったら一緒にご飯食べる?一年生の平沢さんも一緒だけど」
うっちー「え!!?うん!!!!」
雫(もしかしてこの人も先輩と一緒にご飯食べたいのかな?)
うっちー「あ、うん、その。何もしてないよ。私のことは気にしないでお弁当食べて」
もこっち(それ言う奴絶対何かしてるだろ……。クワガタでも探してたのか?)
もこっち(つーか見られてたら食いづらいわ)
もこっち「あの……、内さんもお昼まだだったら一緒にご飯食べる?一年生の平沢さんも一緒だけど」
うっちー「え!!?うん!!!!」
雫(もしかしてこの人も先輩と一緒にご飯食べたいのかな?)
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/30(月) 02:43:47.15 ID:l56mnOH80
うっちー「あ、でも、もうお昼食べちゃったから食べるものがない。そんな」
もこっち「じゃあ、またタイミングが合った時にでも」
うっちー「そ、そうだね。タイミングがね?合えばね?じゃあ」スタスタスタ
雫(先輩ってやっぱり優しい……!)
もこっち(やれやれいなくなったか。まあ具体的な日は決めなかったし内さんと一緒に食うことはないだろうな)
うっち(うわああああああああこれからは毎日黒木とご飯だあああああああああああああああああ)
もこっち「じゃあ、またタイミングが合った時にでも」
うっちー「そ、そうだね。タイミングがね?合えばね?じゃあ」スタスタスタ
雫(先輩ってやっぱり優しい……!)
もこっち(やれやれいなくなったか。まあ具体的な日は決めなかったし内さんと一緒に食うことはないだろうな)
うっち(うわああああああああこれからは毎日黒木とご飯だあああああああああああああああああ)
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/30(月) 02:44:26.53 ID:l56mnOH80
南(パン買ったけど教室にはいられないし、サチ達とも食べづらい……)
南(私……これからどこでご飯食べよう……)
もこっち「今まで彼氏とどんなことを……ん?」
もこっち(今度はキバ子かよ。まあ、向こうは気付いてないっぽいしそのうちどっか行くだろ)
雫「あの人も先輩のお知り合いですか?」
もこっち「そうだけど……。あ、そうだ」
もこっち「えーと……そうそう、南さん?い、一緒にお昼食べない……?」
南「え……?く、黒木……!?」
南(私……これからどこでご飯食べよう……)
もこっち「今まで彼氏とどんなことを……ん?」
もこっち(今度はキバ子かよ。まあ、向こうは気付いてないっぽいしそのうちどっか行くだろ)
雫「あの人も先輩のお知り合いですか?」
もこっち「そうだけど……。あ、そうだ」
もこっち「えーと……そうそう、南さん?い、一緒にお昼食べない……?」
南「え……?く、黒木……!?」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/30(月) 02:47:23.59 ID:l56mnOH80
南「へ、へえ。だから黒木と一緒にご飯食べてるんだ」
雫「はい……」
南(単なるぼっちだと思ってたのに……黒木って良い奴なのか……?)
もこっち(加藤さんには聞けないカースト上位の話もこいつになら聞けるな)
もこっち(友達じゃないから嫌われても後腐れないし)
雫「今日は体育の時間にテニスをしたんですけど、男子の視線と女子の顔面サーブが気になって」
もこっち(「男子の視線って具体的にはどんな視線?その時興奮した?」、いやそれより)
もこっち「テニスと言えばペ●スだけど、ペ●ス心理学と言って」
雫・南「えっ!!?」
雫「はい……」
南(単なるぼっちだと思ってたのに……黒木って良い奴なのか……?)
もこっち(加藤さんには聞けないカースト上位の話もこいつになら聞けるな)
もこっち(友達じゃないから嫌われても後腐れないし)
雫「今日は体育の時間にテニスをしたんですけど、男子の視線と女子の顔面サーブが気になって」
もこっち(「男子の視線って具体的にはどんな視線?その時興奮した?」、いやそれより)
もこっち「テニスと言えばペ●スだけど、ペ●ス心理学と言って」
雫・南「えっ!!?」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/30(月) 02:48:42.42 ID:l56mnOH80
もこっち「南さんて加藤さんとかとそういう話する?平沢さんは男子とかと」
雫「ええっ、しませんよ」
雫(私をリラックスさせるためにこんな話題を振ってくれるなんて……。先輩優しいなあ……)
南「そんな話しないよ……」
もこっち「ふーん」
もこっち(つまんねーな)
南「話自体出来ない……」
もこっち「え、そうなの?」
もこっち(こいつカースト上位じゃないのかよ。ならもう完全に気使う必要ないな)
雫「ええっ、しませんよ」
雫(私をリラックスさせるためにこんな話題を振ってくれるなんて……。先輩優しいなあ……)
南「そんな話しないよ……」
もこっち「ふーん」
もこっち(つまんねーな)
南「話自体出来ない……」
もこっち「え、そうなの?」
もこっち(こいつカースト上位じゃないのかよ。ならもう完全に気使う必要ないな)
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/30(月) 02:54:58.95 ID:l56mnOH80
南「……なんで黒木は声かけてくれたの?私あんたに酷いことしたのに」
もこっち(私がコケたのをウケるとか言いやがったことか?)
もこっち「あれくらい別にそこまで気にしてないっていうか……」
南「でも……」
もこっち「いや他の人からもっと酷いことされてるし」
もこっち「殺すぞとか、首絞められるとか、殴られるとか、言うこと聞かないと口聞かないとか、レイプ未遂とか」
雫・南「えええっ!!!??」
もこっち「まあ、今ではそいつらと友達なんだけど(コオロギ除く)」
雫・南(心広過ぎるでしょ!!!!???)
もこっち(私がコケたのをウケるとか言いやがったことか?)
もこっち「あれくらい別にそこまで気にしてないっていうか……」
南「でも……」
もこっち「いや他の人からもっと酷いことされてるし」
もこっち「殺すぞとか、首絞められるとか、殴られるとか、言うこと聞かないと口聞かないとか、レイプ未遂とか」
雫・南「えええっ!!!??」
もこっち「まあ、今ではそいつらと友達なんだけど(コオロギ除く)」
雫・南(心広過ぎるでしょ!!!!???)
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/30(月) 02:56:17.79 ID:l56mnOH80
ポタッ
雫「あ!先輩タレてます!シミになっちゃう」
もこっち「やべっ!ちょっと洗ってくる」タッタッタ
南「……あいつ、凄いな」
雫「そうですね……」
南「……私3年生で友達とクラスが別になっちゃって。上位の奴が黒木とその友達嫌ってるみたいだったからそいつらの悪口言ったんだ」
雫「え……?」
雫「あ!先輩タレてます!シミになっちゃう」
もこっち「やべっ!ちょっと洗ってくる」タッタッタ
南「……あいつ、凄いな」
雫「そうですね……」
南「……私3年生で友達とクラスが別になっちゃって。上位の奴が黒木とその友達嫌ってるみたいだったからそいつらの悪口言ったんだ」
雫「え……?」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/30(月) 02:57:49.42 ID:l56mnOH80
南「そしたら私がハブられて。私以外の奴らはいつの間にか黒木と仲良くなってて」
南「それに、黒木の友達の一人とも前からソリが合わないんだけど。黒木そいつから私の悪口吹き込まれてるはずなんだ」
南「それなのに、黒木は、私に声をかけてきた」
南「ただのキモイ負け組の根暗だと思ってたのに。なんで、なんで、あいつ、あんなに強くて良い奴なの」
南「なんでこんな私に優しくしてくれるの」ジワリ
雫「先輩……」
南「それに、黒木の友達の一人とも前からソリが合わないんだけど。黒木そいつから私の悪口吹き込まれてるはずなんだ」
南「それなのに、黒木は、私に声をかけてきた」
南「ただのキモイ負け組の根暗だと思ってたのに。なんで、なんで、あいつ、あんなに強くて良い奴なの」
南「なんでこんな私に優しくしてくれるの」ジワリ
雫「先輩……」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/30(月) 03:00:03.97 ID:l56mnOH80
雫「……私もきっと南先輩と一緒です。いや、私の方が悪いかも」
南「平沢……?」
雫「だって、私は自分がなぜ嫌われているのか、どんな悪いことをしているのか。それすらわかっていないんです」
雫「私が自分で気付かないうちに黒木先輩に嫌な思いさせてるはずなのに。黒木先輩はちっともそんなそぶりを見せない」
南「ははは、本当、黒木って良い奴だな。見下したり逆恨みしてた自分が恥ずかしい」ポロポロ
雫「……」ギュッ
南「ううっ、うううっ」
もこっち「ふう。それじゃあさっきの続きを……」
もこっち(え……なんでこいつら私がいない間に抱き合ってんの。引くんだけど)
南「平沢……?」
雫「だって、私は自分がなぜ嫌われているのか、どんな悪いことをしているのか。それすらわかっていないんです」
雫「私が自分で気付かないうちに黒木先輩に嫌な思いさせてるはずなのに。黒木先輩はちっともそんなそぶりを見せない」
南「ははは、本当、黒木って良い奴だな。見下したり逆恨みしてた自分が恥ずかしい」ポロポロ
雫「……」ギュッ
南「ううっ、うううっ」
もこっち「ふう。それじゃあさっきの続きを……」
もこっち(え……なんでこいつら私がいない間に抱き合ってんの。引くんだけど)
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/30(月) 03:00:51.34 ID:l56mnOH80
加藤「南さん。今日黒木さんと一緒にお昼食べてたね。楽しかった?」
南「え?う、うん」
岡田「ふーん」
岡田(まあ、私も最近まで黒木のこと誤解してたしな)
ネモ「へー……」
真子「そうだったんだ!……ハッ」
ゆり「え……?なんで……?」
南「え?う、うん」
岡田「ふーん」
岡田(まあ、私も最近まで黒木のこと誤解してたしな)
ネモ「へー……」
真子「そうだったんだ!……ハッ」
ゆり「え……?なんで……?」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/30(月) 03:02:37.53 ID:l56mnOH80
もこっち(おい、どういうことだ)
もこっち(加藤さん達と話してるじゃん。嘘付いたなキバ子の奴)
もこっち「ちょいちょい」
南「ん?あ、黒木」
もこっち「おいキバ子聞いてた話と」
ネモ岡田ゆり真子南「!?」
もこっち「ん?あ」
もこっち(加藤さん達と話してるじゃん。嘘付いたなキバ子の奴)
もこっち「ちょいちょい」
南「ん?あ、黒木」
もこっち「おいキバ子聞いてた話と」
ネモ岡田ゆり真子南「!?」
もこっち「ん?あ」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/30(月) 03:06:02.66 ID:l56mnOH80
もこっち(しまった!「ウケる」の件があったから立場が上でいられたのに!)
もこっち(それより酷いキバ子なんてあだ名で呼んでたことがばれたら優位性が逆転してしまう……!)
もこっち「いや、違、その、へへ……このあだ名可愛いと思って……可愛くない?」
南「い、いいよ黒木!キバ子!いいあだ名じゃん!」
もこっち(どこがだよ……ノ●ピーの方がマシだろ……)
ネモ(ええー……どうなってるの……)
真子(良かった……南さん良い子になれたんだ……ハッ)
ゆり「黒木さん、私は?」
もこっち「え?何が?」
終
もこっち(それより酷いキバ子なんてあだ名で呼んでたことがばれたら優位性が逆転してしまう……!)
もこっち「いや、違、その、へへ……このあだ名可愛いと思って……可愛くない?」
南「い、いいよ黒木!キバ子!いいあだ名じゃん!」
もこっち(どこがだよ……ノ●ピーの方がマシだろ……)
ネモ(ええー……どうなってるの……)
真子(良かった……南さん良い子になれたんだ……ハッ)
ゆり「黒木さん、私は?」
もこっち「え?何が?」
終
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/30(月) 03:09:30.35 ID:qcpRtD+cO
乙
互いの狙いに行き違いはあるものの結果しずもこキバもこいいゾ~、そして欲しがるばかりで正妻面するゆりちゃんは相変わらずウザい
互いの狙いに行き違いはあるものの結果しずもこキバもこいいゾ~、そして欲しがるばかりで正妻面するゆりちゃんは相変わらずウザい
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/30(月) 06:54:58.89 ID:YLsF8uWuo
よくまとまってるじゃないか。マイナーで攻めてくるのはやりおる
もこっち「モテないし耳かきする」
2020-10-14
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 09:10:23.63 ID:p+1Y93mM0
吉田「スースー」
もこっち(ヤンキーがまたベンチで寝てやがる)
もこっち(そういえば、外で耳かきするってシチュどっかで見たな)
もこっち「……」オズ
もこっち「キョロキョロ」
もこっち「スッ」(マイ耳かき)
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1518221423
もこっち(ヤンキーがまたベンチで寝てやがる)
もこっち(そういえば、外で耳かきするってシチュどっかで見たな)
もこっち「……」オズ
もこっち「キョロキョロ」
もこっち「スッ」(マイ耳かき)
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1518221423
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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 09:10:53.05 ID:p+1Y93mM0
真子「あれ。あそこにいるの吉田さんと黒木さんじゃないかな」
ゆり「うん……」
ゆり(またなんかしてる……)
もこっち(クソ、やりづれえな)カリカリ
もこっち(おらっおらっ)コシュコシュ
ゆり「うん……」
ゆり(またなんかしてる……)
もこっち(クソ、やりづれえな)カリカリ
もこっち(おらっおらっ)コシュコシュ
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 09:11:43.00 ID:p+1Y93mM0
コリコリ スッスッ
吉田(ん……んんっ……)
クリッ キュッ
吉田「んん!?」
もこっち「!?」
吉田(ん……んんっ……)
クリッ キュッ
吉田「んん!?」
もこっち「!?」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 09:12:45.76 ID:p+1Y93mM0
吉田「何してんだお前……?」
もこっち「よ、吉田さんが寝てたから……」
もこっち「ほら、ヤンキーってズボラだし汚い耳を掃除してあげようかと」
吉田「ああ!?」
もこっち「ひい!」
吉田「……チッ」スタスタスタ
もこっち(せっかく耳かきしてやったのに恩を仇で返しやがって)
もこっち(耳クソため込んでたくせにイキってんじゃねーぞ!!)
もこっち(でもまあ、最近ハゲやゆうちゃんにやってなかったからスッキリしたな)
もこっち「よ、吉田さんが寝てたから……」
もこっち「ほら、ヤンキーってズボラだし汚い耳を掃除してあげようかと」
吉田「ああ!?」
もこっち「ひい!」
吉田「……チッ」スタスタスタ
もこっち(せっかく耳かきしてやったのに恩を仇で返しやがって)
もこっち(耳クソため込んでたくせにイキってんじゃねーぞ!!)
もこっち(でもまあ、最近ハゲやゆうちゃんにやってなかったからスッキリしたな)
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 09:14:03.63 ID:p+1Y93mM0
もこっち(さあ帰るか)
吉田「おい」ガシッ
もこっち「!?」
吉田「ちょっとツラ貸せ」
もこっち(シメられる!?まさか昼間の報復!?)
ゆり「長引きそうだから私達先帰ってるね」
真子「黒木さんまた明日ね」
もこっち(見捨てる気かお前ら!!)
もこっち「よ、用件は……?」
吉田「反対の耳もやれ」
もこっち(ん……!?)
吉田「おい」ガシッ
もこっち「!?」
吉田「ちょっとツラ貸せ」
もこっち(シメられる!?まさか昼間の報復!?)
ゆり「長引きそうだから私達先帰ってるね」
真子「黒木さんまた明日ね」
もこっち(見捨てる気かお前ら!!)
もこっち「よ、用件は……?」
吉田「反対の耳もやれ」
もこっち(ん……!?)
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 09:14:53.03 ID:p+1Y93mM0
もこっち「お、怒ってたんじゃ……?」
吉田「ああ!?……駄目なのか?」
もこっち「い、いや、別にいいけど……」
もこっち(この野郎脅かしやがって)
もこっち「じゃあ……私椅子に座るから、吉田さんは正面から私の太ももに頭のっけて……」
吉田「ん……」
もこっち(快楽地獄に叩き落としてやるよ!!)コスコスコスコス
吉田「んんんん……!」ピクピク
吉田「ああ!?……駄目なのか?」
もこっち「い、いや、別にいいけど……」
もこっち(この野郎脅かしやがって)
もこっち「じゃあ……私椅子に座るから、吉田さんは正面から私の太ももに頭のっけて……」
吉田「ん……」
もこっち(快楽地獄に叩き落としてやるよ!!)コスコスコスコス
吉田「んんんん……!」ピクピク
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 09:15:49.80 ID:p+1Y93mM0
うっちー「!?」
うっちー(黒木がヤンキーの耳かきしてる!?)
うっちー(二人しかいない放課後の教室で耳かきとかキモイキモイ)
うっちー(しかも太ももに頭のっけてる!膝枕じゃん!)
うっち(ヤンキーの頭黒木の股間に埋まってるじゃん!!)
雌猫共「何してるの?帰るようっちー」
うっちー(キモイキモイキモイキモイうわあああー)ズルズル
うっちー(黒木がヤンキーの耳かきしてる!?)
うっちー(二人しかいない放課後の教室で耳かきとかキモイキモイ)
うっちー(しかも太ももに頭のっけてる!膝枕じゃん!)
うっち(ヤンキーの頭黒木の股間に埋まってるじゃん!!)
雌猫共「何してるの?帰るようっちー」
うっちー(キモイキモイキモイキモイうわあああー)ズルズル
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 09:16:24.13 ID:p+1Y93mM0
吉田「おい」
もこっち「ヒィッ。な、何?」
吉田「昨日はありがとな。また頼む」
もこっち「い、いいけど……へへへ……」
もこっち(だから脅かすんじゃねーよクソが!!)
ネモ(クロ何ニヤニヤしてるんだろう)
もこっち「ヒィッ。な、何?」
吉田「昨日はありがとな。また頼む」
もこっち「い、いいけど……へへへ……」
もこっち(だから脅かすんじゃねーよクソが!!)
ネモ(クロ何ニヤニヤしてるんだろう)
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 09:18:18.68 ID:p+1Y93mM0
ゆり「昨日何かあったの?」
吉田「ああ。こいつに耳かきして貰ったんだ」
ネモ「!?」
ゆり「!?」
加藤「へえ。黒木さんて耳かき上手なんだ?」
もこっち「ち、中学の頃は友達(ゆうちゃん)や弟(ハゲ)に耳かきしてたから……」
もこっち「しかも耳かき動画や耳かき音声で研究し尽くしてるから。プロ顔負けだよ」
もこっち「まあ……普通の人にはわからないか。この領域の話は」
吉田(ウゼエなこいつ)
吉田「ああ。こいつに耳かきして貰ったんだ」
ネモ「!?」
ゆり「!?」
加藤「へえ。黒木さんて耳かき上手なんだ?」
もこっち「ち、中学の頃は友達(ゆうちゃん)や弟(ハゲ)に耳かきしてたから……」
もこっち「しかも耳かき動画や耳かき音声で研究し尽くしてるから。プロ顔負けだよ」
もこっち「まあ……普通の人にはわからないか。この領域の話は」
吉田(ウゼエなこいつ)
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 09:20:04.18 ID:p+1Y93mM0
加藤「黒木さん字奇麗だし手先器用なのかもね」
もこっち「え?えへへ……」
もこっち(やべえ!褒められた)
加藤「私も黒木さんにして欲しいなー」
もこっち「え!?」
もこっち(いいのか……!?カースト最上位の人に私の棒突っ込んでも!!)
加藤「駄目?」
もこっち「じ、じゃあ、私の膝の上に頭をのせて……」
もこっち「え?えへへ……」
もこっち(やべえ!褒められた)
加藤「私も黒木さんにして欲しいなー」
もこっち「え!?」
もこっち(いいのか……!?カースト最上位の人に私の棒突っ込んでも!!)
加藤「駄目?」
もこっち「じ、じゃあ、私の膝の上に頭をのせて……」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 09:21:53.13 ID:p+1Y93mM0
コリコリ クリクリ
加藤「ん……あ……」ピクッ
もこっち(お母さんが身もだえてやがる……!)グリグリ
もこっち「お、終わったけど……」
加藤「んー、気持ち良かったあ」
加藤「ありがとう黒木さん」
もこっち「こ、こちらこそ」
もこっち(堪能した……)
岡田「次私ね」
もこっち(ん……!?)
加藤「ん……あ……」ピクッ
もこっち(お母さんが身もだえてやがる……!)グリグリ
もこっち「お、終わったけど……」
加藤「んー、気持ち良かったあ」
加藤「ありがとう黒木さん」
もこっち「こ、こちらこそ」
もこっち(堪能した……)
岡田「次私ね」
もこっち(ん……!?)
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 09:23:38.56 ID:p+1Y93mM0
岡田「いや、その、陽菜がやって貰ったらいいって言うから」
岡田「陽菜とか黒木みたいな奴にとってはこういうの普通なんだろ?」
岡田「私も陽菜のこと理解したいし」
ネモ「私人にするの下手だから。まずは上手なクロが、ね」
もこっち(ネモの奴何言ってんの!?)
ネモ(クロとあーちゃんの距離縮まるといいなあ。どっちの一番も私だけど)
ネモ「その次私ね」
岡田「陽菜とか黒木みたいな奴にとってはこういうの普通なんだろ?」
岡田「私も陽菜のこと理解したいし」
ネモ「私人にするの下手だから。まずは上手なクロが、ね」
もこっち(ネモの奴何言ってんの!?)
ネモ(クロとあーちゃんの距離縮まるといいなあ。どっちの一番も私だけど)
ネモ「その次私ね」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 09:24:27.96 ID:p+1Y93mM0
岡田「どうなんだよ!」
もこっち「ビクッ」
もこっち「い、いいけど」
ゆり「……」
真子「あはは……」ヒラヒラ
もこっち(なんでお前らまで並んでんの……!?)
もこっち「ビクッ」
もこっち「い、いいけど」
ゆり「……」
真子「あはは……」ヒラヒラ
もこっち(なんでお前らまで並んでんの……!?)
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 09:25:15.97 ID:p+1Y93mM0
ゆり「ハァハァ……ング……ハァハァ……」
ゆり「き……今日も先帰るね……」
真子「あ、ありがとう黒木さん。また明日ね」
もこっち「ま、また明日……」
もこっち(なんなの?ウチのクラスの雌共)
もこっち(怖いんだが!!)
もこっち(耳かき自体は楽しかったが、正直ひくわ)
もこっち「……」
もこっち「……帰るか」
ゆり「き……今日も先帰るね……」
真子「あ、ありがとう黒木さん。また明日ね」
もこっち「ま、また明日……」
もこっち(なんなの?ウチのクラスの雌共)
もこっち(怖いんだが!!)
もこっち(耳かき自体は楽しかったが、正直ひくわ)
もこっち「……」
もこっち「……帰るか」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 09:26:21.83 ID:p+1Y93mM0
うっちー「……」
もこっち「ん?」
うっちー「……あー耳が痒いなー」
うっちー「誰か耳かきしてくれないかなー」
うっちー「チラッ」
もこっち(なんだこいつ……)スタスタ
うっちー(おい!!素通りすんな!!)
もこっち「ん?」
うっちー「……あー耳が痒いなー」
うっちー「誰か耳かきしてくれないかなー」
うっちー「チラッ」
もこっち(なんだこいつ……)スタスタ
うっちー(おい!!素通りすんな!!)
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 09:27:57.69 ID:p+1Y93mM0
もこっち「……」
もこっち「み、耳かき……しようか……?」
うっちー「う、うん……」
うっちー(キモイキモイ!)
うっちー(キモイけど黒木が耳かきしたいっていうんなら、仕方ないからさせてやるか!)
もこっち「じゃあ、頭をここに」ツー
もこっち(やべっ!?ヨダレが!)ポタッ
うっちー「!?」ジュワァ
もこっち「い、今のは消毒液だから!」コスコスコスコス
うっちー(うわああああああああああああああああああ)コシュコシュ カリカリ クリクリ キュッ
もこっち「み、耳かき……しようか……?」
うっちー「う、うん……」
うっちー(キモイキモイ!)
うっちー(キモイけど黒木が耳かきしたいっていうんなら、仕方ないからさせてやるか!)
もこっち「じゃあ、頭をここに」ツー
もこっち(やべっ!?ヨダレが!)ポタッ
うっちー「!?」ジュワァ
もこっち「い、今のは消毒液だから!」コスコスコスコス
うっちー(うわああああああああああああああああああ)コシュコシュ カリカリ クリクリ キュッ
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 09:28:53.15 ID:p+1Y93mM0
もこっち(教室で耳かきするのがブームになってしまった)
岡田「うう……ヒナあ……」ピクピク
清田「俺にもやってくれよー」
ネモ「男同士でやれ!」
真子「どう?ゆり」
ゆり「ん……」チラッ
もこっち(おらおらっ!)
吉田「ん……んぁ……」ピクッ
ゆり「……うん。気持ちいい」
岡田「うう……ヒナあ……」ピクピク
清田「俺にもやってくれよー」
ネモ「男同士でやれ!」
真子「どう?ゆり」
ゆり「ん……」チラッ
もこっち(おらおらっ!)
吉田「ん……んぁ……」ピクッ
ゆり「……うん。気持ちいい」
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 09:30:16.63 ID:p+1Y93mM0
ネモ「はいあーちゃん終わりー」
ネモ「次はクロにしてあげるね」
もこっち「え?」
ゆり「黒木さん。私がしてもいいけど」
もこっち「は?」
もこっち「い、いや……加藤さんにして欲しいかなって……」
加藤「いいよ」
ネモ「ふーん……」
ゆり「……」
ネモ「次はクロにしてあげるね」
もこっち「え?」
ゆり「黒木さん。私がしてもいいけど」
もこっち「は?」
もこっち「い、いや……加藤さんにして欲しいかなって……」
加藤「いいよ」
ネモ「ふーん……」
ゆり「……」
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 09:31:21.31 ID:p+1Y93mM0
小宮山(おかしいだろ……なんだよこれ……)
小宮山(でも親友だったらこういうことするべきなのか?)
小宮山「わ……私達もしてみよっか?」
伊藤「……」
伊藤「うん」
小宮山(でも親友だったらこういうことするべきなのか?)
小宮山「わ……私達もしてみよっか?」
伊藤「……」
伊藤「うん」
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 09:32:11.40 ID:p+1Y93mM0
智貴(……)
智貴(……ん?あいつの教室か)
智貴「チラッ」
もこっち「ンホオオオオ」
智貴(楽しそうじゃねーか)
智貴(そういや……ちょっと前までして貰ってたな……)
智貴「……耳かゆ」クリクリ
終
智貴(……ん?あいつの教室か)
智貴「チラッ」
もこっち「ンホオオオオ」
智貴(楽しそうじゃねーか)
智貴(そういや……ちょっと前までして貰ってたな……)
智貴「……耳かゆ」クリクリ
終
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 10:03:46.30 ID:awV+G4MjO
乙
台詞回しが原作のそれ
台詞回しが原作のそれ
引用元: ・もこっち「モテないし耳かきする」
もこっち「モテないし家に泊める」
2019-04-18
1: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 21:19:02.20 ID:4nY8lxvX0
関連
ハルヒ「SOS団で恋の暴露大会をするわよ!」
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【悲報】Twitterで3年前に「令和」を予言してたものがいたwwwwwwwww
2: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 21:21:12.24 ID:4nY8lxvX0
~~~~
???「────クロ~」
彼女が呼ばれる声が聞こえる。
このアニメみたいでいてどこか厨ニ臭いこの声色。
振り返らなくてもわかる、ピンクの髪色をした彼女だ。
ネモ「一緒に帰らない?」
???「...智子は、私と帰るんだけど」
そして取り合うのは黒髪の少女。
花の名前を持つ彼女の眼光はどこか狂気を含んだモノ。
一触即発が控えている、そんな彼女らを取り持つのは長い髪の少女。
もこっち「...いや、3人で帰ろうよ」
ゆり「...」
ネモ「田村さんも一緒に帰ろうよ!」
ゆり「...智子がそういうならそうする」
3: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 21:23:18.04 ID:4nY8lxvX0
もこっち「あー、けど帰る前に買い物させてくれ」
ネモ「うん、いいよ」
ゆり「...」
3人の寄り道が決まる。
放課後の学校、校門を出るとネモは尋ねた。
これからどこに向かうのか、果たして楽しい時間になるかどうかを。
ネモ「それで、どこに行くの?」
もこっち「スーパー」
ネモ「え? 本当に買い物するの?」
もこっち「そう言っただろ...」
ネモ「いや、てっきりコンビニとかで軽く買うだけだと思っただけ」
ゆり「...」
もこっち「へー...とりあえず私の最寄り駅まで荷物持ち頼んだぞ」
ネモ「...え?」
もこっち「鍛えてんだろ?」
ネモ「...まぁいいけどさぁ...何買うの?」
4: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 21:24:27.88 ID:4nY8lxvX0
もこっち「そうだなぁ...」
長考をする髪の長い少女。
その面持ちはまるで、夕飯の献立を考えている主婦のような。
だがそれはまさしく正解であった、彼女がそこに行く理由とは。
もこっち「...鍋」
ネモ「...え?」
もこっち「今日は鍋にしようと思う」
ネモ「...もしかして、クロって黒木家の料理担当なの?」
もこっち「いや、違くてな...実は────」
彼女は彼女に伝えた。
今朝、おじいちゃんが倒れたということを。
それを心配した両親は家を空け、その様子を伺いにいったことを。
ネモ「そうなんだ...おじいちゃん、大丈夫なの?」
もこっち「あぁ、さっきお母さんからLINEきてな...大丈夫だってさ」
もこっち「でも心配だから今日はそのまま帰ってこないって、明日は土曜で休みだし...」
5: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 21:25:28.93 ID:4nY8lxvX0
ゆり「...だから、晩御飯の買い物に行くんだ」
もこっち「そういうこと...弟の分も考えねーといけないから、適当に鍋でいいや」
ネモ「ふーん...それじゃ私も鍋に入れる材料を一緒に考えてあげるよ」
もこっち「え?」
ゆり「...私も」
もこっち「...闇鍋じゃないからな?」
ネモ「わかってるよっ! って、スーパー着いたよ?」
もこっち「お、おう...予算は5000円だからな」
スーパーに学生服の3人が入店する。
そのうちの2人の表情はどこか楽しげな。
高校生とはいえまだ子ども、特にピンクの髪の子が顕著であった。
ネモ「~♪」
もこっち「随分と楽しそうだな」
ネモ「え、そう?」
もこっち「鼻歌聞こえてるぞ」
ネモ「...えっ!?」
ゆり「...とりあえず、鍋つゆ買ったら?」
もこっち「あ、それはまだ家にあったはず...具材だけ買いたい」
ゆり「そう...じゃあ白菜とか?」
6: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 21:27:32.83 ID:4nY8lxvX0
もこっち「それと...鶏肉とネギと...コーラだね」
ゆり「...コーラ?」
もこっち「いや、弟に注がせる為にね」
ゆり「...よくわかんないけど、買い物カゴとカート取ってくるね」スタスタ
もこっち「あ、うん...ありがと」
ネモ「...それにしても、今日のクロは自由だね」
もこっち「まぁな、明日土曜だし...親も居ないし夜遅くまではしゃげるな」
ネモ「いいね! 私もお泊りしちゃおうかな...なんて」ポツリ
後半の言葉はほぼ意味のないモノであった。
小声で、社交辞令にも近い期待値0の冗談。
だがそれは彼女に届いてしまう、家の主が居ないこその気軽さ故に。
もこっち「え? 別にいいけど」
ネモ「...えっ!? 本当っ!?」
もこっち「あ、あぁ...」
────カラカラカラッ...!
車輪のついたなにかが近寄ってくる音。
それは聞き慣れているはずなのに、嫌な緊張感を産ませる。
背後に感じるのは狂気、それを醸し出すのは花の少女。
7: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 21:28:22.37 ID:4nY8lxvX0
ゆり「...」
もこっち「ゆ、ゆりちゃん...?」
ゆり「...私も、泊まる」
もこっち「え...?」
ゆり「いいよね? 智子?」
もこっち「お、おぉ...別にいいけど...弟もいるんだぞ?」
ゆり「...やった、智子の家」ブツブツ
ネモ「クロの家か~、楽しみだな~」ワクワク
もこっち「...聞けよ!」
ネモ「──っ! 着替え持ってこないとっ!」
ゆり「...! 家に帰って荷物もってくるから、最寄り駅で待ってて」
ネモ「私も! じゃあ、またねクロ!」
もこっち「あ、おいっ────」
────ぴゅーっ!
まるで風が駆け抜けるような音。
2人の少女は走って店内を後にした。
カートに入れられた野菜やコーラを残して。
もこっち「...ネモのヤツ、荷物持ちをすっぽかしやがった」
もこっち(それにしても...4人分の材料を買って帰らなきゃいけないのか...)
もこっち(金は足りると思うが...どう持ち帰ったらいいんだよ)
~~~~
8: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 21:29:18.70 ID:4nY8lxvX0
~~~~
ネモ「────おまたせっ!」
もこっち「おう」
ゆり「...」
ネモ「田村さんの方が早かったんだ」
もこっち「そうだよ、いいからこの荷物を持ってくれ...」
ネモ「あ、うん」
4人分の鍋材料が手渡される。
ある程度鍛えているネモですら重さを感じるモノ。
これを1人で、しかも己の最寄り駅まで運んだ彼女の腕は乳酸まみれ。
ネモ「結構重たいね」
もこっち「4人分だからな...流石に可哀想だから半分持つよ」グイッ
ネモ「あ、ありがと...」
その光景はまるでアニメのような。
ネモの好きな日常系の代物ではなく、どちらかというと少女漫画のような。
どちらにしろその非日常感がたまらない、2人で買い物袋を運ぶその光景が。
ネモ「~♪」
もこっち(...さっきからヤケに上機嫌だな、ってツッコみたいけど)
もこっち(袋が重すぎて喋る余裕がないわ...それに...)チラッ
横目で見ると何かを感じる。
その何かとは、もはや明白であった。
狂気とまでは行かないが、やや鋭い目線がそこにあった。
9: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 21:30:49.06 ID:4nY8lxvX0
ゆり「...」
もこっち(...こっちはヤケに不機嫌だな)
もこっち(...一応フォローしておくか)
もこっち「そういえば...ゆりちゃんが買い物カゴに入れたコーラだけど...」
ゆり「なに?」
もこっち「あれで丁度品切れになってたよ、ありがとうね...へへ」
ゆり「...どういてしまして」
不慣れな微笑みが彼女の狂気を取り払う。
そんな他愛のない話をしていると、目的地が目視できた。
中学時代の友人を除くと初めて友達を家に招くことになる。
もこっち「着いた」
ネモ「ここがクロの家か~」
ゆり「...」
────ガチャッ!
鍵穴に差し込み、ドアノブを撚る。
すると一軒家特有の重厚なドアの音が響いた。
そして家主である彼女は、慣れない言葉を交わした。
もこっち「あ、あがって?」
ネモ「お邪魔しまーす!」
ゆり「...お邪魔します」
10: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 21:31:39.28 ID:4nY8lxvX0
もこっち「あ、まだ弟は帰ってきてないみたいだな」
ネモ「そうなんだ、部活かな?」
もこっち「たぶんな...とりあえず鍋の支度始めるか」
ネモ「もう作るの?」
もこっち「鍋ってのは意外と時間がかかるんだよ...ネモは料理したことないのか?」
ネモ「むっ...あ、あるに決まってるじゃん!」
もこっち「...」
彼女のわかりやすい挑発。
そのなんとも言えない絶妙な表情がネモを刺激する。
マウントの取り合いが始まる中、1人黙々と作業を開始する少女が1人。
ゆり「...鍋、どこ?」
もこっち「あっちの戸棚にあると思う...ガスコンロも一緒に入ってるはず」
ゆり「わかったよ...お箸とか勝手に探して並べておくよ?」
もこっち「あ、うんお願いね」
11: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 21:32:13.25 ID:4nY8lxvX0
もこっち「...食器系の支度はゆりちゃんに任せよう、私とネモは具材を調理するぞ」
ネモ「わ、わかったよ!」
──ざくっ! ざくっ!
瑞々しい音が鳴り響く、野菜の鮮度が伺える。
不慣れながらももこっちは淡々と調理を終えていく。
野菜や肉を切るだけの簡単な作業だが、それに追いつけない者が。
ネモ「...」
もこっち「お、おい...大丈夫か?」
ネモ「だ、大丈夫...ゆっくりやればできるから...」
もこっち「鍋だから雑に切っていいんだからな?」
ネモ「...その割には、クロの切り方変じゃん!」
もこっち「うるせーよ!」
もこっちのカット方法。
定規で切ったような長方形に揃えられた野菜や肉が並ぶ。
鍋だから味には支障はでないがあまりにもセンスのない調理であった。
~~~~
12: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 21:33:45.43 ID:4nY8lxvX0
~~~~
もこっち「...さて、終わったか」
ゆり「あとは鍋つゆ入れて具材入れるだけだね」
ネモ「弟くんは帰ってくるんだよね?」
もこっち「そうだよ、帰ってくるまでゲームでもして待ってようか」
もこっち「私の部屋からゲーム機取ってくるわ」スッ
ネモ「あ、まって! クロの部屋気になるから私も行くっ!」
ゆり「...私も」
3人が階段を駆け上がる。
そこに待ち受けていたのは2つのドア。
1つは弟の部屋、そしてもう1つは待望の彼女の部屋。
ネモ「おー、本が沢山」
もこっち「つっても、漫画とラノベぐらいしかないけどな」
ゆり(...あ、これ前に貸してくれたヤツだ)
ネモ「あ! あのクッションかわいいね!」
もこっち「あん? あれだったら下に持ってっていいぞ」
ネモ「本当? それじゃあ...」スッ
────もふもふ...
その音だけなら可愛らしいはずだった。
だが聞こえたのは固くて重たいモノが落ちたガコンという音。
それは、その正体はネモが手に取ったクッションの裏側に存在していた。
13: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 21:35:12.88 ID:4nY8lxvX0
ネモ「あれ、なんか落ち...た...」ピクッ
もこっち「────あっ」
ネモ「...ク、クロっ!?」
ゆり「...」
3人の女子高生の視線を釘付けにしたモノとは。
本来の用途であるならば、全くもって健全な代物だというのに。
世間が植え付けたイメージが先行する、そこにあったのは電動の。
もこっち「いや違うから、肩こり用だからな」
ネモ「そ、そうだよね!」
ゆり「...」
もこっち「...でも、ネモはもう1つの使い方を知ってるみたいだな」
ネモ「...っ!」
ゆり「...」ピクッ
14: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 21:35:47.25 ID:4nY8lxvX0
もこっち「意外とむっつりだね」
ネモ「────クロっっ!」スッ
──バチンッ! ドンッ!
2つの音がもこっちに襲いかかる。
1つははたかれた音、そしてもう1つとは。
もこっち「────ぐえっ!?」
ゆり「...」
ネモ「あっ...ご、ごめん...」
もこっち「い、いや...ネモのビンタより、ゆりちゃんの肘鉄の方が...」
ゆり「...なに?」
もこっち「な、なんでもない...」
もこっち(やっぱりゆりも知ってたか...直接むっつりだなんて言ったら殺されるんじゃないだろうか...)
もこっち「と、とりあえず...ゲーム機を下に持っていこうか」
ネモ「う、うん」
ゆり「...」
~~~~
15: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 21:36:43.55 ID:4nY8lxvX0
~~~~
???「...」
薄暗い夕方の道を歩く男が1人。
目には隈ができている、それはあの家族の血筋。
彼はもこっちの弟、智貴が家へと帰ろうとしていた。
智貴「...」
智貴(...今日は親父たちが帰ってこねー日だったな)
智貴(アイツと2人きりか...嫌な予感がする...)
そんなことを考えていると辿り着く。
自宅の玄関の扉がいつもより重苦しく感じる。
そのはずだった、しかし耳をすませば居間の方から何かが聞こえる。
智貴(...なんか話し声が聞こえるな)
智貴(電話でもしてんのか? まぁとりあえず家に入るか...)
────ガチャッ!
扉を開けると誰かが反応した。
律儀に弟を出迎える姉、だがそれだけではない。
聞き間違えではなければ足音は余計に2つ聞こえる。
もこっち「おかえり」
ネモ「おかえり! お邪魔してまーす!」
ゆり「...」
16: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 21:37:25.06 ID:4nY8lxvX0
智貴「お、おお...」
もこっち「今日は鍋にするからな」
もこっち「具材はもう用意してあるから、後は頼んだぞ」
智貴「...」
智貴(姉の友達か...1人は初対面だな)
智貴「ど、ども...」
ネモ「はじめましてだね、どうぞあがって!」
もこっち「私の家なんだが...」
智貴(俺の家でもあるんだが...)
智貴「おい、友達たちも食っていくのか?」
もこっち「そうだよ、ついでに泊まるぞ」
智貴「...マジかよ」
ネモ「ごめんねー、急すぎるよね?」
智貴「あ、いえ...別に...」
もこっち(...なんだこの反応、ネモ相手だからか?)
もこっち「なにデレデレしてんだよ」
智貴「してねーよ」
もこっち「正直に言ってみろ、美少女3人が家にいて興奮してんだろ?」
智貴「殺すぞ」
ネモ(...なにこの反応、クロのテンションが妙に高いなぁ)
ゆり「...ねぇ、鍋食べようよ」
もこっち「あ、そうだね」
智貴「...とりあえず着替えてくるわ」
~~~~
17: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 21:38:28.45 ID:4nY8lxvX0
~~~~
智貴「...相変わらずセンスねーな」
着替えが終わり台所に立つ弟。
そこに並べられた具材たちを鍋に放り投げる。
すると後ろから誰かが言葉を投げかけてきた。
ネモ「手伝おうか?」
智貴「あ、いえ...別にいいっす」
ネモ「そっか、まぁお鍋に入れるだけだしね」
智貴「...あの」
ネモ「うん?」
智貴「...姉の友達でいいんすよね?」
ネモ「そうだよ」
智貴「...」ジー
智貴(見た目は派手だけど、この人はまともそうだな...)
ネモ「あ、そういえば自己紹介まだだったね」
ネモ「私は根元陽菜だよー、よろしくね!」
智貴「...黒木智貴っす」
智貴「鍋、出来たんで居間に運びましょう」
~~~~
18: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 21:39:18.85 ID:4nY8lxvX0
~~~~
智貴「...持ってきたぞ」
もこっち「ご苦労」
ゆり「...」
ネモ「お、もう食べる準備できてるねー」
居間のちゃぶ台に座り込む4人。
その中央にはガスコンロ、周りには食器が。
鍋のお供に君臨しているのは、黒い炭酸飲料。
もこっち「コーラ」トン
智貴「自分でつげよ」
もこっち「いいじゃんか、つげよ」
智貴「...チッ」スッ
ネモ「...」ジー
ネモ(クロ、弟くんにすごい甘えてる...知らない一面だなぁ)
智貴「...根元さんも」スッ
ネモ「...え、ありがと」
ゆり「...」ジー
智貴「...どぞ」スッ
ゆり「...ありがとう」
────しゅわ...
炭酸の爽やかな音が聞こえる。
鍋の火加減も丁度いい塩梅、もう問題ないだろう。
19: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 21:40:13.56 ID:4nY8lxvX0
もこっち「さてと...」スッ
居間いる以上、そこにはアレがある。
黒木家の食卓では基本的に禁止されているあの娯楽。
もこっちはリモコンでテレビの電源をつけたのであった。
ネモ「まだ夕方だから、ニュースしかやってないね」
もこっち「そうだな、映画のDVDでも流すか?」
ネモ「あ、それいいかも...なにがあるの?」
もこっち「私の部屋にあるから、一緒に探してくれ」スクッ
ネモ「あ、うん」スクッ
ゆり「...」モグモグ
智貴「...」モグモグ
もこっちとネモがDVDを探しに。
すると残るのは、無言で食事を進める2人。
無駄に会話をすることを好まない、だからこその静寂。
智貴「...あの」
ゆり「...え?」
智貴「姉と仲いいんすか?」
ゆり「...うん」
智貴「...」
ゆり「...」
智貴(...この人は、静かだな)
智貴(話すこともないし...こっちの方が気を使わなくて楽だ)
20: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 21:41:46.11 ID:4nY8lxvX0
もこっち「──おーい、持ってきたぞ」
先程自室から持ってきたゲーム機。
そこに円盤をセットするとテレビの様子が変化する。
つまらないニュース番組から、なにか盛大なモノへと。
ゆり「...これ知ってる」
もこっち「そう? 別のにしようか?」
ゆり「いいよ、智子と一緒に見るのは初めてだし...」
ネモ「これって、どんな映画なの?」
もこっち「自分の目で確かめろ」
智貴「...」モグモグ
比較的古い洋画であった。
そこにいたのは黒人の女性、彼女が主人公である。
売れない歌手である人物が冒頭のストーリーを彩っていく。
智貴「...これ、親父がよく見てたヤツだな」
もこっち「あぁ、なぜか私の部屋にDVDあったから懐かしくて持ってきた」
ネモ「そうなんだ」
ゆり「...」ジー
皆、食事よりも映画に夢中であった。
名作という物は色あせない、その様子が伺える。
片手間に鍋をつついていると彼女がある行動に移る。
ゆり「...そうだ、鍋の分のお金払ってなかったね」
ネモ「あ、そうだった...流石にご馳走のままだとアレだから、いくらか払うよ」
もこっち「あー...お母さんのお金で買ったから、受け取っておくか...」
21: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 21:42:46.58 ID:4nY8lxvX0
ネモ「レシートみせてー」
もこっち「ほらよ」スッ
ネモ「...この会計額なら1人頭1500円でいいよね、計算めんどくさいし」
もこっち「そっちがそれでいいなら、任せる」
会計を済ますと映画の展開が進んでいた。
いつのまにか主人公は教会で過ごすことになってる。
もこっちはそんな様子を頬杖をつけながら眺めていく。
ネモ「あ、シスターさん」
もこっち「日本じゃまずみねーよな」
ネモ「そうだねー巫女さんですら見ないしねー」
ゆり「...」モグモグ
智貴「...」モグモグ
~~~~
22: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 21:43:26.56 ID:4nY8lxvX0
~~~~
ネモ「映画、面白かったねー」
もこっち「そうだな」
映画がエンドロールに移行する。
売れない歌手であった主人公は黄金の人生を手に入れた。
音痴だらけの教会、シスターたちの歌唱力を指導をすることで。
ネモ「シスターさんたちが楽しそうに歌ってるのがよかったね」
もこっち「改めて見ると、よく出来た話だったな」
ネモ「うんうん...それにしても歌かぁ」
ネモ「...クロって、カラオケとか行ったりするの?」
もこっち「あー、私は歌うの苦手だから滅多に行かない」
ネモ「へぇーそうなんだ」
ゆり「...ごちそうさまでした」
智貴「...風呂作ってくるわ」スクッ
いつの間にか4人でたいらげた鍋。
そしてこのちゃぶ台から最初に離脱したのは智貴。
彼は自分で使った食器を手に持つと、立ち上がって行ってしまった。
ネモ「結構食べたねー」
ゆり「...片付ける?」
もこっち「そうだな、3人でパパっと片付けようか」
~~~~
23: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 21:44:07.95 ID:4nY8lxvX0
~~~~
智貴「...風呂出来たぞ」
もこっち「先入っていいぞ」
智貴「...俺はシャワーで済ませるから、お前の友達たちを先に入らせろよ」
もこっち「そんなこと言って、残り湯を堪能するつもりだろ?」
智貴「...」
ネモ「クロはバカだなー」
ゆり「また馬鹿なこと言ってる...」
智貴「...先入ってくるわ」スッ
彼女たちの前から立ち去った。
いつもなら必ず否定の意を込めて返事をするはずなのに。
なぜか今日は、罵詈雑言が返ってくることはなかった。
もこっち「あれ、いつもなら死ねとか言ってくるのに」
ゆり「...呆れられたんじゃない?」
ネモ「あんまり弟くんを困らせないほうがいいよ?」
~~~~
24: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 21:45:03.46 ID:4nY8lxvX0
~~~~
智貴「...」
──しゃぁぁぁぁ...
シャワーからお湯が流れる。
それはまるで洗礼のような光景であった。
頭に被る、この流れるお湯が彼の認識を揺らがせる。
智貴(...アイツ、友達できたんだな)
智貴(さっきみたいなことを言ってきても...あの人たちは別に引いたりしていなかったな)
智貴「...」
智貴「...アホくさ、なんてアイツのこと考えてんだ」
智貴「さっさと洗って寝るか...明日は朝練あるし...」
──ガラッ!
その時だった、後ろかな何かが聞こえる。
まるで引き戸を開けられたような音、まさしくそうであった。
だが音はそこまで、風呂場への扉までは開かれていない。
もこっち「おい、お前タオル忘れてるぞ」
智貴「あぁ...? 悪い...」
もこっち「...」
悪い、それは感謝の意。
違和感が彼女を遮った、やはりどこか様子がおかしい。
いつもなら直接的な言葉は愚かそれを暗喩させることすらないのに。
もこっち「...なぁ、どっか調子悪いのか?」
智貴「...」
智貴「なんでもねぇよ、もう出るからさっさとどっかいけよ」
もこっち「お、おぉ...」
~~~~
25: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 21:45:54.41 ID:4nY8lxvX0
~~~~
ネモ「あれ、弟くんは?」
もこっち「もう出た、明日は朝練があるからもう寝るって」
ネモ「そうなんだ...部活動かー」
ゆり「次、誰が入る?」
もこっち「どっちかが先に入ってくれ」
ネモ「じゃあ私が先に入ろうかな」
もこっち「タオルは洗面所の戸棚に置いておいたからなー」
ネモは着替えを持って風呂場に向かう。
居間に残ったのはこの2人、ようやく2人きりになれた。
だが余計な会話など不要、この静かな関係性こそが彼女らなのだから。
もこっち「さてと...ゲームでもするか」
ゆり「...」
もこっち「ゆりちゃんもやる? 2人までなら一緒にできるヤツだよ」
ゆり「いい、私は見てるだけで」
もこっち「おぉ...わかった」スッ
ゲーム機にダウンロードされたゲームが起動する。
するとテレビに映されたのは、古びた演出のタイトル画面。
そして聞こえてくるのは、かなりレトロなジャズテイストのBGM。
26: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 21:46:49.60 ID:4nY8lxvX0
もこっち「おー、ぬるぬる動くなぁ」
ゆり「...なんか、昔の海外アニメみたいだね」
もこっち「そうでしょ? これ全部作者の手書きらしいよ」
ゆり「そうなんだ」
もこっち「このゲームの為に、久々にこっちのゲーム機を起動したわ」
ゆり「...見辛いからそっちいってもいい?」スクッ
もこっち「え? いいけど...」
そう言うと彼女は立ち上がる。
そして座り込んだ先は彼女の真横。
ほのかに感じる体温、そして香るのは自分とは比較にならないなにか。
もこっち「...へへへ、いい匂いだね」
ゆり「...はやく進めなよ」
もこっち「う、うん...つっても日本語対応してないから翻訳しながらやらないとね」
ゆり「...」ジー
もこっち(...見られながらゲームやるのは初めてだ)
もこっち(なんかやりづらいな...まぁいいか)
ゆり「...私、この音楽好きかも」
もこっち「え、そう? 確かサウンドトラックが出てたような」
ゆり「そうなんだ」
濃密な時間が過ぎていく。
自分の動かしているゲーム画面が誰かに見られている。
その初めての感覚に、プレイ操作に支障を産ませていた。
27: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 21:47:54.76 ID:4nY8lxvX0
ゆり「...あ、やられちゃった」
もこっち「...いや違くて、そもそもこのゲーム難易度が高すぎるんだよ」
ゆり「でも、一番最初のステージだよ?」
もこっち「くそぅ...」
ネモ「────お風呂上がったよー」
すると聞こえるネモの声。
いつぞやの修学旅行で見た、もこもこ系統の寝巻き。
そして彼女の髪はやや濡れており、いつもと違う雰囲気を醸す。
もこっち「...」ジー
ネモ「...なに?」
もこっち(...女子高生の風呂上がり姿ってこんなにえっちなのか)
ゆり(...また馬鹿なこと考えてそう)
ネモ「あ、ゲームやってるの?」
もこっち「へへへ...一緒にやるか?」
ネモ「一緒にやりたいけど...なんでそんな不審者みたいな息遣いしてるの?」
ネモ「あ、田村さんお風呂空いたからね」
ゆり「...もう少ししたら入る」
ネモ「そっか...よいしょっと」スッ
鼻に香る柔らかな匂い。
彼女も同じく、もこっちの隣に居座り始めたのであった。
同じシャンプーを使ったというのに、どうしてここまで差があるのか。
もこっち(...美少女サンドウィッチだな)
もこっち「ほら、コントローラー」スッ
ネモ「ありがとうー...で、これはどんなゲームなの?」
もこっち「これはだなぁ...作者が制作費の為に家を売った────」
~~~~
28: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 21:48:48.04 ID:4nY8lxvX0
~~~~
ネモ「──うわぁっ!? だからこのゲーム難しすぎないっ!?」
もこっち「へたくそっ! そんなところで死んでどーすんだよ!」
ゆり「...」ジー
ネモ「だって! 突然あんな動きしてくるからさぁ!」
このゲームは2Dのアクションシューティング。
そして今対峙しているのは花の姿をしたボスである。
まだ序盤だというのに、このゲーム難易度に彼女らは白熱してしまう。
もこっち「あ、私も死んだ...」
ネモ「...難しすぎない? しかも日本語対応してないし」
もこっち「まぁな...でも、何度もリトライできるし妙にやり込んじまうな」
ネモ「あーわかるかも...ボス戦自体も難しいけどそんなに時間かからないっぽいしね」
もこっち「...よし、もっかいやんぞ」
ネモ「うん!」
ゆり「...」ジー
日常でいて非日常的、その奇妙な感覚が時間を加速させていく。
先程まで夕方だったというのに時刻はもう丑の刻、深夜1時に差し掛かる。
彼女らはまだ18歳前後、その若さ故の集中力がゲームへの情熱を冷まさない。
もこっち「...お、いけるか!?」
ネモ「2人ともライフがまだあるし、必殺技も使えるよ!」
もこっち「つかえつかえつかえ!」
ゆり「...」ジー
~~~~
29: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 21:49:36.71 ID:4nY8lxvX0
~~~~
ネモ「あ、このボスかわいいね」
もこっち「...腰つきが卑猥だな」
ネモ「...なにその男子中学生みたいな発想」
もこっち「うっせーよ、私は少しでも卑猥さを感じたらそれでいいんだよ」
ネモ「ふーん、だから私のスカート覗いてたりするの?」
もこっち「あぁ? それはお前が────」
──ふわっ...!
すると突然、鼻をくすぐられたかのような。
そして感じる重さ、その感覚の発生源は右肩。
電車で隣の座席に座っていた誰かがもたれ掛かったかのような。
ゆり「──すぅ...すぅ」
もこっち「うお...ゆりちゃん寝ちゃったか...」
ネモ「あらら...ってもう4時なんだ..そりゃ寝落ちしちゃうよね」
もこっち「...起こさないようにこのまま横にすんの手伝って」
ネモ「うん...よいしょっと」
もこっちの肩にもたれかかったゆりちゃん。
その乙女のような仕草を邪魔しないように、2人が協力する。
ゆっくりと、起こさないように彼女の身体を横にさせてあげる。
30: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 21:50:21.22 ID:4nY8lxvX0
ゆり「すぅ...すぅ...」
もこっち「...あ、私とゆりちゃん風呂に入ってない」
ネモ「あーそういえばそうだったねー、一応お風呂の蓋はしておいたけど...」
もこっち「...あとで風呂を作り直すか、それよりどうする?」
ネモ「うーん、ゲームしてるとはしゃいで起こしちゃいそうだねー」
もこっち「つっても、全然眠くないしなぁ...ネモはまだ起きてるのか?」
ネモ「私も、眠くないや...というか寝るタイミングがずれると寝れないんだよねー」
もこっち「...私の部屋から漫画でも持ってくるか?」
ネモ「あ、そうしよう」スクッ
音を立てないように2人は立ち上がる。
廊下の電気もつけずに、携帯の明かりを頼りに歩む。
ギシギシと音がなる今宵の階段、1人で進むなら怖いモノがある。
ネモ「...えへへ」
もこっち「あん?」
ネモ「いやね、友達の家に泊まることはたまにあるけど...」
ネモ「ゲームとかマンガで盛り上がって、一晩中起きてたことっていままでないから...」
ネモ「...とっても楽しいよ」
もこっち「...」
寝ていない深夜のテンションだからだろうか。
そのネモの言葉は、あまりにも真っ直ぐなモノであった。
そんなストレートを受け取った彼女も、純粋な言葉を投げ返す。
31: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 21:51:07.79 ID:4nY8lxvX0
もこっち「...私も、友達を泊まらせたことないから」
もこっち「まぁ...楽しいな」
ネモ「クロに会えなかったら、ずっとオタク趣味を隠してたかもなぁ~」
もこっち「いや、案外オタサーの姫にでもなってたかもな」
ネモ「えーそうかなー?」
──ガチャッ...
隣の部屋では弟が寝ている。
それを考慮してか、部屋に入る音はかなり静かであった。
ネモ「...日常系の漫画ってある?」
もこっち「私の趣味じゃないからな...ないかも」
ネモ「じゃあなんかオススメしてよ」
もこっち「...じゃあこれとかは?」スッ
ネモ「...うわ懐かしいねこれ、1年くらい前にアニメになってた奴だよね?」
もこっち「...そうだな」
ネモ「あんまり面白くなかったよねー」
もこっち「わかるわ、面白くないんだけど全巻揃えたんだよね」
ネモ「...でもクロがオススメしてくれたから読んでみるかな、あんまり内容覚えてないし」
もこっち「...」
やけに思い出深いその作品。
たいして面白くはない、しかしなぜか全巻揃えてしまっていた。
その出会いは誰にも打ちけることがない、それを彼女にオススメしていた。
32: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 21:52:19.29 ID:4nY8lxvX0
ネモ「────あっ」
────カシャンッ!
まだ日は登っていない。
そんな夜更けの時間に1つの鋭い音。
漫画を取ろうとして、なにかを引っ掛けて落としてしまった。
ネモ「ご、ごめん!」
もこっち「気にすんな、なにが落ちた?」
ネモ「えぇっと...CDケースみたいだね」スッ
ネモ「...え?」ピクッ
もこっち「────あっ」
ヤンデレ男子言葉攻めCD。
そこにあったパッケージにはそう書いてあった。
この部屋には、友達に見せられないモノが多々ある。
ネモ「...ふーん、クロってこういうの好きなんだ」
もこっち「あ、あの...」
ネモ「...」ズイッ
33: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 21:52:53.78 ID:4nY8lxvX0
もこっち「...ね、ねも?」
たまらない、まるで怯えた猫のようなその眼差し。
久しぶりに取れてしまったマウントは深夜の勢いも加担する。
耳元に吹き付けられたのは、淡い吐息。
ネモ「────ふーっ...」
もこっち「──うひゃいっ...!?」ピクッ
ネモ「...あはは、クロにしては可愛い反応するじゃん」
もこっち「...くぅ」
ネモ「あは...は...って、クロ?」
もこっち「うぅ...お前なぁ...」
ネモ「だ、大丈夫...?」
もこっち「マジで...耳弱いから...やめてくれぇ...」
ネモ「...」
ネモに働いたのはどの感情なのか。
スカートめくりをした時以来のこの表情。
ちょっとしたイタズラのつもりが、蠱惑を見る羽目になるとは。
ネモ「...クロって、不思議だよね」
もこっち「あん...?」
ネモ「んーん、なんでもない...戻ろっ?」
もこっち「あ、あぁ...」
~~~~
34: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 21:53:32.28 ID:4nY8lxvX0
~~~~
もこっち「...」
ネモ「...」
────ぺらっ...
紙を捲る心地のいい音。
早朝の黒木家の居間にそれが響く。
朝特有の、やけに低い気温がたまらない。
ネモ「...あれ、次の巻どこ?」
もこっち「私が今読んでる...あと数分まって」
ネモ「しょうがないなー」
ゆり「すぅ...すぅ...」
もこっち「...」
────ぺらっ...
不思議な感覚、ここは他所様の家なのに。
まるで自分の家のように寛いでしまっている。
一体なぜなのか、それは彼女がすぐ側に居てくれるから。
ネモ「...やっぱり、クロって不思議だよね」
もこっち「...あ?」
ネモ「だって、2年間ぼっちだと思ってたら...いつのまにか沢山の人に囲まれてるじゃん」
もこっち「...まぁそうだな」
ネモ「田村さんはともかく、吉田さんや加藤さんや...あーちゃんと仲良くなるとは思わなかったよ」
もこっち「なんじゃそりゃ...」
ネモ「人生なにがあるかわからないなー、さっき見た映画みたいにね」
売れない歌手が教会と出会うことで。
黄金の結末を得ることができた、それが先程の映画。
奇縁とも言える出会いが人生を変える、それは彼女にも当てはまる。
35: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 21:54:09.35 ID:4nY8lxvX0
ネモ「なんかねー最近不安なんだー...本当に声優になれるのかって」
もこっち「...」
ネモ「でも、クロを見てたらなんだか...不安が吹き飛ぶよ」
もこっち「...なんで?」
ネモ「...わかんない、なんでだろ」
────ぺらっ...
理屈など必要なのだろうか。
果たして答えなんて見つけたところで。
友情というモノは、そのような定規で当てはめるべきではない。
ゆり「...うぅ」
もこっち「あ、おはよう」
ゆり「...」ゴシゴシ
もこっち「...ゆりちゃん?」
ゆり「...おはよう、智子...根元さん」
ネモ「おはよう、もう6時だね」
もこっち「お風呂入り忘れたでしょ?」
ゆり「あっ...そうだね」
もこっち「作り直すから、朝風呂にする?」
ゆり「...うん、お願い」
~~~~
36: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 21:54:47.53 ID:4nY8lxvX0
~~~~
もこっち「...さて、風呂ができるまでヤるか」
ネモ「おー、やろうか!」
ゆり「...もしかして、2人ともずっと起きてたの?」
ネモ「もちろん!」
もこっち「オタクの集中力を舐めないほうがいいよ」
ゆり「...う、うん」
ゲームを起動するとあの音楽が。
ゆりちゃんも好んでしまうこのジャズが目覚めを刺激する。
だが音を奏でるのは楽器だけではない、彼女らのお腹も。
もこっち「...腹減った」
ゆり「...わかる」
ネモ「鍋食べたの夕方だもんねー」
もこっち「...ちょっとコンビニいくか」
ネモ「賛成!」
ゆり「...その格好でいくの?」
ネモ「朝っぱらだし、大丈夫でしょ」
~~~~
37: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 21:55:22.05 ID:4nY8lxvX0
~~~~
もこっち「おぉ...テンションあがるな...」
ネモ「...確かに、早朝ってあんまり出歩かないから新鮮味あるよね」
ゆり「...」
もこっち「まぁ、コンビニはすぐそこなんだけどな」
ゆり「...そういえば、智子のお母さんたちはいつ帰ってくるの?」
もこっち「昼ぐらいじゃない? ってヤベ...お母さんにゆりちゃんたちを泊めること言ってなかった」
ネモ「え...それ大丈夫なの?」
もこっち「...まぁ大丈夫だと思う」
ゆり「...昼前に、居間を片付けて家を出ればいいんじゃない?」
もこっち「...それもありだね」
ネモ「そうしよっか...田村さんたちがお風呂入って、あのゲームクリアして片付け始めればOKかな」
もこっち「そうしよう...って、コンビニついたぞ」
────ウィーン...
そして聞こえるのは、いらっしゃいませ。
早朝だというのにも関わらず営業をしている。
コンビニバイトは決してマネできないと刹那的に思うもこっちがそこいた。
もこっち(...大学入ったら、なんのバイトしようかな)
ネモ「田村さんは何買うの?」
ゆり「...ヨーグルト、朝はあんまり食べないから」
ネモ「あーいいね、私も真似しようかな...ヨーグルトとサラダにしよっと」
もこっち「結構食べるのな」
ネモ「うん、私は朝結構食べる派だから」
もこっち「...私はオニギリでいいや、それと────」
~~~~
38: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 21:56:14.90 ID:4nY8lxvX0
~~~~
智貴「...」
──ピピピピッ!
煩わしいその音。
起きる時間を知らせる携帯のアラーム。
例え部活の為だとしても、休日の身体は中々起き上がろうとしない。
智貴「...だる」
────ガチャッ!
すると聞こえたのは玄関からの音。
思わず連想するのは、両親の帰宅。
だがそれにしては早すぎる、その好奇心が彼の身体を支える。
智貴「...誰だ?」ムクッ
自室の扉をあけ、階段を下る。
そうすることで答えを見つけることができた。
玄関の扉を開けた者たち、昨日とは真逆の立ち位置に。
ゆり「...おはよう」
ネモ「あ、おはよー...あとただいま?」
智貴「...おはようっす」
もこっち「悪い、起こした?」
智貴「...自分で起きたわ」
39: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 21:57:18.85 ID:4nY8lxvX0
もこっち「...ほれ、コンビニで朝飯買ってきたぞ」スッ
智貴「...あ?」
その小さなビニール袋。
そこに入れられた数個のオニギリとお茶。
手作りでもないというのに、どこか暖かみが。
智貴「...って、全部塩むすびじゃねーかよ」
もこっち「うっせーな、それしか陳列してなかったんだよ!」
ネモ「あはは、朝のコンビニって商品棚ガラガラなんだねー」
ゆり「...ふっ」
────ピーッ!
その電子音、それはある合図。
先程もこっちがゆりちゃんの為にセットしたモノ。
聞こえるのは電子音の案内、お風呂が沸きましたというアナウンス。
もこっち「お、風呂できたな」
ゆり「...どっちが先に入る?」
もこっち「...一緒に入ろうか、なんて...へへへ」
40: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 21:58:00.74 ID:4nY8lxvX0
ゆり「...いいよ?」
もこっち「...へ?」
ネモ「...え?」
冗談が通じないのが彼女の特徴。
だがそれだけではない、友情関係が進んだからこそ。
もこっち「...じゃ、じゃあ入ろうか」
ゆり「...うん」
ネモ「ちょ、ちょっと!?」
智貴「...」
ネモ「ずるいっ! 私も一緒に入る!」
智貴(...女って、そんなモンなのか?)
智貴(男じゃ考えられねーな...女ってやっぱわからねーわ)
もこっち「...おい、美少女3人が風呂に入るからって覗くなよ」
智貴「...死ね」
~~~~
41: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 21:59:00.50 ID:4nY8lxvX0
~~~~
もこっち「...」
────しゅる...ぱさっ...
肌から衣類が離れる音。
同じ女だからこそ見ることが許されるその光景。
ゆり「...なに?」
もこっち「...へへへ、可愛い下着してるなって」
ゆり「...馬鹿」
ネモ「...そんなジロジロみないでよ」
もこっち「...ネモが声優になったら、これを見たがる声豚共が沢山居るんだろうな」
ネモ「...えい」スッ
もこっち「あたっ...叩くなよ!」
ゆり「...」ジー
もこっち「...ゆりちゃん?」
ゆり「...智子、細い」
ネモ「ねー細いよねー、いいなー」
42: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 21:59:28.83 ID:4nY8lxvX0
もこっち「...悪かったな貧相で」
ネモ「そんなことないよね、細くて小さくて可愛いよ」
もこっち「え? かわいい?」
ゆり「...そうだね」
もこっち「...」
もこっち(全然実感ないけど、そう言われるとなんか照れるな...)
──しゅる...
そして最後の砦が放たれる。
風呂に入る以上はその姿にならなければならない。
もこっち「...」サワッ
ネモ「──うわああっ!? な、なにっ!?」
もこっち「さっきの仕返しだよ、もうちょいえっちな反応しろよな」
ネモ「...クロっ!」スッ
もこっち「うわビンタしようとすんなっ! ゆりちゃん助けて!」
ゆり「...智子ってやっぱり馬鹿」
~~~~
43: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 22:00:24.82 ID:4nY8lxvX0
~~~~
ネモ「...流石に3人一緒に浴槽は入れないね」
もこっち「2人が限界だな...私先にシャワーしてるから入っていいよ」
ゆり「...うん」
────ちゃぷっ...
肌にお湯が触れる音が響く。
体操座りを駆使することで2人は湯船に浸かれる。
修学旅行の時はお互いに意識を向けていない関係だというのに。
ネモ「そういえば初めてだなー、友達とお風呂に入るのって」
もこっち「修学旅行の時入っただろ」
ネモ「いやーそれはノーカウントだよー」
もこっち「...まぁでも、私も初めてだな」
ネモ「なんか、女の子同士でもちょっと恥ずかしいね」
ゆり「...じゃあなんで入ったの?」
ネモ「うーん、アニメでこういう場面見ない?」
ゆり「...アニメ見ないからわからない」
44: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 22:00:59.30 ID:4nY8lxvX0
もこっち「ゆりちゃん、ネモはオタクだから許してやってあげて」
もこっち「ネモはすぐにアニメのマネごとしたがるんだよ」
ネモ「むっ...」スッ
────さわっ...
あの長い髪を洗っている、当然無防備。
すると感じた異質感、それは彼女が苦手とするあの部分に。
もこっち「──おあああああああっ!?」
ゆり「うわ、なに?」
ネモ「田村さん、クロは耳が弱いらしんだよ」
もこっち「おま...耳はやめろって!」
ゆり「...そうなんだ」
ネモ「クロにセクハラされたら、仕返ししてやるといいよ」
ゆり「...考えておく」
~~~~
45: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 22:01:39.47 ID:4nY8lxvX0
~~~~
智貴「...」
お腹には少しばかりの圧迫感。
そして格好は学校指定のジャージへと。
このまま玄関で靴を履き、通学路へと向かおうとした。
智貴「...」
耳をすませばなにかが聞こえる。
家では聞くことができない、彼女の楽しげな声。
友人たちの声に阻まれる姉の声が、未曾有で仕方ない。
智貴(...朝から元気だな、姉の友達たち)
智貴(アイツも、楽しそうじゃねーか)
智貴「...」
もや、彼の心に1つの靄が。
表現できないそれはどうすることもできない。
だがそれを晴らすことができる、それは彼女に関わること。
智貴「...」
智貴「...おい、俺は行ってくるからな」
それは洗面所の扉を開けずに。
少しだけ声を張ることで中にいる彼女らに伝える。
それが彼にできる、素直じゃない弟にできる精一杯であった。
~~~~
46: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 22:02:42.80 ID:4nY8lxvX0
~~~~
もこっち「お、おう...いってらっしゃい」
ネモ「いってらっしゃーい、部活頑張ってねー!」
ゆり「...」
ネモ「...あれ、田村さん照れてるの?」
ゆり「...年下の男子相手にどう話していいかわからないから」
ネモ「クロの弟なんだから、そんな気にしなくてもいつもどおりでいいんじゃない?」
ゆり「...そうかな」
ネモ「そうだよね、って...クロ?」
もこっち「...」
風呂場の中から返事をした。
勢いにまかせて思わず返事をしてみたが。
今まで彼からあのような言葉を投げかけられたことは。
もこっち「...」
ゆり「...どうしたの?」
もこっち「...いや、なんでもないよ」
ネモ「そういえば、クロは弟くんのことをどう呼んでるの?」
もこっち「あん? えーと...」
暴言にも近い呼び名は多々ある。
だけどいつからだろうか、あの呼び名を忘れたのは。
昔、お姉ちゃんと呼ばれていたあの時は彼のことを。
もこっち「...智くんだよ」
~~~~
47: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 22:03:16.23 ID:4nY8lxvX0
~~~~
ネモ「いやー、長風呂しちゃったね」
ゆり「そうだね...」
もこっち「牛乳でも飲むか?」
ネモ「いいの? 頂きます!」
ゆり「...ありがとう」
もこっち「...これ飲んだら、先にゲーム機以外片付けようか」
ネモ「そうだね、って...さっきまで読んでた漫画まだ読み終わってないや」
もこっち「それなら貸してやるよ」
ネモ「本当? あれってあんまり面白くないけど、妙な中毒性あるから助かるよ」
もこっち「だろ?」
ゆり「...智子、さっきまでやってたゲームなんだけど」
もこっち「うん?」
ゆり「ゲームの音楽...やけに耳に残ってるからサウンドトラックを買いたいんだけど...」
もこっち「あー、それなら確か...」
~~~~
48: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 22:03:54.08 ID:4nY8lxvX0
~~~~
ネモ「...よし、片付け終わったかな?」
もこっち「そうだな、それじゃヤるか...」スッ
ゲームを起動すると先程までのデータが。
タイトル画面にはそのデータの進行度が記されている。
それは残り数パーセント、あと少しでゴールにたどり着くことができる。
ネモ「あとどのぐらいかな」
もこっち「あとボス3回倒したら、ラスボスじゃない?」
ネモ「長かったねー」
もこっち「この手のゲームは誰かと一緒にやるに限る...じゃないと心が折れやすいわ」
ゆり「...」
もこっち「ゆりちゃん、サントラ買えた?」
ゆり「うん、買えたよ...ありがとう」
ネモ「そういえば田村さんって、いつもどんな音楽聞いてるの?」
ゆり「え? えっと...色々かな...気に入った曲ならジャンル問わずに買ってるから...」
ネモ「そうなんだ、それじゃ今度私のオススメを教えてあげるねー」
────パキンッ!
それはテレビから聞こえた。
まるで陶器が割れたかのような音。
ネモ「...あ」
もこっち「...おいっ! なに死んでるんだよっ!」
ネモ「ごめんごめん! クロ、あとは頑張って!」
ゆり「...ふっ」
~~~~
49: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 22:04:51.91 ID:4nY8lxvX0
~~~~
ネモ「あとちょいあとちょい...あとちょい!」
もこっち「馬鹿、こっからが鬼門だっての!」
ネモ「あーこんなことなら必殺技温存しておけばよかった!」
ゆり「...」ジー
いよいよ終盤、ゲームの最後がそこに。
最後のボスは悪魔、それを退治するべく2人が奮闘する。
ネモ「うわっ!? あぶないっ!?」
もこっち「やべっ! まだ形態残ってるのにHPが1になっちまったじゃねーか!」
ネモ「知らないよっ! 私だって残り1だよっ!」
もこっち「...お、泣いた! 泣いた形態がラストだぞ!」
ネモ「行けそう!? 勝てそう!? もうリトライは嫌だよ!?」
ゆり「...」ジー
まるで自らが悪魔を倒そうとしているような。
オタク特有の卓越した集中力が、臨場感を醸し出す。
あと少し、もうこのラスボスだけで何十回も再挑戦し続けてきた。
ネモ「──うわああああ、ごめん死んじゃった!」
もこっち「ヤバイヤバイ、私ももう限界かも...っ!」
ゆり「...あ! 必殺技使えるんじゃない?」
もこっち「──マジで!?」
正直見ている余裕などない。
第三者の目を持って、ようやく必殺技のゲージを認識できた。
彼女のアドバイスを耳に入れると、すぐさまにコントローラーを激しく動かした。
50: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 22:05:33.35 ID:4nY8lxvX0
────A KNOCKOUT!
51: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 22:06:08.76 ID:4nY8lxvX0
もこっち「...お」
ノックアウト、それがこのゲームの撃破音。
手に汗握るのは2人だけではない、見ている彼女も同じだ。
ネモ「──やった! やったやったやった!」
ゆり「...やったね」
もこっち「...あああぁぁぁっ...終わった...」
もこっち「ありがとうゆりちゃん、教えてくれなかったらまた負けてたかも」
ゆり「どういたしまして...」
ネモ「あー...終わったぁ...一気に肩の荷が降りたよー...」
────ごろんっ
そのような可愛らしい音を立てた。
彼女はまるで自分の家のようにくつろぎ始めた。
だがそれは必然、彼女は一睡もせずにいたのだから。
ネモ「すぅ...すぅ...」
もこっち「...え、ネモのヤツ寝た?」
ゆり「...寝ちゃってるね」
もこっち「速えーな...って...は、れ...?」カクンッ
集中力が途切れたのは彼女も同じ。
目元の隈は伊達ではない、悪魔には勝てた。
しかし、果たして睡魔という存在に抗えるだろうか。
もこっち「──すぅ...すぅ...」
ゆり「...智子も寝ちゃった」
ゆり「...ふわぁ...私も、眠く────」
なにか忘れているような。
だがどうでもいい、彼女はただ友達の側にいるだけで。
ゲームを見ていただけで、その補助ができればそれだけで。
~~~~
52: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 22:07:19.58 ID:4nY8lxvX0
~~~~
???「...ふぅ、ただいま」
玄関には2人組の男女が。
時刻は昼過ぎ、彼らはようやく帰ってこれた。
しかし早々に感じる違和感、見間違えでなければ。
母「あら、靴がいっぱい」
父「...智貴の友達か?」
母「いや、あの子は今日朝練があるって...それに女物の靴だし」
予定通り両親は帰宅していた。
この靴の持ち主を探るため、母は居間へと向かう。
その光景とは、今まで碌に交友関係を知らせてこなかったこの子が。
父「...智子の友達か」
母「泊まったのかしら、連絡は来てないわね」
父「...随分と幸せそうに眠ってるな」
母「もう...お父さん、年頃の女子たちの寝顔なんて見ちゃだめよ」
父「それもそうか...先に荷物整理しているよ」
母「...ふふ、あとで智子に送ってあげよっと」スッ
────カシャッ...
3人の被写体がカメラに映される。
その姿はなんとも言えない微笑ましさが。
傍から見れば気の合いそうにないこの3人が肩を寄せ合って。
53: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 22:07:46.54 ID:4nY8lxvX0
「くかぁー...」
「すぅ...すぅ...」
「ぅ...むにゃ...」
54: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 22:08:13.45 ID:4nY8lxvX0
~~おわり~~
55: ◆O.FqorSBYM 2019/02/05(火) 22:08:41.91 ID:4nY8lxvX0
よければTwitterフォローお願いします。 @fqorsbym
うちもこ派です。
下記は過去作です。
隊長「魔王討伐?」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1542544023/
女看守「閉じ込められた」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1546699817/
56: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/02/05(火) 22:20:18.21 ID:A+bwayTCo
乙
その割にはうっちーの気配の欠片も無かったな
その割にはうっちーの気配の欠片も無かったな
57: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/02/05(火) 22:57:35.23 ID:tpLuPeNt0
乙
うっちー多分最初のスーパーにいたはず
うっちー多分最初のスーパーにいたはず
58: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/02/06(水) 02:53:32.79 ID:IeUt44p3o
超乙
キャラ名称は智子でいんじゃねーのとかくだらないこと思った
すげー良かったけどフォローされたいなら渋の方がいいんでは?いや嫌味じゃなくて
キャラ名称は智子でいんじゃねーのとかくだらないこと思った
すげー良かったけどフォローされたいなら渋の方がいいんでは?いや嫌味じゃなくて
59: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/02/06(水) 03:06:49.69 ID:YrUOnIJSo
加藤さんがいないのは残念
60: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/02/06(水) 07:49:53.56 ID:tlkXkLNEO
乙
もこっちが遊んでいたのはXboxのCupheadかな?
もこっちが遊んでいたのはXboxのCupheadかな?
61: ◆O.FqorSBYM 2019/02/06(水) 20:32:27.43 ID:AqhfmRN90
>>56
うっちーは好きですけど原作遵守とキャラ崩壊のバランスが難しいので、私には動かせませんでした。
>>57
たぶん早朝のコンビニにも居たかもしれません。
>>58
もうしばらく気軽にやれるここでやろうと思います、皆様お付き合いください。
>>59
加藤さんがいらっしゃると、いい子なゆりちゃんを描写できない気がするので今回は見送りました。
>>60
その通りです。
うっちーは好きですけど原作遵守とキャラ崩壊のバランスが難しいので、私には動かせませんでした。
>>57
たぶん早朝のコンビニにも居たかもしれません。
>>58
もうしばらく気軽にやれるここでやろうと思います、皆様お付き合いください。
>>59
加藤さんがいらっしゃると、いい子なゆりちゃんを描写できない気がするので今回は見送りました。
>>60
その通りです。
64: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/02/07(木) 10:16:36.56 ID:S8Bnvn/Mo
乙、看守の人か
あれも悪くなかったけど今回のほうが好きだな
あれも悪くなかったけど今回のほうが好きだな
引用元: もこっち「モテないし家に泊める」
もこっち「モテないし魚を見る」
2019-04-16
1: ◆O.FqorSBYM 2019/02/11(月) 20:35:25.11 ID:heMF92ie0
関連
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2: ◆O.FqorSBYM 2019/02/11(月) 20:37:36.43 ID:heMF92ie0
~~~~
???「...」ボケー
視線の先にはテレビが。
ソファを占領しながらも彼女はソレを見つめていた。
髪の長い少女、そんな彼女の隣には目元がそっくりな男性が1人。
もこっち「...お父さん、何見てるの?」
父「...釣り番組のはずだったが」
父「今日は特番でやってないみたいだ」
もこっち「...熱帯魚特集か」
休日の朝、いつもは釣り番組が放送されている。
しかし今日はその限りではなかった、特別に組まれたその番組。
彩りを極めた魚たちが特集されている、特に興味のない2人ですら釘付けに。
父「...」ジー
もこっち「...」ジー
静寂が訪れる、だがそれは苦痛を伴わない。
これが友人関係ならば気まずさを感じるかもしれない。
お互いを認識しあっているからこその静寂、これが親子関係。
3: ◆O.FqorSBYM 2019/02/11(月) 20:39:35.76 ID:heMF92ie0
父「...熱帯魚か」
もこっち「綺麗だね」
父「昔、飼おうとしたことがあったけど...お母さんに反対されたな」
もこっち「...維持費とかかかるからね」
父「そうだなぁ...金魚とは訳が違うからな」
もこっち「...」
父「そういえば、何駅か行った場所に熱帯魚専門店があったような」
もこっち「ふーん...」
彼女は魚なんかに興味などない。
だがテレビというモノは恐ろしかった。
人の心理を完璧に把握している、彼女の好奇心はもう既に。
もこっち「...見るだけならタダだし、ちょっと行ってこようかな」
父「...そうか、気をつけてな」
もこっち「それで、その店はどこにあるの?」
父「あぁ、それはな────」
~~~~
4: ◆O.FqorSBYM 2019/02/11(月) 20:41:52.62 ID:heMF92ie0
~~~~
もこっち「...」
──ガタンゴトンッ...!
電車特有の揺れる音。
ロングTシャツにジーンズ姿。
誰とも会うことを想定していないラフな格好。
もこっち(...お父さんの話なら次の駅で降りる感じだな)
もこっち(それにしても、1人になるのは久しぶりだ...)
もこっち(最近はゆりやネモたちと一緒に行動することが多かったからな...)
もこっち(1人って意外と退屈なんだな)
もこっち(...私はコレを、2年も貫いてきたのか)
もこっち(今思えば、昔は塞ぎ込んでたな...)
────シューッ...
その音は電車の床から聞こえた。
気づけば車内アナウンスは到着駅を告げている。
あまり降りたことのない駅、見慣れない土地がそこに。
もこっち(...ついた)
もこっち(お父さんが言うには、こっちの方向らしいけど...)
もこっち(...よくわかんねぇな、携帯で調べるか)スッ
5: ◆O.FqorSBYM 2019/02/11(月) 20:42:55.10 ID:heMF92ie0
もこっち「...」ジー
???「...あれ?」
駅のロータリーで携帯を凝視している。
すると、後ろの方からとある声が聞こえた。
その優しさと包容力が備わる声色の持ち主など、1人しかいない。
加藤さん「────黒木さん?」
もこっち「...へっ!? か、加藤さんっ!?」
加藤さん「おはよう、どうしてここに?」
もこっち「えっと...ちょっと用事で...か、加藤さんは?」
加藤さん「ここ、私の最寄り駅なんだー」
加藤さん「今日は予定がなくて、映画でも見に行こうかと思って」
もこっち「そ、そうなんだ...」
もこっち(加藤さんとバッタリかよ...こんなことならもうちょい気合入れた服で来ればよかった...)
加藤さん「それで、用事って?」
もこっち「え、えっとね────」
彼女は携帯を凝視していた理由を伝えた。
吃るもこっちの言葉を全て受け止めてくれるのが加藤さん。
だが今日は違う、ある1つの疑問がソレを阻害させてしまった。
6: ◆O.FqorSBYM 2019/02/11(月) 20:44:30.12 ID:heMF92ie0
加藤さん「...この近くに熱帯魚専門店なんてあるの?」
もこっち「もしかして、知らなかった?」
加藤さん「えぇ、長らく住んでるけど...全く知らなかったかな...」
もこっち「そうなんだ...でもまぁ携帯の地図アプリで調べればなんとかなると思う」スッ
もこっち「...」ジー
加藤さん「...」ジー
再び携帯を凝視する。
そして、隣には淡いパステルピンクの髪色の彼女が。
まるで彼氏の携帯を横から除くような仕草、なびく髪から良い香りが。
もこっち(うわっ、めっちゃいい香り...ってそれどころじゃねえ!)
もこっち「...載ってない」
加藤さん「載ってないね」
もこっち「ど、どうしよう...まさか地図にも記載されてないなんて...」
加藤さん「...」
加藤さん「...ねぇ、一緒に探そう?」
もこっち「え...で、でも...加藤さんは映画を見に...」
加藤さん「ううん、どうせ予定なしで出かけただけだし」
7: ◆O.FqorSBYM 2019/02/11(月) 20:46:18.06 ID:heMF92ie0
加藤さん「それに熱帯魚専門店...私も気になってきちゃったかな」
もこっち「...」
彼女は今までぼっちで過ごしてきた。
だからこそ、人1倍に他人の気遣いというモノに敏感。
この加藤さんという女性は、自分では答えを導き出せなかったことを。
もこっち(...たぶん場所を聞かれても答えられなかったから、気を使ってくれたんだな)
もこっち(なんか悪いことしたな...だけど、やっぱりこの人は"お母さん"だ)
もこっち(...なら、私に言えることは気を遣わせない言葉だな)
もこっち「か、加藤さんが良いなら...一緒に行こ?」
加藤さん「...えぇ!」
一緒に行こうという言葉。
それがどれだけ軽いモノなのか。
軽いからこそ、彼女に対して重みを残さずにいられる。
もこっち「大体の方角はお父さんから聞いてるんだよね」
もこっち「住宅街近くの貸しビルの1、2階に店舗を構えてるらしいんだ」
加藤さん「そうなんだ」
8: ◆O.FqorSBYM 2019/02/11(月) 20:48:08.94 ID:heMF92ie0
もこっち「じゃあ...行こっか」
加藤さん「えぇ」
昼前の町中を歩いていく。
知らない町並み、そして隣には美少女が。
様々な刺激が彼女の思考を鈍らせる、顕著なのは口元。
もこっち「...」スタスタ
加藤さん「...」スタスタ
もこっち(...やべ、誘ったはいいけどなにも話すことが浮かばない)
もこっち(ゆりとかお父さん相手とかなら...このまま無言で歩いていけるけど)
もこっち(かといってネモみたいにアニメの話題も無理だな...どうするか...)
加藤さん「黒木さん?」
もこっち「は、はい?」
加藤さん「そういえば、なんで熱帯魚を見に行くの?」
もこっち「えっと...それは朝っぱらに熱帯魚の番組を見て...」
加藤さん「そうなんだ、私も見ておけばよかったな」
もこっち「...あんまり魚に興味はないけど、ちょっと気になってね」
加藤さん「ふーん、飼ったりするの?」
もこっち「いや、飼わないかな...見に行くだけ」
もこっち「そもそもお父さんも昔飼おうとしたけど、お母さんに反対されたって言ってたしね」
加藤さん「そうなんだね」
9: ◆O.FqorSBYM 2019/02/11(月) 20:49:13.66 ID:heMF92ie0
もこっち「...」
加藤さん「...」
やはり会話は続かない、沈黙が苦痛を味合わせる。
彼女とは仲良くなったはずだけれどまだ足りない、築けていない。
あの物静かな子のように、あのアニメが好きな子のような交友関係を。
加藤さん「...」スタスタ
もこっち「...」スタスタ
もこっち(...仲良くなったつもりなんだけどな)
もこっち(...向こうから話しかけて貰わないと、会話ができない)
もこっち(ぼっちはぼっちで辛いが...コレもコレで辛いな...)
もこっち(...青学の時も、絵文字の奴がいなかったらこうなってたのか)
もこっち(せめて、なにか共有の話題があればな...)
もこっち「...」
加藤さん「...黒木さん?」
もこっち「へ...?」
加藤さん「もしかして、あれじゃない?」スッ
難しい顔で考え事をしていると。
加藤さんが指を向けた先には寂れた建物が。
心狭しと店先に並べられた水槽、そこには彩りの魚たちが。
10: ◆O.FqorSBYM 2019/02/11(月) 20:50:06.00 ID:heMF92ie0
もこっち「あ、本当だ...あれっぽい」
加藤さん「見つかってよかったね」
もこっち「うん...それじゃ、入ろうか」
加藤さん「えぇ」
鼻先に香るのは微かな生臭さ。
そして店内には頼りにならない申し訳程度の照明が。
客足はほぼ皆無、少し寂れた様子が逆に趣を感じさせた。
もこっち「お、おぉ...」
加藤さん「すごいね、一杯だね」
もこっち「うん...水槽だらけだね」
加藤さん「わぁー、この子凄い丸いね」
もこっち「あ、ポップに名前が書いてある..."ディスカス"だって」
加藤さん「ディスカスって言うんだ、なんかかっこいいね」
そこにいたのは、丸みを帯びた熱帯魚。
ディスク状の形をしているからその名がついた。
様々な彩りを備えた彼らは、水槽の中を悠然と泳いでいた。
もこっち(色合いがすげーな...目立ちすぎて野生じゃ生きていけねーんじゃねーか?)
もこっち「...なんか実際に見てみると、色合いが強いね」
加藤さん「...」ジー
もこっち「...加藤さん?」
加藤さん「...あ、ごめんなさい...ちょっと夢中になり過ぎてたみたい」
もこっち「あ、うん...ディスカスが気に入ったの?」
加藤さん「そうじゃないけど...すごいキラキラしててね」
もこっち(...加藤さんはキラキラしたモノが好きなんだろうか)
11: ◆O.FqorSBYM 2019/02/11(月) 20:51:31.06 ID:heMF92ie0
加藤さん「他の子も見に行こ?」
もこっち「そうだね...って、コイツは...」
加藤さん「..."インペリアルゼブラプレコ"?」
白と黒の彩りをしたその子。
掃除屋とも評されるプレコという種類。
そんなこの子は彼女らの視線も気にせずに水槽の底をゆったりと。
もこっち(...なんかもう技名みてーだな)
加藤さん「すごいね、こんな色の魚なんているんだ」
もこっち「うん...」
加藤さん「...」ジー
もこっち「...」ジー
加藤さん「...みてみてあの子、チョコレートみたい」
もこっち「え...本当だね、"チョコレートグラミー"だって」
加藤さん「...本当にチョコレートって名前なんだ」
もこっち「...あ、これは知ってる、"エンゼルフィッシュ"だ」
加藤さん「よく知ってるね、私は熱帯魚全然わからないや」
もこっち「へへへ...って、なんだアイツ?」
加藤さん「"モトロ"?」
話が盛り上がるわけでもない。
魚の名前を言い終わると、先程の道端のように沈黙が訪れる。
だがそれには苦痛が伴わない、魅力的な熱帯魚がソレを塗りつぶしてくれる。
もこっち「...」ジー
加藤さん「...」ジー
~~~~
12: ◆O.FqorSBYM 2019/02/11(月) 20:53:04.84 ID:heMF92ie0
~~~~
もこっち「...だいたい見終わったね」
加藤さん「そうだね、2時間も楽しめると思わなかったね」
加藤さん「...とっても楽しかったね」
もこっち「...へへへ」
もこっち(よかった...あんまり話さなかったけど、加藤さん的には楽しんでもらえたみたいだ)
加藤さん「それじゃ、帰ろっか」
もこっち「う、うん」
暗い店内に目が慣れたのか。
出口から差し込む光がやけに鋭かった。
だからこそ、彩りに敏感な瞳がある1匹の魚に気を取られた。
加藤さん「────あれ...」ピタッ
もこっち「...加藤さん?」
加藤さん「この子...」
もこっち「..."ベタ"?」
その子はワイングラスに入れられていた。
色は絵の具のような黒でヒレはボサボサで長い。
ベタという名の熱帯魚、それが加藤さんの琴線に触れた。
黒ベタ「...」フヨフヨ
加藤さん「...」ジー
13: ◆O.FqorSBYM 2019/02/11(月) 20:54:08.65 ID:heMF92ie0
もこっち「...どうしたの?」
加藤さん「いや...この子、狭くないのかなって」
もこっち「あぁ確かに...って、ポップになんか書いてあるね...」
加藤さん「..."口呼吸ができるため、小さな水槽でも生きていけます"...だって」
もこっち「へぇ...」
黒ベタ「...」パクッ
もこっち「あ、なんかした...今のが口呼吸かな」
加藤さん「...」ジー
やけに釘付けであった。
まるでトランペットを見つめる少年のように。
一体なぜ、彼女はこのベタに何を感じてしまったのか。
加藤さん「...なんか、黒木さんみたいじゃない?」
もこっち「え? そ、そうかな」
黒ベタ「...」フヨフヨ
加藤さん「...うん、やっぱり黒木さんだよ」
もこっち「...」ジー
もこっち(...確かに、黒くて長いヒレが私の髪型っぽいな)
14: ◆O.FqorSBYM 2019/02/11(月) 20:54:57.16 ID:heMF92ie0
加藤さん「...この子、1000円もしないのね」
もこっち「...え、もしかして飼うつもり?」
加藤さん「...」
もこっち(衝動買いに近いのか? 私が連れてきた訳だしなんか申し訳ない感が...)
もこっち(...止めたほうがいいなこれは)
もこっち「ね、熱帯魚って維持費や手入れが大変って聞くよ、無計画に買うのはよくないと思う...よ」
加藤さん「...そうだよね」
もこっち(思いとどまってくれたか...)
彼女の視線は逸らされた。
一体、この黒いベタがどのように見えていたのか。
まるで自分だと評するこの熱帯魚を、どうするつもりだったのか。
加藤さん「...行きましょ?」
もこっち「あ、うん...」
もこっち「...」
先に歩み始めた加藤さん。
その後ろに付いていくように。
視界に入るのは、どこか悲しげな背中であった。
~~~~
15: ◆O.FqorSBYM 2019/02/11(月) 20:56:05.91 ID:heMF92ie0
~~~~
もこっち「明るいね」
加藤さん「...そうだね」
やけにギラつくお天道さま。
それとは反比例するのは、彼女の機嫌。
その明確な出来事に気づけないはずがなかった。
もこっち(...なんか元気ねーな)
もこっち(やっぱり、あのベタが気がかりなんだろうか...)
もこっち(でもなぁ...学生で熱帯魚は敷居高いと思うしなぁ...)
もこっち「...加藤さん、さっきのベタ...気になるの?」
加藤さん「...そうだね」
加藤さん「なにか...あの子がどうしても気になってね」
加藤さん「ワイングラスに入れられてるのが可哀想というよりか...その子が塞ぎ込んでるように見えてね」
もこっち「そうなんだ...」
もこっち(どうしたもんか、この人がわかりやすく落ち込んでる姿なんて初めてみたが)
もこっち(...あ、そうだ)スッ
何かを思いつくと彼女は携帯を取り出した。
それは情報に強いもこっちだから思いつけたこと。
実際に飼えなくても、仮想で飼えるのがこの時代の強みである。
もこっち(やっぱりあった、基本無料っぽいしこれでいいか)
16: ◆O.FqorSBYM 2019/02/11(月) 20:57:05.65 ID:heMF92ie0
もこっち「...加藤さん、これ見て?」
加藤さん「えっ...?」
そこにいたのは。
彼女の携帯の中で泳ぐのは。
色合いは違う、だけどこの子はまさしく。
加藤さん「...この子」
もこっち「熱帯魚を育てるアプリゲームだよ」
もこっち「今はこの色しかいないみたいだけど...進めていくと色んな色のベタとかが飼えるみたい」
加藤さん「...」ジー
そこにいたのはパステルピンクのベタ。
偶然か、その色はまるで彼女の髪色に酷似。
そんな子が、初期設定の殺風景な水槽の中を優雅に泳いでいた。
加藤さん「...わざわざ探してくれたんだ、私の為に」
もこっち「え...う、うん...加藤さんが悩んでたみたいだから...」
加藤さん「黒木さん」
もこっち「は、はい?」
加藤さん「...それ、どうやってやるの?」
もこっち「えっと...ちょっと携帯貸して────」
~~~~
17: ◆O.FqorSBYM 2019/02/11(月) 20:58:21.69 ID:heMF92ie0
~~~~
もこっち「────やべぇ、遅刻するっ!」
────ぱたたたたたっ!
改札を降りてすぐに彼女は走り出した。
いつもよりボサボサの髪、いつもより濃い隈。
言われなくてもわかる、彼女は寝坊をしてしまった。
もこっち(クソ、加藤さんに勧めたあの熱帯魚のゲーム...私のほうがドハマリしたじゃねーか)
もこっち(基本無料だから金はかからねーけど、土日の時間をどっぷり奪われた...)
もこっち「──って、信号赤かよ...」ピタッ
もこっち(...ここの信号、変わるの長いんだよなぁ)
もこっち(平気で5分ぐらい待たされる...仕方ねぇな...)スッ
仕方ない、そのような便利な言葉。
まるで誰かに対しての言い訳のような。
待たされるなら仕方ない、とりだしたのは携帯。
もこっち「...へへ」
もこっち(我ながら上手に水槽をレイアウトできたと思う)
もこっち(誰かに自慢したいな...ゆりやネモにこの素晴らしさが伝わるか?)
18: ◆O.FqorSBYM 2019/02/11(月) 20:59:25.63 ID:heMF92ie0
もこっち「...」ジー
ピンクベタ「...」フヨフヨ
パステルピンクのベタ。
初めて手に入れたこの子にいつの間にか愛着が、
この子が泳いでいる姿を見るだけで満足できる様になっていた。
もこっち「...」ジー
???「────黒木さん?」
もこっち「──うわっ!?」ビクッ
デジャビュ、先日同じようなことが。
後ろから声をかけられた、声の持ち主は当然あの人。
だが彼女はいつもと違う、あの綺麗な髪はほんの少しだけ乱れていた。
もこっち「か、加藤さん...?」
加藤さん「ふふっ...びっくりさせちゃった?」
もこっち「う、うん...通学路で会うのは中々ないからね...」
加藤さん「...あ、そのゲーム」
もこっち「あ、うん...結構頑張ったよ」
加藤さん「...すごい、とっても綺麗」
ピンクベタ「...」フヨフヨ
もこっちが創り出したこのレイアウト。
岩に苔を生やすことでどこか寂れた趣を。
そんな世界にこの派手な、綺羅びやかな彩りが1匹。
もこっち「へへへ...ありがとう」
もこっち(なんか...加藤さんに褒められると照れるな...)
19: ◆O.FqorSBYM 2019/02/11(月) 21:00:23.64 ID:heMF92ie0
加藤さん「...私のも見て」スッ
もこっち「え...?」
そこにいたのは、そこにいたのは。
記憶が確かならこの色のベタはそこそこ頑張らないと手に入らないはず。
だが、このレイアウトも何もしていない水槽の中には、明るく泳いでいるこの子が。
黒ベタ「...」フヨフヨ
加藤さん「見て、可愛く泳いでるでしょ、やっぱり水槽は大きくないと窮屈だよね」
もこっち「え...この色って、ゲーム内のコインを相当稼がないと手に入らないんじゃ...」
加藤さん「そうなの...ちょっと調べたらこのゲーム、ディスカスが高値で取引されるみたいだから...」
加藤さん「だから土日はずっと頑張って、ディスカスを育てては卸したりしてお金を稼いでたんだー」
もこっち「す、すごいね...私はずっと水槽のレイアウトばっか考えてた...」
加藤さん「ふふっ、よかったら私に水槽のアドバイスしてくれない?」
もこっち「も、もちろん────」
──キーンコーンカーン...
遠くから聞こえるのは、始まりの音。
まだ彼女らは未だに変わらぬ信号機の手前にいるというのに。
20: ◆O.FqorSBYM 2019/02/11(月) 21:00:58.81 ID:heMF92ie0
もこっち「──あ...」
加藤さん「...ふふっ、遅刻仲間だね」
もこっち「...へへへ、加藤さんも寝坊するもんだね」
加藤さん「初めてだよー、一緒に怒られようね」
もこっち「...加藤さんと一緒なら、怒られても恐くないかな」
もこっち(...共通の話題ができたな)
もこっち(これで...もっとこの人と仲良くできればな────)
信号の色が、赤から青に変わる。
だが彼女らの手元のこの子らは変わらず。
ベタが彩るのは水槽だけではない、彼女らの交友関係も。
ピンクベタ「...」フヨフヨ
黒ベタ「...」フヨフヨ
21: ◆O.FqorSBYM 2019/02/11(月) 21:01:27.00 ID:heMF92ie0
~~おわり~~
22: ◆O.FqorSBYM 2019/02/11(月) 21:01:56.63 ID:heMF92ie0
~~おまけ~~
もこっち「ところでヒレが大きいベタって、オスだけらしいよ」
加藤さん「そうなんだ...じゃあこの子は男の子なんだ」
もこっち「私のもそうかな...そういえば、名前とかつけたの?」
加藤さん「..."トモコ"だよ」
もこっち「えっ...?」
加藤さん「ごめんなさい、勝手に名前借りちゃったの」
もこっち「あ、いやそれはいいんだけど...」
もこっち(...ってことは、"この私"には生えてるのか)
もこっち(じゃあ私のこのベタも...そうだ!)
もこっち「...へへへ、じゃあ私のこのベタは..."アスカ"って名前にしようかな?」
加藤さん「...」キョトン
もこっち「...あ────」
この沈黙、これは問答無用で苦痛を伴う。
話題があるからといっても調子に乗るものではない。
彼女の血の気は一気に冷めた、距離感を間違えてセクハラをしてしまったのだから。
もこっち「ご、ごめん...調子乗っちゃ────」
加藤さん「──ふふっ、黒木さんったら...私に生やさせてどうしたいの?」
もこっち「...!」ゴクリッ
~~おわり~~
23: ◆O.FqorSBYM 2019/02/11(月) 21:02:24.21 ID:heMF92ie0
よければTwitterフォローお願いします。 @fqorsbym
うちもこ派です。
下記は過去作です。
隊長「魔王討伐?」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1542544023/
女看守「閉じ込められた」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1546699817/
もこっち「モテないし家に泊める」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1549369141/
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/02/11(月) 21:03:10.04 ID:huayFQO2o
あぁ^~いいっすね~
おつつ
おつつ
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/02/11(月) 21:11:24.86 ID:1xmY9vJqo
やっばり前書いてた人だった!
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/02/12(火) 00:52:14.56 ID:9pk6/6SBo
いいぞ~これ~
おつおつ
おつおつ
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/02/12(火) 03:07:21.38 ID:4szsfOpIo
超乙、手馴れてるねえ。売る側にしてみたらひでえ話だと思ったw
引用元: もこっち「モテないし魚を見る」
真子「吉田さんはそんな人じゃない」
2018-12-06
1: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/04(火) 20:20:04.519 ID:UL2pbWsy0
A「吉田さんて怖いよねー……」
真子(やめてよ……)
B「この間も黒木さんのことイジメてたらしいよ……」
真子(そんなことない……)
A「本当最低だよねー……」キャッキャッ
真子「吉田さんはそんな人じゃない!」バンッ
AB「えっ」ビクッ
真子(やめてよ……)
B「この間も黒木さんのことイジメてたらしいよ……」
真子(そんなことない……)
A「本当最低だよねー……」キャッキャッ
真子「吉田さんはそんな人じゃない!」バンッ
AB「えっ」ビクッ
2: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/04(火) 20:21:09.515 ID:UL2pbWsy0
吉田「オラー!!」
もこっち「ぐえええ」
真子「……」
A「……」
B「……」
真子「へへ……」ニコリ…
AB(ええー……?)ガビーン
もこっち「ぐえええ」
真子「……」
A「……」
B「……」
真子「へへ……」ニコリ…
AB(ええー……?)ガビーン
3: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/04(火) 20:23:04.261 ID:UL2pbWsy0
真子「ゆり……吉田さんてクラスのみんなから嫌われてるのかな……」
ゆり「え、何急に」
真子「今日ある人達が吉田さんの悪口を……吉田さん怖いって……」
ゆり「そりゃあ……まあ……吉田さんああいう見た目だし……」
真子「やっぱり外見のせいだよね!?よし」
ゆり(何がよしなのか)
ゆり「え、何急に」
真子「今日ある人達が吉田さんの悪口を……吉田さん怖いって……」
ゆり「そりゃあ……まあ……吉田さんああいう見た目だし……」
真子「やっぱり外見のせいだよね!?よし」
ゆり(何がよしなのか)
5: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/04(火) 20:26:14.908 ID:UL2pbWsy0
真子「吉田さん身だしなみちゃんとしよう!」
吉田「は?」
真子「ほら、シャツしまって。ボタンとめて」グイグイ
吉田「お、おい」
真子「はいネクタイ」ギュッ
吉田「ぐえっ」
真子「姿勢も正す」
吉田「何がしたいんだ!?」
真子「吉田さんをもっと良くしたいの!!!!」豪ッ
吉田「うわ!?」
真子「これからずっとそうしててね」
吉田「ええー……?」
吉田「は?」
真子「ほら、シャツしまって。ボタンとめて」グイグイ
吉田「お、おい」
真子「はいネクタイ」ギュッ
吉田「ぐえっ」
真子「姿勢も正す」
吉田「何がしたいんだ!?」
真子「吉田さんをもっと良くしたいの!!!!」豪ッ
吉田「うわ!?」
真子「これからずっとそうしててね」
吉田「ええー……?」
6: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/04(火) 20:27:53.429 ID:UL2pbWsy0
真子「どう?これで怖くないでしょ」
A「いや……」
B「怖いでしょ……」
真子「どこが!?全然怖くないよ!?」
吉田「舐めてんのかテメー……?」
もこっち「ヒイッ、すいません」
真子「……」
A「……」
B「……」
真子「全然怖くないよ?」ニコリ…
AB「怖いって」
A「いや……」
B「怖いでしょ……」
真子「どこが!?全然怖くないよ!?」
吉田「舐めてんのかテメー……?」
もこっち「ヒイッ、すいません」
真子「……」
A「……」
B「……」
真子「全然怖くないよ?」ニコリ…
AB「怖いって」
7: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/04(火) 20:30:47.730 ID:UL2pbWsy0
真子「ゆり……吉田さんのことまだ怖いって人達が……」
ゆり「いやまあ……仕方ないんじゃないの」
真子「身だしなみちゃんとさせたのに」
ゆり「え、あれ真子がやらせたの」
真子「うん」
ゆり「そ、そう」
ゆり「まあ……吉田さんは見た目だけじゃなく言動や態度も怖いというか。オラーって感じで」
真子「やっぱり?ああいうのは吉田さんのよくないところだよね」
ゆり「いやまあ……仕方ないんじゃないの」
真子「身だしなみちゃんとさせたのに」
ゆり「え、あれ真子がやらせたの」
真子「うん」
ゆり「そ、そう」
ゆり「まあ……吉田さんは見た目だけじゃなく言動や態度も怖いというか。オラーって感じで」
真子「やっぱり?ああいうのは吉田さんのよくないところだよね」
8: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/04(火) 20:34:12.253 ID:UL2pbWsy0
真子「だって。吉田さん」
吉田「……」
ゆり(いたの!?)
真子「これからは品位ある話し方してね。暴力もダメだよ。チェックするから」
吉田「……」
ゆり(気まずい)
吉田「……」
ゆり(いたの!?)
真子「これからは品位ある話し方してね。暴力もダメだよ。チェックするから」
吉田「……」
ゆり(気まずい)
9: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/04(火) 20:37:40.016 ID:UL2pbWsy0
真子「いい振る舞いした方が、お互い気持ちいいよね」
吉田「そうだな……そうだね」
真子「ふふ。吉田さん、今日一緒にお昼食べようね」
吉田「ああ」
真子「『ああ』じゃなくて『うん』って言って欲しいな」
吉田「うん」
真子「ふふ。いい子いい子」スリスリ
吉田「そうだな……そうだね」
真子「ふふ。吉田さん、今日一緒にお昼食べようね」
吉田「ああ」
真子「『ああ』じゃなくて『うん』って言って欲しいな」
吉田「うん」
真子「ふふ。いい子いい子」スリスリ
10: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/04(火) 20:38:45.503 ID:UL2pbWsy0
真子「どう?」
A「い、いいんじゃない?」
真子「そう、吉田さんはちょっと誤解されやすいだけなの。本当はとてもいい子なの」
B「確かに誤解してたわ……」
真子「うんうん」
AB「ヤバイよ……ヤバイよ……」
A「い、いいんじゃない?」
真子「そう、吉田さんはちょっと誤解されやすいだけなの。本当はとてもいい子なの」
B「確かに誤解してたわ……」
真子「うんうん」
AB「ヤバイよ……ヤバイよ……」
11: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/04(火) 20:40:16.630 ID:UL2pbWsy0
もこっち「……」
吉田「何だよ……何ですか」
もこっち「い、いや……最近吉田さん雰囲気変わったなって」
吉田「そうですか」
真子「黒木さんもわかる?そう、吉田さんは変わったの」
真子「見た目もちゃんとしてるし、話し方も丁寧、暴力も振るわない」
真子「今までがおかしかったの。これから吉田さんはもっといろいろな人と打ち解けていくんだよ」
真子「黒木さんもそう思うでしょ?」
吉田「何だよ……何ですか」
もこっち「い、いや……最近吉田さん雰囲気変わったなって」
吉田「そうですか」
真子「黒木さんもわかる?そう、吉田さんは変わったの」
真子「見た目もちゃんとしてるし、話し方も丁寧、暴力も振るわない」
真子「今までがおかしかったの。これから吉田さんはもっといろいろな人と打ち解けていくんだよ」
真子「黒木さんもそう思うでしょ?」
12: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/04(火) 20:42:17.762 ID:UL2pbWsy0
もこっち「……」
もこっち「私は……前の方がいいかな……」
真子「……え?な、なんで?」
もこっち「その……吉田さん無理してるというか」
真子「で、でも、これは吉田さんの為なんだよ?それに黒木さんだってイジメられなくなったじゃない」
もこっち「でも前の方がいいよ……。それに私イジメられてないし」
吉田「!」
もこっち「てい」シュッ モミモミ
吉田「テメッ」バキッ
吉田「あ」
もこっち「ね?」
吉田「ね?じゃねえだろ」
真子「……」
真子「……」ダッ
吉田「おい!」ダッ
もこっち(ゆりちゃん探すか……!)
もこっち「私は……前の方がいいかな……」
真子「……え?な、なんで?」
もこっち「その……吉田さん無理してるというか」
真子「で、でも、これは吉田さんの為なんだよ?それに黒木さんだってイジメられなくなったじゃない」
もこっち「でも前の方がいいよ……。それに私イジメられてないし」
吉田「!」
もこっち「てい」シュッ モミモミ
吉田「テメッ」バキッ
吉田「あ」
もこっち「ね?」
吉田「ね?じゃねえだろ」
真子「……」
真子「……」ダッ
吉田「おい!」ダッ
もこっち(ゆりちゃん探すか……!)
13: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/04(火) 20:44:26.504 ID:UL2pbWsy0
吉田「……たく、走らせやがって」
真子「私……間違ってた……?でも……今思えば、ゆりもAさんもBさんも様子がおかしかった気が……」
吉田「いや、お前の言うことは正しいよ。ただまあ……疲れるつーか息苦しいんだよな」
真子「だって、そうしないと吉田さん誤解されちゃうんだよ!?」
吉田「別に気が合う奴とだけつるんでればいいっつーか。そこまでしたくないっつーか」
真子「じゃあなんで私の言うとおりにしたの!?」
真子「私……間違ってた……?でも……今思えば、ゆりもAさんもBさんも様子がおかしかった気が……」
吉田「いや、お前の言うことは正しいよ。ただまあ……疲れるつーか息苦しいんだよな」
真子「だって、そうしないと吉田さん誤解されちゃうんだよ!?」
吉田「別に気が合う奴とだけつるんでればいいっつーか。そこまでしたくないっつーか」
真子「じゃあなんで私の言うとおりにしたの!?」
14: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/04(火) 20:46:24.826 ID:UL2pbWsy0
真子「……!!」
真子(言うとおりに『してくれた』んだ……私が望んだから……)
真子(断ったら私が悲しむと思って……私の為に……)
真子(考えてみると……吉田さんは誰に対しても、ああしろとかこうしろとか言ってない……)
真子(それはきっと、相手の人格や価値観を否定することだってわかってるからで……)
真子(私も……わかってたつもりなのに……よりにもよって吉田さんに……!)
真子(言うとおりに『してくれた』んだ……私が望んだから……)
真子(断ったら私が悲しむと思って……私の為に……)
真子(考えてみると……吉田さんは誰に対しても、ああしろとかこうしろとか言ってない……)
真子(それはきっと、相手の人格や価値観を否定することだってわかってるからで……)
真子(私も……わかってたつもりなのに……よりにもよって吉田さんに……!)
15: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/04(火) 20:47:53.928 ID:UL2pbWsy0
吉田「なんでって言われてもな……ん?」
真子「わ、私なんてことを」ガクガクブルブルドドドド
吉田「動揺しすぎだろ」
真子「でも!でも!」
吉田「……」
吉田「お互い言いたいこと言って、やりたい様にやっただけだろ」
真子「え?」
吉田「まあ、私もタルくなってきたし今まで通りに戻すわ。んじゃまた明日な」ポンポン
真子「あ、あ、また明日……」
真子「わ、私なんてことを」ガクガクブルブルドドドド
吉田「動揺しすぎだろ」
真子「でも!でも!」
吉田「……」
吉田「お互い言いたいこと言って、やりたい様にやっただけだろ」
真子「え?」
吉田「まあ、私もタルくなってきたし今まで通りに戻すわ。んじゃまた明日な」ポンポン
真子「あ、あ、また明日……」
16: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/04(火) 20:48:44.183 ID:UL2pbWsy0
ゆり「真子」
真子「どうわあああ!!!!」ドキィ
ゆりもこ「ひい!!」ドキィ
真子「……あ。ゆり、黒木さん」
真子(そうか……二人も私のこと探してくれてたんだ)
真子「ゆり、黒木さん、ごめんね」
もこっち「ひいいいいいいい」
真子「どうわあああ!!!!」ドキィ
ゆりもこ「ひい!!」ドキィ
真子「……あ。ゆり、黒木さん」
真子(そうか……二人も私のこと探してくれてたんだ)
真子「ゆり、黒木さん、ごめんね」
もこっち「ひいいいいいいい」
17: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/04(火) 20:49:33.771 ID:UL2pbWsy0
真子「私……なんで吉田さんを矯正しようとしちゃったんだろう……」
真子(ゆりにすらやってないのに……)
ゆり「……」
ゆり「それだけ吉田さんが、真子にとって大切なんでしょ」
真子「え!?」
ゆり「特別で……大切な人だから、誰からも好かれる人になって欲しかったんでしょ」
ゆり「そして吉田さんが真子に付き合ったのも……それだけ真子を特別と思ってるからじゃないの?」
真子「ひええ~~~~……」
ゆり(なんで私こんな恥ずかしいこと言ってるんだろう……)
もこっち「あれ?じゃあ普段まこさんからダメ出しされないゆりちゃんは」ドンッ
真子(ゆりにすらやってないのに……)
ゆり「……」
ゆり「それだけ吉田さんが、真子にとって大切なんでしょ」
真子「え!?」
ゆり「特別で……大切な人だから、誰からも好かれる人になって欲しかったんでしょ」
ゆり「そして吉田さんが真子に付き合ったのも……それだけ真子を特別と思ってるからじゃないの?」
真子「ひええ~~~~……」
ゆり(なんで私こんな恥ずかしいこと言ってるんだろう……)
もこっち「あれ?じゃあ普段まこさんからダメ出しされないゆりちゃんは」ドンッ
18: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/12/04(火) 20:50:59.686 ID:UL2pbWsy0
A(戻ってる……)
B(戻ってる……)
岡田「戻ってるじゃん」
吉田「飽きたわ」
真子「あ、あのっ」
A「ヒイッ」
B「な、何?」
真子「その……人の価値観を否定しちゃ駄目だよね……」
A「そ、そうだね」
B「で、でも私らもう吉田さんのこと怖くないよ」
真子「ほ、本当!?良かった……」
真子(結果オーライ……?でもこれからは暴走しない様に気を付けなきゃ……!)
真子「吉田さん……///」
クラスメイトの吉田に対する好感度が上がった!!
クラスメイトのまこっちに対する恐怖度が上がった!!
恐怖!!まこっちの本性 終
B(戻ってる……)
岡田「戻ってるじゃん」
吉田「飽きたわ」
真子「あ、あのっ」
A「ヒイッ」
B「な、何?」
真子「その……人の価値観を否定しちゃ駄目だよね……」
A「そ、そうだね」
B「で、でも私らもう吉田さんのこと怖くないよ」
真子「ほ、本当!?良かった……」
真子(結果オーライ……?でもこれからは暴走しない様に気を付けなきゃ……!)
真子「吉田さん……///」
クラスメイトの吉田に対する好感度が上がった!!
クラスメイトのまこっちに対する恐怖度が上がった!!
恐怖!!まこっちの本性 終
引用元: 真子「吉田さんはそんな人じゃない」
【わたモテ】モテないし釣る【ネモクロ】
2018-06-20
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 22:02:59.91 ID:8XdbqLm/0
●全35レス程度(予定)
●キャラ曲解・崩壊注意
●おかネモクロはゆうこみもこをきっと超える
●キャラ曲解・崩壊注意
●おかネモクロはゆうこみもこをきっと超える
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 22:04:04.99 ID:8XdbqLm/0
… … …
黒木「・・・」
… … … …
黒木「・・・・・・」…ゴソッ
… … … … …
黒木「(・・・はいはい、ワロスワロス)」ゴソゴソ
… … … ピ ク 。
黒木「(三年ROMってろ、と)」ゴソゴソ
… … ピ ク ピ ク ッ …
根元「クロ、引いてるっ!」
黒木「え?!」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 22:05:16.21 ID:8XdbqLm/0
岡田「黒木、来てるよっ!」
黒木「わ、わっ!」グイ!
… パ シ ャ ッ 。
黒木「あ、あ・・・」
根元「・・・逃げられちゃった」
清田「あ、惜しい」チリチリチリ…
… ザ … … ザ …
鈴木「バレちゃったか」…シュルル
岡田「ばれた? 何が?」
清田「・・・あ。 魚が外れた、ってことなんだ」
岡田「ふーん、そう言うんだ」
… ザ … … ザ …
… ニャア ニャア ニャア …
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 22:09:23.94 ID:8XdbqLm/0
根元「携帯いじくってるからだよ、もう」
黒木「・・・ネモなんか、まだかかってもないくせに」ムスッ
根元「クロだってまだかかってるだけでしょ」
岡田「わたしだって負けないよ。 陽菜にも、黒木にもな」
黒木「(・・・どうしてこうなった)」
――――――――――
岡田「ふーん、あんたら釣りなんてやるんだ」
鈴木「ああ、親父とバス釣りにな。 先週も行ったぜ」
清田「俺は釣り堀しかないなあ。 たまーに、親父と行くくらい」
岡田「釣り堀?なんか、おっさんくさいなあ」
清田「うーん・・・ まーそうだな、おやじくさいか」
鈴木「そうかあ? 俺は釣り堀、いっぺん行ってみたいんだが」
清田「俺は一回、ブラックバス釣ってみたいな。 難しそうだけど・・・」
鈴木「あいつら食い意地張ってるから簡単だぜ? どうしてもってんならエサでもつければ・・・」
清田「・・・・・・・?」鈴木「・・・・・・・・。」清田「・・・! ・・・・」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 22:10:31.80 ID:8XdbqLm/0
岡田「もう、わたしらが入れない話ばっかりなんだから。なあ、陽菜?」
根元「ほんとー、感じ悪いー」ニヤニヤ
清田「でも、最近は女の人もよくやってるみたいだぜ?」
岡田「わたしは一度もないよ」
根元「わたしもー」
清田「じゃ、黒木さんは?」
黒木「え」
鈴木「おいおい清田、黒木さんはインドア派だろ」
清田「あ、やっぱり・・・」
黒木「え、あ・・・ ある、よ」
「「「「えっ?!」」」」
黒木「あ、その・・・ たいしたこと、なくて」
根元「クロ、そうなの?」
黒木「あ、うん。 お父さんと川で、ちょっとだけ・・・」
鈴木「へー、でもすげーじゃん! どんなの釣れたの?」
黒木「・・・あ、これ、くらいの(お父さんが釣ったのだけど)」ピッ!
清田「おー、すごい! 意外だな、黒木さんが・・・」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 22:11:45.36 ID:8XdbqLm/0
――――――――――
黒木「(それから、あれよあれよと話が進んで)」
黒木「(なぜかみんなで自転車こいで海岸に来て、釣りなんかする羽目になってる)」
黒木「(目いっぱい無駄に過ごすつもりだった、せっかくの日曜が・・・)」
鈴木「そうらっ!」ビュッ!
清田「よいしょっ!」ヒュン!
根元「・・・男子たちはすごいなあ。シーバス、だっけ」
岡田「スズキだったっけ。 ルアー使ってさ」
黒木「(鈴木がスズキ釣り・・・ ベタすぎるか)」
根元「近づかないように、気を付けなきゃね。 ・・・よっちゃーん、がんばれー!」
清田「おーうっ!」
岡田「鈴木ー、スズキに釣られんなよー!」
黒木「(ぶっこんできた?!)」
鈴木「るせー! 昼飯豪勢にしてやるぜ!」
根元「あははっ! みんながんばれー!」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 22:13:06.82 ID:8XdbqLm/0
ザ… ザ… ザ…
ニャア ニャア ニャア …
岡田「・・・・・・・・・」ジーッ
黒木「・・・よっ!」クイッ!
プ チ ッ !
黒木「あ、あちゃあ・・・」
根元「またバレちゃった?」
黒木「アジって、難しい・・・」
根元「あわてて引くとすぐバレるって、よっちゃんが言ってたよ」
黒木「落ち着いてるつもりなんだけどな・・・」
岡田「・・・かかるだけいいじゃん。 わたしなんかさっぱりだよ」ムスッ
黒木「あ・・・ 深さの、せいかも」
岡田「そう」ブスッ
黒木「(・・・こ、こえーよ! このデコ・・・)」ビクビク
岡田「(こいつ、すぐ上から目線でもの言いやがる・・・)」イライラ
根元「・・・・・・」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 22:15:15.53 ID:8XdbqLm/0
黒木「・・・・・・」ビクビク
岡田「・・・・・・」ムッスリ
根元「・・・ね、ふたりとも」
「居心地悪い、って思ってる?」
黒木「え」
岡田「な・・・」
根元「気のせいだったら、ごめんね」
岡田「わ、わたしは」
黒木「そんなこと・・・」
― 二度と話したくない。 三年になったら、もう会うこともない。
― わたしの寿命一年減らしていいから、あいつら事故死しねーかな・・・
岡田「別に・・・」
黒木「・・・・・・・」
いまでも黒木のこと、そう思ってるわけじゃない。
話してみて、そこまで嫌なやつじゃないってのはよくわかった。 けれど・・・
・・・けれど、なんとなく、後ろめたい。
デコのこと、ああいうふうに思ってた、私自身のことが ―
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 22:16:37.86 ID:8XdbqLm/0
根元「・・・無理に仲良くなんか、しなくてもいいよ」 ニ コ 。
黒木「え・・・」
根元「わたしはふたりとも、大好きなんだし」
岡田「・・・」
根元「わたしはこうしてるだけで、とっても楽しくて幸せ」ニコッ
岡田「・・・幸せ?」
根元「うん。だって、こうやってあーちゃんとクロにはさまれてるんだよ?」
「・・・・・・・」「・・・・・・・」
根元「両手に花、だもんね。 ふふふっ」ニコニコ
岡田「・・・陽菜」
根元「だからわたしに、変に気を使わないでね」
黒木「・・・・・・」
もこっちがいて、こみちゃんがいて。
ふたりとずっと、こうやってお話しできるといいな・・・
黒木「(・・・ゆうちゃん)」
岡田「・・・・・・・」
わたしは、仲良くしてるふたりを見るのがとても楽しい。
だからわたしに気なんて使わないでね、茜。
岡田「(明日香・・・)」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 22:18:18.42 ID:8XdbqLm/0
根元「よーっし、クロには負けないぞ」
黒木「・・・」
根元「あーちゃんもがんばろ?」
岡田「・・・ひ、陽菜のかん違いだよ」
根元「えっ?」
岡田「わたしと黒木は、仲良し・・・ だよ」
黒木「そ、そう。ネモ・・・ かん違い、してる」
岡田「・・・黒木」
黒木「だ、だってほら。一回、助けてもらっちゃったし・・・」
岡田「・・・・・・・・・ああ、そうだっけ」
― やめなよ。 いじめとかダサいんだけど。
黒木「あのとき、ちょっと、格好良かった」モジモジ
岡田「そう。 ・・・まあ、助けてないけどね」クスッ
黒木「・・・最後まで助けてほしかった」
岡田「あれじゃ無理だよ」クスクス
根元「・・・何があったの?」
岡田「ああ、それがさあ・・・」ニヤニヤ
黒木「い、言うな!! ・・・あ、言わないでくださいっ!」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 22:19:12.74 ID:8XdbqLm/0
岡田「言うな?! お前いま、言うなとか言った!?」
黒木「お前?! あ、いや、そのっ!」
根元「やっぱり仲、悪いんじゃん」ニヤニヤ
岡田「あ。 ・・・いや、その」
黒木「え、えっと・・・」
根元「お魚さんに逃げられちゃうから、そろそろ集中しよっか」
岡田「・・・あ、ん」
黒木「う・・・」
・・・ ニャア ニャア ニャア
根元「・・・ ・・・ ・・・」ジーッ
岡田「・・・」イライラ
黒木「・・・」ビクビク
(・・・ったく、このチビ。すぐ調子に乗って。 茉咲の言う通りだよ)
(あー、ちくしょう。やっぱりこのデコ、あのヤンキーと同類かよ・・・)
黒木「・・・」チラチラ
岡田「・・・」ブスッ
根元「ふふふふ」ニコニコ
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 22:20:07.25 ID:8XdbqLm/0
ザ ・・・ ザ ァ ・・・
「おらー!」「よっしゃあ!」
グ グ グ グ ッ !
「来たぞっ!」「こっちもだ!」
岡田「お、かかったか!」
根元「ふたりとも、がんばれー!」
清田「はははっ、すごいや!」グググッ!
鈴木「『持っていかれそうだ!』だっけ、黒木さん?!」グイッ!
黒木「(・・・『持っていかれた』だぞ。 無理に話ふるな)」ブスッ
・・・ ピ ク ッ 。 ピ ク ・・・
根元「・・・あれっ」
黒木「引いてる?」
岡田「お、陽菜にも来たね」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 22:21:04.19 ID:8XdbqLm/0
根元「来た来た。 あせらずに、だったよね・・・」…クイ
・・・ ・・・ ・・・
根元「・・・あれ?」
岡田「うん?」
根元「なんだろ、これ」
岡田「どうかした?」
根元「ん、動かない」
・・・ ・・・ ・・・
黒木「動かない?」
根元「どこかに、ひっかけちゃったかも」
岡田「根がかり、だったっけ。 黒木・・・」
黒木「・・・・・・・・・・」
岡田「黒木?」
根元「・・・取れるかなあ」クイクイ
岡田「無理に引っ張るなよ。 よしたちに・・・」
グ イ ッ ! !
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 22:22:37.74 ID:8XdbqLm/0
根元「きゃああ?!」ズルッ!
岡田「陽菜!?」
黒木「ネモっ!!」ガシッ!
岡田「危ないっ!」ガッ!
グ グ グ グッ!
岡田「お、重い?! すごい力・・・!」グ・・・
黒木「・・・来たっ!」グッ!
根元「な、なにこれ、クロ!」
黒木「たぶんスズキだ! かかったアジを食いやがった!」
岡田「マジかよ!?」
グ イ ー ッ !
岡田「(くそ! 三人がかりだってのに・・・!)」
黒木「持ってかれるっ・・・」
岡田「(あたしたちじゃ無理だ! でも・・・)」
清田「お、おっ!」鈴木「この・・・っ!」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 22:24:07.75 ID:8XdbqLm/0
岡田「(あいつらもいま手が離せない! どうすれば・・・)」
黒木「男どもーっ!!」
岡田「?!」
黒木「ネモに、でかいのが、かかったー! 手伝えーっ!!」
「黒木さん?!」「なんだって!?」
黒木「お前らは、いっつも、釣ってるだろうがーっ! ネモは、これが、最初でっ!」グ グ グ
岡田「黒木!」
黒木「最後かも、しれない、だろっ?!」グ イ !
根元「・・・クロ!」
黒木「はーやーくーこーいーーーーっ!」
よし
「・・・黒木さんの言う通りだっ!」「行くぜ、良!」
「 待 っ て !!」
黒木「ネモ!?」
根元「よっちゃん、鈴木くん、待ってっ・・・!」ギ ュ ッ !
岡田「陽菜?!」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 22:25:32.97 ID:8XdbqLm/0
清田「陽菜? いったい・・・」
根元「わたしたちにやらせて!」…グッ!
鈴木「なんだって!?」
根元「お願い! わたしと・・・」 グ イ!
「わたしと、あーちゃんと、クロでっ!!」
黒木「・・・ネモ!」
岡田「陽菜!」
根元「ふたりとも、ダメ?!」
黒木「や、やってやるっ!」グッ!
岡田「まかせろ、陽菜っ!」ギュ!
根元「よっちゃん、鈴木くんっ! やりかた、おしえてっ!」
鈴木「・・・糸を出せ! 無理に引っ張るな!」
清田「走らせるだけ・・・ 泳がせるだけ泳がせて、疲れさせるんだ!」
根元「ど、どうすればいいの?!」ギュ…
黒木「これっ!」グリッ!
シ ュ ラ ラ ラ ラ ラ ラ !
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 22:27:01.69 ID:8XdbqLm/0
鈴木「いいぞ!」
清田「さすが黒木さん!」
黒木「ほ、ほめるんじゃねー! わたしもこっからはわからないぞっ!」シャララララ
鈴木「とにかく走らせるんだ! どんどん糸を出せ!」
根元「う、うんっ!」シュララララ!
シ ュ ラ ラ ラ ラ ラ ラ … !
黒木「や、やばい・・・」シャララララ
岡田「糸がもうなくなる・・・!」シュラララララ
鈴木「走るんだ! 糸を切られるぞ!」
黒木「走るって・・・ 私らがか!?」
岡田「走るぞ、黒木!」タッ!
タ タ タ タ タ !
黒木「(は、走りづらいっ!)」タタタ…
根元「あーちゃん、クロ、どっちか手を放してっ!」
黒木「お前が放せ、ネモ!」
岡田「無理するな、陽菜っ!」
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 22:28:51.14 ID:8XdbqLm/0
根元「も、もうっ! 頼んだよふたりとも!」パッ!
タッ タッ タッ タ …
岡田「大丈夫か、黒木?」タタタタ
黒木「・・・これくらい。 岡田さん、こそ」タタタ
岡田「わたしだってこのくらい、なんてこと・・・」
・・・ ピ タ ッ 。
黒木「おっ?」
岡田「・・・止まった?」
清田「いまだ、引いて!」
岡田「引く? ・・・こ、こうか!」グイ!
鈴木「そう、竿を立てて引っ張れ!」
岡田「えいっ!」ググッ!
清田「引ききったら、竿を降ろして、リールを巻くんだ!」
岡田「こうか!」スッ
黒木「うおおおお!」シュラシュラシュラ
岡田「・・・・・・・・・」
黒木「このやろーっ!」シュラシュラシュラ
岡田「(・・・こいつ、やっぱこれが素なんだな)」
・・・ グ イ !
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 22:29:37.98 ID:8XdbqLm/0
黒木「うおお!?」ガクン!
岡田「危ない、黒木っ!」ガシッ!
清田「また、糸をどんどん出して!」
鈴木「止まったらまた引く、その繰り返しだっ!」
岡田「わかった!」シュラララララ
シ ュ ラ ラ ラ ラ ラ ラ ・・・
岡田「・・・また、糸がなくなる!」
黒木「走ろう!」
岡田「おうっ!」
根元「クロ、かわって!」
黒木「・・・ネモ!」
根元「交代でやろう! ぜったい釣る!」
黒木「・・・わかった!」パッ!
岡田「走るぞ、陽菜っ!」ダッ!
根元「うんっ!」タッ!
・・・ シ ュ ラ ラ ラ ラ ラ ラ ラ
シュラ シュラ シュラ シュラ ・・・
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 22:31:39.28 ID:8XdbqLm/0
シュララララララ・・・
シュラシュラシュラ!
岡田「はあ、はあ、はっ・・・」
根元「ふう、ふう、はあ・・・」
黒木「うおおおおおおお!」シュラシュラシュラ!
岡田「ご、ごめん、黒木っ・・・!」
黒木「大丈夫! このやろーっ!」シュラシュラシュラ!
岡田「(・・・チビのくせに、なんて体力だよ、ったく!)」
根元「(クロ、また、無茶して・・・ もう!)」
黒木「このおぉ、うおっ?!」ガクン!
シ ュ ラ ラ ラ ラ ラ ラ ラ ・・・
岡田「またかよ! しぶといやつ・・・」
黒木「で、でも・・・ 」
シ ュ ラ ラ ラ ラ ・・・
黒木「もう、止まった。 こいつもヘトヘトなんだ!」
清田「あと少しだ、一気に引けーっ!」
黒木「うおりゃーーー!」シュラシュラシュラ!
ユ ラ ァ ・・・
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 22:33:32.28 ID:8XdbqLm/0
清田「すごい、岸まで寄せたぞ!」
根元「お、おっきい・・・!」
黒木「・・・タモ!タモ、貸してっ!」パッ!
鈴木「やるのか!? すっげーな、黒木さんは! でも・・・」
黒木「く、くっ、くそ・・・」パチャ パチャ
鈴木「代わるぞ、黒木さん! 無理するな!」
根元「・・・クロったら、もうっ!」サッ!
岡田「この、チビッ!」ダッ!
ガ シ ッ !
黒木「・・・ネモ、岡田さんっ!」
岡田「ったく、無茶なチビだなお前はっ!」グッ!
黒木「ち、チビぃ!?」
根元「あーちゃん、竿はわたしが持ってるっ!」
岡田「チビはわたしが押さえててやる!」
黒木「だ、だれがチビだっ・・・!」
岡田「やれ、チビ助っ!!」
黒木「・・・くそ、このデコ助っ!!」グッ!
バ シ ャ ッ!
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 22:38:37.95 ID:8XdbqLm/0
黒木「お、重っ・・・!」ズシッ!
岡田「チビ、しっかりつかんでろ!」
黒木「え」
岡田「せーのっ!!」ガッ!
「えーいっっ!!」
グ イ ー ッ !
黒木「うわあ!」グイッ!
岡田「わああ?!(か、軽っ?!)」グーッ!
ビ チ ッ !
清田「・・・やった!」
鈴木「すげっ、ほんとにやりやがった!」
清田「で、でも!」
ビチ ビチビチビチ!
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 22:40:13.51 ID:8XdbqLm/0
鈴木「しぶてえ・・・!」
清田「逃げられる!」
黒木「くっ、くそ・・・」ギリッ!
バ ッ !!
「チビッ!」
「人間さまを、なめるなーーーーっ!!」
「クロっ!」
ガ シ ッ!
黒木「・・・・・・・・・」
・・・ビク ビク ビクッ
黒木「ぜ、ぜは、ぜはっ・・・」
ビチ ビチ ・・・
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 22:41:55.18 ID:8XdbqLm/0
清田「・・・や、やった」
鈴木「マジでやっちまった・・・」
ビチ ・・・ ビクッ ・・・
黒木「・・・へ。 へへ、へ・・・」ビチ ビチ
根元「・・・クロ!」
黒木「ざまあ・・・ みろ・・・」・・・ビチ・・・
岡田「黒木・・・」
黒木「刺身の分際で・・・」フ ラ ・・・
「人間さまを・・・ なめんなっ・・・!」
・・・ コ テ ン 。
根元「クロ?! しっかりして!!」
黒木「は・・・ ははっ・・・」… ヒク ヒクヒク …
岡田「・・・なんて野郎だ」
清田「すごいな、黒木さん・・・」
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 22:42:56.72 ID:8XdbqLm/0
黒木「ひゅ、ひゅー ひゅー・・・」ヘロヘロヘロ・・・
岡田「黒木?! 黒木ー!」
黒木「・・・あ、あひゃひゃ ひゃひゃ・・・」ニタニタ
根元「・・・ダメかなー」
鈴木「とりあえず冷やさないと、だな」
岡田「こいつでいいか」ガタッ
清田「うん。タオルで巻いて、体に当てよう」
根元「ほんとにクロったら」
黒木「ふひ、ふひ、ふひっ・・・」
根元「クロ? クロ―? 聞こえてるー?」
・・・ ・・・ ・・・
… ク ロ ク ロ ? モ ウ …
・・・ ・・・ んっ?
マ タ ム チ ャ シ テ
… バ カ ナ ン ダ カ ラ
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 22:44:57.12 ID:8XdbqLm/0
だ、だれがバカだ!
わたし、おまえのために・・・
あれ?
ホ ン ト ニ モ ウ …
あれ・・・ だれ、だったっけ。
こいつ・・・・・・・・・・・・・・
… バ カ 、 タ ゙ナ …
だれ、だった、かな?
えっと、えっと・・・ あっ。
(あっ、はい)
(まあ、それなりに)
ああ、あんときの、か。
・・・ったく。
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 22:45:41.42 ID:8XdbqLm/0
… … … … ク ロ 。
だから、しけた顔すんな。
大物、釣れたんだから。
・・・ほら。
… ス ッ 。
根元「え」
黒木「・・・ほら・・・」 ニ ヤ 。
根元「・・・・・・・・・」
「 「 う ぇ ー い 」 」
コ ツ ン ☆
根元「・・・・・・」
黒木「・・・へへ」カクン
根元「クロ、起きてる?」
黒木「・・・・・ぐー・・・・・」スピー
根元「・・・ほんと、もう」
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 22:47:57.90 ID:8XdbqLm/0
・・・パタ パタ パタ
黒木「んぐ、んぐ、んぐ・・・」ゴクゴク
岡田「急に飲むなよ、吐くぞ」パタパタ
黒木「んぐっ・・・・ ご、ごめん、なさい」
岡田「・・・何が?」
黒木「無茶、しちゃって。 また・・・」
岡田「ほんと、無茶だよな(・・・こんな、チビのくせに)」
(・・・あんなに細かったくせに。 あんなに、軽かったくせに・・・)
黒木「・・・あと、あんな、呼びかた、しちゃって・・・」
岡田「・・・・・・・・・」
チ ビ ッ !
デ コ っ !!
黒木「(・・・お互い様だけどな・・・)」
岡田「気にすんな、お互いさんだよ」
黒木「え」ドキッ!
岡田「・・・けど、結構気にしてるんだからな?」
黒木「それじゃ、なんで、そんな髪型・・・」
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 22:49:22.34 ID:8XdbqLm/0
岡田「・・・・・・・・・」ムスッ
黒木「あ、ご、ごめっ(また?! またキレさせた?!)」ビクビク
岡田「・・・嫌、なんだよ」
黒木「え」
岡田「嫌なんだよ。 バカにされるからって、隠すのが」
黒木「・・・・・・・・・」
岡田「なんか、ひきょうな感じ、するだろ」
黒木「・・・そんなもん、かな」
岡田「わたしは、そうなんだ」
黒木「ふーん・・・」
ザ ・・・ ザ ・・・
サ ゙・・・ ザ ・・・
黒木「・・・なんか、おなか空いてきた」ムクリ
岡田「ほんっと、タフだな。 おまえって・・・」
黒木「さっきのスズキは・・・」ジュルリ
岡田「陽菜が逃がしたよ」
黒木「えーー?!」
30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 22:50:15.11 ID:8XdbqLm/0
岡田「しょうがないだろ、わたしらじゃさばけないし」
黒木「で、でも、持って帰れば・・・」
岡田「・・・陽菜が言ったんだよ。 逃がしてやろうって」
黒木「そ、そんな・・・」ガックシ
岡田「まあ、いいだろ。 みんなで陽菜の弁当食べよう。 ・・・ほら」
・・・ ス ッ
黒木「え?」
岡田「ほら、早く」
黒木「早く、って」
岡田「さっき陽菜とやってたろ」
黒木「・・・・・・・・・」
「 「 う ぇ ー い 」 」
コ ツ ン ☆
岡田「やったぜ、へへ」
黒木「は、はは、は」
31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 22:51:48.68 ID:8XdbqLm/0
岡田「・・・楽しかったな、チビ」
黒木「そうだね、岡田・・・さん」
岡田「チビ」
黒木「へっ?」
岡田「チビ。 チビ助」ニ ヤ リ
黒木「・・・・・・・」
岡田「どうした、バカチビ。 チビ野郎」ニヤニヤ
黒木「・・・・・・・・・・・」
「うるせーよ、デコ」
岡田「はは、やっぱりそっちが素だろ」
黒木「・・・いつものも素だけど」
岡田「いい顔してるよ、ほらもう一丁」スッ
黒木「はいはい」…スッ
「 「 う ぇ ー い 」 」 コツン☆
… ド サ ッ 。
32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 22:52:54.92 ID:8XdbqLm/0
黒木「・・・んっ?」
根元「お弁当、ここに置いとくねー」
岡田「陽菜?」
根元「それじゃおふたりさん、ごゆっくりー」ヒラヒラ
岡田「どこ行くんだよ、陽菜。 一緒に食べようよ」
根元「ふたりの邪魔しちゃ悪いもん」
岡田「せめてこっちくらい向けよ、陽菜!」
根元「・・・やーだ。 やーだよー」タッ!
タッ タッ タッ ・・・
岡田「・・・なんなんだよ」
黒木「なんなんだろ・・・」
岡田「陽菜って、なんかわっかんないところ、あるんだよなー」
黒木「わたし、ぜんぜん、ネモのことわからない・・・」
岡田「そういやチビ。 お前、陽菜とはいつからの付き合いなんだ?」
黒木「・・・・・・」
「わたしは・・・」
タッ タッ タッ タッ …
根元「・・・ ・・・ ・・・」
33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 22:54:26.05 ID:8XdbqLm/0
タッ タッ タッ ・・・
根元「おまたせー」
清田「陽菜ー、お弁当ごち!」
鈴木「あのふたりはどうだ?」
根元「大丈夫そうだよ」
清田「よかった・・・ あれ、陽菜?」
根元「なあに、よっちゃん」
清田「それ、どうしたんだ?」
根元「花粉症ー。」… グ ズ ッ …
鈴木「いまごろか。 大変だな」
根元「ううん、平気。 それじゃ、わたしも」
パク パク モム モム
「お、うまっ」「陽菜は料理うまいよなー」
「ほめたってなんも出ないよー、ふふ」
・・・ザ ザ ・・・・
・・・ ザ ・・・
34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 22:55:57.27 ID:8XdbqLm/0
「楽しかったなー」「つぎはいつ来る?」
「今度は川もいいな」「どこらへんがいいかな・・・」
「・・・ ・・・ ・・・」
・・・ありがと、ね。 スズキさん。
すっごく楽しかったよ。
・・・ ザ ザ ・・・・
わたし、きょうのこと、ずっと忘れない。
きっと、また来ようね。
ニャア ニャア ニャア ・・・
あーちゃん、クロ ・・・
・・・クロ、あーちゃん。
ザ ・・・ ザ ァ ・・・
35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 22:56:48.74 ID:8XdbqLm/0
キーン コーン カーン
キーン コーン ・・・
よし
鈴木「 良 、小テストどうだった?」
清田「ばっちし」スッ
鈴木「よっし」・・・スッ
「 「 う ぇ ー い 」 」 コツン!
黒木「(・・・変なもんはやらせちまった・・・)」
根元「・・・・・・・・・・・・」
鈴木「岡田はどうだ?」
岡田「まあまあかな」
鈴木「それじゃ、うぇーい」スッ
岡田「・・・そらよ」
ペ チ ッ !
根元「・・・・?」
36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 22:57:37.58 ID:8XdbqLm/0
鈴木「なんだ、ノリ悪ぃなー」
岡田「百年早いよ、あははっ」
清田「黒木さんは、どうだった?」
黒木「あ、その。 そこそこ・・・」モゴモゴ
清田「それじゃ、うぇーいっ」
黒木「・・・うわーい」
グ ニ ッ !
清田「いてててて」
黒木「へ 、へへっ」
根元「・・・・」
加藤「みんな、何それ?」
清田「黒木サインだよ」
黒木「ちょ」
鈴木「俺たちのマイブームなんだ」
加藤「へえ。 黒木さん、わたしもいい?」
黒木「ど、どうぞ」
根元「・・・・・・・・・」
37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 22:58:30.63 ID:8XdbqLm/0
加藤「それじゃ黒木さん。 うぇーい♪」ス…
黒木「・・・」
「 い ぇ ー い 」ツンツン
根元「・・・・・・・・・・・・・・!」
加藤「茜も、うぇーい♪」
岡田「おうっ!」ポフッ!
根元「・・・」・・・ギュ
黒木「ね、ネモ・・・」
根元「・・・クロ」
黒木「ネモは、どう、だった・・・?」
根元「・・・いえい♪」
黒木「そ、それじゃ・・・」スッ
根元「うん」ス・・・
「「 う ぇ ー い 」」コツン☆
岡田「そら、黒木」・・・スッ
根元「・・・あーちゃん?」
黒木「・・・」ス・・・
「「 う ぇ ー い 」」コツッ☆
38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 23:01:39.78 ID:8XdbqLm/0
根元「!」
岡田「じゃ、しめは三人でだ。 陽菜、チビ」スッ
黒木「・・・ったく、デコめ」スッ
根元「・・・・・・」ス…
「 「 「 う ぇ ー い 」 」 」
コ ツ ン !
岡田「やったな、ふふっ」
根元「ねえ、クロ」
黒木「な、なんだネモ」…タラッ
根元「思い出したんでしょ」
黒木「な、なんのこと・・・」ダラダラ
岡田「・・・ははーん。 そういうことか」ニヤッ
黒木「で、デコっ!!」
岡田「陽菜に言うなってのは、そういうことかよ」ニヤニヤ
黒木「な、なんのことでしょうか? わたしにはちっとも・・・」ダラダラダラ
根元「バカクロっ!」ゲシッ!
黒木「あ痛っ!?」
岡田「あははは、もっとやれー!」
バカ! バカッ!
アハハ ニゲルナ チビ!
ナ、ナニヲスル キサマラー!
キーン コーン カーン
キーン コーン ・・・
39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 23:02:48.86 ID:8XdbqLm/0
※おまけ※
「すごいねー、これ。 これが根元さんが釣った魚?」
「・・・ ・・・ ・・」
「・・・黒木さんが両手で抱えてる。大っきい・・・」
「・・・ ・・・ ・・・」
「あー、いいなあ。 みんなで海に行って遊んできて」
「・・・ ・・・ ・・・」
「声くらいは、かけてほしかったなあ。 あー、残念」
「・・・ ・・・ ・・・」
「わたし、茜とはけっこう長くおつきあいしてたつもりなのになー・・・」
「・・・なあ、明日香。 お前、気を使うなって言ってなかったか?」
40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 23:03:42.17 ID:8XdbqLm/0
「うん、言ったけど。 それ、根元さんと茜のあいだのことだから」
「はあ?」
「茜と黒木さんとのあいだのことは、また別だからね?」
「・・・明日香、おまえって、ほんとになあ」
「なんだか茜、黒木さんと急に仲良くなっちゃったんじゃない?」
「・・・それは・・・・」
「根元さんよりも仲がいいように見えるくらいだよ」
「そ、そんなこと」
「なんだか妬けちゃうなー」
「ったく、なに言ってるんだよ!」
「ふふ、今度はわたしも連れてってくれる?」
「・・・はいはい。 明日香にはかなわないよ」
「ふふふ」
※つづく?※
41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 23:40:38.09 ID:8ADTvnRto
よかった
42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/31(土) 01:10:50.51 ID:0lJ+fwf40
乙!ほっこりした
引用元: 【わたモテ】モテないし釣る【ネモクロ】
もこっち「モテないし弟に耳かきする」
2018-02-25
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/25(日) 17:40:10.68 ID:ZuGK+wfs0
以下ヒでつぶやいたの微修正して纏めたものです
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/25(日) 17:41:04.16 ID:ZuGK+wfs0
智貴「ふー……」ガラッ
もこっち「よう」
智貴(またこいつは勝手に俺の部屋に……)
もこっち「久々に耳かきしてやろうか」
智貴「……」
智貴「……じゃ、頼むわ」
もこっち「……」
もこっち「……え?マジ?」
もこっち「よう」
智貴(またこいつは勝手に俺の部屋に……)
もこっち「久々に耳かきしてやろうか」
智貴「……」
智貴「……じゃ、頼むわ」
もこっち「……」
もこっち「……え?マジ?」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/25(日) 17:42:24.84 ID:ZuGK+wfs0
もこっち「……」スッスッ
智貴「……」
もこっち「……」スッスッ コリコリ
もこっち「……おっ」スッスッ コスコス
智貴「……」
もこっち「……」カシカシ カリカリ
もこっち「……」スッスッスッ
もこっち「おー……」
もこっち「でかいの取れたぞ」
智貴「ん……」
智貴「……」
もこっち「……」スッスッ コリコリ
もこっち「……おっ」スッスッ コスコス
智貴「……」
もこっち「……」カシカシ カリカリ
もこっち「……」スッスッスッ
もこっち「おー……」
もこっち「でかいの取れたぞ」
智貴「ん……」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/25(日) 17:43:06.44 ID:ZuGK+wfs0
もこっち「……」コシュコシュ
もこっち「……」コスコスコス
もこっち「ほれ、次逆な」
智貴「ん……」
もこっち「あ」
智貴(やば、この体勢)
もこっち「……ほら、するから。動くなよ」スッスッ
智貴「う……」
もこっち「……」コスコスコス
もこっち「ほれ、次逆な」
智貴「ん……」
もこっち「あ」
智貴(やば、この体勢)
もこっち「……ほら、するから。動くなよ」スッスッ
智貴「う……」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/25(日) 17:43:41.29 ID:ZuGK+wfs0
もこっち「……」スッスッ
もこっち「……」スーッスーッ
もこっち「……んん」コリコリ コシコシ
智貴「……」
もこっち「……んっ」クイッ
智貴「……うっ」
もこっち「あ、わり。痛かったか?」
智貴「……いや」
もこっち「そうか」クイクイ クリクリ
智貴「……」
もこっち「……」スーッスーッ
もこっち「……んん」コリコリ コシコシ
智貴「……」
もこっち「……んっ」クイッ
智貴「……うっ」
もこっち「あ、わり。痛かったか?」
智貴「……いや」
もこっち「そうか」クイクイ クリクリ
智貴「……」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/25(日) 17:44:42.45 ID:ZuGK+wfs0
もこっち「終わったぞ!頭どけろ」
智貴「……んあ」
智貴(やべ……寝るところだった)
もこっち「おらっ、見ろこのティッシュ!こんなに取れたぞ!」
智貴「……」
もこっち「……」
もこっち「んじゃ部屋戻るわ」
智貴「……ああ」
智貴「……んあ」
智貴(やべ……寝るところだった)
もこっち「おらっ、見ろこのティッシュ!こんなに取れたぞ!」
智貴「……」
もこっち「……」
もこっち「んじゃ部屋戻るわ」
智貴「……ああ」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/25(日) 17:45:12.65 ID:ZuGK+wfs0
もこっち「……」
もこっち「おい。溜まったらまたしてやるから」
もこっち「そん時は言えよな」ガラッ
智貴「あ、おい」
もこっち「なんだよ」
智貴「いや……、その」
智貴「ありがとう、姉ちゃん」
もこっち「おい。溜まったらまたしてやるから」
もこっち「そん時は言えよな」ガラッ
智貴「あ、おい」
もこっち「なんだよ」
智貴「いや……、その」
智貴「ありがとう、姉ちゃん」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/25(日) 17:46:24.67 ID:ZuGK+wfs0
もこっち「……」
もこっち「気にすんなよ。姉が弟の耳の世話してやるくらい普通だろ」
智貴「……そうか?」
もこっち「その代わり、将来私が引きこもった時は私の世話頼むぞ」
智貴「嫌に決まってんだろ」
ピシャッ
もこっち(普通だよな?この程度ブラコンとは言わないよな?)
智貴(ヤベーな俺)
終
もこっち「気にすんなよ。姉が弟の耳の世話してやるくらい普通だろ」
智貴「……そうか?」
もこっち「その代わり、将来私が引きこもった時は私の世話頼むぞ」
智貴「嫌に決まってんだろ」
ピシャッ
もこっち(普通だよな?この程度ブラコンとは言わないよな?)
智貴(ヤベーな俺)
終
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/25(日) 17:48:38.68 ID:ZuGK+wfs0
その他単発ネタ
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/25(日) 17:50:00.30 ID:ZuGK+wfs0
もこっち「今日も一日ボッチだぞい!」
もこっち「なんちゃって。ハハハ」
ゆり「……(今日も一日黒木さんだぞい)」
ネモ「……(今日も一日クロだぞい)」
うっちー「……(今日も一日黒木だぞい)」
ゆりネモ「……(語呂悪っ)」
もこっち「ハハ……(誰か突っ込めよ!)」
うっち「……(今日も一日黒木だぞい!)」
もこっち「なんちゃって。ハハハ」
ゆり「……(今日も一日黒木さんだぞい)」
ネモ「……(今日も一日クロだぞい)」
うっちー「……(今日も一日黒木だぞい)」
ゆりネモ「……(語呂悪っ)」
もこっち「ハハ……(誰か突っ込めよ!)」
うっち「……(今日も一日黒木だぞい!)」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/25(日) 17:50:39.57 ID:ZuGK+wfs0
もこっち(節分か……そういや前にヤンキーの豆つまんだな)
吉田「なんだよ?」
もこっち「い、いえ!以前乳〇つまんで悪かったなと!」
吉田「おらー!」
ゆり(黒木さんてバカだ)
ネモ(乳〇!?)
うっちー(乳〇!?)
ゆり(……吉田さんはこんな感じにつままれたのかな)キュッ
真子(ゆり!?)
吉田「なんだよ?」
もこっち「い、いえ!以前乳〇つまんで悪かったなと!」
吉田「おらー!」
ゆり(黒木さんてバカだ)
ネモ(乳〇!?)
うっちー(乳〇!?)
ゆり(……吉田さんはこんな感じにつままれたのかな)キュッ
真子(ゆり!?)
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/25(日) 17:51:15.08 ID:ZuGK+wfs0
もこっち「うんこうんこ」
ゆり「連呼しないでよ……」
もこっち(何韻踏んでるんだこいつ……踏む?)
もこっち(まさかそこまで意識して……いや、そういうキャラじゃないか)
ゆり「……」
ゆり「今のはうんこと連呼、うんこを踏むと韻を踏むをかけていて」
もこっち「!?」
ゆり「連呼しないでよ……」
もこっち(何韻踏んでるんだこいつ……踏む?)
もこっち(まさかそこまで意識して……いや、そういうキャラじゃないか)
ゆり「……」
ゆり「今のはうんこと連呼、うんこを踏むと韻を踏むをかけていて」
もこっち「!?」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/25(日) 17:52:37.20 ID:ZuGK+wfs0
『えいえいっ。怒った?』
『怒ってないよ💛』
もこっち「……」
『怒ってないよ💛』
もこっち「……」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/25(日) 17:53:41.58 ID:ZuGK+wfs0
もこっち「えいえいっ」ドカドカ
吉田「うぐっ」
もこっち「怒った?」
吉田「ああ!?」
もこっち「ヒィ!助けて……」
真子(喧嘩してる!?)
ネモ(怒ってないよ💛)
ゆり(やっぱり黒木さんてバカだ……)
ゆり「ふっ……!ふふ……」
真子(ゆり!?)
吉田「うぐっ」
もこっち「怒った?」
吉田「ああ!?」
もこっち「ヒィ!助けて……」
真子(喧嘩してる!?)
ネモ(怒ってないよ💛)
ゆり(やっぱり黒木さんてバカだ……)
ゆり「ふっ……!ふふ……」
真子(ゆり!?)
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/25(日) 17:54:27.83 ID:ZuGK+wfs0
もこっち「ゆうちゃんにセクハラしてえなあ……」
ネモ「私にしてもいいよ」
もこっち「ネモじゃゆうちゃんの代わりにはならないんだよ!」サワサワ スンスン
ネモ「してるじゃん!」
ネモ「私にしてもいいよ」
もこっち「ネモじゃゆうちゃんの代わりにはならないんだよ!」サワサワ スンスン
ネモ「してるじゃん!」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/25(日) 17:55:06.17 ID:ZuGK+wfs0
もこっち「ゆうちゃんにセクハラしてえなあ……」
ゆり「私にすれば?」
もこっち「え……?」
もこっち(こいつ名前の通りマジで百合なの……?)
真子(ゆり!?)
もこっち(!?)
もこっち(百合とガチレズに挟まれた……!?)
ゆり「私にすれば?」
もこっち「え……?」
もこっち(こいつ名前の通りマジで百合なの……?)
真子(ゆり!?)
もこっち(!?)
もこっち(百合とガチレズに挟まれた……!?)
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/25(日) 17:56:12.24 ID:ZuGK+wfs0
もこっち「ゆうちゃんにセクハラしてえなあ……」
うっちー「!?」
うっちー(後ろ姿が私に似てる女にセクハラしたいとか言ってきた!?)
うっちー(私に聞こえるように!?)
うっちー(このままじゃセクハラされる……!?)
うっちー(誰か助けて!!)
もこっち(え……なんでこいつ私に近付いてくるの……)
うっちー「!?」
うっちー(後ろ姿が私に似てる女にセクハラしたいとか言ってきた!?)
うっちー(私に聞こえるように!?)
うっちー(このままじゃセクハラされる……!?)
うっちー(誰か助けて!!)
もこっち(え……なんでこいつ私に近付いてくるの……)
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/25(日) 17:56:51.22 ID:ZuGK+wfs0
ゆり「ムスッ」
もこっち(なんで私がネモと話すと不機嫌になるんだよ……)
もこっち「き、きえーい!ゆりちゃんきえーい!」グリグリ
ゆり「……」スタスタ
もこっち(体張ってやったんだから笑えよ!?)
真子「二人とも待たせてごめんね……ゆり?」
真子「何か良いことあった?」
もこっち(なんで私がネモと話すと不機嫌になるんだよ……)
もこっち「き、きえーい!ゆりちゃんきえーい!」グリグリ
ゆり「……」スタスタ
もこっち(体張ってやったんだから笑えよ!?)
真子「二人とも待たせてごめんね……ゆり?」
真子「何か良いことあった?」
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/25(日) 17:58:50.07 ID:ZuGK+wfs0
もこっち「ふー……」ジワ
もこっち「あ、あれ」ポロポロ
真子「黒木さんどうしたの!?」
もこっち「い……今まで、ボッチで辛いことばかりだったのに、最近ずっと楽しくて」
もこっち「そんなこと考えたら、なんだか、涙が出てきて、止まらなくて」
真子「……黒木さん」ギュッ
もこっち「ふぐううう……」ギュッ
もこっち(ガチレズさんなのにギュッとされて嬉しい……)ポロポロ
ネモ「早く早く」
ゆり「早く早く」
うっちー「まこっち早く代わって」
その他単発ネタ 終
もこっち「あ、あれ」ポロポロ
真子「黒木さんどうしたの!?」
もこっち「い……今まで、ボッチで辛いことばかりだったのに、最近ずっと楽しくて」
もこっち「そんなこと考えたら、なんだか、涙が出てきて、止まらなくて」
真子「……黒木さん」ギュッ
もこっち「ふぐううう……」ギュッ
もこっち(ガチレズさんなのにギュッとされて嬉しい……)ポロポロ
ネモ「早く早く」
ゆり「早く早く」
うっちー「まこっち早く代わって」
その他単発ネタ 終
引用元: もこっち「モテないし弟に耳かきする」
【わたモテ】黒木智子へ10の質問
2018-02-23
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/22(木) 00:52:38.74 ID:8/6zLVsd0
●全16レス+α(予定)
●キャラ曲解・崩壊注意
●うっちーかわいいようっちー
●キャラ曲解・崩壊注意
●うっちーかわいいようっちー
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/22(木) 00:54:05.59 ID:8/6zLVsd0
【黒木智子へ10の質問】
※その1※
Q.あなたにとって、二木さんはどういう人ですか?
黒木「・・・ふ? ふた、き・・・?」
黒木「(あ、あー・・・ (●▲●)のことか)」
黒木「(あのやたらハイスペックな、顔文字二号)」
黒木「(騎馬戦で無双して、射的で無双してたな)」
黒木「話・・・ したことは、ないです」
黒木「ただ、結構・・・ 見かける機会は、その、多くて・・・」
A.まあ、なんだか、すごい人だとは・・・ 思います。
「・・・ ・・・ ・・・」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/22(木) 00:55:55.42 ID:8/6zLVsd0
【黒木智子へ10の質問】
※その2※
Q.あなたにとって、岡田さんはどういう人ですか?
黒木「岡田さん、ですか。 (凸だな)」
黒木「岡田さんとも、あまり・・・ 話、したりは、してないです」
黒木「・・・あー、はい。 遠足の時に、ちょっとだけ」
黒木「根本さんと? ・・・そう、みたい、ですね」
黒木「はい、仲直り・・・ してたみたいです」
黒木「当然かな、とも、思いますけど」
A.・・・岡田さんは、根本さんの、いちばんの友達ですから。
「・・・ ・・・ ・・・」
「・・・ ・・・ ・・・」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/22(木) 00:57:22.26 ID:8/6zLVsd0
【黒木智子へ10の質問】
※その3※
Q.あなたにとって、南さんはどういう人ですか?
黒木「南さん・・・? あ、はい」
黒木「(キバ子か。 こはるって名前なのか・・・)」
黒木「(キバ子のくせに、かわいい名前しやがって)」
黒木「・・・南さんとも、話、したことないです」
黒木「陰口・・・? そう、みたいですね」
黒木「わたしも言われてる・・・ んですかね。 え?」
A.・・・別に、普通じゃ、ないですか。
「・・・?!」
黒木「仲のいい人どうしだったら、それくらい普通にするんじゃないですか」
黒木「言われて気持ちのいいものじゃないですけど」
黒木「わたしの聞こえないところでやってくれるなら、別に」
「・・・ ・・・ ・・・」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/22(木) 00:58:28.12 ID:8/6zLVsd0
【黒木智子へ10の質問】
※その4※
Q.あなたにとって、田中さんはどういう人ですか?
黒木「! ・・・あ、あ、はい。 田中、まこ、さん・・・」
黒木「(あのガチレズさんか・・・)」
黒木「・・・は、はい! と、とてもいいひとです!」
黒木「はい! 田村さんのお友達で!」
黒木「いつも仲良くしてくれて! はい! やさしくて気配りできて・・・」
黒木(ヘタなこといって万一耳に入れられでもしたら、ガチで襲われる・・・!)
A.いつも助けてもらってます! とっても助かってますっ!!
「・・・???」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/22(木) 00:59:24.33 ID:8/6zLVsd0
【黒木智子へ10の質問】
※その5※
Q.あなたにとって、加藤さんはどういう人ですか?
黒木「・・・加藤、さん。 あ、はい」
黒木「ときどき、話・・・ すること、あります」
黒木「いろいろ、話かけて、くれます。 いいひとです・・・」
黒木「(・・・ネイルしてくれたなあ。 マスカラ塗ってくれたなあ)」
黒木「(肌キレイだったなあ、いいにおいしたなあ、意外とでかかったな・・・)」
黒木「(ああ、スキがあったら触りたい。 触りたいのに、スキがない・・・)」ムラムラ
A.もうすこしだけ、スキをうかがって・・・ いえ、仲良くできればな、と。
「・・・ふふふっ」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/22(木) 01:01:05.31 ID:8/6zLVsd0
【黒木智子へ10の質問】
※その6※
Q.あなたにとって、内さんはどういう人ですか?
黒木「・・・内さんですか。(絵文字一号(┃_┃)か)」
黒木「(えみりっていうんだよな。 絵文字のくせに生意気だ)」
黒木「はい。 修学旅行でいっしょに。 ・・・いえ、あれからは、あまり」
「・・・ ・・・ ・・・」
黒木「内さんも、あまり、わたしとは話・・・ したくない、みたいです」
「! ・・・・・・・・・」
黒木「内さんは、たくさん、友だちいますから。 わたしとは・・・ え?」
黒木「・・・いえ。 別に、嫌いじゃ・・・ ないです」
「・・・・・・・・・・・・!」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/22(木) 01:01:46.89 ID:8/6zLVsd0
黒木「修学旅行のとき、いろいろ、助けてもらいました」
黒木「(ズボンほうりこんでくれたの、たぶんあいつだよな)」
「!!」
黒木「遠足のとき、いろいろ、お話ししてくれました」
黒木「(キョロ充なりに、気を使ったんだろうな)」
「!!!」
黒木「(あと、絵文字のやつ、気を使わなくていいんだよな)」
黒木「(どうせわたしのこと嫌なんだろうし、遠慮しなくていい)」
黒木「それから、えm・・・」
「!!!!」
黒木「・・・いえ、内、さんは」
A.いっしょにいて、気兼ねしなくていい人だとは、思います・・・
「・・・・・・・・・・・・」ドキドキドキドキ
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/22(木) 01:02:48.71 ID:8/6zLVsd0
【黒木智子へ10の質問】
※その7※
Q.あなたにとって、根本さんはどういう人ですか?
黒木「・・・根本さん(ネモ、か)」
黒木「・・・はい。ずっと、話しかけて、くれてます」
黒木「はい。遠足の、時も。 いっしょに・・・」
「・・・ ・・・ ・・・」
黒木「・・・友だち、ですか。・・・・・・・・・」
黒木「・・・・・・・・・そう、なんだと、思います」
「? ・・・・・・・・・」
黒木「え? いえ・・・ 別に、好きじゃないとか、そういう、意味じゃ・・・ でも」
黒木「根本さんには、岡田さんが、いますから」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/22(木) 01:03:27.23 ID:8/6zLVsd0
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
黒木「・・・はい。 遠慮、してしまいます・・・」
黒木「(凸ってなんか、マジでガチな雰囲気があるんだよな)」
黒木「(ネモにセクハラしたら、刺してきそうな気がする)」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
黒木「(・・・でも、考えてみりゃ、ネモって)」
黒木「(わたしのはじめての、オタ友なんだよな)」
黒木「(ゆうちゃんとかとは、そういう話、できなかったもんな・・・)」
黒木「・・・でも。 はい。 はい、そうです。 ネモ・・・とさんは」
A.ずっと、大事にしたい人だと、思ってます・・・
「・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・」
「?!」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/22(木) 01:04:51.69 ID:8/6zLVsd0
【黒木智子へ10の質問】
※その8※
Q.あなたにとって、吉田さんはどういう人ですか?
黒木「よ、吉田さんですか(来たよ・・・)」
黒木「はい。いいひとです! やさしくて趣味もよくて!」
黒木「乱暴? いじめ? いえいえいえ! そんなことありませんってば!」
黒木「(本当のこと言って万々が一にでも耳に入ってみろ)」
黒木「(今度こそ校門の前に逆さに吊るされる・・・)」
黒木「(死力を尽くして考えろ! あの女チンピラのいいところを!!)」
黒木「いつもなぶって・・・いえ『かわいがって』くれて!」
黒木「顔もきれいで! スタイルもよくて! 腕力あって!」
黒木「感度もよくて・・・ あ、いや、えっと・・・」
「・・・ ・・・ ・・・」ムカッ
黒木「(あ、あとは・・・ くまちゃんパンツとか、いや、だめっ!)」
黒木「(えっと、えっと、乳〇と股間の感触とか・・・ うわあああ!!)」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/22(木) 01:08:41.57 ID:8/6zLVsd0
黒木「(どうしよう、どうしよう、ろくなもの思い出せない・・・ あっ!!)」
黒木「・・・そうそう! 傘に入れてくれたことがあるんです!」
黒木「はい! 雨の日に・・・ 今江先輩といっしょでした!」
「・・・ ・・・ ・・・」
黒木「そうです! 先輩は途中で帰りましたけど、吉田さんは結局最後まで・・・」
黒木「あ! そうだ! 先輩と言えば、卒業式の時!」
黒木「吉田さんがわざわざわたしを、先輩の前まで連れていってくれて!」
黒木「はい、遠慮してたんですが、そのおかげでご挨拶ができて・・・・・・・・・・・・」
黒木「(・・・・・・・・・・・・あれ?)」
黒木(もしかしてあのヤンキー、本当に意外と、いいやつだったりするのか・・・?)
黒木「・・・・・・・・・・・・だから、その」
A.いろいろ、なんだかんだ、よくしてくれる人・・・ です。
「・・・・・・・・・ちっ」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/22(木) 01:10:01.98 ID:8/6zLVsd0
【黒木智子へ10の質問】
※その9※
Q.あなたにとって、智貴くんはどういう人ですか?
黒木「はあ? 弟のこと・・・ ですか?」
黒木「どう、って。 言われても・・・」
[ おねえちゃん。 おねーえちゃーん! ]
[ 寄るな、近づくな、話しかけるな ]
黒木「(・・・あいつも、変わったよなあ)」
黒木「(生えてもいなかったころから、ずいぶん・・・)」
黒木「(人前でちゅーしてくれって言わなくなったし)」
黒木「(いっちょまえに、剣じゃなく銃を欲しがるようになったし)」
黒木「(部活でもそこそこ活躍してるみたいだし)」
黒木「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・?」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/22(木) 01:10:54.66 ID:8/6zLVsd0
黒木「(・・・それで変態どもからチ〇コ狙われるようになったんだよな)」
黒木「(あいつも、性欲もてあましてるんだろうしな・・・)」
黒木「(健康な高校生男子が、いつまでも目の前の変態女に手を出さないとは思えない)」
黒木「(コオロギ相手だったら即縁切りだが、ちん子ちゃんくらいならしょうがないか)」
黒木「(あいつはたぶん、わたしより一足先に大人になっちゃうんだろうな・・・)」
黒木「・・・ ・・・ ・・・」
Q.黒木さん?
黒木「・・・ ・・・ ・・・」
Q.黒木さん・・・
黒木「あいつは・・・ 智貴は」
A.もう少ししたら、わたしから、離れていっちゃうんだろうなって、思います・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・なっ・・・」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/22(木) 01:11:56.78 ID:8/6zLVsd0
【黒木智子へ10の質問】
※その10※
Q.あなたにとって、田村さんはどういう人ですか?
黒木「はあ、田村さんですか」
黒木「どういう、って。 言われても・・・」
A.ふつうに、友だち、だとしか。
「・・・・・!」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/22(木) 01:12:39.87 ID:8/6zLVsd0
黒木「え? はい、まあ。 いえ、そんな、特別なことは」
黒木「ちょっと、一緒に、話したり、歩いたり。 ・・・弁当食べたりとか、だけで」
[ ・・・黒木さん、おはよ ]
[ 一緒に、お弁当食べよ? ]
黒木「あとは・・・ お菓子、つくったり、とか」
黒木「・・・交換したりとか」
[ 今日付き合ってくれた、お礼っていうか ]
[ 友…達はするんでしょ、こういうの? ]
黒木「え。 そんな」
黒木「特別なこともしないのに、なぜ、って。 そう、言われても・・・」
黒木「・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・」
いっしょにいても、特別なこと、しなくていいから・・・ としか。
「・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・」
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/22(木) 01:13:54.41 ID:8/6zLVsd0
【あなたへひとつだけの質問】
Q.あなたは、黒木さんに、どうしたいと思いますか?
「・・・どうって、別に」
Q.あなたは、黒木さんに、どうしたいと思いますか?
「・・・だから・・・」
Q.あなたは、黒木さんに・・・
「・・・・・・・・・」
【黒木智子へ10の質問 おわり】
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/22(木) 01:15:22.29 ID:8/6zLVsd0
以上、ご覧になっていただきありがとうございました。
余裕があったらあすあさってにアンサー編投下。
余裕があったらあすあさってにアンサー編投下。
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/22(木) 01:45:11.95 ID:r/IacDqEO
おつんこ姉妹
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/22(木) 14:44:03.06 ID:aeyuUcQzO
吉田さんとのエピソードが細かく挙げられてて良かった、渋なんかじゃもこっちほど絡んでないまこっちとばかり組み合わせられてて何だかなーって思ってたし
とりあえずつぎ期待して乙
とりあえずつぎ期待して乙
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 02:55:51.47 ID:kaiJm60N0
乙です
内さん>>8のえm…で勘違いしてて可愛いな
内さん>>8のえm…で勘違いしてて可愛いな
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 18:32:22.90 ID:RpHBKITb0
返信どもです。 アンサー編開始。
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 18:33:08.10 ID:RpHBKITb0
【黒木智子へ10の解答】
※その1※
『 まあ、なんだか、すごい人だとは・・・ 思います 』
回答者:二木
チュン チュンチュン
チ チ チ チ ・・・
黒木「(・・・ああ、面倒くさかった)」
黒木「(昨日はいきなりなんで、あんな面談なんかしたんだ?)」
黒木「(あの内容が内申点にひびいたりするのか・・・?)」
二木「・・・・・・・・・」スタスタスタ
黒木「・・・ん、わっ?」
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 18:34:37.05 ID:RpHBKITb0
二木「・・・・・・・・・」スッ
黒木「・・・は?」
二木「・・・・・・・・・」スタスタスタ
黒木「・・・なんなんだ、あいつ」
黒木「いきなり来て、いきなりこんなの渡して・・・」
黒木「ネズミ―のメダル・・・?」
二木「・・・・・・・・・」スタスタスタ
二木「(・・・ほめられた)」スタスタスタ
二木「(ほめてくれた。 ほめられちゃった)」スタスタスタ・・・
二木「(うれしいな、うれしいな)」
『 なんだか、すごい人だと、思います 』
A.(ありがと、ありがとね・・・ 智子ちゃん)
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 18:35:34.80 ID:RpHBKITb0
【黒木智子へ10の解答】
※その2※
『 ・・・岡田さんは、根本さんの、いちばんの友達ですから 』
回答者:岡田
黒木「いったいなんだったんだ、今の・・・」
岡田「おはよう」
黒木「わっ!!」
岡田「な、なんだよ」
黒木「い、いや、その・・・ あれ」
・・・ ・・・ ・・・ ・・・
黒木「ね、ネモ・・・とさん、は」
岡田「・・・いつでも一緒ってわけじゃないよ」
黒木「はあ」
岡田「なあ、黒木・・・」ヒソヒソ
岡田「あたしに、アニメや漫画のこと、教えてくれよ」
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 18:36:34.56 ID:RpHBKITb0
黒木「はあ??」
岡田「・・・陽菜と話を合わせたいんだよ。 頼むよ」
黒木「じゃあ根本さんに聞けば」
岡田「んな恥ずかしいことが聞けるかよ」
黒木「(恥ずかしいことでもわたしには聞けるのか?!)」
岡田「な、頼むよ、なあ・・・(・・・ちくしょう)」
[ ・・・陽菜?! ]
[ う・・・ っく、ぐずっ・・・ うぇっ・・・ ]
岡田「(いっつも笑ってた陽菜が、泣いてた)」
岡田「(怒っても悲しんでも笑ってた陽菜が、顔をくしゃくしゃにして)」
岡田「(あんたに、大事な人だって言われて。 ちくしょう・・・)」
岡田「(陽菜は、あたしが泣かせてやるって、ずっと思ってたのに! くそっ!)」
『 岡田さんは、根本さんの、いちばんの友達ですから 』
A.なにが一番の友達だ! ゆずってなんかもらいたくない!
絶対あたしが陽菜のいちばんになってやるっ!!
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 18:37:51.01 ID:RpHBKITb0
【黒木智子へ10の解答】
※その3※
『 別に、普通じゃ、ないですか 』
回答者:南
岡田「じゃ、頼むぜ。 またな」タッタッタッタ
黒木「(・・・なしくずしにOKさせられてしまった)」
黒木「(なんだか妙な迫力・・・ というか)」
黒木「(殺気みたいなものを感じたというか・・・)」
トテ トテ トテ ・・・
黒木「・・・はあ」
南「・・・く、黒木」トテ トテ
黒木「あ?」
南「お、おはよ」
黒木「(・・・なんだこいつ。 キョロ充のくせに、どういう心境の変化だ)」
黒木「(加藤さんたちにはじかれたから、わたしにすりよろうって魂胆か?)」
南「あ、あのさ」ヒソヒソ
南「ムカつかない? 荻野のやつ」
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 18:39:28.52 ID:RpHBKITb0
黒木「へ?」
南「なんか、あいつヤじゃない? 上から目線で、イヤミったらしくて」ヒソヒソ
黒木「・・・・・・・・・」
南「こ、こんな話いやかもしれないけどさ。 でも、そう思わ・・・」
黒木「思う」
南「え?」
黒木「■ねばいいのにっていつも全力で思う」
南「・・・は??」
黒木「■■■万くらいまでならなんとかして出すから、■■■■■■■■ないかって思ってる」
南「・・・」ドンビキー
黒木「(・・・なんだこいつ。これくらいでビビってるのか)」
黒木「(おまえくらいのなんか陰口のうちに入らない)」
黒木「(こっちには2ちゃんの時代から鍛えぬいたテクニックがあるんだ)」
黒木「(10年ROMってから出直して来い)」
『 ・・・別に、普通じゃ、ないですか 』
A.あんたは普通じゃないよ、黒木・・・
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 18:40:25.95 ID:RpHBKITb0
【黒木智子へ10の解答】
※その4※
『 いつも助けてもらってます! とっても助かってますっ!! 』
回答者:田中
トッ トッ トッ ト 。
田中「おはよう、黒木さん」
黒木「おはよう、真子さん・・・ って、あれ?」
田中「ふふ、最近はじめたんだ。 ジョギング」
黒木「(なんでジャージ姿なんだと思った・・・)」
田中「黒木さんほどは、まだ走れないけどね」
黒木「い、いえ」
田中「ねえ、黒木さん」
田中「いま、南さんとお話ししてなかった?」
黒木「え」ギクリ
30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 18:41:25.08 ID:RpHBKITb0
田中「あ、べつに何でもないんだけど。 ただ、珍しいなと思って」
黒木「あ、あ、そう・・・(聞かれてなかったろうな・・・)」ドキドキ
田中「どんなこと話してたの?」
黒木「い、いえ。 つまらない、こと・・・」
田中「・・・そう。 でも、よかった」
黒木「え?」
田中「じゃあね、黒木さん」タッ!
トッ トッ トッ ト ・・・
田中(すごいなあ、黒木さんは。 南さんと、もう、あんなに仲よく・・・)
田中(ああ、わたしって、バカだなあ)
[ 南さんたち、きっと悪口言う! 聞かせちゃ駄目!!]
[ ・・・別に、普通じゃ、ないですか ]
田中(黒木さんは、わたしが守るほど、弱い人じゃなかった)
『 いつも助けてもらってます! とっても助かってますっ!! 』
A.・・・いつか、ほんとうに助けられるようになりたい。
わたしも、強くならなくっちゃ。 黒木さんみたいに。
31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 18:42:11.65 ID:RpHBKITb0
【黒木智子へ10の解答】
※その5※
『 もうすこしだけ、スキをうかがって・・・ いえ、仲良くできればな、と 』
回答者:加藤
黒木「(今日はなんだか、次から次へと知り合いに会うな・・・)」
黒木「(ちょっと早く出てきたせいかな)」
加藤「あ、黒木さん」
黒木「・・・あっ」
加藤「おはよう」
黒木「お、おはよう、ござい・・・」クンクン
加藤「朝、早いんだね」
黒木「い、いえ、たまたま・・・(うおお、いい匂い・・・!)」クンカクンカ
加藤「ふふふ(・・・黒木さん、か)」ジーッ
加藤(黒木さんって、不思議なひと)
黒木「・・・??」
32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 18:43:30.11 ID:RpHBKITb0
加藤「(あんまり勉強してるふうでもないのに、成績いいし)」
加藤「(いろんな本、読んでるからなのかな)」
加藤「(あんまり鍛えてるふうでもないのに、体力あるし)」
加藤「(こんなにちっちゃいひとなのにね)」
黒木「あ、あの・・・?」
加藤「・・・・・・・・・・・・」ニコニコ
加藤「(おしゃれしないのに、こんなにかわいいし)」
加藤「(爪も、手も。 目も、かわいかったな・・・)」
加藤「(あんまり人と話さないけど、人嫌いなわけじゃなさそうだし)」
加藤「(いやがって、なかったよね? さわっちゃったけど、いじっちゃったけど・・・)」
加藤「(不思議な人だな、黒木さん。 友達になりたいな。 なってくれないかな・・・)」
加藤「(やっぱり、茜の言う通りなのかな。 黒木さんも言ってたし)
[ 明日香は、スキがなさすぎるんだよ。 近寄りづらく見えちゃうんだ。 ]
加藤「(見せてるつもり、なんだけどなあ・・・)」
『 もうすこしだけ、スキをうかがって・・・ いえ、仲良くできればな、と 』
A.もっといっぱい、スキを見せてあげたら、もっと仲良くなれるのかな?
33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 18:45:10.54 ID:RpHBKITb0
【黒木智子へ10の解答】
※その6※
『 いっしょにいて、気兼ねしなくていい人だとは、思います・・・ 』
回答者:内
加藤「またね、黒木さん」
黒木「あ、はい、また・・・(今日はいいことありそう)」ポーッ
内「・・・おはよう、黒木」
黒木「(今の取り消し)」ガックリ
トコ トコ トコ
トコ トコ ・・・
内「・・・ ・・・ ・・・」トコ トコ
黒木「(今日はいったい、どうしたっていうんだろ・・・)」トコ トコ
黒木「(次から次へと、知り合いばっかりやってくる・・・)」
黒木「(学校につく前に気疲れしてきた)」ゲンナリ
内「・・・ ・・・ ・・・」トコ トコ
黒木「(・・・まあ、絵文字はまだ楽なほうだけど)」
34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 18:46:24.54 ID:RpHBKITb0
内「・・・・・・・・・・・・」トコ トコ
黒木「(こいつはどうせわたしのことなんかどうでもいいだろうし)」
黒木「(そんなに無理して気を使うこともないか)」
内「(・・・ ・・・ ・・・)」…ギュ
[ 内さんも、あまり、わたしとは話・・・ したくない、みたいです ]
黒木「……」ボーッ
内「く 、黒・・・」
小宮山「・・・ゆうちゃん?」
内「え」
黒木「げ」
小宮山「・・・あっ。 ご、ごめんなさい。 人違いで・・・」
内「・・・人違い?」
小宮山「あ、あー・・・ 内 、さん。 その、実は・・・」
―――――
内「・・・その、成瀬さんっていう人と、わたしは似てたんですか」
小宮山「はい。 髪型とか、輪郭とか」
36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 18:47:53.77 ID:RpHBKITb0
黒木「中学校のころからの・・・ 友達、なんだ」
小宮山「いまでもとても、親しくしてくれてる人なんです」
内「(・・・そうだったんだ・・・)」
小宮山「ごめんなさい、ほんとうに」
内「いえ・・・ わたしこそ、黒木さんに、悪いことを」
黒木「え?」
内「わたし、てっきり、黒木さんが、その・・・」
内「わたしのことを、変な眼で見てると、思っちゃって・・・」
黒木「なっ・・・」ドキッ!
小宮山「え」
内「黒木さんは、成瀬さんに似てるわたしのことが、気になっただけだったんですね」
内「わたしの気のせいだった。 ちょっと、自意識過剰だったな・・・」ションボリ
黒木「あ、あー・・・」
小宮山「・・・・・・・・・・・・・・・」
小宮山「内さん、それ、たぶん気のせいじゃないです」
内「え?」
黒木「なっ!」
37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 18:50:06.94 ID:RpHBKITb0
内「ど、どういう・・・」
小宮山「こいつ自分も女のくせに、かわいい女の子にほんっっと目がないんです」
内「!!」
黒木「?! こ、こら!」
小宮山「ほんと、成瀬さんに会うたび、いやらしいことばっかりしてるんですよ」
小宮山「あちこちさわったり、エッチな話したり」
黒木「さ、さわったことはないっ! さわりたいとおもったけど、まださわってない!!」
小宮山「・・・こないだなんか、ゆうちゃんにエッチな下着選んだりしてたんだろ」
内「!!!」
黒木「こ、この・・・ おまえこそ変態だろ!」
小宮山「なにが変態だ! ゆうちゃんにチ●コチョコ贈ったくせに!」
黒木「おまえこそ智貴にチ●ポよこしたんだろうが!!」
小宮山「なっ・・・ バットとボールだっ!」
黒木「『バットとボール』ってチョイス自体が変態だってまだ気づかねーのか!!」
内「・・・・・・・・・・・・・・」
[ 気兼ねしなくて、いい人・・・ ]
小宮山「このド変態!」
黒木「この腐れ変態!」
内「・・・・・・・・・・・・・・キモい」
38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 18:51:54.16 ID:RpHBKITb0
小宮山「え」
黒木「は?」
内「キモい。 キモイキモいキモい! あーーー、キモいっ!!」
内「あやまって損した! ほんとうに変なヤツだったんじゃん!」
内「わたしのことすーっと、いやらしい目で見てたんでしょ!!」
黒木「そっ・・・ んな、こと!」
小宮山「図星だろ」
内「寝顔じーっと見てたり! パンツ盗んだり!」
内「白メシかきこみながらローアングルでふともものぞきこんできたり!!」
小宮山「うわあ・・・」ドンビキー
黒木「こ、この! えみりのくせに調子乗るな!」
内「!!!!!」ズキューン!
黒木「キラキラネームだから自意識過剰になるんだよ!」
内「だ、だれがキラキラよ! あなたこそ、と喪こでしょ!!」
黒木「いまなんて字で呼びやがった?!」
内「うるさいと喪こ! と喪こと喪こともこ!」
黒木「おとなしくしてれば・・・ この絵文字!!」
内「あんたこそ調子に乗んな、このクマ子!!」
「絵文字!」「クマ子!」「絵文字!!」「クマ子!!」
『 いっしょにいて、気兼ねしなくていい人だとは、思います・・・ 』
A.何が気兼ねしなくていいよ! もう最低!
あーーーーーー、キモいっ!!
39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 18:53:29.80 ID:RpHBKITb0
【黒木智子へ10の解答】
※その7※
『 ずっと、大事にしたい人だと、思ってます・・・ 』
回答者:根本
黒木「ぜは、ぜは、ぜは・・・」
黒木「(あ、朝からムダな体力を・・・)」
ム ギ ュ !
黒木「・・・おっ」
根本「おっはよー、クロ」ギュッ!
黒木「おはよ・・・」
根本「・・・あれ? 驚かないね」
黒木「なんというか、慣れた」ゲンナリ
根本「慣れた??」
黒木「ああ、なんか今朝は、さっきから・・・」
――――――――
根本「へー、すごい偶然だねー」 ニ コ リ 。
40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 18:56:49.90 ID:RpHBKITb0
黒木「(・・・なんかひっかかる顔だな)」
根本「それで、みんなとお話ししたりしてたの?」
黒木「話っていうか・・・ ケンカごしのやつもいたし」
根本「ねえ、あーちゃんにも会った?」
黒木「・・・いや、会ってない」
根本「あれー? そうなんだ」
黒木「今日は、一緒じゃないのか(秘密にしてくれ、って言われたからな・・・)」
根本「うん。 なんでかなー」 ニ コ ッ 。
黒木「なんでだろうなー」
根本「・・・ ・・・ ・・・」ニコニコニコ・・・
や
(クロもけっこう、演るの、うまいね)
(・・・まあ、意味ないんだけどね?)
[ あたしに漫画やアニメのこと、教えてくれよ ]
[ ・・・陽菜と話を合わせたいんだよ。 頼むよ ]
(私、全部、聞いちゃってたんだから)
(ふふふふっ)
41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 18:57:58.92 ID:RpHBKITb0
根本「まあいっかー。 教室行けば会えるよね」グニグニ
黒木「・・・頭どけろ、重い」
根本「やーだ。疲れたし」グリグリ
黒木「・・・アゴぐりぐりするな、こそばい」
根本「やーだー」グリグリ
黒木「あっちいけー」ワサワサ
根本「やだー、もー・・・」グルグル
(・・・クロ、だいぶ、うちとけてくれたな)
(でも、まだ、さわってくれはしないか・・・)
黒木「・・・」ワサワサ
根本「・・・」グリグリ
(わかるよ、クロ。 あなた、気を許した相手にほど、強気になるって)
(意地悪になってくる。悪口も言うようになる。イタズラもするように・・・)
[ この絵文字!! ] [ このクマ子!! ]
・・・ほんと、ライバル多いな。 いやになっちゃう。
42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 18:59:09.46 ID:RpHBKITb0
わたし、まる2年、かかっちゃったのに。
なんでみんな、ひとっとびで、クロのそばによってっちゃうかな。
もう・・・
[ ・・・おはよ、黒木さん ] [ はい、あーん ]
みんな、ずるい。ずるいよ。 内さんも、田村さんも、加藤さんも。
クロと、あーちゃんも。 ・・・あなたたちが、いちばんずるい。
黒木「もーは牛だろ。 えらそうに角生やして・・・」
根本「・・・・・・・・・」
クロ、ずるいよ。 私は、こんなにもさ、あなたのこと・・・ あーちゃんだってずるい。
わたし、あーちゃんのことだってとっても、とっても・・・ それなのに。
[ 黒木さん、おはよ ] [ ねえ、茜 ]
ふたりとも、わたしよりも、仲のいい人がいる。 ずるい。 ずるいよ・・・
・・・そんなの、許せない。
43: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 19:01:48.54 ID:RpHBKITb0
なんで、わたしだけが、こんな気持ちにならなくちゃいけないの?
ふたりの顔見るたび、こんなにこんなに、苦しくなっちゃうんだよ。
黒木「・・・ ・・・ ・・・?」
許せない、許さない。 ・・・わたしが一番になる。
あーちゃんと、クロのいちばんに、わたしはきっとなる。
そしてわたし、クロの前では、あーちゃんと仲良くする。
あーちゃんの前では、クロと仲良くしてやるんだ。
・・・いまのわたしの気持ち、きっとふたりにも教えてあげるんだから。
黒木「・・・ネモ?」
根本「・・・ ・・・ ・・・」 ニ コ ッ 。
加藤さんにも、田村さんにも、だれにも負けない。
ふたりとも、きっときっと、わたしのものにしてみせるよ。
『 ずっと、大事にしたい人だと、思ってます・・・ 』
A.それじゃ私、気がすまないよ、クロ。
クロのこと、わたしなしじゃ、いられなくさせてあげるからね。
44: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 19:03:44.25 ID:RpHBKITb0
【黒木智子へ10の解答】
※その8※
『 いろいろ、なんだかんだ、よくしてくれる人・・・ です 』
回答者:吉田
黒木「・・・ネモ、怒ったか?」
根本「うん、怒った」ワシャ
黒木「・・・この」ムスッ
吉田「よう」
黒木「・・・あ」
根本「あ、吉田さんだ。 おはよー」
吉田「ちょうどよかったぜ」
根本「えっ?」
吉田「こないだ、写真撮ってくれて、ありがとうよ」・・・ピッ
ピ ロ リ ン ♪
♪パパパッパッパ パァウワー!
黒木「おっ?」
根本「・・・LINE?」ピッ!
45: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 19:05:12.80 ID:RpHBKITb0
根本「わ、すごーい!」
黒木「・・・なにこれ、アルバム?」
根本「ほらほら、隠しネズミ―だよ。 こんなにいっぱい・・・」
吉田「へっへ、大漁だったぜ」
黒木「(このネズミ―原理主義者め)」
根本「・・・あれ」
黒木「・・・んっ?」
根本「わたしと、あーちゃんの。 それに・・・」
黒木「わたしとネモとの。 いつのまに、こんなに?」
吉田「あんにゃろうとこいつのマヌケ面撮ろうとしたら、おまえも写っちまってさ」
黒木「(・・・自分はどんな面してやがった)」ムカッ
吉田「邪魔だから引き取ってくれ」
根本「・・・吉田さん、ありがとう」
吉田「ほら、お出迎えだぜ」
根本「・・・あーちゃん!」
黒木「岡田さん」
岡田「・・・・・・・・・」
黒木「・・・ネモ、とさん。 また」
根本「・・・うん、クロ」
46: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 19:06:05.72 ID:RpHBKITb0
岡田「じゃ、な。 吉田、・・・黒木」
吉田「ああ」
黒木「・・・じゃ」
… スタ スタ
トコ トコ 。
黒木「・・・・・・・・」トコ トコ
吉田「・・・・・・・・」スタ スタ
黒木「(・・・くそ、ヤンキーのやつ)」トコ トコ
黒木「(さっきから無言でケータイいじってる・・・)」ビクビク
黒木「(おっかねーよー・・・)」
♪パパパッパッパ パァウワー!
黒木「んおっ? また・・・」ピッ
黒木「・・・・・・・・・・・・」
吉田「・・・それ、やるよ」
黒木「これ・・・ あのとき、の?」
吉田「ありがと、な」
黒木「へっ?」
47: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 19:07:08.72 ID:RpHBKITb0
吉田「話しかけられるなんて、思ってなかった、からさ」
黒木「・・・・・・・・・(コワイリッチの時の、写真)」
吉田「あたしたち三人組の、写真だ」
[ 元気に歌ってくれた三人組ー、ありがとー ]
黒木「・・・」
吉田「なんか言えよ」
黒木「・・・・・・これ」スッ
吉田「ん? ・・・モーさん?」
黒木「・・・・・・・・あげる」
吉田「あたしにか」
黒木「余っちゃったから・・・」
吉田「バカ」ワ シ ャ ッ 。
黒木「・・・わぷ」
吉田「んっ、たく・・・ こういう時だけ妙に気を使うなよ、バカのくせに」
黒木「・・・へ 、へへ(ほんとに余ってただけなんだけどな・・・)」ニヨニヨ
吉田「へへっ」ニ カ ッ 。
『 いろいろ、なんだかんだ、よくしてくれる人・・・ です 』
A.しょうがねーだろ、バカなんだから。 ・・・ほっとけねえんだよ。
48: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 19:09:04.76 ID:RpHBKITb0
【黒木智子へ10の解答】
※その9※
『 もう少ししたら、わたしから、離れていっちゃうんだろうなって、思います・・・ 』
回答者:黒木智貴
ザッ ザッ ザッ ザ 。
智貴「・・・ ・・・ ・・・」 … ザ ザ ザ
吉田「・・・おっ」
黒木「ん・・・」
吉田「んじゃ、な」
黒木「・・・あ、うん」
智貴「・・・ ・・・ ・・・」ザ ザ ザ …
黒木「・・・・・・・・・・・・・」
智貴「・・・」ザ ッ 。
黒木「んっ??」
智貴「・・・・・・・・・・」ザリ…
49: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 19:09:48.99 ID:RpHBKITb0
黒木「(・・・どうしたんだ?)」
智貴「別に」
黒木「(いつも家の外じゃ近づくなって言ってるくせに)」
智貴「休憩」
黒木「ふーん」
ザッ ザッ ザ。
トコ トコ トコ ・・・
黒木「(いつまで一緒に歩くんだ? 人目につくぞ)」
智貴「・・・今の人、友達か?」
黒木「あ? ・・・ん、ああ」
智貴「・・・そうか」
黒木「・・・???」
智貴「・・・・・・・・・」
[ わたしから、離れていっちゃうんだろうなって・・・ ]
智貴(あったり前だろ。 何を今さら)
智貴(本気で俺に養ってもらうつもりでいたのか)
50: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 19:10:34.48 ID:RpHBKITb0
黒木「・・・智貴」
智貴「(何もわざわざ、あんなこと人に言う必要ないだろ)」
智貴「(俺のこと聞かれて、ずーっと黙りこくったあげくに)」
智貴「(口を開いて、一言、それだけ・・・)」
黒木「なにか嫌なことでもあったか」
智貴「何も」
黒木「変態どもに絡まれでもしたか」
智貴「だから何も」
黒木「ならいいけど」 ジ ロ 。
黒木「おまえ、あいつらのこと、どうする気だ」
智貴「あん?」
黒木「あんじゃないよ。 どうする気だって」
智貴「あいつらって・・・ 別に、どうも」
黒木「とぼける気かよ」
智貴「だから、俺は、何も」
黒木「気づいてないって言う気じゃないだろうな?」
智貴「・・・・・・・・・・・・」
51: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 19:13:00.82 ID:RpHBKITb0
黒木「わたしにだってわかるんだ(あいつらの欲望は)、お前にわからないはずないだろ」
智貴「俺は・・・」
黒木「一万歩譲って、まだわからないって言い張るのは許してやるけど」 ギ ロ リ 。
「 もしわかっててオモチャにするようなマネしやがったら
姉の責任でおまえのこと殺処分してやるからな」
智貴「・・・・・・・・・」
黒木「まあ男なんだから、やっちまうのはしょうがないけど」
智貴「うるせー」ゴスッ!
黒木「ごふぇっ?!」
智貴「あー、無駄な時間を過ごした」・・・ザッザッザ
黒木「あ、あのガキ・・・」プルプル
智貴「(ああ、くそっ・・・ くそったれ)」ザッザッザッ・・・
智貴「(変なところで姉貴ぶりやがって、くそが)」
智貴「(そんなの、てめえに言われなくったって・・・)」
『 もう少ししたら、わたしから、離れていっちゃうんだろうなって、思います・・・ 』
A.人の心配なんざしてるんじゃねーよ。 わかってる。
・・・わかってる、って。 ったく・・・
52: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 19:15:17.41 ID:RpHBKITb0
【黒木智子へ10の解答】
※その10※
『 普通に、友だち、だとしか 』
回答者:田村ゆり
・… カッチ コッチ カッチ コッチ
♪ペーペーポー ペーペポポー・・・
ドッ ドッ ドッ ドッ 。
黒木「・・・ ・・・ ・・・」
♪ペーペポ・・・ ・・・パーパパーパパパラー♪
ブ ル ン 。 ブ ロ ロ ロ ロ ロ ロ ロ …
・・・ ブ ォ ロ ロ ロ
黒木「・・・ ・・・ ・・・」ジ ー ッ 。
黒木「(・・・まだ、かな)」
53: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 19:15:53.26 ID:RpHBKITb0
♪パーパパーラパー・・・
・・・♪ペーペーポーペーペポポー
・・・ ブ ル ル ル ン 。
カッチ コッチ カッチ コッチ
黒木「・・・ ・・・ ・・・」ジーッ・・・
黒木「(そろそろ・・・ あ)」
田村「・・・・・・・・・・・」スタ スタ
黒木「・・・・・・・・・」トコ トコ
田村「・・・・・・・・・」スタ スタ
黒木「・・・お、おはよ」
田村「あ、黒木さん。 おはよ」
黒木「・・・あ、し、信号」
田村「急ご」
・・・ トッ トッ ト
タッ タッ タ ・・・
54: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 19:16:42.77 ID:RpHBKITb0
トコ トコ トコ
スタ スタ スタ
田村「・・・昨日、面談受けてたんだって?」スタ スタ
黒木「受けた」トコ トコ
田村「どんなのだった?」
黒木「めんどくさかった」
田村「・・・いや、内容は、ってこと」
黒木「つまらないこと。 将来の夢とか、なんとか」
田村「・・・そうなんだ」
黒木「適当に答えといたけど、あれ内申に響いたりするのかな・・・」
田村「どうなんだろ。 けっこうあの人、思いつきでいろんなことするから」
黒木「そうだな。 あー、疲れた」コキコキ
トコ トコ トコ
スタ スタ スタ
田村「・・・ ・・・ ・・・」スタ スタ
黒木「・・・ ・・・ ・・・」トコ トコ
田村「(・・・黒木さんの、うそつき)」
55: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 19:18:14.83 ID:RpHBKITb0
黒木「・・・・・・・・・」ボーッ
田村「(面談のことだって、正直に言わないし)」
田村「(面談の時にだって、うそをついてた)」
[ いっしょにいて、特別なこと、しなくていいから、としか。 ]
田村「(・・・あなたはいつも、特別なことをしてる)」
田村「(あそこの交差点でよく会うことに気付いてから)」
田村「(あなたはいつも、あそこでわたしのことを待ってくれるようになった)」
黒木「・・・・・・・・・・」トコ トコ トコ
田村「(今日はもっと早く出てきて、ちょっと離れた場所で待ってて)」
田村「(たまたまここで会ったふりをしてみせた)」
田村「(特別なことじゃ、ないのかもしれない。 ふつうのこと、なんだろうけど)」
黒木「・・・・・・・・・・」トコ トコ ・・・
田村「(黒木さんにとっては、あたりまえのことなのかもしれないけど、でも)」
田村「(でも・・・・・・・・・)」
56: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 19:20:02.99 ID:RpHBKITb0
黒木「・・・・・・・・・・・そういえば」
田村「え?」
黒木「さっき、吉田さんに、もらったんだけど」・・・ソッ
田村「(携帯?) ・・・あ、これ」
黒木「うん、ネズミーの・・・ あんときの写真」
田村「(・・・わたしと吉田さんと、黒木さんの写真)」
黒木「・・・もう、もらってる?」
田村「ううん」
黒木「え? そう、なんだ。 じゃ、あげる・・・ね」 ピ。
田村「うん」
・・・ ・・・ ・・・ ・・・
黒木「あれ? あれ? えっと・・・」ピッ ピッ ピ
田村「どうしたの?」
黒木「いや、こういうの、その・・・ あまり、したこと、なくて」
田村「教えよっか」
黒木「いや、待って。 なんとなく、わかる・・・ そりゃっ!」
♪ ピ ロ リ ン !
57: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 19:21:51.41 ID:RpHBKITb0
田村「・・・届いた」
黒木「よっしゃ」
田村「ありがとね」
黒木「はは、ああ、ドキドキした」
田村「ドキドキすることなんかないでしょ」
黒木「いや、こういうこと、あまり、したことないから・・・」
田村「・・・そう」
黒木「・・・で、でもさ」
黒木「友、達は・・・ するん、だよね? こういう、こと」
田村「・・・・・・・・・・うん」
黒木「はは、ははは、いまさら、だけど」
田村「うん・・・・・・・・・・」
[ 友…達はするんでしょ、こういうの? ]
田村「・・・・・・・・・・・・・・」
Q.あなたは、黒木さんに、どうしたいと思いますか?
A.別に、何も。
58: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 19:25:23.67 ID:RpHBKITb0
別に何も、しようとは思わない。
特別なことなんて、する必要、ない。
・・・だって、わたしと黒木さんは、ただの友達だから。
[ ふつうに、友だち、だとしか。 ]
[ いっしょにいても、特別なこと、しなくていいから・・・ としか。 ]
普通の、ありふれた、どこにでもいる、友達どうし。
みんなと同じ。 わたしだけ特別じゃ、ない。
・・・ トコ トコ トコ
スタ スタ スタ ・・・
わたしだけが特別なわけじゃ・・・
「・・・あ、ごめん、ゆり」
「なあに、智子?」
「やっぱ操作教えて。 トップに戻れない」
「しょうがないなあ、もう・・・」
「!!」「?!」
59: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 19:26:35.08 ID:RpHBKITb0
黒木「(い、いま、わたし・・・ 「ゆり」って言っちゃった!? やばっ!!)」
田村「(黒木さん、いま、わたしのこと・・・ それに、わたし、「智子」って・・・!)」
ドキ ドキ ドキ・・・
黒木「(怒ってないか?! キレてないだろうな?!)」
田村「(く、くろき、さんっ・・・)」
ドキ ドキ ・・・
黒木「・・・・・・・・・」
田村「・・・・・・・・・」
黒木「・・・は、はやく、教えてよ。 ゆり」
田村「偉そうだなあ、と・・・ 智、子は」
ピ ピ ピッ 。
智子「ど、どう?」
ゆり「別に。 ほら」
智子「・・・直った」
ゆり「変なところ、さわっちゃったんでしょ」
60: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 19:28:20.17 ID:RpHBKITb0
智子「そんなつもり、なかったんだけどなあ」
ゆり「変なところさわるのは得意でしょ」
智子「・・・・・・・・・・・」
「うん」
ー サ ワ ッ 。
ゆり「きゃあ?!」
智子「・・・おっ?」
ゆり「な、なにするの! もうっ!」ポカ ポカッ!
智子「おっ? おお?」
ゆり「いきなり触って! このバカッ!」 ポ カ ッ !
智子「だって、触ってほしいってフリだと思ったし」
ゆり「そんなわけないでしょ、智子のバカ!」
智子「うわー、ゆりに暴力ふるわれるー、たすけてー」タッ!
パタ パタ パタ
タッ タッ タッ!
61: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 19:30:03.44 ID:RpHBKITb0
ゆり「もうっ、智子のバカ!」パタ パタ パタ
智子「ゆりのアホー」タッ タッ タ!
ゆり「(小学生じゃないのに、もう・・・ 智子ったら!)」
智子「(あんな声も出せるし、あんな顔もできるんだ それに)」
ゆり「つかまえたー! こうしてやるー!」ポカッ!
智子「(こんなことも、してくるんだ・・・ ゆりのやつ)」
ゆり「(もう、智子ったら! はたかれてるのに、ニヤニヤして!)」
ポカ ポカ ポカッ!
ウワー タスケテー
コノー! ・・・
あたりまえ・・・ だから、いいよね?
名前で呼びあうくらい。
あたりまえだから、いいよね?
ちょっと触るくらい、ちょっとはたくくらい。
ちょっとふざけて、ちょっと、笑うくらい。
何も特別なことじゃない。 ふつうのこと。
― 友達、なんだから。
チュン チュン チュン
チ チ チ チ チ ・・・
62: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 19:31:23.81 ID:RpHBKITb0
【わたしへひとつだけの質問】
Q.あの子たちはこれから、うまくいくと思いますか?
荻野「やるべきことはやった。 あとはあの子たちに任せましょう」
南「(やっぱうざいわ、コイツ)」
【黒木智子へ10の回答 おわり】
63: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 19:34:08.19 ID:RpHBKITb0
投下は以上になります。ご覧になっていただき、ありがとうございました。
なおこのSSは、とあるイラストから題名とテーマを拝借しました。
こちらのおねだりにこころよく応じていただいたその作者さんに、あらためて感謝いたします。
かさねて、読んでいただいたことに感謝です。
またいつかどこかで。
なおこのSSは、とあるイラストから題名とテーマを拝借しました。
こちらのおねだりにこころよく応じていただいたその作者さんに、あらためて感謝いたします。
かさねて、読んでいただいたことに感謝です。
またいつかどこかで。
64: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 19:37:00.02 ID:EXyBf7j3O
乙
ほかは全部ゆりもこまでの前座だな
なかなか読みごたえあってよかったわ
ほかは全部ゆりもこまでの前座だな
なかなか読みごたえあってよかったわ
65: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 20:47:47.33 ID:RpHBKITb0
個別レス。
>>19
ちん子ちゃんはきっといい嫁になりそうな気がする。
>>20
よしもこはゆりもこの一歩先をいく尊さがあると思う。
>>21
うちもこはゆうこみもこに割って入れるくらいのポテンシャルはある。
>>19
ちん子ちゃんはきっといい嫁になりそうな気がする。
>>20
よしもこはゆりもこの一歩先をいく尊さがあると思う。
>>21
うちもこはゆうこみもこに割って入れるくらいのポテンシャルはある。
66: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 20:49:48.08 ID:RpHBKITb0
>>64
魅力あるキャラばっかりなので、誰を書いても楽しかった。
これ書いてたらこはるちゃんを好きになれた。
ゆうちゃんがオタ話できないって書いちゃったのが心残りだけど
あとはだいたい自己満足できてます。
重ねて感謝を。
67: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/23(金) 20:55:46.37 ID:9nyzCeMYO
おつおつ
個人的には加藤さんがツボ、またいつか書いてくれい
個人的には加藤さんがツボ、またいつか書いてくれい
引用元: 【わたモテ】黒木智子へ10の質問
もこっち「モテないし耳かきする」
2018-02-10
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 09:10:23.63 ID:p+1Y93mM0
吉田「スースー」
もこっち(ヤンキーがまたベンチで寝てやがる)
もこっち(そういえば、外で耳かきするってシチュどっかで見たな)
もこっち「……」オズ
もこっち「キョロキョロ」
もこっち「スッ」(マイ耳かき)
もこっち(ヤンキーがまたベンチで寝てやがる)
もこっち(そういえば、外で耳かきするってシチュどっかで見たな)
もこっち「……」オズ
もこっち「キョロキョロ」
もこっち「スッ」(マイ耳かき)
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 09:10:53.05 ID:p+1Y93mM0
真子「あれ。あそこにいるの吉田さんと黒木さんじゃないかな」
ゆり「うん……」
ゆり(またなんかしてる……)
もこっち(クソ、やりづれえな)カリカリ
もこっち(おらっおらっ)コシュコシュ
ゆり「うん……」
ゆり(またなんかしてる……)
もこっち(クソ、やりづれえな)カリカリ
もこっち(おらっおらっ)コシュコシュ
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 09:11:43.00 ID:p+1Y93mM0
コリコリ スッスッ
吉田(ん……んんっ……)
クリッ キュッ
吉田「んん!?」
もこっち「!?」
吉田(ん……んんっ……)
クリッ キュッ
吉田「んん!?」
もこっち「!?」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 09:12:45.76 ID:p+1Y93mM0
吉田「何してんだお前……?」
もこっち「よ、吉田さんが寝てたから……」
もこっち「ほら、ヤンキーってズボラだし汚い耳を掃除してあげようかと」
吉田「ああ!?」
もこっち「ひい!」
吉田「……チッ」スタスタスタ
もこっち(せっかく耳かきしてやったのに恩を仇で返しやがって)
もこっち(耳クソため込んでたくせにイキってんじゃねーぞ!!)
もこっち(でもまあ、最近ハゲやゆうちゃんにやってなかったからスッキリしたな)
もこっち「よ、吉田さんが寝てたから……」
もこっち「ほら、ヤンキーってズボラだし汚い耳を掃除してあげようかと」
吉田「ああ!?」
もこっち「ひい!」
吉田「……チッ」スタスタスタ
もこっち(せっかく耳かきしてやったのに恩を仇で返しやがって)
もこっち(耳クソため込んでたくせにイキってんじゃねーぞ!!)
もこっち(でもまあ、最近ハゲやゆうちゃんにやってなかったからスッキリしたな)
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 09:14:03.63 ID:p+1Y93mM0
もこっち(さあ帰るか)
吉田「おい」ガシッ
もこっち「!?」
吉田「ちょっとツラ貸せ」
もこっち(シメられる!?まさか昼間の報復!?)
ゆり「長引きそうだから私達先帰ってるね」
真子「黒木さんまた明日ね」
もこっち(見捨てる気かお前ら!!)
もこっち「よ、用件は……?」
吉田「反対の耳もやれ」
もこっち(ん……!?)
吉田「おい」ガシッ
もこっち「!?」
吉田「ちょっとツラ貸せ」
もこっち(シメられる!?まさか昼間の報復!?)
ゆり「長引きそうだから私達先帰ってるね」
真子「黒木さんまた明日ね」
もこっち(見捨てる気かお前ら!!)
もこっち「よ、用件は……?」
吉田「反対の耳もやれ」
もこっち(ん……!?)
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 09:14:53.03 ID:p+1Y93mM0
もこっち「お、怒ってたんじゃ……?」
吉田「ああ!?……駄目なのか?」
もこっち「い、いや、別にいいけど……」
もこっち(この野郎脅かしやがって)
もこっち「じゃあ……私椅子に座るから、吉田さんは正面から私の太ももに頭のっけて……」
吉田「ん……」
もこっち(快楽地獄に叩き落としてやるよ!!)コスコスコスコス
吉田「んんんん……!」ピクピク
吉田「ああ!?……駄目なのか?」
もこっち「い、いや、別にいいけど……」
もこっち(この野郎脅かしやがって)
もこっち「じゃあ……私椅子に座るから、吉田さんは正面から私の太ももに頭のっけて……」
吉田「ん……」
もこっち(快楽地獄に叩き落としてやるよ!!)コスコスコスコス
吉田「んんんん……!」ピクピク
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 09:15:49.80 ID:p+1Y93mM0
うっちー「!?」
うっちー(黒木がヤンキーの耳かきしてる!?)
うっちー(二人しかいない放課後の教室で耳かきとかキモイキモイ)
うっちー(しかも太ももに頭のっけてる!膝枕じゃん!)
うっち(ヤンキーの頭黒木の股間に埋まってるじゃん!!)
雌猫共「何してるの?帰るようっちー」
うっちー(キモイキモイキモイキモイうわあああー)ズルズル
うっちー(黒木がヤンキーの耳かきしてる!?)
うっちー(二人しかいない放課後の教室で耳かきとかキモイキモイ)
うっちー(しかも太ももに頭のっけてる!膝枕じゃん!)
うっち(ヤンキーの頭黒木の股間に埋まってるじゃん!!)
雌猫共「何してるの?帰るようっちー」
うっちー(キモイキモイキモイキモイうわあああー)ズルズル
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 09:16:24.13 ID:p+1Y93mM0
吉田「おい」
もこっち「ヒィッ。な、何?」
吉田「昨日はありがとな。また頼む」
もこっち「い、いいけど……へへへ……」
もこっち(だから脅かすんじゃねーよクソが!!)
ネモ(クロ何ニヤニヤしてるんだろう)
もこっち「ヒィッ。な、何?」
吉田「昨日はありがとな。また頼む」
もこっち「い、いいけど……へへへ……」
もこっち(だから脅かすんじゃねーよクソが!!)
ネモ(クロ何ニヤニヤしてるんだろう)
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 09:18:18.68 ID:p+1Y93mM0
ゆり「昨日何かあったの?」
吉田「ああ。こいつに耳かきして貰ったんだ」
ネモ「!?」
ゆり「!?」
加藤「へえ。黒木さんて耳かき上手なんだ?」
もこっち「ち、中学の頃は友達(ゆうちゃん)や弟(ハゲ)に耳かきしてたから……」
もこっち「しかも耳かき動画や耳かき音声で研究し尽くしてるから。プロ顔負けだよ」
もこっち「まあ……普通の人にはわからないか。この領域の話は」
吉田(ウゼエなこいつ)
吉田「ああ。こいつに耳かきして貰ったんだ」
ネモ「!?」
ゆり「!?」
加藤「へえ。黒木さんて耳かき上手なんだ?」
もこっち「ち、中学の頃は友達(ゆうちゃん)や弟(ハゲ)に耳かきしてたから……」
もこっち「しかも耳かき動画や耳かき音声で研究し尽くしてるから。プロ顔負けだよ」
もこっち「まあ……普通の人にはわからないか。この領域の話は」
吉田(ウゼエなこいつ)
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 09:20:04.18 ID:p+1Y93mM0
加藤「黒木さん字奇麗だし手先器用なのかもね」
もこっち「え?えへへ……」
もこっち(やべえ!褒められた)
加藤「私も黒木さんにして欲しいなー」
もこっち「え!?」
もこっち(いいのか……!?カースト最上位の人に私の棒突っ込んでも!!)
加藤「駄目?」
もこっち「じ、じゃあ、私の膝の上に頭をのせて……」
もこっち「え?えへへ……」
もこっち(やべえ!褒められた)
加藤「私も黒木さんにして欲しいなー」
もこっち「え!?」
もこっち(いいのか……!?カースト最上位の人に私の棒突っ込んでも!!)
加藤「駄目?」
もこっち「じ、じゃあ、私の膝の上に頭をのせて……」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 09:21:53.13 ID:p+1Y93mM0
コリコリ クリクリ
加藤「ん……あ……」ピクッ
もこっち(お母さんが身もだえてやがる……!)グリグリ
もこっち「お、終わったけど……」
加藤「んー、気持ち良かったあ」
加藤「ありがとう黒木さん」
もこっち「こ、こちらこそ」
もこっち(堪能した……)
岡田「次私ね」
もこっち(ん……!?)
加藤「ん……あ……」ピクッ
もこっち(お母さんが身もだえてやがる……!)グリグリ
もこっち「お、終わったけど……」
加藤「んー、気持ち良かったあ」
加藤「ありがとう黒木さん」
もこっち「こ、こちらこそ」
もこっち(堪能した……)
岡田「次私ね」
もこっち(ん……!?)
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 09:23:38.56 ID:p+1Y93mM0
岡田「いや、その、陽菜がやって貰ったらいいって言うから」
岡田「陽菜とか黒木みたいな奴にとってはこういうの普通なんだろ?」
岡田「私も陽菜のこと理解したいし」
ネモ「私人にするの下手だから。まずは上手なクロが、ね」
もこっち(ネモの奴何言ってんの!?)
ネモ(クロとあーちゃんの距離縮まるといいなあ。どっちの一番も私だけど)
ネモ「その次私ね」
岡田「陽菜とか黒木みたいな奴にとってはこういうの普通なんだろ?」
岡田「私も陽菜のこと理解したいし」
ネモ「私人にするの下手だから。まずは上手なクロが、ね」
もこっち(ネモの奴何言ってんの!?)
ネモ(クロとあーちゃんの距離縮まるといいなあ。どっちの一番も私だけど)
ネモ「その次私ね」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 09:24:27.96 ID:p+1Y93mM0
岡田「どうなんだよ!」
もこっち「ビクッ」
もこっち「い、いいけど」
ゆり「……」
真子「あはは……」ヒラヒラ
もこっち(なんでお前らまで並んでんの……!?)
もこっち「ビクッ」
もこっち「い、いいけど」
ゆり「……」
真子「あはは……」ヒラヒラ
もこっち(なんでお前らまで並んでんの……!?)
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 09:25:15.97 ID:p+1Y93mM0
ゆり「ハァハァ……ング……ハァハァ……」
ゆり「き……今日も先帰るね……」
真子「あ、ありがとう黒木さん。また明日ね」
もこっち「ま、また明日……」
もこっち(なんなの?ウチのクラスの雌共)
もこっち(怖いんだが!!)
もこっち(耳かき自体は楽しかったが、正直ひくわ)
もこっち「……」
もこっち「……帰るか」
ゆり「き……今日も先帰るね……」
真子「あ、ありがとう黒木さん。また明日ね」
もこっち「ま、また明日……」
もこっち(なんなの?ウチのクラスの雌共)
もこっち(怖いんだが!!)
もこっち(耳かき自体は楽しかったが、正直ひくわ)
もこっち「……」
もこっち「……帰るか」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 09:26:21.83 ID:p+1Y93mM0
うっちー「……」
もこっち「ん?」
うっちー「……あー耳が痒いなー」
うっちー「誰か耳かきしてくれないかなー」
うっちー「チラッ」
もこっち(なんだこいつ……)スタスタ
うっちー(おい!!素通りすんな!!)
もこっち「ん?」
うっちー「……あー耳が痒いなー」
うっちー「誰か耳かきしてくれないかなー」
うっちー「チラッ」
もこっち(なんだこいつ……)スタスタ
うっちー(おい!!素通りすんな!!)
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 09:27:57.69 ID:p+1Y93mM0
もこっち「……」
もこっち「み、耳かき……しようか……?」
うっちー「う、うん……」
うっちー(キモイキモイ!)
うっちー(キモイけど黒木が耳かきしたいっていうんなら、仕方ないからさせてやるか!)
もこっち「じゃあ、頭をここに」ツー
もこっち(やべっ!?ヨダレが!)ポタッ
うっちー「!?」ジュワァ
もこっち「い、今のは消毒液だから!」コスコスコスコス
うっちー(うわああああああああああああああああああ)コシュコシュ カリカリ クリクリ キュッ
もこっち「み、耳かき……しようか……?」
うっちー「う、うん……」
うっちー(キモイキモイ!)
うっちー(キモイけど黒木が耳かきしたいっていうんなら、仕方ないからさせてやるか!)
もこっち「じゃあ、頭をここに」ツー
もこっち(やべっ!?ヨダレが!)ポタッ
うっちー「!?」ジュワァ
もこっち「い、今のは消毒液だから!」コスコスコスコス
うっちー(うわああああああああああああああああああ)コシュコシュ カリカリ クリクリ キュッ
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 09:28:53.15 ID:p+1Y93mM0
もこっち(教室で耳かきするのがブームになってしまった)
岡田「うう……ヒナあ……」ピクピク
清田「俺にもやってくれよー」
ネモ「男同士でやれ!」
真子「どう?ゆり」
ゆり「ん……」チラッ
もこっち(おらおらっ!)
吉田「ん……んぁ……」ピクッ
ゆり「……うん。気持ちいい」
岡田「うう……ヒナあ……」ピクピク
清田「俺にもやってくれよー」
ネモ「男同士でやれ!」
真子「どう?ゆり」
ゆり「ん……」チラッ
もこっち(おらおらっ!)
吉田「ん……んぁ……」ピクッ
ゆり「……うん。気持ちいい」
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 09:30:16.63 ID:p+1Y93mM0
ネモ「はいあーちゃん終わりー」
ネモ「次はクロにしてあげるね」
もこっち「え?」
ゆり「黒木さん。私がしてもいいけど」
もこっち「は?」
もこっち「い、いや……加藤さんにして欲しいかなって……」
加藤「いいよ」
ネモ「ふーん……」
ゆり「……」
ネモ「次はクロにしてあげるね」
もこっち「え?」
ゆり「黒木さん。私がしてもいいけど」
もこっち「は?」
もこっち「い、いや……加藤さんにして欲しいかなって……」
加藤「いいよ」
ネモ「ふーん……」
ゆり「……」
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 09:31:21.31 ID:p+1Y93mM0
小宮山(おかしいだろ……なんだよこれ……)
小宮山(でも親友だったらこういうことするべきなのか?)
小宮山「わ……私達もしてみよっか?」
伊藤「……」
伊藤「うん」
小宮山(でも親友だったらこういうことするべきなのか?)
小宮山「わ……私達もしてみよっか?」
伊藤「……」
伊藤「うん」
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 09:32:11.40 ID:p+1Y93mM0
智貴(……)
智貴(……ん?あいつの教室か)
智貴「チラッ」
もこっち「ンホオオオオ」
智貴(楽しそうじゃねーか)
智貴(そういや……ちょっと前までして貰ってたな……)
智貴「……耳かゆ」クリクリ
終
智貴(……ん?あいつの教室か)
智貴「チラッ」
もこっち「ンホオオオオ」
智貴(楽しそうじゃねーか)
智貴(そういや……ちょっと前までして貰ってたな……)
智貴「……耳かゆ」クリクリ
終
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 10:03:46.30 ID:awV+G4MjO
乙
台詞回しが原作のそれ
台詞回しが原作のそれ
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 10:38:50.88 ID:i14txvfu0
乙!面白かった。
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 10:54:05.95 ID:p+1Y93mM0
ついでにダイマなんですけど『耳そうじサロン eariss【イアリス】』で検索して再生多い順に見るのお勧めです(微グロ注意)
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 12:24:39.83 ID:obIi49Uzo
アジア人の耳くそは乾燥してて取りやすいが、ヨーロッパやアメリカの方では湿ってて取りにくいという……
あまり耳かきすぎるのも良くないぞ
あまり耳かきすぎるのも良くないぞ
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 15:04:56.45 ID:Uh1TNmbR0
嫁に耳かきしてらってたらクシャミされて綿棒ぐさぁーされたのがトラウマですわ
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/10(土) 15:07:40.21 ID:w9yHpjbG0
ワタモテSSありがたやー
引用元: もこっち「モテないし耳かきする」