画家「いつも贋作ばかり描かされてるけど、俺だって本当は……」
2020-12-15
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/17(金) 19:05:02.21 ID:y358F8OU0
画家「……」サッサッ
画家「よし、できた!」
画家「頼まれてた絵の模写、終わりました」
商人「ありがとうございます。きっといい値がつきますよ」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1534500301
関連
ハルヒ「SOS団で恋の暴露大会をするわよ!」
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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/17(金) 19:08:15.66 ID:y358F8OU0
画家(俺は画家だ。無名を通り越して名無しの画家だ)
画家(ラジオもテレビも新聞もないこの部屋で、誰かの絵の模写をする日々を送っている)
画家(俺が描いた絵は、きっと商人さんの手によって贋作として売られていくんだろう)
画家(絵を描くのは好きだから、与えられた環境に関して全く不満はない)
画家(だけど――)
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/17(金) 19:09:08.32 ID:y358F8OU0
商人「やぁ、こんにちは」
画家「仕事の依頼ですか?」
商人「はい、次に模写していただきたいのはですね――」
画家「あの……」
商人「なんです?」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/17(金) 19:10:38.18 ID:y358F8OU0
画家「俺が描いた絵……本当に売れてるんですか?」
画家「ただ、あなたに指定された絵を模写しただけの絵なのに……」
商人「そりゃもう! 売れてますよ!」
商人「見て下さい、この札束を! あなたのおかげですよ!」ペラペラ
画家(売れてるんだ……)
商人「それがなにか?」
画家「あ、いえ……売れてるんならなによりです。仕事の話に戻りましょう」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/17(金) 19:12:20.56 ID:y358F8OU0
画家(いつも俺が模写してる絵の作者は、きっとものすごく有名なのだろう)
画家(そして、その作者の作品として売られるのだろう)
画家(だから俺のような名無し画家の模写でも、高値で売れるのだ)
画家(絵画の世界とは、えてしてそういうものである)
画家(“どういう絵か”よりも“誰の絵か”が重要なのだ)
画家(俺は仕事がもらえる。商人さんは金を儲けられる)
画家(この関係になんの問題もない。あるはずがない)
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/17(金) 19:13:22.27 ID:y358F8OU0
画家(だけど、俺だって本当は……)
画家(本当は――)
画家(“自分の絵”を描きたい!)
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/17(金) 19:15:21.78 ID:y358F8OU0
商人「やぁ、こんにちは」
商人「次の仕事なんですけど――」
画家「商人さん!」ガバッ
商人「なんですか、いきなり!? 土下座なんかして!」
画家「お願いがあるんです!」
商人「お願い?」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/17(金) 19:16:48.96 ID:y358F8OU0
画家「俺は行き倒れていたところをあなたに助けられ、こうして衣食住と仕事を与えてもらいました」
商人「ええ、その通り」
商人「あなたは自分の絵が売れないことを悔やみ、自殺を図った売れない画家です」
商人「私はそのあなたを助け、その見返りとして、あなたは私のいうとおりに仕事をする」
商人「そう説明しましたし、そういう約束をしたはずです」
画家「おっしゃる通りです。本当にありがとうございます」
画家「ですが、ですが……」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/17(金) 19:18:55.03 ID:y358F8OU0
画家「俺は模写ではなく、“自分の絵”を描いてみたくなったんです!」
商人「!」
画家「ワガママをいっているのは百も承知ですが、どうか自分の絵を描かせてくれませんか!」
画家「お願いしますっ!」
商人「……」
画家(やはり、ダメか……?)
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/17(金) 19:21:34.60 ID:y358F8OU0
商人「いいですよ」
画家「本当ですか!?」
商人「あなたもここで仕事をしていくうちに、色々と思うところがあったのでしょう」
商人「ぜひその気持ちを、キャンバスにぶつけて下さい」
画家「は、はいっ! ありがとうございます、ありがとうございますっ……!」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/17(金) 19:23:16.42 ID:y358F8OU0
画家「……」サッサッ
画家「や、やった……完成だ!」
画家「誰かの作品の模写なんかじゃない、真の自分の作品が完成したんだ……!」
画家(売れなくてもいい……! 自分の絵を描いたことに意味があるんだ!)
画家(俺は“名前”じゃなく、“絵”で勝負するんだ……!)
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/17(金) 19:24:48.25 ID:y358F8OU0
画家「どうぞ、受け取って下さい!」
商人「おおっ、これは素晴らしい絵ですね!」
画家「ありがとうございます」
画家「とはいえ、俺のオリジナル作品では、きっと大した値段はつかないと思いますが……」
商人「いえいえ……ものすごい値がつくと思いますよ」
商人「私が保証します」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/17(金) 19:27:30.63 ID:y358F8OU0
翌日の新聞記事――
≪現代最高の画家A氏、新作絵画を発表!≫
『自殺未遂をし、記憶喪失になっていた人気画家・A氏が、このたび新作絵画を発表した。
A氏は“みんな俺の絵じゃなく、俺の名を買っているだけだ”と遺書を残し、
飛び降り自殺を図り、自分の名前や経歴すら忘れてしまうほどの重傷を負っていた。
その後しばらくは、自身の作品の模写の発表に専念していたが、ついに……』
END
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/17(金) 19:46:40.95 ID:rcjlAemOo
名無しになっても名前からは逃れられなかったか…乙
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/17(金) 21:40:56.99 ID:nxpyZIhWo
いいオチだった乙
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/08/19(日) 09:40:10.67 ID:5r4x8mNx0
おおー!これはなかなか面白い話だね!
引用元: ・画家「いつも贋作ばかり描かされてるけど、俺だって本当は……」
博士「超高性能ウルトラハイパーグレート落とし穴を作ったぞ!」
2020-12-13
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/10(火) 17:16:56.24 ID:DBbuCUuj0
博士「ただいま」
助手「あれ博士、どこ行ってたんですか?」
博士「ちょっと発明をね」
助手「発明って……どうせまたイタズラでしょう」
博士「ハッハッハ、まぁな!」
助手「で、今度はどんなイタズラを仕掛けてきたんです?」
博士「超高性能ウルトラハイパーグレート落とし穴を作ったぞ!」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1531210615
助手「あれ博士、どこ行ってたんですか?」
博士「ちょっと発明をね」
助手「発明って……どうせまたイタズラでしょう」
博士「ハッハッハ、まぁな!」
助手「で、今度はどんなイタズラを仕掛けてきたんです?」
博士「超高性能ウルトラハイパーグレート落とし穴を作ったぞ!」
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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/10(火) 17:17:30.84 ID:DBbuCUuj0
助手「超高性能落とし穴?」
博士「超高性能ウルトラハイパーグレート落とし穴だ!」
助手「このさい名前はどうでもいいでしょう」
助手「……で、どんな落とし穴なんです?」
博士「うむ、聞いて驚け」
博士「まず深さ……10000m!」
助手「10000m!?」
博士「超高性能ウルトラハイパーグレート落とし穴だ!」
助手「このさい名前はどうでもいいでしょう」
助手「……で、どんな落とし穴なんです?」
博士「うむ、聞いて驚け」
博士「まず深さ……10000m!」
助手「10000m!?」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/10(火) 17:19:13.94 ID:DBbuCUuj0
助手「いくらなんでも深すぎじゃないですか?」
博士「10000mぐらいなければ、超高性能ウルトラハイパーグレートとはいえんだろう」
助手「そうかもしれませんが……どうやって掘ったんです?」
博士「ワシ特製の簡易穴掘り機でちょちょいとな」
助手「落とし穴なんかより、そっちの方がすごい発明のような気がしますよ……」
助手「その落とし穴に落ちると……どうなるんです?」
助手「まさか、そのままペシャンコってことはないでしょう?」
博士「うむ、さっそく説明していこう」
博士「10000mぐらいなければ、超高性能ウルトラハイパーグレートとはいえんだろう」
助手「そうかもしれませんが……どうやって掘ったんです?」
博士「ワシ特製の簡易穴掘り機でちょちょいとな」
助手「落とし穴なんかより、そっちの方がすごい発明のような気がしますよ……」
助手「その落とし穴に落ちると……どうなるんです?」
助手「まさか、そのままペシャンコってことはないでしょう?」
博士「うむ、さっそく説明していこう」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/10(火) 17:21:00.06 ID:DBbuCUuj0
博士「まず、落ちた瞬間、『ようこそ、落とし穴へ!』というアナウンスが流れ」
博士「開発者であるワシの生い立ちが紹介される」
助手「はぁ……」
博士「さらに、落下者の安全を考え、シャボン玉のような形状の絶対防御シールドが張られる」
助手「安全なんて考えてたんですか」
博士「そりゃそうだ。怪我させたり死なせてしまっては、イタズラとはいえんだろう」
博士「開発者であるワシの生い立ちが紹介される」
助手「はぁ……」
博士「さらに、落下者の安全を考え、シャボン玉のような形状の絶対防御シールドが張られる」
助手「安全なんて考えてたんですか」
博士「そりゃそうだ。怪我させたり死なせてしまっては、イタズラとはいえんだろう」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/10(火) 17:23:12.59 ID:DBbuCUuj0
博士「落とし穴内では、反重力装置が働いており、ゆっくりと落下するわけだが……」
助手「ふわふわ~って感じですか」
博士「そう、ふわふわ~って感じだ」
博士「のんびりとしたフリーフォールを楽しめるというわけだ」
博士「むろん、ずっと同じスピードじゃつまらんから、速度は変化させるがな」
博士「とりあえず、1000m地点までは特に仕掛けはない」
助手「1000m落下するってだけで、十分すぎる仕掛けですよ……」
助手「ふわふわ~って感じですか」
博士「そう、ふわふわ~って感じだ」
博士「のんびりとしたフリーフォールを楽しめるというわけだ」
博士「むろん、ずっと同じスピードじゃつまらんから、速度は変化させるがな」
博士「とりあえず、1000m地点までは特に仕掛けはない」
助手「1000m落下するってだけで、十分すぎる仕掛けですよ……」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/10(火) 17:24:26.64 ID:DBbuCUuj0
博士「1000m地点を通過すると、音楽(ミュージック)ゾーンに突入する」
助手「ミュージックゾーン?」
博士「クラシック、ジャズ、ロック、ポップスなどあらゆるジャンルの音楽が楽しめる」
助手「へえ~」
博士「落ちながら曲を楽しめるなんて最高だろう?」
助手「落ちずに曲を楽しむ方が最高だと思いますがね」
助手「ミュージックゾーン?」
博士「クラシック、ジャズ、ロック、ポップスなどあらゆるジャンルの音楽が楽しめる」
助手「へえ~」
博士「落ちながら曲を楽しめるなんて最高だろう?」
助手「落ちずに曲を楽しむ方が最高だと思いますがね」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/10(火) 17:25:45.78 ID:DBbuCUuj0
博士「2000m地点を通過すると、一気に体が加速する。加速ゾーンだ」
助手「ほう」
博士「猛スピードで落下し、まるでジェットコースターのようなスリルが楽しめる」
助手「大丈夫なんですか? Gとか」
博士「ゴキブリ?」
助手「違いますよ! 重力ですよ!」
博士「心配いらん。先程説明したシールドが、体を守ってくれる」
助手「ほう」
博士「猛スピードで落下し、まるでジェットコースターのようなスリルが楽しめる」
助手「大丈夫なんですか? Gとか」
博士「ゴキブリ?」
助手「違いますよ! 重力ですよ!」
博士「心配いらん。先程説明したシールドが、体を守ってくれる」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/10(火) 17:29:47.66 ID:DBbuCUuj0
博士「3000mから下は海底ゾーンだ」
助手「海底ゾーン?」
博士「3000mから4000m地点では、落とし穴内部に深海の映像が映し出される」
博士「深海魚たちに囲まれながら落下を楽しめるぞ」
助手「落下を楽しむって表現、なんていうかどこか妙ですね」
助手「海底ゾーン?」
博士「3000mから4000m地点では、落とし穴内部に深海の映像が映し出される」
博士「深海魚たちに囲まれながら落下を楽しめるぞ」
助手「落下を楽しむって表現、なんていうかどこか妙ですね」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/10(火) 17:30:34.20 ID:DBbuCUuj0
博士「4000m地点からは、宇宙(スペース)ゾーンに入る」
博士「落下者の周囲に、宇宙の映像が映し出され、まるで宇宙にいるような感覚になれる」
助手「さっきの海底ゾーンもそうですけど、落とし穴の一部にしておくのがもったいないですね」
博士「分かっとらんな……」
博士「落とし穴の一部に過ぎないからこそ、いいのではないか!」
助手「さっぱり分かりません……」
博士「落下者の周囲に、宇宙の映像が映し出され、まるで宇宙にいるような感覚になれる」
助手「さっきの海底ゾーンもそうですけど、落とし穴の一部にしておくのがもったいないですね」
博士「分かっとらんな……」
博士「落とし穴の一部に過ぎないからこそ、いいのではないか!」
助手「さっぱり分かりません……」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/10(火) 17:32:21.20 ID:DBbuCUuj0
博士「落下距離が5000mともなると、お腹も減るだろう」
博士「というわけで、5000mからは食事ゾーンだ」
博士「ゆっくりと落下しながら、和洋中あらゆる料理を堪能することができる」
助手「料理はどうやって出てくるんです?」
博士「ワシが作った万能シェフが、注文すれば一秒で作ってくれる」
助手「万能シェフすげえ!」
博士「そこはワシも褒めてくれよ」
助手「あなたを褒める気にはなれません」
博士「というわけで、5000mからは食事ゾーンだ」
博士「ゆっくりと落下しながら、和洋中あらゆる料理を堪能することができる」
助手「料理はどうやって出てくるんです?」
博士「ワシが作った万能シェフが、注文すれば一秒で作ってくれる」
助手「万能シェフすげえ!」
博士「そこはワシも褒めてくれよ」
助手「あなたを褒める気にはなれません」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/10(火) 17:33:27.00 ID:DBbuCUuj0
博士「6000m地点から7000m地点までは、リラックスゾーン」
博士「穏やかな映像と音楽で、満腹になった体を落ち着かせるのだ」
博士「7000mからはエクササイズゾーン」
博士「落下しながら、さまざまな運動を行える」
助手「至れり尽くせりですねえ」
博士「至れり尽くせりなイタズラ、がこのワシのモットーよ!」
博士「穏やかな映像と音楽で、満腹になった体を落ち着かせるのだ」
博士「7000mからはエクササイズゾーン」
博士「落下しながら、さまざまな運動を行える」
助手「至れり尽くせりですねえ」
博士「至れり尽くせりなイタズラ、がこのワシのモットーよ!」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/10(火) 17:34:52.05 ID:DBbuCUuj0
助手「いよいよ、8000mですね」
助手「エベレスト級の距離を落ちたことになります」
博士「8000m地点からはちょっとエチなゾーンが待っておる!」
博士「あっは~んやうっふ~んな映像や仕掛けが、落下者を盛り上げてくれるぞ」
博士「ただし!」
博士「もし、落ちているのが子供だった場合は、子供向けの仕掛けが発動する!」
博士「子供にエチなのは教育上いかんからな!」
助手「芸が細かいですね……無駄に」
助手「エベレスト級の距離を落ちたことになります」
博士「8000m地点からはちょっとエチなゾーンが待っておる!」
博士「あっは~んやうっふ~んな映像や仕掛けが、落下者を盛り上げてくれるぞ」
博士「ただし!」
博士「もし、落ちているのが子供だった場合は、子供向けの仕掛けが発動する!」
博士「子供にエチなのは教育上いかんからな!」
助手「芸が細かいですね……無駄に」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/10(火) 17:36:30.28 ID:DBbuCUuj0
博士「ラスト1000m……9000mからは走馬灯ゾーン!」
助手「なんですか、それ」
博士「落とし穴内に仕掛けられた装置が、落下者の脳内の記憶を読み取り」
博士「まるで走馬灯のような映像を映し出してくれるのだ!」
助手「これまた縁起でもない仕掛けを……」
助手「なんですか、それ」
博士「落とし穴内に仕掛けられた装置が、落下者の脳内の記憶を読み取り」
博士「まるで走馬灯のような映像を映し出してくれるのだ!」
助手「これまた縁起でもない仕掛けを……」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/10(火) 17:37:15.60 ID:DBbuCUuj0
博士「そして、いよいよ10000m地点! ――ゴール!」
助手「いったいどんな仕掛けが待ってるんです?」
博士「それは落ちてからのお、楽、し、み」
助手(うぜえ)
博士「どうしても知りたいなら、落ちてみることだ」
助手「絶対嫌です」
助手「いったいどんな仕掛けが待ってるんです?」
博士「それは落ちてからのお、楽、し、み」
助手(うぜえ)
博士「どうしても知りたいなら、落ちてみることだ」
助手「絶対嫌です」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/10(火) 17:38:37.38 ID:DBbuCUuj0
博士「なお、10000mまで落ちた落下者は、高性能エレベーターで即座に地上に戻ってこれる」
博士「あ、いや超高性能ウルトラハイパーグレートエレベーターで戻ってこれる!」
助手「言い直さなくていいです」
博士「どうだ、すごいだろう!?」
助手「すごいです」
助手「テクノロジーも……そして、無駄なことにこれほどの労力と科学力を費やすその情熱もね」
博士「ハッハッハ、照れるな」
助手「褒めてないですって」
博士「それではさっそく、落とし穴に誰が引っかかるか見に行くとするか!」
博士「あ、いや超高性能ウルトラハイパーグレートエレベーターで戻ってこれる!」
助手「言い直さなくていいです」
博士「どうだ、すごいだろう!?」
助手「すごいです」
助手「テクノロジーも……そして、無駄なことにこれほどの労力と科学力を費やすその情熱もね」
博士「ハッハッハ、照れるな」
助手「褒めてないですって」
博士「それではさっそく、落とし穴に誰が引っかかるか見に行くとするか!」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/10(火) 17:40:34.24 ID:DBbuCUuj0
ザッザッザッ… ワイワイ… ガヤガヤ…
助手「ここですか……結構人通りが多い道に仕掛けましたね」
博士「ほら、あそこのわずかに色の違う箇所が落とし穴だ」
助手「なるほど、いわれなければ分かりませんね」
博士「ふふ……誰が引っかかるか楽しみだ」
助手「ここですか……結構人通りが多い道に仕掛けましたね」
博士「ほら、あそこのわずかに色の違う箇所が落とし穴だ」
助手「なるほど、いわれなければ分かりませんね」
博士「ふふ……誰が引っかかるか楽しみだ」
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/10(火) 17:42:25.46 ID:DBbuCUuj0
一時間経過……
助手「……誰も引っかかりませんね」
博士「うーむ、おかしいな」
三時間経過……
博士「なぜだ、なぜ誰もあの上を通らない!?」
助手「みんな絶妙に、あの上だけ通りませんね……」
助手「……誰も引っかかりませんね」
博士「うーむ、おかしいな」
三時間経過……
博士「なぜだ、なぜ誰もあの上を通らない!?」
助手「みんな絶妙に、あの上だけ通りませんね……」
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/10(火) 17:45:04.47 ID:DBbuCUuj0
一日経過……
博士「…………」
助手「…………」
博士「結局、誰も引っかからなかった……」
助手「まぁ、こういうこともありますよ」
博士「あれだけ苦労して作ったのに、お楽しみを用意したのに……誰も引っかからないのかよ!」
博士「誰も落ちないのかよ!」
博士「…………」
助手「…………」
博士「結局、誰も引っかからなかった……」
助手「まぁ、こういうこともありますよ」
博士「あれだけ苦労して作ったのに、お楽しみを用意したのに……誰も引っかからないのかよ!」
博士「誰も落ちないのかよ!」
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/10(火) 17:45:34.83 ID:DBbuCUuj0
博士「オチないのかよ!!!」
― 完 ―
― 完 ―
引用元: ・博士「超高性能ウルトラハイパーグレート落とし穴を作ったぞ!」
男「今日誰も家に来なくてよかったぁ~! ぼっちでよかったぁ~!!!」
2020-12-02
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/18(水) 22:38:12.01 ID:bbL2xROn0
AM6:00――起床
男「ふあぁ……朝か」
男(私はいつもこの時間に起床する)
男(起こしてくれる人などいない。なぜなら私はぼっちだから)
男(だが、いいのだ。少なくとも今日に限ってはそれでいいのだ)
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1531921091
男「ふあぁ……朝か」
男(私はいつもこの時間に起床する)
男(起こしてくれる人などいない。なぜなら私はぼっちだから)
男(だが、いいのだ。少なくとも今日に限ってはそれでいいのだ)
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1531921091
関連
ハルヒ「SOS団で恋の暴露大会をするわよ!」
【朗報】わたてんさん、ケムリクサを超えてガチで覇権へ
【ラブライブサンシャイン】善子「運命の引力」
【悲報】Twitterで3年前に「令和」を予言してたものがいたwwwwwwwww
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/18(水) 22:40:20.19 ID:bbL2xROn0
AM6:30――朝食
ジュゥゥゥゥ…
男「よっと」
男(フライパンでベーコンエッグを作る。もはや手慣れたものだ)
男(もちろん、私に料理を作ってくれる人間なんていない)
男(だけど、別にかまわない。私が作ったベーコンエッグは、本当にうまいんだから)
モグモグ…
男「――うまい!」
ジュゥゥゥゥ…
男「よっと」
男(フライパンでベーコンエッグを作る。もはや手慣れたものだ)
男(もちろん、私に料理を作ってくれる人間なんていない)
男(だけど、別にかまわない。私が作ったベーコンエッグは、本当にうまいんだから)
モグモグ…
男「――うまい!」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/18(水) 22:41:25.53 ID:bbL2xROn0
AM7:00――ニュースを見る
男「下らん特集だ……」
男(今日は独り身の男が増えている、などという特集をやっていた)
男(女房や子供がいたところで、私の人生の足手まといにしかならん)
男(貴重な研究用の予算を、家族のために使わなければならない場面も出てくるだろうしな)
男(……強がりなんかじゃないぞ!)
男「下らん特集だ……」
男(今日は独り身の男が増えている、などという特集をやっていた)
男(女房や子供がいたところで、私の人生の足手まといにしかならん)
男(貴重な研究用の予算を、家族のために使わなければならない場面も出てくるだろうしな)
男(……強がりなんかじゃないぞ!)
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/18(水) 22:42:37.72 ID:bbL2xROn0
AM8:00――研究開始
男(長年、私はある装置の研究に没頭している)
男(なんと地上のあらゆるコンピュータを勝手に操作できるという装置だ)
男(ものすごい装置だと思うのだが、はっきりいって誰からも相手にされてない)
男(なにしろ、友達一人もいないしな。こんな奴には学会での発言権もないのだ)
男(結局、科学の世界とて、ものをいうのは人脈(コネ)だということだ)
男「はぁ~……やってられん」
男(長年、私はある装置の研究に没頭している)
男(なんと地上のあらゆるコンピュータを勝手に操作できるという装置だ)
男(ものすごい装置だと思うのだが、はっきりいって誰からも相手にされてない)
男(なにしろ、友達一人もいないしな。こんな奴には学会での発言権もないのだ)
男(結局、科学の世界とて、ものをいうのは人脈(コネ)だということだ)
男「はぁ~……やってられん」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/18(水) 22:43:41.60 ID:bbL2xROn0
PM12:00――昼食
男(昼食は……カップ麺)
男(わびしいと思った人もいるかもしれないが、最近のカップ麺はあなどれない)
男(まるで、ラーメン屋で食べてるような錯覚を味わえるようなカップ麺もあるのだ!)
男「はふっ、はふっ」ズルッ ズズッ…
男「ふぅ……うまい!」
男(昼食は……カップ麺)
男(わびしいと思った人もいるかもしれないが、最近のカップ麺はあなどれない)
男(まるで、ラーメン屋で食べてるような錯覚を味わえるようなカップ麺もあるのだ!)
男「はふっ、はふっ」ズルッ ズズッ…
男「ふぅ……うまい!」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/18(水) 22:45:11.92 ID:bbL2xROn0
PM13:00――映画観賞
男(テレビでやってる映画を見る。もちろん一人で)
男(ったく、今日に限って核戦争で文明が滅びた後の世界……なんて映画をやっている)
男(まったく、縁起でもない……)
男(だが、ラストシーンはなかなかのもので、思わず目頭が熱くなってしまった)
男「くぅ~……泣ける……!」グスッ…
男(テレビでやってる映画を見る。もちろん一人で)
男(ったく、今日に限って核戦争で文明が滅びた後の世界……なんて映画をやっている)
男(まったく、縁起でもない……)
男(だが、ラストシーンはなかなかのもので、思わず目頭が熱くなってしまった)
男「くぅ~……泣ける……!」グスッ…
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/18(水) 22:46:57.18 ID:bbL2xROn0
PM15:00――ワイドショーを見る
男(ぼんやりとワイドショーを眺める)
男(どこの誰が浮気したとか、スポーツで誰が活躍したとか、政治家が不祥事したとか、のんきなものだ)
男(もっと報道すべきことは他にあるだろうに、と呆れてしまう)
男(今、世界がどれほどの危機にあるのかも知らずに……)
男(ぼんやりとワイドショーを眺める)
男(どこの誰が浮気したとか、スポーツで誰が活躍したとか、政治家が不祥事したとか、のんきなものだ)
男(もっと報道すべきことは他にあるだろうに、と呆れてしまう)
男(今、世界がどれほどの危機にあるのかも知らずに……)
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/18(水) 22:48:51.48 ID:bbL2xROn0
PM17:00――エクササイズタイム
男(体操だのヨガだのストレッチだのを、この時間に行うのが私の日課である)
男(研究者なんて職業だとどうしても体がなまるので、毎日の運動が欠かせない)
男「いち、に……いち、に……」
男(やっぱりトレーナーみたいな人に教えてもらった方がいいのかなぁ……)
男(などとふと思ったりする)
男(体操だのヨガだのストレッチだのを、この時間に行うのが私の日課である)
男(研究者なんて職業だとどうしても体がなまるので、毎日の運動が欠かせない)
男「いち、に……いち、に……」
男(やっぱりトレーナーみたいな人に教えてもらった方がいいのかなぁ……)
男(などとふと思ったりする)
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/18(水) 22:51:20.47 ID:bbL2xROn0
PM18:00――風呂
男(ゆっくりと湯船に浸かって、一日の疲れを癒やす)
男「ふぅ~……」ザバ…
男(背中を流してくれるような人なんて、もちろんいない)
男(ゆっくりと湯船に浸かって、一日の疲れを癒やす)
男「ふぅ~……」ザバ…
男(背中を流してくれるような人なんて、もちろんいない)
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/18(水) 22:52:46.47 ID:bbL2xROn0
PM19:00――夕食
男(夕食は少しゴージャスに決めてみた)
男(ご飯に納豆、豆腐の入った味噌汁)
男(とっておきの牛肉を使った肉野菜炒めに、緑黄色野菜をふんだんに使ったサラダ)
男(もちろん、一人で食べるんだがね)
男「いただきます」
モグモグ… パクパク…
男(夕食は少しゴージャスに決めてみた)
男(ご飯に納豆、豆腐の入った味噌汁)
男(とっておきの牛肉を使った肉野菜炒めに、緑黄色野菜をふんだんに使ったサラダ)
男(もちろん、一人で食べるんだがね)
男「いただきます」
モグモグ… パクパク…
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/18(水) 22:53:56.13 ID:bbL2xROn0
PM20:00――テレビゲーム
ズガガーンッ ドガーンッ ドゴーンッ
男(本来なら2~4人ぐらいでプレイするゲームを、あえて一人でプレイする)
男(一人でゲームというのもなかなかオツなものだ)
男(寂しくなんかないぞ!)
男「あーっ! やられたっ!」
ズガガーンッ ドガーンッ ドゴーンッ
男(本来なら2~4人ぐらいでプレイするゲームを、あえて一人でプレイする)
男(一人でゲームというのもなかなかオツなものだ)
男(寂しくなんかないぞ!)
男「あーっ! やられたっ!」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/18(水) 22:55:20.97 ID:bbL2xROn0
PM23:00――就寝
男(歯を磨き、布団をしき、就寝の準備に入る)
男(一人ぼっちで始まり、一人ぼっちで終わる一日が今日も幕を下ろそうとしている)
男(だが、今日に限っては、寝る前にやることがある)
男(それは――)
男(歯を磨き、布団をしき、就寝の準備に入る)
男(一人ぼっちで始まり、一人ぼっちで終わる一日が今日も幕を下ろそうとしている)
男(だが、今日に限っては、寝る前にやることがある)
男(それは――)
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/18(水) 22:57:06.02 ID:bbL2xROn0
男(家のチャイムのボタンを元に戻すこと)
男(実は今日だけ、私は“地上のあらゆるコンピュータを勝手に操作できる装置”を応用して)
男(家のチャイムのボタンを、世界中の核ミサイル発射装置と連動させていたのだ)
男(つまり、今日もし誰かがこれを押していたら――)
男「今日誰も家に来なくてよかったぁ~! ぼっちでよかったぁ~!!!」
― 終 ―
男(実は今日だけ、私は“地上のあらゆるコンピュータを勝手に操作できる装置”を応用して)
男(家のチャイムのボタンを、世界中の核ミサイル発射装置と連動させていたのだ)
男(つまり、今日もし誰かがこれを押していたら――)
男「今日誰も家に来なくてよかったぁ~! ぼっちでよかったぁ~!!!」
― 終 ―
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/18(水) 23:16:19.59 ID:eulBM18Po
乙
ずっとドキドキしてたんだろなww
ずっとドキドキしてたんだろなww
引用元: ・男「今日誰も家に来なくてよかったぁ~! ぼっちでよかったぁ~!!!」
海賊「海は危ないから、やっぱり山賊になろう!」
2020-11-23
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/20(水) 21:55:50.19 ID:x/m0C6Ic0
ザザーン…
海賊「見ろ、この大海原を!」
海賊「この水平線の彼方に、お宝が! 敵船が! 冒険が! 俺たちを待っている!」
手下「おうっす!」
悪女「フフッ、ワクワクしてきたね」
孤児「楽しみだなぁ」
海賊「俺たちゃ血のつながりこそねえが、その絆は鉄より固い!」
海賊「野郎ども、出航だぁぁぁ!」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1529499349
海賊「見ろ、この大海原を!」
海賊「この水平線の彼方に、お宝が! 敵船が! 冒険が! 俺たちを待っている!」
手下「おうっす!」
悪女「フフッ、ワクワクしてきたね」
孤児「楽しみだなぁ」
海賊「俺たちゃ血のつながりこそねえが、その絆は鉄より固い!」
海賊「野郎ども、出航だぁぁぁ!」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1529499349
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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/20(水) 21:58:01.86 ID:x/m0C6Ic0
海賊「オッ、オエェ~……!」
手下「大丈夫っすか!?」
海賊「もう吐くものもねえよ……」
悪女「それどころか、食い物もなくなっちゃったよ……」
孤児「また大波が来たよぉぉぉぉぉ!」
海賊「ま、まずい! 逃げろぉぉぉぉぉっ! オ、オエ~ッ!」
ザバァァァァァン…
手下「大丈夫っすか!?」
海賊「もう吐くものもねえよ……」
悪女「それどころか、食い物もなくなっちゃったよ……」
孤児「また大波が来たよぉぉぉぉぉ!」
海賊「ま、まずい! 逃げろぉぉぉぉぉっ! オ、オエ~ッ!」
ザバァァァァァン…
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/20(水) 22:00:23.16 ID:x/m0C6Ic0
ザザーン…
海賊「ハァ、ハァ、ハァ……死ぬかと思った」
手下「こうして生きて帰ってこれただけで奇跡っすよ……」
悪女「まったくだね……海は広いな大きいな、だよ」
孤児「ぼく、怖かったよ~」
海賊「……よし決めた!」
海賊「海は危ないから、やっぱり山賊になろう!」
海賊「ハァ、ハァ、ハァ……死ぬかと思った」
手下「こうして生きて帰ってこれただけで奇跡っすよ……」
悪女「まったくだね……海は広いな大きいな、だよ」
孤児「ぼく、怖かったよ~」
海賊「……よし決めた!」
海賊「海は危ないから、やっぱり山賊になろう!」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/20(水) 22:01:30.20 ID:x/m0C6Ic0
山賊「さぁ、みんな山に登るぞ!」
山賊「山の頂上に陣取って、登ってきた奴らの荷物を奪ってやるんだ!」
熊「ガァァァァッ!」
手下「うわぁっ、熊っす! 熊が出たっすぅぅぅぅぅ!」
悪女「山道で足をひねっちゃった……」
孤児「お姉ちゃん、大丈夫!?」
山賊「うおっ、こんなところに崖が!? 落ちるぅぅぅぅぅ!」ゴロゴロ…
山賊「山の頂上に陣取って、登ってきた奴らの荷物を奪ってやるんだ!」
熊「ガァァァァッ!」
手下「うわぁっ、熊っす! 熊が出たっすぅぅぅぅぅ!」
悪女「山道で足をひねっちゃった……」
孤児「お姉ちゃん、大丈夫!?」
山賊「うおっ、こんなところに崖が!? 落ちるぅぅぅぅぅ!」ゴロゴロ…
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/20(水) 22:03:29.31 ID:x/m0C6Ic0
山賊「い、いててて……」
手下「大丈夫っすか?」
悪女「あの高さから落ちて、よくその程度で済んだよ……」
孤児「おじさん、運が強いね!」
山賊「みんな、ありがとう……」
山賊「だが、山も危ないということがよく分かった……場所を変えよう」
悪女「今度はどこにするんだい?」
山賊「森だ……俺たちは森賊になるんだ!」
手下「大丈夫っすか?」
悪女「あの高さから落ちて、よくその程度で済んだよ……」
孤児「おじさん、運が強いね!」
山賊「みんな、ありがとう……」
山賊「だが、山も危ないということがよく分かった……場所を変えよう」
悪女「今度はどこにするんだい?」
山賊「森だ……俺たちは森賊になるんだ!」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/20(水) 22:05:49.80 ID:x/m0C6Ic0
森賊「森なら、高いところもないし、安全だろう……」ガサガサ…
ボトッ
森賊「ん? こ、これは……ハチの巣!?」
森賊「みんな逃げろぉぉぉぉぉ!」
ブ~~~~~~ン……
森賊「うわぁぁぁぁぁっ!」
手下「ひいいいいいっす!」
悪女「きゃぁぁぁぁぁ!」
孤児「助けてぇぇぇぇぇ!」
ボトッ
森賊「ん? こ、これは……ハチの巣!?」
森賊「みんな逃げろぉぉぉぉぉ!」
ブ~~~~~~ン……
森賊「うわぁぁぁぁぁっ!」
手下「ひいいいいいっす!」
悪女「きゃぁぁぁぁぁ!」
孤児「助けてぇぇぇぇぇ!」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/20(水) 22:07:43.42 ID:x/m0C6Ic0
森賊「あだだだ……メッチャ刺された……」
手下「小便かけるっすか?」
森賊「いらん!」
森賊「だけど、悪女のならいいかも……」
悪女「バカなこというんじゃないよ!」バシッ
森賊「おぶっ!」
森賊「森も危ない……もっと見晴らしのいいとこに行こう!」
孤児「見晴らしのいいとこって?」
森賊「砂漠なんかいいんじゃないか? 俺たちは砂賊になる!」
手下「小便かけるっすか?」
森賊「いらん!」
森賊「だけど、悪女のならいいかも……」
悪女「バカなこというんじゃないよ!」バシッ
森賊「おぶっ!」
森賊「森も危ない……もっと見晴らしのいいとこに行こう!」
孤児「見晴らしのいいとこって?」
森賊「砂漠なんかいいんじゃないか? 俺たちは砂賊になる!」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/20(水) 22:09:32.85 ID:x/m0C6Ic0
砂賊「見ろ、この見渡す限りの砂、砂、砂!」
砂賊「これなら獲物になる旅人を絶対見逃さないし、猛獣の類にも出くわさないだろ!」
手下「砂漠の砂ってサラサラで、さわってると気持ちいいっすね~」
悪女「砂風呂でお肌キレイにしちゃおっと!」
孤児「砂遊び楽しい~!」
砂賊「おいおい、俺たちは観光で来たんじゃないぞ~!」
砂賊「どれ、砂の城でも作るか……」
砂賊「これなら獲物になる旅人を絶対見逃さないし、猛獣の類にも出くわさないだろ!」
手下「砂漠の砂ってサラサラで、さわってると気持ちいいっすね~」
悪女「砂風呂でお肌キレイにしちゃおっと!」
孤児「砂遊び楽しい~!」
砂賊「おいおい、俺たちは観光で来たんじゃないぞ~!」
砂賊「どれ、砂の城でも作るか……」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/20(水) 22:11:51.62 ID:x/m0C6Ic0
砂賊「ハァ、ハァ、ハァ……喉渇いた……」
手下「水……水……飲ませて……」
悪女「あっ、あそこにオアシスが見えるよ!」
孤児「落ち着いて! あれはただの蜃気楼だよ!」
砂賊「やっべえ……正直砂漠なめてたわ」
砂賊「人間って水がないとダメだわ……だけど海はもう懲り懲りだし……」
砂賊「次は川だ! 川賊になろう!」
手下「水……水……飲ませて……」
悪女「あっ、あそこにオアシスが見えるよ!」
孤児「落ち着いて! あれはただの蜃気楼だよ!」
砂賊「やっべえ……正直砂漠なめてたわ」
砂賊「人間って水がないとダメだわ……だけど海はもう懲り懲りだし……」
砂賊「次は川だ! 川賊になろう!」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/20(水) 22:14:10.31 ID:x/m0C6Ic0
ザザザザザ…
川賊「穏やかな流れの川だ……これならなにも危なくないだろ」
手下「バーベキューにはもってこいの川っすね!」
悪女「店でお肉買ってきたよ」
孤児「いただきまーす!」
ジュゥゥゥ… ジュゥゥゥ…
川賊「肉うんめえええええ!」ハグハグ
川賊「穏やかな流れの川だ……これならなにも危なくないだろ」
手下「バーベキューにはもってこいの川っすね!」
悪女「店でお肉買ってきたよ」
孤児「いただきまーす!」
ジュゥゥゥ… ジュゥゥゥ…
川賊「肉うんめえええええ!」ハグハグ
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/20(水) 22:16:13.71 ID:x/m0C6Ic0
ドバババババ…
川賊「うおあぁぁぁっ! 川が雨で増水だぁぁぁ!」
手下「俺のバーベキューセットが……!」
悪女「バカ、諦めな!」
ドバババババ…
孤児「危うく四人とも流されるとこだったね……」
川賊「川は危ない!」
川賊「こうなったら、道路に陣取る道賊になるぞ!」
川賊「うおあぁぁぁっ! 川が雨で増水だぁぁぁ!」
手下「俺のバーベキューセットが……!」
悪女「バカ、諦めな!」
ドバババババ…
孤児「危うく四人とも流されるとこだったね……」
川賊「川は危ない!」
川賊「こうなったら、道路に陣取る道賊になるぞ!」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/20(水) 22:18:16.08 ID:x/m0C6Ic0
道賊「道路なら絶対安全だろ!」
手下「そりゃそうっすよ!」
悪女「平らだし、見通しもいいし、猛獣はいないし、人通りも多いからね」
孤児「ここでみんなで待ち伏せして、やってくる旅人を襲えばいいんだね!」
道賊「その通り! 旅人が来たら、道を塞いで、金品を巻き上げるんだ!」
ドドドドド…
道賊「来たぞ!」
手下「そりゃそうっすよ!」
悪女「平らだし、見通しもいいし、猛獣はいないし、人通りも多いからね」
孤児「ここでみんなで待ち伏せして、やってくる旅人を襲えばいいんだね!」
道賊「その通り! 旅人が来たら、道を塞いで、金品を巻き上げるんだ!」
ドドドドド…
道賊「来たぞ!」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/20(水) 22:20:31.08 ID:x/m0C6Ic0
御者「どけどけどけぇぇぇぇぇっ!」
馬「ヒヒィィィィィン!」
ドドドドドドドドドド…
道賊「うわぁぁぁぁぁっ!」
御者「ひき殺されてーのか、バカヤローッ!」
ドドドドド…
道賊「あぶねえ……なんつう運転してやがる」
手下「あんなの止められないっすよ!」
道賊「道も危ないってことか……。こうなったら町に行こう!」
馬「ヒヒィィィィィン!」
ドドドドドドドドドド…
道賊「うわぁぁぁぁぁっ!」
御者「ひき殺されてーのか、バカヤローッ!」
ドドドドド…
道賊「あぶねえ……なんつう運転してやがる」
手下「あんなの止められないっすよ!」
道賊「道も危ないってことか……。こうなったら町に行こう!」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/20(水) 22:22:32.10 ID:x/m0C6Ic0
町賊「さぁ~て、町にやってきたぞ、野郎ども」
手下「平和ボケした町民どもがウジャウジャいるっすね!」
悪女「あたしら町賊の恐ろしさを思い知らせてやろうじゃないか!」
孤児「いよっしゃーっ!」
町賊「野郎ども、出陣じゃああああああ!」
手下「平和ボケした町民どもがウジャウジャいるっすね!」
悪女「あたしら町賊の恐ろしさを思い知らせてやろうじゃないか!」
孤児「いよっしゃーっ!」
町賊「野郎ども、出陣じゃああああああ!」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/20(水) 22:24:10.53 ID:x/m0C6Ic0
チンピラ「よそ者が調子こいてんじゃねえよ」スタスタ
ゴロツキ「とっとと町から消えろ!」ペッ
町賊「あ、あうぅぅ……」ボロッ…
手下「こういうでかい町には、やっぱり先客アウトローがいるんすねえ……」
悪女「それで町の治安を守る役割を担ってたりするからね……必要悪ってやつさ」
孤児「これじゃ町賊なんてとてもできないよぉ……」
町賊「こうなったら村に行こう! 小さな村ならきっと――」
ゴロツキ「とっとと町から消えろ!」ペッ
町賊「あ、あうぅぅ……」ボロッ…
手下「こういうでかい町には、やっぱり先客アウトローがいるんすねえ……」
悪女「それで町の治安を守る役割を担ってたりするからね……必要悪ってやつさ」
孤児「これじゃ町賊なんてとてもできないよぉ……」
町賊「こうなったら村に行こう! 小さな村ならきっと――」
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/20(水) 22:26:32.88 ID:x/m0C6Ic0
村長「怪しい奴らめ、出ていけーっ!」
村人「石を投げてやれっ!」
村娘「村八分にしてやるわ!」
ヒューン… ヒューン… ヒューン…
ゴッ ガツッ ゴンッ
村賊「あだだだっ! やめてっ、やめてくれ! 投石の威力はシャレにならないっ!」
村人「石を投げてやれっ!」
村娘「村八分にしてやるわ!」
ヒューン… ヒューン… ヒューン…
ゴッ ガツッ ゴンッ
村賊「あだだだっ! やめてっ、やめてくれ! 投石の威力はシャレにならないっ!」
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/20(水) 22:29:06.06 ID:x/m0C6Ic0
家賊「とうとう家に引きこもるしかできなくなった……」
手下「俺たち、これからどうすりゃいいんすか……」
悪女「もう行くところがないねえ……」
孤児「おなか、すいた……」グゥゥゥ…
家賊「……」
家賊「こうなったら……」
手下「俺たち、これからどうすりゃいいんすか……」
悪女「もう行くところがないねえ……」
孤児「おなか、すいた……」グゥゥゥ…
家賊「……」
家賊「こうなったら……」
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/20(水) 22:31:20.28 ID:x/m0C6Ic0
家賊「四人で真面目に働こう!」
家賊「自分たちで畑を作ったり、村の農作業を手伝ったりしてさ!」
家賊「そうすればきっと、村の人たちも俺たちを受け入れてくれるさ!」
手下「やれやれ、それしかないっすね!」
悪女「やってやろうじゃないか!」
孤児「さんせー!」
家賊「よーし……今日から俺はもう賊はやめる! 元賊だ!」
家賊「自分たちで畑を作ったり、村の農作業を手伝ったりしてさ!」
家賊「そうすればきっと、村の人たちも俺たちを受け入れてくれるさ!」
手下「やれやれ、それしかないっすね!」
悪女「やってやろうじゃないか!」
孤児「さんせー!」
家賊「よーし……今日から俺はもう賊はやめる! 元賊だ!」
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/20(水) 22:33:50.27 ID:x/m0C6Ic0
村長「おぬしらが来てから、よく働いてくれて、村の収穫量が増えて助かっとるよ」
村人「世界中で賊をやっていた体験談も面白いしな!」
村娘「もっとお話を聞かせて下さい!」
元賊「いや~……あんな失敗談の数々を、面白がって頂いて光栄です」
元賊「それじゃ、また!」
村人「世界中で賊をやっていた体験談も面白いしな!」
村娘「もっとお話を聞かせて下さい!」
元賊「いや~……あんな失敗談の数々を、面白がって頂いて光栄です」
元賊「それじゃ、また!」
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/20(水) 22:37:30.24 ID:x/m0C6Ic0
元賊「ただいま~!」
手下「お帰りっす!」
悪女「晩ご飯できてるよ」
元賊「お、ありがとう」
孤児「今日も村のみんなと楽しく遊んだよ!」
元賊「そうか、そうか」
元賊「しかし、なんだな……これまで色んなことがあったけど、俺は今、とても幸せだよ!」
元賊「お前たちという仲間に出会えて、一緒にいられて、本当によかった!」
手下「お帰りっす!」
悪女「晩ご飯できてるよ」
元賊「お、ありがとう」
孤児「今日も村のみんなと楽しく遊んだよ!」
元賊「そうか、そうか」
元賊「しかし、なんだな……これまで色んなことがあったけど、俺は今、とても幸せだよ!」
元賊「お前たちという仲間に出会えて、一緒にいられて、本当によかった!」
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/20(水) 22:38:43.51 ID:x/m0C6Ic0
元賊「いや、俺たち四人は今や仲間以上の絆で結ばれている!」
手下「親分……」
悪女「あんた……」
孤児「おじさん……」
元賊「俺たちは……家族だ!!!」
~ END ~
手下「親分……」
悪女「あんた……」
孤児「おじさん……」
元賊「俺たちは……家族だ!!!」
~ END ~
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/20(水) 22:44:45.56 ID:c0uxa8LQ0
うーむ
おつ
おつ
ゲーム会社社長「ゲームってよく“2が最高傑作”っていわれるじゃん?」
2020-11-22
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 01:21:32.72 ID:gdNZZKmW0
社長「なぁ、専務」
専務「はい」
社長「ゲームってよく“2が最高傑作”っていわれるじゃん?」
専務「たしかに、そういわれるシリーズは多いですね」
社長「なんでだと思う?」
専務「そうですねえ……」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1527265292
専務「はい」
社長「ゲームってよく“2が最高傑作”っていわれるじゃん?」
専務「たしかに、そういわれるシリーズは多いですね」
社長「なんでだと思う?」
専務「そうですねえ……」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1527265292
関連
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【朗報】わたてんさん、ケムリクサを超えてガチで覇権へ
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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 01:22:26.92 ID:gdNZZKmW0
専務「ゲームの1、つまり一番最初のものを出す時は、手探り状態で出すわけです」
専務「なので、どうしても荒削りだったり、予期せぬ不満点・反省点が出てくることが多い」
社長「それはそうだな」
専務「当然、作る側としては、2を出す時は『1の問題点を全て改善しよう!』となります」
専務「つまり、2は“続編が出るほど売れた1をより洗練したもの”になるわけです」
社長「ふむ、それはたしかに面白くならないわけがないな!」
専務「なので、どうしても荒削りだったり、予期せぬ不満点・反省点が出てくることが多い」
社長「それはそうだな」
専務「当然、作る側としては、2を出す時は『1の問題点を全て改善しよう!』となります」
専務「つまり、2は“続編が出るほど売れた1をより洗練したもの”になるわけです」
社長「ふむ、それはたしかに面白くならないわけがないな!」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 01:24:15.26 ID:gdNZZKmW0
社長「だが、ここで疑問が生じる」
社長「それだったら、シリーズが進めば進むほど面白くなるのではないか?」
専務「ところが、そうはならないのです」
専務「作る側もクリエイターですから、売れたらやはり欲や冒険心が出ます」
専務「そこで、完成度の高い2に新たな要素を付け加えて……」
専務「『なんだこれ』『余計な要素つけやがって』といわれてしまうのです」
社長「1、2と順調に進歩させたものを台無しにしてしまうわけだな」
専務「はい、そして3でつまずき、4でも挽回できず……とシリーズごとなくなってしまうわけです」
社長「それだったら、シリーズが進めば進むほど面白くなるのではないか?」
専務「ところが、そうはならないのです」
専務「作る側もクリエイターですから、売れたらやはり欲や冒険心が出ます」
専務「そこで、完成度の高い2に新たな要素を付け加えて……」
専務「『なんだこれ』『余計な要素つけやがって』といわれてしまうのです」
社長「1、2と順調に進歩させたものを台無しにしてしまうわけだな」
専務「はい、そして3でつまずき、4でも挽回できず……とシリーズごとなくなってしまうわけです」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 01:26:55.10 ID:gdNZZKmW0
社長「ならば、余計なことはせず、3は完成度の高い2をそのまま引き継げばよいのでは?」
専務「残念ながら、ユーザーもそう単純ではありません」
専務「新作の骨組みが2とほとんど同じであれば、やはり進歩がないと不満は出てきますし」
専務「不満が出なかったとしても、そのうち必ずマンネリ化します」
専務「やがて、飽きられてシリーズ消滅……となってしまうわけです」
社長「なるほど、受けたことをずっと繰り返してもダメ、というわけか」
専務「残念ながら、ユーザーもそう単純ではありません」
専務「新作の骨組みが2とほとんど同じであれば、やはり進歩がないと不満は出てきますし」
専務「不満が出なかったとしても、そのうち必ずマンネリ化します」
専務「やがて、飽きられてシリーズ消滅……となってしまうわけです」
社長「なるほど、受けたことをずっと繰り返してもダメ、というわけか」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 01:27:36.74 ID:gdNZZKmW0
社長「専務、ありがとう!」
社長「おかげで、なぜ2は最高傑作と言われがちなのかよく分かった!」
専務「お役に立てて嬉しいです」
社長「……つまりだ」
社長「ゲームを作る時は、常に2を作れば、常に最高傑作が生まれるわけだな!」
専務「はい!?」
社長「おかげで、なぜ2は最高傑作と言われがちなのかよく分かった!」
専務「お役に立てて嬉しいです」
社長「……つまりだ」
社長「ゲームを作る時は、常に2を作れば、常に最高傑作が生まれるわけだな!」
専務「はい!?」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 01:29:58.22 ID:gdNZZKmW0
専務「社長、あんた何いってんの!? 私の話聞いてました!? 論理が飛躍どころかぶっ飛んでますぜ!」
社長「フフフ、こんなひらめきはこの会社を立ち上げた時以来だ……」
専務「もしもーし!」
社長「よし、全てのゲーム部門に命令を下さねばならん」
社長「『ゲームを作る時は常に2を作れ』と!」
社長「ゆくぞ、専務!」
専務「もうどうにでもなれ!」
社長「フフフ、こんなひらめきはこの会社を立ち上げた時以来だ……」
専務「もしもーし!」
社長「よし、全てのゲーム部門に命令を下さねばならん」
社長「『ゲームを作る時は常に2を作れ』と!」
社長「ゆくぞ、専務!」
専務「もうどうにでもなれ!」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 01:31:39.31 ID:gdNZZKmW0
<レースゲーム部門>
社長「というわけだ。今作ってるゲームは2にするのだ」
社員A「といわれても……ゲームはもうほぼ完成してしまって、今から変更は……」
専務(そりゃそうだ)
社長「なにぃ? なんというタイトルだ?」
社員A「高速道路でレースをする≪ハイウェイファイト≫です」
社長「だったらタイトルを≪ハイウェイファイト2≫にしろ!」
社員A「は、はいっ!」
専務(えええ……)
社長「続編っぽくするため副題も付けよう。≪ハイウェイファイト2 ~高速の死闘再び~≫にしよう」
専務(なにが“再び”なんだよ……)
社長「というわけだ。今作ってるゲームは2にするのだ」
社員A「といわれても……ゲームはもうほぼ完成してしまって、今から変更は……」
専務(そりゃそうだ)
社長「なにぃ? なんというタイトルだ?」
社員A「高速道路でレースをする≪ハイウェイファイト≫です」
社長「だったらタイトルを≪ハイウェイファイト2≫にしろ!」
社員A「は、はいっ!」
専務(えええ……)
社長「続編っぽくするため副題も付けよう。≪ハイウェイファイト2 ~高速の死闘再び~≫にしよう」
専務(なにが“再び”なんだよ……)
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 01:32:32.49 ID:gdNZZKmW0
<RPG部門>
社長「今はどんなRPGを作ってるんだ?」
社員B「原点回帰して、“魔王を倒すオーソドックスなRPG”を作っています」
社長「そうか……だったら、魔王は前作でもう倒したことにしろ」
社員B「へ!? 前作なんてありませんけど……」
社長「今作のラスボスはそうだな……前作で仲間だったけど闇堕ちした戦士、にするのだ!」
社長「この衝撃的展開、これは売れるぞ!」
専務(なんの思い入れもない奴が闇堕ちしても、なんの衝撃もないだろう……)
社長「今はどんなRPGを作ってるんだ?」
社員B「原点回帰して、“魔王を倒すオーソドックスなRPG”を作っています」
社長「そうか……だったら、魔王は前作でもう倒したことにしろ」
社員B「へ!? 前作なんてありませんけど……」
社長「今作のラスボスはそうだな……前作で仲間だったけど闇堕ちした戦士、にするのだ!」
社長「この衝撃的展開、これは売れるぞ!」
専務(なんの思い入れもない奴が闇堕ちしても、なんの衝撃もないだろう……)
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 01:34:36.94 ID:gdNZZKmW0
<アドベンチャー部門>
社長「探偵が事件を解決するゲームか……」
社長「だったら、2だし、探偵の助手を主人公にしたスピンオフ展開にするのだ!」
専務(初めて出す作品で、スピンオフってのもなんかおかしい気がする)
<シューティング部門>
社長「惑星を駆け回る≪スペースシューター≫というゲームを作っているのなら」
社長「銀河系を駆け巡る≪スペースシューター2≫に作りなおせ!」
専務(1から2でずいぶんスケールでかくなったな……)
<アクションゲーム部門>
社長「主人公の≪ピョンピョイン≫は前作ではジャンプしかできなかったが」
社長「今作では色んなアクションをこなせるようになったことにしろ!」
専務(ことにしろ、ってなんやねん)
社長「探偵が事件を解決するゲームか……」
社長「だったら、2だし、探偵の助手を主人公にしたスピンオフ展開にするのだ!」
専務(初めて出す作品で、スピンオフってのもなんかおかしい気がする)
<シューティング部門>
社長「惑星を駆け回る≪スペースシューター≫というゲームを作っているのなら」
社長「銀河系を駆け巡る≪スペースシューター2≫に作りなおせ!」
専務(1から2でずいぶんスケールでかくなったな……)
<アクションゲーム部門>
社長「主人公の≪ピョンピョイン≫は前作ではジャンプしかできなかったが」
社長「今作では色んなアクションをこなせるようになったことにしろ!」
専務(ことにしろ、ってなんやねん)
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 01:39:04.50 ID:gdNZZKmW0
≪ハイウェイファイト2 ~高速の死闘再び~≫
≪勇者の冒険譚2 ~闇に堕ちた仲間~≫
≪名探偵ディテク2 ~助手ジョッシュの大活躍!~≫
≪スペースシューター2≫
≪ピョンピョイン2≫
≪血みどろ格闘リング2≫
≪スーパーガラクタ大戦2≫
……
……
社長「ふふふ、これでよし! 見ろ、この豪華なラインナップ!」
社長「売れに売れまくるに違いない! なんたって2は最高傑作の証なのだから!」
専務(ちなみにこれらのゲーム、どれも“1”にあたる作品は存在しません)
≪勇者の冒険譚2 ~闇に堕ちた仲間~≫
≪名探偵ディテク2 ~助手ジョッシュの大活躍!~≫
≪スペースシューター2≫
≪ピョンピョイン2≫
≪血みどろ格闘リング2≫
≪スーパーガラクタ大戦2≫
……
……
社長「ふふふ、これでよし! 見ろ、この豪華なラインナップ!」
社長「売れに売れまくるに違いない! なんたって2は最高傑作の証なのだから!」
専務(ちなみにこれらのゲーム、どれも“1”にあたる作品は存在しません)
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 01:40:41.25 ID:gdNZZKmW0
ところが――
社長「え、どれもこれも全然売れてない……?」
専務「はい……」
社長「なぜだ!? だってどれも“2”だぞ!? 最高傑作だぞ!?」
専務「最高傑作だからといって、最高に売れるとは限りません」
専務「おそらく、『2ってことは前作があるはず。前作やってないから買うのやめよう』と」
専務「ユーザーが判断してしまったものと思われます」
社長「な、なんてことだ……! そんなことになるなんて、予想もしなかった……!」
専務(私もあんたがここまでアホだとは予想もしなかった……)
社長「え、どれもこれも全然売れてない……?」
専務「はい……」
社長「なぜだ!? だってどれも“2”だぞ!? 最高傑作だぞ!?」
専務「最高傑作だからといって、最高に売れるとは限りません」
専務「おそらく、『2ってことは前作があるはず。前作やってないから買うのやめよう』と」
専務「ユーザーが判断してしまったものと思われます」
社長「な、なんてことだ……! そんなことになるなんて、予想もしなかった……!」
専務(私もあんたがここまでアホだとは予想もしなかった……)
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 01:42:11.69 ID:gdNZZKmW0
専務「あと、大変申し上げにくいのですが……」
社長「ん?」
専務「株主たち、メッチャ怒ってます」
「売れないゲーム連発しやがって!」
「ふざけんなーっ!」
「このワンマン社長が、辞めちまえーっ!」
社長「うわぁぁぁぁぁん! ごめんなさぁぁぁぁぁい!」
社長「ん?」
専務「株主たち、メッチャ怒ってます」
「売れないゲーム連発しやがって!」
「ふざけんなーっ!」
「このワンマン社長が、辞めちまえーっ!」
社長「うわぁぁぁぁぁん! ごめんなさぁぁぁぁぁい!」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 01:43:22.05 ID:gdNZZKmW0
……
……
元社長「ふ、ふふふ……この新聞記事……」
元社長「ほら見ろ! やっぱり“2”は最高傑作になるのだ! 最高傑作の証なのだ!」
元社長「私のやったことは、決して間違いではなかったのだぁぁぁ!!!」
……
元社長「ふ、ふふふ……この新聞記事……」
元社長「ほら見ろ! やっぱり“2”は最高傑作になるのだ! 最高傑作の証なのだ!」
元社長「私のやったことは、決して間違いではなかったのだぁぁぁ!!!」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 01:47:19.31 ID:gdNZZKmW0
『専務だった二代目社長が、急速に会社を立て直し、今期は最高益を達成……』
元社長「よくやったぞ、“二代目”!」
元社長「あれ……おかしいな。嬉しいはずなのに、なぜか涙が……」ホロリ
― 完 ―
元社長「よくやったぞ、“二代目”!」
元社長「あれ……おかしいな。嬉しいはずなのに、なぜか涙が……」ホロリ
― 完 ―
引用元: ・ゲーム会社社長「ゲームってよく“2が最高傑作”っていわれるじゃん?」
職人「仕事は見て覚えやがれ!」男「分かりました」
2020-11-20
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/17(木) 20:01:22.53 ID:8qfbrr0j0
職人「俺の伝統工芸を学びたいだぁ?」
男「はい」
職人「今までもそんな奴らが大勢やってきた。だが、みーんな辞めちまった!」
職人「口ばっかり達者で、根性なんか欠片もない連中ばかりだった!」
職人「どうせお前もそうなんだろうが!?」
男「頑張ります」
職人「ふん、いいだろう。ただし、仕事は見て覚えやがれ!」
男「分かりました」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1526554882
男「はい」
職人「今までもそんな奴らが大勢やってきた。だが、みーんな辞めちまった!」
職人「口ばっかり達者で、根性なんか欠片もない連中ばかりだった!」
職人「どうせお前もそうなんだろうが!?」
男「頑張ります」
職人「ふん、いいだろう。ただし、仕事は見て覚えやがれ!」
男「分かりました」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1526554882
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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/17(木) 20:03:37.64 ID:8qfbrr0j0
職人「最初の工程からだ」
職人「これをああして、こうして、ああする」サッサカサッサカ
男「なるほど」
職人(なにがなるほどだ。俺がこれをできるようになるまで、どれだけかかったと思ってやがる!)
職人「さ、やってみろ」
男「はい」
職人「これをああして、こうして、ああする」サッサカサッサカ
男「なるほど」
職人(なにがなるほどだ。俺がこれをできるようになるまで、どれだけかかったと思ってやがる!)
職人「さ、やってみろ」
男「はい」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/17(木) 20:05:41.28 ID:8qfbrr0j0
男「これをああして」サッサカ
職人「!?」
男「こうして、こうする」サッサカサッサカ
職人「……!」
男「いかがですか?」
職人「バカな……か、完璧だ……!」
男「ありがとうございます」
職人「!?」
男「こうして、こうする」サッサカサッサカ
職人「……!」
男「いかがですか?」
職人「バカな……か、完璧だ……!」
男「ありがとうございます」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/17(木) 20:07:21.63 ID:8qfbrr0j0
職人(こんな若造が俺の技をこうもあっさりと……ありえねえ!)
職人「つ、次の工程だ」
男「はい」
職人「今度は見て覚えるんじゃなく、聞いて覚えやがれ!」
男「分かりました」
職人「じゃあ目隠しして、俺の作業してる様子を耳で聞いとけ!」
職人「つ、次の工程だ」
男「はい」
職人「今度は見て覚えるんじゃなく、聞いて覚えやがれ!」
男「分かりました」
職人「じゃあ目隠しして、俺の作業してる様子を耳で聞いとけ!」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/17(木) 20:09:19.30 ID:8qfbrr0j0
職人「これをこうやって……こうやって……」シャカシャカ
職人「こうする!」チョキチョキ
職人「さ、やってみろ」
男「はい」
男「これをこうやって……こうやって……」シャカシャカ
男「こうする」チョキチョキ
職人「で、出来てやがる……!」
職人(ありえねえ! なんで聞いただけで出来ちまうんだよぉっ!)
職人「こうする!」チョキチョキ
職人「さ、やってみろ」
男「はい」
男「これをこうやって……こうやって……」シャカシャカ
男「こうする」チョキチョキ
職人「で、出来てやがる……!」
職人(ありえねえ! なんで聞いただけで出来ちまうんだよぉっ!)
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/17(木) 20:12:04.67 ID:8qfbrr0j0
職人「三番目の工程だ!」
男「はい」
職人「次は見るのも聞くのもダメだ! 嗅いで覚えやがれ!」
男「分かりました」
職人「じゃあ、目隠しして耳栓しろ」
男「はい」
職人(さすがにこれなら無理だろ……)
職人(俺の伝統工芸は、今日来たばかりの素人がやすやす覚えられるほど安いもんじゃねぇんだ!)
男「はい」
職人「次は見るのも聞くのもダメだ! 嗅いで覚えやがれ!」
男「分かりました」
職人「じゃあ、目隠しして耳栓しろ」
男「はい」
職人(さすがにこれなら無理だろ……)
職人(俺の伝統工芸は、今日来たばかりの素人がやすやす覚えられるほど安いもんじゃねぇんだ!)
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/17(木) 20:14:51.08 ID:8qfbrr0j0
職人「さっき作ったこれとあれを組み合わせて……」トンテンカントンテンカン
職人「さらにこれをくっつける!」ペタペタ…
男「……」クンクン
職人「もう目隠しと耳栓を外していいぞ」
男「……」クンクン
職人「……って聞こえてねえのか! 手間のかかる!」
職人「さらにこれをくっつける!」ペタペタ…
男「……」クンクン
職人「もう目隠しと耳栓を外していいぞ」
男「……」クンクン
職人「……って聞こえてねえのか! 手間のかかる!」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/17(木) 20:16:34.74 ID:8qfbrr0j0
職人「さ、やってみろ」
男「はい」
男「さっき作ったこれとあれを組み合わせて」トンテンカントンテンカン
男「さらにこれをくっつける」ペタペタ…
職人「なぜだぁ……? なんでだぁっ……!?」
男「はい」
男「さっき作ったこれとあれを組み合わせて」トンテンカントンテンカン
男「さらにこれをくっつける」ペタペタ…
職人「なぜだぁ……? なんでだぁっ……!?」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/17(木) 20:19:34.78 ID:8qfbrr0j0
職人(次がいよいよ最後の工程……)
職人(もし次のをあっさり覚えられたら、俺の価値は? 俺のやってきたことは? 俺の人生は?)
男「どうかしましたか?」
職人「……いや、なんでもねえ」
職人「最後の工程だが……見るのも聞くのも嗅ぐのも禁止だ!」
職人「感じて覚えやがれ!」
男「分かりました」
職人(もし次のをあっさり覚えられたら、俺の価値は? 俺のやってきたことは? 俺の人生は?)
男「どうかしましたか?」
職人「……いや、なんでもねえ」
職人「最後の工程だが……見るのも聞くのも嗅ぐのも禁止だ!」
職人「感じて覚えやがれ!」
男「分かりました」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/17(木) 20:24:06.72 ID:8qfbrr0j0
職人「いくぜ!」
職人「今までの工程で作ったこれをこうして……」ギーコギーコ
職人「こうしてああしてこうしてああして」ガンガンガンガン
職人「整えて……」ナデナデ
職人「完成だ!」ジャン!
職人「さ、やってみろ!」
男「はい」
職人「今までの工程で作ったこれをこうして……」ギーコギーコ
職人「こうしてああしてこうしてああして」ガンガンガンガン
職人「整えて……」ナデナデ
職人「完成だ!」ジャン!
職人「さ、やってみろ!」
男「はい」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/17(木) 20:26:28.28 ID:8qfbrr0j0
男「今までの工程で作ったこれをこうして」ギーコギーコ
男「こうしてああしてこうしてああして」ガンガンガンガン
男「整えて」ナデナデ
男「完成です」ジャン!
職人「……!」
職人「ふ、ふ、ふ、ふざけんなァァァァァッ!!!」
男「こうしてああしてこうしてああして」ガンガンガンガン
男「整えて」ナデナデ
男「完成です」ジャン!
職人「……!」
職人「ふ、ふ、ふ、ふざけんなァァァァァッ!!!」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/17(木) 20:29:50.02 ID:8qfbrr0j0
男「ふざけてなんかいませんよ」
職人「いーや、ふざけてる!」
職人「なんで!? なんで出来ちまうんだよ!?」
職人「俺が親方に殴られ蹴られ投げられしてやっと覚えた技をなんで出来ちまうんだよぉ!」
職人「こんな簡単に覚えられたら、俺の立場はどうなる!?」
職人「てめえだって俺のように苦労すべきなんだよぉぉぉぉぉ!!!」
男「……」
職人「――――!」ハッ
職人「いーや、ふざけてる!」
職人「なんで!? なんで出来ちまうんだよ!?」
職人「俺が親方に殴られ蹴られ投げられしてやっと覚えた技をなんで出来ちまうんだよぉ!」
職人「こんな簡単に覚えられたら、俺の立場はどうなる!?」
職人「てめえだって俺のように苦労すべきなんだよぉぉぉぉぉ!!!」
男「……」
職人「――――!」ハッ
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/17(木) 20:32:41.74 ID:8qfbrr0j0
職人(俺は……何をいってるんだ?)
職人(俺は今まで本当に後継者を育てようとしてきたのか……?)
職人(いや、いつも俺の心の中にあったのは……)
職人(いかに俺のやってることの大変さや貴重さを、若造どもに思い知らせるか、それだけだった)
職人(俺が親方にやられて辛かったことを、弟子希望者にもやってただけだった!)
職人(今までの奴らがみんな辞めちまったのは、あいつらのせいじゃない! 俺のせいだ!)
職人「うわあああああああああああっ……!!!」
職人(俺は今まで本当に後継者を育てようとしてきたのか……?)
職人(いや、いつも俺の心の中にあったのは……)
職人(いかに俺のやってることの大変さや貴重さを、若造どもに思い知らせるか、それだけだった)
職人(俺が親方にやられて辛かったことを、弟子希望者にもやってただけだった!)
職人(今までの奴らがみんな辞めちまったのは、あいつらのせいじゃない! 俺のせいだ!)
職人「うわあああああああああああっ……!!!」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/17(木) 20:34:22.12 ID:8qfbrr0j0
職人「あんたのおかげで……俺はすっかり気づかされちまったよ」
職人「頑固で誇り高い職人のはずの俺が、栄光にすがりつくだけのおっさんだったってことに……」
男「……」
職人「なぁ、あんた……」
男「はい」
職人「あんたはおそらく覚えるだけじゃなく、教え方もうまそうだ」
職人「俺に教え方を教えてくれないか?」
男「分かりました」
職人「頑固で誇り高い職人のはずの俺が、栄光にすがりつくだけのおっさんだったってことに……」
男「……」
職人「なぁ、あんた……」
男「はい」
職人「あんたはおそらく覚えるだけじゃなく、教え方もうまそうだ」
職人「俺に教え方を教えてくれないか?」
男「分かりました」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/17(木) 20:36:18.70 ID:8qfbrr0j0
――
――――
職人「ではよろしいですか、皆さん」
職人「最初の工程から始めていきますので、皆さんもゆっくりと私の真似をしてみて下さい!」
「はいっ!」
職人「いい返事です!」
職人「では始めていきましょう。焦らず自分のペースで作業して下さいね!」
――――
職人「ではよろしいですか、皆さん」
職人「最初の工程から始めていきますので、皆さんもゆっくりと私の真似をしてみて下さい!」
「はいっ!」
職人「いい返事です!」
職人「では始めていきましょう。焦らず自分のペースで作業して下さいね!」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/17(木) 20:38:31.06 ID:8qfbrr0j0
生徒「えーと……」モタモタ
職人「ここはそうじゃないですねえ」
職人「こうすると、うまくできますよ!」サッサカ
生徒「なるほど! ありがとうございます!」
職人(あれから俺は心を入れ替え、自分の技と経験をより大勢の人に、より丁寧に教えるよう努力している)
職人(覚えが悪い奴や不器用すぎる奴にだって決して差別はしない。来る者拒まずだ)
職人(おかげで、何人か磨けば宝石になりそうな奴も発掘できた)
職人(俺の代でついえそうだった俺の伝統工芸は、どうやら引き継がれていくことになりそうだ……)
職人「ここはそうじゃないですねえ」
職人「こうすると、うまくできますよ!」サッサカ
生徒「なるほど! ありがとうございます!」
職人(あれから俺は心を入れ替え、自分の技と経験をより大勢の人に、より丁寧に教えるよう努力している)
職人(覚えが悪い奴や不器用すぎる奴にだって決して差別はしない。来る者拒まずだ)
職人(おかげで、何人か磨けば宝石になりそうな奴も発掘できた)
職人(俺の代でついえそうだった俺の伝統工芸は、どうやら引き継がれていくことになりそうだ……)
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/17(木) 20:40:44.58 ID:8qfbrr0j0
――
――
男「……ええ、全てうまくいきました」
男「あの職人の持つ技は大勢の人に受け継がれていくことになるでしょう」
『流石だ……』
『ところで、君は本当に見たり聞いたりするだけで技を覚えたのか?』
男「まさか」
男「事前に職人の仕事ぶりを密かに徹底的に360度から撮影し、最新式コンピュータで分析し」
男「猛烈な反復練習で、彼の動きや技をトレースできるようにしただけのことです」
『“だけのこと”と謙遜するが、君の天才的な才能があって初めてできることだな』
男「恐れ入ります」
――
男「……ええ、全てうまくいきました」
男「あの職人の持つ技は大勢の人に受け継がれていくことになるでしょう」
『流石だ……』
『ところで、君は本当に見たり聞いたりするだけで技を覚えたのか?』
男「まさか」
男「事前に職人の仕事ぶりを密かに徹底的に360度から撮影し、最新式コンピュータで分析し」
男「猛烈な反復練習で、彼の動きや技をトレースできるようにしただけのことです」
『“だけのこと”と謙遜するが、君の天才的な才能があって初めてできることだな』
男「恐れ入ります」
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/17(木) 20:42:52.98 ID:8qfbrr0j0
男「それに、やはり撮影やコンピュータ分析だけでは限界があります」
男「私の技量は、職人の工芸品を完全再現するレベルには至っていませんでした」
男「もっとも、職人も冷静さを欠いていたので、それには気づかなかったようですがね」
『そうなることも、君の計算通りだったんだろう?』
『ある日突然、自分が数十年かけてようやく作れるようになった品を、ろくな教えもなく』
『近いレベルで作れるような輩が現れたら、誰だって動揺するに決まってる』
男「そういうことです」
男「私の技量は、職人の工芸品を完全再現するレベルには至っていませんでした」
男「もっとも、職人も冷静さを欠いていたので、それには気づかなかったようですがね」
『そうなることも、君の計算通りだったんだろう?』
『ある日突然、自分が数十年かけてようやく作れるようになった品を、ろくな教えもなく』
『近いレベルで作れるような輩が現れたら、誰だって動揺するに決まってる』
男「そういうことです」
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/17(木) 20:45:26.97 ID:8qfbrr0j0
『ご苦労だった』
『また近いうちに仕事を頼むことになるだろうが、しばらくは休息してくれ』
男「承知しました」
男「復興させたい伝統がありましたら、国家直属伝統復興課(所属一名)のこの私まで」
男「ご連絡下さいませ……」
― END ―
『また近いうちに仕事を頼むことになるだろうが、しばらくは休息してくれ』
男「承知しました」
男「復興させたい伝統がありましたら、国家直属伝統復興課(所属一名)のこの私まで」
男「ご連絡下さいませ……」
― END ―
引用元: ・職人「仕事は見て覚えやがれ!」男「分かりました」
アサシン「今までに何人殺った?」新米殺し屋「(本当は一人だけど)ご、五人」
2020-11-20
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 13:05:29.22 ID:3e5CE4X60
アサシン「お前……殺し屋だろ?」
殺し屋「!」ビクッ
殺し屋「な、なんで分かった?」
アサシン「分かるさ……同業者のニオイはな。ところで、今までに何人殺った?」
殺し屋(僕はまだ新米だから、まだ一人だけど……正直に答えたら絶対バカにされる!)
殺し屋(しかたない、サバを読もう……)
殺し屋「ご、五人」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1527307528
殺し屋「!」ビクッ
殺し屋「な、なんで分かった?」
アサシン「分かるさ……同業者のニオイはな。ところで、今までに何人殺った?」
殺し屋(僕はまだ新米だから、まだ一人だけど……正直に答えたら絶対バカにされる!)
殺し屋(しかたない、サバを読もう……)
殺し屋「ご、五人」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1527307528
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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 13:07:24.75 ID:3e5CE4X60
アサシン「よっしゃ、勝った!」
殺し屋「え、君は何人なの?」
アサシン「俺は……10人殺ってる」
殺し屋「じゅ、10人!?」
殺し屋(すごい……大ベテランじゃないか……)
アサシン「……」ドヤァ
殺し屋(なんてドヤ顔だ! ムカつくぅ~! こんな奴に絶対負けたくないっ!)
殺し屋「え、君は何人なの?」
アサシン「俺は……10人殺ってる」
殺し屋「じゅ、10人!?」
殺し屋(すごい……大ベテランじゃないか……)
アサシン「……」ドヤァ
殺し屋(なんてドヤ顔だ! ムカつくぅ~! こんな奴に絶対負けたくないっ!)
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 13:08:42.14 ID:3e5CE4X60
殺し屋「あ、思い出した!」
アサシン「え?」
殺し屋「実は僕はね、20人殺ってる」
アサシン「なんだと……」
殺し屋「ある仕事のことをすっかり忘れてたんだよね~、失敬失敬」
アサシン「……」
アサシン「え?」
殺し屋「実は僕はね、20人殺ってる」
アサシン「なんだと……」
殺し屋「ある仕事のことをすっかり忘れてたんだよね~、失敬失敬」
アサシン「……」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 13:11:04.15 ID:3e5CE4X60
アサシン「あ、そういえば!」
殺し屋「なんだよ?」
アサシン「数え間違えてた……そういや俺は50人殺ってたわ」
殺し屋「ご、50!?」
殺し屋「10と50、普通そんな数え間違いするか!?」
アサシン「数え忘れてた40人はあまりに小物だったから、カウントしてなかったんだよ」
アサシン「殺しもやりすぎると、こういうことがあるからなぁ」
殺し屋(くそっ、30も差をつけられた! だったら僕は60人にするか? いや――)
殺し屋「なんだよ?」
アサシン「数え間違えてた……そういや俺は50人殺ってたわ」
殺し屋「ご、50!?」
殺し屋「10と50、普通そんな数え間違いするか!?」
アサシン「数え忘れてた40人はあまりに小物だったから、カウントしてなかったんだよ」
アサシン「殺しもやりすぎると、こういうことがあるからなぁ」
殺し屋(くそっ、30も差をつけられた! だったら僕は60人にするか? いや――)
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 13:12:42.26 ID:3e5CE4X60
殺し屋「そういや僕も数え忘れてたのがいたよ」
アサシン「何人ぐらいだよ?」
殺し屋「80人かな。つまり僕のスコアは……100人だ!」
アサシン「100だと!」
殺し屋「もちろん、これから200、300と更に上を目指していくつもりだけどね~」
殺し屋(フフフ、勝った……!)
アサシン「何人ぐらいだよ?」
殺し屋「80人かな。つまり僕のスコアは……100人だ!」
アサシン「100だと!」
殺し屋「もちろん、これから200、300と更に上を目指していくつもりだけどね~」
殺し屋(フフフ、勝った……!)
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 13:15:28.29 ID:3e5CE4X60
アサシン「ちょっと待て」
殺し屋「え」
アサシン「そういや、ある市民ホールに集まった連中をまとめてガスで毒殺したことがあったような……」
アサシン「そうだ! あったあった!」
アサシン「あれを合わせれば……俺の殺害数は1000人だ!」
殺し屋(しまった! 抜かれた!)
殺し屋(ここまできて引くわけにはいかない! だったら次は――)
殺し屋「え」
アサシン「そういや、ある市民ホールに集まった連中をまとめてガスで毒殺したことがあったような……」
アサシン「そうだ! あったあった!」
アサシン「あれを合わせれば……俺の殺害数は1000人だ!」
殺し屋(しまった! 抜かれた!)
殺し屋(ここまできて引くわけにはいかない! だったら次は――)
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 13:16:48.23 ID:3e5CE4X60
殺し屋「僕もすごい殺しをやったのを、すっかり忘れてたよ……」
殺し屋「コンサート会場の客を皆殺し、あれは大変な仕事だった」
アサシン「な、なにぃ!?」
殺し屋「あれを加味すれば……僕の殺した人数は1万人にはなるかな」
アサシン「1万ンンン!?」
殺し屋(五人から1万人になっちゃった……ホントは一人だけど)
殺し屋(ま、これも殺し屋としてハクをつけるためだ! 方便方便!)
殺し屋「コンサート会場の客を皆殺し、あれは大変な仕事だった」
アサシン「な、なにぃ!?」
殺し屋「あれを加味すれば……僕の殺した人数は1万人にはなるかな」
アサシン「1万ンンン!?」
殺し屋(五人から1万人になっちゃった……ホントは一人だけど)
殺し屋(ま、これも殺し屋としてハクをつけるためだ! 方便方便!)
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 13:18:03.93 ID:3e5CE4X60
アサシン「――あっ!」
殺し屋「な、なに?」
アサシン「そういや俺、ある町の住民をまとめて全滅させたことあったわ~」
殺し屋「町を!?」
アサシン「きちんと数えてないけど、あの件を合わせりゃ俺の殺した数は10万にはなるはずだ!」
殺し屋(町を全滅させるなんてとんでもない奴だ! もはや殺し屋ってレベルじゃないぞ!)
殺し屋(だけどもっとサバを読まなきゃ! 町には市で対抗だ!)
殺し屋「な、なに?」
アサシン「そういや俺、ある町の住民をまとめて全滅させたことあったわ~」
殺し屋「町を!?」
アサシン「きちんと数えてないけど、あの件を合わせりゃ俺の殺した数は10万にはなるはずだ!」
殺し屋(町を全滅させるなんてとんでもない奴だ! もはや殺し屋ってレベルじゃないぞ!)
殺し屋(だけどもっとサバを読まなきゃ! 町には市で対抗だ!)
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 13:19:58.21 ID:3e5CE4X60
殺し屋「……僕はある市を壊滅させたことがある」
アサシン「市を!? 大事件じゃねえか!」
殺し屋「まぁね、あれをもみ消すのはだいぶ苦労したよ……。あちこちに手を回してさ……」
アサシン「……で? 肝心の殺害数は?」
殺し屋「そうだねえ……ざっと50万人にはなるかなあ……」
アサシン「うぐぐぐ……だったらぁ!」
アサシン「市を!? 大事件じゃねえか!」
殺し屋「まぁね、あれをもみ消すのはだいぶ苦労したよ……。あちこちに手を回してさ……」
アサシン「……で? 肝心の殺害数は?」
殺し屋「そうだねえ……ざっと50万人にはなるかなあ……」
アサシン「うぐぐぐ……だったらぁ!」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 13:21:36.89 ID:3e5CE4X60
アサシン「お、俺は……100万人だ!」
殺し屋「100万!? んな無茶な!」
アサシン「かなりの大都市だったからな……」
殺し屋「あぐぐ……だったら僕は……1000万人だ!」
アサシン「んな数、ありえるわけが……」
殺し屋「ある国の首都をまとめて滅ぼしたからね……」
アサシン「ぐぬぬ、首都だったらありえる……」
殺し屋「100万!? んな無茶な!」
アサシン「かなりの大都市だったからな……」
殺し屋「あぐぐ……だったら僕は……1000万人だ!」
アサシン「んな数、ありえるわけが……」
殺し屋「ある国の首都をまとめて滅ぼしたからね……」
アサシン「ぐぬぬ、首都だったらありえる……」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 13:22:58.24 ID:3e5CE4X60
アサシン「俺はやっぱり1億人だぁ!」
殺し屋「僕は5億人殺ってる!」
アサシン「俺は10億ぅぅぅ!」
殺し屋「なら僕は――」
殺し屋「70億人だぁぁぁぁぁ!!!!!」
殺し屋「僕は5億人殺ってる!」
アサシン「俺は10億ぅぅぅ!」
殺し屋「なら僕は――」
殺し屋「70億人だぁぁぁぁぁ!!!!!」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 13:24:26.41 ID:3e5CE4X60
アサシン「70億って……世界の人口と同じくらいじゃん。人類全滅しちゃうじゃん」
殺し屋「……あ」
アサシン「お前、本当に70億人も殺したのか?」
殺し屋「い、いや……」
殺し屋「ごめん、ウソついた」
アサシン「ウソだったのか……」
殺し屋「……あ」
アサシン「お前、本当に70億人も殺したのか?」
殺し屋「い、いや……」
殺し屋「ごめん、ウソついた」
アサシン「ウソだったのか……」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 13:27:10.56 ID:3e5CE4X60
殺し屋「実は僕、殺し屋としては新米で……本当はまだ一人しか殺してないんだ」
殺し屋「笑ってくれ……」
アサシン「いや、俺も似たようなもんさ」
アサシン「俺だってまだ、二人しか殺してないペーペーよ」
殺し屋「ペーペーなのに、僕が殺し屋だってよく分かったね?」
アサシン「お前に話しかける前に、お前が武器を手入れしてるとこを見かけただけさ」
アサシン「同業者のニオイなんて分かるわけねえ……。笑ってくれ……」
殺し屋「……」プッ
アサシン「……」プッ
二人「アッハッハッハッハッハッハ!!!」
殺し屋「笑ってくれ……」
アサシン「いや、俺も似たようなもんさ」
アサシン「俺だってまだ、二人しか殺してないペーペーよ」
殺し屋「ペーペーなのに、僕が殺し屋だってよく分かったね?」
アサシン「お前に話しかける前に、お前が武器を手入れしてるとこを見かけただけさ」
アサシン「同業者のニオイなんて分かるわけねえ……。笑ってくれ……」
殺し屋「……」プッ
アサシン「……」プッ
二人「アッハッハッハッハッハッハ!!!」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 13:27:52.20 ID:3e5CE4X60
殺し屋「まっさか、お互いハッタリをかましあってたなんてねえ!」
アサシン「なにしろこの世界はナメられたら終わりだからな」
殺し屋「うんうん、実力以上にハッタリがものをいうところあるしね」
アサシン「にしても、見栄の張り合いが人類絶滅までいっちゃうとはケッサクだ!」
殺し屋「ホントだね! あ~、おかしい!」
アサシン「なにしろこの世界はナメられたら終わりだからな」
殺し屋「うんうん、実力以上にハッタリがものをいうところあるしね」
アサシン「にしても、見栄の張り合いが人類絶滅までいっちゃうとはケッサクだ!」
殺し屋「ホントだね! あ~、おかしい!」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 13:30:25.98 ID:3e5CE4X60
アサシン「あ、そうだ! ちなみにお前が殺した一人ってのはどんな奴だったんだ?」
殺し屋「ええと確か……何とかって国の大統領の奥さんだったかな。今頃死体が発見されてるかも」
アサシン「初仕事が大統領夫人とか、お前すげえな! 絶対才能あるぜ!」
殺し屋「そうかな……照れるな……」
アサシン「俺たち……新米同士、仲良くなれそうだな」
殺し屋「もしよかったらコンビ組んで仕事するのもいいかも!」
アサシン「それいい! 報酬はもちろん折半な!」
殺し屋「うん!」
殺し屋「ええと確か……何とかって国の大統領の奥さんだったかな。今頃死体が発見されてるかも」
アサシン「初仕事が大統領夫人とか、お前すげえな! 絶対才能あるぜ!」
殺し屋「そうかな……照れるな……」
アサシン「俺たち……新米同士、仲良くなれそうだな」
殺し屋「もしよかったらコンビ組んで仕事するのもいいかも!」
アサシン「それいい! 報酬はもちろん折半な!」
殺し屋「うん!」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/26(土) 13:31:59.08 ID:3e5CE4X60
大統領「うおおおおおおおおっ!!! 私の愛するワイフがァ~~~~~!!!」
大統領「どこの誰だか知らんが許さんぞぉぉぉ~~~~~っ!!!」
大統領「愛する妻のいないこの世界などに、私はなんの未練もないッ!!!」
大統領「こうなったら、私が常々持ち歩いてる――」
大統領「我が国含め全世界に核ミサイルをばら撒く、禁断の最終スイッチを押すしかなぁぁぁぁぁい!!!!!」
ポチッ
END
大統領「どこの誰だか知らんが許さんぞぉぉぉ~~~~~っ!!!」
大統領「愛する妻のいないこの世界などに、私はなんの未練もないッ!!!」
大統領「こうなったら、私が常々持ち歩いてる――」
大統領「我が国含め全世界に核ミサイルをばら撒く、禁断の最終スイッチを押すしかなぁぁぁぁぁい!!!!!」
ポチッ
END
引用元: ・アサシン「今までに何人殺った?」新米殺し屋「(本当は一人だけど)ご、五人」
男「ゲームって“悩む二択”をさせることが多いよな」
2020-11-17
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/13(水) 01:36:47.58 ID:kZRC1G5L0
男「うーん……どっちにするか……」
友人「まだ悩んでるのか?」
男「ああ、悩んでる」
友人「たかがゲームなんだし、ぱぱっと決めちゃえばいいのに」
男「たかがゲーム、されどゲームだよ」
男「にしても思うんだけど、ゲームって“悩む二択”をさせることが多いよな」
友人「たしかに」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1528821407
友人「まだ悩んでるのか?」
男「ああ、悩んでる」
友人「たかがゲームなんだし、ぱぱっと決めちゃえばいいのに」
男「たかがゲーム、されどゲームだよ」
男「にしても思うんだけど、ゲームって“悩む二択”をさせることが多いよな」
友人「たしかに」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1528821407
関連
ハルヒ「SOS団で恋の暴露大会をするわよ!」
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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/13(水) 01:38:23.97 ID:kZRC1G5L0
男「たとえば、二人のうちどっちか一人しか仲間にできないキャラ」
友人「あるある」
男「性能はAの方が上なんだけど、見た目はBの方が好みだったり」
友人「その場合、俺だったらAにするかなぁ」
男「お、お前は性能重視なんだ?」
友人「うん、どうせ操作するならやっぱ強いやつ操作したいし」
男「実力主義だねえ」
友人「あるある」
男「性能はAの方が上なんだけど、見た目はBの方が好みだったり」
友人「その場合、俺だったらAにするかなぁ」
男「お、お前は性能重視なんだ?」
友人「うん、どうせ操作するならやっぱ強いやつ操作したいし」
男「実力主義だねえ」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/13(水) 01:39:03.17 ID:kZRC1G5L0
友人「逆にお前は見た目重視?」
男「ああ、見た目が好みだと、操作しがいがあるし……」
友人「なるほどなるほど、多少性能が劣るのは愛でカバーってやつね」
男「……」
友人「……」
男「じゃ、もしAが美男キャラ、Bが美女キャラだったら?」
二人「B一択」
男「アハハ……」
友人「ハハ……欲望に忠実だな、俺ら」
男「ああ、見た目が好みだと、操作しがいがあるし……」
友人「なるほどなるほど、多少性能が劣るのは愛でカバーってやつね」
男「……」
友人「……」
男「じゃ、もしAが美男キャラ、Bが美女キャラだったら?」
二人「B一択」
男「アハハ……」
友人「ハハ……欲望に忠実だな、俺ら」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/13(水) 01:40:17.91 ID:kZRC1G5L0
友人「それと、アイテムな」
男「世界に一つしかないレアアイテム、どっちか一つしか取れないっていう」
友人「そうそう」
友人「これも悩むんだよなぁ~」
男「どっちも入手できるようにしてくれりゃいいのに、制作者もタチ悪いよなぁ」
友人「まったくだ」
男「世界に一つしかないレアアイテム、どっちか一つしか取れないっていう」
友人「そうそう」
友人「これも悩むんだよなぁ~」
男「どっちも入手できるようにしてくれりゃいいのに、制作者もタチ悪いよなぁ」
友人「まったくだ」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/13(水) 01:41:12.41 ID:kZRC1G5L0
男「しかも、散々悩んだ末にアイテムAとBのうち、Aにしたら……」
男「ネット上では“Aの方が使えないアイテム”ってのが通説になってたり」
友人「最強装備入手や、理論上の最大ダメージを叩き出すにはアイテムBが必須だったりとかな」
男「Aは二つ以上手に入ることが判明したり!」
友人「それはキツイ!」
男「ネット上では“Aの方が使えないアイテム”ってのが通説になってたり」
友人「最強装備入手や、理論上の最大ダメージを叩き出すにはアイテムBが必須だったりとかな」
男「Aは二つ以上手に入ることが判明したり!」
友人「それはキツイ!」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/13(水) 01:43:04.29 ID:kZRC1G5L0
男「他には、ストーリーの分岐ってのもあるな」
友人「それも悩むなぁ」
男「世界平和を取るか、ヒロインや仲間の命を取るか、とか」
友人「正義を貫くか、残虐な手段を使うか、とか」
男「選択次第で、エンディングが確定しちゃうこともあるし」
友人「物語終盤なら一方を見てからやり直せばいいけど、序盤中盤だとそうもいかないしな」
友人「それも悩むなぁ」
男「世界平和を取るか、ヒロインや仲間の命を取るか、とか」
友人「正義を貫くか、残虐な手段を使うか、とか」
男「選択次第で、エンディングが確定しちゃうこともあるし」
友人「物語終盤なら一方を見てからやり直せばいいけど、序盤中盤だとそうもいかないしな」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/13(水) 01:44:12.11 ID:kZRC1G5L0
友人「それと、技なんかもどちらかしか会得できないケースがある」
男「一撃技と連撃技の二択だったりな」
友人「お前だったらどっちにする?」
男「一撃かなぁ」
友人「どうして? 連撃のが気持ちいいし、ダメージ稼げるじゃん」
男「技の演出がすぐ終わるから」
友人「……せっかちな奴」
男「一撃技と連撃技の二択だったりな」
友人「お前だったらどっちにする?」
男「一撃かなぁ」
友人「どうして? 連撃のが気持ちいいし、ダメージ稼げるじゃん」
男「技の演出がすぐ終わるから」
友人「……せっかちな奴」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/13(水) 01:45:22.25 ID:kZRC1G5L0
男「どちらか一方しか倒せないボスもいたりするよな」
友人「判断基準としては、いいアイテム落とす方を倒すことになるけど」
男「戦ってて楽しい方を選ぶこともあるな」
友人「ところで、こういう時、倒されなかったボスはどうしてるんだろう?」
友人「そこらへんフォローされることってほとんどないよな」
男「まあ、別の誰かが倒したと解釈するか……あるいは……」
友人「あるいは?」
男「暇を持て余して改心したと考えるのも面白いかも」
友人「判断基準としては、いいアイテム落とす方を倒すことになるけど」
男「戦ってて楽しい方を選ぶこともあるな」
友人「ところで、こういう時、倒されなかったボスはどうしてるんだろう?」
友人「そこらへんフォローされることってほとんどないよな」
男「まあ、別の誰かが倒したと解釈するか……あるいは……」
友人「あるいは?」
男「暇を持て余して改心したと考えるのも面白いかも」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/13(水) 01:46:08.45 ID:kZRC1G5L0
友人「あと悩むといえば……ジョブ選択とか」
男「それもあったか」
友人「物理系か、魔法系か、育てやすいか、どんなスキルを覚えるか……判断材料が多い」
友人「古いゲームなのに未だにどのジョブが最強か議論されてる、なんてこともあるしな」
男「だけど、女キャラの場合は?」
友人「そりゃもちろん……」
二人「見た目が一番エチなジョブ!」
男「アハハ……」
友人「ハハ……やっぱ欲望に忠実だな、俺ら」
男「それもあったか」
友人「物理系か、魔法系か、育てやすいか、どんなスキルを覚えるか……判断材料が多い」
友人「古いゲームなのに未だにどのジョブが最強か議論されてる、なんてこともあるしな」
男「だけど、女キャラの場合は?」
友人「そりゃもちろん……」
二人「見た目が一番エチなジョブ!」
男「アハハ……」
友人「ハハ……やっぱ欲望に忠実だな、俺ら」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/13(水) 01:47:31.20 ID:kZRC1G5L0
男「難易度をどうするか悩むこともあるぞ」
友人「二択と考えると、ノーマルかハードか、ってやつだな」
男「難易度選べるのはいいんだけど、ノーマルだと真のエンディング見られないってのはやめて欲しい」
友人「あるある」
友人「プレイ時間短いゲームならまだいいけど、長いのだとねえ……」
男「ぶっちゃけ、高難度やらずに真のエンディング見れてないゲームいくつかあるよ……」
友人「二択と考えると、ノーマルかハードか、ってやつだな」
男「難易度選べるのはいいんだけど、ノーマルだと真のエンディング見られないってのはやめて欲しい」
友人「あるある」
友人「プレイ時間短いゲームならまだいいけど、長いのだとねえ……」
男「ぶっちゃけ、高難度やらずに真のエンディング見れてないゲームいくつかあるよ……」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/13(水) 01:48:59.23 ID:kZRC1G5L0
男「ゲームって悩める二択が多いなぁ」
友人「そこが楽しくもあるんだけどな」
男「そりゃそうだけど」
友人「いずれにせよ、大切なのはしっかり悩んで」
友人「『こっちを選ばなきゃよかった』『あっちを選べばよかった』ってことがないようにすることだな」
男「なるほど」
友人「で、どうすんだよ? 今悩んでる二択もいい加減決めないと」
男「うーん……どっちの新作ゲームを買おう……」
友人「そこが楽しくもあるんだけどな」
男「そりゃそうだけど」
友人「いずれにせよ、大切なのはしっかり悩んで」
友人「『こっちを選ばなきゃよかった』『あっちを選べばよかった』ってことがないようにすることだな」
男「なるほど」
友人「で、どうすんだよ? 今悩んでる二択もいい加減決めないと」
男「うーん……どっちの新作ゲームを買おう……」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/13(水) 01:50:40.93 ID:kZRC1G5L0
友人「あ、そうだ! だったら両方買えばいいじゃん!」
男「え? だけど、予算が……」
友人「俺とお前で一つずつゲーム買って、クリアしたら交換すればいい!」
男「いいのか? お前、この二つのゲーム買う予定なかったんじゃ……」
友人「ああ。だけどこうして話してたら、なんだか俺もゲームやりたくなってきちゃってさ」
男「よっしゃ、そうと決まれば両方買おう!」
友人「『どっちも選ぶ』ができるなら、それが最適解ってことだな!」
男「え? だけど、予算が……」
友人「俺とお前で一つずつゲーム買って、クリアしたら交換すればいい!」
男「いいのか? お前、この二つのゲーム買う予定なかったんじゃ……」
友人「ああ。だけどこうして話してたら、なんだか俺もゲームやりたくなってきちゃってさ」
男「よっしゃ、そうと決まれば両方買おう!」
友人「『どっちも選ぶ』ができるなら、それが最適解ってことだな!」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/13(水) 01:51:46.56 ID:kZRC1G5L0
……
友人「いやー……つまんなかったな」
男「まさかどっちもクソゲーだとは……」
友人「しかも、並大抵じゃない。バグだらけだわ、操作性ひどいわ、ストーリー矛盾だらけだわ」
友人「たとえ金と時間が返ってきても、心に傷が残るぐらいのクソゲーっぷりだった……」
男「こんなことなら、素直にネットで評判見ときゃよかったよ……」
友人「ゲームには『どっちも選ばなきゃよかった』って二択もあるってことだな……」
<終わり>
友人「いやー……つまんなかったな」
男「まさかどっちもクソゲーだとは……」
友人「しかも、並大抵じゃない。バグだらけだわ、操作性ひどいわ、ストーリー矛盾だらけだわ」
友人「たとえ金と時間が返ってきても、心に傷が残るぐらいのクソゲーっぷりだった……」
男「こんなことなら、素直にネットで評判見ときゃよかったよ……」
友人「ゲームには『どっちも選ばなきゃよかった』って二択もあるってことだな……」
<終わり>
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/13(水) 05:20:16.78 ID:Px9BiZg0O
果たしてこっちで良かったのだろうか…
とか考えて眠れなくなるからやめてほしい
乙
とか考えて眠れなくなるからやめてほしい
乙
引用元: ・男「ゲームって“悩む二択”をさせることが多いよな」
男「『これからも物語は続く(完)』はありきたりすぎる」 友「いきなりどうした?」
2020-11-16
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/12(火) 22:50:13.91 ID:YDLerzeL0
男「そういや友よ。昨日発売の少年誌見たか?」
友「昨日発売っていうと……あれか。あーそういやずっと続いていたあのマンガが終わったよなー」
友「先週ラスボスを倒して、今週は戻ってきた日常でこれからも物語は続く的な感じで締めて……いいまとまり方だったよな」
男「ああ。ちゃんと伏線を回収したり色恋やライバルにも決着を付けたり、モヤモヤを残さなかったのは評価したい」
友「どうして上から目線なんだよ」
男「だが一つ物申したい――」
男「『これからも物語は続く(完)』はありきたりすぎる」
友「いきなりどうした?」
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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/12(火) 22:51:21.76 ID:YDLerzeL0
男「『これからも物語は続く(完)』」
男「古今東西あらゆる物語で使われてきた終わり方だ」
男「名作でいうと『ドラゴンボール』とかはもろにそれだな。ナレーションがそんな感じのことを言ってたし」
男「もちろんそれぞれ作品によって細部は違うが『あーこのキャラたちはこれからもこの世界で生きていくんだなあ』と思わせればこのパターンだと俺は判断している」
友「言われてみれば当てはまるのも多いな。『鋼の錬金術師』『トリコ』とかもそれに含めていいんだよな?」
男「ああ、どれも広義で見ればそのパターンだと俺は思っている」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/12(火) 22:51:55.51 ID:YDLerzeL0
友「でも、いいじゃねえかありきたりだろうと綺麗な終わり方だし」
友「何か不満があるのかよ?」
男「作品はここで終わるのに、キャラたちの物語はこれからも続く」
男「そこに……何ていうか虚無感を感じるんだよ」
男「その続いていく物語を見ることが出来ないってことに」
友「うーん……分からないでもないが」
友「だったら延々と作品を続けろっていうのか? 無茶な要求だろ」
男「だから『これからも物語は続く』以外の終わり方にしてほしいってことだ」
友「えーそうなるわけ?」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/12(火) 22:52:25.40 ID:YDLerzeL0
男「創作物も色んなジャンルが出てきた中、終わり方については未だにパターンが少ないと思うんだよ」
男「この使い古された終わり方が溢れている現状を何とかしてくれ」
友「んーまあ、おまえの主張も分かったけど……」
友「でもそれって結局この終わり方が一番いいから多く存在するんじゃないか?」
男「……ほう? どういうことだ」
友「いや、ふと思っただけで……そうだ。なら俺たちで終わり方のパターンについて話し合って見ようぜ」
男「可能性を探るってことか……いいじゃないか」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/12(火) 22:53:01.90 ID:YDLerzeL0
友「要するにおまえは『これからも物語は続く(完)』が駄目だっていうんだろ?」
男「ああ」
友「なら単純に逆だ。『物語はこれまでだ(完)』とかはどうだ?」
友「例えば主人公が最後に死ねば物語はそこで終わる。続きを想像する余地もない」
男「物語が終わった感はこっちの方がよく出てるな」
友「作品でいうと『デスノート』とか、あと死んだかは不明だが『あしたのジョー』とかだな」
男「なるほど」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/12(火) 22:53:44.15 ID:YDLerzeL0
男「ただ……これには重大な問題が存在するよな」
友「ああ。バッドエンドになりやすいってことだ」
友「構造的にはこっちの方がしっかりしてるんだろう。話と同時にキャラの物語も終わるわけだしな」
友「ただ……バッドエンドって時点で、どうしても読者的にはモヤモヤが残る」
男「やっぱり最後はハッピーエンドで終わって欲しいもんな」
友「だが『物語はこれまでだ(完)』でハッピーエンドにするのは至難のわざだ」
男「主人公は自爆で敵を倒して世界は救われました、とかどうだ?」
友「いや、それもどちらかというとバッドエンドだろ」
男「じゃあ主人公は敵を倒した後長生きして、最後は多くの孫に囲まれながら寿命で逝きました……これならハッピーにならないか?」
友「それは寿命で死ぬまで全部描写するならいいけど、途中の時を飛ばすなら結局想像の余地が出て、『これからも物語は続く』みたいな感じにならないか?」
男「言われてみるとそうか。……なら、主人公は敵を倒したけど同時に致命傷を負って、ヒロインに看取られながら幸せに逝く……これでどうだ?」
友「良い線ではあるが……主人公目線ではハッピーでも残されたヒロインからすればバッドだし、意見が割れそうだな」
男「じゃあヒロインも一緒に死ねば……」
友「よりバッドっぽくなるな」
男「……難しいなこれ」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/12(火) 22:54:18.12 ID:YDLerzeL0
友「前述した通り、バッドエンドになりやすい時点でこの終わり方は選びにくい」
友「読者がモヤモヤすると同時に、作者としてもモヤモヤする終わり方だしな」
男「でもたまに『物語はこれまでだ(完)』でありながら、ハッピーエンドで、モヤモヤも残らない作品はあるだろ?」
友「その『たまに』って時点で、簡単に作れないってことが分かるだろ。終わりまで計算して完璧に話を作る必要があるんだ」
友「それが出来る作者は少ない」
友「つーことでこの終わり方が少ないってわけだ」
男「そういうことなのか」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/12(火) 22:57:10.06 ID:YDLerzeL0
男「作品の終わり方か……そういや最近『これからも物語は続く(完)』ほどではないけど、増えてきた終わり方があるよな」
友「ん、何だ?」
男「いわゆる『ギャグオチ』ってやつだよ」
友「『なんやて!?』」
男「『「闇」は俺たちの想像より遥かに深いってことだ』」
友「『誰だよ? おまえ……』」
男「『タイム!』」
友「『オーバーエロ!! 失格ゥゥゥ!!』」
男「『W螺煌斬!!!』」
友「『プリンセスハオ』」
男「『未完』」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/12(火) 22:57:38.08 ID:YDLerzeL0
友「意識してみると結構あるな」
男「だろ?」
友「でも……これは正直俺もあんまり好きな終わり方じゃねえんだよな」
友「ギャグマンガが『ギャグオチ』するならまだしも、こういうのって真面目なストーリーマンガが主だろ?」
友「こんな締め方されるとバッドエンドよりもモヤモヤするわ」
友「今までのストーリーは何だったんだ……って」
男「ものすごく分かる」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/12(火) 22:58:20.45 ID:YDLerzeL0
友「実際どうしてこんな終わり方するんだ?」
男「打ち切りで話をまとめきれないから、こうするしかないってパターンが一つだろうな」
友「なるほど……でも結構長く続いた作品で人気がある作品だったのにってこともあるだろ?」
男「その場合は……これは俺の考えなんだが聞くか?」
友「ああ、聞かせてくれ」
男「『ギャグオチ』は読者の印象に残りやすいんだよ」
友「印象に……?」
男「印象に残っているからこそ、さっき俺たちはその『ギャグオチ』の台詞を言えただろ?」
友「あー言われてみれば」
男「『なんやて!?』は『焼きたて!!ジャぱん』の最終回だけど……そうだな、例えば同時期に連載されて人気もあった『うえきの法則』の最終回についておまえ覚えてるところあるか?」
友「『うえきの法則』か、読んだことはあるぞ……えっと最後は…………ラスボス倒して……空白の才だったか、を手に入れて……えっと……」
男「まあ典型的な『これからも物語は続く(完)』な終わり方だったんだが……印象に残ってないだろ」
友「そうだな」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/12(火) 22:58:48.09 ID:YDLerzeL0
男「その点『ギャグオチ』は分かりやすく印象に残る」
友「印象には残るが……どちらかというとマイナス寄りの印象だぞ」
男「それでも何も残らないよりは価値があるとも言える」
友「あー好きの反対は無関心みたいな?」
男「モヤモヤを残して終わるっていうデメリットもあるから、俺はあまり好きではないな」
友「おまえもそうか」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/12(火) 22:59:20.30 ID:YDLerzeL0
男「ただ『ギャグオチ』が印象に残りやすいのは、『これからも物語は続く(完)』があふれているからってところもあるんだよな」
男「きれいに終わる分印象に残りにくい……そのカウンターとしての『ギャグオチ』……」
男「だからこそ、この『これからも物語は続く(完)』ばかりな現状をどうにかしたい」
友「そうか……よし、他の終わり方を模索してみるか」
男「ああ、頼む」
友「そうだな……『夢オチ』はどうだ?」
男「虚無感が強いし無しだな」
友「え、えっと……『俺たちの戦いはこれからだ!!』」
男「それは打ちきりだろ。論外だ」
友「だったらおまえが提案してみろよ!!」
男「えっと……他の終わり方……」
男「『両親の仇!!』」
友「だからそれも打ちきりじゃねえか!?」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/12(火) 22:59:47.76 ID:YDLerzeL0
友「他には……」
男「他には……」
友「………………」
男「………………」
友「なあ、男よ」
男「ああ、友よ」
友「他に何か良い終わり方無いか?」
男「奇遇だな、俺も同じことを聞こうとしていた」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/12(火) 23:00:25.32 ID:YDLerzeL0
友「『これからも物語は続く(完)』が多い理由が分かったな」
友「やっぱりこれ以上に作りやすくて良い終わり方が無いんだよ」
友「そりゃ増えるわ」
男「くっ……そうなるな」
男「漠然と何か他に良い終わり方があるはずだ……って思ってたけど」
男「考えてみると思った以上に無かったな」
友「つうことでそろそろ授業だし席に着こうぜ」
男「ああ、話に付き合ってくれてありがとな」
友「いいってことよ」
男(そうして俺たちは日常に戻る)
男(これからも友と緩くだべりながら過ごす学園生活が続くのだろう)
<完>
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/12(火) 23:00:54.10 ID:YDLerzeL0
おしまい。
異論、反論は認めます。
あと、革新的な最終回のパターンがあったら教えて下さい。話に上げたのが自分の想像の限界でした。
引用元: ・男「『これからも物語は続く(完)』はありきたりすぎる」 友「いきなりどうした?」
先生「今日はみんなに宿題の作文を読んでもらいます」
2020-04-16
1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 16:02:20.87 ID:IvrXZQsp0
先生「出席番号順にいきますよ~。最初は(ぼく)君から」
ぼく「はい!」
ザワザワ ガヤガヤ クスクス
先生「こら!みんなしずかにしなさい! いいのよ(ぼく)君、作文読んで」
ぼく「ぼくのしょうらいの夢は、死ぬことです」
…シーン
ぼく「はい!」
ザワザワ ガヤガヤ クスクス
先生「こら!みんなしずかにしなさい! いいのよ(ぼく)君、作文読んで」
ぼく「ぼくのしょうらいの夢は、死ぬことです」
…シーン
関連
ハルヒ「SOS団で恋の暴露大会をするわよ!」
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【ラブライブサンシャイン】善子「運命の引力」
【悲報】Twitterで3年前に「令和」を予言してたものがいたwwwwwwwww
2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 16:07:47.66 ID:IvrXZQsp0
ぼく「このしゅくだいをする時、ぼくはなにになればいいかよく分かりませんでした
お兄ちゃんにきいてみても、じぶんでやれといわれました。
だから、いちばんなりたくないものをかんがえてみようとおもいました。
さいしょに、なりたくないとおもったのは先生でした。
先生は、いつもぼくらのことをしかります。しかるのがお仕事だってお母さんが言ってました。
でも、ぼくはひとにおこることはできません。ぼくはひとをしかるのがこわいからです
だから、さいしょに先生にはなりたくないなと思いました。
お兄ちゃんにきいてみても、じぶんでやれといわれました。
だから、いちばんなりたくないものをかんがえてみようとおもいました。
さいしょに、なりたくないとおもったのは先生でした。
先生は、いつもぼくらのことをしかります。しかるのがお仕事だってお母さんが言ってました。
でも、ぼくはひとにおこることはできません。ぼくはひとをしかるのがこわいからです
だから、さいしょに先生にはなりたくないなと思いました。
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 16:12:28.98 ID:IvrXZQsp0
ぼく「つぎに、ぼくは同じ理由でおとうさんにもなりたくないなと思いました。
おとうさんもぼくを叱ります。たくさんたくさんしかって、それからたくさんたくさん心配します。
おとうさんに「ぼくの事で怒ったり心配したりして疲れない?」ってきいたら、
「お父さんもお母さんも、そのためにいるんだよ」って言いました。」
…ヒソヒソ…
ぼく「ぼくにはよく分かりません。お父さんもなってみないとわからないよと言いました。
それからもたくさん考えましたが、笑っているだけの人って実はいないんだって気づきました。
ゆいいつおもいついたのが、おじいちゃんでした」
おとうさんもぼくを叱ります。たくさんたくさんしかって、それからたくさんたくさん心配します。
おとうさんに「ぼくの事で怒ったり心配したりして疲れない?」ってきいたら、
「お父さんもお母さんも、そのためにいるんだよ」って言いました。」
…ヒソヒソ…
ぼく「ぼくにはよく分かりません。お父さんもなってみないとわからないよと言いました。
それからもたくさん考えましたが、笑っているだけの人って実はいないんだって気づきました。
ゆいいつおもいついたのが、おじいちゃんでした」
6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 16:17:10.76 ID:IvrXZQsp0
ぼく「おじいちゃんはいつもにこにこしてて、たまに「ヒミツだよ」っていいながらおかしをくれます。
人に怒るのが苦手な僕も、にこにこ笑ってくれるおじいちゃんにならなれるとおもいました。
でも、おじいちゃんになるには長い長い時間がひつようです。ぼくは、いつまでも生き続けられるじしんがありません。
よくよくかんがえたら、悲しい顔をせずにわらいつづけているじしんもありません
だから、ぼくのいまの夢はしぬことです。
ずっとわらっていられるひとになれないなら、死にたいなと思いました。おしまい」
……シーン
先生「……と、とても変わった内容でしたね!でもできれば笑えるひとになってね!それじゃあ次の子…」
女子1「は、はい… えと、その、私の将来の夢は、おねえみたいなひとになることです……」
人に怒るのが苦手な僕も、にこにこ笑ってくれるおじいちゃんにならなれるとおもいました。
でも、おじいちゃんになるには長い長い時間がひつようです。ぼくは、いつまでも生き続けられるじしんがありません。
よくよくかんがえたら、悲しい顔をせずにわらいつづけているじしんもありません
だから、ぼくのいまの夢はしぬことです。
ずっとわらっていられるひとになれないなら、死にたいなと思いました。おしまい」
……シーン
先生「……と、とても変わった内容でしたね!でもできれば笑えるひとになってね!それじゃあ次の子…」
女子1「は、はい… えと、その、私の将来の夢は、おねえみたいなひとになることです……」
10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 16:20:48.66 ID:IvrXZQsp0
キーンコーンカーンコーン
先生「起立、礼」
生徒「ありがとうございました」
わーっ!! ガタガタ ガヤガヤ
トントン
ぼく「…なに?」
女子1「ねえ…しにたいってほんとう?」
ぼく「うん。ほかに思いつかなかった」
女子1「生きてた方がいいよ。絶対そっちのほうがいいよ」
ぼく「今すぐにじゃないよ!わらえなくなったら!」
女子1「そう?」
先生「起立、礼」
生徒「ありがとうございました」
わーっ!! ガタガタ ガヤガヤ
トントン
ぼく「…なに?」
女子1「ねえ…しにたいってほんとう?」
ぼく「うん。ほかに思いつかなかった」
女子1「生きてた方がいいよ。絶対そっちのほうがいいよ」
ぼく「今すぐにじゃないよ!わらえなくなったら!」
女子1「そう?」
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 16:24:33.48 ID:IvrXZQsp0
女子1「私は、みんなとずっといきていたいけどな…」
ぼく「ずっと生きるのは一番いやだな」
女子1「なんで?」
ぼく「うーん…ながくなるから、お手紙にしていい?」
女子1「うん、わかった。まってるね」
ワイワイ あー!(ぼく)が女子と話してるー! ヒューヒュー
女子1「ち、ちがうもん!」
ぼく「(女子1ちゃんならかわいいから別にいいや)」
ぼく「ずっと生きるのは一番いやだな」
女子1「なんで?」
ぼく「うーん…ながくなるから、お手紙にしていい?」
女子1「うん、わかった。まってるね」
ワイワイ あー!(ぼく)が女子と話してるー! ヒューヒュー
女子1「ち、ちがうもん!」
ぼく「(女子1ちゃんならかわいいから別にいいや)」
12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 16:27:46.26 ID:IvrXZQsp0
ぼく「(そうじ当番めんどくさいな)」
ガタガタ…
男子1「机運ぶのおみー!!きょうかしょ入れてるやつだれだよー!?」
ぼく「……」
ガタガタ
男子1「せんせーおわったー!!」
先生「机動かしただけで掃除したとは言いません」
男子1「ちぇー」
ぼく「(……なんでずっと生きるのがいやって思ったのか、よくわかんないかも)」
ガタガタ…
男子1「机運ぶのおみー!!きょうかしょ入れてるやつだれだよー!?」
ぼく「……」
ガタガタ
男子1「せんせーおわったー!!」
先生「机動かしただけで掃除したとは言いません」
男子1「ちぇー」
ぼく「(……なんでずっと生きるのがいやって思ったのか、よくわかんないかも)」
17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 16:32:42.57 ID:IvrXZQsp0
先生「床にゴミ無し、ゴミ出しもOK、それじゃあみんなお疲れ様でした!」
掃除当番s「おつかれさまでしたー」
先生「そうだ、(ぼく)君はちょっと残って」
ぼく「はい」
先生「今日の国語の作文だけど、おうちの人には読んでもらった?」
ぼく「ううん、みんないそがしいからダメって」
先生「…そう…。あ、あのね、先生不器用だからあまりしっかりとは言えないんだけど…
いきなり死んじゃうって結論は、あまり良くないと思うな。とりあえず生きて良いこと見つけていきましょ?ね?」
ぼく「(今すぐ死にたいわけじゃないんだけど)はい、先生」
先生「分かってくれてうれしいわ。じゃ、今日はもう帰っていいわよ」
ぼく「はい」
掃除当番s「おつかれさまでしたー」
先生「そうだ、(ぼく)君はちょっと残って」
ぼく「はい」
先生「今日の国語の作文だけど、おうちの人には読んでもらった?」
ぼく「ううん、みんないそがしいからダメって」
先生「…そう…。あ、あのね、先生不器用だからあまりしっかりとは言えないんだけど…
いきなり死んじゃうって結論は、あまり良くないと思うな。とりあえず生きて良いこと見つけていきましょ?ね?」
ぼく「(今すぐ死にたいわけじゃないんだけど)はい、先生」
先生「分かってくれてうれしいわ。じゃ、今日はもう帰っていいわよ」
ぼく「はい」
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 16:37:42.07 ID:IvrXZQsp0
ガチャ ガチャガチャ
ピンポーン
ぼく「ただいまー」
ピポピポピポピポピンポーン
ぼく「(みんなおでかけしてるのかな?)」
ドサ パカッ ゴソゴソゴソ… カチャッ
ぼく「ただいまー(やっぱりおでかけしてた)」
ぼく「おかえりなさーい」
ぼく「……今日は作文のはっぴょうがあったんだよ」
ぼく「……そっかー……」
ぼく「………みんな、おでかけしてるんだよね」
ぼく「おとうさんはおしごと おかあさんはお買いもの おにいちゃんは中学校、…おじいちゃんは……」
ピンポーン
ぼく「ただいまー」
ピポピポピポピポピンポーン
ぼく「(みんなおでかけしてるのかな?)」
ドサ パカッ ゴソゴソゴソ… カチャッ
ぼく「ただいまー(やっぱりおでかけしてた)」
ぼく「おかえりなさーい」
ぼく「……今日は作文のはっぴょうがあったんだよ」
ぼく「……そっかー……」
ぼく「………みんな、おでかけしてるんだよね」
ぼく「おとうさんはおしごと おかあさんはお買いもの おにいちゃんは中学校、…おじいちゃんは……」
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 16:43:52.26 ID:IvrXZQsp0
ぼく「…おじいちゃんは、おさんぽ」
シーン…
ぼく「女子1ちゃんへのお手紙かこーっと。…どの紙つかおうかな?」
ぼく「そうだ、お手紙セット、お兄ちゃんの借りちゃおう。2かいにあったよね?」
トントン…
ぼく「……やっぱりやめた。勝手にお部屋に入ったら、お兄ちゃん怒るもん」
ぼく「コピー機用の白い紙ならいいよね?絵もかけるし」
かきかきかき…
ぼく「こ・ん・に・ち・は、女子1ちゃんへ、(ぼく)です。」
シーン…
ぼく「女子1ちゃんへのお手紙かこーっと。…どの紙つかおうかな?」
ぼく「そうだ、お手紙セット、お兄ちゃんの借りちゃおう。2かいにあったよね?」
トントン…
ぼく「……やっぱりやめた。勝手にお部屋に入ったら、お兄ちゃん怒るもん」
ぼく「コピー機用の白い紙ならいいよね?絵もかけるし」
かきかきかき…
ぼく「こ・ん・に・ち・は、女子1ちゃんへ、(ぼく)です。」
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 16:48:41.46 ID:IvrXZQsp0
こんにちは女子1ちゃんへ
(ぼく)です。ずっと生き続けるのがなんでこわいのか、実はぼくもよく分かってません。
でも、たぶんきっとこわいことだとおもいます。おもいついたじゅんにかきます
さいしょに、まわりの人は死んじゃいます。まわりの人もずっと一緒に生きても、たぶんこわいです
ぼく「…そうだ、おじいちゃんやおばあちゃんばっかりの世界になっちゃう」
だれもしなずにずっといきてたら、おじいちゃんやおばあちゃんだけの世界になっちゃいます。
それに、後からおじいちゃんやおばあちゃんになった人の役目も、まえのおじいちゃんやおばあちゃんがいるからありません。
なんの役目もない人がたくさんできてしまいます。意味が無いことはこわいです。
ぼく「…んーと…」
(ぼく)です。ずっと生き続けるのがなんでこわいのか、実はぼくもよく分かってません。
でも、たぶんきっとこわいことだとおもいます。おもいついたじゅんにかきます
さいしょに、まわりの人は死んじゃいます。まわりの人もずっと一緒に生きても、たぶんこわいです
ぼく「…そうだ、おじいちゃんやおばあちゃんばっかりの世界になっちゃう」
だれもしなずにずっといきてたら、おじいちゃんやおばあちゃんだけの世界になっちゃいます。
それに、後からおじいちゃんやおばあちゃんになった人の役目も、まえのおじいちゃんやおばあちゃんがいるからありません。
なんの役目もない人がたくさんできてしまいます。意味が無いことはこわいです。
ぼく「…んーと…」
26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 16:55:18.42 ID:IvrXZQsp0
ぼく「いみがなかったら…」
意味が無いことはこわいです。
たぶん、よく分からないのに目の前にずっと「1+1=」って式がうかんでたらこわいと思います。
「2」ってこたえても、いみがないからたぶんその式はずっとうかんだままです。
ぼくはそういうのはとてもとてもこわいとおもいます。だから、みんながずっと生きるのには反対です。
ぼく「…えーっと…えーっと…きょうはこれでいいかな。空白に絵をいれとこ」
ヽ 2 /
ノノノノノノノノヽ
ノノ ● ●| 1+1
|; ▽ノ
> < 答えてもどうにもならないものはこわいです
きょうはこれしかうかびませんでした。またりゆうができたら書きます。
意味が無いことはこわいです。
たぶん、よく分からないのに目の前にずっと「1+1=」って式がうかんでたらこわいと思います。
「2」ってこたえても、いみがないからたぶんその式はずっとうかんだままです。
ぼくはそういうのはとてもとてもこわいとおもいます。だから、みんながずっと生きるのには反対です。
ぼく「…えーっと…えーっと…きょうはこれでいいかな。空白に絵をいれとこ」
ヽ 2 /
ノノノノノノノノヽ
ノノ ● ●| 1+1
|; ▽ノ
> < 答えてもどうにもならないものはこわいです
きょうはこれしかうかびませんでした。またりゆうができたら書きます。
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 17:00:20.83 ID:IvrXZQsp0
ぼく「…お手紙書いたらつかれたな。もうねよう」
ぼく「おやすみなさい」
ぼく「(ぼくのへやは2かいだけど、つかれてるからソファーでいいや)」
(翌日)
ぼく「女子1ちゃん、これ」
女子1「昨日言ってたお手紙?ありがとう。」
ぼく「うん。」
女子1「読むね。…………うーん…みんなおじいちゃんやおばあちゃんになっても、意味はあるよ」
ぼく「そうかな?」
女子1「どんなにお年寄りになるまで生きてても、いきてたらいっしょにいられるよ?」
ぼく「いっしょにいるだけだよ」
女子1「……それは大事だもん。じゃあ、休み時間の間にお返事書くから」
ぼく「うん(…なんでぼくたちはりあってるんだろう)」
ぼく「おやすみなさい」
ぼく「(ぼくのへやは2かいだけど、つかれてるからソファーでいいや)」
(翌日)
ぼく「女子1ちゃん、これ」
女子1「昨日言ってたお手紙?ありがとう。」
ぼく「うん。」
女子1「読むね。…………うーん…みんなおじいちゃんやおばあちゃんになっても、意味はあるよ」
ぼく「そうかな?」
女子1「どんなにお年寄りになるまで生きてても、いきてたらいっしょにいられるよ?」
ぼく「いっしょにいるだけだよ」
女子1「……それは大事だもん。じゃあ、休み時間の間にお返事書くから」
ぼく「うん(…なんでぼくたちはりあってるんだろう)」
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 17:04:22.70 ID:IvrXZQsp0
(放課後)
女子1「(ぼく)くん!これ!!」
ぐいっ!
ぼく「お手紙?」
女子1「うん、ちがうって思う理由かいた!」
ぼく「…じゃあ、読んで、お返事はまた明日ね」
女子1「うん、またあした!」
ぼく「(かわいい紙だな。ぼくもこんなのに書けばよかったかも)」
女子1「あ」
ぼく「どうしたの?」
女子1「おねえがおむかえに来てる… じゃあね!」
ぼく「うん、じゃあね」
女子1「(ぼく)くん!これ!!」
ぐいっ!
ぼく「お手紙?」
女子1「うん、ちがうって思う理由かいた!」
ぼく「…じゃあ、読んで、お返事はまた明日ね」
女子1「うん、またあした!」
ぼく「(かわいい紙だな。ぼくもこんなのに書けばよかったかも)」
女子1「あ」
ぼく「どうしたの?」
女子1「おねえがおむかえに来てる… じゃあね!」
ぼく「うん、じゃあね」
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 17:07:34.61 ID:IvrXZQsp0
ガチャリ
ぼく「ただいま」
ぼく「おかえりなさい」
ぼく「今日はね、女子1ちゃんにお手紙の返事貰ったんだ」
ぼく「どうするの?」
ぼく「お返事書くよ。まだよんでないから、よみおわってから。」
ぼく「(……ぼくの部屋にはお手紙ようのかみないから、やっぱり白い紙にかこう。その前に読まなきゃ)」
ぼく「ただいま」
ぼく「おかえりなさい」
ぼく「今日はね、女子1ちゃんにお手紙の返事貰ったんだ」
ぼく「どうするの?」
ぼく「お返事書くよ。まだよんでないから、よみおわってから。」
ぼく「(……ぼくの部屋にはお手紙ようのかみないから、やっぱり白い紙にかこう。その前に読まなきゃ)」
35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 17:23:14.59 ID:IvrXZQsp0
(ぼく)くんへ
女子1です。お手紙のお返事です。
わたしは、おじいちゃんやおばあちゃんになってもずっと生きてることは、悪くないと思います。
そうしていればずっと好きな人といられるからです。
わたしも好きな人たちも、みんな年をとっちゃうかもしれないけど、それは大事だと思います。
好きな人や、そこまで行かなくても知ってる人が死んだら悲しいです。
私は、作文で「おねえみたいなひとになりたい」って書きました。でも、そのまえに本当のおねえは死んでいます。
おねえが死んだときにすごくさみしくてかなしくて、頭がおかしくなりました。
いまも、まだちょっとおかしいです。
でも、そのときとても悲しかったから少なくとも私は周りにそんな思いさせたくないと思っています。
いっしょにいることは、それだけでもだいじなことです。いなくなったらその人を大事な人はおかしくなっちゃいます。
だから、死なずにずっと生きてることの方が大事だと思います。
私は、こういう考えです。(ぼく)くんが違うと思うなら、その理由がしりたいです
女子1より
女子1です。お手紙のお返事です。
わたしは、おじいちゃんやおばあちゃんになってもずっと生きてることは、悪くないと思います。
そうしていればずっと好きな人といられるからです。
わたしも好きな人たちも、みんな年をとっちゃうかもしれないけど、それは大事だと思います。
好きな人や、そこまで行かなくても知ってる人が死んだら悲しいです。
私は、作文で「おねえみたいなひとになりたい」って書きました。でも、そのまえに本当のおねえは死んでいます。
おねえが死んだときにすごくさみしくてかなしくて、頭がおかしくなりました。
いまも、まだちょっとおかしいです。
でも、そのときとても悲しかったから少なくとも私は周りにそんな思いさせたくないと思っています。
いっしょにいることは、それだけでもだいじなことです。いなくなったらその人を大事な人はおかしくなっちゃいます。
だから、死なずにずっと生きてることの方が大事だと思います。
私は、こういう考えです。(ぼく)くんが違うと思うなら、その理由がしりたいです
女子1より
36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 17:25:42.12 ID:IvrXZQsp0
ぼく「(そういえば、女子1ちゃんの作文ってどんなのだったっけ…)」
o
0 もやんもやん
~~〇~~~~~~~~~~~
女子1「私の将来の夢は、おねえみたいなひとになることです
おねえは、わたしの本当のおねえではありません。
それでも、本当の妹みたいにやさしくしてくれます。
それに、とても強い人です。悪口を言われても、「それがなんだ」って跳ね返します。
おねえは、わたしのあこがれです。
おねえそのものになれなくっても、おねえみたいなつよいひとになりたいです。
~~~~〇~~~~~~~~~~~
0 もやもや
o
ぼく「そうだったそうだった」
o
0 もやんもやん
~~〇~~~~~~~~~~~
女子1「私の将来の夢は、おねえみたいなひとになることです
おねえは、わたしの本当のおねえではありません。
それでも、本当の妹みたいにやさしくしてくれます。
それに、とても強い人です。悪口を言われても、「それがなんだ」って跳ね返します。
おねえは、わたしのあこがれです。
おねえそのものになれなくっても、おねえみたいなつよいひとになりたいです。
~~~~〇~~~~~~~~~~~
0 もやもや
o
ぼく「そうだったそうだった」
37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 17:28:21.38 ID:IvrXZQsp0
ぼく「…………」
ぼく「おとうさんはおしごと おかあさんはおかいもの おにいちゃんは…」
チラッ(外は暗くなってきている)
ぼく「きっと、部活 おじいちゃんは、おさんぽ」
ぼく「お返事、かかないと……えーっと…でも…でも…うーんと」
ぼく「そうだ、しなないのは”ふしぜん”なんだ。だから女子1ちゃんのいうようにはできないんだ」
ぼく「おとうさんはおしごと おかあさんはおかいもの おにいちゃんは…」
チラッ(外は暗くなってきている)
ぼく「きっと、部活 おじいちゃんは、おさんぽ」
ぼく「お返事、かかないと……えーっと…でも…でも…うーんと」
ぼく「そうだ、しなないのは”ふしぜん”なんだ。だから女子1ちゃんのいうようにはできないんだ」
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 17:36:14.55 ID:IvrXZQsp0
女子1ちゃんへ
生きてた方がいい理由は、読みました。でも、ずっといきてるわけにはいかないとおもいます。
たぶん、ずっと生きているのがふしぜんだからです。
おじいちゃんがずっと前にそういうことを言っていました。
ぼく「なんていってたっけ…えーっと…」
おじいちゃん「死んで、新しい命が生まれて、めぐるっていくのが普通なんじゃよ」
ぼく「…めぐっていくのがふつう…」
おじいちゃんは、死んで、新しい命が生まれていくのがふつうって言ってました。
だからきっと、死ぬのがふつうで生き続けるのはおかしいと思います。
女子1ちゃんのおねえちゃんみたいに、途中で止まるのはヘンかもしれないけど、
それでも、死ぬのがあたりまえだとおもいます
ぼく「うまくまとまんない…」
だから、ぼくは笑顔でいきられなくなったときに、きちんと死ぬのが将来の夢で、それはかわりません
生きてた方がいい理由は、読みました。でも、ずっといきてるわけにはいかないとおもいます。
たぶん、ずっと生きているのがふしぜんだからです。
おじいちゃんがずっと前にそういうことを言っていました。
ぼく「なんていってたっけ…えーっと…」
おじいちゃん「死んで、新しい命が生まれて、めぐるっていくのが普通なんじゃよ」
ぼく「…めぐっていくのがふつう…」
おじいちゃんは、死んで、新しい命が生まれていくのがふつうって言ってました。
だからきっと、死ぬのがふつうで生き続けるのはおかしいと思います。
女子1ちゃんのおねえちゃんみたいに、途中で止まるのはヘンかもしれないけど、
それでも、死ぬのがあたりまえだとおもいます
ぼく「うまくまとまんない…」
だから、ぼくは笑顔でいきられなくなったときに、きちんと死ぬのが将来の夢で、それはかわりません
41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 17:40:02.07 ID:IvrXZQsp0
ぼく「…そうだ!」
きっと、女子1ちゃんがずっと生きたいって思うのは、ずっと笑っていられるからだと思います。
女子1ちゃんは、おねえちゃんたちといっしょなら笑っていられるから、生きていたいと思って、
ぼくにはそのじしんが無いから、いつかきちんとしにたいとおもうんだとおもいます。
これが、ぼくのだせるぜんぶのこたえです。
おたがいのみえかたのちがいだとおもいます。
(ぼく)より
ぼく「できたー!」
ぼく「……おかあさん、おそいなー」
きっと、女子1ちゃんがずっと生きたいって思うのは、ずっと笑っていられるからだと思います。
女子1ちゃんは、おねえちゃんたちといっしょなら笑っていられるから、生きていたいと思って、
ぼくにはそのじしんが無いから、いつかきちんとしにたいとおもうんだとおもいます。
これが、ぼくのだせるぜんぶのこたえです。
おたがいのみえかたのちがいだとおもいます。
(ぼく)より
ぼく「できたー!」
ぼく「……おかあさん、おそいなー」
42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 17:47:03.91 ID:IvrXZQsp0
(翌朝)
ぼく「(おとうさんもおかあさんもおにいちゃんもおじいちゃんも朝早いんだ。だから会えなかっただけ)」
てくてく
ぼく「(…あ、女子1ちゃんがいる)」
ぼく「おはよー!はい、お返事」
女子1「あ、(ぼく)くん…ありがと」
女子2「だれ?!女子1のおともだち?!やほー!!はっじめましてーーー!!」
女子1「この子ね、女子2っていって、私の家族」
ぼく「(おとうさんもおかあさんもおにいちゃんもおじいちゃんも朝早いんだ。だから会えなかっただけ)」
てくてく
ぼく「(…あ、女子1ちゃんがいる)」
ぼく「おはよー!はい、お返事」
女子1「あ、(ぼく)くん…ありがと」
女子2「だれ?!女子1のおともだち?!やほー!!はっじめましてーーー!!」
女子1「この子ね、女子2っていって、私の家族」
43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 17:48:41.48 ID:IvrXZQsp0
ぼく「家族?」
女子1「うん。…児童ようご施設の、家族」
ぼく「それってなに?」
女子1「みんなで集まって生きてくところだよ」
女子2「そう!だから大家族!ぐろーばーる!!」
女子1「ヒソヒソ ちょっと声、おとそうね」
女子2「ヒソヒソ ごめんなさーい…」
ぼく「(よくわかんないけど、がっしゅくみたいなものかな?)」
女子1「うん。…児童ようご施設の、家族」
ぼく「それってなに?」
女子1「みんなで集まって生きてくところだよ」
女子2「そう!だから大家族!ぐろーばーる!!」
女子1「ヒソヒソ ちょっと声、おとそうね」
女子2「ヒソヒソ ごめんなさーい…」
ぼく「(よくわかんないけど、がっしゅくみたいなものかな?)」
44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 17:53:23.38 ID:IvrXZQsp0
女子1「ちょっと、今日は係のおしごとがあるから、お返事は明日するね」
ぼく「わかった」
女子2「ラブレター?」
女子1「ちがうよ」
ぼく「うん、ちがうよ。」
(昼休み)
ぼく「(にんじん嫌いだな…)」
コロコロ
ぼく「(にんじんのこすと、お父さんにおこられちゃうや)」
コロコロ
ぼく「(…………)おとうさんはおしごと おかあさんはおかいもの…」
男子1「どうしたー?はやくたべてドッジしようぜドッジ!!」
ぼく「にんじんきらい」
男子1「ピーマンでたときにたべてくれるならたべてやらんでもない」
ぼく「ピーマンもきらい」
ぼく「わかった」
女子2「ラブレター?」
女子1「ちがうよ」
ぼく「うん、ちがうよ。」
(昼休み)
ぼく「(にんじん嫌いだな…)」
コロコロ
ぼく「(にんじんのこすと、お父さんにおこられちゃうや)」
コロコロ
ぼく「(…………)おとうさんはおしごと おかあさんはおかいもの…」
男子1「どうしたー?はやくたべてドッジしようぜドッジ!!」
ぼく「にんじんきらい」
男子1「ピーマンでたときにたべてくれるならたべてやらんでもない」
ぼく「ピーマンもきらい」
45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 17:58:58.48 ID:IvrXZQsp0
男子1「じゃあ、今日のドッジは(ぼく)ぬきなー」
ぼく「うん、ごめんね」
男子1「明日ははやくたべろよー!」
ころころ ころころ
ぼく「(………おとうさんは…)」
先生「…(ぼく)くん?給食のこしちゃってもいいと思うよ。もうおかわりする人いないし、ね?」
ぼく「う、うん…ごめんなさい先生」
先生「いいのよ、無理して食べてもっとニンジン嫌いになったらそっちの方が悲しいもの」
ぼく「ありがとう、先生」
先生「おうちで食べれるようにちょっとずつ慣れてった方がいいかもね」
ぼく「(おうちで…)……おとうさんは…」
先生「どうしたの?」
ぼく「だいじょうぶ」
ぼく「うん、ごめんね」
男子1「明日ははやくたべろよー!」
ころころ ころころ
ぼく「(………おとうさんは…)」
先生「…(ぼく)くん?給食のこしちゃってもいいと思うよ。もうおかわりする人いないし、ね?」
ぼく「う、うん…ごめんなさい先生」
先生「いいのよ、無理して食べてもっとニンジン嫌いになったらそっちの方が悲しいもの」
ぼく「ありがとう、先生」
先生「おうちで食べれるようにちょっとずつ慣れてった方がいいかもね」
ぼく「(おうちで…)……おとうさんは…」
先生「どうしたの?」
ぼく「だいじょうぶ」
49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 18:04:35.48 ID:IvrXZQsp0
(放課後 帰宅)
ガチャ…ガチャ
ぼく「あれ?」
母「あら、おかえりなさい」
ぼく「………!ただいま!!」
母「おかえりなさい、ごめんなさいね、ここ最近ちょっと顔合わせられなくて」
ぼく「ううん!だいじょうぶ!」
兄「お、(ぼく)お帰りー。」
父「おかえり」
ぼく「ただいまー!!」
母「あらあら、もう、この子ったらはしゃいじゃって…」
ぼく「……おじいちゃんは?」
父 兄 母「お散歩に、いってるんだよ」
ぼく「そっかー」
ガチャ…ガチャ
ぼく「あれ?」
母「あら、おかえりなさい」
ぼく「………!ただいま!!」
母「おかえりなさい、ごめんなさいね、ここ最近ちょっと顔合わせられなくて」
ぼく「ううん!だいじょうぶ!」
兄「お、(ぼく)お帰りー。」
父「おかえり」
ぼく「ただいまー!!」
母「あらあら、もう、この子ったらはしゃいじゃって…」
ぼく「……おじいちゃんは?」
父 兄 母「お散歩に、いってるんだよ」
ぼく「そっかー」
50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 18:08:04.92 ID:IvrXZQsp0
ぼく「…ねぇ、なんでお父さんとお兄ちゃんもうちにいるの?」
兄「今日は創立記念日で朝連だけだったんだ」
父「パパも仕事がはやくあがってね」
ぼく「そっか、じゃあいっしょにゲームしよー!」
父「よーし、何する?パパ負けないぞー」
兄「オヤジがゲームにはりきんなよwww」
ぼく「(……あれ?………まぁ、いいや)」
兄「今日は創立記念日で朝連だけだったんだ」
父「パパも仕事がはやくあがってね」
ぼく「そっか、じゃあいっしょにゲームしよー!」
父「よーし、何する?パパ負けないぞー」
兄「オヤジがゲームにはりきんなよwww」
ぼく「(……あれ?………まぁ、いいや)」
51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 18:13:23.82 ID:IvrXZQsp0
(夜7時)
ぼく「ばんごはん、どうするの?」
母「えーっと、今日は外食にしましょう。折角家族4人そろっているわけだし」
父「良いな、回転ずしにでも行くか」
兄「焼き肉いこうぜ焼き肉!育ち盛りだもんな、な、(ぼく)も沢山食おうぜ!」
ぼく「どっちでもうれしいな」
父「じゃ、兄ちゃんのリクエストにこたえて焼き肉にするか?」
母「そうね、お寿司はまた明日にしましょう」
ぼく「明日もお出かけするの?」
父「ああ、しばらく贅沢するぞー」
ぼく「ばんごはん、どうするの?」
母「えーっと、今日は外食にしましょう。折角家族4人そろっているわけだし」
父「良いな、回転ずしにでも行くか」
兄「焼き肉いこうぜ焼き肉!育ち盛りだもんな、な、(ぼく)も沢山食おうぜ!」
ぼく「どっちでもうれしいな」
父「じゃ、兄ちゃんのリクエストにこたえて焼き肉にするか?」
母「そうね、お寿司はまた明日にしましょう」
ぼく「明日もお出かけするの?」
父「ああ、しばらく贅沢するぞー」
53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 18:17:13.13 ID:IvrXZQsp0
(その晩)
ぼく「(焼き肉おいしかったな、お父さん、にんじん食べろって言わなかったし)」
ぼく「(なぜかずっとソファーでねてたけど、ふつうにベッドでねていいよね)」
ぼく「……あ…れ?」
ぼく「………なんだろ…?なんかぐるぐるする………なんだろ?」
ぼく「…ねたら、忘れるよね」
ぼく「(焼き肉おいしかったな、お父さん、にんじん食べろって言わなかったし)」
ぼく「(なぜかずっとソファーでねてたけど、ふつうにベッドでねていいよね)」
ぼく「……あ…れ?」
ぼく「………なんだろ…?なんかぐるぐるする………なんだろ?」
ぼく「…ねたら、忘れるよね」
56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 18:23:51.08 ID:IvrXZQsp0
父「コラ、ゲームのしすぎは目に毒だって言ってるだろ。しばらく休みなさい」
兄「ちぇ、いいところなのにー…父さんのケチー」
母「お父さんの言う通りよ、ほら、セーブしてちょっと休んでいなさい」
ぼく「…ねえおじいちゃん、なんで目の毒なの?」
祖父「テレビは目に光を入れる装置だからねぇ、ほら、太陽みてたら目がくらくらするだろ?」
ぼく「うん」
祖父「ずっと光を見てると目に悪いから、休みなさいって言ってるんだよ」
兄「爺ちゃんぐらい柔く言ってくれればいいのに」
父「厳しめに言うのが父親の役目だからな」
……おかしい…
ジリリリリリ
ぼく「うぅ…う…あれ?朝…ふあぁぁ…」
58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 18:28:57.98 ID:IvrXZQsp0
ぼく「おはよー…」
兄「お、おはよう(ぼく)はやくメシ食った方がいいぞ」
ぼく「うん……」
(登校中)
女子1「おはよう、(ぼく)くん」
ぼく「おはよ…」
女子1「…お返事、書けなかったよ」
ぼく「どうして?」
女子1「ないようになっとくしたから。…でも、きいていい?」
ぼく「何?」
女子1「その前にかくにん、わたしは私の家族たちといたら笑えるからずっと生きたいって思う、それはあってると思う
…でも、(ぼく)くんはそうじゃないんだよね?」
ぼく「…うん。たぶん」
兄「お、おはよう(ぼく)はやくメシ食った方がいいぞ」
ぼく「うん……」
(登校中)
女子1「おはよう、(ぼく)くん」
ぼく「おはよ…」
女子1「…お返事、書けなかったよ」
ぼく「どうして?」
女子1「ないようになっとくしたから。…でも、きいていい?」
ぼく「何?」
女子1「その前にかくにん、わたしは私の家族たちといたら笑えるからずっと生きたいって思う、それはあってると思う
…でも、(ぼく)くんはそうじゃないんだよね?」
ぼく「…うん。たぶん」
60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 18:32:40.30 ID:IvrXZQsp0
女子1「…(ぼく)くんは、家族のこと、きらい?」
ぼく「大好きだよ!」
女子1「…じゃあ、なんでその家族たちと一緒に、ずっと生きたいって…」
男子1「(ぼく)が女子1に大好きだって言ったぞ?!」
男子2「ヒューヒュー♪」
女子1「えっ?!」
男子1「らっぶらぶー♪(ぼく)と女子1はらっぶらぶ~」
男子2「あっつあつですなー」
女子1「ち、ちが、ちがうよ?!」
男子1「いいふらそうぜ!」
男子2「OK!」
女子1「ま、まって!こらー!!」
ぼく「……え、えーと…」
ぼく「大好きだよ!」
女子1「…じゃあ、なんでその家族たちと一緒に、ずっと生きたいって…」
男子1「(ぼく)が女子1に大好きだって言ったぞ?!」
男子2「ヒューヒュー♪」
女子1「えっ?!」
男子1「らっぶらぶー♪(ぼく)と女子1はらっぶらぶ~」
男子2「あっつあつですなー」
女子1「ち、ちが、ちがうよ?!」
男子1「いいふらそうぜ!」
男子2「OK!」
女子1「ま、まって!こらー!!」
ぼく「……え、えーと…」
61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 18:38:51.56 ID:IvrXZQsp0
ぼく「……(あとで、もう一度女子1ちゃんからは話をきこう…)」
ガラガラ
ぼく「おはようございまーす」
男子1「よーぎしゃ2ごうかくほー!」
ぼく「ちがうよ?」
男子1「うっそだー、だって女子1と席ちけーじゃん」
ぼく「席近いとお話しするだけだよ」
女子1「うん、そうなの。席が近かったからお話するだけなの」
ぼく「……(ちょっと残念かも…)」
男子2「そうかー?でも、席替えのあとぐらいから(ぼく)おかしくなったじゃん」
ガラガラ
ぼく「おはようございまーす」
男子1「よーぎしゃ2ごうかくほー!」
ぼく「ちがうよ?」
男子1「うっそだー、だって女子1と席ちけーじゃん」
ぼく「席近いとお話しするだけだよ」
女子1「うん、そうなの。席が近かったからお話するだけなの」
ぼく「……(ちょっと残念かも…)」
男子2「そうかー?でも、席替えのあとぐらいから(ぼく)おかしくなったじゃん」
64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 18:43:19.95 ID:IvrXZQsp0
ぼく「お、おかしくなったかな?」
男子2「だって、まえからおとなしいけどここ最近ゼンゼンおれらと遊ばないし」
男子1「女子1ふだんくらいから女子1のせいだとおもってたんだけどなー」
女子1「……(じとっ)」
男子1「おー、こわいこわい」
男子2「(ぼく)がちがうっていうんならちがうだろうけど、ヘンだぞー」
ぼく「…そう…なの?」
女子1「……あ、でも…たしかに作文発表の前からぐらいから…」
ぼく「(自分で分かんなかったけど、ぼく変わってきてたんだ…)」
男子2「だって、まえからおとなしいけどここ最近ゼンゼンおれらと遊ばないし」
男子1「女子1ふだんくらいから女子1のせいだとおもってたんだけどなー」
女子1「……(じとっ)」
男子1「おー、こわいこわい」
男子2「(ぼく)がちがうっていうんならちがうだろうけど、ヘンだぞー」
ぼく「…そう…なの?」
女子1「……あ、でも…たしかに作文発表の前からぐらいから…」
ぼく「(自分で分かんなかったけど、ぼく変わってきてたんだ…)」
68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 18:49:41.60 ID:IvrXZQsp0
男子1「なんかあったなら話せよー?」
男子2「女子1が呪っててもおれらがどうにかしてやるからな!」
女子1「……のろってなんかないもん…むしろしんぱいしてたんだもん…グスッ」
男子s「?!」
女子1「(ぼく)くん…ちょっと…よ、ようすが…グスッ」
男子1「な、なくな!」
男子2「そうだ、なくな!」
女子1「だ、だから…しんぱ…えぐっ…ぐすっ…」
男子1「ティッシュ!男子2、ティッシュだ!」
男子2「もってない!」
男子1「ハンカチ!!」
男子2「わすれた!!」
男子2「女子1が呪っててもおれらがどうにかしてやるからな!」
女子1「……のろってなんかないもん…むしろしんぱいしてたんだもん…グスッ」
男子s「?!」
女子1「(ぼく)くん…ちょっと…よ、ようすが…グスッ」
男子1「な、なくな!」
男子2「そうだ、なくな!」
女子1「だ、だから…しんぱ…えぐっ…ぐすっ…」
男子1「ティッシュ!男子2、ティッシュだ!」
男子2「もってない!」
男子1「ハンカチ!!」
男子2「わすれた!!」
70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 18:51:49.61 ID:IvrXZQsp0
男子1「おまえハンカチもティッシュもないのにトイレ行ったとき何で手をふいてるんだよ?!」
男子2「お前もだろー?!」
ぼく「…はい、ティッシュ」ふきふき
女子1「うぅ…ぐすっ…あ、ありがと…でもティッシュボロボロする…」
ぼく「…ぼくのこと、しんぱいしてくれてありがとう。男子達も」
男子1「……よかった、こういうところはいつもの(ぼく)だ」
男子2「ちょっと安心だな。でもちょっとだけな」
男子2「お前もだろー?!」
ぼく「…はい、ティッシュ」ふきふき
女子1「うぅ…ぐすっ…あ、ありがと…でもティッシュボロボロする…」
ぼく「…ぼくのこと、しんぱいしてくれてありがとう。男子達も」
男子1「……よかった、こういうところはいつもの(ぼく)だ」
男子2「ちょっと安心だな。でもちょっとだけな」
73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 18:56:37.31 ID:IvrXZQsp0
男子1「えーと、まとめると、女子1とラブラブになったから(ぼく)がくらくなってたんじゃないと」
男子2「それでも(ぼく)が女子1に大好きだといったのはまちがいなしと」
男子1「…かたおもいか!」
男子2「かたおもいだな!?でも女子1も(ぼく)心配してたから…りょうおもい?」
ぼく「ち、ちがうと思うよ?たぶん」
女子1「(ぼく)くんがだいすきっていったのは家族のことだよ。家族の話してたから」
男子1「…それならそうといえよー」
男子2「スクープだとおもったのになー」
ぼく「(…そうじゃないって言っても聞かなかったのに…)」
男子2「それでも(ぼく)が女子1に大好きだといったのはまちがいなしと」
男子1「…かたおもいか!」
男子2「かたおもいだな!?でも女子1も(ぼく)心配してたから…りょうおもい?」
ぼく「ち、ちがうと思うよ?たぶん」
女子1「(ぼく)くんがだいすきっていったのは家族のことだよ。家族の話してたから」
男子1「…それならそうといえよー」
男子2「スクープだとおもったのになー」
ぼく「(…そうじゃないって言っても聞かなかったのに…)」
75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 19:00:14.99 ID:IvrXZQsp0
ぼく「……ぼく、じぶんでじぶんのようすが変わってたの、気づかなかった」
女子1「………」
男子1「そうらしいな。でもはやく元気になれよー?」
男子2「元気になったらでいいから、またドッジでがいや3にんしゅうやろうぜ」
ぼく「……うん」
ガラガラ おはよー ザワザワ
ぼく「(人ふえてきた…朝早いうちにまとまってよかった…)」
女子1「………」
男子1「そうらしいな。でもはやく元気になれよー?」
男子2「元気になったらでいいから、またドッジでがいや3にんしゅうやろうぜ」
ぼく「……うん」
ガラガラ おはよー ザワザワ
ぼく「(人ふえてきた…朝早いうちにまとまってよかった…)」
76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 19:03:04.20 ID:IvrXZQsp0
女子1「……ねぇ」
ぼく「なに?」
女子1「かえりのとき、聞こうとしたこともう一度聞くね」
ぼく「……うん」
(4時間目)
先生「起立 気をつけ 礼」
生徒「よろしくおねがいします」
先生「着席」
ガタガタ
ぼく「なに?」
女子1「かえりのとき、聞こうとしたこともう一度聞くね」
ぼく「……うん」
(4時間目)
先生「起立 気をつけ 礼」
生徒「よろしくおねがいします」
先生「着席」
ガタガタ
78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 19:09:59.48 ID:IvrXZQsp0
ぼく「(どうとくの時間、あんまり得意じゃないな…いっつもいのちのたいせつさだし)」
先生「今日は、ちょっと難しいけどニュースのビデオを流します。かなり衝撃的な内容もあるから、覚悟してね」
ザワザワ ガヤガヤ
ぼく「(いつものN●Kのやつじゃないんだ…)」
ピッ
アナウンサー「それでは、次のニュースです先日未明、70代の男性の肉体の女性が両親に殺害されるという事件が起きました」
ぼく「(……あれ?)」
アナウンサー「被害者の××さんは精神交代手術を受けており――」
先生「今日は、ちょっと難しいけどニュースのビデオを流します。かなり衝撃的な内容もあるから、覚悟してね」
ザワザワ ガヤガヤ
ぼく「(いつものN●Kのやつじゃないんだ…)」
ピッ
アナウンサー「それでは、次のニュースです先日未明、70代の男性の肉体の女性が両親に殺害されるという事件が起きました」
ぼく「(……あれ?)」
アナウンサー「被害者の××さんは精神交代手術を受けており――」
81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 19:16:47.24 ID:IvrXZQsp0
解説「―――人の精神と肉体とは何なのか、考えさせられる結果ともいえますね」
アナウンサー「それでは、次のニュースです」
ピッ プツン
先生「…さて、みんな、まずはこれがどういう内容だったかをプリントにまとめてくださーい」
ぼく「(ええっと…人の中身をいれかえるしゅじゅつをした娘をその親が殺しちゃった事件で…)」
ぼく「(……中身を入れ替える?)」
先生「そろそろかけたかな?それじゃあ、次に"精神交代手術"そのものに対してどう思うか―――」
ぼく「(気のせい、気のせいだよ。だって…あれ?)」
先生「…あれ?どうしたの(ぼく)くん?具合わるい?」
ぼく「…だいじょうぶ」
アナウンサー「それでは、次のニュースです」
ピッ プツン
先生「…さて、みんな、まずはこれがどういう内容だったかをプリントにまとめてくださーい」
ぼく「(ええっと…人の中身をいれかえるしゅじゅつをした娘をその親が殺しちゃった事件で…)」
ぼく「(……中身を入れ替える?)」
先生「そろそろかけたかな?それじゃあ、次に"精神交代手術"そのものに対してどう思うか―――」
ぼく「(気のせい、気のせいだよ。だって…あれ?)」
先生「…あれ?どうしたの(ぼく)くん?具合わるい?」
ぼく「…だいじょうぶ」
82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 19:21:07.51 ID:IvrXZQsp0
ぼく「(……頭がぐるぐるする…)」
ふらっ
先生「ちょ、ちょっと?! みんなプリントかいてて、先生ちょっと(ぼく)君保健室につれてくから!」
ザワザワ ガヤガヤ
ぼく「だ、だいじょう…」
先生「無茶しないの、君はためこむ子なんだからちょっとぐらい甘えなさい …よいしょ」
ぼく「(…ちょっとはずかしい…)」
ふらっ
先生「ちょ、ちょっと?! みんなプリントかいてて、先生ちょっと(ぼく)君保健室につれてくから!」
ザワザワ ガヤガヤ
ぼく「だ、だいじょう…」
先生「無茶しないの、君はためこむ子なんだからちょっとぐらい甘えなさい …よいしょ」
ぼく「(…ちょっとはずかしい…)」
84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 19:27:07.13 ID:IvrXZQsp0
保険医「貧血ですね。先生はクラスに戻ってても大丈夫ですよ、この子は私が預かっておきますから」
先生「よろしくおねがいします。(ぼく)君、きちんと休んでね。あ、ランドセルは後で持ってきます」
保険医「はい、よろしく先生」
ぼく「……うぅ……めいわくかけてごめんなさい…」
保険医「いいのいいの、ここは具合の悪い人が休むための場所よ」
なでなで
ぼく「……(あ…やっぱりおかしい)せんせい…」
保険医「何?」
ぼく「…あの…(ぐらぐらする…)」
保険医「今は寝てなさい」
ぼく「……はい…」
先生「よろしくおねがいします。(ぼく)君、きちんと休んでね。あ、ランドセルは後で持ってきます」
保険医「はい、よろしく先生」
ぼく「……うぅ……めいわくかけてごめんなさい…」
保険医「いいのいいの、ここは具合の悪い人が休むための場所よ」
なでなで
ぼく「……(あ…やっぱりおかしい)せんせい…」
保険医「何?」
ぼく「…あの…(ぐらぐらする…)」
保険医「今は寝てなさい」
ぼく「……はい…」
85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 19:32:01.25 ID:IvrXZQsp0
キーンコーンカーンコーン
ぼく「………(チャイムだ……まだ頭が重い…目をつむっておこう…)」
ガララッ
母「失礼します、すみません、うちの子が…」
保険医「いえいえ。貧血のようですから、きちんとホウレンソウとか食べさせてあげてくださいね」
母「は、はい……あ、車で来てますので、起こさなくても大丈夫です」
保険医「そうですか?では…」
ぼく「……(先生が甘えなさいっていってたし、このままねたふりしてあまえちゃおう…)」
ぼく「………(チャイムだ……まだ頭が重い…目をつむっておこう…)」
ガララッ
母「失礼します、すみません、うちの子が…」
保険医「いえいえ。貧血のようですから、きちんとホウレンソウとか食べさせてあげてくださいね」
母「は、はい……あ、車で来てますので、起こさなくても大丈夫です」
保険医「そうですか?では…」
ぼく「……(先生が甘えなさいっていってたし、このままねたふりしてあまえちゃおう…)」
86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 19:35:58.92 ID:IvrXZQsp0
母「それでは、また調子が良くなってから来させますから」
保険医「はい、お気をつけて」
バタン ブロロロロ……
ぼく「…くー…(……あ…あれ?おかあさん車のうんてんできたっけ…?)」
母「…………」
ぼく「くー…くー…(ぼくが知らなかっただけかな…)」
母「……」
ぼく「う…うぅ…」
母「気づいた?」
ぼく「……う…ん?」
母「急に倒れたなんて聞いたから、ママびっくりしちゃった」
保険医「はい、お気をつけて」
バタン ブロロロロ……
ぼく「…くー…(……あ…あれ?おかあさん車のうんてんできたっけ…?)」
母「…………」
ぼく「くー…くー…(ぼくが知らなかっただけかな…)」
母「……」
ぼく「う…うぅ…」
母「気づいた?」
ぼく「……う…ん?」
母「急に倒れたなんて聞いたから、ママびっくりしちゃった」
87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 19:38:55.57 ID:IvrXZQsp0
ぼく「………」
母「すぐ家につくから、帰ったらまたゆっくり寝なさい」
ぼく「……ねぇ…おかあさん…」
母「何?」
ぼく「………めんきょ、もってたんだね…知らなかった」
母「……そうね、運転下手だからあまり乗らなくって、今まで乗せたことなかったわね」
ぼく「そっかー……(……気のせい?気のせいかな?気のせいだよね、そうだよね?)」
母「すぐ家につくから、帰ったらまたゆっくり寝なさい」
ぼく「……ねぇ…おかあさん…」
母「何?」
ぼく「………めんきょ、もってたんだね…知らなかった」
母「……そうね、運転下手だからあまり乗らなくって、今まで乗せたことなかったわね」
ぼく「そっかー……(……気のせい?気のせいかな?気のせいだよね、そうだよね?)」
88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 19:44:20.46 ID:IvrXZQsp0
(翌朝)
ぼく「おはよう」
母「おはよう、ほら、朝ごはんできてるわよ」
ぼく「うん、いただきます」
兄「なぁ、お前今日学校行くのか?」
ぼく「う、うん…」
母「さすがに、昨日倒れたばかりだから休んだ方がいいと思うわ、大事をとって、ね?」
ぼく「や、やすんじゃっていいの?」
母「むしろ休みなさい、昨日だってお昼も夜もご飯食べず寝っぱなしだったでしょ?」
兄「そうだぞ、ちょっと休んだ方がいい」
母「学校にはママから電話するから、ね?」
ぼく「うん…わかった。」
ぼく「………(いいの…かな?)」
ぼく「おはよう」
母「おはよう、ほら、朝ごはんできてるわよ」
ぼく「うん、いただきます」
兄「なぁ、お前今日学校行くのか?」
ぼく「う、うん…」
母「さすがに、昨日倒れたばかりだから休んだ方がいいと思うわ、大事をとって、ね?」
ぼく「や、やすんじゃっていいの?」
母「むしろ休みなさい、昨日だってお昼も夜もご飯食べず寝っぱなしだったでしょ?」
兄「そうだぞ、ちょっと休んだ方がいい」
母「学校にはママから電話するから、ね?」
ぼく「うん…わかった。」
ぼく「………(いいの…かな?)」
90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 19:53:21.07 ID:IvrXZQsp0
(夕方)
ピンポーン
母「はーい」
ぼく「(…誰だろ…?)」
女子1「すみません、プリント届けに来ました…」
ぼく「(女子1ちゃん?あまり家近くないはず…)」
母「…あの、どちら様?」
女子1「おなじクラスの女子1です…あ、あの…様子みたいので、あがってもよろしいでしょうか…?」
ピンポーン
母「はーい」
ぼく「(…誰だろ…?)」
女子1「すみません、プリント届けに来ました…」
ぼく「(女子1ちゃん?あまり家近くないはず…)」
母「…あの、どちら様?」
女子1「おなじクラスの女子1です…あ、あの…様子みたいので、あがってもよろしいでしょうか…?」
91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 19:55:39.38 ID:IvrXZQsp0
母「……ちょっと(ぼく)の調子が悪いから、今日はごめんなさいね」
女子1「い、いえ……その…じゃあ、このお手紙わたしてください…」
母「ええ、わかったわ。今日はありがとうね」
女子1「はい、それではしつれいしました」
ぼく「(……別に、ぼくはへいきなんだけどな…)」
パタン
ぼく「……」
ぼく「(手紙をもらったはずなのに、おかあさんがなかなかこない…)」
とん とん とん
ぼく「(あ、2階にあがってきた…)」
ガチャ ドサドサドサ
ガン ガン ガ ン ガン
ガン ガン ガ ン ガ ン
女子1「い、いえ……その…じゃあ、このお手紙わたしてください…」
母「ええ、わかったわ。今日はありがとうね」
女子1「はい、それではしつれいしました」
ぼく「(……別に、ぼくはへいきなんだけどな…)」
パタン
ぼく「……」
ぼく「(手紙をもらったはずなのに、おかあさんがなかなかこない…)」
とん とん とん
ぼく「(あ、2階にあがってきた…)」
ガチャ ドサドサドサ
ガン ガン ガ ン ガン
ガン ガン ガ ン ガ ン
92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 19:58:25.82 ID:IvrXZQsp0
ぼく「……え? な、なに?なに?」
がちゃっ ガンッ
ガン ガン ガン ガン ガン
ぼく「な、なに?!なんなの?! おかあさん?!おかあさん?!!」
ぼく「何の音?ドアあかないよ?!おかあさん!!!おかあさん!!!!」
ガチャガチャガチャ
ガン ガン ガン
ぼく「(そうだ、隙間、すきまからのぞけば……?!)」
ぼく「お、おかあさ…なんで、なんでドア、あかないようにしてるの?」
がちゃっ ガンッ
ガン ガン ガン ガン ガン
ぼく「な、なに?!なんなの?! おかあさん?!おかあさん?!!」
ぼく「何の音?ドアあかないよ?!おかあさん!!!おかあさん!!!!」
ガチャガチャガチャ
ガン ガン ガン
ぼく「(そうだ、隙間、すきまからのぞけば……?!)」
ぼく「お、おかあさ…なんで、なんでドア、あかないようにしてるの?」
97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 20:03:14.92 ID:IvrXZQsp0
ぼく「あけて!あけてよ!!」
ドンドン
ぼく「なんで?! おかあさん!!おかあさん!!」
ドンドンドンドン
母?「うるさい」
ぼく「ひぅ…」
母?「いーい?(ぼく)はちょっと疲れてるの、だから無理にでも休ませなきゃいけないの」
ぼく「そ、そんなことないもん…も、もう元気だよ…」
母?「ダメ、時期が来るまでそこでおとなしくしてなさい」
ぼく「へやから出して…」
母?「嫌よ、逃げられたら面倒くさいもの」
ドンドン
ぼく「なんで?! おかあさん!!おかあさん!!」
ドンドンドンドン
母?「うるさい」
ぼく「ひぅ…」
母?「いーい?(ぼく)はちょっと疲れてるの、だから無理にでも休ませなきゃいけないの」
ぼく「そ、そんなことないもん…も、もう元気だよ…」
母?「ダメ、時期が来るまでそこでおとなしくしてなさい」
ぼく「へやから出して…」
母?「嫌よ、逃げられたら面倒くさいもの」
98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 20:06:22.56 ID:IvrXZQsp0
とん とん とん とん
ぼく「……おかあさんじゃ…ない…?」
ぼく「…ち、ちがうよ。だって、だっておかあさんはおかいもの あれ?」
ぼく「おかあさんは、おかいものにいって どこに?あれはおかあさん?」
ぼく「まって、まって、まって…あたま、ぐるぐるする…」
ハッ
ぼく「(窓から逃げよう!)」
ガチャッ クンッ
ぼく「あ、あれ?まどあかない…?!うそ、なんで…」
ぼく「……おかあさんじゃ…ない…?」
ぼく「…ち、ちがうよ。だって、だっておかあさんはおかいもの あれ?」
ぼく「おかあさんは、おかいものにいって どこに?あれはおかあさん?」
ぼく「まって、まって、まって…あたま、ぐるぐるする…」
ハッ
ぼく「(窓から逃げよう!)」
ガチャッ クンッ
ぼく「あ、あれ?まどあかない…?!うそ、なんで…」
100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 20:10:32.25 ID:IvrXZQsp0
ぼく「なん…なんで……あ…(レールぶぶん、何かで固めてる…)」
ぼく「ガラス、割れば…」
きょろきょろ
ぼく「ない、なにも、ない?!うそ、だって、だって昨日ランドセルもってあがった…」
コンコン
ぼく「ふぇっ?!」
母?「(にこっ)」
ガラガラガラ…
ぼく「や、やめて?!雨戸しめたらまっくらだよ?!」
母?「電気、つければいいでしょ?」
ぼく「外がみえない!」
母?「いいじゃない、みえなくったって」
ぼく「ガラス、割れば…」
きょろきょろ
ぼく「ない、なにも、ない?!うそ、だって、だって昨日ランドセルもってあがった…」
コンコン
ぼく「ふぇっ?!」
母?「(にこっ)」
ガラガラガラ…
ぼく「や、やめて?!雨戸しめたらまっくらだよ?!」
母?「電気、つければいいでしょ?」
ぼく「外がみえない!」
母?「いいじゃない、みえなくったって」
102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 20:13:27.77 ID:IvrXZQsp0
ぼく「やだ、やだ!!たすけて!!!たすけて!!!!!」
ぼく「…うぅ…ぐすっ…うぅ…」
兄?「ただいまー」
ぼく「(一階の声…聞こえる…)」
母?「おかえり、コレ見て」
兄?「なんだこれ?プッ、かーわいーなーモテるんだなアイツ」
母?「そうじゃなくて中身。」
ぼく「…うぅ…ぐすっ…うぅ…」
兄?「ただいまー」
ぼく「(一階の声…聞こえる…)」
母?「おかえり、コレ見て」
兄?「なんだこれ?プッ、かーわいーなーモテるんだなアイツ」
母?「そうじゃなくて中身。」
104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 20:17:06.68 ID:IvrXZQsp0
ぼく「……(もっと早くに、自分の考えを信じればよかった…)」
兄?「洗脳不十分だったんだな」
母?「みたい。あまり小さい子供と入れ替えると都合が悪いけど…」
ぼく「(まだしっかりおもいだせないけど、とりあえずぼくの家族は、みんなちがうひとになってた)」
母?「老人は殺してもポックリ逝ったで済むけど、子供はそうはいかないしね」
ぼく「?!」
ぼく「……あ…そっか…ぼく……きづいてたから、ずっといきなくていいやって…」
兄?「洗脳不十分だったんだな」
母?「みたい。あまり小さい子供と入れ替えると都合が悪いけど…」
ぼく「(まだしっかりおもいだせないけど、とりあえずぼくの家族は、みんなちがうひとになってた)」
母?「老人は殺してもポックリ逝ったで済むけど、子供はそうはいかないしね」
ぼく「?!」
ぼく「……あ…そっか…ぼく……きづいてたから、ずっといきなくていいやって…」
106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 20:22:07.48 ID:IvrXZQsp0
ぼく「うっ…うぅっ…グスッ……うぅぅぅっ……」
兄?「あいつが死なないように見張りつつはめんどくさいぞ」
母?「もう、いっそのこと……」
ぼく「……(ぼくを殺す相談をしてる……あまり痛くないなら…それでもいいや…)」
ぼく「ぐすっ(だって、ぼくの本当のかぞく…もう、いないみたいだし……)」
ぼく「………(…心配してくれたみんなには、悪いけど…)」
兄?「あいつが死なないように見張りつつはめんどくさいぞ」
母?「もう、いっそのこと……」
ぼく「……(ぼくを殺す相談をしてる……あまり痛くないなら…それでもいいや…)」
ぼく「ぐすっ(だって、ぼくの本当のかぞく…もう、いないみたいだし……)」
ぼく「………(…心配してくれたみんなには、悪いけど…)」
107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 20:27:44.95 ID:IvrXZQsp0
ぼく「くー…くー…… あれ…?………まっくら?」
ぼく「……」
父?「もう外から見えないようにしてるならそのままでいいだろ」
ぼく「……(……もう、みんな死んでるなら、あんまし長くいきたくないな…)」
ぼく「……ねてよ……(どうせ、あの人たちに何かされるまで、なにもできないし…)」
母?「じゃ、引き取り手がつくまで監禁ね」
父?「ああ、死ねばパーツで売ればいい」
兄?「とっとと殺して一家離散演じる方が楽だとおもうけどな。家族ごっごめんどい」
ぼく「……おとうさん…死んだのかな?おかあさんも、おにいちゃんも、おじいちゃんも…」
ぼく「……」
父?「もう外から見えないようにしてるならそのままでいいだろ」
ぼく「……(……もう、みんな死んでるなら、あんまし長くいきたくないな…)」
ぼく「……ねてよ……(どうせ、あの人たちに何かされるまで、なにもできないし…)」
母?「じゃ、引き取り手がつくまで監禁ね」
父?「ああ、死ねばパーツで売ればいい」
兄?「とっとと殺して一家離散演じる方が楽だとおもうけどな。家族ごっごめんどい」
ぼく「……おとうさん…死んだのかな?おかあさんも、おにいちゃんも、おじいちゃんも…」
108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 20:36:43.95 ID:IvrXZQsp0
ぼく「……(そうだ、まだ死んだと決まったわけじゃないんだ…なんでそう思ってたんだろ…)」
ぼく「(でも、何もできないのはおんなじだよね、何かして殺されちゃったら、それでおしまいだし…)」
ぼく「……どうすれば、いいんだろ…?……ふぁ………」
ぼく「…くー…くー…」
はじめて見た光景だった。和室の畳の隙間に赤黒いかたまりがこびりついていた
両親はどこを探してもいない。兄の姿もだ。
男子2の家でごはんをたべて、かえってきたらこうなっていた。
ぼくは2かいへとあしをすすめる。なにもかもしんじられなかった。
祖父が2かいに居ることは珍しいがあれは祖父ではないと思い込んでいた。
2かいにあがると、見知らぬ男女が3人いた
「なんだ、このガキ」
兄の部屋から声が聞こえた「逃げろ!!(ぼく)」
ぼく「……うー…うぅ……うぅぅぅ…や、やだ…おじいちゃ…おにいちゃ…うぅぅ…」
ぼく「……………あれ?」
ぼく「(こわい夢を見た気がするけど、あまり思い出せない。思い出しちゃいけない気もする)」
ぼく「(でも、何もできないのはおんなじだよね、何かして殺されちゃったら、それでおしまいだし…)」
ぼく「……どうすれば、いいんだろ…?……ふぁ………」
ぼく「…くー…くー…」
はじめて見た光景だった。和室の畳の隙間に赤黒いかたまりがこびりついていた
両親はどこを探してもいない。兄の姿もだ。
男子2の家でごはんをたべて、かえってきたらこうなっていた。
ぼくは2かいへとあしをすすめる。なにもかもしんじられなかった。
祖父が2かいに居ることは珍しいがあれは祖父ではないと思い込んでいた。
2かいにあがると、見知らぬ男女が3人いた
「なんだ、このガキ」
兄の部屋から声が聞こえた「逃げろ!!(ぼく)」
ぼく「……うー…うぅ……うぅぅぅ…や、やだ…おじいちゃ…おにいちゃ…うぅぅ…」
ぼく「……………あれ?」
ぼく「(こわい夢を見た気がするけど、あまり思い出せない。思い出しちゃいけない気もする)」
110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 20:42:41.47 ID:IvrXZQsp0
ぼく「(ちょっとだけ光がはいってきてる…のぞけば外見れるかも)」
ぼく「(……みんな登校してる…お兄ちゃんも今出たみたい…)」
ぼく「あれは、おにいちゃんじゃない…」
ピンポーン
女子1「おはようございます」
母?「あら、おはよう」
女子1「(ぼく)くんは、まだ体調悪いですか?」
母?「ええ、まだ顔色が……」
ぼく「(…もしかして、今なら助けを呼べる?…で、でも、もし女子1ちゃんに何かあったら…)」
女子1「そうですか…お手紙の返事も、ないですか?」
母?「ええ、それも無理そうで…」
ぼく「(だめ、今やらなきゃホントにぼく死んじゃう!!)たすけてーーーーーーーー!!!!!」
ぼく「(……みんな登校してる…お兄ちゃんも今出たみたい…)」
ぼく「あれは、おにいちゃんじゃない…」
ピンポーン
女子1「おはようございます」
母?「あら、おはよう」
女子1「(ぼく)くんは、まだ体調悪いですか?」
母?「ええ、まだ顔色が……」
ぼく「(…もしかして、今なら助けを呼べる?…で、でも、もし女子1ちゃんに何かあったら…)」
女子1「そうですか…お手紙の返事も、ないですか?」
母?「ええ、それも無理そうで…」
ぼく「(だめ、今やらなきゃホントにぼく死んじゃう!!)たすけてーーーーーーーー!!!!!」
111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 20:45:20.52 ID:IvrXZQsp0
ぼく「女子1ちゃん!!!たすけてーーーーー!!!!」
女子1「え?」
母?「あら、うなされているみたい…」
女子1「で、でも私をよんで…」
母?「あなたが遅刻しちゃうわ、気にしないで」
ぼく「おねがい!!おねがいたすけて!!!!気づいて!!!」
女子1「……本当に苦しそうですね。今日は、失礼します」
母?「ええ、いってらっしゃい。ごめんなさいね心配させちゃって…」
女子1「え?」
母?「あら、うなされているみたい…」
女子1「で、でも私をよんで…」
母?「あなたが遅刻しちゃうわ、気にしないで」
ぼく「おねがい!!おねがいたすけて!!!!気づいて!!!」
女子1「……本当に苦しそうですね。今日は、失礼します」
母?「ええ、いってらっしゃい。ごめんなさいね心配させちゃって…」
114: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 20:48:53.16 ID:IvrXZQsp0
バタン
ぼく「う…うぅ……」
コンコン
ぼく「ひぅっ」
母?「無駄よ。だって、人当たりのいい母親のフリ練習したんだもの」
ぼく「うぅ………ほ、ほんとうの…ほんとうのお母さんは…そんなつめたくない…」
母?「もういない人のことを言っても、仕方ないでしょ。でも、一旦その口は閉じさせないとね」
ぼく「……(…やっぱり、じっと死ぬのをまったほうがよかったかもしれない…あの口ぶりだと、お母さんは…)」
ぼく「う…うぅ……」
コンコン
ぼく「ひぅっ」
母?「無駄よ。だって、人当たりのいい母親のフリ練習したんだもの」
ぼく「うぅ………ほ、ほんとうの…ほんとうのお母さんは…そんなつめたくない…」
母?「もういない人のことを言っても、仕方ないでしょ。でも、一旦その口は閉じさせないとね」
ぼく「……(…やっぱり、じっと死ぬのをまったほうがよかったかもしれない…あの口ぶりだと、お母さんは…)」
118: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 20:54:44.01 ID:IvrXZQsp0
ぼく「……(たぶん、ぼくになにかするなら、夕方までにやるよね…)」
ぼく「(だって、夕方になったらまた女子1ちゃんがプリントとか届けに来るだろうし)」
ぼく「(そのときまで、体調わるいからだめですとは、言えないよね…今日こそ男子達がくるかもしれないし)」
ぼく「(あの人たちはあったことないからわかんないけど、男子達はかってにうちに上がるもん。それまでこのままならむしろぼくの勝ちだよね?)」
ぼく「(……でも。やっぱりそうはいかないんだろうな……)」
ぼく「…う…ぐすっ…(みんな、しんじゃってるかもしれないけど…)」
ぼく「じ、自分で…ズビッ じぶんで、なんとかするもん…!」
ぼく「(…一度、電気をつけよう。くらいとなにもできないもん)」
ぼく「(だって、夕方になったらまた女子1ちゃんがプリントとか届けに来るだろうし)」
ぼく「(そのときまで、体調わるいからだめですとは、言えないよね…今日こそ男子達がくるかもしれないし)」
ぼく「(あの人たちはあったことないからわかんないけど、男子達はかってにうちに上がるもん。それまでこのままならむしろぼくの勝ちだよね?)」
ぼく「(……でも。やっぱりそうはいかないんだろうな……)」
ぼく「…う…ぐすっ…(みんな、しんじゃってるかもしれないけど…)」
ぼく「じ、自分で…ズビッ じぶんで、なんとかするもん…!」
ぼく「(…一度、電気をつけよう。くらいとなにもできないもん)」
124: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 21:05:53.00 ID:IvrXZQsp0
カチッ
ぼく「(逃げる方法は、窓を割るのが一番はやいよね…?でも、音でバレたら怖いな…)」
ぼく「別の道はないかな…?」
ぼく「(たしか、お兄ちゃんのへやからなら、やねうらに行けたはずだけど……)」
ぼく「ぬけみち、ぬけみち…お兄ちゃんの部屋との壁はこっちだから……あれ?」
ぼく「(そういえば、こっちだけ壁紙ちがうんだ、なんでだったっけ…?)」
ぼく「(逃げる方法は、窓を割るのが一番はやいよね…?でも、音でバレたら怖いな…)」
ぼく「別の道はないかな…?」
ぼく「(たしか、お兄ちゃんのへやからなら、やねうらに行けたはずだけど……)」
ぼく「ぬけみち、ぬけみち…お兄ちゃんの部屋との壁はこっちだから……あれ?」
ぼく「(そういえば、こっちだけ壁紙ちがうんだ、なんでだったっけ…?)」
126: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 21:10:15.06 ID:IvrXZQsp0
ぼく「…えーっと…」
o
0
~~〇~~~~~
父「そろそろ、(ぼく)も一人で寝れるな?」
ぼく「うん…」
父「ちょっとさみしいかもしれないけどな、こうやってちょっとずついろんなことを一人でやっていくんだ」
ぼく「…うん!」
父「…でだ、こっちのおもちゃ部屋にしてたのがこれからお前の部屋だ。やったな、ひとつお兄ちゃんだぞ!」
ぼく「ほんと?!」
父「ああ、お前は一個大きくなった、レベルアップだ」
ぼく「れ、れうぇる?」
父「強くなったってことだよ。そのまま慣れれば、もっともっと強くなるぞ」
o
0
~~〇~~~~~
父「そろそろ、(ぼく)も一人で寝れるな?」
ぼく「うん…」
父「ちょっとさみしいかもしれないけどな、こうやってちょっとずついろんなことを一人でやっていくんだ」
ぼく「…うん!」
父「…でだ、こっちのおもちゃ部屋にしてたのがこれからお前の部屋だ。やったな、ひとつお兄ちゃんだぞ!」
ぼく「ほんと?!」
父「ああ、お前は一個大きくなった、レベルアップだ」
ぼく「れ、れうぇる?」
父「強くなったってことだよ。そのまま慣れれば、もっともっと強くなるぞ」
129: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 21:14:12.82 ID:IvrXZQsp0
父「あー…ただな、強くなったからって暴れていいわけじゃないからな?」
兄「な、なんだよー、オレのは事故じゃん!」
父「いいか、兄みたくバッド振り回してカベに穴開けたりするなよ?」
兄「良いじゃん…自分で直したんだしさ」
父「なおってない。板と壁紙で隠しただけだ」
ぼく「…でも、きれーだよ?おにーちゃんえらいえらい」
兄「父ちゃんもこういう風に言ってくれたらいいのに…」
父「……直そうとした気概は買う」
兄「ツンデレ」
父「何か言ったか」
兄「な、なんだよー、オレのは事故じゃん!」
父「いいか、兄みたくバッド振り回してカベに穴開けたりするなよ?」
兄「良いじゃん…自分で直したんだしさ」
父「なおってない。板と壁紙で隠しただけだ」
ぼく「…でも、きれーだよ?おにーちゃんえらいえらい」
兄「父ちゃんもこういう風に言ってくれたらいいのに…」
父「……直そうとした気概は買う」
兄「ツンデレ」
父「何か言ったか」
130: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 21:18:44.46 ID:IvrXZQsp0
兄「いや、素直じゃない愛情ありがとうございます」
父「お前もたいがいだがな」
ぼく「(おとうさんとおにいちゃん、なかよしでいいなー…)」
~~〇~~~~~~~
0
o
ぼく「……そうだ、そこだけ、もろいはずなんだ…」
ぼく「(たぶんだけど、音がちがうはずだよね?かるくたたいて…)」
コン コン コン コォン コン
ぼく「…ここかな」 コォン コォン
ぼく「…(ばれないように、しずかにはずさないと…)」
ぼく「あ… (道具がない…引き出しの中とか…)」
ガサッ ガサゴソ
ぼく「…だめ…きけんそうなものぜんぶなくなってる はさみも、定規も」
父「お前もたいがいだがな」
ぼく「(おとうさんとおにいちゃん、なかよしでいいなー…)」
~~〇~~~~~~~
0
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ぼく「……そうだ、そこだけ、もろいはずなんだ…」
ぼく「(たぶんだけど、音がちがうはずだよね?かるくたたいて…)」
コン コン コン コォン コン
ぼく「…ここかな」 コォン コォン
ぼく「…(ばれないように、しずかにはずさないと…)」
ぼく「あ… (道具がない…引き出しの中とか…)」
ガサッ ガサゴソ
ぼく「…だめ…きけんそうなものぜんぶなくなってる はさみも、定規も」
132: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 21:26:10.72 ID:IvrXZQsp0
ぼく「……(せっかく、がんばろうと思ったのに……)」
ぼく「……! (じしょ、辞書でたたきわろう!)」
ぼく「(あんなに分厚いし、重いし、かたいからしずかにはむりだけどにげることはできるよね?)」
ぼく「いっかいであながあかなくても、なんどもやれば…」
じっ…
ぼく「(えっと、漢字辞典と…お兄ちゃんのお古のグ口ーブつけとこ、手が痛くなるかもしれないし)」
ぼく「……すー…はー……」
ぼく「(あわてず急がないと)」
ぼく「…えいっ!!」
ブンッ
ベキッ
ぼく「……! (じしょ、辞書でたたきわろう!)」
ぼく「(あんなに分厚いし、重いし、かたいからしずかにはむりだけどにげることはできるよね?)」
ぼく「いっかいであながあかなくても、なんどもやれば…」
じっ…
ぼく「(えっと、漢字辞典と…お兄ちゃんのお古のグ口ーブつけとこ、手が痛くなるかもしれないし)」
ぼく「……すー…はー……」
ぼく「(あわてず急がないと)」
ぼく「…えいっ!!」
ブンッ
ベキッ
134: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 21:30:52.26 ID:IvrXZQsp0
ベキッ!!
ベキッ!!!
母?「何?!」
ぼく「(にげてやる、にげてやる、あとちょっと、あとちょっとだから…!)」
ぼく「(この板をひきはがしちゃえば…!)」
ベリ…ベリベリッ
ぼく「くぅぅ…(ちょっときつい…)」
母?「何やってる?!おい!! チッ!!」
ダッダッダッ
ぼく「(工具とりにおりた!!いまのうちに…!)」
ぼく「が、がんばる…もん!」
ベリリッ!!
ぼく「(やった!…お、おにいちゃん…ちょっとめんどうくさがりでありがとう…)」
ベキッ!!!
母?「何?!」
ぼく「(にげてやる、にげてやる、あとちょっと、あとちょっとだから…!)」
ぼく「(この板をひきはがしちゃえば…!)」
ベリ…ベリベリッ
ぼく「くぅぅ…(ちょっときつい…)」
母?「何やってる?!おい!! チッ!!」
ダッダッダッ
ぼく「(工具とりにおりた!!いまのうちに…!)」
ぼく「が、がんばる…もん!」
ベリリッ!!
ぼく「(やった!…お、おにいちゃん…ちょっとめんどうくさがりでありがとう…)」
136: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 21:39:54.84 ID:IvrXZQsp0
ぼく「(やねうらへは、クローゼットから……)?!」
お兄ちゃんのベッドの上には、何かの染みがあった。ぼくのきおくがちょっとだけ戻る
ぼくたちはみんなおにいちゃんのへやにとじこめられて、おにいちゃんが反抗して、ベッドにしばりつけられて
たくさん、なぐられてた、お兄ちゃんが吐いた黄色い液が、ベッドにちゃりと音をたてて落ちた
ぼく「…う…うぅ…おに、おにいちゃ……」
トントントントン… ガッ ガッ
ぼく「?!(もう戻ってきた?!いそがないと…!)」
ガッ ガッ(カチャ) ガッ!!(パタン) ガッ!!
ぼく「(はしごをかけて…よし、いける…!)」
バタン!!!
母?「どこいった?!」
ぼく「ひぅっ」
母?「…なっ…こんなところに穴…クソ、悪い子ねー?!おうちに穴開けちゃダメでしょー?!」
ぼく「(怖い 怖い 怖い…いそがないと)」
お兄ちゃんのベッドの上には、何かの染みがあった。ぼくのきおくがちょっとだけ戻る
ぼくたちはみんなおにいちゃんのへやにとじこめられて、おにいちゃんが反抗して、ベッドにしばりつけられて
たくさん、なぐられてた、お兄ちゃんが吐いた黄色い液が、ベッドにちゃりと音をたてて落ちた
ぼく「…う…うぅ…おに、おにいちゃ……」
トントントントン… ガッ ガッ
ぼく「?!(もう戻ってきた?!いそがないと…!)」
ガッ ガッ(カチャ) ガッ!!(パタン) ガッ!!
ぼく「(はしごをかけて…よし、いける…!)」
バタン!!!
母?「どこいった?!」
ぼく「ひぅっ」
母?「…なっ…こんなところに穴…クソ、悪い子ねー?!おうちに穴開けちゃダメでしょー?!」
ぼく「(怖い 怖い 怖い…いそがないと)」
139: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 21:43:54.35 ID:IvrXZQsp0
ぼく「(はしごをひきあげ…)」
バタン! がしっ!
ぼく「ひゃぅっ?!」
母?「みーつけた……さ、おりてきなさい…いまなら眠たくなるお薬だけですませてあげるわ」
ぼく「……や、やだ!!(な、なにか…クリスマスのかざりのはこ…!)えい!!」
ガラガラガラ パリーン!! ガシャーン!!
ぼく「(で、でんきゅうとかわれた…けど、いまのうちに)」
ぼく「(屋根の上に出て…)たすけてーーーーーーー!!!!だれか!!!!だれかうちにきてー!!!」
バタン! がしっ!
ぼく「ひゃぅっ?!」
母?「みーつけた……さ、おりてきなさい…いまなら眠たくなるお薬だけですませてあげるわ」
ぼく「……や、やだ!!(な、なにか…クリスマスのかざりのはこ…!)えい!!」
ガラガラガラ パリーン!! ガシャーン!!
ぼく「(で、でんきゅうとかわれた…けど、いまのうちに)」
ぼく「(屋根の上に出て…)たすけてーーーーーーー!!!!だれか!!!!だれかうちにきてー!!!」
142: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 21:50:21.68 ID:IvrXZQsp0
ぼく「おねがい!!だれか、誰かいるでしょ?!だれかーーー!!!」
ぼく「なんで?!なんで誰もこないの?!」
がしっ
母?「つかまえた」
ぼく「ん?!んーーーー!!!んんーーーーー!!」
母?「…最初閉じ込めた時に根回し済みよ。アンタが実はかんしゃくもちってね。最近ひどくなったってことにしてあるわ」
ぼく「…?(かんしゃくってなに?)」
母?「フン、バカな子ね、今更大人しくしても遅いわよ」
ぼく「……(うぅ……こ、ここまでやったんだもん…ま、まだ…)」
ガブッ!!
母?「いっ…このガキ!!母親にむかって!!」
ぼく「お前はおかーさんじゃない!!!おかあさんの顔した別の人だ!!!」
ぼく「なんで?!なんで誰もこないの?!」
がしっ
母?「つかまえた」
ぼく「ん?!んーーーー!!!んんーーーーー!!」
母?「…最初閉じ込めた時に根回し済みよ。アンタが実はかんしゃくもちってね。最近ひどくなったってことにしてあるわ」
ぼく「…?(かんしゃくってなに?)」
母?「フン、バカな子ね、今更大人しくしても遅いわよ」
ぼく「……(うぅ……こ、ここまでやったんだもん…ま、まだ…)」
ガブッ!!
母?「いっ…このガキ!!母親にむかって!!」
ぼく「お前はおかーさんじゃない!!!おかあさんの顔した別の人だ!!!」
145: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 21:57:44.83 ID:IvrXZQsp0
ぼく「こいつのことばが!!ぼくのおかあさんなわけないもん!!だれかーーー!!!聞こえた、でしょーーー?!」
母?「…このっ…クソガキめ!!折角新しい体を手に入れたのに…!!このまま終わらせるか!!」
ドンッ
ぼく「あっ…!(落ちる…!!)」
ぼく「(どうしよう…落ちたらそのまま助かる気がしない…だって、ご飯ずっと食べてないし、いままでのでくたくたで…)」
ドサッ!!
ぼく「……(…あれ?案外平気…)」
警官「大丈夫、君?!」
ぼく「……あ……あぁっ…」
警官「今、支援と救急車呼ぶから!」
ぼく「なんで…なんで…」
警官「君の友達が、助けてって言ってくれたんだよ」
母?「…このっ…クソガキめ!!折角新しい体を手に入れたのに…!!このまま終わらせるか!!」
ドンッ
ぼく「あっ…!(落ちる…!!)」
ぼく「(どうしよう…落ちたらそのまま助かる気がしない…だって、ご飯ずっと食べてないし、いままでのでくたくたで…)」
ドサッ!!
ぼく「……(…あれ?案外平気…)」
警官「大丈夫、君?!」
ぼく「……あ……あぁっ…」
警官「今、支援と救急車呼ぶから!」
ぼく「なんで…なんで…」
警官「君の友達が、助けてって言ってくれたんだよ」
147: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 22:01:39.65 ID:IvrXZQsp0
ウーーーー ウーーーーー
母?「えっ?な、う、嘘、嘘…?!折角の新しい人生、たった数日で…?!」
ウーーーーーー ウーーーーーーーーー
ぼく「(サイレンが近く…なって…)…うっ…うぅ…うえぇぇぇぇ~~~~ん!!!えーーーーん!!!」
ぼく「(助かった…ぼく、ぼく、助かったんだ…!!)」
母?「嘘、うそうそうそ…だって、だってたったガキ一人…嘘よ…」
母?「夢、あくむ、そうよ悪夢。うまくいってた、全部うまく…!」
母?「…あ、あいつを、最初からジジイみたいに殺してれば…キイィィィィ…」
母?「えっ?な、う、嘘、嘘…?!折角の新しい人生、たった数日で…?!」
ウーーーーーー ウーーーーーーーーー
ぼく「(サイレンが近く…なって…)…うっ…うぅ…うえぇぇぇぇ~~~~ん!!!えーーーーん!!!」
ぼく「(助かった…ぼく、ぼく、助かったんだ…!!)」
母?「嘘、うそうそうそ…だって、だってたったガキ一人…嘘よ…」
母?「夢、あくむ、そうよ悪夢。うまくいってた、全部うまく…!」
母?「…あ、あいつを、最初からジジイみたいに殺してれば…キイィィィィ…」
151: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 22:05:44.17 ID:IvrXZQsp0
・
・
・
・
ぼく「…うぅ…」
看護師「きづいたみたいですね」
ぼく「ここ…」
看護師「病院です。そのまま疲労と栄養失調で寝込んでたんですよ」
ぼく「………ぼく…ぼくの、ほんとのおかあさんたち…は?」
看護師「……現在調査中です。詳しいことは刑事さんが話してくれるので、まだ無理しないでください」
ぼく「うん……」
・
・
・
ぼく「…うぅ…」
看護師「きづいたみたいですね」
ぼく「ここ…」
看護師「病院です。そのまま疲労と栄養失調で寝込んでたんですよ」
ぼく「………ぼく…ぼくの、ほんとのおかあさんたち…は?」
看護師「……現在調査中です。詳しいことは刑事さんが話してくれるので、まだ無理しないでください」
ぼく「うん……」
154: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 22:09:01.69 ID:IvrXZQsp0
看護師「…人と話せる元気、ある?」
ぼく「…うん。」
看護師「刑事さんはまだまとめ中だから、別の面会希望者通しますね」
ぼく「別の?」
看護師「どうぞ」
女子1「(ぼく)くん!!」
ぼく「あ、女子1ちゃん……」
女子1「ご、ごめ…ごめんなさい…!!」
ぼく「?な、なんであやまるの??」
女子1「だ、だって、だって、わたしが、わたしがおてがみわたしたから、(ぼく)くんとじこめられて……」
ぼく「…うん。」
看護師「刑事さんはまだまとめ中だから、別の面会希望者通しますね」
ぼく「別の?」
看護師「どうぞ」
女子1「(ぼく)くん!!」
ぼく「あ、女子1ちゃん……」
女子1「ご、ごめ…ごめんなさい…!!」
ぼく「?な、なんであやまるの??」
女子1「だ、だって、だって、わたしが、わたしがおてがみわたしたから、(ぼく)くんとじこめられて……」
156: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 22:14:15.67 ID:IvrXZQsp0
女子1「そのせいで、ごはんもらえなかったり、つきおとされたり…グスッ」
ぼく「大丈夫だよ、泣かないで」
女子1「だ、だって…だって……」
女性「そうだ、泣くな女子1」
ぼく「……(知らない人が増えた…)」
女性「はじめして、こいつの姉です」
女子1「お、おねえ…ぐすっ……」
女性「災難だったな少年、私は労うしかできないけど、とりあえず元気になってくれ。ほら、女子1もアレ渡して」
女子1「う、うん……(ぼく)くん、これ。ずっと寝てたから渡せなかったけど、おみまい…」
ぼく「(おりづる…丁寧につくってある)…ありがとう、女子1ちゃん」
ぼく「大丈夫だよ、泣かないで」
女子1「だ、だって…だって……」
女性「そうだ、泣くな女子1」
ぼく「……(知らない人が増えた…)」
女性「はじめして、こいつの姉です」
女子1「お、おねえ…ぐすっ……」
女性「災難だったな少年、私は労うしかできないけど、とりあえず元気になってくれ。ほら、女子1もアレ渡して」
女子1「う、うん……(ぼく)くん、これ。ずっと寝てたから渡せなかったけど、おみまい…」
ぼく「(おりづる…丁寧につくってある)…ありがとう、女子1ちゃん」
158: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 22:18:01.77 ID:IvrXZQsp0
女性「グダグダになると思って付き添ったけどよした方がほほえましかったか?」
女子1「ううん、ついてきてくれてありがとう、おねえ…」
ぼく「えっと…ぼくも、おみまいありがとうございます…?」
女性「……そうだな。じゃ、女子1は先に帰っておいてくれ」
女子1「な、なんで?」
女性「別にこいつと話すべきことがあるんでな、私は。時間のあるうちに言っときたいことだからさ」
女子1「う、うん…じゃあね、(ぼく)くん。…次は、元気になって、学校で会おうね?」
ぼく「…うん。ありがとう」
女子1「ううん、ついてきてくれてありがとう、おねえ…」
ぼく「えっと…ぼくも、おみまいありがとうございます…?」
女性「……そうだな。じゃ、女子1は先に帰っておいてくれ」
女子1「な、なんで?」
女性「別にこいつと話すべきことがあるんでな、私は。時間のあるうちに言っときたいことだからさ」
女子1「う、うん…じゃあね、(ぼく)くん。…次は、元気になって、学校で会おうね?」
ぼく「…うん。ありがとう」
161: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 22:22:11.42 ID:IvrXZQsp0
スタスタ ぺこり
女性「……さて、唐突だがな、次女子1と会うのは学校じゃない」
ぼく「…?」
女性「お前の家な、今いろいろ調査で立ち入れない状況だし、親兄弟が見つかるまで一人暮らしも難だろ?」
ぼく「……そう…ですね」
女性「でだ、家族がみつかるまでうちに来ないか?っていうかもうしばらく家に入れるように手配してあるんだわ」
ぼく「……えーと……女子1ちゃんや、お姉さんたちといっしょってこと?」
女性「そ、近場の保護施設うちぐらいのもんだし」
女性「……さて、唐突だがな、次女子1と会うのは学校じゃない」
ぼく「…?」
女性「お前の家な、今いろいろ調査で立ち入れない状況だし、親兄弟が見つかるまで一人暮らしも難だろ?」
ぼく「……そう…ですね」
女性「でだ、家族がみつかるまでうちに来ないか?っていうかもうしばらく家に入れるように手配してあるんだわ」
ぼく「……えーと……女子1ちゃんや、お姉さんたちといっしょってこと?」
女性「そ、近場の保護施設うちぐらいのもんだし」
165: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 22:28:42.49 ID:IvrXZQsp0
女性「お前の考えをまるっと無視しているから、嫌なら別の地域に行くこともできる」
ぼく「……それはよくわかんない…」
女性「じゃ、今は割り切るのは難しいだろうけど家族が見つかるまでよろしくってことで」
ぼく「…ぼくは…ぼくも、それがいい」
女性「そうか、そう言ってもらえるなら嬉しいよ。退院したらよろしく、ニューブラザー」
ぼく「(…ヘンな人だ…こんな人に女子1ちゃんはあこがれてるのか…)」
女性「…今日は、まぁ、そんだけだな。いやになったら嫌と言えばよしっ、それじゃーまた会おう」
ぼく「あ、ありがとうございました?」
女性「おう、ゆっくり休めよ」
ぼく「……それはよくわかんない…」
女性「じゃ、今は割り切るのは難しいだろうけど家族が見つかるまでよろしくってことで」
ぼく「…ぼくは…ぼくも、それがいい」
女性「そうか、そう言ってもらえるなら嬉しいよ。退院したらよろしく、ニューブラザー」
ぼく「(…ヘンな人だ…こんな人に女子1ちゃんはあこがれてるのか…)」
女性「…今日は、まぁ、そんだけだな。いやになったら嫌と言えばよしっ、それじゃーまた会おう」
ぼく「あ、ありがとうございました?」
女性「おう、ゆっくり休めよ」
167: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 22:32:38.16 ID:IvrXZQsp0
ぼく「……(思った以上に、ぼくのまわりは動いてたみたい…)」
看護師「大丈夫?またちょっとねてたほうが良くない?」
ぼく「あの」
看護師「何?」
ぼく「ぼく、どのぐらい寝てたの…?」
看護師「運ばれた時から2日ぐらい熟睡してたわ。だからその間にいろいろあったのよ」
ぼく「そっか…(2日…2日も…その間にみんなは…?)」
看護師「大丈夫?またちょっとねてたほうが良くない?」
ぼく「あの」
看護師「何?」
ぼく「ぼく、どのぐらい寝てたの…?」
看護師「運ばれた時から2日ぐらい熟睡してたわ。だからその間にいろいろあったのよ」
ぼく「そっか…(2日…2日も…その間にみんなは…?)」
169: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 22:38:48.03 ID:IvrXZQsp0
それから、警察の人とか、いろんな人がぼくのところに来た
そこで、ぼくはいろんな話を聞いた
ぼく「…助けを呼んでくれた友達は…女子1ちゃん?」
刑事「その子もだが、登校途中に一緒になった男の子たちも訴えてきたそうだ」
ぼく「…男子1と男子2?」
刑事「ああ、女子1さんが彼らに話して、それで一斉に君を助けてほしいと交番に行ったんだよ」
ぼく「……みんなが…」
刑事「ああ、良かったな」
ぼく「うん……」
173: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 22:43:17.59 ID:IvrXZQsp0
先生は、女子1ちゃんぐらいわんわん泣いてた
ぼくの作文が、じぶんでは気づいていなかった「たすけて」だったことを
さいしょにきちんと気付けなかったことをずっと謝っていた
……でも、ぼく自身もきづいてなかったんだから、しかたないと思うな
先生「…ホントに、そう思ってくれる?」
ぼく「うん、先生が悪い先生なんて、誰も思わないよ」
……でも、誰の話を聞いても、ぼくはいまいちすっきりしなかった
たぶん、家族の話が出ないからだと思う。
それに……ぼくにかかっていたせんのうも、だいぶとけてきた
175: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 22:49:23.58 ID:IvrXZQsp0
ぼく「……(眠れない……)」
ごろ ごろ…
ぼく「………おじいちゃん…おじいちゃんだけは…ほんとうに…もう…」
おじいちゃんが死んでしまっていることだけは、もうしっかりと思い出せていた。
あの時信じられなかったけど、和室で赤黒く染まってたのは、おじいちゃん
いっしょにねっ転がって絵本を呼んでくれた畳にこびりついてたのは血で
ぼくは、ちゃんとおじいちゃんにお別れを言えなかった
ぼく「ぼく……おじいちゃんみたいに…笑っていられる人に…は……なれないよ…」
ぼく「……(おとうさんは、どこにいるんだろう おかあさんは、どこにいるんだろう おにいちゃんはどこにいるんだろう)」
ぼく「おじいちゃんは、もう帰ってこれないおさんぽ」
ごろ ごろ…
ぼく「………おじいちゃん…おじいちゃんだけは…ほんとうに…もう…」
おじいちゃんが死んでしまっていることだけは、もうしっかりと思い出せていた。
あの時信じられなかったけど、和室で赤黒く染まってたのは、おじいちゃん
いっしょにねっ転がって絵本を呼んでくれた畳にこびりついてたのは血で
ぼくは、ちゃんとおじいちゃんにお別れを言えなかった
ぼく「ぼく……おじいちゃんみたいに…笑っていられる人に…は……なれないよ…」
ぼく「……(おとうさんは、どこにいるんだろう おかあさんは、どこにいるんだろう おにいちゃんはどこにいるんだろう)」
ぼく「おじいちゃんは、もう帰ってこれないおさんぽ」
178: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 22:54:47.99 ID:IvrXZQsp0
ぼく「……ちょっとだけ、おさんぽにいこう…(もう、点滴も外れてるし…)」
ぼく「(…廊下、暗くて怖いな…)」
ぼくは、たしかに生きたいと思った。
だから怖くても無茶したんだ、でも、なんで生きたいと思ったのかは忘れちゃった
あの人たちに好き勝手されるのがいやだったから、だけなのかもしれない
ぼく「(でも…少なくとも、こんな悲しい気持ちになるためじゃない)」
ぼく「(ずっと、洗脳されてた方が良かったのかも。だって、つらいし、悲しいよ)」
ぼく「…あいつは…おかあさんを「もういない人」ってゆった…」
待合室のふかふかの椅子にすわる。大きい病院のこういう椅子はなぜかドキドキする
ぼく「(…廊下、暗くて怖いな…)」
ぼくは、たしかに生きたいと思った。
だから怖くても無茶したんだ、でも、なんで生きたいと思ったのかは忘れちゃった
あの人たちに好き勝手されるのがいやだったから、だけなのかもしれない
ぼく「(でも…少なくとも、こんな悲しい気持ちになるためじゃない)」
ぼく「(ずっと、洗脳されてた方が良かったのかも。だって、つらいし、悲しいよ)」
ぼく「…あいつは…おかあさんを「もういない人」ってゆった…」
待合室のふかふかの椅子にすわる。大きい病院のこういう椅子はなぜかドキドキする
179: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 23:00:50.27 ID:IvrXZQsp0
ぼく「………(自分に悪いとこが無いかってドキドキだよね、これは)」
ぼく「(別のところにいこう…どこがいいかな)」
外の空気を吸いたくても、もう玄関は閉まっている
…たしか、屋上が解放されている病院だったはず。鍵しまってるだろうけど、行ってみよう
ぼく「(エレベーター、動くみたい)」
ポーン♪ 「上へ まいります」
ぼく「(いちばんうえのボタンで…)」
ポーン♪ 「下へ まいります」
ぼく「(あのドア開ければ、いいんだよね)」
ガチャガチャ… カチャ
ぼく「あれ?あいてる…?」
ぼく「(別のところにいこう…どこがいいかな)」
外の空気を吸いたくても、もう玄関は閉まっている
…たしか、屋上が解放されている病院だったはず。鍵しまってるだろうけど、行ってみよう
ぼく「(エレベーター、動くみたい)」
ポーン♪ 「上へ まいります」
ぼく「(いちばんうえのボタンで…)」
ポーン♪ 「下へ まいります」
ぼく「(あのドア開ければ、いいんだよね)」
ガチャガチャ… カチャ
ぼく「あれ?あいてる…?」
181: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 23:04:58.92 ID:IvrXZQsp0
ぼく「……さむいなー…」
ぼく「(でも、星も月もきれいだな…)」
ぼく「……(なんのために、生きようとしたんだろう…ただ、死んだら終わっちゃうからかな?)」
ぼく「死んだら終わるから、生きるために生きるの?」
ぼく「………」
医者「どうでしょうねぇ」
ぼく「ひぅっ?!お、おいしゃさん…」
医者「こんばんは、夜に来る人もいるから人を置くことになってるんだよ。で、私が今の当番」
ぼく「聞かれてないと思ったのに…」
医者「けど、癒す方はそういう気持ちがききたいんだよね」
ぼく「(でも、星も月もきれいだな…)」
ぼく「……(なんのために、生きようとしたんだろう…ただ、死んだら終わっちゃうからかな?)」
ぼく「死んだら終わるから、生きるために生きるの?」
ぼく「………」
医者「どうでしょうねぇ」
ぼく「ひぅっ?!お、おいしゃさん…」
医者「こんばんは、夜に来る人もいるから人を置くことになってるんだよ。で、私が今の当番」
ぼく「聞かれてないと思ったのに…」
医者「けど、癒す方はそういう気持ちがききたいんだよね」
183: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 23:09:00.64 ID:IvrXZQsp0
医者「言わないと、わからないからね」
ぼく「……うん…」
医者「私は君の担当医ではないけど、君の話は良く聞くよ」
ぼく「そうなの?」
医者「……精神交代手術の、執行医としてね。それが救いになる人もいれば、それで不幸になる人もいる」
ぼく「………手術やるひとなら、おとうさんたちのことしってる?」
医者「ああいうのは闇医者の仕事だからね…なんだかんだで、きちんとしたとこだと実験扱いだよ」
ぼく「……うん…」
医者「私は君の担当医ではないけど、君の話は良く聞くよ」
ぼく「そうなの?」
医者「……精神交代手術の、執行医としてね。それが救いになる人もいれば、それで不幸になる人もいる」
ぼく「………手術やるひとなら、おとうさんたちのことしってる?」
医者「ああいうのは闇医者の仕事だからね…なんだかんだで、きちんとしたとこだと実験扱いだよ」
185: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 23:14:50.45 ID:IvrXZQsp0
医者「…私の答えだけどね」
ぼく「?」
医者「私は、幸せを探すために生きるんだと思うよ」
ぼく「ただ、いきるためにいきるんじゃなくて?」
医者「それも必要だと思うけどね、とにかく生きてみなきゃ何も見つからないわけだ…だけど、それになにか足せたら素晴らしいと思うよ」
ぼく「……よくわかんない」
医者「私にも、あいまいだからね。あくまで1意見だよ」
ぼく「でも、そうしてみたいとは…思う…かも」
医者「…そう思う人がいると、嬉しくなるよ。そろそろ寝ないと、もっと冷え込むよ」
ぼく「はい。ありがとうおいしゃさん」
医者「ハハハ、こっちこそありがとう、おやすみ」
ぼく「おやすみなさい」
ぼく「?」
医者「私は、幸せを探すために生きるんだと思うよ」
ぼく「ただ、いきるためにいきるんじゃなくて?」
医者「それも必要だと思うけどね、とにかく生きてみなきゃ何も見つからないわけだ…だけど、それになにか足せたら素晴らしいと思うよ」
ぼく「……よくわかんない」
医者「私にも、あいまいだからね。あくまで1意見だよ」
ぼく「でも、そうしてみたいとは…思う…かも」
医者「…そう思う人がいると、嬉しくなるよ。そろそろ寝ないと、もっと冷え込むよ」
ぼく「はい。ありがとうおいしゃさん」
医者「ハハハ、こっちこそありがとう、おやすみ」
ぼく「おやすみなさい」
187: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 23:21:07.97 ID:IvrXZQsp0
ポーン♪「3階 です したへ まいります」
ぼく「…(…生きてみよう。生きなきゃ、何も見つからないっていうなら、生きてみよう)」
ぼく「……将来の夢、書き直させてもらえるかな…?」
(数日後)
女子1「行ってきます」
ぼく「行ってきます」
女子2「(ぼく)くんも女子1ちゃんもいってらっしゃーーーい!!」
ぼく「いってきます、でもちょっと声小さくね」
女子2「コソコソ はーぃ」
女子1「…(ぼく)くん、おうちで家族待ってなくってよかったの?お掃除終わったって言ってたよ?」
ぼく「うん、一人はさみしいし、また迷っちゃいそうだから」
ぼく「…(…生きてみよう。生きなきゃ、何も見つからないっていうなら、生きてみよう)」
ぼく「……将来の夢、書き直させてもらえるかな…?」
(数日後)
女子1「行ってきます」
ぼく「行ってきます」
女子2「(ぼく)くんも女子1ちゃんもいってらっしゃーーーい!!」
ぼく「いってきます、でもちょっと声小さくね」
女子2「コソコソ はーぃ」
女子1「…(ぼく)くん、おうちで家族待ってなくってよかったの?お掃除終わったって言ってたよ?」
ぼく「うん、一人はさみしいし、また迷っちゃいそうだから」
190: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 23:28:17.73 ID:IvrXZQsp0
女子1「わたしは…どんなにちまみれのまんまでも、おねえといっしょがよかったけど」
ぼく「……女子1ちゃん、自分のことこわれてるってお手紙に書いたよね」
女子1「うん…いまも、まだ。ちょっとじかくあるよ」
ぼく「……ぼくも、ちょっとこわれたまんまかもしれない。だからだれかといっしょにいておきたいたいんだ」
女子1「そうなの?私はだれかといっしょにいたいってこわれ方だから、ひとり立ちしないといけないって言われるよ」
ぼく「じゃあ、とりあえずいっしょにがんばろっか」
女子1「うん、ずっと一緒に生きてこ、(ぼく)くんがいるならもっとずっと長生きしたい」
ぼく「…ぼくは、やっぱりずっと生きるのはムリだと思うけど……
そのかわり、生きてる間は、生きることをがんばる。頑張って生きるのが今のしょうらいの夢!」
(おわり)
ぼく「……女子1ちゃん、自分のことこわれてるってお手紙に書いたよね」
女子1「うん…いまも、まだ。ちょっとじかくあるよ」
ぼく「……ぼくも、ちょっとこわれたまんまかもしれない。だからだれかといっしょにいておきたいたいんだ」
女子1「そうなの?私はだれかといっしょにいたいってこわれ方だから、ひとり立ちしないといけないって言われるよ」
ぼく「じゃあ、とりあえずいっしょにがんばろっか」
女子1「うん、ずっと一緒に生きてこ、(ぼく)くんがいるならもっとずっと長生きしたい」
ぼく「…ぼくは、やっぱりずっと生きるのはムリだと思うけど……
そのかわり、生きてる間は、生きることをがんばる。頑張って生きるのが今のしょうらいの夢!」
(おわり)
194: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 23:30:19.63 ID:tIq9oAoFO
おつぅぅ!すげぇ面白かった。
最後にまだなんかあるかとひやひやしたけど良かった
最後にまだなんかあるかとひやひやしたけど良かった
198: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 23:32:26.16 ID:rUiaUk10O
乙
読んでて常にハラハラしてた
読んでて常にハラハラしてた
200: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 23:34:40.67 ID:qo+HLGtU0
乙
これ呼んでて小学生の頃、やけに死について考え込んでたのを思い出した。
これ呼んでて小学生の頃、やけに死について考え込んでたのを思い出した。
206: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/13(日) 23:39:08.39 ID:97jkMSkLO
>>1乙
個人的にはあの中盤は嫌いだが、全体を通してすごく楽しめた
稀に見る良作だった
個人的にはあの中盤は嫌いだが、全体を通してすごく楽しめた
稀に見る良作だった
引用元: 先生「今日はみんなに宿題の作文を読んでもらいます」