少女「涙の夜行に彼岸花」
2020-12-24
1: ◆XkFHc6ejAk 2020/10/19(月) 21:23:05.01 ID:kXnbXFlm0
少女(山に囲まれた私の村は、年中彼岸花が咲き乱れている)
少女(この村の彼岸花には、不思議な力が備わっていて)
少女(人々は、その力を利用して生活している)
少女(ここは、そんな彼岸花の村の話)
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1603110184
少女(この村の彼岸花には、不思議な力が備わっていて)
少女(人々は、その力を利用して生活している)
少女(ここは、そんな彼岸花の村の話)
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2: ◆XkFHc6ejAk 2020/10/19(月) 21:27:55.13 ID:kXnbXFlm0
「遅すぎ、もう皆終わってるんだけど」
「ほんっと役立たずだよな」
「早く戻ろうぜー」
少女「……」
少女(私は今、山菜を収穫している)
少女(私は村で唯一、彼岸花の力を引き出す事が出来ない)
少女(私には才能が無い。だから、周りの子供達からはいじめられている)
少女(ほかの子が出来る事も、私は何をするにも時間がかかる)
少女(私には何も出来ないんだ)
「もっと効率的に動けないかなあ」
「鈍間だなー」
少年「おい! 止めろバカ共!」ダッ
「少年、だってこいつがさあ」
少年「要は、早く済ませれば良いんだろ」ヒュオッ
少女(少年が彼岸花の花弁を握りしめると、辺りを突風が吹き抜けていく)
少女(風の刃で刈り取った山菜が、小さなつむじ風によって運ばれる)
少女(あっという間だ。私がのろのろやっていた事が、少年にとってはたったの数秒)
「お、おお……なんて精密な力の制御……」」
「すげぇ、やっぱ少年は格が違うよね」
「次の「花頭」はやっぱあいつで確定だよなあ」
少女「……ごめんね。いつも助けて貰って」
少年「気にすんなよ。他人はいつだって好き勝手言うもんだから」
少女(少年は私を気にかけてくれている。いつも助けてくれる)
少女(なのに、私は何もしてあげられる事が無い)
少女(ああ、私は駄目だなあ)
「ほんっと役立たずだよな」
「早く戻ろうぜー」
少女「……」
少女(私は今、山菜を収穫している)
少女(私は村で唯一、彼岸花の力を引き出す事が出来ない)
少女(私には才能が無い。だから、周りの子供達からはいじめられている)
少女(ほかの子が出来る事も、私は何をするにも時間がかかる)
少女(私には何も出来ないんだ)
「もっと効率的に動けないかなあ」
「鈍間だなー」
少年「おい! 止めろバカ共!」ダッ
「少年、だってこいつがさあ」
少年「要は、早く済ませれば良いんだろ」ヒュオッ
少女(少年が彼岸花の花弁を握りしめると、辺りを突風が吹き抜けていく)
少女(風の刃で刈り取った山菜が、小さなつむじ風によって運ばれる)
少女(あっという間だ。私がのろのろやっていた事が、少年にとってはたったの数秒)
「お、おお……なんて精密な力の制御……」」
「すげぇ、やっぱ少年は格が違うよね」
「次の「花頭」はやっぱあいつで確定だよなあ」
少女「……ごめんね。いつも助けて貰って」
少年「気にすんなよ。他人はいつだって好き勝手言うもんだから」
少女(少年は私を気にかけてくれている。いつも助けてくれる)
少女(なのに、私は何もしてあげられる事が無い)
少女(ああ、私は駄目だなあ)
3: ◆XkFHc6ejAk 2020/10/19(月) 21:37:36.52 ID:kXnbXFlm0
少女(この村では、年に一度「月花参り」という度胸試しの行事が行われている)
少女(まっすぐ森の一本道を抜けた所にある小さな池に)
少女(花弁が良質な薬になる白い彼岸花が生えているらしい)
少女(秋の月が出ている夜にしか咲かないから、暗い森に入らないといけない)
少女(勇気を出して、白い彼岸花を持ち帰った子供は「花頭」として称えられる)
少女(けれど、挑戦する子供はほとんどいない)
少女(何故なら、花の力は夜になると出せなくなってしまうから)
少女(まっすぐ森の一本道を抜けた所にある小さな池に)
少女(花弁が良質な薬になる白い彼岸花が生えているらしい)
少女(秋の月が出ている夜にしか咲かないから、暗い森に入らないといけない)
少女(勇気を出して、白い彼岸花を持ち帰った子供は「花頭」として称えられる)
少女(けれど、挑戦する子供はほとんどいない)
少女(何故なら、花の力は夜になると出せなくなってしまうから)
4: ◆XkFHc6ejAk 2020/10/19(月) 21:38:54.88 ID:kXnbXFlm0
少女(この村の人間は、大人も子供も夜を恐れる)
少女(夜は周りが見えないし、花の力を使う事も出来ない)
少女(だからこそ、危険な月花参りを成し遂げた人間は、皆に尊敬される)
少女(私も月花参りをしたら、皆に認めて貰えるかな)
少女「……」
少女(無理に決まってる。私は力も無いし勇気も無い)
少女(いつだって心が苦しい。どうして私は生きているんだろう)
少女(夜は周りが見えないし、花の力を使う事も出来ない)
少女(だからこそ、危険な月花参りを成し遂げた人間は、皆に尊敬される)
少女(私も月花参りをしたら、皆に認めて貰えるかな)
少女「……」
少女(無理に決まってる。私は力も無いし勇気も無い)
少女(いつだって心が苦しい。どうして私は生きているんだろう)
5: ◆XkFHc6ejAk 2020/10/19(月) 21:45:06.90 ID:kXnbXFlm0
少年「よし、完成」スッ
「お、少年。それは?」
少年「彼岸花に、油に似た性質を付与しました。長時間持つように」
少年「これなら火を点ければ、夜でも手軽に利用出来ますよ」
「! こいつは良い! 燃料としても灯りとしても使えるな」
少年「ただ、これはかなり体力使うんで……数作るのはまだしんどいです」
「いや、大したもんだ! 大人顔負けだなこれは」
「良い発想だな。さすがは花頭候補だ!」
少年「……あざっす」
少女(少年はすごいなあ。何をしても人より出来る)
少女(少年に対する尊敬の裏に、どろりとした嫉妬が隠れている)
少女(そんな自分の心が、私は嫌いだ)
「お、少年。それは?」
少年「彼岸花に、油に似た性質を付与しました。長時間持つように」
少年「これなら火を点ければ、夜でも手軽に利用出来ますよ」
「! こいつは良い! 燃料としても灯りとしても使えるな」
少年「ただ、これはかなり体力使うんで……数作るのはまだしんどいです」
「いや、大したもんだ! 大人顔負けだなこれは」
「良い発想だな。さすがは花頭候補だ!」
少年「……あざっす」
少女(少年はすごいなあ。何をしても人より出来る)
少女(少年に対する尊敬の裏に、どろりとした嫉妬が隠れている)
少女(そんな自分の心が、私は嫌いだ)
6: ◆XkFHc6ejAk 2020/10/19(月) 21:49:00.35 ID:kXnbXFlm0
少女「少年は凄いよね、皆から認められてる」
少年「別に……たまたまそう言うのに向いてたってだけさ」
少女「でも、何も出来ないよりはいいよ。私なんて何も出来ない」
少女「どうして私は生きてるのかな。人の足を引っ張るだけなのに」
少年「そんな事無いさ。きっと何か出来る事がある」
少年「そんなに自分を否定すんなよ。少女は少女なんだから」
少女(少年はいつも私を慰めてくれる)
少女(少年みたいに、自信があるかっこいい人になりたい)
少年「ほら、行こうぜ」
少女「……うん」
少女(でも、人にそう言ってあげられるのも、何か持ってる人だけなんだよ)
少年「別に……たまたまそう言うのに向いてたってだけさ」
少女「でも、何も出来ないよりはいいよ。私なんて何も出来ない」
少女「どうして私は生きてるのかな。人の足を引っ張るだけなのに」
少年「そんな事無いさ。きっと何か出来る事がある」
少年「そんなに自分を否定すんなよ。少女は少女なんだから」
少女(少年はいつも私を慰めてくれる)
少女(少年みたいに、自信があるかっこいい人になりたい)
少年「ほら、行こうぜ」
少女「……うん」
少女(でも、人にそう言ってあげられるのも、何か持ってる人だけなんだよ)
7: ◆XkFHc6ejAk 2020/10/19(月) 21:50:59.28 ID:kXnbXFlm0
「さて、いよいよ明日は月花参りだが」
少年「……はい、覚悟は出来てます」
「うむ。一時間もあれば着くはずだから気をつけてな」
「期待しているよ」
少年「……どうも」
少女(良いな。私も誰かに期待されてみたい)
少女(明日はいよいよ月花参りか。少年は凄いなあ)
少女(……でも何だか、元気が無いな)
少女(少年でも、不安になったりするのかな)
少年「……はい、覚悟は出来てます」
「うむ。一時間もあれば着くはずだから気をつけてな」
「期待しているよ」
少年「……どうも」
少女(良いな。私も誰かに期待されてみたい)
少女(明日はいよいよ月花参りか。少年は凄いなあ)
少女(……でも何だか、元気が無いな)
少女(少年でも、不安になったりするのかな)
8: ◆XkFHc6ejAk 2020/10/19(月) 21:52:15.23 ID:kXnbXFlm0
少年「……」ブオッ
「うおお、凄いな!」
「いつにも増して気合入ってるね、そりゃそうか」
少女(凄い、全員分の木の実を一人で集め終わった)
少女(けれど、いつもより口数が少ないな)
少女(やっぱり緊張しているのかな?)
少年「……フー、ふぅ……」
少女「少年……あれ、どうしたの!?」
少年「平気だ。ちょっと熱っぽいだけ……」
少女「だ、大丈夫? 今日は安静にしてないと」
少年「駄目だ。村の皆が楽しみにしてる……期待を裏切る訳にはいかない」
少女「で、でも」
少年「すぐに戻ってくるよ、大丈夫」
少女(少年はそう言うと、しゃきっと立ち上がって皆の所に戻っていく)
少女(少年は強いなあ。私だったら寝ていたいのに)
少女(でも、心配だな)
少女(……心配するだけなんて、誰にだって出来るんだけど)
「うおお、凄いな!」
「いつにも増して気合入ってるね、そりゃそうか」
少女(凄い、全員分の木の実を一人で集め終わった)
少女(けれど、いつもより口数が少ないな)
少女(やっぱり緊張しているのかな?)
少年「……フー、ふぅ……」
少女「少年……あれ、どうしたの!?」
少年「平気だ。ちょっと熱っぽいだけ……」
少女「だ、大丈夫? 今日は安静にしてないと」
少年「駄目だ。村の皆が楽しみにしてる……期待を裏切る訳にはいかない」
少女「で、でも」
少年「すぐに戻ってくるよ、大丈夫」
少女(少年はそう言うと、しゃきっと立ち上がって皆の所に戻っていく)
少女(少年は強いなあ。私だったら寝ていたいのに)
少女(でも、心配だな)
少女(……心配するだけなんて、誰にだって出来るんだけど)
9: ◆XkFHc6ejAk 2020/10/19(月) 21:53:34.73 ID:kXnbXFlm0
少女(そうしているうちに、夕暮れはやってきた)
10: ◆XkFHc6ejAk 2020/10/19(月) 22:00:22.23 ID:kXnbXFlm0
「ではいよいよ、月花参りを開始とする」
少年「はい」
「武運を祈る。さぁ、開始だ」
「頑張ってー!」
少女「少年……!」
少年「行ってきます」
少女(そう言うと、少年は薄暗くなってきている森を進んでいった)
少女(大丈夫かな、彼岸花の力も無いのに)
少女「……」
少女(何を心配しているんだろう。私が何か出来る訳でも無いのに……)
少年「はい」
「武運を祈る。さぁ、開始だ」
「頑張ってー!」
少女「少年……!」
少年「行ってきます」
少女(そう言うと、少年は薄暗くなってきている森を進んでいった)
少女(大丈夫かな、彼岸花の力も無いのに)
少女「……」
少女(何を心配しているんだろう。私が何か出来る訳でも無いのに……)
11: ◆XkFHc6ejAk 2020/10/19(月) 22:02:00.67 ID:kXnbXFlm0
少女(……遅い。あれからもう二時間は経った)
少女(もうそろそろ帰ってきても良いはず……)
少女(やっぱり、途中で倒れた? それともケガをした?)
「……遅いな」
「何かあったのかな、探しに行くか?」
「駄目だ。大人の介入は掟で禁止されている」
少女(少年……!)
少女(もうそろそろ帰ってきても良いはず……)
少女(やっぱり、途中で倒れた? それともケガをした?)
「……遅いな」
「何かあったのかな、探しに行くか?」
「駄目だ。大人の介入は掟で禁止されている」
少女(少年……!)
12: ◆XkFHc6ejAk 2020/10/19(月) 22:03:00.58 ID:kXnbXFlm0
少女(私が助けに……)チラ
ヒュオオォォォ……
少女「……!」ブル
少女(駄目だ、怖い)
少女(月明りしかない真っ暗な森に入るなんて……)
「おい、お前助けにいけよ」
「いや、お前がいけよ……」
「でも少年なら大丈夫なんじゃない? きっと上手く切り抜けてくるだろ」
「まあ、それもそうだけどさ……」
少女(確かに、少年なら大丈夫かもしれない)
少女(私なんかが居なくたって……)
少女(でも……)
少女(もし何かあったのなら、どんなに怖いんだろうか)
少女(誰も居ない夜の森で、独りぼっちで……きっと心細くて堪らない)
少女(……)
ヒュオオォォォ……
少女「……!」ブル
少女(駄目だ、怖い)
少女(月明りしかない真っ暗な森に入るなんて……)
「おい、お前助けにいけよ」
「いや、お前がいけよ……」
「でも少年なら大丈夫なんじゃない? きっと上手く切り抜けてくるだろ」
「まあ、それもそうだけどさ……」
少女(確かに、少年なら大丈夫かもしれない)
少女(私なんかが居なくたって……)
少女(でも……)
少女(もし何かあったのなら、どんなに怖いんだろうか)
少女(誰も居ない夜の森で、独りぼっちで……きっと心細くて堪らない)
少女(……)
13: ◆XkFHc6ejAk 2020/10/19(月) 22:04:17.80 ID:kXnbXFlm0
少女「……わ、私が助けに行く!」
「……え、いや少女が行ったって」
少女「行ってくる!」
「ちょっ」
「おい、戻れって!」
少女(ほんのちょっとの勇気を胸に、私は彼岸花を手に取った)
「……え、いや少女が行ったって」
少女「行ってくる!」
「ちょっ」
「おい、戻れって!」
少女(ほんのちょっとの勇気を胸に、私は彼岸花を手に取った)
14: ◆XkFHc6ejAk 2020/10/20(火) 21:06:34.52 ID:zSOeHXr00
バチバチ……
ザッ ザッ
少女(少年が作った彼岸花に火を灯し、私は真っ暗な森を歩く)
少女(夜の森はとても寒い。震えているのはきっと寒さのせいだ)
少女(一寸先は闇だ。ほんの少し先はもう何も見えない)
少女(怖い。確かにこれを一人で達成した子供は称えられるだろうな)
少女(燈火の音と私の足音だけが森に響く)
少女(むしろ、その音以外がしてはいけないんだ)
少女(すぐ側から獣が飛び出してくるかもしれない)
少女(足元に毒蛇が居るかもしれない)
少女(もしくは、もっと異質な何かが居るかもしれない)
少女「……大丈夫。大丈夫」
少女(不安は際限無く膨らんでいく)
少女(気を抜けば呑まれてしまいそう)
少女(か細い燈火だけを頼りに、私は夜の森を進んでいく)
ザッ ザッ
少女(少年が作った彼岸花に火を灯し、私は真っ暗な森を歩く)
少女(夜の森はとても寒い。震えているのはきっと寒さのせいだ)
少女(一寸先は闇だ。ほんの少し先はもう何も見えない)
少女(怖い。確かにこれを一人で達成した子供は称えられるだろうな)
少女(燈火の音と私の足音だけが森に響く)
少女(むしろ、その音以外がしてはいけないんだ)
少女(すぐ側から獣が飛び出してくるかもしれない)
少女(足元に毒蛇が居るかもしれない)
少女(もしくは、もっと異質な何かが居るかもしれない)
少女「……大丈夫。大丈夫」
少女(不安は際限無く膨らんでいく)
少女(気を抜けば呑まれてしまいそう)
少女(か細い燈火だけを頼りに、私は夜の森を進んでいく)
17: ◆XkFHc6ejAk 2020/10/21(水) 19:55:22.48 ID:D5+1u6Xp0
少女「はあ、はあ……」
少女(結構歩いたのに……まだかかるの?)
少女(少年の姿が見えない。もしかして、見落とした?)
少女(そもそも、この道で本当に合っているの?)
少女(私はちゃんと進めているのかな、迷子になっていたらどうしよう)
少女(怖い、怖い)
少女「うっ……グスッ……」ボロボロ
少女(駄目だ、私が泣いてどうするんだ)
少女(少年を助けにいくんだ)
少女(少年に会ったら、大丈夫だよって笑ってあげるんだ)
少女(私なんかよりも、少年の方がよっぽど不安で苦しいはずなのに)
少女(なのに、どうして涙が止まらないんだろう)
少女(弱虫だなあ、本当に私は弱虫だ)
少女(胸を張れるような人間になりたい)
少女(ちゃんとした人間になりたい)
少女「グスッ……待ってて、少年……!」
少女(それでも、私は燃える彼岸花を手に進んでいく)
少女(結構歩いたのに……まだかかるの?)
少女(少年の姿が見えない。もしかして、見落とした?)
少女(そもそも、この道で本当に合っているの?)
少女(私はちゃんと進めているのかな、迷子になっていたらどうしよう)
少女(怖い、怖い)
少女「うっ……グスッ……」ボロボロ
少女(駄目だ、私が泣いてどうするんだ)
少女(少年を助けにいくんだ)
少女(少年に会ったら、大丈夫だよって笑ってあげるんだ)
少女(私なんかよりも、少年の方がよっぽど不安で苦しいはずなのに)
少女(なのに、どうして涙が止まらないんだろう)
少女(弱虫だなあ、本当に私は弱虫だ)
少女(胸を張れるような人間になりたい)
少女(ちゃんとした人間になりたい)
少女「グスッ……待ってて、少年……!」
少女(それでも、私は燃える彼岸花を手に進んでいく)
18: ◆XkFHc6ejAk 2020/10/21(水) 19:59:28.21 ID:D5+1u6Xp0
ザッ……ザッ……
少女(いつまで経っても景色が変わらない)
少女(本当に進めているのだろうか)
少女(今はどの辺りに居るんだろう)
少女(考えたって仕方無いのに、余計な事ばかり考えてしまう)
少女(この燈火も、いつかは消えてしまう)
少女(焦りばかりが募っていく、心臓の辺りがずっと気持ち悪い)
少女(いつも通りに息が出来ない、自分を見失ってしまいそう)
がさっ!
少女「わああああ‼」ザッ
少女(す、すぐそこで音がした!)
少女(何が居るの⁉ 獣⁉ 何かが落ちてきた⁉)
少女「わああああー……助けて……もう嫌……」グスッ
少女(目と耳を塞いで、惨めにうずくまる事しか出来ない)
少女(燈火も手放してしまった)
少女(怖い。どうして私はこんな所に居るんだろう)
少女(助けて。誰か助けて)
少女(もう怖いのは嫌だ。涙で顔はぐちゃぐちゃだ)
少女(とっくに心は限界なんだ)
少女(いつまで経っても景色が変わらない)
少女(本当に進めているのだろうか)
少女(今はどの辺りに居るんだろう)
少女(考えたって仕方無いのに、余計な事ばかり考えてしまう)
少女(この燈火も、いつかは消えてしまう)
少女(焦りばかりが募っていく、心臓の辺りがずっと気持ち悪い)
少女(いつも通りに息が出来ない、自分を見失ってしまいそう)
がさっ!
少女「わああああ‼」ザッ
少女(す、すぐそこで音がした!)
少女(何が居るの⁉ 獣⁉ 何かが落ちてきた⁉)
少女「わああああー……助けて……もう嫌……」グスッ
少女(目と耳を塞いで、惨めにうずくまる事しか出来ない)
少女(燈火も手放してしまった)
少女(怖い。どうして私はこんな所に居るんだろう)
少女(助けて。誰か助けて)
少女(もう怖いのは嫌だ。涙で顔はぐちゃぐちゃだ)
少女(とっくに心は限界なんだ)
19: ◆XkFHc6ejAk 2020/10/21(水) 20:51:58.76 ID:D5+1u6Xp0
少女(……あれからしばらく経った)
少女(どれくらい塞ぎ込んでいたんだろう)
少女(少し落ち着いた私は、顔を上げた)
バチバチバチ……
少女(そこには、少年が残してくれた火が、まだ燃え続けていた)
少女(その光は優しくて、暖かくて)
少年『そんなに自分を否定すんなよ。少女は少女なんだから』
少女「……」ギュッ
少女「待ってて、少年……!」
少女(私はもう一度彼岸花を手に取り、歩き出した)
少女(どれくらい塞ぎ込んでいたんだろう)
少女(少し落ち着いた私は、顔を上げた)
バチバチバチ……
少女(そこには、少年が残してくれた火が、まだ燃え続けていた)
少女(その光は優しくて、暖かくて)
少年『そんなに自分を否定すんなよ。少女は少女なんだから』
少女「……」ギュッ
少女「待ってて、少年……!」
少女(私はもう一度彼岸花を手に取り、歩き出した)
20: ◆XkFHc6ejAk 2020/10/21(水) 20:55:08.54 ID:D5+1u6Xp0
少女(遅れてしまった分を取り戻すためにも、私は進み続けた)
少女(身体は今も震えているけれど、そんな事よりも大切なものがある)
少女(そうだ、私が少年を助けに行くんだ)
少女(鈍間で弱くて、何にも出来ない私だけど)
少女(それでも……!)
少女(身体は今も震えているけれど、そんな事よりも大切なものがある)
少女(そうだ、私が少年を助けに行くんだ)
少女(鈍間で弱くて、何にも出来ない私だけど)
少女(それでも……!)
21: ◆XkFHc6ejAk 2020/10/21(水) 20:59:55.81 ID:D5+1u6Xp0
少女(あれ……煙の臭いがする?)
少女「……」
少女「ひっ! あ、あの光は……」
バチ……バチ……
少女「……燈火だ!」
少年「……はぁ……はぁ……」
少女(木にもたれ掛かっているのは……少年……!)
少年「少……女……?」
少女「う、ううっ……少年‼」ギュッ
少女「うわああああ……!」ボロボロ
少女(優しく笑ってあげたかったのに、顔を見た瞬間泣いてしまった)
少女(安心させてあげたいのに)
少女(本当に私は弱いなぁ)
少女「……」
少女「ひっ! あ、あの光は……」
バチ……バチ……
少女「……燈火だ!」
少年「……はぁ……はぁ……」
少女(木にもたれ掛かっているのは……少年……!)
少年「少……女……?」
少女「う、ううっ……少年‼」ギュッ
少女「うわああああ……!」ボロボロ
少女(優しく笑ってあげたかったのに、顔を見た瞬間泣いてしまった)
少女(安心させてあげたいのに)
少女(本当に私は弱いなぁ)
22: ◆XkFHc6ejAk 2020/10/21(水) 21:04:47.05 ID:D5+1u6Xp0
少年「……悪い……手間かけさせたよな……」ゼェ
少女「そんな事無いよ、えっと」
少女(これからどうすればいい?)
少女(私の力じゃ少年を運べない、肩を貸して戻る……?)
少女(あれ、森の奥に見えるのは……)
少年「もう、すぐそこに……白い彼岸花の……池があるみたいだ……」
少女「……分かった。待ってて」
少年「……ごめんな……」
少女(少年の燈火はもう消える寸前。私のはまだ持つ)
少女(きっと、真っ暗闇で待つのは心細いよね)
少女(私は持ってきた彼岸花を少年の側に刺して)
少女(闇の中に潜っていった)
少女「そんな事無いよ、えっと」
少女(これからどうすればいい?)
少女(私の力じゃ少年を運べない、肩を貸して戻る……?)
少女(あれ、森の奥に見えるのは……)
少年「もう、すぐそこに……白い彼岸花の……池があるみたいだ……」
少女「……分かった。待ってて」
少年「……ごめんな……」
少女(少年の燈火はもう消える寸前。私のはまだ持つ)
少女(きっと、真っ暗闇で待つのは心細いよね)
少女(私は持ってきた彼岸花を少年の側に刺して)
少女(闇の中に潜っていった)
25: ◆XkFHc6ejAk 2020/10/22(木) 20:14:53.12 ID:U4CBPA8W0
少女「……怖くない、怖くない」
少女(そこには、本物の暗闇が広がっていた)
少女(灯りが無い、それだけでこんなにも息苦しい世界に変わるなんて)
少女(これに比べれば、今までの道なんて羽虫のようなものだ)
少女(少年の彼岸花を手放して初めて、その光のありがたみを思い知る)
少女(もう終わりは見えている)
少女(あの開けた場所だ。月明かりが差し込んでいる)
少女(そこに行くだけ。そこに行くだけ……)
少女(なのに、こんなにも不安で苦しい)
少女(少年の光があって私はここまで来れたんだ)
少女(だから、ここからは自分一人の力で進むんだ……!)
少女(冷や汗が止まらない。足だって歩き疲れてもう限界だ)
少女(だけど、後ほんのちょっと)
少女(吹けば飛ぶような勇気を手に、私は進む)
少女(そこには、本物の暗闇が広がっていた)
少女(灯りが無い、それだけでこんなにも息苦しい世界に変わるなんて)
少女(これに比べれば、今までの道なんて羽虫のようなものだ)
少女(少年の彼岸花を手放して初めて、その光のありがたみを思い知る)
少女(もう終わりは見えている)
少女(あの開けた場所だ。月明かりが差し込んでいる)
少女(そこに行くだけ。そこに行くだけ……)
少女(なのに、こんなにも不安で苦しい)
少女(少年の光があって私はここまで来れたんだ)
少女(だから、ここからは自分一人の力で進むんだ……!)
少女(冷や汗が止まらない。足だって歩き疲れてもう限界だ)
少女(だけど、後ほんのちょっと)
少女(吹けば飛ぶような勇気を手に、私は進む)
26: ◆XkFHc6ejAk 2020/10/22(木) 20:21:19.83 ID:U4CBPA8W0
少女「あ……」
少女(着いた。これが……)
少女(小さな池が、月明かりに照らされている)
少女(丸い池に沿って、白い彼岸花が輪を描くように咲いている)
少女(これが……!)
少女「……いただきます。ごめんなさい」
少女(二輪だけ摘み取り、私は池を背に歩き出す)
少女(綺麗な景色だけど、ゆっくり眺めてられない)
少女(待っててね、少年)
少女(着いた。これが……)
少女(小さな池が、月明かりに照らされている)
少女(丸い池に沿って、白い彼岸花が輪を描くように咲いている)
少女(これが……!)
少女「……いただきます。ごめんなさい」
少女(二輪だけ摘み取り、私は池を背に歩き出す)
少女(綺麗な景色だけど、ゆっくり眺めてられない)
少女(待っててね、少年)
27: ◆XkFHc6ejAk 2020/10/22(木) 20:25:33.16 ID:U4CBPA8W0
少女「持ってきたよ、少年!」
少年「……!」カリ
少年「……うっ……クソ苦い……おぇ」ムシャ
少女「ど、どう……?」
少年「……」フー
少年「……少し楽になってきた、もうしばらく休めば治ると思う」
少女「良かった……」フラ
少年「ありがとう。助かったよ」ニコ
少女「……うん……どういたしまして……」トサ
少年「!」
少年(寝てしまった。来るまでの疲労と、ずっと気を張り詰めてたからか)
少年「……本当にありがとうな。ゆっくりお休み」
少女「……」スー
少年「……!」カリ
少年「……うっ……クソ苦い……おぇ」ムシャ
少女「ど、どう……?」
少年「……」フー
少年「……少し楽になってきた、もうしばらく休めば治ると思う」
少女「良かった……」フラ
少年「ありがとう。助かったよ」ニコ
少女「……うん……どういたしまして……」トサ
少年「!」
少年(寝てしまった。来るまでの疲労と、ずっと気を張り詰めてたからか)
少年「……本当にありがとうな。ゆっくりお休み」
少女「……」スー
28: ◆XkFHc6ejAk 2020/10/22(木) 20:30:11.44 ID:U4CBPA8W0
少年「……スー……ハー……」
少年「……うん」
少年(熱は下がった。まだしんどさはあるけれど)
少年(少女を抱えて村まで、いけるか……いや)
少年(あの怖がりな少女が、勇気を出してここまで来てくれたんだ)
少年「ここでやんなきゃ、男じゃないよな」
少年「……うん」
少年(熱は下がった。まだしんどさはあるけれど)
少年(少女を抱えて村まで、いけるか……いや)
少年(あの怖がりな少女が、勇気を出してここまで来てくれたんだ)
少年「ここでやんなきゃ、男じゃないよな」
29: ◆XkFHc6ejAk 2020/10/23(金) 19:15:21.44 ID:uOZPIrCz0
ザッ ザッ
少年「少女、寝てるだろうけどさ」
少年「俺は皆が思ってるような、すごい奴じゃないんだ」
少年「いつだって期待に応えられるか不安だし」
少年「人より何か出来る分、失敗出来ない重圧がある」
少年「人前で何かをするのも、人に意見を言うのも怖い」
少年「いつもいつも、不安で押しつぶされそうなんだよ」
少年「それでも、平気なフリして振舞っているんだ」
少年「今回も本当は休んでいたかったけど、皆の事を考えると休めなかった」
少年「人からの評価を気にしてる俺が、実は一番臆病なのかもしれないな」
少年「だから、今日少女が来てくれて……嬉しかったよ」
少年「何ていうかさ」
少年「俺の弱さを見てくれている人が居るって、安心する」
少年「少女のおかげで、俺は救われたんだ」
少年「だから、自分に自信を持ってほしい」
少年「少女は少女なんだ」
少年「皆、自分でも気付けないような所で、案外人の助けになってるもんだぜ」
少年「……空が少し明るくなってきた。夜明けが近いな」
少年「よし、後もうちょっとだ」
少女(……ありがとう、少年)ギュッ
少年「少女、寝てるだろうけどさ」
少年「俺は皆が思ってるような、すごい奴じゃないんだ」
少年「いつだって期待に応えられるか不安だし」
少年「人より何か出来る分、失敗出来ない重圧がある」
少年「人前で何かをするのも、人に意見を言うのも怖い」
少年「いつもいつも、不安で押しつぶされそうなんだよ」
少年「それでも、平気なフリして振舞っているんだ」
少年「今回も本当は休んでいたかったけど、皆の事を考えると休めなかった」
少年「人からの評価を気にしてる俺が、実は一番臆病なのかもしれないな」
少年「だから、今日少女が来てくれて……嬉しかったよ」
少年「何ていうかさ」
少年「俺の弱さを見てくれている人が居るって、安心する」
少年「少女のおかげで、俺は救われたんだ」
少年「だから、自分に自信を持ってほしい」
少年「少女は少女なんだ」
少年「皆、自分でも気付けないような所で、案外人の助けになってるもんだぜ」
少年「……空が少し明るくなってきた。夜明けが近いな」
少年「よし、後もうちょっとだ」
少女(……ありがとう、少年)ギュッ
30: ◆XkFHc6ejAk 2020/10/23(金) 19:25:15.76 ID:uOZPIrCz0
少女(あれから、三日が経った)
少女(今回の月花参りは失敗と言う事になった)
少女(少年は自分で花を取って来なかった事で失格)
少女(私はもう動けずに、少年に抱えられて戻った事によって失格)
少女(今回の花頭は、結局誰もなる事が出来なかった)
少女(周りの人は落胆しているけれど、相変わらず少年は堂々としている)
少女(そのせいか、次の挑戦に期待する声も上がってきた)
少女(やっぱり少年は凄い。失敗なんてものともしない)
少女(でも、少年だって心の中ではきっと苦しんでる)
少女(皆、心のどこかで苦しんでいるんだ)
少女(完璧な人なんて、居ないんだなぁ)
少女(……それと、私に向けられる視線が、前とは少し変わった)
少女(少年が色々と話してくれたらしい)
少女(あの夜以来、色んな事が変わった)
少女(泣き虫で弱虫な私だけど)
少女(生きててもいいのかなって、思えるようになった)
少年「少女、そろそろ皆飯にするってよ」
少女「うん、今行くね」
少女(これからも、悩んだり笑ったりしながら私たちは生きていく)
少女(ここは、彼岸花が咲き誇る村)
少女(今回の月花参りは失敗と言う事になった)
少女(少年は自分で花を取って来なかった事で失格)
少女(私はもう動けずに、少年に抱えられて戻った事によって失格)
少女(今回の花頭は、結局誰もなる事が出来なかった)
少女(周りの人は落胆しているけれど、相変わらず少年は堂々としている)
少女(そのせいか、次の挑戦に期待する声も上がってきた)
少女(やっぱり少年は凄い。失敗なんてものともしない)
少女(でも、少年だって心の中ではきっと苦しんでる)
少女(皆、心のどこかで苦しんでいるんだ)
少女(完璧な人なんて、居ないんだなぁ)
少女(……それと、私に向けられる視線が、前とは少し変わった)
少女(少年が色々と話してくれたらしい)
少女(あの夜以来、色んな事が変わった)
少女(泣き虫で弱虫な私だけど)
少女(生きててもいいのかなって、思えるようになった)
少年「少女、そろそろ皆飯にするってよ」
少女「うん、今行くね」
少女(これからも、悩んだり笑ったりしながら私たちは生きていく)
少女(ここは、彼岸花が咲き誇る村)
35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/11/09(月) 13:20:20.05 ID:A9Wx2rYfo
乙
素晴らしい
素晴らしい
引用元: ・少女「涙の夜行に彼岸花」
女神「私は!負けない!」
2020-12-21
1: ◆GiMcqKsVbQ 2020/05/11(月) 02:18:04.30 ID:haXgtzXW0
男「それで、ハトの群れに持ってたおにぎりを奪われたと」
女神「し、信仰が足りないのが悪いのです!信仰さえもっとあればわたくしの力ももっと強いというのに!」
男「その信仰を得る手段は?」
女神「もっとこう、威厳をですね、世間の人々に示してですね」
男「なるほど、ハトに敗北する姿は威厳があるからみんなに広めろと」
女神「そういうことではありませんっ!」
男「じゃあどうする?」
女神「ええっとですね、説法とか!」
男「見た目女子小学生がそんなことしてたら補導されるよ?あと説法って仏教用語」
女神「はぁ・・・・・・信仰が欲しい・・・・・・」
影「・・・・・・」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1589131084
女神「し、信仰が足りないのが悪いのです!信仰さえもっとあればわたくしの力ももっと強いというのに!」
男「その信仰を得る手段は?」
女神「もっとこう、威厳をですね、世間の人々に示してですね」
男「なるほど、ハトに敗北する姿は威厳があるからみんなに広めろと」
女神「そういうことではありませんっ!」
男「じゃあどうする?」
女神「ええっとですね、説法とか!」
男「見た目女子小学生がそんなことしてたら補導されるよ?あと説法って仏教用語」
女神「はぁ・・・・・・信仰が欲しい・・・・・・」
影「・・・・・・」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1589131084
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2: ◆GiMcqKsVbQ 2020/05/11(月) 02:19:41.61 ID:haXgtzXW0
女神「科学の台頭により世の中の全ての現象が科学によって説明されることになりました」
女神「それによって我々神の威光は減衰し、もはやその存在が忘れ去られつつあります」
女神「もちろん、科学が悪いこととは言いませんよ。人間たちが自らの手で自身の文明を進化させた結果なのですから」
女神「ですが、やはり自身の力が弱くなっていくというのは悲しいし、虚しいことなのです」
男「でも君って自然現象云々関係なしに『正義』っていう心の部分を司る神じゃん。科学関係なくない?」
女神「うっ」
男「人から正義の心が失われてるとかそういうのでもないんだろ?単純に知名度がないだけじゃないの?」
女神「なんでそんなこと言うんですか!そういうのロジハラって言うんですよ!」
男「女神にロジハラで怒られるとは」
女神「全くもう、仕方ないから冷凍庫のアイスで手打ちにしてあげますよ。バニラのカップのやつ」
男「この前遊びに来た六女が全部食べたよ」
女神「えっ!?わ、わたくしの分は!?」
男「そもそもない」
影「・・・・・・」
女神「それによって我々神の威光は減衰し、もはやその存在が忘れ去られつつあります」
女神「もちろん、科学が悪いこととは言いませんよ。人間たちが自らの手で自身の文明を進化させた結果なのですから」
女神「ですが、やはり自身の力が弱くなっていくというのは悲しいし、虚しいことなのです」
男「でも君って自然現象云々関係なしに『正義』っていう心の部分を司る神じゃん。科学関係なくない?」
女神「うっ」
男「人から正義の心が失われてるとかそういうのでもないんだろ?単純に知名度がないだけじゃないの?」
女神「なんでそんなこと言うんですか!そういうのロジハラって言うんですよ!」
男「女神にロジハラで怒られるとは」
女神「全くもう、仕方ないから冷凍庫のアイスで手打ちにしてあげますよ。バニラのカップのやつ」
男「この前遊びに来た六女が全部食べたよ」
女神「えっ!?わ、わたくしの分は!?」
男「そもそもない」
影「・・・・・・」
3: ◆GiMcqKsVbQ 2020/05/11(月) 02:20:33.41 ID:haXgtzXW0
男「てか、働いてるんだからアイスぐらい自分で買えばいいじゃんか」
女神「働いているとはいっても所詮バイトですし、金額はたかが知れていますよ」
男「メイド喫茶ってそんなに収入低いの?」
女神「わたくしの場合入ってる日数がそもそも少ないので月5万ぐらいですね」
男「僕より少ないね」
女神「コネでバイトして甘やかされてるあなたと比較しないでください」
男「コネは否定しないし甘やかされてるのも否定しないけど仕事自体はちゃんとやってるから」
女神「週一勤務で年棒100万とかおかしいと思うんです。他のバイトの子に申し訳ないと思わないんですか?」
男「バイトは僕を含めて二人、うち一人は中高大学の先輩でかわいがってもらってて会うたびに何か買ってくれる素敵な先輩です」
影「・・・・・・」
女神「うち一人ってあなたを含めて二人ならその人しかいないじゃないですか!」
男「まあ先輩も月給で結構もらってるみたいだし大きな声では言えないけどプラスでお小遣いを手渡しでもらってるみたいだし」
女神「はぁ、職業格差を嫌というほど見せつけられますね。わたくしもそこで働きたい・・・・・」
男「絶対やらかすからお断りだよ」
女神「わたくしへの評価が低すぎやしませんか?」
影「・・・・・・」
女神「働いているとはいっても所詮バイトですし、金額はたかが知れていますよ」
男「メイド喫茶ってそんなに収入低いの?」
女神「わたくしの場合入ってる日数がそもそも少ないので月5万ぐらいですね」
男「僕より少ないね」
女神「コネでバイトして甘やかされてるあなたと比較しないでください」
男「コネは否定しないし甘やかされてるのも否定しないけど仕事自体はちゃんとやってるから」
女神「週一勤務で年棒100万とかおかしいと思うんです。他のバイトの子に申し訳ないと思わないんですか?」
男「バイトは僕を含めて二人、うち一人は中高大学の先輩でかわいがってもらってて会うたびに何か買ってくれる素敵な先輩です」
影「・・・・・・」
女神「うち一人ってあなたを含めて二人ならその人しかいないじゃないですか!」
男「まあ先輩も月給で結構もらってるみたいだし大きな声では言えないけどプラスでお小遣いを手渡しでもらってるみたいだし」
女神「はぁ、職業格差を嫌というほど見せつけられますね。わたくしもそこで働きたい・・・・・」
男「絶対やらかすからお断りだよ」
女神「わたくしへの評価が低すぎやしませんか?」
影「・・・・・・」
4: ◆GiMcqKsVbQ 2020/05/11(月) 02:22:33.90 ID:haXgtzXW0
アリス「オーナーは昔から仲のいいお姉さん、店長はその妹、社員は大叔母と先輩の姉。この環境に入っていく度胸が女神にあるの?」
男「とつぜん現れるね」
女神「・・・・・・ちょっと待ってください」
アリス「なに?」
女神「すごくメタなことを言いますけど、これSSですよ?なんであなただけ個人名で出てるんですか?おかしいでしょう!」
男「僕も『男』だし女神は『女神』だし前回出た天使とか悪魔とか女とかもそのまんまだし」
アリス「ちっちっち、甘いよ、お兄ちゃん。サッカリンより甘い!」
男「僕が砂糖の350倍以上甘いと?」
影「・・・・・・」
アリス「男っていう名前でわかるのは性別が男ってことだけ、天使とか悪魔は種族だけ。ここまでオッケー?」
男「うん」
アリス「その点このアリスっていう名前はありふれすぎてて性別が女であり、少なくとも外国人、おそらく英語圏の人間であり、多分美少女ってのが想像できる!きっとみんなのイメージは金髪碧眼美少女!」
男「まあアリスって言われてまず思い浮かぶのは不思議の国のアリスだし」
アリス「つまりアリスちゃんはそんじょそこらのやつよりも情報量に満ち溢れてるってわけ。SSなんだから名前も効率化しないとねー」
女神「なんか納得させられそうな気がするんですけど、何か反論はないんですか!」
男「言いだしたのは女神なのにそれを僕に振る?えっと、まあそのアリスって名前が効率的ってのはわかったけど、一番大切な情報が伝わって無くないか?」
アリス「それは口頭説明でオッケー。私ことアリスは男に憑りついている守護霊です。生前は魔女でした。享年12歳です。これでどう?」
男「名前のとこ守護霊にしない?」
アリス「しない。守護霊にしたらアリスちゃんの美少女っぷりが名前から伝わらないでしょ!」
男「自信満々に美少女って言うよね。実際に美少女だけど」
女神「ムカつきますけど全体的に整ってるんですよね。自信過剰じゃないのがムカつきます」
アリス「私が美少女なことなんて太陽が東から西へ移動するのと同じくらい当然なことでしょ?常識を疑えって言うの?」
女神「ほらこういうとこ!」
影「・・・・・・」
男「とつぜん現れるね」
女神「・・・・・・ちょっと待ってください」
アリス「なに?」
女神「すごくメタなことを言いますけど、これSSですよ?なんであなただけ個人名で出てるんですか?おかしいでしょう!」
男「僕も『男』だし女神は『女神』だし前回出た天使とか悪魔とか女とかもそのまんまだし」
アリス「ちっちっち、甘いよ、お兄ちゃん。サッカリンより甘い!」
男「僕が砂糖の350倍以上甘いと?」
影「・・・・・・」
アリス「男っていう名前でわかるのは性別が男ってことだけ、天使とか悪魔は種族だけ。ここまでオッケー?」
男「うん」
アリス「その点このアリスっていう名前はありふれすぎてて性別が女であり、少なくとも外国人、おそらく英語圏の人間であり、多分美少女ってのが想像できる!きっとみんなのイメージは金髪碧眼美少女!」
男「まあアリスって言われてまず思い浮かぶのは不思議の国のアリスだし」
アリス「つまりアリスちゃんはそんじょそこらのやつよりも情報量に満ち溢れてるってわけ。SSなんだから名前も効率化しないとねー」
女神「なんか納得させられそうな気がするんですけど、何か反論はないんですか!」
男「言いだしたのは女神なのにそれを僕に振る?えっと、まあそのアリスって名前が効率的ってのはわかったけど、一番大切な情報が伝わって無くないか?」
アリス「それは口頭説明でオッケー。私ことアリスは男に憑りついている守護霊です。生前は魔女でした。享年12歳です。これでどう?」
男「名前のとこ守護霊にしない?」
アリス「しない。守護霊にしたらアリスちゃんの美少女っぷりが名前から伝わらないでしょ!」
男「自信満々に美少女って言うよね。実際に美少女だけど」
女神「ムカつきますけど全体的に整ってるんですよね。自信過剰じゃないのがムカつきます」
アリス「私が美少女なことなんて太陽が東から西へ移動するのと同じくらい当然なことでしょ?常識を疑えって言うの?」
女神「ほらこういうとこ!」
影「・・・・・・」
5: ◆GiMcqKsVbQ 2020/05/11(月) 02:23:46.64 ID:haXgtzXW0
アリス「で、なんだっけ?女神が先の時代の敗北者って話だったっけ?」
女神「わたくし地震は起こせないのですが」
男「信仰が欲しいんだって」
アリス「え?じゃあYouTuberでもすれば?女神も女神なだけあって見た目はいいし適当に配信すればそれなりの信者は獲得できるでしょ」
女神「女神がそんな俗っぽいことをしていいものですか!」
男「ホム娘に謝れ。YouTuber目指してる末っ子天使もいるんだから土下座しろ」
女神「彼女らは彼女らで努力しているのは評価しますし、実際にホム娘の配信はわたくしとしましても素晴らしいものだとは思います。ですが、それを自分でやるとなると話は別です」
アリス「どのあたりが?」
女神「だってYouTuberって叩かれたりするじゃないですか!下手なこと出来ないじゃないですか!ただでさえわたくしは日常生活でも散々やらかしているというのに!」
アリス「自覚あったんだ」
女神「むしろなかったらそうとうヤバイやつじゃないですか?」
アリス「ないと思ってたからヤバい奴扱いされてるもんだと」
女神「・・・・・・わーん!男ー!あの悪霊がひどいこと言いますー!」
影「・・・・・・」
男「相変わらずレスバも弱いな」
女神「わたくし地震は起こせないのですが」
男「信仰が欲しいんだって」
アリス「え?じゃあYouTuberでもすれば?女神も女神なだけあって見た目はいいし適当に配信すればそれなりの信者は獲得できるでしょ」
女神「女神がそんな俗っぽいことをしていいものですか!」
男「ホム娘に謝れ。YouTuber目指してる末っ子天使もいるんだから土下座しろ」
女神「彼女らは彼女らで努力しているのは評価しますし、実際にホム娘の配信はわたくしとしましても素晴らしいものだとは思います。ですが、それを自分でやるとなると話は別です」
アリス「どのあたりが?」
女神「だってYouTuberって叩かれたりするじゃないですか!下手なこと出来ないじゃないですか!ただでさえわたくしは日常生活でも散々やらかしているというのに!」
アリス「自覚あったんだ」
女神「むしろなかったらそうとうヤバイやつじゃないですか?」
アリス「ないと思ってたからヤバい奴扱いされてるもんだと」
女神「・・・・・・わーん!男ー!あの悪霊がひどいこと言いますー!」
影「・・・・・・」
男「相変わらずレスバも弱いな」
6: ◆GiMcqKsVbQ 2020/05/11(月) 02:24:50.73 ID:haXgtzXW0
男「むしろ女神が勝てる相手って何なの?」
女神「女神としての力を解放すれば負けませんが」
アリス「信仰が足りなくてそれができないんでしょー」
女神「わたくし自身の生命力を使えば何とか・・・・・・しかしそれは最終手段です」
男「常日頃から生命力削るわけにはいかないしね。アリスに結界貼ってもらえば?」
女神「自前の悪に反応する結界なら貼っています。だから例えばカツアゲとか変質者には負けないのです」
アリス「つまり無邪気な子供とか動物の類には一切勝てないと」
女神「しかも面倒なことに他人の結界は排除してしまうのですよね、わたくしの結界が反応してしまって」
アリス「つまり物理面はどうしようもないと」
女神「ええ、本当に・・・・・・自分で言ってて悲しくなってきました」
影「・・・・・・」
女神「女神としての力を解放すれば負けませんが」
アリス「信仰が足りなくてそれができないんでしょー」
女神「わたくし自身の生命力を使えば何とか・・・・・・しかしそれは最終手段です」
男「常日頃から生命力削るわけにはいかないしね。アリスに結界貼ってもらえば?」
女神「自前の悪に反応する結界なら貼っています。だから例えばカツアゲとか変質者には負けないのです」
アリス「つまり無邪気な子供とか動物の類には一切勝てないと」
女神「しかも面倒なことに他人の結界は排除してしまうのですよね、わたくしの結界が反応してしまって」
アリス「つまり物理面はどうしようもないと」
女神「ええ、本当に・・・・・・自分で言ってて悲しくなってきました」
影「・・・・・・」
7: ◆GiMcqKsVbQ 2020/05/11(月) 02:25:27.76 ID:haXgtzXW0
アリス「女神ってほら、なにやっても弱いじゃん。アナログデジタル問わずゲームでもボコされるし」
女神「アナログデジタル問わずゲームで弱いのは少なからず憑りつき先が最低レベルの弱さを誇っているからですが」
男「これでも特訓はしてるんだけどなぁ」
アリス「あのね、1+1が理解できない人間がいくら筆算を特訓しても計算ができるようにはならないでしょ?」
女神「日本語の文構造がわからないのに英単語だけ覚えて英文を和訳しても中身がぐちゃぐちゃになりますよね?」
男「ロジハラだ!」
女神「仕返しです!」
影「・・・・・・」
女神「アナログデジタル問わずゲームで弱いのは少なからず憑りつき先が最低レベルの弱さを誇っているからですが」
男「これでも特訓はしてるんだけどなぁ」
アリス「あのね、1+1が理解できない人間がいくら筆算を特訓しても計算ができるようにはならないでしょ?」
女神「日本語の文構造がわからないのに英単語だけ覚えて英文を和訳しても中身がぐちゃぐちゃになりますよね?」
男「ロジハラだ!」
女神「仕返しです!」
影「・・・・・・」
8: ◆GiMcqKsVbQ 2020/05/11(月) 02:26:31.01 ID:haXgtzXW0
彼女「ただいま」
男「おかえり」
女神「来ましたね女狐、今日こそその息の根を完膚なきまでに止めて見せましょう!覚悟!」
彼女「はっ!」グキッ
女神「ぐぇっ」
男「ゲェーッ!あれは、マッスルスパークの前半技、『天』!!!」
アリス「SSじゃ何も伝わらないんだけど」
彼女「マッスルスパーク!」ズドン
女神「がはっ!」
アリス「おおー、見事なまでに返り討ち。これで314戦314敗だね、女神」
女神「な、なぜカウントしているん、ですか・・・・・・がく」
彼女「男くん、冷蔵庫補充しておくわね」
男「ありがとう。代金は適当に財布から抜いといて」
彼女「わかったわ」
アリス「なにごともなかったかのように進行するね」
男「いつものことだし」
彼女「女神さんは頑丈だから大丈夫でしょう」
影「・・・・・・」
男「おかえり」
女神「来ましたね女狐、今日こそその息の根を完膚なきまでに止めて見せましょう!覚悟!」
彼女「はっ!」グキッ
女神「ぐぇっ」
男「ゲェーッ!あれは、マッスルスパークの前半技、『天』!!!」
アリス「SSじゃ何も伝わらないんだけど」
彼女「マッスルスパーク!」ズドン
女神「がはっ!」
アリス「おおー、見事なまでに返り討ち。これで314戦314敗だね、女神」
女神「な、なぜカウントしているん、ですか・・・・・・がく」
彼女「男くん、冷蔵庫補充しておくわね」
男「ありがとう。代金は適当に財布から抜いといて」
彼女「わかったわ」
アリス「なにごともなかったかのように進行するね」
男「いつものことだし」
彼女「女神さんは頑丈だから大丈夫でしょう」
影「・・・・・・」
9: ◆GiMcqKsVbQ 2020/05/11(月) 02:27:26.01 ID:haXgtzXW0
アリス「さっきの攻防で女神の結界が発動しなかった理由について」
女神「マッスルスパークは敵意ではなく慈悲の心をもって放つ技です。よって、結界も悪判定しなかったのでしょう」
男「女神から襲ってるから正当防衛ってことだと思う」
彼女「アリス、お箸とか持っていってもらっていい?」
アリス「あいさ!今日の晩御飯何?」
彼女「和食ね。ほうれん草のおひたし、鯖の塩焼き、白菜と豚肉の煮物、わかめの味噌汁」
男「見事なまでの和食。毎日食べても飽きないラインナップだ。さすが僕の嫁」
彼女「もう、嫁はまだ早いでしょ。せめて男くんが卒業してからだって」
女神「うう、惚気ばかり・・・・・うらめしや、うらめしや・・・・・・」
アリス「はいはい表も飯屋。ごはんよそうけどどれだけ食べる?」
男「とりあえずは茶碗一杯」
女神「わたくしは少なめで」
彼女「私は普通。男くんと同じぐらいで」
アリス「あいよーっと。いれたよーっと。影は大盛ねー」フワフワ
男「ポルターガイストで運ぶの便利だね」
アリス「幽霊の嗜みだからねー」
男「ポルターガイストは趣味特技の部類なのか」
影「・・・・・・」
女神「マッスルスパークは敵意ではなく慈悲の心をもって放つ技です。よって、結界も悪判定しなかったのでしょう」
男「女神から襲ってるから正当防衛ってことだと思う」
彼女「アリス、お箸とか持っていってもらっていい?」
アリス「あいさ!今日の晩御飯何?」
彼女「和食ね。ほうれん草のおひたし、鯖の塩焼き、白菜と豚肉の煮物、わかめの味噌汁」
男「見事なまでの和食。毎日食べても飽きないラインナップだ。さすが僕の嫁」
彼女「もう、嫁はまだ早いでしょ。せめて男くんが卒業してからだって」
女神「うう、惚気ばかり・・・・・うらめしや、うらめしや・・・・・・」
アリス「はいはい表も飯屋。ごはんよそうけどどれだけ食べる?」
男「とりあえずは茶碗一杯」
女神「わたくしは少なめで」
彼女「私は普通。男くんと同じぐらいで」
アリス「あいよーっと。いれたよーっと。影は大盛ねー」フワフワ
男「ポルターガイストで運ぶの便利だね」
アリス「幽霊の嗜みだからねー」
男「ポルターガイストは趣味特技の部類なのか」
影「・・・・・・」
10: ◆GiMcqKsVbQ 2020/05/11(月) 02:29:55.85 ID:haXgtzXW0
女神「しかしですね、私が彼女に何度も敗北を喫しているのは紛れもなく信仰不足が原因です」
男「信仰さえあれば彼女に勝てると」
女神「ええ、もちろん」
アリス「でも彼女ってサブミッションを中心に極めてる系のバリバリのファイターだけど大丈夫?」
女神「も、もちろん!」
彼女「信仰はどうやったら集められるの?」
女神「やはりわたくしのことを畏れ敬う者が多ければ多いほど信仰が集まりますね」
彼女「そう。じゃあ少なくとも男くんと私とで二人分はあるのね。人間以外もカウントされるの?」
女神「一応作られた信仰でなければ森羅万象天地万物有象無象一切合切あらゆる存在から集めることはできますが・・・・・・ってちょっと待ってください。あなたも?」
彼女「ええ」
アリス「え、どこに畏れ敬う要素があるの?アリスちゃんかれこれ10年こいつと一緒にお兄ちゃんに憑りついてるけどこれにそんな要素皆無だよ?」
女神「こらそこの幽霊」
アリス「ダメダメな女神略して駄女神には正当な評価だと思うけど」
女神「・・・・・・うわーん!男ー!」
男「またか」
影「・・・・・・」
男「信仰さえあれば彼女に勝てると」
女神「ええ、もちろん」
アリス「でも彼女ってサブミッションを中心に極めてる系のバリバリのファイターだけど大丈夫?」
女神「も、もちろん!」
彼女「信仰はどうやったら集められるの?」
女神「やはりわたくしのことを畏れ敬う者が多ければ多いほど信仰が集まりますね」
彼女「そう。じゃあ少なくとも男くんと私とで二人分はあるのね。人間以外もカウントされるの?」
女神「一応作られた信仰でなければ森羅万象天地万物有象無象一切合切あらゆる存在から集めることはできますが・・・・・・ってちょっと待ってください。あなたも?」
彼女「ええ」
アリス「え、どこに畏れ敬う要素があるの?アリスちゃんかれこれ10年こいつと一緒にお兄ちゃんに憑りついてるけどこれにそんな要素皆無だよ?」
女神「こらそこの幽霊」
アリス「ダメダメな女神略して駄女神には正当な評価だと思うけど」
女神「・・・・・・うわーん!男ー!」
男「またか」
影「・・・・・・」
11: ◆GiMcqKsVbQ 2020/05/11(月) 02:31:44.94 ID:haXgtzXW0
彼女「例え信仰が失われ、力が衰えている状態でも男くんやその家族、周囲の人間を気にかけ、いざという時には守ってくれる心遣い」
彼女「神でありながらも人を見下すことなく、むしろ人の進化や文化を尊いものとして受け入れている寛容さ」
彼女「そして、自身も人の一部としてこの社会に交わり労働をこなし教えを乞い努力を欠かさない人間性」
彼女「これだけリスペクトできる要素があるのだから、敬意を払わないわけがないわ」
女神「ふ、ふーん。なるほど。まあ?いいんじゃないですか?わたくしもあなたのことを多少は認めてあげなくもないですよ」
アリス(チョロイ)
男(こうやって丸め込まれるから口でも勝てないんだよな)
影「・・・・・・」
彼女「神でありながらも人を見下すことなく、むしろ人の進化や文化を尊いものとして受け入れている寛容さ」
彼女「そして、自身も人の一部としてこの社会に交わり労働をこなし教えを乞い努力を欠かさない人間性」
彼女「これだけリスペクトできる要素があるのだから、敬意を払わないわけがないわ」
女神「ふ、ふーん。なるほど。まあ?いいんじゃないですか?わたくしもあなたのことを多少は認めてあげなくもないですよ」
アリス(チョロイ)
男(こうやって丸め込まれるから口でも勝てないんだよな)
影「・・・・・・」
12: ◆GiMcqKsVbQ 2020/05/11(月) 02:32:33.84 ID:haXgtzXW0
―翌日―
女神「男、暇です」
男「今講義受けてる最中だから静かにしてて」
女「アリスあたりと一緒に部室で遊んでたら?」
女神「あそこに行ったらめんどくさいやつらに絡まれるから嫌です」
悪魔「あ、暇ならちょっとお昼ごはん買いに行ってもらっていい?ほら、持ち帰りのカレー」
女神「神をパシリにつかうなどと、正気ですか!」
悪魔「いや、期間限定のメニューがあってさ、今日までなんだけど私3限あるから食べに行く余裕ないのよ。あとで好きな私物にサイン書くから」
女神「しかたありませんね。男とわたくしと悪魔と影で4人分でいいですか?」
アリス「私も食べるー」
女「あたしも」
女神「オーケー、わかりました。任せてください。男、自転車借りますね」
男「あいよ」
影「・・・・・・」
女神「男、暇です」
男「今講義受けてる最中だから静かにしてて」
女「アリスあたりと一緒に部室で遊んでたら?」
女神「あそこに行ったらめんどくさいやつらに絡まれるから嫌です」
悪魔「あ、暇ならちょっとお昼ごはん買いに行ってもらっていい?ほら、持ち帰りのカレー」
女神「神をパシリにつかうなどと、正気ですか!」
悪魔「いや、期間限定のメニューがあってさ、今日までなんだけど私3限あるから食べに行く余裕ないのよ。あとで好きな私物にサイン書くから」
女神「しかたありませんね。男とわたくしと悪魔と影で4人分でいいですか?」
アリス「私も食べるー」
女「あたしも」
女神「オーケー、わかりました。任せてください。男、自転車借りますね」
男「あいよ」
影「・・・・・・」
13: ◆GiMcqKsVbQ 2020/05/11(月) 02:33:48.29 ID:haXgtzXW0
悪魔「さーて、終わった終わった!あとは女神ちゃんを待つだけだ!」
男「距離的にはもうそろそろ戻ってきてもおかしくないんだけど・・・・・・っと、噂をすれば電話だ」prrrrrr
男「もしもし?」
女神『男ぉ・・・・・・申し訳ありません・・・・・・ひぐ、ぐすっ・・・・・・』
男「え、どうしたの?なにがあったの?」
女神『自転車を借りてカレーを買いに行ったんですが・・・・・・・その・・・・・・・ひぐっ』
男「もしかして、ダメになった?」
女神『はい・・・・・・地面に転がっていたペットボトルを踏んでしまい、バランスを崩して・・・・・・落として、少なくとも1人分・・・・・・』
男「わかった、大丈夫だからとりあえず戻ってきて。あとはなんとかするから」
女神『本当に、本当に申し訳ありません・・・・・・失礼します・・・・・・・ひっぐ』ピッ
悪魔「あー、えっと?」
男「・・・・・・・本日の敗北記録、ペットボトルっと」
アリス「ついに無生物に負けたか」
悪魔「ま、まあ戻ってきてからなんとかしよ?学食もあるからお昼は食べれるし」
女「はあぁ・・・・・・女神ちゃん相変わらずね・・・・・・ちゃんと戻ってきたらヨシヨシしてあげなくちゃ」
男「女神の尊厳とかその他諸々のためにやめてあげて」
影「・・・・・・」
男「距離的にはもうそろそろ戻ってきてもおかしくないんだけど・・・・・・っと、噂をすれば電話だ」prrrrrr
男「もしもし?」
女神『男ぉ・・・・・・申し訳ありません・・・・・・ひぐ、ぐすっ・・・・・・』
男「え、どうしたの?なにがあったの?」
女神『自転車を借りてカレーを買いに行ったんですが・・・・・・・その・・・・・・・ひぐっ』
男「もしかして、ダメになった?」
女神『はい・・・・・・地面に転がっていたペットボトルを踏んでしまい、バランスを崩して・・・・・・落として、少なくとも1人分・・・・・・』
男「わかった、大丈夫だからとりあえず戻ってきて。あとはなんとかするから」
女神『本当に、本当に申し訳ありません・・・・・・失礼します・・・・・・・ひっぐ』ピッ
悪魔「あー、えっと?」
男「・・・・・・・本日の敗北記録、ペットボトルっと」
アリス「ついに無生物に負けたか」
悪魔「ま、まあ戻ってきてからなんとかしよ?学食もあるからお昼は食べれるし」
女「はあぁ・・・・・・女神ちゃん相変わらずね・・・・・・ちゃんと戻ってきたらヨシヨシしてあげなくちゃ」
男「女神の尊厳とかその他諸々のためにやめてあげて」
影「・・・・・・」
14: ◆GiMcqKsVbQ 2020/05/11(月) 02:34:34.05 ID:haXgtzXW0
女神「意気込んで買いに行ったあげくこの体たらく、本当に申し訳ありません・・・・・・」
悪魔「大丈夫だって、ほら、ダメになったの一番上のやつだけだし」
男「5人分を6人で分けて、あとは学食で軽く食べればいいよ」
女神「このような失態をおかしておいてサインなどもらえません・・・・・・またの機会におねがいします」
悪魔「あ、そこ結構気にしてくれてたんだ。うん、サイン会来てくれればいつでもするから。明後日デパートでやるから来てね」
女「事情話してお皿借りてきたわ。これにとりわけましょ」
アリス「適当に軽食も買ってきたよ。お兄ちゃん、お釣り」
男「ん、2人ともありがとう」
女神「失敗をした上に全員にフォローされて・・・・・わたくしはダメダメの駄女神です・・・・・」
女「んなこと元々知ってるから今更でしょ」
女神「そうじゃないんです!信仰がぁ!」
女「大丈夫大丈夫、女神はかわいいってだけであたしから信仰もらえてるから大丈夫よー」ギュー
女神「ぐえっ、く、くるし、男、たすけ」
悪魔「こらー、木すらへし折る腕力でベアハッグすんなー」
女「ベアハッグじゃないわよ!」
男「ほら、女神。食べよう、な?」
女神「はい、いただきます・・・・・・」
影「・・・・・・」
悪魔「大丈夫だって、ほら、ダメになったの一番上のやつだけだし」
男「5人分を6人で分けて、あとは学食で軽く食べればいいよ」
女神「このような失態をおかしておいてサインなどもらえません・・・・・・またの機会におねがいします」
悪魔「あ、そこ結構気にしてくれてたんだ。うん、サイン会来てくれればいつでもするから。明後日デパートでやるから来てね」
女「事情話してお皿借りてきたわ。これにとりわけましょ」
アリス「適当に軽食も買ってきたよ。お兄ちゃん、お釣り」
男「ん、2人ともありがとう」
女神「失敗をした上に全員にフォローされて・・・・・わたくしはダメダメの駄女神です・・・・・」
女「んなこと元々知ってるから今更でしょ」
女神「そうじゃないんです!信仰がぁ!」
女「大丈夫大丈夫、女神はかわいいってだけであたしから信仰もらえてるから大丈夫よー」ギュー
女神「ぐえっ、く、くるし、男、たすけ」
悪魔「こらー、木すらへし折る腕力でベアハッグすんなー」
女「ベアハッグじゃないわよ!」
男「ほら、女神。食べよう、な?」
女神「はい、いただきます・・・・・・」
影「・・・・・・」
15: ◆GiMcqKsVbQ 2020/05/11(月) 02:35:17.05 ID:haXgtzXW0
女神「まあ終わったことは終わったことで仕方ないので切り替えます!今日もごはんはおいしかったです!」
悪魔「うんうん、それが一番だ!」
女「で、明後日のサイン会っていつも通り抽選?」
悪魔「人多かったらね。まあゲリラでやるしそんなに集まらないでしょ」
男「サイン会をゲリラでって改めて狂ってるよね」
悪魔「告知してたらなんだかんだ日本全国からファンが集まって大変なことになるし。地元に貢献するにはこっちの方がやりやすいのよ」
アリス「まあこうやって身内には情報流してるけどね」
悪魔「0人は嫌だからちゃんと来てね」
女神「もちろん!」
影「・・・・・・」
悪魔「うんうん、それが一番だ!」
女「で、明後日のサイン会っていつも通り抽選?」
悪魔「人多かったらね。まあゲリラでやるしそんなに集まらないでしょ」
男「サイン会をゲリラでって改めて狂ってるよね」
悪魔「告知してたらなんだかんだ日本全国からファンが集まって大変なことになるし。地元に貢献するにはこっちの方がやりやすいのよ」
アリス「まあこうやって身内には情報流してるけどね」
悪魔「0人は嫌だからちゃんと来てね」
女神「もちろん!」
影「・・・・・・」
16: ◆GiMcqKsVbQ 2020/05/11(月) 02:36:04.68 ID:haXgtzXW0
―当日―
ガヤガヤ
女神「・・・・・・抽選、外れました」
女「まあ、ドンマイ」
アリス「まあ不正してない証拠とも言えるし、前向きに考えよう」
男「この中で外れたのは女神だけか」
彼女「・・・・・・番号、交換しましょうか?」
女神「・・・・・・おねがいします」
影「・・・・・・」
ガヤガヤ
女神「・・・・・・抽選、外れました」
女「まあ、ドンマイ」
アリス「まあ不正してない証拠とも言えるし、前向きに考えよう」
男「この中で外れたのは女神だけか」
彼女「・・・・・・番号、交換しましょうか?」
女神「・・・・・・おねがいします」
影「・・・・・・」
17: ◆GiMcqKsVbQ 2020/05/11(月) 02:43:48.91 ID:haXgtzXW0
天使「下僕って魅力的ですよね」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1588522556/
↑と同じ世界、時間軸。ロボ娘とかホム娘もいる。
正義の女神ってことで正体がわかる人にはわかるかも。
この女神様もアリスちゃんも日本国籍を持ってます。女神の方は大型1種免許まで持ってます。このやらかし具合でどうやって取ったんだろ。
悪魔はアイマスのアイドルランクでいうとDからCの間ぐらいの知名度。歌手だけど。
彼女といい女といいこの世界の女子は戦闘力が高い。女神様も本気を出せば強いはず。本気を出せれば。
男君がなろう主人公並みに周りに女性侍らせてるけどこの状態を受け入れる彼女が一番寛容だと思う。
また気が向いたら似たようなの書きます。
合言葉は
アリスアリアリ(合言葉)
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1588522556/
↑と同じ世界、時間軸。ロボ娘とかホム娘もいる。
正義の女神ってことで正体がわかる人にはわかるかも。
この女神様もアリスちゃんも日本国籍を持ってます。女神の方は大型1種免許まで持ってます。このやらかし具合でどうやって取ったんだろ。
悪魔はアイマスのアイドルランクでいうとDからCの間ぐらいの知名度。歌手だけど。
彼女といい女といいこの世界の女子は戦闘力が高い。女神様も本気を出せば強いはず。本気を出せれば。
男君がなろう主人公並みに周りに女性侍らせてるけどこの状態を受け入れる彼女が一番寛容だと思う。
また気が向いたら似たようなの書きます。
合言葉は
アリスアリアリ(合言葉)
引用元: ・女神「私は!負けない!」
男「魔法のランプをヤフオクで落札したぞ!」
2020-12-10
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/21(水) 20:55:06.91 ID:IY12AGLZ0
彼女「まーた無駄な買い物してー……。いくらしたの……?」
男「7万」
彼女「な、7万?!」
男「7万でどんな願いも叶うかと思えば安いもんだろ?」ハハハ
彼女「アホかアンタは! 偽物に決まってるでしょ!」
男「でも商品の説明欄には本物って……」
彼女「本物の魔法のランプを7万で売ると思う? 売るくらいならそのランプに大金持ちにして貰えばいいじゃん」
男「あ……」
彼女「仮に本物だったとして、それはもう使用済みのランプじゃないの?」
男「騙されたかもしれない……」
彼女「かもしれないじゃなくて騙されたの! ったくこのアホは……」ゴツン
男「俺の7万……」シクシク
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1521633306
男「7万」
彼女「な、7万?!」
男「7万でどんな願いも叶うかと思えば安いもんだろ?」ハハハ
彼女「アホかアンタは! 偽物に決まってるでしょ!」
男「でも商品の説明欄には本物って……」
彼女「本物の魔法のランプを7万で売ると思う? 売るくらいならそのランプに大金持ちにして貰えばいいじゃん」
男「あ……」
彼女「仮に本物だったとして、それはもう使用済みのランプじゃないの?」
男「騙されたかもしれない……」
彼女「かもしれないじゃなくて騙されたの! ったくこのアホは……」ゴツン
男「俺の7万……」シクシク
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1521633306
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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/21(水) 21:07:33.95 ID:IY12AGLZ0
彼女「……まぁ勉強になったと思って、諦めな。これからはもう少し他人を疑うことを覚えなさいな」
男「俺の……闇金で借りた……7万……」シクシク
彼女「はぁ?! 闇金で借りた?!」
男「貯金ないから返せないよぉ……」シクシク
彼女「なんでそんなとこで借りたの!」
男「だってどうせすぐ返せると思ってたから……。こんなことなら君から借りれば良かった……」
彼女「頼まれたところで貸さなかったけども! そ、それより闇金って利率いくらなの?」
男「十日で5割」
彼女「たっか! ウシジマくんか!」
男「こうなったらこのランプを10万5千で誰かに売るしか……」チラッ
彼女「こっち見るな! 要らんぞそんなもん!」
男「はぁ……」ショボン
男「俺の……闇金で借りた……7万……」シクシク
彼女「はぁ?! 闇金で借りた?!」
男「貯金ないから返せないよぉ……」シクシク
彼女「なんでそんなとこで借りたの!」
男「だってどうせすぐ返せると思ってたから……。こんなことなら君から借りれば良かった……」
彼女「頼まれたところで貸さなかったけども! そ、それより闇金って利率いくらなの?」
男「十日で5割」
彼女「たっか! ウシジマくんか!」
男「こうなったらこのランプを10万5千で誰かに売るしか……」チラッ
彼女「こっち見るな! 要らんぞそんなもん!」
男「はぁ……」ショボン
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/21(水) 21:22:57.71 ID:IY12AGLZ0
男「このランプが本物ならすべて丸く収まったのになぁ……」コスコス
彼女「死ぬ気でバイトすればなんとかなるって……」ポン
魔人「お呼びですか?」ボワン
男「うわっ! ランプの魔人!」
彼女「嘘っ?! 本物?!」
魔人「あれ、ご主人様が変わったんですか。今回は随分と純朴そうなご主人様で」
男「やった! 本物だ! これは本物の願いを叶える魔法のランプだったんだ!」ヤッホーウ
彼女「し、信じらんない……」
魔人「普通は皆さん信じないんですけどね」
男「何叶えて貰おうかな……。と、とりあえず10億円欲しいな……」ワクワク
魔人「あ、すいません。元々三つだけ願いを叶えるルールなんですけど、前のご主人様が既に三つとも使っちゃいまして……」
男「へ?」
彼女「死ぬ気でバイトすればなんとかなるって……」ポン
魔人「お呼びですか?」ボワン
男「うわっ! ランプの魔人!」
彼女「嘘っ?! 本物?!」
魔人「あれ、ご主人様が変わったんですか。今回は随分と純朴そうなご主人様で」
男「やった! 本物だ! これは本物の願いを叶える魔法のランプだったんだ!」ヤッホーウ
彼女「し、信じらんない……」
魔人「普通は皆さん信じないんですけどね」
男「何叶えて貰おうかな……。と、とりあえず10億円欲しいな……」ワクワク
魔人「あ、すいません。元々三つだけ願いを叶えるルールなんですけど、前のご主人様が既に三つとも使っちゃいまして……」
男「へ?」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/21(水) 21:36:54.82 ID:IY12AGLZ0
彼女「やっぱ使用済みだったか……」ピッポッパ
男「え、でもランプの持ち主が変わったら願いの数もリセットされるんじゃ……」
魔人「それやっちゃうと家族で使いまわして大変なことになるので……」
男「そんな……」
彼女「もしもし、お父さん? たしか死ぬほどこき使えるバイト探してたよね? 今私の彼が……」プルルルルル
男「うおおおお?! 何とんでもない電話してんだ君! やだぞ、君のとこの寿司屋で働くなんて!」
彼女「だってすぐに返さないといけないんでしょ? 今からバイト始めて給料の前借なんて他ではできないよ」
男「でも君のお父さん、俺のこと目の敵にしてるじゃないか!」
彼女「これを機会に仲良くなっちゃえば?」
魔人「なんかすごくお金に困ってるみたいですね……」
男「そうだぞ! このランプ買うために借金しちゃったんだぞ! それなのにお前がよく分からん自分ルールとか持ち出すから!」ウワアアアアアン
魔人「そういえばいくらで売られたんですか、私?」
男「7万もしたんだぞこの野郎!」シクシク
魔人「な、7万?!」
男「な? 高すぎるだろ?!」
魔人「安すぎる!」
男「え?」
男「え、でもランプの持ち主が変わったら願いの数もリセットされるんじゃ……」
魔人「それやっちゃうと家族で使いまわして大変なことになるので……」
男「そんな……」
彼女「もしもし、お父さん? たしか死ぬほどこき使えるバイト探してたよね? 今私の彼が……」プルルルルル
男「うおおおお?! 何とんでもない電話してんだ君! やだぞ、君のとこの寿司屋で働くなんて!」
彼女「だってすぐに返さないといけないんでしょ? 今からバイト始めて給料の前借なんて他ではできないよ」
男「でも君のお父さん、俺のこと目の敵にしてるじゃないか!」
彼女「これを機会に仲良くなっちゃえば?」
魔人「なんかすごくお金に困ってるみたいですね……」
男「そうだぞ! このランプ買うために借金しちゃったんだぞ! それなのにお前がよく分からん自分ルールとか持ち出すから!」ウワアアアアアン
魔人「そういえばいくらで売られたんですか、私?」
男「7万もしたんだぞこの野郎!」シクシク
魔人「な、7万?!」
男「な? 高すぎるだろ?!」
魔人「安すぎる!」
男「え?」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/21(水) 21:49:45.81 ID:IY12AGLZ0
魔人「そりゃあもう私が願いを叶えてあげられないとしてもですよ! それでも話し相手になったり、歌を歌ったり、ファッションチェックしたり、色々してあげたのに!」
彼女「それ、結構ウザがられてたんじゃ……」
魔人「それなのにこの私をたった7万で売るとは! だいたいあの人、既に億万長者でしょうが! どこまで金の亡者なんですか!」ムキイイイ
男「前の持ち主は億万長者なのか……。いいなぁ……」
魔人「こうなったらご主人様の願いも叶えて差し上げますよ!」
男「え、いいの?!」ワアオ
魔人「いいですとも! 私を7万で売ったことを後悔させてやる!」
彼女「それ、結構ウザがられてたんじゃ……」
魔人「それなのにこの私をたった7万で売るとは! だいたいあの人、既に億万長者でしょうが! どこまで金の亡者なんですか!」ムキイイイ
男「前の持ち主は億万長者なのか……。いいなぁ……」
魔人「こうなったらご主人様の願いも叶えて差し上げますよ!」
男「え、いいの?!」ワアオ
魔人「いいですとも! 私を7万で売ったことを後悔させてやる!」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/21(水) 22:25:10.68 ID:IY12AGLZ0
男「じゃ、じゃあ10億……いや10兆円……待て待て、せっかくならもっと大きい桁の方が……。兆の次ってなんだっけ?」
彼女「京」
男「それだ! 1000京億兆万円ほしい!」
魔人「なんですかその意味不明な単位。あと、あまりに大きすぎる場合は却下しますよ」
男「何で?!」
魔人「多額のお金を突然生み出したら、経済が滅茶苦茶になるからです」
彼女「なるほど……」
魔人「まぁ生み出さなくてもかき集めることだって出来ますけど、それでもオススメはしませんね。人間、突然金持ちになったらおかしくなってしまうもんです」
男「俺は大丈夫だから! 俺は優しい億万長者になるから!」
彼女「目が¥になってんのによく言う……」
魔人「前のご主人様も最初の内は貧乏な心優しい青年だったのに……。絶対に許しません……」
彼女「まぁ借金返す分くらいは貰ってもいいんじゃない?」
魔人「それなら全然オッケーですよ。いくら返さなきゃなんないんです?」
男「1千万!」
彼女「何嘘ついてんだ」ゴチン
魔人「さっき7万払うために借りたって言ってたじゃないですか……」
彼女「京」
男「それだ! 1000京億兆万円ほしい!」
魔人「なんですかその意味不明な単位。あと、あまりに大きすぎる場合は却下しますよ」
男「何で?!」
魔人「多額のお金を突然生み出したら、経済が滅茶苦茶になるからです」
彼女「なるほど……」
魔人「まぁ生み出さなくてもかき集めることだって出来ますけど、それでもオススメはしませんね。人間、突然金持ちになったらおかしくなってしまうもんです」
男「俺は大丈夫だから! 俺は優しい億万長者になるから!」
彼女「目が¥になってんのによく言う……」
魔人「前のご主人様も最初の内は貧乏な心優しい青年だったのに……。絶対に許しません……」
彼女「まぁ借金返す分くらいは貰ってもいいんじゃない?」
魔人「それなら全然オッケーですよ。いくら返さなきゃなんないんです?」
男「1千万!」
彼女「何嘘ついてんだ」ゴチン
魔人「さっき7万払うために借りたって言ってたじゃないですか……」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/21(水) 22:50:13.29 ID:IY12AGLZ0
彼女「10万5千返さなきゃなんないんだって」
男「うわああ! 何ホントのこと言ってんだ君!」
魔人「10万5千円ですね。お安い御用です」ポンッ
男「そんな!」
彼女「良かったじゃん。これで借金返せるし」
男「いいもんか! これじゃ手元に何も残らないだろ! お金さえあればスーパーカーだって豪邸だって何だって買えるんだぞ!」
彼女「お金なんかなくったって幸せになれるって」
男「お金がなくちゃ、一生遊んで暮らせないだろ!」
魔人「そんな事言ってる人にお金なんか出しませんよ」
彼女「それにどうせうちの店継がなきゃなんないんだから」アハハ
男「やだよ! 寿司屋なんて御免だよ!」
彼女「私はね、貧乏でもいいから二人で店を継いで、子どもを産んで、温かい家庭を作れたらそれでいい。それが私のささやかな夢」
魔人「いいですね、その等身大の幸せ! 喜んで協力しますよ!」
男「うわああ! 何ホントのこと言ってんだ君!」
魔人「10万5千円ですね。お安い御用です」ポンッ
男「そんな!」
彼女「良かったじゃん。これで借金返せるし」
男「いいもんか! これじゃ手元に何も残らないだろ! お金さえあればスーパーカーだって豪邸だって何だって買えるんだぞ!」
彼女「お金なんかなくったって幸せになれるって」
男「お金がなくちゃ、一生遊んで暮らせないだろ!」
魔人「そんな事言ってる人にお金なんか出しませんよ」
彼女「それにどうせうちの店継がなきゃなんないんだから」アハハ
男「やだよ! 寿司屋なんて御免だよ!」
彼女「私はね、貧乏でもいいから二人で店を継いで、子どもを産んで、温かい家庭を作れたらそれでいい。それが私のささやかな夢」
魔人「いいですね、その等身大の幸せ! 喜んで協力しますよ!」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/21(水) 23:06:09.08 ID:IY12AGLZ0
男「……じゃあ金以外だったら何叶えてくれるってんだい」ブスッ
魔人「前のご主人様はお金で買えないものをご所望でしたね。心優しい美人な奥さんが欲しいとか。あのお願いは結構苦労しましたよ」ハハハ
男「ほう……///」
彼女「なに鼻の下伸ばしてんだアンタ。私がいるから関係ないでしょうが」ギュウウ
男「痛い痛い! まだ何も言ってない! 俺の夢はもっと壮大! 現代の大奥を作り出すんだ!」
彼女「すいません、この馬鹿をもうちょっと賢くしてあげて」
魔人「かしこまりました」ソレッ
男「ああ! そんなこと頼んでないのに! 大変遺憾だ!」
彼女「あ、ちょっと賢くなってる」
魔人「これで二つ叶えましたね。あと一つはどうします?」
男「え、あと一つだけ?!」
魔人「はい、三つまでですので」
魔人「前のご主人様はお金で買えないものをご所望でしたね。心優しい美人な奥さんが欲しいとか。あのお願いは結構苦労しましたよ」ハハハ
男「ほう……///」
彼女「なに鼻の下伸ばしてんだアンタ。私がいるから関係ないでしょうが」ギュウウ
男「痛い痛い! まだ何も言ってない! 俺の夢はもっと壮大! 現代の大奥を作り出すんだ!」
彼女「すいません、この馬鹿をもうちょっと賢くしてあげて」
魔人「かしこまりました」ソレッ
男「ああ! そんなこと頼んでないのに! 大変遺憾だ!」
彼女「あ、ちょっと賢くなってる」
魔人「これで二つ叶えましたね。あと一つはどうします?」
男「え、あと一つだけ?!」
魔人「はい、三つまでですので」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/21(水) 23:21:38.68 ID:IY12AGLZ0
男「うーん、あと一つだけかと思うと下手なお願いはできないぞ……」
彼女「必要に迫られるまでとっておいたら? もしかしたら私が交通事故に遭うかもしれないし」
男「なるほど、そうなってからハーレムのお願いをしろと?」
彼女「すいません、まだちょっと賢さが足らなかったみたいだから、せめて一般人くらいの知能指数にしてもらえる?」ゴチンゴチン
男「痛い痛い! そんなに頭殴ったら馬鹿になる!」
魔人「だ、大丈夫ですよ、二つ目のお願いはじわじわと効いてきますから……。だからもっと別のお願いの方が……」
彼女「必要に迫られるまでとっておいたら? もしかしたら私が交通事故に遭うかもしれないし」
男「なるほど、そうなってからハーレムのお願いをしろと?」
彼女「すいません、まだちょっと賢さが足らなかったみたいだから、せめて一般人くらいの知能指数にしてもらえる?」ゴチンゴチン
男「痛い痛い! そんなに頭殴ったら馬鹿になる!」
魔人「だ、大丈夫ですよ、二つ目のお願いはじわじわと効いてきますから……。だからもっと別のお願いの方が……」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/21(水) 23:37:26.37 ID:IY12AGLZ0
彼女「まぁとっておいたとしても、その後もっと窮地に立たされるかもしれないと思えば結局使えなくなるしね……。私が死んだ後でハーレム作られるくらいなら、今使っちゃった方がいいのかも」
男「しかし金もダメ、女もダメとなれば何も思いつかないな」
彼女「アンタの頭のなかは金と女しかないのか」
魔人「あとは地位とか名声ですかね。名声が欲しければ巨大隕石を落下させて、命と引き換えに地球を救うみたいなのもできますけど」
彼女「なにソレ、泣ける」
男「どこのアルマゲドンだよ! そもそも地位も名声も興味ない!」
魔人「じゃあ今起こってるささやかな問題を解決しちゃいますか。何か困ってることはないんですか?」
男「いや、特には……」
彼女「あ、一つあった!」
男「へ?」
男「しかし金もダメ、女もダメとなれば何も思いつかないな」
彼女「アンタの頭のなかは金と女しかないのか」
魔人「あとは地位とか名声ですかね。名声が欲しければ巨大隕石を落下させて、命と引き換えに地球を救うみたいなのもできますけど」
彼女「なにソレ、泣ける」
男「どこのアルマゲドンだよ! そもそも地位も名声も興味ない!」
魔人「じゃあ今起こってるささやかな問題を解決しちゃいますか。何か困ってることはないんですか?」
男「いや、特には……」
彼女「あ、一つあった!」
男「へ?」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/21(水) 23:47:52.39 ID:IY12AGLZ0
***
彼女父「だーからおめぇ! 握り方が違うっつってんだろ!」ペシッ
男「ううう……」シクシク
彼女父「ちょ、泣くんじゃねえよオイ……。何もお前が嫌いだから厳しくしてんじゃねえんだ。寧ろお前のことが好きでたまらんからだな……///」
男「た、大将……///」
彼女「……。いや、確かにお父さんと彼を仲良くして欲しいとは言ったけどさ……」ウヘエ
魔人「すいません、匙加減が難しくて……。でも私、こういうの嫌いじゃないです///」ハアハア
彼女「……まぁいいや」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/21(水) 23:48:24.54 ID:IY12AGLZ0
おしまい
お化けギャルソン「怪談レストランへようこそ」
2020-12-06
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/27(金) 14:54:58.67 ID:c8wXWJ790
お化けギャルソン「怪談レストランへようこそ。私支配人のお化けギャルソンです。」
ギャルソン「お久しぶりですね。なぜに今更と思われるかもしれませんが」
ギャルソン「理由といえばこんな暑い日は肝の冷えるような思いをするのも」
ギャルソン「それもまた風流ではないでしょうか。」
ギャルソン「本日は特別メニューを準備致しましたので、僭越ながら私がご案内しましょう。」
ギャルソン「前菜は忍び寄る音の気配、”近づく音”」
ギャルソン「メインディッシュは逃げ場のない密室からの使者”悪魔のエレベーター”」
ギャルソン「デザートは常夏の琉球に伝わるお話”赤い子と青い子”」
ギャルソン「外部より素材を取り寄せたものになりますので味付けが少々特殊になっております。」
ギャルソン「それではまずは前菜の近づく音のサラダによく冷えたドレッシングをかけておりますので心まで冷えるでしょう」
ガチャ
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1532670898
ギャルソン「お久しぶりですね。なぜに今更と思われるかもしれませんが」
ギャルソン「理由といえばこんな暑い日は肝の冷えるような思いをするのも」
ギャルソン「それもまた風流ではないでしょうか。」
ギャルソン「本日は特別メニューを準備致しましたので、僭越ながら私がご案内しましょう。」
ギャルソン「前菜は忍び寄る音の気配、”近づく音”」
ギャルソン「メインディッシュは逃げ場のない密室からの使者”悪魔のエレベーター”」
ギャルソン「デザートは常夏の琉球に伝わるお話”赤い子と青い子”」
ギャルソン「外部より素材を取り寄せたものになりますので味付けが少々特殊になっております。」
ギャルソン「それではまずは前菜の近づく音のサラダによく冷えたドレッシングをかけておりますので心まで冷えるでしょう」
ガチャ
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1532670898
関連
ハルヒ「SOS団で恋の暴露大会をするわよ!」
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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/27(金) 15:14:14.03 ID:c8wXWJ790
ショウ「うわばきおばあちゃん?」
アンコ「うん。最近流行ってるらしいの」
アンコ「うわばきおばあちゃんに目をつけられた人には近づいて来るらしいの」
ショウ「近づいて来るって何が?」
アンコ「姿かたちは見えないんだけど上履き同士を打ち付けたようなパンパンって音が来るんだって」
レイコ「またあんたたちそんな話しているの?」
レイコ「大体姿かたちは見えないのになんで上履きってわかるのよ」
ショウ「それに追いつかれたらどうなるのかも気になるな」
アンコ「わからないわよ。聞いただけなんだし」
ショウ「誰から聞いたんだい?」
アンコ「マリから聞いたけど。マリも友達から聞いたって行っていたわ」
ショウ「…」
レイコ「ほらね噂なんてそんなもんよ」
アンコ「私にいわないでよ!…でもインターネットで調べても出てくるらしいよ」
アンコ「うん。最近流行ってるらしいの」
アンコ「うわばきおばあちゃんに目をつけられた人には近づいて来るらしいの」
ショウ「近づいて来るって何が?」
アンコ「姿かたちは見えないんだけど上履き同士を打ち付けたようなパンパンって音が来るんだって」
レイコ「またあんたたちそんな話しているの?」
レイコ「大体姿かたちは見えないのになんで上履きってわかるのよ」
ショウ「それに追いつかれたらどうなるのかも気になるな」
アンコ「わからないわよ。聞いただけなんだし」
ショウ「誰から聞いたんだい?」
アンコ「マリから聞いたけど。マリも友達から聞いたって行っていたわ」
ショウ「…」
レイコ「ほらね噂なんてそんなもんよ」
アンコ「私にいわないでよ!…でもインターネットで調べても出てくるらしいよ」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/27(金) 15:31:31.07 ID:c8wXWJ790
ショウ「それなら今から調べにPC室に行こう」
アンコ「ええー、やだよ。鍵を借りに行くのめんどくさいし」
レイコ「それなら大丈夫よ。私が丁度鍵を持っているし」
アンコ「うへぇ」
近づく音
ショウ「検索ワードはうわばきおばあちゃんでいいのかな」カタカタ
レイコ「へぇ、ショウくんってブラインドタッチ出来るのね」
アンコ「ぶらいんどたっち?」
レイコ「あらそんなことも知らないの?」
ショウ「キーボードを見ないでタイピングをすることさ。よく知ってるね」
レイコ「最近家にパソコンが来てね。ネットサーフィンにはまっていてこういう言葉も一通り調べたのよ」
アンコ「ふーん、それでレイコはできるの?ぶらいんどたっち」
レイコ「…」
ショウ「覚えたばかりの言葉をすぐ使いたくなるんだね」
レイコ「う…うるさい!!」
アンコ「ええー、やだよ。鍵を借りに行くのめんどくさいし」
レイコ「それなら大丈夫よ。私が丁度鍵を持っているし」
アンコ「うへぇ」
近づく音
ショウ「検索ワードはうわばきおばあちゃんでいいのかな」カタカタ
レイコ「へぇ、ショウくんってブラインドタッチ出来るのね」
アンコ「ぶらいんどたっち?」
レイコ「あらそんなことも知らないの?」
ショウ「キーボードを見ないでタイピングをすることさ。よく知ってるね」
レイコ「最近家にパソコンが来てね。ネットサーフィンにはまっていてこういう言葉も一通り調べたのよ」
アンコ「ふーん、それでレイコはできるの?ぶらいんどたっち」
レイコ「…」
ショウ「覚えたばかりの言葉をすぐ使いたくなるんだね」
レイコ「う…うるさい!!」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/27(金) 15:50:34.99 ID:c8wXWJ790
ショウ「うーんだめだ。さっき聞いた話と同じ事しか書いてないや」
アンコ「というかホントにあったんだ」
レイコ「収穫無しってことね」
ショウ「追いつかれたあとどうなるかも書いてないし、追いかけられた時の逃げ方も書いてないな」
アンコ「そ…それじゃあ追いかけられたらどうしよう」
ショウ「目をつけられないことを祈るしかないね」
レイコ「まったく馬鹿馬鹿しいわね。鍵を返しに行きましょう」ガラガラ
パンパンパンパンパンパンパンパンパンパン
アンコ「うひっ!」
レイコ「ヒッ!!」
アンコ「こ…この音って…うわばきおばあちゃん?」
ユウマ「プククク、見たかよ今の顔」
タクマ「うひっだってさ」
レイコ「あ…アンタたちいいいいいいいいいいいいいい!!!」
ユウマ「やっべぇ逃げろぉ!!」ダダダダダ
ショウ「追われるときはあんな音が聞こえるのかな」
アンコ「…冷静だね」
アンコ「というかホントにあったんだ」
レイコ「収穫無しってことね」
ショウ「追いつかれたあとどうなるかも書いてないし、追いかけられた時の逃げ方も書いてないな」
アンコ「そ…それじゃあ追いかけられたらどうしよう」
ショウ「目をつけられないことを祈るしかないね」
レイコ「まったく馬鹿馬鹿しいわね。鍵を返しに行きましょう」ガラガラ
パンパンパンパンパンパンパンパンパンパン
アンコ「うひっ!」
レイコ「ヒッ!!」
アンコ「こ…この音って…うわばきおばあちゃん?」
ユウマ「プククク、見たかよ今の顔」
タクマ「うひっだってさ」
レイコ「あ…アンタたちいいいいいいいいいいいいいい!!!」
ユウマ「やっべぇ逃げろぉ!!」ダダダダダ
ショウ「追われるときはあんな音が聞こえるのかな」
アンコ「…冷静だね」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/27(金) 16:10:08.11 ID:c8wXWJ790
放課後
ショウ「今日はどこに行こうか」
アンコ「怖くないところがいいなぁ」
ショウ「それならあそこの古いマンションに行こう」
アンコ「そこも出るって有名なところじゃない!」
レイコ「あら今日も探検?」
アンコ「うわまた来たよ」
レイコ「なんかいった?」
アンコ「べ…別に」
レイコ「今日はたまたま暇だから付き合ってあげるわ」
ショウ「たまたまねぇ」フッ
パンパンパンパンパンパン
アンコ「ん?」
ショウ「どうかしたのかい?」
アンコ「いやなんかパンパンって音が聞こえたような」
レイコ「また?ユウマくんたちの仕業じゃないの」
ユウマ「呼んだか?」
アンコ「あ、あれぇ?」
ショウ「アンコ、音はどこから聞こえてきたんだ?」
アンコ「もう聞こえないし、すごく遠くからだったからわからないよ」
ショウ「今日はどこに行こうか」
アンコ「怖くないところがいいなぁ」
ショウ「それならあそこの古いマンションに行こう」
アンコ「そこも出るって有名なところじゃない!」
レイコ「あら今日も探検?」
アンコ「うわまた来たよ」
レイコ「なんかいった?」
アンコ「べ…別に」
レイコ「今日はたまたま暇だから付き合ってあげるわ」
ショウ「たまたまねぇ」フッ
パンパンパンパンパンパン
アンコ「ん?」
ショウ「どうかしたのかい?」
アンコ「いやなんかパンパンって音が聞こえたような」
レイコ「また?ユウマくんたちの仕業じゃないの」
ユウマ「呼んだか?」
アンコ「あ、あれぇ?」
ショウ「アンコ、音はどこから聞こえてきたんだ?」
アンコ「もう聞こえないし、すごく遠くからだったからわからないよ」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/27(金) 16:32:49.49 ID:c8wXWJ790
翌日
ショウ「アンコあれからあの音は聞こえたか?」
アンコ「ううん」
パンパンパンパンパンパンパンパン
ショウ「!」
ユウマ「あれ、今日は驚かねぇな」
タクマ「つまんねーの」
アンコ「…」
ショウ「どうしたんだい?」
アンコ「なんか違うの。昨日聞いた音と少し違うの」
レイコ「あらまたその話?」
ショウ「うん。どうやら上履きの音と少し異なるようなんだ」
レイコ「そんなのただの空耳に違いないわ」
アンコ「そんなわけな…
パンパンパンパンパンパンパンパン
アンコ「!!また聞こえた。」
ショウ「なんだって!?」
アンコ「それに昨日より近いし…何この音」ガタガタ
レイコ「アンコ…?」
ショウ「大丈夫かアンコ、しっかりしろ!」
アンコ「う…ううん。聞こえなくなった」ガタガタ
ショウ「どんな音だったんだ」
アンコ「わからない…わからないけどすごく嫌な音だった。」ガタガタ
ショウ「アンコあれからあの音は聞こえたか?」
アンコ「ううん」
パンパンパンパンパンパンパンパン
ショウ「!」
ユウマ「あれ、今日は驚かねぇな」
タクマ「つまんねーの」
アンコ「…」
ショウ「どうしたんだい?」
アンコ「なんか違うの。昨日聞いた音と少し違うの」
レイコ「あらまたその話?」
ショウ「うん。どうやら上履きの音と少し異なるようなんだ」
レイコ「そんなのただの空耳に違いないわ」
アンコ「そんなわけな…
パンパンパンパンパンパンパンパン
アンコ「!!また聞こえた。」
ショウ「なんだって!?」
アンコ「それに昨日より近いし…何この音」ガタガタ
レイコ「アンコ…?」
ショウ「大丈夫かアンコ、しっかりしろ!」
アンコ「う…ううん。聞こえなくなった」ガタガタ
ショウ「どんな音だったんだ」
アンコ「わからない…わからないけどすごく嫌な音だった。」ガタガタ
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/27(金) 16:45:12.52 ID:c8wXWJ790
そしてまた翌日
アンコ「…」ブルブルキョロキョロ
ショウ「アンコ…大丈夫か」
アンコ「あの後も聞こえてきてね…どんどん近づいてくるの」ガタガタ
ショウ「家で調べてみたけど解決方法がわからないんだ」
アンコ「追いつかれたらどうなるんだろう、嫌な予感がする」ガタガタ
ショウ「レイコも朝から見かけないし大丈夫かな」
ユウマ「タクマ肩パンやろうぜ!」
タクマ「やだよ痛いもん」
ユリ「何くだらないことやってんのよ」
ユウマ「うるせーな!行くぞ」
パン
アンコ「!!キャアアアアアアアアア」
ショウ「!」
ユウマ「!?」ビクッ
アンコ「…」ブルブルキョロキョロ
ショウ「アンコ…大丈夫か」
アンコ「あの後も聞こえてきてね…どんどん近づいてくるの」ガタガタ
ショウ「家で調べてみたけど解決方法がわからないんだ」
アンコ「追いつかれたらどうなるんだろう、嫌な予感がする」ガタガタ
ショウ「レイコも朝から見かけないし大丈夫かな」
ユウマ「タクマ肩パンやろうぜ!」
タクマ「やだよ痛いもん」
ユリ「何くだらないことやってんのよ」
ユウマ「うるせーな!行くぞ」
パン
アンコ「!!キャアアアアアアアアア」
ショウ「!」
ユウマ「!?」ビクッ
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/27(金) 16:55:22.62 ID:c8wXWJ790
ショウ「どうしたんだ!?聞こえたのか」
アンコ「違う…違うんだけど。わかっちゃったの」
ショウ「わかったって、なにが?」
アンコ「あの音の正体が…」ガタガタ
ショウ「…」
アンコ「肉を…肉を叩く音なの…何度も何度も…」ガタガタ
ユウマ「お…おいアンコ大丈夫か。俺もう昨日みたいなことやんねーぞ」
パンパンパンパンパンパンパンパンパンパン
アンコ「き…聞こえる…ち…近づいてくる!!」ダダダダダダ
ショウ「アンコ!」ダダダダダダダ
アンコ「違う…違うんだけど。わかっちゃったの」
ショウ「わかったって、なにが?」
アンコ「あの音の正体が…」ガタガタ
ショウ「…」
アンコ「肉を…肉を叩く音なの…何度も何度も…」ガタガタ
ユウマ「お…おいアンコ大丈夫か。俺もう昨日みたいなことやんねーぞ」
パンパンパンパンパンパンパンパンパンパン
アンコ「き…聞こえる…ち…近づいてくる!!」ダダダダダダ
ショウ「アンコ!」ダダダダダダダ
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/27(金) 17:11:48.42 ID:c8wXWJ790
アンコ「いやあああああああああああああ」ダダダダダダダダ パンパンパン
ショウ「アンコ止まるんだ!」ダダダダダダダダ
アンコ「くる…近づいてくる」ダダダダダダダ パンパンパン
ショウ「!!アンコそこは交差点だ、止まれ!」
アンコ「!!」
ガシッ
トラック「プワァー」
レイコ「何やってるのよ危ないわね」
ショウ「レイコ!」
アンコ「れ…れいこ」
パンパンパンパン
アンコ「ひっ、ち…近くに来ている」
レイコ「!…アンコ、目を閉じて耳をふさいで!」
アンコ「ど…どうして」
レイコ「急いで!」
アンコ「う…うん」アセアセ
ショウ「何をやっているんだ」
レイコ「解決策よ」
パンパンパンパンパンパンパン
ショウ「この音は!」
レイコ「通り過ぎるまで待つの」
パンパンパンパンパンパン
パンパンパンパンパン
パンパンパン
パンパン
ショウ「アンコ止まるんだ!」ダダダダダダダダ
アンコ「くる…近づいてくる」ダダダダダダダ パンパンパン
ショウ「!!アンコそこは交差点だ、止まれ!」
アンコ「!!」
ガシッ
トラック「プワァー」
レイコ「何やってるのよ危ないわね」
ショウ「レイコ!」
アンコ「れ…れいこ」
パンパンパンパン
アンコ「ひっ、ち…近くに来ている」
レイコ「!…アンコ、目を閉じて耳をふさいで!」
アンコ「ど…どうして」
レイコ「急いで!」
アンコ「う…うん」アセアセ
ショウ「何をやっているんだ」
レイコ「解決策よ」
パンパンパンパンパンパンパン
ショウ「この音は!」
レイコ「通り過ぎるまで待つの」
パンパンパンパンパンパン
パンパンパンパンパン
パンパンパン
パンパン
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/27(金) 17:31:00.58 ID:c8wXWJ790
ショウ「通り過ぎたようだね」
レイコ「アンコ、もう目を開けてもいいのよ」
アンコ「ううう…」ブルブル
ショウ「耳をふさいでるから聞こえないんだよ」
レイコ「大丈夫ったら!」ガシッ
アンコ「きゃあああああああああ…ってもうだいじょうぶ?」
ショウ「それにしてもよく解決策を知ってたね」
アンコ「レイコ…目にくまが…調べてくれたの?」
レイコ「べ…別に、アンタがあんまりのも怯えているからよ」
ショウ「へぇーそれで、朝いなかったのか」
後からレイコが見たというサイトをインターネットで調べてみたけどなくなっていたという。
そのサイトにも追いつかれたあとはどうなるかは書いてなかったらしい
多分書いていなかったのは追いつかれた人がもうこの世にはいないからなんじゃないかと今にして思う。
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/27(金) 17:32:59.26 ID:c8wXWJ790
前菜終わり
イットフォローズに似てるなーと思ったけどあの映画ができる前に考えたやつだからセーフだと思いたい
というかあの映画見たことないし
イットフォローズに似てるなーと思ったけどあの映画ができる前に考えたやつだからセーフだと思いたい
というかあの映画見たことないし
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/27(金) 17:40:26.51 ID:c8wXWJ790
本編と関係ない小ネタ
ショウ「こ…これは」
アンコ「ショウくん知ってるよ」
アンコ「これは妖怪のせいね!」
ショウ「やめろぉ!」
ショウ「こ…これは」
アンコ「ショウくん知ってるよ」
アンコ「これは妖怪のせいね!」
ショウ「やめろぉ!」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/27(金) 17:58:29.73 ID:c8wXWJ790
アンコ「今日も暑いね」
ショウ「今年は記録的な猛暑らしいからね」
アンコ「もう汗止まんないよ」ダラダラ
レイコ「おはよう」
アンコ「あ、レイコおはよう」
ショウ「おはよう」
アンコ「すんすん…あれ、レイコなにかいい匂いがする」クンクン
レイコ「ちょ/////くっつかないでよ。汗をかくだろうと思って香水をつけてきただけよ/////」
ショウ「これはローズマリーの香りだね」
ショウ「ローズマリーには魔除けの効果があって儀式でもよく使われるようなハーブなんだ」
アンコ「へー」
レイコ「わ…私はそんな理由でつけてきてないわよ!」
ショウ「今年は記録的な猛暑らしいからね」
アンコ「もう汗止まんないよ」ダラダラ
レイコ「おはよう」
アンコ「あ、レイコおはよう」
ショウ「おはよう」
アンコ「すんすん…あれ、レイコなにかいい匂いがする」クンクン
レイコ「ちょ/////くっつかないでよ。汗をかくだろうと思って香水をつけてきただけよ/////」
ショウ「これはローズマリーの香りだね」
ショウ「ローズマリーには魔除けの効果があって儀式でもよく使われるようなハーブなんだ」
アンコ「へー」
レイコ「わ…私はそんな理由でつけてきてないわよ!」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/27(金) 18:16:19.78 ID:c8wXWJ790
放課後ホームルーム
ミチコ先生「今日はここまでです」
ミチコ先生「最後に連絡事項があるのだけれどあの山のそばの古いマンションだけれど」
ミチコ先生「取り壊しが決まったから近づいたりしないようにね」
一同「「「「はーい」」」」
ショウ「聞いたかいアンコ」
アンコ「聞いたよ…行くって言うんでしょ」
ショウ「あのマンションには悪魔が住むって言うんだ取り壊される前に行かなきゃもったいない」
アンコ「言うと思ったよ」
レイコ「やっぱり行くのね」
レイコ「悪魔が住むなんて馬鹿馬鹿しいけど、あのマンションは老朽化が進んでるし危ないから私も仕方なくついて行ってあげるわ」
アンコ「ええー」
レイコ「なんか言った?」
アンコ「べ…別に」
ショウ「素直じゃないなぁ」
悪魔のエレベーター
ミチコ先生「今日はここまでです」
ミチコ先生「最後に連絡事項があるのだけれどあの山のそばの古いマンションだけれど」
ミチコ先生「取り壊しが決まったから近づいたりしないようにね」
一同「「「「はーい」」」」
ショウ「聞いたかいアンコ」
アンコ「聞いたよ…行くって言うんでしょ」
ショウ「あのマンションには悪魔が住むって言うんだ取り壊される前に行かなきゃもったいない」
アンコ「言うと思ったよ」
レイコ「やっぱり行くのね」
レイコ「悪魔が住むなんて馬鹿馬鹿しいけど、あのマンションは老朽化が進んでるし危ないから私も仕方なくついて行ってあげるわ」
アンコ「ええー」
レイコ「なんか言った?」
アンコ「べ…別に」
ショウ「素直じゃないなぁ」
悪魔のエレベーター
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/27(金) 18:41:16.39 ID:c8wXWJ790
アンコ「ねぇやめようよ」
レイコ「ちょっと//////くっつかないでよ/////」
ショウ「噂だとマンションの中のエレベーターに乗り10階まで行くそして一度降りる」
ショウ「扉が一度しまったらもう一度ボタンを押して中に入る」
ショウ「そのあとに1階のボタンを押す。そうすると6階の時に悪魔が現れるらしい」
アンコ「なんで6階なのかな」
ショウ「6は忌数で悪魔の数字なんだ。まあ正確には666なんだけどね」
レイコ「なんか嘘くさいわね」
ショウ「まあ入ってみようよ」
レイコ「ちょっと//////くっつかないでよ/////」
ショウ「噂だとマンションの中のエレベーターに乗り10階まで行くそして一度降りる」
ショウ「扉が一度しまったらもう一度ボタンを押して中に入る」
ショウ「そのあとに1階のボタンを押す。そうすると6階の時に悪魔が現れるらしい」
アンコ「なんで6階なのかな」
ショウ「6は忌数で悪魔の数字なんだ。まあ正確には666なんだけどね」
レイコ「なんか嘘くさいわね」
ショウ「まあ入ってみようよ」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/27(金) 18:55:00.07 ID:c8wXWJ790
ショウ「まずは10階に行こうか」
アンコ「そもそもエレベーター動くのかな」
ポチッ
エレベーター「ウィーン」
アンコ「開いた…」
レイコ「…ゴク」
ショウ「よし行こう」
エレベーター「ウィーン」
アンコ「つ…着いたわね」
ショウ「ここで一度降りてもう一度乗り1階を押せば」
レイコ「馬鹿馬鹿しいわ、これなら住んでる人が使えないじゃないの」
アンコ「もう誰も住んでないよ」
レイコ「…」
アンコ「そもそもエレベーター動くのかな」
ポチッ
エレベーター「ウィーン」
アンコ「開いた…」
レイコ「…ゴク」
ショウ「よし行こう」
エレベーター「ウィーン」
アンコ「つ…着いたわね」
ショウ「ここで一度降りてもう一度乗り1階を押せば」
レイコ「馬鹿馬鹿しいわ、これなら住んでる人が使えないじゃないの」
アンコ「もう誰も住んでないよ」
レイコ「…」
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/27(金) 19:05:10.98 ID:c8wXWJ790
( 10 )
( )
( 09 )
( )
( 08 )
( )
( 07 )
ショウ「…」
レイコ「…」
アンコ「…ゴクリ」ブルブル
( )
( 06 )
( )
レイコ「な…なによ6階すぎても何もないじゃな…」
ガコン ギギギギギギギ
アンコ「う…うそ、エレベーターが6階に戻された!?」
ズズズズズズズズズズズ
ショウ「扉の向こうから何か来るぞ!」
( )
( 09 )
( )
( 08 )
( )
( 07 )
ショウ「…」
レイコ「…」
アンコ「…ゴクリ」ブルブル
( )
( 06 )
( )
レイコ「な…なによ6階すぎても何もないじゃな…」
ガコン ギギギギギギギ
アンコ「う…うそ、エレベーターが6階に戻された!?」
ズズズズズズズズズズズ
ショウ「扉の向こうから何か来るぞ!」
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/27(金) 19:20:12.59 ID:c8wXWJ790
レイコ「な…なによあれ!」
ズズズズズズズ ズズズズズズズズズ
アンコ「扉が開かない!?」ポチポチ
ショウ「あれがこのマンションに棲む悪魔の正体か!?」
ズズズズズズズ
アンコ「と…扉の前まできちゃったよ」
エレベーター「ガガガガ」
レイコ「なんで今開くのよ!」
ショウ「まずいぞこんな密室じゃどこにも逃げられないぞ!」
アンコ「ショ…ショウくんどうしよう」
ショウ「二人共何か持っていないか!?…魔除けの十字架とか」
レイコ「そんなもの持ち歩いてるわけ無いでしょ!」
エレベーター「ガガ…ガガガ」
アンコ「まずいよ、もうエレベーター開ききっちゃうよ」
ズズズズズズズ ズズズズズズズズズ
アンコ「扉が開かない!?」ポチポチ
ショウ「あれがこのマンションに棲む悪魔の正体か!?」
ズズズズズズズ
アンコ「と…扉の前まできちゃったよ」
エレベーター「ガガガガ」
レイコ「なんで今開くのよ!」
ショウ「まずいぞこんな密室じゃどこにも逃げられないぞ!」
アンコ「ショ…ショウくんどうしよう」
ショウ「二人共何か持っていないか!?…魔除けの十字架とか」
レイコ「そんなもの持ち歩いてるわけ無いでしょ!」
エレベーター「ガガ…ガガガ」
アンコ「まずいよ、もうエレベーター開ききっちゃうよ」
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/27(金) 19:30:29.29 ID:c8wXWJ790
ショウ「!! レイコ香水を持っているか!」
レイコ「も…持ってるけど」
アンコ「そうか、ローズマリーの香水だから魔除けが!」
ショウ「早くそれを!」
レイコ「これをどうするのよ」ヒュッ
パリーン
ズズズ ウァァ
アンコ「怯んでる!?」
ショウ「今のうちに扉を閉めるんだ」
エレベーター「ガガガガ」
ショウ「よし、このまま10階にいくぞ」
エレベーター「ウィーン」
レイコ「も…持ってるけど」
アンコ「そうか、ローズマリーの香水だから魔除けが!」
ショウ「早くそれを!」
レイコ「これをどうするのよ」ヒュッ
パリーン
ズズズ ウァァ
アンコ「怯んでる!?」
ショウ「今のうちに扉を閉めるんだ」
エレベーター「ガガガガ」
ショウ「よし、このまま10階にいくぞ」
エレベーター「ウィーン」
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/27(金) 19:42:13.38 ID:c8wXWJ790
( 10 )
アンコ「た…たすかったー」
ショウ「どうやら10階でこのエレベーターに乗った時からすでに引き込まれていたのかもしれないな」
レイコ「香水…高かったのになぁ」
ショウ「わざわざ叩き割らなくてもふりかけるだけで良かったのに」
レイコ「お…落としたのよ!」
アンコ「でもおかげで助かったね」
ショウ「さて帰ろうか」
レイコ「そうね、もう日も暮れるし」
アンコ「あのさ、帰りはやっぱりエレベーター使えないんだよね」
ショウ「またあれに遭遇したいのかい」
アンコ「やっぱりね…10階から階段でかぁ」ハハハ
エレベーター「ズズズズズズズズズズズズ」
おわり
アンコ「た…たすかったー」
ショウ「どうやら10階でこのエレベーターに乗った時からすでに引き込まれていたのかもしれないな」
レイコ「香水…高かったのになぁ」
ショウ「わざわざ叩き割らなくてもふりかけるだけで良かったのに」
レイコ「お…落としたのよ!」
アンコ「でもおかげで助かったね」
ショウ「さて帰ろうか」
レイコ「そうね、もう日も暮れるし」
アンコ「あのさ、帰りはやっぱりエレベーター使えないんだよね」
ショウ「またあれに遭遇したいのかい」
アンコ「やっぱりね…10階から階段でかぁ」ハハハ
エレベーター「ズズズズズズズズズズズズ」
おわり
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/27(金) 19:50:13.09 ID:c8wXWJ790
ギャルソン「怪談レストラン、本日の特別メニューはいかがでしたでしょうか」
ギャルソン「ご満足いただけたでしょうか?」
ギャルソン「ご満足いただけない?でしたらご自身に背筋の凍るような出来事を祈りましょう」
ギャルソン「少しは涼しくなるかもしれませんよ。しかしお気をつけください」
ギャルソン「未知なるものとの出会いはいつ来るかわからないのですからね」
ギャルソン「まあその前に当店でご用意したデザートをお召し上がりください」
ギャルソン「琉球の島に伝わるキジムナーと呼ばれる妖怪のお話です」
ギャルソン「ご満足いただけたでしょうか?」
ギャルソン「ご満足いただけない?でしたらご自身に背筋の凍るような出来事を祈りましょう」
ギャルソン「少しは涼しくなるかもしれませんよ。しかしお気をつけください」
ギャルソン「未知なるものとの出会いはいつ来るかわからないのですからね」
ギャルソン「まあその前に当店でご用意したデザートをお召し上がりください」
ギャルソン「琉球の島に伝わるキジムナーと呼ばれる妖怪のお話です」
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/27(金) 20:06:30.97 ID:c8wXWJ790
アンコ「これはね琉球の島に伝わる話なんだけどね」
赤い子青い子
琉球にはキジムナーって呼ばれるガジュマルっていう木に住む魚の目玉を好む子供の妖怪がいてね
漁師の船に赤いキジムナーが乗って、こう話すの
「魚の目玉をくれたら魚を大漁にとらせてやるよ。でも誰にもいっちゃダメだよ」
赤いキジムナーが乗るといつも大漁だった。漁師はお礼に魚の目玉を赤いキジムナーに上げていたんだ。
そんなある日青いキジムナーが船に乗ってきて言ってきたんだ。
「目玉をくれたら魚を大漁にとらせてやるよ。でも誰にもいっちゃダメだよ」
いつもと色が違うけど漁師は特に気に止めないでそのまま船を出した。
その日も大漁で漁師はいつものようにキジムナーに魚の目玉をあげようとしたんだ。
「だれが魚の目玉をくれって言ったんだ?」
漁師は青いキジムナーに目玉を取られてどこも見れないながらもかろうじで浜に戻ってこれたんだ。
「どうしたんだ、大丈夫か。誰にやられた!?」
「き…キジムナーに、キジムナーに」
「誰にも言うなって言ったよね」
アンコ「最後のキジムナーはどっちのキジムナーだったんだろうね」
おわり
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/27(金) 20:08:08.94 ID:c8wXWJ790
アニメ二期か誰かが学校の怪談のクロスSSを書いてくれることを祈る
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/07/27(金) 21:27:06.60 ID:jl9u4qx3o
また懐かしいアニメ持ってきたな
おつ
おつ
歴史の偉人「現世によみがえったら、ワシの扱いがとんでもないことになってた」
2020-11-05
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/08(火) 19:17:47.67 ID:3pYwsTG30
偉人「ワシは遠い昔に死んだはずの人間である」
偉人「しかし、ある目的があって、一時的に現世によみがえる許可を得た」
偉人「あまり時間はない……誰か現世の人間はおらんものか」キョロキョロ
子供「……」テクテク
偉人「おお、子供がいるではないか。さっそく話しかけてみよう」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1525774667
偉人「しかし、ある目的があって、一時的に現世によみがえる許可を得た」
偉人「あまり時間はない……誰か現世の人間はおらんものか」キョロキョロ
子供「……」テクテク
偉人「おお、子供がいるではないか。さっそく話しかけてみよう」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1525774667
関連
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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/08(火) 19:19:12.13 ID:3pYwsTG30
偉人「そこの子供よ」
子供「おじさん誰ー?」
偉人「ワシは~~と申す者だ。知っているか?」
子供「あー、知ってる知ってる!」
偉人「ホントか!?」
子供「えぇっと……昔、ある地方の領主をしてて、民のためを思って乱を起こした人でしょ?」
偉人「おおっ、よく分かっておるではないか。偉いぞ」
子供「おじさん誰ー?」
偉人「ワシは~~と申す者だ。知っているか?」
子供「あー、知ってる知ってる!」
偉人「ホントか!?」
子供「えぇっと……昔、ある地方の領主をしてて、民のためを思って乱を起こした人でしょ?」
偉人「おおっ、よく分かっておるではないか。偉いぞ」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/08(火) 19:21:03.71 ID:3pYwsTG30
子供「だって教科書に載ってるもん!」
偉人「教科書?」
子供「勉強のための本だよ。これ!」サッ
偉人「おお、後世に名が残ってるだけではなく、勉学の題材になっているとは光栄だ」
偉人「読んでもいいか?」
子供「いいよ!」
偉人「えーと、どれどれ……」
偉人「教科書?」
子供「勉強のための本だよ。これ!」サッ
偉人「おお、後世に名が残ってるだけではなく、勉学の題材になっているとは光栄だ」
偉人「読んでもいいか?」
子供「いいよ!」
偉人「えーと、どれどれ……」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/08(火) 19:23:04.56 ID:3pYwsTG30
『地方の領主~~は、○×の乱を起こすが、鎮圧された。しかし、この乱の影響で~』
偉人「え、ワシの記述これだけ!?」
子供「うん」
偉人「たった一行じゃん! ワシの起こしたあの壮絶な戦いが、一行で済まされてるじゃん!」
偉人「ワシと部下達の決起集会は!? ワシの考えた見事な伏兵作戦は!? ワシのあっぱれな最期は!?」
子供「教科書のスペースには限りがあるしね。おじさんのことばかり書いてられないでしょ」
偉人「うぐぐぐ……」
子供「まあまあ、教科書に載るだけでもすごいって!」
子供「世の中の殆どの人は教科書に載ることなんてないんだからさ」
偉人「そうかもしれんが……」
偉人「え、ワシの記述これだけ!?」
子供「うん」
偉人「たった一行じゃん! ワシの起こしたあの壮絶な戦いが、一行で済まされてるじゃん!」
偉人「ワシと部下達の決起集会は!? ワシの考えた見事な伏兵作戦は!? ワシのあっぱれな最期は!?」
子供「教科書のスペースには限りがあるしね。おじさんのことばかり書いてられないでしょ」
偉人「うぐぐぐ……」
子供「まあまあ、教科書に載るだけでもすごいって!」
子供「世の中の殆どの人は教科書に載ることなんてないんだからさ」
偉人「そうかもしれんが……」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/08(火) 19:25:22.07 ID:3pYwsTG30
子供「それと、資料集にはおじさんの肖像画が載ってるよ!」ペラペラ
偉人「お、どれどれ」
偉人「……似てねぇ~!」
子供「うん、似てないね」
偉人「そもそもワシ、誰かに絵を描かせた覚えないし……誰が描いたんだよ、これ!?」
子供「後世の絵描きが想像で描いたやつみたい」
偉人「ならば仕方ないか。まったく、実物はこんなに男前だというのに……」キリッ
子供「……」
偉人「コラコラ、そこで黙るな!」
偉人「お、どれどれ」
偉人「……似てねぇ~!」
子供「うん、似てないね」
偉人「そもそもワシ、誰かに絵を描かせた覚えないし……誰が描いたんだよ、これ!?」
子供「後世の絵描きが想像で描いたやつみたい」
偉人「ならば仕方ないか。まったく、実物はこんなに男前だというのに……」キリッ
子供「……」
偉人「コラコラ、そこで黙るな!」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/08(火) 19:27:24.09 ID:3pYwsTG30
子供「あ、もしかしたらWikipediaにはおじさんのこと、詳しく載ってるかも!」ポチポチ
偉人「うぃきぺでぃあ?」
子供「大抵のことはなんでも載ってる辞典みたいなもんだよ。あ、検索したら出てきた」
偉人「なんでも載ってるとは……すごいな」
子供「ま、誰でも編集できちゃうし、鵜呑みにするのは危険だけどね~」
子供「スマホはぼくが操作したげるから、とにかく読んでみなよ」
偉人「う、うむ……(なんだ、この不思議な道具は……)」
偉人「うぃきぺでぃあ?」
子供「大抵のことはなんでも載ってる辞典みたいなもんだよ。あ、検索したら出てきた」
偉人「なんでも載ってるとは……すごいな」
子供「ま、誰でも編集できちゃうし、鵜呑みにするのは危険だけどね~」
子供「スマホはぼくが操作したげるから、とにかく読んでみなよ」
偉人「う、うむ……(なんだ、この不思議な道具は……)」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/08(火) 19:29:22.45 ID:3pYwsTG30
偉人「おお、たしかに詳しく書いてあるな!」
偉人「ワシが子供の頃からの生い立ちまで書いてあるじゃないか! ちょっと恥ずかしい!」
子供「へぇ~、おじさん子供の頃はいたずら好きだったんだ」
偉人「うん、まぁな……」
『~~には発明家としての側面もあり、領民のために簡易な水汲み器を作ったとされる』
子供「おじさんは戦うだけじゃなく、発明もできたんだね」
偉人(まぁ、これ実際にはワシの側近が作ったのを、ワシが作ったことにしたんだけどね)
偉人「ワシが子供の頃からの生い立ちまで書いてあるじゃないか! ちょっと恥ずかしい!」
子供「へぇ~、おじさん子供の頃はいたずら好きだったんだ」
偉人「うん、まぁな……」
『~~には発明家としての側面もあり、領民のために簡易な水汲み器を作ったとされる』
子供「おじさんは戦うだけじゃなく、発明もできたんだね」
偉人(まぁ、これ実際にはワシの側近が作ったのを、ワシが作ったことにしたんだけどね)
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/08(火) 19:31:51.41 ID:3pYwsTG30
『しかし、これは実際には側近の発明であるというのが現在では通説である』
偉人「なんでバレてるのぉぉぉぉぉ!?」
子供「おじさん……人に作らせた宿題を先生に提出するようなことしてたんだね……」
偉人「あの時は、民からの支持を集めなきゃならなかったから、仕方ないことだったんだよ!」
偉人「なんでバレてるのぉぉぉぉぉ!?」
子供「おじさん……人に作らせた宿題を先生に提出するようなことしてたんだね……」
偉人「あの時は、民からの支持を集めなきゃならなかったから、仕方ないことだったんだよ!」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/08(火) 19:34:10.77 ID:3pYwsTG30
偉人「気を取り直して、≪評価≫という項目を見てみるか」
『~~の起こした乱は、敗れはしたものの、全国各地に影響を及ぼした。
歴史家の中には~~こそが、この時代の真の中心人物であると評する者もいる』
子供「すごい褒められてるね。真の中心人物だってさ」
偉人「うむうむ、よく分かっておるじゃないか」ニヤニヤ
『~~の起こした乱は、敗れはしたものの、全国各地に影響を及ぼした。
歴史家の中には~~こそが、この時代の真の中心人物であると評する者もいる』
子供「すごい褒められてるね。真の中心人物だってさ」
偉人「うむうむ、よく分かっておるじゃないか」ニヤニヤ
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/08(火) 19:35:37.26 ID:3pYwsTG30
『一方で、歴史作家の△△は、勝算の薄い乱を起こしたことはあまりにも考えがなく軽率であり、
いたずらに時代の混乱を招いた愚か者である、と酷評している』
偉人「誰だ、この△△とかいう奴は!」
偉人「今すぐここに呼んでこい! 説教してやる!」メキメキ…
子供「わーっ! 落ち着いてってば、おじさん! スマホ壊れちゃう!」
いたずらに時代の混乱を招いた愚か者である、と酷評している』
偉人「誰だ、この△△とかいう奴は!」
偉人「今すぐここに呼んでこい! 説教してやる!」メキメキ…
子供「わーっ! 落ち着いてってば、おじさん! スマホ壊れちゃう!」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/08(火) 19:37:45.36 ID:3pYwsTG30
偉人「うぃきぺでぃあとやらはこんなところか」
偉人「なにか他に、ワシのことを取り扱ってるものはないか?」
子供「そういえば、おじさんは何年か前ドラマになってたね。大河ドラマ!」
偉人「どらま?」
子供「まあ……おじさんを主役にした演劇のようなものかな」
偉人「ほう、ワシが演劇の題材に? どんな感じだ?」
子供「えーっと……」ポチポチ
偉人「なにか他に、ワシのことを取り扱ってるものはないか?」
子供「そういえば、おじさんは何年か前ドラマになってたね。大河ドラマ!」
偉人「どらま?」
子供「まあ……おじさんを主役にした演劇のようなものかな」
偉人「ほう、ワシが演劇の題材に? どんな感じだ?」
子供「えーっと……」ポチポチ
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/08(火) 19:39:51.05 ID:3pYwsTG30
子供「ほらこれ!」
子供「イケメン俳優が主人公に抜擢されて話題になってたよ」
偉人「……」
偉人「この男が……ワシ役?」
子供「うん」
偉人「ワシに比べて、ずいぶん男前だし、背も高いし……美化しすぎじゃないかなぁ」
偉人「やばい、ちょっと自信なくなってきた……」
子供「まあまあ、歴史の人物ってのは大抵美化されるものだから」
子供「イケメン俳優が主人公に抜擢されて話題になってたよ」
偉人「……」
偉人「この男が……ワシ役?」
子供「うん」
偉人「ワシに比べて、ずいぶん男前だし、背も高いし……美化しすぎじゃないかなぁ」
偉人「やばい、ちょっと自信なくなってきた……」
子供「まあまあ、歴史の人物ってのは大抵美化されるものだから」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/08(火) 19:41:40.13 ID:3pYwsTG30
子供「あと他にはゲームになってるよ」
偉人「げえむ?」
子供「現代の遊びだよ」
子供「たとえば、このゲームだとおじさんを使って軍を率いて、戦うことができる」
偉人「面白そうだな」
偉人「ところで、この記号はなんなのだ?」
子供「これはおじさんの能力値をあらわす数字だね。おじさん、なかなか能力高いよ!」
子供「武力もあるし、知力や魅力もなかなか……」
偉人「ほう、そうかそうか!」
偉人「げえむ?」
子供「現代の遊びだよ」
子供「たとえば、このゲームだとおじさんを使って軍を率いて、戦うことができる」
偉人「面白そうだな」
偉人「ところで、この記号はなんなのだ?」
子供「これはおじさんの能力値をあらわす数字だね。おじさん、なかなか能力高いよ!」
子供「武力もあるし、知力や魅力もなかなか……」
偉人「ほう、そうかそうか!」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/08(火) 19:44:27.58 ID:3pYwsTG30
偉人「あ、そうだ。ワシと敵対していた~~の能力はどうだ?」
子供「えーとね……」
子供「あ、こっちのが能力高いや」
偉人「なんだと!?」
子供「この人がおじさんの乱を鎮めたわけだからね……おじさんより強めに設定されるのは仕方ないよ」
偉人「あんな下郎より低評価とは……納得いかぬ。所詮、結果が全てということか……」
子供「えーとね……」
子供「あ、こっちのが能力高いや」
偉人「なんだと!?」
子供「この人がおじさんの乱を鎮めたわけだからね……おじさんより強めに設定されるのは仕方ないよ」
偉人「あんな下郎より低評価とは……納得いかぬ。所詮、結果が全てということか……」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/08(火) 19:46:14.26 ID:3pYwsTG30
子供「他にはこんなゲームもあるよ」ポチポチ
偉人「?」
偉人「これは……おそらく女子(おなご)の絵だな。ワシはどこにおるのだ?」
子供「この女の子がおじさんだよ」
偉人「え!?」
偉人「?」
偉人「これは……おそらく女子(おなご)の絵だな。ワシはどこにおるのだ?」
子供「この女の子がおじさんだよ」
偉人「え!?」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/08(火) 19:48:03.45 ID:3pYwsTG30
偉人「なんで!? なんでワシが女にされてるのだ!?」
偉人「しかも、こんなはしたない格好で……尻が見えそうではないか。ていうか見えてる」
子供「歴史上の偉人を女体化するってのが結構流行ったからねえ」
子供「おじさんもその餌食になっちゃったわけだね」
偉人「なんで女体化するの?」
子供「さあ……」
偉人「うーむ、現世のげえむとやらは奥が深い……」
偉人「しかも、こんなはしたない格好で……尻が見えそうではないか。ていうか見えてる」
子供「歴史上の偉人を女体化するってのが結構流行ったからねえ」
子供「おじさんもその餌食になっちゃったわけだね」
偉人「なんで女体化するの?」
子供「さあ……」
偉人「うーむ、現世のげえむとやらは奥が深い……」
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/08(火) 19:50:18.94 ID:3pYwsTG30
子供「検索すると、他にも漫画になったり、小説になったり……」
子供「おじさん、結構色んなところで活躍してるよ!」
偉人「むふっ、そうかそうか!」
偉人「一地方の領主で終わってしまったワシだが、形はどうあれ名前が残ってることは嬉しく思うぞ」
子供「うん、立派立派」
偉人「さて、一通り勉強させてもらったところで、ワシの目的を済まさねばな」
子供「目的?」
偉人「一つだけ、どうしても確かめたかったのだ」
子供(なんだろ? 自分はどれぐらい人気なのか、とか?)
子供「おじさん、結構色んなところで活躍してるよ!」
偉人「むふっ、そうかそうか!」
偉人「一地方の領主で終わってしまったワシだが、形はどうあれ名前が残ってることは嬉しく思うぞ」
子供「うん、立派立派」
偉人「さて、一通り勉強させてもらったところで、ワシの目的を済まさねばな」
子供「目的?」
偉人「一つだけ、どうしても確かめたかったのだ」
子供(なんだろ? 自分はどれぐらい人気なのか、とか?)
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/08(火) 19:52:00.29 ID:3pYwsTG30
偉人「子供よ、今の世の中は……よいか? それとも悪いか?」
子供「……!」
子供「……!」
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/08(火) 19:55:19.81 ID:3pYwsTG30
子供「テレビではいつも悪いニュースやってて、ぼくも嫌なこといっぱいあって」
子供「戦争とか、環境問題とか、人種差別とか、問題は山積みだけど……」
偉人「……」
子供「いい世の中だと思うよ! だって楽しいこともいっぱいあるもん!」
偉人「そうか! いい世の中か!」
偉人「ならばワシも、命を賭して乱を起こしたかいがあったというもの!」
偉人「後々のいい世の中のための、礎になることができたのだからな……」
偉人「敗者であるワシだが、それだけはどうしても確かめたかったのだ……」
子供「おじさん……」
子供「戦争とか、環境問題とか、人種差別とか、問題は山積みだけど……」
偉人「……」
子供「いい世の中だと思うよ! だって楽しいこともいっぱいあるもん!」
偉人「そうか! いい世の中か!」
偉人「ならばワシも、命を賭して乱を起こしたかいがあったというもの!」
偉人「後々のいい世の中のための、礎になることができたのだからな……」
偉人「敗者であるワシだが、それだけはどうしても確かめたかったのだ……」
子供「おじさん……」
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/08(火) 19:57:05.69 ID:3pYwsTG30
偉人「おっと、そろそろ時間のようだ」
偉人「子供よ、色々と世話になった! 達者でな!」
子供「ぼくこそ! 楽しかったよ!」
偉人「現世によみがえり出会えたのが、おぬしでよかった……」
シュゥゥゥゥゥ…
偉人「子供よ、色々と世話になった! 達者でな!」
子供「ぼくこそ! 楽しかったよ!」
偉人「現世によみがえり出会えたのが、おぬしでよかった……」
シュゥゥゥゥゥ…
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/08(火) 19:59:25.77 ID:3pYwsTG30
子供(おじさん、ぼくも頑張るよ!)
子供(さすがに乱は起こせないし、教科書にまで載ったおじさんみたいにはいかないかもしれないけど……)
子供(後の世の中が少しでもよくなるように……!)
~おわり~
子供(さすがに乱は起こせないし、教科書にまで載ったおじさんみたいにはいかないかもしれないけど……)
子供(後の世の中が少しでもよくなるように……!)
~おわり~
引用元: ・歴史の偉人「現世によみがえったら、ワシの扱いがとんでもないことになってた」
老人「ワシはまだ逝かんぞ!」
2020-11-05
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/02(水) 00:37:08.83 ID:fasYh2kg0
老人「120まで生きると婆さんと約束したんじゃ」
老人「果たしてみせる!!」
死神「やぁ」
老人「おぉ、もうそんな時間か」
老人「毎日ご苦労なことだ」
死神「お命ちょーだいっ」スパッ
老人「おぉっと」ヒョイ
死神「んー必中技のはずなんだけどなー」
老人「ぬるいぬるい」
死神「もういっちょー」スパッ
老人「ほっ」ヒョイ
死神「まだまだいくよー」スパッ
老人「のぞむところじゃ」ヒョイ
―――――――
――――――
―――――
死神「はぁはぁ…魔力切れかー」
老人「やれやれ」
老人「さぁ、もう帰ってくr
死神「らすとー」スパッ
老人「ぎゃ」ザクッ
老人「」パタリ
死神「おぉーやったかー」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1525189028
関連
ハルヒ「SOS団で恋の暴露大会をするわよ!」
【朗報】わたてんさん、ケムリクサを超えてガチで覇権へ
【ラブライブサンシャイン】善子「運命の引力」
【悲報】Twitterで3年前に「令和」を予言してたものがいたwwwwwwwww
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/02(水) 00:37:49.20 ID:fasYh2kg0
老人「なんてな」ムクリ
死神「えぇー」
老人「婆さん特製の腹巻が無かったら即死じゃったわ」
死神「チートアイテムずるーい」
老人「チートアイテムなどではない愛の贈り物じゃ」
死神「まぁ、いいやー」
死神「初めて攻撃当てれたしー」
死神「次は入浴中を狙うかー」
老人「やめてくれ」
死神「うん、またくるよー」スゥゥゥ
老人「もうくるな」
老人「ふぅ…ご飯にするかのぉ」
呪い人形(いいなぁ…私も遊んで欲しい…)
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/02(水) 00:38:53.43 ID:fasYh2kg0
老人「んぐんぐ」ゴクリ
老人「んー…」
老人「視線じゃな」
老人「生者のものではない」
老人「はむ…んぐんぐ」ゴクリ
老人「ズズ…ぷはぁ」
老人「ごちそうさまでした」
老人「さて、食器の片づけ前にこっちを片づけるかのぉ」テクテク
呪い人形(はわわっ、こっちに…来る)
呪い人形(どうしよどうしよ…)
呪い人形(隠れなきゃ…)
老人「そこかっ」バッ
老人「…いないか」
老人「気のせいじゃったか…ん?」
老人「あいやこれは…」
老人「髪の毛?かのぉ」
老人「何かは居たわけじゃな」
老人「しかし、隠れてしまったか」
老人「ふむ、かくれんぼということじゃな」
老人「ふふふ、ワシは強いぞぉ」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/02(水) 00:40:28.58 ID:fasYh2kg0
呪い人形(かくれんぼ…?)
呪い人形(かくれんぼで遊んでくれるの…?)
呪い人形(やった…!)
老人「よーし、今から10秒じゃ」
老人「10」
呪い人形(どこに…隠れよう)キョロキョロ
呪い人形(うーん…あ!あそこがいいかな)
老人「6」
呪い人形(はっ…急がなきゃ…!)
呪い人形(よいしょ…よいしょ…)
老人「3,2,1…よし」
老人「もういいかい」
………、
老人「…ま、返事するような阿保はいないわな」
老人「どこかのぉ」
呪い人形(うふふ…探してる…)
呪い人形(ここなら見つかるはずないわ…私の勝ちね…ふふ)
老人「みーっけ」
呪い人形(なっ…)
老人「笑い声が聴こえておったぞ」
老人「年寄りだからと油断したのぉ」
呪い人形(そんな…私声なんて…)
老人「心からも声は出るのじゃ。そしてそれを聴くことも」
老人「1つ賢くなったのぉ」
呪い人形(心からでも…)
呪い人形(それなら私…お話しすることも…!)
老人「無論じゃ」
呪い人形(…!)
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/02(水) 00:41:21.27 ID:fasYh2kg0
老人「じゃが、今日はここまで」
呪い人形(え…)
老人「なにか良からぬものを纏っておるなお前さん」
老人「生気を吸い取る類の」
呪い人形(………)
呪い人形(そうよね…私は呪われた存在…一緒になんて…)
呪い人形(…ごめんなさいおじいさん)
呪い人形(遊んでくれて楽しかった…もう来ないから安心s
老人「聴いとらんかったみたいじゃのぉ」
呪い人形(え…?)
老人「“今日は”といったじゃろ」
老人「お前さんや」
老人「お話というのは互いに聴いておかないと成り立たんのじゃ」
老人「そこら辺踏まえてまた遊びにきなさい」
呪い人形(…!!)
呪い人形(あ、ありがとぉ…おじいさん…)
呪い人形(明日…来るわ)
老人「あぁ構わないよ」
呪い人形(えへへ…また、ね)スゥゥゥ
死神「僕との扱いに差を感じるー」
老人「かえれ」
老人「当たったら即死と、生気を徐々に吸われるのじゃ全然違うわ」
死神「えー」
死神「あれえぐい吸収力してるよー?」
老人「気合いでなんとかなる」
死神(常人なら今頃寝込むレベルなんだけどなー)
老人「というかいつまでいるんじゃ」
死神「(おじいさんが)死ぬまで?」
老人「馬鹿言ってないでさっさと帰らんか」
死神「むー」
死神「心配だったから様子見てたのにー」
老人「死神に心配されることなど無いわ」
死神「はいはーい」
死神「帰りますよー」
死神「ふーんだ」スゥゥゥ
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/02(水) 00:42:08.07 ID:fasYh2kg0
老人「…やっと帰ったか」
老人「ようやくゆっくり」
ガタッ
老人「………」
老人「おい」
………。
老人「いるんじゃろ」
老人「今朝の不意打ちがたまたま成功したからってそう何度も」スタスタ
怨霊「………」
老人「…新手か」
怨霊「……った」
老人「あ?」
怨霊「…腹が減った」
怨霊「食べ物よこせ…」
怨霊「なん…でも…いいか…ら」パタリ
老人「………」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/02(水) 00:43:27.72 ID:fasYh2kg0
怨霊「もぐ…もぐ…っ」
怨霊「おいひ~!」キラキラ
老人「ゆっくり食べなさい」
怨霊「んむ、もぐ…もぐ」
怨霊「ん~!」キラキラ
老人「はぁ」
怨霊「ごちそうさん」
怨霊「はぁー喰った喰った」
老人「さて事情がどうせあるんじゃろ」
老人「話してもらおうか」
怨霊「あァ、そうなんだよ!」
怨霊「実はアタシこれでも大事にされててよ」
怨霊「お供え物とかしこたまもらってるわけね」
怨霊「んなのによォ!」
怨霊「アイツだよアイツ!」
怨霊「いけ好かねぇヤローが来てアタシを追い出しやがった!」
老人「アイツって…名前を言ってくれ名前を」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/02(水) 00:44:09.19 ID:fasYh2kg0
怨霊「アレだよアレ、悪魔」
老人「はい?」
怨霊「魂頂いて生きてますゥ~的なフザけたヤローだよ、まったく」
怨霊「分かるか?天敵だ!テ・ン・テ・キ!!」
老人(わしの耳でもうるさいくらい元気いいな)
怨霊「つーわけで、ジジィ取り返してきて」
老人「なんじゃと?」
怨霊「じゃねぇとアンタ祟り殺してこの家乗っ取るからな」
怨霊「そうされたくなかったらとっといってk
老人「ふんっ」ゴッ
怨霊「っタァい!!」ジンジン
老人「人様に頼むときの態度ってものがあるじゃろ?」
怨霊「すびばせん…おねがひしまふ…」
老人「うむ」
老人「まぁ、やれるだけのことはやってみるかの」
怨霊「ホント!?ヤッター!!」ピョンピョン
老人「…調子がいい奴じゃ」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/02(水) 00:44:50.67 ID:fasYh2kg0
怨霊「ここだ」
老人「ほぉ」
老人(思ったより立派じゃな)
怨霊「んん”っ…あー、あー」
怨霊「やい!悪魔!出て来やがれ!」
悪魔「だぁれぇ?」ヌゥゥゥ
悪魔「あらぁこれはこれは」
怨霊「元住人の方でしたかぁ」
怨霊「元じゃねぇよ!そこはアタシんちだ!」
悪魔「そうだったかしらぁわすれちゃったぁ」
怨霊「忘れちゃった~☆じゃねぇんだよ!出てけよ!」
悪魔「えぇどぉしよっかなぁ」
怨霊ギャーギャー
悪魔ウフフフ
老人(なにやら既視感があると思ったら…あれじゃ)
老人(わしの日常じゃったわ…)
~~~~~~~~
死神『やっほー』
老人『かえれ』
~~~~~~~~
老人(冷静に考えて死神が家に来るって怖いんじゃが)
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/02(水) 00:45:32.43 ID:fasYh2kg0
悪魔「ところでぇそこにいる人間はなんなのぉ?」
怨霊「フッフッフ、そこに気付くとはやるなアンタ」
老人「…別に隠れてなかったじゃろ」
怨霊「うるさい」
悪魔「それでぇ」
怨霊「あぁ」
怨霊「コイツはアタシが雇ってきた最強の悪魔祓い…マスター・エクソシストだ!」
老人「おい…」
怨霊「こういうのは大見得切っといた方がいいの!」ヒソヒソ
悪魔「聞こえてるわよぉ?」
怨霊「コイツ…地獄耳か…!?」
老人「…あほう」ボソッ
怨霊「なんか言ったか」
老人「いいや、なんにも」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/02(水) 00:46:11.92 ID:fasYh2kg0
悪魔「悪魔祓いかどうか知らないけどぉ」
悪魔「私ぃここどかないからぁ」
怨霊「ぐぬぬ…」
怨霊「じぃさん!」
老人「まったく…」スタスタ
悪魔「あらぁ」
悪魔「うふ」
悪魔「うふふふふ」
老人「?」
悪魔「あなたぁ近づいたら分かったけどぉ」
悪魔「とっても美味しそうなもの持ってるのねぇ」
老人「さぁ、どうじゃろうな」
老人「あいにく食べたことないんでの」
悪魔「うふふ」
悪魔「安心してぇ間違いなく美味しいわぁ」
老人「試食させてあげたいが、残念なことに非売品じゃ」
悪魔「あらぁそれじゃぁ」
悪魔「奪うしかないわねぇぇぇぇぇぇ!!」ヒュッ
老人(はやい!!)
悪魔「いただきまぁぁぁっす」
老人「婆さんや力を貸してくれ…!」スッ
悪魔(背中からなにか…ってあれぇ!?)
老人「婆さん特製十字架の杖じゃ」
悪魔「嘘!そんなぁ!」
老人「それだけ加速していては止まれまい」
悪魔「いやぁぁぁあああ」
老人「ほいっ」ポコッ
悪魔「あふんっ…チート…ア…イ…テ…」パタリ
老人「んん?なにか言ったかのぉ~?」ニヤリ
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/02(水) 00:46:47.23 ID:fasYh2kg0
怨霊「ォおお!!すっげ!じぃさんやるじゃねぇか!」
老人「婆さんの力あってこそじゃよ」
怨霊「そっかそっか!凄かったぜ!ほんとありがとう!」
怨霊「なにかお礼しないとな!」
怨霊「なにか頼みたいこととかあるか?」
老人「そうじゃなぁ…」
老人「お前さん結界のような類いのもの貼れるか?」
怨霊「結界?そんな大層なもんはできねぇけど近いものでいいなら」
怨霊「実際コイツには破られちまっているし」
老人「十分」
老人(あのポンコツ相手ならそれで)
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/02(水) 00:47:54.83 ID:fasYh2kg0
死神「ふっふー」
死神「入浴中なら何かを身につけるなんてことしないよねー」
死神「僕ってば天才かよー」
タッタッタ
老人「来よったか…」チャプン
バタンッ
死神「やーやー極楽気分のとこ失礼するよー」スタスタ
死神「お命もらいにー」ガチャ
死神「ん?…もらいにー」ガチャガチャ
老人「ふぅ…」チャプン
死神「なんでー!?あかなーい!どうしてー」ガチャガチャ
老人「ちょっと知り合いに頼んでな」
老人「なにかと最近物騒なので防犯対策させてもらったのじゃ」
死神「ねぇーいーれーてーよー」ドンドン
死神「ラッキースケベとかあるかもよー」
老人「そういうのは卒業しとる」
死神「くそー僕の完璧な作戦がー」
老人「いやいやお前さん」
老人「今朝方普通に口にしとったじゃろ」
~~~~~~~~
死神『まぁ、いいやー』
死神『初めて攻撃当てれたしー』
死神『次は入浴中を狙うかー』
老人『やめてくれ』
~~~~~~~~
死神「あ」
老人「あほう」チャプン
死神「むー!くっそー!」ドンドン
老人「ほっほっほ」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/02(水) 00:48:26.18 ID:fasYh2kg0
老人「ふぅ…」
老人「やっと二人っきりじゃな」
チーン
老人「婆さんや今日も一日乗りきったぞ」
老人「最近は騒がしい毎日での」
老人「死神やら幽霊やら物騒な客が毎日やってきとる」
老人「この年でこんなに生きるのに必死になるとは思わんかったわい」
老人「余生はもっとのんびりしとるもんじゃと勝手に思っておったが」
老人「思い違いじゃったようじゃの」
老人「………」
老人「まぁ、でも」
老人「婆さんが居た時とは違う賑やかさがあって」
老人「悪くは…ないかの」
死神「なんだ悪くないのかよー」バッ
死神「そんなこと言われると鎌振るの躊躇うなー」
老人「か え れ!!」
おわり
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/02(水) 00:48:54.71 ID:fasYh2kg0
王道のハーレム主人公です。
各キャラの見た目は各々の性癖に任せます。
引用元: ・老人「ワシはまだ逝かんぞ!」
【トイレの花子さん】
2020-06-13
36: ◆GiMcqKsVbQ 2020/06/11(木) 17:03:09.59 ID:RYojhWOb0
【トイレの花子さん】
花子「はいどーもー、寝起きドッキリの時間でーす」
花子「えー、今日はウチのお兄ちゃんお姉ちゃんたちに寝起きドッキリを仕掛けてみようと思いまーす」
花子「さて、まずはお兄ちゃんから・・・・・・」
男「」ギシッギシッ
花子「・・・・・・?えっ、まさかあんまし見ちゃいけない感じ?私らが隣人の部屋で寝泊まりしてる間に向こうはしっぽりやってる感じ?」
花子「あー、寝起きドッキリは中止かなー・・・・・・?」
マント男「死ぬなッ!まだ質問していないってのっ!くそっ、このベッド良く弾むからやりづれぇ!畜生っ!」
花子「・・・・・・」
マント男「なぜこの私がこんな男の介抱なんぞやらにゃならんのだ!都市伝説法めっ!」
花子「続きは私がやっとくからあんたは消えろ」
花子「はいどーもー、寝起きドッキリの時間でーす」
花子「えー、今日はウチのお兄ちゃんお姉ちゃんたちに寝起きドッキリを仕掛けてみようと思いまーす」
花子「さて、まずはお兄ちゃんから・・・・・・」
男「」ギシッギシッ
花子「・・・・・・?えっ、まさかあんまし見ちゃいけない感じ?私らが隣人の部屋で寝泊まりしてる間に向こうはしっぽりやってる感じ?」
花子「あー、寝起きドッキリは中止かなー・・・・・・?」
マント男「死ぬなッ!まだ質問していないってのっ!くそっ、このベッド良く弾むからやりづれぇ!畜生っ!」
花子「・・・・・・」
マント男「なぜこの私がこんな男の介抱なんぞやらにゃならんのだ!都市伝説法めっ!」
花子「続きは私がやっとくからあんたは消えろ」
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37: ◆GiMcqKsVbQ 2020/06/11(木) 17:03:47.39 ID:RYojhWOb0
男(・・・・・・またここか)
花子「やー、また死んでたね、男」
男「花子さん。まあ、ここにいるってことはそうなんだろうな」
花子「ちなみに今回の死因は寝る前に水を飲み過ぎて胃液が逆流して気管に入って窒息したからだよ」
男「マジか。よく生きてたな、俺」
花子「私が助けに来たからねー。あ、ついでに怪人赤マントに襲われてた」
男「え、どうなったんだ?」
花子「今頃下水処理場で泳いでるんじゃない?」
男「花子さんもなんか逞しくなったな」
花子「死なれたら困るの私たちだしね」
花子「やー、また死んでたね、男」
男「花子さん。まあ、ここにいるってことはそうなんだろうな」
花子「ちなみに今回の死因は寝る前に水を飲み過ぎて胃液が逆流して気管に入って窒息したからだよ」
男「マジか。よく生きてたな、俺」
花子「私が助けに来たからねー。あ、ついでに怪人赤マントに襲われてた」
男「え、どうなったんだ?」
花子「今頃下水処理場で泳いでるんじゃない?」
男「花子さんもなんか逞しくなったな」
花子「死なれたら困るの私たちだしね」
38: ◆GiMcqKsVbQ 2020/06/11(木) 17:04:17.32 ID:RYojhWOb0
花子「はぁーあ、これだと寝起きドッキリ企画はだめだなー」
男「ああ、前言ってたあれか。別に続行してもいいじゃないか」
花子「男の場合寝起きポックリになりそうだし」
男「言い返せねぇ」
花子「なんかヤバい心臓病患ってるとかないよね?」
男「そんなはず、ないんだけど」
花子「それにしては心臓止まりすぎじゃ」
男「んー、そう聞くと心配になってきた。一回姉ちゃんに聞いてみるか」
花子「昔っからよく止まってたとかだったら笑うよね」
男「まあ無いと思うけど」
男「ああ、前言ってたあれか。別に続行してもいいじゃないか」
花子「男の場合寝起きポックリになりそうだし」
男「言い返せねぇ」
花子「なんかヤバい心臓病患ってるとかないよね?」
男「そんなはず、ないんだけど」
花子「それにしては心臓止まりすぎじゃ」
男「んー、そう聞くと心配になってきた。一回姉ちゃんに聞いてみるか」
花子「昔っからよく止まってたとかだったら笑うよね」
男「まあ無いと思うけど」
39: ◆GiMcqKsVbQ 2020/06/11(木) 17:05:44.86 ID:RYojhWOb0
姉『止まってたわよ?』
男「はひ?」
姉『こう、都市伝説とか云々関係なくてね。ちょっと道で転んでそのショックで心臓止まったりとか。そのたびに私が殴って再起動させてたけど』
花子「うわー、的中ー」
姉『だから多分心臓に止まり癖みたいなのがついてるんじゃないかってお医者さんが言ってたわね』
花子「そんな捻挫癖みたいな」
男「心臓に止まり癖ってなんだよ!?止まったら死ぬだろ!?止まるんじゃねえよ!」
姉『大企業に就職して安定した生活を送ればそういうショックからも遠ざかると思ってたんだけれどね。さて、そろそろ仕事に戻るから切るわね』
貞子『お姉さーん!お風呂場の掃除終わりましたー!』
姉『確認しに行くわ。待ってて。それじゃあね』ピッ
花子「・・・・・・貞子、元気そうだね」
男「生き生きしてるよな。死んでるけど」
男「はひ?」
姉『こう、都市伝説とか云々関係なくてね。ちょっと道で転んでそのショックで心臓止まったりとか。そのたびに私が殴って再起動させてたけど』
花子「うわー、的中ー」
姉『だから多分心臓に止まり癖みたいなのがついてるんじゃないかってお医者さんが言ってたわね』
花子「そんな捻挫癖みたいな」
男「心臓に止まり癖ってなんだよ!?止まったら死ぬだろ!?止まるんじゃねえよ!」
姉『大企業に就職して安定した生活を送ればそういうショックからも遠ざかると思ってたんだけれどね。さて、そろそろ仕事に戻るから切るわね』
貞子『お姉さーん!お風呂場の掃除終わりましたー!』
姉『確認しに行くわ。待ってて。それじゃあね』ピッ
花子「・・・・・・貞子、元気そうだね」
男「生き生きしてるよな。死んでるけど」
40: ◆GiMcqKsVbQ 2020/06/11(木) 17:06:48.58 ID:RYojhWOb0
花子「はーっ、芸能人って楽じゃないなー」
隣人「どうしたんですか?」
花子「こう、もっと華やかなきらきらした世界を思い描いてたんだけどさ。実際はそうじゃないなーって」
メリー「JSYouTuberならパンツでもチラ見せしとけば一気に再生数上がるんじゃないの?」
花子「事務所の方針でそういうのはNG。水着来たりもモデルとかアイドルの人しかやらないしさー。今は実況の練習中」
貞子「実況に練習とかあるんですね」
花子「ゲーム実況するのも楽じゃないんだよね。こう、あんまり汚い言葉は使っちゃダメ。無言もダメ。魅せプレイもいる。うん、割とつらい」
隣人「やっぱりプロの人になるとそのあたりも考えてやらないといけないんですね」
花子「ウチに所属してる人らの中で一番実況がうまかったのは歌手だった」
貞子「なんで歌手が実況してるんですか」
花子「この前山奥に行った時にさ、お試しでいろいろやらせてもらったりやってもらったりしたわけよ。そこで見せてもらってさ」
メリー「そういえばそれの配信とかしないの?ひそかに気になってるの」
花子「今度テレビで流すって。今編集とかいろいろやってるとこらしい」
隣人「先輩、それまでに退院できるでしょうか」
花子「わかんね」
メリー「アイツの場合退院してもまた入院するかもしれんの。そうなる前に今検査してもらってるところだから仕方ないの」
貞子「心臓に止まり癖があるとか聞かされたら人間ドッグとかその他諸々全部行ってもらわないと困るじゃないですか」
隣人「入社時と、3年に一回会社から受けさせられるんです。今年先輩は受ける年なので、タイミングが良かったですね」
メリー「でも今まで特にそう言うのが見つかってないってことはやっぱり原因不明な気がするの」
花子「はぁー、世の中そううまくいかないもんだねー」
隣人「どうしたんですか?」
花子「こう、もっと華やかなきらきらした世界を思い描いてたんだけどさ。実際はそうじゃないなーって」
メリー「JSYouTuberならパンツでもチラ見せしとけば一気に再生数上がるんじゃないの?」
花子「事務所の方針でそういうのはNG。水着来たりもモデルとかアイドルの人しかやらないしさー。今は実況の練習中」
貞子「実況に練習とかあるんですね」
花子「ゲーム実況するのも楽じゃないんだよね。こう、あんまり汚い言葉は使っちゃダメ。無言もダメ。魅せプレイもいる。うん、割とつらい」
隣人「やっぱりプロの人になるとそのあたりも考えてやらないといけないんですね」
花子「ウチに所属してる人らの中で一番実況がうまかったのは歌手だった」
貞子「なんで歌手が実況してるんですか」
花子「この前山奥に行った時にさ、お試しでいろいろやらせてもらったりやってもらったりしたわけよ。そこで見せてもらってさ」
メリー「そういえばそれの配信とかしないの?ひそかに気になってるの」
花子「今度テレビで流すって。今編集とかいろいろやってるとこらしい」
隣人「先輩、それまでに退院できるでしょうか」
花子「わかんね」
メリー「アイツの場合退院してもまた入院するかもしれんの。そうなる前に今検査してもらってるところだから仕方ないの」
貞子「心臓に止まり癖があるとか聞かされたら人間ドッグとかその他諸々全部行ってもらわないと困るじゃないですか」
隣人「入社時と、3年に一回会社から受けさせられるんです。今年先輩は受ける年なので、タイミングが良かったですね」
メリー「でも今まで特にそう言うのが見つかってないってことはやっぱり原因不明な気がするの」
花子「はぁー、世の中そううまくいかないもんだねー」
41: ぷよテト楽しいよね ◆GiMcqKsVbQ 2020/06/11(木) 17:08:27.88 ID:RYojhWOb0
花子(ゲーム配信とかちょろいぜ!って思ってたんだけど、実際そううまくいかないなー)
花子(ゲームうまいだけじゃできないんだね。ってか、私以外もそこそこ強いし)
歌手「はっち連鎖~♪」
アイドル「なんで私が5連鎖組んでる間にそんなに組めるかな?」
ダンサー「やっぱこのゲームぷよの火力だけおかしくないですか?テトで相殺しきれないんですけど」
花子「テト側も連鎖で対処・・・・・・って行きたいところだけど、それやろうとする前に超火力で落とされるんだよね。あっ、詰んだ」
歌手「いぇーい!大・勝・利!」
花子(5回に2回ぐらいの確率で誰かしらに負ける。変なとこからぶっささったりするのマジ勘弁)
歌手「花子ちゃん、ほら、もっとなんか喋って!実況の練習!」
花子「ええー?えーっと、こっちはテトだからとりあえず開幕DT砲組むかパフェ積みするかでぷよ側の手を潰しましょう。潰しきれなくても相殺でぎり耐えたりします」
アイドル「いっくよー!つながれっ!そこっ!くらえっ!」
ダンサー「テトリス!テトリス!Tスピン!これで耐える!」
歌手「ここは一回受けて、発火っ!よし、行ける!」
花子「えーと、7連鎖ぐらいかな?とりあえずDTで相殺して」
アイドル「ああああっ!一杯落ちてきた!いや、まだ舞える、まだ私は戦えにゃーーーーっ!」
ダンサー「一回耐えさえすれば持ち直せるのがテト側の良い所ですよね」
花子「そだねー。ほいっ、よっと、まだっ、ここっ、T挟んで、もっかい!追加ッ!」
歌手「ちょ、ちょちょちょっと待って?そっち何連!?やばくない!?あああ急いで組まないと」
花子「まだまだいけるよー、ほいほいっとな!」
ダンサー「えーと、15連とか対処しきれないですね。対戦ありがとうございました」
歌手「やーらーれーたー」
花子「ふぅー、きっついわぁー・・・・・・」
花子(ゲームうまいだけじゃできないんだね。ってか、私以外もそこそこ強いし)
歌手「はっち連鎖~♪」
アイドル「なんで私が5連鎖組んでる間にそんなに組めるかな?」
ダンサー「やっぱこのゲームぷよの火力だけおかしくないですか?テトで相殺しきれないんですけど」
花子「テト側も連鎖で対処・・・・・・って行きたいところだけど、それやろうとする前に超火力で落とされるんだよね。あっ、詰んだ」
歌手「いぇーい!大・勝・利!」
花子(5回に2回ぐらいの確率で誰かしらに負ける。変なとこからぶっささったりするのマジ勘弁)
歌手「花子ちゃん、ほら、もっとなんか喋って!実況の練習!」
花子「ええー?えーっと、こっちはテトだからとりあえず開幕DT砲組むかパフェ積みするかでぷよ側の手を潰しましょう。潰しきれなくても相殺でぎり耐えたりします」
アイドル「いっくよー!つながれっ!そこっ!くらえっ!」
ダンサー「テトリス!テトリス!Tスピン!これで耐える!」
歌手「ここは一回受けて、発火っ!よし、行ける!」
花子「えーと、7連鎖ぐらいかな?とりあえずDTで相殺して」
アイドル「ああああっ!一杯落ちてきた!いや、まだ舞える、まだ私は戦えにゃーーーーっ!」
ダンサー「一回耐えさえすれば持ち直せるのがテト側の良い所ですよね」
花子「そだねー。ほいっ、よっと、まだっ、ここっ、T挟んで、もっかい!追加ッ!」
歌手「ちょ、ちょちょちょっと待って?そっち何連!?やばくない!?あああ急いで組まないと」
花子「まだまだいけるよー、ほいほいっとな!」
ダンサー「えーと、15連とか対処しきれないですね。対戦ありがとうございました」
歌手「やーらーれーたー」
花子「ふぅー、きっついわぁー・・・・・・」
42: ◆GiMcqKsVbQ 2020/06/11(木) 17:09:22.98 ID:RYojhWOb0
男「そういや、明日花子さんの生配信だよな」
花子「そう!初生配信!JS設定だから昼間しか無理ってんで土曜の昼になったの!」
メリー「へー、なの。享年って大変なの」
貞子「メリーさんは何歳で登録したんですか?」
メリー「服のタグについてあった製造日を男に言っといたの」
男「俺は伝えられたそのままに社長に言った」
隣人「つまり花子さんも成人済の年齢を言っておけば時間の制約がなかったのでは?」
花子「登録してから言われても困るよ・・・・・・」
男「まあ明日は俺も隣人も貞子さんもメリーさんも休みだし全員で見るからな」
花子「宣言されると妙に緊張するんだけど」
男「スパチャってどうやるんだっけ?」
隣人「中抜きされるから直接渡した方がよくないですか?」
花子「こらそこ!そういうこと目の前で言うな!」
花子「そう!初生配信!JS設定だから昼間しか無理ってんで土曜の昼になったの!」
メリー「へー、なの。享年って大変なの」
貞子「メリーさんは何歳で登録したんですか?」
メリー「服のタグについてあった製造日を男に言っといたの」
男「俺は伝えられたそのままに社長に言った」
隣人「つまり花子さんも成人済の年齢を言っておけば時間の制約がなかったのでは?」
花子「登録してから言われても困るよ・・・・・・」
男「まあ明日は俺も隣人も貞子さんもメリーさんも休みだし全員で見るからな」
花子「宣言されると妙に緊張するんだけど」
男「スパチャってどうやるんだっけ?」
隣人「中抜きされるから直接渡した方がよくないですか?」
花子「こらそこ!そういうこと目の前で言うな!」
43: はなちゃんねる生配信中 ◆GiMcqKsVbQ 2020/06/11(木) 17:10:38.97 ID:RYojhWOb0
花子『どもー、はなちゃんねるのはなちゃんでーす。えー、今日が最初の生配信ってことでどきどきしてまーす。よろしくおねがいしまーす』
男「おっ、映った映った」
隣人「貞子さん、セッティングありがとうございます」
貞子「いえいえ。私も大きい画面で見たいですしね」
メリー「モニターに関しては貞子に任せておけば間違いないの」
花子『えー、生配信ははじめてでいろいろと緊張しててなにやったらいいかぶっちゃけ頭真っ白になって飛んでるんで、事前の予告通りのゲストに来てもらいます。アイドルさーん』
アイドル『早いよ!?私あと10分ぐらい余裕あったんだけど!?』
花子『いっそ全員呼ぶか』
歌手『呼ばれる前に出るか』
花子『・・・・・・ダンサーは?』
歌手『律儀に呼ばれるまで待機してるよ』
花子『ではさっそくゲームの方を始めていきたいと思います』
ダンサー『呼んでくださいよ!私待ちぼうけじゃないですか!台本だと私しょっぱなに呼ばれるって書いてあるんですけど!』
アイドル『この子弄り上手だね』
歌手『相方欲しいね。弄られる側』
花子『ってことで事務所の売れっ子三人組に来てもらいましたー。はい拍手ー。ついでにスパチャ投げてねー』
アイドル『露骨!』
男「おっ、映った映った」
隣人「貞子さん、セッティングありがとうございます」
貞子「いえいえ。私も大きい画面で見たいですしね」
メリー「モニターに関しては貞子に任せておけば間違いないの」
花子『えー、生配信ははじめてでいろいろと緊張しててなにやったらいいかぶっちゃけ頭真っ白になって飛んでるんで、事前の予告通りのゲストに来てもらいます。アイドルさーん』
アイドル『早いよ!?私あと10分ぐらい余裕あったんだけど!?』
花子『いっそ全員呼ぶか』
歌手『呼ばれる前に出るか』
花子『・・・・・・ダンサーは?』
歌手『律儀に呼ばれるまで待機してるよ』
花子『ではさっそくゲームの方を始めていきたいと思います』
ダンサー『呼んでくださいよ!私待ちぼうけじゃないですか!台本だと私しょっぱなに呼ばれるって書いてあるんですけど!』
アイドル『この子弄り上手だね』
歌手『相方欲しいね。弄られる側』
花子『ってことで事務所の売れっ子三人組に来てもらいましたー。はい拍手ー。ついでにスパチャ投げてねー』
アイドル『露骨!』
44: はなちゃんねる生配信中 ◆GiMcqKsVbQ 2020/06/11(木) 17:11:13.45 ID:RYojhWOb0
隣人「うん、生き生きしてますね」
男「でも結構緊張してるな」
メリー「さっきから目線があっちいったりこっちいったりしてるの」
貞子「芸能人も大変そうですね」
隣人「先輩たち、よく見てますね」
男「なんだかんだアレと一緒に暮らしてもう半年以上経ってるしな。ある程度はわかるよ」
隣人「じゃあ私は今何を考えているかわかりますか?」
男「隣に座りたい、かな?」
隣人「ぴんぽんぴんぽん!正解でーっす!」
メリー「お前らうるさいの」
貞子「いちゃつくな呪い殺しますよ」
男「でも結構緊張してるな」
メリー「さっきから目線があっちいったりこっちいったりしてるの」
貞子「芸能人も大変そうですね」
隣人「先輩たち、よく見てますね」
男「なんだかんだアレと一緒に暮らしてもう半年以上経ってるしな。ある程度はわかるよ」
隣人「じゃあ私は今何を考えているかわかりますか?」
男「隣に座りたい、かな?」
隣人「ぴんぽんぴんぽん!正解でーっす!」
メリー「お前らうるさいの」
貞子「いちゃつくな呪い殺しますよ」
45: はなちゃんねる生配信中 ◆GiMcqKsVbQ 2020/06/11(木) 17:12:50.46 ID:RYojhWOb0
花子「えーっと、今回の企画ではとりあえずオンラインに潜って勝ったらウィニングライブをする、と」
アイドル「どこぞの未配信のアプリみたいなことするんだね」
花子「で、負けたらどうするの?」
アイドル「・・・・・・あー、どうしよ。ちょっと待ってね、歌手、集合」
歌手「あいさ」
ダンサー「あれ、私は?」
アイドル「そっちつないどいて」
ダンサー「あ、はい。えーっとですね、じゃあはなちゃんには簡単に自己紹介してもらいますか」
花子「え?あー、はなちゃんです。本名は花子です。よろしくおねがいします」
ダンサー「だめですよー、そんな自己紹介じゃ1次面接で落とされちゃいます」
花子「就活じゃないんだから」
ダンサー「私も就活生ですからねー。副業オーケーの会社を中心に受けてるんですが、これが中々受からなくてですねー」
花子「芸能人なのに?結構売れっ子なのに?」
ダンサー「売れっ子っていっても私自身のダンスはそこまで見てもらえてなくて、どっちかっていうとハプニングを期待されてて・・・・・・あれ?なんだか涙が出てきました」
花子「かわいそうに。そのままのダンサーでいてね」
ダンサー「ハプニング期待なの変わらないじゃないですかぁ!」
歌手「おまたせー。負けたら私が後ろでLOSER歌うから」
花子「えっ」
アイドル「ダンサーは歌に合わせてLOSERを踊る」
ダンサー「お任せあれ!」
花子「アイドルは?」
アイドル「私は音楽かける係。あと今から音源使うためにカラオケ会社に許可取ってくる」
花子「この場で!?」
アイドル「しかたないでしょ。じゃんけんに負けたんだし」
歌手「いえー!私の勝利ー!」
花子「そんな権利関係の話をジャンケンで決める!?」
アイドル「どこぞの未配信のアプリみたいなことするんだね」
花子「で、負けたらどうするの?」
アイドル「・・・・・・あー、どうしよ。ちょっと待ってね、歌手、集合」
歌手「あいさ」
ダンサー「あれ、私は?」
アイドル「そっちつないどいて」
ダンサー「あ、はい。えーっとですね、じゃあはなちゃんには簡単に自己紹介してもらいますか」
花子「え?あー、はなちゃんです。本名は花子です。よろしくおねがいします」
ダンサー「だめですよー、そんな自己紹介じゃ1次面接で落とされちゃいます」
花子「就活じゃないんだから」
ダンサー「私も就活生ですからねー。副業オーケーの会社を中心に受けてるんですが、これが中々受からなくてですねー」
花子「芸能人なのに?結構売れっ子なのに?」
ダンサー「売れっ子っていっても私自身のダンスはそこまで見てもらえてなくて、どっちかっていうとハプニングを期待されてて・・・・・・あれ?なんだか涙が出てきました」
花子「かわいそうに。そのままのダンサーでいてね」
ダンサー「ハプニング期待なの変わらないじゃないですかぁ!」
歌手「おまたせー。負けたら私が後ろでLOSER歌うから」
花子「えっ」
アイドル「ダンサーは歌に合わせてLOSERを踊る」
ダンサー「お任せあれ!」
花子「アイドルは?」
アイドル「私は音楽かける係。あと今から音源使うためにカラオケ会社に許可取ってくる」
花子「この場で!?」
アイドル「しかたないでしょ。じゃんけんに負けたんだし」
歌手「いえー!私の勝利ー!」
花子「そんな権利関係の話をジャンケンで決める!?」
46: はなちゃんねる生配信中 ◆GiMcqKsVbQ 2020/06/11(木) 17:14:31.05 ID:RYojhWOb0
男「・・・・・・配信が始まって10分。未だにゲームが始まらないな」
隣人「でも見てください。スパチャすっごい投げられてますよ。花子ちゃん関係ないですけど」
メリー「調べたらここの事務所の売れっ子四天王のウチ3人を呼んでるらしいの。そりゃみんな投げるの」
貞子「花子ちゃん、がんばって!」
男「どっかのタイミングで花子さんにも投げとかないと機嫌悪くなりそうだ」
隣人「口座の準備はできてます!」
メリー「いくら投げるつもりなの。落ち着けなの」
貞子(あの社長さんとかが知ってたら軽く云百万単位で投げてくれたりしませんかね)
隣人「でも見てください。スパチャすっごい投げられてますよ。花子ちゃん関係ないですけど」
メリー「調べたらここの事務所の売れっ子四天王のウチ3人を呼んでるらしいの。そりゃみんな投げるの」
貞子「花子ちゃん、がんばって!」
男「どっかのタイミングで花子さんにも投げとかないと機嫌悪くなりそうだ」
隣人「口座の準備はできてます!」
メリー「いくら投げるつもりなの。落ち着けなの」
貞子(あの社長さんとかが知ってたら軽く云百万単位で投げてくれたりしませんかね)
47: はなちゃんねる生配信中 ◆GiMcqKsVbQ 2020/06/11(木) 17:15:09.06 ID:RYojhWOb0
花子「えー、じゃあさっさとはじめよう。今回はスマッシュなブラザーズ。うん、余裕だね」
歌手「どうかなー?おっ、マッチングしたね。じゃあはりきってどうぞ!」
・・・・・・
花子「勝利っ!対戦ありがとうございました!」
アイドル「はい、じゃあウィニングライブね」
花子「え、一戦ごと!?」
アイドル「そうだよ?」
花子「や、やってやんよ!これで再生数増えたらCD出してもらえるらしいし!」
歌手「がんばれー。・・・・・・あ、電話だ。ちょっとごめんね。もしもし、歌手ですけど。え、LOSERカバーしないかって?いや、私まだ歌ってないですし」
花子「売れっ子すごいなー。すぐ話が舞い込んでくる」
ダンサー「じゃあはりきってどうぞ!はなちゃんで、曲は『トイレの花子さん』です!」
歌手「どうかなー?おっ、マッチングしたね。じゃあはりきってどうぞ!」
・・・・・・
花子「勝利っ!対戦ありがとうございました!」
アイドル「はい、じゃあウィニングライブね」
花子「え、一戦ごと!?」
アイドル「そうだよ?」
花子「や、やってやんよ!これで再生数増えたらCD出してもらえるらしいし!」
歌手「がんばれー。・・・・・・あ、電話だ。ちょっとごめんね。もしもし、歌手ですけど。え、LOSERカバーしないかって?いや、私まだ歌ってないですし」
花子「売れっ子すごいなー。すぐ話が舞い込んでくる」
ダンサー「じゃあはりきってどうぞ!はなちゃんで、曲は『トイレの花子さん』です!」
48: はなちゃんねる生配信中 ◆GiMcqKsVbQ 2020/06/11(木) 17:16:03.43 ID:RYojhWOb0
男「まんまじゃねーか!」
隣人「まあ知ってるの私たちぐらいですし」
貞子「ふりふりの衣装着て踊ってますよ!かわいいですね!」
メリー「あの衣装はウチの提供なの」
貞子「えっ?」
メリー「私の仕事先の仕立屋に土下座して頼み込んだの。おかげでいつもより多めに服を着ることになったの。大変だったの」
男「あー、あのドレスを作った人か。納得だ」
隣人「いいなー、かわいいなー。ねえ先輩、私も・・・・・・」
男「無茶言わんでくれ。あそこの服いくらするか知ってるだろ。ウェディングドレスまで待ってくれ」
隣人「やったっ!」
貞子「いちゃつくなっ!」
隣人「まあ知ってるの私たちぐらいですし」
貞子「ふりふりの衣装着て踊ってますよ!かわいいですね!」
メリー「あの衣装はウチの提供なの」
貞子「えっ?」
メリー「私の仕事先の仕立屋に土下座して頼み込んだの。おかげでいつもより多めに服を着ることになったの。大変だったの」
男「あー、あのドレスを作った人か。納得だ」
隣人「いいなー、かわいいなー。ねえ先輩、私も・・・・・・」
男「無茶言わんでくれ。あそこの服いくらするか知ってるだろ。ウェディングドレスまで待ってくれ」
隣人「やったっ!」
貞子「いちゃつくなっ!」
49: はなちゃんねる生配信中 ◆GiMcqKsVbQ 2020/06/11(木) 17:17:15.90 ID:RYojhWOb0
花子「はぁ、はぁ・・・・・・」
歌手「あ、次マッチングしたよ」
花子「や、休ませてくれないの?」
歌手「配信時間決まってるんだから!はなちゃんにはちょうどいいハンデでしょ!」
花子「あ、あったりまえじゃん!やってやんよ!」
ダンサー「おおー、威勢いいですね」
アイドル「ゲームしてる間暇だね」
ダンサー「じゃあ私後ろで踊っておきますね」
アイドル「パッフェルベルのカノン流しとくね」
ダンサー「踊れと!?」
歌手「私弦楽器担当するから、アイドルは管楽器ね」
アイドル「楽器ないんだけど」
歌手「ボイパで」
アイドル「ボイパって打楽器だよね?」
歌手「まあ楽器の音を声で再現すればいいでしょ」
アイドル「アドリブで練習したこともないやつをやれと」
歌手「いけるいける!」
花子「よし!ゲームセット!」
ダンサー「あ、終わりましたね」
歌手「はいじゃあウィニングライブねー」
花子「ま、またぁ!?これってもしかして体力企画!?」
歌手「しょっぱなだから多少無茶ぶりしなきゃいけないじゃん」
アイドル「なんのために山奥でトレーニングしたと思ってんの」
ダンサー「山奥ではガールズトークと飯盒炊爨しかしてませんが?」
花子「わーん!事務所の先輩たち頭おかしいよー!」
ダンサー「私も含まれてますか!?」
歌手「あ、次マッチングしたよ」
花子「や、休ませてくれないの?」
歌手「配信時間決まってるんだから!はなちゃんにはちょうどいいハンデでしょ!」
花子「あ、あったりまえじゃん!やってやんよ!」
ダンサー「おおー、威勢いいですね」
アイドル「ゲームしてる間暇だね」
ダンサー「じゃあ私後ろで踊っておきますね」
アイドル「パッフェルベルのカノン流しとくね」
ダンサー「踊れと!?」
歌手「私弦楽器担当するから、アイドルは管楽器ね」
アイドル「楽器ないんだけど」
歌手「ボイパで」
アイドル「ボイパって打楽器だよね?」
歌手「まあ楽器の音を声で再現すればいいでしょ」
アイドル「アドリブで練習したこともないやつをやれと」
歌手「いけるいける!」
花子「よし!ゲームセット!」
ダンサー「あ、終わりましたね」
歌手「はいじゃあウィニングライブねー」
花子「ま、またぁ!?これってもしかして体力企画!?」
歌手「しょっぱなだから多少無茶ぶりしなきゃいけないじゃん」
アイドル「なんのために山奥でトレーニングしたと思ってんの」
ダンサー「山奥ではガールズトークと飯盒炊爨しかしてませんが?」
花子「わーん!事務所の先輩たち頭おかしいよー!」
ダンサー「私も含まれてますか!?」
50: はなちゃんねる生配信中 ◆GiMcqKsVbQ 2020/06/11(木) 17:18:11.04 ID:RYojhWOb0
花子「ぜぇーっ、ぜぇーっ、つ、つぎ!」
歌手「この子根性あるね」
アイドル「多分大物になるよ」
ダンサー「次の対戦相手は・・・・・・あっ」
花子「ん?どしたの?」
ダンサー「あー、この相手、多分知り合いです」
歌手「えっと?あー、多分大学の後輩だわ」
アイドル「あ、ほんとだ。ゲームうまい子だ」
花子「まあいいや!ごめんね先輩たちの後輩さん!私の再生数のために犠牲になって!」
・・・・・・
歌手「I'm a LOSER どうせだったら遠吠えだっていいだろう♪もう一回もう一回行こうぜ僕らの声♪」
花子「あああああああーっ!!!むかつくーーーーー!!!」
歌手「この子根性あるね」
アイドル「多分大物になるよ」
ダンサー「次の対戦相手は・・・・・・あっ」
花子「ん?どしたの?」
ダンサー「あー、この相手、多分知り合いです」
歌手「えっと?あー、多分大学の後輩だわ」
アイドル「あ、ほんとだ。ゲームうまい子だ」
花子「まあいいや!ごめんね先輩たちの後輩さん!私の再生数のために犠牲になって!」
・・・・・・
歌手「I'm a LOSER どうせだったら遠吠えだっていいだろう♪もう一回もう一回行こうぜ僕らの声♪」
花子「あああああああーっ!!!むかつくーーーーー!!!」
51: はなちゃんねる生配信中 ◆GiMcqKsVbQ 2020/06/11(木) 17:19:18.45 ID:RYojhWOb0
男「今だ!スパチャの準備を!」
隣人「できました!」
貞子「送信です!がんばって!」
メリー「花子、がんばれなの!」
隣人(この全員が一体になってる感じをみると、花子ちゃんって我が家の末っ子っていうかお姫様ですよね)
隣人「できました!」
貞子「送信です!がんばって!」
メリー「花子、がんばれなの!」
隣人(この全員が一体になってる感じをみると、花子ちゃんって我が家の末っ子っていうかお姫様ですよね)
52: はなちゃんねる生配信中 ◆GiMcqKsVbQ 2020/06/11(木) 17:20:12.92 ID:RYojhWOb0
アイドル「あ、はなちゃんあてにスパチャ来てますよ。がんばってーって」
花子「え、ほんとに?よし!次こそは!・・・・・・って、連戦!いや、やってやる!勝ち越させない!」
歌手「ここいらで一つ踊ってみようぜ♪夜が明けるまで転がってこうぜ♪」
アイドル(これ、連敗し続けたら歌手は歌い続けてダンサーは踊り続けることになるのかな?それはそれで面白そうだしいいか)
・・・・・・
歌手「あいむあるーざーどうせだったらとおぼえだっていいだろっ、もういっかいもういっかいいこうぜぼくらのこえっ!」
ダンサー「はぁー、はぁー」
アイドル「あのー、はなちゃん?」
花子「勝つまで!勝つまで辞めない!私は止まらない!」
アイドル「あの、ふたりがそろそろ限界だから」
花子「勝てばいいんでしょ勝てば!」
・・・・・・
歌手「はぁーっ、はぁーっ、き、きっつ・・・・・・何回歌った・・・・・?」
ダンサー「だ、ダンスって、連続で何十回もやることを想定されてないんです、よ・・・・・・・」ガクッ
花子「・・・・・・うーーーーーっ!くやしいーーーーーーーーーーっ!」
アイドル「はい、時間切れー。世界戦闘力を落としまくったはなちゃんはどうなってしまうのでしょうか!それではまた次回ー!」
花子「え、ほんとに?よし!次こそは!・・・・・・って、連戦!いや、やってやる!勝ち越させない!」
歌手「ここいらで一つ踊ってみようぜ♪夜が明けるまで転がってこうぜ♪」
アイドル(これ、連敗し続けたら歌手は歌い続けてダンサーは踊り続けることになるのかな?それはそれで面白そうだしいいか)
・・・・・・
歌手「あいむあるーざーどうせだったらとおぼえだっていいだろっ、もういっかいもういっかいいこうぜぼくらのこえっ!」
ダンサー「はぁー、はぁー」
アイドル「あのー、はなちゃん?」
花子「勝つまで!勝つまで辞めない!私は止まらない!」
アイドル「あの、ふたりがそろそろ限界だから」
花子「勝てばいいんでしょ勝てば!」
・・・・・・
歌手「はぁーっ、はぁーっ、き、きっつ・・・・・・何回歌った・・・・・?」
ダンサー「だ、ダンスって、連続で何十回もやることを想定されてないんです、よ・・・・・・・」ガクッ
花子「・・・・・・うーーーーーっ!くやしいーーーーーーーーーーっ!」
アイドル「はい、時間切れー。世界戦闘力を落としまくったはなちゃんはどうなってしまうのでしょうか!それではまた次回ー!」
53: ◆GiMcqKsVbQ 2020/06/11(木) 17:20:51.60 ID:RYojhWOb0
男「・・・・・あの花子さんが全戦全敗だと?」
隣人「我が家でゲーム大会開いたら優勝かっさらっていく花子さんが・・・・・まさかあんな」
メリー「相手の動きが頭おかしかったの。なんか花子の攻撃が全然当たらないの」
貞子「なんですかね、あのぴょんぴょんした動き」
男「まあ、相手が悪かったってことで」
花子「ただいまっ!テレビ使うよっ!」
男「お、おかえり」
メリー「トイレワープまで使って帰ってくるとは、どうしたの?」
花子「何って、特訓よ特訓!負けっぱなしでいられるもんですか!絶対ボコし返してやる!」
貞子「はい、がんばってください!」
隣人「我が家でゲーム大会開いたら優勝かっさらっていく花子さんが・・・・・まさかあんな」
メリー「相手の動きが頭おかしかったの。なんか花子の攻撃が全然当たらないの」
貞子「なんですかね、あのぴょんぴょんした動き」
男「まあ、相手が悪かったってことで」
花子「ただいまっ!テレビ使うよっ!」
男「お、おかえり」
メリー「トイレワープまで使って帰ってくるとは、どうしたの?」
花子「何って、特訓よ特訓!負けっぱなしでいられるもんですか!絶対ボコし返してやる!」
貞子「はい、がんばってください!」
54: ◆GiMcqKsVbQ 2020/06/11(木) 17:21:43.16 ID:RYojhWOb0
―1週間後―
男「・・・・・・あれから花子さん、ずっと引きこもってるな。隣人の部屋に」
メリー「寝てる時以外はゲームしかやってないの。ごはんも置いとけ状態なの。おかげで向こうで寝れないの」
隣人「心配ですね。ちゃんと食べてはいるみたいですけど・・・・・・」
貞子「あの連敗が彼女を変えてしまったんですね」
男「いや、さすがによろしくないだろ。ちょっと一言言ってくる」
メリー「でもあいつ、今聞く耳持たないの」
男「やり方はいろいろあるさ。まあ任せてくれ。対処法は姉ちゃんのお嬢様から聞いてるんだ」
メリー「なんでお嬢様とかいう身分の人が引きこもりの対処法を知っているのか甚だ疑問ではあるの」
男「・・・・・・あれから花子さん、ずっと引きこもってるな。隣人の部屋に」
メリー「寝てる時以外はゲームしかやってないの。ごはんも置いとけ状態なの。おかげで向こうで寝れないの」
隣人「心配ですね。ちゃんと食べてはいるみたいですけど・・・・・・」
貞子「あの連敗が彼女を変えてしまったんですね」
男「いや、さすがによろしくないだろ。ちょっと一言言ってくる」
メリー「でもあいつ、今聞く耳持たないの」
男「やり方はいろいろあるさ。まあ任せてくれ。対処法は姉ちゃんのお嬢様から聞いてるんだ」
メリー「なんでお嬢様とかいう身分の人が引きこもりの対処法を知っているのか甚だ疑問ではあるの」
55: ◆GiMcqKsVbQ 2020/06/11(木) 17:23:22.04 ID:RYojhWOb0
花子「ああもうっ!こんな反確の動きしたらダメっ!」
男「花子さーん」
花子「うっさい!話しかけんな!」
男「・・・・・・うん、予想通りの展開だ」
男(ここでブレーカーをひとつまみ)
バツン
花子「・・・・・・!?!?!?!?!?」
花子「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”っ”!?」
男(ヒドイ絶叫だ。とても女子とは思えない)
花子「なっ、なんでっ!?なんで電気消えたのっ!?電源っ!復帰っ!」
男「はい、そこで終了。終わりにしろ」
花子「お前かっ!なんてことすんのよ!」
男「花子さん、自分の姿鏡で見たか?すごいことになってるぞ」
花子「うっさいっ!ほっといて!」
男「臭いもすごいし・・・・・・風呂にも入ってないだろ」
花子「うっさいっての!アンタに指図される謂れはない!」
男「あるに決まってんだろ。家主だぞ。こっちは隣人の部屋だけど、隣人からもクレームが出てる」
花子「あっ、うっ、そのっ」
男「とにかく、一回風呂入れ。んで、こっちの部屋に来い。いいな?」
花子「で、でもぉ!」
男「1時間以内だ!返事っ!」
花子「は、はいっ!」
男「花子さーん」
花子「うっさい!話しかけんな!」
男「・・・・・・うん、予想通りの展開だ」
男(ここでブレーカーをひとつまみ)
バツン
花子「・・・・・・!?!?!?!?!?」
花子「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”っ”!?」
男(ヒドイ絶叫だ。とても女子とは思えない)
花子「なっ、なんでっ!?なんで電気消えたのっ!?電源っ!復帰っ!」
男「はい、そこで終了。終わりにしろ」
花子「お前かっ!なんてことすんのよ!」
男「花子さん、自分の姿鏡で見たか?すごいことになってるぞ」
花子「うっさいっ!ほっといて!」
男「臭いもすごいし・・・・・・風呂にも入ってないだろ」
花子「うっさいっての!アンタに指図される謂れはない!」
男「あるに決まってんだろ。家主だぞ。こっちは隣人の部屋だけど、隣人からもクレームが出てる」
花子「あっ、うっ、そのっ」
男「とにかく、一回風呂入れ。んで、こっちの部屋に来い。いいな?」
花子「で、でもぉ!」
男「1時間以内だ!返事っ!」
花子「は、はいっ!」
56: ◆GiMcqKsVbQ 2020/06/11(木) 17:24:26.99 ID:RYojhWOb0
隣人「・・・・・・あれがお嬢様式」
貞子「今どきのお嬢様は引きこもりを強制的に外に出させるんですね」
メリー「引きこもりとかニートは家主に対して地位が低いの。そのカードを切られたら従うしかないの」
貞子「もしくは必死で懇願する」
メリー「たとえ身体を差し出してもなの。手は出してこなかったの」
隣人「あの、もしかして期待した事とかありました?」
貞子「正直に言うとありました」
メリー「期待というか、いつ来られてもいいようにはしてたの。いざやることやるとなって駄目でしたで捨てられたら悲惨なの」
隣人「ちなみに、みなさんはどのあたりまで付き合えます?」
貞子「死なない上に五体満足でいられるならなんでも」
メリー「身体さえ壊れなければ穴は全部使ってくれていいの」
隣人「私が言えた話じゃないですけどお二人の愛も結構重いですよね」
貞子「今どきのお嬢様は引きこもりを強制的に外に出させるんですね」
メリー「引きこもりとかニートは家主に対して地位が低いの。そのカードを切られたら従うしかないの」
貞子「もしくは必死で懇願する」
メリー「たとえ身体を差し出してもなの。手は出してこなかったの」
隣人「あの、もしかして期待した事とかありました?」
貞子「正直に言うとありました」
メリー「期待というか、いつ来られてもいいようにはしてたの。いざやることやるとなって駄目でしたで捨てられたら悲惨なの」
隣人「ちなみに、みなさんはどのあたりまで付き合えます?」
貞子「死なない上に五体満足でいられるならなんでも」
メリー「身体さえ壊れなければ穴は全部使ってくれていいの」
隣人「私が言えた話じゃないですけどお二人の愛も結構重いですよね」
57: ◆GiMcqKsVbQ 2020/06/11(木) 17:25:02.02 ID:RYojhWOb0
花子「お、お風呂あがりました」
男「よし。じゃあそこに正座。三人はちょっと隣に行っておいてくれ」
隣人「はーい」
メリー「これって向こうでやればよかったんじゃないの?」
男「ついでに掃除も頼む」
貞子「なるほど。今までメリーさんや隣人さんが済ませてしまうから活きなかった私のメイド仕込みの掃除スキルが活きる時ですね!」
メリー「掃除機とゴミ袋と適当に持っていくの」
隣人「掃除機なら私の部屋にもありますよ?」
メリー「こっちのこの前買い替えた最新式だから性能いいの。くるくるぽんなの」
隣人「なるほど」
男「早く行ってもらっていいか?」
隣人「あ、ごめんなさい」
男「よし。じゃあそこに正座。三人はちょっと隣に行っておいてくれ」
隣人「はーい」
メリー「これって向こうでやればよかったんじゃないの?」
男「ついでに掃除も頼む」
貞子「なるほど。今までメリーさんや隣人さんが済ませてしまうから活きなかった私のメイド仕込みの掃除スキルが活きる時ですね!」
メリー「掃除機とゴミ袋と適当に持っていくの」
隣人「掃除機なら私の部屋にもありますよ?」
メリー「こっちのこの前買い替えた最新式だから性能いいの。くるくるぽんなの」
隣人「なるほど」
男「早く行ってもらっていいか?」
隣人「あ、ごめんなさい」
58: ◆GiMcqKsVbQ 2020/06/11(木) 17:25:30.98 ID:RYojhWOb0
男「さて、花子さん。今から俺はお説教をします」
花子「・・・・・・はい」
男「その前に、だ。なんで花子さんに怒ってると思う?」
花子「え、なんでって。・・・・・・引きこもって迷惑かけたからじゃないの?」
男「違う」
花子「え?えーと、お風呂にちゃんと入ってなかったから?ほら、男って綺麗好きっていうか臭いの嫌いだし」
男「そうじゃないな」
花子「ええっと、それじゃあ・・・・・・ええっと、ええっと?」
花子「・・・・・・わかんない」
男「うん、まあいいだろう。俺が怒ってるのは花子さんが自分の生活や身体をないがしろにしたからだ」
花子「・・・・・・は?」
花子「・・・・・・はい」
男「その前に、だ。なんで花子さんに怒ってると思う?」
花子「え、なんでって。・・・・・・引きこもって迷惑かけたからじゃないの?」
男「違う」
花子「え?えーと、お風呂にちゃんと入ってなかったから?ほら、男って綺麗好きっていうか臭いの嫌いだし」
男「そうじゃないな」
花子「ええっと、それじゃあ・・・・・・ええっと、ええっと?」
花子「・・・・・・わかんない」
男「うん、まあいいだろう。俺が怒ってるのは花子さんが自分の生活や身体をないがしろにしたからだ」
花子「・・・・・・は?」
59: ◆GiMcqKsVbQ 2020/06/11(木) 17:26:15.04 ID:RYojhWOb0
男「社長が言ってたが、人外の存在でも生活が崩れることによって病気になったりするそうだ。んで、そうなったときに病院にいくのは大変らしい。人間の病院じゃ診れないからな」
花子「・・・・・・病院ぐらい自分でいけるし」
男「そういう話じゃない」
花子「ほっといたらいいじゃん!私だって今は自分でお金稼いでるし!病院代も自分で払える!男に迷惑かけないでしょ!」
男「ああ、花子さんが完全に自立してるっていうなら俺はそこに文句を付けられない。そうなると無関係だしな」
花子「だったら!・・・・・・出ていけって、言うの?私は、ここを出て行ったらいいの!?そういうことなの!?」
男「違う!」
花子「じゃあ、どういうつもりなのよ!」
男「俺もメリーさんも貞子さんも隣人も、花子さんのことは家族の一人として考えている。だから、自分をないがしろにすることには怒るんだ」
花子「なによ、それって・・・・・・」
男「仮にさ、俺が毎日酒を浴びるほど飲んで食べ物も油物とかラーメンとかばっかりで、みたいな生活を送ってたらお前ら文句つけるだろ?」
花子「そりゃそうよ!そんな生活してたら男すぐに死んじゃうじゃん!」
男「でも、都市伝説のとこはもう辞めたんだから法に縛られてるわけじゃないだろ?」
花子「そういうことじゃないでしょ!」
男「ああ。今花子さんが思ってることは、俺たちが花子さんに対して思っていたことだ」
花子「あっ・・・・・・」
花子「・・・・・・病院ぐらい自分でいけるし」
男「そういう話じゃない」
花子「ほっといたらいいじゃん!私だって今は自分でお金稼いでるし!病院代も自分で払える!男に迷惑かけないでしょ!」
男「ああ、花子さんが完全に自立してるっていうなら俺はそこに文句を付けられない。そうなると無関係だしな」
花子「だったら!・・・・・・出ていけって、言うの?私は、ここを出て行ったらいいの!?そういうことなの!?」
男「違う!」
花子「じゃあ、どういうつもりなのよ!」
男「俺もメリーさんも貞子さんも隣人も、花子さんのことは家族の一人として考えている。だから、自分をないがしろにすることには怒るんだ」
花子「なによ、それって・・・・・・」
男「仮にさ、俺が毎日酒を浴びるほど飲んで食べ物も油物とかラーメンとかばっかりで、みたいな生活を送ってたらお前ら文句つけるだろ?」
花子「そりゃそうよ!そんな生活してたら男すぐに死んじゃうじゃん!」
男「でも、都市伝説のとこはもう辞めたんだから法に縛られてるわけじゃないだろ?」
花子「そういうことじゃないでしょ!」
男「ああ。今花子さんが思ってることは、俺たちが花子さんに対して思っていたことだ」
花子「あっ・・・・・・」
60: ◆GiMcqKsVbQ 2020/06/11(木) 17:27:20.15 ID:RYojhWOb0
男「仕事をする上での多少の不健康な生活なら見逃す。ただ生活がまともに送れないようになるっていうのなら、俺は仕事場に乗り込んででも花子さんを辞めさせる」
花子「で、でも・・・・・・」
男「今まで3人まとめて養ってきたのは誰だと思ってるんだ。今更元に戻ったところでまだまだ余裕だよ」
花子「でも、私、もっと強くならないと、あそこにいられないし・・・・・・」
男「本当にそうだっていうのなら、それこそ辞めさせる。だが、本当にそうなのか?花子さんの事務所は花子さんにゲーマーとして最強の腕を望んでるのか?」
花子「えっと・・・・・・」
男「少なくとも見ている限りだとそうじゃなかった。どっちかっていうとバラエティ枠だろ?芸能事務所だし」
花子「そう、かも」
男「そもそも前の生配信思い出してみろよ。勝ったらライブして負けたら後ろでライブされてたんだろ?あれ見て誰が全戦全勝を望むんだよ」
花子「・・・・・・」
男「確かに、花子さんはそれを望んでるかもしれない。ただ、そのために生活をないがしろにするのであれば是が非でも辞めさせる。それが家主としての俺の意思だ。異論はあるか?」
花子「・・・・・・ない」
男「ならばよし。それに、特訓するなら特訓するでその動画も録ったりできるんだろ?そういうのも配信して稼いで行きゃいいじゃんか」
花子「あっ、そっか。男ってけっこうがめついね」
男「これでも大企業の社員なんでね」
花子「で、でも・・・・・・」
男「今まで3人まとめて養ってきたのは誰だと思ってるんだ。今更元に戻ったところでまだまだ余裕だよ」
花子「でも、私、もっと強くならないと、あそこにいられないし・・・・・・」
男「本当にそうだっていうのなら、それこそ辞めさせる。だが、本当にそうなのか?花子さんの事務所は花子さんにゲーマーとして最強の腕を望んでるのか?」
花子「えっと・・・・・・」
男「少なくとも見ている限りだとそうじゃなかった。どっちかっていうとバラエティ枠だろ?芸能事務所だし」
花子「そう、かも」
男「そもそも前の生配信思い出してみろよ。勝ったらライブして負けたら後ろでライブされてたんだろ?あれ見て誰が全戦全勝を望むんだよ」
花子「・・・・・・」
男「確かに、花子さんはそれを望んでるかもしれない。ただ、そのために生活をないがしろにするのであれば是が非でも辞めさせる。それが家主としての俺の意思だ。異論はあるか?」
花子「・・・・・・ない」
男「ならばよし。それに、特訓するなら特訓するでその動画も録ったりできるんだろ?そういうのも配信して稼いで行きゃいいじゃんか」
花子「あっ、そっか。男ってけっこうがめついね」
男「これでも大企業の社員なんでね」
61: ◆GiMcqKsVbQ 2020/06/11(木) 17:27:56.81 ID:RYojhWOb0
メリー「花子ーーーーっっ!終わったなら手伝えなのーーーーっ!」
貞子「なんですかあのゴミの量!しかもあなた、トイレにも全然行ってなかったみたいですね!トイレの花子さんのくせに!」
男「えっ」
花子「い、いや、それは、ね?反省してるから・・・・・・ね?」
男「あの」
隣人「先輩、聞かない方がいいです」
男「え、そこまでなのか?」
隣人「はい。そしてですね」
隣人「渡シの部屋をあん名風に津かッて汰コトについて御噺があり升」
花子「あっ・・・・・・」
男「よし!俺の分の説教終わり!こってりしぼられてこい!」
花子「やだーーーーー!許してーーーーーー!!!!」
貞子「なんですかあのゴミの量!しかもあなた、トイレにも全然行ってなかったみたいですね!トイレの花子さんのくせに!」
男「えっ」
花子「い、いや、それは、ね?反省してるから・・・・・・ね?」
男「あの」
隣人「先輩、聞かない方がいいです」
男「え、そこまでなのか?」
隣人「はい。そしてですね」
隣人「渡シの部屋をあん名風に津かッて汰コトについて御噺があり升」
花子「あっ・・・・・・」
男「よし!俺の分の説教終わり!こってりしぼられてこい!」
花子「やだーーーーー!許してーーーーーー!!!!」
62: ◆GiMcqKsVbQ 2020/06/11(木) 17:28:42.87 ID:RYojhWOb0
花子「ひぐっ、えぐっ、えぐっ」
隣人「これに懲りたら今度から気を付けるように!」
花子「はい・・・・・・ひっぐ」
メリー「よし、説教も終わったみたいだしご飯にするの」
隣人「あれ、いつのまに?」
貞子「隣人さんのお説教が長かったので買い出しから調理まですべて済んじゃいましたよ」
男「よしよし、もうご飯だからそろそろ泣き止もうな」
花子「うん・・・・・・ひっぐ、ぐすっ」
メリー「たまには子供らしく叱られるのもいいもんなの」
貞子「私はしょっちゅう叱られてますけどね」
メリー「お前は問題行動が多すぎなの。メイドならもっと慎みを持てなの」
貞子「自分の欲には抗えません!」
メリー「駄メイドなの」
隣人「これに懲りたら今度から気を付けるように!」
花子「はい・・・・・・ひっぐ」
メリー「よし、説教も終わったみたいだしご飯にするの」
隣人「あれ、いつのまに?」
貞子「隣人さんのお説教が長かったので買い出しから調理まですべて済んじゃいましたよ」
男「よしよし、もうご飯だからそろそろ泣き止もうな」
花子「うん・・・・・・ひっぐ、ぐすっ」
メリー「たまには子供らしく叱られるのもいいもんなの」
貞子「私はしょっちゅう叱られてますけどね」
メリー「お前は問題行動が多すぎなの。メイドならもっと慎みを持てなの」
貞子「自分の欲には抗えません!」
メリー「駄メイドなの」
63: ◆GiMcqKsVbQ 2020/06/11(木) 17:30:22.74 ID:RYojhWOb0
花子(なんか、こうやってしてると改めて一緒に暮らしてるって言うのを感じられる気がする)
花子(お互いに無関心じゃいられない、過干渉になっちゃうこともある。これが、家族、だよね)
花子(もちろん嫌なことだってある。でも、それ以上にいいことの方が多い)
花子(・・・・・・うん、がんばろう。とりあえずみんなが安心して生活できるぐらいには)
隣人「先輩、最後の一個、あーんしてください」
男「え?あーん」
花子「ぱくっ」
隣人「・・・・・・ちょっとぉ!?花子さん!?」
花子「べー、だ。いちゃいちゃしててさっさと食べないのが悪いんだよーだ。ごちそうさまー」
貞子「そうです!のろけを見せられるこっちの気持ちにもなってください!」
メリー「花子、よくやったの。いちゃつくならよそでやれなの」
男「そんなにいちゃいちゃしてたつもりはないんだけど・・・・・・」
花子「いやー、男からあーんしてもらって食べるご飯はおいしいなー!これを食べれない彼女さんはかわいそうだなー!」
隣人「こんのっ!いいでしょう花子さん、宣戦布告とみなしました!」
花子「ラグナロクオンラインで待ってるよー、月宮」
隣人「すぐインしますから!あなたを詐欺罪(食い逃げ)と窃盗罪で裁きます!覚悟の準備をしておいてください!いいですね!」
男「・・・・・・うん。元気になったみたいで何よりだな」
To be continued...
花子(お互いに無関心じゃいられない、過干渉になっちゃうこともある。これが、家族、だよね)
花子(もちろん嫌なことだってある。でも、それ以上にいいことの方が多い)
花子(・・・・・・うん、がんばろう。とりあえずみんなが安心して生活できるぐらいには)
隣人「先輩、最後の一個、あーんしてください」
男「え?あーん」
花子「ぱくっ」
隣人「・・・・・・ちょっとぉ!?花子さん!?」
花子「べー、だ。いちゃいちゃしててさっさと食べないのが悪いんだよーだ。ごちそうさまー」
貞子「そうです!のろけを見せられるこっちの気持ちにもなってください!」
メリー「花子、よくやったの。いちゃつくならよそでやれなの」
男「そんなにいちゃいちゃしてたつもりはないんだけど・・・・・・」
花子「いやー、男からあーんしてもらって食べるご飯はおいしいなー!これを食べれない彼女さんはかわいそうだなー!」
隣人「こんのっ!いいでしょう花子さん、宣戦布告とみなしました!」
花子「ラグナロクオンラインで待ってるよー、月宮」
隣人「すぐインしますから!あなたを詐欺罪(食い逃げ)と窃盗罪で裁きます!覚悟の準備をしておいてください!いいですね!」
男「・・・・・・うん。元気になったみたいで何よりだな」
To be continued...
64: ◆GiMcqKsVbQ 2020/06/11(木) 17:38:58.94 ID:RYojhWOb0
完結編第二話【トイレの花子さん】をお送りしました。
花子さんは子供らしさを大事にして書いたつもりですが、自分で書くとメスガキ感が出ないな。
もっと家庭内煽ってほしい。それで返り討ちにしてわからせたい。
次回は【呪いのビデオ】です。男は死にます。
メリーちゃんに二人羽織であつあつおでんを食べさせたい。
花子さんは子供らしさを大事にして書いたつもりですが、自分で書くとメスガキ感が出ないな。
もっと家庭内煽ってほしい。それで返り討ちにしてわからせたい。
次回は【呪いのビデオ】です。男は死にます。
メリーちゃんに二人羽織であつあつおでんを食べさせたい。
男「変な女の子を拾った」
2020-05-06
2: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/25(月) 19:12:06.04 ID:DQofUWco0
大学の帰り道
時間は22:30
男「うわ~・・・ゲリラ豪雨ってやつだな・・・」
土砂降りの雨の中コンビニで買ったビニール傘をさしながら帰路についていた
ブロロロロロ・・・
バシャッ!!
車が水たまりの水を俺に引っ掛けて去って行く
男「ちっ・・・!まぁ、この天候じゃしょうがないか・・・」
時間は22:30
男「うわ~・・・ゲリラ豪雨ってやつだな・・・」
土砂降りの雨の中コンビニで買ったビニール傘をさしながら帰路についていた
ブロロロロロ・・・
バシャッ!!
車が水たまりの水を俺に引っ掛けて去って行く
男「ちっ・・・!まぁ、この天候じゃしょうがないか・・・」
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5: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/25(月) 19:17:29.32 ID:DQofUWco0
すれ違う通行人もみんな早足でお互い無関心だ
その中で水を盛大にかぶった俺だけ堂々と雨の中を歩いていた
男「もう雨なんざ関係ないな・・・」
ザー・・・
前から自分と同じように傘もささずに歩いている猛者がいた
男「やるなぁ・・・まだ小さい女の子なのに」
とぼとぼと今にも転びそうな足取りで雨の中を歩いている
ドンッ
バシャッ
すれ違ったサラリーマンに肩がぶつかって女の子が倒れた
その中で水を盛大にかぶった俺だけ堂々と雨の中を歩いていた
男「もう雨なんざ関係ないな・・・」
ザー・・・
前から自分と同じように傘もささずに歩いている猛者がいた
男「やるなぁ・・・まだ小さい女の子なのに」
とぼとぼと今にも転びそうな足取りで雨の中を歩いている
ドンッ
バシャッ
すれ違ったサラリーマンに肩がぶつかって女の子が倒れた
6: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/25(月) 19:20:05.58 ID:DQofUWco0
サラリーマン「・・・・・」
サラリーマンは何事も無かったように歩き去った
男「ひっでぇ・・・」
なんだか同志がやられたような気がして俺は駆け寄った
男「大丈夫か?」
女の子「・・・・・」
ザー・・・・
何か言ったのか雨音で聞き取れない
ただ・・・女の子の顔はこの世の全てに絶望したようにやつれていた
サラリーマンは何事も無かったように歩き去った
男「ひっでぇ・・・」
なんだか同志がやられたような気がして俺は駆け寄った
男「大丈夫か?」
女の子「・・・・・」
ザー・・・・
何か言ったのか雨音で聞き取れない
ただ・・・女の子の顔はこの世の全てに絶望したようにやつれていた
8: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/25(月) 19:23:33.64 ID:DQofUWco0
男「おい・・・!大丈夫かよ!?」
ザー・・・
雨音に負けないくらい大きな声で話しかける
男(泣いてる・・・?)
雨水なのか涙なのかわからないが女の子は泣いてる・・・気がした
男「家は・・・!?なんで傘もささないんだよ!?」
傘をさしていないのは自分もだが
女の子「・・・・ない」
男「なんだって!?」
よく聞き取れなかった
女の子「帰るとこ・・・ない・・・」
今度はしっかりそう聞こえた
ザー・・・
雨音に負けないくらい大きな声で話しかける
男(泣いてる・・・?)
雨水なのか涙なのかわからないが女の子は泣いてる・・・気がした
男「家は・・・!?なんで傘もささないんだよ!?」
傘をさしていないのは自分もだが
女の子「・・・・ない」
男「なんだって!?」
よく聞き取れなかった
女の子「帰るとこ・・・ない・・・」
今度はしっかりそう聞こえた
9: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/25(月) 19:30:03.81 ID:DQofUWco0
・・・・・・
男のアパート
男「ひどい雨だったな・・・」
何とか家にたどり着いた
女の子「・・・・」
男(連れてきちゃったよ・・・)
あのまま無視も出来なかったのでとりあえず雨が止むまでということで家に連れてきた
男「とりあえずあったまんねぇと・・・!」
急いでレトロなストーブに火をいれ風呂を沸かす
男「ほらよ、ちゃんと拭いときな」
ファサ・・・
タオルを渡すとゆっくりと髪を拭き始めた
女の子は小学生・・・もしかしたら中学生かもしれないくらいだ
男「ほら、お前もあたれよ。あったかいぞ」
ストーブの前に座らせると女の子は素直に火にあたった
男「とりあえずこの雨が止むまでな・・・なんっも変な気とかないからな!」
男のアパート
男「ひどい雨だったな・・・」
何とか家にたどり着いた
女の子「・・・・」
男(連れてきちゃったよ・・・)
あのまま無視も出来なかったのでとりあえず雨が止むまでということで家に連れてきた
男「とりあえずあったまんねぇと・・・!」
急いでレトロなストーブに火をいれ風呂を沸かす
男「ほらよ、ちゃんと拭いときな」
ファサ・・・
タオルを渡すとゆっくりと髪を拭き始めた
女の子は小学生・・・もしかしたら中学生かもしれないくらいだ
男「ほら、お前もあたれよ。あったかいぞ」
ストーブの前に座らせると女の子は素直に火にあたった
男「とりあえずこの雨が止むまでな・・・なんっも変な気とかないからな!」
10: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/25(月) 19:33:37.52 ID:DQofUWco0
自分に言い聞かせるように宣言する
状態を見れば十分にアウトだ
男「そろっと風呂いいかな・・・?」
女の子はびしょ濡れの服を一生懸命さっき渡したタオルで拭いていた
男「おいおい、そんなんじゃダメだって・・・したの階に乾燥機持ってる先輩がいるから乾かしてもらってくるよ」
言ったあとに自分がとんでもないことを口走ったことに気がついた
男「別に・・・変な気とかないし・・・!雨が止むまでだし・・・!」
状態を見れば十分にアウトだ
男「そろっと風呂いいかな・・・?」
女の子はびしょ濡れの服を一生懸命さっき渡したタオルで拭いていた
男「おいおい、そんなんじゃダメだって・・・したの階に乾燥機持ってる先輩がいるから乾かしてもらってくるよ」
言ったあとに自分がとんでもないことを口走ったことに気がついた
男「別に・・・変な気とかないし・・・!雨が止むまでだし・・・!」
11: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/25(月) 19:37:58.65 ID:DQofUWco0
すると、女の子はその場で服を脱ぎ始めた
男の俺が見ているのに全く抵抗がないようだ
男「バカバカバカ!!!せめて脱衣所いけ!!」
脱衣所に女の子を押し込むと深呼吸をして落ち着く
男「なんだあの子は・・・?」
バタン・・・
風呂場に入ったおとが聞こえたので脱衣所にある女の子の服をかごに入れて
男「じゃ・・・服乾かしてくるからな」
一応ことわっておく
無断で持ち出したらただのヘン夕イだから
ふと服をみると所々に赤黒い染みがある
男(・・・血?)
男の俺が見ているのに全く抵抗がないようだ
男「バカバカバカ!!!せめて脱衣所いけ!!」
脱衣所に女の子を押し込むと深呼吸をして落ち着く
男「なんだあの子は・・・?」
バタン・・・
風呂場に入ったおとが聞こえたので脱衣所にある女の子の服をかごに入れて
男「じゃ・・・服乾かしてくるからな」
一応ことわっておく
無断で持ち出したらただのヘン夕イだから
ふと服をみると所々に赤黒い染みがある
男(・・・血?)
12: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/25(月) 19:42:41.27 ID:DQofUWco0
・・・・・・
先輩に乾燥機を借りると伝えると自分と女の子の服を先輩に見られないように乾燥機に放り込む
先輩「おう、男!ちと呑んでけや!」
男「いや・・・今日はいいす・・・」
先輩「んん?お前また新しいの借りてきたな!?」
男「何がですか?」
先輩「お・と・な・・・のDVDだ!」
バタン!
男「あとで洗濯回収にきまーす」
この先輩は結構いい人なのだが無駄に寂しがり屋なのだ
先輩に乾燥機を借りると伝えると自分と女の子の服を先輩に見られないように乾燥機に放り込む
先輩「おう、男!ちと呑んでけや!」
男「いや・・・今日はいいす・・・」
先輩「んん?お前また新しいの借りてきたな!?」
男「何がですか?」
先輩「お・と・な・・・のDVDだ!」
バタン!
男「あとで洗濯回収にきまーす」
この先輩は結構いい人なのだが無駄に寂しがり屋なのだ
13: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/25(月) 19:49:31.49 ID:DQofUWco0
・・・・・
ガチャ・・・
男「ふぃ~・・・」
部屋に戻ると・・・
女の子「・・・・・」
ほぼ全裸で部屋の真ん中に女の子が立っていた
男「ゔぁ・・・!バカ!何かきr・・・」
服は自分がさっき持って行ってしまった
女の子はさっき自分が渡した濡れたタオルで申し訳程度に身体をおおってる
男「あ~・・・悪かったな。そこまで気が回らなかったわ・・・。いや、本当に変な気とかないから」
必死に言い訳をならべる
女の子「雨が・・・止むまで・・・」
やっとまともに出た言葉がそれだった
男「そうだ、雨が止むまでだ」
クローゼットから自分のTシャツとパーカー、ジャージのズボンを取り出して女の子に渡す
男「下着はどうしようもないから・・・とりあえずこれ」
女の子がゴソゴソと着替え始めたので後ろを向いて素数を数えた
ガチャ・・・
男「ふぃ~・・・」
部屋に戻ると・・・
女の子「・・・・・」
ほぼ全裸で部屋の真ん中に女の子が立っていた
男「ゔぁ・・・!バカ!何かきr・・・」
服は自分がさっき持って行ってしまった
女の子はさっき自分が渡した濡れたタオルで申し訳程度に身体をおおってる
男「あ~・・・悪かったな。そこまで気が回らなかったわ・・・。いや、本当に変な気とかないから」
必死に言い訳をならべる
女の子「雨が・・・止むまで・・・」
やっとまともに出た言葉がそれだった
男「そうだ、雨が止むまでだ」
クローゼットから自分のTシャツとパーカー、ジャージのズボンを取り出して女の子に渡す
男「下着はどうしようもないから・・・とりあえずこれ」
女の子がゴソゴソと着替え始めたので後ろを向いて素数を数えた
18: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/25(月) 20:19:32.01 ID:DQofUWco0
終わったともなんとも返事がないので
恐る恐るふりかえると・・・
女の子「・・・・・」
早速ストーブに当たっていた
男「あ・・・寒かったのね」
隣に座ると女の子はちょっと怯えたような顔でこっちを見ている
男「なんもしないよ・・・」
警戒されている・・・とは違う何か妙なものを感じた
女の子はまた元どおりにストーブにあたる
男「・・・名前は・・・?」
女の子「・・・・・」
またおなじようにこっちを見ている
男「名前わかんないと・・・会話も出来ないじゃん?」
恐る恐るふりかえると・・・
女の子「・・・・・」
早速ストーブに当たっていた
男「あ・・・寒かったのね」
隣に座ると女の子はちょっと怯えたような顔でこっちを見ている
男「なんもしないよ・・・」
警戒されている・・・とは違う何か妙なものを感じた
女の子はまた元どおりにストーブにあたる
男「・・・名前は・・・?」
女の子「・・・・・」
またおなじようにこっちを見ている
男「名前わかんないと・・・会話も出来ないじゃん?」
19: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/25(月) 20:25:35.63 ID:DQofUWco0
女の子「・・・姫・・・」
男「ひめ・・・?」
変な名前だが・・・名前が分かっただけでも前進だろう
男「姫か・・・珍しい名前だな」
姫「・・・・うん」
なんとか会話になってきた
男「俺はだんって言うんだ。男って書いてだん」
姫「・・・だん?」
男「・・・・・」
姫「・・・・・」
男「いま変な名前って思ったろ?」
姫「・・・だん・・・男・・・」
よくわからんが覚えようとするように何度も名前をとなえる
男「ひめ・・・?」
変な名前だが・・・名前が分かっただけでも前進だろう
男「姫か・・・珍しい名前だな」
姫「・・・・うん」
なんとか会話になってきた
男「俺はだんって言うんだ。男って書いてだん」
姫「・・・だん?」
男「・・・・・」
姫「・・・・・」
男「いま変な名前って思ったろ?」
姫「・・・だん・・・男・・・」
よくわからんが覚えようとするように何度も名前をとなえる
20: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/25(月) 20:31:37.72 ID:DQofUWco0
男「覚えやすいだろ?親父がつけてくれたんだぜ」
姫「・・・へえ・・・」
男「姫はお父さんかお母さんは・・・?」
姫の表情が固まった
姫「あ・・・あ・・・」
顔がみるみるさっきあった時のように恐怖と絶望にそまる
男「あ・・・いや、別にいいんだ!ちょっと聞いただけだから・・・!」
なにかいけないことを聞いてしまったようだ
姫「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」
何度も何度も呪文のように何かに謝り続けた
男「ああっ!!悪かった!もうその話はいい!!」
つい自分まで取り乱してしまう
姫「・・・へえ・・・」
男「姫はお父さんかお母さんは・・・?」
姫の表情が固まった
姫「あ・・・あ・・・」
顔がみるみるさっきあった時のように恐怖と絶望にそまる
男「あ・・・いや、別にいいんだ!ちょっと聞いただけだから・・・!」
なにかいけないことを聞いてしまったようだ
姫「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」
何度も何度も呪文のように何かに謝り続けた
男「ああっ!!悪かった!もうその話はいい!!」
つい自分まで取り乱してしまう
22: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/25(月) 20:36:50.33 ID:DQofUWco0
姫はどんどん恐怖に飲まれガタガタと震えはじめた
男「どうしたんだよ!?くそっ・・・!!」
どうしたらいいか分からない
とっさに姫を抱きしめていた
男「ごめんっ・・・ごめんな・・・!」
俺も訳がわからず謝った
腕に中で震えていた姫はゆっくりと落ち着きを取り戻し・・・
姫「・・・・・」
男「もう大丈夫か・・・?」
姫「・・・苦しい」
つい力がこもってしまっていた
男「あわっ・・・いや、ごめんな。別に変な気はないんだ・・・」
男「どうしたんだよ!?くそっ・・・!!」
どうしたらいいか分からない
とっさに姫を抱きしめていた
男「ごめんっ・・・ごめんな・・・!」
俺も訳がわからず謝った
腕に中で震えていた姫はゆっくりと落ち着きを取り戻し・・・
姫「・・・・・」
男「もう大丈夫か・・・?」
姫「・・・苦しい」
つい力がこもってしまっていた
男「あわっ・・・いや、ごめんな。別に変な気はないんだ・・・」
23: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/25(月) 20:46:04.75 ID:DQofUWco0
姫「雨・・・止まない・・」
ザー・・・
男「だな・・・」
雨が止むまでという約束をやけに大事にしてるな・・・と思った
男「何か食うか?俺腹減った」
姫「・・・・・・」コクン
食うらしい
冷蔵庫の中には何も無かった
男「何もねぇし・・・あ、カップ麺あったな」
丁度二つカップ麺があった
男「カップ麺でいい?」
姫「・・・・・」コクン
いいみたいだ
お湯を沸かして3分待つ
パカ
ズズーッ・・・
二人で麺をすすった
ザー・・・
男「だな・・・」
雨が止むまでという約束をやけに大事にしてるな・・・と思った
男「何か食うか?俺腹減った」
姫「・・・・・・」コクン
食うらしい
冷蔵庫の中には何も無かった
男「何もねぇし・・・あ、カップ麺あったな」
丁度二つカップ麺があった
男「カップ麺でいい?」
姫「・・・・・」コクン
いいみたいだ
お湯を沸かして3分待つ
パカ
ズズーッ・・・
二人で麺をすすった
25: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/25(月) 20:53:45.87 ID:DQofUWco0
・・・・・
男「ほら、乾いたぞ」
先輩の部屋から乾かしていた服をとってきた
姫「・・・今は・・・着替えたくない」
だぶだぶのジャージとパーカーは以外と楽なのだろうか・・・?
しかし、流石に下着はきてもらわないと困る
男「せめて下着だけでも・・・」
その時さっきまで気がつかなかった姫の異変に気がついた
手や足に傷が沢山ある
引っ掻き傷から叩かれたようなアザまで
男「これ・・・どうしたんだ・・・?」
姫「・・・・・」
男「もしかして・・・虐待とか?」
一番に思い浮かんだのはそれだった
姫「ぎゃく・・・たい?」
しかし、この時は気がつかなかった
彼女はもっと辛い仕打ちを耐えてきたことに
男「ほら、乾いたぞ」
先輩の部屋から乾かしていた服をとってきた
姫「・・・今は・・・着替えたくない」
だぶだぶのジャージとパーカーは以外と楽なのだろうか・・・?
しかし、流石に下着はきてもらわないと困る
男「せめて下着だけでも・・・」
その時さっきまで気がつかなかった姫の異変に気がついた
手や足に傷が沢山ある
引っ掻き傷から叩かれたようなアザまで
男「これ・・・どうしたんだ・・・?」
姫「・・・・・」
男「もしかして・・・虐待とか?」
一番に思い浮かんだのはそれだった
姫「ぎゃく・・・たい?」
しかし、この時は気がつかなかった
彼女はもっと辛い仕打ちを耐えてきたことに
37: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/26(火) 00:20:47.95 ID:YhgfQP5A0
男「虐待・・・もしかして知らない?」
姫「知らない・・・」
驚いた
まさか虐待を知らない人がいるなんて
男「その・・・乱暴されたりとか・・・」
乱暴という言葉を出した途端にまた姫の表情が強張る
やはりなにかトラウマがあるのだろう
男「まぁ、いいや」
姫「・・・・」
男「姫はいくつなんだ?中学生?それとも・・・小学生だったり?」
予想外の答えが帰ってきた
姫「わからない・・・」
姫「知らない・・・」
驚いた
まさか虐待を知らない人がいるなんて
男「その・・・乱暴されたりとか・・・」
乱暴という言葉を出した途端にまた姫の表情が強張る
やはりなにかトラウマがあるのだろう
男「まぁ、いいや」
姫「・・・・」
男「姫はいくつなんだ?中学生?それとも・・・小学生だったり?」
予想外の答えが帰ってきた
姫「わからない・・・」
38: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/26(火) 00:25:42.68 ID:YhgfQP5A0
男「わからないことは・・・ないだろ?学校はどこ行ってるんだ?」
姫「学校・・・行ってない・・・」
不登校か・・・?と考えたが続く姫の説明で合点がついた
姫「お母さん・・・いなくなってから学校行かせてもらえない・・・」
とても苦しそうに姫は教えてくれた
男「お母さん亡くなったのか・・・」
姫「違う!居なくなっただけ・・・!」
強く否定され少し戸惑ってしまった
そりゃそうだろう。まだ死んだと決まった訳じゃない母を死んだ扱いされて
姫「学校・・・行ってない・・・」
不登校か・・・?と考えたが続く姫の説明で合点がついた
姫「お母さん・・・いなくなってから学校行かせてもらえない・・・」
とても苦しそうに姫は教えてくれた
男「お母さん亡くなったのか・・・」
姫「違う!居なくなっただけ・・・!」
強く否定され少し戸惑ってしまった
そりゃそうだろう。まだ死んだと決まった訳じゃない母を死んだ扱いされて
40: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/26(火) 00:30:22.34 ID:YhgfQP5A0
男「そうか・・・お父さんは・・・?」
姫「・・・私が知らない時に死んだ」
知らない時・・・つまり物心つく前に死んだのだろう
姫「新しいお父さん・・・嫌・・・」
男「嫌・・・?」
ひどい目にあわせたのはこの新しいお父さんって人だろう
男「そうか・・・大変だったな」
そっと姫の肩を抱いてやると姫はまた違和感のある不思議な視線でこっちをみてきた
男「ん?俺どうかした?」
姫「なんでも・・・ない」
気がつくともう日付をまたいでいた
姫「・・・私が知らない時に死んだ」
知らない時・・・つまり物心つく前に死んだのだろう
姫「新しいお父さん・・・嫌・・・」
男「嫌・・・?」
ひどい目にあわせたのはこの新しいお父さんって人だろう
男「そうか・・・大変だったな」
そっと姫の肩を抱いてやると姫はまた違和感のある不思議な視線でこっちをみてきた
男「ん?俺どうかした?」
姫「なんでも・・・ない」
気がつくともう日付をまたいでいた
41: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/26(火) 00:37:37.13 ID:YhgfQP5A0
ザー・・・
雨は止まない
男「ゲリラ豪雨じゃなかったのかよ・・・」
姫「・・・・・・」
男「そのお父さんのところに帰りたく無いのか?」
姫「・・・・・」コクン
なんだか危ない気もするが・・・一日だけなら
男「雨が止むまでって約束だしな・・・泊まってくか?・・・・いや、もちろん変な気はないぞ?純粋に可哀想だからだ」
姫「・・・・泊まる。雨が止むまで」
話は決まったとなればあとは寝るだけ
男「そろっと寝ないと・・・。で、寝る場所なんだが・・・」
ベッドは一つ布団はない。
寝る場所は一つしかない。
ここでアニメとかのカッコいい紳士は「フッ、君はベッドで寝たまえベイビー。僕はソファーで十分っさ」というところだろう。
しかし、この季節でそれをやると・・・死ぬ。凍死する。
男「我慢できるか・・・?俺なるべく小さくなるからさ・・・?」
姫「大丈夫・・・慣れてるから」
男「慣れてる・・・?」
雨は止まない
男「ゲリラ豪雨じゃなかったのかよ・・・」
姫「・・・・・・」
男「そのお父さんのところに帰りたく無いのか?」
姫「・・・・・」コクン
なんだか危ない気もするが・・・一日だけなら
男「雨が止むまでって約束だしな・・・泊まってくか?・・・・いや、もちろん変な気はないぞ?純粋に可哀想だからだ」
姫「・・・・泊まる。雨が止むまで」
話は決まったとなればあとは寝るだけ
男「そろっと寝ないと・・・。で、寝る場所なんだが・・・」
ベッドは一つ布団はない。
寝る場所は一つしかない。
ここでアニメとかのカッコいい紳士は「フッ、君はベッドで寝たまえベイビー。僕はソファーで十分っさ」というところだろう。
しかし、この季節でそれをやると・・・死ぬ。凍死する。
男「我慢できるか・・・?俺なるべく小さくなるからさ・・・?」
姫「大丈夫・・・慣れてるから」
男「慣れてる・・・?」
42: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/26(火) 00:41:55.59 ID:YhgfQP5A0
一応歯磨きをしていざ寝ようと思った時のことだ
姫がおもむろに服を脱ぎ始めた
男「お、おい!バカ!何やってんだ!?」
脱ぐことに全く抵抗が無いようだ
下着だけになると床に土下座の体制になり
姫「今日は美味しいご馳走と暖かい部屋をありがとうございました・・・」
俺は絶句した・・・・
傷だらけの小さな背中
完全に仕込まれたような感謝の言葉
そして自らこんな格好に・・・
その事実が新たな事実を浮かび上がらせた
男「いつも・・・こんなことやらされてるのか・・・・?」
姫がおもむろに服を脱ぎ始めた
男「お、おい!バカ!何やってんだ!?」
脱ぐことに全く抵抗が無いようだ
下着だけになると床に土下座の体制になり
姫「今日は美味しいご馳走と暖かい部屋をありがとうございました・・・」
俺は絶句した・・・・
傷だらけの小さな背中
完全に仕込まれたような感謝の言葉
そして自らこんな格好に・・・
その事実が新たな事実を浮かび上がらせた
男「いつも・・・こんなことやらされてるのか・・・・?」
43: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/26(火) 00:45:53.77 ID:YhgfQP5A0
仕込んでいるのは恐らく新しいお父さんとやらだろう
そしてそいつは・・・とんだゲス野郎だ
下着姿でベッドに登ってくる姫に服を着せながら・・・
男「お前っ・・・もしかして・・・」
うまく言葉にできない・・・
こんなこと実際にあるなんて・・・
こんなか弱い女の子に・・・・
怒りと悲しみともうよく分からない感情が頭の中を支配した
すると、自然に涙が出てきた・・・
男「お前・・・・こんなこと・・・・」
そしてそいつは・・・とんだゲス野郎だ
下着姿でベッドに登ってくる姫に服を着せながら・・・
男「お前っ・・・もしかして・・・」
うまく言葉にできない・・・
こんなこと実際にあるなんて・・・
こんなか弱い女の子に・・・・
怒りと悲しみともうよく分からない感情が頭の中を支配した
すると、自然に涙が出てきた・・・
男「お前・・・・こんなこと・・・・」
44: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/26(火) 00:54:05.70 ID:YhgfQP5A0
考えたくなかった・・・
姫「どうして・・・お父さんはこうしないともっと痛いことする・・・」
痛みと恐怖でこの子を支配する奴が
許せなかった
無我夢中で服を着せる
男「そんなこと・・・しなくていいんだ・・・!そんなこと・・・しちゃダメだ!!」
姫「男も・・・私のこと叩く?」
行為をしなければ暴力
完全にそう仕込まれている
男「叩かないよ・・・。絶対に・・・怖い思いなんてさせないよ・・・」
人はここまで鬼畜になれるのだろうか
それも、義理とはいえ自分の娘に・・・
姫「男は・・・優しくしてくれた・・・。そのお返しは・・・?」
なんどか感じ取った不思議な視線
それは俺が優しくした見返りを求めていると考えたからだろう
姫「どうして・・・お父さんはこうしないともっと痛いことする・・・」
痛みと恐怖でこの子を支配する奴が
許せなかった
無我夢中で服を着せる
男「そんなこと・・・しなくていいんだ・・・!そんなこと・・・しちゃダメだ!!」
姫「男も・・・私のこと叩く?」
行為をしなければ暴力
完全にそう仕込まれている
男「叩かないよ・・・。絶対に・・・怖い思いなんてさせないよ・・・」
人はここまで鬼畜になれるのだろうか
それも、義理とはいえ自分の娘に・・・
姫「男は・・・優しくしてくれた・・・。そのお返しは・・・?」
なんどか感じ取った不思議な視線
それは俺が優しくした見返りを求めていると考えたからだろう
46: 名も無き被検体774号+ 2013/03/26(火) 01:06:30.87 ID:YhgfQP5A0
男「お返しなんて考えるな・・・。」
顔すら知らない姫の義理父に男は人生最大の怒りを覚えた
男「そのまま寝ていいんだよ・・・。もう誰も怖いことも痛いこともしないから」
姫ははじめて安心したように笑った
・・・・・・
次の日
警察署
警官「あ~どうも、児童相談係の担当の者です」
男「どうも・・・」
姫「・・・・・」
とりあえず二人で警察に来た
警察「私安岡と申します」
男「安岡さん、早速なんですが・・・」
今までのいきさつを説明した・・・・
もちろん姫の虐待のことも
安岡「ひっどい・・・」
男「もちろんなんとかしてくれますよね!?」
しかし安岡さんは・・・
安岡「その傷しか証拠が無いとなると・・・難しいですね・・・」
男「そんな・・・!」
安岡「一応こちらで保護もできるんですが・・・」
男「それだと・・・?」
安岡「多分現状だとまたお父さんところへ・・・」
姫「・・・・・!」
姫の表情が暗くなる
男「それじゃダメなんです!」
安岡「・・・・そこで提案なんですが・・・」
・・・・・・・
ザー・・・
警察署をでるとまだ雨が降っている
顔すら知らない姫の義理父に男は人生最大の怒りを覚えた
男「そのまま寝ていいんだよ・・・。もう誰も怖いことも痛いこともしないから」
姫ははじめて安心したように笑った
・・・・・・
次の日
警察署
警官「あ~どうも、児童相談係の担当の者です」
男「どうも・・・」
姫「・・・・・」
とりあえず二人で警察に来た
警察「私安岡と申します」
男「安岡さん、早速なんですが・・・」
今までのいきさつを説明した・・・・
もちろん姫の虐待のことも
安岡「ひっどい・・・」
男「もちろんなんとかしてくれますよね!?」
しかし安岡さんは・・・
安岡「その傷しか証拠が無いとなると・・・難しいですね・・・」
男「そんな・・・!」
安岡「一応こちらで保護もできるんですが・・・」
男「それだと・・・?」
安岡「多分現状だとまたお父さんところへ・・・」
姫「・・・・・!」
姫の表情が暗くなる
男「それじゃダメなんです!」
安岡「・・・・そこで提案なんですが・・・」
・・・・・・・
ザー・・・
警察署をでるとまだ雨が降っている
47: 名も無き被検体774号+ 2013/03/26(火) 01:10:51.38 ID:YhgfQP5A0
安岡さんの提案
それは俺が姫を保護しその間に警察が証拠を固めてくれるというもの
もちろん公式には出来ないが、俺が手ぶらで虐待があるみたいだと通報し
密かに男が姫を匿うという作戦だ
男「安岡さんを信じよう・・・」
姫「・・・・・・」
バサッ
傘をさすとふたりで家に歩いて帰った
姫は手を繋ぎたがるので二人て手を繋いで歩いた
男「なんか兄妹みたいだな」
姫「・・・・兄妹・・・」
もう昼近かったので近くのコンビニに寄った
それは俺が姫を保護しその間に警察が証拠を固めてくれるというもの
もちろん公式には出来ないが、俺が手ぶらで虐待があるみたいだと通報し
密かに男が姫を匿うという作戦だ
男「安岡さんを信じよう・・・」
姫「・・・・・・」
バサッ
傘をさすとふたりで家に歩いて帰った
姫は手を繋ぎたがるので二人て手を繋いで歩いた
男「なんか兄妹みたいだな」
姫「・・・・兄妹・・・」
もう昼近かったので近くのコンビニに寄った
48: 名も無き被検体774号+ 2013/03/26(火) 01:14:05.63 ID:YhgfQP5A0
適当に弁当を物色していると姫は後ろにピッタリくっついてくる
男「・・・なにか欲しい物あったら買ってやるぞ?」
姫「・・・・」
またあの視線だ
男「見返りなんて考えちゃいないよ。俺を信じろ」
姫「・・・・」コクン
頷いたが相変わらず後ろをついてくる
男「お菓子買うか?」
お菓子コーナーに行くと色取り取りのお菓子が並んでいる
男「どれがいい?」
姫「・・・・・・」
困ったような顔をしてこっちを見ている
男「・・・なにか欲しい物あったら買ってやるぞ?」
姫「・・・・」
またあの視線だ
男「見返りなんて考えちゃいないよ。俺を信じろ」
姫「・・・・」コクン
頷いたが相変わらず後ろをついてくる
男「お菓子買うか?」
お菓子コーナーに行くと色取り取りのお菓子が並んでいる
男「どれがいい?」
姫「・・・・・・」
困ったような顔をしてこっちを見ている
49: 名も無き被検体774号+ 2013/03/26(火) 01:18:39.04 ID:YhgfQP5A0
男「どうした?」
姫「・・・どれが・・・わからない」
お菓子を与えて貰えない環境で育ったためどのお菓子か選べないのだろう
男「そっか・・・じゃぁどんなのがいい?甘い?しょっぱい?」
姫「甘い・・・のがいい」
男「そうか、チョコレートとか?」
姫「・・・・うん」コクン
嬉しそうに笑顔で頷いた
男「じゃチョコレート買って行こう」
適当にガラガラとカゴに入れるとレジに並んだ
レジのおばちゃん「あら、兄妹そろって良いわね~」
勘違いされた
男「ええ、まぁ」
姫は照れているのかずっとうつむいている
姫「・・・どれが・・・わからない」
お菓子を与えて貰えない環境で育ったためどのお菓子か選べないのだろう
男「そっか・・・じゃぁどんなのがいい?甘い?しょっぱい?」
姫「甘い・・・のがいい」
男「そうか、チョコレートとか?」
姫「・・・・うん」コクン
嬉しそうに笑顔で頷いた
男「じゃチョコレート買って行こう」
適当にガラガラとカゴに入れるとレジに並んだ
レジのおばちゃん「あら、兄妹そろって良いわね~」
勘違いされた
男「ええ、まぁ」
姫は照れているのかずっとうつむいている
50: 名も無き被検体774号+ 2013/03/26(火) 01:21:14.48 ID:YhgfQP5A0
家に着くと先輩に見つかった
先輩「だれその子?」
男「えっと・・・」
姫「・・・・」
先輩「もしやお前口リコンだなぁ~?」
男「ち、違いますって!」
急いで階段を上がって部屋に入る
姫「・・・・男、ろりこんって何?」
男「・・・・知らなくていいよ」
先輩「だれその子?」
男「えっと・・・」
姫「・・・・」
先輩「もしやお前口リコンだなぁ~?」
男「ち、違いますって!」
急いで階段を上がって部屋に入る
姫「・・・・男、ろりこんって何?」
男「・・・・知らなくていいよ」
51: 名も無き被検体774号+ 2013/03/26(火) 01:30:02.25 ID:YhgfQP5A0
姫は昨日と比べれば少し明るくなった気がする
適当にチャーハンを作ると姫が
姫「男は・・・料理人?」
と聞いて来た
男「これくらいだれだって出来るって」
そしてあっという間に昼になった
雨は止まない
男「そうですか・・・」
安岡『でね、姫ちゃんの戸籍も無いのよ・・・』
男「だから学校にいってなくてもなんとなかったんすね」
電話で今朝あった警察官も安岡さんから父親と姫についての調査結果がきた
安岡『親戚もなし、身よりもなしの可哀想な家族だったみたいよ?』
男「で、母親は?」
安岡『亡くなってるわ・・・7年前に』
適当にチャーハンを作ると姫が
姫「男は・・・料理人?」
と聞いて来た
男「これくらいだれだって出来るって」
そしてあっという間に昼になった
雨は止まない
男「そうですか・・・」
安岡『でね、姫ちゃんの戸籍も無いのよ・・・』
男「だから学校にいってなくてもなんとなかったんすね」
電話で今朝あった警察官も安岡さんから父親と姫についての調査結果がきた
安岡『親戚もなし、身よりもなしの可哀想な家族だったみたいよ?』
男「で、母親は?」
安岡『亡くなってるわ・・・7年前に』
53: 名も無き被検体774号+ 2013/03/26(火) 01:35:05.56 ID:YhgfQP5A0
姫は母親がいなくなってから学校に行っていないと言っていた
7年前となると・・・少なくとも小学1年から行ってないとしても今中学1年か2年ということになる
男(食事もままならなかったからきっと成長が遅いんだな・・・)
中学生にしては姫は小柄すぎた
安岡『父親なんだけどね。表向きはすごく真面目なサラリーマンみたいよ』
男「あの、住所教えていただけますか?」
安岡『ごめんなさい。流石にそれは無理よ。』
男「守秘義務ってやつですか?」
安岡『そう。また伝えられそうなことがわかったら電話するわ』
男「お願いします・・・」ピッ
ガタン・・・
姫「上がった・・・・」
姫は風呂に入っていた
7年前となると・・・少なくとも小学1年から行ってないとしても今中学1年か2年ということになる
男(食事もままならなかったからきっと成長が遅いんだな・・・)
中学生にしては姫は小柄すぎた
安岡『父親なんだけどね。表向きはすごく真面目なサラリーマンみたいよ』
男「あの、住所教えていただけますか?」
安岡『ごめんなさい。流石にそれは無理よ。』
男「守秘義務ってやつですか?」
安岡『そう。また伝えられそうなことがわかったら電話するわ』
男「お願いします・・・」ピッ
ガタン・・・
姫「上がった・・・・」
姫は風呂に入っていた
89: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/26(火) 17:22:56.00 ID:YhgfQP5A0
男「なぁ・・・?」
姫「ん・・・?」
男「・・・・お菓子くうか?」
姫「・・・・・うん!」
いい笑顔だ。
よく昔親父が子どもの笑顔が一番の明かりだと停電時に言っていた
何となく分かった気がする
姫「・・・・男?」
男「ん、ああ!さて、どれ食べる?」
さっき買ってきたコンビニの袋の中身をテーブルにぶちまける
姫「・・・・これ」
細いスティック状のクッキーにチョコレートをコーティングしたポッ○ーといお菓子だ
男「じゃ俺は風呂言ってくるから食ってな」
姫「ん・・・?」
男「・・・・お菓子くうか?」
姫「・・・・・うん!」
いい笑顔だ。
よく昔親父が子どもの笑顔が一番の明かりだと停電時に言っていた
何となく分かった気がする
姫「・・・・男?」
男「ん、ああ!さて、どれ食べる?」
さっき買ってきたコンビニの袋の中身をテーブルにぶちまける
姫「・・・・これ」
細いスティック状のクッキーにチョコレートをコーティングしたポッ○ーといお菓子だ
男「じゃ俺は風呂言ってくるから食ってな」
90: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/26(火) 17:28:12.10 ID:YhgfQP5A0
服を脱いで洗濯機へ放り込む
先に姫の服が入っていた
男「そういや服ってこれしか無いんだよな・・・」
いつまでか分からないが一応服は何着かあった方がいいだろう
男「妹のやつって家にあるかな・・・?」
家とは実家の事だ
ここから電車で1時間ほどかかる所に両親と妹が住んでいる
男(明日休みだし・・・行ってみるかな)
湯船に浸かった瞬間にまた一つ不安が・・・
男(・・・家族にどうやって説明すっかな・・・?)
先に姫の服が入っていた
男「そういや服ってこれしか無いんだよな・・・」
いつまでか分からないが一応服は何着かあった方がいいだろう
男「妹のやつって家にあるかな・・・?」
家とは実家の事だ
ここから電車で1時間ほどかかる所に両親と妹が住んでいる
男(明日休みだし・・・行ってみるかな)
湯船に浸かった瞬間にまた一つ不安が・・・
男(・・・家族にどうやって説明すっかな・・・?)
92: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/26(火) 17:33:06.92 ID:YhgfQP5A0
その日の夜もまた姫は服を脱ぎそうになったが、寸前で恥ずかしそうに留まった
男「それ・・・もうやんなくて良いんだからな?」
姫「・・・・うん」
危なっかしい奴だ
もし保護しているのが先輩だったら・・・
そこまでで妄想はやめた
姫はスルスルと俺の腕の中に入ってくる
男「そこでいいのか?」
姫「・・・あったかい」
男「まぁ狭いからな・・・落っこちないようにこうするのもしょうがない」
完全に半分言い訳だがそんなこと気にしない
姫「・・・・昔、お母さんとこうやって寝た・・・」
なるほど、これはお母さんとの思い出の睡眠スタイル?なのか
男「それ・・・もうやんなくて良いんだからな?」
姫「・・・・うん」
危なっかしい奴だ
もし保護しているのが先輩だったら・・・
そこまでで妄想はやめた
姫はスルスルと俺の腕の中に入ってくる
男「そこでいいのか?」
姫「・・・あったかい」
男「まぁ狭いからな・・・落っこちないようにこうするのもしょうがない」
完全に半分言い訳だがそんなこと気にしない
姫「・・・・昔、お母さんとこうやって寝た・・・」
なるほど、これはお母さんとの思い出の睡眠スタイル?なのか
93: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/26(火) 17:38:04.48 ID:YhgfQP5A0
男「そうか・・・なら。」
男「今晩だけは私の事お母さんって思っていいわよ(裏声)」
姫「・・・・・え・・・」
変な顔された・・・
男「・・・冗談だが、半分マジだ」
姫「男は・・・女じゃないよ?」
男「細けーこときにすんな~!」
脇の下、わき腹など大事な血管や神経のある部位をくすぐる
姫「う、くあふふっ・・・!!」
くすぐりは有効らしい
男「明日はちょっと遠くに行くぞ」
姫「・・・遠く?」
男「泊りがけでな」
幸い大学の授業数は余裕がある
実家で一泊してもいいだろう
男「今晩だけは私の事お母さんって思っていいわよ(裏声)」
姫「・・・・・え・・・」
変な顔された・・・
男「・・・冗談だが、半分マジだ」
姫「男は・・・女じゃないよ?」
男「細けーこときにすんな~!」
脇の下、わき腹など大事な血管や神経のある部位をくすぐる
姫「う、くあふふっ・・・!!」
くすぐりは有効らしい
男「明日はちょっと遠くに行くぞ」
姫「・・・遠く?」
男「泊りがけでな」
幸い大学の授業数は余裕がある
実家で一泊してもいいだろう
94: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/26(火) 17:40:39.53 ID:YhgfQP5A0
男「だからもう寝る。早起きしないとおいていくからな」
姫「・・・・寝る」
目をつぶって俺の胸に顔をうずめる
姫「いい匂い・・・・」
男「おなじ石鹸使ってんだから変わらねーだろ・・・」
と、思ったが目の前にある姫の頭からは今まで嗅いだことのない
いい匂いがした
ザー・・・
雨はまだ止まない
姫「・・・・寝る」
目をつぶって俺の胸に顔をうずめる
姫「いい匂い・・・・」
男「おなじ石鹸使ってんだから変わらねーだろ・・・」
と、思ったが目の前にある姫の頭からは今まで嗅いだことのない
いい匂いがした
ザー・・・
雨はまだ止まない
96: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/26(火) 17:52:43.30 ID:YhgfQP5A0
・・・・・・
翌日
男「・・・・ん・・・」
姫が来てから夜更かしをしないので朝は早く目覚める
腕の中には寝息をたてる姫
こんなにも愛らしい子が恐らく自分より壮絶な人生をおくって来たなんて未だに信じられない
スルスル・・・
そっと姫の腕をまくるとまだ痛々しい傷がいくつかある
男「・・・もう怖い思いはさせたくないな」
外を見ると雨が上がっている
男(雨が止むまで・・・)
まぁ気にしない
手元に視線を戻すと姫が目を開けていた
姫「・・・・・」
大きくて綺麗な目
出会った時は死んでいるような目だった
今は・・・見惚れてしまうほど純粋な目だ
姫「・・・・おはよう、男」
男「おはよう。起きるか?」
姫「・・・・お腹すいた」
実にこどもらしい
俺の母性が刺激される
男でも母性っていっていいのかな?
男「起きるか!」ガバッ
姫「・・・・きゃっ!」
お姫様だっこでベッドから飛び降りる
男「朝はアグレッシブに行動すると目が覚める!」
姫「あぐれっしぶ・・・?」
男「もう洗濯乾いてるだろうから着替えな!俺は朝飯の準備だ」
姫「わかった」
翌日
男「・・・・ん・・・」
姫が来てから夜更かしをしないので朝は早く目覚める
腕の中には寝息をたてる姫
こんなにも愛らしい子が恐らく自分より壮絶な人生をおくって来たなんて未だに信じられない
スルスル・・・
そっと姫の腕をまくるとまだ痛々しい傷がいくつかある
男「・・・もう怖い思いはさせたくないな」
外を見ると雨が上がっている
男(雨が止むまで・・・)
まぁ気にしない
手元に視線を戻すと姫が目を開けていた
姫「・・・・・」
大きくて綺麗な目
出会った時は死んでいるような目だった
今は・・・見惚れてしまうほど純粋な目だ
姫「・・・・おはよう、男」
男「おはよう。起きるか?」
姫「・・・・お腹すいた」
実にこどもらしい
俺の母性が刺激される
男でも母性っていっていいのかな?
男「起きるか!」ガバッ
姫「・・・・きゃっ!」
お姫様だっこでベッドから飛び降りる
男「朝はアグレッシブに行動すると目が覚める!」
姫「あぐれっしぶ・・・?」
男「もう洗濯乾いてるだろうから着替えな!俺は朝飯の準備だ」
姫「わかった」
97: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/26(火) 17:57:19.47 ID:YhgfQP5A0
ふと外を見るとまた雨が降っている
男「目が覚めた途端に雨かよ・・・。ひょっとすると、姫はそうとうな雨女だな」
姫「飴・・・?」
男「いいから着替えな」
姫がその場で着替え始めるがもう俺にもなんの抵抗もない
なんか本当に自分の妹か娘みたいに思える
パンパン・・・!
男「なんの音だ?」
卵を焼きながら姫を見ると
外に向かって手を合わせている
姫「雨・・・止まないように」
雨が止むまでという約束
なんだか神様は姫のために雨を降らせているような気がした
このまま干ばつ地帯に連れて行けば重宝しそうだ
男「目が覚めた途端に雨かよ・・・。ひょっとすると、姫はそうとうな雨女だな」
姫「飴・・・?」
男「いいから着替えな」
姫がその場で着替え始めるがもう俺にもなんの抵抗もない
なんか本当に自分の妹か娘みたいに思える
パンパン・・・!
男「なんの音だ?」
卵を焼きながら姫を見ると
外に向かって手を合わせている
姫「雨・・・止まないように」
雨が止むまでという約束
なんだか神様は姫のために雨を降らせているような気がした
このまま干ばつ地帯に連れて行けば重宝しそうだ
98: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/26(火) 18:00:51.24 ID:YhgfQP5A0
朝飯を食べて歯磨きをする
なぜか二人並んで窓際から外に向かって歯磨きをする
泊まりになるので大きめのカバンに荷物を詰め込む
姫「・・・・」
男「なんだかこのカバン姫も入りそうだな」
姫「うん・・・・」
なんてアホみたいな会話をしながら準備完了
男「さて、行きますか」
部屋を出るとアパートの入口で先輩が変な踊りを踊っていた
なぜか二人並んで窓際から外に向かって歯磨きをする
泊まりになるので大きめのカバンに荷物を詰め込む
姫「・・・・」
男「なんだかこのカバン姫も入りそうだな」
姫「うん・・・・」
なんてアホみたいな会話をしながら準備完了
男「さて、行きますか」
部屋を出るとアパートの入口で先輩が変な踊りを踊っていた
100: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/26(火) 18:04:54.85 ID:YhgfQP5A0
先輩「お?今日は帰省か?」
男「ええ、一泊だけですけど」
姫はなぞの踊りに興味を示している
男「なんで踊ってるんです?」
先輩「踊りじゃねぇよ!スーパーアルティメットギャラクシーパーフェクトオーバー拳法の方だよ」
姫「すっぱめっとぱーおーばー拳法?」
男「弱そうな拳法ですね」
先輩「バカにするなよ!?」
先輩はほっておいてさっさと出発する
しばらく歩いて駅についた
一応姫は中学生らしいので大人を二枚
早速電車にのる
男「ええ、一泊だけですけど」
姫はなぞの踊りに興味を示している
男「なんで踊ってるんです?」
先輩「踊りじゃねぇよ!スーパーアルティメットギャラクシーパーフェクトオーバー拳法の方だよ」
姫「すっぱめっとぱーおーばー拳法?」
男「弱そうな拳法ですね」
先輩「バカにするなよ!?」
先輩はほっておいてさっさと出発する
しばらく歩いて駅についた
一応姫は中学生らしいので大人を二枚
早速電車にのる
101: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/26(火) 18:08:16.17 ID:YhgfQP5A0
姫が何となくテンション高い
姫「男っ・・・・!椅子が沢山!」
男「電車乗るの初めてとか?」
姫「・・・多分初めて」
最近電車はあまり乗らない子が多いらしい
男「これに一時間も乗るんだぞ」
姫「・・・へぇ~・・・」
何やら楽しそうだ
連れてきて良かった気がする
男「お菓子も持ってきたからな。あとで食べよう」
姫「・・・うん!」
やっばい・・・可愛い
姫「男っ・・・・!椅子が沢山!」
男「電車乗るの初めてとか?」
姫「・・・多分初めて」
最近電車はあまり乗らない子が多いらしい
男「これに一時間も乗るんだぞ」
姫「・・・へぇ~・・・」
何やら楽しそうだ
連れてきて良かった気がする
男「お菓子も持ってきたからな。あとで食べよう」
姫「・・・うん!」
やっばい・・・可愛い
102: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/26(火) 18:10:51.00 ID:YhgfQP5A0
度々言わせてもらうが俺は口リコンではない。
この感情は母性とかそういう・・・いろいろと大人な目線から純粋に愛おしいと感じるごくごく健全な感情なのだ。
と、言い訳をしてみる。
電車が動き出した
姫「・・・・・・」
緊張でかちこちに身を方する姫は少し面白かった
なんだかんだで一時間の電車の旅だ
この感情は母性とかそういう・・・いろいろと大人な目線から純粋に愛おしいと感じるごくごく健全な感情なのだ。
と、言い訳をしてみる。
電車が動き出した
姫「・・・・・・」
緊張でかちこちに身を方する姫は少し面白かった
なんだかんだで一時間の電車の旅だ
103: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/26(火) 18:17:35.59 ID:YhgfQP5A0
・・・・・・
目的の駅についた
俺が今住んでいる所と比べずいぶんと田舎だ
しかも、無人駅だ
姫「人いない・・・」
悪かったな、ど田舎で
男「ちょっと歩くぞ。」
姫「うん・・・」
姫は歩く時いつも手を繋ぎたがる
不安とかいろいろあるのだろうか?
傘をさしながら二人並んで歩く
周りは駅前の商店街を抜けると田んぼ道だ
姫「うわ~・・・・」
この地域は苗を早めに植える
苗を植えたとこが緑色の絨毯みたいになっている
男「ここはな、夏とか秋にくるともっと凄いんだぞ」
目的の駅についた
俺が今住んでいる所と比べずいぶんと田舎だ
しかも、無人駅だ
姫「人いない・・・」
悪かったな、ど田舎で
男「ちょっと歩くぞ。」
姫「うん・・・」
姫は歩く時いつも手を繋ぎたがる
不安とかいろいろあるのだろうか?
傘をさしながら二人並んで歩く
周りは駅前の商店街を抜けると田んぼ道だ
姫「うわ~・・・・」
この地域は苗を早めに植える
苗を植えたとこが緑色の絨毯みたいになっている
男「ここはな、夏とか秋にくるともっと凄いんだぞ」
106: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/26(火) 18:50:43.10 ID:YhgfQP5A0
姫「へぇ~・・・・」
じきに実家が見えてきた
親父ががんばって建てた結構大きな一戸建てだ
ガラガラ・・・
男「ただいま~」
玄関で叫ぶ
父「ん?男か、帰ってきたのか?」
男「おお、親父。今日は会社は?」
父「お前な・・・俺がいくつだと思う?もう定年だよ」
男「そうだった」
母「おや?そこの小さなお嬢さんは?」
説明しずらいが・・・今後両親の協力なくして姫を守り切るのは難しいだろう
男「こいつは姫。ちょっと訳ありでね」
父「まぁ詳しい話はお茶を飲みながら・・・」
じきに実家が見えてきた
親父ががんばって建てた結構大きな一戸建てだ
ガラガラ・・・
男「ただいま~」
玄関で叫ぶ
父「ん?男か、帰ってきたのか?」
男「おお、親父。今日は会社は?」
父「お前な・・・俺がいくつだと思う?もう定年だよ」
男「そうだった」
母「おや?そこの小さなお嬢さんは?」
説明しずらいが・・・今後両親の協力なくして姫を守り切るのは難しいだろう
男「こいつは姫。ちょっと訳ありでね」
父「まぁ詳しい話はお茶を飲みながら・・・」
111: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/26(火) 19:03:41.24 ID:YhgfQP5A0
流石にハードな部分は避けたが虐待の話まで説明した
男「という感じで、今は俺のアパートで保護ってかんじ」
母「あんた一人で大丈夫なの?」
今回実家に来たのはそのことがメインだった
男「本当に勝手なんだが・・・こいつをこの家で保護してくれないか?」
姫「・・・・え?」
姫が驚いてこっちを見てくる
男「俺も色々考えたんだけど・・・やっぱり俺一人より親父たちの方がいいと思うんだ」
姫は俺一人で保護するより親父たちの方が適任な気がした
ここなら部屋もたくさんあるし、向こうの父親もこんなところにいるなんて気がつかないだろう
姫「・・・いやだ・・・男と一緒じゃないと!」
意外だ・・・
なにが意外って、姫がこんなにも自分の意思を口に出すのは初めてだった
男「でもな・・・この方がおまえm・・・」
バシッ!!
いきなり殴られた
男「いって・・・何すんだよ」
殴ったのは母だった
母「なんかふにゃふにゃふぬけたこと口走ってたもんでね・・・。かちーんときちゃったよ。母ちゃん」
男「なんで・・・?」
母「あんたが決めて保護するって・・・その姫ちゃんと約束したんだろ!?」
男「という感じで、今は俺のアパートで保護ってかんじ」
母「あんた一人で大丈夫なの?」
今回実家に来たのはそのことがメインだった
男「本当に勝手なんだが・・・こいつをこの家で保護してくれないか?」
姫「・・・・え?」
姫が驚いてこっちを見てくる
男「俺も色々考えたんだけど・・・やっぱり俺一人より親父たちの方がいいと思うんだ」
姫は俺一人で保護するより親父たちの方が適任な気がした
ここなら部屋もたくさんあるし、向こうの父親もこんなところにいるなんて気がつかないだろう
姫「・・・いやだ・・・男と一緒じゃないと!」
意外だ・・・
なにが意外って、姫がこんなにも自分の意思を口に出すのは初めてだった
男「でもな・・・この方がおまえm・・・」
バシッ!!
いきなり殴られた
男「いって・・・何すんだよ」
殴ったのは母だった
母「なんかふにゃふにゃふぬけたこと口走ってたもんでね・・・。かちーんときちゃったよ。母ちゃん」
男「なんで・・・?」
母「あんたが決めて保護するって・・・その姫ちゃんと約束したんだろ!?」
112: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/26(火) 19:09:50.50 ID:YhgfQP5A0
母「私たちはね・・・覚悟決めてお前や妹を産んだんだよ。それだけね・・・人の面倒みるってことは責任があることなんだよ!!」
すごい迫力だった
一番びっくりしていたのは
親父だ
父「か、母ちゃん?もうちと冷静に・・・」
母「父ちゃんもそう思うだろ!?責任もってあんたがその子を守り通すんだよ!!」
父「そ・・・そうだぞっ!(語尾の声が高くなってる)」
男「・・・そうか・・・ごめんなさい」
そして姫にも
男「ごめんな・・・俺、勝手だったな」
姫「・・・ゆるす」
母「・・・痛~い・・・。もう歳なんだからあまり血圧あげさせないでよ」
そうだった
俺が決めて姫を守るって約束したんだ
この約束は姫と親父たちじゃない
姫と俺の約束なんだ
すごい迫力だった
一番びっくりしていたのは
親父だ
父「か、母ちゃん?もうちと冷静に・・・」
母「父ちゃんもそう思うだろ!?責任もってあんたがその子を守り通すんだよ!!」
父「そ・・・そうだぞっ!(語尾の声が高くなってる)」
男「・・・そうか・・・ごめんなさい」
そして姫にも
男「ごめんな・・・俺、勝手だったな」
姫「・・・ゆるす」
母「・・・痛~い・・・。もう歳なんだからあまり血圧あげさせないでよ」
そうだった
俺が決めて姫を守るって約束したんだ
この約束は姫と親父たちじゃない
姫と俺の約束なんだ
116: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/26(火) 19:49:12.69 ID:YhgfQP5A0
騒いでいたら妹が返ってきた
妹「あれ?兄さんいるのかよ」
男「あ?いちゃあ悪いのかよ?」
みての通り仲はあまり良くない兄妹です
妹が姫に気がついた
妹「だれその子?兄さんの子供?」
男「相手すらいねーよばーか」
妹「寂しいね~、DTばーか!」
男「なにぃ!?バカは余計だ!(DTは認める)」
それを見て・・・
姫「ふふふ・・・」
姫が笑ってる
妹「え・・・この子・・・」
妹「可愛い・・・!!」
妹「あれ?兄さんいるのかよ」
男「あ?いちゃあ悪いのかよ?」
みての通り仲はあまり良くない兄妹です
妹が姫に気がついた
妹「だれその子?兄さんの子供?」
男「相手すらいねーよばーか」
妹「寂しいね~、DTばーか!」
男「なにぃ!?バカは余計だ!(DTは認める)」
それを見て・・・
姫「ふふふ・・・」
姫が笑ってる
妹「え・・・この子・・・」
妹「可愛い・・・!!」
119: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/26(火) 19:54:53.99 ID:YhgfQP5A0
俺の横に座っていた姫をさらうように抱くと
妹「なにこの子~!ふにふに~!」
超強引な頬ずり
妹「お母さん!飼おう!この子飼おう!」
母「なにも飼うって・・・」
妹「絶対決めた!もう私のもの~!」
男「まてよ、こいつは俺が保護してる・・・」
妹「兄さんが死ねばこの家に来るよね?」
物騒なことを考え始めた
妹「ねぇ?名前は?」
姫「・・・ひ・・・姫・・」
抱きしめられながら苦しそうに姫が答える
妹「なにこの子~!ふにふに~!」
超強引な頬ずり
妹「お母さん!飼おう!この子飼おう!」
母「なにも飼うって・・・」
妹「絶対決めた!もう私のもの~!」
男「まてよ、こいつは俺が保護してる・・・」
妹「兄さんが死ねばこの家に来るよね?」
物騒なことを考え始めた
妹「ねぇ?名前は?」
姫「・・・ひ・・・姫・・」
抱きしめられながら苦しそうに姫が答える
122: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/26(火) 20:16:07.24 ID:YhgfQP5A0
妹「姫?あなた姫って言うのね!」
男「トトロかよ」
妹に睨まれた
姫「苦し・・・・」
母「ほら、妹!離しなさい」
しぶしぶ姫を解放する
姫「・・・っ」
たったったた・・・
姫「怖かった・・・・」
男「だってよ!」
妹「なんか・・・ごめん・・・」
なるほど、姫をつかって攻めれば勝てる!
とか適当なこと考えてる
男「トトロかよ」
妹に睨まれた
姫「苦し・・・・」
母「ほら、妹!離しなさい」
しぶしぶ姫を解放する
姫「・・・っ」
たったったた・・・
姫「怖かった・・・・」
男「だってよ!」
妹「なんか・・・ごめん・・・」
なるほど、姫をつかって攻めれば勝てる!
とか適当なこと考えてる
124: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/26(火) 20:24:56.96 ID:YhgfQP5A0
ここで妹にも両親に説明したように説明した。
男「お、そうだった。」
ここにきたもう一つの理由
男「妹、服くれ」
妹「・・・はあ?」
変な顔された
男「昔の服だよ。こいつ着る服無いんだ」
妹「あ~・・・なるほど。姫ちゃんおいで!」
男「よし、行くぞ姫」
妹「兄さんは来るなよ」
今まで姫と一緒に着替えたりしていたなんて口が裂けても言えない
男「そ・・・そうだな。姫、妹と行ってきな」
姫「・・・・なんで男は来ないの?」
それを聞くか・・・
男「お、そうだった。」
ここにきたもう一つの理由
男「妹、服くれ」
妹「・・・はあ?」
変な顔された
男「昔の服だよ。こいつ着る服無いんだ」
妹「あ~・・・なるほど。姫ちゃんおいで!」
男「よし、行くぞ姫」
妹「兄さんは来るなよ」
今まで姫と一緒に着替えたりしていたなんて口が裂けても言えない
男「そ・・・そうだな。姫、妹と行ってきな」
姫「・・・・なんで男は来ないの?」
それを聞くか・・・
125: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/26(火) 20:34:14.64 ID:YhgfQP5A0
男「ほら・・・試しにきたりとかさ・・・女どうしじゃないと」
姫「・・・・?」
こいつ分かってねぇ
妹「だって着替えとかこいつに見られちゃうよ?」
あ、やばい。
姫「・・・・ダメなの?」
やめて~!!
男「もういい!早く行な!ほら!ほら!」
無理矢理居間から二人を追い出す
二人は楽しそうに(妹だけな気がしたが)二階にある妹の部屋に向かった
男「ふぅ・・・」
母「ねぇ?あんたあの子とずいぶんと仲良さそうじゃない」
姫「・・・・?」
こいつ分かってねぇ
妹「だって着替えとかこいつに見られちゃうよ?」
あ、やばい。
姫「・・・・ダメなの?」
やめて~!!
男「もういい!早く行な!ほら!ほら!」
無理矢理居間から二人を追い出す
二人は楽しそうに(妹だけな気がしたが)二階にある妹の部屋に向かった
男「ふぅ・・・」
母「ねぇ?あんたあの子とずいぶんと仲良さそうじゃない」
129: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/26(火) 20:46:09.50 ID:YhgfQP5A0
男「そうかな?」
母「出会ってまだ二三日なんでしょ?」
俺も少し気になっていたが
何となく理由は分かってきた
男「あいつ・・・誰かに優しくされたことがないんだよ」
男「学校にも行けず・・・親からも愛されない・・・そんな生活をずっと耐えてきたみたいなんだ」
母「あんたいいことしたね」
男「ん?」
母「流石私の子だよ。あの子はあんたに心を開いたんだ。ちゃんと頑張りな」
意外な母の言葉にちょっと感動した
男「うん・・・」
父「俺たちもできることがあれば手伝うからさ」
やっぱここに相談にきて良かった
母「出会ってまだ二三日なんでしょ?」
俺も少し気になっていたが
何となく理由は分かってきた
男「あいつ・・・誰かに優しくされたことがないんだよ」
男「学校にも行けず・・・親からも愛されない・・・そんな生活をずっと耐えてきたみたいなんだ」
母「あんたいいことしたね」
男「ん?」
母「流石私の子だよ。あの子はあんたに心を開いたんだ。ちゃんと頑張りな」
意外な母の言葉にちょっと感動した
男「うん・・・」
父「俺たちもできることがあれば手伝うからさ」
やっぱここに相談にきて良かった
131: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/26(火) 20:52:13.64 ID:YhgfQP5A0
しばらくして居間の扉が盛大に空いた
妹「これどうよ!」
ふすまの向こうに立っていたのは・・・
ひらひらしたお人形みたいな服をきた姫
男「なにそれ・・・?」
妹「兄さんゴス口リって知らないのか?」
聞いたことはあるが実物は初めてだ
男「・・・可愛いじゃない」
母「寒そうよ」
父「・・・欲しい」
母「あ?」
父「いえ、なんでも」
顔を真っ赤にして恥ずかしそうな姫がちょっと可哀想だったが似合っている
妹「これどうよ!」
ふすまの向こうに立っていたのは・・・
ひらひらしたお人形みたいな服をきた姫
男「なにそれ・・・?」
妹「兄さんゴス口リって知らないのか?」
聞いたことはあるが実物は初めてだ
男「・・・可愛いじゃない」
母「寒そうよ」
父「・・・欲しい」
母「あ?」
父「いえ、なんでも」
顔を真っ赤にして恥ずかしそうな姫がちょっと可哀想だったが似合っている
133: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/26(火) 20:59:13.28 ID:YhgfQP5A0
姫「男・・・どう?」
男「いや、似合っているし可愛いけど・・・」
実用性はないよな
男「それ部屋で着る?」
妹「着ればいいじゃん」
先輩に見られたら・・・ダメだ
男「悪いが普通のを頼む。それは洗濯とか大変そうだ」
妹「じゃぁここにいる間だけでも」
ゆずらねぇな・・・
男「それでいいか?」
姫「・・・・・」コクン
ゴス口リは実家にいる間だけの約束になった
男「いや、似合っているし可愛いけど・・・」
実用性はないよな
男「それ部屋で着る?」
妹「着ればいいじゃん」
先輩に見られたら・・・ダメだ
男「悪いが普通のを頼む。それは洗濯とか大変そうだ」
妹「じゃぁここにいる間だけでも」
ゆずらねぇな・・・
男「それでいいか?」
姫「・・・・・」コクン
ゴス口リは実家にいる間だけの約束になった
172: 名も無き被検体774号+ 2013/03/27(水) 00:18:58.05 ID:hug0yLQ90
夕方
母「姫ちゃん!お風呂入ってきな!」
姫「はい・・・」
ずいぶんと家族にも慣れて親父以外となら楽しそうに会話していた
妹「兄さん、ちょといいか?」
男「なんだよ?」
妹「お父さんがいない方がいいな」
父「そうか・・・」
しばしの沈黙・・・
父「あ、俺にこの部屋を出てけってことか」
しぶしぶ部屋を出て行く親父
男「金なら貸さねーぞ」
妹「そうじゃねぇよ。」
だったら何なんだ?
妹「姫ちゃんのアレ・・・ただの虐待じゃないだろ」
母「姫ちゃん!お風呂入ってきな!」
姫「はい・・・」
ずいぶんと家族にも慣れて親父以外となら楽しそうに会話していた
妹「兄さん、ちょといいか?」
男「なんだよ?」
妹「お父さんがいない方がいいな」
父「そうか・・・」
しばしの沈黙・・・
父「あ、俺にこの部屋を出てけってことか」
しぶしぶ部屋を出て行く親父
男「金なら貸さねーぞ」
妹「そうじゃねぇよ。」
だったら何なんだ?
妹「姫ちゃんのアレ・・・ただの虐待じゃないだろ」
174: 名も無き被検体774号+ 2013/03/27(水) 00:25:22.70 ID:hug0yLQ90
男「・・・・!?」
妹「さっき着替えてる時に見た・・・。兄さんはしってるのか?」
男「・・・知ってるよ。あいつから聞いた」
妹「まだあんな歳なのに・・・」
男「だからこそ、もうそんなことさせちゃいけないんだ」
妹「下手したら一生もんのトラウマだぞ」
男「本当に許せねぇよ・・・。絶対に許さん」
妹「兄さんがそこまで覚悟決めてるなら私から言うことはないよ・・・」
男「そうか・・・」
妹「私も協力するからな・・・!」
男「ならあれ脱がしてやれ」
俺が指差すさきにいるのは・・・
凝った作りのゴス口リを脱げずに四苦八苦しながら助けを求めにきた姫だった
妹「あちゃー・・・自分で脱げなかったか・・・」
男「どんな服だよ」
妹「さっき着替えてる時に見た・・・。兄さんはしってるのか?」
男「・・・知ってるよ。あいつから聞いた」
妹「まだあんな歳なのに・・・」
男「だからこそ、もうそんなことさせちゃいけないんだ」
妹「下手したら一生もんのトラウマだぞ」
男「本当に許せねぇよ・・・。絶対に許さん」
妹「兄さんがそこまで覚悟決めてるなら私から言うことはないよ・・・」
男「そうか・・・」
妹「私も協力するからな・・・!」
男「ならあれ脱がしてやれ」
俺が指差すさきにいるのは・・・
凝った作りのゴス口リを脱げずに四苦八苦しながら助けを求めにきた姫だった
妹「あちゃー・・・自分で脱げなかったか・・・」
男「どんな服だよ」
175: 名も無き被検体774号+ 2013/03/27(水) 00:31:29.17 ID:hug0yLQ90
・・・・・
夕飯はトンカツだった
一人暮らしをはじめてから俺もトンカツはほとんど食べてなかったから久しぶりだ
妹「お、トンカツじゃん!」
男「すげー!」
母「子供みたいにはしゃいじゃって」
早速トンカツを頬張る
男「やっぱうめーわー」
父「ねえ?俺の分やけに小さくない?」
母「どう?姫ちゃん美味しい?」
姫は・・・・今までにない勢いで食べていた
姫「美味しい・・・!」
実はさっきまでトンカツを知らなかった
毎日コンビニのおにぎりで我慢していた姫からすればすごいご馳走なんだろう
姫曰く、おにぎりは一日一個あるかないかだったそうだ
俺と会ったあの日は何も食べれずに逃げ出したとか
夕飯はトンカツだった
一人暮らしをはじめてから俺もトンカツはほとんど食べてなかったから久しぶりだ
妹「お、トンカツじゃん!」
男「すげー!」
母「子供みたいにはしゃいじゃって」
早速トンカツを頬張る
男「やっぱうめーわー」
父「ねえ?俺の分やけに小さくない?」
母「どう?姫ちゃん美味しい?」
姫は・・・・今までにない勢いで食べていた
姫「美味しい・・・!」
実はさっきまでトンカツを知らなかった
毎日コンビニのおにぎりで我慢していた姫からすればすごいご馳走なんだろう
姫曰く、おにぎりは一日一個あるかないかだったそうだ
俺と会ったあの日は何も食べれずに逃げ出したとか
177: 名も無き被検体774号+ 2013/03/27(水) 00:36:53.68 ID:hug0yLQ90
これからは毎日あったかい飯を食わせてやりたい(レトルトでもあったかければ・・・)
母「明日の昼まで居るんでしょ?」
男「ん?ああ、昼食って帰る」
姫「・・・・・・」
ちょっと寂しそうな顔をした
母「だったら姫ちゃん!明日のお昼はなんでも好きなもの作ってあげるよ!」
姫「・・・・・・」
少し考えてから・・・
姫「カレー・・・?」
男「カレーライスか?」
姫「うん、カレー・・・むかしお母さん作ってくれた」
母「カレーか・・・。姫ちゃんのお母さんみたいにできるかわからないけど明日のお昼はカレーね!」
姫「・・・うん!」
嬉しそうに笑った
少しずつだけど笑うことが多くなってきた
きっとお母さんがいた頃はよく笑う子供だったんじゃないかと思う
母「明日の昼まで居るんでしょ?」
男「ん?ああ、昼食って帰る」
姫「・・・・・・」
ちょっと寂しそうな顔をした
母「だったら姫ちゃん!明日のお昼はなんでも好きなもの作ってあげるよ!」
姫「・・・・・・」
少し考えてから・・・
姫「カレー・・・?」
男「カレーライスか?」
姫「うん、カレー・・・むかしお母さん作ってくれた」
母「カレーか・・・。姫ちゃんのお母さんみたいにできるかわからないけど明日のお昼はカレーね!」
姫「・・・うん!」
嬉しそうに笑った
少しずつだけど笑うことが多くなってきた
きっとお母さんがいた頃はよく笑う子供だったんじゃないかと思う
182: 名も無き被検体774号+ 2013/03/27(水) 00:45:47.38 ID:hug0yLQ90
・・・・・
男「姫、そろっと寝ないと」
姫にはなるべく規則正しい生活をと心がけている
一人暮らしなんてしていると生活のリズムが狂っていたが、姫にあわせて10時就寝6時起床を心がけている
姫「わかった・・・」
むかし妹がきていたピンクの豚柄のパジャマがとても似合っている
なぜ豚柄なのだ・・・?
母「なに?あんた達一緒に寝るの?」
いつも通りにしようとしていた俺はちょっと焦った
男「あ、いや・・・普段はベッドをはしとはしでわけて・・・」
苦しい言い訳だがないよりマシだ
男「そもそも寝るところがなくて・・・」
妹「姫ちゃん!一緒に寝よう!」
と、ここで妹からの提案
母「そうしなさい。男だってケダモノなのよ」
自分の息子にひでーこという
父「俺が一緒に寝y・・」
母「あ?」
父「いや・・・せめて隣・・・」
妹「あ?」
父「お、おやすみなさい・・・」
姫は妹と寝ることになった
男「姫、そろっと寝ないと」
姫にはなるべく規則正しい生活をと心がけている
一人暮らしなんてしていると生活のリズムが狂っていたが、姫にあわせて10時就寝6時起床を心がけている
姫「わかった・・・」
むかし妹がきていたピンクの豚柄のパジャマがとても似合っている
なぜ豚柄なのだ・・・?
母「なに?あんた達一緒に寝るの?」
いつも通りにしようとしていた俺はちょっと焦った
男「あ、いや・・・普段はベッドをはしとはしでわけて・・・」
苦しい言い訳だがないよりマシだ
男「そもそも寝るところがなくて・・・」
妹「姫ちゃん!一緒に寝よう!」
と、ここで妹からの提案
母「そうしなさい。男だってケダモノなのよ」
自分の息子にひでーこという
父「俺が一緒に寝y・・」
母「あ?」
父「いや・・・せめて隣・・・」
妹「あ?」
父「お、おやすみなさい・・・」
姫は妹と寝ることになった
185: 名も無き被検体774号+ 2013/03/27(水) 00:53:15.28 ID:hug0yLQ90
俺も久々に実家の自室でねる
荷物はほとんど持って行かなかったので漫画やらたくさん暇はつぶせた
男「姫は妹と寝るし・・・もうちょっと起きてても良いよな」
適当に漫画を引っ張り出して読んでいると
ガチャ・・・扉があいた
12:45・・・こんな時間に誰だ?
姫「男・・・・」
泣きそうな顔で姫が入ってきた
男「どうした?」
姫「・・・妹・・・ずっと一人で寝ながら喋ってる」
忘れてた
あいつの独り言は酷いんだった
あいつは自分の夢をよく実況するくせがある
修学旅行の時にそうとう苦情がきたらしい
荷物はほとんど持って行かなかったので漫画やらたくさん暇はつぶせた
男「姫は妹と寝るし・・・もうちょっと起きてても良いよな」
適当に漫画を引っ張り出して読んでいると
ガチャ・・・扉があいた
12:45・・・こんな時間に誰だ?
姫「男・・・・」
泣きそうな顔で姫が入ってきた
男「どうした?」
姫「・・・妹・・・ずっと一人で寝ながら喋ってる」
忘れてた
あいつの独り言は酷いんだった
あいつは自分の夢をよく実況するくせがある
修学旅行の時にそうとう苦情がきたらしい
194: 名も無き被検体774号+ 2013/03/27(水) 01:04:30.20 ID:hug0yLQ90
男「なんて言ってた?」
姫「ウマとボクシングがなんとか・・・・って」
どんな夢なんだよ・・・!?
男「そうか・・・大変だったな」
姫「・・・男と寝る・・・」
なんか他人が聞いたら危ないセリフだ
男「わかった、でも母さんにいえばもう一組布団出してくれるぞ?」
姫「・・・いい、男と寝る・・・」
なんか目をこすって眠気が限界みたいだ
男「おお、わかった。じゃ、寝るか」
読みかけの漫画を閉じると
姫「それ・・・」
男「ん?読むか?」
姫「私・・・漢字読めないの・・・」
ちょっと・・・いや、結構びっくりした
よく考えて見れば小学生の序盤で学校にいっいないのなら漢字が読めなくても不思議じゃない
姫「ウマとボクシングがなんとか・・・・って」
どんな夢なんだよ・・・!?
男「そうか・・・大変だったな」
姫「・・・男と寝る・・・」
なんか他人が聞いたら危ないセリフだ
男「わかった、でも母さんにいえばもう一組布団出してくれるぞ?」
姫「・・・いい、男と寝る・・・」
なんか目をこすって眠気が限界みたいだ
男「おお、わかった。じゃ、寝るか」
読みかけの漫画を閉じると
姫「それ・・・」
男「ん?読むか?」
姫「私・・・漢字読めないの・・・」
ちょっと・・・いや、結構びっくりした
よく考えて見れば小学生の序盤で学校にいっいないのなら漢字が読めなくても不思議じゃない
197: 名も無き被検体774号+ 2013/03/27(水) 01:08:45.18 ID:hug0yLQ90
男「じゃあ俺が教えてやるよ」
姫「・・・男が?」
男「漢字覚えて漫画読めるようになろうな」
姫「・・・・うん!」
嬉しそうだ
漢字が読めないと色々不便だろうからな・・・
帰りに昔の教科書でも持って帰ろう
とか考えてるうちに姫はいつものポジションに滑り込んでいた
男「・・・おやすみ」
姫「・・・・スー・・・スー・・・」
眠気の限界を越えすでに夢の中だった
ザー・・・
まだ雨は止まない
天気予報ではあと3日雨が続くようだ
姫「・・・男が?」
男「漢字覚えて漫画読めるようになろうな」
姫「・・・・うん!」
嬉しそうだ
漢字が読めないと色々不便だろうからな・・・
帰りに昔の教科書でも持って帰ろう
とか考えてるうちに姫はいつものポジションに滑り込んでいた
男「・・・おやすみ」
姫「・・・・スー・・・スー・・・」
眠気の限界を越えすでに夢の中だった
ザー・・・
まだ雨は止まない
天気予報ではあと3日雨が続くようだ
202: 名も無き被検体774号+ 2013/03/27(水) 01:17:02.64 ID:hug0yLQ90
・・・・・
妹「なにやってるの!?」
妹の声で目が覚めた
男「・・・・・あ?」
外は相変わらずの雨
時刻は6時ちょうど
男「・・・なんだよ・・・」
一部脳が寝たままの俺は悲鳴の理由が分からん
姫「・・・・ん・・・」
姫も目が覚めたようだ
男「おはよ・・・」
姫「まだ・・・眠い・・・」
妹「なななな・・・なにしてるの!?」
なにがだ?
男「なんだよ・・・?」
いって完全にめがさめた
腕の中には幸せそうに二度寝へと突入した姫
ああ、なるほど・・・この状況を説明しないとな
男「お前の寝言がうるさくて姫が避難してきたんだよ」
揺すって二度寝から姫を引き戻しながら答える
妹「なにやってるの!?」
妹の声で目が覚めた
男「・・・・・あ?」
外は相変わらずの雨
時刻は6時ちょうど
男「・・・なんだよ・・・」
一部脳が寝たままの俺は悲鳴の理由が分からん
姫「・・・・ん・・・」
姫も目が覚めたようだ
男「おはよ・・・」
姫「まだ・・・眠い・・・」
妹「なななな・・・なにしてるの!?」
なにがだ?
男「なんだよ・・・?」
いって完全にめがさめた
腕の中には幸せそうに二度寝へと突入した姫
ああ、なるほど・・・この状況を説明しないとな
男「お前の寝言がうるさくて姫が避難してきたんだよ」
揺すって二度寝から姫を引き戻しながら答える
205: 名も無き被検体774号+ 2013/03/27(水) 01:21:03.69 ID:hug0yLQ90
妹「だからってなんで抱き合ってるのよ!?」
男「特に変な理由もねーよ。・・・寒いからだよ」
妹「・・・なるほど・・・」
これで納得してしまう妹もどうかと思う
男「ほら、起きるぞ!」
姫「いつもみたいに抱っこで・・・・」
はい、アウトー
「いつもみたいに」って言っちゃったね
妹は発狂した
・・・・・・
母「おはよう」
姫「・・・おはよう・・・」
まだ完全に目覚めていないみたいだ
台所からいい匂いがする
男「あれ?親父は?」
母「玉叩きだって」
ゴルフか・・・・
男「特に変な理由もねーよ。・・・寒いからだよ」
妹「・・・なるほど・・・」
これで納得してしまう妹もどうかと思う
男「ほら、起きるぞ!」
姫「いつもみたいに抱っこで・・・・」
はい、アウトー
「いつもみたいに」って言っちゃったね
妹は発狂した
・・・・・・
母「おはよう」
姫「・・・おはよう・・・」
まだ完全に目覚めていないみたいだ
台所からいい匂いがする
男「あれ?親父は?」
母「玉叩きだって」
ゴルフか・・・・
208: 名も無き被検体774号+ 2013/03/27(水) 01:24:42.42 ID:hug0yLQ90
母「なんか姫ちゃんと別れるのが惜しいからって手紙書いてたよ」
へー
男「・・・その手紙はどこに?」
母「そこ・・・」
指差す先は・・・ゴミ箱
男「なぁ?母さんと父さんこれから離婚とか考えてる?」
母「なんでよ~?」
なんで?と聞き返せる母がすごい
ゴミ箱から手紙を拾って読んで捨てた
男「母さん・・・姫は漢字読めないみたいなんだ」
教育のことは親に聞くべし
へー
男「・・・その手紙はどこに?」
母「そこ・・・」
指差す先は・・・ゴミ箱
男「なぁ?母さんと父さんこれから離婚とか考えてる?」
母「なんでよ~?」
なんで?と聞き返せる母がすごい
ゴミ箱から手紙を拾って読んで捨てた
男「母さん・・・姫は漢字読めないみたいなんだ」
教育のことは親に聞くべし
210: 名も無き被検体774号+ 2013/03/27(水) 01:29:01.08 ID:hug0yLQ90
母「それね~母さんも気になってたのよ」
さすが母
母「あんた大学はどうなの?余裕あるの?」
男「前期まじめにやったからあと何日かで春休み」
なぜここで俺の話?
母「時間ができたら姫ちゃんに勉強教えてあげなさい」
男「勉強って・・・全科目?」
母「漢字だけ読めたってしょうがないでしょ?」
やっぱり考えることが違う。さすが母
でもそう簡単に教えられたら俺は小学校の教師になってる
男「まぁ、最低限な・・・頑張るわ」
母「本当は高校まで出たほうが良いんだけどね・・・」
さすが母
母「あんた大学はどうなの?余裕あるの?」
男「前期まじめにやったからあと何日かで春休み」
なぜここで俺の話?
母「時間ができたら姫ちゃんに勉強教えてあげなさい」
男「勉強って・・・全科目?」
母「漢字だけ読めたってしょうがないでしょ?」
やっぱり考えることが違う。さすが母
でもそう簡単に教えられたら俺は小学校の教師になってる
男「まぁ、最低限な・・・頑張るわ」
母「本当は高校まで出たほうが良いんだけどね・・・」
212: 名も無き被検体774号+ 2013/03/27(水) 01:33:17.08 ID:hug0yLQ90
高校か・・・
大学出たからって就職が約束されないこのご時世・・・姫が生きて行く上で一番大切なのはやはり、勉強なんだろう
男「で・・・・姫は?」
今で妹と姫がアニメを見ていた
姫がアニメを見たがったのだろうか・・・?
いや、反応を見ればわかる。
熱中しているのは妹の方だ
男「その歳になってアニメかよ」
妹「ナニイッテンダ兄さん!アニメはJAPANの文化!BUNKA!!」
だめだこいつ
ただ、姫も楽しそうにみているから良しとしよう
大学出たからって就職が約束されないこのご時世・・・姫が生きて行く上で一番大切なのはやはり、勉強なんだろう
男「で・・・・姫は?」
今で妹と姫がアニメを見ていた
姫がアニメを見たがったのだろうか・・・?
いや、反応を見ればわかる。
熱中しているのは妹の方だ
男「その歳になってアニメかよ」
妹「ナニイッテンダ兄さん!アニメはJAPANの文化!BUNKA!!」
だめだこいつ
ただ、姫も楽しそうにみているから良しとしよう
217: 名も無き被検体774号+ 2013/03/27(水) 01:47:24.96 ID:hug0yLQ90
スペック・・・的なの
あくまで目安だから自由に補正してもらいたい
男(ダン)21歳
身長170cm
体重60kg
姫(ヒメ)恐らく14歳くらい
身長150cm
体重軽い
妹(マイ)18歳
身長157cm
体重は考えない
母50くらい
身長160cm
体重重い
父60くらい
身長157cmちっちゃいおっさん
体重軽い
ハゲ
こんなイメージ
あくまで目安だから自由に補正してもらいたい
男(ダン)21歳
身長170cm
体重60kg
姫(ヒメ)恐らく14歳くらい
身長150cm
体重軽い
妹(マイ)18歳
身長157cm
体重は考えない
母50くらい
身長160cm
体重重い
父60くらい
身長157cmちっちゃいおっさん
体重軽い
ハゲ
こんなイメージ
219: 名も無き被検体774号+ 2013/03/27(水) 01:50:27.66 ID:hug0yLQ90
とりあえず部屋にもどって昔の教科書を引っ張り出す
埃をかぶっていたが結構綺麗な状態だ
小学校6年分と中学3年分見つかった
かなりの量だ
これを手で持って帰りたくない
男「あのさ・・・この教科書俺のアパートまで宅急便でだしてくんない?」
母「しょうがないね」
あとで郵送してくれるらしい
勉強はそれが届いてからだな
とりあえず今日はゆっくり休むことにしよう
コーヒーをすすりながら新聞を読んでいると・・・
あまり良いニュースはない
どこもかしこも殺人だー窃盗だー政治が悪いー経済が悪いーだの
唯一明るいニュースは白クマが出産したそうだ
埃をかぶっていたが結構綺麗な状態だ
小学校6年分と中学3年分見つかった
かなりの量だ
これを手で持って帰りたくない
男「あのさ・・・この教科書俺のアパートまで宅急便でだしてくんない?」
母「しょうがないね」
あとで郵送してくれるらしい
勉強はそれが届いてからだな
とりあえず今日はゆっくり休むことにしよう
コーヒーをすすりながら新聞を読んでいると・・・
あまり良いニュースはない
どこもかしこも殺人だー窃盗だー政治が悪いー経済が悪いーだの
唯一明るいニュースは白クマが出産したそうだ
254: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/27(水) 10:16:24.68 ID:hug0yLQ90
母「いっけなーい!カレーのルーがなーい」
来ました、母の独り言
この独り言は「お前行け」という意味だ
男「まじで?雨降ってるよ」
母「そうね。」
男「スーパーまで遠いよ?」
母「車ならお父さん乗ってったよ」
車がない、雨が降っている
この時点で母は家から出ない
男「・・・まぁカレー食べたがったのは姫だしな。行ってくるよ」
母「ちゃんとご近所さんにあったら挨拶しなさいよ」
男「もう俺のこと覚えてねーだろ」
母「お前みたいな問題児そうそう忘れないよ。ほら!早く行きな」
来ました、母の独り言
この独り言は「お前行け」という意味だ
男「まじで?雨降ってるよ」
母「そうね。」
男「スーパーまで遠いよ?」
母「車ならお父さん乗ってったよ」
車がない、雨が降っている
この時点で母は家から出ない
男「・・・まぁカレー食べたがったのは姫だしな。行ってくるよ」
母「ちゃんとご近所さんにあったら挨拶しなさいよ」
男「もう俺のこと覚えてねーだろ」
母「お前みたいな問題児そうそう忘れないよ。ほら!早く行きな」
255: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/27(水) 10:22:48.48 ID:hug0yLQ90
すると姫がこちらに気がついて
姫「どこ行くの・・・?」
男「スーパーだよ。昼の買い出し」
着替えながら答える
妹「ちょっと!兄さん上で着替えてよ」
こいつはいつも変なところで細かい面倒なやつだ
男「ちょちょいと行ってくるわ」
この辺のスーパーは客が少ない分早く開いて早く閉じる
今行けば丁度やってるはずだ
姫「私も行く・・・」
妹「え~!一緒に仮面ライダーみようよ~!」
イケメン目当ての妹はヒーローものがメインらしい
姫「行きたい」
男「別にいいけど・・・結構歩くよ?」
ザー・・・・
姫「どこ行くの・・・?」
男「スーパーだよ。昼の買い出し」
着替えながら答える
妹「ちょっと!兄さん上で着替えてよ」
こいつはいつも変なところで細かい面倒なやつだ
男「ちょちょいと行ってくるわ」
この辺のスーパーは客が少ない分早く開いて早く閉じる
今行けば丁度やってるはずだ
姫「私も行く・・・」
妹「え~!一緒に仮面ライダーみようよ~!」
イケメン目当ての妹はヒーローものがメインらしい
姫「行きたい」
男「別にいいけど・・・結構歩くよ?」
ザー・・・・
256: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/27(水) 10:28:07.66 ID:hug0yLQ90
・・・・・
きた時と同じように傘をさして手をつないで歩く
近くの住人も雨が降っているのでほとんどすれ違うことはない
ザー・・・・
男「雨ずっと降ってるな」
姫「雨・・・止んで欲しい?」
姫からすれば雨は約束の砂時計みたいなもの
止めば俺たちはまた他人・・・だと思ってる
男「雨が好きなやつなんてそうそういないだろ」
ジメジメするし・・・何より濡れるのが嫌だ
姫「・・・私は・・・」
ザー・・・・
男「え?何だって?」
雨の音で聞き取れない
姫「・・・・・」
それから姫はしばらく喋らなかった
きた時と同じように傘をさして手をつないで歩く
近くの住人も雨が降っているのでほとんどすれ違うことはない
ザー・・・・
男「雨ずっと降ってるな」
姫「雨・・・止んで欲しい?」
姫からすれば雨は約束の砂時計みたいなもの
止めば俺たちはまた他人・・・だと思ってる
男「雨が好きなやつなんてそうそういないだろ」
ジメジメするし・・・何より濡れるのが嫌だ
姫「・・・私は・・・」
ザー・・・・
男「え?何だって?」
雨の音で聞き取れない
姫「・・・・・」
それから姫はしばらく喋らなかった
261: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/27(水) 11:25:58.65 ID:hug0yLQ90
スーパーはそこそこ賑わっていた
姫「大きいコンビニ・・・!」
男「コンビニじゃねぇよ。スーパーって言うんだ」
おばちゃん「あら!男ちゃんじゃない!」
近所に住んでいるおばちゃんこと大場さん
おばちゃん「男ちゃんがお買い物なんて珍しいわね」
男「うちの母雨の日外に出たがらないんで・・・」
ちょっと世間話をしているとおばちゃんが姫に気がついた
おばちゃん「あら?かわいい子連れてるじゃない」
男「かわいいだってさ」
姫「・・・・」
顔を赤くして照れてやがる
姫「大きいコンビニ・・・!」
男「コンビニじゃねぇよ。スーパーって言うんだ」
おばちゃん「あら!男ちゃんじゃない!」
近所に住んでいるおばちゃんこと大場さん
おばちゃん「男ちゃんがお買い物なんて珍しいわね」
男「うちの母雨の日外に出たがらないんで・・・」
ちょっと世間話をしているとおばちゃんが姫に気がついた
おばちゃん「あら?かわいい子連れてるじゃない」
男「かわいいだってさ」
姫「・・・・」
顔を赤くして照れてやがる
262: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/27(水) 11:32:16.20 ID:hug0yLQ90
おばちゃん「ついに彼女が出来たのね!」
彼女なんて生まれてこのかたいねーよ
ただ説明が面倒なので否定しないことにした
男「ええ・・・まぁ」
姫「・・・!?」
あ、姫がものすごい顔で見てる・・・
おばちゃん「いいわね~若いって~」
おばちゃんと別れてからも数人知り合いに会った
会う人が口々に新しい妹だとか娘だとか言っていたが全部否定しなかった
スーパーを出る頃には姫のこの地域での設定がめちゃくちゃになった
姫「男・・・ちょっと適当過ぎ・・・」
男「・・・なんかごめんな。」
またこの地域に姫を連れてくることがあればそれなりの説明をしようと思った
また来ることがあれば・・・だが
ザー・・・・
雨はまだ止まない
彼女なんて生まれてこのかたいねーよ
ただ説明が面倒なので否定しないことにした
男「ええ・・・まぁ」
姫「・・・!?」
あ、姫がものすごい顔で見てる・・・
おばちゃん「いいわね~若いって~」
おばちゃんと別れてからも数人知り合いに会った
会う人が口々に新しい妹だとか娘だとか言っていたが全部否定しなかった
スーパーを出る頃には姫のこの地域での設定がめちゃくちゃになった
姫「男・・・ちょっと適当過ぎ・・・」
男「・・・なんかごめんな。」
またこの地域に姫を連れてくることがあればそれなりの説明をしようと思った
また来ることがあれば・・・だが
ザー・・・・
雨はまだ止まない
263: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/27(水) 11:36:45.82 ID:hug0yLQ90
家に帰るとカレーの準備を母がしていた
姫が手伝いたいというので母と姫の二人で台所に立った
俺も暇なので今のうちに教科書をまとめておく
なんとなく漫画が目に入った
男「漫画・・・読みたがってたけどどれがいいのかな?」
俺の部屋にある漫画は女の子が好むようなジャンルがない
漫画といえばベッドの下にもあるが・・・論外だ
男「妹ならなんかあるかな・・・」
俺の部屋の隣に妹の部屋があるので即訪ねる
妹「なんだよ・・・?」
こいつ・・・寝てたな
姫が手伝いたいというので母と姫の二人で台所に立った
俺も暇なので今のうちに教科書をまとめておく
なんとなく漫画が目に入った
男「漫画・・・読みたがってたけどどれがいいのかな?」
俺の部屋にある漫画は女の子が好むようなジャンルがない
漫画といえばベッドの下にもあるが・・・論外だ
男「妹ならなんかあるかな・・・」
俺の部屋の隣に妹の部屋があるので即訪ねる
妹「なんだよ・・・?」
こいつ・・・寝てたな
264: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/27(水) 11:44:54.58 ID:hug0yLQ90
男「なんか姫が喜びそうな漫画ない?」
妹「悦びそうな?」
男「字が違う。喜びそうな・・・だ」
こいつに相談したのは間違いかもしれん
妹「そうねぇ・・・これとか?」
読みづらい筆記体でタイトルが書いてある
パラパラっとめくると
美男と美男がバラのなかでもつれ合っていた
男「殴るぞ・・・」
妹「面白いんだけどなぁ・・・」
本棚をみると得体のしれない漫画ばかりだ
妹「ほかに・・・これとか?」
青い自称猫型ロボが人生お先真っ暗な少年をハイテクなツールで構成させるというサイエンスフィクションものの人気漫画だ
男「なぜ真っ先にこれをださない?」
しかも巻数がしっかり揃っている
これならいい感じだろう
教科書と一緒に送ってもらうことにした
妹「悦びそうな?」
男「字が違う。喜びそうな・・・だ」
こいつに相談したのは間違いかもしれん
妹「そうねぇ・・・これとか?」
読みづらい筆記体でタイトルが書いてある
パラパラっとめくると
美男と美男がバラのなかでもつれ合っていた
男「殴るぞ・・・」
妹「面白いんだけどなぁ・・・」
本棚をみると得体のしれない漫画ばかりだ
妹「ほかに・・・これとか?」
青い自称猫型ロボが人生お先真っ暗な少年をハイテクなツールで構成させるというサイエンスフィクションものの人気漫画だ
男「なぜ真っ先にこれをださない?」
しかも巻数がしっかり揃っている
これならいい感じだろう
教科書と一緒に送ってもらうことにした
266: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/27(水) 11:51:19.92 ID:hug0yLQ90
部屋をぐるっと見回すと段ボールが幾つか積み上げられている
男「この段ボールなに?」
妹「引っ越しの準備」
そういえばこいつも来年大学か
もう受験は終わったらしく今は完全なニートだ
男「一人暮らし大丈夫か?」
妹「兄さんにも出来るなら大丈夫っしょ」
なるほど、大丈夫かもしれん
男「これとか・・・着るの?」
部屋にはいわゆるコスプレが飾ってある
妹「着ないけど・・・インテリア?」
どこがインテリアなんだ?
妹「姫ちゃんに着せるまではただの鑑賞用。姫ちゃんに着せたら・・・むふふふふ・・・」
だめだこいつ
下の階から呼ばれたので降りることにした
男「この段ボールなに?」
妹「引っ越しの準備」
そういえばこいつも来年大学か
もう受験は終わったらしく今は完全なニートだ
男「一人暮らし大丈夫か?」
妹「兄さんにも出来るなら大丈夫っしょ」
なるほど、大丈夫かもしれん
男「これとか・・・着るの?」
部屋にはいわゆるコスプレが飾ってある
妹「着ないけど・・・インテリア?」
どこがインテリアなんだ?
妹「姫ちゃんに着せるまではただの鑑賞用。姫ちゃんに着せたら・・・むふふふふ・・・」
だめだこいつ
下の階から呼ばれたので降りることにした
268: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/27(水) 11:58:46.69 ID:hug0yLQ90
いい匂いがする
カレーって本当にいい匂いだ
姫は台所でカレーの鍋をかき回していた
後ろからみるとわかるが姫は手足が細い
純粋に栄養のある食べのもを与えられていなかっただけかもしれない
男「できたか?」
姫「うん・・・きっとおいしいよ」
楽しそうだ
母「ほら、器によそって」
男「あいよ」
食器を出して米をよそう
男「炊飯器新しくしたんだ?」
母「え?買い替えたの結構前だよ?」
時々帰ると家電が新しくなっている
今回は炊飯器と掃除機が変わっていた
カレーって本当にいい匂いだ
姫は台所でカレーの鍋をかき回していた
後ろからみるとわかるが姫は手足が細い
純粋に栄養のある食べのもを与えられていなかっただけかもしれない
男「できたか?」
姫「うん・・・きっとおいしいよ」
楽しそうだ
母「ほら、器によそって」
男「あいよ」
食器を出して米をよそう
男「炊飯器新しくしたんだ?」
母「え?買い替えたの結構前だよ?」
時々帰ると家電が新しくなっている
今回は炊飯器と掃除機が変わっていた
269: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/27(水) 12:01:48.15 ID:hug0yLQ90
次は親父が変わっているかも・・・
母「あ、母さんのこれで」
渡されたのはラーメンのどんぶり
男「これは・・・ネタ?」
まさかこれでカレーは食べないだろう・・・
妹「お母さんはそのどんぶりだよ。」
男「まじか・・・!」
俺より食うじゃねぇか・・・
そういえば夕飯のときもどんぶり飯食ってたな
親父が勝てない理由がわかった気がする
頑張れ親父
母「あ、母さんのこれで」
渡されたのはラーメンのどんぶり
男「これは・・・ネタ?」
まさかこれでカレーは食べないだろう・・・
妹「お母さんはそのどんぶりだよ。」
男「まじか・・・!」
俺より食うじゃねぇか・・・
そういえば夕飯のときもどんぶり飯食ってたな
親父が勝てない理由がわかった気がする
頑張れ親父
274: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/27(水) 13:11:33.58 ID:hug0yLQ90
カレーは甘口だった
昔から変わらない母の好みだ
母「おいしい?」
姫「うん・・・!」
俺も小さい頃は好きだったが、最近はもうちょっと辛い方がいい
男「一味ある?」
いつもここで唐辛子を入れるのか俺スタイル
妹「え~唐辛子入れる?」
男「・・・だめ?」
妹「せっかく姫ちゃんが手伝ってお母さんが作ったのに」
みると姫が視線で「なんでそんなことをするの」的な目でみている
男「・・・わかった。普通に食べるよ」
食べたがやっぱちょっと甘い
姫は満足そうに食べていたから別にいいが
昔から変わらない母の好みだ
母「おいしい?」
姫「うん・・・!」
俺も小さい頃は好きだったが、最近はもうちょっと辛い方がいい
男「一味ある?」
いつもここで唐辛子を入れるのか俺スタイル
妹「え~唐辛子入れる?」
男「・・・だめ?」
妹「せっかく姫ちゃんが手伝ってお母さんが作ったのに」
みると姫が視線で「なんでそんなことをするの」的な目でみている
男「・・・わかった。普通に食べるよ」
食べたがやっぱちょっと甘い
姫は満足そうに食べていたから別にいいが
275: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/27(水) 13:28:37.59 ID:hug0yLQ90
カレーを食べ終えたところで携帯が鳴った
男「あ、安岡さんだ」
ピッ
男「もしもし?」
安岡『あ、どうも。安岡です」
男「なにか進展が?」
安岡『先ほど姫ちゃんのお父さんから捜索届けが・・・』
まずいことになった
男「姫はどうなるんです?」
安岡『落ち着いてください。この電話は私から個人的な用事でかけているだけです』
警察としてでなく私用で電話をかけてくれているということだそうだ
安岡『虐待の捜査もあるんでちょちょいと安岡マジックで警察で保護したことにしちゃいました』
しちゃいましたじゃねぇよ。
ありがたいがだめだろ
男「そんなことして大丈夫ですか?」
安岡『大丈夫大丈夫~!減らされるほど給料もらってないし~』
そういう問題じゃないのでは?
男「あ、安岡さんだ」
ピッ
男「もしもし?」
安岡『あ、どうも。安岡です」
男「なにか進展が?」
安岡『先ほど姫ちゃんのお父さんから捜索届けが・・・』
まずいことになった
男「姫はどうなるんです?」
安岡『落ち着いてください。この電話は私から個人的な用事でかけているだけです』
警察としてでなく私用で電話をかけてくれているということだそうだ
安岡『虐待の捜査もあるんでちょちょいと安岡マジックで警察で保護したことにしちゃいました』
しちゃいましたじゃねぇよ。
ありがたいがだめだろ
男「そんなことして大丈夫ですか?」
安岡『大丈夫大丈夫~!減らされるほど給料もらってないし~』
そういう問題じゃないのでは?
291: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/27(水) 17:57:04.97 ID:hug0yLQ90
男「まぁ、いろいろとありがとうございました」
安岡『で、まだ続きがあんのよ』
中年の女性は話が長いから嫌いだ
安岡『姫ちゃんは学校に行ったことはあるって言ってたの?』
何を聞くんだこの人は?
男「・・・はい。母親がいなくなるまではと言ってました」
安岡『なるほどね・・・。どこの学校か分かる?』
男「聞いて見ましょうか?」
安岡『そうして』
すぐ隣ににいた姫に聞くとずいぶんと離れたところにあるらしい聞いたこともない小学校だった
安岡『ありがとう、じゃあこっちも仕事に戻るから』
電話はそこまでだった
安岡『で、まだ続きがあんのよ』
中年の女性は話が長いから嫌いだ
安岡『姫ちゃんは学校に行ったことはあるって言ってたの?』
何を聞くんだこの人は?
男「・・・はい。母親がいなくなるまではと言ってました」
安岡『なるほどね・・・。どこの学校か分かる?』
男「聞いて見ましょうか?」
安岡『そうして』
すぐ隣ににいた姫に聞くとずいぶんと離れたところにあるらしい聞いたこともない小学校だった
安岡『ありがとう、じゃあこっちも仕事に戻るから』
電話はそこまでだった
293: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/27(水) 18:21:19.57 ID:hug0yLQ90
時計をみるともう3時だった
男「そろっと帰るか・・・」
ちらっと隣をみると
やはり残念そうな顔をする姫
男「大丈夫だって。またすぐ来るから」
姫「それまでに・・・雨止んじゃうよ・・・」
妹「雨・・・?」
男「最初に姫を拾った時に雨が止むまでっって約束だったんだよ」
母「あんたらしい言い訳ね」
姫に向かい合って母がなにか言い聞かせている
母「あなたはもううちの家族も同然なんだから、いつでも訪ねてきていいのよ」
妹「てか、兄さんがもらっちゃえばいいんじゃない?」
妹がとんでもねーこと言い出した
母「あら、それいいじゃない」
どこをどう捉えれば良いと思ったんだ?
男「そろっと帰るか・・・」
ちらっと隣をみると
やはり残念そうな顔をする姫
男「大丈夫だって。またすぐ来るから」
姫「それまでに・・・雨止んじゃうよ・・・」
妹「雨・・・?」
男「最初に姫を拾った時に雨が止むまでっって約束だったんだよ」
母「あんたらしい言い訳ね」
姫に向かい合って母がなにか言い聞かせている
母「あなたはもううちの家族も同然なんだから、いつでも訪ねてきていいのよ」
妹「てか、兄さんがもらっちゃえばいいんじゃない?」
妹がとんでもねーこと言い出した
母「あら、それいいじゃない」
どこをどう捉えれば良いと思ったんだ?
295: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/27(水) 18:31:49.34 ID:hug0yLQ90
姫「うん・・・もらわれる」
姫は意味が分かってないがなんか乗り気だ
母「それでお父さんを追い出せばいいのよね」
次きた時には本当に親父がいないかもしれない
男「もう少し親父に優しくしてあげてよ」
母「いいのよ。あの人あれで喜んでるから」
ああ、ダメなのは親父の方か
せっせと準備していると姫が見たことないリュックを背負っている
男「それ・・・なに?」
姫「妹からもらった」
またあいつのことだから変なものをあげたに違いない
でも、姫が持って帰るというので処分は帰ってからすることにした
姫は意味が分かってないがなんか乗り気だ
母「それでお父さんを追い出せばいいのよね」
次きた時には本当に親父がいないかもしれない
男「もう少し親父に優しくしてあげてよ」
母「いいのよ。あの人あれで喜んでるから」
ああ、ダメなのは親父の方か
せっせと準備していると姫が見たことないリュックを背負っている
男「それ・・・なに?」
姫「妹からもらった」
またあいつのことだから変なものをあげたに違いない
でも、姫が持って帰るというので処分は帰ってからすることにした
303: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/27(水) 19:22:39.66 ID:hug0yLQ90
電車に乗ってしばらくすると姫は寝てしまった
電車内の温度と揺れが眠気を増幅させる
男「いつもより賑やかだったからな・・・疲れたか?」
姫「スー・・・スー・・・」
完全に夢の中だ
自分も少し眠かったが寝てしまうとこの電車はとんでもないところへ行ってしまうので寝れない
姫が担いでいるリュックの中身が気になったがここで俺が姫に手を伸ばしリュックの中身を確認すると周りの乗客からどんな目で見られるか・・・
しばらくして電車は目的の駅に着いた
雨が降っているのでまた二人で傘をさして帰る
明日は学校だ
姫には留守番してもらうが大丈夫だろうか?
雨はまだまだ降っている
電車内の温度と揺れが眠気を増幅させる
男「いつもより賑やかだったからな・・・疲れたか?」
姫「スー・・・スー・・・」
完全に夢の中だ
自分も少し眠かったが寝てしまうとこの電車はとんでもないところへ行ってしまうので寝れない
姫が担いでいるリュックの中身が気になったがここで俺が姫に手を伸ばしリュックの中身を確認すると周りの乗客からどんな目で見られるか・・・
しばらくして電車は目的の駅に着いた
雨が降っているのでまた二人で傘をさして帰る
明日は学校だ
姫には留守番してもらうが大丈夫だろうか?
雨はまだまだ降っている
312: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/27(水) 20:20:35.26 ID:hug0yLQ90
・・・・・・
翌朝
男「・・・・ふぁぁ・・・あ?」
いつもの腕の間に姫がいない
男「姫ぇ・・・?」
横になったまま首をめぐらすと
窓際に姫がいた
なにか吊るしてる
男「何やってんの?」
姫「妹が教えてくれた・・・」
寝起きで目が霞んでいてなにを吊るしているのか見えない
起きて近づくと・・・
男「てるてる坊主・・・?」
しかも上下逆さまだ
姫「・・・・」
男「ばかだぁ、ちゃんと頭に糸付けないと・・・」
治してあげようと手を伸ばしたら
姫「だめ!」
男「おわっ!?」
止められた
翌朝
男「・・・・ふぁぁ・・・あ?」
いつもの腕の間に姫がいない
男「姫ぇ・・・?」
横になったまま首をめぐらすと
窓際に姫がいた
なにか吊るしてる
男「何やってんの?」
姫「妹が教えてくれた・・・」
寝起きで目が霞んでいてなにを吊るしているのか見えない
起きて近づくと・・・
男「てるてる坊主・・・?」
しかも上下逆さまだ
姫「・・・・」
男「ばかだぁ、ちゃんと頭に糸付けないと・・・」
治してあげようと手を伸ばしたら
姫「だめ!」
男「おわっ!?」
止められた
314: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/27(水) 20:31:41.89 ID:hug0yLQ90
男「これでいいの?」
かわいいてるてる坊主がなんだか可哀想だ
姫「こうじゃなきゃダメなの」
最近の若い子の考えがわからん
男「あ、今日学校行かなきゃいけないんだ」
姫「学校・・・」
姫は長いこと学校に行けていない
男「学校・・・行きたいか?」
姫「・・・・・」
何も言わない
きっと行きたいに決まっている
でも、行きたいって言われても俺もどうしようもない
それを考えてか姫は何も言わなかった
男「留守番たのむな・・・?」
姫「うん・・・」
かわいいてるてる坊主がなんだか可哀想だ
姫「こうじゃなきゃダメなの」
最近の若い子の考えがわからん
男「あ、今日学校行かなきゃいけないんだ」
姫「学校・・・」
姫は長いこと学校に行けていない
男「学校・・・行きたいか?」
姫「・・・・・」
何も言わない
きっと行きたいに決まっている
でも、行きたいって言われても俺もどうしようもない
それを考えてか姫は何も言わなかった
男「留守番たのむな・・・?」
姫「うん・・・」
316: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/27(水) 20:38:10.39 ID:hug0yLQ90
ちょっと不安だったが大人しい姫ならいきなり部屋に火を放ったりしないだろう
フラグ?しるかんなもん
男「じゃ・・・行ってくるから。・・・なるべく早めに帰るから!」
姫「いってらっしゃい・・・」
ひらひらてを振っているのがなんかかわいかった
カバンをつかんで駅まで徒歩だ
ザー・・・・雨は止まない
予報によれば今日明日降ったら晴れるそうだ
晴れたらどうなるのか・・・それは晴れたら考える
フラグ?しるかんなもん
男「じゃ・・・行ってくるから。・・・なるべく早めに帰るから!」
姫「いってらっしゃい・・・」
ひらひらてを振っているのがなんかかわいかった
カバンをつかんで駅まで徒歩だ
ザー・・・・雨は止まない
予報によれば今日明日降ったら晴れるそうだ
晴れたらどうなるのか・・・それは晴れたら考える
317: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/27(水) 20:53:01.39 ID:hug0yLQ90
駅からチャリで大学まで行く
あいにく俺のアパートにチャリをおいておくと一階のバカg・・・
先輩「おーい!男!」
あ、バカだ
男「先輩・・・なんでこんなところにいるんすか?」
先輩「お前のチャリ使おうかなって」
男「貸しませんよ。俺使いますし」
先輩「・・・え~」
え~じゃねぇよ
先輩「雨降ってるしさ・・・バス使えよ」
男「先輩こそ使えばいいじゃないですか」
先輩「なんだと!俺は先輩だぞ!偉いんだぞ!」
なんだこの人は・・・?
男「あ、あの人可愛い」
先輩「え?どこどこ?」
今のうちにチャリで逃走
先輩「あ!男!どこだよ!可愛いのどこだよ!!」
先輩とはいつもこんな感じ
あいにく俺のアパートにチャリをおいておくと一階のバカg・・・
先輩「おーい!男!」
あ、バカだ
男「先輩・・・なんでこんなところにいるんすか?」
先輩「お前のチャリ使おうかなって」
男「貸しませんよ。俺使いますし」
先輩「・・・え~」
え~じゃねぇよ
先輩「雨降ってるしさ・・・バス使えよ」
男「先輩こそ使えばいいじゃないですか」
先輩「なんだと!俺は先輩だぞ!偉いんだぞ!」
なんだこの人は・・・?
男「あ、あの人可愛い」
先輩「え?どこどこ?」
今のうちにチャリで逃走
先輩「あ!男!どこだよ!可愛いのどこだよ!!」
先輩とはいつもこんな感じ
354: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/28(木) 00:11:04.85 ID:ZwewZHbd0
男「もう六時か・・・」
あたりはくらくなりはじめている
ザー・・・
雨も止まない
まっすぐ帰っていると・・・・
「あの・・・」
いきなり声をかけられた
男「なんでしょう・・・?」
相手は40くらいのおっさんだ
おっさん「この辺で一人でいる女の子見ませんでした?」
ちょっと驚いたが冷静を装う
男「さぁ・・・?娘さんですか?」
見た目はごく普通のサラリーマンといった感じ
おっさん「ええ・・・まぁ・・・」
男「なんて言う名前ですか?」
聞く必要がある
おっさん「・・・姫です」
これは焦ったが全力でクールダウン
男「・・・やっぱりわからないですね」
おっさんは「そうですか」と言うとそのまま雨が降る暗い道へと消えた
本当はここでぶん殴って海に沈めてやりたいくらいだった
だが、姫を守るにはこれが最善だ
あたりはくらくなりはじめている
ザー・・・
雨も止まない
まっすぐ帰っていると・・・・
「あの・・・」
いきなり声をかけられた
男「なんでしょう・・・?」
相手は40くらいのおっさんだ
おっさん「この辺で一人でいる女の子見ませんでした?」
ちょっと驚いたが冷静を装う
男「さぁ・・・?娘さんですか?」
見た目はごく普通のサラリーマンといった感じ
おっさん「ええ・・・まぁ・・・」
男「なんて言う名前ですか?」
聞く必要がある
おっさん「・・・姫です」
これは焦ったが全力でクールダウン
男「・・・やっぱりわからないですね」
おっさんは「そうですか」と言うとそのまま雨が降る暗い道へと消えた
本当はここでぶん殴って海に沈めてやりたいくらいだった
だが、姫を守るにはこれが最善だ
358: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/28(木) 00:15:46.86 ID:ZwewZHbd0
早足で家に帰る
傘なんかまともにさしていられない
アパートの階段を駆け上がり部屋の扉を開けると・・・
姫「お・・・おかえり・・・なさいませ?」
メイド服と言うのだろうか?
そんな感じのコスチュームを着た姫が恥ずかしそうに立っていた
男「・・・どうした?」
急いで帰ってきた疲れと驚きで変な声になってしまった
姫「妹が・・・これやると喜ぶって」
恐らくこれが姫が持ち帰ったリュックの中身だろう
テーブルの上には丁寧にひらがなでコスチュームの説明が書いてある紙切れもある
姫「・・・・あれ?」
傘なんかまともにさしていられない
アパートの階段を駆け上がり部屋の扉を開けると・・・
姫「お・・・おかえり・・・なさいませ?」
メイド服と言うのだろうか?
そんな感じのコスチュームを着た姫が恥ずかしそうに立っていた
男「・・・どうした?」
急いで帰ってきた疲れと驚きで変な声になってしまった
姫「妹が・・・これやると喜ぶって」
恐らくこれが姫が持ち帰ったリュックの中身だろう
テーブルの上には丁寧にひらがなでコスチュームの説明が書いてある紙切れもある
姫「・・・・あれ?」
364: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/28(木) 00:19:43.41 ID:ZwewZHbd0
姫「嬉しく・・・ない?」
やばいなにか反応しなくては・・・
男「ええっと・・・・・」
姫がだんだん泣きそうになっている
早くなにか反応を・・・!
男「か・・・かわいいじゃないか!」
やっと声が出た
男「わざわざ着替えて待ててくれたのか!」
テンションを限界まで上げる
姫「うん・・・・!着方難しかったけど頑張った!」
姫も満足そうに笑う
すると
ドン!
壁ドンがきたドン
男「おっと・・・すこし騒ぎすぎたな・・・」
やばいなにか反応しなくては・・・
男「ええっと・・・・・」
姫がだんだん泣きそうになっている
早くなにか反応を・・・!
男「か・・・かわいいじゃないか!」
やっと声が出た
男「わざわざ着替えて待ててくれたのか!」
テンションを限界まで上げる
姫「うん・・・・!着方難しかったけど頑張った!」
姫も満足そうに笑う
すると
ドン!
壁ドンがきたドン
男「おっと・・・すこし騒ぎすぎたな・・・」
368: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/28(木) 00:25:00.54 ID:ZwewZHbd0
・・・・・
妹『で、感想は?』
男「へんなもん姫に吹き込んでんじゃねぇよ!」
妹へ文句の電話中
妹『え~、姫ちゃんが着たら殺人的可愛さだとおもうんだけどな~』
男「その前におまえを殺すぞ」
妹『嬉しかったんでしょ?』
男「今は姫がいるけどなぁ!一人暮らしの大学野郎が女の子にコスプレさせてる時点で豚箱行きなんだよぉ!」
ちなみ姫は風呂に入っている
妹『で、そっちにお母さんからの郵便行ってるでしょ?』
部屋の隅には俺がいない間に届いた郵便物がダンボールで二つ届いている
姫にハンコを持たせて受けとってもらった
妹『で、感想は?』
男「へんなもん姫に吹き込んでんじゃねぇよ!」
妹へ文句の電話中
妹『え~、姫ちゃんが着たら殺人的可愛さだとおもうんだけどな~』
男「その前におまえを殺すぞ」
妹『嬉しかったんでしょ?』
男「今は姫がいるけどなぁ!一人暮らしの大学野郎が女の子にコスプレさせてる時点で豚箱行きなんだよぉ!」
ちなみ姫は風呂に入っている
妹『で、そっちにお母さんからの郵便行ってるでしょ?』
部屋の隅には俺がいない間に届いた郵便物がダンボールで二つ届いている
姫にハンコを持たせて受けとってもらった
369: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/28(木) 00:29:14.40 ID:ZwewZHbd0
男「おい、話変えてんじゃねぇ」
妹『そのうちの一つに姫ちゃんの服いれといたから』
頼んでおいた妹のお古だ
男「あ、それはありがたい。でもなぁ!」
そこまで言って少し考える
ダンボールを開けると服がぎっしり
そのさらにおくに・・・
漫画が入っている
だが、俺がくれといった漫画はない
変わりに若い男どうしの恋愛漫画ばかりだ
男「おい、青狸はどこだ?」
妹『あれ・・・?』
しばらくの沈黙・・・
妹『間違えちゃった☆』
妹『そのうちの一つに姫ちゃんの服いれといたから』
頼んでおいた妹のお古だ
男「あ、それはありがたい。でもなぁ!」
そこまで言って少し考える
ダンボールを開けると服がぎっしり
そのさらにおくに・・・
漫画が入っている
だが、俺がくれといった漫画はない
変わりに若い男どうしの恋愛漫画ばかりだ
男「おい、青狸はどこだ?」
妹『あれ・・・?』
しばらくの沈黙・・・
妹『間違えちゃった☆』
371: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/28(木) 00:39:13.75 ID:ZwewZHbd0
電話はそこで強制終了
最後になにか言ってたような気がするが・・・
ちょうど姫が上がってきた
男「これ着な」
豚のパジャマを渡す
姫「あ、妹の奴だ」
男「あいつは死んだ。もうお前のだ」
姫が着替えている間にもう一つのダンボールも開ける
中は教科書と野菜だった
学校にいる時に来たメールに
『教科書と一緒に野菜もいれときました。ちゃんと自炊するんだよ』
とあった。
それを先に読んでいたので今晩は適当に料理してみる。
最後になにか言ってたような気がするが・・・
ちょうど姫が上がってきた
男「これ着な」
豚のパジャマを渡す
姫「あ、妹の奴だ」
男「あいつは死んだ。もうお前のだ」
姫が着替えている間にもう一つのダンボールも開ける
中は教科書と野菜だった
学校にいる時に来たメールに
『教科書と一緒に野菜もいれときました。ちゃんと自炊するんだよ』
とあった。
それを先に読んでいたので今晩は適当に料理してみる。
372: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/28(木) 00:45:28.84 ID:ZwewZHbd0
野菜を取り出すと底から料理本が出てきた
男「流石母さん・・・」
だがうちには鍋とフライパンしかない
包丁はなぜか果物包丁しかない
だが、その代わりにビーカーやらメスシリンダーなどがある
これでいける
所詮料理も化学だ!
by先輩
早速料理に取りかかる
今晩は野菜しかなかったので肉なし肉じゃがだ!(命名・じゃが)
ジャガイモと人参、玉ねぎくらいしかいれるものがないがなんとかなるだろう
姫も手伝いたいと言うので二人で作ることにした
男「流石母さん・・・」
だがうちには鍋とフライパンしかない
包丁はなぜか果物包丁しかない
だが、その代わりにビーカーやらメスシリンダーなどがある
これでいける
所詮料理も化学だ!
by先輩
早速料理に取りかかる
今晩は野菜しかなかったので肉なし肉じゃがだ!(命名・じゃが)
ジャガイモと人参、玉ねぎくらいしかいれるものがないがなんとかなるだろう
姫も手伝いたいと言うので二人で作ることにした
373: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/28(木) 00:51:10.34 ID:ZwewZHbd0
調味料は一階の彼女持ちの後輩から奪ってきた
そういえば実家でもそうだが姫は料理をするときすごく楽しそうだ
男「姫は料理が好きか?」
姫「うん!」
それはありがたいことだ
ただ、果物包丁だと上手く切れない
男「おりゃっ!!」
男「おんりゃっ!!」
切るだけで疲れる
なんだかんだでじゃがは完成した
米はないのでレトルトごはんを使う
炊飯器はあるのだが米がない
そういえば実家でもそうだが姫は料理をするときすごく楽しそうだ
男「姫は料理が好きか?」
姫「うん!」
それはありがたいことだ
ただ、果物包丁だと上手く切れない
男「おりゃっ!!」
男「おんりゃっ!!」
切るだけで疲れる
なんだかんだでじゃがは完成した
米はないのでレトルトごはんを使う
炊飯器はあるのだが米がない
375: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/28(木) 00:57:23.80 ID:ZwewZHbd0
姫「おいしいね・・・!」
くっそ、かわいいな!
さっきあった姫の父親にさらに殺意がわく
だが、今は食事中だ
そんなことは今は忘れる
男「肉じゃがって肉いらないんだな!」
そういう問題ではない
姫「おいしいごはんが作れるって・・・いいね」
姫が来てから俺の中でも何かが変わりはじめた
なんというか・・・よく分からんが
とりあえず俺は幸せなきがする
ほどなくして食事は終わった
くっそ、かわいいな!
さっきあった姫の父親にさらに殺意がわく
だが、今は食事中だ
そんなことは今は忘れる
男「肉じゃがって肉いらないんだな!」
そういう問題ではない
姫「おいしいごはんが作れるって・・・いいね」
姫が来てから俺の中でも何かが変わりはじめた
なんというか・・・よく分からんが
とりあえず俺は幸せなきがする
ほどなくして食事は終わった
378: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/28(木) 01:05:09.10 ID:ZwewZHbd0
男「そういえば・・・さっき姫の父親にあった」
姫「・・・え?」
姫の顔色が変わる
男「お前を探してたよ・・・」
姫「・・・そんな・・・・」
男「でもな、俺はお前を守るからな!安心しろ!」
姫を安心させようとなるべく威勢良く
男「そもそもこっちには安岡さんがいるからな!警官の後ろ盾だぜ!国家権力だぜ!」
自分でもわけが分からなくなってきた
姫「こっか・・・けんりょく?」
男「だから大丈夫。お前はちゃんと守る」
姫は怖がっているようだが、笑った
ちょっと無理してる感じだったけど
男「だからさ、しばらくあまりむやみに外に出れないけど我慢してな?」
姫「わかった・・・」
姫「・・・え?」
姫の顔色が変わる
男「お前を探してたよ・・・」
姫「・・・そんな・・・・」
男「でもな、俺はお前を守るからな!安心しろ!」
姫を安心させようとなるべく威勢良く
男「そもそもこっちには安岡さんがいるからな!警官の後ろ盾だぜ!国家権力だぜ!」
自分でもわけが分からなくなってきた
姫「こっか・・・けんりょく?」
男「だから大丈夫。お前はちゃんと守る」
姫は怖がっているようだが、笑った
ちょっと無理してる感じだったけど
男「だからさ、しばらくあまりむやみに外に出れないけど我慢してな?」
姫「わかった・・・」
380: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/28(木) 01:09:32.48 ID:ZwewZHbd0
安岡さんにも一応連絡を入れた
安岡『やっぱり探してるのね・・・』
男「警察はどういう対応をしたんですか?」
安岡『姫ちゃんの戸籍がないっていったでしょ?それでこちらでは対処出来ないって突っ返しちゃった』
男「それやったのって・・・」
安岡『私~☆』
えへへへと、笑う安岡さんがなんだか心強かった
安岡『とにかく、外出とかは気をつけて』
男「はい」
ザー・・・
雨がまだ止まない
この長い雨も明日が最後みたいだ
安岡『やっぱり探してるのね・・・』
男「警察はどういう対応をしたんですか?」
安岡『姫ちゃんの戸籍がないっていったでしょ?それでこちらでは対処出来ないって突っ返しちゃった』
男「それやったのって・・・」
安岡『私~☆』
えへへへと、笑う安岡さんがなんだか心強かった
安岡『とにかく、外出とかは気をつけて』
男「はい」
ザー・・・
雨がまだ止まない
この長い雨も明日が最後みたいだ
387: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/28(木) 01:35:42.27 ID:ZwewZHbd0
・・・・・・
翌日
ザー・・・
予報は外れない
また雨だ
男「・・・・ふぁぁ・・・・」
姫はまだ腕の中
そういえば姫は・・・その・・・実に子供らしいというか・・・
ええい!世間体なんてくそくらえ!
言ってしまおう
胸がない
アニメとかである密着されたら「あ、胸が!」的なのは一切ない
別にないからどうとかそういうことはどうでもいいけど・・・
ふと見ると姫が目を開けてこっちを見ていた
男「お・・・おはよう」
姫「・・・私・・・どうかした?」
男「いや・・・別になにも」
姫「起きる・・・」
男「お・・・おう」
翌日
ザー・・・
予報は外れない
また雨だ
男「・・・・ふぁぁ・・・・」
姫はまだ腕の中
そういえば姫は・・・その・・・実に子供らしいというか・・・
ええい!世間体なんてくそくらえ!
言ってしまおう
胸がない
アニメとかである密着されたら「あ、胸が!」的なのは一切ない
別にないからどうとかそういうことはどうでもいいけど・・・
ふと見ると姫が目を開けてこっちを見ていた
男「お・・・おはよう」
姫「・・・私・・・どうかした?」
男「いや・・・別になにも」
姫「起きる・・・」
男「お・・・おう」
388: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/28(木) 01:39:12.81 ID:ZwewZHbd0
こいつ絶対に先に目が覚めてると思う
俺が起きるとすぐに起きるもん
いや、逆に俺が起きないと腕でロックされて起きれないのか・・・?
その間にも姫は着替え始める
あの服に・・・
男「ちょっと待ちな・・・」
姫「・・・ん?」
ほぼ着替え終わっている
慣れたのか?
男「なぜそれに着替える?」
姫「・・・男がかわいいって言ったから」
俺が起きるとすぐに起きるもん
いや、逆に俺が起きないと腕でロックされて起きれないのか・・・?
その間にも姫は着替え始める
あの服に・・・
男「ちょっと待ちな・・・」
姫「・・・ん?」
ほぼ着替え終わっている
慣れたのか?
男「なぜそれに着替える?」
姫「・・・男がかわいいって言ったから」
418: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/28(木) 13:01:26.28 ID:ZwewZHbd0
かわいいとは言ったが・・・
まぁ、いいや。
今日は休みだし約束通り勉強を教えることにする。
男「姫、勉強・・・やるか?」
姫「・・・え?」
うわ、すっごい目が輝いている
勉強って小学校入る前は楽しかったもんな
今の姫はそんな感じなのだろう
男「まずは現文・・・てか国語からだな」
ちょっと勉強して様子をみると国語は少し難しい漢字が読めないみたいだ
そこを重点的に勉強する
男「これが・・・」
姫「こう?」
男「書き順はめちゃくちゃだが・・・俺も人のこと言えないしな」
姫はどんどん俺の言ったこと、教科書の内容を吸収していく
こいつ頭いいぞ
まぁ、いいや。
今日は休みだし約束通り勉強を教えることにする。
男「姫、勉強・・・やるか?」
姫「・・・え?」
うわ、すっごい目が輝いている
勉強って小学校入る前は楽しかったもんな
今の姫はそんな感じなのだろう
男「まずは現文・・・てか国語からだな」
ちょっと勉強して様子をみると国語は少し難しい漢字が読めないみたいだ
そこを重点的に勉強する
男「これが・・・」
姫「こう?」
男「書き順はめちゃくちゃだが・・・俺も人のこと言えないしな」
姫はどんどん俺の言ったこと、教科書の内容を吸収していく
こいつ頭いいぞ
420: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/28(木) 13:09:01.46 ID:ZwewZHbd0
ほんの数時間でかなりの漢字を覚えた
これは数学だろうと英語だろうとすぐに覚えるかもしれない
姫「男・・・教えるの上手!」
褒められた
男「姫は元々頭が良いんだよ」
互いに褒めあって変な感じだ
そんな感じでもう昼になってしまった
男「そろそろ昼飯にするか」
姫「うん・・・」
家にあるもので済まそうにもまともなものがなかった
野菜しかねぇ
うさぎならともかくなにかまともな物を食べねば
これは数学だろうと英語だろうとすぐに覚えるかもしれない
姫「男・・・教えるの上手!」
褒められた
男「姫は元々頭が良いんだよ」
互いに褒めあって変な感じだ
そんな感じでもう昼になってしまった
男「そろそろ昼飯にするか」
姫「うん・・・」
家にあるもので済まそうにもまともなものがなかった
野菜しかねぇ
うさぎならともかくなにかまともな物を食べねば
421: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/28(木) 13:14:39.89 ID:ZwewZHbd0
男「ちょっとコンビニでなにか買ってくるわ」
姫「私も・・・!」
姫が行きたがったが・・・
男「だめだ。この辺にはお前の父親がウロウロしてるんだぞ」
なんだかゾンビみたいだな
姫「でも・・・お父さんは会社だと思う・・・」
そらそうか、今日は一応平日だしな
男「でもなぁ・・・」
姫「・・・・・」
可哀想な子オーラが出てる
俺は負けた
男「わかったよ・・・行こう」
姫「うん・・・!」
一応は細心の注意をはらっていざ出発
姫「私も・・・!」
姫が行きたがったが・・・
男「だめだ。この辺にはお前の父親がウロウロしてるんだぞ」
なんだかゾンビみたいだな
姫「でも・・・お父さんは会社だと思う・・・」
そらそうか、今日は一応平日だしな
男「でもなぁ・・・」
姫「・・・・・」
可哀想な子オーラが出てる
俺は負けた
男「わかったよ・・・行こう」
姫「うん・・・!」
一応は細心の注意をはらっていざ出発
423: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/28(木) 13:21:08.61 ID:ZwewZHbd0
ザー・・・・
おそらく今日で雨も止むだろう
このところ過労気味なコンビニビニール傘をさして二人でコンビニへ行った
そこで気がついた
男「おわっ・・・!?姫その格好できたの!?」
メイド服はちょっとやばい
姫「・・・ん?」
無邪気に首をかしげながら先にコンビニへ入ろうとする
男「お、おい!」
コンビニに入った瞬間視線が集まり・・・
女性客「可愛い・・・!」
何ですと?
店員「・・・いらっしゃいませ・・・」
俺は疾風の如く買い物を済ませた
男「姫!帰るぞ!」
女性客「あの・・・一枚写真いいですか?」
可愛いもんな
俺だって携帯の壁紙にしてるわ
おそらく今日で雨も止むだろう
このところ過労気味なコンビニビニール傘をさして二人でコンビニへ行った
そこで気がついた
男「おわっ・・・!?姫その格好できたの!?」
メイド服はちょっとやばい
姫「・・・ん?」
無邪気に首をかしげながら先にコンビニへ入ろうとする
男「お、おい!」
コンビニに入った瞬間視線が集まり・・・
女性客「可愛い・・・!」
何ですと?
店員「・・・いらっしゃいませ・・・」
俺は疾風の如く買い物を済ませた
男「姫!帰るぞ!」
女性客「あの・・・一枚写真いいですか?」
可愛いもんな
俺だって携帯の壁紙にしてるわ
425: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/28(木) 13:24:30.54 ID:ZwewZHbd0
とりあえず写真を一枚だけ撮らせて逃げるように帰った
男「・・・その格好は・・・俺の部屋でだけだからな・・・!」
疲れた
姫「・・・ごめんなさい・・・・」
シュンとして落ち込んでしまった
男「まぁ、今回はいいけど。さ、早く昼にしようぜ」
姫「うん・・・」
部屋に入るときふと空に真っ黒い雲が見えた
これからちょっと大降りになるかもしれない
男「・・・その格好は・・・俺の部屋でだけだからな・・・!」
疲れた
姫「・・・ごめんなさい・・・・」
シュンとして落ち込んでしまった
男「まぁ、今回はいいけど。さ、早く昼にしようぜ」
姫「うん・・・」
部屋に入るときふと空に真っ黒い雲が見えた
これからちょっと大降りになるかもしれない
427: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/28(木) 13:30:30.79 ID:ZwewZHbd0
昼は買ってきたパンと野菜炒めという微妙なセレクトだ
実は今回は包丁がある!
なんか先輩が使えってくれた
なんかメイド服に包丁でステータスがどうとか言ってたけど・・・
それと奪って返していない調味料もあるのでまともな料理ができた
今度は米を買ってこよう
二人で野菜炒めをパンにはさんだよくわからん料理を食べる
姫「・・・おいしい!」
男「新境地だな・・・。パンの汎用性恐るべし」
実は今回は包丁がある!
なんか先輩が使えってくれた
なんかメイド服に包丁でステータスがどうとか言ってたけど・・・
それと奪って返していない調味料もあるのでまともな料理ができた
今度は米を買ってこよう
二人で野菜炒めをパンにはさんだよくわからん料理を食べる
姫「・・・おいしい!」
男「新境地だな・・・。パンの汎用性恐るべし」
428: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/28(木) 13:38:22.96 ID:ZwewZHbd0
昼を食べ終わると姫はまた勉強を始めた
本当に偉いなぁ・・・
と、いうよりずっと勉強がしたかったんだな・・・
男「あまり無理すんなよ?少しずつやれば良いんだから」
姫「うん・・・でも男と勉強できるから・・・」
可愛い奴だなぁ
ついついちょっかいを出したくなる
脇の下、わき腹など大事な血管や神経のある部位をくすぐる
姫「うあっ・・・!男・・・くあふふっ・・・!!」
最初あった時はこんなに笑う奴だなんて思わなかったからな
いろいろ辛い記憶もあるだろうが・・・姫なら乗り越えていける
そして、俺はその手伝いをする
だが、ことは全て上手くいくとは限らない・・・
時刻は午後2時をすぎたあたりだった
本当に偉いなぁ・・・
と、いうよりずっと勉強がしたかったんだな・・・
男「あまり無理すんなよ?少しずつやれば良いんだから」
姫「うん・・・でも男と勉強できるから・・・」
可愛い奴だなぁ
ついついちょっかいを出したくなる
脇の下、わき腹など大事な血管や神経のある部位をくすぐる
姫「うあっ・・・!男・・・くあふふっ・・・!!」
最初あった時はこんなに笑う奴だなんて思わなかったからな
いろいろ辛い記憶もあるだろうが・・・姫なら乗り越えていける
そして、俺はその手伝いをする
だが、ことは全て上手くいくとは限らない・・・
時刻は午後2時をすぎたあたりだった
446: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/28(木) 16:47:28.58 ID:ZwewZHbd0
トントン
扉を叩く音がする
丁度俺たちは数学もとい算数の勉強をしていた
男「はい・・・!」
俺のアパートの扉にはのぞき穴なんてない
まぁいままで必要無かったから別にどうでも良かったのだが
ガチャ・・・
開けるとそこにいたのは
姫の父親「どうも・・・・。探したぞ、姫・・・」
昨日あったおっさん・・・姫の父親だった
姫「・・・・お、お父・・・さん」
姫が恐怖に震えはじめる
男「なんでっ・・・!?」
なぜここが分かったのか、なぜ今きたのか・・・
色々な疑問やら何やらが俺の脳内で竜巻のようになり、俺の平常心を吹き飛ばした
扉を叩く音がする
丁度俺たちは数学もとい算数の勉強をしていた
男「はい・・・!」
俺のアパートの扉にはのぞき穴なんてない
まぁいままで必要無かったから別にどうでも良かったのだが
ガチャ・・・
開けるとそこにいたのは
姫の父親「どうも・・・・。探したぞ、姫・・・」
昨日あったおっさん・・・姫の父親だった
姫「・・・・お、お父・・・さん」
姫が恐怖に震えはじめる
男「なんでっ・・・!?」
なぜここが分かったのか、なぜ今きたのか・・・
色々な疑問やら何やらが俺の脳内で竜巻のようになり、俺の平常心を吹き飛ばした
450: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/28(木) 16:51:40.60 ID:ZwewZHbd0
姫の父親「さぁ・・・帰ろう!!」
いきなり土足で上がり込み姫に手を伸ばそうとする父親
男「ま、待てよ!!」
姫と父親の間に割り込み父親を突き飛ばす
よろけて父親は台所まで足をもつれさせながら下がった
父親「なんだお前はっ!!」
平常心も何もないので俺もまともなセリフが言えない
男「お前こそなんだ!?」
いや、姫の父親だし・・・
我ながら素晴らしい混乱っぷりだ
いきなり土足で上がり込み姫に手を伸ばそうとする父親
男「ま、待てよ!!」
姫と父親の間に割り込み父親を突き飛ばす
よろけて父親は台所まで足をもつれさせながら下がった
父親「なんだお前はっ!!」
平常心も何もないので俺もまともなセリフが言えない
男「お前こそなんだ!?」
いや、姫の父親だし・・・
我ながら素晴らしい混乱っぷりだ
454: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/28(木) 16:59:14.03 ID:ZwewZHbd0
父親「そのこの父親だ!!」
男「そんなわけあるかぁ!!」
自分でももうなにがなんだか
男「お前みたいなのが父親であってたまるか!!!・・・父親ってのはなぁ!禿げててもチビでも優しくって厳しく正しいことを教えてくれる人のことを言うんだよ!!」
あ、禿げ、チビのところ忘れて下さい
姫の父親「はっはは・・・何を言ってるんです?これは誘拐ですよ?」
男「んなわけあるか。警察公認の保護だボケ!」
さらに訂正、安岡さん公認
姫の父親「そいつがどんな奴かも知らないで・・・何を偉そうなことを!!お前に姫の何がわかるって言うんだ!?」
姫は顔面蒼白って感じで震えている
男「まだよくわかんねぇけどよ・・・」
だめだ・・・カッコいいセリフが見つからん
男「・・・こいつがお前に苦しめられてるってことはよぉくわかる!」
うん、聞いたからね。聞けば誰でもわかるよ
男「そんなわけあるかぁ!!」
自分でももうなにがなんだか
男「お前みたいなのが父親であってたまるか!!!・・・父親ってのはなぁ!禿げててもチビでも優しくって厳しく正しいことを教えてくれる人のことを言うんだよ!!」
あ、禿げ、チビのところ忘れて下さい
姫の父親「はっはは・・・何を言ってるんです?これは誘拐ですよ?」
男「んなわけあるか。警察公認の保護だボケ!」
さらに訂正、安岡さん公認
姫の父親「そいつがどんな奴かも知らないで・・・何を偉そうなことを!!お前に姫の何がわかるって言うんだ!?」
姫は顔面蒼白って感じで震えている
男「まだよくわかんねぇけどよ・・・」
だめだ・・・カッコいいセリフが見つからん
男「・・・こいつがお前に苦しめられてるってことはよぉくわかる!」
うん、聞いたからね。聞けば誰でもわかるよ
458: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/28(木) 17:05:42.23 ID:ZwewZHbd0
その時姫の父親が動いた
姫に向かって何かを振り下ろした
姫の父親「ふざけるなぁっ!!!」
俺も訳がわからず姫の前に飛び出した
ザクッ・・・
男「・・・!?」
姫「・・・・あ、ああっ!!」
目の前に赤いなんかが飛んだ
そしたらなんか左肩が痛くなった
痛いとかより左肩・・・厳密には鎖骨らへん?に先輩の包丁が突き刺さってる
男「・・・ぐっ・・・!なにしてんだっ・・・!!」
立っていられず膝をつく
姫の父親「ざ・・・ざまぁみろ!・・・そんなガキをかばうからだ!!」
父親は姫の手をつかむと嫌がる姫を無理やり引っ張って行ことする
姫「いやぁっ!!男!!だぁんっ!!」
姫に向かって何かを振り下ろした
姫の父親「ふざけるなぁっ!!!」
俺も訳がわからず姫の前に飛び出した
ザクッ・・・
男「・・・!?」
姫「・・・・あ、ああっ!!」
目の前に赤いなんかが飛んだ
そしたらなんか左肩が痛くなった
痛いとかより左肩・・・厳密には鎖骨らへん?に先輩の包丁が突き刺さってる
男「・・・ぐっ・・・!なにしてんだっ・・・!!」
立っていられず膝をつく
姫の父親「ざ・・・ざまぁみろ!・・・そんなガキをかばうからだ!!」
父親は姫の手をつかむと嫌がる姫を無理やり引っ張って行ことする
姫「いやぁっ!!男!!だぁんっ!!」
465: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/28(木) 17:11:37.15 ID:ZwewZHbd0
姫の父親「このガキはな・・い、生きてるだけで何の価値もない穀潰しなんだよ!!そんな奴かばっても、お・お前がそうやって不幸になるだけだからな!!!」
語尾がなんだかうわずってる
こいつも動揺してんなぁ
しかもその言葉を聞いて俺のなかのやる気スイッチがONになった
ただ、カッコいいことは言えない
男「お前はそう思うのかもしんねぇけどよ・・・そいつは俺の大事な・・・。なんだ・・・?ほら、あれだ・・・」
パニックで脳が動かない
男「・・・・俺の姫だ!!!」
だめだ・・・自分でも理解不能
俺は血をだくだく流しながら立ち上がった
姫の父親「・・・は・・はぁ!?」
姫を引っ張る父親を右手で掴んで投げた
語尾がなんだかうわずってる
こいつも動揺してんなぁ
しかもその言葉を聞いて俺のなかのやる気スイッチがONになった
ただ、カッコいいことは言えない
男「お前はそう思うのかもしんねぇけどよ・・・そいつは俺の大事な・・・。なんだ・・・?ほら、あれだ・・・」
パニックで脳が動かない
男「・・・・俺の姫だ!!!」
だめだ・・・自分でも理解不能
俺は血をだくだく流しながら立ち上がった
姫の父親「・・・は・・はぁ!?」
姫を引っ張る父親を右手で掴んで投げた
472: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/28(木) 17:17:06.78 ID:ZwewZHbd0
姫の父親はあっさり投げられ窓際に転がる
その時にカーテンを引っ張りやがってぶちぶちって千切れた
カーテンって高いんだぞ?
姫の父親「お前っ・・・本当になんなんだよぉっ!?」
そら怖いだろう
顔の横に大きな包丁ぶっさしたまま平気な顔で血まみれで立ってる男は
さらにはよくわからんことを叫んでるし
俺だったら頭のいかれたターミネーターだと思っただろうね
男「・・・あ、だめだ・・・」
全身の力が抜けまた膝をつく
もう立てなかった
姫が駆け寄ってくる
姫の父親「・・・っ!」
今だとばかり姫を再び掴んで逃げようとする父親の腕を横から別の腕が掴んだ
男「・・・・先輩・・・!」
その時にカーテンを引っ張りやがってぶちぶちって千切れた
カーテンって高いんだぞ?
姫の父親「お前っ・・・本当になんなんだよぉっ!?」
そら怖いだろう
顔の横に大きな包丁ぶっさしたまま平気な顔で血まみれで立ってる男は
さらにはよくわからんことを叫んでるし
俺だったら頭のいかれたターミネーターだと思っただろうね
男「・・・あ、だめだ・・・」
全身の力が抜けまた膝をつく
もう立てなかった
姫が駆け寄ってくる
姫の父親「・・・っ!」
今だとばかり姫を再び掴んで逃げようとする父親の腕を横から別の腕が掴んだ
男「・・・・先輩・・・!」
478: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/28(木) 17:21:39.17 ID:ZwewZHbd0
先輩「ほわぁったぁ!!」
先日みた変な踊りのモーションで姫の父親(結構重そうだが)が空中で回って玄関から放り投げられた
先輩・・・あれ本当に拳法だったんですね
疑ってごめんなさい
一方俺は血を流しすぎたせいでぶっ倒れた
姫「男っ!!」
すごい怖がってるのに・・・
この間まで声を聞くだけで震えていた姫
先輩「・・・・・・!!・・・!!」
先輩なんか言ってるけど
みんなの声が聞こえなくなってきた
目が霞んでもうよく見えないや
最後に見えたのは・・・姫の顔だった
先日みた変な踊りのモーションで姫の父親(結構重そうだが)が空中で回って玄関から放り投げられた
先輩・・・あれ本当に拳法だったんですね
疑ってごめんなさい
一方俺は血を流しすぎたせいでぶっ倒れた
姫「男っ!!」
すごい怖がってるのに・・・
この間まで声を聞くだけで震えていた姫
先輩「・・・・・・!!・・・!!」
先輩なんか言ってるけど
みんなの声が聞こえなくなってきた
目が霞んでもうよく見えないや
最後に見えたのは・・・姫の顔だった
516: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/28(木) 20:28:42.00 ID:ZwewZHbd0
・・・・・・
目が霞んで何も見えない
ただ目の前に誰かいる
男「・・・・・姫・・・?」
焦点が定まり・・・
目の前にには顔にシワが刻まれた年配の女性がいる
「男・・・・!!」
男「姫・・・・?」
目が霞んで何も見えない
ただ目の前に誰かいる
男「・・・・・姫・・・?」
焦点が定まり・・・
目の前にには顔にシワが刻まれた年配の女性がいる
「男・・・・!!」
男「姫・・・・?」
521: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/28(木) 20:32:56.06 ID:ZwewZHbd0
男「じゃねーのかよ。」
母「なんだよせっかく来てやったのに」
男「あ、知らない天丼だ」
妹「天井でしょ」
父「刺されたんだって?災難だったなぁ」
母「あ?」
どうやら俺は病院にいてわざわざ一家大集合してくれたみたいだ。
みんな暇なんだな
身体を起こすと左鎖骨に痛みが走る
男「お~・・・いてぇ・・・」
母「なんだよせっかく来てやったのに」
男「あ、知らない天丼だ」
妹「天井でしょ」
父「刺されたんだって?災難だったなぁ」
母「あ?」
どうやら俺は病院にいてわざわざ一家大集合してくれたみたいだ。
みんな暇なんだな
身体を起こすと左鎖骨に痛みが走る
男「お~・・・いてぇ・・・」
527: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/28(木) 20:40:21.09 ID:ZwewZHbd0
男「で・・・姫は?」
母「それがね・・・」
話を聞くと
俺が気を失ってから先輩が救急車と消防車(消防車は先輩の説明が不十分だったから)そして、警察を呼んでくれたらしい。
先輩にはあとで何かお礼をしておこう
いつの間にか姫はいなくなっていたらしい
詳しくは警察から聞けと母さんが病室の外で待機していた警官を読んんだ。
安岡「どうも・・・」
男「あ、安岡さん」
父「え?なに?この婦警さん知り合いなの?」
母「あ?」
父「あ、構わずどうぞ・・・」
家族は病室から追い出された
母「それがね・・・」
話を聞くと
俺が気を失ってから先輩が救急車と消防車(消防車は先輩の説明が不十分だったから)そして、警察を呼んでくれたらしい。
先輩にはあとで何かお礼をしておこう
いつの間にか姫はいなくなっていたらしい
詳しくは警察から聞けと母さんが病室の外で待機していた警官を読んんだ。
安岡「どうも・・・」
男「あ、安岡さん」
父「え?なに?この婦警さん知り合いなの?」
母「あ?」
父「あ、構わずどうぞ・・・」
家族は病室から追い出された
530: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/28(木) 20:44:18.56 ID:ZwewZHbd0
すると安岡さん始め自己紹介で刑事と分かった男の人たち合わせて4人が一斉に頭を下げた
安岡「すみませんでした!」
俺はいきなりの出来事に驚いた
男「え、え?どうしたんですか?」
状況が理解できない
刑事「我々の対応が遅れたばかりに・・・あなたにけがを・・・!」
そういうことか
男「別に気にしてませんし。安岡さんにも色々と相談にのってもらってましたから。」
そして俺が気を失ってからの状況を説明してもらった
安岡「すみませんでした!」
俺はいきなりの出来事に驚いた
男「え、え?どうしたんですか?」
状況が理解できない
刑事「我々の対応が遅れたばかりに・・・あなたにけがを・・・!」
そういうことか
男「別に気にしてませんし。安岡さんにも色々と相談にのってもらってましたから。」
そして俺が気を失ってからの状況を説明してもらった
531: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/28(木) 20:46:57.80 ID:ZwewZHbd0
どうやら吹っ飛んだ父親はそのまま逃げたらしい
現在捜索中だとか
姫の行方もわからないらしい
男「姫は・・・まさか父親に?」
安岡「まだ、分かりません・・・でも必ず無事に見つけ出します」
俺の中に不安が渦巻いている
ザー・・・・
雨はさらに強くなり時々雷がなっている。
現在捜索中だとか
姫の行方もわからないらしい
男「姫は・・・まさか父親に?」
安岡「まだ、分かりません・・・でも必ず無事に見つけ出します」
俺の中に不安が渦巻いている
ザー・・・・
雨はさらに強くなり時々雷がなっている。
532: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/28(木) 20:50:41.65 ID:ZwewZHbd0
時間は夜の9時
病院内は消灯の時間だ
暗闇の中をうごめく怪しい影
男「怪しくねーよ」
夜中の病院は不気味だ
だがセキュリティとかはなにもかかっていなかった
男「普通に出られんじゃん」
病院服のまま雨がふる屋外にたどり着いた
ザー・・・・
まるで俺たちが出会った時みたいな雨だな・・・姫
男「あ、傘ねーじゃん」
ザー・・・・
まぁいいか
俺は雨降る暗い街へ駆け出した
病院内は消灯の時間だ
暗闇の中をうごめく怪しい影
男「怪しくねーよ」
夜中の病院は不気味だ
だがセキュリティとかはなにもかかっていなかった
男「普通に出られんじゃん」
病院服のまま雨がふる屋外にたどり着いた
ザー・・・・
まるで俺たちが出会った時みたいな雨だな・・・姫
男「あ、傘ねーじゃん」
ザー・・・・
まぁいいか
俺は雨降る暗い街へ駆け出した
535: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/28(木) 20:54:33.17 ID:ZwewZHbd0
傷が気になったが・・・
気にしたら痛いので気にしない
病院服が雨水を吸って重い
ザッザッザッザ・・・・
サンダルだし走りにくい
男「ふぅ・・・ふぅ・・・」
とりあえずアパートについた
部屋の扉を開けて電気をつける
男「あ・・・だれか片付けしてくれたんだ」
破れたと思っていたカーテンも外れただけだったみたいだ
男「今更傘もいらねーな」
傘を持たずに再び雨の中へ
ザー・・・・
あと数時間で止むはずの雨は一向に弱まる気配はない
気にしたら痛いので気にしない
病院服が雨水を吸って重い
ザッザッザッザ・・・・
サンダルだし走りにくい
男「ふぅ・・・ふぅ・・・」
とりあえずアパートについた
部屋の扉を開けて電気をつける
男「あ・・・だれか片付けしてくれたんだ」
破れたと思っていたカーテンも外れただけだったみたいだ
男「今更傘もいらねーな」
傘を持たずに再び雨の中へ
ザー・・・・
あと数時間で止むはずの雨は一向に弱まる気配はない
540: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/28(木) 20:58:55.22 ID:ZwewZHbd0
俺は走った
走りまくった
待ってろセリヌンティウス!的な気分だ
この天気なので通行人は傘をさしている
男「くそっ・・・どこにいるんだよ!」
探しているのはもちろん姫だ
いまさらあんなおっさん探す気にならん
父親の方は警察に任せる
もう俺を刺した事でムショ行きだろうしな
ただ、傷が無視できないレベルまで痛む
男「くっそ・・・いてぇ・・・!」
走りまくった
待ってろセリヌンティウス!的な気分だ
この天気なので通行人は傘をさしている
男「くそっ・・・どこにいるんだよ!」
探しているのはもちろん姫だ
いまさらあんなおっさん探す気にならん
父親の方は警察に任せる
もう俺を刺した事でムショ行きだろうしな
ただ、傷が無視できないレベルまで痛む
男「くっそ・・・いてぇ・・・!」
542: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/28(木) 21:02:58.62 ID:ZwewZHbd0
するといきなり声をかけられた
「あ、あの・・・?」
膝に手をついて息を整えているところに女の人が声をかけてきたのだ
女性「やっぱり・・・メイドの子のお兄さん!」
なにいってんだ・・・?
男「・・・・はい?」
その時、記憶の中にこの人が浮かんだ
男「・・・あ、コンビニで」
女性「ずぶ濡れでどうしたんですか?」
それどころではないのだが・・・
男「実はあのコスプレしてた子を探してるんです・・・」
もう藁にもすがる思いだ・・・
「あ、あの・・・?」
膝に手をついて息を整えているところに女の人が声をかけてきたのだ
女性「やっぱり・・・メイドの子のお兄さん!」
なにいってんだ・・・?
男「・・・・はい?」
その時、記憶の中にこの人が浮かんだ
男「・・・あ、コンビニで」
女性「ずぶ濡れでどうしたんですか?」
それどころではないのだが・・・
男「実はあのコスプレしてた子を探してるんです・・・」
もう藁にもすがる思いだ・・・
546: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/28(木) 21:07:15.55 ID:ZwewZHbd0
女性「あ、その子さっき見ましたよ」
なんだと!?
男「どこで!!どこに!!」
女性「ちょっ・・・落ち着いて・・・!」
おっと・・・
男「すみません・・・で、どこに?」
女性「この道をまっすぐ行った先の橋・・・」
とっさに女性が指差す先へ走り出す
男「ありがとう!」
女性「ちょ・・・その怪我大丈夫なんですか!?」
見たくなかったが病院服がはだけて包帯に紅い染みが広がっている
でも、もうそんなことにかまっていられない!
この先に・・・俺の大切な人がいるのだから!
ザー・・・・
雨はさらに激しくなっていく
なんだと!?
男「どこで!!どこに!!」
女性「ちょっ・・・落ち着いて・・・!」
おっと・・・
男「すみません・・・で、どこに?」
女性「この道をまっすぐ行った先の橋・・・」
とっさに女性が指差す先へ走り出す
男「ありがとう!」
女性「ちょ・・・その怪我大丈夫なんですか!?」
見たくなかったが病院服がはだけて包帯に紅い染みが広がっている
でも、もうそんなことにかまっていられない!
この先に・・・俺の大切な人がいるのだから!
ザー・・・・
雨はさらに激しくなっていく
548: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/28(木) 21:11:21.01 ID:ZwewZHbd0
橋の真ん中に・・・ずぶ濡れのコスプレ少女を見つけた
俺は腹のそこから叫んだ
男「姫ぇぇぇぇ!!!!」
ザー・・・・
雨音を差し引いても十分大きな声だ
余談だが俺は小学校の大声コンテストで2位だったことがある
姫が気がついた
姫「・・・・・・」
何か言ったのだろうが聞こえなかった
姫も駆け寄ってくる
そして勢いよく抱き合った
ズキっ
あ、いてぇ・・・
姫「男・・・死んじゃうかと思った・・・」
男「馬鹿野郎・・・俺は簡単には死なねぇよ・・・」
ザー・・・・
俺は腹のそこから叫んだ
男「姫ぇぇぇぇ!!!!」
ザー・・・・
雨音を差し引いても十分大きな声だ
余談だが俺は小学校の大声コンテストで2位だったことがある
姫が気がついた
姫「・・・・・・」
何か言ったのだろうが聞こえなかった
姫も駆け寄ってくる
そして勢いよく抱き合った
ズキっ
あ、いてぇ・・・
姫「男・・・死んじゃうかと思った・・・」
男「馬鹿野郎・・・俺は簡単には死なねぇよ・・・」
ザー・・・・
550: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/28(木) 21:14:40.17 ID:ZwewZHbd0
男「なんでいなくなったんだよ・・・!」
姫「私のせいで・・・お父さんが・・・!」
本当に馬鹿野郎め・・・!
男「・・・今の天気は?」
姫「・・・え?」
男「いいから答えろ」
姫「・・・雨?」
雨って答えなかったらどうしようかと思った
男「そうだ、雨だな・・・。そして寒い」
ここに走ってくるまでに考えていた最高の言い訳だ
男「だからお前を守るために姫には近くにいてもらわないと困る」
姫「・・・・」
姫は泣いている
姫「私のせいで・・・お父さんが・・・!」
本当に馬鹿野郎め・・・!
男「・・・今の天気は?」
姫「・・・え?」
男「いいから答えろ」
姫「・・・雨?」
雨って答えなかったらどうしようかと思った
男「そうだ、雨だな・・・。そして寒い」
ここに走ってくるまでに考えていた最高の言い訳だ
男「だからお前を守るために姫には近くにいてもらわないと困る」
姫「・・・・」
姫は泣いている
553: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/28(木) 21:18:11.33 ID:ZwewZHbd0
こんな風に泣く姫も始めて見た
男「だからさ・・・帰ろうよ」
姫はわんわん泣きながら頷いている
男「勉強だって・・・まだ途中だしな・・・」
さっきまで自身のあった言い訳がショボく思えてきた
そこで俺の目に入ってしまった
橋の端に・・・・
あいつがいる
姫を苦しめる。俺を刺した悪魔。
姫の父親
姫も気がついた
悪魔が笑ってやがる・・・
姫を抱きしめる腕に力がこもる
男「だからさ・・・帰ろうよ」
姫はわんわん泣きながら頷いている
男「勉強だって・・・まだ途中だしな・・・」
さっきまで自身のあった言い訳がショボく思えてきた
そこで俺の目に入ってしまった
橋の端に・・・・
あいつがいる
姫を苦しめる。俺を刺した悪魔。
姫の父親
姫も気がついた
悪魔が笑ってやがる・・・
姫を抱きしめる腕に力がこもる
628: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/29(金) 00:22:15.97 ID:CXx4DyEr0
俺はあいつを殺したいくらい憎かった
ましてや今、俺の大事な人を守るためなら
死ぬのだって殺してムショ行きだって怖くなかった
男「・・・姫、一人でも帰れるか?」
姫「・・・ダメっ」
ザー・・・
男「・・・帰るんだ!」
姫「一緒じゃないと・・・帰らない!」
こんなに聞き分けの悪い姫も初めてだ
俺だって姫とは別れたくない
でも、あいつを殺らないと・・・
姫「私、男が・・・男が行くところだったらどこへでも行くよ!」
男「姫・・・」
姫「・・・・大丈夫、もう泣かないから」
男「分かった・・・ずっと一緒だ・・・!」
だが、神は俺を裏切る
意地悪だ
ましてや今、俺の大事な人を守るためなら
死ぬのだって殺してムショ行きだって怖くなかった
男「・・・姫、一人でも帰れるか?」
姫「・・・ダメっ」
ザー・・・
男「・・・帰るんだ!」
姫「一緒じゃないと・・・帰らない!」
こんなに聞き分けの悪い姫も初めてだ
俺だって姫とは別れたくない
でも、あいつを殺らないと・・・
姫「私、男が・・・男が行くところだったらどこへでも行くよ!」
男「姫・・・」
姫「・・・・大丈夫、もう泣かないから」
男「分かった・・・ずっと一緒だ・・・!」
だが、神は俺を裏切る
意地悪だ
632: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/29(金) 00:24:34.51 ID:CXx4DyEr0
俺たちと父親はまだ数十メートル離れていた
その時・・・神がちょっと意地悪した
神にとってはちょっとでも人間にとっては命に関わる
俺はこのあとに起こる出来事でそれを痛感した
その時・・・神がちょっと意地悪した
神にとってはちょっとでも人間にとっては命に関わる
俺はこのあとに起こる出来事でそれを痛感した
637: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/29(金) 00:26:33.81 ID:CXx4DyEr0
文字では表せない様な空の悲鳴
神の意地悪は圧倒的な力をもって地上に落ちた
目の前が真っ白になる
なにも見えない
俺はなにが起こったのか理解出来なかった・・・
ザー・・・
ただ、雨の音だけが爆音の後に残った
神の意地悪は圧倒的な力をもって地上に落ちた
目の前が真っ白になる
なにも見えない
俺はなにが起こったのか理解出来なかった・・・
ザー・・・
ただ、雨の音だけが爆音の後に残った
641: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/29(金) 00:28:15.90 ID:CXx4DyEr0
そして視界が回復し、見えたものは
焼き焦げた肉の塊
かつて人だったもの・・・
それは、俺たちを苦しめた悪魔
姫の父親だった
焼き焦げた肉の塊
かつて人だったもの・・・
それは、俺たちを苦しめた悪魔
姫の父親だった
648: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/29(金) 00:30:39.16 ID:CXx4DyEr0
せっかく俺のカッコ良いセリフも決まったのに・・・
台無しじゃねーかよ
姫のために雨降たり、雷落としたり・・・
神に愛されすぎだろ・・・姫
台無しじゃねーかよ
姫のために雨降たり、雷落としたり・・・
神に愛されすぎだろ・・・姫
652: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/29(金) 00:33:32.22 ID:CXx4DyEr0
姫も状況を理解して複雑な表情だ
事に気がついた通行人が騒ぎ出す
ザー・・・
姫「・・・・帰ろ・・・」
姫が泣きながら俺の手を引く
これで・・・姫を苦しめる奴は居ない
人の死を喜ぶほど俺も楽観的じゃないが
安心したのは事実だ
事に気がついた通行人が騒ぎ出す
ザー・・・
姫「・・・・帰ろ・・・」
姫が泣きながら俺の手を引く
これで・・・姫を苦しめる奴は居ない
人の死を喜ぶほど俺も楽観的じゃないが
安心したのは事実だ
657: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/29(金) 00:38:39.11 ID:CXx4DyEr0
アパートに帰ると早速風呂を沸かしストーブに火を入れる
まるで姫と会った時を繰り返しているみたいだ
タオルを持って姫がストーブの前であったまるのもなんだかデジャヴだ
男「・・・あ、カップ麺ある!」
きっと家族が部屋を片付けてくれてた時においていってくれたんだろう
男「カップ麺でいいか?」
姫「・・・うん」
まるで姫と会った時を繰り返しているみたいだ
タオルを持って姫がストーブの前であったまるのもなんだかデジャヴだ
男「・・・あ、カップ麺ある!」
きっと家族が部屋を片付けてくれてた時においていってくれたんだろう
男「カップ麺でいいか?」
姫「・・・うん」
659: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/29(金) 00:40:59.40 ID:CXx4DyEr0
風呂が沸いて姫が先に入っている間に俺も着替える
男「いってぇ・・・」
包帯が真っ赤だ
男「あ・・・もしかして・・・」
携帯にはおびただしい数の着信が・・・
母には姫とアパートにいるとメールを入れとく
男「いってぇ・・・」
包帯が真っ赤だ
男「あ・・・もしかして・・・」
携帯にはおびただしい数の着信が・・・
母には姫とアパートにいるとメールを入れとく
660: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/29(金) 00:44:20.82 ID:CXx4DyEr0
すぐに着信がきた
男「も・・・もしもし・・・」
母『この馬鹿チンがぁ!!!!』
うわっ・・・!
さっきの雷級に耳にきた
男「いきなりなんだよぉ・・・」
母『かってに病院抜け出して!!死んでも知らないよ!!』
男「ちょ・・・携帯壊れるからもう少し静かに話して・・・」
母『バカァッ!!!』
そこで電話が切れた
姫「どうしたの・・・?」
男「・・・また刺されるかも・・・母さんに」
男「も・・・もしもし・・・」
母『この馬鹿チンがぁ!!!!』
うわっ・・・!
さっきの雷級に耳にきた
男「いきなりなんだよぉ・・・」
母『かってに病院抜け出して!!死んでも知らないよ!!』
男「ちょ・・・携帯壊れるからもう少し静かに話して・・・」
母『バカァッ!!!』
そこで電話が切れた
姫「どうしたの・・・?」
男「・・・また刺されるかも・・・母さんに」
666: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/29(金) 00:47:23.81 ID:CXx4DyEr0
包帯は幸い常備していたので取り換える事にした
傷口の縫い目が痛々しい
姫「うわぁ・・・・ごめんね?」
男「別に姫が謝ることないさ・・・」
包帯を替え終わった
男「傷ありの男とかカッコ良いじゃん」
特にそれが大切な女の子を守るためについたなんて最高の設定じゃね?
え?痛い?
そうですか・・・
傷口の縫い目が痛々しい
姫「うわぁ・・・・ごめんね?」
男「別に姫が謝ることないさ・・・」
包帯を替え終わった
男「傷ありの男とかカッコ良いじゃん」
特にそれが大切な女の子を守るためについたなんて最高の設定じゃね?
え?痛い?
そうですか・・・
667: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/29(金) 00:49:50.35 ID:CXx4DyEr0
カップ麺を二人ですする
男「あれだな・・・先輩にもなにかお礼と包丁返しに行かなきゃ」
それを聞いて姫が
姫「あの包丁・・・返すの?」
男「うん。だって先輩のだし」
あ、姫が変な目で見てる
こいつ正気か・・・的な
男「あれだな・・・先輩にもなにかお礼と包丁返しに行かなきゃ」
それを聞いて姫が
姫「あの包丁・・・返すの?」
男「うん。だって先輩のだし」
あ、姫が変な目で見てる
こいつ正気か・・・的な
668: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/29(金) 00:53:56.21 ID:CXx4DyEr0
そんな事をしてるうちに日付をまたいでしまった
さっさと寝なければ
ベッドに潜り込むといつも通り姫が入ってこようとして・・・躊躇した
姫「傷・・・大丈夫?」
いつも姫が顔をうずめていたあたりに傷がある
男「・・・大丈夫っしょ。それに姫は傷に入れても痛くないくらい可愛いからな」
姫はちょっと考えて・・・
姫「・・・目・・・じゃなかった?」
おお、今朝の勉強覚えてる!
さっさと寝なければ
ベッドに潜り込むといつも通り姫が入ってこようとして・・・躊躇した
姫「傷・・・大丈夫?」
いつも姫が顔をうずめていたあたりに傷がある
男「・・・大丈夫っしょ。それに姫は傷に入れても痛くないくらい可愛いからな」
姫はちょっと考えて・・・
姫「・・・目・・・じゃなかった?」
おお、今朝の勉強覚えてる!
671: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/29(金) 00:56:45.99 ID:CXx4DyEr0
そんなやりとりもありながら二人は眠った
今日はいろいろあり過ぎたからな・・・
俺も疲れた
ザー・・・
雨は弱くなりはじめていた
・・・・・・・
目が覚めた
時刻は夜中の3時
なんでこんな微妙な時間に起きたんだろう・・・
そこで気がついた
ずっと耳に入ってきていた雨音が止んでいる
今日はいろいろあり過ぎたからな・・・
俺も疲れた
ザー・・・
雨は弱くなりはじめていた
・・・・・・・
目が覚めた
時刻は夜中の3時
なんでこんな微妙な時間に起きたんだろう・・・
そこで気がついた
ずっと耳に入ってきていた雨音が止んでいる
675: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/29(金) 01:04:32.62 ID:CXx4DyEr0
月が輝いている
約束の雨はついに止んでしまった・・・
また姫が起きたら降り出したり
腕の中で姫は寝息をたてながら気持ち良さそうに眠っている
なんだっけ・・・白雪姫じゃなくて・・・シンデレラじゃなくて・・・桃太郎なわけないし・・・
あ、かぐや姫だ
たしかあのかぐや姫は月に帰ってしまうんだったよな・・・
話を細かくは覚えていないが、帝だったかは姫を守り切れなかったんだっけ?
晴れた夜空に浮かぶまん丸な月に誓う
俺の姫は絶対に手放さない
やっばい深夜のテンションって怖い
このままポエムの二、三本書けそうだ
きっと明日晴れてたら姫が約束の事を気にするだろうな・・・
それに向けていいセリフでも考えておこうかな・・・
こんな事をしているうちにまた俺も眠ってしまった
約束の雨はついに止んでしまった・・・
また姫が起きたら降り出したり
腕の中で姫は寝息をたてながら気持ち良さそうに眠っている
なんだっけ・・・白雪姫じゃなくて・・・シンデレラじゃなくて・・・桃太郎なわけないし・・・
あ、かぐや姫だ
たしかあのかぐや姫は月に帰ってしまうんだったよな・・・
話を細かくは覚えていないが、帝だったかは姫を守り切れなかったんだっけ?
晴れた夜空に浮かぶまん丸な月に誓う
俺の姫は絶対に手放さない
やっばい深夜のテンションって怖い
このままポエムの二、三本書けそうだ
きっと明日晴れてたら姫が約束の事を気にするだろうな・・・
それに向けていいセリフでも考えておこうかな・・・
こんな事をしているうちにまた俺も眠ってしまった
679: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/29(金) 01:07:53.95 ID:CXx4DyEr0
・・・・
翌朝
目の前が真っ暗だ
確かに目覚まし止めたし今は6時のはずだ
真っ暗だ
てか、顔に姫が張り付いている
男「姫・・・なにやってんの?」
姫「だめ・・・またこのまま寝て」
姫が二度寝を勧めてくる
男「いや、起きないと・・・」
顔にしがみつく力が強くなる
姫「だめ・・・!寝て!」
翌朝
目の前が真っ暗だ
確かに目覚まし止めたし今は6時のはずだ
真っ暗だ
てか、顔に姫が張り付いている
男「姫・・・なにやってんの?」
姫「だめ・・・またこのまま寝て」
姫が二度寝を勧めてくる
男「いや、起きないと・・・」
顔にしがみつく力が強くなる
姫「だめ・・・!寝て!」
684: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/29(金) 01:11:42.30 ID:CXx4DyEr0
だがな、姫・・・俺の両手を生かしておいたのはミスだ
脇腹をくすぐる
姫「にゃひひっ・・!だ、だめ!!」
男「おりゃっ!」
朝日が眩しい・・・
文句なしの快晴だ
そこで目に入ったのが姫のてるてる坊主だ
カーテンが外れたときに落ちたのを誰かが直してくれたのだろう・・・
上下正しく
脇腹をくすぐる
姫「にゃひひっ・・!だ、だめ!!」
男「おりゃっ!」
朝日が眩しい・・・
文句なしの快晴だ
そこで目に入ったのが姫のてるてる坊主だ
カーテンが外れたときに落ちたのを誰かが直してくれたのだろう・・・
上下正しく
688: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/29(金) 01:15:07.31 ID:CXx4DyEr0
姫「ああ・・・・」
そう残念そうな声を出すなよ・・・
男「雨・・・止んだな」
姫「・・・・うん・・・・」
あ、すごい可哀想だけど可愛い!
男「約束・・・覚えてる?」
姫「うん・・・・」
姫の目から涙が溢れる
男「姫・・・」
姫は泣きながら俺を見上げる
そう残念そうな声を出すなよ・・・
男「雨・・・止んだな」
姫「・・・・うん・・・・」
あ、すごい可哀想だけど可愛い!
男「約束・・・覚えてる?」
姫「うん・・・・」
姫の目から涙が溢れる
男「姫・・・」
姫は泣きながら俺を見上げる
691: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/29(金) 01:20:24.34 ID:CXx4DyEr0
姫の涙を拭きながら
男「でもまだ姫の心が晴れてないんじゃない?」
姫「・・・・え?」
男「だってまだ漢字読めないし、九九だって5の段まででしかも3かける7間違えるし・・・」
つらつらと昨夜考えた通りに言う
男「だからさ・・・姫の心が晴れるまで・・・って約束変更しない?」
ここまでいってとてつもなく恥ずかしくなった
男「って・・・うわー!!恥ずかしぃぃぃ!!俺恥ずか死ぬ!!」
騒いでいたら傷口が痛んだ
男「っ!」
姫「私の・・・心が晴れるまで?」
男「リピートするなって!恥ずかしいから!!」
男「でもまだ姫の心が晴れてないんじゃない?」
姫「・・・・え?」
男「だってまだ漢字読めないし、九九だって5の段まででしかも3かける7間違えるし・・・」
つらつらと昨夜考えた通りに言う
男「だからさ・・・姫の心が晴れるまで・・・って約束変更しない?」
ここまでいってとてつもなく恥ずかしくなった
男「って・・・うわー!!恥ずかしぃぃぃ!!俺恥ずか死ぬ!!」
騒いでいたら傷口が痛んだ
男「っ!」
姫「私の・・・心が晴れるまで?」
男「リピートするなって!恥ずかしいから!!」
692: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/29(金) 01:24:32.79 ID:CXx4DyEr0
見たら姫は更に泣いてる
男「おわわっ!!俺そんなに気持ち悪かったか・・・?」
姫は泣きながら首を横に振って
姫「・・・ありがとう・・・!」
そして二人の影は朝日のなかで重なった
・・・・・・・
っとまぁここまでずーっと俺の回想シーンな訳です
え?どこからって?
>>1からここまで
で、今はこの回想から6年くらい経ってます
男「おわわっ!!俺そんなに気持ち悪かったか・・・?」
姫は泣きながら首を横に振って
姫「・・・ありがとう・・・!」
そして二人の影は朝日のなかで重なった
・・・・・・・
っとまぁここまでずーっと俺の回想シーンな訳です
え?どこからって?
>>1からここまで
で、今はこの回想から6年くらい経ってます
695: 名も無き被検体774号+ 2013/03/29(金) 01:26:43.57 ID:PXXNnJgo0
まさかの実話か!?
696: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/29(金) 01:29:20.82 ID:CXx4DyEr0
皆さんにはずっと俺の回想に付き合ってもらっていた訳です
6年経って俺も立派な社会人になって
いやーな世間にもまれる毎日
あ、ちゃんと家族もみんな元気です
親父は更に禿げて・・・母さんは更に重量アップですわ
え?お前らどうでも良いから姫はどうなったかって?
その前に!
俺たちの命の恩人である先輩はなんと7浪が確定しました!
自分は大学生のプロだ・・・!って言ってましたよ。
だったら卒業しろよって思いますが。
6年経って俺も立派な社会人になって
いやーな世間にもまれる毎日
あ、ちゃんと家族もみんな元気です
親父は更に禿げて・・・母さんは更に重量アップですわ
え?お前らどうでも良いから姫はどうなったかって?
その前に!
俺たちの命の恩人である先輩はなんと7浪が確定しました!
自分は大学生のプロだ・・・!って言ってましたよ。
だったら卒業しろよって思いますが。
701: 名も無き被検体774号+ 2013/03/29(金) 01:33:02.70 ID:wwlJXhFK0
おいおいマジか…
700: 名も無き被検体774号+ 2013/03/29(金) 01:31:19.02 ID:f8Ch3+Ls0
いやいやさすがに実話じゃないだろ
703: 名も無き被検体774号+ 2013/03/29(金) 01:34:27.64 ID:oZYW65mr0
実話なら何かと問題点が多そうだが…
708: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/29(金) 01:36:06.32 ID:CXx4DyEr0
さて、お待ちかねの姫は・・・
あの後猛勉強してちゃんと高校卒業したんですよ!
授業料は親父がどうせ家族になるんだからって手伝ってくれたかいもあってなんとか確保
今はとなりの部屋で花嫁のコスプレしてます。
コスプレじゃねーや、本物だ。
で、当の俺はその間居眠りしてこの回想夢を見たって事です。
あ、姫が・・・嫁が呼んでるんで・・・!
あの後猛勉強してちゃんと高校卒業したんですよ!
授業料は親父がどうせ家族になるんだからって手伝ってくれたかいもあってなんとか確保
今はとなりの部屋で花嫁のコスプレしてます。
コスプレじゃねーや、本物だ。
で、当の俺はその間居眠りしてこの回想夢を見たって事です。
あ、姫が・・・嫁が呼んでるんで・・・!
709: 名も無き被検体774号+ 2013/03/29(金) 01:36:44.24 ID:ApKAqw0n0
うおー
姫もらいにいくか
姫もらいにいくか
710: ◆b5E8Z05uGA 2013/03/29(金) 01:37:00.28 ID:CXx4DyEr0
最後に!この物語は完全なフィクションです。
作り話です。
ただの>>1のノリと勢いの妄想ですので!
包丁が刺さったら安静に!
作り話です。
ただの>>1のノリと勢いの妄想ですので!
包丁が刺さったら安静に!
712: 名も無き被検体774号+ 2013/03/29(金) 01:37:35.05 ID:PXXNnJgo0
ありがとう!!面白かった!
実話じゃなくて嬉しいような悲しいような
実話じゃなくて嬉しいような悲しいような
714: 名も無き被検体774号+ 2013/03/29(金) 01:37:46.97 ID:1oisr3UU0
逆に良かった
一乙!
一乙!
716: 名も無き被検体774号+ 2013/03/29(金) 01:38:31.88 ID:ZdWGmILc0
ハッピーエンドで良かった乙
引用元: 男「変な女の子を拾った」
死神「キミ、生きたい?」
2020-03-24
1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/27(木) 22:21:29 ID:n4G1MAz6
男「……」テクテク
死神「……」テクテク
男「……あの」
死神「……」
男「……それ、本物?」
死神「……」
男「あのー……」
死神「え、もしかして私に話しかけてる!?」
男「他に誰もいないじゃないですか」
死神「……」テクテク
男「……あの」
死神「……」
男「……それ、本物?」
死神「……」
男「あのー……」
死神「え、もしかして私に話しかけてる!?」
男「他に誰もいないじゃないですか」
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2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/27(木) 22:26:55 ID:n4G1MAz6
死神「あちゃー……」
男「その鎌、すごく本物っぽいんですけど……」
死神「見えちゃったかー……」
男「聞いてます?」
死神「見えちゃったものは仕方ない! キミ、死ぬ前にやりたいこととかある?」
男「死!?」
死神「残念ながらキミの命は今日限りです!!」
男「唐突だなぁ」
男「その鎌、すごく本物っぽいんですけど……」
死神「見えちゃったかー……」
男「聞いてます?」
死神「見えちゃったものは仕方ない! キミ、死ぬ前にやりたいこととかある?」
男「死!?」
死神「残念ながらキミの命は今日限りです!!」
男「唐突だなぁ」
3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/27(木) 22:36:25 ID:n4G1MAz6
死神「不運だったね」
男「そのコスプレ可愛いね」
死神「馴れ馴れしいなー。 敬語を使え!」
男「君が使うなら」
死神「ヤダ」
男「で、その鎌本物?」
死神「この世の本物よりも本物だよ」
男「どういうこと?」
死神「この鎌に切れないものは無い! この世のモノとしてはありえないけど、刃物としてはこれ以上無いくらい本物でしょう」
男「……よくわかんない。 それはこの世のモノじゃないの?」
死神「そうだよー」
男「そのコスプレ可愛いね」
死神「馴れ馴れしいなー。 敬語を使え!」
男「君が使うなら」
死神「ヤダ」
男「で、その鎌本物?」
死神「この世の本物よりも本物だよ」
男「どういうこと?」
死神「この鎌に切れないものは無い! この世のモノとしてはありえないけど、刃物としてはこれ以上無いくらい本物でしょう」
男「……よくわかんない。 それはこの世のモノじゃないの?」
死神「そうだよー」
4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/27(木) 22:44:39 ID:n4G1MAz6
男「へぇー……」
死神「信じてないな?」
男「厨ニ設定のレイヤーさんなんだね」
死神「えいっ」
男「は!?」
死神「凄いでしょう」
男「電柱が……」
死神「他にも斬ってほしいものがあったら斬ったげるよ」
男「……電柱のトラブルってどこに連絡すればいいんだろう。これ倒れたら危ないよな」
死神「信じてないな?」
男「厨ニ設定のレイヤーさんなんだね」
死神「えいっ」
男「は!?」
死神「凄いでしょう」
男「電柱が……」
死神「他にも斬ってほしいものがあったら斬ったげるよ」
男「……電柱のトラブルってどこに連絡すればいいんだろう。これ倒れたら危ないよな」
5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/27(木) 22:48:35 ID:n4G1MAz6
死神「いいよ。 私が直す」
男「直すって……」
死神「えいっ」
男「……すげー」
死神「信じてもらえた?」
男「……まぁ」
死神「私はレイヤーではなく、本物の死神なのだよ!」
男「……」
男「直すって……」
死神「えいっ」
男「……すげー」
死神「信じてもらえた?」
男「……まぁ」
死神「私はレイヤーではなく、本物の死神なのだよ!」
男「……」
6: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/27(木) 22:53:02 ID:n4G1MAz6
男「あ、人が来る! 死神さん、それしまってしまって!」
死神「それってこの鎌? 無理だよこんなに大きいんだもの」
男「そんなの持ってたら通報されちゃうよ!?」
死神「へーき。 キミ以外にはどうせ見えない 」
男「え? そうなの?」
死神「見える人ってごく僅かなんだ。 だから君が見える人なのはちょっと想定外だったんだ」
男「へぇ……」
死神「というか通報されたとしても私は何も困らないし」
男「俺が困る」
死神「それってこの鎌? 無理だよこんなに大きいんだもの」
男「そんなの持ってたら通報されちゃうよ!?」
死神「へーき。 キミ以外にはどうせ見えない 」
男「え? そうなの?」
死神「見える人ってごく僅かなんだ。 だから君が見える人なのはちょっと想定外だったんだ」
男「へぇ……」
死神「というか通報されたとしても私は何も困らないし」
男「俺が困る」
7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/27(木) 22:57:21 ID:n4G1MAz6
男「……ということは何? 俺は本当に今日死んじゃうの?」
死神「うん。 私が殺す」
男「……まーいっか」
死神「あっさりしてるね?」
男「未練という未練も無いし。 疲れたし」
死神「……ふーん」
男「君みたいな美少女が殺してくれるならこれも悪くないしねー。」
死神「……」
男「さ、いいよ! その鎌でスパッとやっちゃって!」
死神「……まぁ待ちなよ」
死神「うん。 私が殺す」
男「……まーいっか」
死神「あっさりしてるね?」
男「未練という未練も無いし。 疲れたし」
死神「……ふーん」
男「君みたいな美少女が殺してくれるならこれも悪くないしねー。」
死神「……」
男「さ、いいよ! その鎌でスパッとやっちゃって!」
死神「……まぁ待ちなよ」
8: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/27(木) 23:03:03 ID:n4G1MAz6
死神「さっきも聞いたけど、キミ死ぬ前にやりたいこととかある?」
男「やりたいこと? あったら叶えてくれるの?」
死神「出来る範囲なら」
男「死神ってそんなことしてくれるんだ」
死神「他所は違うよ。 それがうちの方針」
男「他所? うち?」
死神「うん。 死神っても勤めてるところによって全然方針が違うのさ」
男「勤める!? 死神って仕事なの?」
死神「もちろん。 あの世だって仕事しないとお金はもらえないんだよー」
男「……」
男「やりたいこと? あったら叶えてくれるの?」
死神「出来る範囲なら」
男「死神ってそんなことしてくれるんだ」
死神「他所は違うよ。 それがうちの方針」
男「他所? うち?」
死神「うん。 死神っても勤めてるところによって全然方針が違うのさ」
男「勤める!? 死神って仕事なの?」
死神「もちろん。 あの世だって仕事しないとお金はもらえないんだよー」
男「……」
9: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/27(木) 23:15:20 ID:n4G1MAz6
死神「うちは死神法人『冥土の土産』っていってね」
男「法人……」
死神「死ぬ前に良い思いをさせてあげて、出来るだけ幸せに逝かせてあげよう、っていう方針なのさ」
男「へぇー……良い会社だな」
死神「これがまた人気無くてさ……」
男「? なんで?」
死神「死んであの世に逝くとさ、この世の記憶って全部無くなっちゃうのさ」
男「そうなの?」
死神「うちは手間かける分他より高くてね。 でもどうせ忘れちゃうのに殺し方を拘る必要があるのか、って思う人が大半なわけさ」
男「はぁー」
男「法人……」
死神「死ぬ前に良い思いをさせてあげて、出来るだけ幸せに逝かせてあげよう、っていう方針なのさ」
男「へぇー……良い会社だな」
死神「これがまた人気無くてさ……」
男「? なんで?」
死神「死んであの世に逝くとさ、この世の記憶って全部無くなっちゃうのさ」
男「そうなの?」
死神「うちは手間かける分他より高くてね。 でもどうせ忘れちゃうのに殺し方を拘る必要があるのか、って思う人が大半なわけさ」
男「はぁー」
10: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/27(木) 23:23:32 ID:n4G1MAz6
男「……そっか、この世の記憶って無くなっちゃうんだな」
死神「うん。 そういうふうにしないと不都合があるのさ」
男「不都合?」
死神「うーんとね……。 この世とあの世ってどっちが先に出来たと思う?」
男「そりゃこの世で死んだ人が逝くんだからこの世が先じゃ?」
死神「不正解。 あの世が先だよ」
男「そうなの?」
死神「むかーしむかし、神様と呼ばれる存在がたくさんの魂を生み出しましたとさ」
男「うん」
死神「それらは死ぬこともないし、老いることもない」
男「うんうん」
死神「でも最近になって、『ちょっと多すぎじゃね?』ってなったのさ。 社会をうまくやりくり出来なくなったのさ」
男「ふーん」
死神「うん。 そういうふうにしないと不都合があるのさ」
男「不都合?」
死神「うーんとね……。 この世とあの世ってどっちが先に出来たと思う?」
男「そりゃこの世で死んだ人が逝くんだからこの世が先じゃ?」
死神「不正解。 あの世が先だよ」
男「そうなの?」
死神「むかーしむかし、神様と呼ばれる存在がたくさんの魂を生み出しましたとさ」
男「うん」
死神「それらは死ぬこともないし、老いることもない」
男「うんうん」
死神「でも最近になって、『ちょっと多すぎじゃね?』ってなったのさ。 社会をうまくやりくり出来なくなったのさ」
男「ふーん」
11: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/27(木) 23:31:38 ID:n4G1MAz6
死神「それで、『じゃあもう一つ世界を作って、そっちに少し送ろう』ってなって作られたのがこの世」
男「へぇー」
死神「でも神様ほど上手く作れなくてさ。 あの世よりもちょっとしんどい世界が出来上がっちゃったんだ」
男「ふんふん」
死神「ここに永久的に送り込むのは非道いからかわりばんこにしようか、ってお国が定めたとさ」
男「かわりばんこ……」
死神「あの世で抽選で選ばれた人がこの世に行き、終わればあの世に帰ってくる」
死神「自然に死ぬ人だけじゃ上手くローテーション出来ないから死神というものが必要になったのさ。 コントロールするために」
男「面白いなぁ」
男「へぇー」
死神「でも神様ほど上手く作れなくてさ。 あの世よりもちょっとしんどい世界が出来上がっちゃったんだ」
男「ふんふん」
死神「ここに永久的に送り込むのは非道いからかわりばんこにしようか、ってお国が定めたとさ」
男「かわりばんこ……」
死神「あの世で抽選で選ばれた人がこの世に行き、終わればあの世に帰ってくる」
死神「自然に死ぬ人だけじゃ上手くローテーション出来ないから死神というものが必要になったのさ。 コントロールするために」
男「面白いなぁ」
12: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/27(木) 23:40:17 ID:n4G1MAz6
死神「国は他にもやることがたくさんかるから、死神業務は民間に委託したんだ」
男「民間……」
死神「抽選で選ばれた人の近しい人が、委託する死神を決める。 誰も名乗り出なかったら国が適当な死神を決める。 てな感じで」
男「なんだかなぁ」
死神「死神サイドもさ、顧客をとろうと必死なんだ。 価格だったり殺し方だったりいろんな方法で差別化を諮ってくる」
男「で、君のところは殺し方差別化したと」
死神「その通り! 人気は無いけどね!」
男「なるほど……」
男「民間……」
死神「抽選で選ばれた人の近しい人が、委託する死神を決める。 誰も名乗り出なかったら国が適当な死神を決める。 てな感じで」
男「なんだかなぁ」
死神「死神サイドもさ、顧客をとろうと必死なんだ。 価格だったり殺し方だったりいろんな方法で差別化を諮ってくる」
男「で、君のところは殺し方差別化したと」
死神「その通り! 人気は無いけどね!」
男「なるほど……」
13: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/27(木) 23:45:52 ID:n4G1MAz6
死神「で、そのこの世の記憶を持つことによる不都合なんだけど」
男「うん」
死神「例えばこの世でキミが誰かと愛し合ったとする」
男「……うん」
死神「で、キミが死んだとき、あの世にも愛する妻がいた!」
男「あぁ」
死神「気まずいよね? 複雑だよね?」
男「そうだね」
死神「そういうこと。 この世で愛した人、恨んだ人、そういう因縁をあの世に持ち込むと不都合があるのさー」
男「よくわかりました」
男「うん」
死神「例えばこの世でキミが誰かと愛し合ったとする」
男「……うん」
死神「で、キミが死んだとき、あの世にも愛する妻がいた!」
男「あぁ」
死神「気まずいよね? 複雑だよね?」
男「そうだね」
死神「そういうこと。 この世で愛した人、恨んだ人、そういう因縁をあの世に持ち込むと不都合があるのさー」
男「よくわかりました」
14: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/28(金) 21:51:27 ID:EsAXfTLs
死神「で、何かある? やりたいこと」
男「うーん……」
死神「今夜の12時までに殺せばいいから、それまでは思いっきり楽しみなよ!」
男「……普段はこうやって直接希望を聞いたりすることはないんだよね?」
死神「うん、普通はコミュニケーションとれないし。 適当に、良い事を身の回りに起こしてあげてる」
男「俺には本当は何をしようとしてたの?」
死神「えーと、カラオケで高得点を出させたり、古本屋でキミが買おうとした本を100円にしたり」
男「……ささやかだなー」
死神「凄いでしょ? カラオケの機械操ったり本を勝手に安くしても普通に買えるようにしたり出来るんだよ?」
男「いや凄いけどさ」
男「うーん……」
死神「今夜の12時までに殺せばいいから、それまでは思いっきり楽しみなよ!」
男「……普段はこうやって直接希望を聞いたりすることはないんだよね?」
死神「うん、普通はコミュニケーションとれないし。 適当に、良い事を身の回りに起こしてあげてる」
男「俺には本当は何をしようとしてたの?」
死神「えーと、カラオケで高得点を出させたり、古本屋でキミが買おうとした本を100円にしたり」
男「……ささやかだなー」
死神「凄いでしょ? カラオケの機械操ったり本を勝手に安くしても普通に買えるようにしたり出来るんだよ?」
男「いや凄いけどさ」
15: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/28(金) 21:57:59 ID:EsAXfTLs
死神「特に本の方、これは単に値札を替えるだけじゃ駄目なことが多くってさ」
男「まぁそうだよな」
死神「結構大変なんだよ?」
男「君はその超能力的な力でどこまで出来るの?」
死神「何でも」
男「何でも!?」
死神「大体何でも。 でも結構厳しいルールがあるから結局その程度のささやかなことしかやっちゃいけないんだよねー」
男「ふーん」
男「まぁそうだよな」
死神「結構大変なんだよ?」
男「君はその超能力的な力でどこまで出来るの?」
死神「何でも」
男「何でも!?」
死神「大体何でも。 でも結構厳しいルールがあるから結局その程度のささやかなことしかやっちゃいけないんだよねー」
男「ふーん」
16: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/28(金) 22:11:35 ID:EsAXfTLs
男「でもカラオケのも古本屋のも、結構うれしいかもしれない」
死神「でしょ!? キミについての下調べはしてきてるからね! キミのツボはわかってる」
男「へぇー……仕事熱心だね」
死神「まぁね! で、何度も聞くけどやりたいことは? 見られちゃった以上は直接希望を聞いた方が手っ取り早い!」
男「うーん……それじゃあさ」
死神「うん!」
男「今日一日デートがしたい」
死神「おー! いいよ!!」
男「女の子と一度もデートしないまま死ぬのって寂しいから」
死神「キミDTだもんねー」
男「うるさい」
死神「でしょ!? キミについての下調べはしてきてるからね! キミのツボはわかってる」
男「へぇー……仕事熱心だね」
死神「まぁね! で、何度も聞くけどやりたいことは? 見られちゃった以上は直接希望を聞いた方が手っ取り早い!」
男「うーん……それじゃあさ」
死神「うん!」
男「今日一日デートがしたい」
死神「おー! いいよ!!」
男「女の子と一度もデートしないまま死ぬのって寂しいから」
死神「キミDTだもんねー」
男「うるさい」
17: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/28(金) 22:19:23 ID:EsAXfTLs
死神「よっしゃ、そしたらキミ好みの女の子を探して連れてきてあげる!」
男「いやそうじゃなくて」
死神「?」
男「君が俺とデートしてくれない?」
死神「え、えぇっ!?」
男「だって君が連れてきた女の子とデート、ってそれはその子を操ってデートさせるんでしょ?」
死神「ま、まぁ……性格もキミ好みの女の子にしてあげるよ?」
男「そんなのつまらない。 俺はそんなことをしたいんじゃない」
死神「え、えっと……」
男「あ、嫌ならいいんだ! 強制するのは嫌だから! 他にもやりたいことはあるし!」
男「いやそうじゃなくて」
死神「?」
男「君が俺とデートしてくれない?」
死神「え、えぇっ!?」
男「だって君が連れてきた女の子とデート、ってそれはその子を操ってデートさせるんでしょ?」
死神「ま、まぁ……性格もキミ好みの女の子にしてあげるよ?」
男「そんなのつまらない。 俺はそんなことをしたいんじゃない」
死神「え、えっと……」
男「あ、嫌ならいいんだ! 強制するのは嫌だから! 他にもやりたいことはあるし!」
18: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/28(金) 22:24:27 ID:EsAXfTLs
男「……というか普通嫌だよな。 ごめん、やっぱナシで」
死神「い、いいよ」
男「え?」
死神「いいよ! やろう、デート!」
男「仕事だからって無理してない?」
死神「してない! むしろ完全にオフモードで遊んでもいい?」
男「もちろん! むしろそうしてくれ!」
死神「よし、そうと決まれば服を普通のにして、鎌を隠して……」
男「鎌隠せるのかよ!!」
死神「い、いいよ」
男「え?」
死神「いいよ! やろう、デート!」
男「仕事だからって無理してない?」
死神「してない! むしろ完全にオフモードで遊んでもいい?」
男「もちろん! むしろそうしてくれ!」
死神「よし、そうと決まれば服を普通のにして、鎌を隠して……」
男「鎌隠せるのかよ!!」
19: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/28(金) 22:34:37 ID:EsAXfTLs
男「すげー……一瞬で服が変わった……」
死神「うん、セーターにしよ!」
男「おーいいねー!」
死神「よし、これで周りの人に見られても大丈夫!」
男「え、死神さん周りの人には見えないんじゃ?」
死神「見えるようにした。 キミが一人でぶつぶつ喋ってたら変でしょ?」
男「まぁ」
死神「うん、セーターにしよ!」
男「おーいいねー!」
死神「よし、これで周りの人に見られても大丈夫!」
男「え、死神さん周りの人には見えないんじゃ?」
死神「見えるようにした。 キミが一人でぶつぶつ喋ってたら変でしょ?」
男「まぁ」
21: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/28(金) 22:52:04 ID:EsAXfTLs
男「でもちょっと残念だなー」
死神「?」
男「死神衣装、可愛かったのに」
死神「だよね!! 私もあれが着たくてこの仕事選んだんだー」
男「そうなんだ」
死神「ちなみに死神って結構難関資格なんだよ? こう見えても私はそこそこのエリートなのさ!」
男「へぇー、確かにそうは見えない」
死神「フォローしてよ!」
男「眼鏡かけて七三分けにしたらきっと才女に見えるよ!」
死神「そんなの私の求めてる死神像とは違う」
男「それはそれで良いと思うけどなー」
死神「?」
男「死神衣装、可愛かったのに」
死神「だよね!! 私もあれが着たくてこの仕事選んだんだー」
男「そうなんだ」
死神「ちなみに死神って結構難関資格なんだよ? こう見えても私はそこそこのエリートなのさ!」
男「へぇー、確かにそうは見えない」
死神「フォローしてよ!」
男「眼鏡かけて七三分けにしたらきっと才女に見えるよ!」
死神「そんなの私の求めてる死神像とは違う」
男「それはそれで良いと思うけどなー」
22: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/28(金) 22:56:25 ID:EsAXfTLs
男「死神さん、この世の歌って何か知ってる?」
死神「知ってるよー! こっちも良いの多いよねー!!」
男「じゃあカラオケ行かない?」
死神「いいねー! 行く行く!」
男「じゃあカラオケに向けてしゅっぱーつ!」
死神「おーっ!!」
死神「知ってるよー! こっちも良いの多いよねー!!」
男「じゃあカラオケ行かない?」
死神「いいねー! 行く行く!」
男「じゃあカラオケに向けてしゅっぱーつ!」
死神「おーっ!!」
23: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/28(金) 23:08:48 ID:EsAXfTLs
死神「何時間にする?」
男「そうだなー……とりあえず二時間くらい? 足りなかったら延長しよう」
死神「そうだねー」
死神「……会員証なんて出さなくてもここ一般で歌えるでしょ?」
男「いや会員の方が安いし」
死神「そんなことしなくても私がタダにしてあげるよ?」
男「いーの! 今日は俺が出したいの! 今日は君は働かなくていいの!」
死神「別にそんな手間じゃないのに……」
男「女の子に奢るのは昔っから俺の夢だったんだ……」
死神「……そう」
男「そうだなー……とりあえず二時間くらい? 足りなかったら延長しよう」
死神「そうだねー」
死神「……会員証なんて出さなくてもここ一般で歌えるでしょ?」
男「いや会員の方が安いし」
死神「そんなことしなくても私がタダにしてあげるよ?」
男「いーの! 今日は俺が出したいの! 今日は君は働かなくていいの!」
死神「別にそんな手間じゃないのに……」
男「女の子に奢るのは昔っから俺の夢だったんだ……」
死神「……そう」
24: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/28(金) 23:12:43 ID:EsAXfTLs
男「さーて、何飲もうかなー」
死神「! 男! 男っ!!」
男「何?」
死神「ここソフトクリーム食べ放題だ!!」
男「マジで!?」
死神「チョコソースまで置いてある!!」
男「食べよう食べよう!」
死神「……下手くそ」
男「これ難しいな……」
死神「! 男! 男っ!!」
男「何?」
死神「ここソフトクリーム食べ放題だ!!」
男「マジで!?」
死神「チョコソースまで置いてある!!」
男「食べよう食べよう!」
死神「……下手くそ」
男「これ難しいな……」
25: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/28(金) 23:19:20 ID:EsAXfTLs
死神「じゃあ先どうぞ!」
男「よーし……」
男「癒えない痛み悲しみで傷ついた君よ……」
死神「いやーキミ歌上手いね!!」
男「ありがとう! カラオケは趣味なんで」
死神「じゃあ次は私!!」
男「待ってました!!」
死神「もう我慢ばっかしてらんないよ、言いたいことは言わなくちゃ……」
男「よーし……」
男「癒えない痛み悲しみで傷ついた君よ……」
死神「いやーキミ歌上手いね!!」
男「ありがとう! カラオケは趣味なんで」
死神「じゃあ次は私!!」
男「待ってました!!」
死神「もう我慢ばっかしてらんないよ、言いたいことは言わなくちゃ……」
26: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/28(金) 23:23:59 ID:EsAXfTLs
男「すげー綺麗な歌声だった……」
死神「ほんと!? ありがとう!」
男「この調子でがんがん歌おう!」
死神「おーっ!!」
死神「広がる闇の中交わし合った革命の契り……」
店員「失礼しまーす。 フライドポテトお持ちしました」ガチャッ
死神「」
男「どうも」
死神「……」
店員「ごゆっくりどうぞー」バタン
男「……なんで歌うのやめちゃったのさ」
死神「なんか恥ずかしくて……」
死神「ほんと!? ありがとう!」
男「この調子でがんがん歌おう!」
死神「おーっ!!」
死神「広がる闇の中交わし合った革命の契り……」
店員「失礼しまーす。 フライドポテトお持ちしました」ガチャッ
死神「」
男「どうも」
死神「……」
店員「ごゆっくりどうぞー」バタン
男「……なんで歌うのやめちゃったのさ」
死神「なんか恥ずかしくて……」
27: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/28(金) 23:31:00 ID:EsAXfTLs
━
━━
━━━
男「いやー歌った歌った!!」
死神「たーのしかったぁ!!」
男「昼ごはん食べよう! 死神さん、何か食べたいものある?」
死神「私は何でも!」
男「そうか……じゃ、俺寿司食べたいんだけど回転寿司でいい?」
死神「もちろん!」
男「あのさ……ちょっと相談があるんだけど」
死神「何?」
━━
━━━
男「いやー歌った歌った!!」
死神「たーのしかったぁ!!」
男「昼ごはん食べよう! 死神さん、何か食べたいものある?」
死神「私は何でも!」
男「そうか……じゃ、俺寿司食べたいんだけど回転寿司でいい?」
死神「もちろん!」
男「あのさ……ちょっと相談があるんだけど」
死神「何?」
28: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/28(金) 23:38:59 ID:EsAXfTLs
男「妹呼んでもいいかな?」
死神「妹さん?」
男「自分からデートしたいって言っといて悪いんだけど……最後だから……」
死神「……うん、いいよ」
男「夜はあいつ捕まらないことが多いから。 最後に飯くらい奢ってやりたいんだ」
死神「じゃあ私はいない方がいいね」
男「いや、一緒に来てくれ」
死神「でも邪魔じゃない?」
男「邪魔じゃない。 一緒に来てほしい」
死神「? ……わかった」
死神「妹さん?」
男「自分からデートしたいって言っといて悪いんだけど……最後だから……」
死神「……うん、いいよ」
男「夜はあいつ捕まらないことが多いから。 最後に飯くらい奢ってやりたいんだ」
死神「じゃあ私はいない方がいいね」
男「いや、一緒に来てくれ」
死神「でも邪魔じゃない?」
男「邪魔じゃない。 一緒に来てほしい」
死神「? ……わかった」
29: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/28(金) 23:45:27 ID:EsAXfTLs
男『もしもし妹ー?』
妹『あ、久しぶりお兄ちゃんー。 どうしたの?』
男『今から寿司食いに出てこねぇ?』
妹『なになにお兄ちゃんの奢り?』
男『おう』
妹『ほんと!? なら行く!』
男『駅前で待ってるから』
妹『うん! バイク飛ばしてすぐ行くよ!!』
妹『あ、久しぶりお兄ちゃんー。 どうしたの?』
男『今から寿司食いに出てこねぇ?』
妹『なになにお兄ちゃんの奢り?』
男『おう』
妹『ほんと!? なら行く!』
男『駅前で待ってるから』
妹『うん! バイク飛ばしてすぐ行くよ!!』
30: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/28(金) 23:53:28 ID:EsAXfTLs
死神「……未練は無いんじゃなかったの?」
男「あー……」
死神「仲良さそうだったよね。 妹さんは未練じゃないの?」
男「……うん、未練といえば未練だ」
死神「……」
男「俺が死んだら唯一悲しんでくれる奴があいつだ。 あいつを残していくのは気掛かりではある」
男「けどあいつは俺と違って強い奴だから。 俺がいなくてもやってける」
死神「……」
男「むしろ俺があいつの足を引っ張りかねない」
男「あー……」
死神「仲良さそうだったよね。 妹さんは未練じゃないの?」
男「……うん、未練といえば未練だ」
死神「……」
男「俺が死んだら唯一悲しんでくれる奴があいつだ。 あいつを残していくのは気掛かりではある」
男「けどあいつは俺と違って強い奴だから。 俺がいなくてもやってける」
死神「……」
男「むしろ俺があいつの足を引っ張りかねない」
31: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/01(土) 00:01:52 ID:h95CJNQc
妹「お兄ちゃーん!」
男「お、来たか」
妹「!! そ、その人は!?」
男「あ、この人は……」
死神「初めまして、妹ちゃん! 私は男とお付き合いさせていただいてる死神といいます!」
男「し、死神さん!?」
妹「か、彼女!!? お兄ちゃんに!?」
死神「今日は妹ちゃんに会いたくて、男に頼んで呼んでもらっちゃった! 」
妹「ほ、本当にお兄ちゃんの彼女なんですか……?」
死神「うん!」
男「そ、そうだ! この人は俺の彼女だ!」
妹「信じられない……」
男「お、来たか」
妹「!! そ、その人は!?」
男「あ、この人は……」
死神「初めまして、妹ちゃん! 私は男とお付き合いさせていただいてる死神といいます!」
男「し、死神さん!?」
妹「か、彼女!!? お兄ちゃんに!?」
死神「今日は妹ちゃんに会いたくて、男に頼んで呼んでもらっちゃった! 」
妹「ほ、本当にお兄ちゃんの彼女なんですか……?」
死神「うん!」
男「そ、そうだ! この人は俺の彼女だ!」
妹「信じられない……」
32: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/01(土) 00:07:16 ID:h95CJNQc
死神「さ、早くお寿司食べに行こう! お腹空いちゃった!!」
妹「はい! 行きましょう!!」
男「寿司屋はそっちじゃないよ! こっちこっち!」
死神「さ、今日は男が奢ってくれるらしいからじゃんじゃん食べちゃおう!」
妹「はい!!」
男「ほ、ほどほどにな……」
妹「はい! 行きましょう!!」
男「寿司屋はそっちじゃないよ! こっちこっち!」
死神「さ、今日は男が奢ってくれるらしいからじゃんじゃん食べちゃおう!」
妹「はい!!」
男「ほ、ほどほどにな……」
33: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/01(土) 00:13:18 ID:h95CJNQc
妹「よくお兄ちゃんなんかと付き合ってますねー?」
死神「男、良い奴じゃん! 独特の優しさを持ってるよ! ちょっと不器用な優しさ!」
妹「お、分かってますねーお兄ちゃんのこと!」
死神「もちろん!」
妹「そうなんですよねー……お兄ちゃんはほんと不器用で……あ、その穴子と私のエンガワ、一つ交換しません?」
死神「あ、うん、交換しようか!」
男「君ら仲いいね……」
死神「男、良い奴じゃん! 独特の優しさを持ってるよ! ちょっと不器用な優しさ!」
妹「お、分かってますねーお兄ちゃんのこと!」
死神「もちろん!」
妹「そうなんですよねー……お兄ちゃんはほんと不器用で……あ、その穴子と私のエンガワ、一つ交換しません?」
死神「あ、うん、交換しようか!」
男「君ら仲いいね……」
34: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/01(土) 00:20:32 ID:h95CJNQc
━━
━━━
━━━━
男「ふぅー……食った食った」
妹「ごちそうさま!」
死神「ごちそうさまでした!」
妹「じゃ、私はお邪魔だろうから帰るね!」
男「もう帰るのか? もうちょっと一緒にいても……」
死神「そうだよ。 遊ぼうよ!」
妹「いや、私もこれから友達と遊ぶ予定があるので!」
男「そうなのか? じゃあまたな」
死神「残念……また今度遊ぼうね!」
妹「お兄ちゃん死神さん大事にしなよ! お兄ちゃんのこと好いてくれる人なんてもう現れないんだからね!! じゃあまた!!」
男「大きなお世話だ。 じゃーな」
死神「またね!」
━━━
━━━━
男「ふぅー……食った食った」
妹「ごちそうさま!」
死神「ごちそうさまでした!」
妹「じゃ、私はお邪魔だろうから帰るね!」
男「もう帰るのか? もうちょっと一緒にいても……」
死神「そうだよ。 遊ぼうよ!」
妹「いや、私もこれから友達と遊ぶ予定があるので!」
男「そうなのか? じゃあまたな」
死神「残念……また今度遊ぼうね!」
妹「お兄ちゃん死神さん大事にしなよ! お兄ちゃんのこと好いてくれる人なんてもう現れないんだからね!! じゃあまた!!」
男「大きなお世話だ。 じゃーな」
死神「またね!」
35: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/01(土) 00:26:13 ID:h95CJNQc
男「……あいつ、この後予定があるなんて嘘だな」
死神「え?」
男「頭掻いてたからね。 あの仕草は嘘つくときの仕草」
死神「へぇー……」
男「あいつは、俺と死神さんが上手くいくことを本当に望んでるんだろうな 」
死神「……」
男「俺に友達も彼女もいないことをいつも心配してたからな……」
男「今日は妹を安心させたくて、死神さんを友達として紹介しようと思ったんだ」
男「そしたら死神さん彼女だって……」
死神「……駄目だった?」
男「いや俺としては嬉しいんだけど……」
死神「え?」
男「頭掻いてたからね。 あの仕草は嘘つくときの仕草」
死神「へぇー……」
男「あいつは、俺と死神さんが上手くいくことを本当に望んでるんだろうな 」
死神「……」
男「俺に友達も彼女もいないことをいつも心配してたからな……」
男「今日は妹を安心させたくて、死神さんを友達として紹介しようと思ったんだ」
男「そしたら死神さん彼女だって……」
死神「……駄目だった?」
男「いや俺としては嬉しいんだけど……」
36: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/01(土) 00:44:50 ID:h95CJNQc
死神「心配しないで。 ちゃんと彼女として、キミの葬式に出て泣きじゃくってくるから」
男「いやそこまでしなくても……」
死神「我が社はアフターケアもきちんとしますので。 キミには良い彼女がいたってことを妹さんに示してくるよ」
男「……ありがとう」
死神「いいよ。 これは好きでやってるんだ」
男「……?」
死神「死神を始めたのは衣装が可愛かったから。 今の会社に入ったのは方針が気に入ったから」
死神「私はキミみたいな人に喜んで欲しくてこの仕事をしてるんだ。 キミが喜んでくれるならこれくらいのこと、いくらでもするよ」
男「……ありがとう!」
死神「だからいいって!」
男「いやそこまでしなくても……」
死神「我が社はアフターケアもきちんとしますので。 キミには良い彼女がいたってことを妹さんに示してくるよ」
男「……ありがとう」
死神「いいよ。 これは好きでやってるんだ」
男「……?」
死神「死神を始めたのは衣装が可愛かったから。 今の会社に入ったのは方針が気に入ったから」
死神「私はキミみたいな人に喜んで欲しくてこの仕事をしてるんだ。 キミが喜んでくれるならこれくらいのこと、いくらでもするよ」
男「……ありがとう!」
死神「だからいいって!」
37: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/01(土) 01:13:06 ID:h95CJNQc
死神「じゃあデートの続き、やろう!」
男「おー!」
死神「あ! ミスドがセールやってる!! 行こうよ!!」
男「今たらふく寿司食ったばっかだよ!?」
死神「甘いものは別腹!!」
男「マジか……油ものだぞ……」
死神「食べたい!」
男「じゃあまぁ行くか」
死神「やったー!」
男「おー!」
死神「あ! ミスドがセールやってる!! 行こうよ!!」
男「今たらふく寿司食ったばっかだよ!?」
死神「甘いものは別腹!!」
男「マジか……油ものだぞ……」
死神「食べたい!」
男「じゃあまぁ行くか」
死神「やったー!」
38: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/01(土) 01:16:15 ID:h95CJNQc
男「俺コーヒーで」
死神「私ポン・デ・リングとオールドファッションとフレンチクルーラーと……」
男「マジか」
死神「いただきまーす!」
男「召し上がれ」
死神「おいしーい!!」
男「美味そうに食うなぁ……」
死神「見て見て!! ほら! 天使!!」
男「君本当は馬鹿じゃない?」
死神「失礼な!!」
死神「私ポン・デ・リングとオールドファッションとフレンチクルーラーと……」
男「マジか」
死神「いただきまーす!」
男「召し上がれ」
死神「おいしーい!!」
男「美味そうに食うなぁ……」
死神「見て見て!! ほら! 天使!!」
男「君本当は馬鹿じゃない?」
死神「失礼な!!」
39: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/01(土) 01:21:03 ID:h95CJNQc
死神「私天使もやってみたかったんだよねー」
男「天使も職業なの?」
死神「うん。 寿命で殺すのは天使、それ以外は死神」
男「へぇー」
死神「制服は可愛いけど天使はルーチンワークなんだー。 死神の方が面白そうだったから私は死神を選んだんだけど」
男「俺はどっちも好き」
死神「ちなみに天使は専門学校出ればなれるよ」
男「死神は?」
死神「法学部出て初めて受験資格が貰える」
男「法学部……」
男「天使も職業なの?」
死神「うん。 寿命で殺すのは天使、それ以外は死神」
男「へぇー」
死神「制服は可愛いけど天使はルーチンワークなんだー。 死神の方が面白そうだったから私は死神を選んだんだけど」
男「俺はどっちも好き」
死神「ちなみに天使は専門学校出ればなれるよ」
男「死神は?」
死神「法学部出て初めて受験資格が貰える」
男「法学部……」
40: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/01(土) 01:28:35 ID:h95CJNQc
男「死神ってどうやって人を殺すの? やっぱ鎌でスパッと?」
死神「そんなことやったら不自然じゃん。 病死、事故死、自殺、いろいろだよ」
男「へぇー」
死神「昔は鎌でスパッとやってたりしてたんだけどねー。 勝手に鎌鼬だとか辻斬だとか勘違いしてくれたから」
男「鎌鼬って死神の仕業だったのか」
死神「今はこれを愛用してる」スッ
男「そ、その黒いノートは! まさか!!」
死神「そのまさかさ……」
男「で、デスノー……」
死神「日記帳だよ」
男「見せて!!」
死神「ヤダ」
死神「そんなことやったら不自然じゃん。 病死、事故死、自殺、いろいろだよ」
男「へぇー」
死神「昔は鎌でスパッとやってたりしてたんだけどねー。 勝手に鎌鼬だとか辻斬だとか勘違いしてくれたから」
男「鎌鼬って死神の仕業だったのか」
死神「今はこれを愛用してる」スッ
男「そ、その黒いノートは! まさか!!」
死神「そのまさかさ……」
男「で、デスノー……」
死神「日記帳だよ」
男「見せて!!」
死神「ヤダ」
44: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/02(日) 23:46:19 ID:pkh/Z.QQ
死神「はぁー食べた食べた!」
男「じゃ、出ようか」
死神「うん!」
死神「次はあれしようよ!」
男「あれ?」
死神「キミが休日によくしてること!」
男「何だろう? カラオケは行ったし、本屋行くのは違うだろうし……」
死神「バイクでドライブ!」
男「あぁ!」
男「じゃ、出ようか」
死神「うん!」
死神「次はあれしようよ!」
男「あれ?」
死神「キミが休日によくしてること!」
男「何だろう? カラオケは行ったし、本屋行くのは違うだろうし……」
死神「バイクでドライブ!」
男「あぁ!」
46: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/02(日) 23:51:22 ID:pkh/Z.QQ
男「でもいいの? 目一杯慎重に走るけど絶対に事故らないとは限らないよ?」
死神「私を誰だと思ってんの! むしろ事故ったら私がキミもバイクも直してあげるよ!」
男「そっか。 じゃあうちに向かってしゅっぱーつ!」
死神「おー!」
死神「私を誰だと思ってんの! むしろ事故ったら私がキミもバイクも直してあげるよ!」
男「そっか。 じゃあうちに向かってしゅっぱーつ!」
死神「おー!」
47: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/02(日) 23:57:53 ID:pkh/Z.QQ
男「ヘルメットこれ使って」
死神「これARAIじゃん! キミがこれ使いなよ! 私がそのよくわかんないメーカーの使う!」
男「いやでも」
死神「私は死なないけどキミは死ぬの! キミが良いやつ使わなくてどうするの!」
男「どうせ俺今日死ぬんだよね?」
死神「私の手にかかって死ぬの! 勝手に死んじゃ駄目なんだから!」
男「……」
死神「これARAIじゃん! キミがこれ使いなよ! 私がそのよくわかんないメーカーの使う!」
男「いやでも」
死神「私は死なないけどキミは死ぬの! キミが良いやつ使わなくてどうするの!」
男「どうせ俺今日死ぬんだよね?」
死神「私の手にかかって死ぬの! 勝手に死んじゃ駄目なんだから!」
男「……」
48: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/03(月) 00:15:55 ID:DRGa8uRI
死神「かっこ……いい? バイクだね!」
男「いいよ。 気を遣わなくて」
死神「ダサい!!」
男「そこがいいんだよ!」
死神「これはこれで味がある……のかな?」
男「さ、乗って!」
死神「うん!」
男「しゅっぱーつ!」
死神「おー!」
男「いいよ。 気を遣わなくて」
死神「ダサい!!」
男「そこがいいんだよ!」
死神「これはこれで味がある……のかな?」
男「さ、乗って!」
死神「うん!」
男「しゅっぱーつ!」
死神「おー!」
49: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/03(月) 00:28:33 ID:DRGa8uRI
死神「どこ行くー?」
男「!? なんで普通に声が聴こえるんだ!」
死神「私のちから!」
男「こんなに五月蝿いのに……」
死神「凄いでしょう」
男「ねぇ死神さん」
死神「なにー?」
男「意外とおᘄぱい大きいね」
死神「今殺したろか」
男「!? なんで普通に声が聴こえるんだ!」
死神「私のちから!」
男「こんなに五月蝿いのに……」
死神「凄いでしょう」
男「ねぇ死神さん」
死神「なにー?」
男「意外とおᘄぱい大きいね」
死神「今殺したろか」
50: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/03(月) 00:35:06 ID:DRGa8uRI
男「景色の綺麗なところがあってさ、そこ行こうと思うんだけどいい?」
死神「いいねー! 山?」
男「うん。 山」
男「うおっ! 危ねぇ!」
死神「強引だなーこの車」
男「こいつの後ろ走りたくないなー」
死神「赤甲羅投げちゃおうか?」
男「目の前だし緑の方で当たるだろ」
死神「いいねー! 山?」
男「うん。 山」
男「うおっ! 危ねぇ!」
死神「強引だなーこの車」
男「こいつの後ろ走りたくないなー」
死神「赤甲羅投げちゃおうか?」
男「目の前だし緑の方で当たるだろ」
51: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/03(月) 00:47:54 ID:DRGa8uRI
死神「カーブが多くなってきたねー」
男「この辺は事故が多いんだ。 特にそこのカーブは死神がいると言われてる」
死神「あぁ多分いるよ」
男「へ?」
死神「事故率が高いところで事故死させるのは常套手段。 自然だからねー」
男「……マジか」
死神「対象がライダーだとさらに楽だよー。 いつ死んでもおかしくない人達だから」
男「……」
男「この辺は事故が多いんだ。 特にそこのカーブは死神がいると言われてる」
死神「あぁ多分いるよ」
男「へ?」
死神「事故率が高いところで事故死させるのは常套手段。 自然だからねー」
男「……マジか」
死神「対象がライダーだとさらに楽だよー。 いつ死んでもおかしくない人達だから」
男「……」
52: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/03(月) 00:52:21 ID:DRGa8uRI
男「着いた!」
死神「うわー! 絶景かな!!」
男「この辺の街を一望できるポイントなんだー」
死神「きっと夜景も綺麗なんだろうなー」
男「うん、夜景見に来る人もかなり多いみたい。 俺は夜にこの辺走るのは怖いからそんなに来ないけど」
死神「良いデートスポット知ってるね! DTのくせに!」
男「うるさい」
死神「うわー! 絶景かな!!」
男「この辺の街を一望できるポイントなんだー」
死神「きっと夜景も綺麗なんだろうなー」
男「うん、夜景見に来る人もかなり多いみたい。 俺は夜にこの辺走るのは怖いからそんなに来ないけど」
死神「良いデートスポット知ってるね! DTのくせに!」
男「うるさい」
53: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/03(月) 00:58:27 ID:DRGa8uRI
死神「どこ行くの?」
男「ちょっと向こうで一服してこようと……」
死神「煙草吸うんだ? いいよ、隣で吸ってよ」
男「そんな、悪いよ」
死神「いいよ。 私煙草の匂い結構好き」
男「じゃあ失礼して……」
死神「喫煙者を癌で殺すってのも常套手段だねー」
男「やっぱ喫煙と癌って関係あるんだ?」
死神「知らない。 でも少なくともそう思われてるから、不自然ではない」
男「なるほど……」
男「ちょっと向こうで一服してこようと……」
死神「煙草吸うんだ? いいよ、隣で吸ってよ」
男「そんな、悪いよ」
死神「いいよ。 私煙草の匂い結構好き」
男「じゃあ失礼して……」
死神「喫煙者を癌で殺すってのも常套手段だねー」
男「やっぱ喫煙と癌って関係あるんだ?」
死神「知らない。 でも少なくともそう思われてるから、不自然ではない」
男「なるほど……」
54: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/03(月) 01:04:16 ID:DRGa8uRI
死神「……平和だなー」
男「そうだね……とても今日死ぬとは思えない……」
死神「……この辺に温泉ってないの?」
男「? 一応あるけど……」
死神「行かない? 温泉浸かりたい気分!」
男「あー……景色が綺麗な露天風呂があるにはあるけど……」
死神「最高じゃん! 行こうよ!」
男「でもなぁ……」
死神「気分じゃない?」
男「そうだね……とても今日死ぬとは思えない……」
死神「……この辺に温泉ってないの?」
男「? 一応あるけど……」
死神「行かない? 温泉浸かりたい気分!」
男「あー……景色が綺麗な露天風呂があるにはあるけど……」
死神「最高じゃん! 行こうよ!」
男「でもなぁ……」
死神「気分じゃない?」
55: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/03(月) 01:09:44 ID:DRGa8uRI
男「そこ混浴なんだよ」
死神「混浴!!?」
男「一応水着の貸出はしてるけど……」
死神「む、むぅ……」
男「どうする?」
死神「……いいよ、行こう!!」
男「え、いいの!?」
死神「うん! 早く行こう! 私の気が変わらないうちに!!」
男「じゃ、じゃあ温泉に向かってしゅっぱーつ!」
死神「おー!!」
死神「混浴!!?」
男「一応水着の貸出はしてるけど……」
死神「む、むぅ……」
男「どうする?」
死神「……いいよ、行こう!!」
男「え、いいの!?」
死神「うん! 早く行こう! 私の気が変わらないうちに!!」
男「じゃ、じゃあ温泉に向かってしゅっぱーつ!」
死神「おー!!」
58: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/03(月) 22:06:14 ID:DRGa8uRI
━━
━━━
━━━━
男「じゃあ風呂場で」
死神「うん」
男「……すげー緊張する」
男「……海パンがトランクスタイプで良かった」
男「じゃあ……いざ!」
━━━
━━━━
男「じゃあ風呂場で」
死神「うん」
男「……すげー緊張する」
男「……海パンがトランクスタイプで良かった」
男「じゃあ……いざ!」
59: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/03(月) 22:09:20 ID:DRGa8uRI
死神「遅いよー! こっちこっち!!」
男「君が早いよ!」
死神「私の着替えの速さ、知ってるでしょう?」
男「そういやそうだった」
男「……なんか堂々としてるね? さっきはあんなに照れてたのに」
死神「冷静に考えたら水着着て入るんだったら海水浴と変わんないじゃん。 そう思ったら平気になった」
男「まぁそうなんだけど……」
死神「さっきは混浴という言葉に踊らされた」
男「君が早いよ!」
死神「私の着替えの速さ、知ってるでしょう?」
男「そういやそうだった」
男「……なんか堂々としてるね? さっきはあんなに照れてたのに」
死神「冷静に考えたら水着着て入るんだったら海水浴と変わんないじゃん。 そう思ったら平気になった」
男「まぁそうなんだけど……」
死神「さっきは混浴という言葉に踊らされた」
60: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/03(月) 22:11:35 ID:DRGa8uRI
死神「……そうじゃなくてもキミ相手に緊張するなんて不思議だなー」
男「馬鹿にしてる? 俺がDTだから?」
死神「いやそういうことじゃなく……」
男「どういうこと?」
死神「……やっぱいいや」
男「何だよー気になるなぁ」
男「馬鹿にしてる? 俺がDTだから?」
死神「いやそういうことじゃなく……」
男「どういうこと?」
死神「……やっぱいいや」
男「何だよー気になるなぁ」
61: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/03(月) 22:18:42 ID:DRGa8uRI
死神「ふぅー……極楽極楽……」
男「極楽ってあの世のことじゃないのか」
死神「あの世は極楽ほど清い場所じゃないよ」
死神「……こうやって遊ぶのなんて久しぶりだなぁ」
男「死神って忙しそうだもんねー。 なんせ70億も人間がいるんだから」
死神「そんなに仕事してたまるかい。 あの世の住人、つまり魂を持った人間なんてその100分の1程だよ」
男「え、そうなの!?」
死神「もうこの世の人口はあの世の人口よりよっぽど多くなってるよ」
男「極楽ってあの世のことじゃないのか」
死神「あの世は極楽ほど清い場所じゃないよ」
死神「……こうやって遊ぶのなんて久しぶりだなぁ」
男「死神って忙しそうだもんねー。 なんせ70億も人間がいるんだから」
死神「そんなに仕事してたまるかい。 あの世の住人、つまり魂を持った人間なんてその100分の1程だよ」
男「え、そうなの!?」
死神「もうこの世の人口はあの世の人口よりよっぽど多くなってるよ」
62: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/03(月) 22:25:26 ID:DRGa8uRI
男「じゃあ残りの100分の99は何なの!?」
死神「魂を持たなくたって人間は成り立つんだよー」
男「え?」
死神「映画を見れば涙する。 怒られればしょぼくれる。 楽しければ笑う。 そんなのは別に魂が無くても成り立つんだー」
男「……そうなの?」
死神「そういうシステムが組み上がってしまえばね。 後はぜーんぶ外界からの刺激に対するレスポンス。 そこに魂なんて無くてもいいのさー」
男「……なんか寂しいな」
死神「仕方ないよ。 そういうものなんだ」
死神「魂を持たなくたって人間は成り立つんだよー」
男「え?」
死神「映画を見れば涙する。 怒られればしょぼくれる。 楽しければ笑う。 そんなのは別に魂が無くても成り立つんだー」
男「……そうなの?」
死神「そういうシステムが組み上がってしまえばね。 後はぜーんぶ外界からの刺激に対するレスポンス。 そこに魂なんて無くてもいいのさー」
男「……なんか寂しいな」
死神「仕方ないよ。 そういうものなんだ」
63: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/03(月) 22:32:31 ID:DRGa8uRI
死神「それに死亡率は国によって違うけど、基本的には死神は自国にしか携わらないしね。 日本はまだ楽な方」
男「あの世にも国があんの?」
死神「言ったでしょう。 あの世の住人はあの世のコピーを作ろうとしたんだ。 まぁ結構違っちゃったけど」
男「へぇー……」
死神「その上うちは人気の無い会社。 そんなに激務じゃない」
男「ふーん……」
男「あの世にも国があんの?」
死神「言ったでしょう。 あの世の住人はあの世のコピーを作ろうとしたんだ。 まぁ結構違っちゃったけど」
男「へぇー……」
死神「その上うちは人気の無い会社。 そんなに激務じゃない」
男「ふーん……」
64: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/03(月) 22:41:18 ID:DRGa8uRI
死神「それにしてもこの世の住人増え過ぎ」
男「死神はこの世で何でも出来るんだよね? その辺コントロール出来なかったの?」
死神「まぁね。 死神に限らず、あの世の住人なら誰でも。 許可されてる人しかこの世に干渉は出来ないけど」
男「それならなんでコントロールしなかったの?」
死神「……あの世の住人なら、積み木を組み替えるようにこの世を自由に出来るんだけどね」
男「うん 」
死神「実際問題誰が地球サイズの積み木を組み替えるのさ。 そんな感じ」
男「はぁー」
死神「複雑な積み方の全貌を把握してもないし、どうやったって無理だ。 崩すことくらいなら簡単に出来るけどね」
男「……」
男「死神はこの世で何でも出来るんだよね? その辺コントロール出来なかったの?」
死神「まぁね。 死神に限らず、あの世の住人なら誰でも。 許可されてる人しかこの世に干渉は出来ないけど」
男「それならなんでコントロールしなかったの?」
死神「……あの世の住人なら、積み木を組み替えるようにこの世を自由に出来るんだけどね」
男「うん 」
死神「実際問題誰が地球サイズの積み木を組み替えるのさ。 そんな感じ」
男「はぁー」
死神「複雑な積み方の全貌を把握してもないし、どうやったって無理だ。 崩すことくらいなら簡単に出来るけどね」
男「……」
65: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/03(月) 22:44:17 ID:DRGa8uRI
男「……ん? じゃあつまり君はそんなに忙しくないんだよね?」
死神「まぁね」
男「でも遊びに行ってないんだ?」
死神「……まぁ」
男「なんで?」
死神「……一人で遊びに行っても楽しくないし」
男「一人遊び楽しめないタイプか」
死神「そうかも」
死神「まぁね」
男「でも遊びに行ってないんだ?」
死神「……まぁ」
男「なんで?」
死神「……一人で遊びに行っても楽しくないし」
男「一人遊び楽しめないタイプか」
死神「そうかも」
66: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/03(月) 22:51:28 ID:DRGa8uRI
男「死神さんあの世に彼氏とかいないの?」
死神「……いるよ。 遠距離恋愛中」
男「……彼氏いるのに俺とデートなんてしていいの?」
死神「……しまった。失言だった」
男「失言も何も、これは君の問題でしょ? 君がこれを許すなら俺は何も言わないけど」
死神「……だから失言だったんだ。 キミにそんなふうに見られるならもう本当のこと言うしかないじゃない」
男「?」
死神「……いるよ。 遠距離恋愛中」
男「……彼氏いるのに俺とデートなんてしていいの?」
死神「……しまった。失言だった」
男「失言も何も、これは君の問題でしょ? 君がこれを許すなら俺は何も言わないけど」
死神「……だから失言だったんだ。 キミにそんなふうに見られるならもう本当のこと言うしかないじゃない」
男「?」
67: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/03(月) 22:59:02 ID:DRGa8uRI
死神「私が遠距離恋愛してる彼氏ってのはね、キミのことだよ」
男「!?」
死神「私とキミは、あの世では恋人同士! それもかなりラブラブな!」
男「ラブラブ!?」
死神「安心して。 誓って、向こうでキミ以外の彼氏なんて作ってないから」
男「え、え、マジで?」
死神「いやーこの世に来てもキミはキミだね! 変わらない! っていうのも少し変か」
男「変というと?」
死神「今のキミは私と付き合う前のキミにそっくり! すっっっごく懐かしい!」
男「……君とどれだけ付き合ってるの?」
死神「ちゃんと数えてないけど、1500年くらい?」
男「……マジか」
男「!?」
死神「私とキミは、あの世では恋人同士! それもかなりラブラブな!」
男「ラブラブ!?」
死神「安心して。 誓って、向こうでキミ以外の彼氏なんて作ってないから」
男「え、え、マジで?」
死神「いやーこの世に来てもキミはキミだね! 変わらない! っていうのも少し変か」
男「変というと?」
死神「今のキミは私と付き合う前のキミにそっくり! すっっっごく懐かしい!」
男「……君とどれだけ付き合ってるの?」
死神「ちゃんと数えてないけど、1500年くらい?」
男「……マジか」
68: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/03(月) 23:04:44 ID:DRGa8uRI
死神「私と付き合う前のキミは、いつもどこか疲れた眼をしてた。 今のキミもおんなじ眼をしてる」
男「……」
死神「それが私と付き合ってからはぐんぐん眼に生気が宿ったの! いやー私ってばなんて偉大!!」
男「……君と付き合えばそりゃな」
死神「な、何!? キミがそんな言葉を吐くなんて!」
男「何かおかしい?」
死神「……調子狂うなぁ。 さっきだってそうだ」
男「さっき?」
男「……」
死神「それが私と付き合ってからはぐんぐん眼に生気が宿ったの! いやー私ってばなんて偉大!!」
男「……君と付き合えばそりゃな」
死神「な、何!? キミがそんな言葉を吐くなんて!」
男「何かおかしい?」
死神「……調子狂うなぁ。 さっきだってそうだ」
男「さっき?」
69: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/03(月) 23:10:55 ID:DRGa8uRI
死神「ここが混浴だ、って聞いたときだよ」
男「はぁ」
死神「考えても見てよ。 1500年だよ? よしんば水着着用不可の混浴だったとしても、混浴くらい別に平気なハズなんだ」
男「そりゃそうか」
死神「それがさー、キミってば初心なんだもん。 こっちまで付き合いたての頃の気持ちになっちゃった」
男「……なんか信じられないな」
死神「そりゃーキミの魅力ってのは誰にでも分かるものじゃないからねー。 キミがたった20年そこそこの人生で彼女を見つけられなかったとしても不思議じゃないさー」
男「……」
死神「……何言ってんだ、私」
男「……」
死神「……」
男「はぁ」
死神「考えても見てよ。 1500年だよ? よしんば水着着用不可の混浴だったとしても、混浴くらい別に平気なハズなんだ」
男「そりゃそうか」
死神「それがさー、キミってば初心なんだもん。 こっちまで付き合いたての頃の気持ちになっちゃった」
男「……なんか信じられないな」
死神「そりゃーキミの魅力ってのは誰にでも分かるものじゃないからねー。 キミがたった20年そこそこの人生で彼女を見つけられなかったとしても不思議じゃないさー」
男「……」
死神「……何言ってんだ、私」
男「……」
死神「……」
70: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/03(月) 23:20:47 ID:DRGa8uRI
死神「……」
男「……」
死神「……あ、ちなみにねー」
男「なに?」
死神「妹ちゃんは、私と男の共通の友達」
男「マジ?」
死神「あの世で仲の良かった人同士がこの世に送られる場合、近しい人にすることが多いんだ。 幸せに過ごせる可能性が高いからね」
男「……あいつと俺が友達かぁ。 変な気分だ」
死神「あの世に戻ったらそれも忘れてるよ」
男「……」
死神「……あ、ちなみにねー」
男「なに?」
死神「妹ちゃんは、私と男の共通の友達」
男「マジ?」
死神「あの世で仲の良かった人同士がこの世に送られる場合、近しい人にすることが多いんだ。 幸せに過ごせる可能性が高いからね」
男「……あいつと俺が友達かぁ。 変な気分だ」
死神「あの世に戻ったらそれも忘れてるよ」
71: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/03(月) 23:23:32 ID:DRGa8uRI
死神「……じゃ、そろそろ私上がるね」
男「あ、俺も」
男「……」
男「……超不思議な感覚だな」
男「DTの俺が実は1500年の大恋愛をしてたなんて……」
男「しかもあんな可愛い娘と……」
男「あ、俺も」
男「……」
男「……超不思議な感覚だな」
男「DTの俺が実は1500年の大恋愛をしてたなんて……」
男「しかもあんな可愛い娘と……」
72: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/03(月) 23:27:40 ID:DRGa8uRI
死神「やほー」
男「やほー」
死神「……」
男「……」
男「……何か飲む?」
死神「あ、じゃあフルーツ牛乳ちょうだい」
男「邪道だな。 風呂上がりはコーヒー牛乳だろ」
死神「このやりとりも何百回としたんだよー」
男「……へぇー」
死神「……」
男「やほー」
死神「……」
男「……」
男「……何か飲む?」
死神「あ、じゃあフルーツ牛乳ちょうだい」
男「邪道だな。 風呂上がりはコーヒー牛乳だろ」
死神「このやりとりも何百回としたんだよー」
男「……へぇー」
死神「……」
73: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/03(月) 23:30:55 ID:DRGa8uRI
死神「……」
男「……」
死神「……すっっっごくいい気分」
男「……俺も」
死神「……」
男「……」
━━━
━━
━
男「……」
死神「……すっっっごくいい気分」
男「……俺も」
死神「……」
男「……」
━━━
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74: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/03(月) 23:33:19 ID:DRGa8uRI
男「……うわぁ、寝ちゃったなぁ」
男「……外もう暗いや」
男「起きて、死神さん」
死神「……恋人同士だとわかったのにまださん付け?」
男「そ、そりゃまぁ……」
死神「本当、新鮮だなー! じゃ、行こうか!」
男「お、おう」
男「……外もう暗いや」
男「起きて、死神さん」
死神「……恋人同士だとわかったのにまださん付け?」
男「そ、そりゃまぁ……」
死神「本当、新鮮だなー! じゃ、行こうか!」
男「お、おう」
75: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/03(月) 23:37:03 ID:DRGa8uRI
ブロロロロ……
男「どっかで晩飯食べようか?」
死神「それもいいけど、せっかくだから私が作ろうか?」
男「ほ、本当?」
死神「うん。 何が食べたい?」
男「うーん……そうだなぁ……」
男「あ、あれがいいな」
死神「鶏の唐揚げ?」
男「! な、何故わかった!」
死神「そりゃねー。 材料家にある?」
男「無い」
死神「じゃあスーパー寄って」
男「了解」
男「どっかで晩飯食べようか?」
死神「それもいいけど、せっかくだから私が作ろうか?」
男「ほ、本当?」
死神「うん。 何が食べたい?」
男「うーん……そうだなぁ……」
男「あ、あれがいいな」
死神「鶏の唐揚げ?」
男「! な、何故わかった!」
死神「そりゃねー。 材料家にある?」
男「無い」
死神「じゃあスーパー寄って」
男「了解」
77: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/04(火) 21:08:31 ID:AC8Af9mM
死神「お、鶏安い!」
男「なんかこういうのいいなー」
死神「こういうの?」
男「彼女と一緒に買い出しみたいな」
死神「向こうじゃ全然買い物付き合ってくれないくせに……」
男「そうなんだ」
死神「昔は付き合ってくれたのになー」
男「昔ってどれくらい?」
死神「1400年くらい昔」
男「100年は一緒に買い物してたんだな」
男「なんかこういうのいいなー」
死神「こういうの?」
男「彼女と一緒に買い出しみたいな」
死神「向こうじゃ全然買い物付き合ってくれないくせに……」
男「そうなんだ」
死神「昔は付き合ってくれたのになー」
男「昔ってどれくらい?」
死神「1400年くらい昔」
男「100年は一緒に買い物してたんだな」
78: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/04(火) 21:18:26 ID:AC8Af9mM
男「君と俺って結婚してんの?」
死神「結婚? してないよ」
男「1500年も一緒にいるのに?」
死神「あの世では結婚っていう風習はほとんど残ってないんだ。 制度自体は残ってるんだけど」
男「そうなんだ?」
死神「だって永遠に生きるのに生涯のパートナー決めるってどう思う? わざわざ結婚なんてしなくても一緒に居られるし」
男「うーん……」
死神「子供も出来ないし。 結婚って風習は廃れて虫の息!」
男「なるほどねー」
死神「結婚? してないよ」
男「1500年も一緒にいるのに?」
死神「あの世では結婚っていう風習はほとんど残ってないんだ。 制度自体は残ってるんだけど」
男「そうなんだ?」
死神「だって永遠に生きるのに生涯のパートナー決めるってどう思う? わざわざ結婚なんてしなくても一緒に居られるし」
男「うーん……」
死神「子供も出来ないし。 結婚って風習は廃れて虫の息!」
男「なるほどねー」
79: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/04(火) 21:34:00 ID:AC8Af9mM
死神「……でもキミとならいいかもねー」
男「え?」
死神「結婚。 キミがどう思うかは知らないけど」
男「え、何それプロポーズ?」
死神「今のキミにプロポーズしたって仕方ないでしょう」
男「じゃあ俺があの世に行ったらプロポーズしてくれんの?」
死神「キミがしてよ」
男「へ?」
死神「キミがしてよ、 プロポーズ」
男「だって俺死んだらこのやりとり覚えてないんでしょ?」
男「え?」
死神「結婚。 キミがどう思うかは知らないけど」
男「え、何それプロポーズ?」
死神「今のキミにプロポーズしたって仕方ないでしょう」
男「じゃあ俺があの世に行ったらプロポーズしてくれんの?」
死神「キミがしてよ」
男「へ?」
死神「キミがしてよ、 プロポーズ」
男「だって俺死んだらこのやりとり覚えてないんでしょ?」
80: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/04(火) 21:42:25 ID:AC8Af9mM
死神「うん。 いいから言ってよ。 『あの世に帰ったらプロポーズします』って」
男「それ何の意味も無くないか?」
死神「いいから!」
男「う、うん……」
男「あの世に帰ったらプロポーズするよ」
死神「よっしゃあ!! 言質取ったぁ!!」
男「あ、何だそれ!!」
死神「ボイスレコーダー」
男「お、俺は今すごく無責任なことをしたんじゃないか……?」
死神「責任はあの世で取ってもらうよ!」
男「あまりに迂闊すぎた……」
男「それ何の意味も無くないか?」
死神「いいから!」
男「う、うん……」
男「あの世に帰ったらプロポーズするよ」
死神「よっしゃあ!! 言質取ったぁ!!」
男「あ、何だそれ!!」
死神「ボイスレコーダー」
男「お、俺は今すごく無責任なことをしたんじゃないか……?」
死神「責任はあの世で取ってもらうよ!」
男「あまりに迂闊すぎた……」
81: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/04(火) 22:00:16 ID:AC8Af9mM
死神「ん、こんなもんかな。 他に何か食べたいものある?」
男「うーん……じゃあもう一品」
死神「お、何?」
男「任せるよ」
死神「えぇいいの? 最後の晩餐だよ?」
男「いいんだよ。 別に最後じゃないこと知っちゃったし」
男「それに死神さんに任せれば間違いは無さそうだし」
死神「……よーし、じゃあ張り切っちゃうよ!」
男「頼んだ!」
男「うーん……じゃあもう一品」
死神「お、何?」
男「任せるよ」
死神「えぇいいの? 最後の晩餐だよ?」
男「いいんだよ。 別に最後じゃないこと知っちゃったし」
男「それに死神さんに任せれば間違いは無さそうだし」
死神「……よーし、じゃあ張り切っちゃうよ!」
男「頼んだ!」
82: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/04(火) 22:11:45 ID:AC8Af9mM
━━
━━━
━━━━
男「ボロいアパートでごめんね」
死神「私こういうとこ好き」
男「ん? ドアに何かかかってる……」
死神「……鶏肉だ。 それとメモ」
男「『鶏肉が安かったからこれで死神さんに唐揚げでも作ってもらいな! 妹より』」
死神「……やるなぁ妹ちゃん」
男「間の悪い奴だなぁ……」
死神「今日は唐揚げ祭りだね!」
男「え! 全部食べるの!?」
死神「もちろん! 今日限りの命なんだから冷蔵庫空にしないと!」
男「マジか……」
━━━
━━━━
男「ボロいアパートでごめんね」
死神「私こういうとこ好き」
男「ん? ドアに何かかかってる……」
死神「……鶏肉だ。 それとメモ」
男「『鶏肉が安かったからこれで死神さんに唐揚げでも作ってもらいな! 妹より』」
死神「……やるなぁ妹ちゃん」
男「間の悪い奴だなぁ……」
死神「今日は唐揚げ祭りだね!」
男「え! 全部食べるの!?」
死神「もちろん! 今日限りの命なんだから冷蔵庫空にしないと!」
男「マジか……」
83: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/04(火) 22:23:26 ID:AC8Af9mM
死神「案の定散らかってるねー」
男「まぁね」
死神「じゃあ座っててー」
男「何か手伝おうか?」
死神「いいよ。 あ、テーブルの上の物だけ片付けといてくれる?」
男「了解!」
死神「ねぇーマヨネーズどこー?」
男「えーと、そこの引き出しの中」
死神「これ開封済みじゃん! こんな所で保存してんの!? 信じらんない!」
男「まぁね」
死神「じゃあ座っててー」
男「何か手伝おうか?」
死神「いいよ。 あ、テーブルの上の物だけ片付けといてくれる?」
男「了解!」
死神「ねぇーマヨネーズどこー?」
男「えーと、そこの引き出しの中」
死神「これ開封済みじゃん! こんな所で保存してんの!? 信じらんない!」
84: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/04(火) 22:29:29 ID:AC8Af9mM
死神「はい、先サラダ食べてて」
男「お、アボカド入ってる!!」
死神「好きでしょ?」
男「うん! いただきまーす!」
死神「お次はスープ!」
男「味噌汁じゃん」
死神「味噌スープだよ。 葱たっぷりにしといた!」
男「いいねぇいいねぇ!」
男「お、アボカド入ってる!!」
死神「好きでしょ?」
男「うん! いただきまーす!」
死神「お次はスープ!」
男「味噌汁じゃん」
死神「味噌スープだよ。 葱たっぷりにしといた!」
男「いいねぇいいねぇ!」
85: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/04(火) 22:37:55 ID:AC8Af9mM
死神「唐揚げ出来た! 本日のメインディッシュ!」
男「待ってました!」
死神「じゃんじゃん揚げるからどんどん食べてね!」
男「おう!」
死神「あ、忘れてた。 ビール買ってきたんだ。 飲むよね?」
男「飲む!」
男「ふぅー……食った食ったぁ」
死神「どうだった?」
男「超美味かった!!」
死神「久しぶりにその言葉を聞いたよ……」
男「なんかごめんね」
男「待ってました!」
死神「じゃんじゃん揚げるからどんどん食べてね!」
男「おう!」
死神「あ、忘れてた。 ビール買ってきたんだ。 飲むよね?」
男「飲む!」
男「ふぅー……食った食ったぁ」
死神「どうだった?」
男「超美味かった!!」
死神「久しぶりにその言葉を聞いたよ……」
男「なんかごめんね」
86: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/04(火) 22:41:54 ID:AC8Af9mM
死神「はい、じゃあこれデザート」
男「! アイスだ!!」
死神「食べられる?」
男「余裕! 別腹!」
死神「だと思ったよ。 アイス好きだもんねーキミ」
男「これ死神さんが作ったの?」
死神「そうだよー」
男「すっっっげぇ美味い……!」
死神「……照れる」
男「! アイスだ!!」
死神「食べられる?」
男「余裕! 別腹!」
死神「だと思ったよ。 アイス好きだもんねーキミ」
男「これ死神さんが作ったの?」
死神「そうだよー」
男「すっっっげぇ美味い……!」
死神「……照れる」
87: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/04(火) 22:53:50 ID:AC8Af9mM
男「ごちそうさまでした」
死神「お粗末さまでした」
男「好物のオンパレードだった……しかもどれもこれもハイクオリティ……」
死神「1500年の経験値をナメちゃいけない!」
男「最初君はさ、俺好みの女の子を連れてきてデートさせてくれるって言ったけど」
死神「あぁ言ったね」
男「まさに君がそれだよ。 見た目も性格もタイプで、その上料理まで上手いなんて」
死神「……!」
男「最高の女の子だ」
死神「……もー我慢出来ないっ!!」ガバッ
死神「お粗末さまでした」
男「好物のオンパレードだった……しかもどれもこれもハイクオリティ……」
死神「1500年の経験値をナメちゃいけない!」
男「最初君はさ、俺好みの女の子を連れてきてデートさせてくれるって言ったけど」
死神「あぁ言ったね」
男「まさに君がそれだよ。 見た目も性格もタイプで、その上料理まで上手いなんて」
死神「……!」
男「最高の女の子だ」
死神「……もー我慢出来ないっ!!」ガバッ
88: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/04(火) 23:01:40 ID:AC8Af9mM
男「ちょ、死神さん何を!?」
死神「だってさ! ただでさえ好きな人がだよ!?」
死神「大昔の、付き合いたての頃に吐いてた甘い科白を恥ずかしげもなくペラペラと……!」
死神「もう懐かしくって愛おしくって!」
男「俺にとっては初めてのことなんだけど!」
死神「そう、今のキミには初めてだからね。 待ってても駄目だろうと」
死神「これはもう押し倒すしか無いと思った!!」
男「……ナメんな!」
死神「だってさ! ただでさえ好きな人がだよ!?」
死神「大昔の、付き合いたての頃に吐いてた甘い科白を恥ずかしげもなくペラペラと……!」
死神「もう懐かしくって愛おしくって!」
男「俺にとっては初めてのことなんだけど!」
死神「そう、今のキミには初めてだからね。 待ってても駄目だろうと」
死神「これはもう押し倒すしか無いと思った!!」
男「……ナメんな!」
89: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/04(火) 23:08:53 ID:AC8Af9mM
死神「!? んー! んーっ!」
男「……」
死神「……ぷはぁっ!」
男「……いいの?」
死神「……いいのって何さ。 私が押し倒したんだよ?」
男「……そうか」
死神「あ、で、でも電気消してくれる!? なんか恥ずかしい……」
男「……うん」
死神「……」
男「じゃあ消すよ」
死神「……う、うん」
パチッ
━━━━
━━━
━━
男「……」
死神「……ぷはぁっ!」
男「……いいの?」
死神「……いいのって何さ。 私が押し倒したんだよ?」
男「……そうか」
死神「あ、で、でも電気消してくれる!? なんか恥ずかしい……」
男「……うん」
死神「……」
男「じゃあ消すよ」
死神「……う、うん」
パチッ
━━━━
━━━
━━
90: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/04(火) 23:29:38 ID:AC8Af9mM
━━
━━━
━━━━
男「……」
死神「……」
男「……あの、どうだった?」
死神「初めてにしては及第点!」
男「……そう」
死神「……キミを殺しに来て、まさかこんな幸せが待ってるとは思わなかったよ」
男「……」
死神「キミが死神のリストに載ってたから、立候補して殺しに行った。 そこまでは自分の意思だ」
死神「でもまさかキミに私が見えて、その上私とデートしたいなんて言うなんて……」
男「……」
死神「こんなことってあるんだねー……」
━━━
━━━━
男「……」
死神「……」
男「……あの、どうだった?」
死神「初めてにしては及第点!」
男「……そう」
死神「……キミを殺しに来て、まさかこんな幸せが待ってるとは思わなかったよ」
男「……」
死神「キミが死神のリストに載ってたから、立候補して殺しに行った。 そこまでは自分の意思だ」
死神「でもまさかキミに私が見えて、その上私とデートしたいなんて言うなんて……」
男「……」
死神「こんなことってあるんだねー……」
93: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/05(水) 20:56:43 ID:BOnpxYZk
死神「……あのさー、ずっと考えてたんだけど」
男「何?」
死神「キミ、生きたい?」
男「…… なんで?」
死神「昼に妹ちゃんに会ったとき、玄関に鶏が掛かってるのを見たとき、すごく切なそーな顔してたんだよ。 キミ」
男「……」
死神「……それ見たらさ、こっそり死神業務サボって帰ろうかなーなんて」
男「……そんなことして怒られない?」
死神「……まぁバレたら大目玉」
男「そりゃそうだよね」
死神「平気だよ。 バレなきゃいいんだ!」
男「何?」
死神「キミ、生きたい?」
男「…… なんで?」
死神「昼に妹ちゃんに会ったとき、玄関に鶏が掛かってるのを見たとき、すごく切なそーな顔してたんだよ。 キミ」
男「……」
死神「……それ見たらさ、こっそり死神業務サボって帰ろうかなーなんて」
男「……そんなことして怒られない?」
死神「……まぁバレたら大目玉」
男「そりゃそうだよね」
死神「平気だよ。 バレなきゃいいんだ!」
94: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/05(水) 21:18:20 ID:BOnpxYZk
男「……もしかしてサボり経験有り?」
死神「……初めの頃は」
男「……」
死神「幸せな家庭持ったお父さんとかさ、付き合いたてのカップルとかさ、そういうの見るとそれらを引き剥くのがすごく辛くってサボって帰ったりしてた」
死神「まぁすぐ慣れたんだけど。 『どうせ全部忘れるんだ』と思えばわりと簡単に割り切れた」
男「……」
死神「でも身内は別だ。 キミの切ない顔を私は見ちゃったんだ。 キミは忘れても私はずっと覚えてる」
死神「……なんかすごーくショックだったんだよね。 1500年一緒にいて初めて見る顔だったから」
男「……」
死神「……初めの頃は」
男「……」
死神「幸せな家庭持ったお父さんとかさ、付き合いたてのカップルとかさ、そういうの見るとそれらを引き剥くのがすごく辛くってサボって帰ったりしてた」
死神「まぁすぐ慣れたんだけど。 『どうせ全部忘れるんだ』と思えばわりと簡単に割り切れた」
男「……」
死神「でも身内は別だ。 キミの切ない顔を私は見ちゃったんだ。 キミは忘れても私はずっと覚えてる」
死神「……なんかすごーくショックだったんだよね。 1500年一緒にいて初めて見る顔だったから」
男「……」
95: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/05(水) 21:32:48 ID:BOnpxYZk
死神「この世に未練を残したままのキミを殺しちゃうと、この先ずーっとあの顔がチラついちゃう気がして……」
死神「エゴもエゴ、公私混同もいいとこだ。 でもバレなきゃいいんだ!」
男「……俺は今むしろ早くこの世から離れたくって仕方ないんだけどさ」
死神「……そうなの?」
男「うん。 早くこの糞みたいな生活を抜け出してキミとあの世でイチャイチャしたい」
死神「イチャイチャって……」
男「でも心残りがあるのもその通りなんだ。 妹のこと」
死神「……」
死神「エゴもエゴ、公私混同もいいとこだ。 でもバレなきゃいいんだ!」
男「……俺は今むしろ早くこの世から離れたくって仕方ないんだけどさ」
死神「……そうなの?」
男「うん。 早くこの糞みたいな生活を抜け出してキミとあの世でイチャイチャしたい」
死神「イチャイチャって……」
男「でも心残りがあるのもその通りなんだ。 妹のこと」
死神「……」
96: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/05(水) 21:40:41 ID:BOnpxYZk
男「でもそれは妹のことが心配とかそういうのじゃなくてさ。 あいつは逞しいから別に俺がいなくてもやっていけるだろう」
男「ただ俺が死んだ後、泣きじゃくる妹を想像したらやるせないなーってだけで」
死神「……」
男「出来ればあいつを悲しませたくはない。 その点では確かに生きてやりたいんだ」
死神「……じゃあやっぱり」
男「でもキミの切そーな顔も俺には辛いんだよね」
死神「え?」
男「ただ俺が死んだ後、泣きじゃくる妹を想像したらやるせないなーってだけで」
死神「……」
男「出来ればあいつを悲しませたくはない。 その点では確かに生きてやりたいんだ」
死神「……じゃあやっぱり」
男「でもキミの切そーな顔も俺には辛いんだよね」
死神「え?」
97: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/05(水) 21:51:43 ID:BOnpxYZk
男「さっきの温泉だよ。 あのとき君は楽しさと切なさが入り混じったなんとも言えない顔をしてた」
死神「……」
男「俺がいなくて寂しいんだよね? 20年は長いよね」
死神「う、自惚れんなっ……!」
男「そんなこと言ったって、今も俺に生きることを勧めながらずーっと切なそーな顔してたよ」
死神「!」
男「彼氏が帰ってくる! ってウキウキしながら出掛けたのに何故か自分で帰ってこないように勧めてるんだからね。 複雑だよねー」
死神「う、うるさいうるさい!!」
男「俺が天寿を全うするとして、あとおよそ60年。 長いよ」
死神「う……」
死神「……」
男「俺がいなくて寂しいんだよね? 20年は長いよね」
死神「う、自惚れんなっ……!」
男「そんなこと言ったって、今も俺に生きることを勧めながらずーっと切なそーな顔してたよ」
死神「!」
男「彼氏が帰ってくる! ってウキウキしながら出掛けたのに何故か自分で帰ってこないように勧めてるんだからね。 複雑だよねー」
死神「う、うるさいうるさい!!」
男「俺が天寿を全うするとして、あとおよそ60年。 長いよ」
死神「う……」
99: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/05(水) 21:59:19 ID:BOnpxYZk
男「それで提案があるんだけど」
死神「……何?」
男「要は俺に未練が無くなればいいわけだ。 俺が死んでも妹が悲しまないようにすればいいわけだ」
死神「……どうするの?」
男「あの世では俺達と妹は友達なんだよね? じゃあそれを全部妹に話しちゃうってのはどうかな?」
死神「え!?」
男「あの世でまた会える、って分かれば妹も受け入れられるかもしれない。 君の不思議な力を見せればあの世の存在も信じられるだろうし」
死神「で、でもそれは違反で……」
男「俺を殺さずに帰るのも違反でしょう。 ならこういうのもアリじゃない?」
死神「……」
死神「……何?」
男「要は俺に未練が無くなればいいわけだ。 俺が死んでも妹が悲しまないようにすればいいわけだ」
死神「……どうするの?」
男「あの世では俺達と妹は友達なんだよね? じゃあそれを全部妹に話しちゃうってのはどうかな?」
死神「え!?」
男「あの世でまた会える、って分かれば妹も受け入れられるかもしれない。 君の不思議な力を見せればあの世の存在も信じられるだろうし」
死神「で、でもそれは違反で……」
男「俺を殺さずに帰るのも違反でしょう。 ならこういうのもアリじゃない?」
死神「……」
100: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/05(水) 22:08:19 ID:BOnpxYZk
死神「……それでも、妹ちゃんはキミがいない60年を生きなきゃいけないわけで」
男「うん。 だからそれでもしゴネたら、その時は妹が死んだ後に死ぬことにするよ」
死神「……」
男「どう? あ、妹が変に空気読まないように俺と死神さんが恋人同士ってことは伏せてさ」
死神「……多分妹さんはキミが死ぬことを拒否するだろうけど」
男「……」
死神「……まぁモノは試しだ! やってみよう!」
男「……おう!」
男「うん。 だからそれでもしゴネたら、その時は妹が死んだ後に死ぬことにするよ」
死神「……」
男「どう? あ、妹が変に空気読まないように俺と死神さんが恋人同士ってことは伏せてさ」
死神「……多分妹さんはキミが死ぬことを拒否するだろうけど」
男「……」
死神「……まぁモノは試しだ! やってみよう!」
男「……おう!」
101: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/05(水) 22:22:47 ID:BOnpxYZk
男「今日がバイトの日だとしてもそろそろ終わってるだろ。 電話してみよ」
死神「……」
男「……」プルルル
男「あ、出た。 もしもーし」
妹『もしもーし。 何?』
男「今時間大丈夫か?」
妹『うん。 ちょうどバイト終わったとこー』
男「話があるんだけど今からそっち行っていいか?」
妹『? いいけど私まだバイト先だよ』
男「じゃあ迎えに行く。 今日はコンビニ? ファミレス?」
妹『本屋の方。 じゃあ待ってるよ』
男「うん、すぐ行く」
死神「……」
男「……」プルルル
男「あ、出た。 もしもーし」
妹『もしもーし。 何?』
男「今時間大丈夫か?」
妹『うん。 ちょうどバイト終わったとこー』
男「話があるんだけど今からそっち行っていいか?」
妹『? いいけど私まだバイト先だよ』
男「じゃあ迎えに行く。 今日はコンビニ? ファミレス?」
妹『本屋の方。 じゃあ待ってるよ』
男「うん、すぐ行く」
102: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/05(水) 22:30:47 ID:BOnpxYZk
死神「……私は制服の方がいいね」
男「……そうだね」
死神「どうやって行くの?」
男「車。 中古だけど」
死神「車持ってるんだ!」
死神「ジムニーじゃん!」
男「糞安かったんだ。 そのかわりボロだけど」
死神「いいねぇ!」
男「じゃあしゅっぱーつ!」ガクン
死神「!?」
男「だからボロだって言ったじゃん」
死神「そ、それにしてもこれは……」
男「……そうだね」
死神「どうやって行くの?」
男「車。 中古だけど」
死神「車持ってるんだ!」
死神「ジムニーじゃん!」
男「糞安かったんだ。 そのかわりボロだけど」
死神「いいねぇ!」
男「じゃあしゅっぱーつ!」ガクン
死神「!?」
男「だからボロだって言ったじゃん」
死神「そ、それにしてもこれは……」
103: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/05(水) 22:37:08 ID:BOnpxYZk
男「あ、ちなみにATだからね。 俺の名誉の為に言っとくけど」
死神「……」
男「あ、妹。 こっちこっちー」
妹「あ、お兄ちゃん。 死神さんもいるんだねー!」
死神「こんばんはー!」
死神「……」
男「あ、妹。 こっちこっちー」
妹「あ、お兄ちゃん。 死神さんもいるんだねー!」
死神「こんばんはー!」
104: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/05(水) 22:47:55 ID:BOnpxYZk
妹「……死神さん変わった格好してるね」
死神「あははー……まぁ……」
男「じゃあ早速話を始める」
妹「うん。 死神さんがここにいるってことは死神さんも関係する話なんだよね! もしかして……!」
男「この死神さんな。 死神なんだ」
妹「……は?」
男「今日俺は死ぬ」
妹「……え?」
死神「……妹ちゃんあの電柱を見て」
━━━━
━━━
━━
死神「あははー……まぁ……」
男「じゃあ早速話を始める」
妹「うん。 死神さんがここにいるってことは死神さんも関係する話なんだよね! もしかして……!」
男「この死神さんな。 死神なんだ」
妹「……は?」
男「今日俺は死ぬ」
妹「……え?」
死神「……妹ちゃんあの電柱を見て」
━━━━
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━━
106: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/05(水) 23:00:57 ID:BOnpxYZk
━━
━━━
━━━━
男「……というわけなんだ」
妹「……」
男「……俺達はあの世では友達。 あの世に行ったらまた会えるんだってよ」
死神「そうだよー! 私達すっごく仲良かったんだから!」
妹「……それで? 何で私にそれを言ったの?」
男「そ、それは……」
死神「……」
妹「……そういうことを言った、ってことはきっと私がここで駄々こねたら見逃してるれるのかな? 死神さん」
死神「……!」
━━━
━━━━
男「……というわけなんだ」
妹「……」
男「……俺達はあの世では友達。 あの世に行ったらまた会えるんだってよ」
死神「そうだよー! 私達すっごく仲良かったんだから!」
妹「……それで? 何で私にそれを言ったの?」
男「そ、それは……」
死神「……」
妹「……そういうことを言った、ってことはきっと私がここで駄々こねたら見逃してるれるのかな? 死神さん」
死神「……!」
108: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/05(水) 23:17:59 ID:BOnpxYZk
妹「そうなんだろうね。 分かるよ。 お兄ちゃんは私のことが心配で、そういう素振りを死神さんに見せちゃったんだろう」
妹「お兄ちゃんの恋人である死神さんはそれを察知して、お兄ちゃんを生かそうとした。 お兄ちゃんの為を思って」
死神「!」
妹「いや、心配ってのは違うか。 私がしっかりしてるってことはお兄ちゃんもわかってるはず。 きっとお兄ちゃんは自分が死んで私が悲しむのが嫌だったんだ」
妹「お兄ちゃんと死神さんがもめて、その折衷案として私に全部話して、その反応を見て決めようと思った。 そんなとこでしょ?」
男・死神「……!」
妹「大体昼の死神さんの仕草を見てれば、これが偽物の恋人だなんて言えるハズがないんだ。 二人が恋人だってことっていう前提と、お兄ちゃんの性格を考えればすぐにこの考えに行き着いた」
妹「違う?」
男「……」
妹「お兄ちゃんの恋人である死神さんはそれを察知して、お兄ちゃんを生かそうとした。 お兄ちゃんの為を思って」
死神「!」
妹「いや、心配ってのは違うか。 私がしっかりしてるってことはお兄ちゃんもわかってるはず。 きっとお兄ちゃんは自分が死んで私が悲しむのが嫌だったんだ」
妹「お兄ちゃんと死神さんがもめて、その折衷案として私に全部話して、その反応を見て決めようと思った。 そんなとこでしょ?」
男・死神「……!」
妹「大体昼の死神さんの仕草を見てれば、これが偽物の恋人だなんて言えるハズがないんだ。 二人が恋人だってことっていう前提と、お兄ちゃんの性格を考えればすぐにこの考えに行き着いた」
妹「違う?」
男「……」
109: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/05(水) 23:39:18 ID:BOnpxYZk
男「……お前ってば本当に賢いのな」
死神「ちょっと普通じゃないよ……」
妹「ふふん!」
男「ドヤ顔やめろ。 ……で、どうする? そこまでわかってるんだったら、後は本当にお前の気持ち一つだ」
妹「……」
男「ちなみに保険は入ってるから学費のことだったら心配しなくていいぞ。 むしろ今のバイト辞めたって学生生活送るには困らなくなる」
妹「……私はお兄ちゃんが、死神さんのことを我慢して私のために生きるなんてヤダ」
妹「でもお兄ちゃんがいない60年を一人で生きるなんて、それもヤダ」
男「……」
死神「ちょっと普通じゃないよ……」
妹「ふふん!」
男「ドヤ顔やめろ。 ……で、どうする? そこまでわかってるんだったら、後は本当にお前の気持ち一つだ」
妹「……」
男「ちなみに保険は入ってるから学費のことだったら心配しなくていいぞ。 むしろ今のバイト辞めたって学生生活送るには困らなくなる」
妹「……私はお兄ちゃんが、死神さんのことを我慢して私のために生きるなんてヤダ」
妹「でもお兄ちゃんがいない60年を一人で生きるなんて、それもヤダ」
男「……」
110: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/05(水) 23:48:36 ID:BOnpxYZk
妹「だからさ、私も一緒に連れてってよ、死神さん!」
男・死神「!?」
妹「私も一緒にあの世へ逝く!!」
男「はぁ!? だってお前楽しそうに友達とキャンパスライフ送ってたじゃん!」
妹「あーあんなのただの付き合いだよ。 お兄ちゃんがいなくちゃ人生なんてなーんにも楽しくない」
男「こ、この先生きていけば本当の友達や彼氏が見つかるかもしれないし……!」
死神「……この辺をさ、都合よく暴走車が走ってるんだ」
死神「……今からそれを私達にぶつけようと思う」
男「死神さん!?」
妹「おー! 即死でお願いします!!」
死神「任せて!!」
男「ちょ、ちょっと!!」
男・死神「!?」
妹「私も一緒にあの世へ逝く!!」
男「はぁ!? だってお前楽しそうに友達とキャンパスライフ送ってたじゃん!」
妹「あーあんなのただの付き合いだよ。 お兄ちゃんがいなくちゃ人生なんてなーんにも楽しくない」
男「こ、この先生きていけば本当の友達や彼氏が見つかるかもしれないし……!」
死神「……この辺をさ、都合よく暴走車が走ってるんだ」
死神「……今からそれを私達にぶつけようと思う」
男「死神さん!?」
妹「おー! 即死でお願いします!!」
死神「任せて!!」
男「ちょ、ちょっと!!」
111: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/05(水) 23:54:56 ID:BOnpxYZk
妹「諦めな、お兄ちゃん。 私は今死ぬことに決めたんだー」
男「そ、早計過ぎやしないか!?」
妹「そんなことないよ。 死神さんも私の言いたいこと分かってくれてる」
死神「あ、あの車だよ。 さーそのまま走ってー!」
妹「一番分かってないのはお兄ちゃんだ。 さっさと腹くくれ!」
男「……今なら脇に車停めるけど?」
妹「いいからそのまま走れ!」
男「……わかったよ!」
死神「そのまままっすぐねー!」
男「そ、早計過ぎやしないか!?」
妹「そんなことないよ。 死神さんも私の言いたいこと分かってくれてる」
死神「あ、あの車だよ。 さーそのまま走ってー!」
妹「一番分かってないのはお兄ちゃんだ。 さっさと腹くくれ!」
男「……今なら脇に車停めるけど?」
妹「いいからそのまま走れ!」
男「……わかったよ!」
死神「そのまままっすぐねー!」
112: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/06(木) 00:07:36 ID:g9YhgaeI
妹「あ、それから死神さんに言っておくことが」
死神「なに?」
妹「私ねー。 多分お兄ちゃんが家族じゃなかったら好きになってたと思うんだー」
男「はぁ!?」
死神「……」
妹「だから多分あの世で私はお兄ちゃんのこと好きだったと思うんだー」
死神「……知ってるよ」
妹「あ、やっぱりそうなんだ!」
男「え!?」
死神「なに?」
妹「私ねー。 多分お兄ちゃんが家族じゃなかったら好きになってたと思うんだー」
男「はぁ!?」
死神「……」
妹「だから多分あの世で私はお兄ちゃんのこと好きだったと思うんだー」
死神「……知ってるよ」
妹「あ、やっぱりそうなんだ!」
男「え!?」
113: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/06(木) 00:08:20 ID:g9YhgaeI
死神「でもあの世に帰ったら私達結婚するから! 無駄だよ!」
妹「絶対邪魔する!」
死神「どうせ覚えてないから無理無理!」
妹「意地でも邪魔する!!」
男「来るぞ!! 掴まれ!!」
死神「あ、むしろ何も掴まないで。 殺しにくい」
妹「きゃあー!!」
ドガンッ
妹「絶対邪魔する!」
死神「どうせ覚えてないから無理無理!」
妹「意地でも邪魔する!!」
男「来るぞ!! 掴まれ!!」
死神「あ、むしろ何も掴まないで。 殺しにくい」
妹「きゃあー!!」
ドガンッ
114: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/06(木) 00:12:06 ID:g9YhgaeI
━━
━━━
━━━━
「ただいまー」
死神「おかえり!!」
「どれくらい待った?」
死神「20年くらい」
「意外と短かったな。 それでも結構な時間か」
死神「すっっっ……ごく寂しかったよ!! 今日はたくさん甘えるからね!!」
「……おう。 よく待っててくれたな」
死神「あ、これ聞いて聞いて!」
「ん?」
━━━
━━━━
「ただいまー」
死神「おかえり!!」
「どれくらい待った?」
死神「20年くらい」
「意外と短かったな。 それでも結構な時間か」
死神「すっっっ……ごく寂しかったよ!! 今日はたくさん甘えるからね!!」
「……おう。 よく待っててくれたな」
死神「あ、これ聞いて聞いて!」
「ん?」
116: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/06(木) 00:24:09 ID:g9YhgaeI
『あの世に帰ったらプロポーズするよ』
「!? な、なんだこれ俺の声!?」
死神「へへー、キミの死神は私がやったんだ。 そしたら向こうでキミが私に向かってこんなことを」
「い、今どき結婚って……」
死神「他にもいろいろ録音してきたよー!」
「な、なんかすげぇ怖い……」
死神「まぁそれは後々聞かせてあげるよ!」
「……でもまぁ君となら結婚ってのも悪くないな」
死神「!!」
「……うん、俺と結婚してくれないか。 死神」
死神「……よ、喜んで!!」
『ちょーっと待った!!』
死神「!?」
「!? な、なんだこれ俺の声!?」
死神「へへー、キミの死神は私がやったんだ。 そしたら向こうでキミが私に向かってこんなことを」
「い、今どき結婚って……」
死神「他にもいろいろ録音してきたよー!」
「な、なんかすげぇ怖い……」
死神「まぁそれは後々聞かせてあげるよ!」
「……でもまぁ君となら結婚ってのも悪くないな」
死神「!!」
「……うん、俺と結婚してくれないか。 死神」
死神「……よ、喜んで!!」
『ちょーっと待った!!』
死神「!?」
117: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/06(木) 00:35:32 ID:g9YhgaeI
『言ったよね? 意地でも邪魔するって!』
死神「あ、あんた覚えて……!」
『忘れるもんか!!』
「な、なんだなんだ……」
死神「諦めろ!! 勝負は大昔についてるでしょ!!」
『まだ!! まだ私の気持ちを伝えてない!!』
『お兄ちゃん!! 私は1500年前からキミのことを……』
「お兄ちゃん!!?」
死神「わー!! 余計なこと聞かなくていいからね!!」
『聞け!! 私はキミをずっと……』
死神「わぁーっっっ!!!」
「なんなんだ……」
fin
死神「あ、あんた覚えて……!」
『忘れるもんか!!』
「な、なんだなんだ……」
死神「諦めろ!! 勝負は大昔についてるでしょ!!」
『まだ!! まだ私の気持ちを伝えてない!!』
『お兄ちゃん!! 私は1500年前からキミのことを……』
「お兄ちゃん!!?」
死神「わー!! 余計なこと聞かなくていいからね!!」
『聞け!! 私はキミをずっと……』
死神「わぁーっっっ!!!」
「なんなんだ……」
fin
120: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/06(木) 03:14:38 ID:IEt3ykRw
おつ
死神のSS好きだわ
死神のSS好きだわ
124: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/03/17(月) 01:54:51 ID:Rw791Cpw
わりと怖い話だな
この終わり方好き
この終わり方好き
引用元: 死神「キミ、生きたい?」
天使「おめでとうございまーす!!」男「うるせぇな」
2020-03-12
1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 14:16:33.61 ID:Jd8RYwCb0
関連
ハルヒ「SOS団で恋の暴露大会をするわよ!」
【朗報】わたてんさん、ケムリクサを超えてガチで覇権へ
【ラブライブサンシャイン】善子「運命の引力」
【悲報】Twitterで3年前に「令和」を予言してたものがいたwwwwwwwww
2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 14:17:56.06 ID:Jd8RYwCb0
ピンポーン
男「ん?誰だよ…こんな時間に…」
?「すいませーん。いらっしゃいますかー?」
男「そりゃ俺の家だからいるだろうよ…はいはい今行きますよ…」
ガチャ
男「はい、どなたさん?」
?「あ、こんにちは天使です!!」
男「……」
天使「こちら男さんのお宅でよろしいですよね?あれ?もしかして男さんってあなた?」」
男「あの…宗教関係なら間に合ってますんで」
天使「嫌だなーそんなんじゃないですよ。あ、でも私天使だから一応関係はあるのかな…」
男「どうでもいいですけど、なんか用ですか?」
3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 14:19:18.76 ID:Jd8RYwCb0
天使「まぁ立ち話もなんですし中に入りませんか?」
男「ちょっ…勝手に家に入るな…!!」
天使「うわー…いかにも引きこもりの部屋って感じですねー…」ズカズカ
男「おい!ちょ…待てよ!!」
天使「あ、私知ってますよ!!キムタクでしょ?昔ドラマ見てましたよロンバケ」
男「違う違う。そうじゃなくて!警察呼ぶぞ!?」
天使「あはは。冗談を。まぁ大事な話があるのでとりあえず座ってくださいな」
男「だから勝手に話を進めるんじゃねぇよ…」
天使「座ろうと思っても…これ座るところありませんねぇ…」
男「つくづく失礼な奴だな。女じゃなかったら殴ってるところだぞ」
天使「いやーん女の子扱いしてくれるんですね。以外とし・ん・し?」
男「やっぱり殴っていいか?」
4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 14:20:25.74 ID:Jd8RYwCb0
天使「ベッドに座っていいですよね。よいしょっ…と」
男「話聞けよ」
天使「これから大事な話があります」
男「……なんだよ」
天使「聞く覚悟はありますか?」
男「……」
天使「いいですか?」
男「……早く言え」
天使「うおっほん。それでは発表します」
天使「だかだかだかだか…だだん!!」
男「それ自分でいうのな」
天使「おめでとうございまーす!!あなたは明日死ぬことになりました!!」
男「……」
5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 14:21:15.79 ID:Jd8RYwCb0
天使「あれ?反応薄い?」
男「さ、帰ってくれ。俺は忙しいんだ」
天使「まったまたぁ無職でニートのどこが忙しいんですか?」
男「っ…お前、俺を馬鹿にしに来たのか」
天使「ま、信じるも信じないも男さん次第ですけどね。いずれ明日には死んじゃうんだし」
男「はっそれこそ冗談だぜ。俺が?死ぬ?この部屋から一本も出てない俺が?笑えるね」
天使「原因はなんであれ、男さんは明日必ず死にます。そういう運命が決定しました」
男「誰が決めたんだよ」
天使「えー…っと神さま?」
男「はぁー…分かった分かった。俺は明日死ぬんだな。ご忠告感謝します。それではごきげんよう」
天使「あー信じてませんね!?」
男「うるさい。突然こんな変人が家に押しかけてくるこの状況自体、信じがたいものなんだよ」
6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 14:22:12.76 ID:Jd8RYwCb0
天使「しょうがないなぁ…これじゃ仕事が進まないし…」
男「気は済んだか?終わったらさっさと帰ってくれ。俺は寝る」
天使「あ、ちょっとテレビつけてもらえませんか?」
男「聞こえなかったか?俺は寝るといったんだ」
天使「ちょうど同僚が仕事をするんですよ。たしか今日の午後だったはず」
男「仕事?宗教勧誘か」
天使「だから違うって言ってるじゃないですか!この世の人をあの世に送る仕事です」
男「とんだブラック企業だな。お前たちの仕事は」
天使「えーっと確か、有名な政治家だった気がしますよ。原因は心臓発作とかかな」
男「ははっこの世界にもデスノートがあったんだな」
天使「テレビをつけて・・・っと、あ、ちょうどやってますね」
男「御冗談を…って」
テレビ「速報です。先ほど衆議院の○○議員が死亡したとの情報がありました。原因は心臓発作による急死。詳しくは情報が届き次第…」
男「おいおい…マジかよ」
7: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 14:24:38.77 ID:Jd8RYwCb0
天使「これで信じてくれましたか?」
男 「あ…あぁ」
天使「それはよかった」ニコ
男「で、お前は今度は俺を殺しに来たのか…」
天使「私が手を下さなくても勝手に処理されますよ。私は別です」
男「ははっ…とんだ最後だなこりゃ」
天使「案外、落ち着いているんですね」
男「煙草吸っていいか?」
天使「どうぞ?」
男「……」フゥー
8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 14:25:27.01 ID:Jd8RYwCb0
男「別に俺はいつでも死んでもいいって思ってたからな。死にたいとさえ思ってた」
天使「なんだか悲観的な人ですねぇ」
男「これだけ人生棒に振ってるんだ。死にたくもなるさ」
天使「無職でもニートでも人生に絶望していない人はたくさんいると思いますけど」
男「俺は別に人生に絶望してるわけじゃない。自分自身の不甲斐なさに落胆し続けてるだけだ」
天使「じゃあそれを治す努力をすればいいじゃないですか」
男「それができたらこんなことになってないよ」
天使「そんなもんですかねぇ」
男「お前の仕事は終わったんだろ?さっさと帰ってくれ。俺は最後の時を満喫する」
天使「私の仕事は、あなたに死刑宣告を告げに来ることじゃないんですよ」
男「ほぉじゃなんだ。死に行く哀れな男に慈悲でも与えてくださるのか天使様は」
天使「その通りです」
男「へぇその貧相な体でご奉仕でもしてくださるのかね」
天使「ドウテイの男さんにそんな度胸があるんですか?」
男「……うるせぇな」
9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 14:26:19.78 ID:Jd8RYwCb0
天使「私はあなたに最後のサービスを差し上げるためにここに来たんです」
男「サービス?」
天使「はい!男さんの願い事ひとつだけなんでも叶えてあげます!」
男「…それはまた夢のような話だ」
天使「まぁ夢なんですけどね」
男「なんだよ夢かよ」
天使「いや、男さんの見たい夢をなんでも見させてあげるってことです」
男「それが願いを叶えるってことか?」
天使「はい!私は男さんの願望を聞いて、その通り夢を見させてあげます!」
男「最後の晩の白昼夢ってことかい」
天使「夢なので願い事はなんだっていいんですよ!大富豪とか世界征服とか!」
男「ガキじゃあるまいし」
天使「男さんだって、そういうの妄想したことあるでしょう?」
男「……」
10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 14:27:09.41 ID:Jd8RYwCb0
男「そもそも、なんで俺にそんなことする必要があるんだ?」
天使「というと?」
男「俺以外だって死ぬ運命の奴は腐るほどいるだろう。なんで俺がサービスを受けられるかって聞いてるんだ」
天使「ふふふ、よくぞ聞いてくれました。実はですね」
男「あぁ」
天使「だかだかかだか…」
男「またそれか…」
天使「男さんは77777777(略)番目の死者(仮)なのです!)ババーン
男「……」
11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 14:27:55.01 ID:Jd8RYwCb0
天使「ありゃ、これまた反応が薄い」
男「要するにあれか。俺はただ単に運が良かっただけってことか」
天使「人生一生分の運ですね!もう死ぬのも納得です!」
天使「さぁさぁ何でも叶えてあげますよ?いってごらんなさい!」
男「俺には叶えてほしい夢なんてねぇよ」
天使「嘘だぁなんかしらはあるでしょう」
男「俺は金にあんま興味ないし、女も無理にしてほしいとは思わない」
天使「淡白なんですね。いや、寂しい人なのかな?」
男「……とにかく、夢は自分じゃどうしようもできないから夢っていうんだよ。俺はそういう現実味のないことには興味ない」
天使「えー!?それじゃ私の仕事終わらないじゃないですか!!」
男「ほっとけば明日には死んでるんだろ?それでいいじゃん」
天使「私はこの仕事にプライド持ってるんです!何としてでも夢見せますからね!」
男「だから俺には欲しいものも、なりたいものもないんだっつうの」
12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 14:29:06.41 ID:Jd8RYwCb0
天使「むむむ…なんでもいいんですよぅ…好きな人と結婚したいとか…キスしたいとか…」
男「好きな人…ね」
天使「あ!それがいいです!男さんでも好きな人の一人や二人いるでしょう?」
男「そりゃいないこともないが…」
天使「好きな人との一晩のラブロマンス…いいじゃないですか!」
男「もう…死んでるから」
天使「え…」
男「俺が中学の時…知らない間にポックリ…ってね」
天使「知らない間って…」
男「本当に知らないんだよ。死因は事故だったらしいってことだけ。金曜日に見かけて、月曜日にはもういなくなってた」
男「あっけなさ過ぎて、いまじゃ記憶すら曖昧だけどな」
天使「会いたいと…思わないんですか?」
男「そりゃ…そうだけど…」
天使「会わせてあげられますよ?」
男「おいおい死んだ人間と会えるってのか?」
天使「夢の中に不可能はありません」
男「……今更会ったってなに言えばいいんだよ」
天使「いいじゃないですか。好きな人と会いたい。それだけで十分すぎる理由です」
男「臭いセリフをよくもまぁ堂々と言えたもんだ」
天使「乙女ですから、私」
13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 14:29:52.18 ID:Jd8RYwCb0
男「ふー…しょうがねぇ…じゃあ乙女の天使さんとやら。さくっと過去に飛ばしてくんない?」
天使「かしこまりました♪」
14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 14:30:39.31 ID:Jd8RYwCb0
ミーンミーン ミーンミーン
男「ん……」
男「あ…あ…」
男「暑い!!」ガバッ
男「……ここは、俺の部屋じゃない…な」
男「って俺なんで地面で寝てるんだ?それにこの気温…夏?」
男「今は冬だったはずだぞ…どうなってやがる」
15: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 14:31:31.91 ID:Jd8RYwCb0
男「とりあえず…喉がカラカラだ。何か飲むもの…っ財布がないな」
男「はぁどうすっかな。とりあえずここがどこだか調べないと」
テクテク
男「ん?四葉公園…?俺は公園にいたのか…って四葉公園!?」
男「俺がよく子供のころに遊んでた公園じゃねぇか…あそこは取り壊されたって」
男「……過去に飛ばされたってか」
男「はぁ…嫌だねぇ俺はいつからこんなメルヘンなセリフ言うようになっちまったんだ」
男「とりあえず、あいつを探さねぇと」
テクテク
男「それにしても…熱い…久しぶりに外出たのに…こんな日差し…」
男「昔からこんな暑かったのか?大丈夫かよ温暖化…」
テクテク
男「もう駄目…限界だ…たしかここらへんに駄菓子屋があったはず…」
男「あ…あった…俺のオアシス…やっとたどり着い…た…」
天使「アイス―♪アイス―♪」ペリペリ
男「……」
16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 14:32:24.94 ID:Jd8RYwCb0
天使「何も本当にゲンコツしなくたっていいじゃないですか!?」
男「うるせぇ俺の金で勝手にオアシスを堪能しているお前が悪い」
天使「俺の金って…たったの60円じゃないですか!?」
男「駄菓子屋の60円はたったじゃない。よく覚えとけ」
天使「うぅ…私のホームランバー…」
男「お、当たった」
天使「やった!さ、早く交換しましょう」
男「おばちゃん。もう一本バニラね」
天使「はぁ!?チョコチップが最強に決まってるじゃないですか!?」
男「うるせぇあれ歯に詰まるから嫌なんだよ」
天使「分かってないですねぇ。本当にあなたはダメ人間です」
男「アイス一本でそんな価値が決まると思うな」
天使「なにを!」
男「やんのか!?」
?「おばちゃーんメロンアイスちょうだい」
男・天使「あぁ!?」
?「ひぃ!!」
17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 14:33:19.11 ID:Jd8RYwCb0
男「おやおや聞きましたか天使さん 」
天使「えぇ聞き捨てなりませんね」
?「なっ…なんだよ…」
男「おい坊主。その糞まずいアイスは買わないほうがいいぞ舌が腐る」
天使「あれってそのまんま薬みたいな味しますよね」
?「うっ…そんなことない!いいじゃないか好きなんだから!それにうまいよ!」
天使「あれってメロンの名前なのに全然メロンっぽくないですよね」
男「それを言えばかき氷だってメロンの味しないだろ」
天使「あれはいいんです。美味しいから」
男「はっかき氷はイチゴに決まってんだろ。こいつもメロンのせいで舌おかしくなってら」
天使「お?お?」
男「やるか?えっ?」
?「かき氷はブルーハワイでしょ」
男・天使「ああぁん!?」
?「ひぃ!!」
18: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 14:33:59.98 ID:Jd8RYwCb0
男「お前いい加減に…ってこいつ…」
天使「どうしました男さん。アホ面して」
男「一言余計だ。こいつ…もしかして俺か?」
?「えっ…おっさん何言ってんの…気味悪いよ」
天使「そういえば…どことなくこのアホ面…男さんに似ているかも」
男・?「アホ面っていうな!!」
天使「おぉ息ピッタリ!」
?「僕、忙しいからもう行くから…」
男「どうせ帰ってもゲームしかしないだろ」
?「うるさいな!ふん…」タッタッタッ
天使「行っちゃいましたね…」
男「俺、昔あんなガキだったんだな…」
天使「今とあんまり変わってないような気がしますけどね」
男「うるせぇ。俺のほうがダンディズム溢れてるだろうが」
天使「ダンディ(笑)」
男「黙ってアイスでも食べてろ」ポイッ
天使「あ…チョコチップ…えへへ」
19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 14:35:09.60 ID:Jd8RYwCb0
男「それにしてもあれが俺だとはなぁ…」
天使「いかにもヘタレな中学生って感じでしたね」
男「まさかメロンアイスを好んでいたとは…」
天使「そこですか」
男「中学生か…そういえば俺の中学時代はそんなに輝かしいものじゃなかったな」
天使「へぇどんな学生さんだったんですか?」
男「まず、友達がいなかった」
天使「oh…」
男「そして、厨二だった」
天使「?中学二年生だから当然なんじゃないですか?」
男「まぁとにかく…格好を付けたくてクールを気取ってた」
天使「それで友達もできなかった…と」
男「……」
20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 14:35:55.32 ID:Jd8RYwCb0
天使「それで、彼女にはいつ会いに行くんです?」
男「その前に1つ聞きたいことがある」
天使「なんです?3サイズなら乙女のひみつですよ」
男「お前、ここは夢の中なんだよな」
天使「あっ無視された…まぁそうですねぇ」
男「ということは、俺がなにか望んだらその通りになるのか?」
天使「というと?」
男「いや、金を増やせ、とか、俺をモテさせろ、とか」
天使「欲がないって言い張ってたのは何処のだれかさんでしょうね」
男「うるさい。で、どうなんだ?」
天使「結論から言うなら無理です」
男「おい、だって夢の中なんだから…」
天使「この夢を構築する際に、ちゃんと男さんの要望に応えてあげたんですよ?」
男「要望って…」
天使「男さんは『現実味のないことには興味がない』んでしたよね?」
男「…ったく俺は夢ん中でも損ばっかりしてんなぁ…」
天使「なのでこの過去の世界も、現実と98%同じに作ってあります」
男「残りの2%は」
天使「ゆーあんどみー?」
男「全く…ここでも社会から認められてないとはな」
21: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 14:37:32.12 ID:Jd8RYwCb0
天使「なので、この世界では過去に現実で起こったことがそのまま起こるようになってます」
男「それじゃこのままいくと、彼女も…?」
天使「それを確かめるのも、あなたの願望の1つなんでしょう?」
男「助けることは…できないのか?」
天使「それは男さんの実力次第じゃないんですか?」
男「死ぬとわかったやつを助けてもいいのか?えっとタイムパラドックスとか…」
天使「ここは夢の中ですよ男さん。タイムパラドックスもなにもありません」
天使「確かに願望通りに事は運ばないと思いますが、これはあなたのための夢なんです」
男「夢…ねぇ。ここはくだらない妄想の中だったな、そういえば」
天使「はい。でも、ここは現実とさほど変わりありません。何をするも、何を変えるかも男さん次第ですよ」
22: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 14:38:16.08 ID:Jd8RYwCb0
男「この夢はいつ覚めるんだ」
天使「そうですねぇ…男さんが彼女に会って、言いたいことが言えたら終わりなんじゃないですか?」
男「作った本人なのにあやふやなんだな」
天使「言ったはずです。これは男さんの夢なんですよ?始まりも終わりも、男さんが決めるんです。願望が叶えばそこで終了です」
男「なるほどねぇ…」
天使「…あっアイス外れちゃいました…」
男「そう簡単に当たるかよ」
天使「男さんは当てたからそういうことが言えるんですよ…」
男「そうだな…俺にもなけなしの運があったんだな」
天使「男さんはそういうのに振り回されそうですね」
男「はっはっは、違ぇねぇ」
男「さ、行くか」
天使「行くってどこに?」
男「…彼女に会いに」
23: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 14:39:56.71 ID:Jd8RYwCb0
天使「男さーん!牛乳とあんぱん買ってきました!」
男「…それ必要あるのか?」
天使「必要ですよ!!張り込みにはこれって相場が決まってます」モグモグ
男「お前ドラマの見すぎ」
天使「でも、学校の前で張り込んで立って会えるわけじゃないですよ?」
男「仕方ないだろ。彼女の家なんてわからないんだから」
天使「そもそも男さんの好きだった人ってどんな人だったんですか?」
男「……知らない」
天使「へっ?」
男「話したことないんだ。ずっと遠目から見てるだけだった」
天使「はぁ…じゃなんで好きになったんですか?外見?」
男「まぁ…それもあるが…」
天使「性格がいいとか?クラスの人気者だったとか?」
男「いや…なんかミステリアスで…よくわからないやつだった」
天使「はぁ」
男「中学生の時なんてそんなもんだろ?俺もガキだったんだ」
天使「それを今まで引きずってきた男さんも律儀ですねぇ。いやただの未練?」
男「ほっとけ…」
24: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 14:40:46.12 ID:Jd8RYwCb0
数時間後
天使「来ませんねぇ」
男「というか、人が全然いないぞ。どういうことだ」
天使「ま、今日祝日ですし、当然ですよね」
男「……」
天使「ど…どうしました男さん、そんな怖い顔して」
男「そ・れ・を・は・や・く・い・え」グリグリ
天使「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛頭グリグリしないでください゛い゛い゛い゛」
男「はぁ…というか今はいったい、いつなんだ?」
天使「えーっと…具体的には把握しかねますが、きっと彼女と男さんの関わりの深い日の付近だと思いますが…?」
男「彼女と俺の関わりが深い…?」
天使「えぇ。男さんの記憶の濃い部分を抽出しましたから、きっとそうだと思います」
男「おいおい…俺が一番印象的だった彼女の記憶って…」
男「…死んだときじゃねぇか」
25: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 14:41:48.36 ID:Jd8RYwCb0
ダッダッダッダッ
天使「ちょっ…ちょっと!男さん!突然走り出してどこ行くんですか!?」
男「うるせぇポンコツ天使!!死んじまったら会うこともできないだろうが!!」
天使「そりゃそうですけど…!!当てはあるんですか!?」
男「ない!!!だからってここで指咥えて待つってのか!?」
天使「そんなこと言ったって…!!」
男「ふざけんなよ…せっかくの夢だってのに…」
天使「はぁはぁ…このまま走り続けたって見つかりっこないですよぉ…」
男「うるせぇ…うるせぇ…」
男「これは俺の夢なんだろう?…だったら柄にもなく格好付けたっていいだろ…」ハァハァ
天使「男さん…」
26: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 14:42:31.21 ID:Jd8RYwCb0
男「あぁ…タバコやめときゃよかった。もう駄目死にそう。休むわ」
天使「一瞬カッコいいと思ったのに!!馬鹿!!」
男「いちいちうるさいな…おっさんは…見極めが重要なんだよ」
天使「だからってあきらめるんですか!?」
男「だから…見つけた…だろ」
天使「え…?」
男「ほら、あそこの道沿い」
天使「あ…女の子と…なんだか様子がおかしいですよ?」
男「あぁ?」
天使「なんだか…男の人と口論になってるみたいです」
男「あぁまた走らなきゃいけないのかよ…膝が笑ってるぞ」ガクガク
天使「もしかしたら…ここで彼女、事故にあったんじゃ…」
男「だったら…なおさら…走らなきゃな…」
天使「男さん喧嘩とか強いんですか?」
男「生まれてから一度も経験がない」
天使「大丈夫ですか…?」
男「へっ…いくぞ!!」
天使「……はい!!」
27: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 14:43:37.20 ID:Jd8RYwCb0
不良「おい!おめぇいい加減にしろよ!?」
?「うるさいわね!!あんたなんかと一緒にいるくらいなら死んだほうがましよ!!」
不良「あぁん!?言ってくれるじゃねぇかこの女…ちょっと顔いいからって調子のんなよ?」
?「力だけで頭カラッポのあんたに言われたくないわね」
不良「ふざけんなよ!!」ドンッ
?「きゃっ…!!」
天使「あっ!男さん!彼女が車道に!!」
男「くそがあああああああああああ!!!!!!!!!!!」
男「だああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」グイッ
?「きゃああああああ!!!」
ブオオオオン!!!!!!!!!キオツケロバーロー!!!!!
28: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 14:44:14.19 ID:Jd8RYwCb0
男「はぁ…はぁ…なんとか…間に合った…」
?「あんた…誰…?」
男「どうも…やっと会えたな…」
天使「男さん!!逃げてください!!」
不良「なんだてめぇ!!おい!!
男「おっさんにまだ走らせんのかよ…」
天使「ずべこべいってないでさっさと走る!さぁあなたも!」
?「えっ…えぇ…」
29: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 14:45:06.20 ID:Jd8RYwCb0
?「ちょっ…ちょっと痛い!!もう離して!!」
男「はぁ…はぁ…もう大丈夫だろう…」ゼェゼェ
?「なんなのよあんた!!いったいなにが目的なの!?」
男「はぁ…はぁ…悪い…もう少し待って…」ゼヒューゼヒュー
?「なんなのよこのおっさん…」
?「なんで私なんか助けたのよ!頼んでもいないのに…」
男「っうるせぇ!!!…俺は!!!!!!!俺はな!!!!!!!」
?「な…なによ」
男「お前が!!!!!!!好きなんだよ!!!!!!!!!」
天使「男さん…やっと追いつ…い…た」
?「…はっはぁ?な何言ってんのおっさん…気持ち悪いわよ…じゃあね…」
タッタッタッ
男「はぁ…はぁ…はぁ…」
天使「お…男さん…大丈夫ですか?」
30: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 14:45:56.00 ID:Jd8RYwCb0
男「……あれだな」
天使「…えっ?」
男「大体わかってたけど…好きな人に好きじゃないって言われるのは…きついな…」
天使「…そう…ですね」クスッ
男「なんで笑ってんだよ…」
天使「だって…男さん嬉しそうだから」
男「女に振られて嬉しそうな男がどこにいるんだよ…」
天使「そうですよね…ふふっ」
男「…へっ」
31: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 14:47:18.41 ID:Jd8RYwCb0
【日曜日】
天使「落ち着きましたか?」
男「あぁ当分タバコはやめたほうがいいなこりゃ」スパー
天使「そういいつつ吸ってるじゃないですか…」
男「ありゃま。やっちまったな」
天使「煙草っておいしいんですか?」
男「知らない」
天使「知らないのに吸ってるんですか?」
男「タバコなんて意味もなく吸うのが正解なんだよ」
天使「意味のないことのせいで死期早めるってのもおかしなもんですね」
男「俺は…いち早く他意によって死にたいんだよ」
天使「他意?」
男「肺がんでも、心臓病でもいい。自殺以外の方法であっけなく死にたかったの」
天使「それがタバコなら自業自得で自殺と変わらないと思いますけどね」
男「なんでもいいんだよ。俺は不可抗力な死を望んでただけ」
天使「よかったですね。叶ってますよ、それ」
男「はっはっは。嬉しい限りだね」
天使「それにしても…見事にフラれちゃいましたね」
男「いや…頭の中真っ白になっててよく覚えてない」
天使「夢の中でも現実逃避って…」
32: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 14:48:08.01 ID:Jd8RYwCb0
男「おかしいな…もっとクールに登場するはずだったんだが」
天使「やっぱり男さん子供の頃と変わってない気がします」
男「うるせぇな」
男「もうこの夢も終わるのかね…」
天使「え?」
男「だってそうだろ?俺の願いは彼女に会うことだったんだ。もう叶ったんだから終わってもいいだろう」
天使「そういえば…そうですね…」
男「さぁ早く俺をここから覚ましてくれ」
天使「えっと…それは…」
男「俺はもうこれで終わっても文句は言わない。早くこの妄想を終わらせてくれ」
天使「えぇっと…申し上げにくいんですが…」
男「?」
天使「私…これの終わらせ方…知らないんですよねぇ…なーんて…」
男「…おい冗談はよせ」
天使「だって!いままでの人は勝手に夢かなえて勝手に終わってくれたんですもの!!」
男「だって…俺の願いは…終わったはずだぞ」
天使「ですよねぇ…」
男「……」
天使「……うまい棒でも食べに行きます?」
天使「あっあっ…もうグリグリはやめて…やあああああああああ…」
33: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 14:49:03.41 ID:Jd8RYwCb0
天使「はいうまい棒」
男「どうしろってんだよ…」
天使「まぁそう悲観的にならなくても。寿命が延びたってことでいいじゃないですか」
男「よくねぇよ!ここは夢の中なんだろ!?いくら現実と違わなくてもここは夢の中だ!」
天使「そんなこと言ったって…」
男「…そうだ。俺がこの世界で死んだら…夢は覚めるんじゃないのか?」
天使「そうかもしれませんが…どうやって死ぬんですか?男さん他意によってなんちゃらかんちゃら…」
男「…こうなったら天使、お前が俺を殺せ」
天使「なななななな何言ってるんですか!?私天使ですよ!!エンジェル!」
男「うるせぇ!お前のせいでこうなってるんだぞ!それに得意だろ人を送り出すのは!!」
天使「私は自分の手で下したことはありません!ネロのときだって…」
男「えっあれお前だったの」
天使「ふふん♪見直しました?」
34: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 14:49:48.21 ID:Jd8RYwCb0
男「そんなことはどうでもいい…くそ…くそ…どうしろってんだよ…」
天使「こうなったら、男さんの願望を叶えるしかないみたいですね」
男「だから俺の願いは終わっただろうが…」
天使「本当ですか?彼女と付き合ってみたいとか密かに思ってませんでした?」
男「……ちょこっと」
天使「あーあ」
男「だって!その…改まって言うもんでもないだろ」
天使「で、どうするんですか」
男「どうするって…彼女と俺が付き合えれば終わるんだろうな」
天使「男さん、盛大にフラれましたよね」
男「うっ」
天使「しかも、気持ち悪いって言われてましたね」
男「うっうっ」
天使「それ以前におっさんと中学生って完全に犯罪ですよね」
男「もうやめてくれ…」
35: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 14:51:08.41 ID:Jd8RYwCb0
男「さすがに犯罪者にはなりたくないな…」
天使「男さんがそう思うなら、きっと無理でしょうね」
男「冷たい言い方だな」
天使「そのままの意味ですよ。ここは男さんの夢の中です。」
天使「現実的にしたからと言っても、男さんの願望は少なからずこの世界に影響を及ぼしているのかもしれません」
天使「現に、彼女と遭遇できたのもその影響だと思います」
男「確かに、偶然にしてはタイミングが良すぎだったな…」
天使「この世界では、本質的な願望であったり、嫌悪は少なからず影響を受けると思います」
男「じゃあ俺が犯罪者になりたくないと思っている限り…」
天使「この世界からは出られない」
男「ふざけろ…じゃあ俺が心の底から犯罪者になりたいと思えばいいのかよ」
天使「心の底から口リコンになる覚悟が必要ですね」
男「キメ顔すんな」
天使「まぁドウテイ小心者の男さんにそんなこと出来っこないでしょうけどね」
男「うるせぇな!!間違っちゃいないのがむかつく…」
36: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 14:53:51.22 ID:Jd8RYwCb0
天使「さて…どうしましょうね…」
男「このまま老衰まで待つなんて御免だからな」
天使「当たり前です!私だって帰れないんですからね!」
男「っ…そうだったな。すまん」
天使「いや、いいんですよ。男さんは今まで見てきた人たちとは違うみたいですから」
男「…今までもこうやって誰かに夢を見せてきたのか?」
天使「えぇ。前言った大富豪とか世界征服とか、いるんですよ実際に」
男「ふぅん」
天使「心の底から欲望に染まってしまいたいと本当に思っている人は沢山います」
天使「私はそういう汚い部分を見てきましたし、それを叶えるのがこの仕事だと思ってました」
天使「でも、あなたは本当に心の底から、欲望に溺れたくないと思っている。すごいことだと思います」
男「…俺はうんざりしてるんだ」
天使「なににです?」
男「自分の欲望ってやつにさ。俺はこいつをとことん信頼してない。性欲にしても、食欲にしてもそうだ」
天使「それも生きていくには大切なものじゃないですか」
男「そんなことはわかってる。腹が一杯になってるのは幸せだし、性欲を満たすのは気持ちいい」
男「だけど、その理不尽なものに訳も分からず支配されてるっていうのが気に食わないんだよ」
天使「欲を満たそうとするのは人間としてあるべき姿とも思えますがね」
男「その生き方を否定してるつもりはない。だが俺はその終わりのない循環にうんざりしてるんだ」
男「終わりがない、そのために生きようとする。だけどその根底にあるものがどうもわからない。それが気に食わないんだよ」
天使「男さんは…変ですね」
男「…自分でもそう思う。たぶん俺が無職でニートだからこんなこと言えるんだろうな。守るもんがなんもねぇ奴が言える特権ってこった」
天使「でも…」
男「さぁ無駄話はおしまいだ。さっさとここから出る方法を探そうぜ」
天使「…はい」
37: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 14:54:32.22 ID:Jd8RYwCb0
男「さて…どうすっかな」
天使「もう一度学校に行ってみます?」
男「彼女のこと知ってるやつがいるかもしれないな」
天使「まぁ学校内には入れないと思いますがね」
男「部活やってる連中にでも聞けばいいだろ」
天使「男さん部活は何をやってたんですか?」
男「おいおい。友達がいないのに部活なんてやってるわけないだろ」
天使「だから友達ができなかったんじゃ…」
男「そりゃ盲点だったわ」
天使「…なんというか楽観的なのか悲観的なのかわからない人ですね」
男「現実的なだけよ」
天使「考えてることは子供ですけどね」
男「お前はいつも一言多いんだよな…」
38: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 14:55:38.81 ID:Jd8RYwCb0
―学校前―
男「それにしても…あれだな」
天使「なんです?」
男「こうやって学校を外から眺めてると、ショーウィンドウの中の宝石を見てる気分になるな」
天使「青春はお金じゃ買えませんよ」
男「眺めている限り、手に入らないって意味だ」テクテク
天使「ちょっと…男さん!勝手に入っていいんですか!?」
男「ま、なんとかなるだろ。仮にも母校だ」
天使「そんなこと言ったって…」
男「ちょっと気になる場所がある。お前はここで待っててもいいぞ」
天使「…私も行きます!」
男「エスコートは期待すんなよ」
天使「ドウテイにそんなこと気遣われたくありません」
男「可愛くねぇ奴」
天使「あら、女の魅力が理解できないんですね」
男「学校の中で女の魅力語る奴がいい女だとは思わん」
天使「それで?どこに行くんです?」
男「図書室」
天使「本当に勝手に入っていいんですかねぇ…」
男「たしか…ここの窓が開いていたはず…よし空いたな」
天使「はぁ…もう完全に不審者です…」
39: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 14:56:38.21 ID:Jd8RYwCb0
―図書室―
天使「ずいぶん大きな場所ですねぇ…」
男「たしかこの学校は図書館が大きくて有名だったはずだな」
天使「男さん、よく本読むんですか?」
男「いや…読まない」
天使「じゃあなんで来たんです?」
男「俺が中学生の時よく来てたから」
天使「本を読む習慣がないのに、ですか?」
男「……彼女が本好きだったんだよ」
天使「ははーん…本じゃなくて彼女を眺めに通ってたと」
男「うるせぇな…違うクラスだったから、ここぐらいしか会う場所がなかったんだよ…」
天使「なんていうか純粋…いやヘタレだったんですね」
男「ほっとけ」
天使「で?図書室に何しに来たんですか?」
男「彼女のよく読んでいた本があるんだ」
天使「どんな本です?」
男「えっと…なんだったけな…王子様がなんちゃら…」
天使「王子様?あの子意外とメルヘンなんですね」
男「お前にだけは言われたくないだろうな」
男「えっと…確かこの辺に…あった」
天使「へぇー星の御オジサマですか」
男「王子様な」
天使「大切なものは…目に見えない…か」
男「ん?なんだ知ってるのか?」
天使「まぁ読んだことはあります」
男「それはよかった。どんな話なんだ?」
天使「思い出したら話してあげますよ」
40: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 14:57:37.41 ID:Jd8RYwCb0
男「えっと…この裏か。えー…」
天使「なに調べてるんです?」
男「貸出カード。彼女の名前が載ってるかと思って」
天使「男さん、もしかしてあの子の名前忘れちゃってたんですか!?」
男「仕方なく…はないか。俺だって忘れたくはなかったさ。でも時間なんてそんなもんだろ?」
男「最初は声を忘れて、名前を忘れて、顔を忘れていく。青春の傷を癒してくれるいい機能じゃないか」
天使「でも…それって悲しいじゃないですか…」
男「あぁ俺は自分のそういう理不尽さに納得がいっていないんだ」
天使「……」
男「…井坂沙織」
天使「見つかりました?」
男「あぁ…なんでこんなこと忘れちまったんだろうな」
天使「そういうものなのでしょう?」
男「わかってるけど、いいじゃないか。俺だって寂しかったんだ」
天使「彼女に、会いたいと思います?」
男「…まぁな」
天使「どうやら、この世界はあなたに味方しているみたいですよ?」
男「ん?どういうことだ?」
41: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 14:58:43.20 ID:Jd8RYwCb0
ガラガラ
男「しまった…誰か人が来たみたいだ」
男「おい天使どうする…ってあいつどこいった?」
?「誰?」
男「…見つかったか」
男「って…お前は…」
沙織「あ…さっきのおっさん…」
男「はぁ…この世界も都合よく出来てきたもんだ」
沙織「どういう意味?」
男「こっちの話だ気にすんな」
沙織「やっぱり変なおっさん」
男「……俺のこと怖がらないのか」
沙織「あぁさっきのこと?それとも学校に不法侵入していること?」
男「どっちかというと前者だな」
沙織「……まぁ冷静になってみれば、あの時、私のこと助けてくれたじゃない?」
男「ま、ちょっと強引すぎたけどな」
沙織「感謝はしないわ。だけどその代わり、その後の行為については聞かなかったことにしてあげる」
男「…それは嬉しい限りだな」
沙織「あなたヘン夕イ?」
男「っ…違う…と思う」
沙織「じゃなんで休みの日にわざわざ学校の図書館に来ているの?」
男「あー…俺はこの学校の卒業生なんだ」
沙織「ふーん」
男「んで、懐かしくなって立ち寄ったわけ」
沙織「不法侵入してでも昔を懐かしみたいのね。大人って意味がわからないわ」
男「……おっさんにも色々あんだよ」
42: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 14:59:36.60 ID:Jd8RYwCb0
沙織「その手に持ってるの…」
男「ん?あぁちょっとな」
沙織「その本…好きなの?」
男「……俺の好きだった人が好きだった本だ」
沙織「過去形の過去形…よっぽど過去に執着してるのね」
男「ははは…そうかもしんないな」
沙織「変なおっさん」
男「お前はこの本が好きなのか?」
沙織「お前って呼ぶの止めて」
男「悪い…なんて呼べばいい」
沙織「沙織。呼び捨てでいいわ」
男「沙織はずいぶん大人っぽいんだな」
沙織「大人っぽいって子供ってことでしょう?」
男「…そりゃそうだ」
沙織「……その本。私好きよ」
男「どんなところが?」
沙織「最後に王子様が死んじゃうところ」
男「バットエンドじゃないか」
沙織「王子様は大切なものが待っているところへ帰るために、最後に蛇に噛まれて倒れるのよ。なんだか素敵じゃない?」
男「……死んでしまったらどうしようもないだろ?」
沙織「……そうね」
43: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:00:24.61 ID:Jd8RYwCb0
男「じゃあなんで沙織はこの本を読むんだ?」
沙織「腑に落ちないことが書いてあるのよ」
男「腑に落ちないこと?」
沙織「途中でキツネがいうセリフ。思い出があれば離れていても寂しくない、ってところ。おかしいでしょ」
男「思い出があれば…か」
沙織「私はいくら思い出があったって、会えなくなるのは嫌だわ。それで納得できるならその人との関係なんてその程度だったのよ」
男「そんなもんかな…」
沙織「私は、大切な人が死んでしまったら一緒に死ぬくらいのことはするわ」
男「……」
沙織「ってなんでこんな話しているのかしらね。そろそろ出て行ったら?もうじき先生がくるわよ」
男「沙織は…死にたいと思うか?」
沙織「…えぇ機会があったらいつだって死にたいわね」
男「それは…会いたい人に会えないから…か?」
沙織「……さぁ出て行って。警察を呼ぶわよ」
男「……悪かった。じゃあまたな」
男「……」
44: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:01:35.81 ID:Jd8RYwCb0
―四葉公園内―
天使「あ、男さん!探しましたよぉ」
男「なんだ…お前か」
天使「なんだとは失礼ですね!せっかく気を使って2人きりにさせてあげたのに」
男「…なんだかなぁ」
天使「…元気ないですね。またフラれちゃいましたか?」
男「いや…なんだか俺の思っていた彼女とちょっと違って…な」
天使「そりゃ一度だって言葉を交わしてなかったんです。思い違いはしょうがないですよ」
男「そうじゃない。彼女は…俺とよく似ているんだ」
天使「男さんに…?」
男「俺はいつも彼女を見ていた。俺にはもってないものを彼女は持っている気がしてな。それが羨ましかったんだ」
天使「…それ恋じゃなくてただの憧れですよね」
男「そう…なのかもしれないな。でも彼女に惹かれていたのは確かだった」
男「その彼女が俺と同じことを思っていたことが…な」
天使「同族嫌悪…って感じでもないですね」
男「彼女と俺の違いは、彼女には覚悟があって、俺にはないってことだ」」
男「俺は彼女が羨ましいよ。でもその反面、間違っているとも思う」
男「ずっと俺が言いたかったことを彼女はすんなりと言った。でもまだ彼女中学生だぜ?」
天使「……」
45: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:03:44.62 ID:Jd8RYwCb0
男「彼女…沙織は死にたいと言っていた」
男「でもそれは俺みたいな軽いもんじゃなくて、もっと強くてはっきりした覚悟だった」
天使「私は…死を望むことに良いも悪いもないと思いますけど」
男「……そうだな。俺も彼女も、何かから必死になって逃げている。ま、俺は必死じゃなかったけどな」
男「なぁ天使。俺は彼女を助けてもよかったんだろうか…!」
男「あのまま見逃していたほうが、彼女にとってしあわせなことだったんじゃないか…?」
天使「…あなたに死を告げた私が言うことじゃないとは思いますけれど…」
天使「彼女はまだ中学生です。人生に悲観するのは、あなたのような年齢になってからでしょうね」
天使「なんにせよ、まだ10何年しか生きていない人は自ら死んではいけないと思います」
天使「だから、泣かないでください。男さんは……間違ったことをしていませんよ」
男「あぁ……」
46: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:05:00.34 ID:Jd8RYwCb0
天使「落ち着きましたか?はいうまい棒」
男「……おいこれはなんだ」
天使「なにって…うまい棒ですけど」
男「なんでたこ焼き味なんて買ってくるんだ!!俺の10円返せ!」
天使「何言ってるんですか!美味しいじゃないですかたこ焼き味!」
男「俺はチーズを買ってこいと言ったはずだぞ」
天使「チーズよりたこ焼きのほうがおいしいですって」
男「お前いつか覚えてろよ…」
天使「それで?これからどうするんですか。またふりだしですけど」
男「そうだなぁ…どうすればいいと思う?」
天使「んーそうですねぇ…男さんがしたいと思ったことすればいいんじゃないですか?」
男「俺がしたいこと?」
天使「そもそもこれ、男さんの夢ですし。やりたいことをやればいいんですよ」サクサク
男「俺がしたいこと…か」
天使「犯罪には手を染めないでくださいね。後々めんどくさそうですから」
47: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:05:30.01 ID:Jd8RYwCb0
男「…俺ってさ。彼女に会いたいとか思ってたけど、そんなに彼女と特別な思い出があったわけじゃないんだよな」
天使「名前を忘れていたくらいですからね」
男「…もう一回くらいやり直してもいいかな」
天使「やっちゃいます?」
男「付き合ってくれるか?」
天使「あらプロポーズですか?」
男「そういう意味じゃねぇよ。前後の会話の意味もちょっと変わってくるだろうが」
天使「やっちゃいます?」
男「2回言うな」
天使「つまり、彼女との思い出を作りたいと」
男「簡単に言えばそうなるな」
天使「本当に男さんは純情っていうかヘタレっていうか…欲がないですねぇ…」
男「うるせぇな」
天使「分かりました。お手伝いしましょう」
男「しばらくはお前が俺の相棒だな」
天使「がってん」
男「それじゃ相棒。今すぐうまい棒のチーズを買ってこい」
天使「それただのパシリじゃないですか!?」
48: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:06:12.31 ID:Jd8RYwCb0
天使「それで具体的にはどうするんですか?」サクサク
男「まずは、ターゲットに接近しなければならんな」サクサク
天使「だからどうやって?」
男「狩りをする場合、決まって囮となる餌が必要なんだよ」
天使「ほほぅ」
男「俺を生贄にする」
天使「生贄!?餌じゃなかったんですか!?」
男「俺自身が餌になれるほど彼女は甘くない」
天使「でも、また彼女に会いに行ったら今度こそ通報されますよ?」
男「会いに行くのは俺じゃない。『この世界の俺』だ」
天使「あのヘタレ少年ですか?」
男「ヘタレっていうな。本人の前だぞ」
天使「あの少年が協力してくれるとは思えませんがね…」
男「大丈夫だ。俺に秘策がある」
天使「秘策って?」
男「お前あの映画知ってるか?」
天使「あの映画って?」
男「あれだよ。タイムスリップして、あの、いろいろやるやつ」
天使「あぁギター弾きまくるあれですね」
男「それ方式で行くぞ」
天使「要は脅迫するってことですよね…」
男「違う。協力だ」
49: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:07:06.21 ID:Jd8RYwCb0
―男宅―
天使「それにしても大きな家ですね…」
男「親父が仕事人間なんだよ」ピンポーン
天使「……出ませんね」
男「すいませーんアマゾンでーす」ピンポンピンポンピンポン
天使「ちょ、そんなわかりやすい嘘…」
ガチャ
少男「はいはい。待ってました…と」
男「残念だが、妹はまだ来ないぞ」
少男「あんた…!!駄菓子屋で会った…ってなんで知ってるんだよ!!」
天使「妹?」
男「俺には妹がいたんだ。初々しいやつだったな」
小男「わー!!わー!!わー!!!なんてこと言うんだ!!僕は知らないぞ!!」
男「うるさい!中学の時にそんなものに手を出してしまうから彼女ができないんだ!!」
天使「そんなもの…?」
小男「とりあえず…外でこの話は駄目だ…中に入って!!今すぐ!!」
50: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:08:09.62 ID:Jd8RYwCb0
男「はいはい。ただいまーってか」
天使「お邪魔します…」
小男「っておい!なんで勝手に二階に行くんだよ!!」
男「証拠回収だ。確か押入れのこの辺に…あった」
小男「ちょ…おい!!!!!!やめろって!!!」
男「心配するな。大事な人質は丁重に扱う主義なんでな」
小男「それは、僕が一番大切な工口…やめろ…やめてくれ…!!」
男「俺の話を信じると誓うか?」
小男「分かった…分かったからそれを返してよ…」
天使「男さん?何してるんですか?」ヒョイ
小男「わわあわわわわ隠せ!!そして返してくれ!!」
男「ほどほどにしとけよ」
天使「なんです?その本」
男「天使にはふさわしくないものさ」
小男「うぅ…なんなんだよお前たち…」
男「いいか聞いて驚くな?」
小男「う…うん」
男「……俺は未来人だ」
小男「……え?」
天使「ちょちょっと男さん!?」
男「そしてこいつは対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェースだ」
小男「……まさか」
天使「ちょっと…話が見えないんですけれど…」
男(天使、ちょっと抑揚を抑え気味に「それが私、信じて」って言ってくれ)
天使(え?なんでですか)
男(いいから…)
天使「…それが私、信じて」チラッ
男「な?」bグッ
小男「なななながもんさんや……」
天使「私にはなにがなんやら…」
51: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:10:03.42 ID:Jd8RYwCb0
男「…というわけだ」
小男「なるほど…僕の周りはそんなことになっていたのか…」
男「あぁ。そのためにお前の力を借りたい」
小男「わかった。この場合俺は主人公ポジションになるのか…?」ブツブツ
天使「なんだかあっけなく協力してもらえましたね」
男「いったろ?俺の厨学生時代は黒歴史なんだ」
小男「それで?世界に干渉している女の子っていうのは?」
男「あぁ井坂沙織って言うんだが…知ってるか?」
小男「!!…あぁ知ってるよ」
男「何度か接触を試みたんだがうまくいかなくてな…お前に協力してほしい」
小男「まぁできなくもないけど…」キリッ
男「目的はその女の子を楽しませることだ。そうすれば世界の崩壊は抑えられる」
小男「これマジで憂鬱じゃないか…どうすんだよ…」
天使「なんだか哀れになってきました」
男「言うな。俺だって辛いんだ」
52: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:10:30.52 ID:Jd8RYwCb0
男「それと、申し訳ないんだが俺たち住む場所が無くてな…」
天使「ちょっとそれも頼むんですか!?」
小男「あぁそれなら空いてる部屋使っていいよ」
天使「えっ…いいんですか…?」
男「どうせ親父は仕事で帰ってこないもんな」
小男「よく調べてあるね」
男「というわけだ。ゆっくりしようぜ天使」
小男「天使?」
男「あー…あだ名だよ。この可愛さマジ天使だろ?」
天使「えっ?えぇ…そんなことないですよぅ…///」
小男「そうかなぁ」
男「だよな?俺もどうかと思ってたところだ」
天使「おい、お前ら」
男「夏休みっていつからだ?」
小男「え?あと一週間で終わるけど」
天使「ちょうどいいですね」
男「小男。タイムリミットは夏休みが終わるまでだ」
小男「え?なんで」
男「おいおい忘れたのか?夏休みを彼女に楽しませないと…」
小男「やばい…エンドレスに8月が…」
男「そういうこった。明日から必死になって彼女をデートに誘え」
小男「わかったよ…やれやれだね…」キリッ
天使「男さん扱い方うまいですね」
男「嘘を言っちゃいけない理由がやっとわかった気がするわ…」
53: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:11:48.42 ID:Jd8RYwCb0
―翌日― 【月曜日】
男「それで?彼女とどうやって会うんだ?」
小男「えっと…確かあの子図書委員だったから…たぶん学校にいると思うよ」
天使「夏休みなのに、ですか?」
小男「うちの学校、無駄に図書館が広いから夏休みの間、解放してあるんだ」
天使「その割には誰もいませんでしたけどね」
小男「え?もう行ったの?」
男「ん…まぁな」
小男「たぶん井坂さん本が好きだから、あそこにいると思うよ」
男「それで昨日も…」
小男「でもどうやって誘うんだよ。僕…そんなことしたことないよ」
男「大丈夫だ。俺が司令官だ。お前は俺の計画したプランに沿って行動すればいい」
小男「おぉ…」
天使「なんで顔の前で手を組んでるんです? 」
男「さて、計画に移ろう…」
小男「はい!」
天使「なんだかんだ言って一番楽しんでるの男さんですよね」
男・小男「え?」
天使「あーややこしい」
小男「じゃいってくる」
男「健闘を祈る」
小男「了解!!」
ガチャ バタン
男「……」
天使「……」
天使「……男指令?」
男「やめてくれ」
54: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:13:06.21 ID:Jd8RYwCb0
天使「それにしても、いいんですか?巻き込んでしまって」
男「…あいつは俺のせいで惨めな青春を送ったからな」
天使「あいつって自分じゃないですか」
男「だから俺だけ楽しむのはフェアじゃないと思ってな」
天使「やさいしいんですね」
男「馬鹿言え。寝床と口実が欲しかっただけだ」
天使「ふふっ…そうですか」
男「誘えるといいんだけどな」
天使「不安ですか?」
男「そりゃ俺だもの」
天使「そうですね」
男「そこは否定してくれよ…」
天使「どーだか。あ、私シャワー浴びていいですか?」
男「廊下の奥。右側だ」
天使「どうも…あの」
男「ん?トイレならその左側だぞ」
天使「…覗かないでくださいね」
男「はっ…俺は紳士だぞ?そんなことするわけないじゃないか」
天使「安心しました。では」トコトコ
男「……」
男「……」
シャー フンフン♪
男「おっとトイレに行きたくなってきたな…」
男「あれ?トイレはどっちだったか…久しぶりだから忘れてしまったなー」
男「右か?左か?どっちだろうー」
男「うむたぶん右だろう。あぁ早くしないとー」
ガラガラ
天使「ちょ!!!!!なに入ってきてるんですか!?」
男「あーしまったー間違えた―」
天使「なにそのわざとらしい棒読み!?ちょ出てってください!!」
男「おいおい髪乾かすならパンツくらい履けよ」
天使「おま、凝視すんな!!!いい加減にしろ!!!!」
55: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:14:06.58 ID:Jd8RYwCb0
―その頃学校―
小男「さて、学校についた訳だけど…」
小男「どうしたもんかな…」
小男「そもそも、話したことのない女の子をどう誘えっていうんだよ…」
小男「そうだ…あいつがくれたメモがあったな…」
小男「どれどれ…」ペラッ
女を落とす重要テクニック
一、初めの一言はダンディに
二、ひたすらクールに彼女の話を聞こう
三、相手が怯んだ隙に連打
四、負けそうになったら土下座
小男「……」クシャクシャポイッ
56: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:14:56.59 ID:Jd8RYwCb0
沙織「…あら珍しい。夏休みにここに人が来るなんて思ってもなかったわ」
小男「!!」
沙織「まぁ昨日ひとりいたけれど…あなた一人?」
小男(初めの一言はダンディに…)
小男「あぁそうだと思うよ…」フッ
沙織「あ…そう。入り口に突っ立てると邪魔なんだけど?」
小男「あっごめん」
沙織「……」スタスタ
小男(いまの…ダンディだったか?)
小男「はぁ…アホみたい…よし…自分で頑張ってみるか…」
57: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:15:48.83 ID:Jd8RYwCb0
小男「あ…あの…」
沙織「…何か用?」
小男「となり座ってもいいかな…?」
沙織「ほかに空いている席ならいくらでもあると思うけれど」
小男「そ、そうだよね。ごめん」
沙織「……」
小男「えーっと…その本好きなの?」
沙織「……くす」
小男「ごめん!変なこと聞いたかな…?」
沙織「いや、昨日もそんなこと聞かれたから」
小男「あ、そうなんだ…」
沙織「なんでそんなこと聞くの?」
小男「えっと…君いつもその本読んでいるから…」
沙織「沙織」
小男「え?」
沙織「私の名前。あなたは?」
小男「あ、小男」
沙織「呼び捨てでいいわ。よろしくね小男君」
小男「あ、よろしくね…沙織…さん」
沙織「どうしたの?苦い顔して」
小男「えっと…沙織…さんは突然こんなやつに話しかけられて迷惑じゃなかったかなって…」
沙織「ずいぶん自分を卑下するのね」
小男「だって沙織…さん大人っぽいから」
沙織「…あなたもそんなこと言うの?」
小男「あなたも?」
沙織「なんでもないわ」
小男「はぁ…」
沙織「私は子供よ。ただ子供であることに徹せなくなっただけ」
小男「難しくて…僕にはよくわからないよ…」
沙織「ならいいわ」
58: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:16:26.09 ID:Jd8RYwCb0
小男「……」
沙織「……」
沙織「……あなた、私の…弟に似てるわね」
小男「へぇ沙織…さん弟がいたんだね」
沙織「もう、さん付けでいいわ…無理しなくても」
小男「そういってくれると助かるよ…」
沙織「その自信なさげなところとか、ナヨナヨしいところとか本当に似ているわ」
小男「はは…ひどいな」
沙織「……そうね。ずいぶんひどい姉だわ…」
小男「…沙織さん?」
沙織「昨日のあいつといい、あなたといい、なんでこんなことペラペラしゃべっちゃうのかしら」
小男「しゃべったらいけないことだったの?」
沙織「いいえ…でもあまり人に話したことがなかったから」
小男「こんな初対面の奴に話してよかったの?」
沙織「どうでしょうね。不思議な力が働いているみたい」
小男「ははは…そうかもしれないね」
59: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:17:36.61 ID:Jd8RYwCb0
小男「……」
沙織「……」
小男「あのさ…笑わないで聞いてもらえるかな」
沙織「なに?」
小男「いまさ、僕の家に変な奴が来てるんだ」
沙織「変な奴?」
小男「うん。父さんにそっくりでさ、最初びっくりしたんだけど…」
小男「なんか知らないけど面白い奴でさ」
沙織「見知らぬ人を家に上げるなんて感心しないわね」
小男「だよね…でもなんか不思議と落ち着くっていうか…嫌な気がしなくて」
小男「笑わないで聞いてほしいんだけど…そいつ自分のこと未来人だっていうんだよ?」
沙織「未来人?なにそれ」クスクス
小男「本当だよ!真顔で言うんだ…」
沙織「それが本当ならものすごい出来事ね」
小男「だろう!?で、そいつが言うには…えーっと…」
沙織「なに?」
小男「君を…遊びに誘えって言うんだ」
沙織「なんで私を?」
小男「さぁ知らない。でもそうしなきゃ世界が終わっちゃうんだってさ」
沙織「世界の終り…ね」
小男「ほんとバカみたいな話だよね…ごめんね変なこと話しちゃって」
沙織「いいわよ」
小男「えっ?」
沙織「私たちでその未来人の正体を明かしてやりましょうよ」
小男「信じてくれる…の?」
沙織「あら、嘘だったの?」
小男「本当だよ!今も家にいるんだ!」
沙織「じゃあ行きましょうか」
小男「えっ?」
沙織「あなたの家」
小男「え?え?え?」
沙織「いけなかった?」
小男「そんなことないよ!!!!!」
沙織「じゃ行きましょうか」
小男「うん…」
小男(どどどどどどうなってるんだ…?なんで僕こんなこと簡単に言えるようになってるんだ…)
沙織(不思議ね…なんだか行かなくてはいけない気持ちになったわ…)
60: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:18:42.21 ID:Jd8RYwCb0
―男宅―
小男「ついたよ」
沙織「あなたの家…大きいのね…」
小男「!!っそう…だね…」
沙織「?なんで顔を赤らめる必要があるのかしら?」
小男「いや!なんでもないよ…」
沙織「これだけ家が大きいと、玄関も大きいわね…」
小男「沙織さん!早く中に入ろう!」
沙織「えぇわかったわ?」
ガチャ
沙織「……」
バタン
小男「あれ?どうしたの中に入っていいんだよ」
沙織「見間違いじゃなければ、昨日のヘン夕イが女の人に虐げられている姿があったわ」
小男「なにいってるの?」
ガチャ
天使「もう!!!男さんの!!馬鹿!!!」
男「ちょ!!!待てって!!ごめん!!!俺が悪かったから!!弓を持ち出すな!!」
小男「ねぇ…なにしてるの?」
男「おぉ帰ってきたか。助けてくれ俺はこのままじゃ死ぬ」
天使「乙女の花園を拝んでおいてその言いぐさはなんですか!!!!!!」
小男「花園って…何したのさ」
男「なーに。トイレと脱衣所を間違えてしまってな」
天使「天誅!!」ドカッ
男「げぼらっ!!!」
沙織「…私は出直したほうがいいかしら?」
小男「あー…ごめんね。すぐ片づけるから待ってて」
天使「うぅもうお嫁にいけません…」
男「」ピクピク
61: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:19:36.60 ID:Jd8RYwCb0
天使「はいジュース」
沙織「ありがとう」
小男「それ僕ん家の冷蔵庫にあった…まぁいいか」
男「おいファンタはグレープだろう。なんでオレンジなんだ」
天使「文句言うなら飲まないでください」
男「天使の俺に対する風当たりが強くなったなぁ…」
沙織「天使?」
小男「あだ名なんだってさ」
沙織「へぇー…素敵ね」
天使「えへー…///」
沙織「というか、なぜ昨日の不審者が小男君の家にいるのかしら?」
男「まぁそう怖い顔しないで。ファンタ飲むかい」
沙織「……あなた未来から来たんですってね」
男「」ブハッ
天使「ぎゃあ!汚いです!」
男「…おいガキンチョ…しゃべったな」
小男「だってしょうがないだろ!それになんだよあのメモ!全然役に立たないじゃないか!」
男「なにおう!俺の人生論から導き出した極秘のテクニックを愚弄するのか!?」
天使「ドウテイのナンパテクニックなんてゴミ屑以外の何物でもありませんよね」
男・小男「「どどどどどどうていちゃうわ!」」
63: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:20:15.80 ID:Jd8RYwCb0
沙織「…それで?あなた本当に未来からきたの?」
男「あー…まぁそうなるかな」
沙織「で?そっちのお姉さんは?」
男「対有機性…」
小男「えっと!宇宙人だよね!」
天使「え!?私宇宙人だったんですか!?」
沙織「本人が一番驚いているようだけど」
男「そういうお前は、全然驚かないんだな」
沙織「名前で呼んでって言ったはずだけど」
男「……こりゃ失礼」
沙織「……普通ならこんな世迷言いってるヘン夕イの言うことなんて信用しないわ…」
天使「まぁそうでしょうね」
沙織「…でもなんでか知らないけれど、信じてしまえるのよ」
小男「あ、それ僕も同じ。全然根拠もないけどこの人たちの言ってること本当だって思うもん」
男(おい天使…これってやっぱり)
天使(この世界が男さんにとって都合のいいように改変されてますね)
男(まったくなにが現実味ある世界だよ…)
天使(男さんが心の底から親しくなりたいって思ってるんでしょ。中学生の女の子と)
男(俺は口リコンじゃねぇからな)
天使(どーだか…)
64: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:21:01.40 ID:Jd8RYwCb0
沙織「なにをコソコソ話してるのかしら…?」
男「いや、なんでもない」
天使「沙織ちゃんは可愛いなーって」
沙織「世事は…嫌いだわ」
男「あら、赤くなっちゃって」
沙織「お姉さん、このおっさん殴ってください」
男「おい。やめろ、やめっ」ガスッ
小男「それで?沙織さん連れてきたけど、これからどうするの?」
男「いてて…そうだな…うーん…」
天使(どう説明するんですか?)
男「あー実は俺たちは一週間後に地球を離れることになった」
天使(あっけからんと嘘を着いたー!!)
沙織「なんでこんな嘘くさい話、信じられてしまうのかしら…」ブツブツ
天使(でも信じてるー!!)
65: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:22:06.02 ID:Jd8RYwCb0
男「それでだ、残り少ない時間の中でこの世界の思い出を作りたいと思っている」
小男「あれ?さっき聞いた話と違うような」
男「あれは嘘だ」
小男「ひどい!信じた結果がこれかよ!」
沙織「思い出…?なにをすればいいのかしら」
男「えっと…そこまでは何も考えてなかったな…」
沙織「無責任な未来人ね」
男「おい天使。お前どこか行きたいところあるか?」
天使「えっ急に私に振りますか…えーっと夏だし…海…とか?」
男「ハイ決まり。海いこう」
小男「決断早っ!!」
男「ガキンチョは何処に行きたい」
小男「ガキンチョ言うのやめて欲しいなぁ…キャンプとかすれば楽しいんじゃない?」
男「はい。山行くのね。決定」
小男「もう少し考えて決断したほうがいいんじゃない!?」
男「沙織は何処に行きたい?」
沙織「そうねぇ…宇宙人さんがいるから月にでも行ってみたいかしら」
男「なにいってんだ。もう少し現実を見ろ。却下」
沙織「……」
小男「もう少しオブラートに包んでよ!」
天使「それフォローになってないよ…」
沙織「…私帰ってもいいかしら」
小男「ごめん!沙織さん僕が悪かったから!そんな寂しそうな顔しないで!」
沙織「私は別に!残念がってなんかいないわ!」
天使「残念だったんですね」
男「以外と乙女な部分もあるじゃないか」
沙織「お姉さん。そのおっさんの髪の毛引き抜いてもらえるかしら」
男「ちょ髪はマジ駄目だって…すでに後退始まってるから…いやあああああああ」
66: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:23:09.80 ID:Jd8RYwCb0
天使「一週間ですし、これくらいの予定で丁度いいんじゃないですか?」
男「あぁ…俺の毛根がまた死んでしまった…」
小男「そういえば、夏休みの最後にお祭りがあるよ」
天使「お祭り!!いいですねぇ!浴衣着ていきましょうよ!ね!」
沙織「えっ…えぇ…」
男「じゃあ今週で回るのは海と山と夏祭りか。イベント目白押しだな」
天使「お金大丈夫ですかね…」
男「…まぁ何とかなるだろ」
小男「当てがあるの?」
男「あー…ガキンチョ…親父の部屋の2番目の引き出し。工口本の間を調べてこい」
小男「ちょ、工口本って…」
沙織「……」
天使「……」
男「なんでまぁ…ここにいる女性陣は初心な乙女ばっかりだな」
天使「あんたの」
沙織「デリカシーがないだけよ!」
男「お二人さんはすでに仲良くなっているようで安心したわ…」
67: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:23:55.40 ID:Jd8RYwCb0
タタタ
小男「…これ父さんのヘソクリ…だよね」
男「おぉ見つかったか…これだけあれば大丈夫だろ」
小男「なんだか複雑な気分だよ…父さん…口リ趣味だなんて…」
男「あー…俺が戻ったらちゃんと返しておくよ」
天使「帰れれば、の話ですけどね」
小男「?…ならいいけど」
男「さて、んじゃさっそく海から行くか」
天使「準備とかしたいですし、明後日にしませんか?」
男「準備って?」
天使「水着とか…日焼け止めとか…サンオイルとか…」
男「んなもんスクール水着とサラダ油で十分だろう」
小男「さすがにサラダ油は違うと思うよ」
天使「大人の女性にスクール水着なんて言語道断です!」
小男「おとな…?」
天使「男さんはいつになっても失礼な奴ですね」
男「いや、俺!?俺が悪いの!?」
天使「沙織ちゃんだって新しい水着欲しいですよねー」
沙織「えっ?まぁ…」
天使「そういうことで、明日はみんなでショッピングです!」
男「やけに張り切ってんなあいつ」
小男「女の人はみんな買い物好きって聞いたことあるよ」
男「そんなもんかねぇ…」
68: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:24:48.28 ID:Jd8RYwCb0
【火曜日】大型デパート前
天使「ほえー…大っきぃですねぇ」
沙織「ここはいつ来ても大きいわね」
小男「あの人たち、ああいう言い方するの止めさせたほうがいいと思うよ…」
男「中学生のお前には刺激が大きすぎるかもな」
沙織「?小男君どうして前かがみになってるの?お腹でも痛い?」
小男「あ…そうだね。ちょっと辛いかな」
男「早く沈めないと。おろし金で擦り下ろされる想像するんだ」ボソッ
小男「うん。もう大丈夫みたい。いこうか」
男「昔から、想像力だけはたくましかったんだな」
天使「あー中も広いです―!」
男「あんまりはしゃぐな」
天使「最初は水着売り場に行きましょう!」
小男「僕たちも水着買うの?」
男「ここまで来たら買うしかないだろう」
69: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:25:44.81 ID:Jd8RYwCb0
水着売り場
男「なんだか種類が多すぎて訳が分からなくなるな」
小男「水着なんてどれも同じだとおもうけどなぁ」
男「というか、女の水着って面積的には下着と同じだよな」
小男「確かにそういわれてみればそうだね…」
男「しかも、ビキニとかになると、もしかしたら下着よりも布面積は少ないかもしれない」
小男「…ゴクリ」
男「しかし、女性はそれを恥ずかしげもなく俺たちに見せてくる。おかしいと思わないか?」
小男「ブラジャ一とかパンツは見られると恥ずかしいのにね…」
男「そうだ。だから水着とは実質上、下着なのだ」
小男「だけど!下着には恥じらいがあるよ!それがないのとあるのでは全く違うよ!」
男「…俺の言いたいこと伝わったようだな」
小男「はっ…おっさんそれを僕に気付かせるために…」
男「そうだ。お前が必死になって集めている工口本には羞恥心がない。大事なのは乙女の恥じらいだ」
小男「くそっ…僕はなんて勘違いをしていたんだ…」
男「お前の趣味が悪いというわけではない。しかし、その使用目的によってターゲットとなるものは変えなければならないということだ…」
小男「し…師匠!!!!」
天使「あんたらを死傷状態にしてあげてもいいんですよ?」
沙織「だめよお姉さん。関わってしまっては。腐臭が移るわ…行きましょう」
男「……」
小男「……」
70: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:26:20.39 ID:Jd8RYwCb0
天使「まったく…あの人たちは」
沙織「男ってみんなあんな感じなのかしら」
天使「あの人たちだけだと思うから、沙織ちゃんはちゃんといい人を見つけてね」
沙織「いい出会いに期待するわ」
天使「うー!!!可愛い水着がいっぱいだ!!」
沙織「私はあまりこういうフロアにこないから…驚いたわね」
天使「これも可愛い!あ!あっちのもいいねー。沙織ちゃんこれなんてどう?」
沙織「えっえぇ…似合うと思うわ」
天使「そうだよねぇ!私もそう思うわ!さ、早速試着してみようか」
沙織「えっ?それはあなたが着るのではないの?」
天使「やだなぁ沙織ちゃんに決まってるでしょ。ささ、早く行こうねー…」
沙織「ちょっとまって…ちょ」ズルズル
71: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:27:18.38 ID:Jd8RYwCb0
1時間後
男「ったく…水着一着買うのにどれだけ時間かかるんだよ」
小男「僕たちは5分くらいで終わったのにね」
男「なぜか買うとき店員さんの目つきが鋭かったな」
小男「きっとさっきの会話聞かれてたんだね…」
男「全く…男のロマンを理解しない女ばっかりだな」
天使「女心を理解しようとしない男よりましだと思いますけどね」
男「うるせぇな…やっと終わったか」
小男「あれ?沙織さん…ちょっとグッタリしてるけど…」
沙織「えぇ…なんというか刺激的な買い物だったわ」
天使「はぁーやっぱりお買い物はいいですねぇ…」
沙織「今度はもう少しスローペースでお願いしたいわ…」
男「ま、まぁお疲れ様だ」
天使「次どうします?」
男「んー沙織も少し疲れているみたいだし、ちょっと早いけど飯にするか」
小男「やった!実はお腹減ってたんだよね!」
沙織「私はとりあえず座れるなら何でもいいわ」
天使「それじゃファミレスでも入りましょうか」
男「安いしそれでいいか?」
小男「いいよ!」
男「んじゃはいりますかー」
72: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:28:30.80 ID:Jd8RYwCb0
カランカラン
‐ファミレス内‐
男「最近のファミレスはこんなにメニューがあるのか…」
天使「どーれーにーしーようかなー」
小男「僕、チーズハンバーグセットね」
沙織「私はクラブサンドでお願い」
男「お前ら決めるの早いな…どうすっかな…」
沙織「優柔不断な男は嫌われるわよ」
男「おっさんになってくると、胃が受けつけなくなるものが増えるんだよ…」
男「おっ和善があるじゃん。サバ味噌和善にしとこう」
小男「天使さん決まった?」
天使「」ブツブツブツブツ
男「と、とりあえず呼ぶか」
ピンポーン
店員「お伺いします」
男「えーっとチーズハンバーグセットとクラブサンド、あとサバ味噌和善ね」
男「おいお前はどうするんだ?」
天使「きつねうどん」
男(意外とカ口リーとか気にするタイプなのか…?)
天使「と」
男「と?」
天使「カツドンピザカルボナーララザニアマーボウカレー」
男「すいません。とりあえずキツネうどんだけお願いします」
店員「か、かしこまりました」
天使「ちょちょっと男さん!!」
男「うるさい。ちっとは遠慮しろ」
天使「そんな殺生な…」
男「あーわかったよ…デザート、頼んでいいから」
天使「本当ですか!?」
男「一つだけだぞ」
天使「えっと、えっと…このジャンボタワーパフェ!」
男(1100円…マジかよ…)
沙織「私、ティラミス」
小男「オレンジシャーベット」
男「お前らも頼むのかよ!?」
73: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:29:30.39 ID:Jd8RYwCb0
男「てか、お前大食いキャラだったんだな」
天使「えへへー///」
男「褒めてねぇよ」
沙織「どうやったらそのプロポーションを維持できるのかしらね」
天使「私、太らないタイプなんですよね」
男「おかげで、育つところも育ってな…痛ぇ!!!足踏むな!!」
小男「僕は食べるとすぐ太っちゃうよ」
男「心配するな。いずれ胃が小さくなって食うことが辛くなる」
小男「師匠と一緒にしないでよね」
男「残念ながら一緒なんだよな」
天使「師匠ってあだ名もう定着したんですね…」
沙織「まぁ、いつもカ口リーを気にしなければいけないのは本当に億劫よね」
男「男からしたら、ちょっとくらい肉感があったほうがいいともいうけどな」
小男「肉感って…」
天使「でも太ってる女の人は嫌っていうんでしょう?」
男「うん」
天使「ほんと自分勝手っていうか…女だけが損してる気がします…」
沙織「そもそも、太っているという基準が曖昧なのよね。何キロ以上が太っているとかあればいいのに」
男「なんだっけ、なんとか指数とかあるじゃないか」
沙織「あれだって当てにならないわ。自分では普通だと思っていたのに、太り気味とか出るし」
男「出たことあるんだな」
沙織「……」
男「いだだ!足をかかとで踏むな!!」
74: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:30:42.60 ID:Jd8RYwCb0
‐料理到着‐
店員「以上でよろしいでしょうか」
男「あ、あとデザート。食後に持ってきてくれるかな」
店員「かしこまりました」
天使「さてーさっそくいただきましょう!」
「「「「いただきます」」」」
天使「あー…私もハンバーグにしておけばよかったかな…」
小男「一口あげるよ」
天使「本当ですか!!ありがとうございます!!」
沙織「やさしいのね」
小男「そ、そんなことないよ…沙織さんも欲しいならあげるけど」
沙織「じゃあ一口いただこうかしら」
天使「あー…男さんのサバ味噌もおいしそうですね…」
男「そうだろう、そうだろう。俺はやらんがな」
天使「ケチ!アホ!甲斐性なし!」
男「うるせぇな!黙って食え!」
沙織「冷たいのね」
男「俺が冷たいんじゃなくて、お前らがこいつに甘いんだよ」
小男「いいじゃん一口くらい」
男「しょうがねぇな…はい漬物」ポイッ
天使「わぁ…カブの漬物ですぅ…」キラキラ
小男「それでいいんだ…」
75: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:31:27.19 ID:Jd8RYwCb0
男「どうでもいいけど、お前なんだよその食い方」
小男「えっ何か変かな」
男「野菜から先に全部食べて…肉が冷めちまうだろう」
小男「いいじゃん。僕は好きなものは最後に食べるんだもん」
男「はぁー…わかってねぇな…」
小男「な…なにか問題あるの?」
男「うまいもんは早いうちに食べて、嫌いなものは食べない。これで解決」
小男「残さないで食べないと駄目だよ!」
男「だから俺は嫌いなものは絶対に頼まない」
沙織「なんだか自己中心的ね」
男「せっかく作ってくれたんだから、好きな奴に食べてもらったほうが幸せだろ?」
小男「天使さんは好きなものは先に食べそうだよね」
天使「うん!」
男「そのまんまだな」
天使「私に好き嫌いなものなんてないから!」
小男「……」
男「……」
沙織「見習いたいものだわ」
76: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:32:15.54 ID:Jd8RYwCb0
男「沙織は何が嫌いなんだ?」
沙織「そうね…牛乳かしら」
男「おいおい、そんなんじゃいつまでたっても育たないぞ?」
沙織「お姉さん。おっさんのサバ味噌にタバスコかけてもいいわよ」
男「おい!やめろって!!背のことだよ!!あぁ!!!馬鹿!!!赤い!!!」
小男「僕は牛乳好きだけどな」
沙織「アイスなら食べられるのだけどね」
天使「うーん。どっちも美味しいんだけどなぁ…」
男「はぁはぁ…まぁわからんでもないな」
小男「なんかあるの?」
男「俺はたこ焼きは好きだが、タコの刺身は好きじゃない」
小男「あ、それ分かる」
男「スルメは好きだが、イカの刺身は好きじゃない」
小男「それも分かる!」
沙織「それはただ単に刺身が苦手なだけじゃないかしら」
小男「同じ食材でも、加工すればどうにかなるってことだね」
男「女が化粧する理由の1つだな」
沙織「あなたはもっと女性への配慮を知ったほうがいいわ」
77: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:32:48.40 ID:Jd8RYwCb0
食後‐
男「さて、腹ごしらえは済んだし残りの買い物も終わらせちまうか」
小男「何買うの?」
男「俺たちはキャンプ用品。女たちは化粧品でも見てればいいだろう」
天使「そうですね!別行動で、2時間後にここで待ち合わせましょう!」
沙織「えっ2時間」
男「沙織。頑張ってくれ」
小男「辛かったら逃げてもいいからね」
天使「何言ってるんですか?さ、行きましょう!」
沙織「2時間…2時間…」ズルズル
男「ご愁傷様だな」
小男「はやく買い物終わらせようよ」
男「あいよ」
78: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:34:03.01 ID:Jd8RYwCb0
―2時間後―
男「思ったより買うもの少なかったな」
小男「家にあるものばっかりだったね」
男「そういえば…昔はよくキャンプに行ったんだったな…」
小男「そういえば、そうだったね…ってよく知ってるね」
男「……」
小男「……」
男「なぁ、小男」
小男「なに?」
男「……今までごめんな」
小男「なんで謝るのさ?」
男「俺のせいで、ずっとつまんない人生送っちまったから…」
小男「?僕は今とっても楽しいけど?」
男「!」
小男「…だって誰かと買い物とか、遊ぶ計画とか、ずっとアニメの中でしかありえないって思ってたから、今でもちょっと信じられないけどさ…」
男「……」
小男「師匠だって楽しむためにこんなことしてるんでしょ?」
男「…そうだな」
小男「?変な師匠」
小男「あ、帰ってきたよ!おーい」
天使「いやー楽しかったですね!!」
沙織「そ…そうね…」
小男「さ、沙織さん…なんだか肌がテカテカしてるね…」
沙織「化粧品を何十種類も使わされたらそうなるわよ…」
天使「お肌は乙女の命ですよ?いいものが手に入ってよかったです!」
天使「…あれ?どうしたんです男さん。泣きそうな顔して」
男「いや…別に…自分に向かって…いままでごめんって呟いたら…思わずほろっと泣きそうになっただけ」
天使「男さん…」
男「あーおっさんになると涙腺が緩くなって困るわ」
小男「ねぇもう帰ろうよー」
沙織「そろそろ日も暮れるわよ」
天使「…帰りましょうか」
男「…そうだな」
79: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:35:14.37 ID:Jd8RYwCb0
【水曜日】
天使「う・み・だー!!!!!!」
小男「うみだー!!」
沙織「ちょっと騒がないでよ…恥ずかしい」
男「海だーー!!!!!!!!!!!!!!!!」
沙織「あなたが一番うるさいわよ!!!」
男「おいおい。せっかくの海なんだぞ?子供らしくもう少しはしゃげよ」
沙織「そ、そりゃ私だって楽しいけれど…」
男「その気持ちを叫んでみるんだよ。ほら」
沙織「う…うみだぁー!」
男「ぶふー」
沙織「もうなんなのよ!!!」
天使「いやー晴れてよかったですねぇ」
80: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:36:00.20 ID:Jd8RYwCb0
小男「僕、海に来たのなんて久しぶりだよ」
男「俺はもう記憶すらないな」
沙織「パラソルここでいいかしら」
男「おう。先に着替えてこいよ」
天使「さ、沙織ちゃん行こう!可愛い水着が私たちを待ってるよ!?」
沙織「ね…ねぇ本当にあれ着るの?」
天使「せっかく買ったんだから当たり前じゃない!さ、行こうねー」
沙織「うぅ…」
男「おいジュニア」
小男「ジュニア!?」
男「あいつらの水着どんなのだと思う?」
小男「うーん…やっぱり性格からして沙織さんがワンピースじゃない?」
男「とすると、天使がビキニか」
小男「僕はどっちでもいいけどね」
男「まぁ似合ってるかどうかが問題だよな」
小男「とか言って、ビキニを期待してるんでしょ?」
男「そりゃ面積はないほどいいだろうが」
小男「それはそうだけど…」
天使「おまたせー」
男・小男(きたか…)
81: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:36:55.17 ID:Jd8RYwCb0
天使「ほら、沙織ちゃん隠れてないで!」
沙織「うぅ…」
男(天使がワンピース…)
小男(沙織さんが…ビキニ…)ゴクリ
男「なかなか…ほほぅ…」
天使「男さんはそんなにじろじろ見ないでください。気持ち悪いです」
小男「さ、沙織さん…似合ってるよ…」
沙織「そうかしら…ちょっと派手じゃない?」
天使「だいじょーぶ!ちゃんと可愛いよ!ねぇ男さん」
男「あー…そうだな」
天使「なんだか微妙な反応ですね…」
男「えーっと…まぁ本当に似合ってるんじゃないか?」
沙織「あ…ありがと」
男「……」
沙織「……」
男「あー…おっさん、ちょっと休んでるわ。日差しが強すぎる」
小男「だらしないなぁ」
天使「じゃ、私たちは遊びましょうか!」
沙織「私も少し休んでから行くわ」
小男「そう大丈夫?」
沙織「平気よ。一足先に楽しんできて頂戴」
天使「それじゃ!小男君!海まで競争です!」ダダダッ
小男「あ、待ってよ天使さん!!」ダダダッ
82: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:38:15.98 ID:Jd8RYwCb0
男「……」フゥー
沙織「…隣座ってもいいかしら」
男「ご自由に?」
沙織「……海まで来てタバコなんて吸うのね」
男「んー…ちょっと昔のこと考えてて…な」
沙織「昔のこと?」
男「俺が好きだった女のこと」
沙織「あなたにも好きな人がいたのね」
男「あっはっは、おっさんにも恋する自由くらいあるさ」
沙織「で、その恋は成就したの?」
男「いや…片思いのまま…相手が遠くに行っちまった…」
沙織「ふーん…」
男「……」
沙織「……会いたいとは思わないの?」
男「そりゃ、ずっと思ってたさ。だけど、俺にはそれを決心するだけの材料がなかったのさ」
沙織「材料って…?」
男「…前、図書室で沙織に言われたことさ。」
男「俺がどれだけ合いたいと思っても、その相手との思い出が全然ないんだよ。だから、俺はそいつに会いに行く決心がいつまでもできない」
沙織「……」
男「だから、あの時、俺はすごく恥ずかしかったんだ…中学生に教えられるとは思ってもなかったからな」
83: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:39:12.19 ID:Jd8RYwCb0
沙織「キツネのセリフのこと?」
男「『思い出があれば離れていても寂しくない』…か。」
男「なぁ…楽しかった思い出を思い出して悲しくなるのと、なにも思い出がないことを悲しむことでは、どっちが辛いんだろうな」
沙織「私は…帰ってこない思い出に浸ることのほうが悲しいわ」
男「…そうかもしれないな」
沙織「なにも聞かないのね」
男「沙織が自分から話してくれるのを待つさ」
沙織「興味がないの?」
男「嫌われたくないだけだ」
沙織「大人なのに臆病なのね」
男「そうだな、情けない話だ」
沙織「私、もう行くわ」
男「あぁ楽しんで来い」
沙織「おっさんも、早くしないと思い出作れないわよ?」
男「あら、おっさんも仲間に入れてくれるのか」
沙織「あなたが企画したんでしょう…まったく…」
ザッザッザッ
男「思い出…ねぇ」
84: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:40:00.74 ID:Jd8RYwCb0
―数分後―
天使「あ、やっと男さん来ましたね!って…その水着…」
男「いいだろう。俺も頑張ってみた」
沙織「なによそのきわどい水着は…」
男「女性がビキニを用意してくると思って、ほれ俺もビキニ」パッツン
天使「嫌!嫌!なんですかそれ!もう完全にあれのライン出てるじゃないですか!」
男「ライン?ボディラインか?」
小男「師匠、意外と筋肉質だね」
男「家でずっとキャンプしてたからな」
小男「家なのに?」
天使「嫌です!ヘン夕イです!もうなんなんですかその水着…」
男「大丈夫だって。ずれることはないから」
天使「ずれたら処刑です!」
沙織「はぁ…この人と一緒に来たのが間違いだったわ…」
男「さぁ遊ぶぞー」
天使「ぎゃああああ!!!!こっち来ないでください!!!!」
男「あはははは、まてまてー」
小男「なんだろう…海辺で追いかけっこしてるのに…」
沙織「片方は笑ってて、片方は泣きながら全力疾走してるわね…」
85: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:40:36.49 ID:Jd8RYwCb0
天使「はぁはぁ…」
男「はぁはぁ…」
小男「もういいから遊ぼうよー」
沙織「まったく大人なのに馬鹿ばっかりやってるわね」
天使「そうですね…こんなおっさんに構ってる場合じゃありません…」
男「おい…浮き輪貸してくれ…しばらく休むわ…」
小男「情けないなぁ」
86: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:41:44.30 ID:Jd8RYwCb0
プカプカ
男「あー…青い空…平和だねぇ…これで本当の世界だったら最高なんだけどなぁ…」
「……」ダーダン
男「…はぁ…極楽だねぇ…」
「……」ダーダンダーダン
男「ん?幻聴か…?サメのテーマが流れているような…」
「……」ダーダンダーダンダーダン
男「どんどん近づいてくる…?」
天使「天誅―!!」バシャーン!!!
男「うわっぷ!!!!」
天使「はっはっは、見たか男さん!さっきのお返しですよ!」
男「」ブクブク
天使「って…あれ?男さん…浮いてこない…」
男「」
天使「うわあわわわわわ。大丈夫ですか!?溺れてます!!」
小男「どうしたの?」
沙織「なにかあった?」
天使「おおおおおお男さんが溺れてしまって!」
小男「師匠、大丈夫!?」ザバーン
男「」
沙織「人工呼吸とかしたほうがいいんじゃないかしら…」
小男「そ、そうだね…でも誰が?」
天使「沙織ちゃんやります…?」
沙織「い、いやよ…こんなおっさん…」
87: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:42:54.18 ID:Jd8RYwCb0
小男「じゃあ、じゃんけんで決めよう!」
天使「あ、いいですねぇ!私強いんですよー!!」
沙織「じゃんけんに強いも弱いもないと思うのだけど」
天使「ちっちっち。甘いですね沙織ちゃん。じゃんけんには心理戦法が聞くんですよ?」
沙織「心理戦法?」
天使「断言します!私はパーを出します!!」ババーン
小男「え!?それ言っちゃっていいの!?」
沙織「やるわね…それが嘘かもしれないし、本当かもしれないってことね…」
天使「ふっふっふ。鋭いですね沙織ちゃん。さぁ覚悟です」
沙織「じゃあ私はチョキをだすわ」
天使「な、なんですと…」
小男「うぅ…みんなどれが本当なんだ…もういい!僕はグーを出す!」
沙織「…くっ」
天使「ふっまだ勝負は終わってないみたいだね」
沙織「それはどうかしら?」
小男「それじゃいくよ?」
「「「じゃんけん!!」」」
「「「ぽん!」」」
天使「パー」
沙織「チョキ」
小男「グー」
天使「あいこ…?」
沙織「しまったわね…これじゃ戦法が意味ないわ…」
小男「どうすればいいんだ…」
男「はぁはぁ…おい。お前らふざけんなよ」
天使「あら、男さん。混ざりますか?じゃんけん大会」
男「お前ら!!長々となにじゃんけん楽しんでるんだよ!俺が死ぬところだっただろうが!!せっかくのキスイベントが台無しじゃねぇか!!」
天使「だって男さん。ずっと起きてたじゃないですか」
男「うぐっ」
沙織「どさくさに紛れてそんなことしようとしてたのね。このヘン夕イ」
男「へうっ」
小男「同じ男として正気を疑うね」
男「うるせぇ!!お前だって俺と同じこと考えてそうなくせに!」
小男「僕はそんな卑怯なことしないよ!!どちらかというと人工呼吸するほうだ!!」
ギャーギャー
沙織「似た者同士ね」
天使「全くです」
88: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:44:02.57 ID:Jd8RYwCb0
―数時間後―
男「さて、そろそろ日も暮れてきたな…」
天使「まだ帰らないんです?」
男「海編最後のイベント、これだ」ゴソゴソ
小男「あ!花火だ!」
天使「え!?ロケット花火あります!?」
沙織「今週末に花火大会に行くのに、ここでやらなくてもいいじゃない」
男「わかってねぇなぁ。こういう小さい花火も楽しいんだよ」
天使「さっそくやりましょう!」
男「バケツはここに置いとくぞ。ろうそくはそっちにあるから各自で火ぃつけろ」
天使・男「了解!」
沙織「わたし、こういう花火初めてだわ…」
男「へぇ珍しいな」
男「線香花火なら危なくないだろ。ほら、ここを持つんだ」
沙織「ここ?」
男「あぁ。火をつけるぞ?結構火花飛ぶが、動かしちゃいけないからな」
沙織「わかったわ」
シュボッ
チリチリ
パチパチパチパチ
沙織「綺麗……」
男「俺は大きい花火よりも、こっちのほうが好きなんだけどな」
沙織「なんだか魔法みたい…」
男「乙女なこというじゃない」
沙織「からかわないで」
男「ははは、すまん」
89: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:45:13.24 ID:Jd8RYwCb0
沙織「……」パチパチ
男「……」パチパチ
沙織「…私ね、女の子は危ないからって花火を持たせて貰えなかったの」
男「ずいぶん厳しい親御さんだったんだな」
沙織「とても厳しい人だったわ…小さなころからずっとね」
沙織「おかげで皆から大人っぽいって言われるようになったけれど」
男「親のしつけ…か」
沙織「それでも、親は弟には優しくてね。よく嫉妬したものよ」
男「弟がいたのか?」
沙織「体が弱くて、情けなくて、小男君みたいな弟だったわ」
男「…だった?」
沙織「1年前、みんな事故でいなくなっちゃった」
男「そう…だったのか」
沙織「……まったく、おかしなものね。会って数日しか経ってないのに、こんなこと話してしまうなんて」
男「数日じゃないさ」
沙織「…えっ?」
男「何年も…何十年も、かな」
沙織「…あなた…一体」
男「……俺は」
バババアババババババババ
沙織「きゃっ」ポトッ
男「うわっ!!!!あぶねぇ!!!おい天使!!ロケット花火飛ばすな!!」
天使「大丈夫です!男さんだけに当たるように狙い撃ちしましたから!!」
男「ふざけんな!説教してやるからそこで待ってろ!!」ダダダッ
天使さん「ははん♪おっさんの足に追いつかれるような私じゃありあませんよ!!」ダダダッ
沙織「線香花火…落ちてしまったわね」
小男「全く…あの人たちは僕たちより子供なんだから…」
沙織「……」
小男「沙織さん?どうかしたの?」
沙織「あの人…どこかで…いや…そんなはず…」
小男「沙織…さん?」
沙織「いや、なんでもないわ」
小男「?」
男「待ちやがれ!このポンコツ天使!」ダダダッ
天使「ここまできてくださーい」ダダダッ
90: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:46:35.99 ID:Jd8RYwCb0
【木曜日】
男「いでででで…体中が痛ぇ…」
天使「おっさんは大変ですねぇ」
男「馬鹿野郎…二日後に来ないだけまだマシなんだよ…」
天使「そんなもんですか…ねっ!っと」
男「ひゃう!ちべたい!!」
天使「家じゅうの湿布使っちゃいましたけど大丈夫でしたか?」
小男「まぁ平気でしょ。父さんしか使わないし」
男「こりゃ山に行くのは明日だな…」
天使「一日で筋肉痛が治るんですか?」
男「お前、仮にも天使だろ?キュアなんちゃらで治してくれよ」
天使「キュア☆バンテリン」ヌリヌリ
男「おぉ…なんだかスースーする…これが魔法…」
天使「キュア☆アンメルツヨコヨコ」ヌリヌリ
男「あぁ!!さらにスースーする!魔法ってあるんだね!」
沙織「……何をやっているの?」
男「おぉ沙織来たか。いま俺は宇宙人による魔法治療を受けているところだ」
天使「キュア☆キンカン」ヌリヌリ
男「…おい。それはちょっと違うんじゃないのか」
天使「私の魔法を信じてくださいよ」
91: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:48:20.00 ID:Jd8RYwCb0
沙織「…大丈夫なの?」
男「あーしんどい。誰かマッサージしてくれなかなー」
小男「僕がしてあげようか?」
男「あー誰かマッサージしてくれたら治りそうだなー」
小男「あれ?僕は無視?」
沙織「……私がしてあげましょうか?」
男「おっ沙織、気が利くじゃないか。頼むよ」
小男「……」
天使「…男さん。本当に口リコンじゃないんですよね」
男「心配するな。俺は胸がC力ップ以上じゃないと欲情しないんだ」
沙織「……」ギリギリ
男「あだだあだだだだだだ!!!!ちょ!!!沙織さん!!!!痛いですよ!?」
天使「あら。じゃあ私になら欲情するんですね♪」ルンッ
男「お前がC?…とぼC、の間違いだろ?」
天使「……」グッグッグッ
男「いだっだだあだだだ!!!!!ちょ天使さん!?足で踏むのはマッサージじゃないって!!!!」
小男(意外と師匠、朴念仁なのか…?)
92: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:49:18.30 ID:Jd8RYwCb0
【金曜日】
男「完全☆復活」シャキーン
天使「男さーん。荷物まだ残ってますかー?」
男「ふふふ…俺はまだ駄目なおっさんじゃない…」
天使「人の話を聞いてください。駄目おっさん」
男「なんだよ!もう少し褒めてくれよ!頑張って筋肉痛治したんだぞ!?」
天使「バンテリンのおかげじゃないですか」
男「あれは侮れないな」
小男「天使さーん。荷物全部積んだよー!! 」
天使「はぁ…こっちの男さんも小男君みたく素直になってくれたら可愛いのに…」
男「うるせぇな。生意気なおっさんで悪かったな」
天使「まったくもう…」
沙織「おはよう。結構、荷物多いのね」
男「おう。来たか。ちゃんと泊まりの準備してきたか?」
沙織「一泊だけでしょう?そんなに必要ないわ」
男「リュックに詰められたんだな。それに比べて…」
天使「い、いいじゃないですか!乙女の付属品は多いんです!」
男「なんでキャリーバックが必要なんだよ…」
93: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:50:18.59 ID:Jd8RYwCb0
沙織「それで?今日は何処に行くのかしら?」
男「町のはずれにあるキャンプ場だ。川も森も近くて比較的いいところだな」
小男「あ、僕よくそこでキャンプしてたよ」
男「あぁ昨日、親父の書斎から地図が出てきてな」
天使「それで?車は誰が運転するんです?」
男「俺」
天使「…大丈夫なんですか?」
男「免許取ってから一回も車乗ってないけど、たぶん大丈夫」
沙織「その自信はどこから来るのかしら」
男「大丈夫だって。64のエキサイトバイクとか今でもよくやるし」
小男「それ絶対に事故起こすでしょ!?」
天使「レンタカーなんですから、間違っても車壊さないでくださいよ…」
男「ほら、さっさと乗った乗った」
小男「うぅ…大丈夫かな…」
ブロロンブロロロロン
天使「な、なんで無駄にエンジン蒸かしてるんですか…」
~♪~♪
男「おい、シートベルトは着けておけよ」
小男「こ、このBGMは!やばい…」
男「いくぜ!」
ノロノロノロ
小男「遅っ!!30キロも出してない!!」
男「うるせぇ!俺はいまこの車と同化してるんだ!しゃべりかけるな!」
沙織「なにこの茶番」
94: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:50:54.43 ID:Jd8RYwCb0
―キャンプ場―
男「ふぅ…熱いバトルだったぜ…」
天使「安全運転で快適でしたね」
小男「おかげでだいぶ時間かかったけどね」
男「おし、さっさと場所取っちまうか」
沙織「……」キョロキョロ
男「ん?どうした」
沙織「いや…こういうの初めてで…何をしたらいいか…」
男「ぷっ…そんな不安そうな顔しなくても」
沙織「う、うるさいわね」
男「心配すんな。俺だってキャンプなんてほとんど経験ない」
沙織「そ、そうなの?」
天使「私だって初めてですよ?」
小男「僕はずっと見てるだけだったからなぁ」
男「みんな同じだ。協力すればなんとかなるさ」
沙織「……うん」
男「…出会ったころと比べて、ずいぶん子供っぽくなったじゃん」
沙織「馬鹿にしてるの!?」
男「素直になって可愛くなったって意味だ。さ、荷物運ぶの手伝え」
沙織「……//」カァ
天使(沙織ちゃんなんだか可愛いです)
小男(本当だね…)
沙織「あなたも早く手伝って!」
小男「は、はい!」
天使「なんだかいい感じですねぇ…」
95: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:51:50.48 ID:Jd8RYwCb0
数分後
男「やっとテントの貼り付けが終わったな」
男「んー…夕飯までもう少し時間があるな…」
小男「何して過ごすの?」
天使「ふふふ。遊ぶ道具は沢山ありますよ!!」
男「…フリスビーに釣り道具、虫網に水鉄砲…より取り見取りだな…」
天使「このためのキャリーバックです!」
男「んじゃ俺は釣りでもして時間つぶすかな」
天使「夕飯釣ってくださいね!」
男「そんな簡単にできるわけないだろ…」
小男「僕は…虫取りでもしようか」
沙織「小男君できるの?」
小男「うーん…小学生の時はよくやってたけど…どうかな」
天使「沙織ちゃんは虫とか大丈夫なんですか?」
沙織「そうね。まぁ平気かしら」
小男「じゃ…じゃあ僕と一緒に虫取り行こうよ!」
沙織「えっ…でも…」チラッ
男「おっさんは食べられないもの取っても嬉しくない」
天使「私、虫嫌いだからふたりで頑張ってきてください!」
沙織「…しょうがないわね。ちゃんと男君がリードするのよ ?」
小男「う…うん!任せてよ!」
男「虫よけ忘れんなよ」
天使「はい♪キュア☆キンカン、刺されたら使って?」
沙織「あ、ありがとう…」(キュア?)
小男「じゃいってきます!」
男「おう」
タタタッ
96: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:54:27.15 ID:Jd8RYwCb0
天使「…いいんですか?一緒に行かなくて」
男「…実はさっきから筋肉痛が戻ってきたみたいでな。動きたくないんだわ」
天使「…嘘つき」
男「……」
天使「男さん…寂しそうな顔してます」
男「寂しいわけじゃねぇよ…切ないが正解だな」
天使「沙織ちゃんのことですか?」
男「お前は言いにくいことをあっけもなく言うなぁ」
天使「純粋な天使ですから。私」
男「俺には濁って見えるけどな」
天使「……沙織ちゃん。楽しそうでしたね」
男「……あぁ」
天使「小男君も意外と積極的に頑張ってるじゃないですか」
男「……もし」
天使「……」
男「もし俺が、あの頃頑張って話しかけていれば、こうやって幸せそうな沙織を見れたのかなって」
天使「恋愛にもし、なんてないんですよ?」
男「またお前は臭いセリフを…」
天使「そんなのお互い様じゃないですか」
男「…とにかく、俺は俺の好きだった人が幸せそうでよかったなって思っただけ」
天使「あなたが幸せにしてあげたらいいじゃないですか」
男「俺の好きだった沙織は、もうこの世にいない」
天使「この世界の沙織ちゃんは偽物だっていうんですか?」
男「この世界で沙織を好きなのは、“この世界の俺”だよ。それを奪う気はないね」
天使「……男さん」
男「……なんだよ」
天使「この世で一番辛いのは、どっちつかずなことなんですよ」
男「……」
天使「まぁ男さんならわかってると思いますけどね」
天使「それじゃ私は河上のほうで釣ってきますね!伊勢海老!」
男「川じゃ伊勢海老は釣れねぇ!!!」
男「……この世ねぇ」
男「…俺の存在自体、どっちつかずだよな」
97: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:55:15.13 ID:Jd8RYwCb0
数時間後
男「っておいおい…」
小男「……」ボロボロ
沙織「……」ドロドロ
天使「……」ビシャビシャ
男「…とりあえず、沙織と天使は仮設のシャワーに行って来い。小男は着替えろ」
小男「うん…」
沙織「まったく…なんであんなところに沼があるのよ…」ブツブツ
天使「うぅ…私の伊勢海老ぃ…」ションボリ
男「ったく…世話がかかる奴らだな…」
98: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:56:14.27 ID:Jd8RYwCb0
男「えー…気を取り直して。これから晩飯を作る」
天使「待ってました!!」
小男「それで?何を作るの?」
沙織「できれば簡単なものがいいわね」
男「キャンプと言えば!そうカレーだ!!!」ババーン
天使「おぉー」
小男「いいねーカレー大好き!」
沙織「私はビーフシチューのほうが好きだわ」
男「そこ!うるさい!今回は2種類のカレーを作ってもらう!」
小男「2種類?」
男「男チームと、女チームの2種類だ」
天使「えー!!私は食べる専門なんですよぉ!!」
男「黙れ歩く胃袋!最近俺のイメージが下がりっぱなしだからな。ここで挽回するべくカレー勝負だ」
沙織「料理1つであなたのヘン夕イイメージが変わるとは思えないのだけれど」
男「はっはっは…そういっていられるのも今の内だぞ?」
小男「でも、料理対決って面白そうだね!」
男「そうだろう!?それとも…?女性諸君は女性であるのに料理の1つもできないと…?」
天使「ムッ」
小男「ちょちょっと煽るのはやめなよ…」
男「いやはや…家庭料理の代表とも呼べるカレーを作れない女とは…もはや女じゃないなぁ…」
天使「いってくれるじゃない。いいわ?幾千の料理を食してきた私の舌が、すごいってこと証明してあげる」
沙織「ここまで馬鹿にされて引き下がるわけにいかないわね…この勝負受けて立つわ」
男「よし。決まりだ。制限時間は1時間な」
男(女共がちょろくて助かったな)
小男(沙織さん意外とノリいいんだなぁ…)
99: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:57:25.57 ID:Jd8RYwCb0
男「さて、俺たちは下手に凝らずに基本のカレーを作ろう」
小男「大丈夫?負けたりしない?」
男「仮に。いや万が一、女たちが作るカレーが“カレーと呼べるもの”ではないときを想定して、俺たちは普通にカレーを作ろう」
小男「それ、絶対フラグになってるよね…」
男「まぁ米は後々炊くとして…小男、一応米を水に浸しておいてくれ」
小男「うん。もうやってあるよ」
男「手際がいいな。よし、まずは野菜の下ごしらえだ」
小男「皮むきだね。僕はジャガイモやるよ」
男「んじゃ俺は人参と玉ねぎを…」
=下ごしらえ終了=
男「うーし。2人だからあっという間に終わったな」
小男「肉は何を使うの?」
男「ふふふ。これだ」
小男「おぉ牛肉のブロック…大きいね」
男「まずこれを塩、コショウで焦げ目をつけて…と」ジュウウウウウ
男「おい小男。玉ねぎ切れたか?」
小男「う…うん」グシグシ
男「玉ねぎを飴色になるまで炒める…」ジュー…
小男「なんだか本格的だねぇ」
男「カレーってどっちかというと作るのが楽しいよな」
小男「僕は食べるほうが好きだけどね」
男「ま、こんなもんだろ。あとは肉と一緒に圧力鍋に入れちまうか…」
小男「カレー粉は?」
男「あぁ半分だけ入れて、あとは出来上がるちょっと前に入れる」
小男「楽しみだねー」
男「あとは放っておけば勝手にできるだろ」
小男「沙織さんたちは大丈夫かな…?」
男「ちょっとだけ見てくるか」
小男「僕も行く」
男「いや、お前には刺激が強すぎるかもしれん。俺だけで確認してみる」
小男「R指定の料理ってなにさ…」
男「……」チラッ
男「……」スタスタ
小男「ど、どうだった?」
男「…グラタン…?いやてんぷら…?いやパエリアか…?」ブツブツ
小男「なにその料理!?カレーじゃなかったの!?」
100: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:58:48.54 ID:Jd8RYwCb0
―1時間後―
男「さて、1時間たったわけだが」
小男「こっちは本当においしそうなカレーができたね」
天使「……」
沙織「……」
●<……
男「ま、予想通り…か」
小男「なに…この丸くて…黒い物体…?」
男「ダークマターか…いや…これは違うぞ…!!」ペロッ
天使「あっ食べちゃダメです!!」
男「こっこれは……!!!!」
沙織「遅かった…わね」
男「お…お…お……」
小男「ねぇ!大丈夫!?どうしたの!?」
男「おはぎ……!!」
101: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 15:59:44.56 ID:Jd8RYwCb0
天使「……」
沙織「……」
小男「え!?ちょっと待ってよ、カレーの具材からなんでおはぎ!?」
男「間違いない…この味は…間違いなくおはぎ!!」
男「しかも甘すぎないこの繊細な甘さ…上質の小豆…極上品だ…」
小男「えぇ…あ、ほんとだ美味しい」
男「…負けたよ。俺の負けだ。ここまで完璧な“おはぎ”を作るなんて…」
小男「お嫁さん修行とか通り越して、おばあちゃんだよね。おはぎ」
天使「ま、まぁ男さんのカレーもおいしそうですし、ここは引き分けということで…」
沙織「そ、そうね。それがいいわ。料理に勝ち負けなんてないのよ」
男「お…お前たち…ありがとう…ありがとう…」
小男「それにしても、なんでおはぎ…?」
チョンチョン
小男「え?」
おばあちゃん「さっきは材料分けてくれてありがとねぇ。これまだ残ってたから食べて」
小男「あ、はぁありがとうございます…あ、おはぎ…」
天使「わ、私たち、男さんの料理悪くないと思いますよ?」キラキラ
沙織「え、えぇ愛情があっていいと思うわ」キラキラ
男「負けた俺にこんな優しくしてくれるのか…うっ」
小男「……」
102: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 16:00:49.25 ID:Jd8RYwCb0
―真夜中―テント内
天使「…zzz」
小男「……」
沙織(…虫の音がすごいわね)
沙織(いつもと同じ夜なのに…なんだかいつもより怖い気がする…)
ガバッ
沙織「ふぅ…寝れないわね…」
沙織「…おっさんがいない。外かしら…」
ガサゴソ
男「…ん?なんだまだ起きてたのか?」
沙織「…それはこっちのセリフよ。今何時なの?」
男「んー…さぁな。12時過ぎじゃないか?」
沙織「…曖昧ねぇ」ブルッ
男「夏でも夜は冷えるだろう。コーヒー飲むか?」
沙織「眠れないのにコーヒーを飲ませる気?」
男「半分中毒なんだよ」
沙織「カフェオレにしてくれるなら頂くわ」
男「…注文の多いお姫様だな…ったく」
103: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 16:01:54.34 ID:Jd8RYwCb0
沙織「……」
男「……」コポポポポ
男「お待たせしました。当店自慢のカフェ・俺でございます」
沙織「くだらないギャグは男を下げるわよ」
男「つれねぇな」
沙織「……おいしい」
男「……それはよかったな」
沙織「……夜になるとこんなに星が見えるのね」
男「ん?あぁ…そうだな。改まってこういう風に星を見ることなんて初めてかもしれない」
沙織「…わたしもよ」
男「そもそも、星を見る行為なんて一人でするもんじゃないだろうし」
沙織「よかったわね。ちゃんと見ることができたじゃない」
男「たしかに。でも、沙織もこんなおっさんとじゃ不満だろう」
沙織「……そんなこと、ないわ」
男「…な、なんだよ。さっきからやけに優しいな。いつもの悪態はどうした」
沙織「別に。そんないつもあなたをヘン夕イ呼ばわりしているわけじゃないわ」
男「そうだったかねぇ…」
男「……」
沙織「……」
104: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 16:06:06.78 ID:Jd8RYwCb0
沙織「ここ数日…夢を見るの」
男「夢?」
沙織「とてもおかしな夢よ。…もう一人の私の夢なの」
男「……もう一人の…沙織」
沙織「その世界の私は死んでしまって…お葬式の最中に私は浮かんでいるの。それで、来てくれている人たちをぼんやりとみているの…」
男「……」
沙織「あまり仲良くない人なのに、変に思い出を語ったり、みんな無理して泣いているみたいで気味が悪かったわ」
沙織「親の事故のこともあって、親戚には気味が悪いと思われてるみたい」
男「……」
沙織「でもね。ひとりだけ、本当に悲しんで泣いている人がいるの」
沙織「葬式場なのに、大声で、しかもちょっとドン引きするくらいの泣き方で」クスッ
男「……」
沙織「その人は…男の子。図書館でよく見かけた男の子だったわ」
沙織「いつも、私のいる時間に来ていて本を読んでいたの」
沙織「たまにチラチラこっちをみていて、ちょっと気持ち悪かったけど…あの男の子も私の好きな本を、よく読んでいた気がしたわ」
沙織「そんな程度の思い出しかないのだけれど…彼は、私がいなくなってしまったことを、本気で悲しんでいるように見えたの」
男「…きっと、本当に…悲しかったんだ」
沙織「私ね。家族がいなくなって、ずっと死にたいって思ってた」
沙織「どうせ私がいなくなっても悲しむ人もいないし、早く大切な家族のところへ行きたいって思っていたのよ」
男「…図書館で言っていたことか」
沙織「えぇ…数日前まで、その覚悟が確かにあったわ」
沙織「……でも、夢の中の彼女…もう一人の私は、ひどく後悔しているのよ?それと同時にすごく嬉しかったの」
沙織「私のために、本気で泣いてくれる人がいたんだって、とても大切に…思ってくれる人がいたんだって…」
男「…その男の子とは、思い出がないのに…か?」
沙織「…えぇ。だから、そのこともすごく残念がっているみたいだったわ」
男「……そう……か」
沙織「ねぇ……あなた…もしかして」
男「……やめろ」
沙織「…その時の」
105: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 16:07:42.16 ID:Jd8RYwCb0
男「やめろって!!!!!!!!!!!」
沙織「…どうして」
男「いまさら…いまさらそんなこと言われたって…!!」
男「俺にはどうすることもできなかったし!!なにかしてあげることもできなかったんだ!!」
沙織「…私が…いるわ」
男「お前は!!…沙織は……俺の知っている沙織は…もう死んだんだ…!!」
沙織「……ごめんなさい。私はもう、戻るわ…カフェオレありがとう…」
ザッザッザッ
男「なんで今になって……こんなに悲しくならなきゃいけないんだよ…!!」
男「なんでなんだよ…どうしていままで、俺は、何もせずに…生きてきたんだ…!!」
男「ちゃんと…彼女は俺のこと…ちゃんと見てくれていたのに…!!」
男「なんで…!!なんで俺は…!!ちゃんと向かい合わなかったんだよ…!!」
106: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 16:08:57.36 ID:Jd8RYwCb0
小男「おっさん」
男「!!」
小男「…ごめんね。話、全部聞いてたんだ…」
男「……なんだよ俺を笑いに来たのか」
小男「笑わないよ。だって…僕も弱虫だもん」
男「お前…気づいて…」
小男「きっと、今沙織さんがいなくなっちゃったら…僕もちゃんと受け止めらる気がしないから…」
小男「だから、僕、師匠のことわかるよ?だって、僕と全然変わってないもん」
男「……」
小男「……でも、それじゃ駄目なんだよね。僕は彼女を守れるくらい強くならないと…」
小男「また、師匠みたいな駄目な男になっちゃう!」
男「……お前」
男「……っぷ」
小男「え?」
男「…あっはっあっはっは!!!」
小男「な、なんで笑うのさ!!」
男「っはっあはは、悪い、ちょっと俺が情けなさ過ぎてな」
小男「…本当だよ。泣くのか笑うのかどっちかにしてよね」
男「あー…まったくだ。自分に説教される日が来るとはな…」
小男「まったく…不甲斐ない自分を見てるのも辛いんだからね?」
男「大丈夫だ。お前は俺と違うよ。俺よりも絶対にカッコいい」
小男「えっ?本当?師匠に勝てた!?」
男「あぁ。免許皆伝だ。男の名はお前に譲ろう」
小男「やった!!…えっと…じゃあ師匠は何になるの?」
男「ん?そうだな…」
おっさん「ただの“おっさん”かな」
男「あはは!なんだか情けないね!」
おっさん「…まったくだ」
107: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 16:09:49.00 ID:Jd8RYwCb0
おっさん「……おい男」
男「ん?なに?」
おっさん「彼女のこと、ちゃんと守れるって誓えるか?」
男「…うん」
おっさん「男と男の約束だぞ」
男「うん…!!絶対…!!」
おっさん「おし、じゃあもう寝ろ」
男「…うん。おやすみ!」
タッタッタッ
おっさん「……」カチッ
おっさん「……ふぅー」チリチリ
おっさん「…さて、俺も…覚悟、決めなくちゃいけないな」
108: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 16:10:37.82 ID:Jd8RYwCb0
土曜日 男宅
おっさん「……」
天使「まったく…筋肉痛、3日後に来てるじゃないですか…」
おっさん「ったく…山では大丈夫だったんだがな…いてて」
天使「家についた途端、膝から崩れ落ちるとは思いませんでしたよ」
男「車のスピードも、最後のほう自転車に抜かれてたからね」
おっさん「あー…早く魔法をかけてくれ…」
天使「キュア☆サロンパス」シュー
おっさん「あー…超回復―…」
天使「キュア☆サロメチール」ヌリヌリ
おっさん「あぁー生き返るー…」
天使「キュア☆ムヒ」ヌリヌリ
おっさん「いや、だからそれも違うって…」
男「雨降っちゃったね…」
天使「さっき沙織ちゃんから連絡が来て、今日は来ないらしいです」
おっさん「……」
男「明日の花火大会、大丈夫かな…」
おっさん「ま、大丈夫だろ」
天使「まぁ、大丈夫でしょうね」
男「のんきだなぁ…」
おっさん「……おい男」
男「ん?なに?」
おっさん「お前、明日、沙織に告白しろ」
109: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 16:11:51.63 ID:Jd8RYwCb0
男「こっこここおこここっここっここ!!!!!」
おっさん「鶏じゃないんだ。落ち着け」
天使「あ、唐揚げ食べたくなりました」
男「告白なんて!!まだ会って数日だよ!?絶対フラれるって!!」
おっさん「もたもたしてると、俺が奪っちまうぞ?」
男「……!!」
天使「男さん、ついに口リコンになる覚悟ができたんですね」
おっさん「うるせぇな」
男「わ、分かったよ。明日、僕、沙織さんに、こここ、こっ硬派、告白」
天使「大丈夫なんですか…?」
おっさん「これは…駄目かもしれない」
男「えぇ!?応援してよ!?」
おっさん「仕方ないな…よいしょっと…特訓でもするか」
男「特訓?」
おっさん「おい天使、お前、今から沙織な」
天使「えぇ!!そんな急に!!」
おっさん「お前はいまから、この沙織(偽)に告白するんだ」
男「偽って言ってるじゃん…」
男「ほら、天使なりきれ」
天使「えっと…あ、あら…男君…?ご、ご機嫌うるわしゅう…」
男「えっと…さ、沙織さん」
天使「ななな、なんでございますでひょうか!?」
男「ぼ、僕は!あなたのことが…!!」
天使「ひ…ひゃい!!」
おっさん「はい。ストップストップ」
男「え?どこか間違ってた?」
おっさん「駄目。全然ダメ。おまえ押しが弱すぎ。もっとガバッと!グワッと!情熱的に!」
110: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 16:13:31.23 ID:Jd8RYwCb0
男「…じゃあおっさんが手本見せてよ」
おっさん「仕方ねぇな…おい、天使」
天使「えっ?私、沙織ちゃんじゃ…」
おっさん「俺…いい加減…抑えられなくなっちまったんだ…」
天使「ちょ、男さん?なんで近づいてくるんですか?」
おっさん「分かってんだろ…?俺の気持ち…?」
天使「えっえええええええ…ななななんのことでしゅか…」
おっさん「お前…可愛いよな…」
天使「うっひゃあああああああ!!!!みみみみみみみ耳元で囁かないで!くだしぁ!!!!!」
おっさん「奪っても…いいかな」ボソッ
天使「ななななななな…何をでしゅかぁ…?」(涙目)
おっさん「お前の純情だ!!」ガバッ
天使「ぎゃああああああ!!!離してください!離してください!!ってどさくさに紛れてどこ触ってんですか!?きゃあああああああ!!!!」
おっさん「おいおい、触るったってそんなのどこにも見当たらねぇだろうが」モミモミ
天使「その!!!!!手を!!!!!離せ!!!!!!!!」ドグシシャ
おっさん「へぶらぼっ!!」グシャァ
男「……自分で頑張ってみるよ」
111: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 16:14:37.23 ID:Jd8RYwCb0
【日曜日】
沙織「……あなたはどうしてそんなにボロボロなのかしら」
おっさん「あー…ちょっと筋肉痛が治らなくてな」
男「筋肉痛というより…打撲?」
天使「男さん。今日は出店、いくつでも買っていいんですよね」
おっさん「ほら、俺の財布だ。好きに使え」
天使「やった!!さぁ沙織ちゃん!!行きましょう!!」
沙織「ちょっと…!!まだ来たばっかりでしょ…!!」
おっさん「おーい小娘」
沙織「誰が小娘よ!!」
おっさん「男がなんか言いたそうだぞ?」
沙織「…なに?」
男「いやっ!えっと…着物…似合ってるよ」
沙織「……ありがと」
おっさん「ったく…ほんと損な役回りだな…」
天使「ささっ!たこ焼きが!わたあめが!」
おっさん「はいはい…」
112: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 16:15:33.03 ID:Jd8RYwCb0
数時間後
おっさん「……」
財布「……」
おっさん「ま、残しててもしょうがないわな…」
天使「しあわへでふ…」ホクホク
沙織「このお祭りの食べ物…全部ここにあるみたいね…」
男「すごいね…これ全部食べられるのかな…」
天使「あ!かき氷忘れてました!なんてこった!」
男「はぁ…しょうがないなぁ…ちょっと行ってくるね」
おっさん「すまん…もう支援はできないみたいだ」
男「僕の財布の番か…とほほ」
天使「いってきまう!」
おっさん「ちゃんと飲み込んでから行け」
タタタッ
おっさん「さて…と…」ガタッ
沙織「どこに行くの?」
おっさん「ちょっと酒飲みすぎた。風当たってくるわ」
沙織「場所取って置かなくていいの?」
おっさん「これだけ食べ物があるんだ。勝手に座る奴もいないだろう」
沙織「私も…一緒に行っていいかしら」
おっさん「…エスコートは」
沙織「最初から期待してないわ」
おっさん「あら…そう」
テクテク
113: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 16:17:26.63 ID:Jd8RYwCb0
おっさん「……」
沙織「……」
おっさん「まったくなぁ…」
沙織「どうしたの?」
おっさん「タバコ…吸っていいか?」
沙織「えぇ」
おっさん「……」シュボッ
おっさん「…俺さ、家でひきこもってた時、ずっと帰りたいと思ってたんだ」
沙織「ひきこもっているのに?」クスッ
おっさん「そういう気分だったってことだ」
おっさん「……」フゥー
おっさん「でも、それが何処なのか、いつまでたっても分からないままで、毎日ぼんやり過ごしていた気がする」
沙織「……」
おっさん「でも、そういうもんって全部過去にいた場所なんだって…今更ながら思うね」
沙織「あなたがここにいるのは過去じゃないでしょう?」
おっさん「そうだ。ここは俺の世界じゃない。俺の過去でもない。お前…沙織も…ただの可愛い女の子だ」
沙織「…昨日も、彼女の夢を見たわ…」
おっさん「…なんて言っていた?」
沙織「彼の言うことを聞いてあげなさいって」
おっさん「そりゃ出欠大サービスだな」
沙織「あと、」
おっさん「あと?」
沙織「ちゃんとけじめを付けなさいって言っていたわ」
おっさん「けじめ…ね」
114: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 16:18:25.18 ID:Jd8RYwCb0
沙織「……」
ジュッ
おっさん「沙織」
沙織「なに?」
おっさん「今から、沙織に…彼女に伝えたいことがある」
沙織「……」
おっさん「だから、彼女の答えを…聞かせてほしいんだ」
沙織「……わかったわ」
おっさん「……沙織」
115: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 16:19:24.20 ID:Jd8RYwCb0
男「俺は、お前のことが好きだ」
116: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 16:24:24.63 ID:Jd8RYwCb0
沙織「……ごめんなさい」
沙織「私は、あなたが嫌いだわ」
沙織「優柔不断で、甲斐性が無くて、いつもふざけていて、だらしがなくて、いつも言い訳して、やさしくて、勇気がなくて」
沙織「私は、あんたなんか大っ嫌い」
おっさん「はは…ひどい言われよう…」
沙織「……だから」
沙織「私のことなんて忘れて、幸せに生きなさい…って」
おっさん「沙織……」
沙織「あなたは、もう前に進んでいいんだって」
沙織「もう、過去にとらわれなくても大丈夫だからって」
沙織「叶わない恋なんかに囚われてないで」
沙織「まっすぐ、生きなさいって」
沙織「だから、あんたなんか嫌いよって」
おっさん「また…フラれちまったな…」
沙織「えぇ…そうね」
おっさん「沙織…ありがとう…」
沙織「馬鹿ね。フラれてお礼を言う男が何処にいるのよ」
おっさん「そうだよな…沙織…でも、ありがとう…」
沙織「……えぇ」
おっさん「やっと…俺の願いが…叶った気がするよ」
117: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 16:25:54.41 ID:Jd8RYwCb0
天使「あー男さん、探しましたよ!もうすぐ花火始まっちゃいますよ!」
おっさん「わりぃわりぃ。ちょっと酔いを醒ましてきた」
男「おっさん…目赤いけど」
おっさん「酔っぱらうと目に来るんだよ。ほれ酒ブレス」ハァー
男「うわっ!酒くせぇ!」
沙織「さ、花火始まるわよ。行きましょう」
おっさん「あー…すまん。俺たち用事ができた」
男「えっ?これからが本番なのに?」
おっさん「あぁだから男。沙織をちゃんとエスコートしてやれ」
男「えっ…えぇ!!!!!」
おっさん(ちゃんと告白するんだぞ)ボソッ
男(う…うん)
天使「……そうでしたね!そろそろ行かなくちゃです!」
沙織「…いくのね」
おっさん「…あぁ」
男「大丈夫!…僕が沙織さんを…ちゃんと守るよ!」
沙織「あら、期待してもいいのかしら?」
男「えっ…う、うん!」
天使「あはは、頑張ってくださいね!」
おっさん「おい、そろそろ始まるぞ。行け」
男「うん…じゃ沙織さん行こうか」スッ
沙織「…えぇ」ギュッ
おっさん「じゃあな」
天使「さよーならー!」
男「じゃあね!」
沙織「…さよなら」
118: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 16:27:07.62 ID:Jd8RYwCb0
天使「よかったんですか?最後まで見届けなくて」
おっさん「ま、ここの俺なら何とかやってくれるだろう」
天使「もう…お別れなんですね」
おっさん「あぁ…もうそろそろ、夢から覚めてもいい頃だ」
天使「…私、もう少しこの夏休みが続いて欲しかったです」
おっさん「……」
おっさん「…なぁ天使」
天使「…なんですか?」
おっさん「こんなに別れが辛くなるなら…最初から出会わなきゃよかったって思っちまう」
天使「…ふふっ」
おっさん「…何がおかしいんだよ」
天使「いや…同じこというんですよ。王子様もキツネに向かって」
おっさん「王子って…あの本のことか?」
天使「えぇ…そうです」
おっさん「それで?キツネは何て返事するんだ?」
天使「黄色く色づく麦畑を見て、王子の美しい金髪を思い出せるなら、仲良くなった事は決して無駄なこと、悪い事ではなかった」
おっさん「…そうか」
天使「彼女との出会いは、出会わなきゃよかったこと、でしたか?」
119: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 16:28:38.60 ID:Jd8RYwCb0
おっさん「……俺は自分の初恋なんて、どこにでもある、くだらない恋愛の1つだと思ってたんだよ」
おっさん「…だけど、彼女を好きになれたことは俺の誇りだし、それは決してくだらないものなんかじゃなかった」
おっさん「たとえ…死ぬとわかっていても、彼女と出会えたことは無駄じゃなかった。そう思うよ」
天使「臭いセリフは苦手なんじゃなかったんですか?」クスッ
おとこ「…うるせぇな。もうそろそろ終わりなんだからいいじゃねぇか」
天使「……お別れですね」
おとこ「…お前と一緒にいられて楽しかった」
天使「男さん」
男「ん?」
天使「最後に一つだけ秘密を教えてあげます」
男「なんだ?」
120: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 16:29:33.40 ID:Jd8RYwCb0
天使『大切なものは、目に見えない』んですよ?」
男「……うるせぇよ」クスッ
天使「……はい」クスッ
天使「……」
ヒュー…バン!バン!
天使「あ…花火ですよ!男さん…あっ…」
天使「……」
天使「……ばいばい」
121: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 16:30:48.19 ID:Jd8RYwCb0
天使「……以上が、男の仕事内容になります」
神「うむ。おつかれさまじゃった」
天使「では…しつれいします」
神「ちょいちょい。待ちなさい」
天使「?なんでしょうか」
神「仕事終わりで申し訳ないのじゃが…実はもう一つ仕事が溜まっておってのぅ…」
天使「えー!!だって私,今終了したばっかりですよ…!?」
神「まぁまぁええじゃないか。頼むよ」
天使「もう…ちゃんとした人でお願いしますよ!!!!!!」
To be Continue...?
122: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 16:33:55.90 ID:Jd8RYwCb0
これでこの物語はおしまいです。
天使ちゃんの次回の仕事は、ずいぶん先になりそう…?
長いけれど読んでいただきありがとうございました
感想など(いい感想のみ)頂ければ、天使ちゃんが喜んで出て来るかもしれません。
では
123: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 16:36:08.68 ID:MhCdUS7oo
天使ちゃんがBなのが良かった(KONAMI感)
124: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/21(木) 16:37:06.61 ID:gboaij8Vo
壁な天使ちゃんも沙織ちゃんもかわいかったなあと思いました(小
129: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/22(金) 04:26:22.50 ID:jw74SsSRo
結局男は…
130: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/22(金) 10:48:52.23 ID:THXiiE4IO
まぁ人生空っぽだった男が自分なりに完結して死んでいけたんだから、それだけでも天使ちゃんの来た意味があったというもの。
しかし、性欲には流されたくないと語っていた男が途中から……男も男だったという訳か
132: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/22(金) 21:26:01.99 ID:mV0J/cjco
出来ればこれで完結じゃなくて続きが欲しいな
超乙
135: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/23(土) 18:28:50.77 ID:W3qZ31wto
天使ちゃんとの禁断の恋に発展すると思いきやちゃんと死ぬのね
面白かったからまた書いてほしい
136: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/24(日) 15:07:35.74 ID:s19f8zJNP
男のキャラがすげぇ良かったな
乙
137: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/24(日) 16:20:42.18 ID:R8hzppzzo
全俺が泣いた…
乙です
引用元: 天使「おめでとうございまーす!!」男「うるせぇな」