あやせ「ベッドの上ではお兄さんに逆らえない」 桐乃「」
2020-05-26
4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/19(月) 01:16:54.50 ID:TyZFKhRx0
桐乃「えっ・・・」
あやせ「へへっ///」どやっ
桐乃「うけるーwwwアイツ普段はヘタレなのにーwwあやせには強気なんだww」
あやせ「えっ・・・」
桐乃「私とやる時は甘えっぱなしなんですけどーwww」
あやせ「・・・」プルプル
桐乃「ぎゃははwww」
あやせ「へへっ///」どやっ
桐乃「うけるーwwwアイツ普段はヘタレなのにーwwあやせには強気なんだww」
あやせ「えっ・・・」
桐乃「私とやる時は甘えっぱなしなんですけどーwww」
あやせ「・・・」プルプル
桐乃「ぎゃははwww」
関連
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10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/19(月) 02:14:52.06 ID:ZDy+l8if0
あやせ「って話を桐乃からきいたんですけど」
京介「……」
あやせ「お兄さん、どういうことなんですか?」
京介「そのーだな……それはな……」
あやせ「私は別に怒ってなんていませんよ?ただなんで私とヤっておきながら桐乃にも手を出したんですか?」
京介「い、いやだからな!それは……」
あやせ「……私じゃお兄さんを満足させられないのですか?私の何が物足りなかったのですか?私はどうすればお兄さんを満足させてあげられるのですか?
ねぇ……お兄さん聞いてます?無視されると殺しちゃいますよ?死んじゃいますよ?ねぇ…何か言ってくださいよ……言えって言ってるでしょ!!」
京介「 」
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/19(月) 03:04:58.24 ID:ZDy+l8if0
京介「ま、待て!落ち着け!」
あやせ「落ち着け?私は常に冷静ですよ?お兄さんこそなんでそんなに慌ててるんですか?
堂々とすればいいじゃないですか。俺は桐乃と性行為しましたって。別に私は怒ってないんだし」
京介「お前が殺すとか言うから焦ってるんだろうが!」
あやせ「焦る?何でですか?お兄さんが最も愛してる女性の目の前で息を引き取るだなんて……ロマンチックじゃないですか//」
京介「良し。まずその手に持ったハサミを地面に置こうか」
あやせ「落ち着け?私は常に冷静ですよ?お兄さんこそなんでそんなに慌ててるんですか?
堂々とすればいいじゃないですか。俺は桐乃と性行為しましたって。別に私は怒ってないんだし」
京介「お前が殺すとか言うから焦ってるんだろうが!」
あやせ「焦る?何でですか?お兄さんが最も愛してる女性の目の前で息を引き取るだなんて……ロマンチックじゃないですか//」
京介「良し。まずその手に持ったハサミを地面に置こうか」
17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/19(月) 03:12:38.02 ID:ZDy+l8if0
あやせ「……話が逸れました。ではお兄さんに質問します。拒否権はありません」
京介「話を逸らすな!ハサミを置け!」
あやせ「質問します」
京介「だから話を……」
あやせ「質問します」チャキ
京介「ひぃっ……わ、分かったから!答えるからハサミを向けるな!」
あやせ「……向けるな?」
京介「向けないでください、あやせ様」
あやせ「……ふーん。まぁ良いです。じゃあ質問します。私に何か不満がありますか?」
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/19(月) 03:26:25.22 ID:ZDy+l8if0
京介「不満?んなモノあるワケ無いだろ」
あやせ「つまり私の身体で満足していると」
京介「む……それだとヤり目的で付き合ってるみたいじゃないか」
あやせ「実際そうじゃないですか。最近は会う度に一日中……」
京介「それはあやせが可愛すぎるからであって……」
あやせ「キャッ……虫酸が走ります///刺しますよ?///」
京介「おかしい!この流れ絶対おかしい!」
あやせ「……まぁ私に不満は無いんですね」
京介「強いて言うなら話を逸らさないでいただきたい」
あやせ「次の質問です」
京介「オイ。俺の話を聞いてたか?話を逸らすなと……」
あやせ「次の質問です」チャキ
京介「オーケーオーケードンドン答えます」
28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/19(月) 03:42:32.01 ID:ZDy+l8if0
あやせ「お兄さんが従順になった所で質問です。私との行為中に何が物足りないんですか?」
京介「物足りない訳じゃないが……」
あやせ「行為に不満があるんですか?自分で言うのもアレなんですが……私結構お兄さんの期待に添えられる様なプレイに応じてるつもりなんですが……」
京介「待て。その言い草だと俺がヘン夕イプレイを強要してるみたいじゃねぇか」
あやせ「違うんですか?」
京介「違うわ!一昨日だってお前が『今日は私が手錠を付けるのでお兄さんは私のことを沢山可愛がってください』って言ってたじゃねぇか!」
あやせ「……次の質問です」
京介「待て。コレについては逃がさないぞ。話を逸らすな」
あやせ「むっ……仕方ありません。確かにあの時は私から手錠プレイを望みました」
あやせ「ですけど!お兄さんも中々ノリノリだったと思います」
40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/19(月) 08:25:39.31 ID:ZDy+l8if0
京介「うっ……それは確かにそうだったが……」
あやせ「お兄さんがお尻を叩いたせいで今でも真っ赤になってます」
京介「わ、悪かったな……」
あやせ「私も楽しかったから別に良いですけどね。話を戻します。行為に不満はありますか?」
京介「無いっちゃ無いが強いて言うなら……」
あやせ「強いて言うなら?」
京介「口で…して欲しいかなって」
あやせ「 ……汚らわしいモノを私の口に突っ込みたいと。お兄さんはアソコだけじゃなくて口も犯したいと」
京介「ゔっ……つ、次の質問行こうぜ!」
52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/19(月) 10:37:28.43 ID:ZDy+l8if0
あやせ「まぁ私はベッドの上ではお兄さんの言いなりペットですから。私はいずれ無理矢理口を犯されるのでしょう」
京介「 」
あやせ「さて……現段階だとお兄さんは私に不満は無くてむしろ毎日穴という穴を犯したいみたいですが……」
京介「もう何とでも言え」
あやせ「そんな誰もが羨む状態のお兄さんはなんで桐乃と交わったんですか?桐乃の方が胸大きいからですか?妹って響きがそんなに好きなんですか?それとも私との関係は行為目的で本命は桐……」
京介「あのさ……さっきから言いたかったんだが」
京介「俺、あやせ一筋だぜ?」
あやせ「えっ……」
京介「桐乃に手を出すとか兄としてあり得ないんだが……」
56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/19(月) 10:49:44.20 ID:ZDy+l8if0
あやせ「嘘です。桐乃が私に嘘を付くはずありません」
京介「いや本当だって。逆に俺からすればなんで桐乃がそんなこと言ってるのか分からねぇし」
京介「桐乃と手を繋ぐってだけでも反吐が出そうなのに、まして行為中甘えまくるとか死んでもやりたくないわ」
あやせ「……つまりお兄さんは桐乃とは淫らな関係ではないと」
京介「当たり前だろ」
あやせ「……じゃあ桐乃はなんで私に嘘付いたのでしょうか」
京介「さぁな。酔っ払ってたんじゃねぇの?」
あやせ「コレについては本人に直接聞きましょう」
60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/19(月) 11:02:11.20 ID:ZDy+l8if0
京介「あ……」
あやせ「……どうしたんですか?突然何か思い出した様な顔をして……抉りますよ?」
京介「なんでだよ!悪い事してねぇじゃねぇか!」
あやせ「冗談です。で、どうしたんですか?」
京介「お前だと冗談に聞こえないんだけど……」
あやせ「良いから話してください。本当に抉りますよ」
京介「話す!話すから!スプーンを顔に近付けないで!」ガタガタ
あやせ「そんなにビビらなくても……私女の子なんですよ?その反応はちょっと傷付きます」
京介「えっ…あー悪い……ってなんで謝らなきゃいけないんだよ!眼球真近までスプーン近付けられたら誰でもビビるわ!」
あやせ「そうですか?怖がるお兄さんの姿は中々可愛くて……私は大好きですよ?」
京介「そんな愛の告げ方、嬉しくねぇわ!」
66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/19(月) 11:18:50.35 ID:ZDy+l8if0
あやせ「そうですか……つまりお兄さんは私からの愛はいらないから身体だけ寄越せと……」
京介「違うわ!歪んだ愛情がいらねぇって言ってるんだよ!彼氏の怖がる姿を喜ぶ彼女とかおかしいだろ!」
あやせ「私はお兄さんの全てが好きですよ?ビクビクする姿も、手錠されてる姿も、私の胸を1時間くらい吸い続ける姿も、私を後ろから犯してる姿も全部全部大好きです」
京介「なんか素直に喜べねぇ……」
あやせ「話がかなり逸れました。私の愛情表現については後程ベッドの中で語りましょう。で、さっきは何を思い出したんですか?」
京介「なんか色々腑に落ちないが……いやさっきな唐突に思ったんだが、俺とあやせの関係は恋人じゃん?」
あやせ「まぁ世間体からすればそうなりますね」
京介「なんだよその含みのある言い方は……」
あやせ「いえ。続けてください」
京介「……そんで恋人だからその……色々するじゃん?」
あやせ「はい、色々しましたね」
京介「ってことはだな。桐乃にも彼氏が出来たらそういうことするのかなって……」
68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/19(月) 11:33:45.34 ID:ZDy+l8if0
あやせ「……」
京介「それを考えてしまうとなんつうか……」
あやせ「まぁ良い気分じゃありませんよね」
京介「だろ!?俺も桐乃がそんなことを赤の他人とすると思うと……その彼氏殺しちまうかもしれねぇ。誰かに取られるくらいなら俺が……」
あやせ「えっ?」
京介「えっ?」
あやせ「……」
京介「……」
あやせ「ちょっと待ってください。お兄さんは桐乃とHなことをするのは死んでも嫌なんですよね?」
京介「当たり前だろ。なんで兄貴である俺が実の妹に手を出さなきゃいけない」
あやせ「はい。全くもってその通りです。兄妹でHなことなんてあり得ません。じゃあ桐乃に彼氏が出来たとします」
京介「彼氏をブン殴る一択だな」
あやせ「 」
70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/19(月) 11:50:47.17 ID:ZDy+l8if0
あやせ「なんかおかしくないですか?」
京介「何がだ?あやせだって嫌だろ?桐乃が知らない男相手に股を開くなんて……」
あやせ「まぁ良い気分はしませんけど……私はその……お兄さんと付き合ってしまった訳であって……桐乃にどうこう言えないんですよ」
京介「は?意味が分からないんだが……」
あやせ「ですから!桐乃の好きな人を私は奪ってしまったと言いますか……」
京介「えっ……あやせ二股してるの?」
あやせ「なっ…違います!私はお兄さん一筋です!他の男なんて考えられません!」
京介「お、おう……」
あやせ「もう……つまりですね!その……私は桐乃の恋愛についてはどうこう言えないんです!」
京介「えっ……昔のお前なら桐乃に彼氏が出来たら殺しにかかる勢いなのに……」
76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/19(月) 12:15:38.83 ID:ZDy+l8if0
あやせ「私だって桐乃に彼氏なんて嫌です!……けど……」
京介「だろ?嫌だろ?」
あやせ「でもそれっておかしいですよね。お兄さんは私とは付き合ってるのに、桐乃はダメって」
京介「いやおかしくない。兄と父親ってのは妹や娘に対しては理不尽であって良いモノなのだ」
あやせ「はぁ……なんか急に頭が冷めてきました。最後の質問です、お兄さん」
京介「まだ続いてたのか……それ」
あやせ「最後にしますから良いじゃないですか」
京介「まぁ良いけど……」
あやせ「今日これからどうします?桐乃は部活ですし、この家には私とお兄さんだけです」
131: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/19(月) 16:43:43.93 ID:ZDy+l8if0
京介「そ、そうだな。あやせはこの後何か用事があるのか?」
あやせ「いえ。お兄さんの為に一日空けてます」
京介「そ、そうか……」
あやせ「……お兄さん、これは新たなプレイか何かでしょうか?どうして焦らすのですか?素直に……」
京介「いや……ここでその……するの?」
あやせ「はい。それ以外無いじゃないですか。誰もいない彼氏の家なんてヤるしかないじゃないですか」
京介「そうだよな……そうなんだよなぁ……」
あやせ「……何を躊躇っているんですか?」
134: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/19(月) 16:55:37.79 ID:ZDy+l8if0
あやせ「私とするの……嫌ですか?」ウルウル
京介「い、嫌じゃない!むしろ一日中したい!」
あやせ「じゃあなんで今日は襲ってくれないんですか?趣向を変えて私に襲われたいんですか?」
京介「いやそういう訳じゃ……」
あやせ「そうですか。分かりました。私がお兄さんを無理矢理犯します」ドンッ
京介「うぉっ!ちょっ!まっ……んっっ!?」
あやせ「んっ……ぷはっ……考えてみたら私からキスするの初めてですね」
京介「そ…そうだな」
あやせ「案外良いかも知れません。私が主導権握るのも」
140: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/19(月) 17:10:42.90 ID:ZDy+l8if0
あやせ「ところでお兄さん」サスサス
京介「変なところさするな!」
あやせ「いえ撫で続けます。どういうことかいつもなら常時大にして私を犯してるのに……今日は変化しないですからね」
京介「 」
あやせ「まぁそのうち大きくなるでしょう。お兄さん、私の制服を脱がしてください」
京介「お、おう」ヌガシヌガシ
あやせ「お兄さん、セーラ服脱がすのかなり早くなりましたね」
京介「そりゃ毎回やってれば慣れるっていうか……」
あやせ「そうですか……慣れてしまいましたか」
京介「それにしても……相変わらず綺麗な肌だよな」
あやせ「ありがとうございます。でもお兄さんがこれからこの肌を汚すんですよ?」
京介「汚すって……まぁ確かに汚してたりしたが……」
147: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/19(月) 17:51:03.69 ID:ZDy+l8if0
あやせ「……で、現在衣服を無理矢理剥がれて下着姿にされた私がお兄さんの目の前にいる訳ですが」
京介「お前が脱がせって言ったんだろうが!」
あやせ「なんでお兄さんは私を脱がすだけで何もしないんですか?」
京介「 」
あやせ「そうですか。なら私から……」サスサス
京介「きょっ……今日は普通に……イチャイチャじゃダメ……か?」
あやせ「何を言ってるんですか?ブチ殺しますよ」
京介「今日はマジでその……」
148: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/19(月) 17:53:02.02 ID:ZDy+l8if0
ガチャ
桐乃「兄貴ーwww今日はナニする!?www今朝は目隠しだったから……えっ」
あやせ「えっ?」
京介「あ……」
桐乃「あやせ……なんで下着だけなの?」
あやせ「桐乃……今のどういうこと?」
京介「あーそういえば今日は図書館で勉強しなきゃいけないんだよねーあはははー」
桐乃「 」
あやせ「 」
京介「…………じゃそういうことで」イソイソ
あやせ「待ってくださいお兄さん」
京介「ひっ」ビクッ
あやせ「お兄さんに大事な質問があります」ニコニコ
桐乃「兄貴ーwww今日はナニする!?www今朝は目隠しだったから……えっ」
あやせ「えっ?」
京介「あ……」
桐乃「あやせ……なんで下着だけなの?」
あやせ「桐乃……今のどういうこと?」
京介「あーそういえば今日は図書館で勉強しなきゃいけないんだよねーあはははー」
桐乃「 」
あやせ「 」
京介「…………じゃそういうことで」イソイソ
あやせ「待ってくださいお兄さん」
京介「ひっ」ビクッ
あやせ「お兄さんに大事な質問があります」ニコニコ
169: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/19(月) 18:34:23.04 ID:ZDy+l8if0
あやせ「つまり最近朝起きると桐乃が跨っていると」
京介「その通りでございます」ボロボロ
桐乃「朝だと兄貴も眠くて身体動かないらしくてさぁwww『桐乃……マジでやめてくれ……何でもいうこと聞くから』って頼んでくるんだよwww」
京介「ちょっ!テメェ!」
あやせ「……ふーん。何でも言うこと聞くから……ねぇ」
桐乃「兄貴がさぁwwwあまりに嫌がるからさぁwww今日は兄貴に目隠しして空になるまで犯したったwww」
あやせ「……お兄さんにお話があります」
京介「ハイ……なんでしょうかあやせ様」
177: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/19(月) 18:51:14.05 ID:ZDy+l8if0
あやせ「先程お兄さんは『桐乃と手を繋ぐってだけでも反吐が出そうなのに、まして行為中甘えまくるとか死んでもやりたくないわ』って言いましたよね?」
京介「言いました」
桐乃「反www吐wwwがwww出wwwるwwwとwwwかwww嫌がりながらもビンビンにして5回も中に出した奴の台詞じゃないっしょwww」
あやせ「……」
京介「あああ…ああのなあやせ……まままず落ち着いて欲しいんだ、うん。手にもってるね、うん。数々の凶器を一旦ね、うん。置いてね、うん。桐乃じゃなくて俺の話を聞いて欲しいんだ」
桐乃「兄貴必死過ぎるでしょwwwあやせも病み過ぎてウケるwww」
あやせ「……分かりました。この際桐乃に犯されたのは良いとしましょう。今日私の下着姿を見ても反応がなかったのも不問にします」
京介「お、おう」
186: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/19(月) 19:08:11.47 ID:ZDy+l8if0
あやせ「本当はよくありませんけど今は仕方ありません、後程伺います」
桐乃「歳下に尻を敷かれる兄貴wwwでもヤってる時は立場逆転とかwwwあやせウケるwww」
京介「頼むから桐乃……マジで黙っててくれ。ほらアレを見るんだ……カッターの刃を出したり閉まったり繰り返してるあやせの手を」
桐乃「黙ってて欲しかったらその口で私の口を塞げば良いじゃないwwwほら早くwww早くwww」
あやせ「お兄さん」
京介「やらねぇよ!!だから俺の胸にカッター突き付けないでくれ!!」
191: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/19(月) 19:18:33.30 ID:ZDy+l8if0
桐乃「あー笑い疲れたわwwwちょっと便所行ってくるわwww」
バタン
あやせ「 」
京介「やっと消えた……そのさっきのことなんだけどな」
あやせ「 」
京介「自ら望んだ訳じゃないのはあやせも分かってくれるだろ?」
あやせ「 」
京介「うっ……嘘付いたのは謝る……ゴメン」
あやせ「……お兄さんからはしてないんですよね?」
京介「あ、あぁ」
あやせ「絶対ですか?」
京介「絶対だ」
あやせ「今度嘘ついたら本当に殺しちゃいますよ?」
195: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/19(月) 19:36:25.89 ID:ZDy+l8if0
京介「殺すって……」
あやせ「嘘付いたんですか?」
京介「付いてない付いてない!断じで付いてません!」
あやせ「……そうですか。なら良いです」
京介「お、怒らないのか?」
あやせ「……今日はなんかもう疲れました。お兄さんのお膝をお借りしますね」ゴロン
京介「えっ……あ、あやせ?」
あやせ「お兄さんは疲れ切った私を労うべきだと思います。せっかく新しくした下着も空になったコレのせいで無駄になりましたし」サスサス
京介「さ、触るな!」
あやせ「お兄さんは私の頭を撫でてください。私はコレを撫でますから」
198: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/19(月) 19:46:18.66 ID:ZDy+l8if0
京介「撫でるって……頭をか?それと触るな」
あやせ「頭以外に何処を撫でるつもりですか?お尻ですか?ヤる気になっちゃいますよ?」
京介「あ、頭な!オッケーオッケー容易い御用だ」ナデナデ
あやせ「んっ……あっ……」
京介「へ、変な声あげるな!」
あやせ「冗談です。でも気持ち良いのは本当です。ずっとこのままでいたいです」ゴロゴロ
京介「そ、そうか…」キュン
あやせ「Hの時とは別の気持ち良さですね」
京介「台無しじゃねぇか。今の俺のキュンを返しやがれ」
202: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/19(月) 19:56:34.68 ID:ZDy+l8if0
ーーーーーーーーーーーーーー
桐乃「なんなのよアレ……」
桐乃「アタシが爆弾投下して関係を悪くさせるはずだったのに……」
桐乃「なんでイチャイチャしてんのよ」
桐乃「オカシイオカシイオカシイ」
桐乃「兄貴ハアタシノモノナノ二……」
ーーーーーーーーーーーーーー
あやせ「(フフッ……桐乃がお兄さんを無理矢理襲うなんてのは予想済み。お兄さんが私以外の人とヤるのは嫌だけどそれをあえて許したうえで更に仲良くなってる所を見せれば流石にダメージは大きいでしょうね)」
あやせ「(誰かとお兄さんがヤったくらいで私がお兄さんを手放す訳がないじゃない)」
桐乃「なんなのよアレ……」
桐乃「アタシが爆弾投下して関係を悪くさせるはずだったのに……」
桐乃「なんでイチャイチャしてんのよ」
桐乃「オカシイオカシイオカシイ」
桐乃「兄貴ハアタシノモノナノ二……」
ーーーーーーーーーーーーーー
あやせ「(フフッ……桐乃がお兄さんを無理矢理襲うなんてのは予想済み。お兄さんが私以外の人とヤるのは嫌だけどそれをあえて許したうえで更に仲良くなってる所を見せれば流石にダメージは大きいでしょうね)」
あやせ「(誰かとお兄さんがヤったくらいで私がお兄さんを手放す訳がないじゃない)」
208: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/19(月) 20:01:08.85 ID:ZDy+l8if0
あやせ「(お兄さんはこれからもずっとずっと私のモノ)」ニヤニヤ
京介「どうしたんだ?嬉しそうな顔をして」
あやせ「いえ。ただ再確認しただけです」
京介「再確認?」
あやせ「そうです。これからもずっとずっとずーっと」
あやせ「お兄さんは私のモノです」
完
引用元: あやせ「ベッドの上ではお兄さんに逆らえない」 桐乃「」
桐乃「…あいつがいなくなった」あやせ「えっ?」
2020-05-10
1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 20:54:15.31 ID:8TnRqP9b0
桐乃「…あいつがいなくなった。」
あやせ「えっ?」
桐乃「京す…兄貴が家を出ていったの。」イラッ
あやせ「お兄さんが? どうして?」
桐乃「受験勉強に集中するため、ってお母さんが言ってた。」イラッイラッ
あやせ(桐乃が朝から不機嫌なのはそういう事なんだ…)
桐乃「お父さんからも、一切連絡も接触もしてはいけないって何度も釘を刺された!」イラッイラッ
あやせ「連絡も接触も…って」
桐乃「どこに引越したかすら教えてもらえないのが、むかつく!」バンバンッ
あやせ(重症だー!!)
あやせ「えっ?」
桐乃「京す…兄貴が家を出ていったの。」イラッ
あやせ「お兄さんが? どうして?」
桐乃「受験勉強に集中するため、ってお母さんが言ってた。」イラッイラッ
あやせ(桐乃が朝から不機嫌なのはそういう事なんだ…)
桐乃「お父さんからも、一切連絡も接触もしてはいけないって何度も釘を刺された!」イラッイラッ
あやせ「連絡も接触も…って」
桐乃「どこに引越したかすら教えてもらえないのが、むかつく!」バンバンッ
あやせ(重症だー!!)
関連
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3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 20:55:16.01 ID:8TnRqP9b0
桐乃「携帯に連絡いれても着拒されて…何考えてんの、あいつはっ!!」ガンガンッ
あやせ「だったら、メールなら何とかなるんじゃ?」
桐乃「メールしたら、『お前のためだ、すまない。』って返信されてそれっきり…」ショボーン
あやせ「あれ、受験勉強なのに、桐乃のためって理由は、おかしくない?」
桐乃「そう、そうなの! 絶対に何か裏がある…!!」ギリィ
あやせ「うーん、もしかして…」
桐乃「何!? あやせは、何か知ってるの!?」ガクガク
あやせ「い、いや知ってる、と、いうよりは、とりあえず、揺らすの、止めよ!?」
桐乃「はっ!? そ、そうね…で、あやせはどう思う?」
あやせ「受験勉強、っていうは建前な気がする。わたしも調べてみるから、ね?」
あやせ「だったら、メールなら何とかなるんじゃ?」
桐乃「メールしたら、『お前のためだ、すまない。』って返信されてそれっきり…」ショボーン
あやせ「あれ、受験勉強なのに、桐乃のためって理由は、おかしくない?」
桐乃「そう、そうなの! 絶対に何か裏がある…!!」ギリィ
あやせ「うーん、もしかして…」
桐乃「何!? あやせは、何か知ってるの!?」ガクガク
あやせ「い、いや知ってる、と、いうよりは、とりあえず、揺らすの、止めよ!?」
桐乃「はっ!? そ、そうね…で、あやせはどう思う?」
あやせ「受験勉強、っていうは建前な気がする。わたしも調べてみるから、ね?」
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 20:56:16.87 ID:8TnRqP9b0
- 放課後 -
あやせ(何となく理由は分かるんだけど…はっきりさせておきたいなぁ…こーゆうときは…)
プルルッ
麻奈美「はい、麻奈美です。どうしたの、あやせちゃん?」
あやせ「あ、お姉さん。お忙しいところすみません、実は折り入ってご相談したい事が…」
麻奈美「んー…もしかして、きょうちゃんの事かな?」
あやせ「…はい、その通りです…お姉さんなら、何かご存知ではないかと。」
麻奈美「うん、きょうちゃんのお母さんから事情は聞いてるよー。」
あやせ「その事情、教えていただく訳には…」
麻奈美「うーん、あやせちゃんならいいかなぁ…みんな、特に桐乃ちゃんには内緒だよ?」
あやせ(何となく理由は分かるんだけど…はっきりさせておきたいなぁ…こーゆうときは…)
プルルッ
麻奈美「はい、麻奈美です。どうしたの、あやせちゃん?」
あやせ「あ、お姉さん。お忙しいところすみません、実は折り入ってご相談したい事が…」
麻奈美「んー…もしかして、きょうちゃんの事かな?」
あやせ「…はい、その通りです…お姉さんなら、何かご存知ではないかと。」
麻奈美「うん、きょうちゃんのお母さんから事情は聞いてるよー。」
あやせ「その事情、教えていただく訳には…」
麻奈美「うーん、あやせちゃんならいいかなぁ…みんな、特に桐乃ちゃんには内緒だよ?」
7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 20:57:18.84 ID:8TnRqP9b0
あやせ「はい、桐乃に隠し事は後ろめたいですが、お姉さんの言う事でしたら、必ず内緒に。」
麻奈美「きょうちゃんのお母さんね、きょうちゃんと桐乃ちゃんの仲を疑ってるみたいなの。」
あやせ「(やっぱり…)そうでしたか…。でも、兄妹の仲がいいのは別に…?」
麻奈美「それがね、きょうちゃんが桐乃ちゃんに手を出したと思われてるみたいで?」
あやせ「なっ!?(あのシスコンのヘン夕イっ!!!)」メキィ
麻奈美「きょうちゃんのお母さんが心配して、事前に隔離したみたいなの。」
あやせ「そ、そういう事でしたか…色んな意味で安心しました。」ホッ
麻奈美「あやせちゃんも心配、なんだね。きょうちゃん最近もてもてだし~。」
あやせ「そそそ、そんな事はっ! わたしは、桐乃の事が心配でっ!」アセアセッ
麻奈美「んー、実はね? わたし、きょうちゃんの引越し先、知ってるよ。」
麻奈美「きょうちゃんのお母さんね、きょうちゃんと桐乃ちゃんの仲を疑ってるみたいなの。」
あやせ「(やっぱり…)そうでしたか…。でも、兄妹の仲がいいのは別に…?」
麻奈美「それがね、きょうちゃんが桐乃ちゃんに手を出したと思われてるみたいで?」
あやせ「なっ!?(あのシスコンのヘン夕イっ!!!)」メキィ
麻奈美「きょうちゃんのお母さんが心配して、事前に隔離したみたいなの。」
あやせ「そ、そういう事でしたか…色んな意味で安心しました。」ホッ
麻奈美「あやせちゃんも心配、なんだね。きょうちゃん最近もてもてだし~。」
あやせ「そそそ、そんな事はっ! わたしは、桐乃の事が心配でっ!」アセアセッ
麻奈美「んー、実はね? わたし、きょうちゃんの引越し先、知ってるよ。」
9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 20:58:25.56 ID:8TnRqP9b0
あやせ「えっ!?」
麻奈美「今日も、晩御飯を作りにいってあげる予定です。」
あやせ「きょ、『今日も』って!?」
麻奈美「合鍵、預かってるんだぁ。あ、きょうちゃんのお母さんからだけどね?」
あやせ「ご、ご両親も公認なんですかーっ!?」オロオロッ
麻奈美「あ、えっとね、餓死しないようによろしくって…」テレッテレッ
あやせ「…その、お姉さんさえよければ、お付き合いさせていただいても、よろしいでしょうか…?」
麻奈美「んー、あやせちゃんなら…いいよ。一緒に行こうか?」
あやせ「はいっ! 是非、お願いしますっ!!」
あやせ(桐乃に内緒というのは心苦しいですが、事態が事態ですからね…)
麻奈美「今日も、晩御飯を作りにいってあげる予定です。」
あやせ「きょ、『今日も』って!?」
麻奈美「合鍵、預かってるんだぁ。あ、きょうちゃんのお母さんからだけどね?」
あやせ「ご、ご両親も公認なんですかーっ!?」オロオロッ
麻奈美「あ、えっとね、餓死しないようによろしくって…」テレッテレッ
あやせ「…その、お姉さんさえよければ、お付き合いさせていただいても、よろしいでしょうか…?」
麻奈美「んー、あやせちゃんなら…いいよ。一緒に行こうか?」
あやせ「はいっ! 是非、お願いしますっ!!」
あやせ(桐乃に内緒というのは心苦しいですが、事態が事態ですからね…)
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 20:59:58.73 ID:8TnRqP9b0
麻奈美「あ、あやせちゃん~。こっちこっち~。」
あやせ「お姉さん、お待たせいたしましたっ。」
麻奈美「きょうちゃん、まだかなぁ。今日は赤城くんのところ寄るって言ってたし。」ピンポーン
あやせ「いない、みたいですね、お兄さん?」
麻奈美「じゃあ先にご飯だけ作っておこうかな。」ガチャリ
あやせ「ほんとに合鍵、お持ちなんですね…」
麻奈美「嘘はつかないよー。あやせちゃんも手伝ってね。きょうちゃんも喜ぶよー。」
あやせ「そんなっ…わたし、お兄さんに…酷い事、してますし…」
麻奈美「そんなの、きょうちゃんは気にしないよ、きっと。」
あやせ「そうですかねっ…そう、ですよねっ。」
あやせ「お姉さん、お待たせいたしましたっ。」
麻奈美「きょうちゃん、まだかなぁ。今日は赤城くんのところ寄るって言ってたし。」ピンポーン
あやせ「いない、みたいですね、お兄さん?」
麻奈美「じゃあ先にご飯だけ作っておこうかな。」ガチャリ
あやせ「ほんとに合鍵、お持ちなんですね…」
麻奈美「嘘はつかないよー。あやせちゃんも手伝ってね。きょうちゃんも喜ぶよー。」
あやせ「そんなっ…わたし、お兄さんに…酷い事、してますし…」
麻奈美「そんなの、きょうちゃんは気にしないよ、きっと。」
あやせ「そうですかねっ…そう、ですよねっ。」
17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 21:01:28.03 ID:8TnRqP9b0
京介(よくぞ死守してくれた赤城。いつぞやのDVDと交換条件だったが仕方ないっ!)
京介「あれっ、何故部屋に灯りが…また麻奈美のやつかなぁ…ありがたいけど。」ガチャ
麻奈美「おかえりなさい、きょうちゃん。ご飯、作って待ってたよー。」
京介「ただいま。麻奈美、そんな毎日こなくても俺は餓死したりしないぞ…って、ん?」
あやせ「お、おかえりなさい。お兄さん…///」
京介「ただいま、って! どうして、あやせがここに! 俺はまだ何もしていないぞっ!!」
あやせ「お兄さん、どうしてそんなに怯えるんですかっ…///」
麻奈美「きょうちゃん、今日のご飯はあやせちゃんも手伝ってくれたんだよー。」
あやせ「///」
麻奈美「ほら、早く食べよ? 後『まだ』って何か気になるから聞かせてね?」ニコニコ
京介「あれっ、何故部屋に灯りが…また麻奈美のやつかなぁ…ありがたいけど。」ガチャ
麻奈美「おかえりなさい、きょうちゃん。ご飯、作って待ってたよー。」
京介「ただいま。麻奈美、そんな毎日こなくても俺は餓死したりしないぞ…って、ん?」
あやせ「お、おかえりなさい。お兄さん…///」
京介「ただいま、って! どうして、あやせがここに! 俺はまだ何もしていないぞっ!!」
あやせ「お兄さん、どうしてそんなに怯えるんですかっ…///」
麻奈美「きょうちゃん、今日のご飯はあやせちゃんも手伝ってくれたんだよー。」
あやせ「///」
麻奈美「ほら、早く食べよ? 後『まだ』って何か気になるから聞かせてね?」ニコニコ
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 21:03:11.56 ID:8TnRqP9b0
京介「…事情はまあ、大体分かった。桐乃が荒れるのも無理はない。」
あやせ「それで、ここの事は桐乃には当面秘密に?」
京介「そうしないと、必ず桐乃がきて、趣味ぶっちゃけて好き放題するから、頼む。」
麻奈美「知ってるのはわたしとあやせちゃんだけだからね。それで『まだ』って何?」ニコニコ
京介「うっ、それは、だなぁ…麻奈美さん、最近キツいっすね?」
あやせ「秘密の件は分かりました。それで、『まだ』って何ですか、お兄さん?」ニコニコ
京介「今日のご飯はとてもおいしかったです。二人ともありがとうな。」
麻奈美「うん、ありがとう。だから『まだ』って何かな?」ニコニコ
あやせ「お兄さんのためにがんばったんだから当然です。ところで『まだ』とは?」ニコニコ
京介「ごめんさない、言いますから、二人共、その怖い笑顔は止めてくださいっ!!」ドゲザァ!!
あやせ「それで、ここの事は桐乃には当面秘密に?」
京介「そうしないと、必ず桐乃がきて、趣味ぶっちゃけて好き放題するから、頼む。」
麻奈美「知ってるのはわたしとあやせちゃんだけだからね。それで『まだ』って何?」ニコニコ
京介「うっ、それは、だなぁ…麻奈美さん、最近キツいっすね?」
あやせ「秘密の件は分かりました。それで、『まだ』って何ですか、お兄さん?」ニコニコ
京介「今日のご飯はとてもおいしかったです。二人ともありがとうな。」
麻奈美「うん、ありがとう。だから『まだ』って何かな?」ニコニコ
あやせ「お兄さんのためにがんばったんだから当然です。ところで『まだ』とは?」ニコニコ
京介「ごめんさない、言いますから、二人共、その怖い笑顔は止めてくださいっ!!」ドゲザァ!!
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 21:04:40.20 ID:8TnRqP9b0
あやせ「この、紙袋の中身、ですか?」
京介「はい、親友の赤城に預かっていただいていたモノにございます。」
麻奈美「でも、中身は別に…? ファッション雑誌とノートパソコン?」
京介「はい、何とか半ば強制的に家を追い出される前に避難させたものです。」
あやせ「あ、このファッション雑誌…お兄さんたら、もう…///」
麻奈美「あやせちゃん、知ってるの?」
あやせ「はい、わたしと桐乃がモデルしてるファッション雑誌なんですよ。」
麻奈美「へー、どれどれ。わぁ、ほんとだ。二人共綺麗だねー。憧れちゃうなー。」
京介「麻奈美さんは季節による部分的な増減が激し…ごふっ!!」
麻奈美「もー、きょうちゃんたら、あやせちゃんの前でそんな事言ったらだめー。」
京介「はい、親友の赤城に預かっていただいていたモノにございます。」
麻奈美「でも、中身は別に…? ファッション雑誌とノートパソコン?」
京介「はい、何とか半ば強制的に家を追い出される前に避難させたものです。」
あやせ「あ、このファッション雑誌…お兄さんたら、もう…///」
麻奈美「あやせちゃん、知ってるの?」
あやせ「はい、わたしと桐乃がモデルしてるファッション雑誌なんですよ。」
麻奈美「へー、どれどれ。わぁ、ほんとだ。二人共綺麗だねー。憧れちゃうなー。」
京介「麻奈美さんは季節による部分的な増減が激し…ごふっ!!」
麻奈美「もー、きょうちゃんたら、あやせちゃんの前でそんな事言ったらだめー。」
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 21:06:41.86 ID:8TnRqP9b0
京介「…だからって手加減なしの拳はねぇよ、拳は…」
あやせ「あ、新しいのもありますね。最近は桐乃、モデル活動休止してるのに…」
麻奈美「あれ、よく見たら、雑誌は全部、付箋が付いてるよ? どれどれ…」
京介「や、やめてくださ…ごふっ…麻奈美さん、マジ痛ェ!!」
あやせ「…気のせいか、わたしが載ってるページばかりのような…///」
京介「それは多分、あやせのファンだという赤城が…」
麻奈美「きょうちゃん…『随分』と使い込まれた付箋だね?」ゴゴゴゴゴ…
京介「それは多分、赤城が勝手に…いやすいませんでした麻奈美さん。もう拳は止めてください。」
あやせ「あの、お兄さん…一つお願いがあるんですけど、いいですか?」
京介「はい、言い訳すると命に関わりそうなので、何でも聞かせていただきます。」
>>24 お好きにどうぞ。
あやせ「あ、新しいのもありますね。最近は桐乃、モデル活動休止してるのに…」
麻奈美「あれ、よく見たら、雑誌は全部、付箋が付いてるよ? どれどれ…」
京介「や、やめてくださ…ごふっ…麻奈美さん、マジ痛ェ!!」
あやせ「…気のせいか、わたしが載ってるページばかりのような…///」
京介「それは多分、あやせのファンだという赤城が…」
麻奈美「きょうちゃん…『随分』と使い込まれた付箋だね?」ゴゴゴゴゴ…
京介「それは多分、赤城が勝手に…いやすいませんでした麻奈美さん。もう拳は止めてください。」
あやせ「あの、お兄さん…一つお願いがあるんですけど、いいですか?」
京介「はい、言い訳すると命に関わりそうなので、何でも聞かせていただきます。」
>>24 お好きにどうぞ。
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 21:10:14.30 ID:8TnRqP9b0
あやせ「すいません、その無理言って…///」
京介「合鍵一つで秘密が守られるなら、命に比べれば安いもんだよ。」
あやせ「それに、家まで送ってもらって…お兄さん、受験勉強もあるのに…///」
京介「夜、暗い中、女の子一人で帰す方が危ないだろう。麻奈美も送っていったし。」
あやせ「あのですね、お兄さん…だったら、もうちょっとだけお願いが…///」
ギュッ
あやせ「危ないから、手、繋いでてください…///」
京介「あ、あやせさん? 急に何、どうしたの!?」
ギュゥッ
あやせ「(もう、鈍感ですね…お兄さんは…)///」
京介「合鍵一つで秘密が守られるなら、命に比べれば安いもんだよ。」
あやせ「それに、家まで送ってもらって…お兄さん、受験勉強もあるのに…///」
京介「夜、暗い中、女の子一人で帰す方が危ないだろう。麻奈美も送っていったし。」
あやせ「あのですね、お兄さん…だったら、もうちょっとだけお願いが…///」
ギュッ
あやせ「危ないから、手、繋いでてください…///」
京介「あ、あやせさん? 急に何、どうしたの!?」
ギュゥッ
あやせ「(もう、鈍感ですね…お兄さんは…)///」
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 21:13:19.49 ID:8TnRqP9b0
京介「じゃあ、玄関で転んだりするなよ?」
あやせ「家の前まで送ってもらったのに、そんな事しませんっ///」
京介「じゃあ、またな?」
あやせ「はい、また…です…///」
あやせ(お兄さんと、手、繋いじゃったっ…♪)ゴロゴロ
あやせ(~~~~~~~~~~~~~~~~♪)ゴロゴロゴロゴロ
あやせ母「あやせ? 何、ぬいぐるみ抱えてベッドで悶えてるの…?」
あやせ「はっ…!? いや、これはその、仲直りできたのが嬉しくて、つい…///」
あやせ母「嬉しいのは、分かったから、早くお風呂入って…って聞いてないわね…」
あやせ(~~~~~~~~~~~~~~~~♪)ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ
あやせ「家の前まで送ってもらったのに、そんな事しませんっ///」
京介「じゃあ、またな?」
あやせ「はい、また…です…///」
あやせ(お兄さんと、手、繋いじゃったっ…♪)ゴロゴロ
あやせ(~~~~~~~~~~~~~~~~♪)ゴロゴロゴロゴロ
あやせ母「あやせ? 何、ぬいぐるみ抱えてベッドで悶えてるの…?」
あやせ「はっ…!? いや、これはその、仲直りできたのが嬉しくて、つい…///」
あやせ母「嬉しいのは、分かったから、早くお風呂入って…って聞いてないわね…」
あやせ(~~~~~~~~~~~~~~~~♪)ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ
33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 21:15:22.85 ID:8TnRqP9b0
- 翌日 -
あやせ「おはよー、桐乃…って今日は元気だね?」
桐乃「んふふーっ、分かるぅ? 今日のあたしは絶好調よっ!」ニコニコ
あやせ「昨日はあんなに調子(というか機嫌)悪そうだったのに?」
桐乃「ようやく、あいつから連絡があった。確かにこれなら親にバレにくい。」ニコニコ
あやせ「お兄さんと、話できたんだ?」
桐乃「オンライン対戦ゲームのチャットでね、『待たせてすまなかったな』、って♪」ニヤニヤ
あやせ(ああ、それでノートパソコンだったんだ。)
桐乃「でも、どこに引越ししたかまでは約束もあるから教えられないって…」ショボーン
あやせ(お兄さんも、桐乃の事、気にしてくれてたみたいですし…報告しておこうかな?)
あやせ「おはよー、桐乃…って今日は元気だね?」
桐乃「んふふーっ、分かるぅ? 今日のあたしは絶好調よっ!」ニコニコ
あやせ「昨日はあんなに調子(というか機嫌)悪そうだったのに?」
桐乃「ようやく、あいつから連絡があった。確かにこれなら親にバレにくい。」ニコニコ
あやせ「お兄さんと、話できたんだ?」
桐乃「オンライン対戦ゲームのチャットでね、『待たせてすまなかったな』、って♪」ニヤニヤ
あやせ(ああ、それでノートパソコンだったんだ。)
桐乃「でも、どこに引越ししたかまでは約束もあるから教えられないって…」ショボーン
あやせ(お兄さんも、桐乃の事、気にしてくれてたみたいですし…報告しておこうかな?)
34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 21:17:36.12 ID:8TnRqP9b0
桐乃「後、気のせいか、あいつの周りに女の匂いがする…!!」キッ
あやせ「…! 桐乃、どうしてそう思うの…?」
桐乃「今まで、ずっとデフォのキャラ使ってたのに、急にエディタキャラ使ってきた!」プンスカ
あやせ「桐乃、それがどうして、お兄さんの話に?」
桐乃「あいつの趣味で、黒髪ロングに眼鏡まで装備して、ちょー気合入ってたしっ!!」ギリィ
あやせ(黒髪ロングに…眼鏡ね、ふむふむ…早速、眼鏡は調達しましょうか。)
桐乃「しかも、ちょーやり込んでて、コテンパンにされたしっ!! 今度は負けないっ!」バンバン
あやせ(何だか怒ってるようだけど、嬉しそうだし…これはこれで…)
桐乃「む、眼鏡が気になって見逃しそうだったけど、あやせに似てた気がする…かな?」ボソボソ
あやせ(…! それは聞き捨てならないよ、桐乃…///)
あやせ「…! 桐乃、どうしてそう思うの…?」
桐乃「今まで、ずっとデフォのキャラ使ってたのに、急にエディタキャラ使ってきた!」プンスカ
あやせ「桐乃、それがどうして、お兄さんの話に?」
桐乃「あいつの趣味で、黒髪ロングに眼鏡まで装備して、ちょー気合入ってたしっ!!」ギリィ
あやせ(黒髪ロングに…眼鏡ね、ふむふむ…早速、眼鏡は調達しましょうか。)
桐乃「しかも、ちょーやり込んでて、コテンパンにされたしっ!! 今度は負けないっ!」バンバン
あやせ(何だか怒ってるようだけど、嬉しそうだし…これはこれで…)
桐乃「む、眼鏡が気になって見逃しそうだったけど、あやせに似てた気がする…かな?」ボソボソ
あやせ(…! それは聞き捨てならないよ、桐乃…///)
36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 21:21:06.41 ID:8TnRqP9b0
あやせ「…という訳で、桐乃はそれなりに満足してました。嫉妬もすごかったですけど。」
京介「事情はまあ分かったが、何故、今日もあやせが俺の部屋にいる?」
あやせ「お姉さんに聞いたら、今日は来れない、という事でしたので…///」
京介「いや、それは答えになってないだろう!?」
あやせ「眼鏡がお好きらしいので、伊達ですけど、かけてみました…///」
京介「確かに眼鏡は好きだが、あやせだと、反則すぎるくらい似合うなっ、畜生っ!」パシャ
あやせ「いきなり何をっ!!」
京介「貴重な、可愛い眼鏡あやせを秘蔵のコレクションとするため、素早く写メに記録した。」
あやせ「っ! 可愛、い、なんて…そんな急に…じゃあ部屋にいるときは常備しますね///」
京介「…あの、あやせさん? いつもなら、こう冷めた目で見下してる所ですよ?」
京介「事情はまあ分かったが、何故、今日もあやせが俺の部屋にいる?」
あやせ「お姉さんに聞いたら、今日は来れない、という事でしたので…///」
京介「いや、それは答えになってないだろう!?」
あやせ「眼鏡がお好きらしいので、伊達ですけど、かけてみました…///」
京介「確かに眼鏡は好きだが、あやせだと、反則すぎるくらい似合うなっ、畜生っ!」パシャ
あやせ「いきなり何をっ!!」
京介「貴重な、可愛い眼鏡あやせを秘蔵のコレクションとするため、素早く写メに記録した。」
あやせ「っ! 可愛、い、なんて…そんな急に…じゃあ部屋にいるときは常備しますね///」
京介「…あの、あやせさん? いつもなら、こう冷めた目で見下してる所ですよ?」
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 21:24:21.18 ID:8TnRqP9b0
あやせ「あっ、えっと、こほん。今日はお兄さんに聞きたい事があって来ました。」
京介「条件反射で正座して土下座できる体勢になってる、この俺の習性が恨めしいよ。」
あやせ「返答如何によっては、色々と不都合なイベントが発生しますので、そのおつもりで。」
京介「それはもう脅迫ですよね!?」
あやせ「お兄さんがゲームで使われてたキャラのモデルって誰、ですか?」
京介「はい?」
あやせ「ですから、誰がモデルですか、と聞いてるんです。もしかして、泥棒猫ですか?」ジトーッ
京介「泥棒猫って、その元後輩の、黒ね…いや五更の事かっ!? ち、違うぞ!?」
あやせ「そうですか。で、誰なんですか?」ジトーッ
京介「本人を目の前にして言うのも何だが、あやせさまです、すいませんでしたぁっ!!」ドゲザァ
京介「条件反射で正座して土下座できる体勢になってる、この俺の習性が恨めしいよ。」
あやせ「返答如何によっては、色々と不都合なイベントが発生しますので、そのおつもりで。」
京介「それはもう脅迫ですよね!?」
あやせ「お兄さんがゲームで使われてたキャラのモデルって誰、ですか?」
京介「はい?」
あやせ「ですから、誰がモデルですか、と聞いてるんです。もしかして、泥棒猫ですか?」ジトーッ
京介「泥棒猫って、その元後輩の、黒ね…いや五更の事かっ!? ち、違うぞ!?」
あやせ「そうですか。で、誰なんですか?」ジトーッ
京介「本人を目の前にして言うのも何だが、あやせさまです、すいませんでしたぁっ!!」ドゲザァ
41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 21:27:48.45 ID:8TnRqP9b0
京介(ああ、死んだね、もう死んだね。覚悟完了。すまん、桐乃…ってあれ?)
あやせ「そ、そうですか。わたしが、モデル、なんですね…///」
京介「あ、あれ?」
あやせ「じゃあ、今日のわたしなんか、もうばっちりですよね…///」
京介「はい、文句つけたら神様に怒られると思います。」キリッ
あやせ「今日のご飯は、お姉さんにお聞きしていた、お兄さんの好物にしますね…///」タタタッ
京介「あの、あやせさん?」
あやせ「~~~~~~~~~~~~~~~~♪」
京介(どこかで見た事ある雰囲気だけど、触れないでおこう…)
あやせ「~~~~~~~~~~~~~~~~♪」
あやせ「そ、そうですか。わたしが、モデル、なんですね…///」
京介「あ、あれ?」
あやせ「じゃあ、今日のわたしなんか、もうばっちりですよね…///」
京介「はい、文句つけたら神様に怒られると思います。」キリッ
あやせ「今日のご飯は、お姉さんにお聞きしていた、お兄さんの好物にしますね…///」タタタッ
京介「あの、あやせさん?」
あやせ「~~~~~~~~~~~~~~~~♪」
京介(どこかで見た事ある雰囲気だけど、触れないでおこう…)
あやせ「~~~~~~~~~~~~~~~~♪」
42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 21:31:53.17 ID:8TnRqP9b0
京介「ごちそうさまでした。」
あやせ「こちらこそ、お粗末様でした。」
京介「すげーうまかった。」
あやせ「その、喜んでいただけたなら充分です…///」テレテレッ
京介「こんなに美人で、可愛くて、料理もできるなら、すぐにでもお嫁にいけそーだな。」
あやせ「…!」ツツツッ
京介「あの、あやせさん!? さっきから、すごく、そのですね…っ!」
あやせ「その、何ですか…? ///」ピトッ
京介「桐乃に見られたら、何を言われるかと思うと…でも、今のあやせはすごく、可愛い。」
あやせ「~~~~~~~~~~~~~~~~♪」ギューッ
あやせ「こちらこそ、お粗末様でした。」
京介「すげーうまかった。」
あやせ「その、喜んでいただけたなら充分です…///」テレテレッ
京介「こんなに美人で、可愛くて、料理もできるなら、すぐにでもお嫁にいけそーだな。」
あやせ「…!」ツツツッ
京介「あの、あやせさん!? さっきから、すごく、そのですね…っ!」
あやせ「その、何ですか…? ///」ピトッ
京介「桐乃に見られたら、何を言われるかと思うと…でも、今のあやせはすごく、可愛い。」
あやせ「~~~~~~~~~~~~~~~~♪」ギューッ
45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 21:35:56.90 ID:8TnRqP9b0
京介「ほら、あんまり遅くなると親御さんが心配するから、今日は帰ろう、な?」
あやせ「も、もうちょっとだけですからっ♪」ギューッ
京介「もうちょっとだけ、って言いながらもう一時間は抱きつかれてるぞっ、俺はっ!」
あやせ「し、仕方ありませんね…じゃあ『今日は』これで満足して、帰ります…///」
京介「やっと、帰る気になってくれたか…一応、これでも受験生なんで…」
あやせ「じゃあ、その、無理にとは言いませんが…一つ欲しいものが…///」
京介「た、高いモノは勘弁してください、あやせさまっ!」
あやせ「その、お兄さんのお古のワイシャツを…///」
京介「えっ?」
あやせ「後、今日は、腕組ませてください、ね…///」
あやせ「も、もうちょっとだけですからっ♪」ギューッ
京介「もうちょっとだけ、って言いながらもう一時間は抱きつかれてるぞっ、俺はっ!」
あやせ「し、仕方ありませんね…じゃあ『今日は』これで満足して、帰ります…///」
京介「やっと、帰る気になってくれたか…一応、これでも受験生なんで…」
あやせ「じゃあ、その、無理にとは言いませんが…一つ欲しいものが…///」
京介「た、高いモノは勘弁してください、あやせさまっ!」
あやせ「その、お兄さんのお古のワイシャツを…///」
京介「えっ?」
あやせ「後、今日は、腕組ませてください、ね…///」
48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 21:40:03.78 ID:8TnRqP9b0
京介「どうしてこーなった…」
あやせ「お姉さんとは、もっとすごい事、毎日してるって聞きましたよ?」
京介「その情報源はどこだ…?」
あやせ「えーと、先日、お姉さんの家にお泊りさせていただきまして。」
京介「田村さん家の方々かぁっ!! 信じるなよ、事実を誇張した捏造だからなっ!!」
あやせ「でも、お姉さんと同じ部屋でお泊り、したんですよね?///」ツネッ
京介「そんな可愛い顔して照れても、痛ェもんは痛ェ!!」
あやせ「じゃあ、こうします♪///」ギュー
京介「両腕を絡ませてきて、どうするつもりだっ!!」
あやせ「わたしがドキドキした分、お兄さんにもドキドキしてもらいます♪」ギュー
あやせ「お姉さんとは、もっとすごい事、毎日してるって聞きましたよ?」
京介「その情報源はどこだ…?」
あやせ「えーと、先日、お姉さんの家にお泊りさせていただきまして。」
京介「田村さん家の方々かぁっ!! 信じるなよ、事実を誇張した捏造だからなっ!!」
あやせ「でも、お姉さんと同じ部屋でお泊り、したんですよね?///」ツネッ
京介「そんな可愛い顔して照れても、痛ェもんは痛ェ!!」
あやせ「じゃあ、こうします♪///」ギュー
京介「両腕を絡ませてきて、どうするつもりだっ!!」
あやせ「わたしがドキドキした分、お兄さんにもドキドキしてもらいます♪」ギュー
50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 21:44:34.91 ID:8TnRqP9b0
あやせ(とりあえず、お兄さんのお宝アイテムをゲットしてしまった訳ですが。)
あやせ(そういえば、この大きなクマさんのぬいぐるみにはまだ名前をつけてませんでしたね…)
あやせ(…せっかくだし、モノは試しという事で、よいしょ、よいしょ…)
あやせ(できましたっ、ワイシャツのサイズが少々大きいですが、お兄さんのですし♪)
あやせ「今日から、このクマさんは『きょうすけ』さんにしましょう☆ミ」ギューッ
あやせ「…!!」ギューッ、クンカクンカ! ←ありったけの知識を総動員して妄想中。
あやせ(~~~~~~~~~~~~~~~~♪)ゴロンゴロンゴロンゴロン
あやせ「はっ! わたしは今、何を…///」
あやせ「…きょ、きょうすけ、さん♪ ~~~~~♪///」バンバンバンバン
あやせ(少女マンガの知識しかないわたしには、もうこれが限界~♪)ゴロンゴロンゴロンゴロン
あやせ(そういえば、この大きなクマさんのぬいぐるみにはまだ名前をつけてませんでしたね…)
あやせ(…せっかくだし、モノは試しという事で、よいしょ、よいしょ…)
あやせ(できましたっ、ワイシャツのサイズが少々大きいですが、お兄さんのですし♪)
あやせ「今日から、このクマさんは『きょうすけ』さんにしましょう☆ミ」ギューッ
あやせ「…!!」ギューッ、クンカクンカ! ←ありったけの知識を総動員して妄想中。
あやせ(~~~~~~~~~~~~~~~~♪)ゴロンゴロンゴロンゴロン
あやせ「はっ! わたしは今、何を…///」
あやせ「…きょ、きょうすけ、さん♪ ~~~~~♪///」バンバンバンバン
あやせ(少女マンガの知識しかないわたしには、もうこれが限界~♪)ゴロンゴロンゴロンゴロン
51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 21:48:12.20 ID:8TnRqP9b0
- 翌日 -
あやせ「き、桐乃に…相談したい事がっ!」
桐乃「どーしたの、あやせ…そんなものすごい形相でっ!」
あやせ「桐乃の趣味の領分だから、こんなの桐乃にしか頼めないのっ!」ゴニョゴニョ
桐乃「あたしの趣味とな! それなら放課後とかの方が…教室ではさすがに…」ゴニョゴニョ
あやせ「その、かなり切実なので、じっくりとご相談させていただきたいのです。」ゴニョゴニョ
桐乃「帰りにどこか、という訳にもいかないし、ウチにくる?」ゴニョゴニョ
あやせ「是非、お願いいたします。」ゴニョゴニョ
桐乃「では、そーゆー事で。わたしもちょうど、あやせに相談したい事が。内密に。」ゴニョゴニョ
あやせ「では、その件も含めてというのはどうかな?」ゴニョゴニョ
あやせ「き、桐乃に…相談したい事がっ!」
桐乃「どーしたの、あやせ…そんなものすごい形相でっ!」
あやせ「桐乃の趣味の領分だから、こんなの桐乃にしか頼めないのっ!」ゴニョゴニョ
桐乃「あたしの趣味とな! それなら放課後とかの方が…教室ではさすがに…」ゴニョゴニョ
あやせ「その、かなり切実なので、じっくりとご相談させていただきたいのです。」ゴニョゴニョ
桐乃「帰りにどこか、という訳にもいかないし、ウチにくる?」ゴニョゴニョ
あやせ「是非、お願いいたします。」ゴニョゴニョ
桐乃「では、そーゆー事で。わたしもちょうど、あやせに相談したい事が。内密に。」ゴニョゴニョ
あやせ「では、その件も含めてというのはどうかな?」ゴニョゴニョ
53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 21:53:14.11 ID:8TnRqP9b0
- 放課後、高坂家 桐乃の部屋 -
あやせ「実はですね、わたしもオンライン対戦ゲームに興味を持ちまして。」モジモジ
桐乃「ついに、あやせも分かってくれたのねっ!!」ガシッ
あやせ「桐乃っ、落ち着いて! その、食べず嫌いは良くない、と。」ワタワタ
桐乃「その考えだけでも充分よ、あやせ。分かった、まずはやってみよー。」ソワソワ
あやせ「やってみよー。」ワクワクドキドキ
桐乃「ところでわたしの相談なんだけどね…あやせ、地味子…麻奈美と仲いいよね?」
あやせ(…! まさか気がついた!?)
桐乃「お母さんが地味子に電話してるの、聞いちゃって。その、バカ兄貴の世話焼いてる、とか…」シュン…
あやせ(わたしの事までは、まだバレていないようだけど…?)ドキドキ
あやせ「実はですね、わたしもオンライン対戦ゲームに興味を持ちまして。」モジモジ
桐乃「ついに、あやせも分かってくれたのねっ!!」ガシッ
あやせ「桐乃っ、落ち着いて! その、食べず嫌いは良くない、と。」ワタワタ
桐乃「その考えだけでも充分よ、あやせ。分かった、まずはやってみよー。」ソワソワ
あやせ「やってみよー。」ワクワクドキドキ
桐乃「ところでわたしの相談なんだけどね…あやせ、地味子…麻奈美と仲いいよね?」
あやせ(…! まさか気がついた!?)
桐乃「お母さんが地味子に電話してるの、聞いちゃって。その、バカ兄貴の世話焼いてる、とか…」シュン…
あやせ(わたしの事までは、まだバレていないようだけど…?)ドキドキ
56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 21:56:36.28 ID:8TnRqP9b0
桐乃「もしかして、地味子はバカ兄貴の住んでる所、知ってるのかなぁって。」グスッ
あやせ「あのね、それならお姉さんに聞いてみたよ。学校で様子見て、連絡してるんだって。」アセッアセッ
桐乃「そう、なの…ありがと、あやせ。少しだけ安心した。」
あやせ(事前にお姉さん達と打ち合わせしてなければ、今のは避けられなかったーっ!!)アセッアセッ
桐乃「あやせ、また新しい情報があったら教えてねっ!」
あやせ「大切な桐乃のためだから、ね。できるだけ、がんばってみる。」
桐乃「こーゆー時、黒猫が転校しなければ…貴重な情報源がっ!」
あやせ「黒猫って、お兄さんの彼女を詐称した泥棒猫の事?」ムッ
桐乃「詐称した、とゆーか、一時期、確かにバカ兄貴の彼女だった訳で…それに友達だし…」モジモジ
あやせ(桐乃の友達をあんまり悪くいうのもなんですし、この話題はここまでにして…)
あやせ「あのね、それならお姉さんに聞いてみたよ。学校で様子見て、連絡してるんだって。」アセッアセッ
桐乃「そう、なの…ありがと、あやせ。少しだけ安心した。」
あやせ(事前にお姉さん達と打ち合わせしてなければ、今のは避けられなかったーっ!!)アセッアセッ
桐乃「あやせ、また新しい情報があったら教えてねっ!」
あやせ「大切な桐乃のためだから、ね。できるだけ、がんばってみる。」
桐乃「こーゆー時、黒猫が転校しなければ…貴重な情報源がっ!」
あやせ「黒猫って、お兄さんの彼女を詐称した泥棒猫の事?」ムッ
桐乃「詐称した、とゆーか、一時期、確かにバカ兄貴の彼女だった訳で…それに友達だし…」モジモジ
あやせ(桐乃の友達をあんまり悪くいうのもなんですし、この話題はここまでにして…)
57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 21:59:09.45 ID:8TnRqP9b0
『いえにかえるんだな。おまえにも、おにぃちゃんがいるのだろう』
桐乃「…その、あやせ、さん? すごくお上手ですね?」ワナワナッ
あやせ「や、これは本当に初めてだし、そのまさか、こんなにおもしろいとは…」
桐乃「ノーハンデ同キャラ対決で、もうわたしの腕に追いついてるなんて!?」
あやせ「こう、動かすだけなら、そんなにも難しくないというか…ね?」
桐乃「あやせ、センスあるよ。すっごい悔しいけど。」フルフルッ
あやせ「でも、これ、その工ッチなゲームなんだよね…?///」
桐乃「ゲームとしてはどっちの目的でも遊べるけど、わたしは可愛い絵が好きだから☆ミ」
あやせ「でも、こうやって人と遊ぶ分には、それ程…」
桐乃「とりあえず、明日にでもコレ買ってきて、あやせもオンラインデビューしようか?」ニヤッ
桐乃「…その、あやせ、さん? すごくお上手ですね?」ワナワナッ
あやせ「や、これは本当に初めてだし、そのまさか、こんなにおもしろいとは…」
桐乃「ノーハンデ同キャラ対決で、もうわたしの腕に追いついてるなんて!?」
あやせ「こう、動かすだけなら、そんなにも難しくないというか…ね?」
桐乃「あやせ、センスあるよ。すっごい悔しいけど。」フルフルッ
あやせ「でも、これ、その工ッチなゲームなんだよね…?///」
桐乃「ゲームとしてはどっちの目的でも遊べるけど、わたしは可愛い絵が好きだから☆ミ」
あやせ「でも、こうやって人と遊ぶ分には、それ程…」
桐乃「とりあえず、明日にでもコレ買ってきて、あやせもオンラインデビューしようか?」ニヤッ
58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 22:00:53.56 ID:8TnRqP9b0
あやせ「オンラインデビュー?」
桐乃「そうそう。そうすれば、わざわざウチに来なくても一緒に遊べるし、ね、ね?」
あやせ(ん、つまり表に裏に、お兄さんに群がる女の人を監視できますね?)キュピーン
桐乃「それに、あやせの腕なら、すぐに黒猫とだってやれるよ、だから、ねっ?」
あやせ(泥棒猫も正面から叩き潰せるチャンスですか…ふふっ、うふふふふ…)ニヤリ
あやせ「分かったわ、桐乃。桐乃の言う通りにする…けど、これって18禁、だよね?」
桐乃「大丈夫、手配ならもう済ませたわ。」
あやせ「早いし! しかもさすが、ネット通販…明日には届くって…」
桐乃「工口ゲーデビューする親友への、わたしからのプレゼントよ。感動した?」キリッ
あやせ(嬉しいけど、そこには感動できないよ、桐乃…)
桐乃「そうそう。そうすれば、わざわざウチに来なくても一緒に遊べるし、ね、ね?」
あやせ(ん、つまり表に裏に、お兄さんに群がる女の人を監視できますね?)キュピーン
桐乃「それに、あやせの腕なら、すぐに黒猫とだってやれるよ、だから、ねっ?」
あやせ(泥棒猫も正面から叩き潰せるチャンスですか…ふふっ、うふふふふ…)ニヤリ
あやせ「分かったわ、桐乃。桐乃の言う通りにする…けど、これって18禁、だよね?」
桐乃「大丈夫、手配ならもう済ませたわ。」
あやせ「早いし! しかもさすが、ネット通販…明日には届くって…」
桐乃「工口ゲーデビューする親友への、わたしからのプレゼントよ。感動した?」キリッ
あやせ(嬉しいけど、そこには感動できないよ、桐乃…)
59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 22:04:57.10 ID:8TnRqP9b0
- 翌日の放課後、高坂家 桐乃の部屋 -
桐乃「ふっふっふ。さあ、あやせ、パソコンはもってきた?」
あやせ「ノートパソコンだけど、大丈夫だよね?」
桐乃「バカ兄貴も同じようなの使ってるから、それは大丈夫。さあインスコしちゃおうねー。」ムフフ
あやせ「うーん、結構時間かかるんだね。それに工ッチなのはゲームで躊躇してるのもあるし。」
桐乃「ここまできて文句言わなーい。それに、別に見たくなければスキップできるから。」
あやせ「確かに絵は可愛いよね…」
桐乃「そうそう、リプレイも見れるんだ。あいつとの対戦リプレイ見る?」
あやせ「桐乃とお兄さんの? それは見てみたいかも(主に私がモデルのキャラが)。」ワクワク
桐乃「あいつのキャラ、眼鏡なかったら、あやせそっくり。性癖でキャラ作るとかキモっ!」イラッ
桐乃「ふっふっふ。さあ、あやせ、パソコンはもってきた?」
あやせ「ノートパソコンだけど、大丈夫だよね?」
桐乃「バカ兄貴も同じようなの使ってるから、それは大丈夫。さあインスコしちゃおうねー。」ムフフ
あやせ「うーん、結構時間かかるんだね。それに工ッチなのはゲームで躊躇してるのもあるし。」
桐乃「ここまできて文句言わなーい。それに、別に見たくなければスキップできるから。」
あやせ「確かに絵は可愛いよね…」
桐乃「そうそう、リプレイも見れるんだ。あいつとの対戦リプレイ見る?」
あやせ「桐乃とお兄さんの? それは見てみたいかも(主に私がモデルのキャラが)。」ワクワク
桐乃「あいつのキャラ、眼鏡なかったら、あやせそっくり。性癖でキャラ作るとかキモっ!」イラッ
61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 22:07:29.68 ID:8TnRqP9b0
あやせ(…なるほど、お兄さんが土下座したのも分かる。わたしに似てるなぁ…でも、ね?)
あやせ「気のせいとは思えない程、露出度高くない? 後、桐乃の方も、桐乃そっくり…」
桐乃「あー、えっとね、こーゆーの作るのが得意な知り合いにいてね?」
あやせ(ん、この露出度の高いコスチューム、見覚えがあるような、ないような…?)
あやせ「もしかして、わたしに似てるのってEXタナトスだっけ…メルル、だったかな?」
桐乃「ほほう、あやせも『星くず☆うぃっちメルル』をご存知かね、ん?」キュピーン
あやせ(桐乃の前で、コスプレする寸前まで覚悟を決めてた、とは言えない…!)タジタジ
あやせ「き、桐乃、何か変な事、考えてない?」ジリジリッ
桐乃「あやせも『星くず☆うぃっちメルル』を一気見して、一緒に感動しよっ!」キリッ
あやせ(結局、その日はゲーム云々よりも桐乃のメルル講座&鑑賞会に費やされたのでした…)
あやせ「気のせいとは思えない程、露出度高くない? 後、桐乃の方も、桐乃そっくり…」
桐乃「あー、えっとね、こーゆーの作るのが得意な知り合いにいてね?」
あやせ(ん、この露出度の高いコスチューム、見覚えがあるような、ないような…?)
あやせ「もしかして、わたしに似てるのってEXタナトスだっけ…メルル、だったかな?」
桐乃「ほほう、あやせも『星くず☆うぃっちメルル』をご存知かね、ん?」キュピーン
あやせ(桐乃の前で、コスプレする寸前まで覚悟を決めてた、とは言えない…!)タジタジ
あやせ「き、桐乃、何か変な事、考えてない?」ジリジリッ
桐乃「あやせも『星くず☆うぃっちメルル』を一気見して、一緒に感動しよっ!」キリッ
あやせ(結局、その日はゲーム云々よりも桐乃のメルル講座&鑑賞会に費やされたのでした…)
63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 22:11:57.19 ID:8TnRqP9b0
京介「…で、何が悲しくて、受験生の俺が、あやせと工口ゲーの協力プレイをせにゃならんのだ?」
あやせ「桐乃から『週末までにキャンペーンモードをクリア』するよう宿題が、と説明を…」
京介「確かに協力プレイでレベル上げしないと面倒だしなぁ…」
あやせ「一人で黙々やってもクリアできないから、頼んでるんじゃないですかぁ…///」
京介「まあ、わざわざ麻奈美と二人で晩飯作りに来てくれてる分くらいは手伝うよ。」
あやせ「ちゃんとクリアできたら、きちんと別のお礼を差し上げますから、ね?」
京介「参考までに、どんな人参か教えてもらえると、やる気の意味でありがたい。」
あやせ「わたしと桐乃の、雑誌に載った写真の元データ、と言ったら?」
京介「全身全霊を尽くして、あやせさまの課題攻略につきあう所存だ。」
麻奈美「きょうちゃん、優しいねー。」ニコニコ
あやせ「桐乃から『週末までにキャンペーンモードをクリア』するよう宿題が、と説明を…」
京介「確かに協力プレイでレベル上げしないと面倒だしなぁ…」
あやせ「一人で黙々やってもクリアできないから、頼んでるんじゃないですかぁ…///」
京介「まあ、わざわざ麻奈美と二人で晩飯作りに来てくれてる分くらいは手伝うよ。」
あやせ「ちゃんとクリアできたら、きちんと別のお礼を差し上げますから、ね?」
京介「参考までに、どんな人参か教えてもらえると、やる気の意味でありがたい。」
あやせ「わたしと桐乃の、雑誌に載った写真の元データ、と言ったら?」
京介「全身全霊を尽くして、あやせさまの課題攻略につきあう所存だ。」
麻奈美「きょうちゃん、優しいねー。」ニコニコ
65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 22:16:52.70 ID:8TnRqP9b0
あやせ(わざとパソコンはお兄さんの部屋に置いてきましたし、明日も口実は充分ですね♪)
あやせ(それに、毎回、腕組んで、ちゃんと家まで送ってくれるし♪)
あやせ(セクハラもしてこないし、もう『きょうすけ』さんって呼びたい♪)
あやせ(クマさんじゃなくて、お兄さんを『きょうすけ』さんって呼びたい♪)
あやせ「…!!」ギューッ、クンカクンカ! ←桐乃から渡された薄い本の知識を総動員して妄想中。
あやせ(~~~~~~~~~~~~~~~~♪)ゴロンゴロンゴロンゴロン
あやせ「…きょうすけ、さん♪ ~~~~~♪///」バンバンバンバン
あやせ(桐乃に押し付け、もとい、借りた薄い本…同人誌がいけないのよー!)
あやせ(タナトスだっけ、が…工ッチな事、されてるのを厳選してる桐乃ぉ…絶対ワザとだった!)
あやせ「…きょ、京介さん…~♪///」ギューッ、クンカクンカ! スハースハー!
あやせ(それに、毎回、腕組んで、ちゃんと家まで送ってくれるし♪)
あやせ(セクハラもしてこないし、もう『きょうすけ』さんって呼びたい♪)
あやせ(クマさんじゃなくて、お兄さんを『きょうすけ』さんって呼びたい♪)
あやせ「…!!」ギューッ、クンカクンカ! ←桐乃から渡された薄い本の知識を総動員して妄想中。
あやせ(~~~~~~~~~~~~~~~~♪)ゴロンゴロンゴロンゴロン
あやせ「…きょうすけ、さん♪ ~~~~~♪///」バンバンバンバン
あやせ(桐乃に押し付け、もとい、借りた薄い本…同人誌がいけないのよー!)
あやせ(タナトスだっけ、が…工ッチな事、されてるのを厳選してる桐乃ぉ…絶対ワザとだった!)
あやせ「…きょ、京介さん…~♪///」ギューッ、クンカクンカ! スハースハー!
66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 22:20:21.83 ID:8TnRqP9b0
- 翌日の放課後 -
桐乃「あやせ、最近、悩み事ない? 時々、思い出したように真っ赤になってるけど?」ジー
あやせ「それは、桐乃が…っ! 桐乃がわたしに、あの、薄い本なんて渡すからっ!」ゴニョゴニョ
桐乃「気に入ってもらえたようね。うへへ、ようこそ、あやせ。こちら側の世界へ。」ゴニョゴニョ、ニヤニヤ
あやせ「ううっ。もう少ししたら『宿題』終わりそうだから、対戦、できるからね?」ゴニョゴニョ
桐乃「その時は、前みたいに、手加減しないからね(…手加減してないけど)?」ゴニョゴニョ
あやせ「ところで桐乃。風の噂で聞いたけど…お兄さん、シスコン勝負に負けたとか?」ゴニョゴニョ
桐乃「…! どこから、そんな最高機密情報をっ!」ゴニョゴニョ
あやせ「桐乃が、お兄さんに、ほっぺにちゅーしてあげたら勝ってたとか?」ゴニョゴニョ
桐乃「あ、あ、あやせっ! 一体、どこまで知ってるの…!!」アセアセッ
桐乃「あやせ、最近、悩み事ない? 時々、思い出したように真っ赤になってるけど?」ジー
あやせ「それは、桐乃が…っ! 桐乃がわたしに、あの、薄い本なんて渡すからっ!」ゴニョゴニョ
桐乃「気に入ってもらえたようね。うへへ、ようこそ、あやせ。こちら側の世界へ。」ゴニョゴニョ、ニヤニヤ
あやせ「ううっ。もう少ししたら『宿題』終わりそうだから、対戦、できるからね?」ゴニョゴニョ
桐乃「その時は、前みたいに、手加減しないからね(…手加減してないけど)?」ゴニョゴニョ
あやせ「ところで桐乃。風の噂で聞いたけど…お兄さん、シスコン勝負に負けたとか?」ゴニョゴニョ
桐乃「…! どこから、そんな最高機密情報をっ!」ゴニョゴニョ
あやせ「桐乃が、お兄さんに、ほっぺにちゅーしてあげたら勝ってたとか?」ゴニョゴニョ
桐乃「あ、あ、あやせっ! 一体、どこまで知ってるの…!!」アセアセッ
68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 22:25:09.72 ID:8TnRqP9b0
あやせ(桐乃が、どこまでお兄さん、いえ京介さんに迫ったかは分かりましたっ!)
あやせ(噂の泥棒猫も、京介さんに、ほっぺにちゅーまでした不届き者っ!)
あやせ(お泊りっこしてたお姉さんには敵わないまでも、桐乃と泥棒猫には負けられないっ!)
あやせ「…これでっ! ふぅ、やっと『宿題』終わりましたぁ…」グッタリ
京介「これで、桐乃もあやせも喜んでくれるなら一石二鳥だ。がんばったな、あやせ。」
あやせ「じゃあ、その…がんばったご褒美、もらっちゃいますね。ちゅっ☆ミ」
京介「な、何をっ! 今の不意打ちだろっ! 俺の初めてをだなっ!」ワタワタ
あやせ「わたしも…初めて、でしたから、良かった。京介さん…///」モジモジ
京介「あやせ、お願いがあるんだが…不意打ちじゃなくて、もう一回、してくれ。」
あやせ「はい、お兄さん、じゃなくて…京介さん…ちゅっ☆ミ」ギューッ
あやせ(噂の泥棒猫も、京介さんに、ほっぺにちゅーまでした不届き者っ!)
あやせ(お泊りっこしてたお姉さんには敵わないまでも、桐乃と泥棒猫には負けられないっ!)
あやせ「…これでっ! ふぅ、やっと『宿題』終わりましたぁ…」グッタリ
京介「これで、桐乃もあやせも喜んでくれるなら一石二鳥だ。がんばったな、あやせ。」
あやせ「じゃあ、その…がんばったご褒美、もらっちゃいますね。ちゅっ☆ミ」
京介「な、何をっ! 今の不意打ちだろっ! 俺の初めてをだなっ!」ワタワタ
あやせ「わたしも…初めて、でしたから、良かった。京介さん…///」モジモジ
京介「あやせ、お願いがあるんだが…不意打ちじゃなくて、もう一回、してくれ。」
あやせ「はい、お兄さん、じゃなくて…京介さん…ちゅっ☆ミ」ギューッ
69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 22:29:02.79 ID:8TnRqP9b0
麻奈実「ごめんねぇ、スーパー混んでて…あれ、どうしたの二人共?」ガチャッ
京介「いや、やっと桐乃の『宿題』をあやせが終わらせて一安心してたところだ。」アセアセッ
あやせ「はい…京介さんの、おかげです。あの、これお約束のデータです。」モジモジ
麻奈実「むふふぅ、『京介さん』ですかぁ。ふぅん。」ニヤニヤ
京介「あの、麻奈実さん? 何ですか、その妬ましそうな羨ましそうな顔は?」
麻奈実「わたしも、きょうちゃんの事、『京介さん』か『あなた』って呼ぼうかなって。」
京介「なんで!? 急にそんな話に飛躍しちゃう訳!? ねぇ!?」
麻奈実「だって、あやせちゃん、うっとりしてて、すごい幸せそうだもん…」ジーッ
京介「ちょっとまって、ねぇ!? おーい、あやせー!? 戻ってこーい!!」
あやせ「うふふ…京介さん…きょーすけさぁん…すぅっ…はぁっ…」ギューッ、ウットリ、クンカクンカ
京介「いや、やっと桐乃の『宿題』をあやせが終わらせて一安心してたところだ。」アセアセッ
あやせ「はい…京介さんの、おかげです。あの、これお約束のデータです。」モジモジ
麻奈実「むふふぅ、『京介さん』ですかぁ。ふぅん。」ニヤニヤ
京介「あの、麻奈実さん? 何ですか、その妬ましそうな羨ましそうな顔は?」
麻奈実「わたしも、きょうちゃんの事、『京介さん』か『あなた』って呼ぼうかなって。」
京介「なんで!? 急にそんな話に飛躍しちゃう訳!? ねぇ!?」
麻奈実「だって、あやせちゃん、うっとりしてて、すごい幸せそうだもん…」ジーッ
京介「ちょっとまって、ねぇ!? おーい、あやせー!? 戻ってこーい!!」
あやせ「うふふ…京介さん…きょーすけさぁん…すぅっ…はぁっ…」ギューッ、ウットリ、クンカクンカ
71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 22:33:31.76 ID:8TnRqP9b0
あやせ「お、お恥ずかしいところをお見せいたしまして、申し訳ありません…」モジモジ
京介「いや、とりあえず現実に戻ってきてくれて助かった。」
麻奈実「はい、『あなた』☆ミ ご飯ですよ♪」
京介「麻奈実…もう少し歳を考えて、言葉は使った方が、ごふぅっ…っ!!」ビクンビクン
麻奈実「だめだよー、きょうちゃん。わたしだってぴちぴちなんですからねー!?」ニコニコプンスカ
あやせ「ああっ、京介さんっ!? 今のはさすがのわたしも…」タジタジ
京介「麻奈実さん、お願いだから、その怖い笑顔はやめてー!?」
麻奈実「あやせちゃんも、今日はきょうちゃんの味方かなー?」ニコニコニコニコ
あやせ「味方もなにも、わたしの素敵なお兄さんとお姉さんなんですからー!?」
あやせ(目の前の惨劇をわたしは見なかった事にした。)
京介「いや、とりあえず現実に戻ってきてくれて助かった。」
麻奈実「はい、『あなた』☆ミ ご飯ですよ♪」
京介「麻奈実…もう少し歳を考えて、言葉は使った方が、ごふぅっ…っ!!」ビクンビクン
麻奈実「だめだよー、きょうちゃん。わたしだってぴちぴちなんですからねー!?」ニコニコプンスカ
あやせ「ああっ、京介さんっ!? 今のはさすがのわたしも…」タジタジ
京介「麻奈実さん、お願いだから、その怖い笑顔はやめてー!?」
麻奈実「あやせちゃんも、今日はきょうちゃんの味方かなー?」ニコニコニコニコ
あやせ「味方もなにも、わたしの素敵なお兄さんとお姉さんなんですからー!?」
あやせ(目の前の惨劇をわたしは見なかった事にした。)
72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 22:37:12.54 ID:8TnRqP9b0
あやせ「あの、大丈夫ですか? 京介、さん…///」テレテレッ
京介「麻奈実にぽかぽかされてるのは慣れてるが、マウントでごっすごっす殴られるのは初めてだ。」
あやせ「やっぱり、お姉さんも、京介さんの事、大好きなんですよ…」ギューッ
京介「今日は初体験がたくさんあって大変だった。特に、あやせのは効いた。」
あやせ「あの、それはどういう…(ちゅっ)んっ…」ポワーン、ウットリ
京介「その、なんだ。年下にされてばっかりというのは気に入らん///」
あやせ「あ、あの! 不意打ちは卑怯だと思うんです、京介さぁん…」ポワーン
京介「じゃ、やり直し、する?」
あやせ「も、もうすぐ家ですから、その、是非、今、お願いします…っ!」テレテレッ
京介「じゃあ、あやせ。少しだけ、背伸びして…ちゅっ☆ミ」ギューッ
京介「麻奈実にぽかぽかされてるのは慣れてるが、マウントでごっすごっす殴られるのは初めてだ。」
あやせ「やっぱり、お姉さんも、京介さんの事、大好きなんですよ…」ギューッ
京介「今日は初体験がたくさんあって大変だった。特に、あやせのは効いた。」
あやせ「あの、それはどういう…(ちゅっ)んっ…」ポワーン、ウットリ
京介「その、なんだ。年下にされてばっかりというのは気に入らん///」
あやせ「あ、あの! 不意打ちは卑怯だと思うんです、京介さぁん…」ポワーン
京介「じゃ、やり直し、する?」
あやせ「も、もうすぐ家ですから、その、是非、今、お願いします…っ!」テレテレッ
京介「じゃあ、あやせ。少しだけ、背伸びして…ちゅっ☆ミ」ギューッ
74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 22:41:36.73 ID:8TnRqP9b0
あやせ『あややん:色々あって、やっとオンラインにデビューです。』
桐乃『きりりん:まってたよーぉwww早速、対戦しよっか、あややーん☆ミ』
あやせ『あややん:えっと、桐乃…だよね?』
桐乃『きりりん:もっちろん、きりりんがあたし、桐乃って携帯で伝えたじゃん?』
あやせ『あややん:ところでその、ハンドルネーム?で呼び合った方がいいのかな?』
桐乃『きりりん:そっちの方がお互い気にならないからねー。』
あやせ『あややん:では、きりりん。早速、お手合わせをお願いね?』
桐乃『きりりん:うっへへっ、しっかりカモらせてもらうよーwwwあややーんwww』
あやせ(京介さんと、二人でがんばった成果、桐乃に全力でぶつけますっ!!!)
桐乃『きりりん:あたしの輝かしい勝率のために、敗北の味を思い知れっ、あややんっ!!!』
桐乃『きりりん:まってたよーぉwww早速、対戦しよっか、あややーん☆ミ』
あやせ『あややん:えっと、桐乃…だよね?』
桐乃『きりりん:もっちろん、きりりんがあたし、桐乃って携帯で伝えたじゃん?』
あやせ『あややん:ところでその、ハンドルネーム?で呼び合った方がいいのかな?』
桐乃『きりりん:そっちの方がお互い気にならないからねー。』
あやせ『あややん:では、きりりん。早速、お手合わせをお願いね?』
桐乃『きりりん:うっへへっ、しっかりカモらせてもらうよーwwwあややーんwww』
あやせ(京介さんと、二人でがんばった成果、桐乃に全力でぶつけますっ!!!)
桐乃『きりりん:あたしの輝かしい勝率のために、敗北の味を思い知れっ、あややんっ!!!』
75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 22:45:03.75 ID:8TnRqP9b0
『いえにかえるんだな。おまえにも、おにぃちゃんがいるのだろう』
桐乃『きりりん:ねぇ…あややん? どこでそんなに強くなったの、ねぇ…?』
あやせ『あややん:それは黙秘を行使させて…これまで色々とあったのよ…』
桐乃『きりりん:でも、一勝もできないなんて…しかも、後一押しで負けるのが悔しいっ!』
あやせ『あややん:でも、きりりんだって、本気だったから悔しいんでしょ?』
桐乃『きりりん:そう、そうなのよっ! 悔しい…けど、友達と本気で遊べるのがすっごく楽しい!』
あやせ『あややん:きりりんが楽しいんだったら、必死に宿題こなした甲斐があったわ。』
桐乃『きりりん:んー、何だろうなー、あややんの攻め方、誰かに似てる気がする。』
桐乃『きりりん:黒猫でもないし、沙織とも違うし…うーん?』
あやせ『あややん:ほら、今日はもう遅いし、わたし寝るねっ! また明日っ!』アセアセッ
桐乃『きりりん:ねぇ…あややん? どこでそんなに強くなったの、ねぇ…?』
あやせ『あややん:それは黙秘を行使させて…これまで色々とあったのよ…』
桐乃『きりりん:でも、一勝もできないなんて…しかも、後一押しで負けるのが悔しいっ!』
あやせ『あややん:でも、きりりんだって、本気だったから悔しいんでしょ?』
桐乃『きりりん:そう、そうなのよっ! 悔しい…けど、友達と本気で遊べるのがすっごく楽しい!』
あやせ『あややん:きりりんが楽しいんだったら、必死に宿題こなした甲斐があったわ。』
桐乃『きりりん:んー、何だろうなー、あややんの攻め方、誰かに似てる気がする。』
桐乃『きりりん:黒猫でもないし、沙織とも違うし…うーん?』
あやせ『あややん:ほら、今日はもう遅いし、わたし寝るねっ! また明日っ!』アセアセッ
77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 22:48:26.77 ID:8TnRqP9b0
あやせ(ふぅ、危ないところでした。練習相手が京介さん、でしたからね。)
あやせ(とにかく、今日の事を思い出すと…顔が真っ赤になる…キスしたしっ!)テレテレッ
あやせ「よし、このモヤモヤを吹き飛ばすためにも、いつもの日課を…っ!」
あやせ「…きょ、京介さん…~♪///」ギューッ、クンカクンカ! スハースハー! チュッチュッ!
- 同時刻 高坂家 京介の部屋 -
桐乃「京介ぇ…どこいったのよぉ…寂しい時くらい傍にいてよぉ…」グスッグスッ
桐乃「まだ、このベッド…京介の匂いがするぅ…///」クンカクンカ!
桐乃「あやせも、次は負けないかんねっ!」クンカクンカ!
桐乃「明日は休みだし、今日はこのまま、京介のベッドで寝ようかな…///」クンカクンカ
桐乃(京介分、補充ぅ…)スヤスヤ
あやせ(とにかく、今日の事を思い出すと…顔が真っ赤になる…キスしたしっ!)テレテレッ
あやせ「よし、このモヤモヤを吹き飛ばすためにも、いつもの日課を…っ!」
あやせ「…きょ、京介さん…~♪///」ギューッ、クンカクンカ! スハースハー! チュッチュッ!
- 同時刻 高坂家 京介の部屋 -
桐乃「京介ぇ…どこいったのよぉ…寂しい時くらい傍にいてよぉ…」グスッグスッ
桐乃「まだ、このベッド…京介の匂いがするぅ…///」クンカクンカ!
桐乃「あやせも、次は負けないかんねっ!」クンカクンカ!
桐乃「明日は休みだし、今日はこのまま、京介のベッドで寝ようかな…///」クンカクンカ
桐乃(京介分、補充ぅ…)スヤスヤ
78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 22:52:24.63 ID:8TnRqP9b0
- 翌日 -
京介「親父に模試の結果を見せに来ただけで、何故俺はこんなのを見なければならんのだ!?」
桐乃「うへへ…みやびちゃん、きりのおにぃちゃんのとこおいでぇ…」ムニャムニャスヤスヤ
京介(おねぇちゃん、じゃなくて、おにぃちゃん、かよ!?)
京介(しかも何故、俺の部屋で、桐乃が怪しい寝言を、幸せそうに言ってる状況が分からん!!)
京介(親父への報告は済んだし、何も見なかった事にして、さっさと逃げよう、そうしよう!)
桐乃「ん、きょーすけぇ…さみしーよぉ…」グスッ
京介「…あーもう! 仕方ねぇーなぁ! 起きるまでだからなっ!」
京介(とはいえ、昨日あやせと色々あったせいで、ニヤニヤして、ほとんど寝れてないしなー)ウトウト
京介(麻奈実にやられた所も痛ェし…ちょっとだけ付き合ってやるか…)ウトウト
京介「親父に模試の結果を見せに来ただけで、何故俺はこんなのを見なければならんのだ!?」
桐乃「うへへ…みやびちゃん、きりのおにぃちゃんのとこおいでぇ…」ムニャムニャスヤスヤ
京介(おねぇちゃん、じゃなくて、おにぃちゃん、かよ!?)
京介(しかも何故、俺の部屋で、桐乃が怪しい寝言を、幸せそうに言ってる状況が分からん!!)
京介(親父への報告は済んだし、何も見なかった事にして、さっさと逃げよう、そうしよう!)
桐乃「ん、きょーすけぇ…さみしーよぉ…」グスッ
京介「…あーもう! 仕方ねぇーなぁ! 起きるまでだからなっ!」
京介(とはいえ、昨日あやせと色々あったせいで、ニヤニヤして、ほとんど寝れてないしなー)ウトウト
京介(麻奈実にやられた所も痛ェし…ちょっとだけ付き合ってやるか…)ウトウト
79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 22:56:41.92 ID:8TnRqP9b0
桐乃「う、うーん…何かいい夢見たような気がする…うへへ…」ボケー
京介(ん、桐乃、起きたのか?)ウトウト
桐乃「よぉしっ、少し充電できた気がす…るっ、て、京介!?」
京介(お前のエネルギー源は妹モノの工口ゲーだろ…)ウトウト
桐乃「なんで、ここに京介が…しかも寝てるっぽいし…チャンス?」
京介(チャンスってなんだよ…)ウトウト
桐乃「京介分、充電開始ぃ…///」ギュッ、クンカクンカ、スハースハー!
京介「桐乃っ、おまっ、何をやって! 目ェ覚めたじゃな…もうちょっとだけだぞ…」ナデナデ
桐乃「チッ、そのまま寝てればいいのにぃ…じゃあ、フルチャージしたいなぁ…」グスッ
京介「すまんが元気の源である工口ゲーなら一人でやってくれ。」ナデナデ
京介(ん、桐乃、起きたのか?)ウトウト
桐乃「よぉしっ、少し充電できた気がす…るっ、て、京介!?」
京介(お前のエネルギー源は妹モノの工口ゲーだろ…)ウトウト
桐乃「なんで、ここに京介が…しかも寝てるっぽいし…チャンス?」
京介(チャンスってなんだよ…)ウトウト
桐乃「京介分、充電開始ぃ…///」ギュッ、クンカクンカ、スハースハー!
京介「桐乃っ、おまっ、何をやって! 目ェ覚めたじゃな…もうちょっとだけだぞ…」ナデナデ
桐乃「チッ、そのまま寝てればいいのにぃ…じゃあ、フルチャージしたいなぁ…」グスッ
京介「すまんが元気の源である工口ゲーなら一人でやってくれ。」ナデナデ
80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 22:59:25.70 ID:8TnRqP9b0
桐乃「もう、空気読めないヤツっ…おはよう、京介。ちゅっ。///」
京介「黒猫といい、お前といい、どうしてそういう不意打ちしてきやがるんだ…」ナデナデ
桐乃「工口猫はほっぺだったんでしょ、同じとこはヤだから、あたしはおでこっ…ちゅっ。///」
京介「言いたい事は分かったから、今はお袋がドアを開けない事を祈れ。」ナデナデ
桐乃「それってさぁ…もっと、すごい事してもいいって事?」ニヤニヤ
京介「お前のすごい事は、俺の想像の域にないから、困…んんっ!!」
桐乃(ちゅーっ。)←唇から急速充電開始!!
… ←急速充電中。
桐乃「ぷはっ…京介分、充電完了ぉ…後、遅くなったけど、おかえり、京介…///」
京介「おおお、おう、ただいま。桐乃。」ナデナデ
京介「黒猫といい、お前といい、どうしてそういう不意打ちしてきやがるんだ…」ナデナデ
桐乃「工口猫はほっぺだったんでしょ、同じとこはヤだから、あたしはおでこっ…ちゅっ。///」
京介「言いたい事は分かったから、今はお袋がドアを開けない事を祈れ。」ナデナデ
桐乃「それってさぁ…もっと、すごい事してもいいって事?」ニヤニヤ
京介「お前のすごい事は、俺の想像の域にないから、困…んんっ!!」
桐乃(ちゅーっ。)←唇から急速充電開始!!
… ←急速充電中。
桐乃「ぷはっ…京介分、充電完了ぉ…後、遅くなったけど、おかえり、京介…///」
京介「おおお、おう、ただいま。桐乃。」ナデナデ
82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 23:01:40.68 ID:8TnRqP9b0
桐乃「へ、部屋で着替えてくるから、それまで帰んないでよねっ!!///」テレテレッ
京介「お袋が晩飯くらい食ってけ、って言ってたから、それは安心しろ。」
桐乃「じゃあ、ソッコーで着替えてくるっ!!///」ダダダッ
京介「リビングで待ってるからなー。」
桐乃(えへへへぇ…京介と、キス、しちゃったょぉっ!!!///)デレデレ
桐乃(ああ、今のあたし、ちょーキモい!! ニヤニヤが止まらないっ!!///)デレデレ
桐乃(『ただいま、桐乃。』キリッ(乙女補正有)、だってさーっ!!///)クネクネデレデレ
桐乃(しまったなぁ、写メでも撮っておくべきだった…)ガックシ
桐乃(後で、も一回、言ってもらって録音するか動画にしておこ。///)ウヘヘヘ
京介「そうだ。今日は自宅だって、麻奈実とあやせにメールだけしとこ。」ポチポチ、ピローン
京介「お袋が晩飯くらい食ってけ、って言ってたから、それは安心しろ。」
桐乃「じゃあ、ソッコーで着替えてくるっ!!///」ダダダッ
京介「リビングで待ってるからなー。」
桐乃(えへへへぇ…京介と、キス、しちゃったょぉっ!!!///)デレデレ
桐乃(ああ、今のあたし、ちょーキモい!! ニヤニヤが止まらないっ!!///)デレデレ
桐乃(『ただいま、桐乃。』キリッ(乙女補正有)、だってさーっ!!///)クネクネデレデレ
桐乃(しまったなぁ、写メでも撮っておくべきだった…)ガックシ
桐乃(後で、も一回、言ってもらって録音するか動画にしておこ。///)ウヘヘヘ
京介「そうだ。今日は自宅だって、麻奈実とあやせにメールだけしとこ。」ポチポチ、ピローン
83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 23:05:37.30 ID:8TnRqP9b0
あやせ(ううっ、ほとんど眠れませんでした…///)
あやせ(今までは、クマさんのきょうすけさんで落ち着いたというのに…///)クンカクンカ
あやせ(わたしから仕掛けておきながら、あの生の感触は卑怯ですっ!///)
あやせ(まだ、デートもしてないのに、キス、しちゃったし…)
あやせ(! そうだ、お休みなんだし、デート…にお誘いしてっ!)
あやせ(…待って待って。キスはもうしちゃったし、後はその…///)ピローン
あやせ(あ! 京介さんからのメールっ! …そっか、今日は自宅かぁ…)ショボーン
あやせ(自宅…桐乃に薄い本を返す名目で自宅訪問! これはいい手です!)バタバタッ
桐乃「黒猫には教えておこっかな、京介が帰ってきてるって。」ポチポチ、ピローン
黒猫(やっと出番…主役は最後に登場するものだわ。待ってなさい、京介。)ルンルン♪
あやせ(今までは、クマさんのきょうすけさんで落ち着いたというのに…///)クンカクンカ
あやせ(わたしから仕掛けておきながら、あの生の感触は卑怯ですっ!///)
あやせ(まだ、デートもしてないのに、キス、しちゃったし…)
あやせ(! そうだ、お休みなんだし、デート…にお誘いしてっ!)
あやせ(…待って待って。キスはもうしちゃったし、後はその…///)ピローン
あやせ(あ! 京介さんからのメールっ! …そっか、今日は自宅かぁ…)ショボーン
あやせ(自宅…桐乃に薄い本を返す名目で自宅訪問! これはいい手です!)バタバタッ
桐乃「黒猫には教えておこっかな、京介が帰ってきてるって。」ポチポチ、ピローン
黒猫(やっと出番…主役は最後に登場するものだわ。待ってなさい、京介。)ルンルン♪
85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 23:07:52.43 ID:8TnRqP9b0
あやせ「深呼吸、深呼吸…よしっ!」ピンポーン
桐乃「はーい、黒猫、早かったじゃ…って、あやせ?」
あやせ「ゴメンね、桐乃。いきなりで。その、借りてた本、返しに…///」
桐乃「あ、そーゆー事なら。せっかくだし上がって上がって。後ろの工口猫も。」
黒猫「…お邪魔します。」
桐乃「二人共、あたしの部屋でいいかな? 今、バカ兄貴、自分の部屋で寝てるから。」
黒猫「…そう、それはいい事を聞いたわ。」スタスタ、ガチャ、バタン
桐乃「あんの工口猫ぉっ!!」 あやせ「この泥棒猫っ!!」ドタドタドタドタッ!
黒猫「…うふふ、今日こそ『契り』を…京介…」ドキドキ
桐乃「工口猫ぉっ!! ナチュラルに添い寝しようとすんなぁっ!!」
桐乃「はーい、黒猫、早かったじゃ…って、あやせ?」
あやせ「ゴメンね、桐乃。いきなりで。その、借りてた本、返しに…///」
桐乃「あ、そーゆー事なら。せっかくだし上がって上がって。後ろの工口猫も。」
黒猫「…お邪魔します。」
桐乃「二人共、あたしの部屋でいいかな? 今、バカ兄貴、自分の部屋で寝てるから。」
黒猫「…そう、それはいい事を聞いたわ。」スタスタ、ガチャ、バタン
桐乃「あんの工口猫ぉっ!!」 あやせ「この泥棒猫っ!!」ドタドタドタドタッ!
黒猫「…うふふ、今日こそ『契り』を…京介…」ドキドキ
桐乃「工口猫ぉっ!! ナチュラルに添い寝しようとすんなぁっ!!」
86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 23:12:15.49 ID:8TnRqP9b0
あやせ(どうしてこんな事に…京介さんの部屋で、お互いを牽制しあう状況に…)
麻奈実「あれ、みんなも、きょうちゃんに会いに来たんだ、もてもてだねぇ。」
あやせ「お姉さん! どうしてここに!?」
麻奈実「きょうちゃんのお母さんにね、お呼ばれしたのー。はい、ウチの和菓子。」
あやせ「と、とりあえず、桐乃…借りてた本を…///」
桐乃「んふっ♪ その様子だとお楽しみいただけたようですなぁ、あやせさま♪」ニヤニヤ
黒猫「…桐乃、あなた、普通の人に何を押し付けたの?」
桐乃「ん? メルルのタナトス*辱本。ハードなやつ。ほら、あやせ、似てるっしょ?」キリッ
麻奈実「りょーじょく、って入浴の事だっけ?」
あやせ「お姉さん、この話はここまででっ!!!」アワアワッ
麻奈実「あれ、みんなも、きょうちゃんに会いに来たんだ、もてもてだねぇ。」
あやせ「お姉さん! どうしてここに!?」
麻奈実「きょうちゃんのお母さんにね、お呼ばれしたのー。はい、ウチの和菓子。」
あやせ「と、とりあえず、桐乃…借りてた本を…///」
桐乃「んふっ♪ その様子だとお楽しみいただけたようですなぁ、あやせさま♪」ニヤニヤ
黒猫「…桐乃、あなた、普通の人に何を押し付けたの?」
桐乃「ん? メルルのタナトス*辱本。ハードなやつ。ほら、あやせ、似てるっしょ?」キリッ
麻奈実「りょーじょく、って入浴の事だっけ?」
あやせ「お姉さん、この話はここまででっ!!!」アワアワッ
87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 23:15:40.50 ID:8TnRqP9b0
桐乃「しっかし、よくこの状況で寝てられるわね、このバカ兄貴は。」イラッ
黒猫「ここは運命の人である私が、目覚めのキスを…」スック
あやせ「ま、待ちなさい、この泥棒猫っ!!」
麻奈実「みんな、きょうちゃんの事、大好きなんだねぇ。」ニコニコ
「「「///」」」
桐乃「な、何よ、みんなして、その反応は…あやせ、まで…? ま た か!」ムカァッ
黒猫「仕方ないわね、ここは京介を賭けて勝負しましょうか、正々堂々と。」
麻奈実「勝負はいいけど、きょうちゃんを景品にしちゃだめだよー?」
あやせ「そうですよ、きょ…お兄さんはモノじゃないんですから!」
黒猫「…勝負する事はいいのね。じゃあ勝者の特典はどうするの?」
黒猫「ここは運命の人である私が、目覚めのキスを…」スック
あやせ「ま、待ちなさい、この泥棒猫っ!!」
麻奈実「みんな、きょうちゃんの事、大好きなんだねぇ。」ニコニコ
「「「///」」」
桐乃「な、何よ、みんなして、その反応は…あやせ、まで…? ま た か!」ムカァッ
黒猫「仕方ないわね、ここは京介を賭けて勝負しましょうか、正々堂々と。」
麻奈実「勝負はいいけど、きょうちゃんを景品にしちゃだめだよー?」
あやせ「そうですよ、きょ…お兄さんはモノじゃないんですから!」
黒猫「…勝負する事はいいのね。じゃあ勝者の特典はどうするの?」
88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 23:19:02.49 ID:8TnRqP9b0
桐乃「じゃあ、兄貴の引越し先を教えてもらう、というのは?」ウヘヘ
黒猫「勝者の名前付きで愛の言葉を囁いてもらって録音する、のはどうかしら?」ドキドキ
麻奈実「きょうちゃんと一日デート、お泊り付きってどうかなー?」ニコニコ
「「「その勝負乗った!!!!!」」」
あやせ「…こほん、落ち着きましょう。全部やってもらえばいいじゃないですか。」テレテレッ
黒猫「異論はないわ。むしろ素晴らしい提案よ。」
桐乃「い、いいじゃない。その代わり、敗者は手出し無用、アリバイ工作にも協力する事。」
麻奈実「でも、げぇむだと黒猫さんが圧勝だよねぇ。」
あやせ「だったら、トランプとか、どうでしょう? シンプルにババ抜きとか。」
黒猫「この私が、そんな単純なゲームで引けを取るとでも? 受けましょう。」
黒猫「勝者の名前付きで愛の言葉を囁いてもらって録音する、のはどうかしら?」ドキドキ
麻奈実「きょうちゃんと一日デート、お泊り付きってどうかなー?」ニコニコ
「「「その勝負乗った!!!!!」」」
あやせ「…こほん、落ち着きましょう。全部やってもらえばいいじゃないですか。」テレテレッ
黒猫「異論はないわ。むしろ素晴らしい提案よ。」
桐乃「い、いいじゃない。その代わり、敗者は手出し無用、アリバイ工作にも協力する事。」
麻奈実「でも、げぇむだと黒猫さんが圧勝だよねぇ。」
あやせ「だったら、トランプとか、どうでしょう? シンプルにババ抜きとか。」
黒猫「この私が、そんな単純なゲームで引けを取るとでも? 受けましょう。」
90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 23:22:23.21 ID:8TnRqP9b0
京介「ふぁぁっ…なんだこの状況は。誰か、分かりやすく説明してくれ。」ボケー
桐乃「ようやく起きたわね、バカ兄貴。あんた、今日の景品よ。」フフンッ
京介「ゴメン、桐乃。何を言ってるのか全く分からない。」ボケー
あやせ「これから、わたし達四人で、ババ抜き一本勝負をします。」モジモジ
黒猫「勝者には、京介の引越し先を知る権利が与えられるわ。」モジモジ
京介「はい?」
桐乃「後、勝者の名前付きで、愛の言葉を囁いて、録音するのよ…///」テレテレッ
京介「そんなにお前は俺の黒歴史を増やしたいのか!」
麻奈実「勝者には、『きょうちゃんと一日デート、お泊り付き』が贈呈されるんだよー。」ニコニコ
京介「誰が何言ったか知らんが、最後のは絶対に麻奈実が言っただろー!?」
桐乃「ようやく起きたわね、バカ兄貴。あんた、今日の景品よ。」フフンッ
京介「ゴメン、桐乃。何を言ってるのか全く分からない。」ボケー
あやせ「これから、わたし達四人で、ババ抜き一本勝負をします。」モジモジ
黒猫「勝者には、京介の引越し先を知る権利が与えられるわ。」モジモジ
京介「はい?」
桐乃「後、勝者の名前付きで、愛の言葉を囁いて、録音するのよ…///」テレテレッ
京介「そんなにお前は俺の黒歴史を増やしたいのか!」
麻奈実「勝者には、『きょうちゃんと一日デート、お泊り付き』が贈呈されるんだよー。」ニコニコ
京介「誰が何言ったか知らんが、最後のは絶対に麻奈実が言っただろー!?」
91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 23:25:42.52 ID:8TnRqP9b0
京介(だいたいババァ抜きなら真っ先に麻奈実が脱落するだ…)ゾクゾクッ!!!
麻奈実「…きょうちゃん…今のは『本気』で、怒ってもいいかな!?」ニコニコ、メキィ
京介「まだ何も言ってないけど、何だか申し訳ございませんでしたー!!」ドゲザァッ!!
麻奈実「きょうちゃん、『何』が言いたかったのかな!?」ゴゴゴゴゴ
京介「あ、あの、麻奈実さん!? ごめんなさい、許してぇー!?」
- しばらく残虐なシーンが続くので、和やかな映像でもご想像ください -
桐乃(黒猫はプレッシャーに弱い。あやせは普段から表情をよく見てる。となれば…)
黒猫(桐乃は分かりやすいからいいとして、後の二人は強敵ね…)
あやせ(桐乃は敵ではないわ。泥棒猫も心理戦には弱いらしい。となると…)
麻奈実「さあ、きょうちゃんも、大人しくなったし- 始めましょうか。」ニコッ
麻奈実「…きょうちゃん…今のは『本気』で、怒ってもいいかな!?」ニコニコ、メキィ
京介「まだ何も言ってないけど、何だか申し訳ございませんでしたー!!」ドゲザァッ!!
麻奈実「きょうちゃん、『何』が言いたかったのかな!?」ゴゴゴゴゴ
京介「あ、あの、麻奈実さん!? ごめんなさい、許してぇー!?」
- しばらく残虐なシーンが続くので、和やかな映像でもご想像ください -
桐乃(黒猫はプレッシャーに弱い。あやせは普段から表情をよく見てる。となれば…)
黒猫(桐乃は分かりやすいからいいとして、後の二人は強敵ね…)
あやせ(桐乃は敵ではないわ。泥棒猫も心理戦には弱いらしい。となると…)
麻奈実「さあ、きょうちゃんも、大人しくなったし- 始めましょうか。」ニコッ
92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 23:29:04.52 ID:8TnRqP9b0
桐乃(席は時計回りにあたし、黒猫、地味子、あやせ。妥当なところだけど…)スッ
黒猫(桐乃から引いて、ベルフェゴールに手札を渡す…やっかいな位置だわ。)スッ、ポイッ
麻奈実(黒猫さんは素直ないいコだけど、あやせちゃんは強敵ね。色々な意味で。)スッ、ポイッ
あやせ(…最悪の位置ですよ、ここ。お姉さん、絶対に本気だし…)スッ、ポイッ
桐乃(くっ、あやせ、もしかしてあたしの手が見えてるの!?)スッ、ワナワナ…
黒猫(まずは手札を減らさないと。ジョーカーなんて後からでも分かるわ。)スッ、ポイッ
麻奈実(序盤は気にせず引いていきましょうねー。)スッ、ポイッ
あやせ(わたしが問題とするのはお姉さんだけで、よさそうですね。)スッ、ポイッ
桐乃(…!! あ、あやせぇ…ちょっとくらい協力してよぉ…)スッ、フルフルッ…
「「「桐乃、オワタwww」」」
黒猫(桐乃から引いて、ベルフェゴールに手札を渡す…やっかいな位置だわ。)スッ、ポイッ
麻奈実(黒猫さんは素直ないいコだけど、あやせちゃんは強敵ね。色々な意味で。)スッ、ポイッ
あやせ(…最悪の位置ですよ、ここ。お姉さん、絶対に本気だし…)スッ、ポイッ
桐乃(くっ、あやせ、もしかしてあたしの手が見えてるの!?)スッ、ワナワナ…
黒猫(まずは手札を減らさないと。ジョーカーなんて後からでも分かるわ。)スッ、ポイッ
麻奈実(序盤は気にせず引いていきましょうねー。)スッ、ポイッ
あやせ(わたしが問題とするのはお姉さんだけで、よさそうですね。)スッ、ポイッ
桐乃(…!! あ、あやせぇ…ちょっとくらい協力してよぉ…)スッ、フルフルッ…
「「「桐乃、オワタwww」」」
95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 23:32:30.84 ID:8TnRqP9b0
桐乃(あたしが不甲斐無いばかりに、あやせの手札が後一枚に…!)スッ、ポイッ
黒猫(おかしいわね、誰もジョーカーを持ってる気配がない…)スッ
麻奈実「んー、そろそろわたし、『9』が欲しいなぁ。」ニコニコ
黒猫(…!)ビクンッ
麻奈実「あ、これかなー? ありがとー。わたしも後二枚だよー。」スッ、ポイッ
あやせ(間違いない! ジョーカーは最初からお姉さんが持ってたんだ!)
麻奈実「はい、あやせちゃんが引く番だよー。」ニコニコ
あやせ「くっ、なんてプレッシャー…これが年の功なの…」タジタジ
麻奈実「あやせちゃん? 心の声が聞こえてるよー?」ゴゴゴゴゴ
あやせ(ひぃっ!? わたしとした事が…強敵をラスボスにしてしまったー!?)アワアワッ
黒猫(おかしいわね、誰もジョーカーを持ってる気配がない…)スッ
麻奈実「んー、そろそろわたし、『9』が欲しいなぁ。」ニコニコ
黒猫(…!)ビクンッ
麻奈実「あ、これかなー? ありがとー。わたしも後二枚だよー。」スッ、ポイッ
あやせ(間違いない! ジョーカーは最初からお姉さんが持ってたんだ!)
麻奈実「はい、あやせちゃんが引く番だよー。」ニコニコ
あやせ「くっ、なんてプレッシャー…これが年の功なの…」タジタジ
麻奈実「あやせちゃん? 心の声が聞こえてるよー?」ゴゴゴゴゴ
あやせ(ひぃっ!? わたしとした事が…強敵をラスボスにしてしまったー!?)アワアワッ
96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 23:36:01.71 ID:8TnRqP9b0
麻奈実「はい、あやせちゃん? 引いて?」ゴゴゴゴゴ
あやせ(どっち!? どっちがいいの!? ババ抜きで命の危機なんて初めてだよー!)
あやせ「こっち!? …いや、こっちかな!?」オロオロ
黒猫「これがベルフェゴールの真の姿…なんて恐ろしい!!」ナムナム
桐乃「あやせ、何かごめん…お見舞いにはちゃんといくから。」ナムナム
あやせ(もう何もかも終わった事にされてるしー! 誰か助けてー!?)オロオロオロオロ
あやせ「もう覚悟を決めて…こっちに…!?」チラッ
あやせ(京介さんが首を振ってる…お姉さんの手札が見えてるんだ…! 信じます!)ゴクッ
あやせ「えい、こちらにしますっ! …ふぅ、揃いました…わたしの、勝ちです。」ポイッ、ホッ
麻奈実「うー、残念。わたしは二番かなぁ…」ショボーン
あやせ(どっち!? どっちがいいの!? ババ抜きで命の危機なんて初めてだよー!)
あやせ「こっち!? …いや、こっちかな!?」オロオロ
黒猫「これがベルフェゴールの真の姿…なんて恐ろしい!!」ナムナム
桐乃「あやせ、何かごめん…お見舞いにはちゃんといくから。」ナムナム
あやせ(もう何もかも終わった事にされてるしー! 誰か助けてー!?)オロオロオロオロ
あやせ「もう覚悟を決めて…こっちに…!?」チラッ
あやせ(京介さんが首を振ってる…お姉さんの手札が見えてるんだ…! 信じます!)ゴクッ
あやせ「えい、こちらにしますっ! …ふぅ、揃いました…わたしの、勝ちです。」ポイッ、ホッ
麻奈実「うー、残念。わたしは二番かなぁ…」ショボーン
97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/01(日) 23:39:08.46 ID:8TnRqP9b0
桐乃「もう地味子とか、言いません。麻奈実お姉さん。最下位として土下座でお許しを…」ペコペコ
黒猫「はい、麻奈実お姉さん。もうベルフェゴールとか言いません。許してください。」ペコペコ
京介(唯我独尊の二人が麻奈実に土下座するのも、何かシュールだな…)
麻奈実「もぅ、二人共、その辺りで、ね? ところで、あやせちゃん?」ジロリ
あやせ「は、はいっ!? なんでしょう、お姉さん!?」ビクビクッ
麻奈実「最後、ちょっとだけ、目線が泳いでたよね? あれは何かなー?」ニコニコ
あやせ「ぐっ、それは、そのぉ恐怖、じゃなくて、そのですねぇ…///」
麻奈実「あやせちゃんは悪くないよ。ね、きょーぉちゃーん!?」ニコニコ、ギロッ
京介「あ、あの、麻奈実さ…もう、何も聞いてくれそうにないですよね、今!?」
- 残虐なシーンですので、桐乃と黒猫とあやせのムフフなシーンでも妄想してください -
黒猫「はい、麻奈実お姉さん。もうベルフェゴールとか言いません。許してください。」ペコペコ
京介(唯我独尊の二人が麻奈実に土下座するのも、何かシュールだな…)
麻奈実「もぅ、二人共、その辺りで、ね? ところで、あやせちゃん?」ジロリ
あやせ「は、はいっ!? なんでしょう、お姉さん!?」ビクビクッ
麻奈実「最後、ちょっとだけ、目線が泳いでたよね? あれは何かなー?」ニコニコ
あやせ「ぐっ、それは、そのぉ恐怖、じゃなくて、そのですねぇ…///」
麻奈実「あやせちゃんは悪くないよ。ね、きょーぉちゃーん!?」ニコニコ、ギロッ
京介「あ、あの、麻奈実さ…もう、何も聞いてくれそうにないですよね、今!?」
- 残虐なシーンですので、桐乃と黒猫とあやせのムフフなシーンでも妄想してください -
105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 00:00:17.63 ID:Hxffts/Y0
京介「いいか、俺が身を以って示したが、麻奈実だけは怒らせたらダメだぞ…」
「「「はい、麻奈実お姉さんには決して逆らいません。」」」ガクブル
麻奈実「もー、こんな事するのは、きょうちゃんだけだから、ね?」ニコニコ
京介「その笑顔は確かに本物だけど、誤解して怯えてるのは、俺じゃないからなっ!」
麻奈実「そんな事ないよねー?」ニッコリ
「「「はい、麻奈実お姉さんの仰る通りです。」」」ガクブル
麻奈実「勝ちたかったんだけど、それが残念…はい、あやせちゃん、景品どうぞー。」
あやせ「あ…ええと、その、お兄さん。不束者ですが、よろしくお願いします…///」
京介「どうしてそうなるっ!?」
あやせ「その、じゃあ、お兄さんと皆さんに、お願いがあります…///」
「「「はい、麻奈実お姉さんには決して逆らいません。」」」ガクブル
麻奈実「もー、こんな事するのは、きょうちゃんだけだから、ね?」ニコニコ
京介「その笑顔は確かに本物だけど、誤解して怯えてるのは、俺じゃないからなっ!」
麻奈実「そんな事ないよねー?」ニッコリ
「「「はい、麻奈実お姉さんの仰る通りです。」」」ガクブル
麻奈実「勝ちたかったんだけど、それが残念…はい、あやせちゃん、景品どうぞー。」
あやせ「あ…ええと、その、お兄さん。不束者ですが、よろしくお願いします…///」
京介「どうしてそうなるっ!?」
あやせ「その、じゃあ、お兄さんと皆さんに、お願いがあります…///」
106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 00:06:07.31 ID:GePDCIgo0
あやせ「お兄さんの住んでる場所はいいので、わたしにもちゃんと『名前』で呼ばせてください…///」モジモジ
桐乃「…どうなのよ、京介。」ムカッ
黒猫「…どうなの、京介。」ムスッ
京介「いやまあ、それくらいなら(って桐乃と黒猫の機嫌が滅茶苦茶悪いじゃねーか…)。」
あやせ「だったら皆さんの前でも、『京介さん』、って呼ばせてくださいね…///」テレテレッ
あやせ「後ですね、みんなにも『参加賞』で、『愛の言葉』の録音を贈呈してください…///」
京介「俺の黒歴史が1ページじゃなくて4ページ増えるんですね。分かります。」
あやせ「後、デートなんですけど…急ですが、明日でもいいですか?」ジーッ
京介「それは構わないんだが、俺、完全に景品になってますよね?」
あやせ「京介さんには、わたしとのデートが『参加賞』、です。ダメ、ですか…///」ジーッ、モジモジ
桐乃「…どうなのよ、京介。」ムカッ
黒猫「…どうなの、京介。」ムスッ
京介「いやまあ、それくらいなら(って桐乃と黒猫の機嫌が滅茶苦茶悪いじゃねーか…)。」
あやせ「だったら皆さんの前でも、『京介さん』、って呼ばせてくださいね…///」テレテレッ
あやせ「後ですね、みんなにも『参加賞』で、『愛の言葉』の録音を贈呈してください…///」
京介「俺の黒歴史が1ページじゃなくて4ページ増えるんですね。分かります。」
あやせ「後、デートなんですけど…急ですが、明日でもいいですか?」ジーッ
京介「それは構わないんだが、俺、完全に景品になってますよね?」
あやせ「京介さんには、わたしとのデートが『参加賞』、です。ダメ、ですか…///」ジーッ、モジモジ
108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 00:09:34.12 ID:GePDCIgo0
京介「桐乃と黒猫を黙らせるためとはいえ、黒歴史が増えた事には変わりない…」シクシク
あやせ「みんな喜んでたし…明日のデートの邪魔はしないって約束させましたし…///」
京介「それにしても、やりすぎじゃないか? 俺の部屋に鍵つけたのは?」
あやせ「桐乃はとにかく、泥棒猫はナチュラルに京介さんの部屋に入っていきました。」ジロッ
あやせ「それに、桐乃のご両親も、京介さんの部屋に鍵つけるのに賛成してくれました。」
京介「あやせが『夜な夜な桐乃が俺の部屋でいかがわしい事に耽ってる、かも』とか言うからだろ。」
あやせ「桐乃がすごく慌ててましたから、想像でも捏造ではなく、客観的事実だと思います。」
京介「まあその騒動のドサクサに紛れて、こうやって、あやせを家まで送ってる訳だし。」
あやせ「でも、もう家…着いちゃいますよ、京介さん…さよならとおやすみのキス…///」テレテレッ
京介「じゃ、また明日。実はもう今から、すごく楽しみにしてる。」チュッ
あやせ「みんな喜んでたし…明日のデートの邪魔はしないって約束させましたし…///」
京介「それにしても、やりすぎじゃないか? 俺の部屋に鍵つけたのは?」
あやせ「桐乃はとにかく、泥棒猫はナチュラルに京介さんの部屋に入っていきました。」ジロッ
あやせ「それに、桐乃のご両親も、京介さんの部屋に鍵つけるのに賛成してくれました。」
京介「あやせが『夜な夜な桐乃が俺の部屋でいかがわしい事に耽ってる、かも』とか言うからだろ。」
あやせ「桐乃がすごく慌ててましたから、想像でも捏造ではなく、客観的事実だと思います。」
京介「まあその騒動のドサクサに紛れて、こうやって、あやせを家まで送ってる訳だし。」
あやせ「でも、もう家…着いちゃいますよ、京介さん…さよならとおやすみのキス…///」テレテレッ
京介「じゃ、また明日。実はもう今から、すごく楽しみにしてる。」チュッ
109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 00:14:14.43 ID:GePDCIgo0
- その夜 -
桐乃「あやせの巧妙な策略によって、京介の部屋に入れなくなったのは痛い…」ショボボボーン
桐乃「しかし、咄嗟に京介のパンツだけは確保しておいたっ、あたし偉いっ!」クンカクンカ!
桐乃「京介もたまには帰ってくるっていうし、それまでは『愛の囁き』とこれで!」クンカクンカ!
黒猫「ふふふ…『愛の囁き』…私が『高坂瑠璃』に生まれ変わる日も遠くないわね…」
黒猫「…!!」ギューッ、ゴロゴロゴロゴロッ! ←都合のいい未来予想図を激しく妄想中。
珠希「ねえさま、どうかしたんですかー?」
日向「る、ルリ姉…たまちゃんは、今こっちにきちゃだめー。とっても危ないからねー。」ホロリッ
麻奈実「きょーぉちゃーん♪ 『愛の囁き』、これ、すごいよぉ♪」ゴロゴロゴロゴロ
麻奈実「これからは毎晩、これ聞いて『きょうちゃん(枕)』とで、快眠間違いなしだよー♪」
桐乃「あやせの巧妙な策略によって、京介の部屋に入れなくなったのは痛い…」ショボボボーン
桐乃「しかし、咄嗟に京介のパンツだけは確保しておいたっ、あたし偉いっ!」クンカクンカ!
桐乃「京介もたまには帰ってくるっていうし、それまでは『愛の囁き』とこれで!」クンカクンカ!
黒猫「ふふふ…『愛の囁き』…私が『高坂瑠璃』に生まれ変わる日も遠くないわね…」
黒猫「…!!」ギューッ、ゴロゴロゴロゴロッ! ←都合のいい未来予想図を激しく妄想中。
珠希「ねえさま、どうかしたんですかー?」
日向「る、ルリ姉…たまちゃんは、今こっちにきちゃだめー。とっても危ないからねー。」ホロリッ
麻奈実「きょーぉちゃーん♪ 『愛の囁き』、これ、すごいよぉ♪」ゴロゴロゴロゴロ
麻奈実「これからは毎晩、これ聞いて『きょうちゃん(枕)』とで、快眠間違いなしだよー♪」
111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 00:18:36.45 ID:GePDCIgo0
- 翌日 -
あやせ「ぉ…ください。もぉ、お寝坊さんです、京介さんは…///」クンカクンカ! スーハー! チュッ
京介「うわっ! …なんだ、あやせか…一瞬、また昨日の悪い夢かと…」
あやせ「せっかく、おはようのキスだったのに…朝御飯もできてますよっ。」プンプン
京介「いや、あやせだと思ったら、安心した、というか朝から幸せになった。」
あやせ「そうですか、それは…よかったです。わたしも幸せですよ…///」テレテレッ
京介「それに、あやせの服、すっごく似合ってる。あやせらしくて、可愛い。」
あやせ「わたしも、その、初めてのデートですから、張り切りすぎて。」
京介「それに、あんな起こし方だったら、毎日でもお願いしたいくらいだ。」
あやせ「はい、では毎日でも。でも、『悪い夢』の話を聞いてから、ですよ?」ニコニコ
あやせ「ぉ…ください。もぉ、お寝坊さんです、京介さんは…///」クンカクンカ! スーハー! チュッ
京介「うわっ! …なんだ、あやせか…一瞬、また昨日の悪い夢かと…」
あやせ「せっかく、おはようのキスだったのに…朝御飯もできてますよっ。」プンプン
京介「いや、あやせだと思ったら、安心した、というか朝から幸せになった。」
あやせ「そうですか、それは…よかったです。わたしも幸せですよ…///」テレテレッ
京介「それに、あやせの服、すっごく似合ってる。あやせらしくて、可愛い。」
あやせ「わたしも、その、初めてのデートですから、張り切りすぎて。」
京介「それに、あんな起こし方だったら、毎日でもお願いしたいくらいだ。」
あやせ「はい、では毎日でも。でも、『悪い夢』の話を聞いてから、ですよ?」ニコニコ
112: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 00:24:14.49 ID:GePDCIgo0
あやせ「なるほど、桐乃がそんな『充電』を…わたしも何かで『京介さん分』を毎日補充しないと。」ムムム
京介「毎日て…ところで、あいつらが後をつけてきたりとか、そういう心配は?」
あやせ「桐乃と泥棒猫は、昨日の『愛の囁き』と引き換えに田村屋で労働してます。」
京介「…あいつらは、もう二度と麻奈実に逆らおうなどと思わないだろう。」ナムナム
あやせ「そんな訳ですので、心置きなくデートを楽しみましょう♪」ルンルン
京介「ついでなんだが、外に出た途端、何故、急にいつもと違う眼鏡と帽子なんだ?」
あやせ「その、クラスメイトにみつかったりすると恥ずかしいので…」ギュッ
京介「すごい納得した。ちみみに今、俺がその状況に直面しているところだ。」
あやせ「え?」
赤城「…高坂? お前、田村さんはどーした。シスコンの分際で、いつもお前ばかり…」
京介「毎日て…ところで、あいつらが後をつけてきたりとか、そういう心配は?」
あやせ「桐乃と泥棒猫は、昨日の『愛の囁き』と引き換えに田村屋で労働してます。」
京介「…あいつらは、もう二度と麻奈実に逆らおうなどと思わないだろう。」ナムナム
あやせ「そんな訳ですので、心置きなくデートを楽しみましょう♪」ルンルン
京介「ついでなんだが、外に出た途端、何故、急にいつもと違う眼鏡と帽子なんだ?」
あやせ「その、クラスメイトにみつかったりすると恥ずかしいので…」ギュッ
京介「すごい納得した。ちみみに今、俺がその状況に直面しているところだ。」
あやせ「え?」
赤城「…高坂? お前、田村さんはどーした。シスコンの分際で、いつもお前ばかり…」
113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 00:28:27.35 ID:GePDCIgo0
京介「まあ落ち着け、赤城。俺は別にシスコンではない。妹が可愛いとは思うがな。」
赤城「シスコンではないだと、高坂…語るに落ちたな! その携帯のプリクラは何だ!?」
京介「ぐぅ!? この最悪の状況で、最も痛いところ的確に突いてきやがった!?」
あやせ「京介さん、プリクラって、桐乃との…あれ、ですか!?」ツネッツネッ
京介「痛ぃ!? あやせさん、今のは全く手加減してないですよねぇ!?」
赤城「ん、今、すごく気になる名前を、高坂が呼んだ気がするのだが…?」
京介「気のせいだ。ところで赤城、ものは相談だが…例のDVD、譲ってもいい。」
赤城「例の、とは先日、ようやく俺の手元に渡された、例のヤツか?」
京介「その通りだ。今見た事を忘れるなら、全ての所有権を赤城、お前に譲る。」
赤城「…そうか。高坂、分かった。俺は何も見なかった。行くがいい、親友よ。」
赤城「シスコンではないだと、高坂…語るに落ちたな! その携帯のプリクラは何だ!?」
京介「ぐぅ!? この最悪の状況で、最も痛いところ的確に突いてきやがった!?」
あやせ「京介さん、プリクラって、桐乃との…あれ、ですか!?」ツネッツネッ
京介「痛ぃ!? あやせさん、今のは全く手加減してないですよねぇ!?」
赤城「ん、今、すごく気になる名前を、高坂が呼んだ気がするのだが…?」
京介「気のせいだ。ところで赤城、ものは相談だが…例のDVD、譲ってもいい。」
赤城「例の、とは先日、ようやく俺の手元に渡された、例のヤツか?」
京介「その通りだ。今見た事を忘れるなら、全ての所有権を赤城、お前に譲る。」
赤城「…そうか。高坂、分かった。俺は何も見なかった。行くがいい、親友よ。」
115: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 00:33:31.98 ID:GePDCIgo0
京介「ふぅ、開始早々危ないところだったが、単純なヤツで助か…って痛ェ!?」
あやせ「京介さん、携帯。見せてください…ね?///」ギューッ、ツネッツネッ
京介「あやせさん、可愛くおねだりしても痛ェもんは痛ぇ! 見せるからやめてー!?」
あやせ「むっ、確かに例のプリクラですね…羨ましい(ボソッ)…待受画面はっと…」パカッ
京介「そこまでチェックしないでー!?」
あやせ「桐乃とわたしの水着グラビアの…これは…嬉しい、です…///」
京介「あの、あやせ…どうしたの、顔真っ赤にして?」
あやせ「な、何でもありませんっ。さ、行きましょう、京介さんっ♪」ルンルンッ
京介(あやせ『も』写ってたグラビアだったので、命拾いしたようだな…)
京介「じゃあ、改めて、デートを楽しむとするか。」
あやせ「京介さん、携帯。見せてください…ね?///」ギューッ、ツネッツネッ
京介「あやせさん、可愛くおねだりしても痛ェもんは痛ぇ! 見せるからやめてー!?」
あやせ「むっ、確かに例のプリクラですね…羨ましい(ボソッ)…待受画面はっと…」パカッ
京介「そこまでチェックしないでー!?」
あやせ「桐乃とわたしの水着グラビアの…これは…嬉しい、です…///」
京介「あの、あやせ…どうしたの、顔真っ赤にして?」
あやせ「な、何でもありませんっ。さ、行きましょう、京介さんっ♪」ルンルンッ
京介(あやせ『も』写ってたグラビアだったので、命拾いしたようだな…)
京介「じゃあ、改めて、デートを楽しむとするか。」
120: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 00:37:57.09 ID:GePDCIgo0
京介「とりあえず、街中まで出てきたものの…まあ定番は映画、かな?」
京介(…と、同じ事を言って桐乃に怒られたのを急に思い出した…)
あやせ「何か、おもしろそうなもの、上映してますか?」
京介「最近、話題の恋愛映画やってるはずだ。朝一番なら混んでなさそうだし。」
あやせ「恋愛映画って…視たいですけど、いつもは友達同士だと入りにくくて…」
京介「あやせ。今日はデートなんだろ? 視たいなら、行こう。」
あやせ「はいっ、でも…京介さんは、わたしと、視ても大丈夫なんですか?」ジーッ
京介「そんな上目遣いしなくても大丈夫だ。俺はあやせとだから、視たいんだ。」
あやせ「わたしと、一緒だから、ですか?」キョトン
京介「だって、デートって『彼女』とするもんだろ? それって、あやせじゃないか。」
京介(…と、同じ事を言って桐乃に怒られたのを急に思い出した…)
あやせ「何か、おもしろそうなもの、上映してますか?」
京介「最近、話題の恋愛映画やってるはずだ。朝一番なら混んでなさそうだし。」
あやせ「恋愛映画って…視たいですけど、いつもは友達同士だと入りにくくて…」
京介「あやせ。今日はデートなんだろ? 視たいなら、行こう。」
あやせ「はいっ、でも…京介さんは、わたしと、視ても大丈夫なんですか?」ジーッ
京介「そんな上目遣いしなくても大丈夫だ。俺はあやせとだから、視たいんだ。」
あやせ「わたしと、一緒だから、ですか?」キョトン
京介「だって、デートって『彼女』とするもんだろ? それって、あやせじゃないか。」
121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 00:41:39.56 ID:GePDCIgo0
あやせ(~~~~~~~~~~~~~~~~♪)
京介「あやせ、随分ご機嫌だな? そんなにおもしろかったのか?」
あやせ「はいっ、でも…京介さんと、一緒に視たから、嬉しかったんですっ♪」ギュッ、ピトッ
京介「お、おい、あやせっ! そんなにぴったりされると、だなぁ。」
あやせ「そんなにぴったりされると、何ですか?」ピトーッ、ジーッ
京介「すごく、ドキドキする。いつも、家に送ってる時とは全然違う意味で…///」ドキドキ
あやせ「今までは、そんなにドキドキしてくれなかった、と?」
京介「ドキドキするっていうより、ちゃんと家までお送りしないとって使命感がだな。」
あやせ「じゃあ、今はどうしてドキドキしてくれるんですか?///」ドキドキ
京介「そんなの、可愛い彼女に腕組まれて、寄り添われてるからに、決まってるだろ。」
京介「あやせ、随分ご機嫌だな? そんなにおもしろかったのか?」
あやせ「はいっ、でも…京介さんと、一緒に視たから、嬉しかったんですっ♪」ギュッ、ピトッ
京介「お、おい、あやせっ! そんなにぴったりされると、だなぁ。」
あやせ「そんなにぴったりされると、何ですか?」ピトーッ、ジーッ
京介「すごく、ドキドキする。いつも、家に送ってる時とは全然違う意味で…///」ドキドキ
あやせ「今までは、そんなにドキドキしてくれなかった、と?」
京介「ドキドキするっていうより、ちゃんと家までお送りしないとって使命感がだな。」
あやせ「じゃあ、今はどうしてドキドキしてくれるんですか?///」ドキドキ
京介「そんなの、可愛い彼女に腕組まれて、寄り添われてるからに、決まってるだろ。」
126: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 01:00:58.41 ID:GePDCIgo0
京介「軽くランチだけ取ろうか? 調べたんだけど、ちょっと裏にいい場所がある。」
あやせ「ファーストフードとか、ファミレスとかでも京介さんと一緒なら…///」デレデレ
京介「でも、あやせ。出発する時に知り合いに見つかると恥ずかしいって言ってたろ?」
あやせ「はい、それは…そうですけど…///」モジモジ
京介「表通りだと、どこも目立つ。それに、あやせとはゆっくり食事したいから。」
あやせ「出発早々、お知り合いに会ったばかりですしね…」
京介「俺も、つい最近、見つけたばかりなんだけど、値段以上の価値はある。」
あやせ「あ、ここですか? ケーキ屋さんの裏に併設されてる喫茶店?」
京介「表がケーキ屋で女の子ばっかりだけど、裏の喫茶店は静かな雰囲気だよ。」カランカランッ
あやせ「…何だか、すごく、いい雰囲気ですね。表とは全然違います。」
あやせ「ファーストフードとか、ファミレスとかでも京介さんと一緒なら…///」デレデレ
京介「でも、あやせ。出発する時に知り合いに見つかると恥ずかしいって言ってたろ?」
あやせ「はい、それは…そうですけど…///」モジモジ
京介「表通りだと、どこも目立つ。それに、あやせとはゆっくり食事したいから。」
あやせ「出発早々、お知り合いに会ったばかりですしね…」
京介「俺も、つい最近、見つけたばかりなんだけど、値段以上の価値はある。」
あやせ「あ、ここですか? ケーキ屋さんの裏に併設されてる喫茶店?」
京介「表がケーキ屋で女の子ばっかりだけど、裏の喫茶店は静かな雰囲気だよ。」カランカランッ
あやせ「…何だか、すごく、いい雰囲気ですね。表とは全然違います。」
127: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 01:05:10.93 ID:GePDCIgo0
京介「じゃあ、ここでいい? 席は見ての通り空いてるし。」
あやせ「せっかくの、京介さんのおすすめですから、わたしはいいですよ。」
京介「でも、あやせがどんなの好きか先に聞いておけば良かった。」
あやせ「突然のご褒美デート、ですから…でも、この雰囲気は好きです。」
…
あやせ「…すごく、おいしかったです。デザートなんか、もう特に。」
京介「表のケーキ屋さんの職人がね、趣味でやってるお店らしくてさ。」
あやせ「あ、それで…でも、何だか凝ってた割にはお安かったような。」
京介「趣味でお金取るつもりはないんだってさ。ゆっくり過ごしてくれって。」
あやせ「じゃあ、もうちょっとゆっくりお話してたかったかも、です。」
あやせ「せっかくの、京介さんのおすすめですから、わたしはいいですよ。」
京介「でも、あやせがどんなの好きか先に聞いておけば良かった。」
あやせ「突然のご褒美デート、ですから…でも、この雰囲気は好きです。」
…
あやせ「…すごく、おいしかったです。デザートなんか、もう特に。」
京介「表のケーキ屋さんの職人がね、趣味でやってるお店らしくてさ。」
あやせ「あ、それで…でも、何だか凝ってた割にはお安かったような。」
京介「趣味でお金取るつもりはないんだってさ。ゆっくり過ごしてくれって。」
あやせ「じゃあ、もうちょっとゆっくりお話してたかったかも、です。」
128: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 01:09:55.06 ID:GePDCIgo0
京介「また、今度来ればいいさ。あやせが来たいなら何度でも付き合うから。」
あやせ「はいっ、その時は、京介さんの話、たくさん聞きたいですっ♪」
京介「俺の話なんて、平々凡々としたようなものしかないぞ?」
あやせ「わたしが聞くのは、桐乃とお姉さんから聞く話ばかりですから…」
京介「分かった。そんなの、あやせが聞きたい時にいつでも話してやる。約束だ。」
あやせ「はいっ、約束、です♪」ニコニコ
京介「あやせ、すまん。今の笑顔は、最高に可愛かった。」
あやせ「な、何を、ととと、突然に言うんですか!? 京介さんっ!」ギューッ、ピトッ
京介「そうやって腕組んできて、顔伏せて真っ赤になってるあやせも、可愛い。」
あやせ(くぅーっ…幸せすぎて、顔が上げられませんー!!///)ギューッ
あやせ「はいっ、その時は、京介さんの話、たくさん聞きたいですっ♪」
京介「俺の話なんて、平々凡々としたようなものしかないぞ?」
あやせ「わたしが聞くのは、桐乃とお姉さんから聞く話ばかりですから…」
京介「分かった。そんなの、あやせが聞きたい時にいつでも話してやる。約束だ。」
あやせ「はいっ、約束、です♪」ニコニコ
京介「あやせ、すまん。今の笑顔は、最高に可愛かった。」
あやせ「な、何を、ととと、突然に言うんですか!? 京介さんっ!」ギューッ、ピトッ
京介「そうやって腕組んできて、顔伏せて真っ赤になってるあやせも、可愛い。」
あやせ(くぅーっ…幸せすぎて、顔が上げられませんー!!///)ギューッ
131: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 01:18:45.71 ID:GePDCIgo0
京介「ところで、あやせ。さっきの笑顔、もう一回見せてくれる自信ある?」
あやせ「さっきのって、最高に可愛いって言ってくれたのですか。一応、モデルですし…」
京介「じゃあ、俺の恥ずかしいけど大切な想い出のために、後でもう一度だけ、頼む。」
あやせ「恥ずかしい想い出って…何なんですか?」ジーッ
京介「その、あやせが羨ましそうに見てたプリクラをだな…」
あやせ「ラブラブツーショットプリクラですか!? それは魅力的なお誘いですね…///」テレテレッ
京介「モデルの、じゃなくて、さっき女の子のあやせが見せてくれた、自然な笑顔がいい。」
あやせ(なんて高難易度で、とても断れない要求を、してくるんですかー///)ポワワーン
京介「えっと、あやせさん? その、恥ずかしいなら別に無理しなくても。」
あやせ「いえっ! 是非っ! 今すぐに行きましょうっ!!!」ズルズル
あやせ「さっきのって、最高に可愛いって言ってくれたのですか。一応、モデルですし…」
京介「じゃあ、俺の恥ずかしいけど大切な想い出のために、後でもう一度だけ、頼む。」
あやせ「恥ずかしい想い出って…何なんですか?」ジーッ
京介「その、あやせが羨ましそうに見てたプリクラをだな…」
あやせ「ラブラブツーショットプリクラですか!? それは魅力的なお誘いですね…///」テレテレッ
京介「モデルの、じゃなくて、さっき女の子のあやせが見せてくれた、自然な笑顔がいい。」
あやせ(なんて高難易度で、とても断れない要求を、してくるんですかー///)ポワワーン
京介「えっと、あやせさん? その、恥ずかしいなら別に無理しなくても。」
あやせ「いえっ! 是非っ! 今すぐに行きましょうっ!!!」ズルズル
133: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 01:24:31.77 ID:GePDCIgo0
あやせ(勢いでカップル御用達のプリクラに突入したのはいいけれど…)
あやせ「何だか、閉鎖空間なのに、とてもドキドキしますね…///」ドキドキ
京介「俺は過去の痛ましい記憶しかない。でも、あやせとなら、ちょっと違うかな?」
あやせ「その、違うのって、お聞きしてもいいですか?」ドキドキ
京介「やっぱり、大切な女の子と一緒だと、優しい気持ちになれる。」
あやせ「…!!」キューンッ
京介「だから、恥ずかしいっていうのはなくて…あやせさん?」
あやせ「じゃあ、早速、撮りましょうっ…///」チャリンチャリン
あやせ(フレームはもちろんハートで…文字もわたしが書いちゃいましょう///)
あやせ(後は、そう! 自然な笑顔ですっ///)
あやせ「何だか、閉鎖空間なのに、とてもドキドキしますね…///」ドキドキ
京介「俺は過去の痛ましい記憶しかない。でも、あやせとなら、ちょっと違うかな?」
あやせ「その、違うのって、お聞きしてもいいですか?」ドキドキ
京介「やっぱり、大切な女の子と一緒だと、優しい気持ちになれる。」
あやせ「…!!」キューンッ
京介「だから、恥ずかしいっていうのはなくて…あやせさん?」
あやせ「じゃあ、早速、撮りましょうっ…///」チャリンチャリン
あやせ(フレームはもちろんハートで…文字もわたしが書いちゃいましょう///)
あやせ(後は、そう! 自然な笑顔ですっ///)
136: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 01:30:18.24 ID:GePDCIgo0
あやせ「あの、京介さん…その、撮影ボタンを押す前にお願いしたい事が///」
京介「ここまで来たら引き返せないし、あやせのお願いなら。」
あやせ「さっきの、『大切な女の子』って、ボタン押す前に言っていただけませんか///」
京介「それくらいだったら。でも、最高の笑顔で頼む。」
あやせ「じゃあ、その、お願いします///」
京介「あやせは俺の、大切な女の子だよ。」
あやせ「…!!」キューンッ、ギュッ、ポチッ、パシャッ
京介「…はい、あやせ。半分コ。」
あやせ「あ、ごめんなさいっ! 今、眼鏡、かけてませんでした…」ションボリ
京介「いや、あやせの、こんな素敵な笑顔なんて見たことないよ。これでいい。」
京介「ここまで来たら引き返せないし、あやせのお願いなら。」
あやせ「さっきの、『大切な女の子』って、ボタン押す前に言っていただけませんか///」
京介「それくらいだったら。でも、最高の笑顔で頼む。」
あやせ「じゃあ、その、お願いします///」
京介「あやせは俺の、大切な女の子だよ。」
あやせ「…!!」キューンッ、ギュッ、ポチッ、パシャッ
京介「…はい、あやせ。半分コ。」
あやせ「あ、ごめんなさいっ! 今、眼鏡、かけてませんでした…」ションボリ
京介「いや、あやせの、こんな素敵な笑顔なんて見たことないよ。これでいい。」
137: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 01:38:10.10 ID:GePDCIgo0
あやせ(これは…京介さんもすごく優しい顔だし、わたしも…いつもと違う笑顔だ…///)
京介「えーっと、あやせが不満なら、撮り直す?」
あやせ「いえっ、とんでもない、です…これ、わたしの宝物にします。」ギュッ
京介「デートだから、何かプレゼントの一つでもしてやれればいいんだけど…」
あやせ「もう、もらいましたよ。それも、たくさんです。」
京介「俺、あやせに何かしてやれたかな?」
あやせ「それはもう。プリクラもそうですけど、わたしを『大切な女の子』って。」
京介「でも、それって『彼女』なんだから、当たり前じゃないか。」
あやせ「…彼女って!!」キューンッ
京介「あやせは、俺にとって、もう特別で、大切な女の子なんだ。」
京介「えーっと、あやせが不満なら、撮り直す?」
あやせ「いえっ、とんでもない、です…これ、わたしの宝物にします。」ギュッ
京介「デートだから、何かプレゼントの一つでもしてやれればいいんだけど…」
あやせ「もう、もらいましたよ。それも、たくさんです。」
京介「俺、あやせに何かしてやれたかな?」
あやせ「それはもう。プリクラもそうですけど、わたしを『大切な女の子』って。」
京介「でも、それって『彼女』なんだから、当たり前じゃないか。」
あやせ「…彼女って!!」キューンッ
京介「あやせは、俺にとって、もう特別で、大切な女の子なんだ。」
141: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 01:41:07.07 ID:GePDCIgo0
あやせ「いつも歩いてる街なのに、今日は全然違って見えます。」ギューッ
京介「俺もそんな気分。隣にあやせがいてくれるだけで、今は幸せだ。」
あやせ「最初は恥ずかしかったんですけど、もう嬉しさの方がすごくて…///」
京介「あやせの初デートで、そんなに喜んでもらえたなら俺も満足だ。」
あやせ「…もしかして京介さん、何か忘れていませんか?」
京介「いや、そろそろいい時間だし、ちゃんとあやせは家まで送るぞ?」
あやせ「忘れてる、というか勝手に決まった事だから覚えてないですね、きっと。」
京介「まてまて。黒歴史のような愛の囁きも、こんな楽しいデートもしたし。」
あやせ「…デートは、京介さんのお泊り付き、までが条件ですよ…///」モジモジ
京介「…ちょっとまって。ねぇ、それは絶対条件なんですか!?」
京介「俺もそんな気分。隣にあやせがいてくれるだけで、今は幸せだ。」
あやせ「最初は恥ずかしかったんですけど、もう嬉しさの方がすごくて…///」
京介「あやせの初デートで、そんなに喜んでもらえたなら俺も満足だ。」
あやせ「…もしかして京介さん、何か忘れていませんか?」
京介「いや、そろそろいい時間だし、ちゃんとあやせは家まで送るぞ?」
あやせ「忘れてる、というか勝手に決まった事だから覚えてないですね、きっと。」
京介「まてまて。黒歴史のような愛の囁きも、こんな楽しいデートもしたし。」
あやせ「…デートは、京介さんのお泊り付き、までが条件ですよ…///」モジモジ
京介「…ちょっとまって。ねぇ、それは絶対条件なんですか!?」
142: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 01:44:11.10 ID:GePDCIgo0
あやせ「残念ながら、証拠写真を撮って、悔しがらせるまでがお勤めです。」
京介「だいたい、お泊りって麻奈実の家じゃあるまいし、どーするの…」
あやせ「そういえば、まだ、ちゃんと、その件はお話してませんでしたね。」
京介「いや、お話も何も、そもそもお泊りなんて、麻奈実さんの冗談だと。」
あやせ「実は、今週末、両親が不在なんです。今、家はわたし一人でして。」
京介「あやせの家、そーゆーのは心配しそうなのになぁ。」
あやせ「そこで、友達と一緒に留守番をするという条件で、妥協してもらいました。」
京介「桐乃辺りが、適任じゃないのか? ゲームも一緒にできるしさ。」
あやせ「でも、タイミングよく、素敵な『彼氏』ができましたので…///」モジモジ
あやせ「だから、デートも今日がって…京介さん、ダメ、ですか?」ギュッ、ジーッ
京介「だいたい、お泊りって麻奈実の家じゃあるまいし、どーするの…」
あやせ「そういえば、まだ、ちゃんと、その件はお話してませんでしたね。」
京介「いや、お話も何も、そもそもお泊りなんて、麻奈実さんの冗談だと。」
あやせ「実は、今週末、両親が不在なんです。今、家はわたし一人でして。」
京介「あやせの家、そーゆーのは心配しそうなのになぁ。」
あやせ「そこで、友達と一緒に留守番をするという条件で、妥協してもらいました。」
京介「桐乃辺りが、適任じゃないのか? ゲームも一緒にできるしさ。」
あやせ「でも、タイミングよく、素敵な『彼氏』ができましたので…///」モジモジ
あやせ「だから、デートも今日がって…京介さん、ダメ、ですか?」ギュッ、ジーッ
144: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 01:51:37.99 ID:GePDCIgo0
京介(あやせに、あんな上目遣いで見つめられて、断れるハズがないっ…!!)
京介「ごちそうさまでした。いつも食事に関しては申し訳なく思っております。」
あやせ「わたしは、もう、京介さんのお嫁さんのつもりですから…///」ゴニョゴニョ
あやせ「あの、お風呂も沸いてますから、お先にどうぞ。」
京介「いや、そんな替えの服とかパジャマもないし…」
あやせ「お姉さんにお願いして、『きょうちゃんセット』をお借りしてきてます。」
京介「なんて準備のいいというか、計画的というか。」
あやせ「アリバイ工作に対する全面協力も勝利者特典でしたので。」
京介「では、お断りしても堂々巡りしそうなので、ありがたく。」
あやせ(ふふふ、これはまだ第一のトラップ…///)ポワワーン
京介「ごちそうさまでした。いつも食事に関しては申し訳なく思っております。」
あやせ「わたしは、もう、京介さんのお嫁さんのつもりですから…///」ゴニョゴニョ
あやせ「あの、お風呂も沸いてますから、お先にどうぞ。」
京介「いや、そんな替えの服とかパジャマもないし…」
あやせ「お姉さんにお願いして、『きょうちゃんセット』をお借りしてきてます。」
京介「なんて準備のいいというか、計画的というか。」
あやせ「アリバイ工作に対する全面協力も勝利者特典でしたので。」
京介「では、お断りしても堂々巡りしそうなので、ありがたく。」
あやせ(ふふふ、これはまだ第一のトラップ…///)ポワワーン
148: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 02:01:26.22 ID:GePDCIgo0
京介「あー、なんか広い湯船も久し振りだなぁ…」ノビノビー
あやせ「…京介、さん…お背中流しに、きました…///」ガラッ
京介「まってまって! それは聞いてない! 不意打ちすぎるっ!」
あやせ「だ、大丈夫ですよ…わたしは、京介さんの彼女、ですから…///」チャプン、ピトッ
京介「年頃の女の子が、そんな格好で、けしからんですよっ!」アセッアセッ
あやせ「お風呂にタオルとかつけるのも無作法だと思います…///」ギューッ
あやせ「それにお姉さんとは、一緒にお風呂入ってたんですよね?」ジーッ
京介「麻奈実ぃっ! あやせに何を吹き込んだんだぁっ!」
あやせ「その、わたしとは、嫌でしたか?」ジーッ
京介「…嫌どころか嬉しいから、理性さんが負けそうで困ってる…」
あやせ「…京介、さん…お背中流しに、きました…///」ガラッ
京介「まってまって! それは聞いてない! 不意打ちすぎるっ!」
あやせ「だ、大丈夫ですよ…わたしは、京介さんの彼女、ですから…///」チャプン、ピトッ
京介「年頃の女の子が、そんな格好で、けしからんですよっ!」アセッアセッ
あやせ「お風呂にタオルとかつけるのも無作法だと思います…///」ギューッ
あやせ「それにお姉さんとは、一緒にお風呂入ってたんですよね?」ジーッ
京介「麻奈実ぃっ! あやせに何を吹き込んだんだぁっ!」
あやせ「その、わたしとは、嫌でしたか?」ジーッ
京介「…嫌どころか嬉しいから、理性さんが負けそうで困ってる…」
150: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 02:07:24.43 ID:GePDCIgo0
あやせ「だったら、理性さんはどうやったら、負けてくれますか?」モジモジ
京介「あやせ、今日は、その、どうしてそんなに積極的なの…焦ってるというか。」
あやせ「だって、わたしはいつも、京介さんに酷い事してばかりで…」
あやせ「桐乃やお姉さんみたいに傍にずっといてあげられないし…」
あやせ「泥棒猫みたいに、学校の後輩でもなくて…その…///」ブクブク
京介「気持ちはよく分かった。あやせ、焦らなくていいから。」
あやせ「はい、今はそれで充分です…ところでその、お腹に何か…」カァッ
京介「申し訳ありません。理性さんが負けそうな、ギリギリのところなんです。」
あやせ(…どーして、今、私は桐乃に借りた薄い本を思い出しちゃうかなっ!!)
あやせ「京介さんの言葉と、お風呂で、のぼせちゃいそう、です…」ポワワーン
京介「あやせ、今日は、その、どうしてそんなに積極的なの…焦ってるというか。」
あやせ「だって、わたしはいつも、京介さんに酷い事してばかりで…」
あやせ「桐乃やお姉さんみたいに傍にずっといてあげられないし…」
あやせ「泥棒猫みたいに、学校の後輩でもなくて…その…///」ブクブク
京介「気持ちはよく分かった。あやせ、焦らなくていいから。」
あやせ「はい、今はそれで充分です…ところでその、お腹に何か…」カァッ
京介「申し訳ありません。理性さんが負けそうな、ギリギリのところなんです。」
あやせ(…どーして、今、私は桐乃に借りた薄い本を思い出しちゃうかなっ!!)
あやせ「京介さんの言葉と、お風呂で、のぼせちゃいそう、です…」ポワワーン
152: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 02:10:47.75 ID:GePDCIgo0
あやせ(危うくわたしが陥落しそうでしたが、まだ第二のトラップが…///)ポワワーン
あやせ「京介さん、今日はわたしの部屋で寝てくださいね?」ジーッ
京介「だから、今のあやせに、そんな目で見られたら、断れないんだってばっ!!」
あやせ「では、早速。明日も早いですし、ね。」パタパタ、ガチャン
京介「あの、あやせ、さん? いつものあやせさんの部屋、ですよね?」
あやせ「はい。あ、でも一つだけ違いますよ。ほら、これです。」
京介「クマのぬいぐるみ…見覚えのあるワイシャツですね?」
あやせ「このコは『きょうすけさん』という名前で、毎日、一緒に寝ています。」
京介「それも、麻奈実から聞いた話じゃないでしょうね、あやせさん?」
あやせ「お姉さんのはただの抱き枕ですが、わたしのは京介さんの代わりです。」キリッ
あやせ「京介さん、今日はわたしの部屋で寝てくださいね?」ジーッ
京介「だから、今のあやせに、そんな目で見られたら、断れないんだってばっ!!」
あやせ「では、早速。明日も早いですし、ね。」パタパタ、ガチャン
京介「あの、あやせ、さん? いつものあやせさんの部屋、ですよね?」
あやせ「はい。あ、でも一つだけ違いますよ。ほら、これです。」
京介「クマのぬいぐるみ…見覚えのあるワイシャツですね?」
あやせ「このコは『きょうすけさん』という名前で、毎日、一緒に寝ています。」
京介「それも、麻奈実から聞いた話じゃないでしょうね、あやせさん?」
あやせ「お姉さんのはただの抱き枕ですが、わたしのは京介さんの代わりです。」キリッ
154: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 02:13:41.34 ID:GePDCIgo0
京介「すいません、何を言ってるのか、さっぱり分からないんですが。」
あやせ「目の前に、本物の京介さんがいるのに、代わりが必要でしょうか?」
京介「つまり、同じベッドであやせと一緒に寝ろ、とそういう訳ですね。」
あやせ「最近の京介さんは、モノ分かりが早くて助かります///」テレテレッ
京介「まてっ! さっきのお風呂で、あやせの言う通りにしたじゃないか!」
あやせ「はい、身体の隅々まで洗いっこしましたね///」
京介「理性さんが負けなかったら危ういところだったんだぞっ!」
あやせ「ですから、遠慮なく、お隣へどうぞ。」ポンポン
京介「うっ、仕方ない…じゃ、お邪魔します…」モゾモゾ
あやせ(ふふふ…今度こそ、その理性さんに負けてもらいますよ…///)モゾモゾ
あやせ「目の前に、本物の京介さんがいるのに、代わりが必要でしょうか?」
京介「つまり、同じベッドであやせと一緒に寝ろ、とそういう訳ですね。」
あやせ「最近の京介さんは、モノ分かりが早くて助かります///」テレテレッ
京介「まてっ! さっきのお風呂で、あやせの言う通りにしたじゃないか!」
あやせ「はい、身体の隅々まで洗いっこしましたね///」
京介「理性さんが負けなかったら危ういところだったんだぞっ!」
あやせ「ですから、遠慮なく、お隣へどうぞ。」ポンポン
京介「うっ、仕方ない…じゃ、お邪魔します…」モゾモゾ
あやせ(ふふふ…今度こそ、その理性さんに負けてもらいますよ…///)モゾモゾ
156: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 02:17:24.26 ID:GePDCIgo0
あやせ「京介さん~♪///」ギューッ、クンカクンカ! スハースハー!
京介「あやせ、お前は毎晩クマのぬいぐるみとこんな事してるのか…」
あやせ「桐乃に借りた薄い本のおかげで、わたしも勉強しましたから///」ギューッ
京介「桐乃の薄い本って、ほぼ妹モノかメルルのハードな工口同人誌じゃねぇかっ!」
あやせ「桐乃厳選、タナトス*辱本ですから、安心してください…///」
京介(桐乃、お前はとんでもない化け物を生み出しているぞ…!!)
あやせ「ところで京介さん、気づきませんか…///」
京介「あやせがクマのぬいぐるみに欲情してるのは、よく分かった。」
あやせ「わたし、今…裸、なんですよ…///」ギューッ、ガチャリ
京介「この慣れた金属の感触は、手錠ですよねー…って片手だけ?」
京介「あやせ、お前は毎晩クマのぬいぐるみとこんな事してるのか…」
あやせ「桐乃に借りた薄い本のおかげで、わたしも勉強しましたから///」ギューッ
京介「桐乃の薄い本って、ほぼ妹モノかメルルのハードな工口同人誌じゃねぇかっ!」
あやせ「桐乃厳選、タナトス*辱本ですから、安心してください…///」
京介(桐乃、お前はとんでもない化け物を生み出しているぞ…!!)
あやせ「ところで京介さん、気づきませんか…///」
京介「あやせがクマのぬいぐるみに欲情してるのは、よく分かった。」
あやせ「わたし、今…裸、なんですよ…///」ギューッ、ガチャリ
京介「この慣れた金属の感触は、手錠ですよねー…って片手だけ?」
158: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 02:24:47.46 ID:GePDCIgo0
あやせ「もう一方は、わたしの手の方に…ほら、お揃いですよ?」チラッ
京介「もう絶対逃がすつもりなんて、ないですよね、あやせさん?」
あやせ「そうではなくて、怖いんです…だから、安心、させてください。」
京介「あやせは、俺の大切な女の子だ。大好きだよ。」
あやせ「はい、わたしも京介さんの事が、大好き、です。」
あやせ「だから、わたしからのプレゼント、受け取って、ください…///」モゾモゾ
京介「あやせっ! それはダメっ! 落ち着けっ! 服脱がさないでー!?」
あやせ「もう、抱きついても、キスしても、京介さん分が足りないんです…」
あやせ「それに大好きって言ってくれましたし、気持ちは問題ないですよね?」
あやせ「だから、後は…わたしを、京介さんのモノに、して欲しいんです…」クチュリ…
京介「もう絶対逃がすつもりなんて、ないですよね、あやせさん?」
あやせ「そうではなくて、怖いんです…だから、安心、させてください。」
京介「あやせは、俺の大切な女の子だ。大好きだよ。」
あやせ「はい、わたしも京介さんの事が、大好き、です。」
あやせ「だから、わたしからのプレゼント、受け取って、ください…///」モゾモゾ
京介「あやせっ! それはダメっ! 落ち着けっ! 服脱がさないでー!?」
あやせ「もう、抱きついても、キスしても、京介さん分が足りないんです…」
あやせ「それに大好きって言ってくれましたし、気持ちは問題ないですよね?」
あやせ「だから、後は…わたしを、京介さんのモノに、して欲しいんです…」クチュリ…
160: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 02:32:03.33 ID:GePDCIgo0
京介「マウントを取られて初めて気がついたんだが…準備万端ですね。」
あやせ「京介さんも、お風呂からずっと、かちかち、ですよ…」ヌギヌギ、ボロン
京介「だから、理性さんとずっと俺は戦い続けてるんだって…んんっ!」チュッーッ
あやせ「んんっ…こーゆー激しいキスもいいけど、やっぱり京介さんが欲しい…」
あやせ「京介さんと一つになりたいから、理性さんは、いい加減、負けてください。」クチュ
あやせ「んっ…先っぽだけ、入りましたから、後は、わたしが腰を落としていけば…」クチュリ
京介「あやせに、そんな可愛い顔で言われると、とても抵抗できない…」
あやせ「初めて、だから、そのゆっくり…やりますね…」ズッズッ
京介「俺も初めてだけど、あやせのためにも、最後の砦だけは、何としても守りたい…」
あやせ「じゃあ京介さんに魔法の言葉を。わたし、今日、『安全日』ですからっ。んんっ!」ズズッ
あやせ「京介さんも、お風呂からずっと、かちかち、ですよ…」ヌギヌギ、ボロン
京介「だから、理性さんとずっと俺は戦い続けてるんだって…んんっ!」チュッーッ
あやせ「んんっ…こーゆー激しいキスもいいけど、やっぱり京介さんが欲しい…」
あやせ「京介さんと一つになりたいから、理性さんは、いい加減、負けてください。」クチュ
あやせ「んっ…先っぽだけ、入りましたから、後は、わたしが腰を落としていけば…」クチュリ
京介「あやせに、そんな可愛い顔で言われると、とても抵抗できない…」
あやせ「初めて、だから、そのゆっくり…やりますね…」ズッズッ
京介「俺も初めてだけど、あやせのためにも、最後の砦だけは、何としても守りたい…」
あやせ「じゃあ京介さんに魔法の言葉を。わたし、今日、『安全日』ですからっ。んんっ!」ズズッ
162: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 02:39:50.67 ID:GePDCIgo0
あやせ「んんんんっ!!!!」ビクンビクンッ
京介「おい、あやせ! そんな急にしたら…その、痛いんじゃないのか!?」
あやせ「んっ…ちゃんと京介さんと一つになれましたし、今のは、その…」
あやせ「すごくお腹が熱くなって…とっても気持ちよかったんです…///」
京介「通りで…俺も、実はすごく危ないところだった…」
あやせ「だから、京介さんも気持ちよくなって、ください。」
あやせ「その、男の人は…出さないと溜まっちゃうんですよ、ね?」
あやせ「ですから、今日はいっぱい、わたしの中に、出してください…///」ズズッ、クネクネッ
京介「もう降参するからっ! 理性さん、さようなら…うっ…ふぅっ。」ビクンビクンッ
あやせ「あっ…京介さんので、お腹の中あったかぁい…クセになりそう…」ポワワーン
京介「おい、あやせ! そんな急にしたら…その、痛いんじゃないのか!?」
あやせ「んっ…ちゃんと京介さんと一つになれましたし、今のは、その…」
あやせ「すごくお腹が熱くなって…とっても気持ちよかったんです…///」
京介「通りで…俺も、実はすごく危ないところだった…」
あやせ「だから、京介さんも気持ちよくなって、ください。」
あやせ「その、男の人は…出さないと溜まっちゃうんですよ、ね?」
あやせ「ですから、今日はいっぱい、わたしの中に、出してください…///」ズズッ、クネクネッ
京介「もう降参するからっ! 理性さん、さようなら…うっ…ふぅっ。」ビクンビクンッ
あやせ「あっ…京介さんので、お腹の中あったかぁい…クセになりそう…」ポワワーン
163: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 02:45:17.55 ID:GePDCIgo0
京介「…で、結局一晩中繋がったままっていうのはどうなんだ?」
あやせ「京介さんだって、二回目からはすごかったじゃないですかぁ…///」
京介「何回したか、数えてられないくらい、あやせが可愛いのが悪い。」
あやせ「うぅっ/// あ、そうだ。お泊りの証拠を収めないと♪」パシャ
京介「ちょっとまて。今の写メを、何に使うつもりだ?」
あやせ「ちゃんとお泊りの証拠を、敗者達に示す約束なんですよ♪」
京介「あやせ…裸で幸せそうに抱き合ってる写メは、さすがにマズいぞ?」
あやせ「…はっ! 桐乃もですが、お姉さんが見たらと思うと…」ガクブル
京介「構図は一緒でも構わないから、せめて服だけは着て、取り直してくれ!」
あやせ「お互い、命の危険がありますからね…では、改めて。」パシャ
あやせ「京介さんだって、二回目からはすごかったじゃないですかぁ…///」
京介「何回したか、数えてられないくらい、あやせが可愛いのが悪い。」
あやせ「うぅっ/// あ、そうだ。お泊りの証拠を収めないと♪」パシャ
京介「ちょっとまて。今の写メを、何に使うつもりだ?」
あやせ「ちゃんとお泊りの証拠を、敗者達に示す約束なんですよ♪」
京介「あやせ…裸で幸せそうに抱き合ってる写メは、さすがにマズいぞ?」
あやせ「…はっ! 桐乃もですが、お姉さんが見たらと思うと…」ガクブル
京介「構図は一緒でも構わないから、せめて服だけは着て、取り直してくれ!」
あやせ「お互い、命の危険がありますからね…では、改めて。」パシャ
164: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 02:48:47.06 ID:GePDCIgo0
- 朝、桐乃の教室 -
桐乃「…で、この一つのベッドで幸せそうにしてる二人が証拠、だと…」フルフルッ
あやせ「それは約束だから…桐乃には、これを特別に。」ピローン
桐乃「おおっ!? 何、この幸せそうなあいつの寝顔は!? お宝じゃん!?」ウヘヘ
あやせ「入手ルートは極秘なので、そのつもりで、ね?」
あやせ(今朝、わたしのベッドで仮眠してた京介さんを撮ったモノとは言えない…)
桐乃「証拠の方は黒猫にも送ってやるとして、お宝の方は秘蔵コレクションだわ♪」ウヘヘ
- 同時刻、京介の教室 -
麻奈実「きょーぉちゃーん、とりあえず屋上、いこうか?」ニコニコ
京介「…うん、なんとなく覚悟はしてた。」シクシク
桐乃「…で、この一つのベッドで幸せそうにしてる二人が証拠、だと…」フルフルッ
あやせ「それは約束だから…桐乃には、これを特別に。」ピローン
桐乃「おおっ!? 何、この幸せそうなあいつの寝顔は!? お宝じゃん!?」ウヘヘ
あやせ「入手ルートは極秘なので、そのつもりで、ね?」
あやせ(今朝、わたしのベッドで仮眠してた京介さんを撮ったモノとは言えない…)
桐乃「証拠の方は黒猫にも送ってやるとして、お宝の方は秘蔵コレクションだわ♪」ウヘヘ
- 同時刻、京介の教室 -
麻奈実「きょーぉちゃーん、とりあえず屋上、いこうか?」ニコニコ
京介「…うん、なんとなく覚悟はしてた。」シクシク
167: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/02(月) 03:02:55.23 ID:GePDCIgo0
あやせ「なんといいますか、お勤めご苦労様でした。」
京介「麻奈実が屋上で本性を剥き出しにしたときは死んだと思った。」
あやせ「でも、わたしは心が広い女ですから。」
京介「ほほう、命に直結しそうな話題なので正座で拝聴しよう。」
あやせ「桐乃の『京介分補充』や、お姉さんとのスキンシップは黙認します。」
あやせ「ですが、それより先については、一切認めません。」
京介「心が広い、とか言いながら、可愛い顔して、割と狭いな、あやせの心。」
あやせ「ちなみに昨晩のような『京介さん分補充』についてはわたし限定です///」テレテレッ
京介「…あくまで、例え話なんだが、もし今の基準を超えるような事があったら…?」
あやせ「もちろん、例え誰であろうとも相手を-『ブチころします』よ?」ニッコリ
fin.
京介「麻奈実が屋上で本性を剥き出しにしたときは死んだと思った。」
あやせ「でも、わたしは心が広い女ですから。」
京介「ほほう、命に直結しそうな話題なので正座で拝聴しよう。」
あやせ「桐乃の『京介分補充』や、お姉さんとのスキンシップは黙認します。」
あやせ「ですが、それより先については、一切認めません。」
京介「心が広い、とか言いながら、可愛い顔して、割と狭いな、あやせの心。」
あやせ「ちなみに昨晩のような『京介さん分補充』についてはわたし限定です///」テレテレッ
京介「…あくまで、例え話なんだが、もし今の基準を超えるような事があったら…?」
あやせ「もちろん、例え誰であろうとも相手を-『ブチころします』よ?」ニッコリ
fin.
あやせ 「京介さん」
2020-03-29
4: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 17:03:33.04 ID:OnktNF440
皆さん、お久しぶりです。
わたしの名前は新垣あやせ、今は花の女子高生をやっています。
と言っても女子高生をやっていられるのも後1年。
高3になったわたしは目下、進路について悩み中。
大学進学は確定なんですが、肝心の大学や学部についてまだまだ絞り切れておらず、早く決めないと、と焦る毎日です。
っと、いきなり始まってしまったら皆さんがついて来れないですよね。
まずはわたし達が高校生になったあたりを振り返りたいと思います。
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5: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 17:04:57.52 ID:OnktNF440
まずは中学を卒業した、今から2年前の3月。
そうです。当時、桐乃は京介さんと付き合っていたのに別れたんですよね。
桐乃が京介さんとお付き合いしていたことは桐乃本人から聞いていました。
ですが、いきなり別れたのでわたしもびっくりしちゃいました。
なんでも、世間体とか親のことを忘れて期間限定で思いっきり恋人気分を味わうため、
とかなんとかで、期限を決めて付き合っていたと後になって聞きました。
桐乃はその後も落ち込んでいたんですが…っとと、今は概要だけの方がいいかな。
とりあえず、桐乃達は別れてしまったそうです。
その後、わたしと加奈子は「オタクっ子あつまれー」に入りました。
そう、エピローグで桐乃達がオタクっ子のオフ会に行っていたのは、
わたしと加奈子の初サークル参加の日でした。
これも後から聞いたところ、京介さんは行きしなに桐乃にキスをしたそうではないですか。
もう!
別れて普通の兄妹に戻ったにもかかわらずキスをするなんて、あいかわらず京介さんはダメな人です。
6: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 17:07:42.96 ID:OnktNF440
わたしと加奈子を加えたオタクっ子は、桐乃の表と裏の友達が所属することとなり、
簡単に言えば「桐乃軍団」みたいなグループとなりました。
この時に、あたし達がいる2軍のようなオタクっ子もメンツが増えたことや
1軍とは交流がないこと、
沙織さんも一人では両方を管理するのが困難となってきたことから、
わたし達2軍は別のサークルにしようということとなり、管理人は桐乃になりました。
当然ですよね。
そこで、桐乃はサークルを「Brilliant Girls」と名付けました。
わたし、この名前気に入ってるんですよね。
京介さんは一人抵抗を続けていましたが、多数決という民主的決定を持って排除されました。
このBGができてからは、桐乃の両方の友達がいることからよく遊ぶ機会が増えました。
基本的には毎週末、空いてる人だけでも集まって何かしらをしています。
7: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 17:08:53.13 ID:OnktNF440
例えば、免許を取った京介さんの運転でバーベキューに行ったり、海に行ったり。
後は京介さんのバイト代で食事に行ったりディズ○ーに行ったり、
京介さん主催の勉強会があったり、
京介さんの部屋でお宝(工ッチな本)探しをして遊んだり…
管理人が桐乃の時点で京介さんに火の粉がかかることは決定されていたことですし仕方ありません。
わたしに罪はありません。
他にも皆でコミケ参加したり、加奈子のライブに応援に行ったり色々しました。
もうこうなるとサークルというよりは単なるお友達ですが、そこは気にしたら負けです。
人が多いし学校も別々だから、サークルを維持してそれを運営している方が楽なんですよね。
8: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 17:10:31.72 ID:OnktNF440
そんなこんなでBGで楽しく騒がしく過ごしている間に2年が過ぎたというのが概要ですね。
他には黒猫…瑠璃さんが京介さんと同じ大学に入学し、
沙織さんは東京の有名女子大に入った、
というのが今年の4月のことで、最も新しいニュースですね。
以上が高校入学からの概要です。
分かりましたか?
個々人の近況報告はまた後々しますね。
―――――――――――――――
――――――――――
9: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 17:12:03.65 ID:OnktNF440
っと、話をしている間に着きました。
今日の目的地である高坂家。
その後は皆で集まって桜の花見に行きます。
勿論、運転手は京介さん。
この家にはもはや数えきれないほど来ています。
だから、ためらうことなくインターホンを押せます。
ポチっと。
ピーンポーン ガチャ
「おう、あやせ。早かったな。お前が一番乗りだよ」
「おはようございます。京介さん」
「ま、上がって待っててくれ」
「はーい」
そう言って京介さんはわたしにスリッパを渡し、リビングへと案内してくださいました。
10: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 17:12:50.14 ID:OnktNF440
京介さんはストレートで大学に入学し、現在大学3年生。
大学へは電車通学で、一人暮らしはしていません。
またしてくれたらいいのに…
最近はもう少しで始まる就活のことで頭が一杯だそうです。
ドタドタ ガチャ
「あー、あやせ。もう来たんだ、おはよう。早かったね」
「桐乃もおはよう。今日もばっちりだね」
「当然でしょー」
ピース一つとっても様になってる桐乃はさすがです。
11: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 17:13:49.00 ID:OnktNF440
桐乃はわたしと同じ高校に通う高校3年生。
めっきり大人っぽくなった桐乃は同性のわたしでさえドキっとさせられます。
桐乃は今でも読モや陸上を続けていて、どちらも成果を出している。
他にも高校に上がってからは料理やボカロP、デザイナーなどにも手をだし、
相も変わらず多才さを発揮したものの、それらを続けることなく惜しみなく捨てているのは桐乃らしいと思う。
今、桐乃がはまっているのは服飾。自分の思った通りの服を作りたいそうで。
これはいつまで続くのかなー。
ところで、京介さんと桐乃の関係はと言えば…
12: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 17:14:59.88 ID:OnktNF440
「ってかあんた、なに勝手にあやせ上げてんのよ」
「そりゃインターホン鳴ったら上げるだろ」
「あたしが行くからあんたは出なくていいの!」
「はぁ!?お前がすぐ出ないから、また化粧でもしてるんだろうと思って出てやったんだろ!」
「そんなことあたし頼んでない!」
「ってかあやせはもう俺の友達だから別にいいだろ!」
「よくない!!!」
……説明の必要がなくなりましたね。
そう、進歩なし。成長の欠片も見られません。
13: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 17:16:19.41 ID:OnktNF440
いえ、二人でいるときはそれなりに仲良くやってるんです(桐乃談)。
それを信じるなら、二人っきりでないときには昔の二人が顔を覗かせるということですが…
桐乃が恥ずかしがって意地を張っているのか、京介さんが他の女と仲良くするのが気にくわないのか…
わたしは後者だと思います。
直接、桐乃に聞いたことはありません。
なんとなく、桐乃が別れてからはその話は禁忌のように触れてはならない感じになっているので。
だから未だに京介さんに恋心があるのかは定かではないですが、
わたしの女の勘によると、桐乃はまだ京介さんのことが好きなんだと思います。
14: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 17:17:37.64 ID:OnktNF440
「まあまあ、桐乃。京介さんは気を使ってくれたんだし。
それに何もされてないよ?」
「そうなんだけどさ~」
不貞腐れている桐乃も可愛い。
これが惚れた弱みってやつですかね。
「それに今から皆で花見に行くのにケンカなんてよくないよ」
「う゛~、分かった。
んじゃ帰ってきてからする」
やっぱりするんだ、ケンカ。
と、そんなことをやっているとまたインターホンが鳴る音が。
15: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 17:20:17.86 ID:OnktNF440
「ほら、行って来いよ」
「はぁ?イヤだよ。あんたが行ってきて」
「な!?さっき自分が行くっつっただろ!?」
「それはそれ、これはこれ。
今はあたしもいるから誰が出てもいいの。
っつうわけであんたが行ってきて」
「ったく、なんだよその理不尽な理論は…」
そう言いながらも玄関まで行く京介さん。
相変わらず弱いですね。
今度は誰が来たんでしょうか?
ガチャ
「あら、私が一番ではなかったのね」
「いらっしゃい、瑠璃」
「瑠璃さん、おはようございます」
「ええ、おはよう」
わたしの次に来たのは瑠璃さんでした。
16: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 17:22:41.34 ID:OnktNF440
黒猫さんではありません、瑠璃さんです。
瑠璃さんは高校卒業とともに黒猫さんも卒業しました。
なんでも、いつまでも逃避してられないとか何とか。
まあ瑠璃さんもやっと普通になったと言うことでしょうか。
だからわたし達も「黒猫さん」から「瑠璃さん」と呼び方を変えました。
まだ慣れないですけど。
でも、厨二病が治ったかと言うとそうではないらしくて。
未だに創作の際には厨二病全開だそうで、むしろ前よりひどくなってるそうです。
瑠璃さん曰く
「私の溢れんばかりの内なる闇は全て創作にぶつけることにしたわ」
だそうです。
まあ前みたいに日常生活で垂れ流すよりは健全だからいいということにしておきましょう。
17: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 17:25:00.76 ID:OnktNF440
「京介、今日持っていくお弁当なんだけれど
量はこのくらいで足りるかしら」
「ああ…ってかむしろ作りすぎじゃねえか?これ。
6人で重箱6個って計算おかしくね?1人一箱?」
「あら、大丈夫よ。
1つは御握りで、3つがおかず。
残り2つはフルーツやデザートよ」
「そっか、それにしても作り過ぎな気もするが…
まあなんにせよご苦労様。
ありがとよ、でもこれ、大変だったんじゃないか?」
「いいえ、料理も簡単なものばかりだし、それほどでもないわ」
「そっか、ほんとありがとな。瑠璃」
「っ、いいわよっ別に」
18: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 17:27:21.23 ID:OnktNF440
瑠璃さんは京介さんに「瑠璃」と呼ばれることにまだ慣れていないみたいですね。
付き合ってた時はどうしてたんでしょう?
多分、黒猫と呼んでたんでしょうけど。
なんか変ですよね、付き合ってる時にハンドルネームで呼ぶって。
ここでも呼び方が変わってますよね。
瑠璃さんは京介さんのことを「京介」と呼んでます。
これは丁度、京介さんと桐乃が別れたあたりから固定されたそうで。
多分、京介さんが高校を卒業したからだと思いますが、
いまはまた大学で後輩になっているから「先輩」と呼んでもおかしくはないのですが。
呼ばないでしょうね、もう。「先輩」とは。
あ、そういえばわたしも「お兄さん」から「京介さん」に変えていましたね。
これはBGに入って、「桐乃のお兄さん」から、わたしの友達の「京介さん」になったからです。
19: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 17:29:11.66 ID:OnktNF440
「ところで沙織はまだかしら。
珍しいわね、彼女が遅れるなんて」
「瑠璃さん、まだ遅れてませんよ。
わたし達が早く来すぎただけです」
「あら、本当ね。では京介。行きましょうか」
「待て待て待て待て!
なんでもう行くんだよ!!
遅れてないって確認しただろ!?」
「ええ、彼女は待ち合わせには遅れてないわ。
けれど私よりも遅れたわ。これは紛れもない事実よ。
よって置いてけぼりの刑に処す」
「それは自分勝手すぎんだろ!?」
「瑠璃さん…それはちょっと」
「ふん、冗談よ。
暇つぶしに囀ってみただけよ」
20: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 17:31:22.60 ID:OnktNF440
……本当かなぁ。瑠璃さんなら人数が少ない方が~とか考えてそう。
そうこうしているうちにまたインターホンが。
「じゃあ行ってくるぞ」
「うん、任せた」
桐乃はソファに足を組んだまま手をシッシッと払う。
京介さん…
ガチャ
「あら、皆さん御揃いでしたのね。済みません、遅れてしまって」
「いらっしゃい、沙織」
「遅いわよ、沙織。
もう少ししたら置いていくところだったわよ」
「おはようございます、沙織さん」
21: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 17:33:26.97 ID:OnktNF440
「ええ、おはようございます、桐乃さん、あやせさん。
ってか瑠璃ちゃん!?それはひどくありませんか!?」
「うるさいわよ、遅れてくるのが悪いのよ。
それにいい加減『ちゃん』付けはやめてくれないかしら」
「あら、可愛いではありませんか。
瑠璃ちゃん」
「同い年に『ちゃん』付けは違和感ありまくりよ」
「そうかしら」
「ええ、そうよ」
22: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 17:34:10.52 ID:OnktNF440
次に来たのは沙織さん。
槇島沙織さんであって、沙織・バジーナではありません。
管理人を桐乃に託したからでしょうか、はたまたBGのメンバーにも慣れたからでしょうか。
理由は不明ですが沙織さんは2年前の夏ごろからバジーナではなくなりました。
懐かしいですね、あのグルグル眼鏡。
けど、わたしはこっちの沙織さんも大好きです。
だって絵に描いたようなお嬢様だから、目の保養になります。
沙織さんも桐乃を「桐乃さん」と呼ぶようになりました。
「きりりんさん」から「桐乃さん」への変化、これもそれだけ二人の関係が近づいたということでしょう。
23: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 17:35:00.91 ID:OnktNF440
「じゃあ皆揃ったことですし、行きましょうか。京介さん」
「おい、あやせ。まだ加奈…」
ガチャ
「うい~す」
「ちっ!」
「あ゛ー?なんであやせ舌打ちしてんの?」
「なんでもないよ、加奈子。おはよう。
って勝手に入ってきちゃダメでしょ」
「ケチケチすんなよ~。加奈子と京介の仲だべ?」
「親しき仲にも礼儀あり、だよ」
「へいへーい。気を付けまーす」
「加奈子、怒るよ」
「以後、このようなことがないように反省するであります」
「うん。偉いね、加奈子」
24: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 17:36:05.26 ID:OnktNF440
「…やべぇ。今俺はイジメの一端を見てしまったかもしんねえ」
クル
「なんですか?京介さん」
「なんでもないっす!!!」
加奈子もやって来たようですね。
加奈子はわたしや桐乃とは別の高校に通っています。
格差社会というか受験戦争に負けたというか、とりあえず加奈子では無理でした。
その代わりと言ってはなんですが、加奈子は声優として活動しています。
昔はメルルのコスプレをしていましたが、メルルも時代淘汰には勝てませんから。
その代わりに、加奈子は持前の口リッ子ボイスと演技力で声優となり、
大活躍とまでは言えないけれど、それなりに仕事をしています。
また、ダンスや歌唱力も買われて、声優のアイドルグループにも所属しています。
なんだかんだで、加奈子が一番の出世株かもしれませんね。
25: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 17:38:21.18 ID:OnktNF440
「んじゃ皆そろったし行こっか」
「桐乃、荷物一つくらい持てよ」
「え~やだよ。それは男のあんたの仕事でしょ」
「一人でこれは無理だっつうの!」
「まあまあ、京介さん。わたくしもお手伝いいたしますわ」
「ビッチに手伝いを望む方が間違いなのよ」
「京介さん、わたしも手伝いますから」
「京介~、加奈子喉乾いたからビール飲んでいい?」
「うっせクソガキ、お前みたいな幼女はヤクルトでも飲んでろ!」
「はあ!?17のれでぃ捕まえて幼女とはなんだ!!」
まったく、車に乗る前からこの大騒ぎ。
だからBGは楽しくてやめられないんですよね。
―――――――――――――――
――――――――――
26: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 17:42:02.88 ID:OnktNF440
「着いたー!!桜満開じゃん!!」
「だから桐乃、荷物を…って、もういいか」
「まあ、あの俊足を活かして場所取りでもさせましょう。
桐乃、景色のいいところをとってきて頂戴」
「任された!」
そう言うと桐乃はあっという間に走り出して、今はもう小さく背中が見えるばかり。
本当に速いなあ。
「では私達も桐乃の後を追いましょう」
「瑠璃さん、お弁当持ちますよ」
「ありがと」
「京介さん、荷物をお持ちしますわ」
「そっか、さんきゅ沙織。
お前もれでぃなら見習え」
27: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 17:45:03.64 ID:OnktNF440
「加奈子はヤクルトで両手ふさがってっから無理」
「加奈子、私のお弁当を早く食べたいなら荷物を持つことを勧めるわ」
「へいへーい。京介~、一番軽いの貸してみ」
「ほい」
そう言うと、京介さんは加奈子にクーラーボックスを渡す。
「おもっ!お前これ一番重いやつだろ!」
「は?ちげえよ。一番重いレジャーテーブルは俺が持ってんだろ」
「なんで沙織にはレジャーシートと食器なんだよ!!」
「お嬢様に重いものは持たせられねえだろ」
「さべつだ~!!」
28: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 17:47:44.15 ID:OnktNF440
「もう、加奈子!わがままばっかり言うと怒るよ!」
「はい、きりきり運びます」
「…あの漠然と『怒る』ってのがまた恐いよな…」
「…あやせさんは見た目が綺麗な分、怒らせると恐そうですから…」
「京介さん、沙織さん。どうかしましたか」
「なんでもないですわ!」
「なんでもないっす!」
恐いとか、もう。失礼しちゃいます。
加奈子が変に反応するせいですよね。
29: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 17:48:27.16 ID:OnktNF440
皆で桐乃の後を追っていくと、一際大きな桜の木の下に桐乃がいました。
「おっそ~い!!」
「そりゃお前…こちとら荷物持って歩いてんだから仕方ねえだろ」
「つべこべ言わない!とっととテーブル置きな」
ぶつぶつ言いながらも言う通りにする京介さん。
その近くに沙織さんがレジャーシートを敷き、お弁当や食器をテーブルに置いて準備完了。
「んじゃ、とりあえずはテーブルについてメシにすっか」
「ええ、そうね。皆の口に合えばいいのだけれど」
「さんせ~加奈子、腹ぺこぺこ~」
30: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 17:49:39.63 ID:OnktNF440
すると、京介さんが何も考えずにポスっと真ん中に座る。
その瞬間、空気がぴりっとしました。
「んじゃあたしここにす~わろ」
そう言って、桐乃が京介さんの左隣に座ろうとする。
「待ちなさい桐乃。そこは私が座るわ。京介に料理の説明もしたいし」
「はあ?料理の説明は皆にすればいいじゃん。
あたしはいつもこいつの左隣でご飯食べてるから、ここが落ち着くの」
「男の京介の隣にあなたみたいなデカいのがいたら狭いでしょう。
そこは私みたいに小柄な人が座るべきだわ」
「デカくない!!」
31: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 17:50:35.17 ID:OnktNF440
あの紛争地域には近づかない方が賢明ですね。
ということは…
「京介さん、隣失礼しますね」
わたしは京介さんの右隣に座ってからそう言った。
こういうときは騒がず焦らずやるのがベターです。
「あ~!あやせずり~」
「なにが?」
「加奈子も京介の隣がいい~」
32: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 17:51:17.35 ID:OnktNF440
「そう、でもごめんね。わたしもう座っちゃったから」
「代わってくれりゃーいいじゃん。人数分イスあるしさ~」
「え~あっちの空いてるイスの方が景色いいんじゃない?
加奈子にはあっちがいいよ~」
「はあ?じゃああやせがそっちに行けばいいじゃ~ん」
む~、こっちもこっちで加奈子との領土問題が。
そこで一番頼れる沙織さんが柏手一つ、
「皆さん、ではこういうのはどうでしょうか」
―――――――――――――――
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33: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 17:52:48.04 ID:OnktNF440
「なあ、なんで俺一人レジャーシートなの?」
「うっさい!」
「まあ、これが一番無難な解決策でしょうね」
「加奈子もレジャーシートにいこ~っと」
「ダメだよ、加奈子」
「済みませんわ京介さん」
まあこうしないと場所決めだけで日が暮れちゃいますから、
仕方ないですね。
34: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 17:54:09.00 ID:OnktNF440
というか今の一連の流れで分かっちゃいますよね。
そう、桐乃のみならず、瑠璃さんや加奈子もまだ京介さんを諦めていません。
そういうわたしも…
沙織さんはどうなんでしょうか?皆に比べたらあからさまなアプローチはないので、
好きではないんでしょうか。
つまり、京介さんが一人暮らしをすると言った時の状況に似ていますよね。
より厄介なのは、わたしも桐乃も京介さんが好きで、バトルロワイヤルに参加する人数が増えたこと、
それにBGという集団に全員が所属している以上、あまり過激なことはできないようになってしまったことです。
だからこの2年間、京介さんに悟られない程度、皆の仲が悪くならない程度の小競り合いがずっと続いています。
さっきは「桐乃軍団」だなんて比喩しましたが、実質は「京介ハーレム」と言った方が正確かもしれませんね。
35: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 17:55:10.35 ID:OnktNF440
「はい、これあんたの分」
「待て!俺の好物の唐揚げがねえじゃねえか!」
「唐揚げはあたしが食べる」
「そんなに食えねえだろうが!!」
「あたしが食べるの!」
「まったく、桐乃。
よしなさい。こんなにあるのに食べられるわけないでしょう。
はい、京介」
「おお!
さんきゅー瑠璃」
「京介さん、お茶をどうぞ」
「ああ、あやせもさんきゅー」
「それでは、皆さんに飲み物も行き渡ったことですし、
桐乃さん。よろしくお願いしますわ」
「おっけー。
おっほん、ではBrilliant Girls春の陣を開始したいと思います!
皆、一杯食べて一杯飲みましょう!お茶を!
じゃあかんぱ~い!!」
「「「「「かんぱ~い」」」」」
―――――――――――――――
――――――――――
36: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 17:56:39.91 ID:OnktNF440
「お!この唐揚げめちゃくちゃうめえじゃねえか」
「そう、そう言ってもらえると嬉しいわね」
「なんかいつもと味が違うような」
「それはごま油のせいかもしれないわね」
「そっか、うめえなあ。
卵焼きには海苔を入れてんのか」
「ええ、ネギかシーチキンか迷ったのだけれど」
「はー、卵焼きにも色々あんだな」
京介さんは瑠璃さんと料理のお話をしている。
まあ、これだけの料理をしたんですから少しくらい瑠璃さんに役得がなければ悪いですしね。
37: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 17:57:23.01 ID:OnktNF440
「さっきはごめんなさい、桐乃さん」
「え?別にいいよ」
「ですが…」
「沙織は気にし過ぎだって。ほら食べなよ。美味しいよ」
「ええ、瑠璃さんの料理は全部美味しそうですわね」
あっちはあっちで桐乃と沙織さんが話してる。
桐乃は京介さん以外が相手だと、すごく柔らかくなったと思う。
元々友達思いだったけれど、優しさというか、労りというか…
そういうのが出てきたと思う。
38: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 17:59:03.45 ID:OnktNF440
んで加奈子はと言うと…あれ?加奈子は?
あ、クーラーボックスのところにいますね。
てっきり京介さんのところに行ったのかと…
「加奈子~食べないの?」
「けっけっけ、花見にただメシ食うだけじゃおもしろくないと思って~」
そう言って加奈子が手に持っていたのは
「加奈子!それビールじゃない!」
「酒じゃないべ?ノンアルコール」
「へ?ノンアルコール?」
「そ、ほら見てみ」
39: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 17:59:59.89 ID:OnktNF440
そういって加奈子に渡された缶ビールには…
本当だ、アルコール0%と書かれている。
「これなら別に飲んでも問題ないだろ~」
「そうだけど…」
「んじゃとりあえず」
カシャッ!
グビ グビ グビ
「プハー!!!
やっぱり花見にはビールだろ~」
「もう、加奈子ったら親父くさいよ」
でもまあ、アルコールが入ってないなら文句言えないよね。
―――――――――――――――
――――――――――
43: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:01:13.74 ID:OnktNF440
食事も粗方終え、今は各々が自由時間を満喫してる。
京介さんはレジャーシートに寝っころがって桜を見上げてる。
桐乃はカメラ片手に風景を撮影してる…と見せかけて京介さんの写真を撮りまくってますね。
沙織さんは水筒に入れてきた紅茶でティーブレイク中。
本当に絵になりますね。
黒猫さんは京介さんの隣にペタリと座ってます。
わたしも行こうかな…
44: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:02:04.84 ID:OnktNF440
「京介~」
「なんだよクソガキ」
「京介って今年で21だろ~?結婚とか考えてんのかよ」
ピカピカ ドシャーン!!
いま、確実にわたし達の周りには落雷がありました。
まったく!加奈子ったらなんてこと聞いてるのよ!
45: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:02:34.04 ID:OnktNF440
「結婚か~まだ考えてねえな」
「なんだよ、じゃあ彼女とかいねえのかよ」
ピカピカ ドシャーン!!
本日2度目の落雷。
皆がごくりと喉を鳴らす。
かくいうわたしも気になっていました。
こういうことって中々聞くことができないですから。
46: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:03:39.97 ID:OnktNF440
「彼女か~できたらいいんだけどな~」
「はぁ?じゃあ京介は独り身かよ~」
「わりいか!!」
「悪くねえよ~。んじゃさ~加奈子と付き合うべ?」
京介さんがガバっと起き上がり、加奈子の方を見て
「なに言って!!
……沙織、すまん。クーラーボックスから水をとってくれ」
「ええ、かまいませんわ。どうぞ」
「さんきゅ。ほら加奈子、飲め」
「い~や~だ~。加奈子にはビールがあるんだもん!」
47: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:04:43.54 ID:OnktNF440
「『だもん』じゃねえ!お前酔っぱらってんじゃねえか!!」
「酔ってないっすよ~」
え!?さっきのビールってノンアルコールだったよね?
ノンアルコールでも酔うの!?
雰囲気で飲んだ気分になっちゃったのかな…
「いいから、ほれ」
「ちょ、やめっ…グビ グビ グビ。
ぷはあ、無理矢理飲ますなよな!溺れるだろ!!」
「溺れねえよ。それよりほら、加奈子。こっちこい」
「なんだよ~加奈子のこと抱きしめてくれんの?」
「バカ言ってねえでほら」
そう言って京介さんは加奈子をレジャーシートに寝かせて、膝枕をしてあげる。
……わたしも酔おうかな。
48: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:05:15.30 ID:OnktNF440
まあでも、加奈子が酔って爆弾を投下してくれたおかげでずっとモヤモヤしていたことが解決した。
京介さんはフリー。
その情報はわたしをとっても幸せにしてくれた。
だから加奈子にはお礼として膝枕を許可します。
多分皆もそう思ってるから何も言わないんでしょうね。
桐乃はプルプル震えてるけど。
けれどこの落雷を伴う積乱雲は、もっと成長するような気がします。
―――――――――――――――
――――――――――
49: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:06:01.04 ID:OnktNF440
「んで、今日は何して遊ぶ?」
今日はBGとは関係なくわたしの家でお泊まり会。
参加者は桐乃だけ。
人数が増えると話し合いが乱闘騒ぎにまで発展しそうですから。
「それより桐乃。今日は話したいことがあったの」
「はなし?」
「うん、先週の花見で京介さん、彼女いないって言ってたよね」
「…うん」
「そのことで桐乃と話し合いたいの」
「…そっか」
今はわたしも桐乃もパジャマでベッドにごろん。
桐乃、いい匂いするなあ。
50: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:07:25.98 ID:OnktNF440
「京介さんが彼女いないってなったら今までよりもぐちゃぐちゃになると思う。
ルールがなかったらめちゃくちゃになるよ?
BGも崩壊しちゃうかも…」
そう。
話し合いとは「京介さんをどうするか」。
物みたいな言い方で悪いけど、
京介さんをどうするか一定の決まりを作っておかないと、早い者勝ちになったり不公平な結果が生じかねません。
それに、それが原因でBGが崩壊するのもいやですし。
51: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:08:22.78 ID:OnktNF440
「…あやせはどうすべきだと思う?」
「ん~わたしはBGが好き。
あそこにいる人達が好きだし、皆で何かするのも楽しい。
だから、BGが壊れるようなことはしたくないかな」
これは本心からの言葉。
京介さんとお付き合いできれば、それはそれで幸せでしょう。
けれど、
それと引き換えにBGがなくなるならば、
わたしはそうなってまで京介さんと付き合おうとは思いません。
京介さんとBG、これはわたしにとって両方大切。
だから、できるなら両方を手に入れたい。
52: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:09:22.39 ID:OnktNF440
「あたしも、BGはみんな趣味とか活動がバラバラだけど、それぞれが頑張ってる。
あそこ、あたしにとっても刺激になるんだ。
負けてられない、って」
だから桐乃はサークルをBrilliant Girlsと名付けたのでしょう。
とってもぴったりだと思います。
「んじゃ、BGがつぶれないために京介さんは今まで通り共有にする?」
「……あやせ、あたし達、今年で18歳になるよね」
「え?うん、そうだけど…」
「あたし、気づいたんだ。中3のあたしなんてまだまだガキだったってことに。
今なら分かる」
「っ!」
53: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:10:11.47 ID:OnktNF440
桐乃が言った言葉。
私も分かる。
私も最近そう考えていた。
大人になって。18歳になって。
見える景色が変わった。
今まで見えなかったものが見えるようになった。
考えられなかったことも考えられるようになった。
逆に見えてたもの、分かってたものをなくしてしまったこともある。
わたし達は成長したんだ。
それが18歳、京介さんに告白したときの彼と同い年になって分かったことがある。
多分、当時京介さんはこんな景色を見ていたんだろう
こんなことを考えていたんだろうって。
だから桐乃の言いたいことはすごく分かる。
54: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:11:15.98 ID:OnktNF440
「いまのあたしなら、あたし達ならうまくやれる。
BGも、京介との関係も、自分のことも」
「…うん」
「それにあたし達もそろそろ受験だしね。京介は就活始まるし」
「それらが終わるまで待つとか?」
「もう待てない」
そう言った桐乃の目は真っ直ぐわたしの目を射抜く。
…全く、桐乃はいつでも格好よくて、私を惚れさせるんだから。
「クスクス。うん、わたしも」
「そっか、んじゃそろそろ決めよっか」
「うん、誰が京介さんに相応しいか。
でもどうやって?」
「それなんだけどさぁ…」
―――――――――――――――
――――――――――
55: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:13:04.14 ID:OnktNF440
「っというわけで、皆には順番に京介とデートしてもらうから」
「…いきなり何言ってるのかしら」
「は~?意味わかんねぇよ~」
「あらあら、突然ですわね」
これが私と桐乃の考えた解決案に対する反応。
三者三様ですね。
今日は皆でわたしの部屋に集合です。
あ、もちろん京介さんはいませんよ
56: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:14:04.86 ID:OnktNF440
「つーまーり!
あたしとしてはBGがぐちゃぐちゃになっちゃうのは避けたいの!
だから抜け駆けとかだまし討ちはナシ!!」
「…なるほど、だから皆が平等でいられるように機会を均等に割り振るということね」
「瑠璃ちゃん正解!」
「…『ちゃん』付けはよして頂戴」
「だから順番でデートして、最終的にはあいつに決めてもらおうってわけ」
「…けれどそれを今する必要があるのかしら」
「そうですよね。だから、それを含めて皆で決めたいと思います」
57: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:15:10.41 ID:OnktNF440
「そういうあなたはどうなの?あやせ」
「わたしは桐乃の意見に賛成です。
そろそろ決着をつけてもいい頃だと思います」
「そう、加奈子はどうなのかしら?」
「加奈子はぁ、賛成かな~
とっとと誰が一番か決めるほうがいいべ?」
「なるほど、私は反対よ。あなた達は受験生でしょうに。
それに先輩も就活が始まるわ。
時期としては中途半端すぎないかしら」
「あたしは大丈夫。勉強はしてるし、それにそんなに時間かけるつもりもないし」
さすが桐乃。短期間で京介さんを落とす自信があるのでしょうか。
58: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:16:16.62 ID:OnktNF440
「わたしも今がいいです。こんなモヤモヤしたままだと勉強に身が入らないし」
それに、もう京介さんへの気持ちがおさえられないってのもありますが…
これは恥ずかしくて言えません。
「加奈子はいつでもいいぜ」
「…そう、けれど…」
「だいじょうぶ!!もう昔見たいにグチグチ言ったりしない。
その代わり、あたしも全力でやるから」
「…そう。あなたも成長したのね、桐乃」
「あんたはあたしのお母さんかっつうの」
瑠璃さんもBGのことが心配だったみたい。
瑠璃さんも友達思いでBGを大切にしているから当然不安に思っちゃいますよね。
59: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:16:55.87 ID:OnktNF440
「…なら私が反対すべき理由はもうないわ」
「よし!!んじゃ全員一致ということで。
じゃあ順番決めよっか」
「んじゃ加奈子が1番な」
「ふ、真打は最後に登場するものよ」
「あやせどうする?」
「ん~桐乃は?」
「あたし何番でもいいよ」
今、空いてるのは2番か3番。
加奈子の後か、桐乃の後か……
60: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:17:51.13 ID:OnktNF440
加奈子はなんだかんだで京介さんと相性いいし、
桐乃も二人きりだと仲がいいって言っているし…
「んじゃ…3番、かな」
どっちも変わらないけど、皆の様子も見れるし、印象も後の方が残りやすいし。
「OK。じゃああたしが2番だね。
デート回数は皆が納得するまでってことでいいよね」
「うん」
「ええ」
「おう」
「よし!!んじゃ恨みっこなしで…」
「あの~」
会議が全会一致、というところで沙織さんが挙手をする。
61: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:18:42.55 ID:OnktNF440
「わたくしに発言権はないのかしら」
「へ!?いや…べつに。
喋っていいけど。どしたの?」
「なぜわたくしにはデートの機会がないのでしょうか」
「へっ!?」
今日沙織さんを呼んだのは、話し合いがもつれたら止めてもらう安全弁としてお呼びしたのですが…
もしかして…
「皆に平等に機会を与えるならば、わたくしにもあって当然だと思いますわ」
「もしかして………沙織も?」
「…ええ、お慕いしています」
「あんのクソ兄貴が~~~!!!!」
…皆そう思ったよ、桐乃。
62: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:20:37.50 ID:OnktNF440
「だって当然ではありませんか。
あの優しさ、気配りや気遣い。
やるときにはやる男らしさ。
京介さんのような素晴らしい殿方は他にはおりませんわ」
「でも沙織、あんたいいところのお嬢様でしょ」
「あら?関係ありませんわ。
たとえ京介さんと結婚するとなったとしても問題は特にありませんわ。
姉さんなんて結婚して海外に行っているくらいですから」
「そ、んじゃ沙織は何番がいいの?」
「わたくしは4番がいいですわ。ですから瑠璃ちゃんが最後の5番目ということでよろしいですか?」
「ええ、私は構わないわ」
「じゃあもういっか、それで」
桐乃がなんか疲れてますね。
「んじゃとりあえず、順番も決まったし、当分毎週末はあいつとのデートに割り当てるから。
恨みっこなしの真剣勝負だかんね!!」
「「「「おー!」」」」
―――――――――――――――
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あの優しさ、気配りや気遣い。
やるときにはやる男らしさ。
京介さんのような素晴らしい殿方は他にはおりませんわ」
「でも沙織、あんたいいところのお嬢様でしょ」
「あら?関係ありませんわ。
たとえ京介さんと結婚するとなったとしても問題は特にありませんわ。
姉さんなんて結婚して海外に行っているくらいですから」
「そ、んじゃ沙織は何番がいいの?」
「わたくしは4番がいいですわ。ですから瑠璃ちゃんが最後の5番目ということでよろしいですか?」
「ええ、私は構わないわ」
「じゃあもういっか、それで」
桐乃がなんか疲れてますね。
「んじゃとりあえず、順番も決まったし、当分毎週末はあいつとのデートに割り当てるから。
恨みっこなしの真剣勝負だかんね!!」
「「「「おー!」」」」
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63: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:21:23.62 ID:OnktNF440
待ちに待った京介さんとのデート1回目!
今日はドライブの予定です。
ちなみに、デート内容はすでに全員決定済み。
2回目のデートも最後の瑠璃さんが終わった後に決めるつもりです。
こうでもしないとデートプランがかぶったり、京介さんに負担がかかりすぎるからです。
先々週の加奈子は遊園地。
先週の桐乃はショッピング。
来週の沙織さんは沙織さん宅でお家デート(一人暮らしうらやましい…)
最後の瑠璃さんはピクニック。やはり胃袋を掴む作戦でしょうか。
64: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:22:14.29 ID:OnktNF440
そうこうしている内に、家の前に京介さんの車が停車。
京介さんが乗っているのは日○のセ○ナ。
バイト代のほとんどをつぎ込んだそうです。
「よう、あやせ。待たせたな」
「いいえ、時間ぴったりですよ」
「そりゃよかった。んじゃ乗ってくれ」
「はーい」
京介さんの助手席!!
なんか京介さんの特別になれた気がします。
BGだと桐乃がいつも助手席に座りますから。
65: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:23:25.26 ID:OnktNF440
「んで、今日はドライブ行きたいってことだけど。
どこか行きたいとことかあんの?」
「アイ・リンクタウンで夜景が見たいです!」
「夜景…まだ昼過ぎだぞ」
「そうですね、それまでどうしましょうか」
「う~ん……
ってかさ、その手に持ってんのって」
「これ?これはお弁当ですよ」
「手作りか!?」
「え、ええ」
「よし、んじゃとりあえず景色のいいところにでも行ってそれ食べようぜ。
後のことはまたその後に決めようぜ」
「そうしましょうか」
66: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:24:11.09 ID:OnktNF440
「場所は…泉自然公園でいいか」
「桜、残ってますかね?」
「もう散っちゃってるかもな。けど俺はあやせの手料理が食べれるならどこだっていい。
この車の中でもな」
「クスクス。それだと風情がないですよ。
じゃあ公園に行きますか」
「おう」
―――――――――――――――
――――――――――
67: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:25:10.11 ID:OnktNF440
京介さんの運転している姿は何度見ても…なんというか、格好いいです。
キリッと真剣な顔をして、ハンドルを捌く京介さん。
すごく大人の男性ってかんじがします。
「……そんなジロジロ見てなに?顔になんか付いてんの?」
「ジ、ジロジロなんて見てません! ただ…」
「ただ?」
「大人だな~と」
「大人? …確かに、俺はあやせより年上だけど、大人じゃないだろ」
「いいえ、大人ですよ。 もう二十歳も過ぎてるんですから」
68: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:26:06.64 ID:OnktNF440
「あ~世間一般ではそうなんだろうな。
けど、実際この年になっても何にも変わんねえよ」
「そうなんですか?」
「あやせもこの年になったら分かるよ。
結局、男はいつまでもガキのままだってな」
そう言ってニカっと笑った京介さんの顔は、確かに少年のような純粋さがありましたが、
同時に大人としての色香も併せ持っているような…ずるいです。
けど京介さんでも子供なら、わたしなんてもっと子供になっちゃいます。
「んで、いきなり大人っぽいとかなんで思ったんだ?」
「だって、車の運転をしてるから」
「ぷっ」
「あ!笑わなくてもいいじゃないですか!」
わざとらしく頬をぷっくりさせる。
69: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:26:52.96 ID:OnktNF440
「ごめんごめん。
けどよ、車の運転なんて誰だってできるぜ?」
「そうですけど、周りにはそういう人がいませんから」
「まあそうだな。
けどあやせも今年で18だから免許とれんじゃん。
とるのか?」
「まだ考えてません。受験もありますから」
「まあそうだよな。
でも受験終わって春休みにでもとればいいよ」
「そうですね。考えておきます」
と言うのは嘘。本当は免許なんてとるつもりありません。
だって、免許をとっちゃうと京介さんが乗せてくれなくなるかもしれません。
わたしには京介さんがいるから免許なんて不要なんです。
―――――――――――――――
――――――――――
70: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:27:48.45 ID:OnktNF440
「よし、着いたぞ」
「運転ごくろうさまです」
「どういたしまして。
そのバスケットくれ。俺が持つよ」
「あ、ありがとうございます」
こうやってさりげなく気を遣ってくださるのが大人の男性って感じ。
同い年だとここまで気が付きませんから。
それとも、これは京介さん自身の人間性なんでしょうか。
「ところで京介さん。シートとかってあるんですか?」
「ああ、この前の花見で使った道具は一式乗ったままだし」
「じゃあ二人だからシートだけでいいですよね。これは私が持ちますね」
「ああ、頼んだ」
71: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:28:53.44 ID:OnktNF440
桜のある南のほうまでずんずん進んでいくと…
「あちゃ~やっぱり大分葉桜になっちまってるな」
「けど、ちょっとは桜が残ってますよ」
「そうだな。んじゃ…あそこの陰に入るか」
「はい」
京介さんと二人っきりで桜を見たかったのですが…
残念です。
でも葉桜の間にポツポツとピンクが映えているのも、またこれはこれで可愛いです。
「俺、お腹減ってんだけどあやせは?」
「わたしもです。お昼食べてませんから」
「じゃあさっそく食べるか」
「はい、そうしましょうか」
72: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:30:01.43 ID:OnktNF440
緊張の一瞬です。バスケットの蓋を開ける!
「お?サンドイッチか」
「はい…」
「てっきりあやせみたいな黒髪美少女は和風かと思ったけど」
「びっ!美少女って」
「ん?美少女だろ、お前って。モデルやってるくらいだし」
「知りませんよ!」
全く!京介さんはすぐにそういうことを言うんだから!
言われる方の立場にもなってください!
そりゃ、京介さんから美少女とか言われるのが嫌かと聞かれると、やぶさかではないと申しましょうかなんというか
「サンドイッチにフライドポテト、ミニハンバーグまであんのか。
他には唐揚げにフルーツ。
全部うまそうだな。食べていいか?」
「ど、どうぞ!!」
73: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:31:10.08 ID:OnktNF440
京介さんは生ハムとレタスのサンドイッチをつまむと、ひょいっと口に入れた。
「ど、どうですか?」
「もぐもぐ…うん、めちゃくちゃうまいな。
生ハムの塩っけがいい感じだ」
ほっ。とりあえずは一安心ですね。
「他にも卵サンド、カツサンド、あとは鶏肉にレモンを振ったものとかもありますから」
「おお、色々あんな。作ってきてくれてさんきゅーな。あやせ」
「いえいえ」
京介さんは手を止めず、わたしが作ったサンドイッチを勢いよく食べていく。
作ってきてよかった…!
なんか、見てるだけでわたしまでお腹が一杯になっちゃいそう、もしかすると胸が、かもしれない。
74: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:31:53.63 ID:OnktNF440
「もぐもぐ…ところでさ」
「はい?」
「なんで唐揚げ?」
「え゛?」
「だって、こいつ以外全部洋食じゃん」
「そ、それは…
サンドイッチに使った鶏肉が中途半端に余ったからです!!!」
「うお、大声出さなくても…
そっか、俺唐揚げ好きだから嬉しいけど」
この前、花見のときに言ってましたもんね。
というかこの2年間、京介さんばかり見ていたせいで彼の趣味趣向は大体把握してますけどね。
その後も、京介さんは食べる手を休めず次々とわたしの料理を食べてくれた。
75: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:32:44.62 ID:OnktNF440
「ふう…ごっそさん、あやせ。めちゃくちゃうまかったよ」
「そうですか。それはよかったです」
「けどいいのか?俺ばっかり食べてた気がするけど」
「い、いいんです。わたしダイエット中ですから」
「ダイエット?おいおい、それ以上痩せてどうすんだよ。
あやせは今のままで十分魅力的だろ」
「そ、そうですか…
けど、わたしもちゃんと食べましたよ?お腹いっぱいです」
「そっか…んじゃこの後どうすっかな」
ん~どうしましょうか。
今はやっと3時前。夜景にはまだまだ早いですけど…って
76: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:35:14.87 ID:OnktNF440
「京介さん、なんだか眠そうですね」
「ぉお?そうか? お腹膨れて眠くなったのかもな」
「もしかして…疲れてるんですか?」
「いいや、そんなことはないけど」
「よし、じゃあ京介さん。
ちょっと休憩しましょうか。そのまま昼寝してしまっても構いませんよ」
「昼寝はともかく、休憩には大賛成だな。日陰で風が涼しくて気持ちいいしな」
そういって京介さんはシートの上にごろりと寝ころぶ。
その拍子にわたしとの距離が少し近くなりました。
ドキドキします…!
77: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:38:33.81 ID:OnktNF440
「あ、そうだ。あやせ」
「なんですか?」
「今日の服、かわいいな。
ロングスカートとか、あやせみたいな美少女にはぴったりだと思うぞ」
「な、なんですか突然!」
「いや、会ったとき言おうと思ったんだけど、運転してる最中に忘れちまって」
「そ、そうでしたか。ありがとうございます」
これも桐乃の教育の賜物なんでしょうか。
女性のファッションに目を配ってるってはポイント高いですね。
桐乃と言えば…
78: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:39:16.74 ID:OnktNF440
「京介さん、先週は桐乃とお買い物に行ったんですよね」
「おお、よく知ってんな」
「友達ですから。それで桐乃は何を買ったんですか?」
「桐乃の物は何も買わなかったよ」
「へ?じゃあ何も買わずに終わったんですか?」
「いや?買ったのはこれ」
そう言って京介さんは今日着て来たシャツとパンツを順番に指す。
「京介さんの服を買ったんですか」
「おお、桐乃からのプレゼントだ」
え!?
桐乃がプレゼント!?
なんで孫からのプレゼントを喜ぶお祖父ちゃんみたいな笑顔なんですか!!
79: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:40:16.50 ID:OnktNF440
「やっぱりあいつ、センスあるよな。
シャツとかあんま着なかったけど、これだと俺もパリッとしてるように見えるもんな」
うぅ、二人だと仲良しというのはあながち嘘じゃないのかも知れませんね。
しかもプレゼントで、京介さんも気に入りってる様子。
…でも、女性とのデートに妹からのプレゼントを着てくるというのはどうなんでしょう。
デートと思われてないんでしょうか。
それだとへこんじゃいます…
なるほど、桐乃はそれなりにうまくやったみたいですね。
80: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:40:58.21 ID:OnktNF440
「先々週は加奈子と遊園地でしたっけ」
「おう」
「どうでしたか?」
「楽しかったよ」
「そ、そうですか」
う~!!加奈子もちゃっかり成功させてる~!!
…友達の失敗を願うなんて、わたし嫌な女ですね…
「あいつテンション高いし、遊園地とかにはもってこいだよな。
アトラクション待つのも苦じゃなかったぜ」
皆はそれぞれ成功させてるんだ!
私も頑張らなくちゃ!
81: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:41:58.88 ID:OnktNF440
それはそうと、気になってることが一つ。
「京介さん、就職はどうするかもう決まってるんですか」
「いや、でも大体はもう決めてあるぞ」
「…お聞きしてもよろしいですか」
「別にいいぞ。俺は一応、教師になろうと思う」
「教師…ですか」
「おう、小学校のな」
言われて、なんとなくストンと納得できました。
容易に想像ができますね。
走り回る生徒、笑顔で子供の相手をする京介さん、笑顔の中心にいる彼…
「そうですか、お似合いだと思いますよ。とっても」
82: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:42:57.53 ID:OnktNF440
「そうか。そういうあやせはどうするんだ?そろそろ進路決めてんだろ?」
「それが…まだ…」
「そっか。まあそんな難しく考えなくていいと思うぞ」
「そうなんですか?」
「おう。俺も教師になろうと思ったのは最近だしな。
一応、教職課程は取ってたけど別に教師になりたくて大学決めたわけじゃねえし。
それに、文系進んでも研究職に進む奴もいれば、理数系でも普通に営業とかに就職する奴もいる。
法学部は皆がみんな弁護士にはならないし、経営学部も皆が経営者になるわけじゃねえ。
つまり、なにが言いたいかっつうと」
そこで京介さんは一つ伸びをして
83: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:43:52.03 ID:OnktNF440
「大学は可能性を広めるところなんだよ。
確かにネームバリューの有無で就活に影響するかも知んねえけど、
それだけじゃ決まんねえよ。
要は4年間でやりたいことを見つけて、そのために努力する。
それが大学って場所だと思う。
だからあやせもそんなに難しく考えなくてもいいと思うぞ」
本当に、彼はなんでもないかのように軽く言う。
けれど、今のわたしには全然分からない。
大学、学部、やりたいこと、やるべきこと、自分の適正、就職…
全てが漠然としていて明確なビジョンが持てない。
「まあランク上の大学に行きゃあいいよ。学部も後から変更できるし人生それで決まったりしねえよ」
なんともドライな回答ですね。
84: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:44:41.52 ID:OnktNF440
でも確かに、わたしはもっと具体的な職業を念頭に大学を選ぶべきだと思っていました。
けどその道の専門知識もないまま、具体的な職業を選択するってのも難しいですよね。
もっと漠然としていていいのかもしれません。
「なんとなく、心のつっかえがとれました。ありがとうございます」
「いいよ、別に。何てったって俺は人生の先輩だしな」
「クスクス…ありがとうございます。先輩」
「おう」
彼には本当にお世話になりっぱなしです。
わたしの受け取った何分の一かでも返せればいいな。
85: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:45:38.78 ID:OnktNF440
お返し、今できることと言えば
「京介さん」
「ん?」
「膝枕しましょうか?頭、痛いでしょ」
「い、いや!いいよ!」
「遠慮しなくてもいいですよ。わたし、スカートで寝っころがれないですし」
「でも」
もう、こういうときはヘタレなんですから。
いつもは可愛いとか綺麗とか言って攻めてくるくせに。
86: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:46:22.98 ID:OnktNF440
わたしは京介さんの頭をそっと持ち上げて、無理矢理膝枕をする。
「お、おい!」
「いいじゃないですか、それともいやでしたか?」
「嫌じゃねえけど」
「ならいいじゃないですか」
「……あやせも変わったな」
「そうですか?」
「昔だったらあやせの膝と俺の頭の位置が逆だったかもしれん」
それは、京介さんの頭の上でわたしが正座するということですか?
さすがにそれはしませんが、確かに昔のわたしなら膝枕なんてしなかったでしょう。
「わたしも成長しているんですよ」
87: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:48:04.50 ID:OnktNF440
今のわたしは気付いてる。
あれだけ彼に攻撃的だったのは好きだったから、照れていたから。
けど、あんなことしても何の意味もなかった。
むしろ、彼に嫌われるだけだ。
だからわたしはああいうことをやめた。
彼に好かれるために。
彼を見下ろすと、目がしょぼしょぼして今にも閉じそう…あ、閉じた。
寝ちゃったのかな?
勉強にバイトにサークル。それにBGだってある。
疲れてたのかも知れませんね。
88: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:48:36.11 ID:OnktNF440
わたしは彼の黒髪を優しくなでる。
彼の髪はさらさらで、触れているわたしの手も幸せだ。
彼の髪、彼の寝顔、彼の体温、彼の重み…
今は全て、わたしが独占している。
なんて幸せなんだろう。
このまま時間が止まればいいのに。
いや、だめだ。
そうしたら、わたしは彼の友達のままだ。
時間を止めちゃだめだ。
わたしは進めたい。彼女になるために。
―――――――――――――――
――――――――――
89: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:49:28.95 ID:OnktNF440
「うお!?」
彼がいきなり起き上がる。
「……もう夕方じゃねえか」
そう、日はもう沈みかけている。
まだ4月ということもあって日の入りも早い。
「すまん、あやせ。爆睡しちまって。
しんどかったか?」
「いえ、大丈夫ですよ」
「本当にすまん!」
「いえ、京介さんの寝顔も見れたしいいですよ」
「寝顔って。よだれとか垂れてねえよな」
「くすくす、大丈夫ですよ」
「そっか。んじゃいい感じに暗くなってきたし、夜景見に行くか」
「はい!!」
―――――――――――――――
――――――――――
90: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:50:38.64 ID:OnktNF440
「すごーい!」
わたし達は今、ザタワーズウエストのエレベーターに乗って、45階まで登っているんですが…
またエレベーターがシースルーで、徐々に視界が開けてきて夜景が目に飛び込んできます!
すごい!
でも、高所恐怖症の人は死ねますね、これ。
エレベーターが45階で止まり、展望ロビーへ。
きれーい!!!
障害物がないから、夜景が遠くまで一望できます!!
「おいおい、あやせ。落ち着けよ」
「だって京介さん、こんなにきれいなんですよ?ほら、はやく行きましょう」
そう言って彼の腕をとる。
「あ、おい。別に夜景は逃げねえよ」
「逃げないですけど早く見たいです」
腕を組んだまま窓際へ。
91: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:51:28.20 ID:OnktNF440
「ほら、きれいでしょ」
「ああ、こりゃすげえ」
「京介さん、もっときれいな夜景、みたくないですか?」
「なに、これ以上綺麗になんの?」
「展望デッキに上がりましょう」
「デッキ?」
「ええ、そうです」
彼の腕を引き、階段を上って展望デッキに上がる。
「うお、すげえ。吹きさらしじゃん」
「ええ、この季節だと寒くないですね」
「風はすごいけどな」
「その代わり、ロビーみたいに照明がないから夜景がはっきり見えます」
「本当だ」
92: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:52:26.39 ID:OnktNF440
二人並んで夜景に見入る。
遠くの方まで灯りが続いており、まるで光の海のようだ。
「京介さん、ここはデッキだからぐるっと回れますよ。
行ってみましょう!」
「はいはい」
苦笑気味に笑う彼。
今、わたし達は南東の方を見ていて、東京湾(かな?)が見えてます。
そこからぐるっと時計周りへ。
南西の方には江戸川が。
それにスカイツリーも見えます。水色に光っていて幻想的です…
西にはサンシャイン60があり、ぐるっと北側、東側も見ていきます。
「京介さん」
「ん?」
「もう1度スカイツリーの方を見に行ってもいいですか?」
「ああ、何度だっていいぞ」
彼の承諾を得て再度南西の方へ。
93: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:53:16.25 ID:OnktNF440
どれだけ見ていても飽きません。
でも不思議。
これだけの灯りがあるということはそれだけ人がいると言うこと。
普段、気づかないけれどこれだけの人が仕事をし、家庭を持ち、生活をしている。
そう考えるとわたし個人がすごくちっぽけで、脆弱な存在にも感じ……
「あやせ、体冷えてないか?」
「あ、そうですね。少し風に当たり過ぎて冷えてしまいました」
「下に喫茶コーナーがあったから、温かいもの飲みならが見ようぜ」
「そうしましょうか。それにしても冷えてきたなんてよく分かりましたね」
「だってあやせの体が震えてるぞ」
「あっ!!!」
エレベーターから出てずっと腕を組んだままでした…
恥ずかしい…
けど、京介さんと腕を組んで夜景を見れるなんてとても幸せでした。
―――――――――――――――
――――――――――
94: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:54:21.75 ID:OnktNF440
「今日は本当にありがとうございました」
帰りの車中で彼に今日1日の感謝をする。
「ああ、俺の方こそ。
綺麗な夜景が見れてよかったよ」
「すごかったですよね」
「ああ、あんな夜景見たの初めてだ」
「わたしもです」
彼と私が初めてを共有する。それはとても素敵なことのように感じる。
今日1日でわたしは彼に近づけたのだろうか。
わたしの手料理を食べてもらった。
彼の将来の進路を聞いた。
膝枕をしてあげた。
腕を組んで夜景を二人で見た。
どれもこれも嬉しい出来事ばかり。
けれど、それで満足してはいけないと心のどこかで焦ってしまう。
95: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:55:00.15 ID:OnktNF440
「ほい、着いたぞ」
「え?」
ふと外に目を移すと、確かにわたしの家の前に車が止まっていた。
今日のデートはこれでおしまいだ。
「今日1日ありがとな」
「いいえ、それを言うならわたしの方です」
「じゃあ、またな」
「…はい」
助手席のドアを開け、足を車外に出し、上半身だけ彼の方に向け、こちらを見ている彼の唇にキスをする…
96: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 20:59:17.32 ID:OnktNF440
なんてこと、できないですよね。
わたしは何もせずに車外に出る。
「では、お気をつけて帰ってください」
「おう、じゃあな」
そう言って彼の車が発進する。
別に焦らなくていいよね?
まだデートは1回目。次もあるんだから。
―――――――――――――――
――――――――――
97: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 21:03:37.51 ID:OnktNF440
「んで、1順したんだけど」
今日もBG(-京介さん)のメンツでわたしの家に集合中。
「どうだった?」
桐乃の問いかけに対し
「へ、加奈子は大成功かな~。あいつ、ぜってぇ加奈子に惚れたね」
自信満々に答える加奈子。
「ふ、彼の魂も胃袋ももはや私が掴んだわ」
胃袋はさておき魂を掴むと言うのは黒魔術的ですね。
「わたくしは大満足ですわ」
沙織さんは確か、京介さんとお家デート。もしかして、いくところまでいって…!!?
「ゲームにコスプレにプラモに…目一杯わたくしの趣味にお付き合いいただきましたわ」
いくわけないですね。
98: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 21:04:38.19 ID:OnktNF440
「そういう桐乃だってよかったんじゃない?桐乃が買ってあげた服、京介さん気に入ってたよ?」
「へへーん、当然じゃん」
桐乃も嬉しそうだ。
「んで、1順終わったけどどうする?
終わり?もう1順する?」
「私は再度デートする機会がほしいわね」
「わたくしもですわ」
「加奈子も~」
「わたしも…もうちょっとチャンスがほしいかな」
「おっけ~。んじゃ全員一致でもう1回ということで。
順番は前と一緒でいいよね?」
「ええ」
「はいですわ」
「おぉ」
「うん」
「んじゃ第2ラウンド、開始!」
―――――――――――――――
――――――――――
99: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 21:09:33.18 ID:OnktNF440
2週目も前回同様、すでに全員の行先きが決まってます。
加奈子は鴨川シーワールド。
桐乃は温泉(混浴は禁止)。
沙織さんは本宅の方で豪華AVルームでゲームをしたり、温水プールで遊んだりした後、高級ディナーに連れてくそうです。
完璧、物量作戦に出ましたね。
瑠璃さんは自分の書いた小説を読んでいただくとか。
これだと作家と担当のようですが、なにか2人だけの秘密でもあるんでしょうか。
あ、ちなみにディ○ニーは全員使用不可となってます。
あんな夢の国を使うのは卑怯ですし、使えるなら皆行っちゃいますから。
そして、わたしはと言うと
「お、こいつ人懐っこいな」
「本当ですね。頭摺り寄せてきて可愛いですね」
今は猫カフェにいます。
今日は目的も決めず、街中デート。
さっきまで映画を見ていたので、休憩がてら猫カフェでお茶です。
100: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 21:13:49.80 ID:OnktNF440
「舌ザラザラだな」
「京介さんは猫派ですか?」
「どっちかっつーと犬だな。けど、今は猫派に寝返りそうな勢いだ」
「あはは、かわいいですよね」
「ああ、連れて帰りてぇくらいだ」
「京介さんの家はペットは飼ったことないんですか?」
「ねえな。
昔、親父が犬を飼おうとしたけどお袋が『ダメ』で一蹴してから、我が家ではペットは飼えんことになった。
あやせも飼ってないよな」
「はい。わたし一人っ子だから本当は猫を飼いたいんですけど…
お父さんもお母さんも仕事で家を空けることが多いので…」
101: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 21:15:05.21 ID:OnktNF440
「駄目ってわけか」
「はい…」
「んじゃ今日は、その分こいつらを可愛がってくか」
「はい!」
レンタルした猫じゃらしをヒョイ、ヒョイと左右に振ると猫ちゃんが反応する。
か、かわいい~!!
「それより、さっきの映画どうだった?」
京介さんは胡坐をかいた太ももの上にいる猫をなでながら聞いてきた。
「よかったと思います。
ハリウッドみたいにドカーン!ドーン!
じゃなくて、ちゃんと二人の感情の動きが表現されていて」
「そうか。けど、恋愛映画ってのはどうも苦手だ」
「そうでしたか……それは、すいませんでした」
「あ!いやいや、そういうわけじゃなくて…
なんつうか、あやせみたいな年下の女の子と見るのは小っ恥ずかしいんだよ」
「そうなんですか?」
102: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 21:16:12.40 ID:OnktNF440
「ああ。
けど今日の映画はよかったと思うぜ。
最後はバッドエンドでちょっと鬱だけどさ」
「まあ恋愛すべてがハッピーエンドなわけじゃないですし」
「まあな」
わたしの恋愛はハッピーエンドになるんでしょうか…
「ところで京介さん、やたらと猫に好かれてますね」
「おう、なんでだろうな」
今や京介さんには、膝の上に2匹、肩のうえに1匹、抱っこしているのが1匹で
計4匹の猫ちゃんたちがじゃれついている。
「京介さんの優しい雰囲気を察知したのかもしれませんね」
「そんなんじゃなくてマタタビの匂いがするとか?」
103: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 21:16:58.99 ID:OnktNF440
「フフ、しませんよ。
どうです?猫ちゃん達に癒されましたか?」
「おう、癒されてるぜ」
「最近お疲れのようですから」
そう、今日は映画の他に猫カフェも行こうと考えていた。
それは、京介さんが毎週のデートに疲れているかもと心配していたからだが。
「別に疲れてはねえけどよ。
最近なんか毎週、誰かしらと遊びに行ってんだよな」
「…そ、そうだったんですか」
勿論、女性陣で順番にデートをすることを決めたのは京介さんには内緒です。
それを言っちゃえば、なんでデートしてるのか理由を言わなければならないわけで。
そうなると、皆が京介さんを好いていることがばれてしまいます。
「そういや先週は桐乃と温泉に出かけたんだけど」
「そ、そうですか」
104: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 21:24:13.54 ID:OnktNF440
「そういや先週は桐乃と温泉に出かけたんだけど」
「そ、そうですか」
「前の夜景を見に行った時も、前の週は桐乃と出かけてたな。
ってか2回連続で加奈子、桐乃、あやせって順番だな」
「偶然じゃないですかね」
「すごい偶然だな」
「本当ですね!」
やばい。このままいけばバレてしまいそうです。
次の周からは順番を変えた方がいいかもしれませんね。
「それより」
とりあえず、今日は話題を変えて逃げ切りましょう。
「先週の温泉はどうでしたか?」
「おう、気持ち良かったぞ。
温泉めぐりで何個か入ったけど、露天風呂とかも入れたし、リフレッシュしたって感じだ」
「そうですか」
もしかして、桐乃も京介さんの体調に気遣った結果、温泉に行ったのかも知れませんね。
105: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 21:25:07.68 ID:OnktNF440
「桐乃と混浴なんてしてませんよね?」
「するか!!妹と混浴とかやばいわ!!」
「京介さんには前科がありますから」
「うっ… けど入ってねえよ」
「そうですか。それならいいんです」
桐乃は約束を守ったようですね。
ここまで足を踏み入れたんだから、突っ込んだ話もしてみようかな。
桐乃のこと、どう思ってるのか。
「それよりさ、この後どうする?」
106: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 21:26:09.63 ID:OnktNF440
「この後、ですか。
京介さんは何かしたいことありますか?」
「ん~特にないかな」
「じゃあウインドウショッピングでいいですか?」
「ああ、いいぞ。荷物持ちはまかせろ」
「クスクス。はい、頼りにしてますよ」
あーあ逃げられた。
あんなあからさまな逃げ方されたら、疑っちゃいます。
―――――――――――――――
――――――――――
107: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 21:29:16.23 ID:OnktNF440
「京介さん、これはどうですか?」
「おう、似合うと思うぞ」
「本当ですか?」
「ああ、やっぱりあやせはモデルだな。何着ても似合ってるぜ」
今はわたしの服を見て回ってる最中。
できるだけ京介さん好みのわたしになりたいんですが…
京介さんは何を着ても
「可愛い」
「似合ってる」
「いいと思う」
とか、肯定的な返事しかしてくれなくて…
どれが一番いいのかはっきりしない。
108: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 21:31:16.01 ID:OnktNF440
「そうだ、京介さん」
「ん?」
「京介さんが一番いいと思う服を選んでくれませんか?」
「え゛?…俺が?」
「はい」
「俺、服のセンスとかねえぞ」
「そういうのは期待していませんから大丈夫です。
とりあえず、京介さんに好きな服を選んでもらいたいんです」
「そ、そっか… わかった」
そういって、京介さんは百貨店の中をこっちにウロチョロ、あっちにウロチョロ…
109: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 21:32:08.00 ID:OnktNF440
「京介さん、外から眺めてるだけじゃ見れませんよ」
「けどよ~、男の俺が服見てたら変じゃねえか?」
「別にそうは思いませんが…
男の人が一人で見てたらちょっと変ですけど、今日はわたしがいるから大丈夫ですよ」
「そっか…よっし、よっし!」
気合を入れて京介さんが入っていく。その後を私もついていく。
真剣に彼が服を探してくれている。
それだけで十分うれしい。
「京介さんはどういう服装の女性が好きなんですか?」
「俺か? うーん…今まで考えたことないけど…」
彼は服を探す手を休めずに
「とりあえず、ケバいのとか変なのはナシ」
110: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 21:33:00.29 ID:OnktNF440
「変なの?」
「原宿歩いてるような変であることがアイデンティティーになっちゃってるようなやつ」
「あー」
確かに。
ファッションは自分らしさを出してもいいけど、変であることが目的になっちゃってる人もいますもんね。
「あとは…やたら露出してるのも嫌だな…
まあ、俺にはファッションなんて分かんねえけどよ。似合うのが何より大事だと思うんだ」
「そうですね」
111: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 21:33:45.03 ID:OnktNF440
「その点、あやせは黒髪でスラっとしてるからお嬢様みたいなのかがいいと思う…
というか見てみたいな。
いや、かっこいいジャケットとパンツスタイルとかも捨てがたい…」
「ふふ、どっちなんですか」
「迷うなぁ…よし!今回はお嬢様っぽくいくぜ」
「そうですか。ではとびっきり可愛くしてくださいね」
その後も京介さんはあっちこっちいって、わたしの顔を見ては商品を戻すと言った作業を繰り返し…
「お、…これなんかどうだ?」
113: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 21:37:05.74 ID:OnktNF440
そういって差し出されたのは白色のワンピース。
柄とかはないし、シンプルだけどそれだけに大人っぽい。
それにテールカットになっていてすごく上品な印象を与える。
「いいですね。じゃあこれ試着してみますね」
「え!?試着すんの?」
「試着せずに買うのは怖いので」
「え!?買うの?」
「じゃあ何のために京介さんは探してたんですか。じゃあちょっと待ってて下さいね」
「あ、ああ」
戸惑う彼を残して試着室へ。
118: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 23:25:13.59 ID:OnktNF440
レディースフロアで男一人で待っているのは気まずいでしょうから、さっさと着替えて…
よし。
うぅ、見せるの緊張するなあ…
よし!気合を入れて
「どうですか」
「…」
「京介さん?」
「あやせ」
「はい?」
「結婚しよう」
「ええ!!!?」
「あ、すまん。あまりに綺麗で色々間違えた」
よし。
うぅ、見せるの緊張するなあ…
よし!気合を入れて
「どうですか」
「…」
「京介さん?」
「あやせ」
「はい?」
「結婚しよう」
「ええ!!!?」
「あ、すまん。あまりに綺麗で色々間違えた」
119: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 23:28:00.27 ID:OnktNF440
ふぅ。まだドキドキしています…
久しぶりに言われました…結婚しようって。
「いや、すまん。
でもその服、似合ってると思うぞ」
「そうですか…じゃあこれ、買いますね」
「え?」
「じゃあちょっと待っててくださいね」
またまた戸惑う彼を残して再度試着室に入って着替え直し、試着していた服を購入。
「それで京介さん」
「ん?」
「さっきのワンピースに合わせるものがほしいんですが」
120: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 23:29:39.71 ID:OnktNF440
「…また俺が選ぶの?」
「はい。お願いします」
京介さんが再び女性服フロアをウロウロして探し出したのは…
「このカーディガンなんてどうだ?」
「はい。お願いします」
京介さんが再び女性服フロアをウロウロして探し出したのは…
「このカーディガンなんてどうだ?」
121: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 23:30:39.15 ID:OnktNF440
京介さんが見つけ出してきたのはグレーのカーディガン。
お尻まで隠れるゆったりとしたスタイルで、派手じゃない程度にラメも入ってる。
バックリボンが付いてるのも可愛いですね。
わたしはそれを羽織り、さきほど購入したワンピースを袋から出して彼に見せる。
「どうですか?」
「うん、そのワンピースにもあやせにも合うと思うぜ」
「そうですか。じゃあこれも買いますね」
レジでお会計をして京介さんの下へ。
これで京介さん好みのわたしが完成しました。
122: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 23:31:37.42 ID:OnktNF440
彼の元へ戻ると一仕事やり終えたような顔をしていた。
「その服を着てるあやせ、楽しみにしてるぜ」
「はい、楽しみにしててくださいね。
じゃあわたしの買い物は終わりです。次は京介さんの服を見たいと思います」
「え…俺の?」
「はい、プレゼントします」
「いや、誕生日でもねえしいいよ」
「でも、京介さんにわたしが選んだ服を着てほしいんです」
「そっか。じゃあ普通に選んでくれ。それを買うから。
大学生だし服はいくらあっても困らないからな」
「でも」
「あやせも俺が選んだの自分で買ってんじゃん。
だからプレゼントじゃなくて選ぶだけでいいよ」
「そうですか…」
123: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 23:32:42.21 ID:OnktNF440
この前、桐乃がプレゼントした服を彼が喜んで着ていたから、わたしもそうしたいと思ったのですが…
残念ですね。
「じゃあわたしが京介さんに似合う服を探します。
何を探しましょうか」
「ジャケットは持ってっし…中に着るトップスとパンツを選んでくれ」
「わかりました」
今日、彼が着ているジャケットは黒。
それに合わせるものを探してウロウロ……
「あ、これなんてどうですか?」
「綺麗な青だな」
「ターコイズですね」
わたしが京介さんに見せたのはターコイズのTシャツ。
124: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 23:33:47.61 ID:OnktNF440
「んで、下はどうすんだ?」
「下はオフホワイトのパンツにしようかと思ってます」
「そっか」
「ではとりあえずこのTシャツを覚えて、下のパンツがあるか見に行きましょうか」
「おう、そうすっか」
その後、オフホワイトのパンツを探して何店舗か巡り、5店舗目でお目当てのパンツを見つけた。
「これなんてどうですか?細見のストレートで肢がきれいに見えますよ」
「これとさっきのTシャツ…あやせはどう思う?」
「京介さんに合うと思いますよ?ターコイズと白でさわやかですし、
差色としてターコイズもいいかと」
「よし、んじゃとりあえずこのパンツ試着してみるわ」
「はい」
125: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 23:34:31.37 ID:OnktNF440
わたしが選んだパンツを持って京介さんが試着室へ…
「どうだ?」
早っ!
男性ってなんでこんなに速いんでしょうか。
「ええ、サイズも合ってますし、似合ってますよ」
「そうか」
彼は何度か鏡で確認し…
「んじゃこれにするわ。ちょっと待っててくれ」
そういって試着室へ…
1分もかからず元の姿に。
先ほど試着したパンツを買い、さっき見たターコイズのTシャツも購入。
126: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 23:35:00.78 ID:OnktNF440
「京介さん、今日買った服は次のデートで着てきてくださいね」
「ああ、あやせもな」
わたしは京介さんが選んでくれた服を
京介さんはわたしが選んだ服を
それぞれ着てくる。
想像しただけで次のデートが楽しみです。
―――――――――――――――
――――――――――
127: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 23:36:05.09 ID:OnktNF440
2週目のデートも終わり、満場一致で3週目も実行。
気が付くと今はもう7月中旬になっており、最後の瑠璃さんが終わって恒例の会議が開かれた。
「んで3週終わったけどどうすんの?
これから夏休みに入るからもっとテンポよくデートできるようになるけど」
「いえ、私は十分よ」
瑠璃さんは3回のデートで手応えがあったのでしょうか。
「加奈子ももういいかな~」
「わたくしも。このままだとこれだけで満足してしまいそうですから」
「あやせは?」
わたしは…どうなんでしょう。
128: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 23:37:11.73 ID:OnktNF440
正直あんまり自信はない。
けど、かといってこれ以上デートを重ねたからと言って成功率が高くなるとは思えない。
逆に、仮に今告白に成功したら夏休みは京介さんと満喫することができる。
それを考えると…
「わたしも、もう大丈夫。桐乃は?」
「あたしもOKだよ」
そっか。皆、京介さんの夏休みを独占したいって考えもあるのかも。
「んでどうしよっか」
「めんどくさいから皆でイッセイに告ればいいじゃんよぉ」
「莫迦ね、加奈子。そんなことしたらあのヘタレは全員振って逃げに徹するわよ」
その可能性はありそうだ。
129: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 23:38:11.75 ID:OnktNF440
「では、デートの時のように順番に告白して、最後にお返事をいただくというのがよろしいのでしょうか?」
「そうね。私はそれがいいと思うわ。それなら告白の順番も関係ないし」
「わたしもその方法が無難だと思います」
「あたしもそれで良いかな。加奈子は?」
「それでいいぜ~」
「よし、んじゃ沙織の言う通り、皆が別々に告って返事は最後に出してもらうってのでいこうか。
肝心の順番は?」
「加奈子が一番もらうぜ~」
「ふ、真打は最後と相場が決まっているのよ」
なんででしょう。前と同じ台詞なはずなのに、今回は怖気付いたようにしか聞こえません。
「わたくしは何番でも大丈夫ですわ」
「あたしは…後の方がいいかな」
そっか。桐乃の場合、家が一緒だから保留期間が長いと気まずいもんね。
130: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 23:38:53.41 ID:OnktNF440
「じゃあどうしましょう沙織さん。2番と3番が空いてますけど」
「わたくしはどちらでも構いませんわ」
わたしも順番はどっちでもいいんだけれど…
「じゃあじゃんけんで決めましょうか、勝った方が先と言うことで」
「分かりましたわ。では」
「「じゃーんけーん」」
「ポイ」 チョキ
「ポイ!」 グー
「あら、勝ってしまいましたわ」
「では沙織さん。お先にどうぞ」
「ええ、分かりましたわ」
131: ◆.a46lvF.pU 2013/08/27(火) 23:40:13.17 ID:OnktNF440
「よし。んじゃ順番は加奈子、沙織、あやせ、あたし、黒猫でいいね?」
「ええ」「うん」「おう」「はいですわ」
「じゃあこれで結果がでるけど…恨みっこなしだかんね」
「当然でしょう」
瑠璃さんの返事に皆が首肯する。
「わたし達BGは永遠に不滅よ!!」
「どこのジャイアンツ軍よ」
「じゃあ皆頑張っていこう!!」
「お~!」
―――――――――――――――
――――――――――
133: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 00:04:26.58 ID:SnhAI2sz0
明日はわたしが告白をする日。
今日は沙織さんが、昨日は加奈子が告白をしているはず。
二人はどうだったんだろう。うまくいったんだろうか。
告白をするって言ってもなんて言えばいいんだろう。
なんて言えば、わたしの気持ちがちゃんと伝わるんだろうか。
眠れない。
色々なことが頭に浮かんでは、泡のように消えていく。
今まで彼と過ごした時間。
これから過ごすであろう時間。
言うべき言葉、気持ち。
わたしの眠れない夜は更けていく…
―――――――――――――――
――――――――――
134: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 00:06:41.51 ID:SnhAI2sz0
「今度はあやせか」
「…はい」
京介さんの顔がどこか固い。
わたしが告白すると気付いているんでしょうか。
加奈子か沙織さんが言ったのでしょうか。
わたしが彼を呼び出した場所は例の公園。
時刻は夜9時。
なぜ、私はこの場所にしたのでしょうか。
特別、思い出がたくさんあるというわけでもない。
もっとロマンチックな場所だってあったはず。
けれど、私は迷わずこの場所を選んだ。
そう、いつもわたしが「相談」をしていた公園に。
135: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 00:10:05.04 ID:SnhAI2sz0
…そうか。わたしは「相談」という名のお願いをいつもここで彼にしていた。
だからかもしれない。
今回の告白も言わば「お願い」だ。
わたしの想いに応えてくれますように。
わたしの恋人になってくれますように…って。
いつもここで、わたしの無茶苦茶なお願いを叶えてくれた彼。
今回も、そうなってほしいと思って私はここを選んだのかもしれない。
京介さんを見ると、2回目のデートで私が選んだ服を着てくれていた。
特別な意味はないかもしれない。
けれど、それだけで泣きたくなるほどうれしかった。
もちろん、私も彼が選んでくれたワンピースを身に付けている。
少しでも、彼に好かれるように。
少しでも、告白が成功するように。
136: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 00:13:07.46 ID:SnhAI2sz0
「この公園、懐かしいな」
「…ええ」
京介さんが懐かしむように公園をぐるっと見回す。
「俺はここで『妹が、大ッッ…好きだぁぁぁぁぁぁぁーっ!』って言って、近*相*上等のヘン夕イ鬼畜野郎になったんだよな」
彼が軽口をたたく。
わたしが話し出すのを待っているのかもしれない。
そんな些細な彼の優しさにも嬉しくて胸が震える。
「京介さん。わたし、今年で18歳になります」
何を言おうか、結局昨日の夜には決められなかった。
けど、自然と言葉が出てきた。
137: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 00:16:17.82 ID:SnhAI2sz0
「ああ、そうだな」
「昔の…わたしが告白したときの京介さんと同じ年になりました」
「…ああ」
「京介さんは多分…当時、こんな景色が見えていたんですね。
今なら分かります。中3の小娘に告白されたところで困るんだろうなってことが」
「別に、困ったりしなかったぞ。嬉しかった」
「そうですか。けど、わたしは当時『お兄さん』って呼んでましたよね」
「ああ、そうだったな」
そう。わたしは彼を「お兄さん」と呼んでいた。
「桐乃のお兄さん」。
138: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 00:24:32.46 ID:SnhAI2sz0
なんてひどい話なんだろう。
彼を「高坂京介」として見ず、「高坂桐乃の兄」として見ていた自分。
なんて愚かで幼かったことか。
できることなら当時のわたしを引っ叩いてしまいたい。
あるとき、瑠璃さんから聞かれた言葉。
「あなたと先輩はどういう関係なの?」―。
わたしはその時、何も言えなかった。
勿論恋人とも、友達とも…
挙句の果てに出てきた言葉が、セクハラの被害者と加害者なんて。
馬鹿過ぎて涙が出てきそう。
139: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 00:25:32.98 ID:SnhAI2sz0
「京介さん、わたしは大人になれましたか?」
「ああ、とびっきりいい女に成長したよ」
「京介さん、わたし達はちゃんと友達になれたのでしょうか?」
「ああ、俺達はもう歴とした友達だぜ」
「わたしは…前に告白したときは幼かったかもしれません。
恋心も、友達の兄に対する憧れも、年上に対する憧憬も…
すべてがぐちゃぐちゃで区別なんてついてなかったと思います」
「…そうか」
「けれど今は違います。
今ならはっきりと言える…」
深呼吸ひとつ…
「『高坂京介』さん。
愛しています。
わたしと付き合ってください」
―――――――――――――――
――――――――――
140: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 00:28:37.86 ID:SnhAI2sz0
告白した日、当初の予定通り「返事は後でください」と彼に伝えてある。
今日はあれから1週間。
桐乃と瑠璃さんも告白をしてから今日で5日目。
今まで散々彼をデートに引っ張り回し、挙句の果てに怒涛の告白ラッシュ。
彼にはすごく迷惑をかけた。
だから、返事はわたし達から催促はしないと皆で約束してある。
かといってわたしが心の平穏を保っていられるかは別問題。
高校生最後の夏休みにもかかわらず、彼にも会えず、BGでも遊べず、勉強も上の空。
何らかの形で結果が早く欲しい。
そうしたらBGでまた仲良く遊ぶことだってできるし、仮に振られたとしてもこの悔しさをバネにして勉強を頑張ることができる。
141: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 00:30:37.14 ID:SnhAI2sz0
振られたら…
勿論、想像していなかったわけではない。
一度、京介さんのハートを射止めた瑠璃さんや桐乃がいる。
沙織さんだって息を飲むほどの美女で、性格もよくて彼からの信頼を得ている。
客観的に考えるとわたしが彼と付き合える確率はかなり低いだろう。
けれど、わたしは過去に1度振られた悲しみから立ち上がることができた。
今回も仮にダメだったとしても、立ち直ることはできるだろう…どれだけ時間がかかるかは分からないが。
彼に振られるかもしれないと言う恐怖と、もしかしたら付き合えるかもしれないとの昂揚感。
背反する気持ちのせいで、わたしは落ち着かない日々を過ごしている。
―――――――――――――――
――――――――――
142: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 00:33:16.13 ID:SnhAI2sz0
次の日、京介さんから1通のメールが届いた。
『あの公園で、夜10時から会えないか?』
その時間には特に予定も入っていない。
わたしは『大丈夫です』と返信する。
それに対する彼の返事は
『じゃあ10時にな』―。
これで結果が決まる。
もう彼の中で結果は出ているんだ。
何をしても変わらないだろう。
だからわたしは極力気にせずに、普段通りの生活を送ることで気を紛らわせた。
―――――――――――――――
――――――――――
143: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 00:35:29.14 ID:SnhAI2sz0
「すまん、待たせちまったか?」
京介さんが公園に姿を現す。
今日はわたしが選んだ服を着ていない。
わたしは着ているのに…
これは…そういうことなんでしょうか。
たったそれだけのことで心が絶望に染まってしまう。
「いいえ、わたしも今来たところですし。
待ち合わせ時間にも間に合ってますよ」
「そっか。
けど返事のほうは大分待たせちまったな。
遅くなってすまなかった」
「そんな…それだけ京介さんが真剣に考えたということですから。
わたしは気にしていません」
144: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 00:36:00.45 ID:SnhAI2sz0
「そう言ってもらえると助かる。
それで、返事なんだけど」
「は、はい」
「あやせ。俺と付き合ってくれ」
145: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 00:41:09.49 ID:SnhAI2sz0
「はい…… え?」
今、付き合ってくれと?
「だから。
俺はお前のことが好きだ。
だから付き合ってほしい」
ツキアッテホシイ
月あってほしい
憑き合ってほしい
音は認識で来てるのに言葉が理解できていない。
146: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 00:46:29.65 ID:SnhAI2sz0
付き合ってほしい。
彼は本当にそう言ったのか?
そう理解した瞬間、胸のあたりに暖かいものが溢れだし、きゅっと締め付けられた。
幸福感でいっぱいになる。
けれど確認せずにはいられない。
「わたしで…いいんですか」
「いいとかじゃねえよ。お前のことが好きなんだ。
誰よりも」
「それは…他の人たちより、ということですか?」
「違う。そうじゃねえよ。俺が好きなのは、あやせ。
お前だけだ」
147: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 00:47:29.77 ID:SnhAI2sz0
は、恥ずかしい台詞をよくこんなにポンポン言えますね…
嬉しいですけど。
「けど…」
「なんだ、付き合う気はなかったのか?」
「違いますよ!けど、けれどなんか信じられなくて」
「まあ、そうかもな」
彼は頭を掻いて
「前に他の奴らと付き合ってたからな」
と苦笑い。
「ええ…よかったんですか?
瑠璃さんや…桐乃は?」
148: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 00:48:09.81 ID:SnhAI2sz0
「ああ。
瑠璃はいい奴だよ。確かに俺はあいつのことが好きだ。
けどそれは人として好きってことで、女として好きなわけじゃねえ。
桐乃だってそうだ。
兄貴の目から見てもあいつはいい女だけどよ。
けどあいつは妹だ」
『妹だ』。
そう、彼は桐乃のことを妹と認識した。
これは当然と言えば当然だ。
彼も桐乃も同じ両親から生まれてきたのだから、なにをしようと兄妹であることには変わりない。
けど、昔はそうじゃなかった。
149: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 00:48:42.13 ID:SnhAI2sz0
すれ違い、一切会話をしなくなった二人―
この時点では、兄妹は「他人」になっていた。
桐乃の人生相談を通じて会話をするようになった二人―
そのときには、兄妹は初めて会った「男と女」だった。
そして、色々な体験を通じて心を通わせ始めた二人―
もうその時には、兄妹は「愛し合う二人」になってしまっていた。
けれど、あれから2年が経った。
その間に、彼は妹を「愛する女性」から、「愛しい妹」へと認識を改めたのかもしれない…
150: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 00:49:35.17 ID:SnhAI2sz0
「そうですか。 けど、なぜわたしなんですか?
よろしかったらお聞きしたいのですが」
「なんでって…理由なんて特にねえよ。
気が付いてたら好きになってた。
確かに、お前を初めて見たとき綺麗な子だって思ったし、
桐乃のために一生懸命なお前を見て真面目で友達思いの優しい奴だとは思ったよ。
それに、BGで一緒になってからはお前のいろんな面をみることができたし。
けどそんなもんは後付けの理由だ。
気が付いてたら好きになってた。これが俺の答えだ」
「そ、そうですか」
151: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 00:50:01.28 ID:SnhAI2sz0
ならば、もう気にすることは何一つない。
「京介さん。
大好きです。
私を彼女にしてください」
「ああ。
これからよろしくな」
―――――――――――――――
――――――――――
152: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 00:54:30.52 ID:SnhAI2sz0
「ふわああああぁぁぁぁぁぁぁ~~!!!」
抱き枕をギュッと抱きしめて、ベッドをごろごろ。
やばい!幸せすぎて爆発しそうです!
わたしが京介さんの彼女!!
わたし達、付き合ってるんだ!!!!
その事実を認識するだけで、顔が赤くなり、胸が一杯になって、抑えられない衝動が湧きあがる。
その結果、わたしはごろごろ転がるという何の意味もない行動をしている。
何かしてないと内側から爆発しそう。
「そうだ!!!」
ごろごろ転がるくらいなら、もっと生産的なことをしよう。
153: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 00:57:18.25 ID:SnhAI2sz0
『今、メール大丈夫ですか?』
送信っと。
すると程なくして
『ああ、大丈夫だ』キリッ
いや、別に彼は決め顔をしているわけじゃないでしょう。
けど、わたしの頭の中の彼はキリッと決め顔で、優しくわたしの頭を撫でて…
ってストップストップ!
やばい。妄想が止まらない!!
自重しなければ。
『デートのお誘いなんですが、京介さんはいつ都合がよろしいでしょうか』
生産的な行動とは、デートのお誘い。
以前もデートをしたが、あのときは単なる友達としてのデートだった。
けれど今は恋人同士!!
恋人といえばデート!
154: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 00:57:58.60 ID:SnhAI2sz0
そう思ってお誘いをしたのですが
『俺は別にいつでもいいけどよ
あやせは受験生だろ?
大丈夫なのか?』
……一気に現実に引き戻された。
そうだ。私は受験生。
しかも今は夏休みで、この期間の頑張りで結果が決まると言っても過言じゃないくらい大切な時期。
けれどそんなの関係ない!!
今まで勉強を頑張って来たんだし、ちょっとくらいデートしてても大丈夫なくらいには成績を維持している。
それに、デートを我慢して勉強しろって言われても、全然集中できません。
155: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 01:01:39.53 ID:SnhAI2sz0
だからわたしは
『勉強の方なら大丈夫です。だからデートしましょう』
と返信した。
すると、彼からは
『わかった。じゃあデートしようぜ。俺はいつでもいいぜ』
との色よい返事が。
善は急げです。
『明日でも大丈夫ですか?』
と聞くと、
『大丈夫だ。けど、明日なにしようか』
とのこと。
ん~初めての彼とのデート…
やりたいことはいっぱいあるんだけれど、まずは……そうですね。
―――――――――――――――
――――――――――
156: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 01:04:55.66 ID:SnhAI2sz0
「うお!?すげえ、女の水着ってこうなってんのか…
そりゃ胸が大きく見えるわ…
ここまでくりゃ詐欺だろ、これ」
「ちょっと京介さん。それは詐欺ではなくて努力です。
それに、水着のパッドばかり気にしてないでわたしに似合う水着を選んでくださいよ」
「あ、ああ。そうだったな。 すまん」
そう、今はこの夏に着る水着を買いに来ています。
もちろん水着は持っているのですが、せっかく彼氏が出来たんだから彼氏好みの水着が欲しいので。
「それで、わたしにはどんな水着を選んでくれるんですか?」
157: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 01:08:51.56 ID:SnhAI2sz0
「……ワンピースの。
これとかどうだ?」
「ワンピース、ですか?
それも確かにかわいいですけど、ワンピースって子供っぽくないですか?」
「……他の奴にあやせの肌は見せん」
ふ、ふわああああぁぁぁぁぁぁぁ~~!!!
まったく!まったくもう!!
この人はわたしを悶え死にさせるつもりなんでしょうか!!
…これって、嫉妬とか独占欲ってことですよね?
それってすごいうれしい!
158: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 01:10:39.25 ID:SnhAI2sz0
「ですが、高校生がワンピースというのはちょっと」
「嫌か?」
「はい…
他の人に見せたくないなら上からパーカーなりを着ればいいじゃないですか」
「そっか。じゃあビキニタイプで探せばいいか?」
「はい。よろしくお願いします」
「おう」
そう言って彼はビキニタイプが置いてある方へ。
商品を手にとっては戻し、手に取っては戻し…
「お?これなんて上もセットでいいんじゃないか?」
そう言って彼が差し出したのは
159: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 01:14:41.95 ID:SnhAI2sz0
な、なんですかこれは!?
「工ッチ!!ヘン夕イ!!」
「な!?ビキニより露出は少ないだろ!」
「そうですけど!逆に工ッチくなってるじゃないですか!!」
「…確かに。……駄目か?」
「ダメです!!」
そんな上目遣いで言ってもダメなもんはダメです!!
こんな恥ずかしいの外では着れません。
でもどうしてもと言うのなら、二人きりの時に…
いやいや!!ダメダメ!
自分を安売りしちゃダメ!
それに甘やかすと、京介さんはすぐに工ッチなことばっかりしそうです。
160: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 01:20:21.97 ID:SnhAI2sz0
「そっか…じゃあこれは?」
今度はさっきみたいな工ッチな水着じゃない。
白色のホルタ―ネックの、フリルがあしらわれた可愛い水着だ。
下はタイサイド。
「あ、これは可愛いですね。じゃあちょっと試着してみます」
「ああ」
彼を残して試着室へ。
服を脱いで下着姿に。
うぅ…外で裸になるのはやっぱり恥ずかしい。
しかも扉一枚の向こう側には京介さんもいる…
161: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 01:21:16.86 ID:SnhAI2sz0
ダメダメ!
変に意識するから恥ずかしいんだ。
無心で…無心で…
下着をさっと脱いで、彼が選んでくれた水着を身に付ける。
ホルタ―ネックって外れそうでこわいですね…
下もヒモを締めて…
よし、OK!
扉を少し開けて彼を呼ぶ。
「京介さ~ん。着替え終わりましたから見てください」
「ああ…
ぶっ!!!」
京介さんが鼻の下を押さえる。
もしかして鼻血でも出たんでしょうか。
162: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 01:22:27.30 ID:SnhAI2sz0
「すまん、あやせ。
やっぱりパレオは最低限、巻いてくれ」
そう言って彼はパレオを見に行き、1枚のパレオをわたしに手渡す。
青のグラデーションが爽やかなパレオだ。
わたしはそれをさっと巻いて彼に見せる。
「これでいいですか?」
「ああ、ばっちしだ」
彼が選んだのは白色の水着に、青色のパレオ。
163: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 01:23:02.95 ID:SnhAI2sz0
以前、わたしが彼に選んだ服も白と青。
まるで、彼と通じ合っているかのような気がして嬉しかった。
わたしは彼が選んでくれた水着を購入し、明日は一緒に海へ行く約束をした。
京介さんと二人きりでの海水浴!!
すっごく楽しみです!
―――――――――――――――
――――――――――
164: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 01:24:12.78 ID:SnhAI2sz0
翌朝、家の前で待っていると彼のセ○ナが走ってきた。
「おはよう、あやせ。今日は海水浴日和だな」
「はい!晴れてくれてよかったです」
空は快晴。気温も真夏日に迫る勢い。
絶好の海水浴日和です。
「じゃあ行くか」
「はい、今日はどこの海水浴場に?」
「九十九里浜の片貝にしようと思ってたんだけど」
「分かりました。京介さんにお任せしますね」
「ああ、じゃあ乗ってくれ」
「はーい」
助手席のドアを開けて、彼の隣に乗り込む。
165: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 01:25:16.21 ID:SnhAI2sz0
彼女として助手席に座るというだけでウキウキしてしまう。
約1時間の車の旅、彼と一緒なら退屈なんてしないですね。
彼の運転は性格の表れでしょうか、とても安全運転で乗っていて怖かったりしません。
割り込みをしてくる車にも道を譲り、車線変更もゆったりとする。
そんなこんなでスイスイと車は進み、目的地である片貝海水浴場に。
「混んでますね~」
「まあ夏休みで最近暑かったからな」
「じゃあとりあえず行きましょうか。今日は何を持ってきたんですか?」
「パラソルとシートだけ。クーラーボックスはいらねえだろ?」
「そうですね。飲み物はあっちで買いましょうか」
彼がパラソルを持ったので、わたしは自分の荷物とシートを持って砂浜へと降りていく。
166: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 01:26:00.52 ID:SnhAI2sz0
「あそこ、空いてるな」
「ええ、ではあそこにしましょうか」
空いているところがあったので、そこにパラソルを立ててシートを敷く。
「じゃあ、あやせ。更衣室に行って着替えて来いよ」
「え?京介さんは?」
「俺は男だし…もうここで着替えるわ」
「そうですか。ではちょっと行ってきますね」
「ああ」
海の家でやっている更衣室を借りて、手早く着替える。
ヒモが外れたりしないように上も下もしっかり括っておかなきゃ。
パレオも巻いてっと。
水着を着て、手鏡で変なところがないか再度チェックし、パーカーを羽織って彼の元に戻る。
167: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 01:26:52.99 ID:SnhAI2sz0
「お待たせしました」
「おう。自分で選んでなんだけど、その水着似合ってんな。
やっぱりあやせは白が似合うよ」
「そ、そうですか。ありがとうございます」
「んじゃ服とかいらねえ荷物は車にしまうか」
「車のキーはどうするんですか?」
「防水ケースに入れて持っとくよ」
そういって彼は首から下げる防水のキーケースを取り出す。
色々持ってるんですね。
多分、わたし達がBGで色々連れ回してるからなんでしょうけど。
そういうわけで、コインケースとキーケースだけは残して、後の服や財布は車の中に。
168: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 01:27:47.57 ID:SnhAI2sz0
荷物を車に詰め込んでいる最中に彼がこんなことを聞いてきた。
「さって、早速泳ぐわけだけど。あやせって泳げたよな?」
「泳げますよ!バカにしないでください」
「いや、馬鹿にはしてねえけど。浮き輪とか必要じゃないか」
「あるんですか?」
「ああ、去年使ったのがあったから乗っけてあるぞ」
本当になんでもありますね。
浮き輪かぁ。
「溺れたりしたら大変なので、一応出しておきましょうか」
「おう」
そういうわけで、浮き輪と空気ポンプを車から出す。
169: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 01:28:54.03 ID:SnhAI2sz0
「んじゃもう1回パラソルのとこに戻って、これ膨らませるか」
「はい」
再度パラソルの下へ。
パーカーはパラソルの下に置いておきましょう。
車の中に置いておきたかったけど、京介さんからのお願いですから泳いでいない間は着ていないと。
彼が一生懸命に浮き輪を膨らませて、それをわたしに被せる。
「よっと、んじゃ準備も万端だし。さっそく行くか」
「はい!」
そこで、彼がさりげなくわたしの左手を取る。
初めて手をつないだ!!
そんな感動を噛み締める間もなく、彼はどんどんと波打ち際まで歩いていき、足を海水に浸す。
170: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 01:33:05.19 ID:SnhAI2sz0
「うお!冷てえぞ」
彼にならってわたしも足をつける。
「きゃっ! 本当ですね。少し冷たいです」
「なら慣れるまで、ここで遊ぶか」
「はい」
二人並んで、波打ち際に腰を下ろす。
わたしは浮き輪を装備したままだから、なんだか間抜けです。
「もう少し入ってみましょうか」
「おう、じゃあ波が顔にかからないとこまで行くか」
「はい」
腰を下ろしても肩までしか波が来ない場所まで進む。
171: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 01:33:38.01 ID:SnhAI2sz0
身体をならすために、徐々に入っていく。
「ふ ふ ふわ~~~」
「ふふ、なんだかお風呂に入ったときみたいですね」
「冷たくて気持ちいいな」
「はい」
身体の下の砂が、波にさらわれてサラサラする感覚が気持ちいい。
「どうだ?そろそろ慣れてきたか」
「はい、もう大丈夫です」
「じゃあちょっと沖の方まで行ってみっか」
「はい。あの…」
「なんだ?」
「少し怖いので、手をつないでいてください」
「あ、ああ。わかった」
172: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 01:34:41.17 ID:SnhAI2sz0
わたしは浮き輪をかぶっているから、後ろから京介さんが浮き輪に抱き付き足を蹴って進んでいく。
後ろから回された彼の手に、自分の手を重ねる。
「何もしてないのに進むなんて楽です~」
「その分、俺はしんどいけどな」
「がんばってください」
「おう、任せろ」
173: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 01:35:11.84 ID:SnhAI2sz0
海へ行って泳ぐなんて、何が楽しいんだろう。
そう思う人もいるかもしれません。
暑いし、塩水で体はべちゃつくし、日焼けはするし。
しかも、泳ぐだけならプールでもいいわけで。
わざわざ出かけて泳ぐ意味なんてないかも知れません。
けど、彼と二人で来れてよかったと思う。
二人でキャッキャ言いながら、沖合目指して泳いでいく。
ただそれだけで、わたしは楽しかった。
―――――――――――――――
――――――――――
174: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 01:40:41.26 ID:SnhAI2sz0
「疲れた…」
「くすくす、ご苦労様でした」
沖合までいって、砂浜の方まで帰ってきての一言。
「次はあやせが泳いでくれ」
「京介さんは?」
「浮き輪で浮いてる」
「ダメですよ。私が溺れちゃってもいいんですか?」
「いや、泳げるんだろう?」
「泳げますけど。
京介さんは優しさが足りません」
「ぇぇ~?」
嘘。彼ほど優しい人は他に知らない。
175: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 01:43:19.99 ID:SnhAI2sz0
そのとき
ぐきゅるるる~~~
「腹減ったな」
彼のお腹から盛大な音がした。
「そうですね。もうお昼ですから」
「じゃあメシにすっか。焼そばにお好み焼き、たこ焼き。
お、ホットドックとかもあんな。あやせは何がいい?」
彼が海の家を見ながら言う。
「ここで食べるんですか?」
「おう、コンビニまで行ってもいいけど、海と言えば海の家だろ。
あのダサマズいメシを食ってこそ、海に来たって言えるんだよ」
176: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 01:47:15.83 ID:SnhAI2sz0
「あの…わたし、おにぎりを持ってきたんですけど…」
「よし、それを食おう」
「え?いいんですか?海の家で食べなくて」
「なんで金払ってマズイメシを食わねばならんのだ。
マゾか、俺は」
「さっきと言ってること違いますよ」
「いいんだよ、愛しの彼女の手料理の前には高級料理だって負けんだから」
い、愛しの彼女って…恥ずかしいです。
「じゃあ飲み物だけ買って、弁当食うか」
「はい」
177: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 01:47:56.68 ID:SnhAI2sz0
そういうわけで、海の家では飲み物だけを買って、車に置いていたお弁当を取り出す。
パラソルの下に戻ってお弁当の箱を開く。
「お握りしか作ってこなかったんですがよかったですか?」
「ああ、食べやすくて丁度いいよ」
「そうですか」
「結構種類あんな」
「はい。
鮭に梅干し、高菜に昆布。あとは唐揚げを入れたものもありますよ」
「そっか。じゃあ梅干しから。これか?」
「はい。紫蘇を刻んで、梅干しと混ぜてあるんです」
「そっか。じゃあ頂きます。
もぐもぐ…
おう、うめえなこれ。
紫蘇がいい感じだ」
「よかったです。どんどん食べてくださいね」
「おう」
178: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 01:48:22.29 ID:SnhAI2sz0
そう言って彼はお握りを次々と食べていく。
本当にお腹が減っていたんですね。
それとも、わたしが作ったからでしょうか。そうなら嬉しいな。
わたしもお握りを一つパクり。
うん、塩加減も丁度だ。
彼と並んで、海を見ながら食べるお握り。
シチュエーションも最高のスパイスになったようです。
―――――――――――――――
――――――――――
179: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 01:48:57.67 ID:SnhAI2sz0
食事も終わってひと泳ぎした後。
「そろそろ帰るか」
「そう、ですね」
二人だとやることが限られてくる。
スイカ割りなんてできないし、ビーチボールも二人だとやりにくい。
結局、泳ぐくらいしかやることはないわけで、水泳部でもないのに延々と泳いでも仕方ない。
だから、それなりに泳いだらもう満足だ。
「じゃああやせは着替えて来いよ。その間に片づけとくし」
「わかりました。では、お言葉に甘えさせていただきますね」
「おう」
180: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 01:49:56.78 ID:SnhAI2sz0
彼の好意に甘えて、先に着替えさせてもらう。
とりあえず、彼も着替えを取り出すために一緒に車へと行き、その後は別れて更衣室で着替える。
着替えが終わってパラソルのあった場所へ行くと、すでに片づけが終わっていた。
「おう、もう終わったぞ」
「すいません」
「いや、いいよ別に。
けど、シートとか荷物持ってもらっていいか?」
「はい。分かりました」
彼と分担して荷物を持って駐車場へ。
トランクに荷物を詰めて、海水浴場を後にする。
181: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 01:50:42.59 ID:SnhAI2sz0
彼の好意に甘えて、先に着替えさせてもらう。
とりあえず、彼も着替えを取り出すために一緒に車へと行き、その後は別れて更衣室で着替える。
着替えが終わってパラソルのあった場所へ行くと、すでに片づけが終わっていた。
「おう、もう終わったぞ」
「すいません」
「いや、いいよ別に。
けど、シートとか荷物持ってもらっていいか?」
「はい。分かりました」
彼と分担して荷物を持って駐車場へ。
トランクに荷物を詰めて、海水浴場を後にする。
182: >>181ミスった~! ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 01:51:37.96 ID:SnhAI2sz0
「今日は気持ちよかったな」
「はい、暑くてちょうどよかったです。
けど、まだ波に揺られてる気分です」
「はは、俺もだ。
寝るときもそうかもな」
「今日はぐっすり寝られそうです」
彼とのデート第2弾も大成功。
写真もいっぱいとったし、夏の思い出が一つ増えた。
けれどまだまだ。
彼との夏休みは始まったばかりだ。
もっともっとデートして、もっともっと思い出が欲しい。
―――――――――――――――
――――――――――
183: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 01:54:42.17 ID:SnhAI2sz0
海に行った後も、わたしは彼と時間が許す限りデートを重ねた。
そして今日も今日とて彼とデート。
今日は木更津の花火大会に行く。
浴衣を着て、髪をセットして彼が来るのを待つ。
すると、携帯に1通のメールが。
『着いたぞ』
玄関を出てみると、浴衣を着た彼が。
若草色で彼にとても似合ってる。
「よう、お待たせ。じゃあ行くか」
「はい」
「あやせは黒の浴衣か。綺麗だな」
「あ、ありがとうございます」
黒の生地に鮮やかな牡丹が描かれた浴衣。
褒めてもらってうれしい。
184: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 01:55:25.26 ID:SnhAI2sz0
JRに乗って木更津駅へ。
駅を通過するごとにどんどんと人が乗車してきて、車両内はすぐに満員に。
「あやせ、大丈夫か」
「え、ええ。なんとか」
わたしは身長が高い方なので、下駄の分も足すとそれなりに人ごみから頭ひとつ飛び出す。
けれど、押し合い圧し合いまではどうしようもない。
四方八方から押され、せっかくきれいに結んだ帯が心配だ。
「あやせ、ちょっと」
「へ!?」
彼は手をつないでいてわたしの手をぐっと引き寄せて、自分が立っていた場所と私の体を入れ替える。
「まだこっちの方が人が少ないからな。マシか?」
「は、はい」
彼はわたしを他の人から守るようにぎゅっと体を抱きしめる。
彼の胸に頭を預けると、微かに彼の匂いがした。
―――――――――――――――
――――――――――
185: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 01:56:04.10 ID:SnhAI2sz0
「わーー!! すごーい!!!」
夜空に何発もの花火が打ち上げられる。
早い目に会場に行って場所を取っていたから、座りながらちゃんと見ることができる。
色々な色、形の花火が打ち上げられる。
「きれいですね!!」
「ああ!」
花火が打ち上げられた音が辺りに響く。
赤、オレンジ、緑、青…
色んな花が咲いては、すぐに消えていく。
その一瞬の綺麗さ、一瞬ゆえの綺麗さや儚さに目が奪われる。
186: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 01:57:13.67 ID:SnhAI2sz0
わたしの左手は彼の右手に収まっている。
前に海に行ってからは、デートのときには手をつないでいる。
それだけ彼とわたしの距離が近づいたということだろう。
フィナーレが近いのだろうか。
いくつもの花火が連続で打ち上げられ、空一面に花火が弾ける。
その様は圧巻で、視界の映る限り右から左までが鮮やかな閃光に埋め尽くされている。
最後には一際大きな花火が打ち上げられ、今年の花火大会は終わってしまった。
「…すごかったですね」
「ああ、連発で打ち上げられたのにはテンション上がったな」
「はい!あれはすごかったです。
空一面がパ~って花火で埋め尽くされてて」
「綺麗だったよな」
187: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 01:57:45.90 ID:SnhAI2sz0
「はい。また、来たいです」
「ああ、んじゃ来年も来ようぜ」
「はい」
今年もまだまだ残っているけど、来年には受験が待ち構えているけど、来年の約束を彼とすることができた。
それはすなわち、来年も一緒にいると言うこと。
未来のことなんて分からない。別れる気なんて今はなくても、何かがきっかけで別れることだってあり得る。
けど今は純粋に、彼とまた花火大会に来る約束ができたことを嬉しく思う。
これからの日々も、彼とともに歩み続けたい。
―――――――――――――――
――――――――――
188: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 01:58:48.93 ID:SnhAI2sz0
「ねえ、野菜ばっか焼いてどうすんの?
後半に肉ばっかとかどうすんの?
野菜の意味わかってんの?ねえ」
桐乃がリゾートチェアに足を組んだまま京介さんに詰問する。
「うっせえな!じゃあお前が焼けよ!」
「やだ。服汚れんじゃん」
「じゃあ黙って待ってろよ!」
「待ってたら野菜ばっかになんじゃん」
そろそろ止めないと喧嘩になっちゃうかも。
「まあまあ、京介さん。
桐乃さんもお腹が減っているようですし。
とりあえずお肉を焼いてはいかがでしょうか」
「まあ沙織がそう言うなら」
さすが沙織さん。怒れる京介を一瞬で鎮めた。
189: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 01:59:33.40 ID:SnhAI2sz0
今日は九十九里浜にあるキャンプ場でバーベキュー。
メンツは桐乃や沙織さんだけでなくBGの全員が集まっている。
「京介~ビール一口くれよ~」
「うっせえ口リっ子!
酒は20歳になってからなんだよ!
お前は大人しくカルピスでも飲んでろ」
「え~」
「そうよ加奈子。ビールなんて飲んだらお腹が膨れるでしょう。
せっかく今日は海鮮もあるのに、食べられなくなるわよ」
「そっかぁ
じゃあ今日は我慢する」
「ええ、いい子ね」
「子供扱いすんじゃねぇ」
190: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 02:00:12.97 ID:SnhAI2sz0
京介さんへの怒涛の告白ラッシュ以来、
BG全員が集まって出かけるのは今日が初めて。
皆がギクシャクしないか心配だったけど、それは杞憂に終わった。
女性陣同士も以前のままだし、京介さんも誰とでも普通に接してる。
これも、皆がやれるだけのことをやって結果を出したからだろう。
だから、今わたしが京介さんもBGも失わずに済んだのは、彼と皆がデートをすると決めた桐乃のおかげだ。
彼女には感謝しなくちゃ。
191: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 02:01:39.90 ID:SnhAI2sz0
「けどさ~京介~
なんであやせなんだよ」
と思いきやいきなり加奈子が爆弾を投下してきた。
「なんでって…別にいいだろ」
「よくねぇよ~
加奈子だって告ったんだし、そんくらい聞くケンリあんだろ~?」
やばい。このままいけばわたし達はおもちゃにされる。
加奈子を止めようかと考えていると
「そうね。私も気になるわね。なぜこの中からあやせを選んだのかを」
瑠璃さんまで~!?
「あら、確かにそれは気になりますわね。なぜわたくしでは駄目だったのか」
遂には沙織さんまでもがこの話題に食い付いてきた。
192: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 02:02:18.96 ID:SnhAI2sz0
後は桐乃だけなんだけど。
彼女は何も言わず、さっきまでと同じくリゾートチェアに座ったままスマホをいじっている。
けど、多分桐乃も気になってるんだと思う。
「俺がいかにあやせを好きか喋ってもお前ら楽しくないだろ?」
「楽しくはないけど納得はできるわ」
「そうだそうだ~」
「ええ、ぜひわたくしも聞いてみたいですわ」
「…はあ。んじゃ言うけど文句言うなよ」
彼の言葉に皆が首肯する。
193: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 02:03:29.82 ID:SnhAI2sz0
「…あやせは美人で」
「あら、見てくれにやられたのかしら。このオスは」
「ちげえよ!
いや、確かにあやせの外見はすっげえ好みだけどよ、それだけじゃねえって。
あやせは前から知ってたけど真面目で努力家で、友達思いのいい奴だったし、
それに皆とデートしただろ?
そんときにさ、あやせは弁当作ってくれたり、俺が疲れてないか気を遣ってくれてたんだよ。
それで『ああ、こいつ優しい奴だな』って思ったし、
付き合ってもこいつなら俺を支えてくれると思ったんだよ。
まあ、そんなん抜きにしても前からあやせのことは気になってたんだけどな」
194: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 02:04:06.03 ID:SnhAI2sz0
「そう。それは御馳走さま」
「…お前らが言えっていったんじゃん」
「え~?加奈子もチョ~優しかっただろ?」
「お前といると楽しいけどな、なんか妹見てるみたいなんだよ」
「なんだよそれ~シスコンの告り方かぁ?」
「ちげえよ!」
「京介さんがそこまでゾッコンなら諦めるしかなさそうですわね。
京介さん、あやせさん。
遅くなりましたが、おめでとうございます。
お二人はお似合いだと思いますわ」
「さんきゅー、沙織」
「あ、ありがとうございます!沙織さん」
195: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 02:04:45.14 ID:SnhAI2sz0
「まあ私は来世で彼と結ばれるから。
今世はあなたに任せるわ。あやせ」
「それは祝福の言葉ですか?」
「ええ、私なりのね」
「そうですか。ありがとうございます、瑠璃さん」
「あやせ~京介のことほっぽりだしたら、加奈子が奪っちまうからなぁ」
「大丈夫、そんなことしないよ。加奈子もありがと」
「ヒヒ」
皆にこうして祝福されるととてもうれしい。
京介さんの隣にわたしがいてもいいと思える。
196: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 02:05:29.25 ID:SnhAI2sz0
そこで、今まで黙っていた桐乃が私に話しかける。
「あやせ
兄貴のことよろしくね」
「うん」
桐乃も桐乃なりに壁を乗り越えたんだろうか。
それは分からない。
けど、桐乃が上辺だけでこんなこと言うような子じゃないことはわたしが一番知っている。
だから、彼女は本心からわたし達のことを認めてくれているんだろう。
京介さんに桐乃、加奈子に瑠璃さんに沙織さん。
わたしが大好きな人たちが笑顔でいる。
改めて、BGというコミュニティーの大切さを実感した。
197: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 02:06:13.15 ID:SnhAI2sz0
「よ~し!んじゃお肉も食べたし、とりあえずひと泳ぎしますか」
桐乃が服を脱ぎ捨てて、水着姿になる。
空気を変えようとしたのかな?
「待って桐乃。わたしも行く」
わたしも桐乃に倣って服を脱ぐ。
「あ、それ新しい水着じゃん。どしたの?」
「この前…京介さんに選んでもらって買ったんだ」
「あら、惚気かしら」
「惚気ですわね」
「ノロケかよ~」
「…チっ」
「ちょっと桐乃!舌打ちはやめてよ!」
その後も泳いだり、バーベキューをしたり、京介さんが砂浜に埋められたりと色々なことがあったけど、BGで久しぶりに集まれてよかった。
―――――――――――――――
――――――――――
204: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 04:54:51.93 ID:SnhAI2sz0
BGでバーベキューに行ってからも、私と京介さんはデートを重ねた。
残り少ない夏休み、できるだけ彼との時間を過ごしたかった。
今日も彼と会う約束をしている。
今日は今までと違ってわたしの家でデート。
彼もバイトをしているとは言え軍資金には限りがあるし、
わたしもモデルを受験のため休業しているから右に同じく。
よって今日はあまりお金をかけずにお家でデート、ということに。
そろそろ彼が来る頃なんだけど…っと携帯が鳴ってますね。
メールを開くと『着いたぞ』とのこと。
急いで玄関を開けると、いつもの優しげな笑顔を浮かべた彼がいた。
205: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 04:55:44.63 ID:SnhAI2sz0
「お待ちしてました、京介さん。
けど、チャイムを鳴らせばよかったのに」
「いや、お母さんが出てきても気まずいからな」
「お母さんは今日はいませんよ?」
「あ?そうなのか。
…じゃ、じゃあ、今日は二人っきりだな」
「え、ええ。そういうことになりますね。
と、とりあえず上がってください」
「お、おう。お邪魔するぜ」
二人してドギマギしながら玄関をくぐる。
京介さんが「二人っきり」とか言ったせいで、わたしまで変に意識してしまいます…!
206: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 04:56:30.23 ID:SnhAI2sz0
大丈夫!やましいことはないんだから!!
京介さんをわたしの部屋に案内する。
「どうぞ」
「おう。…この部屋も久しぶりだな」
「そうですね」
以前は相談とかでこの部屋に彼を通したこともあったけど、
わたしが高校生になってからはこの部屋には彼を招いていない。
「やっぱりあやせの部屋はいい匂いだな。石鹸みたいな」
「そうですか?特に芳香剤とかはないんですけど…
自分では分からないですね」
「柔軟剤の匂いとかじゃないか?たまにあやせの服から同じ匂いがするぞ?」
207: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 04:57:12.60 ID:SnhAI2sz0
「え?本当ですか?」
「ああ。くんくん。
ほれ、同じ匂いすんぞ?」
そう言って彼はわたしの肩あたりに鼻を近づけて匂いを嗅ぐ。
「ちょっ!ダメ!やめてください!」
「あ、ああ。すまなかった」
「お、お茶淹れてきますね!」
「あ、ああ。頼む」
わたしは急いで自分の部屋から飛び出す。
危なかった~!!
わたしの顔のすぐ横に彼の顔があった。
キスしようと思えばできる…
208: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 04:58:10.53 ID:SnhAI2sz0
って何言ってるのわたし!!
も、もちろんわたしだってキスしたいし、恋人同士だからいいけれど、
物事には順序というものがあって、付き合って、手をつないで、デートを重ねて、為人をしってから、それから…
あれ?
じゃあわたし達はもうキスをしてもいいのでは?
ってダメダメ。
冷静になるために一旦、退避してきたんだから。
冷静さを取り戻すために、事務的にお茶を入れる。
湯を沸かし、湯を注いでティーポットとカップを温め、湯を捨て、再度ティーカップに湯を入れて、茶葉を躍らせる…
よし、大分冷静になってきた。
209: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 04:59:00.55 ID:SnhAI2sz0
やっぱりキスはまだダメ!
なんでダメかは分からないけど、ダメなものはダメ。
するならもっとロマンチックな雰囲気でがいいし、
わたしのファーストキスはそんなに安くありません。
という結論が出たところで茶葉の蒸らしも丁度いい感じ。
キッチンをがさごそ探してお茶請けを用意し、それらをトレイに乗せて彼のいる自室へ。
「すいません、お待たせして。
聞いてなかったんですが、紅茶でよかったですか」
「ああ、大丈夫だぞ」
彼の前にティーカップを一つ置き、慎重にティーポットを傾ける。
「どうぞ」
「ああ、ありがと」
210: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 05:00:18.96 ID:SnhAI2sz0
彼はミルクも砂糖も入れずにそのまま紅茶を飲んだ。
「…うん、うまいな。
俺、紅茶とかよく分かんねえけど、いつも飲んでるのより匂いが豊かだな。
あやせは紅茶も淹れられるのか」
「い、淹れられるだなんて大袈裟です。
ただお湯を入れただけですから茶葉が良かったんでしょう」
お母さん!わたしに紅茶の淹れ方を教えてくれてありがとう!!
彼が紅茶を飲みながら聞いてきた。
「んで、今日は何したい?」
「……何しましょうか」
「おいおい」
「だって…お外ばっかり行ったら京介さんだってしんどいでしょ?
それにお金だって大事だし」
「そうだけどよ。どうすっかな~
ゲームとか?」
「持ってませんけど。京介さんが持ってきてるんですか?」
211: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 05:02:26.61 ID:SnhAI2sz0
「いいや。こうなるとは思わなかったし持ってきてねえよ。
あとは…酒は飲めねえし音楽聞いても仕方ないし…
勉強するか?」
「えぇ~?」
「いや、だってお前受験生じゃん」
「そうですけど、せっかく京介さんと会えたのに勉強は」
「じゃあ後は…映画か?」
「あ、映画。いいですね。
最近見に行けてないのでそれに1票です」
「んじゃTSUT○YAでも行ってなんか借りるか」
「はい!」
―――――――――――――――
――――――――――
212: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 05:04:41.85 ID:SnhAI2sz0
TSUT○YAに着くと、京介さんが邦画コーナーの方に直行。
手をつないでいるもんだから、強制的にわたしもそちらに。
「京介さんは邦画の方が好きなんですか?」
「ああ、ホラーと言えば邦画の方が怖いだろ」
ホ ラ ー ?
なぜ彼女と見る映画がホラー?
「京介さんって…ホラー映画が好きなんですか?」
「ああ、見ててドキドキすっからな」
「……マゾですか?」
「ちげえよ!! 俺はお前らとは違って平々凡々な奴だからな。
創作物でぐらい刺激がほしいんだよ」
「そうですか…」
これはちょっとびっくりしました。
あの優しくてのほほんとした京介さんが、ホラー映画が好きだなんて。
213: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 05:05:30.71 ID:SnhAI2sz0
逆にわたしはホラーが苦手。
洋画のだとまだマシだけど、邦画は全然だめ。
あのジメッとした感じがどうしても無理。
「きょ、京介さん。今日は他のにしませんか?」
「え?」
「例えば…そう、恋愛映画とか」
「恋愛映画か…別にいいぜ」
ほっ。
京介さんが頑固じゃなくてよかった。
これで「俺はホラー以外見たくねえよ!」とか言われてたらチェックメイトでした。
「けど意外だな」
「ほぇ?」
「あやせがホラー苦手だなんて」
「苦手なんて言ってません!!」
苦手ですけどね。
214: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 05:07:03.50 ID:SnhAI2sz0
「え?じゃあホラーでよくね?」
「だ、ダメです!」
「なんで?」
「カップルでホラー映画とか変じゃないですか!」
「いや、別に変じゃないだろ」
「変です!」
「そっか、変なのか。じゃああやせとはこれ見れないな」
彼の手には一つのDVDが。
「何ですか?それ」
「これ?ネットで怖いって評判の奴だ。今まで見たことなかったし丁度見ようと思ってたんだけど。
あやせが無理なら家で桐乃とでも見るかな?」
215: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 05:07:33.83 ID:SnhAI2sz0
「……桐乃と?」
「ああ、あいつもホラー映画好きみたいでよ。
俺が見てたらしょっちゅう隣り座って見てんだよ。
だからこれも桐乃と見るわ」
「京介さん!!!」
「は、はい?」
「見ましょう!!それ!!わたしと!!!」
「あ、はい」
―――――――――――――――
――――――――――
216: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 05:08:26.63 ID:SnhAI2sz0
「あやせ、DVDってどこで見んの?」
どうしよう…
わたしの部屋だとパソコンになるけど、怖いのなんて自室で見たくない…
かと言ってリビングだと大画面で余計怖くなっちゃうし…
うぅ~
「じゃ、じゃあリビングで」
「おう、やっぱり怖い映画は大画面に限るよな」
何でウキウキしてるんですか。
うぅ、桐乃に対抗心燃やすんじゃなった…orz
けど今さらやっぱり嫌とは言えないし…
「ほら、あやせ。用意できたぞ。
こっちこいよ」
「は、はい」
217: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 05:09:24.41 ID:SnhAI2sz0
京介さんがDVDをセットしてソファに腰掛ける。
わたしも彼の隣に。
「…あやせ、近くないか」
「そ、そうですか?丁度適度な距離を保ってると思いますよ!?」
「そっか、別にいいけどよ」
彼と腕が触れ合う程度に密着して座る。
う~だって怖いんだもん。
彼がさっそく再生ボタンを押す。
この映画は一家が自宅で死亡し、その空家に住んだ住人が次々と不幸に見舞われるという話だそうで…
わたしは正直画面を見てられません。
218: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 05:10:43.05 ID:SnhAI2sz0
霊が映ったら彼の左腕に抱き付いて、目を閉じてガクガク震えてるだけ。
音がしたら耳を塞いで彼に抱き付く。
ふと音が止んだ。
「あやせ、ホラー苦手だったのか」
「に、苦手じゃ、あり、ません」
この状態で言っても意味がないですね。
目には涙が浮かんでるし、体も震えてる。
「すまなかった。お前がホラー苦手って知らなかった」
そう言って、彼が強くわたしを抱きしめる。
「うぅ…すいません」
彼はDVDを止めて、TVを付ける。
バラエティの笑い声が聞こえる。
ちょっとだけ安心できた。
「もう映画は止めよう。とりあえず飲み物でも飲んで落ち着こうぜ」
288: ◆.a46lvF.pU 2013/09/05(木) 08:29:23.26 ID:dEdNGilP0
そう言って立ち上がろうとする彼。
そうはさせません。
ぐっと彼の体に腕を巻きつけ、ギュッとしがみつく。
「…OKわかった。
じゃあ飲み物一緒に取りに行こうぜ」
「は、はい」
そう広くないリビングを通ってキッチンへ。
その間もわたしは彼の背中にギュッとしがみついたまま。
「あやせ、何飲む?」
「コ、ココアを」
わたしは粉末が仕舞ってある場所を指す。
そこから彼が取出し、お湯で溶かして牛乳を入れる。
「ホットか?」
「いいえ、アイスで」
「じゃあほい」
彼がつくってくれたココアを一口。
ふう、少し落ち着きました。
けど怖いものは怖い。
飲み物を持って二人してリビングへ。
そうはさせません。
ぐっと彼の体に腕を巻きつけ、ギュッとしがみつく。
「…OKわかった。
じゃあ飲み物一緒に取りに行こうぜ」
「は、はい」
そう広くないリビングを通ってキッチンへ。
その間もわたしは彼の背中にギュッとしがみついたまま。
「あやせ、何飲む?」
「コ、ココアを」
わたしは粉末が仕舞ってある場所を指す。
そこから彼が取出し、お湯で溶かして牛乳を入れる。
「ホットか?」
「いいえ、アイスで」
「じゃあほい」
彼がつくってくれたココアを一口。
ふう、少し落ち着きました。
けど怖いものは怖い。
飲み物を持って二人してリビングへ。
220: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 05:14:30.80 ID:SnhAI2sz0
TVではバラエティが、わたしの手には彼の作ったココアが、
そしてわたしの体は彼にギュッと抱きしめられている。
いつまでそうしていただろうか。
気が付くと辺りは暗くなっており、京介さんがリビングの電気を点ける。
「あやせ、もう7時過ぎだけど。親はいつ帰って来るんだ?」
わたしは絶望の言葉を言わなければなりません。
「今日は……帰ってきません」
「…は?」
「お父さんの短期出張にお母さんもついて行ってますから。
帰って来るのは明日の夕方になります…」
「そっか… あやせ1人には」
そこで彼にギュッとしがみつく。
「…無理だよなあ。どうすっかなー」
221: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 05:19:38.37 ID:SnhAI2sz0
「と、とりあえず晩御飯にしましょう」
彼を引き留めるためにそんな提案をする。
「そうだな、腹も減ったし。食い終るまでにどうすっか考えるわ」
「は、はい。京介さんは何か食べたい物ありますか?」
「冷蔵庫に食材は?」
「冷蔵庫には…豆腐と御揚げ。あとはお肉もありますし、野菜もそれなりには」
「何だったら作れそうだ?」
「ん~京介さんの好きな唐揚げは作れますよ。
後は…中華でまとめるならチンジャオロースとかマーボー豆腐とかですかね」
「よし、んじゃそれ頼むわ」
「はい、わかりました」
222: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 05:22:14.51 ID:SnhAI2sz0
「じゃあ俺も手伝うわ。なにしたらいい?米でも研ごうか?」
「いいえ、京介さんには別の仕事を与えます」
「なんだ?」
「わたしの後ろに立って、ギュッと抱きしめていてください。
じゃないと…怖くてキッチンに立てません」
「おう、まかせろ」
彼の後ろからギュッと抱きしめられて料理を開始する。
動きにくいけど仕方ないんです!!
こうでもしてないと怖くて縮こまってしまいます。
わたしが右に動くときにはカニさん歩きで二人でトコトコ。
左に行く時も二人でトコトコ。
そんな体勢でやってたもんだから、料理が終わったときには1時間も経っていた。
223: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 05:23:21.18 ID:SnhAI2sz0
「料理、どうやって食うの?」
「どうやってって…」
そうだ。普通に別々のイスに座れば彼と離れてしまう。
それは何としても避けなければ!
彼の手を取ってイスに座らせる。
そしてその上にポスン。
「あやせさ~ん。前が見えないんですけど~」
「だ、大丈夫です。私が食べさせてあげますから。
ほら、あ あ~ん」
「あ、あ~ん。 お、マーボー豆腐うまいな。ラー油でピリッと辛くて」
「よ、よかったです」
箸を持ちかえて自分も一口。
うん、悪くない。
224: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 05:24:21.28 ID:SnhAI2sz0
その後も箸を持ちかえながら彼に食べさせ、自分で食べて…
食事もいつもの倍以上の時間がかかっていた。
「よし、食べ終わったし洗い物は俺がするわ」
「結構です。その代わりにギュしてください」
「はいはい」
だって彼の後ろに抱き付いても背中が怖いんですよ!!
前には抱き付けないし…
そんなこんなで洗い物も終わってソファに座る。
もちろん、わたしは彼の膝の上。
225: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 05:24:55.96 ID:SnhAI2sz0
「んでさ、この後なんだけど」
「は、はい」
「俺ん家来るか?」
「え?…大丈夫ですか?
お父さんとか」
「親父は…何とかなんだろ、土下座でもして。
桐乃の友達なんだし理由話せば何とかなると思うぞ」
「そ、そうですか。
ご迷惑でないならお願いします」
「おう」
そう言って彼は携帯を取り出して家に電話。
226: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 05:26:11.87 ID:SnhAI2sz0
「おう、俺だけど…いや、俺だって、京介だって。
え?本当だっつうの。お袋、おふざけはいいから親父に代わってくれ
……
あ、親父か。実はさ、桐乃の友達のあやせって子がさ。家で一人なんだってよ。
それでさ、家に泊まらせてあげたいんだけど…
ああ。ああ、分かった」
「どうでしたか?」
「親父はいいってさ。その代わり、家に帰ったら俺たちの関係をきちんと説明するように、だってさ」
「そ、そうですか」
「別に緊張することはねえよ。結婚の挨拶じゃねえんだし。付き合ってますって報告すりゃ終わりだよ」
「わ、分かりました」
そういうわけで今日は京介さんの家にお泊り。
着替えとかを用意して、あ、もちろんその間も京介さんが後ろから抱っこしてくれてますよ?
用意が終われば早々に家を出て、彼の家へ。
227: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 05:27:45.65 ID:SnhAI2sz0
用意が終われば早々に家を出て、彼の家へ。
彼が玄関の鍵を開け、玄関をくぐると桐乃がリビングから飛び出してきた。
「あやせ~!!!」
そのまま彼女はわたしの胸にダイブ。
「っとと」
「あやせが家にお泊りなんて初めてだね!めちゃくちゃ楽しみ!なにしよっか」
あ、そっか。
桐乃もいるし、今日は桐乃の部屋にお泊りか。
彼の部屋じゃなくて残念……なんて思ってませんよ!!?
228: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 05:28:42.88 ID:SnhAI2sz0
とりあえず、京介さんとわたしはリビングに行き、お父さんとお母さんに事情を説明。
その後、お付き合いさせていただいていることも報告した。
お父さんはあんな強面(失礼かな?)なのに
「京介のこと、よろしく頼む」って頭を下げられるし、
お母さんは
「京介にも春が来たのね~」って息子をおちょくって騒ぐしで、
わたしが思ってたような修羅場は特になかった。
けど、彼がどれだけ親に愛されているかすごく分かった。
その後は桐乃の部屋に行って荷物を置き、桐乃と一緒にお風呂へ。
二人とも体を洗って湯船へ。
229: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 05:29:33.83 ID:SnhAI2sz0
「ってかなんで今日は泊まりに来たの?
今までだって親いなくても一人で留守番してたじゃん」
「そう、なんだけど…
あのね、今日京介さんと怖い映画観ちゃって」
「あぁ、それでか~。あやせ怖いのダメだもんね」
「うん…それで、一人であの家にいたくなくて」
「なるほどね。まあいっか。そのおかげであやせが泊まりに来たんだし」
「あ、あのね、桐乃。今日怖いから…」
「だいじょーぶ。まかせなさい。
今日はずっとそばにいるよ」
そう言って桐乃がきゅっとわたしの両手を掴む。
兄妹揃って温かい手。
230: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 05:30:31.93 ID:SnhAI2sz0
「ありがとね」
「けどあいつ何考えてんだろ。これは後でお説教だね」
「ちがうの桐乃。京介さんはわたしが怖いの苦手って知らなくて…」
「え?そうだったの?けど彼女のことなんだし知ってて当然でしょ」
「フフ。桐乃、無理いってるよ」
お風呂を上がってからも、桐乃は本当にずっと一緒にいてくれた。
ずっとわたしの手を握ってくれた。
それを京介さんが羨ましそうな目で見ていたのがなんだか可笑しかった。
彼におやすみなさいの挨拶をして、桐乃の部屋へ。
231: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 05:31:25.79 ID:SnhAI2sz0
ラグの上に布団が敷かれていたが、好意を無碍にして心苦しいけど桐乃と一緒にベッドの中へ。
その後も桐乃と色んな話をした。
高校生活も残り少ないこと、受験のこと、大学、モデル、将来、それに京介さんのこと。
久しぶりに桐乃とゆっくりしゃべれて話題は尽きない。
気が付いたらわたしはいつの間にか眠りに落ちていた。
―――――――――――――――
――――――――――
232: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 17:13:48.29 ID:SnhAI2sz0
翌日、目を覚ますと桐乃の姿がなかった。
朝食かな?
勝手に家の中をウロチョロするのは憚られるし…
そう言えば、隣は京介さんの部屋。
とりあえず彼の様子でも見に行こう。
彼の部屋のドアをノック。
……反応がありません。
寝てるのか、朝食を食べに行ってるのか。
「失礼しま~す」と言ってドアを開けると、いた。
彼はまだ寝ていた。
233: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 17:19:18.14 ID:SnhAI2sz0
顔を覗き込むと、大口を開けていて間抜けだ。
けど、こんな姿でさえ可愛く見える。
好きな人の姿なら、なんでも可愛く見えるんですかね。
とりあえず声をかける……が起きない。
肩を揺さぶる。
「ぉ……あやせか…」
「おはようございます京介さん」
「おはよう」
目を覚ました彼は徐々に目を開く。
そして完全に目が開いたときには何を思ったのかいきなり土下座をし始めた。
「ちょっ、どうしたんですか?」
「あやせ、昨日はすまんかった!!」
234: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 17:25:39.18 ID:SnhAI2sz0
昨日……ああ。ホラー映画を見たことか。
けどあれは、わたしがちゃんと言わなかったのが悪い。
けど、そう言っても彼はなっとくしてくれなかった。
「そうだけどよ、なんかお詫びさせてくれ!
じゃないと俺が納得できねえよ」
とのこと。
ん~。別に彼は責める気はないんだけど。
せっかくだからお言葉に甘えよう。
「そうですか。私は本当に気にしてないんですけど。
じゃあ温泉に連れてってください」
「温泉?」
そう、温泉。桐乃が以前、二人で温泉旅行に行ったときにいいな~とずっと思ってた。
「はい。しかも泊まりで」
235: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 17:34:01.07 ID:SnhAI2sz0
「泊まりで?俺は大丈夫だけど、お前ん家はいいのか?」
「分かりません。だから京介さん。まずは親の説得に協力してください」
「……マジでござるか~」
「ござるござる」
そういうわけで朝食を食べた後、二人してパソコンで泊まる宿を検索。
桐乃は隣の部屋で勉強しています。
二人であれこれ言い合いながら泊まりたい宿を決定。
旅行って行くのも楽しいけど、こうやって計画を立てているのも楽しい。
わたしの親には、夏休みも残り少ないし早い方がいい、ということで今日さっそく行くことに。
夕方、お母さんにメールすると今最寄の駅についたとのこと。
だから少し時間を置いて彼と一緒にわたしの家に。
236: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 17:38:21.20 ID:SnhAI2sz0
そして、彼と付き合っていることを報告。
お父さんはびっくりしていたし、お母さんは少しだけ驚いた様子。
彼は真面目に付き合ってること、清く正しい関係であることなどを真摯に説明し、
夏休みの思い出として温泉旅行に連れて行きたいとお願いした。
すると、意外にすんなりOKがもらえた。
多分、今まで彼にはBGで世話になっていることをお母さんは知ってるし、そのことはお父さんにも伝わっていたのでしょうか。
それとも、彼の人畜無害な風貌が功を奏したのでしょうか。
理由はなんであれ両親からもOKをもらった。
と、いうわけでわたし達は晴れて親公認のカップルに。
……親公認。
なんかいい響きです。
そして彼とわたしは温泉旅行に旅立つことに。
―――――――――――――――
――――――――――
237: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 17:38:56.15 ID:SnhAI2sz0
「いらっしゃいませ。本日は当館をご利用いただき、誠に有難う御座います」
「は、はあ」
宿泊する宿の方からの丁寧なあいさつに頭を掻きながら「はあ」と返す彼。
もっとどっしりしていてくださいよ!
宿の方から施設案内を受け、さっそく今日はわたし達が泊まる部屋へ案内された。
部屋は畳で中央にテーブルが置かれた普通の部屋。
けれど違うところが一つ。
この部屋にはテラスがあり、そこには露天風呂が。
そう、この部屋は露天風呂付き。
わたしがわがままを言ってそうしてもらった。
238: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 17:39:26.23 ID:SnhAI2sz0
「んじゃ早速温泉に行くか」
「はい」
わたし達は観光に来たんじゃなくて温泉に来たから、まあそれくらいしかやることがない。
「どうする?とりあえず大浴場に行くか?」
「そ、そうしましょう」
客室に備えられた露天風呂はいつでも入れますからね!!
今じゃなくていいですよね!!
というわけでタオルを持って大浴場へ。
その行きしな、ロビーに置かれた貸切露天風呂の予約を見る。
「今は……使用中だな。どうする?予約しとくか?」
「え、ええ。そうしましょう」
239: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 17:40:09.71 ID:SnhAI2sz0
ぎゃ~~!!!
貸切り! 混浴!!
まだ心の準備が…!!
「っしゃ、2時間後に予約しといた。だから2時間は自由行動な」
「は、はい」
うぅ。どうしよう……
彼はなんでもないかのように平然としていて、飄々と大浴場の方へ。
手を引かれて私もついていく。
暖簾の前まで来て彼が一言。
「2時間も入ってたら貸切風呂と連ちゃんになるし、今はとりあえず1時間半でいいか?」
「はい」
「じゃあ1時間半後にまたここでな」
「はい」
そう言って彼は鼻歌でも歌いだしそうなほどご機嫌な様子で暖簾をくぐった。
240: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 17:40:49.31 ID:SnhAI2sz0
わたしも温泉は楽しみですけど!
この後の混浴を考えると…
とりあえず、時間は有限。
わたしも暖簾をくぐって脱衣所へ。
さっと服を脱いで浴場に…
ふわあああ~!!
すっごく広い。
色々あるみたい。
案内図を見ると、お風呂は8種類。
サウナもある。
とりあえず、わたしは近くにあった御影石造りのお風呂へ。
はあ……温まる~
ここの湯の効用は美肌疲労、回復、冷え症改善とのこと。
241: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 17:41:27.21 ID:SnhAI2sz0
そうだ!!サウナに行こう!!
少しでも痩せなければ!!
そう思い立って湯船には物の数分で出てサウナへ。
サウナはミストサウナらしく、ジメッとしている。
頑張って汗をかかなきゃ!
イスに腰掛けじっと待つ。
というか確かに温泉に行きたいと言ったのはわたしですよ?
それに、客室付きのお風呂や貸切の混浴風呂もあるのがいいと言ったのもわたしです。
わたしだって女の子だから、好きな人と一緒にお風呂っていうのは憧れる。
242: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 17:42:10.09 ID:SnhAI2sz0
けれど、心の準備ができてるのかと言えばそれは別問題であって、京介さんにはその所の配慮が欠けています!
ああ、どうしよう。
一応水着を持ってきてるけど、温泉に付けてもいいのかな?
タオルを巻くとか?
お風呂に付けるのはマナー違反だけど、この際そんなこと言ってられない。
ああ、どうしたら…!!!
ダメだ。熱さで頭も茹ってる。
冷静な思考を取り戻すためにサウナを出て水風呂へ。
その後も、とりえず色々なお風呂に入ってみたけど、全然リラックスできない。
身体の疲れはとれるだろうけど、あくせく考え事をしてるせいでちっとも休まらない。
けど、時間は刻々とすぎていき…
243: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 17:42:35.75 ID:SnhAI2sz0
「おう、あやせ。上がったか」
「はい…」
「じゃあ30分ほど部屋で休んでから貸切に行くか」
「ええ、そうしましょう…」
万策尽きた。いえ、単に無策だっただけ…
部屋についてからも彼は部屋をウロチョロしたり、テレビを見たりとリラックス。
時間は無情に過ぎていき…
「あやせ、そろそろ時間だし貸切の方に行こうぜ」
「はい…」
タオルを持って貸切風呂へ。
脱衣所は当然こじんまりしたものが一つ。
244: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 17:43:11.47 ID:SnhAI2sz0
「?あやせ、脱がねえの?」
「ぬ、脱ぎますけど!京介さん先に行ってください!」
「あ、ああ」
彼はそそくさと脱いで、腰にタオルを巻いて早々にお風呂へ。
とりあえず浴衣を脱いで下着姿に。
誰も見てないけれど、もうこの状態で無理!!
パスタオルを胸に巻いて放心状態。
ええい!!女は度胸です!!
一気に下着を脱いで、いざ京介さんがいるお風呂へ!!
245: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 17:43:58.84 ID:SnhAI2sz0
扉を開け放つと、オーシャンビューが視界に飛び込んできた。
お風呂は檜でしょうか。いい匂いがします。
「おう、あやせ。ちょー気持ちいいぞ」
「そ、そうですか」
不作法ですが、バスタオルを巻いたまま浴槽へ。
ふわあ……気持ちいい。
「海は見えるし温泉は気持ちいいし…
最高だ~」
彼はどこまでも普通のテンションで温泉を満喫していた。
むっ。
これはこれでむかつきますね。
わたしはこんなにドキドキしているのに…
246: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 17:45:59.11 ID:SnhAI2sz0
「京介さん、なんでそんな普通なんですか?」
「なんでって」
「わたしがこんな格好なのに」
「いやだって、お前の水着姿の方がよっぽど露出度高かったじゃん」
そうですけど…そうですけど!!
水着とお風呂じゃ全然違うでしょう!!
腹が立ってきました。
ここまでコケにされたら、女が廃るというもの。
わたしは彼の腕に抱き付く。
「うっ!!?」
効いてる効いてる。
やっぱり京介さんも意識するんですね。
247: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 17:48:31.77 ID:SnhAI2sz0
「どうしたんのですか?京介さん」
「い、いや!あやせ。む、胸!当たってる!!」
「当ててるんです」
「ちょ!ちょっとやめてくれ」
彼が腕を振りほどこうとする。
そうはさせません。
そんなことをしていたせいでしょうか。
もともと結び目が弱かったのか、私が巻いていたバスタオルがはらり…
248: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 17:51:15.52 ID:SnhAI2sz0
「ぶほっっっ!!!
って、あやせ。*首ないの?」
「ありますよ!!!!!
これは水着用のヌーブラをしてるんです!!」
「な、なな」
「な?」
「なんじゃそりゃーーー!!!
俺の純情を返せよ!!!
てっきりあやせの胸が見えると思ったのに!!」
「な!!知りませんよそんな純情!!!!」
そんな言い合いをしていたせいで持ち時間の30分はあっという間に終了。
せっかくのオーシャンビューもあんまり見られなかった。
249: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 17:52:15.72 ID:SnhAI2sz0
その後も休憩をはさみながら温泉に行ったり、海の幸に舌鼓を打ったりと温泉旅行を満喫。
夕食も終わり、今は部屋に付いている温泉に二人で入っている。
「……またヌーブラしてんの?」
「当然です」
だって恥ずかしいじゃないですか。
裸を彼に見せるなんてできません。
そりゃ、わたしだっていずれは…って思ってますけど。
まだまだ心の準備ができてない。
まだ付き合って1月も経ってないからいいよね?
250: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 17:53:14.22 ID:SnhAI2sz0
「この露店風呂からも海が見えるな」
「はい。星空も見えますよ」
「ほんとだ…はあああ、贅沢だ~」
「くす、そうですね」
温泉に入って海と星空が見える二人っきりの空間。
は!?
もしや、これはキスをするいいシチュエーションでは!?
そう思って彼の傍につつつと近づく。
「お、おい。またか?」
「またってなんですか、またって」
「いや、胸を押し付けんのか?」
「そ、そんなことしませんよ」
251: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 17:54:44.35 ID:SnhAI2sz0
「そうしてくれ。我慢するのにも限界があるからな」
「我慢って…」
「そりゃ俺だって男だからな。
あやせと一緒にいるだけでも危ないのに、押し付けられたりしたらもう無理だ」
そっか。
彼もわたしとそういうことしたいと思ってくれていたのか。
いつも飄々としているから気付かなかった。
けど、考えたら当然だ。
好きな人と繋がりたい。
恋人同士だったら望んで当然だ。
そんなことにも気づかない程、自分にいっぱいいっぱいだったことに、改めて自分が子供だったと反省する。
252: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 17:55:44.30 ID:SnhAI2sz0
それとともに、彼の優しさに胸が温かくなる。
いつも私を気遣ってくれる彼。
わたしが傷つかないように、わたしが自由にできるように…
そんな彼に、自然とキスがしたくなった。
シチュエーションなんて関係ない。
ドキドキさせたいからとかじゃない。
ただ、自然とこの愛しい人に口づけをしたいと思えた。
「京介さん…」
わたしは少し上を向いて、目を閉じる。
今のわたしではここまでが限界。
ここから先は彼にしてもらいたい。
253: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 17:57:30.14 ID:SnhAI2sz0
彼はわたしの意図を察してくれた。
肩に両手を置き、ごくりと喉が鳴る音がした。
永遠にも思える時間。
閉じた瞼に影が差した。
来る。
ちゅ。
触れ合うだけの軽いキス。
キスは何味がするんだっけ?レモンだっけ?
けど味なんてしなかった。
254: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 17:58:02.28 ID:SnhAI2sz0
その代わり、彼の熱が伝わった。
熱い。
熱い、熱いキス。
まだ、彼の唇がわたしのにキスしているかのように錯覚する。
唇に触れる。
そこは確かに熱を帯びていた。
これはわたし自身の熱なのか。彼が残していった熱なのか。
どちらでもいい。
彼とわたしの二人の熱だ。
わたしは彼と一つになれた気がした。
―――――――――――――――
――――――――――
255: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 18:00:57.18 ID:SnhAI2sz0
温泉旅行が終わってからも、わたし達は残り少ない夏休みを一緒に過ごした。
あ、温泉旅行ではキス以上のことはありません…でしたよ?
夢だったディズ○ーにも二人っきりで行けたし、縁日にも行った。
機会があればまた話すこともあるかと思います。
勿論、受験生であるわたしは遊び呆けてばかりもいられないので勉強もしていますが、彼と会う時間も欲しかったので勉強会ということで彼と一緒に勉強をしたりしている。
現役大学生に教えて貰えるから、分からない所はその場で解決することができ、とても助かってる。
9月になり、わたしは残り少ない高校生活に戻った。
京介さんはまだ夏休みですけどね。
大学生の夏休みって長いですね。
さすがにこの時期になると、皆が受験に向けてピリピリした空気になる。
わたしも進路が決まった。
後はそれに向けて受験勉強に励むだけだ。
256: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 18:02:45.71 ID:SnhAI2sz0
月日はどんどんと流れ、徐々に京介さんに会えない日が増えてきた。
彼に会えない日はとても悲しいし、つらい。
世の遠距離恋愛をしているカップルはどうやってるんでしょう。
わたしなら無理です。
ちゃんと会えたのはクリスマスくらいでしょうか。
その他は少し会って話すか、勉強会ぐらいでまったり彼とデートなんてできなかった。
その悔しさや苛立ちを糧に私に勉強に励んだ。
来年もう1回、こんな切ない時間を過ごしたくはないですからね。
大晦日も一人で勉強していて心がすごく落ち込んだ。
だから2日分のノルマをこなし、正月には彼と初詣に出かけた。
神様にはわたしの志望校合格と、彼の安全を祈願しておいた。
1人で2つもお願いするなんて図々しいかも知れませんが、500円をお賽銭したんだからいいですよね?
257: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 18:03:17.86 ID:SnhAI2sz0
正月が終わってからはあっという間だった。
学校も授業がないから家で勉強していたし、センター試験も目前まで迫っていた。
2日間のセンター試験を終えたら次は願書を出さなければならない時期になっていた。
わたしの第1志望は国公立。
だから私立は滑り止め1つと、もし第1志望がダメだった場合に行くそれなりの偏差値のある大学2つを受験した。
手応えとしてはまあまあ。多分受かってるんじゃないかと思います。
その10日後ぐらいには第1志望の大学の受験。
目まぐるしくて大変です。
それらが全部終わったらあとは結果を待つだけ。
私立は2つとも受かっていた。
国公立の合格発表よりも、私立の入学手続きが先にあるから入学金は支払わなければならない。
これってどうにかならないんですかね?
入学しないかもしれないのに入学金を支払うって。
そんなこんなで第1志望の合格発表。
これでだめだったら後期日程を受けなければならない。
258: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 18:06:38.42 ID:SnhAI2sz0
結果は合格。
びっくりした。
もちろん、受かるために頑張ったし、それなりに手応えもあった。
けど全然実感がわかない。
受かったらもっと「やった~~~!!!」
ってなるかと思ったけど、案外冷静。
けど、心の内から沸々と喜びが湧いてくる。
受かった。
そう、わたしは4月から大学生になるんだ。
―――――――――――――――
――――――――――
259: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 18:08:11.27 ID:SnhAI2sz0
「よ、あやせ。
スーツ姿、似合ってるな」
「あ、京介さん。ありがとうございます」
「なんか工口いOLみたいでいいな」
「もう!工口いは余計ですよ!!」
今日は大学の入学式。
わたしもスーツを着て出席した。
まだ慣れないスーツに身を包んだわたし。
これで少しは大人になれたのだろうか。
京介さんには、入学式が終わってデートをするために会場まで車で迎えに来てもらった。
260: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 18:10:52.45 ID:SnhAI2sz0
「んじゃ行くか。乗ってくれ」
「は~い」
何度も乗った彼の助手席。
ここはもうわたしの特等席です。
「結局免許はとらなかったんだな」
「わたしには今のところいりませんから。だって京介さんがいますし」
「俺はアッシーか。
けど就職のときに普通免許くらいは必要になるぞ?」
「そうなったらそのときにとりますよ」
「でも驚いたよ」
「何がですか?」
「大学。俺と一緒だって知らんかった」
そう。わたしは彼と同じ大学に進学した。
261: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 18:12:18.10 ID:SnhAI2sz0
勿論、彼がいるからと言う理由で選んだわけじゃない。
偏差値も高いしネームバリューもある。
だからこの大学を選んだんだけど。
京介さんと同じ大学というのはやっぱりうれしい。
彼とは3歳差だから、中学高校は同じ時期に通うことはない。
やっと京介さんと同じ学校に通うことができる。
まあ、彼は単位もほとんど取り終ってるし、これから教育実習でほとんど学校には来ないんだけど。
それでも彼と同じ大学ということで色々教えて貰ったりできるし、たまには行き帰りが一緒になることもあるだろう。
「学部は法だって?」
「はい」
「なんで法学部にしたんだ?」
262: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 18:12:56.39 ID:SnhAI2sz0
「なんとなく…ですかね。
法律って本当はとても身近にあるものなのに全然知らないから勉強しときたいって気持ちもあったし、
それに法を整備する官僚にも、法曹界にも入れるし、法務部とかにも就職できそうじゃないですか」
「そっか。いいと思うぞ、法学部。
きっちりしたあやせには似合ってるよ。
じゃあ4年間で何になるか決めなきゃな」
「はい」
以前、京介さんが言っていたこと。
大学はやりたいことを見つけて努力する場所。
わたしはこの4年間でみつけることができるだろうか。
「今日はどこに連れてってくれるんですか?」
「内緒だ」
「え~?」
「とりあえずは昼飯だな。景色のいいところ見つけたからそこに行こうぜ」
「はい!」
263: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 18:13:29.23 ID:SnhAI2sz0
先のことなんて分からない。
大学にいる4年間でやりたいことを見つけられないかもしれないし、見つけたとしても実現できるか分からない。
普通に就職することだってありえる。
そういうのを考えると恐怖で足が竦みそうになる。
けど大丈夫。
隣には彼がいる。
いつもわたしを助けてくれた優しい彼。
付き合ってからずっと私を支えてくれた彼。
そんな彼がいれば、わたしはどんなことにだって立ち向かっていける。
264: ◆.a46lvF.pU 2013/08/28(水) 18:14:04.21 ID:SnhAI2sz0
困ったときはまた車で迎えに来てもらえばいいんです。
それに
「実はわたし、進路を一つもう決めてあるんです」
「お?そうだったのか。
んで、何になりたいの?
検察官?」
「いいえ、
専業主婦です❤」
終わり
引用元: あやせ 「京介さん」
あやせ「わたしが一番じゃなきゃイヤ」
2020-03-22
3: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/06(土) 14:01:24.59 ID:lJy0/u4T0
あやせ『どっか行っちゃえ!嘘つき!』
あやせ『全部です!あなたの言う事は全部、嘘ばっかり!』
わたしは叫んだ
お兄さんを部屋から追い出した
手が痛い
全力でドアを叩いたせいだ
許せなかったから
あやせ『全部です!あなたの言う事は全部、嘘ばっかり!』
わたしは叫んだ
お兄さんを部屋から追い出した
手が痛い
全力でドアを叩いたせいだ
許せなかったから
関連
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4: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/06(土) 14:07:21.39 ID:lJy0/u4T0
お兄さんは
結婚してくれって言った
愛のこもったプロポーズって言った
早くお前に会いたかったからって言った
それを
京介『もうお前にセクハラ出来なくなってしまったんだ』
そんな言葉で無かった事にした
許せない
結婚してくれって言った
愛のこもったプロポーズって言った
早くお前に会いたかったからって言った
それを
京介『もうお前にセクハラ出来なくなってしまったんだ』
そんな言葉で無かった事にした
許せない
5: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/06(土) 14:10:18.43 ID:lJy0/u4T0
お兄さんに彼女が出来た
麻奈美お姉さんが教えてくれた
なにそれ
頭の中が真っ白になった
何を言ってるのか理解出来なかった
麻奈美お姉さんが教えてくれた
なにそれ
頭の中が真っ白になった
何を言ってるのか理解出来なかった
6: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/06(土) 14:13:38.74 ID:lJy0/u4T0
麻奈美『見守ってあげようね』
お姉さんは言った
見守る?
何を?
だって
結婚してくれって言ったんだよ
愛のこもったプロポーズって言ったんだよ
何で彼女が出来るの
教えてよ
ねえ
わたしに教えてよ
お姉さんは言った
見守る?
何を?
だって
結婚してくれって言ったんだよ
愛のこもったプロポーズって言ったんだよ
何で彼女が出来るの
教えてよ
ねえ
わたしに教えてよ
7: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/06(土) 14:17:16.53 ID:lJy0/u4T0
結局
わたしは、お兄さんを呼び出した
そして
わたしは、暗闇の中に居る
バカだ、わたし
嘘だって言ってくれるって信じてた
彼女なんて居ないって言ってくれるって信じてた
本気で信じてた
バカだ、わたし
わたしは、お兄さんを呼び出した
そして
わたしは、暗闇の中に居る
バカだ、わたし
嘘だって言ってくれるって信じてた
彼女なんて居ないって言ってくれるって信じてた
本気で信じてた
バカだ、わたし
8: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/06(土) 14:20:37.67 ID:lJy0/u4T0
でも
それでも、結婚してくれって
あやせ「・・・セクハラ出来なくなったって、なに」
だって
愛のこもったプロポ-ズって
あやせ「・・・セクハラってなに」
なんだっけ
それでも、結婚してくれって
あやせ「・・・セクハラ出来なくなったって、なに」
だって
愛のこもったプロポ-ズって
あやせ「・・・セクハラってなに」
なんだっけ
9: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/06(土) 14:23:52.16 ID:lJy0/u4T0
確かに
わたしは言った
あやせ『無理です』
あやせ『現状では、わたしがお兄さんの彼女になるなんてあり得ませんから』
確かに言った
でも
何でそんな事を言ったのか
今は思い出せない
わたしは言った
あやせ『無理です』
あやせ『現状では、わたしがお兄さんの彼女になるなんてあり得ませんから』
確かに言った
でも
何でそんな事を言ったのか
今は思い出せない
10: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/06(土) 14:27:27.95 ID:lJy0/u4T0
何、言ってんの
何でそんな事、言ってんの
やめてよ
何でそんな事、言うのよ
何でそんな事で全部ダメにするの
何でダメになるの
何でそんな事、言ってんの
やめてよ
何でそんな事、言うのよ
何でそんな事で全部ダメにするの
何でダメになるの
11: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/06(土) 14:29:51.21 ID:lJy0/u4T0
全部、自分がダメにした
引きつった笑いが起こる
だって
自分があんな事、言ったせいなんだよ
笑うしかない
わたしは笑った
正確に言うと
泣きながら笑った
引きつった笑いが起こる
だって
自分があんな事、言ったせいなんだよ
笑うしかない
わたしは笑った
正確に言うと
泣きながら笑った
12: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/06(土) 14:33:55.13 ID:lJy0/u4T0
お兄さんを部屋から追い出して、数日たつ
連絡はもちろん、ない
わたしからも連絡しない
だって
もし
もし、着拒されてたら?
考えただけで顔が引きつる
かつて自分がお兄さんにした事
今は
自分がそれに脅えてる
怖い
怖い
怖いよ
連絡はもちろん、ない
わたしからも連絡しない
だって
もし
もし、着拒されてたら?
考えただけで顔が引きつる
かつて自分がお兄さんにした事
今は
自分がそれに脅えてる
怖い
怖い
怖いよ
13: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/06(土) 14:38:13.94 ID:lJy0/u4T0
桐乃とは普通に会っている
普段通りに振る舞えてると思う
愛しい桐乃
わたしは、あなたが大好き
その反面
ちょっと引け目を感じる事もあった
あなたに対する感情
それが
恋愛感情に近いものだと思っていたから
でも
違ったよ、桐乃
恋ってもっと苦しいものだった
普段通りに振る舞えてると思う
愛しい桐乃
わたしは、あなたが大好き
その反面
ちょっと引け目を感じる事もあった
あなたに対する感情
それが
恋愛感情に近いものだと思っていたから
でも
違ったよ、桐乃
恋ってもっと苦しいものだった
14: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/06(土) 14:44:51.06 ID:lJy0/u4T0
男が桐乃に視線を向けただけで
怒りがこみ上げた
桐乃が他の女の子と話してるだけで
もやもやとした気分になった
でも
今は桐乃が羨ましい
だって
お兄さんと一緒に居られるから
あやせ『無理です』
なんで
あんな事、言ったんだろう
あやせ『現状では、わたしがお兄さんの彼女になるなんてあり得ませんから』
あの時のわたしをコロシてやりたい
怒りがこみ上げた
桐乃が他の女の子と話してるだけで
もやもやとした気分になった
でも
今は桐乃が羨ましい
だって
お兄さんと一緒に居られるから
あやせ『無理です』
なんで
あんな事、言ったんだろう
あやせ『現状では、わたしがお兄さんの彼女になるなんてあり得ませんから』
あの時のわたしをコロシてやりたい
15: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/06(土) 14:50:00.03 ID:lJy0/u4T0
加奈子「ど、どしたん、あやせ」
桐乃「ちょっと具合悪そうだケド、大丈夫?」
いけない
考えてた事が顔に出ちゃってたみたい
あやせ「ごめんごめん、大丈夫」
あやせ「今朝、怖い夢見たのを思い出しちゃって」
加奈子「えー、あやせが怖がる夢ってどんだけだよー」
あやせ「ちょっとそれ、どういう意味?」
なんとか平静を装った
桐乃「ちょっと具合悪そうだケド、大丈夫?」
いけない
考えてた事が顔に出ちゃってたみたい
あやせ「ごめんごめん、大丈夫」
あやせ「今朝、怖い夢見たのを思い出しちゃって」
加奈子「えー、あやせが怖がる夢ってどんだけだよー」
あやせ「ちょっとそれ、どういう意味?」
なんとか平静を装った
16: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/06(土) 14:56:24.39 ID:lJy0/u4T0
携帯は相変わらずだ
全然、わたしの期待する番号を表示してくれない
嘘つき呼ばわりして部屋を追い出したのに
何の連絡もない
わたしが
こんなに苦しんでるのに
こんなに怖がってるのに
こんなに悔しいのに
なんで
どうしてよ
全然、わたしの期待する番号を表示してくれない
嘘つき呼ばわりして部屋を追い出したのに
何の連絡もない
わたしが
こんなに苦しんでるのに
こんなに怖がってるのに
こんなに悔しいのに
なんで
どうしてよ
17: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/06(土) 15:02:40.00 ID:lJy0/u4T0
あの日
お兄さんは言った
京介『お前にとって、俺に彼女が出来るのはいい事なんじゃないのか?』
京介『だって、ヘン夕イ兄貴であるこの俺を桐乃から引き離す事が出来るじゃないか』
お兄さんはそう言った
でも
それは違う
全然違う
だって
わたしは桐乃を守ってるって思わせなきゃいけなかったから
だって
そうでもしないと相談出来なかったから
だって
相談しないと会ってもらえないって思ったから
違う
全然違うよ
お兄さんは言った
京介『お前にとって、俺に彼女が出来るのはいい事なんじゃないのか?』
京介『だって、ヘン夕イ兄貴であるこの俺を桐乃から引き離す事が出来るじゃないか』
お兄さんはそう言った
でも
それは違う
全然違う
だって
わたしは桐乃を守ってるって思わせなきゃいけなかったから
だって
そうでもしないと相談出来なかったから
だって
相談しないと会ってもらえないって思ったから
違う
全然違うよ
18: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/06(土) 15:11:28.34 ID:lJy0/u4T0
ひどい
そんなので彼女を作っちゃうなんて
ひどい
今、彼女と一緒なんでしょ?
何でわたしは一人ぼっちなの
何でお兄さんの隣に他の女の子が居るの
なんで
どうして
隣に居るのがわたしじゃないの
やめてよ
他の女の子と一緒に居ないでよ
なんで
どうしてよ
そんなので彼女を作っちゃうなんて
ひどい
今、彼女と一緒なんでしょ?
何でわたしは一人ぼっちなの
何でお兄さんの隣に他の女の子が居るの
なんで
どうして
隣に居るのがわたしじゃないの
やめてよ
他の女の子と一緒に居ないでよ
なんで
どうしてよ
21: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/06(土) 15:34:29.35 ID:lJy0/u4T0
あやせ『現状では、わたしがお兄さんの彼女になるなんてあり得ませんから』
あんな事を言わなければ
わたしがお兄さんの隣に居られた
なんでなの
どうしてこうなちゃったの
わたしのせい?
ああ、そうだっけ
でも
なんで、何が悪かったの?
わかんない
わかんないよ、あはは
あんな事を言わなければ
わたしがお兄さんの隣に居られた
なんでなの
どうしてこうなちゃったの
わたしのせい?
ああ、そうだっけ
でも
なんで、何が悪かったの?
わかんない
わかんないよ、あはは
22: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/06(土) 15:40:09.72 ID:lJy0/u4T0
イヤだ
お兄さんが他の女の子と一緒に居るなんて
絶対にイヤだ
許せない
結婚してくれって言ったのを冗談にするなんて
絶対に許せない
わたしは無表情で携帯を手に取った
わたしのせい?
何でそんな事、思ったんだろう
わたしが悪い?
そんな訳ないじゃない
その時
携帯が鳴った
お兄さんが他の女の子と一緒に居るなんて
絶対にイヤだ
許せない
結婚してくれって言ったのを冗談にするなんて
絶対に許せない
わたしは無表情で携帯を手に取った
わたしのせい?
何でそんな事、思ったんだろう
わたしが悪い?
そんな訳ないじゃない
その時
携帯が鳴った
23: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/06(土) 15:43:21.62 ID:lJy0/u4T0
携帯に掛けて来た相手は
麻奈美お姉さん
お兄さんが、彼女と別れた
麻奈美お姉さん
お兄さんが、彼女と別れた
25: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/06(土) 15:54:46.17 ID:lJy0/u4T0
お姉さんは教えてくれた
彼女との縁が切れた訳ではない事
桐乃が付き合うのをイヤがった事
それと
麻奈美『あやせちゃんなら、みんなが笑って暮らせる家庭を無理やりにでも作ると思う』
と
お兄さんとの会話の中で言った事
麻奈美『勝手に引き合いに出して、ごめんね』
お姉さんは謝った
ううん
謝る必要なんてない
だって・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・その通りなんだから
彼女との縁が切れた訳ではない事
桐乃が付き合うのをイヤがった事
それと
麻奈美『あやせちゃんなら、みんなが笑って暮らせる家庭を無理やりにでも作ると思う』
と
お兄さんとの会話の中で言った事
麻奈美『勝手に引き合いに出して、ごめんね』
お姉さんは謝った
ううん
謝る必要なんてない
だって・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・その通りなんだから
26: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/06(土) 16:02:22.36 ID:lJy0/u4T0
お姉さんは電話を切る前に、こう言った
麻奈美『これでまた、一緒のスタートラインだね』
わたしは、お姉さんの気持ちを知ってた
お姉さんも、わたしの気持ちを知ってた
でも
ごめんね、お姉さん
一緒じゃない
一緒じゃイヤ
そして
偶然にも、数日前に桐乃が叫んだ言葉を口にした
あやせ「わたしが一番じゃなきゃイヤ」
麻奈美『これでまた、一緒のスタートラインだね』
わたしは、お姉さんの気持ちを知ってた
お姉さんも、わたしの気持ちを知ってた
でも
ごめんね、お姉さん
一緒じゃない
一緒じゃイヤ
そして
偶然にも、数日前に桐乃が叫んだ言葉を口にした
あやせ「わたしが一番じゃなきゃイヤ」
36: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/07(日) 00:26:15.63 ID:Gmfu39Bm0
それから
わたしは考えに考えた
頭が痛くなるくらい考えた
けど
それは全く苦痛になんかならない
なる訳がない
だって
間違いを正せる機会を手に入れたんだから
望む未来を手に入れるんだから
そう
望む未来を無理矢理にでも作ってみせる
お兄さんをわたしのモノにする
誰にも渡さない
わたしは考えに考えた
頭が痛くなるくらい考えた
けど
それは全く苦痛になんかならない
なる訳がない
だって
間違いを正せる機会を手に入れたんだから
望む未来を手に入れるんだから
そう
望む未来を無理矢理にでも作ってみせる
お兄さんをわたしのモノにする
誰にも渡さない
37: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/07(日) 00:40:15.97 ID:Gmfu39Bm0
わたしのお母さんは家で仕事をしている
でも
必ず一日中家を開ける日がある
今日は、その日
わたしは
お兄さんの電話番号をメモリーから呼び出した
着拒されてるかもなんて脅えは
頭から消え去ってた
でも
必ず一日中家を開ける日がある
今日は、その日
わたしは
お兄さんの電話番号をメモリーから呼び出した
着拒されてるかもなんて脅えは
頭から消え去ってた
38: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/07(日) 01:00:40.21 ID:Gmfu39Bm0
京介『もし・・・もし』
少し緊張してるみたい
いい感じだ
あやせ「もしもし、あやせです」
あやせ「いま、大丈夫ですか?」
京介『あ、ああ、大丈夫だ』
あやせ「あの、この前は取り乱しちゃってごめんなさい」
京介『いや、全然気にしてないよ』
京介『あ、気にしてないってそういう意味でなく』
そっか
気にしてくれてたんですね、お兄さん
でも
嬉しがってる時じゃない
少し緊張してるみたい
いい感じだ
あやせ「もしもし、あやせです」
あやせ「いま、大丈夫ですか?」
京介『あ、ああ、大丈夫だ』
あやせ「あの、この前は取り乱しちゃってごめんなさい」
京介『いや、全然気にしてないよ』
京介『あ、気にしてないってそういう意味でなく』
そっか
気にしてくれてたんですね、お兄さん
でも
嬉しがってる時じゃない
39: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/07(日) 01:09:32.29 ID:Gmfu39Bm0
あやせ「わたしが気にします・・・すごく、申し訳なかったなって」
おやせ「お詫びにと思って、わたしクッキー焼いたんです」
あやせ「今から家に来てくれませんか?」
京介『いや、いいって』
京介『気持ちだけもらっておくからさ』
やっぱりね
実は最初に断ってくるのは想定済みだ
だから
わたしは口調を落として言葉を繋げた
あやせ「わたし、お兄さんにも謝って欲しいです」
おやせ「お詫びにと思って、わたしクッキー焼いたんです」
あやせ「今から家に来てくれませんか?」
京介『いや、いいって』
京介『気持ちだけもらっておくからさ』
やっぱりね
実は最初に断ってくるのは想定済みだ
だから
わたしは口調を落として言葉を繋げた
あやせ「わたし、お兄さんにも謝って欲しいです」
41: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/07(日) 01:19:41.55 ID:Gmfu39Bm0
京介『え?』
あやせ「わたしだって女の子なんです」
あやせ「早く会いたかったみたいなこと言われて、少し嬉しいなって思うとこもあって」
あやせ「だから」
あやせ「それがほんの冗談だったみたいにセクハラとか言われると」
あやせ「少しは傷付くんですよ?」
京介『・・・あ、えっと』
そして
お兄さんは家に来る事になった
あやせ「わたしだって女の子なんです」
あやせ「早く会いたかったみたいなこと言われて、少し嬉しいなって思うとこもあって」
あやせ「だから」
あやせ「それがほんの冗談だったみたいにセクハラとか言われると」
あやせ「少しは傷付くんですよ?」
京介『・・・あ、えっと』
そして
お兄さんは家に来る事になった
42: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/07(日) 01:32:50.53 ID:Gmfu39Bm0
京介「お邪魔・・・します」
完全に緊張してる
そんな姿を見せちゃっていいんですか、お兄さん
あやせ「どうしたんです?」
あやせ「今日は手錠なんかしませんし、もちろんライターもないですよ?」
京介「いやー、あはは」
京介「あの、あやせ、あの時の事だけど・・・」
謝ろうとしてる
でも
今は、それはさせない
わたしがその機先を制する
お兄さんに罪悪感を感じてもらう為にね
あやせ「この前は、本当にすみませんでした」
完全に緊張してる
そんな姿を見せちゃっていいんですか、お兄さん
あやせ「どうしたんです?」
あやせ「今日は手錠なんかしませんし、もちろんライターもないですよ?」
京介「いやー、あはは」
京介「あの、あやせ、あの時の事だけど・・・」
謝ろうとしてる
でも
今は、それはさせない
わたしがその機先を制する
お兄さんに罪悪感を感じてもらう為にね
あやせ「この前は、本当にすみませんでした」
44: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/07(日) 01:47:51.34 ID:Gmfu39Bm0
京介「あ、あやせが謝る事ないだろ」
あやせ「わたし、少し動揺しちゃって」
あやせ「結婚してくれとか、愛のこもったプロポーズって言って“くれた”のに」
あやせ「あっさり彼女とか作っちゃうし」
京介「その事は本当に謝る!悪かった!」
謝罪の言葉を口にするお兄さん
わたしは構わずに追撃する
あやせ「どっちですか?」
京介「は?」
あやせ「悪かったと思ってるのは、結婚してくれって言った事?」
あやせ「それとも、それがセクハラって事ですか?」
あやせ「わたし、少し動揺しちゃって」
あやせ「結婚してくれとか、愛のこもったプロポーズって言って“くれた”のに」
あやせ「あっさり彼女とか作っちゃうし」
京介「その事は本当に謝る!悪かった!」
謝罪の言葉を口にするお兄さん
わたしは構わずに追撃する
あやせ「どっちですか?」
京介「は?」
あやせ「悪かったと思ってるのは、結婚してくれって言った事?」
あやせ「それとも、それがセクハラって事ですか?」
45: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/07(日) 09:14:34.32 ID:Gmfu39Bm0
お兄さん、固まっちゃってる
ここはまだ
あんまり雰囲気を重くならないようにしないと
でも
安心しないで下さいね
後でじわじわと
追い詰めてあげる為なんだから
あやせ「だって、結婚してくれっていうのを全否定されちゃったら」
あやせ「わたしに全く魅力がないって言われてるみたいじゃないですか」
少し演技を入れて
すねたポーズを取ってみる
さあ、喰い付いて来て
京介「そ、そんな事ないよ」
京介「あやせは、その、モデルだけあって可愛いし」
ふふっ
ありがとう、お兄さん
素直に嬉しい言葉ですよ
もちろん
それを表情には出しませんけど
ここはまだ
あんまり雰囲気を重くならないようにしないと
でも
安心しないで下さいね
後でじわじわと
追い詰めてあげる為なんだから
あやせ「だって、結婚してくれっていうのを全否定されちゃったら」
あやせ「わたしに全く魅力がないって言われてるみたいじゃないですか」
少し演技を入れて
すねたポーズを取ってみる
さあ、喰い付いて来て
京介「そ、そんな事ないよ」
京介「あやせは、その、モデルだけあって可愛いし」
ふふっ
ありがとう、お兄さん
素直に嬉しい言葉ですよ
もちろん
それを表情には出しませんけど
46: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/07(日) 09:26:12.99 ID:Gmfu39Bm0
あやせ「わたしがお兄さんの事、最初はいいなって思ってたと聞いた時」
あやせ「少しは嬉しいって思ってくれました?」
京介「それはまあ・・・そう、かな」
ちょっと顔が赤くなった
照れてる、照れてる
あやせ「わたしに結婚してくれって言って“くれた”時」
あやせ「少しは付き合えたらいいな、とか思ってました?」
京介「す、少しは」
あやせ「少しは嬉しいって思ってくれました?」
京介「それはまあ・・・そう、かな」
ちょっと顔が赤くなった
照れてる、照れてる
あやせ「わたしに結婚してくれって言って“くれた”時」
あやせ「少しは付き合えたらいいな、とか思ってました?」
京介「す、少しは」
47: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/07(日) 09:38:43.44 ID:Gmfu39Bm0
あやせ「電話でも言いましたけど、わたしだって女の子です」
あやせ「そういうの全部嘘にされちゃうと、悲しいです」
京介「いや、あやせの事いいなって思ったのは事実なんだ」
京介「でも・・・」
でも、なに?
言わせない
逆にこっちから問い掛ける
核心を突いた一言を
あやせ「じゃあ、なんで」
あやせ「なんで彼女と付き合ったんですか?」
あやせ「そういうの全部嘘にされちゃうと、悲しいです」
京介「いや、あやせの事いいなって思ったのは事実なんだ」
京介「でも・・・」
でも、なに?
言わせない
逆にこっちから問い掛ける
核心を突いた一言を
あやせ「じゃあ、なんで」
あやせ「なんで彼女と付き合ったんですか?」
49: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/07(日) 09:46:15.89 ID:Gmfu39Bm0
お兄さんはショックを受けたみたいだった
少しの沈黙が流れて
やっと口を開いた
京介「それは・・・好きになったから」
あやせ「わたしの事、いいなと思ってたのに?」
京介「それとこれとは・・・」
わたしは語気をちょっとだけ強めて
言葉を被せる
あやせ「わたしに結婚してくれって言ったのに!?」
京介「あ・・・う」
少しの沈黙が流れて
やっと口を開いた
京介「それは・・・好きになったから」
あやせ「わたしの事、いいなと思ってたのに?」
京介「それとこれとは・・・」
わたしは語気をちょっとだけ強めて
言葉を被せる
あやせ「わたしに結婚してくれって言ったのに!?」
京介「あ・・・う」
52: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/07(日) 09:50:33.23 ID:Gmfu39Bm0
あやせ「彼女には、お兄さんから告白したんですか?」
京介「彼女・・・から」
あやせ「ふうん、彼女から」
あやせ「それで、その時お兄さんは彼女をどう思ってました?」
京介「そ、そんなのあやせには関係ない」
あやせ「わたしには聞く権利があると思いますが」
聞く権利なんてある訳ない
でも
そう思わないよね、今のお兄さんは
京介「彼女・・・から」
あやせ「ふうん、彼女から」
あやせ「それで、その時お兄さんは彼女をどう思ってました?」
京介「そ、そんなのあやせには関係ない」
あやせ「わたしには聞く権利があると思いますが」
聞く権利なんてある訳ない
でも
そう思わないよね、今のお兄さんは
55: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/07(日) 10:00:32.59 ID:Gmfu39Bm0
京介「気になっては・・・いた」
あやせ「ふうん、気になってた」
あやせ「わたしと同じで、いいなと思ってたんですね?」
同じじゃない
わかってる
でも
同じって言っておく事が大事
京介「ああ、いいなと思っていたかも」
わたしは軽く嫉妬を覚えたけど
顔には出さずに言葉を重ねる
あやせ「もし・・・もし、わたしが」
京介「え?」
あやせ「彼女より先に、好きって言ってたら?」
あやせ「ふうん、気になってた」
あやせ「わたしと同じで、いいなと思ってたんですね?」
同じじゃない
わかってる
でも
同じって言っておく事が大事
京介「ああ、いいなと思っていたかも」
わたしは軽く嫉妬を覚えたけど
顔には出さずに言葉を重ねる
あやせ「もし・・・もし、わたしが」
京介「え?」
あやせ「彼女より先に、好きって言ってたら?」
57: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/07(日) 10:06:35.08 ID:Gmfu39Bm0
お兄さん
顔から何を考えてるかわかっちゃいますよ?
え、いま何て言った?
多分
そんな言葉が頭に浮かんでますよね
あやせ「結婚してくれって言ってくれた時に」
あやせ「わたしがOKしてたら?」
京介「なっ?」
あやせ「愛のこもったプロポーズって言ってくれた時に」
あやせ「わたしが受け入れてたら?」
京介「あやせ・・・お前は何を」
あやせ「どうなっていましたか?」
顔から何を考えてるかわかっちゃいますよ?
え、いま何て言った?
多分
そんな言葉が頭に浮かんでますよね
あやせ「結婚してくれって言ってくれた時に」
あやせ「わたしがOKしてたら?」
京介「なっ?」
あやせ「愛のこもったプロポーズって言ってくれた時に」
あやせ「わたしが受け入れてたら?」
京介「あやせ・・・お前は何を」
あやせ「どうなっていましたか?」
59: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/07(日) 10:09:48.83 ID:Gmfu39Bm0
京介「そ、そんな仮定の話には答えられない」
あやせ「わたしは聞きたい」
京介「俺には彼女が・・・」
わたしは冷静に言い放つ
あやせ「別れたって聞きましたが」
逃げ道は潰して行く
どこまでも追い詰める
あやせ「わたしは聞きたい」
京介「俺には彼女が・・・」
わたしは冷静に言い放つ
あやせ「別れたって聞きましたが」
逃げ道は潰して行く
どこまでも追い詰める
62: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/07(日) 10:14:49.53 ID:Gmfu39Bm0
またしても沈黙
京介「冗談・・・なんだろ?」
あやせ「お兄さんのセクハラや嘘に傷つけられたわたしが」
あやせ「こんな事で冗談を言うと思います?」
罪悪感をますます高めて行く
京介「で、でも、仮定の話なんか」
あやせ「わたしは聞きたい」
そして
どこまでも追い詰めて行く
京介「冗談・・・なんだろ?」
あやせ「お兄さんのセクハラや嘘に傷つけられたわたしが」
あやせ「こんな事で冗談を言うと思います?」
罪悪感をますます高めて行く
京介「で、でも、仮定の話なんか」
あやせ「わたしは聞きたい」
そして
どこまでも追い詰めて行く
74: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/08(月) 23:03:09.55 ID:buO3VfoY0
京介「付き合ってたかも・・・しれない」
あーあ
言っちゃいましたね、お兄さん
あやせ「本当に?」
あやせ「本当に、そう思います?」
京介「あ、あくまで仮定の話としてだな」
あやせ「よ、良かった」
わたしは膝を折って崩れ落ちる
目にたまった涙は、頬を流れて床で弾けた
あーあ
言っちゃいましたね、お兄さん
あやせ「本当に?」
あやせ「本当に、そう思います?」
京介「あ、あくまで仮定の話としてだな」
あやせ「よ、良かった」
わたしは膝を折って崩れ落ちる
目にたまった涙は、頬を流れて床で弾けた
75: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/08(月) 23:04:26.34 ID:buO3VfoY0
京介「お、おい、あやせ」
あやせ「わたし、怖かった」
あやせ「それまで否定されたらどうしようって、怖かったんです」
潤んだ瞳でお兄さんを見つめる
京介「・・・あやせ」
いいですね
心配そうにわたしを見るお兄さんの、その表情
これが全部演技だなんて
欠片も疑ってない、素直で優しい目です
あやせ「わたし、怖かった」
あやせ「それまで否定されたらどうしようって、怖かったんです」
潤んだ瞳でお兄さんを見つめる
京介「・・・あやせ」
いいですね
心配そうにわたしを見るお兄さんの、その表情
これが全部演技だなんて
欠片も疑ってない、素直で優しい目です
76: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/08(月) 23:10:39.44 ID:buO3VfoY0
わたしは指で涙をぬぐいながら
少し笑顔を浮かべて言う
あやせ「わかりました」
あやせ「もう仮定の話はやめにしましょう」
京介「そ、そうだな」
お兄さん
あからさまにホッとした表情になりましたね
でも
いいんですか?
これからが本番なんですよ?
少し笑顔を浮かべて言う
あやせ「わかりました」
あやせ「もう仮定の話はやめにしましょう」
京介「そ、そうだな」
お兄さん
あからさまにホッとした表情になりましたね
でも
いいんですか?
これからが本番なんですよ?
77: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/08(月) 23:16:05.13 ID:buO3VfoY0
わたしは、すっと立ち上がる
自然と
お兄さんとの距離が詰まる格好になった
あやせ「じゃあ、仮定も冗談もなしで」
あやせ「わたしと付き合って下さい」
ゴクッ
お兄さんの
唾を飲み込む音が聞こえた
自然と
お兄さんとの距離が詰まる格好になった
あやせ「じゃあ、仮定も冗談もなしで」
あやせ「わたしと付き合って下さい」
ゴクッ
お兄さんの
唾を飲み込む音が聞こえた
78: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/08(月) 23:29:23.73 ID:buO3VfoY0
京介「つ、付き合うって、何を言ってんだ!?」
あやせ「お兄さんは彼女と別れたんですよね」
京介「あ、ああ」
あやせ「彼女と付き合わなければ、わたしと付き合ってたかもしれないんですよね」
京介「それは、だから仮定の・・・」
あやせ「それなら!」
あやせ「それなら、何の問題があるって言うんです?」
お兄さん
また固まっちゃいましたね
あやせ「お兄さんは彼女と別れたんですよね」
京介「あ、ああ」
あやせ「彼女と付き合わなければ、わたしと付き合ってたかもしれないんですよね」
京介「それは、だから仮定の・・・」
あやせ「それなら!」
あやせ「それなら、何の問題があるって言うんです?」
お兄さん
また固まっちゃいましたね
79: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/08(月) 23:35:21.10 ID:buO3VfoY0
京介「ちょ、ちょっと待てって!」
京介「俺は別れたばっかで、付き合うとかさ」
ふぅん
そっちに逃げるんだ
なら
あやせ「わたしには長い時間でしたよ?」
京介「え?」
あやせ「お兄さんが、彼女と付き合ってる間」
あやせ「お兄さんが、わたしを傷付けて謝りにも来てくれない間」
あやせ「わたしはずっと一人で居たんです」
そんなの
逃げ道にさせると思うんですか?
京介「俺は別れたばっかで、付き合うとかさ」
ふぅん
そっちに逃げるんだ
なら
あやせ「わたしには長い時間でしたよ?」
京介「え?」
あやせ「お兄さんが、彼女と付き合ってる間」
あやせ「お兄さんが、わたしを傷付けて謝りにも来てくれない間」
あやせ「わたしはずっと一人で居たんです」
そんなの
逃げ道にさせると思うんですか?
80: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/08(月) 23:43:57.80 ID:buO3VfoY0
京介「あやせ、聞いてくれ!」
京介「俺はまだ、黒猫の事が!」
あやせ「聞きました」
あやせ「桐乃は、お兄さんが彼女と付き合うのに耐えられなかったようですね」
わたしは話をすり替える
元カノへの想いなんて聞きたくもない
それに
今、その想いを自覚させる訳にはいかない
京介「あ、ああ」
京介「桐乃は、俺に彼女が出来るなんて嫌だと言ったんだ」
あやせ「わたしなら」
あやせ「わたしなら、桐乃もお兄さんも笑顔にしてみせます」
ごめんなさい、お姉さん
わたしも
お姉さんの言葉、利用させてもらいますね
あやせ「無理矢理にでも、そうしてみせますよ」
京介「俺はまだ、黒猫の事が!」
あやせ「聞きました」
あやせ「桐乃は、お兄さんが彼女と付き合うのに耐えられなかったようですね」
わたしは話をすり替える
元カノへの想いなんて聞きたくもない
それに
今、その想いを自覚させる訳にはいかない
京介「あ、ああ」
京介「桐乃は、俺に彼女が出来るなんて嫌だと言ったんだ」
あやせ「わたしなら」
あやせ「わたしなら、桐乃もお兄さんも笑顔にしてみせます」
ごめんなさい、お姉さん
わたしも
お姉さんの言葉、利用させてもらいますね
あやせ「無理矢理にでも、そうしてみせますよ」
82: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/09(火) 00:08:46.41 ID:UG9a+Cuz0
京介「・・・う」
気付いてた
お兄さんは、桐乃の事を大事に思ってる
桐乃だって何だかんだ言って、お兄さんが大事なんだよね
あやせ「二人を笑顔に出来るのは、わたししか居ません」
お兄さん、呆然としてる
この時
お兄さんの頭の中には
ある一枚の絵が浮かんでいたんだそうだ
それを聞いたのは
ずっと後の事だったけど
気付いてた
お兄さんは、桐乃の事を大事に思ってる
桐乃だって何だかんだ言って、お兄さんが大事なんだよね
あやせ「二人を笑顔に出来るのは、わたししか居ません」
お兄さん、呆然としてる
この時
お兄さんの頭の中には
ある一枚の絵が浮かんでいたんだそうだ
それを聞いたのは
ずっと後の事だったけど
83: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/09(火) 00:18:14.39 ID:UG9a+Cuz0
京介「でも・・・俺は」
京介「あいつと居ると、くすぐったい気持になって」
まだ言うんですか?
あやせ「確かに、わたしはお兄さんに不快な思いをさせたかもしれません」
あやせ「でもそれは」
あやせ「桐乃を守ってるんだって、強く印象付けなきゃいけなかったから」
京介「印象付ける?」
あやせ「だって」
あやせ「守ってるって思わせないと、お兄さんに相談出来なかったから」
少し間を置く
あやせ「お兄さんに・・・会いたかったから」
京介「あいつと居ると、くすぐったい気持になって」
まだ言うんですか?
あやせ「確かに、わたしはお兄さんに不快な思いをさせたかもしれません」
あやせ「でもそれは」
あやせ「桐乃を守ってるんだって、強く印象付けなきゃいけなかったから」
京介「印象付ける?」
あやせ「だって」
あやせ「守ってるって思わせないと、お兄さんに相談出来なかったから」
少し間を置く
あやせ「お兄さんに・・・会いたかったから」
84: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/09(火) 00:27:13.33 ID:UG9a+Cuz0
あやせ「今のわたしはイヤですか?」
あやせ「怖いですか?」
ちょっとだけ近寄ってみる
お兄さんは
距離を取る仕草を見せなかった
京介「そんな事は・・・ない」
あやせ「わたしと居ると、どんな気持ちですか?」
お兄さんは
苦しそうに息を吐き出した
京介「待ってくれ、俺は別れたばっかで心の整理が!」
揺れてる
お兄さんの心は確実に揺れてる
だったら
次の言葉は、決定的なものになるかもしれない
あやせ「怖いですか?」
ちょっとだけ近寄ってみる
お兄さんは
距離を取る仕草を見せなかった
京介「そんな事は・・・ない」
あやせ「わたしと居ると、どんな気持ちですか?」
お兄さんは
苦しそうに息を吐き出した
京介「待ってくれ、俺は別れたばっかで心の整理が!」
揺れてる
お兄さんの心は確実に揺れてる
だったら
次の言葉は、決定的なものになるかもしれない
85: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/09(火) 01:05:48.00 ID:UG9a+Cuz0
あやせ「お兄さんを苦しめてるのは、彼女への想いじゃないですよね」
京介「え?」
あやせ「だって」
あやせ「お兄さんは、別れたばかりって言いました」
京介「た、確かに言ったが」
あやせ「別れたばかり“なのに”って、ただの罪悪感ですよね?」
京介「なっ!?」
京介「そう・・・なのか?」
ヒットした!
元カノへの、くすぶってる想い
それが
罪悪感へ置き換えられた
京介「え?」
あやせ「だって」
あやせ「お兄さんは、別れたばかりって言いました」
京介「た、確かに言ったが」
あやせ「別れたばかり“なのに”って、ただの罪悪感ですよね?」
京介「なっ!?」
京介「そう・・・なのか?」
ヒットした!
元カノへの、くすぶってる想い
それが
罪悪感へ置き換えられた
87: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/09(火) 01:42:47.42 ID:UG9a+Cuz0
でも
そんな罪悪感は、すぐに薄めてあげます
だって
罪悪感を感じるのは、わたしにだけでいいんですから
あやせ「わたし、待ちました」
あやせ「ずっとずっと、待ちました」
京介「・・・うん」
あやせ「だから、そんな事を逃げ道にしないで下さい」
京介「べ、別に逃げてる訳じゃなくて」
あやせ「じゃあ、何なんです?」
京介「そうきっぱりと割り切れないというか」
この会話をしながら
わたしは笑みが浮かんで来るのを
必死で我慢してたんです
お兄さん
気付いてませんか?
多分、気付いてないんですよね
もう、この話って
付き合う前提みたいになっちゃってますよ?
そんな罪悪感は、すぐに薄めてあげます
だって
罪悪感を感じるのは、わたしにだけでいいんですから
あやせ「わたし、待ちました」
あやせ「ずっとずっと、待ちました」
京介「・・・うん」
あやせ「だから、そんな事を逃げ道にしないで下さい」
京介「べ、別に逃げてる訳じゃなくて」
あやせ「じゃあ、何なんです?」
京介「そうきっぱりと割り切れないというか」
この会話をしながら
わたしは笑みが浮かんで来るのを
必死で我慢してたんです
お兄さん
気付いてませんか?
多分、気付いてないんですよね
もう、この話って
付き合う前提みたいになっちゃってますよ?
88: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/09(火) 02:04:49.60 ID:UG9a+Cuz0
またちょっと
お兄さんに近寄ってみる
お兄さんは動かない
複雑そうな
少しだけ申し訳なさそうな表情をしたままで
わたしは
お兄さんの頬に手を触れた
言い逃れさせないよう
じっと目を見つめながら
あやせ「もう、待つのはイヤ」
京介「そう・・・だよな」
わたしは
そのまま唇を重ね
お兄さんは
それを受け入れてくれた
お兄さんに近寄ってみる
お兄さんは動かない
複雑そうな
少しだけ申し訳なさそうな表情をしたままで
わたしは
お兄さんの頬に手を触れた
言い逃れさせないよう
じっと目を見つめながら
あやせ「もう、待つのはイヤ」
京介「そう・・・だよな」
わたしは
そのまま唇を重ね
お兄さんは
それを受け入れてくれた
89: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/09(火) 02:16:20.23 ID:UG9a+Cuz0
あやせ「わたしと」
あやせ「付き合ってくれますよね?」
少しの沈黙の後
お兄さんは、わたしを抱き締めた
京介「ああ」
京介「今まで、ごめんな」
こうして
わたしは自分の想いをかなえた
お兄さんをわたしのモノにする
そして
次の想いもかなえるだろう
誰にも渡さない
抱き締められた
わたしの顔に浮かぶ笑顔は
他の女の子が
恋を手に入れて輝く笑顔とは
ちょっと違っていたかもしれない
でも
それは仕方のない事だよね
あやせ「付き合ってくれますよね?」
少しの沈黙の後
お兄さんは、わたしを抱き締めた
京介「ああ」
京介「今まで、ごめんな」
こうして
わたしは自分の想いをかなえた
お兄さんをわたしのモノにする
そして
次の想いもかなえるだろう
誰にも渡さない
抱き締められた
わたしの顔に浮かぶ笑顔は
他の女の子が
恋を手に入れて輝く笑顔とは
ちょっと違っていたかもしれない
でも
それは仕方のない事だよね
90: ◆1BrjSSUSHI 2013/04/09(火) 02:18:13.67 ID:UG9a+Cuz0
引用元: あやせ「わたしが一番じゃなきゃイヤ」
京介「寝たふりして桐乃をやり過ごそうとしたらキスされた」
2020-03-12
4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29(水) 21:44:30.36 ID:R3iUS543O
ガチャッ
桐乃「あのさ、ちょっと人生相談があるんだけど…」
京介「ん…(桐乃か…今何時だと…)」
桐乃「ちょっと…聞いてんの?」ユサユサ
京介(いいから寝かせてくれ…こちとらお前のオススメのゲームとやらの攻略で昨日から寝てないんだからよ…)
桐乃「…寝てんの…かな?」
京介「…」スゥ
桐乃「兄貴…起きなよ…起きないとさ…」
京介「……」
桐乃「……」チュッ
京介「!?」
桐乃「あのさ、ちょっと人生相談があるんだけど…」
京介「ん…(桐乃か…今何時だと…)」
桐乃「ちょっと…聞いてんの?」ユサユサ
京介(いいから寝かせてくれ…こちとらお前のオススメのゲームとやらの攻略で昨日から寝てないんだからよ…)
桐乃「…寝てんの…かな?」
京介「…」スゥ
桐乃「兄貴…起きなよ…起きないとさ…」
京介「……」
桐乃「……」チュッ
京介「!?」
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【悲報】Twitterで3年前に「令和」を予言してたものがいたwwwwwwwww
48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29(水) 23:30:56.97 ID:R3iUS543O
桐乃「んっ…ちゅ…」
京介「~~~っ!?」
京介(な、なんだコレ!?な、何が起こって…っ!)
桐乃「ん…はぁ…兄貴…」
京介(ちょっ…ちょっと待て…これなんて工口ゲ…!?)
桐乃「起きて…ないよね…」ペシペシ
京介(き、桐乃と…キス…だと…!?)
桐乃「…」
桐乃「…ごめん」ボソッ
パタン
京介(出ていったか…っておい!)
京介「な、なんだよコレ!」ガバッ
55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29(水) 23:52:39.39 ID:R3iUS543O
京介「~っ!くそっ!」
京介「こんなんで寝れるかっ!」
京介「チッ…こうなったらゲームの続きでもして…」
京介「…」カチッ
京介「……」カチッカチッ
京介「………」カチッ
『お兄ちゃん…キス…して…?』
京介「!」
京介「くっ…」
京介「あり得ないだろ…こんなこと…うん、あり得ない…桐乃が…俺に…」
京介「…」
京介「…水でも飲みに行くか…」
パタン
京介「こんなんで寝れるかっ!」
京介「チッ…こうなったらゲームの続きでもして…」
京介「…」カチッ
京介「……」カチッカチッ
京介「………」カチッ
『お兄ちゃん…キス…して…?』
京介「!」
京介「くっ…」
京介「あり得ないだろ…こんなこと…うん、あり得ない…桐乃が…俺に…」
京介「…」
京介「…水でも飲みに行くか…」
パタン
56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/29(水) 23:59:18.58 ID:R3iUS543O
京介「落ち着け…俺…んぐっ…」ゴクゴク
京介「ぷはぁっ!…はぁ…よくよく考えたらマズいだろ、普通に…」
ガタッ
京介「ん?…あっ…」
桐乃「!」
京介「き、桐…」
桐乃「~~~っ!」カァッ
桐乃「っ!」ダッ
京介「お、おいっ!」
京介「…なんだよ…なんなんだよ…」
京介「ぷはぁっ!…はぁ…よくよく考えたらマズいだろ、普通に…」
ガタッ
京介「ん?…あっ…」
桐乃「!」
京介「き、桐…」
桐乃「~~~っ!」カァッ
桐乃「っ!」ダッ
京介「お、おいっ!」
京介「…なんだよ…なんなんだよ…」
61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/30(木) 00:07:21.02 ID:GEL+rcy8O
――――――――
桐乃(ヤバいヤバいヤバい!)ドキドキ
桐乃(アイツの顔まともに見れない…)カァッ
桐乃(なんで…あんなことしちゃったんだろ…)
桐乃(兄貴と…あんな…あたし…初キスだったのに…)
桐乃「…」ポーッ
桐乃「…唇って…男の人でも柔らかいんだ…」ボソッ
桐乃「~っ!」ボンッ
桐乃(あ、あたしのばかっ!)カァッ
桐乃(ヤバいヤバいヤバい!)ドキドキ
桐乃(アイツの顔まともに見れない…)カァッ
桐乃(なんで…あんなことしちゃったんだろ…)
桐乃(兄貴と…あんな…あたし…初キスだったのに…)
桐乃「…」ポーッ
桐乃「…唇って…男の人でも柔らかいんだ…」ボソッ
桐乃「~っ!」ボンッ
桐乃(あ、あたしのばかっ!)カァッ
62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/30(木) 00:14:59.99 ID:GEL+rcy8O
コンコン
桐乃「!」ビクゥッ
京介「あー…俺だけど…入っていいか?」
桐乃「だ、だめっ!絶対だめっ!」
桐乃(い、今アイツの顔見れないっ!)
京介「…こっちはお前に聞きたいことが…」
桐乃「あたしは無いの!!」
京介「はぁ…いいから入るぞ」グッ
桐乃「く、来んなヘン夕イ!」
京介(…くそ…どっちがヘン夕イだよ…)
桐乃「!」ビクゥッ
京介「あー…俺だけど…入っていいか?」
桐乃「だ、だめっ!絶対だめっ!」
桐乃(い、今アイツの顔見れないっ!)
京介「…こっちはお前に聞きたいことが…」
桐乃「あたしは無いの!!」
京介「はぁ…いいから入るぞ」グッ
桐乃「く、来んなヘン夕イ!」
京介(…くそ…どっちがヘン夕イだよ…)
67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/30(木) 00:25:06.78 ID:GEL+rcy8O
京介「お前だって俺に話あんだろうが!だからそこどけっ!」
桐乃「はぁ!?あるわけないじゃん!だからどかないし!」
京介「お前さっき人生相談あるっつっただろ!」
桐乃「えっ…」
ガタンッ
京介「いっ…!おまっ…急に手離すな!」
桐乃「…なんで…あんた…そのこと知ってんの…?」
京介「は…?…そのこと…?」
桐乃「人生相談の話…」
京介「はぁ?だってお前自分から…あっ!?」
京介(ぼ、墓穴掘った…!)
桐乃「はぁ!?あるわけないじゃん!だからどかないし!」
京介「お前さっき人生相談あるっつっただろ!」
桐乃「えっ…」
ガタンッ
京介「いっ…!おまっ…急に手離すな!」
桐乃「…なんで…あんた…そのこと知ってんの…?」
京介「は…?…そのこと…?」
桐乃「人生相談の話…」
京介「はぁ?だってお前自分から…あっ!?」
京介(ぼ、墓穴掘った…!)
71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/30(木) 00:40:09.73 ID:GEL+rcy8O
京介「それは…その…あれだ…うん…」
桐乃「…寝てたんじゃ…ないの…?」
京介「えっ…」
桐乃「だ、だってあの時…起きなかったじゃん…」
京介「お、おい…」
桐乃「あたしっ…あの後っ…~~~っ!」カアァッ
京介「その…なんだ、うん…俺の話ってのはそのことなんだが…」
桐乃「~っ!」
桐乃(バレた…バレたバレたバレた!兄貴にっ…)
桐乃「…寝てたんじゃ…ないの…?」
京介「えっ…」
桐乃「だ、だってあの時…起きなかったじゃん…」
京介「お、おい…」
桐乃「あたしっ…あの後っ…~~~っ!」カアァッ
京介「その…なんだ、うん…俺の話ってのはそのことなんだが…」
桐乃「~っ!」
桐乃(バレた…バレたバレたバレた!兄貴にっ…)
75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/30(木) 00:51:05.75 ID:GEL+rcy8O
――――――
京介「おーい」
桐乃「やだ」
京介「話を…」
桐乃「やだ」
京介「…まずそのお前がくるまってるその布団を取れ」
桐乃「やだ」
京介「…」
桐乃「やだ」
京介「…」
桐乃「…」チラッ
京介「はぁ…じゃあそのままでいいから聞け」
桐乃「やだ!」
京介「おーい」
桐乃「やだ」
京介「話を…」
桐乃「やだ」
京介「…まずそのお前がくるまってるその布団を取れ」
桐乃「やだ」
京介「…」
桐乃「やだ」
京介「…」
桐乃「…」チラッ
京介「はぁ…じゃあそのままでいいから聞け」
桐乃「やだ!」
83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/30(木) 01:05:52.64 ID:GEL+rcy8O
京介「あのさ、お前…俺に…キス…したよな?」
桐乃「してない」
京介「しただろ」
桐乃「してない」
京介「…」
桐乃「してないもん」
京介「…」バッ
桐乃「きゃっ!」
京介「ふざけんなっ!アレが俺の、ふ、ファーストキスだったんだぞ!」
桐乃「っ!あたしだって初めてだったんだからっ!」
京介「えっ…」
桐乃「あっ…」カァッ
京介「そ、そっか…」
桐乃「あぅ…」モジッ
桐乃「してない」
京介「しただろ」
桐乃「してない」
京介「…」
桐乃「してないもん」
京介「…」バッ
桐乃「きゃっ!」
京介「ふざけんなっ!アレが俺の、ふ、ファーストキスだったんだぞ!」
桐乃「っ!あたしだって初めてだったんだからっ!」
京介「えっ…」
桐乃「あっ…」カァッ
京介「そ、そっか…」
桐乃「あぅ…」モジッ
88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/30(木) 01:28:15.09 ID:GEL+rcy8O
京介「…っていうかお前初めて…!?」
桐乃「う、うっさい!いいでしょ別に!あたしがキ、キスしてあげたんだから感謝しなさいよっ!」
京介「…」
桐乃「ゲームだってヒロインがお兄ちゃんとキスしてるじゃん!だからっ…」
京介「ゲームと一緒にすんなっ!」
桐乃「えっ」ビクッ
京介「大事な初めてを俺なんかにしやがって…!そういうのは彼氏とか…ホントに好きな奴と…!」
桐乃「うっさいうっさいうっさい!!」
桐乃「わかってる!わかってるもん!」
京介「わかってねぇだろうがっ!」
桐乃「わかってないのは兄貴でしょっ!?」
京介「えっ…」
桐乃「う、うっさい!いいでしょ別に!あたしがキ、キスしてあげたんだから感謝しなさいよっ!」
京介「…」
桐乃「ゲームだってヒロインがお兄ちゃんとキスしてるじゃん!だからっ…」
京介「ゲームと一緒にすんなっ!」
桐乃「えっ」ビクッ
京介「大事な初めてを俺なんかにしやがって…!そういうのは彼氏とか…ホントに好きな奴と…!」
桐乃「うっさいうっさいうっさい!!」
桐乃「わかってる!わかってるもん!」
京介「わかってねぇだろうがっ!」
桐乃「わかってないのは兄貴でしょっ!?」
京介「えっ…」
95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/30(木) 01:40:54.52 ID:GEL+rcy8O
桐乃「あたしはっ…好きな人とキス出来たもん!」
京介「は…?えっ…」
桐乃「けどっ…あたしら兄妹だしっ…どうしていいかわかんないからっ…」
京介「え…え…?」
桐乃「隠れてするしかっ…なくてっ…っく…」ポロ
桐乃「なんでっ…起きてたのよ…ひっく…眠っててよ…っく…」
桐乃「だったら…この気持ちは…っく…あたしの中だけに…閉まっておけたのに…ひっく…」ポロポロ
桐乃「どうすれば…良かったのよ…教えてよ…兄貴ぃ…」
京介「桐…乃…」
京介「は…?えっ…」
桐乃「けどっ…あたしら兄妹だしっ…どうしていいかわかんないからっ…」
京介「え…え…?」
桐乃「隠れてするしかっ…なくてっ…っく…」ポロ
桐乃「なんでっ…起きてたのよ…ひっく…眠っててよ…っく…」
桐乃「だったら…この気持ちは…っく…あたしの中だけに…閉まっておけたのに…ひっく…」ポロポロ
桐乃「どうすれば…良かったのよ…教えてよ…兄貴ぃ…」
京介「桐…乃…」
106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/30(木) 02:00:47.76 ID:GEL+rcy8O
京介(ふざけんな…さっきから自分の意見ばっかり言いやがって…)
京介(俺の意思は無視かよ…)
京介(俺は…桐乃のことどう思ってんだろう…?)
桐乃「ひっく…うぇ…教えてよ…兄貴ぃ…」ポロポロ
京介「…」ポリポリ
京介「あー…よし」
京介(しょうがねぇよな…)
京介「桐乃…」グッ
桐乃「ふぇ…?」
京介(俺の妹は…)
京介「んっ…」チュウ
桐乃「んっ!?」ビクゥッ
京介(こんなにも可愛いんだから…)
京介(俺の意思は無視かよ…)
京介(俺は…桐乃のことどう思ってんだろう…?)
桐乃「ひっく…うぇ…教えてよ…兄貴ぃ…」ポロポロ
京介「…」ポリポリ
京介「あー…よし」
京介(しょうがねぇよな…)
京介「桐乃…」グッ
桐乃「ふぇ…?」
京介(俺の妹は…)
京介「んっ…」チュウ
桐乃「んっ!?」ビクゥッ
京介(こんなにも可愛いんだから…)
111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/30(木) 02:18:18.72 ID:GEL+rcy8O
京介「ん…」チュ
桐乃「ん…んんっ…!」ピクン
京介「はぁ…桐乃…」
桐乃「…兄…貴…」ポーッ
京介「…なんつーか、ごめんな…?」
桐乃「…もっと」
京介「は…?」
桐乃「…もっと…したい…」ギュッ
京介「ば、バカ…」
桐乃「…兄貴から…してよ…」ジッ
京介「っ!(くそっ…か、可愛い…)」
京介「…いいのか?」
桐乃「…聞くな、ばか…」
京介「ん…」チュウ
桐乃「んっ…」
桐乃「ん…んんっ…!」ピクン
京介「はぁ…桐乃…」
桐乃「…兄…貴…」ポーッ
京介「…なんつーか、ごめんな…?」
桐乃「…もっと」
京介「は…?」
桐乃「…もっと…したい…」ギュッ
京介「ば、バカ…」
桐乃「…兄貴から…してよ…」ジッ
京介「っ!(くそっ…か、可愛い…)」
京介「…いいのか?」
桐乃「…聞くな、ばか…」
京介「ん…」チュウ
桐乃「んっ…」
114: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/30(木) 02:34:16.82 ID:GEL+rcy8O
京介「ぷはっ…これでいいよな?」
桐乃「うん…」カァッ
京介「その…なんだ…お前に彼氏できるまでの間なら…キ、キスしてやるよ…」
桐乃「…ちょーし乗んな、ばーか…」
京介「わ、わり…」
桐乃「それに…」
桐乃「別に彼氏なんていらないし…」
京介「…な、なんでだよ?」
桐乃「~~~っ!い、言わせんなっ!ばかっ!」カアァッ
桐乃「…あ…アンタが…いるじゃん…」ボソッ
京介「えっ…」
桐乃「も、もう言わないからっ!」カァッ
桐乃「うん…」カァッ
京介「その…なんだ…お前に彼氏できるまでの間なら…キ、キスしてやるよ…」
桐乃「…ちょーし乗んな、ばーか…」
京介「わ、わり…」
桐乃「それに…」
桐乃「別に彼氏なんていらないし…」
京介「…な、なんでだよ?」
桐乃「~~~っ!い、言わせんなっ!ばかっ!」カアァッ
桐乃「…あ…アンタが…いるじゃん…」ボソッ
京介「えっ…」
桐乃「も、もう言わないからっ!」カァッ
116: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/30(木) 02:56:59.30 ID:GEL+rcy8O
京介「ふーん…そうか」ニヤニヤ
桐乃「ニヤニヤすんな、キモいから…」
京介「わ、わり…そういえばさ、お前の人生相談って何だったんだ?」
桐乃「あ、それね…そのさ、欲しいゲームあるのね…」
京介「へいへい、また買って来いと…わかったわかった…」
桐乃「じゃなくてっ!」
京介「?」
桐乃「今度、一緒に買いに行こ?」
京介「!お、おう!」
桐乃「えへへ…絶対だかんね!」パァッ
桐乃「ニヤニヤすんな、キモいから…」
京介「わ、わり…そういえばさ、お前の人生相談って何だったんだ?」
桐乃「あ、それね…そのさ、欲しいゲームあるのね…」
京介「へいへい、また買って来いと…わかったわかった…」
桐乃「じゃなくてっ!」
京介「?」
桐乃「今度、一緒に買いに行こ?」
京介「!お、おう!」
桐乃「えへへ…絶対だかんね!」パァッ
117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/30(木) 03:00:54.69 ID:GEL+rcy8O
とりあえず終わりです
書いてて思った
なんだこのバカップル
書いてて思った
なんだこのバカップル
118: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/30(木) 03:04:46.65 ID:72CelDGhO
乙
桐乃かわいいよ桐乃
桐乃かわいいよ桐乃
引用元: 京介「寝たふりして桐乃をやり過ごそうとしたらキスされた」
桐乃「うざっ」京介「あーキレたぶちギレたねもう我慢の限界だ」
2020-02-04
1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 00:35:28.34 ID:MFaeckvQ0
桐乃「…はあ?あんた何言ってんの?」
京介「お前最近調子乗りすぎだよな」
桐乃「きもっ。どっちがだっての」
京介「うるせーんだよボケ!!!」ドカッ
京介「お前最近調子乗りすぎだよな」
桐乃「きもっ。どっちがだっての」
京介「うるせーんだよボケ!!!」ドカッ
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4: >>1です。もしもしからですまん 2011/10/13(木) 00:38:05.86 ID:VLsyjXD3O
桐乃「なっ……あんたついに頭おかしくなっちゃった?」
京介「頭おかしいのはどっちだよ」
桐乃「はあ?」
京介「お前は普段からそんな性格だから分からねーだろうけどな、それが兄貴に対する妹の態度かよ」
桐乃「うっざ。つーか何?あんたあたしに説教したいわけ?」
京介「それだよ。何だよその口の聞き方は」
桐乃「別にいつも通りなんだけど」
京介「開き直ってんじゃねーよクソアマ!!!」
京介「頭おかしいのはどっちだよ」
桐乃「はあ?」
京介「お前は普段からそんな性格だから分からねーだろうけどな、それが兄貴に対する妹の態度かよ」
桐乃「うっざ。つーか何?あんたあたしに説教したいわけ?」
京介「それだよ。何だよその口の聞き方は」
桐乃「別にいつも通りなんだけど」
京介「開き直ってんじゃねーよクソアマ!!!」
14: >>1です。もしもしからですまん 2011/10/13(木) 00:43:45.03 ID:VLsyjXD3O
桐乃「はあ…?」
京介「大体なぁ、兄貴に暴力振るうとか普通の妹ならあり得ねーんだよ」
桐乃「…」
京介「なのにテメーは俺が文句言わないことを良いことにつけあがりやがって」
京介「いい加減こっちにも我慢の限界ってもんがあるだろーが」
桐乃「……あんた…」
京介「あ?」
桐乃「…あんた本当に京介…?」
京介「呼び捨てにすんじゃねーボケェ!」ドカッ
桐乃「いたっ!」
京介「大体なぁ、兄貴に暴力振るうとか普通の妹ならあり得ねーんだよ」
桐乃「…」
京介「なのにテメーは俺が文句言わないことを良いことにつけあがりやがって」
京介「いい加減こっちにも我慢の限界ってもんがあるだろーが」
桐乃「……あんた…」
京介「あ?」
桐乃「…あんた本当に京介…?」
京介「呼び捨てにすんじゃねーボケェ!」ドカッ
桐乃「いたっ!」
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 00:47:32.50 ID:VLsyjXD3O
京介「兄貴を呼び捨てにするなんてテメェは一体何様なんだよ!ああ!?」
桐乃「んなっ!あんた妹に手あげるとか!」
京介「お前が俺に散々やってきたことだろうが!!」
桐乃「っ…!」
京介「どうだ?痛いだろ?痛いよなぁ?殴られるのは誰だって痛いんだよ」
桐乃「…」
京介「だけど俺はずっと我慢してきた。それで良いと思ってた時期もあったさ」
桐乃「……」
桐乃「んなっ!あんた妹に手あげるとか!」
京介「お前が俺に散々やってきたことだろうが!!」
桐乃「っ…!」
京介「どうだ?痛いだろ?痛いよなぁ?殴られるのは誰だって痛いんだよ」
桐乃「…」
京介「だけど俺はずっと我慢してきた。それで良いと思ってた時期もあったさ」
桐乃「……」
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 00:52:29.22 ID:VLsyjXD3O
京介「なのにテメェは最近俺のことを呼び捨てで呼び始めるし、調子にのる一方だ」
桐乃「そ、それは…!」
京介「あ?なんだよ?」
桐乃「それは…」
京介「まだ文句あるのか?」
桐乃「…」
京介「用がすんだらさっさと俺の部屋から出てけ。お前なんかもう妹だと思ってねーからよ」
桐乃「ぁ…」
桐乃「そ、それは…!」
京介「あ?なんだよ?」
桐乃「それは…」
京介「まだ文句あるのか?」
桐乃「…」
京介「用がすんだらさっさと俺の部屋から出てけ。お前なんかもう妹だと思ってねーからよ」
桐乃「ぁ…」
34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 00:57:10.88 ID:VLsyjXD3O
京介「さっさと出ていけっつってんだろ!!!」
桐乃「……」
桐乃「……あんたの言いたいことはよーく分かった。あたしだって元からあんたのこと兄貴だと思ってなかったし」
京介「そりゃ良かった」
桐乃「言われなくても出ていくっての!」バタン!
桐乃「……」
桐乃「……あんたの言いたいことはよーく分かった。あたしだって元からあんたのこと兄貴だと思ってなかったし」
京介「そりゃ良かった」
桐乃「言われなくても出ていくっての!」バタン!
43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 01:01:32.19 ID:VLsyjXD3O
京介「…二度と来んなよ」
京介「…」
京介「……」
京介「はあ…」ドサッ
京介「これで…」
京介「これで……良かったんだよな…………あやせ……」
53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 01:06:49.39 ID:VLsyjXD3O
~数時間前~
京介「……はい?」
あやせ「ですから、桐乃に嫌われてくださいお兄さん」
京介「い、言ってる意味が分からないんだが…」
あやせ「このままだと取り返しのつかないことになりますよ?」
京介「……はい?」
あやせ「ですから、桐乃に嫌われてくださいお兄さん」
京介「い、言ってる意味が分からないんだが…」
あやせ「このままだと取り返しのつかないことになりますよ?」
61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 01:11:09.19 ID:VLsyjXD3O
京介「だからちょっと待ってくれって!
いきなり呼び出されたかと思ったら「桐乃に嫌われろ」だなんて意味が分からなすぎるだろ
俺に分かるよう説明してくれよ」
あやせ「まったく…お兄さんは理解能力が低いんですね」
京介「ほっとけ」
あやせ「まあ冗談は置いておいて、私がこんなことを言い出すきっかけになったものが…」ゴソゴソ
京介「?」
あやせ「これです」スッ
いきなり呼び出されたかと思ったら「桐乃に嫌われろ」だなんて意味が分からなすぎるだろ
俺に分かるよう説明してくれよ」
あやせ「まったく…お兄さんは理解能力が低いんですね」
京介「ほっとけ」
あやせ「まあ冗談は置いておいて、私がこんなことを言い出すきっかけになったものが…」ゴソゴソ
京介「?」
あやせ「これです」スッ
64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 01:13:14.91 ID:VLsyjXD3O
京介「ん…?こ、これ…工口ゲー…か…?」
あやせ「ええ、そうです」
京介「ヨスガ…?」
あやせ「ヨスガノソラです」
京介「……ま~た桐乃に勧められたのか…」
あやせ「いえ、これは私が自分で買ったものです」
あやせ「ええ、そうです」
京介「ヨスガ…?」
あやせ「ヨスガノソラです」
京介「……ま~た桐乃に勧められたのか…」
あやせ「いえ、これは私が自分で買ったものです」
73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 01:18:35.07 ID:VLsyjXD3O
京介「お、お前!ついに工口ゲーに目覚めて」
あやせ「やめて下さい。気持ち悪いです」
京介「お、おお…悪い」
あやせ「これは桐乃とゲームをやってる時に桐乃が頑なに私に見せることを拒否してたものなんです」
京介「桐乃が…?珍しいな…」
あやせ「ですよね?だから私はこれは怪しいと思ったんですよ」
京介「ふーん。それで面白かったのか?そのゲーム」
あやせ「…」
あやせ「やめて下さい。気持ち悪いです」
京介「お、おお…悪い」
あやせ「これは桐乃とゲームをやってる時に桐乃が頑なに私に見せることを拒否してたものなんです」
京介「桐乃が…?珍しいな…」
あやせ「ですよね?だから私はこれは怪しいと思ったんですよ」
京介「ふーん。それで面白かったのか?そのゲーム」
あやせ「…」
77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 01:21:47.66 ID:VLsyjXD3O
京介「あやせ?」
あやせ「……悪い…」
京介「え?」
あやせ「気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い」
京介「あ、あやせ!?ひとまず落ち着け!」
あやせ「思い出すだけで吐き気がします」
京介「そ、そんなにひどかったのか…」
あやせ「……悪い…」
京介「え?」
あやせ「気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い」
京介「あ、あやせ!?ひとまず落ち着け!」
あやせ「思い出すだけで吐き気がします」
京介「そ、そんなにひどかったのか…」
90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 01:32:21.64 ID:VLsyjXD3O
京介「い、いや…別にいいんじゃねーか?た、たかがゲームなんだし…」
あやせ「たかが…?ゲーム…?」
京介「ああ…現実世界とごっちゃにはしないって桐乃も言ってたし、心配しなくても」
あやせ「…」カキカキ
京介「あやせ?お前地面に何書いてるんだ?」
あやせ「お兄さんと桐乃の関係図です」
京介「なんだこれ…?『←桐乃 ←京介』?」
あやせ「たかが…?ゲーム…?」
京介「ああ…現実世界とごっちゃにはしないって桐乃も言ってたし、心配しなくても」
あやせ「…」カキカキ
京介「あやせ?お前地面に何書いてるんだ?」
あやせ「お兄さんと桐乃の関係図です」
京介「なんだこれ…?『←桐乃 ←京介』?」
95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 01:39:55.66 ID:VLsyjXD3O
あやせ「突然ですけど、お兄さんは以前から桐乃のことが好きですよね?」
京介「本当に突然だな」
あやせ「いいから答えてください」
京介「まあ…そりゃなんだかんだ妹だし…兄貴が妹を好きなのは当然だろ?」
あやせ「ですよね?それなら桐乃がお兄さんのことを好きになったらどうなると思います?」
京介「本当に突然だな」
あやせ「いいから答えてください」
京介「まあ…そりゃなんだかんだ妹だし…兄貴が妹を好きなのは当然だろ?」
あやせ「ですよね?それなら桐乃がお兄さんのことを好きになったらどうなると思います?」
101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 01:43:57.42 ID:VLsyjXD3O
京介「は?」
あやせ「どうなると思います?」
京介「何を言い出すかと思えば…それは絶対にありえないだろ」
あやせ「なぜですか?」
あやせ「どうなると思います?」
京介「何を言い出すかと思えば…それは絶対にありえないだろ」
あやせ「なぜですか?」
103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 01:48:14.31 ID:VLsyjXD3O
京介「なぜって…あいつは俺のこと大嫌いだからだよ。お前だって知ってるだ」
あやせ「お兄さん。最近いつ桐乃に殴られました?」
京介「そんなの毎日だよ。昨日だって…あ、あれ?」
あやせ「…いつですか?」
京介「一昨日…いやその前か…?えっ?あれ?」
あやせ「お兄さん。最近いつ桐乃に殴られました?」
京介「そんなの毎日だよ。昨日だって…あ、あれ?」
あやせ「…いつですか?」
京介「一昨日…いやその前か…?えっ?あれ?」
107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 01:52:25.41 ID:VLsyjXD3O
あやせ「思った通りです」
京介「俺、最近…桐乃に…殴られて…ない…?」
あやせ「桐乃は以前より明らかにお兄さんのことを好きになってます」
京介「なっ!それはない!断じてない!」
あやせ「まだいいますか」
京介「俺、最近…桐乃に…殴られて…ない…?」
あやせ「桐乃は以前より明らかにお兄さんのことを好きになってます」
京介「なっ!それはない!断じてない!」
あやせ「まだいいますか」
111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 01:56:34.02 ID:VLsyjXD3O
京介「ほらっ!あいつ最近俺のこと呼び捨てにしてるしな!俺のことナメてる証拠だろ?」
あやせ「それがお兄さんをお兄さんとしてではなく異性として見ていたとしたらどうですか?」
京介「!!!」
あやせ「異性として見た瞬間に呼び捨てなんてものは途端に意味を持たなくなります」
あやせ「それがお兄さんをお兄さんとしてではなく異性として見ていたとしたらどうですか?」
京介「!!!」
あやせ「異性として見た瞬間に呼び捨てなんてものは途端に意味を持たなくなります」
114: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 02:00:31.34 ID:VLsyjXD3O
あやせ「いえ…むしろ…異性として見ることの意味合いがより強くなりますよね…」
京介「あ、あやせ…お前…」
あやせ「…」
京介「何が言いたい…?」
あやせ「今まではお兄さんが桐乃に対して一方通行な愛情を注いでいただけですので、まだ救いがありました」
京介「あ、あやせ…お前…」
あやせ「…」
京介「何が言いたい…?」
あやせ「今まではお兄さんが桐乃に対して一方通行な愛情を注いでいただけですので、まだ救いがありました」
117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 02:06:25.82 ID:VLsyjXD3O
京介「ああ…」
あやせ「ですが、桐乃がお兄さんに異性としての感情を持ってしまったらどうなるでしょう?」
京介「それは…」
あやせ「つまりこの『←桐乃 ←京介』は今までの愛情ベクトルを表しているんですよ」
京介「…」
あやせ「ですが、桐乃がお兄さんに異性としての感情を持ってしまったらどうなるでしょう?」
京介「それは…」
あやせ「つまりこの『←桐乃 ←京介』は今までの愛情ベクトルを表しているんですよ」
京介「…」
121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 02:12:26.22 ID:VLsyjXD3O
あやせ「しかし現在はベクトル変換が発生しました」カキカキ
京介「!」
あやせ「よって桐乃の愛情ベクトルは逆転…『桐乃→←京介』」
京介「こ、これは…」
あやせ「これが!一体!何を意味するのか!!!」バキッ
京介「あ、あやせ!?」
京介「!」
あやせ「よって桐乃の愛情ベクトルは逆転…『桐乃→←京介』」
京介「こ、これは…」
あやせ「これが!一体!何を意味するのか!!!」バキッ
京介「あ、あやせ!?」
123: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 02:17:52.52 ID:VLsyjXD3O
あやせ「そう!愛情ベクトルの衝突!
これ!即ち!!!
近!親!相!姦!!!」
京介「なっ…」
あやせ「それだけは!それだけはあああああ!絶対に避けないとおおおおおおおおお!!」
京介「おおお落ち着けあやせ!」
あやせ「怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い」
これ!即ち!!!
近!親!相!姦!!!」
京介「なっ…」
あやせ「それだけは!それだけはあああああ!絶対に避けないとおおおおおおおおお!!」
京介「おおお落ち着けあやせ!」
あやせ「怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い」
126: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 02:23:21.19 ID:VLsyjXD3O
京介「あやせ!正気に戻れ!!!」
あやせ「はあ、はあ、はあ…」
京介「大丈夫か?」
あやせ「…事の重大さがわかっていただけましたか?」
京介「あ、ああ…少し大袈裟すぎる気もするが…」
あやせ「大袈裟ぁ!?このヘン夕イはまだそんなことを言うんですかぁ!?」ガクガク
京介「わ、分かった分かった!よーく分かりました!」
あやせ「はあ、はあ、はあ…」
京介「大丈夫か?」
あやせ「…事の重大さがわかっていただけましたか?」
京介「あ、ああ…少し大袈裟すぎる気もするが…」
あやせ「大袈裟ぁ!?このヘン夕イはまだそんなことを言うんですかぁ!?」ガクガク
京介「わ、分かった分かった!よーく分かりました!」
129: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 02:26:53.98 ID:VLsyjXD3O
あやせ「そうですか、それならいいんです」
京介「ほっ…」
あやせ「それじゃ協力してくれますよね?」
京介「あ、ああ…桐乃に嫌われればいいんだろ?適当に無視でもしてりゃ…」
あやせ「それじゃ駄目なんですよぉぉぉぉ!!!!!」ガッ
京介「ほっ…」
あやせ「それじゃ協力してくれますよね?」
京介「あ、ああ…桐乃に嫌われればいいんだろ?適当に無視でもしてりゃ…」
あやせ「それじゃ駄目なんですよぉぉぉぉ!!!!!」ガッ
130: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 02:30:31.07 ID:VLsyjXD3O
京介「うおっ!?」
あやせ「大切なのはお兄さんが桐乃を嫌いになるだけでなく、桐乃がお兄さんを嫌いにならないといけないということです」
京介「なんでそこまで…」
あやせ「お兄さんが桐乃を嫌いになっただけでは『桐乃→←京介』の関係図は『桐乃→ 京介→』にしかなりません」
京介「それじゃ駄目なのか?」
あやせ「大切なのはお兄さんが桐乃を嫌いになるだけでなく、桐乃がお兄さんを嫌いにならないといけないということです」
京介「なんでそこまで…」
あやせ「お兄さんが桐乃を嫌いになっただけでは『桐乃→←京介』の関係図は『桐乃→ 京介→』にしかなりません」
京介「それじゃ駄目なのか?」
135: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 02:36:52.86 ID:VLsyjXD3O
あやせ「お兄さんが桐乃のことを本気で嫌いになれるはずありませんから」
京介「ぐっ…」
あやせ「ですから『桐乃→ 京介→』を『←桐乃 京介→』に変えないといけません」
京介「つまり…?」
あやせ「桐乃を殴って下さい」
京介「なっ!?そんなこと出来るわけ…」
あやせ「できないというなら無理にやらせる気はありません。
妹を汚した兄として世間から追放され一生その罪を背負いながら後悔の中で生きていくというなら…」
京介「ぐっ…」
あやせ「ですから『桐乃→ 京介→』を『←桐乃 京介→』に変えないといけません」
京介「つまり…?」
あやせ「桐乃を殴って下さい」
京介「なっ!?そんなこと出来るわけ…」
あやせ「できないというなら無理にやらせる気はありません。
妹を汚した兄として世間から追放され一生その罪を背負いながら後悔の中で生きていくというなら…」
137: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 02:43:20.37 ID:VLsyjXD3O
京介「わ、わかった!わかりました!やりますやらせてください」
あやせ「最初からそう言えばいいんです」
京介「ちきしょう…」
あやせ「一度『←桐乃 京介→』ベクトルが完成してしまえばしばらくは安心です。
仮にお兄さんが桐乃を好きになったとしても、一度お兄さんを嫌った桐乃はそう簡単に元には戻りません」
京介「そのための暴力…か」
あやせ「最初からそう言えばいいんです」
京介「ちきしょう…」
あやせ「一度『←桐乃 京介→』ベクトルが完成してしまえばしばらくは安心です。
仮にお兄さんが桐乃を好きになったとしても、一度お兄さんを嫌った桐乃はそう簡単に元には戻りません」
京介「そのための暴力…か」
138: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 02:46:34.22 ID:VLsyjXD3O
あやせ「そうです」
京介「そうか…。桐乃が俺を好きなんて絶対ないとは思うが、念には念をいれとかないとな」
あやせ「こうなったのは全てお兄さんの行き過ぎた優しさが原因です。自分で責任をとってください」
京介「…分かったよ」
あやせ「その調子です。桐乃の目を覚ましてやりましょう」
京介「ああ、ここまで来たらやるしかないな」
あやせ「…やってやるです」
京介「そうか…。桐乃が俺を好きなんて絶対ないとは思うが、念には念をいれとかないとな」
あやせ「こうなったのは全てお兄さんの行き過ぎた優しさが原因です。自分で責任をとってください」
京介「…分かったよ」
あやせ「その調子です。桐乃の目を覚ましてやりましょう」
京介「ああ、ここまで来たらやるしかないな」
あやせ「…やってやるです」
143: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 02:51:21.52 ID:VLsyjXD3O
~京介の部屋~
京介「……とは言ったものの…やっぱりマジで妹を殴れるわけねーよな…」
京介「手加減したつもりだったけど…」
京介「あいつ…痛がってたな…」
京介「ああくそ…しっかりしろ俺…桐乃に嫌われなきゃならないんだろ…」
京介「……とは言ったものの…やっぱりマジで妹を殴れるわけねーよな…」
京介「手加減したつもりだったけど…」
京介「あいつ…痛がってたな…」
京介「ああくそ…しっかりしろ俺…桐乃に嫌われなきゃならないんだろ…」
146: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 02:55:42.99 ID:VLsyjXD3O
桐乃の部屋
桐乃「ムカつく!!!」
桐乃「ムカつくムカつくムカつく~~~~~!!!」
桐乃「なに突然あいつ調子に乗っちゃってんの?ああもうイライラする」
桐乃「…」
桐乃「……チッ」ドガッ!
桐乃「ムカつく!!!」
桐乃「ムカつくムカつくムカつく~~~~~!!!」
桐乃「なに突然あいつ調子に乗っちゃってんの?ああもうイライラする」
桐乃「…」
桐乃「……チッ」ドガッ!
151: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 03:02:11.62 ID:VLsyjXD3O
桐乃「壁殴っときゃあいつも少しはおとなしくなんでしょ」フッ
ッッドガアアアアアアアアアアアア!!!!
桐乃「っ!」ビクッ
桐乃「…」シーン
桐乃「な…」
桐乃「なによ…」
桐乃「あいつ…そんなに怒ってるわけ…?」
155: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 03:06:38.59 ID:VLsyjXD3O
~翌日~
京介「ふわぁ~よく寝た~」ガチャ
桐乃「あっ」ガチャ
京介「…」スタスタ
桐乃「…」
京介「ふわぁ~よく寝た~」ガチャ
桐乃「あっ」ガチャ
京介「…」スタスタ
桐乃「…」
159: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 03:09:31.49 ID:VLsyjXD3O
桐乃「な、なに?あんたも少しは反省した?これに懲りたら二度と」
京介「あー今日テストかー麻奈美に教えてもらわないとなー」スタスタ
桐乃「…」
桐乃「ちっ…無視…ね。上等じゃん。もう謝っても絶対にゆるしてやんない」
京介「あー今日テストかー麻奈美に教えてもらわないとなー」スタスタ
桐乃「…」
桐乃「ちっ…無視…ね。上等じゃん。もう謝っても絶対にゆるしてやんない」
165: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 03:16:07.58 ID:VLsyjXD3O
~学校~
あやせ「あっ、おはよう!桐乃」
桐乃「ああ、あやせ…うん、おはよ」
あやせ「どうしたの?なんか桐乃元気ないよ?」
桐乃「そう見える?」
あやせ「…うん」
あやせ「あっ、おはよう!桐乃」
桐乃「ああ、あやせ…うん、おはよ」
あやせ「どうしたの?なんか桐乃元気ないよ?」
桐乃「そう見える?」
あやせ「…うん」
168: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 03:20:53.98 ID:VLsyjXD3O
桐乃「いや、昨日京介と喧嘩しちゃってさ…」
あやせ「そっか…」
桐乃「あいつ…今までにないくらい…怒ってた…」
あやせ「…」
桐乃「やっぱり…あたしが悪いのかもしれな」
あやせ「負けちゃ駄目だよ桐乃!」
桐乃「!」
173: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 03:25:54.59 ID:VLsyjXD3O
あやせ「それはお兄さんが桐乃のこと気に入らないってだけだと思うよ」
桐乃「そ…」
あやせ「桐乃は何にも悪くない」
桐乃「そ、そうだよね!あたし悪くないよね!ああ~思い出したら腹立ってきた!」
あやせ「それでこそ桐乃だよ!頑張ってね!」
桐乃「そ…」
あやせ「桐乃は何にも悪くない」
桐乃「そ、そうだよね!あたし悪くないよね!ああ~思い出したら腹立ってきた!」
あやせ「それでこそ桐乃だよ!頑張ってね!」
179: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 03:29:39.51 ID:VLsyjXD3O
桐乃「ありがとあやせ!家帰ったらとりあえず一発殴っとく」
あやせ「あはは~それじゃあね!桐乃!」
桐乃「うん。ばいばい!あやせ!」タッタッタッ
あやせ「…」
あやせ「さて…」
あやせ「おかげ様で全てが順調ですよお兄さん」
あやせ「あはは~それじゃあね!桐乃!」
桐乃「うん。ばいばい!あやせ!」タッタッタッ
あやせ「…」
あやせ「さて…」
あやせ「おかげ様で全てが順調ですよお兄さん」
183: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 03:35:32.53 ID:VLsyjXD3O
~自宅~
京介「ただいまーっと」ガチャ
桐乃「あんた何平気な顔して帰ってきてんの?なんかあたしに言うことないわけ?」
京介「…」スタスタ
桐乃「ちょっと!」
京介「ああやべーな、麦茶あと半分しかねーや」
京介「ただいまーっと」ガチャ
桐乃「あんた何平気な顔して帰ってきてんの?なんかあたしに言うことないわけ?」
京介「…」スタスタ
桐乃「ちょっと!」
京介「ああやべーな、麦茶あと半分しかねーや」
187: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 03:41:53.06 ID:VLsyjXD3O
桐乃「あんたいい加減に…」イラッ
バッシャアアアア
京介「ああくそ…俺としたことが…」
桐乃「ぁ………」
京介「手が滑っちまったよ」
バッシャアアアア
京介「ああくそ…俺としたことが…」
桐乃「ぁ………」
京介「手が滑っちまったよ」
190: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 03:45:26.43 ID:VLsyjXD3O
桐乃「………」
京介「まあ半分しかなかったし、どうせ麦茶だからこのまま放っといても勝手に蒸発すんだろ」
桐乃「…ぅ………」
京介「片付けんのめんどくせー」スタスタ
桐乃「……」
ドガッ!
桐乃「いたっ!」
京介「ん?今何か足に当たったか?」
193: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 03:48:56.43 ID:VLsyjXD3O
桐乃「あ………」ビクッ
京介「……なんだ気のせいかよ。この家幽霊でもいるんじゃねーだろうな…」スタスタ
桐乃「……」
京介「うわあ怖え怖え」ガチャン
桐乃「…………」
桐乃「シャワー……浴びなきゃ………」
199: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 03:54:11.19 ID:VLsyjXD3O
~その夜~
母「あら?どこか出かけるの?」
京介「ああ…ちょっと友達と会ってくる」
母「ふ~ん。もしかして彼女~?」ニヤニヤ
京介「まあそんなとこかな」
桐乃「!」ピクッ
204: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 03:59:20.66 ID:VLsyjXD3O
母「あらあら~…あんまり遅くならないうちに帰ってきなさいよ~?」
京介「分かってるって」チラッ
桐乃(彼女…?)
京介「…それじゃ行ってきます」ガチャ
母「いってらっしゃ~い」
桐乃「…」ゴソゴソ
209: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 04:04:03.72 ID:VLsyjXD3O
母「あら?桐乃も出かけるの?」
桐乃「あ…うん。ちょっとコンビニに…」
母「そう?桐乃も遅くならないようにね」
桐乃「うん…いってきます…」
母「いってらっしゃ~い」
211: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 04:08:16.34 ID:VLsyjXD3O
~公園~
京介「もう限界だ!止めさせてくれ!」
あやせ「今更何言ってるんですか?もう後には引けないんですよ」
京介「お前は桐乃のあの顔を見てないからそんなことが言えるんだよ!」
あやせ「私はそんなことに興味ありませんから」
212: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 04:12:48.75 ID:VLsyjXD3O
京介「お前…!」
あやせ「それに今日学校で桐乃の顔見ましたけど…まだまだ元気そうでしたよ?」
京介「それは…」
あやせ「ちょっと手がぬるすぎるんじゃないですか?」
京介「!…こ、の……」
あやせ「それに今日学校で桐乃の顔見ましたけど…まだまだ元気そうでしたよ?」
京介「それは…」
あやせ「ちょっと手がぬるすぎるんじゃないですか?」
京介「!…こ、の……」
214: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 04:19:06.85 ID:VLsyjXD3O
あやせ「今日改めて分かりました。間違いなく桐乃はお兄さんのことが大好きです」
京介「……」
あやせ「もちろんお兄さんとしてではなく…異性として」
京介「これ以外に…方法はないのか」
あやせ「ありません。あったらとっくにそっちの方をやりますから」
216: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 04:25:12.29 ID:VLsyjXD3O
京介「……」
あやせ「お兄さんはしばらく私の言うことだけを聞いていればいいんです」
京介「…分かったよ」
あやせ「そんなことより例の件はきちんと実行してくれましたか?」
京介「…ああ。ちゃんと桐乃のいる前で彼女に会ってくるって言ったよ」
あやせ「お兄さんはしばらく私の言うことだけを聞いていればいいんです」
京介「…分かったよ」
あやせ「そんなことより例の件はきちんと実行してくれましたか?」
京介「…ああ。ちゃんと桐乃のいる前で彼女に会ってくるって言ったよ」
217: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 04:30:38.61 ID:VLsyjXD3O
あやせ「そうですか。ならそろそろ来る頃ですかね…」
京介「…」
ガタガタッ
京介「!」
あやせ「おや…噂をすれば…」ニヤリ
220: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 04:33:42.70 ID:VLsyjXD3O
桐乃「え……?」
あやせ「こんばんわ…桐乃?」
桐乃「な…なんで…?」
京介「…」
桐乃「なんであんたが…あやせと一緒にいるのよ…?」
京介「……」
桐乃「答えて!!」
222: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 04:37:45.57 ID:VLsyjXD3O
あやせ「まあまあ桐乃。そんなに京介さんを責めないであげて?」
桐乃「…はあ…?京介…さん…?」
あやせ「私の彼氏に、何か用かな?」クスッ
桐乃「なっ……!か、彼氏…?」
京介「あやせ…もうその辺で…」
227: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 04:41:09.08 ID:VLsyjXD3O
あやせ「どうして?桐乃にも私達の仲を説明しておくべきでしょう?」
京介「……」
桐乃「ど、どういうこと…?」
あやせ「私達付き合ってるの。だからこれからもよろしくね。桐乃?」
桐乃「!!!」
229: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 04:48:30.36 ID:VLsyjXD3O
京介(これがお前の言う切り札ってやつかよ…あやせ…)
桐乃「な、なんで…」
あやせ「京介さん、優しいんですよ?こないだも一緒にゲームしたんですけど」
桐乃「あんた…なに人の兄貴に手出してんのよ…!」ギリッ
あやせ「あれ?おかしいな?京介さんは桐乃の持ち物じゃないはずだけど…」
231: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 04:54:13.25 ID:VLsyjXD3O
桐乃「っ…」
あやせ「それに京介さんも言ってましたよね?『最近妹がうざい。どっか行ってくれねーかなー』って」
桐乃「!」
京介「あやせ!!」
あやせ「京介さんは黙ってて下さい。私は事実を述べているわけですから」
237: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 04:58:31.47 ID:VLsyjXD3O
桐乃「あやせ…あんた…こんなことしてただで済むと思ってんじゃ」
あやせ「まあ怖い。でも大丈夫。京介さんが私のことを守ってくれるから」
京介(おいおい…)
桐乃「…そう。……そういうわけね…」
京介「…」
240: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 05:00:59.40 ID:VLsyjXD3O
桐乃「あんた達が裏で口裏合わせてたってわけか…」
あやせ「これもあなたのためよ?桐乃」
桐乃「分かった。もう全部分かったから。あやせ、あんたとはもう友達としてやっていけない」
あやせ「私は桐乃と友達でいる気だったのに…」
241: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 05:05:11.31 ID:VLsyjXD3O
桐乃「っざけんな!あたしの兄貴取っておいてそんな都合のいいこと…」
あやせ「まあいいか。私には京介さんがいるし」クスッ
桐乃「~~~~っ!!!」ダッ
京介「お、おい!桐…」
あやせ「やめて下さいお兄さん。ここまでの苦労が水の泡になります」
243: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 05:12:58.91 ID:VLsyjXD3O
京介「で、でも…」
あやせ「それに全力で走ってる桐乃にお兄さんが追いつけるはずないでしょう?」
京介「それは…」
あやせ「常識的に考えて下さいよ全く」
京介「あやせ…お前…変わっちまったよ…」
244: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 05:15:57.27 ID:VLsyjXD3O
あやせ「私は何も変わっていません。変わったのはあなたですよ、お兄さん?」
京介「……」
あやせ「とりあえず今日中にこちらでプランEは済ませておきます。
お兄さんは明日プランKの実行をお願いしますね?」
京介「……」
あやせ「お願いしますね?」
京介「……ああ…分かった」
京介(こんなんで本当に桐乃が救われるのかよ…)
247: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 05:20:01.06 ID:VLsyjXD3O
~帰り道~
桐乃「はあっはあっ」タッタッタッ
桐乃「はぁっ…はあ…」
桐乃「はあっ、ムカつく…ムカつく…!」
桐乃「信じてたのに…」
248: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 05:23:34.94 ID:VLsyjXD3O
桐乃「あいつだけは…あたしの味方だって…信じてたのに…」
桐乃「なんで…変わっちゃったのよ……」
桐乃「……」
桐乃「それとも…一番変わったのは…あたし…なのかな…」
250: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 05:26:45.51 ID:VLsyjXD3O
~翌日の学校~
桐乃「…あの、加奈子…一緒にかえ…」
加奈子「おーい!あやせー!一緒に帰ろーぜー」
桐乃「ぁ……」
あやせ「うん!加奈子、帰りにマック寄っていかない?」
桐乃「……」
255: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 05:31:42.05 ID:VLsyjXD3O
加奈子「おっいいねー!今日は加奈子、ちゃんと金持ってきてるしー!」スタスタ
あやせ「あははー偉い偉い」スタスタ
桐乃「…」
桐乃「そっか……そうだよね……」
桐乃「……」
桐乃「……帰ろ」
257: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 05:34:22.83 ID:VLsyjXD3O
~帰路~
桐乃「そういえば…最近黒いのとデカいのから連絡来ないな…」
桐乃「し、仕方ないからあたしからかけてあげる」ピッ
桐乃「…」プルルルル
ガチャ
258: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 05:37:31.30 ID:VLsyjXD3O
桐乃「あ!もしもし?あんた、あたしと会えなくて寂しかったんじゃ」
「おかけになった電話番号は、現在使われておりません。もう一度~」
桐乃「……」
桐乃「携帯…変えたのかな…。そうだ、デカいのに聞けば…」ピッ
桐乃「……」プルルルル
ガチャ
262: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 05:41:03.81 ID:VLsyjXD3O
桐乃「あ、あのさ、黒いのって携帯変えた…」
「おかけになった電話番号は、現在使われて~」
桐乃「…」ツーツーツー
桐乃「……」
桐乃「そっか…2人で一緒に変えたのかな…」
265: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 05:47:17.59 ID:VLsyjXD3O
~自宅~
桐乃「ただいま…喉乾いちゃった…」ガチャ
京介「それで俺がそう言ったらあいつアホみてぇな顔してさあ…」
桐乃(京介…電話してる…)ガチャ
京介「なんだよそれ?馬鹿みたいだな。あはは」
267: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 05:52:44.62 ID:VLsyjXD3O
桐乃(あやせと…かな…)
京介「…」チラッ
桐乃「あ…」ビクッ
京介「……」
桐乃「た、ただいま…」
京介「それでよー!こないだ行ったところでさー」
桐乃(無視か…そりゃそうだよね…)コポコポ
桐乃「んっ…」ゴクゴク
271: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 05:54:51.90 ID:VLsyjXD3O
桐乃(麦茶…美味しい…)ゴクン
京介「だからこないだ一緒に行ったとこだって~」
桐乃(なんか気まずい…早く部屋に行こ…)ガチャ
京介「ん?今から…か…。ちょっと待ってろ…今から荷物持っていくから」ゴソゴソ
桐乃(はあ…なんか疲れたな…)テクテク
272: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 05:58:57.51 ID:VLsyjXD3O
桐乃「あ…」
桐乃(麦茶出しっぱなしだ)クルッ
京介「よっと」ガチャ
桐乃「わわ……!」
京介「へ……?」
ゴツンッッ!!!
ドサッ!!!
276: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 06:01:26.19 ID:VLsyjXD3O
桐乃「きゃ…!」
京介「いってて……あっ荷物…」ゴソゴソ
桐乃「ご、ごめん……手伝う…」
パシン!
桐乃「なっ…」
京介「触んな!!!!!」
桐乃「っ………」
278: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 06:03:55.23 ID:VLsyjXD3O
京介「…」ゴソゴソ
京介「……」ガチャン!
桐乃「…」
桐乃「なによ…」
桐乃「…あんなに怒らなくったって……」
桐乃「……ぁ…」
桐乃「これ…『あの日』とおんなじだ…」
京介「……」ガチャン!
桐乃「…」
桐乃「なによ…」
桐乃「…あんなに怒らなくったって……」
桐乃「……ぁ…」
桐乃「これ…『あの日』とおんなじだ…」
281: ちょっと朝飯食ってくる 2011/10/13(木) 06:07:55.97 ID:VLsyjXD3O
桐乃「…あたしがあいつに初めて人生相談した日」
桐乃「……最低だ…あたし…」
桐乃「あいつの気持ちも考えずに自分のことばっかり…」
桐乃「あいつも…こんなに…辛かった…のかな…」
桐乃「もう一度…前みたいにやり直したいよ……兄貴…」
299: すまん。あと2時間くらいで終わると思う 2011/10/13(木) 06:42:58.63 ID:VLsyjXD3O
~数時間後自宅~
京介「ふう…すっかり遅くなっちまったぜ…」ガチャ
桐乃「あ…」
京介「…」スタスタ
桐乃「お、おかえり…」
京介(なんでこんな日に限って親父もお袋もいねーんだよ…)
302: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 06:47:22.63 ID:VLsyjXD3O
桐乃「お、お父さんは残業で職場に泊まりだってさ!お母さんは近所の人達と旅行に行ったみたい」
京介(そういやそんなこと言ってたっけなぁ…)
桐乃「そ、それでさ!もし良かったら…こ、これ…」スッ
京介「…?」
桐乃「き、今日さ…か、家庭科の授業でクッキー作ったの!」
304: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 06:49:37.46 ID:VLsyjXD3O
京介「…」
桐乃「お、美味しく作れた自信はないけどさ…その、あんたのために一生懸命作ったから」
京介「なんだこれ…また怪奇現象か…気味悪ぃな…」
桐乃「っ…!」
京介「幽霊の作ったお菓子なんざ怖くて食えねーわ」ポイッ
桐乃「あ…そ、そうだよね…ご、ごめん…」
305: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 06:51:39.72 ID:VLsyjXD3O
京介「さーてと…コンビニ行ってくるかー」
桐乃「ま、待って!」
京介「…」ピタッ
桐乃「その、さ…幽霊でもいいから…相槌なんて打たなくていいから…少しの間だけでも、あたしの話、聞いて欲しいの」
京介「…」
桐乃「あたしさ…やっぱり、あんたがいないと…駄目みたい…」
桐乃「ま、待って!」
京介「…」ピタッ
桐乃「その、さ…幽霊でもいいから…相槌なんて打たなくていいから…少しの間だけでも、あたしの話、聞いて欲しいの」
京介「…」
桐乃「あたしさ…やっぱり、あんたがいないと…駄目みたい…」
309: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 06:53:58.40 ID:VLsyjXD3O
京介「……」
桐乃「やっと気づいたんだ。あんたには遅すぎるって思われてるかもしれないけど」
桐乃「あやせと仲直りできたのも、黒いのとデカいのと友達になれたのも、アメリカから…帰ってこれたのも…全部…あんたのおかげ…」
京介「……」
312: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 06:56:59.52 ID:VLsyjXD3O
桐乃「だからさ、あんたがあたしの所からいなくなるってことはさ…
あんたがあたしにくれたものが…全部無くなっちゃうってことなんだよね…」
京介「……」
桐乃「あたしさ…本当は兄貴のこと…好き…なんだと思う。
ううん、…好きなの。
大好き。」
京介「っ…!」
319: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 07:01:06.74 ID:VLsyjXD3O
桐乃「でもさ…ほら…おかしいじゃん?
あたし達兄妹なんだよ?
だから…自分の気持ち抑えこんでた」
桐乃「あんたが優しすぎるから…どんな風に接していいか分からなかった…
いつも…素直になれなかった…」
京介「っ…!」
桐乃「昔はこんなんじゃなかったのにね…
ちゃんとお兄ちゃんって言えて…甘えられて…いつだって一緒にいられた」
322: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 07:04:12.98 ID:VLsyjXD3O
桐乃「でもさ…やっぱり成長すると変わっちゃうんだよ…
変わるのは自分自身じゃない…周りが変わるの…」
京介「……」
桐乃「中学生にもなって兄貴にベタベタしてるとさ、友達に笑われる。
親にも不審に思われる。
世間から…白い目で見られる…
なんで?昔は周りの人達…そんなんじゃなかったのに…」
京介「……」
325: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 07:07:59.71 ID:VLsyjXD3O
桐乃「だから自分自身も変わる。ううん、変わらなくちゃいけないの。
例え死ぬほど変わることが嫌でも…
そうしないと、この世界では…社会では生きていけないから…」
京介「……」
桐乃「長々とつまらないこと語ってごめんね?
あんたがもうあたしのこと嫌いでも、あたしはあんたが好き。これからも、ずっと…」
京介「……」
331: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 07:11:34.85 ID:VLsyjXD3O
桐乃「あたし達、なんで兄妹なんだろうね…?
……兄妹じゃなければこんな想い…しなくて済んだのかな…?」
京介「……」
桐乃「……生まれ変われば…また…京介に…会えるかな…?」
京介「なっ…!?」
337: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 07:15:08.52 ID:VLsyjXD3O
桐乃「今までごめんね、京介。ありがとね。こんなあたしの…兄貴でいてくれて…!」ダッ
京介「お、おい!桐乃!?ちょっと待てって…」
桐乃「じゃあね、京介…また…会えるって信じてる…」ガチャン
京介「桐乃!ちっ!クソッ!」ダッ
ガチャン!
341: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 07:17:56.16 ID:VLsyjXD3O
京介「桐乃ぉぉぉおおおおおおお!」
京介(くそっ!見失った!
だがまだ遠くには行ってねぇはずだ!!!!
それなら!!!)
京介「俺も…!!!
桐乃のことが…!!!
大っ好きだああああああああああああああああ!!!」
桐乃「っ…!!!」
348: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 07:20:51.42 ID:VLsyjXD3O
京介「全部嘘だったんだよ!
あやせと付き合ってることも!
お前を嫌いになったってことも!」
京介「全部お前に俺を嫌いにさせるための嘘だったんだ!」
桐乃「……」
351: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 07:24:07.83 ID:VLsyjXD3O
京介「俺だって…本当はお前のことが大好きだ!
親父やお袋よりも!
黒猫よりも!!
麻奈美よりも!!!
あやせよりも!!!!
どんな工口ゲーの妹よりも!!!
現実の妹の桐乃が一番だああああい好きだあああああああ!!!!!!!!」
桐乃「…ぁ……」
354: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 07:27:18.23 ID:VLsyjXD3O
京介「き、桐乃…!!!!」
桐乃「……や、やめてよ…その…は、恥ずかしいから…」
京介「桐乃ぉぉおおおおおおおおお」ギュウウウ
桐乃「ちょっ…苦し…」
京介「もう絶対離さないからな!!!!」
桐乃「……うん…。あたしも…絶対離してやんない…」ギュッ
京介「桐乃…」
361: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 07:32:15.39 ID:VLsyjXD3O
桐乃「……」
桐乃「…ねえ」
京介「ん?どうした?」
桐乃「…さっき言ってたこと……本当?」
京介「はい?」
桐乃「だ、だから…その…あたしのこと…一番…す、すすすき…だって…」
363: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 07:35:52.14 ID:VLsyjXD3O
京介「当たり前だろ」
桐乃「……そっか…えへへー」
京介(ああ…くそ…)
桐乃「ま、まあ…あ、あたしの方が京介のこと…す、す好きだけどねっ!」
京介(俺の妹が…)
桐乃「ちょ、ちょっと…ちゃんと聞いてる?」
京介(……こんなに可愛いわけがない!!!!!!!!)
~fin~
379: エピローグ 2011/10/13(木) 07:43:10.37 ID:VLsyjXD3O
エピローグ
京介「結局…全部お前の計画通りってわけか……あやせ…」
あやせ「どうでしたかお兄さん。私のこと、見直したでしょう?」
京介「本当、お前にはかなわねーよ」
あやせ「私は桐乃のためならどんなことでもやりますから!」
京介「ああ…そうなんですか…」
京介「結局…全部お前の計画通りってわけか……あやせ…」
あやせ「どうでしたかお兄さん。私のこと、見直したでしょう?」
京介「本当、お前にはかなわねーよ」
あやせ「私は桐乃のためならどんなことでもやりますから!」
京介「ああ…そうなんですか…」
384: エピローグ 2011/10/13(木) 07:47:07.93 ID:VLsyjXD3O
あやせ「そんなことより今度ヨスガやりませんか?神ゲーですよ!」
京介「何年前のゲームだよ…」
あやせ「私の中では一番の名作です!」
京介「まさかそれに影響されて俺達をくっつけたわけじゃないだろうな?」
あやせ「まさか…そんなハズあるわけないじゃないですか…」
京介「分からねー…」
京介「何年前のゲームだよ…」
あやせ「私の中では一番の名作です!」
京介「まさかそれに影響されて俺達をくっつけたわけじゃないだろうな?」
あやせ「まさか…そんなハズあるわけないじゃないですか…」
京介「分からねー…」
388: エピローグ 2011/10/13(木) 07:51:23.24 ID:VLsyjXD3O
あやせ「ほらっさっさと行ってください!今日は晴れ舞台なんですから!」
京介「おう!」ガチャ
桐乃「あ…」
京介「き、桐乃…か…?」
桐乃「ど、どうかな…?」
京介「すげえ可愛い…」
桐乃「あ、ありがと…」
393: エピローグ 2011/10/13(木) 07:55:06.14 ID:VLsyjXD3O
京介「桐乃…好きだ」
桐乃「は、はあ!?なんでそんな恥ずかしいこと平気で…」
京介「お前は…?」
桐乃「……ぁ…ぅ……そりゃ、す…好き…だよ?」
あやせ「見せつけてくれちゃってー」
加奈子「やっぱ桐乃にはかなわねーぜ」
黒猫「人間風情のあなたには普通のドレスがお似合いよ」
沙織「2人ともお似合いでござるよー」
麻奈美「京ちゃーん?そろそれ式始まっちゃうよー?」
400: エピローグ 2011/10/13(木) 08:00:06.55 ID:VLsyjXD3O
京介「おわっ!?やっべ…
行くぞ桐乃!」グイッ
桐乃「ふえ…?」フワッ
全員(お姫様抱っこぉぉおおお!?)
桐乃「なっ…ななっ…」
京介「お前らこのまま式場に行くぞぉおおおお!!!」
全員「おー!」
桐乃「あんたどこ触ってんのよおおおおおお!!!」
京介「うおおおおおお!!!」
エピローグ ~fin~
402: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 08:01:11.70 ID:IqsUdJr0O
乙!!
403: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 08:01:12.50 ID:lD7PshWm0
素晴らしかった
桐乃ちゃん幸せになってね
桐乃ちゃん幸せになってね
421: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 2011/10/13(木) 09:32:54.06 ID:h2iwKRLR0
いちおつ
良かった
良かった
433: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 12:08:13.07 ID:BNsOCe7n0
ハッピーエンドに泣いた
425: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/13(木) 10:03:03.25 ID:K8TDKdxq0
京介「満足したぜ!」
引用元: 桐乃「うざっ」京介「あーキレたぶちギレたねもう我慢の限界だ」
桐乃「何であんた黒いのといるの?」
2019-12-18
1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 00:35:37.56 ID:3hsaXXCC0
京介「ん? あぁ、なんだ桐乃か。なんでって・・・・・・別におかしくないだろ?」
黒猫「あら、うちの兄さんに何か用かしら?」
桐乃「うちのって・・・・・・っ! ふざけてんの!?」
黒猫「別にふざけてなんていないわよ、私はスイーツ(笑)が兄さんに何か用なのか尋ねただけ」
桐乃「だ・か・らっ! その『兄さん』ってのがふざけてるっていってんでしょ!」
黒猫「何を言っているの? 兄さんは兄さんよ。逢って早々に訳のわからないことを言わないで頂戴。気でも違えたのかしら?」
黒猫「あら、うちの兄さんに何か用かしら?」
桐乃「うちのって・・・・・・っ! ふざけてんの!?」
黒猫「別にふざけてなんていないわよ、私はスイーツ(笑)が兄さんに何か用なのか尋ねただけ」
桐乃「だ・か・らっ! その『兄さん』ってのがふざけてるっていってんでしょ!」
黒猫「何を言っているの? 兄さんは兄さんよ。逢って早々に訳のわからないことを言わないで頂戴。気でも違えたのかしら?」
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3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 00:38:34.98 ID:3hsaXXCC0
京介「ちょ、ちょっと瑠璃落ち着けって! 桐乃も!」
桐乃「なっ!」
京介「何を言っているのかわかんねーが俺に何か話があるんだろ? ちょっと移動しようぜ。な?」
桐乃「ふざけんな」ボソ
京介「へ?」
桐乃「ふざけんなバカ! 死ね!」ゲシ
京介「な、痛ぇっ!」
桐乃「なっ!」
京介「何を言っているのかわかんねーが俺に何か話があるんだろ? ちょっと移動しようぜ。な?」
桐乃「ふざけんな」ボソ
京介「へ?」
桐乃「ふざけんなバカ! 死ね!」ゲシ
京介「な、痛ぇっ!」
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 00:43:32.27 ID:3hsaXXCC0
黒猫「ちょ、兄さん!? あなた急に何をするのよ!」
桐乃「うっさい! もう帰ってくんな!!」ダッ
京介「おい、待てって――! 足速!?」
黒猫「まぁいいわ、行きましょう兄さん。ちゃんとエスコートしてくれるのでしょう?」
京介「はいはい、にしても桐乃のやつどうしたんだろうな?」
黒猫「・・・・・・デート中に他の女の事を考えないでくれる? 呪うわよ」
京介「『妹』相手にデートとは随分と色気のない――痛ってぇ!」ギリリ
桐乃「うっさい! もう帰ってくんな!!」ダッ
京介「おい、待てって――! 足速!?」
黒猫「まぁいいわ、行きましょう兄さん。ちゃんとエスコートしてくれるのでしょう?」
京介「はいはい、にしても桐乃のやつどうしたんだろうな?」
黒猫「・・・・・・デート中に他の女の事を考えないでくれる? 呪うわよ」
京介「『妹』相手にデートとは随分と色気のない――痛ってぇ!」ギリリ
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 00:46:42.99 ID:3hsaXXCC0
黒猫「あら、少々『能力(ちから)』が漏れてしまったみたいね。やはり不完全なヒトの姿というものは不便なものね」
京介「今明らかに物理的かつツネリに似たダメージを脇腹に負ったんだが・・・・・・」
黒猫「駄目ね、気を張っておかないと例え私の兄さんであっても所詮人間風情、闇の眷属はその肉を喰い、骨を砕き、血を啜る・・・・・・精々私の機嫌を損ねないようにして頂戴」
京介「ど、努力します!」
京介「今明らかに物理的かつツネリに似たダメージを脇腹に負ったんだが・・・・・・」
黒猫「駄目ね、気を張っておかないと例え私の兄さんであっても所詮人間風情、闇の眷属はその肉を喰い、骨を砕き、血を啜る・・・・・・精々私の機嫌を損ねないようにして頂戴」
京介「ど、努力します!」
19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 00:50:06.45 ID:3hsaXXCC0
――桐乃の部屋
桐乃(あの邪気眼厨二病女! 何が「私の兄さんに何か用かしら?」よ、馬鹿じゃないの!?)
桐乃(それにあいつ「瑠璃~♪」だなんて頭おかしいんじゃない!?)
桐乃(帰ってきたらぶっ殺してやる!)
――・・・・・・
佳乃「桐乃ぉご飯よー」
桐乃「帰って来ない!?」
桐乃(あの邪気眼厨二病女! 何が「私の兄さんに何か用かしら?」よ、馬鹿じゃないの!?)
桐乃(それにあいつ「瑠璃~♪」だなんて頭おかしいんじゃない!?)
桐乃(帰ってきたらぶっ殺してやる!)
――・・・・・・
佳乃「桐乃ぉご飯よー」
桐乃「帰って来ない!?」
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 00:53:06.20 ID:3hsaXXCC0
――リビング
桐乃(用意されてるご飯も三つだけ・・・・・・)
桐乃「ね、ねぇ、あいつは?」
佳乃「あいつ?」
桐乃「う、うん・・・・・・」
佳乃「もしかして彼氏でも来る予定だったの?」ニヤ
大介「ぶふぅっ!」
桐乃「な、ちょっ、違うって!」
大介「桐乃っ! お前まさか――!」
桐乃「違うっていってんでしょ! もーっ!」
桐乃(まさか・・・・・・黒いのんち泊まってるんじゃ・・・・・・っ!)
桐乃(用意されてるご飯も三つだけ・・・・・・)
桐乃「ね、ねぇ、あいつは?」
佳乃「あいつ?」
桐乃「う、うん・・・・・・」
佳乃「もしかして彼氏でも来る予定だったの?」ニヤ
大介「ぶふぅっ!」
桐乃「な、ちょっ、違うって!」
大介「桐乃っ! お前まさか――!」
桐乃「違うっていってんでしょ! もーっ!」
桐乃(まさか・・・・・・黒いのんち泊まってるんじゃ・・・・・・っ!)
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 00:58:58.14 ID:3hsaXXCC0
――黒猫家
黒猫「いただきます」
京介、日向、珠希「いただきまーす」
京介「それとってくれ」
日向「はい、キョウ兄醤油ー」
珠希「おにぃちゃん」
京介「はいはい、お茶をどうぞっと」コト
日向「今日は二人で何処行ってたの?」
黒猫「あまり詮索するものではないわ、貴方たちを危険な目に合わせたくないもの」
京介「あぁちょっとな」
黒猫「いただきます」
京介、日向、珠希「いただきまーす」
京介「それとってくれ」
日向「はい、キョウ兄醤油ー」
珠希「おにぃちゃん」
京介「はいはい、お茶をどうぞっと」コト
日向「今日は二人で何処行ってたの?」
黒猫「あまり詮索するものではないわ、貴方たちを危険な目に合わせたくないもの」
京介「あぁちょっとな」
28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 01:03:14.65 ID:3hsaXXCC0
珠希「きかんですかー?」
日向「ちょっとキョウ兄までそういうの止めてよぉ!」バン
京介「ちげぇよ! ていうか瑠璃、珠希にそういう教育するの止めろって」
黒猫「あら、この娘には才能があるわ。私の与えた魔導具を完全に使いこなしているもの。それを伸ばさないだなんてあなたが許しても闇の眷属たるこの私が許せないわ」
京介「そうかい・・・・・・」ハァ
日向「キョウ兄負けないでね!」
珠希「おにぃちゃん負けないでください」
京介「お前も協力しろよ!」
日向「ちょっとキョウ兄までそういうの止めてよぉ!」バン
京介「ちげぇよ! ていうか瑠璃、珠希にそういう教育するの止めろって」
黒猫「あら、この娘には才能があるわ。私の与えた魔導具を完全に使いこなしているもの。それを伸ばさないだなんてあなたが許しても闇の眷属たるこの私が許せないわ」
京介「そうかい・・・・・・」ハァ
日向「キョウ兄負けないでね!」
珠希「おにぃちゃん負けないでください」
京介「お前も協力しろよ!」
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 01:06:30.95 ID:3hsaXXCC0
黒猫「そうそう。もうお風呂沸いているから食べ終わったらさっさと入って頂戴」
珠希「今日はおにぃちゃんといっしょに入りたいです」
京介「おぅ、いいぞ」
日向「ほほぅ?」
京介「・・・・・・なんだよ日向?」
日向「いえ、ただ京介さんはそういうご趣味がおありでしたかと思いまして?」
京介「はぁ?」
日向「いやいや、みなまで言うな京介さん! 小さい妹は可愛いもんねー」ニヤニヤ
珠希「可愛いですか」
京介「何変なこと言ってんだよ!」
珠希「・・・・・・可愛くありませんか」グス
京介「お前じゃねぇよ!」
珠希「今日はおにぃちゃんといっしょに入りたいです」
京介「おぅ、いいぞ」
日向「ほほぅ?」
京介「・・・・・・なんだよ日向?」
日向「いえ、ただ京介さんはそういうご趣味がおありでしたかと思いまして?」
京介「はぁ?」
日向「いやいや、みなまで言うな京介さん! 小さい妹は可愛いもんねー」ニヤニヤ
珠希「可愛いですか」
京介「何変なこと言ってんだよ!」
珠希「・・・・・・可愛くありませんか」グス
京介「お前じゃねぇよ!」
33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 01:09:42.09 ID:3hsaXXCC0
日向「あぁ! キョウ兄泣かした!」
京介「いや、可愛いよ! いやぁ、珠希ちゃんは可愛いなぁ! ははっ!!」
日向「ほぅほぅ、なるほどなるほど」
京介「どうすればいいんだよ!」
黒猫「兄さん少しは静かにして頂戴、日向も兄さんに構って欲しいからといって妹を餌にしないでもらえるかしら」
日向「な、あたしは別に・・・・・・っ!」
京介「・・・・・・ア、ナルほどね。日向も一緒に入りたいってことだな?」
日向「はっ?」
珠希「おねぇちゃんもですか」
京介「いや、可愛いよ! いやぁ、珠希ちゃんは可愛いなぁ! ははっ!!」
日向「ほぅほぅ、なるほどなるほど」
京介「どうすればいいんだよ!」
黒猫「兄さん少しは静かにして頂戴、日向も兄さんに構って欲しいからといって妹を餌にしないでもらえるかしら」
日向「な、あたしは別に・・・・・・っ!」
京介「・・・・・・ア、ナルほどね。日向も一緒に入りたいってことだな?」
日向「はっ?」
珠希「おねぇちゃんもですか」
36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 01:13:39.06 ID:3hsaXXCC0
日向「ちょ、ちょっと待ってよ! なんであたしまでっ///」カァッ
京介「いやいや、みなまで言うな日向さん! お兄ちゃんはカッコイイもんねー」
日向「うざ! 京介うざ!///」
珠希「それだと姉さまが一人でかわいそうです」
京介「いいぞぉじゃあ全員で入るか」
黒猫「う、家のお風呂にそんな広さあるわけないでしょう。莫迦なこと言ってないで早く食べなさい!///」バン
京介「いやいや、みなまで言うな日向さん! お兄ちゃんはカッコイイもんねー」
日向「うざ! 京介うざ!///」
珠希「それだと姉さまが一人でかわいそうです」
京介「いいぞぉじゃあ全員で入るか」
黒猫「う、家のお風呂にそんな広さあるわけないでしょう。莫迦なこと言ってないで早く食べなさい!///」バン
38: 日向が小5 珠希が小1 2012/11/16(金) 01:18:39.94 ID:3hsaXXCC0
――――
桐乃「結局帰ってきてない・・・・・・」ドヨーン
桐乃「ま、まぁ別に!? あいつが帰ってこなくたってあたしには何の関係もないし!」
桐乃(・・・・・・も、もしかしていつの間にか部屋に戻ってたり・・・・・・)
桐乃(そ、そもそも昨日徹夜でゲームしてたし多分どっかから夢とか・・・・・・)
桐乃「べ、別にあたしに関係はなくても一応家族だしっ!? こういうこと何回もされて家族がギスギスするの嫌じゃん!? だから一応ね! 確認だけしとこうかなぁ!?」ガチャ
桐乃「あ・・・・・・れ・・・・・・?」
桐乃「なんで?」
桐乃「なんであいつの部屋が物置になってんの?」
桐乃「結局帰ってきてない・・・・・・」ドヨーン
桐乃「ま、まぁ別に!? あいつが帰ってこなくたってあたしには何の関係もないし!」
桐乃(・・・・・・も、もしかしていつの間にか部屋に戻ってたり・・・・・・)
桐乃(そ、そもそも昨日徹夜でゲームしてたし多分どっかから夢とか・・・・・・)
桐乃「べ、別にあたしに関係はなくても一応家族だしっ!? こういうこと何回もされて家族がギスギスするの嫌じゃん!? だから一応ね! 確認だけしとこうかなぁ!?」ガチャ
桐乃「あ・・・・・・れ・・・・・・?」
桐乃「なんで?」
桐乃「なんであいつの部屋が物置になってんの?」
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 01:23:29.42 ID:3hsaXXCC0
桐乃(それどころかなんで部屋にあいつの机もベッドもないの?)
桐乃「・・・・・・そうだ携帯!」
桐乃「京介・・・・・・京介――き、き、き・・・・・・あった!」
桐乃「・・・・・・・・・・・・」
時計AM4:00
桐乃「・・・・・・・・・・・・」
桐乃「えい」ポチ
Prrrrrrrrrrrrrr
桐乃「・・・・・・そうだ携帯!」
桐乃「京介・・・・・・京介――き、き、き・・・・・・あった!」
桐乃「・・・・・・・・・・・・」
時計AM4:00
桐乃「・・・・・・・・・・・・」
桐乃「えい」ポチ
Prrrrrrrrrrrrrr
40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 01:26:20.89 ID:3hsaXXCC0
――・・・・・・
Prrrrrrrrrrrrrrrr
京介「うおっ!?」ビクーン
京介「なんだ、なんだ?」キョロキョロ
京介「携帯か・・・・・・誰だよ全く・・・・・・」ハァ
京介「・・・・・・桐乃・・・・・・?」
京介「はい、もしもし?」
桐乃『あんた今どこにいんのよー!!!!!!』
京介「うぉっ!?」ビクーン
桐乃『遅くなるなら遅くなるって連絡ぐらい入れなさいよね!
てかなんかあんたの部屋物置になってんだけどまたなんかやらかしたの!?
あたしも謝ってあげるからさっさと帰ってきなさいよね!
べ、別にあんたのことが心配な訳じゃなくて家族に迷惑かけんなって意味で勘違いしないでよね!』
京介「え、あ、あの桐乃さん?」
Prrrrrrrrrrrrrrrr
京介「うおっ!?」ビクーン
京介「なんだ、なんだ?」キョロキョロ
京介「携帯か・・・・・・誰だよ全く・・・・・・」ハァ
京介「・・・・・・桐乃・・・・・・?」
京介「はい、もしもし?」
桐乃『あんた今どこにいんのよー!!!!!!』
京介「うぉっ!?」ビクーン
桐乃『遅くなるなら遅くなるって連絡ぐらい入れなさいよね!
てかなんかあんたの部屋物置になってんだけどまたなんかやらかしたの!?
あたしも謝ってあげるからさっさと帰ってきなさいよね!
べ、別にあんたのことが心配な訳じゃなくて家族に迷惑かけんなって意味で勘違いしないでよね!』
京介「え、あ、あの桐乃さん?」
42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 01:30:34.98 ID:3hsaXXCC0
桐乃『全くあんたはあたしがいないと何にも出来ないんだから――』
京介「桐乃さん!」
珠希「ん・・・・・・・おにぃちゃん・・・・・・?」
京介「おっとすまん、起こしたか?」
珠希「・・・・・・zzz」
京介「寝言か・・・・・・?」
桐乃『ちょ、ちょっと今女の子声が聞こえたんだけども、ももももしかしてあんた・・・・・・』
京介「もしかしても何も、自分の家だけど・・・・・・どうした桐乃? なんかおかしいぞお前」
京介「桐乃さん!」
珠希「ん・・・・・・・おにぃちゃん・・・・・・?」
京介「おっとすまん、起こしたか?」
珠希「・・・・・・zzz」
京介「寝言か・・・・・・?」
桐乃『ちょ、ちょっと今女の子声が聞こえたんだけども、ももももしかしてあんた・・・・・・』
京介「もしかしても何も、自分の家だけど・・・・・・どうした桐乃? なんかおかしいぞお前」
44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 01:35:49.54 ID:3hsaXXCC0
桐乃『だってあんたいないじゃん!』
京介「・・・・・・あのな、どこを探して言ってんのかわかんねぇけど、瑠璃の家とでも言えばいいのかよ」
桐乃『な!? な、なななな黒いのの家を俺の家? 黒いのは俺のもの? なななな何いってん?』
京介「何言ってんだお前・・・・・・ふぁああぁぁ」
桐乃『ちょ、うざ! 耳元で欠伸しないでよ。きも』
京介「んなこと言ったってお前今何時だと思ってんだよ・・・・・・」
桐乃『てかあんた今黒いのの家にいるのね?』
京介「まぁ、そういうことだな」
京介「・・・・・・あのな、どこを探して言ってんのかわかんねぇけど、瑠璃の家とでも言えばいいのかよ」
桐乃『な!? な、なななな黒いのの家を俺の家? 黒いのは俺のもの? なななな何いってん?』
京介「何言ってんだお前・・・・・・ふぁああぁぁ」
桐乃『ちょ、うざ! 耳元で欠伸しないでよ。きも』
京介「んなこと言ったってお前今何時だと思ってんだよ・・・・・・」
桐乃『てかあんた今黒いのの家にいるのね?』
京介「まぁ、そういうことだな」
45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 01:37:30.57 ID:3hsaXXCC0
桐乃『何で?』
京介「何でって・・・・・・何を今更」
桐乃『・・・・・・いいから言って』
京介「そりゃあ・・・・・・」
桐乃『・・・・・・・・・・・・』
京介「俺と瑠璃は『兄妹』だからだよ」
京介「何でって・・・・・・何を今更」
桐乃『・・・・・・いいから言って』
京介「そりゃあ・・・・・・」
桐乃『・・・・・・・・・・・・』
京介「俺と瑠璃は『兄妹』だからだよ」
47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 01:42:25.36 ID:3hsaXXCC0
――桐乃の部屋・・・・・・
京介「あの、ご両親は・・・・・・?」カチンコチン
桐乃「・・・・・・二人とも出てるわよ」
京介(ふ、二人きりだとぉぉおお!? も、もしかしてそういうことなのか?
いや、そんな素振り全く見せなかったじゃないか、むしろ俺は邪険にされてたぐらいで・・・・・・
いや、待て落ち着け俺、COOLになるんだ五更京介! これは罠だ!
孔明な罠・・・・・・目的がはっきりするまではそう考えるんだ! こ、ここは何もないかのように取り繕ってだな・・・・・・)
京介「で、ど、どういう了見なんだ?」
桐乃「・・・・・・・・・・・・」
京介「い、いきなり電話してきたと思ったら家に来てくれだなんて・・・・・・」
桐乃「・・・・・・・・・・・・」
京介「おい、何とか言ってくれよ。正直女の子の部屋とか妹以外では初めてで居心地が」
桐乃「本気で言ってんの?」
京介「へ?」
京介「あの、ご両親は・・・・・・?」カチンコチン
桐乃「・・・・・・二人とも出てるわよ」
京介(ふ、二人きりだとぉぉおお!? も、もしかしてそういうことなのか?
いや、そんな素振り全く見せなかったじゃないか、むしろ俺は邪険にされてたぐらいで・・・・・・
いや、待て落ち着け俺、COOLになるんだ五更京介! これは罠だ!
孔明な罠・・・・・・目的がはっきりするまではそう考えるんだ! こ、ここは何もないかのように取り繕ってだな・・・・・・)
京介「で、ど、どういう了見なんだ?」
桐乃「・・・・・・・・・・・・」
京介「い、いきなり電話してきたと思ったら家に来てくれだなんて・・・・・・」
桐乃「・・・・・・・・・・・・」
京介「おい、何とか言ってくれよ。正直女の子の部屋とか妹以外では初めてで居心地が」
桐乃「本気で言ってんの?」
京介「へ?」
49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 01:47:44.03 ID:3hsaXXCC0
桐乃「あんた何回もこの部屋きてんじゃん・・・・・・」
京介「えっと・・・・・・」
桐乃「あたしの工口ゲー!」
桐乃「一緒にやってたじゃん・・・・・・」
京介(な、なんだってぇぇええっ!!??)
京介「いや、そんな記憶全くないといいますか・・・・・・
桐乃にはそういう趣味があるっていうのは知ってたけど・・・・・・えぇー?」
桐乃「人生相談、してたよね? あたし、あんたに・・・・・・」
京介「あぁ、それはあった。あやせとの仲直りの話だろ?」
京介「えっと・・・・・・」
桐乃「あたしの工口ゲー!」
桐乃「一緒にやってたじゃん・・・・・・」
京介(な、なんだってぇぇええっ!!??)
京介「いや、そんな記憶全くないといいますか・・・・・・
桐乃にはそういう趣味があるっていうのは知ってたけど・・・・・・えぇー?」
桐乃「人生相談、してたよね? あたし、あんたに・・・・・・」
京介「あぁ、それはあった。あやせとの仲直りの話だろ?」
51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 01:53:38.94 ID:3hsaXXCC0
桐乃「他には!?」
京介「小説を書くときの参考に一緒に遊びにいった話か?」
桐乃「他!」
京介「ほ、他・・・・・・?」
京介(瑠璃には厨二病がどうとかオフ会がどうとかの人生相談は受けたが・・・・・・桐乃か。
メルルフィギュアの件は・・・・・・あやせか。桐乃の人生相談ってあやせとの仲直りと小説以外他に・・・・・・?)
桐乃「・・・・・・・・・・・・」
京介「あ、後・・・・・・あれだ! 『妹都市』の――あ、ちげぇ」
桐乃「は?」
京介(あれは一応瑠璃の人生相談か・・・・・・)
京介「い、いやなんでもない・・・・・・」
桐乃「わかった。もういい」
京介「小説を書くときの参考に一緒に遊びにいった話か?」
桐乃「他!」
京介「ほ、他・・・・・・?」
京介(瑠璃には厨二病がどうとかオフ会がどうとかの人生相談は受けたが・・・・・・桐乃か。
メルルフィギュアの件は・・・・・・あやせか。桐乃の人生相談ってあやせとの仲直りと小説以外他に・・・・・・?)
桐乃「・・・・・・・・・・・・」
京介「あ、後・・・・・・あれだ! 『妹都市』の――あ、ちげぇ」
桐乃「は?」
京介(あれは一応瑠璃の人生相談か・・・・・・)
京介「い、いやなんでもない・・・・・・」
桐乃「わかった。もういい」
52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 01:59:24.24 ID:3hsaXXCC0
京介「マジごめん。つーか桐乃どうしたんだ? 昨日といい今日といいお前なんかおかしくないか?」
桐乃「・・・・・・意味わかんないし」
京介「桐乃・・・・・・?」
桐乃「だって!」
桐乃「だってあんたは・・・・・・あたしの兄貴じゃん!」
京介「は?」
桐乃「だってあたし・・・・・・っ!!」
京介「おいどうしたんだ!?」
桐乃「何で・・・・・・?」ウック
京介「桐乃?」
桐乃「何で! あたしのあんたが・・・・・・兄貴が全部・・・・・・」エック
京介「」
桐乃「無くなっぢゃっだぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
桐乃「・・・・・・意味わかんないし」
京介「桐乃・・・・・・?」
桐乃「だって!」
桐乃「だってあんたは・・・・・・あたしの兄貴じゃん!」
京介「は?」
桐乃「だってあたし・・・・・・っ!!」
京介「おいどうしたんだ!?」
桐乃「何で・・・・・・?」ウック
京介「桐乃?」
桐乃「何で! あたしのあんたが・・・・・・兄貴が全部・・・・・・」エック
京介「」
桐乃「無くなっぢゃっだぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
57: そこそこに長いよ 2012/11/16(金) 02:04:22.35 ID:3hsaXXCC0
――・・・・・・
京介「落ち着いたか?」
桐乃「ぜ、ぜんっ――ぜ――」ックエック
京介「つまり、話を総合すると。桐乃の記憶では桐乃の兄貴だった俺がいたってことだな?」
桐乃「」コクコク
京介「はぁ・・・・・・」ボリボリ
桐乃「な――み――わか――」ヒックヒック
京介「『何で意味解んない』か俺だってわけわかんねぇよ」
桐乃「あ――は――あ――の――にき――ょっ」ヒックヒック
京介「『あんたはあたしの兄貴でしょ』っつったって俺にはそんな記憶はなぁ・・・・・・」ハッ
京介「落ち着いたか?」
桐乃「ぜ、ぜんっ――ぜ――」ックエック
京介「つまり、話を総合すると。桐乃の記憶では桐乃の兄貴だった俺がいたってことだな?」
桐乃「」コクコク
京介「はぁ・・・・・・」ボリボリ
桐乃「な――み――わか――」ヒックヒック
京介「『何で意味解んない』か俺だってわけわかんねぇよ」
桐乃「あ――は――あ――の――にき――ょっ」ヒックヒック
京介「『あんたはあたしの兄貴でしょ』っつったって俺にはそんな記憶はなぁ・・・・・・」ハッ
59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 02:09:38.17 ID:3hsaXXCC0
京介(もしかしてうちの瑠璃に影響されたわけじゃ――)「痛ってぇ!! 突然蹴るな!!」
桐乃「――――!!」
京介「『今失礼なこと考えたでしょ!』ってそんなこと・・・・・・てかもう発音もしてねぇじゃねぇか!」
桐乃「うっさい! バカ死ね!」
京介「理不尽にもほどがあるわ!」
桐乃(なんで私の兄貴じゃなくなって黒いのの兄さんになってんのよ。意味わかんない! もしかして夢? いやもしかしたらあっちが夢でこっちが現実・・・・・・いや、こっちが夢で・・・・・・? あぁぁあああっワケわかんないし――)ハッ
桐乃(なら『今』家族じゃなくても、後々家族にはなれる――)ピキーン
京介「」ゾクゥ
京介(なんだ? 急に寒気が・・・・・・)
桐乃「――――!!」
京介「『今失礼なこと考えたでしょ!』ってそんなこと・・・・・・てかもう発音もしてねぇじゃねぇか!」
桐乃「うっさい! バカ死ね!」
京介「理不尽にもほどがあるわ!」
桐乃(なんで私の兄貴じゃなくなって黒いのの兄さんになってんのよ。意味わかんない! もしかして夢? いやもしかしたらあっちが夢でこっちが現実・・・・・・いや、こっちが夢で・・・・・・? あぁぁあああっワケわかんないし――)ハッ
桐乃(なら『今』家族じゃなくても、後々家族にはなれる――)ピキーン
京介「」ゾクゥ
京介(なんだ? 急に寒気が・・・・・・)
60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 02:14:01.17 ID:3hsaXXCC0
桐乃「・・・・・・・・・・・・」スク
京介「き、急に立ち上がってどうしたんだ桐乃・・・・・・? おーい」
桐乃「・・・・・・・・・・・・」
京介「なんかこんなんばっかだな、さっきから」
桐乃「」ガバッ
京介「う、うぉっ!? ちょっと桐乃さん? 何を急に抱きついて・・・・・・」
桐乃「な、何にも無いなら・・・・・・せめてあんたはここで――暮らしなさいよ!」ギュ
京介「――は?」
桐乃「あたしの兄貴じゃないってんなら、義妹系工口ゲじゃないんだから家族になる方法なんて一つしかないでしょ!」
京介「話が飛び過ぎだろうが!?」
京介「き、急に立ち上がってどうしたんだ桐乃・・・・・・? おーい」
桐乃「・・・・・・・・・・・・」
京介「なんかこんなんばっかだな、さっきから」
桐乃「」ガバッ
京介「う、うぉっ!? ちょっと桐乃さん? 何を急に抱きついて・・・・・・」
桐乃「な、何にも無いなら・・・・・・せめてあんたはここで――暮らしなさいよ!」ギュ
京介「――は?」
桐乃「あたしの兄貴じゃないってんなら、義妹系工口ゲじゃないんだから家族になる方法なんて一つしかないでしょ!」
京介「話が飛び過ぎだろうが!?」
61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 02:19:57.99 ID:3hsaXXCC0
桐乃「さっきから驚いてばっかじゃん! そんなんじゃ工口ゲの主人公やってられないっての!」
京介「誰がえっㄘなゲームの主人公だよ!!」
桐乃「いいじゃん!」
京介「何がだよ!?」
桐乃「こんな可愛い子があんたみたいな地味な間抜けに迫ってんのよ!? 減るもんじゃなし!」ギュゥゥウウウ
京介「ちょ、桐乃ま――キャァァアアアヤメテー!!」
桐乃「人生相談よ人生相談! あたしもいつまでも処*じゃ格好つかないし? あんたもめでたくDT卒業! 良いこと尽くめじゃん!!」
京介「何処の工口同人誌だよ!!」
桐乃「大丈夫痛いのは最初だけよ。あたしに任せてあんたは寝てなさい! あたしがやったほうが色々と捗るんだっつーの!」ギリギリ
京介「どんなプレイをしようとしてんだよ!? 痛いの!? 俺が!? ちょ、首に閉め技は・・・・・・っ!!」ガチャ
あやせ「桐乃ぉー遊びに・・・・・・ってきゃぁぁあああ!?」
京介「誰がえっㄘなゲームの主人公だよ!!」
桐乃「いいじゃん!」
京介「何がだよ!?」
桐乃「こんな可愛い子があんたみたいな地味な間抜けに迫ってんのよ!? 減るもんじゃなし!」ギュゥゥウウウ
京介「ちょ、桐乃ま――キャァァアアアヤメテー!!」
桐乃「人生相談よ人生相談! あたしもいつまでも処*じゃ格好つかないし? あんたもめでたくDT卒業! 良いこと尽くめじゃん!!」
京介「何処の工口同人誌だよ!!」
桐乃「大丈夫痛いのは最初だけよ。あたしに任せてあんたは寝てなさい! あたしがやったほうが色々と捗るんだっつーの!」ギリギリ
京介「どんなプレイをしようとしてんだよ!? 痛いの!? 俺が!? ちょ、首に閉め技は・・・・・・っ!!」ガチャ
あやせ「桐乃ぉー遊びに・・・・・・ってきゃぁぁあああ!?」
66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 02:24:19.27 ID:3hsaXXCC0
――・・・・・・
京介「いえ、違います。襲われたのは俺で・・・・・・いや、待ってください。警察は勘弁してください」ボロボロ
あやせ「し、信じられません! どうせヘン夕イのお兄さんのことですから家に用があるとか無理やり押し切ってその後・・・・・・」
京介(どんだけ妄想たくましいんだよ!!)
桐乃「あ、あのあやせ・・・・・・?」アセアセ
あやせ「もう大丈夫だからね桐乃! こんな妹モノのえっㄘな本を買い集めて実際の妹に
手を出すと捕まるからって妹の友達に妹ごっこを強要してくるようなヘン夕イお兄さんは
もう桐乃に手出し出来ないように手錠をかけて動けなくしてからこの世から――」ジャラ
京介「おぉーい!!」
桐乃(っていうかあやせなんで手錠持ち歩いてんの!?)ガビーン
京介「いえ、違います。襲われたのは俺で・・・・・・いや、待ってください。警察は勘弁してください」ボロボロ
あやせ「し、信じられません! どうせヘン夕イのお兄さんのことですから家に用があるとか無理やり押し切ってその後・・・・・・」
京介(どんだけ妄想たくましいんだよ!!)
桐乃「あ、あのあやせ・・・・・・?」アセアセ
あやせ「もう大丈夫だからね桐乃! こんな妹モノのえっㄘな本を買い集めて実際の妹に
手を出すと捕まるからって妹の友達に妹ごっこを強要してくるようなヘン夕イお兄さんは
もう桐乃に手出し出来ないように手錠をかけて動けなくしてからこの世から――」ジャラ
京介「おぉーい!!」
桐乃(っていうかあやせなんで手錠持ち歩いてんの!?)ガビーン
69: >>64 悪いもう時間が朝に変わってる 2012/11/16(金) 02:29:01.38 ID:3hsaXXCC0
桐乃「あの、誤解だから・・・・・・」
あやせ「じゃあ・・・・・・何・・・・・・? 桐乃に手を出そうとしたお兄さんなんて本当はいなくて
実際は桐乃がお兄さんに抱きついて困惑しているお兄さんに関係を迫ったあげく
必死の攻防の末お兄さんを絞め落とした後ゆっくり行為に到ろうとしていたところに
私が偶然にも扉を開けた訳ですか?」
京介、桐乃(大体あってる――!?)
桐乃「いや、あのそうじゃなくて」
京介(あやせの恐怖に耐えられず逃げやがった?!)
桐乃「家に呼んだのはあたしで、それで話してたらこいつ馬鹿じゃん?
それでちょぉっと喧嘩になっただけっていうか、そんなあやせが思っていることなんて一切・・・・・・」
あやせ「へぇ・・・・・」ギロリ
京介(完全に俺を疑っていやがる)
あやせ「ま、まぁ、桐乃がそこまで言うのなら信じてあげないこともないですが・・・・・・
私はお兄さんをまだ信用した訳ではありませんからね!」
京介「あ、はははー」
あやせ「笑わないでください気持ち悪い」
京介(きっつ!!)
あやせ「じゃあ・・・・・・何・・・・・・? 桐乃に手を出そうとしたお兄さんなんて本当はいなくて
実際は桐乃がお兄さんに抱きついて困惑しているお兄さんに関係を迫ったあげく
必死の攻防の末お兄さんを絞め落とした後ゆっくり行為に到ろうとしていたところに
私が偶然にも扉を開けた訳ですか?」
京介、桐乃(大体あってる――!?)
桐乃「いや、あのそうじゃなくて」
京介(あやせの恐怖に耐えられず逃げやがった?!)
桐乃「家に呼んだのはあたしで、それで話してたらこいつ馬鹿じゃん?
それでちょぉっと喧嘩になっただけっていうか、そんなあやせが思っていることなんて一切・・・・・・」
あやせ「へぇ・・・・・」ギロリ
京介(完全に俺を疑っていやがる)
あやせ「ま、まぁ、桐乃がそこまで言うのなら信じてあげないこともないですが・・・・・・
私はお兄さんをまだ信用した訳ではありませんからね!」
京介「あ、はははー」
あやせ「笑わないでください気持ち悪い」
京介(きっつ!!)
72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 02:34:15.15 ID:3hsaXXCC0
桐乃「あ、それで今日はどうしたの? 約束してたっけ」
あやせ「え、だって一週間前から約束してたじゃない。今日は一緒に街へ行こうって・・・・・・」
桐乃「あれ、そうだっけ」
京介(馬鹿! そんなことあやせに言ったら・・・・・・!)
あやせ「桐乃――まさか忘れてたの?」スゥ
京介(瞳の光彩が消えた!?)
桐乃「い、いや、あははは、そそそそそ、そんなワケないじゃん!
ちょ、ちょぉーっと時間を勘違いしてただけで・・・・・・」
あやせ「そうだよね。桐乃が私との約束を忘れるはずないよね」パァア
桐乃「あ、あったりまえじゃん! 親友でしょ!」
あやせ「もう桐乃ったら!///」
京介「じゃあ邪魔しちゃ悪いから俺はこのへんで・・・・・・」ソロソロ
桐乃「待てってバカ兄貴!」
京介「な、なんだよ!」
あやせ「え、だって一週間前から約束してたじゃない。今日は一緒に街へ行こうって・・・・・・」
桐乃「あれ、そうだっけ」
京介(馬鹿! そんなことあやせに言ったら・・・・・・!)
あやせ「桐乃――まさか忘れてたの?」スゥ
京介(瞳の光彩が消えた!?)
桐乃「い、いや、あははは、そそそそそ、そんなワケないじゃん!
ちょ、ちょぉーっと時間を勘違いしてただけで・・・・・・」
あやせ「そうだよね。桐乃が私との約束を忘れるはずないよね」パァア
桐乃「あ、あったりまえじゃん! 親友でしょ!」
あやせ「もう桐乃ったら!///」
京介「じゃあ邪魔しちゃ悪いから俺はこのへんで・・・・・・」ソロソロ
桐乃「待てってバカ兄貴!」
京介「な、なんだよ!」
75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 02:36:41.01 ID:3hsaXXCC0
あやせ「桐乃?」
桐乃「(今帰らせたらまた黒いのと・・・・・・)ま、まだ話は終わってないっつーか。そうだあんた、あんなことしたんだから荷物持ちぐらい手伝いなさいよね!」
京介「俺が何したってんだよ!?」
あやせ「お兄さん」スゥ
京介「はい、喜んでー!」
あやせ「――後で少しお話が」
京介「・・・・・・よ、喜んでー」
桐乃「(今帰らせたらまた黒いのと・・・・・・)ま、まだ話は終わってないっつーか。そうだあんた、あんなことしたんだから荷物持ちぐらい手伝いなさいよね!」
京介「俺が何したってんだよ!?」
あやせ「お兄さん」スゥ
京介「はい、喜んでー!」
あやせ「――後で少しお話が」
京介「・・・・・・よ、喜んでー」
76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 02:39:19.95 ID:3hsaXXCC0
――・・・・・・
あやせ「半径十メートル以内に近づかないでくださいませんか?」
京介「どんだけ離れれば良いんだよ!」
あやせ「だって今日は桐乃と遊ぶ為に来たんだよ? それなのに」
桐乃「ま、まぁいいじゃん! 便利なのが手に入ったんだからさ」
あやせ「そうだけどー」
京介「やっぱ俺邪魔みたいだから帰らせて――」
桐乃「あ?」
京介「なんでもありませんっ!」
あやせ「半径十メートル以内に近づかないでくださいませんか?」
京介「どんだけ離れれば良いんだよ!」
あやせ「だって今日は桐乃と遊ぶ為に来たんだよ? それなのに」
桐乃「ま、まぁいいじゃん! 便利なのが手に入ったんだからさ」
あやせ「そうだけどー」
京介「やっぱ俺邪魔みたいだから帰らせて――」
桐乃「あ?」
京介「なんでもありませんっ!」
78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 02:42:38.17 ID:3hsaXXCC0
京介(あやせは視線で俺を殺そうとしてくるし、桐乃は逃げないように俺を監視しているしどうすりゃいいんだこれ・・・・・・いっそ走って逃げるか? いや桐乃から逃げられるような気がしないしそんなことしたら後日殺されかねん・・・・・・)
あやせ「あ、桐乃これ可愛いよ」
桐乃「え? あ、ホントだかわいー!」
あやせ「すごーい桐乃似合うー」
桐乃「そうかなー あ、こっちもかわいくない?」
京介(・・・・・・やっぱ今なら行けるか?)
京介(・・・・・・・・・・・・)コレモイイナー
京介(まぁ、しょうがねぇか)
あやせ「あ、桐乃これ可愛いよ」
桐乃「え? あ、ホントだかわいー!」
あやせ「すごーい桐乃似合うー」
桐乃「そうかなー あ、こっちもかわいくない?」
京介(・・・・・・やっぱ今なら行けるか?)
京介(・・・・・・・・・・・・)コレモイイナー
京介(まぁ、しょうがねぇか)
79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 02:48:10.85 ID:3hsaXXCC0
――・・・・・・
京介「なぁ」
桐乃「何よ」
京介「そろそろ休憩しないか?」
桐乃「まだよ。後もう二つは回る予定があるの」
京介「でもよぉ」
桐乃「何、文句でもあるの?」
京介(文句しかでてこねぇよ)
あやせ「じゃあお兄さんにはこの辺のベンチで休んでてもらお。ね?」
桐乃「えーだって一人にしたら逃げるかも」
京介「逃げねぇよ、よくみろこの荷物! 全部お前らのだろ!」
京介「なぁ」
桐乃「何よ」
京介「そろそろ休憩しないか?」
桐乃「まだよ。後もう二つは回る予定があるの」
京介「でもよぉ」
桐乃「何、文句でもあるの?」
京介(文句しかでてこねぇよ)
あやせ「じゃあお兄さんにはこの辺のベンチで休んでてもらお。ね?」
桐乃「えーだって一人にしたら逃げるかも」
京介「逃げねぇよ、よくみろこの荷物! 全部お前らのだろ!」
80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 02:53:32.21 ID:3hsaXXCC0
あやせ「・・・・・・持って逃げそうです」
京介「どんなヘン夕イだそれは!」
あやせ「・・・・・・・・・・・・」じーっ
京介「あやせが着ているものとかだったらまだしも、新品同然の女物の服なんて何の価値も――」
あやせ「か、返してくださいっ!!」バッ
京介「じょ、冗談だ冗談! 痛いって、引っ張るなって荷物が手に絡まっているんだから・・・・・・っ!」
桐乃「大丈夫だってあやせ、そいつにそんなこと出来る度胸なんてないから」
あやせ「・・・・・・それもそうですね」パッ
京介「うぉ!?」ズルッ
京介「急に離すなぁっ!!」
桐乃「じゃあそこで待っててよ!」
京介「ケツ痛ぇっ・・・・・・」ズキズキ
桐乃「ちょっと! 返事は!?」
京介「わぁったよ!」
京介「どんなヘン夕イだそれは!」
あやせ「・・・・・・・・・・・・」じーっ
京介「あやせが着ているものとかだったらまだしも、新品同然の女物の服なんて何の価値も――」
あやせ「か、返してくださいっ!!」バッ
京介「じょ、冗談だ冗談! 痛いって、引っ張るなって荷物が手に絡まっているんだから・・・・・・っ!」
桐乃「大丈夫だってあやせ、そいつにそんなこと出来る度胸なんてないから」
あやせ「・・・・・・それもそうですね」パッ
京介「うぉ!?」ズルッ
京介「急に離すなぁっ!!」
桐乃「じゃあそこで待っててよ!」
京介「ケツ痛ぇっ・・・・・・」ズキズキ
桐乃「ちょっと! 返事は!?」
京介「わぁったよ!」
82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 02:56:14.28 ID:3hsaXXCC0
京介「ったく・・・・・・」
京介(どんだけ体力あるんだよあいつら・・・・・・夢の国を歩き回ったくらいの気分だぜ)
???「あれ、きょうちゃん?」
京介「ん、麻奈実じゃないか」
麻奈実「きょうちゃん、こんにちは」
京介「おう、こんにちは。どうしたんだ麻奈実こんなところで」
麻奈実「ちょっとお買い物。きょうちゃんこそ、こんなところでどうしたの? 手に持ってるのって・・・・・・」
京介「あぁ、これか?」
麻奈実「だ、ダメだよきょうちゃん! それ、女の子のだよ!」
京介「は?」
京介(どんだけ体力あるんだよあいつら・・・・・・夢の国を歩き回ったくらいの気分だぜ)
???「あれ、きょうちゃん?」
京介「ん、麻奈実じゃないか」
麻奈実「きょうちゃん、こんにちは」
京介「おう、こんにちは。どうしたんだ麻奈実こんなところで」
麻奈実「ちょっとお買い物。きょうちゃんこそ、こんなところでどうしたの? 手に持ってるのって・・・・・・」
京介「あぁ、これか?」
麻奈実「だ、ダメだよきょうちゃん! それ、女の子のだよ!」
京介「は?」
83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 02:58:49.81 ID:3hsaXXCC0
麻奈実「きょうちゃんにそんな趣味があったなんて・・・・・・でもきょうちゃんに限って――ひ、人は見かけによらないっていうもんね! それに京ちゃんならアリ――ってそんな訳ないよね、ううんダメ! 絶対にダメ! でも京ちゃんがどうしてもっていうなら・・・・・・」
京介「おーい、麻奈実さん?」
麻奈実「きょうちゃん!!」
京介「は、はい!」
麻奈実「わ、私の服貸してあげるからそういうのはもう、止めよっ? ね?」
京介「どんな勘違いをしとんじゃお前は!」
京介「おーい、麻奈実さん?」
麻奈実「きょうちゃん!!」
京介「は、はい!」
麻奈実「わ、私の服貸してあげるからそういうのはもう、止めよっ? ね?」
京介「どんな勘違いをしとんじゃお前は!」
85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 03:02:03.09 ID:3hsaXXCC0
――・・・・・・
麻奈実「な、なんだそうだったんだ」
京介「当たり前だろ、俺にはそんな女装趣味も金もねぇよ」
京介「ったく、お前はたまにそういうとこあるよな」
麻奈実「えへへ、ごめんねぇきょうちゃん」
京介「ところで麻奈実、さっきのは本当だろうな?」
麻奈実「え、さっきのって?」
京介「服貸してくれるんだろ?」
麻奈実「」
麻奈実「ふぇえ! き、きょきょきょきょきょうちゃん!」
京介「冗談だ」
麻奈実「な、なんだそうだったんだ」
京介「当たり前だろ、俺にはそんな女装趣味も金もねぇよ」
京介「ったく、お前はたまにそういうとこあるよな」
麻奈実「えへへ、ごめんねぇきょうちゃん」
京介「ところで麻奈実、さっきのは本当だろうな?」
麻奈実「え、さっきのって?」
京介「服貸してくれるんだろ?」
麻奈実「」
麻奈実「ふぇえ! き、きょきょきょきょきょうちゃん!」
京介「冗談だ」
87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 03:05:20.27 ID:3hsaXXCC0
麻奈実「だ、だよねぇ。あは、あはははは」
京介「にしてもあいつら時間掛かり過ぎだろう」
麻奈実「うーん、女の子は皆そんな感じじゃないかなぁ」
京介「うっそ、じゃあお前も結構長かったりすんの?」
麻奈実「わ、私はそんなに掛からない・・・・・・かな?」
京介「だろ? お前まで一店に一時間以上かけてるんだったらどうしようかと思ったぜ」
麻奈実「うぇえ!? い、一時間・・・・・・」
京介「やっぱ麻奈実も長いと思うよな?」
麻奈実「・・・・・・きょうちゃん」
京介「あん?」
麻奈実「私も、もっと時間かけた方がいいのかなっ!?」
京介「・・・・・・止めとけ」
麻奈実「・・・・・・だよねぇ」
京介「にしてもあいつら時間掛かり過ぎだろう」
麻奈実「うーん、女の子は皆そんな感じじゃないかなぁ」
京介「うっそ、じゃあお前も結構長かったりすんの?」
麻奈実「わ、私はそんなに掛からない・・・・・・かな?」
京介「だろ? お前まで一店に一時間以上かけてるんだったらどうしようかと思ったぜ」
麻奈実「うぇえ!? い、一時間・・・・・・」
京介「やっぱ麻奈実も長いと思うよな?」
麻奈実「・・・・・・きょうちゃん」
京介「あん?」
麻奈実「私も、もっと時間かけた方がいいのかなっ!?」
京介「・・・・・・止めとけ」
麻奈実「・・・・・・だよねぇ」
91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 03:09:39.27 ID:3hsaXXCC0
???「あら、騒々しいから誰かと思えば兄さんじゃない」
京介「お、瑠璃か」
黒猫「全く、朝早くから出かけたと思えば。まさかベルフェゴールと一緒だとは・・・・・・」
麻奈実「べ、べる・・・・・・ふぇ?」
京介「あー気にすんな麻奈実、病気みたいなもんだ」
麻奈実「えぇっ!? 瑠璃ちゃん病気なの?」
黒猫「黒猫と呼びなさい」
麻奈実「く、クロネコさん? 瑠璃ちゃんじゃなくて?」
黒猫「えぇ、そうよ。私の名は黒猫、瑠璃というのは千葉の堕天聖である私が此方の世界に限界する為に利用している器に過ぎ無いの」
麻奈実「えっと、じゃあクロネコさんは御病気なんですか?」
黒猫「誰が邪気眼厨二病患者よ!」
京介「自覚してんじゃねーかっ!」
京介「お、瑠璃か」
黒猫「全く、朝早くから出かけたと思えば。まさかベルフェゴールと一緒だとは・・・・・・」
麻奈実「べ、べる・・・・・・ふぇ?」
京介「あー気にすんな麻奈実、病気みたいなもんだ」
麻奈実「えぇっ!? 瑠璃ちゃん病気なの?」
黒猫「黒猫と呼びなさい」
麻奈実「く、クロネコさん? 瑠璃ちゃんじゃなくて?」
黒猫「えぇ、そうよ。私の名は黒猫、瑠璃というのは千葉の堕天聖である私が此方の世界に限界する為に利用している器に過ぎ無いの」
麻奈実「えっと、じゃあクロネコさんは御病気なんですか?」
黒猫「誰が邪気眼厨二病患者よ!」
京介「自覚してんじゃねーかっ!」
94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 03:13:12.03 ID:3hsaXXCC0
麻奈実「じゃきがんちゅうにびょう・・・・・・?」
京介「あー麻奈実ぃ、お前には一生縁のない言葉だから別に覚えなくてもいいぞぉ」
麻奈実「あ、でもちょっとは知ってるよ!」
京介「ま、マジか・・・・・・?」
麻奈実「確か・・・・・・痛い・・・・・・んだよね? はわわ、だ、大丈夫? 瑠璃ちゃん・・・・・・!?」
黒猫「」ピシィッ
京介「た、正しくはあるが麻奈実、中途半端な知識なら口に出さない方がいいぞ」
黒猫「ふ、ふん! 何とでも言うがいいわ。約束された日は近い、来てからでは遅いのよ。もう何もかも」
麻奈実(ねぇ、きょうちゃん、瑠璃ちゃん機嫌が悪くなっちゃったんじゃないかな?)
京介(完全にお前のせいだけどな・・・・・・まぁ別にほっとけばいいんだよ。時間が経てば治るから)
麻奈実(そ、それじゃあダメだよぉ! お兄さんならちゃんとフォローしてあげないと)
京介(そうかぁ?)
麻奈実(そうだよ!)
京介「あー麻奈実ぃ、お前には一生縁のない言葉だから別に覚えなくてもいいぞぉ」
麻奈実「あ、でもちょっとは知ってるよ!」
京介「ま、マジか・・・・・・?」
麻奈実「確か・・・・・・痛い・・・・・・んだよね? はわわ、だ、大丈夫? 瑠璃ちゃん・・・・・・!?」
黒猫「」ピシィッ
京介「た、正しくはあるが麻奈実、中途半端な知識なら口に出さない方がいいぞ」
黒猫「ふ、ふん! 何とでも言うがいいわ。約束された日は近い、来てからでは遅いのよ。もう何もかも」
麻奈実(ねぇ、きょうちゃん、瑠璃ちゃん機嫌が悪くなっちゃったんじゃないかな?)
京介(完全にお前のせいだけどな・・・・・・まぁ別にほっとけばいいんだよ。時間が経てば治るから)
麻奈実(そ、それじゃあダメだよぉ! お兄さんならちゃんとフォローしてあげないと)
京介(そうかぁ?)
麻奈実(そうだよ!)
95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 03:17:27.76 ID:3hsaXXCC0
京介「・・・・・・あー、瑠璃・・・・・・?」
黒猫「あら、京介。この邪気眼厨二病女に何か用でもあるのかしら?」
京介(不機嫌レベルがMAX!?)
京介「いや、その・・・・・・約束された日、とやらはもう回避出来ないのか?」
黒猫「――ッ!!」
京介「どうなんだ?」
黒猫「何かと思えばそんなこと? 不可能よ。今まで流されるように欲のままに生き続けてきた全人類への罰。甘んじて受けるが良いわ」
京介「もう、打つ手は残っていないのか・・・・・・」
黒猫「・・・・・・・・・・・・」
京介「なぁ、教えてくれ瑠璃・・・・・・いや千葉の堕天聖黒猫! 此方の世界を救う方法はもう残っていないのか!?」
黒猫「――そうね、まだ・・・・・・零ではないといったところかしら」
黒猫「あら、京介。この邪気眼厨二病女に何か用でもあるのかしら?」
京介(不機嫌レベルがMAX!?)
京介「いや、その・・・・・・約束された日、とやらはもう回避出来ないのか?」
黒猫「――ッ!!」
京介「どうなんだ?」
黒猫「何かと思えばそんなこと? 不可能よ。今まで流されるように欲のままに生き続けてきた全人類への罰。甘んじて受けるが良いわ」
京介「もう、打つ手は残っていないのか・・・・・・」
黒猫「・・・・・・・・・・・・」
京介「なぁ、教えてくれ瑠璃・・・・・・いや千葉の堕天聖黒猫! 此方の世界を救う方法はもう残っていないのか!?」
黒猫「――そうね、まだ・・・・・・零ではないといったところかしら」
98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 03:20:56.40 ID:3hsaXXCC0
京介「と言うと?」
黒猫「私の能力の開放が鍵となるわ。今のように人間のままでは対抗することは出来ない。その点では零に等しいの。しかし、私が真の姿へ変貌する事が出来ればあるいは・・・・・・」
京介「ま、マジか・・・・・・」
黒猫「それには京介、いえ・・・・・・漆黒の貴公子である貴方の血が必要よ。」
京介「な、んだ・・・・・・と?」
黒猫「ふふ、記憶がないのも仕方がないわ。貴方は彼方で深い傷を負ったもの。動かなくなった貴方を魂だけの状態にし、此方の世界の五更京介を器として限界させたのは私。紛れもない黒猫なのよ?」
京介「ということは、俺は・・・・・・」
黒猫「ようやく理解したかしら? でも私は貴方を責めることは出来ない。何故なら貴方の限界を中途半端に完成させてしまったのも私。いくら私であっても薄れゆく力ではどうにもならなかった・・・・・・」
京介「わかった。そうか・・・・・・全てを理解した。黒猫、俺は――」
麻奈実「」プシュー
京介「お、おい麻奈実!? 大丈夫か!」
黒猫「私の能力の開放が鍵となるわ。今のように人間のままでは対抗することは出来ない。その点では零に等しいの。しかし、私が真の姿へ変貌する事が出来ればあるいは・・・・・・」
京介「ま、マジか・・・・・・」
黒猫「それには京介、いえ・・・・・・漆黒の貴公子である貴方の血が必要よ。」
京介「な、んだ・・・・・・と?」
黒猫「ふふ、記憶がないのも仕方がないわ。貴方は彼方で深い傷を負ったもの。動かなくなった貴方を魂だけの状態にし、此方の世界の五更京介を器として限界させたのは私。紛れもない黒猫なのよ?」
京介「ということは、俺は・・・・・・」
黒猫「ようやく理解したかしら? でも私は貴方を責めることは出来ない。何故なら貴方の限界を中途半端に完成させてしまったのも私。いくら私であっても薄れゆく力ではどうにもならなかった・・・・・・」
京介「わかった。そうか・・・・・・全てを理解した。黒猫、俺は――」
麻奈実「」プシュー
京介「お、おい麻奈実!? 大丈夫か!」
99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 03:24:50.43 ID:3hsaXXCC0
麻奈実「え、えっと瑠璃ちゃんはクロネコさんで、きょうちゃんはし、しっこくの・・・・・・? えっとせんようのだてんせいは・・・・・・きょうちゃん?」
黒猫「千葉の堕天聖は私よ」
京介「何で理解しようとしてんだよ! お前は!」
麻奈実「はっ! わ、私は何を・・・・・・っ!」
黒猫「はぁ、興ざめね」
京介「す、すまん」
黒猫「まぁ続きは帰ってからということでいいかしら」
京介(まだやるのかよ!)
黒猫「千葉の堕天聖は私よ」
京介「何で理解しようとしてんだよ! お前は!」
麻奈実「はっ! わ、私は何を・・・・・・っ!」
黒猫「はぁ、興ざめね」
京介「す、すまん」
黒猫「まぁ続きは帰ってからということでいいかしら」
京介(まだやるのかよ!)
100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 03:30:19.89 ID:3hsaXXCC0
黒猫「それで? 兄さん、ベルフェゴールと逢引だなんて随分と偉くなったものね」
京介「ちげぇって、そもそも麻奈実とはここでさっき会ったばっかだからな。な? 麻奈実」
麻奈実「う、うん。さっき偶然・・・・・・」
黒猫「へぇ、なら説明してもらおうかしら。何故兄さんがこんなところに独りでその女性ブランドの紙袋を複数持っているのかを」
京介「え、まぁそれはだ「ああぁぁぁああああっ!!」」
京介「ちげぇって、そもそも麻奈実とはここでさっき会ったばっかだからな。な? 麻奈実」
麻奈実「う、うん。さっき偶然・・・・・・」
黒猫「へぇ、なら説明してもらおうかしら。何故兄さんがこんなところに独りでその女性ブランドの紙袋を複数持っているのかを」
京介「え、まぁそれはだ「ああぁぁぁああああっ!!」」
101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 03:32:48.40 ID:3hsaXXCC0
あやせ「ちょ、桐乃?」
京介「お、ようやく帰って「なんでまたあんたは黒いのといるのよ!」」
黒猫「あら、随分とご挨拶ね」
麻奈実「あ、桐乃ちゃん。こんにちは。あやせちゃんも」
あやせ「こんにちはお姉さん」
桐乃「・・・・・・ッチ、地味子までいるし」
京介「おい、桐乃。さすがにそれは「あんたは黙ってて!」」
桐乃「ちょっと目を離したらすぐ他の女のところにいくんだから!」
京介「お、おい人聞きの悪いこと言「良いから来なさい!」」ズルズル
京介「」
麻奈実「きょ、きょうちゃん!?」
黒猫「ちょっと、兄さん!」
あやせ「あ、お姉さんさようなら! 桐乃待ってよー」
京介「お、ようやく帰って「なんでまたあんたは黒いのといるのよ!」」
黒猫「あら、随分とご挨拶ね」
麻奈実「あ、桐乃ちゃん。こんにちは。あやせちゃんも」
あやせ「こんにちはお姉さん」
桐乃「・・・・・・ッチ、地味子までいるし」
京介「おい、桐乃。さすがにそれは「あんたは黙ってて!」」
桐乃「ちょっと目を離したらすぐ他の女のところにいくんだから!」
京介「お、おい人聞きの悪いこと言「良いから来なさい!」」ズルズル
京介「」
麻奈実「きょ、きょうちゃん!?」
黒猫「ちょっと、兄さん!」
あやせ「あ、お姉さんさようなら! 桐乃待ってよー」
103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 03:36:51.55 ID:3hsaXXCC0
――・・・・・・
京介「結局丸一日二人(というか主に桐乃に)の買い物に付き合わされた訳だが」
あやせ「ありがとうございます。結構助かりました」
京介「良いってことよ。まぁたまにはこういうのも悪くないわな」
桐乃「こんな可愛い娘二人に使われているんだからそりゃ悪い気なんてするはずないじゃん」
京介「へいへい、んで? この荷物は家まで持って行けばいいよな?」
あやせ「いえ、そこまでは――」
桐乃「はぁ? 何聞いてんのよ当たりまえでしょ!」
京介「そーですね」
あやせ「・・・・・・・・・」
京介「結局丸一日二人(というか主に桐乃に)の買い物に付き合わされた訳だが」
あやせ「ありがとうございます。結構助かりました」
京介「良いってことよ。まぁたまにはこういうのも悪くないわな」
桐乃「こんな可愛い娘二人に使われているんだからそりゃ悪い気なんてするはずないじゃん」
京介「へいへい、んで? この荷物は家まで持って行けばいいよな?」
あやせ「いえ、そこまでは――」
桐乃「はぁ? 何聞いてんのよ当たりまえでしょ!」
京介「そーですね」
あやせ「・・・・・・・・・」
105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 03:42:25.11 ID:3hsaXXCC0
あやせ「ねぇ、桐乃ちょっと良い?」
桐乃「え、何?」
京介「どうした?」
あやせ「いえ、お兄さんは先に行ってて下さい」
京介「いや、でも」
あやせ「――行ってて下さい」スゥ
京介「はい! 了解しましたっ!」ダダダダダ
あやせ「さてと」
桐乃「ど、どうしたのあやせ?」
あやせ「桐乃、何でお兄さんを呼んだの?」
桐乃「そ、それは・・・・・・荷物持ちに・・・・・・」
あやせ「嘘」
桐乃「え?」
桐乃「え、何?」
京介「どうした?」
あやせ「いえ、お兄さんは先に行ってて下さい」
京介「いや、でも」
あやせ「――行ってて下さい」スゥ
京介「はい! 了解しましたっ!」ダダダダダ
あやせ「さてと」
桐乃「ど、どうしたのあやせ?」
あやせ「桐乃、何でお兄さんを呼んだの?」
桐乃「そ、それは・・・・・・荷物持ちに・・・・・・」
あやせ「嘘」
桐乃「え?」
107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 03:46:52.60 ID:3hsaXXCC0
あやせ「桐乃、今日何かおかしいよ?」
桐乃「ど、何処が?」
あやせ「お兄さんのことに決まっているでしょ」
桐乃「別にあんな奴のことなんか気にしてないし」
あやせ「それにしては今日、随分と距離が近かったよね?」
桐乃「そんなこと――」
あやせ「ごまかさないで!」
桐乃「」ビクゥ!
あやせ「桐乃、私は別に怒っているわけじゃないの。ただ聞きたいだけ、本当にお兄さんと何かあった訳じゃないの?」
桐乃「あやせ・・・・・・うん。違うよ、別に私はあいつに何かされたわけじゃないし、私があいつに何かしたわけでもない、何も無かったの」
桐乃「ど、何処が?」
あやせ「お兄さんのことに決まっているでしょ」
桐乃「別にあんな奴のことなんか気にしてないし」
あやせ「それにしては今日、随分と距離が近かったよね?」
桐乃「そんなこと――」
あやせ「ごまかさないで!」
桐乃「」ビクゥ!
あやせ「桐乃、私は別に怒っているわけじゃないの。ただ聞きたいだけ、本当にお兄さんと何かあった訳じゃないの?」
桐乃「あやせ・・・・・・うん。違うよ、別に私はあいつに何かされたわけじゃないし、私があいつに何かしたわけでもない、何も無かったの」
109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 03:49:59.51 ID:3hsaXXCC0
あやせ「桐乃・・・・・・」
桐乃「何も無かった」
あやせ「――ッ」
あやせ「そう、わかった。何があったか知らないけど、桐乃がそういうならわかった。納得出来ないけど、もう何も言わない」
桐乃「ごめんね」
あやせ「ううん、良いの。私じゃきっと役に立てないから」
桐乃「そ、そんなこと」
あやせ「じゃあね、桐乃! 今日は楽しかったよ」
桐乃「うん。ばいばい」
桐乃「何も無かった」
あやせ「――ッ」
あやせ「そう、わかった。何があったか知らないけど、桐乃がそういうならわかった。納得出来ないけど、もう何も言わない」
桐乃「ごめんね」
あやせ「ううん、良いの。私じゃきっと役に立てないから」
桐乃「そ、そんなこと」
あやせ「じゃあね、桐乃! 今日は楽しかったよ」
桐乃「うん。ばいばい」
110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 03:53:40.87 ID:3hsaXXCC0
――公園・・・・・・
京介「話は済んだのか?」
あやせ「はい」
京介「桐乃は一緒じゃないのか?」
あやせ「・・・・・・・・・・・・」
京介「あやせ?」
あやせ「お兄さん」
京介「なんだ?」
あやせ「桐乃をよろしくお願いします」
京介「・・・・・・おう」
あやせ「桐乃を泣かせるような結果になったら・・・・・・殺しちゃいますから」
京介「・・・・・・おう」
京介「ってえぇ!? 殺されるの俺!?」
京介「話は済んだのか?」
あやせ「はい」
京介「桐乃は一緒じゃないのか?」
あやせ「・・・・・・・・・・・・」
京介「あやせ?」
あやせ「お兄さん」
京介「なんだ?」
あやせ「桐乃をよろしくお願いします」
京介「・・・・・・おう」
あやせ「桐乃を泣かせるような結果になったら・・・・・・殺しちゃいますから」
京介「・・・・・・おう」
京介「ってえぇ!? 殺されるの俺!?」
112: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 03:58:31.69 ID:3hsaXXCC0
あやせ「もう、雰囲気が台無しじゃないですか!」
京介「何? 雰囲気で俺殺されるところだったのか!?」
あやせ「だから、桐乃を泣かしたらって言ったじゃないですか!」
京介「えぇ・・・・・・だからって」
あやせ「それともなんですか? お兄さんはもう桐乃を泣かすようなことを・・・・・・」
京介「してねぇよ! 天使に誓って!」
あやせ「神に誓って下さい!」
京介「マイエンジェルあやせたんに誓います」
あやせ「死ねぇぇええええっ!!」
京介「ハイキック鳩尾ッ!」ドゴォォッ!!
京介(だが見えた・・・・・・っ!)
京介「何? 雰囲気で俺殺されるところだったのか!?」
あやせ「だから、桐乃を泣かしたらって言ったじゃないですか!」
京介「えぇ・・・・・・だからって」
あやせ「それともなんですか? お兄さんはもう桐乃を泣かすようなことを・・・・・・」
京介「してねぇよ! 天使に誓って!」
あやせ「神に誓って下さい!」
京介「マイエンジェルあやせたんに誓います」
あやせ「死ねぇぇええええっ!!」
京介「ハイキック鳩尾ッ!」ドゴォォッ!!
京介(だが見えた・・・・・・っ!)
113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 04:03:10.84 ID:3hsaXXCC0
あやせ「全く、信用していいのかよくわからなくなりました・・・・・・」
京介「なんだって、今まで信用してくれていたのか?」
あやせ「あ」
京介「まぁ、お前の期待に答えられるかわかんないけどな、俺は俺なりに精一杯やってやるさ」
あやせ「・・・・・・はいっ!」
京介「だから・・・・・・うまくいったら、結婚してくれ」
あやせ「はいっ!」
あやせ「とでも言うと思ったかこのヘン夕イオタクシスコン工口ゲー野郎!」
京介「禁的ッ!!」
あやせ「お兄さんなんて大ッッッッッッ嫌いです!」ベー
京介(と、桃源郷が見えた・・・・・・)バタ
京介「なんだって、今まで信用してくれていたのか?」
あやせ「あ」
京介「まぁ、お前の期待に答えられるかわかんないけどな、俺は俺なりに精一杯やってやるさ」
あやせ「・・・・・・はいっ!」
京介「だから・・・・・・うまくいったら、結婚してくれ」
あやせ「はいっ!」
あやせ「とでも言うと思ったかこのヘン夕イオタクシスコン工口ゲー野郎!」
京介「禁的ッ!!」
あやせ「お兄さんなんて大ッッッッッッ嫌いです!」ベー
京介(と、桃源郷が見えた・・・・・・)バタ
114: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 04:07:40.25 ID:3hsaXXCC0
――桐乃家・玄関・・・・・・
京介「ほらよ、これでいいか?」ドサ
桐乃「ありが・・・・・・と」ボソ
京介「・・・・・・お前何か熱でもあんのか?」
桐乃「はぁ? そんなわけないでしょ!」
京介「なんつーか、急におとなしくなったというか」
桐乃「別に、少し疲れただけ」
京介「そ、そっか。ならいいんだけどよ」
桐乃「・・・・・・・・・・・・」
京介「・・・・・・・・・・・・」
京介「えっと・・・・・・ん、じゃあ俺今日は帰るわ。じゃあな桐乃また」
桐乃「待って」グイ
京介「ほらよ、これでいいか?」ドサ
桐乃「ありが・・・・・・と」ボソ
京介「・・・・・・お前何か熱でもあんのか?」
桐乃「はぁ? そんなわけないでしょ!」
京介「なんつーか、急におとなしくなったというか」
桐乃「別に、少し疲れただけ」
京介「そ、そっか。ならいいんだけどよ」
桐乃「・・・・・・・・・・・・」
京介「・・・・・・・・・・・・」
京介「えっと・・・・・・ん、じゃあ俺今日は帰るわ。じゃあな桐乃また」
桐乃「待って」グイ
116: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 04:13:23.30 ID:3hsaXXCC0
京介「な、何だ?」
桐乃「何処に行くの?」
京介「何処って・・・・・・自分の家だけど」
桐乃「あの邪気眼女のとこ?」
京介「変な言い方するなって、俺の家でもあるだろうが」
桐乃「絶対にダメ!」
京介「はぁ?」
桐乃「言ったでしょ、あんたは私のだって! 冗談でも黒いのの家に『帰る』なんて言わないで! あんたは私のものなの、黒いのに盗られるなんて絶っっっ対に嫌!」
京介「じゃあどうしたら満足なんだよ」
桐乃「家に泊まってって」
桐乃「何処に行くの?」
京介「何処って・・・・・・自分の家だけど」
桐乃「あの邪気眼女のとこ?」
京介「変な言い方するなって、俺の家でもあるだろうが」
桐乃「絶対にダメ!」
京介「はぁ?」
桐乃「言ったでしょ、あんたは私のだって! 冗談でも黒いのの家に『帰る』なんて言わないで! あんたは私のものなの、黒いのに盗られるなんて絶っっっ対に嫌!」
京介「じゃあどうしたら満足なんだよ」
桐乃「家に泊まってって」
119: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 04:17:03.50 ID:3hsaXXCC0
桐乃「今日も明日も明後日も、ずっとここに泊まればいい。元々家族だったんだからなんの問題もないでしょ?」
京介「さすがにそんなこと出来るわけないだろ、それにお前の親御さんは俺がお前の言う兄貴だった記憶があるのか?」
桐乃「・・・・・・多分ない、けど」
京介「ならその解決方法は無理だ。第一俺もこっちの生活がある」
京介「俺は俺の『妹たち』をないがしろにすることは出来ない」
桐乃「――ッ!!」
京介「さすがにそんなこと出来るわけないだろ、それにお前の親御さんは俺がお前の言う兄貴だった記憶があるのか?」
桐乃「・・・・・・多分ない、けど」
京介「ならその解決方法は無理だ。第一俺もこっちの生活がある」
京介「俺は俺の『妹たち』をないがしろにすることは出来ない」
桐乃「――ッ!!」
120: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 04:19:59.01 ID:3hsaXXCC0
京介「でもな、桐乃。お前が――」ガチャ
佳乃「ただいまーってあら、桐乃帰ってたの?」
桐乃「あ、えっとただいま・・・・・・」
京介「え、あのこ、こんばんは」
佳乃「・・・・・・桐乃この人はどちら様?」
桐乃「こ、こいつ今日家に泊まってくからっ!! 名前は京介ね!」
京介「」
佳乃「え、あっそう・・・・・・ふーん、お父さんが帰ったら聞いてあげる」
京介「」
佳乃「京介君、うちのお父さん怖いけど頑張ってねん」
京介「」
佳乃「ただいまーってあら、桐乃帰ってたの?」
桐乃「あ、えっとただいま・・・・・・」
京介「え、あのこ、こんばんは」
佳乃「・・・・・・桐乃この人はどちら様?」
桐乃「こ、こいつ今日家に泊まってくからっ!! 名前は京介ね!」
京介「」
佳乃「え、あっそう・・・・・・ふーん、お父さんが帰ったら聞いてあげる」
京介「」
佳乃「京介君、うちのお父さん怖いけど頑張ってねん」
京介「」
123: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 04:24:09.63 ID:3hsaXXCC0
――桐乃の部屋・・・・・・
京介「あぁ、今友達の家だから遅くなる。飯もいいから。万が一もないとは思うが今日は帰らないかも・・・・・・」
黒猫『あらそう、へぇー』
京介「どうした?」
黒猫『特に他意はないわ、ただ「友達」ねぇーと思っただけよ』
京介「な、なんだよ。疑ってるのか?」
黒猫『全然、ただその友達の前に「妹の」を入れる必要があるのではなくて?』
京介「な、ななななにをいっておられるのやら」
黒猫『図星みたいね。わかりやすくていいわ』
京介「マジすまん。ちょっと色々あって・・・・・・別にやましいことなんてないからその点だけは安心して欲しい」
黒猫『ふん、まぁいいわ。鈍感ヘタレ男にそこまでの甲斐性があるとは思えないから』
京介「どういう意味だ」
京介「あぁ、今友達の家だから遅くなる。飯もいいから。万が一もないとは思うが今日は帰らないかも・・・・・・」
黒猫『あらそう、へぇー』
京介「どうした?」
黒猫『特に他意はないわ、ただ「友達」ねぇーと思っただけよ』
京介「な、なんだよ。疑ってるのか?」
黒猫『全然、ただその友達の前に「妹の」を入れる必要があるのではなくて?』
京介「な、ななななにをいっておられるのやら」
黒猫『図星みたいね。わかりやすくていいわ』
京介「マジすまん。ちょっと色々あって・・・・・・別にやましいことなんてないからその点だけは安心して欲しい」
黒猫『ふん、まぁいいわ。鈍感ヘタレ男にそこまでの甲斐性があるとは思えないから』
京介「どういう意味だ」
126: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 04:29:52.32 ID:3hsaXXCC0
黒猫『自分の胸に聞いてみなさいな。でもま、たたき出されてしまう可能性も考えて簡単なものだけは用意しておくわ。もし必要ないなら明日帰ってきたときにでも食べなさいな』
京介「あぁ、サンキューな」
黒猫『あ、ちょ、やめなさい! わかったから!』
京介「どうした?」
黒猫『はぁ・・・・・・少し代わるわ、何か話したいみたい』
京介「あぁ、わかった」
日向『キョウ兄ーやっほー』
京介「おう、日向かどうした?」
日向『むふふふふぅー』
京介「何だ気持ち悪いな。何か用か?」
日向『ねぇねぇ、キョウ兄今彼女の家!? 彼女の家!?』
京介「ははー、ちげーよ」
日向『うっそだー! だって瑠璃姉の機嫌すっっっごく悪いよ!?』
京介「関係性がわからん」
日向『あれはベルフェゴールさんと仲良くしているのを見ているレベル・・・・・・を超えてるかも』
京介「あぁ、サンキューな」
黒猫『あ、ちょ、やめなさい! わかったから!』
京介「どうした?」
黒猫『はぁ・・・・・・少し代わるわ、何か話したいみたい』
京介「あぁ、わかった」
日向『キョウ兄ーやっほー』
京介「おう、日向かどうした?」
日向『むふふふふぅー』
京介「何だ気持ち悪いな。何か用か?」
日向『ねぇねぇ、キョウ兄今彼女の家!? 彼女の家!?』
京介「ははー、ちげーよ」
日向『うっそだー! だって瑠璃姉の機嫌すっっっごく悪いよ!?』
京介「関係性がわからん」
日向『あれはベルフェゴールさんと仲良くしているのを見ているレベル・・・・・・を超えてるかも』
129: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 04:35:08.27 ID:3hsaXXCC0
京介「麻奈実な。変な風に呼ぶなって・・・・・・どうかしたのか?」
日向『なんでもないよー、まあ瑠璃姉も珠希もまだまだ兄貴離れしてないからねーキョウ兄も大変だなー』
日向『あ、そうそう出来れば彼女の家でナニをどうしたのか詳しく教えてね!』
京介「ねーよ、マセんなクソガキ。ていうかお前も大概思春期だな」
日向『妹は思春k』
京介「やめろ」
日向『ぶー、いいじゃん少しくらい。今後の参考にも』
京介「その参考が未来的にでも活かせる機会があった場合、俺はその相手をボコボコにしなきゃならん」
日向『な、何でキョウ兄が出てくるの?』
京介「俺のモンに手を出してんだ。当然だろ」
日向『・・・・・・何変なこと言ってんの』
京介(ちょっと傷ついた・・・・・・)
日向『なんでもないよー、まあ瑠璃姉も珠希もまだまだ兄貴離れしてないからねーキョウ兄も大変だなー』
日向『あ、そうそう出来れば彼女の家でナニをどうしたのか詳しく教えてね!』
京介「ねーよ、マセんなクソガキ。ていうかお前も大概思春期だな」
日向『妹は思春k』
京介「やめろ」
日向『ぶー、いいじゃん少しくらい。今後の参考にも』
京介「その参考が未来的にでも活かせる機会があった場合、俺はその相手をボコボコにしなきゃならん」
日向『な、何でキョウ兄が出てくるの?』
京介「俺のモンに手を出してんだ。当然だろ」
日向『・・・・・・何変なこと言ってんの』
京介(ちょっと傷ついた・・・・・・)
130: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 04:40:44.92 ID:3hsaXXCC0
日向『キョウ兄はシスコンだって知ってたけどまさかそこまでとは・・・・・・』
京介「誰がシスコンだ」
日向『まぁ、凶悪中二病の瑠璃姉と小さい口リ口リな珠希に比べたら一番あたしが魅力的なのは解らないでもないけどねー』
京介「おいおい、またそんなこと言うと瑠璃が――」
日向『大丈夫だって、え、ちょ、ちょっと! 瑠璃姉聞いてたの!?』
京介「遅かったか・・・・・・」
日向『ストップ、待って! それはシャレになんな――』
日向『に゛ゃぁぁぁあああああああああ!!』
シーン
京介「・・・・・・・・・・・・」
京介「おーい、日向さん?」
珠希『もしもしー』
京介「珠希か、日向はどうなってる?」
京介「誰がシスコンだ」
日向『まぁ、凶悪中二病の瑠璃姉と小さい口リ口リな珠希に比べたら一番あたしが魅力的なのは解らないでもないけどねー』
京介「おいおい、またそんなこと言うと瑠璃が――」
日向『大丈夫だって、え、ちょ、ちょっと! 瑠璃姉聞いてたの!?』
京介「遅かったか・・・・・・」
日向『ストップ、待って! それはシャレになんな――』
日向『に゛ゃぁぁぁあああああああああ!!』
シーン
京介「・・・・・・・・・・・・」
京介「おーい、日向さん?」
珠希『もしもしー』
京介「珠希か、日向はどうなってる?」
133: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 04:42:59.57 ID:3hsaXXCC0
珠希『えと、お姉ちゃんはギセイになりました』
京介「・・・・・・お前、それ何処で覚えた」
珠希『今姉さまが言っていました』
京介「・・・・・・ま、まぁなんだ。俺がいなくても仲良くしてろよ」
珠希『はいー』
京介「んじゃあな、切るぞ」
珠希『おにぃちゃん』
京介「何だ?」
珠希『頑張って下さい』
京介「何を!?」ガチャ ツーツー
京介「・・・・・・お前、それ何処で覚えた」
珠希『今姉さまが言っていました』
京介「・・・・・・ま、まぁなんだ。俺がいなくても仲良くしてろよ」
珠希『はいー』
京介「んじゃあな、切るぞ」
珠希『おにぃちゃん』
京介「何だ?」
珠希『頑張って下さい』
京介「何を!?」ガチャ ツーツー
135: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 04:46:27.80 ID:3hsaXXCC0
桐乃「電話終わったの?」
京介「あぁ」
桐乃「長いしうるさいしキモイ」
京介「三姉妹だからな」
桐乃「・・・・・・そう言えば黒いのの家族構成ってそんな感じだったわね。妹は幾つだっけ?」
京介「瑠璃は俺の二つ下で二番目は小学5年生、三番目は1年生だけど」
桐乃「可愛い?」
京介「まぁな」
桐乃「・・・・・・シスコン」
京介「お前程じゃねぇよ仮想シスコン」
桐乃「妹だったら誰でも良いんだ」
京介「・・・・・・そんな批難初めてだわ」
京介「あぁ」
桐乃「長いしうるさいしキモイ」
京介「三姉妹だからな」
桐乃「・・・・・・そう言えば黒いのの家族構成ってそんな感じだったわね。妹は幾つだっけ?」
京介「瑠璃は俺の二つ下で二番目は小学5年生、三番目は1年生だけど」
桐乃「可愛い?」
京介「まぁな」
桐乃「・・・・・・シスコン」
京介「お前程じゃねぇよ仮想シスコン」
桐乃「妹だったら誰でも良いんだ」
京介「・・・・・・そんな批難初めてだわ」
137: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 04:52:48.63 ID:3hsaXXCC0
京介「ていうかお前こそどうなんだよ。取り乱したとは言え実の兄だと思っている俺に関係を迫るとか、相当のブラコンだったんじゃないか?」
桐乃「・・・・・・・・・・・・そ、そんな訳ないでしょっ/// バッカじゃないの!?」
京介「なんだ今の間は」
桐乃「うっさい! 死ねっ」
京介「はいはい」ガチャ
佳乃「桐乃、ご飯出来たわよー」
桐乃「ちょ、ノックくらいしてよ!」
佳乃「もうすぐお父さんも帰って来るから下にいた方がいいかもよ」ニヤニヤ
桐乃「わかったから!」
大介『ただいま』
佳乃「ほら、噂をすれば。おかえりなさーい」
京介「・・・・・・今更だけどとんでもないことになってないか?」
桐乃「・・・・・・・・・・・・そ、そんな訳ないでしょっ/// バッカじゃないの!?」
京介「なんだ今の間は」
桐乃「うっさい! 死ねっ」
京介「はいはい」ガチャ
佳乃「桐乃、ご飯出来たわよー」
桐乃「ちょ、ノックくらいしてよ!」
佳乃「もうすぐお父さんも帰って来るから下にいた方がいいかもよ」ニヤニヤ
桐乃「わかったから!」
大介『ただいま』
佳乃「ほら、噂をすれば。おかえりなさーい」
京介「・・・・・・今更だけどとんでもないことになってないか?」
140: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 05:03:08.87 ID:3hsaXXCC0
――リビング・・・・・・
桐乃「・・・・・・・・・・・・」モグモグ
京介「・・・・・・・・・・・・」モグモグ
大介「・・・・・・・・・・・・」モグモグ
佳乃「京介君、カレーだけど口に合うかしら?」
京介「あ、はい。美味しいです」
大介「・・・・・・・・・・・・」モグモグ
佳乃「良かった」
桐乃「・・・・・・・・・・・・」モグモグ
京介「・・・・・・・・・・・・」モグモグ
佳乃「で、京介君は桐乃とどういう関係なんだっけ?」
京介「えっと、その・・・・・・友達、ですかね。はははー・・・・・・」
桐乃「・・・・・・・・・・・・」モグモグ
京介「・・・・・・・・・・・・」モグモグ
大介「・・・・・・・・・・・・」モグモグ
佳乃「京介君、カレーだけど口に合うかしら?」
京介「あ、はい。美味しいです」
大介「・・・・・・・・・・・・」モグモグ
佳乃「良かった」
桐乃「・・・・・・・・・・・・」モグモグ
京介「・・・・・・・・・・・・」モグモグ
佳乃「で、京介君は桐乃とどういう関係なんだっけ?」
京介「えっと、その・・・・・・友達、ですかね。はははー・・・・・・」
141: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 05:09:26.01 ID:3hsaXXCC0
大介「ほう、友達?」
京介「」ドキーン!!
大介「では俺は今、桐乃の友達と食卓を囲んでいることになるのだな」
京介「は、はい・・・・・・」ドキドキ
桐乃(声裏返ってるし)
大介「桐乃」
桐乃「は、はいっ!」ビクッ
京介(声裏返ってるし)
大介「本当にこいつとは友達同士なんだな」
桐乃「と、友達っていうか兄妹っていうか・・・・・・」ボソボソ
大介「聞こえないぞ、はっきりと言え」
桐乃「~~ッ!!彼s――京介「カレー美味しいですねッ!!」
京介「いやー何だか懐かしいような感じがします。何杯でもいけそうです!」バクバク
京介「」ドキーン!!
大介「では俺は今、桐乃の友達と食卓を囲んでいることになるのだな」
京介「は、はい・・・・・・」ドキドキ
桐乃(声裏返ってるし)
大介「桐乃」
桐乃「は、はいっ!」ビクッ
京介(声裏返ってるし)
大介「本当にこいつとは友達同士なんだな」
桐乃「と、友達っていうか兄妹っていうか・・・・・・」ボソボソ
大介「聞こえないぞ、はっきりと言え」
桐乃「~~ッ!!彼s――京介「カレー美味しいですねッ!!」
京介「いやー何だか懐かしいような感じがします。何杯でもいけそうです!」バクバク
144: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 05:37:44.09 ID:3hsaXXCC0
京介(急にお前何言おうとしたんだよ!!)
桐乃(うっさい! 邪魔すんな! こうなったら彼氏だって言った方が話がスムーズでしょ!?)
京介(親の前で彼氏の振りとか難易度ハードを超えてインフェルノだろうが!)
桐乃(男ならそんくらいのハードル軽々と超えなさいよ!)
京介(無理だろ! どう考えてもこの状況、ハードルじゃなくて棒高飛びの高さだろうが! こちとら身一つで立たされてんだぞ!)
大介「・・・・・・おい」
京介「はい、すみませんでしたっ!」ビクゥ
大介「まぁいい、今回は桐乃の『友達』ということならな」
京介「『今回は?』」
大介「だが、桐乃の『男友達』を俺の家に泊める気はない」
桐乃(うっさい! 邪魔すんな! こうなったら彼氏だって言った方が話がスムーズでしょ!?)
京介(親の前で彼氏の振りとか難易度ハードを超えてインフェルノだろうが!)
桐乃(男ならそんくらいのハードル軽々と超えなさいよ!)
京介(無理だろ! どう考えてもこの状況、ハードルじゃなくて棒高飛びの高さだろうが! こちとら身一つで立たされてんだぞ!)
大介「・・・・・・おい」
京介「はい、すみませんでしたっ!」ビクゥ
大介「まぁいい、今回は桐乃の『友達』ということならな」
京介「『今回は?』」
大介「だが、桐乃の『男友達』を俺の家に泊める気はない」
147: さるさんくらった 2012/11/16(金) 05:51:20.06 ID:3hsaXXCC0
大介「大体まだ終電が無いわけでもないだろう。食べ終わったら遅くなる前に帰りなさい」
京介「わかりました。今回は帰ります」
大介「ぬ?」ギロリ
京介(うわ、やべぇミスった!!)
大介「あぁ、『今回は』帰れ」フン
京介(・・・・・・あれ?)
桐乃(ちょ、お母さん! 話が違うじゃん!)
佳乃(私はお父さんに聞いてあげるって言っただけですぅー)
大介「それでいいな。桐乃?」
桐乃「・・・・・・わかった・・・・・・」
京介(助かった・・・・・・のか?)
大介「一応言っておくがもし、お前が万が一にでも『彼氏』として家の敷居を跨いだ場合は――」
大介「――覚悟しておけ」ゴゴゴ
京介「は、はひっ! わかりました!」
京介「わかりました。今回は帰ります」
大介「ぬ?」ギロリ
京介(うわ、やべぇミスった!!)
大介「あぁ、『今回は』帰れ」フン
京介(・・・・・・あれ?)
桐乃(ちょ、お母さん! 話が違うじゃん!)
佳乃(私はお父さんに聞いてあげるって言っただけですぅー)
大介「それでいいな。桐乃?」
桐乃「・・・・・・わかった・・・・・・」
京介(助かった・・・・・・のか?)
大介「一応言っておくがもし、お前が万が一にでも『彼氏』として家の敷居を跨いだ場合は――」
大介「――覚悟しておけ」ゴゴゴ
京介「は、はひっ! わかりました!」
148: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 05:56:40.10 ID:3hsaXXCC0
――玄関・・・・・・
桐乃「ちょっと」
京介「んぁ?」
桐乃「帰ったら電話してよね」
京介「・・・・・・わかったよ」
桐乃「絶対だかんね!」
京介「わかったって! ちゃんと電話するし、帰り道にメールも送ってやるよ」
桐乃「・・・・・・なら、いい」
京介「・・・・・・はぁ、全く。でっかい妹が出来ちまったもんだなぁ」
桐乃「ちょっと」
京介「んぁ?」
桐乃「帰ったら電話してよね」
京介「・・・・・・わかったよ」
桐乃「絶対だかんね!」
京介「わかったって! ちゃんと電話するし、帰り道にメールも送ってやるよ」
桐乃「・・・・・・なら、いい」
京介「・・・・・・はぁ、全く。でっかい妹が出来ちまったもんだなぁ」
151: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 06:00:11.61 ID:3hsaXXCC0
――数日後・・・・・・
黒猫「兄さん、ちょっといいかしら?」
京介「なんだ瑠璃?」カチカチ
黒猫「携帯をいじるのも少し待ちなさい」
京介「ちょっと待ってくれ、すぐに返信し終わるから」
黒猫「やめなさい」ゴゴゴ
京介「はい、後にします」
黒猫「はぁ・・・・・・」
京介「どうしたんだ、瑠璃。何かあったか?」
黒猫「いいえ、別に私は何にもないわ」
黒猫「何かあったのは貴方の方でしょう? 京介」
京介「は?」
黒猫「別に兄さんの生活に深く口出しをするつもりはないのだけれど、あまりにも露骨過ぎないかしら」
黒猫「兄さん、ちょっといいかしら?」
京介「なんだ瑠璃?」カチカチ
黒猫「携帯をいじるのも少し待ちなさい」
京介「ちょっと待ってくれ、すぐに返信し終わるから」
黒猫「やめなさい」ゴゴゴ
京介「はい、後にします」
黒猫「はぁ・・・・・・」
京介「どうしたんだ、瑠璃。何かあったか?」
黒猫「いいえ、別に私は何にもないわ」
黒猫「何かあったのは貴方の方でしょう? 京介」
京介「は?」
黒猫「別に兄さんの生活に深く口出しをするつもりはないのだけれど、あまりにも露骨過ぎないかしら」
152: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 06:06:10.34 ID:3hsaXXCC0
京介「???」ソンナーヤサーシークーシナイデー
黒猫「携帯」
京介「っと、すまん。うるさかったな」
黒猫「そうじゃないわ・・・・・・」
京介「ん、違うのか?」
京介「さっきから何を言っているのかさっぱりわからんのだが・・・・・・」
黒猫「そう、あくまで知らを切るつもりなのね」
黒猫「もういいわ、勝手にしなさい。」
京介「おい、どうしたんだよ瑠璃!」
黒猫「携帯」
京介「っと、すまん。うるさかったな」
黒猫「そうじゃないわ・・・・・・」
京介「ん、違うのか?」
京介「さっきから何を言っているのかさっぱりわからんのだが・・・・・・」
黒猫「そう、あくまで知らを切るつもりなのね」
黒猫「もういいわ、勝手にしなさい。」
京介「おい、どうしたんだよ瑠璃!」
153: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 06:10:40.42 ID:3hsaXXCC0
――・・・・・・
京介「ということがあったんだけどよ」
沙織「ふむ、成る程」
京介「こんなこと沙織に聞くのもおかしいかもしれないが俺何か変わったか?」
沙織「いえ、それ程劇的な変化は起きてござらんが・・・・・・」
京介「ござらんが・・・・・・?」ブーブーブー
沙織「・・・・・・まだ確信明たものが有るわけではござらんのでこれが正しいかどうかは~」
京介「おいおい、勿体ぶらずに教えてくれよ。いや、教えて下さい!」
沙織「そうですなぁ、強いて言うならば」
京介「・・・・・・・・・・・・」ブーブーブー
沙織「京介氏の異様に多いメールの着信・・・・・・かな、と」
京介「ということがあったんだけどよ」
沙織「ふむ、成る程」
京介「こんなこと沙織に聞くのもおかしいかもしれないが俺何か変わったか?」
沙織「いえ、それ程劇的な変化は起きてござらんが・・・・・・」
京介「ござらんが・・・・・・?」ブーブーブー
沙織「・・・・・・まだ確信明たものが有るわけではござらんのでこれが正しいかどうかは~」
京介「おいおい、勿体ぶらずに教えてくれよ。いや、教えて下さい!」
沙織「そうですなぁ、強いて言うならば」
京介「・・・・・・・・・・・・」ブーブーブー
沙織「京介氏の異様に多いメールの着信・・・・・・かな、と」
155: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 06:15:51.31 ID:3hsaXXCC0
京介「あ、ごめんな。うるさいからバイブ音に変えたんだけどこれでも気になるよな」
沙織「気にならないと言えば嘘になるでござるが、最近携帯をいじる頻度が増えたりしてはおりませぬか?」
京介「んーそう言われると最近少し増えたかなぁ」
沙織「そんなに複数の方とメールのやりとりを?」
京介「いや、基本一人だぞ。最近はずっと同じ奴」
沙織「因みにお相手を聞いても・・・・・・?」
京介「桐乃だよ。別に隠すような相手でもない」
沙織「ではこの後何か用事でも?」
京介「いやいや、お前だけだよ」
沙織「・・・・・・・・・・・・」
京介「沙織?」
沙織「気にならないと言えば嘘になるでござるが、最近携帯をいじる頻度が増えたりしてはおりませぬか?」
京介「んーそう言われると最近少し増えたかなぁ」
沙織「そんなに複数の方とメールのやりとりを?」
京介「いや、基本一人だぞ。最近はずっと同じ奴」
沙織「因みにお相手を聞いても・・・・・・?」
京介「桐乃だよ。別に隠すような相手でもない」
沙織「ではこの後何か用事でも?」
京介「いやいや、お前だけだよ」
沙織「・・・・・・・・・・・・」
京介「沙織?」
157: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 06:21:05.36 ID:3hsaXXCC0
沙織「つまり、俺にはお前だけだと。京介氏には拙者しかいないとおっしゃるのですな」
京介「そのぐるぐるメガネを叩き割るぞ」
沙織「ときに暴力的な京介氏も素敵でおじゃるよ」フフン
京介「駄目だこいつ、早くなんとかしないと・・・・・・」
沙織「おほん。では、話を戻しましょう」
沙織「きりりん氏とメールしている内容というのは・・・・・・」
京介「雑談だよ雑談。お前らとのチャットみたいなもんかな」
沙織「まぁ、そうでござるな」
京介「あいつモデルの仕事とかで忙しいみたいでさ、あんまり出かけている余裕ないし、友達とも現場がたまに違うみたいだから撮影の合間の暇つぶしに付き合ってるんだよ」
沙織「ほほぅ、それで二人は何時からお付き合いを――」
京介「そんな事実はねぇよ!」
京介「そのぐるぐるメガネを叩き割るぞ」
沙織「ときに暴力的な京介氏も素敵でおじゃるよ」フフン
京介「駄目だこいつ、早くなんとかしないと・・・・・・」
沙織「おほん。では、話を戻しましょう」
沙織「きりりん氏とメールしている内容というのは・・・・・・」
京介「雑談だよ雑談。お前らとのチャットみたいなもんかな」
沙織「まぁ、そうでござるな」
京介「あいつモデルの仕事とかで忙しいみたいでさ、あんまり出かけている余裕ないし、友達とも現場がたまに違うみたいだから撮影の合間の暇つぶしに付き合ってるんだよ」
沙織「ほほぅ、それで二人は何時からお付き合いを――」
京介「そんな事実はねぇよ!」
158: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 06:25:19.68 ID:3hsaXXCC0
沙織「いえ、何時からお付き合いを始める予定なのかと」
京介「そんな未来もねぇよ!」
沙織「そうでござるか? てっきり拙者はお二人がラブラブなものなのだとばかり思っておりました故」
京介「何勘違いしてんだよ、あいつとの関係はそういうんじゃないって」
沙織「といいますと?」
京介「そりゃ最初は綺麗な娘だなぁとは思ってたけどよ。なんか仲良くなるにつれて妹みたいだなって」
京介「んで、あいつも俺に対して同じような感情を持ってたみたいで、そういう枠組みに収まったのが今の関係・・・・・・なのかな」
沙織「つまり京介氏の可愛い妹が増えたという解釈でよろしいでござるか?」
京介「・・・・・・まぁそういう感じだな」
沙織「妹ハーレムでござるな」
京介「桐乃が発狂しそうだな」
京介「そんな未来もねぇよ!」
沙織「そうでござるか? てっきり拙者はお二人がラブラブなものなのだとばかり思っておりました故」
京介「何勘違いしてんだよ、あいつとの関係はそういうんじゃないって」
沙織「といいますと?」
京介「そりゃ最初は綺麗な娘だなぁとは思ってたけどよ。なんか仲良くなるにつれて妹みたいだなって」
京介「んで、あいつも俺に対して同じような感情を持ってたみたいで、そういう枠組みに収まったのが今の関係・・・・・・なのかな」
沙織「つまり京介氏の可愛い妹が増えたという解釈でよろしいでござるか?」
京介「・・・・・・まぁそういう感じだな」
沙織「妹ハーレムでござるな」
京介「桐乃が発狂しそうだな」
160: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 06:30:38.30 ID:3hsaXXCC0
沙織「まぁ新しい妹が出来て浮かれる気持ちもわからなくはないでござるが・・・・・・」
京介「浮かれてねぇし! 意味わからねぇよ!」
沙織「しかし京介氏。黒猫氏の気持ちも考えてみてくだされ」
京介「・・・・・・別に瑠璃達のことを邪険に扱ったり相手にしてないつもりは全くないんだけどよ」
沙織「そう感じてしまった以上、京介氏がどう思って、どう接していようと元々の妹としては納得することは出来ないでござるよ」
京介「・・・・・・だな。気をつけてみる」
京介「ありがとな、沙織」
沙織「いえ、お礼を言われるほどのことはしていないでござるよ」
京介「そんなことねぇよ。ホント助かったサンキューな!」
京介「浮かれてねぇし! 意味わからねぇよ!」
沙織「しかし京介氏。黒猫氏の気持ちも考えてみてくだされ」
京介「・・・・・・別に瑠璃達のことを邪険に扱ったり相手にしてないつもりは全くないんだけどよ」
沙織「そう感じてしまった以上、京介氏がどう思って、どう接していようと元々の妹としては納得することは出来ないでござるよ」
京介「・・・・・・だな。気をつけてみる」
京介「ありがとな、沙織」
沙織「いえ、お礼を言われるほどのことはしていないでござるよ」
京介「そんなことねぇよ。ホント助かったサンキューな!」
161: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 06:35:37.52 ID:3hsaXXCC0
沙織「いやいや・・・・・・あ、ところで京介氏」
京介「何だ? せっかく会ってまで相談に乗ってもらったんだ。俺に出来ることなら何でもするぜ」
沙織「そういう安易な約束をすると身を滅ぼしますぞ」
沙織「まぁでもそこまでおっしゃるのでしたら、今度乙女座のパイロットにでもなってもらいましょうか」
京介「な、何だそれ?」
沙織「拙者、前々から京介氏に言って貰いたいセリフがあるのでござる」
京介「そんなことなら今すぐにでもいいぞ?」
沙織「いえいえ、それにはもっとふさわしい衣装と場所が必要でござるよ」
京介「こ、コスプレかよ・・・・・・まぁそれくらいなら全然問題・・・・・・」
沙織「まぁ楽しみにしているでござる」
沙織「と、その話は置いといて。京介氏携帯の方は大丈夫でござるか?」
京介「何だ? せっかく会ってまで相談に乗ってもらったんだ。俺に出来ることなら何でもするぜ」
沙織「そういう安易な約束をすると身を滅ぼしますぞ」
沙織「まぁでもそこまでおっしゃるのでしたら、今度乙女座のパイロットにでもなってもらいましょうか」
京介「な、何だそれ?」
沙織「拙者、前々から京介氏に言って貰いたいセリフがあるのでござる」
京介「そんなことなら今すぐにでもいいぞ?」
沙織「いえいえ、それにはもっとふさわしい衣装と場所が必要でござるよ」
京介「こ、コスプレかよ・・・・・・まぁそれくらいなら全然問題・・・・・・」
沙織「まぁ楽しみにしているでござる」
沙織「と、その話は置いといて。京介氏携帯の方は大丈夫でござるか?」
162: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 06:40:45.50 ID:3hsaXXCC0
京介「ん、携帯・・・・・・? ってうわ、どんだけメールきてんだよ!?」
沙織「き、きりりん氏もやりますなぁ・・・・・・」
京介「撮影早く終わったからこれから遊びに行くぞって・・・・・・おいおい、こっちの都合も考えろよ。っと瑠璃の奴もメールしてたのか・・・・・・」
沙織「何かお家の方でご用事でも?」
京介「いや、今何処にいるかってだけだ」
沙織「ははぁん、モテる男は大変でござるなぁ」
京介「茶化すなよ、でも今日は沙織との約束があるからな」
沙織「拙者のことでしたら気にしないでくだされ。せっかくアキバに来たのですから色々と回ろうと思っていたところもあります故」
京介「そうか? いや、でもなぁ・・・・・・」
沙織「では次回拙者が妹になったときはご一緒願いますぞ!」
京介「お前もかよっ!」
沙織「き、きりりん氏もやりますなぁ・・・・・・」
京介「撮影早く終わったからこれから遊びに行くぞって・・・・・・おいおい、こっちの都合も考えろよ。っと瑠璃の奴もメールしてたのか・・・・・・」
沙織「何かお家の方でご用事でも?」
京介「いや、今何処にいるかってだけだ」
沙織「ははぁん、モテる男は大変でござるなぁ」
京介「茶化すなよ、でも今日は沙織との約束があるからな」
沙織「拙者のことでしたら気にしないでくだされ。せっかくアキバに来たのですから色々と回ろうと思っていたところもあります故」
京介「そうか? いや、でもなぁ・・・・・・」
沙織「では次回拙者が妹になったときはご一緒願いますぞ!」
京介「お前もかよっ!」
164: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 06:48:30.32 ID:3hsaXXCC0
――・・・・・・
桐乃「・・・・・・・・・・・・」
桐乃「遅いっ!」
桐乃(全く、何してんのよあいつは!)
桐乃(あたしが連絡したら10分以内に駆けつけるのが当然でしょ!)
桐乃「っち!」ザッ
桐乃「――あんた遅すぎ! って・・・・・・」
???「あら、あなたと待ち合わせをした覚えはないのだけれど」
桐乃「・・・・・・・・・・・・」
桐乃「遅いっ!」
桐乃(全く、何してんのよあいつは!)
桐乃(あたしが連絡したら10分以内に駆けつけるのが当然でしょ!)
桐乃「っち!」ザッ
桐乃「――あんた遅すぎ! って・・・・・・」
???「あら、あなたと待ち合わせをした覚えはないのだけれど」
166: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 07:06:21.47 ID:3hsaXXCC0
桐乃「・・・・・・なんだ黒いのか」
黒猫「何だとは随分なご挨拶ね」
桐乃「何? あたし忙しいんだけど」
黒猫「あら、それは失礼したわ。十分以上もそこで携帯を眺めてるのがそんなに忙しいとは思わなかったものだからつい」
桐乃「見てたの!? サイテー・・・・・・」
黒猫「ふっ、どうとでも言いなさい」
桐乃「・・・・・・なんか用?」
黒猫「そうね、用事・・・・・・あると言えばあるかしら」
桐乃「早く済ましてよ、私これから用事があるんだから」
黒猫「ええ、いいわよ。私も貴方に少し言いたいことがあっただけだから」
桐乃「そ、ほら早くしなさいよ」
黒猫「そう急かさないで、別に用事があるのは貴方だけではないのよ?」
桐乃「じゃあまた今度でいいじゃん? だからさっさと帰――」
黒猫「貴方に京介は渡さないわ」
黒猫「何だとは随分なご挨拶ね」
桐乃「何? あたし忙しいんだけど」
黒猫「あら、それは失礼したわ。十分以上もそこで携帯を眺めてるのがそんなに忙しいとは思わなかったものだからつい」
桐乃「見てたの!? サイテー・・・・・・」
黒猫「ふっ、どうとでも言いなさい」
桐乃「・・・・・・なんか用?」
黒猫「そうね、用事・・・・・・あると言えばあるかしら」
桐乃「早く済ましてよ、私これから用事があるんだから」
黒猫「ええ、いいわよ。私も貴方に少し言いたいことがあっただけだから」
桐乃「そ、ほら早くしなさいよ」
黒猫「そう急かさないで、別に用事があるのは貴方だけではないのよ?」
桐乃「じゃあまた今度でいいじゃん? だからさっさと帰――」
黒猫「貴方に京介は渡さないわ」
168: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 07:12:21.11 ID:3hsaXXCC0
桐乃「は?」
黒猫「うちの京介を貴方のようなビッチに渡したりしないと言っているのよ」
桐乃「何言ってんの? 意味わかんないし」
黒猫「あら、聞こえなかったかしら? それとも私の言語を解する程の知能が貴方に備わっていなかったということかしら?」
桐乃「喧嘩売ってんの?」
黒猫「どうやら基礎的な言語知識は存在するようね。良かった壊滅的なまでに国語能力が備わっていないのかと思って不安になっていたところよ」
桐乃「人がおとなしく聞いてたらいい気なって! ふざけんなこのクソ厨二病女!!」
黒猫「いつ貴方のようなヒステリック女がおとなしくなったのか訊きたいところね」
桐乃「こんの・・・・・・!」
黒猫「何? 何か言いたいことでもあるのかしら?」
黒猫「うちの京介を貴方のようなビッチに渡したりしないと言っているのよ」
桐乃「何言ってんの? 意味わかんないし」
黒猫「あら、聞こえなかったかしら? それとも私の言語を解する程の知能が貴方に備わっていなかったということかしら?」
桐乃「喧嘩売ってんの?」
黒猫「どうやら基礎的な言語知識は存在するようね。良かった壊滅的なまでに国語能力が備わっていないのかと思って不安になっていたところよ」
桐乃「人がおとなしく聞いてたらいい気なって! ふざけんなこのクソ厨二病女!!」
黒猫「いつ貴方のようなヒステリック女がおとなしくなったのか訊きたいところね」
桐乃「こんの・・・・・・!」
黒猫「何? 何か言いたいことでもあるのかしら?」
171: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 07:18:29.97 ID:3hsaXXCC0
桐乃「ふん、ほんっとあんたってキモい!」
黒猫「ふふ、語呂の少ない女ね。哀れにさえ感じるわ」
桐乃「その格好もそうだけど、いちいち回りくどい話し方するとこもキモい、どうせ兄貴と一緒にいたいから高校も同じところ行ったんでしょ? 友達のいないあんたを大好きなお兄ちゃんが守ってくれるもんね? はーキモ、マジキモ」
黒猫「な!? 京介は関係ないでしょう!!」
桐乃「あれー図星だったの? うわ、更にキモい!」
黒猫「いい加減にしないとその口訊けなくしてあげるわ・・・・・・」
桐乃「やってみたら? ていうか京介はあたしの兄貴なの! あんたのじゃないから!」
黒猫「この間から思っていたけど貴方何を言っているの? 血縁の関係もない貴方が妹だなんて訳の解らない事を言わないで頂戴」
桐乃「はぁ? 元々血が繋がってないのはあんたの方だから!」
黒猫「・・・・・・おめでたい夢でもみてたのかしら?」
黒猫「ふふ、語呂の少ない女ね。哀れにさえ感じるわ」
桐乃「その格好もそうだけど、いちいち回りくどい話し方するとこもキモい、どうせ兄貴と一緒にいたいから高校も同じところ行ったんでしょ? 友達のいないあんたを大好きなお兄ちゃんが守ってくれるもんね? はーキモ、マジキモ」
黒猫「な!? 京介は関係ないでしょう!!」
桐乃「あれー図星だったの? うわ、更にキモい!」
黒猫「いい加減にしないとその口訊けなくしてあげるわ・・・・・・」
桐乃「やってみたら? ていうか京介はあたしの兄貴なの! あんたのじゃないから!」
黒猫「この間から思っていたけど貴方何を言っているの? 血縁の関係もない貴方が妹だなんて訳の解らない事を言わないで頂戴」
桐乃「はぁ? 元々血が繋がってないのはあんたの方だから!」
黒猫「・・・・・・おめでたい夢でもみてたのかしら?」
175: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 07:24:39.80 ID:3hsaXXCC0
桐乃「あんた・・・・・・っ!!」
黒猫「どんなタチの悪い冗談なの? あれだけ邪険にしていたのにも関わらず今更兄さんに惚れたのかしら?」
桐乃「そ、そういうんじゃないっての!!」
黒猫「貴方に兄さんはふさわしくないわ」
桐乃「な――!」
黒猫「後から出て来て人の兄さんを好き勝手に振り回して、オタクの言い訳に使って、その上今度は妹面? ふざけるのもいい加減になさい」
桐乃「実際後から出てきたのはあんたの方でしょ!」
黒猫「・・・・・・やっぱり本気で貴方は自分を兄さんの妹だと思っているの? 何度言えば解るのかしら? 兄さんの妹は私、貴方ではないわ」
桐乃「い、今は確かにそうかもしれないけど!」
黒猫「それとも貴方は兄さんに、『京介の妹にふさわしいのはこの私だ』と、胸を張って言えるのかしら?」
桐乃「何変なこと言ってんのよ!?」
黒猫「どんなタチの悪い冗談なの? あれだけ邪険にしていたのにも関わらず今更兄さんに惚れたのかしら?」
桐乃「そ、そういうんじゃないっての!!」
黒猫「貴方に兄さんはふさわしくないわ」
桐乃「な――!」
黒猫「後から出て来て人の兄さんを好き勝手に振り回して、オタクの言い訳に使って、その上今度は妹面? ふざけるのもいい加減になさい」
桐乃「実際後から出てきたのはあんたの方でしょ!」
黒猫「・・・・・・やっぱり本気で貴方は自分を兄さんの妹だと思っているの? 何度言えば解るのかしら? 兄さんの妹は私、貴方ではないわ」
桐乃「い、今は確かにそうかもしれないけど!」
黒猫「それとも貴方は兄さんに、『京介の妹にふさわしいのはこの私だ』と、胸を張って言えるのかしら?」
桐乃「何変なこと言ってんのよ!?」
176: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 07:30:01.97 ID:3hsaXXCC0
黒猫「答えなさいな高坂桐乃」
桐乃「ふ、ふん。い、言えるに決まってんでしょ! あたし程良く出来た妹なんて他にいるわけないじゃない」
黒猫「そうかしら? 幾ら強くても、幾ら才能があっても、幾ら着飾っても、幾ら美しくても、幾ら諦めなくても、散々邪険にしてきて、散々振り回して、散々困らせて、散々罵倒した貴方に本当にそんな資格があるというの?」
黒猫「言っておくけど、外から見た話じゃないわよ? 他人は他人、そんな外側からの評価なんてそれこそ微塵の意味もないわ。他の誰でもない。京介に貴方は自分が一番だと誇れることが何か一つでもあったの?」
桐乃「・・・・・・それは・・・・・・」
黒猫「だんまり?」
桐乃「うっさい! 黙れ!」
黒猫「図星かしら?」
桐乃「・・・・・・あんたってホントいい性格してるよね」
黒猫「それほどでもないわ」
桐乃「ふ、ふん。い、言えるに決まってんでしょ! あたし程良く出来た妹なんて他にいるわけないじゃない」
黒猫「そうかしら? 幾ら強くても、幾ら才能があっても、幾ら着飾っても、幾ら美しくても、幾ら諦めなくても、散々邪険にしてきて、散々振り回して、散々困らせて、散々罵倒した貴方に本当にそんな資格があるというの?」
黒猫「言っておくけど、外から見た話じゃないわよ? 他人は他人、そんな外側からの評価なんてそれこそ微塵の意味もないわ。他の誰でもない。京介に貴方は自分が一番だと誇れることが何か一つでもあったの?」
桐乃「・・・・・・それは・・・・・・」
黒猫「だんまり?」
桐乃「うっさい! 黙れ!」
黒猫「図星かしら?」
桐乃「・・・・・・あんたってホントいい性格してるよね」
黒猫「それほどでもないわ」
177: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 07:35:09.28 ID:3hsaXXCC0
オーイキリノー
黒猫「あら、ようやく兄さんも到着したようね」
桐乃「・・・・・・ッチ、遅いっての・・・・・・」
京介「お、おぉなんだ瑠璃も一緒なのか?」
黒猫「いいえ、私は偶然通りかかっただけよ」
京介「そうか? まぁせっかくだし一緒に何処か――」
桐乃「ふざけんな!」
京介「ど、どうした桐乃?」
黒猫「少しは空気を読む努力くらいして欲しいものね」
黒猫「あら、ようやく兄さんも到着したようね」
桐乃「・・・・・・ッチ、遅いっての・・・・・・」
京介「お、おぉなんだ瑠璃も一緒なのか?」
黒猫「いいえ、私は偶然通りかかっただけよ」
京介「そうか? まぁせっかくだし一緒に何処か――」
桐乃「ふざけんな!」
京介「ど、どうした桐乃?」
黒猫「少しは空気を読む努力くらいして欲しいものね」
179: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 07:39:07.63 ID:3hsaXXCC0
桐乃「私はあんたを待ってたの、何で邪気眼厨二病女なんかと」
黒猫「何? 今度は兄さんに媚を売りだしたの? このビッチは」
桐乃「はぁ!? 何で私がこいつに媚売らなきゃいけないのよ!?」
京介「待て待てお前ら落ち着けって!」
桐乃「もう行くわよ! 付き合ってらんない!」
黒猫「待ちなさいな、兄さんは置いて行ってもらうわよ、下品なメスの臭いが移ったら大変」
桐乃「この――」
京介「いい加減にしろっ!」
桐乃&黒猫「」ビクッ
黒猫「何? 今度は兄さんに媚を売りだしたの? このビッチは」
桐乃「はぁ!? 何で私がこいつに媚売らなきゃいけないのよ!?」
京介「待て待てお前ら落ち着けって!」
桐乃「もう行くわよ! 付き合ってらんない!」
黒猫「待ちなさいな、兄さんは置いて行ってもらうわよ、下品なメスの臭いが移ったら大変」
桐乃「この――」
京介「いい加減にしろっ!」
桐乃&黒猫「」ビクッ
180: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 07:42:42.14 ID:3hsaXXCC0
京介「マジわかんねーよ、本当にどうしたんだお前ら」
桐乃「べ、別に――」
黒猫「どうもしないわよ、ただ私は兄さんに側にいて欲しいだけ」
桐乃「――ッ」
京介「瑠璃、お前・・・・・・」
黒猫「私はずっと側にいたのよ? それなのに急に出てきたこの女に京介を持っていかれるなんてそんなの耐えられるわけないでしょう」
黒猫「京介。お願いよ、私の側から離れたりしないで・・・・・・」グッ
桐乃「べ、別に――」
黒猫「どうもしないわよ、ただ私は兄さんに側にいて欲しいだけ」
桐乃「――ッ」
京介「瑠璃、お前・・・・・・」
黒猫「私はずっと側にいたのよ? それなのに急に出てきたこの女に京介を持っていかれるなんてそんなの耐えられるわけないでしょう」
黒猫「京介。お願いよ、私の側から離れたりしないで・・・・・・」グッ
183: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 07:45:57.83 ID:3hsaXXCC0
京介「・・・・・・そうか、ごめんな瑠璃。お前の気持ちに気づいてやれなくて」
京介「大丈夫だ。俺はお前の側から離れたりしない。ちゃんと、ずっと、俺はお前の兄貴だ」ナデナデ
黒猫「・・・・・・き、気安く触れないで頂戴」
京介「そうか?」ナデナデ
黒猫「でも・・・・・・今だけは許してあげる」
京介「そうか」
桐乃「・・・・・・なによ・・・・・・」
京介「桐乃・・・・・・」
桐乃「あたし一人、バカみたいじゃない・・・・・・」
桐乃「ずっと一緒にいたのはあたしだってそう! あんたは、京介は覚えてないかもしれないけどあたしはずっと側にいたんだから!」
京介「大丈夫だ。俺はお前の側から離れたりしない。ちゃんと、ずっと、俺はお前の兄貴だ」ナデナデ
黒猫「・・・・・・き、気安く触れないで頂戴」
京介「そうか?」ナデナデ
黒猫「でも・・・・・・今だけは許してあげる」
京介「そうか」
桐乃「・・・・・・なによ・・・・・・」
京介「桐乃・・・・・・」
桐乃「あたし一人、バカみたいじゃない・・・・・・」
桐乃「ずっと一緒にいたのはあたしだってそう! あんたは、京介は覚えてないかもしれないけどあたしはずっと側にいたんだから!」
184: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 07:49:06.76 ID:3hsaXXCC0
桐乃「言葉は交わさなかったかもしれないけど、心はずっと遠くだったかもしれないけど、ホントは夢だったかもしれないけど! あたしは・・・・・・!」
京介「桐乃」
桐乃「うっさい! バカ! もういい! 死ね!」ダッ
京介「待てよ桐乃!」グッ
桐乃「離せ! 離せ離せ!」
京介「お、俺はなぁ! よく聞け桐乃!」
京介「俺はっ! お前の頭だって撫でてやれる!」
京介「桐乃」
桐乃「うっさい! バカ! もういい! 死ね!」ダッ
京介「待てよ桐乃!」グッ
桐乃「離せ! 離せ離せ!」
京介「お、俺はなぁ! よく聞け桐乃!」
京介「俺はっ! お前の頭だって撫でてやれる!」
186: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 08:03:46.60 ID:3hsaXXCC0
・・・・・・・・・・・・
黒猫「は?」
桐乃「」
京介「お前が俺を兄貴だって言うなら、兄貴だっていう記憶がない俺でも良いって言うなら! 俺はいつだってお前の兄貴になってやれる!」
京介「いいや、お前がもう俺なんか兄貴でも何でもないって言ってももう聞かねぇ! もうお前は俺の妹だ! 決めた!」
黒猫「き、決めたって・・・・・・」
京介「元々三人の妹がいるんだ! 今更一人増えようが二人増えようがモノの数じゃねぇ! 全員まとめて面倒見てやる! 全員まとめて抱きしめてやる!」
京介「妹の三人や四人! 抱きしめられないで何が兄だ、中途半端な気持ちで兄なんかやってられねぇんだよ!」
京介「俺がお前らの兄貴だ! 何か文句あるか!?」
黒猫「は?」
桐乃「」
京介「お前が俺を兄貴だって言うなら、兄貴だっていう記憶がない俺でも良いって言うなら! 俺はいつだってお前の兄貴になってやれる!」
京介「いいや、お前がもう俺なんか兄貴でも何でもないって言ってももう聞かねぇ! もうお前は俺の妹だ! 決めた!」
黒猫「き、決めたって・・・・・・」
京介「元々三人の妹がいるんだ! 今更一人増えようが二人増えようがモノの数じゃねぇ! 全員まとめて面倒見てやる! 全員まとめて抱きしめてやる!」
京介「妹の三人や四人! 抱きしめられないで何が兄だ、中途半端な気持ちで兄なんかやってられねぇんだよ!」
京介「俺がお前らの兄貴だ! 何か文句あるか!?」
188: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 08:07:41.29 ID:3hsaXXCC0
桐乃「な、なにそれ・・・・・・」
京介「・・・・・・なんだよ」
桐乃「・・・・・・そんなこと言われたら、もうあたしどうしようもないじゃん」
桐乃「あんたの妹になるしか、ないじゃん・・・・・・バッ・・・・・・カじゃ、ないの・・・・・・?」
京介「い、いいだろ別に」
桐乃「ふふっ・・・・・・バカ・・・・・・」
黒猫「はぁ・・・・・・本当兄さんの莫迦さには呆れて物も言えないわ」
京介「お前ら揃いも揃ってバカバカ言うんじゃねぇよ・・・・・・」
桐乃「しょうがないじゃん、ホントーにバカなんだから」
京介「・・・・・・なんだよ」
桐乃「・・・・・・そんなこと言われたら、もうあたしどうしようもないじゃん」
桐乃「あんたの妹になるしか、ないじゃん・・・・・・バッ・・・・・・カじゃ、ないの・・・・・・?」
京介「い、いいだろ別に」
桐乃「ふふっ・・・・・・バカ・・・・・・」
黒猫「はぁ・・・・・・本当兄さんの莫迦さには呆れて物も言えないわ」
京介「お前ら揃いも揃ってバカバカ言うんじゃねぇよ・・・・・・」
桐乃「しょうがないじゃん、ホントーにバカなんだから」
190: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 08:12:00.32 ID:3hsaXXCC0
黒猫「・・・・・・そんな莫迦な兄さんに一つ訊きたいことがあるのだけれど」
京介「はいはい、なんだよ」
黒猫「先ほどの兄さんの説得だと、妹なら抱きしめてもらえるそうね?」
京介「あ、あぁ、そんなことも言ったな」
黒猫「・・・・・・じゃあお願いしようかしら」
京介「い、今ここでか!?」
黒猫「か、勘違いしないで頂戴! さっきの言葉に嘘偽り無いか確かめる為よ、他意は無いわ」
桐乃「ちょ、ちょっとあたしも忘れてないでしょうね!? ていうかそれあたしに言ったことだし? あんたは関係なくない?」
黒猫「あら、妹であればこの権利は行使出来るはずよ。むしろ頼んだのは私が先なのだから貴方は指くわえて見てなさいな」
京介「はいはい、なんだよ」
黒猫「先ほどの兄さんの説得だと、妹なら抱きしめてもらえるそうね?」
京介「あ、あぁ、そんなことも言ったな」
黒猫「・・・・・・じゃあお願いしようかしら」
京介「い、今ここでか!?」
黒猫「か、勘違いしないで頂戴! さっきの言葉に嘘偽り無いか確かめる為よ、他意は無いわ」
桐乃「ちょ、ちょっとあたしも忘れてないでしょうね!? ていうかそれあたしに言ったことだし? あんたは関係なくない?」
黒猫「あら、妹であればこの権利は行使出来るはずよ。むしろ頼んだのは私が先なのだから貴方は指くわえて見てなさいな」
192: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 08:15:43.65 ID:3hsaXXCC0
京介「あーはいはい! わかりました! 二人まとめてやってやらぁ!」
黒猫「んっ」ギュ
桐乃「むっ」ギュ
桐乃「えへへ、バカ・・・・・・」
黒猫「ふふっ莫迦・・・・・・」
京介「どっちにしても馬鹿呼ばわりされるのかよ!」
桐乃「で、どう?」
京介「何が?」
桐乃「こんな可愛い妹を腕の中に抱えた気分は?」
黒猫「そうね、それは私も気になるわ。正直な感想を聞かせて頂戴」
京介「・・・・・・・・・・・・」
京介「そうだな・・・・・・」
京介「まぁ、悪くはない・・・・・・かな?」
黒猫「んっ」ギュ
桐乃「むっ」ギュ
桐乃「えへへ、バカ・・・・・・」
黒猫「ふふっ莫迦・・・・・・」
京介「どっちにしても馬鹿呼ばわりされるのかよ!」
桐乃「で、どう?」
京介「何が?」
桐乃「こんな可愛い妹を腕の中に抱えた気分は?」
黒猫「そうね、それは私も気になるわ。正直な感想を聞かせて頂戴」
京介「・・・・・・・・・・・・」
京介「そうだな・・・・・・」
京介「まぁ、悪くはない・・・・・・かな?」
194: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 08:21:21.33 ID:3hsaXXCC0
――――
あやせ「桐乃!起きて!!」
桐乃「」ハッ
桐乃「・・・・・・夢か」
加奈子「おいおいどうしたんよーもう放課後だぜ?」
あやせ「どうしたの桐乃うなされてたけど・・・・・・?」
桐乃「いや、何か変な夢みちゃって」
あやせ「夢?」
桐乃(昨日徹夜でゲームやっちゃったのが原因だよね・・・・・・)
桐乃「うーん、なんでもない。帰ろうか!」
加奈子「寝ぼけて車に轢かれそうになっても加奈子様は助けてやんねェゾ」
あやせ「桐乃!起きて!!」
桐乃「」ハッ
桐乃「・・・・・・夢か」
加奈子「おいおいどうしたんよーもう放課後だぜ?」
あやせ「どうしたの桐乃うなされてたけど・・・・・・?」
桐乃「いや、何か変な夢みちゃって」
あやせ「夢?」
桐乃(昨日徹夜でゲームやっちゃったのが原因だよね・・・・・・)
桐乃「うーん、なんでもない。帰ろうか!」
加奈子「寝ぼけて車に轢かれそうになっても加奈子様は助けてやんねェゾ」
196: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 08:25:24.38 ID:3hsaXXCC0
――・・・・・・
あやせ「あれ? もしかして桐乃、あれってお兄さんじゃない?」
桐乃「え?」
加奈子「うげっ」
あやせ「あ、こっちに気づいたみたい」
桐乃「あ、う、え」
京介「おう、お前らも今帰りか?」
あやせ「はい、今日はお姉さんと帰りは別なんですか?」
京介「そういつも一緒に帰ってるわけじゃねぇよ」
あやせ「そうでしょうか?」
京介「そうそう、どうだ。今日くらい一緒に帰ろうぜ!」
あやせ「セクハラはやめてください」
京介「なんでだよ!!」
あやせ「あれ? もしかして桐乃、あれってお兄さんじゃない?」
桐乃「え?」
加奈子「うげっ」
あやせ「あ、こっちに気づいたみたい」
桐乃「あ、う、え」
京介「おう、お前らも今帰りか?」
あやせ「はい、今日はお姉さんと帰りは別なんですか?」
京介「そういつも一緒に帰ってるわけじゃねぇよ」
あやせ「そうでしょうか?」
京介「そうそう、どうだ。今日くらい一緒に帰ろうぜ!」
あやせ「セクハラはやめてください」
京介「なんでだよ!!」
198: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 08:29:21.11 ID:3hsaXXCC0
桐乃「あ、えっと・・・・・・」
京介「ん? どうした桐乃。なんか元気なくないか?」
桐乃「な、何でもない!」
京介「困ったことがあるならちゃんと言えよ?」ボソボソ
桐乃「・・・・・・うん///」
加奈子「あーあ、なぁに妹の友達ナンパしてんだよ」
京介「は?」
桐乃「え?」
加奈子「ほら」ズイ
京介「・・・・・・鞄がどうした?」
加奈子「ん!」
京介「なんだよ」
加奈子「鞄持てっつってんのがわかんねぇのかよ!」
京介「拒否してんのがわかんねぇのかよ!」
京介「ん? どうした桐乃。なんか元気なくないか?」
桐乃「な、何でもない!」
京介「困ったことがあるならちゃんと言えよ?」ボソボソ
桐乃「・・・・・・うん///」
加奈子「あーあ、なぁに妹の友達ナンパしてんだよ」
京介「は?」
桐乃「え?」
加奈子「ほら」ズイ
京介「・・・・・・鞄がどうした?」
加奈子「ん!」
京介「なんだよ」
加奈子「鞄持てっつってんのがわかんねぇのかよ!」
京介「拒否してんのがわかんねぇのかよ!」
200: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 08:30:25.72 ID:3hsaXXCC0
加奈子「いいから持てって! そしたら加奈子様が一緒に帰ってやるからヨ」
桐乃「え、あやせ何これどういうこと?」チョッオマエナゲンナッテ!
あやせ「どういうこともなにも、京介さんは――」ウォオモッ!ナニハイッテンダコレ!
加奈子「可愛い妹の鞄くらい兄貴なら黙って持ちやがれってんだ!」
京介「お前が可愛い妹なら兄貴の俺を少しは敬え!」
あやせ「加奈子のお兄さんだよ」
桐乃「」
おわり
桐乃「え、あやせ何これどういうこと?」チョッオマエナゲンナッテ!
あやせ「どういうこともなにも、京介さんは――」ウォオモッ!ナニハイッテンダコレ!
加奈子「可愛い妹の鞄くらい兄貴なら黙って持ちやがれってんだ!」
京介「お前が可愛い妹なら兄貴の俺を少しは敬え!」
あやせ「加奈子のお兄さんだよ」
桐乃「」
おわり
234: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 15:57:53.40 ID:3hsaXXCC0
――おまけ――
桐乃「そういえばあんたって妹が二人いるんだよね?」
黒猫「えぇ、それがどうかしたのかしら」
桐乃「あんたがあいつの妹で、あたしもあいつの妹になったってことはつまり・・・・・・そ、その二人は・・・・・・あ、あたしの、い、いい、妹! でもある訳じゃん?」
黒猫「・・・・・・何を言っているの」
桐乃「ちょ、ちょっとその私、お兄ちゃんに用事が・・・・・・ぐへへへ」
黒猫「行かせる訳無いでしょう! その汚らしいよだれを拭いて頂戴」
桐乃「は? 何でいいじゃん! 少しだけ! 先っぽだけだから!」
黒猫「何がよ!?」
桐乃「そういえばあんたって妹が二人いるんだよね?」
黒猫「えぇ、それがどうかしたのかしら」
桐乃「あんたがあいつの妹で、あたしもあいつの妹になったってことはつまり・・・・・・そ、その二人は・・・・・・あ、あたしの、い、いい、妹! でもある訳じゃん?」
黒猫「・・・・・・何を言っているの」
桐乃「ちょ、ちょっとその私、お兄ちゃんに用事が・・・・・・ぐへへへ」
黒猫「行かせる訳無いでしょう! その汚らしいよだれを拭いて頂戴」
桐乃「は? 何でいいじゃん! 少しだけ! 先っぽだけだから!」
黒猫「何がよ!?」
236: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 16:12:11.83 ID:3hsaXXCC0
――おまけ2――
『お兄ちゃんの会』
京介「だ、抱きしめたいナ、ガンダムゥ(棒)」
沙織「おぉ、やはり拙者の目、耳に狂いは無かったでござる」
桐乃「・・・・・・何であいつこんなことさせられてる訳?」コンドハコッチヲ
黒猫「大方二つ返事で約束を取り付けたのでしょう」マダアルノカ!?
沙織「ちなみに兄上」
京介「お前の兄になった覚えはないんだけどな・・・・・・」
沙織「良いではありませんか。拙者だけ仲間外れは寂しいでござるよ」
京介「いやいや、そんなつもりは――」
桐乃(何また増やすの? 妹を増やすつもりなの? 死ぬの?)ゴゴゴ
黒猫(これは去勢する必要があるかもしれないわね・・・・・・)ゴゴゴ
沙織「で、次に兄上に着ていただきたい衣装は」
京介「沙織さん。勘弁してください!」
『お兄ちゃんの会』
京介「だ、抱きしめたいナ、ガンダムゥ(棒)」
沙織「おぉ、やはり拙者の目、耳に狂いは無かったでござる」
桐乃「・・・・・・何であいつこんなことさせられてる訳?」コンドハコッチヲ
黒猫「大方二つ返事で約束を取り付けたのでしょう」マダアルノカ!?
沙織「ちなみに兄上」
京介「お前の兄になった覚えはないんだけどな・・・・・・」
沙織「良いではありませんか。拙者だけ仲間外れは寂しいでござるよ」
京介「いやいや、そんなつもりは――」
桐乃(何また増やすの? 妹を増やすつもりなの? 死ぬの?)ゴゴゴ
黒猫(これは去勢する必要があるかもしれないわね・・・・・・)ゴゴゴ
沙織「で、次に兄上に着ていただきたい衣装は」
京介「沙織さん。勘弁してください!」
239: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 16:34:21.20 ID:3hsaXXCC0
――おまけ3――
日向「キョウ兄」
珠希「おにぃちゃん」
京介「なんだ? お前ら」
日向「キョウ兄ってびっちさんを妹にしたって瑠璃姉に聞いたんだけど本当?」
珠希「ほんとー?」
京介「桐乃な。瑠璃の影響受けるのやめろ珠希も真似するだろ」
日向「質問に答えてよー」
京介「ん、まぁ色々あってだな・・・・・・」
日向「彼女じゃないの?」
京介「だから違ぇって何回言わせるんだよ」
日向「・・・・・・そっかー」
京介「そうだよ」
日向「キョウ兄」
珠希「おにぃちゃん」
京介「なんだ? お前ら」
日向「キョウ兄ってびっちさんを妹にしたって瑠璃姉に聞いたんだけど本当?」
珠希「ほんとー?」
京介「桐乃な。瑠璃の影響受けるのやめろ珠希も真似するだろ」
日向「質問に答えてよー」
京介「ん、まぁ色々あってだな・・・・・・」
日向「彼女じゃないの?」
京介「だから違ぇって何回言わせるんだよ」
日向「・・・・・・そっかー」
京介「そうだよ」
240: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 16:36:08.80 ID:3hsaXXCC0
日向「・・・・・・ねぇキョウ兄遊びに行かない?」
珠希「いきませんかー?」
京介「何だいきなり?」
日向「いいでしょ、いこーよ、ねぇー」グイグイ
京介「あーはいはい、行ってやるから落ち着けっての」
日向「えへへ」
珠希「おにぃちゃん、おんぶしてくださいー」
京介「おいおい、外出前からそんなんで大丈夫か?」
珠希「だいじょうぶですーえへへ」
日向「あーキョウ兄やらしい顔してるぅー」
京介「するか! ほら行くぞ」ギュ
日向「あ、ちょっとキョウ兄! て、手なんか握らなくていいから!///」
京介「はいはい、行くぞー」ギュー
珠希「いきませんかー?」
京介「何だいきなり?」
日向「いいでしょ、いこーよ、ねぇー」グイグイ
京介「あーはいはい、行ってやるから落ち着けっての」
日向「えへへ」
珠希「おにぃちゃん、おんぶしてくださいー」
京介「おいおい、外出前からそんなんで大丈夫か?」
珠希「だいじょうぶですーえへへ」
日向「あーキョウ兄やらしい顔してるぅー」
京介「するか! ほら行くぞ」ギュ
日向「あ、ちょっとキョウ兄! て、手なんか握らなくていいから!///」
京介「はいはい、行くぞー」ギュー
242: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 16:49:45.87 ID:3hsaXXCC0
――おまけ4――
あやせ「お兄さん」
京介「お、あやせか。学校帰りか? お前から声をかけてくるなんて珍しいな」
あやせ「はい、お兄さんに少しお話が」
京介「何だ? また桐乃と何かあったか?」
あやせ「・・・・・・・・・・・・」
京介「? おーい」
あやせ「・・・・・・ついに桐乃に手を出しましたね」スゥ
京介「」ゾクゥ
あやせ「お兄さん」
京介「お、あやせか。学校帰りか? お前から声をかけてくるなんて珍しいな」
あやせ「はい、お兄さんに少しお話が」
京介「何だ? また桐乃と何かあったか?」
あやせ「・・・・・・・・・・・・」
京介「? おーい」
あやせ「・・・・・・ついに桐乃に手を出しましたね」スゥ
京介「」ゾクゥ
243: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 16:51:12.00 ID:3hsaXXCC0
京介「そ、それは流石にお前の勘違いだぞ!」
あやせ「勘違い・・・・・・?」
京介「あ、あいつは俺の妹っていう関係になっただけで別に付き合ってる訳じゃ――」
あやせ「余計に危ないじゃないですか! このシスコン工口ゲー野郎!!」ドコォッ
京介「ゴフゥ!!」
京介「ご、誤解だ・・・・・・」
あやせ「も、もうお兄さんのことなんか信用出来ません!」
京介「いや、だから――」
あやせ「ですから!」
あやせ「私も、お兄さんの妹になります!」
京介「は?」
あやせ「私自らお兄さんの犯罪性を明らかにしてやりますから覚悟してください! お、お、お、お兄ちゃん!!」
京介「いや、そこはお兄さんでいい」
あやせ「勘違い・・・・・・?」
京介「あ、あいつは俺の妹っていう関係になっただけで別に付き合ってる訳じゃ――」
あやせ「余計に危ないじゃないですか! このシスコン工口ゲー野郎!!」ドコォッ
京介「ゴフゥ!!」
京介「ご、誤解だ・・・・・・」
あやせ「も、もうお兄さんのことなんか信用出来ません!」
京介「いや、だから――」
あやせ「ですから!」
あやせ「私も、お兄さんの妹になります!」
京介「は?」
あやせ「私自らお兄さんの犯罪性を明らかにしてやりますから覚悟してください! お、お、お、お兄ちゃん!!」
京介「いや、そこはお兄さんでいい」
245: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 17:04:22.24 ID:3hsaXXCC0
――おまけ5――
加奈子「お、マネージャーじゃん!」
京介「うげっ加奈子!?」
加奈子「なんかさー」
京介「なんだよ」
加奈子「あやせも桐乃もおかしくね?」
京介「そ、それを元マネージャーの俺に言われてもな」
加奈子「あれ、お前桐乃とあやせの兄貴なんだろ?」
京介(なんだあいつら、言いふらしてんのかよ!?)
加奈子「でもお前ら血繋がってたっけ?」
加奈子「お、マネージャーじゃん!」
京介「うげっ加奈子!?」
加奈子「なんかさー」
京介「なんだよ」
加奈子「あやせも桐乃もおかしくね?」
京介「そ、それを元マネージャーの俺に言われてもな」
加奈子「あれ、お前桐乃とあやせの兄貴なんだろ?」
京介(なんだあいつら、言いふらしてんのかよ!?)
加奈子「でもお前ら血繋がってたっけ?」
246: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 17:06:08.29 ID:3hsaXXCC0
京介「いや、なんつーか。そういう関係になるってだけで別に血が繋がってるだとか一緒に暮らしてる訳じゃないけどな」
加奈子「ふーん、まぁいいや」
加奈子「てかそんなに兄貴のいる妹ってのはいいもんなのかヨ?」
京介「妹じゃねぇから知らねぇよ」
加奈子「かなこ、別に姉ちゃんいるけどそんないいもんじゃなくね?」
京介「だから知らねぇよ」
加奈子「あ・・・・・・かなこ、すげぇ良いこと思いついた」
京介「あん?」
加奈子「かなこ達付き合おうぜ!」
京介「――は?」
終わり
加奈子「ふーん、まぁいいや」
加奈子「てかそんなに兄貴のいる妹ってのはいいもんなのかヨ?」
京介「妹じゃねぇから知らねぇよ」
加奈子「かなこ、別に姉ちゃんいるけどそんないいもんじゃなくね?」
京介「だから知らねぇよ」
加奈子「あ・・・・・・かなこ、すげぇ良いこと思いついた」
京介「あん?」
加奈子「かなこ達付き合おうぜ!」
京介「――は?」
終わり
引用元: 桐乃「何であんた黒いのといるの?」
桐乃「デレノート……?」
2019-12-14
1: ◆kuVWl/Rxus 2011/01/22(土) 22:21:44.27 ID:/X7dip2ro
その日もあたしは、いつものように退屈な授業をぼんやりと聞いていた。
自分で言うのも何だけど、あたしって要領がいいから、授業でやる範囲なんて
教科書を読むだけで自然と頭に入っちゃうんだよね。
だからかったるくて授業なんて聞いてられないってワケ。
そんなあたしが何の気なしに机の中に手を入れると、
そこには覚えの無い、薄く、でもしっかりとした硬い手触りのノートが入っていた。
(あれっ?こんなノート持ってたっけ?)
取り出してみると、表紙は真っ黒で、英語のタイトルらしきものが書かれている。
(「DERE NOTE」? デレ……ノートって読むのかな?)
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2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/22(土) 22:23:02.30 ID:/X7dip2ro
誰かがあたしの机に入れたのだろうか?
周囲を見回してみたけど、周りのみんなは正面の教師へ視線を送っていて、
あたしの行動には気づいていないようだった。
ちょっと気味が悪い気もしたけれど、とりあえず表紙を一枚めくってみる。
するとその裏には、小さな文字でなにやら書いてあった。
(ええっと…… 「HOW TO USE」? 使い方ってことかな?)
そこには小さな文字で、以下のようなことが書き連ねられていた。
3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/22(土) 22:24:14.96 ID:/X7dip2ro
・このノートに名前を書かれた人間は、指定した人物に対しデレデレになる
・デレ対象を省略した場合は、ノートに書き込んだ当人がデレ対象となる
・書く人物の顔が頭に入っていないと効果はない
ゆえに同姓同名の人物に一遍に効果は得られない
・このノートは人間界の地に着いた時点から人間界の物となる
・所有者はノートの元の持ち主であるデレ神の姿や声を認知する事ができる
・デレノートを持っている限り、自分が誰かにデレるまで元持ち主であるデレ神が憑いてまわる
4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/22(土) 22:25:38.85 ID:/X7dip2ro
あまりにも馬鹿馬鹿しくて、あたしはぷっと吹き出してしまった。
(へぇ~ なかなか凝ったイタズラじゃない)
誰が用意したのかわからないけど、こういうのはノリ良く応えないとねっ!
ってことで、あたしはシャーペンを握ると、真っ白なページの一番上の欄に構えた。
(うーん、誰の名前を書くべきなのかなぁ?)
っていうか、こんなイタズラ仕掛けるのって、ぶっちゃけあの子しか考えられないんだけどさ。
(「来栖加奈子」っと)
あたしはイタズラ犯である可能性が最も高い、加奈子の名前を書いてみた。
へへっ、これでネタばらしされた時に、「ふふーん、あんたの仕業だってお見通しだよっ」
ってやりかえせるよね。
あたしは名前を書き終えると、ふと加奈子の席の方を見てみた。
あれっ、気のせいか加奈子がぼんやりしてるように見えるかも?
眠いのかな?でもそれにしちゃ頬が妙に紅いし……
5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/22(土) 22:27:20.81 ID:/X7dip2ro
休憩時間――
さぁ、加奈子がネタばらしをしにくるのかな?
あたしはニヤニヤしながら様子を窺っていたんだけど、加奈子は相変わらず頬を染めたまま
こっちをチラチラと見るだけだった。
それはまるで恋する乙女の仕草だ……もしかしてそれでデレてる振りしてんの?
めんどくさくなったあたしは、加奈子の席へ向かい、こちらからネタばらしを要求してみた。
「加奈子ぉ、そんな演技したってとっくにバレてるんだってば。まったく……」
「えっ、あっ、桐乃……」
加奈子は目を合わそうとせず、耳まで真っ赤にして俯いている。
「もう~~、加奈子ってば!」ポンッ
あたしはちょっとイラついて、加奈子の肩を軽く押した。
すると加奈子は、あたしの手の上にスッと自分の手を重ね、潤んだ上目遣いの瞳で
あたしを見つめてきた。
6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/22(土) 22:28:18.89 ID:/X7dip2ro
「えっ? 加奈子……?」
なに?なんなのこの反応は??
これも演技なの?でも演技にしちゃ随分と真実味があるような。
「そ、そろそろ次の授業が始まるねっ! じゃ!」
あたしは慌てて加奈子から離れると、自席へと戻った。
まさか……まさかね……。
ま、そんなやり取りがあった後でも、あたしはこんなノートのことなんて
これっぽっちも信じて無かったんだけどさ、
その認識は放課後にあっさりと覆されてしまった。
7: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/22(土) 22:29:46.62 ID:/X7dip2ro
あの後、ちょっと興味が湧いたあたしは、あやせの名前もノートに書いてみたの。
加奈子のイタズラだとしても、あやせまで加担してるってことは性格的に考えにくいし、
むしろあやせはそういう下らないことを嗜める側の人間だから。
そう思ってたんだけど――
ホームルームが終わった瞬間、あたしが見た光景は、
こちら目掛けて土煙を上げ猛突進してくるあやせと加奈子の二人の姿だった。
「桐乃っ!わたしと一緒に帰ろ!!」
「桐乃ぉぉぉ!加奈子と帰ろうぜっ!!」
二人はそれぞれあたしの腕をつかむと、思いっきり左右に引っ張り始めた。
ちょっ!待って!痛いってば!二人とも本気で引っ張ってるし!
「桐乃はわたしとかーえーるーのー」
「ちげーよ!!加奈子と一緒に帰るんだってばー!!」
なんか昔の話でこういうのがあった気がする……ううん、そんなこと言ってる場合じゃない!
8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/22(土) 22:30:57.47 ID:/X7dip2ro
「ちょ、ちょっと……もう、二人ともやめてってば!!」
そう一喝すると、二人はそれぞれ同時に手を離し、あたしはその弾みで尻餅をついてしまった。
そんなあたしの様子を見て、あやせは満面の笑みを浮かべて抱きついてくる。
「急に手を離されて転んじゃう桐乃、すっごく可愛いいいいい!」
「あっ、ずるいぞあやせ!加奈子にも抱かせろって!」
だからやめてってば……みんな見てるし。
教室中の注目を集めちゃってるよ……
っていうかマジだ――
このノートは本物だったんだ!!
9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/22(土) 22:33:25.97 ID:/X7dip2ro
下校中も二人はベタベタしっぱなしだった。
左にあやせ、右に加奈子と、それぞれに腕を絡められ、どちらも身体を密着させている状態で、
すれ違う人たちから変な目で見られちゃったよ……
あたしは家の前まで二人に送ってもらう形になり、ようやくそこで一人になることができた。
ホントは二人とも家に寄っていこうとしてたみたいだったんだけど、
このベタベタ状態に耐えられなくなったあたしが必死にお願いして帰ってもらったってワケ。
家に入ると人の気配はなく、まだ両親も兄貴も帰っていなかった。
あたしは自分の部屋に入ると、ドアの鍵を閉め、カバンからあのノートを取り出す。
「デレノート……すごいわ……」
ふふ……ふふ…… 思わず笑みがこぼれる。
その時、突如背後から人の声がした。
『――気に入っているようだな』
驚いたあたしが振り返ると、
そこには長身の黒ずくめで、頬まで口が裂けた異形の怪物が立っていた――
10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/22(土) 22:34:31.95 ID:/X7dip2ro
「きゃああああああああ!! だ、誰!? いつの間に入ったの!?」
驚いて椅子から滑り落ちたあたしを見下ろしながら、怪物はニヤリと笑った。
「そんなに驚くな。デレノートの持ち主、デレ神のリュークだ」
「デ……デレ神?」
「ああ、ノートにも書いてあったろ。人間をデレさせる神、それが俺だ」
デレ神……そんなのがホントに存在したなんて!
あたしは椅子にしがみつきながら身体を起こし、リュークとやらに問い掛けた。
「そのデレ神が……なぜあたしにこんなノートを授けたのよ?」
「ははは、退屈だったからな」
「退屈って……それだけで?」
「それにお前の周りにはツン気質の奴が多そうだし、デレノートの所有者として適任だと思ってな」
そう言うと、デレ神はククッと下卑た笑みを見せた。
37: ◆kuVWl/Rxus 2011/01/24(月) 00:33:37.50 ID:fKq/GzRDo
そんなわけで、デレ神リュークはあたしに取り憑くことになってしまった。
そして、どうやらこいつの姿はあたしにしか見えないらしい。
その日の夜、家族が揃う食事のときもリュークは堂々と付いてきたので
あたしは一人で大慌てだったんだけど、こんな気味の悪い怪物がいるというのに、
お父さんもお母さんも兄貴も、誰一人反応しなかった。
仮にも“神”を名乗ってるわけだもんね。伊達じゃなかったみたい。
まぁそれでも、部屋でもリビングでも常に一緒に居るので、正直言ってウザくてしょうがなかった。
だけど、リュークの話す声もあたし以外の人には聞こえないようだし、
無視してれば静かにしてる奴なので、徐々に気にならなくなってきたけどさ。
38: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/01/24(月) 00:36:19.20 ID:fKq/GzRDo
だけど、さすがにお風呂のときは困っちゃったよ。
「アンタさぁ、もしかしてお風呂にまで付いてくる気?」
『……基本的にそういうシステムだからな』
「あり得ないでしょ!? 女子中学生のお風呂に侵入だなんて、即通報モノだって!」
『そもそも俺は人間の裸を見たところで、なにも感じないんだがな……』
と、リュークはしれっと言ってたけど、
色々と検証してみたところ、数メートル程度は普通に離れていられることが判ったので、
お風呂のときは浴室の外の洗面所に待たせることにした。
……こいつ、なにが「人間の裸を見たところで、なにも感じない」よ。
油断も隙もあったもんじゃないわ。
39: ◆kuVWl/Rxus 2011/01/24(月) 00:38:56.53 ID:fKq/GzRDo
「ところでさぁ……リューク、ちょっと聞きたいんだけど」
あたしは浴槽につかりながら、ドアの向こうに居るリュークに問い掛けた。
『……なんだ?』
リュークは少し遅れて返事をする。ってか、こいつ外で何して待ってるんだろう?
まさかあたしの下着をくんかくんかしてんじゃないでしょうね。
「あのさ、このデレノートの効果って、いつまで続くの?」
『さぁな、俺は気にしたことが無いからな』
「あんたがノートの所有者だったってことは、あんたも誰かの名前を書いたりしてたんだよね?」
『ああ、書いていた。しかしお前が手にしたノートは、厳密には俺のノートじゃないんだがな。
それは他のデレ神のノートを俺が盗んだものだ』
えっ、デレ神ってこいつ以外にもいるの?
40: ◆kuVWl/Rxus 2011/01/24(月) 00:41:06.26 ID:fKq/GzRDo
『俺たちデレ神は基本的に一人一冊のノートを持っていて、そこに人間どもの名前を書き、
デレてキャッキャウフフしてる様子を見ることを、生きる糧としているんだ』
「ずいぶんなご趣味ね……」
『だから、人間にデレノートを与えて遊ぶには、自分用とは別にノートを手に入れる必要があるんだ』
こいつの付き合いで分かってきたことは、おっかない風貌の割に案外おしゃべりだということだ。
なので聞いてないことまでペラペラとしゃべってしまう。
「あたし、クラスメイト二人の名前を書いたんだけど、今後もデレられることになっちゃうのかなぁ」
『そいつらキモい奴らなのか? ククク……だとしたらお前にとっては苦痛だな』
「ちょっとぉ!あやせと加奈子はキモいどころか、二人とも美少女でモデルまでやってるっつーの!」
そう反論したところで、あたしはハッと気づいた。
41: ◆kuVWl/Rxus 2011/01/24(月) 00:43:59.02 ID:fKq/GzRDo
そういえば、今日は二人の豹変ぶりに思わずドン引きしてしまったけど、
よくよく考えたら、あの美少女二人にデレられ放題ってすっごいご褒美じゃん。
「……そっか、デレノートの使い道ってそういうことなのね」
このノートを使うことで他人の好意を意のままに操ることができる――
あたしって美人だし友達も多いから、その手の願望ってあんまりなかったんだよね。
こんな当たり前のことに今更気づいてしまった。
それに、デレられてる優位を上手く利用すれば、あの二人をあたしの趣味に引き込めるかも?
加奈子にメルちゃんコスプレをさせたり、あやせには……アルちゃんコスかな?
二人に対決シーンを再現してもらったり……うへへ、夢がひろがりんぐ……
あたしはニヤけ顔を隠すように口元まで湯船に沈めると、しばし妄想の世界に浸った。
『(ククク……人間って面白っ!)』
67: ◆kuVWl/Rxus 2011/01/27(木) 00:57:39.74 ID:uPWfOK4Zo
こうしてデレノートの使い手となったあたしは、この力を存分に活用することにした。
具体的に何をしたのかって言うと――
誰が見ても互いに好き合ってるのに、なかなかくっつかないイライラする子達っているじゃん?
あたしのクラスにもさぁ、そういうのが何組かいたんだけど、
そういう男女をお互いデレ合うように片っ端から名前を書いてやったってワケ。
そんでカップル一丁あがり。
最初は自分のクラスだけだったけど、そのうち隣のクラス、次第に三年生全体に範囲を広げて
どんどんカップルを作ってやったの。
おかげであたしたち三年生のフロアは、なんとなくピンクの雰囲気になっちゃった。
学校内でも、急に交際を始めた男女が増えたんじゃないかって、次第に噂になってきてるみたい。
これヤバイわ、やり始めたら楽しくて止まらなくなっちゃう……
あたしって、まるで恋のキューピッドだよね。
68: ◆kuVWl/Rxus 2011/01/27(木) 00:59:20.66 ID:uPWfOK4Zo
「「桐乃~~ 一緒に帰ろっ」」
あれから一週間が経ったけど、あやせと加奈子は相変わらずあたしにデレデレしっぱなしだ。
嫌なわけじゃないけど、いつまでこの状態が続くのかなと、ちょっと心配になる。
三人イチャつきながら下校するのにだんだん慣れてきてしまった自分が怖いわ……。
そんなことを考えながら歩いていると、いつもの曲がり角で、同じく下校中の兄貴に遭遇した。
いや、正確には兄貴と地味子だ――
「……!」
「よう、桐乃……って、なんか妙にベタベタしてるなお前ら」
「うっさいわね!あんたに関係ないでしょ」
あたしはキッと睨み付けると、二人を追い越し早足で家路を急いだ。
「ああん、桐乃ぉぉ、置いてくなよ~~」
「桐乃、待ってってば~~~」
加奈子とあやせが慌てて追いかけてくる。
ふんっ、いつもいつもベタベタしちゃって。キモいんだってば、馬鹿兄貴。
69: ◆kuVWl/Rxus 2011/01/27(木) 01:01:02.19 ID:uPWfOK4Zo
思えばあたしが物心ついたときから、兄貴の隣にはあの女がいたような気がする。
兄貴も、なんであんな地味でスタイルもイマイチな冴えない女と一緒に居るんだか。
メガネっ娘好きなのは知ってるけど、ちょっと趣味悪すぎるんじゃないの?
もしデレノートに、地味子が別の男にデレるように書いたら、あの二人の関係は壊れるかな?
ムカつくからやってやろうかしら。
それとも、兄貴の方を、地味子じゃない他の誰かにデレるようにしちゃうとかさ。
たとえば……あたしとか?
そんな考えをめぐらせた瞬間、顔がかっと熱くなるのを感じた。
うわああ!キモっ!あたしキモい!とんでもないことを想像してしまった。
ありえないってそんな状況。あの死んだ魚の目のような兄貴があたしにデレてくるなんて……
でもこのノートがあれば、そんな状況も作り出せちゃうのよね。
そう考えたとき、あたしは初めてこのノートの力に薄気味悪さを感じた。
70: ◆kuVWl/Rxus 2011/01/27(木) 01:02:50.77 ID:uPWfOK4Zo
夕食後――
あたしはさっさと自分の部屋に戻ると、パソコンの電源を入れた。
ブラウザを立ち上げ、ブックマークの中からあるサイトを開く。
「リューク、ちょっとこれ見てみてよ」
『うん?何だそのサイトは』
あたしが開いて見せたのは、うちの中学校のいわゆる“裏サイト”。
誰が作ったのかは分からないけど、おそらくほとんどの生徒が知ってるサイトで、
学校に関するあらゆる情報交換が行われている。
「ここの掲示板にいろんな書き込みがあるんだけど――あった、このスレッド」
男女交際について語られてるそのスレッドのタイトルをクリックすると、
そこには最近の校内カップル急増についての報告や意見が書かれていた。
71: ◆kuVWl/Rxus 2011/01/27(木) 01:04:45.49 ID:uPWfOK4Zo
507 :学校の名無しさん:2011/01/26(水) 18:38:07
3年B組の○田と△藤、あいつらが付き合うとは思わなかった
どう考えても釣り合ってねえしwww
508 :学校の名無しさん:2011/01/26(水) 19:09:17
うちのクラスも急に付き合い始める奴ら大杉。ベタベタしてキモイ
509 :学校の名無しさん:2011/01/26(水) 19:20:20
うちもだぜ
異様
510 :学校の名無しさん:2011/01/26(水) 20:01:20
他所もかよw
511 :学校の名無しさん:2011/01/26(水) 20:19:44
それって3年ばかりでしょ?
高校受験なのになに考えてんのかね
512 :学校の名無しさん:2011/01/26(水) 20:29:53
リア充爆発しろ
513 :学校の名無しさん:2011/01/26(水) 21:11:12
てか最近付き合い始めたやつらってなんか怖くね?
催眠術にでもかかってるかのように、目がイッちゃってるもん
72: ◆kuVWl/Rxus 2011/01/27(木) 01:06:41.87 ID:uPWfOK4Zo
リュークはあたしの肩越しにパソコンのモニタを眺めてる。
『なんだかあまり反応が良くないじゃないか。キューピッド気取ってたのに残念だったな』
「別にぃ~。ここに書いてる奴らは当事者じゃないからでしょ。非モテがひがんでるのよ」
あたしはモニタを見つめたままで答えた。
リュークは頬まで裂けた口元をさらに吊り上げ、クククと嫌な笑いを浮かべている。
『で、この掲示板がどうかしたのか?』
「ふふふ、よくぞ聞いてくれました」
あたしは椅子をくるっと回し、腕組みをしてリュークと向き合った。
「実は、くっつける男女のストックがそろそろなくなってきたから、ここで情報集めようかなって思って。
それにあたしが手を出してない、他の学年にも恋のキューピッド様が降臨しないと不公平だしね」
『へぇ~ そういうものなのか』
あたしはニヤリと笑い、またパソコンに向かい直すと、投稿フォームを開いてキーを叩き始めた。
73: ◆kuVWl/Rxus 2011/01/27(木) 01:07:46.21 ID:uPWfOK4Zo
名前: メルちゃん♪
E-mail: sage
内容:
最近カップルが増えたのは、あたしが恋の魔法でくっつけたからだよ~ん
他にもカップルにしたい男女がいたら名前を教えてよね(*´∀`*)
写真があればなお良しだよ♪
(・ω<)キラッ☆彡
「よーし、これで書き込みっと」
『……お前、ネット上ではこういうキャラなのか?』
「はぁ?なんか文句あるの?」
『いや……ないけど』
あたしは意気揚々と投稿ボタンをクリックした。
さすがに身元を明かすのはヤバいし、その点ネットの掲示板って便利な場所よね。
自分の書き込みが掲示板に反映されたことを確認すると、あたしはいつもより早めにベッドに入った。
明日の朝、少し早く起きてレスをチェックしよっと。
74: ◆kuVWl/Rxus 2011/01/27(木) 01:10:34.11 ID:uPWfOK4Zo
翌朝――
いつもより一時間早く起きたあたしは、パソコンの電源を入れて早速スレッドをチェックした。
ふふふ、みんなどんな反応してるかな……
520 :メルちゃん♪:2011/01/26(水) 21:41:01
最近カップルが増えたのは、あたしが恋の魔法でくっつけたからだよ~ん
他にもカップルにしたい男女がいたら名前を教えてよね(*´∀`*)
写真があればなお良しだよ♪
(・ω<)キラッ☆彡
521 :学校の名無しさん:2011/01/26(水) 21:46:53
D組の○山と◇岡も付き合い始めたってさ
522 :学校の名無しさん:2011/01/26(水) 22:00:21
カポーうぜえええええ
523 :学校の名無しさん:2011/01/26(水) 22:16:20
校内で所構わずいちゃらぶするのはマジやめて欲しい
524 :学校の名無しさん:2011/01/26(水) 23:31:52
>>520
キチガイ乙です
525 :学校の名無しさん:2011/01/27(木) 00:40:13
みんな卒業してからにすりゃいいのにね
75: ◆kuVWl/Rxus 2011/01/27(木) 01:11:58.32 ID:uPWfOK4Zo
思わずキーボードを両手で殴りつけ、あたしは叫んだ。
「ちょっとぉ!!なんでスルーされてる上にキチガイ認定レスだけなのよっ!?」
『俺に言われても知らねえって……』
あたしの大声で目を覚ましたのか、隣の部屋から壁越しに「うるせえぞ!」の罵声が聞こえてきた。
チッ、こっちは大事なところなのよ? ああ、ウザいウザい。
「こうなったら、やっぱりあたしの力を実証して見せるしかないわね」
幸い、カップル候補のストックが一組だけ残っていた。
あたしは再び投稿フォームを開き、静かにキーを叩き始める。
名前: メルちゃん♪
E-mail: sage
内容:
ちょwwwお前ら無視すんなしwwwwwwwww
しょうがないから、今から3年C組の○村くんと△川さんをカップル化してやんよ
これであたしの力を信じなさいよ!
(・ω<)キラッ☆彡
投稿を終えると、あたしはデレノートに○村くんと△川さんを互いにデレるよう書き込んだ。
これで準備完了。
さぁ、しっかり見てなさいよ、非モテの連中どもめ!
95: ◆kuVWl/Rxus 2011/01/29(土) 01:47:34.15 ID:p1/0FVLpo
学校に着くと、3年C組の教室の前には人だかりができていた。
三年生が多いけど、二年生や一年生も混じっているようだ。
あたしは人だかりに近づくと、その中にあやせの姿を見つけた。
「おっはよ、あやせ。どうしたのこれ?」
「あっ、おはよう桐乃~♪」
あやせはあたしの手を両手で握り、頬を染め、上目遣いで見つめてきた。
いや、今はそういうのはいいから……
あたしは手を振りほどくと、人だかりを指差して、あやせに回答するよう促した。
「うーん、なんかね。C組の○村くんと△川さんが急にラブラブになっちゃったみたい」
ああ、なるほどね。
そりゃあたしがさっきデレノートに書いたから、当然の結果なんだけどさ。
周りを見回すと、皆は教室の中に視線が釘付けになっていて、その視線の先には、
見事に相思相デレ状態となった○村くんと△川さんの二人の姿があった。
昨日まではそんな素振りを見せてなかった二人のデレデレぶりに、辺りは騒然としている。
「――あの書き込みは本当だったのかよ」
人だかりの中の誰かがそう呟いた。
96: ◆kuVWl/Rxus 2011/01/29(土) 01:50:50.30 ID:p1/0FVLpo
その声を受けて、また別の誰かが聞き返す。
「書き込みってなんだよ?」
「今朝、あの二人をカップルにするって予告があったんだよ。うちの学校の裏サイトに!」
「それどころか、最近カップルが異様に増えてるのは、そいつの仕業らしいぜ」
キ、キ、キタ━━━━(゜∀゜)━━━━ッ!!
これよ、これ!あたしが求めていた展開になってきた!
ようやくあたしという恋のキューピッドの存在に気付いたようね!
「カップルにするって……どうやって??」
「知らねーけど、恋の魔法がなんとかって書いてあった」
「……お前、マジで言ってんのかよ?」
「じゃあ、あれをどう説明するんだよ!急にあんな状態になっちまってるんだぜ!?」
喧喧囂囂の言い合いが続き、その周りの人達も戸惑いながらやり取りを見守っている。
しばらくすると、ざわめきを掻き消すように予鈴が鳴って、皆それぞれの教室に戻り始めた。
「いいから、お前らも裏サイト見てみろって!携帯からでも見れるだろ」
散り際に聞こえてきた声に、みんな携帯を取り出して一斉に操作を始めている。
あたしはニヤニヤを抑えるのに必死だった。
97: ◆kuVWl/Rxus 2011/01/29(土) 02:11:02.81 ID:p1/0FVLpo
その日、校内は一日中、裏サイトの掲示板の話題で持ちきりだった。
教室に居ても、耳を澄ませばいつでも裏サイトについて話す誰かの声が聞こえてくる。
でも、まだみんな半信半疑のようで、あたしの書き込みを単純に信じる人もいれば、
トリックがあると疑っている人もいて、受け止め方はまさに人それぞれみたい。
中には、カップルになった二人による自作自演じゃないかって説を唱える人もいたらしい。
とはいえ、当人達を問い詰めてもデレ状態の二人では要領を得ないし、演技とは思えない
二人の豹変っぷりは、あの書き込みに信憑性を持たせるのに十分だったようだ。
唯一真実を知るあたしは、そんな周囲の喧騒に対して言い知れぬ優越感に浸っていた。
ネットの世界に舞い降りた、愛を結ぶ謎のキューピッド……嗚呼、カッコよすぎるわ。
「桐乃?……なんだか今日はずいぶんご機嫌だね」
「そ、そんなことないってば、あやせ」
いかんいかん、ついつい表情がニヤけてしまうわ。
98: ◆kuVWl/Rxus 2011/01/29(土) 02:14:39.15 ID:p1/0FVLpo
ただね、想定外なことがひとつだけあってさ――
あ、ホラ、今またクラスの男子が噂話してるんだけど……
「掲示板のあいつ、スゲーよなぁ」
「俺はあんなの信じないけどな。えっと、なんて奴だったっけ?」
「ええっと……なんだったっけ……?」
だから“メルちゃん”だってば。名前欄に書いてたでしょ!
あたしは恋の呪文を使う、魔法少女メルルだよっ☆
「ああ、たしかキラッとかいう……」
「あっ!そうだそうだ、キラッだよ!」
ノオオオオオオ!
違うっ!そこじゃないってば!
確かにそれも書いたけど、それは単にメルルの歌の合の手で、キメ台詞的に書いただけなんだって。
そんなあたしの心の叫びが届くはずもなく、裏サイトの謎のキューピッドの呼び名は、
みんなの間であっという間に“キラッ”で定着してしまったようだ。
「キラッって、一体どんな奴なんだろうなぁ~」
「だからヤラセだって!キラッなんてあり得ないって」
……ああ、もういいわ。キラッでいいわよ。
99: ◆kuVWl/Rxus 2011/01/29(土) 02:20:10.16 ID:p1/0FVLpo
学校が終わり、あたしは足早に帰宅すると、着替えるよりも早くパソコンの電源を入れた。
裏サイトにアクセスして例のスレッドを開くと、今朝までの寂れようとは打って変わり、
あたしの書き込みに対するレスが並んでいる。
どうやら皆、待ちきれずに学校から携帯使って書き込んだみたいね。
ふふっ、こうじゃなくっちゃ。
530 :メルちゃん♪:2011/01/27(木) 06:41:11
ちょwwwお前ら無視すんなしwwwwwwwww
しょうがないから、今から3年C組の○村くんと△川さんをカップル化してやんよ
これであたしの力を信じなさいよ!
(・ω<)キラッ☆彡
531 :学校の名無しさん:2011/01/27(木) 09:21:17
うおおおお!マジだ!!!!!
○村と△川が急にベタベタになってた!!!!
532 :学校の名無しさん:2011/01/27(木) 09:31:52
おいおい、俺も見てきたぞ
どういうことだってばよ・・・?
533 :学校の名無しさん:2011/01/27(木) 10:02:09
記念パピコ
534 :学校の名無しさん:2011/01/27(木) 10:50:18
>>530
なんでカップルになるって分かった?
535 :学校の名無しさん:2011/01/27(木) 11:01:32
え?これどういうこと?
意味が分からない…
536 :学校の名無しさん:2011/01/27(木) 11:03:47
>>530
リクエストしたら他の人もカップルになるのか?
537 :学校の名無しさん:2011/01/27(木) 12:15:23
キラッの人!
2年A組の川上哲也と末永康子をカップルにしてください!
裏サイトにアクセスして例のスレッドを開くと、今朝までの寂れようとは打って変わり、
あたしの書き込みに対するレスが並んでいる。
どうやら皆、待ちきれずに学校から携帯使って書き込んだみたいね。
ふふっ、こうじゃなくっちゃ。
530 :メルちゃん♪:2011/01/27(木) 06:41:11
ちょwwwお前ら無視すんなしwwwwwwwww
しょうがないから、今から3年C組の○村くんと△川さんをカップル化してやんよ
これであたしの力を信じなさいよ!
(・ω<)キラッ☆彡
531 :学校の名無しさん:2011/01/27(木) 09:21:17
うおおおお!マジだ!!!!!
○村と△川が急にベタベタになってた!!!!
532 :学校の名無しさん:2011/01/27(木) 09:31:52
おいおい、俺も見てきたぞ
どういうことだってばよ・・・?
533 :学校の名無しさん:2011/01/27(木) 10:02:09
記念パピコ
534 :学校の名無しさん:2011/01/27(木) 10:50:18
>>530
なんでカップルになるって分かった?
535 :学校の名無しさん:2011/01/27(木) 11:01:32
え?これどういうこと?
意味が分からない…
536 :学校の名無しさん:2011/01/27(木) 11:03:47
>>530
リクエストしたら他の人もカップルになるのか?
537 :学校の名無しさん:2011/01/27(木) 12:15:23
キラッの人!
2年A組の川上哲也と末永康子をカップルにしてください!
100: ◆kuVWl/Rxus 2011/01/29(土) 02:22:27.67 ID:p1/0FVLpo
538 :学校の名無しさん:2011/01/27(木) 12:45:03
キラッの人って誰なの?
539 :学校の名無しさん:2011/01/27(木) 12:47:37
はいはい
ヤラセ乙
540 :学校の名無しさん:2011/01/27(木) 12:55:30
ここに名前を書いたらカップルにしてくれるの?>キラッ
541 :学校の名無しさん:2011/01/27(木) 13:02:09
なにそれこわい
542 :学校の名無しさん:2011/01/27(木) 13:11:20
キラッ様!
3年E組の本山哲と石田可奈をカップルにするの希望します
543 :学校の名無しさん:2011/01/27(木) 13:21:22
記念真紀子
544 :学校の名無しさん:2011/01/27(木) 13:29:01
>>530
お前誰なんだよ?
『ククク……すっかり話題の中心になってるじゃないか』
リュークも興味深げにモニタに映し出された掲示板を眺めている。
「ホラ見て、結構カップル化のリクエストがきてるよ」
でも、さすがに写真まで載せている書き込みは無いので、
どうやらあたしが実際に調べて、当人の顔を見に行かなければいけないようだ。
この辺がデレノートの不便なところよね。
とりあえずあたしは掲示板に書かれていた何組かの学年・組・名前をメモに控えて、
手帳に挟んでおいた。
さっそく明日顔を見に行って、デレノートに名前を書いてあげよっと。
115: ◆kuVWl/Rxus 2011/02/02(水) 01:45:52.80 ID:H0w9QU4Xo
その日を境に、裏サイトにある恋愛スレッドは、キラッ専用スレッドと化した。
あたしは毎晩スレッドの書き込みをチェックし、カップル化の要望があればデレノートに書き、
カップルを作ってみんなの反応を楽しむことを日課にしていた。
顔が分からないときは仕方ないので教室まで行って確かめていたけれど、
最近では顔写真付きで依頼するルールが浸透したおかげで、あたしの手間は随分少なくなり、
ますますカップル作りは加速した。
“目指せ人類総カップル化”ってとこね。このノートがあれば少子化も怖くないわ。
『ククク……毎日カップル作りに精が出るじゃないか』
「あったりまえじゃん。あたしは恋のキューピッド“キラッ”なんだからね」
『たが気を付けろよ。カップルになった奴等はノートの力で能天気にデレてるからいいが、
身近な人間のカップル化を快く思わない奴もいる』
リュークは不敵な笑みを浮かべている。
116: ◆kuVWl/Rxus 2011/02/02(水) 01:50:26.83 ID:H0w9QU4Xo
『カップルになった二人を妬む奴、想いを寄せてた相手を取られた奴、そんな奴等も居るってことだ。
そういう奴等にお前の正体がバレたら大変なことになるだろうな…… ククク……』
「あたしはそんなヘマしないって。だからネットを利用してるんじゃん」
こいつってデレ神なんて恥ずかしい神様やってるくせに、結構性格が悪いんだよね。
でも、キラッの正体があたしだとバレると、色々と面倒なことになるのは確かだ。
用心のためにノートは部屋から持ち出さないようにしているし、普段は家族にも内緒にしている
あたしのコレクション置き場の一番奥に隠してあるので、バレる可能性は無いとは思うけど。
「ってか、万一バレたところで別に犯罪やってるワケじゃないしね。
それに名前を書くだけでデレデレにさせられるノートだなんて、誰も信じないよ」
『だが、デレノートに触った人間には俺の姿が見えてしまう。
そうなれば否応なく、人智を超えた力を宿すノートだと知ることになるがな』
あっ、そうか。それはそうかも。
確かに他の誰かにこのおぞましい姿のデレ神を見られたら、ちょっと言い訳できそうにない。
それは今まで以上に用心しないとね……。
117: ◆kuVWl/Rxus 2011/02/02(水) 01:56:36.84 ID:H0w9QU4Xo
だけど、そう思っていた矢先にトラブルは起きてしまった――
写真と名前さえあれば誰でもカップルになれる、という評判が評判を呼んで、
学校の裏サイトには、あたしの学校以外の、近所の中学校や高校からも書き込みが
集まるようになっていた。
あたしの知らないところで、キラッのウワサはどんどん広がっていたみたい。
ただ、困ったことがあって……
以前は写真なしで依頼がくることばかりだったので、実際に顔を確認しに行くついでに、
カップルにして大丈夫かどうかの妥当性ってやつを一応判断するようにしてたんだよね。
二人の雰囲気とか、釣り合うかどうかとか、まぁ、あたしの勘によるところが大きいんだけどさ。
あからさまなイタズラは却下するようにしないと当人達が可哀想じゃん?
でも、写真掲載がメインになってからは、その辺がちょっとテキトーになってしまってたの……。
そして、あたしがカップルにしたある一組について、こんなクレームの書き込みが寄せられてしまった。
341 :学校の名無しさん:2011/02/21(月) 18:12:21
おいおい、昨日カップルにされた○高の田端と大山はそれぞれ彼女・彼氏持ちだぞ?
明らかに誰かが嫌がらせで書いたんだから無効にしろよ!!
酷すぎるだろ!
118: ◆kuVWl/Rxus 2011/02/02(水) 01:59:54.09 ID:H0w9QU4Xo
えええ、マジで~~?
でも無効にしろっていわれても、そんな方法知らないっての。
「リューク、間違ってデレさせてしまった場合、もう一度書き直したら効果が上書きされるかな?」
『デレノートの効果は、一度発揮されたら変更は効かないし、取り消しもできない』
だよねぇ……
でも、そもそも全然知らない人達なんだから、恋人居るかどうかなんて分かりっこないし。
これって不可抗力じゃん。
そういうものだと思ってもらうしかないよね。
342 :(・ω<)キラッ☆彡:2011/02/21(火) 18:30:00
>>341
ありゃ、ごめんね~
まぁ、本人達は幸せになってるからもういいじゃん?
なんなら余った者同士でくっつけてあげるからさ
と、あまり深く考えずに書き込んだこのレスによって――スレッドは大荒れになってしまった。
150: ◆kuVWl/Rxus 2011/02/05(土) 03:32:51.15 ID:hPjy4xZbo
“呪いの掲示板”って知っているかしら――
その日、文化祭の打ち合わせのため、久しぶりにゲーム研究会の部室に顔を出した俺は、
ふいに黒猫からそんなことを尋ねられた。
「呪いって……、なんだそりゃ?」
「いまネット上で話題になってる掲示板のことよ。
そこに顔と名前を晒されると、誰かと無理矢理カップルにさせられてしまうそうよ」
“呪いの○○”――実に使い古された、なんとも安っぽい表現だ。
くだらない怪談や都市伝説なんかに出てくる、こんなにもネタ臭さの漂うフレーズが他にあるだろうか。
だが、黒猫は少し頬を上気させ、目を輝かせている。
こいつがいわゆる“厨二設定”が好きなのは知ってるが、オカルト系も守備範囲だったっけ……?
「えっと、無理矢理カップルって……意味が分からないんだけど……」
「ウワサによると、不思議な力が働いて、ラブラブの色ボケ状態にさせられてしまうそうで、
まるで抜け殻のようになってしまうの。うちの学校にも被害者が居るらしいわ」
「……不思議な力って、そんなことあり得るのかよ」
どこから突っ込んだらいいんだよ。
と、俺が怪訝な表情を見せると、黒猫は深くため息をついて、呆れたような視線を返した。
151: ◆kuVWl/Rxus 2011/02/05(土) 03:39:07.57 ID:hPjy4xZbo
「凡庸な人間風情には理解できないでしょうけど、これは古から伝わる魅了(チャーム)の呪い。
――つまり闇世界の住人の仕業よ!」
なるほど、そっちに持っていくわけか……だから活き活きしてるんだな。
黒猫の言動に俺は今更驚きもしないが、近くで聞いていた瀬菜は顔をしかめつつ会話に入ってきた。
「五更さん、相変わらず痛々しい発言を振りまいているんですね」
「……ほっといて頂戴」
黒猫は瀬菜を一瞥すると、くるりと背中を向けてパソコンに向かった。
馴れた手付きでキーを叩き、なにやらウェブサイトを検索しているようだ。
「さぁ、御覧なさい。このサイトよ」
振り返って俺と瀬菜にモニタを見るよう促す黒猫は少し得意気だ。
俺達は黒猫の後ろからモニタを覗き込む。
そこにはどこかの学校に関する口コミ情報のサイト――いわゆる学校の裏サイトが映し出されていた。
「このサイトに、五更さんの言う“呪いの掲示板”とやらがあるんですか?」
「ええ、そうよ。近くの中学の裏サイトらしいけれど、今もここで呪いの儀式が執り行われているわ」
呪いってのは、五寸釘の藁人形とか魔方陣とか水晶玉とか、そういう演出が付くイメージなんだけど、
ネット上の掲示板でお手軽に呪いねぇ……これが時代ってやつだろうか……
黒猫にバレないよう、俺は小さくため息を吐いた。
152: ◆kuVWl/Rxus 2011/02/05(土) 03:42:12.75 ID:hPjy4xZbo
だけどその時、サイトのタイトルに書かれていた中学校の名前に、俺は見覚えがあることに気付いた。
「この中学校って……桐乃の通う学校じゃねーかよ」
「あら、そう言えばそうね。気付かなかったわ」
桐乃の奴、こんな変なウワサ話に巻き込まれてやしないだろうな――?
まぁ、あいつのことだから、邪鬼眼乙の一言で片付けそうだけどさ。
「ええと、恋愛系の……あったわ。このスレッドだわ」
そう言うと、黒猫は掲示板の中の沢山のリンクテキストの中からあるスレッドをクリックする。
そこには罵詈雑言の嵐とも言うべき怒りのレスがあふれていた。
「なんだこりゃ……」
「これは呪いによって友人や恋人を奪われた者たちの叫びね。当初は好き合ってる同士のカップル化を
後押しするスレだったようだけど、そのうちイタズラや成りすましが横行して、
本人の意思とは関係なくデレさせられてしまう、恐ろしいスレになってしまったらしいわ」
「ええぇ……本当なんですかねぇ……」
「ほら、ここに書かれている名前と――そしてこのリンクは顔写真ね。これが呪いの依頼よ……フフフ」
俺と瀬菜は無言で顔を見合わせる。
うーむ……、黒猫が電波受信中なのは間違いないが、ここのスレッドの奴らも相当なモンだ。
一体どこまで本気でやってるんだろうか。
154: ◆kuVWl/Rxus 2011/02/05(土) 03:47:18.48 ID:hPjy4xZbo
「そして、このふざけた名前の奴が呪い騒ぎを起こしている張本人よ」
黒猫がモニタ画面を指差すと、そこにはこの殺伐としたスレッドの流れにそぐわない
緩いテイストのコテハンによる書き込みがあった。
719 :(・ω<)キラッ☆彡:2011/02/28(月) 17:50:11
あんたたち、スレを荒らすんじゃないわよ!
あたしは頼まれたからカップルにしてやっただけじゃん!
悔しかったらあんたたちも相手を見つけてここで依頼しなさいっての
「……なんだこいつは?」
「キラッと呼ばれてる、このスレの主。そして依頼を受けて魅了の呪いを掛けている者よ。
正体は明かしてないけれど、私同様、闇の眷属が人間の姿で世を忍んでいるのでしょうね」
そう呟く黒猫の瞳が怪しく光った……ような気がした。
黒猫ほど素直にスレのやり取りを受け入れられない俺は、正直どう反応をしたらいいのか分からなかった。
現実的に考えると、こういうやり取りをネタで楽しんでるスレッド、ってことなのかもしれない。
ただ、それにしては罵詈雑言のレスに切羽詰ったシリアスさを受けるんだよなぁ……
「フッ、人間界に過度の干渉をしてはならないことは闇世界の住民の常識だというのに。
この所業、見過ごせないわね……」
そんな黒猫の言葉にツッコミを入れるよりも早く、部室には部長の声が響いた。
「おーい、そこ何やってんだ。 文化祭の打ち合わせを始めるからこっち集まれ~」
俺達は慌ててパソコン席から離れ、部員の輪の中に加わった。
そして、その日の“呪いの掲示板”話は、なんとなくそこでお終いになったんだ。
169: ◆kuVWl/Rxus 2011/02/09(水) 00:41:52.23 ID:3l0Mt3l+o
その日、帰宅して玄関のドアを開けた俺は、ちょうど二階に上がろうとしてた桐乃に遭遇した。
「ただいま」
「……ん、おかえり」
桐乃は素っ気なく挨拶を済ますと、足早に階段を昇っていく。
こいつは最近、メシとか風呂とかの時間以外は、ずっと自分の部屋に閉じこもってやがる。
新しい工口ゲにでもハマってんのだろうか?
俺はいつものようにキッチンに向かうと、冷蔵庫から麦茶のパックを取り出してコップに注いだ。
桐乃が部屋に籠ってばかりのため、せっかく兄妹仲の改善がみられていた俺達は、
かつて冷戦状態だったときのように、会話を交わす回数が激減している。
まぁ、おかげで以前のように無理矢理工口ゲやらされたりすることもなくなったので、
受験生の身としてはありがたいんだけどさ。
俺は麦茶を飲み干すと、階段を昇り自室へ向かった。
170: ◆kuVWl/Rxus 2011/02/09(水) 00:44:51.64 ID:3l0Mt3l+o
自室のドアノブに手をかけたところで、ふと桐乃の部屋の方を見た。
部屋からは忙しくキーボードを打つカチャカチャという音が聞こえてくる。
少し迷った後、俺は桐乃の部屋のドアをノックした。
「おい、桐乃ぉ――」
そう呼び掛けると、キーを叩く音が止んだ。
ほどなくして近づいてくる足音が聞こえ、勢いよくドアが開く。
俺はあらかじめ軌道に手を構え、ドアを受け止めた。いつもこのパターンで頭打ってるからな。
獲物を仕留め損ねた桐乃は、チッと舌打ちをして不機嫌そうなツラを見せた。
「何か用? あたし忙しいんだけど」
「いや、用ってほどじゃないんだけど……」
あれ?そういえば、なんでノックしたんだろ?
迂闊にも俺は、これといって用事もないのに桐乃を呼び出してしまった。
とりあえず何か言わなければ……
「あー……えっと、最近お前っていつも部屋に篭ってるから、何やってんのかな~と思ってさ」
ああ、我ながらしょうもないことを言ってるぜ……
こんなこと聞いたって、桐乃の答えは決まりきってるじゃないか。
「別にあたしが何やってようが、アンタには関係ないでしょ?」
ほらね。そう返ってくると思ったよ。
171: ◆kuVWl/Rxus 2011/02/09(水) 00:47:56.81 ID:3l0Mt3l+o
俺は慌てて他の話題を探した。
「そ、そういえば、お前の学校の裏サイト?ってのが、いまウワサになってるらしいじゃねえか」
「へぇ~、あんたも知ってるんだ?」
苦し紛れに今日部室から聞いた“呪いの掲示板”の話を振ってみたところ、
予想外に桐乃は食い付いてきた。
「あのウワサってすごいでしょ~~?もうスレ見た?」
「ああ、俺にはスレの奴らがどこまでマジでやってんのか分かんねぇけど……」
「マジだって!実際にあたしの学校でカップルになった人達がいるんだから。
ネット上に存在する恋のキューピッド、すっごい素敵だと思わない!?」
どうやら桐乃は、あの掲示板のやり取りを信じきっているらしい。
この手の超常現象系には醒めた奴だと思ってたので、この反応は意外だった。
あれ?でも“恋のキューピッド”だと?
そこは今日聞いた話とちょっとニュアンスが違うな。
黒猫曰く、あれは呪いらしいけど……
しかし、何となく今はそのことに触れない方がいいだろうという野生の勘が働いたので、
俺はあえて指摘しないことにした。
172: ◆kuVWl/Rxus 2011/02/09(水) 00:57:29.77 ID:3l0Mt3l+o
「ああ、そうだな。……でもお前、変なことに巻き込まれてないだろうな?」
「はぁ?なに言ってんのよ」
「いや、だって無理矢理誰かとカップルにされるんだろ?」
俺がそう言うと、桐乃はいきなり目を輝かせ、嬉しそうにコケにしてきた。
「えっ? アンタ、あたしが誰かと付き合っちゃうと思って心配してんの?うひゃーキモキモ」
取り繕って出てきた話題ではあるけど、兄として一応心配して言ってやってんのにこの反応だよ。
ってか、“呪いの掲示板”を信じるのお前の方が不安がるべきじゃねーのか。
「安心しなって、あたしこれでも身持ちが固いからさ」
桐乃は馬鹿にしたように笑いながらそう言うと、俺が反応するよりも先にドアを閉めた。
そりゃ俺だって、こいつが誰かとどうこうなるとは思っちゃいないけどさ。
まぁ、こんなやり取りでも、随分久しぶりに兄妹でまともに会話を交わした気がするよ。
173: ◆kuVWl/Rxus 2011/02/09(水) 01:00:38.20 ID:3l0Mt3l+o
しかし、“呪いの掲示板”の話はまだ続いた――
次の休日、俺は意外な人物からの呼び出しを受け、とある喫茶店に来ていた。
「マネージャーさん、お休みの日に突然呼び出したりしてすみません」
「いや、別に用事もなかったし、気にしなくてもいいぜ」
そう、俺をここに呼び出したのは、以前メルルのコスプレイベントで知り合った
英国人のブリジット・エバンスという美少女だ。
俺は加奈子のマネージャーとしてイベントに参加していたんだけど、メルルコスプレの常連である
ブリジットとも見知った間柄になっていた。
この前日、ブリジットから相談事があるとのメールが届いたので、こうして会ってるわけだ。
俺達に共通事項はそう多くないので、おそらく加奈子絡みなんじゃないかと予想しているんだが。
「で、相談ってなんなんだ?」
「はい、実はかなかなちゃんのことで……」
どうやら俺の予想は当たっていたらしい。
174: ◆kuVWl/Rxus 2011/02/09(水) 01:02:31.99 ID:3l0Mt3l+o
「最近、かなかなちゃんの様子がおかしいんです」
「あいつが色んな意味でおかしいのは以前からだと思うけど――」
と、言ったところでブリジットはキッとこちらを睨み付け、俺は思わず肩をすくめた。
こいつ、ホントに加奈子のこと慕ってるんだな……
「まじめな話なんです。最近いつもボーっとしてて、心ここにあらずって感じで……」
「ボーっとしてる?」
「はい、携帯を見つめてボンヤリしてたり、ため息をついたり、イベント中もずっと無気力な感じなんです」
普段の加奈子はどうしようもないクソガキだけど、仕事に関しては異様にプロ意識が高いから、
無気力に仕事をこなす姿はちょっと想像できない。
「ある時、誰かからかなかなちゃんに電話が掛かってきたんですけど、
その時はびっくりするぐらい元気になってたんです。
でも電話が終わった後は、また顔を赤らめてボーっとしてて……
病院に行ったほうがいいって言っても聞いてくれなくて……わたし心配なんです」
ああ、なるほど。そこまで聞けば鈍感な俺でも分かるよ。
その症状は病院じゃ治せないだろ。
175: ◆kuVWl/Rxus 2011/02/09(水) 01:11:44.71 ID:3l0Mt3l+o
「それさぁ、あのガキが誰かに恋でもしたんじゃねえの?」
そう言うと、ブリジットは恥ずかしそうに俯いてしまった。
「……わ、わたし、そういうのはまだよく分からないんです」
まぁ、俺もそういう話は疎い方だけどさぁ
電話掛かってきて頬を赤らめボンヤリため息だなんて、いまどき漫画でも使われないほど
分かり易すぎる恋煩いの症状だろ。
「だとしても、いつも元気なかなかなちゃんらしくないっていうか……」
「うーん、そうは言っても、俺も加奈子のことを特別よく知ってるわけじゃないんだけどなぁ」
最近あいつを見かけたのは桐乃達と下校してるところだった。
そういえば、やたらと桐乃にベタベタくっついてて、それはそれで元気そうに見えたけど。
「第一、あのかなかなちゃんが恋をしたとしても、そんな乙女な反応をすると思いますか?」
「た、たしかにそれは意外ではあるな……」
そんな根拠で納得される加奈子も大概である。
ブリジットは顔を上げると、コホンとひとつ咳払いをした。
「あまり様子が変なので、わたしなりに色々調べてみたんですけど――」
そこでブリジットはぐっと身を乗り出してきた。
俺は思わず息を飲む。
「いまネットでウワサの“呪いの掲示板”に関係してるんじゃないかって思うんですっ!」
201: ◆kuVWl/Rxus 2011/02/25(金) 03:20:33.83 ID:pQADaDURo
ブリジットと会った翌日――
俺はまたゲー研の部室に顔を出していた。
先日、文化祭の出し物を決めていたゲー研は、その準備で活気に溢れている……ということは全然なく、
俺が来た時点では二年の部員が3人でゲームをしながらダベっているだけだった。
そいつらと挨拶をかわし、俺は部室の隅の椅子に座った。部員達はまたゲームとお喋りを再開している。
部長達が居ないせいもあるけど、文化祭が迫ってるのにこんな調子で大丈夫なのかよこのクラブは……
まぁ、そういう緩さが、俺にとっては居心地のいいんだけどさ。
――と、そんなことを思っていたら黒猫がやってきた。
「待たせたかしら、先輩」
「いや、俺もいま来たばかりだ」
二年生達に軽く会釈をすると、黒猫はパソコン席に着き、電源ボタンを押した。
俺もパソコン席の隣に腰かける。
「……それで、話って何かしら?」
そう、俺は先日ブリジットから聞かされた話を黒猫に相談するために部室に呼んだのだ。
202: ◆kuVWl/Rxus 2011/02/25(金) 03:25:14.69 ID:pQADaDURo
「――そう、あなたの妹さんの友人にまで“呪い”が……」
「ああ、まだ確定したわけじゃないが、ブリジットが言うにはそういうことらしい」
黒猫は、加奈子やブリジットと面識があるというわけではないが、コスプレイベントに行ったときに
観客として舞台の上にいた二人を見知っている。
そんな黒猫は、ため息をつき、俺の顔を見つめている。
いや、それは見つめたというよりも、なんだか観察するかのような視線だった。
しばらく沈黙していた黒猫だったが、カバンを膝の上に乗せ、その中からクリアファイルを取り出した。
「実はあの日以来、私は“呪いの掲示板”について、自分なりに調べていたのよ」
そういうと、パソコンのキーボードの上へと、無造作にクリアファイルに挟まれていた数枚の用紙を広げた。
そこには、黒猫による調査内容が丁寧に纏められていた。
203: ◆kuVWl/Rxus 2011/02/25(金) 03:26:31.09 ID:pQADaDURo
・“呪いの掲示板”でカップルの話題が急増したのが1月中旬から
・キラッらしき書き込みが最初に確認されたのが1月26日
・その後の1か月ほどで486人、243組が被害を受けている
・平日は朝、晩に書き込みが集中しており、日中の書き込みは稀
・当初の名前は「メルちゃん♪」であり、アニメ「星くず☆うぃっちメルル」を連想させるものだった
・当初は裏サイトの中学校の三年生を中心にカップル化されていた
・当初は顔写真の掲載は不要で、名前だけを条件にしていた
・そもそも当初は依頼を受けてからの呪い発動ではなく、キラッによる自発的なものだった
・数回、カップル化に失敗している
→当人同士が顔見知りでない場合、および相手が遠方の人間だった場合は呪いが効かない模様
204: ◆kuVWl/Rxus 2011/02/25(金) 03:28:08.35 ID:pQADaDURo
列挙されているそれぞれの事項について、関連する過去ログが引用されている。
「なるほど……よくまとめたな、お前」
「たいした事なかったわ。荒らしが増えたせいでスレ進行は早いけど、それでもまだ20スレ程度だし」
そうは言っても、20スレってことは……1000×20で2万レスを精査したってことだよな……?
どうやらこいつ、かなり本気でキラッについて調べているようだ。
黒猫は片手でバサッと黒髪をかき上げ、ちょっと得意気にしている。
ただ、それらの事項に関する考察は書かれていない。その点は黒猫らしくないな、と俺は思った。
「そんなことよりも……それを読んだ上での、先輩の意見を聞きたいわ」
また黒猫は俺の顔をじっと見つめる。
いつもとはちょっと雰囲気の違う、まるで俺の表情の変化を逃すまいとしているような目だ。
だけど、俺はその違和感を、自分の気のせいだと思うことにして、気にせず黒猫の問いに答えた。
「そうだな……こうやって見ると、キラッって奴はなんとなく脇が甘いというか
……あまり考えずに行動してる感じを受けるな」
「ふぅん、それはどの辺りに?」
205: ◆kuVWl/Rxus 2011/02/25(金) 03:30:20.46 ID:pQADaDURo
俺は黒猫の資料の一部を指差した。
「例えば、騒ぎの起こる最初の方では、三年生だけが被害を受けているけど、
これって、普通に考えれば三年生に近い人物……または三年生の中にキラッがいる可能性があるよな」
「そうね、その後リクエストを受けるようになってから二年生や一年生、さらには他校の生徒も対象にしているわ」
「それにスレへの書き込みの時間帯も、いかにも学生って感じだし、あまりそういうの隠してないよな」
そう答えた俺の意見に、黒猫も同調しうなずく。
「そうね、もちろん偽装のためにあえてそうしている可能性もあるけど、
こいつの書き込み内容を見る限り、そこまでの思慮深さを感じないわね」
「確かに、あまり知性を感じさせない書き込みばかりだよな……」
「それに、途中から写真を載せることを条件にしたのは、名前だけでは誰なのか判断できないからでしょうね。
逆に言えば、名前だけでリクエストを受けてた同校の三年生は、写真なしでも判断できたということ」
そう、つまりキラッはこの中学校の三年生の中にいると考えるのが自然だ。
調子に乗って俺はさらに続けた――
206: ◆kuVWl/Rxus 2011/02/25(金) 03:32:26.82 ID:pQADaDURo
「あと、やたらメルルネタを使ってるのが気になるよな。キラッってのもメルルの主題歌のネタだし」
「……そうね、1クールで終わった大きなお友達向けの凡アニメだというのに」
「いまどきメルルに執着する奴が、桐乃以外にも居るとは思わなかったよ」
あのアニメ、実は俺が思ってたよりも人気だったのかな?
呑気にそんなことを思っていた俺は、また黒猫からの観察するような視線に気付いた。
さっきから時折見せていた視線だ。
「なんだァ?さっきから妙に見つめてくるけど……」
怪訝そうにそう言い、俺はやや非難をこめた視線を返す。
すると、黒猫はフッと笑顔を見せた。
「……どうやら先輩は大丈夫なようね。安心したわ」
「大丈夫……って何がだよ?」
「いいのよ、気にしないで」
???
どういう意味だ?
なんだか訳が分からないが、とりあえずこの一連のやり取りで黒猫は何かを納得をしたようだ。
そして黒猫は、パソコンで件の中学校の裏サイトにアクセスし、現行のスレッドを開いた。
222: ◆kuVWl/Rxus 2011/03/01(火) 03:25:18.29 ID:hEY0z+vco
「この掲示板には、投稿者のIPアドレスの表示はなく、IDも表示されていないのだけど――」
IPアドレス……? ID……?
黒猫がさらりと言った言葉には、ネットに詳しくない俺にとって、少々ハードルの高い用語が含まれていた。
腕組みをして首をかしげている俺にやや呆れたように、黒猫が補足する。
「要するに、投稿者ごとに固有な識別番号、のようなものよ」
「ふむ…… 分かるような分からんような……。それがどうかしたのか?」
「つまり、どの書き込みを、誰が書たのか、書いた本人以外からは分からない仕組みなのよ」
そこまで聞いても、俺にはどうも黒猫の言わんとすることが分からない。
黒猫はマウスホイールを操作して、スレッドの最新の書き込み部分にスクロールした。
223: ◆kuVWl/Rxus 2011/03/01(火) 03:28:06.44 ID:hEY0z+vco
233 :学校の名無しさん:2011/02/21(月) 10:45:30
○○中の3年C組の如月竜司と相川真央のカップル化おながいします!
写真はここです[LINK]
234 :(・ω<)キラッ☆彡:2011/02/21(月) 12:18:10
>>233
はい、完了
お幸せに~☆
235 :学校の名無しさん:2011/02/21(月) 13:03:12
キラッUZEEEEEEEE
氏ねじゃなくて死ね
236 :学校の名無しさん:2011/02/21(月) 14:51:24
>>234
おお!マジであいつらカップルになってた!
すげえ!
キラッに感謝!!!
237 :学校の名無しさん:2011/02/21(月) 15:18:08
調子に乗るからやめろって!!!!
238 :学校の名無しさん:2011/02/21(月) 15:48:22
○○高、1年3組の相川歩と平松妙子をくっつけてください!
写真→[LINK]
224: ◆kuVWl/Rxus 2011/03/01(火) 03:29:12.42 ID:hEY0z+vco
「――相変わらずカップル依頼とやらが続いてるんだな」
俺はうんざりしたように吐き捨てた。
黒猫はそんな俺に見向きもせず、キーボードをカタカタと叩いている。
何を書いてるのかと思い、テキストが入力されているフォーム部分を注視する。
するとそこには意外な内容が――
名前: (・ω<)キラッ☆彡
E-mail: sage
内容:
>>238
ほい、完了したよ~
225: ◆kuVWl/Rxus 2011/03/01(火) 03:32:04.73 ID:hEY0z+vco
「うおおおおおおい!!お、お前っ!一体なにを!!?」
そのあり得ない書き込み内容に、俺は思わず大きな声を上げ、椅子から転げ落ちそうになった。
それと同時に、部室の全員の視線を一身に浴びていることに気付く。
「す、すまん、なんでもないっ」
俺は唖然としている二年生達に向かってそう言い場を取り繕うと、黒猫に顔を寄せて小声で囁いた。
「んで、なんなんだその書き込みはよ。 ま、まさかお前が――」
「……そんな訳ないでしょう」
黒猫は投稿ボタンをクリックしてスレへの書き込みを終えると、椅子を回して俺と向き合った。
226: ◆kuVWl/Rxus 2011/03/01(火) 03:44:57.67 ID:hEY0z+vco
「この一連の依頼のやり取りは、すべて私が“成り済まして”書いたもの。カップルの学校名も名前も写真も適当よ」
「ど、どういうことだ?じゃあ、ここのカップル化報告は……」
「もちろん嘘っぱちよ。私が書いたのだから」
どうも話についていけない。
これもスレ荒らしの一種だろうか?などと見当違いの発想をしていた俺だったが、
黒猫は構わず言葉を続けた。
「今日、私は休憩時間のたびに、このPCを使って依頼者とキラッに成りすました書き込みをしていたのよ。
さっき言ったように、この掲示板はIPアドレスもIDも出ないから、そういうことをしてもバレないの」
「お前、そんなことを……一体何のために?」
俺のその問い掛けを待っていたかのように、黒猫はしたり顔で答えた。
「キラッに対して揺さぶりをかけるためよ。
他の人には分からなくても、キラッ本人がこれを見れば『自分に代わって誰かが成り済まして依頼を遂行した』と思うでしょう?
自分と同じ能力を持つ者が現れた、とでも受け取ってくれればしめたものよ」
「そういうことか……」
「キラッがどうやって魅了<チャーム>の呪いを身に付けたのか、それは闇の眷属たる私にも分からない。
だけど、こうやって揺さぶることで、手掛かりを掴むことができるかもしれないわ」
なるほど。確かに、依頼者の結果報告レスを偽っていても、キラッにはそれが事実か否かを確認する手段はないだろう。
この“呪いの掲示板”は、ネット上のやり取りだけで成立していたので、そこは盲点と言えるかもしれない。
黒猫は“第二のキラッ”とでもいうべき存在を、いとも簡単に作り上げたのだ。
「いつも通りならキラッは今晩このスレッドに現れるはず。フッ、どんな反応をするか見モノね」
黒猫は不敵な笑みを浮かべていた。
240: ◆kuVWl/Rxus 2011/03/09(水) 04:45:03.31 ID:8ftec+hGo
その日、帰宅したあたしはいつものようにパソコンに向かっていた。
熱いコーヒーを片手にスレをチェックするこのひと時は、今のあたしにとって一番の癒しの時間だ。
人類総カップル化計画が着実に進んでいる達成感と充実感――
まだまだ目標には遠く及ばないけど、キラッの存在は着実に世間へ伝播されているだろう。
まずは千葉……次いで関東全域……そして日本全国へ……
そんなことを思いながら、あたしはコーヒーを口に含んだ。
だが次の瞬間、スクロールしていたスレ画面には、ありえないレス内容が映し出されていた。
ブ――ッ!!!!!!!
『おい、汚えな! モニタがコーヒーまみれになってるぞ』
褐色の液体を盛大に噴出したあたしは、傍らのリュークに画面を指差し、その箇所を見るよう促した。
「げほっ!げほっ……リューク、ちょっとこれ!これどうなってんのよ!?」
241: ◆kuVWl/Rxus 2011/03/09(水) 04:46:01.96 ID:8ftec+hGo
233 :学校の名無しさん:2011/02/21(月) 10:45:30
○○中の3年C組の如月竜司と相川真央のカップル化おながいします!
写真はここです[LINK]
234 :(・ω<)キラッ☆彡:2011/02/21(月) 12:18:10
>>233
はい、完了
お幸せに~☆
236 :学校の名無しさん:2011/02/21(月) 14:51:24
>>234
おお!マジであいつらカップルになってた!
すげえ!
キラッに感謝!!!
238 :学校の名無しさん:2011/02/21(月) 15:48:22
○○高、1年3組の相川歩と平松妙子をくっつけてください!
写真→[LINK]
240 :(・ω<)キラッ☆彡:2011/02/21(月) 16:20:50
>>238
ほい、完了したよ~
251 :学校の名無しさん:2011/02/21(月) 16:58:21
>>240
ありがとうございます!成功してました!!!
242: ◆kuVWl/Rxus 2011/03/09(水) 04:49:48.54 ID:8ftec+hGo
『これがどうかしたのか?』
「どうかじゃないわよ!この時間帯、あたしは書き込んでいないのよ!」
これは一体どういうことなのだろう?
キラッであるあたし本人に書いた覚えがないのだから、他の誰かが書き込んだのは間違いない。
だけど重要なのはそんなことじゃない。
まず第一に、この成りすましがそれぞれのカップル依頼を受けて、ちゃんと成立させているってこと。
あたし以外の誰にそんなことが出来る?
「それぞれにカップル化の成功報告もされてるわね…… 訳が分からない……」
『お前が書き込んだことを忘れてる……ってことじゃないよな?』
「ありえないって。大体このとき、あたしはまだ学校にいたのよ」
あたしは机にデレノートを開き、そこに書かれている名前の羅列をチェックした。
だけど、このレスで依頼されている男女の名前は、そこには見当たらない。
誰かが密かにあたしのデレノートに書き込んだわけではない…… となると……
「リューク、人間界にもたらされたデレノートは、もしかして他にも存在するの?」
『……あるかもしれないし、無いかもしれない、としか言えない。
俺がお前にデレノートを渡したように、他のデレ神が同じことをしているかもしれないからな。
まぁ、そんな物好きは俺ぐらいだと思っていたけど』
リュークの箸にも棒にも掛からぬトボけた答えに、思わずため息をついた。
大事なことなんだから、あんたも神様の端くれなら、それぐらいハッキリしなさいっての。
でも、本当にデレノートがあたし以外の誰かの手にもあるとしたら……なんて恐ろしいことだろう。
243: ◆kuVWl/Rxus 2011/03/09(水) 04:52:07.65 ID:8ftec+hGo
そしてもっと重要な第二の問題は、この書き込みをした者が、あたしの二つ名である「キラッ」に成りすましたということ。
つまり、この偽者はあたしの存在を認識した上で、わざわざ干渉してきたのだ。
それも、周りの人からは分からない、成りすましという方法で。
これは……あたしとのコンタクトを望んでいる?それとも敵対のアピール?
「どちらにせよ、放置しておくわけにはいかないわね……」
モニタに映る偽キラッの忌々しい顔文字を、あたしはもう一度睨み付けた。
……あっ、でもその前にそろそろ晩ご飯の時間ね。
244: ◆kuVWl/Rxus 2011/03/09(水) 04:54:29.35 ID:8ftec+hGo
「ごっそさん――」
食事を終えた俺は、自分の食器を重ねると、台所の流し台へと運び、さっさと食卓を後にした。
いつもならリビングでテレビでも観て、しばらく食休みをするのだけど、今日はやらなきゃいけない用事があるんだ。
自室に戻った俺は、机の下のパソコンの電源を入れ、しまっていたモニタとキーボードを設置する。
桐乃とゲームの交流が無くなってからというもの、俺のパソコンの出番はめっきり減っていた。
起動するの自体、何日ぶりだろう、というレベルだ。
まぁ、俺は普段ネットとかしないし、このパソコンだって沙織がくれるというから貰ったようなものだし。
そうだな……しいて言えば、受験勉強の息抜きにちょこっとネットサーフィンするぐらいか?
カリ○アンコムとか、カリ○アンコムとか、カリ○アンコムとか――
……
……久々だし、ちょっとだけ……
と、秘蔵のブックマークを開こうとした瞬間、隣の部屋からドアがバタンと閉まる音がして、俺は思わずビクついた。
どうやら桐乃も部屋に戻ったようだ。ふぅ、ビビらせやがるぜ……
245: ◆kuVWl/Rxus 2011/03/09(水) 04:58:21.41 ID:8ftec+hGo
そうだった。今日は用事……というか任務があるんだった。
本来の目的に立ち返った俺は、ブラウザを起動して例の中学校の裏サイトへとアクセスした。
そして現行の恋愛スレッドを開くと、最新の50件を表示する。
どうやらキラッの書き込みはまだ無いようだ。
なんで俺がこんなけったくそ悪いサイトをチェックしてるのかというと、
話は今日の下校時に遡る――
ゲー研での部活(といってもキラッについて話してただけだが)を終えた俺と黒猫は、二人で下校していた。
部室で感じだと、どうやら黒猫は、キラッの人物像にある程度の予想がついているらしい。
そして本気でキラッの行動を止めようと考えているようだ。
だけど、そんなことが果たして可能なのだろうか? 相手は得体の知れない奴だっていうのに。
もしキラッが本当に呪いを使う異能者だったとして、“自称闇属性”にすぎない黒猫に対抗できるとは思えない。
隣を歩く黒猫の方に視線をやると、黒猫もなにやら考え込んでいるようで、自然と俺たちの間には沈黙が横たわっていた。
246: ◆kuVWl/Rxus 2011/03/09(水) 05:01:18.59 ID:8ftec+hGo
しばらく経って、黒猫がふと立ち止まり口を開く。
「……先輩の部屋にはネットに繋がったパソコンがあるのよね?」
「ああ、あんまり使ってねーけど一応な」
「じゃあ今晩、そのパソコンを使ってやって欲しいことがあるのだけど――」
その言葉を聞き、パソコン音痴の俺はちょっと身構えた。
「おい、念のため言っとくが、パソコンに弱い俺に高度な作業を要求するなよ?」
「知ってるわよ、そんなことぐらい」
黒猫はふっと鼻で笑ってみせた。
そういう態度って初心者を思いっきり傷つけるんだぜ……チクショウ。
「キラッはいつも19時過ぎから例の掲示板に書き込みを始めるのだけど、今晩、それぐらいの時間になったら、
先輩は10秒間隔ぐらいでスレッドのリロードを繰り返して、キラッが現れるまで待っていて欲しいの」
「ん?そんなことなら俺でも出来るけど……何の意味があるんだそれ?」
「まだ続きがあるわ。リロードしてキラッの書き込みが表示されていたら、直後を狙ってすぐスレに書き込みをするの。
内容は何でもいいわ。思い付かなければ『記念真紀子』とでも書けばいい」
「キラッのすぐ後に書けばいいんだな」
「そして書き込みを実行したら、その結果を私にメールで知らせて頂戴」
それでキラッの何が判るのだろう?
俺は首を傾げたが、黒猫は「後で解る」とだけ言い、それ以上の説明はしてくれなかった。
そんなやり取りを交わして、俺は黒猫と別れた。
247: ◆kuVWl/Rxus 2011/03/09(水) 05:04:11.48 ID:8ftec+hGo
そして今、俺はF5ボタンを一定間隔で繰り返し押す任務を遂行中だ――
始めてからもうそろそろ20分近く経とうとしているが、まだキラッの書き込みは無い。
こういう単純作業って結構ツラい。
黒猫の話の通りなら、もうとっくにキラッがスレに現れてておかしくない時間なのだが……
まさか今日に限ってキラッはお休みだとか言うんじゃないだろうな?
成りすまし作戦を仕掛けたから、絶対何らかの反応を示すはず、と黒猫は言っていたけど……
そしてそれからさらに5分ほど経ち、これって漫画片手にやってもいいのかな?なんて俺が思い始めたその時、
ようやくキラッの書き込みが表示された。
324 :(・ω<)キラッ☆彡:2011/02/21(月) 19:31:08
>>234>>240
何者?
あんたもノート持ってんの?
248: ◆kuVWl/Rxus 2011/03/09(水) 05:05:35.70 ID:8ftec+hGo
どうやらキラッは、黒猫の成りすましレスにまんまと反応してきたようだ。
ノートって何のことだろう?という疑問も湧いたが、今は黒猫の任務を果たすのが先だ。
投稿時刻を見ると、数秒前に書き込まれたばかり。ええっと、あとは急いで書き込めばいいんだよな。
俺は書き込みフォームにカーソルを合わせると、黒猫から指示された通り、ひねりも無く「記念真紀子」とだけ入力した。
「これで書き込み、と」
マウスを操作して投稿ボタンをクリックする。
――だが、投稿は受け付けられず、画面にはエラーが表示されてしまった。
エラー!
120 sec たたないと書けません。(1回目、79 sec しかたってない)
名前:
E-mail: sage
内容:
記念真紀子
249: ◆kuVWl/Rxus 2011/03/09(水) 05:09:48.59 ID:8ftec+hGo
エラーって……おいおい、これじゃ書き込めないじゃないか。
またリロードマシーン化させられるのだけは勘弁してくれ、と念じながら再度書き込みをやり直したけれど、
やはり同じエラーが表示されてしまう。
「120sec」ってことは、2分待てということだろう。
でも黒猫からは、キラッのすぐ直後に書き込むように言われていたし……
迷った俺は、とりあえず黒猫にメール報告をすることにした。
《今、キラッのすぐ後に書き込んだけど、120secとかいうエラーが出るぞ。最初からやり直しか?》
すると、間髪いれずに黒猫から返信が届いた。
黒猫からのメールはいつも素っ気無く、簡素なものだけど、この時のメールは更に輪をかけたものだった。
《もういいわ。本当に残念》
スレに書き込めないぐらいでそんなに残念なのか?
そう思っていた俺は、黒猫の言葉の真意を、このときはまだ理解できずにいた。
282: ◆kuVWl/Rxus 2011/03/23(水) 15:42:31.12 ID:/COPsrLAO
翌日、俺はまた黒猫とゲー研の部室に居た。
ただいつもと違っていたのは、放課後ではなく、昼休みの誰もいない時間帯に呼び出しを受けたということだ。
もしかして、二人っきりで昼飯でも食べるつもりなのかな?なんて浮ついたことを思ってた俺だったが、
黒猫から突きつけられた衝撃発言で、冷水を浴びせられた気分になっちまった。
「――キラッの正体は、あなたの妹さんだったわ」
あまりにも唐突すぎて、その短い発言の意味を理解するのにも数秒を要した。
静かな部室に響いた黒猫の言葉を、俺は咀嚼してなんとか飲み込み、聞き返す。
「……は? ……それはどういう意味だ?」
「意味も何も、そのままよ。貴方のおかげで確信が持てたわ」
「それって、昨夜の書き込みのことを言っているのか?」
283: ◆kuVWl/Rxus 2011/03/23(水) 15:48:13.92 ID:/COPsrLAO
昨夜、俺は黒猫に頼まれて、例の掲示板に書き込みを行った。
実際には連投制限とやらで書き込めなかったわけだが、……どうやら黒猫の目的はその制限そのものだったようだ。
「キラッの直後に先輩が書き込んで、それが連投と判断された。この事実がすべて。 そもそも連投制限というのは、リモートホストのIPアドレスを元に判断されているのだけど――」
「待て、待て! 俺にもちゃんと分かるように説明してくれ」
こいつがマジで桐乃を疑ってるというなら、意味不明な専門用語に生返事をして受け流すことはできない。
俺の妹を犯人扱いするからには、しっかりその根拠を説明してもらわないとな。
それがもし見当違いなものなら、俺は黒猫だって容赦はしない。
第一、こいつにとっても桐乃は数少ない親友だろうに、一体何を考えてるんだ……
そんな俺の非難の視線を、黒猫はまるで気にする様子もなく話を続ける。
「先輩は、インターネットをする際にプロバイダへ接続する必要がある、ということをご存知かしら?」
「ああ、うちはOCNだったかな?とにかく桐乃がどこかと契約してたぜ」
「ネットに繋ぐと、そのプロバイダから固有の番号が払い出され、それを身元としてホームページを見たり、
メールを送ったりしたりしているのだけど、その番号のことをIPアドレスと呼ぶの」
黒猫はネットに疎い俺にも分かるよう、丁寧すぎるぐらい丁寧に説明した。
284: ◆kuVWl/Rxus 2011/03/23(水) 15:55:49.83 ID:/COPsrLAO
「で、掲示板の連投制限っていう機能は、その固有の番号、つまりIPアドレスを元に、
同じ人が短時間に続けて書き込みをしようとしてないかを判別しているのよ」
「……つまり、俺が昨夜書き込めなかったのは、誰かが俺と同じ……IPアドレスってので書き込みしたからなのか?」
「ええ、その通りよ」
そこまで聞いて、俺は微かに背筋が寒くなるのを感じていた。
昨日の黒猫の指示は、「キラッの書き込みの直後に書け」というものだった。
それはつまり――
「通常、ひとつの家の中で複数台のパソコンを使うには、ルーターという機器で繋ぐのだけど、
その場合、どのパソコンからネットに接続しても、使われるグローバルIPアドレスは同一のもの……」
黒猫はあえてその先を口にしなかった。だが、俺には伝わった。
――俺の直前に書かれたキラッの発言は、俺と同じく高坂家の中が発信源だったってことだ。
285: ◆kuVWl/Rxus 2011/03/23(水) 16:04:07.13 ID:/COPsrLAO
うちにあるパソコンは、俺の部屋以外では桐乃の部屋にしかない。
ということは、……直ちには信じられないことだが、つまりキラッの正体は、桐乃以外に考えられないってことだ。
俺はもう一度、いまの黒猫の話と昨日の状況とを回想して、どこかに齟齬がないかと探し始める。
どんなに仲の悪い兄妹だとしても、自分の妹が犯人扱いされれば、その可能性をなんとかして否定したくなるものだ。
しかし、どれだけ考えをめぐらせても、黒猫の推理を覆せるような材料は見つけられなかった。
あの馬鹿、何やってんだよ……
悔しさと情けなさが混じった感情に襲われる――
さすがの俺も、もう黒猫の推理に乗らざるを得なかった。
286: ◆kuVWl/Rxus 2011/03/23(水) 16:13:07.58 ID:/COPsrLAO
「……お前、いつから気づいていたんだよ?」
「裏サイトがあの娘と同じ中学校で、最初の犠牲者が同じ学年、三流アニメのネタを散りばめつつ痛々しい発言の数々――」
そこでひとつ、黒猫は呆れたようにため息をついた。
「――正直、かなり早い段階……書き込みログを見直してたあたりから、目星はつけていたわ」
「そ、そう言われると、尋常じゃない程に条件が桐乃にマッチしまくってるな……」
っていうかこんな大それた事をするなら、少しは身元を隠そうとしろよあのアホ!
あいつは、勉強もスポーツもできる、いわゆる優等生のはずなのに、どうも普段はどこか抜けてるところがあるんだよなァ
工口ゲDVDを落として俺にヲタバレしたり、コミケ帰りに浮かれてあやせに見つかったり……あいつはそういう奴だった。
頭が痛くなってきたぜ……
「それでも、私は自分の予想が外れていることを願っていたのだけど」
そう呟く黒猫は、少し寂しそうな表情を見せていた。
298: ◆kuVWl/Rxus 2011/03/24(木) 15:43:45.93 ID:s3L/tmpAO
桐乃が“カップル化の呪い”などという異様な行為で世間を騒がせているのなら、
俺は兄として即刻辞めさせなければならない。
すぐにでも桐乃に電話して、真偽を確かめようとしていたが、そんな俺を黒猫は制した。
「先輩、まだ問題は解決してないわ」
「あん?桐乃が犯人なら、とっちめてやりゃいいじゃねえか」
俺は鼻息荒く答えたが、黒猫の反応は冷ややかだった。
「そんなことをしても、証拠はないのだからトボけられて終わりよ。かえって警戒されるだけ」
「証拠って……掲示板の書き込みのことじゃ駄目なのか?」
「それは状況証拠に過ぎないわ。もっと直接的かつ決定的な証拠じゃないと。
そもそも、あの娘はただの人間なのに、なぜ魅了<チャーム>のアビリティを会得できたのか……」
299: ◆kuVWl/Rxus 2011/03/24(木) 15:52:01.95 ID:s3L/tmpAO
確かに、今起きているのは、名前と顔写真だけで他人の恋愛感情をコントロールする、などという現実離れした話だ。
そんなことを、桐乃はどうやって実現させているのか?
「大方、闇世界の者が要らぬ能力<ちから>を与えたのでしょうけどね。この私を差し置いて……」
ついさっきまでIPアドレスだのりモートホストだの、小難しいことを理路整然と話してたくせに、
いきなりオカルトな電波妄想を持ち出されると、こいつの推理を信用してホントに大丈夫なのかと不安になる。
だが正直なところ、呪いの正体についてはまるで見当がつかない。
現実的に考えれば、催眠術か何かだろうか?
つまり黒猫の言う“直接的かつ決定的な証拠”というのは、“実際どうやって呪いをかけているのか”、
という部分を明らかにするという意味だろう。
犯人が分かっても、凶器が見つからなければ立証が難しいという、刑事ドラマでよくある展開のアレだ。
300: ◆kuVWl/Rxus 2011/03/24(木) 15:57:35.47 ID:s3L/tmpAO
「……黒猫、俺に何かできることは無いのか?」
そう尋ねると、黒猫は目を閉じてしばらく考えてから答えた。
「そうね、しばらく先輩は何もせず、普通に過ごして頂戴。もしキラッについて私達が探ってることを
感付かれでもしたら、おそらく口封じで呪いの餌食にされるでしょうから」
「おいおい、桐乃が俺達に呪いを掛けるってのか!?さすがにそこまでは……」
俺はあいつの兄貴であり、お前はあいつの親友だ。
いくらなんでも考えがドライすぎる、と反論した俺だったが、黒猫の目はマジだった。
「いいえ、十分あり得ることよ。だから本当に気をつけて頂戴。掲示板の書き込みを読む限り、
あの馬鹿女は呪いを掛けられた人間が幸せになっていると、本気で思ってる節があるから」
「だから身内でも躊躇しないってことかよ……」
301: ◆kuVWl/Rxus 2011/03/24(木) 16:01:45.45 ID:s3L/tmpAO
俺はブリジットから聞いた加奈子の症状を思い出していた。
四六時中誰かにデレていて、仕事にも無気力になり、恋する乙女モードに……
確かに、もしそんな状態にされたら、キラッ事件の追求どころじゃなくなるだろう。
「むしろ私に言わせれば、あのブラコン娘が今まで貴方を対象としてなかったことが意外だけれど」
「ケッ、あいつはそんなんじゃねーよ」
そこまで話したところで、昼休憩の終わりを告げる予鈴が聞こえてきた。
「私の話はそれだけよ。教室に戻りましょう」
「ああ。……とりあえずお前の言う通りに、しばらく大人しくしておくさ」
事態がだいぶ飲み込めたとはいえ、俺の頭の中はまだぐちゃぐちゃに混乱していた。
色々な考えを整理するには、いずれにしろ時間が必要だ。
302: ◆kuVWl/Rxus 2011/03/24(木) 16:06:08.28 ID:s3L/tmpAO
俺は部室の照明を切ると、パソコンの操作をしている黒猫を急かした。
「おーい、早くしろよ。授業始まっちまうぜ」
「ちょっと待ちなさい。キャッシュ消してからシャットダウンしないと……」
やれやれ。
先に部室を出て待つことにした俺は、出入り口に向かう。
そのとき俺は、部室の扉の磨りガラスに、一瞬、人影が見えたような気がした。
だけど、ドアを開けても外には誰の姿も無かったので、特に気に留めはしなかったんだ。
326: ◆kuVWl/Rxus 2011/03/29(火) 13:16:56.66 ID:hM7nxnHAO
あれから一週間が過ぎようとしている。
この間、この事件にはちょっとした変化が訪れていた。
俺が黒猫の指示を受け、キラッの正体――つまり桐乃であることを暴いたあの日を境に、
キラッはなぜか“呪いの掲示板”に現れなくなったのだ。
キラッが桐乃だったという事実は、俺にとって正直かなりショックなものだったけれど、
黒猫の言いつけ通り、俺は桐乃に対して特別な反応は示さないよう努めてきた。
だから、俺たちがキラッの正体を見抜いたということは、まだ桐乃に知られていないはずなんだけど……
327: ◆kuVWl/Rxus 2011/03/29(火) 13:18:53.72 ID:hM7nxnHAO
そうなると、キラッが現れなくなったのは、黒猫のもうひとつの作戦が効いたってことか?
あの日、黒猫は“成りすまし&自作自演”という揺さぶりも掛けてたからな。
とは言っても、それに対するキラッの反応は――
324 :(・ω<)キラッ☆彡:2011/02/21(月) 19:31:08
>>234>>240
何者?
あんたもノート持ってんの?
この意味不明な1レスだけだったけど。
“ノート”ねぇ…… 普通に考えれば紙を束ねて綴じてある、あのノートだよなァ
それとも何かの隠語になっているのだろうか?
あーっ!チクショウ、実にもどかしい!
隣の部屋をノックして、あいつから直接聞き出せりゃあ、どんなに話が早いだろう。
あの日、黒猫は“成りすまし&自作自演”という揺さぶりも掛けてたからな。
とは言っても、それに対するキラッの反応は――
324 :(・ω<)キラッ☆彡:2011/02/21(月) 19:31:08
>>234>>240
何者?
あんたもノート持ってんの?
この意味不明な1レスだけだったけど。
“ノート”ねぇ…… 普通に考えれば紙を束ねて綴じてある、あのノートだよなァ
それとも何かの隠語になっているのだろうか?
あーっ!チクショウ、実にもどかしい!
隣の部屋をノックして、あいつから直接聞き出せりゃあ、どんなに話が早いだろう。
328: ◆kuVWl/Rxus 2011/03/29(火) 13:28:35.20 ID:hM7nxnHAO
学校の昼休憩、俺は黒猫と二人で部室に居た――
キラッの正体が身内だと判明してからは、他の部員がいる放課後は話しにくくなったため、
俺たちはほぼ毎日、誰もいない昼の部室でキラッ事件について話し合っている。
もっとも、ここ数日は何の進展もなく、俺たちの捜査は行き詰まり気味だ。
「まずいわね……」
黒猫は腕組みをして呟いた。
「まさかキラッが掲示板から姿を消してしまうなんて……これじゃ探りようがないわ」
正体を知った今でも、俺たちは犯人のことを指して“キラッ”と呼んでいる。
俺にとっての妹、黒猫にとっての親友――お互い、桐乃を犯人として扱うのは抵抗があるからだ。
傍から見ればただの現実逃避かもしれないが、それが俺たちの暗黙のルールになっていた。
「ニセモノの出現で、警戒されたんじゃねえか?」
「……これまでキラッがあまりにも無警戒だったので、ああいう方法を採ったのだけど、
こうもあっさり動きを停められるとは……正直失敗だったわ」
黒猫は悔しそうに顔をしかめている。
“面倒だから、もうあいつをふん縛って白状させようぜ”と、よっぽど俺は提案しようかと思ったが、
黒猫に一蹴されるのは目に見えているのでぐっと堪えていた。
329: ◆kuVWl/Rxus 2011/03/29(火) 13:33:49.08 ID:hM7nxnHAO
「……だけど、もしニセモノを警戒して身を潜めているということであれば、それが新たなヒントにもなるわ」
「ヒント?」
「キラッは自分以外の人間が、自分と同じ能力をもつ可能性を否定できないってこと。
……あえて拡大解釈をすれば、この能力は私達が思うよりずっと簡単に、人に備わるものなのかもしれない」
なるほどな。
だけど、それは俺にはある程度予想ができていた。
少なくとも今年の始め頃までは、桐乃は“ただの桐乃”だった。
様子がおかしくなったのは、それ以降のことだ。
あいつに何が起きたのかは解らねえが、きっとあいつ自身が望んで手に入れた能力なんかじゃなく、
意図せず誰かに能力を与えられ、唆されて、キラッなんかになっちまったんだと思う。
だからこそ、もうこんなことはやめさせたいのだが……
330: ◆kuVWl/Rxus 2011/03/29(火) 13:35:20.89 ID:hM7nxnHAO
「このまま大人しくしててくれりゃあ、それでもいいのかもな」
俺の呟きに、今度は黒猫が反応する。
「駄目よ。手口を明らかにして抑止策を講じないと。あの気紛れな娘に生殺与奪を握られている状態なんて危険すぎるわ」
「そ、それもそうか……。でもどうやって?」
黒猫は考え込んでいる。
「――この状態が続くようなら、こちらからアクションを起こす必要があるわね」
……そのアクションって、どうせ俺にやらせるんだろ?
頼むからあまり無茶なことはさせないでくれよ。
331: ◆kuVWl/Rxus 2011/03/29(火) 13:37:41.58 ID:hM7nxnHAO
◇ ◇ ◇
退屈――
それが今のあたしの中の大部分を占めている感情だ。
偽キラッが現れてからというもの、あたしは用心のため、カップル化作業も掲示板への書き込みも控えている。
あたしが最後に書いたのは、偽キラッに探りを入れるレスだったんだけど、向こうから反応は返ってこなかった。
そして偽キラッの方も、あの日を限りに現れていない。
二人のキラッが居なくなったため、結果としてスレッド上には手付かずのカップル化依頼が溜まり、
スレ住民達も戸惑っているみたい。
まぁ、なりすましの偽者が出現してたってことは、当事者間でしか分からないことなので、他の人達は気付いてないだろうけどね。
はぁ……、めんどくさいことになっちゃったなぁ……
332: ◆kuVWl/Rxus 2011/03/29(火) 13:40:22.18 ID:hM7nxnHAO
「ねぇ、リューク。あたしどうしたらいいと思う?」
『あん?……なんのことだ?』
「だから、こないだの偽キラッのことよ」
『あー……』
リュークはあまり関心なさそうに、ノーパソへ向いたまま生返事を寄越した。
このデレ神、あたしが冗談半分に工口ゲを薦めたらまんまとハマっちゃって、いまでは昼夜問わずプレイしている。
「ちょっとぉ!話をするときぐらいゲームはやめなさいよ」
パタン、と横からノーパソの画面を閉じてリュークから取り上げる。
『おいおい、りんこルートのクライマックスだったのによぉ』
「あんた、何のために人間界に来たのよ……」
333: ◆kuVWl/Rxus 2011/03/29(火) 13:42:26.41 ID:hM7nxnHAO
リュークは渋々といった感じで、あたしの方へ向きなおした。
『ニセモノなんか気にせず堂々としてりゃいいじゃねえか』
「だけど気になるじゃん。何のためにわざわざキラッに成りすましたのか……気味悪いって」
『案外、仲間になってくれるかもしれないけどな。
キラッが増えれば、お前の人類総カップル化計画も大きく前進するじゃないか』
うーん、二冊目のノートなんてホントに存在するのかなぁ……
こいつ、適当なこと言ってるんじゃないの?
『なぁ、それよりシスカリ対戦しようぜ~』
駄目だこのデレ神……早くなんとかしないと……
334: ◆kuVWl/Rxus 2011/03/29(火) 13:49:16.26 ID:hM7nxnHAO
そんな話をしていると、机の上の携帯電話が着信を知らせた。
ケータイを手に取り、液晶モニタに目をやると、そこには“非通知着信”と表示されている。
不審に思いながらも、あたしは応答ボタンを押す。
「……もしもしぃ?」
どうせ掛け間違いだろう。
そう思ったあたしは、とても迷惑そうな声で応じた。
だけど直後に、あたしは非通知の電話なんかに出たことを後悔するハメになってしまった。
『――こんばんは、突然電話してすみませんね』
その電話の主は、丁寧な口調で話した。
ただ、その丁寧さに反して異様だったのは、その声が妙に甲高く機械的なもので、
明らかにボイスチェンジャーを通している音声だったことだ。
なにこれキモッ!イタ電!?
「な、なんなの? 切るからねっ!」
嫌な予感がしたあたしは、一方的に電話を切ろうとする。
しかし、スピーカーから聞こえてきた次の言葉によって、あたしの全身は金縛りのように強張り、
電話を切ることができなくなってしまった。
『あ、ちょっとちょっと!まだ切らないで、高坂桐乃さん……いや、キラッと呼ぶべきですか?ふふふ……』
366: ◆kuVWl/Rxus 2011/04/01(金) 11:57:43.64 ID:uE+AydQAO
携帯から聞こえてきた機械的声が、あたしの中で何度も響いている――
『高坂桐乃さん……いや、キラッと呼ぶべきですか?ふふふ……』
一体……なぜ?
どうしてあたしがキラッだと……
あまりの驚き、そして動揺で、まともに呼吸することさえできない。
あたしは全身から汗が噴き出していることを感じた。
『高坂さんー?大丈夫ですかぁ?』
電話の声の主は、こちらの驚きようを見透かしているかのように呼び掛けてきた。
「……あ、あんた誰?……何者?」
あたしはようやく声を絞り出した。
367: ◆kuVWl/Rxus 2011/04/01(金) 12:00:04.85 ID:uE+AydQAO
こいつはあたしの携帯に直接電話を掛けてきた。
どうやって番号を調べたのか?それとも元々あたしを知ってる人物……?
『あはは、わざわざ声まで変えて電話してるのに、そんなこと教える訳ないじゃないですか』
その嘲笑い混じりの声は、ボイスチェンジャーによってひときわ甲高く変換され、とても耳障りな音として届いた。
『それに、キラッに名前を名乗るほど、あたしは間抜けじゃないですよ』
「……アンタさぁ、さっきからキラッ呼ばわりしてるけど……何の証拠があってそんなこと言ってンのよ?」
動揺しつつも、なんとかまともに話せるようになったあたしは、敵意をむき出しにした口調で問い返した。
だけど、電話の相手はまったく動じない。
『あららら、その台詞って、追い詰められた犯人が口にする定番の台詞ですね』
368: ◆kuVWl/Rxus 2011/04/01(金) 12:03:48.50 ID:uE+AydQAO
まずい、あたし空回りしてる?落ち着かなきゃ……
冷静になって慎重に対応しなければ、後で取り返しのつかないことになってしまう。
だけど、次に電話から聞こえてきた声が、あたしの中にわずかに残ってた冷静さを完全に奪い去ってしまった。
『――証拠はあります。なんならあの掲示板に、証拠を添えて、キラッの正体を暴露してもいいですよ?』
「ちょ、ちょっと!?」
コイツ、なんて恐ろしいことを言い出すのよ!?
あそこにはキラッのアンチがウジャウジャいるし、中には脅迫めいたことを書き込んでる奴もいる。
もし正体がバレたりしたら、あたしはもう家から一歩も出られなくなる……
『まぁ、そんなことしたら、高坂さんは社会的に終わっちゃうでしょうねぇ~、ふふふ』
369: ◆kuVWl/Rxus 2011/04/01(金) 12:14:54.05 ID:uE+AydQAO
どうやってこのピンチを切り抜ける――?
あたしは咄嗟にリュークに視線を送り、目で救いを求めた。
だけどリュークは、あたしが電話中なのを幸いとばかりに工口ゲを再開中。こちらには目もくれない。
うん、まぁ、どうせそんなこったろうと思ったわよ。……後でコロス!
電話の相手はなおも続けた――
『まぁ、わざわざボイスチェンジャーまで用意して、あなたに直接電話を掛けてるのだから、
それだけでも確証なしにできることじゃないって分かるでしょ?』
確かにその通りだ。
それに、もしこいつが握ってる証拠が弱いものだったとしても、嫌疑が掛かった時点であたしの負けだ。
あのスレで一度でも犯人扱いされたらアウト。潔白の証明なんてできやしないし、
そんな状態では危険すぎて、キラッの活動を続けるのは難しくなるだろう。
ダメだ、あまりにも状況が悪すぎる……。
370: ◆kuVWl/Rxus 2011/04/01(金) 12:21:30.04 ID:uE+AydQAO
『とにかく、あなたは正体をバラされたらそれで終わり。それを握っているのはあたしだということ』
その言い方で、ようやくあたしはコイツの中に含むものがあると気づいた。
「アンタの目的は何?……正体をバラすつもりなら、電話なんかせず、さっさとスレに書くはずよね」
『あはは、それもそうですね。……でも話が早くて助かります』
こいつの要求が何であろうと、いまのあたしの立場では受け入れるしかない。
そう覚悟は決めていたが、電話の相手は予想以上にとんでもないことを要求してきた。
『他人をカップルにする方法、それをあたしにも教えてください』
「はぁっ!? 方法って、そんなこと言われても……」
『隠そうとしたり、嘘をついたりしても無駄です。高坂さんが今年に入ってからその能力を身に付けたことは知っています』
クッ、こいつ……。
これは……どうすればいいの?
馬鹿正直にデレノートについて話すべきではない、そんなことはあたしだって重々承知している。
となると、ここは適当なことを言って煙に巻き、こいつの正体を暴く時間を稼ぐべきだろう。
顔と名前さえ分かればどうにでも……
あたしはこの場を凌ぐため、そんな対応策を考えていた。
371: ◆kuVWl/Rxus 2011/04/01(金) 12:26:09.34 ID:uE+AydQAO
だけど、どうやら駆け引きでは相手の方が一枚上手だったようだ。
『言っときますけど、1週間以内にあたしが“カップル化の呪い”を使えるようにならないなら、
それがいかなる理由だとしても、あたしはキラッの正体を暴露します』
「なっ……!?」
『他人に教えられない性質のものだとか、こちらにその呪いを使う適性が無いとか、 そういうやむを得ない理由だったとしても、あたしは絶対に絶対にキラッの正体を暴露します』
こ、こいつは何てコトを言い出すのよ!
キラッの正体を暴露しても、こいつ自身に何のメリットも無いはず。
こいつの目的がキラッに成り代わることなのであれば、むしろそれはデメリットかもしれないのに。
……そう分析したところで、こいつが損得勘定だけで動く保証などどこにも無い。
「バラされたら終わり」という大前提は、依然としてあたし達の間に高くそびえているのだ。
結果として、あたしにはこの無茶苦茶な脅しに抗する手立ては見つけられなかった。
電話の声は、少し得意気にトドメの一言を見舞った。
『ほらほら、選択肢も拒否権もありませんよ』
――そして、あたしはデレノートを失うことになった。
392: ◆kuVWl/Rxus 2011/04/05(火) 21:01:14.00 ID:4emLjpfAO
◇ ◇ ◇
その日、学校に着いた俺は、異様な光景を目にすることになった――
教室、廊下、階段……校舎の至るところでカップルがいちゃついていたのだ。
ある者は頬を寄せ抱き合い、ある者はパートナーを膝に乗せ語らい、またある者は――
いや、具体的に文字にするのは憚られる……まぁ、そんな具合だ。
一緒に登校した麻奈実も、目をぱちくりさせている。
「なんだか……みんなすごく仲良しになっちゃってるね……」
「ど、どうなってるんだ……これはまるで――」
キラッの呪いじゃないか、と、俺は麻奈実に聞こえないぐらいの小声で呟いた。
394: ◆kuVWl/Rxus 2011/04/05(火) 21:09:11.43 ID:4emLjpfAO
教室に入って自席に着くと、ちょうど教室の出入り口に黒猫の姿が見えた。
駆け寄る俺を見て、黒猫は安心したようにほっと息をつく。
「どうやら先輩は無事のようね」
一年生の黒猫が俺の教室までわざわざ来るのは珍しい。
今はそれほどの異常事態ってことだ。
「こりゃ、一体どうなっているんだ?」
「一年生のクラスでもカップルが急増していて、ここに来る途中に覗いた二年生の階も似たような感じだったわ」
「なぁ、これってやはり……」
「ええ、どう考えてもキラッの仕業よ。ついに再開したようね」
黒猫は廊下の窓から外を眺めながら言った。
俺がそれに倣って外の様子に目をやると、そこには何組かのカップルが仲睦まじく寄り添っている様子が見てとれた。
クッ……あいつら屋外でまで……
395: ◆kuVWl/Rxus 2011/04/05(火) 21:11:49.35 ID:4emLjpfAO
「それにしても……これは酷い……」
以前にも、うちの学校にはキラッの呪いを受けたと思われる何組かのカップルがいた。
だが今日の状況は、あまりにも規模が大きく、なによりそのカップルの“性質”がまるっきり違っていた。
「あの莫迦女、まさか新しいジャンルの工口ゲに手を出したのかしら」
「まさかな……。しかし酷い光景だ」
「ええ、凄まじいわね……」
「なぜ男同士で――」
そう、学校内で繰り広げられているカップル達の睦み合い――それはいずれも男同士のものだったのだ。
396: ◆kuVWl/Rxus 2011/04/05(火) 21:13:48.56 ID:4emLjpfAO
「とりあえず教室に戻るわ。また昼休みに」
そう言い残し、黒猫は自分のクラスへと戻って行った。
それと入れ替わるように、ちょうど登校してきたクラスメイトの赤城浩平が俺に話しかけてきた。
「おいおい高坂、なんか学校の雰囲気がおかしくねえか?急にホモっぽくなってるぞあいつ等」
念のため、俺は赤城をまじまじと観察する。
うむ、どうやらこいつは呪いに掛かっていないようだ。
「ああ、俺が来たときにはもうこの状態だった」
「な、なんておぞましい光景だ……」
赤城は辺りを見回して青ざめている。
家庭の事情で、俺なんかよりよっぽどホモに耐性のあるこいつがこの反応なのだから、
今の状況がどれだけ異様かってことは、“推して知るべし”だろう……
410: ◆kuVWl/Rxus 2011/04/06(水) 02:19:35.96 ID:e9wtTmJ4o
その日の昼休み――
俺は教室を飛び出すと、一目散に部室へと向かう。
部室の戸を開けると、すでに中では黒猫がパソコンに向かっていた。
俺は黒猫の隣に腰掛ける。
「なぁ、今日のこの状況、キラッだとしても何かおかしいと思わねぇか?」
「――先輩、その前にちょっとこれを見て」
黒猫は俺の問いには答えず、パソコンのモニタを指差す。
そこにはいつもの“呪いの掲示板”のスレッドが映し出されていた。
299 :学校の名無しさん:2011/03/10(木) 08:47:37
県立千葉弁展高だけど、今朝から校内がホモカップルだらけになってる!
キラッがやったのか・・・?
300 :学校の名無しさん:2011/03/10(木) 09:07:11
同じく
やばいこわい
301 :学校の名無しさん:2011/03/10(木) 09:31:39
アッー!
302 :学校の名無しさん:2011/03/10(木) 10:01:00
俺も千葉弁展高校
何が何だかわからない……
303 :学校の名無しさん:2011/03/10(木) 10:03:56
すまないがホモ以外は(AA略
304 :学校の名無しさん:2011/03/10(木) 10:19:22
俺のダチがなぜかホモになってしまった@千葉弁展
ここの奴のせいか?答えろよ!!
303 :学校の名無しさん:2011/03/10(木) 10:24:04
俺もホモにされたらどうしよう(((;゚д゚)))
411: ◆kuVWl/Rxus 2011/04/06(水) 02:22:43.68 ID:e9wtTmJ4o
「これは……うちの学校の奴らが書き込んだのか?」
「ええ、おそらく学校から、携帯で書き込んだのでしょうね。
ただ気になるのは、うち以外の学校からの報告が今のところない点……」
「そういえばそうだな……」
いままでも呪いの影響範囲の偏りはあったが、それはキラッ――つまり桐乃が
身近な対象に呪いを掛けていた当初のことだ。
そのときは桐乃の中学校を中心にカップルが量産されていたのだが……
「それと、以前のように掲示板でカップル化の依頼を受けるやり方ではないわね。
今日起きているカップル化は、キラッ自らの判断で行っているみたい」
「そうだな、キラッを名乗る書き込みは相変わらず無いようだし……」
あの自己顕示欲の強い奴が、ホームグラウンドとも言うべきこの掲示板をシカトして
黙々とカップル化を進めるだろうか?
それになんといっても、新たに呪いを掛けられた連中は、ことごとく男同士でカップルになっている。
あいつにそんな趣味があったとは思えないのだが……一体どうしちまったんだ?
「逆に女同士のカップルがいるわけではないし、どうやら意図して男同士のカップルを作っているようね」
ハァ……
あいつ、マジでホモゲーとかに手を出したんじゃないだろうな?
絶対にありえないと言い切れないところが、兄として情けないぜ……
412: ◆kuVWl/Rxus 2011/04/06(水) 02:31:49.32 ID:e9wtTmJ4o
俺は独り言のように、ぼそっと呟いた。
「……これ、本当にあいつの仕業なのかな」
そういう言い方をしたのは、桐乃=キラッ説を未だに受け入れられない往生際の悪い兄、という風に
受け取られたくなかったからだ。
まぁもちろん、俺の呟きに対する黒猫の反応を待っていたのだけど。
「そうね、私も疑問に思ってるわ。手口があまりにも違うから……まるで別人になったような……」
そこまで言って、黒猫は口をつぐみ、考え込んでしまった。
どうやら黒猫も俺と同じことを考えているようだ。
少なくともこの無差別なホモカップル化を、桐乃がやってるとは思えない。
もし本当にうちの高校だけで起きている現象なのだとしたら、いつものような名前や顔写真のタレコミも無しで、
桐乃の奴がうちの生徒達を把握できるはずが無いからだ。
今、カップル化を行っているのは桐乃ではない。それが今回の推理の大前提になる。
じゃあ、誰がやっているのか?
こんなことできる奴が、桐乃以外にもいるのだろうか?
桐乃のように、ある日突然能力を身に付けたのか? それは誰から、どうやって?
……そう考えると、どうしてもそこで推理が行き詰ってしまう。
なぜなら、俺達は“呪い”のシステムについて、あまりにも無知だからだ。
どんな方法で呪いを掛けているのか、どのような条件が必要なのか、どうやってそれを会得するのか……等々。
413: ◆kuVWl/Rxus 2011/04/06(水) 02:37:19.41 ID:e9wtTmJ4o
しばらく黙り込んでいた黒猫も、同じ結論に辿り着いたようだ。
「やはり魅了<チャーム>の呪いについて知らなければ、どんなに推理を巡らせても結論は出ないわね」
「そうだな、同感だ」
だが、どうやって……
目の前で呪いを掛けてもらえれば話は早いが、そんなことは不可能だろう。
そうだな、ここは黒猫の妙案に期待したいところだ。
「そうね、先輩。 こうなったら――」
黒猫は俺の瞳をまっすぐに見つめ、不敵な笑みを浮かべた。
こういう時のこいつは、俺には思いつかないような素晴らしいアイデアを練り出してくれる。
俺も一緒に不敵な笑みを浮かべ、黒猫の次の言葉を待った。
「――あの女の部屋に忍び込んで、なにか呪いの痕跡を見付けてきて頂戴」
うおおおおおおい!!
俺は思わず椅子からずり落ちてしまった。
「期待したのにっ! 何だよその大雑把な作戦はよ!」
ずっと慎重にコトを運んでいたというのに、いまさら家捜しとか……それって思いっきり本末転倒じゃないか!?
「しょ、しょうがないでしょ。もう他に手が無いのだから」
「そうだけどさぁ……俺に妹の部屋に忍び込めってのかよ……」
「いままでは悠長に構えていたけれど、キラッの無差別攻撃が始まったからにはやむを得ないわ。
先輩だっていつターゲットになるかも知れないのよ?」
「ターゲットって?」
「つまり……その……貴方もホモカップルの片割れに……」
クッ、なんて嫌なことを言いやがる……
俺は渋々、この高難度かつ不名誉なミッションを拝領することになってしまった。
421: ◆kuVWl/Rxus 2011/04/08(金) 16:52:58.05 ID:171z1HY3o
◇ ◇ ◇
「……桐乃、なんだか元気ないね?」
学校の帰り道、あたしの腕に両手を絡めて歩くあやせが、心配そうに顔を覗き込んできた。
ちなみに反対の腕には加奈子がひっついている。
二人がデレ状態になってからというもの、すっかりおなじみの下校スタイルだ。
「ううん、別にそんなことないよ」
そう答えつつも、あたしは自然とため息をついていた。
はぁ……、デレノートのことを考えると、どうしても憂鬱な気持ちになってしまう。
あんな危険なノートをあたし以外の人間が使うだなんて…… マジやばすぎるでしょ……
一応、ノートを渡す条件として、あたしやあたしの家族には手を出さないよう約束をさせたけど、
そんな約束が気休めにすぎないのは分かってる。
とにかく、なんとかしてノートを取り返さないと……
「桐乃っ、悩み事があるなら加奈子に相談しろよな」
「あっ、ずるい加奈子!桐乃、わたしに相談してっ!」
そういうと、あやせも加奈子も争うように強くしがみついてきた。
二人は相変わらずだ。
「……桐乃、なんだか元気ないね?」
学校の帰り道、あたしの腕に両手を絡めて歩くあやせが、心配そうに顔を覗き込んできた。
ちなみに反対の腕には加奈子がひっついている。
二人がデレ状態になってからというもの、すっかりおなじみの下校スタイルだ。
「ううん、別にそんなことないよ」
そう答えつつも、あたしは自然とため息をついていた。
はぁ……、デレノートのことを考えると、どうしても憂鬱な気持ちになってしまう。
あんな危険なノートをあたし以外の人間が使うだなんて…… マジやばすぎるでしょ……
一応、ノートを渡す条件として、あたしやあたしの家族には手を出さないよう約束をさせたけど、
そんな約束が気休めにすぎないのは分かってる。
とにかく、なんとかしてノートを取り返さないと……
「桐乃っ、悩み事があるなら加奈子に相談しろよな」
「あっ、ずるい加奈子!桐乃、わたしに相談してっ!」
そういうと、あやせも加奈子も争うように強くしがみついてきた。
二人は相変わらずだ。
422: ◆kuVWl/Rxus 2011/04/08(金) 16:57:04.07 ID:171z1HY3o
帰宅してカバンを放り投げると、あたしは着替えもせずベッドに横になった。
はぁ、ホントどうしたらいいのかな……
ごろんと寝返りを打つと、帰るなりそそくさとノーパソを立ち上げるリュークが目に入った。
「ねぇ、あたしどうしたらいいと思う……?」
『ん?すっかりお手上げ状態か?ククク……』
そう言うと、リュークは頬まで裂けた口を吊り上げ、嫌らしい笑みを浮かべた。
どうやらこいつは、デレノートがどこに行こうとあまり気にしてないみたい。
「……ってか、あんたはノートの持ち主のところに行かなくていいの?」
『そうは言っても、俺にだってノートがどこの誰の元にあるのか分からないしな』
あの日、あたしはノートを郵送で送ったけど、指定された宛先は局留めだったので、相手の住所は分からなかった。
おそらく宛名も偽名なのだろう。
『それに、デレノートの所有権はまだお前にある。だから俺がここに居るんだ』
「なによ?所有権って」
『ノートの持ち主はお前だってことだ。つまり、いまは他人に預けているような状態だな』
「じゃあ、たとえばさ、所有者の権限でノートを呼び戻したりできないの?念じたら瞬間移動してくるとかさ」
『そんな便利なシステムはない。……お前はアニメの見過ぎだな』
それじゃ所有権なんて何のメリットもないじゃん。
やっぱりこいつは頼りにならないなぁ……
ノーパソが起動したらしく、リュークはもう画面に釘付けになっている。
423: ◆kuVWl/Rxus 2011/04/08(金) 16:59:09.07 ID:171z1HY3o
しばらくすると、携帯の着信音が鳴り響いた。
携帯のディスプレイには、いつものように“非通知通話”の文字。ああ、またか……
あたしは着信ボタンを押し、気だるそうな声で応えた。
「もしもし、またアンタぁ?」
『ちょっとちょっと、桐乃ちゃん聞いてよー!またカップル作ったんだけどさぁ――』
聞こえてくるのは相変わらず不愉快なボイスチェンジャーの声。
そう、電話の相手はあたしからデレノートを奪った張本人だ。
妙なことに、こいつはあれから毎日電話を掛けてきている。
『――なんか皆おとなし過ぎて物足りないのよ。なんていうか、ナヨナヨしたカップルばかりで。
あたしはもっとガツガツした男と男の熱いぶつかり合いを期待してたのに!』
「……デレにするノートなんだから、ガツガツってのはちょっと違うんじゃない?」
『えーっ?デレってそういうものだったっけ?』
こいつ、最初の電話のときから随分キャラが変わってきたような……
「ってか、なんで電話してくるのよ。あたしを脅迫してノート奪ったって自覚はないの?」
『えーっ、だってこんな話ができるのは桐乃ちゃんしか居ないし』
“桐乃ちゃん”って……馴れ馴れしい……
完全に舐められてるわね……
424: ◆kuVWl/Rxus 2011/04/08(金) 17:01:15.67 ID:171z1HY3o
しかもこいつは、よりによって男同士でカップルを作っているらしい。
クッ……、あたしはとんでもないヘン夕イにデレノートを渡してしまった……胸が痛むわ。
『ねぇ、これって“攻め”とか“受け”とか指定できないの?』
「……そんな使い方したことないから分かんないよ」
リュークに聞いたら何か教えてくれるかもしれないけど、面倒だし、敢えてそれはしなかった。
こいつにはまだデレ神の存在は伝えていない。
別に隠そうとしたわけじゃなくて、特にノート入手の経緯を聞かれたことがなかったからなんだけど。
『なんだか期待したほど便利なノートじゃなかったなぁ~』
人から無理やりノートを奪っておいてこの言い草、大したタマだわこの女。
「アンタさぁ、ノートに飽きたならもう返してよ」
『そうはいかないわよ。これはもうあたしのノートなんだし、これからもカップルを作るんだから』
「……と、とにかく、あの約束はちゃんと守りなさいよね?」
『はいはい、分かってるわよ』
あたし達は、いつも最後にこんなやり取りを交わしてから電話を切る。
約束ってのは、“あたしやあたしの家族に手を出すな”ってコトなんだけど、向こうすれば律儀に約束を守る意味などない。
むしろ、ノートの秘密を知る邪魔者として、いつあたしが口封じにデレさせられるか分かったもんじゃないし。
はぁ、ホントなんとかしなくちゃ……
このままじゃマズいよね……
431: ◆kuVWl/Rxus 2011/04/09(土) 02:41:05.37 ID:YK1PYr1Go
◇ ◇ ◇
黒猫から指令を受けた俺は、不本意ながら桐乃の部屋に忍び込むハメになってしまった。
はっきり言って、こんなやり方は俺のポリシーに反している。
かつて親父による桐乃部屋の家捜しを、身体を張って阻止したこともあるってのに……
まぁ、いま起きてるカップル騒動――しかもホモカップル騒動――は確かにシャレにならないから、
やむを得ないこと……それは理解している。
重要なのは、桐乃に絶対気付かれないようにしないといけないってことだ。
万一バレたら、俺まで呪いを掛けられる恐れがあるからだ……信じたくないことだけど。
夜、俺はいつもより少し早めにベッドに入って横になった。
俺の作戦はこうだ。
桐乃の奴は、いつも俺よりも30分~1時間ぐらい早く登校をする。
俺は普段よりちょっと早めに起きておいて、桐乃が家を出るのを待って部屋に忍び込み、ガサ入れを遂行する。
うむ、実にシンプルな作戦である。
桐乃が確実に家を出たのを確認するってのと、部屋に入った痕跡を残さないようにする、
その点を気をつければきっと大丈夫だろう。
許せ妹よ、俺には大義があるのだ――
そんなことを考えながら、俺はいつの間にか眠りについていた。
432: ◆kuVWl/Rxus 2011/04/09(土) 02:43:00.99 ID:YK1PYr1Go
そしてその日の深夜――
バチン!
すっかり熟睡していた俺は、突然の頬の痛みで目を覚ました。
な、何だ!?どうやら平手打ちを食らったらしいが……
俺は寝起きの鈍い頭で状況を把握しようと努める。
「……っ!?」
起き上がろうとするが、腹部に重みを感じて起き上がれない。
と、そこで俺は目を見張った。
いま俺の上では、パジャマ姿の桐乃が四つん這いの状態で、顔を接近させて覆いかぶさっていたのだ。
「って、おまえ……またかよ!?」
「……静かにしてってば。いま何時だと思ってんの?」
このシチュエーションは、以前にも覚えがある。
そう、こいつが初めて俺に人生相談を持ちかけたときのこと。
同じように深夜に襲撃を受けて、半ば強制的に部屋に連行の上、とんでもないカミングアウトを受けたんだ。
「アンタに、また……人生相談があるからさ」
桐乃はベッドを降り、音を立てないよう静かに部屋のドアを開けると、犬でも呼ぶように指で手招きをした。
どうやらまた、俺に拒否権はないようだ。
433: ◆kuVWl/Rxus 2011/04/09(土) 02:45:29.05 ID:YK1PYr1Go
桐乃は俺を自室に連行すると、床にクッションを無造作に放り投げ、そこに座るよう促した。
ここ最近は兄妹でゲームすることもなかったので、桐乃の部屋に入るのは本当に久しぶりだ。
しかし、朝になったら忍び込むつもりだったので、いまここに居るのは妙な気がするけど。
俺はベッドの上に腰掛ける桐乃に問い掛ける。
「んで、なんだよ……人生相談って?」
「あ、うん……ええっと……」
桐乃は口篭っていて、なかなか今回の人生相談の中身を話そうとしない。
その間、俺は脳内フル回転でこの後の展開を予想していた。
桐乃の相談――またアニメや工口ゲのことだろうか?
いや、最近はこいつゲーム自体してなさそうだったし、それに今更改まって相談するようなことでもないだろう。
となると、学校関係?はたまた友人関係とか?
それともまさか……
「あ、あのさ。前にアンタと話した……キラッの話って覚えてる――?」
その言葉を聞いて、俺は戦慄した。
やべえ、嫌な予感がジャストミートでクリーンヒットしてしまったかもしれない。
457: ◆kuVWl/Rxus 2011/04/12(火) 11:34:53.67 ID:+Cgx4kvAO
桐乃部屋への侵入作戦の前夜、就寝中にまさかの逆侵入を許してしまい、
機先を制された俺に待っていたのは、これまでになくヘビーな予感のする人生相談だった。
なんなんだよ、この展開はよ……
とりあえず、下手なことだけは言わないよう気を付けねぇと……
「ねぇ、キラッって覚えてるかって聞いてるんだけど――?」
「あ、ああ。例の掲示板の――キラッだよな?」
「うん、そう……。実はあたし、ずっと秘密にしてたことがあるんだ……」
さっきまでの横柄な態度はどこへやらで、桐乃の表情は神妙な面持ちに変わっていた。
それにしても、まさかこいつの方からこの話題を振ってくるとは……
だけど兄貴としては……この先を聞きたいような、聞きたくないような、とても複雑な心境だ。
「えっと、驚かないで聞いてよね――」
ゴクリ、と俺は生唾を飲んだ。
458: ◆kuVWl/Rxus 2011/04/12(火) 11:38:11.88 ID:+Cgx4kvAO
それから10分ほどが経過したが――
俺は次の言葉を身構えて待っていたのに、桐乃はなかなか口を開こうとせず、部屋は沈黙に包まれていた。
この間、桐乃はずっとひとりで身悶えている。
おそらくこいつの中では、葛藤との戦いが繰り広げられているのだろう。
でも、俺はこいつがキラッだという事実をとっくに知ってるわけで、
いまさら何を言われても驚かない自信があるんだけど……
逆に、自然な驚きのリアクションを取れるよう、さっきから繰り返しイメトレしてるぐらいだ。
そんな状況にたまりかねた俺は、先に口を開いた。
「なァ桐乃、そろそろ話してくれないか……?」
そう言ってもなお、桐乃はウンウン唸っていたが、
しばらくすると何か諦めたように首を横に振り、ハァとため息をついた。
「やっぱりやめとくわ。……ごめん、部屋に戻って」
って、おい!なんだよそりゃ!?
「待て待て!夜中に叩き起こしておいて、それはねぇだろ!」
「だ~か~ら、ごめんって言ったじゃん。ホラっ」
桐乃は立ち上がり、部屋のドアを開くと、俺に出て行くよう促した。
クッ、なんて身勝手な妹だ……知ってたけどよ。
459: ◆kuVWl/Rxus 2011/04/12(火) 11:41:56.40 ID:+Cgx4kvAO
だけどキラッに関する話で、「秘密がある」「驚かないで聞いて」とまで言われて、
ここでおめおめと引き下がるわけにはいかないだろ?
「お前さァ――また何か人に言えない悩みを抱えてるんだろ?だから俺に相談持ち掛けたんだろ?」
負けじと俺も立ち上がり、桐乃の正面に立って対峙する。
「ずっと秘密にしてたことって何だよ? 言ってみろよ」
「もういいってば!あたしがもういいって言ってんだから、それでいいでしょ?」
「よかねぇよ!お前、悩み事があるんだろっ!?」
「アンタしつこい!ウザい!あたしに悩みなんかないっ!」
ああ、こりゃ完全に押し問答だ。
こんな状態じゃ、もうまともな話が出来るはずがない。
……だけど、キラッ事件の自供までもう少しだったかもしれない、という思いに、
深夜特有の余計なテンションも手伝って――
俺はうっかり口を滑らせてしまった。
「――嘘つけ!それなら、なんであの掲示板に書くのをやめたんだよ!?」
460: ◆kuVWl/Rxus 2011/04/12(火) 11:50:22.62 ID:+Cgx4kvAO
部屋には再び沈黙が訪れた――
覆水盆に返らず、後悔先に立たず、口は禍の元……
このとき俺の頭の中では、そんなことわざがピンボールのように激しく飛び交っていた。
桐乃はぽかんとした表情のまま、フリーズ状態になっていたが、
しばらくして瞳に光彩を取り戻すと、再び怒気を含んだ表情に変わった。
「……掲示板って……何のことを言ってるの?」
「えっ? いや、それは……その……」
考えろ俺!とにかく何かごまかせるよう考えろっ!
『キラッの正体を掴んでることを本人に知られたら、口封じに呪いを掛けられる』
――俺はそんな黒猫の台詞を思い出していた。
ヤバい、このシチュエーションはヤバすぎる……っていうか最悪の展開だ!
……だが残念ながら、俺のスペック不足気味の脳内コンピューターでは、
この場を凌ぐ気の利いた言い訳など、唯のひとつも浮かばなかった。
「キラッの掲示板のことよね?……アンタ、あたしがあそこに書き込んでたって言いたいの?」
\(^o^)/オワタ
そうだよな、話の流れ的にそうなるわな……
うん、もう観念したよ。煮るなり焼くなり呪いを掛けるなり好きにしろってな。
俺は覚悟を決め、その場にどしりと座り込んだ。
「ああ、そうだ――桐乃、お前がキラッとしてあの掲示板に書き込んでたことは知ってんだよ。
こんな形でバラしちまったのは俺の大ポカだけどな」
461: ◆kuVWl/Rxus 2011/04/12(火) 11:56:24.86 ID:+Cgx4kvAO
証拠を掴むどころか、逆に桐乃にあっさりバラしてしまったなんて、
もし黒猫に知られたらどれだけの叱責を受けるか分からねぇけど、俺にはもう開き直るしかなかった。
桐乃はというと、驚きのあまり金魚のように口をパクパクさせている。
「……なっ、なんでアンタがそんなことを!?」
「ちょっと思うところがあってな。ここ最近、俺なりに調べてたんだよ」
さすがに黒猫と一緒に調べてたなんて言えやしない。
あいつまで巻き添えにするわけにはいかないからな……
「さぁ、覚悟は出来てるからよ。好きにしろよ」
俺は床に大の字になり、呆然と立ち尽くす桐乃を睨んでそう言い放った。
「はぁぁ?アンタ何言ってんのよ?」
「だから、口封じのために呪いを掛けるんだろ?……俺はお前にデレることになんのか?」
「ちょ、ちょっと!!アンタなにキモいこと言ってんのよ!?」
あれ……? なんか予想してた反応と違うな?とりあえず俺は助かったのだろうか。
桐乃は呆れたように首を左右に振ると、再びベッドに腰掛けた。
「――っていうか、アタシにはもうそんな力は無いんだからさ」
弱々しく呟く桐乃に、俺は聞き返す。
「力がないって……どういうことだ?」
「……いいわ、アンタには全部話してあげる。元々そのつもりだったし」
そう言うと、桐乃はこれまでの出来事を少しずつ、ぽつりぽつりと話し始めた。
そして俺は、デレノートという信じがたいノートの存在を知ることとなった。
482: ◆kuVWl/Rxus 2011/04/19(火) 03:27:41.24 ID:wSbZlJvGo
名前を書くだけで他人をデレさせるノート――
この数か月の間に起きた、そんな嘘みたいなノートを巡る経緯を、桐乃はマジ顔で俺に語った。
にわかには信じられない話だが、邪鬼眼電波上等の黒猫ならともかく、
こいつがこんなことを嘘や妄想で話す奴じゃないってことは、俺が一番知っているわけだし、
そんなノートの存在でもない限り、この奇怪な事件の説明はできないだろう。
不本意ながら俺は、完全にオカルトの世界に飛び込んでしまったようだ……
すべてを話した桐乃は、力なくうなだれた。
「――ま、そんなワケで、いまカップルを作ってるのはあたしからノートを奪った奴なの」
なるほど、状況はよく分かった。
よく分かったんだが……それはそれとして、俺にはどうしてもこいつに確認しなければならないことがある。
「桐乃、お前さぁ――なんでキラッなんかやってたんだよ?」
そう尋ねると、桐乃はびくっと小さく身体を震わせた。
「な、なんでって言われても……」
483: ◆kuVWl/Rxus 2011/04/19(火) 03:29:54.63 ID:wSbZlJvGo
「カップルを作るってのが、不思議なノートの力だったのは分かったよ。
だけど、呪いの掲示板で依頼を受けるとか、俺には正直意味が分かんねぇんだけど……」
「ちょ、ちょっと!あれは呪いじゃないってば!あたしはただ……」
俯いていた桐乃は顔を上げて、一瞬、俺に視線を合わせたが、またすぐに目を逸らせてしまった。
「……ただ単に、カップルをたくさん作れば、みんなが幸せになれるんじゃないかなって思ってたの」
なぁおい、信じられるか?
世間を震え上がらせたキラッ事件の動機が、中三女子にありがちなお花畑な発想によるものだなんてよ。
こいつ、まさか恋のキューピッドにでもなり切っていたのだろうか。
484: ◆kuVWl/Rxus 2011/04/19(火) 03:33:28.39 ID:wSbZlJvGo
「じゃあ、お前に悪意はなかったのかよ?世間を混乱させてやろうとか、さ」
「はぁ?あるわけないじゃん。何でそんなこと――」
桐乃は抗議のため再び顔を上げたが、俺の送るジト目の視線に気づいて、うっ、とたじろいだ。
「そ、そりゃあ、……途中からはちょっと調子にのっちゃってたかもしんないケド」
「ちょっとねぇ……」
「掲示板で叩かれたり荒らされたりして、ムキになっちゃったっていうか、
そいつらにあたしの力を認めさせてやる、みたいなノリになっちゃって……」
桐乃の話は概ね理解しがたい事ばかりだが、掲示板で叩かれたこいつが顔を真っ赤にして
癇癪起こす様子だけは、悲しくなるぐらい容易に想像することができちまった。
まぁ、ある日突然、人知を超えた能力を手に入れるなんていう、
現実離れしたファンタジー体験をしたことがない俺には分からない話なんだろうけど、
過ぎた力は人を狂わせるってことなのかもしれない。
485: ◆kuVWl/Rxus 2011/04/19(火) 03:38:00.15 ID:wSbZlJvGo
俺がため息をひとつ吐くと、桐乃はおずおずと顔を上げ、上目遣いで訴えてきた。
「――だけど、いまノートを使ってる奴は少し違うみたいなの。なんて言うか……
最初っから自分の欲望フルスロットルっていうか……もう誰でもいいって感じで……」
「ああ、確かにそんな感じを受けるな」
「アイツから何とかしてノートを取り返さなきゃ……」
経緯はどうあれ、最終的にいま何が起こっているのかといえば、
桐乃をきっかけとして、とんでもなく危険なノートが、とんでもないイカレ野郎の元に渡っちまったってことだ。
思えば、桐乃がキラッだと判明したとき、なんとかして止めさせなければという気持ちがあったのは確かだが、
それと同時に、俺の妹だから何とかなるだろうという油断が俺にはあったのかもしれない。
もし俺がもっと早くに桐乃を問い詰めていれば、こんな危機的状況にはなってなかったかも……?
と、このとき俺はそんなことを思ったのだが、直後にその考えを打ち消した。
……いやいや、それは結果論だよな。
桐乃だって、そのノートを奪われて、初めて自分の行いを客観視できたみたいだし、
キラッとして現役バリバリだったときのこいつに干渉するのは、黒猫の言うようにリスクが大きすぎただろう。
486: ◆kuVWl/Rxus 2011/04/19(火) 03:40:07.04 ID:wSbZlJvGo
俺はふと、机の上に置いてある、桐乃のノートパソコンに視線を送った。
ノーパソはつけっぱなしになっていて、さっきまで桐乃がプレイしていたのか、
モニタには妹系対戦獲得ゲーム『妹・真妹大殲シスカリプス』のデモ画面が映されていた。
二体の妹キャラが、様々な技を繰り出して闘っているところだったのだが、
俺はその画面にかすかな違和感を覚えた。
デモ画面にしちゃあ、一方のキャラクターの動きがCPUっぽくない……ていうか普通にプレイ中のような……
よく耳をすませて聞くと、キーボードをカタカタと打つ音もしている。
すると、俺の視線の先に気付いた桐乃が、誰もいない机に向かって言葉を投げかけた。
「ちょっとぉ、夜中はゲーム禁止って言ったでしょ!」
その言葉に反応するように、キーボードを叩く音が止み、画面内には「PAUSE」の文字が表示されている。
「桐乃、もしかして…… そこに……?」
「あ、うん。さっき話したデレ神のリューク。ノートに触れた人間にしか見えないらしいけど」
改めて机の方を向いたが、やはりそこには誰もいない。
俺は幽霊とかの類が怖いと思ったことは無いのだが、この時ばかりは寒気を感じた。
桐乃が見えない何かと会話をする様子は、傍から見りゃあ猛烈に気味の悪いもんだぜ……?
487: ◆kuVWl/Rxus 2011/04/19(火) 03:43:33.20 ID:wSbZlJvGo
「お、お前、いつもそいつと一緒にいたのか?」
「まぁね。デレ神ってのはそういうシステムらしからさ……もちろんお風呂場とかには近寄らせなかったけど。
慣れれば別に気にならないけどね」
「そうかのか……」
「あ、リュークが兄貴に、『よろしくな』だってさ」
なんだか超常現象がぐっと身近になっちまったな……
俺はデレ神のことはひとまず置いといて、ここで話を元に戻すことにした。
「なぁ、桐乃。色々聞かされて俺もまだ整理ができてないんだけどよ」
「あ、うん。そうだよね……」
「結局のところ、今回のお前の人生相談ってのは、この状況をどうにかしたいって事でいいのか?」
「……」
桐乃は何も言わなかったが、代わりにこくりと頷いた。
そうなると、やっぱりあいつにも事情を話して、力を貸してもらうしかねぇよな。
「よし分かった――じゃあさ、いま聞いた話を共有しておきたい奴が居るんだけどさ――」
488: ◆kuVWl/Rxus 2011/04/19(火) 03:45:34.21 ID:wSbZlJvGo
そして翌日の土曜日――
俺からの連絡を受けた黒猫は、“三者面談”をすべく高坂家にやってきた。
「……こんにちは」
「よう、待ってたぜ」
俺は玄関に行き、ゴス口リファッションの黒猫を出迎えた。
桐乃がキラッとしての活動にハマってたこの数か月、自然とオタクっ娘コミュニティの集まりも
無くなっていたので、学校以外の場所で黒猫に会うのは本当に久しぶりだ。
見慣れてたはずのゴス口リファッションも、今日はなんだか新鮮に映ってしまう。
俺は黒猫を連れて妹の部屋へと向かう。
ドアを開けると、桐乃はベッドの上に腰掛けていた。
「随分久しぶりね」
「あっ――うん、久しぶり……」
桐乃はちょっとバツが悪そうにして、黒猫から視線を逸らしている。
489: ◆kuVWl/Rxus 2011/04/19(火) 03:47:38.50 ID:wSbZlJvGo
そんな桐乃を気にすることなく、黒猫は単刀直入にキラッの話題を切り出した。
「聞いたわよ。貴女、随分楽しそうな遊びをしていたそうじゃない」
「……」
棘のある黒猫の言い方に、桐乃は何も答えず黙っている。黒猫は続けた。
「思いがけず特殊な能力を身に付けた者が、考えなしにその能力を振るい、そして溺れる――よくあるシナリオね」
「……なによ……アンタ何が言いたいの?」
「ふふ、別に…… 異界の能力<ちから>に浮かれて自滅した莫迦女を哂っているだけよ」
「ふんっ、知ったようなこと言っちゃって――あっ、そっかぁ、アンタって“自称”闇世界の住人だもんね~。相変わらずの邪鬼眼乙!」
「に、人間風情が調子に乗って――!」
「おいおい、二人とも――」
二人の間に険悪な空気が渦巻いていることを察した俺は、醜い言い争いが始まる前に割って入った。
「とりあえず、今は奪われたノートの話をしようぜ。電話でも話したけど、厄介なことになっちまってんだよ」
二人は互いにそっぽを向いている。
ハァ、こんなので本当に大丈夫なのかよ……
505: ◆kuVWl/Rxus 2011/04/27(水) 03:01:07.49 ID:QM5VKM52o
今朝の電話で、黒猫にはおおまかな事情を話したけれど、俺は改めて桐乃の口から一通りの経緯を説明させた。
こういうのは、相談する本人から話をするものだからな。
桐乃から、他人をデレさせる力を持ったノートや、そのノートに触れることで姿を現すデレ神という
現実離れした話を聞かされても、黒猫があからさまに驚くことはなかった。
この辺の順応性は、さすがに邪鬼眼かつ厨二な電波系少女として、一日の長があるようだ。
と俺は妙な感心の仕方をしていた。
「デレノート……デレ神……」
黒猫は腕組みをして、その単語を噛み締めるように呟いている。
「――ということは、あのときの“ノート”という言葉はそういう意味だったのね」
「えっ、あのときのって……」
「あなたが掲示板に最後に書き込んだ言葉よ。“ノートを持っているか”と」
506: ◆kuVWl/Rxus 2011/04/27(水) 03:02:43.27 ID:QM5VKM52o
そう、それは黒猫がキラッ――つまり桐乃をおびき出すため、自作自演をしたときの書き込みのことだ。
それを聞いて、桐乃も思い出したらしい。
「あっ、そういえばそんなことを…… アンタ、あの書き込みを読んでたんだ?」
「ええ、読んでいたわ。というよりも、あなたが私にレスを返したきたからだけど」
「ん?レスを返した……?」
今度は桐乃が腕組みをして考え込むことになった。
そして一拍置いて、その言葉の意味を理解した桐乃は勢いよく立ち上がり、黒猫を指差して叫んだ。
「に、偽キラッ!? アンタが……!」
「そうよ、あの時キラッに成りすまして書き込んだのは私」
「あ、あ、あのレスで……あたしがどんだけ悩んだと思ってんのよ……っ!」
わなわなと肩を震わす桐乃に対し、黒猫は涼しい顔で返した。
「知らないわよ、そんなこと。むしろあのレスであなたのキラッ活動にブレーキを掛けることができたのなら、
あなたは私に感謝するべきじゃなくて?」
「ぐぎぎ……」
桐乃は悔しそうに歯軋りをしている。
おいおい、あんまり露骨に悔しがられると、こっちが不安になっちまうじゃねーか。
「オイ桐乃、お前まさか、まだキラッに未練があるんじゃねぇだろうな?」
「無いってば!ただ、やり込められてたのがムカついただけ」
そう言うと桐乃は、プイッとそっぽを向いた。
507: ◆kuVWl/Rxus 2011/04/27(水) 03:04:25.84 ID:QM5VKM52o
そんなやり取りには付き合ってられないとばかりに、黒猫は話題を戻す。
「それよりも――デレ神とやらは……本当にここに居るの?」
俺にはなんとなく黒猫が言わんとすることが分かった。
現在、デレノートは桐乃の手元にない。となると、この非現実的な一連の話の証拠になり得るのは、
いまこの部屋に居るという“デレ神”の存在だけ。
まずはそれを確認しないと、桐乃の相談には乗れないということだろう。
だが、桐乃はこともなげに答えた。
「あ、うん。いるよ。ホラ、あんたのすぐ後ろに立っ――」
そう桐乃が言い終わる前に、「ひぃっ!?」という小さな叫び声が発せられた。
今の声の発信源は…………黒猫?
桐乃は一瞬ぽかんとしていたが、すぐさま他人の弱みを握ったような、嫌らしい笑みを浮かべた。
「あれぇ~?もしやアンタ、リュークが怖いの? 普段は闇の世界がどうのこうの言ってんのに~?」
「莫迦にしないで頂戴。こ、怖くなんてないわ……」
そう言う黒猫の声はかすかに震えて聞こえた。
桐乃はというと、口に手を当てながら人を小馬鹿にするようにニヤニヤしている。
ハァ、お前らってホントそういうやり取り飽きないよな……
508: ◆kuVWl/Rxus 2011/04/27(水) 03:06:37.89 ID:QM5VKM52o
「冗談よ、冗談。いまリュークはそこの机の椅子に座ってるよ」
俺と黒猫は同時に机へ視線を向けた。だが、もちろんなにも見えない。
「そ、そう……。疑うわけではないけれど、なにか証拠を見せてもらえないかしら?」
「うーん、証拠って言っても……」
桐乃は少し考えた後に、ポンと手を打った。
「あ、そうだ。ちょっとリューク、アンタそのノーパソでメモ帳を開いて、何か文字打ってみなさいよ」
そう言うと、ノートパソコンのモニタには、すぐさまメモ帳の白い画面が表示され、
文字が少しずつ入力されていく――
《リュークだ これでいいか?》
モニタに表示されたテキストを見て、再び俺はぞくりとした寒気を感じた。
昨夜も俺は、見えない何者かが工口ゲをプレイしているところを実際にこの目で見たのだが、
そのときはまだ現実味がなく、俺とは関わりのないところでの超常現象だと受け止めていた。
だけど、こうやってコミュニケーションを取ってこられると、否が応にもその存在を認めざるを得なくなり、
自分が怪しげな世界に巻き込まれていることを無理矢理に実感させられてしまう。
509: ◆kuVWl/Rxus 2011/04/27(水) 03:11:01.41 ID:QM5VKM52o
俺が黒猫に視線を移すと、黒猫も強張った表情でモニタに釘付けになっていた。
だけど、そうやすやすとデレ神の存在を認めるつもりはないようだ。
「まだ……まだ証拠とはいえないわ。リモートデスクトップ機能を使ったトリックの可能性も……」
いつも闇世界だとか天使だとか悪魔だとか、現実離れした妄想の世界に生きている黒猫の反応としては意外だけど、
現実世界の理<ことわり>の下に留まろうとする努力を、まだ諦めてはいないようだ。
こいつは案外リアリストなのかもしれない、と俺は思った。
……まぁ、そんな黒猫の抵抗も、その後すぐに潰えることになっちまったけど。
「ああ、もう面倒くさい。リューク、ちょっとそれ持ち上げて見せてやってよ」
そう桐乃が言うや否や、室内で起こった超常現象に、俺は思わず声を出して驚いた。
おい、信じられるか?
――机の上のノートパソコンが空中にふわりと浮かんだんだぜ。
510: ◆kuVWl/Rxus 2011/04/27(水) 03:12:43.28 ID:QM5VKM52o
そんな俺の反応を見て、桐乃は得意げに胸を張っている。
「これで信じたでしょ?もういいよ、リューク」
桐乃の言葉に応じるように、ノートパソコンは静かに机の上に着地した。
それを見ていた黒猫は、青ざめた表情のままでしばらく固まっていたのだが、
その硬直が解けると同時に勢いよく立ち上がった。
そして――
「鬱欖檳檻樞歿汪搓槃榜棆棕椈楾楷欖棗梭樸檢殀……!」
「待て、落ち着け!ストーーップ!!」
突如怪しげな呪文を大声で唱え始めた黒猫を、俺は羽交い締めにして制止する。
こいつ、どんだけパニックになってんだよ……
我に返った黒猫は、さっきまでより机から少し離れて座っている。やっぱりビビってやがったのか。
「ちょっとぉ~、悪霊祓いみたいな呪文唱えないでよ」
《ああ、失礼しちゃうぜ》
……面倒くさいからお前らは黙っててくれ。
511: ◆kuVWl/Rxus 2011/04/27(水) 03:16:08.03 ID:QM5VKM52o
まだ青ざめてはいたが、黒猫はなんとか平静を取り戻すと、観念してこの状況を受け入れたようだ。
「分かったわ…… デレ神がそこに居るのは認めるわ……」
まぁ、目の前でポルターガイスト現象が起これば誰だってパニックになるわけで、
実際俺も十分ビビってたんだけどさ。
黒猫はコホンと小さく咳払いをすると、桐乃に尋ねた。
「そのデレ神にいくつか聞きたいことがあるのだけど、……いいかしら?」
「ん?いいんじゃない? じゃあ、リュークはタイピングでね」
桐乃がノートパソコンの方に向かってそう言うと、また画面には少しずつ文字が表示されていった。
《ああ、わかった》
黒猫はいつものポーカーフェイスに戻り、デレ神へ質問を投げ掛ける。
512: ◆kuVWl/Rxus 2011/04/27(水) 03:18:38.58 ID:QM5VKM52o
ここからしばらく、黒猫とデレ神リュークとの間での質疑応答の時間となった。
「いま、デレノートがどこにあるのか、あなたには分かるのかしら?」
少し間をおいて、タイピングが始まる。
《いいや、俺にもわからない》
「じゃあ、いまデレノートを使ってる人間については何か分かるかしら?」
《それも俺にはわからないな》
「もしノートを取り返したとして、そのノートをどう処分したらいいのか教えて頂戴」
《所有者が所有権を失えば、俺がノートを回収して人間界を去る。ただそれだけだ》
この所有権というのが俺にはよく分からないのだけど、昨日桐乃から聞いた話によると、
奪われはしたもののデレノートの所有権とやらはまだ桐乃にあるらしい。
デレ神が桐乃の元から離れないのはそういう理由なんだとか。
「……あなたは今回の件以外にも、過去に人間界にデレノートを持ち込んだことがあるのかしら?」
《ああ、いままでにも何度か、人間にノートを与えたことがあるな》
「ふうん……」
513: ◆kuVWl/Rxus 2011/04/27(水) 03:23:01.80 ID:QM5VKM52o
黒猫はそこで一旦やり取りを停めて考え込んだ。
俺と桐乃は、そんな黒猫の様子を静かに見守っている。
「……その割に、今回のようなデレ騒動は、これまで噂レベルでさえ聞いたことがないわ。おかしな話よね?
他のケースでの顛末はどうだったのか、聞かせてもらえるかしら?」
《それは》
デレ神はそこまで入力したところでタイピングを止めていたが、すぐに別の文を打ち直した。
《なかなか痛いところを突いてきたな。お前のような聞き方をしてきた奴は初めてだ》
「フッ、お褒めに与り光栄よ」
黒猫は髪をかき上げ得意顔を見せる。
傍からやり取りを見てる俺には、質問の意図も、何が痛いところなのかも分からないのだけど……
デレ神はまたゆっくりとタイピングした。
《シラけるから言わないでいたが、ノートの所有権を失うと、それまでに書いたノートの内容はすべて無効になる》
《さらに、デレノートによってデレていた者達の、デレに基づく行動の記憶はすべて消去される》
《過去のデレノートのことが人間界で知られていなかったのはそういう訳だ》
すると、そこで桐乃が割って入った。
「ちょっと、ちょっとリューク!!なによその後付け感たっぷりの設定はっ!?
前にあたしが聞いたとき、デレを取り消す方法はないって言ってたじゃん!」
《あれは個別に取り消すことはできないという意味だ。嘘は言ってない》
どうやらこのデレ神、かなりの食わせ物のようだ……
514: ◆kuVWl/Rxus 2011/04/27(水) 03:32:10.21 ID:QM5VKM52o
まだ文句を言いたそうな桐乃を制して、黒猫は言った。
「とにかく、ノートを取り返しさえすれば、丸く収まるって訳ね」
確かにその通りだ。
特に、すでにデレ状態に陥った人達が正気に戻れる可能性があるっていう光明が見つかったのはデカい。
後はいかにして取り返すか……だよなぁ……
「だけど、どこの誰が持っているのかも分からないノートを、どうやって取り返すんだよ」
「私に考えがあるわ」
「……また俺に忍び込めって言うんじゃねえだろうな?」
妹の部屋への侵入ならバレても半殺しぐらいで済みそうだが、よその家に不法侵入するのはシャレになんねーぞ?
ってなことを考えていると、俺の言葉に桐乃が反応した。
「ん? “また”忍び込む……って?」
「どああああ! な、なんでもないっ!気にすんな!」
あ、あぶねぇ……バレるところだった!
いや、実際は未遂なんだから、俺が後ろめたさを感じる必要はないんだけどさ……
「大丈夫よ。今度は先輩の手を借りることはないわ。私が一人でノート奪還の段取りをつけるから」
「おいおい、一人でって……」
「私に任せて頂戴――明日で、すべてのケリをつけてみせるわ」
って、明日だと!?
ずいぶん急な……いや、もちろん悠長に構えている暇はないんだけど……
「ってことは、お前にはもう犯人が誰なのか判ってるんだな?」
「ええ、それは今日話を聞いて確信したわ。……そして、ノートを奪う作戦も」
いつの間にやら、黒猫の瞳は紅く染まっていた。
515: ◆kuVWl/Rxus 2011/04/27(水) 03:38:13.87 ID:QM5VKM52o
「アンタ、犯人が分かってるなら教えなさいよ。あたしだって捕まえてとっちめてやりたいんだからさ」
そういう桐乃に対し、黒猫はハァとため息をついた。
「あなたに教えたらぶち壊しにされそうだから言えないわ。
それに、犯人のことやノートを奪う手段を今バラしてしまうと、抜け駆けされる恐れもあるから……」
「……抜け駆けってどういう意味よ?」
「あなたが抜け駆けしてノートを取り返して、私や先輩を排除した上でキラッに返り咲く可能性もあるということ。
私はまだあなたのことを信用していないのだから」
黒猫は冷たく言い放つと、今度は俺をじっと見据えた。
「……悪いけど、先輩にもまだ話せないわ。結果オーライだったとはいえ、
先の作戦を豪快にしくじった先輩に、今の時点でネタ晴らしするのは色々と危険だから」
クッ……その点を責められると、俺にはグウの音も出せない。
俺が口篭っていると、桐乃が反論した。
「そんなこと言ったら、アンタだってノートを独り占めして、第三のキラッになるかもしれないじゃん!」
桐乃にしてはなかなか鋭い指摘だったが、
黒猫は、引っ込んでなさい、とばかりに、「ふん」と鼻を鳴らした。
「何を言い出すのかと思えば……もしそうだとしたら、今あなた達にこんなことをわざわざ話す訳ないでしょう?
私がキラッになろうとしているのなら、一人で密かにノートを手に入れるわ」
あっさりと論破され、桐乃も俺と同じく何も言い返せない状態に。
そんな俺たち兄妹を見て、黒猫は言った。
「……勘違いさせたかもしれないけど、私一人でやるのはあくまで下準備だけ。
明日、犯人と会うときには、あなたたち兄妹にも来てもらうわ。
犯人を含め、私やあなたたち兄妹、――デレノートの秘密を知ってしまった全員の目の前で
ノートをデレ神に突き返して、この事件を終わらせるのよ」
そう宣言する黒猫の気迫に圧され、俺も桐乃も無言で何度も頷くしかなかった。
ふとパソコンのモニタに視線をやると、デレ神がなにやらタイピングをしている。
《ククク、面白くなってきたじゃないか》
534: ◆kuVWl/Rxus 2011/05/03(火) 03:16:41.36 ID:bGfkDf2Fo
翌日、俺は桐乃と二人で秋葉原を訪れていた――
別に兄妹で仲良くアニメショップ巡りとか、そういうことじゃない。
昨晩、黒猫からのメールで“決戦の場所”として指定されたのがアキバだったんだ。
俺達は目的の建物へと入り、エレベーターで三階へ。
入り口で受付を済ませると、細長い通路の奥の部屋へと案内された。
そう、ここは以前に沙織主催のパーティで借りたあのレンタルルームだ。
あの時、散々な目に遭わされた上に、仕舞いにカッコ悪く泣いちまった俺にとっちゃあ、ここは忌々しい場所だ……
ドアを開けると、中にはゴス口リ姿の黒猫が足を組み、頬杖をついてソファに座っていた。
「よう、来たぜ」
「……待っていたわ、二人とも」
黒猫は相変わらずの不遜な態度で俺たちを迎えた。
部屋に入り、中を見渡すが、まだ黒猫の他には誰も居ないようだ。
「なぁ、……桐乃からノートを奪った奴も、今日ここに来るんだよな?」
「そうよ、昨夜私が話をつけたから。もうすぐその人物が、ここにデレノートを持ってやってくるわ」
デレノートを持ってやってくるって……昨日の今日で、そんな簡単に事が進むものか?
そもそも話をつけるっつっても、相手がホイホイと応じるわけがないと思うんだが……
535: ◆kuVWl/Rxus 2011/05/03(火) 03:21:28.34 ID:bGfkDf2Fo
俺と同じく怪訝な表情をしていた桐乃が口を開いた。
「アンタさぁ、話をつけたって……一体どうやったのよ?」
そんな桐乃の言葉に、黒猫はこともなげに答えた。
「簡単なことよ。だってノートを奪う方法は昨日教えてもらったじゃない」
「ノートを奪う方法?……昨日?」
そこまで聞いて、俺はようやくピンときた。どうやら桐乃も気づいたようだ。
「あっ……もしかして……」
「そう、あなたがノートを奪われたときのやり方を、私が同じようにやっただけよ」
桐乃がノートを奪われたときのやり方……つまり、ボイスチェンジャーを使って電話を掛けて、
例の掲示板に名前をバラすぞと脅迫したってことかよ。
そう言われりゃ、その方法はすでに実績もあるわけだし、確実といえば確実かもしれない。
やられたことをただやり返すだけ――
黒猫のノート奪還プランは、呆れるほどシンプルなものだった。
だけど、その方法はノートの持ち主が誰なのかが分かっていないと使えない。
痺れを切らした俺は黒猫に問い掛けた。
「なぁ、そろそろ誰なのか教えてくれてもいいだろ?」
だが、黒猫はこちらに視線を向けず、真正面を睨むように見つめていた。
聞こえなかったのか?と、もう一度問い掛けようとした俺だったが、黒猫がそれを制す。
「待って、先輩――どうやらおいでなすったようよ」
黒猫はじっと部屋の出入り口のドアを凝視していた。
536: ◆kuVWl/Rxus 2011/05/03(火) 03:25:00.49 ID:bGfkDf2Fo
俺と桐乃も、黒猫の視線を追って、出入り口へと視線をやる。
すると、ドアは半開きの状態で止まっていた。
俺達の今の位置からはドアの向こうは見えないが、正面に座っている黒猫には見えているようだ。
「どうぞ、中に入って」
黒猫はドアの向こうの人物に呼び掛けたが、ドアは半開きのまま動かない。
「……言っておくけど、電話を掛けたのが私だと判ったからといって、今から逃げ出したとしても無駄よ。
このままあなたがドアを閉めたら、私は即座に掲示板にあなたの名前を書き込むわ」
そう言う黒猫の右手には、携帯が握られていた。
「――それに、こちらには海外留学経験もある中学陸上の選手が居るから、
どんなに頑張って逃げても、まず逃げ切れないでしょうね」
その言葉に、半開きのドアが一瞬ビクッと動いた。
そして、黒猫の言葉に退路を断たれ観念したのか、ゆっくりとドアが開く。
いよいよお出ましか――ごくり、と、俺と桐乃は同時に生唾を飲んだ。
その人物は、うつむき加減に部屋に入り、後ろ手にドアを閉めた。
「あの電話は……五更さんだったんですね……」
恨めしそうに呟いたその人物は、
黒猫のクラスメイトで、俺にとってゲー研の後輩でもある――赤城瀬菜だった。
537: ◆kuVWl/Rxus 2011/05/03(火) 03:33:54.97 ID:bGfkDf2Fo
「あ、赤城!?」
「せなちー!?」
俺も桐乃も驚いた。驚いたのだけど――
冷静になって考えてみると、これは「ああ、なるほど」と、実に喉越し爽やかに腑に落ちる結果だった。
うちの学校でホモカップルを大量生産する女……ううむ、嫌になるぐらい合点がいくぜ……
「それにしても、何でお前がノートのことを……?」
そう尋ねたが、瀬菜はうつむいたまま何も話さない。
代わりに横から黒猫が答えた。
「どうやら私と先輩が部室で話していたのを盗み聞きしたようね。
昨日いきさつを聞いたとき、電話の主の話した内容があまりにも私達の会話の内容と同じだったから、
そのことから、ゲー研の部室に来そうな人物――赤城さんだと気づくことができたの」
あの日、部室の扉越しに見えた人影は、俺の気のせいじゃなかったってことか……
ということは、俺があのとき黒猫にそのことを話していれば、もしかすると少しは展開が変わってたのかもしれない。
……そう思ったけど、今更掘り起こして黒猫に責められるのは御免なので、余計なことは言わないでおこう。
538: ◆kuVWl/Rxus 2011/05/03(火) 03:35:31.89 ID:bGfkDf2Fo
部屋の隅にいた桐乃は、瀬菜に近づいて声をかけた。
「せなちー……どうしてあたしからノートを奪ったの……?」
「桐乃ちゃん、それは……って、えええええええ!?な、何それ!!??」
突如大声をあげた瀬菜は、桐乃の方に指差したままガクガクと身を震わせ、恐怖に慄いている。
――いや、正確には桐乃の隣、誰も居ない空間を指差している。
「あ、そっか。せなちーにはリュークの姿が見ているんだ」
「リューク……?」
「そう、最初にデレノートをあたしに与えたデレ神。ノートに触れた人間にしか見えないの」
「いやあああああ!怪物!!近寄らないでえええ!!」
瀬菜は床にへたり込んだ体勢で、桐乃から後ずさりをしている。
なるほど、デレノートに触れた瀬菜にはデレ神の姿が見えているってことか。
デレ神が見えない俺や黒猫からすれば、まるっきりコントのようなやり取りなんだけど……
でも、これはつまり、瀬菜がデレノートを奪ったというダメ押しの証拠になるわけだ。
539: ◆kuVWl/Rxus 2011/05/03(火) 03:41:02.84 ID:bGfkDf2Fo
桐乃からデレ神について聞き、実際にデレ神と一言二言話した瀬菜は少し落ち着きを取り戻したようで、
ソファーに座ってぜえぜえと呼吸を整えている。
「まったく、お前って奴は……やたらめったら手当たり次第にホモカップル作って……何考えてんだよ」
ため息混じりに俺がボヤくと、その言葉に瀬菜が反応した。
「手当たり次第なんかじゃありませんッ!!」
うおっ!!いきなりデカい声出すなよ!
俺の何気ない一言がこいつの癇に障ったのか、瀬菜は肩をいからせて反論し始めた。
「一応言っときますけど、あたしなりの緻密な考察の元にカップルを作らせていただきましたからっ!そこは譲れません」
「……緻密な考察って何だよ?」
「攻め・受けの二極化をベースに、文科系の男子と体育会系の男子や、クラス内で内向的な男子、社交的な男子
という具合にリストアップし、属性の異なる同士を、通学ルートや学内行事などでなるべく接点のある組み合わせを
チョイスしてカプ化を――」
「……わ、分かった、もういいぞ」
うむ、こいつの脳が腐ってることが改めてよ~く分かった。
黒猫が今日決着をつけると言ったときは、性急過ぎるんじゃないかと思ったものだけど、
こんな危険なBL職人を放置するなんてとんでもないことだったな……。
「ちなみに高坂先輩は“受け属性”として分類していました」
「うおおおい!!おっかねぇことをシレっと言うんじゃねぇ!」
「でも、せっかく攻め×受けで組ませてカップルを作っても、みんな健全にいちゃつく程度で、
押し倒したりとかそういう展開になかなか進まないんですよねぇ……」
駄目だこの腐女子……早くなんとかしないと……
540: ◆kuVWl/Rxus 2011/05/03(火) 03:45:42.02 ID:bGfkDf2Fo
話が迷走しそうになってきたところで、あきれ顔の黒猫が口を開いた。
「とにかく――ここに来たって事は、デレノートを返す意思があるということよね、赤城さん?」
「うっ……それは……」
瀬菜は手提げカバンを持つ手にギュッと力を込めた。
あのカバンの中にデレノートが入っているのか……?
「……し、仕方ないですね」
瀬菜は立ち上がると、フーっと大きく息を吐き、黒猫をじっと見据えて言った。
「ノートは返しますよ――“五更瑠璃”さん」
そう言い放つ瀬菜の姿は、不思議と強気に見えた。
それに、今なにか違和感が……
「“高坂京介”先輩と、“高坂桐乃”ちゃんにもご迷惑をおかけしました」
そう言うと、瀬菜はぺこりと頭を下げた。
その時、俺は違和感の理由に気づいた。瀬菜はなぜ俺達をわざわざフルネームで呼ぶのか……?
黒猫も何か感づいたようで、俺の方に目配せを送ってきた。
と、その時、出入り口のドアに視線を移すと、閉じていたはずのドアが僅かに開いていて、
そこから何者かが室内を覗き込んでいた――
「先輩、まずいわ!外に仲間を潜ませていたのよ!名前を書かれてしまう!」
ニヤリと笑う瀬菜――
俺は慌ててソファーから立ち上がり、ドアへ向かって駆けた。
560: ◆kuVWl/Rxus 2011/05/08(日) 01:01:01.87 ID:kFx1Z2y1o
何者かが俺達の名前をノートに書こうとしている――
俺は慌てて部屋の出入り口へと駆け寄った。
せっかくこの騒動が解決間近になったというのに、ここで俺達がデレさせられたら
また振り出しに戻っちまう。
っていうか、事件なんて関係なしに、デレさせられること自体まっぴら御免だっての!
瀬菜が名前を読み上げてから数秒が経過している。間に合うか!?
俺はドアノブを掴むと、思いっきり手前に引く。
すると――
「うおっ!!」
ドアの向こうに潜んでいた人物は、ドアを開けられた拍子に、ドテッと床に転がった。
「お前か……赤城……」
「よ、よう……高坂……」
その人物は、俺のクラスメイトで瀬菜の兄、“残念なイケメン”こと赤城浩平だった。
地べたに突っ伏した赤城の横には、真っ黒な表紙のノートが落ちている。
桐乃がそれを拾い上げ、パラパラとページをめくると、安堵のため息をついた。
「どうやら大丈夫だったみたいよ」
横からノートを覗き込むと、そこには乱雑に書き殴られたいくつかの名前の羅列があった。
後高 ルリ 御高 るり
後光 るり 五高 留理
五光 留理 五光 流里
なるほど……、黒猫の本名が書けなかったってわけか。
561: ◆kuVWl/Rxus 2011/05/08(日) 01:03:23.39 ID:kFx1Z2y1o
確かに、“ごこうるり”で“五更瑠璃”なんて、そうそう書けるもんじゃない。
ついでに言えば、書けない黒猫を後回しにして俺や桐乃の名前を先に書く、というような
融通が利かない奴で命拾いしたようだ。
テストで難しい問題があると、そこで詰まって時間がなくなっちまうタイプだな。
「お兄ちゃん!ちゃんとやってくれないとだめじゃない!」
「すまん、瀬菜ちゃん!……俺の漢字力では無理だった……」
瀬菜の叱責を受けて、赤城は土下座して謝っている。
これがシスコン兄貴のなれの果てか……身につまされるぜ……
赤城家での兄の威厳は、すっかり地に堕ちているようだ。
まぁ、うちだって威厳があるかと言われれば微妙なところではあるんだけど。
「……このノート、あたしのデレノートで間違いないよ。 以前に書いたページを確認できたから」
ノートの内容を精査していた桐乃がそう言うと、瀬菜は観念したように肩を落とした。
「今度こそ回収できたようね」
黒猫は満足そうに呟いた。
562: ◆kuVWl/Rxus 2011/05/08(日) 01:08:21.04 ID:kFx1Z2y1o
そして今、俺達はテーブルの上のデレノートを囲むようにして座っている。
「じゃあ、このノートをデレ神とやらに返して、お引き取りいただこうかしら」
「ようやくこれで一件落着ってわけだな」
この数か月の間、俺達が振り回されてきた原因であるデレノート――
桐乃や瀬菜のせいで起こった混乱は決して小さくはなかったけど、ノートを返すことで掛かっていた呪いがチャラになるなら、
これはもうハッピーエンドに相当するんじゃねえか。
満足そうにひとりで何度も頷いていた俺だったが、そんな俺に黒猫は、実にありがたくない提案をしてきた。
「……先輩、ちょっとノートに触ってみる気はない?」
「な、なんで今更ノートに触る必要があるんだよ! 触ったら……見えちまうんだろ?デレ神が……」
「妹さんとデレ神との会話を聞くためには必要でしょう? ノートを返すにしても、私かあなたのどちらかが第三者として
やり取りの内容を聞いていないと不安じゃない」
「不安って、何がだ?」
「私達に分からないように何か取引をされるかもしれないでしょう。デレ神の声が聞こえるのは他に赤城さん兄妹だけなのだから」
それを聞いた桐乃がキッと目をむく。
「アンタねぇ、少しは信用しなさいよ!あたしはもうデレノートなんかに未練は無いってば」
「それなら別に会話を聞かれても構わないはずよね」
黒猫は桐乃の抗議などどこ吹く風で続けた。
「……ということで、先輩、どうぞ」
「ちょっと待て待て!なんで俺なんだよ!? こういうのに慣れてるお前こそ適任じゃないか」
「だらしないわね…… デレ神が怖いなんて……」
「お前にゃ言われたくねーよ!」
そんなやり取りをしていると、ふいに桐乃が俺と黒猫の手を取った。
「あーっ!もう面倒くさいからさ、触るんなら二人ともノートに触ればいいじゃん」
そう言って、桐乃は俺達の手を机の上のデレノートへと導く。
虚を突かれた俺と黒猫は、抵抗する間もなくノートに触れてしまった。
「「あ……」」
563: ◆kuVWl/Rxus 2011/05/08(日) 01:12:41.99 ID:kFx1Z2y1o
ノートに触った瞬間、俺は思わず肩をすくめて身構えたが、ノートが光を発するとか、
身体に電気のような衝撃が走るとか、そんなファンタジーでありがちな特殊効果は何も起きなかった。
だけど、部屋の隅に視線を移すと、そこには壁に寄りかかって立っているそいつが見えたんだ――
長身の赤城よりもさらにデカい図体で全身黒ずくめ、逆立った髪の毛がさらにその身体を大きく見せている。
そして青味のかかった真っ白な顔面に頬まで裂けた口に、なにより特徴的なギョロリとした焦点の合わなさそうな瞳。
……まぁ、それらを総合すると、要するに化け物だってことだ。
「うおおおおおおおおおおお!!」
あまりにも不気味な姿形に、俺は思わず叫び声を上げちまった。
こ、こんなのが何か月もうちに住み着いてたのかよ……!
「うおおおおおおおおおおお!!」
そんな俺に呼応するように、赤城も同じような叫び声を上げていた。
「うぉい!いまさらかよ!? お前はずっと見えてたはずだろ!」
「……いや、なんかさっきから驚くタイミングが見つからなくってよ」
そう言うと、このイケメンはサムアップして白い歯をきらりと光らせた。
ああ、前から知ってはいたけど、やっぱりお前はアホだよ。
564: ◆kuVWl/Rxus 2011/05/08(日) 01:19:59.43 ID:kFx1Z2y1o
黒猫はというと、デレ神の方向を見つめたまま、微動だにしていない。
微動だにしていなかったが……、しばらくしてスッと立ち上がると、両手で印を組んだ。
そして――
「鬱欖檳檻樞歿汪搓槃榜棆棕椈楾楷欖棗梭樸檢殀……!」
「待て、落ち着け!ストーーップ!!」
またもや怪しげな呪文を大声で唱え始めた黒猫を、俺は必死に制止する。
こいつのブレのなさは尊敬に値するぜ……
とにかく、ビビったときに呪文を唱える癖は直そうな!
俺達が一通り驚きのリアクションを済ませたところで、デレ神は口を開いた。
『まぁ、そんなに怖がることはない。俺はこれでも神の端くれだからな』
嘘付け! 神っていうか、そのビジュアルはどう見ても悪魔寄りじゃねえか!
俺は心の中で思いっきり突っ込んだ。……口に出す勇気は無かったけど。
デレ神リュークは、頬まで裂けた口をさらに吊り上げてニヤついている。
565: ◆kuVWl/Rxus 2011/05/08(日) 01:24:31.83 ID:kFx1Z2y1o
顔面蒼白で震えていた黒猫は、どうにか落ち着いたようで、コホンとひとつ咳払いをした。
「……それじゃ、気を取り直して、今度こそノートをデレ神に返してもらおうかしら」
その言葉を受けて、桐乃がこくりと頷く。
桐乃はノートを手に取り、両手で胸の前に持つと、立ち上がってデレ神と向き合った。
「リューク、そういうことだから、あたしはデレノートの所有権を放棄するね」
そう言うと、桐乃はデレ神に優しく微笑みかけた。
「この数か月、なんだかんだでアンタと一緒に工口ゲしたりして楽しかったよ。……元気でね」
俺や黒猫、赤城兄妹の見守る中で、デレノートを返し、デレ神が去り、すべてが終わる。
これでようやく元の日常に戻れるんだ。
――そう思っていたけれど、事はそんな簡単に終わらなかった。
『ククク……所有権を放棄? 何を言っている』
デレ神リュークは小馬鹿にしたように嘲笑っている。
部屋の中に不穏な空気が漂い始めているのを俺は感じた。
566: ◆kuVWl/Rxus 2011/05/08(日) 01:26:14.24 ID:kFx1Z2y1o
デレ神の意図のみえない言葉に、桐乃は食って掛かった。
「えっ、アンタこそ何言ってんのよ。昨日そう言ったじゃん。
所有権を放棄したらノートを回収して人間界を去って、これまでのデレも無効になるって」
『俺は、所有者が所有権を“失ったら”と言ったんだ』
「だから失って良いって言ってるじゃん。何が違うのよ?」
するとデレ神は呆れたように言い放った。
『そんな放棄宣言なんかで、俺がすんなりデレ神界に帰ると思ったのか?
デレノートの表紙裏に書かれたルールに従わなければ、所有権の喪失はありえないし、
俺がデレ神界に帰ることもない』
「表紙裏のルールって――」
桐乃が机の上でデレノートを開き、表紙裏を確認する。
俺達もノートを覗き込む。
そこに書かれていたルールとは――
《デレノートを持っている限り、自分が誰かにデレるまで元持ち主であるデレ神が憑いてまわる》
592: ◆kuVWl/Rxus 2011/05/13(金) 00:49:21.72 ID:udJaNOlzo
デレノートを手放し、デレ神と縁を切るための条件
――それは、デレノートの持ち主自らが、デレの呪いに掛かることだった。
予想外の展開に、俺達はノートの表紙裏を見つめたまま、声も出せずにいた。
桐乃とデレ神の別れを皆で見守っていた数分前とは一転、室内は重苦しい空気に包まれている。
『別に、無理にノートを手放す必要はないぞ。今まで通りでも構わない。俺も人間界は嫌いじゃないからよ』
ククク……と独特の笑い声を漏らしながらデレ神は言う。
『その場合はもちろん、デレノートでデレた者共は元に戻らず、ずっとそのままだけどな』
これまでのデレの呪いをすべてリセットできる――そんな旨い話には、しっかり代償が必要だったって訳だ。
こいつはやっぱり神なんかじゃなく、見た目通りの悪魔だったらしい。
593: ◆kuVWl/Rxus 2011/05/13(金) 00:50:17.82 ID:udJaNOlzo
重苦しい雰囲気の中、最初に口を開いたのは黒猫だった。
「……あなた、どうするつもり?」
さすがの黒猫も、この状況に戸惑い気味の様子だ。
キラッの正体を暴き、今日のこの場をセッティングした張本人だが、まさかこんな展開になるなんて
思ってもみなかっただろう。
当の桐乃も、大いにショックを受け、ずっと押し黙っている……
――かと思いきや、意外にも妙に晴れ晴れとした表情をしてやがった。
「え? そんなの、決まってるじゃん」
桐乃はそう言うとソファーから立ち、デレ神と向き合った。
そして、俺達の視線を一身に受けながら、その決意を表明した。
「あたしが撒いた種なんだから、あたしがちゃんと責任を取るってば」
594: ◆kuVWl/Rxus 2011/05/13(金) 00:53:01.42 ID:udJaNOlzo
桐乃はこの数か月、他人の心を操るという不気味なノートを使って、世間を混乱に陥れていた。
それは、法に照らして罰することなんてできない、超常現象の類ではあるけれど、
それが人のモラルに反する行為だということは、俺を含め、誰もが感覚的に解っている。
そして、キラッだった以前ならいざ知らず、今の桐乃だってそのことを認識しているだろう。
だからこそ、桐乃はその責任から逃げるようなことはしない。
どうしてかって?
――俺の妹はそういう奴だからだ。
自分の過ちに気付いたら、そのことを誤魔化したり、言い逃れするようなことをせず、バカ正直に潔く受け入れる。
親父譲りの芯の強さを持ち、自分自身に対して人一倍厳しい――そんな奴なんだ。
「桐乃ちゃん……その……ごめんね。あたしの責任でもあるのに……」
瀬菜はおずおずと桐乃を見上げ、今にも泣き出しそうな顔を見せた。
「ううん、せなちーは気にしないでいいって」
「でも……」
「そりゃあ、ノート奪わて好き勝手されたのはムカついたけど、結果的にそのおかげであたしの目が覚めたんだしさ」
桐乃は瀬菜に微笑んでみせた後、再びデレ神と対峙した。
「んじゃ、デレノートにあたしの名前を書けばいいのね?」
595: ◆kuVWl/Rxus 2011/05/13(金) 00:55:52.59 ID:udJaNOlzo
傍から見れば、単に桐乃の自業自得、因果応報かもしれない。
そして、道理に従えば、これまでの悪戯の“責任”を取らせるべきなのかもしれない。
だけど――だけどさ、
だからといって、桐乃を誰かにデレさせるだと?
そんなの、兄貴として到底認められるわけがねぇだろうよ。
「……桐乃、バカな真似はよせ」
俺が発したその言葉に、バッグの中のペンを探していた桐乃が顔を上げる。
「はぁ~?今更なに言ってんのよ」
「あのな、デレるってことは……つまり、お前がデレデレになっちまうってことだぞ?
他の誰でもなく、お前がだ。 そんなのダメだろ?」
まさに“何を今更”な当然のことをまくし立てている俺を、桐乃はぽかんと見つめている。
クソっ、俺は何を言ってんだよ……
頭の整理ができていないので、自分でも何を言いたいのか分からねぇ。
――分からねぇけど、いまは桐乃を思い留まらせないといけない。 誰かにデレてる桐乃なんて我慢できるかよ!
そんな俺の中の秘められたシスコン魂が、俺を喋らせていた。
「お前がデレちまうなんて……そんなの、お前がお前じゃなくなっちまうじゃねえか」
596: ◆kuVWl/Rxus 2011/05/13(金) 00:59:56.88 ID:udJaNOlzo
「でもあたしがデレないと、終わりにできないじゃん!」
そんなことは承知の上だ。
だけど、俺はお前のように、潔くこの状況を受け入れることなんてできやしない。
「そんな結末あり得ないだろ! お前がデレる? なんでそんなことになっちまうんだ」
「あ、あたしだって望んでデレるわけじゃないって!でもしょうがないでしょ!」
「ふざけんなよ!まだ中学生のお前が、なんでそこまで背負う必要があるんだよ」
「だって、あたしが責任とってデレないと、デレノートでデレさせられた大勢の人達が元に戻れない。
……それでいいワケがないじゃない」
俺は一瞬ひるんだ。
確かに桐乃の言う通りだ。その通りなんだけど……でも――
「そんなの……お前が変わっちまうぐらいなら、そいつらなんか――」
そう言いかけたところで、「兄貴!」と桐乃が妨げた。
「あたしを想ってくれるのは嬉しいけど、その先を言っちゃったら兄貴はサイテーだよ」
その言葉は俺の胸を突いた。
俺は何も言い返せず、舌を打ち、ソファーにどさっと腰掛ける。
自分の無力さが恨めしい――俺は心底そう思い、大きく息を吐いた。
597: ◆kuVWl/Rxus 2011/05/13(金) 01:03:31.15 ID:udJaNOlzo
そんなやり取りを黙って聞いていたデレ神が口を開いた。
『――どうやら決まりのようだな』
桐乃は無言でこくりと頷く。
『言っておくが、自分を自分にデレさせることはできないぞ。
自分の名前を書くのなら、デレる対象を指定しなければならない。もしくはデレ対象の人物に書かせるか、だ』
「わ、分かってるってば!」
桐乃はデレノートをパラパラとめくり、まっ白なページを開く。
そして一度大きく深呼吸をすると、そのノートとペンを差し出した。
――俺の目の前に。
「さすがに自分で書くのは抵抗があるからさ……アンタがあたしの名前書いてよ」
は??
俺が、お前の名前を、デレノートに書く?
それってつまり……
598: ◆kuVWl/Rxus 2011/05/13(金) 01:06:34.51 ID:udJaNOlzo
俺が尋ねるよりも先に、桐乃は慌て気味の弁明を始めた。
「しょ、しょうがないでしょ! 事情知らない人にいきなりデレるわけにいかないし――」
桐乃はチラッと横目で黒猫に視線を送る。
「この黒いのにデレたっていいんだけど、こいつひ弱だからさ。
デレたあたしが力尽くで何かしちゃいそうになったときに、抵抗できなさそうだし」
「なっ!? あなた……お、恐ろしいことを言わないで頂戴……」
何かしちゃうって……なにをだよ……
黒猫は額に縦線を浮かべて思いっきり引いている。
そんな黒猫のことは気にすることもなく、桐乃は俺を指差して話を続けた。
「――そんなわけで、あたしのデレ対象候補はあんたぐらいしか居ないのよ!
一応……あんたならちゃんと、兄妹の節度を守ってくれるかなって……、信じてるし……」
待て待て待て!
節度って!お前はどういう状況を想定してんの!?
「よその男にデレて、世間で変なウワサたっちゃうよりは、
不本意だけど……ブラコン娘だと思われる方が少しはマシだし……すっごく不本意だけど!」
そこで依然引き気味の黒猫がぼそっと呟く。
「私に言わせれば、本質は今とあまり変わらない気がするのだけど……」
桐乃がジロッと睨むと、黒猫はわざとらしく口を押さえて顔をそむけた。
599: ◆kuVWl/Rxus 2011/05/13(金) 01:09:41.59 ID:udJaNOlzo
「というわけだから、はいっ」
桐乃は俺にペンを押し付け、俺はやむなくそれを受け取る。
な、なんてこった……
俺が、自分の手で妹をデレさせるのかよ……しかも俺に。
「なぁ、桐乃…… ノートも返ってきたんだし、急いで結論出すこともないんじゃないか?
もう一度じっくり考えてから決めても……」
そんな諦めの悪い俺の提案を、桐乃は一蹴する。
「くどい!……っていうかアンタさ、そんなにあたしにデレられるのが嫌なの!?」
「い、いや、そういうわけじゃねえけどよ……」
腕組みをして、さっさと書けと言わんばかりに俺を見下ろしている桐乃の迫力に圧され、
俺は仕方なくペンを握り、ノートの白いページの左上に構える。
なんで俺が追い込まれる立場になってるんだよ……
そんなボヤキを呟きつつ、皆が注目する中、俺はゆっくりと桐乃のフルネームを書き始めた。
600: ◆kuVWl/Rxus 2011/05/13(金) 01:11:18.87 ID:udJaNOlzo
俺は一画ずつ、普段よりもずっと丁寧に文字を書く――
いつでも中断できるようにという、そんな考えで時間を稼いでいたのだけど、
結局、桐乃からストップの声が掛かることはなかった。
そして最後の一字、「乃」の字を書き終えてしまう最後のハネに差し掛かり、
そこで顔を上げると、俺のペン先を見つめていた桐乃と視線が合った。
「デレたあたしのことも、よろしくね――兄貴」
そう言い残し、桐乃は俺に
デレた。
624: ◆kuVWl/Rxus 2011/05/16(月) 20:33:07.70 ID:XSnldCWFo
あれから数日が経ち――
今日も、なんら変哲も無い、いつもの朝を迎えた。
いつものように、部屋に鳴り響く目覚まし時計。そのけたたましいベルの金属音に、俺の眠りは妨げられる。
しばらくすると、ガチャっと部屋のドアが開く音が聞こえ、目覚まし時計のベルが鳴り止んだ。
「お兄ちゃ~ん?――いつまで寝てるの? もう朝だよ」
まるで世話女房のように振る舞う桐乃がカーテンを開くと、薄暗かった部屋に眩しい朝の光が差し込んできた。
「早く起きないと、朝ごはん冷めちゃうでしょ。せっかく作ったのに~」
そう言って俺の身体を揺さぶる桐乃に、俺は背中を向けて狸寝入りを決め込み、
ささやかな抵抗を試みるが、
「ふ~ん、起きないなら……」
そんな声が聞こえ、ゴソゴソとベッドシーツをまさぐられている感じがしたかと思えば――
「抱きつき攻撃ぃぃぃ~!」
ぬおおおおお!!
寝ている後ろから抱き締められ、背中に感じた柔らかく温かな感触に、俺は今度こそ完全に目を覚ました。
そして慌てて上体を起こし、桐乃を引き離す。
「お、お前! ベッドに潜り込むのはよせって言ったろう!」
「えへへ~、おはよっ、お兄ちゃん」
あの日以来、俺の妹はずっとこんな調子だ。
625: ◆kuVWl/Rxus 2011/05/16(月) 20:34:50.74 ID:XSnldCWFo
以前の桐乃からは到底想像できない、妹萌えのキャラを地で行くようなこの変わりよう。
四六時中ツンツンして、俺を「クソ兄貴」呼ばわりしてたこいつが、今では「お兄ちゃ~ん」だぜ?
俺にはどうしてもこの甘ったるい呼称が受け入れられず、呼ばれる度にムズ痒さと気恥ずかしさの
ハイブリッドな感覚に襲われてしまう……
ガシガシと頭を掻く俺に、ベッドから降りた桐乃は手を差し出して言った。
「ほら、服も脱いで。洗濯するから」
俺は黙ってシャツを脱ぎ、桐乃に手渡す。
朝からこうやって兄貴に甲斐甲斐しく世話を焼く妹だなんて、まさに兄妹の理想像だろう。
赤城のようなエリート級のシスコン兄貴だったら、喜んでこの状況に順応するんだろうけど、
俺の場合、どうしても以前とのギャップがさ……俺を素直にさせてくれないんだ。
「じゃ、先に下に降りてるからね」
そう言ってそそくさと部屋を出る桐乃を、俺は「ちょっと待て」と呼び止める。
「なあに、お兄ちゃん?」
「……念のため言っとくけど、シャツの匂いは嗅ぐなよ」
「ぎくっ!」
ぎくっ、じゃねえっての。
なぁ、こういうのもデレの内なのか……?
626: ◆kuVWl/Rxus 2011/05/16(月) 20:38:54.11 ID:XSnldCWFo
「――きょうちゃん、最近、桐乃ちゃんと仲良しになったんだってね」
いつものように麻奈実と並んで登校していると、この幼馴染はふいにそんなことを言ってきた。
「な、なぜお前がそんなこと知ってんだ!?」
別に隠していたわけではないけど、デレノートの件を知らない麻奈実には、どうにも事情を説明しづらい。
そんなわけで、わざわざ我が家の兄妹仲の変化を報告するようなことはしなかったのだが、
どこかから漏れ伝わってしまったようだ。
「ふふふっ、わたしは意外と情報通なんだよ」
「なんだそりゃ……。 一応言っとくけどよ、前が仲悪すぎたから、せいぜい普通レベルになった程度だぜ」
勘違いしてもらっては困るが、俺が、今朝のようなやり取りを“普通レベル”の兄妹仲だと
歪んだ認識をしてるわけではない。
俺の中のフィルター機能が働いて、ちょっと控えめに……いや、相当控えめに表現したんだ。
……妹が俺にデレですウヘヘ、なんて言えるかっての。
「まぁ、兄妹仲が良いのはいいことだよね~」
俺の微妙な反応を察したのか、麻奈実はこの件を深く追求してくることはなかった。
そういや、麻奈実はあやせと仲良かったんだよな。 おそらくネタの出どころはその辺りだろう。
っていうかさ、桐乃が俺にデレてることをあやせが気付いているとしたら……色んな意味で俺やばくね?
近親上等の兄貴への憎しみで悪鬼と化すあやせを想像し、俺は思わず身震いした。
627: ◆kuVWl/Rxus 2011/05/16(月) 20:41:04.90 ID:XSnldCWFo
学校に到着し、麻奈実と教室に入ると、なんの変哲もない普段のクラス風景が目に入ってきた。
かつてこの学校を恐怖に陥れた、ホモカップル達による睦み合いの地獄絵図は、
あの日を境に綺麗サッパリ消え失せていた。
あの秋葉原での出来事の後――
俺がデレノートに名前を書いたことで、桐乃はノートの所有権を失った。
そして、ノートを回収したデレ神リュークは、あっけなく人間界を去り、デレ神の言葉通り、
デレの呪いに掛かっていた奴等は、みんな一斉にデレ状態から元に戻ったようだ。
かつて桐乃が根城にしていた例の掲示板も、“一斉デレ解除”を契機に、多くの書き込みで賑わっていた。
と言っても、ほとんどの書き込みが、デレ解除に対するクレームだったり、キラッに対して説明を求めるもの
だったりするんだけど……ホント勝手な奴等だよ。
それでも、キラッはもう現れることはないのだし、時間が経てば皆忘れていくだろう。
ちなみに、俺の学校でも、影響がまったく無かったわけではない。
当人たちはデレてた時の行動を憶えてないからまだ良かったんだけど、周りの人間は衝撃のホモ化事件を
バッチリ覚えているわけで、そういう訳で、ホモの呪縛から解き放たれた者たちへの微妙な空気は残ってしまった。
まぁ、この件の後ろめたさは赤城兄妹に背負ってもらおう。
とにかく、やっと平穏な日々がようやく戻ってきたんだ。
628: ◆kuVWl/Rxus 2011/05/16(月) 20:46:06.57 ID:XSnldCWFo
その日の放課後、俺は久しぶりに部活に顔を出し、帰りは黒猫と一緒に下校した。
「――妹さんは相変わらず?」
俺と並んで歩きながら、黒猫は微かな笑みを浮かべながら、そう尋ねてきた。
いつも無愛想なこいつが微笑むときは、大抵が俺をからかう予兆なのだ。
「まぁ、相変わらずデレてるよ。こればっかりはしょうがねぇからな」
「そう言いながら、満更でもないと思っているのでしょう? シスコンとブラコンで相思相愛じゃない」
ぐっ…… 何を言ってやがる……
黒猫は手を口に当て、くすくすと笑っている。ほらな、やっぱり予兆通りだろ?
俺は気を取り直して反論する。
「お前はそう言うけどな……、一応桐乃は自分の行いの代償としてああなったんだからな。
あんな事をしてた奴だけど、ケジメのつけ方については、俺は褒めてやりたいと思ってんだよ」
黒猫の軽口に対し、俺が割とシリアスな調子で返したので、黒猫はちょっとバツが悪そうにそっぽを向いた。
その後、コホンとひとつ咳払いをすると、黒猫はいつもの無表情に戻って言った。
「……これは先輩に話そうか話すまいか迷ったんだけど、やっぱり伝えておくわ」
あん?いきなり何の話だ?
「私は……その件については、少し異なる考えを持ってるの」
「異なる考え?」
道端で立ち止まった黒猫に合わせて、俺も一緒に立ち止まる。
629: ◆kuVWl/Rxus 2011/05/16(月) 20:51:39.75 ID:XSnldCWFo
「そう、あのデレノートのルールについて、どうしても腑に落ちない事があるのよ。
――それは、所有者がノートに名前を書かれると所有権を失い、ノートの効果もすべて無効になる、という点」
「腑に落ちないって言っても、元々常識外れのノートなんだから、どのルールだってそうじゃねえか?
逆に“腑に落ちる”ルールなんて無いだろ」
「そうでもないのよ。あの表紙裏に書かれていたルールは、どれも突飛なものではあったけど、
それぞれが矛盾しないようになっていたわ。でも――」
そこで黒猫は顔を上げ、俺の目をまっすぐ見つめた。俺は思わず視線を逸らす。
端正な顔立ちのこいつに正面からまじまじと見つめられると、どうも照れてしまう。
「――でも、デレノートを手放す条件がデレることで、手放したらすべてのデレ効果がリセット。
これって矛盾しているでしょう?」
そう説明されても、どうにも得心がいかない俺の反応を見て、黒猫はさらに丁寧な説明を始めた。
「つまり、あなたの妹はデレノートに名前を書かれて、その結果ノートの所有権を失ったわよね」
「ああ、そうだな」
「でもノートの所有者が居なくなると、それまでにそのノートに書かれたデレはすべてリセットされる。
その時リセットされる対象に、デレたばかりの元所有者は含まれるのかしら?含まれないのかしら?」
あっ、と思わず声を出し、俺はようやく気づいた。
「普通に考えれば、あの女もノートによってデレた一人なのだから、リセットされるでしょうね。
だけど、あの時のデレ神とのやり取りを見た限りでは、リセット対象外のような雰囲気だったわ」
「……デレ神がそういう反応を示してたなら、そういうものなんじゃねぇのか……?」
「そうかもしれないわね。でも、数あるルールの中で、曖昧になっていたのはその部分だけだった。
だからわたしは腑に落ちないのよ」
630: ◆kuVWl/Rxus 2011/05/16(月) 20:56:01.78 ID:XSnldCWFo
「もし私の考えが正しいのだとすると、『デレによってノートの所有権を失う』というのは
意味のない“死にルール”になってしまうけど、おそらくそれは複数のデレノートが存在する状況下で
はじめて意味を成すものなのではないかと思うの」
「他のノートの所有者の名前を書いて、所有権を失わせるってことか……」
改めて指摘されると、確かに黒猫の言うようにルールが矛盾しているし、
そう言われてみると俺も、あの時、何かすっきりしないものを感じていた。
感じていたのだけど、あの場の雰囲気で、なんとなく“そういうものだ”と納得してしまっていた……
例えばさ、漫画や小説でこういう些細な設定ミスっぽいものに気づいても、物語として都合のいい方に
解釈してやるっていうか……そこはお約束としてスルーするじゃねえか?そんな感じだよ。
俺には、ドラゴンボールの神龍に「願い事の回数を増やしてくれ」と願い事するような無粋さは
持ち合わせていないのだ。
自論を説き終わり、再び歩き始めた黒猫に、今度は俺から問い掛けた。
「でもよ……実際のところ、桐乃は今でもデレてるんだぜ? お前の言う通り無意味な“死にルール”だったしたら、
名前を書かれた所有者は、デレた直後にすぐデレ解除されているはずだろう?」
「もちろん、もしかすると本当に『デレノート所有者は解除の対象外』なんて例外ルールがあるのかもしれない。
それはあのデレ神にしか分からないことよ。だけど――」
黒猫は視線をこちらに向けないまま、ぼそっと小声で言った。
「――デレノートの呪いがなくても、デレることは可能でしょ」
631: ◆kuVWl/Rxus 2011/05/16(月) 20:58:59.27 ID:XSnldCWFo
「それは……つまり…… 桐乃がデレを装っているかもしれないと言いたいのか?」
俺の言葉に黒猫は答えず、すました顔で正面を向いて歩いている。
「意味わかんねーし…… 第一そんなことをする理由が無いだろ?」
黒猫はピタリと立ち止まる。
気づくとそこは、俺の黒猫の帰宅路の分かれ道だった。
「たとえば、無意味な“死にルール”のことを知ったあの女が、この機会に乗じるために、
デレ神と一芝居打ったのかもしれないわね。
――鈍感な先輩には理解できないことでしょうけど」
機会に乗じる……?
「まぁ、先輩に任せるわ。追求するもしないも自由よ。 それじゃ、また明日」
そう言い残し、黒猫はさっさと去っていった。
丁字路に残された俺は、しばらくその場に立ち尽くしていた。
何なんだよあいつは。意味深な言い方しやがって……
632: ◆kuVWl/Rxus 2011/05/16(月) 21:05:18.15 ID:XSnldCWFo
ただ、実は俺にもちょっと気になっていたことがある。
デレの呪いに掛かった桐乃は、今朝のようにブラコン丸出しのお兄ちゃんっ娘に変貌を遂げ、
猫なで声の「お兄ちゃ~ん」呼びや、俺への過度の世話焼き、すぐにくっついて甘えてくるところなんか、
一見デレデレのようだけど、俺がこれまで見聞きしてきたデレノートによる“デレ状態”に比べると
なんか違うっていうか、まるでアニメに出てくる仲良し兄妹のテンプレートに沿って行動してるような、
そんな感じを受けるんだよな。
ブリジットの話だと、デレてたときの加奈子は、デレの副作用で無気力になってることが
しばしばあったというけど、桐乃の場合はそんなことも無いようだし……
それに、当初のあいつは、デレてくる動作が妙にぎこちなかったんだ……すぐ顔真っ赤にしてたし。
もしかして、本当に黒猫の言うように――
そんなことを考えながら家に着き、俺は玄関の扉を開く。
すると間髪入れずリビングの扉が開き、駆け寄ってきた桐乃が俺に飛び掛るようにして抱きついてきた。
「おっかえり~!お兄ちゃん!」
「お、お前……いちいちくっつくなよ!」
「ええ~っ、 せっかくカワイイ妹が出迎えてあげてんのに~」
抱きついたまま、俺の胸元で一瞬むくれた後にすぐ笑顔を見せる桐乃。
俺は、そんな桐乃の頭を撫でてやりながら思う。
まぁ、いいじゃねえか――
桐乃のこのデレが、デレノートの力だろうと自発的なものだろうと
俺の妹が可愛いことに違いはねえんだからさ。
おわり
636: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/05/16(月) 21:08:19.76 ID:b2gfOGiC0
完結乙!
超面白かった!
だが最後のデレシーンはもうちょっと多めに書いてほしかった
超面白かった!
だが最後のデレシーンはもうちょっと多めに書いてほしかった
637: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2011/05/16(月) 21:09:34.97 ID:ewRQPMG5o
え、最後の最後の〆がもうちょい捻りが欲しかったけど
最初の1発ネタ的な不安感からは予想もしない良作になってわろた
最初の1発ネタ的な不安感からは予想もしない良作になってわろた
640: 名無しNIPPER 2011/05/16(月) 21:15:03.52 ID:ck+BXvZAO
いままで超乙でした!
これは名作だな
朝起こしにくる桐乃はアニメ1話のあれか?w
これは名作だな
朝起こしにくる桐乃はアニメ1話のあれか?w
641: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/05/16(月) 21:42:41.81 ID:dR356Jka0
面白かった!!
回を重ねるごとに面白くなっていって、キラッとかネタもよかった。
最後の引きも実に上手い。
次回作も楽しみにしてます。
回を重ねるごとに面白くなっていって、キラッとかネタもよかった。
最後の引きも実に上手い。
次回作も楽しみにしてます。
648: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) 2011/05/16(月) 22:57:05.42 ID:3m+raWQZ0
乙!!全てが自然に元ネタを引用してたのでSUGEEEEEて思った
649: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) 2011/05/16(月) 23:30:20.51 ID:miZunQYy0
スレタイからは想像できない名作だった
引用元: 桐乃「デレノート……?」
京介「あやせとゲームセンター」
2019-12-02
2: ◆CPNqm4LsKEhX 2017/02/20(月) 18:54:36.77 ID:qu8zjDl70
『あやせとUFOキャッチャー』
「お兄さん!もうちょっと右です!右!あ!行きすぎです!もぉ~ほら~取れなかったじゃないですか!」
「お前なぁ…無茶言うなよ…難しいんだぞ…」
「ふんっ!お兄さんが下手くそなだけじゃないんですか?」
「よぉしわかった!あやせ、お前がやってみろ!」
「え…で、でも私こういうのやったことありません…」
「お前…やったことないのにあんな偉そうなこと言ってたわけ!?」
「む…しょ、しょうがないですね…やってやろうじゃないですか!」
「なんでそんな強気なんですかねぇ…」
「まぁまぁ、見ててください!」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1487584446
「お兄さん!もうちょっと右です!右!あ!行きすぎです!もぉ~ほら~取れなかったじゃないですか!」
「お前なぁ…無茶言うなよ…難しいんだぞ…」
「ふんっ!お兄さんが下手くそなだけじゃないんですか?」
「よぉしわかった!あやせ、お前がやってみろ!」
「え…で、でも私こういうのやったことありません…」
「お前…やったことないのにあんな偉そうなこと言ってたわけ!?」
「む…しょ、しょうがないですね…やってやろうじゃないですか!」
「なんでそんな強気なんですかねぇ…」
「まぁまぁ、見ててください!」
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3: ◆CPNqm4LsKEhX 2017/02/20(月) 18:57:45.50 ID:qu8zjDl70
――――一発で取るあやせ
「嘘だろ…一発で取りやがった…俺10回以上したんですけどぉ!?」
「やっぱりお兄さんが下手くそなだけじゃないですか。ふふん」
「ぐぎぎぎ…なんだそのドヤ顔は…」
「今度からは私のこと、師匠と呼んでも良いですよ?」
「へーへー、あやせ師匠は凄いですねぇ~!」
「なーんか嫌な言い方ですね…まぁ、でも無事取れたので良かったです。ありがとうございました。ふふ♪」
「って言っても俺はお金注ぎ込んだだけですけどね…」
「嘘だろ…一発で取りやがった…俺10回以上したんですけどぉ!?」
「やっぱりお兄さんが下手くそなだけじゃないですか。ふふん」
「ぐぎぎぎ…なんだそのドヤ顔は…」
「今度からは私のこと、師匠と呼んでも良いですよ?」
「へーへー、あやせ師匠は凄いですねぇ~!」
「なーんか嫌な言い方ですね…まぁ、でも無事取れたので良かったです。ありがとうございました。ふふ♪」
「って言っても俺はお金注ぎ込んだだけですけどね…」
4: ◆CPNqm4LsKEhX 2017/02/20(月) 19:00:03.44 ID:qu8zjDl70
「また欲しい物があった時は一緒に来て下さいね♪お・に・い・さ・ん♪」
「お、おう…あやせお前…天使だな…」
「ななななな何をわけのわからないこと言ってるんですか!もぉ!ブチ殺しますよ!?」
「ははっそのまんまの意味だよ。じゃぁ用は済んだしもう帰るか」
「あ、はい。そうですね。時間も時間ですし、帰りますか」
そして俺達はゲームセンターを後にした。
にしてもあやせさん…お前UFOキャッチャーで包丁なんて取ってどうするの…?
怖くて聞けなかったよ…
「お、おう…あやせお前…天使だな…」
「ななななな何をわけのわからないこと言ってるんですか!もぉ!ブチ殺しますよ!?」
「ははっそのまんまの意味だよ。じゃぁ用は済んだしもう帰るか」
「あ、はい。そうですね。時間も時間ですし、帰りますか」
そして俺達はゲームセンターを後にした。
にしてもあやせさん…お前UFOキャッチャーで包丁なんて取ってどうするの…?
怖くて聞けなかったよ…
5: ◆CPNqm4LsKEhX 2017/02/20(月) 19:22:40.19 ID:qu8zjDl70
『あやせとプリクラ』
「お兄さんお兄さん!プリクラ撮りましょー!」
「え、なんで?お前俺と撮りたいの?」
「む…なんでそんな嫌そうな反応するんです?ヘン夕イ野郎にはご褒美じゃないですか!」
「あそ…お前の俺への評価が辛辣なのは今に始まったことじゃないが…プリクラは遠慮するわ」
「えぇ!?なんでですか!」
「お前なぁ…プリクラ撮ること自体は確かにご褒美だ!あやせたんといちゃいちゃしながら撮れるなんて最高じゃねぇか!」
「い、いちゃいちゃって!そんなことしませんっ!やっぱりヘン夕イじゃないですか!通報しますよ!?」
「まぁ最後まで聞け!プリクラ撮るっつーことは写真も残るだろ?あやせとプリクラ撮ってるのが桐乃にばれたら俺殺されるじゃねぇか!」
「確かにそうですけど…ば、ばれなきゃ良いんですぅー!ささ、あの機種にしましょう!」
「俺に拒否権は無いのね…もうどうにでもなれ…」
「お兄さんお兄さん!プリクラ撮りましょー!」
「え、なんで?お前俺と撮りたいの?」
「む…なんでそんな嫌そうな反応するんです?ヘン夕イ野郎にはご褒美じゃないですか!」
「あそ…お前の俺への評価が辛辣なのは今に始まったことじゃないが…プリクラは遠慮するわ」
「えぇ!?なんでですか!」
「お前なぁ…プリクラ撮ること自体は確かにご褒美だ!あやせたんといちゃいちゃしながら撮れるなんて最高じゃねぇか!」
「い、いちゃいちゃって!そんなことしませんっ!やっぱりヘン夕イじゃないですか!通報しますよ!?」
「まぁ最後まで聞け!プリクラ撮るっつーことは写真も残るだろ?あやせとプリクラ撮ってるのが桐乃にばれたら俺殺されるじゃねぇか!」
「確かにそうですけど…ば、ばれなきゃ良いんですぅー!ささ、あの機種にしましょう!」
「俺に拒否権は無いのね…もうどうにでもなれ…」
6: ◆CPNqm4LsKEhX 2017/02/20(月) 19:23:30.47 ID:qu8zjDl70
―――ハートのフレーム…
「よりによってハートかよ…」
「当たり前じゃないですかっ!そ、その…カ、カップルと言ったら…ごにょごにょ」
「え?何だって?」
「もぉ!何でも無いですぅー!あ、一緒にプリクラ撮るからって勘違いしないでくださいよ!?本当は気持ち悪くて仕方無いんですから!触ったりしたら通報しますから!」
「えぇ!?無理矢理連れてきたのはあなたですよねぇ…?」
「コホン、じゃぁ撮りますよー?ほらっもっと寄って下さいっ!キャッ!ち、近い…」
「お前はさっきから忙しい奴だな…にしてもあやせ…お前良い匂いするなっ!」
「な、なななななに言ってるんですか!このヘン夕イ!死ねェェェェェェエエ!」
「うぼあ!?いってぇぇ!」
パシャッ
「なんだこのカオスな写真は…」
「うぅ…どうしてこんなことに…も、もう一度撮り直せますので、撮り直しましょう…」
そして俺達のプリクラ撮影は幕を閉じた。
あやせ…なんで顔真っ赤になって笑顔が引きつってるんだよ…そんなに嫌だったの…?
そして桐乃にこのプリクラがばれ、俺が殺されるのはすぐ後のことであった…だから嫌だったんだよ…
にしてもなんでばれたの!?ばれるのが怖くて肌身離さず持っていたのだが…
まさかあやせ…罠だったんじゃないだろうな…
「よりによってハートかよ…」
「当たり前じゃないですかっ!そ、その…カ、カップルと言ったら…ごにょごにょ」
「え?何だって?」
「もぉ!何でも無いですぅー!あ、一緒にプリクラ撮るからって勘違いしないでくださいよ!?本当は気持ち悪くて仕方無いんですから!触ったりしたら通報しますから!」
「えぇ!?無理矢理連れてきたのはあなたですよねぇ…?」
「コホン、じゃぁ撮りますよー?ほらっもっと寄って下さいっ!キャッ!ち、近い…」
「お前はさっきから忙しい奴だな…にしてもあやせ…お前良い匂いするなっ!」
「な、なななななに言ってるんですか!このヘン夕イ!死ねェェェェェェエエ!」
「うぼあ!?いってぇぇ!」
パシャッ
「なんだこのカオスな写真は…」
「うぅ…どうしてこんなことに…も、もう一度撮り直せますので、撮り直しましょう…」
そして俺達のプリクラ撮影は幕を閉じた。
あやせ…なんで顔真っ赤になって笑顔が引きつってるんだよ…そんなに嫌だったの…?
そして桐乃にこのプリクラがばれ、俺が殺されるのはすぐ後のことであった…だから嫌だったんだよ…
にしてもなんでばれたの!?ばれるのが怖くて肌身離さず持っていたのだが…
まさかあやせ…罠だったんじゃないだろうな…
11: ◆CPNqm4LsKEhX 2017/02/20(月) 20:55:06.18 ID:qu8zjDl70
『シスカリ』
「お兄さん、これは何ですか?」
「ああ、それはシスカリって言うゲームだよ」
「シスカリ?な、と言うかこれ、全員破廉恥な衣装で戦ってるんですけど…おぞましい…」
「それ、桐乃には言うなよ…?桐乃が好きなゲームだから」
「こ、これ桐乃が好きなんですか…?え、えっㄘなゲームでは無いんですよね?」
「うーん、厳密に言うと元々はえっㄘなゲームだな。だがゲーセンにあるやつはえっㄘじゃないぞ」
「へぇ…じゃぁちょっとやってみようかな…うん、やってみます!」
「えぇ!?やるの!?お前…無理すんじゃねぇぞ?」
「大丈夫ですから!桐乃の趣味を理解するのに丁度良かっただけです!」
「えーっと…このレバーで操作するの…かな?キャッ!」
「おいっどうした!?」
「なんかレバーがぬるぬるしてたんですけど!汚い!汚らわしい!」
「そう言いつつ俺の服で拭くのやめてぇー!?」
「その駄洒落面白いと思ってるんですか!?もう良いです!やっぱりこんなゲーム出来ません!」
「いや、わかるよね!?駄洒落なわけないよね!?はぁ、わかったよ…もう帰るか…」
「はい、さ・よ・う・な・ら!時間の無駄でした」
はぁ~せっかくのラブリーマイエンジェルあやせたんと二人っきりだったというのに…
帰り際、何度も何度も手を嗅いで顔を赤くするあやせ。
お前、そんなに気にするなら手を洗えよ…
後日あやせがゲームセンターでシスカリをプレイしているのを見かけたが、
それには触れないことにした。
14: ◆CPNqm4LsKEhX 2017/02/23(木) 18:55:14.84 ID:4FjUcqrL0
『あやせとダンスエボリューション』
「お、あやせ。ダンスエボリューションで一緒にダンスしようぜ!」
「な、なんでお兄さんなんかと一緒にダンスしないといけないんですか!」
「え~…いや、やりたいんだけど、一人だとなんか恥ずかしいからさ…頼むよ…!」
「はぁ、仕方ありませんね…それで?これはどんなゲームなんですか?」
「これは音楽に合わせて身体全体を使って、ほら、カメラに向かってダンスをするんだ」
「へぇ~そんなのがあるんですね。少し興味があります。」
「おーっし!そうと決まればやろうぜ!」
――――
「お、これ地味に難しいな…なぁ、あやせ…ぶはっ!」
キタキタ親父ばりの謎のダンスを踊っているあやせ。
「中々タイミングに合わせて踊るの難しいですね…はい?」
「あやせwwなんつーダンスだ!雨乞いでもしてるのかよ!プププ…ぶはっ!あっはっは!死ぬぅう!w」
「なっ!何笑ってるんですか!真剣に踊っていると言うのに!ブチ殺しますよ!?」
「いや、すまん。まさかあやせがこうもダンスが出来無いとは思ってなくて…ププ…」
「な、なななな何失礼なこと言ってるんですか!そりゃぁ…私はちょっと運動が出来無いですけど…」
「それをちょっとって言うあやせたん可愛い…」
「ちょっ!馬鹿にしてますね!?ブチ殺しますよ!?」
「ごふっ!おま…そう言いながら腹殴るな…息が…出来ねぇ…」
「ふんっ!お兄さんが悪いんですからね!私のことを馬鹿にするからいけないんですぅ!」
「いや、でもお前…多分誰が見ても笑ってしまうぞ…例えば桐乃とかでも流石に笑うと思うぞ…」
「桐乃はそんなことで笑ったりしません!親友ですから!」
「それに、運動出来無いから笑うって非常識ですよ!」
「じゃぁ、今度は桐乃達とやってみろよ…」
「言われなくてもそうします!せっかくちょっと楽しんでいたのに、お兄さんの所為で最悪の気分です!もう帰ります!」
「はいはい…わるぅーござんした…」
――――
後日
「ひぃっひっひwwあやせwwいくらなんでもそのダンス酷すぎるよwwwひぃー笑い死にするぅ!w」
「き、桐乃…!?桐乃のことは信じてたのに!うわああああん!桐乃の馬鹿ぁぁあ!」
「あ、あやせ!?ご、ごめん!冗談だから!冗談だから戻ってきてぇぇぇ!」
―――
「お兄さん、死んで下さい」
「おま…いきなり…なんで俺が…首!首絞まる!やばいって!あぐががが!」
「お兄さんの所為で恥をかいたんですから…当然の報いです…ふふ、ふふふ…」
「お、落ち…着け…がくっ」
そして俺はとばっちりを受けたのであった。
おわり
「お、あやせ。ダンスエボリューションで一緒にダンスしようぜ!」
「な、なんでお兄さんなんかと一緒にダンスしないといけないんですか!」
「え~…いや、やりたいんだけど、一人だとなんか恥ずかしいからさ…頼むよ…!」
「はぁ、仕方ありませんね…それで?これはどんなゲームなんですか?」
「これは音楽に合わせて身体全体を使って、ほら、カメラに向かってダンスをするんだ」
「へぇ~そんなのがあるんですね。少し興味があります。」
「おーっし!そうと決まればやろうぜ!」
――――
「お、これ地味に難しいな…なぁ、あやせ…ぶはっ!」
キタキタ親父ばりの謎のダンスを踊っているあやせ。
「中々タイミングに合わせて踊るの難しいですね…はい?」
「あやせwwなんつーダンスだ!雨乞いでもしてるのかよ!プププ…ぶはっ!あっはっは!死ぬぅう!w」
「なっ!何笑ってるんですか!真剣に踊っていると言うのに!ブチ殺しますよ!?」
「いや、すまん。まさかあやせがこうもダンスが出来無いとは思ってなくて…ププ…」
「な、なななな何失礼なこと言ってるんですか!そりゃぁ…私はちょっと運動が出来無いですけど…」
「それをちょっとって言うあやせたん可愛い…」
「ちょっ!馬鹿にしてますね!?ブチ殺しますよ!?」
「ごふっ!おま…そう言いながら腹殴るな…息が…出来ねぇ…」
「ふんっ!お兄さんが悪いんですからね!私のことを馬鹿にするからいけないんですぅ!」
「いや、でもお前…多分誰が見ても笑ってしまうぞ…例えば桐乃とかでも流石に笑うと思うぞ…」
「桐乃はそんなことで笑ったりしません!親友ですから!」
「それに、運動出来無いから笑うって非常識ですよ!」
「じゃぁ、今度は桐乃達とやってみろよ…」
「言われなくてもそうします!せっかくちょっと楽しんでいたのに、お兄さんの所為で最悪の気分です!もう帰ります!」
「はいはい…わるぅーござんした…」
――――
後日
「ひぃっひっひwwあやせwwいくらなんでもそのダンス酷すぎるよwwwひぃー笑い死にするぅ!w」
「き、桐乃…!?桐乃のことは信じてたのに!うわああああん!桐乃の馬鹿ぁぁあ!」
「あ、あやせ!?ご、ごめん!冗談だから!冗談だから戻ってきてぇぇぇ!」
―――
「お兄さん、死んで下さい」
「おま…いきなり…なんで俺が…首!首絞まる!やばいって!あぐががが!」
「お兄さんの所為で恥をかいたんですから…当然の報いです…ふふ、ふふふ…」
「お、落ち…着け…がくっ」
そして俺はとばっちりを受けたのであった。
おわり
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/24(金) 12:13:05.95 ID:ZTyrtDmA0
悪くなかったよ
終わったあとになるがお疲れさま
もはや懐かしい…
終わったあとになるがお疲れさま
もはや懐かしい…
引用元: 京介「あやせとゲームセンター」
加奈子「うぃーす!京介!」京介「か、加奈子!?」
2019-11-24
1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/05(火) 16:27:38.731 ID:nNCfnYhY0.net
加奈子「何そんなにびっくりしてんだよ!あ、まさか女子高生になった加奈子にときめいちゃった??」
京介「んなわけねーだろガキが。んなことよりお前…来るなら来るって連絡くらい寄越せよな…」
加奈子「たまたま近くに来たから寄ってやっただけだっつーの!お邪魔しまーす!おっ!なんだよなかなか良い部屋に住んでんじゃん!」ズカズカ
京介「おま…勝手に入んなよな!?」
京介「んなわけねーだろガキが。んなことよりお前…来るなら来るって連絡くらい寄越せよな…」
加奈子「たまたま近くに来たから寄ってやっただけだっつーの!お邪魔しまーす!おっ!なんだよなかなか良い部屋に住んでんじゃん!」ズカズカ
京介「おま…勝手に入んなよな!?」
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3: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/05(火) 16:29:34.351 ID:nNCfnYhY0.net
加奈子「へぇ~意外と片付いてんだな。大学生の1人暮らしってもっと散らかってるイメージだったけど…」キョロキョロ
京介「ほっとけ。お前は俺の母ちゃんかよ」
加奈子「は?こんな可愛いお母さんがいてたまるかっつーの。馬鹿なこと言ってないで茶の一つくらいでもだせよなー」
京介「へいへい。…まったく、ほんと相変わらずだなコイツは…」ブツブツ
京介「ほっとけ。お前は俺の母ちゃんかよ」
加奈子「は?こんな可愛いお母さんがいてたまるかっつーの。馬鹿なこと言ってないで茶の一つくらいでもだせよなー」
京介「へいへい。…まったく、ほんと相変わらずだなコイツは…」ブツブツ
5: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/05(火) 16:32:28.634 ID:nNCfnYhY0.net
加奈子「あ?何ブツブツ言ってんだよ。良いからさっさと茶持って来いっての!」
京介「はいはい。ほらよ」コトッ
加奈子「おぉ。ご苦労。…ぷはぁ~!相変わらず茶入れるのだけはうめぇな」ケラケラケラ
京介「さいですか。……それで?…お前、何しに来たんだよ?たまたま寄ったにしては、やけに荷物が多いじゃねーか」
京介「はいはい。ほらよ」コトッ
加奈子「おぉ。ご苦労。…ぷはぁ~!相変わらず茶入れるのだけはうめぇな」ケラケラケラ
京介「さいですか。……それで?…お前、何しに来たんだよ?たまたま寄ったにしては、やけに荷物が多いじゃねーか」
6: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/05(火) 16:33:42.762 ID:nNCfnYhY0.net
加奈子「あ、そうだそうだ。加奈子、今日からしばらくここに泊まるから」
京介「へぇ~そうか。……って、は?」キョトン
加奈子「いや~親と大ゲンカしちまってさ。家に居られなくなっちまったんだよね」ケラケラケラ
京介「はぁ!?だからってなんで俺ん家に!?」
京介「へぇ~そうか。……って、は?」キョトン
加奈子「いや~親と大ゲンカしちまってさ。家に居られなくなっちまったんだよね」ケラケラケラ
京介「はぁ!?だからってなんで俺ん家に!?」
7: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/05(火) 16:34:53.964 ID:nNCfnYhY0.net
加奈子「良いじゃんかよ~。京介も1人暮らしで寂しいだろ?」スリスリ
京介「すり寄ってくんな!?だったら俺の実家にでも泊めて貰えよ!桐乃だっているんだし!」
加奈子「えぇ~…だって京介の親父さんなんかこえーし」
京介「だったらあやせのとこにでも行けよ!」
京介「すり寄ってくんな!?だったら俺の実家にでも泊めて貰えよ!桐乃だっているんだし!」
加奈子「えぇ~…だって京介の親父さんなんかこえーし」
京介「だったらあやせのとこにでも行けよ!」
8: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/05(火) 16:36:32.473 ID:nNCfnYhY0.net
加奈子「あやせは今家族で海外旅行中」
京介「ぐぬぬ…」
加奈子「何だよ?京介は加奈子のことが嫌いなのかよ?」
京介「いや、んなことはないけど…」
京介「ぐぬぬ…」
加奈子「何だよ?京介は加奈子のことが嫌いなのかよ?」
京介「いや、んなことはないけど…」
9: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/05(火) 16:38:51.748 ID:nNCfnYhY0.net
加奈子「なら良いじゃん!決まりな!んじゃ、ちょっと台所かして!」
京介「お、おい!何をするつもりだ?」
加奈子「どーせロクなもん食ってないんだろ?泊めてくれるお礼に加奈子がなんか作ってやんよ」ニコッ
京介「……そりゃ、どうも…」キュン
(笑顔だけは可愛いんだよな…こいつ)
京介「お、おい!何をするつもりだ?」
加奈子「どーせロクなもん食ってないんだろ?泊めてくれるお礼に加奈子がなんか作ってやんよ」ニコッ
京介「……そりゃ、どうも…」キュン
(笑顔だけは可愛いんだよな…こいつ)
10: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/05(火) 16:41:08.229 ID:nNCfnYhY0.net
加奈子「おっ!ジャガイモあんじゃん!京介、肉じゃがで良いよな?」
京介「あ、あぁ…」ジー
加奈子「…なにジロジロ見てんだよ」ギロッ
京介「…え?あ…す、すまん!なんか…様になってると思ってな…」ドキドキドキ
京介「あ、あぁ…」ジー
加奈子「…なにジロジロ見てんだよ」ギロッ
京介「…え?あ…す、すまん!なんか…様になってると思ってな…」ドキドキドキ
11: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/05(火) 16:43:10.667 ID:nNCfnYhY0.net
加奈子「たりめーじゃん!あれからかなり練習してたんだぜ!」
京介「そうか…じゃあ、もう麻奈実よりも上手くなってるんじゃないか?」
加奈子「んー…だいぶ追いついたとは思うけど、師匠は遠くの大学に行っちまったからなぁ…。今更比べようもねーだろ。あーあ!もっと沢山料理教えて貰いたかったなぁ…」
京介「……すまん」シュン
京介「そうか…じゃあ、もう麻奈実よりも上手くなってるんじゃないか?」
加奈子「んー…だいぶ追いついたとは思うけど、師匠は遠くの大学に行っちまったからなぁ…。今更比べようもねーだろ。あーあ!もっと沢山料理教えて貰いたかったなぁ…」
京介「……すまん」シュン
12: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/05(火) 16:44:46.894 ID:nNCfnYhY0.net
加奈子「あん?なんで京介が謝んだよ」
京介「俺が桐乃を選んじまったせいで…麻奈実の奴は遠くの大学に行っちまって…」
加奈子「京介はほんとアホだな。師匠は最初からそのつもりで県外の大学にしたに決まってんだろ」
京介「そのつもり…?」キョトン
京介「俺が桐乃を選んじまったせいで…麻奈実の奴は遠くの大学に行っちまって…」
加奈子「京介はほんとアホだな。師匠は最初からそのつもりで県外の大学にしたに決まってんだろ」
京介「そのつもり…?」キョトン
13: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/05(火) 16:46:25.322 ID:nNCfnYhYH.net
加奈子「京介の罪悪感を利用してずっと忘れられないようにってさ」
京介「は?」
加奈子「いいからさっさとと皿出せよ!」
京介「あ、あぁ。すまん」
加奈子「…これ以上、師匠の思い通りにさせてたまるかよ…」ボソッ
京介「は?」
加奈子「いいからさっさとと皿出せよ!」
京介「あ、あぁ。すまん」
加奈子「…これ以上、師匠の思い通りにさせてたまるかよ…」ボソッ
14: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/05(火) 16:48:08.446 ID:nNCfnYhY0.net
京介「おっ!すげー美味そう!」
加奈子「……良いからとっとと食えよ。残したらただじゃおかねーからな!」
京介「んじゃ、ありがたく…いっただっきまーす!」ガツガツガツ
加奈子「……」キュン
(ほんとに美味そうに食うよなこいつ…。口があんなに大きくて…って、何考えてんだ!)
加奈子「……良いからとっとと食えよ。残したらただじゃおかねーからな!」
京介「んじゃ、ありがたく…いっただっきまーす!」ガツガツガツ
加奈子「……」キュン
(ほんとに美味そうに食うよなこいつ…。口があんなに大きくて…って、何考えてんだ!)
15: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/05(火) 16:49:35.791 ID:nNCfnYhY0.net
京介「美味い!美味いよ加奈子!」ガツガツガツ
加奈子「……」ポカーン
京介「…ん?加奈子…?」
加奈子「 …あ、あったりめーだろ!誰か作ったと思ってんだよ!」ドキドキドキ
(み、見惚れちまうなんて…京介のくせに!京介のくせに!)
加奈子「……」ポカーン
京介「…ん?加奈子…?」
加奈子「 …あ、あったりめーだろ!誰か作ったと思ってんだよ!」ドキドキドキ
(み、見惚れちまうなんて…京介のくせに!京介のくせに!)
16: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/05(火) 16:51:46.292 ID:nNCfnYhY0.net
京介「でもよ…たばこは吸うし、口は悪いし…最初はどーなることかと思ったけど、お前…きっと良い嫁さんになれるぞ」
加奈子「よ、余計なこと言ってんな馬鹿っ!お前…人のこと振ったくせによくもそんなことが言えんな!」
京介「ぐっ…す、すまん…」シュン
加奈子「……なぁ、そろそろ良いんじゃねーの?」
加奈子「よ、余計なこと言ってんな馬鹿っ!お前…人のこと振ったくせによくもそんなことが言えんな!」
京介「ぐっ…す、すまん…」シュン
加奈子「……なぁ、そろそろ良いんじゃねーの?」
17: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/05(火) 16:53:16.739 ID:nNCfnYhY0.net
京介「へ?…なにが?」キョトン
加奈子「だからっ!……そろそろ、新しい恋人作っても良いんじゃねーのって…」
京介「あ、新しい恋人って言ってもな…そう簡単には…」
加奈子「加奈子じゃ不満なのかよ…」
加奈子「だからっ!……そろそろ、新しい恋人作っても良いんじゃねーのって…」
京介「あ、新しい恋人って言ってもな…そう簡単には…」
加奈子「加奈子じゃ不満なのかよ…」
18: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/05(火) 16:54:50.932 ID:nNCfnYhY0.net
京介「……へ?」
加奈子「だから、加奈子と付き合えば良いだろ!?」
京介「い、いや…だって今更…」
加奈子「京介は…加奈子のことが嫌いなのかよ…?」グスン…
加奈子「だから、加奈子と付き合えば良いだろ!?」
京介「い、いや…だって今更…」
加奈子「京介は…加奈子のことが嫌いなのかよ…?」グスン…
19: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/05(火) 16:56:40.426 ID:nNCfnYhY0.net
京介「き、嫌いとかそういうことじゃなくてだな!?」アタフタ
加奈子「じゃあ、好き?」
京介「…ッ!?」キュン
(なんだコイツ…こ、これが女子高生の破壊力なのか!?)
加奈子「京介…ハッキリしろよな…!」ズイッ
加奈子「じゃあ、好き?」
京介「…ッ!?」キュン
(なんだコイツ…こ、これが女子高生の破壊力なのか!?)
加奈子「京介…ハッキリしろよな…!」ズイッ
20: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/05(火) 16:58:10.699 ID:nNCfnYhY0.net
京介「か、加奈子…近いって…」
加奈子「……そう言いながら、逃げないで待ってんじゃん。ほんと、京介はずりーんだから…」ジリ…ジリ…
京介「加奈子…お前…」ゴクリ
加奈子「チッ…目閉じろよ。ハズいだろーが」
加奈子「……そう言いながら、逃げないで待ってんじゃん。ほんと、京介はずりーんだから…」ジリ…ジリ…
京介「加奈子…お前…」ゴクリ
加奈子「チッ…目閉じろよ。ハズいだろーが」
21: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/05(火) 16:59:38.494 ID:nNCfnYhY0.net
京介「ちょ、ちょっと待って…」
加奈子「待たない。いったいどんだけ待ったと思ってんだよ…」
京介「……加奈子」
ガチャッ
黒猫「遅くなってごめんなさい!今夕食を作るから…って、あ、あなた達、一体何をしているの…?」
加奈子「待たない。いったいどんだけ待ったと思ってんだよ…」
京介「……加奈子」
ガチャッ
黒猫「遅くなってごめんなさい!今夕食を作るから…って、あ、あなた達、一体何をしているの…?」
22: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/05(火) 17:01:06.112 ID:nNCfnYhY0.net
京介「く、黒猫!?」
加奈子「……何してるのってのはこっちのセリフだ!!なんで黒いのが京介の部屋にくんだよ!」
黒猫「わ、私は京介の夕飯を作りに…」
加奈子「……ハッ。なんだよ…彼女、居るんじゃねーか。それならそうと早く言えよな。じゃあな京介。帰るわ」
加奈子「……何してるのってのはこっちのセリフだ!!なんで黒いのが京介の部屋にくんだよ!」
黒猫「わ、私は京介の夕飯を作りに…」
加奈子「……ハッ。なんだよ…彼女、居るんじゃねーか。それならそうと早く言えよな。じゃあな京介。帰るわ」
23: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/05(火) 17:02:12.915 ID:nNCfnYhY0.net
京介「お、おい!待てよ加奈子!」グイッ
加奈子「!?…触んじゃねーよ!!」バシッ
京介「加奈子…」
加奈子「バカ…京介…」グスン…グスン…
加奈子「!?…触んじゃねーよ!!」バシッ
京介「加奈子…」
加奈子「バカ…京介…」グスン…グスン…
24: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/05(火) 17:03:55.857 ID:nNCfnYhY0.net
黒猫「勘違いをしないで貰えるかしら」
加奈子「…あ?なにが勘違いだって…?」
黒猫「私は別に京介と付き合ってるわけじゃないわ」
加奈子「……そのわりにはよくこの家に来てるみたいじゃねーか」
加奈子「…あ?なにが勘違いだって…?」
黒猫「私は別に京介と付き合ってるわけじゃないわ」
加奈子「……そのわりにはよくこの家に来てるみたいじゃねーか」
25: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/05(火) 17:05:26.617 ID:nNCfnYhY0.net
黒猫「ちょくちょくごはんを作りに来たり、掃除をしたりするけど…それだけよ」
加奈子「ハッ!どーだか」
京介「おいっ!お前らもうやめろって…」
黒猫「46回」
加奈子「ハッ!どーだか」
京介「おいっ!お前らもうやめろって…」
黒猫「46回」
26: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/05(火) 17:06:52.991 ID:nNCfnYhY0.net
加奈子「は?」
黒猫「46回…。私がこの男に振られた回数よ」
京介「く、黒猫…お前数えてたのか!?」
黒猫「当たり前でしょう。この私が…あ、あの手この手を使ってもダメだったこの男を、あなたがどうにか出来るかしら?」
黒猫「46回…。私がこの男に振られた回数よ」
京介「く、黒猫…お前数えてたのか!?」
黒猫「当たり前でしょう。この私が…あ、あの手この手を使ってもダメだったこの男を、あなたがどうにか出来るかしら?」
27: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/05(火) 17:08:46.536 ID:nNCfnYhY0.net
加奈子「46回…そんなに振られてまだ諦めてないのかよ」
黒猫「あら?諦めたらそこで試合終了だもの」
加奈子「……オタクきめぇ…」
黒猫「……今の言葉が安西先生のセリフだとわかる時点で、あなたも立派なオタクじゃないの」
黒猫「あら?諦めたらそこで試合終了だもの」
加奈子「……オタクきめぇ…」
黒猫「……今の言葉が安西先生のセリフだとわかる時点で、あなたも立派なオタクじゃないの」
28: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/05(火) 17:10:09.451 ID:nNCfnYhY0.net
京介「とにかく、そう言うわけなんだ…だから加奈子、俺はまだ誰とも付き合う気は…むぐっ!?」
加奈子「はむっ…ふっ…京介…ふむっ…ちゅっ…」チュッチュッ
黒猫「ちょっと!?やめなさいってば!!」グイッ
加奈子「ぷはっ…はぁ…はぁ…」
京介「はぁ…はぁ…か、加奈子…」ドキドキドキ
加奈子「はむっ…ふっ…京介…ふむっ…ちゅっ…」チュッチュッ
黒猫「ちょっと!?やめなさいってば!!」グイッ
加奈子「ぷはっ…はぁ…はぁ…」
京介「はぁ…はぁ…か、加奈子…」ドキドキドキ
29: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/05(火) 17:11:57.886 ID:nNCfnYhY0.net
加奈子「こ、これで、京介は加奈子のもんだからな。もう二度とここには来んなよ黒いの!」
黒猫「ふっ…ふっふっふっ…言ってくれるじゃない。でも残念ね?この男のファーストキスは私が既に貰ってしまったの。その瞬間から、未来永劫…この男は私の下僕なのよ」
加奈子「うっぜぇー!ファーストキスとか今時小学生かっての!」
黒猫「く、口を慎みなさい!だいたい今更キス如きでこの男がなびく筈が…って、どうしたの京介?」
京介「……へ?あ、ご…ご馳走様でした!」ドキドキドキ
黒猫「ふっ…ふっふっふっ…言ってくれるじゃない。でも残念ね?この男のファーストキスは私が既に貰ってしまったの。その瞬間から、未来永劫…この男は私の下僕なのよ」
加奈子「うっぜぇー!ファーストキスとか今時小学生かっての!」
黒猫「く、口を慎みなさい!だいたい今更キス如きでこの男がなびく筈が…って、どうしたの京介?」
京介「……へ?あ、ご…ご馳走様でした!」ドキドキドキ
30: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/01/05(火) 17:13:57.171 ID:nNCfnYhY0.net
黒猫「あなた…何を言って…?」
加奈子「なに?もう1回?しゃあないなぁ~♡」
京介「マジで!?良いの!?」
ピッ
黒猫「…あ、もしもし桐乃?実はあなたのお兄さんが…」
京介「それだけはご勘弁を!?」
俺の妹の同級生がこんなに可愛いわけがない。
FIN
加奈子「なに?もう1回?しゃあないなぁ~♡」
京介「マジで!?良いの!?」
ピッ
黒猫「…あ、もしもし桐乃?実はあなたのお兄さんが…」
京介「それだけはご勘弁を!?」
俺の妹の同級生がこんなに可愛いわけがない。
FIN