チエル「ここどこです?」ユニ「端的に言えば無人島だろう」
2020-06-04
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/05/09(土) 00:17:53.18 ID:GF97m4wU0
前回までのあらすじ
二度目の世界の危機を「おのれ!」と救ったなかよし部の三人は、食べたら手とかがぷにっとする果物を食べた悪者の最後のあがきによって無人島に飛ばされてしまいました。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1588951072
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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/05/09(土) 00:18:32.79 ID:GF97m4wU0
チエル「――うっわー。木とかめっちゃ滅茶苦茶茂ってるんですけど。鬱蒼としすぎて緑っていうかもう黒ですよねこれ。鬱黒ですよね。今からでもいいんで、ピンクとかになりませんか? ちえるの目に優しいのは鮮やかなピンクなんですよ?」
クロエ「いやあるけど、ピンクの木。あるけども。この状況で目に優しいかどうか気にすることある? 目どころか全身健康になるつーか、健康すぎて野生に返るわ。野生児になるわ」
チエル「あー、クロエ先輩には見慣れた光景ですもんね。ちえるは都会派貴族育ちのちぇるっ子なんで、ちょっとよくわかんないです」
クロエ「……あンさ、チエル。『なつかしー故郷こんなんだったわー。ちょっと昔を思い出して野生に戻るかー』的な解釈すんのやめてくんない? 言ってないから。言ってる場合じゃないから。てか、ウチもどっちかってとストリート派だから」
ユニ「それならぼくはひきこもり派ということになるのだろう。フィールドワークは嫌いじゃあないが」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/05/09(土) 00:19:19.67 ID:GF97m4wU0
クロエ「てゆうか、なんで無人島? 人選間違えてるっしょ。こういうのはもっと「宴だー!」とか言いそうな人ら相手にしなって。ウチらにはそんなかき集めるほどないから、夢。特に探し物とかもないから。知らんけど」
チエル「ですよねー。こうゆう男の子の夢的なものをちぇるっとお出しされたところで、ちえるたちには持て余しがちってゆうか、どうせならもっとうら若き乙女が喜ぶようなちぇるしんぐを持ってこいって感じ? びば、ちぇるしんぐ、ふぉー!」
クロエ「や。ちぇるしんぐも必要ないから。つーか、ちぇるしんぐって、なによ」
ユニ「ちぇるしんぐなどという独自言語は解読のしようがないが、しかし、類似の言葉は知っている。確か、サムシングフォーとか言ったかな」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/05/09(土) 00:19:45.88 ID:GF97m4wU0
ユニ「書物に曰く。結婚式の日、身に着けると花嫁が幸せになれると言われる「4つのもの」を指す言葉だとか。なんだチエル君。結婚願望でもあるのかねチエル君」
チエル「ないですないです。適当に言っただけなんで」
ユニ「またまたー、そんなこと言って……、ん、待てよ? とすると、君は母になるつもりかね。おいおい、自惚れるんじゃあないよチエル君。ぼかぁ、君には甘えたいと思わされるようなママ味が足りないと思うね。十年早い、出直してきたまえ」
チエル「かっちーん。何言ってるんですかねこの18歳児は。まぁ見ててください。ちえるってばできる子ちゃんなんで、その気になれば全人類をおぎゃらせることも余裕です。通称、ちぇるママ。ほーら、ユニちゃーん。ママでちゅよー」
ユニ「やったぁー! ママーッ!」
クロエ「怖っ、何コレ。緊急事態だってのに、のっけからおぞましいもんを見せんなつーか、誰得なんすか、それ」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/05/09(土) 00:20:17.98 ID:GF97m4wU0
ユニ「これは失礼な後輩が現れたものだな。ぼくがおぎゃるのは損得勘定に起因するものじゃあない。与えられたママ味に対して、己が心の赴くままにおぎゃっているに過ぎないというのに。そこに打算を見出すのは些か勘繰りが過ぎるじゃあないか」
ユニ「端的に換言すれば、甚だ遺憾というものだ」
クロエ「そうなんだ。きっしょ」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/05/09(土) 00:20:48.91 ID:GF97m4wU0
クロエ「てか、どーせ無理矢理見せられるなら18歳児でなくて、現実の方がなんぼか建設的っつーか。ぷー……どうすンの、これ」
ユニ「どうするもなにも、泰然として構えることに是非はないだろう。だが、しかしどうだろうか。こうして手付かずの大自然と相対すると、未知への探求心が湧き起こってくるような心持ちにさせられる」
ユニ「端的に換言すれば、テンション上がってきた……!」
クロエ「や、いーんで。そういうの。こちとら大自然生まれ大自然育ちなんで。深そうな緑は大体友達なんで」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/05/09(土) 00:21:17.16 ID:GF97m4wU0
ユニ「ほう。そうかい? それは大きく出たものだが、そうか、ぼくは気が付いたら本に囲まれていたよ。あ、ママー、なでなでしてー?」
クロエ「聞いてねーし。オメーどこ学だよ的なニュアンスどっから汲み取ったのパイセン。つかチエルも、いつまでよしよしやってんの。知らんけど。知らんてか知らんふりしたいわ。むしろ知らない人だわ」
ユニ「なに、もとより聞かせるつもりもない。独白だと思ってくれたまえ。物心がついたときではなく、気がついたらというのが肝だが、それはまぁ、今はいいのだ。己が何処から来たかなど些事に過ぎないし、興味もない」
クロエ「あ……? なに電波なこと言ってんのパイセン」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/05/09(土) 00:21:44.75 ID:GF97m4wU0
ユニ「気にするな。……ルーツなんぞは神学者や古生物学者にでも探らせておけばよかろう。真に肝要であるべきは今日この瞬間なのだから。さぁ諸君、共に青春の烽火をあげようではないか」
チエル「待ってください。チエル的には興味あります。クロエ先輩とユニ先輩の超絶かわよな幼少時代!」
クロエ「いや、ちょ、何言ってんの。かわいくねーし別にふつーだし……。というか、は? どうでもいいっしょ、ウチの幼少期なんか」
チエル「おいおいおい。やっぱ照れたわ、あいつ。見ましたかユニ先輩! あの人なんなんです? ノルマでもあるんですかね? デイリー分キュートかましたら報酬とか出るんですか?」
ユニ「大概だぞクロエ君。君はパワーバランスを崩壊させるつもりかね。時世を鑑み不要不急の過度な供給は慎むべきだ」
クロエ「あのさ。盛り上がってるとこ悪いんだけど、本筋の方をもっと気にしてくんない? ちゃんと読んでくれないってシナリオライターが泣いてんよ。知らんけど」
ユニ「まぁそれもそうだ。それに、女は秘密を着飾って美しくなるともいう。チエルくん、ともあれ今はそこにいる毒婦について論じるのは捨て置くとしようじゃあないか。――ああそうそう、ちなみに現状に関してだがなに、心配はいらない。備えはしてある」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/05/09(土) 00:22:23.16 ID:GF97m4wU0
チエル「備えって、ユニ先輩も大概ですよね。なにか帰るアテでもあるんですか?」
ユニ「うむ。こんなこともあろうかとぼくは常日頃より特殊な紙を持ち歩いている。ええと、あったあった、これだ」
チエル「え、なんですその趣深い色の紙。めっちゃうごうごしてますけど」
ユニ「これはビブルという特殊な植物から作った紙だ。魔力を注ぐと繊維が強く結合する性質を持っている。接着剤として使うものだが、最近は指針として使うことが主になった」
クロエ「はぁ。指針?」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/05/09(土) 00:22:52.00 ID:GF97m4wU0
ユニ「然り。弾性、とは違うか。なんにせよ復元力が凄まじくてね。硬度が高すぎて加工には不向きな上、紙のように折り曲げるなり切断なりしようにも復元されてしまうのだよ。それも面白いことに、元に戻ろうとする力に距離は関係ないらしい」
ユニ「端的に換言すれば、めっちゃ離れてもくっつこうとする」
チエル「ほうほう。つまり今この紙が動いている先には?」
ユニ「うむ。この紙――ビブルカードの片割れはメリクリウス財団のアキノ君に押し付けてきた。つまりこれの向かう先にアキノ君がいるというわけだよ」
クロエ「いや、向かう先、海しかなくね……?」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/05/09(土) 00:23:17.87 ID:GF97m4wU0
チエル「何言ってるんですかクロエ先輩。言及すべきはそこじゃなくないです?」
クロエ「あん? ……まぁ、うん。余計気味な揚げ足取ったか、さーせんパイセ――」
チエル「――超・ロマンチックじゃないですか! 海を隔てても相手を感じていられるとか、なにそれロマンチック!」
クロエ「あ、違ったわ。謝って損したわ。じゃ、もっかい言っとこ。向かう先、海しかなくね……?」
チエル「……あれ? でも、どうしてアキノ先輩なんです? というか、そのロマンチックアイテム、チエルの手元にないんですけど? 渡すならまずチエルたちでは? チエル分は?」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/05/09(土) 00:24:05.29 ID:GF97m4wU0
ユニ「おいおい、そう事を急くんじゃあないよクロエくん、チエルくん。その時を待て。アキノ君には近い将来、ぼくが出世する際にパトロンになれる名誉を与えるついでに、繋がりを残しておきたくて渡したのだ」
ユニ「チエル君の言葉を借りるなら、全土ソル中を股にかけるアキノ君の所在を知るには必要なものだろう。これさえあれば気が向いたら会いに行ける。もちろん、逆もまた然りだ。彼女の所有する飛空挺があれば、大海程度、なんら障害にならないだろう」
チエル「すごい! よくそんな面皮あつ子ちゃん(18)なことをペラペラとほざきまくれますね。ユニ先輩は呪いの装備かなにかなんです?」
ユニ「よせやい、照れるぜべいべぇ」
クロエ「あー、幸いっつーの? 塩、塩てか海水はあンじゃん。だらチエル。ここいらで解呪といこうや。ほら、パイセン、欲しがってた青春、存分に受け取って。……おらっ!」
チエル「冷たっ!」
ユニ「クロエ君、やめたまえ。気合と共に海水を蹴り上げるのはやめたまえ。水をかけるならキャッキャウフフと両手でお願いできないか。せめて手でやって?」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/05/09(土) 00:24:40.13 ID:GF97m4wU0
クロエ「んでパイセン、これで安心安全ってこたないでしょ。メ団の姉さん方忙しいし。ウチらの行方不明がバズったとしてヘルプくれる保証あんの」
ユニ「うん、そこも心配はいらないだろう。ぼくらがここに飛ばされる直前まで共に戦っていた人物の存在を忘れたのかね」
クロエ「あー、……例のあの人か。確かにあの人なら必死こいて探してくれるかもしンないっすけど」
ユニ「然り。誠に心苦しくはあるが、彼のお節介に縋るとしようじゃないか」
チエル「うーん、いいんですかね?」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/05/09(土) 00:25:21.12 ID:GF97m4wU0
クロエ「まぁ、……いんじゃね? ウチらにはもうどうしようもなさげだし。今度メシでもおごっとこ」
ユニ「うむ、それが良かろう。……なぁ諸君、ぼかぁ思うのだ。我々の眼前に広がる自然は、きっと未知に溢れている。得難い学びがあるだろう。端的に換言すれば、ここは学外における学びの場だということだ」
クロエ「あー、確かにそういう言い方すればそうっすけど、で、それがどったんすか」
ユニ「我々ユニちゃんズは、いずれ別々の道に行くことになる」
チエル「どうしたんです急に。たとえ離れ離れになってもなかよし部はずっと一緒ですよ」
ユニ「だとしても、だ。……ぼくは、こうして君たちと肩を並べて学ぶ機会を得られたことを深甚に思うのだよ。修学旅行と解釈すれば、ぼくの灰色の学院生活に彩りを加えることができるだろう」
クロエ「ん……」
ユニ「何度だって言おう。僕は青春がしたい。それが、他ならぬ君たちと一緒なら望外なのだよ。わかってくれるかい?」
クロエ「……」
チエル「……」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/05/09(土) 00:25:48.22 ID:GF97m4wU0
クロエ「……なーに水臭いこと言ってくれちゃってるんすか、パイセン」
チエル「そうですよ! はー! 可愛らしいこと言っちゃってもう! ユニ先輩にそこまで言われちゃったら、もうこんなのちぇるっと全力で盛り上がるしかないじゃないですか! ね? クロエ先輩?」
クロエ「別に、帰るアテがあんならサゲてもしゃーないっつーか。アガるんならそれでいいんじゃね。いいじゃん。好きにすれば」
ユニ「ありがとう、クロエくん、チエルくん。さぁ、青春の烽火をあげよう」
三人「「「おー!」」」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/05/09(土) 00:29:29.30 ID:GF97m4wU0
――斯くして、聖テレサ学院「なかよし部」は、時期外れの修学旅行を楽しむこととなった。
三人に待ち受ける運命は、そもそも続くのか、乞うご期待。
三人に待ち受ける運命は、そもそも続くのか、乞うご期待。
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/05/09(土) 00:32:27.42 ID:GF97m4wU0
このSSは、「プリンセスコネクトRe:Dive」の二次創作SSです。
キャラ改変等多数あります。
それでも構わないという方はお付き合いください。
引用元: ・チエル「ここどこです?」ユニ「端的に言えば無人島だろう」
キャル「原因不明の口癖感染騒動」
2020-05-04
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/27(木) 05:45:09.05 ID:EiGxCioK0
キャル「コロ助のヤツ、何してるのかしら? もう待ち合わせの時間過ぎちゃってるわよ? 待ち合わせ場所はギルドハウスで合ってるのよね?」
ペコリーヌ「そのはずですけど……コッコロさまが遅刻なんて珍しいですね。いつも時間10分前には来てるのに」
キャル「……ん? 『さま』?」
ペコリーヌ「彼がまた迷子にでもなっちゃったのかもしれません。どうしましょう? お迎えに行った方がいいでしょうか?」
キャル「え、ええ、そうね。このまま、ぼうっと待ってても仕方ないし──」
コッコロ「大変でございます……! キャルさま、ペコリーヌさま……!」
ペコリーヌ「あっ、コッコロさま! 心配したんですよ? ……って、そんなに慌ててどうしたんですか?」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1561581908
ペコリーヌ「そのはずですけど……コッコロさまが遅刻なんて珍しいですね。いつも時間10分前には来てるのに」
キャル「……ん? 『さま』?」
ペコリーヌ「彼がまた迷子にでもなっちゃったのかもしれません。どうしましょう? お迎えに行った方がいいでしょうか?」
キャル「え、ええ、そうね。このまま、ぼうっと待ってても仕方ないし──」
コッコロ「大変でございます……! キャルさま、ペコリーヌさま……!」
ペコリーヌ「あっ、コッコロさま! 心配したんですよ? ……って、そんなに慌ててどうしたんですか?」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1561581908
関連
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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/27(木) 05:46:34.95 ID:EiGxCioK0
コッコロ「はぁ、はぁ……。遅刻の謝罪は後ほどいたしますので、ともかく今はわたくしの話を聞いてください。ぶっ殺しますよ」
キャル「ちょ、ちょっと!? あんた今、『ぶっ殺す』って言わなかった!?」
ペコリーヌ「コッコロさまがグレちゃった!?」
コッコロ「も、申し訳ありません……。実は、その……ランドソル中で異常な現象が発生しているようなのです」
コッコロ「おかげで町は大混乱……。ここに来る途中でわたくしにも異変が起こり、取り乱したため時間に遅れてしまいまして……」
ペコリーヌ「えぇっ!? だ、大丈夫なんですか!? コッコロさまたちに、もしものことがあったらと思うと……いてもたってもいられませんっ!」
キャル「ちょ、ちょっと!? あんた今、『ぶっ殺す』って言わなかった!?」
ペコリーヌ「コッコロさまがグレちゃった!?」
コッコロ「も、申し訳ありません……。実は、その……ランドソル中で異常な現象が発生しているようなのです」
コッコロ「おかげで町は大混乱……。ここに来る途中でわたくしにも異変が起こり、取り乱したため時間に遅れてしまいまして……」
ペコリーヌ「えぇっ!? だ、大丈夫なんですか!? コッコロさまたちに、もしものことがあったらと思うと……いてもたってもいられませんっ!」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/27(木) 05:49:07.09 ID:EiGxCioK0
キャル「『異常な現象』って……。ねぇコロ助。もしかして、ペコリーヌが『コッコロさま~』とか言ってるのと関係あったりするの?」
ペコリーヌ「えっ? わたし、コッコロさまのこと、コッコロさまなんて呼んでました?」
コッコロ「呼んでいらっしゃいますね……。今も当然のように『コッコロさま』と。ぶっ殺しますよ」
キャル「……あんたのそれも?」
コッコロ「あぁ……申し訳ございません……。今説明いたしますので、どうか誤解なさらないでください……ぶっ殺しますよ」
ペコリーヌ「まるでキャルさまみたいでやばいですね☆ 思わず抱きしめたくなっちゃいます♪」
ペコリーヌ「えっ? わたし、コッコロさまのこと、コッコロさまなんて呼んでました?」
コッコロ「呼んでいらっしゃいますね……。今も当然のように『コッコロさま』と。ぶっ殺しますよ」
キャル「……あんたのそれも?」
コッコロ「あぁ……申し訳ございません……。今説明いたしますので、どうか誤解なさらないでください……ぶっ殺しますよ」
ペコリーヌ「まるでキャルさまみたいでやばいですね☆ 思わず抱きしめたくなっちゃいます♪」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/27(木) 05:50:00.57 ID:EiGxCioK0
キャル「キャルさま……。ん? 言われてみれば、ペコリーヌのやつもなんとなくコロ助みたいね?」
コッコロ「はい。そう感じてしまうのも無理ないかと」
コッコロ「どうやら異変に巻き込まれた人間は……身近な人の『強く印象に残っている口癖』を、無意識のうちに口にしてしまうようなのです」
キャル「はぁ? なによそれ。じゃあ、なに? コロ助にはあたしの口癖が感染っちゃったってこと?」
コッコロ「そういうことになりますね。ぶっ殺しますよ」
ペコリーヌ「キャルさまのその口癖、コッコロさまにはちょっと刺激が強過ぎちゃったんですね……」
キャル「ぐっ……ちゃんとコロ助には言わないようにしてたのに……。つうか口癖って……そんなに何度も言ってないじゃない……」
コッコロ「はい。そう感じてしまうのも無理ないかと」
コッコロ「どうやら異変に巻き込まれた人間は……身近な人の『強く印象に残っている口癖』を、無意識のうちに口にしてしまうようなのです」
キャル「はぁ? なによそれ。じゃあ、なに? コロ助にはあたしの口癖が感染っちゃったってこと?」
コッコロ「そういうことになりますね。ぶっ殺しますよ」
ペコリーヌ「キャルさまのその口癖、コッコロさまにはちょっと刺激が強過ぎちゃったんですね……」
キャル「ぐっ……ちゃんとコロ助には言わないようにしてたのに……。つうか口癖って……そんなに何度も言ってないじゃない……」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/27(木) 05:50:37.82 ID:EiGxCioK0
コッコロ「ペコリーヌさまには、おそらくわたくしの口癖が感染ってしまったのでしょう」
ペコリーヌ「これも口癖なんでしょうか? コッコロちゃんが言ってると、かわいくて大好きですけど」
コッコロ「『さま』という呼び方が印象に残った……というのも不思議な話ですが」
キャル「お子様のくせに堅っ苦しいのよ、あんたのそれ。そういうところも大好きだけど」
コッコロ「……」
ペコリーヌ「……」
キャル「ん? なに? あたし、何かおかしなこと言った?」
ペコリーヌ「これも口癖なんでしょうか? コッコロちゃんが言ってると、かわいくて大好きですけど」
コッコロ「『さま』という呼び方が印象に残った……というのも不思議な話ですが」
キャル「お子様のくせに堅っ苦しいのよ、あんたのそれ。そういうところも大好きだけど」
コッコロ「……」
ペコリーヌ「……」
キャル「ん? なに? あたし、何かおかしなこと言った?」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/27(木) 05:51:18.28 ID:EiGxCioK0
コッコロ「……ペコリーヌさま。これはいったい……?」
ペコリーヌ「わ、わたしに聞かれても~……」
ペコリーヌ「なんとな~く、わたしの決め台詞……『やばいですね☆』なんかが感染っちゃうと思ったんですけど」
キャル「ちょっと! コソコソ内緒話してないで、言いたいことがあるなら直接言いなさいよ!」
コッコロ「慎重にならざるを得ないと言いますか……。ともかく一度落ち着いてくださいまし。ぶっ殺しますよ」
キャル「あぁっ……! 純粋なあんたに言われると傷つくからやめて! うぅ……コロ助のこと大好きなのに……」
ペコリーヌ「……『大好き』って言われるの、そんなに印象が強かったんでしょうか?」
ペコリーヌ「わ、わたしに聞かれても~……」
ペコリーヌ「なんとな~く、わたしの決め台詞……『やばいですね☆』なんかが感染っちゃうと思ったんですけど」
キャル「ちょっと! コソコソ内緒話してないで、言いたいことがあるなら直接言いなさいよ!」
コッコロ「慎重にならざるを得ないと言いますか……。ともかく一度落ち着いてくださいまし。ぶっ殺しますよ」
キャル「あぁっ……! 純粋なあんたに言われると傷つくからやめて! うぅ……コロ助のこと大好きなのに……」
ペコリーヌ「……『大好き』って言われるの、そんなに印象が強かったんでしょうか?」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/27(木) 05:52:07.57 ID:EiGxCioK0
コッコロ「と、ともあれ。落ち着いて意識しながら喋っていれば、自分があり得ない言葉を口にしてしまったことには気がつけるはずです」
ペコリーヌ「わたしのは誤解されちゃうような実害はありませんけど……」
キャル「意識しようにも、あたしが何を口走ってるのかわからないんじゃどうしようもなくない?」
コッコロ「えぇと……。落ち着いて聞いていただけますか? そうでないとぶっ殺しますよ」
キャル「別に怒ったりなんてしないわよ。あんたたちのこと、大好きなんだし。変に傷つけたりしないかの方が心配っていうか……」
ペコリーヌ「わたしもキャルさまのこと大好きですよ♪ えへへ♪」
キャル「は? 突然何言い出してんの?」
ペコリーヌ「わたしのは誤解されちゃうような実害はありませんけど……」
キャル「意識しようにも、あたしが何を口走ってるのかわからないんじゃどうしようもなくない?」
コッコロ「えぇと……。落ち着いて聞いていただけますか? そうでないとぶっ殺しますよ」
キャル「別に怒ったりなんてしないわよ。あんたたちのこと、大好きなんだし。変に傷つけたりしないかの方が心配っていうか……」
ペコリーヌ「わたしもキャルさまのこと大好きですよ♪ えへへ♪」
キャル「は? 突然何言い出してんの?」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/27(木) 05:52:34.01 ID:EiGxCioK0
コッコロ「そのぅ……キャルさまはですね……。たいへんお伝えしづらいのですが……『大好き』と……」
キャル「大好き? 何が?」
コッコロ「ですから……わたくしやペコリーヌさまのことを、『大好き』だと……」
コッコロ「先程からわたくしたちに、熱烈に気持ちを伝えてくださっていて……」
キャル「……」
ペコリーヌ「すんごくかわいいです♪ やばいですね☆」
キャル「マジでやばいわよっ!!!」
キャル「大好き? 何が?」
コッコロ「ですから……わたくしやペコリーヌさまのことを、『大好き』だと……」
コッコロ「先程からわたくしたちに、熱烈に気持ちを伝えてくださっていて……」
キャル「……」
ペコリーヌ「すんごくかわいいです♪ やばいですね☆」
キャル「マジでやばいわよっ!!!」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/27(木) 05:54:16.52 ID:EiGxCioK0
キャル「あ、あたし……大好きって……? いやいやいや、なんでっ!? だって、印象に残った言葉って──」
コッコロ「わーっ……! わーっ……!」
キャル「……」
キャル「~~~~ッ……!」
ペコリーヌ「んもう、そんなに恥ずかしがらなくてもいいじゃないですか♪」
ペコリーヌ「全然知らない人に言っちゃうならともかく、わたしたちとキャルさまとの仲なんですから!」
コッコロ「……はい。その通りでございます。これはただの異常現象……心にもないことであっても、容易く口を突いて出てしまいます」
コッコロ「わーっ……! わーっ……!」
キャル「……」
キャル「~~~~ッ……!」
ペコリーヌ「んもう、そんなに恥ずかしがらなくてもいいじゃないですか♪」
ペコリーヌ「全然知らない人に言っちゃうならともかく、わたしたちとキャルさまとの仲なんですから!」
コッコロ「……はい。その通りでございます。これはただの異常現象……心にもないことであっても、容易く口を突いて出てしまいます」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/27(木) 05:55:21.99 ID:EiGxCioK0
キャル「それは……まぁ、そうだけど……。コロ助がペコリーヌに『殺す』なんて言うはずないもの。……あたしにはともかく」
コッコロ「キャルさまにだって、そのような言葉は浴びせません。ぶっ殺しますよ。……あわわ」
キャル「な、なんか複雑な気分ね……」
コッコロ「意地悪なところもたしかにありますが、わたくしはキャルさまのことが大好きですから」
キャル「あたしだって大好きよ。……って、違う違う! 嫌いじゃない! 嫌いじゃないってだけ!」
ペコリーヌ「ふふ。呑気なことを言ってる場合じゃないのかもしれませんけど……もう少しこのままでいたいですね♪」
コッコロ「キャルさまにだって、そのような言葉は浴びせません。ぶっ殺しますよ。……あわわ」
キャル「な、なんか複雑な気分ね……」
コッコロ「意地悪なところもたしかにありますが、わたくしはキャルさまのことが大好きですから」
キャル「あたしだって大好きよ。……って、違う違う! 嫌いじゃない! 嫌いじゃないってだけ!」
ペコリーヌ「ふふ。呑気なことを言ってる場合じゃないのかもしれませんけど……もう少しこのままでいたいですね♪」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/27(木) 05:57:59.15 ID:EiGxCioK0
キャル「……もう喋らない」
コッコロ「当面の対処としてはそれが一番でしょう。お喋りをしているとどうしても口にしてしまいますし。ついぶっ殺してしまいます」
ペコリーヌ「わたしたちでなんとかできないんでしょうか?」
コッコロ「ここへ来る途中、外出を控えろと通告されていました。【王宮騎士団(NIGHTMARE)】が事態の収拾に当たっているようです」
ペコリーヌ「他人任せっていうのも気が引けますけど……情報も何もありませんからね。せめて町の様子が落ち着くまでは大人しくしていましょうか」
コッコロ「キャルさまもそれでよろしいでしょうか? ぶっ殺しますよ」
キャル「……」
コッコロ「当面の対処としてはそれが一番でしょう。お喋りをしているとどうしても口にしてしまいますし。ついぶっ殺してしまいます」
ペコリーヌ「わたしたちでなんとかできないんでしょうか?」
コッコロ「ここへ来る途中、外出を控えろと通告されていました。【王宮騎士団(NIGHTMARE)】が事態の収拾に当たっているようです」
ペコリーヌ「他人任せっていうのも気が引けますけど……情報も何もありませんからね。せめて町の様子が落ち着くまでは大人しくしていましょうか」
コッコロ「キャルさまもそれでよろしいでしょうか? ぶっ殺しますよ」
キャル「……」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/27(木) 05:58:55.53 ID:EiGxCioK0
ペコリーヌ「……キャ~ル~さまっ♪ ぎゅ~っ☆」
キャル「……!?」
コッコロ「あぁ、ペコリーヌさま……キャルさまに抱きついてはいけません……! ぶっ殺しますよ……!」
ペコリーヌ「キャルさまはわたしに抱きしめられるの、嫌ですか?」
キャル「それはその……だ、大好きだけど……。大好きだけど離れなさい! くっついてくんなっ!」
ペコリーヌ「えへへ……♪ いつもとは違うツンデレですね☆ なんだかほんとは嫌われちゃってるみたいです。やばいですね!」
キャル「……!?」
コッコロ「あぁ、ペコリーヌさま……キャルさまに抱きついてはいけません……! ぶっ殺しますよ……!」
ペコリーヌ「キャルさまはわたしに抱きしめられるの、嫌ですか?」
キャル「それはその……だ、大好きだけど……。大好きだけど離れなさい! くっついてくんなっ!」
ペコリーヌ「えへへ……♪ いつもとは違うツンデレですね☆ なんだかほんとは嫌われちゃってるみたいです。やばいですね!」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/27(木) 06:00:27.32 ID:EiGxCioK0
キャル「チッ。ペコリーヌのやつ、楽しんでるわね……?」
コッコロ「じ~……」
キャル「……見るな」
コッコロ「あの……」
キャル「話しかけんな!」
コッコロ「わたくしも、その……抱っこ……」
キャル「こっち来んなぁっ!」
コッコロ「じ~……」
キャル「……見るな」
コッコロ「あの……」
キャル「話しかけんな!」
コッコロ「わたくしも、その……抱っこ……」
キャル「こっち来んなぁっ!」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/27(木) 06:01:19.35 ID:EiGxCioK0
ペコリーヌ「コッコロさまもおいでおいで~☆ 一緒にキャルさまを抱きしめちゃいましょう♪」
キャル「馬鹿言ってんじゃないわよ! やめろっつってんのが聞こえないの!?」
キャル「いくらあんたたちのことが大好きだからって、あたしがそんなこと許すわけないでしょ!? ……あっ」
コッコロ「……ぎゅ」
キャル「はぁ~……」
コッコロ「キャルさま……♪ ぶっ殺しますよ♪」
キャル「出てるっつうの。ったく……大好きよ、コロ助」
キャル「馬鹿言ってんじゃないわよ! やめろっつってんのが聞こえないの!?」
キャル「いくらあんたたちのことが大好きだからって、あたしがそんなこと許すわけないでしょ!? ……あっ」
コッコロ「……ぎゅ」
キャル「はぁ~……」
コッコロ「キャルさま……♪ ぶっ殺しますよ♪」
キャル「出てるっつうの。ったく……大好きよ、コロ助」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/27(木) 06:02:05.23 ID:EiGxCioK0
ペコリーヌ「む~……」
キャル「……ふんっ」
ペコリーヌ「コッコロちゃんばっかりずるいです! わたしにも大好きって言ってください!」
コッコロ「えへへ……」
キャル「あんたは鬱陶しいだけだし。大好きだけど」
ペコリーヌ「うわぁい♪ キャルちゃん大好きっ♪」
キャル「ちょっ、バカ、力が強いっ……! 苦しいってばぁ……!」
キャル「……ふんっ」
ペコリーヌ「コッコロちゃんばっかりずるいです! わたしにも大好きって言ってください!」
コッコロ「えへへ……」
キャル「あんたは鬱陶しいだけだし。大好きだけど」
ペコリーヌ「うわぁい♪ キャルちゃん大好きっ♪」
キャル「ちょっ、バカ、力が強いっ……! 苦しいってばぁ……!」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/27(木) 06:02:44.38 ID:EiGxCioK0
コッコロ「ふふ。仮に本心ではなかったとしても、好意を素直に伝えてもらえるのは嬉しいものですね」
コッコロ「抱きしめる力にも、つい力が入るというもの。わたくしも……ぎゅーっ」
キャル「あぁもうっ! ウザいったらないわね!」
キャル「……あたしばっかりイジられてさ。つまんない」
ペコリーヌ「あれ? いつもは大好き~って言うとご機嫌ナナメになっちゃうのに!」
ペコリーヌ「えへへっ、大好きですよキャルちゃん♪」
コッコロ「片思いよりも両思い、でございますね。わたくしも、大好きでございますよ……♪」
コッコロ「抱きしめる力にも、つい力が入るというもの。わたくしも……ぎゅーっ」
キャル「あぁもうっ! ウザいったらないわね!」
キャル「……あたしばっかりイジられてさ。つまんない」
ペコリーヌ「あれ? いつもは大好き~って言うとご機嫌ナナメになっちゃうのに!」
ペコリーヌ「えへへっ、大好きですよキャルちゃん♪」
コッコロ「片思いよりも両思い、でございますね。わたくしも、大好きでございますよ……♪」
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/27(木) 06:03:21.60 ID:EiGxCioK0
キャル「はぁ~、アホくさ。あたしはおかしくなってるだけだってのに」
ペコリーヌ「またまた~。キャルちゃんは普段、恥ずかしがって言えないだけですよね~?」
ペコリーヌ「キャルちゃんだって心の中では大好きって思ってくれてるくせに♪ 照れ屋さんなんですからぁ、このこの~☆」
キャル「そ、そんなんじゃないわよ……! あんたたちのことなんて、別に……」
キャル「……大好き、だけど」
コッコロ「ふふ♪ お顔が真っ赤になってしまいましたね」
キャル「うっさい!」
ペコリーヌ「またまた~。キャルちゃんは普段、恥ずかしがって言えないだけですよね~?」
ペコリーヌ「キャルちゃんだって心の中では大好きって思ってくれてるくせに♪ 照れ屋さんなんですからぁ、このこの~☆」
キャル「そ、そんなんじゃないわよ……! あんたたちのことなんて、別に……」
キャル「……大好き、だけど」
コッコロ「ふふ♪ お顔が真っ赤になってしまいましたね」
キャル「うっさい!」
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/27(木) 06:04:45.24 ID:EiGxCioK0
ペコリーヌ「ところでコッコロちゃん。さっきからあんまりぶっ殺してませんね?」
キャル「そういやそうね。言わないようにするコツでも見つけたのかしら?」
コッコロ「はて? 言われてみれば、たしかに……?」
コッコロ「思えば、ペコリーヌさまも同様に『さま』ではなく『ちゃん』に戻っている様子」
ペコリーヌ「ほんとですか? えー、こほんこほん!」
ペコリーヌ「キャルちゃん♪ コッコロちゃん♪ ……おぉ~☆ ちゃんと言えてますっ! キャルちゃんっ! コッコロちゃんっ!」
キャル「よくわかんないけど、とにかく元に戻ったってことよね? あ~疲れた……」
キャル「そういやそうね。言わないようにするコツでも見つけたのかしら?」
コッコロ「はて? 言われてみれば、たしかに……?」
コッコロ「思えば、ペコリーヌさまも同様に『さま』ではなく『ちゃん』に戻っている様子」
ペコリーヌ「ほんとですか? えー、こほんこほん!」
ペコリーヌ「キャルちゃん♪ コッコロちゃん♪ ……おぉ~☆ ちゃんと言えてますっ! キャルちゃんっ! コッコロちゃんっ!」
キャル「よくわかんないけど、とにかく元に戻ったってことよね? あ~疲れた……」
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/27(木) 06:05:49.60 ID:EiGxCioK0
ペコリーヌ「けど、またしばらく『大好き』って言ってもらえないんですね……。そう思うと、すっごく寂しいです……」
キャル「元に戻っただけじゃない。ふふっ、もう二度とあんなこと言わなくて済むわね!」
コッコロ「……ふむ?」
ペコリーヌ「コッコロちゃん? 何か気になることでもありました?」
コッコロ「い、いえ、なんでもありません。少し考え事をしていただけですので……」
キャル「はぁ~、肩の荷が下りたって感じ♪ 気分がいいわ~♪」
コッコロ「……いつ元に戻ったか、など。探るのは野暮というものでしょう」
キャル「ほら、ボケっとしてないで出かけるわよ! みんなで食事をするって約束でわざわざ集まったんだから!」
おしまい
キャル「元に戻っただけじゃない。ふふっ、もう二度とあんなこと言わなくて済むわね!」
コッコロ「……ふむ?」
ペコリーヌ「コッコロちゃん? 何か気になることでもありました?」
コッコロ「い、いえ、なんでもありません。少し考え事をしていただけですので……」
キャル「はぁ~、肩の荷が下りたって感じ♪ 気分がいいわ~♪」
コッコロ「……いつ元に戻ったか、など。探るのは野暮というものでしょう」
キャル「ほら、ボケっとしてないで出かけるわよ! みんなで食事をするって約束でわざわざ集まったんだから!」
おしまい
引用元: キャル「原因不明の口癖感染騒動」
キャル「二人で宝探しに行くわよ!」 ペコリーヌ「やばいですね☆」
2020-05-01
1: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/24(水) 22:53:46.628 ID:8Lqe7BEQ0.net
キャル「……暇ね~」
ペコリーヌ「お腹空きましたぁ……」
コッコロ「主さま、よだれが垂れてしまっていますよ。ふふ♪」
キャル「ねえ、ペコリーヌ」
ペコリーヌ「はい? なんでしょう? あっ、ご飯でも食べに行きます?」
キャル「ご飯はあとにしなさい。そんなことより、ちょっとおもしろいウワサを聞いたんだけど、暇つぶしにどうかしら?」
ペコリーヌ「ウワサ、ですか。森の珍味でしょうか? それとも山の幸?」
キャル「食べ物ばっかじゃない! 違うわよ! どんな願いも叶えてくれる魔法の宝石の話!」
ペコリーヌ「へぇ~、どんなお願いでも叶うんですか~。……どんなお願いでも!?」
キャル「興味のあるなしがはっきり分かるわね……。ええそうよ、美味しいご飯の山だってきっと叶うわ♪」
ペコリーヌ「じゅるり♪ やばいですね☆」
キャル「どう? 行ってみない?」
ペコリーヌ「何してるんですか、キャルちゃん! 早く行きましょうよ! ほら、早く早く!」
キャル「はいはい。目的地は洞窟だし、ちゃんと準備してからね」
ペコリーヌ「お腹空きましたぁ……」
コッコロ「主さま、よだれが垂れてしまっていますよ。ふふ♪」
キャル「ねえ、ペコリーヌ」
ペコリーヌ「はい? なんでしょう? あっ、ご飯でも食べに行きます?」
キャル「ご飯はあとにしなさい。そんなことより、ちょっとおもしろいウワサを聞いたんだけど、暇つぶしにどうかしら?」
ペコリーヌ「ウワサ、ですか。森の珍味でしょうか? それとも山の幸?」
キャル「食べ物ばっかじゃない! 違うわよ! どんな願いも叶えてくれる魔法の宝石の話!」
ペコリーヌ「へぇ~、どんなお願いでも叶うんですか~。……どんなお願いでも!?」
キャル「興味のあるなしがはっきり分かるわね……。ええそうよ、美味しいご飯の山だってきっと叶うわ♪」
ペコリーヌ「じゅるり♪ やばいですね☆」
キャル「どう? 行ってみない?」
ペコリーヌ「何してるんですか、キャルちゃん! 早く行きましょうよ! ほら、早く早く!」
キャル「はいはい。目的地は洞窟だし、ちゃんと準備してからね」
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2: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/24(水) 22:55:19.013 ID:8Lqe7BEQ0.net
ペコリーヌ「コッコロちゃんも来ればよかったのに~……」
キャル「願いはもう叶ったっていうんだからしょうがないわよ。それにしたって、あんな赤ちゃんみたいなやつの世話なんてよくやりたがるわよね」
ペコリーヌ「かわいいですよね♪ あの人も、コッコロちゃんも♪」
キャル「あんたに美味しいか美味しくないか以外の感性なんてあったの?」
ペコリーヌ「キャルちゃんは美味しそうですよね☆」
キャル「ほらみなさい……。食い意地オバケなんかと一緒にいたってロクなことないわ……」
ペコリーヌ「またまた~! 今日だってわたしのこと誘ってくれたじゃないですかぁ~♪」
キャル「それはっ……! ど、洞窟には魔物が出るから! そう、それよ! 楽に進むために誘っただけなんだから!」
ペコリーヌ「素直じゃないんですから~! このこの~♪」
キャル「くっつくなぁ~! まったく、鬱陶しいったらないわ!」
ペコリーヌ「……っと。この洞窟でしょうか?」
キャル「えーっと……ええ、そうね! 地図で確認したけど、ここで間違いないわ!」
ペコリーヌ「いざ! 冒険スタートです! ……の前に、お弁当にしましょう♪」
キャル「ぐっ……。キレイに出鼻を挫くわね……」
キャル「願いはもう叶ったっていうんだからしょうがないわよ。それにしたって、あんな赤ちゃんみたいなやつの世話なんてよくやりたがるわよね」
ペコリーヌ「かわいいですよね♪ あの人も、コッコロちゃんも♪」
キャル「あんたに美味しいか美味しくないか以外の感性なんてあったの?」
ペコリーヌ「キャルちゃんは美味しそうですよね☆」
キャル「ほらみなさい……。食い意地オバケなんかと一緒にいたってロクなことないわ……」
ペコリーヌ「またまた~! 今日だってわたしのこと誘ってくれたじゃないですかぁ~♪」
キャル「それはっ……! ど、洞窟には魔物が出るから! そう、それよ! 楽に進むために誘っただけなんだから!」
ペコリーヌ「素直じゃないんですから~! このこの~♪」
キャル「くっつくなぁ~! まったく、鬱陶しいったらないわ!」
ペコリーヌ「……っと。この洞窟でしょうか?」
キャル「えーっと……ええ、そうね! 地図で確認したけど、ここで間違いないわ!」
ペコリーヌ「いざ! 冒険スタートです! ……の前に、お弁当にしましょう♪」
キャル「ぐっ……。キレイに出鼻を挫くわね……」
3: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/24(水) 22:57:18.308 ID:8Lqe7BEQ0.net
ペコリーヌ「んふぅ~☆ おいひぃ~♪」
キャル「あははっ! あんたの食べる姿ってほんと見てて飽きないわ♪ とっても幸せそうに食べるんだもの!」
ペコリーヌ「キャルちゃんと一緒だから、ますます幸せなんですよ? ありがとうございます、キャルちゃん♪」
キャル「……なーに気色悪いこと言っちゃってんだか」
キャル「あ、ほらペコリーヌ。ちょっとジッとしてなさいよ」
ペコリーヌ「えっと……?」
キャル「……はい取れた。ご飯粒くっ付いてたわよ。こんなにたくさん」
ペコリーヌ「じー……」
キャル「ばっちぃわねぇ~。もっとお上品に──」
ペコリーヌ「あむっ」
キャル「ちょっ……!? なんであたしの指ごと食べてんのよ!?」
ペコリーヌ「はむはむ。ちゅぷちゅぷ」
キャル「ぎゃーっ!? 吸うなーっ!」
キャル「あははっ! あんたの食べる姿ってほんと見てて飽きないわ♪ とっても幸せそうに食べるんだもの!」
ペコリーヌ「キャルちゃんと一緒だから、ますます幸せなんですよ? ありがとうございます、キャルちゃん♪」
キャル「……なーに気色悪いこと言っちゃってんだか」
キャル「あ、ほらペコリーヌ。ちょっとジッとしてなさいよ」
ペコリーヌ「えっと……?」
キャル「……はい取れた。ご飯粒くっ付いてたわよ。こんなにたくさん」
ペコリーヌ「じー……」
キャル「ばっちぃわねぇ~。もっとお上品に──」
ペコリーヌ「あむっ」
キャル「ちょっ……!? なんであたしの指ごと食べてんのよ!?」
ペコリーヌ「はむはむ。ちゅぷちゅぷ」
キャル「ぎゃーっ!? 吸うなーっ!」
4: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/24(水) 22:59:04.683 ID:8Lqe7BEQ0.net
ペコリーヌ「んもう、本気で叩かなくたっていいじゃないですかぁ……」
キャル「あんたが変なことするからでしょ! 自業自得よ! ふんっ!」
ペコリーヌ「美味しかったですよ♪」
キャル「……次やったらマジで殺すから」
ペコリーヌ「はーい……次からは許可を取ってからにしますね……」
キャル「まるで反省してないじゃない……!」
ペコリーヌ「あれ? キャルちゃん全然食べてませんね。今食べておかないと、洞窟の中で倒れちゃいますよ?」
キャル「あんたじゃないんだから少しくらい食べなくたって倒れないわよ。あたしのことはいいからもっと食べなさい」
ペコリーヌ「ダメですよ! 食事は幸せパワーを生み出す大切なことなんですから! ほらほら~、キャルちゃん、あーん♪」
キャル「ちょ、いらないって……もぅ~……!」
ペコリーヌ「あーん♪」
キャル「あ、あーん……」
キャル「あんたが変なことするからでしょ! 自業自得よ! ふんっ!」
ペコリーヌ「美味しかったですよ♪」
キャル「……次やったらマジで殺すから」
ペコリーヌ「はーい……次からは許可を取ってからにしますね……」
キャル「まるで反省してないじゃない……!」
ペコリーヌ「あれ? キャルちゃん全然食べてませんね。今食べておかないと、洞窟の中で倒れちゃいますよ?」
キャル「あんたじゃないんだから少しくらい食べなくたって倒れないわよ。あたしのことはいいからもっと食べなさい」
ペコリーヌ「ダメですよ! 食事は幸せパワーを生み出す大切なことなんですから! ほらほら~、キャルちゃん、あーん♪」
キャル「ちょ、いらないって……もぅ~……!」
ペコリーヌ「あーん♪」
キャル「あ、あーん……」
5: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/24(水) 23:01:29.201 ID:8Lqe7BEQ0.net
キャル「死ぬほど食べさせられたぁ……。うぅ……お腹が苦しい……」
ペコリーヌ「ごちそうさまでした☆」
キャル「ごちそうさま……。少し休憩しないと動けないわ……」
ペコリーヌ「あらら……。楽しくてつい食べ過ぎちゃったんですね……分かりますよ、その気持ち……」
キャル「あんたが無理やり詰め込んだのよ! うぐぐ……苦しいんだからふざけたこと言うんじゃないわよ……」
ペコリーヌ「ごめんなさい……」
キャル「反省するなんて珍しいわね。いいわ、そのまま少し反省してなさい」
ペコリーヌ「しゅん……」
キャル「……」
ペコリーヌ「ぐるるる~……」
キャル「もうお腹鳴ってるじゃない……」
ペコリーヌ「ごはんごはん……。もぐもぐ……」
キャル「はぁ……」
キャル「反省はもういいから楽しそうに食べなさいよ。いつもみたいにバカみたいな顔してさ」
ペコリーヌ「……はいっ♪」
ペコリーヌ「ごちそうさまでした☆」
キャル「ごちそうさま……。少し休憩しないと動けないわ……」
ペコリーヌ「あらら……。楽しくてつい食べ過ぎちゃったんですね……分かりますよ、その気持ち……」
キャル「あんたが無理やり詰め込んだのよ! うぐぐ……苦しいんだからふざけたこと言うんじゃないわよ……」
ペコリーヌ「ごめんなさい……」
キャル「反省するなんて珍しいわね。いいわ、そのまま少し反省してなさい」
ペコリーヌ「しゅん……」
キャル「……」
ペコリーヌ「ぐるるる~……」
キャル「もうお腹鳴ってるじゃない……」
ペコリーヌ「ごはんごはん……。もぐもぐ……」
キャル「はぁ……」
キャル「反省はもういいから楽しそうに食べなさいよ。いつもみたいにバカみたいな顔してさ」
ペコリーヌ「……はいっ♪」
7: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/24(水) 23:04:04.541 ID:8Lqe7BEQ0.net
キャル「さってと! それじゃあ行きましょうか! トレジャーハンティングの始まりよ!」
ペコリーヌ「了解です、キャル隊長!」
キャル「隊長……ふふん! いいじゃない! 前衛は任せるわよ、ペコリーヌ隊員!」
ペコリーヌ「こういうのって隊長が先頭じゃないんですか?」
キャル「あたしは後ろでどっしり構えるタイプの隊長なの。いいから早く先に行きなさいよ」
ペコリーヌ「キャルちゃんはしょうがないですねぇ~。こわいならこわいって言えばいいのに~」
キャル「はぁ!? こわくなんてないわよ! たかが洞窟に入る程度でこわがったりなんてするもんですか!」
ペコリーヌ「んふふ♪ なら横に並んで進みましょう! それならキャルちゃんがビクーッてなるところが見えますし☆」
キャル「……いいわ。望むところよ! あんたがプルプル震えてる姿をしっかり見てやるんだから、覚悟しなさい!」
ペコリーヌ「それじゃあ、はい! 手を繋ぎましょう!」
キャル「ええ! しっかり握りなさいよね!」
キャル「……」
ペコリーヌ「えへへ♪」
キャル「離しなさいよ! 勢いでうっかり手なんか繋いじゃったじゃない! いたたたた! 握力っ! あたしの手が粉々になっちゃうからぁ~! ぎゃあぁぁぁ!?」
ペコリーヌ「了解です、キャル隊長!」
キャル「隊長……ふふん! いいじゃない! 前衛は任せるわよ、ペコリーヌ隊員!」
ペコリーヌ「こういうのって隊長が先頭じゃないんですか?」
キャル「あたしは後ろでどっしり構えるタイプの隊長なの。いいから早く先に行きなさいよ」
ペコリーヌ「キャルちゃんはしょうがないですねぇ~。こわいならこわいって言えばいいのに~」
キャル「はぁ!? こわくなんてないわよ! たかが洞窟に入る程度でこわがったりなんてするもんですか!」
ペコリーヌ「んふふ♪ なら横に並んで進みましょう! それならキャルちゃんがビクーッてなるところが見えますし☆」
キャル「……いいわ。望むところよ! あんたがプルプル震えてる姿をしっかり見てやるんだから、覚悟しなさい!」
ペコリーヌ「それじゃあ、はい! 手を繋ぎましょう!」
キャル「ええ! しっかり握りなさいよね!」
キャル「……」
ペコリーヌ「えへへ♪」
キャル「離しなさいよ! 勢いでうっかり手なんか繋いじゃったじゃない! いたたたた! 握力っ! あたしの手が粉々になっちゃうからぁ~! ぎゃあぁぁぁ!?」
8: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/24(水) 23:07:25.662 ID:8Lqe7BEQ0.net
ペコリーヌ「ふぅ~。思ってたよりも中は魔物でいっぱいですね。これはお宝も期待できるかもしれませんよ!」
キャル「冒険者が来てたらこうはならないものね。願いが叶う宝石……本当に見つけられたら……うふふふふ……」
ペコリーヌ「ところでキャルちゃん。キャルちゃんはどんなお願いをするつもりなんですか?」
キャル「……ナイショ」
ペコリーヌ「えぇ~! いいじゃないですか~! 教えてくださいよ! キャルちゃんのお願い知りたいです~!」
キャル「ナイショったらナイショなの! あんたのお願いと違ってあたしのは繊細なんだから!」
ペコリーヌ「むぅ~……。キャルちゃんのケチんぼ」
キャル「うっさい。食いしんぼ」
ペコリーヌ「……あれ? 何か踏んだような」
キャル「ね、ねぇ? 何か嫌ぁな音が聞こえてこない? 硬くて重たいものが転がるみたいな……ほら……どんどん近づいて──」
ペコリーヌ「キャルちゃんっ! あれを見てください! 大きな岩がゴロゴロ~って転がって来てます!」
キャル「あーっ! やっぱりーっ!? 走るわよ、ペコリーヌ!」
ペコリーヌ「は、はいっ! えーん! ごめんなさ~い!」
キャル「冒険者が来てたらこうはならないものね。願いが叶う宝石……本当に見つけられたら……うふふふふ……」
ペコリーヌ「ところでキャルちゃん。キャルちゃんはどんなお願いをするつもりなんですか?」
キャル「……ナイショ」
ペコリーヌ「えぇ~! いいじゃないですか~! 教えてくださいよ! キャルちゃんのお願い知りたいです~!」
キャル「ナイショったらナイショなの! あんたのお願いと違ってあたしのは繊細なんだから!」
ペコリーヌ「むぅ~……。キャルちゃんのケチんぼ」
キャル「うっさい。食いしんぼ」
ペコリーヌ「……あれ? 何か踏んだような」
キャル「ね、ねぇ? 何か嫌ぁな音が聞こえてこない? 硬くて重たいものが転がるみたいな……ほら……どんどん近づいて──」
ペコリーヌ「キャルちゃんっ! あれを見てください! 大きな岩がゴロゴロ~って転がって来てます!」
キャル「あーっ! やっぱりーっ!? 走るわよ、ペコリーヌ!」
ペコリーヌ「は、はいっ! えーん! ごめんなさ~い!」
9: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/24(水) 23:09:43.363 ID:8Lqe7BEQ0.net
キャル「ぜぇーっ……ぜぇーっ……。し、死ぬかと思ったわ……」
ペコリーヌ「横道があって助かりましたね……」
ペコリーヌ「ふぅ……まさかあんな罠が仕掛けてあるなんて……。ただの洞窟だと思って油断しちゃってました……。本当にごめんなさい……」
キャル「あはは、ヘコむなんてあんたらしくもないわね。転がってくる岩の罠なんて、いい話のネタになるじゃない」
キャル「帰ったらコロ助にでも話してみなさい? きっと目をキラッキラさせて食いつくわよ♪」
ペコリーヌ「キャルちゃん……」
ペコリーヌ「はいっ! せっかくの大冒険なんです! 迫り来る罠をくぐり抜け、幾多の死線を乗り越えて……最後には宝物を手に入れる……! これぞロマンです! やばいですね☆」
キャル「その意気よ! 死ななきゃなんでもいいわ! さあ踏み出しなさいペコリーヌ! あんたの冒険は始まったばかりよ!」
ペコリーヌ「気を取り直して冒険再開です♪ 行きますよ~! ……あ」
キャル「……」
ペコリーヌ「あ~っ! 落とし穴のスイッチが作動してしまいましたぁぁぁぁ……」
キャル「やっぱりあんたは少し反省しなさぁぁぁぁ……」
ペコリーヌ「横道があって助かりましたね……」
ペコリーヌ「ふぅ……まさかあんな罠が仕掛けてあるなんて……。ただの洞窟だと思って油断しちゃってました……。本当にごめんなさい……」
キャル「あはは、ヘコむなんてあんたらしくもないわね。転がってくる岩の罠なんて、いい話のネタになるじゃない」
キャル「帰ったらコロ助にでも話してみなさい? きっと目をキラッキラさせて食いつくわよ♪」
ペコリーヌ「キャルちゃん……」
ペコリーヌ「はいっ! せっかくの大冒険なんです! 迫り来る罠をくぐり抜け、幾多の死線を乗り越えて……最後には宝物を手に入れる……! これぞロマンです! やばいですね☆」
キャル「その意気よ! 死ななきゃなんでもいいわ! さあ踏み出しなさいペコリーヌ! あんたの冒険は始まったばかりよ!」
ペコリーヌ「気を取り直して冒険再開です♪ 行きますよ~! ……あ」
キャル「……」
ペコリーヌ「あ~っ! 落とし穴のスイッチが作動してしまいましたぁぁぁぁ……」
キャル「やっぱりあんたは少し反省しなさぁぁぁぁ……」
10: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/24(水) 23:12:12.661 ID:8Lqe7BEQ0.net
キャル「う……ん……」
ペコリーヌ「きゅ~……」
キャル「うわっ、ペコリーヌが下敷きに……! ご、ごめんペコリーヌ! でもこれは事故で──」
キャル「……こいつ、あたしを受け止めようとしたのね」
ペコリーヌ「うーん……うーん……」
キャル「と、当然よ! ペコリーヌのせいで落ちちゃったんだから! だからあたしを庇うのは当然で……」
キャル「ありがと、ペコリーヌ……」
ペコリーヌ「はっ……!」
ペコリーヌ「キャルちゃんは……ほっ、無事みたいですね♪」
キャル「おかげさまでね。ねえ、どこもケガなんかしてないわよね?」
ペコリーヌ「えっと……はい! 大丈夫そうです! 結構落ちてきた感じがしましたけど、案外なんとかなるもんですね♪」
キャル「あんたが規格外だからでしょ。普通ならぺちゃんこよ」
キャル「落とし穴の下はまた別の通路だったみたいね。どっちが先に進む道かは分からないけど、閉じ込められちゃったってことはなくて安心したわ」
ペコリーヌ「む。キャルちゃんキャルちゃん! 向こうから魔物がやってきます! 大群さんのお出ましですよ!」
キャル「ふんっ、ちょうどいいじゃない。魔物が湧く方向が進路だって相場は決まってるわ! 道を切り開くわよ、ペコリーヌ!」
ペコリーヌ「きゅ~……」
キャル「うわっ、ペコリーヌが下敷きに……! ご、ごめんペコリーヌ! でもこれは事故で──」
キャル「……こいつ、あたしを受け止めようとしたのね」
ペコリーヌ「うーん……うーん……」
キャル「と、当然よ! ペコリーヌのせいで落ちちゃったんだから! だからあたしを庇うのは当然で……」
キャル「ありがと、ペコリーヌ……」
ペコリーヌ「はっ……!」
ペコリーヌ「キャルちゃんは……ほっ、無事みたいですね♪」
キャル「おかげさまでね。ねえ、どこもケガなんかしてないわよね?」
ペコリーヌ「えっと……はい! 大丈夫そうです! 結構落ちてきた感じがしましたけど、案外なんとかなるもんですね♪」
キャル「あんたが規格外だからでしょ。普通ならぺちゃんこよ」
キャル「落とし穴の下はまた別の通路だったみたいね。どっちが先に進む道かは分からないけど、閉じ込められちゃったってことはなくて安心したわ」
ペコリーヌ「む。キャルちゃんキャルちゃん! 向こうから魔物がやってきます! 大群さんのお出ましですよ!」
キャル「ふんっ、ちょうどいいじゃない。魔物が湧く方向が進路だって相場は決まってるわ! 道を切り開くわよ、ペコリーヌ!」
12: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/24(水) 23:15:17.573 ID:8Lqe7BEQ0.net
ペコリーヌ「これで……最後ですっ! てやぁぁぁっ!」
キャル「よっし! ナイスよペコリーヌ!」
ペコリーヌ「こっちは食べられない……こっちは……あっ! 美味しそうです~♪」
キャル「品定めすんな! どれも食べられないわよ! 捨てちゃいなさいそんなの!」
ペコリーヌ「ラットンとゼラチナだけ持っていきましょう……」
キャル「捨・て・ろ!」
ペコリーヌ「うぅ……もったいないです……。ごめんなさい、食材さんたち……」
キャル「食材じゃないっての……。ただの死骸じゃない……しかも魔物の……」
ペコリーヌ「キャルちゃんもおいしそうに食べてたじゃないですかぁ~! ほら、このバットケイブを使った味噌煮込みバットとか──」
キャル「思い出させんなバカ! まともな料理ヅラして並んでたから、うっかり食べちゃっただけじゃない!」
ペコリーヌ「けどおいしかったでしょ~?」
キャル「……味はね」
ペコリーヌ「味がおいしいのに食べたくないだなんて、キャルちゃんって変わってますよね。どうして食べたくないのか分かりませんよ」
キャル「魔物だからよ……」
キャル「よっし! ナイスよペコリーヌ!」
ペコリーヌ「こっちは食べられない……こっちは……あっ! 美味しそうです~♪」
キャル「品定めすんな! どれも食べられないわよ! 捨てちゃいなさいそんなの!」
ペコリーヌ「ラットンとゼラチナだけ持っていきましょう……」
キャル「捨・て・ろ!」
ペコリーヌ「うぅ……もったいないです……。ごめんなさい、食材さんたち……」
キャル「食材じゃないっての……。ただの死骸じゃない……しかも魔物の……」
ペコリーヌ「キャルちゃんもおいしそうに食べてたじゃないですかぁ~! ほら、このバットケイブを使った味噌煮込みバットとか──」
キャル「思い出させんなバカ! まともな料理ヅラして並んでたから、うっかり食べちゃっただけじゃない!」
ペコリーヌ「けどおいしかったでしょ~?」
キャル「……味はね」
ペコリーヌ「味がおいしいのに食べたくないだなんて、キャルちゃんって変わってますよね。どうして食べたくないのか分かりませんよ」
キャル「魔物だからよ……」
14: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/24(水) 23:18:02.095 ID:8Lqe7BEQ0.net
ペコリーヌ「はぁ~……。ふぉーるすらーっしゅ」
キャル「目に見えてやる気なくなってるわね~。ちゃんと魔物を倒してくれてるから別にいいんだけど」
ペコリーヌ「ごはん……ごはん……」
キャル「もうおにぎりも残ってないものね。……ペコリーヌ! こいつら蹴散らしたらいいものをあげるわ! だからもうひと頑張りお願い!」
ペコリーヌ「食べ物ですか……?」
キャル「ふふ~ん♪ 食べ物よ!」
ペコリーヌ「うりゃりゃりゃりゃりゃりゃ!」
キャル「うっわ、どれだけ食い意地張ってんのよ。……まぁいっか。お疲れ様、ペコリーヌ」
ペコリーヌ「キャルちゃん♪ キャルちゃんキャルちゃん♪」
キャル「あはっ、まるで子犬ね? 待ってなさい、今とっておきの──」
キャル「じゃーん! チョコレートよ! オヤツに食べようと思ってこっそり持ってきてたの! 特別にあんたにあげるわ!」
ペコリーヌ「んぅ~っ……♪ チョコレート……♪ いいんですか? いいんですか~っ!? うわーい♪」
キャル「目に見えてやる気なくなってるわね~。ちゃんと魔物を倒してくれてるから別にいいんだけど」
ペコリーヌ「ごはん……ごはん……」
キャル「もうおにぎりも残ってないものね。……ペコリーヌ! こいつら蹴散らしたらいいものをあげるわ! だからもうひと頑張りお願い!」
ペコリーヌ「食べ物ですか……?」
キャル「ふふ~ん♪ 食べ物よ!」
ペコリーヌ「うりゃりゃりゃりゃりゃりゃ!」
キャル「うっわ、どれだけ食い意地張ってんのよ。……まぁいっか。お疲れ様、ペコリーヌ」
ペコリーヌ「キャルちゃん♪ キャルちゃんキャルちゃん♪」
キャル「あはっ、まるで子犬ね? 待ってなさい、今とっておきの──」
キャル「じゃーん! チョコレートよ! オヤツに食べようと思ってこっそり持ってきてたの! 特別にあんたにあげるわ!」
ペコリーヌ「んぅ~っ……♪ チョコレート……♪ いいんですか? いいんですか~っ!? うわーい♪」
15: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/24(水) 23:21:38.498 ID:8Lqe7BEQ0.net
キャル「そのチョコレートが正真正銘、最後の食料だからね。大事に食べなさいよ?」
ペコリーヌ「キャルちゃん、半分こしましょう♪ こっちの大きい方……大きい方を……わた……キャルちゃんに……」
キャル「……話聞いてた? あんたが全部食べなさい、お腹ぺこぺこのペコリーヌ。そのために持ってきた──こほん! あたしは別にいらないし!」
ペコリーヌ「でもぉ……」
キャル「ったく、変なとこ頑固なのよね~。分かった分かった、ひと口だけもらうから。それでいいでしょ?」
ペコリーヌ「そ、そういうことなら……じゅるる♪」
キャル「元気取り戻してあたしのためにビシバシ働きなさいよね。倒れたりしたらお尻ひっぱたいてやるんだから」
ペコリーヌ「今日のキャルちゃんはなんだかお姉ちゃんみたいですね! 普段も優しいですけど♪」
キャル「な、なにバカなこと言ってるのよ! あんたの方が歳上じゃない!」
ペコリーヌ「細かいことはいいじゃないですかぁ~♪ わたしとキャルちゃんの仲なんですから!」
キャル「そもそもあたしとあんたは仲良くなんてないし! ただ同じギルドにいるだけなんだから!」
キャル「お姉さんになんてなれないわよ……。そんな資格、あたしには……」
ペコリーヌ「キャルちゃん……?」
キャル「なんでもないわっ! 食べ終わったら出発するわよ!」
ペコリーヌ「キャルちゃん、半分こしましょう♪ こっちの大きい方……大きい方を……わた……キャルちゃんに……」
キャル「……話聞いてた? あんたが全部食べなさい、お腹ぺこぺこのペコリーヌ。そのために持ってきた──こほん! あたしは別にいらないし!」
ペコリーヌ「でもぉ……」
キャル「ったく、変なとこ頑固なのよね~。分かった分かった、ひと口だけもらうから。それでいいでしょ?」
ペコリーヌ「そ、そういうことなら……じゅるる♪」
キャル「元気取り戻してあたしのためにビシバシ働きなさいよね。倒れたりしたらお尻ひっぱたいてやるんだから」
ペコリーヌ「今日のキャルちゃんはなんだかお姉ちゃんみたいですね! 普段も優しいですけど♪」
キャル「な、なにバカなこと言ってるのよ! あんたの方が歳上じゃない!」
ペコリーヌ「細かいことはいいじゃないですかぁ~♪ わたしとキャルちゃんの仲なんですから!」
キャル「そもそもあたしとあんたは仲良くなんてないし! ただ同じギルドにいるだけなんだから!」
キャル「お姉さんになんてなれないわよ……。そんな資格、あたしには……」
ペコリーヌ「キャルちゃん……?」
キャル「なんでもないわっ! 食べ終わったら出発するわよ!」
16: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/24(水) 23:24:49.082 ID:8Lqe7BEQ0.net
キャル「分かってると思うけど、もう罠なんて踏むんじゃないわよ? 今までのパターンからして足元にスイッチがあるんだから、注意していれば──」
ペコリーヌ「キャルちゃん? 顔色が悪いですけど……どうかしたんですか? お腹壊しちゃいました?」
キャル「……踏んだ。なんか踏んじゃった! しかも片足ずつ!」
ペコリーヌ「えぇ~? あれだけ自信満々だったのに踏んじゃったんですかぁ~? うっかりさんですね!」
キャル「わわわわ! 足元からツタが……きゃあっ!?」
ペコリーヌ「あ~あ、見事に吊られちゃいましたね。今降ろしてあげますから待っていてください」
キャル「クソっ……。誰よこんな悪趣味なトラップ仕掛けたヤツは……。見つけたらただじゃおかないんだから……!」
キャル「──ペコリーヌっ! あんたの後ろから魔物が来てるわ! 気をつけて!」
ペコリーヌ「なんとっ!? しかたありません! キャルちゃん、救助は少しお預けです! 先に魔物を片付けちゃいますから!」
キャル「え、ええ、お願い! 一人なんだから無茶するんじゃないわよ? でもあたしを置いて逃げたりなんてしないでよね!」
ペコリーヌ「もちろんです♪ 死ぬときは一緒ですよ☆」
ペコリーヌ「キャルちゃん? 顔色が悪いですけど……どうかしたんですか? お腹壊しちゃいました?」
キャル「……踏んだ。なんか踏んじゃった! しかも片足ずつ!」
ペコリーヌ「えぇ~? あれだけ自信満々だったのに踏んじゃったんですかぁ~? うっかりさんですね!」
キャル「わわわわ! 足元からツタが……きゃあっ!?」
ペコリーヌ「あ~あ、見事に吊られちゃいましたね。今降ろしてあげますから待っていてください」
キャル「クソっ……。誰よこんな悪趣味なトラップ仕掛けたヤツは……。見つけたらただじゃおかないんだから……!」
キャル「──ペコリーヌっ! あんたの後ろから魔物が来てるわ! 気をつけて!」
ペコリーヌ「なんとっ!? しかたありません! キャルちゃん、救助は少しお預けです! 先に魔物を片付けちゃいますから!」
キャル「え、ええ、お願い! 一人なんだから無茶するんじゃないわよ? でもあたしを置いて逃げたりなんてしないでよね!」
ペコリーヌ「もちろんです♪ 死ぬときは一緒ですよ☆」
17: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/24(水) 23:27:07.557 ID:8Lqe7BEQ0.net
ペコリーヌ「はぁっ! そりゃーっ!」
キャル「ちょっとぉ! まだ倒しきれないの!?」
ペコリーヌ「それが……倒しても倒してもどんどん湧いてくるんですよ~……。キャルちゃんが魔物を呼び寄せる罠も踏んじゃったんでしょうか?」
キャル「うぐ……」
ペコリーヌ「それに……カチカチなゴーレムも混ざっててですねっ、わたしの攻撃だと……あぅっ!」
キャル「チィッ……! あたしの魔法なら瞬殺してやれるのに……!」
ペコリーヌ「キャルちゃんっ、援護もできそうにありません? ちょっとピンチです……」
キャル「そんなこと言ったって、指の先しか動かせないし……。魔導書も落としちゃったから、応援くらいしかできないわよ……!」
キャル「あんたの剣でこのツタを切れないの!? 自由になれば形勢逆転なんだけど!」
ペコリーヌ「無理ですよぉ~! ギチギチに巻きついちゃってるんです、キャルちゃんの体までスパッといっちゃいますって!」
キャル「この際、足の一本や二本くれてやるわよ! ペコリーヌ! やってちょうだい!」
ペコリーヌ「分かりました! キャルちゃんの足はわたしの血肉となって生き続けるでしょう! それではひと思いにスパッと──」
キャル「わーっ!? やっぱナシ! やめて! こわいこわいこわい!」
キャル「ちょっとぉ! まだ倒しきれないの!?」
ペコリーヌ「それが……倒しても倒してもどんどん湧いてくるんですよ~……。キャルちゃんが魔物を呼び寄せる罠も踏んじゃったんでしょうか?」
キャル「うぐ……」
ペコリーヌ「それに……カチカチなゴーレムも混ざっててですねっ、わたしの攻撃だと……あぅっ!」
キャル「チィッ……! あたしの魔法なら瞬殺してやれるのに……!」
ペコリーヌ「キャルちゃんっ、援護もできそうにありません? ちょっとピンチです……」
キャル「そんなこと言ったって、指の先しか動かせないし……。魔導書も落としちゃったから、応援くらいしかできないわよ……!」
キャル「あんたの剣でこのツタを切れないの!? 自由になれば形勢逆転なんだけど!」
ペコリーヌ「無理ですよぉ~! ギチギチに巻きついちゃってるんです、キャルちゃんの体までスパッといっちゃいますって!」
キャル「この際、足の一本や二本くれてやるわよ! ペコリーヌ! やってちょうだい!」
ペコリーヌ「分かりました! キャルちゃんの足はわたしの血肉となって生き続けるでしょう! それではひと思いにスパッと──」
キャル「わーっ!? やっぱナシ! やめて! こわいこわいこわい!」
18: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/24(水) 23:30:15.470 ID:8Lqe7BEQ0.net
キャル「ぐぬぬぬぬぬ~……! こうなったら魔物を操れるあの力を使うしか……」
キャル「でももしあたしの正体がバレちゃったら……うぅ……」
ペコリーヌ「はぁ……はぁ……! キャルちゃんには指一本触れさせませんっ! このーっ!」
キャル「迷ってる場合じゃないわよ、キャル……! このままじゃあたしだけじゃなくてペコリーヌまで……!」
キャル「……よしっ。ペコリーヌ! あたしがそいつら全員の動きを一瞬だけ止めるわ! その隙にあんたの全力を叩き込みなさい!」
ペコリーヌ「と、止めるって……キャルちゃん、一体何を──」
キャル「いいから信じなさいよ! 本当に一瞬だけだから、ボーッとしてたらチャンスを失っちゃうんだからね!」
ペコリーヌ「分かりました! キャルちゃんを信じます!」
キャル「それでいいわ……! 行くわよ!」
ペコリーヌ「はいっ! 力を溜めて……全力全開っ!」
キャル「魔物共ぉ! 止まれぇぇぇぇっ!」
ペコリーヌ「──とおぉぉぉりゃぁぁぁっ!」
キャル「でももしあたしの正体がバレちゃったら……うぅ……」
ペコリーヌ「はぁ……はぁ……! キャルちゃんには指一本触れさせませんっ! このーっ!」
キャル「迷ってる場合じゃないわよ、キャル……! このままじゃあたしだけじゃなくてペコリーヌまで……!」
キャル「……よしっ。ペコリーヌ! あたしがそいつら全員の動きを一瞬だけ止めるわ! その隙にあんたの全力を叩き込みなさい!」
ペコリーヌ「と、止めるって……キャルちゃん、一体何を──」
キャル「いいから信じなさいよ! 本当に一瞬だけだから、ボーッとしてたらチャンスを失っちゃうんだからね!」
ペコリーヌ「分かりました! キャルちゃんを信じます!」
キャル「それでいいわ……! 行くわよ!」
ペコリーヌ「はいっ! 力を溜めて……全力全開っ!」
キャル「魔物共ぉ! 止まれぇぇぇぇっ!」
ペコリーヌ「──とおぉぉぉりゃぁぁぁっ!」
19: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/24(水) 23:32:27.824 ID:8Lqe7BEQ0.net
キャル「くぅっ……! 衝撃で何も見えない……!」
ペコリーヌ「やった~♪ やりましたよ、キャルちゃん! 通路の先ごと吹き飛ばしました☆」
キャル「けほっ! けほっ! や、やり過ぎよ……! 洞窟が崩れたらどうすんの!?」
ペコリーヌ「だってキャルちゃんが全力でやれって……」
キャル「限度ってもんがあるでしょーが!? ……ま、助かったのは事実だし? いちおうお礼を言っておくわね♪」
ペコリーヌ「えへへへ~♪ 降ろしたら、ぎゅ~っ☆ ってさせてくださいね♪」
キャル「え……嫌……」
ペコリーヌ「じゃあ降ろしてあげません」
キャル「なんでよ! 早く降ろしなさいよ! この体勢結構ツラいんだから!」
ペコリーヌ「降ろしたら、ぎゅ~っ☆ ってさせてくださいね♪」
キャル「嫌よ!」
ペコリーヌ「じゃあ降ろしてあげません」
キャル「ふざっけんな! 実質一択しかないじゃない! いいから降ろしなさいよぉ!」
ペコリーヌ「ぎゅ~っ?」
キャル「い~や~よ~!」
ペコリーヌ「やった~♪ やりましたよ、キャルちゃん! 通路の先ごと吹き飛ばしました☆」
キャル「けほっ! けほっ! や、やり過ぎよ……! 洞窟が崩れたらどうすんの!?」
ペコリーヌ「だってキャルちゃんが全力でやれって……」
キャル「限度ってもんがあるでしょーが!? ……ま、助かったのは事実だし? いちおうお礼を言っておくわね♪」
ペコリーヌ「えへへへ~♪ 降ろしたら、ぎゅ~っ☆ ってさせてくださいね♪」
キャル「え……嫌……」
ペコリーヌ「じゃあ降ろしてあげません」
キャル「なんでよ! 早く降ろしなさいよ! この体勢結構ツラいんだから!」
ペコリーヌ「降ろしたら、ぎゅ~っ☆ ってさせてくださいね♪」
キャル「嫌よ!」
ペコリーヌ「じゃあ降ろしてあげません」
キャル「ふざっけんな! 実質一択しかないじゃない! いいから降ろしなさいよぉ!」
ペコリーヌ「ぎゅ~っ?」
キャル「い~や~よ~!」
20: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/24(水) 23:35:33.161 ID:8Lqe7BEQ0.net
キャル「はぁ~……やっと自由になった……。身体中がミシミシ鳴ってるわ……」
ペコリーヌ「ぎゅ~っ☆」
キャル「クソがぁ……」
ペコリーヌ「ところでキャルちゃん、さっきの魔物の動きを止めたあれって……?」
キャル「う……。あれは~……そのぉ……え~っと……」
ペコリーヌ「いえ、やっぱりいいです。助けられちゃいましたからね! 言いたくないのなら聞きません♪」
キャル「そ、そう……? あ~、よかった……」
ペコリーヌ「それよりキャルちゃん、先に進めなくなっちゃいましたけど、どうしましょうか?」
キャル「あんたが吹き飛ばしちゃうから……。しょうがない……帰りましょうか……」
キャル「……あら? ねえ、見てペコリーヌ。あそこよ、あそこ。ほら!」
ペコリーヌ「あそこ……あれあれ? 崩れた瓦礫の横に細い通路がありますね? 隠し通路でしょうか?」
キャル「隠し通路……! あの先にお宝があるんじゃない!? きっとそうよ! 行ってみましょ♪」
ペコリーヌ「ついにお願いが叶うかもしれません! 無限おにぎりが手に入りますよ! やばいですね☆」
キャル「早く来なさいペコリーヌ! 通路の先は広くなってるわ! 奥に巨大な扉もある! あははっ! これは決まりね!」
ペコリーヌ「また罠があるかもですし、慎重に行った方がいいですよ。こういうときこそ冷静に、です」
キャル「そ、そうね……。ペコリーヌにしてはマトモなこと言うじゃない。浮かれてる内にあっさり死ぬなんて真っ平だわ!」
ペコリーヌ「ぎゅ~っ☆」
キャル「クソがぁ……」
ペコリーヌ「ところでキャルちゃん、さっきの魔物の動きを止めたあれって……?」
キャル「う……。あれは~……そのぉ……え~っと……」
ペコリーヌ「いえ、やっぱりいいです。助けられちゃいましたからね! 言いたくないのなら聞きません♪」
キャル「そ、そう……? あ~、よかった……」
ペコリーヌ「それよりキャルちゃん、先に進めなくなっちゃいましたけど、どうしましょうか?」
キャル「あんたが吹き飛ばしちゃうから……。しょうがない……帰りましょうか……」
キャル「……あら? ねえ、見てペコリーヌ。あそこよ、あそこ。ほら!」
ペコリーヌ「あそこ……あれあれ? 崩れた瓦礫の横に細い通路がありますね? 隠し通路でしょうか?」
キャル「隠し通路……! あの先にお宝があるんじゃない!? きっとそうよ! 行ってみましょ♪」
ペコリーヌ「ついにお願いが叶うかもしれません! 無限おにぎりが手に入りますよ! やばいですね☆」
キャル「早く来なさいペコリーヌ! 通路の先は広くなってるわ! 奥に巨大な扉もある! あははっ! これは決まりね!」
ペコリーヌ「また罠があるかもですし、慎重に行った方がいいですよ。こういうときこそ冷静に、です」
キャル「そ、そうね……。ペコリーヌにしてはマトモなこと言うじゃない。浮かれてる内にあっさり死ぬなんて真っ平だわ!」
21: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/24(水) 23:38:05.513 ID:8Lqe7BEQ0.net
キャル「せーので扉を押すわよ! せーのっ!」
ペコリーヌ「ふぬぬぬぬぬ!」
キャル「うぎぎぎぎぎ!」
ペコリーヌ「ふぅっ♪ わたしの方だけ開きましたね!」
キャル「ぜぇっ、ぜぇっ……! 最初からあんたに任せておけばよかったわ……」
ペコリーヌ「中は……わぁ~! とんでもなく広いです! ギルドハウスが何軒も建てられちゃうくらい!」
キャル「ふわぁ~……ほんとね~……。ん? 燭台に、装飾された柱……どうやら神殿かなにかみたいね」
ペコリーヌ「こんな洞窟の奥に神殿が? どんな人が住んでるんでしょう? 食べ物に困っちゃいそうなのに……」
キャル「いるとしても魔物とか精霊じゃないかしら。もし住んでるヤツがいたら頭おかしすぎるわよ」
ペコリーヌ「とりあえず進んでみましょうか。願いの叶う宝石も見つかるかもしれません!」
キャル「黄金とか宝冠とか、宝物でいっぱいの部屋も見つかるかも♪」
ペコリーヌ「キッチンもあるといいですね☆」
キャル「ないっての」
ペコリーヌ「ふぬぬぬぬぬ!」
キャル「うぎぎぎぎぎ!」
ペコリーヌ「ふぅっ♪ わたしの方だけ開きましたね!」
キャル「ぜぇっ、ぜぇっ……! 最初からあんたに任せておけばよかったわ……」
ペコリーヌ「中は……わぁ~! とんでもなく広いです! ギルドハウスが何軒も建てられちゃうくらい!」
キャル「ふわぁ~……ほんとね~……。ん? 燭台に、装飾された柱……どうやら神殿かなにかみたいね」
ペコリーヌ「こんな洞窟の奥に神殿が? どんな人が住んでるんでしょう? 食べ物に困っちゃいそうなのに……」
キャル「いるとしても魔物とか精霊じゃないかしら。もし住んでるヤツがいたら頭おかしすぎるわよ」
ペコリーヌ「とりあえず進んでみましょうか。願いの叶う宝石も見つかるかもしれません!」
キャル「黄金とか宝冠とか、宝物でいっぱいの部屋も見つかるかも♪」
ペコリーヌ「キッチンもあるといいですね☆」
キャル「ないっての」
22: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/24(水) 23:40:11.892 ID:8Lqe7BEQ0.net
キャル「……一番奥の壁まで着いちゃったわね。にしても、真っ赤な壁なんて趣味悪いわねぇ」
キャル「あれ? これで終わり? もしかして期待外れ? 何もナシ?」
「よくぞ辿り着いた。勇気ある者たちよ」
ペコリーヌ「……キャルちゃん、今何か言いました?」
キャル「え? あんたが喋ったんでしょ?」
「汝らの願い、叶えたければ力を示すが良い」
キャル「……」
ペコリーヌ「……」
キャル「あ~……これはアレじゃない? とんでもないヤツが来ちゃうやつじゃない? 来てるわよね、とんでもないヤツ。ドスンドスン足音がするもの! ヤバイのが来てるわよね!?」
ペコリーヌ「も、もう戦う力なんて全然残っていませんよ~……。ヘトヘトのペコペコです……」
魔神「……」
キャル「ひぃぃっ……!? なんかめっちゃ強そうなのが出たわよ!? ねぇペコリーヌってば!」
ペコリーヌ「み、見えてますよぉ~! あわわ……! どうしましょうキャルちゃん!?」
キャル「どうするって、決まってんでしょ!? 逃げんのよ!」
魔神「背を向けると死ぬ呪いを掛けた」
キャル「……は?」
キャル「はぁぁぁ!? なんてことしてんのよあんた!? 普通宝物を置いて逃げる選択肢くらい用意しとくもんでしょー!?」
キャル「あれ? これで終わり? もしかして期待外れ? 何もナシ?」
「よくぞ辿り着いた。勇気ある者たちよ」
ペコリーヌ「……キャルちゃん、今何か言いました?」
キャル「え? あんたが喋ったんでしょ?」
「汝らの願い、叶えたければ力を示すが良い」
キャル「……」
ペコリーヌ「……」
キャル「あ~……これはアレじゃない? とんでもないヤツが来ちゃうやつじゃない? 来てるわよね、とんでもないヤツ。ドスンドスン足音がするもの! ヤバイのが来てるわよね!?」
ペコリーヌ「も、もう戦う力なんて全然残っていませんよ~……。ヘトヘトのペコペコです……」
魔神「……」
キャル「ひぃぃっ……!? なんかめっちゃ強そうなのが出たわよ!? ねぇペコリーヌってば!」
ペコリーヌ「み、見えてますよぉ~! あわわ……! どうしましょうキャルちゃん!?」
キャル「どうするって、決まってんでしょ!? 逃げんのよ!」
魔神「背を向けると死ぬ呪いを掛けた」
キャル「……は?」
キャル「はぁぁぁ!? なんてことしてんのよあんた!? 普通宝物を置いて逃げる選択肢くらい用意しとくもんでしょー!?」
23: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/24(水) 23:43:01.131 ID:8Lqe7BEQ0.net
魔神「力を示せ。さもなくば死ね。さあ、どうする」
キャル「くっ……」
ペコリーヌ「あ、あの~……。確認なんですけど……」
ペコリーヌ「ここには『なんでもお願いが叶う魔法の宝石』があるって聞いたんですけど……本当にあるんでしょうか?」
キャル「そ、そうよそうよ! 宝石なんてどこにもないじゃない! 働かせるだけ働かせて、実は何もありませんでした~じゃ堪ったもんじゃないわ!」
魔神「ふふふ……ふはははは!」
魔神「その宝石なら、そら! 汝らの目の前にあるではないか!」
キャル「目の前……? そんなものどこにも──」
ペコリーヌ「キャルちゃん……キャルちゃんっ!」
キャル「なによ、うっさいわね。宝石見つけたの?」
ペコリーヌ「アレですよ……アレ……! 目の前の……壁ですっ! ううん、壁じゃなくてアレが全て──」
キャル「ほ、宝石だっていうの……? こんな……巨大な……?」
魔神「理解出来たか? これが汝らの求めし宝石だ」
キャル「くっ……」
ペコリーヌ「あ、あの~……。確認なんですけど……」
ペコリーヌ「ここには『なんでもお願いが叶う魔法の宝石』があるって聞いたんですけど……本当にあるんでしょうか?」
キャル「そ、そうよそうよ! 宝石なんてどこにもないじゃない! 働かせるだけ働かせて、実は何もありませんでした~じゃ堪ったもんじゃないわ!」
魔神「ふふふ……ふはははは!」
魔神「その宝石なら、そら! 汝らの目の前にあるではないか!」
キャル「目の前……? そんなものどこにも──」
ペコリーヌ「キャルちゃん……キャルちゃんっ!」
キャル「なによ、うっさいわね。宝石見つけたの?」
ペコリーヌ「アレですよ……アレ……! 目の前の……壁ですっ! ううん、壁じゃなくてアレが全て──」
キャル「ほ、宝石だっていうの……? こんな……巨大な……?」
魔神「理解出来たか? これが汝らの求めし宝石だ」
25: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/24(水) 23:45:20.077 ID:8Lqe7BEQ0.net
キャル「あたしの……叶うはずのないあたしの願いも……叶うの……?」
魔神「どのような願いも一つだけ叶う。世界の理すら超えてな」
ペコリーヌ「ひとつ? わたしと、キャルちゃん……ひとつずつじゃないんですか?」
魔神「一つの願いを叶えれば、この宝石は力を失う。故に、叶うのはたった一つの願いのみである」
キャル「はぁ? こんなバカでかいのに一個だけなの? それじゃあ、あたしかこいつ……どっちかが諦めないといけないってこと……?」
魔神「ふふふ、気が早いのではないか? 願いを叶えるために、まずは──」
ペコリーヌ「やりましょうキャルちゃん! キャルちゃんのお願い、絶体に叶えてもらいましょうね!」
キャル「ペコリーヌ……」
魔神「来るがいい! ふはははは! その力がどれ程のものか! 見極めさせてもらおう!」
魔神「どのような願いも一つだけ叶う。世界の理すら超えてな」
ペコリーヌ「ひとつ? わたしと、キャルちゃん……ひとつずつじゃないんですか?」
魔神「一つの願いを叶えれば、この宝石は力を失う。故に、叶うのはたった一つの願いのみである」
キャル「はぁ? こんなバカでかいのに一個だけなの? それじゃあ、あたしかこいつ……どっちかが諦めないといけないってこと……?」
魔神「ふふふ、気が早いのではないか? 願いを叶えるために、まずは──」
ペコリーヌ「やりましょうキャルちゃん! キャルちゃんのお願い、絶体に叶えてもらいましょうね!」
キャル「ペコリーヌ……」
魔神「来るがいい! ふはははは! その力がどれ程のものか! 見極めさせてもらおう!」
26: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/24(水) 23:48:15.747 ID:8Lqe7BEQ0.net
魔神「ぐわぁぁぁっ!」
キャル「……」
ペコリーヌ「……」
魔神「見事だ……勇気ある者たちよ……」
キャル「メチャメチャ弱いじゃない!」
ペコリーヌ「長い間眠っていて弱っちゃったんでしょうか? やばいですね☆」
魔神「その宝石に触れ、願いを述べよ。さすればその願いは必ずや叶うであろう……ぐふっ……」
ペコリーヌ「この魔物も食べられそうですね。肉付きもしっかりしてますし、期待できるかもしれませんよ♪ やりましたね、キャルちゃん!」
キャル「あー、はいはい……。知ってたわよ、あんたの見る目がムネとかモモに向いてたの……」
ペコリーヌ「わたしはこの通り、おいしそうな魔物をゲットしましたから♪ キャルちゃんは遠慮せずお願いを叶えちゃってください! ほらほら~♪」
キャル「あんたの願いはいいの……? せっかく苦労してここまで来たのに……」
ペコリーヌ「わたしのお願いは、こんなものに頼らなくても叶えられるお願いなんです♪ キャルちゃんや、コッコロちゃん。それにあの人と……」
ペコリーヌ「ずぅ~~っと仲良しでいられますように、って♪」
キャル「そ、それ……あたしとおんなじ──」
ペコリーヌ「え? なんですか?」
キャル「うぅ~っ……! なんでもないわよ! バカっ! 食いしんぼ! アホリーヌ!」
キャル「……」
ペコリーヌ「……」
魔神「見事だ……勇気ある者たちよ……」
キャル「メチャメチャ弱いじゃない!」
ペコリーヌ「長い間眠っていて弱っちゃったんでしょうか? やばいですね☆」
魔神「その宝石に触れ、願いを述べよ。さすればその願いは必ずや叶うであろう……ぐふっ……」
ペコリーヌ「この魔物も食べられそうですね。肉付きもしっかりしてますし、期待できるかもしれませんよ♪ やりましたね、キャルちゃん!」
キャル「あー、はいはい……。知ってたわよ、あんたの見る目がムネとかモモに向いてたの……」
ペコリーヌ「わたしはこの通り、おいしそうな魔物をゲットしましたから♪ キャルちゃんは遠慮せずお願いを叶えちゃってください! ほらほら~♪」
キャル「あんたの願いはいいの……? せっかく苦労してここまで来たのに……」
ペコリーヌ「わたしのお願いは、こんなものに頼らなくても叶えられるお願いなんです♪ キャルちゃんや、コッコロちゃん。それにあの人と……」
ペコリーヌ「ずぅ~~っと仲良しでいられますように、って♪」
キャル「そ、それ……あたしとおんなじ──」
ペコリーヌ「え? なんですか?」
キャル「うぅ~っ……! なんでもないわよ! バカっ! 食いしんぼ! アホリーヌ!」
27: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/24(水) 23:51:25.376 ID:8Lqe7BEQ0.net
キャル「……じゃあ、願いを叶えるわよ」
ペコリーヌ「ごくり……」
キャル「……」
ペコリーヌ「キャルちゃん?」
キャル「ね、ねぇペコリーヌ? ここでお願いを叶えたとしてよ? あたしたち、無事に帰れると思う?」
ペコリーヌ「え? 帰りは不思議な力でピューンって戻ったりできないんですか?」
キャル「できないでしょ……魔神死んじゃったし……。あたし帰りのことなんて何も考えてなかったのよ……。食料もないし、体力だって……」
ペコリーヌ「魔物も出るし、罠だってたくさんあるんですよ……? わ、わたしたち、このまま遭難して魔物たちの食料になっちゃうんでしょうか……」
キャル「……」
キャル「もしかして……ペコリーヌと一生仲良しでいられますように、って願ってもあっという間に一生が終わっちゃうんじゃ……」
ペコリーヌ「えーん! お腹が空いたよぅ~! 飢え死にしちゃいますよぅ~! えーん! えーん!」
キャル「……はぁ」
キャル「『あたしとペコリーヌ、それからそこで倒れてる珍味を洞窟の入り口まで運んでちょうだい!』それがあたしの願いよ!」
ペコリーヌ「はっ……! その手が……ってそれだとキャルちゃんのお願いが~!?」
キャル「もういいのよ。ほら、願いが叶うわ。ペコリーヌ、あたしから離れないでね」
ペコリーヌ「ごくり……」
キャル「……」
ペコリーヌ「キャルちゃん?」
キャル「ね、ねぇペコリーヌ? ここでお願いを叶えたとしてよ? あたしたち、無事に帰れると思う?」
ペコリーヌ「え? 帰りは不思議な力でピューンって戻ったりできないんですか?」
キャル「できないでしょ……魔神死んじゃったし……。あたし帰りのことなんて何も考えてなかったのよ……。食料もないし、体力だって……」
ペコリーヌ「魔物も出るし、罠だってたくさんあるんですよ……? わ、わたしたち、このまま遭難して魔物たちの食料になっちゃうんでしょうか……」
キャル「……」
キャル「もしかして……ペコリーヌと一生仲良しでいられますように、って願ってもあっという間に一生が終わっちゃうんじゃ……」
ペコリーヌ「えーん! お腹が空いたよぅ~! 飢え死にしちゃいますよぅ~! えーん! えーん!」
キャル「……はぁ」
キャル「『あたしとペコリーヌ、それからそこで倒れてる珍味を洞窟の入り口まで運んでちょうだい!』それがあたしの願いよ!」
ペコリーヌ「はっ……! その手が……ってそれだとキャルちゃんのお願いが~!?」
キャル「もういいのよ。ほら、願いが叶うわ。ペコリーヌ、あたしから離れないでね」
28: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/24(水) 23:53:51.425 ID:8Lqe7BEQ0.net
キャル「うっ……日の光が……」
ペコリーヌ「眩しい……! けど、あったかいです♪」
キャル「はぁ~……もう夕暮れね……。二度とこの夕日が見られなくなるところだったと思うと寒気がするわ……」
ペコリーヌ「キャルちゃん……その……」
キャル「は~あ! 骨折り損とはこのことね! やけ食いでもしないとやってられないわ! そいつ、ギルドハウスで調理して食べてみましょ!」
ペコリーヌ「打ち上げパーティーですねっ☆ コッコロちゃんたちも混ぜて、一晩中食べ明かしましょう♪」
キャル「……ねぇ、ペコリーヌ」
ペコリーヌ「はい? どうかしました?」
キャル「楽しかった? 今日、二人で一緒に冒険して」
ペコリーヌ「はい、楽しかったですよ? キャルちゃんとのお出かけはいつだって楽しいです。だけど──」
ペコリーヌ「今日は特別な思い出になりました♪ キャルちゃんのお願いは叶えられませんでしたけど、わたしは今日、ここに来られてよかったって思います♪」
キャル「……そっか。なら、ええ、よかったわ♪」
ペコリーヌ「帰りましょう、キャルちゃん! わたしたちのお家に! ねっ♪」
キャル「そうね。もうクッタクタよ。あ~疲れた~」
キャル「……未知の食材に、ステキな思い出かぁ。宝物には程遠いけど、まあ上々よね♪」
ペコリーヌ「眩しい……! けど、あったかいです♪」
キャル「はぁ~……もう夕暮れね……。二度とこの夕日が見られなくなるところだったと思うと寒気がするわ……」
ペコリーヌ「キャルちゃん……その……」
キャル「は~あ! 骨折り損とはこのことね! やけ食いでもしないとやってられないわ! そいつ、ギルドハウスで調理して食べてみましょ!」
ペコリーヌ「打ち上げパーティーですねっ☆ コッコロちゃんたちも混ぜて、一晩中食べ明かしましょう♪」
キャル「……ねぇ、ペコリーヌ」
ペコリーヌ「はい? どうかしました?」
キャル「楽しかった? 今日、二人で一緒に冒険して」
ペコリーヌ「はい、楽しかったですよ? キャルちゃんとのお出かけはいつだって楽しいです。だけど──」
ペコリーヌ「今日は特別な思い出になりました♪ キャルちゃんのお願いは叶えられませんでしたけど、わたしは今日、ここに来られてよかったって思います♪」
キャル「……そっか。なら、ええ、よかったわ♪」
ペコリーヌ「帰りましょう、キャルちゃん! わたしたちのお家に! ねっ♪」
キャル「そうね。もうクッタクタよ。あ~疲れた~」
キャル「……未知の食材に、ステキな思い出かぁ。宝物には程遠いけど、まあ上々よね♪」
30: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/24(水) 23:56:57.143 ID:8Lqe7BEQ0.net
コッコロ「なんと、大きな岩が……!? そ、それでお二人はどのように……」
ペコリーヌ「それがですね~、必死に走って逃げた先に──」
キャル「……ふぅ。やっぱ落ち着くわね~。で? あんたは何やってんの? あっちで盛り上がってくればいいじゃない」
キャル「あたしがひとりで寂しくならないように? あはは、バカねぇ~。あんたがいたってなんも変わらないわよ」
キャル「それでもそばにいてくれるの? ふーん。どこにいようとあんたの勝手だけどさ」
キャル「ペコリーヌって不思議よね。え? あんたも分かる?」
キャル「そうそう、そうなのよ。一緒にいると安心するっていうか、幸せな気分に……って、これナイショだからね?」
キャル「喋ったら殺すから。ううん、喋ろうとした時点でぶっ殺すから。つーかもう殺しといた方がいいか」
コッコロ「主さま~! キャルさま~! お肉が焼けましたよ~! とても香ばしく、食欲をそそる香りに、わたくしよだれが垂れてしまいそうです……!」
キャル「ほら、行ってきなさいよ。あたしはもう少し休んでから行くわ」
キャル「……」
キャル「……ペコリーヌと。ギルドのみんなと、いつまでも仲間でいられますように」
キャル「案外もう叶ってるのかもね。この先、何があっても……最後にはきっと──」
ペコリーヌ「キャルちゃーん! 早く来ないとなくなっちゃいますよ~! すっごくおいしくて手が止まりませ~ん♪」
キャル「……ふふっ♪」
キャル「ちょっと! あたしの分まで食べるんじゃないわよ! この食い意地お化けっ!」
おしまい
ペコリーヌ「それがですね~、必死に走って逃げた先に──」
キャル「……ふぅ。やっぱ落ち着くわね~。で? あんたは何やってんの? あっちで盛り上がってくればいいじゃない」
キャル「あたしがひとりで寂しくならないように? あはは、バカねぇ~。あんたがいたってなんも変わらないわよ」
キャル「それでもそばにいてくれるの? ふーん。どこにいようとあんたの勝手だけどさ」
キャル「ペコリーヌって不思議よね。え? あんたも分かる?」
キャル「そうそう、そうなのよ。一緒にいると安心するっていうか、幸せな気分に……って、これナイショだからね?」
キャル「喋ったら殺すから。ううん、喋ろうとした時点でぶっ殺すから。つーかもう殺しといた方がいいか」
コッコロ「主さま~! キャルさま~! お肉が焼けましたよ~! とても香ばしく、食欲をそそる香りに、わたくしよだれが垂れてしまいそうです……!」
キャル「ほら、行ってきなさいよ。あたしはもう少し休んでから行くわ」
キャル「……」
キャル「……ペコリーヌと。ギルドのみんなと、いつまでも仲間でいられますように」
キャル「案外もう叶ってるのかもね。この先、何があっても……最後にはきっと──」
ペコリーヌ「キャルちゃーん! 早く来ないとなくなっちゃいますよ~! すっごくおいしくて手が止まりませ~ん♪」
キャル「……ふふっ♪」
キャル「ちょっと! あたしの分まで食べるんじゃないわよ! この食い意地お化けっ!」
おしまい
31: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/24(水) 23:57:51.728 ID:XmuO7GbyH.net
キャルちゃん優しくて好き
32: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/25(木) 00:09:07.599 ID:TgI/9/7N0.net
良いペコキャルだった乙
引用元: キャル「二人で宝探しに行くわよ!」 ペコリーヌ「やばいですね☆」
クロエ「てかアオイ遊び来ないねっつって。チエルが。ま、それだけなンだけど」
2020-04-28
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/17(火) 01:49:58.84 ID:D6mV02AL0
クロエ「ぷー……」
ユニ「どうしたのかね、クロエ君。溜息をつくと幸せが逃げてしまうと言う。悩みがあるのならぼくが相談に乗るよ」
クロエ「や、いーんで。ユニ先輩頼りになんないんで」
ユニ「そんなことはないとも。たしかに、苦手な相談内容もあることは認めるが」
ユニ「尊敬する年上のお姉さんに悩みを打ち明けることで、少なからず気持ちに変化が生じるであろうことは想像に難くない。さあ、気負わず話してみたまえよ」
クロエ「……じゃ、話しますケド。チエルのこと、ぶっちゃけどー思います?」
チエル「クロエ先輩ユニ先輩クロエ先輩ユニ先輩クロエ先輩ユニ先輩クロエ先輩ユニ先輩クロエ先輩ユニ先輩クロエ先輩ユニ先輩」
ユニ「どうも何も、可愛い後輩じゃあないか」
クロエ「や、なんも聞こえないっす。うち的には騒音やばたんなんで。90デシちぇる超えちゃってるんで」
チエル「人をサイレンみたいに言わないでくださいよ。ユニ先輩っ、それでそれで?」
ユニ「しかしまぁ、あえて言葉にするのなら……そうさね。永遠に抱きしめていたい」
クロエ「やっぱ洗脳済みなんじゃん。え、こわ。洗脳ってマジであるんすね知らんけど」
チエル「クロエ先輩もどうです? 見てくださいよ、このユニ先輩の姿! チエルに軽~く撫でられただけでぇ……よしよーし♪」
ユニ「ああ……あああああ……!! ああああぁ!! たすけてーーー!!!」
クロエ「どーすんのこれ。ユニちゃん先輩トラウマになっちゃってんじゃん。てか全霊で助け求めちゃってんじゃん」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1568652598
ユニ「どうしたのかね、クロエ君。溜息をつくと幸せが逃げてしまうと言う。悩みがあるのならぼくが相談に乗るよ」
クロエ「や、いーんで。ユニ先輩頼りになんないんで」
ユニ「そんなことはないとも。たしかに、苦手な相談内容もあることは認めるが」
ユニ「尊敬する年上のお姉さんに悩みを打ち明けることで、少なからず気持ちに変化が生じるであろうことは想像に難くない。さあ、気負わず話してみたまえよ」
クロエ「……じゃ、話しますケド。チエルのこと、ぶっちゃけどー思います?」
チエル「クロエ先輩ユニ先輩クロエ先輩ユニ先輩クロエ先輩ユニ先輩クロエ先輩ユニ先輩クロエ先輩ユニ先輩クロエ先輩ユニ先輩」
ユニ「どうも何も、可愛い後輩じゃあないか」
クロエ「や、なんも聞こえないっす。うち的には騒音やばたんなんで。90デシちぇる超えちゃってるんで」
チエル「人をサイレンみたいに言わないでくださいよ。ユニ先輩っ、それでそれで?」
ユニ「しかしまぁ、あえて言葉にするのなら……そうさね。永遠に抱きしめていたい」
クロエ「やっぱ洗脳済みなんじゃん。え、こわ。洗脳ってマジであるんすね知らんけど」
チエル「クロエ先輩もどうです? 見てくださいよ、このユニ先輩の姿! チエルに軽~く撫でられただけでぇ……よしよーし♪」
ユニ「ああ……あああああ……!! ああああぁ!! たすけてーーー!!!」
クロエ「どーすんのこれ。ユニちゃん先輩トラウマになっちゃってんじゃん。てか全霊で助け求めちゃってんじゃん」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1568652598
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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/17(火) 01:50:54.96 ID:D6mV02AL0
チエル「クロエせーんぱいっ☆」
クロエ「鳥肌」
ユニ「はぁ、はぁ……。に、逃げるんだクロエ君……。今のチエル君は正気じゃあ──」
チエル「ちぇるちぇる投げキーっCHU♡」
ユニ「……がくり」
クロエ「あー、パイセンの犠牲はムダにしないんで。南無。じゃ、うち帰るわ。お疲れっしたー」
チエル「はーい、お疲れでーす。さてと」
チエル「二人きりになったことですし、ユニちゃん先輩のこと舐め回しちゃいましょうかね。ぺろちぇるりーん☆」
ユニ「待ちたまえクロエ君! 大事な先輩を見殺しにする気かね!? クロエ君!!」
クロエ「ぷー……」
チエル「はいユニ先輩、もう一度お願いしまーす」
ユニ「どうしたのかね、クロエ君。溜息をつくと幸せが逃げてしまうと言う。悩みがあるのならぼくが相談に乗るよ」
クロエ「増えたンすけど悩み」
クロエ「てか、マジでチエルどーしたの? ウザさ跳ね上がりすぎじゃね? 跳ね上がり世界新狙えるわ。知らんけど」
チエル「ウザいついでにちょっとだけハグちぇるしてもいいちぇるか? 先っちょだけでいーんで」
クロエ「…………ユニ先輩。ちょー、ちょー」
ユニ「特に隠れて話す必要はないと思うよ。チエル君の変貌ぶりには当初ぼくも驚愕したが、その原因自体ははっきりしているからね」
クロエ「鳥肌」
ユニ「はぁ、はぁ……。に、逃げるんだクロエ君……。今のチエル君は正気じゃあ──」
チエル「ちぇるちぇる投げキーっCHU♡」
ユニ「……がくり」
クロエ「あー、パイセンの犠牲はムダにしないんで。南無。じゃ、うち帰るわ。お疲れっしたー」
チエル「はーい、お疲れでーす。さてと」
チエル「二人きりになったことですし、ユニちゃん先輩のこと舐め回しちゃいましょうかね。ぺろちぇるりーん☆」
ユニ「待ちたまえクロエ君! 大事な先輩を見殺しにする気かね!? クロエ君!!」
クロエ「ぷー……」
チエル「はいユニ先輩、もう一度お願いしまーす」
ユニ「どうしたのかね、クロエ君。溜息をつくと幸せが逃げてしまうと言う。悩みがあるのならぼくが相談に乗るよ」
クロエ「増えたンすけど悩み」
クロエ「てか、マジでチエルどーしたの? ウザさ跳ね上がりすぎじゃね? 跳ね上がり世界新狙えるわ。知らんけど」
チエル「ウザいついでにちょっとだけハグちぇるしてもいいちぇるか? 先っちょだけでいーんで」
クロエ「…………ユニ先輩。ちょー、ちょー」
ユニ「特に隠れて話す必要はないと思うよ。チエル君の変貌ぶりには当初ぼくも驚愕したが、その原因自体ははっきりしているからね」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/17(火) 01:51:55.06 ID:D6mV02AL0
チエル「チエル別にいつも通りですけど? なんか変なとこあります? ありませんよね? ハグしてもいーですか?」
クロエ「パイセンにどーぞ」
ユニ「えっ」
チエル「ぎゅ~~~っ☆」
ユニ「……ぼくを生贄にするんじゃあないよ。まったく、一度巻きつかれると剥がすのに30分はかかるんだ。前回は34分かかった」
クロエ「経験談ヘビーすぎっしょ。アナコンダかって」
ユニ「と、ともかくだね。チエル君がこうして……」
チエル「すりすりちぇるちぇる……♪」
ユニ「おほん。チエル君がこうして過剰に人の温もりを求めるのは、単に今まであった温もりが失われたからだとぼくは結論づけた。つまり」
チエル「らびゅー……♡ んCHU☆」
ユニ「……続きはチエル君を剥がしてからでも構わないかね?」
クロエ「や、もう分かったンで。てか、なんとなく察しはついてたってーか。あー、端的に換言すれば──」
チエル「…………寂しいです」
ユニ「チエル君……」
クロエ「ぷー……」
クロエ「パイセンにどーぞ」
ユニ「えっ」
チエル「ぎゅ~~~っ☆」
ユニ「……ぼくを生贄にするんじゃあないよ。まったく、一度巻きつかれると剥がすのに30分はかかるんだ。前回は34分かかった」
クロエ「経験談ヘビーすぎっしょ。アナコンダかって」
ユニ「と、ともかくだね。チエル君がこうして……」
チエル「すりすりちぇるちぇる……♪」
ユニ「おほん。チエル君がこうして過剰に人の温もりを求めるのは、単に今まであった温もりが失われたからだとぼくは結論づけた。つまり」
チエル「らびゅー……♡ んCHU☆」
ユニ「……続きはチエル君を剥がしてからでも構わないかね?」
クロエ「や、もう分かったンで。てか、なんとなく察しはついてたってーか。あー、端的に換言すれば──」
チエル「…………寂しいです」
ユニ「チエル君……」
クロエ「ぷー……」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/17(火) 01:52:47.21 ID:D6mV02AL0
ーーーーーーーーーー
アオイ「ぽけー……」
案内客1「このお花キレー! あっ、こっちの虫もキモカワ~!」
案内客2「あのあの、この花はなんていう種類なんですかー?」
アオイ「ほへ~……」
案内客1「ガイドさん? おーい?」
アオイ「ハッ! ごごごごめんなさい聞いてませんでした廊下に立ってましゅっ!!」
案内客2「えーっと、廊下……?」
アオイ「あーーーー!! 違うんです! 廊下……そう、老化! 最近ボケてきちゃってて! ってなんでやねん!」
「ツッコミになってるよ」
アオイ「ぴゃああっ!? あ、あなたは……! どどっ、どうしてここにっ!?」
案内客1「彼氏かな?」
案内客2「えー、でもちょっと地味じゃない?」
アオイ「かっ……!? ち、違いますよっ! 彼氏じゃなくて団ちょっ、団っ…………旦那さんですっ!!!」
アオイ「ぎゃーーーー!? とんでもないミスやらかしたーーーーー!?」
案内客2「旦那ならアリかも」
案内客1「私もはやく結婚したーい」
アオイ「ぽけー……」
案内客1「このお花キレー! あっ、こっちの虫もキモカワ~!」
案内客2「あのあの、この花はなんていう種類なんですかー?」
アオイ「ほへ~……」
案内客1「ガイドさん? おーい?」
アオイ「ハッ! ごごごごめんなさい聞いてませんでした廊下に立ってましゅっ!!」
案内客2「えーっと、廊下……?」
アオイ「あーーーー!! 違うんです! 廊下……そう、老化! 最近ボケてきちゃってて! ってなんでやねん!」
「ツッコミになってるよ」
アオイ「ぴゃああっ!? あ、あなたは……! どどっ、どうしてここにっ!?」
案内客1「彼氏かな?」
案内客2「えー、でもちょっと地味じゃない?」
アオイ「かっ……!? ち、違いますよっ! 彼氏じゃなくて団ちょっ、団っ…………旦那さんですっ!!!」
アオイ「ぎゃーーーー!? とんでもないミスやらかしたーーーーー!?」
案内客2「旦那ならアリかも」
案内客1「私もはやく結婚したーい」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/17(火) 01:54:00.18 ID:D6mV02AL0
アオイ「…………はふぅ」
「お疲れさま」
アオイ「ありがとうございました……。いろいろサポートしてもらっちゃって……」
アオイ「一時はどうなることかと思いましたけど……なんとか乗り越えることができました! あなたのおかげです! えへへ……」
アオイ「……」
アオイ「……実はこのところ、失敗続きで」
アオイ「つい考え事をしちゃったり、ボーッとしてばっかりで……。ほんとーにダメダメなんです、私……」
アオイ「こんなんじゃ、なかよし部の皆さんにも笑われちゃいますよね。笑って……励まされちゃいます」
アオイ「はぁ~……せっかく勇気をもらったのに、私は一向にダメぼっちのまま……。皆さんに合わせる顔がありません……」
アオイ「……え? 今日はお願いがあって来たんですか? わ、私なんかにお願い……?」
アオイ「私にできることなら……なんでもは無理ですけど……」
「なかよし部が大変なことに」
アオイ「!!!」
アオイ「な、なんでもしますっ! ハッ……! お金!? お金ですかっ!? おろしてきます!!!」
アオイ「……はい? とにかく来てほしい……? わ、分かりました、すぐに行きましょう!」
アオイ「あっ、でも今は手元にだいじょぶマイフレンドくん1号がなくて──いえ、なくてもきっと大丈夫! 私はもうだいじょぶです!」
「お疲れさま」
アオイ「ありがとうございました……。いろいろサポートしてもらっちゃって……」
アオイ「一時はどうなることかと思いましたけど……なんとか乗り越えることができました! あなたのおかげです! えへへ……」
アオイ「……」
アオイ「……実はこのところ、失敗続きで」
アオイ「つい考え事をしちゃったり、ボーッとしてばっかりで……。ほんとーにダメダメなんです、私……」
アオイ「こんなんじゃ、なかよし部の皆さんにも笑われちゃいますよね。笑って……励まされちゃいます」
アオイ「はぁ~……せっかく勇気をもらったのに、私は一向にダメぼっちのまま……。皆さんに合わせる顔がありません……」
アオイ「……え? 今日はお願いがあって来たんですか? わ、私なんかにお願い……?」
アオイ「私にできることなら……なんでもは無理ですけど……」
「なかよし部が大変なことに」
アオイ「!!!」
アオイ「な、なんでもしますっ! ハッ……! お金!? お金ですかっ!? おろしてきます!!!」
アオイ「……はい? とにかく来てほしい……? わ、分かりました、すぐに行きましょう!」
アオイ「あっ、でも今は手元にだいじょぶマイフレンドくん1号がなくて──いえ、なくてもきっと大丈夫! 私はもうだいじょぶです!」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/17(火) 01:55:27.50 ID:D6mV02AL0
ーーーーーーーーーー
チエル「おぎゃ」
ユニ「なになに? クロエ君の乳が飲みたいと?」
クロエ「ま、ユニちゃん先輩の乳は飲めないよね。無いし」
ユニ「……おぎゃ」
クロエ「てかなんで赤ちゃんになんのよ。え、寂しいと歳減んの? アンチエイジング的な? なんそれ金の匂いぷんぷんぷんのすけだわ」
チエル「あー、ユニ先輩ってめちゃんこ寂しがり屋さんなんですね……だからこんな……」
ユニ「ふっふっふ。後に成長したぼくと比べたら度肝を抜くだろうさ。今のうちにこの体型を堪能しておくといい」
クロエ「まだ諦めてないんすね。いいですけど。なんかほら、薬とか。魔法の力とか。あれ? 結構夢あるくね?」
チエル「今のままでいいですよ~抱っこしやすいですし~……♪ は~、癒される~……」
クロエ「……」
チエル「あれ? クロエ先輩なんでちょっと不満顔なんです? あ、もしかしてユニ先輩とばっかりラブちぇるしてるもんだからヤキモチ焦がしちゃったんですか?」
チエル「だってだって、チエルがハグハグしにいくとクロエ先輩顔歪むレベルで嫌そーにするんですもん! グー飛んで来たら嫌ですよう!」
クロエ「別に……。ただ、ほら、アレよ。あー……なんか、暇だし。いや知らんけど。何でもいいわもう」
チエル「えっ……ちょっと勇気出そっかな……。出しちゃおっかなー……?」
ユニ「……ふむ。やはりあざといね、クロエ君は」
ユニ「我が学院初の男子生徒である彼や、中等部に編入したての愛されぼっちであるところのアオイ君を誑かすだけでは物足りないと言うのかね」
クロエ「え、何なん。なんでうち悪女キャラになってんのよ。真逆じゃん。清純じゃん。いやどこがじゃなくて」
チエル「おぎゃ」
ユニ「なになに? クロエ君の乳が飲みたいと?」
クロエ「ま、ユニちゃん先輩の乳は飲めないよね。無いし」
ユニ「……おぎゃ」
クロエ「てかなんで赤ちゃんになんのよ。え、寂しいと歳減んの? アンチエイジング的な? なんそれ金の匂いぷんぷんぷんのすけだわ」
チエル「あー、ユニ先輩ってめちゃんこ寂しがり屋さんなんですね……だからこんな……」
ユニ「ふっふっふ。後に成長したぼくと比べたら度肝を抜くだろうさ。今のうちにこの体型を堪能しておくといい」
クロエ「まだ諦めてないんすね。いいですけど。なんかほら、薬とか。魔法の力とか。あれ? 結構夢あるくね?」
チエル「今のままでいいですよ~抱っこしやすいですし~……♪ は~、癒される~……」
クロエ「……」
チエル「あれ? クロエ先輩なんでちょっと不満顔なんです? あ、もしかしてユニ先輩とばっかりラブちぇるしてるもんだからヤキモチ焦がしちゃったんですか?」
チエル「だってだって、チエルがハグハグしにいくとクロエ先輩顔歪むレベルで嫌そーにするんですもん! グー飛んで来たら嫌ですよう!」
クロエ「別に……。ただ、ほら、アレよ。あー……なんか、暇だし。いや知らんけど。何でもいいわもう」
チエル「えっ……ちょっと勇気出そっかな……。出しちゃおっかなー……?」
ユニ「……ふむ。やはりあざといね、クロエ君は」
ユニ「我が学院初の男子生徒である彼や、中等部に編入したての愛されぼっちであるところのアオイ君を誑かすだけでは物足りないと言うのかね」
クロエ「え、何なん。なんでうち悪女キャラになってんのよ。真逆じゃん。清純じゃん。いやどこがじゃなくて」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/17(火) 01:56:13.41 ID:D6mV02AL0
コンコン
ユニ「おや? 来訪者とはまた珍妙な」
チエル「珍妙なのはユニ先輩でしょうに。てゆーか来たの先輩ですよ、きっと。今日遅れて来るって言ってましたし」
クロエ「あー、言ってた。言ってたわ。てか、いないの今気づいたわ」
チエル「またまた~♪ 寂しそうにキョロりんこしてたの気づいてましたよー?」
ユニ「ではクロエ君、応対を頼めるかな。ぼくはこの通りチエル君の魔の手に堕ち、どうにも動けないのだよ」
チエル「むぎゅりんこすりりんこ~♪ ユニニウム充填中~☆」
クロエ「ぷー……。面倒ぃーけど、ま、しゃーない。はいはい、開けます開けますよ」
ガチャ
クロエ「あ? やっぱあんたじゃん。てか、え、何その巨大な箱。どっから持ってきたのよ?」
ユニ「やあ、同志よ。荷物の搬入とは、また精勤なものだね。教員に運ぶよう頼まれた教材か何かだろうか?」
チエル「言ってくれたら手伝ったのにー。先輩ってば水臭いなぁ、もぉー」
箱「……元気よく飛び出して挨拶元気よく飛び出して挨拶元気よく飛び出して──」
クロエ「…………あ?」
「何か聞こえた?」
クロエ「求む説明。秒で。耳打ち、ほらはやく。バレっから」
ユニ「おや? 来訪者とはまた珍妙な」
チエル「珍妙なのはユニ先輩でしょうに。てゆーか来たの先輩ですよ、きっと。今日遅れて来るって言ってましたし」
クロエ「あー、言ってた。言ってたわ。てか、いないの今気づいたわ」
チエル「またまた~♪ 寂しそうにキョロりんこしてたの気づいてましたよー?」
ユニ「ではクロエ君、応対を頼めるかな。ぼくはこの通りチエル君の魔の手に堕ち、どうにも動けないのだよ」
チエル「むぎゅりんこすりりんこ~♪ ユニニウム充填中~☆」
クロエ「ぷー……。面倒ぃーけど、ま、しゃーない。はいはい、開けます開けますよ」
ガチャ
クロエ「あ? やっぱあんたじゃん。てか、え、何その巨大な箱。どっから持ってきたのよ?」
ユニ「やあ、同志よ。荷物の搬入とは、また精勤なものだね。教員に運ぶよう頼まれた教材か何かだろうか?」
チエル「言ってくれたら手伝ったのにー。先輩ってば水臭いなぁ、もぉー」
箱「……元気よく飛び出して挨拶元気よく飛び出して挨拶元気よく飛び出して──」
クロエ「…………あ?」
「何か聞こえた?」
クロエ「求む説明。秒で。耳打ち、ほらはやく。バレっから」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/17(火) 01:56:49.81 ID:D6mV02AL0
クロエ「ふん、ふん……え、イミフ。や、分かったけど。ぷー……」
チエル「おーい。二人で何やってんですかー。チエル寂しくてバブっちゃうぞー」
ユニ「ち、チエル君……前のめりになるのは構わないが、せめてぼくを下敷きにするのはやめ、やめっ……あああぅぅ……」
箱「ひぃっ……!? 呻き声が聞こえるっ!?」
クロエ「……だいじょぶだから。静かに」
箱「えっ? そ、その声はクロエさん……? あぁ、よかったぁ……拷問部屋に誤配されたのかと思っちゃいましたよ~……」
クロエ「誤配先エグすぎ。てか何注文したん拷問屋」
チエル「ねーねー、せんぷぁーい。その箱ってなんなんです? チエル開封の儀マジラブ勢なんですよぉ。チエルに開けさせてくれません?」
箱「ドキーッ!?」
クロエ「……どーする?」
「どうしよう……」
クロエ「作戦ショボくね? どーなってんの? 秒で崩れてんじゃん。ま、うちがなんとか……面倒ぃーけど。せっかくだし」
ユニ「おお、背中に感じるこの感触はチエル君の……。ふむ、ただの脂肪の塊と侮っていたが、なるほど。世の男性が魅了される気持ちが少しだけ理解できた気がするよ」
チエル「え、ちょ、ナチュラルに性癖目覚めさせないでくれません? チエル責任取れませんからね?」
クロエ「っし。パイセンたちがじゃれあってるうちに──部屋の真ん中に……っと。うわ重。腰砕け散る」
箱「ごめんなさいごめんなさい……! ちゃんと痩せます! 今痩せます! 骨とか削って……あ、服を脱げば……」
クロエ「……いーからおとなしくしとけっつの。箱入りマッパ娘とか未来すぎてもはや過去だわ。てか童話だわ」
チエル「おーい。二人で何やってんですかー。チエル寂しくてバブっちゃうぞー」
ユニ「ち、チエル君……前のめりになるのは構わないが、せめてぼくを下敷きにするのはやめ、やめっ……あああぅぅ……」
箱「ひぃっ……!? 呻き声が聞こえるっ!?」
クロエ「……だいじょぶだから。静かに」
箱「えっ? そ、その声はクロエさん……? あぁ、よかったぁ……拷問部屋に誤配されたのかと思っちゃいましたよ~……」
クロエ「誤配先エグすぎ。てか何注文したん拷問屋」
チエル「ねーねー、せんぷぁーい。その箱ってなんなんです? チエル開封の儀マジラブ勢なんですよぉ。チエルに開けさせてくれません?」
箱「ドキーッ!?」
クロエ「……どーする?」
「どうしよう……」
クロエ「作戦ショボくね? どーなってんの? 秒で崩れてんじゃん。ま、うちがなんとか……面倒ぃーけど。せっかくだし」
ユニ「おお、背中に感じるこの感触はチエル君の……。ふむ、ただの脂肪の塊と侮っていたが、なるほど。世の男性が魅了される気持ちが少しだけ理解できた気がするよ」
チエル「え、ちょ、ナチュラルに性癖目覚めさせないでくれません? チエル責任取れませんからね?」
クロエ「っし。パイセンたちがじゃれあってるうちに──部屋の真ん中に……っと。うわ重。腰砕け散る」
箱「ごめんなさいごめんなさい……! ちゃんと痩せます! 今痩せます! 骨とか削って……あ、服を脱げば……」
クロエ「……いーからおとなしくしとけっつの。箱入りマッパ娘とか未来すぎてもはや過去だわ。てか童話だわ」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/17(火) 01:59:18.31 ID:D6mV02AL0
クロエ「…………だる」
「ありがとう」
クロエ「報酬ガン積みでヨロ」
チエル「あ、箱! 箱開けていいです? いいですよねっ? くんくん、はすはす……☆」
ユニ「後輩、いいのかね? 無理に要求を飲む必要はないのだよ? 駄目なら駄目と言ってくれて構わないが」
「むしろ開けてほしい」
クロエ「……アオイ、準備」
箱「はひっ……!」
チエル「くんかくんか……んん? はすはすはすはす……」
箱「…………」
ユニ「チエル君、早く開けたまえよ。どうやらぼくたち宛ての荷物のようだ。彼がそう言っているんだから間違いないとも」
ユニ「ふふ、中身は何だろうね。チエル君ではないが、荷解きをする時は心が躍る。実際は、開けてガッカリという至極残念なこともあるのだが」
チエル「……アオイちゃん?」
箱「……!」
ガタッ
ユニ「うわっ!? は、箱が動いた! ……ふむ、これはまたとないチャンスなのでは? ふぇぇ……お兄ちゃん、ユニ怖いよぉ……」
クロエ「抜かりなく空回りとか流石っすねパイセン」
「ありがとう」
クロエ「報酬ガン積みでヨロ」
チエル「あ、箱! 箱開けていいです? いいですよねっ? くんくん、はすはす……☆」
ユニ「後輩、いいのかね? 無理に要求を飲む必要はないのだよ? 駄目なら駄目と言ってくれて構わないが」
「むしろ開けてほしい」
クロエ「……アオイ、準備」
箱「はひっ……!」
チエル「くんかくんか……んん? はすはすはすはす……」
箱「…………」
ユニ「チエル君、早く開けたまえよ。どうやらぼくたち宛ての荷物のようだ。彼がそう言っているんだから間違いないとも」
ユニ「ふふ、中身は何だろうね。チエル君ではないが、荷解きをする時は心が躍る。実際は、開けてガッカリという至極残念なこともあるのだが」
チエル「……アオイちゃん?」
箱「……!」
ガタッ
ユニ「うわっ!? は、箱が動いた! ……ふむ、これはまたとないチャンスなのでは? ふぇぇ……お兄ちゃん、ユニ怖いよぉ……」
クロエ「抜かりなく空回りとか流石っすねパイセン」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/17(火) 01:59:50.29 ID:D6mV02AL0
チエル「え……? えっ……? せ、先輩……? これって──」
がさごそ……
アオイ「ドーーーン!!!」
クロエ「……っ」
アオイ「元気にこんにちは! 不肖アオイ、皆さんのお力に──」
チエル「アオイちゃーーーん!!!」
がばーっ!
アオイ「ひょわぁああっ!?」
チエル「アオイちゃんアオイちゃんアオイちゃーん! ふぇぇん!」
ユニ「……とんだビックリ箱じゃあないか。いやあ、驚いたよ。あまりの驚きに心の制御がおぼつかない。端的に換言すれば、泣いちゃいそう」
クロエ「うち的にチエルの嗅覚に驚愕なんだけど。今後の付き合い考えるくらい驚いたわ」
チエル「ずびびずばぶべえ……」
クロエ「ま、よかったじゃん。何言ってンのか分かんないけど。嬉しそうなのは、まぁ、分かるし」
ユニ「ふふ、登場の仕方に文句は言うまいよ。ただアオイ君と再会できただけで、ぼくらは何事にも代え難いほどの喜びを感じているのだからね」
アオイ「きゅぅ……」
ユニ「……ただまぁ、それを受け止めるだけの耐性がアオイ君には備わっていなかったようだが」
チエル「人工──」
クロエ「それ息の根止まるやつ」
がさごそ……
アオイ「ドーーーン!!!」
クロエ「……っ」
アオイ「元気にこんにちは! 不肖アオイ、皆さんのお力に──」
チエル「アオイちゃーーーん!!!」
がばーっ!
アオイ「ひょわぁああっ!?」
チエル「アオイちゃんアオイちゃんアオイちゃーん! ふぇぇん!」
ユニ「……とんだビックリ箱じゃあないか。いやあ、驚いたよ。あまりの驚きに心の制御がおぼつかない。端的に換言すれば、泣いちゃいそう」
クロエ「うち的にチエルの嗅覚に驚愕なんだけど。今後の付き合い考えるくらい驚いたわ」
チエル「ずびびずばぶべえ……」
クロエ「ま、よかったじゃん。何言ってンのか分かんないけど。嬉しそうなのは、まぁ、分かるし」
ユニ「ふふ、登場の仕方に文句は言うまいよ。ただアオイ君と再会できただけで、ぼくらは何事にも代え難いほどの喜びを感じているのだからね」
アオイ「きゅぅ……」
ユニ「……ただまぁ、それを受け止めるだけの耐性がアオイ君には備わっていなかったようだが」
チエル「人工──」
クロエ「それ息の根止まるやつ」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/17(火) 02:01:04.15 ID:D6mV02AL0
チエル「気を取り直して~……☆ アオイちゃんっ、ちぇっるーん♪」
クロエ「まだ諦めてなかったんそれ。流行んねっつの」
アオイ「えっと、あのっ、そのぅ……」
クロエ「久しぶりだね。何日振りかは知んないけど、アレ以来会えてなかったし」
ユニ「編入期間が終わってから、つまり15日前から一度も会えていなかったわけだ。寂しくもなろう」
アオイ「そ、そうですね……。私、ずっと皆さんに会いたかった……」
チエル「そんなのチエルたちだって一緒だよぉ! アオイちゃんのこと、みんなでずーっと話しててっ!」
アオイ「そう、なんですか……? てっきり私のことなんて忘れられちゃったのかと……」
ユニ「忘れるはずないじゃあないか。我々ユニちゃんズがアオイ君と過ごした期間はごく短い日数ではあったが──」
クロエ「さりげ死霊ネーム混ぜないでほしいんすけど」
クロエ「……ま、あんな経験そーできるもんじゃないし。忘れろっつー方が無理くね?」
アオイ「皆さん……。うぅ、優しさで溺れ死にそうです……心なしか息が……ぶくぶく……」
チエル「アオイちゃんしっかり! 優しさは肺には行かないよ! そうだ、一緒に深呼吸しよっか♪ はい、吸ってー☆」
アオイ「す、すうぅっ……」
チエル「吐いてーーー♪」
アオイ「うぷっ……」
クロエ「いや意味ちげーし。緊張で吐きそうになってんじゃん」
ユニ「……ああ、懐かしい。つい先日のことだというのに、こうも胸が熱くなるとは。これが青春……んふふ……」
クロエ「まだ諦めてなかったんそれ。流行んねっつの」
アオイ「えっと、あのっ、そのぅ……」
クロエ「久しぶりだね。何日振りかは知んないけど、アレ以来会えてなかったし」
ユニ「編入期間が終わってから、つまり15日前から一度も会えていなかったわけだ。寂しくもなろう」
アオイ「そ、そうですね……。私、ずっと皆さんに会いたかった……」
チエル「そんなのチエルたちだって一緒だよぉ! アオイちゃんのこと、みんなでずーっと話しててっ!」
アオイ「そう、なんですか……? てっきり私のことなんて忘れられちゃったのかと……」
ユニ「忘れるはずないじゃあないか。我々ユニちゃんズがアオイ君と過ごした期間はごく短い日数ではあったが──」
クロエ「さりげ死霊ネーム混ぜないでほしいんすけど」
クロエ「……ま、あんな経験そーできるもんじゃないし。忘れろっつー方が無理くね?」
アオイ「皆さん……。うぅ、優しさで溺れ死にそうです……心なしか息が……ぶくぶく……」
チエル「アオイちゃんしっかり! 優しさは肺には行かないよ! そうだ、一緒に深呼吸しよっか♪ はい、吸ってー☆」
アオイ「す、すうぅっ……」
チエル「吐いてーーー♪」
アオイ「うぷっ……」
クロエ「いや意味ちげーし。緊張で吐きそうになってんじゃん」
ユニ「……ああ、懐かしい。つい先日のことだというのに、こうも胸が熱くなるとは。これが青春……んふふ……」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/17(火) 02:01:49.79 ID:D6mV02AL0
アオイ「そ、そうだっ……! 今日は皆さんの力になりに来たんでした!」
アオイ「皆さんが困ってるって聞いたから……私にできることならって駆けつけたんです!」
チエル「困ってること? チエルたちが? クロエ先輩、心当たりあります?」
クロエ「さあ。チエルのウザ絡みには困ってっけど。けどまぁ、いつもだし」
チエル「えー、ひっどーい! 照れ隠しはもっと可愛くやってくださいよう!」
クロエ「ウッザ……」
ユニ「ぼくも特には思いつかないな。小さな困りごとすら無いとは言わないが、生活は概ね順調と言える」
アオイ「あ、あれ……? あの、これは一体……?」
「なかよし部が大変だって言った」
アオイ「えーっと……? 皆さんが大変で、困ってて、困ってなくて? あれ~……?」
クロエ「あー……まぁ大変だったは大変だった。てか、もう解決済みだわ」
チエル「んー、なるほどです。たしかにもう解決しちゃいましたねっ☆」
アオイ「えぇっ!? で、出遅れた……がくりっ……」
ユニ「そう肩を落とすものではないよ、アオイ君。君が来たことで事態は丸く収まったのだから」
ユニ「ぼくらは間違いなく大変だったんだ。君が学院を去ってからというもの、心にぽっかりと穴が開いてしまったようでね」
チエル「寂しすぎて赤ちゃんになっちゃったんだよ……。ばぶぅ」
アオイ「えっ……? ばぶ、えっ……?」
アオイ「皆さんが困ってるって聞いたから……私にできることならって駆けつけたんです!」
チエル「困ってること? チエルたちが? クロエ先輩、心当たりあります?」
クロエ「さあ。チエルのウザ絡みには困ってっけど。けどまぁ、いつもだし」
チエル「えー、ひっどーい! 照れ隠しはもっと可愛くやってくださいよう!」
クロエ「ウッザ……」
ユニ「ぼくも特には思いつかないな。小さな困りごとすら無いとは言わないが、生活は概ね順調と言える」
アオイ「あ、あれ……? あの、これは一体……?」
「なかよし部が大変だって言った」
アオイ「えーっと……? 皆さんが大変で、困ってて、困ってなくて? あれ~……?」
クロエ「あー……まぁ大変だったは大変だった。てか、もう解決済みだわ」
チエル「んー、なるほどです。たしかにもう解決しちゃいましたねっ☆」
アオイ「えぇっ!? で、出遅れた……がくりっ……」
ユニ「そう肩を落とすものではないよ、アオイ君。君が来たことで事態は丸く収まったのだから」
ユニ「ぼくらは間違いなく大変だったんだ。君が学院を去ってからというもの、心にぽっかりと穴が開いてしまったようでね」
チエル「寂しすぎて赤ちゃんになっちゃったんだよ……。ばぶぅ」
アオイ「えっ……? ばぶ、えっ……?」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/17(火) 02:03:25.78 ID:D6mV02AL0
クロエ「うちもまぁ、顔見たいなって思ってたよ。いや、ほら、アレじゃん。うちら……アレじゃん」
チエル「友達、ですよねっクロエ先輩♪」
アオイ「とも、だち……? あ、夕立の誤植でしょうか……?」
ユニ「素直に受け取りたまえよ。ぼくらはもう友達じゃあないか。友人、フレンズ、言い方はどれでもいいがね」
アオイ「ととと、ともっ、とももももっ……!!」
チエル「だからさ、アオイちゃん。たまには一緒に遊ぼーよ。ねっ?」
チエル「空いてる時間教えてくれたらチエルが会いに行くし、ふらっと学院に来てくれてもいいしさ」
アオイ「あ……あ……」
ユニ「そうそう、一度エルフの森を散策してみたいのだが、どうだろうか」
ユニ「先日起きたマンドラゴラの一件で、新たな知識をこれでもかと得ることができた。学術的な見地から言っても、エルフの森の散策はとても有意義なものになるだろう」
アオイ「あぁぁ……あああああ…………」
クロエ「アオイこれ聞いてなくね。カンペキ自分の世界の扉開いちゃってんじゃん」
アオイ「ああああっ!! やーーーったーーーーー!!! 初めて友達できたーーーーー!!!」
チエル「あはっ、よかったねアオイちゃんっ☆」
チエル「てか気になってたんですけどぉ、先輩ってアオイちゃんのなんなんです? パシリ?」
クロエ「友達扱いされてないとか。謎過ぎて逆にウケる」
ユニ「彼女なりの友達基準があるのだろう。ぼくにはよく分かる。アオイ君にとっての彼はおそらく志を同じくする、謂わば同志」
チエル「や、そういうのチエルよく分かんないんで。みんな友達、みんなハッピー。おっけー? いぇーい♪」
ユニ「そういうところだぞ、チエル君。だから君はいつまでたっても試練なのだ」
チエル「まだ試練扱い!?」
チエル「友達、ですよねっクロエ先輩♪」
アオイ「とも、だち……? あ、夕立の誤植でしょうか……?」
ユニ「素直に受け取りたまえよ。ぼくらはもう友達じゃあないか。友人、フレンズ、言い方はどれでもいいがね」
アオイ「ととと、ともっ、とももももっ……!!」
チエル「だからさ、アオイちゃん。たまには一緒に遊ぼーよ。ねっ?」
チエル「空いてる時間教えてくれたらチエルが会いに行くし、ふらっと学院に来てくれてもいいしさ」
アオイ「あ……あ……」
ユニ「そうそう、一度エルフの森を散策してみたいのだが、どうだろうか」
ユニ「先日起きたマンドラゴラの一件で、新たな知識をこれでもかと得ることができた。学術的な見地から言っても、エルフの森の散策はとても有意義なものになるだろう」
アオイ「あぁぁ……あああああ…………」
クロエ「アオイこれ聞いてなくね。カンペキ自分の世界の扉開いちゃってんじゃん」
アオイ「ああああっ!! やーーーったーーーーー!!! 初めて友達できたーーーーー!!!」
チエル「あはっ、よかったねアオイちゃんっ☆」
チエル「てか気になってたんですけどぉ、先輩ってアオイちゃんのなんなんです? パシリ?」
クロエ「友達扱いされてないとか。謎過ぎて逆にウケる」
ユニ「彼女なりの友達基準があるのだろう。ぼくにはよく分かる。アオイ君にとっての彼はおそらく志を同じくする、謂わば同志」
チエル「や、そういうのチエルよく分かんないんで。みんな友達、みんなハッピー。おっけー? いぇーい♪」
ユニ「そういうところだぞ、チエル君。だから君はいつまでたっても試練なのだ」
チエル「まだ試練扱い!?」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/17(火) 02:04:44.14 ID:D6mV02AL0
アオイ「はぁ、はぁ……げほっ、げほっ!」
ユニ「まあまあ、落ち着いて茶でもどうかね。お菓子もあるよ」
アオイ「あ、ありがとうございます……ずずっ」
チエル「はい、あーんっ☆」
アオイ「もがっ!?」
クロエ「あーんの威力考えろし。ほらアオイ、茶ー」
アオイ「……ごくっ、ごくっ」
チエル「はい、あーんっ♪」
アオイ「むぐぅ!?」
ユニ「ふむ。喉に詰まらせたらことだ。ささ、茶でもどうかね」
アオイ「むぐむぐ……も、もう結構ですぅ……」
チエル「はい、あーんっ♡」
ユニ「もがぁ」
アオイ「ふふっ、あははっ……!」
アオイ「やっぱり楽しいなぁ……♪ キラキラなチエルさん、優しいクロエさん、おもしろいユニさん……」
ユニ「ぼくがお笑い担当とな。再考を要求する。セクシー担当希望」
チエル「今アオイちゃんが話してるんで座っててもらっていいです?」
ユニ「……」
クロエ「膝抱えなくていーんで。てか、ふつーに座ってくんないすか」
ユニ「まあまあ、落ち着いて茶でもどうかね。お菓子もあるよ」
アオイ「あ、ありがとうございます……ずずっ」
チエル「はい、あーんっ☆」
アオイ「もがっ!?」
クロエ「あーんの威力考えろし。ほらアオイ、茶ー」
アオイ「……ごくっ、ごくっ」
チエル「はい、あーんっ♪」
アオイ「むぐぅ!?」
ユニ「ふむ。喉に詰まらせたらことだ。ささ、茶でもどうかね」
アオイ「むぐむぐ……も、もう結構ですぅ……」
チエル「はい、あーんっ♡」
ユニ「もがぁ」
アオイ「ふふっ、あははっ……!」
アオイ「やっぱり楽しいなぁ……♪ キラキラなチエルさん、優しいクロエさん、おもしろいユニさん……」
ユニ「ぼくがお笑い担当とな。再考を要求する。セクシー担当希望」
チエル「今アオイちゃんが話してるんで座っててもらっていいです?」
ユニ「……」
クロエ「膝抱えなくていーんで。てか、ふつーに座ってくんないすか」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/17(火) 02:06:16.15 ID:D6mV02AL0
アオイ「今日、私が呼ばれた意味がようやく分かりました……!」
アオイ「必要とされているんですね、私……」
チエル「うんうん、チエルたちにはアオイちゃんが必須栄養素なんだよー? アオイ酸。ないと枯れる。マジマジ」
アオイ「…………ツッコミとして!」
クロエ「あ?」
ユニ「セルフツッコミの構えと見た。座して待つべし」
チエル「アレ絶対天然ですって! 誰かツッコミを! ツッコミを入れてあげて!」
アオイ「なんでやねん!」
チエル「チエルに来たー!?」
クロエ「……ま、いんじゃね。こんなもんじゃん。普段も、つかアレよ。うちらと気があうのって──」
ユニ「ふふ、それでこそユニちゃんズ構成員としてふさわしい、と言えるのかもしれないね」
チエル「え、なんかキレーに纏めようとしてません? ふつーに親交温めようって気ないんです? てかクソダサい名前で括んないでください迷惑なんで」
アオイ「み、皆さんっ!」
アオイ「私、今後も気軽に遊びに来てよろしいんでしょうかっ!」
クロエ「許可とかいらんでしょ、別に。来たいならさ、来ればいーよ。友達なんだしいつでも。……待ってるから」
ユニ「待ってばかりいないで自分から動いたらどうなのかね。まったく、これだから女狐は嫌なのだ。好感度だけ稼いであとは知らん顔とは。恥を知れ恥を」
クロエ「当たりつよつよのつよ。いいけど。知らんし。どーでも」
アオイ「必要とされているんですね、私……」
チエル「うんうん、チエルたちにはアオイちゃんが必須栄養素なんだよー? アオイ酸。ないと枯れる。マジマジ」
アオイ「…………ツッコミとして!」
クロエ「あ?」
ユニ「セルフツッコミの構えと見た。座して待つべし」
チエル「アレ絶対天然ですって! 誰かツッコミを! ツッコミを入れてあげて!」
アオイ「なんでやねん!」
チエル「チエルに来たー!?」
クロエ「……ま、いんじゃね。こんなもんじゃん。普段も、つかアレよ。うちらと気があうのって──」
ユニ「ふふ、それでこそユニちゃんズ構成員としてふさわしい、と言えるのかもしれないね」
チエル「え、なんかキレーに纏めようとしてません? ふつーに親交温めようって気ないんです? てかクソダサい名前で括んないでください迷惑なんで」
アオイ「み、皆さんっ!」
アオイ「私、今後も気軽に遊びに来てよろしいんでしょうかっ!」
クロエ「許可とかいらんでしょ、別に。来たいならさ、来ればいーよ。友達なんだしいつでも。……待ってるから」
ユニ「待ってばかりいないで自分から動いたらどうなのかね。まったく、これだから女狐は嫌なのだ。好感度だけ稼いであとは知らん顔とは。恥を知れ恥を」
クロエ「当たりつよつよのつよ。いいけど。知らんし。どーでも」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/17(火) 02:08:08.46 ID:D6mV02AL0
チエル「アオイちゃん! チエルもアオイちゃんとこ遊びに行くよ! 場所の指定とかしてくれたらお仕事の邪魔とかしないで済むかも?」
アオイ「は、はいっ! 戸籍表を見せればいいでしょうか!?」
ユニ「役所にでも行くつもりかね。口頭で伝えたまえよ。ある程度の位置さえ分かれば十分だ。いざとなれば、彼の頼りない記憶に縋ることもできる」
クロエ「なんで一人だと行けんのに道案内はできないんだろね。事務レベル5歳児ナメんなっつって。はー、つっかえ」
アオイ「あぁ……これが友達……! マイフレンド……!」
チエル「そうだよ~? いいでしょ、友達って♪」
アオイ「はいっ! 素晴らしすぎて滑舌が良くなっちゃいました! あいうえおらりるれろ!」
チエル「おにゃのこ同士だとハグとかチューもするんだよー? おいでおいでー☆」
アオイ「ひぃぃ……!」
チエル「……ダメか」
ユニ「さあ、諸君。堅苦しい挨拶は抜きにしようじゃあないか。せっかくこうして再会できたのだから、盛大にパーティーを開くのはどうかね」
クロエ「菓子菓子茶菓子、菓子茶茶茶的な。チエルが溜め込んだ食糧放出しよ。買い出し面倒ぃーし」
チエル「参加費は後日徴収ってことでヨロでーす。あっ、アオイちゃんはもちろん無料だよっ♪ ちぇっるーん☆」
ユニ「ふむ。クラッカーはぼくの魔法で代用するとしよう。さて、グラスを持ってくれたまえ。乾杯の音頭はユニちゃんズを代表してぼくが──」
チエル・クロエ「かんぱーい!」
アオイ「か、かんぱーい……♪」
ユニ「…………再会を祝して」
パンパンパーン!
アオイ「えへへ……皆さんっ、不束者ですがこれからもよろしくお願いしますっ!!」
アオイ「は、はいっ! 戸籍表を見せればいいでしょうか!?」
ユニ「役所にでも行くつもりかね。口頭で伝えたまえよ。ある程度の位置さえ分かれば十分だ。いざとなれば、彼の頼りない記憶に縋ることもできる」
クロエ「なんで一人だと行けんのに道案内はできないんだろね。事務レベル5歳児ナメんなっつって。はー、つっかえ」
アオイ「あぁ……これが友達……! マイフレンド……!」
チエル「そうだよ~? いいでしょ、友達って♪」
アオイ「はいっ! 素晴らしすぎて滑舌が良くなっちゃいました! あいうえおらりるれろ!」
チエル「おにゃのこ同士だとハグとかチューもするんだよー? おいでおいでー☆」
アオイ「ひぃぃ……!」
チエル「……ダメか」
ユニ「さあ、諸君。堅苦しい挨拶は抜きにしようじゃあないか。せっかくこうして再会できたのだから、盛大にパーティーを開くのはどうかね」
クロエ「菓子菓子茶菓子、菓子茶茶茶的な。チエルが溜め込んだ食糧放出しよ。買い出し面倒ぃーし」
チエル「参加費は後日徴収ってことでヨロでーす。あっ、アオイちゃんはもちろん無料だよっ♪ ちぇっるーん☆」
ユニ「ふむ。クラッカーはぼくの魔法で代用するとしよう。さて、グラスを持ってくれたまえ。乾杯の音頭はユニちゃんズを代表してぼくが──」
チエル・クロエ「かんぱーい!」
アオイ「か、かんぱーい……♪」
ユニ「…………再会を祝して」
パンパンパーン!
アオイ「えへへ……皆さんっ、不束者ですがこれからもよろしくお願いしますっ!!」
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/17(火) 02:08:40.26 ID:D6mV02AL0
おしまい
引用元: クロエ「てかアオイ遊び来ないねっつって。チエルが。ま、それだけなンだけど」
ノゾミ「アイドル恋愛テクニック?」
2020-04-26
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/12(金) 16:46:58.38 ID:zZTwO4st0
騎士君名前デフォネーム「ユウキ」でしゃべる
ノゾミ「これが次の企画なんですか?」
クリス「そうだ。お前達アイドルが男に対してどう接するのか、それを観察するという趣旨だな」
ノゾミ「一応アイドルは恋愛禁止なんですけど……」
クリス「だからこそじゃないか」
ノゾミ「??」
クリス「普段恋が出来ないということは、逆に言えば恋をしたときどんな対応や行動をするのかというのはやはり気になるものだ」
ノゾミ「うーん……」
クリス「なに、結局はただのイベント企画さ。本気で恋をしろなんていうわけじゃない」
ノゾミ「そうですけど……」
クリス「なによりこれを放映するのはあの超大手の番組会社だ。成功すればトップアイドルにまた近づけるぞ?」
ノゾミ「うっ……」
クリス「目の前にぶら下がっているチャンスをみすみす見逃すか?だとすればプロデューサーとしてお前を見誤っていたようだ」
ノゾミ「あぁもう……分かりました!その企画乗ります!」
クリス「クックック……そうこなくてはな」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1562917618
ノゾミ「これが次の企画なんですか?」
クリス「そうだ。お前達アイドルが男に対してどう接するのか、それを観察するという趣旨だな」
ノゾミ「一応アイドルは恋愛禁止なんですけど……」
クリス「だからこそじゃないか」
ノゾミ「??」
クリス「普段恋が出来ないということは、逆に言えば恋をしたときどんな対応や行動をするのかというのはやはり気になるものだ」
ノゾミ「うーん……」
クリス「なに、結局はただのイベント企画さ。本気で恋をしろなんていうわけじゃない」
ノゾミ「そうですけど……」
クリス「なによりこれを放映するのはあの超大手の番組会社だ。成功すればトップアイドルにまた近づけるぞ?」
ノゾミ「うっ……」
クリス「目の前にぶら下がっているチャンスをみすみす見逃すか?だとすればプロデューサーとしてお前を見誤っていたようだ」
ノゾミ「あぁもう……分かりました!その企画乗ります!」
クリス「クックック……そうこなくてはな」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1562917618
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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/12(金) 16:47:43.04 ID:zZTwO4st0
ノゾミ「でも、過激なのは一切NGですよ!」
クリス「そこは私が監修するから安心すると良い。絶対に退屈させないものを提供するよ」
ノゾミ「ちなみにチカとツムギはどうするんですか?」
クリス「あの二人は今回は不参加だ。どうしても都合が合わなくてな……」
ノゾミ「ってことは一人かぁ……昔はずっとソロだったから慣れてるけど、やっぱ少し寂しいなぁ」
クリス「ふっ、むしろ一人でよかったと思うかもしれないぞ?」
ノゾミ「どういうことですか?」
クリス「それは当日を楽しみにしておくといい」
ノゾミ「はぁ……」
クリス「ふははははは!!」
ノゾミ(こんな楽しそうなプロデューサー……絶対嫌な予感がする……)
クリス「そこは私が監修するから安心すると良い。絶対に退屈させないものを提供するよ」
ノゾミ「ちなみにチカとツムギはどうするんですか?」
クリス「あの二人は今回は不参加だ。どうしても都合が合わなくてな……」
ノゾミ「ってことは一人かぁ……昔はずっとソロだったから慣れてるけど、やっぱ少し寂しいなぁ」
クリス「ふっ、むしろ一人でよかったと思うかもしれないぞ?」
ノゾミ「どういうことですか?」
クリス「それは当日を楽しみにしておくといい」
ノゾミ「はぁ……」
クリス「ふははははは!!」
ノゾミ(こんな楽しそうなプロデューサー……絶対嫌な予感がする……)
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/12(金) 16:49:11.35 ID:zZTwO4st0
司会「やってきました今回の企画はぁ!!ズバリ!『アイドル恋愛テクニック!~その可愛さで魅了される男たち~』でございます!」
司会「そして今回協力を頂いたアイドルは!!今ランドソルで名前を知らぬものなどいない!超人気アイドルグループカルミナのリーダー!ノゾミさんです!!」
ノゾミ「こんにちは!みんな元気ー!?今日もリズム上げていくから、応援よろしくね!!」
司会「弾けるような眩しいご挨拶をありがとうございますノゾミさん!」
ノゾミ「いえ、私こそこうして番組に出演することが出来て光栄です!」
司会「ちなみにノゾミさん、今回の企画の意気込みについて一言お願いできますか?」
ノゾミ「そうですね……私たちアイドルは恋愛禁止だけど、今日は一人の女の子としての私を皆にお届け出来たらなと思います」
司会「なるほどかしこまりました。それでは早速、皆様もお気になっているであろうお相手の方にご登場頂きましょう!」
ノゾミ「誰なのかは抽選で決めたのでしたよね?」
司会「その通りです!カルミナのプロデューサーのクリスさんが厳正な抽選の元決定したと聞いております!なんと応募総数は100万人を超えたとか!」
ノゾミ「凄く嬉しいです!全く知らない人は少し怖いですけど、私のファンの方に間違いないと思いますし頑張ります!」
司会「それではお越しください!」
ノゾミ(普通の人だといいなぁ)←水を飲んでる
司会「ランドソルお住いの一般男性!美食殿在籍、しかし様々なギルドや町の便利屋をこなす人気者!騎士君ことユウキさんです!」
ユウキ「どうも~」
ノゾミ「ぶぼはぁ!!」
司会「そして今回協力を頂いたアイドルは!!今ランドソルで名前を知らぬものなどいない!超人気アイドルグループカルミナのリーダー!ノゾミさんです!!」
ノゾミ「こんにちは!みんな元気ー!?今日もリズム上げていくから、応援よろしくね!!」
司会「弾けるような眩しいご挨拶をありがとうございますノゾミさん!」
ノゾミ「いえ、私こそこうして番組に出演することが出来て光栄です!」
司会「ちなみにノゾミさん、今回の企画の意気込みについて一言お願いできますか?」
ノゾミ「そうですね……私たちアイドルは恋愛禁止だけど、今日は一人の女の子としての私を皆にお届け出来たらなと思います」
司会「なるほどかしこまりました。それでは早速、皆様もお気になっているであろうお相手の方にご登場頂きましょう!」
ノゾミ「誰なのかは抽選で決めたのでしたよね?」
司会「その通りです!カルミナのプロデューサーのクリスさんが厳正な抽選の元決定したと聞いております!なんと応募総数は100万人を超えたとか!」
ノゾミ「凄く嬉しいです!全く知らない人は少し怖いですけど、私のファンの方に間違いないと思いますし頑張ります!」
司会「それではお越しください!」
ノゾミ(普通の人だといいなぁ)←水を飲んでる
司会「ランドソルお住いの一般男性!美食殿在籍、しかし様々なギルドや町の便利屋をこなす人気者!騎士君ことユウキさんです!」
ユウキ「どうも~」
ノゾミ「ぶぼはぁ!!」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/12(金) 16:50:08.51 ID:zZTwO4st0
司会「ど、どうされましたかノゾミさん!?」
ノゾミ「な……なん……!い、いえ!大丈夫です!ちょっと緊張してむせちゃっただけです!」
司会「そうでしたか、後で代わりのお水ご用意いたしますね!」
ノゾミ「あはは……」
ノゾミ(プロデューサあああああああああ!!どういうことなの!?絶対これ抽選じゃないじゃない!)
クリス「くく……ぶふ……」
ノゾミ(思いっきり笑ってるし確信犯ね!退屈させないってこういうこと!?)
ユウキ「今日は宜しくね?ノゾミさん」手を差し出す
ノゾミ「うぇ!?あっうん!宜しくお願いします!」握手
ノゾミ(わぁ……ユウキ君と握手しちゃった……手おっきい……あったかいし……)
ノゾミ「ふわぁ……」
ユウキ「ノゾミさん?握手はもう大丈夫だから」
ノゾミ「あっうん!ごめん!じゃなくてごめんなさい!」
司会「おっとノゾミさんいきなり初心な反応だぁ!!それでは熱が冷めぬ内に最初のコーナーに参りましょう!」
司会「最初のコーナーはこちら!『デートのお誘い』!」
ノゾミ「デデデデデート!?」
司会「男女の仲でデートと言えば鉄板ですね!ノゾミさんにはユウキさんをデートへ誘うというシチュエーションをして貰います!」
司会「詳細は全てお二人でお決め下さい!」
ノゾミ「ええ!?」
ユウキ「はい」
司会「それではスタート!」
ノゾミ「な……なん……!い、いえ!大丈夫です!ちょっと緊張してむせちゃっただけです!」
司会「そうでしたか、後で代わりのお水ご用意いたしますね!」
ノゾミ「あはは……」
ノゾミ(プロデューサあああああああああ!!どういうことなの!?絶対これ抽選じゃないじゃない!)
クリス「くく……ぶふ……」
ノゾミ(思いっきり笑ってるし確信犯ね!退屈させないってこういうこと!?)
ユウキ「今日は宜しくね?ノゾミさん」手を差し出す
ノゾミ「うぇ!?あっうん!宜しくお願いします!」握手
ノゾミ(わぁ……ユウキ君と握手しちゃった……手おっきい……あったかいし……)
ノゾミ「ふわぁ……」
ユウキ「ノゾミさん?握手はもう大丈夫だから」
ノゾミ「あっうん!ごめん!じゃなくてごめんなさい!」
司会「おっとノゾミさんいきなり初心な反応だぁ!!それでは熱が冷めぬ内に最初のコーナーに参りましょう!」
司会「最初のコーナーはこちら!『デートのお誘い』!」
ノゾミ「デデデデデート!?」
司会「男女の仲でデートと言えば鉄板ですね!ノゾミさんにはユウキさんをデートへ誘うというシチュエーションをして貰います!」
司会「詳細は全てお二人でお決め下さい!」
ノゾミ「ええ!?」
ユウキ「はい」
司会「それではスタート!」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/12(金) 16:50:51.23 ID:zZTwO4st0
ノゾミ「えーっと、ユウキ……君?」
ユウキ「何かな?ノゾミさん」
ノゾミ「色々言いたいことはあるけど……まずはそのノゾミ”さん”っていうの、やめない?」
ユウキ「分かった。ノゾミがそうしたいなら僕は従うよ」
ノゾミ「よし……いつも通りいつも通り……」
ノゾミ(いつも通りってなんだっけ!?私いつもユウキ君と何を話してたっけ!?ましてやデ、デートだなんて……!!)
ノゾミ「あわあわ……」
ユウキ「ノゾミ、落ち着いて。ゆっくりと話してくれればいいよ」
ノゾミ「……ユウキ君、手、握ってくれる?」
ユウキ「勿論」
ノゾミ(ユウキ君の手……落ち着く……うん、そうだ。ユウキ君といつも話してるみたいに、私の心の赴くままにすればいいんだ)
ユウキ「大丈夫になった?」
ノゾミ「……うん。ユウキ君、今度の週末って空いてる?」
ユウキ「週末は……空いてるね」
ノゾミ「本当!?なら私とお出かけしよう?私もオフなの!」
ユウキ「それなら絶対にこの日は空けておかなくちゃね。ノゾミに会える貴重な日だから」
ノゾミ「えへへ……」
ユウキ「何かな?ノゾミさん」
ノゾミ「色々言いたいことはあるけど……まずはそのノゾミ”さん”っていうの、やめない?」
ユウキ「分かった。ノゾミがそうしたいなら僕は従うよ」
ノゾミ「よし……いつも通りいつも通り……」
ノゾミ(いつも通りってなんだっけ!?私いつもユウキ君と何を話してたっけ!?ましてやデ、デートだなんて……!!)
ノゾミ「あわあわ……」
ユウキ「ノゾミ、落ち着いて。ゆっくりと話してくれればいいよ」
ノゾミ「……ユウキ君、手、握ってくれる?」
ユウキ「勿論」
ノゾミ(ユウキ君の手……落ち着く……うん、そうだ。ユウキ君といつも話してるみたいに、私の心の赴くままにすればいいんだ)
ユウキ「大丈夫になった?」
ノゾミ「……うん。ユウキ君、今度の週末って空いてる?」
ユウキ「週末は……空いてるね」
ノゾミ「本当!?なら私とお出かけしよう?私もオフなの!」
ユウキ「それなら絶対にこの日は空けておかなくちゃね。ノゾミに会える貴重な日だから」
ノゾミ「えへへ……」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/12(金) 16:51:36.40 ID:zZTwO4st0
ユウキ「でもどこに行く?」
ノゾミ「ユウキ君が行きたい場所は?キミと一緒なら私はどこでも楽しいもの」
ユウキ「僕も特に希望は無いなぁ。ノゾミに合わせるよ」
ノゾミ「うーん……それなら舞台を見に行くっていうのはどう?もしかしたらユウキ君からすれば面白くないかもしれないけど……」
ユウキ「そんなことないよ。ノゾミが好きなものなら僕だって好きになれるはずだから」
ノゾミ「ユウキ君……!」
ユウキ「なら、また今週末ね?」
ノゾミ「うん!楽しみにしてる!」
ノゾミ「ユウキ君が行きたい場所は?キミと一緒なら私はどこでも楽しいもの」
ユウキ「僕も特に希望は無いなぁ。ノゾミに合わせるよ」
ノゾミ「うーん……それなら舞台を見に行くっていうのはどう?もしかしたらユウキ君からすれば面白くないかもしれないけど……」
ユウキ「そんなことないよ。ノゾミが好きなものなら僕だって好きになれるはずだから」
ノゾミ「ユウキ君……!」
ユウキ「なら、また今週末ね?」
ノゾミ「うん!楽しみにしてる!」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/12(金) 16:52:19.49 ID:zZTwO4st0
司会「ここで終了です!いやぁ最初は緊張しておりましたがすぐに打ち解けることが出来たのは流石ノゾミさんといったところでしょうか!」
ノゾミ「え、えぇ。これくらいは簡単です」
ノゾミ(良かったぁ……ユウキ君への態度も私の演技だと勘違いしてくれてる……本当は演技なんかじゃなくてユウキ君といるだけで幸せなだけなのに)
司会「ユウキさんはノゾミさんとまずこうして話してみていかがでしたか?」
ユウキ「ノゾミ……さんはやっぱり凄いなって思います。一緒にいるだけで元気を貰えると言いますか。一人のファンとしてこの場に入れることを改めて嬉しく思います」
司会「なるほど、ノゾミさんの魅力に早くも落とされていますね!」
ノゾミ(私がユウキ君に落とされそうだよぉ……)
司会「では二つ目のお題です!」
『デート中にファンに追いかけ回された!その時のノゾミさんと彼氏の行動は!?』
ノゾミ「かかかか彼氏っ!?」
ユウキ「なんだかいつも通りだね」
ノゾミ「え、えぇ。これくらいは簡単です」
ノゾミ(良かったぁ……ユウキ君への態度も私の演技だと勘違いしてくれてる……本当は演技なんかじゃなくてユウキ君といるだけで幸せなだけなのに)
司会「ユウキさんはノゾミさんとまずこうして話してみていかがでしたか?」
ユウキ「ノゾミ……さんはやっぱり凄いなって思います。一緒にいるだけで元気を貰えると言いますか。一人のファンとしてこの場に入れることを改めて嬉しく思います」
司会「なるほど、ノゾミさんの魅力に早くも落とされていますね!」
ノゾミ(私がユウキ君に落とされそうだよぉ……)
司会「では二つ目のお題です!」
『デート中にファンに追いかけ回された!その時のノゾミさんと彼氏の行動は!?』
ノゾミ「かかかか彼氏っ!?」
ユウキ「なんだかいつも通りだね」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/12(金) 16:53:23.76 ID:zZTwO4st0
司会「アイドルの恋愛には障害が付き物です!ましてやノゾミさんほどになればファンが気づけば一瞬で人だかりができてしまうでしょう!そこでノゾミさんとユウキさんはどう動くかを見せて頂きます!」
司会「なお、今回は追っかけ役として協力して頂くファンの方に集まってもらっております。皆様、抽選から外れてしまったとはいえノゾミさんへのアピールを是非していってください!」
ファン軍団「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!ノゾミンンンンンンンン!!!!!!!」
ノゾミ「ちょっと待って!多すぎない!?」
司会「お二人は撮影班が追いかけますので、どこへ逃げて頂いても構いません!時間が来ましたら終了です!それではスタート!」
ファン軍団「ノゾミいいいいいいいいン!!!!握手してくれええええええええええええええ!!!!」
ノゾミ「ひぃ!」
ユウキ「行こうノゾミ!」グイッ
ノゾミ「わっ!」
ファン軍団「あの野郎!俺たちのノゾミンに気安く手なんか繋ぎやがって!」
ユウキ「あはは、本当にいつも通りだね」
ノゾミ「あの人たち追いかけ方が本気だよ!少しでも早く逃げて!」
ユウキ「オッケー!」
司会「なお、今回は追っかけ役として協力して頂くファンの方に集まってもらっております。皆様、抽選から外れてしまったとはいえノゾミさんへのアピールを是非していってください!」
ファン軍団「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!ノゾミンンンンンンンン!!!!!!!」
ノゾミ「ちょっと待って!多すぎない!?」
司会「お二人は撮影班が追いかけますので、どこへ逃げて頂いても構いません!時間が来ましたら終了です!それではスタート!」
ファン軍団「ノゾミいいいいいいいいン!!!!握手してくれええええええええええええええ!!!!」
ノゾミ「ひぃ!」
ユウキ「行こうノゾミ!」グイッ
ノゾミ「わっ!」
ファン軍団「あの野郎!俺たちのノゾミンに気安く手なんか繋ぎやがって!」
ユウキ「あはは、本当にいつも通りだね」
ノゾミ「あの人たち追いかけ方が本気だよ!少しでも早く逃げて!」
ユウキ「オッケー!」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/12(金) 16:54:05.11 ID:zZTwO4st0
ノゾミ「はぁ……はぁ……ここまで来れば……っはぁ、安心かな……?」
ユウキ「そうだね……げほっ!」
ノゾミ「……ねぇユウキ君、覚えてる?前にもファンに追いかけられたときに、こうやって山のてっぺんまで登ったこと」
ユウキ「勿論覚えてるよ。すごくいい景色だったから」
ノゾミ「……今日は私、普通の女の子なんだよ?」
ユウキ「それがどうかしたの?」
ノゾミ「もう……もっと私に近付いてって言ってるの」
ユウキ「あぁ……ごめん、一応企画だったから遠慮してたんだ」
ノゾミ「お気遣いはありがたいけど、もう私とキミはそんな間柄じゃないでしょ?」
ユウキ「それじゃ、何をお望み?」
ノゾミ「そこ、座って?」
ユウキ「はい」
ユウキ「そうだね……げほっ!」
ノゾミ「……ねぇユウキ君、覚えてる?前にもファンに追いかけられたときに、こうやって山のてっぺんまで登ったこと」
ユウキ「勿論覚えてるよ。すごくいい景色だったから」
ノゾミ「……今日は私、普通の女の子なんだよ?」
ユウキ「それがどうかしたの?」
ノゾミ「もう……もっと私に近付いてって言ってるの」
ユウキ「あぁ……ごめん、一応企画だったから遠慮してたんだ」
ノゾミ「お気遣いはありがたいけど、もう私とキミはそんな間柄じゃないでしょ?」
ユウキ「それじゃ、何をお望み?」
ノゾミ「そこ、座って?」
ユウキ「はい」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/12(金) 16:55:23.10 ID:zZTwO4st0
ノゾミ「よいしょっと、えいっ」
ユウキ「おっとっと……急に僕の足の間に座ったら危ないじゃないか」
ノゾミ「いいの!それよりも、寒いから暖めて?」
ユウキ「僕のマントでも被る?」
ノゾミ「そうじゃなくて!その……後ろから抱きしめて……?」
ユウキ「……こう?」
ノゾミ「っ……そ、そうそう」
ユウキ「…………」
ノゾミ「…………」
ノゾミ(ユウキ君すっごいあったかいしいい匂いだし私顔真っ赤になってないかな恥ずかしいけどこれも企画のため仕方ないことだもん!)
ユウキ「落ち着くね」
ノゾミ「うん。ずーっとこうしていたいね」
ユウキ「ノゾミと一緒ならそれもいいと思っちゃうな」
ノゾミ「えへ、私も。すっごい幸せ」
ユウキ「おっとっと……急に僕の足の間に座ったら危ないじゃないか」
ノゾミ「いいの!それよりも、寒いから暖めて?」
ユウキ「僕のマントでも被る?」
ノゾミ「そうじゃなくて!その……後ろから抱きしめて……?」
ユウキ「……こう?」
ノゾミ「っ……そ、そうそう」
ユウキ「…………」
ノゾミ「…………」
ノゾミ(ユウキ君すっごいあったかいしいい匂いだし私顔真っ赤になってないかな恥ずかしいけどこれも企画のため仕方ないことだもん!)
ユウキ「落ち着くね」
ノゾミ「うん。ずーっとこうしていたいね」
ユウキ「ノゾミと一緒ならそれもいいと思っちゃうな」
ノゾミ「えへ、私も。すっごい幸せ」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/12(金) 16:55:52.85 ID:zZTwO4st0
ファン軍団「ぜぇ……ぜぇ……いたぞぉ……あそこだぁ……!」
ノゾミ「嘘!こんなところまで追いかけてきた!」
ユウキ「休憩終わりだね」
ノゾミ「……でも私はまだちょっと動けないな~?」
ユウキ「??何言って……」
ノゾミ「ユウキ君が私を抱えて走ってくれたらなぁ~?」
ユウキ「……なるほど、仰せの通りに」
ノゾミ「きゃっ……!本当にやるの!?」(お姫様抱っこされてる)
ユウキ「僕も少しは体を鍛えてるからね。任せてよ」ヨイショット
ノゾミ「……重くない?」
ユウキ「全然。むしろ軽すぎるくらい」
ノゾミ「だって、頑張って体系維持してるもん……キミには可愛い私以外見てほしくないし……」
ユウキ「ノゾミならどんな姿でもかわいいよ。しっかりと僕につかまってね?じゃあいこっか」
ノゾミ「可愛い……うへへ……」
ファン軍団「あいつらああああああ……」
ノゾミ「嘘!こんなところまで追いかけてきた!」
ユウキ「休憩終わりだね」
ノゾミ「……でも私はまだちょっと動けないな~?」
ユウキ「??何言って……」
ノゾミ「ユウキ君が私を抱えて走ってくれたらなぁ~?」
ユウキ「……なるほど、仰せの通りに」
ノゾミ「きゃっ……!本当にやるの!?」(お姫様抱っこされてる)
ユウキ「僕も少しは体を鍛えてるからね。任せてよ」ヨイショット
ノゾミ「……重くない?」
ユウキ「全然。むしろ軽すぎるくらい」
ノゾミ「だって、頑張って体系維持してるもん……キミには可愛い私以外見てほしくないし……」
ユウキ「ノゾミならどんな姿でもかわいいよ。しっかりと僕につかまってね?じゃあいこっか」
ノゾミ「可愛い……うへへ……」
ファン軍団「あいつらああああああ……」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/12(金) 16:56:33.10 ID:zZTwO4st0
司会「……おや、どうやら1周回ってこの野外特設会場に戻ってきたようです!アレは……お姫様抱っこです!ユウキさん、しっかりとノゾミさんを抱えて堂々の帰還です!」
ノゾミ「えへぇ……ユウキくぅん……」
ユウキ「ノゾミ、着いたよ」
ノゾミ「……はっ!?私ったらつい……!ユウキ君!もう大丈夫だから降ろして!」
ユウキ「ん、わかった。ゆっくりね」
ノゾミ「よいしょ……あ、ありがとう……」
ユウキ「どういたしまして」
ファン軍団「も、戻ってきたぞ……」
司会「おっと、ファン軍団も帰って来たぞ!そしてここでタイムアップ!第2コーナーも終了となります!」
ノゾミ「あっという間だったね?」
ユウキ「結構動き回ったしね」
司会「ファン軍団の皆様もお疲れ様でした!それではあちらへご退場ください!」
ファン軍団A「ふざけるな!こっちは走り回っただけでノゾミンと全然触れ合えなかったじゃないか!」
ファン軍団B「ノゾミンに会いに来たのに約束が違うぞ!」
ノゾミ「えへぇ……ユウキくぅん……」
ユウキ「ノゾミ、着いたよ」
ノゾミ「……はっ!?私ったらつい……!ユウキ君!もう大丈夫だから降ろして!」
ユウキ「ん、わかった。ゆっくりね」
ノゾミ「よいしょ……あ、ありがとう……」
ユウキ「どういたしまして」
ファン軍団「も、戻ってきたぞ……」
司会「おっと、ファン軍団も帰って来たぞ!そしてここでタイムアップ!第2コーナーも終了となります!」
ノゾミ「あっという間だったね?」
ユウキ「結構動き回ったしね」
司会「ファン軍団の皆様もお疲れ様でした!それではあちらへご退場ください!」
ファン軍団A「ふざけるな!こっちは走り回っただけでノゾミンと全然触れ合えなかったじゃないか!」
ファン軍団B「ノゾミンに会いに来たのに約束が違うぞ!」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/12(金) 16:57:24.18 ID:zZTwO4st0
司会「はて……参加規約にはノゾミさんを見事に捕まえられたら握手などの権利が手に入るというだけで今回に関しては……」
ファン軍団「そんなの知るか!ノゾミイイイイイイインンンン!!!」
ノゾミ「えっ!?ちょっちょっと!」
ユウキ「っ!」バッ
ファン軍団A「何だお前!どけよ!」
ファン軍団B「抽選に当たっただけでいい気になりやがって!この野郎!」
ユウキ「あぐっ!?」ドカッ
ノゾミ「ユウキ君!?」
ファン軍団「あっ……ふん、お前が悪いんだ……」
ノゾミ「ユウキ君を……許さない……ユウキ君!私に力を貸して!」
ユウキ「っ!うん!」
ノゾミ「~~~~!!!キミたちは大切なファンだけど!ちょっと頭を冷やしなさいっ!!」
ノゾミ「キラキラを!!あげるっ!!『クレールスラッシュ+++!!!!!!』」
ファン軍団「うわああああああああああああああ!!!!!」スタン
ノゾミ「はぁ……はぁ……!」
ユウキ「大丈夫?」
ノゾミ「ユウキ君こそ大丈夫!あぁ、血が出てる!」
ユウキ「魔物との戦いに比べればかすり傷だよ」
ノゾミ「お願いだから無茶しないで……キミにもし何かあったら、私……」
ユウキ「……ごめん。気を付けるから」
ノゾミ「うぅ~……」(抱きつく)
ユウキ「よしよし……」
ファン軍団「う、うぅ……お前らぁ……!」
ノゾミ「……まだ意識が残っていたのね」
ファン軍団「そんなの知るか!ノゾミイイイイイイインンンン!!!」
ノゾミ「えっ!?ちょっちょっと!」
ユウキ「っ!」バッ
ファン軍団A「何だお前!どけよ!」
ファン軍団B「抽選に当たっただけでいい気になりやがって!この野郎!」
ユウキ「あぐっ!?」ドカッ
ノゾミ「ユウキ君!?」
ファン軍団「あっ……ふん、お前が悪いんだ……」
ノゾミ「ユウキ君を……許さない……ユウキ君!私に力を貸して!」
ユウキ「っ!うん!」
ノゾミ「~~~~!!!キミたちは大切なファンだけど!ちょっと頭を冷やしなさいっ!!」
ノゾミ「キラキラを!!あげるっ!!『クレールスラッシュ+++!!!!!!』」
ファン軍団「うわああああああああああああああ!!!!!」スタン
ノゾミ「はぁ……はぁ……!」
ユウキ「大丈夫?」
ノゾミ「ユウキ君こそ大丈夫!あぁ、血が出てる!」
ユウキ「魔物との戦いに比べればかすり傷だよ」
ノゾミ「お願いだから無茶しないで……キミにもし何かあったら、私……」
ユウキ「……ごめん。気を付けるから」
ノゾミ「うぅ~……」(抱きつく)
ユウキ「よしよし……」
ファン軍団「う、うぅ……お前らぁ……!」
ノゾミ「……まだ意識が残っていたのね」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/12(金) 16:58:25.02 ID:zZTwO4st0
ユウキ「どうしよう?」
クリス「任せろ」
ノゾミ「プロデューサー!?」
クリス「こいつらを集めたのは私だ。元からこいつらは過激派のファンであるという情報は入っていたから、今回で見定めるという意味も兼ねていた」
ノゾミ「そういう集まりだったの!?」
クリス「しかし、どうやら失格だな。このような連中をファンにしておいて得なことなど無いだろう」
ファン軍団「プロデューサー風情が……!」
クリス「ほぉ?貴様この私に喧嘩を売るか。面白い、売られたモノは買おうではないか」
クリス「だが覚悟しろ。私と果し合いをするからには、命の準備は出来ているのだろうな……?」
ファン軍団「あっ、あっ、ひっひええええええええええ!!!!!」
クリス「何だ全員逃げおって、つまらん。あれだけの人数なら一人は向かってくると思ったのだが」
ユウキ「……ありがとうございます」
クリス「いいや、私の方が謝らねばならない。今回の企画の監修は私だ。それならば、出演者に完璧な安全と配慮をしなければならなかった」
クリス「それを怠り、あまつさえお前に怪我を負わせてしまった。本来ならば罰せられるべき立場だよ」
ユウキ「いいんです。僕のことは。それよりもノゾミが無事でよかった。それで終わりにしましょう?」
クリス「……全くお前というやつは……それいいなら、今回はこれで終わりとしよう」
ノゾミ「終わり?はぁ……疲れたぁ……」
司会「いいえ!まだ終わりではありません!まだ最後のコーナーが残っております!」
クリス「任せろ」
ノゾミ「プロデューサー!?」
クリス「こいつらを集めたのは私だ。元からこいつらは過激派のファンであるという情報は入っていたから、今回で見定めるという意味も兼ねていた」
ノゾミ「そういう集まりだったの!?」
クリス「しかし、どうやら失格だな。このような連中をファンにしておいて得なことなど無いだろう」
ファン軍団「プロデューサー風情が……!」
クリス「ほぉ?貴様この私に喧嘩を売るか。面白い、売られたモノは買おうではないか」
クリス「だが覚悟しろ。私と果し合いをするからには、命の準備は出来ているのだろうな……?」
ファン軍団「あっ、あっ、ひっひええええええええええ!!!!!」
クリス「何だ全員逃げおって、つまらん。あれだけの人数なら一人は向かってくると思ったのだが」
ユウキ「……ありがとうございます」
クリス「いいや、私の方が謝らねばならない。今回の企画の監修は私だ。それならば、出演者に完璧な安全と配慮をしなければならなかった」
クリス「それを怠り、あまつさえお前に怪我を負わせてしまった。本来ならば罰せられるべき立場だよ」
ユウキ「いいんです。僕のことは。それよりもノゾミが無事でよかった。それで終わりにしましょう?」
クリス「……全くお前というやつは……それいいなら、今回はこれで終わりとしよう」
ノゾミ「終わり?はぁ……疲れたぁ……」
司会「いいえ!まだ終わりではありません!まだ最後のコーナーが残っております!」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/12(金) 16:59:09.07 ID:zZTwO4st0
クリス「うん?私の企画ではここまでのはずだが?」
司会「実は2コーナーでは番組の尺が余るということで、急遽こちらで一つ追加させて頂きました」
クリス「どんな企画だなんだ?」
司会「それはズバリ!『プロポーズの反応』です!」
ノゾミ「プロポーズううううう!?」
クリス「ほぉ、続けてくれ」
司会「番組が用意しましたこちらの指輪がございます。これを好きなようにお互い渡すだけです」
クリス「面白い……その企画、プロデューサーの私が許可しよう!さぁやって見せろ!」
ノゾミ「えええええ!!!?」
司会「ユウキさん、この指輪を!」
ユウキ「ありがとうございます」
ノゾミ「ちょっ!ユウキ君!?」
司会「それでは最終コーナー!スタート!」
司会「実は2コーナーでは番組の尺が余るということで、急遽こちらで一つ追加させて頂きました」
クリス「どんな企画だなんだ?」
司会「それはズバリ!『プロポーズの反応』です!」
ノゾミ「プロポーズううううう!?」
クリス「ほぉ、続けてくれ」
司会「番組が用意しましたこちらの指輪がございます。これを好きなようにお互い渡すだけです」
クリス「面白い……その企画、プロデューサーの私が許可しよう!さぁやって見せろ!」
ノゾミ「えええええ!!!?」
司会「ユウキさん、この指輪を!」
ユウキ「ありがとうございます」
ノゾミ「ちょっ!ユウキ君!?」
司会「それでは最終コーナー!スタート!」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/12(金) 16:59:47.81 ID:zZTwO4st0
ノゾミ「無理無理無理ぃ~!!さっきまでも恥ずかしかったのにプロポーズなんてぇ……!」
ユウキ「ノゾミは僕と一緒にいるのは嫌?」
ノゾミ「そんなことないけど……むしろキミとはずっと居たいくらいだけど……」
ユウキ「それなら簡単だよ。僕たちに難しい言葉なんて要らない。ただ一緒にいるだけでも幸せなんだ」
ノゾミ「あぅ…………」
ユウキ「手を借りるね?」
ノゾミ「あぇ……?そっ!そっちの手は……!」
ユウキ「ノゾミの効き手は左だったよね?ならこっちでいいかなって」
ノゾミ「あ、あぁあ……薬指に……!」
ユウキ「……はい、これが僕のノゾミへの気持ち。ノゾミはどう答えてくれる?」
ノゾミ「……今すぐライブを開いて発散しないと爆発しそうなくらい、嬉しい……」
ユウキ「喜んで貰えて何よりだよ」
ユウキ「ノゾミは僕と一緒にいるのは嫌?」
ノゾミ「そんなことないけど……むしろキミとはずっと居たいくらいだけど……」
ユウキ「それなら簡単だよ。僕たちに難しい言葉なんて要らない。ただ一緒にいるだけでも幸せなんだ」
ノゾミ「あぅ…………」
ユウキ「手を借りるね?」
ノゾミ「あぇ……?そっ!そっちの手は……!」
ユウキ「ノゾミの効き手は左だったよね?ならこっちでいいかなって」
ノゾミ「あ、あぁあ……薬指に……!」
ユウキ「……はい、これが僕のノゾミへの気持ち。ノゾミはどう答えてくれる?」
ノゾミ「……今すぐライブを開いて発散しないと爆発しそうなくらい、嬉しい……」
ユウキ「喜んで貰えて何よりだよ」
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/12(金) 17:00:34.44 ID:zZTwO4st0
ノゾミ「……ねぇユウキ君、今私、すっごい恥ずかしい顔してるから、抱き着いて隠してもいい……?」
ユウキ「ノゾミがそうしたいなら」
ノゾミ「はぁ~……何で君といるとこんなに幸せで、落ち着くんだろうね?」
ユウキ「それが好きで愛してるってことなんだよ、きっと」
ノゾミ「……そっか、そうだよね」
ノゾミ「ユウキ君」
ユウキ「うん?」
ノゾミ「不束者ですが、これからも末永く、宜しくお願いします」
ユウキ「こちらこそ」
ユウキ「ノゾミがそうしたいなら」
ノゾミ「はぁ~……何で君といるとこんなに幸せで、落ち着くんだろうね?」
ユウキ「それが好きで愛してるってことなんだよ、きっと」
ノゾミ「……そっか、そうだよね」
ノゾミ「ユウキ君」
ユウキ「うん?」
ノゾミ「不束者ですが、これからも末永く、宜しくお願いします」
ユウキ「こちらこそ」
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/12(金) 17:01:03.06 ID:zZTwO4st0
司会「ここで終了です!これは素晴らしい迫真の演技!今まさに一つのカップルが出来てしまったと錯覚してしまう程だ!」
ユウキ「本当にノゾミは凄いよ。お芝居なのに僕もドキドキしちゃった」
ノゾミ「……はぇ?演技……?」
クリス「ぷっ……ふ、ふふ……!」
ノゾミ(雰囲気に流されてたけどこれそういえばそういう企画だった……!)
ノゾミ「あああああのねユウキ君!今のはね!」
ユウキ「うんうん、分かってるよ」
ノゾミ「絶対分かってない!いろんな意味で!」
司会「それでは今回もお別れの時間となりました!少し内容が押して簡単な挨拶になるのをお許しください!それでは皆様、またの時まで!」
ノゾミ「わあああああああああああああ!!!!!!!」
ユウキ「本当にノゾミは凄いよ。お芝居なのに僕もドキドキしちゃった」
ノゾミ「……はぇ?演技……?」
クリス「ぷっ……ふ、ふふ……!」
ノゾミ(雰囲気に流されてたけどこれそういえばそういう企画だった……!)
ノゾミ「あああああのねユウキ君!今のはね!」
ユウキ「うんうん、分かってるよ」
ノゾミ「絶対分かってない!いろんな意味で!」
司会「それでは今回もお別れの時間となりました!少し内容が押して簡単な挨拶になるのをお許しください!それでは皆様、またの時まで!」
ノゾミ「わあああああああああああああ!!!!!!!」
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/12(金) 17:01:42.21 ID:zZTwO4st0
ユウキ「お疲れさま、ノゾミ」
ノゾミ「はぁ……」
ユウキ「満身創痍だね」
ノゾミ「今までで一番疲れたかも……」
ユウキ「でも僕は楽しかったな。ノゾミと一緒にこうやって居れて」
ノゾミ「私も楽しかったけど……あっ」
ユウキ「どうしたの?」
ノゾミ「これ、指輪返し忘れちゃった……今度謝らないと」
ユウキ「その時は僕も行くよ」
ノゾミ「……ねぇユウキ君、この指輪、私本気で受け取っちゃうからね?」
ユウキ「えっ」
ノゾミ「あんな言葉言われて、おまけに左手の薬指に嵌めてくれちゃって……これで私から離れようなんてそうはさせないからね?」
ユウキ「えーっと……あはは……」
ノゾミ「勿論まだ先の話だよ?でも、何年か後にまたこうして、私に必ず同じことをして?」
ユウキ「…………」
ノゾミ「はぁ……」
ユウキ「満身創痍だね」
ノゾミ「今までで一番疲れたかも……」
ユウキ「でも僕は楽しかったな。ノゾミと一緒にこうやって居れて」
ノゾミ「私も楽しかったけど……あっ」
ユウキ「どうしたの?」
ノゾミ「これ、指輪返し忘れちゃった……今度謝らないと」
ユウキ「その時は僕も行くよ」
ノゾミ「……ねぇユウキ君、この指輪、私本気で受け取っちゃうからね?」
ユウキ「えっ」
ノゾミ「あんな言葉言われて、おまけに左手の薬指に嵌めてくれちゃって……これで私から離れようなんてそうはさせないからね?」
ユウキ「えーっと……あはは……」
ノゾミ「勿論まだ先の話だよ?でも、何年か後にまたこうして、私に必ず同じことをして?」
ユウキ「…………」
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/12(金) 17:02:46.81 ID:zZTwO4st0
ノゾミ「私がキミから離れるなんて絶対にありえないもの。だから何があってもキミのそばに居続ける」
ユウキ「……参ったなぁ」
ノゾミ「キミは色んな子からアプローチされてるけど、告白までしたのは私にだけだもんね?だからキミはもう私のモノだからね?」
ユウキ「……わかった。僕もまだ気持ちの整理とか、他の子とか、いろいろ考えるけど、ノゾミが言うなら僕も絶対に裏切らないよ」
ノゾミ「ふふん♪じゃあこれは今日は付けて帰ろっと♪」
ユウキ「見られるとまずいんじゃ……」
ノゾミ「大丈夫大丈夫。あっユウキ君が私の手を握ってくれてれば指輪見えなくなるんじゃないかなぁ~?」
ユウキ「……分かったよ。それじゃ、行こうか」
ノゾミ「うん♪お芝居もちゃんと今週末に見に行こうね?」
ユウキ「あ~……了解」
ノゾミ「~~♪私たちずーっと一緒だよ♪」
その夜、ノゾミは一晩中指輪をつけっぱなしでうっとりと眺めていたおかげで次の日のライブに寝坊しかけたのだった
ユウキ「……参ったなぁ」
ノゾミ「キミは色んな子からアプローチされてるけど、告白までしたのは私にだけだもんね?だからキミはもう私のモノだからね?」
ユウキ「……わかった。僕もまだ気持ちの整理とか、他の子とか、いろいろ考えるけど、ノゾミが言うなら僕も絶対に裏切らないよ」
ノゾミ「ふふん♪じゃあこれは今日は付けて帰ろっと♪」
ユウキ「見られるとまずいんじゃ……」
ノゾミ「大丈夫大丈夫。あっユウキ君が私の手を握ってくれてれば指輪見えなくなるんじゃないかなぁ~?」
ユウキ「……分かったよ。それじゃ、行こうか」
ノゾミ「うん♪お芝居もちゃんと今週末に見に行こうね?」
ユウキ「あ~……了解」
ノゾミ「~~♪私たちずーっと一緒だよ♪」
その夜、ノゾミは一晩中指輪をつけっぱなしでうっとりと眺めていたおかげで次の日のライブに寝坊しかけたのだった
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/12(金) 17:05:03.84 ID:zZTwO4st0
終わり
文体とかあっさり感をゲーム内の絆スト-リーっぽくしてみた
絆レベル10くらい?今の時点でケーキ斬るだけで結婚連想するレベルだしノゾミの絆レベル上げると本当にそっち方面に行きかねない
限定の専用装備で課金圧が高まってるけどまったり勢には関係ないしこれからもノゾミを愛でる
ではでは
文体とかあっさり感をゲーム内の絆スト-リーっぽくしてみた
絆レベル10くらい?今の時点でケーキ斬るだけで結婚連想するレベルだしノゾミの絆レベル上げると本当にそっち方面に行きかねない
限定の専用装備で課金圧が高まってるけどまったり勢には関係ないしこれからもノゾミを愛でる
ではでは
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/15(月) 20:51:30.60 ID:SX1XfK8Fo
乙です
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/13(土) 11:25:05.22 ID:JFF1ou4S0
乙
ノゾミは元々アイドルを求められてる設定だった気がするから恋愛に憧れるのかもね
ノゾミは元々アイドルを求められてる設定だった気がするから恋愛に憧れるのかもね
引用元: ノゾミ「アイドル恋愛テクニック?」
キョウカ「へんたいふしんしゃさーん!」サレン「あいつそんな風に呼ばれてるの?」
2020-03-27
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/04(木) 23:39:39.78 ID:NyiK4gPt0
キョウカ「お兄ちゃーん! お迎えに来ましたよー! お兄ちゃーん! へんたいふしんしゃさーん!」
サレン「へ、ヘン夕イっ……!? えっ? なに? うちの前でちっちゃな女の子が『ヘン夕イ不審者』とかなんとか言ってるんだけど!?」
スズメ「あぁ、キョウカちゃんですね。最近、彼とよく遊んでいるみたいで、時々こうしてお迎えに来てくれるんですよ~♪」
サレン「そうなの? あ~、それで『お兄ちゃん』って呼んでたのね。……最初の何回かだけ」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1562251179
サレン「へ、ヘン夕イっ……!? えっ? なに? うちの前でちっちゃな女の子が『ヘン夕イ不審者』とかなんとか言ってるんだけど!?」
スズメ「あぁ、キョウカちゃんですね。最近、彼とよく遊んでいるみたいで、時々こうしてお迎えに来てくれるんですよ~♪」
サレン「そうなの? あ~、それで『お兄ちゃん』って呼んでたのね。……最初の何回かだけ」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1562251179
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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/04(木) 23:40:35.00 ID:NyiK4gPt0
キョウカ「ふ~しんしゃさ~ん! へ~んたいふ~しんしゃさ~ん!」
キョウカ「……あっ、やっと出てきましたね。もう、呼んだらすぐに出てきてください」
キョウカ「ふふっ。では出発しましょうか。はぐれて迷子になったらたいへんです、手をつないで行きますよ!」
キョウカ「……あなたがはぐれないようにですからね? 私は迷子になんてなりませんから。ほ、ほらっ! いいからはやく手を出してください!」
キョウカ「……あっ、やっと出てきましたね。もう、呼んだらすぐに出てきてください」
キョウカ「ふふっ。では出発しましょうか。はぐれて迷子になったらたいへんです、手をつないで行きますよ!」
キョウカ「……あなたがはぐれないようにですからね? 私は迷子になんてなりませんから。ほ、ほらっ! いいからはやく手を出してください!」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/04(木) 23:41:15.93 ID:NyiK4gPt0
サレン「……ねぇスズメ? あいつ、おかしなことしてるわけじゃないのよね?」
スズメ「えぇっと……? おかしなこと、ですか?」
サレン「ほ、ほら……ヘン夕イだとか不審者だとか呼ばれてたじゃない? いかがわしいことなんて……その……してないのよね?」
スズメ「私にも詳しいことはわかりませんけど……あの人に限ってそんなことはないと思いますよ~? 彼、お人好しっていうか、純粋な子供みたいな人ですし♪」
サレン「あたしだってそう思ってるけどさ。異常なまでに無害だし、いつもぼうっとしてるし。でもねぇ……う~ん……」
サレン「ごめんっ! あたし、ちょっとあとをつけて様子を見てくる!」
スズメ「あぁっ、お嬢さま~!?」
スズメ「えぇっと……? おかしなこと、ですか?」
サレン「ほ、ほら……ヘン夕イだとか不審者だとか呼ばれてたじゃない? いかがわしいことなんて……その……してないのよね?」
スズメ「私にも詳しいことはわかりませんけど……あの人に限ってそんなことはないと思いますよ~? 彼、お人好しっていうか、純粋な子供みたいな人ですし♪」
サレン「あたしだってそう思ってるけどさ。異常なまでに無害だし、いつもぼうっとしてるし。でもねぇ……う~ん……」
サレン「ごめんっ! あたし、ちょっとあとをつけて様子を見てくる!」
スズメ「あぁっ、お嬢さま~!?」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/04(木) 23:41:46.12 ID:NyiK4gPt0
サレン「……仲良く手なんか繋いじゃって。こうして見てる分には、仲良しきょうだいって感じで、微笑ましいんだけど……」
サレン「『ヘン夕イ』っていうのがどうしても頭に引っかかっちゃって……今にも暗がりに連れ込むんじゃないかって気になっちゃうのよね……」
サレン「は~あ……。絶対そんなことないってわかってはいるんだけどさ……。あいつのこと、あたしだって信用してるし」
サレン「けど……あいつの場合、自覚なしにいかがわしいことするって可能性も、まぁ無いわけではないのよね」
サレン「……あっ! 言ってるそばから、あんなに密着しちゃって! ん~……でも女の子の方も嫌がるどころかちょっと嬉しそう……?」
サレン「あの二人、どういう関係なのかしら……? スズメの話では、よく二人で遊んでるらしいけど、歳なんて倍くらい離れてるんじゃないかって感じよね」
サレン「あいつの場合、歳は関係なく誰とでも仲良く遊べちゃうんだろうけど……何して遊んでるのかは想像もつかないわね」
サレン「……『遊び』、か」
サレン「へ、変な遊びじゃないわよね……? エッ、工ッチな……遊び、とか……」
サレン「いやいやいやっ! ないない、あるわけないわよねっ! 相手はあんなにちっちゃな女の子だし! あはは……」
サレン「…………」
サレン「そういう関係だったらどうしよう……。やっぱり、大人として止めるべき? それとも……二人が真剣だったら応援する……?」
サレン「あ~~~……」
ジュン「うん? サレンちゃん? こんなところでいったい何を──」
サレン「きゃあああぁ!?」
サレン「『ヘン夕イ』っていうのがどうしても頭に引っかかっちゃって……今にも暗がりに連れ込むんじゃないかって気になっちゃうのよね……」
サレン「は~あ……。絶対そんなことないってわかってはいるんだけどさ……。あいつのこと、あたしだって信用してるし」
サレン「けど……あいつの場合、自覚なしにいかがわしいことするって可能性も、まぁ無いわけではないのよね」
サレン「……あっ! 言ってるそばから、あんなに密着しちゃって! ん~……でも女の子の方も嫌がるどころかちょっと嬉しそう……?」
サレン「あの二人、どういう関係なのかしら……? スズメの話では、よく二人で遊んでるらしいけど、歳なんて倍くらい離れてるんじゃないかって感じよね」
サレン「あいつの場合、歳は関係なく誰とでも仲良く遊べちゃうんだろうけど……何して遊んでるのかは想像もつかないわね」
サレン「……『遊び』、か」
サレン「へ、変な遊びじゃないわよね……? エッ、工ッチな……遊び、とか……」
サレン「いやいやいやっ! ないない、あるわけないわよねっ! 相手はあんなにちっちゃな女の子だし! あはは……」
サレン「…………」
サレン「そういう関係だったらどうしよう……。やっぱり、大人として止めるべき? それとも……二人が真剣だったら応援する……?」
サレン「あ~~~……」
ジュン「うん? サレンちゃん? こんなところでいったい何を──」
サレン「きゃあああぁ!?」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/04(木) 23:42:38.08 ID:NyiK4gPt0
ジュン「うわっ!? す、すまないサレンちゃん! 驚かせるつもりはなかったんだ! 私だ、ジュンだよ!」
サレン「じゅ、ジュンさん……? は~ビックリしたぁ……。心臓が止まるかと思っちゃった……」
サレン「んもう、急に声をかけないでください! ただでさえ物々しい見た目なのに、こんなタイミングで声をかけられたら……」
ジュン「きゅ、急に声をかけたのは悪かったよ……。そんなに驚くとは思ってなかったから……。私としては気さくに声をかけたつもりだったんだけど……」
サレン「そういうのは気さくな格好に着替えてから言ってくださいね。鎧と兜はしょうがないとしても、せめて色くらい明るくするとか」
サレン「あと、『ちゃん』はやめてくださいってば。子供扱いされてるみたい……」
ジュン「うぅ……。相変わらずサレンちゃ……サレンは手厳しいな。……鎧の色、か。うーん……」
サレン「おっと、こうしてる場合じゃなかった! ジュンさん、話は歩きながらしましょ。ジュンさんに時間的な余裕があれば、ですけど」
ジュン「今日は休暇だからね。私は構わないが……おや? あれは少年か? 少年と、ちいさな女の子みたいだが」
ジュン「……君、あとをつけてるな? 念のため理由を聞いてもいいかな。無いとは思うが、もし良からぬことを企んでいるようなら──」
サレン「『ヘン夕イ不審者さん』」
ジュン「うん……?」
サレン「あいつ、あの女の子にそう呼ばれてたのよ。ねっ? 気になるわよね?」
ジュン「……」
ジュン「…………追いかけよう」
サレン「そうこなくっちゃ! ふふっ、ジュンさんが一緒なら万が一の時も対処してくれるだろうし、あたしも安心だわ♪」
サレン「じゅ、ジュンさん……? は~ビックリしたぁ……。心臓が止まるかと思っちゃった……」
サレン「んもう、急に声をかけないでください! ただでさえ物々しい見た目なのに、こんなタイミングで声をかけられたら……」
ジュン「きゅ、急に声をかけたのは悪かったよ……。そんなに驚くとは思ってなかったから……。私としては気さくに声をかけたつもりだったんだけど……」
サレン「そういうのは気さくな格好に着替えてから言ってくださいね。鎧と兜はしょうがないとしても、せめて色くらい明るくするとか」
サレン「あと、『ちゃん』はやめてくださいってば。子供扱いされてるみたい……」
ジュン「うぅ……。相変わらずサレンちゃ……サレンは手厳しいな。……鎧の色、か。うーん……」
サレン「おっと、こうしてる場合じゃなかった! ジュンさん、話は歩きながらしましょ。ジュンさんに時間的な余裕があれば、ですけど」
ジュン「今日は休暇だからね。私は構わないが……おや? あれは少年か? 少年と、ちいさな女の子みたいだが」
ジュン「……君、あとをつけてるな? 念のため理由を聞いてもいいかな。無いとは思うが、もし良からぬことを企んでいるようなら──」
サレン「『ヘン夕イ不審者さん』」
ジュン「うん……?」
サレン「あいつ、あの女の子にそう呼ばれてたのよ。ねっ? 気になるわよね?」
ジュン「……」
ジュン「…………追いかけよう」
サレン「そうこなくっちゃ! ふふっ、ジュンさんが一緒なら万が一の時も対処してくれるだろうし、あたしも安心だわ♪」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/04(木) 23:43:29.11 ID:NyiK4gPt0
キョウカ「あの、お兄ちゃん? ちょっとだけ寄り道してもいいですか?」
キョウカ「よ、用事ってほどのことではないですけど……。たいやきを……ですね……?」
キョウカ「え? おごってくれるんですか? いえ、結構です。お小遣いがありますから」
キョウカ「……お兄ちゃんと一緒に食べたくて貯めたんですよ?」
キョウカ「な、なんでもないですよーだ! はやく並びましょう! 売り切れちゃったらたいへんです!」
ジュン「ふむ。事情はわかった。私としても、少年の素行は気になるところではある。……シロだとは思うけどね」
サレン「でも、尾行は続けるんでしょう?」
ジュン「……うん」
サレン「わかりますよ、あたしもおんなじようなものですし。やっぱり……どうしても、ねぇ……」
ジュン「サレンちゃんは……あー、サレンは──」
サレン「はぁ……もういいですよ、『ちゃん』付けで。ジュンさん、今日は休暇なんですよね?」
サレン「【王宮騎士団(NIGHTMARE)】の団長じゃなくって、ジュンさんとして接してくれるっていうなら……ちょっとくらい子供扱いされるのも有りかな~って♪」
ジュン「サレンちゃん……。ああ、今日は堅苦しいのは無しにしよう。無論、子供扱いはしないさ。君はもう立派な女性だからね」
サレン「え~? ジュンさんから見たら、あたしなんてまだまだ子供でしょう? だから、ね? あたしもたい焼き食べたいな~?」
ジュン「た、たい焼きっ? まったく、君は……はぁ。わかったよ。買ってくるからサレンちゃんはここで少年たちを見張っていてくれ」
サレン「なに言ってるのよ? 一緒に買いに行くに決まってるじゃない。そういうのも含めて楽しいんだから♪ あははっ」
キョウカ「よ、用事ってほどのことではないですけど……。たいやきを……ですね……?」
キョウカ「え? おごってくれるんですか? いえ、結構です。お小遣いがありますから」
キョウカ「……お兄ちゃんと一緒に食べたくて貯めたんですよ?」
キョウカ「な、なんでもないですよーだ! はやく並びましょう! 売り切れちゃったらたいへんです!」
ジュン「ふむ。事情はわかった。私としても、少年の素行は気になるところではある。……シロだとは思うけどね」
サレン「でも、尾行は続けるんでしょう?」
ジュン「……うん」
サレン「わかりますよ、あたしもおんなじようなものですし。やっぱり……どうしても、ねぇ……」
ジュン「サレンちゃんは……あー、サレンは──」
サレン「はぁ……もういいですよ、『ちゃん』付けで。ジュンさん、今日は休暇なんですよね?」
サレン「【王宮騎士団(NIGHTMARE)】の団長じゃなくって、ジュンさんとして接してくれるっていうなら……ちょっとくらい子供扱いされるのも有りかな~って♪」
ジュン「サレンちゃん……。ああ、今日は堅苦しいのは無しにしよう。無論、子供扱いはしないさ。君はもう立派な女性だからね」
サレン「え~? ジュンさんから見たら、あたしなんてまだまだ子供でしょう? だから、ね? あたしもたい焼き食べたいな~?」
ジュン「た、たい焼きっ? まったく、君は……はぁ。わかったよ。買ってくるからサレンちゃんはここで少年たちを見張っていてくれ」
サレン「なに言ってるのよ? 一緒に買いに行くに決まってるじゃない。そういうのも含めて楽しいんだから♪ あははっ」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/04(木) 23:44:20.40 ID:NyiK4gPt0
キョウカ「もうっ、ほっぺたにあんこが付いていますよ? 取ってあげますから屈んでください」
キョウカ「屈んでくださいってばー! もー! とーどーかーなーいー!」
キョウカ「な、なんですか? 私の顔に何か付いてますかっ? や、やめてください! 触らなっ、あっ、ふあっ!?」
キョウカ「……むー。クリームが付いてるなら初めから言ってくださいっ。ちょっと身構えちゃったじゃないですか」
キョウカ「当然、あなたがへんたいさんだからです! そんなあなたが急に触ろうとしてきたら、身構えるに決まっています!」
キョウカ「え? 私がお兄ちゃんに触るのはいいのか、ですか? 逆に聞きますけど、どうしてダメなんですか?」
キョウカ「お兄ちゃんが私に触るのは犯罪です。私がお兄ちゃんに触るのは犯罪ではありません」
キョウカ「ふふっ。私はこうやって、あなたのほっぺをツンツン突っついても許されるんです♪」
キョウカ「あなたはダメですよ? もし無断で触ったら防犯魔石を鳴らしますからね!」
キョウカ「んぇぇ……やめへくらはい~……」
サレン「むすーっ……」
ジュン「ど、どうして不機嫌なのかな……? あんこもクリームも、サレンちゃんが食べていいんだよ?」
サレン「は~い、ジュンさ~ん♪ あーん♪」
ジュン「だから私は食べられないって。人前で兜を取るわけにはいかないんだ」
サレン「むすーっ……」
キョウカ「屈んでくださいってばー! もー! とーどーかーなーいー!」
キョウカ「な、なんですか? 私の顔に何か付いてますかっ? や、やめてください! 触らなっ、あっ、ふあっ!?」
キョウカ「……むー。クリームが付いてるなら初めから言ってくださいっ。ちょっと身構えちゃったじゃないですか」
キョウカ「当然、あなたがへんたいさんだからです! そんなあなたが急に触ろうとしてきたら、身構えるに決まっています!」
キョウカ「え? 私がお兄ちゃんに触るのはいいのか、ですか? 逆に聞きますけど、どうしてダメなんですか?」
キョウカ「お兄ちゃんが私に触るのは犯罪です。私がお兄ちゃんに触るのは犯罪ではありません」
キョウカ「ふふっ。私はこうやって、あなたのほっぺをツンツン突っついても許されるんです♪」
キョウカ「あなたはダメですよ? もし無断で触ったら防犯魔石を鳴らしますからね!」
キョウカ「んぇぇ……やめへくらはい~……」
サレン「むすーっ……」
ジュン「ど、どうして不機嫌なのかな……? あんこもクリームも、サレンちゃんが食べていいんだよ?」
サレン「は~い、ジュンさ~ん♪ あーん♪」
ジュン「だから私は食べられないって。人前で兜を取るわけにはいかないんだ」
サレン「むすーっ……」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/04(木) 23:45:04.43 ID:NyiK4gPt0
ジュン「あっ、少年たちが角を曲がった。あの道の先はたしか……森しかないはずだが」
サレン「森? ……森ぃ!? ちょ、ちょっとちょっと! そんな場所に二人で行くなんて、いったい何が目的なわけ~!?」
ジュン「それはまだわからない。目的を確かめるためにも、見失わないように慎重にあとをつけよう」
サレン「……」
ジュン「サレンちゃん?」
サレン「もし、よ? もし、あいつがあの女の子に手を出してたら……どうする?」
ジュン「無論、少年には然るべき処罰を受けてもらう。悪い子にはお仕置きが必要だ。甘やかしたところで、彼らのためにならない」
サレン「……うん」
ジュン「でもね、サレンちゃん。少年はそんな非道を行う悪い人間ではないよ。彼は良い子だ。私が保証する」
サレン「うんっ」
ジュン「大丈夫そうだね。だが、もし気分が悪くなったりしたら。あとのことは私に任せて、サレンちゃんはおうちに帰るといい」
サレン「誰が帰るもんですか。あいつはあたしたちの扶養家族よ? それに、大切な幼馴染で……かけがえのない存在なの」
ジュン「少年のことが好きなんだ?」
サレン「ばっ……!? ちちち、違うわよ!? あいつは家族みたいなもので、だからそのっ……!」
サレン「……いいけどね。好きなのは、たしかだもん。ジュンさんの思ってる『好き』とは違うと思うけど」
ジュン「私も好きだよ。少年のこと」
サレン「えっ!?」
ジュン「ふふ。サレンちゃんの『好き』と同じ好きだ。安心してほしい」
サレン「えーーーっ!?」
サレン「森? ……森ぃ!? ちょ、ちょっとちょっと! そんな場所に二人で行くなんて、いったい何が目的なわけ~!?」
ジュン「それはまだわからない。目的を確かめるためにも、見失わないように慎重にあとをつけよう」
サレン「……」
ジュン「サレンちゃん?」
サレン「もし、よ? もし、あいつがあの女の子に手を出してたら……どうする?」
ジュン「無論、少年には然るべき処罰を受けてもらう。悪い子にはお仕置きが必要だ。甘やかしたところで、彼らのためにならない」
サレン「……うん」
ジュン「でもね、サレンちゃん。少年はそんな非道を行う悪い人間ではないよ。彼は良い子だ。私が保証する」
サレン「うんっ」
ジュン「大丈夫そうだね。だが、もし気分が悪くなったりしたら。あとのことは私に任せて、サレンちゃんはおうちに帰るといい」
サレン「誰が帰るもんですか。あいつはあたしたちの扶養家族よ? それに、大切な幼馴染で……かけがえのない存在なの」
ジュン「少年のことが好きなんだ?」
サレン「ばっ……!? ちちち、違うわよ!? あいつは家族みたいなもので、だからそのっ……!」
サレン「……いいけどね。好きなのは、たしかだもん。ジュンさんの思ってる『好き』とは違うと思うけど」
ジュン「私も好きだよ。少年のこと」
サレン「えっ!?」
ジュン「ふふ。サレンちゃんの『好き』と同じ好きだ。安心してほしい」
サレン「えーーーっ!?」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/04(木) 23:45:45.21 ID:NyiK4gPt0
キョウカ「やっと森に着きましたね。毎回のことですけれど、本当にありがとうございます、お兄ちゃん」
キョウカ「最近はずーっと練習に付き合ってもらっちゃって……。おかげで、へたっぴだった私も、ちょっとは上手になったと思うんです」
キョウカ「おおきな声を出すから、やっぱりこういうひと気のない場所じゃないと恥ずかしいですが……」
キョウカ「あなたはまたそうやって、たくさんの人に見てもらいたいって言いますけど! そんなの恥ずかしすぎて無理ですからねっ!」
キョウカ「あなただから……お兄ちゃんだから、恥ずかしい姿を見せてもいいかなって思えるんですからね?」
サレン「……泣きそう」
ジュン「まあまあ、落ち着いてサレンちゃん。私はなんとなく事情が掴めてきたよ」
サレン「そう……? キスしてるところなんて見ちゃったら、あたし一生トラウマになっちゃうわよ……」
ジュン「……もう少し行った先に、少しひらけた場所があったはずだ。先回りして様子を見よう」
サレン「森の奥にある、ひらけた馬車で若い男女が二人……。あぁ……考えただけでやんなっちゃう……」
ジュン「変な考えをするからだろうに。ほら、音を立てないように移動しよう。足元に気をつけて。ふらつくようなら手を貸すけど」
サレン「……せっかくだから抱えていってよ。どうせ誰も見てないんだし、お姫様抱っこでさ♪」
ジュン「サレンちゃんがそういうなら……よいしょっと。うん、軽いな」
サレン「~~~~ッ……!!」
ジュン「わっとと。暴れたら危ない……さ、サレンちゃんっ、兜を取らないでっ……!」
キョウカ「最近はずーっと練習に付き合ってもらっちゃって……。おかげで、へたっぴだった私も、ちょっとは上手になったと思うんです」
キョウカ「おおきな声を出すから、やっぱりこういうひと気のない場所じゃないと恥ずかしいですが……」
キョウカ「あなたはまたそうやって、たくさんの人に見てもらいたいって言いますけど! そんなの恥ずかしすぎて無理ですからねっ!」
キョウカ「あなただから……お兄ちゃんだから、恥ずかしい姿を見せてもいいかなって思えるんですからね?」
サレン「……泣きそう」
ジュン「まあまあ、落ち着いてサレンちゃん。私はなんとなく事情が掴めてきたよ」
サレン「そう……? キスしてるところなんて見ちゃったら、あたし一生トラウマになっちゃうわよ……」
ジュン「……もう少し行った先に、少しひらけた場所があったはずだ。先回りして様子を見よう」
サレン「森の奥にある、ひらけた馬車で若い男女が二人……。あぁ……考えただけでやんなっちゃう……」
ジュン「変な考えをするからだろうに。ほら、音を立てないように移動しよう。足元に気をつけて。ふらつくようなら手を貸すけど」
サレン「……せっかくだから抱えていってよ。どうせ誰も見てないんだし、お姫様抱っこでさ♪」
ジュン「サレンちゃんがそういうなら……よいしょっと。うん、軽いな」
サレン「~~~~ッ……!!」
ジュン「わっとと。暴れたら危ない……さ、サレンちゃんっ、兜を取らないでっ……!」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/04(木) 23:47:11.44 ID:NyiK4gPt0
キョウカ「……さて。いつもの場所に着きました。お兄ちゃん、疲れちゃっていませんか?」
キョウカ「そうですか。じゃ、じゃあさっそく……初めてもいいですか?」
ジュン「やはりこの場所で始めるみたいだ。……サレンちゃん? 聞いてる?」
サレン「……聞いてますよ」
ジュン「うぅ……。また距離が遠く……」
キョウカ「お兄ちゃんっ、今日もよろしくお願いします!」
キョウカ「すー……はー……。き、緊張します……けどっ……!」
サレン「は、始まるみたい……! ぬ、脱ぐのかしらっ!? やっぱり脱ぐのよねっ!?」
ジュン「本当は期待しているのか……?」
キョウカ「……ではっ、歌います! 聴いてくださいっ! 『リトルアドベンチャー』!」
キョウカ「~~~♪」
サレン「へっ……? う、歌……?」
キョウカ「そうですか。じゃ、じゃあさっそく……初めてもいいですか?」
ジュン「やはりこの場所で始めるみたいだ。……サレンちゃん? 聞いてる?」
サレン「……聞いてますよ」
ジュン「うぅ……。また距離が遠く……」
キョウカ「お兄ちゃんっ、今日もよろしくお願いします!」
キョウカ「すー……はー……。き、緊張します……けどっ……!」
サレン「は、始まるみたい……! ぬ、脱ぐのかしらっ!? やっぱり脱ぐのよねっ!?」
ジュン「本当は期待しているのか……?」
キョウカ「……ではっ、歌います! 聴いてくださいっ! 『リトルアドベンチャー』!」
キョウカ「~~~♪」
サレン「へっ……? う、歌……?」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/04(木) 23:48:02.71 ID:NyiK4gPt0
ジュン「今度、町の広場でイベントがあるんだ」
ジュン「その中に、舞台で歌を披露してもらう企画もある。きっと彼女はそこで舞台に立つのだろう」
サレン「……そういえば、アヤネが張り切ってたわね。連日、家の中がステージになってるわ」
サレン「クルミと一緒に出たかったみたいだけど、恥ずかしがり屋のクルミは辞退したみたい」
ジュン「サレンちゃんが歌っているところも見てみたかったな」
サレン「あははっ。冗談言わないでよ。ジュンさんくらいのものよ? あたしの歌が聴きたい~なんて言うの」
ジュン「そんなことはないさ。サレンちゃんは、もう少し自分の魅力を自覚した方がいい」
サレン「……ばか」
ジュン「さて。少年の疑いも晴れたわけだし、私たちはもう帰ろうか。邪魔をしてしまっても悪い」
サレン「ま、待って待って! 歌の練習の後だって、工ッチなことをするかもしれないじゃない?」
ジュン「サレンちゃん……さては、少し面白がっているだろう?」
サレン「……そんなことないわよ?」
ジュン「こら。目をそらすな」
サレン「ほらほら、こんな森の中だと魔物に襲われる可能性だってあるでしょ? もしもの時のために、頼りになる大人が近くにいるべきだと思わない?」
ジュン「うむ……。まったく、サレンちゃんには敵わないな。仕方ない、もう少しだけ見守るとしよう。ただし、気取られないように」
サレン「は~い♪」
ジュン「その中に、舞台で歌を披露してもらう企画もある。きっと彼女はそこで舞台に立つのだろう」
サレン「……そういえば、アヤネが張り切ってたわね。連日、家の中がステージになってるわ」
サレン「クルミと一緒に出たかったみたいだけど、恥ずかしがり屋のクルミは辞退したみたい」
ジュン「サレンちゃんが歌っているところも見てみたかったな」
サレン「あははっ。冗談言わないでよ。ジュンさんくらいのものよ? あたしの歌が聴きたい~なんて言うの」
ジュン「そんなことはないさ。サレンちゃんは、もう少し自分の魅力を自覚した方がいい」
サレン「……ばか」
ジュン「さて。少年の疑いも晴れたわけだし、私たちはもう帰ろうか。邪魔をしてしまっても悪い」
サレン「ま、待って待って! 歌の練習の後だって、工ッチなことをするかもしれないじゃない?」
ジュン「サレンちゃん……さては、少し面白がっているだろう?」
サレン「……そんなことないわよ?」
ジュン「こら。目をそらすな」
サレン「ほらほら、こんな森の中だと魔物に襲われる可能性だってあるでしょ? もしもの時のために、頼りになる大人が近くにいるべきだと思わない?」
ジュン「うむ……。まったく、サレンちゃんには敵わないな。仕方ない、もう少しだけ見守るとしよう。ただし、気取られないように」
サレン「は~い♪」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/04(木) 23:48:38.09 ID:NyiK4gPt0
キョウカ「……ふぅ」
キョウカ「ど、どうでしたか……? ちゃんと歌えていましたか……?」
キョウカ「ふふ。そんなに拍手されると照れちゃいますよ。こ、これなら……人前で歌っても恥ずかしくないでしょうか?」
キョウカ「……アイドルみたいだった? す、すごくかわいい……? そ、そんなこと……! でも……お兄ちゃんがそう言うなら……ふふっ♪」
キョウカ「お兄ちゃんのおかげで、ちょっとだけ……自信がつきました。もう練習はおしまいにします」
キョウカ「それで、ですね……? あの、その、えっと……」
キョウカ「頑張ったご褒美に……な、ナデナデしてもらえませんか……?」
キョウカ「え? 触るのは犯罪? そ、そんなの、私が許可したらいいんです! ダメなら……いいですけど……」
キョウカ「ふわ……んぅ……えへへ♪」
キョウカ「……頑張ってよかったぁ♪」
キョウカ「い、いえ、本番はまだ先でした! 頑張ったからこそ、最後まで気を抜かないようにしないと!」
魔物「──グオオオオオッ!」
キョウカ「……えっ? ま、魔物っ!?」
キョウカ「お、お兄ちゃんを守らないと……! あ……腰が……抜けちゃった……」
魔物「──グオオオオオッ!」
キョウカ「お兄ちゃんっ!? 私のことは庇わなくていいですから! お兄ちゃんだけでも──」
サレン「はあっ!」
ジュン「ふんっ!」
魔物「──ギャオオオオオッ!」
キョウカ「ふえ……? な、なに……? 助かったの……?」
キョウカ「ど、どうでしたか……? ちゃんと歌えていましたか……?」
キョウカ「ふふ。そんなに拍手されると照れちゃいますよ。こ、これなら……人前で歌っても恥ずかしくないでしょうか?」
キョウカ「……アイドルみたいだった? す、すごくかわいい……? そ、そんなこと……! でも……お兄ちゃんがそう言うなら……ふふっ♪」
キョウカ「お兄ちゃんのおかげで、ちょっとだけ……自信がつきました。もう練習はおしまいにします」
キョウカ「それで、ですね……? あの、その、えっと……」
キョウカ「頑張ったご褒美に……な、ナデナデしてもらえませんか……?」
キョウカ「え? 触るのは犯罪? そ、そんなの、私が許可したらいいんです! ダメなら……いいですけど……」
キョウカ「ふわ……んぅ……えへへ♪」
キョウカ「……頑張ってよかったぁ♪」
キョウカ「い、いえ、本番はまだ先でした! 頑張ったからこそ、最後まで気を抜かないようにしないと!」
魔物「──グオオオオオッ!」
キョウカ「……えっ? ま、魔物っ!?」
キョウカ「お、お兄ちゃんを守らないと……! あ……腰が……抜けちゃった……」
魔物「──グオオオオオッ!」
キョウカ「お兄ちゃんっ!? 私のことは庇わなくていいですから! お兄ちゃんだけでも──」
サレン「はあっ!」
ジュン「ふんっ!」
魔物「──ギャオオオオオッ!」
キョウカ「ふえ……? な、なに……? 助かったの……?」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/04(木) 23:49:19.32 ID:NyiK4gPt0
サレン「大丈夫? 二人とも、怪我はない?」
キョウカ「は、はい……。ありがとうございます……」
ジュン「立てるかな。さあ、掴まって」
キョウカ「ひぃっ……!? ふ、ふしんしゃさんです……! こわい……」
ジュン「え゛っ……」
サレン「ぷっ……あははっ! ほらほら、ジュンさんは怖いって。さっ、あたしが代わりに起こしてあげる。おいでおいで~♪」
キョウカ「グスッ……うぇぇん……! お兄ちゃぁん……!」
サレン「……あらら。あいつのとこに一直線か~。ほんとに仲良しなのねぇ、嫉妬しちゃう」
ジュン「少年も、どうやら怪我はないみたいだね。やれやれ、まさか本当に魔物が襲いかかってくるとは」
キョウカ「……あの。ありがとうございます。助けてくれて……」
サレン「んー……。あのね、ちょ~っとお話ししなくちゃいけないことがあるんだけど、聞いてくれる?」
キョウカ「……???」
ジュン(尾行のことを正直に話すつもりか。サレンちゃんらしいというか……ふふ)
キョウカ「は、はい……。ありがとうございます……」
ジュン「立てるかな。さあ、掴まって」
キョウカ「ひぃっ……!? ふ、ふしんしゃさんです……! こわい……」
ジュン「え゛っ……」
サレン「ぷっ……あははっ! ほらほら、ジュンさんは怖いって。さっ、あたしが代わりに起こしてあげる。おいでおいで~♪」
キョウカ「グスッ……うぇぇん……! お兄ちゃぁん……!」
サレン「……あらら。あいつのとこに一直線か~。ほんとに仲良しなのねぇ、嫉妬しちゃう」
ジュン「少年も、どうやら怪我はないみたいだね。やれやれ、まさか本当に魔物が襲いかかってくるとは」
キョウカ「……あの。ありがとうございます。助けてくれて……」
サレン「んー……。あのね、ちょ~っとお話ししなくちゃいけないことがあるんだけど、聞いてくれる?」
キョウカ「……???」
ジュン(尾行のことを正直に話すつもりか。サレンちゃんらしいというか……ふふ)
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/04(木) 23:50:19.32 ID:NyiK4gPt0
サレン「──と、いうわけで……」
キョウカ「ず、ずっとあとをつけてたんですか!? へ、へんたいです! お兄ちゃんに負けないぐらいのへんたいふしんしゃさんですっ!」
サレン「返す言葉もないわ……。ごめんなさい、キョウカちゃん。あんたも、疑っちゃってごめんね?」
ジュン「私も共犯だ。非礼を詫びさせてほしい。二人とも、本当にすまなかった。この通りだ」
キョウカ「……謝るときは兜を取ってください」
ジュン「う、む……。困ったな……。しょ、少年……」
キョウカ「え? そちらのこわい人、おうちの決まりで顔を見せちゃいけないんですか? ……そういうことでしたら、そのままでいいですが」
ジュン「ほっ……」
キョウカ「それで、その……へんたいさんと、ふしんしゃさんは、お兄ちゃんとどういう関係なんですか?」
ジュン「不審者さん……」
サレン「え? あたし、ヘン夕イさん?」
キョウカ「……ふむふむ。へんたいさんはお兄ちゃんのママで、ふしんしゃさんは正義の味方なんですか? ちょっと意味がわかりません……」
サレン「誰がママよ! はぁ……あたしたち二人とも、そいつとは友人関係よ。……あたしはそいつを養ってたりもするけど」
キョウカ「お、お兄ちゃん……? まさか、ヒモなんですか……?」
サレン「違う違う! 生活に困ってたそいつと、一緒にいたちっちゃい女の子を、二人まとめてあたしの経営する孤児院で保護してるのよ! それだけ!」
キョウカ「お姉さんに援助してもらいながら、ちいさな女の子と暮らしているんですか……? さ、最低です……。やっぱりへんたいふしんしゃさんなんですね……」
ジュン「不審者さん……」
サレン「ジュンさんも落ち込んでないで誤解を解いてってば~!」
キョウカ「ず、ずっとあとをつけてたんですか!? へ、へんたいです! お兄ちゃんに負けないぐらいのへんたいふしんしゃさんですっ!」
サレン「返す言葉もないわ……。ごめんなさい、キョウカちゃん。あんたも、疑っちゃってごめんね?」
ジュン「私も共犯だ。非礼を詫びさせてほしい。二人とも、本当にすまなかった。この通りだ」
キョウカ「……謝るときは兜を取ってください」
ジュン「う、む……。困ったな……。しょ、少年……」
キョウカ「え? そちらのこわい人、おうちの決まりで顔を見せちゃいけないんですか? ……そういうことでしたら、そのままでいいですが」
ジュン「ほっ……」
キョウカ「それで、その……へんたいさんと、ふしんしゃさんは、お兄ちゃんとどういう関係なんですか?」
ジュン「不審者さん……」
サレン「え? あたし、ヘン夕イさん?」
キョウカ「……ふむふむ。へんたいさんはお兄ちゃんのママで、ふしんしゃさんは正義の味方なんですか? ちょっと意味がわかりません……」
サレン「誰がママよ! はぁ……あたしたち二人とも、そいつとは友人関係よ。……あたしはそいつを養ってたりもするけど」
キョウカ「お、お兄ちゃん……? まさか、ヒモなんですか……?」
サレン「違う違う! 生活に困ってたそいつと、一緒にいたちっちゃい女の子を、二人まとめてあたしの経営する孤児院で保護してるのよ! それだけ!」
キョウカ「お姉さんに援助してもらいながら、ちいさな女の子と暮らしているんですか……? さ、最低です……。やっぱりへんたいふしんしゃさんなんですね……」
ジュン「不審者さん……」
サレン「ジュンさんも落ち込んでないで誤解を解いてってば~!」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/04(木) 23:51:04.34 ID:NyiK4gPt0
キョウカ「ま、まぁいいでしょう……。助けてもらったのは本当に感謝していますし、お兄ちゃんのおともだちなら……信用します」
サレン「あ~、よかったぁ……。あっ、そうそう。キョウカちゃんの歌、すっごく上手だったわよ♪」
キョウカ「うぅ、やっぱりあれも聞かれていたんですね……。で、でも、お兄ちゃんに褒めてもらったあとだから……恥ずかしいのもちょっとだけです……♪」
ジュン「うん。恥ずかしがる必要なんてないとも。イベント当日も、さっきの調子で歌えば大成功間違いなしだろう」
キョウカ「そ、そんなに褒められるとやっぱり恥ずかしいですよーっ! もぉーっ!」
サレン「あはは♪ かわいらしい子じゃない、あんたも隅に置けないわね~?」
ジュン「さあ。雑談は程々にして、ひとまず森を抜けるとしよう。魔物の血の匂いにひかれて、他の魔物が寄ってくるかもしれない」
キョウカ「そうですね。いつもは魔物なんて出なかったから……びっくりしちゃいました……」
キョウカ「わっ、わぁっ!? お、お兄ちゃん!? もう自分で歩けますから! おんぶしなくても大丈夫ですから~!」
サレン「……」
ジュン「まだ疑ってるのかな? サレンちゃん、少年は──」
サレン「ううん、疑ってはいないの。ただね……あたしもああやって、女の子扱いされたいなぁって」
ジュン「……そっか。サレンちゃんも、やっぱり大人になったんだね。よしよし」
サレン「あ痛たたたっ!? ちょっとジュンさん! 鎧を着たまま撫でないでよ! ゴリゴリ擦れてハゲちゃうってば!」
サレン「あ~、よかったぁ……。あっ、そうそう。キョウカちゃんの歌、すっごく上手だったわよ♪」
キョウカ「うぅ、やっぱりあれも聞かれていたんですね……。で、でも、お兄ちゃんに褒めてもらったあとだから……恥ずかしいのもちょっとだけです……♪」
ジュン「うん。恥ずかしがる必要なんてないとも。イベント当日も、さっきの調子で歌えば大成功間違いなしだろう」
キョウカ「そ、そんなに褒められるとやっぱり恥ずかしいですよーっ! もぉーっ!」
サレン「あはは♪ かわいらしい子じゃない、あんたも隅に置けないわね~?」
ジュン「さあ。雑談は程々にして、ひとまず森を抜けるとしよう。魔物の血の匂いにひかれて、他の魔物が寄ってくるかもしれない」
キョウカ「そうですね。いつもは魔物なんて出なかったから……びっくりしちゃいました……」
キョウカ「わっ、わぁっ!? お、お兄ちゃん!? もう自分で歩けますから! おんぶしなくても大丈夫ですから~!」
サレン「……」
ジュン「まだ疑ってるのかな? サレンちゃん、少年は──」
サレン「ううん、疑ってはいないの。ただね……あたしもああやって、女の子扱いされたいなぁって」
ジュン「……そっか。サレンちゃんも、やっぱり大人になったんだね。よしよし」
サレン「あ痛たたたっ!? ちょっとジュンさん! 鎧を着たまま撫でないでよ! ゴリゴリ擦れてハゲちゃうってば!」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/04(木) 23:51:49.20 ID:NyiK4gPt0
キョウカ「それでは、お兄ちゃん、サレンさん、さようなら」
ジュン「私はこの子をおうちまで送っていくよ」
サレン「うん、ありがとうジュンさん。二人とも、またね♪」
サレン「キョウカちゃん。今度孤児院まで来た時は、ぜひ中まで上がってちょうだいね。子供たちと一緒に歓迎するわ」
キョウカ「……おともだちも一緒でいいですか? 二人とも、とっても良い子なんです」
サレン「ええ、もちろん。何人でも連れてきていいから、遠慮しないで遊びに来てね」
キョウカ「ふふっ♪ ミミとミソギもいたら、きっともっと楽しくなるだろうな♪」
ジュン「……少年、少年」
ジュン「これを君に。……これが何か? ただのお土産だよ。あとで私から受け取ったことは伏せて、サレンちゃんに渡してあげてほしい」
サレン「ジュンさん? 何してるの~? キョウカちゃん、はやく送ってあげないと門限になっちゃうわよ?」
ジュン「ああ、うん。……では少年、またね」
キョウカ「あの、ジュンさん。私は手を繋がなくてはいけないほど子供ではないので。いえ、子供ですけど……そこまで子供ではないという話で」
ジュン「そ、そうか……。うん……」
ジュン「私はこの子をおうちまで送っていくよ」
サレン「うん、ありがとうジュンさん。二人とも、またね♪」
サレン「キョウカちゃん。今度孤児院まで来た時は、ぜひ中まで上がってちょうだいね。子供たちと一緒に歓迎するわ」
キョウカ「……おともだちも一緒でいいですか? 二人とも、とっても良い子なんです」
サレン「ええ、もちろん。何人でも連れてきていいから、遠慮しないで遊びに来てね」
キョウカ「ふふっ♪ ミミとミソギもいたら、きっともっと楽しくなるだろうな♪」
ジュン「……少年、少年」
ジュン「これを君に。……これが何か? ただのお土産だよ。あとで私から受け取ったことは伏せて、サレンちゃんに渡してあげてほしい」
サレン「ジュンさん? 何してるの~? キョウカちゃん、はやく送ってあげないと門限になっちゃうわよ?」
ジュン「ああ、うん。……では少年、またね」
キョウカ「あの、ジュンさん。私は手を繋がなくてはいけないほど子供ではないので。いえ、子供ですけど……そこまで子供ではないという話で」
ジュン「そ、そうか……。うん……」
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/04(木) 23:52:48.40 ID:NyiK4gPt0
サレン「は~、なんだか変に疲れちゃった。あんたのせいで神経使ったからよ?」
サレン「なぁんてね。あたしが勝手に気を揉んでただけなんだけどね。つい動転しちゃってさ」
サレン「なんで、って……。あんたがあんなちっちゃな女の子に手ぇ出してたらかなりショックだもん」
サレン「ちっちゃな女の子じゃなくてもショックだけど……って、あんたその顔。あたしの言ってることの意味、ちっともわかってないんじゃない?」
サレン「あ~……そりゃそうよね……。あんたは記憶喪失で、最低限のことしかわからないんだもん。そんな発想、最初から少しもないのよね」
サレン「心配してたあたしがバカみたいじゃない、まったくもう。いいけどさ、これからは変に不安になることもなくなるってことだしね」
サレン「……ねえ? あたしとは手ぇ繋いでくれないの? あたし、帰る途中で迷子になっちゃうかもよ?」
サレン「へっ? ずっとあたしのことを見てるから、絶対にはぐれない? ……な、なによもう。それじゃあ二人一緒に迷っちゃうじゃない」
サレン「ふふ。大丈夫よ。あんたがあたしを見ててくれるって言うんなら、あたしはあんたが迷わないように手を引いてあげる。二人でおうちに帰りましょ」
サレン「あら? これじゃ、やっぱり手を繋ぐことになっちゃうわね。ねっ、どうする? 繋いじゃう?」
サレン「なぁんてね。あたしが勝手に気を揉んでただけなんだけどね。つい動転しちゃってさ」
サレン「なんで、って……。あんたがあんなちっちゃな女の子に手ぇ出してたらかなりショックだもん」
サレン「ちっちゃな女の子じゃなくてもショックだけど……って、あんたその顔。あたしの言ってることの意味、ちっともわかってないんじゃない?」
サレン「あ~……そりゃそうよね……。あんたは記憶喪失で、最低限のことしかわからないんだもん。そんな発想、最初から少しもないのよね」
サレン「心配してたあたしがバカみたいじゃない、まったくもう。いいけどさ、これからは変に不安になることもなくなるってことだしね」
サレン「……ねえ? あたしとは手ぇ繋いでくれないの? あたし、帰る途中で迷子になっちゃうかもよ?」
サレン「へっ? ずっとあたしのことを見てるから、絶対にはぐれない? ……な、なによもう。それじゃあ二人一緒に迷っちゃうじゃない」
サレン「ふふ。大丈夫よ。あんたがあたしを見ててくれるって言うんなら、あたしはあんたが迷わないように手を引いてあげる。二人でおうちに帰りましょ」
サレン「あら? これじゃ、やっぱり手を繋ぐことになっちゃうわね。ねっ、どうする? 繋いじゃう?」
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/04(木) 23:53:14.67 ID:NyiK4gPt0
サレン「んひっ……!?」
サレン「う、ううんっ、なんでもないっ! ほんとに手を繋ぐもんだから、ちょっと驚いただけ! 今のは気にしないで!」
サレン「それより……あはは。あんたの手、いつのまにか結構頼もしくなってるじゃない? これなら、ええ、安心するわね」
サレン「って。あんた、そっちの手に持ってる袋はなあに? え? わからないの? なんでそんなもの持ってんのよ……」
サレン「どれどれ……? あっ、これたい焼きじゃない。ひぃ、ふぅ、みぃ……もしかして【サレンディア救護院】全員分? これ、みんなへのお土産に買ってくれたの?」
サレン「んん? ジュンさんに内緒だって渡されたの? ……はは~ん、そういうこと」
サレン「……ったくもう。ジュンさんったら、余計なお節介焼いてくれちゃって」
サレン「ま、せっかくのお節介だし、ありがたく受け取っておきましょうか。物も、気持ちも、ね。……ねえ──」
サレン「ステキなプレゼント、ありがとね。今度、何かお礼をさせてくれる? そうね……二人でお出かけでもしてさ、いろいろ見て回るっていうのはどうかしら?」
サレン「……うん。約束っ♪」
サレン「二人で出かけるなら、その分子供たちにもサービスしないとね。今度やるっていうイベントのときに、奮発してちょっとくらい贅沢させてあげようかしら」
サレン「えっ? コッコロもステージで歌うの? じゃあ……みんなで応援して、イベントも見て回って、帰ったら打ち上げパーティーね♪」
サレン「さっそくスズメと打ち合わせしなくっちゃ! よぉ~し、忙しくなるわよ~!」
サレン「う、ううんっ、なんでもないっ! ほんとに手を繋ぐもんだから、ちょっと驚いただけ! 今のは気にしないで!」
サレン「それより……あはは。あんたの手、いつのまにか結構頼もしくなってるじゃない? これなら、ええ、安心するわね」
サレン「って。あんた、そっちの手に持ってる袋はなあに? え? わからないの? なんでそんなもの持ってんのよ……」
サレン「どれどれ……? あっ、これたい焼きじゃない。ひぃ、ふぅ、みぃ……もしかして【サレンディア救護院】全員分? これ、みんなへのお土産に買ってくれたの?」
サレン「んん? ジュンさんに内緒だって渡されたの? ……はは~ん、そういうこと」
サレン「……ったくもう。ジュンさんったら、余計なお節介焼いてくれちゃって」
サレン「ま、せっかくのお節介だし、ありがたく受け取っておきましょうか。物も、気持ちも、ね。……ねえ──」
サレン「ステキなプレゼント、ありがとね。今度、何かお礼をさせてくれる? そうね……二人でお出かけでもしてさ、いろいろ見て回るっていうのはどうかしら?」
サレン「……うん。約束っ♪」
サレン「二人で出かけるなら、その分子供たちにもサービスしないとね。今度やるっていうイベントのときに、奮発してちょっとくらい贅沢させてあげようかしら」
サレン「えっ? コッコロもステージで歌うの? じゃあ……みんなで応援して、イベントも見て回って、帰ったら打ち上げパーティーね♪」
サレン「さっそくスズメと打ち合わせしなくっちゃ! よぉ~し、忙しくなるわよ~!」
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/04(木) 23:54:05.69 ID:NyiK4gPt0
おしまい
引用元: キョウカ「へんたいふしんしゃさーん!」サレン「あいつそんな風に呼ばれてるの?」
キャル「ギルドの依頼をこなすわよ!」 コッコロ「二人でなんとかいたしましょう」
2020-03-09
1: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/27(土) 22:54:11.086 ID:LMj1/cRU0.net
コッコロ「キャルさま~……! お待たせ致しました~……!」
キャル「おっそいわよ! 一体どれだけ待たせるつもり……って、あんた一人? あのバカはどうしたのよ?」
コッコロ「はぁ……はぁ……。それがですね……んっ……」
キャル「あぁもうっ、いいから一旦息を整えなさい! ハーハー喋られたらこっちまで疲れてくるじゃない」
コッコロ「は、はい……ありがとうございます……」
キャル「ったく……どいつもこいつも……。あたしの貴重な時間をなんだと思ってるのかしら……」
コッコロ「……ふぅ」
コッコロ「キャルさま。まずはお待たせしてしまい、本当に申し訳ありません」
キャル「まったくよ、もう。だけどあんたが謝ることないんじゃない? どうせあんたの大事な主様のせいなんでしょ?」
コッコロ「それはですね、えぇと……」
キャル「で? 元凶のあいつはどこなの? まさか来ないの?」
コッコロ「はい。結論だけ申しますと、主さまはお留守番でございます」
キャル「おっそいわよ! 一体どれだけ待たせるつもり……って、あんた一人? あのバカはどうしたのよ?」
コッコロ「はぁ……はぁ……。それがですね……んっ……」
キャル「あぁもうっ、いいから一旦息を整えなさい! ハーハー喋られたらこっちまで疲れてくるじゃない」
コッコロ「は、はい……ありがとうございます……」
キャル「ったく……どいつもこいつも……。あたしの貴重な時間をなんだと思ってるのかしら……」
コッコロ「……ふぅ」
コッコロ「キャルさま。まずはお待たせしてしまい、本当に申し訳ありません」
キャル「まったくよ、もう。だけどあんたが謝ることないんじゃない? どうせあんたの大事な主様のせいなんでしょ?」
コッコロ「それはですね、えぇと……」
キャル「で? 元凶のあいつはどこなの? まさか来ないの?」
コッコロ「はい。結論だけ申しますと、主さまはお留守番でございます」
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2: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/27(土) 22:57:09.923 ID:LMj1/cRU0.net
キャル「……」
コッコロ「あの、キャルさま……」
キャル「……平気よ。ちょーっとイラっときただけだから」
コッコロ「今日はお寝坊やおサボりではなくてですね、キチンとした理由が……!」
キャル「ふ~ん? ギルドの活動をすっぽかすだけの理由があるってんなら、是非聞かせてもらおうかしら」
コッコロ「実はですね。主さま、近頃流行している伝染病に罹ってしまいまして……。今朝から高いお熱に苦しんでおられるのです……」
キャル「はぁ? 大丈夫なの、それ?」
コッコロ「先程お医者さまに診ていただきましたので、とりあえずは……。今はお薬を飲んで眠っておられます……」
コッコロ「なにやら、あっという間に治ってしまうお薬もあるようなのですが……そちらは今、訳あって手に入らないそうで」
キャル「そ、そう……。なら、しばらく安静なのね……」
キャル「ふんっ、ほんと軟弱なんだから! 情けないわね~!」
コッコロ「うぅ……」
キャル「……貧弱でどうしようもないヤツなんだから、あんたが側についててあげなさいよ。今日の魔物退治の仕事はあたしがやっておくから」
コッコロ「あの、キャルさま……」
キャル「……平気よ。ちょーっとイラっときただけだから」
コッコロ「今日はお寝坊やおサボりではなくてですね、キチンとした理由が……!」
キャル「ふ~ん? ギルドの活動をすっぽかすだけの理由があるってんなら、是非聞かせてもらおうかしら」
コッコロ「実はですね。主さま、近頃流行している伝染病に罹ってしまいまして……。今朝から高いお熱に苦しんでおられるのです……」
キャル「はぁ? 大丈夫なの、それ?」
コッコロ「先程お医者さまに診ていただきましたので、とりあえずは……。今はお薬を飲んで眠っておられます……」
コッコロ「なにやら、あっという間に治ってしまうお薬もあるようなのですが……そちらは今、訳あって手に入らないそうで」
キャル「そ、そう……。なら、しばらく安静なのね……」
キャル「ふんっ、ほんと軟弱なんだから! 情けないわね~!」
コッコロ「うぅ……」
キャル「……貧弱でどうしようもないヤツなんだから、あんたが側についててあげなさいよ。今日の魔物退治の仕事はあたしがやっておくから」
4: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/27(土) 23:00:25.673 ID:LMj1/cRU0.net
コッコロ「わたくしも、キャルさまとペコリーヌさまにお伝えしたら、すぐに看病に戻ろうと思っていたのですが……」
キャル「む……」
コッコロ「うつしてしまってはいけないと、お部屋を追い出されてしまったのです……」
キャル「へぇ? ま、たしかにそうね。あいつにしてはマトモな判断じゃない」
コッコロ「ですので、キャルさま。本日はわたくし、主さまの分まで働こうと張り切っています」
キャル「あっそ。じゃあさっさと済ませちゃいましょ」
キャル「けどコロ助。張り切るのはいいけど、主様の分だけじゃ足りないわよ。もう一人分頑張ってもらわないと」
コッコロ「はて、もう一人分と仰いますと……? そういえばペコリーヌさまのお姿が見えませんね?」
キャル「ペコリーヌのやつも今日は来ないから。あいつ一人で二人分の戦力だし、ちょっとだけキツいけど」
コッコロ「も、もしやペコリーヌさまもご病気に……?」
キャル「あいつはそんなヤワじゃないわよ。なんか急用だ~、って言ってたわ。顔色変えて飛んで行っちゃった」
コッコロ「……ふむ。急用であれば致し方ありません。でしたら今日はわたくしとキャルさまの二人で頑張りましょう」
キャル「はーあ……これじゃ楽できそうにはないわね~……。ま、愚痴ってもしょうがないか……」
キャル「む……」
コッコロ「うつしてしまってはいけないと、お部屋を追い出されてしまったのです……」
キャル「へぇ? ま、たしかにそうね。あいつにしてはマトモな判断じゃない」
コッコロ「ですので、キャルさま。本日はわたくし、主さまの分まで働こうと張り切っています」
キャル「あっそ。じゃあさっさと済ませちゃいましょ」
キャル「けどコロ助。張り切るのはいいけど、主様の分だけじゃ足りないわよ。もう一人分頑張ってもらわないと」
コッコロ「はて、もう一人分と仰いますと……? そういえばペコリーヌさまのお姿が見えませんね?」
キャル「ペコリーヌのやつも今日は来ないから。あいつ一人で二人分の戦力だし、ちょっとだけキツいけど」
コッコロ「も、もしやペコリーヌさまもご病気に……?」
キャル「あいつはそんなヤワじゃないわよ。なんか急用だ~、って言ってたわ。顔色変えて飛んで行っちゃった」
コッコロ「……ふむ。急用であれば致し方ありません。でしたら今日はわたくしとキャルさまの二人で頑張りましょう」
キャル「はーあ……これじゃ楽できそうにはないわね~……。ま、愚痴ってもしょうがないか……」
5: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/27(土) 23:03:17.849 ID:LMj1/cRU0.net
~森~
コッコロ「キャルさま! とどめを!」
キャル「分かってるっての! はぁぁぁっ!」
キャル「……っと、コロ助! 屈みなさい!」
コッコロ「え? あ、はいっ……!」
キャル「消えろぉっ!」
コッコロ「わわわ……! 後ろに三体も魔物が……! た、助かりました、キャルさま」
キャル「ったく。油断するんじゃないわよ。今日はいつも指示出してるヤツがいないんだから」
コッコロ「はい……申し訳ありません……」
キャル「ケガはなかった?」
コッコロ「はい。キャルさまのおかげでこの通り、傷ひとつありません」
キャル「ん、ならいいわ。さっ、どんどん行くわよ!」
コッコロ「キャルさま! とどめを!」
キャル「分かってるっての! はぁぁぁっ!」
キャル「……っと、コロ助! 屈みなさい!」
コッコロ「え? あ、はいっ……!」
キャル「消えろぉっ!」
コッコロ「わわわ……! 後ろに三体も魔物が……! た、助かりました、キャルさま」
キャル「ったく。油断するんじゃないわよ。今日はいつも指示出してるヤツがいないんだから」
コッコロ「はい……申し訳ありません……」
キャル「ケガはなかった?」
コッコロ「はい。キャルさまのおかげでこの通り、傷ひとつありません」
キャル「ん、ならいいわ。さっ、どんどん行くわよ!」
6: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/27(土) 23:06:06.542 ID:LMj1/cRU0.net
コッコロ「あのっ……!」
キャル「なによ? お腹でも空いたの?」
コッコロ「お、おててを繋いではいただけないでしょうか……?」
コッコロ「いつもは主さまが握っていてくれているのですが……その……」
キャル「はぁ? どうしてあたしがそんなこと……。ペコリーヌにでも──って、あいつもいないんだったわね……」
コッコロ「嫌、でしょうか……?」
キャル「イヤっていうか……。あんたそんなに甘えん坊だったっけ?」
コッコロ「……」
キャル「……あたしでいいの?」
コッコロ「はい。他に頼れる方がいませんので」
キャル「……」
キャル「繋いであげない」
コッコロ「そんなっ……」
キャル「なによ? お腹でも空いたの?」
コッコロ「お、おててを繋いではいただけないでしょうか……?」
コッコロ「いつもは主さまが握っていてくれているのですが……その……」
キャル「はぁ? どうしてあたしがそんなこと……。ペコリーヌにでも──って、あいつもいないんだったわね……」
コッコロ「嫌、でしょうか……?」
キャル「イヤっていうか……。あんたそんなに甘えん坊だったっけ?」
コッコロ「……」
キャル「……あたしでいいの?」
コッコロ「はい。他に頼れる方がいませんので」
キャル「……」
キャル「繋いであげない」
コッコロ「そんなっ……」
7: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/27(土) 23:08:42.201 ID:LMj1/cRU0.net
コッコロ「……ふふ♪」
キャル「いい? 魔物が出たらすぐに離すのよ?」
コッコロ「キャルさまのおてては小さくて柔らかいです♪」
キャル「聞きなさいよ!」
コッコロ「少しひんやりしていますが」
キャル「うぐ……。ふんっ、手が冷たい人は心があったかいのよ」
コッコロ「ふむ、なるほど。キャルさまはとてもお優しい方ですからね。納得です」
キャル「あぁもうっ! うっさいうっさい! 黙って歩きなさいよね!」
コッコロ「……」
キャル「……ちょっとくらいなら喋っていいわよ?」
コッコロ「キャルさま、魔物です」
キャル「早く言いなさいよっ!」
キャル「いい? 魔物が出たらすぐに離すのよ?」
コッコロ「キャルさまのおてては小さくて柔らかいです♪」
キャル「聞きなさいよ!」
コッコロ「少しひんやりしていますが」
キャル「うぐ……。ふんっ、手が冷たい人は心があったかいのよ」
コッコロ「ふむ、なるほど。キャルさまはとてもお優しい方ですからね。納得です」
キャル「あぁもうっ! うっさいうっさい! 黙って歩きなさいよね!」
コッコロ「……」
キャル「……ちょっとくらいなら喋っていいわよ?」
コッコロ「キャルさま、魔物です」
キャル「早く言いなさいよっ!」
8: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/27(土) 23:10:59.068 ID:LMj1/cRU0.net
キャル「ぜーっ……ぜーっ……」
コッコロ「キャルさま、キャルさま」
キャル「なによ……。少し休ませてちょうだい……」
コッコロ「たった今倒した、この狼のような魔物ですが。どうやら討伐を依頼された魔物のようです」
キャル「え? どれどれ? ……あ、ほんとね。依頼にあったのは、こいつと、こいつのツガイの魔物の二匹よね。てことは──」
コッコロ「恐らくこの近くにもう一体の魔物もいるかと」
コッコロ「怒らせてしまうと厄介です。この魔物の死骸が、ツガイの魔物に発見されないうちに仕留めてしまいましょう」
キャル「ええ、それがいいわね。ん~っ……! やっと帰れるわね~。帰ったらご飯でも食べましょうか」
コッコロ「そうですね。【ギルド管理協会】に報告を済ませたら──キャルさまっ!」
魔物「ガァァァァッ!」
キャル「……え?」
コッコロ「キャルさま、キャルさま」
キャル「なによ……。少し休ませてちょうだい……」
コッコロ「たった今倒した、この狼のような魔物ですが。どうやら討伐を依頼された魔物のようです」
キャル「え? どれどれ? ……あ、ほんとね。依頼にあったのは、こいつと、こいつのツガイの魔物の二匹よね。てことは──」
コッコロ「恐らくこの近くにもう一体の魔物もいるかと」
コッコロ「怒らせてしまうと厄介です。この魔物の死骸が、ツガイの魔物に発見されないうちに仕留めてしまいましょう」
キャル「ええ、それがいいわね。ん~っ……! やっと帰れるわね~。帰ったらご飯でも食べましょうか」
コッコロ「そうですね。【ギルド管理協会】に報告を済ませたら──キャルさまっ!」
魔物「ガァァァァッ!」
キャル「……え?」
9: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/27(土) 23:13:38.904 ID:LMj1/cRU0.net
~???~
キャル「……ん」
コッコロ「キャルさま……!」
キャル「う、ぅ……」
コッコロ「キャルさま、ご気分はいかがでございますか?」
キャル「……最悪よ」
コッコロ「つまり……いつも通り、ということでしょうか? それはなによりでございます」
キャル「はぁ~……。説明してもらえる?」
コッコロ「先程、魔物に不意を突かれる形で攻撃を受けました。キャルさまは最初の攻撃で気を失ってしまって……」
コッコロ「わたくしがなんとか魔物を追い払い、今はこうして安全な洞穴に一時避難しております。外は既に暗くなっておりますので、今夜はここで休息を取ることに致しました」
キャル「無様ね……。ったく……イヤになるわ……」
コッコロ「あまりご自分を責めないでください。こうして事なきを得たのですから、今はそれで良いではありませんか」
キャル「いいわけないわよ……! だってあんた……そんなにボロボロになって……」
コッコロ「かすり傷でございますよ。キャルさまの方がよっぽど痛いでしょうに」
キャル「……」
キャル「ごめん……。ごめんね、コロ助……」
コッコロ「……さあキャルさま。今はまだお休みにならないと。明日になれば痛みも和らいでいることでしょう」
キャル「あたしの魔法で必ず治してあげるから……必ずよ……」
キャル「……ん」
コッコロ「キャルさま……!」
キャル「う、ぅ……」
コッコロ「キャルさま、ご気分はいかがでございますか?」
キャル「……最悪よ」
コッコロ「つまり……いつも通り、ということでしょうか? それはなによりでございます」
キャル「はぁ~……。説明してもらえる?」
コッコロ「先程、魔物に不意を突かれる形で攻撃を受けました。キャルさまは最初の攻撃で気を失ってしまって……」
コッコロ「わたくしがなんとか魔物を追い払い、今はこうして安全な洞穴に一時避難しております。外は既に暗くなっておりますので、今夜はここで休息を取ることに致しました」
キャル「無様ね……。ったく……イヤになるわ……」
コッコロ「あまりご自分を責めないでください。こうして事なきを得たのですから、今はそれで良いではありませんか」
キャル「いいわけないわよ……! だってあんた……そんなにボロボロになって……」
コッコロ「かすり傷でございますよ。キャルさまの方がよっぽど痛いでしょうに」
キャル「……」
キャル「ごめん……。ごめんね、コロ助……」
コッコロ「……さあキャルさま。今はまだお休みにならないと。明日になれば痛みも和らいでいることでしょう」
キャル「あたしの魔法で必ず治してあげるから……必ずよ……」
11: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/27(土) 23:17:31.726 ID:LMj1/cRU0.net
~森~
キャル「よーっし! 全快全快! 昨日の借りを返すわよ!」
コッコロ「キャルさま、嘘はいけませんよ」
キャル「はぁ? あたし、嘘なんて──」
コッコロ「キャルさまのことです、わたくしの傷を癒すのに全力を尽くしたのではないですか?」
コッコロ「ご自分に回復魔法をかけるだけの魔力は、おそらく残っていなかったことでしょう」
キャル「んなわけないでしょうが。自分優先に決まってるでしょ」
コッコロ「えいっ」
キャル「い゛ったーっ!? ちょっ、あんたっ、なにすんのよ!?」
コッコロ「それはわたくしのセリフでございます。そのような身体でなにをするおつもりですか」
キャル「……決まってるでしょ。あの犬っころにキツ~いお仕置きをしてやるのよ」
コッコロ「いけません。一度帰還して態勢を整えるべきです」
キャル「そんな悠長なことしてたら逃げられちゃうわよ! 今ここでぶっ殺さないと、二度と機会はないかもしれない!」
コッコロ「その傷では返り討ちにあってしまいます。なにより魔力もなしにどう戦うおつもりですか」
キャル「そんなのっ……! ぶん殴ればいいだけじゃないっ!」
コッコロ「お願いでございます、キャルさま──」
コッコロ「討伐報酬や敵討ちなどより、わたくしはキャルさまが大切なのです……。ご自分の身を投げ打つようなことはしないでくださいまし……」
キャル「……」
コッコロ「キャルさま……一緒に帰りましょう……?」
キャル「……ええ」
キャル「よーっし! 全快全快! 昨日の借りを返すわよ!」
コッコロ「キャルさま、嘘はいけませんよ」
キャル「はぁ? あたし、嘘なんて──」
コッコロ「キャルさまのことです、わたくしの傷を癒すのに全力を尽くしたのではないですか?」
コッコロ「ご自分に回復魔法をかけるだけの魔力は、おそらく残っていなかったことでしょう」
キャル「んなわけないでしょうが。自分優先に決まってるでしょ」
コッコロ「えいっ」
キャル「い゛ったーっ!? ちょっ、あんたっ、なにすんのよ!?」
コッコロ「それはわたくしのセリフでございます。そのような身体でなにをするおつもりですか」
キャル「……決まってるでしょ。あの犬っころにキツ~いお仕置きをしてやるのよ」
コッコロ「いけません。一度帰還して態勢を整えるべきです」
キャル「そんな悠長なことしてたら逃げられちゃうわよ! 今ここでぶっ殺さないと、二度と機会はないかもしれない!」
コッコロ「その傷では返り討ちにあってしまいます。なにより魔力もなしにどう戦うおつもりですか」
キャル「そんなのっ……! ぶん殴ればいいだけじゃないっ!」
コッコロ「お願いでございます、キャルさま──」
コッコロ「討伐報酬や敵討ちなどより、わたくしはキャルさまが大切なのです……。ご自分の身を投げ打つようなことはしないでくださいまし……」
キャル「……」
コッコロ「キャルさま……一緒に帰りましょう……?」
キャル「……ええ」
12: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/27(土) 23:21:05.999 ID:LMj1/cRU0.net
キャル「はぁ……はぁ……。うぅ~っ……! よく考えれば、あれもこれもぜーんぶペコリーヌとあのバカのせいじゃない!」
コッコロ「主さまの責任はわたくしの責任。そしてペコリーヌさまは外すことのできない急用なのですから、すなわち全てわたくしの責任でございましょう」
キャル「あんたはなにひとつ悪くないの。よしよし」
コッコロ「ふぁ……」
キャル「大体急用ってなによ!? 大食い大会とかだったらタダじゃおかないんだから!」
コッコロ「否定しきれないのがなんとも……」
キャル「その辺の魔物焼いたら匂いに釣られて出てくるんじゃないの?」
コッコロ「否定しきれないのが……」
キャル「あ~……イライラするわね……。今度会ったら問い詰めてやるわ……」
コッコロ「……ふふっ」
キャル「なによ」
コッコロ「お二人は仲良しで羨ましゅうございます。ペコリーヌさまのお話をしているときのキャルさまは、とても楽しそうなお顔でいらっしゃいますから♪」
キャル「なっ……!?」
コッコロ「主さまの責任はわたくしの責任。そしてペコリーヌさまは外すことのできない急用なのですから、すなわち全てわたくしの責任でございましょう」
キャル「あんたはなにひとつ悪くないの。よしよし」
コッコロ「ふぁ……」
キャル「大体急用ってなによ!? 大食い大会とかだったらタダじゃおかないんだから!」
コッコロ「否定しきれないのがなんとも……」
キャル「その辺の魔物焼いたら匂いに釣られて出てくるんじゃないの?」
コッコロ「否定しきれないのが……」
キャル「あ~……イライラするわね……。今度会ったら問い詰めてやるわ……」
コッコロ「……ふふっ」
キャル「なによ」
コッコロ「お二人は仲良しで羨ましゅうございます。ペコリーヌさまのお話をしているときのキャルさまは、とても楽しそうなお顔でいらっしゃいますから♪」
キャル「なっ……!?」
13: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/27(土) 23:25:36.131 ID:LMj1/cRU0.net
キャル「あたしがペコリーヌと仲良しですってぇ? なーに言っちゃってんだか、このチビ助は」
コッコロ「とても、とても仲良しです」
キャル「あんな食ってばっかの食い意地ーヌと仲いいわけないでしょ? 当然、あんたの大事な頭空っぽ変人赤ちゃんとも仲よくなんてないから」
コッコロ「本当に素直ではないのですね、キャルさまは。ここにはわたくししかいないのですから、素直になっても良いのに」
キャル「ふんっ。これがあたしの素直な気持ちよ」
コッコロ「ではキャルさま。『ギルドの中で二人組を作って』と言われたら、どなたを選ばれますか?」
キャル「二人組って……。あたしは別に一人でいいわよ。群れるのなんて真っ平だし」
コッコロ「そうなると……。主さまとペコリーヌさまのどちらかを余らせてしまうわけにはいかず、結果としてわたくしがひとりぼっちに……」
キャル「……」
コッコロ「せっかく四人いるのに……」
キャル「……余ったらあたしが組んであげるわよ」
コッコロ「はて。今なんとおっしゃいましたか?」
キャル「なんでもないっ!」
コッコロ「やはり素直ではありませんね♪」
キャル「聞こえてるんじゃない……」
コッコロ「とても、とても仲良しです」
キャル「あんな食ってばっかの食い意地ーヌと仲いいわけないでしょ? 当然、あんたの大事な頭空っぽ変人赤ちゃんとも仲よくなんてないから」
コッコロ「本当に素直ではないのですね、キャルさまは。ここにはわたくししかいないのですから、素直になっても良いのに」
キャル「ふんっ。これがあたしの素直な気持ちよ」
コッコロ「ではキャルさま。『ギルドの中で二人組を作って』と言われたら、どなたを選ばれますか?」
キャル「二人組って……。あたしは別に一人でいいわよ。群れるのなんて真っ平だし」
コッコロ「そうなると……。主さまとペコリーヌさまのどちらかを余らせてしまうわけにはいかず、結果としてわたくしがひとりぼっちに……」
キャル「……」
コッコロ「せっかく四人いるのに……」
キャル「……余ったらあたしが組んであげるわよ」
コッコロ「はて。今なんとおっしゃいましたか?」
キャル「なんでもないっ!」
コッコロ「やはり素直ではありませんね♪」
キャル「聞こえてるんじゃない……」
14: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/27(土) 23:27:57.956 ID:LMj1/cRU0.net
キャル「ねぇコロ助。森の出口、もうすぐよね?」
コッコロ「……」
キャル「コロ助? 聞いてるの?」
コッコロ「……」
キャル「ちょっと、なんで無視すんのよ。コロ助ってば」
コッコロ「コロ助ではありません。コッコロです」
キャル「はぁ? なに意味分かんないこと言ってんのよ。コロ助はコロ助でしょ?」
コッコロ「……ぷい」
キャル「あんたねぇ……」
コッコロ「……」
キャル「意地でも返事をしないつもりね……。別にいいわよ、それならそれで」
コッコロ「……あっ」
キャル「ふふん、いつまで保つか見ものね」
コッコロ「……」
キャル「コロ助? 聞いてるの?」
コッコロ「……」
キャル「ちょっと、なんで無視すんのよ。コロ助ってば」
コッコロ「コロ助ではありません。コッコロです」
キャル「はぁ? なに意味分かんないこと言ってんのよ。コロ助はコロ助でしょ?」
コッコロ「……ぷい」
キャル「あんたねぇ……」
コッコロ「……」
キャル「意地でも返事をしないつもりね……。別にいいわよ、それならそれで」
コッコロ「……あっ」
キャル「ふふん、いつまで保つか見ものね」
15: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/27(土) 23:31:08.031 ID:LMj1/cRU0.net
コッコロ「……」
キャル「……」
コッコロ「……」
キャル「……なによ。意地っ張りね」
コッコロ「……」
キャル「そういえば前にも言ってたっけ」
ーーーーーーーーーー
コッコロ「もっとちゃんと愛情を込めて、コッコロと呼んでいただきたい……♪」
ーーーーーーーーーー
キャル「『コロ助』だって別に悪くないと思うんだけど……」
コッコロ「……」
キャル「……ねぇ、コロ助」
コッコロ「ぐすっ」
キャル「ちょっ!? あんたなに泣いてんのよ!? え!? なんで!? あたしが悪いの!?」
コッコロ「い、いえ……泣いてなんて……うぅ……」
キャル「……」
コッコロ「……」
キャル「……なによ。意地っ張りね」
コッコロ「……」
キャル「そういえば前にも言ってたっけ」
ーーーーーーーーーー
コッコロ「もっとちゃんと愛情を込めて、コッコロと呼んでいただきたい……♪」
ーーーーーーーーーー
キャル「『コロ助』だって別に悪くないと思うんだけど……」
コッコロ「……」
キャル「……ねぇ、コロ助」
コッコロ「ぐすっ」
キャル「ちょっ!? あんたなに泣いてんのよ!? え!? なんで!? あたしが悪いの!?」
コッコロ「い、いえ……泣いてなんて……うぅ……」
16: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/27(土) 23:34:16.032 ID:LMj1/cRU0.net
キャル「あぁ~……! もうっ、困ったわね~……。子供のあやし方なんて知らないっての……!」
コッコロ「んっ……ふぇっ……くすん……」
キャル「なによなによなによ……! どうしろってのよぉ……」
キャル「うぐぐぐぐ……! しょぉーっがないわねっ!」
キャル「こ、コっ──」
コッコロ「ふ、ぇ……?」
キャル「……コッコ、ロ」
コッコロ「あ……きゃ、キャルさま……? 今……」
キャル「こっち来なさい、コッコロ。涙拭いてあげる」
コッコロ「は、はい……♪」
キャル「呼び方なんかにこだわるなんて……ほんっとお子様なんだから……。はい、おしまい」
コッコロ「キャルさまっ♪」
キャル「うわっとと! なに抱きついてんのよ! 離れなさいっ! はーなーれーなーさーいーよー!」
コッコロ「……えへへ♪」
コッコロ「んっ……ふぇっ……くすん……」
キャル「なによなによなによ……! どうしろってのよぉ……」
キャル「うぐぐぐぐ……! しょぉーっがないわねっ!」
キャル「こ、コっ──」
コッコロ「ふ、ぇ……?」
キャル「……コッコ、ロ」
コッコロ「あ……きゃ、キャルさま……? 今……」
キャル「こっち来なさい、コッコロ。涙拭いてあげる」
コッコロ「は、はい……♪」
キャル「呼び方なんかにこだわるなんて……ほんっとお子様なんだから……。はい、おしまい」
コッコロ「キャルさまっ♪」
キャル「うわっとと! なに抱きついてんのよ! 離れなさいっ! はーなーれーなーさーいーよー!」
コッコロ「……えへへ♪」
17: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/27(土) 23:36:27.345 ID:LMj1/cRU0.net
キャル「はぁ……。はぁ~……。はぁぁぁぁ……」
コッコロ「ふふふ♪」
キャル「いい加減離れなさいよ……。出口近くとはいえ、まだ魔物のうろつく森の中なのよ……?」
コッコロ「そ、そうでした……。心地が良くて、つい……」
キャル「あんた時々ズレてるわよね……。森を出たらすぐにランドソルに着くんだから、それまでは気合い入れなさい」
コッコロ「最後まで油断せず、ですね♪」
キャル「ほら、手」
コッコロ「はて……?」
キャル「繋ぐんでしょ。早くしなさいよ」
コッコロ「い、いいのでしょうか……? その、無理をなさらなくても……」
キャル「なによ、繋がないの? なら手ぇ引っ込めちゃおうかしら」
コッコロ「繋ぎますっ。繋ぎたいです。あぁっ、引っ込めないでください~……!」
コッコロ「ふふふ♪」
キャル「いい加減離れなさいよ……。出口近くとはいえ、まだ魔物のうろつく森の中なのよ……?」
コッコロ「そ、そうでした……。心地が良くて、つい……」
キャル「あんた時々ズレてるわよね……。森を出たらすぐにランドソルに着くんだから、それまでは気合い入れなさい」
コッコロ「最後まで油断せず、ですね♪」
キャル「ほら、手」
コッコロ「はて……?」
キャル「繋ぐんでしょ。早くしなさいよ」
コッコロ「い、いいのでしょうか……? その、無理をなさらなくても……」
キャル「なによ、繋がないの? なら手ぇ引っ込めちゃおうかしら」
コッコロ「繋ぎますっ。繋ぎたいです。あぁっ、引っ込めないでください~……!」
18: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/27(土) 23:39:21.206 ID:LMj1/cRU0.net
~ランドソル~
キャル「死ぬかと思ったわ……。は~、しんど……」
コッコロ「お疲れ様でした、キャルさま」
コッコロ「【ギルド管理協会】への報告はわたくしにお任せください。キャルさまはすぐに傷の手当てを」
キャル「うーん、それでもいいんだけどさぁ。大丈夫なのかしら」
コッコロ「ふむ……? 大丈夫か、と言いますと……?」
キャル「あんたの主様よ。丸一日空けちゃったでしょ? 今頃変死体として処理されてるんじゃない?」
コッコロ「……」
キャル「ちょっ、冗談だから! そんな今にも死にそうな顔しないでってば!」
コッコロ「主さま……主さまぁ……。わたくしは……うぅ……どうすれば……」
キャル「報告なんて後でもいいし、あたしも一緒についていってあげる。死んでたら後始末しないといけないもの」
コッコロ「あぁ……あぁぁぁぁ……」
キャル「あははっ! ほんと、からかい甲斐があるわね~」
キャル「さっ、行きましょ。あいつがどんなヒドイ顔してるか楽しみだわ♪」
キャル「死ぬかと思ったわ……。は~、しんど……」
コッコロ「お疲れ様でした、キャルさま」
コッコロ「【ギルド管理協会】への報告はわたくしにお任せください。キャルさまはすぐに傷の手当てを」
キャル「うーん、それでもいいんだけどさぁ。大丈夫なのかしら」
コッコロ「ふむ……? 大丈夫か、と言いますと……?」
キャル「あんたの主様よ。丸一日空けちゃったでしょ? 今頃変死体として処理されてるんじゃない?」
コッコロ「……」
キャル「ちょっ、冗談だから! そんな今にも死にそうな顔しないでってば!」
コッコロ「主さま……主さまぁ……。わたくしは……うぅ……どうすれば……」
キャル「報告なんて後でもいいし、あたしも一緒についていってあげる。死んでたら後始末しないといけないもの」
コッコロ「あぁ……あぁぁぁぁ……」
キャル「あははっ! ほんと、からかい甲斐があるわね~」
キャル「さっ、行きましょ。あいつがどんなヒドイ顔してるか楽しみだわ♪」
19: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/27(土) 23:41:51.085 ID:LMj1/cRU0.net
キャル「早く入りなさいよ。まさかマジで死んでるとでも思ってるわけ?」
コッコロ「も、もしものことを想像してしまって……。足が……す、すくんで動けません……」
キャル「もう、悪かったわよ。脅かしすぎたのは謝るから。大丈夫よ、きっと元気に待ってるわ」
コッコロ「そう、でしょうか……? で、では勇気を出して──」
ペコリーヌ「あれあれ~? コッコロちゃんに、キャルちゃんじゃないですか!」
コッコロ「ひぇぇっ……!?」
キャル「ペ、ペコリーヌ!?」
ペコリーヌ「おいっす~☆」
コッコロ「あわわ……腰が抜けてしまいました……。ペコリーヌさま、どうして主さまのお部屋から……?」
キャル「あんた……! あいつのこと食べちゃったんじゃないでしょうね!?」
コッコロ「そんな……! ペコリーヌさまひどいです! いくらお腹が空いているからといって、主さまを食べてしまうなんて! あんまりでございます!」
ペコリーヌ「もぉ~、何を言ってるんですかぁ! まだ食べたりしませんよ~!」
キャル「まだ……?」
コッコロ「も、もしものことを想像してしまって……。足が……す、すくんで動けません……」
キャル「もう、悪かったわよ。脅かしすぎたのは謝るから。大丈夫よ、きっと元気に待ってるわ」
コッコロ「そう、でしょうか……? で、では勇気を出して──」
ペコリーヌ「あれあれ~? コッコロちゃんに、キャルちゃんじゃないですか!」
コッコロ「ひぇぇっ……!?」
キャル「ペ、ペコリーヌ!?」
ペコリーヌ「おいっす~☆」
コッコロ「あわわ……腰が抜けてしまいました……。ペコリーヌさま、どうして主さまのお部屋から……?」
キャル「あんた……! あいつのこと食べちゃったんじゃないでしょうね!?」
コッコロ「そんな……! ペコリーヌさまひどいです! いくらお腹が空いているからといって、主さまを食べてしまうなんて! あんまりでございます!」
ペコリーヌ「もぉ~、何を言ってるんですかぁ! まだ食べたりしませんよ~!」
キャル「まだ……?」
20: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/27(土) 23:44:15.803 ID:LMj1/cRU0.net
コッコロ「……では、ペコリーヌさまは主さまの看病を?」
ペコリーヌ「はい♪ 昨日、急いで用事を終わらせて帰ってきたら、彼が流行り病で倒れてるっていうじゃないですか!」
ペコリーヌ「コッコロちゃんもキャルちゃんも出かけちゃってたので、手の空いたわたしが看病をしていたんです♪ 放っておくとやばいですから☆」
キャル「看病してたのはいいけどさ、結局あんたはなにしてたのよ? あんたがいないせいで、こっちは散々な目に遭ったんだけど」
コッコロ「急用、と伺いましたが……一体どのようなご用事だったのでしょう?」
ペコリーヌ「それがですね~、偶然にもこの病気に関係していまして」
ペコリーヌ「この病気を一発で治しちゃう、すんごいお薬があるんですけどね? そのお薬の原料を運ぶ商隊が、たくさんの魔物に囲まれちゃったって聞いたんです」
キャル「それを助けに行ってたってこと? なんであんたがわざわざ血相変えて出しゃばってんのよ。関係ないじゃない」
ペコリーヌ「街の人たちが苦しんでるんですよ? その人たちに笑顔が戻るんです、一刻も早くお薬を届けてあげたいじゃないですか!」
コッコロ「ペコリーヌさまらしい立派なお考えだと思います。わたくし、感動いたしました」
キャル「そのご立派な行動があたしとコッ……コロ助を危険に晒したんだけどね。少しは反省しなさいよ」
コッコロ「むっ……」
ペコリーヌ「えへへ……それは本当にごめんなさいっ。まさか彼が伏せっているとは思わなくって……」
ペコリーヌ「はい♪ 昨日、急いで用事を終わらせて帰ってきたら、彼が流行り病で倒れてるっていうじゃないですか!」
ペコリーヌ「コッコロちゃんもキャルちゃんも出かけちゃってたので、手の空いたわたしが看病をしていたんです♪ 放っておくとやばいですから☆」
キャル「看病してたのはいいけどさ、結局あんたはなにしてたのよ? あんたがいないせいで、こっちは散々な目に遭ったんだけど」
コッコロ「急用、と伺いましたが……一体どのようなご用事だったのでしょう?」
ペコリーヌ「それがですね~、偶然にもこの病気に関係していまして」
ペコリーヌ「この病気を一発で治しちゃう、すんごいお薬があるんですけどね? そのお薬の原料を運ぶ商隊が、たくさんの魔物に囲まれちゃったって聞いたんです」
キャル「それを助けに行ってたってこと? なんであんたがわざわざ血相変えて出しゃばってんのよ。関係ないじゃない」
ペコリーヌ「街の人たちが苦しんでるんですよ? その人たちに笑顔が戻るんです、一刻も早くお薬を届けてあげたいじゃないですか!」
コッコロ「ペコリーヌさまらしい立派なお考えだと思います。わたくし、感動いたしました」
キャル「そのご立派な行動があたしとコッ……コロ助を危険に晒したんだけどね。少しは反省しなさいよ」
コッコロ「むっ……」
ペコリーヌ「えへへ……それは本当にごめんなさいっ。まさか彼が伏せっているとは思わなくって……」
21: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/27(土) 23:47:13.562 ID:LMj1/cRU0.net
コッコロ「それで、あの……そのお薬はまだ手に入らないのでしょうか……? 主さまに飲ませてさしあげたいのですが……」
ペコリーヌ「それはですね~」
ペコリーヌ「ふっふっふ~♪」
キャル「なによ、気持ち悪いわね……。勿体ぶっちゃって……あっ、もしかしてもう手に入ったの?」
ペコリーヌ「はいっ☆ 今しがた飲ませてあげたところです♪」
コッコロ「なんと……! それは本当でございますか! では主さまは……」
ペコリーヌ「今日一日ゆっくりお休みすればすっかり快くなるとのことですから、安心してください♪」
コッコロ「な、なんとお礼を言ったら良いか……! ペコリーヌさま、本当にありがとうございます……♪」
キャル「あははっ! よかったわね、コロ助♪」
ペコリーヌ「まだ感染の危険はあるみたいなので、お二人は部屋には入らない方がいいですよ? またしばらくの間、薬は手に入らないそうですから」
コッコロ「そうなのですね……。それでしたらペコリーヌさま。少しの間、主さまをお任せしてもよろしいでしょうか?」
ペコリーヌ「はい、もちろんいいですけど……どこかお出かけですか?」
コッコロ「キャルさまの手当てをしに行かないと。お元気そうに見えて、実はキャルさま、大ケガをしていまして……」
ペコリーヌ「えぇっ!? キャルちゃんが!?」
ペコリーヌ「それはですね~」
ペコリーヌ「ふっふっふ~♪」
キャル「なによ、気持ち悪いわね……。勿体ぶっちゃって……あっ、もしかしてもう手に入ったの?」
ペコリーヌ「はいっ☆ 今しがた飲ませてあげたところです♪」
コッコロ「なんと……! それは本当でございますか! では主さまは……」
ペコリーヌ「今日一日ゆっくりお休みすればすっかり快くなるとのことですから、安心してください♪」
コッコロ「な、なんとお礼を言ったら良いか……! ペコリーヌさま、本当にありがとうございます……♪」
キャル「あははっ! よかったわね、コロ助♪」
ペコリーヌ「まだ感染の危険はあるみたいなので、お二人は部屋には入らない方がいいですよ? またしばらくの間、薬は手に入らないそうですから」
コッコロ「そうなのですね……。それでしたらペコリーヌさま。少しの間、主さまをお任せしてもよろしいでしょうか?」
ペコリーヌ「はい、もちろんいいですけど……どこかお出かけですか?」
コッコロ「キャルさまの手当てをしに行かないと。お元気そうに見えて、実はキャルさま、大ケガをしていまして……」
ペコリーヌ「えぇっ!? キャルちゃんが!?」
22: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/27(土) 23:50:40.253 ID:LMj1/cRU0.net
ペコリーヌ「大変ですっ! やばいですっ! すぐに治療を! あわわわわ……!」
キャル「落ち着きなさいよ……。別にこんなの大したことないんだから」
コッコロ「主さまのお知り合いのかたに、親切な魔法使いさまがいらっしゃいます。そのかたを訪ねてみようかと」
ペコリーヌ「じゃあわたしがキャルちゃんを支えますね! 大丈夫です、あの人は今スヤスヤ眠っちゃってますから♪」
キャル「支えるって、え? ね、ねぇ、なんでストレッチしてるの? なんであたしの大きさを確認してるの!? ちょっ、来ないでよ!? 来んなってばー!」
ペコリーヌ「よいしょっと」
キャル「ぎゃあああ! 降ろせー! 抱えんなー!」
コッコロ「キャルさま、暴れるとお身体に障ります。めっ! でございますよ?」
ペコリーヌ「そうですよ~? 暴れないでください。……あっ! 暴れられないように抱きしめちゃいましょうか♪」
キャル「うるせー! 降ろせっつってんだろー! あたしスカートなんだから……! これじゃ丸見え──」
ペコリーヌ「ぎゅ~っ☆」
キャル「いだだだだだ!?」
キャル「落ち着きなさいよ……。別にこんなの大したことないんだから」
コッコロ「主さまのお知り合いのかたに、親切な魔法使いさまがいらっしゃいます。そのかたを訪ねてみようかと」
ペコリーヌ「じゃあわたしがキャルちゃんを支えますね! 大丈夫です、あの人は今スヤスヤ眠っちゃってますから♪」
キャル「支えるって、え? ね、ねぇ、なんでストレッチしてるの? なんであたしの大きさを確認してるの!? ちょっ、来ないでよ!? 来んなってばー!」
ペコリーヌ「よいしょっと」
キャル「ぎゃあああ! 降ろせー! 抱えんなー!」
コッコロ「キャルさま、暴れるとお身体に障ります。めっ! でございますよ?」
ペコリーヌ「そうですよ~? 暴れないでください。……あっ! 暴れられないように抱きしめちゃいましょうか♪」
キャル「うるせー! 降ろせっつってんだろー! あたしスカートなんだから……! これじゃ丸見え──」
ペコリーヌ「ぎゅ~っ☆」
キャル「いだだだだだ!?」
23: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/27(土) 23:53:44.386 ID:LMj1/cRU0.net
~ギルド【トゥインクルウィッシュ】~
ユイ「えぇっと……。治療するのは……心でいいのかな……?」
キャル「うぅ……絶対許さないんだからぁ……」
コッコロ「ユイさま、どうかお願いいたします……! キャルさまの傷を癒してください……!」
ユイ「うん、任せて! ……傷を見せてもらえるかな?」
キャル「もう何もかもどうだっていいわ……。好きにしなさいよ……」
ペコリーヌ「脱がしますね☆ そーれ♪」
キャル「に゛ゃあ゛ぁぁぁっ!?」
ユイ「も、毛布を……」
ユイ「……うっ。ひどい怪我……! すぐに魔法を!」
コッコロ「キャルさま、わたくしは手を握ってさしあげるくらいしかできませんが……。ちゃんとおそばにいますから……」
ペコリーヌ「わたしはごはんの支度をしますね。お腹が空いてたら、治るものも治りませんから」
キャル「……みんな大袈裟なんだから。ぐすっ」
ユイ「えぇっと……。治療するのは……心でいいのかな……?」
キャル「うぅ……絶対許さないんだからぁ……」
コッコロ「ユイさま、どうかお願いいたします……! キャルさまの傷を癒してください……!」
ユイ「うん、任せて! ……傷を見せてもらえるかな?」
キャル「もう何もかもどうだっていいわ……。好きにしなさいよ……」
ペコリーヌ「脱がしますね☆ そーれ♪」
キャル「に゛ゃあ゛ぁぁぁっ!?」
ユイ「も、毛布を……」
ユイ「……うっ。ひどい怪我……! すぐに魔法を!」
コッコロ「キャルさま、わたくしは手を握ってさしあげるくらいしかできませんが……。ちゃんとおそばにいますから……」
ペコリーヌ「わたしはごはんの支度をしますね。お腹が空いてたら、治るものも治りませんから」
キャル「……みんな大袈裟なんだから。ぐすっ」
24: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/27(土) 23:57:50.885 ID:LMj1/cRU0.net
キャル「へぇ~、すごいわね。みるみる傷が塞がってくわ♪ あたしの回復魔法とは比べ物にならないくらい強力なのね~」
ユイ「あはは、治療と援護しかできないから。攻撃はあんまり得意じゃなくて」
キャル「なら、ギルドの他のメンバーは攻撃要員なのかしら。一人も姿が見えないけど」
コッコロ「たしか……ヒヨリさまとレイさま、でしたね」
コッコロ「高速の拳で翻弄しながらあらゆる敵を打ち砕く獣人族のヒヨリさま、攻防一体の華麗な剣捌きと冷静な判断でどんな逆境をも跳ね返す魔族のレイさま──」
キャル「うわぁ……あんたやけに詳しいわね……」
ユイ「ヒヨリちゃんが流行り病に罹っちゃって……。レイちゃんが今見てくれてるの」
コッコロ「むむ。主さまだけでなく、なんとヒヨリさままで……」
ユイ「あれ? 騎士クンもなの?」
キャル「こうして話を聞くと、ほんとに流行ってるって感じね~。コロ助も危ないんじゃない?」
ペコリーヌ「話は聞かせてもらいました! あと、ご飯ができました♪」
キャル「……あたしは食べないわよ? なんか嗅ぎ慣れない匂いがするし」
ユイ「あはは、治療と援護しかできないから。攻撃はあんまり得意じゃなくて」
キャル「なら、ギルドの他のメンバーは攻撃要員なのかしら。一人も姿が見えないけど」
コッコロ「たしか……ヒヨリさまとレイさま、でしたね」
コッコロ「高速の拳で翻弄しながらあらゆる敵を打ち砕く獣人族のヒヨリさま、攻防一体の華麗な剣捌きと冷静な判断でどんな逆境をも跳ね返す魔族のレイさま──」
キャル「うわぁ……あんたやけに詳しいわね……」
ユイ「ヒヨリちゃんが流行り病に罹っちゃって……。レイちゃんが今見てくれてるの」
コッコロ「むむ。主さまだけでなく、なんとヒヨリさままで……」
ユイ「あれ? 騎士クンもなの?」
キャル「こうして話を聞くと、ほんとに流行ってるって感じね~。コロ助も危ないんじゃない?」
ペコリーヌ「話は聞かせてもらいました! あと、ご飯ができました♪」
キャル「……あたしは食べないわよ? なんか嗅ぎ慣れない匂いがするし」
26: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/28(日) 00:01:34.755 ID:RRREZiGw0.net
キャル「やめなさい! 離しなさいよっ! 食べないったら食べないのー!」
コッコロ「せっかくペコリーヌさまがマグママグ口モドキを煮込んでくださったのですから。食べて精をつけてください」
キャル「ゲテモノじゃないの! 魔物なんて食べないわよ! ていうか、食べられないわよ!」
ペコリーヌ「ちゃんと食べられますよ~。ほら、ちゃんと口に入る大きさに砕きましたから♪」
キャル「口に入れば食べられるって基準やめなさいよバカリーヌ! お願い、助けてコロ助……ううん、コッコロ……」
コッコロ「キャルさまのためなのです。わかってくださいまし」
キャル「あぁぁぁクッソぉぉぉっ!」
ユイ「のどに魚の骨が刺さらない魔法……掛ける……?」
キャル「うぅ……お願い……。気休めでもなんでも嬉しいわ……」
ペコリーヌ「はい、あ~ん♪」
キャル「いやよ……いやぁ……死んじゃうからぁ……むぐぅっ!?」
コッコロ「お味はいかがですか?」
キャル「……ごくっ」
キャル「美味しいわよ……ばかぁ……」
コッコロ「せっかくペコリーヌさまがマグママグ口モドキを煮込んでくださったのですから。食べて精をつけてください」
キャル「ゲテモノじゃないの! 魔物なんて食べないわよ! ていうか、食べられないわよ!」
ペコリーヌ「ちゃんと食べられますよ~。ほら、ちゃんと口に入る大きさに砕きましたから♪」
キャル「口に入れば食べられるって基準やめなさいよバカリーヌ! お願い、助けてコロ助……ううん、コッコロ……」
コッコロ「キャルさまのためなのです。わかってくださいまし」
キャル「あぁぁぁクッソぉぉぉっ!」
ユイ「のどに魚の骨が刺さらない魔法……掛ける……?」
キャル「うぅ……お願い……。気休めでもなんでも嬉しいわ……」
ペコリーヌ「はい、あ~ん♪」
キャル「いやよ……いやぁ……死んじゃうからぁ……むぐぅっ!?」
コッコロ「お味はいかがですか?」
キャル「……ごくっ」
キャル「美味しいわよ……ばかぁ……」
27: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/28(日) 00:05:28.420 ID:RRREZiGw0.net
ペコリーヌ「それはそうと、ギルドのお仲間が流行り病なんでしたっけ? やばいですね☆」
ペコリーヌ「やばいので、こちらをどうぞ!」
ユイ「これは……お薬?」
コッコロ「ふむ。もしや、これが例のお薬でございますか?」
ペコリーヌ「わたし用にってもらったんですけど……多分わたし罹らないので! どうぞどうぞ!」
ユイ「そ、そんな……! もらえないよ!」
ペコリーヌ「ふむむ……困りましたねぇ……。キャルちゃんを治してもらったお礼、って言ってももらってくれません?」
ユイ「えっと……。じゃあ……もらっちゃってもいいかな? もしあなたが病気になっちゃった時は、必ずわたしたちが力になるから!」
ペコリーヌ「そのときはおいしいご飯を作ってもらえれば……えへへ♪」
コッコロ「ささ、ユイさま。早くヒヨリさまにお薬を。わたくしたちはこれで失礼いたしますので」
ユイ「うんっ! 本当にありがとう……。わたし、このお薬を届けてくる!」
コッコロ「こちらこそ、本当に感謝しております。ペコリーヌさまにも。そうですよね、キャルさま」
コッコロ「キャルさま?」
ペコリーヌ「さっきから蹲ったまま動きませんね? そんなにご飯が美味しかったんですか?」
キャル「……具合悪い」
ペコリーヌ「やばいので、こちらをどうぞ!」
ユイ「これは……お薬?」
コッコロ「ふむ。もしや、これが例のお薬でございますか?」
ペコリーヌ「わたし用にってもらったんですけど……多分わたし罹らないので! どうぞどうぞ!」
ユイ「そ、そんな……! もらえないよ!」
ペコリーヌ「ふむむ……困りましたねぇ……。キャルちゃんを治してもらったお礼、って言ってももらってくれません?」
ユイ「えっと……。じゃあ……もらっちゃってもいいかな? もしあなたが病気になっちゃった時は、必ずわたしたちが力になるから!」
ペコリーヌ「そのときはおいしいご飯を作ってもらえれば……えへへ♪」
コッコロ「ささ、ユイさま。早くヒヨリさまにお薬を。わたくしたちはこれで失礼いたしますので」
ユイ「うんっ! 本当にありがとう……。わたし、このお薬を届けてくる!」
コッコロ「こちらこそ、本当に感謝しております。ペコリーヌさまにも。そうですよね、キャルさま」
コッコロ「キャルさま?」
ペコリーヌ「さっきから蹲ったまま動きませんね? そんなにご飯が美味しかったんですか?」
キャル「……具合悪い」
28: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/28(日) 00:08:54.549 ID:RRREZiGw0.net
~翌日~
キャル「うーん……うーん……」
コッコロ「キャルさま……おかわいそうに……。キャルさままで流行り病に罹ってしまうとは……」
キャル「そうよ……かわいそうだわ……。かわいそうなんだから、一人にしてちょうだい……」
コッコロ「いいえ。主さまも元気になりましたし、わたくしキャルさまの看病をさせていただきます」
キャル「バカね……! けほっけほっ! あ、あんたにまでうつるでしょうが……」
コッコロ「うつっても構いません。それでキャルさまが快くなるのなら」
キャル「あぁ~……。頭痛いわ……。どうしてこう……」
キャル「大体、主人のお世話があんたの仕事でしょ……? あたしなんかに構ってるヒマなんて……けほっ! けほっけほっ!ないじゃない……。うぅ……」
コッコロ「主さまのお世話はわたくしの使命。最も優先すべき事柄でございます」
キャル「なら、さっさと──」
コッコロ「ですが、それでも今はキャルさまのおそばにいたいのです」
キャル「……意味わかんないっての」
キャル「うーん……うーん……」
コッコロ「キャルさま……おかわいそうに……。キャルさままで流行り病に罹ってしまうとは……」
キャル「そうよ……かわいそうだわ……。かわいそうなんだから、一人にしてちょうだい……」
コッコロ「いいえ。主さまも元気になりましたし、わたくしキャルさまの看病をさせていただきます」
キャル「バカね……! けほっけほっ! あ、あんたにまでうつるでしょうが……」
コッコロ「うつっても構いません。それでキャルさまが快くなるのなら」
キャル「あぁ~……。頭痛いわ……。どうしてこう……」
キャル「大体、主人のお世話があんたの仕事でしょ……? あたしなんかに構ってるヒマなんて……けほっ! けほっけほっ!ないじゃない……。うぅ……」
コッコロ「主さまのお世話はわたくしの使命。最も優先すべき事柄でございます」
キャル「なら、さっさと──」
コッコロ「ですが、それでも今はキャルさまのおそばにいたいのです」
キャル「……意味わかんないっての」
29: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/28(日) 00:11:45.497 ID:RRREZiGw0.net
コッコロ「キャルさま、りんごをすりおろしてみましたが……食べられるでしょうか?」
キャル「ん、ありがと……」
コッコロ「あーん、してくださいまし」
キャル「あーん……」
コッコロ「ふふっ♪」
キャル「……なによ。しょうがないでしょ、動けないんだから」
コッコロ「いえ。あまりにも愛らしかったので、つい♪」
キャル「うぐ……ナマイキね……」
コッコロ「いい子、いい子……♪ なで……なで……♪」
キャル「はぁ……。治ったら覚えてなさいよ……」
キャル「でも……治るまでは──」
コッコロ「はい……いっぱい甘えてください……♪」
キャル「どこにも行っちゃダメよ……? ねぇコッコロ……」
コッコロ「……はい♪」
キャル「ん、ありがと……」
コッコロ「あーん、してくださいまし」
キャル「あーん……」
コッコロ「ふふっ♪」
キャル「……なによ。しょうがないでしょ、動けないんだから」
コッコロ「いえ。あまりにも愛らしかったので、つい♪」
キャル「うぐ……ナマイキね……」
コッコロ「いい子、いい子……♪ なで……なで……♪」
キャル「はぁ……。治ったら覚えてなさいよ……」
キャル「でも……治るまでは──」
コッコロ「はい……いっぱい甘えてください……♪」
キャル「どこにも行っちゃダメよ……? ねぇコッコロ……」
コッコロ「……はい♪」
30: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/28(日) 00:14:49.690 ID:RRREZiGw0.net
キャル「……コッコロ」
コッコロ「はい」
キャル「……」
キャル「手、繋ぎたい」
コッコロ「はい。おててをお借りしますね」
キャル「……」
コッコロ「わたくしは、いつもの冷たいおててのキャルさまの方が好きです」
キャル「あたしは、誰かをあっためられる手の方が嬉しいわ」
コッコロ「でしたらわたくしと手を繋いでいましょう。手を繋いでいれば、どちらの手も温かくなりますから」
キャル「……治ってもさ」
コッコロ「はい、いつまでもおそばにいますよ。わたくしだけでなく、主さまやペコリーヌさまも」
キャル「……」
キャル「けほっ! けほっ!」
コッコロ「そろそろお休みにならないと。しっかりと睡眠をとらないと、治るものも治りません」
キャル「うぅ……行かないで……コッコロ……」
コッコロ「心配しなくても、わたくしはいなくなったりなどしませんよ。この通り、おてても繋いだままですから」
キャル「けほっ……! はぁ、はぁ……」
コッコロ「おやすみなさい、キャルさま……♪」
キャル「すぅ……すぅ……」
コッコロ「はい」
キャル「……」
キャル「手、繋ぎたい」
コッコロ「はい。おててをお借りしますね」
キャル「……」
コッコロ「わたくしは、いつもの冷たいおててのキャルさまの方が好きです」
キャル「あたしは、誰かをあっためられる手の方が嬉しいわ」
コッコロ「でしたらわたくしと手を繋いでいましょう。手を繋いでいれば、どちらの手も温かくなりますから」
キャル「……治ってもさ」
コッコロ「はい、いつまでもおそばにいますよ。わたくしだけでなく、主さまやペコリーヌさまも」
キャル「……」
キャル「けほっ! けほっ!」
コッコロ「そろそろお休みにならないと。しっかりと睡眠をとらないと、治るものも治りません」
キャル「うぅ……行かないで……コッコロ……」
コッコロ「心配しなくても、わたくしはいなくなったりなどしませんよ。この通り、おてても繋いだままですから」
キャル「けほっ……! はぁ、はぁ……」
コッコロ「おやすみなさい、キャルさま……♪」
キャル「すぅ……すぅ……」
31: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/28(日) 00:17:46.221 ID:RRREZiGw0.net
~三日後~
キャル「おっそいわね~……なにやってんのかしら……。この前は失敗しちゃったし、早く挽回しなきゃいけないってのに……」
コッコロ「キャルさま~……! お待たせ致しました~……!」
キャル「遅いわよ! 病み上がりなんだからあんまり待たせるんじゃない……って、またあんた一人?」
コッコロ「はぁ……はぁ……。それがですね……んっ……」
キャル「いいから少し休みなさい。どうせまたあのバカが何かやらかしたんでしょ?」
コッコロ「や、休んでる場合では……! そうなのです、主さまが……主さまが……!」
キャル「あいつがどうかしたの!? まさか誰かに襲われてるとか!?」
コッコロ「ま、迷子になってしまって……!」
キャル「……」
キャル「は?」
コッコロ「ですからっ……! 主さまが迷子になってしまわれたのです……!」
キャル「はぁ~……何かと思えば……。そんなのいつものことじゃない」
キャル「どうせその辺フラフラしながらナンパでもしてんじゃないの? のんびり探せばいいわよ」
キャル「おっそいわね~……なにやってんのかしら……。この前は失敗しちゃったし、早く挽回しなきゃいけないってのに……」
コッコロ「キャルさま~……! お待たせ致しました~……!」
キャル「遅いわよ! 病み上がりなんだからあんまり待たせるんじゃない……って、またあんた一人?」
コッコロ「はぁ……はぁ……。それがですね……んっ……」
キャル「いいから少し休みなさい。どうせまたあのバカが何かやらかしたんでしょ?」
コッコロ「や、休んでる場合では……! そうなのです、主さまが……主さまが……!」
キャル「あいつがどうかしたの!? まさか誰かに襲われてるとか!?」
コッコロ「ま、迷子になってしまって……!」
キャル「……」
キャル「は?」
コッコロ「ですからっ……! 主さまが迷子になってしまわれたのです……!」
キャル「はぁ~……何かと思えば……。そんなのいつものことじゃない」
キャル「どうせその辺フラフラしながらナンパでもしてんじゃないの? のんびり探せばいいわよ」
32: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/28(日) 00:20:41.916 ID:RRREZiGw0.net
キャル「とりあえずペコリーヌのやつと合流して──」
ペコリーヌ「ほいっふ~☆」
キャル「もうなんか食べてるし!」
ペコリーヌ「むががもがっ、むぐっ♪」
コッコロ「ペコリーヌさま、一度飲み込んでからでないと……」
ペコリーヌ「……ごっくん☆」
ペコリーヌ「いやぁ、走り回っていたらお腹が空いちゃって♪」
キャル「なんで走り回ってたかは聞かないわよ。それよりペコリーヌ、あいつ見なかった? 迷子なんだってさ」
コッコロ「どこかのお店に入っていたり、フラフラとさまよい歩いてはいませんでしたでしょうか……?」
ペコリーヌ「あ~、やっぱり一緒じゃなかったんですね……」
キャル「……ねぇ、嫌な予感しかしないんだけど。あたしもう帰っていいかしら」
ペコリーヌ「待ってください! 大変なんですよ! さっき、盗賊とならず者と裏稼業の人たちが争いを始めちゃったんです!」
コッコロ「抗争、でしょうか? 万が一、主さまが巻き込まれてしまったら……あわわ……」
ペコリーヌ「えぇっとですね。とあるお宝を狙ってのことなんですけど、実はそのお宝を──」
キャル「イヤよ! 聞きたくない! ううん、聞かなくても分かるわ! どうせ、たまたまお宝を拾ったあいつがそいつらに狙われてる~、とか言うんでしょ!?」
ペコリーヌ「あっ、分かっちゃいます? やばいですね☆」
ペコリーヌ「ほいっふ~☆」
キャル「もうなんか食べてるし!」
ペコリーヌ「むががもがっ、むぐっ♪」
コッコロ「ペコリーヌさま、一度飲み込んでからでないと……」
ペコリーヌ「……ごっくん☆」
ペコリーヌ「いやぁ、走り回っていたらお腹が空いちゃって♪」
キャル「なんで走り回ってたかは聞かないわよ。それよりペコリーヌ、あいつ見なかった? 迷子なんだってさ」
コッコロ「どこかのお店に入っていたり、フラフラとさまよい歩いてはいませんでしたでしょうか……?」
ペコリーヌ「あ~、やっぱり一緒じゃなかったんですね……」
キャル「……ねぇ、嫌な予感しかしないんだけど。あたしもう帰っていいかしら」
ペコリーヌ「待ってください! 大変なんですよ! さっき、盗賊とならず者と裏稼業の人たちが争いを始めちゃったんです!」
コッコロ「抗争、でしょうか? 万が一、主さまが巻き込まれてしまったら……あわわ……」
ペコリーヌ「えぇっとですね。とあるお宝を狙ってのことなんですけど、実はそのお宝を──」
キャル「イヤよ! 聞きたくない! ううん、聞かなくても分かるわ! どうせ、たまたまお宝を拾ったあいつがそいつらに狙われてる~、とか言うんでしょ!?」
ペコリーヌ「あっ、分かっちゃいます? やばいですね☆」
34: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/28(日) 00:23:30.274 ID:RRREZiGw0.net
キャル「ヤバイなんてもんじゃないわよ……。クズみたいな連中が大勢襲ってくるんでしょ……?」
コッコロ「一刻もはやくお助けしに行かなくては……! ペコリーヌさま、キャルさま、どうかお力をお貸しください!」
ペコリーヌ「はい! 悪い人たちを殲滅するより先に、まずはあの人と合流しちゃいましょう♪」
キャル「えー……マジでやるのぉ……?」
コッコロ「キャルさま……どうか……」
キャル「……まぁ? あいつがボロクソにやられちゃったら、同じギルドに所属してるあたしの名前にも傷が付くし? ナメられんのは普通にムカつくし……」
キャル「はぁ~……! しょ~~っがないわね! やってやろうじゃない! その代わり、ペコリーヌ! 終わったらご飯奢りなさいよね!」
ペコリーヌ「わぁい♪ みんなとごはんが食べられるなら、いくらでも奢っちゃいますよ~♪ 美味しいお店に案内してあげますね☆」
キャル「お店はあたしとコロ助で選ぶから……。選ばせて……お願いだから……」
コッコロ「終わったあとのお話よりも、主さまでございます……!」
コッコロ「あぁ……主さま……こわい思いをしていないでしょうか……。しくしく泣いてしまっているかもしれません……」
キャル「……大丈夫よ、コッコロ。あたしに任せなさい」
コッコロ「キャルさま……」
キャル「よーっし! あたしたちにケンカ売ったこと、後悔させてやるわ! ボッコボコにして街から追い出してやるんだから!」
コッコロ「頼もしゅうございます、キャルさま♪」
キャル「ふふ~ん♪ あんたたちも気合入れなさい! ギルド【美食殿】、活動開始よ!」
コッコロ「おー!」
ペコリーヌ「お~♪」
おしまい
コッコロ「一刻もはやくお助けしに行かなくては……! ペコリーヌさま、キャルさま、どうかお力をお貸しください!」
ペコリーヌ「はい! 悪い人たちを殲滅するより先に、まずはあの人と合流しちゃいましょう♪」
キャル「えー……マジでやるのぉ……?」
コッコロ「キャルさま……どうか……」
キャル「……まぁ? あいつがボロクソにやられちゃったら、同じギルドに所属してるあたしの名前にも傷が付くし? ナメられんのは普通にムカつくし……」
キャル「はぁ~……! しょ~~っがないわね! やってやろうじゃない! その代わり、ペコリーヌ! 終わったらご飯奢りなさいよね!」
ペコリーヌ「わぁい♪ みんなとごはんが食べられるなら、いくらでも奢っちゃいますよ~♪ 美味しいお店に案内してあげますね☆」
キャル「お店はあたしとコロ助で選ぶから……。選ばせて……お願いだから……」
コッコロ「終わったあとのお話よりも、主さまでございます……!」
コッコロ「あぁ……主さま……こわい思いをしていないでしょうか……。しくしく泣いてしまっているかもしれません……」
キャル「……大丈夫よ、コッコロ。あたしに任せなさい」
コッコロ「キャルさま……」
キャル「よーっし! あたしたちにケンカ売ったこと、後悔させてやるわ! ボッコボコにして街から追い出してやるんだから!」
コッコロ「頼もしゅうございます、キャルさま♪」
キャル「ふふ~ん♪ あんたたちも気合入れなさい! ギルド【美食殿】、活動開始よ!」
コッコロ「おー!」
ペコリーヌ「お~♪」
おしまい
35: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/28(日) 00:25:38.247 ID:h+TjaMQN0.net
乙乙
面白かった
面白かった
36: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/04/28(日) 00:36:33.840 ID:K6zxRxJP0.net
キャルちゃん可愛い
引用元: キャル「ギルドの依頼をこなすわよ!」 コッコロ「二人でなんとかいたしましょう」
キャル「暇。つまんない」 ペコリーヌ「二人でお出かけしましょうか♪」
2020-02-06
1: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/05/02(木) 21:45:30.896 ID:LOf4zfFQ0
コッコロ「ふふ、主さま、お散歩でございますか? わたくしもお供してよろしいでしょうか?」
キャル「……ねぇペコリーヌ」
ペコリーヌ「ふぁい、なんれひょうふぁ?」
キャル「コロ助って、いっつも主さま主さま言ってるじゃない? あいつのこと好きなのかしら」
ペコリーヌ「むぐむぐ……。好きなんじゃないですか?」
キャル「意味分かってる? 好きって、愛してるとかそういう意味の好きよ?」
ペコリーヌ「キャルちゃん」
キャル「なによ」
ペコリーヌ「コッコロちゃんは、まだ11歳のちっちゃな女の子ですよ? そういうのはまだ早くないですか?」
キャル「いいえ、そんなことないわ。『もう11歳』よ。恋をしたって、なにもおかしくないっての」
ペコリーヌ「う~ん……そういうのじゃないと思いますけどねぇ。それで、結局キャルちゃんはなにが言いたいんですか?」
キャル「何ってことはないんだけどね。暇なのよ。あいつらすぐフラ~ッとどっか行っちゃうから」
ペコリーヌ「わたしが……んぐんぐ……いるじゃないですか」
キャル「あんたいつも食べてばっかじゃない!」
キャル「……ねぇペコリーヌ」
ペコリーヌ「ふぁい、なんれひょうふぁ?」
キャル「コロ助って、いっつも主さま主さま言ってるじゃない? あいつのこと好きなのかしら」
ペコリーヌ「むぐむぐ……。好きなんじゃないですか?」
キャル「意味分かってる? 好きって、愛してるとかそういう意味の好きよ?」
ペコリーヌ「キャルちゃん」
キャル「なによ」
ペコリーヌ「コッコロちゃんは、まだ11歳のちっちゃな女の子ですよ? そういうのはまだ早くないですか?」
キャル「いいえ、そんなことないわ。『もう11歳』よ。恋をしたって、なにもおかしくないっての」
ペコリーヌ「う~ん……そういうのじゃないと思いますけどねぇ。それで、結局キャルちゃんはなにが言いたいんですか?」
キャル「何ってことはないんだけどね。暇なのよ。あいつらすぐフラ~ッとどっか行っちゃうから」
ペコリーヌ「わたしが……んぐんぐ……いるじゃないですか」
キャル「あんたいつも食べてばっかじゃない!」
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3: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/05/02(木) 21:48:04.772 ID:LOf4zfFQ0
キャル「あたしも出かけたいの! 楽しいことがしたいのよ!」
ペコリーヌ「でもキャルちゃん、前はずっと一人で行動してましたよね? わたしが誘ってもツンツンしてたじゃないですか」
キャル「……」
ペコリーヌ「あはは、ごめんなさい。そんなむくれないでくださいよ、ちょっとイジワルしてみただけですから♪」
ペコリーヌ「それじゃあ……どこ行きましょうか? わたしたちもお散歩します?」
キャル「散歩ぉ? そんなことして何が楽しいのよ。疲れるし、足が痛くなるし、ロクなことないじゃない」
ペコリーヌ「そうですか? じゃあじゃあ、かわいいお洋服を探しに行くとか☆」
キャル「あたしお金ないわよ? あんたの食べ歩きに付き合ってたせいで、毎日ギリギリの生活なんだから」
ペコリーヌ「それはちょっと申し訳ないなって思いますけどぉ~……。でも、一緒に見て回るだけでも楽しいじゃないですか」
キャル「イヤ。そんな惨めったらしいことしたくないし」
ペコリーヌ「う~ん……キャルちゃんは難しいですね……。他には、運動……は嫌がりそうですし、食べ歩き……も喜ばなさそうですよね……」
キャル「早くなんか案出しなさいよ。時間がもったいないじゃない」
ペコリーヌ「むっ……」
ペコリーヌ「でもキャルちゃん、前はずっと一人で行動してましたよね? わたしが誘ってもツンツンしてたじゃないですか」
キャル「……」
ペコリーヌ「あはは、ごめんなさい。そんなむくれないでくださいよ、ちょっとイジワルしてみただけですから♪」
ペコリーヌ「それじゃあ……どこ行きましょうか? わたしたちもお散歩します?」
キャル「散歩ぉ? そんなことして何が楽しいのよ。疲れるし、足が痛くなるし、ロクなことないじゃない」
ペコリーヌ「そうですか? じゃあじゃあ、かわいいお洋服を探しに行くとか☆」
キャル「あたしお金ないわよ? あんたの食べ歩きに付き合ってたせいで、毎日ギリギリの生活なんだから」
ペコリーヌ「それはちょっと申し訳ないなって思いますけどぉ~……。でも、一緒に見て回るだけでも楽しいじゃないですか」
キャル「イヤ。そんな惨めったらしいことしたくないし」
ペコリーヌ「う~ん……キャルちゃんは難しいですね……。他には、運動……は嫌がりそうですし、食べ歩き……も喜ばなさそうですよね……」
キャル「早くなんか案出しなさいよ。時間がもったいないじゃない」
ペコリーヌ「むっ……」
4: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/05/02(木) 21:52:15.581 ID:LOf4zfFQ0
ペコリーヌ「キャルちゃんも何か意見言ってくださいよ。さっきから否定してばっかりで、自分からは何も言ってくれないじゃないですか」
キャル「あんたがあたしを楽しませるんだから、あんたが考えなさいよ!」
キャル「あたしが考えたら……あんたのこと無理やり付き合わせてるみたいじゃない……」
ペコリーヌ「へ……?」
ペコリーヌ「もぉ~、そんなふうに考えてたんですか? あははっ♪ キャルちゃんはおバカさんですね~☆」
キャル「なっ……! 誰がバカよ! あたしは、あんたに嫌がられたくなくて──」
ペコリーヌ「嫌がったりなんてするわけないじゃないですか~。だいたい、いつもはわたしがキャルちゃんのこと、振り回しちゃってるんですから」
ペコリーヌ「たまにはキャルちゃんがわたしを振り回してください☆ わたし、なんだって付き合いますよ?」
キャル「でもさ……」
ペコリーヌ「もし嫌だって思っても、やってみたら案外楽しかったりするものですし♪ キャルちゃんもそう思いません?」
キャル「それは……ええ、そうね……。いつも最初はイヤって思うけど、なんだかんだ楽しいし……」
ペコリーヌ「でも、キャルちゃんがわたしに『楽しませてほしい』って思ってくれてるなら、今日はわたしが考えますね☆」
キャル「……ううん、一緒に考える。考えるのも、その……楽しいし」
ペコリーヌ「はいっ♪ えへへ、じゃあどうしましょうか?」
キャル「あんたがあたしを楽しませるんだから、あんたが考えなさいよ!」
キャル「あたしが考えたら……あんたのこと無理やり付き合わせてるみたいじゃない……」
ペコリーヌ「へ……?」
ペコリーヌ「もぉ~、そんなふうに考えてたんですか? あははっ♪ キャルちゃんはおバカさんですね~☆」
キャル「なっ……! 誰がバカよ! あたしは、あんたに嫌がられたくなくて──」
ペコリーヌ「嫌がったりなんてするわけないじゃないですか~。だいたい、いつもはわたしがキャルちゃんのこと、振り回しちゃってるんですから」
ペコリーヌ「たまにはキャルちゃんがわたしを振り回してください☆ わたし、なんだって付き合いますよ?」
キャル「でもさ……」
ペコリーヌ「もし嫌だって思っても、やってみたら案外楽しかったりするものですし♪ キャルちゃんもそう思いません?」
キャル「それは……ええ、そうね……。いつも最初はイヤって思うけど、なんだかんだ楽しいし……」
ペコリーヌ「でも、キャルちゃんがわたしに『楽しませてほしい』って思ってくれてるなら、今日はわたしが考えますね☆」
キャル「……ううん、一緒に考える。考えるのも、その……楽しいし」
ペコリーヌ「はいっ♪ えへへ、じゃあどうしましょうか?」
5: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/05/02(木) 21:56:10.927 ID:LOf4zfFQ0
キャル「で、結局散歩してるけど。あんたの言う、とっておきってなんなの? そろそろ教えなさいよ」
ペコリーヌ「ふふっ、そろそろ着きますよ♪ キャルちゃん、きっと喜んでくれます! えぇっと、あそこの細い路地の先を曲がって──」
ペコリーヌ「……あっ、いましたよ! あそこです、見てくださいキャルちゃん!」
キャル「なになに? ……うっわぁ~! 猫がこんなにたくさん! これ、全部ノラ猫なの!?」
ペコリーヌ「首輪もしていませんし、そうなんじゃないですか? 話には聞いていましたけど、想像よりずっとたくさんいますね~」
キャル「ぺ、ペコリーヌ……? 急に近づいたらダメよ? 猫はとっても神経質で、警戒心も強いわ……! そ~っと、ご機嫌を伺いながら──」
みけ「にゃお~ん♪」
キャル「……って猫の方から寄ってきた!? す、すりすりしてる……。かわいい~……♪」
ペコリーヌ「なんでも、この辺りに住んでる人たちにかわいがってもらってるそうですよ?」
ペコリーヌ「見ての通り、とっても人馴れしているので、こうして寄ってきてくれるんだとか。やばいですね☆」
キャル「え? ごめん、全然聞いてなかったわ。だって……ふふっ♪ この子たちかわいすぎるんだもの♪」
きじとら「みゃうみゃう」
はちわれ「んにゅ~ごろごろ……」
キャル「きゃ~♪ 見て見てペコリーヌ! なで放題よ! それどころか、いくらもふもふしても全然嫌がらないわ!」
キャル「うへへ~……だっこでちゅか~? おいでおいで~♪ にゃお~ん♪」
ペコリーヌ「んふふ、癒されますねぇ~……」
ペコリーヌ「ふふっ、そろそろ着きますよ♪ キャルちゃん、きっと喜んでくれます! えぇっと、あそこの細い路地の先を曲がって──」
ペコリーヌ「……あっ、いましたよ! あそこです、見てくださいキャルちゃん!」
キャル「なになに? ……うっわぁ~! 猫がこんなにたくさん! これ、全部ノラ猫なの!?」
ペコリーヌ「首輪もしていませんし、そうなんじゃないですか? 話には聞いていましたけど、想像よりずっとたくさんいますね~」
キャル「ぺ、ペコリーヌ……? 急に近づいたらダメよ? 猫はとっても神経質で、警戒心も強いわ……! そ~っと、ご機嫌を伺いながら──」
みけ「にゃお~ん♪」
キャル「……って猫の方から寄ってきた!? す、すりすりしてる……。かわいい~……♪」
ペコリーヌ「なんでも、この辺りに住んでる人たちにかわいがってもらってるそうですよ?」
ペコリーヌ「見ての通り、とっても人馴れしているので、こうして寄ってきてくれるんだとか。やばいですね☆」
キャル「え? ごめん、全然聞いてなかったわ。だって……ふふっ♪ この子たちかわいすぎるんだもの♪」
きじとら「みゃうみゃう」
はちわれ「んにゅ~ごろごろ……」
キャル「きゃ~♪ 見て見てペコリーヌ! なで放題よ! それどころか、いくらもふもふしても全然嫌がらないわ!」
キャル「うへへ~……だっこでちゅか~? おいでおいで~♪ にゃお~ん♪」
ペコリーヌ「んふふ、癒されますねぇ~……」
6: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/05/02(木) 21:59:13.606 ID:LOf4zfFQ0
キャル「ペコリーヌは猫って好き? なんとなく犬好きなイメージがあるけど」
ペコリーヌ「わたしも好きですよ、猫ちゃん。ワンちゃんも好きですし、鳥さんやウサちゃんも大好きです♪」
キャル「えぇっと……念のため聞いておくけど、ペコリーヌ……? ペットとして好きなのよね……?」
ペコリーヌ「はい?」
キャル「た、食べるのが好きなんてことないわよね……?」
ペコリーヌ「あはは♪ 大丈夫ですよ、この子たちは食べませんから!」
キャル「そ、そう……。よかっ──えっ、ちょっと、ねぇ待ちなさいよ……。この子たちは、ってことは……他の子は食べちゃうの? ねぇ、ペコリーヌってば!?」
ペコリーヌ「よ~しよしよしよし♪」
ぶち「ふにゃ~」
キャル「ときどきあんたのことが堪らなく怖く思えるわ……。今も心臓がドキドキ鳴りっぱなしよ……」
ペコリーヌ「一度休憩してお昼にしましょうか」
キャル「この流れでお昼は食べたくないわね……。一旦通りに出て、何かおもしろいものがないか冷やかして回りましょ」
ペコリーヌ「なんだかデートみたいですね♪」
キャル「あたしを冷やかしてどうすんのよ。バカなこと言ってないで早く行くわよ。ちょっとだけ名残惜しいけど……」
猫たち「にゃ~ん……にゃ~ん……」
ペコリーヌ「ふふっ、キャルちゃんさえよければ後でまた来ましょうね☆」
ペコリーヌ「わたしも好きですよ、猫ちゃん。ワンちゃんも好きですし、鳥さんやウサちゃんも大好きです♪」
キャル「えぇっと……念のため聞いておくけど、ペコリーヌ……? ペットとして好きなのよね……?」
ペコリーヌ「はい?」
キャル「た、食べるのが好きなんてことないわよね……?」
ペコリーヌ「あはは♪ 大丈夫ですよ、この子たちは食べませんから!」
キャル「そ、そう……。よかっ──えっ、ちょっと、ねぇ待ちなさいよ……。この子たちは、ってことは……他の子は食べちゃうの? ねぇ、ペコリーヌってば!?」
ペコリーヌ「よ~しよしよしよし♪」
ぶち「ふにゃ~」
キャル「ときどきあんたのことが堪らなく怖く思えるわ……。今も心臓がドキドキ鳴りっぱなしよ……」
ペコリーヌ「一度休憩してお昼にしましょうか」
キャル「この流れでお昼は食べたくないわね……。一旦通りに出て、何かおもしろいものがないか冷やかして回りましょ」
ペコリーヌ「なんだかデートみたいですね♪」
キャル「あたしを冷やかしてどうすんのよ。バカなこと言ってないで早く行くわよ。ちょっとだけ名残惜しいけど……」
猫たち「にゃ~ん……にゃ~ん……」
ペコリーヌ「ふふっ、キャルちゃんさえよければ後でまた来ましょうね☆」
8: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/05/02(木) 22:04:15.561 ID:LOf4zfFQ0
キャル「通りに出たはいいけど……なんだか今日はやけに人が多いわね。この辺りで何か催し物でもあるのかしら?」
ペコリーヌ「お祭りの予定はないと思いますけど──キャルちゃん、ちょっと失礼しますね」
キャル「ちょっ……!? なんでいきなり引き寄せるのよ!? あぅ……思わず抱きついちゃった……」
荒くれ「オラァ! 退けやオラァ! 邪魔だコラァ!」
ペコリーヌ「ふぅ~。ぶつかっちゃったら大変ですからね☆ えへへ、急に引っ張っちゃってごめんなさい。もう離れても大丈夫ですよ?」
キャル「あっ、う、うん……」
ペコリーヌ「かなり混雑してますし、もしかしたらはぐれちゃうかもしれません。このまま手を繋いでいましょうか♪」
キャル「あたしは人混みに流されたりなんてしないわよ。手を繋いで歩くなんて……は、恥ずかしくて無理だっての……!」
ペコリーヌ「う~ん、わたしの方がどこかに押し流されちゃいそうなんですよね~。美味しそうな匂いに釣られてフラフラしちゃうかもしれませんし……」
ペコリーヌ「せっかくキャルちゃんとお出かけしてるのに、はぐれちゃうのは悲しいです……」
キャル「ぐっ……」
ペコリーヌ「けど、嫌なら仕方ありませんね……。もしはぐれちゃったら、さっきの猫ちゃんたちの集会所で落ち合いましょうか」
キャル「……手」
ペコリーヌ「え? なんですかキャルちゃん?」
キャル「手、繋いでてあげる。どっか行かれても困るし、わざわざ探すのなんて面倒だもの。だから仕方なくよ。ほら、早くしなさい?」
ペコリーヌ「いいんですか? えへへ……ありがとうございます、キャルちゃん♪」
キャル「まったく、ほんっと手がかかるんだから! あたしがいないと全然ダメね~!」
ペコリーヌ「お祭りの予定はないと思いますけど──キャルちゃん、ちょっと失礼しますね」
キャル「ちょっ……!? なんでいきなり引き寄せるのよ!? あぅ……思わず抱きついちゃった……」
荒くれ「オラァ! 退けやオラァ! 邪魔だコラァ!」
ペコリーヌ「ふぅ~。ぶつかっちゃったら大変ですからね☆ えへへ、急に引っ張っちゃってごめんなさい。もう離れても大丈夫ですよ?」
キャル「あっ、う、うん……」
ペコリーヌ「かなり混雑してますし、もしかしたらはぐれちゃうかもしれません。このまま手を繋いでいましょうか♪」
キャル「あたしは人混みに流されたりなんてしないわよ。手を繋いで歩くなんて……は、恥ずかしくて無理だっての……!」
ペコリーヌ「う~ん、わたしの方がどこかに押し流されちゃいそうなんですよね~。美味しそうな匂いに釣られてフラフラしちゃうかもしれませんし……」
ペコリーヌ「せっかくキャルちゃんとお出かけしてるのに、はぐれちゃうのは悲しいです……」
キャル「ぐっ……」
ペコリーヌ「けど、嫌なら仕方ありませんね……。もしはぐれちゃったら、さっきの猫ちゃんたちの集会所で落ち合いましょうか」
キャル「……手」
ペコリーヌ「え? なんですかキャルちゃん?」
キャル「手、繋いでてあげる。どっか行かれても困るし、わざわざ探すのなんて面倒だもの。だから仕方なくよ。ほら、早くしなさい?」
ペコリーヌ「いいんですか? えへへ……ありがとうございます、キャルちゃん♪」
キャル「まったく、ほんっと手がかかるんだから! あたしがいないと全然ダメね~!」
9: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/05/02(木) 22:08:05.620 ID:LOf4zfFQ0
コッコロ「おや? キャルさまにペコリーヌさま。このようなところでお会いするとは、偶然でございますね」
ペコリーヌ「あっ! コッコロちゃんと、それからあなたも! おいっす~☆」
キャル「こんな人の多い場所で出くわしちゃうなんて、呪われてるんじゃないの……?」
コッコロ「ふふ……お二人はまるで姉妹のように仲良しでいらっしゃいますね♪」
キャル「ばっ……! 手を繋いでるのはこいつがはぐれないように仕方なくよ!」
キャル「そ、そういうあんたたちだって恋人同士みたいに手繋いでるじゃない?」
ペコリーヌ「きゃ、キャルちゃん……! からかったらかわいそうですよ……!」
コッコロ「あぁ……これはですね……主さまがはぐれてしまわないように……。主さまはもう既に三回も迷子になってしまっていて……」
キャル「簡単に想像ついちゃうところがなんとも悲しいわ……」
ペコリーヌ「そう言っているうちに、またどこかに行っちゃいそうですよ?」
コッコロ「はっ……! いつの間にかわたくしの手をすり抜けてフラフラと……!」
キャル「綱にでも繋いでおいた方がいいんじゃないかしら。マジメな話」
ペコリーヌ「お散歩の意味合いが変わっちゃいそうですね☆」
キャル「今も鬼ごっこみたいなものじゃない」
コッコロ「はぁ、はぁ……。なんとかお引止めすることができました……」
コッコロ「しかし申し訳ありません、キャルさま、ペコリーヌさま……。わたくしと主さまには、この人混みは少々難しくてですね……」
キャル「気を遣わなくていいわよ。適当な場所まで一緒に行きましょ」
コッコロ「い、いえ。お二人はどうぞそのままお楽しみくださいまし。主さまのお世話は、わたくしが精一杯努めますので」
コッコロ「おや……? あぁっ……! 主さま、お待ちください……! 主さま~……!」
ペコリーヌ「……行っちゃいましたね。大丈夫でしょうか?」
キャル「いつものことだしきっと平気よ。いつものことだし。はぁ~……」
ペコリーヌ「あっ! コッコロちゃんと、それからあなたも! おいっす~☆」
キャル「こんな人の多い場所で出くわしちゃうなんて、呪われてるんじゃないの……?」
コッコロ「ふふ……お二人はまるで姉妹のように仲良しでいらっしゃいますね♪」
キャル「ばっ……! 手を繋いでるのはこいつがはぐれないように仕方なくよ!」
キャル「そ、そういうあんたたちだって恋人同士みたいに手繋いでるじゃない?」
ペコリーヌ「きゃ、キャルちゃん……! からかったらかわいそうですよ……!」
コッコロ「あぁ……これはですね……主さまがはぐれてしまわないように……。主さまはもう既に三回も迷子になってしまっていて……」
キャル「簡単に想像ついちゃうところがなんとも悲しいわ……」
ペコリーヌ「そう言っているうちに、またどこかに行っちゃいそうですよ?」
コッコロ「はっ……! いつの間にかわたくしの手をすり抜けてフラフラと……!」
キャル「綱にでも繋いでおいた方がいいんじゃないかしら。マジメな話」
ペコリーヌ「お散歩の意味合いが変わっちゃいそうですね☆」
キャル「今も鬼ごっこみたいなものじゃない」
コッコロ「はぁ、はぁ……。なんとかお引止めすることができました……」
コッコロ「しかし申し訳ありません、キャルさま、ペコリーヌさま……。わたくしと主さまには、この人混みは少々難しくてですね……」
キャル「気を遣わなくていいわよ。適当な場所まで一緒に行きましょ」
コッコロ「い、いえ。お二人はどうぞそのままお楽しみくださいまし。主さまのお世話は、わたくしが精一杯努めますので」
コッコロ「おや……? あぁっ……! 主さま、お待ちください……! 主さま~……!」
ペコリーヌ「……行っちゃいましたね。大丈夫でしょうか?」
キャル「いつものことだしきっと平気よ。いつものことだし。はぁ~……」
11: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/05/02(木) 22:11:27.265 ID:LOf4zfFQ0
キャル「いろいろ見て回ったけど、あんまりそそられるものはなかったわね~」
ペコリーヌ「ねぇねぇ、キャルちゃんキャルちゃん。この髪飾り、かわいいと思いません? キャルちゃんにぴったりです♪」
キャル「どれ? ……へぇ~、猫の顔をかたどった髪留めかぁ。たしかにかわいいけど……うっ、5000ルピ……」
ペコリーヌ「すいませ~ん! これくださ~い☆」
キャル「ちょ、ちょっと! あたしお金ないんだってば!」
店員「お包みいたしますか?」
ペコリーヌ「そのままで大丈夫です。すぐにつけてあげたいんですけど、大丈夫でしょうか?」
店員「はい、きっと妹さんにぴったりですよ♪ お買い上げありがとうございました~」
ペコリーヌ「キャルちゃん、お待たせしました♪」
キャル「あんたねぇ……! 少しは人の話を聞きなさいよ! どうすんのよ、そんなに高いもの買っちゃって……」
ペコリーヌ「こうするんですよ。ジッとしててくださいね──」
キャル「うぅ~……! なんなのよ、もぉ~……!」
ペコリーヌ「はい、もういいですよ~。……あはっ♪ とっても似合ってます! やばいですね☆」
キャル「そりゃどうも……」
ペコリーヌ「それはですね、わたしからキャルちゃんにプレゼントです♪」
キャル「えっ? こ、これをあたしに?」
ペコリーヌ「ねぇねぇ、キャルちゃんキャルちゃん。この髪飾り、かわいいと思いません? キャルちゃんにぴったりです♪」
キャル「どれ? ……へぇ~、猫の顔をかたどった髪留めかぁ。たしかにかわいいけど……うっ、5000ルピ……」
ペコリーヌ「すいませ~ん! これくださ~い☆」
キャル「ちょ、ちょっと! あたしお金ないんだってば!」
店員「お包みいたしますか?」
ペコリーヌ「そのままで大丈夫です。すぐにつけてあげたいんですけど、大丈夫でしょうか?」
店員「はい、きっと妹さんにぴったりですよ♪ お買い上げありがとうございました~」
ペコリーヌ「キャルちゃん、お待たせしました♪」
キャル「あんたねぇ……! 少しは人の話を聞きなさいよ! どうすんのよ、そんなに高いもの買っちゃって……」
ペコリーヌ「こうするんですよ。ジッとしててくださいね──」
キャル「うぅ~……! なんなのよ、もぉ~……!」
ペコリーヌ「はい、もういいですよ~。……あはっ♪ とっても似合ってます! やばいですね☆」
キャル「そりゃどうも……」
ペコリーヌ「それはですね、わたしからキャルちゃんにプレゼントです♪」
キャル「えっ? こ、これをあたしに?」
13: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/05/02(木) 22:14:52.818 ID:LOf4zfFQ0
キャル「いやいや、もらう理由がないわよ! お金はあるときにちゃんと払うから!」
ペコリーヌ「もらってくれませんか? 理由がないとダメでしょうか……?」
キャル「気持ちは嬉しいけど……。安もんじゃないしね……」
ペコリーヌ「う~ん……理由……。理由ですか……」
ペコリーヌ「あっ、じゃあキャルちゃんがかわいいから、っていうのはどうでしょう?」
キャル「はぁ? 意味不明すぎ。無理に理由づけしなくていいわよ」
ペコリーヌ「うぅ~……。ただキャルちゃんに喜んでほしかっただけなんですけど……」
キャル「……」
キャル「……あたしが喜ぶと、あんたは嬉しいの?」
ペコリーヌ「え? はい、もちろんです。大好きなキャルちゃんの笑顔を見てると、わたしすっごく元気になっちゃうんですよ~♪」
キャル「ふ~ん、そっか。そうなのね。ふふっ……♪」
キャル「やっぱりこれ、もらっておいてあげるわ」
ペコリーヌ「ほ、ほんとですか!?」
キャル「かわいくて気に入っちゃったのは事実だし。それにこれ、あたしに似合ってるんでしょ?」
ペコリーヌ「それはもう、最っ高にかわいいです♪ ぎゅ~って抱きしめたくなっちゃいます☆」
キャル「……」
ペコリーヌ「キャルちゃん?」
キャル「……ありがとね。大切にするから」
ペコリーヌ「えへへ……♪」
ペコリーヌ「もらってくれませんか? 理由がないとダメでしょうか……?」
キャル「気持ちは嬉しいけど……。安もんじゃないしね……」
ペコリーヌ「う~ん……理由……。理由ですか……」
ペコリーヌ「あっ、じゃあキャルちゃんがかわいいから、っていうのはどうでしょう?」
キャル「はぁ? 意味不明すぎ。無理に理由づけしなくていいわよ」
ペコリーヌ「うぅ~……。ただキャルちゃんに喜んでほしかっただけなんですけど……」
キャル「……」
キャル「……あたしが喜ぶと、あんたは嬉しいの?」
ペコリーヌ「え? はい、もちろんです。大好きなキャルちゃんの笑顔を見てると、わたしすっごく元気になっちゃうんですよ~♪」
キャル「ふ~ん、そっか。そうなのね。ふふっ……♪」
キャル「やっぱりこれ、もらっておいてあげるわ」
ペコリーヌ「ほ、ほんとですか!?」
キャル「かわいくて気に入っちゃったのは事実だし。それにこれ、あたしに似合ってるんでしょ?」
ペコリーヌ「それはもう、最っ高にかわいいです♪ ぎゅ~って抱きしめたくなっちゃいます☆」
キャル「……」
ペコリーヌ「キャルちゃん?」
キャル「……ありがとね。大切にするから」
ペコリーヌ「えへへ……♪」
14: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/05/02(木) 22:18:33.879 ID:LOf4zfFQ0
キャル「そ、そろそろお昼にしましょうか……! ブラブラしてたから、ちょっと遅くなっちゃったけど……」
ペコリーヌ「……実はもうお腹ペコペコで倒れちゃいそうでした」
キャル「そういうのははやく言いなさいよ! あぁもう、どこか空いてるお店はあるかしら?」
ペコリーヌ「もう一個『実は』なんですけどね? 実は、お弁当を作ってきたんです。よかったら広場で食べませんか?」
キャル「えっ? けど今日は、急に出かけようってことになって──」
ペコリーヌ「ま、まぁまぁ! 細かいことはいいじゃないですか! あぁ~お腹が空いちゃいましたよ~! はやくしないと倒れちゃいますよ~!」
キャル「誤魔化すの下手すぎよ……。こっちが気ぃ遣うじゃない……」
キャル「まぁいいか。じゃああんたのお弁当をいただきましょ。座る場所、空いてるといいけど」
ペコリーヌ「もし混雑してるようなら、さっきの猫ちゃんたちと食べます?」
キャル「な、なんて恐ろしいことを言うのよ……! ダメよ! それだけは絶対ダメ!」
ペコリーヌ「むぅ……どうしてですかぁ~……」
キャル「いくら人馴れしてるとはいえ、ノラ猫はノラ猫! お弁当なんて広げてみなさい? あっという間に全部持ってかれちゃうわよ!」
ペコリーヌ「お弁当をにゃんにゃん齧ってくるなんてかわいいじゃないですか♪」
キャル「甘いっ! 甘すぎるわペコリーヌ! 食べ物を前にすると、かわいさなんて捨てて牙を剥くのが猫って生き物なのよ!」
ペコリーヌ「キャルちゃんはかわいくごはん
食べるのに」
キャル「あたしは人よ」
ペコリーヌ「……実はもうお腹ペコペコで倒れちゃいそうでした」
キャル「そういうのははやく言いなさいよ! あぁもう、どこか空いてるお店はあるかしら?」
ペコリーヌ「もう一個『実は』なんですけどね? 実は、お弁当を作ってきたんです。よかったら広場で食べませんか?」
キャル「えっ? けど今日は、急に出かけようってことになって──」
ペコリーヌ「ま、まぁまぁ! 細かいことはいいじゃないですか! あぁ~お腹が空いちゃいましたよ~! はやくしないと倒れちゃいますよ~!」
キャル「誤魔化すの下手すぎよ……。こっちが気ぃ遣うじゃない……」
キャル「まぁいいか。じゃああんたのお弁当をいただきましょ。座る場所、空いてるといいけど」
ペコリーヌ「もし混雑してるようなら、さっきの猫ちゃんたちと食べます?」
キャル「な、なんて恐ろしいことを言うのよ……! ダメよ! それだけは絶対ダメ!」
ペコリーヌ「むぅ……どうしてですかぁ~……」
キャル「いくら人馴れしてるとはいえ、ノラ猫はノラ猫! お弁当なんて広げてみなさい? あっという間に全部持ってかれちゃうわよ!」
ペコリーヌ「お弁当をにゃんにゃん齧ってくるなんてかわいいじゃないですか♪」
キャル「甘いっ! 甘すぎるわペコリーヌ! 食べ物を前にすると、かわいさなんて捨てて牙を剥くのが猫って生き物なのよ!」
ペコリーヌ「キャルちゃんはかわいくごはん
食べるのに」
キャル「あたしは人よ」
15: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/05/02(木) 22:22:48.503 ID:LOf4zfFQ0
ペコリーヌ「あっ、あそこ! 一番いいところが空いてますよ!」
キャル「よかった~、ペコリーヌのお腹もなんとか保ったわね。あんたが倒れたら、あたし一人じゃ運べないもの」
ペコリーヌ「そんなパタパタ倒れたりしませんよ。もし倒れちゃっても、おにぎりを口に詰めてくれたら復活しますし☆」
キャル「普段倒れないヤツは、倒れたときの復活の仕方なんて考えないっての」
キャル「ともあれ、スペースは確保できたんだしお弁当食べちゃいましょ。あれこれ言ったけど、あたしもお腹ペコペコよ」
ペコリーヌ「えへへ~、今日のお弁当は気合を入れて作ったんですよ~? なんと、おにぎりにサンドイッチ、それからオカズとデザートもあるんです♪」
キャル「へぇ~。おにぎりは想定内だとして、そんな豪勢に作ってくれたんだ? 俄然楽しみになってきたわ♪」
ペコリーヌ「まずは──って、順番に食べてるとキャルちゃんすぐお腹いっぱいになっちゃいますよね。ではでは~……一気にドーン☆」
キャル「おぉ~……! ほんとに気合入ってるわね~。どれから食べるか迷っちゃうわ♪」
ペコリーヌ「好きなものを好きなだけ食べていいですからね♪ わたしはやっぱり、おにぎりから☆」
キャル「最初はペコリーヌと同じやつにしようかしら。このおにぎり頂くわね。……それじゃあ──」
二人「いただきま~す♪」
キャル「よかった~、ペコリーヌのお腹もなんとか保ったわね。あんたが倒れたら、あたし一人じゃ運べないもの」
ペコリーヌ「そんなパタパタ倒れたりしませんよ。もし倒れちゃっても、おにぎりを口に詰めてくれたら復活しますし☆」
キャル「普段倒れないヤツは、倒れたときの復活の仕方なんて考えないっての」
キャル「ともあれ、スペースは確保できたんだしお弁当食べちゃいましょ。あれこれ言ったけど、あたしもお腹ペコペコよ」
ペコリーヌ「えへへ~、今日のお弁当は気合を入れて作ったんですよ~? なんと、おにぎりにサンドイッチ、それからオカズとデザートもあるんです♪」
キャル「へぇ~。おにぎりは想定内だとして、そんな豪勢に作ってくれたんだ? 俄然楽しみになってきたわ♪」
ペコリーヌ「まずは──って、順番に食べてるとキャルちゃんすぐお腹いっぱいになっちゃいますよね。ではでは~……一気にドーン☆」
キャル「おぉ~……! ほんとに気合入ってるわね~。どれから食べるか迷っちゃうわ♪」
ペコリーヌ「好きなものを好きなだけ食べていいですからね♪ わたしはやっぱり、おにぎりから☆」
キャル「最初はペコリーヌと同じやつにしようかしら。このおにぎり頂くわね。……それじゃあ──」
二人「いただきま~す♪」
16: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/05/02(木) 22:25:45.205 ID:LOf4zfFQ0
キャル「むぐむぐむぐ……」
ペコリーヌ「はぐはぐはぐはぐ♪」
キャル「……んっ。やっぱりあんたの作るご飯は美味しいわね。店で食べるよりも落ち着くっていうか──ううん、なんでもない」
ペコリーヌ「美味しく食べてもらえてるなら、頑張って作った甲斐がありました♪」
キャル「依頼で町の外に出かけるときは、いつもコロ助がお弁当作ってくれてるものね~」
キャル「あんたの作ったごはん。家で食べる料理じゃなくて、こうやってお弁当として食べるのって初めてなんじゃない?」
ペコリーヌ「そうですね♪ その場で食べちゃうお料理と、しばらく時間が経ってから食べるお弁当……それぞれ勝手が違ってきちゃうんですよ~」
ペコリーヌ「だから結構頭を使って考えなくちゃいけなくて──って、こんな話をされてもおもしろくないですよね。えへへ、ごめんなさい」
キャル「ううん、そんなことないわ。もっと聞かせてよ、あんたの苦労話」
ペコリーヌ「苦労話、ですか?」
キャル「そうそう。あんたって、何かあってもいっつもニコニコしてるだけでさ。愚痴のひとつも言わないじゃない?」
キャル「だから、あんたが普段何を考えてるのか~なんて、ちっとも分からないもの」
ペコリーヌ「う~ん……? キャルちゃんが思ってるより、わたしってずぅっと単純だと思いますよ?」
キャル「じゃあお弁当作りに苦労した話、途中でやめちゃったのはどうして?」
キャル「ほんとにつまらない話だと思ってるわけじゃないんでしょ? 話してるあんた、楽しそうだったし」
ペコリーヌ「うっ……。それはですね……えぇっと……」
キャル「なにモジモジしてんのよ。黙ってるならあたしが当てるクイズ形式にするわよ?」
ペコリーヌ「わっ、わっ……! それは恥ずかしすぎますから! 分かりましたよぉ~……もぉ~……」
ペコリーヌ「はぐはぐはぐはぐ♪」
キャル「……んっ。やっぱりあんたの作るご飯は美味しいわね。店で食べるよりも落ち着くっていうか──ううん、なんでもない」
ペコリーヌ「美味しく食べてもらえてるなら、頑張って作った甲斐がありました♪」
キャル「依頼で町の外に出かけるときは、いつもコロ助がお弁当作ってくれてるものね~」
キャル「あんたの作ったごはん。家で食べる料理じゃなくて、こうやってお弁当として食べるのって初めてなんじゃない?」
ペコリーヌ「そうですね♪ その場で食べちゃうお料理と、しばらく時間が経ってから食べるお弁当……それぞれ勝手が違ってきちゃうんですよ~」
ペコリーヌ「だから結構頭を使って考えなくちゃいけなくて──って、こんな話をされてもおもしろくないですよね。えへへ、ごめんなさい」
キャル「ううん、そんなことないわ。もっと聞かせてよ、あんたの苦労話」
ペコリーヌ「苦労話、ですか?」
キャル「そうそう。あんたって、何かあってもいっつもニコニコしてるだけでさ。愚痴のひとつも言わないじゃない?」
キャル「だから、あんたが普段何を考えてるのか~なんて、ちっとも分からないもの」
ペコリーヌ「う~ん……? キャルちゃんが思ってるより、わたしってずぅっと単純だと思いますよ?」
キャル「じゃあお弁当作りに苦労した話、途中でやめちゃったのはどうして?」
キャル「ほんとにつまらない話だと思ってるわけじゃないんでしょ? 話してるあんた、楽しそうだったし」
ペコリーヌ「うっ……。それはですね……えぇっと……」
キャル「なにモジモジしてんのよ。黙ってるならあたしが当てるクイズ形式にするわよ?」
ペコリーヌ「わっ、わっ……! それは恥ずかしすぎますから! 分かりましたよぉ~……もぉ~……」
17: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/05/02(木) 22:28:30.832 ID:LOf4zfFQ0
ペコリーヌ「……格好悪いところを見せたくないんです。これでも、ギルドでは一番年上ですから」
ペコリーヌ「彼は同い年くらいでしょうけど、知っての通り記憶喪失ですし……」
キャル「ふ~ん? へぇ~? カッコ悪いところ見せたくないんだ?」
ペコリーヌ「笑いたいなら笑ってもいいですよ~だ……」
キャル「ぷふっ……! あはははは! ふふっ、あははははは! ペコリーヌが? お姉さんぶってたってこと? あはははは!」
ペコリーヌ「むぅ~……」
キャル「その結果が、食い意地だけの食欲大魔神じゃない! んふふふふ……くくっ、あはははは!」
ペコリーヌ「お腹が空くのだけはどうしようもないんですよぉ……! うぅ……そんなに笑わなくたっていいじゃないですかぁ~……」
キャル「あぁ~、おっかしい……。ふふふっ……」
キャル「まさかペコリーヌがそんなかわいいこと考えてたなんてね~。あはは!」
ペコリーヌ「……やっぱり話さなければよかったです」
キャル「違うでしょ、バカ」
ペコリーヌ「えっと……?」
キャル「あたしにはもう知られちゃったんだから。これからはちゃんと全部話しなさいよ。今更カッコつけたって遅いんだし」
ペコリーヌ「また笑うじゃないですか……」
キャル「かもね。だって最高におもしろいもの♪」
ペコリーヌ「彼は同い年くらいでしょうけど、知っての通り記憶喪失ですし……」
キャル「ふ~ん? へぇ~? カッコ悪いところ見せたくないんだ?」
ペコリーヌ「笑いたいなら笑ってもいいですよ~だ……」
キャル「ぷふっ……! あはははは! ふふっ、あははははは! ペコリーヌが? お姉さんぶってたってこと? あはははは!」
ペコリーヌ「むぅ~……」
キャル「その結果が、食い意地だけの食欲大魔神じゃない! んふふふふ……くくっ、あはははは!」
ペコリーヌ「お腹が空くのだけはどうしようもないんですよぉ……! うぅ……そんなに笑わなくたっていいじゃないですかぁ~……」
キャル「あぁ~、おっかしい……。ふふふっ……」
キャル「まさかペコリーヌがそんなかわいいこと考えてたなんてね~。あはは!」
ペコリーヌ「……やっぱり話さなければよかったです」
キャル「違うでしょ、バカ」
ペコリーヌ「えっと……?」
キャル「あたしにはもう知られちゃったんだから。これからはちゃんと全部話しなさいよ。今更カッコつけたって遅いんだし」
ペコリーヌ「また笑うじゃないですか……」
キャル「かもね。だって最高におもしろいもの♪」
18: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/05/02(木) 22:31:11.280 ID:LOf4zfFQ0
キャル「あんた、自分が一番年上だから~なんて言ってたけど。あたしにとって、そんなのどうだっていいことよ」
キャル「年上だから、なんて理由で気を遣ったりしないし、みっともなかったら笑いもするわ」
ペコリーヌ「うぅ……キャルちゃんはイジワルです……」
キャル「その分、年上だからってあんたに全部背負わせたりなんてしないし。辛いことがあったら慰めてあげる」
キャル「……あたしたち、同じギルドの仲間なんでしょ? だったらもうちょっと信じなさいよ」
ペコリーヌ「きゃ、キャルちゃぁん……」
キャル「ちょっ、泣くんじゃないわよ! 別に普通のこと言っただけでしょ!? ……あ~あぁ、鼻水垂れちゃってるじゃない」
ペコリーヌ「ぎゅ~……」
キャル「げっ……!? 抱きついたら鼻水ついちゃうでしょ!? 離れなさいよ!」
ペコリーヌ「あ……つい……。ずび~……」
キャル「ほら、ちり紙あげるから」
ペコリーヌ「ちーん……!」
キャル「まったく、ちょ~っとからかうつもりが……。どうしてこんなことになったんだか……はぁ~……」
キャル「年上だから、なんて理由で気を遣ったりしないし、みっともなかったら笑いもするわ」
ペコリーヌ「うぅ……キャルちゃんはイジワルです……」
キャル「その分、年上だからってあんたに全部背負わせたりなんてしないし。辛いことがあったら慰めてあげる」
キャル「……あたしたち、同じギルドの仲間なんでしょ? だったらもうちょっと信じなさいよ」
ペコリーヌ「きゃ、キャルちゃぁん……」
キャル「ちょっ、泣くんじゃないわよ! 別に普通のこと言っただけでしょ!? ……あ~あぁ、鼻水垂れちゃってるじゃない」
ペコリーヌ「ぎゅ~……」
キャル「げっ……!? 抱きついたら鼻水ついちゃうでしょ!? 離れなさいよ!」
ペコリーヌ「あ……つい……。ずび~……」
キャル「ほら、ちり紙あげるから」
ペコリーヌ「ちーん……!」
キャル「まったく、ちょ~っとからかうつもりが……。どうしてこんなことになったんだか……はぁ~……」
19: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/05/02(木) 22:34:59.144 ID:LOf4zfFQ0
キャル「……」
ペコリーヌ「えへへ♪」
キャル「近いんだけど……」
ペコリーヌ「ぎゅ~っ☆」
キャル「鬱陶しいんだけど……」
ペコリーヌ「ちゅ~……」
キャル「ぎゃあああ!? あ、あんまり調子に乗るんじゃないわよっ! ……もうっ、なに赤ちゃんになってんの?」
ペコリーヌ「甘えていいって言ったじゃないですか」
キャル「頼ってもいいって言ったの! あたしには、コロ助みたいに赤ちゃんの世話する趣味なんてないんだから!」
ペコリーヌ「甘えん坊なお姉ちゃんは嫌いですか……?」
キャル「それ。それよペコリーヌ。前から気になってたんだけど、なんでちょっと姉妹感出してるわけ?」
キャル「コロ助もそんなようなこと言ってたし、さっきこの髪留めを買った店の店員だってそうじゃない」
ペコリーヌ「それだけ仲良しに見えるってことですよ♪ この町では、それぞれ種族が異なる姉妹も珍しくありませんし」
キャル「仲が良いだけで姉妹ならその辺のカップルなんて全員兄妹よ!」
キャル「大体なんであたしが妹なのよ? あんたよりよっぽどしっかりして見えるでしょ?」
ペコリーヌ「身長とか、身体つきとか……あとはオトナの余裕、ですね☆」
キャル「……ふんっ、ガキで悪かったわね」
ペコリーヌ「えへへ♪」
キャル「近いんだけど……」
ペコリーヌ「ぎゅ~っ☆」
キャル「鬱陶しいんだけど……」
ペコリーヌ「ちゅ~……」
キャル「ぎゃあああ!? あ、あんまり調子に乗るんじゃないわよっ! ……もうっ、なに赤ちゃんになってんの?」
ペコリーヌ「甘えていいって言ったじゃないですか」
キャル「頼ってもいいって言ったの! あたしには、コロ助みたいに赤ちゃんの世話する趣味なんてないんだから!」
ペコリーヌ「甘えん坊なお姉ちゃんは嫌いですか……?」
キャル「それ。それよペコリーヌ。前から気になってたんだけど、なんでちょっと姉妹感出してるわけ?」
キャル「コロ助もそんなようなこと言ってたし、さっきこの髪留めを買った店の店員だってそうじゃない」
ペコリーヌ「それだけ仲良しに見えるってことですよ♪ この町では、それぞれ種族が異なる姉妹も珍しくありませんし」
キャル「仲が良いだけで姉妹ならその辺のカップルなんて全員兄妹よ!」
キャル「大体なんであたしが妹なのよ? あんたよりよっぽどしっかりして見えるでしょ?」
ペコリーヌ「身長とか、身体つきとか……あとはオトナの余裕、ですね☆」
キャル「……ふんっ、ガキで悪かったわね」
20: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/05/02(木) 22:37:36.679 ID:LOf4zfFQ0
ペコリーヌ「はぁ~……♪ 拗ねてるキャルちゃんはかわいいですねぇ……♪ 食べちゃいたいくらいかわいいです~♪」
キャル「……比喩よね?」
ペコリーヌ「どうして離れるんですか? ねぇキャルちゃん」
キャル「適度な距離は大切よ? 近づきすぎない、踏み込みすぎない、食べない。ちゃんと守ってよね」
ペコリーヌ「三つ目はともかく、前二つは気をつけますね。ついつい押しが強くなっちゃうことがあるって、自分でも分かってるんです……」
キャル「あたしとしては三つ目だけちゃんとしてくれれば、他はまぁいいんだけど……」
ペコリーヌ「食べませんってばぁ~……。わたしをなんだと思ってるんですか……」
キャル「なら聞くけど、あたしとコロ助とあのバカ……もし食べるなら誰を食べる?」
ペコリーヌ「キャルちゃんです」
キャル「ほらぁっ!」
ペコリーヌ「今のは質問が悪いですよ。『もし食べるなら』って言うからじゃないですか」
キャル「それにしたって答えるのが早すぎじゃない? 考える間もなく即答したし」
ペコリーヌ「じゃあキャルちゃんはどうなんですか? わたしとコッコロちゃんと彼、もし食べるなら誰を選びます?」
キャル「食べるわけないでしょ。誰も選ばないわよ」
ペコリーヌ「ひとり選ばないとダメなんですぅ選ばなかったら自分が食べられちゃうんですぅ」
キャル「子供みたいなこと言うんじゃないわよ」
ペコリーヌ「先に子供みたいな質問してきたのはキャルちゃんですぅ」
キャル「……比喩よね?」
ペコリーヌ「どうして離れるんですか? ねぇキャルちゃん」
キャル「適度な距離は大切よ? 近づきすぎない、踏み込みすぎない、食べない。ちゃんと守ってよね」
ペコリーヌ「三つ目はともかく、前二つは気をつけますね。ついつい押しが強くなっちゃうことがあるって、自分でも分かってるんです……」
キャル「あたしとしては三つ目だけちゃんとしてくれれば、他はまぁいいんだけど……」
ペコリーヌ「食べませんってばぁ~……。わたしをなんだと思ってるんですか……」
キャル「なら聞くけど、あたしとコロ助とあのバカ……もし食べるなら誰を食べる?」
ペコリーヌ「キャルちゃんです」
キャル「ほらぁっ!」
ペコリーヌ「今のは質問が悪いですよ。『もし食べるなら』って言うからじゃないですか」
キャル「それにしたって答えるのが早すぎじゃない? 考える間もなく即答したし」
ペコリーヌ「じゃあキャルちゃんはどうなんですか? わたしとコッコロちゃんと彼、もし食べるなら誰を選びます?」
キャル「食べるわけないでしょ。誰も選ばないわよ」
ペコリーヌ「ひとり選ばないとダメなんですぅ選ばなかったら自分が食べられちゃうんですぅ」
キャル「子供みたいなこと言うんじゃないわよ」
ペコリーヌ「先に子供みたいな質問してきたのはキャルちゃんですぅ」
22: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/05/02(木) 22:40:09.073 ID:LOf4zfFQ0
キャル「まったく……。ほら、口尖らせてないでそろそろ行きましょ」
ペコリーヌ「……抱っこして連れて行ってください」
キャル「はぁ? 無理に決まってんでしょ。重くて持ち上がらないわよ」
ペコリーヌ「貧弱キャルちゃん」
キャル「なによ、あんたあたしにケンカ売ってんの? ゴリラみたいな腕力のゴリリーヌからしたら、たしかにあたしなんて貧弱なモヤシよね! ふんっ!」
ペコリーヌ「……」
キャル「……」
ペコリーヌ「わたしはモヤシ、大好きですよ? 栄養たっぷりですから」
キャル「……あたしもゴリラは嫌いじゃないわ。強いし」
ペコリーヌ「えへへ……♪」
キャル「行くわよ、ペコリーヌ。もう一度あの猫の溜まり場に行ってみましょ」
ペコリーヌ「はいっ☆ ……あ、手繋いでくれるんですね♪」
キャル「せっかくここまで迷子にならずに済んだんだから、最後まではぐれたくないだけよ」
ペコリーヌ「そうですね、帰るまでずぅっと一緒がいいです♪」
ペコリーヌ「……抱っこして連れて行ってください」
キャル「はぁ? 無理に決まってんでしょ。重くて持ち上がらないわよ」
ペコリーヌ「貧弱キャルちゃん」
キャル「なによ、あんたあたしにケンカ売ってんの? ゴリラみたいな腕力のゴリリーヌからしたら、たしかにあたしなんて貧弱なモヤシよね! ふんっ!」
ペコリーヌ「……」
キャル「……」
ペコリーヌ「わたしはモヤシ、大好きですよ? 栄養たっぷりですから」
キャル「……あたしもゴリラは嫌いじゃないわ。強いし」
ペコリーヌ「えへへ……♪」
キャル「行くわよ、ペコリーヌ。もう一度あの猫の溜まり場に行ってみましょ」
ペコリーヌ「はいっ☆ ……あ、手繋いでくれるんですね♪」
キャル「せっかくここまで迷子にならずに済んだんだから、最後まではぐれたくないだけよ」
ペコリーヌ「そうですね、帰るまでずぅっと一緒がいいです♪」
23: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/05/02(木) 22:44:02.546 ID:LOf4zfFQ0
さび「みぃ……」
キャル「あれ? さっきと違って随分しょんぼりしてるのね? 何かあったのかしら?」
ペコリーヌ「どの子もションボリして、元気がないみたいです……。よしよ~し」
「みゅぅ……みゅ~……」
ペコリーヌ「ん~……? キャルちゃんキャルちゃん。どこかから、か細~い鳴き声が聞こえてきませんか? みゅ~って」
キャル「え? いや、分かんないけど……。どこかに子猫でも隠れてるのかしら?」
「みゅぅ……みゅぅ……」
ペコリーヌ「ほら! 絶対聞こえました! 弱々しくて、なんだか悲しくなっちゃう声です……」
キャル「気になるんなら探してみましょうか。とは言え、この猫の山の中からじゃ難しいわね」
ペコリーヌ「声がどこから聞こえてくるのかは分かりませんし……。どうしましょう……」
キャル「ねぇ、見てペコリーヌ……! この猫たち、みんな同じ方向を見てるわ! 視線の先は──」
ペコリーヌ「あっちです! わたしちょっと見てきますね!」
キャル「あっ、ちょっと! もぉ、走るのはいいけど猫たちを踏まないようにしなさいよ?」
ペコリーヌ「分かってま──わっとと! えへへ……」
キャル「見てらんないわね……。待ちなさい、あたしも行くわ」
キャル「あれ? さっきと違って随分しょんぼりしてるのね? 何かあったのかしら?」
ペコリーヌ「どの子もションボリして、元気がないみたいです……。よしよ~し」
「みゅぅ……みゅ~……」
ペコリーヌ「ん~……? キャルちゃんキャルちゃん。どこかから、か細~い鳴き声が聞こえてきませんか? みゅ~って」
キャル「え? いや、分かんないけど……。どこかに子猫でも隠れてるのかしら?」
「みゅぅ……みゅぅ……」
ペコリーヌ「ほら! 絶対聞こえました! 弱々しくて、なんだか悲しくなっちゃう声です……」
キャル「気になるんなら探してみましょうか。とは言え、この猫の山の中からじゃ難しいわね」
ペコリーヌ「声がどこから聞こえてくるのかは分かりませんし……。どうしましょう……」
キャル「ねぇ、見てペコリーヌ……! この猫たち、みんな同じ方向を見てるわ! 視線の先は──」
ペコリーヌ「あっちです! わたしちょっと見てきますね!」
キャル「あっ、ちょっと! もぉ、走るのはいいけど猫たちを踏まないようにしなさいよ?」
ペコリーヌ「分かってま──わっとと! えへへ……」
キャル「見てらんないわね……。待ちなさい、あたしも行くわ」
24: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/05/02(木) 22:47:37.337 ID:LOf4zfFQ0
キャル「こっちはいないわね。どう? 子猫見つかった?」
ペコリーヌ「ど、どうしましょうキャルちゃん……」
キャル「なによ、そんな泣きそうな顔しちゃって。……何があったの?」
ペコリーヌ「こ、子猫さんがぁ……」
キャル「……っ……あんた、その血……!」
子猫「みゅぅ……」
キャル「ひどい怪我……! 死にかけてるじゃない……!」
キャル「どいてっ! 少しなら回復魔法も使えるから……きっと助けられるわ!」
ペコリーヌ「お、お願いします……助けてあげて……」
キャル「分かってる……分かってるわよ……! くっ……」
子猫「……」
ペコリーヌ「キャルちゃん……? その子、鳴かなくなっちゃいましたよ……? ま、まさか……」
キャル「……いいえ、もう大丈夫よ。眠っただけだから。もう大丈夫……」
子猫「ぷぅ……ぷぅ……」
キャル「はぁ~……焦った~……」
キャル「あたしのウデじゃ治してあげられないかと思ったけど……。ふふ~ん、さすがあたしね~♪ 火事場の馬鹿力ってやつかしら?」
ペコリーヌ「治ったんですか……? 治ったんですね……! わぁ~いキャルちゃ~ん♪」
キャル「あっ、こらっ! 騒いだらこの子が起きちゃうでしょ?」
ペコリーヌ「ご、ごめんなさい……。しーっ、ですよね……」
キャル「傷は治せたけど、大分体力が落ちちゃってるのよ。今は寝かせてあげないと」
ペコリーヌ「ど、どうしましょうキャルちゃん……」
キャル「なによ、そんな泣きそうな顔しちゃって。……何があったの?」
ペコリーヌ「こ、子猫さんがぁ……」
キャル「……っ……あんた、その血……!」
子猫「みゅぅ……」
キャル「ひどい怪我……! 死にかけてるじゃない……!」
キャル「どいてっ! 少しなら回復魔法も使えるから……きっと助けられるわ!」
ペコリーヌ「お、お願いします……助けてあげて……」
キャル「分かってる……分かってるわよ……! くっ……」
子猫「……」
ペコリーヌ「キャルちゃん……? その子、鳴かなくなっちゃいましたよ……? ま、まさか……」
キャル「……いいえ、もう大丈夫よ。眠っただけだから。もう大丈夫……」
子猫「ぷぅ……ぷぅ……」
キャル「はぁ~……焦った~……」
キャル「あたしのウデじゃ治してあげられないかと思ったけど……。ふふ~ん、さすがあたしね~♪ 火事場の馬鹿力ってやつかしら?」
ペコリーヌ「治ったんですか……? 治ったんですね……! わぁ~いキャルちゃ~ん♪」
キャル「あっ、こらっ! 騒いだらこの子が起きちゃうでしょ?」
ペコリーヌ「ご、ごめんなさい……。しーっ、ですよね……」
キャル「傷は治せたけど、大分体力が落ちちゃってるのよ。今は寝かせてあげないと」
25: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/05/02(木) 22:50:40.577 ID:LOf4zfFQ0
キャル「少し離れて話しましょうか。よいしょ──わっ、あっ、ひゃあっ!?」
ペコリーヌ「だ、大丈夫ですか? 足、プルプルしちゃってますけど……」
キャル「腰抜けちゃった……」
ペコリーヌ「あらら。気が抜けちゃったんですかね? あっちまで、わたしが抱っこして運びますね。掴まっても、掴まらなくてもいいですよ~」
キャル「えっ、ちょっ待っ──」
ペコリーヌ「よっこいしょ~♪」
キャル「ひぁぁっ!? ど、どうしてお姫様抱っこなのよぉっ!?」
ペコリーヌ「どうして、って……運びやすいからですけど。キャルちゃん的にもこの体勢が一番楽だと思いますよ?」
キャル「ばかぁ~……! 恥ずかしいってば……!」
みけ「にゃ~」
くつした「にゃんにゃん」
ペコリーヌ「あれ? あれれ? 猫ちゃんたちが足下に集まってきちゃいました~! これじゃあ前に進めませんよ~……!」
キャル「はぁ!? どうすんのよ、こんな状態で足止めだなんて! 降りようにも降りられないし……あぁもぉ~っ!」
はちわれ「ごろごろ……」
キャル「あんたの足に乗っかってくつろいじゃってるじゃない! なんとかしなさいよっ!」
ペコリーヌ「なんとかって……なんともなりませんよぉ~……。わたしの体力はまだ持ちますから、しばらくこのまま我慢してください」
キャル「うぅ~……恥ずかしくて死んじゃうわ……」
ペコリーヌ「だ、大丈夫ですか? 足、プルプルしちゃってますけど……」
キャル「腰抜けちゃった……」
ペコリーヌ「あらら。気が抜けちゃったんですかね? あっちまで、わたしが抱っこして運びますね。掴まっても、掴まらなくてもいいですよ~」
キャル「えっ、ちょっ待っ──」
ペコリーヌ「よっこいしょ~♪」
キャル「ひぁぁっ!? ど、どうしてお姫様抱っこなのよぉっ!?」
ペコリーヌ「どうして、って……運びやすいからですけど。キャルちゃん的にもこの体勢が一番楽だと思いますよ?」
キャル「ばかぁ~……! 恥ずかしいってば……!」
みけ「にゃ~」
くつした「にゃんにゃん」
ペコリーヌ「あれ? あれれ? 猫ちゃんたちが足下に集まってきちゃいました~! これじゃあ前に進めませんよ~……!」
キャル「はぁ!? どうすんのよ、こんな状態で足止めだなんて! 降りようにも降りられないし……あぁもぉ~っ!」
はちわれ「ごろごろ……」
キャル「あんたの足に乗っかってくつろいじゃってるじゃない! なんとかしなさいよっ!」
ペコリーヌ「なんとかって……なんともなりませんよぉ~……。わたしの体力はまだ持ちますから、しばらくこのまま我慢してください」
キャル「うぅ~……恥ずかしくて死んじゃうわ……」
27: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/05/02(木) 22:53:52.060 ID:LOf4zfFQ0
ペコリーヌ「猫ちゃんたち、なんだかリラックスしてるみたいです♪ みんな、あの子猫のことが心配だったんでしょうか?」
キャル「……」
ペコリーヌ「なんですか? わたしの顔をじっと見つめて。ちゅーしちゃいますよ?」
キャル「すんなバカ! ていうか、あんたこの胸引っ込めなさいよ! 邪魔よ、邪魔!」
ペコリーヌ「無茶言わないでくださいよ。顔埋めちゃってもいいですから、我慢してください」
キャル「その気がなくても埋まるわよ……! もしこれで窒息して死んじゃったら、あんたを殺すから!」
ペコリーヌ「言ってることがめちゃくちゃじゃないですかぁ~……」
ペコリーヌ「だいたい、窒息なんてしませんってば! わたしの胸をなんだと思ってるんですかキャルちゃんは……」
キャル「凶器よ! 凶器! 捥げろ!」
ペコリーヌ「もぉ~、キャルちゃんだってそろそろ大きくなるんですから、あんまりひどいこと言うと全部自分に返ってきちゃうんですからね?」
キャル「……」
キャル「大きくなるかしら……?」
ペコリーヌ「なりますよ。ちょうど育ち盛りじゃないですか」
キャル「そうかな……? そうだといいな……」
ペコリーヌ「揉むと大きくなるって聞きましたけど、試してみます?」
キャル「……」
ペコリーヌ「……冗談ですよ?」
キャル「わ、分かってるわよ……!」
キャル「……」
ペコリーヌ「なんですか? わたしの顔をじっと見つめて。ちゅーしちゃいますよ?」
キャル「すんなバカ! ていうか、あんたこの胸引っ込めなさいよ! 邪魔よ、邪魔!」
ペコリーヌ「無茶言わないでくださいよ。顔埋めちゃってもいいですから、我慢してください」
キャル「その気がなくても埋まるわよ……! もしこれで窒息して死んじゃったら、あんたを殺すから!」
ペコリーヌ「言ってることがめちゃくちゃじゃないですかぁ~……」
ペコリーヌ「だいたい、窒息なんてしませんってば! わたしの胸をなんだと思ってるんですかキャルちゃんは……」
キャル「凶器よ! 凶器! 捥げろ!」
ペコリーヌ「もぉ~、キャルちゃんだってそろそろ大きくなるんですから、あんまりひどいこと言うと全部自分に返ってきちゃうんですからね?」
キャル「……」
キャル「大きくなるかしら……?」
ペコリーヌ「なりますよ。ちょうど育ち盛りじゃないですか」
キャル「そうかな……? そうだといいな……」
ペコリーヌ「揉むと大きくなるって聞きましたけど、試してみます?」
キャル「……」
ペコリーヌ「……冗談ですよ?」
キャル「わ、分かってるわよ……!」
28: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/05/02(木) 22:56:41.311 ID:LOf4zfFQ0
ぶち「ふにゃ、うにゃ~ん」
キャル「ふわぁふ……。ペコリーヌ~、なんか言ってるわよ~」
ペコリーヌ「どうしたんでしょうか? 子猫さんを助けたお礼に、山ほどお魚をくれるとか? やばいですね☆」
くつした「にゃ~ん」
ペコリーヌ「あっ、スペースを空けてくれたみたいです。今ならキャルちゃんを地面に降ろせそうですけど、降ります?」
キャル「降りたところで、狭い足場の中であんたと不安定に立ってなきゃいけないじゃない。降りる意味なんてないわ」
キャル「あたしを抱えたまま座っちゃいなさいよ。その方が有意義に空間を使えるでしょ?」
ペコリーヌ「キャルちゃんがそう言うならそうしましょうか。バランスが崩れちゃうと危ないですから、わたしの首に手を回して、しっかり掴まっててくださいね」
キャル「え、ええ、分かったわ……んしょ。いいわよ」
ペコリーヌ「じゃあ座っちゃいますね。……猫ちゃ~ん? ちょこっとだけ離れていてくださいね~?」
はちわれ「にゅ~……」
ペコリーヌ「よっこい……しょ、っと。ふぅ~♪」
キャル「お疲れさま。あたしは勝手にしがみついてるから、あんたは楽にしてていいわよ。腕も疲れちゃったんじゃない?」
ペコリーヌ「そうですね、ちょっとだけ疲れちゃいました……。キャルちゃんはとっても軽いですけど、時間が長かったので」
はい「みゃうみゃう」
しろ「みぃみぃ♪」
ペコリーヌ「空いた手に猫ちゃんたちがすり寄ってきちゃいました~♪ えへへ~、これじゃあ休まる暇がありませんね~♪」
キャル「あ、あたしもなでたい……おいでおいで……」
くろ「がぶーっ」
キャル「ぎゃあああ!? なんでーっ!?」
キャル「ふわぁふ……。ペコリーヌ~、なんか言ってるわよ~」
ペコリーヌ「どうしたんでしょうか? 子猫さんを助けたお礼に、山ほどお魚をくれるとか? やばいですね☆」
くつした「にゃ~ん」
ペコリーヌ「あっ、スペースを空けてくれたみたいです。今ならキャルちゃんを地面に降ろせそうですけど、降ります?」
キャル「降りたところで、狭い足場の中であんたと不安定に立ってなきゃいけないじゃない。降りる意味なんてないわ」
キャル「あたしを抱えたまま座っちゃいなさいよ。その方が有意義に空間を使えるでしょ?」
ペコリーヌ「キャルちゃんがそう言うならそうしましょうか。バランスが崩れちゃうと危ないですから、わたしの首に手を回して、しっかり掴まっててくださいね」
キャル「え、ええ、分かったわ……んしょ。いいわよ」
ペコリーヌ「じゃあ座っちゃいますね。……猫ちゃ~ん? ちょこっとだけ離れていてくださいね~?」
はちわれ「にゅ~……」
ペコリーヌ「よっこい……しょ、っと。ふぅ~♪」
キャル「お疲れさま。あたしは勝手にしがみついてるから、あんたは楽にしてていいわよ。腕も疲れちゃったんじゃない?」
ペコリーヌ「そうですね、ちょっとだけ疲れちゃいました……。キャルちゃんはとっても軽いですけど、時間が長かったので」
はい「みゃうみゃう」
しろ「みぃみぃ♪」
ペコリーヌ「空いた手に猫ちゃんたちがすり寄ってきちゃいました~♪ えへへ~、これじゃあ休まる暇がありませんね~♪」
キャル「あ、あたしもなでたい……おいでおいで……」
くろ「がぶーっ」
キャル「ぎゃあああ!? なんでーっ!?」
31: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/05/02(木) 22:59:41.292 ID:LOf4zfFQ0
キャル「この子は気難しい子なのかしら……」
くろ「ふしゃーっ!」
ペコリーヌ「あはは、なんだかキャルちゃんみたいですね♪」
キャル「あたしは誰彼構わず噛み付いたりなんてしないわよ」
ペコリーヌ「……」
キャル「ちょっと、なんか言いなさいよ」
くろ「みゃぁお……ぺろっ」
キャル「……あ」
くろ「ふーっ……!」
キャル「かわいく舐めてくれたと思ったら、またツンツンしてるわ……。何考えてるのか全っ然分からないわね……」
ペコリーヌ「やっぱりキャルちゃんみたいです♪ きっと寂しいんですよ、その子。甘えたいけど素直になれないんじゃないですか?」
くろ「……」
キャル「……ったく、つまんない意地張ってないでこっち来なさいよ」
くろ「ぷいっ」
キャル「なっ……! こいつぅ……! 人が下手に出てればいい気になっちゃって……! 来なさいってば! ほ~ら~!」
くろ「ふしゃーっ! ふしゃーっ!」
キャル「あはは! ほ~ら捕まえた~♪ 大人しくなで回されなさい! うりうり~♪」
くろ「みゃう……。みゃお~ん……♪」
キャル「ふふっ♪ 最初からそうやって素直になってたら、みんなにかわいがってもらえるのに。バカなヤツね~」
くろ「みぎゃーっ! ぎゃぁう!」
キャル「い゛ったいわね! ひっかくんじゃないわよ!」
ペコリーヌ「はぁ~……♪ かぁわいいですねぇ~……♪」
くろ「ふしゃーっ!」
ペコリーヌ「あはは、なんだかキャルちゃんみたいですね♪」
キャル「あたしは誰彼構わず噛み付いたりなんてしないわよ」
ペコリーヌ「……」
キャル「ちょっと、なんか言いなさいよ」
くろ「みゃぁお……ぺろっ」
キャル「……あ」
くろ「ふーっ……!」
キャル「かわいく舐めてくれたと思ったら、またツンツンしてるわ……。何考えてるのか全っ然分からないわね……」
ペコリーヌ「やっぱりキャルちゃんみたいです♪ きっと寂しいんですよ、その子。甘えたいけど素直になれないんじゃないですか?」
くろ「……」
キャル「……ったく、つまんない意地張ってないでこっち来なさいよ」
くろ「ぷいっ」
キャル「なっ……! こいつぅ……! 人が下手に出てればいい気になっちゃって……! 来なさいってば! ほ~ら~!」
くろ「ふしゃーっ! ふしゃーっ!」
キャル「あはは! ほ~ら捕まえた~♪ 大人しくなで回されなさい! うりうり~♪」
くろ「みゃう……。みゃお~ん……♪」
キャル「ふふっ♪ 最初からそうやって素直になってたら、みんなにかわいがってもらえるのに。バカなヤツね~」
くろ「みぎゃーっ! ぎゃぁう!」
キャル「い゛ったいわね! ひっかくんじゃないわよ!」
ペコリーヌ「はぁ~……♪ かぁわいいですねぇ~……♪」
34: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/05/02(木) 23:03:36.743 ID:LOf4zfFQ0
ペコリーヌ「もががが……もごっ、むぐぐ?」
キャル「いつの間にか顔にまで猫が張り付いてるじゃない……。何言ってるか全然分かんないわよ」
さび「みぃ……♪」
キャル「……」
キャル「そのまま耳も塞いでてね」
きじとら「みゃう!」
あかげ「にゃお~ん!」
ペコリーヌ「ふがががが……」
キャル「……優しい言葉もいらないし、目を掛けてくれなくてもいい。なでてもらえなくたっていいわ。けど──」
キャル「あんたの膝は、あたしだけの場所よ? ここは誰にも譲らないんだから。ちゃんと空けておきなさいよね」
ペコリーヌ「ひゃるひゃん……?」
キャル「はぁ~。今日はあんたと出かけられてよかったわ。ふふっ……♪」
くろ「みゃお~?」
キャル「ペコリーヌってね、こう見えてとってもいい子なのよ? 案外世話焼きだし、それなりに頼りになるし」
キャル「お前もきっと気に入るわ。だって、あんたはあたしに似てるんだもの。そうでしょ?」
くろ「ぷいっ」
キャル「ふふん、いいわよ別に。ペコリーヌはあたしが独り占めしちゃうんだから♪ んふふ、あったか~い♪」
くろ「みゅ~……」
ペコリーヌ「もが~」
キャル「いつの間にか顔にまで猫が張り付いてるじゃない……。何言ってるか全然分かんないわよ」
さび「みぃ……♪」
キャル「……」
キャル「そのまま耳も塞いでてね」
きじとら「みゃう!」
あかげ「にゃお~ん!」
ペコリーヌ「ふがががが……」
キャル「……優しい言葉もいらないし、目を掛けてくれなくてもいい。なでてもらえなくたっていいわ。けど──」
キャル「あんたの膝は、あたしだけの場所よ? ここは誰にも譲らないんだから。ちゃんと空けておきなさいよね」
ペコリーヌ「ひゃるひゃん……?」
キャル「はぁ~。今日はあんたと出かけられてよかったわ。ふふっ……♪」
くろ「みゃお~?」
キャル「ペコリーヌってね、こう見えてとってもいい子なのよ? 案外世話焼きだし、それなりに頼りになるし」
キャル「お前もきっと気に入るわ。だって、あんたはあたしに似てるんだもの。そうでしょ?」
くろ「ぷいっ」
キャル「ふふん、いいわよ別に。ペコリーヌはあたしが独り占めしちゃうんだから♪ んふふ、あったか~い♪」
くろ「みゅ~……」
ペコリーヌ「もが~」
35: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/05/02(木) 23:06:09.312 ID:LOf4zfFQ0
ペコリーヌ「──ぷはっ!」
キャル「あら、猫の海で溺れずに済んだみたいね。あははっ、顔中毛だらけよ! ……ジッとしてなさい?」
ペコリーヌ「あぶぶぶ……」
キャル「はい、キレイになったわよ」
ペコリーヌ「はふぅ……ありがとうございます♪」
ペコリーヌ「ところでキャルちゃん。猫ちゃんたちと何かお話ししてたみたいですけど、どんなお話をしてたんですか?」
キャル「ナイショ♪ ねっ、チビ助?」
くろ「みゃおん」
ペコリーヌ「むぅ~……なんだか仲間ハズレみたいでさみしいですよぅ……」
キャル「ねぇペコリーヌ? 猫は好きだって言ってたわよね? じゃあ、あたしは? あたしのことも好き?」
ペコリーヌ「どうしたんですか、急に? ナゾナゾですか?」
キャル「んなわけないでしょ。違うわよ。いいから答えて」
ペコリーヌ「もちろん大好きです。ここの猫ちゃんたちには申し訳ないですけど、わたしはキャルちゃんのことが一番好きですよ♪」
キャル「ふふ~ん♪ だってさ、チビ助。羨ましい?」
くろ「がぶーっ」
キャル「み゛ゃーっ!?」
ペコリーヌ「あはは、何やってるんですか~♪」
キャル「あら、猫の海で溺れずに済んだみたいね。あははっ、顔中毛だらけよ! ……ジッとしてなさい?」
ペコリーヌ「あぶぶぶ……」
キャル「はい、キレイになったわよ」
ペコリーヌ「はふぅ……ありがとうございます♪」
ペコリーヌ「ところでキャルちゃん。猫ちゃんたちと何かお話ししてたみたいですけど、どんなお話をしてたんですか?」
キャル「ナイショ♪ ねっ、チビ助?」
くろ「みゃおん」
ペコリーヌ「むぅ~……なんだか仲間ハズレみたいでさみしいですよぅ……」
キャル「ねぇペコリーヌ? 猫は好きだって言ってたわよね? じゃあ、あたしは? あたしのことも好き?」
ペコリーヌ「どうしたんですか、急に? ナゾナゾですか?」
キャル「んなわけないでしょ。違うわよ。いいから答えて」
ペコリーヌ「もちろん大好きです。ここの猫ちゃんたちには申し訳ないですけど、わたしはキャルちゃんのことが一番好きですよ♪」
キャル「ふふ~ん♪ だってさ、チビ助。羨ましい?」
くろ「がぶーっ」
キャル「み゛ゃーっ!?」
ペコリーヌ「あはは、何やってるんですか~♪」
36: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/05/02(木) 23:09:47.031 ID:LOf4zfFQ0
ペコリーヌ「そういうキャルちゃんはどうなんですか? わたしのこと、ちゃんと好きですか?」
キャル「キライよ」
ペコリーヌ「が~ん……!」
キャル「……懐いてほしかったら、もっとかわいがってみれば?」
キャル「そうすればさ……少しくらいなら、好きになってもらえるかもしれないわよ……?」
ペコリーヌ「キャルちゃん、もしかして甘えたくなっちゃいました?」
キャル「うっさい! 空気読んで黙ってなでなさいよ!」
ペコリーヌ「……よしよし♪」
キャル「ん……」
ペコリーヌ「わたしは」
ペコリーヌ「わたしは。キャルちゃんも知ってるように、単純でニブいです」
キャル「うん……?」
ペコリーヌ「ですから、キャルちゃんのしたいこと、してほしいこと……気づけないことがきっとたくさんあります」
ペコリーヌ「でも──」
キャル「……」
ペコリーヌ「いつだって、どんなときだって、わたしはあなたを想っていますよ。……大好きですから」
キャル「ぺ、ペコリーヌ……?」
ペコリーヌ「ぎゅってしてもいいですか?」
キャル「……好きにすれば?」
ペコリーヌ「はい……♪ では──」
キャル「……」
キャル「……♪」
キャル「キライよ」
ペコリーヌ「が~ん……!」
キャル「……懐いてほしかったら、もっとかわいがってみれば?」
キャル「そうすればさ……少しくらいなら、好きになってもらえるかもしれないわよ……?」
ペコリーヌ「キャルちゃん、もしかして甘えたくなっちゃいました?」
キャル「うっさい! 空気読んで黙ってなでなさいよ!」
ペコリーヌ「……よしよし♪」
キャル「ん……」
ペコリーヌ「わたしは」
ペコリーヌ「わたしは。キャルちゃんも知ってるように、単純でニブいです」
キャル「うん……?」
ペコリーヌ「ですから、キャルちゃんのしたいこと、してほしいこと……気づけないことがきっとたくさんあります」
ペコリーヌ「でも──」
キャル「……」
ペコリーヌ「いつだって、どんなときだって、わたしはあなたを想っていますよ。……大好きですから」
キャル「ぺ、ペコリーヌ……?」
ペコリーヌ「ぎゅってしてもいいですか?」
キャル「……好きにすれば?」
ペコリーヌ「はい……♪ では──」
キャル「……」
キャル「……♪」
37: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/05/02(木) 23:12:26.896 ID:LOf4zfFQ0
ペコリーヌ「ん~っ……! 今日はたっくさん遊びましたね~☆」
キャル「すっかり日も暮れちゃったわね~。猫たちともたくさん遊べたし、大満足の一日だったわ♪」
ペコリーヌ「また今度、猫ちゃんたちに会いに行きましょうね。あの子猫さんの様子も見に行ってあげたいですし!」
キャル「あの子、目が覚めたあとも元気そうで安心しちゃった。とりあえず今日のところはもう心配いらないと思うわ」
キャル「けどまぁ、また怪我でもしてたらかわいそうだしね。あんな大怪我はさすがにもうしないでしょうけど」
ペコリーヌ「今度は元気に遊ぶ姿もみたいです♪ あ、そうだ! 次はコッコロちゃんたちも連れて四人で行きましょう!」
キャル「ふふっ……マヌケ面で猫たちにもみくちゃにされるあいつの顔が眼に浮かぶわ!」
ペコリーヌ「コッコロちゃんがオロオロしながら、猫の山からあの人を助け出すんでしょうか? んふ~っ……かわいすぎですっ! やばいですね☆」
キャル「きっと大騒ぎね。はぁ~……。ペコリーヌひとりでも大変なのに、あいつらまでいたらあたしの精神がもたないかもしれないわ……」
ペコリーヌ「それなら大丈夫です! またわたしがお弁当を作りますから!」
キャル「それでなにがどう大丈夫なのよ」
ペコリーヌ「美味しいご飯を食べれば、心まで元気いっぱいになれるじゃないですか。今日と同じように、またキャルちゃんの好きなものだけを──」
ペコリーヌ「……」
キャル「ふ~ん? わざわざあたしが好きなものだけ作ってくれてたんだ?」
ペコリーヌ「あっ! 見てくださいキャルちゃん! お月さまがあんなにキレイですよ!」
キャル「……まっ、誤魔化されといてあげるわ」
キャル「こうしてのんびり歩きながら、あんたと月を見る日が来るなんてね~。……うん、悪くない気分だわ♪」
キャル「すっかり日も暮れちゃったわね~。猫たちともたくさん遊べたし、大満足の一日だったわ♪」
ペコリーヌ「また今度、猫ちゃんたちに会いに行きましょうね。あの子猫さんの様子も見に行ってあげたいですし!」
キャル「あの子、目が覚めたあとも元気そうで安心しちゃった。とりあえず今日のところはもう心配いらないと思うわ」
キャル「けどまぁ、また怪我でもしてたらかわいそうだしね。あんな大怪我はさすがにもうしないでしょうけど」
ペコリーヌ「今度は元気に遊ぶ姿もみたいです♪ あ、そうだ! 次はコッコロちゃんたちも連れて四人で行きましょう!」
キャル「ふふっ……マヌケ面で猫たちにもみくちゃにされるあいつの顔が眼に浮かぶわ!」
ペコリーヌ「コッコロちゃんがオロオロしながら、猫の山からあの人を助け出すんでしょうか? んふ~っ……かわいすぎですっ! やばいですね☆」
キャル「きっと大騒ぎね。はぁ~……。ペコリーヌひとりでも大変なのに、あいつらまでいたらあたしの精神がもたないかもしれないわ……」
ペコリーヌ「それなら大丈夫です! またわたしがお弁当を作りますから!」
キャル「それでなにがどう大丈夫なのよ」
ペコリーヌ「美味しいご飯を食べれば、心まで元気いっぱいになれるじゃないですか。今日と同じように、またキャルちゃんの好きなものだけを──」
ペコリーヌ「……」
キャル「ふ~ん? わざわざあたしが好きなものだけ作ってくれてたんだ?」
ペコリーヌ「あっ! 見てくださいキャルちゃん! お月さまがあんなにキレイですよ!」
キャル「……まっ、誤魔化されといてあげるわ」
キャル「こうしてのんびり歩きながら、あんたと月を見る日が来るなんてね~。……うん、悪くない気分だわ♪」
38: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/05/02(木) 23:15:18.691 ID:LOf4zfFQ0
ペコリーヌ「お月さまを見てたら、なんだかお腹が空いてきちゃいました……。黄色くて、まんまるで……じゅるり」
キャル「風情もなにもあったもんじゃないわね……。帰ってコロ助たちと合流したら、みんなでご飯にしましょ」
ペコリーヌ「ぐるるる~……あ、お腹が鳴っちゃいました……」
キャル「はいはい、急いで帰りましょうね」
ペコリーヌ「ゆっくりでいいですよ? ゆっくり帰りましょう? ね?」
キャル「でもあんた、お腹が──」
ペコリーヌ「お腹は我慢しますから。もう少しこのまま二人で……」
キャル「……あたしも疲れちゃったし? ペコリーヌが、ど~~してもって言うんなら、あんたのペースに合わせてあげてもいいけど?」
ペコリーヌ「ほんとですかっ!? じゃあじゃあ、向こうで少し休んでいきましょう☆ 空がとってもキレイに見える場所があるんです♪」
キャル「そんないきなり走ったら、すっ転んで怪我するわよ~」
ペコリーヌ「キャルちゃ~ん! はやくはやく~♪ 置いてっちゃいますよ~?」
キャル「疲れてるっつってるでしょうが。まったく……待ちなさいよ! ペコリーヌ~!」
ペコリーヌ「あ、そこ段差ありますからね」
キャル「わわわっ……! っとと、はやく言いなさいよ……。危うく転ぶところだったじゃない……」
ペコリーヌ「やっぱり手を繋いで行きましょうね。こうしていると安心です♪」
キャル「そうね。転ぶときはあんたを道連れにできるし」
ペコリーヌ「転びませんよ。わたしが転ばせません」
キャル「……そう」
キャル「風情もなにもあったもんじゃないわね……。帰ってコロ助たちと合流したら、みんなでご飯にしましょ」
ペコリーヌ「ぐるるる~……あ、お腹が鳴っちゃいました……」
キャル「はいはい、急いで帰りましょうね」
ペコリーヌ「ゆっくりでいいですよ? ゆっくり帰りましょう? ね?」
キャル「でもあんた、お腹が──」
ペコリーヌ「お腹は我慢しますから。もう少しこのまま二人で……」
キャル「……あたしも疲れちゃったし? ペコリーヌが、ど~~してもって言うんなら、あんたのペースに合わせてあげてもいいけど?」
ペコリーヌ「ほんとですかっ!? じゃあじゃあ、向こうで少し休んでいきましょう☆ 空がとってもキレイに見える場所があるんです♪」
キャル「そんないきなり走ったら、すっ転んで怪我するわよ~」
ペコリーヌ「キャルちゃ~ん! はやくはやく~♪ 置いてっちゃいますよ~?」
キャル「疲れてるっつってるでしょうが。まったく……待ちなさいよ! ペコリーヌ~!」
ペコリーヌ「あ、そこ段差ありますからね」
キャル「わわわっ……! っとと、はやく言いなさいよ……。危うく転ぶところだったじゃない……」
ペコリーヌ「やっぱり手を繋いで行きましょうね。こうしていると安心です♪」
キャル「そうね。転ぶときはあんたを道連れにできるし」
ペコリーヌ「転びませんよ。わたしが転ばせません」
キャル「……そう」
39: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/05/02(木) 23:18:28.299 ID:LOf4zfFQ0
キャル「ただいま~」
コッコロ「おや、お二人とも随分と遅いお帰りでしたね? 夕食を先に頂いてしまおうかと、主さまと相談していたところです」
ペコリーヌ「ごめんなさい、コッコロちゃん……。つい、ゆっくりしちゃって……」
コッコロ「お気になさらず。お二人の様子を見れば──いえ、余計な話でございますね」
コッコロ「さっそく夕食にいたしましょう。火にかければすぐに完成ですので、先におててを洗って来てくださいね♪」
ペコリーヌ「は~い♪」
キャル「全部任せちゃって悪かったわね、コロ助。お礼に今度ペコリーヌが何かご馳走するわ」
ペコリーヌ「わたしですか!? まぁいいんですけど。お店、考えておきますね♪」
コッコロ「ふふ、主さまと楽しみにお待ちしております」
キャル「さっ、ペコリーヌ。さっさと手を洗いに行きましょ。シャワーも浴びたいところだけど、それは食べてからね」
ペコリーヌ「一緒にシャワー……」
キャル「ダメ」
ペコリーヌ「あぅ~……」
キャル「ちょっと、いつまであたしの手握ってるつもりよ。これじゃ手が洗えないでしょ?」
ペコリーヌ「あわわ、ごめんなさい!」
キャル「甘えんぼは二人のときだけにしなさい? あいつらの前では、カッコいい歳上のお姉さんなんでしょ? ぷぷぷ……」
ペコリーヌ「そうでした……! きゃ、キャルちゃん、二人には今日のこと、ナイショにしておいてくださいね……?」
キャル「言われなくてもこんな話できないっての……。あんたの方こそうっかり口滑らせるんじゃないわよ?」
コッコロ「おや、お二人とも随分と遅いお帰りでしたね? 夕食を先に頂いてしまおうかと、主さまと相談していたところです」
ペコリーヌ「ごめんなさい、コッコロちゃん……。つい、ゆっくりしちゃって……」
コッコロ「お気になさらず。お二人の様子を見れば──いえ、余計な話でございますね」
コッコロ「さっそく夕食にいたしましょう。火にかければすぐに完成ですので、先におててを洗って来てくださいね♪」
ペコリーヌ「は~い♪」
キャル「全部任せちゃって悪かったわね、コロ助。お礼に今度ペコリーヌが何かご馳走するわ」
ペコリーヌ「わたしですか!? まぁいいんですけど。お店、考えておきますね♪」
コッコロ「ふふ、主さまと楽しみにお待ちしております」
キャル「さっ、ペコリーヌ。さっさと手を洗いに行きましょ。シャワーも浴びたいところだけど、それは食べてからね」
ペコリーヌ「一緒にシャワー……」
キャル「ダメ」
ペコリーヌ「あぅ~……」
キャル「ちょっと、いつまであたしの手握ってるつもりよ。これじゃ手が洗えないでしょ?」
ペコリーヌ「あわわ、ごめんなさい!」
キャル「甘えんぼは二人のときだけにしなさい? あいつらの前では、カッコいい歳上のお姉さんなんでしょ? ぷぷぷ……」
ペコリーヌ「そうでした……! きゃ、キャルちゃん、二人には今日のこと、ナイショにしておいてくださいね……?」
キャル「言われなくてもこんな話できないっての……。あんたの方こそうっかり口滑らせるんじゃないわよ?」
40: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/05/02(木) 23:22:17.337 ID:LOf4zfFQ0
コッコロ「ん~っ……んぅ~~っ……! もう少しで……届っ……とど──」
ペコリーヌ「このお皿ですか? はい、コッコロちゃん♪」
コッコロ「ありがとうございます、ペコリーヌさま♪ 主さまはお腹ペコペコで、食卓から動けなくなってしまっていたので……。とても助かりました」
ペコリーヌ「お料理を運ぶの、お手伝いしますね! コッコロちゃんの特製晩ご飯~♪ 楽しみすぎてよだれが垂れちゃいそうです☆」
コッコロ「ふふ……♪ ペコリーヌさまはたくさん召し上がりますから、おかわりもたんとご用意いたしました。遠慮せず、お好きなだけ召し上がってください♪」
キャル「……」
コッコロ「主さま~、お待たせいたしました~。……ふふ、そのように満面の笑顔で待たれていると、おいしく召し上がっていただけるか、少し緊張してしまいますね」
ペコリーヌ「……キャルちゃんキャルちゃん」
キャル「なによ、そんな小声で。はやくそれ、食卓に並べちゃいなさいよ」
ペコリーヌ「キャルちゃんは後で二人のときに、たぁっくさん甘やかしてあげますから」
キャル「んなっ……!?」
ペコリーヌ「は~い、お待たせしました~♪ これでお料理は全部揃いましたよね? あとは……じゅるり……美味しく食べるだけですね☆」
キャル「クソッ、ペコリーヌのやつぅ……! あとで死ぬほどイジワルしてやるんだから……!」
ペコリーヌ「キャルちゃ~ん、はやくお席に着いてくださいよ~」
キャル「分かってるわよ、うるさいわね。まったく……よいしょっと。……ペコリーヌ、もう少しこっち寄りなさいよ」
ペコリーヌ「ぴっとり~♪」
コッコロ「こほん。それでは、本日も全員でおいしく──」
キャルたち「「「「いただきます!」」」」
おしまい
ペコリーヌ「このお皿ですか? はい、コッコロちゃん♪」
コッコロ「ありがとうございます、ペコリーヌさま♪ 主さまはお腹ペコペコで、食卓から動けなくなってしまっていたので……。とても助かりました」
ペコリーヌ「お料理を運ぶの、お手伝いしますね! コッコロちゃんの特製晩ご飯~♪ 楽しみすぎてよだれが垂れちゃいそうです☆」
コッコロ「ふふ……♪ ペコリーヌさまはたくさん召し上がりますから、おかわりもたんとご用意いたしました。遠慮せず、お好きなだけ召し上がってください♪」
キャル「……」
コッコロ「主さま~、お待たせいたしました~。……ふふ、そのように満面の笑顔で待たれていると、おいしく召し上がっていただけるか、少し緊張してしまいますね」
ペコリーヌ「……キャルちゃんキャルちゃん」
キャル「なによ、そんな小声で。はやくそれ、食卓に並べちゃいなさいよ」
ペコリーヌ「キャルちゃんは後で二人のときに、たぁっくさん甘やかしてあげますから」
キャル「んなっ……!?」
ペコリーヌ「は~い、お待たせしました~♪ これでお料理は全部揃いましたよね? あとは……じゅるり……美味しく食べるだけですね☆」
キャル「クソッ、ペコリーヌのやつぅ……! あとで死ぬほどイジワルしてやるんだから……!」
ペコリーヌ「キャルちゃ~ん、はやくお席に着いてくださいよ~」
キャル「分かってるわよ、うるさいわね。まったく……よいしょっと。……ペコリーヌ、もう少しこっち寄りなさいよ」
ペコリーヌ「ぴっとり~♪」
コッコロ「こほん。それでは、本日も全員でおいしく──」
キャルたち「「「「いただきます!」」」」
おしまい
引用元: キャル「暇。つまんない」 ペコリーヌ「二人でお出かけしましょうか♪」
コッコロ「動物化の罠、ですか……?」 キャル「にゃお~ん♪」
2020-01-24
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/12(水) 00:28:50.70 ID:xJmtanq/0
キャル「にゃお~ん……♪」
コッコロ「……」
キャル「ふしゃーっ!」
コッコロ「ペコリーヌさま……? これはいったい……」
ペコリーヌ「街で猫化の罠を踏んじゃったんですよ~……」
コッコロ「はあ……えぇっと、街で……?」
ペコリーヌ「どうも怪しげな罠を仕掛けて回っている人がいるらしくてですね?」
コッコロ「しかしペコリーヌさま……。猫化とは言ってもこれは……。どう見てもにゃあと鳴くだけのキャルさまでございますが……」
キャル「ふみゃぁっ!」
コッコロ「あぁっ……! 痛いですキャルさま……! ガリガリしないでくださいまし……!」
ペコリーヌ「キャルちゃんの魔法耐性のおかげで、中身とニオイだけ猫ちゃんになっちゃったんですよ」
コッコロ「そんな適当な……。キャルさまはもともと猫の獣人ではないですか。それに……ニオイとは……?」
ペコリーヌ「クンクンしてみたら分かりますよ! 猫ちゃんのニオイですから!」
コッコロ「な、なんと申し上げればよいのやら……。困りましたね……」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1560266930
コッコロ「……」
キャル「ふしゃーっ!」
コッコロ「ペコリーヌさま……? これはいったい……」
ペコリーヌ「街で猫化の罠を踏んじゃったんですよ~……」
コッコロ「はあ……えぇっと、街で……?」
ペコリーヌ「どうも怪しげな罠を仕掛けて回っている人がいるらしくてですね?」
コッコロ「しかしペコリーヌさま……。猫化とは言ってもこれは……。どう見てもにゃあと鳴くだけのキャルさまでございますが……」
キャル「ふみゃぁっ!」
コッコロ「あぁっ……! 痛いですキャルさま……! ガリガリしないでくださいまし……!」
ペコリーヌ「キャルちゃんの魔法耐性のおかげで、中身とニオイだけ猫ちゃんになっちゃったんですよ」
コッコロ「そんな適当な……。キャルさまはもともと猫の獣人ではないですか。それに……ニオイとは……?」
ペコリーヌ「クンクンしてみたら分かりますよ! 猫ちゃんのニオイですから!」
コッコロ「な、なんと申し上げればよいのやら……。困りましたね……」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1560266930
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ハルヒ「SOS団で恋の暴露大会をするわよ!」
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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/12(水) 00:30:43.80 ID:xJmtanq/0
ペコリーヌ「それじゃあわたしは人化の罠を探しに行きますから! にゃんにゃんキャルちゃんのお世話をお願いします♪ ではでは☆」
コッコロ「そんな……! 待ってください──行ってしまいました……。どうしたものでしょうか……」
キャル「にゃう」
コッコロ「とりあえずギルドハウスの中へ入りましょうか。言っている内容は理解できていますか?」
キャル「ぷいっ」
コッコロ「あぅ……」
キャル「みゃぁお~」
コッコロ「……おや? ご自分でハウスの中へと入っていきますね。まるでハイハイをしているようで、とてもかわいらしゅうございます♪」
キャル「う~……!」
コッコロ「キャルさま? どうかいたしましたか? ……はて、それはわたくしの槍でございますが」
キャル「みゃうっ! にゃうっ!」
コッコロ「ふふ、分かりましたよ? こちらの羽飾りでございますね? きっと猫としての好奇心をくすぐってしまうのでしょう」
コッコロ「取り外して……。キャルさま~。ふり……ふり……♪」
キャル「にゃっ! うにゃっ! ふにゃーっ!」
コッコロ「ふふっ……♪」
コッコロ「そんな……! 待ってください──行ってしまいました……。どうしたものでしょうか……」
キャル「にゃう」
コッコロ「とりあえずギルドハウスの中へ入りましょうか。言っている内容は理解できていますか?」
キャル「ぷいっ」
コッコロ「あぅ……」
キャル「みゃぁお~」
コッコロ「……おや? ご自分でハウスの中へと入っていきますね。まるでハイハイをしているようで、とてもかわいらしゅうございます♪」
キャル「う~……!」
コッコロ「キャルさま? どうかいたしましたか? ……はて、それはわたくしの槍でございますが」
キャル「みゃうっ! にゃうっ!」
コッコロ「ふふ、分かりましたよ? こちらの羽飾りでございますね? きっと猫としての好奇心をくすぐってしまうのでしょう」
コッコロ「取り外して……。キャルさま~。ふり……ふり……♪」
キャル「にゃっ! うにゃっ! ふにゃーっ!」
コッコロ「ふふっ……♪」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/12(水) 00:32:17.90 ID:xJmtanq/0
キャル「はぁ……はぁ……」
コッコロ「お疲れでしょうか? 今お水をお持ちいたしますね」
コッコロ「ふむ……。はたしてコップで飲めるのでしょうか? お椀やお皿の方が飲みやすいかもしれませんね」
コッコロ「キャルさま、お椀にお水を汲んでみましたよ。どうぞお飲みください」
キャル「……くんくん」
コッコロ「慎重にニオイを嗅いでいらっしゃいますね。こういうところは普段のキャルさまとお変わりなくて、なんだか安心いたします」
キャル「……ぺろっ」
キャル「ぴちゃっ、ぴちゃっ」
コッコロ「はぁぁ……♪ なんと愛らしいのでしょうか……♪ 猫とはこのようにかわいい生き物なのですね……!」
コッコロ「正確にはにゃんこではないのですが……」
キャル「みゃあ」
コッコロ「お口の周りがびしょびしょに濡れてしまっています。今お拭きしますから──」
キャル「みゃ~お♪ うにゅうにゅ……」
コッコロ「あわわっ……! わたくしの服にスリスリしては……」
キャル「ぷるるるっ……!」
コッコロ「うぅ……スッキリいたしましたか?」
キャル「にゃおん♪」
コッコロ「お疲れでしょうか? 今お水をお持ちいたしますね」
コッコロ「ふむ……。はたしてコップで飲めるのでしょうか? お椀やお皿の方が飲みやすいかもしれませんね」
コッコロ「キャルさま、お椀にお水を汲んでみましたよ。どうぞお飲みください」
キャル「……くんくん」
コッコロ「慎重にニオイを嗅いでいらっしゃいますね。こういうところは普段のキャルさまとお変わりなくて、なんだか安心いたします」
キャル「……ぺろっ」
キャル「ぴちゃっ、ぴちゃっ」
コッコロ「はぁぁ……♪ なんと愛らしいのでしょうか……♪ 猫とはこのようにかわいい生き物なのですね……!」
コッコロ「正確にはにゃんこではないのですが……」
キャル「みゃあ」
コッコロ「お口の周りがびしょびしょに濡れてしまっています。今お拭きしますから──」
キャル「みゃ~お♪ うにゅうにゅ……」
コッコロ「あわわっ……! わたくしの服にスリスリしては……」
キャル「ぷるるるっ……!」
コッコロ「うぅ……スッキリいたしましたか?」
キャル「にゃおん♪」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/12(水) 00:33:40.61 ID:xJmtanq/0
コッコロ「キャルさま~、お膝で少しお休みいたしませんか? わたくしの小さな膝には乗り切らないとは思いますが、にゃんこはお膝で休むものと伺っています」
キャル「すんすんすん……」
コッコロ「危ないことなんてありませんよ。どうぞ安心しておいでください♪」
キャル「ふにゃっ」
コッコロ「あ、あ、あ……! そのようなところにお顔を突っ込んではいけませんよ……! そこはいけません……! あぁ~……!」
キャル「ふしゃーっ!」
コッコロ「じ、じっとしていろということでしょうか? しかしですね、キャルさま──」
キャル「みぎゃーっ! ぎゃうぅぅっ!」
コッコロ「ひゃあっ……! 押し倒さないでくださいまし……! わ、分かりましたから……! もう好きにして構いませんから……!」
キャル「にゃっ! しゃーっ!」
コッコロ「……はて? 床をてしてしと一生懸命にパンチしていますが、なにか──」
キャル「みゃう」
コッコロ「こ、これは……! 危険な猛毒を持つランドソルベニグモ……! まさかキャルさま、わたくしにくっついていたこの虫をやっつけようと……?」
キャル「……ぺろっ」
コッコロ「ふわぁ……♪ ふふっ、くすぐったいですよ♪」
コッコロ「キャルさまはにゃんこになってしまってもお優しいのですね……。いえ、見た目は完全にキャルさまなのですが……。あぁ、舐めないでくださいまし……」
キャル「すんすんすん……」
コッコロ「危ないことなんてありませんよ。どうぞ安心しておいでください♪」
キャル「ふにゃっ」
コッコロ「あ、あ、あ……! そのようなところにお顔を突っ込んではいけませんよ……! そこはいけません……! あぁ~……!」
キャル「ふしゃーっ!」
コッコロ「じ、じっとしていろということでしょうか? しかしですね、キャルさま──」
キャル「みぎゃーっ! ぎゃうぅぅっ!」
コッコロ「ひゃあっ……! 押し倒さないでくださいまし……! わ、分かりましたから……! もう好きにして構いませんから……!」
キャル「にゃっ! しゃーっ!」
コッコロ「……はて? 床をてしてしと一生懸命にパンチしていますが、なにか──」
キャル「みゃう」
コッコロ「こ、これは……! 危険な猛毒を持つランドソルベニグモ……! まさかキャルさま、わたくしにくっついていたこの虫をやっつけようと……?」
キャル「……ぺろっ」
コッコロ「ふわぁ……♪ ふふっ、くすぐったいですよ♪」
コッコロ「キャルさまはにゃんこになってしまってもお優しいのですね……。いえ、見た目は完全にキャルさまなのですが……。あぁ、舐めないでくださいまし……」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/12(水) 00:34:57.24 ID:xJmtanq/0
キャル「んぅ~っ……! ふにゃぁ……」
コッコロ「キャルさま、だっこしてみてもよろしいでしょうか? ぜひ、もふもふさせていただきたい……♪」
キャル「……」
コッコロ「よろしいのですか? で、では……優しく……そ~っと……」
コッコロ「なでなで……♪」
キャル「みゃおん……♪」
コッコロ「ふふふ……スリスリしてきました……♪ もふもふでございますね、キャルさま……♪ もふもふ……もふもふ……♪」
キャル「ごろごろごろ……♪」
コッコロ「えへへ……愛らしゅうございますね、キャルさま……♪ サイズ的に、わたくしが抱きしめられてしまっているように思えますが……」
キャル「ごろごろ……ごろごろ……」
コッコロ「きゃ、キャルさま……? どうしてわたくしの、その……む、胸を揉んでいらっしゃるのですか……?」
キャル「ごろごろ……ごろごろごろ……」
コッコロ「喉を鳴らしていますし、親愛の証の様なものなのでしょうか……。少し抵抗はありますが……こ、これも狂おしいほどにかわいらしい……!」
キャル「ふみゅ~……ちゅぷちゅぷ……」
コッコロ「今度はわたくしの胸をふみふみしながら服の襟を吸っています……。やはりこれは甘えていらっしゃるのですね……♪ よしよし……♪」
キャル「みゃう……♪」
コッコロ「キャルさま、だっこしてみてもよろしいでしょうか? ぜひ、もふもふさせていただきたい……♪」
キャル「……」
コッコロ「よろしいのですか? で、では……優しく……そ~っと……」
コッコロ「なでなで……♪」
キャル「みゃおん……♪」
コッコロ「ふふふ……スリスリしてきました……♪ もふもふでございますね、キャルさま……♪ もふもふ……もふもふ……♪」
キャル「ごろごろごろ……♪」
コッコロ「えへへ……愛らしゅうございますね、キャルさま……♪ サイズ的に、わたくしが抱きしめられてしまっているように思えますが……」
キャル「ごろごろ……ごろごろ……」
コッコロ「きゃ、キャルさま……? どうしてわたくしの、その……む、胸を揉んでいらっしゃるのですか……?」
キャル「ごろごろ……ごろごろごろ……」
コッコロ「喉を鳴らしていますし、親愛の証の様なものなのでしょうか……。少し抵抗はありますが……こ、これも狂おしいほどにかわいらしい……!」
キャル「ふみゅ~……ちゅぷちゅぷ……」
コッコロ「今度はわたくしの胸をふみふみしながら服の襟を吸っています……。やはりこれは甘えていらっしゃるのですね……♪ よしよし……♪」
キャル「みゃう……♪」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/12(水) 00:36:31.87 ID:xJmtanq/0
コッコロ「……おや?」
キャル「すぅ……すぅ……」
コッコロ「どうやら眠ってしまったようですね。わたくしといて、安心してくださったのでしょうか?」
コッコロ「それにしても、ペコリーヌさまはご無事でしょうか……? なかなかお帰りになりませんし、もしやどこかで罠に掛かって動物になってしまっているのでは……」
イヌ「はっ、はっ、はっ、はっ」
コッコロ「おや、わんちゃんが迷い込んできてしまったようですね? いけませんよ、ここはわたくしたちのおうちですので。めっ! でございます」
イヌ「くぅ~ん……」
コッコロ「ハッ……! この毛の色、そしてなにかを訴えかけるような瞳……そしてどことなく漂う気品……! ま、まさか……!?」
イヌ「わふっ」
コッコロ「ぺ、ペコリーヌさま……? なのです、か……?」
イヌ「へっ、へっ、へっ、へっ」
コッコロ「そんな……ペコリーヌさまがペコリイヌさまに……」
イヌ「わうっ! わうっ!」
コッコロ「いけませんよ、ペコリーヌさま……! 静かにしないとキャルさまが起きてしまいます……!」
キャル「うぅ~……! フーッ……!」
コッコロ「すっかり警戒態勢に……!?」
キャル「すぅ……すぅ……」
コッコロ「どうやら眠ってしまったようですね。わたくしといて、安心してくださったのでしょうか?」
コッコロ「それにしても、ペコリーヌさまはご無事でしょうか……? なかなかお帰りになりませんし、もしやどこかで罠に掛かって動物になってしまっているのでは……」
イヌ「はっ、はっ、はっ、はっ」
コッコロ「おや、わんちゃんが迷い込んできてしまったようですね? いけませんよ、ここはわたくしたちのおうちですので。めっ! でございます」
イヌ「くぅ~ん……」
コッコロ「ハッ……! この毛の色、そしてなにかを訴えかけるような瞳……そしてどことなく漂う気品……! ま、まさか……!?」
イヌ「わふっ」
コッコロ「ぺ、ペコリーヌさま……? なのです、か……?」
イヌ「へっ、へっ、へっ、へっ」
コッコロ「そんな……ペコリーヌさまがペコリイヌさまに……」
イヌ「わうっ! わうっ!」
コッコロ「いけませんよ、ペコリーヌさま……! 静かにしないとキャルさまが起きてしまいます……!」
キャル「うぅ~……! フーッ……!」
コッコロ「すっかり警戒態勢に……!?」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/12(水) 00:38:15.59 ID:xJmtanq/0
コッコロ「あぁ……どうしたらよいのでしょう……。わんちゃんよりにゃんこを助けるべきなのでしょうけれど、にゃんこはキャルさまですし……」
イヌ「わふっ」
コッコロ「ぺ、ペコリーヌさまの保護を……!」
キャル「みぎゃあお!」
コッコロ「あ痛たたた……! キャルさま、バリバリしないでください……! もうっ! ちゃんと言うことを聞いてください……!」
キャル「……」
コッコロ「……動きが止まりました。じっとこちらを見つめていますが、襲っては来ませんね」
コッコロ「さぁペコリーヌさま、逃げてしまわないよう、奥のお部屋にお連れいたしますよ。……よいしょ」
イヌ「べろべろべろべろ」
コッコロ「ふふふっ、おやめくださいまし♪ わたくしは食べ物ではありませんよ♪」
キャル「ウゥゥ……ウゥゥ……」
コッコロ「キャルさま? はて、お耳が寝てしまっていますね。尻尾もパタパタと動かしていますが……」
キャル「ウゥゥゥ……!」
コッコロ「……」
コッコロ「これはどう見ても飛びかかる構え……。あぁ……キャルさま……どうか、どうか落ち着いてくださいまし……」
キャル「み゛ゃあぁぁっ!」
コッコロ「わぁぁ……!」
イヌ「わふっ」
コッコロ「ぺ、ペコリーヌさまの保護を……!」
キャル「みぎゃあお!」
コッコロ「あ痛たたた……! キャルさま、バリバリしないでください……! もうっ! ちゃんと言うことを聞いてください……!」
キャル「……」
コッコロ「……動きが止まりました。じっとこちらを見つめていますが、襲っては来ませんね」
コッコロ「さぁペコリーヌさま、逃げてしまわないよう、奥のお部屋にお連れいたしますよ。……よいしょ」
イヌ「べろべろべろべろ」
コッコロ「ふふふっ、おやめくださいまし♪ わたくしは食べ物ではありませんよ♪」
キャル「ウゥゥ……ウゥゥ……」
コッコロ「キャルさま? はて、お耳が寝てしまっていますね。尻尾もパタパタと動かしていますが……」
キャル「ウゥゥゥ……!」
コッコロ「……」
コッコロ「これはどう見ても飛びかかる構え……。あぁ……キャルさま……どうか、どうか落ち着いてくださいまし……」
キャル「み゛ゃあぁぁっ!」
コッコロ「わぁぁ……!」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/12(水) 00:39:43.61 ID:xJmtanq/0
コッコロ「うぅ……。い、痛いです……キャルさま……」
キャル「ふぅっ……みゃうっ……!」
コッコロ「ぐすっ……。組み伏せられてしまいました……。キャルさま……こわいです……」
キャル「……かぷっ」
コッコロ「ひうっ……! こ、このまま食べられてしまうのでしょうか……? 首を噛むのは仕留めるためだと聞いたことが……」
キャル「ふっ、ふっ、ふっ!」
コッコロ「なっ、キャルさま!? なぜ腰を、その……カクカクと押し付けてくるのですか……!? いたたた……かじらないでください、キャルさま……」
キャル「かじかじかじ」
コッコロ「こ、これはマウンティングでしょうか……? 動物が自分たちの上下関係をハッキリさせる行為、でございますね……?」
コッコロ「おそらくナマイキなわたくしに、自分の立場を理解させようと……このような……」
コッコロ「し、しかしキャルさま……この様子をもし誰かに見られでもしたら……!」
イヌ「べろべろべろべろ」
コッコロ「うぶぶぶ……おやめくださばばばば……」
キャル「ふぅっ……ふぅっ……ふぅっ……!」
コッコロ「どなたかっ……どなたかいらっしゃいませんかぁ~……! たすっ、たすけっ──あ~れ~……!」
キャル「ふぅっ……みゃうっ……!」
コッコロ「ぐすっ……。組み伏せられてしまいました……。キャルさま……こわいです……」
キャル「……かぷっ」
コッコロ「ひうっ……! こ、このまま食べられてしまうのでしょうか……? 首を噛むのは仕留めるためだと聞いたことが……」
キャル「ふっ、ふっ、ふっ!」
コッコロ「なっ、キャルさま!? なぜ腰を、その……カクカクと押し付けてくるのですか……!? いたたた……かじらないでください、キャルさま……」
キャル「かじかじかじ」
コッコロ「こ、これはマウンティングでしょうか……? 動物が自分たちの上下関係をハッキリさせる行為、でございますね……?」
コッコロ「おそらくナマイキなわたくしに、自分の立場を理解させようと……このような……」
コッコロ「し、しかしキャルさま……この様子をもし誰かに見られでもしたら……!」
イヌ「べろべろべろべろ」
コッコロ「うぶぶぶ……おやめくださばばばば……」
キャル「ふぅっ……ふぅっ……ふぅっ……!」
コッコロ「どなたかっ……どなたかいらっしゃいませんかぁ~……! たすっ、たすけっ──あ~れ~……!」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/12(水) 00:40:47.54 ID:xJmtanq/0
コッコロ「……ぐすん」
キャル「みゃ~お。みゃ~お~」
コッコロ「満足いたしましたか……? うぅ……身体中がヨダレでベタベタでございます……」
キャル「にゃう」
コッコロ「きっとペコリーヌさまを構っているのが気に入らなかったのですね……。わたくしはキャルさまだけのものだ、と言いたいのでしょうか……?」
キャル「みゃあお……♪」
コッコロ「はぁ……怒るに怒れません……。ですが、本当にこわかったんですからね……?」
キャル「……ふみゅぅ」
コッコロ「そうですか……優しく抱きしめてくださるのですね……。言葉は通じずとも、心は通じ合えるのでしょうか……。キャルさま……♪」
イヌ「わん」
キャル「しゃーっ!」
イヌ「くぅ~ん……」
コッコロ「ふむ? どうしてこれほど仲が悪いのでしょう? やはり犬と猫は相容れないのですか?」
ペコリーヌ「たっだいま~☆ コッコロちゃ~ん! お待たせしました~♪」
コッコロ「なっ……!? ペ、ペコリーヌさまが二人……!?」
イヌ「わふわふ」
キャル「みゃ~お。みゃ~お~」
コッコロ「満足いたしましたか……? うぅ……身体中がヨダレでベタベタでございます……」
キャル「にゃう」
コッコロ「きっとペコリーヌさまを構っているのが気に入らなかったのですね……。わたくしはキャルさまだけのものだ、と言いたいのでしょうか……?」
キャル「みゃあお……♪」
コッコロ「はぁ……怒るに怒れません……。ですが、本当にこわかったんですからね……?」
キャル「……ふみゅぅ」
コッコロ「そうですか……優しく抱きしめてくださるのですね……。言葉は通じずとも、心は通じ合えるのでしょうか……。キャルさま……♪」
イヌ「わん」
キャル「しゃーっ!」
イヌ「くぅ~ん……」
コッコロ「ふむ? どうしてこれほど仲が悪いのでしょう? やはり犬と猫は相容れないのですか?」
ペコリーヌ「たっだいま~☆ コッコロちゃ~ん! お待たせしました~♪」
コッコロ「なっ……!? ペ、ペコリーヌさまが二人……!?」
イヌ「わふわふ」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/12(水) 00:42:03.67 ID:xJmtanq/0
ペコリーヌ「コッコロちゃん? 見つかりましたよ、キャルちゃんを元に戻すやつ」
コッコロ「近寄らないでくださいっ! あなたがニセリーヌであることは分かっているのです!」
ペコリーヌ「な、何を言ってるんですかぁ! 二セリーヌなんかじゃありませんよ~!」
ペコリーヌ「見て分かりませんか? わたしですよ、お腹ぺこぺこのペコリーヌですってば!」
イヌ「わんっ! わんわんっ!」
コッコロ「白々しいことを……! こちらのペコリイヌさまこそ本物のペコリーヌさまで──あっ! キャルさま! その方に近づいては危険でございますよ!」
キャル「みゃお~ん♪」
ペコリーヌ「よ~しよしよし♪ キャルちゃんなら分かりますよね~? 早く元に戻りたいですもんね~♪」
コッコロ「な、なんと……! あちらが本物のペコリーヌさま……!? では、このわんちゃんは……?」
スズメ「あ~~~っ! やっと見つけましたよ~サレンお嬢さま~っ!」
イヌ「わお~ん!」
コッコロ「スズメさま……!? どうしてここに……? い、いえ、それよりも──」
コッコロ「こ、このわんちゃんが……サレン……さま……? たしかに、毛の色も、上品な佇まいも、サレンさまなら納得でございますが……」
スズメ「私のドジでうっかり逃しちゃって……。町中探し回ってようやく見つけることができましたぁ……」
スズメ「まさかコッコロちゃんが保護してくれてたなんて……。はぁ~……ひと安心です~……」
ペコリーヌ「よく分かりませんけど、早く元に戻しちゃいましょう! 行きますよ~? それ~っ☆」
コッコロ「近寄らないでくださいっ! あなたがニセリーヌであることは分かっているのです!」
ペコリーヌ「な、何を言ってるんですかぁ! 二セリーヌなんかじゃありませんよ~!」
ペコリーヌ「見て分かりませんか? わたしですよ、お腹ぺこぺこのペコリーヌですってば!」
イヌ「わんっ! わんわんっ!」
コッコロ「白々しいことを……! こちらのペコリイヌさまこそ本物のペコリーヌさまで──あっ! キャルさま! その方に近づいては危険でございますよ!」
キャル「みゃお~ん♪」
ペコリーヌ「よ~しよしよし♪ キャルちゃんなら分かりますよね~? 早く元に戻りたいですもんね~♪」
コッコロ「な、なんと……! あちらが本物のペコリーヌさま……!? では、このわんちゃんは……?」
スズメ「あ~~~っ! やっと見つけましたよ~サレンお嬢さま~っ!」
イヌ「わお~ん!」
コッコロ「スズメさま……!? どうしてここに……? い、いえ、それよりも──」
コッコロ「こ、このわんちゃんが……サレン……さま……? たしかに、毛の色も、上品な佇まいも、サレンさまなら納得でございますが……」
スズメ「私のドジでうっかり逃しちゃって……。町中探し回ってようやく見つけることができましたぁ……」
スズメ「まさかコッコロちゃんが保護してくれてたなんて……。はぁ~……ひと安心です~……」
ペコリーヌ「よく分かりませんけど、早く元に戻しちゃいましょう! 行きますよ~? それ~っ☆」
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/12(水) 00:44:05.94 ID:xJmtanq/0
キャル「……」
サレン「うぅ……」
ペコリーヌ「気分は悪くないですか? どこか毛が濃くなっちゃってるとかはありません?」
スズメ「はわわっ!? お嬢さま、チェックいたしましょう……! 私が一本一本ていね~いに毛抜きしますから!」
サレン「いいわよ……大丈夫だから……。それよりもコッコロ……。ほんっ……と~~にごめんなさいっ!」
キャル「……」
コッコロ「いえ、あの……わたくしのことはお気になさらず。それよりもサレンさま、わんちゃんになっていたときの記憶は……」
サレン「……はっきり」
ペコリーヌ「そうなんですか? じゃあじゃあっ、わたしたちでは味わえない新鮮な感覚を楽しめたんじゃないですかっ?」
サレン「まぁ、普通ではあり得ない視点とか、聞いたこともないような音とか、新鮮ではあったけど……」
サレン「その全てを恥ずかしさと申し訳なさが塗りつぶしてるわ……。こんなこと言うのもあれなんだけど、舐め回したのが知り合いの女の子でほんとによかった……」
コッコロ「そ、そうでございますね……。サレンさまは犬そのものの姿でしたし、わたくしも嫌ではありませんでしたよ?」
サレン「そう言ってもらえると助かるわ……。消えないトラウマなんて植え付けちゃってたらどうしようかと思っちゃった……」
スズメ「お嬢さまが怪しい方に保護されていたらと思うと……あわわわわ……! 今すぐ死んでお詫びを~っ……!」
キャル「死にたい……」
コッコロ「キャルさま……わたくしからなにか言った方が、気が楽になるでしょうか……?」
キャル「ううん……いい……。迷惑かけてごめんね……。あと、しばらくそっとしておいて……」
コッコロ「はい……」
サレン「うぅ……」
ペコリーヌ「気分は悪くないですか? どこか毛が濃くなっちゃってるとかはありません?」
スズメ「はわわっ!? お嬢さま、チェックいたしましょう……! 私が一本一本ていね~いに毛抜きしますから!」
サレン「いいわよ……大丈夫だから……。それよりもコッコロ……。ほんっ……と~~にごめんなさいっ!」
キャル「……」
コッコロ「いえ、あの……わたくしのことはお気になさらず。それよりもサレンさま、わんちゃんになっていたときの記憶は……」
サレン「……はっきり」
ペコリーヌ「そうなんですか? じゃあじゃあっ、わたしたちでは味わえない新鮮な感覚を楽しめたんじゃないですかっ?」
サレン「まぁ、普通ではあり得ない視点とか、聞いたこともないような音とか、新鮮ではあったけど……」
サレン「その全てを恥ずかしさと申し訳なさが塗りつぶしてるわ……。こんなこと言うのもあれなんだけど、舐め回したのが知り合いの女の子でほんとによかった……」
コッコロ「そ、そうでございますね……。サレンさまは犬そのものの姿でしたし、わたくしも嫌ではありませんでしたよ?」
サレン「そう言ってもらえると助かるわ……。消えないトラウマなんて植え付けちゃってたらどうしようかと思っちゃった……」
スズメ「お嬢さまが怪しい方に保護されていたらと思うと……あわわわわ……! 今すぐ死んでお詫びを~っ……!」
キャル「死にたい……」
コッコロ「キャルさま……わたくしからなにか言った方が、気が楽になるでしょうか……?」
キャル「ううん……いい……。迷惑かけてごめんね……。あと、しばらくそっとしておいて……」
コッコロ「はい……」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/12(水) 00:46:05.47 ID:xJmtanq/0
スズメ「あの、結局お嬢さまはどうしてわんこになっちゃったんでしょう?」
スズメ「道を歩いていたら急に変身しちゃったんですよ~! はっ……! まさかまた私が何かしちゃったんでしょうか~? ふぇぇん……!」
コッコロ「そちらはペコリーヌさまからご説明を」
サレン「是非聞かせてもらいたいわね。ええ、それはもう……詳しく……。うふふふふ……」
ペコリーヌ「じゃあ順を追って説明しますね! ……だけど犯人は魔物ではないので、血の気は程々でお願いします」
キャル「ねぇコロ助……ちょっといいかしら……?」
コッコロ「はい、構いませんよ。ではペコリーヌさまたちのお邪魔にならぬよう、向こうの部屋でお話するといたしましょう」
コッコロ「……それで、キャルさま? どうされたのですか?」
キャル「あ、あのね……? あたしあんたにいろいろしちゃったじゃない……? 甘えたり……」
コッコロ「はい、いろいろと。ですが──」
キャル「イヤ、だった……? あんたのこと、怒らせちゃったかしら……?」
コッコロ「いいえ、嫌ではありませんでしたよ。他でもない、キャルさまでしたから。わたくしの大切な、キャルさまでしたから……♪」
キャル「じゃ、じゃあコロ助っ!」
コッコロ「おぉ……随分前のめりでございますね……。あまりいい予感はいたしませんが……なんでしょうか?」
キャル「もう少しだけ……甘えさせてくれないかしら……」
コッコロ「えぇ~……」
スズメ「道を歩いていたら急に変身しちゃったんですよ~! はっ……! まさかまた私が何かしちゃったんでしょうか~? ふぇぇん……!」
コッコロ「そちらはペコリーヌさまからご説明を」
サレン「是非聞かせてもらいたいわね。ええ、それはもう……詳しく……。うふふふふ……」
ペコリーヌ「じゃあ順を追って説明しますね! ……だけど犯人は魔物ではないので、血の気は程々でお願いします」
キャル「ねぇコロ助……ちょっといいかしら……?」
コッコロ「はい、構いませんよ。ではペコリーヌさまたちのお邪魔にならぬよう、向こうの部屋でお話するといたしましょう」
コッコロ「……それで、キャルさま? どうされたのですか?」
キャル「あ、あのね……? あたしあんたにいろいろしちゃったじゃない……? 甘えたり……」
コッコロ「はい、いろいろと。ですが──」
キャル「イヤ、だった……? あんたのこと、怒らせちゃったかしら……?」
コッコロ「いいえ、嫌ではありませんでしたよ。他でもない、キャルさまでしたから。わたくしの大切な、キャルさまでしたから……♪」
キャル「じゃ、じゃあコロ助っ!」
コッコロ「おぉ……随分前のめりでございますね……。あまりいい予感はいたしませんが……なんでしょうか?」
キャル「もう少しだけ……甘えさせてくれないかしら……」
コッコロ「えぇ~……」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/12(水) 00:49:37.58 ID:xJmtanq/0
キャル「お願いよっ……! なんだか胸のあたりが、こう……モヤモヤするの! あんたになででもらったら……きっと治るから……」
コッコロ「はあ……キャルさまが満足するのであれば、その程度おやすいご用ですが……」
キャル「そう? そうっ!? ならこっち来て♪ ほら、早くしなさい?」
コッコロ「ひ、引っ張らないで──わぷっ」
キャル「はぁぁ……♪ コロ助ってあったかいわよね~……」
コッコロ「勢いでだっこされてしまいましたが……頭をなでなでするのでは……?」
キャル「やっぱり抱っこしてちょうだい。このままじゃ、ドキドキして気持ちを抑えられなくなっちゃいそう……」
コッコロ「き、気持ちとは、まさか……キャルさまはわたくしのことを……?」
キャル「齧りつきたくて堪らないのよ……! まだ猫化の影響が残ってるのかしら……?」
コッコロ「……むぅ。なんだかあまり大切にされていないようで拗ねてしまいそうです」
キャル「た、大切よ……! 大切だから、あたしだけのものにしたくなるんじゃない……!」
キャル「抱っこしてもらえればその気持ちも満たされるから、だからお願いっ。ね? いいでしょ?」
コッコロ「キャルさま……♪」
コッコロ「分かりました。では、わたくしが愛情をたくさん注いでさしあげますね」
コッコロ「はあ……キャルさまが満足するのであれば、その程度おやすいご用ですが……」
キャル「そう? そうっ!? ならこっち来て♪ ほら、早くしなさい?」
コッコロ「ひ、引っ張らないで──わぷっ」
キャル「はぁぁ……♪ コロ助ってあったかいわよね~……」
コッコロ「勢いでだっこされてしまいましたが……頭をなでなでするのでは……?」
キャル「やっぱり抱っこしてちょうだい。このままじゃ、ドキドキして気持ちを抑えられなくなっちゃいそう……」
コッコロ「き、気持ちとは、まさか……キャルさまはわたくしのことを……?」
キャル「齧りつきたくて堪らないのよ……! まだ猫化の影響が残ってるのかしら……?」
コッコロ「……むぅ。なんだかあまり大切にされていないようで拗ねてしまいそうです」
キャル「た、大切よ……! 大切だから、あたしだけのものにしたくなるんじゃない……!」
キャル「抱っこしてもらえればその気持ちも満たされるから、だからお願いっ。ね? いいでしょ?」
コッコロ「キャルさま……♪」
コッコロ「分かりました。では、わたくしが愛情をたくさん注いでさしあげますね」
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/12(水) 00:52:56.20 ID:xJmtanq/0
コッコロ「むぎゅ~♪ ……このような感じでよろしいでしょうか?」
キャル「ふにゃ~……♪ ちょっとちびっこいけど、なかなかの抱かれ心地ね♪」
コッコロ「ただいま成長中ですので。もうしばらくお待ちいただければ、キャルさまを包み込んでさしあげられるかと」
キャル「あんたどんな成長後を想定してるのよ……。あたしだってこれから成長するんだからね?」
コッコロ「わたくしはたくさん食べ、たくさん運動をして、たくさん眠っています。キャルさまは、その……」
キャル「あ~はいはい……どうせあたしはだらしない生活をしてますよ~……」
コッコロ「そのままでも大変魅力的でございますし、心配する必要はありません。お腹のお肉もとても触り心地がよろしゅうございます……♪ ふに……ふに……♪」
キャル「うっ……。あたしだって少しは努力してるんだけど……」
コッコロ「わたくし早朝に町を走っているのですが、キャルさまもご一緒にいかがでしょうか? とても気持ちのよい風を感じられて、気分は爽快、ご飯もおいしく──」
キャル「あたしには無理よ。そういうのはあんたがまだ元気な子供だからできるんだから。あたしじゃその後の活動に支障をきたすもの」
コッコロ「はて? かなりの頻度でペコリーヌさまをお見かけいたしますが。同じように走りながら、時々魔物を退治しています」
キャル「あいつはゴリラなんだから一緒にしないでよ……。つーか、フル装備でランニングしてるのがそもそも驚きなんだけど」
コッコロ「おいしいお肉は大歓迎でございますが、ムダなお肉はわたくしたちの大敵。共に打ち倒しましょう、キャルさま」
キャル「ええ、そうね……がんばるわ……」
キャル「ふにゃ~……♪ ちょっとちびっこいけど、なかなかの抱かれ心地ね♪」
コッコロ「ただいま成長中ですので。もうしばらくお待ちいただければ、キャルさまを包み込んでさしあげられるかと」
キャル「あんたどんな成長後を想定してるのよ……。あたしだってこれから成長するんだからね?」
コッコロ「わたくしはたくさん食べ、たくさん運動をして、たくさん眠っています。キャルさまは、その……」
キャル「あ~はいはい……どうせあたしはだらしない生活をしてますよ~……」
コッコロ「そのままでも大変魅力的でございますし、心配する必要はありません。お腹のお肉もとても触り心地がよろしゅうございます……♪ ふに……ふに……♪」
キャル「うっ……。あたしだって少しは努力してるんだけど……」
コッコロ「わたくし早朝に町を走っているのですが、キャルさまもご一緒にいかがでしょうか? とても気持ちのよい風を感じられて、気分は爽快、ご飯もおいしく──」
キャル「あたしには無理よ。そういうのはあんたがまだ元気な子供だからできるんだから。あたしじゃその後の活動に支障をきたすもの」
コッコロ「はて? かなりの頻度でペコリーヌさまをお見かけいたしますが。同じように走りながら、時々魔物を退治しています」
キャル「あいつはゴリラなんだから一緒にしないでよ……。つーか、フル装備でランニングしてるのがそもそも驚きなんだけど」
コッコロ「おいしいお肉は大歓迎でございますが、ムダなお肉はわたくしたちの大敵。共に打ち倒しましょう、キャルさま」
キャル「ええ、そうね……がんばるわ……」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/12(水) 00:54:39.39 ID:xJmtanq/0
キャル「んぅ~……コロ助あったかい……。もっとぎゅってしなさいよ」
コッコロ「ぎゅっ、でございますか。それでしたら、少し横になりましょう。そうすればわたくしもキャルさまもゆったりとくつろげますから」
キャル「ふふっ……♪ そりゃ~っ!」
コッコロ「わわっ……! まったく、キャルさまは元に戻ってもわたくしを押し倒すのですね。そのように胸に顔を埋められてしまっては身動きができませんよ」
キャル「んふ~♪ コロ助~♪ にゃお~ん……な~んて♪ ふふふ♪」
コッコロ「すっかり甘えんぼさんになってしまいました。コロ助と呼ぶのが変わらない点は残念ですが……」
キャル「ん~? いいじゃない、コロ助って。かわいいし、結構気に入ってるんだけど」
コッコロ「わたくしだって女の子なのですから、『子』や『姫』ならともかく『助』は抵抗がありますよ」
キャル「あはは、姫って! ん~、じゃあコロ姫にする? あたしは別にいいわよ? ぷぷ……コロ姫……」
コッコロ「そ、それはさすがに恥ずかしいですから……!」
コッコロ「もぅっ……! キャルさまは意地が悪いですね……! コッコロと! コッコロとお呼びいただきたい!」
キャル「ふふ~ん♪ イヤよ!」
コッコロ「なっ、なぜでございましょう……!? コッコロと呼ぶのは至極当然のことではありませんか……!」
キャル「あたしはイジワルなのよ? あんたがそう言ったんじゃない」
コッコロ「ぐぬぬ……」
コッコロ「ぎゅっ、でございますか。それでしたら、少し横になりましょう。そうすればわたくしもキャルさまもゆったりとくつろげますから」
キャル「ふふっ……♪ そりゃ~っ!」
コッコロ「わわっ……! まったく、キャルさまは元に戻ってもわたくしを押し倒すのですね。そのように胸に顔を埋められてしまっては身動きができませんよ」
キャル「んふ~♪ コロ助~♪ にゃお~ん……な~んて♪ ふふふ♪」
コッコロ「すっかり甘えんぼさんになってしまいました。コロ助と呼ぶのが変わらない点は残念ですが……」
キャル「ん~? いいじゃない、コロ助って。かわいいし、結構気に入ってるんだけど」
コッコロ「わたくしだって女の子なのですから、『子』や『姫』ならともかく『助』は抵抗がありますよ」
キャル「あはは、姫って! ん~、じゃあコロ姫にする? あたしは別にいいわよ? ぷぷ……コロ姫……」
コッコロ「そ、それはさすがに恥ずかしいですから……!」
コッコロ「もぅっ……! キャルさまは意地が悪いですね……! コッコロと! コッコロとお呼びいただきたい!」
キャル「ふふ~ん♪ イヤよ!」
コッコロ「なっ、なぜでございましょう……!? コッコロと呼ぶのは至極当然のことではありませんか……!」
キャル「あたしはイジワルなのよ? あんたがそう言ったんじゃない」
コッコロ「ぐぬぬ……」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/12(水) 00:55:58.80 ID:xJmtanq/0
キャル「そうね……どうしてもあたしに何かさせたいなら、ご機嫌取りをしなさいよ。あたしは今、猫なんだから」
コッコロ「……ふむ、ご機嫌取りですか。でしたら──」
コッコロ「顎の下をカキカキしてみたりはいかがでしょう。このように……かき……かき……」
キャル「ん~……むふ~……♪」
コッコロ「ゴロゴロと喉を鳴らしたりはしませんが、とても気持ちよさそうなお顔になっていらっしゃいますね。かきかき……かきかき……」
キャル「あぁ~……♪ 寝そう……」
コッコロ「い、いけませんよ……! 寝てしまったらご機嫌を取った意味が……!」
キャル「ねっ、じゃあ頭をなでてよ。優しくするなら耳も触っていいから」
コッコロ「耳も……! 実はわたくし、キャルさまのこのふわふわのお耳が大好きでして……! さ、触ってもよろしいのですか……?」
キャル「痛くしたらひっかくからね。くれぐれも雑に弄るんじゃないわよ?」
コッコロ「もちろんでございます♪ ではまず、なでなでを……」
キャル「ん……」
コッコロ「キャルさまの髪はもふもふとしていて、さらさらなペコリーヌさまのものとは大分違っていますね。とてももふりがいのある素敵な髪の毛です……♪」
キャル「なんか褒められてる気がしないわ……。まぁあんたが好きだっていうなら別にいいけど」
コッコロ「……ふむ、ご機嫌取りですか。でしたら──」
コッコロ「顎の下をカキカキしてみたりはいかがでしょう。このように……かき……かき……」
キャル「ん~……むふ~……♪」
コッコロ「ゴロゴロと喉を鳴らしたりはしませんが、とても気持ちよさそうなお顔になっていらっしゃいますね。かきかき……かきかき……」
キャル「あぁ~……♪ 寝そう……」
コッコロ「い、いけませんよ……! 寝てしまったらご機嫌を取った意味が……!」
キャル「ねっ、じゃあ頭をなでてよ。優しくするなら耳も触っていいから」
コッコロ「耳も……! 実はわたくし、キャルさまのこのふわふわのお耳が大好きでして……! さ、触ってもよろしいのですか……?」
キャル「痛くしたらひっかくからね。くれぐれも雑に弄るんじゃないわよ?」
コッコロ「もちろんでございます♪ ではまず、なでなでを……」
キャル「ん……」
コッコロ「キャルさまの髪はもふもふとしていて、さらさらなペコリーヌさまのものとは大分違っていますね。とてももふりがいのある素敵な髪の毛です……♪」
キャル「なんか褒められてる気がしないわ……。まぁあんたが好きだっていうなら別にいいけど」
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/12(水) 00:57:13.57 ID:xJmtanq/0
コッコロ「いつまででもなで続けていられそうです……♪ しかしそのような悠長なことを言っている場合ではありません。わたくしのお目当ては──」
キャル「……いいわよ。好きに触りなさい?」
コッコロ「で、では……。ごくり……。いきますよ……? そ~っと……」
キャル「んにゃっ……」
コッコロ「あわわ……! 強く触りすぎたでしょうか……?」
キャル「ううん、体が勝手にビクってなっちゃっただけ。そのまま触り続けて平気よ。あ、耳の中までは指突っ込まないでよね」
コッコロ「は、はい……! あぁ……ふわふわ……もふもふ……♪ キャルさま、これはいけませんよ……」
コッコロ「手が止まりません……。このような幸福感、クセに──いいえ、やみつきになってしまいます……♪」
キャル「そ、そうかしら? そんなに気に入ってもらえたなら……ふふっ♪」
コッコロ「はっ……! つい自分勝手にもふもふと……。今はキャルさまに尽くしているのでした……」
コッコロ「キャルさま、お耳の付け根あたりをカキカキいたしますね。力加減が分かりませんので、その都度『弱く』や『強く』と仰ってくださいまし」
キャル「……いいわよ。好きに触りなさい?」
コッコロ「で、では……。ごくり……。いきますよ……? そ~っと……」
キャル「んにゃっ……」
コッコロ「あわわ……! 強く触りすぎたでしょうか……?」
キャル「ううん、体が勝手にビクってなっちゃっただけ。そのまま触り続けて平気よ。あ、耳の中までは指突っ込まないでよね」
コッコロ「は、はい……! あぁ……ふわふわ……もふもふ……♪ キャルさま、これはいけませんよ……」
コッコロ「手が止まりません……。このような幸福感、クセに──いいえ、やみつきになってしまいます……♪」
キャル「そ、そうかしら? そんなに気に入ってもらえたなら……ふふっ♪」
コッコロ「はっ……! つい自分勝手にもふもふと……。今はキャルさまに尽くしているのでした……」
コッコロ「キャルさま、お耳の付け根あたりをカキカキいたしますね。力加減が分かりませんので、その都度『弱く』や『強く』と仰ってくださいまし」
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/12(水) 00:58:08.79 ID:xJmtanq/0
コッコロ「では、まずはくすぐるように優しく……」
キャル「んぁ……あ……んっ……」
コッコロ「きゃ、キャルさま……? お加減はいかがでしょうか……?」
キャル「だ、めぇ……これ……ムズムズしてっ……んぅ……」
コッコロ「それでしたら、もう少し強くいたしますね」
キャル「ん……。あはぁ~……♪ それ気持ちいいわ……♪ もう少し右……。そっちじゃなくて……ん~♪」
コッコロ「ふむ、コツを掴んできたように思います。お顔がふにゃふにゃと緩んでしまっていますね♪ とても……愛おしい♪」
キャル「んふふ~……♪ すりすり……♪」
コッコロ「で、ではキャルさま。今一度お頼みいたしますよ? わたくしのことをどうかコッコロ、とお呼びください」
キャル「……コッコロ♪」
コッコロ「ふぁ……」
キャル「ふふっ、コッコロ~♪」
コッコロ「えへへ……♪」
キャル「モジモジしちゃってかわいいんだから。コッコロ~? コッコロ~♪」
ペコリーヌ「何してるんですか?」
キャル「ぎゃあああ!?」
キャル「んぁ……あ……んっ……」
コッコロ「きゃ、キャルさま……? お加減はいかがでしょうか……?」
キャル「だ、めぇ……これ……ムズムズしてっ……んぅ……」
コッコロ「それでしたら、もう少し強くいたしますね」
キャル「ん……。あはぁ~……♪ それ気持ちいいわ……♪ もう少し右……。そっちじゃなくて……ん~♪」
コッコロ「ふむ、コツを掴んできたように思います。お顔がふにゃふにゃと緩んでしまっていますね♪ とても……愛おしい♪」
キャル「んふふ~……♪ すりすり……♪」
コッコロ「で、ではキャルさま。今一度お頼みいたしますよ? わたくしのことをどうかコッコロ、とお呼びください」
キャル「……コッコロ♪」
コッコロ「ふぁ……」
キャル「ふふっ、コッコロ~♪」
コッコロ「えへへ……♪」
キャル「モジモジしちゃってかわいいんだから。コッコロ~? コッコロ~♪」
ペコリーヌ「何してるんですか?」
キャル「ぎゃあああ!?」
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/12(水) 00:59:37.01 ID:xJmtanq/0
キャル「なななっ、あんたっ……!?」
ペコリーヌ「この騒動の犯人を捕まえに行きますけど、キャルちゃんも行きますよね~……って言いに来たんですけど……」
サレン「あはは……。邪魔しちゃったかしら……?」
コッコロ「も、申し訳ありません……! つい夢中になってしまって……!」
キャル「あああぁぁぁ……! もういっそ殺しなさいよぉ~……」
スズメ「なにを言うんですか! あんなにかわいいんですから死んじゃダメですよ! あんなにかわいいんですからっ!」
サレン「スズメ、それ追い討ちかけてるから」
キャル「もうイヤ……あたしここに引きこもる……。もう外出ない……」
スズメ「はわわっ!? また私余計なことを~!? ふぇぇん……ごめんなさぁい……!」
コッコロ「あの、ペコリーヌさま、サレンさま、スズメさま。ここはわたくしにお任せを」
ペコリーヌ「わたしたちじゃ傷口に塩を塗りかねませんからにゃあ……」
サレン「いきなりカラシぶち込んでんじゃないわよ! ほら、さっさと行きましょ。……コッコロ、申し訳ないけどその子は任せるわね」
コッコロ「はい。サレンさまたちもどうかお気をつけて」
ペコリーヌ「なるべく早く終わらせてきますから。帰ってきたらみんなでご飯にしましょうね! もちろん、キャルちゃんも一緒に♪ ではでは~☆」
ペコリーヌ「この騒動の犯人を捕まえに行きますけど、キャルちゃんも行きますよね~……って言いに来たんですけど……」
サレン「あはは……。邪魔しちゃったかしら……?」
コッコロ「も、申し訳ありません……! つい夢中になってしまって……!」
キャル「あああぁぁぁ……! もういっそ殺しなさいよぉ~……」
スズメ「なにを言うんですか! あんなにかわいいんですから死んじゃダメですよ! あんなにかわいいんですからっ!」
サレン「スズメ、それ追い討ちかけてるから」
キャル「もうイヤ……あたしここに引きこもる……。もう外出ない……」
スズメ「はわわっ!? また私余計なことを~!? ふぇぇん……ごめんなさぁい……!」
コッコロ「あの、ペコリーヌさま、サレンさま、スズメさま。ここはわたくしにお任せを」
ペコリーヌ「わたしたちじゃ傷口に塩を塗りかねませんからにゃあ……」
サレン「いきなりカラシぶち込んでんじゃないわよ! ほら、さっさと行きましょ。……コッコロ、申し訳ないけどその子は任せるわね」
コッコロ「はい。サレンさまたちもどうかお気をつけて」
ペコリーヌ「なるべく早く終わらせてきますから。帰ってきたらみんなでご飯にしましょうね! もちろん、キャルちゃんも一緒に♪ ではでは~☆」
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/12(水) 01:00:56.03 ID:xJmtanq/0
コッコロ「……キャルさま。皆さま出発なさいましたよ」
キャル「恥ずかしい……恥ずかしいぃぃ……」
コッコロ「キャルさまは、ごく稀にしか素直な面を見せてくれませんからね。だから余計に気恥ずかしく思えてしまうのでしょう」
キャル「うぅ~……」
コッコロ「ですがキャルさま。キャルさまのその振る舞いは、決しておかしなものではありませんよ」
コッコロ「わたくしがキャルさまを愛らしいと思うように、ペコリーヌさまを始め、他の方たちだってきっと同じように思ってくれているはずでございます」
キャル「こんなのあたしらしくないもの……。みんなバカにするに決まってるわ……」
コッコロ「……あの、ですね。本当はずっとこの胸に秘めておくつもりだったのですが──」
キャル「な、なによ……あんたもやっぱりあたしを笑い者にするわけ……!?」
コッコロ「いえ、そうではなくて。その……キャルさまが本当はとてもかわいらしい一面を持っていることを、わたくしもペコリーヌさまもとっくの昔に知っていて……」
キャル「……」
コッコロ「ですからね、キャルさま? 今回は『たまたま見られてしまっただけ』であって、キャルさまの秘密を『知られてしまった』わけではないのです……」
キャル「余計悪いじゃない! 事態が深刻になってるわよ! 死ぬほど恥ずかしがってたところも含めて恥ずかしいじゃない! あああぁぁヤダあああぁ!」
キャル「恥ずかしい……恥ずかしいぃぃ……」
コッコロ「キャルさまは、ごく稀にしか素直な面を見せてくれませんからね。だから余計に気恥ずかしく思えてしまうのでしょう」
キャル「うぅ~……」
コッコロ「ですがキャルさま。キャルさまのその振る舞いは、決しておかしなものではありませんよ」
コッコロ「わたくしがキャルさまを愛らしいと思うように、ペコリーヌさまを始め、他の方たちだってきっと同じように思ってくれているはずでございます」
キャル「こんなのあたしらしくないもの……。みんなバカにするに決まってるわ……」
コッコロ「……あの、ですね。本当はずっとこの胸に秘めておくつもりだったのですが──」
キャル「な、なによ……あんたもやっぱりあたしを笑い者にするわけ……!?」
コッコロ「いえ、そうではなくて。その……キャルさまが本当はとてもかわいらしい一面を持っていることを、わたくしもペコリーヌさまもとっくの昔に知っていて……」
キャル「……」
コッコロ「ですからね、キャルさま? 今回は『たまたま見られてしまっただけ』であって、キャルさまの秘密を『知られてしまった』わけではないのです……」
キャル「余計悪いじゃない! 事態が深刻になってるわよ! 死ぬほど恥ずかしがってたところも含めて恥ずかしいじゃない! あああぁぁヤダあああぁ!」
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/12(水) 01:03:14.61 ID:xJmtanq/0
コッコロ「あ、しかしですね? キャルさまがとっても甘えんぼさんであったことは、わたくしたちも知りませんでしたよ?」
キャル「今や周知の事実じゃない……」
コッコロ「ふふ。先程皆さまがご覧になったのは、キャルさまがわたくしの名を呼んでいたところでございます」
コッコロ「皆さまの目には、キャルさまにべったりと甘えるわたくしと、わたくしを優しく甘やかすキャルさま……そのように映ったことでしょう」
キャル「そ、それじゃあ……?」
コッコロ「甘えんぼさんなキャルさまのかわいらしいお姿は、未だわたくしだけのヒミツ、ということでございますね♪」
キャル「……」
コッコロ「おや……? となると……ふむ? もしかすると、わたくしと二人きりのときには、キャルさまは一切気を張ることなく存分に甘えられるということなのでは?」
キャル「あ、あたしがこれからもあんたに甘えると思ってるの……? そんなこと絶対に──」
コッコロ「甘えられますね、と言っているだけですよ。無理に甘える必要はありませんし、わたくしから何かするつもりもございません♪」
キャル「なによ……あんただってイジワルじゃない……」
コッコロ「ふふっ♪ キャルさまに影響されてしまったのでしょうか?」
キャル「今や周知の事実じゃない……」
コッコロ「ふふ。先程皆さまがご覧になったのは、キャルさまがわたくしの名を呼んでいたところでございます」
コッコロ「皆さまの目には、キャルさまにべったりと甘えるわたくしと、わたくしを優しく甘やかすキャルさま……そのように映ったことでしょう」
キャル「そ、それじゃあ……?」
コッコロ「甘えんぼさんなキャルさまのかわいらしいお姿は、未だわたくしだけのヒミツ、ということでございますね♪」
キャル「……」
コッコロ「おや……? となると……ふむ? もしかすると、わたくしと二人きりのときには、キャルさまは一切気を張ることなく存分に甘えられるということなのでは?」
キャル「あ、あたしがこれからもあんたに甘えると思ってるの……? そんなこと絶対に──」
コッコロ「甘えられますね、と言っているだけですよ。無理に甘える必要はありませんし、わたくしから何かするつもりもございません♪」
キャル「なによ……あんただってイジワルじゃない……」
コッコロ「ふふっ♪ キャルさまに影響されてしまったのでしょうか?」
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/12(水) 01:04:16.84 ID:xJmtanq/0
キャル「あんたはさ……」
コッコロ「はい?」
キャル「イヤじゃないの……? あたしなんかに抱きつかれたり、頭なでさせられたりしてさ……」
コッコロ「むっ……」
キャル「冷静になると、あたしとんでもなく気持ち悪いことしてたような……」
コッコロ「ていっ」
キャル「あ痛っ!? ちょっ、なんでチョップするのよ!?」
コッコロ「寝ぼけたことを言うから目を覚ましてさしあげたのです。……キャルさま」
キャル「……なんで抱きついてくるのよ」
コッコロ「知りません……キャルさまには関係のないことです……」
キャル「はぁ……」
キャル「悪かったわよ。あんたの気持ちも考えないで、保身ばっかりしてた。そうよね、イヤだったらあんなことしてくれないわよね」
コッコロ「……」
キャル「もういいや。なんか肩の荷が下りた気分よ。……ねぇ、コッコロ」
コッコロ「は、はいっ!」
キャル「目、瞑ってくれる?」
コッコロ「はい……?」
コッコロ「はい?」
キャル「イヤじゃないの……? あたしなんかに抱きつかれたり、頭なでさせられたりしてさ……」
コッコロ「むっ……」
キャル「冷静になると、あたしとんでもなく気持ち悪いことしてたような……」
コッコロ「ていっ」
キャル「あ痛っ!? ちょっ、なんでチョップするのよ!?」
コッコロ「寝ぼけたことを言うから目を覚ましてさしあげたのです。……キャルさま」
キャル「……なんで抱きついてくるのよ」
コッコロ「知りません……キャルさまには関係のないことです……」
キャル「はぁ……」
キャル「悪かったわよ。あんたの気持ちも考えないで、保身ばっかりしてた。そうよね、イヤだったらあんなことしてくれないわよね」
コッコロ「……」
キャル「もういいや。なんか肩の荷が下りた気分よ。……ねぇ、コッコロ」
コッコロ「は、はいっ!」
キャル「目、瞑ってくれる?」
コッコロ「はい……?」
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/12(水) 01:05:59.74 ID:xJmtanq/0
コッコロ「あ、あの……? 一体何をするおつもりでしょうか……?」
キャル「いいから目を閉じなさい? ほら、早く」
コッコロ「あわわ……。こ、これで……いいでしょうか……?」
キャル「動いちゃダメよ……? そのままジッとして──」
コッコロ「うぅ~……」
キャル「おりゃ」
コッコロ「あぅっ……。痛いです……なぜデコピンを……」
キャル「なんとなくよ。なんか生意気だったから?」
コッコロ「むぅ~……! どうせわたくしはナマイキなちびっこのお子さまでございますよ……!」
キャル「そうよ。だから、あんたもあたしに甘えていいの。あたしの方がお姉さんなんだから。ほら、抱っこ」
コッコロ「んぅ……。ズルイです……」
キャル「あたしも二人っきりのときは……あんたに甘えちゃうけどさ。あんたはいつだってあたしに甘えていいんだからね?」
コッコロ「……今は二人きりですよ?」
キャル「ええ。だからあんたもあたしのことをぎゅってしなさい? 抱っこして、頭をなでて?」
コッコロ「はい……♪」
キャル「いいから目を閉じなさい? ほら、早く」
コッコロ「あわわ……。こ、これで……いいでしょうか……?」
キャル「動いちゃダメよ……? そのままジッとして──」
コッコロ「うぅ~……」
キャル「おりゃ」
コッコロ「あぅっ……。痛いです……なぜデコピンを……」
キャル「なんとなくよ。なんか生意気だったから?」
コッコロ「むぅ~……! どうせわたくしはナマイキなちびっこのお子さまでございますよ……!」
キャル「そうよ。だから、あんたもあたしに甘えていいの。あたしの方がお姉さんなんだから。ほら、抱っこ」
コッコロ「んぅ……。ズルイです……」
キャル「あたしも二人っきりのときは……あんたに甘えちゃうけどさ。あんたはいつだってあたしに甘えていいんだからね?」
コッコロ「……今は二人きりですよ?」
キャル「ええ。だからあんたもあたしのことをぎゅってしなさい? 抱っこして、頭をなでて?」
コッコロ「はい……♪」
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/12(水) 01:06:55.74 ID:xJmtanq/0
キャル「んふふ……♪ コッコロ~♪」
コッコロ「えへへ……♪ キャルさま♪」
キャル「……まだペコリーヌたち帰ってきてないわよね?」
コッコロ「ふふ、気にしすぎでございますよ。ささ、キャルさま。今はわたくしだけを見てくださいまし♪」
キャル「……」
コッコロ「キャルさま? 耳を澄ませているようですが、なにか物音でも聞こえますか?」
キャル「……部屋の外に誰かいるわ。ペコリーヌたちじゃない、誰かが」
コッコロ「主さま──は、エリコさまのところですし……もしや泥棒……?」
キャル「あたしの魔導書もコロ助の槍も、全部部屋の外か……。チッ……」
「ん? 誰かいるわね。ちょうどいいわ、人質になってもらうか」
キャル「この声……今回の騒動の犯人だわ。ペコリーヌのやつ、しくじったわね……?」
コッコロ「ど、どうしましょうキャルさま……。丸腰のわたくしたちでなんとかなるでしょうか……?」
キャル「無理ね。あいつはただのコソ泥じゃない。おかしな罠も作れるほどの魔術師よ? 下手すれば真っ黒焦げにされちゃうわ」
「この部屋、か」
キャル「くっ……!」
コッコロ「えへへ……♪ キャルさま♪」
キャル「……まだペコリーヌたち帰ってきてないわよね?」
コッコロ「ふふ、気にしすぎでございますよ。ささ、キャルさま。今はわたくしだけを見てくださいまし♪」
キャル「……」
コッコロ「キャルさま? 耳を澄ませているようですが、なにか物音でも聞こえますか?」
キャル「……部屋の外に誰かいるわ。ペコリーヌたちじゃない、誰かが」
コッコロ「主さま──は、エリコさまのところですし……もしや泥棒……?」
キャル「あたしの魔導書もコロ助の槍も、全部部屋の外か……。チッ……」
「ん? 誰かいるわね。ちょうどいいわ、人質になってもらうか」
キャル「この声……今回の騒動の犯人だわ。ペコリーヌのやつ、しくじったわね……?」
コッコロ「ど、どうしましょうキャルさま……。丸腰のわたくしたちでなんとかなるでしょうか……?」
キャル「無理ね。あいつはただのコソ泥じゃない。おかしな罠も作れるほどの魔術師よ? 下手すれば真っ黒焦げにされちゃうわ」
「この部屋、か」
キャル「くっ……!」
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/12(水) 01:08:25.10 ID:xJmtanq/0
キャル「聞きなさいコロ助。あたしがあいつを足止めするわ。あんたはその隙に走るのよ」
コッコロ「そんな……! そんなことをすればキャルさまが……!」
キャル「あたしを信じなさい。コッコロ……あんたのこと、信じてるわ」
「聞こえてるってぇ~……のっ!」
キャル「ぐっ……!? ドアが木っ端微塵に……! このっ……!」
魔術師「あらあら、元気な猫が飛び出してきた♪」
キャル「行きなさいコッコロ! おらぁっ!」
コッコロ「は、はいっ……!」
魔術師「ん~……人質は一人でいいか。ただのお子様みたいだし、逃がしてあげる」
魔術師「でも猫ちゃん、あなたはいい加減噛み付くのやめてくれる? ウザったいったらないわ。……はぁっ!」
キャル「きゃあっ……!? うぐっ……!」
魔術師「あら、あなたさっき私が猫に変え損ねた猫もどきちゃんね? ということは……あなた、あのクソガキどもの仲間?」
キャル「くっ、うぅ……。さっきはよくもやってくれたわね……。あんたなんか、すぐにボッコボコにして捕まえてやるんだから……」
魔術師「うふふ♪ 随分威勢がいいけど、あのお子様が仲間を連れてくるまでどれくらいかかるかしら。あなた、ちょっと考えが甘くない?」
キャル「……あはは。あたしの仲間はすぐに戻って来てくれるわ。甘いのは多分、あんたの方よ?」
コッコロ「そんな……! そんなことをすればキャルさまが……!」
キャル「あたしを信じなさい。コッコロ……あんたのこと、信じてるわ」
「聞こえてるってぇ~……のっ!」
キャル「ぐっ……!? ドアが木っ端微塵に……! このっ……!」
魔術師「あらあら、元気な猫が飛び出してきた♪」
キャル「行きなさいコッコロ! おらぁっ!」
コッコロ「は、はいっ……!」
魔術師「ん~……人質は一人でいいか。ただのお子様みたいだし、逃がしてあげる」
魔術師「でも猫ちゃん、あなたはいい加減噛み付くのやめてくれる? ウザったいったらないわ。……はぁっ!」
キャル「きゃあっ……!? うぐっ……!」
魔術師「あら、あなたさっき私が猫に変え損ねた猫もどきちゃんね? ということは……あなた、あのクソガキどもの仲間?」
キャル「くっ、うぅ……。さっきはよくもやってくれたわね……。あんたなんか、すぐにボッコボコにして捕まえてやるんだから……」
魔術師「うふふ♪ 随分威勢がいいけど、あのお子様が仲間を連れてくるまでどれくらいかかるかしら。あなた、ちょっと考えが甘くない?」
キャル「……あはは。あたしの仲間はすぐに戻って来てくれるわ。甘いのは多分、あんたの方よ?」
26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/12(水) 01:09:37.70 ID:xJmtanq/0
魔術師「……は?」
魔術師「ふふ、あはははは! 来るわけないでしょ!? あんな小さなお子様が! この街のどこにいるかも分からないお仲間を! そんなに早く、連れて戻って来るわけがない!」
キャル「はぁ……。ほんっと、何にも分かってないのねぇ」
魔術師「なによ……何が言いたいんだよクソ猫がぁ!」
キャル「あたしが待ってるのはペコリーヌたちじゃないって言ってんの。待ってた、かしら」
魔術師「なに……? ……ハッ!」
コッコロ「わたくしをただの子供と侮ったのが間違いでしたね。……せいっ!」
魔術師「がはっ……!? お前っ……!」
コッコロ「キャルさま! 魔導書を受け取ってください──えーいっ……!」
キャル「……っとと。サンキュー、コロ助! ……ふふん♪ 覚悟はいいかしら? 全力で行くわ! 死んじゃっても恨まないでよね!」
魔術師「ま、待てっ……! 待って! そんなに魔力を込めて……あっ、あっ……やめ──」
キャル「消し飛べぇぇぇ!」
魔術師「ぎぇぇぇぇっ!?」
キャル「……なんてね。さすがに屋内でぶっ放したりしないわよ」
魔術師「きゅ~……」
コッコロ「気を失ったようですね。今のうちに縛り上げてしまいましょう。……はぁ。一時はどうなることかと思いましたよ」
キャル「ま、あたしたちにかかればこんなものよ。戻って来てくれてありがと、コッコロ♪」
コッコロ「無事で何よりでございます……。本当に、本当に心配したのですからね……」
魔術師「ふふ、あはははは! 来るわけないでしょ!? あんな小さなお子様が! この街のどこにいるかも分からないお仲間を! そんなに早く、連れて戻って来るわけがない!」
キャル「はぁ……。ほんっと、何にも分かってないのねぇ」
魔術師「なによ……何が言いたいんだよクソ猫がぁ!」
キャル「あたしが待ってるのはペコリーヌたちじゃないって言ってんの。待ってた、かしら」
魔術師「なに……? ……ハッ!」
コッコロ「わたくしをただの子供と侮ったのが間違いでしたね。……せいっ!」
魔術師「がはっ……!? お前っ……!」
コッコロ「キャルさま! 魔導書を受け取ってください──えーいっ……!」
キャル「……っとと。サンキュー、コロ助! ……ふふん♪ 覚悟はいいかしら? 全力で行くわ! 死んじゃっても恨まないでよね!」
魔術師「ま、待てっ……! 待って! そんなに魔力を込めて……あっ、あっ……やめ──」
キャル「消し飛べぇぇぇ!」
魔術師「ぎぇぇぇぇっ!?」
キャル「……なんてね。さすがに屋内でぶっ放したりしないわよ」
魔術師「きゅ~……」
コッコロ「気を失ったようですね。今のうちに縛り上げてしまいましょう。……はぁ。一時はどうなることかと思いましたよ」
キャル「ま、あたしたちにかかればこんなものよ。戻って来てくれてありがと、コッコロ♪」
コッコロ「無事で何よりでございます……。本当に、本当に心配したのですからね……」
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/12(水) 01:10:20.59 ID:xJmtanq/0
キャル「うりゃうりゃ」
魔術師「痛っ、痛いっ! 私が悪かったってば……あ痛たたた!」
コッコロ「キャルさま、八つ当たりはそのくらいに。この者の処遇を考えなければなりません」
キャル「考えるったって、ペコリーヌたちの帰りを待って【サレンディア救護院】に引き渡すしかないでしょ」
コッコロ「サレンさまが直々に捕縛に動かれたのですから、それが最善ではございますが……」
キャル「ん? なによ、ハッキリしないわね」
コッコロ「引き渡したとして、サレンさまに殺されてしまうのでは……? きっとかなりご立腹でしょうし……」
魔術師「え? は? 私殺されるの? ちょっとイタズラして、ちょっと町を滅ぼそうと思っただけなのに!」
キャル「こいつなら死んでもいいんじゃないの?」
コッコロ「死んでもいいかはさておき、この者の発言は重要な証言として記憶しておきましょう。町を滅ぼそうと企む悪人を、みすみす見逃すわけには参りません」
キャル「うりゃうりゃ」
魔術師「痛いって! 痛いから! ほんとに!」
魔術師「痛っ、痛いっ! 私が悪かったってば……あ痛たたた!」
コッコロ「キャルさま、八つ当たりはそのくらいに。この者の処遇を考えなければなりません」
キャル「考えるったって、ペコリーヌたちの帰りを待って【サレンディア救護院】に引き渡すしかないでしょ」
コッコロ「サレンさまが直々に捕縛に動かれたのですから、それが最善ではございますが……」
キャル「ん? なによ、ハッキリしないわね」
コッコロ「引き渡したとして、サレンさまに殺されてしまうのでは……? きっとかなりご立腹でしょうし……」
魔術師「え? は? 私殺されるの? ちょっとイタズラして、ちょっと町を滅ぼそうと思っただけなのに!」
キャル「こいつなら死んでもいいんじゃないの?」
コッコロ「死んでもいいかはさておき、この者の発言は重要な証言として記憶しておきましょう。町を滅ぼそうと企む悪人を、みすみす見逃すわけには参りません」
キャル「うりゃうりゃ」
魔術師「痛いって! 痛いから! ほんとに!」
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/12(水) 01:11:19.32 ID:xJmtanq/0
サレン「戻ったわよー。コッコロ~? いる~?」
コッコロ「おや、サレンさまがお戻りになったようですね。キャルさま、この者を連れてお出迎えをしに参りましょう」
キャル「そうね。ペコリーヌは無事かしら……」
サレン「あ、二人とも! 実はね、犯人にまんまと逃げられちゃって……」
キャル「ふふ~ん♪」
魔術師「へぶぅ……」
サレン「──って……この人……! え? なんであんたたちがこいつを捕まえてるのよ?」
コッコロ「えぇっと、なんと言いましょうか……偶然の結果でして……。それよりも、ペコリーヌさまとスズメさまは? 一緒ではないのでしょうか?」
サレン「あ~……えぇっと、そのことなんだけど……落ち着いて聞いてくれる……?」
キャル「ちょっ、ちょっと……! 何があったのよ! ペコリーヌは無事なのよね!? ねぇってば!」
ペコリーヌ「キャルちゃん……」
キャル「ぺ、ペコリーヌ……! あんた心配させるんじゃ──えっ……? あんた……その鼻……」
ペコリーヌ「うぅ~……あんまり見ないでほしいブ~……」
サレン「そこの魔術師に呪いをかけられちゃったのよ……。特に害はないみたいなんだけど……うん……」
ペコリーヌ「ブ~……」
コッコロ「おや、サレンさまがお戻りになったようですね。キャルさま、この者を連れてお出迎えをしに参りましょう」
キャル「そうね。ペコリーヌは無事かしら……」
サレン「あ、二人とも! 実はね、犯人にまんまと逃げられちゃって……」
キャル「ふふ~ん♪」
魔術師「へぶぅ……」
サレン「──って……この人……! え? なんであんたたちがこいつを捕まえてるのよ?」
コッコロ「えぇっと、なんと言いましょうか……偶然の結果でして……。それよりも、ペコリーヌさまとスズメさまは? 一緒ではないのでしょうか?」
サレン「あ~……えぇっと、そのことなんだけど……落ち着いて聞いてくれる……?」
キャル「ちょっ、ちょっと……! 何があったのよ! ペコリーヌは無事なのよね!? ねぇってば!」
ペコリーヌ「キャルちゃん……」
キャル「ぺ、ペコリーヌ……! あんた心配させるんじゃ──えっ……? あんた……その鼻……」
ペコリーヌ「うぅ~……あんまり見ないでほしいブ~……」
サレン「そこの魔術師に呪いをかけられちゃったのよ……。特に害はないみたいなんだけど……うん……」
ペコリーヌ「ブ~……」
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/12(水) 01:12:54.67 ID:xJmtanq/0
キャル「あはははは! ふふっ、あはははははっ! よりにもよってブタって……! あはははは!」
ペコリーヌ「そ、そんなに笑わなくてもいいじゃないですブ~!」
キャル「あははははは! やめっ、あははっ! くくっ……んふふふふ……」
コッコロ「す、スズメさまもブタさんに……?」
サレン「スズメもかわいいわよ? ほら、隠れてないで出てきなさい」
スズメ「チュン……」
コッコロ「おや……? 腕が鳥の翼のように変わってしまっていますね?」
スズメ「そうなんでチュン……。バランスが取りづらくて……取りづら……ひゃっ、きゃ、あっ……! チュチュンっ!?」
サレン「あーあー……また転んじゃって……。大丈夫? ほら、手ぇ貸してあげるから」
スズメ「すみまチュ~ン……。ただでさえドジなのに、こんなんじゃ生きていけまチュン……」
コッコロ「でしたら、この者に呪いを解いていただきましょう。キャルさまに突っつき回されてすっかり元気をなくしてしまいましたが」
魔術師「ほげ~……」
ペコリーヌ「そ、そんなに笑わなくてもいいじゃないですブ~!」
キャル「あははははは! やめっ、あははっ! くくっ……んふふふふ……」
コッコロ「す、スズメさまもブタさんに……?」
サレン「スズメもかわいいわよ? ほら、隠れてないで出てきなさい」
スズメ「チュン……」
コッコロ「おや……? 腕が鳥の翼のように変わってしまっていますね?」
スズメ「そうなんでチュン……。バランスが取りづらくて……取りづら……ひゃっ、きゃ、あっ……! チュチュンっ!?」
サレン「あーあー……また転んじゃって……。大丈夫? ほら、手ぇ貸してあげるから」
スズメ「すみまチュ~ン……。ただでさえドジなのに、こんなんじゃ生きていけまチュン……」
コッコロ「でしたら、この者に呪いを解いていただきましょう。キャルさまに突っつき回されてすっかり元気をなくしてしまいましたが」
魔術師「ほげ~……」
30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/12(水) 01:14:28.55 ID:xJmtanq/0
キャル「ふふ……別にペコリーヌは解かなくていいんじゃない? 似合ってるし……ふふふ……」
ペコリーヌ「キャルちゃんひどいでブ~……」
キャル「ん……? あんた、今あたしの悪口言わなかった……?」
ペコリーヌ「言ってませんブ~。そんな突然悪口言ったりなんてしませんブ~」
キャル「じゃあもう一回言ってみなさいよ」
ペコリーヌ「えぇっと……キャルちゃんひどいでブ~」
キャル「ほらっ! ほらぁ! 今完全にデブって言ったわよね! 酷いデブって!」
ペコリーヌ「えぇっ!? そんなのただの言い掛かりでブ~! そもそもキャルちゃん痩せてるじゃないですブ~!」
コッコロ「あの……お二人とも、少しお静かに……」
サレン「あなた、今すぐ二人の呪いを解きなさい。もし、解かないなんて言うようなら──」
魔術師「解けません……」
サレン「へ?」
魔術師「解けません……特別強力な術を掛けたから……。で、でも半日で勝手に戻るの……」
サレン「ということは、二人はあと半日の間……」
ペコリーヌ「……」
スズメ「……」
ペコリーヌ「キャルちゃんひどいでブ~……」
キャル「ん……? あんた、今あたしの悪口言わなかった……?」
ペコリーヌ「言ってませんブ~。そんな突然悪口言ったりなんてしませんブ~」
キャル「じゃあもう一回言ってみなさいよ」
ペコリーヌ「えぇっと……キャルちゃんひどいでブ~」
キャル「ほらっ! ほらぁ! 今完全にデブって言ったわよね! 酷いデブって!」
ペコリーヌ「えぇっ!? そんなのただの言い掛かりでブ~! そもそもキャルちゃん痩せてるじゃないですブ~!」
コッコロ「あの……お二人とも、少しお静かに……」
サレン「あなた、今すぐ二人の呪いを解きなさい。もし、解かないなんて言うようなら──」
魔術師「解けません……」
サレン「へ?」
魔術師「解けません……特別強力な術を掛けたから……。で、でも半日で勝手に戻るの……」
サレン「ということは、二人はあと半日の間……」
ペコリーヌ「……」
スズメ「……」
31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/12(水) 01:15:31.43 ID:xJmtanq/0
スズメ「え~ん……! お嬢さま~……私はいったいどうしたらいいチュン~……!」
サレン「あたしがちゃんとついててあげるから。だから泣かないの。ね?」
スズメ「チュ~ン……」
コッコロ「スズメさま、その翼で空を飛べないのでしょうか? あまり高くまで飛び上がると危険ですが、少しであればいい経験になるのでは?」
サレン「あはは、いいじゃない♪ 試しにやってみたら?」
ペコリーヌ「うらやましいでブ~」
キャル「あんたも山の珍味でも探してきたら? クンクンしたら嗅ぎ当てられるかもしれないわよ?」
コッコロ「お、おやめくださいキャルさま……! 本当に山に向かってしまいますから……!」
ペコリーヌ「ぶひぶひ……くんくん……」
コッコロ「ペコリーヌさま!?」
キャル「ちょっ……どうしてあたしのことを嗅ぐのよ……。なんか背筋が寒いわ……。向こう行きなさい……ねぇってば……」
ペコリーヌ「美味しそうないい匂いでブ~……♪」
キャル「ひぃぃぃ……!?」
サレン「あたしがちゃんとついててあげるから。だから泣かないの。ね?」
スズメ「チュ~ン……」
コッコロ「スズメさま、その翼で空を飛べないのでしょうか? あまり高くまで飛び上がると危険ですが、少しであればいい経験になるのでは?」
サレン「あはは、いいじゃない♪ 試しにやってみたら?」
ペコリーヌ「うらやましいでブ~」
キャル「あんたも山の珍味でも探してきたら? クンクンしたら嗅ぎ当てられるかもしれないわよ?」
コッコロ「お、おやめくださいキャルさま……! 本当に山に向かってしまいますから……!」
ペコリーヌ「ぶひぶひ……くんくん……」
コッコロ「ペコリーヌさま!?」
キャル「ちょっ……どうしてあたしのことを嗅ぐのよ……。なんか背筋が寒いわ……。向こう行きなさい……ねぇってば……」
ペコリーヌ「美味しそうないい匂いでブ~……♪」
キャル「ひぃぃぃ……!?」
32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/12(水) 01:17:21.30 ID:xJmtanq/0
コッコロ「あぁ……どうしてこのようなことに……」
スズメ「お嬢さま~! 飛んでまチュン! 私、お空を飛んでまチュンよ! 飛ん──ぷぎゅっ!?」
サレン「スズメっ!? ちゃんと前を見ないから……! あぁもうっ! ほんとにドジなんだから!」
ペコリーヌ「ぶひぶひ♪ よだれが止まらないブ~♪」
キャル「フーッ! フーッ! 近づくなぁ! フーッ!」
コッコロ「はぁ……」
コッコロ「サレンさまには異常が見られませんが、術を掛けられなかったのですか?」
サレン「二度も掛けられて堪るもんですか。しっかり躱してやったわよ」
コッコロ「おぉ……さすがサレンさまでございますね♪ でしたらサレンさま、ハラワタは常温でございますよね?」
サレン「んーっと……怒ってないか、ってことかしら? そうね、怒ってるけど、煮えくり返ってはいないわね」
コッコロ「では、この者の処分をお任せしてもよろしいでしょうか。もちろん今すぐにでなくてもかまいません」
サレン「ええ、任せてちょうだい。とはいえあたしに裁く権限はないから、【王宮騎士団(NIGHTMARE)】に引き渡すことになるんだけどね。それまで身柄を預かるって形になるわ」
コッコロ「ありがとうございます。町中にばらまかれてしまった罠はいかがいたしましょう?」
サレン「それならもう手は打ってあるのよ。【自警団】にお願いしたから、今頃は全部回収されてるんじゃないかしら?」
コッコロ「なんと、そうでしたか。ひと安心でございますね」
スズメ「お嬢さま~! 飛んでまチュン! 私、お空を飛んでまチュンよ! 飛ん──ぷぎゅっ!?」
サレン「スズメっ!? ちゃんと前を見ないから……! あぁもうっ! ほんとにドジなんだから!」
ペコリーヌ「ぶひぶひ♪ よだれが止まらないブ~♪」
キャル「フーッ! フーッ! 近づくなぁ! フーッ!」
コッコロ「はぁ……」
コッコロ「サレンさまには異常が見られませんが、術を掛けられなかったのですか?」
サレン「二度も掛けられて堪るもんですか。しっかり躱してやったわよ」
コッコロ「おぉ……さすがサレンさまでございますね♪ でしたらサレンさま、ハラワタは常温でございますよね?」
サレン「んーっと……怒ってないか、ってことかしら? そうね、怒ってるけど、煮えくり返ってはいないわね」
コッコロ「では、この者の処分をお任せしてもよろしいでしょうか。もちろん今すぐにでなくてもかまいません」
サレン「ええ、任せてちょうだい。とはいえあたしに裁く権限はないから、【王宮騎士団(NIGHTMARE)】に引き渡すことになるんだけどね。それまで身柄を預かるって形になるわ」
コッコロ「ありがとうございます。町中にばらまかれてしまった罠はいかがいたしましょう?」
サレン「それならもう手は打ってあるのよ。【自警団】にお願いしたから、今頃は全部回収されてるんじゃないかしら?」
コッコロ「なんと、そうでしたか。ひと安心でございますね」
33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/12(水) 01:19:41.69 ID:xJmtanq/0
サレン「みんな~? ご飯できたわよ~♪」
ペコリーヌ「ご飯でブ~! お腹ぺこぺこでしたブ~!」
スズメ「なんのお手伝いもできなくてごめんなさいチュン……。その代わりに、元に戻ったらいっぱいご奉仕するチュン♪」
サレン「ううん。あたしには主人としてあなたを守る責任があるの。……それなのに、あたしはあなたを守れなかった」
スズメ「サレンお嬢チュン……」
サレン「謝るのはあたしの方よ。スズメ、ごめんね……? 元に戻るまでは、あたしがしっかりお世話してあげるから……」
スズメ「じゃ、じゃあ、あの……ご飯を食べさせてもらってもいいでチュンか? この手だとお皿をひっくり返しちゃいそうチュン」
サレン「ふふ……♪ スズメが風邪をひいて寝込んだときを思い出すわね。おかゆを食べさせてあげてるときに、スズメってば思いっきりくしゃみして──」
ペコリーヌ「ぐるるる~……お腹鳴っちゃいましたブ~……」
コッコロ「お二人の良い雰囲気を壊してしまうのは忍びないですし、わたくしたちはわたくしたちで頂きましょうか」
キャル「ペコリーヌは自分で食べられるの? 手が蹄になったりしてない?」
ペコリーヌ「大丈ブ~♪ 心配ご無用ですブ~! いただきまぁす☆」
キャル「それじゃ、あたしたちも食べましょうか。いただきまーす」
コッコロ「いただきます♪ ふふ、いつも通りのペコリーヌさまでございますね。お顔の周りも汚さずキレイに召し上がっています」
ペコリーヌ「ご飯でブ~! お腹ぺこぺこでしたブ~!」
スズメ「なんのお手伝いもできなくてごめんなさいチュン……。その代わりに、元に戻ったらいっぱいご奉仕するチュン♪」
サレン「ううん。あたしには主人としてあなたを守る責任があるの。……それなのに、あたしはあなたを守れなかった」
スズメ「サレンお嬢チュン……」
サレン「謝るのはあたしの方よ。スズメ、ごめんね……? 元に戻るまでは、あたしがしっかりお世話してあげるから……」
スズメ「じゃ、じゃあ、あの……ご飯を食べさせてもらってもいいでチュンか? この手だとお皿をひっくり返しちゃいそうチュン」
サレン「ふふ……♪ スズメが風邪をひいて寝込んだときを思い出すわね。おかゆを食べさせてあげてるときに、スズメってば思いっきりくしゃみして──」
ペコリーヌ「ぐるるる~……お腹鳴っちゃいましたブ~……」
コッコロ「お二人の良い雰囲気を壊してしまうのは忍びないですし、わたくしたちはわたくしたちで頂きましょうか」
キャル「ペコリーヌは自分で食べられるの? 手が蹄になったりしてない?」
ペコリーヌ「大丈ブ~♪ 心配ご無用ですブ~! いただきまぁす☆」
キャル「それじゃ、あたしたちも食べましょうか。いただきまーす」
コッコロ「いただきます♪ ふふ、いつも通りのペコリーヌさまでございますね。お顔の周りも汚さずキレイに召し上がっています」
36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/12(水) 01:26:46.43 ID:xJmtanq/0
キャル「すぅ……すぅ……」
スズメ「むにゃむにゃ……」
サレン「あらら、食べ終わったら途端に寝ちゃうなんて。二人ともよっぽど疲れてたのね」
コッコロ「食べてすぐ寝てしまうのはあまり健康によくありませんが、これ程気持ちよさそうに眠っていると起こしてしまうのは忍びないですね」
ペコリーヌ「思わず突っつきたくなっちゃいますブ~♪ 寝顔最高にかわいいでブ~! やばいですブ~☆」
コッコロ「ペコリーヌさまの話し方も大変かわいらしく……。お気に触るかもしれませんが、しばらくそのままであったとしても、わたくしは一向にかまいません……♪」
ペコリーヌ「コッコロちゃんもブタはお好きですブ~? このお鼻、魔法が解けるときは外れて残るんでしょうブ~? 消えちゃうと食べられないブ~……」
コッコロ「僅かな間でもご自分のお鼻だったものを……ペコリーヌさまのハングリー精神、わたくしも見習いたいものです」
サレン「言葉通りのハングリーになっちゃってるけどいいのかしら……? 拾い食いとかしちゃダメだからね?」
サレン「ともあれ、いつまでもスズメを寝かせておくわけにもいかないのよね。子供たちがあたしたちの帰りを待ってるし」
コッコロ「そうですか……そうでございますよね……。しかし──」
スズメ「んへへ~……♪ くぅ……くぅ……」
サレン「はぁ~……この子を抱えたまま犯罪者を引っ張って帰るわけにもいかないし、どうしようかしら……」
スズメ「むにゃむにゃ……」
サレン「あらら、食べ終わったら途端に寝ちゃうなんて。二人ともよっぽど疲れてたのね」
コッコロ「食べてすぐ寝てしまうのはあまり健康によくありませんが、これ程気持ちよさそうに眠っていると起こしてしまうのは忍びないですね」
ペコリーヌ「思わず突っつきたくなっちゃいますブ~♪ 寝顔最高にかわいいでブ~! やばいですブ~☆」
コッコロ「ペコリーヌさまの話し方も大変かわいらしく……。お気に触るかもしれませんが、しばらくそのままであったとしても、わたくしは一向にかまいません……♪」
ペコリーヌ「コッコロちゃんもブタはお好きですブ~? このお鼻、魔法が解けるときは外れて残るんでしょうブ~? 消えちゃうと食べられないブ~……」
コッコロ「僅かな間でもご自分のお鼻だったものを……ペコリーヌさまのハングリー精神、わたくしも見習いたいものです」
サレン「言葉通りのハングリーになっちゃってるけどいいのかしら……? 拾い食いとかしちゃダメだからね?」
サレン「ともあれ、いつまでもスズメを寝かせておくわけにもいかないのよね。子供たちがあたしたちの帰りを待ってるし」
コッコロ「そうですか……そうでございますよね……。しかし──」
スズメ「んへへ~……♪ くぅ……くぅ……」
サレン「はぁ~……この子を抱えたまま犯罪者を引っ張って帰るわけにもいかないし、どうしようかしら……」
37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/12(水) 01:28:05.53 ID:xJmtanq/0
コッコロ「──というわけで、サレンさまがスズメさまを、ペコリーヌさまが不届き者を。それぞれお運びするということでよろしいですね?」
サレン「ごめんね、迷惑かけっぱなしで。この埋め合わせは今度必ずするから」
ペコリーヌ「気にしないでくださいブ~。一緒にご飯を食べた仲じゃないですブ~♪」
コッコロ「本当にわたくしはご一緒しなくてよろしいのですか? 及ばずながら護衛を務めることも……」
サレン「気持ちはありがたいけど、コッコロには守ってあげなきゃいけない子がいるでしょ?」
キャル「すぅ……すぅ……にゅ……」
コッコロ「……おっしゃる通りですね」
ペコリーヌ「あ~あぁ、わたしもキャルちゃんのことよしよししたかったブ~。わたしにも素直になってくれたらいいのにブ~」
サレン「共通のものを好きになると、もっと距離が縮まるんじゃない?」
ペコリーヌ「ぶひっ……♪」
コッコロ「ぺ、ペコリーヌさま? なぜそのようなキラキラしたお目々でわたくしのことを見るのでしょうか……?」
サレン「あたしでよければ、子供たちの面倒の見方、いつでも教えてあげるからね♪」
コッコロ「いえ、それは……。主さまといて既に学んだような気が……」
サレン「ごめんね、迷惑かけっぱなしで。この埋め合わせは今度必ずするから」
ペコリーヌ「気にしないでくださいブ~。一緒にご飯を食べた仲じゃないですブ~♪」
コッコロ「本当にわたくしはご一緒しなくてよろしいのですか? 及ばずながら護衛を務めることも……」
サレン「気持ちはありがたいけど、コッコロには守ってあげなきゃいけない子がいるでしょ?」
キャル「すぅ……すぅ……にゅ……」
コッコロ「……おっしゃる通りですね」
ペコリーヌ「あ~あぁ、わたしもキャルちゃんのことよしよししたかったブ~。わたしにも素直になってくれたらいいのにブ~」
サレン「共通のものを好きになると、もっと距離が縮まるんじゃない?」
ペコリーヌ「ぶひっ……♪」
コッコロ「ぺ、ペコリーヌさま? なぜそのようなキラキラしたお目々でわたくしのことを見るのでしょうか……?」
サレン「あたしでよければ、子供たちの面倒の見方、いつでも教えてあげるからね♪」
コッコロ「いえ、それは……。主さまといて既に学んだような気が……」
38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/12(水) 01:29:33.70 ID:xJmtanq/0
キャル「んぅ……すぅ……すぅ……」
コッコロ「……また二人きりでございますね、キャルさま」
コッコロ「目を覚ましたら、またわたくしに甘えてくださるでしょうか? 子猫のようにわたくしを求めてくださるでしょうか?」
キャル「すぅ……むにゃ……」
コッコロ「しかし、キャルさまはいまだ深い深い夢の中でございましょう。……であれば」
キャル「ん……」
コッコロ「今この瞬間だけ。この温もりをわたくしに独り占めさせてくださいまし。何もせずとも、ただこうしてお側に──」
キャル「……コッコロ」
コッコロ「ひぇっ……お、起こしてしまいましたか……?」
キャル「むにゃむにゃ……すぅ……すぅ……」
コッコロ「……」
コッコロ「ね、寝言でしょうか……? はぁ~……驚きました……」
コッコロ「少しくらいくっついてもかまいませんよね? キャルさまなら怒ったりなどしませんよね?」
コッコロ「……ふふっ♪ 温かいです♪」
コッコロ「んぅ……いけません……わたくしも……ねむ、く……」
コッコロ「……また二人きりでございますね、キャルさま」
コッコロ「目を覚ましたら、またわたくしに甘えてくださるでしょうか? 子猫のようにわたくしを求めてくださるでしょうか?」
キャル「すぅ……むにゃ……」
コッコロ「しかし、キャルさまはいまだ深い深い夢の中でございましょう。……であれば」
キャル「ん……」
コッコロ「今この瞬間だけ。この温もりをわたくしに独り占めさせてくださいまし。何もせずとも、ただこうしてお側に──」
キャル「……コッコロ」
コッコロ「ひぇっ……お、起こしてしまいましたか……?」
キャル「むにゃむにゃ……すぅ……すぅ……」
コッコロ「……」
コッコロ「ね、寝言でしょうか……? はぁ~……驚きました……」
コッコロ「少しくらいくっついてもかまいませんよね? キャルさまなら怒ったりなどしませんよね?」
コッコロ「……ふふっ♪ 温かいです♪」
コッコロ「んぅ……いけません……わたくしも……ねむ、く……」
39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/12(水) 01:31:19.61 ID:xJmtanq/0
コッコロ「すや……すや……」
コッコロ「んぁ……ふぁ~ふ……」
キャル「起きた? おはよ、コロ助。もう朝よ」
コッコロ「あさ……? あさ……朝……。ハッ……!」
キャル「あはは、寝ぼけてるの? まだかなり早い時間よ。それよりコロ助、そ~っと反対側を向いてみなさい?」
コッコロ「反対……おや?」
ペコリーヌ「くか~……くか~……」
キャル「まったく……わけ分かんないわよ。目が覚めたらあたしの寝室で寝てるし。寝てるあたしにはあんたがしがみついてるし。そのあんたにはペコリーヌがくっついてるし」
コッコロ「ふむ……? わたくしが眠ってしまった後に、ペコリーヌさまがわたくしたち二人をこのお部屋まで運んできたのでしょうか?」
キャル「それで自分もそこで寝てるっての? ペコリーヌらしいというかなんというか……」
ペコリーヌ「んふふ……おいひいれふ~……♪」
コッコロ「夢の中でも、幸せそうに何かを召し上がっているようですね♪」
ペコリーヌ「キャル丼……」
キャル「んなっ……!? ちょっ、ペコリーヌ!? 起きなさい! なんてもの食べてんのよ! ペコリーヌってば! 起きろーっ!」
コッコロ「んぁ……ふぁ~ふ……」
キャル「起きた? おはよ、コロ助。もう朝よ」
コッコロ「あさ……? あさ……朝……。ハッ……!」
キャル「あはは、寝ぼけてるの? まだかなり早い時間よ。それよりコロ助、そ~っと反対側を向いてみなさい?」
コッコロ「反対……おや?」
ペコリーヌ「くか~……くか~……」
キャル「まったく……わけ分かんないわよ。目が覚めたらあたしの寝室で寝てるし。寝てるあたしにはあんたがしがみついてるし。そのあんたにはペコリーヌがくっついてるし」
コッコロ「ふむ……? わたくしが眠ってしまった後に、ペコリーヌさまがわたくしたち二人をこのお部屋まで運んできたのでしょうか?」
キャル「それで自分もそこで寝てるっての? ペコリーヌらしいというかなんというか……」
ペコリーヌ「んふふ……おいひいれふ~……♪」
コッコロ「夢の中でも、幸せそうに何かを召し上がっているようですね♪」
ペコリーヌ「キャル丼……」
キャル「んなっ……!? ちょっ、ペコリーヌ!? 起きなさい! なんてもの食べてんのよ! ペコリーヌってば! 起きろーっ!」
40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/12(水) 01:32:44.31 ID:xJmtanq/0
コッコロ「おはようございます、ペコリーヌさま♪ お鼻が戻っているようでなによりです」
ペコリーヌ「おふぁよ~ございまふ……」
キャル「あのブタの鼻はどうなったのかしら? まさか食べちゃったんじゃないでしょうね?」
ペコリーヌ「ん~……どうでしょうか? 分かりません……」
コッコロ「さ、さすがにナマのまま食べることはないと思いたいですが……」
キャル「今更こいつにそんな常識的なこと求めても無駄よ。ふんっ、鼻は戻っても中身はブタのままみたいね!」
ペコリーヌ「にゃ~ん♪ ごめんなさいにゃ~♪」
キャル「……チッ」
コッコロ「あわわ……! け、ケンカはおやめください……!」
キャル「ふふっ」
ペコリーヌ「あははっ♪」
コッコロ「はて……?」
ペコリーヌ「なんでもありませんよ~♪ ねっ、キャルちゃん?」
キャル「そうね。……はぁ~あ、もう少しゆっくりしましょ。コッコロ、ちょっと抱き枕になりなさいよ」
コッコロ「え、え。ですがペコリーヌさまが見ていらっしゃいますし……」
キャル「たまにはいいの。あんたたちならね」
ペコリーヌ「わたしは反対側からコッコロちゃんをぎゅ~っ☆ てしちゃいますね! ぎゅ~っ☆」
コッコロ「……えへ♪」
ペコリーヌ「えへへ、コッコロちゃんごとキャルちゃんのこともぎゅ~っ♪」
キャル「ぐぇぇ……あんた力加減……」
コッコロ「キャルさま♪ ぎゅ~♪」
キャル「もうっ……! しょうがないやつらね! ぎゅ、ぎゅ~……!」
ペコリーヌ「おふぁよ~ございまふ……」
キャル「あのブタの鼻はどうなったのかしら? まさか食べちゃったんじゃないでしょうね?」
ペコリーヌ「ん~……どうでしょうか? 分かりません……」
コッコロ「さ、さすがにナマのまま食べることはないと思いたいですが……」
キャル「今更こいつにそんな常識的なこと求めても無駄よ。ふんっ、鼻は戻っても中身はブタのままみたいね!」
ペコリーヌ「にゃ~ん♪ ごめんなさいにゃ~♪」
キャル「……チッ」
コッコロ「あわわ……! け、ケンカはおやめください……!」
キャル「ふふっ」
ペコリーヌ「あははっ♪」
コッコロ「はて……?」
ペコリーヌ「なんでもありませんよ~♪ ねっ、キャルちゃん?」
キャル「そうね。……はぁ~あ、もう少しゆっくりしましょ。コッコロ、ちょっと抱き枕になりなさいよ」
コッコロ「え、え。ですがペコリーヌさまが見ていらっしゃいますし……」
キャル「たまにはいいの。あんたたちならね」
ペコリーヌ「わたしは反対側からコッコロちゃんをぎゅ~っ☆ てしちゃいますね! ぎゅ~っ☆」
コッコロ「……えへ♪」
ペコリーヌ「えへへ、コッコロちゃんごとキャルちゃんのこともぎゅ~っ♪」
キャル「ぐぇぇ……あんた力加減……」
コッコロ「キャルさま♪ ぎゅ~♪」
キャル「もうっ……! しょうがないやつらね! ぎゅ、ぎゅ~……!」
41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/12(水) 01:33:33.96 ID:xJmtanq/0
おしまい
引用元: コッコロ「動物化の罠、ですか……?」 キャル「にゃお~ん♪」
【プリコネR】ノゾミ「私が深夜に徘徊してる?」
2019-12-10
1: ◆3zicXuP.Gvsl 2019/01/10(木) 03:14:11.28 ID:uthRXowYO
注意事項
プリコネRのSS
騎士君そこそこの知能あります
名前はデフォルトネームの「ユウキ」です
地の文有り
プリコネRのSS
騎士君そこそこの知能あります
名前はデフォルトネームの「ユウキ」です
地の文有り
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2: ◆3zicXuP.Gvsl 2019/01/10(木) 03:22:22.34 ID:i6jZM0hR0
ユウキ「そういう噂が立ってるんだ」
お正月が過ぎてから間もないある日のお昼時
僕とノゾミはアルバイトのついでに一緒に昼食をとっていた
カルミナの新しいライブステージのお手伝いだが、そろそろ準備も佳境かというところで妙な噂を聞いたのだ
ノゾミ「それっていつくらいから?」
ユウキ「ほんの一週間前くらい前だね」
ノゾミ「んー……夜に出歩くことが無いってわけじゃないけど、深夜って時間でもないし」
ユウキ「そもそもここ一ヶ月、大晦日とお正月の時以外は新しいステージの為に基本的に僕と一緒にいたからね」
ノゾミ「そうだよね。証人もいるわけだし……」
深夜にまで一緒にいたわけではないが、日付が変わる前にはいったんお互いのギルドハウスへ戻るようにはしていた
それに深夜に、それも人がいるような場所でノゾミが練習などをするとも思えない
3: ◆3zicXuP.Gvsl 2019/01/10(木) 03:23:55.73 ID:i6jZM0hR0
ユウキ「そっくりさんか、同じ格好をしたファンかな?」
ノゾミ「それってファンっていうか、私を陥れようとしてるように思うんだけど」
ユウキ「確かに、ランドソル内では知らない人がいないくらいだし迷惑行為なのは違いない」
ノゾミ「キミは私のこと知らなかったけどねー」
ユウキ「あの頃は記憶も殆どなかったから……」
僕とノゾミの出会いは本当に偶然だった
ノゾミが追っかけのファンから逃げているところを少し助けただけだった
しかしノゾミが超有名なアイドルだったとは露知らず、逆にそれがノゾミの興味を引いたようだった
なお当時僕は記憶がまだ殆どなく、それどころか人としての常識が欠けている状態であった
だから、知らなかったのはある意味仕方がないと言える
ノゾミ「それってファンっていうか、私を陥れようとしてるように思うんだけど」
ユウキ「確かに、ランドソル内では知らない人がいないくらいだし迷惑行為なのは違いない」
ノゾミ「キミは私のこと知らなかったけどねー」
ユウキ「あの頃は記憶も殆どなかったから……」
僕とノゾミの出会いは本当に偶然だった
ノゾミが追っかけのファンから逃げているところを少し助けただけだった
しかしノゾミが超有名なアイドルだったとは露知らず、逆にそれがノゾミの興味を引いたようだった
なお当時僕は記憶がまだ殆どなく、それどころか人としての常識が欠けている状態であった
だから、知らなかったのはある意味仕方がないと言える
4: ◆3zicXuP.Gvsl 2019/01/10(木) 03:25:38.01 ID:i6jZM0hR0
ノゾミ「じょ、冗談だって!ごめんなさい、デリカシーなかったよね……」
ユウキ「あ、気にしないで!今ではすっかり僕も大ファンだから」
ノゾミ「ありがとう。そう言ってくれるととっても嬉しい」
何気なく言った言葉だったが、予想以上にノゾミが落ち込んでしまったのですぐにフォローを入れる
カルミナの、強いてはノゾミの大ファンであるし、そんな彼女が大切な友達であるのは間違いない
アイドル用の笑顔とは違う、普通の女の子としての笑顔もやはり眩しかった
ユウキ「あ、気にしないで!今ではすっかり僕も大ファンだから」
ノゾミ「ありがとう。そう言ってくれるととっても嬉しい」
何気なく言った言葉だったが、予想以上にノゾミが落ち込んでしまったのですぐにフォローを入れる
カルミナの、強いてはノゾミの大ファンであるし、そんな彼女が大切な友達であるのは間違いない
アイドル用の笑顔とは違う、普通の女の子としての笑顔もやはり眩しかった
5: ◆3zicXuP.Gvsl 2019/01/10(木) 03:27:17.54 ID:i6jZM0hR0
ユウキ「兎に角このままじゃ色々とマズいし、ライブ前になんとかしないといけないと思う」
ノゾミ「そうだね。キミには余計な仕事を増やしちゃうけどこの件も一緒に解決して貰ってもいいかな?」
ユウキ「勿論。放ってなんか置けない」
ノゾミ「ありがとう!」
再び太陽みたいな笑顔をくれた
今回の仕事はカルミナのステージが完了するまでの長期のお手伝いだ
予想外の一件とはいえ、乗り掛かった舟である
それに単純に困っている友達をそのままにしておくなんてことも、個人的な矜持で出来ない
ユウキ「それじゃ、まずはその偽物のノゾミの目撃情報とかを調べよう」
ノゾミ「よーし!こんなこと早く終わらせて、レッスンに戻らなくっちゃ!」
こうして僕とノゾミの不思議な体験が始まったのだった
ノゾミ「そうだね。キミには余計な仕事を増やしちゃうけどこの件も一緒に解決して貰ってもいいかな?」
ユウキ「勿論。放ってなんか置けない」
ノゾミ「ありがとう!」
再び太陽みたいな笑顔をくれた
今回の仕事はカルミナのステージが完了するまでの長期のお手伝いだ
予想外の一件とはいえ、乗り掛かった舟である
それに単純に困っている友達をそのままにしておくなんてことも、個人的な矜持で出来ない
ユウキ「それじゃ、まずはその偽物のノゾミの目撃情報とかを調べよう」
ノゾミ「よーし!こんなこと早く終わらせて、レッスンに戻らなくっちゃ!」
こうして僕とノゾミの不思議な体験が始まったのだった
6: ◆3zicXuP.Gvsl 2019/01/10(木) 03:28:29.59 ID:i6jZM0hR0
~情報収集後~
ノゾミ「大体情報は揃ったね」
ユウキ「うん、整理してみよう」
沈むのがすっかり早くなった夕方
僕とノゾミはカルミナのギルドハウスで再び話し合っていた
分厚いコートやサングラス、ウィッグを外しながらノゾミが話し出す
ノゾミはそのままの格好で街中を歩くとまともに聞き込みなどできないので変装をしていた
見た目だけでいえば別の意味で目立っていたが
ノゾミ「大体情報は揃ったね」
ユウキ「うん、整理してみよう」
沈むのがすっかり早くなった夕方
僕とノゾミはカルミナのギルドハウスで再び話し合っていた
分厚いコートやサングラス、ウィッグを外しながらノゾミが話し出す
ノゾミはそのままの格好で街中を歩くとまともに聞き込みなどできないので変装をしていた
見た目だけでいえば別の意味で目立っていたが
7: ◆3zicXuP.Gvsl 2019/01/10(木) 03:30:06.00 ID:i6jZM0hR0
ノゾミ「えーっと、まず目撃の時間帯は深夜の2時くらいが多いわ」
ユウキ「場所もランドソルの中央広場の噴水前以外殆ど無いみたいだ」
ノゾミ「こう考えるとかなり目立つ状態ね……」
ユウキ「これ以上放っておくと絶対悪目立ちしかねない」
ノゾミ「でも、どこから来てどこに去っていくかっていうのは全然情報が無かったね」
ユウキ「それが逆にまだ噂程度で済んでるって考えると皮肉だけど」
主に見かけたという場所や時間はすぐに分かった
おまけにほぼ全てが同じ情報であったため、特定も容易だった
しかし、不可解なことに気が付いたら居なくなっていたなどと言っていたのが気になる
こうなるとそもそも人間であるか怪しい線も出てくる
丁度友人に幽霊や吸血鬼がいるため尚更だ
ユウキ「場所もランドソルの中央広場の噴水前以外殆ど無いみたいだ」
ノゾミ「こう考えるとかなり目立つ状態ね……」
ユウキ「これ以上放っておくと絶対悪目立ちしかねない」
ノゾミ「でも、どこから来てどこに去っていくかっていうのは全然情報が無かったね」
ユウキ「それが逆にまだ噂程度で済んでるって考えると皮肉だけど」
主に見かけたという場所や時間はすぐに分かった
おまけにほぼ全てが同じ情報であったため、特定も容易だった
しかし、不可解なことに気が付いたら居なくなっていたなどと言っていたのが気になる
こうなるとそもそも人間であるか怪しい線も出てくる
丁度友人に幽霊や吸血鬼がいるため尚更だ
8: ◆3zicXuP.Gvsl 2019/01/10(木) 03:31:09.57 ID:i6jZM0hR0
ノゾミ「後は危険性についてだけど……これに関しては今のところ無害」
ユウキ「暴れたりとか、ノゾミのことを辱めるっていう意図もなさそう」
ノゾミ「そう思うとますます謎が深まるわね……」
ユウキ「本当にただのコスプレしたファンだったりして」
ノゾミ「それはそれで止めさせなきゃいけないけど」
行き過ぎたファンは他人を省みないことはたまにあるとノゾミは言う
嬉しい反面、皆仲良く出来るようにしたいというジレンマも少なからず感じているという
トップアイドルの一角が言うと重みが違った
ユウキ「暴れたりとか、ノゾミのことを辱めるっていう意図もなさそう」
ノゾミ「そう思うとますます謎が深まるわね……」
ユウキ「本当にただのコスプレしたファンだったりして」
ノゾミ「それはそれで止めさせなきゃいけないけど」
行き過ぎたファンは他人を省みないことはたまにあるとノゾミは言う
嬉しい反面、皆仲良く出来るようにしたいというジレンマも少なからず感じているという
トップアイドルの一角が言うと重みが違った
9: ◆3zicXuP.Gvsl 2019/01/10(木) 03:32:53.03 ID:i6jZM0hR0
ユウキ「まぁでもこれで次やることは決まったね」
ノゾミ「中央広場に夜張り込むわけね」
ユウキ「早速今日やろうと思うけど、レッスンとかの都合は大丈夫?」
ノゾミ「チカやツムギには事情を話してあるし、寧ろ二人から一緒にいなくてもいいかって心配されちゃった」
今日一日、ノゾミが殆どレッスンやステージの準備をしていないため、さすがに不安になった
しかし、彼女の頼れる仲間はこちらの心配までしてくれていたようだ
僕自身二人にはよくお世話になってるし、改めて今度御礼をしなければと思う
ノゾミ「中央広場に夜張り込むわけね」
ユウキ「早速今日やろうと思うけど、レッスンとかの都合は大丈夫?」
ノゾミ「チカやツムギには事情を話してあるし、寧ろ二人から一緒にいなくてもいいかって心配されちゃった」
今日一日、ノゾミが殆どレッスンやステージの準備をしていないため、さすがに不安になった
しかし、彼女の頼れる仲間はこちらの心配までしてくれていたようだ
僕自身二人にはよくお世話になってるし、改めて今度御礼をしなければと思う
10: ◆3zicXuP.Gvsl 2019/01/10(木) 03:33:45.73 ID:i6jZM0hR0
ユウキ「あはは……本当にいい仲間だね」
ノゾミ「半ば無理矢理カルミナを結成したけど、皆受け入れてくれて本当に感謝してるの」
ユウキ「じゃあ二人の期待に応えなきゃいけないな」
ノゾミ「キミが居れば100人力だよ!」
ユウキ「そうかなぁ……ぼく個人じゃあまり戦力になれないから強化しか出来ないけれど」
ノゾミ「そういう意味だけじゃないの」
ユウキ「どういうこと?」
ノゾミ「もー鈍いんだから……」
ユウキ「??????」
呆れたような、それでもちょっと嬉しそうな顔をされた
ノゾミの意図が良く分からなかったが、深夜の作戦に向けて準備を始めていくのだった
ノゾミ「半ば無理矢理カルミナを結成したけど、皆受け入れてくれて本当に感謝してるの」
ユウキ「じゃあ二人の期待に応えなきゃいけないな」
ノゾミ「キミが居れば100人力だよ!」
ユウキ「そうかなぁ……ぼく個人じゃあまり戦力になれないから強化しか出来ないけれど」
ノゾミ「そういう意味だけじゃないの」
ユウキ「どういうこと?」
ノゾミ「もー鈍いんだから……」
ユウキ「??????」
呆れたような、それでもちょっと嬉しそうな顔をされた
ノゾミの意図が良く分からなかったが、深夜の作戦に向けて準備を始めていくのだった
11: ◆3zicXuP.Gvsl 2019/01/10(木) 03:35:13.43 ID:i6jZM0hR0
ノゾミ「うぅ……冷えるわ……」
ユウキ「急な計画だったから準備が甘過ぎたかな……」
深夜1時少し前
中央広場の噴水前の樹と茂みの陰に僕らは隠れていた
犯人が現れたら様子がうかがえるように、かつ飛び出せるような位置だ
相手が神出鬼没であるため少し不安だが、視認さえ出来れば先制できるはずだ
だがポジション以外に問題が発生するのは考えていなかった
滅茶苦茶寒いのだ
動き易いようにとあまりこんもりとした防寒具は身に着けないようにしていたのが災いだった
ユウキ「急な計画だったから準備が甘過ぎたかな……」
深夜1時少し前
中央広場の噴水前の樹と茂みの陰に僕らは隠れていた
犯人が現れたら様子がうかがえるように、かつ飛び出せるような位置だ
相手が神出鬼没であるため少し不安だが、視認さえ出来れば先制できるはずだ
だがポジション以外に問題が発生するのは考えていなかった
滅茶苦茶寒いのだ
動き易いようにとあまりこんもりとした防寒具は身に着けないようにしていたのが災いだった
12: ◆3zicXuP.Gvsl 2019/01/10(木) 03:38:17.63 ID:i6jZM0hR0
ノゾミ「よく考えなくても今1月なんだからもっと防寒対策をしとくんだった……!」
ユウキ「犯人を見つけてもこのまま寒さで動きにくかったり……ましてや風邪なんて引いたら本末転倒じゃあ……」
軽装というほどではないが、真冬の夜を過ごすにはちょっとしたコート一枚では流石に足りない
使い捨てでもいいから毛布か何かでも持ってくるべきだったかもしれない
ノゾミ「あーもう……!早く現れなさいよ……!」
ユウキ「うーん……あ、そうだ」
ノゾミ「どうしたの?」
ユウキ「こういう時にコッコロちゃんといつもしてることがあるからそれをしよう」
身を縮めてガタガタ震えるノゾミの横で、ある妙案を思い出す
自分の従者を名乗る少女と暖を取るときには決まってやっていたことがあった
美食殿の仲間たちと以外はこういうことはしたことが無かったので、パッと思いつかなかった
ユウキ「犯人を見つけてもこのまま寒さで動きにくかったり……ましてや風邪なんて引いたら本末転倒じゃあ……」
軽装というほどではないが、真冬の夜を過ごすにはちょっとしたコート一枚では流石に足りない
使い捨てでもいいから毛布か何かでも持ってくるべきだったかもしれない
ノゾミ「あーもう……!早く現れなさいよ……!」
ユウキ「うーん……あ、そうだ」
ノゾミ「どうしたの?」
ユウキ「こういう時にコッコロちゃんといつもしてることがあるからそれをしよう」
身を縮めてガタガタ震えるノゾミの横で、ある妙案を思い出す
自分の従者を名乗る少女と暖を取るときには決まってやっていたことがあった
美食殿の仲間たちと以外はこういうことはしたことが無かったので、パッと思いつかなかった
13: ◆3zicXuP.Gvsl 2019/01/10(木) 03:39:14.12 ID:i6jZM0hR0
ノゾミ「いつもしてること……?それって?」
ユウキ「こういうことだね」
ノゾミ「えっ、わっ、ええええええ!??????」
ユウキ「え、どうしたの?そんなに大声上げたらダメだって」
ノゾミ「だって……!どうしていきなり抱き着いてくるのよ……!」
ユウキ「??2人でいるときはこうするとお互いに暖かいから」
おもむろにノゾミの背後から覆いかぶさるように抱き着く
いい匂いと生暖かいノゾミの体温を感じる……余裕もなくノゾミは物凄い叫んだ
それはもう流石アイドルの肺活量と感嘆するくらいだった
だが大声を出すと犯人に気づかれかねないし、そもそも深夜なので近所迷惑だからすぐに窘める
すぐにノゾミは声は押さえてくれたがジタバタとしていた
ユウキ「こういうことだね」
ノゾミ「えっ、わっ、ええええええ!??????」
ユウキ「え、どうしたの?そんなに大声上げたらダメだって」
ノゾミ「だって……!どうしていきなり抱き着いてくるのよ……!」
ユウキ「??2人でいるときはこうするとお互いに暖かいから」
おもむろにノゾミの背後から覆いかぶさるように抱き着く
いい匂いと生暖かいノゾミの体温を感じる……余裕もなくノゾミは物凄い叫んだ
それはもう流石アイドルの肺活量と感嘆するくらいだった
だが大声を出すと犯人に気づかれかねないし、そもそも深夜なので近所迷惑だからすぐに窘める
すぐにノゾミは声は押さえてくれたがジタバタとしていた
14: ◆3zicXuP.Gvsl 2019/01/10(木) 03:41:12.65 ID:i6jZM0hR0
ノゾミ「だからってもう少しやり方ってあるじゃない……!手をつなぐとかぁ……!」
ユウキ「でもコッコロちゃんの時は背中じゃなくて正面から暖め合うけど」
ノゾミ「正面!?そんなことされたら私の身が持たないって……!」
一旦ノゾミから離れ、今度は正面から手を広げて迎え入れる体制を作る
コッコロちゃんは最初は僕から彼女の手の中に誘い込まれるように抱き着いていたが、最近は僕の方から彼女を受け入れる形になっていた
右も左もわからず完全に色々と管理されていたが、近ごろは僕がコッコロちゃんの面倒を見ている気がする
それはそれとして、ノゾミに同じポーズを取って待機していたが、ちらちらと様子を伺うだけでこっちに来る気配はなかった
少しショックだ
ユウキ「あー……嫌ならやっぱりやめるけど」
ノゾミ「別に嫌じゃなくて、寧ろ嬉しいというか、本当は私も正面からがいい……じゃなくて!」
ユウキ「結局どうするのがご所望?」
ノゾミ「う、腕と体半分だけくっつこう?そうすれば多分大丈夫だから……」
ユウキ「分かった」
ユウキ「でもコッコロちゃんの時は背中じゃなくて正面から暖め合うけど」
ノゾミ「正面!?そんなことされたら私の身が持たないって……!」
一旦ノゾミから離れ、今度は正面から手を広げて迎え入れる体制を作る
コッコロちゃんは最初は僕から彼女の手の中に誘い込まれるように抱き着いていたが、最近は僕の方から彼女を受け入れる形になっていた
右も左もわからず完全に色々と管理されていたが、近ごろは僕がコッコロちゃんの面倒を見ている気がする
それはそれとして、ノゾミに同じポーズを取って待機していたが、ちらちらと様子を伺うだけでこっちに来る気配はなかった
少しショックだ
ユウキ「あー……嫌ならやっぱりやめるけど」
ノゾミ「別に嫌じゃなくて、寧ろ嬉しいというか、本当は私も正面からがいい……じゃなくて!」
ユウキ「結局どうするのがご所望?」
ノゾミ「う、腕と体半分だけくっつこう?そうすれば多分大丈夫だから……」
ユウキ「分かった」
15: ◆3zicXuP.Gvsl 2019/01/10(木) 03:42:36.34 ID:i6jZM0hR0
ノゾミ「はぁ~……ビックリしたぁ……」
ユウキ「なんかごめんね、無駄に疲れさせちゃったみたいで」
顔を真っ赤にしながら何故か息切れをしているので少し心配になる
自分のせいでそうなったのだから、当然謝罪を入れた
ノゾミ「……いいの、気にしないで。それよりほら、こっち来て?」
ユウキ「はい」
ノゾミ「ふぅ……もう既に別の意味で暑いくらいだけど、こういうの、いいね」
ユウキ「気に入ってくれて良かった。こうしていると暖かいだけじゃなくて、どこか安心するんだ」
今度はゆっくりと身を寄せ合う
体が触れた瞬間ノゾミはピクっ震えたが、するすると腕を掴み、体を半分預けてきた
素肌の手と手、指と指が触れ合い、お互い示唆したわけでもないのに指を絡めた
さっきの件で興奮したせいか、ノゾミの体は暖かいどころか熱いくらいだった
ユウキ「なんかごめんね、無駄に疲れさせちゃったみたいで」
顔を真っ赤にしながら何故か息切れをしているので少し心配になる
自分のせいでそうなったのだから、当然謝罪を入れた
ノゾミ「……いいの、気にしないで。それよりほら、こっち来て?」
ユウキ「はい」
ノゾミ「ふぅ……もう既に別の意味で暑いくらいだけど、こういうの、いいね」
ユウキ「気に入ってくれて良かった。こうしていると暖かいだけじゃなくて、どこか安心するんだ」
今度はゆっくりと身を寄せ合う
体が触れた瞬間ノゾミはピクっ震えたが、するすると腕を掴み、体を半分預けてきた
素肌の手と手、指と指が触れ合い、お互い示唆したわけでもないのに指を絡めた
さっきの件で興奮したせいか、ノゾミの体は暖かいどころか熱いくらいだった
16: ◆3zicXuP.Gvsl 2019/01/10(木) 03:45:29.68 ID:i6jZM0hR0
ノゾミ「本当ね。キミの鼓動まで感じられるもん」
ユウキ「僕もノゾミの鼓動をよく感じる。ちょっと早いくらいだけど」
ノゾミ「キミと一緒にいられるからだよ」
ユウキ「……そっか」
なぜだか僕自身も体が熱くなってきていた
コッコロちゃんと触れ合う時とは全く別の熱だ
ノゾミの体温、匂い、柔らかさ、吐息、鼓動
それらを感じるたびに熱が増えていくようだった
安心感だけでなく、なんと言えばいいのか
わからない
だが少なくとも、僕の全てを賭けてでもこれを守らなければならないという決意だけは胸に残った
ユウキ「僕もノゾミの鼓動をよく感じる。ちょっと早いくらいだけど」
ノゾミ「キミと一緒にいられるからだよ」
ユウキ「……そっか」
なぜだか僕自身も体が熱くなってきていた
コッコロちゃんと触れ合う時とは全く別の熱だ
ノゾミの体温、匂い、柔らかさ、吐息、鼓動
それらを感じるたびに熱が増えていくようだった
安心感だけでなく、なんと言えばいいのか
わからない
だが少なくとも、僕の全てを賭けてでもこれを守らなければならないという決意だけは胸に残った
17: ◆3zicXuP.Gvsl 2019/01/10(木) 03:46:55.73 ID:i6jZM0hR0
ノゾミ「2時を過ぎたけど何も起きないわね……」
現在時刻は深夜2時15分
噂の時間が来ているが、広場には何の変化も現れない
ユウキ「毎日来るわけじゃないのかな」
ノゾミ「今日空振りだったらまた待ち伏せしなくちゃならなくなるし、困ったわ……」
ノゾミがうな垂れる
しかしその直後、広場に異変が起きたのを見逃さなかった
ユウキ「……その心配はなさそうだ」
ノゾミ「……!みたいね」
現在時刻は深夜2時15分
噂の時間が来ているが、広場には何の変化も現れない
ユウキ「毎日来るわけじゃないのかな」
ノゾミ「今日空振りだったらまた待ち伏せしなくちゃならなくなるし、困ったわ……」
ノゾミがうな垂れる
しかしその直後、広場に異変が起きたのを見逃さなかった
ユウキ「……その心配はなさそうだ」
ノゾミ「……!みたいね」
18: ◆3zicXuP.Gvsl 2019/01/10(木) 03:48:12.57 ID:i6jZM0hR0
ノゾミも気が付いたようだ
広場に人影は無いが、噴水近くに黒い靄みたいなものが渦巻いていた
それは徐々集まり、人の形を形成していった
1分程観察した頃には、黒い靄はとある人物の姿へと変わっていた
ノゾミ?「………………」
ユウキ「……本当にノゾミだ……」
ノゾミ「私に似てる……というか瓜二つ」
姿形は完全にノゾミだった
それどころか着ている衣装も、彼女の愛用している赤を基調とした服だった
なにもかも同じ
このような存在には覚えがあった
広場に人影は無いが、噴水近くに黒い靄みたいなものが渦巻いていた
それは徐々集まり、人の形を形成していった
1分程観察した頃には、黒い靄はとある人物の姿へと変わっていた
ノゾミ?「………………」
ユウキ「……本当にノゾミだ……」
ノゾミ「私に似てる……というか瓜二つ」
姿形は完全にノゾミだった
それどころか着ている衣装も、彼女の愛用している赤を基調とした服だった
なにもかも同じ
このような存在には覚えがあった
19: ◆3zicXuP.Gvsl 2019/01/10(木) 03:49:45.79 ID:i6jZM0hR0
ユウキ「……アレ、多分シャドウだ」
ノゾミ「シャドウ?」
ユウキ「最近アストルムで発生してる、誰かに瓜二つな存在だよ」
ノゾミ「そんなものがいるのね……でもどうして私のシャドウが……?」
ユウキ「シャドウはバグみたいなものだって夢の中で教えてもらった」
ノゾミ「バグ?それに夢って……」
ユウキ「なんでも、コピー元の存在の一部分だけを切り取った、ただの人形みたいなものだって」
ノゾミ「じゃあアレも私の何かの具現化なの?」
ユウキ「どうかな、前に救護院に現れたのはほんの一部の意思だけを切り取ったただの魔物だったし……」
ノゾミ「……なにんせよ、まともな存在じゃないみたいね」
ノゾミ「シャドウ?」
ユウキ「最近アストルムで発生してる、誰かに瓜二つな存在だよ」
ノゾミ「そんなものがいるのね……でもどうして私のシャドウが……?」
ユウキ「シャドウはバグみたいなものだって夢の中で教えてもらった」
ノゾミ「バグ?それに夢って……」
ユウキ「なんでも、コピー元の存在の一部分だけを切り取った、ただの人形みたいなものだって」
ノゾミ「じゃあアレも私の何かの具現化なの?」
ユウキ「どうかな、前に救護院に現れたのはほんの一部の意思だけを切り取ったただの魔物だったし……」
ノゾミ「……なにんせよ、まともな存在じゃないみたいね」
20: ◆3zicXuP.Gvsl 2019/01/10(木) 03:50:36.74 ID:i6jZM0hR0
そう話している最中にもノゾミのシャドウは別の行動を取り始めていた
身振り手振りをしながら口を動かしているのだ
ノゾミ?「…………~~♪」
ユウキ「……歌を歌おうとしてる?」
ノゾミ「……確かに口が動いてるね。声は殆ど出てないけれど」
ユウキ「ノゾミのシャドウらしいといえばらしい行動だ」
ノゾミ「やっぱり私はどうあってもアイドルってことなのかな」
シャドウの立ち振る舞いはとても美しかった
しかし、肝心の声が出ていないためやはり物足りない
身振り手振りをしながら口を動かしているのだ
ノゾミ?「…………~~♪」
ユウキ「……歌を歌おうとしてる?」
ノゾミ「……確かに口が動いてるね。声は殆ど出てないけれど」
ユウキ「ノゾミのシャドウらしいといえばらしい行動だ」
ノゾミ「やっぱり私はどうあってもアイドルってことなのかな」
シャドウの立ち振る舞いはとても美しかった
しかし、肝心の声が出ていないためやはり物足りない
21: ◆3zicXuP.Gvsl 2019/01/10(木) 03:52:07.69 ID:i6jZM0hR0
ノゾミ「あの口の動き、もしかしてあの曲……?……っと、見とれてる場合じゃなかった」
ユウキ「……そうだね、シャドウは基本的に人を襲うから、やっぱりここで倒しておこう」
ノゾミ「自分と同じ姿のものを倒すのは気分が乗らないけど……そんなこと言ってる場合じゃないか」、
ノゾミは複雑そうだったが、腹は決まったようだ
各々の武器を確認しながら、飛び出すタイミングを計る
ユウキ「よし、行こう……!」
ノゾミ「了解……!」
目で合図をし、同時に飛び出す
飛び出す直前まで僕たちは手をつないでいたが、ついに離す
ノゾミの体温が失われるのをとても残念に思った
ユウキ「……そうだね、シャドウは基本的に人を襲うから、やっぱりここで倒しておこう」
ノゾミ「自分と同じ姿のものを倒すのは気分が乗らないけど……そんなこと言ってる場合じゃないか」、
ノゾミは複雑そうだったが、腹は決まったようだ
各々の武器を確認しながら、飛び出すタイミングを計る
ユウキ「よし、行こう……!」
ノゾミ「了解……!」
目で合図をし、同時に飛び出す
飛び出す直前まで僕たちは手をつないでいたが、ついに離す
ノゾミの体温が失われるのをとても残念に思った
22: ◆3zicXuP.Gvsl 2019/01/10(木) 03:53:05.18 ID:i6jZM0hR0
ノゾミ?「~~♪………??」
ユウキ「心苦しいけど、ここで倒れてくれ……!」
ノゾミ「大人しくしててね」
歌っているノゾミのシャドウの前に飛び込むと、紅く怪しく光る眼で不思議そうに僕を見てきた
ノゾミも油断なく剣を構えているが、なぜかそちらには見向きもしない
ノゾミ?「……………」
ユウキ「…………」
ノゾミ「…………」
硬直状態が続く
しかしおかしい
シャドウはこちらを眺めるだけでまったく臨戦態勢を取らない
それどころか、敵意のようなものも感じないため、いまいち僕らもどう動けばいいのかがわからない
ユウキ「心苦しいけど、ここで倒れてくれ……!」
ノゾミ「大人しくしててね」
歌っているノゾミのシャドウの前に飛び込むと、紅く怪しく光る眼で不思議そうに僕を見てきた
ノゾミも油断なく剣を構えているが、なぜかそちらには見向きもしない
ノゾミ?「……………」
ユウキ「…………」
ノゾミ「…………」
硬直状態が続く
しかしおかしい
シャドウはこちらを眺めるだけでまったく臨戦態勢を取らない
それどころか、敵意のようなものも感じないため、いまいち僕らもどう動けばいいのかがわからない
23: ◆3zicXuP.Gvsl 2019/01/10(木) 03:54:17.15 ID:i6jZM0hR0
ノゾミ?「………♪」
ユウキ「……?」
ノゾミ「……なに?」
突然シャドウが笑った
だがいやらしい笑いなどではない
見た目相応の少女の嬉しそうな、大変幸せそうな笑みだ
ノゾミ?「♪♪」
直後、こちらに駆け寄ってきた
シャドウの奇妙な行動に思考を巡らせていた僕らは反応が遅れてしまった
ユウキ「……?」
ノゾミ「……なに?」
突然シャドウが笑った
だがいやらしい笑いなどではない
見た目相応の少女の嬉しそうな、大変幸せそうな笑みだ
ノゾミ?「♪♪」
直後、こちらに駆け寄ってきた
シャドウの奇妙な行動に思考を巡らせていた僕らは反応が遅れてしまった
24: ◆3zicXuP.Gvsl 2019/01/10(木) 03:55:32.42 ID:i6jZM0hR0
完全に一瞬の虚を突かれ、マズいと思った時には目の前にシャドウが居た
シャドウは僕の背中に素早く手を回す
ノゾミ「っ!?ユウキ君!」
ユウキ「っあ」
ノゾミ「♪♪♪」
ノゾミ「って、うええ!?」
そのまま吹き飛ばされたり締め付けられるのかと思ったが全く違った
普通に抱き着かれた
本物のノゾミは素っ頓狂な声を上げている
無理もない、僕も今の状況が意味不明なのだ
ノゾミのシャドウはそれはもう愛おしそうに抱き着いてきており、僕の胸板に顔を埋めて頬擦りまでしている
シャドウは僕の背中に素早く手を回す
ノゾミ「っ!?ユウキ君!」
ユウキ「っあ」
ノゾミ「♪♪♪」
ノゾミ「って、うええ!?」
そのまま吹き飛ばされたり締め付けられるのかと思ったが全く違った
普通に抱き着かれた
本物のノゾミは素っ頓狂な声を上げている
無理もない、僕も今の状況が意味不明なのだ
ノゾミのシャドウはそれはもう愛おしそうに抱き着いてきており、僕の胸板に顔を埋めて頬擦りまでしている
25: ◆3zicXuP.Gvsl 2019/01/10(木) 03:58:02.51 ID:i6jZM0hR0
ノゾミ「あっ……えっ……?」
ユウキ「━━━━━━んぅ?」
ノゾミ?「♪♪♪💛💛💛」
シャドウ以外驚きで一切動くことが出来ていない状況で、さらに状況は悪化?した
シャドウは埋めていた顔を離したと思ったら、僕の顔に手を添えてきた
ひんやりとした手の温度と、それでも人を感じさせる柔らかさを頬に感じながら
唇に新しい柔らかさが追加された
ノゾミ「━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━」
ユウキ「━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━」
ノゾミ?「……💛💛」
ユウキ「━━━━━━んぅ?」
ノゾミ?「♪♪♪💛💛💛」
シャドウ以外驚きで一切動くことが出来ていない状況で、さらに状況は悪化?した
シャドウは埋めていた顔を離したと思ったら、僕の顔に手を添えてきた
ひんやりとした手の温度と、それでも人を感じさせる柔らかさを頬に感じながら
唇に新しい柔らかさが追加された
ノゾミ「━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━」
ユウキ「━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━」
ノゾミ?「……💛💛」
26: ◆3zicXuP.Gvsl 2019/01/10(木) 03:59:07.03 ID:i6jZM0hR0
唇の柔らかいものは、恐らくは10秒も当たってはいなかっただろう
しかし、僕にはとてつもなく長い時間に感じた
誰も言葉を発せなかった
本物のノゾミは絶句しながらなんとか口を動かしているが、何も音が出ていない
シャドウは熱っぽい目でこちらを見上げてる
見た目だけはほぼ完全にノゾミ本人なのだ
僕は突き動かされるようにシャドウを自分から抱きしめようとして
ノゾミ「……ぁ……だ、駄目ー!!!!」
本物のノゾミに突き飛ばされた
準備無しの予想外の一撃に、僕は地面へとダイブした
シャドウはちゃっかり回避しており、これまたきょとんと僕を見つめている
しかし、僕にはとてつもなく長い時間に感じた
誰も言葉を発せなかった
本物のノゾミは絶句しながらなんとか口を動かしているが、何も音が出ていない
シャドウは熱っぽい目でこちらを見上げてる
見た目だけはほぼ完全にノゾミ本人なのだ
僕は突き動かされるようにシャドウを自分から抱きしめようとして
ノゾミ「……ぁ……だ、駄目ー!!!!」
本物のノゾミに突き飛ばされた
準備無しの予想外の一撃に、僕は地面へとダイブした
シャドウはちゃっかり回避しており、これまたきょとんと僕を見つめている
27: ◆3zicXuP.Gvsl 2019/01/10(木) 04:00:04.70 ID:i6jZM0hR0
ユウキ「あいたた……」
ノゾミ「あ、ご、ごめんなさい!つい勢いで……」
ユウキ「だ、大丈夫……今ので僕も目が覚めたから……」
ノゾミ?「??」
痛みでぼーっとしていた頭がハッキリしてきた
さっき僕は何をしていた?
そうだ、あのシャドウと━━━━━━
シャドウ?
ノゾミ「あ、ご、ごめんなさい!つい勢いで……」
ユウキ「だ、大丈夫……今ので僕も目が覚めたから……」
ノゾミ?「??」
痛みでぼーっとしていた頭がハッキリしてきた
さっき僕は何をしていた?
そうだ、あのシャドウと━━━━━━
シャドウ?
28: ◆3zicXuP.Gvsl 2019/01/10(木) 04:01:33.83 ID:i6jZM0hR0
黒い靄
この季節
そして最近あったとある出来事
ああそうか
そういうことか
この季節
そして最近あったとある出来事
ああそうか
そういうことか
29: ◆3zicXuP.Gvsl 2019/01/10(木) 04:02:05.55 ID:i6jZM0hR0
ノゾミ?「……♪♪♪」
シャドウが今度は自分から手を広げて僕を迎え入れるような態勢を作っている
ノゾミ「あっ、また……!」
ユウキ「大丈夫、僕に任せて」
ノゾミ「ユウキ君……?」
僕はシャドウが望むままに彼女の腕の中にゆっくりと飛び込む
そしてお互いに背中に手を回し、ゆっくりと抱きしめ合った
シャドウは特に動かず、静かにお互いの存在を感じあうような姿勢だった
どれくらいそうしていたか
シャドウがゆっくりと自分から体を僕から離した
シャドウが今度は自分から手を広げて僕を迎え入れるような態勢を作っている
ノゾミ「あっ、また……!」
ユウキ「大丈夫、僕に任せて」
ノゾミ「ユウキ君……?」
僕はシャドウが望むままに彼女の腕の中にゆっくりと飛び込む
そしてお互いに背中に手を回し、ゆっくりと抱きしめ合った
シャドウは特に動かず、静かにお互いの存在を感じあうような姿勢だった
どれくらいそうしていたか
シャドウがゆっくりと自分から体を僕から離した
30: ◆3zicXuP.Gvsl 2019/01/10(木) 04:02:44.26 ID:i6jZM0hR0
ユウキ「満足したかい?」
ノゾミ?「……」
尋ねると、ゆっくりと頷いた
次の瞬間、シャドウの体が光に包まれた
ゆっくりと薄く消えていく
消える直前、名残惜しくシャドウの頬に手を当てる
シャドウは、本物にも負けない素晴らしい笑顔を見せてくれた
その笑顔の意味を、僕は理解した
そして、光が完全に霧散した
ノゾミ?「……」
尋ねると、ゆっくりと頷いた
次の瞬間、シャドウの体が光に包まれた
ゆっくりと薄く消えていく
消える直前、名残惜しくシャドウの頬に手を当てる
シャドウは、本物にも負けない素晴らしい笑顔を見せてくれた
その笑顔の意味を、僕は理解した
そして、光が完全に霧散した
31: ◆3zicXuP.Gvsl 2019/01/10(木) 04:03:21.05 ID:i6jZM0hR0
ユウキ「……」
ノゾミ「……ねぇ、ユウキ君」
ユウキ「……あ、ごめんねノゾミ。放っておいちゃって」
ノゾミ「ううん、いい……わけではないけれど、それよりも、さっきのは結局何だったの?」
ユウキ「多分シャドウ……なんだけど、残留した思念を伴った似て非なるもの……かな」
ノゾミ「……全然わからないんだけど」
ユウキ「ところでノゾミは年末に神社とかお寺に行って願いを燃やしたりした?」
ノゾミ「えっ、うん。確かにやったけれど……」
ユウキ「やっぱり。実はね━━━━」
ノゾミ「……ねぇ、ユウキ君」
ユウキ「……あ、ごめんねノゾミ。放っておいちゃって」
ノゾミ「ううん、いい……わけではないけれど、それよりも、さっきのは結局何だったの?」
ユウキ「多分シャドウ……なんだけど、残留した思念を伴った似て非なるもの……かな」
ノゾミ「……全然わからないんだけど」
ユウキ「ところでノゾミは年末に神社とかお寺に行って願いを燃やしたりした?」
ノゾミ「えっ、うん。確かにやったけれど……」
ユウキ「やっぱり。実はね━━━━」
32: ◆3zicXuP.Gvsl 2019/01/10(木) 04:04:40.29 ID:i6jZM0hR0
大晦日からお正月にかけて体験したある出来事を説明する
年末にかけて集約する人々の叶わなかった願いが、妙な形で現れるというものだ
あの時の残留思念が現れるときの黒い靄は、今回の件ととても似ていた
最終的に巨大になった靄はトゥインクルウィッシュの皆と退治したが、あれだけの規模だ、どこかに見逃しがあったかもしれない
それに、人の願いなんて無限大だ
そこにシャドウが絡めばもう何が起きるかはわからない
年末にかけて集約する人々の叶わなかった願いが、妙な形で現れるというものだ
あの時の残留思念が現れるときの黒い靄は、今回の件ととても似ていた
最終的に巨大になった靄はトゥインクルウィッシュの皆と退治したが、あれだけの規模だ、どこかに見逃しがあったかもしれない
それに、人の願いなんて無限大だ
そこにシャドウが絡めばもう何が起きるかはわからない
33: ◆3zicXuP.Gvsl 2019/01/10(木) 04:05:09.64 ID:i6jZM0hR0
ノゾミ「つまり、あのシャドウは私の願いの具現化だったってこと?」
ユウキ「そうなると思う」
ノゾミ「えっ、ていうことはつまり……」
ユウキ「…………うん」
見る見るうちに顔を真っ赤にしていくノゾミ
彼女が次にとる行動は手に取るようにわかる
先制するように僕の手で彼女の口を押さえておいたのだった
ユウキ「そうなると思う」
ノゾミ「えっ、ていうことはつまり……」
ユウキ「…………うん」
見る見るうちに顔を真っ赤にしていくノゾミ
彼女が次にとる行動は手に取るようにわかる
先制するように僕の手で彼女の口を押さえておいたのだった
34: ◆3zicXuP.Gvsl 2019/01/10(木) 04:05:51.18 ID:i6jZM0hR0
ユウキ「…………」
ノゾミ「…………」
カルミナのギルドハウスに戻ってきた
気まずい
それもそうだ
あのシャドウが取った行動は、ノゾミがやりたかったことでもあるのだ
つまり、一連の行動をノゾミ本人も深層意識で望んでいたわけで
ここまで考えれば、流石の僕でもノゾミが僕をどう想っていたかが分かってしまう
つまりノゾミは僕のことが━━━━
ノゾミ「ユウキ君!」
ユウキ「!?はい!」
ノゾミ「…………」
カルミナのギルドハウスに戻ってきた
気まずい
それもそうだ
あのシャドウが取った行動は、ノゾミがやりたかったことでもあるのだ
つまり、一連の行動をノゾミ本人も深層意識で望んでいたわけで
ここまで考えれば、流石の僕でもノゾミが僕をどう想っていたかが分かってしまう
つまりノゾミは僕のことが━━━━
ノゾミ「ユウキ君!」
ユウキ「!?はい!」
35: ◆3zicXuP.Gvsl 2019/01/10(木) 04:08:49.39 ID:i6jZM0hR0
突然の大声に、びくりとしながら僕も大声で応えてしまう
ノゾミ「私はまだトップアイドルになってません!」
ユウキ「はい!」
ノゾミ「だから、今キミにこの気持ちをハッキリとは言えません!」
ユウキ「はい!」
ノゾミ「それでも!それでも……私を支えてくれると、嬉しいな」
ユウキ「…………言うまでもないよ」
ノゾミ「……えへへ、ありがとう」
ノゾミ「私はまだトップアイドルになってません!」
ユウキ「はい!」
ノゾミ「だから、今キミにこの気持ちをハッキリとは言えません!」
ユウキ「はい!」
ノゾミ「それでも!それでも……私を支えてくれると、嬉しいな」
ユウキ「…………言うまでもないよ」
ノゾミ「……えへへ、ありがとう」
36: ◆3zicXuP.Gvsl 2019/01/10(木) 04:09:40.63 ID:i6jZM0hR0
困っている人を助けるのは、自分の性格であるから今までなんとも思わなかった
だが、ノゾミに対して僕がしたいと思うことは、性格なんてもので片付けれる代物じゃなかった
何があっても、ノゾミを大切に、一番にする
顔を赤くしながらはにかむノゾミを見て、僕は誓った
こうして僕らの不思議な体験は幕を閉じた......のだが
だが、ノゾミに対して僕がしたいと思うことは、性格なんてもので片付けれる代物じゃなかった
何があっても、ノゾミを大切に、一番にする
顔を赤くしながらはにかむノゾミを見て、僕は誓った
こうして僕らの不思議な体験は幕を閉じた......のだが
37: ◆3zicXuP.Gvsl 2019/01/10(木) 04:10:50.47 ID:i6jZM0hR0
ユウキ「ノゾミ、苦しくない?」
ノゾミ「平気、寧ろもっと強くてもいいよ?」
ユウキ「じゃあ遠慮なく」
ノゾミ「えへ、あったかぁい......」
ノゾミの背中に回した腕を優しく、しかし存在を確かめるようにしっかりと抱き締める
背中をさするとノゾミのよく手入れされた極め細やかな髪の感触も楽しめた
あの一件以降、ノゾミは定期的に僕と体をくっ付け合うことを要求してきた
なんでも、
ノゾミ「また私のああいう感情が具現化しないとも限らないから、定期的に発散しなきゃいけないと思うの」
とのことであり、あのシャドウと同じことをノゾミにしてあげることになった
アイドルとしてどうなんだろうと思うところもあるけれど、なんやかんや僕も、多分ノゾミもこういうことをしてないと本当に苦しくなってきてしまうのだ
だから、仕方ないのだ
ノゾミ「平気、寧ろもっと強くてもいいよ?」
ユウキ「じゃあ遠慮なく」
ノゾミ「えへ、あったかぁい......」
ノゾミの背中に回した腕を優しく、しかし存在を確かめるようにしっかりと抱き締める
背中をさするとノゾミのよく手入れされた極め細やかな髪の感触も楽しめた
あの一件以降、ノゾミは定期的に僕と体をくっ付け合うことを要求してきた
なんでも、
ノゾミ「また私のああいう感情が具現化しないとも限らないから、定期的に発散しなきゃいけないと思うの」
とのことであり、あのシャドウと同じことをノゾミにしてあげることになった
アイドルとしてどうなんだろうと思うところもあるけれど、なんやかんや僕も、多分ノゾミもこういうことをしてないと本当に苦しくなってきてしまうのだ
だから、仕方ないのだ
38: ◆3zicXuP.Gvsl 2019/01/10(木) 04:13:09.27 ID:i6jZM0hR0
ユウキ「今日は後どれくらい時間大丈夫?」
ノゾミ「キミとこうしたくて全部早く終わらせたから、もう今日はずっと大丈夫」
最初に抱きついたときの焦りなどはもう無くなった
それどころか二人きりになった途端にノゾミから抱きついてくる始末だ
ノゾミ「あ、いいこと思い付いた!ユウキ君、そこの椅子に座って?」
ユウキ「?いいけど」
スッと体を離すと、言われるがままにすぐ後ろの椅子に腰かけた
その直後、僕の太股の上に正面からノゾミが腰を下ろしてきた
ふわりと決して重くない、心地よい感触だ
ノゾミ「ちょっと座りにくいわね......でも、こうするとキミの顔がもっと近くで見える」
ノゾミ「キミとこうしたくて全部早く終わらせたから、もう今日はずっと大丈夫」
最初に抱きついたときの焦りなどはもう無くなった
それどころか二人きりになった途端にノゾミから抱きついてくる始末だ
ノゾミ「あ、いいこと思い付いた!ユウキ君、そこの椅子に座って?」
ユウキ「?いいけど」
スッと体を離すと、言われるがままにすぐ後ろの椅子に腰かけた
その直後、僕の太股の上に正面からノゾミが腰を下ろしてきた
ふわりと決して重くない、心地よい感触だ
ノゾミ「ちょっと座りにくいわね......でも、こうするとキミの顔がもっと近くで見える」
39: ◆3zicXuP.Gvsl 2019/01/10(木) 04:15:20.94 ID:i6jZM0hR0
いつもなら僕の胸に顔を埋める形なのだが、この体勢だとちょうどお互いの顔が同じ高さにあった
ノゾミはゆっくりと僕の肩に顎を乗せると自分のヒットソングを鼻唄で奏で始めた
一方僕はノゾミの匂いやら膝上から全部にかけて感じる柔らかさなどで気が気ではなかった
ひたすらにノゾミがずり落ちないようにとしっかりと抱き止めてあげることだけに神経を集中させ、少しでも気を紛らわせていた
悶々としながら数分たったとき、気がつくとノゾミが肩から顔を離し、代わりに両手を置いきながら僕をまっすぐと見つめていた
それからゆっくりと僕の顔に向けて近付いて来た
何をされるのかを本能的に察知し、さすがにそれは駄目だろうと理性が訴えかける
しかし、濡れぼそった上目遣い
冬だと言うのに汗まで滲み出て上気しているノゾミの表情
僕を魅了し動けなくするには十分だった
唇にシャドウの時と同じ柔らかさが押し当てられる
熱い
段々と息苦しくなるが、僕らは離れるどころか押し当てる力を強くし、一瞬でもこの時間を長く味わい合った
ノゾミはゆっくりと僕の肩に顎を乗せると自分のヒットソングを鼻唄で奏で始めた
一方僕はノゾミの匂いやら膝上から全部にかけて感じる柔らかさなどで気が気ではなかった
ひたすらにノゾミがずり落ちないようにとしっかりと抱き止めてあげることだけに神経を集中させ、少しでも気を紛らわせていた
悶々としながら数分たったとき、気がつくとノゾミが肩から顔を離し、代わりに両手を置いきながら僕をまっすぐと見つめていた
それからゆっくりと僕の顔に向けて近付いて来た
何をされるのかを本能的に察知し、さすがにそれは駄目だろうと理性が訴えかける
しかし、濡れぼそった上目遣い
冬だと言うのに汗まで滲み出て上気しているノゾミの表情
僕を魅了し動けなくするには十分だった
唇にシャドウの時と同じ柔らかさが押し当てられる
熱い
段々と息苦しくなるが、僕らは離れるどころか押し当てる力を強くし、一瞬でもこの時間を長く味わい合った
40: ◆3zicXuP.Gvsl 2019/01/10(木) 04:16:13.80 ID:i6jZM0hR0
酸素不足で倒れそうになりかけたとき、漸く解放される
ノゾミ「っ......はぁ......はぁ......」
足りなくなった酸素を補充するために、少し荒い息遣いになる
自然とノゾミの唇に目線を向けると、先程のキスで残った二人の唾液がキラキラと光っていた
ノゾミ「.....あのシャドウもキスしてきたんだから、私もしないと発散しきれないから......ね?」
ユウキ「......ソウダネ」
ノゾミ「だから、これも仕方ないことなんだから......♪」
お互いに言い訳を作り、またキスを交わす
ノゾミ「っ......はぁ......はぁ......」
足りなくなった酸素を補充するために、少し荒い息遣いになる
自然とノゾミの唇に目線を向けると、先程のキスで残った二人の唾液がキラキラと光っていた
ノゾミ「.....あのシャドウもキスしてきたんだから、私もしないと発散しきれないから......ね?」
ユウキ「......ソウダネ」
ノゾミ「だから、これも仕方ないことなんだから......♪」
お互いに言い訳を作り、またキスを交わす
41: ◆3zicXuP.Gvsl 2019/01/10(木) 04:19:31.80 ID:i6jZM0hR0
こんな調子でノゾミがトップアイドルになるまで気持ちを言葉にしないなんて出来るのだろうか
ましてや色々過ちのようなものを犯すであろうことも想像に難くない
そんな疑問がわかないわけでは決してなかったが、ノゾミが口内に舌を入れてきたことで思考は溶け落ちた
シャドウと交わしたものとは比べ物にならないくらい熱く深い口付け
愛おしさしか最早感じられない
まぁ、別に構わないだろう
何故なら、僕らは今、最高に幸せなのだから
終わり
ましてや色々過ちのようなものを犯すであろうことも想像に難くない
そんな疑問がわかないわけでは決してなかったが、ノゾミが口内に舌を入れてきたことで思考は溶け落ちた
シャドウと交わしたものとは比べ物にならないくらい熱く深い口付け
愛おしさしか最早感じられない
まぁ、別に構わないだろう
何故なら、僕らは今、最高に幸せなのだから
終わり
43: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2019/01/10(木) 22:58:39.56 ID:iizqHhGFO
乙
44: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2019/01/11(金) 14:11:14.49 ID:W8CWsYOc0
おつ
良かったよ
良かったよ